JP2013118262A - 集光装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、太陽光の利用効率を向上できる集光装置を提供することを目的とする。
【解決手段】所定の波長範囲の太陽光を利用する光電変換素子110に当該太陽光を集光する集光装置であって、光電変換素子110の周囲に立てて設けられ、太陽光を反射する反射状態と、太陽光を透過させる透過状態とを切替え可能な反射透過板10、20と、反射透過板10、20の反射状態と透過状態とを切り替える切替え回路102とを有するように構成する。
【選択図】図1

Description

本発明は、光を集光する集光装置、太陽光発電装置及び太陽熱利用装置に関する。
特許文献1には、一列に配列された複数の太陽電池セルと、両端の太陽電池セル近傍に設けられた一対の反射板とを備えた太陽光発電装置が開示されている。この太陽光発電装置では、一端部に設けられた太陽電池セルと他端部に設けられた太陽電池セルとが相互に電気的に並列接続されている。これにより、太陽電池セルの受光面に対する太陽光の入射角度が小さく、一端部に設けられた太陽電池セルに照射される光の強度が低下した場合であっても、他端部に設けられた太陽電池セルにより出力電流が補完されるようになっている。
特開2004−172256号公報 特開2009−295663号公報 特開2002−314112号公報
吉村和記、「省エネルギー特性に優れた調光ミラーガラスの創製」、応用物理、公益社団法人応用物理学会、2010年、第79巻、第7号、p.628−632
しかしながら、上記の太陽光発電装置では、太陽高度が低いときに太陽電池上に影が形成されるのを防ぐことはできない。このため、両端の太陽電池セルの間で出力電流を補完したとしても、太陽電池の出力低下を防ぐことができず、太陽光の利用効率が低下してしまうという問題がある。
本発明の目的は、太陽光の利用効率を向上できる集光装置、太陽光発電装置及び太陽熱利用装置を提供することにある。
上記目的は、所定の波長範囲の太陽光を利用する光利用領域に当該太陽光を集光する集光装置であって、前記光利用領域の周囲に立てて設けられ、前記太陽光を反射する反射状態と、前記太陽光を透過させる透過状態とを切替え可能な反射透過板と、前記反射透過板の前記反射状態と前記透過状態とを切り替える切替え部とを有することを特徴とする集光装置によって達成される。
上記本発明の集光装置において、前記反射透過板は、前記光利用領域の東側又は西側に設けられることを特徴とする。
上記本発明の集光装置において、前記反射透過板は、前記反射状態での反射率の高い方の表面が前記光利用領域側を向くように配置されていることを特徴とする。
上記本発明の集光装置において、前記反射透過板は、前記光利用領域の東側に設けられる第1の反射透過板と、前記光利用領域の西側に設けられる第2の反射透過板とを含むことを特徴とする。
上記本発明の集光装置において、前記切替え部は、東側から入射する光の強度を検出する第1の光センサと、西側から入射する光の強度を検出する第2の光センサとを有し、前記第1の光センサで検出される光の強度が前記第2の光センサで検出される光の強度よりも高いときには、前記第1の反射透過板を前記透過状態に切り替えるとともに前記第2の反射透過板を前記反射状態に切り替え、前記第2の光センサで検出される光の強度が前記第1の光センサで検出される光の強度よりも高いときには、前記第2の反射透過板を前記透過状態に切り替えるとともに前記第1の反射透過板を前記反射状態に切り替えることを特徴とする。
上記本発明の集光装置において、前記第1の光センサは、前記第1の反射透過板よりも東側に設けられ、前記第2の光センサは、前記第2の反射透過板よりも西側に設けられていることを特徴とする。
上記本発明の集光装置において、前記第1及び第2の反射透過板は、水素化又は脱水素化によって鏡状態と透明状態とを切替え可能な調光ミラー層と、水素イオンを貯蔵するイオン貯蔵層と、前記イオン貯蔵層を介して前記調光ミラー層に対向する導電膜とを有していることを特徴とする。
上記本発明の集光装置において、前記第1及び第2の光センサは、入射した光により起電力を発生させる太陽電池であり、前記第1の光センサの正極性端子は、前記第1の反射透過板の導電膜と、前記第2の反射透過板の調光ミラー層と、前記第2の光センサの負極性端子とに接続され、前記第1の光センサの負極性端子は、前記第1の反射透過板の調光ミラー層と、前記第2の反射透過板の導電膜と、前記第2の光センサの正極性端子とに接続されていることを特徴とする。
上記本発明の集光装置において、前記反射透過板のうち前記光利用領域とは逆側の表面に設けられ、前記反射透過板に対して上向きに傾斜した斜面を備えるプリズムをさらに有することを特徴とする。
また上記目的は、上記本発明の集光装置と、前記光利用領域に配置された受光面を備え、前記集光装置により集光された太陽光の光エネルギーを電力に変換する光電変換素子とを有することを特徴とする太陽光発電装置によって達成される。
上記本発明の太陽光発電装置において、前記反射透過板は、前記受光面上に立てて設けられていることを特徴とする。
また上記目的は、上記本発明の集光装置と、前記光利用領域に配置され、前記集光装置により集光された太陽光の熱エネルギーを利用する太陽熱利用素子とを有することを特徴とする太陽熱利用装置によって達成される。
本発明によれば、太陽光の利用効率を向上できる集光装置、太陽光発電装置及び太陽熱利用装置を実現できる。
本発明の第1の実施の形態による集光装置100及び太陽光発電装置1の概略構成を示す模式図である。 本発明の第1の実施の形態による反射透過板10、20に用いられるエレクトロクロミックミラーの層構造の一例を示す模式図である。 本発明の第1の実施の形態による光電変換素子110に用いられる太陽電池セルの発電効率の波長依存性を示すグラフである。 本発明の第1の実施の形態による集光装置100において、反射透過板10、20の状態を切り替える切替え回路102の回路構成の一例を示す等価回路図である。 本発明の第1の実施の形態による集光装置100の動作を説明する図である。 本発明の第1の実施の形態による集光装置100及び太陽光発電装置1の効果の説明における前提事項を示す図である。 本発明の第1の実施の形態による集光装置100及び太陽光発電装置1において、反射透過板10、20の反射状態での反射率を100%と仮定し、透過状態での透過率を100%と仮定した場合の太陽高度と光電変換素子110への光入射量との関係を示すグラフである。 本発明の第1の実施の形態による集光装置100及び太陽光発電装置1において、反射透過板10、20の反射状態での反射率を70%と仮定し、透過状態での透過率を55%と仮定した場合の太陽高度と光電変換素子110への光入射量との関係を示すグラフである。 本発明の第1の実施の形態による集光装置100及び太陽光発電装置1において、反射透過板10、20の反射状態での反射率を70%と仮定し、透過状態での透過率を55%と仮定した場合における、h/L比と光電変換素子110への一日の光入射量との関係を示すグラフである。 本発明の第1の実施の形態による集光装置100及び太陽光発電装置1の構成の変形例を示す図である。 本発明の第1の実施の形態による反射透過板10、20の変形例として用いられるガスクロミックミラーの層構造の一例を示す模式図である。 本発明の第2の実施の形態による集光装置100及び太陽光発電装置2の概略構成を示す模式図である。 本発明の第3の実施の形態による集光装置100及び集光装置ユニット3の概略構成を示す模式図である。 本発明の第4の実施の形態による集光装置及び太陽光発電装置4の概略構成を示す模式図である。 本発明の第5の実施の形態による集光装置700及び太陽光発電装置5の概略構成を示す模式図である。 本発明の第5の実施の形態による集光装置700の効果を説明する図である。
[第1の実施の形態]
本発明の第1の実施の形態による集光装置及びそれを備えた太陽光発電装置について、図1〜図11を用いて説明する。なお、以下の全ての図面においては、理解を容易にするため、各構成要素の寸法や比率などを適宜異ならせて図示している。図1は、本実施の形態による集光装置及び太陽光発電装置の概略構成を示す模式図である。図1に示すように、太陽光発電装置1は、光電変換素子110と、光電変換素子110の周囲に配置され、光電変換素子110に太陽光を集光する集光装置100とを有している。
光電変換素子110は、1つ又は複数の太陽電池セルを有し、太陽光等の光エネルギーを光起電力効果により電力に変換する素子である。光電変換素子110は長方形平板状の形状を有している。本実施の形態の光電変換素子110は、水平な設置面上に配置されており、水平な受光面110aを有している。また本実施の形態の光電変換素子110は、長方形の四辺が東西方向及び南北方向に平行になるように配置されている。光電変換素子110は、設置面に対し固定して取り付けられている。光電変換素子110を水平面内で回転させる機構は設けられていない。
集光装置100は、光電変換素子110の周囲に立てて設けられている。集光装置100は、互いに平行な2つの反射透過板10、20と、反射透過板10、20に対して垂直な1つの反射板30とが断面コの字状に接続された構成を有している。集光装置100は、光電変換素子110の南側以外の三方を囲むように配置されている。光電変換素子110の設置面を基準とすると、反射透過板10、20及び反射板30の高さは、少なくとも光電変換素子110の受光面110aの高さよりも高くなっている。また集光装置100は、反射透過板10、20の状態を切り替えるための切替え回路102(図1では図示せず)を有している。
反射透過板10は、光電変換素子110の東側(日の出方向)に隣接して配置されている。反射透過板10は、光電変換素子110側(西側)の表面10aが鉛直方向及び南北方向に平行となり、光電変換素子110の受光面110aに対して垂直となるように設置されている。本実施の形態の反射透過板10は、太陽光を反射する反射状態と、太陽光を透過させる透過状態とを可逆的に切替え可能なエレクトロクロミックミラーである。反射透過板10は、反射状態では西側からの太陽光を反射させて光電変換素子110に入射させることが可能であり、透過状態では東側からの太陽光を透過させて光電変換素子110に入射させることが可能である。反射透過板10の表面10aは、光電変換素子110の東側の側端面と同一面内に位置しているか、又は当該側端面よりも東側に位置している。
反射透過板10よりも東側には、光センサとして太陽電池11が設けられている。本例の太陽電池11は、反射透過板10の東側の表面10b上に取り付けられている。太陽電池11は、例えば鉛直方向に平行でかつ東側を向いた受光面を有している。太陽電池11は、東側(真南よりも東寄りでかつ真北よりも東寄りの方向)から入射する光の強度を検出するようになっている。
反射透過板20は、光電変換素子110の西側(日没方向)に隣接して配置されている。反射透過板20は、光電変換素子110側(東側)の表面20aが鉛直方向及び南北方向に平行となり、光電変換素子110の受光面110aに対して垂直となるように設置されている。本実施の形態の反射透過板20は、反射透過板10と同様に、太陽光を反射する反射状態と、太陽光を透過させる透過状態とを可逆的に切替え可能なエレクトロクロミックミラーである。反射透過板20は、反射状態では東側からの太陽光を反射させて光電変換素子110に入射させることが可能であり、透過状態では西側からの太陽光を透過させて光電変換素子110に入射させることが可能である。反射透過板20の表面20aは、光電変換素子110の西側の側端面と同一面内に位置しているか、又は当該側端面よりも西側に位置している。
反射透過板20よりも西側には、光センサとして太陽電池21が設けられている。本例の太陽電池21は、反射透過板20の西側の表面20b上に取り付けられている。太陽電池21は、例えば鉛直方向に平行でかつ西側を向いた受光面を有している。太陽電池21は、西側(真南よりも西寄りでかつ真北よりも西寄りの方向)から入射する光の強度を検出するようになっている。
反射板30は、光電変換素子110の北側に隣接して配置されている。反射板30は、光電変換素子110側(南側)の表面30aが鉛直方向及び東西方向に平行となり、光電変換素子110の受光面110aに対して垂直となるように設置されている。反射板30の表面30aは、光電変換素子110の北側の側端面と同一面内に位置しているか、又は当該側端面よりも北側に位置している。また、反射板30の表面30aは、反射透過板10、20のそれぞれの北側の側端面と同一面内に位置しているか、又は当該側端面よりも北側に位置している。反射板30は、反射状態と透過状態とを切替え可能である必要はない。
本実施の形態では、反射透過板10、20がいずれも南北方向に平行に配置されているが、反射透過板10、20の方位は、約45°以内の範囲で互いに同方向又は別方向にずれていてもよい。
次に、本実施の形態の反射透過板10、20に用いられるエレクトロクロミックミラーについて説明する。図2は、エレクトロクロミックミラーの層構造の一例を示す模式図である。図2に示すように、エレクトロクロミックミラーは、ガラス基板等の透明基板41を有している。透明基板41上には、ITO薄膜等の透明導電膜42、酸化タングステン(WO)薄膜等のイオン貯蔵層43、酸化タンタル(Ta)薄膜等の固体電解質層44、Al薄膜等のバッファ層45、Pd薄膜等の触媒層46、及びMg−Ni合金薄膜等の調光ミラー層47が、この順に積層されている。各層は、マグネトロン・スパッタ法等を用いて成膜される。
調光ミラー層47側に−5Vの電圧を印加すると、イオン貯蔵層43中の水素イオンが調光ミラー層47に移動し、調光ミラー層47のMg−Ni合金が水素化する。これにより、調光ミラー層47が鏡状態から透明状態に変化する。ここで、調光ミラー層47において鏡状態及び透明状態はいずれも安定な状態であるため、調光ミラー層47が透明状態に変化すると、その状態は電圧印加を停止しても維持される。一方、調光ミラー層47側に+5Vの電圧を印加すると、調光ミラー層47中の水素イオンがイオン貯蔵層43に移動し、調光ミラー層47のMg−Ni合金が脱水素化する。これにより、調光ミラー層47が透明状態から鏡状態に変化する。調光ミラー層47が鏡状態に変化すると、その状態は電圧印加を停止しても維持される。
非特許文献1には、調光ミラー層47としてMgNiを用い、触媒層46としてPdを用いた場合の調光ミラー層47の反射スペクトル及び透過スペクトルが記載されている。この反射スペクトル及び透過スペクトルによれば、可視光及び近赤外光の波長範囲(約360〜2500nm)において、鏡状態での調光ミラー層47の反射率は概ね60〜80%であり、透過率はほぼ0%である。また、可視光及び近赤外光の波長範囲において、透明状態での調光ミラー層47の透過率は概ね40〜60%であり、反射率は概ね10〜30%である。
以上のように、調光ミラー層47を鏡状態と透明状態との間で切り替えることによって、反射透過板10、20は、少なくとも可視光及び近赤外光の波長範囲の太陽光を鏡面反射する反射状態と、同波長範囲の太陽光を透過させる透過状態との間で切り替わるようになっている。
ここで、鏡状態のエレクトロクロミックミラーにおいて、調光ミラー層47側の表面の反射率は、透明基板41側の表面の反射率よりも高い。すなわち、調光ミラー層47側からエレクトロクロミックミラーに入射する光に対する反射率は、透明基板41側からエレクトロクロミックミラーに入射する光に対する反射率よりも高い。これは、イオン貯蔵層43(HWO)で発生する色付き等に起因する。したがって、エレクトロクロミックミラーを用いた反射透過板10、20は、反射状態での反射率が高い調光ミラー層47側の表面を光電変換素子110側に向けて配置されることが望ましい。なお、透明状態のエレクトロクロミックミラーにおける透過率は、調光ミラー層47側からの入射光及び透明基板41側からの入射光のいずれに対してもほぼ同一である。
次に、本実施の形態の光電変換素子110で利用可能な光の波長範囲について説明する。光電変換素子110の太陽電池セルは、アモルファスSi(α−Si)、結晶Si(C−Si)等のシリコン系材料や、CIGS(Cu(In,Ga)Se)、CdTe、GaAs等の化合物系材料を用いて形成された光吸収層を有している。太陽電池セルの発電効率には、光吸収層の形成材料毎に異なる波長依存性がある。
図3は、太陽電池セルの発電効率(エネルギー変換効率)の波長依存性を光吸収層の形成材料毎に示すグラフである。グラフの横軸は波長(nm)を表し、縦軸はエネルギー変換効率(%)を表している。ここで、縦軸のエネルギー変換効率は、太陽電池から出力される電気エネルギーの、太陽電池に各波長で入射した光エネルギーに対する比を表している。仮に、ある波長で太陽電池に入射した光エネルギーが全て電気エネルギーに変換されるとすると、当該波長でのエネルギー変換効率は100%となる。図3に示すように、CIGS又はC−Siを用いた太陽電池セルでは、概ね可視光の全ての波長範囲(約360〜750nm)、及び近赤外光の波長範囲のうち短波長側(約750〜1200nm)を利用した発電が可能である。GaAsを用いた太陽電池セルでは、概ね可視光の全ての波長範囲、及び近赤外光の波長範囲のうち短波長側(約750〜900nm)を利用した発電が可能である。CdTe又はα−Siを用いた太陽電池セルでは、概ね可視光の全ての波長範囲を利用した発電が可能である。
すなわち、本実施の形態の反射透過板10、20は、反射状態では光電変換素子110で利用可能な波長範囲の光を反射し、透過状態では光電変換素子110で利用可能な波長範囲の光を透過させるようになっている。
また、太陽電池セルの熱特性は光吸収層の形成材料によって異なる。例えば、CIGSを用いた太陽電池セルでは、温度上昇による発電効率の低下はほとんど生じない。C−Siを用いた太陽電池セルでは、温度上昇による発電効率の低下が比較的大きく、温度係数は−0.45%/℃程度である。ここで、温度係数は、温度が1℃上昇したときの発電効率の変化を示している。CdTeを用いた太陽電池セルでは、温度上昇による発電効率の低下は小さい。α−Siを用いた太陽電池セルでは、温度上昇による発電効率の低下は比較的小さく、温度係数は−0.3%/℃程度である。GaAsを用いた太陽電池セルでは、温度上昇による発電効率の低下は比較的小さく、温度係数は−0.2〜−0.3%/℃である。
太陽電池セルの温度上昇による発電効率の低下が大きい場合には、反射透過板10の光電変換素子110側の表面10aと、反射透過板20の光電変換素子110側の表面20aとに、赤外光(例えば、遠赤外光)を吸収する赤外線吸収フィルムを取り付けてもよい。これにより、反射透過板10、20で太陽光を反射又は透過させる際に赤外光を吸収できるため、光電変換素子110に入射する赤外光を減少させることができる。したがって、光電変換素子110の温度上昇を抑えることができ、結果として太陽電池セルの発電効率の低下を抑制することができる。また、反射透過板10の外側の表面10bや反射透過板20の外側の表面20bに、赤外光を反射する赤外線反射フィルムを取り付けるようにしてもよい。これにより、透過状態の反射透過板10、20で太陽光を透過させて光電変換素子110に入射させる際に、赤外光を外側に反射できるため、光電変換素子110に入射する赤外光を減少させることができる。さらに、赤外線反射フィルムを光電変換素子110の受光面110a上に取り付けるようにしてもよい。これによっても、光電変換素子110に入射する赤外光を減少させることができる。
図4(a)、(b)は、本実施の形態による集光装置100において、反射透過板10、20の状態を切り替える切替え回路102の回路構成の一例を示す等価回路図である。図4では、反射透過板10、20の層構造として、透明導電膜42、イオン貯蔵層43及び調光ミラー層47のみを示している。また、光センサとして用いられる太陽電池11、21を電流源及びダイオードにより表している。図4(a)、(b)に示すように、太陽電池11の正極性端子11aには、反射透過板10の透明導電膜42と、反射透過板20の調光ミラー層47と、太陽電池21の負極性端子21bとが接続されている。また、太陽電池11の負極性端子11bには、反射透過板10の調光ミラー層47と、反射透過板20の透明導電膜42と、太陽電池21の正極性端子21aとが接続されている。
図4(a)は、太陽光が東側から照射されるときの状態を示している。太陽光が東側から照射されるとき、東側を向いた受光面を有する太陽電池11の起電力は、西側を向いた受光面を有する太陽電池21の起電力よりも大きくなる。これにより、反射透過板10の透明導電膜42及び反射透過板20の調光ミラー層47に正極性の電圧が印加されるとともに、図中太矢印で示す方向に電流が流れる。反射透過板10では、透明導電膜42に正極性の電圧が印加されることによって、イオン貯蔵層43中の水素イオンが調光ミラー層47に移動し、調光ミラー層47が水素化する。したがって、反射透過板10の調光ミラー層47は鏡状態から透明状態に変化する。一方、反射透過板20では、調光ミラー層47に正極性の電圧が印加されることによって、調光ミラー層47中の水素イオンがイオン貯蔵層43に移動し、調光ミラー層47が脱水素化する。したがって、反射透過板20の調光ミラー層47は透明状態から鏡状態に変化する。
図4(b)は、太陽光が西側から照射されるときの状態を示している。太陽光が西側から照射されるとき、太陽電池21の起電力は太陽電池11の起電力よりも大きくなる。これにより、反射透過板10の調光ミラー層47及び反射透過板20の透明導電膜42に正極性の電圧が印加されるとともに、図中太矢印で示す方向に電流が流れる。反射透過板10では、調光ミラー層47に正極性の電圧が印加されることによって、調光ミラー層47中の水素イオンがイオン貯蔵層43に移動し、調光ミラー層47が脱水素化する。したがって、反射透過板10の調光ミラー層47は透明状態から鏡状態に変化する。一方、反射透過板20では、透明導電膜42に正極性の電圧が印加されることによって、イオン貯蔵層43中の水素イオンが調光ミラー層47に移動し、調光ミラー層47が水素化する。したがって、反射透過板20の調光ミラー層は鏡状態から透明状態に変化する。
次に、本実施の形態による集光装置100の動作の典型的な例について説明する。図5(a)は、日の出から南中時までの時間帯における集光装置100の動作を示している。ここで、図5(a)、(b)では、反射状態の反射透過板10、20をハッチングで表し、透過状態の反射透過板10、20を白抜きで表している。
図5(a)に示すように、日の出から南中直前までの時間帯には、太陽200(200a)が真南より東側に位置するので、集光装置100に対して太陽光は東側から照射される。太陽光が東側から照射されるときには、太陽電池11の起電力が太陽電池21の起電力よりも大きくなるため、東側の反射透過板10が透過状態となり、西側の反射透過板20が反射状態となる。したがって、反射透過板10に入射する太陽光は、図中の光線L1で示すように、反射透過板10を透過して光電変換素子110に入射する。一方、反射透過板20に入射する太陽光は、光線L2で示すように、反射透過板20で反射して光電変換素子110に入射する。
このように、太陽光が東側から照射されるとき、東側の反射透過板10が透過状態であるため、光電変換素子110上に影が形成されるのを防ぐことができる。したがって、集光装置100が設けられていない構成と比較して、光電変換素子110への光入射量の減少を抑制することができる。また、西側の反射透過板20が反射状態であるため、反射透過板20で反射した太陽光を光電変換素子110に集光することができる。したがって、集光装置100が設けられていない構成と比較して、光電変換素子110への光入射量を増加させることができる。
南中時には太陽200(200b)が真南に位置するので、集光装置100に対して太陽光は真南から照射される。太陽光が真南から照射されるときには、太陽電池11の起電力と太陽電池21の起電力とが等しくなる。このとき、反射透過板10、20に印加される電圧は0となるが、反射透過板10、20の反射状態及び透過状態はいずれも安定な状態であるため、反射透過板10の透過状態及び反射透過板20の反射状態は維持される。反射透過板10の透過状態及び反射透過板20の反射状態は、太陽200が真南より西側に移動して、太陽電池21の起電力が太陽電池11の起電力よりも大きくなるまで維持される。
太陽光が真南から照射されるとき、太陽光の入射方向は反射透過板10、20と平行になるため、光電変換素子110上には影が形成されない。また、反射透過板10、20での反射による光電変換素子110への集光も生じない。したがって、反射透過板10、20が反射状態及び透過状態のいずれであっても、光電変換素子110への光入射量の増減はほとんど生じない。
図5(b)は、南中時から日没までの時間帯における集光装置100の動作を示している。図5(b)に示すように、南中直後から日没までの時間帯には、太陽200(200c)が真南より西側に位置するので、集光装置100に対して太陽光は西側から照射される。太陽光が西側から照射されると、太陽電池21の起電力が太陽電池11の起電力よりも大きくなるため、西側の反射透過板20は透過状態に変化し、東側の反射透過板10は反射状態に変化する。したがって、反射透過板20に入射する太陽光は、図中の光線L3で示すように、反射透過板20を透過して光電変換素子110に入射する。一方、反射透過板10に入射する太陽光は、光線L4で示すように、反射透過板10で反射して光電変換素子110に入射する。
このように、太陽光が西側から照射されるとき、西側の反射透過板20が透過状態であるため、光電変換素子110上に影が形成されるのを防ぐことができる。したがって、集光装置100が設けられていない構成と比較して、光電変換素子110への光入射量の減少を抑制することができる。また、東側の反射透過板10が反射状態であるため、反射透過板10で反射した太陽光を光電変換素子110に集光することができる。したがって、集光装置100が設けられていない構成と比較して、光電変換素子110への光入射量を増加させることができる。
次に、図6〜図9を用いて本実施の形態による集光装置100及び太陽光発電装置1の効果、及びより大きい効果が得られる寸法比について説明する。図6は、以下の説明における前提事項を示す図である。図6に示すように、以下の説明では、光電変換素子110の東西方向の幅をLとし、反射透過板10、20の受光面110aからの高さをhとする。光電変換素子110の幅Lに対する反射透過板10、20の高さhの比をh/L比と表現する。また、太陽光の入射方向(図中太矢印で示す)と水平面とのなす角θを太陽の高度とする。すなわち、日の出時及び日没時には太陽高度は0°となり、太陽が天頂に位置するときの太陽高度は90°となる。
図7は、反射透過板10、20の反射状態での反射率を100%と仮定し、透過状態での透過率を100%と仮定した場合における、太陽の高度と光電変換素子110への光入射量との関係を示すグラフである。グラフの横軸は太陽の高度(deg)を表し、縦軸は光電変換素子110への光入射量を表している。光電変換素子110への光入射量は、太陽の高度が90°のときの光入射量を1として正規化した。グラフ中の「◆」を結ぶ曲線はh/L比が0のとき(すなわち、反射透過板10、20が設けられていないとき)の光入射量を示し、「■」を結ぶ曲線はh/L比が0.25のときの光入射量を示し、「▲」を結ぶ曲線はh/L比が0.5のときの光入射量を示し、「×」を結ぶ曲線はh/L比が0.75のときの光入射量を示し、「*」を結ぶ曲線はh/L比が1のときの光入射量を示し、「●」を結ぶ曲線はh/L比が2のときの光入射量を示す。なお、大気での光吸収や散乱は考慮していない。
図7に示すように、h/L比が0のとき、光電変換素子110への光入射量は、太陽高度が0°から90°まで変化するのに伴って単調に増加する。h/L比が0のときを基準にすると、h/L比が0より大きい場合の光電変換素子110への光入射量は、0°及び90°を除く全ての太陽高度で増加している。光電変換素子110への光入射量は、h/L比が大きいほど大きい。
例えば、h/L比が0.25のときの光入射量は、太陽高度約60°〜90°の範囲で1以上となり、太陽高度約80°で最大値(約1.0)をとる。h/L比が0.5のときの光入射量は、太陽高度約40°〜90°の範囲で1以上となり、太陽高度約60°で最大値(約1.1)をとる。h/L比が0.75のときの光入射量は、太陽高度約30°〜90°の範囲で1以上となり、太陽高度約50°で最大値(約1.2)をとる。h/L比が1のときの光入射量は、太陽高度約30°〜90°の範囲で1以上となり、太陽高度約50°で最大値(約1.4)をとる。h/L比が2のときの光入射量は、太陽高度約30°〜90°の範囲で1以上となり、太陽高度約60°で最大値(約1.7)をとる。
図7に示すグラフによれば、反射透過板10、20の反射状態での反射率及び透過状態での透過率をいずれも100%と仮定した場合、反射透過板10、20が設けられることによって光電変換素子110への光入射量が増加すること、及び、光電変換素子110の幅を一定とすれば光電変換素子110の高さが高くなるほど光入射量が増加すること、が分かる。
図8は、反射透過板10、20の反射状態での反射率を70%と仮定し、透過状態での透過率を55%と仮定した場合における、太陽の高度と光電変換素子110への光入射量との関係を示すグラフである。上述のように調光ミラー層47の鏡状態での反射率が60〜80%であり、透明状態での透過率が40〜60%であることを考慮すると、反射透過板10、20の反射状態での反射率70%及び透過状態での透過率55%という仮定は、現実の値に近いものと考えられる。
図8に示すように、h/L比が0のときを基準にすると、h/L比が0より大きい場合の光電変換素子110への光入射量は、0°及び90°を除く大部分の太陽高度で増加している。したがって、反射透過板10、20の反射状態での反射率を70%と仮定し、透過状態での透過率を55%と仮定した場合においても、反射透過板10、20が設けられることによって光電変換素子110への光入射量が増加することが分かる。ただし、反射透過板10、20の反射状態での反射率及び透過状態での透過率がいずれも100%であるときと比較すれば、全体として光入射量の増加が小さくなる。また、反射透過板10、20の反射状態での反射率及び透過状態での透過率がいずれも100%であるときと異なり、h/L比が大きいほど光電変換素子110への光入射量が大きくなる訳ではなく、h/L比には光入射量が最大となる最適値が存在する。
例えば、h/L比が0.25のときの光入射量は、0°及び90°を除く全ての太陽高度でh/L比が0のときよりも増加している。ただし、太陽高度90°での光入射量が最大であり、90°以外の太陽高度では光入射量が1以上となることはない。h/L比が0.5のときの光入射量は、0°及び90°を除く全ての太陽高度でh/L比が0のときよりも増加しており、太陽高度約80°〜90°の範囲で1以上となり、太陽高度約80°で最大値(約1.0)をとる。
h/L比が0.75のときの光入射量は、太陽高度約20°〜90°の範囲でh/L比が0のときよりも増加しているが、太陽高度約0°〜20°の範囲ではh/L比が0のときよりもやや減少する。また、h/L比が0.75のときの光入射量は、太陽高度約70°〜90°の範囲で1以上となり、太陽高度約80°で最大値(約1.0)をとる。
h/L比が1のときの光入射量は、太陽高度約30°〜90°の範囲でh/L比が0のときよりも増加しているが、太陽高度約0°〜30°の範囲ではh/L比が0のときよりもやや減少する。また、h/L比が1のときの光入射量は、太陽高度約60°〜90°の範囲で1以上となり、太陽高度約70°で最大値(約1.0)をとる。
h/L比が2のときの光入射量は、太陽高度約50°〜90°の範囲でh/L比が0のときよりも増加しているが、太陽高度約0°〜50°の範囲ではh/L比が0のときよりもやや減少する。また、h/L比が2のときの光入射量は、太陽高度約60°〜90°の範囲で1以上となり、太陽高度約70°で最大値(約1.1)をとる。
図9は、反射透過板10、20の反射状態での反射率を70%と仮定し、透過状態での透過率を55%と仮定した場合における、h/L比と光電変換素子110への一日の光入射量(積算値)との関係を示すグラフである。グラフの横軸はh/L比を表し、縦軸は光電変換素子110への一日の光入射量を表している。ここで、光電変換素子110への一日の光入射量は、赤道上での春分の日又は秋分の日を想定して算出した。赤道上での春分の日又は秋分の日には、太陽は真東から昇り、南中時に天頂を通り、真西に沈む。また、光電変換素子110への一日の光入射量は、h/L比が0のときを1として正規化した。
図9に示すように、h/L比が0より大きいときには、光電変換素子110への一日の光入射量は1より大きくなる。したがって、反射透過板10、20の反射状態での反射率を70%と仮定し、透過状態での透過率を55%と仮定した場合においても、反射透過板10、20を設けることによって光電変換素子110への1日当たりの光入射量が増加することが分かる。また、光電変換素子110への一日の光入射量は、h/L比が1のときに最大値(約1.08)をとる。したがって、反射透過板10、20の反射状態での反射率を70%と仮定し、透過状態での透過率を55%と仮定した場合においては、反射透過板10、20の受光面110aからの高さhと光電変換素子110の東西方向の幅Lとが等しいときに、光電変換素子110への光入射量を最も増加させることができる。
図10は、本実施の形態による集光装置100及び太陽光発電装置1の構成の変形例を示す図である。図10に示すように、本変形例では、東側から入射する光の強度を検出して光強度信号を出力する光センサ311と、西側から入射する光の強度を検出して光強度信号を出力する光センサ321とが設けられている。光センサ311は、反射透過板10よりも東側に設けられており、東側を向いた受光面を有している。光センサ321は、反射透過板20よりも西側に設けられており、西側を向いた受光面を有している。
また本変形例では、反射透過板10、20に対して所定の電圧を印加する電圧印加機構302が設けられている。さらに本変形例では、CPU、ROM、RAM、入出力ポート等を備えた制御部300が設けられている。制御部300は、光センサ311、321からの光強度信号に基づいて、電圧印加機構302を制御するようになっている。光センサ311、321、電圧印加機構302及び制御部300は、反射透過板10、20の状態を切り替える切替え部を構成する。
例えば、制御部300は、光センサ311で検出される光強度と光センサ321で検出される光強度とを比較し、光センサ311で検出される光強度の方が高いと判定したら、反射透過板10を透過状態とし、反射透過板20を反射状態とすることを決定する。制御部300は、この決定に基づいて、電圧印加機構302に所定の制御信号を出力する。電圧印加機構302は、制御部300からの制御信号に基づき、反射透過板10の透明導電膜42と、反射透過板20の調光ミラー層47とに正極性の電圧を印加する。これにより、反射透過板10が透過状態となり、反射透過板20が反射状態となる。
また制御部300は、光センサ321で検出される光強度の方が高いと判定したら、反射透過板10を反射状態とし、反射透過板20を透過状態とすることを決定する。制御部300は、この決定に基づいて、電圧印加機構302に所定の制御信号を出力する。電圧印加機構302は、制御部300からの制御信号に基づき、反射透過板10の調光ミラー層47と、反射透過板20の透明導電膜42とに正極性の電圧を印加する。これにより、反射透過板10が反射状態となり、反射透過板20が透過状態となる。
また、制御部300は、光センサ311、321からの光強度信号に基づいて電圧印加機構302を制御するのではなく、タイマ等を用いて現在時刻に基づいて電圧印加機構302を制御するようにしてもよい。例えば、制御部300は、南中時刻又は正午になったら、反射透過板10、20の反射状態と透過状態とを切り替える。仮に、反射透過板10、20が南北方向と平行でない場合等には、反射透過板10、20の反射状態と透過状態とを切り替える時刻を南中時刻又は正午以外としてもよい。
本実施の形態では、反射透過板10、20としてエレクトロクロミックミラーを用いているが、ガスクロミックミラーを用いることもできる。図11は、反射透過板10、20の変形例として用いられるガスクロミックミラーの層構造の一例を示す模式図である。図11に示すように、ガスクロミックミラーは、所定の空間348を介して対向配置された一対の透明基板341、349を有している。一方の透明基板341の対向面上には、Mg−Ni合金薄膜等の調光ミラー層347、及びPd薄膜等の触媒層346がこの順に積層されている。Mg−Ni合金の好ましい組成の例としてはMgNiがある。触媒層346は、調光ミラー層347が室温で水素と反応するための触媒としての機能を有する。また触媒層346は、酸化し易い調光ミラー層347を酸素から保護する機能も有する。透明基板341、349間には、空間348を維持するためのスペーサが設けられている。
この構成において、希釈した水素ガス(例えば濃度約1%)を空間348に導入すると、調光ミラー層347のMg−Ni合金が水素化する。これにより、調光ミラー層347が鏡状態から透明状態に変化する。一方、希釈した酸素ガス(例えば濃度20%)を空間348に導入すると、調光ミラー層347のMg−Ni合金が脱水素化する。これにより、調光ミラー層347が透明状態から鏡状態に変化する。
このように、ガスクロミックミラーを用いた反射透過板10、20においても、空間348に水素ガス又は酸素ガスを導入することによって、反射状態と透過状態とを可逆的に切り替えることが可能である。ガスクロミックミラーを用いた反射透過板10、20において、反射状態での一方の表面の反射率と他方の表面の反射率とが異なる場合には、反射透過板10、20は、反射率の高い方の表面を光電変換素子110側に向けて配置されることが望ましい。
また、反射透過板10、20としては、コレステリック液晶を有する液晶パネルを用いることも可能である。この液晶パネルは、それぞれ透明電極が形成された一対の透明基板の間にコレステリック液晶を封止した構成を有している。コレステリック液晶は、棒状の分子が幾重にも重なる層状の構造を持っている。各層内ではそれぞれの分子が一定方向に配列しており、互いの層は分子の配列方向が螺旋状になるように集積している。コレステリック液晶は、プレーナ状態とフォーカルコニック状態の2つの状態で安定する双安定性を有している。
プレーナ状態では、液晶分子は基板法線方向を螺旋軸とする螺旋構造を一定周期で形成する。プレーナ状態の液晶層は、螺旋周期pに応じた所定の波長範囲でかつ螺旋の巻き方向と同じ向きの円偏光を反射する。反射が最大となる波長λは、液晶の平均屈折率nと螺旋周期pとの積npである。プレーナ状態の液晶層は、所定の波長範囲の光を選択的に反射する反射状態となる。
プレーナ状態の液晶に所定の電圧を印加すると、フォーカルコニック状態になる。フォーカルコニック状態では、液晶分子は基板に平行な方向を螺旋軸とする螺旋構造を形成する。フォーカルコニック状態では、液晶層による光の選択反射性は失われ、ほとんどの光が透過する。すなわち、フォーカルコニック状態の液晶層は、光を透過させる透過状態となる。フォーカルコニック状態の液晶に大きい電圧を印加してホメオトロピック状態にした後、急激に電界を0にすると、プレーナ状態に戻る。
このように、コレステリック液晶を有する液晶パネルを用いた反射透過板10、20においても、液晶層に印加する電圧を制御することにより、反射状態と透過状態とを可逆的に切り替えることが可能である。反射状態の反射透過板10、20での反射光量を多くするために、反射透過板10、20として、螺旋周期又は螺旋の巻き方向が互いに異なる複数の液晶パネルを積層して用いるようにしてもよい。コレステリック液晶を有する液晶パネルを用いた反射透過板10、20において、反射状態での一方の表面の反射率と他方の表面の反射率とが異なる場合には、反射透過板10、20は、反射率の高い方の表面を光電変換素子110側に向けて配置されることが望ましい。
以上説明したように、本実施の形態による集光装置100は、所定の波長範囲の太陽光を利用する光利用領域(例えば、光電変換素子110)に当該太陽光を集光する集光装置100であって、光利用領域の周囲に立てて設けられ、太陽光を反射する反射状態と、太陽光を透過させる透過状態とを切替え可能な反射透過板10、20と、反射透過板10、20の反射状態と透過状態とを切り替える切替え回路102とを有することを特徴とする。
この構成によれば、反射透過板10、20が透過状態のときには光利用領域に影が形成されるのを防ぐことができ、反射透過板10、20が反射状態のときには当該反射透過板10、20で反射した太陽光を光利用領域に集光することができる。したがって、太陽光の利用効率を向上することができる。
本実施の形態による集光装置において、反射透過板10、20は、光利用領域の東側又は西側に設けられることを特徴とする。
この構成によれば、太陽高度の低い朝方又は夕方において、太陽光の利用効率を向上することができる。
本実施の形態による集光装置において、反射透過板10、20は、反射状態での反射率の高い方の表面が光利用領域側を向くように配置されていることを特徴とする。例えば、エレクトロクロミックミラーを用いた反射透過板10、20は、調光ミラー層47側の表面が光利用領域側を向くように配置される。
この構成によれば、反射状態の反射透過板10、20で反射して光利用領域に集光される太陽光の光量を増加させることができるため、太陽光の利用効率をより向上することができる。
本実施の形態による集光装置において、反射透過板は、光利用領域の東側に設けられる第1の反射透過板10と、光利用領域の西側に設けられる第2の反射透過板20とを含むことを特徴とする。
この構成によれば、太陽高度の低い朝方及び夕方の双方において、太陽光の利用効率を向上することができる。
本実施の形態による集光装置において、切替え回路102は、東側から入射する光の強度を検出する第1の光センサ(太陽電池11)と、西側から入射する光の強度を検出する第2の光センサ(太陽電池21)とを有し、第1の光センサで検出される光の強度が第2の光センサで検出される光の強度よりも高いときには、第1の反射透過板10を透過状態に切り替えるとともに第2の反射透過板20を反射状態に切り替え、第2の光センサで検出される光の強度が第1の光センサで検出される光の強度よりも高いときには、第2の反射透過板20を透過状態に切り替えるとともに第1の反射透過板10を反射状態に切り替えることを特徴とする。
この構成によれば、太陽が東側に位置する時間帯には東側から入射する光の強度が高いため、東側に位置する反射透過板10が透過状態に切り替えられ、西側に位置する反射透過板20が反射状態に切り替えられる。また、太陽が西側に位置する時間帯には西側から入射する光の強度が高いため、西側に位置する反射透過板20が透過状態に切り替えられ、東側に位置する反射透過板10が反射状態に切り替えられる。
本実施の形態による集光装置において、第1の光センサは、第1の反射透過板10よりも東側に設けられ、第2の光センサは、第2の反射透過板20よりも西側に設けられていることを特徴とする。
この構成によれば、反射透過板10が反射状態であるか透過状態であるかに関わらず、東側から入射する光の強度を第1の光センサによって検出できる。また、反射透過板20が反射状態であるか透過状態であるかに関わらず、西側から入射する光の強度を第2の光センサによって検出できる。
本実施の形態による集光装置において、第1及び第2の反射透過板10、20は、水素化又は脱水素化によって鏡状態と透明状態とを切替え可能な調光ミラー層47と、水素イオンを貯蔵するイオン貯蔵層43と、イオン貯蔵層43を介して調光ミラー層47に対向する透明導電膜42とを有していることを特徴とする。
この構成によれば、反射透過板10、20の透明導電膜42に正極性の電圧を印加することによって反射透過板10、20を容易に透過状態に切り替えることができ、反射透過板10、20の調光ミラー層47に正極性の電圧を印加することによって反射透過板10、20を容易に反射状態に切り替えることができる。
本実施の形態による集光装置において、第1及び第2の光センサは、入射した光により起電力を発生させる太陽電池11、12であり、太陽電池11の正極性端子11aは、第1の反射透過板10の透明導電膜42と、第2の反射透過板20の調光ミラー層47と、太陽電池21の負極性端子21bとに接続され、太陽電池11の負極性端子11bは、第1の反射透過板10の調光ミラー層47と、第2の反射透過板20の透明導電膜42と、太陽電池21の正極性端子21aとに接続されていることを特徴とする。
この構成によれば、簡易な装置構成で反射透過板10、20を反射状態又は透過状態に切り替えることができる。例えば、制御部や外部電源を設けることなく反射透過板10、20を反射状態又は透過状態に切り替えることも可能である。
また本実施の形態による太陽光発電装置は、上記の集光装置100と、光利用領域に配置された受光面110aを備え、集光装置100により集光された太陽光の光エネルギーを電力に変換する光電変換素子110とを有することを特徴とする。
この構成によれば、光電変換素子110に入射する太陽光の光量を増加させることができるため、光電変換素子110における太陽光の利用効率を向上させることができる。
[第2の実施の形態]
次に、本発明の第2の実施の形態による集光装置及びそれを備えた太陽熱利用装置について、図12を用いて説明する。なお、第1の実施の形態と同一の機能及び作用を有する構成要素については、同一の符号を付してその説明を省略する。図12は、本実施の形態による集光装置100及び太陽熱利用装置2の概略構成を示す模式図である。図12に示すように、太陽熱利用装置2は、太陽熱利用素子400と、太陽熱利用素子400の周囲に配置され、太陽熱利用素子400に太陽光を集光する集光装置100とを有している。
本実施の形態の太陽熱利用素子400は、太陽光の熱エネルギーを利用して温水を生成する太陽熱温水器である。図示していないが、太陽熱利用素子400には、外部から水を流入させる入口配管と、生成した温水を外部に流出させる出口配管とが接続されている。入口配管を介して外部から流入した水は、太陽熱利用素子400内の集熱器において太陽光の熱エネルギーを用いて加熱され、温水として出口配管から外部に流出する。太陽熱利用素子400では、太陽光のうち、反射状態の反射透過板10、20で反射可能でありかつ透過状態の反射透過板10、20で透過可能な波長範囲の光(例えば赤外光)の熱エネルギーが少なくとも用いられる。太陽熱利用素子400の受光面に黒色塗装等の可視光吸収処理を施すことにより、可視光の熱エネルギーを用いることもできる。反射透過板10、20によって太陽熱利用素子400に入射する太陽光の光量を増加させることができるため、太陽熱利用素子400では効率良く温水を生成することができる。なお、本実施の形態では太陽熱利用素子400として太陽熱温水器を例に挙げたが、太陽光の熱エネルギーを電力に変換する熱電変換素子であってもよい。
本実施の形態による太陽熱利用装置は、上記第1の実施の形態の集光装置100と、光利用領域に配置され、集光装置100により集光された太陽光の熱エネルギーを利用する太陽熱利用素子400とを有することを特徴とする。この構成によれば、太陽熱利用素子400に入射する太陽光の光量を増加させることができるため、太陽熱利用素子400における太陽光の利用効率を向上させることができる。
[第3の実施の形態]
次に、本発明の第3の実施の形態による集光装置及びそれを備えた集光装置ユニットについて、図13を用いて説明する。なお、第1の実施の形態と同一の機能及び作用を有する構成要素については、同一の符号を付してその説明を省略する。図13は、本実施の形態による集光装置100及び集光装置ユニット3の概略構成を示す模式図である。図13に示すように、集光装置ユニット3は、住宅等の建物の室内に太陽光を取り入れる採光窓500と、採光窓500の周囲に配置され、採光窓500に太陽光を集光する集光装置100とを有している。本実施の形態の採光窓500は、建物の天井部分に概ね水平に設けられる天窓であり、太陽光を室内に導くための光学部材である。採光窓500では、太陽光のうち、反射状態の反射透過板10、20で反射可能でありかつ透過状態の反射透過板10、20で透過可能な波長範囲の光(例えば可視光)が少なくとも取り入れられる。
本実施の形態によれば、反射透過板10、20によって採光窓500に入射する太陽光の光量を増加させることができる。したがって、室内に取り入れられる太陽光の光量を増加させることができるため、太陽光の利用効率を向上させることができる。
[第4の実施の形態]
次に、本発明の第4の実施の形態による集光装置及びそれを備えた太陽光発電装置について、図14を用いて説明する。なお、第1の実施の形態と同一の機能及び作用を有する構成要素については、同一の符号を付してその説明を省略する。図14は、本実施の形態による集光装置及び太陽光発電装置4の概略構成を示す模式図である。図14に示すように、太陽光発電装置4は、住宅等の屋根600のうち、水平面に対して東側が低くなるように傾斜した傾斜面602に設けられている。太陽光発電装置4は、光電変換素子110と、光電変換素子110の東側に配置された集光装置としての反射透過板10とを有している。
光電変換素子110は、傾斜面602に平行に配置されている。すなわち光電変換素子110は、東側に傾斜して配置されている。反射透過板10は、鉛直方向及び南北方向に平行に配置されている。なお、本実施の形態では、光電変換素子110の西側には反射透過板が設けられていない。一般に、光電変換素子110が東側に傾斜して配置されている場合、日の出から南中時までの時間帯には太陽光が東側から照射されるため、光電変換素子110への太陽光の入射量は比較的多い。しかしながら、南中時から日没までの時間帯には太陽光が西側から照射されるため、光電変換素子110への太陽光の入射量が少なくなる。したがって、本実施の形態では、光電変換素子110への光入射量が少なくなる時間帯に西側から照射される太陽光を効率良く利用するために、光電変換素子110の東側のみに反射透過板10が設けられている。
例えば、反射透過板10は、日の出から南中時までの時間帯では透過状態となるように制御される。これにより、反射透過板10は、東側から照射される太陽光を透過させて光電変換素子110に入射させることが可能になる。光電変換素子110は東側に傾斜して配置されているため、反射透過板20が西側に設けられていなくても、光電変換素子110への太陽光の入射量は比較的多く確保できる。
また反射透過板10は、南中時から日没までは反射状態となるように制御される。これにより、反射透過板10は、西側から照射される太陽光を反射させて光電変換素子110に入射させることが可能になる。したがって、光電変換素子110への光入射量が少なくなる南中時から日没までの時間帯において、光電変換素子110への太陽光の入射量を増加させることができる。
反射透過板10の反射状態及び透過状態の切替えは、例えば、タイマ等を用いて現在時刻に基づいて行われる。また、東側から入射する光の強度を検出する光センサと、西側から入射する光の強度を検出する光センサとを設け、両光センサで検出される光の強度に基づいて反射透過板10の反射状態及び透過状態を切り替えるようにしてもよい。
また、上述の例では、屋根600のうち東側に傾斜した傾斜面602に光電変換素子110が配置されている場合の例を挙げたが、本実施の形態は、屋根600のうち西側に傾斜した傾斜面に光電変換素子110が配置される場合にも適用できる。例えばこの場合、反射透過板10は光電変換素子110の西側に配置され、光電変換素子110の東側には反射透過板が設けられない。また反射透過板10は、日の出から南中時までの時間帯では反射状態となるように制御され、南中時から日没までは透過状態となるように制御される。
[第5の実施の形態]
次に、本発明の第5の実施の形態による集光装置及びそれを備えた太陽光発電装置について、図15及び図16を用いて説明する。なお、第1の実施の形態と同一の機能及び作用を有する構成要素については、同一の符号を付してその説明を省略する。図15は、本実施の形態による集光装置700及び太陽光発電装置5の概略構成を示す模式図である。図15に示すように、反射透過板10のうち光電変換素子110とは逆側の表面10bには、断面が直角三角形となる三角柱状の形状を有するプリズム710が設けられている。本例では、プリズム710は上下2列に配列している。プリズム710は、光電変換素子110での発電に必要な波長範囲の光に対して透明な材質で形成されている。プリズム710は、反射透過板10に対して上向きに傾斜した斜面710aを有している。太陽が東側に位置しかつ太陽高度が低い場合、東側から入射する太陽光は、プリズム710により下向きに屈折するようになっている。
また、反射透過板20のうち光電変換素子110とは逆側の表面20bには、プリズム710と同様の構成を有するプリズム720が設けられている。プリズム720は、反射透過板20に対して上向きに傾斜した斜面720aを有している。太陽が西側に位置しかつ太陽高度が低い場合、西側から入射する太陽光は、プリズム720により下向きに屈折するようになっている。
また本実施の形態では、光電変換素子110の周囲に配置される反射透過板10、20が、受光面110a上に立てて設けられている。反射透過板10、20の下端面は、受光面110aと光学的に接続されている。
図16は、本実施の形態による集光装置700の効果を説明する図である。図16(a)はプリズム710、720が設けられていない構成を示し、図16(b)はプリズム710、720が設けられた構成を示している。図16(a)に示すように、太陽高度が低く、太陽光の反射透過板10に対する入射角が鉛直面内において小さい場合、透明状態の反射透過板10を透過して反射状態の反射透過板20で反射した光は、光電変換素子110の受光面110aに入射せず、透明状態の反射透過板10を再度透過して外部に射出してしまう。これに対し、図16(b)に示すようにプリズム710、720が設けられた構成では、太陽光はプリズム710で下向きに屈折するため、受光面110aに入射し易くなる。したがって、太陽高度が低い場合の光電変換素子110への光入射量を増加させることができる。
ここで、図7及び図8に示したように、太陽高度が30°以下のときには光電変換素子110への光入射量が相対的に少なくなる。これを考慮すると、斜面710aの反射透過板10に対する傾斜角度、及び斜面720aの反射透過板20に対する傾斜角度は、30°以下であることが望ましい。
また、プリズム710、720が設けられた構成では、太陽高度が比較的高い場合、斜面710a、720aに入射した光がさらに下向きに屈折し、全反射により反射透過板10、20内を導光してしまう場合がある。これに対し本実施の形態の太陽光発電装置5では、反射透過板10、20が受光面110a上に立てて設けられているため、反射透過板10、20内を導光した光も受光面110aで受光することができる。
本実施の形態による集光装置700は、反射透過板10、20のうち光電変換素子110とは逆側の表面10b、20bに設けられ、反射透過板10、20に対して上向きに傾斜した斜面710a、720aを備えるプリズム710、720をさらに有することを特徴とする。この構成によれば、太陽高度が低い場合、プリズム710、720に入射した太陽光を下向きに屈折させることができるため、光電変換素子110への光入射量を増加させることができる。
また本実施の形態による太陽光発電装置5は、反射透過板10、20が受光面110a上に立てて設けられていることを特徴とする。この構成によれば、反射透過板10、20内を導光した光も受光面110aで受光することができるため、光電変換素子110への光入射量を増加させることができる。
本発明は、上記実施の形態に限らず種々の変形が可能である。
例えば上記実施の形態では、反射状態で光を鏡面反射する反射透過板を例に挙げたが、反射状態で光を散乱反射する反射透過板であってもよい。
また上記実施の形態では、平板状の反射透過板を例に挙げたが、曲面状の反射透過板であってもよい。
また上記実施の形態では、光電変換素子110の北側に反射板30が設けられた例を挙げたが、反射透過板10、20と同様の構成を有する反射透過板を光電変換素子110の北側に設けるようにしてもよい。また、光電変換素子110の南側にも同様の反射透過板を設けるようにしてもよい。
また上記実施の形態では、集光装置100が北回帰線より北側の地域に設置される場合に好ましい例として、光電変換素子110の北側に反射板30が設けられている。例えば、集光装置100が北回帰線と南回帰線の間の地域に設置される場合には、反射透過板10、20と同様の構成を有する反射透過板を光電変換素子110の北側及び南側に設けてもよい。集光装置100が南回帰線より南側の地域に設置される場合には、反射板30を光電変換素子110の南側に設けてもよい。
また上記実施の形態において、透過状態の反射透過板10、20を透過する光の量を増加させるために、反射防止膜や、モスアイ構造等の反射防止構造を反射透過板10、20の表面に設けるようにしてもよい。
また上記の各実施の形態や変形例は、互いに組み合わせて実施することが可能である。
1、4、5 太陽光発電装置
2 太陽熱利用装置
3 集光装置ユニット
10、20 反射透過板
10a、10b、20a、20b、30a 表面
11、21 太陽電池(光センサ)
11a、21a 正極性端子
11b、21b 負極性端子
30 反射板
41、341、349 透明基板
42 透明導電膜
43 イオン貯蔵層
44 固体電解質層
45 バッファ層
46、346 触媒層
47、347 調光ミラー層
100、700 集光装置
102 切替え回路
110 光電変換素子
110a 受光面
200 太陽
300 制御部
302 電圧印加機構
311、321 光センサ
348 空間
400 太陽熱利用素子
500 採光窓
600 屋根
602 傾斜面
710、720 プリズム
710a、720a 斜面

Claims (12)

  1. 所定の波長範囲の太陽光を利用する光利用領域に当該太陽光を集光する集光装置であって、
    前記光利用領域の周囲に立てて設けられ、前記太陽光を反射する反射状態と、前記太陽光を透過させる透過状態とを切替え可能な反射透過板と、
    前記反射透過板の前記反射状態と前記透過状態とを切り替える切替え部とを有すること
    を特徴とする集光装置。
  2. 請求項1記載の集光装置において、
    前記反射透過板は、前記光利用領域の東側又は西側に設けられること
    を特徴とする集光装置。
  3. 請求項1又は2に記載の集光装置において、
    前記反射透過板は、前記反射状態での反射率の高い方の表面が前記光利用領域側を向くように配置されていること
    を特徴とする集光装置。
  4. 請求項1から3までのいずれか一項に記載の集光装置において、
    前記反射透過板は、前記光利用領域の東側に設けられる第1の反射透過板と、前記光利用領域の西側に設けられる第2の反射透過板とを含むこと
    を特徴とする集光装置。
  5. 請求項4記載の集光装置において、
    前記切替え部は、
    東側から入射する光の強度を検出する第1の光センサと、西側から入射する光の強度を検出する第2の光センサとを有し、
    前記第1の光センサで検出される光の強度が前記第2の光センサで検出される光の強度よりも高いときには、前記第1の反射透過板を前記透過状態に切り替えるとともに前記第2の反射透過板を前記反射状態に切り替え、
    前記第2の光センサで検出される光の強度が前記第1の光センサで検出される光の強度よりも高いときには、前記第2の反射透過板を前記透過状態に切り替えるとともに前記第1の反射透過板を前記反射状態に切り替えること
    を特徴とする集光装置。
  6. 請求項5記載の集光装置において、
    前記第1の光センサは、前記第1の反射透過板よりも東側に設けられ、
    前記第2の光センサは、前記第2の反射透過板よりも西側に設けられていること
    を特徴とする集光装置。
  7. 請求項4から6までのいずれか一項に記載の集光装置において、
    前記第1及び第2の反射透過板は、水素化又は脱水素化によって鏡状態と透明状態とを切替え可能な調光ミラー層と、水素イオンを貯蔵するイオン貯蔵層と、前記イオン貯蔵層を介して前記調光ミラー層に対向する導電膜とを有していること
    を特徴とする集光装置。
  8. 請求項7記載の集光装置において、
    前記第1及び第2の光センサは、入射した光により起電力を発生させる太陽電池であり、
    前記第1の光センサの正極性端子は、前記第1の反射透過板の導電膜と、前記第2の反射透過板の調光ミラー層と、前記第2の光センサの負極性端子とに接続され、
    前記第1の光センサの負極性端子は、前記第1の反射透過板の調光ミラー層と、前記第2の反射透過板の導電膜と、前記第2の光センサの正極性端子とに接続されていること
    を特徴とする集光装置。
  9. 請求項1から8までのいずれか一項に記載の集光装置において、
    前記反射透過板のうち前記光利用領域とは逆側の表面に設けられ、前記反射透過板に対して上向きに傾斜した斜面を備えるプリズムをさらに有すること
    を特徴とする集光装置。
  10. 請求項1から9までのいずれか一項に記載の集光装置と、
    前記光利用領域に配置された受光面を備え、前記集光装置により集光された太陽光の光エネルギーを電力に変換する光電変換素子と
    を有することを特徴とする太陽光発電装置。
  11. 請求項10記載の太陽光発電装置において、
    前記反射透過板は、前記受光面上に立てて設けられていること
    を特徴とする太陽光発電装置。
  12. 請求項1から9までのいずれか一項に記載の集光装置と、
    前記光利用領域に配置され、前記集光装置により集光された太陽光の熱エネルギーを利用する太陽熱利用素子と
    を有することを特徴とする太陽熱利用装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2023127318A1 (ja) * 2021-12-28 2023-07-06 株式会社デンソー 太陽電池パネルおよび太陽電池システム

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