以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。なお、遊技機の一例としてパチンコ遊技機を示すが、本発明はパチンコ遊技機に限られず、コイン遊技機等のその他の遊技機であってもよく、各々を識別可能な複数種類の識別情報の変動表示を行ない表示結果を導出表示する複数の変動表示部から構成される変動表示手段を備え、該変動表示手段に予め定められた特定表示結果が導出表示されたときに、遊技者にとって有利な特定遊技状態に制御する遊技機であれば、どのような遊技機であってもよい。
まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機1の全体の構成について説明する。図1はパチンコ遊技機1を正面からみた正面図である。図2は、当り種別の制御の特徴を表形式で説明する図である。
パチンコ遊技機1は、縦長の方形状に形成された外枠(図示せず)と、外枠の内側に開閉可能に取付けられた遊技枠とで構成される。また、パチンコ遊技機1は、遊技枠に開閉可能に設けられている額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。遊技枠は、外枠に対して開閉自在に設置される前面枠(図示せず)と、機構部品等が取付けられる機構板(図示せず)と、それらに取付けられる種々の部品(後述する遊技盤6を除く)とを含む構造体である。
ガラス扉枠2の下部表面には打球供給皿(上皿)3がある。打球供給皿3の下部には、打球供給皿3に収容しきれない遊技媒体としての遊技球を貯留する余剰球受皿4や、打球(遊技球)を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)5が設けられている。また、ガラス扉枠2の背面には、遊技盤6が着脱可能に取付けられている。なお、遊技盤6は、それを構成する板状体と、その板状体に取付けられた種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤6の前面には、打込まれた遊技球が流下可能な遊技領域7が形成されている。遊技領域7には、遊技球を誘導するための多数の釘が植設されている。
遊技領域7の中央付近には、液晶表示装置(LCD)で構成された演出表示装置9が設けられている。演出表示装置9では、第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示に同期した演出図柄(飾り図柄)の変動表示(可変表示、更新表示、または、巡回表示ともいう)が行なわれる。演出図柄の変動表示は、スクロール表示およびその場切替え表示等の各種の変動態様で実行される。演出表示装置9は、各々を識別可能な複数種類の識別情報としての演出図柄(飾り図柄)の変動表示を行なう変動表示装置に相当する。演出表示装置9では、表示画面上で演出図柄を表示する演出図柄表示領域が設けられており、当該演出図柄表示領域に、たとえば「左」,「中」,「右」の3つ(複数)の演出図柄を変動表示する表示領域としての図柄表示エリアがある。このように、変動表示手段としての演出表示装置9は、複数種類の識別情報としての演出図柄の変動表示を行ない表示結果を導出表示する3つ(複数)の変動表示部としての図柄表示エリアを含んでいる。これら3つの演出図柄のそれぞれは、各々を識別可能な複数種類の識別情報としての演出図柄である。演出表示装置9は、演出制御基板に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータによって制御される。演出制御用マイクロコンピュータが、第1特別図柄表示器8aで第1特別図柄の変動表示が実行されているときに、その変動表示に伴って演出表示装置9で演出表示を実行させ、第2特別図柄表示器8bで第2特別図柄の変動表示が実行されているときに、その変動表示に伴って演出表示装置で演出表示を実行させるので、遊技の進行状況を把握しやすくすることができる。
遊技盤6における演出表示装置9の上部の左側には、各々を識別可能な複数種類の識別情報としての第1特別図柄を変動表示する第1特別図柄表示器(第1変動表示手段)8aが設けられている。この実施の形態では、第1特別図柄表示器8aは、0〜9の数字を変動表示可能な簡易で小型の表示器(たとえば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、第1特別図柄表示器8aは、0〜9の数字(または、記号)を変動表示するように構成されている。遊技盤6における演出表示装置9の上部の右側には、各々を識別可能な複数種類の識別情報としての第2特別図柄を変動表示する第2特別図柄表示器(第2変動表示手段)8bが設けられている。第2特別図柄表示器8bは、0〜9の数字を変動表示可能な簡易で小型の表示器(たとえば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、第2特別図柄表示器8bは、0〜9の数字(または、記号)を変動表示するように構成されている。
この実施の形態では、第1特別図柄の種類と第2特別図柄の種類とは同じ(たとえば、ともに0〜9の数字)であるが、種類が異なっていてもよい。また、第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bは、それぞれ、たとえば、00〜99の数字(または、2桁の記号)を変動表示するように構成されていてもよい。
以下、第1特別図柄と第2特別図柄とを特別図柄と総称することがあり、第1特別図柄表示器8aと第2特別図柄表示器8bとを特別図柄表示器と総称することがある。第1特別図柄は、第2特別図柄表示器8bで第2特別図柄の変動表示が実行されていないことを条件に変動表示が実行される。第2特別図柄は、第1特別図柄表示器8aで第1特別図柄の変動表示が実行されていないことを条件に変動表示が実行される。つまり、第1特別図柄と第2特別図柄とは、同時に変動表示されることなく、どちらか一方が変動表示される。
第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示は、変動表示の実行条件である第1始動条件または第2始動条件が成立(たとえば、遊技球が第1始動入賞口13または第2始動入賞口14に入賞したこと)した後、変動表示の開始条件(たとえば、保留記憶数が0でない場合であって、第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示が実行されていない状態であり、かつ、大当り遊技が実行されていない状態)が成立したことに基づいて開始され、変動表示時間(変動時間)が経過すると表示結果(停止図柄)を導出表示する。なお、入賞とは、入賞口等の予め入賞領域として定められている領域を遊技球が通過したこと(遊技球が入ったこと)である。また、表示結果を導出表示するとは、図柄(識別情報の例)を最終的に停止表示させることである。
以下の説明においては、遊技球が第1始動入賞口13に入賞したことを第1始動入賞と呼ぶ場合があり、遊技球が第2始動入賞口14に入賞したことを第2始動入賞と呼ぶ場合がある。始動条件は成立しているが開始条件が成立していない変動表示に関するデータは、開始条件が成立するまで特別図柄の変動表示を行なう権利である保留記憶データとして保留して記憶される。具体的に、保留記憶データは、後述する遊技制御用マイクロコンピュータ560のRAM55の所定領域に記憶される。第1始動入賞の保留記憶データは所定数(たとえば、4個)を上限として第1保留記憶データとして第1保留記憶バッファに記憶され、第2始動入賞の保留記憶データは所定数(たとえば、4個)を上限として第2保留記憶データとして第2保留記憶バッファに記憶される。
パチンコ遊技機1には、遊技者が打球操作ハンドル5を操作することに応じて駆動モータを駆動し、駆動モータの回転力を利用して遊技球を遊技領域7に発射する打球発射装置(図示せず)が設けられている。打球発射装置から発射された遊技球は、遊技領域7を囲むように円形状に形成された打球レールを通って遊技領域7に入り、その後、遊技領域7を下りてくる。遊技球が第1始動入賞口13に入り第1始動口スイッチ13aで検出されると、第1特別図柄の変動表示を開始できる状態であれば(たとえば、特別図柄の変動表示が終了し、第1の開始条件が成立したこと)、第1特別図柄表示器8aにおいて第1特別図柄の変動表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置9において演出図柄(飾り図柄)の変動表示が開始される。すなわち、第1特別図柄および演出図柄の変動表示は、第1始動入賞口13への入賞に対応する。第1特別図柄の変動表示を開始できる状態でなければ、第1保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第1保留記憶数を1増やす。
遊技球が第2始動入賞口14に入り第2始動口スイッチ14aで検出されると、第2特別図柄の変動表示を開始できる状態であれば(たとえば、特別図柄の変動表示が終了し、第2の開始条件が成立したこと)、第2特別図柄表示器8bにおいて第2特別図柄の変動表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置9において演出図柄(飾り図柄)の変動表示が開始される。すなわち、第2特別図柄および演出図柄の変動表示は、第2始動入賞口14への入賞に対応する。第2特別図柄の変動表示を開始できる状態でなければ、第2保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第2保留記憶数を1増やす。
演出表示装置9は、第1特別図柄表示器8aでの第1特別図柄の変動表示時間中、および第2特別図柄表示器8bでの第2特別図柄の変動表示時間中に、装飾用(演出用)の図柄としての演出図柄(飾り図柄)の変動表示を行なう。第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の変動表示と、演出表示装置9における演出図柄の変動表示とは同期している。また、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の変動表示と、演出表示装置9における演出図柄の変動表示とは同期している。同期とは、変動表示の開始時点および終了時点がほぼ同じ(全く同じでもよい。)であって、変動表示の期間がほぼ同じ(全く同じでもよい。)であることをいう。また、第1特別図柄表示器8aにおいて大当り図柄が停止表示されるときと、第2特別図柄表示器8bにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、演出表示装置9において大当りを想起させるような演出図柄の組合せが停止表示される。前述した第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、および、演出表示装置9は、識別情報の変動表示を行ない表示結果を導出表示する変動表示装置であり、変動表示部として用いられる。
演出表示装置9では、変動表示を開始するときに、たとえば、左,中,右の演出図柄のすべてが変動表示を開始する。そして、変動表示している左,中,右の演出図柄が基本的に所定の順番(たとえば、左演出図柄、右演出図柄、中演出図柄の順番のような予め定められた順番)で停止し、変動表示の開始から予め定められた変動時間が経過したときに、左,中,右の全演出図柄が停止して表示結果が確定する。なお、左,中,右の演出図柄が停止する順番は、左,右,中の図柄の順番以外の順番であってもよい。また、左,中,右の演出図柄は、同時に停止してもよい。
演出表示装置9の下方には、第1始動入賞口13を有する入賞装置が設けられている。第1始動入賞口13に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第1始動口スイッチ13aによって検出される。
また、第1始動入賞口(第1始動口)13を有する入賞装置の下方には、遊技球が入賞可能な第2始動入賞口14(第2始動口)を有する可変入賞球装置(電動チューリップ)15が設けられている。第2始動入賞口14に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第2始動口スイッチ14aによって検出される。可変入賞球装置15は、ソレノイド16によって開状態とされる。可変入賞球装置15が開状態になることによって、遊技球が第2始動入賞口14に入賞可能になり(始動入賞し易くなり)、遊技者にとって有利な状態になる。可変入賞球装置15が開状態になっている状態では、第1始動入賞口13よりも、第2始動入賞口14に遊技球が入賞しやすい。また、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態では、遊技球は第2始動入賞口14に入賞しない。なお、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態において、入賞はしづらいものの、入賞することは可能である(すなわち、遊技球が入賞しにくい)ように構成されていてもよい。このように、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態は、遊技球が第2始動入賞口14に入賞しにくいまたは入賞しない状態であればよい。
以下、第1始動入賞口13と第2始動入賞口14とを総称して始動入賞口または始動口ということがある。
可変入賞球装置15が開放状態に制御されているときには可変入賞球装置15に向かう遊技球は第2始動入賞口14に極めて入賞しやすい。そして、第1始動入賞口13は演出表示装置9の直下に設けられているが、演出表示装置9の下端と第1始動入賞口13との間の間隔をさらに狭めたり、第1始動入賞口13の周辺で釘を密に配置したり、第1始動入賞口13の周辺での釘配列を遊技球を第1始動入賞口13に導きづらくして、第2始動入賞口14の入賞率の方を第1始動入賞口13の入賞率よりもより高くするようにしてもよい。
第1特別図柄表示器8aの下部には、第1始動入賞口13に入った有効入賞球数すなわち第1保留記憶数(保留記憶を、始動記憶または始動入賞記憶ともいう。)を表示する4つの表示器(たとえば、LED)からなる第1特別図柄保留記憶表示器18aが設けられている。第1特別図柄保留記憶表示器18aは、有効始動入賞があるごとに、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第1特別図柄表示器8aでの変動表示が開始されるごとに、点灯する表示器の数を1減らす。
第2特別図柄表示器8bの下部には、第2始動入賞口14に入った有効入賞球数すなわち第2保留記憶数を表示する4つの表示器(たとえば、LED)からなる第2特別図柄保留記憶表示器18bが設けられている。第2特別図柄保留記憶表示器18bは、有効始動入賞があるごとに、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第2特別図柄表示器8bでの変動表示が開始されるごとに、点灯する表示器の数を1減らす。
また、演出表示装置9の表示画面には、第1保留記憶数を表示する第1保留記憶表示部18cと、第2保留記憶数を表示する第2保留記憶表示部18dとが設けられている(それぞれの表示領域が設けられている)。なお、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計である合計数(合算保留記憶数)を表示する領域(合算保留記憶表示部)が設けられるようにしてもよい。そのように、合計数を表示する合算保留記憶表示部が設けられているようにすれば、変動表示の開始条件が成立していない実行条件の成立数の合計を把握しやすくすることができる。
なお、この実施の形態では、図1に示すように、第2始動入賞口14に対してのみ開閉動作を行なう可変入賞球装置15が設けられているが、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14のいずれについても開閉動作を行なう可変入賞球装置が設けられている構成であってもよい。
演出表示装置9における演出図柄の変動表示中には、リーチ状態が生じる場合がある。ここで、リーチ状態は、演出表示装置9の表示領域において停止表示された演出図柄が大当り図柄の組合せの一部を構成しているときに未だ停止表示されていない演出図柄の変動が継続している表示状態、または、全部もしくは一部の演出図柄が大当り図柄の組合せの全部または一部を構成しながら同期して変動している表示状態である。言い換えると、リーチとは、複数の変動表示領域において識別情報が特定表示結果を構成しているが少なくとも一部の変動領域が変動表示中である状態をいう。この実施形態において、リーチ状態は、たとえば、左,右の図柄表示エリアで同じ図柄が停止し、中の図柄表示エリアで図柄が停止していない状態で形成される。リーチ状態が形成されるときの左,右の図柄表示エリアで停止された図柄は、リーチ形成図柄、または、リーチ図柄と呼ばれる。
そして、リーチ状態における表示演出が、リーチ演出表示(リーチ演出)である。また、リーチの際に、通常と異なる演出がランプや音で行なわれることがある。この演出をリーチ演出という。また、リーチの際に、キャラクタ(人物等を模した演出表示であり、図柄(演出図柄等)とは異なるもの)を表示させたり、演出表示装置9の背景画像の表示態様(たとえば、色等)を変化させたりすることがある。このキャラクタの表示や背景の表示態様の変化をリーチ演出表示という。また、リーチの中には、それが出現すると、通常のリーチ(ノーマルリーチ)に比べて、大当りが発生しやすいように設定され、大当りとなる信頼度が高いものがある。このような特別(特定)のリーチをスーパーリーチという。
また、図1に示すように、可変入賞球装置15の下方には、特別可変入賞球装置20が設けられている。特別可変入賞球装置20は、開閉板を備え、遊技球が入賞可能な開状態(第1の状態)と、遊技球が入賞しない閉状態(第2の状態)とに変化可能である可変入賞装置である。なお、特別可変入賞球装置20は、閉状態において、入賞はしづらいものの、入賞することは可能である(すなわち、遊技球が入賞しにくい)ように構成されていてもよい。このように、特別可変入賞球装置20が閉状態になっている状態は、遊技球が特別可変入賞球装置20に入賞しにくいまたは入賞しない状態であればよい。
特別可変入賞球装置20は、第1特別図柄表示器8aに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたとき、および第2特別図柄表示器8bに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときに生起する特定遊技状態(大当り遊技状態)においてソレノイド21によって開閉板が開放状態に制御されることによって、入賞領域となる大入賞口が開放状態になる。大入賞口に入賞した遊技球はカウントスイッチ23で検出される。
大当り遊技状態においては、特別可変入賞球装置20が開放状態と閉鎖状態とを繰返す繰返し継続制御が行なわれる。繰返し継続制御において、特別可変入賞球装置20が開放されている状態が、ラウンドと呼ばれる。本実施の形態では、大当りの種別が複数設けられており、大当りとすることが決定されたときには、いずれかの大当り種別が選択される。なお、本実施の形態では、1ラウンドで1回だけ特別可変入賞球装置20を開放状態とする制御例を示したが、これに限らず、1ラウンドで2回等の複数回、特別可変入賞球装置20を開放状態とする制御を行なうようにしてもよい。
演出表示装置9の下部には、普通図柄表示器10が設けられている。普通図柄表示器10は、普通図柄と呼ばれる複数種類の識別情報(たとえば、「○」および「×」)を変動表示する。
遊技球がゲート32を通過しゲートスイッチ32aで検出されると、普通図柄表示器10の表示の変動表示が開始される。この実施の形態では、左右のランプ(点灯時に図柄が視認可能になる)が交互に点灯することによって変動表示が行なわれ、たとえば、変動表示の終了時に左側のランプが点灯すれば当りとなる。そして、普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄「○」)である場合に、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間だけ開状態になる。すなわち、可変入賞球装置15の状態は、普通図柄の停止図柄が当り図柄である場合に、遊技者にとって不利な状態から有利な状態(第2始動入賞口14に遊技球が入賞可能な状態)に変化する。
普通図柄表示器10の近傍には、ゲート32を通過した入賞球数を表示する4つの表示器(たとえば、LED)を有する普通図柄保留記憶表示器41が設けられている。ゲート32への遊技球の通過があるごとに、すなわちゲートスイッチ32aによって遊技球が検出されるごとに、普通図柄保留記憶表示器41は点灯する表示器を1増やす。そして、普通図柄表示器10の変動表示が開始されるごとに、点灯する表示器を1減らす。普図保留記憶数の上限値は4つであり、普通図柄保留記憶表示器41においては、この4つを上限値として表示器を点灯する。
遊技盤6の遊技領域7の左右周辺には、遊技中に点滅表示される装飾LED25が設けられ、下部には、入賞しなかった打球が取込まれるアウト口26がある。また、遊技領域7の外側の左右上部には、所定の音声出力として効果音や音声を発声する2つのスピーカ27R,27Lが設けられている。遊技領域7の外周上部、外周左部および外周右部には、前面枠に設けられた天枠LED28a、左枠LED28bおよび右枠LED28cが設けられている。
また、左枠LED28bの近傍には賞球残数があるときに点灯する賞球LED51が設けられ、右枠LED28cの近傍には補給球が切れたときに点灯する球切れLED52が設けられている。天枠LED28a、左枠LED28bおよび右枠LED28cおよび装飾LED25は、パチンコ遊技機1に設けられている演出用の発光体の一例である。なお、上述した演出用(装飾用)の各種LEDの他にも演出のためのLEDやランプが設置されている。
また、プリペイドカードが挿入されることによって球貸しを可能にするプリペイドカードユニット(以下、単に「カードユニット」ともいう。)が、パチンコ遊技機1に隣接して設置される(図示せず)。
図2の当り種別表においては、当りの種別ごとに、大当り遊技状態の終了後の大当り確率、大当り遊技状態の終了後のベース、大当り遊技状態の終了後の変動時間、大当りにおける開放回数(ラウンド数)、および、各ラウンドの開放時間が示されている。図2に示すように、ラウンド数が異なる大当り遊技状態としては、15ラウンドの大当り遊技状態と2ラウンドの大当り遊技状態との複数種類の大当り遊技状態が設けられている。
具体的に、15ラウンドの大当り遊技状態においては、特別可変入賞球装置20が、開放状態とされた後、所定の開放状態の終了条件(開放状態において所定期間(たとえば29秒間)が経過したこと、または、所定個数(たとえば10個)の入賞球が発生したという開放終了条件)が成立したことに応じて閉鎖状態とされる。そして、開放終了条件が成立すると、継続権が発生し、特別可変入賞球装置20の開放が再度行なわれる。継続権の発生は、大当り遊技状態における開放回数が予め定められた上限値となる15ラウンド(最終ラウンド)に達するまで繰返される。
また、2ラウンドの大当り遊技状態においては、特別可変入賞球装置20が、開放状態とされた後、所定の開放状態の終了条件(開放状態において所定期間(たとえば0.5秒間)が経過したこと、または、所定個数(たとえば10個)の入賞球が発生したという開放終了条件)が成立したことに応じて閉鎖状態とされる。そして、開放終了条件が成立すると、継続権が発生し、特別可変入賞球装置20の開放が再度行なわれる。継続権の発生は、大当り遊技状態における開放回数が予め定められた上限値となる2ラウンド(最終ラウンド)に達するまで繰返される。
このように、2ラウンドの大当りは、大入賞口の開放回数が15ラウンドよりも少ない回数(この実施の形態では2回)まで許容されるが、大入賞口の開放時間が短い(たとえば、0.5秒間)大当り種類(種別)である。また、本実施の形態の場合は、2ラウンドの大当りとして、大入賞口の開放時間が極めて短く(0.5秒間)、実質的に賞球(入賞に対して払出される景品球)が得られない当りが設けられている。
なお、2ラウンドの大当りとしては、実質的に賞球が得られない当りのみを設けてもよく、賞球を得ることができる当りのみを設けてもよく、実質的に賞球が得られない当りと賞球を得ることができる当りとの両方を設けてもよい。
「大当り」のうち、15ラウンドまたは2ラウンドの大当り遊技状態に制御された後、特別遊技状態として、通常状態(確変状態でない通常の遊技状態)に比べて大当りとすることに決定される確率が高い状態である確変状態(確率変動状態の略語であり、高確率状態ともいう)に移行する大当りの種類(種別)は、「確変大当り」と呼ばれる。また、本実施の形態では、特別遊技状態としては、確変状態に付随して、特別図柄や演出図柄の変動時間(変動表示期間)が非時短状態よりも短縮される時短状態に制御される場合がある。なお、特別遊技状態としては、確変状態とは独立して時短状態に制御される場合があるようにしてもよい。
このように、時短状態に移行することによって、特別図柄や演出図柄の変動時間が短縮されるので、時短状態となったときには、有効な始動入賞が発生しやすくなり大当り遊技が行なわれる可能性が高まる。
なお、「大当り」のうち、15ラウンドまたは2ラウンドの大当り遊技状態に制御された後、確変状態に移行しない大当りの種類(種別)は、「通常大当り」と呼ばれる。本実施の形態では、15ラウンドの大当りについて通常大当りが設けられている例を示す。また、15ラウンドの大当り、および、2ラウンドの大当りのいずれか一方、または、両方について「通常大当り」を設けてもよい。また、15ラウンドの大当り、および、2ラウンドの大当りの両方について通常大当りが設けられていなくてもよい。
また、特別遊技状態としては、確変状態に付随して、可変入賞球装置15が開状態になる頻度を高くして可変入賞球装置15への入賞を容易化(高頻度化)する電チューサポート制御状態に制御される場合がある。なお、特別遊技状態としては、確変状態とは独立して電チューサポート制御状態に制御される場合があるようにしてもよい。
ここで、電チューサポート制御について説明する。電チューサポート制御としては、普通図柄の変動時間(変動表示開始時から表示結果の導出表示時までの時間)を短縮して早期に表示結果を導出表示させる制御(普通図柄短縮制御)、普通図柄の停止図柄が当り図柄になる確率を高める制御(普通図柄確変制御)、可変入賞球装置15の開放時間を長くする制御(開放時間延長制御)、および、可変入賞球装置15の開放回数を増加させる制御(開放回数増加制御)が行なわれる。このような制御が行なわれると、当該制御が行なわれていないときと比べて、可変入賞球装置15が開状態となっている時間比率が高くなるので、第2始動入賞口14への入賞頻度が高まり、遊技球が始動入賞しやすくなる(特別図柄表示器8a,8bや演出表示装置9における変動表示の実行条件が成立しやすくなる)。また、このような制御によって第2始動入賞口14への入賞頻度が高まることにより、第2始動条件の成立頻度および/または第2特別図柄の変動表示の実行頻度が高まる遊技状態となる。
このような電チューサポート制御により第2始動入賞口14への入賞頻度が高められた状態(高頻度状態)は、発射球数に対して入賞に応じて賞球として払出される遊技球数の割合である「ベース」が、当該制御が行なわれないときと比べて、高い状態であるので、「高ベース状態」と呼ばれる。また、このような制御が行なわれないときは、「低ベース状態」と呼ばれる。また、このような制御は、可変入賞球装置15、すなわち、電動チューリップにより入賞をサポートすることにより可変入賞球装置15への入賞を容易化する制御であり、「電チューサポート制御」と呼ばれる。
さらに、電チューサポート制御としては、普通図柄短縮制御状態、普通図柄確変制御状態、開放時間延長制御状態、および、開放回数増加制御状態のうちのいずれか複数を組合せた状態に移行させることによって、高ベース状態に移行するようにしてもよい。また、電チューサポート制御としては、普通図柄短縮制御状態、普通図柄確変制御状態、開放時間延長制御状態、および、開放回数増加制御状態のうちのいずれか1つの状態に移行させることによって、高ベース状態に移行するようにしてもよい。このように、電チューサポート制御としては、普通図柄短縮制御状態、普通図柄確変制御状態、開放時間延長制御状態、および、開放回数増加制御状態のうち、いずれか1つの状態、いずれか複数(すべての組合せを除く)を組合せた状態、または、すべてを組合せた状態に制御するものであれば、どのような制御を行なうようにしてもよい。
本実施の形態では、特別遊技状態として、確変状態に付随して、時短状態および電チューサポート制御状態に制御される場合がある。なお、特別遊技状態として、確変状態とは独立して時短状態および電チューサポート制御状態に制御される場合があるようにしてもよい。その他、特別遊技状態における時短状態と電チューサポート制御状態との関係としては、時短状態に付随して電チューサポート制御状態に制御されるようにしてもよく、時短状態に独立して電チューサポート制御状態に制御されるようにしてもよい。
この実施の形態の場合は、大当り遊技状態の終了後において、特別遊技状態として、確変状態に制御されたときに電チューサポート制御状態に制御される場合と、確変状態に制御されたときに電チューサポート制御状態に制御されない場合とがある。なお、大当りの遊技状態の終了後において、確変状態に制御されず通常状態となるときは、変動表示回数により期間が制限された電チューサポート制御状態に制御されるようにしてもよい。
この実施の形態においては、大当り確率の状態を示す用語として、「高確率状態(確変状態)」と、「低確率状態(非確変状態)」とを用い、ベースの状態の組合せを示す用語として、「高ベース状態(電チューサポート制御状態)」と、「低ベース状態(非電チューサポート制御状態)」とを用いる。
また、この実施の形態においては、大当り確率の状態およびベースの状態の組合せを示す用語として、「低確低ベース状態」、「高確低ベース状態」、および、「高確高ベース状態」を用いる。「低確低ベース状態」とは、大当り確率の状態が低確率状態で、かつ、ベースの状態が低ベース状態であることを示す状態である。「高確低ベース状態」とは、大当り確率の状態が高確率状態で、かつ、ベースの状態が低ベース状態であることを示す状態である。「高確高ベース状態」とは、大当り確率の状態が高確率状態で、かつ、ベースの状態が高ベース状態であることを示す状態である。なお、前述の通常大当りのように、大当り遊技状態終了後に大当り確率の状態が低確率状態となるものについて、たとえば電チューサポート制御を行なう場合には、大当り確率の状態が低確率状態で、かつ、ベースの状態が高ベース状態であることを示す状態である「低確高ベース状態」となる。
図2に示すように、15ラウンドの大当りとしては、通常大当りと、確変大当りとの複数種類の大当りが設けられている。また、2ラウンドの大当りとしては、確変大当りが設けられている。
15ラウンド通常大当りは、15ラウンドの大当り遊技状態の終了後に、非確変状態、時短状態、および、電チューサポート制御状態(低確高ベース状態)に制御される大当りである。15ラウンド確変大当りは、15ラウンドの大当り遊技状態の終了後に、確変状態、時短状態、および、電チューサポート制御状態(高確高ベース状態)に移行する制御が行なわれる大当りである。15ラウンド確変大当りにおいては、確変状態、時短状態、および、電チューサポート制御状態が、次回の大当りが発生するまでという条件が成立するまでの期間、継続する。
また、15ラウンド通常大当りにおいては、時短状態が、変動表示が100回という所定回数実行されるまでという条件と、次回の大当りが発生するまでという条件とのいずれか早い方の条件が成立するまでの期間、継続する。このように時短状態が継続する変動表示の回数は、時短回数とも呼ばれる。
2ラウンド確変大当りは、2ラウンドの大当り遊技状態の終了後に、確変状態、時短状態、および、電チューサポート制御状態(高確高ベース状態)に移行する制御が行なわれる大当りである。2ラウンド確変大当りにおいては、確変状態、時短状態、および、電チューサポート制御状態が、次回の大当りが発生するまでという条件が成立するまでの期間、継続する。
2ラウンド確変大当りは、ラウンド数が少なく(2回)、大入賞口の開放時間が極めて短い態様(0.5秒間開放)で大入賞口が開放されることにより、大当り遊技状態の終了後に確変状態となったことを報知する場合には、遊技者に対して突然に確変状態となったかのように見せることが可能なものであり、「突然確変大当り」と呼ばれる。「突然確変大当り」は、「突確大当り」または「突確」という略称で呼ばれる場合もある。このような2ラウンド確変大当りは、大当り遊技状態において、0.5秒間の開放が2回しか行なわれないため、実質的に賞球が得られない当りである。
なお、15ラウンド通常大当りとしては、非確変状態、非時短状態、および、非電チューサポート制御状態(低確低ベース状態)とする制御が行なわれる大当りであってもよい。また、15ラウンド確変大当りとしては、確変状態、非時短状態、および、非電チューサポート制御状態(高確低ベース状態)とする制御が行なわれる大当りであってもよい。また、2ラウンド確変大当りとしては、確変状態、非時短状態、および、非電チューサポート制御状態(高確低ベース状態)とする制御が行なわれる大当りであってもよい。
また、2ラウンド確変大当りのような実質的に賞球が得られない当りとしては、15ラウンドの大当りであるが、1ラウンドあたりの開放時間がたとえば0.1秒間のように極めて短いことにより、実質的に賞球が得られないものであってもよい。また、実質的に賞球が得られない当りとしては、ラウンド数が少ないこと、または、1ラウンドあたりの開放時間が短いことのうち少なくとも一方が実行されることにより実質的に賞球が得られないものであればよい。具体的に、実質的に賞球が得られない大当りについては、開放回数が2回で開放時間が0.5秒、または、開放回数が15回で開放時間が0.1秒のように設定すればよい。また、実質的に賞球が得られない大当りの代わりに、たとえば、開放回数が2回で開放時間が29秒という大当りのように、15ラウンドの大当りよりも大当り遊技状態における開放時間の合計値が短いことにより、15ラウンドの大当りよりも得られる賞球が少ない大当りを設けてもよい。
また、大当りとしては、ラウンド数が同じであるが、1回の開放時間が長い開放パターンの大当りと、1回の開放時間が短い開放パターンの大当りとを設ける等、ラウンド数が同じであるが開放パターンが異なるものを複数設け、第1特別図柄の変動表示で大当りとなったときと、第2特別図柄の変動表示で大当りとなったときとで異なる選択割合で選択して実行されるようにしてもよい。
図3は、主基板(遊技制御基板)31における回路構成の一例を示すブロック図である。なお、図3には、払出制御基板37および演出制御基板80等も示されている。主基板31には、プログラムにしたがってパチンコ遊技機1を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ(遊技制御手段に相当)560が搭載されている。
遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ゲーム制御(遊技進行制御)用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段としてのRAM55、プログラムにしたがって制御動作を行なうCPU56およびI/Oポート部57を含む。この実施の形態では、ROM54およびRAM55は遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されている。すなわち、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、1チップマイクロコンピュータである。1チップマイクロコンピュータには、少なくともCPU56のほかRAM55が内蔵されていればよく、ROM54は外付けであっても内蔵されていてもよい。また、I/Oポート部57は、外付けであってもよい。遊技制御用マイクロコンピュータ560には、さらに、ハードウェア乱数(ハードウェア回路が発生する乱数)を発生する乱数回路503が内蔵されている。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560においてCPU56がROM54に格納されているプログラムにしたがって制御を実行するので、以下、遊技制御用マイクロコンピュータ560(またはCPU56)が実行する(または、処理を行なう)ということは、具体的には、CPU56がプログラムにしたがって制御を実行することである。このことは、主基板31以外の他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。
乱数回路503は、特別図柄の変動表示の表示結果により大当りとするか否か判定するための判定用の乱数を発生するために用いられるハードウェア回路である。乱数回路503は、初期値(たとえば、0)と上限値(たとえば、65535)とが設定された数値範囲内で、数値データを、設定された更新規則にしたがって更新し、ランダムなタイミングで発生する始動入賞時が数値データの読出(抽出)時であることに基づいて、読出される数値データが乱数値となる乱数発生機能を有する。
乱数回路503は、数値データの更新範囲の選択設定機能(初期値の選択設定機能、および、上限値の選択設定機能)、数値データの更新規則の選択設定機能、および数値データの更新規則の選択切替え機能等の各種の機能を有する。このような機能によって、生成する乱数のランダム性を向上させることができる。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、乱数回路503が更新する数値データの初期値を設定する機能を有している。たとえば、ROM54等の所定の記憶領域に記憶された遊技制御用マイクロコンピュータ560のIDナンバ(遊技制御用マイクロコンピュータ560の各製品ごとに異なる数値で付与されたIDナンバ)を用いて所定の演算を行なって得られた数値データを、乱数回路503が更新する数値データの初期値として設定する。そのような処理を行なうことによって、乱数回路503が発生する乱数のランダム性をより向上させることができる。
遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第1始動口スイッチ13aまたは第2始動口スイッチ14aへの始動入賞が生じたときに乱数回路503から数値データをランダムRとして読出し、特別図柄および演出図柄の変動開始時にランダムRに基づいて特定の表示結果としての大当り表示結果にするか否か、すなわち、大当りとするか否かを決定する。そして、大当りとすると決定したときに、遊技状態を遊技者にとって有利な特定遊技状態としての大当り遊技状態に移行させる。
また、RAM55は、その一部または全部が電源基板において作成されるバックアップ電源によってバックアップされている不揮発性記憶手段としてのバックアップRAMである。すなわち、遊技機に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM55の一部または全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態すなわち遊技制御手段の制御状態に応じたデータ(特別図柄プロセスフラグや各保留記憶数カウンタの値等)と未払出賞球数を示すデータは、バックアップRAMに保存される。遊技制御手段の制御状態に応じたデータとは、停電等が生じた後に復旧した場合に、そのデータに基づいて、制御状態を停電等の発生前に復旧させるために必要なデータである。また、制御状態に応じたデータと未払出賞球数を示すデータとを遊技の進行状態を示すデータと定義する。なお、この実施の形態では、RAM55の全部が、電源バックアップされているとする。
遊技制御用マイクロコンピュータ560のリセット端子には、電源基板からのリセット信号(図示せず)が入力される。電源基板には、遊技制御用マイクロコンピュータ560等に供給されるリセット信号を生成するリセット回路が搭載されている。なお、リセット信号がハイレベルになると遊技制御用マイクロコンピュータ560等は動作可能状態になり、リセット信号がローレベルになると遊技制御用マイクロコンピュータ560等は動作停止状態になる。したがって、リセット信号がハイレベルである期間は、遊技制御用マイクロコンピュータ560等の動作を許容する許容信号が出力されていることになり、リセット信号がローレベルである期間は、遊技制御用マイクロコンピュータ560等の動作を停止させる動作停止信号が出力されていることになる。なお、リセット回路をそれぞれの電気部品制御基板(電気部品を制御するためのマイクロコンピュータが搭載されている基板)に搭載してもよい。
さらに、遊技制御用マイクロコンピュータ560の入力ポートには、電源基板からの電源電圧が所定値以下に低下したことを示す電源断信号が入力される。すなわち、電源基板には、遊技機において使用される所定電圧(たとえば、DC30VやDC5V等)の電圧値を監視して、電圧値が予め定められた所定値にまで低下すると(電源電圧の低下を検出すると)、その旨を示す電源断信号を出力する電源監視回路が搭載されている。また、遊技制御用マイクロコンピュータ560の入力ポートには、RAMの内容をクリアすることを指示するためのクリアスイッチが操作されたことを示すクリア信号(図示せず)が入力される。
また、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23からの検出信号を遊技制御用マイクロコンピュータ560に与える入力ドライバ回路58も主基板31に搭載されている。また、可変入賞球装置15を開閉するソレノイド16、および大入賞口を形成する特別可変入賞球装置20を開閉するソレノイド21を遊技制御用マイクロコンピュータ560からの指令にしたがって駆動する出力回路59も主基板31に搭載されている。さらに、大当り遊技状態の発生を示す大当り情報等の情報出力信号をホールコンピュータ等の外部装置に対して出力する情報出力回路(図示せず)も主基板31に搭載されている。
この実施の形態では、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段(演出制御用マイクロコンピュータで構成される。)が、中継基板77を介して遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出内容を指示する演出制御コマンドを受信し、演出図柄を変動表示する演出表示装置9との表示制御を行なう。
図4は、中継基板77、演出制御基板80、ランプドライバ基板35および音声出力基板70の回路構成例を示すブロック図である。なお、図4に示す例では、ランプドライバ基板35および音声出力基板70には、マイクロコンピュータは搭載されていないが、マイクロコンピュータを搭載してもよい。また、ランプドライバ基板35および音声出力基板70を設けずに、演出制御に関して演出制御基板80のみを設けてもよい。
演出制御基板80は、演出制御用CPU101およびRAMを含む演出制御用マイクロコンピュータ100を搭載している。なお、RAMは外付けであってもよい。演出制御基板80において、演出制御用CPU101は、内蔵または外付けのROM(図示せず)に格納されたプログラムにしたがって動作し、中継基板77を介して入力される主基板31からの取込信号(演出制御INT信号)に応じて、入力ドライバ102および入力ポート103を介して演出制御コマンドを受信する。また、演出制御用CPU101は、演出制御コマンドに基づいて、VDP(ビデオディスプレイプロセッサ)109に演出表示装置9の表示制御を行なわせる。
この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100と共動して演出表示装置9の表示制御を行なうVDP109が演出制御基板80に搭載されている。VDP109は、演出制御用マイクロコンピュータ100とは独立したアドレス空間を有し、そこにVRAMをマッピングする。VRAMは、VDPによって生成された画像データを展開するためのバッファメモリである。そして、VDP109は、VRAM内の画像データを演出表示装置9に出力する。
演出制御用CPU101は、受信した演出制御コマンドにしたがってキャラクタROM(図示せず)から必要なデータを読出す。キャラクタROMは、演出表示装置9に表示されるキャラクタ画像データ、具体的には、人物、文字、図形または記号等(演出図柄を含む)を予め格納しておくためのものである。演出制御用CPU101は、キャラクタROMから読出したデータをVDP109に出力する。VDP109は、演出制御用CPU101から入力されたデータに基づいて表示制御を実行する。
演出制御コマンドおよび演出制御INT信号は、演出制御基板80において、まず、入力ドライバ102に入力する。入力ドライバ102は、中継基板77から入力された信号を演出制御基板80の内部に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80の内部から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路でもある。
中継基板77には、主基板31から入力された信号を演出制御基板80に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路74が搭載されている。単方向性回路として、たとえばダイオードやトランジスタが使用される。図4には、ダイオードが例示されている。また、単方向性回路は、各信号ごとに設けられる。さらに、単方向性回路である出力ポート571を介して主基板31から演出制御コマンドおよび演出制御INT信号が出力されるので、中継基板77から主基板31の内部に向かう信号が規制される。すなわち、中継基板77からの信号は主基板31の内部(遊技制御用マイクロコンピュータ560側)に入り込まない。なお、出力ポート571は、図3に示されたI/Oポート部57の一部である。また、出力ポート571の外側(中継基板77側)に、さらに、単方向性回路である信号ドライバ回路が設けられていてもよい。
さらに、演出制御用CPU101は、出力ポート105を介してランプドライバ基板35に対してLEDを駆動する信号を出力する。また、演出制御用CPU101は、出力ポート104を介して音声出力基板70に対して音番号データを出力する。
ランプドライバ基板35において、LEDを駆動する信号は、入力ドライバ351を介してLEDドライバ352に入力される。LEDドライバ352は、駆動信号を天枠LED28a、左枠LED28b、右枠LED28c等の枠側に設けられている各LEDに供給する。また、遊技盤側に設けられている装飾LED25に駆動信号を供給する。なお、LED以外の発光体が設けられている場合には、それを駆動する駆動回路(ドライバ)がランプドライバ基板35に搭載される。
音声出力基板70において、音番号データは、入力ドライバ702を介して音声合成用IC703に入力される。音声合成用IC703は、音番号データに応じた音声や効果音を発生し増幅回路705に出力する。増幅回路705は、音声合成用IC703の出力レベルを、ボリューム706で設定されている音量に応じたレベルに増幅した音声信号をスピーカ27R,27Lに出力する。音声データROM704には、音番号データに応じた制御データが格納されている。音番号データに応じた制御データは、所定期間(たとえば演出図柄の変動期間)における効果音または音声の出力態様を時系列的に示すデータの集まりである。
次に、パチンコ遊技機1の動作について説明する。図5は、主基板31における遊技制御用マイクロコンピュータ560が実行するメイン処理を示すフローチャートである。遊技機に対して電源が投入され電力供給が開始されると、リセット信号が入力されるリセット端子の入力レベルがハイレベルになり、遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)は、プログラムの内容が正当か否か確認するための処理であるセキュリティチェック処理を実行した後、ステップS(以下、単にSという)1以降のメイン処理を開始する。メイン処理において、CPU56は、まず、必要な初期設定を行なう。
初期設定処理において、CPU56は、まず、割込禁止に設定する(S1)。次に、割込モードを割込モード2に設定し(S2)、スタックポインタにスタックポインタ指定アドレスを設定する(S3)。そして、内蔵デバイスの初期化(内蔵デバイス(内蔵周辺回路)であるCTC(カウンタ/タイマ)およびPIO(パラレル入出力ポート)の初期化等)を行なった後(S4)、RAMをアクセス可能状態に設定する(S5)。なお、割込モード2は、CPU56が内蔵する特定レジスタ(Iレジスタ)の値(1バイト)と内蔵デバイスが出力する割込ベクタ(1バイト:最下位ビット0)とから合成されるアドレスが、割込番地を示すモードである。
次いで、CPU56は、入力ポートを介して入力されるクリアスイッチ(たとえば、電源基板に搭載されている。)の出力信号(クリア信号)の状態を確認する(S6)。その確認においてオンを検出した場合には、CPU56は、通常の初期化処理(S10〜S15)を実行する。
クリアスイッチがオンの状態でない場合には、遊技機への電力供給が停止したときにバックアップRAM領域のデータ保護処理(たとえばパリティデータの付加等の電力供給停止時処理)が行なわれたか否か確認する(S7)。そのような保護処理が行なわれていないことを確認したら、CPU56は初期化処理を実行する。バックアップRAM領域にバックアップデータがあるか否かは、たとえば、電力供給停止時処理においてバックアップRAM領域に設定されるバックアップフラグの状態によって確認される。
電力供給停止時処理が行なわれたことを確認したら、CPU56は、バックアップRAM領域のデータチェックを行なう(S8)。この実施の形態では、データチェックとしてパリティチェックを行なう。よって、S8では、算出したチェックサムと、電力供給停止時処理で同一の処理によって算出され保存されているチェックサムとを比較する。不測の停電等の電力供給停止が生じた後に復旧した場合には、バックアップRAM領域のデータは保存されているはずであるから、チェック結果(比較結果)は正常(一致)になる。チェック結果が正常でないということは、バックアップRAM領域のデータが、電力供給停止時のデータとは異なっていることを意味する。そのような場合には、内部状態を電力供給停止時の状態に戻すことができないので、電力供給の停止からの復旧時でない電源投入時に実行される初期化処理を実行する。
チェック結果が正常であれば、CPU56は、遊技制御手段の内部状態と演出制御手段等の電気部品制御手段の制御状態を電力供給停止時の状態に戻すための遊技状態復旧処理(S41〜S43の処理)を行なう。具体的には、ROM54に格納されているバックアップ時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(S41)、バックアップ時設定テーブルの内容を順次作業領域(RAM55内の領域)に設定する(S42)。作業領域はバックアップ電源によって電源バックアップされている。バックアップ時設定テーブルには、作業領域のうち初期化してもよい領域についての初期化データが設定されている。S41およびS42の処理によって、作業領域のうち初期化してはならない部分については、保存されていた内容がそのまま残る。初期化してはならない部分とは、たとえば、電力供給停止前の遊技状態を示すデータ(特別図柄プロセスフラグ、確変フラグ、時短フラグ等)、出力ポートの出力状態が保存されている領域(出力ポートバッファ)、未払出賞球数を示すデータが設定されている部分等である。
また、CPU56は、電力供給復旧時の初期化コマンドとしての停電復旧指定コマンドを送信する(S43)。そして、S14に移行する。
なお、この実施の形態では、バックアップフラグとチェックデータとの双方を用いてバックアップRAM領域のデータが保存されているか否か確認しているが、いずれか一方のみを用いてもよい。すなわち、バックアップフラグとチェックデータとのいずれかを、遊技状態復旧処理を実行するための契機としてもよい。
初期化処理では、CPU56は、まず、RAMクリア処理を行なう(S10)。なお、RAMクリア処理によって、所定のデータ(たとえば、普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値のデータ)は0に初期化されるが、任意の値または予め決められている値に初期化するようにしてもよい。また、RAM55の全領域を初期化せず、所定のデータ(たとえば、普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値のデータ)をそのままにしてもよい。また、ROM54に格納されている初期化時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(S11)、初期化時設定テーブルの内容を順次作業領域に設定する(S12)。
S11およびS12の処理によって、たとえば、普通図柄当り判定用乱数カウンタ、特別図柄バッファ、総賞球数格納バッファ、特別図柄プロセスフラグ等制御状態に応じて選択的に処理を行なうためのフラグに初期値が設定される。
また、CPU56は、サブ基板(主基板31以外のマイクロコンピュータが搭載された基板。)を初期化するための初期化指定コマンド(遊技制御用マイクロコンピュータ560が初期化処理を実行したことを示すコマンドでもある。)をサブ基板に送信する(S13)。たとえば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、初期化指定コマンドを受信すると、演出表示装置9において、遊技機の制御の初期化がなされたことを報知するための画面表示、すなわち初期化報知を行なう。
また、CPU56は、乱数回路503を初期設定する乱数回路設定処理を実行する(S14)。CPU56は、たとえば、乱数回路設定プログラムにしたがって処理を実行することによって、乱数回路503にランダムRの値を更新させるための設定を行なう。
そして、S15において、CPU56は、所定時間(たとえば2ms)ごとに定期的にタイマ割込がかかるように遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されているCTCのレジスタの設定を行なう。すなわち、初期値としてたとえば2msに相当する値が所定のレジスタ(時間定数レジスタ)に設定される。この実施の形態では、2msごとに定期的にタイマ割込がかかるとする。
初期化処理の実行(S10〜S15)が完了すると、CPU56は、メイン処理で、表示用乱数更新処理(S17)および初期値用乱数更新処理(S18)を繰返し実行する。表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理を実行するときには割込禁止状態に設定し(S16)、表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理の実行が終了すると割込許可状態に設定する(S19)。この実施の形態では、表示用乱数とは、大当りとしない場合の特別図柄の停止図柄を決定するための乱数や大当りとしない場合にリーチとするか否かを決定するための乱数であり、表示用乱数更新処理とは、表示用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。また、初期値用乱数更新処理とは、初期値用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。この実施の形態では、初期値用乱数とは、普通図柄に関して当りとするか否か決定するための乱数を発生するためのカウンタ(普通図柄当り判定用乱数発生カウンタ)のカウント値の初期値を決定するための乱数である。後述する遊技の進行を制御する遊技制御処理(遊技制御用マイクロコンピュータ560が、遊技機に設けられている演出表示装置、可変入賞球装置、球払出装置等の遊技用の装置を、自身で制御する処理、または他のマイクロコンピュータに制御させるために指令信号を送信する処理、遊技装置制御処理ともいう)において、普通図柄当り判定用乱数のカウント値が1周(普通図柄当り判定用乱数の取りうる値の最小値から最大値までの間の数値の個数分歩進したこと)すると、そのカウンタに初期値が設定される。
なお、この実施の形態では、リーチ演出は、演出表示装置9において変動表示される演出図柄(飾り図柄)を用いて実行される。また、特別図柄の表示結果を大当り図柄にする場合には、リーチ演出は常に実行される。特別図柄の表示結果を大当り図柄にしない場合には、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、乱数を用いた抽選によって、リーチ演出を実行するか否か決定する。ただし、実際にリーチ演出の制御を実行するのは、演出制御用マイクロコンピュータ100である。
タイマ割込が発生すると、CPU56は、図6に示すS20〜S34のタイマ割込処理を実行する。図6は、タイマ割込み処理を示すフローチャートである。
タイマ割込処理においては、まず、電源断信号が出力されたか否か(オン状態になったか否か)を検出する電源断検出処理を実行する(S20)。電源断信号は、たとえば電源基板に搭載されている電源監視回路が、遊技機に供給される電源の電圧の低下を検出した場合に出力する。そして、電源断検出処理において、CPU56は、電源断信号が出力されたことを検出したら、必要なデータをバックアップRAM領域に保存するための電力供給停止時処理を実行する。次いで、入力ドライバ回路58を介して、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23の検出信号を入力し、それらの状態判定を行なう(スイッチ処理:S21)。
次に、CPU56は、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、普通図柄表示器10、第1特別図柄保留記憶表示器18a、第2特別図柄保留記憶表示器18b、普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行なう表示制御処理を実行する(S22)。第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8bおよび普通図柄表示器10については、S32,S33で設定される出力バッファの内容に応じて各表示器に対して駆動信号を出力する制御を実行する。
また、遊技制御に用いられる普通図柄当り判定用乱数等の各判定用乱数を生成するための各カウンタのカウント値を更新する処理を行なう(判定用乱数更新処理:S23)。CPU56は、さらに、初期値用乱数および表示用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行なう(初期値用乱数更新処理,表示用乱数更新処理:S24,S25)。
さらに、CPU56は、特別図柄プロセス処理を行なう(S26)。特別図柄プロセス処理では、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8bおよび大入賞口を所定の順序で制御するための特別図柄プロセスフラグにしたがって該当する処理を実行する。CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
次いで、普通図柄プロセス処理を行なう(S27)。普通図柄プロセス処理では、CPU56は、普通図柄表示器10の表示状態を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグにしたがって該当する処理を実行する。CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
また、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に演出制御コマンドを送出する処理を行なう(演出制御コマンド制御処理:S28)。
さらに、CPU56は、たとえばホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報等のデータを出力する情報出力処理を行なう(S29)。
また、CPU56は、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23の検出信号に基づく賞球個数の設定等を行なう賞球処理を実行する(S30)。具体的には、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23のいずれかがオンしたことに基づく入賞検出に応じて、払出制御基板37に搭載されている払出制御用マイクロコンピュータに賞球個数を示す払出制御コマンド(賞球個数信号)を出力する。払出制御用マイクロコンピュータは、賞球個数を示す払出制御コマンドに応じて球払出装置97を駆動する。
この実施の形態では、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域(出力ポートバッファ)が設けられているのであるが、CPU56は、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域におけるソレノイドのオン/オフに関する内容を出力ポートに出力する(S31:出力処理)。
また、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値に応じて特別図柄の演出表示を行なうための特別図柄表示制御データを特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する特別図柄表示制御処理を行なう(S32)。CPU56は、たとえば、特別図柄プロセス処理でセットされる開始フラグがセットされると終了フラグがセットされるまで、変動速度が1コマ/0.2秒であれば、0.2秒が経過するごとに、出力バッファに設定される表示制御データの値を+1する。また、CPU56は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、S22において駆動信号を出力することによって、第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bにおける第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示を実行する。
さらに、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値に応じて普通図柄の演出表示を行なうための普通図柄表示制御データを普通図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する普通図柄表示制御処理を行なう(S33)。CPU56は、たとえば、普通図柄の変動に関する開始フラグがセットされると終了フラグがセットされるまで、普通図柄の変動速度が0.2秒ごとに表示状態(「○」および「×」)を切替えるような速度であれば、0.2秒が経過するごとに、出力バッファに設定される表示制御データの値(たとえば、「○」を示す1と「×」を示す0)を切替える。また、CPU56は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、S22において駆動信号を出力することによって、普通図柄表示器10における普通図柄の演出表示を実行する。その後、割込許可状態に設定し(S34)、処理を終了する。
以上の制御によって、この実施の形態では、遊技制御処理は2msごとに起動されることになる。なお、遊技制御処理は、タイマ割込処理におけるS21〜S33(S29を除く。)の処理に相当する。また、この実施の形態では、タイマ割込処理で遊技制御処理が実行されているが、タイマ割込処理ではたとえば割込が発生したことを示すフラグのセットのみがなされ、遊技制御処理はメイン処理において実行されるようにしてもよい。
第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bおよび演出表示装置9にはずれ図柄が停止表示される場合には、演出図柄の変動表示が開始されてから、演出図柄の変動表示状態がリーチ状態にならずに、リーチにならない所定の演出図柄の組合せが停止表示されることがある。このような演出図柄の変動表示態様を、変動表示結果がはずれ図柄になる場合における「非リーチ」(「通常はずれ」ともいう)の変動表示態様という。
第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bおよび演出表示装置9にはずれ図柄が停止表示される場合には、演出図柄の変動表示が開始されてから、演出図柄の変動表示状態がリーチ状態となった後にリーチ演出が実行され、最終的に大当り図柄とはならない所定の演出図柄の組合せが停止表示されることがある。このような演出図柄の変動表示結果を、変動表示結果が「はずれ」となる場合における「リーチ」(「リーチはずれ」ともいう)の変動表示態様という。
この実施の形態では、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bに大当り図柄が停止表示される場合には、演出図柄の変動表示状態がリーチ状態になった後にリーチ演出が実行され、最終的に演出表示装置9における「左」、「中」、「右」の各図柄表示エリアに、演出図柄が揃って停止表示される。
図7は、各乱数を示す説明図である。各乱数は、以下のように使用される。
(1) ランダムR:大当りにするか否かを判定する当り判定用のランダムカウンタである。ランダムRは、10MHzで1ずつ更新され、0から加算更新されてその上限である65535まで加算更新された後、再度、0から加算更新される。
(2) ランダム1(MR1):大当りの種類(種別、15ラウンド通常大当り、15ラウンド確変大当り、および、2ラウンド確変大当りのいずれかの種別)および大当り図柄を決定する(大当り種別判定用、大当り図柄決定用)
(3) ランダム2(MR2):変動パターンの種類(種別)を決定する(変動パターン種別判定用)
(4) ランダム3(MR3):変動パターン(変動時間)を決定する(変動パターン判定用)
(5) ランダム4(MR4):普通図柄に基づく当りを発生させるか否か決定する(普通図柄当り判定用)
(6) ランダム5(MR5):ランダム4の初期値を決定する(ランダム4初期値決定用)。
この実施の形態では、前述したように、特定遊技状態である大当りとして、15ラウンド通常大当り、15ラウンド確変大当り、および、2ラウンド確変大当りという複数の種別が含まれている。したがって、大当りとする決定がされたときには、大当り種別判定用乱数(ランダム1)の値に基づいて、大当りの種別が、これらいずれかの大当り種別に決定される。さらに、大当りの種別が決定されるときに、同時に大当り種別判定用乱数(ランダム1)の値に基づいて、大当り図柄も決定される。したがって、ランダム1は、大当り図柄決定用乱数でもある。
また、この実施の形態では、変動パターンは、まず、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)を用いて変動パターン種別を決定し、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を用いて、決定した変動パターン種別に含まれるいずれかの変動パターンに決定する。そのように、この実施の形態では、2段階の抽選処理によって変動パターンが決定される。
変動パターン種別とは、複数の変動パターンをその変動態様の特徴にしたがってグループ化したものである。変動パターン種別には、1または複数の変動パターンが属している。変動パターンを決定するときには、まず、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)を用いて変動パターン種別を決定する。そして、決定した変動パターン種別に属する変動パターンから、1つの変動パターンを変動パターン判定用乱数(ランダム3)を用いて決定する。
この実施の形態では、15ラウンド通常大当り、および、15ラウンド確変大当りである場合には、ノーマルリーチを伴う変動パターン種別であるノーマルリーチ変動パターン種別と、スーパーリーチを伴う変動パターン種別とに種別分けされている。また、2ラウンド確変大当りである場合には、15ラウンドの大当りと同様に、ノーマルリーチを伴う変動パターン種別であるノーマルリーチ変動パターン種別と、スーパーリーチを伴う変動パターン種別とに種別分けされている。なお、2ラウンド確変大当りである場合には、非リーチの変動パターンを含む変動パターン種別である非リーチ特殊変動パターン種別と、リーチを伴う変動パターンを含む変動パターン種別であるリーチ特殊変動パターン種別とに種別分けしてもよい。このような変動パターン種別は、予め定められた割合で選択される。
また、はずれである場合には、リーチを伴わない変動パターン種別である通常変動パターン種別と、ノーマルリーチを伴う変動パターン種別であるノーマルリーチ変動パターン種別と、スーパーリーチを伴う変動パターン種別であるスーパーリーチ変動パターン種別とに種別分けされている。
このような変動パターン種別は、表示結果がはずれとなる場合に、時短状態であるときと、時短状態でないときとで、変動パターン種別の選択割合が異なる(時短状態では、時短状態でないときと比べて、通常変動パターン種別のような変動時間が短い変動パターン種別が選択される割合が高く設定されている)ように設定されていることにより、時短状態であるときには、時短状態でないときと比べて、変動時間が短縮される。また、このような変動パターン種別は、特別図柄の保留記憶数が所定数以上であるときと、所定数未満であるときとで選択割合が異なるように設定されていることにより、変動表示をする特別図柄の保留記憶数が所定数以上であるときには、特別図柄の保留記憶数が所定数未満であるときと比べて、変動時間が短縮される。このように変動表示時間を短縮する制御は、保留数短縮制御と呼ばれる。
なお、変動パターン種別の設定としては、たとえば、複数の変動パターンをリーチの種類でグループ化して、ノーマルリーチを伴う変動パターンを含む変動パターン種別と、第1のスーパーリーチ(スーパーリーチA)を伴う変動パターンが属する変動パターン種別と、第2のスーパーリーチ(スーパーリーチB)が属する変動パターンを含む変動パターン種別と、第3のスーパーリーチ(スーパーリーチC)が属する変動パターンを含む変動パターン種別とに分けるというようにしてもよい。
図5に示された遊技制御処理におけるS23では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、大当り種別判定用乱数(ランダム1)、および、普通図柄当り判定用乱数(ランダム4)を生成するためのカウンタのカウントアップ(1加算更新)を行なう。すなわち、それらが判定用乱数であり、それら以外の乱数が表示用乱数(ランダム2、ランダム3)または初期値用乱数(ランダム5)である。なお、遊技効果を高めるために、上記の乱数以外の乱数も用いてもよい。また、この実施の形態では、大当り判定用乱数として、遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されたハードウェア(遊技制御用マイクロコンピュータ560の外部のハードウェアでもよい。)が生成する乱数を用いる例を示すが、大当り判定用乱数としては、ランダム1〜5のようなソフトウェアにより生成される乱数を用いてもよい。
図8は、大当り判定テーブルおよび大当り種別判定テーブルを示す説明図である。図8(A)は、大当り判定テーブルを示す説明図である。大当り判定テーブルとは、ROM54に記憶されているデータの集まりであって、ランダムRと比較される大当り判定値が設定されているテーブルである。大当り判定テーブルには、通常状態(確変状態でない遊技状態、すなわち非確変状態)において用いられる通常時(非確変時)大当り判定テーブルと、確変状態において用いられる確変時大当り判定テーブルとがある。
通常時大当り判定テーブルには、図8(A)の左欄に記載されている各数値が大当り判定値として設定され、確変時大当り判定テーブルには、図8(A)の右欄に記載されている各数値が大当り判定値として設定されている。確変時大当り判定テーブルに設定された大当り判定値は、通常時大当り判定テーブルに設定された大当り判定値と共通の大当り判定値(第1大当り判定値ともいう)に、確変時固有の大当り判定値が加えられたことにより、確変時大当り判定テーブルよりも多い個数(10倍の個数)の大当り判定値が設定されている。これにより、確変状態には、通常状態よりも高い確率で大当りとする判定がなされる。
以下の説明において、通常時大当り判定テーブルおよび確変時大当り判定テーブルに設定された大当り判定値のうち、通常時大当り判定テーブルに設定された通常時(非確変時)用の大当り判定値は、確変時大当り判定テーブルにおいても共通の大当り判定値として用いられるものであり、通常時大当り判定値(第1大当り判定値ともいう)という。また、確変時大当り判定テーブルに設定された大当り判定値のうち、通常時大当り判定値以外の確変時固有の大当り判定値(第2大当り判定値ともいう)は、確変時において前述の通常時大当り判定値に加えて固有の大当り判定値として用いられるものであり、確変時大当り判定値という。
図8(A)に記載されている数値が大当り判定値である。なお、以下、ランダムRの値に対応する大当り判定値を、「当り判定値」と表現することがある。また、ランダムRの値に対応する大当り判定を、「当り判定」と表現することがある。
CPU56は、所定の時期に、乱数回路503のカウント値を抽出して抽出値を大当り判定用乱数(ランダムR)の値と比較するのであるが、大当り判定用乱数値が図8(A)に示すいずれかの大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当り(15ラウンド通常大当り、15ラウンド確変大当り、または、2ラウンド確変大当り)にすることに決定する。なお、図8(A)に示す「確率」は、大当りになる確率(割合)を示す。また、大当りにするか否か決定するということは、大当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおける停止図柄を大当り図柄にするか否か決定するということでもある。
図8(B),図8(C)は、ROM54に記憶されている大当り種別判定テーブルを示す説明図である。このうち、図8(B)は、遊技球が第1始動入賞口13に入賞したことに基づく保留記憶(第1保留記憶ともいう)を用いて(すなわち、第1特別図柄の変動表示が行なわれるとき)大当り種別を決定する場合に用いる第1特別図柄大当り種別判定テーブル(第1特別図柄用)である。
また、図8(C)は、遊技球が第2始動入賞口14に入賞したことに基づく保留記憶(第2保留記憶ともいう)を用いて(すなわち、第2特別図柄の変動表示が行なわれるとき)大当り種別を決定する場合に用いる第2特別図柄大当り種別判定テーブルである。
図8(B)の第1特別図柄大当り種別判定テーブル、および、図8(C)の第2特別図柄大当り種別判定テーブルのそれぞれは、変動表示結果を大当り図柄にする旨の判定がなされたときに、大当り種別判定用の乱数(ランダム1)に基づいて、大当りの種別を「15ラウンド通常大当り」、「15ラウンド確変大当り」、「2ラウンド確変大当り」のうちのいずれかに決定するとともに、大当り図柄を決定するために参照されるテーブルである。
図8(B)の第1特別図柄大当り種別判定テーブルには、ランダム1の値と比較される数値であって、「15ラウンド通常大当り」、「15ラウンド確変大当り」、「2ラウンド確変大当り」のそれぞれに対応した判定値(大当り種別判定値)が設定されている。
図8(C)の第2特別図柄大当り種別判定テーブルには、ランダム1の値と比較される数値であって、「15ラウンド通常大当り」、「15ラウンド確変大当り」のそれぞれに対応した判定値(大当り種別判定値)が設定されている。第2特別図柄大当り種別判定テーブルにおいては、第1特別図柄大当り種別判定テーブルと異なり、「2ラウンド確変大当り」に対応した判定値が設定されていない。したがって、第2特別図柄の変動表示結果に基づいて大当りとなるときには、「2ラウンド確変大当り」の大当り種別が選択されず、「2ラウンド確変大当り」に制御される場合がない。これにより、第1特別図柄と第2特別図柄とでは、変動表示結果に応じて制御される大当りの種別が一部異なる。このように第2特別図柄の変動表示において「2ラウンド確変大当り」が生じないようにすることにより、時短状態である場合には、可変入賞球装置15が設けられている第2始動入賞口14に始動入賞して第2特別図柄の変動表示が実行される頻度が高くなるのであるから、15ラウンドの大当りとなる確率を高めることができ、出球率が向上し、遊技に対する興趣を向上させることができる。
なお、第2特別図柄大当り種別判定テーブルとしては、第1特別図柄大当り種別判定テーブルと同様に、「2ラウンド確変大当り」も選択可能なものを用いてもよい。その場合には、第2特別図柄大当り種別判定テーブルの方が、第1特別図柄大当り種別判定テーブルよりも「2ラウンド確変大当り」の選択割合が低くなるようにすれば、第2特別図柄大当り種別判定テーブルにおいて「2ラウンド確変大当り」を選択不可能とする場合と同様の効果を得ることができる。
また、図8(B),図8(C)に示すように、大当り種別判定値は、第1特別図柄および第2特別図柄の大当り図柄を決定する判定値(大当り図柄判定値)としても用いられる。「15ラウンド通常大当り」に対応した判定値は、第1特別図柄および第2特別図柄の大当り図柄の「3」に対応した判定値としても設定されている。「15ラウンド確変大当り」に対応した判定値は、第1特別図柄および第2特別図柄の大当り図柄の「7」に対応した判定値としても設定されている。「2ラウンド確変大当り」に対応した判定値は、大当り図柄の第1特別図柄および第2特別図柄の「5」に対応した判定値としても設定されている。
このように、図8(B)の第1特別図柄大当り種別判定テーブル、および、図8(C)の第2特別図柄大当り種別判定テーブルのそれぞれにおいては、1つの大当り図柄に複数の判定値が対応付けられている。しかし、これに限らず、1つの大当り図柄に1つの判定値が対応付けられるようにしてもよい。たとえば、大当り図柄が「00」〜「99」までの100図柄ある場合に、たとえば、大当り図柄「00」に対して大当り種別判定値「00」が対応し、大当り図柄「99」に対して大当り種別判定値「99」が対応するというように、「00」〜「99」という100個の大当り種別判定値が、「00」〜「99」という100図柄の大当り図柄に1対1で対応するようにしてもよい。
このような大当り種別大当り種別判定テーブルを用いて、CPU56は、大当り種別として、ランダム1の値が一致した大当り種別判定値に対応する種別を決定するともに、大当り図柄として、ランダム1の値が一致した大当り図柄を決定する。これにより、大当り種別と、大当り種別に対応する大当り図柄とが同時に決定される。
図8(B)の第1特別図柄大当り種別判定テーブル、および、図8(C)の第2特別図柄大当り種別判定テーブルにおいては、次のような関係でデータが設定されている。
図8(B)の第1特別図柄大当り種別判定テーブルと、図8(C)の第2特別図柄大当り種別判定テーブルのそれぞれとを比較した場合、図8(C)の第2特別図柄大当り種別判定テーブルの方が、図8(B)の第1特別図柄大当り種別判定テーブルよりも、15ラウンドの大当り(15ラウンド通常大当りおよび15ラウンド確変大当り)に決定される割合が高い。これにより、第2特別図柄の変動表示の方が、第1特別図柄の変動表示よりも、賞球を多く獲得しやすいという点で遊技者にとって有利となる変動表示を行なうことが可能である。その理由は、15ラウンドの大当りは、大当り遊技状態において、2ラウンドの大当りと比べて、特別可変入賞球装置20の開放パターンが多くの入賞球が得られるように設定されているため、より多くの賞球が得られる大当りであるからである。つまり、2ラウンドの大当りが実質的に賞球が得られない当りにより構成されるため、15ラウンドの大当りでは、2ラウンドの大当りと比べて、多くの賞球が得られる。
また、図8(C)の第2特別図柄大当り種別判定テーブルの方が、図8(B)の第1特別図柄大当り種別判定テーブルよりも、15ラウンドの大当りのうちの15ラウンド確変大当りに決定される割合が高い。これにより、第2特別図柄の変動表示の方が、第1特別図柄の変動表示よりも、15ラウンド確変大当りとなる割合が高くなる。なお、第1特別図柄大当り種別判定テーブルと第2特別図柄大当り種別判定テーブルとで、15ラウンド確変大当りに決定される割合が同じであってもよい。また、第1特別図柄大当り種別判定テーブルの方が、第2特別図柄大当り種別判定テーブルよりも、15ラウンド確変大当りに決定される割合が高くなるようにしてもよい。
また、図8(C)の第2特別図柄大当り種別判定テーブルでは2ラウンド確変が選択されないので、図8(B)の第1特別図柄大当り種別判定テーブルの方が、第2特別図柄大当り種別判定テーブルよりも、2ラウンド確変大当りを選択する割合が高い。このため、第2特別図柄の変動表示の方が、第1特別図柄の変動表示よりも、15ラウンドの大当りが決定される割合が高くなる。これにより、第2始動入賞口14への始動入賞については15ラウンドの大当りが発生しやすくなり、遊技の興趣を向上させることができる。なお、可変入賞球装置15が設けられていない第1始動入賞口13に対応する第1特別図柄については、大当り種別のうち、「2ラウンド確変大当り」を割振らないようにしてもよい。その場合には、第1特別図柄について「15ラウンド確変大当り」(「2ラウンド確変大当り」は選択されない)の大当り種別が選択される割合と、第2特別図柄について「15ラウンド確変大当り」および「2ラウンド確変大当り」を合せた大当り種別が選択される割合とが等しくなるような設定を行なう。このようにすれば、第1始動入賞口13への始動入賞について、15ラウンドの大当りが発生しやすくなり、遊技の興趣を向上させることができる。
また、この実施の形態では、遊技状態を通常遊技状態よりも遊技者にとって有利な状態に制御する特定遊技状態である大当りとして、所定量の遊技価値(たとえば、ラウンド数)を付与する第1遊技状態(15ラウンド通常大当り、15ラウンド確変大当り)としての15ラウンドの大当りと、該遊技価値よりも少ない量の遊技価値を付与することで第1遊技状態よりも不利な第2遊技状態としての2ラウンドの大当り(2ラウンド確変大当り)とを決定する場合を説明している。しかし、特定遊技状態に対して付与される遊技価値は、この実施の形態で示したようなラウンド数に限られない。たとえば、第2遊技状態と比較して、遊技価値として1ラウンドあたりの大入賞口への遊技球の入賞数(カウント数)の許容量を多くした第1遊技状態を決定するようにしてもよい。また、たとえば、第2遊技状態と比較して、遊技価値として大当り中の1回あたりの大入賞口の開放時間を長くした第1遊技状態を決定するようにしてもよい。また、たとえば、同じ15ラウンドの大当りであっても、1ラウンドあたり大入賞口を1回開放する第2遊技状態と、1ラウンドあたり大入賞口を複数回開放する第1遊技状態とを用意し、大入賞口の開放回数が実質的に多くなるようにして第1遊技状態の遊技価値を高めるようにしてもよい。この場合、たとえば、第2遊技状態または第1遊技状態のいずれの場合であっても、大入賞口を15回開放したときに(この場合、第2遊技状態の場合には15ラウンドすべてを終了し、第1遊技状態の場合には未消化のラウンドが残っていることになる)、大当りがさらに継続するか否かを煽るような態様の演出を実行するようにしてもよい。そして、第2遊技状態の場合には内部的に15ラウンドすべてを終了していることから大当り遊技を終了し、第1遊技状態の場合には内部的に未消化のラウンドが残っていることから、大当り遊技が継続する(あたかも15回開放の大当りを終了した後にさらにボーナスで大入賞口の開放が追加で始まったような演出)ようにしてもよい。このように、第1遊技状態と第2遊技状態との関係は、特定遊技状態に付与される前述のような遊技価値等により、第1遊技状態に対して第2遊技状態の方が不利なものであればよい。
図9は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信する演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。図9に示す例において、コマンド80XX(H)は、特別図柄の変動表示に対応して演出表示装置9において変動表示される演出図柄の変動パターンを指定する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)である(それぞれ変動パターンXXに対応)。つまり、使用されうる変動パターンのそれぞれに対して一意な番号を付した場合に、その番号で特定される変動パターンのそれぞれに対応する変動パターンコマンドがある。なお、「(H)」は16進数であることを示す。また、変動パターンを指定する演出制御コマンドは、変動開始を指定するためのコマンドでもある。したがって、演出制御用マイクロコンピュータ100は、コマンド80XX(H)を受信すると、演出表示装置9において演出図柄の変動表示を開始するように制御する。
コマンド8C01(H)〜8C05(H)は、大当りとするか否か、および、大当り種別を示す演出制御コマンドである。コマンド8C01(H)は、はずれに決定されていることを指定する演出制御コマンドである。コマンド8C02(H)は、15ラウンド通常大当りに決定されていることを指定する演出制御コマンドである。コマンド8C03(H)は、15ラウンド確変大当りに決定されていることを指定する演出制御コマンドである。コマンド8C04(H)は、2ラウンド確変大当りに決定されていることを指定する演出制御コマンドである。
コマンド8D01(H)は、第1特別図柄の変動表示(変動)を開始することを示す演出制御コマンド(第1図柄変動指定コマンド)である。コマンド8D02(H)は、第2特別図柄の変動表示(変動)を開始することを示す演出制御コマンド(第2図柄変動指定コマンド)である。第1図柄変動指定コマンドと第2図柄変動指定コマンドとを特別図柄特定コマンド(または図柄変動指定コマンド)と総称することがある。なお、第1特別図柄の変動表示を開始するのか第2特別図柄の変動表示を開始するのかを示す情報を、変動パターンコマンドに含めるようにしてもよい。
コマンド8F00(H)は、演出図柄の変動表示(変動)を終了して表示結果(停止図柄)を導出表示することを示す演出制御コマンド(図柄確定指定コマンド)である。演出制御用マイクロコンピュータ100は、図柄確定指定コマンドを受信すると、演出図柄の変動表示(変動)を終了して表示結果を導出表示する。
コマンド9000(H)は、遊技機に対する電力供給が開始されたときに送信される演出制御コマンド(初期化指定コマンド:電源投入指定コマンド)である。コマンド9200(H)は、遊技機に対する電力供給が再開されたときに送信される演出制御コマンド(停電復旧指定コマンド)である。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、遊技機に対する電力供給が開始されたときに、バックアップRAMにデータが保存されている場合には、停電復旧指定コマンドを送信し、そうでない場合には、初期化指定コマンドを送信する。コマンド9F00(H)は、客待ちデモンストレーションを指定する演出制御コマンド(客待ちデモ指定コマンド)である。
コマンドA001〜A003(H)は、大当り遊技の開始を指定する演出制御コマンド(大当り開始指定コマンド)である。大当り開始指定コマンドには、大当りの種類に応じて、大当り開始1指定コマンド、大当り開始2指定コマンド、および、2ラウンド確変開始指定コマンドというような複数のコマンドが含まれる。大当り開始1指定コマンドは、15ラウンド通常大当りの大当り遊技状態の開始を指定する場合に送信される。大当り開始2指定コマンドは、15ラウンド確変大当りの大当り遊技状態の開始を指定する場合に送信される。2ラウンド確変開始指定コマンドは、2ラウンド確変大当りの大当り遊技状態の開始を指定する場合に送信される。
コマンドA1XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口開放中の表示を示す演出制御コマンド(大入賞口開放中指定コマンド)である。A2XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口閉鎖を示す演出制御コマンド(大入賞口開放後指定コマンド)である。
コマンドA301(H)は、15ラウンド通常大当りの大当り遊技状態の終了を指定する演出制御コマンド(大当り終了1指定コマンド)である。コマンドA302(H)は、15ラウンド確変大当りの大当り遊技状態の終了を指定する演出制御コマンド(大当り終了2指定コマンド)である。コマンドA303(H)は、2ラウンド確変大当りの大当り遊技状態の終了を指定する演出制御コマンド(大当り終了3指定コマンド)である。
コマンドA401(H)は、第1始動入賞口13について第1特別図柄の変動表示が行なわれる始動入賞、すなわち、第1始動入賞があったことを指定する演出制御コマンド(第1始動入賞指定コマンド)である。コマンドA302(H)は、第2始動入賞口14について第2特別図柄の変動表示が行なわれる始動入賞、すなわち、第2始動入賞があったことを指定する演出制御コマンド(第2始動入賞指定コマンド)である。
コマンドB000(H)は、遊技状態が通常状態(低確低ベース状態)であることを指定する演出制御コマンド(通常状態指定コマンド)である。コマンドB001(H)は、遊技状態が時短状態であることを指定する演出制御コマンド(時短状態指定コマンド)である。コマンドB002(H)は、遊技状態が確変状態であることを指定する演出制御コマンド(確変状態指定コマンド)である。
このような演出制御コマンドにより、遊技状態が、通常状態、時短状態、および、確変状態のうちのどの状態またはどの状態の組合せになっているかを演出制御用マイクロコンピュータ100に知らせることができる。これにより、演出制御用マイクロコンピュータ100においては、遊技状態が、通常状態、時短状態、および、確変状態のうちのどの状態またはどの状態の組合せになっているかを認識することができるので、通常状態、時短状態、および、確変状態のそれぞれの状態に応じた画像表示等の各種演出を行なうことが可能となる。
コマンドC0XX(H)は、第1保留記憶数を指定する演出制御コマンド(第1保留記憶数指定コマンド)である。コマンドC0XX(H)における「XX」が、第1保留記憶数を示す。コマンドC1XX(H)は、第2保留記憶数を指定する演出制御コマンド(第2保留記憶数指定コマンド)である。コマンドC1XX(H)における「XX」が、第2保留記憶数を示す。
演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)は、主基板31に搭載されている遊技制御用マイクロコンピュータ560から上述した演出制御コマンドを受信すると、図9に示された内容に応じて演出表示装置9の表示状態を変更したり、ランプの表示状態を変更したり、音声出力基板70に対して音番号データを出力したりする。
たとえば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、始動入賞があり第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおいて特別図柄の変動表示が開始される度に、演出図柄の変動パターンを指定する変動パターンコマンドおよび表示結果指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する。
この実施の形態では、演出制御コマンドは2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を表し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。MODEデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「1」に設定され、EXTデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「0」に設定される。なお、そのようなコマンド形態は一例であって他のコマンド形態を用いてもよい。たとえば、1バイトや3バイト以上で構成される制御コマンドを用いてもよい。
なお、演出制御コマンドの送出方式として、演出制御信号CD0〜CD7の8本のパラレル信号線で1バイトずつ主基板31から中継基板77を介して演出制御基板80に演出制御コマンドデータを出力し、演出制御コマンドデータの他に、演出制御コマンドデータの取込を指示するパルス状(矩形波状)の取込信号(演出制御INT信号)を出力する方式を用いる。演出制御コマンドの8ビットの演出制御コマンドデータは、演出制御INT信号に同期して出力される。演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100は、演出制御INT信号が立ち上がったことを検知して、割込処理によって1バイトのデータの取込み処理を開始する。
図9に示す例では、変動パターンコマンドおよび表示結果指定コマンドを、第1特別図柄表示器8aでの第1特別図柄の変動に対応した演出図柄の変動表示(変動)と、第2特別図柄表示器8bでの第2特別図柄の変動に対応した演出図柄の変動表示(変動)とで共通に使用でき、第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示に伴って演出を行なう演出表示装置9等の演出用部品を制御する際に、遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出制御用マイクロコンピュータ100に送信されるコマンドの種類を増大させないようにすることができる。
次に、ROM54に記憶されている開放パターンデータテーブルについて説明する。開放パターンデータテーブルにおいては、各種別の大当りのそれぞれについて、開放回数(ラウンド上限数)、開放時間(各ラウンド中の開放時間)、および、インターバル時間(各ラウンド間時間)を含む特別可変入賞球装置20の開放パターンを示すテータが設定されている。
たとえば、15ラウンド通常大当りおよび15ラウンド確変大当りのそれぞれは、開放回数が15回、開放時間が29秒、インターバル時間が5秒というデータが開放パターンデータテーブルに設定されている。2ラウンド確変大当りは、開放回数は2回であり、インターバル時間が0.5秒というデータが開放パターンデータテーブルに設定されている。
なお、インターバル時間は、15ラウンド通常大当り、および、15ラウンド確変大当りと、2ラウンド確変大当りとで同じ時間となるように設定してもよい。また、賞球が得られやすい大当り(たとえば15ラウンド通常大当り、15ラウンド確変大当り)と、賞球が得られにくい大当り(たとえば2ラウンド確変大当り)とについて、大当りのラウンド数を一定のラウンド数(たとえば15ラウンド)に設定し、賞球が得られやすい大当りについては賞球が得られやすい長い開放時間とし、賞球が得られにくい大当りについては賞球が得られにくい極めて短い開放時間とするようにしてもよい。
図10は、主基板31に搭載される遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)が実行する特別図柄プロセス処理(S26)のプログラムの一例を示すフローチャートである。
上述したように、特別図柄プロセス処理では第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bおよび大入賞口を制御するための処理が実行される。特別図柄プロセス処理において、CPU56は、第1始動入賞口13に遊技球が入賞したことを検出するための第1始動口スイッチ13aがオンして第1始動入賞口13への始動入賞(第1始動入賞)が発生していたとき、または、第2始動入賞口14に遊技球が入賞したことを検出するための第2始動口スイッチ14aがオンして第2始動入賞口14への始動入賞(第2始動入賞)が発生していたときには(S311)、始動口スイッチ通過処理を実行する(S312)。そして、内部状態に応じて、S300〜S310のうちのいずれかの処理を行なう。第1始動口スイッチ13aまたは第2始動口スイッチ14aがオンしていなければ、始動口スイッチ通過処理を実行せずに、内部状態に応じて、S300〜S310のうちのいずれかの処理を行なう。
S300〜S310の処理は、以下のような処理である。
特別図柄通常処理(S300):特別図柄プロセスフラグの値が0であるときに実行される。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄の変動表示が開始できる状態になると、変動表示を開始する特別図柄に対応する保留記憶バッファ(図12の第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファ)に記憶される数値データの記憶数(保留記憶数)を確認する。保留記憶バッファに記憶される数値データの記憶数は保留記憶数カウンタのカウント値により確認できる。また、保留記憶数カウンタのカウント値が0でなければ、第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示の表示結果を大当りとするか否かを決定する。大当りとする場合には、大当り種別を決定する。大当りとする場合には大当りフラグをセットする。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS301に応じた値(この例では1)に更新する。なお、大当りフラグは、大当り遊技が終了するときにリセットされる。
変動パターン設定処理(S301):特別図柄プロセスフラグの値が1であるときに実行される。また、変動パターンを決定し、その変動パターンにおける変動時間(変動表示時間:変動表示を開始してから表示結果を導出表示(停止表示)するまでの時間)を特別図柄の変動表示の変動時間とすることに決定する。また、特別図柄の変動時間を計測する変動時間タイマをスタートさせる。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS302に対応した値(この例では2)に更新する。
表示結果指定コマンド送信処理(S302):特別図柄プロセスフラグの値が2であるときに実行される。演出制御用マイクロコンピュータ100に、表示結果指定コマンドを送信する制御を行なう。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS303に対応した値(この例では3)に更新する。
特別図柄変動中処理(S303):特別図柄プロセスフラグの値が3であるときに実行される。変動パターン設定処理で選択された変動パターンの変動時間が経過(S301でセットされる変動時間タイマがタイムアウトすなわち変動時間タイマの値が0になる)すると、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS304に対応した値(この例では4)に更新する。
特別図柄停止処理(S304):特別図柄プロセスフラグの値が4であるときに実行される。第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおける変動表示を停止して停止図柄を導出表示させる。また、演出制御用マイクロコンピュータ100に、図柄確定指定コマンドを送信する制御を行なう。そして、大当りフラグがセットされている場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS305に対応した値(この例では5)に更新する。大当りフラグがセットされていない場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS300に対応した値(この例では0)に更新する。なお、演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信する図柄確定指定コマンドを受信すると演出表示装置9において演出図柄および飾り図柄が停止されるように制御する。また、大当り遊技状態となったときの状態が確変状態であり、確変フラグがセットされていたときには、確変フラグがリセットされる(当該大当りが確変となる大当りであるか否かに関わらずリセットされる)。また、大当り遊技状態となる場合において時短フラグがセットされていたとき、または、変動表示回数により時短状態の終了条件が成立したときには、時短フラグがリセットされる。
大入賞口開放前処理(S305):特別図柄プロセスフラグの値が5であるときに実行される。大入賞口開放前処理では、大当りの種別に応じて、前述のような開放パターンにしたがって、特別可変入賞球装置20において大入賞口を開放する制御を行なう。具体的には、カウンタ(たとえば、大入賞口に入った遊技球数をカウントするカウンタ)等を初期化するとともに、ソレノイド21を駆動して大入賞口を開放状態にする。また、タイマによって大入賞口開放中処理の実行時間を設定し、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS306に対応した値(この例では6)に更新する。なお、大入賞口開放前処理は各ラウンドごとに実行されるが、第1ラウンドを開始する場合には、大入賞口開放前処理は大当り遊技状態を開始する処理でもある。
大入賞口開放中処理(S306):特別図柄プロセスフラグの値が6であるときに実行される。大当り遊技状態中のラウンド表示の演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御や大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行なう。大入賞口の閉成条件が成立し、かつ、まだ残りラウンドがある場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS305に対応した値(この例では5)に更新する。また、全てのラウンドを終えた場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS307に対応した値(この例では7)に更新する。
大当り終了処理(S307):特別図柄プロセスフラグの値が7であるときに実行される。大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ100に行なわせるための制御を行なう。また、遊技状態を示すフラグ(たとえば、確変フラグ、時短フラグ等)をセットする処理を行なう。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS300に対応した値(この例では0)に更新する。
図11は、S312の始動口スイッチ通過処理を示すフローチャートである。第1始動口スイッチ13aと第2始動口スイッチ14aとのうちの少なくとも一方がオン状態の場合に実行される始動口スイッチ通過処理において、CPU56は、オンしたのが第1始動口スイッチ13aであるか否かを確認する(S211)。第1始動口スイッチ13aがオンしていれば、CPU56は、第1保留記憶数が上限値に達しているか否か(具体的には、第1保留記憶数をカウントするための第1保留記憶数カウンタの値が4であるか否か)を確認する(S212)。第1保留記憶数が上限値に達していれば、S221に移行する。
第1保留記憶数が上限値に達していなければ、CPU56は、第1保留記憶数カウンタの値を1増やす(S213)。
図12は、保留記憶に対応する乱数等を保存する領域(保留記憶バッファ)の構成例を示す説明図である。図12に示すように、第1保留記憶バッファには、第1保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。また、第2保留記憶バッファには、第2保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファは、RAM55に形成されている。「RAMに形成されている」とは、RAM内の領域であることを意味する。第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファには、ハードウェア乱数であるランダムR(大当り判定用乱数)や、ソフトウェア乱数である大当り種別判定用乱数(ランダム1)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)および変動パターン判定用乱数(ランダム3)が記憶される。
次に、CPU56は、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから値を抽出し、それらを、第1保留記憶バッファにおける保存領域に保存(格納)する処理を実行する(S214)。具体的に、S214の処理では、大当り判定用乱数(ランダムR)、大当り種別判定用乱数(ランダム1)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)、および、変動パターン判定用乱数(ランダム3)が保存(格納)される。以下の保留記憶に関する説明に関しては、このように第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファに前述のような始動入賞に関する情報が記憶されることを「保留記憶される」と示す場合がある。なお、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)を始動口スイッチ通過処理(始動入賞時)において抽出して保存領域に予め格納しておくのではなく、第1特別図柄の変動開始時に抽出するようにしてもよい。たとえば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、後述する変動パターン設定処理において、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)を生成するための変動パターン種別判定用乱数カウンタから値を直接抽出するようにしてもよい。また、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を始動口スイッチ通過処理(始動入賞時)において抽出して保存領域に予め格納しておくのではなく、第1特別図柄の変動開始時に抽出するようにしてもよい。たとえば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、後述する変動パターン設定処理において、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を生成するための変動パターン判定用乱数カウンタから値を直接抽出するようにしてもよい。
次いで、CPU56は、第1始動入賞指定コマンドを送信する制御を行なう(S215)。また、演出制御用マイクロコンピュータ100に演出制御コマンドを送信する場合には、CPU56は、演出制御コマンドに応じたコマンド送信テーブル(予めROMにコマンド毎に設定されている)のアドレスをポインタにセットする。そして、演出制御コマンドに応じたコマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットして、演出制御コマンド制御処理(S29)において演出制御コマンドを送信する。
S211で第1始動口スイッチがオン状態でないと判定された場合、S212で第1保留記憶数が上限値に達していると判定された場合、または、S215で第1始動入賞指定コマンドを送信する制御を行なった後に、CPU56は、第2始動口スイッチ14aがオンしたか否かを確認する(S221)。第2始動口スイッチ14aがオンしていれば、CPU56は、第2保留記憶数が上限値に達しているか否か(具体的には、第2保留記憶数をカウントするための第2保留記憶数カウンタの値が4であるか否か)を確認する(S222)。第2保留記憶数カウンタの値が4であれば、処理を終了する。なお、CPU56は、第2保留記憶数カウンタの値が4であれば、再度第1始動口スイッチ13aがオンしているか否かを確認する(S211参照)処理を行なうようにしてもよい。
第2保留記憶数が上限値に達していなければ、CPU56は、第2保留記憶数カウンタの値を1増やす(S223)。次いで、CPU56は、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから値を抽出し、それらを、第2保留記憶バッファにおける保存領域に保存(格納)する処理を実行する(S224)。
次いで、CPU56は、第2始動入賞指定コマンドを送信する制御を行ない(S225)処理を終了する。
なお、S213〜S215の処理とS223〜S225の処理とを、1つの共通ルーチンで実現してもよい。その場合、CPU56は、まず、第1始動口スイッチ13aがオン状態になったことを検出した場合に「第1」を示すデータをセットし、第2始動口スイッチ14aがオン状態になったことを検出した場合に「第2」を示すデータをセットし、共通ルーチンで、セットされているデータに応じて、保留記憶バッファ(第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファ)を選択したり始動入賞指定コマンド(第1始動入賞指定コマンドまたは第2始動入賞指定コマンド)を選択する。
図13は、特別図柄プロセス処理における特別図柄通常処理(S300)を示すフローチャートである。特別図柄通常処理において、CPU56は、第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファ(図12参照)に保留記憶データがあるかどうかを確認する(S51)。第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファのどちらにも保留記憶データがない場合には、処理を終了する。
第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファに保留記憶データがあるときには、CPU56は、第2保留記憶バッファの方に保留記憶データがあるか否か確認する(S52)。第2保留記憶バッファに保留記憶データがあれば、特別図柄ポインタ(第1特別図柄について特別図柄プロセス処理を行なっているのか第2特別図柄について特別図柄プロセス処理を行なっているのかを示すフラグ)に「第2」を示すデータを設定する(S54)。一方、第2保留記憶バッファに保留記憶データがなければ、特別図柄ポインタに「第1」を示すデータを設定する(S53)。
この実施の形態では、以下、特別図柄ポインタに「第1」を示すデータが設定されたか「第2」を示すデータが設定されたかに応じて、第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の変動表示と、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の変動表示とを、共通の処理ルーチンを用いて実行する。特別図柄ポインタに「第1」を示すデータが設定されたときには、第1保留記憶バッファに記憶された保留記憶データに基づいて、第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の変動表示が行なわれる。一方、特別図柄ポインタに「第2」を示すデータが設定されたときには、第2保留記憶バッファに記憶された保留記憶データに基づいて、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の変動表示が行なわれる。
なお、ここでいう「共通の処理ルーチン」とは、ある特定の一連の処理を実現するためのプログラムであり、この実施の形態では、第1特別図柄や第2特別図柄の変動表示を行なう一連の処理を実現するためのプログラムを指している。この実施の形態において、「共通の処理ルーチン」には、後述する特別図柄通常処理におけるS55〜S76の処理、S301の変動パターン設定処理、S302の表示結果特定コマンド送信処理、S303の特別図柄変動中処理およびS304の特別図柄停止処理が含まれる。
S52〜S54の制御により、第2保留記憶バッファ内に第2保留記憶のデータが1つでも存在すれば、その第2保留記憶のデータに基づいた第2特別図柄表示器8bの変動表示が、第1保留記憶のデータに基づいた第1特別図柄表示器8aの変動表示に優先して実行される。
このように、第2特別図柄の変動表示が優先して実行される。これにより、次のような効果を得ることができる。大当り遊技状態の終了後の所定期間中においては、時短制御が行なわれることにより、可変入賞球装置15において、第2始動入賞口14に遊技球が入賞しやすくなる。したがって、大当り遊技状態の終了後の所定期間中には、それ以外のときに比べて、第2保留記憶のデータが発生しやすくなる。第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファの両方に保留記憶データが記憶されている場合は、第1保留記憶データに基づいた第1特別図柄表示器8aの変動表示よりも第2保留記憶のデータに基づいた第2特別図柄表示器8bの変動表示が優先して実行されるので、大当り遊技状態の終了後の時短状態において発生しやすい保留記憶データを効率的に処理することができるから、第2保留記憶数の上限値による制限により第2保留記憶として記憶できず無効となる始動入賞(始動条件)の発生を低減することができる。これにより、大当り遊技状態の終了後の時短状態における第2特別図柄表示器8bの変動表示の実行効率を向上させることができる。
次いで、CPU56は、RAM55において、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する(S55)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1保留記憶バッファにおける第1保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する。また、CPU56は、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合には、第2保留記憶バッファにおける第2保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する。
そして、CPU56は、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、各保存領域の内容をシフトする(S56)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、第1保留記憶バッファにおける各保存領域の内容をシフトする。また、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合に、第2保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、第2保留記憶バッファにおける各保存領域の内容をシフトする。
すなわち、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合に、RAM55の第1保留記憶バッファにおいて第1保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第1保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。また、特別図柄ポインタが「第2」を示す場合に、RAM55の第2保留記憶バッファにおいて第2保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第2保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。
よって、各第1保留記憶数(または、各第2保留記憶数)に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各乱数値が抽出された順番は、常に、第1保留記憶数(または、第2保留記憶数)=1,2,3,4の順番と一致するようになっている。
また、CPU56は、減算後の特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数カウンタの値に基づいて、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S59)。この場合、特別図柄ポインタに「第1」を示す値が設定されている場合には、CPU56は、第1保留記憶数指定コマンドを送信する制御を行なう。また、特別図柄ポインタに「第2」を示す値が設定されている場合には、CPU56は、第2保留記憶数指定コマンドを送信する制御を行なう。
演出制御用マイクロコンピュータ100では、第1保留記憶数指定コマンドを受信したときに第1保留記憶数指定コマンドが指定する第1保留記憶数を記憶する第1保留記憶数記憶領域と、第2保留記憶数指定コマンドを受信したときに、第2保留記憶数指定コマンドが指定する第2保留記憶数を記憶する第2保留記憶数記憶領域とが設けられている。演出制御用マイクロコンピュータ100では、第1保留記憶数指定コマンドを受信するごとに第1保留記憶数記憶領域に記憶された第1保留記憶数のデータを更新することで、最新の第1保留記憶数を認識し、第2保留記憶数指定コマンドを受信するごとに第2保留記憶数記憶領域に記憶された第2保留記憶数のデータを更新することで、最新の第2保留記憶数を認識する。
特別図柄通常処理では、最初に、第1始動入賞口13を対象として処理を実行することを示す「第1」を示すデータすなわち第1特別図柄を対象として処理を実行することを示す「第1」を示すデータ、または第2始動入賞口14を対象として処理を実行することを示す「第2」を示すデータすなわち第2特別図柄を対象として処理を実行することを示す「第2」を示すデータが、特別図柄ポインタに設定される。そして、特別図柄プロセス処理における以降の処理では、特別図柄ポインタに設定されているデータに応じた処理が実行される。よって、S300〜S307の処理を、第1特別図柄を対象とする場合と第2特別図柄を対象とする場合とで共通化することができる。
次いで、CPU56は、乱数バッファ領域からランダムR(大当り判定用乱数)を読出し、大当り判定モジュールを実行する(S60)。なお、この場合、CPU56は、始動口スイッチ通過処理のS214や始動口スイッチ通過処理のS224で抽出し第1保留記憶バッファや第2保留記憶バッファに予め格納した大当り判定用乱数を読出し、大当り判定を行なう。大当り判定モジュールは、予め決められている大当り判定値(図8参照)と大当り判定用乱数とを比較し、それらが一致したら大当りとすることに決定する処理を実行するプログラムである。すなわち、大当り判定の処理を実行するプログラムである。
大当り判定の処理では、遊技状態が確変状態(高確率状態)の場合は、遊技状態が非確変状態(通常遊技状態および時短状態)の場合よりも、大当りとなる確率が高くなるように構成されている。具体的には、予め大当り判定値の数が多く設定されている確変時大当り判定テーブル(ROM54における図8(A)の右側の数値が設定されているテーブル)と、大当り判定値の数が確変時大当り判定テーブルよりも少なく設定されている通常時大当り判定テーブル(ROM54における図8(A)の左側の数値が設定されているテーブル)とが設けられている。そして、CPU56は、遊技状態が確変状態であるか否かを確認し、遊技状態が確変状態であるときは、確変時大当り判定テーブルを使用して大当りの判定の処理を行ない、遊技状態が通常遊態や時短状態であるときは、通常時大当り判定テーブルを使用して大当りの判定の処理を行なう。すなわち、CPU56は、大当り判定用乱数(ランダムR)の値が図8(A)に示すいずれかの大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当りとすることに決定する。大当りとすることに決定した場合には(S60)、S71に移行する。なお、大当りとするか否か決定するということは、大当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、特別図柄表示器における停止図柄を大当り図柄とするか否か決定するということでもある。
なお、現在の遊技状態が確変状態であるか否かの確認は、確変フラグがセットされているか否かにより行なわれる。確変フラグは、遊技状態を確変状態に移行するときにセットされ、確変状態を終了するときにリセットされる。具体的に、確変フラグは、15ラウンド通常大当り、15ラウンド確変大当り、または、2ラウンド確変大当りとすることに決定され、大当り遊技を終了する処理においてセットされ、その後、所定回数(100回)の変動表示が行なわれたという条件と、次回の大当りが決定されたという条件といずれか早い方の条件が成立したときに、特別図柄の変動表示を終了して停止図柄を停止表示するタイミングでリセットされる。
大当り判定用乱数(ランダムR)の値がいずれの大当り判定値にも一致しなければ(S60のN)、S75に処理が移行される。
S60において大当り判定用乱数(ランダムR)の値がいずれかの大当り判定値に一致すればCPU56は、大当りであることを示す大当りフラグをセットする(S71)。そして、大当り種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、図8(B)の第1特別図柄大当り種別判定用テーブルおよび図8(C)の第2特別図柄大当り種別判定用テーブルのうち、いずれかのテーブルを選択する(S72)。具体的に、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、図8(B)に示す第1特別図柄大当り種別判定用テーブルを選択する。
また、CPU56は、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合において、図8(C)の第2特別図柄大当り種別判定用テーブルを選択する。
次いで、CPU56は、始動口スイッチ通過処理のS214や始動口スイッチ通過処理のS224で抽出し第1保留記憶バッファや第2保留記憶バッファに予め格納した大当り種別判定用乱数を読出し、S72で選択した大当り種別判定テーブルを用いて、乱数バッファ領域に格納された大当り種別判定用の乱数(ランダム1)の値と一致する値に対応した大当り種別および大当り図柄を決定する(S73)。また、この場合に、図8(C)に示すように、第2特別図柄の変動表示が実行される場合には、第1別図柄の変動表示が実行される場合と比較して、15ラウンドの大当り(15ラウンド通常大当りおよび15ラウンド確変大当り)が選択される割合が高い。
図8(C)に示すように、第1特別図柄および第2特別図柄については、大当り種別ごとに大当り図柄が異なるように大当り種別と大当り図柄との関係が設定されており、大当り種別と大当り図柄とが同時に決定されるので、大当り図柄と、大当り種別に応じた遊技制御との対応関係が単純化するため、遊技制御の複雑化を防ぐことができる。
また、CPU56は、決定した大当りの種別を示すデータをRAM55における大当り種別バッファに設定する(S74)。たとえば、大当り種別が「15ラウンド通常大当り」の場合には、大当り種別を示すデータとして「01」が設定される。大当り種別が「15ラウンド確変大当り」の場合には、大当り種別を示すデータとして「02」が設定される。大当り種別が「2ラウンド確変大当り」の場合には大当り種別を示すデータとして「03」が設定される。
次いで、CPU56は、特別図柄の停止図柄を設定する(S75)。具体的には、大当りフラグがセットされていない場合には、はずれ図柄となる「−」を特別図柄の停止図柄として設定する。大当りフラグがセットされている場合には、大当り種別の決定結果に応じて、S73により決定された大当り図柄を特別図柄の停止図柄に設定する。すなわち、大当り種別が「15ラウンド確変大当り」に決定されたときには「3」を特別図柄の停止図柄に設定する。大当り種別が「15ラウンド確変大当り」に決定した場合には「7」を特別図柄の停止図柄に決定する。大当り種別が「2ラウンド確変大当り」に決定した場合には「5」を特別図柄の停止図柄に決定する。
そして、特別図柄プロセスフラグの値を変動パターン設定処理(S301)に対応した値に更新する(S76)。
図14は、特別図柄プロセス処理における変動パターン設定処理(S301)を示すフローチャートである。
変動パターン設定処理において、CPU56は、大当りフラグがセットされているか否か確認する(S91)。大当りフラグがセットされている場合は、大当りとすることが決定されているときであり、CPU56は、S74で記憶された大当り種別情報と、非時短状態と時短状態とのうちどの状態にあるかを示す時短情報と、通常状態(非確変状態)と確変状態とのうちどの状態にあるかを示す確変情報に応じて、変動パターン種別および変動パターンを決定するために使用するテーブルとして、判定テーブルの選択条件に基づいて、いずれかのテーブルを選択する(S92)。そして、S114に移行する。
ここで、時短情報は、時短状態であるか否かを示す情報である。時短情報は、時短フラグがセットされているときには、時短状態であることを示し、時短フラグがセットされていないときには、非時短状態であることが示される。また、確変情報は、確変状態であるか否かを示す情報である。確変情報は、確変フラがセットされているときには確変状態であることを示し、確変フラグがセットされていないときには非確変状態であることが示される。なお、この実施の形態では、時短情報を示すデータと時短フラグのデータとが別個に設けられている場合を示したが、これに限らず、時短状態として時短フラグのデータをそのまま用いてもよい。また、この実施の形態では、確変情報を示すデータと確変フラグのデータとが別個に設けられている場合を示したが、これに限らず、確変状態として確変フラグのデータをそのまま用いてもよい。
S91で大当りフラグがセットされていない場合は、はずれとすることが決定されているときであり、CPU56は、前述の時短情報と、合算保留記憶数情報(前述の第1保留記憶数記憶領域に記憶された第1保留記憶数と第2保留記憶数記憶領域に記憶された第2保留記憶数とを合算することにより得られる情報)とに応じて、変動パターン種別および変動パターンを決定するために使用するテーブルとして、テーブルの選択条件に基づいて、いずれかのテーブルを選択する(S95)。その後、S114に進む。
次いで、S114において、CPU56は、乱数バッファ領域(第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファ)からランダム2(変動パターン種別判定用乱数)を読出し、S92,S94またはS95の処理で選択した判定テーブルにおける変動パターン種別判定テーブル部のデータを参照することによって、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定する(S114)。
次いで、CPU56は、乱数バッファ領域(第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファ)からランダム3(変動パターン判定用乱数)を読出し、S92,S94またはS95の処理で選択した判定テーブルにおいて、変動パターン判定テーブル部におけるS114で決定した変動パターン種別に関するデータを参照することによって、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定する(S115)。
なお、始動入賞のタイミングでランダム3(変動パターン判定用乱数)を抽出しないように構成する場合には、CPU56は、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を生成するための変動パターン判定用乱数カウンタから値を直接抽出し、抽出した乱数値に基づいて変動パターンを決定するようにしてもよい。
また、始動入賞のタイミングでランダム2(変動パターン種別判定用乱数)を抽出せず、S114で変動パターン種別を決定するときに、ランダム2を生成するための変動パターン種別判定用乱数カウンタから値を直接抽出し、抽出した乱数値に基づいて変動パターン種別を決定するようにしてもよい。
次いで、決定した変動パターンに対応する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)を、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S116)。
また、特別図柄の変動を開始する(S117)。たとえば、S32の特別図柄表示制御処理で参照される特別図柄に対応した開始フラグをセットすることにより、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおいて、前述のように変動表示を開始させる。特別図柄ポインタに「第1」を示すデータが設定されている場合には第1特別図柄表示器8aでの第1特別図柄の変動表示を開始させ、特別図柄ポインタに「第2」を示すデータが設定されている場合には第2特別図柄表示器8bでの第2特別図柄の変動表示を開始させる。なお、S32の特別図柄表示制御処理においては、開始フラグを参照して特別図柄の変動表示を開始するのではなく、特別図柄プロセス処理のプロセスの状態を参照して特別図柄の変動表示を開始するようにしてもよい。また、RAM55に形成されている変動時間タイマに、選択された変動パターンに対応した変動時間に応じた値を設定する(S118)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を表示結果指定コマンド送信処理(S302)に対応した値に更新する(S119)。
なお、はずれと決定されている場合において、いきなり変動パターン種別を決定するのではなく、まず、リーチ判定用乱数を用いた抽選処理によってリーチとするか否かを決定するようにしてもよい。そして、リーチとするか否かの判定結果に基づいて、変動パターン種別を決定するようにしてもよい。この場合、予め非リーチ用の変動パターン種別判定テーブルと、リーチ用の変動パターン種別判定テーブルとを用意しておき、リーチ判定結果に基づいて、いずれかの変動パターン種別判定テーブルを選択して、変動パターン種別を決定するようにしてもよい。
前述した表示結果指定コマンド送信処理(S302)においては、CPU56が、決定されている大当りの種類、または、はずれに応じて、表示結果1指定〜表示結果5指定コマンドのいずれかの演出制御コマンド(図9参照)を送信する制御を行なう。
図15は、特別図柄プロセス処理における特別図柄変動中処理(S303)を示すフローチャートである。特別図柄変動中処理において、CPU56は、変動時間タイマを1減算し(S125)、変動時間タイマがタイムアウトしたら(S126)、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄停止処理(S304)に対応した値に更新する(S127)。変動時間タイマがタイムアウトしていない場合には、そのまま処理を終了する。
図16は、特別図柄プロセス処理における特別図柄停止処理(S304)を示すフローチャートである。特別図柄停止処理において、CPU56は、S32の特別図柄表示制御処理で参照される終了フラグをセットして特別図柄の変動表示を終了させ、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bに停止図柄を導出表示する制御を行なう(S131)。なお、特別図柄ポインタに「第1」を示すデータが設定されている場合には第1特別図柄表示器8aでの第1特別図柄の変動を終了させ、特別図柄ポインタに「第2」を示すデータが設定されている場合には第2特別図柄表示器8bでの第2特別図柄の変動を終了させる。また、演出制御用マイクロコンピュータ100に図柄確定指定コマンドをセットする(S132)。これにより、図柄確定指定コマンドが図6のS28において、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信される。そして、大当りフラグがセットされていない場合には、S139に移行する(S133)。
大当りフラグがセットされている場合には、CPU56は、確変フラグおよび時短フラグをリセットし(S134)、演出制御用マイクロコンピュータ100に、決定された当りの種別に応じて、大当り開始1指定コマンド、大当り開始2指定コマンド、または、2ラウンド確変開始指定コマンドのいずれかのコマンド(大当り開始指定コマンド)をセットする(S135)。
これにより、セットされた大当り開始指定コマンドが図6のS28において、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信される。具体的には、大当りの種別が15ラウンド通常大当りである場合には大当り開始1指定コマンドを送信する。大当りの種別が15ラウンド確変大当りである場合には大当り開始2指定コマンドを送信する。大当りの種別が2ラウンド確変大当りである場合には2ラウンド確変開始指定コマンドを送信する。大当りの種別が15ラウンド通常大当り、15ラウンド確変大当り、2ラウンド確変大当りのいずれに該当するかは、RAM55に記憶されている大当り種別を示すデータ(大当り種別バッファに記憶されているデータ)に基づいて判定される。
また、大入賞口制御タイマに、大当り表示時間(大当りが発生したことをたとえば、演出表示装置9において報知する時間)に相当する値を設定する(S136)。以降、大入賞口開放前処理において、大入賞口制御タイマが1減算されて、0になると大入賞口が開放されてラウンドが開始される。
また、RAM55に記憶されている大当り種別を示すデータにより特定される大当りの種別に応じて、前述したROM54に記憶されている開放パターンデータを参照し、開放回数(たとえば、15ラウンド通常大当りおよび15ラウンド確変大当りの場合には15回。2ラウンド確変大当りの場合には2回。)、開放時間(たとえば、15ラウンド通常大当りおよび15ラウンド確変大当りの場合には29秒。2ラウンド確変大当りの場合には0.5秒)、ラウンド間のインターバル時間(たとえば、15ラウンド通常大当りおよび15ラウンド確変大当りの場合には5秒。2ラウンド確変大当りの場合には0.5秒。)等の開放態様を示すデータを所定の記憶領域にセットする(S137)。このようなデータのうち、開放回数のデータは、開放回数を計数するための開放回数カウンタにセットされる。そして、特別図柄プロセスフラグの値を大入賞口開放前処理(S305)に対応した値に更新する(S138)。
なお、15ラウンド通常大当りおよび15ラウンド確変大当りと、2ラウンド確変大当りとで、ラウンド数を同じラウンド数とする場合には、S137においてセットする開放回数のデータとして固定値(たとえば15回)を用いればよいので、大当り遊技状態の開放回数を設定するための処理を簡素化することができる。
S139では、CPU56は、時短状態であることを示す時短フラグがセットされているか否か確認する(S139)。時短フラグがセットされている場合には、確変状態であることを示す確変フラグがセットされているか否か確認する(S139A)。確変フラグがセットされていない場合には、非確変状態かつ時短状態のとき、すなわち、15ラウンド通常大当りの大当り遊技状態終了後の時短状態である。
15ラウンド通常大当りの大当り遊技状態終了後の時短状態は、変動表示が100回実行されるまでと、次の大当りが発生するまでとのいずれかの条件が成立するまで継続させる必要がある。このような変動表示100回という継続期間は、時短状態における特別図柄の変動可能回数を示す時短回数カウンタを、変動表示が実行されるごとに特別図柄停止処理で更新することにより管理される。このような管理を行なうため、S139Aで確変フラグがセットされていないと判断されたときは、時短回数カウンタの値を−1する(S140)。時短回数カウンタは、後述するように、15ラウンド通常大当りの大当り遊技状態の終了時において、大当り終了処理(S307)において、所定回数(100回)に対応する値(100)にセットされる。
そして、時短回数カウンタの値が0になったか否かを確認し(S141)、時短回数カウンタの値が0になった場合は、15ラウンド通常大当り後の時短状態の継続期間が終了したと判断して、時短フラグをリセットする(S142)。これにより、遊技状態が時短状態から通常状態(非時短状態)に移行する。そして、CPU56は、遊技状態が時短状態から通常状態(非時短状態)に移行したことに応じて、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する通常状態指定コマンドをセットし(S143)、S149に進む。これにより、通常状態指定コマンドが図6のS28において、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信される。
また、S139で時短フラグがセットされていないとき、または、S139Aで確変フラグがセットされているときは、15ラウンド通常大当り終了後の時短状態に該当しないので、そのままS149に進む。また、S141で時短回数カウンタの値が0になっていないときには、時短状態の継続中なので、そのままS149に進む。
S149に処理が進められた場合、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(S300)に対応した値に更新する(S149)。
図17は、特別図柄プロセス処理における大入賞口開放前処理(S305)を示すフローチャートである。大入賞口開放前処理において、CPU56は、大入賞口制御タイマの値を−1する(S401)。そして、大入賞口制御タイマの値が0であるか否かを確認し(S402)、大入賞口制御タイマの値が0になっていなければ、処理を終了する。これにより、大当り遊技状態の開始時においては、大入賞口制御タイマの値が0になるまで、前述したように設定された大当り表示時間となるので、大当りが発生したことを報知する制御が行なわれる。また、大当り遊技状態中のラウンド間においては、大入賞口制御タイマの値が0になるまで、後述するS440により設定されたインターバル時間となるので、インターバル時間について予め定められた演出をする制御が行なわれる。
大入賞口制御タイマの値が0になっている場合には、CPU56は、大入賞口の開放中(ラウンド中)におけるラウンド数に応じた表示状態を指定する大入賞口開放中指定コマンド(A1XX(H))を演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S403)。CPU56は、ラウンド数を、大当り遊技中のラウンド数をカウントするための開放回数カウンタの値を確認することにより認識する。そして、CPU56は、ソレノイド21を駆動して大入賞口(特別可変入賞球装置20)を開放する制御を行なうとともに(S404)、開放回数カウンタの値を−1する(S405)。
また、大入賞口制御タイマに、各ラウンドにおいて大入賞口が開放可能な最大時間に応じた値として、大当りの種別に応じた開放パターンデータに基づく、当該ラウンドの開放時間に相当する値を設定する(S406)。ラウンドの開放時間としては、S137によりセットされた開放時間のデータが設定される。たとえば、15ラウンド通常大当りおよび15ラウンド確変大当りの場合には開放時間が29秒に設定され、2ラウンド確変大当りの場合には開放時間が0.5秒に設定される。そして、特別図柄プロセスフラグの値を大入賞口開放中処理(S306)に応じた値に更新する(S407)。
図18は、特別図柄プロセス処理における大入賞口開放中処理(S306)を示すフローチャートである。大入賞口開放中処理において、CPU56は、大入賞口制御タイマの値を−1する(S420)。
そして、CPU56は、大入賞口制御タイマの値が0になったか否か確認する(S421)。大入賞口制御タイマの値が0になっていないときは、カウントスイッチ23がオンしたか否か確認し(S432)、カウントスイッチ23がオンしていなければ、処理を終了する。カウントスイッチ23がオンした場合には、大入賞口への遊技球の入賞個数をカウントするための入賞個数カウンタの値を+1する(S433)。そして、CPU56は、入賞個数カウンタの値が所定数(たとえば10)になっているか否か確認する(S434)。入賞個数カウンタの値が所定数になっていなければ、処理を終了する。なお、S421とS432との判定順は逆でもよい。
大入賞口制御タイマの値が0になっているとき、または入賞個数カウンタの値が所定数になっているときには、CPU56は、ソレノイド21を駆動して大入賞口を閉鎖する制御を行なう(S435)。そして、入賞個数カウンタの値をクリアする(0にする)(S436)。
次いで、CPU56は、開放回数カウンタの値を確認する(S438)。開放回数カウンタの値が0でない場合には、CPU56は、大入賞口の開放後(ラウンドの終了後)におけるラウンド数に応じた表示状態を指定する大入賞口開放後指定コマンド(A2XX(H))を演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S439)。そして、大入賞口制御タイマに、ラウンドが終了してから次のラウンドが開始するまでのインターバル時間に相当する値を設定する(S440)。具体的に、具体的に、インターバル時間としては、S137によりセットされたインターバル時間のデータが設定される。そして、特別図柄プロセスフラグの値を大入賞口開放前処理(S305)に応じた値に更新する(S441)。
また、開放回数カウンタの値が0である場合に、CPU56は、大当り種別に応じた大当り終了コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信するための制御を行なう(S442)。具体的に、S442では、RAM55における大当り種別バッファに設定した大当り種別を示すデータに基づいて、大当り種別を確認する。そして、CPU56は、大入賞口制御タイマに大当り終了時間(大当り遊技が終了したことをたとえば、演出表示装置9において報知する時間)に相当する値を設定し(S443)、特別図柄プロセスフラグの値を大当り終了処理(S307)に応じた値に更新し(S444)、処理を終了する。
図19は、特別図柄プロセス処理における大当り終了処理(S307)を示すフローチャートである。大当り終了処理において、CPU56は、大当り終了時間が設定された大入賞口制御タイマの値を1減算する(S154)。そして、CPU56は、大入賞口制御タイマの値が0になっているか否(大当り終了時間が経過したか否か)確認する(S155)。大入賞口制御タイマの値が0になっていなければ処理を終了する。大入賞口制御タイマの値が0になっていれば、大当りの種別が15ラウンド確変大当りまたは2ラウンド確変大当りであったか否か確認する(S158)。
大当りの種別が15ラウンド確変大当りまたは2ラウンド確変大当りであった場合には、確変フラグをセットし(S159)、遊技状態を確変状態に移行させる。そして、S161に移行する。また、S158において大当りの種別が15ラウンド確変大当りまたは2ラウンド確変大当りでなかった場合(15ラウンド通常大当りである場合)には、S161に移行する。
S161では、時短フラグをセットする(S161)。そして、確変フラグがセットされているか否かを確認する(S161A)。確変フラグがセットされていないときは、消去法的に15ラウンド通常大当りの大当り遊技状態の終了時であり、時短回数カウンタにたとえば100をセットし(S162)、S163に進む。これにより、15ラウンド通常大当りの大当り遊技状態の終了後には、変動表示が100回実行されるまでの期間継続して時短状態に制御されることとなる。一方、確変フラグがセットされているときは、消去法的に15ラウンド確変大当りまたは2ラウンド確変大当りの大当り遊技状態の終了時であり、そのままS163に進む。これにより、15ラウンド確変大当りおよび2ラウンド確変大当りのときには、変動表示の実行回数に制限されず、次回の大当りまで継続して時短状態に制御されることとなる。S163では、CPU56は、時短状態指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信するための処理を行なう(S163)。これにより、時短状態指定コマンドが演出制御用マイクロコンピュータ100に送信される。次いで、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(S300)に対応した値に更新し(S164)、処理を終了する。
前述したように、時短状態となるときに、時短状態指定コマンドを送信することにより、演出制御用マイクロコンピュータ100において、時短状態であることを認識することができる。
次に、普通図柄の表示結果を決定するために用いる普通図柄表示結果決定テーブルについて説明する。図20は、普通図柄表示結果決定テーブルを示す説明図である。普通図柄表示結果決定テーブルは、ROM54に記憶されている。
普通図柄表示結果決定テーブルにおいては、普通図柄当り判定用のランダム4(1〜201)の値(決定値)と、普通図柄の表示結果と、普通図柄の変動時間と、可変入賞球装置15(第2始動入賞口14)の開放時間および開放回数との関係が、通常遊技状態(電チューサポート制御がされていない遊技状態)と、電チューサポート制御状態とに分けて示されている。
通常遊技状態のときにおいて、決定値が1〜20のいずれかとなったときには、普通図柄の表示結果を当りとし、変動時間が10秒間に設定されるとともに、開放時間が0.3秒間で1回開放することに設定される。一方、通常遊技状態のときにおいて、決定値が21〜201のいずれかとなったときには、普通図柄の表示結果をはずれとし、変動時間が10秒間に設定される。
また、電チューサポート制御状態のときにおいて、決定値が1〜180のいずれかとなったときには、普通図柄の表示結果を当りとし、変動時間が1秒間に設定されるとともに、開放時間が1.5秒間で3回開放することに設定される。一方、電チューサポート制御状態のときにおいて、決定値が181〜201のいずれかとなったときには、普通図柄の表示結果をはずれとし、変動時間が1秒間に設定される。
このように、普通図柄の制御に関し、電チューサポート制御状態のときには、通常遊技状態と比べて、決定値が当りとなる割合が高くなるように設定され、変動時間が短くなるように設定され、さらに、開放時間および開放回数が増加するように設定される。
図21は、図6のS27において実行される普通図柄プロセス処理の一例を示すフローチャートである。この普通図柄プロセス処理において、CPU56は、まず、ゲート32に設けられたゲートスイッチ32aからの検出信号がオン状態であるか否かをチェックすることにより、ゲート32を通過した遊技球が検出されたか否かの判定を行なう(S501)。S501では、遊技球がゲート32を通過してゲートスイッチ32aからの検出信号が所定期間オン状態となった場合に、遊技球のゲート通過(通過球)の検出があったものと判断して、ゲート通過時処理を実行する(S502)。
S502において実行されるゲート通過時処理の一例として、以下のような処理が実行される。まず、RAM55の所定領域に設けられた普図保留記憶部に記憶されている普図保留記憶データの個数である普図保留記憶数が、所定の上限値(たとえば「4」)となっているか否かを判定する。普図保留記憶部は、ゲートスイッチ32aにより遊技球のゲート通過が検出されたときに抽出した普通図柄の表示結果決定用のランダム4の数値データを普図保留記憶データとして、最大限4つ保留記憶するデータ記憶領域を有する。この普図保留記憶部は、前述した第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファと同様に、普図保留記憶データを格納された順番を特定可能な状態で保存していき、順番にしたがって変動表示に使用された普図保留記憶データを消去し、残りの普図保留記憶データについてデータ記憶領域を1つずつシフトしていく構成となっている。
S502において、普図保留記憶数が上限値未満であるときには、CPU56が、ランダム4を示す数値データを抽出する。そして、抽出したランダム4の数値データを普図保留記憶データとして、普図保留記憶部でデータが記憶されずに空いているデータ記憶領域のうち先頭順番の領域にセットする。一方、普図保留記憶部において、普図保留記憶数が上限値となっていれば、今回の遊技球の検出は無効として、ランダム4の数値データの新たな抽出および記憶は行なわない。
ゲート通過時処理を実行した後、および、S501でゲートスイッチ32aからの検出信号がオフ状態であると判定された後には、普通図柄プロセスフラグの値に応じて、以下のようなS510〜S514の各処理を実行する。
S510の普通図柄通常処理は、普通図柄プロセスフラグの値が「0」のときに実行される。この普通図柄通常処理では、普図保留記憶部に格納された普図保留記憶データの有無等に基づいて、普通図柄表示器10による普通図柄の変動表示を開始するか否かの判定が行なわれる。このとき、たとえば普図保留記憶部に格納された普図保留記憶データがある場合には、普通図柄プロセスフラグの値を「1」に更新する。
S511の普通図柄判定処理は、普通図柄プロセスフラグの値が「1」のときに実行される。この普通図柄判定処理では、時短フラグがセットされているか否かに基づいて、電チューサポート制御状態であるか否かを認識し、普図保留記憶部の先頭順番に格納された普図保留記憶データ(普通図柄の表示結果決定用のランダム4を示す数値データ)に基づき、図20に示す普通図柄表示結果決定テーブルを参照して、普通図柄の変動表示における表示結果を、「当り」とするか「はずれ」とするかの決定等が行なわれる。
前述したように、普通図柄表示結果決定テーブルでは、時短状態に対応した電チューサポート制御状態である場合に、非電チューサポート制御状態である通常遊技状態である場合よりも普通図柄の表示結果を「当り」とする決定がなされる割合が高くなるように、ランダム4と比較される決定値が割振られている。これにより、電チューサポート制御状態では、S511の普通図柄判定処理において、通常遊技状態と比べて普通図柄の表示結果が「当り」と判定されやすくなることで、可変入賞球装置15が形成する第2始動入賞口14が開放状態となりやすく、遊技球が第2始動入賞口14に進入(始動入賞)しやすくなる。
また、普通図柄判定処理では、普通図柄表示結果決定テーブルを用いて、普通図柄の変動時間も決定される。前述したように、普通図柄表示結果決定テーブルでは、時短状態に対応した電チューサポート制御状態である場合に、非電チューサポート制御状態である通常遊技状態である場合よりも普通図柄の変動時間が短くなるように設定されている。これにより、電チューサポート制御状態では、S511の普通図柄判定処理において、時短フラグがセットされているときに電チューサポート制御状態であると認識し、通常遊技状態と比べて普通図柄の変動時間が短くなるように変動時間が決定される。電チューサポート制御状態では、普通図柄の変動表示結果が導出表示される間隔が短くなることで、「当り」の変動表示結果が導出表示される間隔も短くなり、可変入賞球装置15が形成する第2始動入賞口14が開放状態となりやすく、遊技球が第2始動入賞口14に進入(始動入賞)しやすくなる。
さらに、普通図柄判定処理では、普通図柄表示結果決定テーブルを用いて、可変入賞球装置15(第2始動入賞口14)の開放時間および開放回数も決定される。前述したように、普通図柄表示結果決定テーブルでは、時短フラグがセットされているときに電チューサポート制御状態であると認識し、電チューサポート制御状態である場合に、非電チューサポート制御状態である通常遊技状態である場合よりも、可変入賞球装置15(第2始動入賞口14)の開放時間が長くなり、かつ、開放回数が多くなるように設定されている。したがって、電チューサポート制御状態である場合に、非電チューサポート制御状態である通常遊技状態である場合よりも、可変入賞球装置15(第2始動入賞口14)の開放時間が長くなり、かつ、開放回数が多くなるような制御が行なわれる。これにより、電チューサポート制御状態では、開放時間が長くなり、かつ、開放回数が多くなることで、可変入賞球装置15(第2始動入賞口14)が開放状態となる時間および回数が増加し、遊技球が第2始動入賞口14に進入(始動入賞)しやすくなる。
普通図柄判定処理では、このような各種判定がされた後、普通図柄プロセスフラグの値を「2」に更新する。
S512の普通図柄変動処理は、普通図柄プロセスフラグの値が「2」のときに実行される。この普通図柄変動処理では、普通図柄表示器10による普通図柄の変動表示において普通図柄を変動させるための設定が行なわれる。こうした設定に基づいて変動表示する普通図柄は、S513の普通図柄停止処理が実行されることにより、その変動表示が停止して普通図柄の表示結果となる普通図柄の表示結果が表示される。普通図柄変動処理では、普通図柄が変動表示を開始してからの経過時間が計測される。このときには、計測された経過時間が、普通図柄判定処理で決定された変動時間に達したか否かの判定が行なわれる。そして、決定された変動時間に達したときには、普通図柄プロセスフラグの値を「3」に更新する。
S513の普通図柄停止処理は、普通図柄プロセスフラグの値が「3」のときに実行される。この普通図柄停止処理では、普通図柄表示器10において普通図柄の変動表示を停止して表示結果を導出表示させるための設定が行なわれる。なお、普通図柄の表示結果を導出表示させるための設定は、S512の普通図柄変動処理において、計測された経過時間が決定された変動時間に達したときに、普通図柄プロセスフラグの値を「3」に更新する以前に行なわれるようにしてもよい。また、普通図柄停止処理では、普通図柄判定処理で決定された普通図柄の表示結果が「当り」である場合に、普通図柄判定処理で決定された開放時間および開放回数で可変入賞球装置15を開閉するようにソレノイド16を駆動する作動パターンの設定を行なってから、普通図柄プロセスフラグの値が「4」に更新される。一方、普通図柄判定処理で決定された普通図柄の表示結果が「はずれ」である場合には、普通図柄プロセスフラグをクリアして、その値を「0」に更新する。
S514の普通電動役物作動処理は、普通図柄プロセスフラグの値が「4」のときに実行される。この普通電動役物作動処理では、普通図柄の変動表示における表示結果が「当り」となったことに対応して、可変入賞球装置15において可動片を開放状態に動作させることにより、第2始動入賞口14を閉状態から開状態に変化させる制御が行なわれる。たとえば、普通電動役物作動処理では、S513の普通図柄停止処理においてセットされた作動パターンの設定に応じて、ソレノイド16を駆動するための駆動制御信号を生成することにより、可変入賞球装置15を、普通図柄判定処理で決定された開放時間および開放回数で開状態とする制御を行なう。これにより、図20に示すような遊技状態および表示結果に応じた動作パターンで可変入賞球装置15が開閉動作させられることとなる。そして、作動パターンの設定に応じたソレノイド16の駆動が終了すると、普通図柄プロセスフラグをクリアして、その値を「0」に更新する。
次に、演出制御用マイクロコンピュータ100で実行される制御を説明する。図22は、演出制御用マイクロコンピュータ100が用いる乱数を示す説明図である。
図22には、一例として、演出図柄の左停止図柄決定用のSR1−1、演出図柄の中停止図柄決定用のSR1−2、演出図柄の右停止図柄決定用のSR1−3、各種の演出決定用のSR2が示されている。
SR1−1,SR1−2,SR1−3は、演出図柄の左,中,右の停止図柄(仮停止図柄を除く最終的な停止図柄)をランダムに決定するために用いられる。SR2は、演出表示装置9で表示される画像による演出内容等の各種の演出内容をランダムに決定するために用いられる。
このような乱数SR1−1〜SR2のそれぞれは、ソフトウェアによりカウント値を更新するランダムカウンタのカウントにより生成されるものであり、図22において対応付けられた範囲内でそれぞれ巡回更新され、それぞれについて定められたタイミングで抽出されることにより乱数として用いられる。
図23は、演出表示装置9における演出図柄(飾り図柄)の停止図柄の一例を示す説明図である。
図23に示す例では、演出制御用CPU101は、受信した表示結果指定コマンドが、15ラウンド通常大当りを示している場合(受信した表示結果指定コマンドが表示結果2指定コマンドである場合)には、停止図柄として左,中,右の3図柄が偶数図柄で揃った演出図柄の組合せ(15ラウンド通常大当り図柄の組合せ)を決定する。
演出制御用CPU101は、受信した表示結果指定コマンドが、15ラウンド確変大当りを示している場合(受信した表示結果指定コマンドが表示結果3指定コマンドである場合)には、停止図柄として左,中,右の3図柄が奇数で揃った演出図柄の組合せ(15ラウンド確変大当り図柄の組合せ)を決定する。そして、はずれの場合(受信した表示結果指定コマンドが表示結果1指定コマンドである場合)には、上記以外の演出図柄の組合せ(左右不一致、左右のみ一致等のはずれ図柄の組合せ)を決定する。ただし、リーチ演出を伴う場合には、左,右の2図柄が揃った演出図柄の組合せを決定する。
演出制御用CPU101は、受信した表示結果指定コマンドが、2ラウンド確変大当りを示している場合(受信した表示結果指定コマンドが表示結果4指定コマンド、または、表示結果5指定コマンドである場合)に、停止図柄として「1,2,3」、「4,5,6」、または、「7,8,9」等の所定の演出図柄の組合せを決定する。
次に、演出制御用マイクロコンピュータ100の動作を説明する。図24は、演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)が実行する演出制御メイン処理を示すフローチャートである。
演出制御用CPU101は、電源が投入されると、演出制御メイン処理の実行を開始する。演出制御メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御の起動間隔(たとえば、2ms)を決めるためのタイマの初期設定等を行なうための初期化処理を行なう(S701)。その後、演出制御用CPU101は、タイマ割込フラグの監視(S702)を行なうループ処理に移行する。タイマ割込が発生すると、演出制御用CPU101は、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグをセットする。演出制御メイン処理において、タイマ割込フラグがセットされていたら、演出制御用CPU101は、そのフラグをクリアし(S703)、以下の演出制御処理を実行する。
演出制御処理において、演出制御用CPU101は、まず、受信した演出制御コマンドを解析し、受信した演出制御コマンドがどのようなことを指示するコマンドであるかを特定可能なフラグ等のデータをセットする処理等を行なう(コマンド解析処理:S704)。次いで、演出制御用CPU101は、演出制御プロセス処理を行なう(S705)。演出制御プロセス処理では、S704で解析した演出制御コマンドの内容にしたがって演出表示装置9での演出図柄の変動表示等の各種演出を行なうために、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(演出制御プロセスフラグ)に対応した処理を選択して演出制御を実行する。
次いで、図22に示すようなSR1−1,SR1−2,SR1−3、および、SR2を含む各種乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する乱数更新処理を実行する(S706)。また、第1保留記憶表示部18cおよび第2保留記憶表示部18dの表示状態の制御を行なう保留記憶表示制御処理を実行する(S707)。具体的に、前述の第1保留記憶数記憶領域に記憶された第1保留記憶数のデータ対応して第1保留記憶表示部18cにおいて第1保留記憶数を表示する制御を行なう。また、前述の第2保留記憶数記憶領域に記憶された第2保留記憶数のデータ対応して第2保留記憶表示部18dにおいて第2保留記憶数を表示する制御を行なう。その後、S702に移行する。
このような演出制御メイン処理が実行されることにより、演出制御用マイクロコンピュータ100では、遊技制御用マイクロコンピュータ560から送信され、受信した演出制御コマンドに応じて、演出表示装置9、各種ランプ、および、スピーカ27等の演出装置を制御することにより、遊技状態に応じた各種の演出制御が行なわれる。
図25は、図24に示された演出制御メイン処理における演出制御プロセス処理(S705)を示すフローチャートである。演出制御プロセス処理では、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値に応じてS800〜S807のうちのいずれかの処理を行なう。各処理において、以下のような処理を実行する。なお、演出制御プロセス処理では、演出表示装置9の表示状態が制御され、演出図柄の変動表示が実現されるが、第1特別図柄の変動に同期した演出図柄の変動表示に関する制御も、第2特別図柄の変動に同期した演出図柄の変動表示に関する制御も、一つの演出制御プロセス処理において実行される。
変動パターンコマンド受信待ち処理(S800):遊技制御用マイクロコンピュータ560から変動パターンコマンドを受信しているか否か確認する。具体的には、コマンド解析処理でセットされる変動パターンコマンド受信フラグがセットされているか否か確認する。変動パターンコマンドを受信していれば、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動開始処理(S801)に対応した値に変更する。
演出図柄変動開始処理(S801):演出図柄(飾り図柄)の変動表示が開始されるように制御する。また、演出図柄の停止図柄(表示結果)をSR1−1〜SR1−3等に基づいて決定する。変動表示の開始時に、受信した変動パターンコマンドに対応して実行する変動表示の変動時間を計時する変動表示時間タイマの計時をスタートさせる。そして、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(S802)に対応した値に更新する。
演出図柄変動中処理(S802):変動パターンを構成する各変動状態(変動速度)の切替えタイミング等を制御するとともに、変動表示時間タイマにより計時される変動時間が終了したか否かを監視する。そして、変動時間が終了したか、または、全図柄停止を指示する演出制御コマンド(図柄確定指定コマンド)を受信したことに基づいて、変動表示を終了させるために、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(S803)に対応した値に更新する。
演出図柄変動停止処理(S803):演出図柄(飾り図柄)の変動表示を停止し、変動表示の表示結果(停止図柄)を導出表示する制御を行なう。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(S804)または変動パターンコマンド受信待ち処理(S800)に対応した値に更新する。
大当り表示処理(S804):変動時間の終了後、演出表示装置9に大当りの発生を報知するための画面を表示する制御を行なう。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り遊技中処理(S805)に対応した値に更新する。
ラウンド中処理(S805):ラウンド中の表示制御を行なう。そして、ラウンド終了条件が成立したら、最終ラウンドが終了していなければ、演出制御プロセスフラグの値をラウンド後処理(S806)に対応した値に更新する。最終ラウンドが終了していれば、演出制御プロセスフラグの値を大当り終了処理(S807)に対応した値に更新する。
ラウンド後処理(S806):ラウンド間の表示制御を行なう。そして、ラウンド開始条件が成立したら、演出制御プロセスフラグの値をラウンド中処理(S805)に対応した値に更新する。
大当り終了演出処理(S807):演出表示装置9において、大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を行なう。そして、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(S800)に対応した値に更新する。
演出制御用CPU101は、たとえば、次のように演出図柄の停止図柄を決定する。たとえば、演出図柄変動開始処理において、演出図柄の停止図柄決定用の乱数SR1−1〜SR1−3を抽出し、これらと、演出図柄を示すデータと数値とが対応付けられている停止図柄決定テーブルとを用いて、演出図柄の停止図柄を決定する。すなわち、抽出した乱数に一致する数値に対応する演出図柄の組合せを示すデータを選択することによって停止図柄を決定する。そして、演出制御用CPU101は、演出図柄の変動表示を停止するときに、このように決定された停止図柄で演出図柄を停止させる。演出図柄についても、大当りを想起させるような停止図柄を大当り図柄という。そして、はずれを想起させるような停止図柄をはずれ図柄という。
具体的に、演出図柄の停止図柄は、たとえば、次のように決定する。非リーチはずれの図柄の組合せを決定する場合においては、所定のタイミングでSR1−1〜SR1−3のそれぞれから数値データ(乱数)を抽出し、演出制御用マイクロコンピュータ100のROMに記憶されたはずれ図柄決定用データテーブルを用い、抽出した乱数に対応する図柄がそれぞれ左,中,右の演出図柄の変動表示結果となる停止図柄の組合せとして決定される。このように非リーチはずれの図柄の組合せを決定する場合において、抽出された乱数に対応する停止図柄が偶然大当り図柄の組合せまたは特殊図柄(チャンス目)の組合せと一致する場合には、はずれ図柄の組合せとなるように補正(たとえば、右図柄を1図柄ずらす補正)して各停止図柄が決定される。また、抽出された乱数に対応する停止図柄が偶然リーチ図柄となってしまう場合には、非リーチはずれ図柄の組合せとなるように補正(たとえば、中図柄を1図柄ずらすように補正)して各停止図柄が決定される。
また、リーチはずれの図柄の組合せを決定する場合においては、所定のタイミングでSR1−1〜SR1−3のそれぞれから数値データ(乱数)を抽出し、はずれ図柄決定用データテーブルを用い、SR1−1から抽出された乱数に対応する図柄がリーチ状態を形成する各演出図柄の停止図柄として決定され、SR1−2から抽出されたカウンタの値と合致する乱数に対応する図柄が最終停止図柄の停止図柄として決定される。
大当りの図柄の組合せを決定する場合においては、大当りの種別に応じて大当り図柄の組合せを決定する。
15ラウンド確変大当りにすることに決定されているときには、奇数大当り図柄決定用テーブルを用いて、たとえば、左,中,右が「7,7,7」というようないずれかの奇数図柄の組合せを選択決定する。奇数大当り図柄決定用テーブルは、予め定められた複数種類の奇数図柄のそれぞれに、SR1−1のそれぞれの数値データが対応付けられている。奇数図柄の大当り図柄の組合せを決定するときには、所定のタイミングでSR1−1から数値データ(乱数)を抽出し、奇数大当り図柄決定用テーブルを用い、抽出した乱数に対応する図柄を、奇数図柄の大当り図柄の組合せを構成する左,中,右の演出図柄の停止図柄の組合せとして決定する。このように決定された図柄が大当り遊技状態に制御される前の変動表示結果である最終停止図柄として用いられる。
また、15ラウンド通常大当りにすることに決定されているときには、偶数大当り図柄決定用テーブルを用いて、たとえば、左,中,右が「2,2,2」というようないずれかの偶数図柄の組合せを選択決定する。偶数大当り図柄決定用テーブルは、予め定められた複数種類の偶数図柄のそれぞれに、SR1−1のそれぞれの数値データが対応付けられている。偶数大当り図柄の組合せを決定するときには、所定のタイミングでSR1−1から数値データ(乱数)を抽出し、偶数大当り図柄決定用テーブルを用い、抽出した乱数に対応する図柄を、偶数大当り図柄の組合せを構成する左,中,右の演出図柄の停止図柄の組合せとして決定する。
また、2ラウンド確変大当りにすることに決定されているときには、特殊図柄決定用テーブルを用いて、たとえば、左,中,右が「1,2,3」、「4,5,6」、または、「7,8,9」の演出図柄の組合せとして選択決定する。
図26は、プロセステーブルの構成例を示す説明図である。プロセステーブルとは、演出制御用CPU101が演出装置の制御を実行する際に参照するプロセスデータが設定されたテーブルである。すなわち、演出制御用CPU101は、変動表示の開始時から変動表示の停止時まで、および、大当り遊技状態の開始時から大当り遊技状態の終了時までの予め定められた演出制御期間中において、プロセステーブルに設定されているプロセスデータにしたがって演出表示装置9等の演出装置(演出用部品)の制御を行なう。
プロセステーブルは、プロセスタイマ設定値と、表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データの組合せが複数集まったデータとで構成されている。表示制御実行データには、演出図柄(飾り図柄)の変動表示の変動時間(変動表示時間)中の変動態様を構成する各変動の態様を示すデータ等が記載されている。具体的には、演出表示装置9の表示画面の変更に関わるデータが記載されている。また、プロセスタイマ設定値には、その変動の態様での変動時間が設定されている。演出制御用CPU101は、プロセステーブルを参照し、プロセスタイマ設定値に設定されている時間だけ表示制御実行データに設定されている変動の態様で演出図柄を表示させる制御を行なう。
図26に示すプロセステーブルは、演出制御基板80におけるROMに格納されている。また、プロセステーブルは、各変動パターンに応じて用意されている。
なお、リーチ演出を伴う変動パターンについて演出制御を実行する場合に用いられるプロセステーブルには、変動開始から所定時間が経過したときに左図柄を停止表示させ、さらに所定時間が経過すると右図柄を停止表示させることを示すプロセスデータが設定されている。なお、停止表示させる図柄をプロセステーブルに設定するのではなく、決定された停止図柄、演出における仮停止図柄に応じて、図柄を表示するための画像を合成して生成するようにしてもよい。
演出制御用CPU101は、演出図柄の変動表示を行なうときに、S801〜S803において、変動パターンに応じて選択したプロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音番号データ1)にしたがって演出装置(演出用部品としての演出表示装置9、演出用部品としての各種ランプおよび演出用部品としてのスピーカ27R,27L)の制御を実行する。たとえば、演出表示装置9において変動パターンに応じた画像を表示させるために、VDP109に指令を出力する。また、各種ランプを点灯/消灯制御を行なわせるために、ランプドライバ基板35に対して制御信号(ランプ制御実行データ)を出力する。また、スピーカ27R,27Lからの音声出力を行なわせるために、音声出力基板70に対して制御信号(音番号データ)を出力する。
なお、この実施の形態では、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンドに1対1に対応する変動パターンによる演出図柄の変動表示が行なわれるように制御するが、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンドに対応する複数種類の変動パターンから、使用する変動パターンを選択するようにしてもよい。
図27は、図25に示された演出制御プロセス処理における演出図柄変動開始処理(S801)を示すフローチャートである。
演出図柄変動開始処理において、演出制御用CPU101は、変動表示結果をはずれとすることに決定されているか否か確認する(S811)。はずれとすることに決定されているか否かは、たとえば、コマンド解析処理により当該変動表示について表示結果1指定コマンドを受信したことを示すデータがRAMに設けられた変動パターンコマンド格納領域に格納されているか否かによって判定される。なお、はずれとすることに決定されているか否かは、大当りとするか否かを特定可能な変動パターンコマンドの種類に基づいて、確認するようにしてもよい。はずれとすることに決定されている場合には、変動パターンコマンドとして、リーチとならない非リーチ変動パターン(通常変動の変動パターン)に対応したコマンド(通常変動の変動パターンを示す変動パターンコマンド)を受信したか否か確認する(S812)。非リーチ変動パターンに対応したコマンドを受信したか否かは、たとえば、変動パターンコマンド格納領域に格納されているデータによって判定される。
非リーチ変動パターンに対応したコマンドを受信したと判定した場合、演出制御用CPU101は、予め定められたはずれ図柄決定用データテーブルを用いて、演出図柄のリーチにならないはずれの停止図柄を決定し(S814)、S820へ進む。はずれ図柄決定用データテーブルでは、複数種類の演出図柄のそれぞれに、SR1−1〜SR1−3のそれぞれの数値データが対応付けられている。S814の処理では、所定のタイミングでSR1−1〜SR1−3のそれぞれから数値データ(乱数)を抽出し、演出制御用マイクロコンピュータ100のROMに記憶されたはずれ図柄決定用データテーブルを用い、抽出した乱数に対応する図柄がそれぞれ左,中,右の演出図柄の変動表示結果となる停止図柄の組合せとして決定される。このように非リーチはずれの図柄の組合せを決定する場合において、抽出された乱数に対応する停止図柄が偶然、大当り図柄の組合せ(15ラウンド確変大当り図柄の組合せ、15ラウンド通常大当り図柄の組合せ、2ラウンド確変大当り図柄の組合せ)と一致する場合には、はずれ図柄の組合せとなるように補正(たとえば、右図柄を1図柄ずらす補正)して各停止図柄が決定される。また、抽出された乱数に対応する停止図柄が偶然、リーチ図柄となってしまう場合には、非リーチはずれ図柄の組合せとなるように補正(たとえば、右図柄を1図柄ずらす補正)して各停止図柄が決定される。
S812の処理で非リーチ変動パターンではないと判定した場合(リーチ変動パターンであると判定した場合)に、演出制御用CPU101は、リーチの組合せを構成する演出図柄の停止図柄を決定し(S815)、S820へ進む。S815の処理では、所定のタイミングでSR1−1〜SR1−3のそれぞれから数値データ(乱数)を抽出し、はずれ図柄決定用データテーブルを用い、SR1−1から抽出された乱数に対応する図柄がリーチ状態を形成する左,右の各演出図柄の停止図柄として決定され、SR1−2から抽出されたカウンタの値と合致する乱数に対応する図柄が中図柄の停止図柄として決定される。また、この場合も、偶然、大当り図柄の組合せとなってしまうときには、チャンス目以外のはずれ図柄の組合せとなるように補正(たとえば、中図柄を1図柄ずらす補正)して各停止図柄が決定される。
また、はずれとすることに決定されていない場合に(S811)、演出制御用CPU101は、大当りの種別に応じて、当り図柄の組合せを構成する演出図柄の停止図柄を決定し(S813)、S820へ進む。
S813では、以下のように、当りの種別に応じて当り図柄の組合せを決定する。演出制御用CPU101は、表示結果2指定コマンド〜表示結果4指定コマンドのうちのどの表示結果指定コマンドが表示結果特定コマンド格納領域に格納されているかに基づいて、大当りの種別を判定する。
15ラウンド確変大当りにすることに決定されていると判定したときには、15ラウンド確変大当り図柄決定用テーブルを用いて、15ラウンド確変大当り図柄の組合せ(たとえば、左,中,右が「7,7,7」というようないずれかの奇数図柄の組合せ)を選択決定する。15ラウンド確変大当り図柄決定用テーブルは、予め定められた複数種類の15ラウンド確変大当り図柄のそれぞれに、SR1−1のそれぞれの数値データが対応付けられている。15ラウンド確変大当り図柄の組合せを決定するときには、所定のタイミングでSR1−1から数値データ(乱数)を抽出し、15ラウンド確変大当り図柄決定用テーブルを用い、抽出した乱数に対応する図柄を、15ラウンド確変大当り図柄の組合せを構成する左,中,右の演出図柄の停止図柄の組合せとして決定する。このように決定された図柄が大当り遊技状態に制御される前の変動表示結果である最終停止図柄として用いられる。
また、演出制御用CPU101は、15ラウンド通常大当りにすることに決定されていると判定したときには、15ラウンド通常大当り図柄決定用テーブルを用いて、15ラウンド通常大当り図柄の組合(たとえば、左,中,右が「2,2,2」というようないずれかの偶数図柄のゾロ目の組合せ)を選択決定する。15ラウンド通常大当り図柄決定用テーブルは、予め定められた複数種類の15ラウンド通常大当り図柄のそれぞれに、SR1−1のそれぞれの数値データが対応付けられている。15ラウンド通常大当り図柄の組合せを決定するときには、所定のタイミングでSR1−1から数値データ(乱数)を抽出し、15ラウンド通常大当り図柄決定用テーブルを用い、抽出した乱数に対応する図柄を、15ラウンド通常大当り図柄の組合せを構成する左,中,右の演出図柄の停止図柄の組合せとして決定する。
また、演出制御用CPU101は、2ラウンド確変大当りにすることに決定されていると判定したときには、2ラウンド確変図柄決定用テーブルを用いて、2ラウンド確変大当り図柄の組合せ(たとえば、左,中,右が「1,2,3」、「4,5,6」、または、「7,8,9」等のチャンス目の組合せ)を選択決定する。2ラウンド確変図柄決定用テーブルは、複数種類の2ラウンド確変大当り図柄の組合せのそれぞれに、SR1−1のそれぞれの数値データが対応付けられている。2ラウンド確変大当り図柄の組合せを決定するときには、所定のタイミングでSR1−1から数値データ(乱数)を抽出し、2ラウンド確変図柄決定用テーブルを用い、抽出した乱数に対応する図柄を、2ラウンド確変図柄の組合せを構成する左,中,右の演出図柄の停止図柄の組合せとして決定する。
S520において、演出制御用CPU101は、演出制御パターンを複数種類の演出制御パターンうちのいずれかに決定する(S820)。S820において、演出制御用CPU101は、変動パターン指定コマンドによって指定された変動パターンにより指定された各種演出制御(演出動作)パターンに応じて、図柄変動制御パターンテーブルに格納されている複数種類の図柄変動制御パターンのうち、指定された各種演出動作パターンに対応するいずれかの演出制御パターンを変動表示の演出として使用する演出制御パターンとして選択決定する。
演出制御用マイクロコンピュータ100におけるROMに記憶されている制御パターンテーブルには、たとえば、演出図柄の変動が開始されてから最終停止図柄となる演出図柄が停止表示されるまでの期間における、演出表示装置9の表示領域における演出図柄の変動表示動作、リーチ演出における演出表示動作、および、予告演出における演出表示動作といった各種の演出動作の制御内容を示すデータが、図柄変動制御パターンとして複数種類格納されている。
また、各図柄変動制御パターンは、たとえば、演出制御プロセスタイマ設定値、演出制御プロセスタイマ判定値、演出表示制御データ、音声制御データ、ランプ制御データ、および、終了コードといった、演出図柄の変動表示に応じた各種の演出動作を制御するための制御データを含み、時系列的に、各種の演出制御の内容、および、演出制御の切替えタイミング等が設定されている。
次いで、演出制御用CPU101は、S820で選択した演出制御パターンに応じたプロセステーブルを選択する(S821)。そして、選択したプロセステーブルのプロセスデータ1におけるプロセスタイマ(演出設定プロセスタイマ)をスタートさせる(S822)。
そして、演出制御用CPU101は、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音番号データ1)にしたがって演出装置(演出用部品としての演出表示装置9、演出用部品としての各種ランプ、および、演出用部品としてのスピーカ27)の制御を開始する(S824)。たとえば、表示制御実行データにしたがって、演出表示装置9において変動パターンに応じた画像(演出図柄を含む。)を表示させるために、VDP109に指令を出力する。また、各種ランプを点灯/消灯制御を行なわせるために、ランプドライバ基板35に対して制御信号(ランプ制御実行データ)を出力する。また、スピーカ27からの音声出力を行なわせるために、音声出力基板70に対して制御信号(音番号データ)を出力する。また、可動部材制御データにしたがって、可動部材78を動作させるための駆動信号を出力する。
そして、変動表示時間タイマに、変動パターンコマンドで特定される変動時間に相当する値を設定する(S825)。変動表示時間タイマは、演出図柄の変動を開始してから最終停止図柄を停止表示するまでの変動時間を計測するためのタイマである。その後、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(S802)に対応した値にし(S826)、処理を終了する。
図28は、演出制御プロセス処理における演出図柄変動中処理(S802)を示すフローチャートである。
演出図柄変動中処理において、演出制御用CPU101は、プロセスタイマの値を1減算するとともに(S841)、変動表示時間タイマの値を1減算する(S842)。そしてプロセスタイマがタイムアウトしているか否かを判断する(S843)。
プロセスタイマがタイムアウトするまで(S843N)は、S846に進む。S843においてプロセスタイマがタイムアウトしたと判断したときは(S843Y)、プロセスデータの切替えを行なう(S844)。すなわち、プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定することによってプロセスタイマをあらためてスタートさせる(S844)。また、その次に設定されている表示制御実行データ、ランプ制御実行データ、および、音番号データ等のプロセスデータに基づいて演出装置(演出用部品)に対する制御状態を変更する等、次のプロセスデータの内容にしたがって、演出装置を制御する(S845)。
このように、プロセスタイマを用いて時間管理を行なって、プロセスデータを順次切替えていくことにより、変動表示制御を含む各種演出制御が行なわれる。
次に、演出制御用CPU101は、変動表示時間タイマの値に基づいて、変動表示時間タイマがタイムアウトしたか否かを確認する(S847)。変動表示時間タイマがタイムアウトしていれば(S847でY)、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(S803)に応じた値に更新する(S849)。一方、変動表示時間タイマがタイムアウトしていないときは(S847でN)、図柄確定指定コマンドを受信したことを示す確定コマンド受信フラグがセットされているか否かを確認する(S848)。確定コマンド受信フラグがセットされていないときは(S848でN)、演出図柄変動中処理が終了する。一方、確定コマンド受信フラグがセットされているときは(S848でY)、S849に移行する。変動表示時間タイマがタイムアウトしていなくても(S848でN)、図柄確定指定コマンドを受信したら変動を停止させる制御に移行するので、たとえば、基板間でのノイズ等に起因して長い変動時間を示す変動パターンコマンドを受信したような場合でも、正規の変動時間経過時(特別図柄の変動終了時)に、演出図柄の変動を終了させることができる。
たとえば、演出制御用マイクロコンピュータ100においては、変動パターンコマンドを受信したときに、演出図柄の変動表示を開始させ、図柄確定指定コマンドを受信したときに、演出図柄の変動表示を停止させる。変動表示は、各変動パターンコマンドに対応する変動時間で実行されるように制御される。
また、演出制御用マイクロコンピュータ100においては、遊技制御用マイクロコンピュータ560から送信されてくる通常状態指定コマンド、時短状態指定コマンド、および、確変終了指定コマンド等に基づいて、遊技状態がどのような状態にあるかを特定するデータを記憶し、その記憶データに基づいて、遊技状態を常に認識する。そして、このように認識している遊技状態と、遊技制御用マイクロコンピュータ560から送信されてくる変動パターンコマンドとに基づいて、演出制御用マイクロコンピュータ100は、現在の遊技状態に応じた演出態様で演出図柄の変動表示を実行させる。
図29は、図25の演出制御プロセス処理における演出図柄変動停止処理(S803)を示すフローチャートである。演出図柄変動停止処理において、演出制御用CPU101は、確定コマンド受信フラグがセットされているか否か確認する(S851)。確定コマンド受信フラグがセットされている場合には、確定コマンド受信フラグをリセットし(S852)、図27のS813、S814、S815のいずれかで決定された停止図柄を導出表示する制御を行なう(S853A)。また、飾り図柄変動終了フラグをセットする(S853B)。
飾り図柄変動終了フラグがセットされると、演出表示装置9における変動が停止される。そして、演出制御用CPU101は、大当りとすることに決定されているか否か確認する(S854)。大当りとすることに決定されているか否かは、たとえば、表示結果特定コマンド格納領域に格納されている表示結果特定コマンドによって確認される。なお、この実施の形態では、決定されている停止図柄によって、大当りとすることに決定されているか否か確認することもできる。
大当りとすることに決定されている場合には、15ラウンド確変大当りまたは15ラウンド通常大当りであるか否かが判断される。15ラウンド大当りでないと判断された場合、処理がS897に進められる。
一方、いずれかの15ラウンド大当りであると判断された場合、大当り継続回数(いわゆる連チャン回数)が1加算され(S891)、大当り継続回数が演出表示装置9に表示される。なお、大当り継続回数は、演出表示装置9に表示されることに限定されず、他の装置(たとえば、パチンコ遊技機1、カードユニットおよび呼出しランプなど)に設けられた表示装置(たとえば、液晶表示装置および7セグメント表示器など)に表示されるようにしてもよい。
図32は、演出表示装置9における大当り継続回数、時短残り回数、および、引戻し回数の表示例を示す表示画面図である。図32を参照して、大当り継続回数は、たとえば、図32(A)の左上の「5連勝!」といったような態様で表示される。
図29に戻って、次に、大当り継続回数が10回以上となったか否かが判断される(S893)。大当り継続回数が10回未満であると判断された場合、実行される処理がS897に進められる。
一方、大当り継続回数が10回以上となったと判断された場合、大当りが15ラウンド通常大当りであるか否かが判断される(S894)。15ラウンド通常大当りでないと判断された場合、実行される処理がS897に進められる。
一方、15ラウンド通常大当りであると判断された場合、エンディング演出実行フラグがセットされ(S895)、演出表示装置9におけるエンディング演出の実行が開始される(S896)。その後、実行される処理がS897に進められる。
ここで、エンディング演出とは、大当り継続回数が10回以上となった場合、または、大当り継続回数が10回以上となり、かつ、有利度が所定の有利度(たとえば、15ラウンド確変大当りの有利度)未満の大当り(たとえば、15ラウンド通常大当り、または、2ラウンド確変大当り)に制御された場合に実行される特定演出であり、大当り継続回数が所定回数(ここでは10回)以上となったことを遊技者に報知するための演出であり、たとえば、他の大当り中の演出と大当り中の背景が変わる演出である。なお、エンディング演出は、大当り継続中に、一度、実行されると、大当りの継続が終了するまで実行されない。
S897では、今回の大当りの種類(本実施の形態においては、15ラウンド確変大当り、15ラウンド通常大当り、2ラウンド確変大当り)が、大当り履歴として、演出制御用マイクロコンピュータ100のRAMに記憶させられる。記憶される大当り履歴は、少なくとも、大当りが継続している間(大当り継続期間)の履歴である。
そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(S804)に応じた値に更新する(S898)。
大当りとしないことに決定されている場合(S854でNOの場合)には、演出制御用CPU101は、はずれ時処理を実行する。
図30は、はずれ時処理を示すフローチャートである。図30を参照して、まず、引戻しモード中であることを示す引戻しモードフラグがセットされているか否かが判断される(S861)。
従来は、大当り継続回数が0回の時点での大当りである初当りに制御されてから時短状態が終了するまで、大当りの継続回数が計数されていた。本実施の形態においては、引戻しモードとして、時短状態が終了してから所定の引戻し期間の間、大当りの継続回数を計数する期間を延長する場合における、引戻し期間の間の制御状態のモードを設ける。
引戻しモードフラグがセットされていないと判断された場合(S861でNOの場合)、時短状態フラグがセットされているか否かが判断される。時短状態フラグは、大当り終了時に、後述する図31のS981でセットされ、時短終了時に、後述する図30のS866でリセットされるフラグであり、時短状態に制御されていることを示す。時短状態フラグがセットされていないと判断された場合(S862でNOの場合)、実行される処理がS878の処理に進められる。
一方、時短状態フラグがセットされていると判断された場合(S862でYESの場合)、時短状態の残りの変動回数を計数するための時短変動残り回数カウンタの値が1減算され(S863)、時短変動残り回数カウンタで示される時短状態の変動表示の残り回数が演出表示装置9に表示される(S864)。
再び図32を参照して、図32(A)で示されるように、時短状態の変動表示の残り回数は、たとえば、演出表示装置9の右上に、「残り1回」といった態様で表示される。
図30に戻って、次に、時短変動残り回数カウンタで示される時短状態の変動表示の残り回数が0回に達したか否かが判断される(S865)。達していないと判断された場合(S865でNOの場合)、実行される処理がS878の処理に進められる。
一方、時短状態の変動表示の残り回数が0回に達したと判断された場合(S865でYESの場合)、時短状態フラグがリセットされ(S866)、引戻しモードフラグがセットされる(S867)。
そして、図29のS895で説明したエンディング演出実行フラグがセットされているか否か、つまり、エンディング演出の実行が開始されたか否かが判断される(S868)。
エンディング演出実行フラグがセットされていると判断された場合(S868でYESの場合)、図29のS897でRAMに記憶された大当り履歴で示されるエンディング演出が実行された回までの大当りの種類に基づき、引戻し期間の変動表示の回数である引戻し回数が算出され、残り引戻し回数カウンタにセットされる(S869)。このように、引戻しモードに制御されるときに、一度だけ引戻し回数を算出するので、エンディング演出が実行されてから引戻しモードに制御されるまでの大当り終了ごとに、毎回、引戻し回数を算出する場合と比較して、制御負担が軽減される。
一方、エンディング演出実行フラグがセットされていないと判断された場合(S868でNOの場合)、図29のS897でRAMに記憶された大当り履歴で示される今回の変動表示までの大当りの種類に基づき、引戻し回数が算出され、残り引戻し回数カウンタにセットされる(S870)。
引戻し回数の算出方法としては、本実施の形態においては、対象期間の2ラウンド確変大当りの回数をm回、15ラウンド確変大当りと15ラウンド通常大当りとを合わせた回数をn回とした場合に、引戻し回数=10m+5nの算出式で算出する。
このような算出式で算出することにより、15ラウンドの大当りと比較して得られる賞球が少なく有利度の低い2ラウンドの大当りが多く発生した場合であっても、15ラウンドの大当りが発生した場合よりも、引戻し回数が多くなるので、遊技者のがっかり感を軽減することができる。
S869およびS870の後、引戻しモード突入画面および残り引戻し回数が演出表示装置9に表示される(S871)。次に、引戻しモード演出が実行される(S872)。引戻しモード演出は、他の状態またはモードでは実行されない特別演出であり、引戻しモードに制御されていることを遊技者に報知可能な演出である。なお、引戻しモード演出は引戻しモードの間、実行される。その後、実行される処理がS878の処理に進められる。
再び図32を参照して、引戻しモード突入画面は、図32(B)で示すように、たとえば「モード突入」と表示することによって、引戻しモードに突入したことを報知する画面である。残り引戻し回数は、たとえば、図32(B)の画面の右下に「25回」といった態様で表示される。
引戻しモードフラグがセットされていると判断された場合(S861でYESの場合)、残り引戻し回数カウンタの値が1減算され(S872)、残り引戻し回数カウンタで示される残り引戻し回数が演出表示装置9に表示される(S873)。
再び図32を参照して、図32(C)、図32(D)および図32(F)で示されるように、残り引戻し回数は、たとえば、演出表示装置9の右下に、「24回」および「0回」といった態様で表示される。
図30に戻って、次に、残り引戻し回数カウンタで示される残り引戻し回数が0回に達したか否かが判断される(S874)。達していないと判断された場合(S874でNOの場合)、実行される処理がS878の処理に進められる。
一方、残り引戻し回数が0回に達したと判断された場合(S874でYESの場合)、引戻しモードフラグがリセットされ(S876)、通常モードに戻った旨が演出表示装置9で報知される(S877)。その後、実行される処理がS878の処理に進められる。
再び図32を参照して、たとえば、図32(G)で示されるように、「通常モード」と表示されることによって、通常モードに戻った旨が報知される。その後、図32(H)で示されるように、大当り継続回数が計数されない変動表示が開始される。
図30に戻って、S878では、演出制御プロセスフラグの値が変動パターンコマンド受信待ち処理(S800)に応じた値に更新される。
図31は、大当り終了演出処理(S807)を示すフローチャートである。大当り終了演出処理において、演出制御用マイクロコンピュータ100は、まず、演出時間計測タイマの値を1減算する(S971)。演出時間計測タイマは、大当り遊技状態の終了時に行なわれる演出を管理する時間を計測するために、大当り終了演出処理前の段階でラウンド中処理においてセットされるタイマである。演出時間計測タイマは、たとえば、大当り終了指定コマンドによりより特定される大当りの種別に応じて定められた時間に設定される。そして、演出時間計測タイマがタイムアウトしたか否かを確認する(S972)。
演出時間計測タイマがタイムアウトしたときは(S972のY)、S981に進む。一方、演出時間計測タイマがタイムアウトしていないときは(S972のN)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、プロセスタイマの値を1減算する(S973)。
次いで、演出制御用マイクロコンピュータ100は、プロセスデータnの内容(表示制御実行データn)にしたがって、演出装置(演出表示装置9、スピーカ27、各種ランプ(LED28a〜28c)等)を制御する処理を実行する(S976)。たとえば、演出表示装置9においてエンディング演出に応じた画像を表示させるために、プロセスデータnの内容(表示制御実行データn)にしたがってCGROMから画像データを読出し、読出した画像データをVDP109に出力するとともに制御信号を出力する。また、各種ランプを点灯/消灯制御を行なわせるために、ランプドライバ基板35に対して制御信号を出力する。また、スピーカ27からの音声出力を行なわせるために、音声出力基板70に対して制御信号(音番号データ)を出力する。
この場合、たとえば、大当りが終了することを表示したり、演出表示装置9の表示画面に所定のキャラクタを表示したりすることによって、大当りが終了することを報知する。
そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、プロセスタイマがタイムアウトしていないかどうかを確認し(S977)、プロセスタイマがタイムアウトしていれば、プロセスデータの切替えを行なう(S978)。そして、次のプロセスデータにおけるプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定してプロセスタイマをスタートさせ(S979)、処理を終了する。
演出時間計測タイマがタイムアウトしたと判断された場合(S972でNOの場合)、つまり、大当り終了演出が終了したときに、時短状態フラグがセットされる(S981)。次に、大当りが確変大当りであったか否かが判断される(S982)。確変大当りであった場合(S982でYESの場合)、前回の大当り終了時に確変状態フラグがリセットされていた場合だけでなく、前回の大当り終了時に確変状態フラグが既にセットされていた場合であっても、確変状態フラグがセットされ、実行される処理がS986に進められる。
一方、確変大当りでなかった場合(S982でNOの場合)、前回の大当り終了時に確変状態フラグがセットされていた場合だけでなく、前回の大当り終了時に確変状態フラグが既にリセットされていた場合であっても、確変状態フラグがリセットされ、実行される処理がS986に進められる。
S986に処理が進められた場合、以降の処理に必要な所定フラグ以外のフラグがリセットされる(S986)。そして、演出制御プロセスフラグの値が変動パターンコマンド受信待ち処理(S800)に応じた値に更新され(S987)、実行する処理がこの処理の呼出元の処理に戻される。
再び図32を参照して、引戻しモードにおいて大当りが発生すると、図29のS891で大当り継続回数が1加算され、S892で、図32(E)で示すように、大当り継続回数が、1加算された状態、たとえば、「6連勝!」といった態様で、演出表示装置9に表示される。
図33は、大当り継続回数を説明するための第1の図である。図33(A)を参照して、大当り(たとえば、15ラウンド確変大当り)が発生した直後に、大当り(たとえば、2ラウンド確変大当り)が発生すると大当り終了時には、大当り継続回数が2回(いわゆる2連チャン)となる。
さらに、2連チャン目の大当りが発生した直後に、大当り(たとえば、15ラウンド通常大当り)が発生すると大当り終了時には、大当り継続回数が3回(いわゆる3連チャン)となる。
大当りが発生した後、時短状態に制御され、時短状態における変動表示100回において大当りが発生しなければ時短状態が終了する。時短状態が終了するまでに大当りが発生しなければ、従来は、大当り継続回数の積算が終了、つまり、連チャンが終了するように制御されていた。
図33(B)を参照して、大当りの発生後の時短状態が終了するまでに大当りが発生すれば、3回であった大当り継続回数が積算されて4回(いわゆる4連チャン)となる。
図34は、大当り継続回数を説明するための第2の図である。図34(A)を参照して、時短状態が終了するまでに大当りが発生しなければ、本実施の形態においては、引戻しモードに制御される。
ここでは、大当り継続回数が10回に達しておらず、エンディング演出は実行されていないので、図30のS870で説明したように、初当りから今回の変動表示までの大当りの種類に基づき、2ラウンド確変大当りの回数m=1回で、15ラウンド大当りの回数n=2回であるので、引戻し回数=10m+5n=10×1+5×2=20回と算出される。
そして、引戻しモードが終了するまでに大当りが発生しなければ、大当り継続回数の積算が終了、つまり、連チャンが終了するように制御される。その後は、時短状態でも引戻しモードでもない通常モードに制御される。
図34(B)を参照して、この場合も、図34(A)の場合と同様、大当り継続回数が10回に達しておらず、エンディング演出は実行されていないので、図30のS870で説明したように、初当りから今回の変動表示までの大当りの種類に基づき、2ラウンド確変大当りの回数m=0回で、15ラウンド大当りの回数n=2回であるので、引戻し回数=10m+5n=10×0+5×2=10回と算出される。
図34(C)を参照して、引戻しモードが終了するまでに大当りが発生すれば、3回であった大当り継続回数が積算されて4回(いわゆる4連チャン)となる。
図35は、大当り継続回数を説明するための第3の図である。図35(A)を参照して、この場合は、図34(A)および図34(B)の場合と異なり、大当り継続回数が10回に達しており、かつ、有利度の低い15ラウンド通常大当りが発生しているので、当該大当りの終了時に、エンディング演出が実行される。
そして、時短状態が終了するまでに大当りが発生しなければ、引戻しモードに制御される。
ここでは、大当り継続回数が10回に達しており、かつ、有利度の低い15ラウンド通常大当りが発生して、エンディング演出が実行されているので、図30のS869で説明したように、初当りからエンディング演出が実行されるまでの大当りの種類に基づき、引戻し回数が算出される。
図35(B)を参照して、エンディング演出が実行された後に、時短状態および引戻しモード終了までに大当りが発生した場合、引戻しモードの回数は、最初の引戻しモードから今回の引戻しモードが開始されるまでに、何度、大当りが発生していたとしても、引戻しモードの回数は、最初の引戻しモードのときに算出された引戻しモードの回数から変化させない。
次に、前述した実施の形態により得られる主な効果を説明する。
(1−1) 各々を識別可能な複数種類の識別情報(たとえば、飾り図柄)を変動表示可能な変動表示装置(たとえば、演出表示装置9)を有し、該変動表示の表示結果が予め定められた特定表示結果となったときに、遊技者にとって有利な特定遊技状態(たとえば、15ラウンド確変大当り、15ラウンド通常大当り、2ラウンド確変大当りなど)に制御される遊技機(たとえば、パチンコ遊技機1、スロットマシンなど)であって、
前記特定遊技状態とするか否か、および、前記特定遊技状態とする場合に複数種類のうちのいずれの前記特定遊技状態にするかを決定する事前決定手段(たとえば、遊技制御用マイクロコンピュータ560、図11のS214,S224、図13のS60,S71〜S74)と、
前記事前決定手段によって前記特定遊技状態にすることが決定され当該特定遊技状態に制御されてから所定期間(たとえば、連チャン回数を計数する期間)が経過するまでに前記事前決定手段によって決定され制御された前記特定遊技状態の回数(たとえば、大当り継続回数、連チャン回数)を計数する計数手段(たとえば、演出制御用マイクロコンピュータ100、図29のS891)と、
前記計数手段によって計数された前記回数を表示する表示手段(たとえば、演出表示装置9、演出制御用マイクロコンピュータ100、図29のS892)と、
前記所定期間における前記事前決定手段によって決定され制御された前記特定遊技状態の種類に基づいて前記所定期間を変化させる(たとえば、大当りの種類に応じて回数を累積した回数の引戻し期間分、連チャン期間を延長する、具体的には、15ラウンド大当りの場合5回、2ラウンド大当りの場合10回を累積する。または、連チャン期間の特定の大当りの回数の範囲による回数の引戻し期間分、連チャン期間を延長する、具体的には、特定の大当りの回数が0〜3回であれば、引戻し期間を0回、4〜6回であれば、50回、7回以上であれば、100回とする。)所定期間変化手段(たとえば、図29のS897、図30のS869,S870)とを備えることを特徴とする。
このような構成によれば、特定遊技状態とするか否か、および、特定遊技状態とする場合に複数種類のうちのいずれの特定遊技状態にするかが決定され、特定遊技状態にすることが決定され当該特定遊技状態に制御されてから所定期間が経過するまでに決定され制御された特定遊技状態の回数が計数され、計数された回数が表示され、所定期間における決定され制御された特定遊技状態の種類に基づいて所定期間が変化させられる。
このため、所定期間中の特定遊技状態の種類に基づいて所定期間が変化するため、遊技の興趣を向上させることができるとともに、所定期間における特定遊技状態の種類にも遊技者を注目させることができ、遊技の興趣を向上させることができる。その結果、特定遊技状態の継続回数によって遊技の興趣を向上させることが可能な遊技機を提供することができる。
(1−2) 上記(1−1)の遊技機において、
前記複数種類の特定遊技状態には、第1の特定遊技状態(たとえば、15ラウンド確変大当り、15ラウンド通常大当り)と該第1の特定遊技状態よりも有利度の低い第2の特定遊技状態(たとえば、2ラウンド確変大当り)とが含まれ、
前記所定期間変化手段は、前記事前決定手段によって前記第2の特定遊技状態が決定され制御された割合が多いほど、前記所定期間を長く変化させる(たとえば、図30のS869,S870で、2ラウンド確変大当りの回数をm、15ラウンド大当りの回数をnとしたときに、引戻し回数=10m+5nとされる)ことを特徴とする。
このような構成によれば、複数種類の特定遊技状態には、第1の特定遊技状態と該第1の特定遊技状態よりも有利度の低い第2の特定遊技状態とが含まれ、第2の特定遊技状態が決定され制御された割合が多いほど、所定期間が長く変化させられる。
このため、所定期間中の特定遊技状態の種類に基づいて所定期間が長く変化させられ、所定期間における特定遊技状態の回数が多くなるので、遊技の興趣をさらに向上させることができるとともに、所定期間における特定遊技状態の種類にも遊技者をさらに注目させることができ、遊技の興趣をさらに向上させることができる。その結果、特定遊技状態の継続回数によって遊技の興趣をさらに向上させることができる。
(1−3) 上記(1−1)または(1−2)の遊技機において、
前記所定期間に亘って特別演出(たとえば、引戻しモード演出)を実行する特別演出実行手段(たとえば、演出制御用マイクロコンピュータ100、図30のS872)をさらに備えることを特徴とする。
このような構成によれば、所定期間に亘って特別演出が実行される。このため、所定期間が変化させられた期間を、遊技者に分かり易く報知することができる。
(1−4) 上記(1−1)から(1−3)のいずれかに記載の遊技機において、
前記計数手段によって計数された前記回数が所定回数(たとえば、10連チャン)以上となった場合に、特定演出(たとえば、エンディング演出)を実行する特定演出実行手段(たとえば、演出制御用マイクロコンピュータ100、図29のS893,S896)をさらに備えることを特徴とする。
このような構成によれば、計数された回数が所定回数以上となった場合に、特定演出が実行される。このため、所定期間における特定遊技状態が所定回数以上となったことを、遊技者に分かり易く報知することができる。
(2−1) 各々を識別可能な複数種類の識別情報(たとえば、飾り図柄)を変動表示可能な変動表示装置(たとえば、演出表示装置9)を有し、該変動表示の表示結果が予め定められた特定表示結果となったときに、遊技者にとって有利な特定遊技状態(たとえば、15ラウンド確変大当り、15ラウンド通常大当り、2ラウンド確変大当りなど)に制御される遊技機(たとえば、パチンコ遊技機1、スロットマシンなど)であって、
前記特定遊技状態とするか否か、および、前記特定遊技状態とする場合に複数種類のうちのいずれの前記特定遊技状態にするかを決定する事前決定手段(たとえば、遊技制御用マイクロコンピュータ560、図11のS214,S224、図13のS60,S71〜S74)と、
前記事前決定手段によって前記特定遊技状態にすることが決定され当該特定遊技状態に制御されてから所定期間(たとえば、連チャン回数を計数する期間)が経過するまでに前記事前決定手段によって決定され制御された前記特定遊技状態の回数(たとえば、大当り継続回数、連チャン回数)を計数する計数手段(たとえば、演出制御用マイクロコンピュータ100、図29のS891)と、
前記計数手段によって計数された前記回数を表示する表示手段(たとえば、演出表示装置9、演出制御用マイクロコンピュータ100、図29のS892)と、
前記計数手段によって計数された前記回数が所定回数(たとえば、10連チャン)となった場合に、特定演出(たとえば、エンディング演出)を実行する特定演出実行手段(たとえば、演出制御用マイクロコンピュータ100、図29のS893,S896)と、
長さの異なる複数種類の期間の中から前記所定期間を設定する所定期間設定手段(たとえば、大当りの種類に応じて回数を累積した回数の引戻し期間分、連チャン期間を延長する、具体的には、15R大当りの場合5回、2R大当りの場合10回を累積する。または、連チャン期間の特定の大当りの回数の範囲による回数の引戻し期間分、連チャン期間を延長する、具体的には、特定の大当りの回数が0〜3回であれば、引戻し期間を0回、4〜6回であれば、50回、7回以上であれば、100回とする。)と、
前記特定演出実行手段によって前記特定演出が実行された後は、前記所定期間設定手段により設定される期間として、当該特定演出が実行される前の前記所定期間よりも長い所定期間を設定することを制限する所定期間制限手段(たとえば、図29のS897、図30のS869,S870、エンディング演出が実行された後は、S869で決定される引戻し回数は一定となる)とを備えることを特徴とする。
このような構成によれば、特定遊技状態とするか否か、および、特定遊技状態とする場合に複数種類のうちのいずれの特定遊技状態にするかが決定され、特定遊技状態にすることが決定され当該特定遊技状態に制御されてから所定期間が経過するまでに決定され制御された特定遊技状態の回数が計数され、計数された回数が表示され、計数された回数が所定回数となった場合に、特定演出が実行され、長さの異なる複数種類の期間の中から所定期間が設定され、特定演出が実行された後は、設定される期間として、当該特定演出が実行される前の所定期間よりも長い所定期間を設定することが制限される。
このため、所定期間における特定遊技状態の回数が所定回数となって、遊技者が満足感を得ている場合には、必要以上に所定期間を長くさせないようにできる一方、所定回数未満であり、遊技者が満足感を得ていない場合に、長さの異なる複数種類の期間の中から所定期間が設定されるため、遊技の興趣を向上させることができる。その結果、特定遊技状態の継続回数によって遊技の興趣を向上させることが可能な遊技機を提供することができる。
また、計数された回数が所定回数となった場合に、特定演出が実行される。このため、所定期間における特定遊技状態が所定回数となったことを、遊技者に分かり易く報知することができる。
(2−2) 上記(2−1)の遊技機において、
前記所定期間設定手段は、前記所定期間における前記事前決定手段によって決定され制御された前記特定遊技状態の種類に基づいて前記所定期間を設定し、
前記所定期間制限手段は、前記特定演出実行手段によって前記特定演出が実行された後は、前記所定期間設定手段により設定される期間を、前記特定演出が実行される直前までの前記特定遊技状態の種類に基づいて定められる前記所定期間に制限することを特徴とする。
このような構成によれば、所定期間における決定され制御された特定遊技状態の種類に基づいて所定期間が設定され、特定演出が実行された後は、設定される期間が、特定演出が実行される直前までの特定遊技状態の種類に基づいて定められる所定期間に制限される。このため、必要以上に所定期間を長くさせないようにすることができる。
(2−3) 上記(2−1)の遊技機において、
前記所定期間設定手段は、前記所定期間における前記事前決定手段によって決定され制御された前記特定遊技状態の種類に基づいて前記所定期間を設定し、
前記所定期間制限手段は、前記特定演出実行手段によって前記特定演出が実行された後は、前記所定期間設定手段により設定される期間を、前記所定期間を当該特定演出が実行される前の前記所定期間以下の長さの特定の期間(たとえば、0回またはデフォルト回数の変動表示の期間)に制限することを特徴とする。
このような構成によれば、所定期間における決定され制御された特定遊技状態の種類に基づいて所定期間が設定され、特定演出が実行された後は、設定される期間が、所定期間が当該特定演出が実行される前の所定期間以下の長さの特定の期間に制限される。このため、必要以上に所定期間を長くさせないようにすることができる。
(2−4) 上記(2−1)から(2−3)のいずれかに記載の遊技機において、
前記特定演出実行手段は、前記計数手段によって計数された前記回数が所定回数(たとえば、10連チャン)となったことに加えて、前記複数種類の特定遊技状態のうち所定の有利度未満の特定遊技状態(たとえば、15ラウンド通常大当り)に制御された場合に、前記特定演出を実行する(たとえば、図29のS893,S894,S896)ことを特徴とする。
このような構成によれば、計数された回数が所定回数となったことに加えて、複数種類の特定遊技状態のうち所定の有利度未満の特定遊技状態に制御された場合に、特定演出が実行される。このため、有利度の低い特定遊技状態が発生したことによる遊技の興趣の低下を抑制することができる。
(2−5) 上記(2−1)から(2−4)のいずれかに記載の遊技機において、
前記所定期間に亘って特別演出(たとえば、引戻しモード演出)を実行する特別演出実行手段(たとえば、演出制御用マイクロコンピュータ100、図30のS872)をさらに備えることを特徴とする。
このような構成によれば、所定期間に亘って特別演出が実行される。このため、所定期間が変化させられた期間を、遊技者に分かり易く報知することができる。
(3−1) 各々を識別可能な複数種類の識別情報(たとえば、飾り図柄)を変動表示可能な変動表示装置(たとえば、演出表示装置9)を有し、該変動表示の表示結果が予め定められた特定表示結果となったときに、遊技者にとって有利な特定遊技状態(たとえば、15ラウンド確変大当り、15ラウンド通常大当り、2ラウンド確変大当りなど)に制御される遊技機(たとえば、パチンコ遊技機1、スロットマシンなど)であって、
前記特定遊技状態とするか否か、および、前記特定遊技状態とする場合に複数種類のうちのいずれの前記特定遊技状態にするかを決定する事前決定手段(たとえば、遊技制御用マイクロコンピュータ560、図11のS214,S224、図13のS60,S71〜S74)と、
前記特定遊技状態終了後の判定期間(たとえば、連チャン回数を計数する期間)が経過したか否かを判定する判定手段と、
前記判定期間内において前記事前決定手段によって前記特定遊技状態にすると決定された場合に数値データ(たとえば、大当り継続回数、連チャン回数)を更新する数値データ更新手段(たとえば、演出制御用マイクロコンピュータ100、図29のS891)と、
前記数値データに基づいて前記特定遊技状態の回数を表示する表示手段(たとえば、演出表示装置9、演出制御用マイクロコンピュータ100、図29のS892)とを備え、
前記事前決定手段によって決定された前記特定遊技状態の種類に応じて前記判定期間が異なる(たとえば、大当りの種類に応じて回数を累積した回数の引戻し期間分、連チャン期間を延長する、具体的には、15ラウンド大当りの場合5回、2ラウンド大当りの場合10回を累積する。または、連チャン期間の特定の大当りの回数の範囲による回数の引戻し期間分、連チャン期間を延長する、具体的には、特定の大当りの回数が0〜3回であれば、引戻し期間を0回、4〜6回であれば、50回、7回以上であれば、100回とする。たとえば、図29のS897、図30のS869,S870)ことを特徴とする。
このような構成によれば、特定遊技状態とするか否か、および、特定遊技状態とする場合に複数種類のうちのいずれの特定遊技状態にするかが決定され、特定遊技状態終了後の判定期間が経過したか否かが判定され、判定期間内において特定遊技状態にすると決定された場合に数値データが更新され、数値データに基づいて特定遊技状態の回数が表示され、決定された特定遊技状態の種類に応じて判定期間が異なる。このため、遊技の興趣を向上させることができる。
(3−2) 上記(3−1)の遊技機において、
前記複数種類の特定遊技状態には、第1の特定遊技状態(たとえば、15ラウンド確変大当り、15ラウンド通常大当り)と該第1の特定遊技状態よりも有利度の低い第2の特定遊技状態(たとえば、2ラウンド確変大当り)とが含まれ、
前記事前決定手段によって前記第2の特定遊技状態が決定された割合が多いほど、前記判定期間が長い(たとえば、図30のS869,S870で、2ラウンド確変大当りの回数をm、15ラウンド大当りの回数をnとしたときに、引戻し回数=10m+5nとされる)ことを特徴とする。
このような構成によれば、複数種類の特定遊技状態には、第1の特定遊技状態と該第1の特定遊技状態よりも有利度の低い第2の特定遊技状態とが含まれ、第2の特定遊技状態が決定された割合が多いほど、判定期間が長い。このため、遊技の興趣をさらに向上させることができる。
(3−3) 上記(3−1)または(3−2)の遊技機において、
前記判定期間に亘って特別演出(たとえば、引戻しモード演出)を実行する特別演出実行手段(たとえば、演出制御用マイクロコンピュータ100、図30のS872)をさらに備えることを特徴とする。
このような構成によれば、判定期間に亘って特別演出が実行される。このため、判定期間を、遊技者に分かり易く報知することができる。
(3−4) 上記(3−1)から(3−3)のいずれかに記載の遊技機において、
前記数値データに基づく前記特定遊技状態の回数が所定回数(たとえば、10連チャン)以上となった場合に、特定演出(たとえば、エンディング演出)を実行する特定演出実行手段(たとえば、演出制御用マイクロコンピュータ100、図29のS893,S896)をさらに備えることを特徴とする。
このような構成によれば、判定期間の特定遊技状態の回数が所定回数以上となった場合に、特定演出が実行される。このため、判定期間における特定遊技状態が所定回数以上となったことを、遊技者に分かり易く報知することができる。
(4−1) 各々を識別可能な複数種類の識別情報(たとえば、飾り図柄)を変動表示可能な変動表示装置(たとえば、演出表示装置9)を有し、該変動表示の表示結果が予め定められた特定表示結果となったときに、遊技者にとって有利な特定遊技状態(たとえば、15ラウンド確変大当り、15ラウンド通常大当り、2ラウンド確変大当りなど)に制御される遊技機(たとえば、パチンコ遊技機1、スロットマシンなど)であって、
前記特定遊技状態とするか否か、および、前記特定遊技状態とする場合に複数種類のうちのいずれの前記特定遊技状態にするかを決定する事前決定手段(たとえば、遊技制御用マイクロコンピュータ560、図11のS214,S224、図13のS60,S71〜S74)と、
前記特定遊技状態終了後の判定期間(たとえば、連チャン回数を計数する期間)が経過したか否かを判定する判定手段と、
前記判定期間内において前記事前決定手段によって前記特定遊技状態にすると決定された場合に数値データ(たとえば、大当り継続回数、連チャン回数)を更新する数値データ更新手段(たとえば、演出制御用マイクロコンピュータ100、図29のS891)と、
前記数値データに基づいて前記特定遊技状態の回数を表示する表示手段(たとえば、演出表示装置9、演出制御用マイクロコンピュータ100、図29のS892)と、
前記特定遊技状態の回数が所定回数(たとえば、10連チャン)となった場合に、特定演出(たとえば、エンディング演出)を実行する特定演出実行手段(たとえば、演出制御用マイクロコンピュータ100、図29のS893,S896)と、
前記特定演出実行手段によって前記特定演出が実行された後は、当該特定演出が実行される前の前記判定期間よりも長い判定期間となることを制限する判定期間制限手段(たとえば、大当りの種類に応じて回数を累積した回数の引戻し期間分、連チャン期間を延長する、具体的には、15R大当りの場合5回、2R大当りの場合10回を累積する。または、連チャン期間の特定の大当りの回数の範囲による回数の引戻し期間分、連チャン期間を延長する、具体的には、特定の大当りの回数が0〜3回であれば、引戻し期間を0回、4〜6回であれば、50回、7回以上であれば、100回とする。しかし、図29のS897、図30のS869,S870で示すように、エンディング演出が実行された後は、S869で決定される引戻し回数は一定となる)とを備えることを特徴とする。
このような構成によれば、特定遊技状態とするか否か、および、特定遊技状態とする場合に複数種類のうちのいずれの特定遊技状態にするかが決定され、特定遊技状態終了後の判定期間が経過したか否かが判定され、判定期間内において特定遊技状態にすると決定された場合に数値データが更新され、数値データに基づいて特定遊技状態の回数が表示され、特定遊技状態の回数が所定回数となった場合に、特定演出が実行され、特定演出が実行された後は、当該特定演出が実行される前の判定期間よりも長い判定期間となることが制限される。
このため、判定期間における特定遊技状態の回数が所定回数となっている場合には、必要以上に判定期間を長くさせないようにできるため、遊技の興趣を向上させることができる。その結果、特定遊技状態の回数によって遊技の興趣を向上させることが可能な遊技機を提供することができる。
また、判定期間における特定遊技状態の回数が所定回数となった場合に、特定演出が実行される。このため、判定期間における特定遊技状態が所定回数となったことを、遊技者に分かり易く報知することができる。
(4−2) 上記(4−1)の遊技機において、
前記判定期間における前記事前決定手段によって決定された前記特定遊技状態の種類に応じて前記判定期間が異なり、
前記判定期間制限手段は、前記特定演出実行手段によって前記特定演出が実行された後は、前記特定演出が実行される直前までの前記特定遊技状態の種類に応じた前記判定期間に制限することを特徴とする。
このような構成によれば、判定期間における決定された特定遊技状態の種類に応じて判定期間が異なり、特定演出が実行された後は、特定演出が実行される直前までの特定遊技状態の種類に応じた判定期間に制限される。このため、必要以上に判定期間を長くさせないようにすることができる。
(4−3) 上記(4−1)の遊技機において、
前記判定期間における前記事前決定手段によって決定された前記特定遊技状態の種類に応じて前記判定期間が異なり、
前記判定期間制限手段は、前記特定演出実行手段によって前記特定演出が実行された後は、当該特定演出が実行される前の前記判定期間以下の長さの特定の期間(たとえば、0回またはデフォルト回数の変動表示の期間)に制限することを特徴とする。
このような構成によれば、判定期間における決定された特定遊技状態の種類に応じて判定期間が異なり、特定演出が実行された後は、当該特定演出が実行される前の判定期間以下の長さの特定の期間に制限される。このため、必要以上に判定期間を長くさせないようにすることができる。
(4−4) 上記(4−1)から(4−3)のいずれかに記載の遊技機において、
前記特定演出実行手段は、前記特定遊技状態の回数が所定回数(たとえば、10連チャン)となったことに加えて、前記複数種類の特定遊技状態のうち所定の有利度未満の特定遊技状態(たとえば、15ラウンド通常大当り)に制御された場合に、前記特定演出を実行する(たとえば、図29のS893,S894,S896)ことを特徴とする。
このような構成によれば、特定遊技状態の回数が所定回数となったことに加えて、複数種類の特定遊技状態のうち所定の有利度未満の特定遊技状態に制御された場合に、特定演出が実行される。このため、有利度の低い特定遊技状態が発生したことによる遊技の興趣の低下を抑制することができる。
(4−5) 上記(4−1)から(4−4)のいずれかに記載の遊技機において、
前記判定期間に亘って特別演出(たとえば、引戻しモード演出)を実行する特別演出実行手段(たとえば、演出制御用マイクロコンピュータ100、図30のS872)をさらに備えることを特徴とする。
このような構成によれば、判定期間に亘って特別演出が実行される。このため、判定期間を、遊技者に分かり易く報知することができる。
次に、以上に説明した実施の形態の変形例や特徴点等を以下に列挙する。
(1) 前述の実施の形態では、演出装置を制御する回路が搭載された基板として、演出制御基板80、音声出力基板70およびランプドライバ基板35が設けられているが、演出装置を制御する回路を1つの基板に搭載してもよい。さらに、演出表示装置9等を制御する回路が搭載された第1の演出制御基板(表示制御基板)と、その他の演出装置(ランプ、LED、スピーカ27R,27L等)を制御する回路が搭載された第2の演出制御基板との2つの基板を設けるようにしてもよい。
(2) 前述の実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して直接コマンドを送信していたが、遊技制御用マイクロコンピュータ560が他の基板(たとえば、図3に示す音声出力基板70やランプドライバ基板35等、または音声出力基板70に搭載されている回路による機能とランプドライバ基板35に搭載されている回路による機能とを備えた音/ランプ基板)に演出制御コマンドを送信し、他の基板を経由して演出制御基板80における演出制御用マイクロコンピュータ100に送信されるようにしてもよい。その場合、他の基板においてコマンドが単に通過するようにしてもよいし、音声出力基板70、ランプドライバ基板35、音/ランプ基板にマイクロコンピュータ等の制御手段を搭載し、制御手段がコマンドを受信したことに応じて音声制御やランプ制御に関わる制御を実行し、さらに、受信したコマンドを、そのまま、またはたとえば簡略化したコマンドに変更して、演出表示装置9を制御する演出制御用マイクロコンピュータ100に送信するようにしてもよい。その場合でも、演出制御用マイクロコンピュータ100は、上記の実施の形態における遊技制御用マイクロコンピュータ560から直接受信した演出制御コマンドに応じて表示制御を行なうのと同様に、音声出力基板70、ランプドライバ基板35または音/ランプ基板から受信したコマンドに応じて表示制御を行なうことができる。このような構成の場合には、前述した実施の形態で演出制御用マイクロコンピュータ100が行なっていた各種決定については、同様に演出制御用マイクロコンピュータ100が行なうようにしてもよく、または、音声出力基板70、ランプドライバ基板35、または、音/ランプ基板に搭載したマイクロコンピュータ等の制御手段が行なうようにしてもよい。
(3) 前述した実施の形態は、入賞球の検出に応答して所定数の賞球を払い出す払出式遊技機に限定されるものではなく、遊技球を封入し入賞球の検出に応答して得点を付与する封入式遊技機にも適用することができる。
(4) 前述した実施の形態は、パチンコ遊技機1の動作をシミュレーションするゲーム機などの装置にも適用することができる。前述した実施の形態を実現するためのプログラム及びデータは、コンピュータ装置等に対して、着脱自在の記録媒体により配布・提供される形態に限定されるものではなく、予めコンピュータ装置等の有する記憶装置にプリインストールしておくことで配布される形態を採っても構わない。さらに、本発明を実現するためのプログラム及びデータは、通信処理部を設けておくことにより、通信回線等を介して接続されたネットワーク上の、他の機器からダウンロードすることによって配布する形態を採っても構わない。そして、ゲームの実施形態も、着脱自在の記録媒体を装着することにより実行するものだけではなく、通信回線等を介してダウンロードしたプログラム及びデータを、内部メモリ等に一旦格納することにより実行可能とする形態、通信回線等を介して接続されたネットワーク上における、他の機器側のハードウェア資源を用いて直接実行する形態としてもよい。さらには、他のコンピュータ装置等とネットワークを介してデータの交換を行なうことによりゲームを実行するような形態とすることもできる。
(5) 時短状態を実現するための制御としては、時短状態に制御されたときに、変動パターンのうち、非時短状態と比べて、変動時間が比較的短い変動パターンの選択割合を増加させることにより時短状態となるようにしてもよい。また、時短状態を実現するための制御としては、非時短状態専用の複数種類の変動パターンと、当該変動パターンよりも平均的な変動時間が短い時短状態専用の複数種類の変動パターンとを設け、非時短状態においては非時短状態専用の複数種類の変動パターンから変動パターンを選択し、時短状態においては時短状態専用の複数種類の変動パターンから変動パターンを選択することにより、時短状態を実現するようにしてもよい。
(6) 前述の実施形態では、大当り種別として、15ラウンドの大当りと2ラウンドの大当りとを設けた例を示した。しかし、これに限らず、たとえば、15ラウンドの大当り、10ラウンドの大当り、5ラウンドの大当り、および、2ラウンドの大当りを設ける場合のように、3種類以上のラウンド数の大当り種別を設けてもよい。その場合には、たとえば、大当りの種別を、賞球が得られやすい大当り種別グループ(たとえば、15ラウンドの大当り、10ラウンドの大当り)と、賞球が得られにくい大当り種別グループ(たとえば、5ラウンドの大当り、2ラウンドの大当り)とに分類し、第2特別図柄の方が第1特別図柄よりも、賞球が得られやすい大当り種別グループの大当り種別が選択される割合が高くなるように設定してもよい。そのときには、時短状態に関する制御を、賞球が得られやすい大当り種別グループの大当り種別については、前述した実施形態での15ラウンドの大当りと同様の制御を行ない、賞球が得られにくい大当り種別グループの大当り種別については、前述した実施形態での2ラウンドの大当りと同様の制御を行なうことにより、グループ単位で、変動時間の制御を行なうようにしてもよい。
(7) 前述した実施形態では、大当りの種類として、15ラウンド確変大当り、15ラウンド通常大当り、および、2ラウンド確変大当りを設けるようにした。しかし、これに限定されず、たとえば、大当りとして、ランクアップボーナスを設けるようにしてもよい。ランクアップ大当りは、次のような大当りである。同じ15ラウンドの大当りであっても、1ラウンドあたり大入賞口を1回開放する第1特定遊技状態と、1ラウンドあたり大入賞口を複数回開放する第2特定遊技状態とを用意し、大入賞口の開放回数が実質的に多くなるようにして第2特定遊技状態の遊技価値を高めるようにする。具体的には、1ラウンドあたり大入賞口を2回開放する場合は、大入賞口の開放回数は30回となり、3回開放する場合は、大入賞口の開放回数は45回となる。この場合、たとえば、第1特定遊技状態または第2特定遊技状態のいずれの場合であっても、大入賞口を15回開放したときに(この場合、第1特定遊技状態の場合には15ラウンドすべてを終了し、第2特定遊技状態の場合には未消化のラウンドが残っていることになる)、大当りがさらに継続するか否かを煽るような態様の演出(いわゆるランクアップボーナスの演出)を実行する。そして、第1特定遊技状態の場合には内部的に15ラウンドすべてを終了していることから大当り遊技を終了し、第2特定遊技状態の場合には内部的に未消化のラウンドが残っていることから、大当り遊技が継続する(あたかも15回開放の大当りを終了した後にさらにボーナスで大入賞口の開放が追加で始まったような演出)。
また、大当りとして、1回の大当りで3回まで大当りが継続する、いわゆるセット物の大当りを設けるようにしてもよい。つまり、本来なら3回目の大当りが終了すると通常モードに制御されるが、引戻しモードを設けることにより、最大3連しかしない遊技機であっても、大当り継続回数(いわゆる、連チャン回数)を延ばすことができる。
(8) 前述した実施形態では、大当り種別と大当り図柄とを1対1で対応させておき、同じ乱数値(ランダム1)を用いて同時に選択する例を示した。しかし、これに限らず、各大当り種別につき、複数の大当り図柄のそれぞれを、大当り種別決定用の乱数値とは別に設けた大当り図柄決定用の乱数値により対応付けておき、大当り種別を決定した後に、大当り図柄決定用の乱数値を用いて、決定された大当り種別に含まれる複数の大当り図柄のうちから1つの大当り図柄を選択決定する処理を行なうようにしてもよい。
(9) 前述した実施形態では、賞球が得られやすい大当り(15ラウンドの大当り)と、賞球が得られにくい大当り(2ラウンド確変大当り)とについて、大当り遊技状態における特別可変入賞球装置20の開放回数で大当りの種別を分ける例を示した。しかし、これに限らず、賞球が得られやすい大当りと、賞球が得られにくい大当りとについて、開放回数を同じとし、賞球が得られやすい大当りについては賞球が得られやすい長い開放時間とし、賞球が得られにくい大当りについては賞球が得られにくい極めて短い開放時間とするようにしてもよい。このようにすれば、大当り時の開放回数を区別するために表示するランプ(ラウンドランプ)を設ける必要がなくなるので、パチンコ遊技機1の外部から確変状態であるか否かを全く判別できなくすることができる。
(10) 前述した実施の形態においては、図29のS897で、大当り継続期間中の大当りの種類の履歴をRAMに記憶させて、図30のS869、S870で大当り継続期間中の大当りの種類によって引戻し回数を算出するようにした。しかし、これに限定されず、図29のS897で記憶させるのは、大当り継続期間中の大当りの種類ごとの回数であってもよい。
(11) 前述した実施の形態においては、図30のS869、S870で説明した算出方法で引戻し回数を算出するようにした。しかし、これに限定されず、図30において変形例として示しているように、大当りの種類A,B(3つ以上であってもよい)があって、有利度がA>Bである場合に、対象期間のBの回数をm回とした場合に、m=0〜3であれば、引戻し回数を0回、m=4〜6であれば、引戻し回数を50回、m=7以上であれば、引戻し回数を100回とするようにしてもよい。ここで、AとBが逆であってもよい。
つまり、複数種類の特定遊技状態のうちの所定の特定遊技状態の回数の範囲に応じた引戻し期間を、特定遊技状態の回数を計数する期間に付加するものであってもよい。好ましくは、複数種類の特定遊技状態のうちの有利度の低い特定遊技状態の回数の範囲に応じた引戻し期間であって、回数の多い範囲ほど多い引戻し期間を、特定遊技状態の回数を計数する期間に付加するものであってもよい。
このように、引戻し回数の算出方法については、初当りから大当り継続回数を計数する期間が経過するまでの大当りの種類に基づいて決定するものであれば、他の算出方法であってもよい。
(12) 前述した実施の形態においては、図30のS869で、エンディング演出が実行された後の引戻し期間の回数を、エンディング演出が実行される直前までの大当りの種類に基づいて定められる回数とするようにした。
しかし、これに限定されず、エンディング演出が実行された後の引戻し期間の回数を、特定の回数、たとえば、0回またはデフォルト回数(たとえば、20回)に設定するようにしてもよい。
(13) 前述した実施の形態においては、図32で示したように、大当り継続回数は、「5連勝」のように、文字で表示させるようにした。しかし、これに限定されず、大当り継続回数が5回の場合は、アイコンを5個並べて表示させるように、記号で表示させるようにしてもよい。
(14) 前述した実施の形態においては、図29のS890,S891で示したように、15ラウンド大当りの場合のみ、大当り継続回数を積算し、2ラウンド確変大当りの場合は、大当り継続回数を積算しないようにした。しかし、これに限定されず、2ラウンド確変大当りの場合にも、大当り継続回数を積算するようにしてもよい。
(15) 前述した実施の形態においては、大当り終了後に付与される時短回数は、一定回数(前述した実施の形態においては、100回)であることとした。しかし、これに限定されず、大当り終了後に付与される時短回数は、大当りの種類などに応じて異なる回数とするようにしてもよい。
(16) 前述した実施の形態においては、図29のS893〜S896で示したように、大当り継続回数が所定回数(前述した実施の形態では、10回)以上となって、所定の有利度の低い大当り(前述した実施の形態では、15ラウンド通常大当り)が発生した場合に、エンディング演出を実行するようにした。しかし、これに限定されず、大当り継続回数が所定回数以上となった場合に、大当りの種類に関わらず、エンディング演出を実行するようにしてもよい。
(17) 前述した実施の形態においては、図29のS893〜S896で示したように、大当り継続回数が10回となったことを条件として、特定演出(エンディング演出)を実行するようにした。しかし、さらに、他の回数となったことを条件として、特定演出を実行するようにしてもよい。たとえば、10連チャン用に加えて、5連チャン用、15連チャン用、および、20連チャン用の特定演出を設けるようにしてもよい。
(18) 前述した実施の形態においては、図30のS869,S870で説明したように、15ラウンド大当りが1回増えるごとに、第1の回数(前述した実施の形態においては5回)、2ラウンド大当りが1回増えるごとに、第1の回数よりも多い第2の回数(前述した実施の形態においては10回)、引戻しモードの回数を増やすようにした。つまり、大当りのラウンド回数に応じて、引戻しモードを変化させる度合を異ならせるようにした。
しかし、これに限定されず、大当りの出玉、大当りの確変/非確変の区別などに応じて、引戻しモードを変化させる度合を異ならせるようにしてもよい。
(19) 前述した実施の形態においては、大当り終了後に所定回数、付与される時短状態が終了した場合に、引戻しモードに移行されるようにした。しかし、これに限定されず、大当り終了後に所定回数の確変状態が付与される遊技機において、確変状態が終了した場合に、引戻しモードに移行されるようにしてもよい。
(20) 前述した実施の形態おいては、前述した実施の形態においては、大当り継続回数を計数する期間および引戻し期間が、それぞれ、変動表示の回数で定められることとした。しかし、これに限定されず、たとえば、大当り継続回数を計数する期間は、大当りが終了してから所定時間(たとえば、3分)までであることとしてもよいし、引戻し期間は、大当り継続回数を計数する期間が終了してから、大当り継続期間における大当りの種類に基づく時間(たとえば、2ラウンド確変大当りの回数がm回であれば、m分)であることとしてもよい。
(21) 前述した実施の形態においては、図30のS870では、大当り継続回数を計数する期間の全期間の大当りの種類に基づき引戻し回数を算出するようにした。しかし、これに限定されず、大当り継続回数を計数する期間の最後の所定期間(最後の所定回数)の大当りの種類に基づき引戻し回数を算出するようにしてもよい。
(22) 前述した実施の形態においては、大当り状態の後に時短状態に制御され得る遊技機において、時短状態の後に引戻しモードに制御されるものについて説明した。この場合、大当りの回数が継続して計数される所定期間は、最初の大当り状態に制御されてから、時短状態の期間を経て、引戻しモードが終了するまでの期間である。
しかし、これに限定されず、大当り状態の後に時短状態に制御されない遊技機において、大当り状態の後に引戻しモードに制御されるものであってもよい。この場合、大当りの回数が継続して計数される所定期間は、最初の大当り状態に制御されてから、引戻しモードが終了するまでの期間である。
(23) 前述した実施の形態においては、引戻しモードに制御されているときに大当りが発生した場合には、特に、残り引戻し回数をクリアするようにしなかった。しかし、これに限定されず、引戻しモードに制御されているときに大当りが発生した場合には、残り引戻し回数をクリアするように構成してもよい。
(24) 前述した実施の形態においては、パチンコ遊技機1に発明を適用する例について説明した。しかし、これに限定されず、本発明は他の遊技機、たとえば、スロットマシンにも適用可能である。
(25) なお、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。