JP2013130731A - 定着装置および画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 記録紙にトナー像を定着するときの定着性に優れた定着装置、および該定着装置を備えた画像形成装置を提供する。
【解決手段】 定着装置12は、定着ベルト124と、定着ベルト124を張架する定着ローラ121および加熱ローラ123と、定着ベルト124を介して定着ローラ121に圧接する加圧ローラ122とを備える。そして、定着ベルト124において、ベルト基材124aの表面に形成されるベルト弾性層124bは、そのJIS−A硬さが20度以下で、ベルト弾性層124bの表面に形成されて記録紙127a上のトナー像127bと接するベルト離型層124cは、その厚みが10μm以上15μm以下に設定される。さらに、定着ニップ部12aにおける面圧が、1.2kgf/cm以上3.0kgf/cm以下に設定される。
【選択図】 図1

Description

本発明は、トナー像を定着させる定着装置および該定着装置を備えた画像形成装置に関する。
電子写真法に基づいて画像を形成する電子写真方式の画像形成装置(以下、単に「画像形成装置」という)は、良好な画質品位を有する画像を容易に形成することができる。画像形成装置は、複写機、プリンタ、ファクシミリ装置および複合機などに広く利用される。
このような画像形成装置に備えられる定着装置として、たとえば熱ローラ定着方式の定着装置が挙げられる。
熱ローラ定着方式の定着装置は、定着ローラと、加圧ローラとを含む。定着ローラおよび加圧ローラは、互いに圧接するローラ対である。定着ローラおよび加圧ローラの少なくともいずれか一方の内部には、加熱手段としてハロゲンヒータなどの熱源が含まれる。
定着装置において、熱源が定着に必要な所定の温度(以下、「定着温度」という)までローラ対を加熱した後に、未定着トナー像が形成された紙などの記録紙が、定着ローラと加圧ローラとの圧接部である定着ニップ部に供給される。定着ニップ部を通過する未定着トナー像は、定着ローラおよび加圧ローラの少なくともいずれか一方から伝わる熱と、定着ローラおよび加圧ローラによる圧力とによって、記録紙に定着される。定着ニップ部のうち記録紙が通過した部分(以下、「通紙部」という)は、温度が低下するが、熱源によって定着温度まで加熱される。
定着ローラとして、弾性層を表面に設けた定着ローラ(以下、「弾性ローラ」という)が用いられると、定着ニップ部において、弾性ローラ表面の弾性層が未定着トナー像の凹凸に対応して弾性変形する。弾性ローラは、未定着トナー像を覆い包むようにして未定着トナー像に接触するので、単色画像に比べてトナー量の多いカラーの未定着トナー像に対して、定着性を良好にする。また、弾性ローラは、弾性ローラ表面の弾性層の歪み解放効果によって、単色画像に比べてオフセットしやすいカラートナーの離型性を向上させる。
定着ニップ部における定着ローラおよび加圧ローラの形状であるニップ形状は、定着ローラ側に凸(逆ニップ形状)となるので、定着ローラと記録紙との剥離性能を向上させる。定着ローラと記録紙とを剥離する剥離手段として、たとえば剥離爪を用いることなく記録紙と定着ローラとの剥離が可能なセルフストリッピングが実現され、剥離手段に起因する画像欠陥が解消される。フルカラー印刷の可能な画像形成装置に備えられる定着装置では、弾性ローラの弾性層として、たとえばシリコンゴムなどが用いられる。
フルカラー印刷の可能な画像形成装置に備えられる定着装置において、高速化に対応するためには、定着ニップ部の記録紙搬送方向の幅であるニップ幅を広くする必要がある。ニップ幅を広くする手段として、弾性ローラの弾性層を厚くし、または弾性ローラ径を大きくするという2つの方法が挙げられる。しかしながら、弾性ローラの弾性層の熱伝導性は非常に低いので、弾性ローラ内部に加熱手段がある弾性ローラの弾性層を厚くすると、プロセス速度を高速化した場合に、定着ローラの温度が定着温度に追従することができなくなる。また、弾性ローラ径を大きくすると、ウォームアップ時間が長くなったり、加熱手段の消費電力が増大する。
このような問題点を解決するために、特許文献1には、定着ローラと、加圧ローラと、加熱ローラと、定着ベルトとを含んだベルト定着方式の定着装置が開示されている。特許文献1に開示される定着装置では、定着ローラと、加熱用ヒータを内部に含む加熱ローラとの間には、定着ベルトが掛け渡され、定着ベルトを介して、定着ローラと加圧ローラとが圧接される。定着ベルトは、ポリイミドなどからなるベルト基材と、該ベルト基材の表面に形成されるシリコンゴムなどからなるベルト弾性層と、該ベルト弾性層の表面に形成されるフッ素樹脂などからなるベルト離型層とを含む。このようなベルト定着方式の定着装置では、熱容量の小さい定着ベルトを加熱するように構成されているので、ウォームアップ時間を短くすることができる。
特開2010−152124号公報
しかしながら、特許文献1に開示されるような従来のベルト定着方式の定着装置では、エンボス紙のような、凹凸の大きな表面形状を有する記録紙に対してトナー像を定着するときの定着性に改善の余地がある。
たとえば、記録紙表面に接触して、記録紙上のトナー像を加熱する定着ベルトにおいて、ベルト弾性層を厚くすることによって、記録紙表面の凹凸形状に追従させることができるので、定着性を向上させることができるが、ウォームアップ時間が長くなるという問題が生じる。
また、定着ベルトの最表層となるフッ素樹脂からなるベルト離型層の厚みについても、定着性に影響を及ぼすけれども、特許文献1に記載の定着装置では、ベルト離型層の厚みについては全く考慮されていない。具体的には、ベルト離型層が厚くなりすぎると、ベルト弾性層による記録紙表面の凹凸形状に対する追従性を低下させるだけではなく、トナーブリスタによる定着性の低下が発生する。トナーブリスタとは、トナーとトナーとの隙間、トナーと記録紙との隙間の空気(および水分)が定着時の加熱により膨張し、この膨張した気体が、記録紙上のトナー像内に気泡として発生する定着不良の現象をいう。
定着ベルトにおいて、記録紙表面に接触する最表層のベルト離型層が厚くなりすぎている場合、定着時の加熱により膨張した気体が、ベルト離型層と記録紙との接触界面から外部にうまく放出されず、そのためトナーブリスタによる定着性の低下が発生することになる。
したがって本発明の目的は、記録紙にトナー像を定着するときの定着性に優れた定着装置、および該定着装置を備えた画像形成装置を提供することである。
本発明は、記録媒体上のトナー像を加熱加圧して記録媒体上に定着させる定着装置において、
定着部材と、
通電によって発熱する発熱源を有する加熱部材と、
前記定着部材と前記加熱部材との間に張架される無端状の定着ベルトであって、前記定着部材および前記加熱部材と接するベルト基材と、該ベルト基材の表面に形成されるベルト弾性層と、該ベルト弾性層の表面に形成されて記録媒体上のトナー像と接するベルト離型層とを含む定着ベルトと、
前記定着ベルトを介して前記定着部材に圧接され、前記定着ベルトとの間に記録媒体が通過する領域である定着ニップ部を形成する加圧部材と、を備え、
前記定着ベルトは、前記ベルト離型層の厚みが10μm以上15μm以下で、前記ベルト弾性層のJIS−A硬さが20度以下であり、
前記定着ニップ部における面圧は、1.2kgf/cm以上3.0kgf/cm以下であることを特徴とする定着装置である。
また本発明の定着装置において、前記定着部材は、円筒形状の定着芯金と、該定着芯金の表面に形成される、シリコンスポンジゴムからなる定着弾性層とを含むローラ状の部材であることを特徴とする。
また本発明の定着装置において、前記加圧部材は、円筒形状の加圧芯金と、該加圧芯金の表面に形成される、シリコンゴムからなる加圧弾性層と、該加圧弾性層の表面に形成される加圧離型層とを含むローラ状の部材であることを特徴とする。
また本発明は、前記定着装置を備えることを特徴とする画像形成装置である。
本発明によれば、定着装置は、無端状の定着ベルトと、定着ベルトを張架する定着部材および加熱部材と、加圧部材とを備える。定着ベルトは、定着部材および加熱部材と接するベルト基材と、該ベルト基材の表面に形成されるベルト弾性層と、該ベルト弾性層の表面に形成されて記録媒体上のトナー像と接するベルト離型層とを含む。加熱部材は、定着ベルトの内周面と接して該定着ベルトを加熱する。定着部材は、記録媒体上のトナー像と定着ベルトを介して接する。加圧部材は、定着ベルトを介して定着部材に圧接する。このように構成される定着装置では、定着ベルトを介して定着部材と加圧部材とが互いに当接する部分である定着ニップ部を、記録媒体が通過するときに、加熱部材によって加熱された定着ベルトにトナー像が接することで、トナー像が記録媒体に定着される。
そして、本発明の定着装置において、定着ベルトは、ベルト離型層の厚みが10μm以上15μm以下で、ベルト弾性層のJIS−A硬さが20度以下である。さらに、定着ニップ部における面圧が、1.2kgf/cm以上3.0kgf/cm以下に設定される。定着ベルトにおけるベルト離型層の厚み、およびベルト弾性層のJIS−A硬さが上記のように設定され、さらに、定着ニップ部における面圧が上記のように設定されることによって、記録媒体の表面に形成される凹凸に対する追従性を向上させることができるので、定着ベルトのベルト離型層と接する記録媒体上のトナー像を均一に加熱することができる。
さらに、定着ベルトにおけるベルト離型層の厚みが10μm以上15μm以下に設定されるので、トナーと記録媒体との隙間などに存在する空気(および水分)が定着時の加熱により膨張したとしても、この膨張した気体が、ベルト離型層と記録紙との接触界面から外部に効率よく放出され、そのためトナーブリスタによる定着性の低下が発生することを抑制することができる。
したがって、本発明の定着装置は、記録媒体にトナー像を定着するときの定着性に優れたものとなる。
また本発明によれば、定着部材は、円筒形状の定着芯金と、該定着芯金の表面に形成される、シリコンスポンジゴムからなる定着弾性層とを含むローラ状の部材である。記録媒体上のトナー像と定着ベルトを介して接する定着部材において、その定着弾性層が、シリコンスポンジゴムからなるので、記録媒体の表面に形成される凹凸に対する定着弾性層の追従性を向上させることができる。これによって、定着ベルトと接する記録媒体上のトナー像をより均一に加熱することができるので、記録媒体にトナー像を定着するときの定着性をより優れたものとすることができる。
また本発明によれば、加圧部材は、円筒形状の加圧芯金と、該加圧芯金の表面に形成される、シリコンゴムからなる加圧弾性層と、該加圧弾性層の表面に形成される加圧離型層とを含むローラ状の部材である。定着ベルトを介して定着部材に圧接されて、定着ベルトとの間に記録媒体が通過する定着ニップ部を形成する加圧部材が、シリコンゴムからなる加圧弾性層を有するので、定着ニップ部における面圧を所定の値に容易に調整することができる。
また本発明によれば、画像形成装置は、記録媒体にトナー像を定着するときの定着性に優れた本発明の定着装置を備える。そのため、画像形成装置は、良好な画質品位を有する画像を形成することができる。
本発明の第1実施形態に係る定着装置12の構成を模式的に示す断面図である。 定着装置12の要部を拡大して示す図である。 本発明の第2実施形態に係る定着装置200の構成を模式的に示す断面図である。 本発明の第3実施形態に係る定着装置300の構成を模式的に示す断面図である。 本発明の一実施形態に係る画像形成装置100の構成を模式的に示す概略図である。
図1は、本発明の第1実施形態に係る定着装置12の構成を模式的に示す断面図である。図2は、定着装置12の要部を拡大して示す図である。定着装置12は、定着部材である定着ローラ121と、加圧部材である加圧ローラ122と、無端状の定着ベルト124と、定着ベルト124を張架し加熱するための加熱部材である加熱ローラ123と、定着ベルト124の表面温度を検出する温度検出手段を構成する温度センサとしての定着ベルト用サーミスタ125と、加圧ローラ122の表面温度を検出する加圧ローラ用サーミスタ126とを備える。
定着装置12においては、定着ベルト124が定着ローラ121と加熱ローラ123との間に張架され、加圧ローラ122が定着ベルト124を介して定着ローラ121に対向するように配置されている。そして、定着ローラ121と加圧ローラ122と加熱ローラ123とは、それぞれの軸線が互いに平行となるように配置されている。
定着装置12は、加熱ローラ123が定着ベルト124と接触して定着ベルト124を加熱し、定着ベルト124と加圧ローラ122とで形成する定着ニップ部12aを、所定の定着速度および複写速度で記録媒体である記録紙127aが通過したとき、記録紙127a上に担持されている未定着のトナー像127bを記録紙127a上に加熱加圧して定着するベルト定着方式の定着装置である。このようなベルト定着方式の装置である定着装置12は、熱容量が小さい定着ベルト124を加熱ローラ123で加熱する構成であるので、ウォームアップ時間が短く、かつ、消費電力の増大を抑えて省エネ化が達成できる。
なお、未定着のトナー像127bは、たとえば、非磁性一成分現像剤(非磁性トナー)、非磁性二成分現像剤(非磁性トナーおよびキャリア)、磁性現像剤(磁性トナー)などの現像剤(トナー)によって形成される。また、定着速度とは所謂プロセス速度であり、複写速度とは1分あたりのコピー枚数のことである。また、記録紙127aが定着ニップ部12aを通過するときには、定着ベルト124は、記録紙127aのトナー像担持面に当接するようになっている。
定着ローラ121は、略円筒形の形状を有するローラ状の部材であり、略円筒形の中心軸から外周に向かって定着芯金121a、および定着弾性層121bが形成される2層構造である。定着芯金121aには、鉄、ステンレス鋼、アルミニウムまたは銅などの金属あるいは、それらの合金などが用いられる。定着弾性層121bには、シリコンゴムまたはフッ素ゴムなどの耐熱性を有するゴム材料が適している。この定着弾性層121bのアスカーC硬さは20〜50度に設定されるのが好ましい。本実施形態において、定着ローラ121の直径は50mmである。定着芯金121aには、直径20mmのステンレス鋼が用いられ、定着弾性層121bには、アスカーC硬さが40度で、厚さ15mmのシリコンスポンジゴムが用いられる。
定着ローラ121は、略円筒形の中心軸を中心として回転可能に設けられ、加圧ローラ122の回転に従動回転する。定着ローラ121が、定着ベルト124を介して加圧ローラ122に圧接することによって、定着ベルト124を介して、定着ローラ121と加圧ローラ122とが互いに当接する部分である定着ニップ部12aが形成される。
加圧ローラ122は、略円筒形の形状を有するローラ状の部材であり、略円筒形の中心軸から外周に向かって加圧芯金122b、加圧弾性層122cおよび加圧離型層122dが形成される3層構造である。加圧芯金122bには、鉄、ステンレス鋼、アルミニウム銅などの金属あるいは、それらの合金などが用いられる。加圧弾性層122cにはシリコンゴムまたはフッ素ゴムなどの耐熱性を有するゴム材料が適している。この加圧弾性層122cのアスカーC硬さは60〜90度に設定されるのが好ましい。
加圧離型層122dにはPFA(テトラフルオロエチレンとパーフルオロアルキルビニルエーテルとの共重合体)またはPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)などのフッ素樹脂が適している。本実施形態において、加圧ローラ122の直径は50mmである。加圧芯金122bには、直径48mm、肉厚1mmの鉄(STKM)が用いられる。加圧弾性層122cには、アスカーC硬さが81度で、厚さ1mmのシリコンソリッドゴムが用いられる。加圧離型層122dには、厚さ50μmのPFAチューブが用いられる。
加圧ローラ122の内部には、加圧ローラ用ヒータランプ122aが配置され、この加圧ローラ用ヒータランプ122aは、加圧ローラ122を加熱する。図示しない制御回路が図示しない電源回路から加圧ローラ用ヒータランプ122aに電力を供給(通電)させることによって、加圧ローラ用ヒータランプ122aが発光し、加圧ローラ用ヒータランプ122aから赤外線が放射される。加圧ローラ122は、加圧ローラ122の内部が加圧ローラ用ヒータランプ122aから放射される赤外線を吸収することによって、加圧ローラ122全体が加熱される。本実施形態では、定格電力300Wの加圧ローラ用ヒータランプ122aが使用される。
加圧ローラ122は、略円筒形の中心軸を中心として回転可能に設けられる。加圧ローラ122は、図示しない駆動手段である駆動モータによって回転駆動するローラ状部材である。定着ローラ121は、定着ベルト124を介して加圧ローラ122に圧接することで定着ニップ部12aを形成すると同時に、従動回転することによって定着ベルト124を搬送する。定着ローラ121は、加圧ローラ122とは逆方向に回転する。
定着ローラ121と加圧ローラ122とは、所定の荷重、たとえば800Nで互いに圧接される。定着ローラ121と加圧ローラ122とが圧接されると、定着ニップ部12aが形成される。本実施形態においては、定着ニップ部12aの記録紙搬送方向の幅(以下、「定着ニップ幅」という)は11mmである。定着ニップ部12aには、未定着のトナー像127bを担持した記録紙127aが給紙される。記録紙127aが定着ニップ部12aを通過することによって、記録紙127aにはトナー像127bが定着される。記録紙127aが定着ニップ部12aを通過する際、定着ベルト124は、記録紙127aのトナー像担持面に当接し、加圧ローラ122は、記録紙127aにおけるトナー像担持面とは反対側の面に当接する。
加熱ローラ123は、略円筒形の形状を有するローラ状の部材であり、略円筒形の中心軸から外周に向かって赤外線吸収層、芯金および保護層が形成された3層構造からなる。赤外線吸収層は、耐熱性のカーボン含有塗料が芯金内側に塗装、焼成されることによって形成される。芯金には、たとえば、鉄、ステンレス鋼、アルミニウム、銅などの金属またはそれらの合金が用いられる。保護層としては、PFAまたはPTFEなどのフッ素樹脂が適している。保護層は、定着ベルト124と加熱ローラ123との接触によって、定着ベルト124および加熱ローラ123が磨耗することを防ぐ。
本実施形態においては、加熱ローラ123の直径は35mmであり、赤外線吸収層として厚さ100μmのカーボンブラック塗装が用いられ、芯金として直径35mmであって肉厚が1.0mmである中空アルミニウムが用いられる。保護層としては、厚さ50μmのPTFEコートが用いられる。
加熱ローラ123の内部には、加熱ローラ123を加熱する加熱ローラ用ヒータランプ123aが配置される。図示しない制御回路が、図示しない電源回路から加熱ローラ用ヒータランプ123aに電力を供給(通電)させることによって、加熱ローラ用ヒータランプ123aが発光し、加熱ローラ用ヒータランプ123aから赤外線が放射される。加熱ローラ123は、加熱ローラ123の内部が加熱ローラ用ヒータランプ123aから放射される赤外線を吸収することによって、加熱ローラ123全体が加熱される。本実施形態では、定格電力1600Wの加熱ローラ用ヒータランプ123aが使用される。加熱ローラ123には、加熱ローラ123から見て定着ローラ121が配置される方向とは逆方向に、所定の荷重、たとえば50Nが付与される。定着ベルト124にはテンションが与えられるので、加熱ローラ123は、定着ベルト124の回転に伴って回転する。
定着ベルト124は、装着しない状態で、直径が75mmである。定着ベルト124は、定着ローラ121と加熱ローラ123との間に張架されてループ状の移動経路を形成する無端状ベルト部材である。定着ベルト124は、ベルト基材124aと、該ベルト基材124aの表面に形成されるベルト弾性層124bと、該ベルト弾性層124bの表面に形成されるベルト離型層124cとを含む3層構造よりなる。
この定着ベルト124のベルト基材124aを形成する材料としては、耐熱性および耐久性に優れるものであれば特に制限されず、たとえば、耐熱性合成樹脂、または、ステンレスおよびニッケルなどの金属材料が用いられる。耐熱性合成樹脂の中でも、ポリイミド(PI)またはポリアミドイミド(PAI)などが好ましい。ベルト基材124aの厚さは、ポリイミドなどの樹脂材料を用いる場合には50〜90μmが好ましく、金属材料を用いる場合には35〜70μmが好ましい。本実施形態では、ベルト基材124aとして、ポリイミドが用いられ、厚さは70μmである。
定着ベルト124のベルト弾性層124bを構成する材料としては、ゴム弾性を有するものであれば特に制限はないけれども、さらに耐熱性にも優れるものが好ましい。たとえば、シリコンゴム、フッ素ゴム、フルオロシリコンゴムなどが用いられるが、これらの中でも、特にゴム弾性に優れるシリコンゴムが好ましい。定着ベルト124のベルト弾性層124bの厚さは、200〜250μmであることが好ましい。この厚さの範囲内であれば、ベルト弾性層124bの弾性効果を維持しつつ、断熱性を低く抑えることができるので、省エネルギー効果が発揮される。また、このベルト弾性層124bのJIS−A硬さは20度以下である。本実施形態では、ベルト弾性層124bとして、JIS−A硬さが15度で、厚さ200μmのシリコンゴムが使用される。
定着ベルト124のベルト離型層124cは、PFAまたはPTFEなどのフッ素樹脂からなる層であり、その厚さは10〜15μmである。本実施形態では、ベルト離型層124cとして、厚さ12μmのPFAが使用される。
従来のベルト定着方式の定着装置に備えられる定着ベルトは、ベルト弾性層が形成されたベルト基材に、予め筒状(チューブ状)に成形したフッ素樹脂チューブ(PFAチューブ)を被せ、熱収縮によってベルト弾性層を該フッ素樹脂チューブで被覆することで、ベルト弾性層の表面にベルト離型層を形成する方法により作製される。このようなフッ素樹脂チューブを用いて作製される従来の定着ベルトでは、ベルト離型層の厚さがフッ素樹脂チューブの肉厚によって決定され、30μm以上の厚みとなる。このように、ベルト離型層の厚さが30μm以上となって、ベルト離型層が厚くなりすぎると、ベルト弾性層による記録紙127a表面の凹凸形状に対する追従性を低下させるだけではなく、トナーブリスタによる定着性の低下が発生する。
これに対して、本実施形態の定着装置12において、定着ベルト124は、ベルト離型層124cの厚さが10〜15μmに設定されるので、トナー像127bを構成するトナーと記録紙127aとの隙間などに存在する空気(および水分)が定着時の加熱により膨張したとしても、この膨張した気体が、ベルト離型層124cと記録紙127aとの接触界面から外部に効率よく放出され、そのためトナーブリスタによる定着性の低下が発生することを抑制することができる。
ベルト離型層124cの厚さが10〜15μmに設定される定着ベルト124は、ベルト基材124a上に形成されたベルト弾性層124bの表面に、スプレー法などによってフッ素樹脂粒子(PFA粒子など)を塗布し、その塗布されたフッ素樹脂粒子を膜化させることによって作製することができる。ベルト離型層124cの厚さは、ベルト弾性層124bの表面に塗布するフッ素樹脂粒子の塗布量により調整することができる。
加熱ローラ123によって所定の温度に加熱された定着ベルト124は、定着ニップ部12aを通過する未定着のトナー像127bが形成された記録紙127aを加熱する。定着ベルト124は、加熱ローラ123と定着ローラ121とによって張架される。定着ベルト124は、加圧ローラ122の回転に従動し、矢符R2の方向に回転する。加圧ローラ122が矢符R1の方向に回転し、定着ベルト124が矢符R2の方向に回転することによって、記録紙127aが定着ニップ部12aを通過する。本実施形態では、この定着ニップ部12aにおける面圧が、1.2〜3.0kgf/cmに設定される。
本実施形態の定着装置12において、定着ベルト124は、ベルト離型層124cの厚さが10〜15μmで、ベルト弾性層124bのJIS−A硬さが20度以下である。さらに、定着ニップ部12aにおける面圧が、1.2〜3.0kgf/cmに設定される。定着ベルト124におけるベルト離型層124cの厚み、およびベルト弾性層124bのJIS−A硬さが上記のように設定され、さらに、定着ニップ部12aにおける面圧が上記のように設定されることによって、記録紙127aの表面に形成される凹凸に対する追従性を向上させることができるので、定着ベルト124のベルト離型層124cと接する記録紙127a上のトナー像127bを均一に加熱することができる。
したがって、本実施形態の定着装置12は、記録紙127aにトナー像127bを定着するときの定着性に優れたものとなる。
次に、本実施形態の定着装置12における定着ベルト124の構成、および定着ニップ部12aにおける面圧の設定について、詳細に説明する。定着ベルト124は、前述したように、ベルト基材124aと、該ベルト基材124aの表面に形成されたベルト弾性層124bと、該ベルト弾性層124bの表面に形成されたベルト離型層124cとを含む3層構造である。ベルト離型層124cの厚み、ベルト弾性層124bの硬さ、定着ニップ部12aにおける面圧は、以下の実験結果に基づいて設定される。
<実験A:ベルト離型層の厚みの設定>
[定着装置の構成]
・定着ローラ121:定着芯金121aが肉厚5mmの中空円筒状のアルミニウムからなり、定着弾性層121bが厚さ15mmでアスカーC硬さが40度のシリコンスポンジゴムからなり、外径が50mmである。
・加圧ローラ122:加圧芯金122bが肉厚3mmの中空円筒状のアルミニウムからなり、加圧弾性層122cが厚さ1mmでアスカーC硬さが81度のシリコンゴムからなり、加圧離型層122dが厚さ50μmのPFAチューブからなり、外径が50mmである。
・加熱ローラ123:芯金が肉厚1mmの中空円筒状のアルミニウムからなり、赤外線吸収層が厚さ100μmのカーボンブラック塗料、保護層が厚さ50μmのPTFEコートであり、外径が35mmである。
・定着ベルト124:ベルト基材124aが厚さ70μmのポリイミドからなり、ベルト弾性層124bが厚さ200μmでJIS−A硬さ15度のシリコンゴムからなり、ベルト離型層124cが厚さを変化させたPFAコートであり、装着しない状態の外径が75mmである。
[定着条件]
・プロセス速度(定着速度):330mm/s
・複写速度:70枚/分
・定着ニップ幅:13mm
・定着ニップ部の面圧:2.16kgf/cm
・定着ローラと加圧ローラとの圧接荷重:90kgf
[評価方法]
(耐久性)
記録紙として秤量64gの普通紙を用いた。画像は、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、ブラック(B)の4色積層によって、記録紙搬送方向の先端に、トナー量が1.0mg/cmの黒べたで形成した。記録紙を30万枚通紙後に、黒べた画像の剥離、単色べた画像や黒べた画像、ハーフトーン画像などの画質低下が発生しているか否かを目視にて判定し、画質低下の発生がない状態を「○」と判定し、画質低下の発生がある状態を「×」と判定した。
(定着性)
記録紙として秤量130gのエンボス紙(レザック66)を用いた。画像は、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、ブラック(B)の4色積層によって、記録紙搬送方向の先端に、トナー量が1.0mg/cmの黒べたで形成した。黒べた画像に、トナーブリスタによる定着不良が発生しているか否かを目視にて判定し、定着不良の発生が全くない状態を「○」と判定し、実使用上問題ないレベルで画像の一部に定着不良が発生した状態を「△」と判定し、実使用上問題となるレベルで画像の大部分に定着不良が発生した状態を「×」と判定した。
[評価結果]
ベルト離型層124cの厚さが、8,10,12,15,20,30μmである定着ベルト124をそれぞれ準備し、ベルト離型層124cの厚さの、耐久性および定着性に及ぼす影響を評価した。評価結果を表1に示す。
Figure 2013130731
表1の結果から明らかなように、ベルト離型層124cの厚さが8μmの定着ベルト124を用いた場合には耐久性が低下することがわかり、ベルト離型層124cの厚さを10μm以上に設定することによって高い耐久性を確保することができることがわかる。また、ベルト離型層124cの厚さが20,30μmの定着ベルト124を用いた場合には定着性が低下することがわかり、ベルト離型層124cの厚さを15μm以下に設定することによって、記録紙表面の凹凸に対する密着性を高めることができるので、高い定着性を確保することができることがわかる。すなわち、ベルト離型層124cの厚さを10μm以上15μm以下に設定することによって、耐久性および定着性に優れた定着装置12とすることができる。
<実験B:ベルト弾性層の硬さの設定>
[定着装置の構成]
・定着ローラ121:定着芯金121aが肉厚5mmの中空円筒状のアルミニウムからなり、定着弾性層121bが厚さ15mmでアスカーC硬さが40度のシリコンスポンジゴムからなり、外径が50mmである。
・加圧ローラ122:加圧芯金122bが肉厚3mmの中空円筒状のアルミニウムからなり、加圧弾性層122cが厚さ1mmでアスカーC硬さが81度のシリコンゴムからなり、加圧離型層122dが厚さ50μmのPFAチューブからなり、外径が50mmである。
・加熱ローラ123:芯金が肉厚1mmの中空円筒状のアルミニウムからなり、赤外線吸収層が厚さ100μmのカーボンブラック塗料、保護層が厚さ50μmのPTFEコートであり、外径が35mmである。
・定着ベルト124:ベルト基材124aが厚さ70μmのポリイミドからなり、ベルト弾性層124bが厚さ200μmでJIS−A硬さを変化させたシリコンゴムからなり、ベルト離型層124cが厚さ12μmのPFAコートであり、装着しない状態の外径が75mmである。
[定着条件]
・プロセス速度(定着速度):330mm/s
・複写速度:70枚/分
・定着ニップ幅:13mm
・定着ニップ部の面圧:2.2kgf/cm
・定着ローラと加圧ローラとの圧接荷重:92kgf
[評価方法]
(定着性)
記録紙として秤量130gのエンボス紙(レザック66)を用いた。画像は、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、ブラック(B)の4色積層によって、記録紙搬送方向の先端に、トナー量が1.0mg/cmの黒べたで形成した。黒べた画像に、トナーブリスタによる定着不良が発生しているか否かを目視にて判定し、定着不良の発生が全くない状態を「○」と判定し、実使用上問題ないレベルで画像の一部に定着不良が発生した状態を「△」と判定し、実使用上問題となるレベルで画像の大部分に定着不良が発生した状態を「×」と判定した。
[評価結果]
ベルト弾性層124bのJIS−A硬さが、5,10,15,20,30度である定着ベルト124をそれぞれ準備し、ベルト弾性層124bの硬さの、定着性に及ぼす影響を評価した。評価結果を表2に示す。
Figure 2013130731
表2の結果から明らかなように、ベルト弾性層124bのJIS−A硬さが30度の定着ベルト124を用いた場合には定着性が低下することがわかり、ベルト弾性層124bの硬さを20度以下に設定することによって、記録紙表面の凹凸に対する追従性を向上させることができるので、該凹凸に対する密着性を高めることができ、これによって高い定着性を確保することができることがわかる。
<実験C:定着ニップ部における面圧の設定>
[定着装置の構成]
・定着ローラ121:定着芯金121aが肉厚5mmの中空円筒状のアルミニウムからなり、定着弾性層121bが厚さ15mmでアスカーC硬さを20〜40度の範囲で変化させたシリコンスポンジゴムからなり、外径が50mmである。
・加圧ローラ122:加圧芯金122bが肉厚3mmの中空円筒状のアルミニウムからなり、加圧弾性層122cが厚さ1mmでアスカーC硬さが81度のシリコンゴムからなり、加圧離型層122dが厚さ50μmのPFAチューブからなり、外径が50mmである。
・加熱ローラ123:芯金が肉厚1mmの中空円筒状のアルミニウムからなり、赤外線吸収層が厚さ100μmのカーボンブラック塗料、保護層が厚さ50μmのPTFEコートであり、外径が35mmである。
・定着ベルト124:ベルト基材124aが厚さ70μmのポリイミドからなり、ベルト弾性層124bが厚さ200μmでJIS−A硬さ15度のシリコンゴムからなり、ベルト離型層124cが厚さ12μmのPFAコートであり、装着しない状態の外径が75mmである。
[定着条件]
・プロセス速度(定着速度):330mm/s
・複写速度:70枚/分
・定着ニップ幅:13mm
・定着ニップ部の面圧:1〜3.5kgf/cm
・定着ローラと加圧ローラとの圧接荷重:42〜146kgf
[評価方法]
(耐久性)
記録紙として秤量64gの普通紙を用いた。画像は、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、ブラック(B)の4色積層によって、記録紙搬送方向の先端に、トナー量が1.0mg/cmの黒べたで形成した。記録紙を30万枚通紙後に、黒べた画像の剥離、単色べた画像や黒べた画像、ハーフトーン画像などの画質低下が発生しているか否かを目視にて判定し、画質低下の発生がない状態を「○」と判定し、画質低下の発生がある状態を「×」と判定した。
(定着性)
記録紙として秤量130gのエンボス紙(レザック66)を用いた。画像は、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、ブラック(B)の4色積層によって、記録紙搬送方向の先端に、トナー量が1.0mg/cmの黒べたで形成した。黒べた画像に、トナーブリスタによる定着不良が発生しているか否かを目視にて判定し、定着不良の発生が全くない状態を「○」と判定し、実使用上問題ないレベルで画像の一部に定着不良が発生した状態を「△」と判定し、実使用上問題となるレベルで画像の大部分に定着不良が発生した状態を「×」と判定した。
[評価結果]
定着ローラ121の定着弾性層121bのアスカーC硬さを20〜40度の範囲内で変化させるとともに、定着ローラ121と加圧ローラ122との圧接荷重を42〜146kgfの範囲内で変化させることで、定着ニップ幅が13mmとなるように調整した。このようにして定着ニップ幅が13mmとなるように調整した上で、定着ニップ部12aの面圧を、1,1.2,1.5,2.2,3.0,3.5kg/cmと変化させて、耐久性および定着性に及ぼす影響を評価した。評価結果を表3に示す。
Figure 2013130731
表3の結果から明らかなように、定着ニップ部12aの面圧を3.5kgf/cmに設定した場合には耐久性が低下することがわかり、面圧を3.0kgf/cm以下に設定することによって、定着ニップ部12aにおいて記録紙に過度の摩擦力が付与されるのを抑制することができるので、高い耐久性を確保することができることがわかる。また、定着ニップ部12aの面圧を1.0kgf/cmに設定した場合には定着性が低下することがわかり、面圧を1.2kgf/cm以上に設定することによって、記録紙表面の凹凸に対する追従性を向上させることができるので、該凹凸に対する密着性を高めることができ、これによって高い定着性を確保することができることがわかる。すなわち、定着ニップ部12aにおける面圧を1.2kgf/cm以上3.0kgf/cmに設定することによって、耐久性および定着性に優れた定着装置12とすることができる。
図3は、本発明の第2実施形態に係る定着装置200の構成を模式的に示す断面図である。本実施形態の定着装置200は、前述した定着装置12に類似し、対応する部分については同一の参照符を付して説明を省略する。定着装置200は、定着部材である定着ローラ121と、加圧部材である加圧ローラ122と、無端状の定着ベルト201と、定着ベルト124の表面温度を検出する温度検出手段を構成する温度センサとしての定着ベルト用サーミスタ125と、加圧ローラ122の表面温度を検出する加圧ローラ用サーミスタ126とを備える。
前述した第1実施形態の定着装置12における定着ベルト124が、定着ローラ121と加熱ローラ123との間に張架されて構成されていたことに対して、本実施形態の定着装置200において、定着ベルト201は、定着ローラ121の外周面を覆うように、その内周面となるベルト基材が定着ローラ121に接触して設けられる。定着装置200は、この定着ベルト201の構成が異なること以外は、第1実施形態の定着装置12と同様に構成される。
定着装置200において、定着ベルト201は、定着ローラ121の外周面に接触するベルト基材と、該ベルト基材の表面に形成されるベルト弾性層と、該ベルト弾性層の表面に形成されるベルト離型層とを備える。この定着ベルト201は、不図示のIH加熱コイルにより加熱される。
定着ベルト201のベルト基材は、IH加熱コイルによって発熱可能なように、Ni(ニッケル)などの金属からなる。このベルト基材の厚さは、35〜70μmが好ましい。本実施形態では、ベルト基材として、Niが用いられ、厚さは50μmである。
定着ベルト201のベルト弾性層は、ゴム弾性を有するものであれば特に制限はないけれども、さらに耐熱性にも優れるものが好ましい。たとえば、シリコンゴム、フッ素ゴム、フルオロシリコンゴムなどが用いられるが、これらの中でも、特にゴム弾性に優れるシリコンゴムが好ましい。定着ベルト201のベルト弾性層の厚さは、200〜250μmであることが好ましい。この厚さの範囲内であれば、ベルト弾性層の弾性効果を維持しつつ、断熱性を低く抑えることができるので、省エネルギー効果が発揮される。また、このベルト弾性層のJIS−A硬さは20度以下である。本実施形態では、ベルト弾性層として、JIS−A硬さが15度で、厚さ200μmのシリコンゴムが使用される。
定着ベルト201のベルト離型層は、PFAまたはPTFEなどのフッ素樹脂からなる層であり、その厚さは10〜15μmである。本実施形態では、ベルト離型層として、厚さ12μmのPFAが使用される。
また、定着ベルト201を介して定着ローラ121と加圧ローラ122とが圧接することで形成される定着ニップ部12aにおいて、その面圧が1.2〜3.0kgf/cmに設定される。
以上のように構成される定着装置200では、不図示の電源回路からIH加熱コイルに電力が供給されることで、定着ベルト201のベルト基材が発熱し、このベルト基材の発熱により定着ベルト201全体が加熱される。定着装置200は、上記のようにして加熱される定着ベルト201と加圧ローラ122とで形成する定着ニップ部12aを、所定の定着速度および複写速度で記録紙127aが通過したとき、記録紙127a上に担持されているトナー像127bを記録紙127a上に加熱加圧して定着する。
本実施形態の定着装置200は、第1実施形態の定着装置12のように加熱ローラ123を用いることなく、IH加熱コイルによりベルト基材を発熱させて定着ベルト201全体を加熱するように構成されているので、定着装置12と比較してウォームアップ時間を短縮することができる。
また、定着装置200において、定着ベルト201のベルト基材は、Niなどの金属により形成されているので、ポリイミドなどの樹脂により形成される前述のベルト基材124aと比較して柔軟性が劣っている。このような特性を有する金属からなるベルト基材の定着ベルト201を用いた場合、通常、定着性が低下するけれども、本実施形態では、定着ベルト201は、ベルト離型層の厚みが10〜15μmで、ベルト弾性層のJIS−A硬さが20度以下であり、さらに、定着ニップ部における面圧が、1.2〜3.0kgf/cmに設定されているので、記録紙127aの表面に形成される凹凸に対する追従性を向上させることができ、これによって定着ベルト201のベルト離型層と接する記録紙127a上のトナー像127bを均一に加熱することができる。
したがって、本実施形態の定着装置200は、記録紙127aにトナー像127bを定着するときの定着性に優れたものとなる。
図4は、本発明の第3実施形態に係る定着装置300の構成を模式的に示す断面図である。本実施形態の定着装置300は、前述した第1実施形態の定着装置12に類似し、対応する部分については同一の参照符を付して説明を省略する。定着装置300は、第1の無端状ベルトとしての定着ベルト303と、第2の無端状ベルトとしての加圧ベルト313とを備えている。定着部は、内部に熱源としての第1ヒータランプ301aを有する第1加熱ローラ301と、第1テンションローラ302と、定着ベルト303と、定着部材としての定着パッド304とで構成され、加圧部は、内部に熱源としての第2ヒータランプ311aを有する第2加熱ローラ311と、第2テンションローラ312と、加圧ベルト313と、加圧部材としての加圧パッド314とで構成されたツインベルト定着装置の構成となっている。
定着ベルト303は、第1加熱ローラ301と第1テンションローラ302との間に張架されてループ状の移動経路を形成する無端状ベルト部材である。定着ベルト303は、第1加熱ローラ301の回転駆動によって従動回転する。
定着ベルト303は、前述した定着装置12が備える定着ベルト124と同様に、ベルト基材と、該ベルト基材の表面に形成されるベルト弾性層と、該ベルト弾性層の表面に形成されるベルト離型層とを含む3層構造よりなる。
この定着ベルト303のベルト基材を形成する材料としては、耐熱性および耐久性に優れるものであれば特に制限されず、たとえば、耐熱性合成樹脂が用いられる。耐熱性合成樹脂の中でも、ポリイミド(PI)またはポリアミドイミド(PAI)などが好ましい。これらの樹脂は、強度、耐熱性、価格性等に優れている。定着ベルト303のベルト基材の厚さは、50〜90μmが好ましい。本実施形態では、ベルト基材として、ポリイミドが用いられ、厚さは70μmである。
定着ベルト303のベルト弾性層を構成する材料としては、ゴム弾性を有するものであれば特に制限はないけれども、さらに耐熱性にも優れるものが好ましい。たとえば、シリコンゴム、フッ素ゴム、フルオロシリコンゴムなどが用いられるが、これらの中でも、特にゴム弾性に優れるシリコンゴムが好ましい。定着ベルト303のベルト弾性層の厚さは、200〜250μmであることが好ましい。この厚さの範囲内であれば、ベルト弾性層の弾性効果を維持しつつ、断熱性を低く抑えることができるので、省エネルギー効果が発揮される。また、このベルト弾性層のJIS−A硬さは20度以下である。本実施形態では、ベルト弾性層として、JIS−A硬さが15度で、厚さ200μmのシリコンゴムが使用される。
定着ベルト303のベルト離型層は、PFAまたはPTFEなどのフッ素樹脂からなる層であり、その厚さは10〜15μmである。本実施形態では、ベルト離型層として、厚さ12μmのPFAが使用される。
第1加熱ローラ301は、駆動手段によって中心軸まわりに回転駆動されるローラ部材であり、略円筒形の形状を有し、略円筒形の中心軸から外周に向かって赤外線吸収層、芯金および保護層が形成された3層構造からなる。赤外線吸収層は、耐熱性のカーボン含有塗料が芯金内側に塗装、焼成されることによって形成される。芯金には、たとえば、鉄、ステンレス鋼、アルミニウム、銅などの金属またはそれらの合金が用いられる。保護層としては、定着ベルト303に対する駆動力を高めるためにシリコンゴムが適している。本実施形態では、第1加熱ローラ301は、その直径が35mmであり、芯金として肉厚が1.0mmである中空アルミニウムが用いられる。
第1テンションローラ302は、略円筒状の形状を有するローラ部材であり、第1加熱ローラ301とともに定着ベルト303を張架する。第1テンションローラ302は、定着ベルト303の回転に従動して回転する。本実施形態では、第1テンションローラ302は、その直径が20mmであり、肉厚が2.0mmである中空アルミニウムが用いられる。
加圧ベルト313は、第2加熱ローラ311と第2テンションローラ312との間に張架されてループ状の移動経路を形成する無端状ベルト部材である。加圧ベルト313は、第2加熱ローラ311の回転駆動によって従動回転する。
加圧ベルト313は、加圧ベルト基材と、該加圧ベルト基材の表面に形成される加圧ベルト離型層とを含む2層構造よりなる。
この加圧ベルト313の加圧ベルト基材を形成する材料としては、耐熱性および耐久性に優れるものであれば特に制限されず、たとえば、耐熱性合成樹脂が用いられる。耐熱性合成樹脂の中でも、ポリイミド(PI)またはポリアミドイミド(PAI)などが好ましい。これらの樹脂は、強度、耐熱性、価格性等に優れている。加圧ベルト313の加圧ベルト基材の厚さは、50〜90μmが好ましい。本実施形態では、加圧ベルト基材として、ポリイミドが用いられ、厚さは70μmである。
加圧ベルト313の加圧ベルト離型層は、PFAまたはPTFEなどのフッ素樹脂からなる層であり、その厚さは20〜50μmである。本実施形態では、加圧ベルト離型層として、厚さ30μmのPFAチューブが使用される。
第2加熱ローラ311は、駆動手段によって中心軸まわりに回転駆動されるローラ部材であり、上記の第1加熱ローラ301と同様に、略円筒形の形状を有し、略円筒形の中心軸から外周に向かって赤外線吸収層、芯金および保護層が形成された3層構造からなる。本実施形態では、第2加熱ローラ311は、その直径が35mmであり、芯金として肉厚が1.0mmである中空アルミニウムが用いられる。
第2テンションローラ312は、略円筒状の形状を有するローラ部材であり、第2加熱ローラ311とともに加圧ベルト313を張架する。第2テンションローラ312は、加圧ベルト313の回転に従動して回転する。本実施形態では、第2テンションローラ312は、その直径が20mmであり、肉厚が2.0mmである中空アルミニウムが用いられる。
本実施形態の定着装置300では、定着ベルト303と加圧ベルト313との間に幅広い定着ニップ部を形成するために、定着ベルト303を加圧ベルト313に向けて加圧する第1の加圧パッドとしての定着パッド304と、加圧ベルト313を定着ベルト303に向けて加圧する第2の加圧パッドとしての加圧パッド314が設けられる。
定着パッド304および加圧パッド314は装置の不図示の左右の側板間に支持させて配設される。加圧パッド314は、不図示の加圧機構により定着パッド304の方向に、所定の加圧力にて加圧される。
定着パッド304は、たとえばステンレス鋼などの金属からなる基材ブロックの表面に、フッ素樹脂からなる保護層が形成された部材である。加圧パッド314は、たとえばステンレス鋼などの金属からなる基材ブロックの表面に、弾性層が形成され、該弾性層の表面にフッ素樹脂からなる保護層が形成された部材である。
加圧パッド314が定着パッド304の方向に加圧されることによって、定着ベルト303と加圧ベルト313との間に形成される定着ニップ部においては、その面圧が1.2〜3.0kgf/cmに設定され、また定着ニップ幅が15mm程度に設定される。
本実施形態の定着装置300では、定着パッド304および加圧パッド314により定着ニップ幅を広くすることが可能な構成であるので、低温定着が可能であり、また定着温度の変動が少なく温度安定性を向上することができる。
さらに、定着装置300において、定着ベルト303は、ベルト離型層の厚みが10〜15μmで、ベルト弾性層のJIS−A硬さが20度以下である。さらに、定着ニップ部における面圧が、1.2〜3.0kgf/cmに設定される。定着ベルト303におけるベルト離型層の厚み、およびベルト弾性層のJIS−A硬さが上記のように設定され、さらに、定着ニップ部における面圧が上記のように設定されることによって、記録紙127aの表面に形成される凹凸に対する追従性を向上させることができるので、定着ベルト303のベルト離型層と接する記録紙127a上のトナー像127bを均一に加熱することができる。
したがって、本実施形態の定着装置300は、記録紙127aにトナー像127bを定着するときの定着性に優れたものとなる。
図5は、本発明の一実施形態に係る画像形成装置100の構成を模式的に示す概略図である。画像形成装置100は、読み取った原稿の画像データやネットワークなどを介して送信された画像データに基づいて、記録紙127aに対して多色または単色の画像を形成する装置である。画像形成装置100は、露光ユニット1、感光体ドラム3(3a〜3d)、現像装置2(2a〜2d)、帯電装置5(5a〜5d)、クリーニングユニット4(4a〜4d)、中間転写ベルトユニット8、一次転写ローラ6(6a〜6d)、二次転写ローラ11、定着装置12(または定着装置300)、用紙搬送路S(S1〜S3)、給紙カセット10、手差し給紙トレイ20および排紙トレイ15を備えている。
画像形成装置100は、ブラック(K)およびカラー画像を色分解して得られる減法混色の3原色であるシアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の4色の各色相に対応した画像データを用いて、各色相に対応した各画像形成ユニットにおいて画像形成を行う。各画像形成ユニットは、同様の構成であり、たとえば、ブラック(K)の画像形成ユニットは、感光体ドラム3a、現像装置2a、帯電装置5a、一次転写ローラ6aおよびクリーニングユニット4aなどから構成される。シアン(C)の画像形成ユニットは、感光体ドラム3b、現像装置2b、帯電装置5b、一次転写ローラ6bおよびクリーニングユニット4bなどから構成される。マゼンタ(M)の画像形成ユニットは、感光体ドラム3c、現像装置2c、帯電装置5c、一次転写ローラ6cおよびクリーニングユニット4cなどから構成される。イエロー(Y)の画像形成ユニットは、感光体ドラム3d、現像装置2d、帯電装置5d、一次転写ローラ6dおよびクリーニングユニット4dなどから構成される。これらの画像形成ユニットは、中間転写ベルトユニット8の中間転写ベルト7の移動方向に一列に配列されている。
帯電装置5は、感光体ドラム3の表面を所定の電位に均一に帯電させる接触方式のローラ型の帯電器である。ローラ型の帯電装置5に代えて、帯電ブラシを用いた接触方式の帯電器、または、帯電ワイヤを用いた非接触方式の帯電器を用いることもできる。
露光ユニット1は、帯電された感光体ドラム3を入力された画像データに応じて露光することにより、その表面に、画像データに応じた静電潜像を形成する機能を有する。本実施形態では、露光ユニット1として、レーザ照射部および反射ミラーを備えたレーザスキャニングユニット(LSU)を用いる。ただし、露光ユニット1として、発光素子をアレイ状に並べた、たとえばELやLED書込みヘッドを用いてもよい。
現像装置2は、静電潜像が形成された感光体ドラム3の表面にトナーを供給し、静電潜像をトナー像に現像する。現像装置2a〜2dのそれぞれは、ブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)およびイエロー(Y)の各色相のトナーを収納しており、感光体ドラム3a〜3dのそれぞれに形成された各色相の静電潜像を、各色相のトナー像に顕像化する。クリーニングユニット4は、現像・画像転写後における感光体ドラム3上の表面に残留したトナーを除去・回収する。
感光体ドラム3の上方に配置されている中間転写ベルトユニット8は、中間転写ベルト7、中間転写ベルト駆動ローラ71、中間転写ベルトテンション機構73、中間転写ベルト従動ローラ72、一次転写ローラ6(6a〜6d)、および中間転写ベルトクリーニングユニット9を備えている。
中間転写ベルト7は、中間転写ベルト駆動ローラ71、中間転写ベルトテンション機構73、一次転写ローラ6、中間転写ベルト従動ローラ72によって張架され、図5の矢印B方向に回転駆動される。中間転写ベルト7の外周面は、感光体ドラム3d、感光体ドラム3c、感光体ドラム3bおよび感光体ドラム3aにこの順に対向する。この中間転写ベルト7を挟んで各感光体ドラム3a〜3dに対向する位置に、一次転写ローラ6a〜6dが配置されている。中間転写ベルト7が感光体ドラム3a〜3dに対向する位置のそれぞれが一次転写位置である。また、中間転写ベルト7は、厚さ100μm〜150μm程度のフィルムで形成されている。
一次転写ローラ6a〜6dは、中間転写ベルトユニット8の中間転写ベルトテンション機構73の中間転写ローラ取付部に回転可能に支持されている。一次転写ローラ6a〜6dには、感光体ドラム3a〜3dの表面に担持されたトナー像を中間転写ベルト7上に転写するために、トナーの帯電極性と逆極性の一次転写バイアスが定電圧制御によって印加される。これによって、感光体ドラム3a〜3dに形成された各色相のトナー像は、中間転写ベルト7の外周面に順次重ねて転写され、中間転写ベルト7の外周面にフルカラーのトナー像が形成される。
ただし、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)およびブラック(K)の色相の一部のみの画像データが入力された場合には、4つの感光体ドラム3a〜3dのうち、入力された画像データの色相に対応する一部の感光体ドラム3のみにおいて静電潜像およびトナー像の形成が行われる。たとえば、モノクロ画像形成時には、ブラックの色相に対応した感光体ドラム3aのみにおいて静電潜像の形成およびトナー像の形成が行われ、中間転写ベルト7の外周面にはブラックのトナー像のみが転写される。
各一次転写ローラ6a〜6dは、直径8mm〜10mmのステンレスなどの金属を基材とする軸の表面を導電性の弾性材(たとえばEPDM、発泡ウレタンなど)によって被覆して構成されており、導電性の弾性材によって中間転写ベルト7に均一に高電圧を印加する。
各一次転写位置において中間転写ベルト7の外周面に転写されたトナー像は、中間転写ベルト7の回転によって、二次転写ローラ11との対向位置である二次転写位置に搬送される。二次転写ローラ11は、画像形成時において、内周面が中間転写ベルト駆動ローラ71の周面に接触する中間転写ベルト7の外周面に所定のニップ圧で圧接されている。給紙カセット10または手差し給紙トレイ20から給紙された記録紙127aが、二次転写ローラ11と中間転写ベルト7との間を通過する際に、二次転写ローラ11にトナーの帯電極性とは逆極性の高電圧が印加される。これによって、中間転写ベルト7の外周面から記録紙127aの表面にトナー像127bが転写される。
二次転写ローラ11は上記ニップ圧を定常的に得るために、二次転写ローラ11もしくは中間転写ベルト駆動ローラ71の何れか一方を硬質材料(金属など)からなるローラとし、他方を、軟質材料(弾性ゴム、発泡性樹脂など)からなる弾性ローラとする。
また、二次転写位置の近傍には、中間転写ベルト7に担持されたトナー像127bを検出する光学センサ55が配設されている。光学センサ55は、検出した光量に基づいた量の検出電圧を出力する。
なお、感光体ドラム3から中間転写ベルト7に付着したトナーのうち、記録紙127a上に転写されずに中間転写ベルト7上に残存したトナーは、次工程での混色を防止するために、中間転写ベルトクリーニングユニット9によって除去・回収される。中間転写ベルトクリーニングユニット9には、中間転写ベルト7に接触するクリーニング部材としてクリーニングブレードが備えられる。また、クリーニングブレードが接触する中間転写ベルト7は、裏側から中間転写ベルト従動ローラ72で支持されている。
トナー像127bが転写された記録紙127aは、前述した本発明に係る定着装置12(または定着装置200,300)に導かれ、定着ニップ部12aを通過して加熱および加圧を受ける。これによって、トナー像127bが、記録紙127aの表面に堅牢に定着する。トナー像127bが定着した記録紙127aは、排紙ローラ253によって排紙トレイ15上に排出される。
また、画像形成装置100には、給紙カセット10に収納されている記録紙127aを、二次転写ローラ11と中間転写ベルト7との間および定着装置12を経由して、排紙トレイ15に送るための略垂直方向に延びる用紙搬送路S1が設けられている。用紙搬送路S1には、給紙カセット10内の記録紙127aを一枚ずつ用紙搬送路S1内に繰り出すピックアップローラ161、繰り出された記録紙127aを上方に向けて搬送する搬送ローラ251、搬送されてきた記録紙127aを所定のタイミングで二次転写ローラ11と中間転写ベルト7との間に導くレジストローラ14、定着装置12を通過した後の記録紙127aを搬送する搬送ローラ252、記録紙127aを排紙トレイ15に排出する排紙ローラ253が配置されている。
また、画像形成装置100の内部には、手差し給紙トレイ20からレジストローラ14に至る間に、ピックアップローラ162および搬送ローラ254,255,256を配置した用紙搬送路S2が形成されている。さらに、排紙ローラ253から用紙搬送路S1におけるレジストローラ14の上流側に至る間には、用紙搬送路S3が形成されている。
排紙ローラ253は、正逆両方向に回転自在にされており、記録紙127aの片面に画像を形成する片面画像形成時、および、記録紙127aの両面に画像を形成する両面画像形成における第2面画像形成時に正転方向に駆動されて記録紙127aを排紙トレイ15に排出する。一方、両面画像形成における第1面画像形成時には、排紙ローラ253は、用紙の後端が定着装置12を通過するまで正転方向に駆動された後、記録紙127aの後端部を挟持した状態で逆転方向に駆動されて記録紙127aを、搬送ローラ257,258が配置された用紙搬送路S3内に導く。これによって、両面画像形成時に片面のみに画像が形成された記録紙127aは、表裏面および前後端を反転した状態で用紙搬送路S1に導かれる。
レジストローラ14は、給紙カセット10または手差し給紙トレイ20から給紙され、または、用紙搬送路S3を経由して搬送された記録紙127aを、中間転写ベルト7の回転に同期したタイミングで二次転写ローラ11と中間転写ベルト7との間に導く。このため、レジストローラ14は、感光体ドラム3や中間転写ベルト7の動作開始時には回転を停止しており、中間転写ベルト7の回転に先立って給紙または搬送された記録紙127aは、前端をレジストローラ14に当接させた状態で用紙搬送路S1内における移動を停止する。この後、レジストローラ14は、二次転写ローラ11と中間転写ベルト7とが圧接する位置で、記録紙127aの前端部と中間転写ベルト7上に形成されたトナー像127bの前端部とが対向するタイミングで回転を開始する。
本実施形態の画像形成装置100は、記録紙127aにトナー像127bを定着するときの定着性に優れた本実施形態の定着装置12(または定着装置200,300)を備える。そのため、画像形成装置100は、良好な画質品位を有する画像を形成することができる。
1 露光ユニット
2 現像装置
3 感光体ドラム
4 クリーニングユニット
5 帯電装置
6 一次転写ローラ
7 中間転写ベルト
8 中間転写ベルトユニット
9 中間転写ベルトクリーニングユニット
10 給紙カセット
11 二次転写ローラ
12,200,300 定着装置
100 画像形成装置
121 定着ローラ
121a 定着芯金
121b 定着弾性層
122 加圧ローラ
122a 加圧ローラ用ヒータランプ
122b 加圧芯金
122c 加圧弾性層
122d 加圧離型層
123 加熱ローラ
124 定着ベルト
124a ベルト基材
124b ベルト弾性層
124c ベルト離型層

Claims (4)

  1. 記録媒体上のトナー像を加熱加圧して記録媒体上に定着させる定着装置において、
    定着部材と、
    通電によって発熱する発熱源を有する加熱部材と、
    前記定着部材と前記加熱部材との間に張架される無端状の定着ベルトであって、前記定着部材および前記加熱部材と接するベルト基材と、該ベルト基材の表面に形成されるベルト弾性層と、該ベルト弾性層の表面に形成されて記録媒体上のトナー像と接するベルト離型層とを含む定着ベルトと、
    前記定着ベルトを介して前記定着部材に圧接され、前記定着ベルトとの間に記録媒体が通過する領域である定着ニップ部を形成する加圧部材と、を備え、
    前記定着ベルトは、前記ベルト離型層の厚みが10μm以上15μm以下で、前記ベルト弾性層のJIS−A硬さが20度以下であり、
    前記定着ニップ部における面圧は、1.2kgf/cm以上3.0kgf/cm以下であることを特徴とする定着装置。
  2. 前記定着部材は、円筒形状の定着芯金と、該定着芯金の表面に形成される、シリコンスポンジゴムからなる定着弾性層とを含むローラ状の部材であることを特徴とする請求項1に記載の定着装置。
  3. 前記加圧部材は、円筒形状の加圧芯金と、該加圧芯金の表面に形成される、シリコンゴムからなる加圧弾性層と、該加圧弾性層の表面に形成される加圧離型層とを含むローラ状の部材であることを特徴とする請求項1または2に記載の定着装置。
  4. 請求項1〜3のいずれか1つに記載の定着装置を備えることを特徴とする画像形成装置。
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