JP2013092954A - 管理業務支援装置、管理業務支援方法及び管理業務支援システム - Google Patents

管理業務支援装置、管理業務支援方法及び管理業務支援システム Download PDF

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Abstract

【課題】過去に発生した水質事故、設備故障等の想定外の異常事象に対応した際の対応措置が管理者間で共有化されていなかったため、異常事象への有効な対応措置を取れていなかった。
【解決手段】管理業務支援システムSは、各データベースから取得した、水道施設の操作履歴及び運転履歴に関する情報並びに文書に関する情報に基づいて、操作/運転履歴情報データベース13から異常パターンを検索する異常パターン検索部23cと、異常パターンによって特定される過去の異常事象のリスク、水道施設の操作履歴及び運転履歴に関する情報並びに文書に関する情報に基づいて現在の異常事象のリスク評価を行うリスク評価部23dと、リスク評価の結果により、現在の異常事象への対応手順方針をパターン化した対応パターンを設定し、対応パターンを対応措置データベースに反映する対応パターン設定部23eを備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、水道施設を運用し、水質の維持管理を行うための管理業務を支援する管理業務支援装置、管理業務支援方法及び管理業務支援システムに関する。
近年、食品の安全性が損なわれる事態が頻発し、その管理手法に高い関心が寄せられており、食品の検査及び管理体制の強化、産地表示等の情報公開が生産者側の義務とされている。また、生命を維持していく上で必要不可欠な水に対する需要家の関心は高くなっている。このような需要家は、安全な水を得たいという要求レベルが高く、需要家自身が水道水を煮沸したり、商品化されているボトル水を購入したりしているため、現在の水道事業では、需要家に提供する浄水の水質に求められる条件は厳しくなっている。
ここで、国際標準の管理手法として知られるISO9001はPDCAサイクルを意識したマネジメント手法である。この手法によれば、立案された計画に基づき実行することはさることながら、計画の実行状況及び、実行結果を適宜チェックし、結果に不備がある場合には結果が改善されるように継続的な措置を講ずることが義務付けられている。
また、新たに厚生労働省が推奨する水安全計画が盛り込まれ、水道の水質を管理するための手法として、従来、食品の製造に用いられてきた衛生管理手法の一つであるHACCP(Hazard Analysis Critical Control Point)手法を適用する機会も増えてきた。この手法を水道の水質管理に適用する場合には、水道の特徴や浄水場固有の情報を反映した形で設備や部署毎に重要となる管理項目を設定することで、高度な水質管理が可能になるとされている。ここで、「部署」とは、浄水施設を運営する事業体が担う業務を細分化して組織されたもの(例えば、総務部、保守部)である。
ここで、特許文献1には、インターネットを経由して処理施設から受信したデータにより処理施設の監視を行うことによって水処理事業を支援するための技術が開示されている。この技術は、プロセスデータの通信機能を有するデータ収集配信装置、監視制御装置に加え、管理者の要求に応じて収集されたデータ、外部情報、又は前回までの知識処理で得られた知識データを用いて、データ解析、分析、シミュレーション等を実施するデータ解析装置を備えて、水処理事業を行う施設の運転制御、水質管理、設備保全管理等を支援するものである。
特開2002−251505号公報
ところで、水道水を利用する需要家の要求レベルが年々高くなっていることは、近年のボトル水の販売量が急激に伸びていることや、水道水の需要が減少していることからも明白である。
それゆえ、生活の基礎となる水を管理し、上水道施設(浄水施設とも呼ぶ。)を運用する浄水場等の役割は重要である。このような浄水場では水質検査計画を策定したり、水安全計画を策定したりすることで浄水過程の可視化を図りつつ、水質の安全を確保する取組みが行われている。これらの計画は実行状況の検証と、その結果を反映した定期的な計画の見直しが必須となっている。しかし、各水道事業体内又は部署内で個別に計画が管理されていては部署間で横断的に計画を見直したり、計画に挙げられている各種の目標値の実施状況を適正な頻度でモニタリングしたりすることが困難となってしまう。
さらに、熟練した職員や管理者が退職することにより、水道設備の管理又は水質の管理に関するノウハウ(以下、「管理ノウハウ」と呼ぶ。)が次世代の管理者に承継されなくなることが懸念されている。しかし、このような懸念に対して、有効な施策が取られていない。このため、管理ノウハウを蓄積し、有効に運用しながら、次世代の管理者に管理ノウハウを継承する支援システムを構築することが必要となってきた。
また、上述したように、水道管理事業のマネジメントでは、水質維持管理、需要家サービス及び技術継承等の様々な分野における事業を統括するマネジメントが必要となる。マネジメントの代表的手法には上述したISO9001の他に、バランススコアカード等が提案されているが、水道事業ではシームレス化した管理業務支援システムを適用してマネジメントを円滑に進めていくことが推奨される。
しかし、特許文献1に開示されたシステムでは、管理者の要求に応じた処理を実施するに過ぎず、現場における不具合や異常事象に対して、対応措置の時間的な制約や実施内容を考慮した支援情報を提供する構成になっていない。このため、過去に発生した異常事象への対応措置が適切であったか否かを判断することができず、有効でない対応措置を繰り返してしまう場合もあった。
本発明はこのような状況に鑑みて成されたものであり、水道施設の管理に用いられる管理目標に基づく管理目標値を逸脱した事象が発生した場合であっても、有効な対応措置を可能とすることを目的とする。
本発明は、水道施設を管理する情報に基づいて、水道事業の管理業務を支援するものである。
まず、水道施設で処理される水道の水質を管理する指標として設定される管理目標に基づく管理目標値に対して、管理目標の管理対象で実測された実測値が逸脱する第1の事象が発生した場合に、第1の事象が発生した時点における水道施設が出力する水質データを水質データベースから取得する。
第1の事象に類似する過去に発生した第2の事象に対する水道施設の操作履歴及び運転履歴に関する情報を履歴情報データベースから抽出し、第2の事象に対処するために用いられた文書に関する情報を文書情報データベースから取得すると共に、第2の事象に対応した対応措置に関する情報を対応措置データベースから取得する。
第2の事象に対して行われた水道施設の操作履歴及び運転履歴に関する情報を履歴情報データベースから抽出し、第2の事象が発生した時点における情報を表す異常パターンを検索し、異常パターンによって特定される水道施設の操作履歴及び運転履歴に関する情報並びに文書に関する情報に基づいて第1の事象のリスク評価を行う。
そして、リスク評価の結果により、第1の事象への対応方針をパターン化した対応パターンを設定し、対応パターンを対応措置データベースに反映する。
本発明によれば、水道施設内で立案された各種マネジメントに関わる管理目標値に対して、水質の実測値が逸脱する場合であっても、過去の事象に対して行われた対応措置のリスク評価を行って対応パターンを設定するため、対応措置の内容が明確となる。したがって、水道施設における関連部署間での情報共有が行われ、異常事象への速やかな対処が可能となる。
本発明の一実施の形態例に係る管理業務支援システムの基本形態を示す機能ブロック図である。 本発明の一実施の形態例に係る各データベースの格納項目の概要を示す説明図である。 本発明の一実施の形態例に係る管理目標検証処理部の内部構成例を示すブロック図である。 本発明の一実施の形態例に係る管理目標の達成度を判定する処理手順を示すフローチャートである。 本発明の一実施の形態例に係る対応方針策定処理部の内部構成例を示すブロック図である。 本発明の一実施の形態例に係る対応方針を策定する処理手順を示すフローチャートである。 本発明の一実施の形態例に係る改善効果診断処理部の内部構成例を示すブロック図である。 本発明の一実施の形態例に係る対応方針による改善効果を評価する処理手順を示すフローチャートである。
以下、本発明の一実施の形態例について、添付図面を参照して説明する。本実施の形態例では、管理業務支援システムSに適用した例について説明する。この管理業務支援システムSは、コンピュータがプログラムを実行することにより、内部ブロックが連携して行う管理業務支援方法を実現する。始めに、管理業務支援システムSの構成例を説明する。
図1は、管理業務支援システムSの基本構成を示す機能ブロック図である。
本実施の形態例では水道施設として上水道施設(例えば、浄水場施設)を例にして説明する。管理業務支援システムSは、上水道施設3を管理する情報に基づいて、上水道施設3の管理業務を支援する。管理業務支援システムSは、大規模サーバ等により各種の計算処理を行う計算機システム1と、LAN等を含むネットワーク2と、原水4から浄水5を排出する上水道施設3とを含んで構成されている。
計算機システム1は、ネットワーク2を介して、原水4から浄水5を生成する複数のプロセス(工程1〜N)を備えた上水道施設3に接続され、相互に情報を通信可能としている。そして、計算機システム1は、監視制御サーバ3aからネットワーク2を介して、上水道施設3が備える水処理設備の複数の工程1〜Nの各工程に配置された処理装置が出力する処理データを受信する。この処理データには、例えば、浄水5の透明度、pH値、消毒液等の薬剤の量に関するデータが含まれる。一方、計算機システム1は、ネットワーク2を介して制御信号等を上水道施設3に送って、プロセス内のバルブ開閉等の制御を行うこともできる。
計算機システム1は、管理者がデータを入力するデータ入力部1a、モニタ上に各種の情報を表示する情報表示部1b、上記の処理データ以外にも施設毎の稼働データ等の様々なデータを記憶するデータベース10と、データベース10から読み出した様々なデータに基づいて管理業務の支援を行う管理業務支援装置20によって構成される。この管理業務の支援としては、上水道施設3の維持管理を行うために、過去に起きた特定の事象への対応措置を示したり、この対応措置の効果測定を行ったりするものがある。
データ入力部1aは、計算機システム1において、管理者がデータベース10に必要な情報を入力するために用いられる。データ入力部1aは、専用の入力パネル等を用いなくても、通常の計算機に備え付けられるマウス、キーボード等を用いて構成することが可能である。情報表示部1bは、データベース10の内容に基づいて、各プロセスにおいて実施した一連の管理操作の内容を、水道施設の管理者等に表示するために用いられる。情報表示部1bは、専用の表示パネルを用いなくても、通常の情報処理システムに用いられるディスプレイ装置、モニタ等で構成することが可能である。
データベース10は、後述する水質データベース11、文書情報データベース12、操作/運転履歴情報データベース13、施設情報データベース14、管理目標データベース15、クレーム/問合せ情報データベース16、対応措置データベース17を備える。各データベースは、例えば、リレーショナルデータベース管理システム(RDBS:Relational database management system)に基づいてデータを管理している。
管理業務支援装置20は、データ収集処理部21、管理目標検証処理部22、対応方針策定処理部23、改善効果診断処理部24のブロックを含んで構成されており、上水道施設3を管理する情報に基づいて、上水道施設3の管理業務を支援するものである。
管理目標検証処理部22は、異常事象が発生した場合に、対応措置データベース17から取得する対応措置に関する情報に基づき、管理目標が守られているかを検証するものである。
対応方針策定処理部23は、異常事象のリスク評価を行い、リスク評価の結果により、異常事象への対応方針をパターン化した対応パターンを設定し、対応パターンを対応措置データベース17に反映する。
改善効果診断処理部24は、対応措置データベース17から取得する対応措置に関する情報、施設情報データベース14から取得する上水道施設3に関する情報、及び水質データベース11から取得する水質データを用いて、対応方針策定処理部23にて対応措置データベース17に反映された対応措置の改善効果を診断する。
なお、各ブロックの詳細な構成例及び動作例については後述する。
通常、浄水場内では上水道施設3の設備を維持し、管理する人材の育成方針、及び管理目標の維持は正規のマニュアルに従って厳格に行われている。水道事業体で水質管理を行う管理者間において管理技術の継承を実現するために用いる管理ツールの存在は不可欠である。浄水場等では管理ツールとして用いられる上水道施設3の操作を管理するための操作管理マニュアル等が整備されており、この操作管理マニュアルに沿って水質管理が行われている。このため、操作管理マニュアルで想定される範囲内で発生する事象への対応方法、管理手順について管理者間の管理技術の継承は適切に行われている。
しかし、上水道施設3の設備を管理したり、水質を維持したりする業務において、通常検査している項目以外の箇所に生じた異常の影響により、新たな異常事象が発生することもある。このような異常事象に対しては、熟練した管理者が管理ノウハウとして蓄積した知識を活かして、水道のサービスレベルを維持し、向上する合理的な対応がなされているのが実状であった。このように熟練した管理者が長年に渡って積み上げてきた明文化されていない管理ノウハウが、設備の正常運用及び管理に一役買っていると言っても過言ではなく、単に運用マニュアルを整備するだけでは異常事象に対処することが難しかった。
しかし、日本国内では公共事業への補助金が削減されており、水道事業の広域化も相成って、浄水の水質を維持し、管理するために必要な人員が削減されると予想されている。このため、管理ノウハウを有する熟練職員が減少する前に、管理目標を維持するための施策を講じ、浄水場の管理運用に関する技術継承、危機管理対応を確立することが急務となっている。
また、水質事故、設備故障等の想定外の異常事象が発生した場合には、異常事象が発生した現場に居合わせ、実際に対応を行った当事者だけが対応の経験を積むことができる。しかし、対応を行った当事者以外の管理者は、後日、操作記録又は警報履歴情報等を読み出して対応した内容を確認できるに過ぎない。このため、当事者以外の管理者が危機管理に対応するための能力を育成したり、判断能力をトレーニングしたりすることが難しかった。
ここで、本実施の形態例に係る管理業務支援システムSは、上水道施設3で蓄積され、一部の管理者に属人化されていた管理ノウハウを、他の管理者へも有効に承継するものである。ここで、計算機システム1が備える管理業務支援装置20は、上水道施設3から所定の監視周期に合わせ、各種の管理データ、水質管理基準を逸脱した場合に出力される警報の履歴情報のデータ、操作/運転履歴情報のデータを取り込み、データベース10内の各データベースに取り込んだデータを格納する。その後、管理業務支援装置20は、各データベースから読み出した水質データ、操作履歴、施設情報、対応措置等のデータに基づいて、異常事象から復旧するために必要な対応措置を設定する。このため、管理業務支援装置20は、管理者に対して必要な対応措置を選択するための意思決定を促すことができる。さらに、上水道施設3における関連部署への情報提供、熟練した管理者が培った各種の管理ノウハウを複数の管理者間で継承することができる。また、管理業務支援装置20は、改善効果を定量的に診断することで、PDCAサイクルを意識した継続的な運用管理を実施できる環境を構築するための支援を行う。これにより、管理者の人員削減等が行われたとしても、過去に行われた対応措置を管理者間で共有し、速やかに異常事象に対処することが可能となる。
〔データベースの構成例〕
次に、データベース10に構成される各種のデータベースの構成例を説明する。
図2は、各データベースの格納項目の概要を示しており、適宜、図1を参照して格納項目の内容を説明する。ここで、格納項目とは、各データベースを構成するフィールドの名称を表している。
水質データベース11は、上水道施設3の各プロセスから、データ毎に決められている監視周期に合わせて取得する管理データとして、水質分析項目、水質分析結果、測定場所、測定日時を格納する。また、水質データベース11は、上水道施設3の管理や運用中に実施される水質検査の結果及び測定結果の管理データとして、例えば、水質、流量、圧力等を含む計測値を格納している。このように水質データベース11は、定期的な危害分析を行ったり、水質を管理するための基準となる「管理基準値」の見直しを行ったりする場合に必要なデータを集積し、保存するために利用される。
文書情報データベース12には、管理帳票(日報、月報、年表、統計結果等)を含む業務内容書類、浄水場の立地環境、給水能力、給水面積等の緒元、各種マニュアル、報告書、設備故障の発生と故障への対応に関する報告書、図面等を含む文書情報のデータが格納されている。他にも、浄水場の運用管理において、対応措置データベース17から読み出した対応措置が必要とされる装置、対策、方法等の指標を「管理対象」と呼び、この管理対象のモニタリングに関する報告書や、実測値が管理目標値を逸脱した場合における処置内容や改善された業務内容に関する書類のデータが文書情報として格納されている。ここで、「管理目標」には、例えば、需要家に水を提供する際における顧客満足度(CS:Customer Satisfaction)を高めるために苦情の件数を抑えたり、上水道施設3の設備で発生するトラブルを月1件までに抑えたりするといった内容があり、「管理目標値」は、上記の管理目標において設定される定性的な値である。
操作/運転履歴情報データベース13には、操作履歴(バルブの開閉履歴等)、プロセスデータ、警報発生日時、警報内容等のデータが格納されている。この操作/運転履歴情報データベース13は、上水道施設3において原水4に対して施された操作履歴を経時的に記録し、当該操作が実施されたプロセス(処理工程)を記録する。他にも、上水道施設3のプロセスデータが基準値範囲外であることを検出した警報出力日時及び警報内容を記録する。
施設情報データベース14には、水道事業体が所有し、管理する施設、設備、機器(建屋、ポンプ、薬剤の注入設備等)に関する情報のデータが格納されている。他にも、設備名称、諸元、仕様、保守履歴、設置時期(年度)、設置箇所、点検情報に関する情報のデータが格納されている。
管理目標データベース15には、上水道施設3で規定されている水道管理事業における水質データの管理目標、管理目標の導出手法、水質データの管理基準値のデータ等が格納される。そして、上水道施設3を管理し、運用する際の「管理指標」として設定される様々な管理基準値が管理目標データベース15に記録される。上水道施設3を直接管理する技術部門が用いる管理基準値の内容としては、日常的な業務に関する水道水質の指標(ろ過水/沈殿水濁度、残留塩素濃度、設備の保守点検間隔)等の値がある。また、上水道施設3を間接管理する管理部門が用いる管理基準値の内容としては原水利用、水質基準適合率、薬品備蓄率、上水道の普及率等の値がある。
クレーム/問合せ情報データベース16には、上水道施設3から水道の供給を受ける需要家及び一般家庭からの問合せやクレーム等に関する情報のデータが格納されている。具体的なクレーム内容としては、水道水質の悪化に関する苦情や、臭気、濁り水等の異常事象が発生したことを指摘する内容等がある。問合せ内容としては、水道事業体が提供するサービス内容に対する質問、顧客応対に対する不満等がある。
対応措置データベース17には、過去の対応措置の実施内容に関する情報、及び不具合や異常事象が生じた際に各部署の管理者に提示される対応措置内容のデータが格納されている。対応措置には、是正要求によって改善される項目、当該対象設備、担当部門、管理者、当該措置の設定年月日、当該措置の詳細内容等が含まれる。
〔各処理部の詳細〕
次に、管理業務支援装置20が備える各処理部の構成例及び動作例を説明する。
<データ収集処理部21の動作例>
データ収集処理部21は、ネットワーク2を介して監視制御サーバ3aから送信されてくる上水道施設3の水質分析結果及びプロセスデータ(警報履歴情報を含む)を収集し、各データを水質データベース11へ格納する機能を有する。データ収集処理部21が処理する管理基準値には、例えば、各データの上下限値、相関解析値、統計解析値等があり、これらの値は予めデータ入力部1aから入力されている。
そして、計算機システム1が備える不図示の警報部は、監視制御サーバ3aから受信した上水道施設3のプロセスデータの有効な瞬時値、積算値等に基づく実測値を、予め設定されている管理基準値と比較した結果、実測値が管理基準値の範囲外であれば管理者に警報を出力する。データ収集処理部21は、警報が出力されると、警報名称及び警報の発生時刻等を含む警報履歴情報を、操作/運転履歴情報データベース13へ格納する機能も有する。
<管理目標検証処理部22の構成例及び動作例>
図3は、管理目標検証処理部22の内部構成例を示す。
管理目標検証処理部22は、水質データベース11、文書情報データベース12、管理目標データベース15、及び対応措置データベース17から様々なデータを取得する管理情報取得部22aと、取得したデータから管理目標が妥当であったか否かを検証する検証処理部22bとを備える。
管理情報取得部22aは、水質データを水質データベース11から取得し、文書情報を文書情報データベースから取得し、管理対象及び管理目標値を管理目標データベースから取得し、対応措置を対応措置データベース17から取得する。
検証処理部22bは、水質データから得た実測値が管理目標値を満足しているか否かを定期的に検証し、管理目標の達成度を評価する。
ここで、部署毎に何を異常事象とするかの認識や、部署毎に実施すべき異常事象への対応措置は異なる。以下の説明では、異常事象への対応措置として、複合的な手順の組み合わせ、例えば、上水道施設3の設備等を運用する手順等を、「対応パターン」と呼ぶ。対応措置データベース17は、部署毎に必要な対応措置を記録している。
図4は、管理目標検証処理の動作例を示す。
管理業務支援装置20は、管理目標検証処理部22を動作させ、管理目標を検証するための管理目標検証処理を実行する。このとき、管理目標検証処理部22は、上水道施設3で用いられる管理運用規則において部署毎に設定された管理目標を対象とした検証処理を実施する。
まず、管理情報取得部22aは、管理目標データベース15から対応措置が必要とされる管理対象、管理目標値及び管理基準値を所定の監視頻度で取得し(ステップS1)、水質データベース11から管理対象に関わる実測値のデータを取得する(ステップS2)。
次に、管理情報取得部22aは、文書情報データベース12から管理対象に関連する文書を取得し、対応措置データベース17から対応措置を取得する(ステップS3)。
次に、検証処理部22bは、取得した対応措置の内容に基づいて管理目標の達成度を検証する(ステップS4)。水質管理業務における管理目標の達成度は、ステップS1で取得された管理基準値と、ステップS2で取得された実測値を比較して評価される。
また、検証処理部22bは、浄水場の管理設備、機器の故障、点検保守における不具合の発見、計測機器の校正等、管理文書上で規定される管理目標に関して、ステップS1で取得した管理目標値と、ステップS3で取得した対応措置との比較により管理目標の達成度を評価する。この管理目標値に対して、実測値が逸脱した場合には後述する対応方針策定処理部23において対応措置が設定されるため、対応措置データベース17に設定された対応措置が記録されているか否かを、対応措置データベース17から取得する対応措置の是正の記録で判断する。
なお、管理目標検証処理部22は、ステップS2からステップS4の処理を監視頻度に応じて繰り返すことにより、自動的に監視し、検証すればよい。
<対応方針策定処理部23の構成例及び動作例>
図5は、対応方針策定処理部23の内部構成例を示す。
管理対象における実測値が管理目標値から逸脱した異常事象が発生した場合には、異常事象を改善するために何らかの対応が必要となる。この対応時における具体的な内容は過去に培われた管理ノウハウ又は水道事業体の内部で予め決められたルールに則って決定されることが一般的である。対応方針策定処理部23は、対応方針策定処理で対応方針をパターン化した対応パターンの決定プロセスを支援するものである。
対応方針策定処理部23は、水質データベース11から水質データを取得する水質データ取得部23aと、操作/運転履歴情報データベース13から過去に行われたプロセスの運転履歴を抽出する履歴取得部23bを備える。水質データ取得部23aは、上水道施設3で処理される水道の水質を管理する指標として設定される管理目標に基づく管理目標値に対して、管理目標の管理対象で実測された実測値が逸脱する異常事象(第1の事象)が発生した場合に、異常事象が発生した時点における上水道施設3が出力する水質データを水質データベース11から取得する。
履歴取得部23bは、異常事象に類似する過去に発生した異常事象(第2の事象)に対する上水道施設3の操作履歴及び運転履歴に関する情報を履歴情報データベースから抽出し、過去の異常事象に対処するために用いられた参考資料等の文書に関する情報を文書情報データベースから取得すると共に、過去の異常事象に対応した対応措置に関する情報を対応措置データベースから取得する。
また、対応方針策定処理部23は、操作/運転履歴情報データベース13から過去の異常事象に対して行われた上水道施設3の操作履歴及び運転履歴を抽出する。そして、クレーム/問合せ情報データベース16から過去の異常事象が発生した時点における情報を表す異常パターンを検索する異常パターン検索部23cを備える。ここで、操作/運転履歴情報データベース13及びクレーム/問合せ情報データベース16は、共に履歴情報データベースとして用いられる。
ここで、異常事象が発生する複合的な要因の組み合わせを「異常パターン」と呼び、異常パターンには、例えば、管理対象となる設備で実測された実測値の波形等がある。また、対応方針策定処理部23は、履歴取得部23bが取得した対応履歴及び参考資料等のデータから、管理業務上のリスクの経時変化を評価するリスク評価部23dを備える。また、対応方針策定処理部23は、異常事象に対して部署毎に必要とされる対応パターンを設定する対応パターン設定部23eを備える。
リスク評価部23dは、異常パターンによって特定される上水道施設3の操作履歴及び運転履歴に関する情報並びに文書に関する情報に基づいて異常事象のリスク評価を行う。そして、対応パターン設定部23eは、リスク評価の結果により、異常事象への対応方針をパターン化した対応パターンを設定し、対応パターンを対応措置データベースに反映する。
ここで、対応パターン設定部23eが備えるケース割当部23fは、リスク評価部23dによって評価された異常事象のリスク、及び異常事象の継続時間をパラメータとして、異常パターンを後述する複数のケースに当てはめる。また、対応パターン設定部23eが備える対応内容評価部23gは、当てはめられたケースに基づいて、発生した異常事象への対応方針を評価することによって、対応パターンを設定し、対応パターンを対応措置データベース17に反映する。
図6は、対応方針策定処理の動作例を示す。
まず、水質データ取得部23aは、異常事象が発生した時点における水質データを水質データベース11から取得する(ステップS11)。
次に、履歴取得部23bは、異常事象が発生した場合に、この異常事象に類似する過去の事象における運転履歴と運転環境のデータを操作/運転履歴情報データベース13から抽出する(ステップS12)。具体的には、実測値が管理目標値から逸脱したとき、つまり異常事象が発生したときに測定された水質データを水質データベース11から取得し、プラント運転条件、故障/異常発生状態、気象条件等を操作/運転履歴情報データベース13から抽出することによって、過去の類似した状況の時期を検索し、履歴パターンを求める。
類似性の比較方法は、管理指標毎にパターン化しておけばよい。例えば、水質の濁度が異常値を示すような事象が発生した場合、この事象を引き起こす原因は、管理業務上で培った経験や管理ノウハウ等から推測が可能である。他の原因としては、上流域の降水量増加、河川流入量の突発的な増加、気温の変動等が挙げられる。
このように水道事業体内で管理される水質を評価するための項目(以下、「水質項目」と呼ぶ。)毎に対応パターンを対応措置データベース17に登録しておく。他には、経時平均値の偏差から大きくずれている項目を複数抽出し、抽出した項目を組み合わせてデータを比較する方法も有効である。
次に、異常パターン検索部23cは、操作/運転履歴情報データベース13及びクレーム/問合せ情報データベース16の情報を使って、現在発生した異常事象の異常パターンに類似する過去に発生した異常事象の異常パターン(以下、「類似事象」と呼ぶ。)を検索する(ステップS13)。このとき、実測値による履歴パターンと異常パターンの波形等を比較した結果を情報表示部1bに表示することにより、管理者が結果を確認することもできる。そして、異常パターン検索部23cは、過去に発生した異常警報、及び顧客からのクレーム情報をクレーム/問合せ情報データベース16から取得する。
次に、リスク評価部23dは、操作/運転履歴情報データベース13及びクレーム/問合せ情報データベース16から得た異常警報、及び顧客からのクレーム情報のデータに基づき、異常事象と類似したケースが過去に存在したか否かを検索し、類似事象の発生日時をクレーム/問合せ情報データベース16から抽出する。そして、異常事象が発生した状態を復旧するための運転マニュアル、異常時対応マニュアルを文書情報データベース12から取得する(ステップS14)。併せて、リスク評価部23dは、類似事象の発生日時におけるプロセスの管理帳票等も文書情報データベース12から取得する(ステップS15)。
ただし、異常事象が発生した状態が中長期的に消長する場合、または収束するために時間を要する場合も考えられるため、リスク評価部23dは、異常事象の発生日時の近傍(前後数日)に記録された日報、故障記録等を取得し、管理者に提示できる。また、リスク評価部23dは、対応措置データベース17から異常事象の発生日時における対応内容に関する記録や、対応内容の評価情報等も併せて取得することもできる。
ここで、管理業務上のリスクマネージメントの観点から、異常事象が発生した状態における事象のリスク(危険度)を定量的に評価することが必要となる。そのため、リスク評価部23dは、各データベースから取得したデータに基づいて異常事象のリスクを算出する(ステップS16)。このとき、リスク評価部23dは、事象の発生頻度と影響度の積でリスク評価値を求め、事象のリスク評価(ランク付け)を行う。
この影響度には様々な種類がある。影響度の種類としては、季節性変動を考慮した影響度、浄水場近隣で開催されるイベントに与える影響度、当該浄水場の立地条件に応じた影響度、当該浄水場の給水能力/給水面積の規模に見合った影響度、各種危害事象原因の影響度等があり、これらの影響度を組み合わせることにより実態に即したリスクの定量的評価が可能となる。
次に、対応パターン設定部23eは、ステップS16で算出したリスク評価値を組み合わせて、部署毎に実施すべき対応パターンを作成し、対応パターンを評価する(ステップS17)。上述したように、通常、浄水場内における各種の事象への対応措置は、運転マニュアル、緊急時対応マニュアルとして整備されている。そして、対応パターン設定部23eは、作成した対応パターンを正規の管理項目として対応措置データベース17に新たに追加する。
ここで、対応措置データベース17に追加される対応パターンの候補としては、過去の操作履歴、対応履歴内容のうち、異常事象への対応や復旧対応等の非正規の管理業務に該当するものとする。そして、対応パターン設定部23eは、対応パターンの候補を精査して、今後同様の事象が発生した際に適用すべき対応パターンとして用いるか否かを判定する。このとき、対応パターン設定部23eは、過去の対応に要した作業時間の平均値を算出し、当該時間内に実施すべき項目の優先度を算出し、新たな対応パターンを作成する。
ここで、対応パターン設定部23eが対応パターンの判定を実施する際には、リスク評価部23dが評価する異常事象のリスク及び継続時間が重要なパラメータとなる。このため、対応パターン設定部23eが備えるケース割当部23fは、これらのパラメータを以下に挙げるケースに当てはめる。ただし、これらのケースは簡略化して記載したものであるため、業務の管理形態に応じて、ケース毎に項目を細分化することが望ましい。
第1のケース:異常事象リスクが大、かつ継続時間が長い
第2のケース:異常事象リスクが大、かつ継続時間が短い
第3のケース:異常事象リスクが小、かつ継続時間が長い
第4のケース:異常事象リスクが小、かつ継続時間が短い
また、ケース割当部23fは、部署毎に対応パターンを作成するために、対応措置データベース17に格納されている過去の操作履歴からどのような操作や対応がなされたかを抽出する。しかし、抽出された操作履歴から判明する全ての操作が、異常事象を復旧するために有効であったとは限らない。また、異常事象の復旧時間を極力縮めることが重要なため、過去の操作及び対応内容の有効性を見極め、操作内容と対応内容の相関の高低等も加味する必要がある。
そこで、対応内容の複雑化を避けるために対応内容評価部23gが対応内容を評価する。対応内容評価部23gは、リスクが低く、継続時間が短い異常事象に対して、管理上の労力を過剰に投入することは費用対効果の観点で悪化するため対応内容を限定する。逆に、対応内容評価部23gは、リスクが高く、継続時間も長い場合には、上記対応内容の有効性に関する相関度を適用した上で、ある一定以上の相関を有していれば、新たに設定する対応パターンの作業項目として含める。これらのプロセスを経て作成された対応パターンは、対応内容評価部23gによって対応措置データベース17へ格納され、情報表示部1bを介して、各部署へ対応すべき項目、作業内容が明確に提示される。
<改善効果診断処理部24の構成例及び動作例>
図7は、改善効果診断処理部24の内部構成例を示す。
改善効果診断処理部24は、対応パターンに基づく対応措置を異常事象に適用して得られる改善効果を診断する。改善効果を診断するためには、シミュレーションや統計的手法による分析を適用して、改善効果を定量的に把握することが必要となる。
改善効果診断処理部24は、水質データベース11、施設情報データベース14、管理目標データベース15及び対応措置データベース17から各種のデータを取得する対応情報取得部24aと、取得したデータを分析する分析部24bを備える。また、改善効果診断処理部24は、改善効果を定量化する定量化部24cと、改善効果を診断する診断部24dを備える。
対応情報取得部24aは、現在の異常事象及び過去の異常事象における対応措置に関する情報を対応措置データベース17から取得し、対応措置が行われ、改善効果が現れる項目及び上水道施設3に関する設備情報を施設情報データベース14から取得する。さらに、水質データを水質データベース11から取得して、管理対象における複数の項目の類似パターン、又は水質データを構成する水質項目の時間的変化からみた類似ケースを検索し、水質データベース11から水質データの組合せパターンを取得する。
分析部24bは、現在の異常事象に対して行った対応措置に関する情報、上水道施設3に関する情報、及び水質データに基づいて統計分析を行う。
定量化部24cは、分析部24bによる分析結果から異常事象に対して行われた対応措置の改善効果の定量化指標を導出する。
診断部24dは、定量化指標が管理目標で定められる基準に合致しているか否かを診断する。
図8は、改善効果診断処理の動作例を示す。
まず、対応情報取得部24aは、対応措置データベース17から、異常事象への対応措置内容に関するデータを取得する(ステップS21)。この対応措置には、対応方針策定処理部23によって新たに追加された対応パターンが対応措置データベース17に登録された後に実施する場合と、対応措置データベース17から任意の対応措置を選択して管理者が実施する場合の2通りが存在する。
次に、対応情報取得部24aは、施設情報データベース14から対応措置が実施される関連処理工程のデータを取得する(ステップS22)。関連処理工程は、対応措置データベース17に格納される場合もある。関連処理工程には、対応措置によって改善効果が現れる項目と、対応措置を施す対象施設、又は設備との間に存在する処理工程を含める。また、対応情報取得部24aは、対応措置の対象となる設備の情報を施設情報データベース14から取得する。
次に、対応情報取得部24aは、ステップS22で取得した関連処理工程に関わる水質データを水質データベース11から取得する(ステップS23)。このとき、分析の精度を向上させ、信頼性の高い結果とするために、過去に実施されたより多くの対応措置のデータを取得すること、例えば、少なくとも5年分のデータを取得することが望ましい。そして、分析部24bは、取得した対応措置のデータを用いて、統計分析とシミュレーション処理を実施する(ステップS24)。
統計分析で用いられる代表的な分析手法として、複数の結果変数からなる多変量データを統計的に扱う多変量分析がある。しかし、分析部24bは、独立変数が複数となっている重回帰分析、又はデータクラスタリング(非階層型のクラスタ解析)を適用して対応措置の分析を行う。そして、浄水場等で管理されている類似性のある水質項目、プラント運用条件、対応措置が実施された年月日等の各情報を組み合わせ、対応措置が必要とされる項目の将来的な予測値を算出する。
例えば、過去の同年月日の水質項目を複数抽出する際、その都度条件設定をしてはユーザの使い勝手が悪くなるため、過去のノウハウから水質項目の組合せパターンを予め不図示の条件データベースに登録しておくことが望ましい。また、浄水場の処理工程に対して何らかの対応措置を講じた場合には、措置の効果が現れるまでに時間遅れが生じるため、時間遅れを条件データベースにパラメータ設定できるようにする。
次に、定量化部24cは、改善効果の定量化を実施する(ステップS25)。改善効果を定量的に把握するには、ステップS24の統計分析とシミュレーション処理で算出される結果を用いる。この結果は、以下の(1)〜(3)に示される。
(1)当該分析で得られた予測結果の値(以下、「予測結果」と呼ぶ)
(2)管理目標として予め決められている指標
(3) 上記の(1)で求めた予測結果及び(2)で決められている管理目標との偏差
具体的には、定量化部24cは、(2)で決められている管理目標に対する(1)の予測結果の割合、又は(1)の予測結果と(2)で決められている管理目標との偏差(絶対値)の割合で改善効果を定量的に示す。
次に、診断部24dは、管理目標データベース15から取得した管理目標値に基づいて、ステップS25で定量化された改善効果が有効であるか否かを診断する(ステップS26)。シミュレーションで得られた予測結果の診断は、管理運用上の基準に沿って行われるべきである。上述したよう、予測結果と管理目標との偏差、並びに管理基準の許容範囲に偏差があるか否かによって、診断部24dが客観的に改善効果を診断することが可能となる。この管理基準の許容範囲は、診断部24dに設定される管理目標に応じて、管理者が任意に設定できるものとする。
以上説明した一実施の形態例に係る管理業務システムSによれば、上水道施設3内で立案された各種マネジメントに関わる管理目標値を逸脱した異常事象が発生した場合であっても、有効な対応措置の内容が明確となり、関連部署への情報表示がスムーズに実現できる。このため、対応措置の実施状況や対応状況等の情報が、当該施設内の管理統括部署でも容易に確認でき、必要に応じて当該対応措置の担当部署への業務的なフォローが速やかに行われる効果が期待できる。また、水道水質のリスク管理を実現するため、水道事業体や水質管理者が水源から給水に至るまでの統合的な水質管理の技術継承に有効である。
水道サービスのレベル向上を実現するための見直しと改善措置を適切に実施するための関連部署間で横断的に異常事象に対する対応措置を共有できる。異常事象、設備故障等に対する管理リスクを軽減するために実施すべき対応措置とそのタイミングを提示することが可能となる。
また、管理業務支援システムSは、Webによって構成されるため、関連部署毎に入力された定量的結果(モニタリング結果、各種分析結果等)をオンライン上で速やかに参照することが可能となる。したがって、定型化された管理運用則とは別の視点で、管理環境条件に関わる複数の要因を組み合わせて得た対応方針のレパートリーを管理者に提示し、異常事象に対して適切な対応措置を選択することが可能となる。
また、管理業務システムSでシミュレーションされた対応措置の改善効果を定量的に把握することで、上水道施設3内で立案された計画に対する履行状況の検証が可能となり、PDCAサイクルを意識した継続的な維持管理業務の支援、及び過去の操作履歴から得られる意思決定支援情報を基に、管理目標のベースアップを図り、管理者毎の力量によらない高水準の均一化された水処理施設の管理体制を構築できる。さらに、熟練した管理者の管理ノウハウに頼らざるを得ない状況を改善することができる。また、過去に発生した事象への対応措置は対応措置データベース17から適宜読み出し、リスク等を評価することができるため、経験が浅い管理者であっても水道施設の運用を支援する技術を継承できる。
また、上述した実施の形態例における一連の処理は、ハードウェアにより実行することができるが、ソフトウェアにより実行させることもできる。一連の処理をソフトウェアにより実行させる場合には、そのソフトウェアを構成するプログラムが専用のハードウェアに組み込まれているコンピュータ、又は、各種の機能を実行するためのプログラムをインストールしたコンピュータにより、実行可能である。例えば汎用のパーソナルコンピュータ等に所望のソフトウェアを構成するプログラムをインストールして実行させればよい。
また、上述した実施の形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記録した記録媒体を、システムあるいは装置に供給してもよい。また、そのシステムあるいは装置のコンピュータ(又はCPU等の制御装置)が記録媒体に格納されたプログラムコードを読み出し実行することによっても、機能が実現されることは言うまでもない。
この場合のプログラムコードを供給するための記録媒体としては、例えば、フレキシブルディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、CD−R、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM等を用いることができる。
また、コンピュータが読み出したプログラムコードを実行することにより、上述した実施の形態の機能が実現される。加えて、そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼動しているOS等が実際の処理の一部又は全部を行う。その処理によって上述した実施の形態の機能が実現される場合も含まれる。
また、本発明は上述した実施の形態に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載した本発明の要旨を逸脱しない限りその他種々の応用例、変形例を取り得ることは勿論である。
1…計算機システム、1a…データ入力部、1b…情報表示部、2…ネットワーク、3…上水道施設、3a…監視制御サーバ、4…原水、5…浄水、10…データベース、11…水質データベース、12…文書情報データベース、13…操作/運転履歴情報データベース、14…施設情報データベース、15…管理目標データベース、16…情報データベース、17…対応措置データベース、20…管理業務支援装置、21…データ収集処理部、22…管理目標検証処理部、22a…管理情報取得部、22b…検証処理部、23…対応方針策定処理部、23a…水質データ取得部、23b…履歴取得部、23c…異常パターン検索部、23d…リスク評価部、23e…対応パターン設定部、23f…ケース割当部、23g…対応内容評価部、24…改善効果診断処理部、24a…対応情報取得部、24b…分析部、24c…定量化部、24d…診断部、S…管理業務支援システム

Claims (5)

  1. 水道施設を管理する情報に基づいて、前記水道施設の管理業務を支援する管理業務支援装置であって、
    前記水道施設で処理される水道の水質を管理する指標として設定される管理目標に基づく管理目標値に対して、前記管理目標の管理対象で実測された実測値が逸脱する第1の事象が発生した場合に、前記第1の事象が発生した時点における前記水道施設が出力する水質データを水質データベースから取得する水質データ取得部と、
    前記第1の事象に類似する過去に発生した第2の事象に対する前記水道施設の操作履歴及び運転履歴に関する情報を履歴情報データベースから抽出し、前記第2の事象に対処するために用いられた文書に関する情報を文書情報データベースから取得すると共に、前記第2の事象に対応した対応措置に関する情報を対応措置データベースから取得する履歴取得部と、
    前記第2の事象に対して行われた前記水道施設の操作履歴及び運転履歴に関する情報を前記履歴情報データベースから抽出し、前記第2の事象が発生した時点における情報を表す異常パターンを検索する異常パターン検索部と、
    前記異常パターンによって特定される前記水道施設の操作履歴及び運転履歴に関する情報並びに前記文書に関する情報に基づいて前記第1の事象のリスク評価を行うリスク評価部と、
    前記リスク評価の結果により、前記第1の事象への対応方針をパターン化した対応パターンを設定し、前記対応パターンを前記対応措置データベースに反映する対応パターン設定部と、を備える
    管理業務支援装置。
  2. さらに、前記第1及び前記第2の事象における前記対応措置に関する情報を前記対応措置データベースから取得し、前記対応措置が行われ、前記第1の事象に対する改善効果が現れる項目及び前記水道施設に関する設備情報を施設情報データベースから取得し、前記水質データを前記水質データベースから取得して、前記管理対象における複数の項目の類似パターン、又は前記水質データを構成する水質項目の時間的変化からみた類似ケースを検索し、前記水質データベースから前記水質データの組合せパターンを取得する対応情報取得部と、
    前記対応措置に関する情報、前記水道施設に関する情報、及び前記水質データに基づいて統計分析を行う分析部と、
    前記分析部による分析結果から前記第1の事象に対して行われた前記対応措置の改善効果の定量化指標を導出する定量化部と、
    前記定量化指標が前記管理目標で定められる基準に合致しているか否かを診断する診断部と、を備える
    請求項1記載の管理業務支援装置。
  3. さらに、前記水質データを前記水質データベースから取得し、前記文書情報を前記文書情報データベースから取得し、前記管理対象及び前記管理目標値を管理目標データベースから取得し、前記対応措置を前記対応措置データベースから取得する管理情報取得部と、
    前記水質データから得た実測値が前記管理目標値を満足しているか否かを検証し、前記管理目標の達成度を評価する検証処理部と、を備える
    請求項2記載の管理業務支援装置。
  4. 水道施設を管理する情報に基づいて、前記水道施設の管理業務を支援する管理業務支援方法であって、
    前記水道施設で処理される水道の水質を管理する指標として設定される管理目標に基づく管理目標値に対して、前記管理目標の管理対象で実測された実測値が逸脱する第1の事象が発生した場合に、前記第1の事象が発生した時点における前記水道施設が出力する水質データを水質データベースから取得するステップと、
    前記第1の事象に類似する過去に発生した第2の事象に対する前記水道施設の操作履歴及び運転履歴に関する情報を履歴情報データベースから抽出し、前記第2の事象に対処するために用いられた文書に関する情報を文書情報データベースから取得すると共に、前記第2の事象に対応した対応措置に関する情報を対応措置データベースから取得するステップと、
    前記第2の事象に対して行われた前記水道施設の操作履歴及び運転履歴に関する情報を前記履歴情報データベースから抽出し、前記第2の事象が発生した時点における情報を表す異常パターンを検索するステップと、
    前記異常パターンによって特定される前記水道施設の操作履歴及び運転履歴に関する情報並びに前記文書に関する情報に基づいて前記第1の事象のリスク評価を行うステップと、
    前記リスク評価の結果により、前記第1の事象への対応方針をパターン化した対応パターンを設定し、前記対応パターンを前記対応措置データベースに反映するステップと、を含む
    管理業務支援方法。
  5. 水道施設を管理する情報に基づいて、前記水道施設の管理業務を支援する管理業務支援システムであって、
    前記水道施設で処理される水道の水質を管理する指標として設定される管理目標に基づく管理目標値に対して、前記管理目標の管理対象で実測された実測値が逸脱する第1の事象及び前記第1の事象に類似する過去に発生した第2の事象に対応した対応措置に関する情報を格納する対応措置データベースと、
    前記第1の事象が発生した場合に、前記対応措置データベースから取得する前記対応措置に関する情報に基づき、前記管理目標が守られているかを検証する管理目標検証処理部と、
    前記第1の事象が発生した場合に、前記第1の事象が発生した時点における前記水道施設が出力する水質データを水質データベースから取得し、前記第2の事象に対する前記水道施設の操作履歴及び運転履歴に関する情報を履歴情報データベースから抽出し、前記第2の事象に対処するために用いられた文書に関する情報を文書情報データベースから取得すると共に、前記第2の事象に対応した対応措置に関する情報を前記対応措置データベースから取得して、前記水道施設の操作履歴及び運転履歴に関する情報により前記履歴情報データベースから抽出し、前記第2の事象が発生した時点における情報を表す異常パターンを検索し、前記異常パターンによって特定される前記第2の事象のリスク、前記水道施設の操作履歴及び運転履歴に関する情報並びに前記文書に関する情報に基づいて前記第1の事象のリスク評価を行い、前記リスク評価の結果により、前記第1の事象への対応方針をパターン化した対応パターンを設定し、前記対応パターンを前記対応措置データベースに反映する対応方針策定処理部と、
    前記対応措置データベースから取得する前記対応措置に関する情報、施設情報データベースから取得する前記水道施設に関する情報、及び前記水質データベースから取得する前記水質データを用いて、前記対応方針策定処理部にて前記対応措置データベースに反映された前記対応措置の改善効果を診断する改善効果診断処理部と、を備える
    管理業務支援システム。
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