JP2013117533A - 3d表面形状測定と組み合わされた位相ステッピングシェアログラフィーのための低コヒーレント干渉計システム - Google Patents

3d表面形状測定と組み合わされた位相ステッピングシェアログラフィーのための低コヒーレント干渉計システム Download PDF

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Abstract

【課題】試験対象物に対して、干渉縞投影及びシェアログラフィーを、統合されたツーウェイの方式で実施するための携帯用工業装置を提供する。
【解決手段】ツーウェイ干渉計1がコヒーレント又は準コヒーレント投影装置2と関連されるとき、携帯用工業装置は、モアレ法としても知られる干渉縞投影によって対象物の3D形状を測定することができ、ツーウェイ干渉計1が記録又は撮像装置4と関連されるとき、携帯用工業装置は対象物のシェアログラフィー測定を実施することができ、干渉計1におけるトラバース光ビームの方向は、一つの測定構成から他のものにシフトするときに逆転される。
【選択図】図2A

Description

本発明は、干渉縞投影、つまりモアレ法によって対象物の三次元形状(つまり3D形状)を測定し、シェアログラフィー、特に位相ステッピングシェアログラフィーによって対象物内の構造的欠陥を検出するための方法に関する。
本発明はまた、この方法を実施するための装置に関する。
縞投影法(つまりモアレ法)
多数の非接触式光学測定法が近年開発され、多くの工業及び研究領域において適用されている。幾つかの装置は、例えば、走査された表面上に投影される多数の正弦波のヤングの干渉模様を生成し、シフトするための偏光状態分割技術の利点をとる。
それらは一般に、ナノメートルからキロメートルの規模の表面の距離データを抽出するために適用される。投影縞技術は、通常サイズ対象物の形状、表面プロファイル及び変位を測定するために最も多く使用されるアプローチの一つである。それらは、頑健で、正確で、高速での全視野の取得を可能にする。さらに、それらは、位相シフティング及び位相接続アルゴリズムのような干渉系のために開発された十分に確立された方法から恩恵を受ける。
典型的な方法では、一つ又は複数の構造化光模様が、分析される表面上に投影される。それらは通常、特定の位相が対象物の問題とする点ごとに関連づけられるように強度の周期的変動によって特徴づけられる。場面をCCD又はCMOSカメラで記録することによって、第一校正工程のおかげで画像点の位相分布を非歪格子の直線成長位相と比較することができる。この位相差は、三角測量公式に基づく表面高さ変動の計算のために要求される情報を含む。
良好な投影模様のために好ましい特徴は、完全な正弦波照射機能、極めて高いコントラスト、高強度照射、及び大きい被写界深度である。コントラストの問題は、周囲光が例えば戸外の現場の状態において遮断されることができないときに特に重要である。
干渉縞投影系では、ヤングの干渉模様は、極めて高いコントラストを持つことができる理論的に完全な正弦曲線である。さらに、干渉縞は局所化されない。それは、照射機能及びコントラストがどのような投影距離であっても変わらないままであり、従って被写界深度の問題が全くないことを意味する。それは、モアレベースの技術の装置にとって理想的なベースを作る。単色レーザー光の使用はまた、周囲光から関連信号を濾別するための有益なアプローチである。
しかしながら、干渉投影模様を劇的にシフト又はスケーリングすることは、再現性及び頑健性が確保されない正確で複雑な電気機械又は光電子系を要求することが多い。内部振動はまた、縞安定性を妥協するトラブルの可能な原因である。単純性、頑健性、振動に対する不感受性、及び低コストは、必要な構成の主要な品質である。
対象物の3D形状を測定するために好適な構造化光投影法(又は3Dレーザ表面形状測定)における技術の概括は、WO2005/049840に与えられている。
シェアログラフィー
他方、本発明はまた、スペックルシェアリング(speckle−shearing)干渉法又はシェアログラフィー(shearography)の分野に関し、非破壊試験の分野における有益な技術である。位相スッテッピングシェアログラフィー法の概括は、US6717681B1に与えられている。
シェアログラフィックディスプレイは、同じ対象物の二つの横方向に変位された画像から作られた画像の形成を生み出す。シェアログラフィーは、真空、つまり圧力、マイクロ波、熱、振動、超音波励起などの刺激によって起こされる表面の小さな変形を測定することができる全視野光学スペックル干渉法である。
電子シェアログラフィー系の基本的な構成では、コヒーレントレーザー光が、対象物の表面の一部を均一に照明するために広げられ、表面から反射し、光学シェアリング装置を通過し、CCDカメラに入る。次いで、例えば加熱のような上述の機構の一つによって表面を変形する。結果的に表面はわずかに拡大し、表面の変形の効果が、ビデオモニターの画像の形で観察されることができるか、又はコンピューターメモリーに記憶されることができる。対象物のある状態から別の状態へのこの変形はマイクロメートル範囲である。表面の変形は表面下の欠陥から生じることがありうる。
シェアログラフィー及び干渉縞投影の両方を組み合わせることについての研究
Shangら(Beam−splitting cube for fringe−projection,holographic,and shearographic interferometry,Applied Optics,Vol.40,No.31(2001),pp.5615−5623)は、縞投影及びシェアログラフィック干渉測定のためのビームスプリット立方体を提案する。この提案される構成は極めて簡単であり、光学要素の極めて良好な位置決めを必要とし、定性的結果のみを与える。
偏光に基づく新しい非接触式光学測定法の群は、インサイチュウー測定のために周囲照明を克服する方法としてスプリット技術及び単色光投影が開発されたことを述べる(Moreauら、Interferometric fringes projection system for 3D profilometry and relief investigation,Proc.SPIE vol.5857,pp.62−69,2005;WO2005/049840)。この共通路動的縞投影機では、鍵となる要素は、ブラッグ格子で斜辺上を被覆された分離偏光状態プリズムである。この構成は、考古学調査及び実験室検査のような異なる多くの用途のために効果的でありかつ好適であることが証明された。これらの良好な結果にかかわらず、この設備は、頑健性及び高速性のような工業的ニーズに合致していない。
これらの欠点を除去するために、偏光状態分離になお基づく新しいインライン干渉計が構築された。サバールプレート(Savart plate)と称される複屈折要素は、よりフレキシブルで頑健な干渉計を構築することを可能にする[Michelら,Nondestructive testing by digital shearography using a Savart plate,Photonics North,SPIE,2009,Quebec;Blainら,Utilisation d’une lame de Savart pour un systeme de projection de franges interferometriques pour la mesure de forme 3D,CMOI 16−20 nov.2009,Reims,France;Renotteら,Optical metrology devices based on an interferometer”,3D Stereo Media dec.2009,Liege;Blainら,Using a Savart plate in optical metrology>>,Optical Engineering + Applications,SPIE,1−5 Aout 2010,San Diego,California (Proceedings)]。
サバールプレートは新しいシェアリング装置として選択されている。なぜならば、それは上述の利点、即ちインライン及びほとんど共通路の構成、及び干渉計の哲学(即ち、二つの直交する直線の偏光状態を分離することによる物体波のシェアリング)の保持を可能にするからである。サバールプレートは様々な使用可能な複屈折要素の中から選択される。なぜならばシェアリングされたビームは、装置の光軸に対して平行に伝搬するからである。
シェアリング方向は、干渉計光軸のまわりにサバールプレートを回転することによって変更され、それはシェアリング量、即ち干渉計の感度に影響を与えない。サバールプレートによる上述のコーティングされたプリズムの置換はまた、以下の理由のため、干渉計の性能を改良することを可能にする:
−複屈折要素の透過における偏光度は、コーティングされたプリズムの偏光度より高い;
−サバールプレートの場合のスペクトル範囲は、コーティングされたプリズムのスペクトル範囲(例えば532nm)に対して広い(350〜2500nm);
−サバールプレートの角度効率はプリズムの角度効率より広い(数値処理のおかげで
視界の縁での良好なシェアリング);
−サバールプレートによってシェアリングされたビーム間の光路差は(準)法線入射についてゼロに等しい。短かいコヒーレント長のレーザ又はおそらく良好なダイオードは、そのときシェアリング装置(空間的にコヒーレントな光源)としてサバールプレートを使用することによって採用されることができる。
サバールプレートは、垂直面に対して45°で切断された二つの同一の一軸性複屈折結晶(石英、カルサイト又は他の複屈折結晶)から作られ、それらの光軸が垂直であるような方法で固定される。この構成では、第一の結晶の常光線は第二のものの異常光線になり、逆もある。複屈折によって、入射物体波は、結晶厚に比例するシェアリング量で横断方向に沿ってシェアリングされる(M.Born & E.Wolf,Principles of Optics,6th ed.1980,Pergamon Press,pp.700−701)。
製鉄業では、例えば連続ペイントラインに使用されるポリウレタンコーティングロールにおいて、より一般的には非コーティングロールに対して、深さ欠陥を検出することを可能にする非破壊試験(NDT)統合制御技術を開発することに関心がある。深さ欠陥を検出するための従来技術の方法は満足のいくべきものではない:
−コーティングされたロールの場合には、視覚制御のための透明ポリウレタン層の使用は必ずしも顧客によって望まれていない;
−超音波制御時間は非常に長く、工業上許容できない(ロールあたり30〜40分);
−外部刺激の後にロールによって発される音が経験に基づくものであり、信頼性がない。
本発明は、従来技術の欠点を除去することを目的とする。
特に、本発明は、干渉縞投影及びシェアログラフィーの両方を実施するための携帯可能で、簡単で、高速で、かつ頑健な、統合された装置を提供することを目的とする。
さらに特に、本発明は、一つの測定モードから他の測定モードへのシフトが光学的にかつ機械的に臨界的でない、かかる統合装置を提供することを目的とする。
さらに特に、本発明は、複数の製造ラインで制御を可能にする携帯可能な解決策でかつ工業的な環境に好適な頑健さで、外在的制御(例えば製鉄業のペインティングラインの場合には、ロールライニング又は修正のための下請業者によってなされる制御)を迅速な制御操作(理想的には約5〜10分、さらにはそれより短かい時間)で可能にすることを目的とする。
本発明の第一対象は、検査対象物に対して、干渉縞投影及びシェアログラフィーを、統合されたツーウェイの方式で実施するための携帯用工業装置であって、
−双方向の円形偏光ビームを発生するための手段を含むツーウェイ干渉計;
−コヒーレント又は準コヒーレント光投影装置;
−記録又は撮像装置;
−前記ツーウェイ干渉計がコヒーレント又は準コヒーレント光投影装置と機能的に関連して位置される第一位置、及び前記ツーウェイ干渉計が記録又は撮像装置と機能的に関連して位置される第二位置、及びその逆も同様にあり;
−ビデオ及び分析ディスプレイを含む計算装置;
−シェアログラフィー又は縞投影測定のための励起装置;
を含み、
ツーウェイ干渉計が第一位置でコヒーレント又は準コヒーレント投影装置と関連されるとき、携帯用工業装置が、モアレ法としても知られる干渉縞投影によって対象物の3D形状を測定することができ、ツーウェイ干渉計が第二位置で記録又は撮像装置と関連されるとき、携帯用工業装置が対象物のシェアログラフィー測定を実施することができ、干渉計におけるトラバース光ビームの方向が、一つの測定構成から他の測定構成にシフトするときに逆転され、コヒーレント又は準コヒーレント光の方向が二つの操作モードで逆転され、
−ツーウェイ干渉計が逆転可能であり、かつ中央にあるサバールプレートを中心に対称であり、
−前記携帯用工業装置が、前記ツーウェイ干渉計を前記第一位置から前記第二位置へ及びその逆へ正確に変位するための並進装置を含み、並進装置が、その端部の一方で曲げられている、「J」形状を有するレールを含み、干渉計の正確な変位が、45°を越えない角度の回転と厳格な幾何学的並進の組み合わせに対応する
ことを特徴とする携帯用工業装置に関する。
好ましい実施形態によれば、本発明の携帯用工業装置は、以下の特徴の一つ又は好適な組み合わせを含む:
−ツーウェイ干渉計が次の構成要素を連続的に含む:第一直線偏光子、つまりP1、第一の校正された液晶位相変動リターダー、つまりLCVR1、サバールプレート、第二の校正された液晶位相変動リターダー、つまりLCVR2、及び第二直線偏光子、つまりP2;
−P1及びLCVR1、サバールプレート、LCVR2及びP2がそれぞれ固定され、光軸のまわりでブロックで回転されることができ、二つのブロックが独立している;
−シェアログラフィーモードにおいて、干渉計が前記第二位置において記録又は撮像装置と連続的に関連され、P1が、対象物によって反射される入来するコヒーレント又は準コヒーレント光ビームの直線偏光を確保し、LCVR1がλ/4リターダープレートとして設置され、サバールプレートの前に導入され、P1によって規定された偏光方向に対して45°で設置されたその速軸及び遅軸で回転され、それによって入来する光ビームを円形偏光し、サバールプレートが、入来する円形偏光ビームを平行な常光ビーム及び異常光ビームに屈折し、LCVR2が、サバールプレートによって屈折された異常光ビーム及び常光ビームがLCVR2の速軸及び遅軸に平行であり、二つのビーム間の既知の位相シフトを導入するように設定されたその速軸及び遅軸を有し、P2が、出現するビーム偏光の45°で配向され、二つのビーム間の干渉を可能にする;
−縞投影モードでは、干渉計が前記第一位置でコヒーレント又は準コヒーレント光投影装置と関連され、干渉計の構成要素の順序がトラバース光ビームの方向を考慮してシェアログラフィーモードに関して連続的に逆転され、P2が、コヒーレント又は準コヒーレント光投影装置から来る入射コヒーレント光ビームの直線偏光を確保し、LCVR2がλ/4リターダープレートとして設置され、サバールプレートの前に導入され、P2によって規定された偏光方向に対して45°で設定されたその速軸及び遅軸で回転され、それによって入来する光ビームを円形偏光し、サバールプレートが、入来する円形偏光ビームを平行な常光ビーム及び異常光ビームに屈折し、LCVR1が、サバールプレートによって屈折された異常光ビーム及び常光ビームの偏光方向がLCVR1の速軸及び遅軸に平行であり、二つのビーム間の既知の位相シフトを導入するように設定されたその速軸及び遅軸を有し、P1が、出現するビーム偏光の45°で配向され、二つのビーム間の干渉を可能にする;
−コヒーレント又は準コヒーレント光投影装置が、少なくとも低コヒーレントレーザー光源、ビーム拡大器、ビーム投影レンズ系、及び携帯用工業装置が縞投影モードであるときにビーム拡大器と投影レンズ系の間に位置されるツーウェイ干渉計を受けるための受け器を含む;
−撮像装置が、二レンズ系L1,L2、デジタルビデオカメラ、及び携帯用工業装置がシェアログラフィーモードで使用されるときにL1とL2の間に位置されるツーウェイ干渉計のための受け器を含み、L1が調整可能又は並進可能である;
−携帯用工業装置が、試験対象物の画像の形成及び照明をそれぞれ可能にするために透明窓を有するケーシングを含む囲いを含む。
本発明の別の対象は、上記の統合されたツーウェイの方式の携帯用工業装置を使用して、干渉縞投影によって試験対象物の三次元(3D)形状を測定し、位相ステッピングシェアログラフィーによって前記対象物の表面欠陥を検出するための方法であって、縞投影モードにおいて以下の連続する工程:
−コヒーレント又は準コヒーレント光投影装置において受け入れられたツーウェイ干渉計の上に入射光ビームを与え、コヒーレント光投影装置の出力における干渉縞模様を試験対象物の上に投影すること;
−前記干渉縞模様を対象物の表面上に反射すること;
−前記縞模様を含む前記表面の画像を記録及び/又は観察すること;
−前記表面の3D形状を計算すること;
を含み、シェアログラフィーモードにおいて以下の連続する工程:
−対象物の上に入射光ビームを与えること;
−前記入射光ビームを前記対象物表面上に反射すること;
−記録又は撮像装置において受け入れられたツーウェイ干渉計の上に反射された光ビームを与え、シェアリングされたビームの干渉模様を作成すること;
−対象物が変形されない状態であるとき、前記シェアリングされたビームの干渉模様の画像を記録すること;
−対象物が励起機構を使用することによって変形状態にあるときに最後の工程を繰り返すこと;
−シェアリングされたビームの両干渉模様を分析し、表面下欠陥を識別すること;
を含む方法に関する。
好ましくは、シェアログラフィーモードにおいて前記シェアリングされたビームの干渉模様の画像を記録する両工程において、四つの工程又はそれより少ないアルゴリズムが使用され、それは、試験対象物が変形状態及び変形されない状態のそれぞれにあるとき、試験対象物の画像を捕獲及び記憶する。
好ましくは、シェアリングされたビームの両干渉模様を分析する工程において、以下の工程が実施される:
−記憶された画像を比較すること;
−平滑化アルゴリズムを適用すること;
−ビデオディスプレイ上に生じた模様を観察すること。
さらに好ましくは、検出された表面下欠陥が0〜25mmの範囲に位置される。
図1Aは、本発明に使用される干渉計を概略的に表わす。図1Bは、干渉計内の偏光方向及び軸の簡略的表示である。
図2Aは、静止している干渉計を有する本発明のシステム全体を概略的に表わす。 図2Bは、「J」形状の並進レールのための現実的な実施形態を表わす。
図3は、「3D表面形状測定装置」構成において干渉計を有する本発明のシステム全体を概略的に表わす。
図4は、「シェアログラフィー」構成において干渉計を有する本発明のシステム全体を概略的に表わす。
図5は、シェアログラフィーによって得られた、製鉄業におけるペインティングラインに使用されるポリウレタンをコーティングされたロールに対する結果を示す(ロール表面下の欠陥の検出)。
図6は、3D表面形状測定によって得られた、製鉄業におけるペインティングラインに使用されるポリウレタンをコーティングされたロールに対する結果を示す(ロールの形状測定)。
図7は、縞投影モードにおけるビデオモニターの結果のディスプレイの一例を示す。
図8は、サバールプレートが回転されるとき(例えばθ=0°に対してΛ,θ=45°に対してΛ>Λ)、縞投影における縞間距離の変化を示す。説明 LS:照明系;PS:投影系;EX:ビーム拡張;CH:加熱モジュール;IN:インライン干渉計;TRANS:並進系;CA:撮像モジュール;PC:パーソナルコンピューター;Alim.:電源;α:レール回転角度。Rot.1及びRot.2は、それぞれの組P1+LCVR1及びLCVR2+サバールプレート+P2をそれらの軸のまわりに回転するための装置である。Rot.3は、レールに沿った干渉計の並進を可能にするモータに相当する。
本発明の装置は、多目的計量装置として実施する干渉計を含む。
一方、この干渉計は、シェアログラフィー干渉計である光学測定系を構成するためにCCDカメラの前に設定されることができる。シェアログラフィー干渉計は、コヒーレント又は準コヒーレント照明下で検討対象物の二つの状態間の微小な変位を測定することを可能にする。
他方、この干渉計で多数の正弦波ヤングの干渉模様を生成及びシフトし、CCDカメラを使用することによって、3D構造化された光の表面形状測定装置を構築することが可能である。この構成では、上と同じ干渉計が今回、レーザー照明系とともに使用されて縞を投影する。「モアレ」法として知られるこの方法は、通常、二つのコヒーレントビームの干渉の結果であることができる周期的な光模様を投影し、前記対象物上に変形された線模様を形成し、前記変形された線模様及び参照線模様から対象物の3D形状を合成することを含む。
本発明のシステムは、以下のサブシステムを含む(図2A参照):
−干渉計1、
−コヒーレント又は低コヒーレント光投影装置2、
−並進装置3,
−記録又は撮像装置4、
−シェアログラフィック測定のため又はおそらく縞投影測定(以下参照)のための励起機構5、
−計算サブシステム6、
−電源7、及び
−囲い(図示せず)。
本発明の枠組においてコヒーレント又は準コヒーレント光を使用することに二つの関心がある。第一に、それは、干渉法(即ち、高調波なし)による正弦波縞模様の生成を可能にする。第二に、それは、縞生成源の波長(例えば、周波数二倍化されたNdYAGのλ=532nm)に適応されたバンドパスを有するカメラ関連干渉フィルターによる読み取りのおかげで周囲光のまわりで最大のコントラストを縞に与える。このフィルター(Δλ:数nm)の使用はまた、反射による画像干渉及び/又は望ましくない鏡面反射効果を幾分避けることを可能にする。カメラ関連干渉フィルターの使用はまた、シェアログラフィーにおいて起こり、重要な周囲照明下であっても縞の読み取りを可能にする。
二つの構成における干渉計1
干渉計の原理は、図1に詳細に描かれている。干渉計は、第一直線偏光子11(つまりP1)、第一液晶位相変動リターダー12(つまりLCVR1),サバールプレート13、第二液晶位相変動リターダー14(つまりP2)を連続的に含む。既に述べたように、「3D表面形状測定」モード(図3参照)及び「シェアログラフィー」モード(図4参照)において二者択一的に干渉計ブロック1を利用することが本発明の本質的な特徴である。液晶変動位相リターダー(つまり位相シフター)LCVRは、電子的に調整可能な光学位相遅延特性を有する透過要素として一般に使用される。最後に、モード及び構成の用語は、両タイプの測定を示すために以下に区別せずに使用されることに注意して下さい。従って、二つの可能性を考えて下さい。
シェアログラフィーモード(図4)では、第一直線偏光子11(P1)はレーザービームの直線偏光を確保し、次いで干渉計を通して偏光状態伝搬の信頼性のある分析を可能にする。サバールプレート配向から独立してビーム照射するためには、第一液晶位相変動リターダー12(LCVR1)は、λ/4リターダープレートとして設定され、サバールプレート13の前に導入され、その速軸及び遅軸がP1によって規定された偏光方向に対して45°であるように回転される。この構成では、ビームはサバールプレート13に交差する前に円形に偏光される(図1B参照)。サバールプレートに入る光ビームの円形に偏光された状態は、干渉計を通って双方向で交差すること可能にする(リターダープレートとしてサバールプレート及び関連LCVR)。
第二液晶位相変動リターダー14(LCVR2)は、一時的な位相シフトを行なうことを可能にする。この変調器の速軸及び遅軸は、それぞれ屈折されたビームの直線偏光方向に平行に設定される。LCVR2は、サバールプレート13によって屈折されたビームの直線偏光状態を保持し、二つのビーム間の既知の位相シフトを導入する。従って、第二偏光子15(P2)は、屈折されたビームの両方の間の干渉を可能にする。P2は、出ていく両方のビーム偏光の45°で配向され、従って同じ量の光が偏光子によって選択される。サバールプレート13、LCVR2(14)及びP2(15)が固定され、光軸のまわりでブロックで回転されることができる。従って、シェアリング方向は選択されることができ、それは作られた縞の配向であり、それは定量的なシェアログラフィーに関心があり、また干渉計の感度を規定する。
「縞投影」モードでは、干渉計ブロック1は、光の伝播に関して逆転されるだけである。第二直線偏光子15(又はP2)はレーザービームの直線偏光を確保し、次いで干渉計を通る偏光状態伝播の信頼性ある分析を可能にする。サバールプレート13の配向から独立してビームを照射するためには、第二液晶位相変動リターダー14(つまりLCVR2)は、λ/4リターダープレートとして設定され、サバールプレート13の前に導入され、その速軸及び遅軸がP2によって規定された偏光方向に対して45°であるように回転される。この構成では、ビームは、サバールプレート13に交差する前に円形に偏光される。第一液晶位相変動リターダー(つまりLCVR1)は、一時的な位相シフトを実施することを可能にする。この変調器の速軸及び遅軸は、それぞれの屈折されたビームの直線偏光方向に平行に設定される。LCVR1は、サバールプレート13によって屈折されたビームの直線偏光状態を保持し、二つのビーム間の既知の位相シフトを導入する。従って、直線偏光子11(P1)は、屈折されたビームの両方の間の干渉を可能にする。この偏光子は、出ていく両方のビーム偏光の両方の45°で配向され、従って同じ量の光が偏光子によって選択される。サバールプレート13として、LCVR2及びP2が固定され(上記参照)、光軸のまわりで回転されることができ、シェアリング方向は選択されることができ、それは縞の配向である。縞間距離は、サバールプレートを回転することによって駆動されることができる(図8参照)。
並進装置3
「並進」装置3は、投影装置2と撮像装置4の間の干渉計1の正確な変位を確保する。干渉計の実際の動きは整列目的のための「直線」並進より少し複雑であることが注意されるべきである。装置は、幾らか「J」形状を有する、端の一方を曲げられたレールを含む(図2B参照)。しかしながら、簡単のため、装置3は直線レールとして図で表示されるだろう。従って、「並進」により、角度αの回転と厳格な幾何学的並進の組み合わせが理解されるべきである。好ましい実施形態では、レールは、300mmの直線部分を含み、その端に、150mmの半径の円弧に相当しかつ円中心で90°の角度の範囲を定める曲線部分を持つ。本発明のために有用な曲線部分は、45°を越えない、好ましくは5°〜20°の円中心の周りの角度αを持つ。干渉計1は、ローラによって、例えば対で装着された四つのローラによってレール上でスライドする台車の上に取り付けられる。干渉計1が投影装置2内にあるとき、それは「縞投影モード」(図3)における作動を可能にする。それが撮像又は記録装置4にあるとき、それは「シェアログラフィーモード」(図4)における作動を可能にする。
投影装置2は、レーザー光源21(レーザー又はレーザーダイオードのいずれか)、ビーム拡張器22、それが縞投影モードで使用されるときに干渉計1を受けるための受け器24、及びビーム投影レンズ系23を含む。
撮像装置4は、二つのレンズ系41,42(L1、L2)、デジタルビデオカメラ43、及びそれがシェアログラフィーモードで使用されるときに干渉計1を受けるための受け器44を含む。L1は数値的にかつ自動的に調整されることができ。又は画像品質(又は焦点)を高めるために並進されることができる。
励起機構5は、検討対象物を刺激し、この対象物内の欠陥を検出するためにシェアログラフィー構成で使用される。しかしながら、縞投影法もまた、二つの状態間の変形を測定することを可能にすることが注意されるべきである。従って、励起機構5(例えば熱刺激)は、幾つかの用途(例えばロール上の欠陥検出)において縞投影法によって使用されることができる。
囲い(図示せず)は、試験対象物の画像の形成及びレーザー照明を可能にするために透明窓を有するケーシングを少なくとも含んでいる。
計算サブシステム6は、適切なアナログからデジタル(ADC)及びデジタルからアナログ(DAC)のコンバータを介して、ここで上記した構成要素に接続されるプログラムされたコンピューターを含む。本発明の好ましい実施形態では、コンピューターは、対象物が変形及び未変形の状態のそれぞれにあるとき、(例えば縞のピッチを変えることによって)位相の四つの異なる値で試験対象物の画像を捕獲しかつ記憶する四工程アルゴリズムを駆動する。平滑化アルゴリズムの適用と結合された記憶画像の比較は、ビデオディスプレイ上で観察されることができる(図7参照)。
有利には、縞投影/モアレ法による3D輪郭形成法の場合において、撮像された対象物のテクスチャリングは、写実主義のため写真に加えられることができる。
本発明によれば、同じ「逆転可能な」物理的干渉計1は縞投影モード及びシェアログラフィーモードのそれぞれにおいて使用される。ある構成から他の構成にシフトするために、干渉計1は、並進装置3のおかげで(投影装置2における)受け器24から(記録又は撮像装置4における)受け器44に変位されるだけでよいし、その逆も同じである。二つの操作モード間の差は、干渉計における光路の方向が逆転されることである。
一つの測定構成から他のものにシフトするための干渉計の幾つかの変位は装置の機械的及び光学的な設定、特に光軸のセンタリングに不利になりうるので、(中心にあるサバールプレートを中心として)対称的でかつ逆転可能であるツーウェイ装置を提供することは、本発明の本質的な特徴である。これに関して、干渉計の対称構成は、単純な「並進」が測定のモードを変化するために必要とされるので、干渉計の有害な180°回転を避けることを可能にする。
結果
本発明の測定及び検出技術は、製鉄業におけるペインティングラインに使用されるロールのポリウレタンコーティングの品質制御に適用される。第一の目的は、4〜5mm深さに位置される表面近くの欠陥を検出することである。これらの欠陥は含有物又は気泡の形を持つ。別の目的は、所定の精度でコーティングされたロール表面形状を走査することである。
この品質制御は、鉄鋼メーカだけでなく、ロールライニングを作ったり又はロール機械加工/修正などを行なう下請業者でも有利に実施されることができる。
図5及び図6は、本発明の装置を使用して以下の結果を示す:
シェアログラフィーモード(図5)
(a)ロール表面下に隠れた欠陥を与えるロールの観察(枠で囲った領域);熱励起装置は左側上で見ることができる;
(b)シェアリング機構から生じる欠陥領域の重複画像;
(c)シェアログラフィーによって得られた隠れた欠陥の最終3D画像。
3D表面形状測定(図6)
(a)(左から右の)空間周期Λの1/4によって連続的にシフトされる正弦波縞の模様を示されたロール端の四つの連続画像;
(b)処理後に再構成されたロール端の3D画像。

Claims (12)

  1. 検査対象物に対して、干渉縞投影及びシェアログラフィーを、統合されたツーウェイの方式で実施するための携帯用工業装置であって、
    −双方向の円形偏光ビームを発生するための手段を含むツーウェイ干渉計(1);
    −コヒーレント又は準コヒーレント光投影装置(2);
    −記録又は撮像装置(4);
    −前記ツーウェイ干渉計(1)がコヒーレント又は準コヒーレント光投影装置(2)と機能的に関連して位置される第一位置(24)、及び前記ツーウェイ干渉計(1)が記録又は撮像装置(4)と機能的に関連して位置される第二位置(44)、及びその逆も同様にあり;
    −ビデオ及び分析ディスプレイを含む計算装置(6);
    −シェアログラフィー又は縞投影測定のための励起装置(5);
    を含み、
    ツーウェイ干渉計(1)が第一位置(24)でコヒーレント又は準コヒーレント投影装置(2)と関連されるとき、携帯用工業装置が、モアレ法としても知られる干渉縞投影によって対象物の3D形状を測定することができ、ツーウェイ干渉計(1)が第二位置(44)で記録又は撮像装置(4)と関連されるとき、携帯用工業装置が対象物のシェアログラフィー測定を実施することができ、干渉計(1)におけるトラバース光ビームの方向が、一つの測定構成から他の測定構成にシフトするときに逆転され、コヒーレント又は準コヒーレント光の方向が二つの操作モードで逆転され、
    −ツーウェイ干渉計(1)が逆転可能であり、かつ中央にあるサバールプレートを中心に対称であり、
    −前記携帯用工業装置が、前記ツーウェイ干渉計(1)を前記第一位置(24)から前記第二位置(44)へ及びその逆へ正確に変位するための並進装置(3)を含み、並進装置(3)が、その端部の一方で曲げられている、「J」形状を有するレールを含み、干渉計の正確な変位が、45°を越えない角度の回転と厳格な幾何学的並進の組み合わせに対応する
    ことを特徴とする携帯用工業装置。
  2. ツーウェイ干渉計(1)が次の構成要素を連続的に含むことを特徴とする請求項1に記載の携帯用工業装置:第一直線偏光子、つまりP1(11)、第一の校正された液晶位相変動リターダー、つまりLCVR1(12)、サバールプレート(13)、第二の校正された液晶位相変動リターダー、つまりLCVR2(14)、及び第二直線偏光子、つまりP2(15)。
  3. P1(11)及びLCVR1(12)、サバールプレート(13)、LCVR2(14)及びP2(15)がそれぞれ固定され、光軸のまわりでブロックで回転されることができ、二つのブロックが独立していることを特徴とする請求項2に記載の携帯用工業装置。
  4. シェアログラフィーモードにおいて、干渉計(1)が前記第二位置(44)において記録又は撮像装置(4)と連続的に関連され、P1(11)が、対象物によって反射される入来するコヒーレント又は準コヒーレント光ビームの直線偏光を確保し、LCVR1(12)がλ/4リターダープレートとして設置され、サバールプレート(13)の前に導入され、P1によって規定された偏光方向に対して45°で設置されたその速軸及び遅軸で回転され、それによって入来する光ビームを円形偏光し、サバールプレート(13)が、入来する円形偏光ビームを平行な常光ビーム及び異常光ビームに屈折し、LCVR2(14)が、サバールプレートによって屈折された異常光ビーム及び常光ビームがLCVR2の速軸及び遅軸に平行であり、二つのビーム間の既知の位相シフトを導入するように設定されたその速軸及び遅軸を有し、P2(15)が、出現するビーム偏光の45°で配向され、二つのビーム間の干渉を可能にすることを特徴とする請求項2に記載の携帯用工業装置。
  5. 縞投影モードでは、干渉計(1)が前記第一位置(24)でコヒーレント又は準コヒーレント光投影装置(2)と関連され、干渉計(1)の構成要素の順序がトラバース光ビームの方向を考慮してシェアログラフィーモードに関して連続的に逆転され、P2(15)が、コヒーレント又は準コヒーレント光投影装置(2)から来る入射コヒーレント光ビームの直線偏光を確保し、LCVR2(14)がλ/4リターダープレートとして設置され、サバールプレート(13)の前に導入され、P2によって規定された偏光方向に対して45°で設定されたその速軸及び遅軸で回転され、それによって入来する光ビームを円形偏光し、サバールプレート(13)が、入来する円形偏光ビームを平行な常光ビーム及び異常光ビームに屈折し、LCVR1(12)が、サバールプレートによって屈折された異常光ビーム及び常光ビームの偏光方向がLCVR1の速軸及び遅軸に平行であり、二つのビーム間の既知の位相シフトを導入するように設定されたその速軸及び遅軸を有し、P1(11)が、出現するビーム偏光の45°で配向され、二つのビーム間の干渉を可能にすることを特徴とする請求項2に記載の携帯用工業装置。
  6. コヒーレント又は準コヒーレント光投影装置(2)が、少なくとも低コヒーレントレーザー光源(21)、ビーム拡大器(22)、ビーム投影レンズ系(23)、及び携帯用工業装置が縞投影モードであるときにビーム拡大器(22)と投影レンズ系(23)の間に位置されるツーウェイ干渉計(1)を受けるための受け器(24)を含むことを特徴とする請求項1に記載の携帯用工業装置。
  7. 撮像装置(4)が、二レンズ系L1,L2(41,42)、デジタルビデオカメラ(43)、及び携帯用工業装置がシェアログラフィーモードで使用されるときにL1(41)とL2(42)の間に位置されるツーウェイ干渉計(1)のための受け器(44)を含み、L1が調整可能又は並進可能であることを特徴とする請求項1に記載の携帯用工業装置。
  8. 試験対象物の画像の形成及び照明をそれぞれ可能にするために透明窓を有するケーシングを含む囲いを含むことを特徴とする請求項1に記載の携帯用工業装置。
  9. 請求項1〜8のいずれかに記載の統合されたツーウェイの方式の携帯用工業装置を使用して、干渉縞投影によって試験対象物の三次元(3D)形状を測定し、位相ステッピングシェアログラフィーによって前記対象物の表面欠陥を検出するための方法であって、縞投影モードにおいて以下の連続する工程:
    −コヒーレント又は準コヒーレント光投影装置(2)において受け入れられたツーウェイ干渉計(1)の上に入射光ビームを与え、コヒーレント光投影装置(2)の出力における干渉縞模様を試験対象物の上に投影すること;
    −前記干渉縞模様を対象物の表面上に反射すること;
    −前記縞模様を含む前記表面の画像を記録及び/又は観察すること;
    −前記表面の3D形状を計算すること;
    を含み、シェアログラフィーモードにおいて以下の連続する工程:
    −対象物の上に入射光ビームを与えること;
    −前記入射光ビームを前記対象物表面上に反射すること;
    −記録又は撮像装置(4)において受け入れられたツーウェイ干渉計(1)の上に反射された光ビームを与え、シェアリングされたビームの干渉模様を作成すること;
    −対象物が変形されない状態であるとき、前記シェアリングされたビームの干渉模様の画像を記録すること;
    −対象物が励起機構を使用することによって変形状態にあるときに最後の工程を繰り返すこと;
    −シェアリングされたビームの両干渉模様を分析し、表面下欠陥を識別すること;
    を含む方法。
  10. シェアログラフィーモードにおいて前記シェアリングされたビームの干渉模様の画像を記録する両工程において、四つの工程又はそれより少ないアルゴリズムが使用され、それは、試験対象物が変形状態及び変形されない状態のそれぞれにあるとき、試験対象物の画像を捕獲及び記憶することを特徴とする請求項9に記載の方法。
  11. シェアリングされたビームの両干渉模様を分析する工程において、以下の工程が実施されることを特徴とする請求項10に記載の方法:
    −記憶された画像を比較すること;
    −平滑化アルゴリズムを適用すること;
    −ビデオディスプレイ上に生じた模様を観察すること。
  12. 検出された表面下欠陥が0〜25mmの範囲に位置されることを特徴とする請求項9に記載の方法。
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