JP2013130099A - 希薄燃料吸入ガスタービンエンジンの燃焼ガス通路構造 - Google Patents

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義弘 山崎
Daisuke Kamimura
大助 上村
Takahiro Nakasuji
崇浩 中筋
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Abstract

【課題】触媒燃焼器出口からタービン入口にかけての燃焼ガスの温度低下を抑制し、かつ、吸気燃料のスリップ量を抑制することにより、高い効率を有する希薄燃料吸入ガスタービンエンジンを提供する。
【解決手段】低濃度メタンガスに含まれている可燃成分を燃料として利用する希薄燃料吸入ガスタービンエンジン(GT)において、触媒式の燃焼器(3)の出口温度を、この燃焼器(3)から排出される燃焼ガスの通路(P)を構成する部材(7,19)の冷却が不要である所定温度に設定し、前記燃焼ガス通路を構成する部材に断熱機構(41,51)を設ける。
【選択図】図2

Description

本発明は、炭鉱で発生するCMM(Coal Mine Methane;炭鉱メタン)、VAM(Ventilation Air Methane;炭鉱通気メタン)などの低カロリーガスを燃料として利用する、希薄燃料吸入ガスタービンエンジンの燃焼ガス通路の構造に関する。
炭鉱で発生するCMM(Coal Mine Methane;炭鉱メタン)をVAMまたは空気と混合するなどして、エンジンに吸入し、含まれている可燃成分を触媒燃焼器で燃焼させる、希薄燃料吸入ガスタービンエンジンが提案されている。
しかし、一般に、触媒燃焼器では、触媒の寿命を考慮して、出口温度を一定の値以上に上昇させることは好ましくない。このため、触媒燃焼器出口からタービン入口にかけての燃焼ガスの温度低下による、ガスタービンエンジンの熱効率の低下が懸念される。
また、希薄燃料吸入ガスタービンエンジンでは、圧縮機に導入される吸気ガスに燃料が含まれているので、燃焼器を通過しないガス量(スリップ量)が増えると、見かけの燃焼効率が低下する。
そこで、本発明の目的は、上記の課題を解決するために、触媒燃焼器出口からタービン入口にかけての燃焼ガスの温度低下を抑制し、かつ、吸気燃料のスリップ量を抑制することにより、高い効率を有する希薄燃料吸入ガスタービンエンジンを提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明に係るガスタービンエンジンは、低濃度メタンガスに含まれている可燃成分を燃料として利用する希薄燃料吸入ガスタービンエンジンであって、触媒式の燃焼器の出口温度が、この燃焼器から排出される燃焼ガスの通路を構成する部材の冷却が不要である所定温度に設定されており、前記燃焼ガス通路を構成する部材に断熱機構が設けられている。
本発明に係るガスタービンエンジンによれば、触媒燃焼器出口からタービン入口にかけての燃焼ガスの温度低下が抑制され、かつ、吸気燃料のスリップ量が抑制されるので、希薄燃料吸入ガスタービンエンジンを高い効率で運転することができる。
本発明の第1実施形態に係るガスタービンエンジンの構造を示す縦断面図である。 図1のガスタービンエンジンの要部を示す縦断面図である。 本発明の第2実施形態に係るガスタービンエンジンの要部を示す縦断面図である。
以下、本発明の好ましい実施形態を図面に基づいて説明する。図1は本発明の一実施形態に係るガスタービンエンジンGTを示す縦断面図である。このガスタービンエンジンGTは、主要な構成要素として、圧縮機1、触媒式の燃焼器3およびタービン5を備えている。このガスタービンエンジンGTの出力により、図示しない発電機のような負荷が駆動される。燃焼器3とタービン5との間には、燃焼器3からの燃焼ガスを回転軸心Cの回りに旋回させながらタービン5に導くスクロール7が設けられている。
本実施形態におけるガスタービンエンジンGTは、炭鉱で発生するCMM(Coal Mine Methane;炭鉱メタン)などの低カロリーガスを、空気や炭鉱から排出されるVAM(Ventilation Air Methane;炭鉱通気メタン)と混合してエンジンに吸入し、含まれている可燃成分を燃料として利用する、希薄燃料吸入ガスタービンエンジンとして構成されており、燃焼器3は、白金やパラジウムなどの触媒を含む触媒燃焼器として構成されている。
圧縮機1およびタービン5はガスタービンエンジンGTのハウジング9内に収納され、燃焼器3は、タービン5の上部に、ハウジング9に突出して取り付けられている。本実施形態における燃焼器3は単缶式であり、ガスタービンエンジンGTの回転軸心Cから偏心した位置でタービン5の上部に配置されて、ほぼ鉛直方向に延びている。スクロール7の径方向外方および後方(軸心方向のタービン5側)は、ハウジング9の一部分を形成するスクロールハウジング13により覆われている。圧縮機1は2段遠心式であり、第1および第2羽根車11,12のそれぞれ下流側に第1および第2ディフューザ14,15が配置されている。
圧縮機1で圧縮された圧縮ガスCGは、スクロールハウジング13内に流入し、スクロール7の外側を通って燃焼器3に送られ、燃焼器3で燃料と混合されて燃焼される。燃焼器3で発生した燃焼ガスBGは、燃焼ガス通路Pを通って、つまりこの例では燃焼器3の燃焼ガス導出路を形成する遷移ダクト19および燃焼ガスのタービン5への導入路を形成するスクロール7を介してタービン5の第1段タービンノズル27に導かれる。その後、燃焼ガスBGはタービン5を回転させ、このタービン5に回転軸10によって連結されている圧縮機1を駆動する。
スクロール7の外周壁7aの外周面には、板状部材からなる複数の外周支持部材21の軸方向の一端部が溶接により接合されている。この外周支持部材21の軸方向の他端が、連結ボルトB1によって第2ディフューザ15に軸方向に摺動可能に取り付けられている。また、スクロール7の内周壁7bは、内周支持部材25を介して、タービン5の第1段タービンノズル27の外周部に、軸心方向に摺動可能に連結されている。スクロール7の前壁7cは、環状のフランジ部材31および環状の連結部材35を介して、第2ディフューザ15の内径側後端部にボルト連結されている。
本実施形態において、燃焼器3の出口温度は、燃焼器3の下流に配置される構成部材、つまり、この例では遷移ダクト19、スクロール7、第1段タービンノズル27が、燃焼ガスBGに曝されても冷却が不要である温度に設定されている。
さらに、図2に拡大して示すように、燃焼ガス通路Pを構成する部材の、圧縮機1からの圧縮ガスCGと接触して熱交換する部分に断熱機構が設けられている。具体的には、遷移ダクト19(図1)、スクロール7および内周支持部材25の、燃焼ガス通路Pに面する内面のみならず、燃焼ガス通路Pに面していない外面にも、遮熱コーティング41が施されている。遮熱コーティング41を形成する材料としては、例えば、TBC(Thermal Barrier Coating)のようなセラミックコーティングが用いられる。
このように、本実施形態に係るガスタービンエンジンGTによれば、触媒燃焼器である燃焼器3の出口からタービン5の入口にかけての燃焼ガスBGの温度低下が抑制され、かつ、冷却が不要となることから吸気燃料のスリップ量が抑制されるので、希薄燃料吸入式のガスタービンエンジンGTを高効率に運転することが可能となる。
図3は、本発明の第2実施形態に係るガスタービンエンジンGTの要部を示す縦断面図である。本実施形態では、スクロール7のような燃焼ガス通路Pを構成する部材に対する断熱機構として、第1実施形態の遮熱コーティング41の代わりに、遮熱板51を設けている。そのほかの構成は第1実施形態と同様である。
遮熱板51は、スクロール7の外周を覆う円筒状の板金構造を有しており、その一端部が溶接により外周支持部材21に接合されている。遮熱板51の他端部は、スクロール7の後壁7dを覆うように、内径側に向かって湾曲する湾曲部51aとして形成されており、湾曲部の先端部51bがスクロールハウジング13の内壁面に接触している。したがって、圧縮ガスCGは、遮熱板51の外周面に案内されて、スクロール7に接触することなく燃焼器3内に導かれる。これにより、第2実施形態に係るガスタービンエンジンGTにおいても、触媒燃焼器である燃焼器3の出口からタービン5の入口にかけての燃焼ガスBGの温度低下が抑制される。
なお、遮熱板51の湾曲部51aの先端部51bには、遮熱板51の熱伸びによる変形を吸収する構造、例えば、ばね構造が設けられている。
また、上記各実施形態の説明においては、燃焼ガス通路Pを形成する部材として、スクロール7および遷移ダクト19が設けられている例を説明したが、燃焼ガス通路Pを形成する部材はこれらに限られない。
以上のとおり、図面を参照しながら本発明の好適な実施形態を説明したが、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で、種々の追加、変更または削除が可能である。したがって、そのようなものも本発明の範囲内に含まれる。
1 圧縮機
3 燃焼器
5 タービン
7 スクロール
19 遷移ダクト
41 遮熱コーティング(断熱機構)
51 遮熱板(断熱機構)
BG 燃焼ガス
GT ガスタービンエンジン
P 燃焼ガス通路

Claims (1)

  1. 低濃度メタンガスに含まれている可燃成分を燃料として利用する希薄燃料吸入ガスタービンエンジンであって、
    触媒式の燃焼器の出口温度が、この燃焼器から排出される燃焼ガスの通路を構成する部材の冷却が不要である所定温度に設定されており、
    前記燃焼ガス通路を構成する部材に断熱機構が設けられているガスタービンエンジン。
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