JP2013136291A - ハイブリッド車両 - Google Patents

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Abstract

【課題】ユーザ要求トルクに等しいトルクを、機関の効率が最良となるように発生出力を調整する。
【解決手段】機関の発生トルクと第2発電電動機MG2の出力トルクとを制御することにより駆動軸53を作動させ、且つ、バッテリ63の残容量に基づいて機関の出力を変更することにより第1発電電動機MG1が発生する電力を制御してバッテリを充電する。加えて、車両は、機関の空燃比を、所定条件が満足されない場合にリッチ空燃比に制御し、所定条件が満足された場合に理論空燃比に制御する。車両は、機関の空燃比がリッチ空燃比に制御されている場合を含む特定条件が成立すると、機関の出力を機関最高出力よりも小さい上限値以下に制限する出力制限運転を実行し、且つ、出力制限運転実行中の前記リッチ空燃比を出力制限運転非実行中の前記リッチ空燃比よりも理論空燃比に近づける。
【選択図】図1

Description

本発明は、内燃機関と電動機とを制御しながら走行するハイブリッド車両に関する。
ハイブリッド車両は、車両を走行させる駆動力を発生する駆動源として、内燃機関と電動機とを搭載している。即ち、ハイブリッド車両は、機関及び電動機の少なくとも一方が発生するトルクを車両の駆動輪に接続された駆動軸に伝達することによって走行する。以下、内燃機関は単に「機関」とも称呼される。
このようなハイブリッド車両は、ユーザのアクセル操作量に応じてハイブリッド車両の駆動軸に要求されるトルク(即ち、ユーザ要求トルク)を決定し、そのユーザ要求トルクと駆動軸の回転速度(即ち、車速相当値)との積に基づいてユーザ要求出力を決定する。次いで、ハイブリッド車両は、そのユーザ要求出力と等しい出力を機関要求出力として設定し、その出力を機関から出力させる。このとき、機関が最も効率良く運転され得る状態となるように機関出力トルクTeと機関回転速度Neとが決定される。即ち、ハイブリッド車両は、機関が最も効率良く運転され得る状態となるように機関の運転状態(機関出力トルクTe及び機関回転速度Ne)を調整しながら、機関要求出力と等しい出力を機関から出力させる。そして、その機関出力トルクTeに基づくトルクを駆動軸に作用させたときにユーザ要求トルクに対して不足するトルクを電動機が出力するトルクによって補うように電動機を駆動する。
ハイブリッド車両は、更に、電動機に電力を供給するための蓄電装置(例えば、バッテリ)及びその蓄電装置を充電するための電力を発生するための発電機を搭載している。ハイブリッド車両は、前記蓄電装置の残容量が小さくなるほど大きくなる出力(蓄電装置を充電する電力を発生させるために必要な出力、即ち、バッテリ充電要求出力)を前述したユーザ要求出力に加え、その加えた値を機関要求出力として設定する。
ハイブリッド車両は、この場合においても、機関が最も効率良く運転され得る状態となるように機関の運転状態(機関出力トルクTe及び機関回転速度Ne)を調整しながら、その機関要求出力と等しい出力を機関から出力させる。更に、その機関出力トルクTeに基づくトルクを駆動軸に作用させたときにユーザ要求トルクに対して不足するトルクを電動機が出力するトルクによって補うように電動機を駆動する(例えば、特許文献1を参照。)。
特開平9−398012号公報(段落0111、段落0141乃至段落0145、図7、図9及び図16を参照。)
ところで、ハイブリッド車両に搭載された機関においては、機関のみを駆動源として搭載した通常の車両の機関と同様、その機関に供給される混合気の空燃比(以下、「機関の空燃比」とも称呼する。)が機関の運転状態を表すパラメータ(以下、「機関運転パラメータ」とも称呼する。)に基づいて調整されるようになっている。
例えば、機関が始動された直後及び/又は機関の冷却水温が低い場合等において、機関が安定して運転されるように、機関の空燃比は理論空燃比よりも小さい空燃比(以下、「リッチ空燃比」とも称呼する。)に設定される。或いは、機関の排気通路に空燃比センサを備える場合、その空燃比センサが活性化するまでの期間において機関の空燃比はリッチ空燃比に設定される。このように、機関の空燃比をリッチ空燃比に制御するのは、例えば、機関冷間時等において機関の負荷が大きく減少した場合であっても、機関が安定して運転を継続することができるようにするためである。
しかしながら、機関の空燃比がリッチ空燃比に設定されている状態において機関から大きな出力を発生させることは、燃費の悪化を招くという問題がある。特に、上述したバッテリ充電要求出力がユーザ要求出力に加えられることにより機関要求出力が大きくなる場合、ハイブリッド車両は、機関の燃費が良好でない状態にて機関に大きい出力を発生させ且つその機関の出力を蓄電装置の充電のために消費していることになるので、燃費が更に悪化する恐れがある。
本発明者は、このような場合、蓄電装置に余裕がある範囲内で機関出力トルクよりも電動機の発生トルクを優先的に高めることによりユーザ要求トルクを満足させ、その後、機関の空燃比が理論空燃比に設定されてから機関の出力によって蓄電装置を充電する方が燃費上有利であるとの知見を得た。
係る知見に基づく本発明のハイブリッド車両は、機関の空燃比がリッチ空燃比に制御されている場合において「蓄電装置の残容量に関連する残容量関連パラメータ」が所定の残容量関連条件を満足するという条件(即ち、「特定条件」)が成立したとき、機関が発生する出力を「同機関が発生することができる最高出力よりも小さい上限値」以下に制限する。即ち、出力制限運転が実行される。この出力制限運転により、機関の空燃比がリッチ空燃比に設定されていて機関の効率が良好でない状態にて機関が高い出力を発生する頻度が低下する。これにより、ハイブリッド車両の燃費を一層向上することができる。
更に、出力制限運転が実行されている場合、例えば、アクセル操作量が急減されることによって機関の負荷が急減したとしても、その負荷の減少幅の最大値は出力制限運転が実行されていない場合に比べて小さくなる。よって、出力制限運転の実行中においては出力制限運転の非実行中に比べ、機関の回転数が低下し過ぎて機関の運転状態が不安定になるという可能性が小さい。よって、発明者は、出力制限運転実行中、機関の空燃比をリッチ空燃比ではあるが「より理論空燃比に近い空燃比」へと変更することにより、機関の燃費(従って、ハイブリッド車両の燃費)をより向上することができる、との知見を得た。
より具体的に述べると、本発明のハイブリッド車両は、
内燃機関と、
電動機と、
前記電動機を駆動する電力を同電動機に供給可能な蓄電装置と、
前記蓄電装置を充電する電力を前記機関の出力を用いて発生可能な発電機と、
車両の駆動軸と前記機関とをトルク伝達可能に連結するとともに同駆動軸と前記電動機とをトルク伝達可能に連結する動力伝達機構と、
制御装置と、
を含む。
前記制御装置は、前記機関の効率が最良となるように同機関の発生出力を調整しながら、「ユーザのアクセル操作量に応じて定まる前記駆動軸に要求されるトルク」であるユーザ要求トルクに等しいトルクを、同機関の発生トルクと前記電動機の出力トルクとを制御することにより同駆動軸に作用させる。更に、前記制御装置は、前記機関の効率が最良となるように同機関の発生出力を調整しながら、前記蓄電装置の残容量に基づいて前記機関の出力を変更することにより前記発電機が発生する電力を制御する。前記機関の効率が最良となるように同機関の発生出力を調整することは、前記機関を「機関要求出力を発生するのに機関の効率が最も良好になる機関最適動作点」にて同機関を運転させることと同義である。
更に、前記制御装置は、
(1)前記機関に供給される混合気の空燃比である機関の空燃比を、同機関の運転状態を表す機関運転パラメータが所定運転条件を満足しない場合に理論空燃比よりも小さいリッチ空燃比に制御し且つ同機関運転パラメータが同所定運転条件を満足した場合に理論空燃比に制御する。
機関運転パラメータは、機関の冷却水温、機関の冷却水温等により定まる燃料噴射量の増量値、機関の冷却水温等により定まる目標空燃比、及び、空燃比センサの温度(活性状態を示すパラメータ)等を含むことができる。所定運転条件は、機関の空燃比を理論空燃比にて設定することができる場合に成立する条件である。所定運転条件は、例えば、冷却水温が機関完全暖機時の温度以上であるとき、或いは、空燃比センサの温度が活性化温度以上となったととき、に成立する。
更に、前記制御装置は、
(2)前記機関の空燃比が前記リッチ空燃比に制御され且つ前記蓄電装置の残容量が大きいほど大きくなる残容量関連パラメータが所定の残容量関連条件を満足する条件(即ち、「特定条件」)が成立した場合、前記機関の出力を「同機関が発生することができる最高出力よりも小さい上限値」以下に制限する出力制限運転を実行し、且つ、
(3)前記出力制限運転を実行している場合、前記リッチ空燃比を、前記出力制限運転を実行していない場合よりも前記理論空燃比に近い空燃比に設定するように構成されている。
このように、本発明によるハイブリッド車両は、出力制限運転を実行することに加え、出力制限運転実行中に機関の空燃比を相対的にリーン側のリッチ空燃比に設定する。この構成によれば、機関の空燃比がリーン側のリッチ空燃比に設定されている場合に機関の負荷が変動した場合であってもその負荷の変動幅は小さいので、機関の運転状態が不安定となることはない。従って、出力制限運転と空燃比のリーン化とによって良好な燃費を実現することができるハイブリッド車両が提供される。
前記制御装置は、前記特定条件が成立した場合、「前記ユーザ要求トルクと前記駆動軸の回転速度とに基いて定まるユーザ要求出力」と「前記残容量」とに基づいて前記上限値を変更するように構成され得る。
前記制御装置は、
前記残容量関連パラメータとして前記蓄電装置の瞬時出力を採用するとともに、
前記瞬時出力が「前記ユーザ要求トルクと前記駆動軸の回転速度とに基いて定まるユーザ要求出力」以上であるとき、前記残容量関連条件が満足されると判定するように構成され得る。
即ち、この態様の制御装置は、瞬時出力がユーザ要求出力以上であって、ユーザ要求出力を「蓄電装置から電動機へと供給される電力」により賄うことが可能である場合、前記残容量関連条件が満足されると判定する。このとき、制御装置は、機関運転パラメータが所定運転条件を満足していないために機関の空燃比がリッチ空燃比に設定されていると、前記特定条件が成立したと判定して出力制限運転を実行する。この場合、前記上限値を「機関の最低出力(0)又は極めて小さい出力」に設定することが可能となる。よって、ハイブリッド車両の燃費を一層改善することができる。
即ち、前記制御装置は、前記特定条件が成立した場合、前記上限値を0に設定するように構成され得る。前記上限値を「0」に設定することには、機関を自立運転させる場合及び機関の運転を停止する場合の両者が含まれる。
前記機関の空燃比が前記リッチ空燃比に制御されている場合、蓄電装置の瞬時出力がユーザ要求出力を満足することができる値以上である場合、運転効率が良好でない状態にある機関から車両走行のための出力或いは蓄電装置の充電のための出力を発生させるより、蓄電装置から電動機に電力を供給することによってユーザ要求出力(従って、ユーザ要求トルク)を満たし、且つ、機関は出力を発生しないようにすることが望ましい。従って、この制御装置によれば、ハイブリッド車両の燃費を一層改善することができる。
更に、前記制御装置は、前記特定条件が成立した場合、前記残容量が大きいほど前記上限値を低下させるように構成され得る。
これによれば、残容量が大きいほど機関の出力を小さくすることができる。即ち、蓄電装置の電力供給能力が高いほど機関の出力をより低減させることができる。この結果、蓄電装置の過度の放電状態を招くことなくハイブリッド車両の燃費を改善することができる。
更に、前記制御装置は、前記出力制限運転を実行している場合、前記リッチ空燃比を、前記上限値が小さくなるほど理論空燃比よりも小さい範囲内において大きくなるように変更するように構成され得る。
上限値が小さくなるほど、機関の負荷の変化幅は小さくなる。よって、機関の空燃比を理論空燃比に近づけたとしても、機関の負荷の急変時に機関の運転が不安定になることはない。従って、上記構成によれば、機関を安定して運転しながら燃料消費量を小さくできるので、ハイブリッド車両の燃費を向上することができる。
本発明によるハイブリッド車両の他の態様は、前記内燃機関と、前記電動機と、前記蓄電装置と、前記発電機と、前記動力伝達機構と、を備える。
更に、この態様は、前記機関の効率が最良となるように同機関の出力を調整しながら、ユーザのアクセル操作量に応じて定まる前記駆動軸に要求されるトルクであるユーザ要求トルクに等しいトルクを前記機関の出力トルクと前記電動機の出力トルクとを制御することにより同駆動軸に作用させるとともに前記蓄電装置の残容量に基づいて同機関の出力を変更することにより前記発電機が発生する電力を制御する制御装置を含む。
加えて、その制御装置は、
(1)前記機関に供給される混合気の空燃比である機関の空燃比を、同機関の運転状態を表す機関運転パラメータが所定運転条件を満足しない場合に理論空燃比よりも小さいリッチ空燃比に制御し且つ同機関運転パラメータが同所定運転条件を満足した場合に理論空燃比に制御し、
(2)前記機関の空燃比が前記リッチ空燃比に制御されている場合、「前記機関が発生することができる最高出力よりも小さい上限値であって前記蓄電装置の残容量が大きくなるほど小さくなる上限値」を算出するとともに「前記機関の出力を同上限値以下に制限する出力制限運転」を実行し、且つ、
(3)前記出力制限運転を実行している場合、前記リッチ空燃比を、前記上限値が小さくなるほど「前記理論空燃比よりも小さい範囲内において大きくなるように」変更する。
即ち、この態様においては、前記機関の空燃比が前記リッチ空燃比に制御されている場合に、前記蓄電装置の残容量が大きくなるほど小さくなる上限値が算出され、且つ、前記機関の出力がその算出された上限値以下に制限される。
これによれば、機関の空燃比がリッチ空燃比に設定されている場合(即ち、機関の運転効率が良好でない場合)、蓄電装置の残容量が大きくなるほど蓄電装置から電動機へとより多くの電力を供給し、機関の出力を上限値によって一層低下させることができる。従って、燃費が改善される。加えて、上限値が小さくなるほど、機関の負荷が急変した場合における負荷の変動幅は小さくなる。従って、上限値が小さいほど機関の空燃比を理論空燃比により近い空燃比に制御した場合であっても、機関の運転状態が不安定になることはない。この結果、上記態様のハイブリッド車両は、機関を安定して運転しながら、出力制限運転及び空燃比のリーン化によって良好な燃費を実現することができる。
また、本発明のハイブリッド車両における前記制御装置は、前記ユーザ要求トルクが小さいほど前記上限値が小さくなるように同上限値を算出するように構成され得る。
これによれば、ユーザ要求トルクを確実に満たしながら、ハイブリッド車両の燃費を改善することができる。
本発明の他の目的、他の特徴及び付随する利点は、以下の図面を参照しつつ記述される本発明の各実施形態についての説明から容易に理解されるであろう。
図1は、本発明の第1実施形態に係るハイブリッド車両の概略図である。 図2は、図1に示したパワーマネジメントECUのCPUが実行するルーチンを示したフローチャートである。 図3は、アクセル操作量AP及び車速SPDと、ユーザ要求トルクと、の関係を示したグラフである。 図4は、図1に示したバッテリの残容量とバッテリ充電要求出力との関係を示したグラフである。 図5は、機関回転速度及び機関出力トルクと、最適機関動作ラインと、の関係を示したグラフである。 図6は、ハイブリッド車両の走行中における遊星歯車装置の共線図である。 図7は、バッテリの残容量及びユーザ要求出力と、機関出力上限値と、の関係を示したグラフである。 図8は、図1に示したエンジンECUのCPUが実行するルーチンを示したフローチャートである。 図9は、図1に示したエンジンECUのCPUが暖機増量値を算出する際に参照するテーブル(ルックアップテーブル)である。 図10は、第2実施形態に係るエンジンECUのCPUが実行するルーチンを示したフローチャートである。 図11は、第3実施形態に係るパワーマネジメントECUのCPUが実行するルーチンを示したフローチャートである。
以下、本発明の実施形態に係るハイブリッド車両について図面を参照しながら説明する。
<第1実施形態>
(構成)
図1に示したように、本発明の第1実施形態に係るハイブリッド車両10は、発電電動機MG1、発電電動機MG2、内燃機関20、動力分配機構30、駆動力伝達機構50、第1インバータ61、第2インバータ62、バッテリ63、パワーマネジメントECU70、バッテリECU71、モータECU72及びエンジンECU73を備えている。なお、ECUは、エレクトリックコントロールユニットの略称であり、CPU、ROM、RAM及びインターフェース等を含むマイクロコンピュータを主要構成部品として有する電子制御回路である。
発電電動機(モータジェネレータ)MG1は、発電機及び電動機の何れとしても機能することができる同期発電電動機である。発電電動機MG1は、便宜上、第1発電電動機MG1とも称呼される。第1発電電動機MG1は本例において主として発電機としての機能を発揮する。第1発電電動機MG1は、出力軸(以下、「第1シャフト」とも称呼する。)41を備えている。
発電電動機(モータジェネレータ)MG2は、第1発電電動機MG1と同様、発電機及び電動機の何れとしても機能することができる同期発電電動機である。発電電動機MG2は、便宜上、第2発電電動機MG2とも称呼される。第2発電電動機MG2は本例において主として電動機としての機能を発揮する。第2発電電動機MG2は、出力軸(以下、「第2シャフト」とも称呼する。)42を備えている。
機関20は、4サイクル・火花点火式・多気筒・内燃機関である。機関20は、吸気管及びインテークマニホールドを含む吸気通路部21、スロットル弁22、スロットル弁アクチュエータ22a、複数の燃料噴射弁23、点火プラグを含む複数の点火装置24、機関20の出力軸であるクランクシャフト25、エキゾーストマニホールド26、排気管27、上流側の三元触媒28及び下流側の三元触媒29を含んでいる。なお、機関20は図示しない可変吸気弁制御装置(VVT)を備えていてもよい。
スロットル弁22は吸気通路部21に回転可能に支持されている。
スロットル弁アクチュエータ22aはエンジンECU73からの指示信号に応答してスロットル弁22を回転し、吸気通路部21の通路断面積を変更できるようになっている。
燃料噴射弁23のそれぞれは、各気筒に対応するように各気筒のインテークポートに配設され、エンジンECU73からの指示信号に応答して燃料噴射量を変更できるようになっている。
点火プラグを含む点火装置24のそれぞれは、エンジンECU73からの指示信号に応答して点火用火花を各気筒の燃焼室内において所定のタイミングにて発生するようになっている。
上流側の三元触媒28は、排気浄化用触媒であり、エキゾーストマニホールド26の排気集合部に配設されている。即ち、触媒28は機関20の排気通路に設けられている。触媒28は、機関20から排出される未燃物(HC,CO等)及びNOxを浄化するようになっている。
下流側の三元触媒29は、排気浄化用触媒であり、エキゾーストマニホールド26の排気集合部に接続された排気管27に設けられている。即ち下流側の三元触媒29は排気通路であって上流側の三元触媒28よりも下流の位置に配設されている。触媒29は、機関20から排出される未燃物(HC,CO等)及びNOxを浄化するようになっている。なお、本明細書及び請求の範囲において、「触媒」は特に指定しない限り、上流側の三元触媒28を意味する。
機関20は、燃料噴射量を変更すること、及び、スロットル弁アクチュエータ22aによりスロットル弁22の開度を変更することによって吸入空気量を変更すること等により、機関20の発生するトルク及び機関回転速度(従って、機関出力)を変更することができる。更に、機関20は、点火時期を基準点火時期に対して遅角することにより、機関20から排出される排気温度を上昇することができる。これにより、機関20は触媒28の暖機を促進することができる。
動力分配機構30は周知の遊星歯車装置31を備えている。遊星歯車装置31はサンギア32と、複数のプラネタリギア33と、リングギア34と、を含んでいる。
サンギア32は第1発電電動機MG1の第1シャフト41に接続されている。従って、第1発電電動機MG1はサンギア32にトルクを出力することができる。更に、第1発電電動機MG1は、サンギア32から第1発電電動機MG1(第1シャフト41)に入力されるトルクによって回転駆動され得る。第1発電電動機MG1は、サンギア32から第1発電電動機MG1に入力されるトルクによって回転駆動されることにより発電することができる。
複数のプラネタリギア33のそれぞれは、サンギア32と噛合するとともにリングギア34と噛合している。プラネタリギア33の回転軸(自転軸)はプラネタリキャリア35に設けられている。プラネタリキャリア35はサンギア32と同軸に回転可能となるように保持されている。従って、プラネタリギア33は、サンギア32の外周を自転しながら公転することができる。プラネタリキャリア35は機関20のクランクシャフト25に接続されている。よって、プラネタリギア33は、クランクシャフト25からプラネタリキャリア35に入力されるトルクによって回転駆動され得る。
リングギア34は、サンギア32と同軸に回転可能となるように保持されている。
上述したように、プラネタリギア33はサンギア32及びリングギア34と噛合している。従って、プラネタリギア33からサンギア32にトルクが入力されたときには、そのトルクによってサンギア32が回転駆動される。プラネタリギア33からリングギア34にトルクが入力されたときには、そのトルクによってリングギア34が回転駆動される。逆に、サンギア32からプラネタリギア33にトルクが入力されたときには、そのトルクによってプラネタリギア33が回転駆動される。リングギア34からプラネタリギア33にトルクが入力されたときには、そのトルクによってプラネタリギア33が回転駆動される。
リングギア34はリングギアキャリア36を介して第2発電電動機MG2の第2シャフト42に接続されている。従って、第2発電電動機MG2はリングギア34にトルクを出力することができる。更に、第2発電電動機MG2は、リングギア34から第2発電電動機MG2(第2シャフト42)に入力されるトルクによって回転駆動され得る。第2発電電動機MG2は、リングギア34から第2発電電動機MG2に入力されるトルクによって回転駆動されることにより、発電することができる。
更に、リングギア34はリングギアキャリア36を介して出力ギア37に接続されている。従って、出力ギア37は、リングギア34から出力ギア37に入力されるトルクによって回転駆動され得る。リングギア34は、出力ギア37からリングギア34に入力されるトルクによって回転駆動され得る。
駆動力伝達機構50は、ギア列51、ディファレンシャルギア52及び駆動軸(ドライブシャフト)53を含んでいる。
ギア列51は、出力ギア37とディファレンシャルギア52とを動力伝達可能に歯車機構により接続している。ディファレンシャルギア52は駆動軸53に取り付けられている。駆動軸53の両端には駆動輪54が取り付けられている。従って、出力ギア37からのトルクはギア列51、ディファレンシャルギア52、及び、駆動軸53を介して駆動輪54に伝達される。この駆動輪54に伝達されたトルクによりハイブリッド車両10は走行することができる。
第1インバータ61は、第1発電電動機MG1及びバッテリ63に電気的に接続されている。従って、第1発電電動機MG1が発電しているとき、第1発電電動機MG1が発生した電力は第1インバータ61を介してバッテリ63に供給される。逆に、第1発電電動機MG1は第1インバータ61を介してバッテリ63から供給される電力によって回転駆動させられる。
第2インバータ62は、第2発電電動機MG2及びバッテリ63に電気的に接続されている。従って、第2発電電動機MG2は第2インバータ62を介してバッテリ63から供給される電力によって回転駆動させられる。逆に、第2発電電動機MG2が発電しているとき、第2発電電動機MG2が発生した電力は第2インバータ62を介してバッテリ63に供給される。
なお、第1発電電動機MG1の発生する電力は第2発電電動機MG2に直接供給可能であり、且つ、第2発電電動機MG2の発生する電力は第1発電電動機MG1に直接供給可能である。
バッテリ63は、本例においてリチウムイオン電池である。但し、バッテリ63は放電及び充電が可能な蓄電装置であればよく、ニッケル水素電池及び他の二次電池であってもよい。
パワーマネジメントECU70(以下、「PMECU70」と表記する。)は、バッテリECU71、モータECU72及びエンジンECU73と通信により情報交換可能に接続されている。
PMECU70は、パワースイッチ81、シフトポジションセンサ82、アクセル操作量センサ83、ブレーキスイッチ84及び車速センサ85等と接続され、これらのセンサ類が発生する出力信号を入力するようになっている。
パワースイッチ81はハイブリッド車両10のシステム起動用スイッチである。PMECU70は、何れも図示しない車両キーがキースロットに挿入され且つブレーキペダルが踏み込まれているときにパワースイッチ81が操作されると、システムを起動する(Ready−On状態となる)ように構成されている。
シフトポジションセンサ82は、ハイブリッド車両10の運転席近傍に運転者により操作可能に設けられた図示しないシフトレバーによって選択されているシフトポジションを表す信号を発生するようになっている。シフトポジションは、P(パーキングポジション)、R(後進ポジション)、N(ニュートラルポジション)及びD(走行ポジション)を含む。
アクセル操作量センサ83は、運転者により操作可能に設けられた図示しないアクセルペダルの操作量(アクセル操作量AP)を表す出力信号を発生するようになっている。アクセル操作量APは加速操作量と表現することもできる。
ブレーキスイッチ84は、運転者により操作可能に設けられた図示しないブレーキペダルが操作されたときに、ブレーキペダルが操作された状態にあることを示す出力信号を発生するようになっている。
車速センサ85は、ハイブリッド車両10の車速SPDを表す出力信号を発生するようになっている。
PMECU70は、バッテリECU71により算出されるバッテリ63の残容量SOC(State Of Charge)を入力するようになっている。この残容量SOCはバッテリ63の残容量に相関を有するパラメータであるので、残容量関連パラメータとも称呼される。残容量SOCは、バッテリ63に流出入する電流の積算値等に基づいて周知の手法により算出される。
PMECU70は、更に、バッテリECU71により算出されるバッテリ63の瞬時出力Wout(単位はW)を入力するようになっている。瞬時出力Woutはバッテリ瞬時出力Woutとも称呼される。バッテリ瞬時出力Woutは、バッテリ63が単位時間あたりに出力することができる電力の上限値である。バッテリ瞬時出力Woutは残容量SOCと相関を有し、残容量SOCが所定値(例えば、40%)以上であるとき略一定値となり、残容量SOCが所定値未満であるとき残容量SOCが小さくなるほど小さくなる。
PMECU70は、モータECU72を介して、第1発電電動機MG1の回転速度(以下、「MG1回転速度Nm1」と称呼する。)を表す信号及び第2発電電動機MG2の回転速度(以下、「MG2回転速度Nm2」と称呼する。)を表す信号を入力するようになっている。
なお、MG1回転速度Nm1は、モータECU72によって「第1発電電動機MG1に設けられ且つ第1発電電動機MG1のロータの回転角度に対応する出力値を出力するレゾルバ96の出力値」に基づいて算出されている。同様に、MG2回転速度Nm2は、モータECU72によって「第2発電電動機MG2に設けられ且つ第2発電電動機MG2のロータの回転角度に対応する出力値を出力するレゾルバ97の出力値」に基づいて算出されている。
PMECU70は、エンジンECU73を介して、エンジン状態を表す種々の出力信号を入力するようになっている。このエンジン状態を表す出力信号には、機関回転速度Ne、スロットル弁開度TA及び機関の冷却水温THW等が含まれている。
モータECU72は、第1インバータ61及び第2インバータ62に接続されている。モータECU72は、PMECU70からの指令(後述する「MG1指令トルクTm1*及びMG2指令トルクTm2*)に基づいて、第1インバータ61及び第2インバータ62に指示信号を送出するようになっている。これにより、モータECU72は、第1インバータ61を用いて第1発電電動機MG1を制御し、且つ、第2インバータ62を用いて第2発電電動機MG2を制御するようになっている。
エンジンECU73は、エンジンアクチュエータである「スロットル弁アクチュエータ22a、燃料噴射弁23及び点火装置24等」と接続されていて、これらに指示信号を送出するようになっている。更に、エンジンECU73は、エアフローメータ91、スロットル弁開度センサ92、冷却水温センサ93、機関回転速度センサ94及び空燃比センサ95等と接続されていて、これらの発生する出力信号を取得するようになっている。
エアフローメータ91は、機関20に吸入される単位時間あたりの空気量を計測し、その空気量(吸入空気流量)Gaを表す信号を出力するようになっている。
スロットル弁開度センサ92は、スロットル弁22の開度(スロットル弁開度)を検出し、その検出したスロットル弁開度TAを表す信号を出力するようになっている。
冷却水温センサ93は、機関20の冷却水の温度を検出し、その検出した冷却水温THWを表す信号を出力するようになっている。この冷却水温THWは、触媒28の温度に強い相関を有するパラメータであり、触媒温度パラメータとも称呼される。
機関回転速度センサ94は、機関20のクランクシャフト25が所定角度だけ回転する毎にパルス信号を発生するようになっている。エンジンECU73は、このパルス信号に基づいて機関回転速度Neを取得するようになっている。
空燃比センサ95は、エキゾーストマニホールド26の排気集合部であって、上流側の三元触媒28よりも上流位置に配設されている。空燃比センサ95は、所謂「限界電流式広域空燃比センサ」である。空燃比センサ95は排ガスの空燃比を検出し、その検出した排ガスの空燃比(検出空燃比)abyfsを出力するようになっている。なお、検出空燃比abyfsは排ガスの空燃比が大きくなる(リーンになる)ほど大きくなる。
エンジンECU73は、これらのセンサ等から取得される信号及びPMECU70からの指令に基づいて「スロットル弁アクチュエータ22a、燃料噴射弁23及び点火装置24(更には、図示しない可変吸気弁制御装置)」に指示信号を送出することにより、機関20を制御するようになっている。なお、機関20には図示しないカムポジションセンサが設けられている。エンジンECU73は、機関回転速度センサ94及びカムポジションセンサからの信号に基いて、特定の気筒の吸気上死点を基準とした機関20のクランク角度(絶対クランク角)を取得するようになっている。
(作動:駆動制御)
次に、ハイブリッド車両10の作動について説明する。なお、以下に述べる処理は「PMECU70のCPU及びエンジンECU73のCPU」により実行される。但し、以下においては、記載を簡素化するため、PMECU70のCPUを「PM」と表記し、且つ、エンジンECU73のCPUを「EG」と表記する。また、後述するように、機関要求出力Pe*を機関出力上限値Pemaxにより制限する出力制限運転を実行する点、及び、出力制限運転中において暖機増量値を減少させる点(機関の空燃比をリッチ空燃比ではあるが理論空燃比に近づける点)を除き、機関20、第1発電電動機MG1及び第2発電電動機MG2の駆動制御は、例えば、特開2009−126450号公報(米国公開特許番号 US2010/0241297)、及び、特開平9−308012号公報(米国出願日1997年3月10日の米国特許第6,131,680号)等に詳細に記載されている。これらは、参照することにより本願明細書に組み込まれる。
PMは、シフトポジションが走行ポジションにある場合、所定時間が経過する毎に図2にフローチャートにより示した「駆動制御ルーチン」を実行するようになっている。従って、所定のタイミングになると、PMは図2のステップ200から処理を開始し、以下に述べるステップ205乃至ステップ215の処理を順に行い、ステップ220に進む。
ステップ205:PMは、アクセル操作量APと車速SPDとに基づいてリングギア要求トルクTr*を取得する。更に、PMは、リングギア要求トルクTr*に基づいてユーザ要求出力Pr*を決定する。より具体的に述べると、駆動軸53に作用するトルク(駆動軸トルク)とリングギア34の回転軸に作用するトルクとは比例関係にある。従って、ユーザがハイブリッド車両10の走行のために要求しているユーザ要求トルクTu*とリングギア要求トルクTr*とは比例関係にある。そこで、PMは図3に示した「アクセル操作量AP及び車速SPDと、ユーザ要求トルクTu*と、の間の関係」を「アクセル操作量AP及び車速SPDと、リングギア要求トルクTr*と、の間の関係」に変換したテーブルをトルクマップMapTr*(AP,SPD)としてROM内に記憶している。そして、PMは、そのトルクマップMapTr*(AP,SPD)に現時点の「アクセル操作量AP及び車速SPD」を適用することにより、リングギア要求トルクTr*を取得する。換言すると、ユーザ要求トルクTu*は、ユーザのアクセル操作量APに応じて定まる「駆動軸53に要求されるトルク」である。
一方、駆動軸53に要求されている出力(パワー)は、ユーザ要求トルク(車両要求駆動力)Tu*と実際の車速SPDとの積(Tu*・SPD)に等しい。この積(Tu*・SPD)はリングギア要求トルクTr*とリングギア34の回転速度Nrとの積(Tr*・Nr)に等しい。従って、以下、積(Tr*・Nr)を「ユーザ要求出力Pr*」と称呼する。即ち、ユーザ要求出力Pr*は、ユーザ要求トルクTu*により定まる。更に、具体的には、ユーザ要求出力Pr*は「ユーザ要求トルクTu*と車速SPDとの積(Tu*・SPD)」に比例する値に基づいて決定することができる。本例においては、リングギア34は減速機を介することなく第2発電電動機MG2の第2シャフト42に接続されている。よって、リングギア34の回転速度Nrは第2MG回転速度Nm2と等しい。従って、ユーザ要求出力Pr*は、リングギア要求トルクTr*と第2MG回転速度Nm2との積(Tr*・Nm2)と等しい。
なお、仮に、リングギア34が減速ギアを介して第2シャフト42に接続されているならば、リングギア34の回転速度Nrは第2MG回転速度Nm2をその減速ギアのギア比Grにて除した値(Nm2/Gr)と等しい。よって、この場合、ユーザ要求出力Pr*は値(Tr*・Nm2/Gr)として算出される。
ステップ210:PMは、残容量SOCに基づいてバッテリ充電要求出力Pb*を取得する。バッテリ充電要求出力Pb*は、バッテリ63を充電するためにバッテリ63に供給すべき電力に応じた値である。
より具体的に述べると、PMは、図4に示した「残容量SOCとバッテリ充電要求出力Pb*」との関係を規定したテーブルMapPb*(SOC)をROM内に記憶している。PMは、実際の残容量SOCをこのテーブルMapPb*(SOC)に適用することによりバッテリ充電要求出力Pb*を取得する。このテーブルMapPb*(SOC)によれば、残容量SOCが所定値SOCLoth以上であるとき、バッテリ充電要求出力Pb*は「0」となるように算出される。更に、このテーブルMapPb*(SOC)によれば、残容量SOCが所定値SOCLothよりも小さいとき、バッテリ充電要求出力Pb*は残容量SOCが小さくなるほど大きくなるように算出される。
ステップ215:PMは、ユーザ要求出力Pr*とバッテリ充電要求出力Pb*との和に損失Plossを加えた値(Pr*+Pb*+Ploss)を機関要求出力Pe*として取得する。機関要求出力Pe*は機関20に要求される出力である。
次に、PMはステップ220に進み、機関要求出力Pe*が閾値要求出力Peth以上であるか否かを判定する。この閾値要求出力Pethは、機関20の出力が閾値要求出力Peth未満の状態にて機関20が運転されると、機関20の運転効率(即ち、燃費)が許容限度以下となるような値に設定されている。
(ケース1)
いま、以下の条件1及び条件2が成立していると仮定する。
(条件1)機関要求出力Pe*が閾値要求出力Peth以上である。
(条件2)機関20の運転が十分に長い期間行われた後であって、機関が完全暖機後状態にあり、それ故に目標空燃比abyfrが理論空燃比stoichに設定されている。
なお、目標空燃比abyfrは、機関に供給される混合気の空燃比の目標値であり、後述するように、EGにより別途設定される。
前述した仮定によれば、機関要求出力Pe*が閾値要求出力Peth以上である(上記条件1を参照。)。従って、PMはステップ220にて「Yes」と判定してステップ225に進み、目標空燃比abyfrが理論空燃比stoichよりも小さく(即ち、目標空燃比abyfrがリッチ空燃比であり)、且つ、バッテリ瞬時出力Woutがユーザ要求出力Pr*以上であるか否かを判定する。バッテリ瞬時出力Woutがユーザ要求出力Pr*以上であることは、残容量関連条件とも称呼される。
前述した仮定によれば、目標空燃比abyfrは理論空燃比stoichに設定されている(上記条件2を参照。)。従って、PMはステップ225にて「No」と判定してステップ230に進み、機関20が発生する出力の上限値Pemax(以下、「機関出力上限値Pemax」又は単に「上限値Pemax」と称呼する。)を機関20が発生し得る最大の出力Max(以下、「機関最高出力Max」又は単に「最高出力Max」と称呼する。)に設定する。換言すると、機関20はどのような運転状態であっても、機関最高出力Max以上の出力を発生することはできない。
次に、PMはステップ232に進み、出力制限運転フラグXlimitの値を「0」に設定する。出力制限運転フラグXlimitの値はエンジンECU73に通信により送信される。出力制限運転フラグXlimitは、その値が「1」である場合に後述する機関の出力制限運転が実行されていることを示し、その値が「0」である場合に機関の出力制限運転が実行されていないことを示す。なお、出力制限運転フラグXlimitの値はシステムを起動時に「0」に設定される。
次いで、PMはステップ234に進み、機関要求出力Pe*が機関出力上限値Pemax以上であるか否かを判定する。この場合、前述したステップ230にて機関出力上限値Pemaxは機関最高出力Maxに設定されている。従って、殆どの場合において機関要求出力Pe*は機関出力上限値Pemaxよりも小さく、この場合、PMはステップ234にて「No」と判定してステップ240に直接進み、以下に述べるステップ240乃至ステップ265の処理を順に行う。この結果、機関20が発生する出力は制限されない。換言すると、機関の出力制限運転は実行されない。
これに対し、万一、機関要求出力Pe*が機関出力上限値Pemax以上であれば、PMはステップ234にて「Yes」と判定してステップ236に進み、機関要求出力Pe*を機関出力上限値Pemaxに設定する。即ち、機関要求出力Pe*は機関最高出力Maxに設定される。但し、この場合においても、機関20は機関最高出力Max以上の出力を発生することはできないのであるから、機関20の発生する出力は制限されない。換言すると、機関の出力制限運転は実行されない。その後、PMは以下に述べるステップ240乃至ステップ265の処理を順に行い、ステップ295に進んで本ルーチンを一旦終了する。
ステップ240:PMは、機関要求出力Pe*と等しい出力が機関20から出力され、且つ、機関20の運転効率が最良となるように機関20を運転する。即ち、PMは、機関要求出力Pe*に応じた最適機関動作点に基づいて目標機関出力トルクTe*及び目標機関回転速度Ne*を決定する。
より具体的に述べると、ある出力をクランクシャフト25から出力させたとき機関20の運転効率(燃費)が最良となる機関動作点が各出力毎に最適機関動作点として実験等により予め求められている。これらの最適機関動作点を、機関出力トルクTeと機関回転速度Neとによって規定されるグラフ上にプロットし、更に、これらのプロットを結ぶことによって形成されるラインが最適機関動作ラインとして求められる。このようにして求められる最適機関動作ラインが図5に実線Loptにより示されている。図5において、破線により示されている複数のラインC0〜C5のそれぞれは、同じ出力をクランクシャフト25から出力させることができる機関動作点を結んだライン(等出力ライン)である。
PMは、機関要求出力Pe*と等しい出力が得られる最適機関動作点を検索し、その検索された最適動作点に対応する「機関出力トルクTe及び機関回転速度Ne」を「目標機関出力トルクTe*及び目標機関回転速度Ne*」のそれぞれとして決定する。例えば、機関要求出力Pe*が図5のラインC2に対応する出力と等しい場合、ラインC2と実線Loptとの交点P1に対する機関出力トルクTe1が目標機関出力トルクTe*として決定され、交点P1に対する機関回転速度Neが目標機関回転速度Ne*として決定される。
ステップ245:PMは、下記(1)式に、リングギア34の回転速度Nrとして「回転速度Nrと等しい第2MG回転速度Nm2」を代入するとともに、機関回転速度Neとして目標機関回転速度Ne*を代入することにより、「サンギア32の目標回転速度Ns*と等しいMG1目標回転速度Nm1*」を算出する。

Ns=Nr−(Nr−Ne)・(1+ρ)/ρ …(1)
上記(1)式において、「ρ」は下記の(2)式により定義される値である。即ち、「ρ」は、リングギア34の歯数に対するサンギア32の歯数である。

ρ=(サンギア32の歯数/リングギア34の歯数) …(2)
ここで、上記(1)式の根拠について説明する。遊星歯車装置31における各ギアの回転速度の関係は図6に示した周知の共線図により表される。共線図に示される直線は動作共線Lと称呼される。この共線図から理解されるように、リングギア34の回転速度Nrとサンギア32の回転速度Nsとの差(Nr−Ns)に対する機関回転速度Neとサンギア32の回転速度Nsとの差(Ne−Ns)の比(=(Ne−Ns)/(Nr−Ns))は、値(1+ρ)に対する1の比(=1/(1+ρ))に等しい。この比例関係に基づいて上記(1)式が導かれる。
更に、PMはステップ245にて、下記(3)式に従って第1発電電動機MG1に出力させるべきトルクであるMG1指令トルクTm1*を算出する。(3)式において、値PID(Nm1*−Nm1)は「MG1目標回転速度Nm1*と第1発電電動機MG1の実際の回転速度Nm1」との差に応じたフィードバック量である。即ち、値PID(Nm1*−Nm1)は、実際の回転速度Nm1をMG1目標回転速度Nm1*に一致させるためのフィードバック量である。

Tm1*=Te*・(ρ/(1+ρ))+PID(Nm1*−Nm1) …(3)
ここで、上記(3)式の根拠について説明する。クランクシャフト25に目標機関出力トルクTe*と等しいトルクが発生させられている場合(即ち、機関出力トルクがTe*である場合)、この機関出力トルクTe*は遊星歯車装置31によりトルク変換される。その結果、サンギア32の回転軸に下記(4)式により表されるトルクTesとなって作用し、リングギア34の回転軸に下記(5)式により表されるトルクTerとなって作用する。

Tes=Te*・(ρ/(1+ρ)) …(4)

Ter=Te*・(1/(1+ρ)) …(5)
動作共線が安定であるためには動作共線の力の釣り合いをとればよい。従って、図6に示したように、サンギア32の回転軸には上記(4)式により求められるトルクTesと大きさが同じで向きが反対のトルクTm1を作用させ、且つ、リングギア34の回転軸には下記の(6)式により表されるトルクTm2を作用させればよい。即ち、トルクTm2は、リングギア要求トルクTr*に対するトルクTerの不足分と等しい。このトルクTm2が、後述するステップ250にてMG2指令トルクTm2*として採用される。

Tm2=Tr*−Ter …(6)
一方、サンギア32が目標回転速度Ns*にて回転すれば(即ち、第1発電電動機MG1の実際の回転速度Nm1がMG1目標回転速度Nm1*に一致すれば)、機関回転速度Neは目標機関回転速度Ne*に一致する。以上から、MG1指令トルクTm1*は上記(3)式により求められる。
ステップ250:PMは、上記(5)式及び上記(6)式に従って、第2発電電動機MG2に出力させるべきトルクであるMG2指令トルクTm2*を算出する。なお、PMは、下記の(7)式に基づいて、MG2指令トルクTm2*を決定してもよい。

Tm2*=Tr*−Tm1*/ρ …(7)
ステップ255:PMは、機関20が最適機関動作点にて運転されるように(換言すると、機関出力トルクが目標機関出力トルクTe*となるように)、EGに指令信号を送出する。これにより、EGは、スロットル弁アクチュエータ22aによりスロットル弁22の開度を変更するとともに、それに応じて燃料噴射量を変更し、機関出力トルクTeが目標機関出力トルクTe*となるように機関20を制御する。
ステップ260:PMは、MG1指令トルクTm1*をモータECU72に送信する。モータECU72は、第1発電電動機MG1の発生トルクがMG1指令トルクTm1*に一致するように第1インバータ61を制御する。
ステップ265:PMは、MG2指令トルクTm2*をモータECU72に送信する。モータECU72は、第2発電電動機MG2の発生トルクがMG2指令トルクTm2*に一致するように第2インバータ62を制御する。
以上の処理により、リングギア34にはリングギア要求トルクTr*と等しいトルクが機関20及び第2発電電動機MG2によって作用させられる。更に、残容量SOCが所定値SOCLothよりも小さい場合、機関20の発生する出力はバッテリ充電要求出力Pb*だけ増大させられる。従って、トルクTerは大きくなるので、上記(6)式から理解されるように、MG2指令トルクTm2*は小さくなる。その結果、第1発電電動機MG1が発電する電力のうち第2発電電動機MG2にて消費される電力が少なくなるので、第1発電電動機MG1が発電する余剰の電力(第2発電電動機MG2によって消費されない電力)によってバッテリ63が充電される。
(ケース2)
次に、機関要求出力Pe*が閾値要求出力Peth以上であるが(上記条件1を参照。)、機関20が暖機過程にあって、それ故に目標空燃比abyfrがリッチ空燃比に設定されていると仮定する。
この場合、PMはステップ220にて「Yes」と判定してステップ225に進む。
このとき、バッテリ瞬時出力Woutがユーザ要求出力Pr*以上でなければ、PMはステップ225にて「No」と判定し、ステップ230及びステップ232を経由してステップ234に進む。従って、機関出力上限値Pemaxが機関最高出力Maxに設定されるから、機関の出力制限運転は実行されない。
これに対し、PMがステップ225の処理を実行する時点において、バッテリ瞬時出力Woutがユーザ要求出力Pr*以上であると、PMはステップ225にて「Yes」と判定してステップ270に進む。
バッテリ瞬時出力Woutは、単に「瞬時出力」とも称呼され、バッテリ63が単位時間あたりに出力できる電力(放電可能電力瞬時値)を意味する。バッテリ瞬時出力Woutは、残容量SOCが小さいほど小さくなり、更に、図1に図示しないバッテリ温度センサにより検出されるバッテリ温度が低いほど小さくなるように、残容量SOC及びバッテリ温度等に基づいてバッテリECU71により算出されている。従って、バッテリ瞬時出力Woutは、蓄電装置としてのバッテリ63の残容量が大きいほど大きくなる残容量関連パラメータの一つである。バッテリ63の状態が比較的良好であるか又はユーザ要求出力Pr*が比較的小さい場合等において、バッテリ瞬時出力Woutはユーザ要求出力Pr*以上となる。
PMはステップ270に進むと、ユーザ要求出力Pr*及び残容量SOCに基づいて機関出力上限値Pemaxを取得する。
より具体的に述べると、PMは図7に示した「残容量SOC及びユーザ要求出力Pr*と、機関出力上限値Pemaxと、の関係」を規定したテーブルMapPemax(Pr*,SOC)をROM内に記憶している。そして、PMは実際の「残容量SOC及びユーザ要求出力Pr*」をテーブルMapPemax(Pr*,SOC)に適用することにより、「機関最高出力Maxよりも小さい機関出力上限値Pemax」を取得する。
このテーブルMapPemax(Pr*,SOC)によれば、機関出力上限値Pemaxは、残容量SOCが大きいほど小さくなり、且つ、ユーザ要求出力Pr*が小さいほど小さくなるように決定される。即ち、機関出力上限値Pemaxは、バッテリ63から第2発電電動機MG2への電力供給が許容される範囲内において、ユーザ要求出力Pr*(実際にはリングギア要求トルクTr*)のうちの出来るだけ多くの割合を第2発電電動機MG2が発生するトルクにより賄うように第2発電電動機MG2に電力を供給し、それにより、機関20が発生する出力が出来るだけ減少させられるように、定められる。
次に、PMはステップ275に進み、出力制限運転フラグXlimitの値を「1」に設定する。前述したように、出力制限運転フラグXlimitの値はエンジンECU73に通信により送信される。
次に、PMは図2のステップ234に進み、機関要求出力Pe*が機関出力上限値Pemax以上であるか否かを判定する。このとき、機関要求出力Pe*が機関出力上限値Pemax以上であると、PMはステップ234にて「Yes」と判定してステップ236に進み、機関要求出力Pe*を機関出力上限値Pemaxに設定する。即ち、機関要求出力Pe*はその上限が機関出力上限値Pemaxにより制限される。これに対し、機関要求出力Pe*が機関出力上限値Pemaxよりも小さいと、PMはステップ234にて「No」と判定しステップ240以降に直接進む。
その後、PMは前述したステップ240乃至ステップ265の処理を実行する。この結果、機関20の出力が最高でも機関出力上限値Pemaxとなるように制御される。即ち、「目標空燃比abyfrが理論空燃比stoichではなくリッチ空燃比であり、且つ、バッテリ瞬時出力Woutがユーザ要求出力Pr*以上であるという条件(以下、「特定条件」と称呼する。)」が成立している場合、機関の出力を「機関20の最高出力Maxよりも小さい機関出力上限値Pemax」以下に制限する出力制限運転が実行される。
換言すると、ステップ215にて算出された機関要求出力Pe*が機関出力上限値Pemax以上であるとき、機関20はそのステップ215にて算出された機関要求出力Pe*ではなく、機関出力上限値Pemaxと等しい出力を発生するように制御される。従って、機関20が効率の良くない状態(機関の空燃比がリッチ空燃比で運転される状態)において高い出力にて運転される頻度が低下する。この結果、機関20の燃費(即ち、ハイブリッド車両10の燃費)を改善することができる。
更に、この出力制限運転が実行されると、目標機関出力トルクTe*(従って、機関出力トルクTe)が小さくなるので、上記(5)式から理解されるようにトルクTerが小さくなる。その結果、ステップ250及び上記(6)式から理解されるように、MG2指令トルクTm2*が大きくなる。即ち、バッテリ63からより多くの電力が第2発電電動機MG2に供給される。換言すると、機関20の燃費が良好でない場合には、バッテリ63から出来るだけ多くの電力を第2発電電動機MG2に供給する。これによって残容量SOCは減少するが、機関20が効率良く運転される状態になったとき(即ち、機関の空燃比が理論空燃比stoichに設定された時点以降)においてその減少分は機関20の出力によって補填される。その結果、機関20はより効率の良い状態にて高い出力を発生するように運転されるので、ハイブリッド車両10の燃費を改善することができる。
(ケース3)
次に、機関要求出力Pe*が閾値要求出力Pethよりも小さいと仮定する。
この場合、PMはステップ220に進んだとき、そのステップ220にて「No」と判定してステップ280に進み、機関20の運転を停止する指示をEGに送信する。この結果、機関20の運転は停止する。
次に、PMはステップ285に進んでMG1指令トルクTm1*を「0」に設定し、ステップ290に進んでMG2指令トルクTM2*にリングギア要求トルクTr*を設定する。その後、PMは前述したステップ260及びステップ265の処理を実行する。この結果、ユーザ要求トルクTu*は第2発電電動機MG2の発生するトルクのみによって満足される。
(作動:機関の空燃比制御)
次に、機関の空燃比制御について説明する。EGは、所定時間が経過する毎に図8にフローチャートにより示した「燃料噴射制御ルーチン」を実行するようになっている。従って、所定のタイミングになると、EGは図8のステップ800から処理を開始してステップ805に進み、出力制限運転フラグXlimitの値が「1」であるか否かを判定する。
いま、図2に示したステップ225の判定条件(即ち、特定条件)が成立していないために、出力制限運転フラグXlimitの値が「0」に設定されていると仮定する(図2のステップ232を参照。)。この場合、CPUはステップ805にて「No」と判定してステップ810に進み、図9に破線により示した「冷却水温THWと暖機増量値Kthwとの関係を規定した通常暖機増量テーブルMapKthwN(THW)」に実際の冷却水温THWを適用することにより、暖機増量値Kthwを決定する。
この通常暖機増量テーブルMapKthwN(THW)によれば、暖機増量値Kthwは、冷却水温THWが低いほど大きくなるように決定される。更に、この通常暖機増量テーブルMapKthwN(THW)によれば、暖機増量値Kthwは、冷却水温THWが機関完全暖機時の温度THWth(例えば、80℃)以上であるとき「0」となるように決定される。
次に、EGはステップ820に進み、機関20の吸入空気量Ga及び機関回転速度Neに基づいて、次に吸気行程を迎える気筒が一吸気行程において吸入する空気の量(即ち、筒内吸入空気量)Mcを取得する。より具体的に述べると、EGは、「吸入空気量Ga及び機関回転速度Ne」と「筒内吸入空気量Mc」との関係を規定したテーブルMapMc(Ga,Ne)をROM内に記憶している。EGは、そのテーブルMapMc(Ga,Ne)に現時点の「吸入空気量Ga及び機関回転速度Ne」を適用することにより筒内吸入空気量Mcを求める。なお、筒内吸入空気量Mcは周知の空気モデルにより算出されてもよい。
次に、EGはステップ825に進み、暖機増量値Kthwが「0」であるか否かを判定する。このとき、暖機増量値Kthwが「0」でなければ、EGはステップ825にて「No」と判定してステップ830に進み、目標空燃比abyfrを下記の(8)式に従って設定する。(8)式において、stoichは理論空燃比(例えば、14.6)である。この結果、目標空燃比abyfrは理論空燃比stoichよりも小さいリッチ空燃比に設定される。

目標空燃比abyfr=stoich/(1+Kthw) …(8)
これに対し、暖機増量値Kthwが「0」であると、EGはステップ825にて「Yes」と判定してステップ835に進み、目標空燃比abyfrを理論空燃比stoichに設定する。
次に、EGはステップ840に進み、目標空燃比abyfrが理論空燃比stoichに設定されており、且つ、空燃比センサ95が活性化しているか否かを判定する。より具体的に述べると、EGは空燃比センサ95の素子である固体電解質層の温度を取得し、その温度が活性温度以上であるとき空燃比センサ95が活性化していると判定する。なお、固体電解質のアドミタンスは「空燃比センサ素子温度である固体電解質の温度」が高いほど大きくなる。固体電解質層のインピーダンスは空燃比センサ素子温度が高いほど小さくなる。従って、EGは図示しないルーチンにより所定時間の経過毎に固体電解質のアドミタンス又はインピーダンスを「空燃比センサ温度」として周知の手法に従って取得している。
目標空燃比abyfrが理論空燃比stoichと相違するか、又は、空燃比センサ95が活性化していない場合、EGはステップ840にて「No」と判定してステップ845に進み、空燃比フィードバック量DFiを「0」に設定し、ステップ855以降に進む。
これに対し、目標空燃比abyfrが理論空燃比stoichに設定されていおり、且つ、空燃比センサ95が活性化している場合、EGはステップ840にて「Yes」と判定してステップ850に進み、周知の手法(例えば、PI制御)に従って空燃比フィードバック量DFiを算出する。空燃比フィードバック量DFiは、「空燃比センサ95によって検出される実際の空燃比(検出空燃比)abyfs」を「目標空燃比abyfrである理論空燃比stoich」に一致させるためのフィードバック量である。簡単に述べれば、空燃比フィードバック量DFiは、検出空燃比abyfsが理論空燃比stoichよりも小さい(即ち、リッチである)とき減少させられ、検出空燃比abyfsが理論空燃比stoichよりも大きい(即ち、リーンである)とき増大させられる。
次に、EGは以下に述べるステップ855乃至ステップ865の処理を順に行い、ステップ895に進んで本ルーチンを一旦終了する。
ステップ855:EGは、筒内吸入空気量Mcを目標空燃比abyfrによって除することにより、基本燃料噴射量Fbaseを算出する。従って、目標空燃比abyfrがステップ830にて求められるリッチ空燃比であると、基本燃料噴射量Fbaseは「理論空燃比stoichを得るときの基本燃料噴射量Fbase」よりも大きくなる。
ステップ860:EGは、ステップ855にて求めた基本燃料噴射量Fbaseに空燃比フィードバック量DFiを加えることにより、最終燃料噴射量Fiを算出する。
ステップ865:EGは、吸気行程を迎える気筒(燃料噴射気筒)に対して最終燃料噴射量Fiの燃料を噴射するように、燃料噴射気筒に対して備えられている燃料噴射弁23に対して指示信号を送出する。以上により、燃料噴射気筒に対して備えられている燃料噴射弁23から最終燃料噴射量Fiの燃料が燃料噴射気筒の吸気上死点よりも所定クランク角前の時点にて噴射させられる。
ところで、EGがステップ805の処理を実行する時点において出力制限運転フラグXlimitの値が「1」であると、EGはステップ805にて「Yes」と判定してステップ880に進み、図9に実線により示した「冷却水温THWと暖機増量値Kthwとの関係を規定した出力制限運転時暖機増量テーブルMapKthwT(THW)」に実際の冷却水温THWを適用することにより、暖機増量値Kthwを決定する。
この出力制限運転時暖機増量テーブルMapKthwT(THW)によれば、暖機増量値Kthwは、冷却水温THWが低いほど大きくなるように決定される。更に、この出力制限運転時暖機増量テーブルMapKthwT(THW)によれば、暖機増量値Kthwは、冷却水温THWが機関完全暖機時の閾値温度THWth以上であるとき「0」となるように決定される。加えて、冷却水温THWが「閾値温度THWth以下のある任意の温度THWa」であるとき、出力制限運転時暖機増量テーブルMapKthwT(THW)により求められる暖機増量値Kthwは、通常暖機増量テーブルMapKthwN(THW)により求められる暖機増量値Kthwよりも小さい。
この結果、出力制限運転フラグXlimitの値が「1」であるとき(即ち、出力制限運転の実行中)、「ステップ830にて算出される目標空燃比abyfr」はリッチ空燃比ではあるものの、「通常暖機増量テーブルMapKthwN(THW)により求められる暖機増量値Kthwに基づいて算出される目標空燃比abyfr」よりも大きい値、即ち、理論空燃比stoichにより近い値となる。その後、EGはステップ820以降に進む。
出力制限運転においては機関の最大出力が機関出力上限値Pemaxに制限されるので、仮に、機関20の負荷が急減したとしても「その場合の負荷の変化幅(減少幅)の最大値」は出力制限運転の非実行中よりも小さくなる。よって、出力制限運転の非実行中に比べて、機関の空燃比を理論空燃比stoichに近づけておいたとしても、機関20の運転状態が不安定にならない。よって、上記ステップ880により、出力制限運転の実行中の暖機増量値Kthwは通常運転中(出力制限運転の非実行中)の暖機増量値Kthwよりも小さく設定される。
以上、説明したように、第1実施形態に係るハイブリッド車両10は、内燃機関20と、電動機(第2発電電動機MG2)と、前記電動機を駆動する電力を同電動機に供給可能な蓄電装置(バッテリ63)と、前記蓄電装置を充電する電力を前記機関20の動力を用いて発生可能な発電機(第1発電電動機MG1)と、車両の駆動軸53と前記機関20とをトルク伝達可能に連結するとともに同駆動軸53と前記電動機(第2発電電動機MG2)とをトルク伝達可能に連結する動力伝達機構(動力分配機構30及び駆動力伝達機構50)と、制御装置(70及び73等)と、を備える。
更に、前記制御装置は、
機関20の効率が最良となるように機関20の出力を調整しながら(即ち、機関20を最適機関動作点にて運転しながら)、ユーザのアクセル操作量APに応じて定まる駆動軸53に要求されるトルクであるユーザ要求トルク(ユーザ要求トルクTu*)に等しいトルクを、機関20の出力トルクと電動機MG2の出力トルクとを制御することにより駆動軸53に作用させるとともに、蓄電装置(バッテリ63)の残容量(SOC)に基づいて機関20の出力を変更することにより発電機MG1が発生する電力を制御する(図2のステップ205乃至ステップ220、並びに、ステップ240乃至ステップ265を参照。)。
更に、前記制御装置は、
機関20の空燃比を、機関20の運転状態を表す機関運転パラメータ(冷却水温THW、暖機増量値Kthw)が所定運転条件(機関完全暖機時の温度THWth以上であること、暖機増量値Kthwが「0」であること)を満足しない場合に理論空燃比よりも小さいリッチ空燃比に制御し且つ同機関運転パラメータが同所定運転条件を満足した場合に理論空燃比に制御する(図8のルーチン及び図9を参照。)。
更に、前記制御装置は、
機関20の空燃比がリッチ空燃比に制御され且つ蓄電装置の残容量が大きいほど大きくなる残容量関連パラメータ(バッテリ瞬時出力Wout)が所定の残容量関連条件(バッテリ瞬時出力Woutがユーザ要求出力Pr*以上であること)を満足する特定条件が成立した場合(図2のステップ225での「Yes」との判定を参照。)、機関20の出力を「機関20が発生することができる最高出力よりも小さい上限値(機関出力上限値Pemax)」以下に制限する出力制限運転を実行する(図2のステップ225乃至ステップ270、及び、図7を参照。)。
更に、前記制御装置は、
前記出力制限運転を実行している場合、前記リッチ空燃比を、前記出力制限運転を実行していない場合よりも前記理論空燃比に近い空燃比に設定する(図2のステップ232及びステップ275、図8のステップ805乃至ステップ835、及び、図9を参照。)。
従って、このハイブリッド車両10によれば、機関の空燃比がリッチ空燃比に制御されている場合には、機関の空燃比が理論空燃比に制御されている場合に比較して、機関20が大きな出力を発生しない頻度が高くなる。その結果、機関20の燃費効率が悪い状態にて機関20が大きな出力を発生する期間が短縮化されるので、ハイブリッド車両10の燃費を改善することができる。
更に、出力制限運転が実行されている場合、機関の空燃比がリッチ空燃比ではあるが理論空燃比に近づくので、燃料噴射量を少なくすることができる。これにより、ハイブリッド車両10の燃費が一層改善される。
なお、PMは図2のステップ270にて機関出力上限値Pemaxを「0」(機関20が自立運転を継続できる最低出力)に設定してもよい。
<第2実施形態>
次に、本発明の第2実施形態に係るハイブリッド車両10について説明する。第2実施形態に係るハイブリッド車両10は、出力制限運転を実行している期間において、機関出力上限値Pemaxが小さいほど暖機増量値を小さくする(換言すると、機関出力上限値Pemaxが小さいほど機関の空燃比を理論空燃比に一層近づける)点のみにおいて、第1実施形態に係るハイブリッド車両と相違している。以下、この点について説明する。
第2実施形態に係るハイブリッド車両のEGは、図8に代わる図10にフローチャートにより示した「燃料噴射制御ルーチン」を実行する。図10において図8に示したステップと同じ処理を行うステップには、図8に示したステップと同一の符号が付されている。これらのステップについての説明は適宜省略される。
第2実施形態のEGは、出力制限運転フラグXlimitの値が「1」であると、ステップ805にて「Yes」と判定してステップ880に進み、図9に実線により示した出力制限運転時暖機増量テーブルMapKthwT(THW)に実際の冷却水温THWを適用することにより、暖機増量値Kthwを決定する。
次に、EGはステップ1010に進み、図10のステップ1010のブロック内に示した「機関出力上限値Pemaxと補正係数khoseiとの関係を規定したテーブルMapKhosei(Pemax)」に図2のステップ270にて決定された機関出力上限値Pemaxを適用することにより、補正係数khoseiを算出する。
このテーブルMapKhosei(Pemax)によれば、補正係数khoseiは機関出力上限値Pemaxが大きくなるほど大きくなるように算出される。但し、補正係数khoseiの最大値は「1」である。
次に、EGはステップ1020に進み、ステップ880にて求めた暖機増量値Kthwに補正係数khoseiを乗じた値を、最終的な暖機増量値Kthwとして算出する。この結果、暖機増量値Kthwは、機関出力上限値Pemaxが小さいほど小さくなる。
その後、EGはステップ820及びステップ825を経由してステップ830に進む。従って、このステップ830にて、目標空燃比abyfrは「機関出力上限値Pemaxが小さいほど理論空燃比stoichに一層近づく空燃比」として算出される。他の作動は第1実施形態と同様である。即ち、機関の空燃比は、出力制限運転が実行されている場合、機関出力上限値Pemaxが小さくなるほど「理論空燃比よりも小さい範囲内において大きくなるように」変更させられる。
機関出力上限値Pemaxが小さくなるほど、機関20の負荷の変化幅は小さくなる。よって、機関の空燃比を理論空燃比に近づけたとしても、機関20の負荷の急変時に機関20の運転が不安定になることはない。従って、第2実施形態によれば、機関20を安定して運転しながら「暖機増量中の燃料消費量」を小さくできるので、ハイブリッド車両10の燃費を更に向上することができる。
なお、EGは、ステップ1010及びステップ1020に代え、ステップ880にて用いる出力制限運転時暖機増量テーブルMapKthwT(THW)を「冷却水温THW及び機関出力上限値Pemaxと、暖機増量値Kthwと、の関係」を規定するテーブルMapKthwT(THW,Pemax)に変更してもよい。このテーブルMapKthwT(THW,Pemax)によっても、機関の空燃比は、機関出力上限値Pemaxが小さくなるほど「理論空燃比よりも小さい範囲内において大きくなるように」変更させられる。
<第3実施形態>
次に、本発明の第3実施形態に係るハイブリッド車両10について説明する。第3実施形態に係るハイブリッド車両10は、目標空燃比abyfrがリッチ空燃比である場合には出力制限運転を実行する。その際、機関出力上限値Pemaxは、ユーザ要求出力Pr*が大きいほど大きくなり、且つ、残容量SOCが大きいほど小さくなる、ように決定される。更に、第3実施形態は、第2実施形態と同様、機関の空燃比を、機関出力上限値Pemaxが小さくなるほど「理論空燃比よりも小さい範囲内において大きくなるように」制御する。以下、この点について説明する。
第3実施形態に係るハイブリッド車両のPMは、図2に代わる図11にフローチャートにより示した「駆動制御ルーチン」を所定時間の経過毎に実行する。図11において図2に示したステップと同じ処理を行うステップには、図2に示したステップと同一の符号が付されている。これらのステップについての説明は適宜省略される。
第3実施形態のPMは、図11の「ステップ205乃至ステップ215」にてリングギア要求トルクTr*、ユーザ要求出力Pr*、バッテリ充電要求出力Pb*及び機関要求出力Pe*を算出した後、ステップ220に進む。このとき、機関要求出力Pe*が閾値要求出力Pethよりも小さいと、PMはステップ280乃至ステップ290、並びに、ステップ260及びステップ265の処理を実行して本ルーチンを一旦終了する。この点は第1実施形態と同じである。
一方、PMがステップ220の処理を行うとき、機関要求出力Pe*が閾値要求出力Peth以上であると、PMはステップ220にて「Yes」と判定してステップ1010に進み、目標空燃比abyfrが理論空燃比stoichよりも小さいか否かを判定する。即ち、PMは、機関の空燃比がリッチ空燃比に設定されているか否かを判定する。
目標空燃比abyfrが理論空燃比stoichよりも小さい場合、PMはステップ1110にて「Yes」と判定してステップ270に進み、機関出力上限値Pemaxを「リングギア要求トルクTr*及び残容量SOC」に基づいて決定する。より具体的に述べると、機関出力上限値Pemaxは、リングギア要求トルクTr*が大きいほど大きくなり、残容量SOCが大きいほど小さくなるように決定される。その後、PMはステップ275に進み、出力制限運転フラグXlimitの値を「1」に設定する。
一方、CPUがステップ1110の処理を行う時点において、目標空燃比abyfrが理論空燃比stoichと等しいと、PMはそのステップ1110にて「No」と判定してステップ230及びステップ232に進む。この結果、機関出力上限値Pemaxは機関最高出力Maxされ、出力制限運転フラグXlimitの値は「0」に設定される。
更に、第3実施形態に係るEGは、図2に代わる図10に示した「燃料噴射制御ルーチン」を実行する。この結果、暖機増量値Kthwは機関出力上限値Pemaxが小さくなるほど小さくなるように変更させられる。
従って、この第3実施形態によれば、機関の空燃比がリッチ空燃比に制御されている場合に機関出力制限運転が実行される(図11のステップ1110及びステップ270を参照。)。更に、そのリッチ空燃比は、機関出力上限値Pemaxが小さくなるほど「理論空燃比よりも小さい範囲内において大きくなるようにリーン化」させられる。
よって、第3実施形態に係るハイブリッド車両は、他の実施形態のハイブリッド車両と同様、機関20を安定して運転しながら、出力制限運転及び空燃比のリーン化によって良好な燃費を実現することができる。
以上、説明したように、本発明の各実施形態に係るハイブリッド車両10は、機関20の効率が良好でない期間においては機関20の出力を機関出力上限値Pemaxにより抑制する出力制限運転を実行する。その結果、ハイブリッド車両の燃費を向上することができる。更に、出力制限運転中においては、出力運転が運転されていない期間に比べ、機関の空燃比が理論空燃比に近い空燃比となるように設定される。よって、ハイブリッド車両の燃費を一層向上することができる。
本発明は上記実施形態に限定されることはなく、本発明の範囲内において種々の変形例を採用することができる。例えば、機関の空燃比がリッチ空燃比に設定されている場合、残容量SOCが所定値(SOCLothよりも小さい所定値)以上であることを条件に、バッテリ充電要求出力Pb*を強制的に「0」に設定することにより、機関出力上限値を減少させてもよい。
また、図8及び図9に示したルーチンおいては、増量値(Kthw)が「0」(即ち、増量しない値)であるときに、目標空燃比abyfrが理論空燃比stoichに設定されていた。これに対し、目標空燃比abyfrは、増量値(Kthw)が「0」よりも大きくても空燃比センサ95が活性化した時点にて理論空燃比stoichに設定されてもよい。加えて、機関の空燃比をリッチ空燃比に制御するための増量値は暖機増量値Kthwに限定されることはなく、始動後から所定時間内において増量を行う始動後増量であってもよい。
更に、機関の空燃比をリッチ空燃比に設定するために「機関の運転状態を表す機関運転パラメータが満足すべき所定運転条件」は、冷却水温THWが機関完全暖機時の温度THWthであることに限定されず、空燃比センサ95が活性化したこと(即ち、機関運転パラメータとしての空燃比センサの温度が活性温度以上になっていること)、「機関運転パラメータとしての機関20の始動後からの経過時間」が所定閾値時間以上であること、等を含むことができる。
更に、出力制限運転を実行するための特定条件のうちの一つの条件である「バッテリ63の残容量が大きいほど大きくなる残容量関連パラメータが満足するべき残容量関連条件」は、バッテリ瞬時出力Woutがユーザ要求出力Pr*以上であることに限定されず、残容量関連パラメータである残容量SOC自体が「ユーザ要求出力Pr*が大きいほど大きくなる閾値」以上であること、であってもよい。
10…ハイブリッド車両、20…内燃機関、22…スロットル弁、23…燃料噴射弁、25…クランクシャフト、30…動力分配機構、31…遊星歯車装置、32…サンギア、33…プラネタリギア、34…リングギア、35…プラネタリキャリア、36…リングギアキャリア、50…駆動力伝達機構、53…駆動軸、63…バッテリ(蓄電装置)、83…アクセル操作量センサ、85…車速センサ、93…冷却水温センサ、94…機関回転速度センサ、95…空燃比センサ。

Claims (7)

  1. 内燃機関と、
    電動機と、
    前記電動機を駆動する電力を同電動機に供給可能な蓄電装置と、
    前記蓄電装置を充電する電力を前記機関の出力を用いて発生可能な発電機と、
    車両の駆動軸と前記機関とをトルク伝達可能に連結するとともに同駆動軸と前記電動機とをトルク伝達可能に連結する動力伝達機構と、
    前記機関の効率が最良となるように同機関の出力を調整しながら、ユーザのアクセル操作量に応じて定まる前記駆動軸に要求されるトルクであるユーザ要求トルクに等しいトルクを前記機関の出力トルクと前記電動機の出力トルクとを制御することにより同駆動軸に作用させるとともに前記蓄電装置の残容量に基づいて同機関の出力を変更することにより前記発電機が発生する電力を制御する制御装置と、
    を含むハイブリッド車両において、
    前記制御装置は、
    前記機関に供給される混合気の空燃比である機関の空燃比を、同機関の運転状態を表す機関運転パラメータが所定運転条件を満足しない場合に理論空燃比よりも小さいリッチ空燃比に制御し且つ同機関運転パラメータが同所定運転条件を満足した場合に理論空燃比に制御し、
    前記機関の空燃比が前記リッチ空燃比に制御され且つ前記蓄電装置の残容量が大きいほど大きくなる残容量関連パラメータが所定の残容量関連条件を満足する特定条件が成立した場合、前記機関の出力を同機関が発生することができる最高出力よりも小さい上限値以下に制限する出力制限運転を実行し、且つ、
    前記出力制限運転を実行している場合、前記リッチ空燃比を、前記出力制限運転を実行していない場合よりも前記理論空燃比に近い空燃比に設定するように構成された、
    ハイブリッド車両。
  2. 請求項1に記載のハイブリッド車両において、
    前記制御装置は、
    前記残容量関連パラメータとして前記蓄電装置の瞬時出力を採用するとともに、
    前記瞬時出力が前記ユーザ要求トルクと前記駆動軸の回転速度とに基いて定まるユーザ要求出力以上であるとき、前記残容量関連条件が満足されると判定するように構成されたハイブリッド車両。
  3. 請求項1又は請求項2に記載のハイブリッド車両において、
    前記制御装置は、
    前記特定条件が成立した場合、前記上限値を0に設定するように構成されたハイブリッド車両。
  4. 請求項1又は請求項2に記載のハイブリッド車両において、
    前記制御装置は、
    前記特定条件が成立した場合、前記残容量が大きいほど前記上限値を低下させるように構成されたハイブリッド車両。
  5. 請求項4に記載のハイブリッド車両において、
    前記制御装置は、
    前記出力制限運転を実行している場合、前記リッチ空燃比を、前記上限値が小さくなるほど理論空燃比よりも小さい範囲内において大きくなるように変更するように構成されたハイブリッド車両。
  6. 内燃機関と、
    電動機と、
    前記電動機を駆動する電力を同電動機に供給可能な蓄電装置と、
    前記蓄電装置を充電する電力を前記機関の出力を用いて発生可能な発電機と、
    車両の駆動軸と前記機関とをトルク伝達可能に連結するとともに同駆動軸と前記電動機とをトルク伝達可能に連結する動力伝達機構と、
    前記機関の効率が最良となるように同機関の出力を調整しながら、ユーザのアクセル操作量に応じて定まる前記駆動軸に要求されるトルクであるユーザ要求トルクに等しいトルクを前記機関の出力トルクと前記電動機の出力トルクとを制御することにより同駆動軸に作用させるとともに前記蓄電装置の残容量に基づいて同機関の出力を変更することにより前記発電機が発生する電力を制御する制御装置と、
    を含むハイブリッド車両において、
    前記制御装置は、
    前記機関に供給される混合気の空燃比である機関の空燃比を、同機関の運転状態を表す機関運転パラメータが所定運転条件を満足しない場合に理論空燃比よりも小さいリッチ空燃比に制御し且つ同機関運転パラメータが同所定運転条件を満足した場合に理論空燃比に制御し、
    前記機関の空燃比が前記リッチ空燃比に制御されている場合、前記機関が発生することができる最高出力よりも小さい上限値であって前記蓄電装置の残容量が大きくなるほど小さくなる上限値を算出するとともに前記機関の出力を同上限値以下に制限する出力制限運転を実行し、且つ、
    前記出力制限運転を実行している場合、前記リッチ空燃比を、前記上限値が小さくなるほど前記理論空燃比よりも小さい範囲内において大きくなるように変更するように構成された、
    ハイブリッド車両。
  7. 請求項1、請求項2、及び、請求項4乃至請求項6の何れか一項に記載のハイブリッド車両において、
    前記制御装置は、
    前記ユーザ要求トルクが小さいほど前記上限値が小さくなるように同上限値を算出するように構成されたハイブリッド車両。
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