JP2013093446A - 薄膜製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】カルコゲン元素を含む化合物半導体の均一な薄膜を容易に生産する。
【解決手段】カルコゲン元素を含む化合物半導体の薄膜が製造される際に、該化合物半導体に含まれるカルコゲン元素以外の金属元素を含んでいる皮膜が一主面上に配されている1以上の基板が準備される。そして、一加熱炉内に該1以上の基板が配置される。さらに、一加熱炉内の異なる複数の被検出領域にそれぞれ含まれる気体におけるカルコゲン元素の濃度に応じて、複数のガス供給部によるカルコゲン元素を含んでいる気体の一加熱炉内への供給、および複数のガス排出部による一加熱炉内からの排気のうちの少なくとも一方が調整されることによって、各被検出領域における単位時間当たりの気体の流量が調整されながら、1以上の基板が加熱されることで、該1以上の基板上に前記化合物半導体の薄膜がそれぞれ形成される。
【選択図】図1

Description

本発明は、化合物半導体の薄膜を製造する方法に関する。
I−III−VI族化合物半導体から成る光吸収層を具備した太陽電池パネルがある。このI−III−VI族化合物半導体としては、Cu(In,Ga)Se2(CIGSとも言う)等といったカルコパイライト系の化合物半導体が採用される。
この太陽電池パネルでは、例えば、ガラス製の基板上に、例えば、Moから成る下部電極層が形成され、この下部電極層の上にI−III−VI族化合物半導体から成る光吸収層が形成されている。さらに、その光吸収層の上には、硫化亜鉛または硫化カドミウム等から成るバッファ層と、酸化亜鉛等から成る透明の上部電極層とがこの順に積層されている。
ところで、I−III−VI族化合物半導体から成る光吸収層を形成する種々の方法が提案されている。
例えば、I−B族元素単体の微粉末とVI−B族元素単体の微粉末とIII−B族元素を含む有機金属塩とが溶剤に分散した液を導電性基板上に塗布し、熱処理を行うことで、I−III−VI系の化合物半導体の薄膜を製造する方法が提案されている(特許文献1等)。この熱処理は、不活性気体中もしくは還元雰囲気で行われる。さらに、特許文献1には、熱処理が行われる雰囲気にVI−B元素もしくはVI−B族元素の化合物が存在すると、I−B族元素とIII−B族元素とによるアロイ膜と速やかに化合することが記載されている。
また、I−B族元素の有機金属塩とIII−B族元素の有機金属塩とを含む有機金属塩溶液を導電性基板上に被着させた後に、VI−B族元素を含む非酸化性雰囲気で熱処理を行うことで、I−III−VI系のカルコパイライト構造を有する化合物半導体の薄膜を製造する方法が提案されている(特許文献2等)。
また、薄膜気相成長装置において、同心円状に区切られた区間の何れかに供給される成膜反応ガスの流量および濃度のうちの少なくとも一方を調整することで、膜厚および電気特性が全面にわたって均一である薄膜が形成され得る方法および装置が提案されている(特許文献3等)。
特開2001−53314号公報 特開2001−274176号公報 特開2001−351864号公報
ここで、I−B族元素およびIII−B族元素の各元素に係る金属錯体を含む溶液が導電性基板上に塗布されることで皮膜が形成される場合を想定する。この場合、基板に形成された皮膜に対して不活性気体中もしくは還元雰囲気で熱処理が施されると、有機物が熱分解される。その後、有機物が熱分解された皮膜をそれぞれ有する複数の基板が、一つの加熱炉内に設置され、VI−B族元素としてのカルコゲン元素の気体を含む雰囲気において皮膜に熱処理が施されることで、I−III−VI族化合物半導体の薄膜が形成され得る。この製造方法によれば、I−III−VI族化合物半導体の薄膜が効率良く大量に生産され得る。
しかしながら、一つの加熱炉内に配置される複数の基板に形成されている各皮膜の略全面に、所望の量のカルコゲン元素をそれぞれ供給することは難しい。また、一つの加熱炉内に皮膜が形成されている一基板が配置される場合であっても、該一基板の皮膜の略全面に、所望の量のカルコゲン元素をそれぞれ供給することは容易でない。このため、I−III−VI族化合物半導体の薄膜間ならびに薄膜内において組成のばらつきが生じ得る。
上述したI−III−VI族化合物半導体の薄膜間あるいは薄膜内において組成のばらつきが生じ得る問題は、I−III−VI族化合物半導体の薄膜を製造する技術に限られず、カルコゲン元素を含む化合物半導体の薄膜を製造する技術一般に共通する。
そこで、カルコゲン元素を含む化合物半導体の均一な薄膜を容易に生産することができる製造方法が望まれている。
一態様に係る薄膜製造方法は、カルコゲン元素を含む化合物半導体の薄膜を製造する薄膜製造方法であって、前記化合物半導体に含まれる前記カルコゲン元素以外の金属元素を含んでいる皮膜が一主面上に配されている1以上の基板を準備する工程を有する。また、該薄膜製造方法は、一加熱炉内に前記1以上の基板を配置する工程を有する。さらに、該薄膜製造方法は、前記一加熱炉内の異なる複数の被検出領域にそれぞれ含まれる気体における前記カルコゲン元素の濃度に応じて、複数のガス供給部による前記カルコゲン元素を含んでいる気体の前記一加熱炉内への供給、および複数のガス排出部による前記一加熱炉内からの排気のうちの少なくとも一方を調整することによって、各前記被検出領域における単位時間当たりの気体の流量を調整しながら、前記1以上の基板を加熱することで、前記1以上の基板上に前記化合物半導体の薄膜をそれぞれ形成する工程を有する。
上記一態様に係る薄膜製造方法によれば、カルコゲン元素を含む化合物半導体の均一な薄膜を容易に生産することができる。
一実施形態に係る薄膜製造装置を示す概略図である。 図1にて一点鎖線II−IIで示した位置におけるXY断面を示す図である。 図1にて二点鎖線III−IIIで示した位置におけるXY断面を示す図である。 太陽電池パネルの製造フローを示すフローチャートである。 太陽電池パネルの製造途中の状態を模式的に示す図である。 太陽電池パネルの製造途中の状態を模式的に示す図である。 太陽電池パネルの製造途中の状態を模式的に示す図である。 太陽電池パネルの製造途中の状態を模式的に示す図である。 太陽電池パネルの製造途中の状態を模式的に示す図である。 太陽電池パネルの製造途中の状態を模式的に示す図である。 太陽電池パネルの製造途中の状態を模式的に示す図である。 太陽電池パネルの製造途中の状態を模式的に示す図である。 太陽電池パネルの構成を模式的に示す平面図である。 図13にて一点鎖線XIV−XIVで示した位置におけるXY断面を示す図である。 第1変形例に係る薄膜製造装置を示す概略図である。 第2変形例に係る薄膜製造装置を示す概略図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、図面においては同様な構成および機能を有する部分については同じ符号が付されており、下記説明では重複説明が省略される。また、図面は模式的に示されたものであり、各図における各種構造のサイズおよび位置関係等は正確に図示されたものではない。
なお、図1から図3および図5から図16には、加熱炉2および該加熱炉2に付属する各部の配置関係を明示するために、該加熱炉2の長手方向(例えば、図1の図面視左右方向)をX軸方向とする右手系のXYZ座標系が付されている。但し、複数のガス供給源S6、複数のガス排出調整部E7および制御部C1,C1A,C1Bについては、加熱炉2に対する配置関係が描かれたものではない。また、図1、図15および図16では、気体が流れる様子が破線の矢印によって模式的に描かれている。
<(1)一実施形態>
<(1−1)薄膜製造装置>
薄膜製造装置1は、加熱炉2、複数のガス供給部6、複数のガス排出部7、ヒーター8、複数のガス供給源S6、複数のガス排出調整部E7および制御部C1を備えている。図1では、加熱炉2、複数のガス供給部6、複数のガス排出部7およびヒーター8についてのXZ断面と、複数のガス供給源S6と、複数のガス排出調整部E7と、制御部C1とが模式的に示されている。図2および図3では、加熱炉2およびヒーター8のXY断面と、複数のガス供給部6と、複数のガス排出部7と、複数のガス供給源S6と、複数のガス排出調整部E7とが模式的に示されている。
加熱炉2は、略直方体の箱形を有している筐体である。加熱炉2の外縁は、XY平面に略平行な2面、XZ平面に略平行な2面およびYZ平面に略平行な2面を有している。そして、加熱炉2は、内部空間2Iを有している。なお、加熱炉2は、略直方体のものに限られず、加熱対象物を配置することが可能な内部空間を有していれば良い。また、加熱炉2の材料としては、例えば、耐熱性に優れているニッケル基の超合金等が採用され得る。ニッケル基の超合金とは、ニッケルを50質量%以上含む合金である。ニッケル基の超合金としては、例えば、インコネル(登録商標)等が挙げられる。
内部空間2Iには、カセット4が配される。カセット4には、2以上の所定数の加熱対象物である基板(被加熱基板とも言う)5が一方向に配列されている状態で装着される。ここでは、一方向がY方向であり、2以上の所定数が7である。さらに、カセット4では、各被加熱基板5の表裏の主面がXZ平面に略平行となる。つまり、隣り合う被加熱基板5同士が相互に対向し合っている。また、カセット4に装着されている隣り合う被加熱基板5の間隔は、例えば、略一定とされれば良い。
なお、図1から図3では、−Y側から1番目に配される被加熱基板5に符号51が付され、−Y側からn番目(ここではnは1〜7の整数)に配される被加熱基板5に符号5nが付されている。カセット4は、複数の被加熱基板5が配置される略直方体の空間領域(基板配置領域とも言う)4ARを囲む相互に連結された12の枠体を主に有している。図1から図3では、カセット4の外縁が一点鎖線で示されている。
図1および図2で示されるように、複数のガス供給部6のうちの一部のガス供給部6が、内部空間2Iの上部において一方向に垂直な他方向に配列されている。ここでは、他方向がX方向である。また、隣り合うガス供給部6の間隔は、例えば、略一定とされれば良い。なお、図1および図2では、内部空間2Iの上部において、−X側から1番目に配されているガス供給部6に符号61が付され、−X側からm番目(ここではmは1〜7の整数)に配されているガス供給部6に符号6mが付されている。各ガス供給部61〜67は、内部空間2Iの上部に沿って+Y側の端部から−Y方向に延設されている管状の部材である。また、各ガス供給部61〜67には、−Z側に複数の開口60が設けられている。各ガス供給部61〜67では、複数の開口60が一方向としてのY方向に略一定の間隔で配列されている。
また、図1および図3で示されるように、複数のガス供給部6のうちの残りの一部のガス供給部6が、内部空間2Iの下部において他方向としてのX方向に配列されている。また、隣り合うガス供給部6の間隔は、例えば、略一定とされれば良い。なお、図1および図3では、内部空間2Iの下部において、−X側から1番目に配されているガス供給部6に符号611が付され、−X側からn番目(ここではnは1〜7の整数)に配されているガス供給部6に符号61nが付されている。各ガス供給部611〜617は、内部空間2Iの底部に沿って−Y側の端部からY方向に延設されている管状の部材である。また、各ガス供給部611〜617には、+Z側に複数の開口60が設けられている。各ガス供給部611〜617では、複数の開口60が一方向としてのY方向に略一定の間隔で配列されている。
複数のガス供給源S6は、複数のガス供給部6に所定の気体を供給する。各ガス供給源S6は、例えば、所定の気体を貯蔵しているタンク、ポンプ、配管および弁等を有している。
図1において加熱炉2の上方に描かれているガス供給源S6のうち、−X側から1番目に配されているガス供給源S6に符号S61が付され、−X側からm番目(ここではmは1〜7の整数)に配されているガス供給源S6に符号S6mが付されている。そして、m番目のガス供給源S6mが、m番目のガス供給部6mに接続されており、m番目のガス供給部6mに所定の気体を供給する。これにより、複数のガス供給部61〜67が、基板配置領域4ARに向けて所定の気体を供給する。所定の気体は、カルコゲン元素を含む気体である。なお、カルコゲン元素は、Se、Te、Sのうちの少なくとも1以上の元素であれば良い。さらに、所定の気体には、カルコゲン元素の気体の他に、還元性の気体および不活性の気体のうちの少なくとも一方の気体(非酸化性気体とも言う)が含まれていれば良い。
図1において加熱炉2の下方に描かれているガス供給源S6のうち、−X側から1番目に配されているガス供給源S6に符号S611が付され、−X側からn番目(ここではnは1〜7の整数)に配されているガス供給源S6に符号S61nが付されている。そして、n番目のガス供給源S61nが、n番目のガス供給部61nに接続されており、n番目のガス供給部61nに所定の気体を供給する。これにより、複数のガス供給部611〜617が、基板配置領域4ARに向けて所定の気体を供給する。なお、各ガス供給源S6によって各ガス供給部6を介して内部空間2Iへ供給される所定の気体におけるカルコゲン元素の濃度は、例えば、略一定であれば良い。
図1および図2で示されるように、複数のガス排出部7のうちの一部のガス排出部7が、内部空間2Iの上部において他方向としてのX方向に配列されている。また、隣り合うガス排出部7の間隔は、例えば、略一定とされれば良い。なお、図1および図2では、内部空間2Iの上部において、−X側から1番目に配されているガス排出部7に符号71が付され、−X側からm番目(ここではmは1〜6の整数)に配されているガス排出部7に符号7mが付されている。そして、−Z側から見た場合、例えば、m番目のガス排出部7mが、m番目のガス供給部6mとm+1番目のガス供給部6m+1との間に配されている。
また、図1および図3で示されるように、複数のガス排出部7のうちの残りの一部のガス排出部7が、内部空間2Iの下部において他方向としてのX方向に配列されている。また、隣り合うガス排出部7の間隔は、例えば、略一定とされれば良い。なお、図1および図3では、内部空間2Iの下部において、−X側から1番目に配されているガス排出部7に符号711が付され、−X側からn番目(ここではnは1〜6の整数)に配されているガス排出部7に符号71nが付されている。そして、+Z側から見た場合、例えば、n番目のガス排出部71nが、n番目のガス供給部61nとn+1番目のガス供給部61n+1との間に配されている。
また、各ガス排出部7は、1以上の管状の部材を含んでいれば良い。該各管状の部材の内部空間は、開口70を介して加熱炉2の内部空間2Iに連通している。図2および図3では、各ガス排出部7に、複数の管状の部材ならびに複数の開口70が含まれている例が示されている。この場合、各ガス排出部7では、例えば、複数の開口70が一方向としてのY方向に略一定の間隔で配列されていれば良い。
複数のガス排出調整部E7は、複数のガス排出部7による内部空間2Iからの気体の排出を調整する。各ガス排出調整部E7は、例えば、排気用のポンプ、配管および弁等を有していれば良い。
図1で加熱炉2の上方に描かれているガス排出調整部E7のうち、−X側から1番目に配されているガス排出調整部E7に符号E71が付され、−X側からm番目(ここではmは1〜6の整数)に配されているガス排出調整部E7に符号E7mが付されている。そして、m番目のガス排出調整部E7mが、m番目のガス排出部7mに接続されており、m番目のガス排出部7mによる内部空間2Iからの気体の排出量を調整する。
図1で加熱炉2の下方に描かれているガス排出調整部E7のうち、−X側から1番目に配されているガス排出調整部E7に符号E711が付され、−X側からn番目(ここではnは1〜6の整数)に配されているガス排出調整部E7に符号E71nが付されている。そして、n番目のガス排出調整部E71nが、n番目のガス排出部71nに接続されており、n番目のガス排出部71nによる内部空間2Iからの気体の排出量を調整する。
ここで、ガス排出部7による内部空間2Iからの気体の排出量が多ければ、内部空間2Iにおいて、気体の排出を補うような気体の流れが生じ得る。例えば、複数のガス排出調整部E7によって複数のガス排出部7を介した内部空間2Iからの排気が調整されることで、各被検出領域9における単位時間当たりの気体の流量が調整され得る。具体的には、複数のガス排出調整部E7によって各ガス排出部7を介した内部空間2Iからの単位時間当たりの排気量が調整されることで、各被検出領域9における単位時間当たりの気体の流量が調整され得る。
また、例えば、複数のガス供給源S6によって複数のガス供給部6から内部空間2Iへの所定の気体の供給が調整されることで、各被検出領域9における単位時間当たりの気体の流量が調整され得る。具体的には、複数のガス供給源S6によって各ガス供給部6から内部空間2Iへの単位時間当たりの供給量が調整されることで、各被検出領域9における単位時間当たりの気体の流量が調整され得る。
つまり、内部空間2Iへの所定の気体の供給、および内部空間2Iからの排気のうちの少なくとも一方が調整されることで、各被検出領域9における単位時間当たりの気体の流量が調整され得る。
そして、ここでは、複数の被検出領域9にそれぞれ含まれる気体におけるカルコゲン元素の濃度に応じて、各被検出領域9における単位時間当たりの気体の流量が調整されれば良い。例えば、気体におけるカルコゲン元素の濃度が相対的に低い被検出領域9については、単位時間当たりの気体の流量が増大されれば良い。一方、気体におけるカルコゲン元素の濃度が相対的に高い被検出領域9については、単位時間当たりの気体の流量が低減されれば良い。具体的には、例えば、気体におけるカルコゲン元素の濃度と流量との積が略一定となるように、調整されれば良い。これにより、各被検出領域9の気体におけるカルコゲン元素の濃度の過不足が、気体の流量の増減によって補正され得る。なお、この場合、例えば、各ガス供給部6から内部空間2Iへの所定の気体の供給量ならびに所定の気体におけるカルコゲン元素の濃度は、略一定であれば良い。
ここで言う複数の被検出領域9は、例えば、基板配置領域4ARに配される被加熱基板5の複数箇所の近傍にそれぞれ設けられれば良い。なお、複数箇所に、被加熱基板5の一主面の一辺の両端および中央付近の箇所が含まれていれば、該一主面に配されている皮膜130の近傍の幅広い領域に複数の被検出領域9が設けられ得る。図1には、被加熱基板5の近傍の6箇所に複数の被検出領域91〜96が配されている様子が示されている。また、単位時間としては、例えば、数秒以上で且つ数十秒以下の範囲の任意の時間が採用され得る。
各被検出領域9における気体中のカルコゲン元素の濃度は、例えば、各被検出領域9にそれぞれ配されている検出部によって検出されれば良い。これにより、皮膜130の近傍における気体に含まれるカルコゲン元素の濃度の分布が取得され得る。該検出部は、例えば、カセット4に設けられていれば良い。ここでは、例えば、該各検出部による検出結果であるカルコゲン元素の濃度に係る信号は、制御部C1に送出される。このとき、制御部C1は、各検出部によって検出されたカルコゲン元素の濃度に応じて、各ガス排出調整部E7を介して、各ガス排出部7からの気体の排出量を制御する。また、制御部C1によって、各検出部によって検出されたカルコゲン元素の濃度に応じて、各ガス供給源S6から各ガス供給部6への気体の供給量が制御されても良い。
ここで、検出部によって気体中におけるカルコゲン元素の濃度を検出する方法について説明する。例えば、検出部付近の気体を排気し、この排気した気体中のSe濃度をモニタすることが考えられ得る。このモニタの方法としては、例えば、北川式検知管等のガス採取器を用いてSe濃度を測定する方法、およびFT−IRを用いて赤外線の吸収度を得ることでSe濃度を測定する方法等が採用され得る。なお、水晶振動子を設置して、該水晶振動子に対するSeの付着によって、該水晶振動子における発振の周波数が変化する度合いをモニタすることで、気体中におけるSeの濃度を検出する方法も考えられ得る。
ヒーター8は、加熱炉2の周囲に巻かれている。ヒーター8による加熱により、内部空間2Iの基板配置領域4ARに配される複数の被加熱基板5が、例えば、400℃以上で且つ600℃以下の範囲内の所定温度まで略均一に加熱され得る。
制御部C1は、例えば、プロセッサを有しており、薄膜製造装置1の全体の動作を制御する。例えば、制御部C1によって、複数のガス供給源S6から複数のガス供給部6への気体の供給、複数のガス排出調整部E7による複数のガス排出部7を介した気体の排出、およびヒーター8による加熱等が制御され得る。
<(1−2)薄膜製造装置を用いた太陽電池パネルの製造>
ここで、上記構成を有する薄膜製造装置1を用いた太陽電池パネル121の製造プロセスの一例について説明する。
ここでは、薄膜製造装置1を用いて太陽電池パネル121の光吸収層131が形成される。光吸収層131は、第1導電型(ここではp型の導電型)を有するI−III−VI族化合物半導体の層である。I−III−VI族化合物半導体とは、I−III−VI族化合物を主に含む半導体である。なお、I−III−VI族化合物を主に含む半導体とは、I−III−VI族化合物を70mol%以上含む半導体のことを言う。以下の記載においても、「主に含む」は「70mol%以上含む」ことを意味する。I−III−VI族化合物は、I−B族元素(11族元素とも言う)とIII−B族元素(13族元素とも言う)とVI−B族元素(16族元素とも言う)とを主に含む化合物である。I−III−VI族化合物としては、例えば、CuInSe2(CISとも言う)、Cu(In,Ga)Se2(CIGSとも言う)およびCu(In,Ga)(Se,S)2(CIGSSとも言う)等が採用され得る。ここでは、光吸収層131が、CIGSを主に含む。
図4は、薄膜製造装置1を用いた太陽電池パネル121の製造フローを例示するフローチャートである。図5から図12は、太陽電池パネル121の製造途中の様子を模式的に示すXY断面図である。図13は、太陽電池パネル121の構成を模式的に示す平面図である。図14は、図13において一点鎖線XIV−XIVで示した位置におけるXY断面を示す図である。
まず、図4のステップSp1では、基板101が準備される。図5は、基板101の一例を示す図である。基板101は、複数の光電変換セル110を支持するものである。基板101に含まれる主な材料としては、例えば、ガラス、セラミックス、樹脂および金属等が採用され得る。また、基板101の厚さは、例えば、1mm以上で且つ3mm以下程度であれば良い。
次に、ステップSp2では、洗浄された基板101の略全面に、スパッタリング法または蒸着法等が用いられて、下部電極層102が形成される。図6には、下部電極層102が形成された状態が示されている。下部電極層102は、基板101の−Y側の主面(一主面とも言う)の上に設けられた導電層である。下部電極層102に含まれる主な材料としては、例えば、Mo、Al、Ti、TaおよびAu等の導電性を有する各種金属等が採用され得る。また、下部電極層102の厚さは、例えば、0.2μm以上で且つ1μm以下程度であれば良い。
ステップSp3では、下部電極層102の上面のうちの所定の形成対象位置からその直下の基板101の上面にかけて、Z方向に直線状に延在する溝部P1が形成される。図7には、溝部P1が形成された後の状態が示されている。溝部P1は、例えば、YAGレーザーまたはその他のレーザーの光が走査されつつ所定の形成対象位置に照射されることで形成され得る。
ステップSp4では、I−B族元素であるCu、III−B族元素であるInとGaおよびVI−B族元素であるSeの各元素に係る金属錯体を含む溶液が下部電極層102の上から塗布されて皮膜が形成される。該皮膜の厚さは、例えば、数μm以上で且つ十数μm以下程度であれば良い。
ステップSp5では、基板101の上に形成された皮膜に不活性気体中もしくは還元雰囲気で熱処理が施される。熱処理の温度は、50℃以上で且つ300℃以下であれば良い。このとき、皮膜が乾燥されるとともに皮膜中の有機物が熱分解される。その結果、下部電極層102上および溝部P1内に有機物が熱分解された皮膜130が形成される。図8には、皮膜130が形成された状態が示されている。
ここで、ステップSp1〜Sp5の処理が、2以上の基板101に対して行われることで、基板101の一主面上に下部電極層102と皮膜130とがそれぞれ積層されている2以上の被加熱基板5が準備され得る。該皮膜130には、光吸収層131に主に含まれる化合物半導体としてのCIGSに含有されるカルコゲン元素と該カルコゲン元素以外の金属元素とが含まれている。換言すれば、皮膜130が一主面上にそれぞれ配されている2以上の被加熱基板5が準備され得る。なお、ここでは、熱処理によって皮膜中のカルコゲン元素としてのSeの一部が雰囲気中に蒸散し得る。
ステップSp6では、ステップSp5で準備される2以上の被加熱基板5がカセット4に装着され、該カセット4が薄膜製造装置1の加熱炉2内の基板配置領域4ARに配置される。
ステップSp7では、薄膜製造装置1において、2以上の被加熱基板5に対する加熱処理が行われる。該加熱処理は、カルコゲン元素の気体と非酸化性気体とを含む雰囲気中で行われれば良い。具体的には、例えば、内部空間2Iのうちの各被検出領域9にそれぞれ含まれる気体におけるカルコゲン元素の濃度に応じて、内部空間2Iへの所定の気体の供給、および内部空間2Iからの排気のうちの少なくとも一方が調整されれば良い。これにより、各被検出領域9における単位時間当たりの気体の流量が調整され得る。
ここでは、例えば、各被検出領域9にそれぞれ含まれる気体におけるカルコゲン元素の濃度が、検出部によって検出されれば良い。この検出部によるカルコゲン元素の濃度の検出は、所定のタイミングで行われれば良い。そして、カルコゲン元素の濃度が検出される度に、検出結果としてのカルコゲン元素の濃度に応じて、内部空間2Iへの所定の気体の供給、および内部空間2Iからの排気のうちの少なくとも一方が調整されれば良い。所定のタイミングは、例えば、加熱処理の期間における所定時間間隔のタイミングであれば良い。所定時間間隔は、例えば、数秒以上で且つ数十秒以下程度であれば良い。
各被検出領域9における単位時間当たりの気体の流量の調整は、例えば、複数のガス排出調整部E7によって複数のガス排出部7を介した内部空間2Iからの排気が調整されることで実現され得る。具体的には、各被検出領域9における単位時間当たりの気体の流量の調整は、例えば、複数のガス排出調整部E7によって各ガス排出部7を介した内部空間2Iからの単位時間当たりの排気量が調整されることで実現され得る。これにより、各被検出領域9の気体におけるカルコゲン元素の濃度の過不足が、気体の流量の増減によって補正され得る。その結果、例えば、各被検出領域9に略同一の物質量のカルコゲン元素が単位時間当たりに供給され得る。すなわち、各皮膜130の略全面に対して所望の物質量のカルコゲン元素が供給され得る。
また、各被検出領域9における単位時間当たりの気体の流量の調整は、例えば、複数のガス供給源S6によって複数のガス供給部6から内部空間2Iへの所定の気体の供給が調整されることで実現されても良い。具体的には、各被検出領域9における単位時間当たりの気体の流量の調整は、例えば、複数のガス供給源S6によって各ガス供給部6から内部空間2Iへの単位時間当たりの供給量が調整されることで実現されても良い。
また、該加熱処理における熱処理温度は、例えば、400℃以上で且つ600℃以下であれば良い。そして、該加熱処理によって、皮膜130におけるCIGSの結晶化が進み、CIGSを主に含む光吸収層131が形成され得る。これにより、被加熱基板5は、基板101上に均一な光吸収層131が配されている基板(処理後基板とも言う)150となる。
ところで、加熱処理の際に、各被検出領域9の気体におけるカルコゲン元素の濃度が検出される代わりに、加熱処理が行われる前に、各被検出領域9の気体におけるカルコゲン元素の濃度が検出されても良い。例えば、ステップSp6の前に、実験的に、本実施形態に係る薄膜製造装置1に2以上の被加熱基板5が配置されて、ステップSp7と同様な加熱処理が行われる際に、各被検出領域9の気体におけるカルコゲン元素の濃度が検出されても良い。この場合、各被検出領域9の気体におけるカルコゲン元素の濃度は、例えば、検出部によって検出されれば良い。また、各被検出領域9にカルコゲン元素と反応し易い材料が配置され、該材料がカルコゲン元素と化合した度合いによって、各被検出領域9の気体におけるカルコゲン元素の濃度が間接的に求められても良い。これにより、加熱処理時の各被検出領域9の気体におけるカルコゲン元素の濃度の検出が省略され得る。その結果、処理の簡略化が図られ得る。
なお、複数のガス排出部7による内部空間2Iからの単位時間当たりの気体の排出量、および複数のガス供給部6による内部空間2Iへの単位時間当たりの所定の気体の供給量については、例えば、薄膜製造装置1が用いられた実験によって最適な量に設定され得る。ここで、最適な排出量は、例えば、複数のガス排出部7による単位時間当たりの気体の排出量と、各被検出領域9におけるカルコゲン元素の濃度との関係が実験的に求められることで、決定され得る。また、最適な供給量は、例えば、複数のガス供給部6による単位時間当たりの所定の気体の供給量と、各被検出領域9におけるカルコゲン元素の濃度との関係が実験的に求められることで、決定され得る。
ステップSp8では、太陽電池パネル121の製造プロセスにおけるその後の工程が行われる。ここで、その後の工程の一例について説明する。
まず、ステップSp7で形成された光吸収層131の上に、バッファ層132が形成される。バッファ層132は、光吸収層131の第1導電型とは異なる第2導電型(ここではn型の導電型)を有する半導体を主に含む。該バッファ層132は、化学浴槽堆積法(CBD法)によって形成され得る。例えば、酢酸カドミウムとチオ尿素とがアンモニア水に溶解させられることで作製された溶液に光吸収層131が浸漬されることで、CdSを主に含むバッファ層132が形成され得る。これにより、光吸収層131とバッファ層132とが積層されている光電変換層103が形成され得る。図9には、光吸収層131とバッファ層132とが形成された状態が示されている。
次に、バッファ層132の上面のうちの所定の形成対象位置から下部電極層102の上面に至る領域に、一方向(ここではZ方向に相当する方向)に直線状に延在する溝部P2が形成される。図10には、溝部P2が形成された後の状態が示されている。溝部P2は、スクライブ針が用いられたメカニカルスクライビング等によって形成され得る。
次に、光電変換層103の上面から溝部P2の内部にかけて上部電極層104が形成される。図11には、上部電極層104が形成された後の状態が示されている。上部電極層104は、スパッタリング法、蒸着法または化学的気相成長(CVD)法等によって形成され得る。例えば、バッファ層132上に、アルミニウムが添加された酸化亜鉛を主に含む透明な上部電極層104が形成される。このとき、溝部P2内に、上部電極層104のうちの垂下する部分(垂下部とも言う)104aが形成される。
次に、上部電極層104の上面のうちの所定の形成対象位置から溝部P2の内部にかけて集電電極105が形成される。図12には、集電電極105が形成された後の状態が示されている。集電電極105は、上部電極層104の一主面上に設けられる線状の電極部である。集電電極105は、複数の集電部105aと連結部105bと垂下部105cとを備えている。集電電極105は、例えば、銀等の金属粉が樹脂製のバインダー等に分散させられた金属ペーストが所定のパターンを有するように印刷され、印刷後の金属ペーストが乾燥によって固化されることで形成され得る。
そして、集電電極105が形成された後、上部電極層104の上面のうちの所定の形成対象位置から下部電極層102の上面に至る領域に、一方向(ここではZ方向に相当する方向)に直線状に延在する溝部P3が形成される。これにより、図13および図14で示される基板101上に複数の光電変換セル110が配されている太陽電池パネル121が得られる。溝部P3は、溝部P2と同様に、スクライブ針が用いられたメカニカルスクライビング等によって形成され得る。
なお、図13および図14で示されるように、複数の集電部105aは、Z軸方向に離間しており、各集電部105aがX軸方向に延在している。連結部105bは、Z軸方向に延設されており、各集電部105aが接続されている。垂下部105cは、連結部105bの下部に接続され、溝部P2内に形成されている。ここで、垂下部105cと垂下部104aとを含む接続部145が、溝部P2を通って隣の光電変換セル110から延伸されている下部電極層102に接続する。つまり、太陽電池パネル121では、基板101上に配されている複数の光電変換セル110が電気的に直列に接続されている。図13および図14では、2つの光電変換セル110が描かれているが、太陽電池パネル121には、3以上の所定数の光電変換セル110がX方向に配列され得る。
<(1−3)一実施形態のまとめ>
以上のように、本実施形態に係る薄膜製造装置1では、加熱炉2において、2以上の被加熱基板5が配置される。そして、加熱炉2において、2以上の被加熱基板5が加熱される。この加熱処理の際に、内部空間2Iのうちの各被検出領域9にそれぞれ含まれる気体におけるカルコゲン元素の濃度に応じて、内部空間2Iへの所定の気体の供給、および内部空間2Iからの排気のうちの少なくとも一方が調整される。これにより、各被検出領域9における単位時間当たりの気体の流量が調整され得る。したがって、各被検出領域9の気体におけるカルコゲン元素の濃度の過不足が、気体の流量の増減によって補正されることで、各皮膜130の略全面に対して所望の物質量のカルコゲン元素が供給され得る。その結果、2以上の被加熱基板5の間における光吸収層131の均一化と、各被加熱基板5における光吸収層131の均一化とが図られ得る。すなわち、カルコゲン元素を含む化合物半導体の均一な薄膜が容易に生産され得る。
また、加熱処理の際に、各被検出領域9の気体におけるカルコゲン元素の濃度が検出されることで、各被検出領域9の気体におけるカルコゲン元素の濃度が精度良く検出され得る。
<(2)変形例>
なお、本発明は上述の一実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更、改良等が可能である。
<(2−1)第1変形例>
上記一実施形態に係る薄膜製造装置1では、各ガス排出部7による内部空間2Iからの単位時間当たりの気体の排出量によって、各被検出領域9における単位時間当たりの気体の流量が調整されたが、これに限られない。例えば、内部空間2Iから気体を排出する複数のガス排出部7が配されている密度(配設密度とも言う)によって、各被検出領域9における単位時間当たりの気体の流量が調整されても良い。
具体的には、例えば、上記一実施形態に係る薄膜製造装置1において、複数のガス排出調整部E7によって、複数のガス排出部7のうちの一部のガス排出部7を介して内部空間2Iから気体が排出されるように調整されれば良い。より具体的には、例えば、気体におけるカルコゲン元素の濃度が相対的に低い被検出領域9の近くにおいて、内部空間2Iから気体を排出するガス排出部7の配設密度が高められれば良い。また、例えば、気体におけるカルコゲン元素の濃度が相対的に高い被検出領域9の近くにおいて、内部空間2Iから気体を排出するガス排出部7の配設密度が低められれば良い。
この場合、例えば、一部のガス排出部7のうちの各ガス排出部7による内部空間2Iからの単位時間当たりの気体の排出量は略一定であれば良い。また、例えば、各ガス排出調整部E7における弁の開閉等によって、複数のガス排出部7のうちの一部のガス排出部7を介して内部空間2Iから気体が排出されるように調整されれば良い。
図15は、本変形例に係る薄膜製造装置1Aの構成を模式的に示す図である。該薄膜製造装置1Aは、上記一実施形態に係る薄膜製造装置1がベースとされて、制御部C1が制御部C1Aに変更されたものである。該薄膜製造装置1Aでは、制御部C1Aの制御によって、各ガス排出調整部E7における弁の開閉が調整され得る。
図15には、一例として、斜線のハッチングが付されているガス排出調整部E7における弁の開放によって対応するガス排出部7を介して内部空間2Iから気体が排出されている様子が示されている。具体的には、図15には、内部空間2Iの上部に配されている2,4〜6番目のガス排出部72,74〜76および内部空間2Iの下部に配されている3,5,6番目のガス排出部713,715,716を介して内部空間2Iから気体が排出されている様子が示されている。そして、制御部C1Aの制御によって、例えば、ガス排出部72,74〜76,713,715,716の各ガス排出部7を介して内部空間2Iから単位時間当たりに排出される気体の量が、略一定とされれば良い。
なお、内部空間2Iから気体を排出する複数のガス排出部7の配設密度は、薄膜製造装置1Aが用いられた実験によって最適な配設密度に設定され得る。該最適な配設密度は、例えば、内部空間2Iから気体を排出する複数のガス排出部7の配設密度と、各被検出領域9におけるカルコゲン元素の濃度との関係が実験的に求められることで、決定され得る。また、複数のガス排出調整部E7および複数のガス排出部7のうち、内部空間2Iからの気体の排出に使用されないガス排出調整部E7およびガス排出部7は、省略されても良い。
<(2−2)第2変形例>
上記一実施形態に係る薄膜製造装置1では、各ガス供給部6による内部空間2Iへの所定の気体の単位時間当たりの供給量によって、各被検出領域9における単位時間当たりの気体の流量が調整されたが、これに限られない。例えば、内部空間2Iに所定の気体を供給するガス供給部6が配されている密度(配設密度とも言う)によって、各被検出領域9における単位時間当たりの気体の流量が調整されても良い。
具体的には、例えば、上記一実施形態に係る薄膜製造装置1において、複数のガス供給源S6によって、複数のガス供給部6のうちの一部のガス供給部6から内部空間2I内に所定の気体が供給されるように調整されれば良い。より具体的には、例えば、気体におけるカルコゲン元素の濃度が相対的に低い被検出領域9の近くにおいて、内部空間2Iに所定の気体を供給するガス供給部6の配設密度が高められれば良い。また、例えば、気体におけるカルコゲン元素の濃度が相対的に高い被検出領域9の近くにおいて、内部空間2Iに所定の気体を供給するガス供給部6の配設密度が低められれば良い。
この場合、例えば、一部のガス供給部6のうちの各ガス供給部6による内部空間2Iへの所定の気体の単位時間当たりの供給量は略一定であれば良い。また、例えば、各ガス供給源S6における弁の開閉等により、複数のガス供給部6のうちの一部のガス供給部6によって内部空間2Iへ所定の気体が供給されるように調整されれば良い。
図16は、本変形例に係る薄膜製造装置1Bの構成を模式的に示す図である。該薄膜製造装置1Bは、上記一実施形態に係る薄膜製造装置1がベースとされて、制御部C1が制御部C1Bに変更されたものである。該薄膜製造装置1Bでは、制御部C1Bの制御によって、各ガス供給源S6における弁の開閉が調整され得る。
図16には、一例として、斜線のハッチングが付されているガス供給源S6における弁の開放によって対応するガス供給部6から内部空間2Iへ所定の気体が供給されている様子が示されている。具体的には、図16には、内部空間2Iの上部の1,3,5〜7番目のガス供給部61,63,65〜67および内部空間2Iの下部の1,4,6,7番目のガス供給部611,614,616,617によって内部空間2Iへ所定の気体が供給されている様子が示されている。そして、制御部C1Bの制御により、例えば、ガス供給部61,63,65〜67,611,614,616,617の各ガス供給部6によって内部空間2Iへ単位時間当たりに供給される気体の量が、略一定とされれば良い。
なお、内部空間2Iに所定の気体を供給する複数のガス供給部6の配設密度は、薄膜製造装置1Bが用いられた実験によって最適な配設密度に設定され得る。該最適な配設密度は、例えば、内部空間2Iに所定の気体を供給する複数のガス供給部6の配設密度と、各被検出領域9におけるカルコゲン元素の濃度との関係が実験的に求められることで、決定され得る。また、複数のガス供給源S6および複数のガス供給部6のうち、内部空間2Iへの所定の気体の供給に使用されないガス供給源S6およびガス供給部6は、省略されても良い。
<(3)その他の変形例>
◎例えば、上記一実施形態、第1変形例および第2変形例に係る薄膜製造装置1,1A,1Bを用いて製造される太陽電池パネル121では、光吸収層131が、I−III−VI族化合物半導体を含んでいたが、これに限られない。例えば、光吸収層131に含まれる化合物半導体は、カルコゲン元素を含む化合物半導体であれば良い。カルコゲン元素を含む化合物半導体としては、例えば、Cu、Zn、Sn、Sの4元素を主に含むI−II−IV−VI族化合物半導体(CZTS)、およびCdとTeの2元素を主に含むII−VI族化合物半導体が採用され得る。すなわち、薄膜製造装置1,1A,1Bによって、カルコゲン元素を含む化合物半導体の薄膜が製造されれば良い。
◎また、上記一実施形態、第1変形例および第2変形例に係る薄膜製造装置1,1A,1Bでは、加熱炉2に配されている2以上の被加熱基板5に対して、一度に加熱処理が施されたが、これに限られない。例えば、加熱炉2に一被加熱基板5が配された状態で、該一被加熱基板5に対して加熱処理が施されても良い。つまり、一加熱炉2に配されている1以上の被加熱基板5に対して、一度に加熱処理が施されれば良い。
◎また、上記一実施形態、第1変形例および第2変形例では、皮膜130にカルコゲン元素が含まれていたが、これに限られない。皮膜130には、カルコゲン元素を含む化合物半導体に含有されるカルコゲン元素以外の金属元素が含まれていれば良い。
◎また、上記一実施形態、第1変形例および第2変形例では、各皮膜130の略全面に対して略同一の物質量のカルコゲン元素が供給されたが、これに限られない。例えば、各皮膜130におけるカルコゲン元素の濃度の面内分布に応じて、各皮膜130の各領域に対して供給すべきカルコゲン元素の物質量が異なる場合も考えられ得る。この場合には、各皮膜130におけるカルコゲン元素の濃度の面内分布と、各被検出領域9にそれぞれ含まれる気体におけるカルコゲン元素の濃度とに応じて、各被検出領域9に対して、所望の物質量のカルコゲン元素が供給されても良い。
◎なお、上記一実施形態および各種変形例をそれぞれ構成する全部または一部を、適宜、矛盾しない範囲で組み合わせ可能であることは、言うまでもない。
1,1A,1B 薄膜製造装置
2 加熱炉
2I 内部空間
4 カセット
4AR 基板配置領域
5 被加熱基板
6 ガス供給部
7 ガス排出部
9 被検出領域
101 基板
102 下部電極層
103 光電変換層
104 上部電極層
105 集電電極
110 光電変換セル
121 太陽電池パネル
130 皮膜
131 光吸収層
132 バッファ層
150 処理後基板
C1,C1A,C1B 制御部
E7 ガス排出調整部
S6 ガス供給源

Claims (7)

  1. カルコゲン元素を含む化合物半導体の薄膜を製造する薄膜製造方法であって、
    (a)前記化合物半導体に含まれる前記カルコゲン元素以外の金属元素を含んでいる皮膜が一主面上に配されている1以上の基板を準備する工程と、
    (b)一加熱炉内に前記1以上の基板を配置する工程と、
    (c)前記一加熱炉内の異なる複数の被検出領域にそれぞれ含まれる気体における前記カルコゲン元素の濃度に応じて、複数のガス供給部による前記カルコゲン元素を含んでいる気体の前記一加熱炉内への供給、および複数のガス排出部による前記一加熱炉内からの排気のうちの少なくとも一方を調整することによって、各前記被検出領域における単位時間当たりの気体の流量を調整しながら、前記1以上の基板を加熱することで、前記1以上の基板上に前記化合物半導体の薄膜をそれぞれ形成する工程とを有する薄膜製造方法。
  2. 前記工程(c)において、各前記被検出領域にそれぞれ配されている検出部によって検出される各前記被検出領域に係る前記カルコゲン元素の濃度に応じて、前記複数のガス供給部による前記カルコゲン元素を含んでいる気体の前記一加熱炉内への供給、および前記複数のガス排出部による前記一加熱炉内からの排気のうちの少なくとも一方を調整する請求項1に記載の薄膜製造方法。
  3. 前記工程(c)の前に、
    (d)各前記被検出領域にそれぞれ含まれる気体における前記カルコゲン元素の濃度をそれぞれ検出する工程をさらに有し、
    前記工程(c)において、前記工程(d)においてそれぞれ検出された各前記被検出領域における前記カルコゲン元素の濃度に応じて、前記複数のガス供給部による前記カルコゲン元素を含んでいる気体の前記一加熱炉内への供給、および前記複数のガス排出部による前記一加熱炉内からの排気のうちの少なくとも一方を調整する請求項1に記載の薄膜製造方法。
  4. 前記工程(c)において、前記複数のガス排出部のうちの各前記ガス排出部による前記一加熱炉内からの単位時間当たりの気体の排出量を調整することで、各前記被検出領域における単位時間当たりの気体の流量を調整する請求項1から請求項3の何れか1つの請求項に記載の薄膜製造方法。
  5. 前記工程(c)において、前記一加熱炉内からの排気を行う前記複数のガス排出部の配設密度によって、各前記被検出領域における単位時間当たりの気体の流量を調整する請求項1から請求項3の何れか1つの請求項に記載の薄膜製造方法。
  6. 前記工程(c)において、前記複数のガス供給部のうちの各前記ガス供給部による前記一加熱炉内への単位時間当たりの前記カルコゲン元素を含んでいる気体の供給量を調整することで、各前記被検出領域における単位時間当たりの気体の流量を調整する請求項1から請求項3の何れか1つの請求項に記載の薄膜製造方法。
  7. 前記工程(c)において、前記一加熱炉内への前記カルコゲン元素を含んでいる気体の供給を行う前記複数のガス供給部の配設密度によって、各前記被検出領域における単位時間当たりの気体の流量を調整する請求項1から請求項3の何れか1つの請求項に記載の薄膜製造方法。
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