JP2013121478A - 心臓内手術用リトラクター - Google Patents
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Abstract
【課題】内視鏡下や手術支援ロボット下での心臓手術に用いる、心内手術用術野展開器具であり、心臓内で視野確保のための至適な空間を維持できる構造であり、また、リトラクターを小さいポートから挿入しようとすれば、細い形状に変形可能でかつ又体内に入った後自動的に、元の構造にもどる自動拡張型の構造でり、かつ心臓を傷つけない柔らかい素材で作られたリトラクターを提供する。
【解決手段】可塑性に富んだチューブ1を螺旋状に巻いた柔軟な管状体を心臓内に留置する構造とされていることを特徴とする。素材は、例えばテフロン(登録商標)、ポリエチレン、ポリプロピレン、ナイロン、ポリウレタン、塩化ビニールなどで制作することで手術が迅速、正確、かつ容易となり、高齢者や高度重症患者に対しても安全に心臓手術が可能となる。
【選択図】図3
【解決手段】可塑性に富んだチューブ1を螺旋状に巻いた柔軟な管状体を心臓内に留置する構造とされていることを特徴とする。素材は、例えばテフロン(登録商標)、ポリエチレン、ポリプロピレン、ナイロン、ポリウレタン、塩化ビニールなどで制作することで手術が迅速、正確、かつ容易となり、高齢者や高度重症患者に対しても安全に心臓手術が可能となる。
【選択図】図3
Description
本研究は内視鏡下あるいは手術支援ロボットによる心内手術とくに僧帽弁形成術を行うに際し、良好な視野を確保し複雑な心臓内手術手技が迅速に容易になることを目的とした多目的展開補助装置(リトラクター)に関する
従来の心臓手術は1960年代の心臓手術の創始の手技とほとんど変わらず、胸骨を大きく正中切開した後、心臓を露出し術野から人工心肺を装着したのち、心停止液を注入し心停止を得て、心臓切開、そのあいだに心内の弁や修復箇所を処理していた。すべての操作は大きな切開のもと直接肉眼で見ながらの手術であった。2000年頃より内視鏡下手術が米国、欧州を中心に行われはじめた。直接患部を見ずに内視鏡モニターを行う手術はさらに手術支援ロボット“ダ・ヴィンチ(da Vinci Surgical System)”が開発され市販されるにいたり本格化し、鉗子操作さえも遠隔で行えかつ3次元内視鏡の元にモニターをみながら手術ができる革新的方法が広まりつつある。
この方法は数個の小さな穴だけで手術を行えるので侵襲はきわめて少なく、痛みもなく手術翌日より歩行可能で三日ほどで退院できるため大変有望視されているが周辺器機の真皮が追いつけずに手術環境は決して容易とはいえない。また手術支援ロボットは術者一人の操作しかできないので従来の手術で可能であった助手による補助が期待できないため術者の技量と器具の進歩によりその欠点が克服される必要があり器機の開発が待ち望まれている。
特に僧帽弁形成術においては複雑な僧帽弁やその病変の正確な修復が必要で、僧帽弁そのものが十分術野展開されることが必要不可欠である。心臓の深部に位置する僧帽弁を心停止下に展開する場合に通常であれば僧帽弁は心筋などに押しつぶされてしまうので、特殊な金属製の“くわ”のようなもので用手的に引き上げ展開する。心房中隔欠損症でも同様で心内構造物はおしなべて展開するための特殊器具が必要となる。
手術支援ロボット“ダ・ヴィンチ(da Vinci Surgical System)”の標準的な鉗子は消化器外科や呼吸器外科用に考案された“把持する““挟む““切る“事しかできない従来の内視鏡用鉗子が中心であり、内視鏡手術がそもそもない心臓手術用の鉗子や展開リトラクターは存在しない。そのため手術支援ロボットで心臓手術を行う場合に手技遂行に適した器具が無かったため多大な苦労を伴っていた。
そこで、本発明は、手術助手や補助鉗子のいらない内視鏡下あるいは手術支援ロボットで使える心臓展開用のリトラクターを開発することを目的とする。
しかしながら、上述の如き課題には、以下に述べるような問題があった。まず、このような心臓展開用リトラクターを考案するに当たっては、心臓内で視野確保のための至適な空間を維持できる構造が必要であること。また、リトラクターを小さいポートから挿入しようとすれば、細い形状に変形可能でかつ又体内に入った後自動的に元の構造にもどる自動拡張型の構造である必要があった。たとえば内視鏡用の直径8mmのポートより入る大きさでなければならずそして体外に取り出す際には入れるときと同様小さい穴から抜き出せる構造である必要がある。
またリトラクターを左心房などに挿入するので心房の内膜を傷つけないよう柔らかい素材で作られる必要がある。
本発明は、上記諸問題を解決するためになされたものであり、その目的は、心停止下の心臓内に挿入可能で、しかも、心臓内で拡張し内部を良好に展開できるよう形成することと、更に、ポートより挿入可能にも関わらず開胸時に用いられる金属製の大型リトラクターに匹敵する性能を有するリトラクターを提供することを目的とする。
上述の目的を達成するために、請求項1記載の発明は、可塑性に富んだチューブを螺旋状に巻いた柔軟な管状体で、チューブ近位端を体外に残して体内に挿入され、同管状体を心臓内に留置する構造とされていることを特徴とする。
このリトラクターは、柔軟で螺旋に巻かれた管状体である点に特徴があるが、そのような構造に合致した素材については種々のものが考えられる。実験的に検討した結果では具体的には、例えばテフロン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ナイロン、ポリウレタン、塩化ビニールなどの医療器具に適した樹脂材料でリトラクターを作製した場合には、きわめて安全にスムーズに僧帽弁など心臓内構造物が展開できることが確認された。
また、無血視野を十分確保するためにこの他にも、螺旋状に巻いたチューブを利用して心臓内の血液を吸引したり、また別に吸引チューブを付加することも可能な構造とした。
以上のように構成されたリトラクターによれば、内視鏡下や手術用ロボット支援下でも心内手術において心臓内構造物などの良好な視野が得られるので複雑な手術が可能となり心停止時間が短縮できる。
さらには血液吸引により心臓内の血液は吸引され体外に誘導され無血の視野が展開されるので、血液吸引などに費やす時間が短縮できる。ひいては人工心肺運転時間や手術時間が短縮し命にかかわる重篤な人工心肺合併症が予防できることなどから高齢者や併存症の多い患者さんにたいして安全に心臓手術ができるようになることを臨床的にも確認している。
また、リトラクターは極めて柔軟に形成されているのでリトラクターが心臓内に留置されても内壁を傷つけるといった問題も招きにくい。
ところで、本発明のリトラクターは、上述のようにかなり柔軟で表面平滑な材質なものであるため、手元側の操作によってリトラクターのみを血管内へ押し込んでも、リトラクターが心臓内で回転したり移動したりして視野が悪くなる恐れがある。したがって、このようなリトラクターをうまく心臓内に留置するためには、例えば滑り止めやガイドなど、リトラクターに付加可能な支持体を備えている事が重要である。
そこで、例えば請求項4記載の金属のように、請求項1記載のリトラクターと、リトラクターよりも大型な可撓性を有する部材であって、数カ所でリトラクターとをガーターベルトのように牽引支持する支持体を備えているとよい。
このような支持体は、リトラクターが心臓内に迷入したり回転したりすることを予防することが目的であって、金属製の支持体を心臓外に待機させた状態でリトラクターは心臓切開部より心臓内へ挿入され金属の支持体よりのびる数本の糸でリトラクターを固定する。金属の支持体は、心臓の切開口より通過不能な大きさと形状にされているため心臓外にとどまりリトラクターは支持体との間の数本の糸で牽引されるので至適位置に自動的に固定される。
次に、本発明の実施形態について一例を挙げて説明する。図1に示すように、リトラクターシステム1は、リトラクター2と、リトラクター2に取り付けられた支持体3とを備えてなる。
リトラクター2は、図2に示すように、弾力のある円柱素材(以下チューブ)1を螺旋状に巻いた円筒部5からなり隣接したチューブ1は粗に接着されている。チューブ1は直径3−10mm、管を形成する素材の肉厚は、約0.5〜1.0mmというものである。チューブ部2は、同一形状が連続しているが実際は、全長が約20mm〜60mmとされている。円筒部5の直径は40mm〜60mmとされている。またチューブ1の形状は断面が楕円形、四角など様々な可能性が考えられる。チューブの素材はその円筒の構造維持力を利用して心臓内に空間を作り、手術を施行するための術野を展開するものであってチューブは、弾力のあるシリコンあるいは塩化ビニールまたはゴムなどの柔らかい素材で心内の傷害することのない素材で作られていることを特徴とする。
一方、支持体3は、金属製で図1の3に示すようにリトラクター2より直径が大きく、しかも直径8mm程度のポートから挿入が可能な形状となっている。支持体3とリトラクター2とは数本の糸4で連結されていて支持体3がリトラクター2をつり上げている形状となっている。
また図2のリトラクター2の側面には網目構造のメッシュ部6などが付加されリトラクターの心内での滑り止めとなるよう形成されている。
次に、この器具1の使用方法について説明する。まず心停止液にて心臓を停止し準備が完了する。その後、心臓を切開する。切開部より図3に示すようにリトラクター2を挿入するがリトラクター2は、支持体3が心臓の外にあり固定されているため、また糸4により牽引されているので、ある一定距離より奥に入り込むことも回転することもなく至適な位置で不動となる。
リトラクター2は弾力のある素材で螺旋状に巻き円筒に作られているので、その円筒の構造維持力を利用して心臓内に空間ができ、図3の僧帽弁10などが良好な術野で展開することができる。
心臓内の血液の除去する方法として、図4に示すように、リトラクター2の構成要素であるチューブの近位端14を体外に残してその管状をなすチューブを利用して心内の血液を体外に吸引排出したり、リトラクター2とは別に、血液吸引用の小口径チューブ11を付加することが可能となる。
一方、図4に示すようにリトラクター2に付属して心臓組織を牽引しよりよい視野を展開する目的で、着脱可能な牽引用の小型フック12などを取り付けることも可能である。
1 リトラクターシステム
2 リトラクター
3 支持体
4 糸
5 円筒部
6 メッシュ部
10 僧帽弁
12 小型フック
14 チューブ近位端
2 リトラクター
3 支持体
4 糸
5 円筒部
6 メッシュ部
10 僧帽弁
12 小型フック
14 チューブ近位端
Claims (5)
- 短尺で柔軟な管状体を作成し、体内あるいは心臓内に挿入し、心臓手術の際の心臓内構造物である弁などがよく見えるように視野を展開することを特徴とする自己拡張型の展開用補助器具(以下リトラクター)。
- 請求項1記載の短尺で柔軟な管状体のリトラクターにおいて、直径3−10mm、管をなす壁面の肉厚が、0.5−1.0mmの弾力のある円柱素材(チューブ)を螺旋状に巻き円筒を作り、その円筒の構造維持力を利用して心臓内に空間を作り、手術を施行するための術野を展開するものであってチューブは、弾力のあるシリコンあるいは塩化ビニールまたはゴムなどの柔らかい素材で心内の傷害することのない素材で作られていることを特徴とするリトラクター。
- 請求項1または請求項2記載のリトラクターに構成要素であるチューブの近位端を体外に残してその管状をなすチューブを利用して心内の血液を体外に吸引排出したり、または同リトラクターに別に細径の血液吸引用のチューブを接着層を介して貼り付け定着し同様の無血視野を得ることを特徴とするリトラクター。
- 請求項1または請求項2記載のリトラクターの心内へ挿入される部分の側面には網目構造のメッシュなどが付加されリトラクターの心内での滑り止めとなるよう形成されるとともに、リング型の支持金具を付加しリトラクターの心臓深部への脱落や心臓外への滑脱を制御することができる事を特徴とするリトラクター。
- 請求項1または請求項2記載のリトラクターにおいて、心臓組織を牽引しよりよい視野を展開する目的で、着脱可能な牽引用の小型フック等を取り付けることを可能とするリトラクター。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2011290529A JP2013121478A (ja) | 2011-12-09 | 2011-12-09 | 心臓内手術用リトラクター |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2011290529A JP2013121478A (ja) | 2011-12-09 | 2011-12-09 | 心臓内手術用リトラクター |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2013121478A true JP2013121478A (ja) | 2013-06-20 |
Family
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Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2011290529A Pending JP2013121478A (ja) | 2011-12-09 | 2011-12-09 | 心臓内手術用リトラクター |
Country Status (1)
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JP (1) | JP2013121478A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US10314569B2 (en) | 2015-03-25 | 2019-06-11 | Nikkiso Co., Ltd. | Operation field-securing device |
JP2022036316A (ja) * | 2020-08-22 | 2022-03-07 | 剛 渡邊 | 心臓内手術用リトラクター |
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2011
- 2011-12-09 JP JP2011290529A patent/JP2013121478A/ja active Pending
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