JP2013138800A - 医用画像処理装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】医用画像からの個人特定を抑止することができる医用画像処理装置を提供する。
【解決手段】医用画像処理装置は、被検体の内部情報を示す医用画像から被検体の体表面を検出する検出部8bと、医用画像における被検体の体表面に相当する画素値を加工する加工部8cとを備える。これにより、被検体の体表面に相当する画素値が加工され、その体表面の特徴から個人を特定することが困難となるため、医用画像からの個人特定を抑止することができる。
【選択図】図2
【解決手段】医用画像処理装置は、被検体の内部情報を示す医用画像から被検体の体表面を検出する検出部8bと、医用画像における被検体の体表面に相当する画素値を加工する加工部8cとを備える。これにより、被検体の体表面に相当する画素値が加工され、その体表面の特徴から個人を特定することが困難となるため、医用画像からの個人特定を抑止することができる。
【選択図】図2
Description
本発明の実施形態は、医用画像処理装置に関する。
通常、医用画像処理装置は、医用画像撮像装置により撮像された医用画像に対して様々な画像処理を行う装置である。なお、前述の医用画像撮像装置としては、例えば、X線CT装置(X線コンピュータ断層撮像装置)やMRI(磁気共鳴診断装置)などが挙げられる。これらの医用画像撮像装置は、撮像により被検体の内部情報である画像データを取得する。
ここで、前述の画像データは、複数の医用画像、例えば、被検体の体軸方向に並ぶ複数のスライス画像(断面画像)を有している。この画像データには、患者個人の氏名や生年月日などの文字により表現される個人情報も付与されている。
ところが、近年、個人情報保護のため、医療分野も含めて個人情報の取り扱いは厳しく管理されるようになり、また、個人情報に関する人々の意識も高まってきている。そこで、個人情報保護の手段として、画像データに付された患者個人の氏名や生年月日などの文字情報を別の文字列に変換したり、あるいは、送信時に暗号化したりすることが行われている。
しかしながら、前述のような複数のスライス画像を有する画像データに対し、ボリュームレンダリングなどの三次元画像処理を行うことによって立体的に肖像を作成することが可能である。このため、たとえ個人情報保護のために氏名などを伏せたとしても、前述の肖像作成などにより顔や身体的な特徴が表現されてしまうため、医用画像から個人を特定することができる可能性が高いという現状がある。
本発明が解決しようとする課題は、医用画像からの個人特定を抑止することができる医用画像処理装置を提供することである。
実施形態に係る医用画像処理装置は、被検体の内部情報を示す医用画像から被検体の体表面を検出する検出部と、医用画像における被検体の体表面に相当する画素値を加工する加工部とを備える。
実施の一形態について図面を参照して説明する。
図1に示すように、本実施形態に係る医用画像処理装置1は、各部を制御する制御部2と、各種データを記憶するメモリ3と、医用画像などの各種画像を表示する表示部4と、操作者により操作される操作部5と、画像データなどの各種データを外部に出力する出力装置6と、画像データを管理する画像データベース7と、その画像データを画像処理する画像処理部8と、画像処理済みの画像データを記憶する画像記憶部9とを備えている。
制御部2は、メモリ3に記憶された各種プログラムや各種データに基づいて各部を制御する。例えば、制御部2は、各種プログラムや各種データに基づいて、データ計算やデータ加工などを行う一連のデータ処理や医用画像を表示する表示処理などを実行する。この制御部2としては、例えば、CPU(Central Processing Unit)などを用いることが可能である。
メモリ3は、制御部2が実行する起動プログラムなどの各種プログラムや各種データを記憶する。このメモリ3は制御部2のワークエリアとしても機能する。なお、起動プログラムは、医用画像処理装置1の起動時に制御部2により読み出されて実行される。このメモリ3としては、ROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ(半導体ディスク装置)などを用いることが可能である。
表示部4は、二次元の医用画像や各種設定用の画面などの各種画像をカラー表示する表示装置である。この表示部4としては、例えば、液晶ディスプレイやCRT(ブラウン管)ディスプレイなどを用いることが可能である。
操作部5は、操作者からの入力操作を受け付ける入力部であり、例えば、画像表示や画像の切り替え、各種設定などの様々な入力操作を受け付ける。この操作部5としては、例えば、マウスやキーボードなどの入力デバイスを用いることが可能である。
出力装置6は、画像データなどの各種データを外部に出力する出力部である。この出力装置6としては、例えば、DVD(Digital Versatile Disk)ドライブなどのディスクドライブを用いることが可能である。また、出力装置6としては、有線又は無線のネットワークを介して外部装置にデータを出力する出力部を用いることも可能である。なお、出力先の外部装置としては、例えば、画像サーバなどの医用画像保管装置が挙げられる。
画像データベース7は、画像データを保管して管理する医用画像管理装置である。この画像データベース7には、例えば、X線CT装置(X線コンピュータ断層撮像装置)やMRI(磁気共鳴診断装置)などの医用画像撮像装置により得られた画像データが保存されている。この画像データは、例えば、有線又は無線のネットワークを介して画像データベース7に入力される。
ここで、画像データは、複数の医用画像、例えば、被検体の体軸方向に並ぶ複数のスライス画像(断面画像)を有している。なお、スライス画像は被検体の体軸方向に直交する画像である。この画像データには、患者名や患者ID、生年月日などの文字により表現される個人情報も付帯情報として付与されている。
画像処理部8は、画像データベース7から任意の画像データを読み込み、その読み込んだ画像データに対して所定の画像処理を行う処理部である。この所定の画像処理としては、例えば、医用画像において被検体の体表面に相当する画素値を加工する体表面加工処理がある(詳しくは、後述する)。
画像記憶部9は、画像処理部8により画像処理された処理済みの画像データを記憶する記憶装置である。この画像記憶部9としては、例えば、磁気ディスク装置や半導体ディスク装置(フラッシュメモリ)などを用いることが可能である。
次に、前述の画像処理部8について詳しく説明する。
図2に示すように、画像処理部8は、医用画像から処理対象となる検出範囲を設定する範囲設定部8aと、その検出範囲に基づいて医用画像から被検体の体表面を検出する検出部8bと、医用画像における被検体の体表面に相当する画素値を加工する加工部8cとを備えている。
なお、この画像処理部8の各部は、電気回路などのハードウエアで構成されても良く、あるいは、これらの機能を実行するプログラムなどのソフトウエアで構成されても良い。また、それらのハードウエア及びソフトウエアの両方の組合せにより構成されても良い。
範囲設定部8aは、図3に示すように、医用画像としてのスライス画像G1内に処理対象となる検出範囲H1を設定する。この範囲設定部8aは、操作部5に対する操作者の入力操作、例えば、操作者が操作部5のマウスによりある領域を選択すると、それに応じてその選択領域を検出範囲H1に設定する。
なお、範囲設定部8aは、操作部5に対する操作者の入力操作に応じて選択領域を検出範囲H1に設定しているが、これに限るものではなく、例えば、スライス画像G1に付与された患者の方向情報を利用してスライス画像G1の顔側を検出し(図3のスライス画像G1では、上が顔側になる)、その顔側の画像を含む領域(例えば、スライス画像G1全体の半分の領域や三分の一の領域など)を検出範囲H1として自動的に設定するようにしても良い。
検出部8bは、図3に示すように、スライス画像G1の検出範囲H1に対して被検体の体表面を検出する体表面検出処理を実行する。例えば、スライス画像G1がX線CT画像である場合には、検出範囲H1内において、人体の部分とその周囲の空気の部分との画素値(CT値)の違いを検出する検出処理を行い、その検出した境界部分を体表面として特定する。
前述のX線CT画像では、図4に示すように、人体の部分とその周囲の空気の部分とでは画素値が大きく違う。この図4では、空気の部分から人体上に引かれた直線上の画素値の変化が示されている。
図4に示すように、20ピクセル(Pixel)から27ピクセルの範囲内で、画素値(Pixel Value)が−1000HU付近から0HU以上の値に急激に変化している。この部分が被検体の体表面として検出される。このとき、体表面は20ピクセルから27ピクセルの範囲内にあるため、それに近接するピクセル内でも同様に大きな変化を示す部分(例えば、画像の拡大率にもよるが10ピクセル程度、3mmから10mm程度の範囲内で、−1000HU付近から0HU以上の値に急激に変化する部分)がスライス画像G1上から探し出され、その部分が体表面として検出される。
なお、体表面の検出では、例えば、図3に示すように、左から右に向けてピクセル列に沿って走査が行われ、画素値(CT値)の急激な変化(増加)が検出されると、その箇所が体表面として特定される。この検出及び特定がピクセル列ごとに繰り返され、体表面の検出が行われる。この場合には、左から右へのピクセル列ごとの走査後に、右から左へのピクセル列ごとの走査が行われる。
また、前述のような急激な変化(増加)の検出及び特定後も走査が継続されても良く、その継続後、次の急激な変化(減少)が検出されると、その箇所も体表面として特定される。この場合には、左から右へのピクセル列ごとの走査のみが行われる。なお、左から右へのピクセル列ごとの走査や右から左へのピクセル列ごとの走査以外にも、例えば、上から下(あるいは下から上)へのピクセル列ごとの走査が行われても良い。
加工部8cは、図3に示すように、検出部8bにより検出された被検体の体表面から厚みを持たせてマスク処理やモザイク処理、フィルタ処理などのいずれかの画像処理を行い、被検体の体表面を含む所定の厚み範囲の画素値を加工する体表面加工処理を行う。なお、厚みは体表面から外側への方向や内側への方向、あるいは、体表面から外側及び内側の両方の方向に持たせることが可能である。
マスク処理では、例えば、一定の厚み範囲(例えば、10mm)で体表面を均一のマスク値で塗りつぶしたり、あるいは、あらかじめ用意した顔型などのマスク(例えば、プリセットで用意した人体の顔)をかぶせたりするような処理を行う。このマスク処理で用いるマスク値は皮膚の画素値よりも高い値である。
モザイク処理では、例えば、一定の厚みの範囲(例えば、10mm)でモザイク処理を行う。このモザイク処理としては、用途に応じて可逆変換(元に戻せる)を用いても良く、一般的な技術を用いることが可能である。
フィルタ処理では、例えば、一定の厚みの範囲(例えば、10mm)で画素値を平均値に揃える処理や異なる値にする処理など、フィルタを用いた変換処理を行う。このフィルタ処理としては、一般的な技術を用いることが可能である。
なお、前述の厚み範囲は変更可能であり、その厚みの方向(体表面から外側への方向あるいは内側への方向)も変更可能である。また、マスク値などの値も変更可能である。これらの変更は操作部5に対する操作者の入力操作により行われる。
このような画像処理により、図5に示すように、体表面である顔の画素値の濃淡及び形状などが変化する。このため、画像処理後のスライス画像G1を含む画像データに対してボリュームレンダリングなどの三次元画像処理を行い、三次元画像を生成した場合でも、顔の一部あるいは全部(処理するスライス画像の枚数に依存する)に相当する画素値が加工されているため、その三次元画像から個人を判別することは困難となる。
なお、加工対象の部位としては、顔だけに限るものではなく、各種の部位を加工対象としても良い。例えば、目だけを加工対象とし、この目に対してのみ前述の体表面加工処理を行った場合でも、三次元画像から個人を判別することは困難となる。すなわち、顔の一部分の目だけでも加工されれば、個人を判別することは難しくなる。また、被験者が体形を気にする人である場合には、その胴体や胸部、腕、足などを加工対象としても良い。
ここで、前述の体表面の検出範囲H1の設定では、矩形状の2D検出範囲(二次元の検出範囲)を設定しているが、このとき、複数の範囲を選択して組み合わせることによって複雑な形状の検出範囲を設定することも可能である。また、選択した範囲を検出範囲H1としているが、逆に、選択した範囲以外を検出範囲とする反転処理を行うようにしても良い。なお、矩形以外にも楕円や多角形、フリーラインなどにより検出範囲H1を設定することも可能である。
また、このような2D検出範囲の設定に加えて、3D検出範囲(三次元の検出範囲)を設定することも可能である(2D検出範囲の設定と3Dの検出範囲の設定との組み合わせ)。3D検出範囲の設定では、例えば、画像データ内の全てのスライス画像を検出対象とするか、あるいは、それらの一部を検出対象とするかなど、検出対象を限定することが可能である。このような3D検出範囲を設定する場合にも、操作者は希望とする検出範囲を選択する。
例えば、操作者は、図6に示すように、スライス画像G2を視認し、そのスライス画像G2を検出対象にするか否かを判断しながら、希望の検出範囲を選択する。すなわち、操作者は、操作部5のマウスを操作し、3D検出範囲設定画面M1内のスライダA1を動かして表示画像を変更しつつ、その表示中のスライス画像G2を順次視認する。さらに、操作者は、スタートボタンB1及びエンドボタンB2をクリックし、検出対象となるスライス画像G2の上限と下限とを決定して希望の検出範囲を選択する。これに応じて、範囲設定部8aはその選択された検出範囲、すなわち上限と下限との間に存在する複数のスライス画像を3D検出範囲として設定する。
あるいは、操作者は、図7に示すように、三方向からのスライス画像G3a、G3b、G3cを視認しながら、希望の検出範囲を選択する。すなわち、操作者は、操作部5のマウスを操作し、3D検出範囲設定画面M2内の二本の線分A2、A3を動かして希望の検出範囲を選択する。これに応じて、範囲設定部8aはその選択された検出範囲、すなわち二本の線分A2、A3の間に存在する複数のスライス画像を3D検出範囲として設定する。
次に、前述の医用画像処理装置1が行う個人情報保護処理を含む患者データ出力処理について説明する。この患者データ出力処理では、出力装置6により患者データを外部(例えば、DVDなどの記憶媒体や外部の記憶装置など)に出力する際、個人情報保護処理が必要に応じて実行される。
図8に示すように、まず、出力する患者データが選択されたか否かが判断され(ステップS1)、出力する患者データが選択されるまでその判断が繰り返される(ステップS1のNO)。
操作者は操作部5を入力操作し、出力する患者データを選択する。例えば、図9に示すように、患者データ出力用の設定画面M3が表示部4により表示される。操作者は操作部5のマウスを操作し、患者データ出力用の設定画面M3に表示された患者データリストL1から出力する患者データを選択する。
ステップS1において、前述の患者データの選択に応じて、出力する患者データが選択されたと判断されると(ステップS1のYES)、次に、個人情報保護処理を行うか否かが判断される(ステップS2)。
操作者は操作部5を入力操作し、個人情報保護処理を実行するか否かを選択する。例えば、前述の患者データの選択完了に応じて、データ出力先選択用の設定画面M4が患者データ出力用の設定画面M3上に重ねて表示される(図9参照)。操作者は、操作部5のマウスを操作し、データ出力先選択用の設定画面M4中の患者情報匿名化ボタンB3をクリックしてオン状態にし、個人情報保護処理を行うことを指示する。なお、操作者は、患者情報匿名化ボタンB3に対するクリックによりそのオンオフを切り替えることで、個人情報保護処理を行うか否かを指示することが可能である。
ステップS2において、前述の個人情報保護処理の実行指示に応じて、個人情報保護処理を行うと判断されると(ステップS2のYES)、個人情報保護処理条件を変更するか否かが判断される(ステップS3)。
操作者は操作部5を入力操作し、個人情報保護処理条件を変更するか否かを選択する。例えば、操作者は、操作部5のマウスを操作し、データ出力先選択用の設定画面M4中の詳細設定ボタンB4をクリックし(図9参照)、個人情報保護処理条件を変更することを指示する。なお、個人情報保護処理条件を変更しない場合には、操作者は、操作部5のマウスを操作し、データ出力先選択用の設定画面M4中のOKボタンB5をクリックすることで、個人情報保護処理条件の非変更を指示する。
ステップS3において、前述の個人情報保護処理条件の変更指示に応じて、個人情報保護処理条件を変更すると判断されると(ステップS3のYES)、個人情報保護処理条件の変更処理が実行され(ステップS4)、その後、ステップS3に戻り、再度、個人情報保護処理条件を変更するか否かが判断される(ステップS3)。一方、前述の個人情報保護処理条件の非変更指示に応じて、個人情報保護処理条件を変更しないと判断されると(ステップS3のNO)、個人情報保護処理が実行され(ステップS5)、その後、保護処理済みの画像データが出力装置6により出力される(ステップS6)。
なお、前述のステップS2において、個人情報保護処理を行わないと判断された場合には(ステップS2のNO)、個人情報保護処理が行われていない画像データが出力装置6により出力されることになる(ステップS6)。例えば、操作者は、個人情報保護処理を実行する必要が無い場合、データ出力先選択用の設定画面M4中の患者情報匿名化ボタンB3をクリックしてオフ状態にし(図9参照)、個人情報保護処理を行わないことを指示する。
次いで、前述のステップS4における個人情報保護処理条件の変更処理について説明する。
図10に示すように、画像処理種の変更、体表面加工深さの変更、2D検出範囲の変更及び3D検出範囲の変更のいずれかが指定されているか否かが判断され(ステップS11〜ステップS14)、それらのうちどれかの変更が指定されるまで各判断が繰り返される(ステップS11〜ステップS14のNO)。操作者は操作部5を入力操作し、画像処理種の変更、体表面加工深さの変更、2D検出範囲の変更及び3D検出範囲の変更のいずれかの変更を指定する。
ステップS11において、前述の変更指示に応じて、画像処理種の変更が指定されたと判断されると(ステップS11のYES)、画像処理種が選択されたか否かが判断され(ステップS15)、画像処理種が選択されるまでその判断が繰り返される(ステップS15のNO)。操作者は操作部5を入力操作し、例えば、マスク処理やモザイク処理、フィルタ処理の中から用いる画像処理種を選択する。
ステップS15において、前述の画像処理種の選択に応じて、画像処理種が選択されたと判断されると(ステップS15のYES)、その選択に基づいて画像処理種が設定される(ステップS16)。その後、変更が終了したか否かが判断され(ステップS17)、変更が終了してないと判断されると(ステップS17のNO)、処理がステップS11に戻され、再び、前述の変更指定の有無が判断される(ステップS11〜ステップS14)。
また、ステップS12において、体表面加工深さの変更が指定されたと判断されると(ステップS12のYES)、体表面加工深さが入力されたか否かが判断され(ステップS18)、体表面加工深さが入力されるまでその判断が繰り返される(ステップS18のNO)。操作者は操作部5を入力操作し、体表面加工深さ、例えば、深さ数値や深度方向(外側あるいは内側)などを入力する。
ステップS18において、前述の体表面加工深さの入力に応じて、体表面加工深さが入力されたと判断されると(ステップS18のYES)、その入力に基づいて体表面加工深さが設定され(ステップS19)、処理はステップS17に進む。
また、ステップS13において、2D検出範囲の変更が指定されたと判断されると(ステップS13のYES)、2D検出範囲設定画面(図3参照)が表示される(ステップS20)。次いで、2D検出範囲(検出範囲H1)が選択されたか否かが判断され(ステップS21)、2D検出範囲が選択されるまでその判断が繰り返される(ステップS21のNO)。操作者は操作部5を入力操作して2D検出範囲を選択する(図3参照)。
ステップS21において、前述の2D検出範囲の選択に応じて、2D検出範囲が選択されたと判断されると(ステップS21のYES)、その選択に基づいて2D検出範囲が設定される(ステップS22)。その後、2D検出範囲を追加するか否かが判断され(ステップS23)、2D検出範囲を追加すると判断されると(ステップS23のYES)、処理がステップS21に戻され、一方、2D検出範囲を追加しないと判断されると(ステップS23のNO)、処理はステップS17に進む。
また、ステップS14において、3D検出範囲の変更が指定されたと判断されると(ステップS14のYES)、3D検出範囲設定画面(図6又は図7参照)が表示される(ステップS24)。次いで、3D検出範囲が選択されたか否かが判断され(ステップS25)、3D検出範囲が選択されるまでその判断が繰り返される(ステップS25のNO)。操作者は操作部5を入力操作して3D検出範囲を選択する(図6又は図7参照)。
ステップS25において、前述の3D検出範囲の選択に応じて、3D検出範囲が選択されたと判断されると(ステップS25のYES)、その選択に基づいて3D検出範囲が設定され(ステップS26)、処理はステップS17に進む。
その後、ステップS17において、変更が終了したと判断されると(ステップS17のYES)、前述の変更条件をいつもの設定として登録するか否かが判断される(ステップS27)。操作者は操作部5を入力操作して変更条件の登録及び非登録を指示する。
ステップS27において、前述の変更条件の登録指示に応じて、変更条件をいつもの設定として登録すると判断されると(ステップS27のYES)、変更条件がいつもの個人情報保護処理条件として登録される(ステップS28)。一方、前述の変更条件の非登録指示に応じて、変更条件をいつもの設定として登録しないと判断されると(ステップS27のNO)、変更条件は一度だけ個人情報保護処理条件として使用されることになる。
このような個人情報保護処理条件の変更処理により、画像処理種の変更、体表面加工深さの変更、2D検出範囲の変更及び3D検出範囲の変更が行われ、個人情報保護処理条件が画像処理部8に設定される。その後、画像処理部8は、設定された個人情報保護処理条件に基づいて個人情報保護処理を実行することになる。なお、個人情報保護処理条件はメモリ3により記憶されても良く、あるいは、画像処理部8が備える記憶部(図示せず)により記憶されても良い。
次に、前述のステップS5(図8参照)における個人情報保護処理について説明する。
図11に示すように、まず、患者名及び患者IDの文字列が変換される(ステップS31)。このとき、例えば、カタカナの患者名が数字列に変換され、番号である患者IDが乱数などの数字列に変換される。
ステップS31の完了後、画像加工処理を行うか否かが判断され(ステップS32)、画像加工処理を行わないと判断されると(ステップS32のNO)、処理が終了し、一方、画像加工処理を行うと判断されると(ステップS32のYES)、画像が加工する最終画像であるか否かが判断される(ステップS33)。なお、この画像加工処理を行うか否かの指示は個人情報保護処理条件の一つとして設定されており、前述のステップS32では、その個人情報保護処理条件に基づいて画像加工処理を行う否かが判断される。
ステップS33において、画像が加工する最終画像であると判断されると(ステップS33のYES)、処理が終了する。一方、画像が加工する最終画像でないと判断されると(ステップS33のNO)、被検体の体表面が検出され(ステップS34)、その体表面に基づいて画像が加工され(ステップS35)、加工済みの画像が画像記憶部9に保存される(ステップS36)。その後、処理がステップS33に戻され、再び、画像が加工対象の最終画像であるか否かが判断される(ステップS33)。
前述のステップS34での体表面検出では、個人情報保護処理条件に基づいて、例えば、スライス画像G1における検出範囲H1に対して被検体の体表面を検出する体表面検出処理が実行される(図3参照)。この検出範囲は個人情報保護処理条件の一つとしてあらかじめ設定されている。ここで、例えば、スライス画像G1がX線CT画像である場合には、検出範囲H1内の画像に対し、人体の部分とその周囲の空気の部分との画素値(CT値)の違いを検出する検出処理が実行され、その検出した境界部分が体表面として特定される。
また、前述のステップS35での画像加工では、個人情報保護処理条件に基づいて、マスク処理やモザイク処理、フィルタ処理などのいずれかの画像処理により、被検体の体表面を含む所定の厚み範囲の画素値が加工される。なお、用いる画像処理種は個人情報保護処理条件の一つとしてあらかじめ設定されている。これにより、体表面の特徴部分である顔の画素値の濃淡及び形状などが変化する(図5参照)。このため、処理後のスライス画像G1を含む画像データに対してボリュームレンダリングなどの三次元画像処理を行い、三次元画像を生成した場合でも、顔に相当する画素値が加工されているため、その三次元の医用画像(あるいは二次元の医用画像)から個人の判別をすることは困難となる。
通常、画像データは被験者の顔や体の立体的な情報を含むため、三次元画像表示により個人の肖像が作成され、個人を特定することが可能な情報になり得るが、前述のような個人情報保護処理により、診断に不要な体表面の画素値に加工を行い、体表面の特徴を見せなくすることが可能となり、顔や身体的特徴などから個人が特定されることを防止することができる。
すなわち、前述のように医療情報として必要な部位は加工されず、体表面のみをマスク処理やモザイク処理、フィルタ処理などの加工処理により加工し、体表面の特徴を削減もしくは消去することにより、個人の特定を防ぐことが可能となる。具体的には、スライス画像から空気と皮膚表面の画素値の違いから体表面を検出し、体表面を含む一定の厚み範囲(例えば、数ピクセル)に対して画素値の加工を行う。この画素値の加工を行う加工範囲も変更可能であるため、医療情報として必要な範囲を処理対象から外して保護することもできる。
このように、加工処理済みの画像データは体表面が加工された医用画像を含んでいるため、その画像データを三次元で表示しても顔や身体的な特徴を判別することはできず、個人を特定することが困難となる。また、患者名の変換も行うことにより極端にプライバシーを気にする被験者や体形を人の目にさらすことを気にする女性も、安心して検査を受けることができる。さらに、他の医療機関に画像診断を依頼したり、画像データを研究用に提供したりすることにも、抵抗が少なくなる。
以上説明したように、本実施形態によれば、検出部8bにより被検体の内部情報を示す医用画像から被検体の体表面を検出し、加工部8cにより医用画像における被検体の体表面に相当する画素値を加工する。これにより、被検体の体表面に相当する画素値が加工され、その体表面の特徴から個人を特定することが困難となるため、医用画像からの個人特定を抑止することができる。
また、被検体の体表面を含む所定の厚み範囲の画素値を加工することによって、体表面を含む所定の厚さ部分が加工されるため、より確実に体表面の特徴から個人を特定することを難しくすることができる。
また、被検体の体表面として所定の部位の表面に相当する画素値のみを加工することによって、必要とする部位の体表面のみが処理されるため、処理時間を短縮することができる。特に、所定の部位の体表面として顔面に相当する画素値のみを加工したり、目の表面に相当する画素値のみを加工したりする。これにより、医用画像からの個人特定を確実に抑えつつ、処理時間を短縮することができる。
また、医用画像内に検出範囲を設定し、その設定した検出範囲に対してのみ被検体の体表面の検出を行うことによって、その検出範囲内だけが処理されるため、処理時間を短縮することができる。
また、医用画像は被検体の体軸方向に交わる(例えば、直交する)スライス画像であり、被検体の体軸方向に沿って複数存在しているため、それらの医用画像からいくつかの医用画像を含む検出範囲を設定し、その設定した検出範囲に対してのみ被検体の体表面の検出を行うことによって、その検出範囲内だけが処理されるため、処理時間を短縮することができる。
また、画素値の加工に加え、被検体の氏名である患者名や患者IDを加工することによって、医用画像に患者名や患者IDが存在している場合でも、その医用画像からの個人特定を確実に抑止することができる。なお、通常、医用画像には患者名や患者IDなどが付与されている。
以上、本発明の一実施形態を説明したが、この実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
1 医用画像処理装置
8a 範囲設定部
8b 検出部
8c 加工部
G1 医用画像
8a 範囲設定部
8b 検出部
8c 加工部
G1 医用画像
Claims (8)
- 被検体の内部情報を示す医用画像から前記被検体の体表面を検出する検出部と、
前記医用画像における前記被検体の体表面に相当する画素値を加工する加工部と、
を備えることを特徴とする医用画像処理装置。 - 前記加工部は、前記被検体の体表面を含む所定の厚み範囲の画素値を加工することを特徴とする請求項1記載の医用画像処理装置。
- 前記加工部は、前記被検体の体表面として所定の部位の表面に相当する画素値のみを加工することを特徴とする請求項1又は2記載の医用画像処理装置。
- 前記加工部は、前記所定の部位の表面として顔面に相当する画素値のみを加工することを特徴とする請求項3記載の医用画像処理装置。
- 前記加工部は、前記所定の部位の表面として目の表面に相当する画素値のみを加工することを特徴とする請求項3記載の医用画像処理装置。
- 前記医用画像内に検出範囲を設定する範囲設定部を備え、
前記検出部は、前記検出範囲に対してのみ前記被検体の体表面検出を行うことを特徴とする請求項1ないし5のいずれか一に記載の医用画像処理装置。 - 前記医用画像は、前記被検体の体軸方向に交わるスライス画像であり、その体軸方向に沿って複数存在しており、
前記複数の医用画像のうちいくつかの医用画像を含む検出範囲を設定する範囲設定部を備え、
前記検出部は、前記検出範囲に対してのみ前記被検体の体表面検出を行うことを特徴とする請求項1ないし5のいずれか一に記載の医用画像処理装置。 - 前記加工部は、前記画素値に加え、前記被検体の氏名を加工することを特徴とする請求項1ないし7のいずれか一に記載の医用画像処理装置。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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-
2012
- 2012-01-06 JP JP2012000970A patent/JP2013138800A/ja active Pending
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