JP2013116293A - 骨粗鬆症診断支援装置、骨粗鬆症診断支援プログラム、及び骨密度変化部位特定方法 - Google Patents

骨粗鬆症診断支援装置、骨粗鬆症診断支援プログラム、及び骨密度変化部位特定方法 Download PDF

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Abstract

【課題】操作者が熟練していなくても精度の高い骨粗鬆症の判別結果を得ることのできる骨粗鬆症診断支援装置等を提供する。
【解決手段】骨粗鬆症診断支援装置100は、下顎骨下縁皮質骨が撮像されたX線画像を取得する取得部131と、骨粗鬆症によって骨密度が低下しやすい下顎骨下縁皮質骨上の部位を示す情報であって複数の人間の平均的な骨密度変化部位を示す平均的位置情報、又はその平均的位置情報を算出するための情報を記憶する記憶部120と、位置情報もしくは平均的位置情報を基にX線画像の中の骨密度変化部位を特定する特定部132と、特定した骨密度変化部位が含まれる所定範囲の画像領域を関心領域として抽出する抽出部133と、抽出された関心領域の画像を基にX線画像に撮像された人が骨粗鬆症か否かを判別する判別部134と、を備える。
【選択図】図5

Description

本発明は、骨粗鬆症診断支援装置、骨粗鬆症診断支援プログラム、及び骨密度変化部位特定方法に関する。
骨粗鬆症を発見する方法として、二重X線吸収測定装置(DXA)を使った腰椎・大腿骨の骨密度測定方法や、定量的超音波検査装置(QUS)を使った踵骨の骨密度測定方法が知られている。しかし、これらの方法は特殊な装置を使用することが前提となっており、一般的に利用されるには至っていない。
近年の研究で、骨密度の低下に伴い下顎骨下縁皮質骨に形態の変化が起こることが明らかになっている(例えば、非特許文献1)。この原理を利用して、特許文献1には、歯の治療・診断で一般的に使用されるパノラマX線画像を使って、簡単に骨粗鬆症を判別できる骨粗鬆症診断支援装置が開示されている。
特開2004−209089号公報
Klemetti E, et al :Pantomography in assessment of the osteoporosis risk group, Scandinavian Journal of Dental Research,1994,102,P68-72
特許文献1の骨粗鬆症診断支援装置は、骨密度低下の判別対象となる部位(以下、「骨密度変化部位」という。)を、操作者自身がパノラマX線画像を見て選択する必要がある。しかしながら、骨密度変化部位の選択候補となる領域は比較的広範囲にわたっており、また、患者の歯や顎の状態によっては選択すべき部位を判断し難い場合がある。そのため、特許文献1の装置は、操作者が熟練していないと、誤った部位を骨密度変化部位として選択してしまい、その結果、精度の高い判別結果が得られないという問題がある。
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであり、操作者が熟練していなくても精度の高い骨粗鬆症の判別結果を得ることのできる骨粗鬆症診断支援装置、及び骨粗鬆症診断支援プログラムを提供すること、並びに操作者が熟練していなくても精度よく骨密度変化部位を特定できる骨密度変化部位特定方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の第1の観点に係る骨粗鬆症診断支援装置は、
下顎骨下縁皮質骨が撮像されたX線画像を取得する取得手段と、
骨粗鬆症によって骨密度が低下しやすい下顎骨下縁皮質骨上の部位を示す情報であって複数の人間の平均的な骨密度変化部位を示す平均的位置情報、又はその平均的位置情報を算出するための情報を記憶する記憶手段と、
前記平均的位置情報を基に、前記X線画像の中の骨密度変化部位を特定する特定手段と、
特定した骨密度変化部位が含まれる所定範囲の画像領域を関心領域として抽出する抽出手段と、
抽出された関心領域の画像を基に、前記X線画像に撮像された人が骨粗鬆症か否かを判別する判別手段と、を備える、
ことを特徴とする。
前記記憶手段は、前記平均的位置情報として複数の座標情報を記憶し、
前記特定手段は、複数の前記座標情報を基に複数の前記骨密度変化部位を特定し、
前記抽出手段は、複数の前記骨密度変化部位の情報を基に複数の前記関心領域を抽出し、
前記判別手段は、抽出された前記関心領域それぞれについて骨密度が低下しているか否か判別し、複数の前記関心領域のうちのいずれかで骨密度が低下していると判別した場合、前記X線画像に撮像された人が骨粗鬆症であると判別してもよい。
前記特定手段は、
前記X線画像にエッジ検出処理を実行することによって、下顎骨下縁皮質骨と首部分との境界線を示す下顎境界線を取得し、
前記平均的位置情報に対応する前記X線画像中の点または領域を通過する線と前記下顎境界線の接線とが垂直に交わる位置を骨密度変化部位として特定してもよい。
前記特定手段は、
前記平均的位置情報に対応する前記X線画像中の点または領域が含まれる所定範囲の領域を前記X線画像から抽出し、
抽出した前記X線画像の領域に対してエッジ検出処理を実行することによって前記下顎境界線を取得してもよい。
前記関心領域は、四角形の領域であり、
前記下顎境界線の前記骨密度変化部位を通過する前記接線は、前記関心領域の対向する第1の辺および第2の辺と平行であり、
下顎骨下縁皮質骨は、前記第1の辺の側に、首部分は前記第2の辺の側に位置しており、
前記第1の辺から前記接線までの距離は、前記第2の辺から前記接線までの距離より大きくてもよい。
前記第2の辺と前記接線は一致していてもよい。
前記特定手段は、Canny法によるエッジ検出処理によって前記下顎境界線を抽出してもよい。
前記X線画像は、パノラマX線画像であってもよい。
上記目的を達成するため、本発明の第2の観点に係る骨粗鬆症診断支援プログラムは、
コンピュータに、
下顎骨下縁皮質骨が撮像されたX線画像を取得する取得機能と、
骨粗鬆症によって骨密度が低下しやすい下顎骨下縁皮質骨上の部位を示す情報であって複数の人間の平均的な骨密度変化部位を示す平均的位置情報を基に、前記X線画像の中の骨密度変化部位を特定する特定機能と、
特定した骨密度変化部位が含まれる所定範囲の画像領域を関心領域として抽出する抽出機能と、
抽出した関心領域の画像を基に、前記X線画像に撮像された人が骨粗鬆症か否かを判別する判別機能と、を実行させる、
ことを特徴とする。
上記目的を達成するため、本発明の第3の観点に係る骨密度変化部位特定方法は、
下顎骨下縁皮質骨が撮像されたX線画像を取得するステップと、
前記X線画像をエッジ検出処理することによって下顎骨下縁皮質骨に沿った下顎下縁エッジ線を抽出するステップと、
骨粗鬆症によって骨密度が低下しやすい下顎骨下縁皮質骨上の部位を示す情報であって複数の人間の平均的な骨密度変化部位を示す平均的位置情報を取得するステップと、
取得した平均的位置情報に対応する前記X線画像の中の点または領域を通過する線と前記下顎下縁エッジ線の接線とが垂直に交わる位置を骨密度変化部位として特定するステップと、を有する、
ことを特徴とする。
本発明によれば、操作者が熟練していなくても精度の高い骨粗鬆症の判別結果を得ることのできる骨粗鬆症診断支援装置、及び骨粗鬆症診断支援プログラムを提供すること、並びに操作者が熟練していなくても精度よく骨密度変化部位を特定できる骨密度変化部位特定方法を提供することができる。
下顎骨下縁皮質骨を説明するためのパノラマX線画像である。 本発明の実施形態に係る骨粗鬆症診断支援装置のブロック図である。 パノラマX線画像を説明するための図である。 左第2小臼歯相当部、右第2小臼歯相当部、左第1大臼歯相当部、右第1大臼歯相当部を説明するための図である。 骨粗鬆症診断支援装置の制御部によって実現される機能を示す機能ブロック図である。 本発明の実施形態に係る骨粗鬆症診断支援処理を説明するためのフローチャートである。 パノラマX線画像から平均的位置情報の示す座標の周囲を大まかに切り取った様子を示す図である。 図7で切り取った画像から真の骨密度変化部位を特定する様子を示す図であり、(A)は下顎境界線を取得する様子を示す図、(B)は下顎境界線を基に真の骨密度変化部位を特定する様子を示す図である。 真の骨密度変化部位を基に関心領域を抽出する様子を示す図である。 図6に示す骨粗鬆症診断支援処理で実行される骨密度低下判別処理を説明するためのフローチャートである。 骨密度が低下しているか否かを判別するための二値化画像を取得する様子を示す図であり、(A)は骨密度が正常な下顎骨下縁皮質骨を示す図、(B)は骨密度が低下している下顎骨下縁皮質骨を示す図である。 スケルトン処理を説明するための図であり、(A)はスケルトンの意味を説明するための図、(B)〜(D)はスケルトンを得る処理を説明するための図である。 パノラマX線画像上の下顎骨、正常な皮質骨、及び骨密度低下者の皮質骨を示す図である。
以下、本発明を実施するための形態について図面を参照しながら説明する。
本発明の実施形態に係る骨粗鬆症診断支援装置100は、下顎骨下縁皮質骨(例えば図1に示すように、下顎骨の下縁に写された骨密度の高い帯状の部分)が撮像されたX線画像を基に、X線画像に撮像された人が骨粗鬆症であるか否かを判別するための装置である。なお、以下の説明では、理解を容易にするため、X線画像は歯の治療・診断の際に撮像されるパノラマX線画像とする。
骨粗鬆症診断支援装置100は、図2に示すように、入力部110と、記憶部120と、制御部130と、表示部140と、操作部150とから構成される。
入力部110は、不図示のパノラマX線撮影装置を使って撮像されたパノラマX線画像のデータを取得するためのデータ入力装置である。入力部110は、例えば、半導体メモリ、光ディスク、磁気ディスク等の外部記憶装置に格納されたデータを読み取るデータ読取装置、又はLAN(Local Area Network)ケーブル、USB(Universal Serial Bus)ケーブル等の通信線を介してデータを取得する外部インターフェース等から構成される。
入力部110は、例えば、不図示のパノラマX線撮影装置と通信線を介して接続されている。パノラマX線撮影装置が患者を撮像すると、パノラマX線撮影装置は、骨粗鬆症診断支援装置100に対し例えば通信線を介して撮像したパノラマX線画像を送信する。入力部110は、パノラマX線撮影装置からパノラマX線画像を受信すると、受信したパノラマX線画像を制御部130を介して記憶部120に格納する。
記憶部120は、DRAM(Dynamic Random Access Memory)やSRAM(Static Random Access Memory)等を備える主記憶装置、又はハードディスクやフラッシュメモリ等を備える補助記憶装置等のデータ読み書き可能な記憶装置から構成される。記憶部120には「パノラマX線画像」や「平均的位置情報」等の各種データが格納されている。
「パノラマX線画像」とは、パノラマX線撮影装置(例えば、患者の頭部を所定の位置に固定する固定具と、固定された患者の頭の周りを水平回転して患者の歯および歯周辺の顎骨を撮像するX線カメラとを備えた装置)によって撮像されるX線画像であって、湾曲した顎骨が1枚の展開された画像として表現されるX線画像のことである。なお、以下の説明では、理解を容易にするため、パノラマX線画像は、例えば図3に示すように、横(X軸)1400ピクセル、縦(Y軸)2800ピクセルのグレースケール画像として説明する。また、記憶部120には複数の患者のパノラマX線画像が予め格納されているものとする。
「平均的位置情報」とは、骨粗鬆症によって骨密度が低下しやすい下顎骨下縁皮質骨上の部位、例えば、図3の(a)と(b)に示すように、下顎骨下縁皮質骨の下顎第2小臼歯相当部周辺から下顎角(エラ)の手前までの領域、または、その領域と他の部分との境界線上を含むその領域内の所定部分(以下、「骨密度変化部位」という。)であって、複数の人間の平均的な骨密度変化部位の位置を示す情報のことである。平均的位置情報は例えば装置製作者等の手によって予め記憶部120に格納されている。なお、以下の説明では、理解を容易にするため、骨密度変化部位は、左右の第2小臼歯相当部、及び左右の第1大臼歯相当部の4点とする。なお、「第2小臼歯相当部」は下顎第2小臼歯の歯根を下顎骨下縁皮質骨に向かって延長した部分であり、「第1大臼歯相当部」は下顎第1大臼歯の歯根を下顎骨下縁皮質骨に向かって延長した部分である。また、平均的位置情報は、その4点を示すパノラマX線画像上の座標情報とする。この4点の座標(平均的位置情報)は、例えば、以下の方法により取得される。
まず、異なる人をそれぞれ撮像したn枚のパノラマX線画像を取得する。そして、n枚のパノラマX線画像それぞれについて、図4に示すように、左第2小臼歯相当部LP、右第2小臼歯相当部RP、左第1大臼歯相当部LM、右第1大臼歯相当部RMを判別する。なお、kはn枚のパノラマX線画像に対応する1〜nまでの整数である。これら4点の位置は、例えば、歯科医等の専門家によって判別される。そして、専門家によって判別されたこれら4点×n枚の位置をX線画像の左下を原点(0,0)として座標情報に変換する(以下、変換された座標情報をLP(XLPk,YLPk)、RP(XRPk,YRPk)、LM(XLMk,YLMk)、RM(XRMk,YRMk)という)。そして、これら4点×n枚の座標情報を、例えば以下の(式1)〜(式8)によって平均する。
LPA=(XLP1+XLP2+・・・・+XLPn)/n ・・・・・(式1)
LPA=(YLP1+YLP2+・・・・+YLPn)/n ・・・・・(式2)
RPA=(XRP1+XRP2+・・・・+XRPn)/n ・・・・・(式3)
RPA=(YRP1+YRP2+・・・・+YRPn)/n ・・・・・(式4)
LMA=(XLM1+XLM2+・・・・+XLMn)/n ・・・・・(式5)
LMA=(YLM1+YLM2+・・・・+YLMn)/n ・・・・・(式6)
RMA=(XRM1+XRM2+・・・・+XRMn)/n ・・・・・(式7)
RMA=(YRM1+YRM2+・・・・+YRMn)/n ・・・・・(式8)
装置製作者等は、上記の方法により得られた4点の座標情報、LP(XLPA,YLPA)、RP(XRPA,YRPA)、LM(XLMA,YLMA)、RM(XRMA,YRMA)を平均的位置情報として記憶部120に格納する。
制御部130は、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)等の処理装置(プロセッサ)から構成される。制御部130は不図示のROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)に格納されているプログラムに従って動作し、後述の「骨粗鬆症診断支援処理」を含む種々の動作を実行する。
制御部130は、「骨粗鬆症診断支援処理」に従って動作することで、図5に示すように、取得部131、特定部132、抽出部133、判別部134として機能する。なお、これら機能の動作については、後述の「骨粗鬆症診断支援処理」の説明の箇所で述べる。
表示部140は、LCD(Liquid Crystal Display:液晶ディスプレイ)やOELD(Organic ElectroLuminescence Display:有機ELディスプレイ)等の表示装置から構成される。表示部140は制御部130の制御に従って「骨粗鬆症診断支援処理」の処理結果等を表示する。
操作部150は、キーボードやマウス等の入力装置から構成される。ユーザーがキーボードやマウスを使って表示部140に表示された操作画面を操作すると、操作部150はその操作情報を制御部130に送信する。制御部130は操作部150から操作情報を受信すると、その操作内容に応じて「骨粗鬆症診断支援処理」を実行する。
次に、このような構成を有する骨粗鬆症診断支援装置100の動作について説明する。
制御部130は操作部150から操作情報を受信すると、その操作内容に応じて、パノラマX線画像に撮像された人が骨粗鬆症であるか否かを判別する「骨粗鬆症診断支援処理」を開始する。以下、図6のフローチャートを参照して「骨粗鬆症診断支援処理」を説明する。
取得部131は、操作部150からの操作情報に基づいて、記憶部120に格納されている複数のパノラマX線画像の中から、診断対象となる人のパノラマX線画像を1つ選択し、選択したパノラマX線画像を記憶部120から受信する(ステップS110)。
特定部132は、記憶部120に格納されている4点の平均的位置情報(左第2小臼歯相当部LP、右第2小臼歯相当部RP、左第1大臼歯相当部LM、右第1大臼歯相当部RMを示す4点の座標情報)の中から1つ座標情報を選択する(ステップS120)。
なお、パノラマX線撮影装置で歯を撮像する際、患者はパノラマX線撮影装に頭部を固定される。そのため、同じ装置で撮像されたのであれば、どの患者も画像中の下顎骨の位置はほぼ同じ位置となっている。したがって、平均的位置情報の示す位置近くに実際の骨密度変化部位(以下、「真の骨密度変化部位」という。)も位置していると考えられる。そこで、特定部132は、パノラマX線画像から平均的位置情報の示す座標の周囲を大まかに切り取ることで、真の骨密度変化部位を含む一定領域の画像をパノラマX線画像から抽出する。例えば、ステップS120で左第2小臼歯相当部LPを選択したとすれば、特定部132は、図7に示すように、左第2小臼歯相当部LP(XLPA,YLPA)を中心とした一定範囲の領域、例えば200ピクセル×300ピクセルの領域をパノラマX線画像から切り取り、不図示のRAMに格納する(ステップS130)。
なお、人の首の部分には舌骨や椎骨等、小さな骨しかないため、首部分と下顎の部分とは、図7に示す(a)ように、明確に明るさが異なっている。また、人間の下顎の底部は、通常、凹凸の少ないなだらかな曲面となっている。そのため、X線画像にエッジ検出処理を施すことによって、下顎骨と首部分との境界を凹凸の少ないなだらかな曲線として明確に特定することができる。そこで、特定部132は、ステップS130で抽出した領域をエッジ検出処理することによって、下顎骨下縁皮質骨と首部分との境界線(以下、「下顎境界線」という。)を取得する(ステップS140)。
ここでエッジ検出処理とは処理装置(プロセッサ)が行う処理であって、画像の色や明るさが不連続に変化している箇所を特定し、物体の境界を示す連続した線(以下、「エッジ線」という。)を検出する処理(例えば、Canny法)のことをいう。例えば、ステップS130で抽出した領域をエッジ検出処理することによって、例えば図8(A)に示すようなエッジ線(下顎境界線)を得ることができる。なお、エッジ検出処理で複数のエッジ線が取得された場合は、そのうちの最も大きな線、例えば線を構成するピクセル(画素)の数が最も多い線を下顎境界線として特定する。
図6に戻り、特定部132は、下顎境界線の接線と、ステップS120で選択した座標を通過する線(垂線)とが直角に交わる位置を真の骨密度変化部位として特定する(ステップS150)。例えば、ステップS120で左第2小臼歯相当部LPを選択したとすれば、特定部132は、図8(B)に示すように、下顎境界線の接線と、左第2小臼歯相当部LPを通過する垂線とが直角に交わる点を真の左第2小臼歯相当部LP(XLPR,YLPR)として特定する。
図6に戻り、抽出部133は、後述の骨粗鬆症判別処理で使用する領域であって、真の骨密度変化部位が含まれる所定範囲の画像領域を「関心領域」として抽出する(ステップS160)。例えば、ステップS120で左第2小臼歯相当部LPを選択したとすれば、特定部132は、図9に示す(a)のように、左第2小臼歯相当部LP(XLPR,YLPR)が含まれる一定範囲の領域、例えば100ピクセル×100ピクセルの四角形の領域をパノラマX線画像から切り取り、関心領域として不図示のRAMに格納する。また、ステップS120で左第1大臼歯相当部LMを選択したとすれば、特定部132は、図9に示す(b)のように、左第1大臼歯相当部LM(XLMR,YLMR)が含まれる一定範囲の領域、例えば100ピクセル×100ピクセルの四角形の領域をパノラマX線画像から切り取り、関心領域として不図示のRAMに格納する。このとき、特定部132は、後述する「骨密度低下判別処理」を容易にするため、骨密度変化部位を通る下顎境界線の接線が関心領域の対向する2つの辺、例えば上辺及び下辺と平行となるように関心領域を抽出する。また、特定部132は、下顎骨下縁皮質骨が画像の中に多く含まれるように、接線が関心領域の下半分に位置するように、つまり、上辺から接線までの距離が下辺から接線までの距離より大きくなるように関心領域を抽出してもよい。なお、下顎骨下縁皮質骨が画像の大半を占めるように、下辺から20%以下の位置となるように、より望ましくは下辺と接線とが一致するように、関心領域を抽出してもよい。
図6に戻り、関心領域の抽出が完了したら、判別部134は関心領域に撮像された皮質骨の骨密度が低下しているか否かを判別するための「骨密度低下判別処理」を開始する(ステップS170)。なお、本処理は、非特許文献1に示されるKlemettiらの報告に基づくものであり、パノラマX線画像上での下顎骨下縁皮質骨の形態変化を数理形態学的画像処理手法の一つであるスケルトンを用いて識別するものである。なお、パノラマX線画像にスケルトンを用いることは、例えば、丹部氏らの論文(丹部貴大,他「パノラマX線写真からの顎骨骨梁抽出」電子情報通信学会,2002年,P94)にも記載されている。以下、図10のフローチャートを参照して「骨密度低下判別処理」を説明する。
判別部134は、ステップS160で抽出したX線画像の関心領域に対し、メディアンフィルタをかけ、可及的にノイズを少なくした画像を取得する(ステップS171)。メディアンフィルタは、周囲の領域とかなり異なる小さくてランダムに散在するノイズを取り除くための処理である。このフィルタは、通常の画像処理プログラムの機能として知られており、必要に応じて使用する。
判別部134は、ノイズを除去した画像に対し、スケルトン処理を施して例えば図11(A)に示す(b)や、図11(B)に示す(b)のようなスケルトン画像を取得する(ステップS172)。ここで、スケルトン(skeleton)とは骨格の意味であり、スケルトン処理とは画像中の物体を削り取って骨組みにする処理のことである。以下、スケルトン処理ついて詳細に説明する。
物体をXとするとき、構造要素BによるスケルトンSK(X,B)は次のように定義される。
上式は、次のような意味を表している。まず、数1の下記数2で示した部分は「構造要素の相似形nBを図形Xの内部に敷き詰めたときの、nBの中心の集合」という意味である。
図12(A)(図形X:長方形、B:円)を用いて、スケルトンの意味を説明する。さて、n'<nとすると、中心に配置された構造要素nB(左側)は、それより大きいn’BをXの内部に配置しても覆えない部分がある。それ以外の場所に配置されたnB(右側)は、Xの内部にあるn’Bで完全に覆うことができる。
このように、数1の下記数3で示した部分には「nBをこの位置に配置したとき、nより大きなサイズの相似形をXの内部に配置しても完全には覆うことができない」という性質がある。そこで、「B(例えば、円)のなるべく大きな相似形を使ってX(例えば、長方形)をきっちり覆う」ことを考えると、下記数3に配置したnBは、それより大きな相似形で置き換えることはできない必要不可欠なものということになる。これを集めたものがスケルトンとなる。
したがって、図12(B)の図形X(長方形)のスケルトンは、B(円)のなるべく大きな相似形を使って、例えば図12(C)に示すようにX(長方形)をきっちり覆ったときの、例えば図12(D)に示すような相似形の中心の軌跡ということになる。この画像処理により、関心領域は1つあるいは複数の線素によって構成されたものとなる。
スケルトン処理を行うと、図11(A)に示す(b)、図11(B)に示す(b)のように、細かい線が色々な方向に走っているスケルトン画像が得られる。さて、下顎骨下縁皮質骨の中には、血管の束があり、骨密度が低下した人は、図13に示す(c)のように、その管腔組織に沿って線状に吸収を起こしている。この吸収は、下顎骨下縁と平行な線として現れる。
そこで、判別部134は、図10に戻り、このスケルトン画像から下顎骨下縁の傾きと下顎骨下縁とほぼ平行な線の抽出を行う(ステップS173)。具体的には、判別部134は、下顎骨下縁と平行する長方形(線)のパターンを用意し、そのパターンと一致する線を抽出する。図11(A)に示す(b)のスケルトン画像や図11(B)に示す(b)のスケルトン画像は、関心領域を抽出した段階で、すでに下顎骨下縁と平行となっているので、水平なパターンを用意し、そのパターンと一致する線を抽出している。これは、スケルトンの場合、抽出するためのパターンが細く小さいために、下顎骨下縁と平行する斜めのパターンを用意することが難しい。このために、水平なパターンを用意すればよいように、あらかじめステップS160の関心領域を抽出する時に、下顎骨下縁と平行する矩形となるように関心領域の抽出処理を行っている。
図10に戻り、判別部134は、取得したスケルトン画像(グレースケール画像)に対し、二値化処理を施して二値化画像を得る(ステップS174)。このとき、スケルトン処理により作成された線を背景から分離するように二値化処理を行う。このため、例えば、大津氏の二値化手法(大津展之「判別および最小2乗規準に基づく自動しきい値選定法」電子通信学会論文誌 Vol.J63-D No.4 1980年4月)により、二値化の閾値を定めて、二値化処理を行うとよい。図11(A)に示す(c)、図11(B)に示す(c)の画像は、図11(A)に示す(b)、図11(B)に示す(b)のスケルトン画像から、下顎骨下縁と平行な部分のみ取り出して、二値化処理した後の二値化画像である。図11(A)に示す(c)の画像は骨密度が正常なときの二値化画像であり、図11(B)に示す(c)は骨密度が低下したときの二値化画像である。骨密度が正常なときは二値化画像中に線(以下、「線素」という。)が1本しか表れないのに対し、骨密度が低下したときは線素が複数表れる。
図10に戻り、判別部134は、取得した二値化画像中の線素の数から、関心領域に撮像された皮質骨の骨密度が低下しているか否かを判別し、その判別結果を記憶部120に格納する(ステップS175)。具体的には、判別部134は、以下の方法により骨密度の低下を判別する。
まず、判別部134は二値化画像中に表れた複数の線素を、その大きさ(ピクセル数)に基づいて、以下の3群に分類する。
第1群:ノイズによる線素(ピクセル数P1以下の線素)
第2群:線状の骨吸収によって現れたやや小さめの線素(ピクセル数P2以下の線素)
第3群:下顎骨下縁皮質骨による主線(ピクセル数がP2より大きい線素)
なお、閾値P1は閾値P2より小さい値である。例えば、閾値P1は117ピクセルであり、閾値P2は230ピクセルである。そして、判別部134はこの分類結果から以下のように骨密度が低下しているか否か判別する。
1.まず、第2群の線素が1つも存在せず、第3群の線素が1本のみ存在する場合、「骨密度正常」と判別とする。
2.第2群に分類された線素が1つでも存在する場合は「骨密度低下」と判別する。
3.第3群の線素が2本以上存在する場合は、骨吸収による線(第2群の線素)が連続して第3群の線素となったと考えられるので、「骨密度低下」と判別する。
判別部134は、この判別結果をステップS120で選択した平均的位置情報と関連付け、記憶部120に格納する。例えば、ステップS120で左第2小臼歯相当部LPを選択したとすれば、判別部134は、左第2小臼歯相当部LPを示す情報と、骨密度の判別結果(「骨密度正常」または「骨密度低下」)とを関連付け、記憶部120に格納する。
判別結果の格納が完了すると、図6のフローに戻り、判別部134は4点の平均的位置情報(座標情報)全てで骨密度低下の判別が完了したか判別する(ステップS180)。まだ、判別が完了していない平均的位置情報がある場合(ステップS180:No)、ステップS120に戻り、まだ判別の完了していない平均的位置情報で骨密度低下を判別する。4点全てで骨密度低下の判別が完了している場合(ステップS180:Yes)、ステップ190に進む。
判別部134は、記憶部120から4つの判別結果を取得する。4つの判別結果が全て「骨密度正常」となっている場合、判別部134はX線画像に撮像された人に骨粗鬆症の疑いはないと判別し、表示部140に骨粗鬆症の疑いはない旨を表示する。4つの判別結果のいずれかが「骨密度低下」となっている場合、X線画像に撮像された人が骨粗鬆症である(骨粗鬆症の疑いがある)と判別し、表示部140に骨粗鬆症である旨(骨粗鬆症の疑いがある旨)を表示する(ステップS190)。表示が完了したら、制御部130は骨粗鬆症診断支援処理を終了する。
本実施形態によれば、関心領域が装置によって自動的に選択されるので、操作者が熟練していなくても容易に精度の高い骨粗鬆症の判別結果を得ることができる。
また、X線画像に歯科医院等で一般的に使用されるパノラマX線画像を使用しているので、患者に過大な負担をかけることなく、容易、迅速、かつ安価に骨粗鬆症の疑いを発見できる。また、歯科医等が関心領域の選択をしなくてもよいので、歯科医等は業務の合間に関心領域の選択という手間に煩わされることなく、歯の治療・診断の際に撮像されたパノラマX線画像を骨粗鬆症診断支援装置に入力するという簡単な手間をかけるだけで、精度の高い判別結果を得ることができる。また、一般的に、骨粗鬆症にかかる年齢では歯の治療の機会も多くなると考えられるので、骨粗鬆症診断支援装置の歯科医院等への導入が進むことによって、骨粗鬆症の早期発見が実現できる。
また、複数の関心領域それぞれについて骨密度が低下しているか否か判別し、そのうちの1つでも骨密度が低下していると判別された場合を、骨粗鬆症の疑いありと判別している。そのため、1つの関心領域のみで骨粗鬆症を判別する場合と比べ、骨粗鬆症の判別漏れを少なくすることができる。
また、人体の構造上、X線画像の首部分と下顎部分は明確に明るさが異なっており、また、下顎の底部はなだらかな曲面となっている。エッジ検出処理の性質上、明るさがくっきり異なり、物の境界がなだらかな曲面となっている場合、エッジ線は非常に精度よく検出できる。そのため、骨粗鬆症診断支援装置は、下顎骨下縁部分が撮像されたX線画像にエッジ検出処理を施すことによって、精度よく下顎境界線を検出することができる。骨粗鬆症診断支援装置はその下顎境界線を使って精度よく骨密度変化部位を特定することができる。
また、ステップS160では、下顎境界線の接線が関心領域の上辺及び下辺と平行になるように、かつ、下顎境界線の接線が関心領域の下半分に位置するように、関心領域を抽出している。そのため、関心領域の多くの面積は下顎骨下縁皮質骨で占められることとなる。その結果、骨密度低下判別処理は精度の高い処理結果を得ることができる。
なお、人によっては下顎骨下縁皮質骨と舌骨とが重なって撮像される場合がある。この場合、ステップS150で真の骨密度変化部位が正常に取得できない恐れがある。そこで、骨粗鬆症診断支援装置100は、ステップS150で取得された座標をパノラマX線画像上にポイントして表示部140に表示する手段と、操作者がそのポイントされた座標を操作する手段とを備え、表示された座標を操作者が除去または修正できるよう構成されていてもよい。より精度の高い判別結果を取得することが可能になる。
また、ステップ140で使用されるエッジ検出処理はCanny法に限定されず、既知のさまざまな手法を使用することが可能である。エッジ検出処理の例として、例えば、Sobel法、Prewitt法、Robers法、GaussianのLaplacian法、Zero−Cross法、微分エッジ検出法等を使用することが可能である。
また、記憶部120には、平均的位置情報が必ずしも記憶されている必要はない。記憶部120には平均的位置情報を算出するための情報が記憶されていればよい。例えば、記憶部120に複数の人間の骨密度変化部位を示すn組の座標情報、例えば左第2小臼歯相当部LP、右第2小臼歯相当部RP、左第1大臼歯相当部LM、右第1大臼歯相当部RM(k=1〜n)が格納されており、骨粗鬆症診断支援を実行する度に、上述の(式1)〜(式8)により平均的位置情報(左第2小臼歯相当部LP、右第2小臼歯相当部RP、左第1大臼歯相当部LM、右第1大臼歯相当部RM)を算出してもよい。
骨密度変化部位や平均的位置情報はX画像中の点を示す座標情報に限られない。X線画像上の一定範囲の領域を示す情報であってもよい。このとき、ステップ150で求める垂線は、平均的位置情報が示す領域を通過すればよい。
また、骨粗鬆症診断支援処理で使用されるX線画像はパノラマX線画像に限られず、通常のレントゲン装置を使って撮像されたX線画像であってもよい。
本実施形態の骨粗鬆症診断支援装置100は、専用のシステムにより実現してもよいし、通常のコンピュータシステムにより実現してもよい。例えば、上述の動作を実行するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納して配布し、該プログラムをコンピュータにインストールして、上述の処理を実行することによって骨粗鬆症診断支援装置100を構成してもよい。また、インターネット等のネットワーク上のサーバ装置が備えるディスク装置に格納しておき、例えばコンピュータにダウンロード等できるようにしてもよい。また、上述の機能を、OSとアプリケーションソフトとの共同により実現してもよい。この場合には、OS以外の部分のみを媒体に格納して配布してもよく、また、コンピュータにダウンロード等してもよい。
上記プログラムを記録する記録媒体としては、USBメモリ、フレキシブルディスク、CD、DVD、Blu−ray Disc(登録商標)、MO、SDカード、メモリースティック(登録商標)、その他、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、半導体メモリ、磁気テープ等のコンピュータ読取可能な記録媒体を使用することができる。
本発明の実施形態で説明した骨粗鬆症診断支援装置の精度を検証した。
検証で使用した骨粗鬆症診断支援装置は、4点の関心領域(左第2小臼歯相当部LP、右第2小臼歯相当部RP、左第1大臼歯相当部LM、右第1大臼歯相当部RM)を自動で選択し、一部自動選択が不可能であった部分のみ手動で選択する装置(以下、「装置A」という。)と、4点の関心領域をすべて手動で選択する装置(以下、「装置B」という。)の2つである。いずれの装置も、4点の関心領域のいずれかで骨密度低下と判別された場合を骨粗鬆症の疑いありと判別する。
検証には、100人の被検者のパノラマX線画像を使った。100人の被験者は全て骨粗鬆症になりやすい50歳以上の閉経後の女性である。この100人の被験者はパノラマX線画像の撮像と同時にDXAによる腰椎骨密度検査を受けており、骨粗鬆症か否かが判明している。DXAによって実際に骨粗鬆症であると診断された者は100人中25人である。
骨粗鬆症診断支援装置(装置A、装置B)の操作は14人の開業歯科医師が行った。14人の開業歯科医師は、1ヶ月の間隔をおいて2回操作を行った。表1は、同じ操作者が時間をおいて同じパノラマX線画像を使って骨粗鬆症診断支援装置を操作しても同じ結果が得られるか(以下、「操作者内再現性」という。)を検証した結果である。なお、操作者内再現性の評価にはCohenのκ−indexを使用した。
また、表2は同じパノラマX線画像であれば操作者が異なっていても同じ結果となるか(以下、「操作者間再現性」という。)を検証した結果である。操作者間再現性の評価にはFleissのκ−indexを使用した。
装置Aでは多くの関心領域を自動的に選択できるため、関心領域の選択を全て手動にした場合(装置B)と比較して、再現性の向上が見られることが分かった。なお、装置Aでは80%以上の計測点において自動で関心領域の選択を行うことに成功した。
また、14人の開業歯科医師それぞれについて、装置Aと装置Bを使った判別結果と、DXAによる骨粗鬆症か否かの判別結果とを照合し、骨粗鬆症診断支援装置の「感度」、「特異度」、「陽性予測値」、「陰性予測値」、「正診率」を算出した。なお、「感度」とは、DXAによって骨粗鬆症と診断された者のうち、本装置で骨粗鬆症の疑いがあると判別された者の割合である。また、「特異度」とはDXAによって骨粗鬆症でないと診断された者のうち、本装置で骨粗鬆症の疑いがないと判別された者の割合である。また、「陽性予測値」とは本装置で骨粗鬆症の疑いがあると判別された者のうち、DXAによって実際に骨粗鬆症と診断された者の割合である。また、「陰性予測値」とは本装置で骨粗鬆症の疑いがないと判別された者のうち、DXAによって実際に骨粗鬆症でないと診断された者の割合である。また、「正診率」とはDXAによる全ての診断結果と本装置による全ての判別結果との一致率である。表3は14人の開業歯科医師が装置Aを使用した結果の平均値である。
また、表4は14人の開業歯科医師が装置Bを使用した結果の平均値である。
装置A(関心領域の選択を基本的に自動にした場合)では装置B(関心領域の選択を全て手動にした場合)と比較して、判別精度が向上していることが分かった。
本発明の骨粗鬆症診断支援装置は、歯の治療・診断の際に一般的に使用されるパノラマX線画像を使って骨粗鬆症の疑いを判別する。そのため、パノラマX線画像を撮像するパノラマX線撮影装置の一機能として、又は、パノラマX線画像を画像処理するアプリケーションプログラムとして提供することが可能である。
100 骨粗鬆症診断支援装置
110 入力部
120 記憶部
130 制御部
131 取得部
132 特定部
133 抽出部
134 判別部
140 表示部
150 操作部

Claims (10)

  1. 下顎骨下縁皮質骨が撮像されたX線画像を取得する取得手段と、
    骨粗鬆症によって骨密度が低下しやすい下顎骨下縁皮質骨上の部位を示す情報であって複数の人間の平均的な骨密度変化部位を示す平均的位置情報、又はその平均的位置情報を算出するための情報を記憶する記憶手段と、
    前記平均的位置情報を基に、前記X線画像の中の骨密度変化部位を特定する特定手段と、
    特定した骨密度変化部位が含まれる所定範囲の画像領域を関心領域として抽出する抽出手段と、
    抽出された関心領域の画像を基に、前記X線画像に撮像された人が骨粗鬆症か否かを判別する判別手段と、を備える、
    ことを特徴とする骨粗鬆症診断支援装置。
  2. 前記記憶手段は、前記平均的位置情報として複数の座標情報を記憶し、
    前記特定手段は、複数の前記座標情報を基に複数の前記骨密度変化部位を特定し、
    前記抽出手段は、複数の前記骨密度変化部位の情報を基に複数の前記関心領域を抽出し、
    前記判別手段は、抽出された前記関心領域それぞれについて骨密度が低下しているか否か判別し、複数の前記関心領域のうちのいずれかで骨密度が低下していると判別した場合、前記X線画像に撮像された人が骨粗鬆症であると判別する、
    ことを特徴とする請求項1に記載の骨粗鬆症診断支援装置。
  3. 前記特定手段は、
    前記X線画像にエッジ検出処理を実行することによって、下顎骨下縁皮質骨と首部分との境界線を示す下顎境界線を取得し、
    前記平均的位置情報に対応する前記X線画像中の点または領域を通過する線と前記下顎境界線の接線とが垂直に交わる位置を骨密度変化部位として特定する、
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の骨粗鬆症診断支援装置。
  4. 前記特定手段は、
    前記平均的位置情報に対応する前記X線画像中の点または領域が含まれる所定範囲の領域を前記X線画像から抽出し、
    抽出した前記X線画像の領域に対してエッジ検出処理を実行することによって前記下顎境界線を取得する、
    ことを特徴とする請求項3に記載の骨粗鬆症診断支援装置。
  5. 前記関心領域は、四角形の領域であり、
    前記下顎境界線の前記骨密度変化部位を通過する前記接線は、前記関心領域の対向する第1の辺および第2の辺と平行であり、
    下顎骨下縁皮質骨は、前記第1の辺の側に、首部分は前記第2の辺の側に位置しており、
    前記第1の辺から前記接線までの距離は、前記第2の辺から前記接線までの距離より大きい、
    ことを特徴とする請求項3又は4に記載の骨粗鬆症診断支援装置。
  6. 前記第2の辺と前記接線は一致している、
    ことを特徴とする請求項5に記載の骨粗鬆症診断支援装置。
  7. 前記特定手段は、Canny法によるエッジ検出処理によって前記下顎境界線を抽出する、
    ことを特徴とする請求項3乃至6のいずれか1項に記載の骨粗鬆症診断支援装置。
  8. 前記X線画像は、パノラマX線画像である、
    ことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の骨粗鬆症診断支援装置。
  9. コンピュータに、
    下顎骨下縁皮質骨が撮像されたX線画像を取得する取得機能と、
    骨粗鬆症によって骨密度が低下しやすい下顎骨下縁皮質骨上の部位を示す情報であって複数の人間の平均的な骨密度変化部位を示す平均的位置情報を基に、前記X線画像の中の骨密度変化部位を特定する特定機能と、
    特定した骨密度変化部位が含まれる所定範囲の画像領域を関心領域として抽出する抽出機能と、
    抽出した関心領域の画像を基に、前記X線画像に撮像された人が骨粗鬆症か否かを判別する判別機能と、を実行させる、
    ことを特徴とする骨粗鬆症診断支援プログラム。
  10. 下顎骨下縁皮質骨が撮像されたX線画像を取得するステップと、
    前記X線画像をエッジ検出処理することによって下顎骨下縁皮質骨に沿った下顎下縁エッジ線を抽出するステップと、
    骨粗鬆症によって骨密度が低下しやすい下顎骨下縁皮質骨上の部位を示す情報であって複数の人間の平均的な骨密度変化部位を示す平均的位置情報を取得するステップと、
    取得した平均的位置情報に対応する前記X線画像の中の点または領域を通過する線と前記下顎下縁エッジ線の接線とが垂直に交わる位置を骨密度変化部位として特定するステップと、を有する、
    ことを特徴とする骨密度変化部位特定方法。
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