JP2013130127A - 内燃機関の排気浄化装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】内燃機関1の排気浄化装置5は、内燃機関の排気管2に設けられて排ガスを攪拌するためのミキサー20を備え、ミキサーは、排ガスに旋回流を発生させるために、ミキサーの中心軸22側から環状枠21側に向かって延びる複数の旋回翼30を備える。旋回翼は、ミキサーの中心軸側に流入する排ガスに、法線流43aまたは弱い旋回流43bを発生させる一方、ミキサーの環状枠21側に流入する排ガスに、強い旋回流43c、43dを発生させるように構成される。
【選択図】図8
Description
この種のミキサーには、ミキサーの中央部が塞がれたものがある。
また、ミキサーの中央部にホール状の穴(センターホール)を設けたものもある(特許文献1参照)。
ミキサー後端側中央部に析出物が堆積すると、ミキサーの下流に配置される触媒に還元剤を正常に供給できなくなり、NOxの浄化率が悪化する。
また、析出物の堆積により流路断面積が減少するため、圧力損失が増大する。
そのため、還元剤および排ガスを均質にして触媒に導入することができ、中央部が塞がれたタイプの従来のミキサーに比べて、NOxの浄化率が向上する。
また、センターホールを通ってガスが抜けるため、中央部が塞がれたタイプの従来のミキサーに比べて、圧力損失が低減する。
すなわち、センターホールタイプのミキサーの場合、インジェクタで噴射した還元剤の液滴の一部が、ミキサーに衝突せずにセンターホールからすり抜けてしまい、触媒中央部への還元剤および排ガスの均質供給が悪化する。
しかし、この対策によっても、還元剤の液滴は、実際には、ガス流の影響によって剪断されて噴射の軌道が変わる。そのため、還元剤の液滴が、センターホール以外のミキサーの領域に確実に衝突するように管理することは、難しい。
前記旋回翼は、前記ミキサーの中心部側に流入する排ガスに、法線流(例えば、後述の法線流43a)または弱い旋回流(例えば、後述の弱い旋回流43b)を発生させる一方、前記ミキサーの前記排気通路内周部側に流入する排ガスに、強い旋回流(例えば、後述の強い旋回流43c、43d)を発生させるように構成される。
具体的には、旋回翼が、ミキサーの排気通路内周部側に流入する排ガスに、強い旋回流を発生させるのとは対照的に、ミキサーの中心部側に流入する排ガスに、法線流または弱い旋回流を発生させる。
これにより、ミキサーの中心部側に流入する排ガスが旋回翼と衝突することに伴う圧力損失は明らかに低減し、したがって、ミキサー全体としての圧力損失を低減することができる。
また、ミキサーの中心部側に流入する排ガスは、法線流または弱い旋回流として中心部の下流側に流れるため、ミキサーの下流側において、中心部側から排気通路の内周部側まで均質な排ガスを供給することができる。
これにより、ミキサーの排気通路内周部側に流入する排ガスを、適切かつ効果的に攪拌することができる。
また、ミキサー後の中心部にガス流が確保されるので、還元剤の析出を抑制することができる。
インジェクタ噴射方向からみてミキサー流入口に旋回翼が抜けなく詰まった構造となっているため、噴射した還元剤を確実にスプラッシングでき、還元剤の霧化を促進することができる。
前記ミキサーの中心部側に流入する排ガスに、法線流または弱い旋回流を発生させる一方、前記ミキサーの前記排気通路の内周部側に流入する排ガスに、強い旋回流を発生させるように、前記ミキサーの前記中心部から前記排気通路の内周部に向かって延びる複数の旋回翼の形状を形成し、
前記形成した複数の旋回翼を、前記ミキサーの環状枠内に配置し、
前記各旋回翼の外方端部を前記環状枠に固着する。
これにより、旋回翼が、ミキサーの排気通路内周部側に流入する排ガスに、強い旋回流を発生させるのとは対照的に、ミキサーの中心部側に流入する排ガスに、法線流または弱い旋回流を発生させることができる。
図1は、本発明の内燃機関1の排気浄化装置5の一実施形態を示す概略的構成図である。
最上流側に配置される尿素水噴射装置10は、最下流側に配置されるNOx浄化触媒50の上流側の排気管2内に、還元剤としての尿素水を噴射して供給する。
排気管2の尿素水噴射装置10とNOx浄化触媒50との間に配置されるミキサー20は、尿素水噴射装置10により噴射された尿素水と排ガスとを攪拌混合する。
尿素水噴射ノズル13は、排気管2の内部に配置され、ノズル先端から噴射した尿素水が後述する旋回翼30に衝突する位置に位置決めされる。
NOx浄化触媒50は、尿素水噴射装置10により供給された尿素水が加水分解して生成したNH3を捕捉する。
NOx浄化触媒50は、少なくともNOx浄化機能を有し、捕捉しまたは供給されたNH3を用いて、排ガス中のNOxを還元浄化する。
ミキサー20には、内燃機関1から排気管2内を流れてくる排ガス、および尿素水噴射装置10の尿素水噴射ノズル13から噴射される尿素水の液滴が、導入される。導入された尿素水の液滴は、後述する複数の旋回翼30に当たって細かくなりながら、排ガスとともに、複数の旋回翼30間に形成される流路を通る。このとき、ミキサー20は、旋回翼30がその流れ方向を調整することによって、排ガスおよび尿素水液滴を攪拌混合して、NOx浄化触媒50に供給する。
ミキサー20の旋回翼30は、ミキサー20の排気管2の内周部側(すなわち、ミキサー20の環状枠21側)に流入する排ガスに、強い旋回流を発生させる。
図7は、ミキサー20の1枚の旋回翼30の正面図であり、図8は平面図、図9は右側から後述する後方縁35を垂直方向からみた図、図10は左側面図である。図11は、旋回翼30が図10の43a〜43dの位置で発生させる旋回流を示す概略的平面図である。
各旋回翼30は、ミキサー20の前端側(上流側)に位置する前方縁31、ミキサー20の中心軸22側に位置する内方縁33、ミキサー20の後端側(下流側)に位置する後方縁35、およびミキサー20の環状枠21側に位置する外方縁37を備える。
旋回翼30の内方縁33は、ミキサー20の中心軸22に沿って直線状に延びる。
旋回翼30の後方縁35は、ミキサー20の中心軸22から環状枠21まで、半径方向に沿って直線状に延びる。
旋回翼30の外方縁37は、ミキサー20の環状枠21の内周面に沿って曲線状に延びる。
内方縁33の後方端と、後方縁35の内方端とは、交点34で、互いにほぼ90°の角度をもって交わる。
後方縁35の外方端と、外方縁37の後方端とは、交点36で、互いにほぼ90°の角度をもって交わる。
外方縁37の前方端と、前方縁31の外方端とは、交点38で、互いにほぼ90°の角度をもって交わる。
図8に示すように、外方縁37は、ミキサー20の環状枠21の内周面に沿って、前方縁31との交点38から、後方縁35との交点36に向けて、大きな曲線を描くように形成される。
この突出部40は、旋回翼30を構成する面の湾曲によって形成されるため、図7〜図10には線として現れない。
しかし、この突出部40は、旋回翼30ひいてはミキサー20にとって非常に重要な要素である。そこで、図9、図10に、ドットで描く帯として突出部40を表現する。
突出部40は、図9では、奥側に向かって突出する。突出部40は、図10では、手前側に向かって突出する。
内方側領域41のうち、旋回翼30の内方縁33に近い領域では、ミキサー20の前端部から流入したガス流が、ほぼ直線状に流れるように、旋回翼30の湾曲形状は形成される。
より詳細には、法線流43aは、図11において、ごくわずか左に動いて直線状に流れる。左への動きは、無視できる程度のものである。
より詳細には、弱い旋回流43bは、図11において、一旦方向をわずかに左に変え、その後方向を元に戻して流れる。つまり、弱い旋回流43bは、基本的に、法線流が左にシフトするものである。
外方側領域42のうち、旋回翼30の外方縁37から遠い領域では、ミキサー20の前端部から流入したガス流が、一方向に曲がった後、反対方向に大きく曲がって流れるように、旋回翼30の湾曲形状は形成される。
より詳細には、強い旋回流43cは、図11において、まず右に曲がった後、左に曲がって元に戻すだけでなく、さらに大きく左に曲がって、左を向いて流れる。
より詳細には、さらに強い旋回流43dは、図11において、まず右に大きく曲がった後、左にさらに大きく曲がって、左を向いて流れる。
第1に、弱い旋回流43bと、強い旋回流43c、43dとは、曲がる方向が異なる。弱い旋回流43bは、左に向いた後、元の向きに戻る。一方、強い旋回流43c、43dは、右に曲がった後、左に大きく曲がる。
図13〜図16では、図3〜図5、図9で示した対応する図に用いた符号に100を加えた符号を付けることによって、図3〜図5、図9における各部との対応関係を示す。
(1)旋回翼30が、ミキサー20の環状枠21側(排気管2の内周部側)に流入する排ガスに、強い旋回流43c、43dを発生させるのとは対照的に、ミキサー20の中心軸22側(中心部側)に流入する排ガスに、法線流43aまたは弱い旋回流43bを発生させる。そのため、ミキサー20の中心軸22側に流入する排ガスが旋回翼30と衝突することに伴う圧力損失は明らかに低減し、したがって、ミキサー20全体としての圧力損失を低減することができる。
図12に示すように、旋回翼30Aには、複数の貫通穴45が形成されている。
具体的には、複数の貫通穴45は、旋回翼30Aの後端側に形成されている。
この旋回翼30Aを複数備えるミキサーは、図示してないが、複数の貫通穴45を備える点を除いて、第1実施形態に係るミキサー20と同様のものである。
(7)ミキサーの旋回翼30Aに、複数の貫通穴45が形成される。そのため、内燃機関1の排気管2の終端付近に設けられるサイレンサーによる消音機能の一部を、ミキサーの旋回翼30Aにもたせることができる。
(8)複数の貫通穴45は、旋回翼30Aの後端側に形成される。そのため、旋回翼30Aの前端側には貫通穴45が形成されないので、還元剤の液滴(尿素水)の加水分解に影響を及ぼさない。そして、旋回翼30Aの後端側に形成される貫通穴45によって、サイレンサーによる消音機能の一部を達成することができる。
(9)ミキサーの圧力損失によるガス流量低下に対しては、サイレンサー等の流動抵抗を低減させることにより補填可能である。しかし、それでは排気騒音、排気音が悪化するという懸念がある。そこで、ミキサーの旋回翼30Aに消音機能の一部をもたせることにより、排気脈動(振動)低減による排気騒音低減効果が期待できる。
(10)複数の貫通穴45のパンチング加工により、旋回翼30Aの表面積を増やせる。そのため、還元剤の液滴(尿素水)の受熱面積を増大させて、尿素水の加水分解性能の向上および拡散性の維持・向上を狙いつつ、消音機能と両立させることができる。
(11)旋回翼30Aが複数の貫通穴45を備える消音機能付きのミキサーを用いることで、本来備えるサイレンサーの容量を低減させる。そのため、排ガス流量向上による出力維持および、サイレンサー部材低減によるコストの低減が可能である。
上記の第1実施形態に係るミキサー20の場合、その製造方法は、少なくとも、
ミキサー20の中心軸22側に流入する排ガスに、法線流43aまたは弱い旋回流43を発生させる一方、ミキサー20の環状枠21側に流入する排ガスに、強い旋回流43c、43dを発生させるように、各旋回翼30の形状を形成する第1のステップと、
形成した複数の旋回翼30を、ミキサー20の環状枠21内に配置する第2のステップと、
各旋回翼30の外方縁37を環状枠21に固着する第3のステップと、を含む。
2…排気管(排気通路)
5…排気浄化装置
10…尿素水噴射装置(尿素供給手段)
20…ミキサー
21…環状枠
22…中心軸
30、30A…旋回翼
43a…法線流
43b…弱い旋回流
43c…強い旋回流
43d…強い旋回流
45…貫通穴
50…NOx浄化触媒(SCR触媒)
Claims (6)
- 内燃機関の排気通路に設けられて排ガスを攪拌するためのミキサーを備え、
前記ミキサーは、排ガスに旋回流を発生させるために、当該ミキサーの中心部から前記排気通路の内周部に向かって延びる複数の旋回翼を備え、
前記旋回翼は、前記ミキサーの中心部側に流入する排ガスに、法線流または弱い旋回流を発生させる一方、前記ミキサーの前記排気通路内周部側に流入する排ガスに、強い旋回流を発生させるように構成される、
内燃機関の排気浄化装置。 - 前記旋回翼は、前記ミキサーの前端部から所定位置下流側で軸方向と直交する断面形状において、前記ミキサーの中心部側の端部と、前記ミキサーの前記排気通路内周部側の端部とを結ぶ直線に対して、前記両端部間の中間部が、前記強い旋回流の旋回方向に突出している、請求項1に記載の内燃機関の排気浄化装置。
- 前記旋回翼は、複数の貫通穴を備える、請求項1および2に記載の内燃機関の排気浄化装置。
- 前記複数の貫通穴は、前記旋回翼の後端側に設けられる、請求項3に記載の内燃機関の排気浄化装置。
- 前記排気通路の上流側から下流側に向けて、尿素供給手段、前記ミキサー、SCR触媒の順に配置される、請求項1〜4のいずれか1項に記載の内燃機関の排気浄化装置。
- 内燃機関の排気通路に設けられて排ガスを攪拌するためのミキサーの製造方法であって、
前記ミキサーの中心部側に流入する排ガスに、法線流または弱い旋回流を発生させる一方、前記ミキサーの前記排気通路の内周部側に流入する排ガスに、強い旋回流を発生させるように、前記ミキサーの前記中心部から前記排気通路の内周部に向かって延びる複数の旋回翼の形状を形成し、
前記形成した複数の旋回翼を、前記ミキサーの環状枠内に配置し、
前記各旋回翼の外方端部を前記環状枠に固着する、
ミキサーの製造方法。
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