JP2013118876A - ゴルフスイングの診断方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】スイングの良否が手軽に診断できる方法の提供。
【解決手段】本発明に係るゴルフスイングの診断方法は、次のステップを含む。
(x)ゴルフクラブをスイングしてゴルフボールを打撃するゴルファー及びこのゴルフクラブをカメラが撮影し、シャフト位置を決めるための複数のフレームが得られるステップ。
(y)演算部が、上記複数のフレームを用いて、シャフトの位置を判断するためのチェックフレームと他のフレームとで差分処理及び二値化処理を行い、二値化された差分画像を得るステップ。
(z)演算部が、この差分画像又はその修正画像にハフ変換処理を施して、シャフト位置の抽出を試みるステップ。
【選択図】図26

Description

本発明は、ゴルフスイングの良否を診断する方法に関する。
ゴルファーがゴルフボールを打撃するとき、左右の爪先を結ぶ線が打撃方向とほぼ平行となるようにアドレスする。右利きのゴルファーのアドレスでは、左足が打撃方向前側に位置し、右足が打撃方向後側に位置する。アドレスでは、ゴルフクラブのヘッドはゴルフボールの近くに位置する。この状態からゴルファーはテイクバックを開始し、ヘッドを後へ、次いで上方へと振り上げる。最もヘッドが振り上げられた位置がトップである。トップから、ダウンスイングが開始される。ダウンスイングの開始時点は、切り返しと称されている。切り返しの後、ヘッドが振り下ろされ、ヘッドがゴルフボールと衝突する(インパクト)。インパクト後、ゴルファーはゴルフクラブを前方へ、次いで上方へと振り抜き(フォロースルー)、フィニッシュを迎える。
ゴルファーの技量向上において、適切なスイングフォームの習得が重要である。技量向上の一助とすべく、スイング診断がなされている。スイング診断では、ビデオカメラでスイングが撮影される。ゴルフ用品の開発に役立つ資料の収集の目的で、スイングが撮影されることもある。
古典的なスイング診断では、ティーチングプロ等が動画を見て、スイング中の問題点を指摘する。一方、画像処理によってスイングを診断しようとの試みも、なされている。画像処理による場合、多数のフレームの中から、診断に必要なフレームが抽出される必要がある。この抽出方法の一例が、特開2005−210666号公報に開示されている。この方法では、差分処理によって抽出がなされる。また、精度のよいスイング診断には、良好な画像が必要とされる。特開2011−78066号には、スイング撮影時における手ブレ補正方法の一例が開示されている。
特開2005−210666号公報 特開2011−78066号公報
特開2005−210666公報に開示された方法では、シャフトにマークが付いたゴルフクラブが用いられる。このようなゴルフクラブが、事前に準備される必要がある。この方法は、ゴルフ用品ショップでの撮影に基づいてなされる診断には適している。しかし、ゴルフコースやドライビングレンジで、一般のゴルフクラブを用いてスイングがなされる場合の診断には、不向きである。
本発明の目的は、スイングの良否が手軽に診断できる方法の提供にある。
本発明に係るゴルフスイングの診断方法は、次のステップを含む。
(x)ゴルフクラブをスイングしてゴルフボールを打撃するゴルファー及びこのゴルフクラブをカメラが撮影し、シャフト位置を決めるための複数のフレームが得られるステップ。
(y)演算部が、上記複数のフレームを用いて、シャフトの位置を判断するためのチェックフレームと他のフレームとで差分処理及び二値化処理を行い、二値化された差分画像を得るステップ。
(z)演算部が、この差分画像又はその修正画像にハフ変換処理を施して、シャフト位置の抽出を試みるステップ。
好ましくは、この診断方法は、次のステップ(Sa)及び/又はステップ(Sb)を更に含む。
(Sa)上記シャフト位置の抽出を試みるステップにおいて上記チェックフレームのシャフト位置が抽出されたか否かによって、ゴルファーの姿勢の良否が判断されるステップ。
(Sb)上記シャフト位置の抽出を試みるステップにおいて上記チェックフレームのシャフト位置が抽出された場合、そのシャフト位置によってゴルファーの姿勢の良否が判断されるステップ。
好ましくは、上記チェックフレームが、トップのフレームである。好ましくは、上記チェックフレームが、フィニッシュのフレームである。
他の観点による本発明は、次のステップを含む。
(1)ゴルフクラブをスイングしてゴルフボールを打撃するゴルファー及びこのゴルフクラブをカメラが撮影し、シャフト位置を決めるための複数のフレームが得られるステップ。
(2)演算部が、上記複数のフレームから、複数の所定フレームを抽出するステップ。
(3)演算部が、上記複数の所定フレームを用いて差分処理及び二値化処理を行い、複数の二値化された差分画像を得るステップ。
(4)演算部が、上記複数の差分画像に対してAND処理を施し、シャフト位置を抽出するためのAND画像を得るステップ。
(5)演算部が、上記AND画像を用いて、シャフト探索領域を決定するステップ。
(6)演算部が、複数の上記AND画像又はその修正画像のそれぞれにハフ変換処理を施して、シャフト位置の時系列的な抽出を試みるステップ。
好ましくは、この診断方法は、次のステップを更に含む。
(7)演算部が、 上記差分画像及び/又は上記AND画像に収縮処理及び膨張処理を施して、マスク画像を得るステップ。
(8)演算部が、上記AND画像と上記マスク画像との差分処理によって、マスク処理済み差分画像を得るステップ。
好ましくは、上記修正画像が、このマスク処理済み差分画像である。
好ましくは、上記時系列的な抽出の結果として、チェックフレームのシャフト位置の抽出結果と、このチェックフレームより前のシャフト位置の抽出結果とが得られる。好ましくは、このチェックフレームのシャフト位置が抽出できなかった場合、このチェックフレームより前のシャフト位置が抽出されたか否かによって、このチェックフレームにおけるシャフト位置の抽出の適否が判断される。好ましくは、上記チェックフレームは、トップ又はフィニッシュのフレームである。
本発明に係るゴルフスイングの診断システムは、
(A)ゴルフクラブをスイングしてゴルフボールを打撃するゴルファー及びこのゴルフクラブを撮影するカメラ
(B)撮影された画像データを記憶するメモリ
及び
(C)演算部
を備えている。上記演算部が、
(C1)上記画像データから、複数の所定フレームを抽出する機能、
(C2)上記複数の所定フレームを用いて差分処理及び二値化処理を行い、複数の二値化された差分画像を得る機能、
(C3)上記複数の差分画像にAND処理を施し、シャフト位置を抽出するためのAND画像を得る機能、
(C4)上記AND画像を用いて、シャフト探索領域を決定する機能、
及び、
(C5)複数の上記AND画像又はその修正画像にハフ変換処理を施して、シャフト位置の時系列的な抽出を試みる機能
を有する。
本発明に係る方法により、ゴルフスイングの良否が手軽に診断されうる。
図1は、本発明の一実施形態に係るスイング診断システムが示された概念図である。 図2は、図1のシステムによってなされるゴルフスイングの診断方法が示されたフローチャートである。 図3は、図1のカメラの画面が示された説明図である。 図4は、チェックフレームの決定方法が示されたフローチャートである。 図5は、アドレスのフレームが決定される方法が示されたフローチャートである。 図6は、ソーベル法のための説明図である。 図7は、二値化された画像である。 図8は、インパクトのフレームが決定される方法が示されたフローチャートである。 図9は、第44番目のフレームと基準フレームとの差分の結果が示された画像である。 図10は、第62番目のフレームと基準フレームとの差分の結果が示された画像である。 図11は、第75番目のフレームと基準フレームとの差分の結果が示された画像である。 図12は、第76番目のフレームと基準フレームとの差分の結果が示された画像である。 図13は、第77番目のフレームと基準フレームとの差分の結果が示された画像である。 図14は、第78番目のフレームと基準フレームとの差分の結果が示された画像である。 図15は、差分値が示されたグラフである。 図16は、トップのフレームが決定される方法が示されたフローチャートである。 図17は、差分値が示されたグラフである。 図18は、テイクバックの所定位置のフレームが決定される方法が示されたフローチャートである。 図19は、第30番目のフレームと基準フレームとの差分の結果が示された画像である。 図20は、第39番目のフレームと基準フレームとの差分の結果が示された画像である。 図21は、第41番目のフレームと基準フレームとの差分の結果が示された画像である。 図22は、第43番目のフレームと基準フレームとの差分の結果が示された画像である。 図23は、第52番目のフレームと基準フレームとの差分の結果が示された画像である。 図24は、第57番目のフレームと基準フレームとの差分の結果が示された画像である。 図25は、トップのシャフトの抽出方法の一例が示されたフローチャートである。 図26は、図25の抽出方法の過程で生成される画像を示す図である。 図27は、アドレス画像のエッジ画像におけるシャフト探索範囲が示された図である。 図28は、アドレスでの手元位置が示されたマスク画像1である。 図29は、図28に頭の位置が追加されたマスク画像1である。 図30は、図29にトップ近傍での手元位置が追加されたマスク画像1である。 図31は、シャフト探索領域の一例が示されたAND画像である。 図32は、シャフト探索領域の他の例が示されたAND画像である。
以下、適宜図面が参照されつつ、好ましい実施形態に基づいて本発明が詳細に説明される。
図1に示されたシステム2は、携帯電話機4とサーバ6とを備えている。携帯電話機4とサーバ6とは、通信回線8を介して接続されている。携帯電話機4は、カメラ10、メモリ12及び送受信部14を備えている。メモリ12の具体例としては、RAM、SDカード(ミニSD、マイクロSD等を含む)及びその他の記憶媒体が挙げられる。サーバ6は、演算部16、メモリ18及び送受信部20を備えている。典型的な演算部16は、CPUである。
図2には、図1のシステム2によってなされるゴルフスイング診断方法のフローチャートが示されている。この診断方法では、カメラ10によって撮影がなされる(STEP1)。図3には、撮影が開始される前の画面が示されている。この画面は、携帯電話機4のモニタ(図示されず)に表示される。この画面には、ゴルフクラブ22を持ったゴルファー24のアドレスが撮影されている。この画面では、ゴルファー24が後方から撮影されている。この画面には、第一枠26及び第二枠28が示されている。これらの枠26、28は、携帯電話機4のCPU(図示されず)の上で実行されるソフトウエアにより、表示される。これらの枠26、28は、撮影者がカメラ10のアングルを決定するときの一助となる。撮影者は、第一枠26にグリップ30が含まれ、第二枠28にヘッド32が含まれるように、カメラ10のアングルを決定する。これらの枠26、28は、カメラ10とゴルファー24との距離の決定の一助ともなる。
図3に示された状態から、撮影が開始される。撮影開始後、ゴルファー24はスイングを開始する。ゴルフボール(図示されず)が打撃され、さらにスイングが終了するまで、撮影が継続される。撮影により、動画のデータが得られる。このデータは、多数のフレームからなる。これらフレームが、メモリ12に記憶される(STEP2)。各フレームの画素数は、例えば640×480である。各画素は、RGB系の色情報を有している。
撮影者又はゴルファー24が携帯電話機4を操作することにより、動画のデータがサーバ6へと送信される(STEP3)。データは、携帯電話機4の送受信部14から、サーバ6の送受信部20へ送信される。送信は、通信回線8を介してなされる。データは、サーバ6のメモリ18に記憶される(STEP4)。
演算部16は、手ブレ補正を行う(STEP5)。後に詳説される通り、本発明に係る診断方法では、フレーム間の差分処理がなされる。手ブレ補正は、この差分処理の精度を高める。手ブレ補正方法の一例が、特開2011−78066に開示されている。携帯電話機4が十分な手ブレ補正機能を有している場合、演算部16による手ブレ補正が省略されうる。
演算部16は、多数のフレームの中から、スイングの良否の判定に供されるフレームを決定する(STEP6)。以下、このフレームはチェックフレームと称される。例えば、
(1)アドレス
(2)テイクバック中の所定位置
(3)トップ
(4)切り返し
(5)インパクト
(6)フィニッシュ
に相当するフレームが、抽出される。テイクバック中の所定位置には、腕が水平である位置が含まれる。切り返しとは、ダウンスイングの開始直後の状態を意味する。切り返しでは、腕はほぼ水平である。チェックフレームの抽出ステップ(STEP6)の詳細は、後に説明される。
演算部16は、それぞれのチェックフレームに関し、輪郭を決定する(STEP7)。具体的には、ゴルファー24の体の輪郭又はゴルフクラブ22の輪郭を決定する。演算部16は、この輪郭に基づき、スイングの良否を判定する(STEP8)。
判定結果は、サーバ6の送受信部20から携帯電話機4の送受信部14へと送信される(STEP9)。判定結果は、携帯電話機4のモニタに表示される(STEP10)。モニタを見たゴルファー24は、スイングのうち是正すべき箇所を知ることができる。このシステム2は、ゴルファー24の技量の向上に寄与しうる。
前述の通り、チェックフレームの決定(STEP6)は、演算部16が行う。この演算部16は、以下の機能を有する。
(1)上記画像データから抽出されたフレームのエッジ画像を得る機能
(2)このエッジ画像に対して所定の閾値に基づく二値化を施し、二値化画像を得る機能
(3)この二値化画像にハフ処理を施してゴルフクラブ22のシャフト34の位置を抽出し、ゴルフクラブ22の先端座標を特定する機能
(4)異なるフレーム間の先端座標を対比することにより、アドレス時の仮フレームを決定する機能
(5)上記仮フレームよりも所定数後のフレームから逆送りで各フレームの基準領域内の色情報を算出し、この色情報の変化に基づいてアドレス時のフレームを決定する機能
(6)上記アドレス時のフレームから所定数後のフレームを基準フレームとして、この基準フレーム以降の各フレームとこの基準フレームとの差分値を算出し、この差分値の変化に基づいてインパクトのフレームを決定する機能
(7)上記インパクトのフレームよりも前の複数のフレームに関して直前フレームとの差分値を算出し、この差分値に基づいてトップのフレームを決定する機能
(8)上記インパクトのフレームよりも後の複数のフレームに関して直前フレームとの差分値を算出し、この差分値に基づいてフィニッシュのフレームを決定する機能
(9)上記アドレスのフレーム以降の複数のフレームに関し、このアドレスのフレームとの差分値を算出する機能
(10)各フレームの差分画像にハフ変換処理を施して、シャフト34の位置を抽出する機能
(11)上記シャフト34の位置の変化に基づいて、テイクバック中の所定のポジションのフレームを決定する機能
(12)上記複数の画像データから、複数の所定フレームを抽出する機能
(13)上記複数の所定フレームを用いて差分処理及び二値化処理を行い、複数の二値化された差分画像を得る機能
(14)上記複数の差分画像にAND処理を施し、AND画像を得る機能
(15)上記AND画像を用いて、シャフト探索領域を決定する機能
(16)複数の上記AND画像にハフ変換処理を施して、シャフト位置の時系列的な抽出を試みる機能
(17)複数の上記AND画像を修正して得られた複数の修正画像にハフ変換処理を施して、シャフト位置の時系列的な抽出を試みる機能
(18)所定のピクセル数以上の面積の領域を残し、所定のピクセル数未満の面積の領域を消去するラベリング機能
(19)収縮処理を行う機能
(20)膨張処理を行う機能
(21)差分画像に収縮処理及び膨張処理を施してマスク画像を得る機能
(22)上記AND画像と上記マスク画像との差分処理によって、マスク処理済み差分画像を得る機能
(23)上記マスク処理済み差分画像にハフ変換処理を施して、シャフト位置の抽出を試みる機能
(24)チェックフレーム及びそのチェックフレームの前の1以上のフレームについてハフ変換処理を施して、複数のフレームについてシャフトの位置の抽出結果を得る機能
(25)上記(24)における複数の抽出結果に基づいて、チェックフレームにおけるシャフトの位置及び/又はスイングの良否を判断する機能
なお、本願において、「シャフト抽出を試みる」との表現を用いているのは、トップ等のチェックフレームにおいてシャフトの抽出が困難な場合があることを考慮したためである。
図4には、チェックフレームの決定方法のフローチャートが示されている。この決定方法は、アドレスのフレームが決定されるステップ(STEP61)、インパクトのフレームが決定されるステップ(STEP62)、トップのフレームが決定されるステップ(STEP63)、テイクバックの所定位置のフレームが決定されるステップ(STEP64)及びフィニッシュのフレームが決定されるステップ(STEP65)を含む。テイクバックの所定位置とは、例えば、腕が水平である位置である。なお、フィニッシュのフレームが決定されるステップ(STEP65)は省略されてもよい。
フィニッシュのフレームが決定されるステップ(STEP65)は、例えば、インパクトのフレームから所定数後のフレームとされうる。また、このフィニッシュのフレームが決定されるステップ(STEP65)は、トップのフレームが決定されるステップ(STEP63)と同様の方法とされてもよい。
図4に示された方法によって決定されたフレームに基づいて、他のチェックフレームが決定されてもよい。例えば、インパクトのフレームから所定数前のフレームが、切り返しのフレームとされうる。
図5には、アドレスのフレームが決定される方法のフローチャートが示されている。この方法では、各フレームが、RGB画像から濃淡画像へと変換される(STEP611)。この変換は、後のエッジ検出を容易とする目的でなされる。濃淡画像における値Vは、例えば以下の数式によって算出される。
V = 0.30 ・ R + 0.59 ・ G + 0.11 ・ B
この濃淡画像からエッジが検出され、エッジ画像が得られる(STEP612)。エッジでは、値Vの変化が大きい。従って、値Vの変化に対して微分又は差分が行われることにより、エッジが検出されうる。微分又は差分の演算に際し、ノイズが除去されることが好ましい。エッジの検出方法の一例として、ソーベル(Sobel)法が挙げられる。他の方法によってエッジが検出されてもよい。他の方法としては、プレビット(Prewitt)法が例示される。
図6は、ソーベル法のための説明図である。図6中のAからIは、各画素の値Vを表している。値Eから、ソーベル法により、値E’が計算される。値E’は、エッジ強度である。値E’は、下記数式によって得られる。
E’ = (f +f 1/2
この数式において、f及びfは、下記数式によって得られる。
= C + 2 ・ F + I − (A + 2 ・ D + G)
= G + 2 ・ H + I − (A + 2 ・ B + C)
このエッジ画像の各画素が、二値化される(STEP613)。二値化の閾値は、天候、時刻等に応じ、適宜決定される。二値化により、モノクロ画像が得られる。モノクロ画像の一例が、図7に示されている。
このモノクロ画像のデータが、ハフ変換に供される(STEP614)。ハフ変換は、幾何学的形状の規則性を利用して画像から線を抽出する方法である。ハフ変換により、直線、円、楕円等が抽出されうる。本実施形態では、ハフ変換により、ゴルフクラブ22のシャフト34に対応する直線が抽出される。
直線は、この直線に直交する線がx軸に対してなす角度θと、この直線と原点との距離ρとによって表されうる。角度θは、原点(0,0)を中心とする時計回りの角度である。原点は、左上である。x−y平面上の直線は、θ−ρ平面上での点に対応する。一方、x−y平面上の点(x,y)は、θ−ρ平面上では、下記数式で表される正弦曲線に変換される。
ρ = x ・ cosθ + y ・ sinθ
x−y平面上で同一直線上にある点をθ−ρ平面に変換すると、全ての正弦曲線が1つの点で交差する。θ−ρ平面において多数の正弦曲線が通過する点が判明すれば、この点に相当するx−y平面上の直線が判明する。
このハフ変換により、シャフト34に対応する直線の抽出を試みる。テイクバックにおけるシャフト34が水平であるフレームでは、シャフト34の軸方向は、カメラ10の光軸とほぼ一致する。このようなフレームでは、シャフト34に対応する直線は抽出され得ない。本実施形態では、ρを指定せず、θを30°以上60°以下と指定し、xを200以上480以下と指定し、yを250以上530以下と指定して、直線の抽出を試みる。θをこの範囲に指定するので、直立するポールに相当する直線は、抽出されない。地面に置かれ水平方向に延在する物体に相当する直線も、抽出されない。θを30°以上60°以下に指定することでシャフト34に相当しない直線をシャフト34に相当する直線と誤認識することが防がれる。本実施形態では、投票数(1つの直線が通過する画素の数)が150以上である直線の中で最大のものを、シャフト34に対応する直線とみなす。ハフ変換によってシャフト34に相当する直線が抽出されたフレームでは、シャフト34の先端座標(直線の先端位置)が取得される(STEP615)。
本実施形態では、撮影開始後50枚目のフレームから、逆送りで、先端座標の取得がなされる。前後のフレームとの間での、先端の移動距離が所定値以下となるフレームを、アドレスの仮フレームと決定する(STEP616)。本実施形態では、第二枠28(図3参照)の中に先端があり、かつ(f−1)番目から(f+2)番目までの先端の移動距離の総和が40以下であるf番目のフレームを、仮フレームとする。
仮フレームの前後の複数のフレームに関し、SAD(色情報)が算出される(STEP617)。SADは、下記の数式(F1)によって算出される。
SAD = (RSAD + GSAD + BSAD) / 3 (F1)
この数式(F1)において、RSADは下記数式(F2)によって算出され、GSADは下記数式(F3)によって算出され、BSADは下記数式(F4)によって算出される。
RSAD = (Rf1 − Rf2) (F2)
GSAD = (Gf1 − Gf2) (F3)
BSAD = (Bf1 − Bf2) (F4)
上記数式(F2)において、Rf1はf番目の第二枠28内のR値を表し、Rf2は(f+1)番目の第二枠28内のR値を表す。上記数式(F3)において、Gf1はf番目の第二枠28内のG値を表し、Gf2は(f+1)番目の第二枠28内のG値を表す。上記数式(F4)において、Bf1はf番目の第二枠28内のB値を表し、Bf2は(f+1)番目の第二枠28内のB値を表す。
仮フレームから所定数後のフレームから、逆送りで、各フレームのSADが算出される。本実施形態では、仮フレームから7後のフレームから、仮フレームから10前のフレームまでのSADが算出される。SADが最初に50未満となったフレームをもって、アドレスの本フレームと決定される(STEP618)。このフレームは、チェックフレームである。このチェックフレームについて、輪郭の決定(STEP7)及びスイングの良否の判定(STEP8)がなされる。SADが50未満であるフレームが存在しないときは、SADが最小であるフレームが、アドレスの本フレームと決定される。
図8には、インパクトのフレームが決定される方法のフローチャートが示されている。アドレスのフレームは既に決定されているので、このアドレスのフレームから所定数後のフレームを、基準フレームと決定する(STEP621)。基準フレームは、インパクト前であって、かつ第二枠28にゴルフクラブ22が写っていないフレームである。本実施形態では、アドレスのフレームから25後のフレームが、基準フレームとされる。
基準フレームと、この基準フレームの後の各フレームとの間で、差分処理がなされる(STEP622)。差分処理は、画像処理の1つとして既知な処理である。図9から14に、差分画像が示されている。それぞれの画像の詳細は、以下の通りである。
図9:第44番目のフレームと基準フレームとの差分画像
図10:第62番目のフレームと基準フレームとの差分画像
図11:第75番目のフレームと基準フレームとの差分画像
図12:第76番目のフレームと基準フレームとの差分画像
図13:第77番目のフレームと基準フレームとの差分画像
図14:第78番目のフレームと基準フレームとの差分画像
差分処理後の画像について、第二枠28内の差分値が算出される(STEP623)。この差分値が、図15のグラフに示されている。このグラフより、第77番目のフレームの差分値が最も大きいことが分かる。この第77番目のフレームが、インパクトのフレームと決定される(STEP624)。このフレームは、チェックフレームの一例である。このチェックフレームについて、輪郭の決定(STEP7)及びスイングの良否の判定(STEP8)がなされる。
図16には、トップのフレームが決定される方法のフローチャートが示されている。インパクトのフレームは、既に決定されている。このインパクトのフレームから、インパクトの所定数前までのフレームについて、差分処理がなされる(STEP631)。差分処理は、当該フレームと、当該フレームの1つ後のフレームとの間でなされる。差分処理により、差分値が得られる。この差分値が、図17に示されている。本実施形態では、インパクトよりも15前のフレームからインパクトのフレームまでの間で、差分値が最小であるフレームが選定される(STEP632)。図17の例では、第77番目のフレームがインパクトのフレームであり、第65番目のフレームがトップのフレームである。第65番目のフレームは、チェックフレームである。このチェックフレームについて、輪郭の決定(STEP7)及びスイングの良否の判定(STEP8)がなされる。
フィニッシュのフレームが決定される方法は、トップのフレームが決定される方法と同様とされうる。インパクトのフレームは、既に決定されている。このインパクトの所定数後のフレームから、最後のフレームまでについて、差分処理がなされる。差分処理は、当該フレームと、当該フレームの1つ後のフレームとの間でなされる。差分処理により、差分値が得られる。例えば、インパクトよりも所定数後のフレームから最後のフレームまでの間で、差分値が最小であるフレームが、フィニッシュのフレームに選定される。このフィニッシュのフレームは、チェックフレームである。このチェックフレームについて、輪郭の決定(STEP7)及びスイングの良否の判定(STEP8)がなされる。
図18には、テイクバックの所定位置のフレームが決定される方法のフローチャートが示されている。アドレスのフレームは、既に決定されている。このアドレスのフレーム以降のフレームに、差分処理がなされる(STEP641)。この差分処理は、アドレスのフレームを基準フレームとし、この基準フレームと他のフレームとの間でなされる。図19から24に、差分画像が示されている。それぞれの画像の詳細は、以下の通りである。
図19:第30番目のフレームと基準フレームとの差分画像
図20:第39番目のフレームと基準フレームとの差分画像
図21:第41番目のフレームと基準フレームとの差分画像
図22:第43番目のフレームと基準フレームとの差分画像
図23:第52番目のフレームと基準フレームとの差分画像
図24:第57番目のフレームと基準フレームとの差分画像
これらの差分画像において、縦yの画素数は640であり、横xの画素数は480である。これら差分画像に、ハフ変換がなされる(STEP642)。ハフ変換により、シャフト34に相当する直線が算出されうる。それぞれの差分画面において、下記の条件を満たす直線の有無が判定される(STEP643)。
θ:5°以上85°以下
ρ:指定無し
x:0以上240以下
y:0以上320以下
投票数:100以上
これら条件を満たす直線が抽出されるフレームでは、シャフト34がゴルファー24の胴よりも左側に位置している。アドレスのフレーム以降のフレームであって最初にこれら条件を満たす直線が抽出されたフレーム(以下「合致フレーム」と称する)が、チェックフレームである。合致フレームから所定数後のフレームが、チェックフレームと決定されてもよい。合致フレームから2つ後のフレームにおいて、右利きゴルファー24の左腕がほぼ水平であることが、経験的に判明している。このチェックフレームについて、輪郭の決定(STEP7)及びスイングの良否の判定(STEP8)がなされる。
以下、トップのシャフト位置の抽出方法が説明される。図25は、この抽出方法の一例を示すフローチャートである。図26は、この抽出方法の各段階で得られる画像を示す。この抽出方法では、対象画像から、シャフト以外の部分が除去されうる。この除去により、精度の高いシャフト位置の抽出が可能とされうる。なお、本願において対象画像とは、シャフトの位置が抽出される画像を意味する。対象画像にハフ変換処理が施されて、シャフトの位置が抽出される。好ましい対象画像は、後述されるAND画像、又は、このAND画像の修正画像である。この修正画像の一例は、後述される差分画像Dp−Dである。この修正画像は、例えば、AND画像をマスク画像によって修正することで得られる。
トップのフレームにおいて、シャフトが見えないことがある。例えば、トップにおいてシャフトが目標方向を向いた場合、シャフトが見えないことがある。この場合、トップでのシャフト位置が抽出されない。しかし、本実施形態では、トップでのシャフト位置が抽出されない場合であっても、スイングの良否が判断されうる。
この抽出方法では、差分処理をスタートする画像Tが決定される(STEP1100)。前述したように、トップのフレームは、既に決定されている。この画像Tは、トップのフレームから所定数前のフレームとされる。この所定数は、好ましくは3以上10以下であり、より好ましくは5である。好ましくは、この画像Tは、トップ直前の画像とされる。本実施形態では、この画像Tは、トップのフレームから5前のフレームである。
トップのフレームにおいてシャフトが見えない場合であっても、トップより前のフレームでは、シャフトは見える。差分処理をスタートする画像Tは、トップに近く且つシャフトが見えやすいフレームに決定されるのが好ましい。
次に、差分Aがなされる(STEP1110)。この差分Aは、上記画像Tとアドレス画像との差分処理である。図26には、この差分Aによって得られる差分画像Dp−Aが示されている。
次に、差分Bがなされる(STEP1120)。この差分Bは、画像Tと、その画像Tから所定数後のフレームとの差分処理である。本実施形態では、この所定数は2とされている。この所定数は、好ましくは1以上3以下であり、より好ましくは2である。図26には、この差分Bによって得られる差分画像Dp−Bが示されている。
次に、差分Cがなされる(STEP1130)。この差分Cは、画像Tと、その画像Tから所定数前のフレームとの差分処理である。本実施形態では、この所定数が2とされている。この所定数は、好ましくは1以上3以下であり、より好ましくは2である。図26には、この差分Cによって得られる差分画像Dp−Cが示されている。
このように、差分B及び差分Cでは、画像Tの前後で且つ画像Tに近いフレームと画像Tとの差分がなされる。
次に、AND処理がなされる(STEP1140)。差分画像Dp−Bと差分画像Dp−Cとの間で、AND処理がなされる。このAND処理により、差分画像Dp−Bと差分画像Dp−Cとの両方に存在する画素のみが、残される。図26には、このAND処理によって得られるAND画像An−1が示されている。このAND画像An−1では、画像Tにおけるシャフト以外の部分が効果的に除去されている。
このAND処理は、差分画像の修正処理の一例である。AND画像An−1は、上記修正画像の一例である。
このAND画像An−1が対象画像とされてもよい。ただし、本実施形態では、シャフト位置の抽出の精度を更に高めるため、以下のステップがなされる。
次に、マスク画像1が生成される(STEP1150)。このステップでは、差分画像Dp−Aに処理が施される。このマスク画像1の生成ステップは、差分画像Dp−Aに、収縮処理、ラベリング処理及び膨張処理が施される。先ず収縮処理がなされ、点状のノイズ等が除去される。好ましくは、この収縮処理は、複数回なされる。本実施形態では、3回の収縮処理がなされる。次に、ラベリング処理がなされる。ラベリング処理では、所定のピクセル数以上の面積を有する領域が残され、所定のピクセル数以下の面積を有する領域が除去される。本実施形態では、このラベリング処理における所定のピクセル数は、150である。次に、膨張処理がなされる。この膨張処理により、画像のサイズが、上記収縮処理の前の状態に戻される。好ましくは、この膨張処理は、複数回なされる。本実施形態では、4回の膨張処理がなされる。得られたマスク画像1が、図26において、符号Mp−1で示されている。
このマスク画像1(画像Mp−1)は、シャフト以外の部分の画像を除去するために用いられる。図26が示すように、マスク画像1(画像Mp−1)では、シャフト部分の画素は除去されており、主としてゴルファー部分の画素が残されている。
次に、マスク画像2が生成される(STEP1160)。このステップでは、AND画像An−1に処理が施される。このマスク画像2の生成ステップは、AND画像An−1に、収縮処理、ラベリング処理及び膨張処理が施される。先ず収縮処理がなされ、点状のノイズ等が除去される。好ましくは、この収縮処理は、複数回なされる。本実施形態では、3回の収縮処理がなされる。次に、ラベリング処理がなされる。ラベリング処理では、所定のピクセル数以上の面積を有する領域が残され、所定のピクセル数以下の面積を有する領域が除去される。本実施形態では、このラベリング処理における所定のピクセル数は、15である。次に、膨張処理がなされる。この膨張処理により、画像のサイズが、上記収縮処理の前の状態に戻される。好ましくは、この膨張処理は、複数回なされる。本実施形態では、3回の膨張処理がなされる。このマスク画像2が、図26において、符号Mp−2で示されている。
このマスク画像2(画像Mp−2)は、シャフト以外の部分(ヘッド)の画像を除去するために用いられる。図26が示すように、マスク画像2(画像Mp−2)では、シャフト部分の画素は除去されており、主として画像Tにおけるヘッドの画素が残されている。このマスク画像2は、シャフト以外の部分(ヘッド)を除去するのに役立つ。
次に、差分Dがなされる(STEP1170)。この差分Dは、AND画像An−1から、マスク画像1及びマスク画像2が除去される差分処理である。図26には、この差分Dによって得られる差分画像Dp−Dが示されている。マスク画像1、2を用いて差分Dがなされることで、AND画像An−1から、シャフト以外の部分が効果的に除去されている。この差分画像Dp−Dは、マスク処理済み差分画像の一例である。この差分画像Dp−Dは、上記修正画像の一例である。
次に、シャフト探索領域が決定される(STEP1180)。シャフト探索領域が限定されることで、シャフト位置の抽出の精度が向上しうる。
シャフト探索領域は、シャフトが存在する可能性が高い領域に設定される。シャフト探索領域が狭すぎると、シャフトがこの領域から外れる可能性が高まる。一方、シャフト探索領域が広すぎると、シャフトの抽出精度が低下しうる。これらの点を考慮して、適切なシャフト探索領域が設定される。
好ましくは、このシャフト探索領域の決定では、上記の各ステップで得られた画像のいずれかを用いて特徴点が抽出される。この特徴点に基づいて、シャフト探索領域が決定される。この特徴点の抽出の一例については、後述される。
次に、ハフ変換処理が実施される(STEP1190)。決定されたシャフト探索領域において、ハフ変換処理が実施される。このハフ変換処理により、シャフトが抽出される。ただし。シャフトが見えない場合には、このハフ変換処理によっても、シャフトは抽出されない。
次に、画像Tがトップか否かが判断される(STEP1200)。画像Tがトップであれば、シャフトの抽出が終了される。画像Tがトップでない場合、画像Tの1後のフレームが選択され(STEP1210)、上記差分ステップに戻る。画像Tがトップとなるまで、このループが繰り返される。このループにより、シャフト位置の時系列的な抽出が試行される。本実施形態では、トップの5フレーム前が当初の画像Tであるから、本実施形態では、上記ループが6回繰り返される。このように、本実施形態では、トップ前からトップまでの複数のフレームについて、シャフト位置の抽出が試行される。よって、複数のフレームのそれぞれについてシャフト位置の抽出結果が時系列的に得られる。
これらの複数のフレームでの抽出結果に基づき、トップのシャフト位置が判断される。この抽出結果は、以下の結果AからCに分類される。
[結果A]:トップのシャフト位置が抽出されている。
[結果B]:トップのシャフト位置は抽出されていないが、トップ前の少なくとも1のフレームについてはシャフト位置が抽出されている。
[結果C]:シャフト位置の抽出を試みた全てのフレームについて、シャフト位置が抽出されていない。
結果Aの場合、その抽出されたトップでのシャフト位置に基づいて、スイングの良否(トップの姿勢の良否)が判断される。
結果Bの場合、トップ前(トップ近傍)でのシャフト位置の抽出には成功している。よって、トップ近傍でのシャフト位置の抽出に失敗しているという状況ではない。結果Bが得られた場合、トップのシャフト位置が抽出されていないという結果は、信頼性が高い。即ち、結果Bの場合、トップにおいてシャフトが目標方向に対して略平行であると判断されうる。
トップにおいてシャフトが目標方向に対して平行な状態は、良好なシャフト位置である。結果Bが得られた場合、トップでのゴルファー24の姿勢は良好であると判断される。
結果Cの場合、結果Bと同様に、トップでのシャフト位置の抽出は出来ていない。しかし、更に結果Cでは、トップ前(トップ近傍)でのシャフト位置の抽出もできていない。この結果Cは、トップ近傍でのシャフト位置の抽出に失敗していることを示す。即ち、結果Cは、トップ近傍においてシャフトが見える状況であるにも関わらず、何らかの原因で、シャフトの抽出に失敗している状況を示している。なぜなら、トップより前においてシャフトが見えないという状況は考えにくいからである。よって、結果Cが得られた場合は、トップのシャフト位置が不明であると判断される。この場合、トップでのゴルファー24の姿勢の良否は判断されない。
これらの抽出結果に関する判断は、次のステップ(Sa)又は(Sb)を含む。
(Sa)シャフト位置の抽出を試みるステップにおいてチェックフレームのシャフト位置が抽出されたか否かによって、ゴルファーの姿勢の良否が判断されるステップ。
(Sb)上記シャフト位置の抽出を試みるステップにおいてチェックフレームのシャフト位置が抽出された場合、そのシャフト位置によってゴルファーの姿勢の良否が判断されるステップ。
好ましくは、上記ステップ(Sa)は、次のステップ(Sa1)を含む。
(Sa1)チェックフレームのシャフト位置が抽出できなかった場合、このチェックフレームより前のシャフト位置が抽出されたか否かによって、このチェックフレームにおけるシャフト位置の抽出の適否が判断される
このステップ(Sa1)では、上記チェックフレームより前のシャフト位置が抽出される場合に、上記チェックフレームにおけるシャフト位置の抽出が適切であると判断される。このステップ(Sa1)では、上記チェックフレームより前のシャフト位置が抽出されない場合に、上記チェックフレームにおけるシャフト位置の抽出が不適切であると判断される。
好ましくは、上記ステップ(Sa)は、次のステップ(Sa2)を含む。
(Sa2)シャフト位置の抽出を試みるステップにおいてチェックフレームのシャフト位置が抽出されず、且つ、このチェックフレームの前のフレームにおいてシャフト位置が抽出された場合、シャフト位置(ゴルファーの姿勢)が良好であると判断されるステップ。
なお、ステップ(Sa1)及び(Sa2)において、チェックフレームの前のフレームとは、好ましくは、時系列的な抽出結果として得られた複数のフレームの抽出結果のうち、上記チェックフレーム以外の他のフレームの抽出結果である。本実施形態では、チェックフレームがトップのフレームである。
単にチェックフレーム(トップのフレーム)のシャフト位置を抽出するのみでは、結果Bと結果Cとが区別できない。よって、単にトップのシャフト位置を抽出するのみでは、トップ近傍でのシャフト位置の抽出に失敗しているにも関わらず、シャフト位置が良好と判断されうる。本実施形態では、トップ前のフレームからシャフト位置を追跡することで、トップでのシャフトの抽出結果の信頼性を高めている。
以下に、上記差分ステップ(STEP1110、1120、1130)の詳細が例示的に示される。なお、この差分ステップでの差分処理は、原画像(カラー画像)からの差分処理である。よって、この差分ステップでは、二値化された差分画像を得るために、差分処理の後に二値化処理がなされる。一方、本願では、二値化画像同士の差分処理も含まれている。この差分処理では、差分処理の後に二値化処理は不要である。
この差分ステップの一例では、差分の対象となる2つのフレームの各画素について、色相H、彩度S及び明度Vが算出される。この算出の計算式が以下の(1)から(4)に示される。
Figure 2013118876

上記(1)が示すように、色相Hは、5つの場合分けによって決定される。R、G及びBは、それぞれ、RGB系の色情報の値である。また、d=2R−G−Bである。このdは、「denominator」の略である。Lは輝度である。
RGB系からHSV系への変換は、公知である。上記以外の公知の変換式が用いられても良い。
次に、算出された色相H、彩度S及び明度Vに基づいて、画素間の色距離が算出される。差分される一方のフレームにおいて、色相がHとされ、彩度がSとされ、明度がVとされる。差分される他方のフレームにおいて、色相がHとされ、彩度がSとされ、明度がVとされる。色相がHであり、彩度がSであり且つ明度がVである色ベクトルがCとされる。色相がHであり、彩度がSであり且つ明度がVである色ベクトルがCとされる。色距離D(C,C)は、次の式(5)から(16)により算出される。ただし、色距離D(C,C)は、0以上10.0以下である。なお、式(7)では、Hue−Saturation空間におけるCとCとの色距離ΔHが求められている。式(15)及び式(16)で対数を採っているのは、S及びSが低い場合においても色距離を正確に算出するためである。式(5)におけるa、b及びcは定数であり、本実施形態では、aは5.1とされ、bは2.25とされ、cは2.65とされる。
Figure 2013118876

この色距離D(C,C)の計算が、差分処理の一例である。この色距離D(C,C)に基づいて、二値化処理がなされる。この二値化処理では、色距離D(C,C)が所定値以上である画素が1とされ、色距離D(C,C)が所定値未満である画素が0とされる。本実施形態では、色距離D(C,C)が0.4以上である画素が1とされ、色距離D(C,C)が0.4未満である画素が0とされる。この二値化処理により、二値化された差分画像が得られる。
次に、シャフト探索領域の決定ステップ(STEP1180)の一例が説明される。この決定ステップは、特徴点を抽出するステップを含む。この特徴点に基づき、シャフト探索領域が決定される。適切なシャフト探索領域を決定するのに適した特徴点が選択される。
本実施形態では、第1の特徴点として、ヘッド画像の中心点HC1(図示省略)が抽出される。この中心点HC1は、上記マスク画像2(画像Mp−2;図26参照)に写っているヘッド画像の中心点である。このヘッド画像において、xの最大値X1、xの最小値X2、yの最大値Y1及びyの最小値Y2が決定される。中心点HC1のxがXcとされ、中心点HC1のyがYcとされるとき、これらのXc及びYcは次の式によって算出される。
Xc=(X1+X2)/2
Yc=(Y1+Y2)/2
本実施形態では、第2の特徴点として、アドレスでの手元位置が抽出される。このアドレスでの手元位置を抽出するステップは、アドレスでのシャフトを抽出するステップSt1と、このステップSt1の結果に基ついてアドレスでの手元位置が抽出されるステップSt2とを含む。
ステップSt1では、アドレスのエッジ画像EApが用いられる(図27参照)。なおこの図27では、エッジ画像の記載は省略されている。好ましくは、ステップSt1では、所定のシャフト探索範囲が決定される。このシャフト探索範囲は、アドレスにおけるシャフトの位置を考慮して決定される。本実施形態では、このシャフト探索範囲は、xが240から480までであり、yが320から640までである(図27参照)。ステップSt1では、このシャフト探索範囲に、ハフ変換処理が施される。このハフ変換処理により、シャフトの位置が抽出される。
図28は、ステップSt2を説明するための図である。このステップSt2では、マスク画像1(画像Mp−1)が用いられる。このステップSt2では、ステップSt1で抽出されたシャフト位置に沿った直線Lsが用いられる。この直線Lsと、画像Mp−1との交点に基づいて、アドレスでの手元位置AG1が決定される(図28参照)。この手元位置AG1のxがXaとされる。この手元位置AG1のyがYaとされる。
本実施形態では、第3の特徴点として、トップ(又はトップ近傍)における頭の位置が抽出される。この頭の位置の抽出では、マスク画像1(画像Mp−1)が用いられる。図29において示される長方形は、頭の位置の抽出における探索範囲である。本実施形態では、この探索範囲のxは、[Xa−40]から[480×0.8]までとされている。この探索範囲のyは、20からYaまでとされている。この探索範囲に存在する画像において、yが最小(図29において最も上側)の点が、頭の位置TH1とされる(図29参照)。この頭の位置TH1のxがXhとされる。この頭の位置TH1のyがYhとされる。
本実施形態では、第4の特徴点として、トップ(又はトップ近傍)における手元の位置が抽出される。この手元の位置の抽出では、マスク画像1(画像Mp−1)が用いられる。図30において示される長方形は、この手元の位置の抽出における探索範囲である。本実施形態では、この探索範囲のxは、40から[Xh−40]までとされている。この探索範囲のyは、20からYaまでとされている。この探索範囲に存在する画像において、yが最小(図30において最も上側)の点が、手元の位置TG1とされる(図30参照)。この手元の位置TG1のxがXtとされる。この手元の位置TG1のyがYtとされる。
この位置TG1が適宜修正されてもよい。本実施形態では、最終的に決定される手元位置のyがYfとされるとき、このYfは[Yt+10]とされる。最終的に決定される手元位置のxがXfとされるとき、このXfはXt(修正無し)とされる。
以上のステップにより、次の特徴点が決定している。
・ヘッド画像の中心点HC1(Xc,Yc)
・トップ(又はトップ近傍)における手元位置(Xf,Yf)
これらの特徴点に基づいて、本ステップ(STEP1180)の最終目的である、シャフト探索領域が決定される。
決定されるシャフト探索領域の一例が、図31に四角形で示されている。この領域のxは、[Xf−20]から[Xc+20]までである。この領域のyは、[Yc−20]から[Yf+20]までである。このようにして、シャフト探索領域が決定される。この決定されたシャフト探索領域において、ハフ変換処理(STEP1190)がなされる。kのハフ変換処理において、投票数が所定数以上の直線が、シャフトとして抽出される。この投票数は、3以上10以下が好ましく、より好ましくは6である。θの拘束条件は設定されないのが好ましい。
図32は、他のAND画像An−1を示す。この図32の実施形態のように、AND画像においてヘッドが見えないことがある。この場合、マスク画像2(画像Mp−2)にも、ヘッドの画像は存在しない。よって、上記中心点HC1の座標(Xc,Yc)は決定されえない。この場合、他の特徴点を用いて、シャフト探索領域が決定されうる。図32に四角形で示された領域は、この決定されたシャフト探索領域の一例である。この領域の決定では、腰位置のx座標Xbと、腰位置のy座標Ybとが用いられる。更に、この領域の決定では、AND画像An−1における最大のx座標Xmが用いられる。図32における画像における右端のxが、Xmである。
Xb及びYbの決定方法の一例は次の通りである。AND画像An−1において、体のバック側(背中等)のライン(バックライン)で極値をとる点が、腰位置B1(Xb,Yb)とされうる。図32には、この決定された腰位置B1の一例が示されている。
この腰位置B1(Xb,Yb)を用いて、シャフト探索領域が決定されている。図32で示される実施形態において、シャフト探索領域のxはXbからXmまでであり、シャフト探索領域のyはYfからYzまでである。但し、Yzは、次の式により算出される。
Yz=((Yb−Yf)/3)+Yf
このように、トップ(又はトップ近傍)におけるシャフト探索領域は、複数の特徴点に基づいて、決定されうる。シャフト探索領域を適切に設定することで、シャフト抽出の精度が向上しうる。
フィニッシュのシャフト位置の抽出は、トップのシャフト位置の抽出と似た方法によってなされうる。フィニッシュにおいても、トップと同様に、シャフトが見えない場合がある。よって、この方法は、フィニッシュのシャフト位置の抽出にも有効に適用されうる。
フィニッシュのシャフト位置の抽出では、好ましくは、インパクトの所定数後のフレームからシャフトが追跡される。この追跡が開始されるフレームは、インパクトとフィニッシュとの間のフレームである。好ましくは、この所定数は、5以上15以下であり、より好ましくは10である。この追跡により、フィニッシュでのシャフト位置が抽出されなかった場合においても、適切な判断がなされうる。
以下、フィニッシュのシャフト位置の抽出方法の概略が説明される。この抽出方法の概略は、トップの場合(図25参照)と似ているので、以下では、図25を参照しつつ、トップの場合との相違点のみが説明される。
この抽出方法では、差分処理をスタートする画像Tが決定される(前述のSTEP1100参照)。前述したように、インパクトのフレームは、既に決定されている。この画像Tは、インパクトのフレームから所定数後のフレームとされる。本実施形態では、この画像Tは、インパクトのフレームから10後のフレームである。
フィニッシュのフレームにおいてシャフトが見えない場合であっても、フィニッシュより前のフレームでは、シャフトは見える。差分処理をスタートする画像Tは、フィニッシュに近く且つシャフトが見えやすいフレームに決定されるのが好ましい。
図25の実施形態(トップのシャフト位置の抽出方法)では、差分処理をスタートする画像Tは、アドレスからトップまでの間のフレームである。これに対して、フィニッシュのシャフト位置の抽出方法では、差分処理をスタートする画像Tは、インパクトからフィニッシュまでの間のフレームである。
次に、差分Aがなされる(前述のSTEP1110参照)。この差分Aは、上記画像Tとアドレス画像との差分処理である。この差分Aにより、差分画像DAが得られる。
次に、差分Bがなされる(前述のSTEP1120参照)。この差分Bは、画像Tと、その画像Tから所定数後のフレームとの差分処理である。この差分Bにより、差分画像DBが得られる。この所定数は、好ましくは1以上3以下であり、より好ましくは2である。
次に、差分Cがなされる(前述のSTEP1130参照)。この差分Cは、画像Tと、その画像Tから所定数前のフレームとの差分処理である。この差分Cにより、差分画像DCが得られる。この所定数は、好ましくは1以上3以下であり、より好ましくは2である。
このように、差分B及び差分Cでは、画像Tの前後で且つ画像Tに近いフレームと画像Tとの差分がなされる。
次に、AND処理がなされる(前述のSTEP1140参照)。差分画像DBと差分画像DCとの間で、AND処理がなされる。このAND処理により、両差分画像に存在する画素のみが、残される。このAND処理により、AND画像A1が生成される。このAND画像A1では、画像Tにおけるシャフト以外の部分が効果的に除去されている。
このAND画像A1が対象画像とされてもよい。ただし、シャフト位置の抽出の精度を更に高める観点から、好ましくは、以下のステップがなされる。
次に、マスク画像1が生成される(前述のSTEP1150参照)。このステップでは、差分画像DAに処理が施される。このマスク画像1の生成ステップは、差分画像DAに、収縮処理、ラベリング処理及び膨張処理が施される。先ず収縮処理がなされ、点状のノイズ等が除去される。好ましくは、この収縮処理は、複数回なされる。本実施形態では、3回の収縮処理がなされる。次に、ラベリング処理がなされる。ラベリング処理では、所定のピクセル数以上の面積を有する領域が残され、所定のピクセル数以下の面積を有する領域が除去される。本実施形態では、このラベリング処理における所定のピクセル数は、150である。次に、膨張処理がなされる。この膨張処理により、画像のサイズが、上記収縮処理の前の状態に戻される。好ましくは、この膨張処理は、複数回なされる。本実施形態では、4回の膨張処理がなされる。
このマスク画像1は、シャフト以外の部分の画像を除去するために用いられる。図示されないが、マスク画像1では、シャフト部分の画素は除去されており、主としてゴルファー部分の画素が残されている。
次に、マスク画像2が生成される(前述のSTEP1160参照)。このステップでは、AND画像A1に処理が施される。このマスク画像2の生成ステップは、AND画像A1に、収縮処理、ラベリング処理及び膨張処理が施される。先ず収縮処理がなされ、点状のノイズ等が除去される。好ましくは、この収縮処理は、複数回なされる。本実施形態では、3回の収縮処理がなされる。次に、ラベリング処理がなされる。ラベリング処理では、所定のピクセル数以上の面積を有する領域が残され、所定のピクセル数以下の面積を有する領域が除去される。本実施形態では、このラベリング処理における所定のピクセル数は、15である。次に、膨張処理がなされる。この膨張処理により、画像のサイズが、上記収縮処理の前の状態に戻される。好ましくは、この膨張処理は、複数回なされる。本実施形態では、3回の膨張処理がなされる。
このマスク画像2は、シャフト以外の部分(ヘッド)の画像を除去するために用いられる。図示されないが、マスク画像2では、シャフト部分の画素は除去されており、主として画像Tにおけるヘッドの画素が残されている。このマスク画像2は、シャフト以外の部分(ヘッド)を除去するのに役立つ。
次に、差分Dがなされる(前述のSTEP1170参照)。この差分Dは、AND画像A1から、マスク画像1及びマスク画像2が除去される差分処理である。マスク画像1、2を用いて差分Dがなされることで、AND画像A1から、シャフト以外の部分が効果的に除去されている。
次に、シャフト探索領域が決定される(前述のSTEP1180参照)。シャフト探索領域が限定されることで、シャフト位置の抽出の精度が向上しうる。
シャフト探索領域は、シャフトが存在する可能性が高い領域に設定される。シャフト探索領域が狭すぎると、シャフトがこの領域から外れる可能性が高まる。一方、シャフト探索領域が広すぎると、シャフトの抽出精度が低下しうる。これらの点を考慮して、適切なシャフト探索領域が設定される。
好ましくは、このシャフト探索領域の決定では、上記の各ステップで得られた画像のいずれかを用いて特徴点が抽出される。この特徴点に基づいて、シャフト探索領域が決定される。
次に、ハフ変換処理が実施される(前述のSTEP1190参照)。決定されたシャフト探索領域において、ハフ変換処理が実施される。このハフ変換処理により、シャフトが抽出される。ただし。シャフトが見えない場合には、このハフ変換処理によっても、シャフトは抽出されない。
このハフ変換処理におけるシャフト抽出では、投票数が所定数以上とされる。この投票数は、この投票数は、5以上15以下が好ましく、より好ましくは10である。好ましくは、θの拘束条件は設定されない。
このハフ変換処理において、投票数が上記所定数(例えば10)未満である場合がありうる。この場合、差分画像Dに代えて、AND画像A1にハフ変換処理が施されても良い。即ちこの場合、AND画像A1が対象画像とされてもよい。このハフ変換処理により、投票数が所定数(例えば10)以上の直線が抽出された場合、この直線がシャフトとして抽出される。AND画像A1を対象画像とする場合、θの拘束条件が付加されるのが好ましい。好ましいθの拘束条件は、0°以上−90°である。
次に、画像Tがフィニッシュか否かが判断される(前述のSTEP1200参照)。画像Tがフィニッシュであれば、シャフトの抽出が終了される。画像Tがフィニッシュでない場合、画像Tの1後のフレームが選択され(前述のSTEP1210参照)、上記差分ステップに戻る。画像Tがフィニッシュとなるまで、このループが繰り返される。本実施形態では、よって、フィニッシュ前からフィニッシュまでの複数のフレームについて、シャフト位置の抽出が試行される。よって、複数のフレームのそれぞれについてシャフト位置の抽出結果が得られる。
これらの複数のフレームでの抽出結果に基づき、フィニッシュのシャフト位置が判断される。この抽出結果は、以下の結果AからCに分類される。
[結果A]:フィニッシュのシャフト位置が抽出されている。
[結果B]:フィニッシュのシャフト位置は抽出されていないが、フィニッシュ前の少なくとも1のフレームについてはシャフト位置が抽出されている。
[結果C]:シャフト位置の抽出を試みた全てのフレームについて、シャフト位置が抽出されていない。
結果Aの場合、その抽出されたフィニッシュでのシャフト位置に基づいて、スイングの良否(フィニッシュの姿勢の良否)が判断される。
結果Bの場合、フィニッシュ前(フィニッシュ近傍)でのシャフト位置の抽出には成功している。よって、フィニッシュ近傍でのシャフト位置の抽出に失敗しているという状況ではない。結果Bが得られた場合、フィニッシュのシャフト位置が抽出されていないという結果は、信頼性が高い。即ち、結果Bの場合、フィニッシュにおいてシャフトが目標方向に対して略平行であると判断されうる。あるいは、フィニッシュにおいてシャフトが体によって隠れている場合も想定される。
結果Cの場合、結果Bと同様に、フィニッシュでのシャフト位置の抽出は出来ていない。しかし、更に結果Cでは、フィニッシュ前(フィニッシュ近傍)でのシャフト位置の抽出もできていない。この結果Cは、フィニッシュ近傍でのシャフト位置の抽出に失敗していることを示す。即ち、結果Cは、フィニッシュ近傍においてシャフトが見える状況であるにも関わらず、何らかの原因で、シャフトの抽出に失敗している状況を示している。なぜなら、フィニッシュより前(インパクトからフィニッシュまで)においてシャフトが見えないという状況は考えにくいからである。よって、結果Cが得られた場合は、フィニッシュのシャフト位置が不明であると判断される。この場合、フィニッシュでのゴルファー24の姿勢の良否は判断されない。
単にフィニッシュのシャフト位置を抽出するのみでは、結果Bと結果Cとが区別できない。よって、単にフィニッシュのシャフト位置を抽出するのみでは、フィニッシュ近傍でのシャフト位置の抽出に失敗しているにも関わらず、この失敗を認識することなく、シャフト位置が判断されうる。本実施形態では、フィニッシュ前のフレームからシャフト位置を追跡することで、フィニッシュでのシャフトの抽出結果の信頼性が高められている。
チェックフレームは、トップ及びフィニッシュに限定されない。チェックフレームの決定により、種々のポジションでのスイング診断が可能である。例えば、アドレス時のシャフト34に相当する直線と、ダウンスイング時のシャフト34に相当する直線とのなす角度により、スイングの良否が判定されてもよい。
この実施形態ではサーバ6の演算部16が各処理を行うが、携帯電話機4の演算部16が各処理を行ってもよい。この場合、携帯電話機4とサーバ6との接続は不要である。
本発明に係る方法では、ゴルフ場、プラクティスレンジ、ゴルフショップ、一般家庭の庭等においてなされるスイングが、診断されうる。
2・・・システム
4・・・携帯電話機
6・・・サーバ
10・・・カメラ
16・・・演算部
22・・・ゴルフクラブ
26・・・第一枠
28・・・第二枠
36・・・シャフト探索領域
An−1・・・AND画像
Dp−A、Dp−B、Dp−C、Dp−D・・・差分画像
Mp−1、Mp−2・・・マスク画像

Claims (9)

  1. ゴルフクラブをスイングしてゴルフボールを打撃するゴルファー及びこのゴルフクラブをカメラが撮影し、シャフト位置を決めるための複数のフレームが得られるステップ、
    演算部が、上記複数のフレームを用いて、シャフトの位置を判断するためのチェックフレームと他のフレームとで差分処理及び二値化処理を行い、二値化された差分画像を得るステップ、
    及び
    演算部が、この差分画像又はその修正画像にハフ変換処理を施して、シャフト位置の抽出を試みるステップ
    を含むゴルフスイングの診断方法。
  2. 次のステップ(Sa)及び/又はステップ(Sb)を更に含む請求項1に記載の診断方法。
    (Sa)上記シャフト位置の抽出を試みるステップにおいて上記チェックフレームのシャフト位置が抽出されたか否かによって、ゴルファーの姿勢の良否が判断されるステップ。
    (Sb)上記シャフト位置の抽出を試みるステップにおいて上記チェックフレームのシャフト位置が抽出された場合、そのシャフト位置によってゴルファーの姿勢の良否が判断されるステップ。
  3. 上記チェックフレームが、トップのフレームである請求項1又は2に記載の診断方法。
  4. 上記チェックフレームが、フィニッシュのフレームである請求項1又は2に記載の診断方法。
  5. ゴルフクラブをスイングしてゴルフボールを打撃するゴルファー及びこのゴルフクラブをカメラが撮影し、シャフト位置を決めるための複数のフレームが得られるステップ
    演算部が、上記複数のフレームから、複数の所定フレームを抽出するステップ、
    演算部が、上記複数の所定フレームを用いて差分処理及び二値化処理を行い、複数の二値化された差分画像を得るステップ、
    演算部が、上記複数の差分画像に対してAND処理を施し、シャフト位置を抽出するためのAND画像を得るステップ、
    演算部が、上記AND画像を用いて、シャフト探索領域を決定するステップ、
    及び、
    演算部が、複数の上記AND画像又はその修正画像のそれぞれにハフ変換処理を施して、シャフト位置の時系列的な抽出を試みるステップ
    を含むゴルフスイングの診断方法。
  6. 演算部が、 上記差分画像及び/又は上記AND画像に収縮処理及び膨張処理を施して、マスク画像を得るステップ、
    及び、
    演算部が、上記AND画像と上記マスク画像との差分処理によって、マスク処理済み差分画像を得るステップ
    を更に含み、
    上記修正画像が、このマスク処理済み差分画像である請求項5に記載の診断方法。
  7. 上記時系列的な抽出の結果として、チェックフレームのシャフト位置の抽出結果と、このチェックフレームより前のシャフト位置の抽出結果とが得られ、
    チェックフレームのシャフト位置が抽出できなかった場合、このチェックフレームより前のシャフト位置が抽出されたか否かによって、このチェックフレームにおけるシャフト位置の抽出の適否が判断される請求項5又は6に記載の診断方法。
  8. 好ましくは、上記チェックフレームがトップ又はフィニッシュのフレームである請求項7に記載の診断方法。
  9. (A)ゴルフクラブをスイングしてゴルフボールを打撃するゴルファー及びこのゴルフクラブを撮影するカメラ
    (B)撮影された画像データを記憶するメモリ
    及び
    (C)演算部
    を備えており、
    上記演算部が、
    (C1)上記画像データから、複数の所定フレームを抽出する機能、
    (C2)上記複数の所定フレームを用いて差分処理及び二値化処理を行い、複数の二値化された差分画像を得る機能、
    (C3)上記複数の差分画像にAND処理を施し、シャフト位置を抽出するためのAND画像を得る機能、
    (C4)上記AND画像を用いて、シャフト探索領域を決定する機能、
    及び、
    (C5)複数の上記AND画像又はその修正画像にハフ変換処理を施して、シャフト位置の時系列的な抽出を試みる機能
    を有するゴルフスイングの診断システム。
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