JP2013136469A - 中空微粒子含有高粘性体混合物と該混合物用の中空微粒子 - Google Patents
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Abstract
【課題】高粘性体に中空微粒子を混合させた混合物であって、中空微粒子が変形せず分散性が良い高粘性混合物とその中空微粒子を提供する。
【解決手段】高粘性体に該高粘性体よりも見かけ密度が小さい中空微粒子を混合してなる混合物であって、高粘性体が液体の状態において中空微粒子の浮き上りを抑える粘性を有し、中空微粒子が隔壁によって区切られた複数の独立気泡によって形成された内部空間を有するシリカ質微粒子であることを特徴とする中空微粒子を含有する高粘性混合物、およびその中空微粒子。
【選択図】なし
【解決手段】高粘性体に該高粘性体よりも見かけ密度が小さい中空微粒子を混合してなる混合物であって、高粘性体が液体の状態において中空微粒子の浮き上りを抑える粘性を有し、中空微粒子が隔壁によって区切られた複数の独立気泡によって形成された内部空間を有するシリカ質微粒子であることを特徴とする中空微粒子を含有する高粘性混合物、およびその中空微粒子。
【選択図】なし
Description
本発明は、高粘性体に中空微粒子が混合してなる混合物と、その中空微粒子に関する。本発明は、より詳しくは、軽量化、断熱化、その他の機能を有するように、高粘性体に中空微粒子を混合した混合物と、該混合物用の中空微粒子に関するものである。
中空粒子は断熱性、軽量性、遮音性を有しており、材料に混合してこれらの性能を向上させるために広い分野で用いられている。例えば、樹脂に中空粒子を混合することによって軽量化が図られる(特許文献1)。また、塗料に混合して断熱性塗料を得ることができる(特許文献2)。また特殊な例として、石鹸に混合し洗浄性を向上させることもできる(特許文献3)。これら中空粒子は粒径が小さく、数百〜数十μmの微粒子が用いられており、また、その種類としては、ホウケイ酸ガラス等のガラス成分からなるガラスバルーン、石炭火力発電所の副産物として発生するフライアッシュバルーン、シラスを原料とするシラスバルーン、樹脂を原料とする樹脂バルーン等が市販されている。
ホウケイ酸ガラス等のガラス成分を原料として製造される市販のガラスバルーンは、一般に、精製した原料を用い高温焼成して製造されるので非常に高価である。一方、フライアッシュバルーンは石炭火力発電所から発生するフライアッシュから中空粒子を取り出したものであり、具体的には水にフライアッシュを浸漬して浮いてきたものを回収したものであるため、品質のばらつきが大きく、未燃カーボンのような不純物も含有していることがある。さらに副産物であるため製造量も安定しない。
また、ガラスバルーンやフライアッシュバルーンは何れも形状がほぼ真球であり、表面も滑らかであるため、粘性の高い液体と混合したときに液体と馴染み難い。また、これらの中空微粒子は内部空間が単一気泡であるため、殻が一部でも亀裂や破損が生じると、液体に混合したときに内部全体に液体が入り込み、中空を維持できなくなる。
また有機系の中微粒子は、帯電しやすいため容易に凝集し、分散性が非常に低く、取扱いも難しい。さらに有機系の中空粒子は熱による強度低下や変形を生じやすく、高温の液体での使用はできない。さらに、有機系のものは紫外線等により劣化するなどの問題がある。
本発明は、高粘性体に中空微粒子を混合させた混合物であって、中空微粒子が変形せず分散性が良い高粘性混合物を提供する。
本発明は、以下の構成によって従来の上記問題を克服した中空微粒子含有高粘性体混合物とその中空微粒子に関する。
〔1〕高粘性体に該高粘性体よりも見かけ密度が小さい中空微粒子を混合してなる混合物であって、高粘性体が液体の状態において中空微粒子の浮き上りを抑える粘性を有し、中空微粒子が隔壁によって区切られた複数の独立気泡によって形成された内部空間を有するシリカ質微粒子であることを特徴とする中空微粒子を含有する高粘性混合物。
〔2〕中空微粒子の嵩密度が0.05〜0.25g/cm3であって、高粘性体が液体の状態で2.5cSt以上の動粘性係数を有する上記[1]に記載する高粘性混合物。
〔3〕中空微粒子の含有量が1〜10質量%であって、混合物の嵩密度が1.25g/cm3以下である上記[1]または上記[2]に記載する高粘性混合物。
〔4〕高粘性体がワックス、グリース、ゴム、樹脂、またはエマルジョンである上記[1]〜上記[3]の何れかに記載する高粘性混合物。
〔5〕平均粒径10〜300μm、嵩密度0.05〜0.25g/cm3、および静水圧浮揚残存率50%以上であって隔壁によって区切られ複数の独立気泡によって形成された内部空間を有するシリカ質微粒子である上記[1]〜上記[4]の何れかに記載する高粘性混合物に用いる中空微粒子。
〔6〕粒子内部が隔壁によって区切られ複数の独立気泡によって形成された内部空間を有する中空微粒子の割合が100個中60個以上である上記[6]に記載する中空微粒子。
〔1〕高粘性体に該高粘性体よりも見かけ密度が小さい中空微粒子を混合してなる混合物であって、高粘性体が液体の状態において中空微粒子の浮き上りを抑える粘性を有し、中空微粒子が隔壁によって区切られた複数の独立気泡によって形成された内部空間を有するシリカ質微粒子であることを特徴とする中空微粒子を含有する高粘性混合物。
〔2〕中空微粒子の嵩密度が0.05〜0.25g/cm3であって、高粘性体が液体の状態で2.5cSt以上の動粘性係数を有する上記[1]に記載する高粘性混合物。
〔3〕中空微粒子の含有量が1〜10質量%であって、混合物の嵩密度が1.25g/cm3以下である上記[1]または上記[2]に記載する高粘性混合物。
〔4〕高粘性体がワックス、グリース、ゴム、樹脂、またはエマルジョンである上記[1]〜上記[3]の何れかに記載する高粘性混合物。
〔5〕平均粒径10〜300μm、嵩密度0.05〜0.25g/cm3、および静水圧浮揚残存率50%以上であって隔壁によって区切られ複数の独立気泡によって形成された内部空間を有するシリカ質微粒子である上記[1]〜上記[4]の何れかに記載する高粘性混合物に用いる中空微粒子。
〔6〕粒子内部が隔壁によって区切られ複数の独立気泡によって形成された内部空間を有する中空微粒子の割合が100個中60個以上である上記[6]に記載する中空微粒子。
本発明の高粘性混合物に含まれる中空微粒子は、隔壁によって区切られ内部空間を有するので圧壊強度が大きく、高粘性体に混合しても破損し難く、また、内部空間は隔壁によって区切られた複数の独立気泡によって形成されているので、中空微粒子の殻が部分的に破損したり亀裂を生じても、高粘性体が隔壁に阻まれて内部空間全体には広がらないので中空状態が維持される。
さらに、本発明の上記中空微粒子は高粘性体との馴染みが良いので、中空微粒が均一に分散した混合物を得ることができる。また、上記中空微粒はシリカ質であるので、高温下で変形し難く、加熱された高粘性体でも使用することができる。さらに上記中空微粒は強度が高いので、高粘性体が高温下での液体に中空微粒子を混合した後に、高粘性体が冷却されて固化しても中空微粒子が破損し難い。
以下、本発明を実施形態に基いて具体的に説明する。
本発明の高粘性混合物は、高粘性体に該高粘性体よりも密度が小さい中空微粒子を混合してなる混合物であって、高粘性体が液体の状態において中空微粒子の浮き上りを抑える粘性を有し、中空微粒子が隔壁によって区切られた複数の独立気泡によって形成された内部空間を有するシリカ質微粒子であることを特徴とする中空微粒子を含有する高粘性混合物である。
また、本発明は上記高粘性混合物に配合される中空微粒子に関する。
本発明の高粘性混合物は、高粘性体に該高粘性体よりも密度が小さい中空微粒子を混合してなる混合物であって、高粘性体が液体の状態において中空微粒子の浮き上りを抑える粘性を有し、中空微粒子が隔壁によって区切られた複数の独立気泡によって形成された内部空間を有するシリカ質微粒子であることを特徴とする中空微粒子を含有する高粘性混合物である。
また、本発明は上記高粘性混合物に配合される中空微粒子に関する。
本発明の高粘性混合物は該高粘性体よりも見かけ密度が小さい中空微粒子を高粘性体に混合して該混合物を軽量化したものである。中空微粒子の見かけ密度は粒子の質量を内部の独立気泡も含めた粒子体積で割った値であり、粒子体積はメスシリンダー等に粒子と水等の液体を混合して入れて、粒子間の空気を完全追い出し、水の体積と水との混合物の体積から粒子の体積が算出される。この粒子体積と粒子の質量から見かけ密度が測定される。なお、中空微粒子の嵩密度は実施例に示す方法によって測定される。
本発明の高粘性混合物は、例えば、中空微粒子の含有量が1〜10質量%であって、好ましくは嵩密度が1.25g/cm3以下の混合物である。高粘性混合物の嵩密度が1.25g/cm3を上回ると、用途によっては高粘性混合物の軽量性が不十分な場合がある。
また、中空微粒子の含有量が1質量%より少ないと密度の大きい高粘性体に中空微粒子を混合したときに高粘性混合物の嵩密度が1.25g/cm3を上回る場合がある。一方、中空微粒子の含有量が10質量%を上回ると高粘性混合物の物性が用途に適さなくなる場合がある。
また、中空微粒子の含有量が1質量%より少ないと密度の大きい高粘性体に中空微粒子を混合したときに高粘性混合物の嵩密度が1.25g/cm3を上回る場合がある。一方、中空微粒子の含有量が10質量%を上回ると高粘性混合物の物性が用途に適さなくなる場合がある。
本発明の高粘性体は、液体の状態において中空微粒子の浮き上りを抑える粘性を有するものが用いられる。本発明の高粘性体には常温で固体であっても、加熱下で液体であるものを含む。例えば、本発明の高粘性体としてワックス、グリース、ゴム、樹脂、またはエマルジョンなどを用いることができる。ワックス等は常温で固体であるが100℃以上に加熱すると溶融し液体になるので、これに中空微粒子を混合することができる。
嵩密度が1以下の中空微粒子を、低粘性の液体、例えば、水やアルコールに加えると、中空微粒子は液面に浮かぶので液体中に分散しない。一方、本発明が用いる高粘性体では、液体の状態で中空微粒子を加えると、中空微粒子の浮上りが液体の粘性によって抑えられるので、液中に中空微粒子を分散させることができる。
例えば、中空微粒子の嵩密度が0.05〜0.25g/cm3であるとき、高粘性体が液体において動粘性係数が2.5cSt以上であれば、この高粘性体に中空微粒子を加えると、高粘性体の液中に中空微粒子が分散する。
本発明に用いる中空微粒子は、平均粒径が10〜300μmの範囲が好ましく、20〜100μmがより好ましい。粒子の平均粒径が10μm未満では、粒子どうしが凝集しやすくなり、また内部空間に隔壁を有する粒子を製造が困難であるので好ましくない。一方、粒子の平均粒径が300μmを上回ると、分散性に劣り、粒子の強度も低下するので好ましくない。
本発明に用いる中空微粒子は、嵩密度0.05〜0.25g/cm3の範囲が好ましい。嵩密度が0.05g/cm3を下回ると、殻および隔壁の厚さが薄くなるため強度が弱くなる.また、嵩密度が0.25g/cm3を超えると、密度の大きい高粘性体に中空微粒子を混合したときに混合物を十分に軽量化することができない。例えば、実施例1ではパラフィンワックス(密度0.90g/cm3)に嵩密度0.30g/cm3の中空微粒子を4質量%混合したときの混合物の嵩密度が0.85g/cm3の例(試料No.B4)を示しているが、密度の大きい高粘性体では中空微粒子を10質量%混合しても混合物が十分に軽量化せず、例えば、嵩密度が1.25g/cm3を上回る場合がある。
本発明に用いる中空微粒子は、静水圧浮揚残存率が50%以上であるものが好ましい。静水圧浮揚残存率が50%未満の粒子は嵩密度が大きすぎるか、あるいは液体に混合したときに殻が破損し、または殻に亀裂が生じて粒子内部に液体が浸入して液中に沈む粒子であるので、高粘性体に混合したときに粒子が均一に分散した混合物を得ることができず、また混合物の嵩密度も大きくなるので、好ましくない。
本発明に用いる中空微粒子は、隔壁によって区切られた複数の独立気泡によって形成された内部空間を有する粒子が好ましい。内部に隔壁を有する中空粒子は、隔壁のない単一空間からなる中空粒子に比較して粒子の強度が大きい。粒子内部の隔壁は2個以上あることが好ましい。複数の隔壁を有することによって、粒子の強度がさらに向上する。具体的には、例えば、圧縮強度15MPa以上の中空粒子を得ることができる。
本発明に用いる中空微粒子は、粒子内部が隔壁によって区切られ複数の独立気泡によって形成された内部空間を有する中空微粒子の割合が100個中60個以上であることが好ましい。内部空間が粒子表面に開口のない独立気泡によって形成されている中空微粒子は吸水率が低く、かつ大きな内部空間を有するので軽量であり、水中での浮揚率が高い。また、加圧下でも亀裂が生じ難く、部分的に亀裂が生じても内部空間が隔壁によって区切られているので、内部に気泡を維持することができ、性能が維持できる。
本発明に用いる中空微粒子はシリカ質微粒子が好ましい。シリカ含有量は70質量%以上が良く、75質量%以上がより好ましい。このようなシリカ質の中空微粒子は、真珠岩、黒曜石、松脂岩などのシリカ含有量70質量%以上の天然ガラス質岩石を平均粒径150μm以下、より好ましくは100μm以下に粉砕し、該岩石微粒子を900℃〜1500℃に加熱して発泡させて中空にし、原料の岩石粉末の種類および成分などに応じて加熱発泡条件を調整することによって、内部空間が隔壁によって区切られたものを製造することができる。原料は天然ガラス質岩石に限らず、岩石粉末に発泡原料を混合して造粒したものを用いても製造することができる。シリカ質の中空微粒子は内部に大きな空間を有するので、光学顕微鏡によって内部空間を観察することができ、内部空間に隔壁を有することを確認することができる。
また、シリカ質の中空微粒子は、熱による変形や破損を受け難い。ゴムや樹脂のような熱可塑性のものに混合する場合、ゴムや樹脂を加熱して粘度を小さくして中空微粒子を混合するが、熱による劣化がないため中空を維持したまま混合することができる。さらに、シリカ質の中空微粒子は冷却し固化しても強度が高く、破損し難い。
以下、本発明を実施例によって具体的に示す。なお、粒子の平均粒径、隔壁粒子の割合、静水圧浮揚残存率、圧縮強度、嵩密度は以下の方法によって測定した。
〔平均粒径〕
レーザー回折粒度分布測定装置を用い、日機装社製測定器(マイクロトラック)によって測定した。
〔隔壁粒子の割合〕
プレパラート上に試料粒子を少量置き、そこにエタノールを滴下して粒子を分散させ、均一にならして乾燥させる。これを光透過型の顕微鏡で観察し、粒子100個に対し隔壁が目視で観察された粒子の個数をカウントした。
〔平均粒径〕
レーザー回折粒度分布測定装置を用い、日機装社製測定器(マイクロトラック)によって測定した。
〔隔壁粒子の割合〕
プレパラート上に試料粒子を少量置き、そこにエタノールを滴下して粒子を分散させ、均一にならして乾燥させる。これを光透過型の顕微鏡で観察し、粒子100個に対し隔壁が目視で観察された粒子の個数をカウントした。
〔静水圧浮揚残存率〕
試料を試料容器と共に水で満たされた加圧容器内へ入れ、8MPaで1分間加圧する。加圧後、加圧した試料の全量を取り出してメスシリンダー入れ、水200mlを加えて静置する。静置後、水の濁りが無くなってきたら、上記浮水率測定方法に準じた方法で浮いた試料粒子の体積を計測し、8MPa加圧下での加圧浮揚率(浮水率)W2とする。加圧試料と同量の試料について、加圧せずに常圧下とした以外は同様の測定方法で測定し、非加圧下の浮揚率(浮水率)W1とする。加圧試料浮揚率W2/非加圧浮揚率W1×100の式に基づいて静水圧浮揚残存率を算出した。
試料を試料容器と共に水で満たされた加圧容器内へ入れ、8MPaで1分間加圧する。加圧後、加圧した試料の全量を取り出してメスシリンダー入れ、水200mlを加えて静置する。静置後、水の濁りが無くなってきたら、上記浮水率測定方法に準じた方法で浮いた試料粒子の体積を計測し、8MPa加圧下での加圧浮揚率(浮水率)W2とする。加圧試料と同量の試料について、加圧せずに常圧下とした以外は同様の測定方法で測定し、非加圧下の浮揚率(浮水率)W1とする。加圧試料浮揚率W2/非加圧浮揚率W1×100の式に基づいて静水圧浮揚残存率を算出した。
〔圧縮強度〕
一軸圧縮強度は、内径10mm、高さ100mmのステンレス製シリンダに、シリンダ内径よりわずかに小さい高さ60mmの円柱状ステンレス冶具をシリンダ下部にセットし、そのうえから振動を加えて試料を充填させ、高さ約20mmとなるようにする。その上から同じ円柱状のステンレス製冶具を乗せて、一軸圧縮試験機にて圧縮させる。最初の試料高さから50%変位した時点の圧縮圧力を測定し、一軸圧縮強度とした。
一軸圧縮強度は、内径10mm、高さ100mmのステンレス製シリンダに、シリンダ内径よりわずかに小さい高さ60mmの円柱状ステンレス冶具をシリンダ下部にセットし、そのうえから振動を加えて試料を充填させ、高さ約20mmとなるようにする。その上から同じ円柱状のステンレス製冶具を乗せて、一軸圧縮試験機にて圧縮させる。最初の試料高さから50%変位した時点の圧縮圧力を測定し、一軸圧縮強度とした。
〔嵩密度〕一定容積S(cm3)の容重枡に試料を充填し、開口からはみ出た部分をすり切り、全体の重量G1を測定し、これから容器の重量G2を差し引いて粉末重量G3(g)を求め、上記容積Sに対する粉末重量G3〔G3/S〕g/cm3を嵩密度とした。
〔実施例1〕
真珠岩〔化学成分含有率(質量%)SiO274%、Al2O313%、Fe2O31%、CaO1%、MgO0.1%、Na2O3.5%、K2O4.4%、ig.loss2.2%〕を粉砕し、平均粒径10〜150μmに調整し、1000℃〜1100℃で焼成し、加熱発泡させて製造したシリカ質中空微粒子を用いた。使用した中空微粒子の嵩密度、平均粒径、隔壁を有する粒子の割合、静水圧浮揚残存率、圧縮強度を表1に示した。これらが本発明の好ましい範囲内である中空微粒子を用いた試料を表1のA1〜A6に示した。
また比較例として、平均粒径約、嵩密度、隔壁粒子の割合、静水圧残存率が本発明の好ましい範囲を外れる中空微粒子を用いた試料を表1のB1〜B4に示した。
さらに市販品のパーライト(真珠岩系加熱発泡粒)を用いた試料を表1のC1に示した。
真珠岩〔化学成分含有率(質量%)SiO274%、Al2O313%、Fe2O31%、CaO1%、MgO0.1%、Na2O3.5%、K2O4.4%、ig.loss2.2%〕を粉砕し、平均粒径10〜150μmに調整し、1000℃〜1100℃で焼成し、加熱発泡させて製造したシリカ質中空微粒子を用いた。使用した中空微粒子の嵩密度、平均粒径、隔壁を有する粒子の割合、静水圧浮揚残存率、圧縮強度を表1に示した。これらが本発明の好ましい範囲内である中空微粒子を用いた試料を表1のA1〜A6に示した。
また比較例として、平均粒径約、嵩密度、隔壁粒子の割合、静水圧残存率が本発明の好ましい範囲を外れる中空微粒子を用いた試料を表1のB1〜B4に示した。
さらに市販品のパーライト(真珠岩系加熱発泡粒)を用いた試料を表1のC1に示した。
パラフィンワックス(密度0.90g/cm3、100℃での動粘性係数3.5cSt)を100℃に加熱して溶融し、パラフィンワックス100質量%に対して表1に示す中空微粒子を4質量%添加し、ミキサで1分間混合した。混合後に角柱型枠(2cm×2cm×10cm)に注入し、冷却して固化させてワックス混合物を得た。
この混合物の嵩密度を測定した。また、この混合物の円柱長10cmの中心部を垂直に2cm×2cmに切断面を切り出し、表面を顕微鏡で観察して中空微粒子の分散状態について観察した。分散状態については、目視で明らかに部分的に中空微粒子の偏りがあるもの、もしくは個々の粒子が3個以上凝集している箇所が、5箇所以上存在するものを分散性が不良(表1の×)とした。この結果を表1に示した。
この混合物の嵩密度を測定した。また、この混合物の円柱長10cmの中心部を垂直に2cm×2cmに切断面を切り出し、表面を顕微鏡で観察して中空微粒子の分散状態について観察した。分散状態については、目視で明らかに部分的に中空微粒子の偏りがあるもの、もしくは個々の粒子が3個以上凝集している箇所が、5箇所以上存在するものを分散性が不良(表1の×)とした。この結果を表1に示した。
試料A1〜A6に示すように、内部に隔壁で仕切られた空間を有し、平均粒径10〜199μm、嵩密度が0.16〜0.35g/cm3の中空微粒子は、8MPa静水圧下での浮揚残存率が60%以上であり、また低圧下でも静水圧浮揚残存率の低下が少なく、高圧下でも高い浮揚率を示す。従って高粘度の液体と混合しても密度も小さく、均一性もよい。
一方、平均粒径が300μmを超える中空微粒子は静水圧浮揚残存率が低下する傾向があり、ワックス混合物中の中空微粒子の分散性が劣る(試料B1)。一方、平均粒径が3μmの中空微粒子は隔壁粒子の割合が低く、殻が一部破損すると内部全体に水が浸入するため静水圧浮揚残存率が低く、ワックス混合物の嵩密度が高くなり、中空微粒子の分散性も劣る(試料B2)。静水圧浮揚残存率や圧縮強度が低い中空微粒子を用いた試料B3ではワックス混合物の嵩密度が高く、中空微粒子の分散性も劣る。嵩密度が大きい中空微粒子を用いた試料B4はワックス混合物の嵩密度が高くなる。従来のパーライトは静水圧浮揚残存率が低く、これを用いた試料C1はワックス混合物の嵩密度が高く、中空微粒子の分散性も劣る。
〔実施例2〕
実施例1のA1の中空微粒子およびパラフィンを使用し、中空微粒子の添加量を変えて高粘性混合物(ワックス混合物)を調製し、その嵩密度を測定し、分散性について観察して評価した。この結果を表2に示した。
実施例1のA1の中空微粒子およびパラフィンを使用し、中空微粒子の添加量を変えて高粘性混合物(ワックス混合物)を調製し、その嵩密度を測定し、分散性について観察して評価した。この結果を表2に示した。
試料D2〜D4のように中空微粒子の添加量が1質量%以上ではワックス混合物の密度が小さくなり、軽量化されるが、試料D1のように中空微粒子の添加量が0.5質量%では軽量化の効果は小さい。
一方、試料D1〜D3のように中空微粒子の添加量が1〜8質量%以下では、中空微粒子の分散性は良いが、中空微粒子の添加量が12質量%より多くなると、中空微粒子が部分的に密になる箇所が観察され、分散性が低下し、また、粘性も低くなり、ワックス混合物を加熱溶融したときに液体の性状が変わってくる。
一方、試料D1〜D3のように中空微粒子の添加量が1〜8質量%以下では、中空微粒子の分散性は良いが、中空微粒子の添加量が12質量%より多くなると、中空微粒子が部分的に密になる箇所が観察され、分散性が低下し、また、粘性も低くなり、ワックス混合物を加熱溶融したときに液体の性状が変わってくる。
〔実施例3〕
表3に示す高粘性の液体100質量%に、表1のA1に示した中空微粒子4質量%を混合して高粘性混合物を調製した。高粘性体の液体状態の密度を測定した。また高粘性混合物について中空微粒子の分散性について観察した。
高粘性混合物の密度は一定量の容器(50ml)に充填し、質量を測定して密度を算出した。分散性について固化するまで冷却して断面を切断し、表面を実施例1と同様の方法で分散性を評価した。
なお、試料E3の石鹸は500g食用油(試料F2)を加熱し、185gの水に70gのNaOHを溶かした水溶液を混合し、けん化させて石鹸を作製した。中空微粒子は食用油とNaOH溶液を混合して5分後に添加した。
表3に示す高粘性の液体100質量%に、表1のA1に示した中空微粒子4質量%を混合して高粘性混合物を調製した。高粘性体の液体状態の密度を測定した。また高粘性混合物について中空微粒子の分散性について観察した。
高粘性混合物の密度は一定量の容器(50ml)に充填し、質量を測定して密度を算出した。分散性について固化するまで冷却して断面を切断し、表面を実施例1と同様の方法で分散性を評価した。
なお、試料E3の石鹸は500g食用油(試料F2)を加熱し、185gの水に70gのNaOHを溶かした水溶液を混合し、けん化させて石鹸を作製した。中空微粒子は食用油とNaOH溶液を混合して5分後に添加した。
試料E1〜E5に示すように、高粘性体の動粘度が高いと中空微粒子は良く分散するが、試料F1〜F2のように高粘性体の動粘度が2cSt以下では中空微粒子の分散性が低い。
Claims (6)
- 高粘性体に該高粘性体よりも見かけ密度が小さい中空微粒子を混合してなる混合物であって、高粘性体が液体の状態において中空微粒子の浮き上りを抑える粘性を有し、中空微粒子が隔壁によって区切られた複数の独立気泡によって形成された内部空間を有するシリカ質微粒子であることを特徴とする中空微粒子を含有する高粘性混合物。
- 中空微粒子の嵩密度が0.05〜0.25g/cm3であって、高粘性体が液体の状態で2.5cSt以上の動粘性係数を有する請求項1に記載する高粘性混合物。
- 中空微粒子の含有量が1〜10質量%であって、混合物の嵩密度が1.25g/cm3以下である請求項1または請求項2に記載する高粘性混合物。
- 高粘性体がワックス、グリース、ゴム、樹脂、またはエマルジョンである請求項1〜請求項3の何れかに記載する高粘性混合物。
- 平均粒径10〜300μm、嵩密度0.05〜0.25g/cm3、および静水圧浮揚残存率50%以上であって隔壁によって区切られ複数の独立気泡によって形成された内部空間を有するシリカ質微粒子である請求項1〜請求項4の何れかに記載する高粘性混合物に用いる中空微粒子。
- 粒子内部が隔壁によって区切られ複数の独立気泡によって形成された内部空間を有する中空微粒子の割合が100個中60個以上である請求項5に記載する中空微粒子。
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JP2011287432A JP2013136469A (ja) | 2011-12-28 | 2011-12-28 | 中空微粒子含有高粘性体混合物と該混合物用の中空微粒子 |
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JP2011287432A JP2013136469A (ja) | 2011-12-28 | 2011-12-28 | 中空微粒子含有高粘性体混合物と該混合物用の中空微粒子 |
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JP2011287432A Pending JP2013136469A (ja) | 2011-12-28 | 2011-12-28 | 中空微粒子含有高粘性体混合物と該混合物用の中空微粒子 |
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JP (1) | JP2013136469A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2016023095A (ja) * | 2014-07-17 | 2016-02-08 | 太平洋セメント株式会社 | 無機酸化物微小中空粒子 |
WO2023282158A1 (ja) * | 2021-07-07 | 2023-01-12 | Agc株式会社 | 光散乱性シリカ粒子及び光散乱性シリカ粒子の製造方法 |
-
2011
- 2011-12-28 JP JP2011287432A patent/JP2013136469A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2016023095A (ja) * | 2014-07-17 | 2016-02-08 | 太平洋セメント株式会社 | 無機酸化物微小中空粒子 |
WO2023282158A1 (ja) * | 2021-07-07 | 2023-01-12 | Agc株式会社 | 光散乱性シリカ粒子及び光散乱性シリカ粒子の製造方法 |
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