JP2013092233A - Electromagnetic engagement device - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、電磁気力による電磁吸引力と、一対の係合部材間のトルク差に応じて発生する推力とを利用して係合・解放動作を行う電磁係合装置に関するものである。 The present invention relates to an electromagnetic engagement device that performs an engagement / release operation using an electromagnetic attraction force by an electromagnetic force and a thrust generated according to a torque difference between a pair of engagement members.
従来、車両の動力伝達系統においては、係合・解放動作することにより、動力伝達経路を接続・遮断するクラッチや回転部材の回転を規制するブレーキなどの係合装置が用いられている。この係合装置には各種の形式があり、例えば、かみ合い式、摩擦式、流体式、電磁式などの係合装置が知られている。このうち、電磁式の係合装置は、電力を供給することにより発生する電磁気力を利用して動力を断続する装置である。この電磁式の係合装置には、トルクを伝達する構造により、圧着式、かみ合い式、鉄粉を媒体とする空隙式などがある。 2. Description of the Related Art Conventionally, in a power transmission system of a vehicle, an engaging device such as a clutch for connecting / disconnecting a power transmission path and a brake for restricting rotation of a rotating member by engaging / disengaging operations is used. There are various types of the engaging device, and for example, engaging devices such as a meshing type, a friction type, a fluid type, and an electromagnetic type are known. Among them, the electromagnetic engagement device is a device that interrupts power by using an electromagnetic force generated by supplying electric power. The electromagnetic engagement device includes a crimping type, a meshing type, and a gap type using iron powder as a medium depending on a structure for transmitting torque.
上記のような電磁式の係合装置の一例として、特許文献1には、電磁力によって磁気吸引されるアーマチュアを外側アーマチュアと内側アーマチュアとで構成し、外側アーマチュアを押圧する第1制動ばね、および内側アーマチュアを押圧する第2制動ばねを設けた無励磁作動形電磁ブレーキに関する発明が記載されている。また、この特許文献1には、第1制動ばねのばね力を第2制動ばねのばね力より小さくすることにより、磁束の磁気吸引力を漸次大きくすると、先ず外側アーマチュアがディスクから離隔し、次に内側アーマチュアがディスクから離隔するとともに、制動解放状態において、磁束の磁気吸引力を漸次小さくすると、先ず外側アーマチュアがディスクと摩擦係合され、次に内側アーマチュアがディスク10と摩擦係合される構成が記載されている。
As an example of the electromagnetic engagement device as described above,
なお、特許文献2には、励磁コイルを備えた固定子と、固定子に吸着されるアーマチュアと、回転軸につながれた回転板と、回転板をアーマチュアとの間に狭持する制動板と、アーマチュアに押圧力を与える押圧ばねとを備え、アーマチュアを2層に分割して積層し、その積層されたアーマチュアの層間に緩衝部材を挿入した電磁連結・制動装置に関する発明が記載されている。また、この特許文献2には、2層のアーマチュアの層間に配置された緩衝部材の圧縮ばね定数を、アーマチュアに押圧力を与える押圧ばねのばね定数よりも小さくした構成が記載されている。
In
上記の特許文献1に記載された構成では、外側アーマチュアと内側アーマチュアとの2つのアーマチュアが設けられ、それぞれのアーマチュアに対して制動ばね(リターンスプリング)が装着されるとともに、それぞれのアーマチュアが電磁力によって磁気吸引されるようになっている。したがって、上記の特許文献1に記載された構成では、電磁ブレーキを解放させるための電磁力は、上記のリターンスプリングの弾性力以上である必要がある。そのため、クラッチを解放するために消費される電力が増大してしまう可能性があり、係合装置のエネルギ効率を向上させる点で、未だ改良の余地があった。
In the configuration described in
この発明は、上記の技術的課題に着目してなされたものであって、係合状態もしくは解放状態を設定するために要する電磁気力を低減してエネルギ効率を向上させることのできる電磁係合装置を提供することを目的とするものである。 The present invention has been made by paying attention to the above technical problem, and can reduce the electromagnetic force required to set the engaged state or the released state, thereby improving the energy efficiency. Is intended to provide.
上記の目的を達成するために、請求項1の発明は、回転軸線方向で互いに対向しかつ相対回転可能に配置された一対のカム部材を有し、それらカム部材同士の間のトルク差に応じた前記回転軸線方向の推力を発生させるトルクカム機構と、ヨークに設置された電磁コイルに通電して磁気吸引力を発生させることにより、前記回転軸線方向に移動可能に配置されたアーマチュアを前記ヨークに向けて吸引する電磁アクチュエータとを備え、前記電磁アクチュエータで前記カム部材の一方を前記アーマチュアとして前記ヨークに吸引させ、その際に生じる摩擦力によって前記トルク差を増大させることにより、前記推力を増大させて前記カム部材同士を一体化させる係合力を増大させる電磁係合装置において、前記アーマチュアが、前記ヨークに対向して配置されて前記磁気吸引力によって前記ヨークに直接吸着させられる第1アーマチュアと、前記第1アーマチュアを前記回転軸線を中心に一体回転させかつ前記回転軸線方向に相対移動可能に嵌合させ、前記磁気吸引力によって前記第1アーマチュアを介して前記ヨークに吸着させられるとともに、前記一方のカム部材を兼ねる第2アーマチュアとから構成され、前記第1アーマチュアと前記第2アーマチュアとの間に設置されて前記第1アーマチュアを前記第2アーマチュアに引き付けて当接させる第1スプリングと、前記第2アーマチュアと前記ヨークとの間に設置されて前記第2アーマチュアを押圧して前記ヨークから離隔させるとともに、前記第1スプリングよりも弾性力が大きい第2スプリングとを備え、前記第1アーマチュアが前記ヨークに吸着される際に前記第1アーマチュアに形成される第1磁気回路の磁路断面積が、前記第2アーマチュアが前記第1アーマチュアを介して前記ヨークに吸着される際に前記第2アーマチュアに形成される第2磁気回路の磁路断面積よりも小さくなるように構成されていることを特徴とするものである。
In order to achieve the above object, the invention of
この発明の電磁係合装置では、電磁アクチュエータに通電して第1リターンスプリングのみの弾性力を上回る電磁吸引力を発生させることにより、第1アーマチュアがヨークに吸着させられる。すなわち、相対的に小さい電流を電磁アクチュエータに通電することにより、第1アーマチュアのみをヨークに吸着させた係合状態を設定することができる。そして、その状態から電磁アクチュエータに通電する電流を増大して第2リターンスプリングの弾性力を上回る電磁吸引力を発生させることにより、第2アーマチュアが第1アーマチュアと共にヨークに吸着させられる。すなわち、相対的に大きい電流を電磁アクチュエータに通電することにより、第1アーマチュアと第2アーマチュアとをヨークに吸着させた係合状態を設定することができる。第2アーマチュアを第1アーマチュアを介してヨークに吸着させることにより、その際に各吸着面で発生する摩擦力によってトルクカム機構の各カム部材の間のトルク差が増大し、そのトルク差に応じてトルクカム機構で発生する推力が増大する。そして、トルクカム機構で発生する推力が増大することにより、各カム部材の係合力が増大し、それら各カム部材が一体化される。すなわち、電磁係合装置が係合状態にされる。 In the electromagnetic engagement device of the present invention, the first armature is attracted to the yoke by energizing the electromagnetic actuator to generate an electromagnetic attractive force that exceeds the elastic force of only the first return spring. That is, by applying a relatively small current to the electromagnetic actuator, it is possible to set an engagement state in which only the first armature is attracted to the yoke. Then, the second armature is attracted to the yoke together with the first armature by increasing the current to be applied to the electromagnetic actuator from that state and generating an electromagnetic attractive force exceeding the elastic force of the second return spring. That is, by applying a relatively large current to the electromagnetic actuator, it is possible to set an engagement state in which the first armature and the second armature are attracted to the yoke. By causing the second armature to be attracted to the yoke via the first armature, the torque difference between the cam members of the torque cam mechanism is increased by the frictional force generated on each attracting surface at that time, and the torque difference depends on the torque difference. The thrust generated by the torque cam mechanism increases. Then, when the thrust generated by the torque cam mechanism increases, the engaging force of each cam member increases, and these cam members are integrated. That is, the electromagnetic engagement device is brought into an engaged state.
したがって、この発明の電磁係合装置によれば、係合の初期段階を低電流の通電により行うことができる。そして、第2アーマチュアをヨークに吸着させてトルクカム機構の各カム部材を一体化させた後は、そのトルクカム機構の機械的な係合力によって電磁係合装置の係合状態を維持することができる。すなわち、各カム部材の間のトルク差が十分に大きい間は、トルクカム機構の機械的な係合力のみで電磁係合装置の係合状態を実現させることができる。そのため、電磁係合装置を作動させて係合させるための消費電力を低減することができる。 Therefore, according to the electromagnetic engagement device of the present invention, the initial stage of engagement can be performed by applying a low current. Then, after the second armature is attracted to the yoke and the cam members of the torque cam mechanism are integrated, the engagement state of the electromagnetic engagement device can be maintained by the mechanical engagement force of the torque cam mechanism. That is, while the torque difference between the cam members is sufficiently large, the engagement state of the electromagnetic engagement device can be realized only by the mechanical engagement force of the torque cam mechanism. Therefore, power consumption for operating and engaging the electromagnetic engagement device can be reduced.
さらに、この発明の電磁係合装置では、第1アーマチュアがヨークに吸着される際に第1アーマチュアに形成される第1磁気回路の磁路断面積が、第2アーマチュアが第1アーマチュアを介してヨークに吸着される際に第2アーマチュアに形成される第2磁気回路の磁路断面積よりも小さくなる。したがって、電磁係合装置への通電を停止した際の第1アーマチュアの残留磁気も低減される。そのため、電磁係合装置の解放動作を容易に実行することができる。また、上記のように残留磁気が低減されることにより、電磁係合装置の解放状態を実現させるためのリターンスプリングを、より弾性力の小さいものにすることができ、ひいては、電磁係合装置の係合状態を実現させるための消費電力を更に低減することができる。その結果、電磁係合装置のトルク容量を確保しつつ、そのエネルギ効率を向上させることができる。 Furthermore, in the electromagnetic engagement device of the present invention, the magnetic path cross-sectional area of the first magnetic circuit formed in the first armature when the first armature is attracted to the yoke is such that the second armature passes through the first armature. When attracted to the yoke, the magnetic path cross-sectional area of the second magnetic circuit formed in the second armature becomes smaller. Therefore, the residual magnetism of the first armature when energization to the electromagnetic engagement device is stopped is also reduced. Therefore, the releasing operation of the electromagnetic engagement device can be easily performed. Further, since the residual magnetism is reduced as described above, the return spring for realizing the released state of the electromagnetic engagement device can be made to have a smaller elastic force. Power consumption for realizing the engaged state can be further reduced. As a result, the energy efficiency can be improved while securing the torque capacity of the electromagnetic engagement device.
次に、この発明の構成を図面を参照して説明する。図1に示す電磁係合装置1は、電磁気力による磁気吸引力を発生させ、回転軸2の回転軸線方向(図1の左右方向)に動作する電磁アクチュエータ3と、一対のカム部材の間に相対的なトルク差が生じることにより回転軸線方向の推力を発生させるトルクカム機構4とを備えている。
Next, the configuration of the present invention will be described with reference to the drawings. An
電磁アクチュエータ3は、全体として環状の部材であってその周辺部分の断面が回転軸線方向に開いたU字状に形成されたヨーク5と、そのヨーク5のU字状断面部分の内部に嵌め込まれて通電されることにより磁束を発生する電磁コイル6と、ヨーク5の開口側の面に対向するとともに回転軸2上でその回転軸線方向に移動可能に、かつ、回転軸2に対して相対回転可能に配置されたアーマチュア7とから構成されている。
The
ヨーク5は、例えばケーシング(図示せず)などの固定部材に固定されていて、強磁性体の磁気特性、および衝撃や摩擦に対する強度や耐久性を備えた材料により形成されている。また、ヨーク5のアーマチュア7との対向面には、ヨーク5と電磁コイル6とからなる電磁石がその電磁気力によってアーマチュア7を吸引した際に、アーマチュア7と当接して電磁的に接合する接合面5aが形成されている。
The
アーマチュア7は、上記のようにヨーク5の接合面5aと対向するとともに、ヨーク5と電磁コイル6とからなる電磁石の電磁気力により吸引された際に、ヨーク5の接合面5aに直接当接する第1アーマチュア8と、その第1アーマチュア8のヨーク5との対向面と回転軸線方向で反対側の面に対向するとともに、回転軸2の回転軸線を中心に第1アーマチュア8と一体に回転し、かつ、第1アーマチュア8を回転軸線方向に移動可能に嵌合させる第2アーマチュア9との2つの部材から構成されている。
The armature 7 faces the
第1アーマチュア8は、強磁性体の磁気特性、および衝撃や摩擦に対する強度や耐久性を備えた材料により形成されている。そして、第1アーマチュア8は、中心部分が空洞の円環形状の部材であり、その内周部がスプライン穴8sとして形成されている。また、第1アーマチュア8のヨーク5との対向面、すなわち接合面5aとの対向面には、第1アーマチュア8がヨーク5と電磁コイル6とからなる電磁石に吸引された際に、ヨーク5の摩擦面5aと当接して電磁的に接合する接合面8aが形成されている。さらに、第1アーマチュア8の接合面8aと回転軸線方向で反対側の面に、第2アーマチュア9と当接する接合面8bが形成されている。
The
第2アーマチュア9は、第1アーマチュア8と同様に、強磁性体の磁気特性、および衝撃や摩擦に対する強度や耐久性を備えた材料により形成されている。そして、第2アーマチュア9は、中心部分に回転軸2を挿通可能な貫通穴を有するボス部9aが形成された円環形状の部材であり、そのボス部9aの外周部が、第1アーマチュア8のスプライン穴8sと嵌合するスプライン軸9sとして形成されている。また、第2アーマチュア9の第1アーマチュア8との対向面、すなわち接合面8bとの対向面には、第2アーマチュア9がヨーク5と電磁コイル6とからなる電磁石に吸引された際に、第1アーマチュア8の摩擦面8bと当接して電磁的に接合する接合面9bが形成されている。
Similar to the
そして、上記の第1アーマチュア8と第2アーマチュア9とが、スプライン嵌合されている。したがって、第1アーマチュア8は、第2アーマチュア9と一体に回転するとともに、第2アーマチュア9のボス部9aの外周上を回転軸線方向に摺動可能なように構成されている。なお、第2アーマチュア9の第1アーマチュア8に対する対向面と回転軸線方向で反対側の面には、後述する固定カム部15およびカムボール17と共にトルクカム機構4を構成する可動カム部16が形成されている。
The
第1アーマチュア8と第2アーマチュア9との間には、回転軸線方向で第1アーマチュア8を第2アーマチュア9側に引き付け、第1アーマチュア8を第2アーマチュア9に当接させる第1リターンスプリング10が装着されている。すなわち、第1リターンスプリング10の一方の端部が第1アーマチュア8に固定され、他方の端部が第2アーマチュア9に固定されている。
Between the
上記の第1リターンスプリング10は、例えば引張コイルばねから構成されていて、第1アーマチュア8に軸方向の外力が作用しない通常時(すなわち磁気吸引力が作用しない非通電時)に、第1アーマチュア8を第2アーマチュア9に当接させている。言い換えると、第1アーマチュア8をヨーク5から離隔させている。すなわち、ヨーク5の接合面5aとアーマチュア7の接合面7aとの間に所定間隔のエアギャップを設定している。したがって、第1アーマチュア8は、第1リターンスプリング10の弾性力よりも大きい回転軸線方向の外力、具体的には後述するようなヨーク5と電磁コイル6からなる電磁石の磁気吸引力が作用することにより、第2アーマチュア9のボス部9aの外周上を回転軸線方向に摺動し、ヨーク5に引き付けられるように構成されている。
The
なお、第1アーマチュア8の第2アーマチュア9との対向面、もしくは第2アーマチュア9の第1アーマチュア8との対向面の少なくともいずれか一方には、第1アーマチュア8が第2アーマチュア9に当接した状態でそれら第1アーマチュア8と第2アーマチュア9との間に第1リターンスプリング10を収容する凹部が形成されている。図1に示す例では、第1アーマチュア8に、第1リターンスプリング10を収容する凹部が形成されている。
The
また、第2アーマチュア9とヨーク5との間には、回転軸線方向で第2アーマチュア9をヨーク5から遠ざかる方向に押し付け、第2アーマチュア9を後述のカムボール17を介して固定カム部15に押圧させる第2リターンスプリング11が装着されている。すなわち、第2リターンスプリング11の一方の端部が第2アーマチュア9のボス部9aの先端面に固定され、他方の端部がヨーク5の中心部に形成されたボス部5bの一方の面にスラスト軸受12を介して固定されている。なお、ボス部5bの一方の面と回転軸線方向で反対側の他方の面は、スラスト軸受13を介して、回転軸2に固定されたスナップリング14によって回転軸線方向の移動が規制されている。
Further, between the
第2リターンスプリング11は、例えば圧縮コイルばねから構成されていて、第2アーマチュア9にカムボール17からの反力以外の軸方向の外力が作用しない通常時(すなわち磁気吸引力が作用しない非通電時)に、第2アーマチュア9をヨーク5から離隔させている。したがって、第2アーマチュア9は、第2リターンスプリング11の弾性力よりも大きい回転軸線方向の外力、具体的には後述するようにヨーク5と電磁コイル6からなる電磁石の磁気吸引力が作用することにより、回転軸2の外周上を回転軸線方向に摺動し、ヨーク5に引き付けられるように構成されている。
The
上記の各リターンスプリング10,11の弾性力は、第2リターンスプリング11の弾性力が第1リターンスプリング10の弾性力よりも大きくなるように設定されている。したがって、第1リターンスプリング10の弾性力よりも大きく、かつ、第2リターンスプリング11の弾性力よりも小さな、相対的に小さい磁気吸引力が作用することにより、先ず、第1アーマチュア8がヨーク5に吸引される。そして、第2リターンスプリング11の弾性力よりも大きな、相対的に大きい磁気吸引力が作用することにより、先にヨーク5に引き付けられている第1アーマチュア8と共に、第2アーマチュア9がヨーク5に吸引されるようになっている。
The elastic force of each of the return springs 10 and 11 is set so that the elastic force of the
前述のように、第1アーマチュア8は磁性体により形成されている。そのため、上記のように相対的に小さな磁気吸引力で第1アーマチュア8がヨーク5に吸引される際には、図2に示すように、ヨーク5および第1アーマチュア8の間で磁気回路C1が形成される。また、第2アーマチュア9も磁性体により形成されていて、さらに、第2アーマチュア9が磁気吸引力の作用によりヨーク5に吸引された場合には、第2アーマチュア9は第1アーマチュア8を介してヨーク5の接合面5aに当接して電磁的に接合される。そのため、上記のように相対的に大きな磁気吸引力で第2アーマチュア9がヨーク5に吸引される際には、図3に示すように、ヨーク5、第1アーマチュア8および第2アーマチュア9の間にも磁気回路C2が形成されるようになっている。
As described above, the
そして、上記のようにヨーク5および第1アーマチュア8の間に形成される磁気回路C1の磁路断面積が、ヨーク5、第1アーマチュア8および第2アーマチュア9の間に形成される磁気回路C2の磁路断面積よりも小さくなるように、ヨーク5、第1アーマチュア8および第2アーマチュア9がそれぞれ形成されている。例えば、それらヨーク5、第1アーマチュア8および第2アーマチュア9の形状・寸法や材料の磁性強度などを適宜に設計することにより、磁気回路C1の磁路断面積が磁気回路C2の磁路断面積よりも小さくなるように構成することができる。このように磁気回路C1の磁路断面積が磁気回路C2の磁路断面積よりも小さくなっていることにより、電磁コイル6への通電が停止されて磁気吸引力がなくなった際の磁気回路C1の残留磁気が、磁気回路C2の残留磁気よりも少なくなる。そのため、電磁アクチュエータ3におけるヨーク5と第1アーマチュア8との間の解放動作を容易に実行することができる
As described above, the magnetic circuit cross-sectional area of the magnetic circuit C1 formed between the
なお、第1アーマチュア8のスプライン穴8sと第2アーマチュア9のスプライン軸9sとが形成された嵌合部分には、上記のような各磁気回路C1,C2の磁束が通過しないように構成されている。すなわち、第1アーマチュア8および第2アーマチュア9は、それらの嵌合部分に上記のような各磁気回路C1,C2が形成されないように構成されている。したがって、電磁コイル6に通電されて電磁気力が発生する場合であっても、第1アーマチュア8と第2アーマチュア9との間の相対移動が電磁気力によって妨げられることがないようになっている。
In addition, it is comprised so that the magnetic flux of each above magnetic circuits C1 and C2 may not pass into the fitting part in which the
一方、トルクカム機構4は、回転軸2に固定されて回転軸2と一体回転する固定カム部15と、回転軸2上でその回転軸2に対して相対回転可能にかつ回転軸線方向に移動可能に配置された可動カム部16と、固定カム部15と可動カム部16との間に挟み込まれた球体状の転動体であるカムボール17とから構成されている。
On the other hand, the
固定カム部15は、円盤状の部材であり、回転軸2に一体に固定されている。もしくは回転軸2と一体に成形されている。そして固定カム部15の可動カム部16との対向面に、カムボール17を保持するカム面15aが形成されている。また、可動カム部16は、前述の第2アーマチュア9の第1アーマチュア8に対する対向面と回転軸線方向で反対側の面に形成されている。すなわち、第2アーマチュア9と可動カム部16は一体の部材により形成されている。そして可動カム部16の上記の固定カム部15との対向面、すなわちカム面15aとの対向面に、カム面15aと共にカムボール17を保持するカム面16aが形成されている。
The fixed
固定カム部15および可動カム部16に形成された各カム面15a,16aは、図4に示すように、径方向から見ると断面がV字形状となるようにカム角度θで傾斜した2つの面により構成されている。そして、カム面15aとカム面16aとの間にカムボール17を転動可能に保持するように、固定カム部15および可動カム部16をそれぞれ配置することにより、トルクカム機構4が構成されている。
As shown in FIG. 4, each of the cam surfaces 15a and 16a formed on the fixed
このようにトルクカム機構4は、回転軸2からトルクが入力される固定カム部15と、第2アーマチュア9と一体の可動カム部16と、カムボール17とを含む構成であって、固定カム部15と可動カム部16との間のトルク差に応じた軸力を発生させて、可動カム部15と固定カム部16とを係合させる機構である。このトルクカム機構4の基本的な構成・原理等に関しては、例えば、特許第4126986号公報、特開2010−215079号公報などに記載されているように周知であるため、より詳細な説明は省略する。
As described above, the
次に、この発明の電磁係合装置1の係合動作および解放動作について説明する。電磁アクチュエータ3の電磁コイル6へ通電されていない状態では、第1アーマチュア8を第2アーマチュア9へ付勢して当接させる第1リターンスプリング10の弾性力、および第2アーマチュア9を固定カム部15側へ付勢する第2リターンスプリング11の弾性力によって、アーマチュア7、すなわち第1アーマチュア8および第2アーマチュア9がヨーク5と離隔させられている。この解放状態は、図1に示すように、アーマチュア7とヨーク5とが非接触の状態であり、かつ、第1アーマチュア8の接合面8bと第2アーマチュア9の接合面9bとが接触し、なおかつ、第2アーマチュア9に形成された可動カム部16と固定カム部15とがカムボール17を介して接触している状態である。
Next, the engagement operation and the release operation of the
上記のような解放状態の電磁係合装置1における電磁コイル6に電流を流すと、電磁コイル6は磁束を発生し、それに伴いヨーク5から第1アーマチュア8に作用する磁気吸引力により、第1アーマチュア8がヨーク5に吸引される。このとき、第1アーマチュア8は第1リターンスプリング10の弾性力によって第2アーマチュア9側へ付勢されているので、電磁コイル6に通電される電流に応じて発生する磁気吸引力が、それに対抗する第1リターンスプリング10の弾性力に打ち勝った場合に、第1アーマチュア8がヨーク5側へ回転軸線方向に移動する。
When an electric current is passed through the
第1リターンスプリング10の弾性力よりも大きな磁気吸引力により吸引されてヨーク5側へ移動してきた第1アーマチュア8は、その接合面8aがヨーク5の接合面5aに当接して、ヨーク5と電磁的に接合されるとともに、接合面8aと接合面5aとの間の摩擦力により、第1アーマチュア8とヨーク5とが摩擦係合することになる。この係合状態は、図2に示すように、第1アーマチュア8とヨーク5とが電磁的に接合し、かつ、摩擦係合していて、一方、第2アーマチュア9とヨーク5とは未だ係合していない状態である。この係合状態を、第1係合状態とする。
The
この第1係合状態における第1アーマチュア8は、電磁アクチュエータ3の磁気吸引力によってヨーク5と摩擦係合している。したがって、電磁コイル6に通電され、この磁気吸引力が第1リターンスプリング10の弾性力に打ち勝っている間は、この第1係合状態が維持される。そして、磁気吸引力が第1リターンスプリング10の弾性力を下回った場合には、この第1係合状態が解除されて上記の解放状態に移行する。
The
電磁アクチュエータ3の磁気吸引力は、電磁コイル6に通電される電流の大きさに応じて増減する。そして、この電磁係合装置1のトルク容量は、図5に示すように、電磁電磁コイル6に通電される電流の大きさに応じて変化する。したがって、電磁コイル6に通電される電流を制御することにより、この電磁係合装置1の係合・解放状態およびトルク容量を制御することができる。
The magnetic attractive force of the
上記のような第1係合状態における電磁係合装置1のトルク容量、すなわち、電磁係合装置1が図1に示すようなブレーキである場合のブレーキトルクTb1は、電磁アクチュエータ3で発生させる磁気吸引力をFm、第1アーマチュア8とヨーク5との摩擦係合面の摩擦係数をμ、それらの摩擦係合面の摩擦半径(有効径)をrとすると、
Tb1=μ・r・Fm
の関係式で表すことができる。したがって、電磁コイル6に通電する電流を増大させることにより、その電流の大きさに比例して、ブレーキトルクTb1を増大させることができる。
The torque capacity of the
Tb1 = μ ・ r ・ Fm
It can be expressed by the relational expression Therefore, by increasing the current flowing through the
上記のように、第1係合状態は、第1アーマチュア8だけがヨーク5に吸引される状態であるため、電磁コイル6には相対的に小さい電流が通電される低電流状態となっている。この低電流状態における電流よりも更に大きな相対的に大きい電流を電磁コイル6に通電させ、第2リターンスプリング11の弾性力に打ち勝つ力、すなわち電磁アクチュエータ3による磁気吸引力と各カム部15,16間のトルク差に応じてトルクカム機構4で発生する推力との合力を発生させることにより、第2アーマチュア9がヨーク5側へ移動する。すなわち、電磁コイル6に通電している電流を更に大きくすると、第1磁気回路C1の磁束が飽和し、余剰となった磁束が第1アーマチュア8から外部に放出される。その結果、第2アーマチュア9を第1アーマチュア8へ引き付ける磁気吸引力が発生し、その磁気吸引力とトルクカム機構4による推力との合力が第2リターンスプリング11の弾性力よりも大きくなった時点で、第2アーマチュア9がヨーク5側へ吸引される。
As described above, since the first engagement state is a state in which only the
第2アーマチュア9がヨーク5側へ吸引されることにより、第2アーマチュア9は、その接合面9bが、既にヨーク5と磁気的に接合されて摩擦係合している第1アーマチュア8の接合面8bに当接して、第1アーマチュア8を介してヨーク5と電磁的に接合される。すなわち、第2アーマチュア9が第1アーマチュア8を介してヨーク5に吸着される。そして、それに伴って接合面9bと接合面8bとの間で発生する摩擦力により、第2アーマチュア9と第1アーマチュア8とが摩擦係合することになる。この係合状態は、図3に示すように、既に第1アーマチュア8とヨーク5とが電磁的に接合し、かつ、摩擦係合していて、さらに、第2アーマチュア9と第1アーマチュア8とが電磁的に接合し、かつ、摩擦係合している状態である。すなわち、ヨーク5と第1アーマチュア8と第2アーマチュア9とが一体に摩擦係合されている状態である。この係合状態を、第2係合状態とする。
When the
この第2係合状態における第2アーマチュア9は、電磁アクチュエータ3の磁気吸引力によってヨーク5と摩擦係合している。したがって、電磁コイル6に通電され、この磁気吸引力が第2リターンスプリング11の弾性力に打ち勝っている間は、この第2係合状態が維持される。そして、磁気吸引力が第2リターンスプリング10の弾性力を下回った場合には、この第2係合状態が解除されて上記の第1係合状態に移行する。
The
この第2係合状態においても、電磁アクチュエータ3の磁気吸引力は、電磁コイル6に通電される電流の大きさに応じて増減する。したがって、この第2係合状態における第2アーマチュア9とヨーク5との間のトルク容量は、電磁電磁コイル6に通電される電流の大きさに応じて変化する。さらに、この第2係合状態では、第2アーマチュア9がヨーク5に吸引されてヨーク5とアーマチュア7との間のトルク容量が増大すると、第2アーマチュア9すなわち可動カム部16と固定カム部15との間にトルク差が生じる。具体的には、第2アーマチュア9がヨーク5に係合することにより第2アーマチュア9が制動され、その回転数が低下する。そして第2アーマチュア9の回転数が低下することにより、可動カム部16と固定カム部15との間に回転数差が生じ、その結果、可動カム部16と固定カム部15との間にトルク差が生じることになる。
Even in the second engagement state, the magnetic attractive force of the
可動カム部16と固定カム部15との間にトルク差が生じると、トルクカム機構4が作動する。すなわち、トルクカム機構4においては、可動カム部16と固定カム部15との間にトルク差が生じると、そのトルク差に応じて回転軸線方向への推力が発生する。具体的には、可動カム部16と固定カム部15との間にトルク差により、カムボール17がカム面15a,16aに乗り上げて、可動カム部16および固定カム部15をそれぞれ押圧し離隔させる方向にトルクカム反力が発生する。
When a torque difference is generated between the
第2アーマチュア9とヨーク5との間のトルク容量が増大し、可動カム部16と固定カム部15との間のトルク差が大きくなると、トルクカム機構4における各カム面15a,16aとカムボール17との間のいわゆるくさび効果によって、トルクカム機構4のトルクカム反力が増大することになる。
When the torque capacity between the
したがって、この第2係合状態においても、電磁係合装置1のトルク容量は、図5に示すように、電磁電磁コイル6に通電される電流の大きさに応じて変化する。その場合、この第2係合状態では、上記のように、トルクカム機構4により機械的に係合されるトルク容量が付加されるため、第1係合状態と比較してより大きなトルク容量で係合されることになる。結局、この電磁係合装置1は、電磁コイル6に通電される電流を制御することにより、その係合・解放状態およびトルク容量を制御することができる。
Therefore, even in the second engagement state, the torque capacity of the
上記のような第2係合状態における電磁係合装置1のトルク容量、すなわち、ブレーキトルクTb2は、電磁アクチュエータ3で発生させる磁気吸引力をFm、トルクカム機構4におけるトルクカム反力をFc、第1アーマチュア8とヨーク5との摩擦係合面の摩擦係数をμ、それらの摩擦係合面の摩擦半径(有効径)をrとすると、
Tb2=μ・r・(Fm+Fc)
の関係式で表すことができる。したがって、この第2係合状態においても、電磁コイル6に通電する電流を増大させることにより、その電流の大きさに比例して、ブレーキトルクTb2を増大させることができる。
The torque capacity of the
Tb2 = μ · r · (Fm + Fc)
It can be expressed by the relational expression Accordingly, even in the second engagement state, the brake torque Tb2 can be increased in proportion to the magnitude of the current by increasing the current supplied to the
次に、この発明の電磁係合装置1を、ハイブリッド駆動装置のギヤトレーンにおけるブレーキに適用した例について説明する。図6に示す構成はいわゆる2モータタイプのハイブリッド駆動装置である。その構成を簡単に説明すると、このハイブリッド駆動装置は、エンジン40が出力した動力を動力分割機構41によって出力軸42側と第1モータ・ジェネレータ43側とに分割するように構成されている。そのエンジン40は、ガソリンエンジンやディーゼルエンジンなどの内燃機構であり、そのクランクシャフトなどの出力要素が動力分割機構41に連結されている。
Next, an example in which the
動力分割機構41は、図6に示す例では、シングルピニオン側の遊星歯車機構によって構成されており、サンギヤ44とリングギヤ45とが同心円上に配置され、これらサンギヤ44およびリングギヤ45にかみ合っているピニオンギヤがキャリア46によって自転かつ公転可能に保持されている。そのキャリア46にはエンジン40の出力軸40aが連結されている。したがって、この例ではキャリア46が入力要素になっている。また、サンギヤ44には第1モータ・ジェネレータ43が連結されている。したがって、この例ではサンギヤ44が反力要素となっている。さらに、このサンギヤ44および第1モータ・ジェネレータ43に、ブレーキとしてこの発明の電磁係合装置1が連結されている。したがって、電磁係合装置1を係合させることにより、サンギヤ44および第1モータ・ジェネレータ43の回転を制動し固定することができる構成となっている。そして、リングギヤ45が出力軸42に連結されている。したがって、この例ではリングギヤ45が出力要素となっている。
In the example shown in FIG. 6, the
また、出力軸42には第2モータ・ジェネレータ47が変速部48を介して連結されている。この変速部48は、第2モータ・ジェネレータ47のトルクを増大もしくは減少させて出力軸42に伝達する変速機構によって構成されており、その変速比は所定の一つの値に固定されていてもよく、あるいは複数の変速比に切り替えられるように構成されていてもよい。
A second motor /
各モータ・ジェネレータ43,47は、例えば永久磁石式の同期電動機によって構成され、コイルに通電することによりモータとして機能してトルクを出力し、またロータが外力によって強制的に回転させられることにより発電機として機能し、電力を発生するように構成されている。これらの各モータ・ジェネレータ43,47は、図示しないインバータを介してバッテリなどの蓄電装置に電気的に接続され、また一方のモータ・ジェネレータで発電した電力を他方のモータ・ジェネレータに供給できるように構成されている。そして、インバータにはマイクロプロセッサーを主体にして構成された図示しない電子制御装置が接続され、この電子制御装置によって、各モータ・ジェネレータ43,47の回転数やトルク、発電量などを制御するように構成されている。なお、エンジン40は、吸入空気量や燃料供給量、点火時期などが電気的に制御され、それに伴ってトルクや回転数が電気的に制御されているように構成されている。
Each of the
このエンジン40が出力した動力を出力軸42側の第1モータ・ジェネレータ43側に分割するいわゆる通常のハイブリッドモードでは、第1モータ・ジェネレータ43が発電機として機能させられ、発電に伴うトルクがサンギヤ44にいわゆる反力トルクとして作用する。これに伴って、出力要素であるリングギヤ45には、エンジントルクを増幅させたトルクが生じる。また、第1モータ・ジェネレータ43で得られた電力は、第2モータ・ジェネレータ47がモータとして機能し、その出力トルクが変速部48を介して出力軸42に伝達される。すなわち、エンジン40が出力した動力の一部は、動力分割機構41を介して出力軸42に伝達され、かつ他の動力が一旦電力に変換された後、再び機械的な動力に変換されて出力軸42に伝達される。
In the so-called normal hybrid mode in which the power output from the
また、エンジン負荷が次第に小さくなると、サンギヤ44すなわち第1モータ・ジェネレータ43の回転数を低下させる。これは、エンジン40の回転数を燃費のよい回転数に制御するためである。そして、ついにはサンギヤ44の回転数を0にする場合には、第1モータ・ジェネレータ43によって反力トルクを生じさせる代わりに、電磁係合装置1を係合させることにより、サンギヤ44を固定して反力トルクを発生させる。こうすることにより、第1モータ・ジェネレータ43のトルクを制御する必要がなくなり、このハイブリッド駆動装置のエネルギ効率を向上させることができる。
Further, when the engine load is gradually reduced, the rotational speed of the
なお、図7,図8には、この発明の電磁係合装置1を適用したハイブリッド駆動装置の他の構成例を示してある。また、この発明の電磁係合装置1は、例えば、遊星歯車機構とクラッチやブレーキなどの油圧式の摩擦係合装置とから構成され、クラッチおよびブレーキの係合・解放状態を油圧で制御することにより変速制御を行う従来の車両用自動変速機にも適用することができる。すなわち、従来の車両用自動変速機に用いられている摩擦係合装置に替えて、この発明の電磁係合装置1を用いることができる。
7 and 8 show another configuration example of the hybrid drive device to which the
このように、この発明の電磁係合装置は、上述の実施形態に限定されるものではなく、ブレーキとして用いられる以外に、クラッチとして用いられる場合も対象とすることができる。また、上述の実施形態では、ヨーク5がケーシング等の固定部に固定され、回転軸2に制動力を付与する構成例について説明したが、ヨーク5が回転軸2の伝達トルクを受け動力伝達系統における他の回転部材にトルク伝達する構成であってもよい。
As described above, the electromagnetic engagement device of the present invention is not limited to the above-described embodiment, and can be used as a target in addition to being used as a brake. Further, in the above-described embodiment, the configuration example in which the
以上のように、この発明に係る電磁係合装置1によれば、第1アーマチュア8をヨーク5に吸着させる係合の初期段階を、低電流の通電により行うことができる。そして、第2アーマチュア9を第1アーマチュア8と共にヨーク5に吸着させてトルクカム機構4の固定カム15と可動カム16とを一体化させた後は、そのトルクカム機構4における機械的な係合力によって電磁係合装置1の係合状態を維持することができる。したがって、固定カム15と可動カム16との間のトルク差が十分に大きい間は、トルクカム機構4の機械的な係合力のみで電磁係合装置1の係合状態を実現させることができる。すなわち、非通電状態であってもトルク入力があることにより係合状態を維持するいわゆるセルフロック機構を構成することができる。そのため、電磁コイル6に通電することにより電磁係合装置1を作動させて係合させるための消費電力を低減することができる。なお、設計的には、上記のようなセルフロック機構に替えて、トルク入力がある状態でも解放状態を実現させることが可能ないわゆるセルフリリース機構を構成することも可能である。
As described above, according to the
そして、第1アーマチュア8がヨーク5に吸着される際に第1アーマチュア8に形成される第1磁気回路C1の磁路断面積が、第2アーマチュア9が第1アーマチュア8を介してヨーク5に吸着される際に第2アーマチュア9に形成される第2磁気回路C2の磁路断面積よりも小さくなる。したがって、第1磁気回路C1の磁路断面積が小さい分、電磁係合装置1への通電を停止した際に第1アーマチュア8に残留する残留磁気も小さくなる。そのため、電磁係合装置1の解放動作を容易に実行することができる。
Then, when the
また、上記のように第1アーマチュア8の残留磁気が小さいことにより、電磁係合装置1の解放状態を実現させるための第1リターンスプリング10を、より弾性力の小さいものにすることができる。そのため、電磁係合装置1の係合状態を実現させるための消費電力を更に低減することができる。
Moreover, since the residual magnetism of the
1…電磁係合装置、 2…回転軸、 3…電磁アクチュエータ、 4…トルクカム機構、 5…ヨーク、 6…電磁コイル、 7…アーマチュア、 8…第1アーマチュア、 9…第2アーマチュア、 10…第1リターンスプリング、 11…第2リターンスプリング、 15…固定カム部、 16…可動カム部、 17…カムボール。
DESCRIPTION OF
Claims (1)
前記アーマチュアが、前記ヨークに対向して配置されて前記磁気吸引力によって前記ヨークに直接吸着させられる第1アーマチュアと、前記第1アーマチュアを前記回転軸線を中心に一体回転させかつ前記回転軸線方向に相対移動可能に嵌合させ、前記磁気吸引力によって前記第1アーマチュアを介して前記ヨークに吸着させられるとともに、前記一方のカム部材を兼ねる第2アーマチュアとから構成され、
前記第1アーマチュアと前記第2アーマチュアとの間に設置されて前記第1アーマチュアを前記第2アーマチュアに引き付けて当接させる第1スプリングと、前記第2アーマチュアと前記ヨークとの間に設置されて前記第2アーマチュアを押圧して前記ヨークから離隔させるとともに、前記第1スプリングよりも弾性力が大きい第2スプリングとを備え、
前記第1アーマチュアが前記ヨークに吸着される際に前記第1アーマチュアに形成される第1磁気回路の磁路断面積が、前記第2アーマチュアが前記第1アーマチュアを介して前記ヨークに吸着される際に前記第2アーマチュアに形成される第2磁気回路の磁路断面積よりも小さくなるように構成されている
ことを特徴とする電磁係合装置。 A torque cam mechanism that has a pair of cam members arranged opposite to each other in the rotation axis direction and capable of relative rotation, and that generates a thrust in the rotation axis direction according to a torque difference between the cam members; and a yoke An electromagnetic actuator that attracts an armature arranged so as to be movable in the direction of the rotation axis by energizing an installed electromagnetic coil to generate a magnetic attractive force, the electromagnetic actuator including the cam One of the members is attracted to the yoke as the armature, and the torque difference is increased by the friction force generated at that time, thereby increasing the thrust and increasing the engagement force for integrating the cam members. In the combined device,
A first armature disposed opposite the yoke and directly attracted to the yoke by the magnetic attractive force; and the first armature is integrally rotated about the rotation axis and in the direction of the rotation axis The second armature that is fitted so as to be relatively movable and is attracted to the yoke via the first armature by the magnetic attraction force, and also serves as the one cam member,
A first spring installed between the first armature and the second armature to attract and abut the first armature to the second armature; and installed between the second armature and the yoke. A second spring that presses the second armature away from the yoke and has a larger elastic force than the first spring;
When the first armature is attracted to the yoke, the magnetic path cross-sectional area of the first magnetic circuit formed in the first armature is attracted to the yoke via the first armature. In this case, the electromagnetic engagement device is configured to be smaller than a magnetic path cross-sectional area of a second magnetic circuit formed in the second armature.
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