JP2013118530A - I/qインバランス補償方法およびi/qインバランスを補償する複素復調器と受信装置 - Google Patents

I/qインバランス補償方法およびi/qインバランスを補償する複素復調器と受信装置 Download PDF

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Abstract

【課題】複素復調器では、I軸信号経路とQ軸信号経路を全く同一に形成することができず、それぞれの信号経路の間においてI/Qインバランスが生じる。このI/Qインバランスをパイロット信号なしで補償する方法を提供する。
【解決手段】I軸信号およびQ軸信号をデジタル信号とし、それぞれの自己相関関数から補償フィルタの周波数領域における振幅特性を求める。ここで、フロントエンドは最小位相が成立するものとみなすことで、前記振幅特性をヒルベルト変換することで、周波数特性を得る。振幅特性と周波数特性から補償フィルタの実際の形を求める。補償フィルタが求まると、I軸信号とQ軸信号の相互相関関数と補償フィルタと、I軸信号の事項相関関数から、I/Qインバランスの非周波数依存角度を求める。従って、本発明の補償方法は、I/Qインバランスを補償するのに、パイロット信号は不要である。
【選択図】図3

Description

本発明は、受信信号をI信号およびQ信号に分けて処理を行う複素復調器を用いた受信装置において、局部発振器からの信号をI信号およびQ信号に乗算する際の不平衡や、I軸およびQ軸のローパスフィルタの非対称性によって発生する信号の歪(I/Qインバランス)を統計的な処理によって補償する補償方法とその補償方法を実施する受信装置に関するものである。
近年の高速転送能を有する無線通信システムでは、OFDMや高次QAMのような高度変調方式が用いられている。これらのシステムにおけるRF/アナログデバイスは、要求される通信性能を達成するために、可能な限り歪のない線形特性が必要とされる。しかしながら、そのような理想に近いデバイスは高価であり、利用者のコストの負担が増加する結果となる。
近年、低価格のモバイル端末の需要の高まりが、ダイレクトコンバージョンレシーバー(DCRs)の開発を加速させている。DCRは、簡単なRFフロントエンドとデジタル信号処理を基本とする補償技術を組み合わせて構成される。このような簡易な構成は、モバイル端末の価格問題の解決策として考えられている(非特許文献1)。
DCRは伝送帯域からベースバンド信号にダウンコンバージョンする際の中間周波数帯のハードウェアを省略している。そのため、DCRは、小さな回路基板、低価格、そして低消費電力といった利点を有する。一方、DCRの構成で問題となるのは、付加的なRF信号損失である。
この損失のうち、支配的なものとして知られているのは、直流(DC)オフセットとI/Qインバランスの2つである(非特許文献2)。通常、狭帯域でI/Qインバランスが生じると、I軸信号とQ軸信号の間の位相差が90度でなくなる。またI軸信号とQ軸信号の間の振幅特性が同一でなくなる。I軸信号とQ軸信号間の関係の不完全さは、帯域を通じて一定である。つまり、狭帯域でのI/Qインバランスは、周波数に依存しない。
一方、広帯域システムでは、各ブランチにある部品のミスマッチによって周波数依存性のI/Qインバランスまでをも引き起こす。I/Qインバランスのアナログ回路による補償措置は、DCオフセットが低価格のAC−カップリングで除去するのと同じようには、簡単で安く行うことはできない。つまり、I/Qインバランスをアナログ技術で補償しようとすると、現時点ではまだ技術的に困難で、しかもコストがかかる。
I/Qインバランスは、本質的にオリジナル信号に破壊的なイメージ干渉を引き起こすので、OFDMシステムでは、全てのサブキャリアの復調を行うために、周波数等価回路にデジタル信号処理を利用したI/Qインバランス補償技術を組み込むのが効果的である(非特許文献4)。しかしながら、このアプローチは、周波数同期エラーの存在下、信号間の干渉が非常に多くなるので、極めて複雑になる(非特許文献5)。
ところで、周波数領域でのイメージ干渉を扱う代わりに、より簡単な代替法として、時間領域での補償が考えられる。文献上では、周波数非依存だけでなく周波数依存I/Qインバランスを考慮した3タイプの時間領域補償の構成がある。例えば、複素数分離フィルタ(Complex−valued separation filter:以下「CVSF」)(非特許文献3、非特許文献6)と、複素数フィルタ(Complex−valued filter:以下「CVF」)(非特許文献8)と実数フィルタ(Real−valued filter:以下「RVF」)(非特許文献9乃至11)が紹介されている。
また、補償係数を推定するアルゴリズムの観点によると、これらのアプローチはパイロット信号を用いるか用いないかに分類される。
パイロット信号を用いる方法(RVFを使う方法)(非特許文献9乃至11)は、アルゴリズムの収斂が速い性能を実現するために、特別なパイロット信号を使う。一方、ブラインドによるアプローチ(CVSF若しくはCVFを使う方法)(非特許文献3、非特許文献6、非特許文献8)は、規格に係らずまた周波数同期エラーに対して強いという利点を有する。
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ブラインド推定アルゴリズムは通常信号の統計的性質を利用する。一般的な想定は、ホワイト信号を想定する場合もあるが、通常は信号がプロパであるということである。ここで、プロパとは、複素数信号において、実数成分と虚数成分の相関がない信号をいい、実用されている信号は全てプロパな信号である。CVSFに基づく補償器におけるブロック型推定アルゴリズムは、解析解(closed−form solution)をもたないし、大変複雑な計算を要する勾配降下アルゴリズムを要求する。
CVFに基づく補償器のために、非特許文献8の著者は、解析解を持つブロック型ブラインドアルゴリズムを提案した。しかし、それは近似解であるので、その正確性はアナログフロントエンドにおけるイメージ信号の抑圧性能に依存する。
本発明は、明確に解析解を有するブラインドによるI/Qインバランス補償方法とその補償方法を実施する受信装置を提供する。
本発明のI/Qインバランスの補償方法は、
受信信号をダウンコンバートし、
I信号およびQ信号をサンプリングしてデジタルI信号r(k)およびデジタルQ信号r(k)にした後、
前記デジタルI信号r(k)およびデジタルQ信号r(k)からベクトルハットdと位相誤差ハットφを推定し、
前記デジタルQ信号r(k)にベクトルハットdを作用させ、その後secハットφ倍し、前記デジタルI信号r(k)をtanハットφ倍した信号をさらに加算した信号を補償後デジタルQ信号ハットx(k)とし、
前記デジタルI信号r(k)を補償後デジタルI信号ハットx(k)とし、
前記補償後デジタルI信号ハットx(k)と前記補償後デジタルQ信号ハットx(k)をI/Qインバランスが補償された補償後復調信号ハットx(k)のI信号およびQ信号とする受信信号の補償方法であって、
前記ベクトルハットdと前記位相誤差ハットφは、
前記デジタルI信号r(k)および前記デジタルQ信号r(k)の自己相関関数であるRr(m)とRr(m)を求める工程と、
前記デジタルI信号r(k)および前記デジタルQ信号r(k)の相互相関関数であるRrIQ(m)を求める工程と、
前記Rr(m)と前記Rr(m)をFFT処理し、ベクトルuとベクトルuを求める工程と、
前記ベクトルuと前記ベクトルuを周波数毎に割り算し、振幅特性|D(n)|を求める工程と、
前記振幅特性|D(n)|をヒルベルト変換して位相特性ベクトルΘを求める工程と、
前記振幅特性|D(n)|と前記位相特性ベクトルΘを組み合わせて要素としたベクトルをIFFT処理し前記ベクトルハットdを推定する工程と、
前記ベクトルハットdと前記Rr(m)のうちラグ(m)がゼロであるRr(0)と前記相互相関関数RrIQ(m)から前記位相誤差ハットφを推定する工程により推定されることを特徴とする。
また上記の補償方法を実施する複素復調器は、
送信信号を受信し受信信号を出力するアンテナに接続される複素復調器であって、
局部発振器と、
前記局部発振器に接続され前記局部発振器の発振信号の位相をπ/2ずらす位相変換器と、
前記受信信号に前記局部発振器の発振信号を乗算するI軸乗算器と、
前記受信信号に前記位相変換器の出力を乗算するQ軸乗算器と、
前記I軸乗算器に接続されるI軸ローパスフィルタと、
前記Q軸乗算器に接続されるQ軸ローパスフィルタと、
前記I軸ローパスフィルタの出力をサンプリングしてデジタルI信号r(k)を出力するI軸A/D変換器と、
前記Q軸ローパスフィルタの出力をサンプリングしてデジタルQ信号r(k)を出力するQ軸A/D変換器と、
前記デジタルI信号r(k)および前記デジタルQ信号r(k)の自己相関関数であるRr(m)とRr(m)を求めるI信号自己相関関数算出手段およびQ信号自己相関関数算出手段と、
前記デジタルI信号r(k)および前記デジタルQ信号r(k)の相互相関関数であるRrIQ(m)を求める自己相関関数算出手段と、
前記デジタルI信号および前記デジタルQ信号の自己相関関数をFFT処理し、ベクトルuとベクトルuを求めるI信号FFT処理手段およびQ信号FFT処理手段と、
前記ベクトルuと前記ベクトルuを周波数毎に割り算し、振幅特性|D(n)|を求める振幅特性算出手段と、
前記|D(n)|をヒルベルト変換して位相特性ベクトルΘを求める位相特性算出手段と、
前記|D(n)|と前記ベクトルΘを組み合わせて要素としたベクトルをIFFT処理しベクトルdを求めるIFFT処理手段と、
前記ベクトルdからベクトルdの推定値でるベクトルハットdを求めるベクトルd取得手段と、
前記ベクトルハットdと前記Rr(m)のうちラグ(m)がゼロのRr(0)と前記相互相関関数RrIQ(m)から位相誤差ハットφを求める位相誤差算出手段と、
前記デジタルQ信号r(k)に前記ベクトルハットdを作用させる補償フィルタ手段と、
前記補償フィルタ手段の出力をsecハットφ倍するQ信号増幅手段と、
前記デジタルI信号r(k)をtanハットφ倍するI信号増幅手段と、
前記I信号増幅手段と前記Q信号増幅手段の出力を加算する加算手段と、
前記加算手段の出力を補償後デジタルQ信号ハットx(k)とし、前記デジタルI信号を補償後デジタルI信号ハットx(k)とすることを特徴とする。
また、本発明の受信機は、上記の複素復調器を搭載した受信機である。
本発明の補償方法では、I信号およびQ信号の自己相関関数から補償フィルタの特性であるベクトルdをフーリエ変換したD(n)の振幅特性を高速で得ることができる。また、補償フィルタの特性であるベクトルd(このベクトルdは、I信号ローパスフィルタと、Q信号ローパスフィルタの特性の違いを表す)は、商品として提供される実際の回路においては、最小位相であるとみなすことで、D(n)の位相特性もヒルベルト変換から一意的に求められる。
従って、D(n)の振幅特性と位相特性からベクトルdを求めることができる。一度ベクトルdが求まれば、位相誤差φも求めることができる。
すなわち、本発明のI/Qインバランスの補償方法では、ダイレクトコンバートして、サンプリングしたデジタルI信号とデジタルQ信号だけから受信装置のI軸信号経路とQ軸信号経路の不平衡を補償することができ、補償のためのパイロット信号等を必要としない。
また、本発明の補償方法は、補償のためのパラメータを近似解ではなく、解析解として与えることができるので、高いイメージ除去率を得ることができる。
また、本発明の補償方法では、フーリエ変換とフーリエ逆変換を多用する。これらの演算手段は近年の通信装置には、普通に搭載される機能である。したがって、本発明の補償方法は、現行の受信装置に容易に搭載することができる。
本発明の補正手段を実施する補償手段を搭載した複素復調器の構成を示す図である。 補償手段中の変数推定手段の構成を示す図である。 図1を数学的に説明するために書きなおした図である。 本発明の補償方法の効果をシミュレーションによって調べた結果を示す図である。 本発明の補償方法の効果をシミュレーションによって調べた結果を示す図である。
以下、図を参照しながら、本発明の受信信号の補償方法および装置について説明を行うが、以下の説明は、一実施形態の例示であり、本発明の趣旨の範囲内において、変更を行っても本発明の技術的範囲に含まれるのは言うまでもない。
また、本明細書を通じて、上付き文字のH、T、*は、それぞれハミルトニアン、転置行列、共役を表す。また下付き文字のIとQはそれぞれI軸(実数成分)、Q軸(虚数成分)の信号を表す。F−1はフーリエ逆変換を表す。丸印の中に「×」が描かれたものは、畳み込み計算を表す。また、白抜き文字の「E」若しくは単に「E」は、期待値を表す。
また、Aが行列を表す時、式中ではAは太文字で表される。文中では、「行列A」と記載する。またAの行若しくは列の何れかの要素が、1である場合をベクトルといい、「ベクトルA」と記載する。
また、アルファベット(例えば「A」)の上に、「・」、「^」若しくは下半円((1)式の左辺参照)がある場合は、「ドット」、「ハット」、「ブレブ」と呼び、これらは、「行列」や「ベクトル」の後に記載する。たとえば、「A」の上に「・」がある場合は、「ベクトルドットA」などと記載する。
図1に示す本発明の受信装置1の概略構成を示す。本発明の受信装置1は、アンテナ10、複素復調器12をフロントエンドとして有する。複素復調器12の後段には、復号処理回路11以降の各種処理回路が接続される。複素復調器12は、I軸およびQ軸の信号経路を有している。ここで、I軸およびQ軸の信号経路をそれぞれI軸信号経路2、Q軸信号経路3と呼ぶ。それぞれの信号経路には、I軸乗算器14iとQ軸乗算器14q、I軸ローパスフィルタ16iとQ軸ローパスフィルタ16q、I軸A/D変換器18iとQ軸A/D変換器18qを有する。
また、複素復調器12は、局部発振器20を有している。局部発振器20は、I軸乗算器14iには直接接続され、Q軸乗算器14qには位相変換器22を介して接続される。局部発振器20からはキャリア周波数と同じ周波数の信号が出力される。位相変換器22は局部発振器20からの信号の位相をπ/2だけずらす装置である。
I軸乗算器14iの後段にはI軸ローパスフィルタ16iが接続される。また、I軸ローパスフィルタ16iの後段には、I軸A/D変換機18iが接続される。Q軸信号経路3においても、同様に、Q軸乗算器14qの後段にはQ軸ローパスフィルタ16qが接続される。また、Q軸ローパスフィルタ16qの後段には、Q軸A/D変換機18qが接続される。
本発明の受信装置1の複素復調器12には、後述するように補償手段26が配設されている。この補償手段26によってI軸信号経路2およびQ軸信号経路3の信号のインバランス(不平衡)を補正することができる。なお、図では、補償手段26は、機能的な要素として表されているが、入力される信号はI軸A/D変換器18iおよびQ軸A/D変換器18qからの出力(デジタル信号)であるので、ソフトウェア的な処理でも実施することができる。
補償手段26からの出力信号(デジタル信号)は、I/Qインバランスが補償された信号であり、I信号およびQ信号が加算手段24で加算され補償後復調信号ハットx(k)となって出力される。この際Q軸信号経路3の信号ハットx(k)は虚数付加部23によって補償後復調信号ハットx(k)の虚数成分ハットx(k)とされる。一方、I軸信号経路2の信号ハットx(k)は補償後復調信号ハットx(k)の実数成分ハットx(k)とされる。ここで、x(k)、x(k)およびx(k)にハットがついているのは、それぞれの信号が推定によってI/Qインバランスが補償された信号であることを示している。
次に信号の流れに沿って、複素復調器12の動作を概説する。アンテナ10で受信された信号(以後「受信信号」という)ブレブr(t)((1)式の左辺)はI軸信号経路2およびQ軸信号経路3からなる複素復調器12に入力される。なお、アンテナ10から複素復調器12までの間に適宜アンプを配置してもよい。
受信信号ブレブr(t)はI軸信号経路2およびQ軸信号経路3で、局部発振器20からの信号(キャリア信号と同じ信号)を乗算され、ダウンコンバートされる。この時、Q軸信号経路3を通る信号には、I軸信号経路2を通る信号に対して位相がπ/2ずれた信号が乗算される。その後、I軸ローパスフィルタ16i、Q軸ローパスフィルタ16qを通過し、高周波数成分が除去された後、I軸A/D変換器18i、Q軸A/D変換器18qによってデジタル信号に変換される。
I軸ローパスフィルタ16i、Q軸ローパスフィルタ16qを通過した信号をI信号r(t)、Q信号r(t)と呼ぶ。これらはダウンコンバートされたベースバンド信号である。また、I軸A/D変換器18i、Q軸A/D変換器18qからの出力信号はそれぞれデジタルI信号r(k)、デジタルQ信号r(k)と呼ぶ。デジタルI信号r(k)、デジタルQ信号r(k)は、受信信号ブレブr(t)を複素復調した信号であり、いわゆる解析信号として扱える信号である。
しかしながら、I軸乗算器14i、Q軸乗算器14q、I軸ローパスフィルタ16i、Q軸ローパスフィルタ16qは、それぞれの特性が全く同一というわけではない。また、位相変換器22も特性のズレを有している。したがって、デジタルI信号r(k)、デジタルQ信号r(k)は、解析信号からずれを生じる。これはI/Qインバランス(不平衡)と呼ばれる現象で、受信信号ブレブr(t)を復調する際にはエラーとして現れる。つまり、I/Qインバランスのある複素復調器12による復調では、復調信号r(k)のエラーレートは高くなる。なお、ここで復調信号r(k)とは、実数成分がデジタルI信号r(k)であり、虚数成分がデジタルQ信号r(k)である信号である。
本発明は、デジタルI信号r(k)、デジタルQ信号r(k)に対して補償手段26を提供する。この補償手段26は、I/Qインバランスを補償する際にパイロット信号が不要であり、いわゆるブラインド補償が可能である。補償手段26からの出力は、I/Qインバランスが補償された信号であり、FFT(ファーストフーリエ変換)を含む公知の復号処理回路11を施すことで、送信された信号をエラーなく復調することができる。なお、補償手段26のI軸信号経路2およびQ軸信号経路3の出力を、それぞれ補償後デジタルI信号ハットx(k)、補償後デジタルQ信号ハットx(k)と呼ぶ。補償後デジタルI信号と補償後デジタルQ信号はそれぞれ、補償後復調信号ハットx(k)の実数成分ハットx(k)と虚数成分ハットx(k)である。
I/Qインバランスを含むデジタルI信号r(k)、デジタルQ信号r(k)は、図1の補償手段26中に記載した方法でI/Qインバランスを補償することができる。より具体的には、補償後デジタルQ信号ハットx(k)は、デジタルQ信号r(k)に補償フィルタ手段32を作用させた信号ドットr(k)を、Q信号増幅手段34でsecφ倍したものと、デジタルI信号r(k)を遅延手段40でLだけ遅延させた信号ドットr(k)をI信号増幅手段36でtanφ倍したものを加算手段38で加えることで求める。
ここで補償フィルタ手段32は、デジタルフィルタで構成することができる。したがって、ソフトウェア的にはベクトルとして、ハード的にはタップ数で具体的な形を得ることができる。また、Q信号増幅手段34、I信号増幅手段36、加算手段38も、ソフトウェア若しくはハードウェアのいずれでも構成することができる。
この補償後デジタルQ信号ハットx(k)を虚数付加部23で虚数成分とし、補償後デジタルI信号ハットx(k)を実数成分として補償後復調信号ハットx(k)とする。すなわち、補償フィルタ手段32の具体的な形とQ信号増幅手段34およびI信号増幅手段36で用いる位相誤差φを求めることができれば、I/Qインバランスを含むデジタルI信号r(k)、デジタルQ信号r(k)を、補償することができる。ここで補償フィルタ手段32の具体的な形はベクトルdとして表す。
本発明の補償方法は、I/Qインバランスを含むデジタルI信号r(k)、デジタルQ信号r(k)だけから、ベクトルdおよび位相誤差φの推定値であるベクトルハットdと位相誤差ハットφを求めることができる。この際に本発明の補償方法ではパイロット信号を必要としない。
次に受信信号ブレブr(t)からベクトルdの具体的な形(値)と位相誤差φの推定値であるベクトルハットdと位相誤差ハットφの求め方について概説する。
本発明の第1のポイントは、デジタルQ信号r(k)の自己相関関数と、I/Qインバランスのない理想的なI信号(以後「理想デジタルI軸信号」と呼ぶ)x(k)の自己相関関数が、実用化されている複素信号処理を行う変復調方式であれば、一致するということを見出した点にある。
一方、デジタルI信号r(k)の自己相関関数をFFT処理したものは、理想デジタルI信号x(k)にベクトルdを作用させたものをFFT処理した結果と等しくなると表すことができる。そこで、デジタルI信号r(k)の自己相関関数をFFT処理したものと、デジタルQ信号r(k)の自己相関関数をFFT処理したものとを周波数毎に割り算すると、ベクトルdをFFT処理した結果の振幅特性を求めることができる。すなわち、入力信号のデジタル信号である、デジタルI信号とデジタルQ信号だけから、ベクトルdの周波数領域における振幅特性の推定値を求めることができる。
本発明の第2のポイントは、このベクトルdを最小位相であるとみなした点である。後に詳しく示されるが、ベクトルdは、I軸ローパスフィルタ16iとQ軸ローパスフィルタ16qの特性の違いに起因する。しかし、ほとんど実際の通信機器に搭載されているローパスフィルタの特性の違いは微差である。したがって、ベクトルdが最小位相であるとみなしてしまっても、現実的にはまったく問題がない。
ベクトルdを最小位相とみなしてしまうと、ベクトルdの周波数領域における振幅特性からベクトルdの周波数領域における位相特性(これをベクトルΘとする。)をヒルベルト変換を用いて一意的に求めることができる。これが本発明の第3のポイントである。
以上のようにして、ベクトルdは周波数領域において振幅特性および位相特性を求めることができる。この結果をIFFT(逆ファーストフーリエ変換)処理することで、時間領域におけるベクトルdの具体的な形を推定することができる。
ベクトルdの推定値(ベクトルハットd)が求まれば、ベクトルハットd、デジタルI信号r(k)とデジタルQ信号r(k)の相互相関関数、及びラグがゼロのときのデジタルI信号r(k)の自己相関関数から位相誤差φの推定値である位相誤差ハットφを求めることができる。
本発明の受信装置1では、上記の補償手段26で用いるベクトルdおよび位相誤差φを求めるための変数推定手段30を有する。なお、この場合実際に用いるのは、変数推定手段30で求めたベクトルdと位相誤差φの推定値であるベクトルハットdと位相誤差ハットφである。図2は、変数推定手段30の処理の流れを示すブロック図である。変数推定手段30自体はハード的に作製されてもよいし、ソフト的に作製されてもよい。
I軸信号経路2からのデジタルI信号r(k)と、Q軸信号経路3からのデジタルQ信号r(k)とはそれぞれ、I信号自己相関関数算出手段51iおよびQ信号自己相関関数算出手段51qに入力される。そして、それぞれの自己相関関数はI信号FFT処理手段52iとQ信号FFT処理手段52qでFFT処理される。次にそれぞれの信号は振幅特性算出手段53で周波数毎に割り算が行われる。この割り算の結果によって、ベクトルdの周波数領域での振幅特性|D(n)|が得られる。
この振幅特性|D(n)|は、位相特性算出手段54に送られ、ヒルベルト変換処理が施される。上記の説明のように、このヒルベルト変換処理によって、振幅特性|D(n)|の位相特性ベクトルΘが求まる。
振幅特性|D(n)|と位相特性ベクトルΘを周波数成分毎に組み合わせると、ベクトルdをフーリエ変換した結果の周波数要素となるので、逆にそれらの要素をIFFT処理手段55で逆FFT処理を行うことで、ベクトルdの具体的な形を求めることができる。このベクトルdは、ベクトルd取得手段57に送られ、ベクトルdの初めのL個をとって、ベクトルdの推定値であるベクトルハットdが求められる。ベクトルハットdは補償手段26の補償フィルタ手段32に送られる。
また、ベクトルハットdの具体的な形がわかれば、位相誤差φの推定値である位相誤差ハットφは、相互相関関数算出手段56によって求められるデジタルI信号r(k)とデジタルQ信号r(k)の相互相関関数RrIQ(m)と、I信号自己相関関数算出手段51iで求められるラグがゼロの自己相関関数Rr(0)と、ベクトルハットdによって、位相誤差算出手段58で求められる。
次に上記の関係を詳細に説明する。この詳細な説明では、各信号をより数学的に表し説明を行う。図3はこの説明のために図1の局部発振器20、位相変換器22を描き換えた図である。ローパスフィルタ16i、16qについては、その特性をそれぞれG(f)、G(f)とする。
送信側が送信する信号ブレブr(t)は(1)式で表される。
ここで、s(t)は、送信信号に相当するベースバンド信号であり、h(t)はチャンネルインパルス応答である。exp(j2πft)は、キャリア信号である。またReは実数部を示す。
一方、受信装置1で受信された信号は、図1で概説したように、局部発振器20によるダイレクトコンバージョンによりベースバンド信号に復調される。そして復調された信号は、I軸信号経路2およびQ軸信号経路3のローパスフィルタ16i、16qによって高周波成分が除去される。この復調されたベースバンド信号を信号r(t)とする。図3では、r(t)およびr(t)がベースバンド信号r(t)のI軸成分とQ軸成分として記載されている。
この時に、局部発振器20と位相変換器22によって生じる誤差については、Q軸信号経路3の信号に、I軸信号経路2の信号に対して振幅が「−α」倍で、位相が「位相誤差φ」だけ異なる局部発振器20からの信号が乗算されると表す。
したがって、周波数に依存するI/Qインバランス(「周波数依存型I/Qインバランス」と呼ぶ)は、I軸ローパスフィルタ16iとQ軸ローパスフィルタ16qの特性であるG(f)、G(f)で表され、周波数に依存しないI/Qインバランス(「周波数非依存型I/Qインバランス」と呼ぶ)は振幅αと位相誤差φによって表される。
そして、I/Qインバランスのない理想復調信号をx(t)とし、その共役な信号をx(t)とする。すると復調信号r(t)は(2)式のように表すことができる。
(2)式において、「LPF」はローパスフィルタを通過したことを表す。また「exp」の中の「fLO」は、局部発振器20の周波数であることを示す。また、a(t)、a(t)は以下の(3)式および(4)式のように表される。
なおここで、A(f)、A(f)はI軸ローパスフィルタ16iとQ軸ローパスフィルタ16qの特性であるG(f)およびG(f)を使って、以下の(5)式および(6)式のように表される。
すなわち、A(f)、A(f)は局部発振器20と位相変換器22とローパスフィルタ16i、16qの影響を表している。ここで、一般性を失うことなくQ軸信号経路3側のローパスフィルタ「G(f)」と「α」をまとめて扱うことで、以下の(7)式および(8)式の関係を得る。
ここで、δ(t)は、クロネッカのδである。また、d(t)は、以下の(9)式のように規定されるD(f)のインパルス応答である。
D(f)は、I軸ローパスフィルタ16iとQ軸ローパスフィルタ16qの特性の違いを表す。周波数依存型I/Qインバランスは、ローパスフィルタ特性に依存するものであるから、D(f)は、周波数依存型I/Qインバランスを表しているといえる。したがって、d(t)は、周波数依存型I/Qインバランスのインパルス応答である。g(t)とg(t)をそれぞれ、G(f)とG(f)のインパルス応答とすると、g(t)とg(t)およびd(t)は、すべて実数フィルタである。
ここで、アナログフロントエンドのイメージ減少率(IIR)とイメージ減少量(IA)を、以下の(10)式で定義しておく。
IRR(f)は、特定の周波数fのイメージ減少率であり、IAは、帯域全体にわたるイメージ減少率を求めたものである。
実際のシステムでは、I軸信号とQ軸信号のズレはわずかなので、D(f)は周波数全域にわたって比較的フラットである。つまり、d(t)は、タップ数の短い、ナロースプレットなFIRフィルタとして構築することができる。
A/D変換器18i、18qにおけるアナログ−デジタル変換でのサンプリングはナイキストサンプリング理論を満足する周期Tsとする。すると、A/D変換器18i、18qから出力されるデジタル信号r(k)は、(2)式の信号r(t)より(11)式のように表される。
ここで、x(k)およびx(k)は、I/Qインバランスのない理想復調信号x(t)およびそれに共役な信号x(t)のデジタル化された信号である。そこでx(k)を理想復調デジタル信号とよぶ。このデジタル信号r(k)のI軸信号経路2の信号がデジタルI信号r(k)であり、Q軸信号経路3がデジタルQ信号r(k)である。ベクトルaとベクトルaは以下のように表される。
ここで、ベクトルd=[d,d,・・・,dL−1であり、ベクトル1=[1,0,・・,0]である。同様にデジタルフィルタであるベクトルgとベクトルgも離散的な表現が可能である。
デジタル信号r(k)は、このベクトルdと位相誤差φによって影響を受けている。このうち周波数依存型I/Qインバランスは、Q軸信号経路3にベクトルdを配置し、デジタルQ信号r(k)に、再度同じ影響を与える(時間軸領域でベクトルdを畳み込む)ことで補償することができる。ここで周波数依存型I/Qインバランスとは、I軸ローパスフィルタ16iとQ軸ローパスフィルタ16qの特性であるG(f)、G(f)によって表したので、ベクトルdに依存しており、位相誤差φによらないI/Qインバランスである。
そして、ベクトルdの影響が補償され、周波数依存型I/Qインバランスが補償された信号ドットr(k)は、(12)式が代入された(11)式のベクトルdをベクトル1で置き換えることで、得ることができる。具体的には、(13)式であらわされる。
これより、理想復調デジタル信号であるx(k)の実数成分および虚数成分は、ドットr(k)を用いて、それぞれ次の(14)および(15)式のように表される。
これは言い換えると、理想復調デジタル信号x(k)は、周波数依存型I/Qインバランスのない信号であるドットr(k)に、tanφ、とsecφという2つのゲインを有する増幅手段を有する非対称位相補償手段を作用させることによって、得ることができることを示している。
つまり、周波数依存型I/Qインバランスは、Q軸信号経路3に配置したベクトルdとI軸信号経路2に配置した遅延手段40(遅延要素δ(k−ハットL))によって補償され、周波数非依存型I/Qインバランスは位相誤差φによって補償することができる。
ベクトルdと位相誤差φをブラインド手法で推定するためには、理想復調デジタル信号x(k)と補償前のデジタル信号r(k)の信号の統計的性質を利用する必要がある。x(k)の2次元統計(SOS)は、自己相関関数(ACF)と補完自己相関関数(CACF)によって表される。具体的には、それぞれ以下の(16)式、(17)式である。
すべてのmについてCACFがゼロであるとき、信号は「プロパ」であるとされる。この意味するところは、x(k)の実数成分と虚数成分になんらの相関がないことを表している。たとえば、QAMやPSKといった、コンスタレーションが複素信号である実際の通信システムにおいては、通信される信号はプロパである。
一方、受信信号であるr(k)のCACFは次の(18)式のように表される。
ここで、ベクトルRx(m)は、以下の(19)式のように表される。
自己相関関数Rx(m)はゼロではないので、(18)式よりm=0の近くのいくつかのラグmで、Cr(m)がゼロでないのは明らかである。これはI/Qインバランスによって歪が生じた信号はプロパでなくなっていることを意味している。そして、ブラインドによるI/Qインバランスの補償は、信号のプロパの回復を目指すことであるといえる。
デジタルI信号r(k)とデジタルQ信号r(t)は、それぞれデジタル信号r(k)の実数成分および虚数成分であった。(11)式および(12)式から下記の(20)式および(21)式の関係を得る。
これらの2つの式は、ベクトルdと位相誤差φの情報が、I軸信号経路2の信号とQ軸信号経路3の信号に隠れていることを示している。さらに、(20)式より、デジタルI信号r(k)が、理想デジタルI信号x(k)とベクトルdの畳み込み計算で得られることがわかる。
ここで、x(k)の自己相関関数(ACF)Rx(m)は、x(k)がプロパであるとした時には、以下の(22)式のようになる。
式変形の中で(17)式のE{x(k)x(k−m)}がゼロ(すなわちプロパ)であることを利用した。一方、デジタルQ信号r(k)の自己相関関数Rrは以下の(23)式のように求められる。
(22)式と(23)式を比較すると、デジタルQ信号r(k)の自己相関関数は、理想デジタルI信号x(k)の自己相関関数に一致することがわかる。これは本発明者によって見出された関係であり、これまで誰も指摘することのできなかった点である。
デジタルQ信号r(k)とデジタルI信号r(k)の自己相関関数であるRr(m)とRr(m)は、受信信号r(k)から求めることができる。したがって、(22)式と(23)式の関係は、理想デジタルI信号x(k)の自己相関関数と補償される前のデジタルI信号r(k)の自己相関関数を得ることができることを意味する。
デジタルI信号r(k)は(20)式によって、理想デジタルI信号x(k)とベクトルdの畳み込み計算で求めることができることが示されている。すると、ベクトルdをフーリエ変換したD(f)の振幅特性である、|D(f)|(D(f)の絶対値である)は、Rr(m)(=Rx(m))とRr(m)をFFT処理し、周波数毎に割り算することによって求めることができる。つまり、ベクトルdを周波数領域で表現したD(f)の振幅特性は、受信信号であるデジタルI信号r(k)とデジタルQ信号r(k)の自己相関関数から求められる。
そして、ここでベクトルdが最小位相であるとみなすと、よく知られているように振幅特性|D(f)|をヒルベルト変換することで、その位相特性(θ(f)とする)を一義的に求めることができる。最終的に、ベクトルdは、D(f)=|D(f)|・exp(jθ(f))の逆FFT(IFFT)処理によって得ることができる。
また、(15)式を参照すると、Q信号は、位相誤差φによって影響を受ける。しかし、その自己相関関数は影響を受けない。このことは、周波数依存型I/Qインバランス(位相誤差φによらないI/Qインバランス)は、周波数非依存型I/Qインバランス(位相誤差φによるI/Qインバランス)と独立して補償することができることを示している。
このことを利用すると位相誤差φを求めることができる。今ベクトルdが具体的に求められたとすると、ドットr(k)は以下の(24)式のように得ることができる。
ベクトルdが実数であることを勘案して、r(k)とドットr(k)の間の相互相関関数は(25)式のように得られる。
つまり、位相誤差φは、入力信号のデジタルI信号r(k)と入力信号デジタルQ信号r(k)にフィルタdを作用させたドットrQ(k)の相互相関関数と、r(k)の自己相関関数から求めることができることを示している。同時に、I軸の遅延要素は、ベクトルdが最小位相応答を考えると、除去することができる。最小位相の下では、ハットL=0(つまり遅延要素は無視できる)となるからである。
結果として、ブラインド推定の処理は、以下の手順で実行される。なお、図2で示した変数推定手段30には、以下の処理フローを実行するための手段が示されている。従って、図2を参照しながら説明を行う。
(1)時間Kの間に受信したサンプルの時間平均を用いて、自己相関関数Rr(m)とRr(m)、および相互相関関数RrIQ(m)を計算する。具体的には以下の(26)式、(27)式、(28)式のようになる。
ここで、Mは、設計パラメータである。例えばMは、OFDMシステムのサイクリック−プレフィックス(CP)の長さに設定してもよい。r(k)とr(k)は実数であるので、Rr(m)=Rr(−m)であり、Rr(m)=Rr(−m)である。RrIQ(m)はr(k)とr(k)の相互相関関数である。
これらの処理は、I信号自己相関関数算出手段51i、Q信号自己相関関数算出手段51q、相互相関関数算出手段56でそれぞれ行われる。
(2)Rr(m)とRr(m)のN個についてFFT処理を行う。この処理の結果は、(29)式および(30)式で表される。
ベクトル0(ゼロ)は、1×(N−2M−1)で要素が全て0(ゼロ)のベクトルである。また、「行列F」はFFT処理を行う行列である。より具体的には、以下の(31)式に示す行列である。なお、IFFT処理は、行列「F」で表され、FFT処理を表す式のエルミート行列である。またNはサブキャリアの数である。
これらの処理は、I信号FFT処理手段52iおよびQ信号FFT処理手段52qで行われる。従って、I信号FFT処理手段52iおよびQ信号FFT処理手段52qの出力は、それぞれベクトルuおよびベクトルuである。
(3)ベクトルdをフーリエ変換したD(n)の振幅特性を求める。なお、ベクトルdをフーリエ変換したD(f)の振幅特性は、以下の(32)式のデジタル信号として求められる。
ここで、(32)式のルートの中はFFT処理した結果(ベクトルuとベクトルu)を周波数毎に割り算をした結果の絶対値を表している。この処理は、ベクトルuとベクトルuが入力される振幅特性算出手段53によって行われる。振幅特性算出手段53の出力はN個の要素を有する振幅特性|D(n)|である。
(4)振幅特性|D(n)|の位相応答(ベクトルΘ)は、|D(n)|から求まるベクトルdlogをディスクリートヒルベルト変換することで求められる。ディスクリートヒルベルト変換は、行列F、行列S、行列Fを順次ベクトルdlogに作用させることで行われる。具体的な処理は(33)式で表される。
ここで、ベクトルΘ、行列S、ベクトルdlogは以下の(34)式、(35)式、(36)式のように表される。
この処理は位相特性算出手段54で行われる。位相特性算出手段54には、N個の要素を持つ振幅特性|D(n)|が入力され、各要素の対数(log|D(n)|)が求められる。これをベクトルdlogとして行列F、行列S、行列Fを順次作用させることでベクトルΘを求める。ベクトルΘの各要素は、振幅特性|D(n)|の各要素に対応する位相特性である。位相特性算出手段54の出力はベクトルΘである。
(5)|D(n)|とベクトルΘの各要素を組み合わせたベクトル(下記の(37)式中の中括弧)をIFFT処理することでD(n)のインパルス応答であるベクトルdが求められる。
この処理はIFFT処理手段55によって行われる。IFFT処理手段55には、振幅特性|D(n)|と位相特性ベクトルΘが入力され、ベクトルdが出力される。そして、ベクトルdの最初のL個をベクトルdの推定値であるベクトルハットdとする。具体的には、以下の(38)式で表される。なお、「L」はシステムを設計する際にN以下の数で適宜きめる事ができる。例えばベクトルdの後半の要素がほとんどゼロになる場合は、それらの要素は削除してしまってもよい。いいかえればLはシステムが最適になるように適宜きめてよい。
ここで、ベクトルdの上にハットがあるのは、ベクトルハットdが算出された推定値であることを示している。この処理は、ベクトルd取得手段57によって行われる。ベクトルd取得手段57はベクトルdが入力され、ベクトルハットdが出力される。ベクトルハットdは、補償フィルタ手段32と位相誤差算出手段58に出力される。
(6)ベクトルハットdを用いて、局部発振器20の位相誤差φを求める。ここではベクトルハットdと相互相関関数RrIQとI信号自己相関関数の中でラグ(m)がゼロであるRr(0)が用いられる。より具体的には下記の(39)式で位相誤差ハットφは求められる。
ここで、φの上にハットがあるのは、ハットφが算出された推定値であることを示している。この処理は、位相誤差算出手段58で行われる。位相誤差算出手段58には、相互相関関数算出手段56から相互相関関数が入力され、I信号自己相関関数算出手段51iからは、ラグ(m)がゼロであるRr(0)が入力され、またベクトルd取得手段57からはベクトルdの推定値であるベクトルハットdが入力される。位相誤差算出手段58の出力は位相誤差ハットφである。位相誤差ハットφは、Q信号増幅手段34とI信号増幅手段36に送られる。
ベクトルハットdと位相誤差ハットφによって補償され、補償手段26から出力される信号が補償後復調信号ハットx(k)である。
なお、上記の導出には、受信信号がプロパであることベクトルdが最小位相であること以外の仮定はなかった。ベクトルdが最小位相であることは、受信装置の複素復調器の性能に依存する問題であり、信号の変復調方式には関係がない。すなわち、本発明の補償方法は、信号体系がプロパでありさえすれば、いかなる信号においても有効に適用させることができる。
また、複素信号のSOSに基づく他の補償方法と違い、本発明の補償方法だけは、実数信号のSOSを簡単な計算で求められる。さらに、FFTとIFFTは、OFDMやSC−FDMAといった高度な変復調技術が用いられる近年の通信システムにはすでに装備されているので、付加的なハードウェアなしで、実装することができる。
本発明の補償方法の有効性を調べるために、以下にシミュレーションを行った結果を示す。シミュレートしたのはサブキャリアが1024個であるOFDM通信システムである。サブキャリア間の間隔は15kHzであり、変復調方式は64QAMの信号である。サンプリング周波数Tsは0.0651μsとした。
サイクリック−プレフィックス(CP)の長さは4.69μsであり、これは72サンプル分に相当する。伝送路中のチャンネル応答はベクトルh=[h,h,・・・,hLh−1と表し、最大間隔にあたるLhは36サンプル分とした。
ベクトルhの各要素は、平均がゼロのガウス分布となるランダム信号をそれぞれ独立に与えた。ただし、各要素のエネルギーは、下記の(40)式で表されるようにl(各要素番号)が大きくなるにしたがって、指数関数的に減衰させるようにした。
チャンネルのパワーは、δ を調整することで、E{|ベクトルh|}=1となるように規格化した。移動体の速度は100km/hとし、ドップラー周波数はキャリア信号fcが2GHzの時に185Hzとした。受信装置の主たるノイズ源は、低雑音増幅器(LNA)であるので、信号のSN比(SNR)は、RF信号がダウンコンバートされる直前の受信信号のSNRとした。
周波数依存型I/Qインバランスモデルは、以下の2つの条件(ケースAおよびケースB)を使った。
ケースA:g=[0.98,0.03]、g=[1,−0.005]
ケースB:g=[0.01,1,0.01]、g=[0.01,1,0.2]
ここで、gおよびgは、それぞれI軸およびQ軸のローパスフィルタを離散表示したものである。周波数非依存型I/Qインバランスは、α=1.03およびφ=−3°に固定した。
比較例としては、非特許文献7および8のCVFに基づく方法を選んだ。これらの方法は、現在のハード的な計算速度と信号を統計処理する際の計算の複雑さにおいて、十分に実用化可能な方法であると考えられる。
これらの比較例は、複素数化された補償フィルタであるベクトルwを推定するためのブロックタイプアルゴリズムと、適合アルゴリズムをシミュレートする。ブロックタイプアルゴリズムの近似解は、推奨される繰り返し手法によって更新されるものとした。一方、適合アルゴリズムは文献に提案された最適ステップサイズとスムーシングパラメータを用いた。
本発明の補償方法では、自己相関関数と相互相関関数がサイクリックプレックス(CP)長に相当するMにわたって計算されるとした。全てのシミュレーションでは、結果は、200モンテカルロトライアルの平均をしめした。各トライアルにおいては、K=20000個の信号サンプルが用いられた。
図4、図5に、ケースAとケースBのIRRの値をそれぞれ示した。縦軸はIRR(dB)であり、横軸は規格化された周波数である。フロントエンドの信号(「Front−end」と示した。)は、ローパスフィルタを通過した信号を表す。補償フィルタ手段であるベクトルdとベクトルwの長さは共通とし、ケースAではL=2、ケースBではL=3とした。そしてSNRは35dBとした。
適合アルゴリズム(「Adaptive[7][8]」と示した。)では、図4と図5でIRRが異なっている。つまり、ローパスフィルタの特性にかかわらず、常に補償を行うことができないことを示している。これは、推奨されたパラメータでさえ、適合アルゴリズムはまだ安定でない(ダイナミック)ことを示している。
また、ブロックタイプアルゴリズム(「Block−typ[8]」と示した。)は、ローパスフィルタの特性に係らず、図4、図5の両方のケースで近い補償性能を発揮していた。本発明の補償方法(「Proposed」と示した。)は、適合アルゴリズムをはるかに超える性能を示し、また、ブロックタイプアルゴリズムと比べても高いIRRを示した。
本発明は、信号体系がプロパな信号であれば、OFDM信号にかかわらず、いかなる信号であっても、受信装置でのI/Qインバランスの補償方法として好適に利用できる。また、本発明の補償方法は特別なパイロット信号を必要とせず、また複雑な計算も必要としない。したがって、新たに採用される信号方式だけでなく、現在使われている信号体系の下で使われている受信機にも容易に実装することができる。
1 受信装置
2 I軸信号経路
3 Q軸信号経路
10 アンテナ
11 復号処理回路
12 複素復調器
14i I軸乗算器
14q Q軸乗算器
16i I軸ローパスフィルタ
16q Q軸ローパスフィルタ
18i I軸A/D変換器
18q Q軸A/D変換器
20 局部発振器
22 位相変換器
23 虚数付加部
24 加算手段
26 補償手段
30 変数推定手段
32 補償フィルタ手段
34 Q信号増幅手段
36 I信号増幅手段
38 加算手段
40 遅延手段
51i I信号自己相関関数算出手段
51q Q信号自己相関関数算出手段
52i I信号FFT処理手段
52q Q信号FFT処理手段
53 振幅特性算出手段
54 位相特性算出手段
55 IFFT処理手段
56 相互相関関数算出手段
57 ベクトルd取得手段
58 位相誤差算出手段

Claims (3)

  1. 受信信号をダウンコンバートし、
    I信号およびQ信号をサンプリングしてデジタルI信号r(k)およびデジタルQ信号r(k)にした後、
    前記デジタルI信号r(k)およびデジタルQ信号r(k)からベクトルハットdと位相誤差ハットφを推定し、
    前記デジタルQ信号r(k)にベクトルハットdを作用させ、その後secハットφ倍し、前記デジタルI信号r(k)をtanハットφ倍した信号をさらに加算した信号を補償後デジタルQ信号ハットx(k)とし、
    前記デジタルI信号r(k)を補償後デジタルI信号ハットx(k)とし、
    前記補償後デジタルI信号ハットx(k)と前記補償後デジタルQ信号ハットx(k)をI/Qインバランスが補償された補償後復調信号ハットx(k)のI信号およびQ信号とする受信信号の補償方法であって、
    前記ベクトルハットdと前記位相誤差ハットφは、
    前記デジタルI信号r(k)および前記デジタルQ信号r(k)の自己相関関数であるRr(m)とRr(m)を求める工程と、
    前記デジタルI信号r(k)および前記デジタルQ信号r(k)の相互相関関数であるRrIQ(m)を求める工程と、
    前記Rr(m)と前記Rr(m)をFFT処理し、ベクトルuとベクトルuを求める工程と、
    前記ベクトルuと前記ベクトルuを周波数毎に割り算し、振幅特性|D(n)|を求める工程と、
    前記振幅特性|D(n)|をヒルベルト変換して位相特性ベクトルΘを求める工程と、
    前記振幅特性|D(n)|と前記位相特性ベクトルΘを組み合わせて要素としたベクトルをIFFT処理し前記ベクトルハットdを推定する工程と、
    前記ベクトルハットdと前記Rr(m)のうちラグ(m)がゼロであるRr(0)と前記相互相関関数RrIQ(m)から前記位相誤差ハットφを推定する工程により推定されることを特徴とする補償方法。
  2. 送信信号を受信し受信信号を出力するアンテナに接続される複素復調器であって、
    局部発振器と、
    前記局部発振器に接続され前記局部発振器の発振信号の位相をπ/2ずらす位相変換器と、
    前記受信信号に前記局部発振器の発振信号を乗算するI軸乗算器と、
    前記受信信号に前記位相変換器の出力を乗算するQ軸乗算器と、
    前記I軸乗算器に接続されるI軸ローパスフィルタと、
    前記Q軸乗算器に接続されるQ軸ローパスフィルタと、
    前記I軸ローパスフィルタの出力をサンプリングしてデジタルI信号r(k)を出力するI軸A/D変換器と、
    前記Q軸ローパスフィルタの出力をサンプリングしてデジタルQ信号r(k)を出力するQ軸A/D変換器と、
    前記デジタルI信号r(k)および前記デジタルQ信号r(k)の自己相関関数であるRr(m)とRr(m)を求めるI信号自己相関関数算出手段およびQ信号自己相関関数算出手段と、
    前記デジタルI信号r(k)および前記デジタルQ信号r(k)の相互相関関数であるRrIQ(m)を求める自己相関関数算出手段と、
    前記デジタルI信号および前記デジタルQ信号の自己相関関数をFFT処理し、ベクトルuとベクトルuを求めるI信号FFT処理手段およびQ信号FFT処理手段と、
    前記ベクトルuと前記ベクトルuを周波数毎に割り算し、振幅特性|D(n)|を求める振幅特性算出手段と、
    前記|D(n)|をヒルベルト変換して位相特性ベクトルΘを求める位相特性算出手段と、
    前記|D(n)|と前記ベクトルΘを組み合わせて要素としたベクトルをIFFT処理しベクトルdを求めるIFFT処理手段と、
    前記ベクトルdからベクトルdの推定値でるベクトルハットdを求めるベクトルd取得手段と、
    前記ベクトルハットdと前記Rr(m)のうちラグ(m)がゼロのRr(0)と前記相互相関関数RrIQ(m)から位相誤差ハットφを求める位相誤差算出手段と、
    前記デジタルQ信号r(k)に前記ベクトルハットdを作用させる補償フィルタ手段と、
    前記補償フィルタ手段の出力をsecハットφ倍するQ信号増幅手段と、
    前記デジタルI信号r(k)をtanハットφ倍するI信号増幅手段と、
    前記I信号増幅手段と前記Q信号増幅手段の出力を加算する加算手段と、
    前記加算手段の出力を補償後デジタルQ信号ハットx(k)とし、前記デジタルI信号を補償後デジタルI信号ハットx(k)とすることを特徴とする複素復調器。
  3. 請求項2の複素復調器を有することを特徴とする受信装置。
JP2011265271A 2011-12-02 2011-12-02 I/qインバランス補償方法およびi/qインバランスを補償する複素復調器と受信装置 Pending JP2013118530A (ja)

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