JP2013108462A - 風力発電量予測システム、そのプログラム - Google Patents

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Abstract

【課題】一般的な気象予報データと、データ量が少ない補正用データとに基づいて、各風力発電設備毎の風力発電量を的確に予測できる。
【解決手段】気象予報入力機能部11は、外部から一般的な気象予報情報としての風向・風速予報値を取得する。補正テーブル記憶部16には予め風速予報値を補正するための補正用データが記憶される。パワーカーブ記憶部13には予め風力発電設備に係わる風速と発電量との関係を示すパワーカーブが記憶される。発電量計算機能部14は、上記風向・風速予報値と補正用データとパワーカーブとを用いて、加重平均またはファジィ推論によって、風力発電量予測対象の任意の風力発電設備が受ける風に応じた風力発電量予測値を求める。
【選択図】図1

Description

本発明は、風速予測から風力発電量予測を行う技術に関する。
風力発電量予測値は、予め作成される、パワーカーブ等と呼ばれる風速と発電量との関係データを用いて、風速予報等による風向・風速予測に基づいて求められる。このパワーカーブは、一般的に風力発電装置の設計値により決定される。
風力発電量に影響を与える主要因は、風速であるため、風力発電予測では実際には風向・風速予測が重要であり、風速等から発電量を求める処理自体は、それほど重要ではない(上記の通り、設計値により決定されたパワーカーブを用いて計算すれば済む)。つまり、風車が受ける風速等を正確に予測できれば、風力発電量予測値が的確に計算できる。
ここで、風速等を予測する従来技術としては、例えば特許文献1,2,3,4に記載の従来技術が知られている。
特許文献1には、風速計および風向計によって風速や風向を観測する装置である観測ポールと、3次元風速計と、予測用コンピュータ等を有する風予測システムが開示されている。特許文献1では、3次元風速計によって参照点の風速および風向を測定するのは、各季節毎に1週間ずつの計4週間で済むようにする手法を提案しており、これによって高価な3次元風速計の利用効率を高め、コストを削減できる。
特許文献2の風力発電出力予測装置は、複数の物理モデルと複数の統計モデルを組み合わせることにより、風力発電出力をより正確に予測できるものである。
特許文献3では、風速予報値を風車高さ相当に補正し、これをパワーカーブを用いて発電量に変換している。
特許文献4では、レーダにより風速を詳細に観測し、GPV気象予報を補正するデータベースを持ち、風速を補正している。
特開2005−10082号公報 特開2007−233639号公報 特開2009−167848号公報 特開2009−138523号公報
パワーカーブは、実験室や工場などのような理想的な環境で計測され、風力発電設備に関する風速と発電量との関係を正確に反映させたものである。しかし、屋外に設置された実際の風力発電設備では、しばしばパワーカーブどおりの発電量を示さない。その理由は主に以下2つであり、何れの場合も、地形や障害物などの影響で、実際に風車が受ける風速が(たとえ予報自体は的中していても)予報通りにならないことで、発電量予測が外れることになる。
理由1:地形が複雑な場合(近くに建物や山がある場合など)、風向によっては風速が強くなる場合や、弱くなる場合がある。たとえば、いくら風速予報値が大きくても山などの障害物側から吹いている場合は、風車にあたる実際の風速は弱くなるため、風力発電設備の発電量を過大に予測することになる。
理由2:ウィンドファームの場合、風上側風車が稼働していた場合、風下側の風速を弱めるため、風下側風車が受ける実際の風速が弱まる。つまり、風速予測が正確であったとしても風下側風力発電設備の発電量を過大に予測することになる。その一方で、風上側風車がメンテナンス等で停止している場合には、風下側の風速は殆ど弱まることはない。
従来技術として、特許文献1の発明は、観測ポールと3次元風速計とによる実測が必要となる。
特許文献2の発明は、詳細な物理モデルを使用するため、上述理由1、理由2による問題の解決を期待できる有望な方法であるが、詳細な地形情報が必要であり、かつ膨大な計算を必要する欠点がある。
特許文献3の発明は、気象予報で得られる風速を、風車高さ相当に補正するものであり、上記理由1、理由2に係わる問題を解決できるものではない。
特許文献4の発明は、風向ごとにデータベースを持つため、上述理由1、理由2による問題の解決を期待できる方法である。しかし、特殊なレーダによる風速観測が必要である点や、詳細な予測を行う場合には細かな風向ごとにデータベースを持つ必要があり、膨大な観測が必要になる等の欠点がある。つまり、エンジニアリング・コストが膨大になる欠点がある。
本発明の課題は、一般的な気象予報データと補正用データだけで各風力発電設備毎の風力発電量を的確に予測でき、特に加重平均またはファジィ推論を用いることで補正用データのデータ量削減を図り、以ってエンジニアリング・コストを低減でき、更に、風上側風車の稼働状態まで考慮して風力発電量を的確に予測することができる風力発電量予測システム等を提供することである。
本発明の風力発電量予測システムは、任意の風力発電設備の発電量を予測する風力発電量予測システムであって、外部から風向・風速予報値を取得する風向・風速予報値取得手段と、予め前記風速予報値を補正するための補正用データが記憶される補正用データ記憶手段と、予め前記風力発電設備に係わる風速と発電量との関係を示すパワーカーブが記憶されるパワーカーブ記憶手段と、前記風向・風速予報値と前記補正用データと前記パワーカーブとを用いて、加重平均またはファジィ推論によって、前記任意の風力発電設備が受ける風に応じた風力発電量予測値を求める風力発電量算出手段とを有する。
上記風力発電量予測システムにおいて、例えば、前記補正用データは、複数の所定の風向毎に、各風速に対応する補正データが格納された風速補正テーブルであり、前記風力発電量算出手段は、前記風速補正テーブルを参照して、前記風向予報が示す風向に係わる1以上の前記所定の風向毎に、前記風速予報値に対応する前記補正データを用いて風速補正値を求めると共に、前記パワーカーブを用いて、前記求めた1以上の風速補正値毎に対応する発電量を求め、複数の発電量が求められた場合には、該複数の発電量を前記風向予報に応じた加重比で平均化することで、前記風力発電設備が受ける風に応じた風力発電量予測値を求める。
あるいは、上記風力発電量予測システムにおいて、例えば、前記補正用データは、所定の各風向範囲毎に、各風速に対応する補正データが格納された風速補正テーブルと、前記各風向範囲毎に、各風向に対応する加重比が規定されたメンバシップ関数であり、前記風力発電量算出手段は、前記風速補正テーブルを参照して、前記各風向範囲毎に、前記風速予報値に応じた前記補正データを用いて風向範囲毎風速補正値を求めると共に、前記メンバシップ関数を参照して、前記各風向範囲毎に、前記風向予報値に応じた前記加重比を求め、前記求めた複数の風向範囲毎風速補正値および複数の加重比を用いて、前記風速予報値を補正した風速補正値を算出し、該算出した風速補正値と前記パワーカーブとによって、前記風力発電設備が受ける風に応じた風力発電量予測値を求める。
上記風力発電量予測システムでは、一般的な風向・風速予報値等と補正用データ等に基づいて、各風力発電設備がそれぞれ実際に受ける風速に応じた風力発電量予測値を求めることが可能となり、地形や障害物等による影響に対応した的確に風力発電量予測を行うことができる。また、加重平均またはファジィ推論を用いることで、補正用データのデータ量を削減できる。例えば全ての風向ではなく上記複数の所定の風向に関してのみ補正データを登録しておけば済むようになる。
また、更に、前記任意の風力発電設備が受ける風に影響を及ぼし得る他の風力発電設備による影響も考慮して、風力発電量予測値を求めることで、更に的確に風力発電量予測値を求めることができるようにしてもよい。
本発明の風力発電量予測システムによれば、一般的な気象予報データと補正用データだけで各風力発電設備毎の風力発電量を的確に予測でき、特に加重平均またはファジィ推論を用いることで補正用データのデータ量削減を図り、以ってエンジニアリング・コストを低減できる。更に、風上側風車の稼働状態まで考慮して風力発電量を的確に予測することができる。
本例の風力発電量予測システムの構成図である。 パワーカーブの一例を示す図である。 (a)〜(c)は実施例1に係るパワーカーブや風速補正テーブルの一例である。 (a)〜(d)は実施例2に係る風速補正テーブルの一例である。 (a),(b)は、実施例2に係るメンバシップ関数の一例である。 (a),(b)は、実施例3に係るパワーカーブ/風速補正テーブルの一例である。 (a)、(b)は実施例4に係るパワーカーブや発電量補正テーブルの一例である。 実施例5の効果を示す図である。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本例の風力発電量予測システムの構成図である。
図示の例の風力発電量予測システム10は、気象予報入力機能部11、風力発電設備運転情報取得部12、パワーカーブ記憶部13、発電量計算機能部14、予測値格納部15、補正テーブル記憶部16の各種機能部を有する。
尚、風力発電量予測システム10は、例えば一般的な汎用コンピュータ(パソコン、サーバ装置等)で実現される。つまり、風力発電量予測システム10は、ハードウェア的には一般的な汎用コンピュータの構成であってよく、特に図示はしないが、例えばCPU等の演算プロセッサ、メモリやハードディスク等の記憶装置、ネットワークを介して外部のコンピュータ装置と通信可能とする通信部、液晶ディスプレイ等の表示部、キーボードやマウス等の入力部などを有している。
また、上記不図示の記憶装置には予め所定のアプリケーションプログラムが記憶されている。上記不図示の演算プロセッサがこのアプリケーションプログラムを読出し・実行することにより、上記各種機能部11〜16の処理機能が実現される。
気象予報入力機能部11は、外部で作成された気象予報情報(特に、風向・風速予測値など)を、この気象予報情報を記憶している外部のコンピュータ装置等からネットワークを介して入力する入力機能部である(あるいは、上記気象予報情報を見たユーザ等が、上記キーボード等を操作して気象予報情報を入力するものであってもよい)。
入力する気象予報情報は、一般的な気象予報データであり、例えば気象庁やその他の気象業者の発表した気象予報情報そのものであってもよいし、何らかの別の方法で作成された気象予報情報でもよい。何れにしても、一般的な気象予報データは、各風力発電設備(その風車)が実際に受ける風の風速予測値等を示すようなものではなく、ある程度広いエリア毎の風向・風速予測値を示すものである。気象予報入力機能部11は、例えば風力発電設備が設置されているエリアに関する風向・風速予測値を入力する。
尚、風向は、例えば南、南南西、南西等の16方位で表すものであってもよいし、真北を基準(0°)にして、東が90°、南が180°、西が270°等のように時計周りに表す360方位であってもよい。
風力発電設備運転情報取得部12は、風力発電設備の運転スケジュール情報を取得する機能部である。この運転スケジュール情報は、各風力発電設備の現在や未来の運転状態(運転(ON)/停止(OFF))を示す運転計画データ等である。尚、ここでは、運転停止(OFF)は、メンテナンス等に伴って起こるものであり、故障等による運転停止は関係ない。
上記運転スケジュール情報は、本システム10内に記憶されていてよいし、キーボード等で直接的に入力されてもよいし、不図示の外部装置等に記憶されていてもよい。外部装置に記憶されている場合には、当然、風力発電設備運転情報取得部12は、不図示のネットワーク等を介して、外部装置から上記運転スケジュール情報等を取得することになる。
パワーカーブ記憶部13は、予めパワーカーブを記憶しているデータベースである。パワーカーブは、各風力発電設備について風速と発電量の関係を示すデータであり、上記のように従来から存在するものであり、予め任意に作成されて記憶されている。
パワーカーブは、その形式は、テーブル形式であってもよいし、n次関数の形で持っていてもよい。また、1つのパワーカーブであってもよいし、風向毎にパワーカーブをもっていてもよい。風向計を備えており風向きに応じてその向きを変えるタイプの風力発電設備であれば、風向きに関係なく風が吹いてくる方向を向くので(常にほぼ正面から風を受けるので)パワーカーブは1つであってよい。本例では、パワーカーブ自体は1つであるものとする。
図2に、パワーカーブの一例を示す。図示のパワーカーブは、任意の風力発電設備に係る特性データであって、横軸が風速、縦軸が発電量となっており、風速と発電量との関係が示されている。尚、パワーカーブ自体は既存のものであり、これ以上詳細には説明しないものとする。
発電量計算機能部14は、本システム10の主要機能であり、その処理内容については後に詳しく説明するが、基本的には上記各機能部11,12から得られる入力情報等や上記パワーカーブや後述する補正テーブル等に基づいて、現在から(あるいは未来n時間先から)未来m時間先までの風力発電設備の発電量の予測値を算出・出力する。これは、例えば、所定時間単位の(例えば1時間単位の)各予測対象時間帯毎に、風力発電設備の発電量の予測値を算出・出力する。
風力発電設備が複数ある場合には、各風力発電設備毎にそれぞれ、現在から未来m時間先までの発電量の予測値を算出・出力する。
発電量計算機能部14によって算出・出力される上記「m時間先までの風力発電設備の発電量の予測値」は、当該予測値を格納するデータベースである予測値格納部15に格納される。
補正テーブル記憶部16には、予め、風速予報値を補正するための補正テーブルが記憶されている。これについては、後に詳しく説明する。
上記風力発電設備の運転スケジュール情報は、発電所において複数の風車(風力発電設備)がある場合に、特に必要になるものである。詳しくは後述する。
以下、上記風力発電量予測システム10の処理機能について、各種実施例を提案・説明する。尚、以下に説明する実施例1〜5における風力発電量予測システム10運用時の各種処理は、風向・風速予報値や運転スケジュール等を取得する処理以外は、基本的には全て発電量計算機能部14が実行するものと考えてよい。
まず、実施例1について説明する。
気象予報入力機能部11からは、例えば1時間先〜m時間先までの1時間毎の、発電所のある代表地点、もしくは近辺の風向・風速予報値が得られる。換言すれば、上記風力発電設備が設置されているエリアの風向・風速予報値が得られるものである。
風力発電設備運転情報取得部12からは、各風力発電設備の運転スケジュールが得られる。つまり、風力発電設備に関しては、定期点検などのメンテナンス等が理由で運転を停止する期間(よって、事前に決めておくことが可能)があり、この様な運転停止期間(OFF期間)と、通常の運転期間(ON期間)とを示す運転スケジュールが、予め作成されて記憶されているので、これを取得する。これは、勿論、現在の運転状態(ON/OFF)だけでなく、未来の運転予定(ON/OFF)も得られる。例えば、1時間先〜m時間先までの運転スケジュールを得る。尚、運転がOFF(停止)の期間は、発電量は‘0’である。
基本的には、発電所内にある全ての風力発電設備について、それぞれ、上記運転スケジュールが作成されて記憶されているが、風力発電設備運転情報取得部12が取得するのは、予測処理対象の風力発電設備の運転スケジュールや、その風上側風力発電設備(風上側風車)の運転スケジュールのみであってよい。また、必ずしも運転スケジュールを取得する必要はない。
尚、例えば、各風力発電設備には予め識別用ID等が付与されており、特に図示しないが、各風力発電設備毎に、その風上側風力発電設備の識別用IDが登録されているものとする。また、各識別用IDに対応付けてその風力発電設備の運転スケジュールが管理されている。これによって、例えばユーザが任意の風力発電設備を予測処理対象に指定すると、その風上側風力発電設備を判別できると共に、これらの運転スケジュールを取得できる。
また、尚、現在時点の運転状態はON/OFFの2値の何れかの状態しかないが、未来の運転予定は、例えば仮に1時間中に6分間停止する予定であれば「稼働率が90%」等のように、アナログ量として取得してもよい(尚、これは、1時間単位で取得する場合であり、また運転スケジュールは分単位で管理されているものとするが、この例に限らない)。
尚、本例では、上記のように入力・取得するデータは、1時間先〜m時間先まで1時間単位で扱うと共に、これに合わせて発電量予測値も1時間先〜m時間先まで1時間単位で扱うものとする。
ここで、上記運転状態におけるOFF状態は、あくまでもメンテナンス等で発電できない状態であり、風速が‘0’で発電できない状態とは異なる。
尚、上記風上側風力発電設備(風上側風車)は、予測対象の風力発電設備(対象風車)の風上側にある他の風力発電設備であるが、風上側や風上側風車や風上側風力発電設備とは、ある特定の風向きのときに対象風車の風上となることを意味し、風向きに関係なく常に風上側となるようなことを意味するものではない(換言すれば、風上側風車とは、風上側となったときに影響を及ぼす(対象風車が受ける風を弱める)可能性がある、他の風車を意味するものであり、例えば対象風車の近傍に設けられる他の風車等である)。
また、パワーカーブは、その一例を図2に示したが、例えば図3(a)に示すようにテーブル形式であってもよい。図示の例では、1m単位の各風速(m)毎に、対応する発電量(kw)が格納されているが、この例に限らない。尚、既に従来技術で述べたように、パワーカーブの各値は、例えばメーカが工場等で計測した値である。
また、図3(b)、(c)には、補正テーブル記憶部16に予め記憶されている風速補正テーブルの具体例を示す。
風速補正テーブルは、一般的な気象情報としての風速予報値を、その風車が受ける風速へと補正するためのテーブルである。尚、以下、風速補正テーブルを簡略化して単に「補正テーブル」と記す場合もあるものとする。
補正テーブルは、例えば、予め、例えば上記気象庁等による一般的な気象予報データから、例えば「発電所のある代表地点もしくは近辺の風速・風向の予報値または現在値」を取得すると共に、各風力発電設備の設置場所で風速計等を用いて風速等を実測する等して、これらに基づいて人間が作成するものである。
すなわち、例えば気象庁等が発表する風速・風向の現在値(観測値)を取得すると共に、各風力発電設備に設けられた風速計で実測された風速データを取得して、両者の差分(実測データ−風速の現在値)を求めて、この差分を上記風速・風向の現在値と共に記録する。または、実測データを上記風速・風向の現在値に対応付けて記憶するようにしてもよい。
あるいは、例えば気象庁等が発表するm時間先の風向・風速予報値を取得し、その後、m時間後に各風力発電設備に設けられた風速計等で風速等を実測する。そして、風速予報値と実測データとの差分(実測データ−風速予報値)を求めて、この差分を上記風向・風速予報値に対応付けて記憶するようにしてもよい。または、実測データを上記風向・風速予報値に対応付けて記憶するようにしてもよい。
尚、上記風向は、予報値等の代わりに、各風力発電設備に設けられた風向計等で実測してもよい。
以上の作業を何度も繰り返すことで補正テーブルを作成できる情報が収集できたら、これに基づいて補正テーブルを作成する。尚、風向きは制御できないので、本例では少なくとも東西南北の4方向の風向きについてデータ収集できるまで、上記データ収集を続けることになる。そして、例えば、東西南北の各方向毎に、上記差分の平均値を求める。例えば、東を例にすると、上記収集したデータから風向が東であるデータを全て抽出して、これらを更に上記風速予報値毎(または風速の現在値毎)に分類して、各風速予報値毎(または風速の現在値毎)に、上記差分値を合計してデータ数で除算することで、東に関する各風速毎の上記差分の平均値が求められる(これが後述する図3(a)等に示す“東(補正値)”として風速補正テーブルに格納されることになる)。
ここで、本説明では、上記風上側風力発電設備(風上側風車)を考慮する処理について示すものとし(よって、上記運転スケジュールを取得する必要がある)、この場合には風速補正テーブルは、図3(b)、(c)に示す2種類の風速補正テーブルを用いることになる。
図3(b)は風上側風車が運転(ON)している場合に対応する風速補正テーブルである。
図3(c)は風上側風車が停止(OFF)している場合に対応する風速補正テーブルである。
上記風力発電設備運転情報取得部12で得られる各風力発電設備の運転状態のうち、上記予測対象の風力発電設備の近傍等にある(風速等に影響を及ぼし得る)他の風力発電設備(上記風上側風力発電設備)の運転状態(予測対象時間帯の運転状態)に応じて、図3(b)、(c)の補正テーブルの何れか一方を用いることになる。当然、停止(OFF)状態の場合は図3(c)を用い、運転(ON)状態の場合には図3(b)を用いることになる。
図3(b)、(c)の風速補正テーブルは、データ内容が異なるだけであり、テーブル形式は同一である。よって、以下、特に両者を区別する必要がない場合には、図3(b)等の風速補正テーブルなどと記すものとし、特に区別することなく説明する。
図3(b)等の風速補正テーブルは、1m単位の各風速予報(m)に対応して、各風向(東西南北)毎の補正値(風速予報に対する補正値)が格納されている。尚、図では、「風速予報」と記してあるが、これは「風速」に置き換えても構わない。
例えば、図示の「北(補正値)」は、風向が北に対応する補正値であり、例えば風向予報が“北”で風速予報が2mのときには、「北(補正値)」=‘−1’を使用することになるので、この補正値を用いた補正後の風速は、1m(=2−1)になる。同様に、例えば、風向予報が“西”で風速が10mの場合には、「西(補正値)」=‘−2’を使用することになるので、この補正値を用いた補正後の風速は、8m(=10−2)になる。
但し、この様な例に限らず、後に説明するように、上記“補正値”の代わりに上記“補正後の風速”が、風速補正テーブルに格納されていてもよい。この場合、上記“補正後の風速”を算出する処理は必要なくなる。
従来であれば、上記の例では、それぞれ、「風速2m」、「風速10m」によりパワーカーブで発電量を求めることになり、発電量予測が実際よりも過大となる場合があったが、本手法では、それぞれ、「風速1m」、「風速8m」に補正してから(予測対象の風車が実際に受けるものと予測される風速に補正してから)パワーカーブで発電量を求めることになり、的確な発電量予測が行える。
尚、ここでは、補正テーブルの補正値が‘0’であり従って実質的には補正が行われなかった場合でも、風速補正値として扱うものとする。
尚、風向予報が東西南北の4方向以外(例えば北東、北北東等)である場合には、後述する加重平均によって上記発電量予測を行う。逆に言えば、加重平均を用いた演算を行うようにすることで、風速補正テーブルには東西南北の4方向のみ登録すれば済み、データベースのデータ量を削減できる。詳しくは後述する。
ここで、図3(b)、(c)に示す例の風速補正テーブルは、北に風上側風車、西に山などの障害物があることを想定している。そのため、風上側風車の運転状態(ONかOFFか)によってテーブルの内容(数値)が変化するのは、図示の通り北のみである。一方図示の通り、東、南、西に関しては、その数値は、図3(b)と図3(c)とで同じである。つまり、障害物が山やビル等である場合には、その運転状態等は関係ないので(そもそも山には運転状態というものはない)、図3(b)と図3(c)とで同じとある。
一方、障害物が風力発電設備である場合には、運転停止(OFF)状態のときには殆ど影響しない(風が弱まらない)が、運転状態(ON)のときには影響を与えることになる(風が弱まる)。これに応じて、上記図3(b)、(c)のような2種類の風速補正テーブルが、予め設定されている。勿論、これは、予め上記風速補正テーブル作成の為のデータ収集の際に、風上側風車が運転時と停止時とに分けてデータ収集することで、2種類の風速補正テーブルが作成されることになる。
発電量計算機能部14では、上記風向・風速予報値、風上側風車の運転状態、風速補正テーブル、パワーカーブ等に基づいて、風力発電量予測値を求める。この処理の詳細は、後に具体例を示しながら説明する。
ここで既に述べたように、発電量計算機能部14は、風向予報が東西南北の4方向の何れかの方向であれば、該当する上記「補正後の風速値」を用いてパワーカーブから該当する発電量を取得すれば済むが、これら以外の風向きであれば、パワーカーブから得た複数の発電量に基づいて所定の算出処理を行う。
後に示す(1)式、(2)式は、風向が“北東”の場合を例にした算出処理例を示している。基本的には、北東であれば北と東、北北東も北と東、南西であれば南と西というように、東西南北の4方向以外の風向きは、東西南北の4方向のうちの2方向に関係するものとなる。これより、特に図示しないが、各風向毎に(但し東西南北は除く)、その風向に関係する東西南北のうちの2方向が、予め記憶されていてもよい。
これより、予報された風向に関係する2方向に係る発電量をパワーカーブから取得し、これら2つの発電量を用いて、後に示す(1)式、(2)式等の算出式による算出処理を行う。
また、発電量計算機能部14は、予測対象の風車の稼働率に応じた、または/及び、その風上側風車の稼働率に応じた、発電量予測値の算出処理を行うものであってもよい。
発電量計算機能部14の処理機能について、以下、具体例を用いて説明する。
発電量計算機能部14は、上記風力発電設備運転情報取得部12を介して得られる風力発電設備の運転スケジュール(ON/OFFや稼働率等)と、上記気象予報入力機能部11を介して得られる上記風向・風速予報値と、上記パワーカーブと上記風速補正テーブルとに基づいて、風力発電量予測値を求める。
たとえば、パワーカーブと風速補正テーブルが、図3(a)、(b)、(c)に示す内容であり、風向予報が北東で、風速予報が10mの場合は、風上側風車の運転状態(ON/OFF)に応じて、それぞれ、下記のようにして求める。
尚、図3(a)のパワーテーブルでは示されていないが、ここでは仮に風速8(m)のときの発電量は80(kW)であるものとする。
(a)風上側風車が運転している場合
上記具体例の場合、上記図3(b)の風速補正テーブルを用いて得られる風速補正値、この風速補正値に応じて図3(a)のパワーテーブルから得られる発電量は、所定の風向(本例では東西南北)それぞれについては、下記の通りなる。
北の場合: 風速補正値9m , 発電量 90kW
東の場合: 風速補正値10m , 発電量100kW
南の場合: 風速補正値10m , 発電量100kW
西の場合: 風速補正値8m , 発電量80kW
但し、これらは参考の為に示しており、実際には風向予報に応じたもの(上記2方向)だけを取得すればよい。すなわち、本例では風向予報は北東であるので、北の発電量(=90kW)、東の発電量(=100kW)を取得すればよい。そして、これらを用いて後述する加重平均によって風力発電量予測値を求める。但し、風向予報が東西南北の4方向の何れかである場合には、その方向に応じた発電量をそのまま風力発電量予測値とすればよい。
尚、上記風速補正値とは、上記「補正後の風速値」に相当する。ここで、図3(b)等の例では、補正値として上記“差分”を格納しており、従って、「風速補正値(補正後の風速値)=風速予報値+補正値」を算出する。例えば、図3(b)の例では風速予報10mに対応する「北(補正値)」は‘−1’であるので、風速補正値(補正後の風速値)=風速予報+補正値=10−1=9となり、上記の通り風向が北に対しては風速補正値9mとなっている。他も同様である。
尚、この例に限らず、例えば上記“差分”の代わりに、上記実測データが格納されていても構わない。つまり、この場合には、図3(b)等の風速補正テーブルには、各風速予報値に対応付けて上記“風速補正値”が格納されることになる。つまり、例えば風速予報10mに対応する「北(補正値)」は‘−9’となるので、これをそのまま取得すればよく、上記「風速補正値(補正後の風速値)=風速予報+補正値」の演算を行う必要はない。
上記の通り、一例では、北の発電量(=90kW)、東の発電量(=100kW)を取得することになり、また予報された風向は北東であり、北と東の丁度中間であることから、北の発電量(=90kW)と東の発電量(=100kW)との和を2で除算する(両者の平均を求める)ことで、予報された風向(北東)と風速(10(m))に基づく、予測対象の風力発電設備が受けると予測される風速に応じた発電量予測値が得られることになる。上記の具体例では下記の(1)式の通りとなる。
発電量予測値;(100kW+90kW)/2=95kW・・・(1)式
尚、上記(1)式は、東西南北のうち風向予報に係る2方向に関する発電量を用いて、この2つの発電量を加重平均して求める処理の一例である。
上記のように、北東は北と東の丁度中間であることから、50:50の加重比で平均化することになり、
発電量予測値;(100kW×50+90kW×50)/100
=(100kW+90kW)/2
となって、上記(1)式となる。
これより、例えば、北北東であれば、25:75の加重比で平均化することになり、従って、
発電量予測値;(100kW×25+90kW×75)/100
=(100kW+90kW×3)/4=92.5kW・・・(1)’式
となる。
尚、予め例えば16方向の各風向毎に、その風向に関する加重比が記憶されていてもよい。
上述したように、例えば図3(b)等に示す風速補正テーブルには、予め任意に決められた複数の所定の風向毎に(本例では東西南北毎に)、各風速毎に対応する補正データが格納されている。この風速補正テーブルを参照して、予報された風向に係わる1または複数の風速補正値を求める。つまり、上記所定の風向(東西南北)のうち予報された風向に係わる全ての所定の風向(“関係する所定風向”と呼ぶものとする)について、風速予報値に応じた風速補正値を求める。これは、例えば図3(b)等に示すように上記“差分”である補正値が格納されている例では、上記“関係する所定風向”それぞれについて風速予報値に応じた補正値を取得し更に風速予報値を補正値によって補正することで上記風速補正値を求める。尚、上記の通り、風速補正値そのものが格納されている場合には、これをそのまま取得すればよく、算出する処理は必要ない。
上記“関係する所定風向”は、“予報された風向”が上記一例(北東や北北東)のように上記複数の所定の風向(本例では東西南北)以外である場合には、基本的には上記所定の風向のうちの2方向となる。これは、“予報された風向”が例えば北東や北北東である場合には(その他、東北東の場合でも)北と東となる。従って、この例では、北と東それぞれについて上記風速補正値が求められ、以ってパワーテーブルから対応する発電量が得られることになる。
この様に、風向・風速予報値に応じて複数の発電量が求められる場合には、これら複数の発電量を、上記“予報された風向”に応じた加重比で平均化することで、発電量予測値が算出される(一例が上記(1)式である)。上記の例では、例えば“予報された風向”が北北東である場合には、北が75、東が25の加重比が用いられることになる(上記(1)’式となる)。これは、後述する図3(c)等の場合も同様である。
(b)風上側風車が運転していない場合
この場合も、補正テーブルを図3(b)の代わりに図3(c)を用いる点以外は、上記(a)風上側風車が運転している場合と同様であり、以下、簡略化して説明する。
この場合、所定の風向(本例では東西南北)それぞれについて発電量は、下記の通りなる。
北の場合: 風速補正値10m , 発電量 100kW
東の場合: 風速補正値10m , 発電量100kW
南の場合: 風速補正値10m , 発電量100kW
西の場合: 風速補正値8m , 発電量80kW
従って、この例では、予報される風向が北東である場合には、発電量予測値は下記の(2)式の通りとなる。
発電量予測値;(100kW+100kW)/2=100kW・・・(2)式
となる。
風上側風車の運転状態を、ON/OFFで扱う場合には、例えば予報される風向が北東である場合には、上記(1)式、(2)式の何れかによって、風力発電量予測値を求めることになる。
但し、この例に限らず、例えば風上側風車が、予測対象時間帯のなかで90%の時間は運転し、残りの10%の時間は停止している(この例を、稼働率=90%とする)場合もあり得る(尚、予測対象時間帯とは、例えば1時間単位で予測する場合には、例えば1〜2時間後、2〜3時間後、・・・、m−1〜m時間後等となる。)
この様な場合、(1)式、(2)式の両方の式による算出を行い、これら2つの算出結果に基づいて、風上側風車の稼働率に応じた加重比で平均化することで、風力発電量予測値を求めることになる。
例えば、上記の例において任意の予測対象時間帯における風上側風車の稼働率が90%の場合には、上記(1)式、(2)式によって2つの発電量(95kWと100kW)が得られたら、これら2つの発電量を、風上側風車の稼働率に応じた加重比(90:10の加重比)で平均化する。勿論、この場合、風上側風車が運転している場合の発電量(=90kW)に対しては90%、風上側風車が運転していない場合の発電量(=100kW)に対しては10%が割当てられる。すなわち、下記の通りとなる。
発電量予測値;(95kW×90+100kW×10)/100=95.5kW ・・・(4)式
また、更に、予測対象の風車の稼働率を用いて修正を施して、最終的な予測値とするようにしてもよい。
例えば、仮に、予測対象の風車の稼働率が80%とした場合には、上述したようにして求めた発電量((1)式では95kW、(2)式では100kW、あるいは上記95.5kW)に対して、0.8を乗じることで、最終的な発電量予測値とする。
尚、上述した処理と予測値は、未来の任意の時間帯(例えば翌日の2時〜3時の1時間分など)に関する発電量予測処理とその結果である。もし、気象予報が1時間ごとm時間先まである場合は、上記処理をm回行うことで、m時間先まで求めることができる。
以上説明した実施例1によれば、風速補正テーブルには所定の風向毎の補正値が格納される。この所定の風向の数が少なくても(例えば東西南北の4方位のみ)、他の風向きに関しては加重平均にて発電量予測値を求めることができる。したがって、風向補正テーブルのデータ量が少なくても、様々な風向(例えば16方位)に対応して発電量予測値を求めることができる。このように、予め記憶しておくデータのデータ量が少なくて済み、エンジニアリング・コストを削減できる。
また、風向補正テーブルの補正値を用いた補正を行うことで、一般的な気象予報情報(風向・風速予報値)を用いるにも係らず、予測対象風車が実際に受けると予測される風速に応じた精度の高い発電量予測値を得ることができる。
更に、風上側風車の存在と特徴(運転時と停止時とで、風速等に与える影響が異なる)を考慮して、2種類の風速補正テーブルを設定しておき適宜使用することで、より的確な精度の高い発電量予測値を得ることができる。
次に、以下、実施例2について説明する。
実施例2では、ファジィ推論を用いて発電量を求める。
実施例2に関しても、図1に示す構成図を用いて説明する。
実施例2に関する図1の各処理機能部は、まず、気象予報入力機能部11、風力発電設備運転情報取得部12、及びパワーカーブ記憶部13は、実施例1と略同様であり、ここでは特に説明しない。また、予測値格納部15も、発電量計算機能部14によって求められた発電量予測値が格納されるという点では、実施例1と略同様である。
補正テーブル記憶部16に記憶される補正テーブル、及び発電量計算機能部14の処理内容が、実施例1とは異なる。上記の通り、実施例2ではファジィ推論を用いて発電量を求める。以下、実施例2における補正テーブル記憶部16、及び発電量計算機能部14について説明する。
まず、図4(a)、(b)は、実施例2において補正テーブル記憶部16に記憶されている補正テーブルの一例を示す図である。
図4(a)は風上側風車が運転(ON)している場合に対応する風速補正テーブルである。
図4(b)は風上側風車が停止(OFF)している場合に対応する風速補正テーブルである。
実施例2においても、実施例1と同様に、風力発電設備運転情報取得部12が取得する風上側風車の運転スケジュール情報(ON/OFF等)に従って、図4(a)、(b)の2つの風速補正テーブルの何れか一方または両方を用いることになる。
ここで、まず、風向きに関しては、例えば、北、北北東、北東等の16方向で区分するものがよく知られているが、気象庁等から取得できる、風向きに関する特定のデータ(東西成分と南北成分の2種類から成る)に基づいて、360°で示される風向に換算することが、既存技術として行われている。尚、ここでは、北風を基点(0°)として時計まわりで示すものとする。よって、東が90°、南が180°、西が270°となる。
上記実施例1に係る風速補正テーブル(図3(b)、(c)等)においては、所定の風向(東西南北)毎に、それぞれ、各風速予報値(m)(例えば0(m)、1(m)、2(m)、・・・、10(m)、・・・のような1m単位)毎に対応する補正値が格納されていた。
実施例2に係る補正テーブル(図4(a)、(b)等)においては、上記所定の風向として、上記東西南北の代わりに、上記360°表記に係わる特定の角度範囲(風向範囲と呼ぶ場合もあるものとする)を用いている。例えば図4(a)、(b)等に示す例では、“212°±10°”の角度範囲と“それ以外”の角度範囲とを示している。尚、“それ以外”とは「“212°±10°”の角度範囲以外の全て」を意味している。
上記の例では、“212°±10°”の角度範囲の方向に、風上側風車が存在しているものとする。この為、“212°±10°”に係る補正値は、基本的には図4(a)と図4(b)とで異なる場合があることになる。
実施例2における発電量計算機能部14も、基本的には実施例1と略同様にして、上記風力発電設備運転情報取得部12を介して得られる風力発電設備の運転スケジュール(ON/OFFや稼働率等)と、上記気象予報入力機能部11を介して得られる上記風向・風速予報値と、パワーカーブと、風速予報値を補正するための補正用データとに基づいて、風力発電量予測値を求める。但し、実施例2では、風速予報値を補正するための補正用データが、実施例1のものとは異なり、上記図4(a)、(b)等に示す風速補正テーブルと、後述する図5に示すメンバシップ関数等となる。そして、これに応じて、当然、風力発電量予測値の算出処理内容も、実施例1とは異なることになる。
実施例2における発電量計算機能部14は、まず、気象予報入力機能部11を介して得られる風速予報値に基づいて、図4(a)、(b)等に一例を示す風速補正テーブルを参照することで、各風向範囲毎に、風速予報値に対応する補正値を取得すると共にこの補正値によって風速予報値を補正して成る風速補正値を求める。
尚、風速補正テーブルには、補正値ではなく、風速補正値が登録されていてもよく、この場合にはテーブルから該当する風速補正値を取得すればよい。例えば図4(a)の例において“212°±10°”に係る風速予報10(m)に対応する補正値は‘−1’であるので、風速補正値=10−1=9(m)が算出されるが、補正値‘−1’の代わりに風速補正値‘9’が登録されていてもよい。
本例の場合、風上側風車の運転状況がON/OFFのどちらであるかに応じて、図4(a)、(b)の2つの風速補正テーブルの何れか一方を選択・使用することになるが、どちらを選択・使用する場合であっても、風速予報値に応じた上記風速補正値として、風向予報に関係なく、各風向範囲毎に風速補正値を求める。よって、図示の例では、上記“212°±10°”に応じた風速補正値PC2と、“それ以外”に応じた風速補正値PC1とが求められることになる。尚、風向予報は、後にメンバシップ関数を参照する際に用いられる。
仮に、風上側風車の運転状況がONであった場合には、図4(a)に示す風速補正テーブルが選択・使用されることになり、更に仮に風速予報値が10(m)であった場合には風速補正値PC2=9(m)(=風速予報値−該当する補正値=10−1)、風速補正値PC1=10(m)(=風速予報値−該当する補正値=10−0)が得られることになる。
発電量計算機能部14は、更に、例えば図5(a)に示すメンバシップ関数を、予め保持している。本例のメンバシップ関数は、上記各風向範囲それぞれに応じた“風速補正の加重比”より成る。図示の例では、上記“212°±10°”に応じた“風速補正の加重比pc2”と、上記“それ以外”に応じた“風速補正の加重比pc1”とから成る。尚、これらpc1、pc2等は、加重比の関数(0°〜360°の風向に応じた、加重比の関数)等と呼んでもよい。
図示のように、これら加重比pc1、pc2は、0°〜360°の風向に応じて、0.0〜1.0の間の値をとる。基本的には、全ての風向に関して「pc1+pc2」=‘1’となるように、加重比pc1、pc2が規定されている。
図示の例では、加重比pc2は、風向212°の場合に‘1.0’となり、風向0°〜190°および234°〜360°の範囲内では‘0.0’となり、これら以外の風向では、0.0〜1.0の間の値(但し、0.0と1.0は含まれない)となる。一方、加重比pc1は、風向212°の場合に‘0.0’となり、風向0°〜190°および234°〜360°の範囲内では‘1.0’となり、これら以外の風向では、0.0〜1.0の間の値(但し、0.0と1.0は含まれない)となる。
つまり、例えば、風向が212°の場合は、風速補正値PC2に対する加重比pc2を1.0とし、風速補正値PC1に対する加重比pc1を0.0とする。一方、風向が190°以下や、234°以上の場合は、風速補正値PC1に対する加重比pc1を1.0とし、風速補正値PC2に対する加重比pc2を0.0とする。これらは上記「pc1+pc2」=‘1’となることは明らかである。
また、風向が190°〜234°の範囲内(但し、212°は除外する)の場合は、加重比pc1、pc2は、それぞれ例えば図示のような0より大きく1未満の範囲内の該当する値(風向に対応する値)となる。これらについては、特に具体的な数値等は示さないが、上記の通り、基本的には「pc1+pc2」=‘1’の条件を満たすように規定されている。
尚、212°は上記の通り風上側風車が設けられている方向であるが、10°や190°や234°は、例えば開発者等が適宜決定した値である。
発電量計算機能部14は、気象予報入力機能部11を介して得られる上記風向予報値に基づいて、図5(a)に示すメンバシップ関数を参照することで、この風向予報値に対応する加重比pc1、加重比pc2を求める。例えば、風向きが212°であった場合には、加重比pc1=‘0.0’、加重比pc2=‘1.0’となる。
以上、風速予報に応じた風速補正値PC1、PC2と、風向予報に応じた、これら風速補正値PC1、PC2に対する加重比pc1、pc2とを取得したら、これらに基づいて下記の(3)式によって最終的な風速補正値PCを求める。
風速補正値PC=(風速補正値PC1 ×加重比pc1 +風速補正値PC2 ×加重比pc2 )/(加重比pc1+加重比pc2)・・・(3)式
その後は、例えば図3(a)等に示すパワーカーブを用いて、上記(3)式で求めた風速補正値PCに応じた発電量を求める。
なお、以上の実施例2の説明では、説明を簡単にするため、風上側風車の稼働率などを考慮していないが、実施例1と略同様に、風上側風車の稼働率などを考慮してもよい。仮に、風上側風車が90%稼働しているとした場合は、発電量予測値は以下のようになる。尚、以下の式は、実質的には上記(4)式と略同様であり、2つの発電量を、風上側風車の稼働率に応じた加重比(90:10の加重比)で平均化するものである(これより、(4)’式と記す)。
発電量予測値=発電量1×0.9+発電量2×0.1 ・・・(4)’式
{ここで、
発電量1:風上側風車が稼働しているときの発電量(式(3)と図4(a)の補正テーブルから計算した風速補正値を、図3(a)のパワーカーブで発電量に変換して求めたもの)。
発電量2:風上側風車が停止しているときの発電量(式(3)と図4(b)の補正テーブルから計算した風速補正値を、図3(a)のパワーカーブで発電量に変換して求めたもの)。}
また、図4(a),(b)の例では、簡単のため、風速補正に係る風向区分を上記“212°±10°”と“それ以外”の2種類だけとしたが、勿論、この様な例に限らず、3種類以上であっても構わない。例えば図3では西方向に何らかの障害物があるものとしており、この例に準じて、“270°±10°”等もあってもよい。この様な他の例を図4(c)、(d)に示す。
図4(c)は風上側風車が運転(ON)している場合に対応する風速補正テーブルである。
図4(d)は風上側風車が停止(OFF)している場合に対応する風速補正テーブルである。
図示の通り、これら他の例の風速補正テーブルでは、“212°±10°”と“それ以外”と“270°±10°”の3種類の風向区分(風向範囲)毎に、それぞれ、各風速予報値に応じた補正値が格納されている。勿論、補正値の代わりに上記風速補正値が格納されていてもよい。尚、“270°±10°”に関しては、風上側風車の運転状態は関係ないので、図示の通り図4(c)と図4(d)とで同じ内容となっている。
尚、本例の場合、“それ以外”は、「“212°±10°”及び“270°±10°”」を除く全ての方向を意味する。
また、この場合には、当然、メンバシップ関数も、3種類の風向区分(風向範囲)に応じたものとなる。図5(b)に、上記図4(c)、(d)の例に応じたメンバシップ関数の一例を示す。図5(b)に示すメンバシップ関数は、上記“212°±10°”に応じた“風速補正の加重比pc2”と、上記“270°±10°”に応じた“風速補正の加重比pc3”と、上記“それ以外”に応じた“風速補正の加重比pc1”とから成る。
この場合も、上記図5(a)に示すメンバシップ関数と略同様に、基本的には、全ての風向に関して「pc1+pc2+pc3」=‘1’となるように、加重比pc1、pc2、pc3が規定されている。
そして、図4(a),(b)及び図5(a)の場合と略同様にして、m時間先の風向・風速予報値に基づいて、図4(c)または図4(d)の風速補正テーブルから風速予報値に応じた各風向範囲毎の風速補正値PC1,PC2,PC3を取得すると共に、図5(b)のメンバシップ関数から風向予報値に対応する各風向範囲毎の加重比pc1、pc2、pc3を取得する。
尚、当然、風上側風車の運転スケジュールに応じて、図4(c)と図4(d)のどちらの風速補正テーブルを使用するのか(あるいは両方とも使用するのか)が決まることになる。
そして、これら取得したデータに基づいて、上記(3)式と略同様の算出式によって最終的な風速補正値PCを求める。つまり、本例の場合には、下記の(3)’式によって最終的な風速補正値PCを求めることになる。
風速補正値PC=(風速補正値PC1×加重比pc1+風速補正値PC2×加重比pc2+風速補正値PC3×加重比pc3)/(加重比pc1+加重比pc2+加重比pc3)・・・(3)’式
本実施例では、わずか数種類の風向区分に応じた補正テーブルやメンバシップ関数を予め作成しておくだけで、風向ごとに異なる風速の変化状態を連続的に表現することができる。
次に、以下、実施例3について説明する。
上記実施例1、2では、風上側風車の存在とその稼働状況を考慮した実施例を示したが、本発明は、この様な例に限らない。例えば、本実施例3のようにしてもよい。
図6(a)は、実施例3におけるパワーカーブの一例であり、これは図3(a)に示す実施例1のパワーカーブと、実質的に同じであってよく、ここでは特に説明しない。
図6(b)は、実施例3における風速補正テーブルの一例である。実施例1では、風上側風車の運転/停止に応じた2種類の風速補正テーブルが設けられていたが、実施例3では図示の通り1種類のみである。尚、図示の例では、北方向に風車以外の何らかの障害物があるものとしている。
実施例1では、上述したように、特定の障害物である風上側風車の運転/停止(ON/OFF)に応じて、2種類の風速補正テーブルを設定して選択的に使用したが、実施例3ではこの様な選択処理は行われない。また、実施例1では風上側風車の稼働率に応じた補正処理等も行ってよいものとしたが、実施例3ではこの様な処理は行われない。また、当然、実施例3では風力発電設備運転情報取得部12の処理機能は必要ない。これらの点を除けば、実施例3は、実施例1と略同様と見做してもよく、以下、簡単に説明する。
すなわち、気象予報入力機能部11を介してm時間先の気象予報(特に風向・風速予報値)が入力されると、発電量計算機能部14は、これらに基づいて、図6(b)に示す風速補正テーブルを参照することで、該当する補正値を得て、以って風速補正値を求める。気象予報値の一例として、例えば風向予報が北で、風速予報値が10mの場合は、図6(b)の風速補正テーブルより、該当する補正値(北で10mの場合、図示の例では補正値=‘−1’)を得ることで、上記風速補正値を以下のように求める。尚、風速補正値は、風力発電所における処理対象の風力発電設備(その風車)が実際に受けると考えられる風の風速である。
風速補正値=9m(=風速予報値+補正値=10m−1m)
この場合、風力発電量予測値は、図6(a)のパワーテーブルより、風速9mに対応する95kWとなる。
なお、上記の説明では、簡単のため、加重平均やファジィ推論を用いなかったが、実施例3において実施例1、2のように加重平均やファジィ推論を用いるようにしてもよい。
例えば、風向予報が北北東で風速予報が10mの場合には、図6(a)、(b)に示すパワーテーブルと風速補正テーブルを参照することで、風速補正テーブルに登録されている東西南北の4方向のうち上記風向予報(北北東)に関連する方向である北と東に関して、以下の風速補正値及び発電量が得られる。
北: 風速補正値9m , 発電量 90kW
東: 風速補正値10m , 発電量100kW
そして、これら2つの発電量を、風向予報に応じた加重比で平均化することで、風向・風速予報と風速補正テーブルに基づく発電量予測値が算出される。本例では、風向予報が北北東であることから、25:75の加重比で平均化することになり、従って、
発電量予測値;(100kW×25+90kW×75)/100
=(100kW+90kW×3)/4 = 92.5kW ・・・(1)’’式
となる。
尚、上述した例では、実施例1の(1)式、(1)’式も、上記実施例3の(1)’’式も、2つの発電量を求めた後に加重平均算出処理を行ったが、この例に限らない。例えば、上記の例では、北と東の風速補正値(9mと10m)に対して、上記風向予報(北北東)に応じて25:75の加重比で平均化することで、風向予報に応じた風速補正値を得るようにしてもよい。
この例の場合、風向予報(北北東)に応じた風速補正値は、9.25(m)となる。そして、パワーテーブルを参照することで、風向予報(北北東)に応じた風速補正値(9.25(m))に対応する発電量を求め、これを上記発電量予測値とするようにしてもよい。但し、図3(a)や図6(a)に示す例のパワーカーブでは、風速が1m刻みであるので、9.25(m)に対応する発電量は登録されていない。よって、パワーカーブがこの様な例の場合には、上記(1)式、(1)’式や(1)’’式によって求める手法の方が望ましい。
この様に、風速補正テーブルには少数の所定方向(本例では東西南北の4方向)に関する補正データを登録しておくだけでよく、これら4方向以外の風向きに関しては加重平均することにより求めることができる。つまり、全ての風向に対してデータベースを持つ必要がないため、事前のデータベース設定が容易であり、エンジニアリング・コストを削減できる。
あるいは、図6(b)に示す補正テーブルの代わりに、図4に示すような、風向を0°〜360°の角度で扱って所定の角度範囲毎に対応する補正値を登録した風速補正テーブルを用いるようにしてもよい。勿論、この場合には、更に、図5に示すようなメンバシップ関数も予め作成・記憶して必要がある。
尚、実施例3では風上側風車は想定しないので、風速補正テーブルは、図4(a)、(b)のような2種類ではなく、1種類のみである。また、それ故、当然、風力発電設備運転情報取得部12の処理機能は必要ないし、風上側風車のON/OFFに応じて2種類の風速補正テーブルの何れか一方(または両方)を選択する処理も必要ない。これらの点を除けば、本例の処理は、実施例2の処理と略同様と見做しても構わない。
すなわち、実施例2の場合と略同様に、気象予報入力機能部11を介してm時間先の気象予報(風向・風速予報値)を入力すると、風向・風速予報値と不図示の(図4と略同様の)風速補正テーブルに基づいて、上記風速補正値PC1,PC2等に相当する風速補正値を求める。更に、風向予報値と不図示の(図5と略同様の)メンバシップ関数を用いて、加重比pc1、pc2等に相当する加重比を求める。
そして、これら求めた風速補正値と加重比とに基づいて、上記(3)式や(3)’式と略同様の算出式によって、最終的な風速補正値PCを求める。その後は、実施例2と略同様に、例えば図3(a)等に示すパワーカーブを用いて、求めた風速補正値PCに応じた発電量予測値を求める。
この様に、実施例3において、ファジィ推論を用いて風速補正値を求め、以って風速発電量予測値を求めるようにしてもよい。
上述した実施例1,2,3に係る図1の風力発電量予測システム10の各機能部の処理機能は、例えば、以下の様になると言える。
気象予報入力機能部11は、外部から風向・風速予報値を取得する。これは、例えば気象庁等による一般的な気象予報情報としての風向・風速予報値を取得するものである。
補正テーブル記憶部16には、予め、上記風速予報値を補正するための補正用データが記憶される。パワーカーブ記憶部13には、予め、各風力発電設備毎に、その風力発電設備に係わる風速と発電量との関係を示すパワーカーブが記憶される。
発電量計算機能部14は、上記風向・風速予報値と補正用データとパワーカーブとを用いて、加重平均(実施例1,3)またはファジィ推論(実施例2)によって、風力発電量予測対象の任意の風力発電設備が受ける風に応じた風力発電量予測値を求める。
そして、例えば、実施例1,3の場合には、上記補正用データは、複数の所定の風向毎に、各風速に対応する補正データが格納された風速補正テーブルである。そして、発電量計算機能部14は、この風速補正テーブルを参照して、風向予報が示す風向に係わる1以上の上記所定の風向毎に、風速予報値に対応する補正データを用いて風速補正値を求めると共に、パワーカーブを用いて、求めた1以上の風速補正値毎に対応する発電量を求める。更に、発電量計算機能部14は、複数の発電量が求められた場合には、該複数の発電量を風向予報に応じた加重比で平均化することで、風力発電量予測対象の風力発電設備が受ける風に応じた風力発電量予測値を求める。
尚、各風向に応じた加重比は、例えば予め人間等が決めて設定・記憶させておけばよい。上述した一例では、複数の所定の風向は東西南北の4方向であり、風向予報がこれら4方向の何れかである場合以外は、複数の発電量が求められることになり、上記加重平均による風力発電量予測値の算出が行われることになる。
尚、上記風速補正テーブルには、補正データの代わりに風速補正値が格納されていてもよい。この場合、発電量計算機能部14は、上述した風速予報値に対応する補正データを用いて風速補正値を求める処理は行う必要なく、その代わりに、風速予報値に対応する風速補正値を風速補正テーブルから取得すればよい。
また、例えば実施例2の場合には、上記補正用データは、所定の各風向範囲毎に、各風速に対応する補正データが格納された風速補正テーブルと、上記各風向範囲毎に、各風向に対応する加重比が規定されたメンバシップ関数である。そして、発電量計算機能部14は、風速補正テーブルを参照して、各風向範囲毎に、風速予報値に応じた補正データを用いて風向範囲毎風速補正値を求めると共に、メンバシップ関数を参照して、各風向範囲毎に、風向予報値に応じた加重比を求める。更に、求めた複数の風向範囲毎風速補正値および複数の加重比を用いて、風速予報値を補正した風速補正値を算出する。そして、該算出した風速補正値と上記パワーカーブとによって、風力発電量予測対象の風力発電設備が受ける風に応じた風力発電量予測値を求める。
尚、上記所定の各風向範囲とは、例えば図4に示す“212°±10°”、“270°±10°”や“それ以外”等であり、この例では風向は360°で表されるものとなっている。
尚、上記風速補正テーブルには、補正データの代わりに風向範囲毎風速補正値が格納されていてもよい。この場合、発電量計算機能部14は、上述した風速予報値に対応する補正データを用いて風向範囲毎風速補正値を求める処理は行う必要なく、その代わりに、風速予報値に対応する風向範囲毎風速補正値を風速補正テーブルから取得すればよい。
更に、風上側風車を考慮する場合には、風力発電設備運転情報取得部12によって、各風力発電設備(少なくとも風上側風車)の運転予定情報を取得する。尚、既に述べたように、風上側風車とは、上記風力発電量予測対象の風力発電設備が受ける風(特にその風速)に影響を及ぼし得る他の風力発電設備(その風車)を意味する。
この場合、上記風上側風車(風上側風力発電設備)が存在する場合、上記風速補正テーブルは、当該風上側風力発電設備の運転時、停止時それぞれに応じた2種類の風速補正テーブルとなる。
そして、発電量計算機能部14は、風上側風力発電設備の上記運転予定情報に基づいて、例えば、該2種類の風速補正テーブルの何れか一方を用いて、上記風速補正値または上記風向範囲毎風速補正値を求める。
あるいは、発電量計算機能部14は、上記2種類の風速補正テーブルの両方をそれぞれを用いることで、上記風力発電量予測値を2つ求め、該求めた2つの風力発電量予測値を、上記風上側風力発電設備の稼働率に応じた加重比で平均化することで、最終的な風力発電量予測値とする。
続いて、以下、実施例4、実施例5について説明する。
まず、実施例4について説明する。
上述した実施例1,3では、パワーカーブと風速補正テーブルを予め作成・記憶しておき、発電量予測処理の際には、まず風速補正テーブルを参照して該当する風速補正値を求めて、次に、パワーカーブを参照することでこの風速補正値に応じた発電量を求めた。
これに対して、実施例4では、後述するパワーカーブ補正テーブルを予め作成・記憶しておき、発電量予測処理の際には、パワーカーブ補正テーブルを参照することで、一般的な風向・風速予報値に基づき、各風力発電設備毎に的確な発電量予測値を求める。
実施例4に関しても、図1に示す構成図を用いて説明する。
実施例4に関する図1の各処理機能部は、まず、気象予報入力機能部11及び風力発電設備運転情報取得部12は、実施例1と略同様であり、ここでは特に説明しない。また、予測値格納部15も、発電量計算機能部14によって求められた発電量予測値が格納されるという点では、実施例1と略同様である。
パワーカーブ記憶部13と補正テーブル記憶部16は削除され、これらの代わりに不図示のパワーカーブ補正テーブル記憶部が設けられる。このパワーカーブ補正テーブル記憶部には、上記パワーカーブ補正テーブル(後に図7(a)、(b)に具体例を示す)が、予め記憶されている。
当然、発電量計算機能部14の処理内容は、実施例1とは異なる。発電量計算機能部14は、気象予報入力機能部11及び風力発電設備運転情報取得部12によって取得される情報と、上記パワーカーブ補正テーブルとに基づいて、風速発電量予測値を求める。以下、具体例を挙げて説明する。
図7(a)、(b)は、上記パワーカーブ補正テーブルの具体例である。
図7(a)は風上側風車が運転(ON)している場合に対応するパワーカーブ補正テーブルである。
図7(b)は風上側風車が停止(OFF)している場合に対応するパワーカーブ補正テーブルである。
パワーカーブ補正テーブルは、例えば、予め、上記「発電所のある代表地点、もしくは近辺の風速・風向の予報値または現在値」を取得すると共に、各風力発電設備の設置場所で風速等を実測する等し、更にパワーカーブを風車メーカから取得する(あるいは工場等において、風速に応じた発電量を実測する)等して、これらに基づいて人間が作成するものである。
図7(a)、(b)に示すように、パワーカーブ補正テーブルは、1m単位の各風速(m)毎に対応して、設計値(kw)と、少数の所定の風向(本例では東西南北の4方向)毎の発電量補正値(kw)(北(補正値)、東(補正値)、南(補正値)、西(補正値))が格納されている。尚、図示の「風速」は、図3等における「風速予報」と異なるようなものではなく、例えば気象予報入力機能部11が取得する風速予報値が2(m)で風向予報が‘北’である場合には、パワーカーブ補正テーブルにおける「風速」が2(m)の北(補正値)である‘−1’が取得されることになる。よって、図示の「風速」は、「風速予報」に置き換えても良い。
また、パワーカーブ補正テーブルにおける発電量(設計値)は、風力発電設備のメーカが工場等で計測した値である。つまり、図示の例では、風車が実際に受ける風速が2mであったならば、発電量は10(kW)になるはずである。
また、例えば上記北(補正値)とは、風向が北の場合に使用する、発電量に係る補正値であり、例えば図7(a)に示す例においては、風速2mのときには、本来は10kW発電するが9kW(=10−1)になることを示している。同様に、風速10mの場合には本来は100kW発電するはずが90kw(=100−10)になることを示している。これは、他の風向の補正値(東(補正値)、南(補正値)、西(補正値))についても略同様であり、ここでは特に説明しない。尚、上記“本来は”とは、他の風車や風車以外の障害物の影響で、風速が変化しなければという意味である。
ここで、図7(a)、(b)のパワーカーブ補正テーブルは、上記実施例1の図3(b)、(c)に示す例の風速補正テーブルと略同様に、北に風上側風車、西に山などの障害物があることを想定している。そのため、風上側風車の運転状態(ONかOFFか)によってテーブルの内容(数値)が変化するのは、図示の通り北のみである(図示の通り、東、南、西に関しては、その数値は、図7(a)と図7(b)とで同じである)。
実施例4における発電量計算機能部14は、上記風力発電設備運転情報取得部12を介して得られる各風力発電設備の運転スケジュール(ON/OFFや稼働率等)と、上記気象予報入力機能部11を介して得られる上記風向・風速予報値と、上記パワーカーブ補正テーブルとに基づいて、風力発電量予測値を求める。
例えば、上記風向・風速予報値と各風力発電設備の運転スケジュールに基づいて、図7(a)、(b)のパワーカーブ補正テーブルの少なくとも一方は用いて、風力発電量予測値を求める。
たとえば、風向予報が北東で、風速予報が10m、かつ予測時間帯における風上側風車が運転予定が“運転(ON)”の場合は、図7(a)に示す(風上側風車が運転している場合の)パワーカーブ補正テーブルを参照することで、各所定風向(東西南北)毎の発電量補正値(kw)は、下記の通りとなる(尚、ここでは東西南北全てを示すが、風向予報に関係するものだけで構わない。上記一例のように風向予報が北東の例であれば、北と東だけでも構わない)。
北の場合: 90kW
東の場合:100kW
南の場合:100kW
西の場合:100kW
尚、これらは、図7(a)、(b)のパワーカーブ補正テーブルに予め登録されている設計値と補正値とに基づいて算出するものである。但し、この例に限らず、例えば、パワーカーブ補正テーブルには、設計値も補正値も登録されず、代わりに上記発電量補正値(kw)そのものが予め登録されていてもよい。
風向予報が東西南北の何れかであれば、その風向きに応じた上記発電量補正値(kw)をそのまま演算結果(風力発電量予測値)として用いればよい。
風向予報が東西南北以外であれば、上記東西南北の発電量補正値(kw)のうち風向予報に関係する方向の2つの発電量補正値(kw)を用いて、これら2つの発電量補正値を風向予報に応じた加重比を用いて加重平均することで、風力発電量予測値を求める。例えば、風向予報が北北東であれば、上記北の場合の発電量補正値(=90kW)と上記東の場合の発電量補正値(=100kW)の2つの発電量補正値を用いることになる。
そして、実施例1等と略同様の加重平均を用いる手法により、これら2つの発電量補正値から風力発電量予測値を求める。
例えば風向予報が北東である場合には、北東は北と東の丁度中間であることから、50:50の加重比で平均化することになり、下記の(6)式で風力発電量予測値を求めることになる。
風力発電量予測値=(100kW×50+90kW×50)/100
=(100kW+90kW)/2=95kW ・・・(6)式
となる。
あるいは、上記の例において、仮に風向予報が北北東であったならば、25:75の加重比で平均化することになり、従って、
風力発電量予測値=(100kW×25+90kW×75)/100
=(100kW+90kW×3)/4=92.5kW
となる。
また、仮に予測時間帯における風上側風車の運転予定が停止(OFF)であるならば、上記図7(a)のテーブルを用いる代わりに図7(b)のテーブルを用いることになる。
また、例えば、風上側の風車の稼働率を考慮する場合には、図7(a)、(b)のパワーカーブ補正テーブルそれぞれを用いて、上記のように風力発電量予測値を求めて、これら求めた2つの風力発電量予測値を、風上側風車の稼働率に応じた加重比で平均化することで、最終的な風力発電量予測値を求めることになる。仮に、風上側風車の稼働率が90%とした場合には、上記2つの風力発電量予測値を、90:10の加重比で平均化することで、最終的な風力発電量予測値を求めることになる。
また、更に、予測対象の風車の稼働率を用いて修正を施して、最終的な予測値とするようにしてもよい。仮に、予測対象の風車の稼働率が80%の場合は、最終的な風力発電量予測値に対して0.8を乗じることで、最終的な予測値とする。
尚、上述した処理と予測値は、未来の任意の時間帯(例えば翌日の2時〜3時の1時間分など)に関する発電量予測処理とその結果である。もし、気象予報が1時間ごとm時間先まである場合は、上記処理をm回行うことで、m時間先まで求めることができる。
本手法の利点として、風向に関するパワーカーブが少なくても、その間の風速は加重平均にて求めることができるので、精度の高い予測値を得ることができること、および少ないパワーカーブのテーブルだけで予測できるので、エンジニアリング・コストを削減できる点があげられる。
次に、以下、実施例5について説明する。
本実施例5は、上記実施例2と同様にファジィ推論にて発電量を求めるものであるが、実施例2における図4に示すような風速補正テーブルの代わりに、不図示のパワーカーブ補正テーブルが予め記憶されている。
不図示のパワーカーブ補正テーブルは、例えば図4のように風上側風車が運転ONの場合とOFFの場合とに応じて2つ用意されると共に、風向きを0°〜360°で扱って任意の角度範囲毎(例えば上記“212°±10°等)に対応付けて、補正値が格納されているものである。但し、図4では補正値は風速に係る補正値であったが、パワーカーブ補正テーブルに登録される補正値は、図7と同様に発電量に係る補正値となる。更に、図7と同様に各風速毎の発電量(設計値)も登録される。
但し、この例に限らず、実施例4と略同様に、補正値と設計値の代わりに、発電量補正値(補正後の発電量)そのものが登録されていてもよい。当然、この場合には、補正値と設計値とに基づいて発電量補正値(補正後の発電量)を算出する処理は必要ない。
また、例えば図5に示す例のようなメンバシップ関数も、予め記憶されている。
ここで、実施例5に関しても、図1に示す構成図を用いて説明する。
実施例5に関する図1の各処理機能部は、まず、気象予報入力機能部11及び風力発電設備運転情報取得部12は、実施例1と略同様であり、ここでは特に説明しない。また、予測値格納部15も、発電量計算機能部14によって求められた発電量予測値が格納されるという点では、実施例1と略同様である。
パワーカーブ記憶部13と補正テーブル記憶部16は削除され、これらの代わりに上述した不図示のパワーカーブ補正テーブルが予め記憶されるパワーカーブ補正テーブル記憶部が設けられる。
パワーカーブ補正テーブルの内容は、例えば以下の2種類である。
通常時(風向212°以外の場合)(PC1): 発電量PC1=fPC1(風速)
風向212°の場合(PC2): 発電量PC2=fPC2(風速)
※fPC1、fPC2は、特に具体例は示さないが、任意の風速値に応じた発電量を算出するための関数等である。
※風向は北風が0°で、時計まわり
尚、ここでは、212°の方向に、風上側風車が存在する場合を想定している。
発電量計算機能部14は、まず、上記2つの発電量PC1、PC2を求める。これは、気象予報入力機能部11を介して得られた風速予報値を上記(風速)に代入することで算出される。
次に、図5(a)に示すメンバシップ関数を参照して、気象予報入力機能部11を介して得られた風向予報に応じた加重比を求める。
つまり、図5(a)の例のメンバシップ関数を参照する場合には、予報される風向が212°の場合は、上記発電量PC2に対する加重比pc2を1.0とし、上記発電量PC1に対する加重比pc1を0.0とする。一方、予報される風向が190°以下や、234°以上の場合は、上記発電量PC1に対する加重比pc1を1.0とし、上記発電量PC2に対する加重比pc2を0.0とする。風向が190°から234°の範囲内の任意の値である場合は、図5(a)のメンバシップ関数から読み取った加重比pc1、pc2を用いる
最終的な発電量予測値PCは次式で求める
発電量予測値PC=(発電量PC1×加重比pc1+発電量PC2×加重比pc2)/(加重比pc1+加重比pc2)
図8は、本実施例5の効果を示す為の実験結果である。
図8のグラフは、横軸が時間、縦軸が任意の風力発電設備の発電出力(kW)である。但し、グラフには風向もあり、この場合、縦軸は右側に示すように0°〜360°で表される風向となる。
図8には、発電出力の実績値を実線で示し、発電出力の予測値を点線または一点鎖線で示す。点線は本実施例5によるファジイ推論を適用した場合であり、一点鎖線はファジイ推論を適用しなかった場合(従来技術)である。
これより、図8に示すように、ファジィ推論未使用時の発電量は実績値よりも大きいのに対し、ファジィ推論適用時は風向が212°付近のときに発電出力が低下し実績値に近い値になっている。
なお、本実施例5では、説明を簡単にするため単純なファジィ推論により加重比を求めたが、複数のパワーカーブを用いてもよいし、風向だけでなく風上側風車の運転状態も入力条件にしてもよい。
本実施例5の上記一例では、パワーカーブ補正テーブルにわずか2種類の発電量補正PC1、PC2を用意しただけで、風向ごとに異なる発電量の低下状態を精度よく表現することができる。
以上説明した本手法の特に実施例1,2,3によれば、以下の効果が得られる。
風力発電予測に関して、風速の予測と、発電量への換算の2段階で行われる。たとえ風速の予測が正確であっても発電量の換算が正確でないと適切な発電量予測値が得られない。その逆に、発電量の換算が正確であっても風速の予測が正確でないと適切な発電量予測値が得られない。
ここで、例えば日本のような山が多い地形にある風力発電所では、実際に風車が受ける風は、気象予報どおりの風速が得られない場合があった。
これに対して、これまでの風力発電量予測では、特殊な計測装置により実測する必要があったり、風向毎に細かな補正を行うためには多くのテーブルを用意する必要があり、エンジニアリング・コストが掛かった。また、従来の物理モデルを用いる方法は、高精度であるが、膨大な地形情報や計算コストが必要であり、やはり高コストであった。
本手法では、既設の風力発電所の計測データと一般的な気象予報/気象観測データだけでデータベースを構築でき、特に所定方向(東西南北など)に関する補正情報だけを登録すればよく、更に運用時には一般的な気象予報等に基づいて、データベースを参照した補正を行うことで、各風力発電設備毎に受ける風の風速やそれに応じた発電量を、的確に予測することが可能であり、低コストで高精度の風力発電量予測を可能にする。
本手法では、一般的な気象予報データと補正用データだけで各風力発電設備毎の風力発電量を的確に予測でき、特に加重平均またはファジィ推論を用いることで補正用データのデータ量削減を図り、以ってエンジニアリング・コストを低減できる。特に、風向毎に補正するためのデータベースは有するが、全ての風向に対してデータベースを持つ必要がないため、事前のデータベース設定が容易であり、エンジニアリング・コストを削減でき、以って低コストで高精度な予測値を得ることができる。
本手法を用いることにより、容易・かつ正確に発電量への換算が可能になり、風力発電量予測の精度向上に寄与できる。
更に、特にウィンドファームなどの複数の風車がある場合は、風上側風車の運転状態によって風下側風車が受ける風速が変化するため、風下側風車に関して適切な発電量予測が難しかった。
これに対して、本手法では、上記特徴・効果に加えて更に、上記データベースとして風上側風車の稼働状態に応じた複数種類のテーブルを設け、風上側風車の運転スケジュールに基づいて該当するテーブルを用いて風速補正を行うことで、風上側風車の稼働状態まで考慮して風力発電量を的確に予測することができる。
風上側風車に関しては、それが運転中(ON)の場合とメンテナンス等で停止中(OFF)の場合とで、予測対象の風車が受ける風速に与える影響が異なる。この点を想定して、風上側風車がONの場合とOFFの場合とに応じた2種類の補正テーブルを用意することで、より的確な風力発電量予測を実現できる。
この様に、本手法は、山や建造物等による影響を考慮して、一般的な気象予報による風速予報値を各風力発電設備毎に補正することで、各風力発電設備(その風車)が実際に受ける風速を的確に予測し、以って発電量を的確に予測することができる。
また、風速/発電量を補正するためのデータベースは、全ての風向に対する補正用データを登録しなくてもよいので(例えば東西南北の4方向のみ登録)、事前のデータベース設定が容易であり、エンジニアリング・コストを削減することが可能である。
このように、本発明は、既存の風力発電所設備で得られる観測情報と一般的な気象予報だけで的確な風力発電量予測を実現でき、低コストで高精度な予測値を得ることができる。
10 風力発電量予測システム
11 気象予報入力機能部
12 風力発電設備運転情報取得部
13 パワーカーブ記憶部
14 発電量計算機能部
15 予測値格納部
16 補正テーブル記憶部

Claims (9)

  1. 任意の風力発電設備の発電量を予測する風力発電量予測システムであって、
    外部から風向・風速予報値を取得する風向・風速予報値取得手段と、
    予め前記風速予報値を補正するための補正用データが記憶される補正用データ記憶手段と、
    予め前記風力発電設備に係わる風速と発電量との関係を示すパワーカーブが記憶されるパワーカーブ記憶手段と、
    前記風向・風速予報値と前記補正用データと前記パワーカーブとを用いて、加重平均またはファジィ推論によって、前記任意の風力発電設備が受ける風に応じた風力発電量予測値を求める風力発電量算出手段と、
    を有することを特徴とする風力発電量予測システム。
  2. 前記補正用データは、複数の所定の風向毎に、各風速に対応する補正データが格納された風速補正テーブルであり、
    前記風力発電量算出手段は、
    前記風速補正テーブルを参照して、前記風向予報が示す風向に係わる1以上の前記所定の風向毎に、前記風速予報値に対応する前記補正データを用いて風速補正値を求めると共に、前記パワーカーブを用いて、前記求めた1以上の風速補正値毎に対応する発電量を求め、
    複数の発電量が求められた場合には、該複数の発電量を前記風向予報に応じた加重比で平均化することで、前記風力発電設備が受ける風に応じた風力発電量予測値を求めることを特徴とする請求項1記載の風力発電量予測システム。
  3. 前記風速補正テーブルには、前記補正データの代わりに前記風速補正値が格納されており、
    前記風力発電量算出手段は、前記風速予報値に対応する前記補正データを用いて風速補正値を求める代わりに、前記風速予報値に対応する前記風速補正値を前記風速補正テーブルから取得することを特徴とする請求項2記載の風力発電量予測システム。
  4. 前記補正用データは、所定の各風向範囲毎に、各風速に対応する補正データが格納された風速補正テーブルと、前記各風向範囲毎に、各風向に対応する加重比が規定されたメンバシップ関数であり、
    前記風力発電量算出手段は、
    前記風速補正テーブルを参照して、前記各風向範囲毎に、前記風速予報値に応じた前記補正データを用いて風向範囲毎風速補正値を求めると共に、前記メンバシップ関数を参照して、前記各風向範囲毎に、前記風向予報値に応じた前記加重比を求め、
    前記求めた複数の風向範囲毎風速補正値および複数の加重比を用いて、前記風速予報値を補正した風速補正値を算出し、
    該算出した風速補正値と前記パワーカーブとによって、前記風力発電設備が受ける風に応じた風力発電量予測値を求めることを特徴とする請求項1記載の風力発電量予測システム。
  5. 前記風速補正テーブルには、前記補正データの代わりに前記風向範囲毎風速補正値が格納されており、
    前記風力発電量算出手段は、前記風速予報値に応じた前記補正データを用いて風向範囲毎風速補正値を求める代わりに、前記風速予報値に対応する前記風向範囲毎風速補正値を前記風速補正テーブルから取得することを特徴とする請求項4記載の風力発電量予測システム。
  6. 前記風向は、360°で表されることを特徴とする請求項4または5記載の風力発電量予測システム。
  7. 前記任意の風力発電設備が受ける風に影響を及ぼし得る他の風力発電設備が存在する場合、前記補正用データ記憶手段に記憶される前記風速補正テーブルは、当該他の風力発電設備の運転時、停止時それぞれに応じた2つの風速補正テーブルであり、
    前記風力発電量算出手段は、前記他の風力発電設備の運転予定情報に基づいて、該2つの風速補正テーブルの何れか一方を用いて、前記風速補正値または前記風向範囲毎風速補正値を求めることを特徴とする請求項2または4記載の風力発電量予測システム。
  8. 前記任意の風力発電設備が受ける風に影響を及ぼし得る他の風力発電設備が存在する場合、前記補正用データ記憶手段に記憶される前記風速補正テーブルは、当該他の風力発電設備の運転時、停止時それぞれに応じた2つの風速補正テーブルであり、
    前記風力発電量算出手段は、該2つの風速補正テーブルそれぞれを用いることで、前記風力発電量予測値を2つ求め、該求めた2つの風力発電量予測値を、前記他の風力発電設備の稼働率に応じた加重比で平均化することで、前記風力発電設備が受ける風に応じた風力発電量予測値を求めることを特徴とする請求項2または4記載の風力発電量予測システム。
  9. 任意の風力発電設備の発電量を予測する風力発電量予測システムのコンピュータを、
    外部から風向・風速予報値を取得する風向・風速予報値取得手段と、
    予め前記風速予報値を補正するための補正用データが記憶される補正用データ記憶手段と、
    予め前記風力発電設備に係わる風速と発電量との関係を示すパワーカーブが記憶されるパワーカーブ記憶手段と、
    前記風向・風速予報値と前記補正用データと前記パワーカーブとを用いて、加重平均またはファジィ推論によって、前記任意の風力発電設備が受ける風に応じた風力発電量予測値を求める風力発電量算出手段、
    として機能させるためのプログラム。
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