JP2013096984A - 構造物表面の除染方法および除染剤 - Google Patents

構造物表面の除染方法および除染剤 Download PDF

Info

Publication number
JP2013096984A
JP2013096984A JP2011253236A JP2011253236A JP2013096984A JP 2013096984 A JP2013096984 A JP 2013096984A JP 2011253236 A JP2011253236 A JP 2011253236A JP 2011253236 A JP2011253236 A JP 2011253236A JP 2013096984 A JP2013096984 A JP 2013096984A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
decontamination
agent
alginate
decontaminated
metal salt
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2011253236A
Other languages
English (en)
Inventor
Fumiyoshi Kasahara
文善 笠原
Yasuhiro Yugawa
恭啓 湯川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
BINOS CORP
KIMICA CORP
Original Assignee
BINOS CORP
KIMICA CORP
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by BINOS CORP, KIMICA CORP filed Critical BINOS CORP
Priority to JP2011253236A priority Critical patent/JP2013096984A/ja
Publication of JP2013096984A publication Critical patent/JP2013096984A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Paints Or Removers (AREA)

Abstract

【課題】建築物、道路など構造物の内側や外側の被除染表面に対し、低コストで放射性物質などの汚染物質を回収することができ、二次汚染を生じさせることのない除染方法および除染剤を提供することを目的とする。
【解決手段】アルギン酸の一価金属塩(A)と、アルギン酸塩以外の多価金属塩を含む除染剤(B)を、被除染表面に塗布または散布した後にゲル化させる塗布ゲル化工程と、ゲル化して放射性汚染物質を吸着内包した除染剤を、建築物などの表面から除去する除染剤除去工程とを有することを特徴とする除染方法であることを特徴とする。
【選択図】図3

Description

発明の詳細な説明
本発明は、構造物表面の除染方法および除染剤に係り、特に、放射性物質を含む汚染物が付着した建築物、道路など構造物の外部表面および内部表面の除染技術に関する。
原子力発電、原子力研究などの原子力関連施設や、放射性廃棄物の処理施設では、放射性物質の取扱い作業などによって、周辺の建物、道路などの外部や内部表面が、ヨウ素,ストロンチウム,セシウム,プルトニウムなどの放射性物質によって汚染されることがある。また、それら施設が自然災害などの被害を受けて制御不能となり、放射性物質が大気中に放出される事故が発生すると、広範囲にわたる領域の建物、道路などの表面が放射性物質によって汚染されることもある。
放出される放射性物質には半減期の長い元素も多く、建築物、道路などの外部および内部表面に付着したものは強い放射線を出し続けるので、周辺に生活する人にとっては放射線被爆による健康被害の危険性が高い。したがって、放射性物質の付着した構造物については、なるべく早期の除染が望まれる。
従来、建築物、道路など構造物の表面に放射性汚染物質が付着している場合には、高圧流水を汚染面に当てて洗浄し、発生した廃液を回収して、最終処分場で処理することが行われている。しかしながら、構造物の表面をくまなく高圧洗浄することは容易でなく、洗浄、廃液回収、運搬および処分に多大なコストがかかることがある。
また高圧洗浄時には放射性汚染物質を含む飛沫が飛散し、除染対象物以外の場所へ汚染を拡散してしまうおそれがある。さらに、放射性汚染物質を含む洗浄廃液が適切に回収されない場合、放射性物質を含む排水が周囲に流出したり、地下浸透したりして、より汚染範囲を広げてしまうことも懸念される。
近年、このような課題に対して、下記の処理方法が提案されている。
特許文献1は、粘着剤をポリマーシートの片面に張り付けてなる養生シートを有することを特徴とする除染シートである。また、特許文献2は、界面活性除染剤と光触媒からなるゲル除染剤を光触媒反応させて被汚染面に塗装被膜を形成し、皮膜を除去することにより除染することを特徴としている。さらに、特許文献3は、スチレン−ブタジエン共重合体などからなる水溶性エマルジョンを被除染面に塗布し、フィルム状にして除染することを特徴としている。
特開平7−318693号公報 特開平11−101894号公報 特表2004−533499号公報
しかし、特許文献1のような除染方法では、粘着剤の表面積以上には汚染物質を取り込むことができず、しかも凹凸のある表面では充分に除染することができない。また、特許文献2のような除染方法および除染剤では、光触媒のコストが高い上に、ゲル化のためには紫外線、X線などの放射光発生装置が必要で、広範囲の表面に適用することは困難である。さらに特許文献3のようなスチレン−ブタジエン共重合体などを含む除染剤は生物分解され難く、除染作業時に除染剤の取り残しがあると、除染斉自体が残留して、環境に負荷をかけるという課題があった。
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意研究した結果、放射性物質に汚染された構造物の表面を除染するために、アルギン酸塩からなるゲルにより被除染表面を覆い、放射性汚染物質を吸着内包させ、除去することが有効であることを知見し、本発明に至った。
すなわち、
(1) アルギン酸の一価金属塩と、アルギン酸塩以外の多価金属塩とを主な成分とする除染剤を、被除染表面に塗布または散布し、被除染表面にアルギン酸ゲルからなる塗膜を形成する工程と、形成された塗膜とともに被除染表面に付着している放射性物質を剥離除去する除去工程とを有することを特徴とする除染方法に関する。
(2) 請求項1記載の塗膜形成工程において、アルギン酸の一価金属塩を主な成分とする除染剤(A)と、アルギン酸塩以外の多価金属塩を主な成分とする除染剤(B)とに分け、被除染表面に対してA,Bを連続して散布または塗布し、ゲル化させることを特徴とする請求項1記載の除染方法に関する。
(3) また、上記(1)〜(2)記載の除染剤であって、アルギン酸の一価金属塩(A)が、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸カリウム、アルギン酸アンモニウムの少なくとも1つであることを特徴とする除染剤に関する。
(4) さらに、上記(1)〜(3)記載の除染剤であって、アルギン酸塩以外の多価金属塩(B)が、カルシウム、亜鉛、銅、バリウム、鉄、アルミニウム、ニッケル及びマンガンからなる化合物の少なくとも1つであることを特徴とする除染剤に関する。
本発明は、イオン交換反応によってゲル化するアルギン酸の性質を応用した除染剤を塗布または散布するもので、放射性物質で汚染された広範囲かつ凹凸のある表面であってもこれをまんべんなく覆い、付着した汚染物質を効果的に除去できる。また、大量の水を使う高圧洗浄とは異なり、室内においても除染処理が可能である。本発明の除染剤は、特殊な装置や硬化剤を使うことなく、常温でゲル化して固化するので、除染処理が容易でかつ除染にかかるコストを低減することができる。また、被汚染表面の放射性汚染物質を集中的に固化し、剥離除去できるので、高圧洗浄のように放射性物質を含む洗浄水を周囲に撒き散らすこともない。発生する廃棄物は回収が容易であり、発生量も最小限に留めることができるため、回収と処分にかかるコストを大幅に抑えることができる。また、放射性物質は除染剤によってゲル状に固化された塗膜中に包含されているので、廃棄物運搬時などにおいて放射性物質が周囲に漏洩したり、作業者に移行したりすることを防ぐことができる。さらに、本発明による除染剤は主成分が天然植物由来のアルギン酸であることから、発生する廃棄物は生物分解されやすく、環境への負担が少ない。
本発明に係る除染方法および除染剤の一実施形態を示す正断面図であって、被汚染表面に除染剤を塗布または散布した図である。 本発明に係る除染方法および除染剤の一実施形態を示す正断面図であって、被汚染表面の放射性汚染物資を吸着内包してゲル化した除染剤を示す図である。 本発明に係る除染方法および除染剤の一実施形態を示す正断面図であって、建築物などの表面から、放射性汚染物資を吸着内包してゲル化した除染剤を除去した図である。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
第一実施例として、
除染剤として、アルギン酸の一価金属塩がアルギン酸ナトリウム水溶液からなる除染剤(A)と、塩化カルシウム水溶液からなる除染剤(B)を用意する。
次に、除染剤を任意の手段、例えばブラシ、ローラー、シャワーあるいは噴霧によって被除染表面に塗布または散布する。続いて除染剤(B)を任意の手段、例えばブラシ、ローラー、シャワーあるいは噴霧によって、図1のように被汚染表面に塗布する。この時、除染剤(A)と除染剤(B)を塗布する順序および回数に特に制限は無い。
除染剤(A)と除染剤(B)が接触混合することにより、除染剤中のアルギン酸分子とカルシウムイオンによるイオン架橋反応が起こりゲル化する。この際、図2のように除染剤は被除染表面において汚染物質を内含しながら固化する。
所定の時間が経過し十分にゲル化が進行すると、図3に示すようにゲル化した除染剤を建物など構造物の表面から剥離、除去することができるようになる。このとき、内包された汚染物質も、ゲル化した除染剤と共に除去される。
第二実施例として、
アルギン酸ナトリウムと硫酸カルシウム、およびゲル化時間調整剤としてピロリン酸ナトリウム、グルコノデルタラクトンを含む除染剤(C)を用意し、これを溶解して水溶液とする。
除染剤(C)の溶液を任意の手段、例えばブラシ、ローラー、シャワーあるいは噴霧によって、被除染表面に塗布または散布する。
除染剤(C)に含まれるアルギン酸ナトリウムとカルシウム塩は、ゲル化時間調整剤の働きにより、図2のように、被除染表面に展開した後にイオン化し、架橋反応によりゲル化する。このとき、除染剤は被除染表面で汚染物質を内含しながら固化する。
所定の時間が経過し十分にゲル化が進行すると、図3に示すようにゲル化した除染剤を建物などの構造物の表面から剥離、除去することができるようになる。このとき、内包された汚染物質も、ゲル化した除染剤と共に除去される。

Claims (4)

  1. アルギン酸の一価金属塩と、アルギン酸塩以外の多価金属塩とを主な成分とする除染剤を、被除染表面に塗布または散布し、被除染表面にアルギン酸ゲルからなる塗膜を形成する工程と、形成された塗膜とともに被除染表面に付着している放射性物質を剥離除去する除去工程とを有することを特徴とする除染方法。
  2. 請求項1記載の塗膜形成工程において、アルギン酸の一価金属塩を主な成分とする除染剤(A)と、アルギン酸塩以外の多価金属塩を主な成分とする除染剤(B)とに分け、被除染表面に対してA,Bを連続して散布または塗布し、ゲル化させることを特徴とする請求項1記載の除染方法。
  3. 請求項1〜2記載の除染剤であって、アルギン酸の一価金属塩が、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸カリウム、またはアルギン酸アンモニウムの少なくとも1つであることを特徴とする請求項1〜2のいずれか1項に記載の除染剤。
  4. 請求項1〜3記載の除染剤であって、アルギン酸塩以外の多価金属塩が、カルシウム、亜鉛、銅、バリウム、鉄、アルミニウム、ニッケル及びマンガンからなる化合物の少なくとも1つであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の除染剤。
JP2011253236A 2011-11-02 2011-11-02 構造物表面の除染方法および除染剤 Pending JP2013096984A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2011253236A JP2013096984A (ja) 2011-11-02 2011-11-02 構造物表面の除染方法および除染剤

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2011253236A JP2013096984A (ja) 2011-11-02 2011-11-02 構造物表面の除染方法および除染剤

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2013096984A true JP2013096984A (ja) 2013-05-20

Family

ID=48619038

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2011253236A Pending JP2013096984A (ja) 2011-11-02 2011-11-02 構造物表面の除染方法および除染剤

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2013096984A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2019015658A (ja) * 2017-07-10 2019-01-31 太平電業株式会社 使用済み除染剤の処理方法
JP2019015659A (ja) * 2017-07-10 2019-01-31 太平電業株式会社 除染剤
JP2022152804A (ja) * 2021-03-29 2022-10-12 太平電業株式会社 除染装置及び除染方法

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2019015658A (ja) * 2017-07-10 2019-01-31 太平電業株式会社 使用済み除染剤の処理方法
JP2019015659A (ja) * 2017-07-10 2019-01-31 太平電業株式会社 除染剤
JP2022152804A (ja) * 2021-03-29 2022-10-12 太平電業株式会社 除染装置及び除染方法
JP7371872B2 (ja) 2021-03-29 2023-10-31 太平電業株式会社 除染装置及び除染方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5775818B2 (ja) 多孔質固体媒体の動電学的除染方法
JP2013096984A (ja) 構造物表面の除染方法および除染剤
WO2013065744A1 (ja) 除染剤及びそれを用いる除染方法
JP2015508300A (ja) 除染ゲル及び前記ゲルを用いた湿潤化により表面を除染するための方法
Gossard et al. Gels, coatings and foams for radioactive surface decontamination: State of the art and challenges for the nuclear industry
Moore et al. Decontamination of caesium and strontium from stainless steel surfaces using hydrogels
JP6052761B2 (ja) 水溶性又は水分散性高分子を利用した構造物からの放射性物質除染溶液及び該放射性物質除染溶液を用いた放射性物質除染方法
JP2013096983A (ja) 土壌除染方法および土壌除染剤
JP6560303B2 (ja) 使用済み除染剤の処理方法
JP6560304B2 (ja) 除染剤
US20120119001A1 (en) Environmental contamination inhibition
JP2914506B2 (ja) コンクリート表面付着有害物質の除去方法
JP6064220B2 (ja) 放射性セシウム汚染土壌の除染方法及び放射性セシウムの拡散防止方法
KR101244755B1 (ko) 방사능 오염물질 제거 조성물 및 이를 이용하여 오염물질을 제거하는 방법
Mahrous et al. Polymeric gel for surface decontamination of long-lived gamma and beta-emitting radionuclides
JP5962072B2 (ja) 放射性物質除染システム、および放射性物質除染方法
JP4373416B2 (ja) アスベスト等の飛散性粉塵の飛散防止又は固定液
JP2006316440A (ja) 建設工事用シートおよび建設現場におけるvocの発散抑制方法
JP2013178197A (ja) 放射能汚染物質洗浄剤および放射能汚染物質の洗浄方法
KR100274703B1 (ko) 점토를 기본물질로한 방사성 오염 표면 제염용 겔형 제염제 및 그제조방법
JP2013255903A (ja) 環境改善材
JP2014142312A (ja) 放射性物質の除去方法および塗料
JP2014052230A (ja) 除染方法及びそれに用いる溶液、装置
JP2014190978A (ja) 放射能汚染処理物の除染方法およびその除染装置
JP2008139232A (ja) コンクリート表面の切削方法