JP2013122215A - 着火装置、及び着火方法 - Google Patents

着火装置、及び着火方法 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、優れた着火性能を有し、且つ、エネルギー効率の極めて高い、着火装置、及び着火方法を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明の着火装置は、低温プラズマを発生させる、低温プラズマ発生器と、高温プラズマを発生させる、高温プラズマ発生器と、を備え、低温プラズマ発生器と、高温プラズマ発生器とを被燃焼流体経路の主流方向に沿って並べて配置したものである。また、本発明の着火方法は、上記の着火装置を用いて、被燃焼流体経路内で低温プラズマを発生させる工程と、被燃焼流体経路内で発生させた高温プラズマにより被燃焼流体を燃焼させる工程と、を含む。
【選択図】図1

Description

本発明は、着火装置、及び着火方法に関するものである。
航空宇宙産業等においては、高速流状態の被燃焼流体に対しても安定的に着火することが可能な着火装置の開発が不可欠とされている。このような着火装置の一つとして、以前より、プラズマ点火器の研究開発がなされてきた。
このようなプラズマ点火器として、例えば、特許文献1には、複数の高温プラズマ発生器を備え、上流側の高温プラズマ発生器による被燃焼流体の燃焼を、下流側の高温プラズマ発生器によって補償するようにしてなる、プラズマ点火器が提案されている。
特許第3829199号
しかし、特許文献1に記載の高温プラズマ発生器によるプラズマジェットトーチは、局所的に噴き出されるため、高温プラズマによる被燃焼流体の着火・燃焼効果も局所的なものとなってしまい、広範囲での着火・燃焼、ひいては、より優れた着火性の実現という点においてさらに向上の余地があった。
また、高温プラズマを発生させるためには、高電力を連続的に供給させる必要があり、特に、特許文献1に記載のプラズマジェットを用いた着火方法では、複数の高温プラズマ発生器に高電力を投入する必要があるため、消費電力が大きくなってしまうという問題もあった。さらに、被燃焼流体の気流マッハ数が増大するほど、極めて短い時間での着火が必要となり、また静圧も低下するため、着火が困難となり、従って高速流中においては、これに対処するために、必要な投入電力がさらに大きくなるという問題もある。
このため、上記のような被燃焼流体の着火装置では、エネルギー効率を向上させる技術が希求されていた。
そこで、本発明は、上記の問題を解決しようとするものであり、優れた着火性能を有し、且つ、エネルギー効率の極めて高い、着火装置、及び着火方法を提供することを目的とする。
発明者らは、上記の課題を解決すべく鋭意検討を重ねた。
その結果、発明者らは、高温プラズマ発生器と低温プラズマ発生器とを所定の条件の下で併用することにより、上記の課題を有利に解決し得るとの新規知見を得て、本発明を完成するに至った。
本発明は、上記の知見に基づいてなされたものであり、その要旨構成は以下の通りである。
本発明の着火装置は、被燃焼流体を被燃焼流体経路内でプラズマを用いて着火する装置であって、
低温プラズマを発生させる、低温プラズマ発生器と、
高温プラズマを発生させる、高温プラズマ発生器と、を備え、
前記低温プラズマ発生器と、前記高温プラズマ発生器とを前記被燃焼流体経路の主流方向に沿って並べて配置したものである。
この構成によれば、低いエネルギーで低温プラズマを発生させ、この低温プラズマによって広範囲の空間にわたって活性粒子を生成させた状態で、被燃焼流体を、高温プラズマの化学的、熱的作用により着火・燃焼させることができるため、エネルギー効率が極めて高く、着火性の良い、着火装置を実現することができる。
ここで、本発明において、「低温プラズマ」とは、ガス温度が室温〜100℃程度のプラズマをいうものとし、電子と、イオン及び中性分子とが熱平衡状態にないプラズマ(いわゆる非平衡プラズマ)の多くがこれに該当する。
また、本発明において、「高温プラズマ」とは、ガス温度が2000℃以上のプラズマをいうものとし、電子と、イオン及び中性分子とが熱平衡状態にあるプラズマ(いわゆる平衡プラズマ)の多くがこれに該当する。
さらに、「主流方向」とは、局所的な渦流の形成や局所的に存在する流れの剥離区域が、主流方向からの局所的な流れの逸れを有することや、一時的な方向の変化が生じることなどはあるにせよ、被燃焼流体が、被燃焼流体経路の上流側から下流側までの主軸線に沿って貫流する方向を意味するものとする。また、「主流方向に沿って並べる」とは、上記主流方向(主軸線方向)の断面で見たとき、低温プラズマ発生器と高温プラズマ発生器とが、主流方向にて、ほぼ一直線上に配置されていることをいうものとし、例えば、これら両プラズマ発生器が被燃焼流体経路の主流方向を挟んでそれぞれ反対の経路壁面側に配置される場合等は除外される。
また、本発明の着火装置にあっては、前記低温プラズマ発生器を、前記被燃焼流体経路の上流側に配置し、前記高温プラズマ発生器を、前記被燃焼流体経路の下流側に配置することが好ましい。
広範囲の空間にわたって活性粒子を生成させることのできる低温プラズマ発生器を上流側に配置し、着火・燃焼効果が局所的な範囲になる高温プラズマを下流側に配置することにより、被燃焼流体のより効率的な着火が可能となる。
さらに、本発明の着火装置にあっては、前記被燃焼流体経路の壁面に段差を設け、前記低温プラズマ発生器を、前記段差により形成される角部に配置することが好ましい。
このように段差を設けることにより、被燃焼流体の再循環領域を形成して、被燃焼流体の着火・燃焼を促進させることができる。また、高速流中における保炎効果を発揮することができる。
さらにまた、本発明の着火装置では、前記低温プラズマ発生器と、前記高温プラズマ発生器とを、前記被燃焼流体経路の主流方向に沿って20〜70mm離間させることが好ましい。
上記の範囲とすることにより、被燃焼流体の着火・燃焼効果をより高めることができるからである。
加えて、本発明の着火装置においては、前記低温プラズマ発生器より上流側に被燃焼流体噴射機構を設けることが好ましい。
これにより、被燃焼流体自体も活性化させて、着火・燃焼効果をより一層高めることができるからである。
本発明の着火方法は、
上記の着火装置を用いて、被燃焼流体を被燃焼流体経路内でプラズマを用いて着火する方法であって、
前記被燃焼流体経路内で低温プラズマを発生させる工程と、
前記被燃焼流体経路内で発生させた高温プラズマにより前記被燃焼流体を燃焼させる工程と、を含む。
この方法により、低エネルギーで低温プラズマを発生させ、この低温プラズマによって広範囲の空間にわたって活性粒子を生成させた状態で、被燃焼流体を、高温プラズマの化学的、熱的作用により着火させることができるため、エネルギー効率が極めて高い着火方法を実現することができる。
本発明によれば、優れた着火性能を有し、且つ、エネルギー効率の極めて高い、着火装置、及び着火方法を提供することができる。
本発明の一実施形態にかかる、被燃焼流体の着火装置を示す、概略的な断面図及び上面図である。 低温プラズマ発生器の一例を示す概略斜視図である。 高温プラズマ発生器の一例を示す断面図である。 着火装置の壁圧の測定結果を示す図である。 本発明の別の実施形態にかかる、被燃焼流体の着火装置を示す、概略的な断面図である。
以下、本発明の着火装置、及び着火方法について、図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施形態にかかる、被燃焼流体の着火装置を示す、概略断面図(上図)及び概略上面図(下図)である。
図1に示すように、本実施形態の着火装置1は、被燃焼流体を着火・燃焼させるための被燃焼流体経路3に、低温プラズマ発生器4と、高温プラズマ発生器5とを配置している。
また、図1に示すように、低温プラズマ発生器4、及び高温プラズマ発生器5は、被燃焼流体の主流方向(図1におけるx軸の正の方向)に並べて配置されており、図示例では、低温プラズマ発生器4は、被燃焼流体経路3内の上流側に配置され、これに対して、高温プラズマ発生器5は、被燃焼流体経路3内の下流側に配置されている。
さらに、図1に示すように、主流方向(x軸方向)に沿う断面において、低温プラズマ発生器4と、高温プラズマ発生器5とは、主流方向に一直線上に並べて配置されている。すなわち、低温プラズマ発生器4と、高温プラズマ発生器5とは、共に、被燃焼流体経路3の底面3a側に配置されている。なお、低温プラズマ発生器4と、高温プラズマ発生器5とは、共に、被燃焼流体経路3の上面3b側に配置しても良いが、低温プラズマ発生器4と、高温プラズマ発生器5とは、一方を底面3a側に配置し、他方を上面3b側に配置しないものとする。
ここで、被燃焼流体は、燃料を250m/s〜650m/sの高速の空気流2中に(図示においてx軸の正の方向に流れる)供給されてなり、燃料としては、特には限定しないが、水素や低級炭化水素(メタン、エチレン)などを用いることができる。なお、被燃焼流体は、被燃焼流体噴射機構12から、主流方向(図1のx軸の正の方向)に対して、任意の角度で供給することができる。
また、図1に示すように、この着火装置1では、被燃焼流体経路3の壁面に段差6が設けられており、図示例では、低温プラズマ発生器4が、この段差6により形成される角部6aに隣接して配置されている。
具体的には、図示例では、低温プラズマ発生器の一方の電極7が、段差6により形成される壁面6bに露出するように配置され、他方の電極8は、段差6により形成される底面6cには露出しないように、誘電体9内に埋設されている。
なお、図示例では、電極8のみを誘電体9内に埋設することにより絶縁しているが、電極7と電極8との双方を誘電体9内に埋設することにより絶縁することもできる。
ここで、図示例では、低温プラズマ発生器4は、誘電体バリア放電(DBD)を用いて低温プラズマを発生させる装置であり、高温プラズマ発生器5は、アーク放電を用いて高温プラズマを発生させる装置である。
また、図示例で、被燃焼流体噴射機構12が低温プラズマ発生器4より上流側に設けられている。ただし、被燃焼流体噴射機構12を、低温プラズマ発生器4より下流側に設けても良く、例えば、被燃焼流体噴射機構12を、低温プラズマ発生器4と高温プラズマ発生器5との間に設けることができる。
なお、低温プラズマ発生器及び高温プラズマ発生器の個数については、特に制限されないが、低エネルギーでの着火・燃焼という観点からは、低温プラズマ発生器及び高温プラズマ発生器を1つずつ用いることが好ましい。
また、被燃焼流体経路3の、主流方向に直交する平面による断面形状は、本実施形態では、矩形状であるが、他にも、例えば、円形、楕円形等であってもよい。
次に、図1に示す着火装置を用いた、本発明の一実施形態にかかる、被燃焼流体の着火方法について説明する。
本実施形態の着火方法では、まず、図1に示す低温プラズマ発生器4の下流側の電極8を接地しつつ、上流側の電極7に交流電圧を印加して、被燃焼流体経路3内に、誘電体バリア放電を発生させる。これにより、図1に模式的に示すように、電極7と電極8との間に供給された空気をプラズマ化し、低温プラズマ10を発生させることができる。これにより、オゾン、励起窒素分子、励起酸素分子、Oラジカル等の活性粒子を、被燃焼流体経路3内の広範囲にわたって存在させることができる。
次いで、高温プラズマ発生器5の電極(図示せず)に電圧を印加して、アーク放電を発生させて、図1に模式的に示すように、被燃焼流体経路3内に、高温プラズマ(プラズマジェットトーチ)11を発生させる。そして、このプラズマジェットトーチ11による、ラジカル等による化学的効果と高温ジェットによる熱的効果との複合効果により、被燃焼流体を着火・燃焼させる。
なお、低温プラズマ及び高温プラズマの発生順序は、特に限定されないが、広範囲に活性粒子を存在させるのに多少の時間を要することや、高温プラズマの発生には持続的な高電力の供給が必要であることに鑑みると、低温プラズマと高温プラズマとを同時に発生させるか、あるいは、低温プラズマを先に、特には直前に発生させることが好ましい。
このように、本発明の着火装置においては、低温プラズマ発生器と、高温プラズマ発生器とを備え、低温プラズマ発生器と、高温プラズマ発生器とを被燃焼流体の主流方向に沿って並べて配置することが肝要である。
上記の構成によれば、まず、低温プラズマ発生器によって、低エネルギーで低温プラズマを発生させることができ、この低温プラズマによって広範囲の空間にわたって、Oラジカル等の活性粒子を生成することができる。すなわち、被燃焼流体経路中の広範囲の空間にわたって、着火・燃焼を促進させる活性粒子を存在させることができる。
そして、低温プラズマ発生器と高温プラズマ発生器とを、主流方向に沿って並べて配置していることから、被燃焼流体が高速流で流れている場合にあっても、上記活性粒子が存在し、被燃焼流体の着火・燃焼効果が促進される環境で、被燃焼流体を高温プラズマの化学的、熱的作用により着火させることができる。従って、本発明の着火装置によれば、被燃焼流体が高速流で流れる場合でも、極めて短い着火時間での着火が可能となる。よって、本発明によれば、エネルギー効率、及び着火・燃焼効果が非常に高い、被燃焼流体の着火が可能となる。
また、低温プラズマによる活性粒子の生成範囲は、被燃焼流体の流速が速いほど、広くなるため、当該流速が速いほど被燃焼流体に対する着火・燃焼促進効果がより増大する。すなわち、被燃焼流体の総圧が一定である場合、被燃焼流体の流速が速いほど、流れの静圧が低くなり、グロー放電に近い、広範囲にわたる一様な放電となって、広範囲に活性粒子を発生させることができる。このため、特に、高速流中における高温プラズマによる着火の困難性を、低温プラズマによる着火・燃焼促進効果で補償することができるため、本発明は高速流中における着火にも特に有効である。
さらに、低温プラズマによれば、アーク放電などによる高温部が形成されないため、電極や被燃焼流体経路の損耗を抑制することもできる。
ここで、本発明においては、図1に示すように、低温プラズマ発生器4を、被燃焼流体経路3の上流側に配置し、高温プラズマ発生器5を、被燃焼流体経路3の下流側に配置することが好ましい。
広範囲の空間にわたって活性粒子を生成させることのできる低温プラズマ発生器を上流側に配置した方が、被燃焼流体のより効率的な着火・燃焼が可能となるからである。
さらに、本発明においては、図1、2に示すように、被燃焼流体経路3の壁面に段差6を設け、低温プラズマ発生器4を、この段差6により形成される角部6aに配置することが好ましい。
この段差により、被燃焼流体の再循環領域が形成され、被燃焼流体の滞留時間が長くなり、活性粒子がより混合され、被燃焼流体の着火・燃焼を促進させることができるからである。また、この段差を設けることにより、高速流中において、炎が主流方向へと強く吹き飛ばされて消えてしまうのを抑制することができ、保炎効果を発揮することができるからである。
さらにまた、本発明においては、低温プラズマ発生器4と、高温プラズマ発生器5とを、主流方向に沿って20〜70mm離間させることが好ましい。
離間距離w1を20mm以上とすることにより、低温プラズマ発生器4と高温プラズマ発生器5をそれぞれ設置するスペースを確保することができ、一方で、離間距離を70mm以下とすることにより、低温プラズマにより発生した活性粒子による、着火・燃焼促進効果を高めることができるからである。
加えて、本発明においては、図1に示すように、低温プラズマ発生器4より上流側に被燃焼流体噴射機構12を設けることが好ましい。これにより、被燃焼流体自体も活性化させて、着火・燃焼効果をより一層高めることができるからである。
また、上述したように、本発明の着火方法は、被燃焼流体経路内で低温プラズマを発生させる工程と、被燃焼流体経路内で発生させた高温プラズマにより前記被燃焼流体を燃焼させる工程と、を含むものである。
これにより、低エネルギーで低温プラズマを発生させ、この低温プラズマによって広範囲の空間にわたって活性粒子を生成させた状態で、被燃焼流体を、高温プラズマの化学的、熱的作用により着火させることができるため、エネルギー効率が極めて高い着火方法を実現することができる。
ここで、図1に示すように、被燃焼流体経路3の断面高さh1は、例えばこの着火装置1を点火機構として備えるエンジンの実機サイズとの対応の観点から決めることができ、例えば、スクラムジェットエンジンの点火機構として用いる場合には、例えば、30mm〜500mmとすることができる。また、このとき段差6の高さh2は、圧力損失を小さく抑えるために、2〜3mmとすることが好ましい。
さらに、上述したように、低温プラズマ発生器4と、高温プラズマ発生器5との主流方向に沿った離間距離w1を20〜70mmとすることが好ましく、図示例では50mmである。また、図1に示すように、低温プラズマ発生器4を高温プラズマ発生器5より上流側に設け、被燃焼流体噴射機構12を低温プラズマ発生器4より上流側に設ける場合、低温プラズマ発生器4と被燃焼流体噴射機構12との主流方向に沿った離間距離w2は、燃料を適度に混合させる観点から10〜30mmとすることが好ましい。
なお、被燃焼流体経路の壁面は、真鍮製とすることができる。
以下、低温プラズマ発生器の具体的態様について説明する。
図2は、低温プラズマ発生器4の一例を示す概略斜視図である。なお、図2に示す低温プラズマ発生器は、図1に示す低温プラズマ発生器とは、形状や電極の配置等が異なるものである。
この低温プラズマ発生器4は、誘電体バリア放電(DBD)を用いて低温プラズマを発生させる装置であり、図2に示すように、アルミナ(Al:純度99.5%)からなる誘電体9で構成され、一方の電極7がこの誘電体9に設けられた段差部分に配置されている。この低温プラズマ発生器4は、取り付け部13によって、図1に示すように着火装置1の一部を構成するように取り付けることができ、電極7は、このように取り付けられた際に、被燃焼流体の流れに晒されるように配置される。また、図2に示すように、他方の電極8は、誘電体9に埋設されている。
図示例では、電極7の幅w3(着火装置の一部として取り付けた際の主流方向の幅)は、14mm、電極8の幅w4は、12mm、また、電極間の離間距離w5は、3mmである。
また、図示例では、電極7の高さh3は、4mm、電極8が埋設されている深さh4は、1mmである。また、図示例で、電極7の長さd1は、26mmであり、電極8の長さd2は、30mmである。
なお、電極7、8は、アルミニウム、銅などの材料で構成することができる。
また、この低温プラズマ発生器により、低温プラズマを発生させるのに必要な電力は、10W程度である。
次に、高温プラズマ発生器の具体的態様について説明する。
図3は、高温プラズマ発生器5の一例を示す、断面図である。
図3に示すように、この高温プラズマ発生器5は、着火ノズル本体41と、この着火ノズル本体41内に作動流体を供給する作動流体供給手段42と、着火ノズル本体41内に設けられた、前記作動流体をプラズマ化するためのアーク発生電極43と、このアーク発生電極43によりプラズマ化される前記作動流体に旋回流を与えるための旋回リング44とを有している。
着火ノズル本体41の先端部にはノズル46が設けられており、このノズル46に設けられた噴出口46Aから所定のプラズマジェットトーチが噴出するように構成されている。
着火ノズル本体41内には、アーク発生電極43の陰極43Aを支持する円柱形状の陰極ロッド45が設けられている。陰極ロッド45の先端部には、その表面部に高融点酸化膜を促進形成する金属で成形された陰極43Aが設けられている。なお、陰極43Aは、ハフニウム、ジルコニウム、レニウム、イットリウムなどの金属、あるいはこれらの金属を含む複合材から構成することができる。陰極43Aの外方には、陰極43Aを漏斗状に囲繞するように形成されたアーク発生電極43の陽極43Bが設けられている。
さらに、着火ノズル本体41内には、作動流体供給手段42と連続した作動流体供給管47と、一端が開放されることによって供給管47と連続した冷却管48と、この冷却管48と連結した(図面では明示されていない)冷却管49と、この冷却管49と連続した作動流体噴出管50とが設けられている。
作動流体供給手段42から供給された作動流体は、供給管47を通じて陰極ロッド45に至り、冷却管49を通過することによって陰極ロッド45(陰極43A)を冷却する。その後、前記作動流体は冷却管49を通過することによって陽極43Bを冷却した後、噴出管50を通り、旋回リング44で旋回流とした後に、アーク発生電極43の陰極43A及び陽極43B間に噴出され、プラズマ化された後、ノズル46の噴出口46Aから噴出され、上述したようなプラズマジェットトーチが形成されるようになる。
このような態様によれば、被燃焼流体中にプラズマジェットトーチを旋回流の状態で噴出させることができるので、前記プラズマジェットトーチを前記被燃焼流体中に十分深く侵入するようにし、前記被燃焼流体の燃焼効果を促進することができるようになる。
さらに、ノズル46 をラバルノズルから構成すれば、この場合においても前記プラズマジェットトーチを前記被燃焼流体中に十分深く侵入するようにすることができ、前記被燃焼流体の燃焼効果を促進することができる。
なお、この高温プラズマ発生器により、高温プラズマを発生させるのに必要な電力は、1kW以上である。
本発明の効果を確かめるため、図1に示す、本発明にかかる着火装置を用いて、被燃焼流体の燃焼量を評価する試験を行った。
また、比較例として、低温プラズマ発生器を用いずに、1つの高温プラズマ発生器のみを用いた着火装置を用意し、被燃焼流体の燃焼量を評価した。
発明例にかかる着火装置と、比較例にかかる着火装置とでは、低温プラズマ発生器の有無のみが異なる。
上記試験は、図1に示す被燃焼流体経路内における、マッハ2.0の空気流2に対して、被燃焼流体(水素)を噴射したときの、被燃焼流体経路の壁圧を測定することによって行った。
被燃焼流体経路の壁圧は、高速流における被燃焼流体の燃焼量(すなわち、推進力)を示す指標となり、壁圧が大きいほど燃焼量が大きいことを意味する。
なお、壁圧の大きさは、主流方向に沿って一定の間隔で設置した圧力センサを用いて、測定した。
評価結果を図4に示している。図4において、縦軸は、測定された壁圧を示しており、大気圧p0で除算することにより無次元化している。また、横軸は、主流方向における位置を示しており、図4に示すように、高温プラズマ発生器の設置位置を原点にとった。
なお、高温プラズマは、窒素を作動流体として用いて発生させた。
図4に示すように、比較例では、高温プラズマ発生器の近傍(−20mm付近の位置)から壁圧が高くなり始め、30mm付近をピークとして壁圧が減少しており、着火・燃焼効果が狭い範囲でしか見られないのに対し、発明例によると、−40mm付近の位置から既に壁圧が高くなり始め、100mmを超えた位置でも高い壁圧が測定された。
また、図4から、発明例は、比較例よりも全体的に壁圧が高いことが明らかである。
以上のように、発明例では、マッハ2.0という高速流中において、比較例にかかる着火装置の場合より、広い範囲で高い着火・燃焼効果を奏し、優れた着火性能を有することがわかる。
さらに、高温プラズマ発生器による消費電力は、発明例、比較例共に、約2.4kWであったのに対し、低温プラズマ(DBDプラズマ)発生器による消費電力は、約10Wであったため、発明例は、比較例とほぼ同程度の消費電力により、上記の優れた着火・燃焼効果を奏したことがわかった。
以上、本発明について、具体例を用いて説明したが、本発明は、上記の内容に何ら限定されるものではない。例えば、上記実施形態では、DBDによる低温プラズマ発生器を例示したが、他にも、極短パルス放電、コロナ放電、大気圧グロー放電などによる低温プラズマ発生器を用いることができる。また、例えば、上記実施形態では、アーク放電を用いた高温プラズマ発生器を例示したが、他にも、高周波放電などによる高温プラズマ発生器を用いることができる。
また、例えば、被燃焼流体経路においては、必ずしも段差を設ける必要はなく、図5に示すように、被燃焼流体経路3の底面に低温プラズマ発生器と高温プラズマ発生器とを設けることができる。このとき、図5に示すように、低温プラズマ発生器4の電極7は、被燃焼流体経路の底面に、空気流2に露出するように配置することができ、電極8は、誘電体9内に埋設するように設置することができる。
本発明によれば、優れた着火性能を有し、且つ、エネルギー効率の極めて高い、着火装置、及び着火方法を提供することができる。本発明によれば、着火が困難な高速流、特に、超音速流中での安定した着火技術の獲得が達成されるため、本発明は、超音速燃焼エンジン(スクラムジェットエンジン)の点火機構やジェットエンジンの失火時の再着火機構等に特に好適に適用できる。
1 着火装置
2 空気流
3 被燃焼流体経路
4 低温プラズマ発生器
5 高温プラズマ発生器
6 段差
6a 角部
6b 壁面
6c 底面
7 電極
8 電極
9 誘電体
10 低温プラズマ
11 高温プラズマ
12 被燃焼流体噴射機構
41 着火ノズル本体
42 作動流体供給手段
43 アーク発生電極
44 旋回リング
45 陰極ロッド
46 ノズル
47 供給管
48 冷却管
49 冷却管
50 噴出管

Claims (6)

  1. 被燃焼流体を被燃焼流体経路内でプラズマを用いて着火する装置であって、
    低温プラズマを発生させる、低温プラズマ発生器と、
    高温プラズマを発生させる、高温プラズマ発生器と、を備え、
    前記低温プラズマ発生器と、前記高温プラズマ発生器とを前記被燃焼流体の主流方向に沿って並べて配置したことを特徴とする、着火装置。
  2. 前記低温プラズマ発生器を、前記被燃焼流体経路の上流側に配置し、前記高温プラズマ発生器を、前記被燃焼流体経路の下流側に配置した、請求項1に記載の着火装置。
  3. 前記被燃焼流体経路の壁面に段差を設け、前記低温プラズマ発生器を、前記段差により形成される角部に配置した、請求項2に記載の着火装置。
  4. 前記低温プラズマ発生器と、前記高温プラズマ発生器とを、前記被燃焼流体の主流方向に沿って20〜70mm離間させた、請求項1〜3のいずれか一項に記載の着火装置。
  5. 前記低温プラズマ発生器より上流側に被燃焼流体噴射機構を設けた、請求項2〜4のいずれか一項に記載の着火装置。
  6. 請求項1〜5のいずれか一項に記載の着火装置を用いて、被燃焼流体を被燃焼流体経路内でプラズマを用いて着火する方法であって、
    前記被燃焼流体経路内で低温プラズマを発生させる工程と、
    前記被燃焼流体経路内で発生させた高温プラズマにより前記被燃焼流体を燃焼させる工程と、
    を含む、着火方法。
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