JP2013120485A - 電子書籍装置および電子書籍ページ送り設定方法 - Google Patents

電子書籍装置および電子書籍ページ送り設定方法 Download PDF

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Abstract

【課題】電子書籍のページ送りの方向をユーザの労力をともなわずに適切に設定することができる「電子書籍装置および電子書籍ページ送り設定方法」を提供すること。
【解決手段】ページ番号の位置がページの中央を基準として右である場合には、当該ページ番号が偶数である場合に、電子書籍のページ送りの方向を、右開きに対応する右→左方向に設定し、ページ番号の位置がページの中央を基準として左である場合には、当該ページ番号が偶数である場合に、ページ送りの方向を、左開きに対応する左→右方向に設定するページ送り方向設定手段6を備えたこと。
【選択図】図1

Description

本発明は、電子書籍装置および電子書籍ページ送り設定方法に係り、特に、電子書籍の閲覧に好適な電子書籍装置および電子書籍ページ送り設定方法に関する。
従来から、スマートフォンやiPad(登録商標)等の携帯端末においては、所定のファイルフォーマット(EPUB等)で電子書籍サーバから送信された電子書籍の電子ファイルをビューアによって表示部に表示することにより、電子書籍を閲覧することが可能とされていた。また、近年では、車載エンターテイメントシステムの1つとして、携帯端末を車載機(ヘッドユニット)に接続した状態で、携帯端末が取得した電子書籍を車載機の表示部に表示することが提案されるようになった。
ところで、図12に示すように、日本の雑誌やコミックなどは、右から左に読み進んで、ページを右方向にめくる(開く)と次ページに移行する形態、すなわち、右開きのものが多い。このような右開きの本を電子書籍にした場合には、実物の本のページを右方向にめくる場合と同様のページ切り替えを選択する操作に応じてページ送り(すなわち、ページ番号が増加する順方向へのページ画面遷移、以下同様)が行われることが、実物の本と同様の操作感をユーザに与える上で望ましいと言える。このようなページを右方向にめくる場合と同様のページ切り替えを選択する操作に応じたページ送り(順送り)は、右から左方向(以下、右→左方向と称する)へのページ送りと言われている。
しかしながら、図13に示すように、スマートフォンの標準のビューア(電子書籍閲覧アプリ)は、左開きに対応したもの、すなわち、実物の本のページを左方向にめくる場合と同様のページ切り替えを選択する操作に応じてページ送りを行うものが多い。このようなページを左方向にめくる場合と同様のページ切り替えを選択する操作に応じたページ送りは、左から右方向(以下、左→右方向と称する)へのページ送りと言われている。
そして、現状では、このような電子書籍の形態とビューアの機能との不整合により、次のような問題が生じている。
すなわち、スマートフォンのビューアには、例えば、機器本体を縦向き(ポートレート)から横向き(ランドスケープ)に切り替える等の操作に応じて見開きモードでの表示を行う機能があるが、図13に示したような左開きに対応するページ送りの方向(左→右)が設定されている状態で図12に示したような右開きの電子書籍を見開きモードで表示した場合には、図14に示すように、右側ページが次ページとなるとともに左側ページが前ページとなり、見開きのレイアウトが左右逆転してしまう。
また、スマートフォンのビューアは、電子書籍のページ切り替えを選択する操作の一例として、電子書籍のページ表示画面に対するフリック操作(タッチパネル機能を有する画面を指等の操作子によって擦る操作)を受け付けるようになっているが、図13に示したような左開きに対応するページ送りの方向が設定されている状態で図12に示したような右開きの電子書籍の次ページを閲覧するための右方向フリックを行った場合には、ユーザの意図に反して現在の閲覧ページの前ページに戻ってしまう。この場合の右方向フリックは、ビューアに対してページ送り(順送り)とは反対の逆送り(ページ戻し)を指示する操作となるからである。
このような問題は、スマートフォン単体で電子書籍の閲覧を自己完結する場合に限らず、スマートフォンと車載機とをターミナルモードで接続し、車載機側でスマートフォンのビューアを操作して電子書籍を閲覧(車載機のモニタに表示)しようとする場合においても同様である。
特開2005−107467号公報 特開2008−116791号公報 特開平07−65120号公報
前述した電子書籍の形態とビューアの機能との不整合による問題は、ページ送りの方向を電子書籍の形態(右開き/左開き)に応じてユーザが可変設定できるようにすることによって対処することは可能である(例えば、特許文献1参照)。
しかるに、この場合には、電子書籍の閲覧を開始する度または閲覧する電子書籍を変更する度に、ユーザに煩雑な設定操作もしくは設定変更の判断を強いることになるため、使い勝手が悪くなるといった別の問題が生じてしまう。
そこで、本発明は、このような点に鑑みなされたものであり、電子書籍のページ送りの方向をユーザの労力をともなわずに適切に設定することができ、ひいては、電子書籍の閲覧を簡便かつ適切に行うことができる電子書籍装置および電子書籍ページ送り設定方法を提供することを目的とするものである。
前述した目的を達成するため、本発明に係る電子書籍装置は、電子書籍を取得する電子書籍取得手段と、この電子書籍取得手段によって取得された前記電子書籍を表示部に表示する電子書籍表示手段とを備えた電子書籍装置であって、前記電子書籍表示手段によって前記電子書籍を前記表示部に表示する際における前記電子書籍のページ送りの方向を設定するページ送り方向設定手段を備え、当該ページ送り方向設定手段は、前記電子書籍取得手段によって取得された前記電子書籍のページに付されているページ番号を認識するページ番号認識手段と、このページ番号認識手段によって認識された前記ページ番号の位置が前記ページの中央を基準として左右のいずれであるのかを判定するページ番号位置判定手段と、前記ページ番号認識手段によって認識されたページ番号の偶奇を判定するページ番号偶奇判定手段とを備え、前記ページ番号位置判定手段によって前記ページ番号の位置が右であると判定された場合には、前記ページ番号偶奇判定手段によって当該ページ番号が偶数であると判定された場合に、前記ページ送りの方向を、右開きに対応する右から左方向に設定し、前記ページ番号位置判定手段によって前記ページ番号の位置が左であると判定された場合には、前記ページ番号偶奇判定手段によって当該ページ番号が偶数であると判定された場合に、前記ページ送りの方向を、左開きに対応する左から右方向に設定することを特徴としている。
また、本発明に係る電子書籍ページ送り設定方法は、電子書籍を電子書籍装置の表示部に表示する際における前記電子書籍のページ送りの方向を設定するための電子書籍ページ送り設定方法であって、前記電子書籍を取得する第1のステップと、この第1のステップにおいて取得された前記電子書籍のページに付されているページ番号を認識する第2のステップと、この第2のステップにおいて認識された前記ページ番号の位置が前記ページの中央を基準として左右のいずれであるのかを判定する第3のステップと、前記第2のステップにおいて認識されたページ番号の偶奇を判定する第4のステップと、前記第3のステップにおいて前記ページ番号の位置が右であると判定された場合には、前記第4のステップにおいて当該ページ番号が偶数であると判定された場合に、前記ページ送りの方向を、右開きに対応する右から左方向に設定する第5のステップと、前記第3のステップにおいて前記ページ番号の位置が左であると判定された場合には、前記第4のステップにおいて当該ページ番号が偶数であると判定された場合に、前記ページ送りの方向を、左開きに対応する左から右方向に設定する第6のステップとを含むことを特徴としている。
そして、このような本発明によれば、電子書籍の形態に適合したページ送りの方向を、ページ番号の位置および偶奇に基づいて適切かつ効率的に自動設定することができる。
さらに、本発明の電子書籍装置において、前記ページ送り方向設定手段は、前記ページ番号位置判定手段によって前記ページ番号の位置が左であると判定された場合には、前記ページ番号偶奇判定手段によって当該ページ番号が奇数であると判定された場合に、前記ページ送りの方向を前記右から左方向に設定し、前記ページ番号位置判定手段によって前記ページ番号の位置が右であると判定された場合には、前記ページ番号偶奇判定手段によって当該ページ番号が奇数であると判定された場合に、前記ページ送りの方向を前記左から右方向に設定してもよい。同様に、本発明の電子書籍ページ送り設定方法において、前記第5のステップは、前記第3のステップにおいて前記ページ番号の位置が左であると判定された場合には、前記第4のステップにおいて当該ページ番号が奇数であると判定された場合に、前記ページ送りの方向を前記右から左方向に設定するステップであり、前記第6のステップは、前記第3のステップにおいて前記ページ番号の位置が右であると判定された場合には、前記第4のステップにおいて当該ページ番号が奇数であると判定された場合に、前記ページ送りの方向を前記左から右方向に設定するステップであってもよい。
そして、このような本発明によれば、ページ送りの方向の設定に用いるページ番号の位置および偶奇の態様を増やすことができるので、ページ送りの方向の設定の確実性を高めることができる。
さらにまた、本発明の電子書籍装置において、前記電子書籍表示手段は、見開き表示を行うことが可能とされ、前記見開き表示を行う際には、前記ページ送り方向設定手段の設定結果が前記右から左方向の場合には、ページ番号が偶数のページを見開きにおける右側ページに配置するとともに当該ページの次ページであるページ番号が奇数のページを当該見開きにおける左側ページに配置し、前記ページ送り方向設定手段の設定結果が前記左から右方向の場合には、ページ番号が偶数のページを見開きにおける左側ページに配置するとともに当該ページの次ページであるページ番号が奇数のページを当該見開きにおける右側ページに配置してもよい。
このような構成によれば、電子書籍の形態(右開き/左開き)の如何を問わず、電子書籍の形態を忠実に反映した適正な見開き表示を行うことができる。
また、本発明の電子書籍装置において、前記ページ番号位置判定手段は、前記ページ番号の位置が前記ページの中央である場合には、その旨の判定を行い、前記ページ送り方向設定手段は、前記ページ番号位置判定手段によって前記ページ番号の位置が中央であると判定された場合に、当該ページの本文中の各文字の下端部の配置状態および句読点の配置状態に基づいて、当該本文の書字方向が縦書きおよび横書きのいずれであるのかを判定する縦書き/横書き判定手段を備え、前記縦書き/横書き判定手段によって前記縦書きであると判定された場合には、前記ページ送りの方向を前記右から左方向に設定し、前記縦書き/横書き判定手段によって前記横書きであると判定された場合には、前記ページ送りの方向を前記左から右方向に設定してもよい。同様に、本発明の電子書籍ページ送り設定方法において、前記第3のステップは、前記ページ番号の位置が前記ページの中央である場合には、その旨の判定を行うステップであり、前記第3のステップにおいて前記ページ番号の位置が中央であると判定された場合に、当該ページの本文中の各文字の下端部の配置状態および句読点の配置状態に基づいて、当該本文の書字方向が縦書きおよび横書きのいずれであるのかを判定する第7のステップを含み、前記第5のステップは、前記第7のステップにおいて前記縦書きであると判定された場合に、前記ページ送りの方向を前記右から左方向に設定するステップであり、前記第6のステップは、前記第7のステップにおいて前記横書きであると判定された場合に、前記ページ送りの方向を前記左から右方向に設定するステップであってもよい。
このような本発明によれば、ページ番号の位置および偶奇に基づくページ送りの方向の設定が不可能な場合においても、本文の書字方向に基づいた設定を行うことができる。
さらに、本発明の電子書籍装置において、前記縦書き/横書き判定手段による前記書字方向の判定およびこの判定結果に応じた前記ページ送り方向設定手段による前記ページ送りの方向の設定は、前記ページ番号認識手段によって前記ページ番号が認識されなかった場合にも行ってもよい。同様に、本発明の電子書籍ページ送り設定方法において、前記第7のステップにおける前記書字方向の判定は、前記第2のステップにおいて前記ページ番号が認識されなかった場合にも行ってもよい。
このような本発明によれば、ページ番号を認識できなかった場合においても、本文の書字方向に基づいてページ送りの方向を設定することができる。
本発明によれば、電子書籍のページ送りの方向をユーザの労力をともなわずに適切に設定することができ、ひいては、電子書籍の閲覧を簡便かつ適切に行うことができる。
本発明に係る電子書籍装置の第1実施形態を示すブロック図 第1実施形態において、ページ番号の位置判定を説明するための電子書籍の1ページを示す模式図 第1実施形態において、ページ送り方向とこれに対応するフリック操作方向との関係を示す模式図 第1実施形態において、ページ送り方向に応じた見開き表示画面を示す第1の模式図 第1実施形態において、ページ送り方向に応じた見開き表示画面を示す第2の模式図 第1実施形態において、ターミナルモードを適用した見開き表示を行う場合における工程図 本発明に係る電子書籍ページ送り設定方法の第1実施形態を示すフローチャート 本発明に係る電子書籍装置の第2実施形態を示すブロック図 第2実施形態において、書字方向判定を説明するための第1の説明図 第2実施形態において、書字方向判定を説明するための第2の説明図 本発明に係る電子書籍ページ送り設定方法の第2実施形態を示すフローチャート 右開きの書籍の一例を示す図 スマートフォンのビューアのページ送り機能を示す画面遷移図 従来の問題点として、レイアウトが左右逆転した見開き表示画面を示す図
<第1実施形態>
(電子書籍装置)
以下、本発明に係る電子書籍装置の第1実施形態について、図1乃至図6を参照して説明する。
図1は、本実施形態における電子書籍装置1を示すブロック図である。
図1に示すように、電子書籍装置1は、電子書籍取得手段としての電子書籍取得部2を有しており、この電子書籍取得部2は、電子書籍を保有する電子書籍サーバから、ユーザが指定した電子書籍の電子データをインターネット通信を介して取得するようになっている。
ただし、電子書籍サーバとの通信は、電子書籍装置1自身が行う場合に限らず、電子書籍装置1に接続された別体の通信機器が行う場合も含むものとする。例えば、電子書籍装置1がスマートフォン等の携帯端末である場合には、電子書籍サーバとの通信は、電子書籍装置1が自らの通信機能によって行うことになる。一方、電子書籍装置1が携帯端末(スマートフォン等)とターミナルモードで接続された車載機である場合には、電子書籍サーバとの通信は携帯端末が行い、車載機は、携帯端末が取得した電子書籍を携帯端末から転得することになる。
ここで、ターミナルモードとは、車載電子制御ユニット(ECU:Electronic Control Unit)と携帯機器間のインターフェースの標準化組織「Consumer Electronics for Automotive(CE4A)」が定め、ノキア・コーポレーションが推奨するインターフェース規格である。ターミナルモードによれば、携帯端末側のアプリケーションに基づく画像を車載機の表示部に表示させ、車載機の操作部(タッチパネル等)によって当該アプリケーションを操作することができる。このようなターミナルモードは、例えば、車載機にインストールされているターミナルモード用のアプリケーションをユーザ操作にともなって車載機の演算処理装置が実行することによって実現してもよい。また、ターミナルモードの確立に際しては、車載機と携帯端末との間で、両者のターミナルモード用のアプリケーションに基づいて、ターミナルモードでの接続に必要なデータの授受および動作設定が行われてもよい。ターミナルモードでの接続状態においては、基本的に、車載機側において、携帯端末側で表示されている携帯端末側のアプリケーションに基づく画像と同一の画像が携帯端末側から取得されて表示される。そして、このような状況下において、車載機側でタッチパネル操作等によって操作内容に応じた座標信号が入力されると、この入力結果が、携帯端末側に送信されて入力される。次に、このような座標信号の入力を受けた携帯端末の演算処理装置は、当該入力された座標信号と、予めメモリに保有されている車載機と携帯端末との画面座標対応関係データ(座標の対応関係を示すテーブルであってもよい)とに基づいて、携帯端末の画面上における当該座標信号に該当する座標を割り出す。次に、携帯端末の演算処理装置は、当該割り出した座標に対応するコマンドが存在する場合、すなわち、当該座標が、携帯端末側で表示されている携帯端末側のアプリケーションに基づく画像における既知の操作領域(操作ボタン等)に該当する場合には、該当するコマンドに応じた当該携帯端末側のアプリケーションの動作を実行する。そして、このような携帯端末側のアプリケーションの動作の実行結果は、携帯端末側から車載機側に入力されて、映像および音声の出力として反映されることになる。以上のようなターミナルモードにおける車載機と携帯端末との連携動作を前提として、本実施形態における電子書籍装置1が携帯端末とターミナルモードで接続された車載機である場合には、携帯端末側のアプリケーションとして、電子書籍閲覧アプリ(ビューア)を用いることになる。ただし、この場合(電子書籍装置1が車載機である場合)における携帯端末側の電子書籍閲覧アプリは、電子書籍をサーバから取得して閲覧するための従来通りの機能を備えたものであり、本発明に特有の機能については、車載機側の構成(アプリケーション)によって実現されることになる。その詳細は後述する。
また、図1に示すように、電子書籍装置1は、電子書籍表示手段としての電子書籍表示処理部3を有している。この電子書籍表示処理部3は、電子書籍取得部2によって取得された電子書籍のページを表示部4に表示するようになっている。このとき、電子書籍表示処理部3は、電子書籍取得部2によって取得された電子書籍の各ページのうち、表紙のページ(第1ページ)を最初に表示する。その後、電子書籍表示処理部3は、ページ送りを指示する入力操作に応じて、2ページ以降の各ページを、当該入力操作の回数の増加にしたがって順次表示する。なお、各ページには、付加情報としてページ番号が付加されていて、電子書籍表示処理部3は、このページ番号に基づいて、ページ送りによって次に表示すべきページの把握や後述する見開き表示の場合におけるページレイアウトを行うようにしてもよい。
さらに、図1に示すように、電子書籍装置1は、タッチパネル等の入力インターフェースからなる入力操作部5を有している。この入力操作部5は、表示部4に表示された操作画面に対する操作内容に応じた操作信号(座標信号)を出力することによって、電子書籍装置1に対して電子書籍の閲覧のための種々の入力操作を行うことが可能とされている。この入力操作には、ページ送りを指示する入力操作も含まれる。
さらにまた、図1に示すように、電子書籍装置1は、ページ送り方向設定手段としてのページ送り方向設定部6を有している。このページ送り方向設定部6は、電子書籍表示処理部3によって電子書籍を表示部4に表示する際における電子書籍のページ送りの方向(以下、ページ送り方向と称する)を自動的に設定するようになっている。
このページ送り方向設定部6について更に詳述すると、図1に示すように、ページ送り方向設定部6は、ページ番号認識手段としてのページ番号認識部7を有している。このページ番号認識部7は、電子書籍取得部2によって取得された電子書籍のページに表示情報として付されているページ番号をそのページ上における位置(座標範囲)とともに認識するようになっている。このページ番号の認識には、テンプレートマッチング等の公知の文字認識技術を適用してもよい。なお、ページ番号は、付加情報として各ページに内部的に付加されている場合であっても、表示情報としてページ上に付されているとは限らず、例えば、表紙(第1ページ)には、表示情報としてページ番号が付されないことが通常である。また、ページ番号は、ページの端縁部に付されていることが通常であるので、ページ全体のうちの端縁部に相当する一部の領域にページ番号の認識領域を限定することが効率的である。このようにページ番号の認識領域を限定すれば、誤って認識領域よりも内側の本文中の数字をページ番号であると認識することを未然に回避することもできる。
また、図1に示すように、ページ送り方向設定部6は、ページ番号位置判定手段としてのページ番号位置判定部8を有している。このページ番号位置判定部8は、ページ番号認識部7によってページ番号が認識された場合には、認識されたページ番号のページ内における位置が、ページの中央(横方向における中心位置)を基準として左右のいずれであるのかを判定するようになっている。このとき、ページ番号位置判定部8は、例えば、図2に示すように、1つのページにおけるページ番号の認識領域Aを横方向における中心位置(図2における破線部)を挟んで左右に二等分して認識した上で、ページ番号認識部7によって認識されたページ番号が右側の認識領域ARに含まれている場合には、ページ番号の位置が右であると判定し、ページ番号認識部7によって認識されたページ番号が左側の認識領域ALに含まれている場合には、ページ番号の位置が左であると判定してもよい。この判定の結果は、ページ番号認識部7によって認識されたページ番号と対応付けてメモリに記憶させるようにしてもよい。
図1に戻って、ページ送り方向設定部6は、ページ番号偶奇判定手段としてのページ番号偶奇判定部9を有している。このページ番号偶奇判定部9は、ページ番号認識部7によって認識されたページ番号の偶奇を判定するようになっている。この偶奇の判定には、テンプレートマッチング等の公知の文字認識技術を適用してもよい。また、偶奇の判定は、ページ番号認識部7によるページ番号の認識と同時に一回的に行ってもよい。さらに、ページに付加情報として付加されているページ番号を偶奇判定に利用してもよい。この判定の結果は、ページ番号認識部7によって認識されたページ番号およびページ番号位置判定部8の判定結果と対応付けてメモリに記憶させるようにしてもよい。
そして、本実施形態において、ページ送り方向設定部6は、ページ番号位置判定部8によってページ番号の位置が右であると判定された場合には、ページ番号偶奇判定部9によってページ番号が偶数であると判定された場合に、ページ送り方向を、右開きに対応する右→左方向に設定するようになっている。また、ページ送り方向設定部6は、ページ番号位置判定部8によってページ番号の位置が左であると判定された場合には、ページ番号偶奇判定部9によってページ番号が奇数であると判定された場合に、ページ送り方向を右→左方向に設定するようになっている。このようなページ送り方向(右→左方向)の設定は、右開きの電子書籍においては、偶数ページのページ番号がページの中央より右に付されているとともに、奇数ページのページ番号がページの中央より左に付されいている場合が多いといった実情に見合っている。また、このようなページ送り方向(右→左方向)の設定は、電子書籍装置1の記憶部に記憶されているページ送り方向フラグの設定値を右→左方向に対応する値にセットすることによって実現してもよい。この場合に、ページ送り方向フラグのデフォルト設定値は、左→右方向に対応する値であってもよい。さらに、ページ送り方向設定部6がセットしたページ送り方向フラグの設定値は、電子書籍の閲覧の終了(例えば、終了ボタンの押し下げや電子書籍閲覧アプリのシャットダウン等)の検知を以てデフォルト設定値に戻してもよい。
一方、ページ送り方向設定部6は、ページ番号位置判定部8によってページ番号の位置が左であると判定された場合には、ページ番号偶奇判定部9によってページ番号が偶数であると判定された場合に、ページ送り方向を、左開きに対応する左→右方向に設定するようになっている。また、ページ送り方向設定部6は、ページ番号位置判定部8によってページ番号の位置が右であると判定された場合には、ページ番号偶奇判定部9によってページ番号が奇数であると判定された場合に、ページ送り方向を左→右方向に設定するようになっている。このようなページ送り方向(左→右方向)の設定は、左開きの電子書籍においては、偶数ページのページ番号がページの中央より左に付されているとともに、奇数ページのページ番号がページの中央より右に付されいている場合が多いといった実情に見合っている。また、このようなページ送り方向(左→右方向)の設定は、前述したページ送り方向フラグの設定値を左→右方向に対応する値にセットすることによって実現してもよい。
ここで、図3は、ページ送り方向設定部6によるページ送り方向の設定を行う場合の有効な一例を示したものである。
具体的には、図3(a)は、ページ送り方向がページ送り方向フラグのデフォルト設定値等によって左→右方向に設定されている場合に、右開きの電子書籍の各ページ(表紙〜第5ページ)をページ送り(順送り)するのに要するフリック操作の方向を示している。図3(a)に示すように、ページ送り方向が左→右方向の場合には、右開きの電子書籍のページ表示画面(操作画面)に対して、右開きの電子書籍には整合しない左方向フリックを行わなければ、次ページに遷移することができない。この場合に、右開きに整合する右方向フリック(ページを右方向にめくる場合と同様のページ切り替えを選択する操作)を行った場合には、逆送りが行われることによって前ページに戻ってしまうことになる。
これに対して、図3(b)は、図3(a)において左→右方向であったページ送り方向を、ページ送り方向設定部6によって右→左方向に設定した状態を示している。このような状態によれば、右開きの電子書籍のページ表示画面に対して、右開きに整合した右方向フリックを行えば、次ページに適切に遷移することができる。
上記構成に加えて、更に、本実施形態において、電子書籍表示処理部3は、電子書籍の表示動作として、1ページ毎の個別表示だけでなく、見開き表示を行うことも可能とされている。この見開き表示は、見開き表示を指示するための入力操作部5の入力操作に応じて行われるようにしてもよい。なお、携帯端末の向きを検知するセンシングデバイス(電子コンパスや加速度センサ等)が搭載された携帯端末においては、携帯端末が縦向きから横向きにされたことをセンシングデバイスによって検知し、この検知を契機として縦向き表示(ポートレート表示)から横向き表示(ランドスケープ表示)への切り替えを自動的に行う機能を備えたものがあるが、このような機能に連動して1ページ毎の個別表示から見開き表示への切り替えを行うようにしてもよい。
そして、電子書籍表示処理部3は、見開き表示を行う際には、ページ送り方向設定部6の設定結果が右→左方向の場合には、ページ番号が偶数のページを見開きにおける右側ページに配置するとともに当該ページの次ページであるページ番号が奇数のページを当該見開きにおける左側ページに配置するようになっている。一方、電子書籍表示処理部3は、ページ送り方向設定部6の設定結果が左→右方向の場合には、ページ番号が偶数のページを見開きにおける左側ページに配置するとともに当該ページの次ページであるページ番号が奇数のページを当該見開きにおける右側ページに配置するようになっている。
ここで、図4および図5は、右開きの電子書籍として、風景写真集および法文集をそれぞれ見開き表示する場合の例を示している。すなわち、見開き表示の際に、ページ送り方向が図3(a)に示したような右開きの電子書籍に整合しない左→右方向となっている場合には、図4(a)および図5(a)に示すように、前ページが見開きの左側ページに配置されるとともに次ページが見開きの右側ページに配置されることになり、正しいレイアウトに対して左右逆転が生じてしまうことになる。これに対して、本実施形態においては、図3(b)に示したように、ページ送り方向を右開きの電子書籍に整合する右→左方向に設定することができるので、図4(b)および図5(b)に示すように、正しいレイアウトの見開き表示を実現することができる。
また、図6は、電子書籍装置1が携帯端末とターミナルモードで接続された車載機である場合における動作例を示している。すなわち、携帯端末のビューアのページ送り方向が左→右方向に設定されている状況下で、携帯端末側で右開きの電子書籍を対象とした見開き表示を行った場合には、左右のレイアウトが逆転した表示がなされる(STEP1)。そして、この場合には、ターミナルモードにより、車載機の表示部4に、携帯端末側と同様のレイアウトが左右逆転した見開き表示がなされる(STEP2)。しかしながら、車載機側においては、このような不適切なレイアウトを是正するためのアルゴリズムが直ちに実行される。すなわち、車載機(電子書籍装置1)のページ送り方向決定部6は、ページ番号認識部7により、見開き画面を2分割して、各分割画面ごとにページ番号を認識した上で、当該認識されたページ番号の位置および偶奇をページ番号位置判定部8およびページ番号偶奇判定部9によって判定し、この判定の結果に基づいたページ送り方向の設定を行う(STEP3)。これにより、ページ送り方向が車載機側で右→左方向に設定される。なお、STEP3において画面を2分割して扱う処理は、見開き表示が車載機側での入力操作(ターミナルモードを利用した携帯端末のビューアの操作)に応じて行われたのであれば、その操作が行われたことを契機として行うようにしてもよく、また、見開き表示が携帯端末側の独自の操作(例えば、携帯端末を横向きにする操作)に応じて行われたのであれば、携帯端末側から取得した画像のサイズまたはアスペクト比(縦サイズ:横サイズ)が、1ぺージ毎の表示の場合に比べて異なることが検出されたことを契機として行うようにしてもよい。次いで、電子書籍表示処理部3により、STEP2において表示された見開きにおけるページ(ページ番号)の配置状態が、STEP3において設定されたページ送り方向(右→左方向)に整合しないことを検知した上で、当該ページ送り方向に整合するように見開きのレイアウト変更すべく、先ずは、画面をキャプチャして2分割する(STEP4)。そして、電子書籍表示処理部3により、STEP4において2分割された画面の左右を入れ替えて再描画する(STEP5)。これにより、表示部4には、偶数ページが見開きの右側に配置され、奇数ページが見開きの左側に配置された正しいレイアウトの見開き表示がなされる(STEP6)。なお、STEP6以降は、車載機側で右開きに整合する例えば右方向フリックを行うことによって、見開きの次ページがめくれるようにページを遷移させたいわけであるが、そのようにするには、車載機側で設定されたページ送り方向(右→左方向)を、携帯端末のビューアに反映させる必要がある。しかるに、ターミナルモードにおいては、基本的に、携帯端末側の画面と同じ画面がそのまま車載機側に表示されるので、携帯端末のビューアの機能にページ送り方向の設定を変更する項目があったとしても、電子書籍を表示させたままの状態で携帯端末のビューアのページ送り方向設定を車載機側と同じ方向に設定し直すことはできない。そこで、電子書籍を表示させたままの状態で、車載機側で設定されたページ送り方向(右→左方向)を携帯端末のビューアに反映させる手段として、例えば、STEP6以降は、車載機側でのフリック操作(右方向フリック)の操作結果(入力操作部5の入力信号)を、電子書籍取得部2等によって逆方向への操作結果(左方向フリック)に変換し、これを携帯端末に操作信号として送信するようにしてもよい。このようにすれば、携帯端末のページ送り方向を左→右方向のまま変更できないとしても、車載機側での右開きに整合する操作(右方向フリック)が携帯端末側にはページ送りを指示する操作(左方向フリック)として入力されるため、携帯端末のビューアの機能が従来通りのままであっても、次ページに適切に遷移することができる。この場合に、次の見開きページに遷移した場合には、携帯端末側から、再びレイアウトが左右で逆転した画像が送られてくるが、これに対しては、STEP4〜STEP6の処理を再履行すればよい。
なお、電子書籍取得部2、電子書籍表示処理部3およびページ送り方向設定部6の各構成部は、これらの機能を実現するCPUやMPU等の演算処理装置や通信モジュールによって構成してもよい。この場合に、演算処理装置の実行プログラムや必要なデータ(テンプレート等)は、ROM等の記憶部に記憶させておき、演算処理装置の処理結果の一時的な保存は、RAM等の記憶部に対して行ってもよい。また、電子書籍装置1を携帯端末とターミナルモードで接続された車載機とする場合には、通信モジュールとしては、ターミナルモードでの接続状態における携帯端末との通信機能を備えたものを用いればよい。一方、電子書籍装置1を携帯端末とする場合には、通信モジュールとしては、電子書籍閲覧アプリに基づいて電子書籍サーバにアクセスして、電子書籍をダウンロードする通信機能を備えたものを用いればよい。なお、電子書籍装置1を携帯端末とする場合においても、車載機をターミナルモードで接続して、携帯端末側で表示される電子書籍を車載機側でもそのまま表示させるように構成してよいことは勿論である。
また、ページ送り方向の設定は、電子書籍取得部2によって取得された電子書籍の各ページのうちのページ番号認識部7によるページ番号の認識が最初に成功した1枚のページ(例えば、第2ページ)に対するページ番号位置判定部8およびページ番号偶奇判定部9の判定結果のみに基づいて行うようにしてもよい。あるいは、複数枚のページに対するページ番号位置判定部8およびページ番号偶奇判定部9の判定結果を総合的に判断して、ページ送り方向を設定してもよい。この場合には、複数枚のページの過半数に対して、ページ番号位置判定部8およびページ番号偶奇判定部9の判定結果が、同一のページ送り方向を示すものとなった場合には、そのページ送り方向を設定するようにしてもよい。
(電子書籍ページ送り設定方法)
次に、図1の電子書籍装置1を適用した本発明に係る電子書籍ページ送り設定方法の第1実施形態について、図7を参照して説明する。
本実施形態においては、まず、図7のステップ11(ST11)において、電子書籍取得部2により、ユーザが入力操作部5の操作によって指定した電子書籍を、電子書籍サーバとの通信を介して取得する。
次いで、ステップ12(ST12)において、ページ番号認識部7により、ステップ11(ST11)において取得された電子書籍のページ番号を認識する。
次いで、ステップ13(ST13)において、ページ送り方向設定部6により、ステップ12(ST12)によってページ番号が認識されたか否かを判定する。そして、ステップ13(ST13)において肯定的な判定結果が得られた場合には、ステップ14(ST14)に進み、否定的な判定結果が得られた場合には、処理を終了する。
次いで、ステップ14(ST14)において、ページ番号位置判定部8により、ステップ12(ST12)において認識されたページ番号の位置を判定する。
次いで、ステップ15(ST15)において、ページ番号偶奇判定部9により、ステップ12(ST12)において認識されたページ番号の偶奇を判定する。なお、このステップ15(ST15)は、ステップ14(ST14)と順序が逆になってもよい。
次いで、ステップ16(ST16)において、ページ送り方向設定部6により、ステップ14(ST14)において判定されたページ番号の位置が、ページの中央を基準として右であり、なおかつ、ステップ15(ST15)において判定されたページ番号の偶奇が、偶数であるか否かを判定する。そして、ステップ16(ST16)において肯定的な判定結果が得られた場合には、ステップ17(ST17)に進み、否定的な判定結果が得られた場合には、ステップ18(ST18)に進む。
ここで、ステップ17(ST17)に進んだ場合には、ページ送り方向設定部6により、ページ送り方向を右→左方向に設定して処理を終了する。
一方、ステップ18(ST18)に進んだ場合には、ページ送り方向設定部6により、ステップ14(ST14)において判定されたページ番号の位置が、ページの中央を基準として左であり、なおかつ、ステップ15(ST15)において判定されたページ番号の偶奇が、奇数であるか否かを判定する。そして、ステップ18(ST18)において肯定的な判定結果が得られた場合には、ステップ17(ST17)に進み、否定的な判定結果が得られた場合には、ステップ19(ST19)に進む。
次いで、ステップ19(ST19)において、ページ送り方向設定部6により、ステップ14(ST14)において判定されたページ番号の位置が、ページの中央を基準として右であり、なおかつ、ステップ15(ST15)において判定されたページ番号の偶奇が、奇数であるか否かを判定する。そして、ステップ19(ST19)において肯定的な判定結果が得られた場合には、ステップ20(ST20)に進み、否定的な判定結果が得られた場合には、ステップ21(ST21)に進む。
ここで、ステップ20(ST20)に進んだ場合には、ページ送り方向設定部6により、ページ送り方向を左→右方向に設定して処理を終了する。
一方、ステップ21(ST21)に進んだ場合には、ページ送り方向設定部6により、ステップ14(ST14)において判定されたページ番号の位置が、ページの中央を基準として左であり、なおかつ、ステップ15(ST15)において判定されたページ番号の偶奇が、偶数であるか否かを判定する。そして、ステップ21(ST21)において肯定的な判定結果が得られた場合には、ステップ20(ST20)に進み、否定的な判定結果が得られた場合には、処理を終了する。
以上説明したように、第1実施形態によれば、電子書籍の形態(右開き/左開き)に応じた適正なページ送り方向を、ページ番号の位置および偶奇に基づいて自動的に設定することができるので、ページ送り方向の設定にユーザの労力を要しなくすることができる。また、電子書籍の形態(右開き/左開き)の如何を問わず、電子書籍の形態を忠実に反映した適正な見開き表示を行うことができる。
<第2実施形態>
(電子書籍装置)
次に、本発明に係る電子書籍装置の第2実施形態について、第1実施形態との差異を中心に、図8乃至図11を参照して説明する。
なお、便宜上、第1実施形態と基本的な構成が同一もしくはこれに類する箇所については、同一の符号を用いて説明する。
図8は、本実施形態における電子書籍装置1を示すブロック図である。
本実施形態において、ページ番号位置判定部8は、ページ番号認識部7によって認識されたページ番号の位置がページの中央を基準として左右のいずれであるのかを判定するだけに止まらず、ページ番号の位置がページの中央である場合には、その旨の判定を行うようになっている。
また、図8に示すように、本実施形態において、ページ送り方向設定部6は、第1実施形態の構成に加えて、更に、縦書き/横書き判定手段としての縦書き/横書き判定部10を有している。
縦書き/横書き判定部10は、ページ番号位置判定部8によってページ番号の位置がページの中央であると判定された場合に、当該ページの本文中の各文字の下端部の配置状態および句読点の配置状態に基づいて、当該本文の書字方向が縦書きおよび横書きのいずれであるかの判定(以下、書字方向判定と称する)を行うようになっている。
なお、縦書き/横書き判定部10による書字方向判定は、ページ中に文章が記載されていることを認識した上で行うようにしてもよいことは勿論である。
ここで、書字方向判定の具体例について説明する。
まず、図9に示すように、ページの本文が横書きである場合には、本文中の各文字の配置状態として、各文字の下端部が横一線上に揃っている状態を認識することができるとともに、句読点の配置状態として、句読点が文字の下端部と同じ高さの位置において文字の左右に配置されている状態を認識することができる。このような認識の具体的手法としては、例えば、文字認識された任意の文字/句読点の下端部に接する横方向(X方向)の接線を定義し、この接線が、当該文字/句読点の真横に配置された他の所定数以上の文字/句読点にそれぞれ定義された同様の接線との間で縦方向(Y方向)へのオフセットがないことを検知するとともに、文字列が2つの句読点によって左右から挟まれていることを検知すること等を挙げることができる。そして、縦書き/横書き判定部10は、このような各文字の配置状態および句読点の配置状態が認識された場合には、本文が横書きであると判定してもよい。
次に、図10に示すように、ページの本文が縦書きである場合には、本文中の各文字の配置状態として、各文字の下端部が横一線上に揃っていない状態を認識することができるとともに、句読点の配置状態として、句読点が文字の中央(文字の中央に定義した縦方向の仮想直線)よりも右側に配置されている状態を認識することができる。そして、縦書き/横書き判定部10は、このような各文字の配置状態および句読点の配置状態が認識された場合には、本文が縦書きであると判定するようになっている。なお、縦書きである旨の判定は、句読点の配置状態として、句読点が文字の下端部と同じ高さの位置において文字の左右に配置されていない状態が認識されたことに基づいて行うようにしてもよい。
そして、本実施形態において、ページ送り方向設定部6は、縦書き/横書き判定部10によって縦書きであると判定された場合には、ページ送り方向を右→左方向に設定するようになっている。一方、ページ送り方向設定部6は、縦書き/横書き判定部10によって横書きであると判定された場合には、ページ送り方向を左→右方向に設定するようになっている。
このような縦書き/横書き判定部10による書字方向判定およびこの判定結果に応じたページ送り方向設定部6によるページ送り方向の設定は、ページ番号認識部7によってページ番号が認識されなかった場合にも行うようにしてもよい。
(電子書籍装置ページ送り方法)
次に、図8の電子書籍装置1を適用した本発明に係る電子書籍ページ送り設定方法の第2実施形態について、第1実施形態との差異を中心に、図11を参照して説明する。
図11に示すように、本実施形態の第1実施形態(図7)との相違点は、ステップ22(ST22)およびステップ23(ST23)の各工程が追加されている点にある。
ここで、ステップ22(ST22)は、ステップ21(ST21)において否定的な判定結果が得られた場合に実行される工程であり、このステップ22(ST22)においては、縦書き/横書き判定部10により、ステップ14(ST14)において判定されたページ番号の位置がページの中央であるか否かを判定する。そして、ステップ22(ST22)において肯定的な判定結果が得られた場合には、ステップ23(ST23)に進み、否定的な判定結果が得られた場合には、処理を終了する。
次に、ステップ23(ST23)は、前記のようにステップ22(ST22)において肯定的な判定結果が得られた場合に実行される工程であり、また、ステップ13(ST13)において否定的な判定結果が得られた場合にも実行される工程である。このステップ23(ST23)においては、縦書き/横書き判定部10による書字方向判定を行う。そして、ステップ23(ST23)において判定された書字方向が縦書きの場合には、ステップ17(ST17)に進み、横書きの場合には、ステップ20(ST20)に進む。
このような第2実施形態によれば、ページ番号の位置および偶奇に基づくページ送り方向の設定が不可能な場合においても、本文の書字方向に基づいた設定を行うことができる。
なお、本発明は、前述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の特徴を損なわない限度において種々変更することができる。
例えば、ページ番号認識部7によって認識することができるページ番号は、算用数字(アラビア数字)に限る必要はなく、ローマ数字等であってもよい。
また、アラビア語で記載された書籍は、英書や横書きの和書等とは異なり、横書きではあるが右開きであるため、第2実施形態において、本文の使用言語がアラビア語である場合には、縦書き/横書き判定部10の書字方向判定によって横書きであると判定された場合であっても、ページ送り方向設定部6によってページ送り方向を右→左方向に設定するように構成してもよい。ただし、この場合には、ページ送り方向設定部6に、本文の使用言語をテンプレートマッチング等の文字認識に基づいて判別する使用言語判別機能を持たせることが前提となる。
さらに、コミックの場合には、文字列の配置が不規則になる場合があるので、第2実施形態における書字方向判定を適切に行うことができない場合がある。したがって、書字方向判定において、縦書き/横書きの判定基準が満足されなかった場合には、例えば、ページ内に吹き出しに相当する無端の枠で囲まれた文字列が配置されているといった条件が満足された場合に、電子書籍がコミックであるとみなして、コミックに特化したページ送り方向の設定を行うようにしてもよい。この場合に、枠内の文字列の主要言語が日本語であることが文字認識された場合には、右→左方向に設定し、英語の場合には、左→右方向に設定してもよい。
さらにまた、ページ送りのための操作としては、フリック操作以外にも、ドラッグ操作や、方向指示キーまたは見開きの一方のページをタップする操作等を受け付けてもよい。また、ページ送りの表示態様は、恰もページがめくれるような表示態様に限らず、ページが瞬時に次ページに切り替わるような表示態様や、次ページが、前ページのページ送り方向側の端部に連なるようにしてドラッグ操作の進行にともなって徐々に表示画面上に表われてくる(前ページが徐々に表示画面上から消える)表示態様であってもよい。
1 電子書籍装置
2 電子書籍取得部
3 電子書籍表示処理部
4 表示部
6 ページ送り方向設定部
7 ページ番号認識部
8 ページ番号位置判定部
9 ページ番号偶奇判定部

Claims (9)

  1. 電子書籍を取得する電子書籍取得手段と、
    この電子書籍取得手段によって取得された前記電子書籍を表示部に表示する電子書籍表示手段と
    を備えた電子書籍装置であって、
    前記電子書籍表示手段によって前記電子書籍を前記表示部に表示する際における前記電子書籍のページ送りの方向を設定するページ送り方向設定手段を備え、
    当該ページ送り方向設定手段は、
    前記電子書籍取得手段によって取得された前記電子書籍のページに付されているページ番号を認識するページ番号認識手段と、
    このページ番号認識手段によって認識された前記ページ番号の位置が前記ページの中央を基準として左右のいずれであるのかを判定するページ番号位置判定手段と、
    前記ページ番号認識手段によって認識されたページ番号の偶奇を判定するページ番号偶奇判定手段と
    を備え、
    前記ページ番号位置判定手段によって前記ページ番号の位置が右であると判定された場合には、前記ページ番号偶奇判定手段によって当該ページ番号が偶数であると判定された場合に、前記ページ送りの方向を、右開きに対応する右から左方向に設定し、
    前記ページ番号位置判定手段によって前記ページ番号の位置が左であると判定された場合には、前記ページ番号偶奇判定手段によって当該ページ番号が偶数であると判定された場合に、前記ページ送りの方向を、左開きに対応する左から右方向に設定すること
    を特徴とする電子書籍装置。
  2. 前記ページ送り方向設定手段は、
    前記ページ番号位置判定手段によって前記ページ番号の位置が左であると判定された場合には、前記ページ番号偶奇判定手段によって当該ページ番号が奇数であると判定された場合に、前記ページ送りの方向を前記右から左方向に設定し、
    前記ページ番号位置判定手段によって前記ページ番号の位置が右であると判定された場合には、前記ページ番号偶奇判定手段によって当該ページ番号が奇数であると判定された場合に、前記ページ送りの方向を前記左から右方向に設定すること
    を特徴とする請求項1に記載の電子書籍装置。
  3. 前記電子書籍表示手段は、
    見開き表示を行うことが可能とされ、前記見開き表示を行う際には、前記ページ送り方向設定手段の設定結果が前記右から左方向の場合には、ページ番号が偶数のページを見開きにおける右側ページに配置するとともに当該ページの次ページであるページ番号が奇数のページを当該見開きにおける左側ページに配置し、前記ページ送り方向設定手段の設定結果が前記左から右方向の場合には、ページ番号が偶数のページを見開きにおける左側ページに配置するとともに当該ページの次ページであるページ番号が奇数のページを当該見開きにおける右側ページに配置すること
    を特徴とする請求項1または請求項2に記載の電子書籍装置。
  4. 前記ページ番号位置判定手段は、前記ページ番号の位置が前記ページの中央である場合には、その旨の判定を行い、
    前記ページ送り方向設定手段は、
    前記ページ番号位置判定手段によって前記ページ番号の位置が中央であると判定された場合に、当該ページの本文中の各文字の下端部の配置状態および句読点の配置状態に基づいて、当該本文の書字方向が縦書きおよび横書きのいずれであるのかを判定する縦書き/横書き判定手段を備え、
    前記縦書き/横書き判定手段によって前記縦書きであると判定された場合には、前記ページ送りの方向を前記右から左方向に設定し、
    前記縦書き/横書き判定手段によって前記横書きであると判定された場合には、前記ページ送りの方向を前記左から右方向に設定すること
    を特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の電子書籍装置。
  5. 前記縦書き/横書き判定手段による前記書字方向の判定およびこの判定結果に応じた前記ページ送り方向設定手段による前記ページ送りの方向の設定は、前記ページ番号認識手段によって前記ページ番号が認識されなかった場合にも行うこと
    を特徴とする請求項4に記載の電子書籍装置。
  6. 電子書籍を電子書籍装置の表示部に表示する際における前記電子書籍のページ送りの方向を設定するための電子書籍ページ送り設定方法であって、
    前記電子書籍を取得する第1のステップと、
    この第1のステップにおいて取得された前記電子書籍のページに付されているページ番号を認識する第2のステップと、
    この第2のステップにおいて認識された前記ページ番号の位置が前記ページの中央を基準として左右のいずれであるのかを判定する第3のステップと、
    前記第2のステップにおいて認識されたページ番号の偶奇を判定する第4のステップと、
    前記第3のステップにおいて前記ページ番号の位置が右であると判定された場合には、前記第4のステップにおいて当該ページ番号が偶数であると判定された場合に、前記ページ送りの方向を、右開きに対応する右から左方向に設定する第5のステップと、
    前記第3のステップにおいて前記ページ番号の位置が左であると判定された場合には、前記第4のステップにおいて当該ページ番号が偶数であると判定された場合に、前記ページ送りの方向を、左開きに対応する左から右方向に設定する第6のステップと
    を含むことを特徴とする電子書籍ページ送り設定方法。
  7. 前記第5のステップは、前記第3のステップにおいて前記ページ番号の位置が左であると判定された場合には、前記第4のステップにおいて当該ページ番号が奇数であると判定された場合に、前記ページ送りの方向を前記右から左方向に設定するステップであり、
    前記第6のステップは、前記第3のステップにおいて前記ページ番号の位置が右であると判定された場合には、前記第4のステップにおいて当該ページ番号が奇数であると判定された場合に、前記ページ送りの方向を前記左から右方向に設定するステップであること
    を特徴とする請求項6に記載の電子書籍ページ送り設定方法。
  8. 前記第3のステップは、前記ページ番号の位置が前記ページの中央である場合には、その旨の判定を行うステップであり、
    前記第3のステップにおいて前記ページ番号の位置が中央であると判定された場合に、当該ページの本文中の各文字の下端部の配置状態および句読点の配置状態に基づいて、当該本文の書字方向が縦書きおよび横書きのいずれであるのかを判定する第7のステップを含み、
    前記第5のステップは、前記第7のステップにおいて前記縦書きであると判定された場合に、前記ページ送りの方向を前記右から左方向に設定するステップであり、
    前記第6のステップは、前記第7のステップにおいて前記横書きであると判定された場合に、前記ページ送りの方向を前記左から右方向に設定するステップであること
    を特徴とする請求項6または請求項7に記載の電子書籍ページ送り設定方法。
  9. 前記第7のステップにおける前記書字方向の判定は、前記第2のステップにおいて前記ページ番号が認識されなかった場合にも行うこと
    を特徴とする請求項8に記載の電子書籍ページ送り設定方法。
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