JP2013143742A - 無線端末装置,および,無線端末装置で実行される通信方法 - Google Patents

無線端末装置,および,無線端末装置で実行される通信方法 Download PDF

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Abstract

【課題】最適な接続先の基地局を選択する無線端末装置,および,最適な接続先の基地局を選択する通信方法を提供する。
【解決手段】無線端末装置は,帯域割り当て量を含む信号を複数の基地局から受信し,基地局毎の受信電波環境状態を示す受信電波環境指数および基地局毎の帯域割り当て量に基づき,異なる時間毎の基地局との予測通信速度を基地局毎に算出する算出部152と,基地局毎に算出した予測通信速度に基づき,複数の基地局の中から1つの基地局を接続先の基地局として選択する選択部154とを有する。
【選択図】 図4

Description

本発明は,無線端末装置,および,無線端末装置で実行される通信方法に関する。
WiMAX(Worldwide Interoperability for Microwave Access)などの移動無線通信システムにおいて,無線端末装置は,1台の基地局と通信を行う。無線端末装置は,基地局との通信を開始するとき,WiMAXなどのプロトコルにしたがって無線端末装置-基地局間における暗号化方法や通信方法(QoS:Quality of Service)などを決定する。決定後,無線端末装置は,基地局との間で音声などのデータ送受信が可能になる。
これをネットワークエントリと呼び,特に無線端末装置が,電源投入後などに実行する基地局に対する接続を初期ネットワークエントリと呼ぶ。
また,無線端末装置の移動に伴い,通信中の基地局における受信電波環境指数が悪化するなどした場合には,無線端末装置は,通信を維持しながらより通信品質の良い他の基地局に通信先を切り替えるハンドオーバを実行する(特許文献1参照)。前記した受信電波環境指数としては,例えばCINR(Carrier to Interference and Noise Ratio),RSSI(Receive Signal Strength Indication)がある。
特開2008-270990号公報
図1は,無線端末装置100のネットワークエントリを説明する図である。
図1において,基地局Aは,多数の無線端末装置と通信中であって輻輳状態にあるが,基地局Bは,輻輳状態にないとする。また,基地局Aにおける受信電波環境指数は,基地局Bにおける受信電波環境指数よりも良好(高い)とする。この場合,無線端末装置100が,ネットワークエントリを実行する場合,接続先の基地局として,受信電波環境指数が良好な基地局Aを選択する。
しかし,基地局Aは輻輳状態にあるため,無線端末装置100に割り当てられる帯域幅は,仮に無線端末装置100が基地局Bに接続した場合に基地局Bから割り当てられる帯域幅に比べて,狭くなる(帯域制限)。そのため,無線端末装置100が基地局Aに接続した場合の通信速度は,無線端末装置100が基地局Bに接続した場合の通信速度に比べて低速になることがある。
図2は,無線端末装置のハンドオーバを説明する図である。無線端末装置100が,矢印に示すように基地局Aの通信圏から基地局Bの通信圏に移動し,基地局Bの通信圏から基地局Cの通信圏に移動するとする。この場合,無線端末装置100は,接続先の基地局を基地局Aから基地局Bに切り替え,次いで,基地局Bから基地局Cに切り換える。
ここで,無線端末装置100の移動が高速の場合,すなわち,無線端末装置100が,基地局Bの通信圏内に在圏する時間が極めて短い場合を想定する。この場合には,接続先の基地局を基地局A,基地局B,基地局Cと順次切り替えるよりも,接続時間が短い基地局Bをパスして,基地局Aから基地局Cに直接切り換えた方が,無線端末装置100における切り替えに必要な処理工程が少なくなる。その結果,切り替え処理に必要なリソースや消費電力を削減できる。
以上説明したように,従来の無線端末装置100は,基地局との通信速度や,基地局との接続時間を考慮した最適な接続先の基地局を選択することが困難であった。
従って,本発明の目的は,基地局との通信速度や,基地局との接続時間を考慮した最適な接続先の基地局を選択する無線端末装置,および,最適な接続先の基地局を選択する通信方法を提供することにある。
無線端末装置の第1の側面は,複数の基地局の中から1つの基地局を選択し,前記選択した基地局と無線通信する無線端末装置において,
帯域割り当て量を含む信号を前記複数の基地局から受信し,前記基地局毎の受信電波環境状態を示す受信電波環境指数および前記基地局毎の帯域割り当て量に基づき,異なる時間毎の基地局との予測通信速度を前記基地局毎に算出する算出部と,
前記基地局毎に算出した予測通信速度に基づき,前記複数の基地局の中から1つの基地局を接続先の基地局として選択する選択部とを有する。
第1の側面によれば,無線端末装置は,基地局との通信速度や,基地局との接続時間を考慮した最適な接続先の基地局を選択することができる。
無線端末装置のネットワークエントリを説明する図である。 無線端末装置のハンドオーバを説明する図である。 本実施の形態の無線端末装置を説明する図である。 接続先基地局選択処理部の詳細ブロック図である。 基地局の識別子と対応付けて集計された所定の時間間隔毎の帯域割り当て量および受信電波環境指数を集計した状態を模式的に示した図である。 無線端末装置が移動している状態を模式的に示した図である。 図5の受信電波環境指数,帯域割り当て量の具体的数値を示した図である。 無線端末装置が実行する基地局選択処理を説明する第1のフロー図である。 無線端末装置が実行する基地局選択処理を説明する第2のフロー図である。 予測通信速度レートのグラフ図である。 受信電波環境指数の範囲と,この受信電波環境指数の範囲に対応する変調・符号化方式と,同正常通信レートの範囲とが記録されたテーブルを示す。 図11の具体例を示す図である。 予測通信速度のグラフ図である。 基地局A,基地局B,基地局Cの予測通信速度曲線の一例を示した図である。 予測通信速度曲線の他の例を示した図である。 図11のテーブルの他の例である。
図3は,本実施の形態の無線端末装置1を説明する図である。
図3(A)は,無線端末装置1の一例ブロック図である。図3(B)は,無線フレームの一例を示す図である。
無線端末装置1は,基地局A21,基地局B22,基地局C23の何れかの基地局から接続先の基地局を選択する。
無線端末装置1のデータ送受信部11は,基地局から送信された信号を受信する処理や,選択した接続先の基地局に信号を送信する処理を実行する。
無線端末装置1と基地局がWiMAX方式により無線通信処理を実行する場合,無線端末装置1と基地局は,無線フレームを有する信号を利用して無線通信処理を実行する。
無線フレームは,図3(B)に示すように,基地局が無線端末装置1に対してデータを送信する際に利用するDownlinkサブフレーム(以下,DLサブフレームと記す)と,無線端末装置1が基地局に対してデータを送信する際に利用するUplinkサブフレーム(以下,ULサブフレームと記す)とを有する。
DLサブフレームは,主に通信制御データが記録されるPreamble,FCH,DL-MAP,UL-MAP領域と,ユーザデータが記録されるBURST領域とを有する。ULサブフレームは,主に,通信制御データが記録されるRS(Ranging Subchannel)領域と,ユーザデータが記録されるBURST領域とを有する。
データ送受信部11は,所定の時間間隔毎に基地局から送信された無線フレームを受信し,データ解析部12に出力する。この無線フレームは,後記する帯域割り当て量を含む信号である。この所定の時間間隔とは,例えば,WiMAXの場合5ミリ秒である。また,データ送受信部11は,CINR (Carrier to Interference and Noise Ratio),RSSI(Receive Signal Strength Indication)の測定に必要な各種データを測定部13に出力する。
データ解析部12は,このDLサブフレームのデータを解析する。データ解析部12は,例えば,UL-MAP領域に格納されているデータを解析し,各基地局から無線端末装置1に対して割り当てられる通信帯域量,すなわち帯域割り当て量を取得する。帯域割り当て量は,“duration”という単位で基地局から無線端末装置に通知される。“duration”は,データを送信するための電波の時間的な長さを示している。そして,データ解析部12は,前記した基地局の識別子と共にこの帯域割り当て量をネットワークエントリ制御部14に出力する。
測定部13は,データ送受信部11から入力された前記各種データに基づき,前記所定の時間間隔毎に受信電波環境状態を示す受信電波環境指数,例えばCINR,RSSIを測定し,前記した基地局の識別子と共にこの測定結果をネットワークエントリ制御部14に出力する。受信電波環境状態とは,ある伝送レートで基地局から送信される信号を受信するために必要な電波環境である。
ネットワークエントリ制御部14は,ネットワークエントリ制御やハンドオーバ制御を実行する。例えば,ネットワークエントリ制御部14は,基地局毎の識別子と共に入力された帯域割り当て量,受信電波環境指数を接続先基地局選択処理部15に出力する。
接続先基地局選択処理部15は,基地局A21,B22,C23毎の受信電波環境状態を示す受信電波環境指数および基地局毎の帯域割り当て量に基づき,異なる時間毎の基地局との予測通信速度を基地局毎に算出する。そして,接続先基地局選択処理部15は,基地局毎に算出した予測通信速度に基づき,複数の基地局の中から1つの基地局を接続先の基地局として選択する。
各種制御部16は,データ送受信部11,データ解析部12,測定部13,ネットワークエントリ制御部14,接続先基地局選択処理部15を制御する処理や,送受信処理に必要な各種処理を実行する。
図4は,接続先基地局選択処理部15の詳細ブロック図である。
[受信電波環境指数,帯域割り当て量の集計]
接続先基地局選択処理部15の測定結果集計部151は,基地局毎の受信電波環境指数および帯域割り当て量を所定の時間間隔毎に集計し,記録部153に記録する。この所定の時間間隔とは,例えば,基地局から無線フレームを受信する時間間隔であり,前記したWiMAXの場合5ミリ秒である。
この集計処理について説明する。前記したように,ネットワークエントリ制御部14は,基地局の識別子と共に入力された帯域割り当て量,受信電波環境指数を接続先基地局選択処理部15の測定結果集計部151に出力する。
測定結果集計部151は,基地局の識別子と対応付けて,所定の時間間隔毎の帯域割り当て量および受信電波環境指数を集計する。
図5は,基地局の識別子と対応付けて集計された所定の時間間隔毎の帯域割り当て量および受信電波環境指数を集計した状態を模式的に示した図である。
基地局ID欄には,基地局の識別子が記録される。時間T0〜T5…欄には,所定の時間間隔毎に測定した基地局毎の受信電波環境指数Wおよび帯域割り当て量Dが記録される。ここで,時間T0は,集計を開始した時間(タイミング)である。ここで,空白の欄は,受信電波環境指数Wおよび帯域割り当て量Dが集計されていないことを示す。
基地局毎の受信電波環境指数Wおよび帯域割り当て量Dの集計について,図6を用いて説明する。
図6は,無線端末装置1が移動している状態を模式的に示した図である。
図6(A)は,無線端末装置1が時間経過と共に図面左から右方向に移動して基地局A21の通信圏内に入り,以後,順次,基地局B22,基地局C23の通信圏内に入る状態を模式的に示している。なお,図6(B)については,図8のステップS3で説明する。
図6(A)において,時間T1になると,無線端末装置1は,基地局A21の通信可能圏内に移動する。すると,測定結果集計部151は,図5に示したように,時間T1において,基地局A21(識別ID:BS1)の受信電波環境指数W11および帯域割り当て量D11を記録する。以降,時間経過と共に,測定結果集計部151は,基地局A21の受信電波環境指数W12…および帯域割り当て量D12…を順次記録する。
また,時間T2になると,無線端末装置1は,基地局B22の通信圏内に移動する。すると,測定結果集計部151は,図5に示したように,時間T2において,基地局B22(識別ID:BS2)の受信電波環境指数W22および帯域割り当て量D22を記録する。以後,時間経過と共に,測定結果集計部151は,基地局B22の受信電波環境指数W23…および帯域割り当て量D23…を順次記録する。測定結果集計部151は,基地局C23(識別ID:BS3)の受信電波環境指数W34,帯域割り当て量D34に付いても同様に記録する。
図7は,図5の受信電波環境指数W,帯域割り当て量Dの具体的数値を示した図である。以下の説明では,受信電波環境指数としてCINRを例示して説明する。なお,受信電波環境指数がRSSIの場合も同様である。
予測通信速度算出部152は,図5,図7に示したようにテーブル形式で集計された複数の基地局(21〜23)毎の受信電波環境指数および帯域割り当て量に基づき,異なる時間毎に基地局と通信する場合に予測される異なる時間毎の基地局との予測通信速度を基地局毎(21〜23)に算出する。
予測通信速度算出部152は,前記算出を実行する,予測正常通信レート変化曲線算出部152aと,予測通信速度変化曲線算出部152bとを有する。
予測正常通信レート変化曲線算出部152aは,異なる時間毎に基地局と通信する場合に予測される予測正常通信レートを基地局毎(21〜23)に算出する。正常通信レートは,基地局と通信する場合における所定の通信データ量に対して正常に通信できる割合を示す値である。具体的には,基地局と通信する場合におけるエラービットレートをERRとすると,正常通信レートは,“1-ERR”である。
予測通信速度変化曲線算出部152bは,基地局毎(21〜23)の予測正常通信レート,受信電波環境指数および帯域割り当て量に基づき,異なる時間毎の予測通信速度を算出する。
これら算出処理の詳細については,図8,図9,図10,図13などで詳細に説明する。
記録部153は,測定結果集計部151の集計結果を例えば図5に示すテーブル形式で記録する。
接続先基地局選択部154は,予測通信速度算出部152が基地局毎(21〜23)に算出した予測通信速度に基づき,複数の基地局(21〜23)の中から1つの基地局を接続先の基地局として選択する。この選択処理の詳細については,図9,図14などで詳細に説明する。
[接続先基地局選択処理]
図8,図9は,無線端末装置1が実行する基地局選択処理を説明する第1,第2のフロー図である。以下,このフロー図に基づき基地局選択処理について説明する。
無線端末装置1は,この基地局選択処理を,例えば無線端末装置1の起動時や,起動後,所定の時間間隔毎に実行する。所定の時間間隔とは例えば1秒である。また,無線端末装置1は,この基地局選択処理を,受信電波環境指数が悪化した場合など必要に応じて実行する。
この基地局選択処理にあたり,測定結果集計部151は,図5,図7に示したように,基地局毎の受信電波環境指数および帯域割り当て量を所定の時間間隔毎(T0,T1…)に集計している。
図8のステップS1:接続先基地局選択処理部15は,正常通信レートが算出されていない基地局があるか判定する。正常通信レートが算出されていない基地局(以下,未算出基地局と記す)がある場合(ステップS1/YES),ステップS2に移る。なお,正常通信レートが算出されていない基地局がない場合(ステップS1/NO),図9のステップS8に移るが,その説明は後述する。
ここでは,未だ,正常通信レートが算出されていないので(ステップS1/YES),ステップS2に移る。
[正常通信レートの算出]
ステップS2:予測正常通信レート変化曲線算出部152aは,現時点における3つの時点(時間)の正常通信レート(TR(Tr1),TR(Tr2),TR(Tr3))を算出する。
正常通信レートの算出処理について詳細に説明する。無線端末装置1における基地局の電波強度は,基地局との距離に反比例する。また,ノイズなどの影響を排除すれば,電波強度を受信電波環境指数と見なすことができる。そして,受信電波環境指数と,正常通信レートはほぼ比例する。
そこで,予測正常通信レート変化曲線算出部152aは,ある時間において,例えば,
ある時間のCINRが0dB以下の場合には,ある時間の正常通信レートを0.0と算出し,
ある時間のCINRが0dB以上,40dB未満の場合には,ある時間の正常通信レートをCINR×0.025と算出し,
ある時間のCINRが40dB以上の場合には,ある時間の正常通信レートを1.0と算出する。
そして,予測正常通信レート変化曲線算出部152aは,現時点における3つの時点の正常通信レートを算出する。ここで,現時点における3つの時点Tr1,Tr2,Tr3が図5に示した時間T1〜T3とし,時間T1〜T3のCINRが0dB以上,40dB未満とすると,時間T1〜T3の正常通信レート(TR(T1),TR(T2),TR(T3))は,それぞれ,0.025×W11,0.025×W12,0.025×W13となる。図7の例では,時間T1〜T3の正常通信レート(TR(T1),TR(T2),TR(T3))は,0.25(0.025×10),0.3(0.025×12),0.4(0.025×16)となる。
ステップS3:予測正常通信レート変化曲線算出部152aは,ステップS2で算出した正常通信レートが増加傾向にあるか判定する。すなわち,予測正常通信レート変化曲線算出部152aは,TR(Tr1)<TR(Tr2)<TR(Tr3)か判定する。
この判定処理を行う理由を図6(B)に基づき説明する。図6(B)は,無線端末装置1が基地局A21の通信圏から遠ざかりつつあることを示している。図6(B)において,未算出基地局は基地局A21,基地局B22,基地局C23であり,時間T0において,無線端末装置1は基地局B22側に位置している。
基地局A21について算出された正常通信レートが増加傾向でないということは,図6(B)に示したように,無線端末装置1が,基地局A21の通信圏から遠ざかりつつあることを示している。この理由は,ステップS2で説明したように,電波強度を受信電波環境指数と見なした場合,無線端末装置1における基地局の電波強度は,基地局との距離に反比例するからである。
このように,未算出基地局の正常通信レートの算出を開始する時点において,無線端末装置1が未算出基地局(図6(B)の例では基地局A21)の通信圏から遠ざかりつつある場合には,このような未算出基地局を接続先の基地局から除外する必要がある。
そこで,無線端末装置1が未算出基地局から遠ざかりつつあるか確認するため,予測正常通信レート変化曲線算出部152aは,正常通信レートが増加傾向にあるかステップS3で判定している。
正常通信レートが増加傾向にある場合(ステップS3/YES),ステップS4に移る。
正常通信レートが増加傾向にない場合(ステップS3/NO),ステップS4で説明する未算出基地局の予測正常通信レートの算出処理を実行せずに,ステップS1に戻る。この処理により,不要な予測正常通信レートの算出処理を実行しなくてよく,無線端末装置1のリソースを節約できる。
[予測正常通信レートの算出]
ステップS4:予測正常通信レート変化曲線算出部152aは,未算出基地局の予測正常通信レートを算出する。
未算出基地局の予測正常通信レートの算出について詳細に説明する。
正常通信レートは,基地局と無線端末装置1との距離と伝搬損失の関数の逆数と見なすことができる。
そこで,発明者は,“x”を,基準時間からの経過時間とし,“y”をこの経過時間における正常通信レートとし,“a”,“b”を定数とした場合,(式1)を満たす定数a,bを算出すれば,予測通常通信レートを算出する関数を導出することができることを見出した。
Figure 2013143742
ここで,基準時間を例えば未算出基地局の受信電波環境指数および帯域割り当て量の集計が開始された時点であるとする。図5の例では,時間T0が基準時間(基準タイミングとも言う)となる。そして,ステップS2で例示した時間T1の正常通信レートTR(T1)(0.025×W11),および,時間を示す“T1”を(式1)に代入し(式2)を得る。
Figure 2013143742
また,時間T2の正常通信レートTR(T2)(0.025×W12),および,時間を示す“T2”を(式1)に代入して(式3)を得る。
Figure 2013143742
そして,(式2),(式3)から定数a,bの値を得る。ここで,定数a,bは,それぞれa>0,b>0であるとする。
ここでは,(式2),(式3)から算出した定数a,bをそれぞれ定数a1,b1とする。
定数a1,b1を(式1)に代入することにより得られる式を(式4)に示す。
Figure 2013143742
ここで,tは基準時間からの経過時間を示す。
(式4)の“t”に基準時間からの経過時間ptを代入すれば,この経過時間における予測正常通信レートが“TR(pt)”として算出されることになる。
定数a,bの具体的数値を算出する処理を図7を用いて説明する。前記したように,所定の時間間隔は,WiMAXの場合,基地局からの無線フレームを受信する時間間隔である5ミリ秒間である。従って,基準時間T0から時間Tpまでに無線端末装置1が受信した無線フレームの数を時間T0から時間Tpの経過時間に対応させることができる。そして,この無線フレームの数を(式1)の“x”とする。図7の例では,基準時間T0から時間T1,T2までに受信した無線フレームの数は1,2である。
また,時間T1, T2の正常通信レートはステップS2で説明したように“0.25”,“0.3”である。
従って,x=1,y=0.25を(式1)に代入して得られた式と,x=2,y=0.3を(式1)に代入して得られた式から定数a,bを算出すると,定数aは1.5,定数bは7となる。なお,定数bについては,小数点以下を四捨五入している。
以上説明したように,予測正常通信レート変化曲線算出部152aは,測定部13が測定した第1の時間(例えば,時間T1)に対応する受信電波環境指数に基づき算出した基地局の正常通信レートを(式1)の“y”に代入し,第1の時間を(式1)の“x”に代入する。
そして,予測正常通信レート変化曲線算出部152aは,測定部13が測定した第1の時間よりも将来の第2の時間(例えば,時間T2)に対応する受信電波環境指数に基づき算出した基地局の正常通信レートを(式1)の“y”に代入し,第2の時間を(式1)の“x”に代入することにより,(式1)の第1,第2の定数“a”,“b”の値を算出する。
そして,予測正常通信レート変化曲線算出部152aは,ある時間Tから第2の定数bを減算し,第1の定数aをこの減算値で除算することにより得られた値の絶対値をある時間Tにおける基地局の予測正常通信レートとする。
図10は,予測通信速度レートのグラフ図である。横軸は時間Tを示し,縦軸は予測通常通信レートTRを示す。
実線部分は,(式4)の関数により得られた予測通信速度レートをプロットしたグラフ線を示し,点線部分は,このグラフ線を時間Tm1を中心に右側に折り返したグラフ線を示している。この実践部分および点線部分のグラフ線を予測正常通信レート変化曲線と呼ぶ。
図10の予測通信速度レートのグラフ線から明らかなように,時間Tm1において,予測正常通信レートが最大になる。
ステップS5:予測正常通信レート変化曲線算出部152aは,算出した予測正常通信レートに基づき全予測正常通信レート変化曲線を算出するか判定する。
この判定について詳細に説明する。ステップS2で算出した3つの時点の正常通信レート(TR(Tr1),TR(Tr2),TR(Tr3))における最終正常通信レートTR(Tr3)の時間Tr3が,最大正常通信レートTR(Tm1)の時間Tm1(図10参照)よりも進んでいることがある。すなわち,図10において,最終正常通信レートTR(Tr3)の時間Tr3が最大正常通信レートTR(Tm1)の時間Tm1の右側(将来)に位置することがある。これは,(式4)の関数を導出するにあたり,ステップS4で説明したように,2つの時点の正常通信レート(TR(Tr1),TR(Tr2))を利用しているからである。特に,3つの正常通信レートの時間間隔が長い場合には,最終正常通信レートTR(Tr3)の時間Tr3が,最大正常通信レートTR(Tm1)の時間Tm1(図10参照)よりも進みやすい。
このような場合には,無線端末装置1は,未算出基地局の受信電波環境指数が良好になりつつあるのではなく,悪化しつつあると判断することができる。そのため,このような未算出基地局を接続先から除外すべく,ステップS5の判定処理を行う。
ステップS2で算出した3つの時点の正常通信レート(TR(Tr1),TR(Tr2),TR(Tr3))における最終正常通信レートTR(Tr3)の時間Tr3が,最大正常通信レートTR(Tm1)の時間Tm1(図10参照)よりも遅れている場合には,予測正常通信レート変化曲線算出部152aは,算出した予測正常通信レートを利用すると判定し(ステップS5/YES),ステップS6に移る。一方,時間Tr3が時間Tm1よりも進んでいる場合には,予測正常通信レート変化曲線算出部152aは,算出した予測正常通信レートを利用しないと判定し(ステップS5/NO),ステップS1に戻る。
なお,ステップS5において,正常通信レートTR(Tr3)とTR(Tr2)との差を時間Tr3と時間Tr2との差で除算した値(すなわち図10の点P3と点P2との傾き)が,正常通信レートTR(Tr2)とTR(Tr1)との差を時間Tr2と時間Tr1との差で除算した値(すなわち図10の点P2と点P1との傾き)よりも大きい場合に,予測正常通信レート変化曲線算出部152aは,算出した予測正常通信レートに基づき全予測正常通信レート変化曲線を算出すると判定してもよい。
ステップS6:予測正常通信レート変化曲線算出部152aは,未算出基地局の全予測正常通信レートを算出する。
具体的には,予測正常通信レート変化曲線算出部152aは,(式4)の関数に“-”(マイナス)を乗算し,(式5)の関数を導出する。
Figure 2013143742
言い換えれば,予測正常通信レート変化曲線算出部152aは,図10で示した実線部分のグラフ線を,時間Tm1を中心に右側に折り返す(点線部分参照)。
このようにして,未算出基地局の全予測正常通信レートを算出する。
[予測通信速度の算出]
ステップS7:予測通信速度変化曲線算出部152bは,未算出基地局の予測通信速度を算出する。
図11,図12を用いて未算出基地局の予測通信速度の算出について詳細に説明する。
図11は,受信電波環境指数の範囲と,受信電波環境指数の範囲に対応する変調・符号化方式(MCS:Modulation and Coding Scheme)と,同正常通信レートの範囲とが記録されたテーブルを示す。MCS欄に記録された送信データサイズは,基地局から通知された帯域割り当て量DRTに対してMCSに対応する数値を乗算した値である。例えば,変調・符号化方式がMCS1の場合には,帯域割り当て量DRTに“MCSV1”を乗算した値が,R10<正常通信レートRT<R20における送信データサイズとなる。この送信データサイズについては,後述する。このテーブルは,予め開発者により作成され記録部153に記録されている。
図12は,図11の具体例を示す図である。図11において,受信電波環境指数の欄にはCINRの範囲が記録される。MCSの欄には,CINRの範囲に対応してMCS(QPSK1/2など)と送信データサイズが記録される。正常通信レート欄には,CINRの範囲に対応して正常通信レートの範囲が記録される。
予測通信速度変化曲線算出部152bは,未算出基地局から割り当てられた帯域割り当て量DRTと,図10に示したある時間Tにおける未算出基地局の予測正常通信レートTR(T)と,予測正常通信レートに対応付けられた値である変数MCSVとを乗算する。予測通信速度変化曲線算出部152bは,このようにして,ある時間Tにおける未算出基地局の予測通信速度を算出することにより,異なる時間毎の未算出基地局の予測通信速度を算出する。
前記した乗算の式を(式6)に示す。
予測通信速度=帯域割り当て量DRT×MCSV×予測正常通信レート…(式6)
予測通信速度変化曲線算出部152bは,図11に基づき,予測正常通信レートに対応する変数MCSVを決定する。例えば,図10で説明した時間Tにおける基地局A21の予測正常通信レートTR(T)が,R30≦TR(T)<R40の範囲にある場合,変数MCSVはMCSV3となる。そして,この場合,時間Tにおける基地局A21の予測通信速度TV(T)は,
TV(T)=TR(T)×帯域割り当て量DRT×MCSV3…(式7)
となる。ここで,帯域割り当て量DRTは,基地局A21から割り当てられた帯域割り当て量である。
具体的には,時間Tr1,Tr2,Tr3における基地局A21の正常通信レートTR(Tr1),TR(Tr2),TR(Tr3)が,
R31≦TR(Tr1),TR(Tr2),TR(Tr3)<R40であり,基地局A21から割り当てられた帯域割り当て量がDRTの場合,
時間Tr1,Tr2,Tr3の予測通信速度TV(Tr1),TV(Tr2),TV(Tr3)は,それぞれ,
TV(Tr1)=TR(Tr1)×DRT×MCSV3,
TV(Tr2)=TR(Tr2)×DRT×MCSV3,
TV(Tr3)=TR(Tr3)×DRT×MCSV3,
となる。
(式6)による予測通信速度TVの算出を図10の全時間について実行すると,異なる時間毎の基地局の予測通信速度TVを算出することができる。
予測通信速度変化曲線算出部152bは,図10,図11,(式6)に基づき,異なる時間の予測通信速度を算出する。
図13は,予測通信速度のグラフ図である。
図13(A)のグラフ図は,(式7)の関数をプロットしたグラフ線を示している。このグラフ線を,予測通信速度変化曲線と呼ぶ。
上記の例では,時間Tの予測正常通信レートTRが,TR31≦TR<TR32の範囲にある場合を例示した。一方,予測正常通信レート変化曲線算出部152aが,
時間T0〜Ts1の正常通信レートRTが図11のR10<RT<R20の範囲にあり,
時間Ts1〜Ts2の正常通信レートRTが図11のR20≦RT<R30の範囲にあり,
時間Ts2〜Ts3の正常通信レートRTが図11のR30≦RT<R40の範囲にあり,
時間Ts3〜Tm1の正常通信レートRTが図11のR40≦RT≦R50の範囲にある予測正常通信レート変化曲線を算出したと想定する。この場合,予測通信速度変化曲線算出部152bは,図13(B)に示す予測通信速度TVのグラフ線を算出する。なお,図13(B)において,直線的に変化している部分が算出されるのは,図12に示すように,帯域割り当て量(duration)に乗算する定数が,6,9,12,16のように非連続に変化するからである。
図8のステップS7の処理が終了すると,ステップS1に戻る。ステップS1において,未算出基地局がある場合,ステップS2以降の処理を実行する。
ステップS2以降において,図5に示すように,未算出基地局は基地局識別子BS2で示す基地局B22である。そして,ステップS2において,現時点における連続する3つの時点とは,初回のステップS1における3つの時点よりも進んだ時間,例えば時間T2〜T5となる。
以後,図8のステップS1〜S7の処理を繰り返し行うことにより,無線端末装置1と通信可能な基地局に対する予測通信速度曲線を算出する。無線端末装置1は,例えば,基地局A21,基地局B22,基地局C23の予測通信速度曲線を算出する。
図14は,基地局A21,基地局B22,基地局C23の予測通信速度曲線の一例を示した図である。これらの基地局が無線端末装置1と通信可能な基地局となる。グラフ線Ba,Bb,Bcは,基地局A21,B22,C23の予測通信速度曲線をそれぞれ示している。
無線端末装置1は,通信可能な全ての基地局の予測通信速度曲線を算出すると(図8のステップS1),図9のステップS8に移る。以降のステップで,無線端末装置1は,接続先の基地局を選択する。
ステップS8:接続先基地局選択部154は,無線端末装置1との距離が短くなる基地局が存在するか判定する。
この判定について詳細に説明する。接続先基地局選択部154は,現時点よりも予測通信速度曲線のピーク時間が先(将来)にある予測通信速度曲線があるか判定する。この判定により,無線端末装置1との距離が短くなる基地局が存在するか判定できる。
例えば,図14において,現時点が時間Tnw1の場合,すなわち,現時点Tnw1が予測通信速度曲線Baのピーク時間Tmaよりも手前(過去)の場合,接続先基地局選択部154は,現時点Tnw1よりも予測通信速度曲線のピーク時間が先にある予測通信速度曲線Ba,Bb,Bcが存在すると判定する。すなわち,接続先基地局選択部154は,無線端末装置1との距離が短くなる基地局が存在すると判定する。
また,図14において,現時点が時間Tnw2の場合,すなわち,現時点Tnw2が予測通信速度曲線Baのピーク時間Tmaと予測通信速度曲線Bbのピーク時間Tmbとの間にある場合,接続先基地局選択部154は,現時点Tnw2よりも予測通信速度曲線のピーク時間が先にある予測通信速度曲線Bb,Bcが存在すると判定する。
無線端末装置1との距離が短くなる基地局が存在する場合(ステップS8/YES),ステップS9に移る。
ステップS9: 接続先基地局選択部154は,現時点において,所定の閾値以上の予測通信速度が所定の時間以上継続すると予測される基地局が存在するか判定する。
ここで,図14の符号Thが所定の閾値を示し,符号Tvで示す矢印に対応する時間が所定の時間である。
ここで,現時点が,時間Thaからピーク時間Tmcの間にある場合には,接続先基地局選択部154は,予測通信速度変化曲線において,所定の閾値以上の予測通信時間が所定の時間以上継続する基地局が存在すると判定し(ステップS9/YES),ステップS10に移る。
ステップS10:接続先基地局選択部154は,最も通信条件のよい基地局を選択する。
具体的には,接続先基地局選択部154は,現時点から将来に向けて,所定の閾値以上の予測通信速度が最も長時間継続すると予測される基地局を選択する。
例えば,現時点が,時間Thaから時間Tmaの場合,接続先基地局選択部154は,現時点において,所定の閾値以上の予測通信速度が最も長時間継続すると予測される予測通信速度曲線Baの基地局A21を接続先の基地局として選択する。この選択処理が,例えば初期ネットワークエントリである。なお,接続先基地局選択部154は,現時点において,予測通信速度のピーク値に対応する時間が既に経過している場合,この予測通信速度の基地局を接続先の基地局から除外している。
基地局A21に接続後,再び,接続先基地局選択処理部15が,図8のステップS1以降の処理を実行し,現時点が時間Tnw3に至る,すなわち,予測通信速度曲線Bcの予測通信速度が所定の閾値を超えた直後の時間に至るとする。すると,接続先基地局選択部154は,ステップS10において,所定の閾値以上の予測通信速度が最も長時間継続すると予測される予測通信速度曲線Bcの基地局C23を接続先の基地局として選択する。この選択処理が,ハンドオーバである。
このときは,基地局B22を接続先の基地局として選択しない。これは,基地局B22と接続した場合,即,基地局C23にハンドオーバすると予測できるからである。この選択処理により,ハンドオーバの回数を削減することができる。
なお,現時点が,時間Tnw4の場合,接続先基地局選択部154は,所定の閾値以上の予測通信速度が最も長時間継続すると予測される予測通信速度曲線Bcの基地局C23を接続先の基地局として選択する。
無線端末装置1との距離が短くなる基地局が存在しない場合(ステップS8/NO),または,接続先基地局選択部154は,現時点において,所定の閾値以上の予測通信速度が所定の時間以上継続すると予測される基地局が存在しない場合(ステップS10/NO),ステップS11に移る。
ステップS11:接続先基地局選択部154は,最大の予測通信速度を有する基地局を選択する。換言すれば,接続先基地局選択部154は,最大の予測通信速度を維持する基地局を選択する。
例えば, 現時点が,時間Tnw5の場合,接続先基地局選択部154は,無線端末装置1との距離が短くなる基地局が存在しないので(ステップS8/NO),接続先基地局選択部154は,時間Tnw5において最大の予測通信速度Bcの基地局C23を選択する。
以上説明したように,無線端末装置1は,基地局から割り当てられた通信帯域量から算出された予測通信速度変化曲線に基づき接続先の基地局を選択することができる。そのため,無線端末装置1は,基地局との通信速度(通信帯域量)や,基地局との接続時間を考慮して接続先の基地局を選択することができる。その結果,無線端末装置1は,初期ネットワークエントリ,ハンドオーバ実行時に所定時間あたりの通信データ量が最も大きく,かつ,最も長時間接続できる基地局と接続することができる。
このような基地局の選択処理が終了すると,接続先基地局選択部154は,選択した基地局の識別記号をネットワークエントリ制御部14に出力する。
ネットワークエントリ制御部14は,データ送受信部11に対して選択した基地局と接続するための制御信号(レンジングコードとも言う)を送信するように指示する。
データ送受信部11は,この指示に応答して,前記選択した基地局に前記制御信号を送信する。
なお,無線端末装置1が低速で移動している場合には,図5に示した電波環境指数の値が殆ど変わることがない。この場合,所定の閾値以上の予測通信速度が継続する時間が短くなることがある。すなわち,予測通信速度変化曲線算出部152bは,図15に示すような予測通信速度変化曲線を算出することがある。
このように,無線端末装置1が低速で移動している場合であっても,接続先基地局選択部154は,最大の予測通信速度の基地局を選択する。そのため,単位時間あたりの無線端末装置1のデータ通信量を増やすことができる。
なお,上記の説明では,受信電波環境指数として,CINRを例示したが,図7で説明したように,RSSIでもCINRと同様である。また,CINRとRSSIとを組み合わせてもよい。この場合,予測通信速度変化曲線算出部152bは,図11のテーブルの代わりに,図16のテーブルを用いて, 基地局の予測通信速度TVを算出する。このようにすることで,高精度に正常通信レートの値を決定することができる。なお,図16のテーブルは,記録部153に記録されている。
本実施の形態の無線端末装置によれば,無線端末装置は,最も長時間接続できる基地局に接続するので,ハンドオーバの回数を削減できる。その結果,リソースや消費電力を削減することができる。さらに,通信速度が向上する。
また,基地局が輻輳状態にある場合,無線端末装置は,この基地局に接続する可能性が低くなるので,この基地局の負荷が減少する。そして,無線端末装置は,輻輳状態にない基地局(空いている基地局)に接続する可能性が高くなるので,この基地局のリソースを有効活用できる。
また,無線端末装置が輻輳状態にない基地局に接続するためには,基地局の輻輳状態を管理し無線端末装置にこの基地局の輻輳状態情報を提供する管理装置が必要であった。しかし,本実施の形態の無線端末装置によれば,このような管理装置がなくても,輻輳状態にない基地局に接続することができる。その結果,基地局側で新たに設備を設ける必要がなくなり,通信システム構築費用が削減できる。
以上の実施の形態をまとめると,次の付記のとおりである。
(付記1)
複数の基地局の中から1つの基地局を選択し,前記選択した基地局と無線通信する無線端末装置において,
帯域割り当て量を含む信号を前記複数の基地局から受信し,前記基地局毎の受信電波環境状態を示す受信電波環境指数および前記基地局毎の帯域割り当て量に基づき,異なる時間毎の基地局との予測通信速度を前記基地局毎に算出する算出部と,
前記基地局毎に算出した予測通信速度に基づき,前記複数の基地局の中から1つの基地局を接続先の基地局として選択する選択部とを有する
ことを特徴とする無線端末装置。
(付記2)
複数の基地局の中から1つの基地局を選択し,前記選択した基地局と無線通信する無線端末装置において,
帯域割り当て量を含む信号を前記複数の基地局から受信し,前記複数の基地局から受信した信号に基づき受信電波環境状態を示す受信電波環境指数を基地局毎に測定する測定部と,
前記基地局毎の前記受信電波環境指数および前記帯域割り当て量を所定の時間間隔毎に集計する集計部と,
前記基地局毎の前記受信電波環境指数および前記帯域割り当て量に基づき,異なる時間毎の基地局との予測通信速度を前記基地局毎に算出する算出部と,
前記基地局毎に算出した予測通信速度に基づき,前記複数の基地局の中から1つの基地局を接続先の基地局として選択する選択部とを有する
ことを特徴とする無線端末装置。
(付記3)
付記1または2において,
前記選択部は,所定の閾値以上の予測通信速度が最も長時間継続すると予測される基地局を選択する
ことを特徴とする無線端末装置。
(付記4)
付記1または2において,
前記選択部は,現時点において,最大の予測通信速度を有する基地局を選択する
ことを特徴とする無線端末装置。
(付記5)
付記3または4において,
前記算出部は,前記異なる時間毎に前記基地局と通信する場合に予測される正常通信レートである予測正常通信レートを前記基地局毎に算出し,前記基地局毎の予測正常通信レート,前記受信電波環境指数および前記帯域割り当て量に基づき,前記異なる時間毎の前記予測通信速度を算出し,
前記正常通信レートは,前記基地局と通信する場合における所定の通信データ量に対して正常に通信できる割合を示す値である
ことを特徴とする無線端末装置。
(付記6)
付記2において,
前記算出部は,前記測定部が測定した第1の時間に対応する受信電波環境指数に基づき算出した基地局の正常通信レートを下記(式1)の“y”に代入し,前記第1の時間を下記(式1)の“x”に代入し,
前記測定部が測定した前記第1の時間よりも将来の第2の時間に対応する受信電波環境指数に基づき算出した前記基地局の正常通信レートを下記(式1)の“y”に代入し,前記第2の時間を下記(式1)の“x”に代入することにより,下記(式1)の第1,第2の定数“a”,“b”の値を算出し,
ある時間から前記第2の定数bを減算した値で,前記第1の定数aを除算することにより得られた値の絶対値を前記ある時間における前記基地局の予測される前記正常通信レートである予測正常通信レートとし,
前記基地局から割り当てられた前記帯域割り当て量と,前記ある時間における前記基地局の前記予測正常通信レートと,当該予測正常通信レートに対応付けられた値とを乗算することにより,前記ある時間における前記基地局の予測通信速度を算出し,前記異なる時間毎の前記基地局の予測通信速度を算出し,
前記正常通信レートは,前記基地局と通信する場合における所定の通信データ量に対して正常に通信できる割合を示す値である
ことを特徴とする無線端末装置。
Figure 2013143742
(付記7)
付記6において,
前記算出部は,前記基地局と通信する場合の正常通信レートが増加傾向にない場合,前記基地局の前記予測正常通信レートの算出処理を実行しない
ことを特徴とする無線端末装置。
(付記8)
付記6において,
前記選択部は,現時点において,前記予測通信速度のピーク値に対応する時間が既に経過している場合,当該予測通信速度の基地局を接続先の基地局から除外する
ことを特徴とする無線端末装置。
(付記9)
複数の基地局の中から1つの基地局を選択し,前記選択した基地局と無線通信する無線端末装置において実行される通信方法であって,
帯域割り当て量を含む信号を前記複数の基地局から受信し,
前記基地局毎の受信電波環境状態を示す受信電波環境指数および前記基地局毎の帯域割り当て量に基づき,異なる時間毎の基地局との予測通信速度を前記基地局毎に算出し,
前記基地局毎に算出した予測通信速度に基づき,前記複数の基地局の中から1つの基地局を接続先の基地局として選択する
ことを特徴とする通信方法。
(付記10)
複数の基地局の中から1つの基地局を選択し,前記選択した基地局と無線通信する無線端末装置において実行される通信方法であって,
帯域割り当て量を含む信号を前記複数の基地局から受信し,
前記複数の基地局から受信した信号に基づき受信電波環境状態を示す受信電波環境指数を前記基地局毎に測定し,
前記基地局毎の前記受信電波環境指数および前記帯域割り当て量を所定の時間間隔毎に集計し,
前記基地局毎の前記受信電波環境指数および前記帯域割り当て量に基づき,異なる時間毎の基地局との予測通信速度を前記基地局毎に算出し,
前記基地局毎に算出した予測通信速度に基づき,前記複数の基地局の中から1つの基地局を接続先の基地局として選択する
ことを特徴とする通信方法。
1,100…無線端末装置,11…データ送受信部,12…データ解析部,13…測定部,14…ネットワークエントリ制御部,15…接続先基地局選択処理部,151…測定結果集計部,152…予測通信速度算出部,152a…予測正常通信レート変化曲線算出部,152b…通信速度変化曲線算出部,153…記録部,154…接続先基地局選択部,16…各種制御部,21…基地局A,22…基地局B,23…基地局C

Claims (6)

  1. 複数の基地局の中から1つの基地局を選択し,前記選択した基地局と無線通信する無線端末装置において,
    帯域割り当て量を含む信号を前記複数の基地局から受信し,前記基地局毎の受信電波環境状態を示す受信電波環境指数および前記基地局毎の帯域割り当て量に基づき,異なる時間毎の基地局との予測通信速度を前記基地局毎に算出する算出部と,
    前記基地局毎に算出した予測通信速度に基づき,前記複数の基地局の中から1つの基地局を接続先の基地局として選択する選択部とを有する
    ことを特徴とする無線端末装置。
  2. 複数の基地局の中から1つの基地局を選択し,前記選択した基地局と無線通信する無線端末装置において,
    帯域割り当て量を含む信号を前記複数の基地局から受信し,前記複数の基地局から受信した信号に基づき受信電波環境状態を示す受信電波環境指数を基地局毎に測定する測定部と,
    前記基地局毎の前記受信電波環境指数および前記帯域割り当て量を所定の時間間隔毎に集計する集計部と,
    前記基地局毎の前記受信電波環境指数および前記帯域割り当て量に基づき,異なる時間毎の基地局との予測通信速度を前記基地局毎に算出する算出部と,
    前記基地局毎に算出した予測通信速度に基づき,前記複数の基地局の中から1つの基地局を接続先の基地局として選択する選択部とを有する
    ことを特徴とする無線端末装置。
  3. 請求項1または2において,
    前記選択部は,所定の閾値以上の予測通信速度が最も長時間継続すると予測される基地局を選択する
    ことを特徴とする無線端末装置。
  4. 請求項1または2において,
    前記選択部は,現時点において,最大の予測通信速度を有する基地局を選択する
    ことを特徴とする無線端末装置。
  5. 請求項3または4において,
    前記算出部は,前記異なる時間毎に前記基地局と通信する場合に予測される正常通信レートである予測正常通信レートを前記基地局毎に算出し,前記基地局毎の予測正常通信レート,前記受信電波環境指数および前記帯域割り当て量に基づき,前記異なる時間毎の前記予測通信速度を算出し,
    前記正常通信レートは,前記基地局と通信する場合における所定の通信データ量に対して正常に通信できる割合を示す値である
    ことを特徴とする無線端末装置。
  6. 複数の基地局の中から1つの基地局を選択し,前記選択した基地局と無線通信する無線端末装置において実行される通信方法であって,
    帯域割り当て量を含む信号を前記複数の基地局から受信し,
    前記基地局毎の受信電波環境状態を示す受信電波環境指数および前記基地局毎の帯域割り当て量に基づき,異なる時間毎の基地局との予測通信速度を前記基地局毎に算出し,
    前記基地局毎に算出した予測通信速度に基づき,前記複数の基地局の中から1つの基地局を接続先の基地局として選択する
    ことを特徴とする通信方法。
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