JP2013129055A - 気密封止型マイクロデバイスの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】真空パッケージを用いたデバイスにおいて、ゲッター材そのものを大きくすること無く、実効的な表面積を大きくでき高いゲッター作用を発揮できる構造が、簡易かつ低コストで実現でき、高い真空度を長期間に亘って維持することができる高品質の気密封止型マイクロデバイスの製造方法を提供することを目的とする。
【解決手段】ゲッター材を密閉空間に内包する真空パッケージ構造を具備する気密封止型マイクロデバイスの製造方法であって、前記ゲッター材は、規則的に配列した球形微粒子の集合体をマスクとして、該マスク越しに成膜し、次いで、前記球形微粒子の集合体を選択的に除去することにより形成し、前記ゲッター材は、微細な突起形状の規則的集合体を有し、前記ゲッター材が有する突起の側面は、凹部が規則的に二次元配列した形状であり、前記凹部の形状は、半球状の凹面の一部または全部からなることを特徴とする。
【選択図】図2

Description

本発明は、高い真空度を長期間に亘って維持できる高品質の気密封止型マイクロデバイスの製造方法に関する。
加速度センサーや温度センサーなどに代表されるMEMS(メムス、Micro
Electro Mechanical Systems)デバイスにおいて、その高い性能を長期間に亘って維持することが強く望まれている。そのような要求を満足するための技術の一つとして、真空パッケージを用いる技術が開発されている。
この真空パッケージを用いる技術としては、気体成分を吸着して真空封止された空間の真空度を高いまま維持することを目的として、ゲッター材を用いることが既に知られている。
また、真空パッケージにおいては、真空に封じるための気密シール材料や、接合方法の達成状況などの技術も重要であるが、たとえ外部リークを「0」に極力近付けても、真空に保持した空間からの放出ガスを「0」に抑えることはできない。このため、これらの放出ガスを吸着、吸収して真空度の劣化を防止する技術が必要となってくる。そのための技術の一つとしては、放出ガス成分を吸着して真空封止された空間の真空度を高いまま維持することを目的としたゲッターを用いる技術がある。
ところで、従来のゲッター材の多くは膜状の形状ある。このため、大きなゲッター効果を発揮させるためには、ゲッター材の面積そのものを大きくする必要があった。
しかしながら、MEMSデバイスなどの真空パッケージという限られた設置スペースの中に設けるためには、設置できるゲッター材の大きさに制約があり、その結果充分なゲッター作用を発揮できる大きさのゲッター材を設けることが困難であるという問題があった。
一方、小さな体積で大きな表面積を有するゲッター材として、多孔質の構造体にゲッター作用のある物質をドーピングして形成された構成のゲッター材も知られている。この構成のゲッター材の場合、一度形成した構造体を多孔質に形成する工程と、その多孔質構造体にゲッター作用を発揮する機能性物質をドーピングするという工程により形成されるものである。しかしながら、多孔質の構造体に効率よく、また確実にゲッター作用を発揮する機能性物質をドーピングすることが非常に困難であるという問題があった。
ここで、特許文献1(特表2006−501679号公報)には、ゲッター作用の効率を向上させる目的で、シリコンウェハを電気化学エッチングして多孔質構造にしてゲッター材を構成する技術が開示されている。さらに、その多孔質シリコンにチタン、パラジウム、白金、ジルコニウムなどをドーピングする技術が開示されている。
しかしながら前述のとおり、大きな表面積を有する多孔質の構造体に効率よく、また確実にゲッター材をドーピングすることが困難であるという問題が依然として解消されていない。
本発明は、以上の従来技術における問題に鑑みてなされたものであり、例えばMEMSデバイスのように真空パッケージを用いたデバイスにおいて、その真空を維持するためのゲッター材そのものを大きくすること無く、実効的な表面積を大きくでき、ゲッター材の占める空間を最小限に維持したまま高いゲッター作用を発揮できる構造が簡易かつ低コストで実現でき、その結果、高い真空度を長期間に亘って維持することができる高品質の気密封止型マイクロデバイスの製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために本発明に係る気密封止型マイクロデバイスの製造方法は、ゲッター材を密閉空間に内包する真空パッケージ構造を具備する気密封止型マイクロデバイスの製造方法であって、前記ゲッター材は、規則的に配列した球形微粒子の集合体をマスクとして、該マスク越しに成膜し、次いで、前記球形微粒子の集合体を選択的に除去することにより形成し、前記ゲッター材は、微細な突起形状の規則的集合体を有し、前記ゲッター材が有する突起の側面は、凹部が規則的に二次元配列した形状であり、前記凹部の形状は、半球状の凹面の一部または全部からなることを特徴とする。
本発明によれば、真空パッケージを用いたデバイスにおいて、ゲッター材そのものを大きくすること無く、実効的な表面積を大きくでき高いゲッター作用を発揮できる構造が、簡易かつ低コストで実現でき、高い真空度を長期間に亘って維持することができる高品質の気密封止型マイクロデバイスの製造方法を提供することができる。
微細突起構造のゲッター材を具備した気密封止型マイクロデバイス全体の概略について説明する図である。 本発明に係る気密封止型マイクロデバイスの製造方法の第1の実施の形態におけるフローを示す模式図である。 本発明で得られるゲッター材の形状について説明する図である。 本発明に係る気密封止型マイクロデバイスの製造方法の第2の実施の形態におけるフローを示す模式図である。
[第1の実施の形態]
本発明に係る気密封止型マイクロデバイスの製造方法は、ゲッター材203を密閉空間に内包する真空パッケージ構造を具備する気密封止型マイクロデバイスの製造方法であって、前記ゲッター材203は、規則的に配列した球形微粒子202の集合体をマスクとして、該マスク越しに成膜し、次いで、前記球形微粒子202の集合体を選択的に除去することにより形成し、前記ゲッター材203は、微細な突起形状の規則的集合体を有し、前記ゲッター材203が有する突起の側面は、凹部が規則的に二次元配列した形状であり、前記凹部の形状は、半球状の凹面の一部または全部からなることを特徴とする。
本発明では、真空パッケージを用いたデバイスにおいて、その真空を維持するためのゲッター材そのものを大きくすること無く、実効的な表面積を大きくできる構造とする特徴により、ゲッター材の占める空間を最小限に維持したまま高いゲッター作用を発揮できる構造が簡易かつ低コストで実現でき、その結果、高い真空度を長期間に亘って維持できる高品質の真空パッケージ技術を必要最低限の占有空間で実現できる技術を提供することができる。
不要な気体分子を吸着するゲッター材は、一般的に同じ材質のゲッター材であればその表面積にほぼ比例してゲッター効果が得られると考えてよい。
本発明は、ゲッター材の占める空間容積を大きくすることなく、表面積を大きくできる構造のゲッター材を用いることを特徴としている。
具体的には、非常に単純で、且つ材料の設計自由度の高いプロセスで作製できる微細な突起の規則的配列体からなるゲッター材を用いるので、単純な平板状のゲッター材に比較してはるかに大きい表面積を有するゲッター材を形成することができる。この結果、単位体積当たりで考えた場合、非常に効率の高いゲッター効果が実現できるゲッター材が得られる。
また、微細な突起の規則的配列体からなるゲッター材の形成に際しては、球形微粒子の規則的配列構造体をマスクとして利用するので、低コスト、省エネルギーで微細な突起の規則的配列体からなる高品質ゲッター材を再現性よく得ることができる。
次に、本発明に係る気密封止型マイクロデバイスの製造方法の第1の実施の形態についてさらに詳細に説明する。
尚、以下に述べる実施の形態は、本発明の好適な実施の形態であるから技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は以下の説明において本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの態様に限られるものではない。
本発明は、MEMSデバイス等の真空パッケージに用いるゲッター材の形成工程に際して、以下の特徴を有する。
ゲッター材を形成する工程の前段階として、自己組織的に配列した球形微粒子の規則的配列体を形成する。その構造をマスク材として、その上から膜厚を制御しながらゲッター材を成膜することにより、自己組織的に配列した球形微粒子の空隙およびに球形微粒子の表面にゲッター材が形成される。
このとき空隙に形成されたゲッター材の形状は側面形状が、凹面からなる微細な突起となる。マスク材とした球形微粒子は規則的配列体であるために、形成されるゲッター材も規則的配列を有する微細突起の規則的配列体となる。
一般的な手法で全面にゲッター材を形成した後に、マスク材とした球形微粒子は規則的配列体のみを選択的に除去することにより、球形微粒子の表面に形成されたゲッター材と球形微粒子とが共に除去され、ターゲット材が微細な突起形状は規則正しく配列した形状で得られる。換言すると、球形微粒子と、該球形微粒子表面に付着したゲッター材とが除去され、球形微粒子間あるいは球形微粒子と基板との間(即ち、空隙)に形成されたゲッター材のみが除去されずに残る。
このような微細突起の規則的配列体からなるゲッター材の表面積は平板形状に形成されたゲッター材に比較してはるかに大きな表面積を有する構造となるので、ゲッター効果も非常に大きなものとなる。
また、自己組織的に配列した球形微粒子の規則的配列体を形成する際に、球形微粒子の自己組織化を利用する技術であるので、省エネルギー、低コストでマスク材が形成できるという特徴を有している。
即ち、非常に単純で、且つ材料の設計自由度の高いプロセスで作製できる微細な突起の規則的配列体からなるゲッター材を用いるので、単純な平板状のゲッター材に比較してはるかに大きい表面積を有するゲッター材を形成することができ、その結果単位体積当たりで考えた場合、非常に効率の高いゲッター効果が実現できる。
さらに、微細な突起の規則的配列体からなるゲッター材の形成に際しては、球形微粒子の規則的配列構造体をマスクとして利用するので、低コスト、省エネルギーで微細な突起の規則的配列体からなる高品質ゲッター材を再現性よく得ることができることが特徴になっている。
上記記載の本発明の特徴について、以下の図面を用いて詳細に解説する。
図1は、微細突起構造のゲッター材を具備した気密封止型マイクロデバイス全体の概略について説明する図である。
気密封止型マイクロデバイス(100)は、MEMS素子(102)が設けられた基板(101)とハウジング(103)と、カバー部材(104)によって形成された密閉空間を有するパッケージ構造であって、カバー部材(104)には、ゲッター材(ゲッター部材;105)が形成されてなる構造体である。即ち、ゲッター材(105)が前記密閉空間に内包されてなる。
本発明を実現するに当たって必ずしもハウジング(103)は必要ではなく、基板(101)およびカバー部材(104)の片方、あるいは両方に凹面加工を施してそれらを接合した際に生じる空間にMEMS素子(102)を設ける構造としても良い。重要なのは、MEMS素子(102)が設けられた空間にゲッター材(105)が具備されていることであって、その形状が、単純な平板ではなく、微細な突起の規則配列体(規則的集合体)であることが本発明の特徴である。
図1において、ゲッター材(105)がMEMS素子(102)と位置が一致しないように記述してある。これは、たとえばMEMS素子(102)が光などに感応する素子である場合に、その受光特性に支障を来たさないように、ゲッター材(105)をずらして配置する例を模式的に説明している。もちろん、そのような配慮が必要ない場合には、ゲッター材(105)の形成位置はMEMS素子(102)上に設けてもなんら問題はない。このように、ゲッター材(105)は任意の位置に設置できるという設計の自由度が確保されていることが望ましいが、本発明ではその自由度は充分確保できているものである。
また、図においてはゲッター材(105)がカバー部材(104)に設けられている様子を示しているが、ゲッター部材(105)がカバー部材(104)以外の領域、例えば基板(101)側に設けられていても本発明の効果を奏することは言うまでも無い。
なお、基板101、ハウジング103、カバー部材104については従来において周知慣用の材料を用いることができる。また、MEMS素子102についても同様に、従来において周知慣用のものをそのまま用いることができる。
ゲッター材105については詳細を後述する。
図2は、自己組織的に配列した球形微粒子の規則的配列体について説明する図である。
本発明では、自己組織的に配列した球形微粒子の規則的配列体(規則的集合体)をマスクとしてその上からゲッター材を形成し、マスクとした球形微粒子の規則的配列体を選択的に除去して最終的に微細な突起の規則配列体(規則的集合体)を形成する。その様子を模式的に示したものが図2(a)〜図2(d)である。
一連の図2においては、説明を容易にするために基板上に球形微粒子の規則的配列体を形成し、その上からゲッター材を形成する工程を示しているが、当然のことながら、図1で示したカバー部材(104)など気密封止型マイクロデバイスを形成する部材に直接形成しても本発明の効果は得られるものである。
・配列工程
図2(a)は、基板(201)に第一の材料からなる球形微粒子(202)を規則正しく配列した様子を示している。このように球形微粒子(202)を規則正しく二次元配列する技術は、すでに提案されている公知の技術を用いれば容易に実現できるものである。具体的には、球形微粒子(202)の液状分散媒体を基板表面に展開して液体薄膜を形成し、液厚を粒子径サイズと同等かそれより小さくし、液が蒸発する際の横方向に働く表面張力により球形微粒子を二次元で凝集させて配列を行なう技術などがある。また、説明をしやすくするために、球形微粒子(202)が規則正しく二次元に配列した様子を断面図として示したものが図2(b)である。
・ゲッター材形成工程
さらに図2(b)で示された構造に対して第一の材料とは異なる材料からなるゲッター材(203)を成膜した様子を示したものが図2(c)である。このように球形微粒子(202)の表面、及び、球形微粒子(202)配列体の空隙にゲッター材は充填される。ここで空隙とは、球形微粒子(202)と基板(201)とで囲まれて形成された空間である。
・除去工程
図2(d)は後に説明する手段によって、球形微粒子(202)をすべて除去した様子を示したものである。微細な突起形状を有するゲッター材(203)が形成されている。
このような形状を有する微細な突起状規則的配列体に対してゲッター材を形成するのに適している成膜手法は、半導体製造プロセスで一般的に用いられているスパッタリングやCVDである。これらの成膜手法は、大面積成膜が可能で且つ均一性が良好で、薄い膜厚であっても膜厚制御性に優れているという特徴がある。さらに、このような手法では、成膜に寄与する粒子の回り込みが生じるので、球形微粒子によって形成された空隙に効率よくゲッター材を形成することが可能である。当然のことながらスパッタリング法、CVD法以外の成膜手法を用いても、本発明は実現できるものである。例えば、真空蒸着、イオンビームスパッタリング、熱CVD、ECR−CVDなどのように、形成する物質に合わせて適宜選択して用いればよい。
ここで重要なことは、基板(201)と球形微粒子(202)によって形成された空隙に充填したゲッター材(203)の厚さが、前記球形微粒子(202)の半径程度であることという点である。それ以上の膜厚にゲッター材(203)を形成すると、後で記述する球形微粒子(202)の除去の際に充分に除去できないことや、ゲッター材(203)の形状が所望の形状から大きくずれてしまうなどの不都合が生じる。従ってゲッター材(203)の厚さが球形微粒子(202)の半径程度になるような条件は、体積を計算することによって求めても良いし、予備実験を行なって、実際に形成される膜厚を測定して最適条件を求めても良い。
このような、微細な突起を規則正しく形成することは、当然、従来の技術である、フォトリソグラフィー工程、及びドライエッチング工程を駆使すれば実現可能なことである。しかしながら、突起のサイズを非常に微細にしようとすれば、高解像度のフォトリソグラフィー工程、同時に、微細パターンを実現するドライエッチング工程などが必要となり、どちらの技術がかけても実現できず、技術的な困難さが増加するばかりでなく、非常に高価な製造装置が必要になるという大きな問題点を有する。さらに、プロセスそのものがエネルギーを多く消費するものとなるばかりか、ドライエッチングプロセスにおいては、いわゆるPFC(perfluorocarbon)などの地球温暖化ガスを排出することとなり、地球環境負荷の面からも問題のあるプロセスであるという問題を抱えている。
これに対し本発明では、その製造工程においてどの程度微細なパターンを形成できるかは、用いる球形微粒子のサイズで決定できるものであり、現状では、数100nm程度の球状微粒子は容易に得ることができ、それを規則正しく配列させることも容易な技術である。このような微粒子配列体をマスクとして用いる本発明では、微粒子配列の空隙が重要な寸法決定要因であるために、数100nm程度の球状微粒子配列体の空隙となると、数10nm程度の規則的パターンは容易に得られるものである。このような極微細なパターンを従来のフォトリソグラフィー工程で実現使用とすると非常に困難で、電子ビーム露光機(EB描画装置)といった高額な装置を使用する必要が生じ高コストにならざるを得ないものである。これに対して本発明は、入手しやすい材料を用いて、且つ、実現容易な技術を用いて、非常に簡単なプロセスで、規則正しく配列した微細な突起を制御性良く形成することができる非常に有効な技術である。さらには、地球環境に与える負荷も充分小さいプロセスとなり、時代の要求に応えた優れたプロセスである。
またさらに、本発明は、高品質の球形微粒子の二次元配列を、球形微粒子の分散液を用い基板上に供給することにより形成することも特徴のひとつである。すなわち、乾燥状態では、凝集しやすくなる球形微粒子であっても、分散液という状態の利点を最大限に利用し分散性を向上させることにより凝集を防ぎ、pHの制御、例えば添加するイオン種を適切に選択、制御することにより、等電点の関係を利用することができる。分散液のpH値を、基板および球形微粒子に応じて制御して該球形微粒子を分散させることにより、高品質の微粒子配列が得られるものである。
この点について以下においてさらに詳細に説明する。
一般に、例えば金属酸化物からなる微粒子を水中に浸漬すると、微粒子は正または負の電荷を持ち、電界が存在すると対向する電場を有する方向へ移動する。この現象が電気泳動現象である。この電気泳動現象によって、微粒子の水中における荷電すなわち界面電位(ゼータ電位)の存在を知ることができる。
この界面電位は微粒子−水系のpHによって大きく変化する。一般に横軸に水系のpHを、縦軸に界面電位をとると、界面電位は水系のpHによって変化し、界面電位「0」を切る点の水系のpHを「等電点」と定義される。この現象から、一般的に金属酸化物微粒子表面の界面電位は、酸性側では正、アルカリ側では負の極性を取る。しかし、この等電点は材料によって大きく異なり、例えば、コロイダルシリカでは「2.0」、酸化チタン(合成ルチル)では「6.7」、α−アルミナでは「9.0」という値が紹介されている。つまり、等電点から離れるほど界面電位が大きくなり、酸性側にいくほど界面電位の値は正の大きい方に向かい、また逆に、アルカリ側にいくほど界面電位の値は負の大きい方に向かう。これはpHで制御することができるものである。
pHの制御は、酸やアルカリの添加で、制御性よくコントロールできるものである。本発明では、この現象を積極的に利用するものであり、分散液の状態で微粒子の凝集を効果的に防ぐことができるものである。この結果、分散液を基板に供給した際にも、微粒子が凝集しない状態で存在するために、その後の配列の工程において、高品質の配列状態を容易に実現できるものである。この現象は、乾式プロセスでは得られない利点といえる。
次の工程は選択的に球形微粒子を除去するという工程であるが、ここで重要な点は、微粒子を構成する材料とゲッター材をどのように選択するかということである。つまり、球形微粒子を除去する工程は、選択的に微粒子のみを除去できる工程であることが要求され、この球形微粒子除去工程において、基板や空隙に充填されたゲッター材に損傷を与えてはならない。
以下に基板(201)、球形微粒子(202)、ゲッター材(203)の具体的な例を示す。
基板(201)を構成する材料としては、シリコンウェハ、ガラス、石英等が挙げられる。
球形微粒子(202)を構成する材料としては、シリカ、アルミナ、酸化ジルコニウム、五酸化タンタル、ポリスチレン、およびポリメタクリル酸メチル等が挙げられる。
ゲッター材(203)を構成する材料としては、ジルコニア、チタン、タンタル、バナジウム等が挙げられる。
以上列挙した各材料は、1種を用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いても良い。
また、除去工程において用いられる除去手段としては、酸、アルカリ、有機溶媒、熱エネルギー、光エネルギー、電子ビームエネルギー等が挙げられ、選択された基板(201)、球形微粒子(202)、ゲッター材(203)の材料の特性に応じて1種または2種以上を併用して用いることができる。
これらの組み合わせとしては、例えば基板(201)に、シリコンウェハ、球形微粒子(202)としてポリスチレン微粒子、ゲッター材(203)としてジルコニアを用いれば、トルエンなどの有機溶媒を用いることにより基板や、空隙に充填されたゲッター材になんら損傷を与えることなくポリスチレン微粒子のみを選択的に除去できる。また、この組み合わせにおいては、数100度の熱処理を行うことにより、ポリスチレン微粒子は焼失してしまい、ゲッター材のみが残ることとなる。
また別の例として基板(201)に、シリコンウェハ、球形微粒子(202)としてシリカ微粒子、ゲッター材(203)をチタンとすれば、フッ酸(HF)を用いることにより、基板や、空隙に充填する物質になんら損傷を与えることなくシリカ微粒子のみを選択的に除去できる。
これら図2からも解るように、規則正しく配列した球形微粒子によって形成された空隙も当然規則正しく形成され、そこに形成される微細な突起も、非常に規則正しく、また、形状や大きさの非常に揃ったものとなる。
図3は、具体的な本発明で得られるゲッター材の形状について説明する図である。
本発明により得られるゲッター材の形状について模式的に示したものが、図3(a)である。基板(301)上に微細な突起形状を有するゲッター材(304)が形成されている様子を示している。この図は、図2(a)に対応するものとして記述している。そのため図2(a)の微粒子配列構造が三角格子を基本構造となっていることに対応して、微細な突起の側面は3面で構成されている。また、微細な突起の側面形状は球形微粒子マスクに従って凹状の球面の一部となっていて、規則的に二次元配列されている。
図3(b)とは突起形状が異なる例について説明する。図3(b)に示したように微粒子の配列構造が、正方格子(四角格子)が基本の構造を取りうる場合もある。このような場合には、基板と微粒子によって形成される空隙の形状が、先に述べた三角格子が基本構造の場合と異なる形状となるために微細な突起の側面は4面で構成される。この様子を模式的に示したのが、図3(c)である。また、微細な突起の側面形状は図3(a)と同様に球形微粒子マスクに従って凹状の球面の一部となっていて、規則的に二次元配列されている。基本的にどちらの構造になっても本発明の効果は問題なく得られるものである。
以上の本実施の形態によれば、例えばMEMSデバイスのように真空パッケージを用いたデバイスにおいて、その真空を維持するためのゲッター材そのものを大きくすること無く、実効的な表面積を大きくでき、ゲッター材の占める空間を最小限に維持したまま高いゲッター作用を発揮できる構造が簡易かつ低コストで実現でき、その結果、高い真空度を長期間に亘って維持することができる高品質の気密封止型マイクロデバイスの製造方法を提供することができる。
[第2の実施の形態]
本発明に係る気密封止型マイクロデバイスの製造方法は、ゲッター材203を密閉空間に内包する真空パッケージ構造を具備する気密封止型マイクロデバイスの製造方法であって、該気密封止型マイクロデバイスは、母材204と、該母材204の表面に形成されたゲッター作用を有するゲッター材203と、を備え、前記母材204は、規則的に配列した第一の材料からなる球形微粒子202の集合体をマスクとして、該マスク越しに成膜し、次いで、前記球形微粒子202の集合体を選択的に除去することにより形成し、前記母材204は、前記第一の材料とは異なる第二の材料からなり、微細な突起形状の規則的集合体を有し、前記母材204が有する突起の側面は、凹部が規則的に二次元配列した形状であり、前記凹部の形状は、半球状の凹面の一部または全部からなることを特徴とする。
ここで、前記微細な突起形状は、前記球形微粒子を鋳型とするインバースオパール構造の一部であることが好ましい。また、インバースオパール構造の一部とは、基準面上に互いに接して規則的に配列された1層の球形微粒子集積体と、基準面と、の間に形成された空隙に前記母材が充填され形成されたものであり、且つ、前記球形微粒子の半径以下の高さであることが好ましい。
本発明では、真空パッケージを用いたデバイスにおいて、その真空を維持するためのゲッター材そのものを大きくすること無く、実効的な表面積を大きくできる構造とする特徴により、ゲッター材の占める空間を最小限に維持したまま高いゲッター作用を発揮できる構造が簡易かつ低コストで実現でき、その結果、高い真空度を長期間に亘って維持できる高品質の真空パッケージ技術を必要最低限の占有空間で実現できる技術を提供することができる。さらに、このような高品質の真空パッケージを材料選択の自由度を向上させると同時に、単純なプロセスで確実に実現でき、その結果、高性能で、信頼性に優れたゲッター材を実現する技術を提供することができる。
不要な気体分子を吸着するゲッター材は、一般的に同じ材質のゲッター材であればその表面積にほぼ比例してゲッター効果が得られると考えてよい。
本発明は、ゲッター材の占める空間容積を大きくすることなく、表面積を大きくできる構造のゲッター材を用いることを特徴としている。
具体的には、最初に、材料の選択自由度の高い材料及びプロセスで微細な突起の規則的配列体からなる構造体を作製する。このとき、この構造体は、最終的にゲッター材の母材となるものであって、この構造体自体はゲッター効果を有する必要は無い。従って、材料入手のしやすさ、構造体の形成しやすさ、コストなどを考慮して最適な材料および形成法を選択できるものである。
ついで、この構造体の表面にゲッター効果を有する材料を形成するわけであるが、表面に一方向からの薄膜形成法で形成すればよく、ゲッター効果を有する材料を多孔質構造の奥深くまで充填する必要は無い。
このような構成であるので本発明においては形成するゲッター材の量は最小限で済み、非常に材料の利用効率が高く、実効的な表面積の大きな構造体の表面全体がゲッター作用を持つこととなる。このため本発明では、単純な平板状のゲッター材に比較してはるかに大きい表面積を有するゲッターを簡単なプロセスで、且つ低コストで形成することができ、その結果単位体積当たりで考えた場合、非常に効率の高いゲッターが実現できる。
さらには、微細な突起の規則的配列体からなる構造体の形成に際しては、球形微粒子の規則的配列構造体をマスクとして利用するので、低コスト、省エネルギーで微細な突起の規則的配列体からなる高品質なゲッターを再現性よく得ることができる。
次に、本発明に係る気密封止型マイクロデバイスの製造方法の第2の実施の形態についてさらに詳細に説明する。
尚、以下に述べる実施の形態は、本発明の好適な実施の形態であるから技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は以下の説明において本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの態様に限られるものではない。
本発明は、MEMSデバイス等の真空パッケージに用いるゲッター材の形成工程に際して、以下の特徴を有する。
ゲッター材を形成する工程の前段階として、自己組織的に配列した第一の材料からなる球形微粒子の規則的配列体を形成する。その構造をマスク材として、その上から膜厚を制御しながら第二の材料からなる母材を成膜することにより、自己組織的に配列した球形微粒子の空隙およびに球形微粒子の表面に母材が形成される。
このとき第一の材料から成る球形微粒子に接した状態で形成されるために、空隙に形成された第二の材料からなる母材の形状は側面形状が、凹面からなる微細な突起となる。マスク材とした球形微粒子は規則的配列体であるために、形成される母材も規則的配列を有する微細突起の規則的配列体となる。
一般的な薄膜形成手法で全面に母材を形成した後に、マスク材とした球形微粒子は規則的配列体のみを選択的に除去することにより、第一の材料から成る球形微粒子の表面に形成された第二の材料からなる母材は球形微粒子と共に除去される。この結果、第二の材料からなる母材が微細な突起形状は規則正しく配列した形状で得られる。換言すると、球形微粒子と、該球形微粒子表面に付着した第二の材料とが除去され、球形微粒子間あるいは球形微粒子と基板との間(即ち、空隙)に形成された第二の材料からなる母材のみが除去されずに残る。
これは、第一の材料から成る球形微粒子の材質と、空隙に形成する第二の材料から成る母材とを適切に選択すれば、熱エネルギー、有機溶媒、酸やアルカリなどの薬品を用いることで確実に球形微粒子を除去することができる。
次にこのような第二の材料から成る母材からなる規則正しく配列した微細な突起形状の表面にゲッター効果を有する材料を一般的な薄膜形成手法を用いて形成する。既にゲッター材の母材となる構造体は形成されているので、純粋に所望のゲッター作用を発揮するといった観点から材料を選定することができる。
このように、ゲッター材の母材となる規則正しく配列した微細な突起形状とゲッター材は別々の材料とすることができる。このため、母材となる構造体に関しては、第一の材料から成る球形微粒子の入手のしやすさ、材料コスト、プロセスコスト、微細な突起形状の作りやすさなどを勘案して適切に選定することができる。また、ゲッター効果を有する材料は、ゲッター作用特性、材料コスト、形成方法の容易さなどを勘案して材料選定ができる。
つまり、機能分離の考え方を取り入れ、それぞれ最適な材料、形成法を選定できるので、結果的に、信頼性が高く、低コストで、高品質のゲッター部材を実現できる。
また、自己組織的に配列した球形微粒子の規則的配列体を形成する際に、球形微粒子の自己組織化を利用する技術であるので、省エネルギー、低コストでマスク材が形成できるという特徴を有している。
即ち、非常に単純で、且つ材料の設計自由度の高いプロセスで作製できる微細な突起の規則的配列体の表面にゲッター効果を有する材料を形成するので、単純な平板状のゲッター材に比較してはるかに大きい表面積を有するゲッター材を形成することができる。その結果単位体積当たりで考えた場合、非常に効率の高いゲッター効果が実現できる。
さらに、微細な突起の規則的配列体の形成に際しては、球形微粒子の規則的配列構造体をマスクとして利用するので、低コスト、省エネルギーで微細な突起の規則的配列体からなる高品質ゲッター材を再現性よく得ることができる。
上記記載の本発明の特徴について、以下の図面を用いて詳細に解説する。
なお、本実施の形態において上記第1の実施の形態と重複する箇所については説明を省略する。
図4は、自己組織的に配列した球形微粒子の規則的配列体について説明する図である。
本実施の形態では、先ず、自己組織的に配列した第一の材料から成る球形微粒子(202)の規則的配列体をマスクとしてその上から第二の材料から成る母材(204)を成膜する。即ち、球形微粒子(202)が並んだ構造の空隙及び、球形微粒子(202)上に第二の材料から成る母材(204)を形成する。次いで、マスクとした第一の材料から成る球形微粒子(202)の規則的配列体を選択的に除去して最終的に微細な突起の規則配列体を形成する。その後に、微細な突起の規則配列体(母材からなる;202)の表面にゲッター作用を発揮する材料を形成してゲッター材(203)とする。
これらの様子を模式的に示したものが図4の(a)〜(e)である。
ここで、図4(a)および図4(b)は図2(a)および図2(b)と同一のため説明を省略する。
なお、球形微粒子が分散した分散液を基板に供給して球形微粒子を規則的に二次元配列させることで、低コスト、省エネルギープロセスで球形微粒子の規則的配列体が得られる。また、分散液は、基板および球形微粒子に応じてpH値を制御して調整したものであることで、球形微粒子からなる規則的配列体が高品質で得られる。
・ゲッター材形成工程
図4(b)で示された構造に対して第一の材料とは異なる第二の材料からなる母材(204)を成膜した様子を示したものが図4(c)である。このように球形微粒子(202)の表面、及び、球形微粒子(202)配列体の空隙に母材(204)は充填される。ここで空隙とは、球形微粒子(202)と基板(201)とで囲まれて形成された空間である。
このような形状を有する微細な突起状規則的配列体に対して第二の材料から成る母材を形成するのに適している成膜手法は、上記第1の実施の形態におけるゲッター材の成膜手法をそのまま母材と置き換えて援用することができるため、説明を省略する。
・除去工程
次の工程は図4(d)に示したように、選択的に球形微粒子(202)を除去するという工程である。ここで重要な点は、微粒子(202)を構成する材料と第二の材料から成る母材(204)をどのように選択するかということである。つまり、球形微粒子(202)を除去する工程は、選択的に第一の材料から成る球形微粒子(202)のみを除去できる工程であることが要求される。即ち、この第一の材料から成る球形微粒子(202)の除去工程において、基板(201)や空隙に充填された第二の材料から成る母材(204)に損傷を与えてはならない。
具体的な除去手段としては、酸、またはアルカリを用いた化学的エッチング手法、有機溶媒を用いた手法、及び、熱エネルギーを用いた手法が挙げられ、これらによれば球形微粒子を選択的に確実に除去できる。
以上の本実施の形態における気密封止型マイクロデバイスの製造方法を換言すると、基板上に第一の材料からなる球形微粒子を規則的に二次元配列させる配列工程と、該配列工程で規則的に配列された球形微粒子の集合体をマスクとして、前記第一の材料とは異なる第二の材料からなる母材を成膜により形成する母材形成工程と、前記第一の材料からなる微粒子及び前記第一の材料からなる微粒子の表面に形成された前記第二の材料からなる母材を選択的に除去する除去工程と、露出し規則的に配列された微細な突起構造の母材の表面にゲッター作用を発揮するゲッター材を形成するゲッター材形成工程と、を備える。こうすることで、規則正しい球形微粒子の配列体が得られる。
以下に具体的な例を示す。
例えば基板(201)に、シリコンウェハ、第一の材料から成る球形微粒子(202)としてポリスチレン微粒子、第二の材料から成る母材(204)としてアルミニウムを用いる。この組み合わせとすることで、トルエンなどの有機溶媒を用いることにより、基板(201)や空隙に充填されたアルミニウム(即ち母材204)になんら損傷を与えることなくポリスチレン微粒子(202)のみを選択的に除去できる。
また、この組み合わせであれば、アルミニウムに損傷を与えない程度の数100度の熱処理を行うことにより、ポリスチレン微粒子は焼失してしまい、アルミニウムのみが残るという手法も使える。
また、別の例として基板(201)に、シリコンウェハ、第一の材料から成る球形微粒子(202)としてシリカ微粒子、第二の材料から成る母材(204)をチタンとすることもできる。この組み合わせとすることで、フッ酸(HF)を用いることにより、基板(201)や、空隙に充填する物質(母材204)になんら損傷を与えることなくシリカ微粒子(202)のみを選択的に除去できる。
図4(d)からも解るように、規則正しく配列した球形微粒子によって形成された空隙も当然規則正しく形成され、そこに形成される微細な突起も、非常に規則正しく、また、形状や大きさの非常に揃ったものとなる。
・ゲッター材成膜工程
図4(e)は、次の工程は、図4(e)に示したように、図4(d)で示された規則正しく配列した微細な突起形状の表面に、ゲッター材(203)を形成する工程である。
既に規則正しく配列した微細な突起形状が形成されているので、この表面にゲッター作用を発揮する材料(ゲッター材203)を形成する工程となる。
ゲッター作用を発揮する材料を単純に表面に一般的な薄膜形成法を用いて形成すればよく、多孔質構造体の奥にまでゲッター材をドーピングするような煩雑なプロセスは一切無い。
球形微粒子(202)を構成する材料としては、シリカ、アルミナ、酸化チタン、ポリスチレンが好ましく、規則正しい球形微粒子の配列体が得られる。
薄膜として形成する材料としては、チタン、パラジウム、白金、ジルコニウムなどが挙げられ、それらの材料を形成する方法は、スパッタリング法や真空蒸着法などの一般的な薄膜形成法が適応できる。
どんな材料を薄膜として形成してゲッターとするかは、既に構造体の母材となっている規則正しく配列した微細な突起形状が形成されているので、純粋にゲッター作用、コストなど重要視すべき項目を勘案して最適に設定できるものである。
以上の本実施の形態によれば、例えばMEMSデバイスのように真空パッケージを用いたデバイスにおいて、その真空を維持するためのゲッター材そのものを大きくすること無く、実効的な表面積を大きくでき、ゲッター材の占める空間を最小限に維持したまま高いゲッター作用を発揮できる構造が簡易かつ低コストで実現でき、その結果、高い真空度を長期間に亘って維持することができる高品質の気密封止型マイクロデバイスの製造方法を提供することができる。
100 気密封止型マイクロデバイス
101 基板(MEMS素子を保持する基板)
102 MEMS素子
103 ハウジング
104 カバー部材
105 ゲッター材
201 基板
202 球形微粒子
203 ゲッター材
204 母材
301 基板
302 球形微粒子
304 ゲッター材(微細な突起形状)
特表2006−501679号公報

Claims (18)

  1. ゲッター材を密閉空間に内包する真空パッケージ構造を具備する気密封止型マイクロデバイスの製造方法であって、
    前記ゲッター材は、規則的に配列した球形微粒子の集合体をマスクとして、該マスク越しに成膜し、次いで、前記球形微粒子の集合体を選択的に除去することにより形成し、
    前記ゲッター材は、微細な突起形状の規則的集合体を有し、
    前記ゲッター材が有する突起の側面は、凹部が規則的に二次元配列した形状であり、
    前記凹部の形状は、半球状の凹面の一部または全部からなることを特徴とする気密封止型マイクロデバイスの製造方法。
  2. 基板上に第一の材料からなる球形微粒子を規則的に二次元配列させる配列工程と、
    該配列工程で規則的に配列された球形微粒子の集合体をマスクとして、前記第一の材料とは異なる材料からなるゲッター材を成膜により形成するゲッター材形成工程と、
    前記第一の材料からなる微粒子を選択的に除去する除去工程と、を備えることを特徴とする請求項1に記載の気密封止型マイクロデバイスの製造方法。
  3. 前記球形微粒子は、シリカ、アルミナ、酸化チタンおよびポリスチレンから選ばれるいずれか1であることを特徴とする請求項1または2に記載の気密封止型マイクロデバイスの製造方法。
  4. 前記基板と前記球形微粒子との間に形成された空隙は、当該球形微粒子の半径程度であり、
    前記空隙に前記ゲッター材が充填されてなることを特徴とする請求項2に記載の気密封止型マイクロデバイスの製造方法。
  5. 前記除去工程は、酸、アルカリ、有機溶媒および熱エネルギーから選ばれる1以上の手段により前記第一の材料からなる球形微粒子を除去することを特徴とする請求項2に記載の気密封止型マイクロデバイスの製造方法。
  6. 前記配列工程は、前記球形微粒子が分散した分散液を前記基板に供給し、該記球形微粒子を二次元に配列させることを特徴とする請求項2に記載の気密封止型マイクロデバイスの製造方法。
  7. 前記分散液のpH値を、前記基板および前記球形微粒子に応じて制御して該球形微粒子を分散させることを特徴とする請求項6に記載の気密封止型マイクロデバイスの製造方法。
  8. ゲッター材を密閉空間に内包する真空パッケージ構造を具備する気密封止型マイクロデバイスの製造方法であって、
    該気密封止型マイクロデバイスは、母材と、該母材の表面に形成されたゲッター作用を有するゲッター材と、を備え、
    前記母材は、規則的に配列した第一の材料からなる球形微粒子の集合体をマスクとして、該マスク越しに成膜し、次いで、前記球形微粒子の集合体を選択的に除去することにより形成し、
    前記母材は、前記第一の材料とは異なる第二の材料からなり、且つ、微細な突起形状の規則的集合体を有し、
    前記母材が有する突起の側面は、凹部が規則的に二次元配列した形状であり、
    前記凹部の形状は、半球状の凹面の一部または全部からなることを特徴とする気密封止型マイクロデバイスの製造方法。
  9. 前記微細な突起形状は、前記球形微粒子を鋳型とするインバースオパール構造の一部であり、
    該インバースオパール構造の一部とは、基準面上に互いに接して規則的に配列された1層の球形微粒子集積体と、基準面と、の間に形成された空隙に前記母材が充填され形成されたものであり、且つ、前記球形微粒子の半径以下の高さであることを特徴とする請求項8に記載の気密封止型マイクロデバイスの製造方法。
  10. 基板上に第一の材料からなる球形微粒子を規則的に二次元配列させる配列工程と、
    該配列工程で規則的に配列された球形微粒子の集合体をマスクとして、前記第一の材料とは異なる第二の材料からなる母材を成膜により形成する母材形成工程と、
    前記第一の材料からなる微粒子及び前記第一の材料からなる微粒子の表面に形成された前記第二の材料からなる母材を選択的に除去する除去工程と、
    露出し規則的に配列された微細な突起構造の母材の表面にゲッター作用を発揮するゲッター材を形成するゲッター材形成工程と、を備えることを特徴とする請求項8または9に記載の気密封止型マイクロデバイスの製造方法。
  11. 前記第一の材料は、シリカ、アルミナ、酸化チタン、ポリスチレンの中から選ばれるいずれか1つを含むことを特徴とする請求項8乃至10のいずれかに記載の気密封止型マイクロデバイスの製造方法。
  12. 前記ゲッター材は、チタン、パラジウム、白金、ジルコニウムの中から選ばれるいずれか1つを含むことを特徴とする請求項8乃至11のいずれかに記載の気密封止型マイクロデバイスの製造方法。
  13. 前記除去工程は、酸、またはアルカリを用いた化学的エッチング手法であることを特徴とする請求項8乃至12のいずれかに記載の気密封止型マイクロデバイスの製造方法。
  14. 前記除去工程は、有機溶媒を用いた手法であることを特徴とする請求項8乃至12のいずれかに記載の気密封止型マイクロデバイスの製造方法。
  15. 前記除去工程は、熱エネルギーを用いた手法であることを特徴とする請求項8乃至12のいずれかに記載の気密封止型マイクロデバイスの製造方法。
  16. 前記球形微粒子が分散した分散液を基板に供給して球形微粒子を規則的に二次元配列させることを特徴とする請求項8乃至15のいずれかに記載の気密封止型マイクロデバイスの製造方法。
  17. 前記分散液は、前記基板および前記球形微粒子に応じてpH値を制御して調整したものであることを特徴とする請求項16に記載の気密封止型マイクロデバイスの製造方法。
  18. 請求項8乃至17のいずれかに記載の気密封止型マイクロデバイスの製造方法により製造されたことを特徴とする気密封止型マイクロデバイス。
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