JP2013130425A - 検量線作成装置、検量線作成方法、及びプログラム、並びに濃度定量装置及び濃度定量方法。 - Google Patents

検量線作成装置、検量線作成方法、及びプログラム、並びに濃度定量装置及び濃度定量方法。 Download PDF

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Abstract

【課題】標的物質濃度を表す際の単位系に依存することなく、濃度の対数値に対する検量線を算出する。
【解決手段】検量線作成装置は、標的物質の濃度値に応じて得られた値を測定値として入力する入力部と、既知の濃度値の標的物質を含む複数の標準サンプルに対して入力された測定値と、該測定値に対応する濃度値との複数のデータ対から、測定値と濃度の対数値とによって張られる平面において濃度方向へのシフト量を示すパラメータを含む関数であってS字曲線を表す関数を用いて、検量線を取得する検量線取得部とを備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、検量線作成装置、検量線作成方法、及びプログラム、並びに濃度定量装置及び濃度定量方法に関する。
免疫学的手法を用いて未知試料内に含まれる標的物質の濃度を定量使用とする場合において、標準サンプルに対する既知濃度値とレスポンス(測定値)との関係から検量線を算出し、算出した検量線を利用して標的物質の濃度を定量する分析法が一般に行われている。検量線の算出は、例えば非特許文献1に記載されているように、レスポンスと濃度との関係を、所定の関数で表される曲線でフィッティングすることにより決定している。
具体的には、次式(1−1)や式(1−2)で表されるフィッティング式における各パラメータ(A,B,C,D,E)の値を決定することにより、検量線の算出が行われている。なお、式(1−1)及び式(1−2)において、xは標準サンプルの濃度値(入力変数)であり、F(x)がレスポンスである。
Figure 2013130425
このような分析法は、医療検査において、生体内分子の血中濃度や薬物の体内動態を知る上で、血中における様々な物質の濃度測定が検査などで行われている。具体的には、標的物質の濃度に応じたレスポンスと、予め求めた検量線とを用いて、標的物質の血中濃度が定量されている。
また、食品検査や食品中に含まれる毒物やアレルギー物質の検出においても、同様に食品から抽出されたサンプル内の標的物質に対する免疫学的手法を用いて、作成された検量線から食品中に含まれる標的物質の濃度が定量されている。
このような定量方法においては、標準サンプルのレスポンス(測定値)を用いてフィッティングした検量線の正確性が、定量分析の正確性に反映されるため非常に重要になる。
Paul G. Gottschalk, John R. Dunn, "The five-parameter logistic: A characterization and comparison with the four-parameter logistic", Analytical Biochemistry, August 2005, Volume 343, p.54-65
上述の分析法において、変数xとして標的物質濃度をとる場合、多くのアプリケーションで必要とされる濃度値の変動幅は10進表示で3桁以上に及ぶことも珍しくない。従って検量線を作成する際に選ばれるデータ点は、対数的にほぼ等間隔配置されることになる。変数xを濃度として式(1−1)又は式(1−2)にフィットするとxの変域が大きいため非線形フィッティングプログラムを精度よく収束させることは一般に難しい。これを回避するには変数xとして濃度の対数値を取ればよいが、従来の4PL(1−1)、5PL(1−2)式を濃度対数値に適用するには以下のような本質的な困難が伴う。即ち、どのような単位系(SI接頭辞)で濃度を表現するかによって対数値は正負両方の値を取り得る。このため、式(1−1)及び式(1−2)において、パラメータCが正であり、かつ入力変数xが負である場合、パラメータBが非整数であるとき、「(x/C)」の値が複素数になり、検量線としてフィッティングできなくなってしまう。また、同様に、パラメータCが負であり、かつ入力変数xが正である場合にも、パラメータBが非整数であるとき、「(x/C)」の値が複素数になり、検量線としてフィッティングできなくなってしまう。
このような場合には、標的物質濃度の値を極めて小さな単位系(あるいは、極めて大きな単位系)で測定した値と解釈しなおして、入力変数xを正(負)の方向にシフトすることが考えられる。このとき、式(1−1)及び式(1−2)を用いたフィッティングにおいて、入力変数xに対するシフト量を変更すると、各パラメータA,B,C,D,Eの値は変化してしまう。これは、入力変数xに対するシフト量に応じて検量線が変化してしまうことを意味する。
しかしながら、入力変数xが示す物理的な量が同じであるにも関わらず、検量線がシフト量に依存するのは不合理であり、定量分析における精度の低下をまねいてしまう。
例えば、図5は、入力変数xに対するシフト量に応じて検量線の変化例を示す図である。同図において、図5(a)は、式(1−2)を用いて、Levenberg−Marquardt法でフィッティングした検量線における各パラメータA,B,C,D,Eの値が示されている。ここでは、入力変数xを1桁、3桁、及び6桁シフトした場合について各パラメータ値が示されている。図5(b)は、入力変数xを1桁、3桁、及び6桁シフトした場合における検量線を示すグラフである。同図において、横軸は標的物質濃度の常用対数値を示し、縦軸は標的物質濃度に対するレスポンス(測定値)を示している。なお、「Shift+1」、「Shift+3」、「Shift+6」は、それぞれが1桁、3桁、6桁シフトした場合の結果を示している。
同図が示すように、入力変数xが示す物理的な量は同じであるにも関わらず、得られる検量線の形状がシフト量に応じて変化してしまっている。
このように、非特許文献1において示されている検量線の算出方法を濃度の対数値に適用しようとすると、単位系に応じて、得られる検量線の形状が変化してしまい、検量線の正確性が低下してしまうという問題がある。また、検量線の精度は、定量分析の精度に反映されるため、定量分析の精度が変化してしまう。
本発明は、上記問題を解決すべくなされたもので、その目的は、標的物質濃度を表す際の単位系に依存することなく、濃度の対数値に対する検量線を算出することができる検量線作成装置、検量線作成方法、及びプログラム、並びに濃度定量装置及び濃度定量方法を提供することにある。
上記問題を解決するために、本発明は、標的物質の濃度値に応じて得られた値を測定値として入力する入力部と、既知の濃度値の前記標的物質を含む複数の標準サンプルに対して前記入力された測定値と、該測定値に対応する濃度値との複数のデータ対から、測定値と濃度の対数値とによって張られる平面において濃度方向へのシフト量を示すパラメータを含む関数であってS字曲線を表す関数を用いて、検量線を取得する検量線取得部とを備えることを特徴とする検量線作成装置である。
また、本発明は、上記に記載の発明において、前記検量線取得部は、前記濃度値をxとしたときに次式(A1)で表される関数fの値と、前記濃度値xに対応する前記測定値との差の二乗和を最小にするパラメータA,B,C,D,E,Fを非線形最小二乗法により定めることにより、前記検量線を算出することを特徴とする。
Figure 2013130425
また、本発明は、上記に記載の発明において、前記検量線取得部は、前記測定値と前記濃度値とを0から1までの範囲に変換する規格化を行い、規格化された前記測定値と前記濃度値とのデータ対から前記検量線を算出することを特徴とすることを特徴とする。
また、本発明は、上記に記載の発明において、前記検量線取得部は、前記濃度値を0から1までの範囲内において0を含まない範囲に規格化することを特徴とする。
また、本発明は、上記に記載の発明において、前記検量線取得部は、前記パラメータA,B,C,D,E,Fに対して前記規格化に対応する変換を行い、前記検量線を算出することを特徴とする。
また、上記問題を解決するために、本発明は、標的物質の濃度値に応じて得られた値を測定値として入力する入力ステップと、既知の濃度値の前記標的物質を含む複数の標準サンプルに対して前記入力された測定値と、該測定値に対応する濃度値との複数のデータ対から、測定値と濃度の対数値とによって張られる平面において濃度方向へのシフト量を示すパラメータを含む関数であってS字曲線を表す関数を用いて、検量線を取得する検量線取得ステップとを有することを特徴とする検量線作成方法である。
また、上記問題を解決するために、本発明は、標的物質の濃度値に応じて得られた値を測定値として入力する入力ステップと、既知の濃度値の前記標的物質を含む複数の標準サンプルに対して前記入力された測定値と、該測定値に対応する濃度値との複数のデータ対から、測定値と濃度の対数値とによって張られる平面において濃度方向へのシフト量を示すパラメータを含む関数であってS字曲線を表す関数を用いて、検量線を取得する検量線取得ステップとをコンピュータに実行させるためのプログラムである。
また、上記問題を解決するために、本発明は、標的物質の濃度値に応じて得られた値を測定値として出力する測定部と、既知の濃度値の前記標的物質を含む複数の標準サンプルに対して前記測定部が出力する測定値と、該測定値に対応する濃度値との複数のデータ対から、測定値と濃度の対数値とによって張られる平面において濃度方向への平行移動を示すパラメータを含む関数であってS字曲線を表す関数を用いて、検量線を取得する検量線取得部と、未知の濃度値の前記標的物質を含む未知試料に対して前記測定部が出力する測定値と、前記検量線とから、前記未知試料に含まれている前記標的物質の濃度値を算出する定量演算部とを具備することを特徴とする濃度定量装置である。
また、上記問題を解決するために、本発明は、標的物質の濃度値に応じて得られた値を測定値として出力する測定ステップと、既知の濃度値の前記標的物質を含む複数の標準サンプルに対して前記測定ステップにおいて出力された測定値と、該測定値に対応する濃度値との複数のデータ対から、測定値と濃度の対数値とによって張られる平面において濃度方向へのシフト量を示すパラメータを含む関数であってS字曲線を表す関数を用いて、検量線を取得する検量線取得ステップと、未知の濃度値の前記標的物質を含む未知試料に対して前記測定部が出力する測定値と、前記検量線とから、前記未知試料に含まれている前記標的物質の濃度値を算出する定量演算ステップとを有することを特徴とする濃度定量方法である。
この発明によれば、算出される検量線は、濃度の対数値と測定値とにより張られる平面において濃度方向に平行移動するパラメータを用いて取得されたS字曲線となる。それにより、標的物質の濃度値に応じて得られる値を表す際の単位系(桁数)を変更した場合、検量線は単位系の変更に応じて濃度方向に平行移動することになる。すなわち、標的物質の測定において用いられる単位系に依存せずに、検量線を算出することができる。
本実施形態における濃度定量装置1の構成を示す概略ブロック図である。 規格化部21による変換により、各標準サンプルに対する濃度値(x)及び測定値(y)が写像される領域を示す図である。 本実施形態における濃度定量装置1を用いた定量分析処理のフローチャートである。 本実施形態において検量線算出部22がフィッティングした検量線の例を示す図である。 入力変数xに対するシフト量に応じて検量線の変化例を示す図である。
以下、図面を参照して、本発明に係る一実施形態における濃度定量装置、検量線作成装置、検量線作成方法、及びプログラムを説明する。
図1は、本実施形態における濃度定量装置1の構成を示す概略ブロック図である。同図に示すように、濃度定量装置1は、測定部10と、検量線取得部20と、定量演算部30とを具備している。
測定部10は、試料に含まれる標的物質の濃度に応じた測定値(レスポンス)を出力する。例えば、測定部10は、水晶発振マイクロバランス法(Quarts Crystal Microbalance:QCM)を利用したバイオセンサーにより、濃度に応じた測定値を出力する。バイオセンサーは、水晶振動子の表面に電極が設けられている構成を有している。測定部10は、バイオセンサーが標的物質を含む溶液中(標準サンプルや未知試料)に浸された際に、バイオセンサーの電極表面に標的物質が結合することにより変化する水晶振動子の共振周波数を検出する。測定部10は、検出した共振周波数を測定値として出力する。
検量線取得部20は、既知の濃度の標的物質を含む複数の標準サンプルに対して測定部10が出力する各測定値に基づいて、当該標的物質に対する検量線を取得する。
定量演算部30は、検量線取得部20が取得した検量線と、未知の濃度の標的物質を含む未知試料に対する測定部10が出力する測定値とに基づいて、当該未知試料に含まれる標的物質の濃度を算出して出力する。具体的には、定量演算部30は、検量線取得部20が取得した検量線上において、未知試料に対する測定値に対応する濃度値を算出する。
検量線取得部20は、規格化部21と、検量線算出部22と、復元部23と、検量線記憶部24とを備えている。規格化部21は、測定部10が複数の標準サンプルに対する測定を行った際に出力する測定値を、測定値の最大値及び最小値に基づいて、0から1までの区間に含まれる値に写像して規格化する。また、規格化部21は、各測定値に対応する標的物質の濃度値を、濃度値の最大値及び最小値に基づいて0から1までの区間に含まれる値に写像して規格化する。
規格化部21における濃度値(x)と測定値(y)とに対する規格化は、具体的には、次式(2)において算出される(x,y)と(Δx,Δy)とを用いて行われる。
Figure 2013130425
ここで、ε、εは予め定められた正の定数である。次式(3)で表されるように、xmax,xminは各標準サンプルに対する濃度値の最大値、最小値である。ymax,yminは各標準サンプルに対する測定値の最大値、最小値である。
Figure 2013130425
規格化部21は、式(2)で算出される(x,y)と(Δx,Δy)を用いて、(x,y)を次式(4−1)及び式(4−2)で表される(X,Y)に変換する。
Figure 2013130425
図2は、規格化部21による変換により、各標準サンプルに対する濃度値(x)及び測定値(y)が写像される領域を示す図である。同図に示すように、各標準サンプルに対する濃度値(x)及び測定値(y)の組み合わせで示される点は、濃度値と測定値とによって張られる平面における単位正方[0,1]×[0,1]領域内の矩形領域40に写像される。規格化部21は、矩形領域40に写像した各点の座標を検量線算出部22に出力する。
検量線算出部22は、規格化された測定値と濃度値との複数の組み合わせ(X,Y)(i=1,2,…,N)から、シグモイド曲線(又はS字曲線)を各組み合わせでプロットされる点にフィッティングする。具体的には、次式(5−1)で表されるシグモイド曲線におけるパラメータA’,B’,C’,D’,E’,F’を、濃度値(X)と測定値(Y)とのN個の組み合わせ(X,Y)を用いて、次式(5−2)で算出される分散Sを最小化するように決定する。
Figure 2013130425
パラメータA’〜F’を決定する際に、検量線算出部22は、Levenberg−Marquardt法や、Gauss−Newton法、Newton−Raphson法、勾配法などの非線形最小二乗法を用いる。
復元部23は、規格化部21における規格化に対応する変換を、検量線算出部22が算出したパラメータA’〜F’に対して行い、パラメータA〜Fを算出する復元を行う。また、復元部23は、算出したパラメータA〜Fを検量線記憶部24に記憶させる。
検量線記憶部24は、パラメータA〜Fを記憶することにより、標準サンプルの測定値に基づいてフィッティングされた検量線を記憶する。
ここで、復元部23における各パラメータ値の復元について説明する。復元部23における各パラメータ値の復元は、次式(6)を用いて、パラメータA’,B’,C’,D’,E’,F’からパラメータA,B,C,D,E,Fを算出する。
Figure 2013130425
図3は、本実施形態における濃度定量装置1を用いた定量分析処理のフローチャートである。
濃度定量装置1は、定量分析処理が開始されると、測定部10が予め用意されたN個の標準サンプルそれぞれに対して測定を行い、測定値(y;(i=1,2,…,N))と標準サンプルにおける標的物質の濃度値(x)とが標準サンプルごとに規格化部21に入力される(ステップS101)。
規格化部21は、式(4−1)及び式(4−2)を用いて、濃度値(x)と測定値(y)とのデータ対を(X,Y)に変換する規格化を行い、検量線算出部22に出力する(ステップS102)。
検量線算出部22は、各標準サンプルに対応し規格化されたデータ対(X,Y)に対して、式(5−1)で表されるシグモイド曲線(S字曲線)をフィッティングし、パラメータA’〜F’を決定して検量線を算出する(ステップS103)。
復元部23は、検量線算出部22がフィッティングしたシグモイド曲線を表すパラメータA’〜F’を、式(6)を用いて復元し(ステップS104)、復元したパラメータA〜Fを検量線記憶部24に記憶させる(ステップS105)。
検量線が算出された後、測定部10は、標的物質の濃度が未知の未知試料に対する測定を行い(ステップS106)、未知試料に対する測定値(Y)を定量演算部30に出力する。
定量演算部30は、未知試料に対する測定値(Y)が入力されると、検量線を示すパラメータA〜Fを検量線記憶部24から読み出し、読み出したパラメータA〜Fを次式(7)に代入し、測定値(Y)に対応する濃度値(X)を算出する(ステップS107)。以降、標的物質が変更されるまではステップS106とステップS107を繰り返すのみでよい。
Figure 2013130425
また、ステップS103において、検量線算出部22がフィッティングをする際のパラメータA’〜F’に対する初期値は、以下の手順で決定するようにしてもよい。
まず、各標準サンプルに対応したデータ(X,Y)(i=1,2,…,N)をXの小さい順に並べ(すなわち、Xmin=X,Xmax=X)、各パラメータA’〜F’の初期値を、次式(9)を用いて定める。
Figure 2013130425
ここで、式(9)は、初期曲線の変曲点がXの中心値(=(X+X)/2)にあり、かつ(X,Y),(X、Y)の2点が曲線上にあることを要求している初期値となっている。
図4は、本実施形態において検量線算出部22がLevenberg−Marquardt法を用いてフィッティングした検量線の例を示す図である。ここでは、式(2)における(ε,ε)を(0.5,0.1)とした場合を示している。
図4(a)には、各標準サンプルの濃度値を1桁(Shift+1)、3桁(Shift+3)、及び6桁(Shift+6)シフトした場合において、算出された各パラメータA〜Fの値が示されている。図4(b)には、各標準サンプルの濃度値を1桁、3桁、及び6桁シフトした場合における検量線が示されている。同図において、横軸は標的物質の濃度値に対する常用対数値を示し、縦軸は標的物質の濃度値に対するレスポンス(測定値)を示している。
濃度定量装置1において、濃度値のシフト量を相殺するパラメータF’を導入した式(5−1)を用いて検量線算出部22がフィッティングを行うようにしたので、入力される濃度値におけるシフト量に関わらず、パラメータA〜Eの値が同じになっている。すなわち、濃度定量装置1は、図4(b)に示されているように、入力される濃度値におけるシフト量によらず同じ形状を有する検量線を得ることができる。換言すると、濃度値のシフト量は濃度方向における平行移動として検量線に反映されるため、シフト量が検量線の形状に及ぼす影響を抑えることができる。
このように、本実施形態における濃度定量装置1は、データ対(濃度値と測定値)をいかなる単位系で表現しても、フィッティングの結果得られる本質的な2つの冪パラメータ(B,E)を安定して定めることができる。検量線取得部20が標的物質濃度を表す際に単位系に依存しない検量線を取得することができるので、定量演算部30は標的物質濃度を表す際に単位系に依存することなく定量分析を行うことができ、その精度を向上させることができる。
また、式(1−1)や式(1−2)では、濃度値の単位系の与え方によって(x/C)が負の値となり、(x/C)が複素数になってしまいフィッティングのパラメータ探査の途中において計算不能に陥る事象が起きうる。これに対し、本実施形態では、濃度値のシフト量を相殺するパラメータFを導入したことにより、((X−F)/C)が負の値になる可能性を低減し、計算不能に陥ることを抑制することができる。
また、規格化部21は、検量線の算出に用いる濃度値(x)及び測定値(y)を[0,1]×[0,1]領域を縮小した矩形領域40に写像して、規格化を行っている。これにより、式(5−1)におけるF’=0を初期値としてもフィッティング中のパラメータ探査の途中で、((X−F)/C)が負の値になる可能性を更に低減し、計算不能に陥ることを抑制するとともに、収束性を高めて検量線の算出に要する時間を削減することができる。例えば、図4に示した例において、フィッティング中のパラメータ探査における繰り返し計算における分散Sの相対変動値が10−4以下になることを収束条件とした場合、収束に要する計算回数は、規格化すると19回であり、規格化しないと170回であった。なお、εの値を0.4,0.5,0.6とした場合に、収束に要する計算回数は99回、19回、126回となり、計算回数はεにも依存している。
また、規格化を行うことにより、検量線の算出において生じる桁落ちや丸め誤差の影響を低減することができ、検量線の精度を向上させることができる。
なお、上述の実施形態において測定部10はQCMを用いて標的物質の濃度に応じた測定値を出力する構成について説明したが、本発明はこれに限定されない。標的物質の濃度に応じた測定値を得る手法は、抗原抗体反応などの分子間相互作用が利用でき、非線形フィッティングが行えればよく、例えば、表面プラズモン共鳴測定法(Surface Plasmon Resonance:SPR)や、酵素免疫学的測定法(ELISA法)、ラテックス凝集比濁法、ラジオアイソトープ放射活性測定法、酵素標識抗体による化学発光測定法、蛍光偏向免疫法などを用いるようにしてもよい。
また、上述の実施形態において、規格化部21は濃度値と測定値とのデータ対を矩形領域40に写像する規格化を行う構成について説明した。しかし、規格化部21による規格化において、規格化後の濃度値が0を含まない範囲、例えば、[ε/(1+2ε),1]×[0,1]領域に写像する規格化を行うようにしてもよい。
また、式(5−2)で与えられる分散の代わりに、総和記号内の各項に濃度の正定値関数w(x)を乗じた重みつき分散を用いてもよい。
なお、本発明の濃度定量装置における検量線取得部及び定量演算部の機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより定量分析処理を行ってもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータシステム」は、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)を備えたWWWシステムも含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。更に「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(RAM)のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。
また、上記プログラムは、このプログラムを記憶装置等に格納したコンピュータシステムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピュータシステムに伝送されてもよい。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワーク(通信網)や電話回線等の通信回線(通信線)のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良い。更に、前述した機能をコンピュータシステムに既に記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であっても良い。
1…濃度定量装置
10…測定部
20…検量線取得部(入力部)
21…規格化部
22…検量線算出部
23…復元部
24…検量線記憶部
30…定量演算部
40…矩形領域

Claims (9)

  1. 標的物質の濃度値に応じて得られた値を測定値として入力する入力部と、
    既知の濃度値の前記標的物質を含む複数の標準サンプルに対して前記入力された測定値と、該測定値に対応する濃度値との複数のデータ対から、測定値と濃度の対数値とによって張られる平面において濃度方向へのシフト量を示すパラメータを含む関数であってS字曲線を表す関数を用いて、検量線を取得する検量線取得部と
    を備えることを特徴とする検量線作成装置。
  2. 請求項1に記載の検量線作成装置であって、
    前記検量線取得部は、
    前記濃度値をxとしたときに次式(A1)で表される関数fの値と、前記濃度値xに対応する前記測定値との差の二乗和を最小にするパラメータA,B,C,D,E,Fを非線形最小二乗法により定めることにより、前記検量線を算出する
    Figure 2013130425
    ことを特徴とする検量線作成装置。
  3. 請求項2に記載の検量線作成装置であって、
    前記検量線取得部は、
    前記測定値と前記濃度値とを0から1までの範囲に変換する規格化を行い、規格化された前記測定値と前記濃度値とのデータ対から前記検量線を算出する
    ことを特徴とする検量線作成装置。
  4. 請求項3に記載の検量線作成装置であって、
    前記検量線取得部は、
    前記濃度値を0から1までの範囲内において0を含まない範囲に規格化する
    ことを特徴とする検量線作成装置。
  5. 請求項3又は請求項4に記載の検量線作成装置であって、
    前記検量線取得部は、
    前記パラメータA,B,C,D,E,Fに対して前記規格化に対応する変換を行い、前記検量線を算出する
    ことを特徴とする検量線作成装置。
  6. 標的物質の濃度値に応じて得られた値を測定値として入力する入力ステップと、
    既知の濃度値の前記標的物質を含む複数の標準サンプルに対して前記入力された測定値と、該測定値に対応する濃度値との複数のデータ対から、測定値と濃度の対数値とによって張られる平面において濃度方向へのシフト量を示すパラメータを含む関数であってS字曲線を表す関数を用いて、検量線を取得する検量線取得ステップと
    を有することを特徴とする検量線作成方法。
  7. 標的物質の濃度値に応じて得られた値を測定値として入力する入力ステップと、
    既知の濃度値の前記標的物質を含む複数の標準サンプルに対して前記入力された測定値と、該測定値に対応する濃度値との複数のデータ対から、測定値と濃度の対数値とによって張られる平面において濃度方向へのシフト量を示すパラメータを含む関数であってS字曲線を表す関数を用いて、検量線を取得する検量線取得ステップと
    をコンピュータに実行させるためのプログラム。
  8. 標的物質の濃度値に応じて得られた値を測定値として出力する測定部と、
    既知の濃度値の前記標的物質を含む複数の標準サンプルに対して前記測定部が出力する測定値と、該測定値に対応する濃度値との複数のデータ対から、測定値と濃度の対数値とによって張られる平面において濃度方向への平行移動を示すパラメータを含む関数であってS字曲線を表す関数を用いて、検量線を取得する検量線取得部と、
    未知の濃度値の前記標的物質を含む未知試料に対して前記測定部が出力する測定値と、前記検量線とから、前記未知試料に含まれている前記標的物質の濃度値を算出する定量演算部と
    を具備することを特徴とする濃度定量装置。
  9. 標的物質の濃度値に応じて得られた値を測定値として出力する測定ステップと、
    既知の濃度値の前記標的物質を含む複数の標準サンプルに対して前記測定ステップにおいて出力された測定値と、該測定値に対応する濃度値との複数のデータ対から、測定値と濃度の対数値とによって張られる平面において濃度方向へのシフト量を示すパラメータを含む関数であってS字曲線を表す関数を用いて、検量線を取得する検量線取得ステップと、
    未知の濃度値の前記標的物質を含む未知試料に対して前記測定部が出力する測定値と、前記検量線とから、前記未知試料に含まれている前記標的物質の濃度値を算出する定量演算ステップと
    を有することを特徴とする濃度定量方法。
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