JP2013093728A - 携帯端末及びその送信電力制御方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】無線通信を行う携帯端末であって、送信時にアンテナからの反射電力を測定するための方向性結合器と、反射電力のレベルを測定する電力レベル測定部と、測定した前記反射電力のレベルが予め定められた基準値を超えないように送信電力の抑制制御を行う送信電力制御部とを備える。
【選択図】図3
Description
この基準にはSAR(Specific Absorption Rate)と呼ばれる指標が用いられ、単位質量の組織に単位時間に吸収されるエネルギー量であらわす。SARの単位はW(ワット)/kg(キログラム)で、値が大きいほど人体に対する影響が大きいことを意味する。
そこで、携帯端末を人体頭部等に近接した位置で使用する場合に限って、送信電力を低くすることが望まれる。
この一方法として、光センサを用いて携帯端末が人体頭部等に接近しているか否かを判断する技術が知られている。このような携帯端末では、携帯端末を人体側頭部に近づけて使用する場合に人体側頭部によって覆われると想定される位置に光センサの受光部が設置されており、受光部へ入る光量が一定値以下に減少したら人体側頭部近くで使用されていると判断する。
また、人体頭部等が近接しているかを検出するための専用のセンサを携帯端末に搭載するのはコストがかかるという問題もある。
携帯端末に誘電体としての性質を有する人体頭部等が近づくと携帯端末のアンテナの特性が変化し、空間インピーダンスとの不整合が生じ、携帯端末のアンテナから送信される送信電力の一部は、空中に放射されずに反射電力としてアンテナと接続した電子回路に帰還する。そして、携帯端末と人体頭部等の距離が接近するほど反射電力は大きくなる。
反射波の反射電力の一部は、アンテナまでの送信経路に接続した方向性結合器を用いることで取り出すことができる。よって、方向性結合器で取り出された反射波の反射電力のレベルを測定し、その測定結果に基いて、携帯端末が人体頭部等に近接した状態で使用されているか否かを判断することができる。
ファントムヘッド100は、SARの測定に用いられる人体の頭部形状の内部を人体等価液剤で満たした人頭部模型である。ファントムヘッド100の耳部から、同図に示す0〜15mm離れた各位置に携帯端末1を設置して、携帯端末1から電波を送信してその時の反射電力を測定する。以下、携帯端末1のファントムヘッド100への対向面とファントムヘッド100の耳部との間隔を、携帯端末1と人体頭部等との距離とよぶ。このようにして測定した反射電力のレベルをグラフ化したものが図2である。
ところで、SARの基準としては、例えば、米国では、一般的な携帯電話機の筐体(略直方体状)の前面及び背面それぞれについて、その表面からの距離が15〜25mmとなる位置で測定したSARを、一定基準値(1.6W/kg)以下にすることが求められる。また、ワイヤレスルータ機能を有するタブレット形の携帯端末については、その筐体(略直方体状)を構成する6面のうちのアンテナから25mm以上離れる面を除く各面それぞれについて、その表面からの距離が10mmとなる位置で測定したSARを、上記一定基準値(1.6W/kg)以下にすることが求められる。以下、このタブレット形の携帯端末に適用されるルールを、「10mmルール」という。
<構成>
図3は、本実施の形態の携帯端末1の送信電力制御を行うための主要部の機能構成を示す。
同図に示すように、携帯端末1は、制御部10、記憶部11、ベースバンド部12、無線部13、フィルタ14、増幅器15、方向性結合器16、方向性結合器17、切替部18、セレクタ19、アンテナ20、及び受信部21を備える。
図4(a)に、記憶部11に記憶する閾値テーブル400のデータ構造を示す。
閾値テーブル400は、項目として、使用する送信周波数401と送信周波数ごとに対応づけた反射電力のレベルの閾値402とを有する。具体的には、閾値402は、図1の携帯端末1と人体頭部等との距離が10mmの位置に携帯端末1を設置して使用する送信周波数ごとに反射電力を予め測定した値である。
無線部13は、CDMA方式による無線通信を行うための無線回路であり、IC(Integrated Circuit)等で実現される。無線部13は、ベースバンド部12から受領したデジタル変調後の信号を無線信号に変換し、フィルタ14を介して増幅器15に送出する機能を有する。また、無線部13は、電力レベル測定部131を有し、電力レベル測定部131は、切替部18が接続する方向性接合器を切替えるごとに送信電力のレベル又は反射電力のレベルを測定し、制御部10に測定結果を送る。
増幅器15は、PCS帯の送信信号の電力増幅用の増幅器であり、フィルタ14を介して受領した信号を、制御部10からの指示に従って増幅する機能を有する。
方向性結合器17は、反射電力の一部を取り出す機能を有し、端子17bからの反射電力のレベルは、結合端子17dを通して出力され、切替部18を介して無線部13の電力レベル測定部131で測定される。
セレクタ19は、アンテナ20と接続し、送信経路と受信経路とを切替えるスイッチである。
<動作>
次に上記構成を備える携帯端末1の動作について図を用いて説明する。
図5は、携帯端末1の制御部10による送信電力制御処理を示すフローチャートである。
制御部10は、切替部18を制御して方向性結合器17の結合端子17dを無線部13と接続する。無線部13の電力レベル測定部131は、反射波の反射電力のレベルPrを測定し、その測定結果を制御部10に送る(ステップS10)。
ステップS12でPr≧Pthの場合(ステップS12:YES)、すなわち制御部10が送信中の送信電力は、SARが基準を超える送信電力での送信であると判断した場合、制御部10は、送信電力を送信最大出力から1.1dB減衰させる(ステップS13)。具体的には、制御部10は、増幅器15への入力電流値を、送信電力の出力が送信最大出力から1.1bB減衰した出力となる出力電流が得られる入力電流値に減少させる。なお、増幅器の設計時に、入力電流の大きさに応じた出力電流の増幅量が予めわかっており、制御部10の送信電力抑制処理を行うプログラムに予めプログラムされているものとする。また、本実施の形態1では、SARが基準を超える送信電力であるのは、携帯端末1の最大送信電力と最大送信電力から1dB減衰した送信電力の範囲の送信電力である前提なので、SARが基準を満たす送信電力にするための減衰量を1.1dBと設定している。
制御部10は、ステップS12でPr≧Pthの条件を満たさない場合(ステップS12:NO)には、携帯端末1が通信中の基地局からの制御信号に、送信電力を上げる指示が含まれているか否かを判断する(ステップS14)。
このため、制御部10は、増幅器15に電力増幅を行うよう指示する(ステップS15)。具体的には、制御部10は、増幅器15への入力電流値を、送信電力の出力が現在送信している送信電力から1bB増幅した出力となる出力電流が得られる入力電流値に増加させる。ただし、切替部18で電力レベル測定部131に接続する方向性結合器を方向性結合器16に切替え、方向性結合器16の結合端子16cを通して電力レベル測定部131で送信電力のレベルを測定し、送信電力が携帯端末1の送信最大出力を超えないように増幅器15に入力する電流値を制御する。
以上により、本実施の形態1では、反射電力のレベルを用いて送信電力抑制の判断を行い、反射電力のレベルは携帯端末と人体頭部等の距離によって変化するので反射電力のレベルを利用することによって、人体頭部等への近接検出専用のセンサを携帯端末の外面に搭載することなく、携帯端末の人体頭部等への近接を検出し、人体頭部等に近接した場合に、SARが、定められた基準を満たすように送信電力の抑制制御を行う携帯端末を提供することができる。
<実施の形態2>
実施の形態1の携帯端末1では、送信電力の抑制を行うか否かの判断を反射電力の値を、予め定められた反射電力の閾値と比較することにより送信電力の抑制を行うか否かを判断したが、これに限らない。
以下、実施の形態2として、反射電力の送信電力の比に基く抑制制御について、実施の形態1で示したものと変更ない点についての説明は省略し、変更ある点を重点的に説明する。
<構成>
以下、本実施の形態2の携帯端末を携帯端末2、反射電力の送信電力に対する比を用いた閾値テーブル500を記憶する携帯端末2の記憶部を記憶部11b、同じく制御部を制御部10bとする。
閾値テーブル500は、項目として、使用する送信周波数501と反射電力の送信電力に対する比の閾値502を有する。具体的には、閾値502は、図1の携帯端末2と人体頭部等との距離が10mmの位置に携帯端末2を設置して、使用する送信周波数ごとに携帯端末2の最大送信出力で送信した場合に予め測定した反射電力の値と、最大送信出力に基いて計算した比を用いる。
図6は、携帯端末2の制御部10bによる送信電力制御処理を示すフローチャートである。
電力レベル測定部131は、図5のステップS10と同様に、反射波の反射電力Prを測定し、制御部10bに測定結果を送る(ステップS20)。
制御部10bは、ステップS23でRo≧Rthの場合(ステップS23:YES)で、さらに現在送信中の送信電力Ps≧(送信最大出力−1dB)である場合(ステップS24:YES)に、ステップS13と同様の処理で携帯端末2の送信最大出力から1.1dB減衰した送信出力にする(ステップS25)。
ステップS25の処理が完了した場合、ステップS27の処理が完了した場合、又はステップS26で基地局から送信電力を上げる指示の制御信号がない場合(ステップS26:NO)はステップS20からの処理を繰り返す。
<変形例>
以上、本発明に係る携帯端末を、実施の形態に基いて説明したが、以下のように変形することも可能であり、本発明は上述した実施の形態で示した通りの携帯端末に限られないことは勿論である。
実施の形態1、2では、この距離は、「10mmルール」に基いて定めたものであるが、SARの基準は国によって異なっているので、これら定められた基準を満たす送信電力となるよう制御しなければならない距離に基いて設定すればよい。
無線部に方向性結合器からの入力を受け付ける入力部を2つ設けて、切替部なしにそれぞれの方向性結合器の結合端子と接続するようにしてもよい。
(4)実施の形態において説明した各構成要素のうち、ベースバンド部、無線部、受信部を1チップ又は複数チップの集積回路で実現してもよいし、コンピュータのプログラムで実現してもよいし、その他どのような形態で実現してもよい。また、これらの各構成要素は、携帯端末が有するプロセッサと協働することにより、その機能を実現する。
<補足>
以下、更に本発明の一実施形態に係る携帯端末の構成及びその変形例と各効果について説明する。
この構成の携帯端末は、電波の送信時に、方向性結合器によって取り出した反射電力のレベルを電力レベル測定部で測定することができる。そして、測定結果に基いて、反射電力のレベルが予め定められた基準値を超えないように送信電力を抑制制御する。
(b)また、予め定められた基準値は、携帯端末本体と人体との間隔が規定の間隔となる位置で予め測定した反射電力のレベルの値であり、送信電力制御部は、送信時の反射電力のレベルが、基準値以下に設定した閾値以上の場合に送信電力の抑制を行い、そうでない場合には抑制を行わないこととしてもよい。
(c)また、送信電力の抑制を行うか否かの判断の閾値は、携帯端末本体と人体との間隔が規定の間隔となる位置におけるSARが一定基準を満たす送信電力のうち最大の送信電力で送信した場合に予め測定した反射電力の値としてもよい。
従って、携帯端末が人体に近接して使用されている場合におけるSARが、定められた基準を満たすように送信電力を抑制することができる。
従って、送信周波数ごとに送信電力の抑制制御が可能となる。
(f)また、携帯端末は、CDMA方式により無線通信を行うこととしてもよい。
この構成の携帯端末は、CDMA方式により無線通信を行う。
(g)本発明の一実施形態に係る携帯端末の送信電力制御方法は、無線通信を行う機能と、送信時にアンテナからの反射電力を取り出す方向性結合器とを有する携帯端末における送信電力制御方法であって、反射電力のレベルを測定する電力レベル測定ステップと、反射電力のレベルが予め定められた基準値を超えないように送信電力の抑制制御を行う送信電力制御ステップを備えることを特徴とする。
従って、携帯端末が人体に近接して使用されている場合のように反射電力が大きい場合に、SARが、定められた基準を満たすように送信電力を制御することができる。
10 制御部
11 記憶部
13 無線部
15 増幅器
16、17 方向性結合器
18 切替部
20 アンテナ
131 電力レベル測定部
Claims (7)
- 無線通信を行う携帯端末であって、
送信時にアンテナからの反射電力を取り出す方向性結合器と、
前記反射電力のレベルを測定する電力レベル測定部と、
測定した前記反射電力のレベルが予め定められた基準値を超えないように送信電力の抑制制御を行う送信電力制御部とを備える
ことを特徴とする携帯端末。 - 前記基準値は、前記携帯端末本体と人体との間隔が規定の間隔となる位置で予め測定した反射電力のレベルの値であり、
前記送信電力制御部は、送信時の反射電力のレベルが、前記基準値以下に設定した閾値以上の場合に前記送信電力の抑制を行い、そうでない場合には前記抑制を行わない
ことを特徴とする請求項1記載の携帯端末。 - 前記閾値は、前記携帯端末本体と人体との間隔が規定の間隔となる位置におけるSAR(Specific Absorption Rate)が一定基準を満たす送信電力のうち最大の送信電力で送信した場合に予め測定した反射電力の値とする
ことを特徴とする請求項2記載の携帯端末。 - 前記携帯端末は、使用する異なる送信周波数ごとに前記携帯端末本体と人体との間隔が規定位置で予め測定を行った反射電力のレベルの値を、前記送信周波数ごとの反射電力のレベルの閾値として対応づけて記憶する記憶部を有し、
前記送信電力制御部は、送信時の反射電力のレベルが、送信時の送信周波数に対応した前記閾値に達した場合に前記送信電力の抑制を行う
ことを特徴とする請求項1記載の携帯端末。 - 前記送信電力制御部は、送信時の前記反射電力の送信電力に対する比が、前記携帯端末本体と人体との間隔が規定位置において予め測定した反射電力の送信電力に対する比以上であり、かつ、前記アンテナから送信する送信電力のレベルが予め定められたレベル以上の場合に前記アンテナから送信する送信電力の抑制を行い、そうでない場合には前記抑制を行わない
ことを特徴とする請求項1記載の携帯端末。 - 前記携帯端末は、CDMA(Code Division Multiple Access)方式により無線通信を行うものである
ことを特徴とする請求項1記載の携帯端末。 - 無線通信を行う機能と、送信時にアンテナからの反射電力を取り出す方向性結合器とを有する携帯端末における送信電力制御方法であって、
前記反射電力のレベルを測定する電力レベル測定ステップと、
前記反射電力のレベルが予め定められた基準値を超えないように送信電力の抑制制御を行う送信電力制御ステップを備える
ことを特徴とする送信電力制御方法。
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