JP2013087967A - 銃器弾丸の異同識別方法及びその装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】
発射弾丸の異同識別判定を行う際に、鑑定の正確性を維持しつつ作業効率を向上させること、及び、発射弾丸の異同識別判定を行う際の鑑定員の負荷低減を図ること。
【解決手段】
検査対象である銃器弾丸と比較試料との異同を識別する方法及びその装置において、銃器弾丸を撮像してこの銃器弾丸の外周面の画像を得、銃器弾丸の表面の凹凸を計測して銃器弾丸の表面の凹凸情報を得、得た銃器弾丸の外周面の画像と得た銃器弾丸の表面の凹凸情報とを予め記憶されている複数の比較試料の外周面の画像及び表面の凹凸情報と比較して前記銃器弾丸の外周面の画像と前記銃器弾丸の表面の凹凸情報に類似している比較試料を抽出し、この抽出した比較試料の情報と前記検査対象である銃器弾丸の情報とを出力するようにした。
【選択図】 図1
発射弾丸の異同識別判定を行う際に、鑑定の正確性を維持しつつ作業効率を向上させること、及び、発射弾丸の異同識別判定を行う際の鑑定員の負荷低減を図ること。
【解決手段】
検査対象である銃器弾丸と比較試料との異同を識別する方法及びその装置において、銃器弾丸を撮像してこの銃器弾丸の外周面の画像を得、銃器弾丸の表面の凹凸を計測して銃器弾丸の表面の凹凸情報を得、得た銃器弾丸の外周面の画像と得た銃器弾丸の表面の凹凸情報とを予め記憶されている複数の比較試料の外周面の画像及び表面の凹凸情報と比較して前記銃器弾丸の外周面の画像と前記銃器弾丸の表面の凹凸情報に類似している比較試料を抽出し、この抽出した比較試料の情報と前記検査対象である銃器弾丸の情報とを出力するようにした。
【選択図】 図1
Description
本発明は、銃器から発射された弾丸を対象とした銃器弾丸の異同識別方法及びその装置に関する。
法科学分野で用いられている異同識別技術は、指紋、声紋、筆跡、土壌や足跡など様々な検体を対象としており、近年では生体のDNA(Deoxyribo Nucleic Acid)鑑定も犯罪捜査に応用されるようになった。銃器が使用された犯罪の場合は、事件現場から証拠物件として採取した弾丸や薬きょうについて、それらが過去の事件と関連しているか否かを調査したり、事件に使用された銃器の種類を特定する目的で、複数の検体の類似性を鑑定する作業が行われている。
日本国内においては、銃器弾丸等の鑑定作業は比較対象となる2つの検体を光学顕微鏡視野内に配置し、鑑定員が目視照合する手法が主流である。銃器の銃身内側には、弾丸の着弾精度向上のための腔旋(ライフリング)が形成されている場合が多くあり、発射弾丸には腔旋による痕跡(腔旋痕)が存在する。この腔旋は銃器ごとに異なっており、鑑定員は発射弾丸に残された腔旋痕(多数の筋状擦過痕)同士を比較し、それが同一の銃器(銃身)から発射されたものかどうかを鑑定する。或いは銃器から排出された使用済みの薬きょうの雷管部に残された撃針痕(窪み状の痕跡)等の形状を比較し、同一の銃器で使用されたものかどうかを鑑定する。
特にこのような鑑定用途に使用される光学顕微鏡は比較顕微鏡と称され、銃器犯罪においては複数の検体の異同識別に関する結論(例えば裁判上で用いられる証拠)が、比較顕微鏡で撮影された銀鉛写真として示されることが多い。この比較顕微鏡の視野内では、前述の特徴痕同士を平面(2次元)的に観察して照合するのみであって、痕跡の深さ情報は照明光照射による痕跡の陰影として視覚的に得られる。比較顕微鏡を用いた弾丸等の異同識別においては、照明角度の僅かな相違により顕微鏡視野内における特徴痕の陰影(特徴痕の見え方)が異なってしまうため、鑑定作業には熟練した鑑定員の経験と知識が必要であったり、1件の鑑定作業に数日を費やす場合がある等、鑑定精度向上や作業効率改善が望まれている。
弾丸に残された特徴痕を3次元的に計測する手法として、特許文献1には、共焦点顕微鏡を用いて弾丸の特定領域の3次元形状を計測し、弾丸表面の微細な擦過痕を3次元的に照合する技術が開示されている。また非特許文献1には、同一の銃器から発射された弾丸について、弾底部分の旋丘痕の3次元形状を比較することで、その類似性を評価できる可能性が示唆されている。
旋丘痕の3次元形状データを用いた発射弾丸の異同識別の可能性;日本法科学技術学会誌Volume 8,Number 1,pp.89−97 (2003)
銃器犯罪に用いられた弾丸の異同識別判定を行う際には、その正確性が最も重要であることは当然であるが、鑑定の正確性を維持しつつ如何にして作業効率を向上させ、鑑定員の負荷低減を図るかが課題である。そのためには、長年の経験や高度な知識を備えていない鑑定員でも、効率的に正確な鑑定作業を行うことができる手段が必要である。
特許文献1に記載されている技術では、弾丸の3次元形状の計測対象領域を作業者(鑑定員)が指定する必要がある。即ち、作業者は予め比較顕微鏡等を用いて2つの弾丸を一通り目視観察し、精密に比較するべき部分を特定しなくてはならない。弾丸の異同識別作業においては、2つの検体の比較対象領域を絞り込む作業自体に鑑定員の経験が必要となることから、作業者には高度な鑑定能力が要求される。よって特許文献1に記載されている技術の場合、鑑定作業に当たる作業員の経験量や能力が、鑑定精度・鑑定作業効率に著しく影響を与えてしまうという問題点がある。
換言すれば、鑑定経験の乏しい鑑定員が作業を行う場合、弾丸表面の3次元形状を広範囲に亘り計測する必要がある。特許文献1に記載されている技術の場合、弾丸表面の微小領域をオーバーラップさせて3次元形状を計測し、該計測箇所をつなぎ合わせることで特定領域の3次元形状データを合成する。特許文献1に開示された例では、計測のオーバーラップ量(面積)を50%程度確保する必要性があり、これは弾丸表面の形状計測領域の2倍の面積の形状データを蓄積して合成することとなるため、取り扱う形状データが膨大となり、多くのメモリ容量を備えた記憶装置が必要になったり、データ処理時間が長くなるという問題点もある。
また非特許文献1に記載されている技術では、弾丸底部の部分的な情報(3次元形状)のみを使用していることから、鑑定精度・作業効率向上の効果は乏しい。非特許文献1に記載されている技術では、同一の銃器から連続して発射された同種の弾丸に限定すれば有効と考えられる。長期間の使用で銃身内の腔旋が磨耗した場合、弾底部の旋丘痕も次第に変化すると捉えるのが妥当である。弾丸の異同識別においては弾丸に残されたあらゆる痕跡を比較し、総合的に類似度を判断する必要がある。
本発明の第1の目的は、銃器から発射された弾丸の異同識別を行うに当たり、鑑定員による鑑定作業の習熟度の影響を極力排除し、正確な異同識別を効率的に実現する方法を提供することである。
本発明の第2の目的は、銃器から発射された弾丸の異同識別を行うに当たり、鑑定員による鑑定作業の習熟度の影響を極力排除し、正確な異同識別を効率的に実現する装置を提供することである。
上記第1の目的は、検査対象の弾丸の展開図を作成し、該展開図を用いて比較対象の弾丸との異同識別を行う手段により達成される。
また上記第1の目的は、検査対象の弾丸の展開図及び3次元形状図を作成し、比較対象の弾丸との異同識別を展開図及び3次元形状図を用いて実施する手段によって達成される。
上記第2の目的は、弾丸を保持し光学像を採取する光学系と、弾丸表面形状を計測する変位計と、弾丸を位置決めし回転させる機構部と、計測データを比較するためのアルゴリズムを実装した制御系から構成される異同識別装置によって達成される。
即ち、上記目的を達成するために、本発明では、検査対象である銃器弾丸と比較試料との異同を識別する方法において、銃器弾丸を撮像してこの銃器弾丸の外周面の画像を得、
銃器弾丸の表面の凹凸を計測して銃器弾丸の表面の凹凸情報を得、得た銃器弾丸の外周面の画像と得た銃器弾丸の表面の凹凸情報とを予め記憶されている複数の比較試料の外周面の画像及び表面の凹凸情報と比較して前記銃器弾丸の外周面の画像と前記銃器弾丸の表面の凹凸情報に類似している比較試料を抽出し、この抽出した比較試料の外周面の画像と表面の凹凸情報との両方又は何れかと、検査対象である銃器弾丸の外周面の画像及び表面の凹凸情報との両方又は何れかとを画面上に表示するようにした。
銃器弾丸の表面の凹凸を計測して銃器弾丸の表面の凹凸情報を得、得た銃器弾丸の外周面の画像と得た銃器弾丸の表面の凹凸情報とを予め記憶されている複数の比較試料の外周面の画像及び表面の凹凸情報と比較して前記銃器弾丸の外周面の画像と前記銃器弾丸の表面の凹凸情報に類似している比較試料を抽出し、この抽出した比較試料の外周面の画像と表面の凹凸情報との両方又は何れかと、検査対象である銃器弾丸の外周面の画像及び表面の凹凸情報との両方又は何れかとを画面上に表示するようにした。
また、上記目的を達成するために、本発明では、検査対象である銃器弾丸と比較試料との異同を識別する方法において、検査対象である銃器弾丸を回転させながら銃器弾丸の外周面を撮像して銃器弾丸の外周面の画像情報を得ると共に銃器弾丸の表面の凹凸を計測して銃器弾丸の表面の凹凸情報を得、銃器弾丸の外周面の画像情報と銃器弾丸の表面の凹凸情報との両方又は何れかとデータベースに記憶されている複数の比較試料の画像情報と表面の凹凸情報との両方又は何れかとの類似度を判定し、銃器弾丸の外周面の画像情報と銃器弾丸の表面の凹凸情報との両方又は何れかに類似している外周面の画像情報と表面の凹凸情報との両方又は何れかを有する比較試料を抽出し、銃器弾丸の外周面の画像情報と銃器弾丸の表面の凹凸情報との両方又は何れかと抽出した比較試料の外周面の画像情報と表面の凹凸情報との両方又は何れかとを画面上に並べて表示するようにした。
更に、上記目的を達成するために、本発明では、検査対象である銃器弾丸と比較試料との異同を識別する装置を、銃器弾丸を保持して回転させる保持手段と、この保持手段により保持されて回転している銃器弾丸を撮像して銃器弾丸の外周面の画像情報を取得する画像情報取得手段と、保持手段により保持されて回転している銃器弾丸の表面の凹凸を計測して銃器弾丸の表面の凹凸情報を得る凹凸情報取得手段と、複数の比較試料の外周面の画像情報及び表面の凹凸情報を記憶する記憶手段と、画像情報取得手段で取得した銃器弾丸の外周面の画像情報と凹凸情報取得手段で得た銃器弾丸の表面の凹凸情報との両方又は何れかを記憶手段に記憶されている複数の比較試料の外周面の画像及び表面の凹凸情報の両方又は何れかと比較して銃器弾丸の外周面の画像と銃器弾丸の表面の凹凸情報に類似している比較試料を抽出する比較試料抽出手段と、この比較試料抽出手段で抽出した比較試料の外周面の画像及び表面の凹凸情報の両方又は何れかと画像情報取得手段で取得した銃器弾丸の外周面の画像情報と凹凸情報取得手段で得た銃器弾丸の表面の凹凸情報との両方又は何れかを出力する出力手段とを備えて構成した。
本発明の異同識別装置を使用することで、比較対象となる弾丸をコンピュータで抽出できるようになり、これまで作業者(鑑定員)の知識や経験に基づいて行っていた作業の自動化が可能になり、作業効率と比較精度を向上させ、且つ見落としを防止する効果が得られる。
また、本発明の異同識別装置を使用することで、比較対象となる試料上の特徴パターンをコンピュータで抽出できるようになり、これまで作業者(鑑定員)の知識や経験に基づいて行っていた比較顕微鏡による異同識別作業の効率化が可能となる。
また、本発明の異同識別装置を使用することで、専門性の高い鑑定技術の熟練度に左右されず、正しい鑑定結果を迅速に得ることができる。
また、本発明の異同識別装置を使用することで、データベース同士で異同識別を行うことが可能となり、比較顕微鏡を用いることができない遠隔地においても正しい鑑定結果を迅速に得ることができる。
以下、本発明を具現化する際に好適な実施例を説明する。
図1は弾丸の異同識別装置100のシステム構成図、図2は図1の光学系部分の構成を示した斜視図である。図3は鑑定の対象となる弾丸1の概観図である。弾丸1は左回り6条、38口径(直径約10mm)の被甲弾丸で、その回転軸Aを中心としてほぼ軸対称な形状を保っており、大きな変形が生じていない状態と仮定する。弾丸1の表面には溝状の窪みw1〜w6が取り巻いており、溝内部に生じた擦過痕11を含めてそれぞれの窪みw1〜w6を旋丘痕と称する。この窪みw1〜w6以外の部分については擦過痕12と併せて旋底痕と称する。本実施例においては、旋丘痕は旋底痕に対して50マイクロメートル(μm)程度窪んだ状態である。旋丘痕と旋底痕に生じている擦過痕11及び12は、1〜2μm程度の凹凸を伴う筋模様として観察される。
弾丸1はその軸方向をホルダ101及び102で挟まれた形で保持され、ベース103に固定されている。サーボモータ106の回転軸は図示しないカップリング機構を介してホルダ101に連結されており、サーボモータ106の回転と共に弾丸1、及びホルダ102も同様に回転する。サーボモータ106(弾丸1)の回転方向はXZ平面内であり、従ってR0軸はXZ平面と直交している。弾丸1の回転方向は弾丸1を底部から見た時に右回りをCW,左回りをCCWと定義する。サーボモータにはロータリエンコーダが内蔵されており、1回転(360°)が7200分割(0.05°単位)の分解能で位置決め可能である。
弾丸1を保持したベース103は、θステージ104、Yステージ105、Xステージ108に搭載されている。θステージ104の回転方向はXY平面内であり、従って該θ軸はXY平面と直交している。全てのステージは防振定盤127上に搭載されている。107はサーボモータ106のコントローラ、128はθステージ104とYステージ105とXステージ105の3軸コントローラであり、全てコンピュータ140で動作が制御される。
弾丸1は、観察光学系鏡筒111に取り付けられた対物レンズ110とテレビカメラ112により撮像され、モニタ141上に撮像された画像が表示されて観察される。本実施例では、対物レンズ110の光学倍率は0.3倍、開口率は0.04である。また、テレビカメラ112で検出した画像はカメラコントローラ113を経由してコンピュータ140のメモリに格納できる構成となっている。観察光学系鏡筒111はZステージ114(フォーカス軸)で位置決めされる。Zステージ114は図示しない機構部により、防振定盤127上に搭載されている。
116は三角測量の原理で弾丸1の表面変位を計測するレーザ変位計であり、被計測物表面でのレーザスポット径は30μm、波長635nm、変位計測分解能は0.1μmである。レーザ変位計116は、Yステージ117、Xステージ118、Zステージ119に搭載されて変位計測位置が決定される。Yステージ117、Xステージ118、Zステージ119は図示しない機構部により、防振定盤127上に搭載されている。115はZステージ114のコントローラ、120はYステージ117、Xステージ118、Zステージ119の3軸コントローラで、これらのステージの動作は全てコンピュータ140で制御される。
126は弾丸1を斜方照明するための集光レンズであり、XZ平面内において対物レンズ110による観察光軸を基準としてγだけ傾いた角度から弾丸1表面を斜め方向から照明する。ハロゲン光源123からの照明光は、光ファイバ125により集光レンズ126まで導光されている。照明光は光ファイバ124によって観察光学系鏡筒111にも同時に導光されており、必要に応じて観察光学系の同軸落射照明として用いることができる。本実施例では、前記集光レンズ126による斜方照明の入射角γは60°であるが、計測対象物である検体の種類や表面状態に応じて、図示しない調整機構部によって集光レンズ126の角度(斜方照明入射角γ)が適宜調節される。
142は図1並びに図2に示した異同識別装置100を操作するためのキーボードであり、弾丸1の目視確認等によって得られる情報(口径、条数、材質等)の入力にも使用される。コンピュータ140は、テレビカメラ112で撮影した弾丸1の光学像と、レーザ変位計116で計測した弾丸1の表面変位データを、弾丸1の口径や条数、材質等必要な情報と併せて検体毎に分類整理して内部メモリに記憶する。またコンピュータ140は、ネットワーク144を経由して外部記憶装置143に接続されており、前述した検体の外観(光学像)、形状(表面変位データ)、その他の情報は全て外部記憶装置143にも記憶され、データベース管理されている。コンピュータ140は、外部記憶装置143に記憶されているデータベースを参照することも可能である。
次に、図1に示した本実施例による異同識別装置100を用いた鑑定開始から終了までの一連の作業フローを図4を用いて説明する。作業者は先ず計測対象である弾丸1をホルダに固定し(S501)、テレビカメラ112で観察する弾丸1の観察視野を調整する(S502)。次に、これらの概観上の特徴をコンピュータ140に入力する(S503)。そして弾丸1をモニタ141上で観察しながら、弾丸1の展開図合成の範囲を決めるYBTM及びYTOP(図5参照)、並びに弾丸1のR方向回転ピッチφを決定する。続いて弾丸1の形状計測条件であるR軸回転数(RPS)、R軸の回転と併進するYステージの送りピッチpを決定する(S504)。これらの条件設定は、モニタ141上のレシピから作業者が選択するか、キーボード142から任意の値を入力することで行われる。
次に、コンピュータ140はS502及びS503で入力されたデータに基づいてコントローラ107でサーボモータ106の回転を制御すると共に3軸コントローラ128でθステージ104とXステージ108、Yステージ105を制御して弾丸1を回転させながらカメラコントローラ113でテレビカメラ112で弾丸1の観察視野400を撮像して画像を取得する(S505)。
異同識別装置100は上記設定された条件に基づき、撮像して取得した画像を処理する展開図合成 (S506)、表面形状計測(S507)、表面の3次元空間像作成(S508)を自動で実行し、計測データをコンピュータ140に保存する。計測データは同時に外部記憶装置143にも保存される。次に類似度判定(S509)に移行する。即ち、弾丸1表面の特徴パターン、弾丸1の表面の形状的な特徴量を抽出し、これと類似した特徴を有する弾丸が外部記憶装置143のデータベースに存在するか否かを検索する。データベース上には、過去に鑑定した各種試料(弾丸)が分類されており、コンピュータ140はデータベース上の必要なデータを外部記憶装置143からロードし、パターンマッチングや立体形状の重ね合わせ(差分成分量の比較)等の手法で特徴量を比較し、類似データの有無を検索する。検索の結果、類似データが存在しない場合は鑑定終了となる。
データベース検索の結果、類似データが存在する場合は、モニタ141上に弾丸1と類似データとの展開図、または弾丸の形状展開図、或いは3次元形状図の何れか、又はそれらを組合せた像を並べて表示する(S510)。作業者は、異同識別装置100が抽出した特徴パターン同士をモニタ141上で目視確認し、その時点で同一の銃器から発射されたものと明らかに判断できる場合はその判断の結果をコンピュータ140に入力して(S511)記憶させ、暫定的な鑑定結果として採用される。なお、データベースである外部記憶装置143は、異同識別装置100と共に設置する必要性はなく、専用回線を経由して遠隔地のデータベースを参照する場合もある。
異同識別の最終結論を得るに当たり、厳密な鑑定は実物の弾丸同士の比較によって行われる。データベース同士の比較によって得られる結果は正しいものであるが、これは関係機関におけるその後の調査や捜査の効率向上に寄与する。裁判所等で取り扱われる証拠物件としては、データベース上で比較鑑定した結果のみでは不十分なケースも考えられるため、異同識別の最終的な結論は比較顕微鏡(図16参照)で得る。
異同識別装置100では、S510で入力された弾丸1と類似した特徴パターンを有する試料弾丸をデータベース上で抽出してこの抽出した試料弾丸の情報をモニタ141上に表示する(S512)。ここまでで異同識別装置100による一連の操作は終了する。その後、作業者は異同識別装置100が抽出した弾丸(比較対象)を保管庫から持ち出し、比較顕微鏡(図16参照)で両者を観察する。このとき、検査対象の弾丸1と比較対象の試料弾丸との間で一致度の高い特徴パターンとその位置が異同識別装置100によりリストアップされているため、作業者は予め決められた部分を目視確認するだけで良い。最終的に、比較顕微鏡の視野で比較観察された光学像を銀鉛写真に記録する。比較顕微鏡による従来の異同識別作業においては、類似性のあるパターン同士を発見する作業が極めて困難であり、経験や知識が必要とされていたが、本異同識別装置により、鑑定作業の大幅な効率化が実現する。
次に図4で説明した異同識別装置100の基本動作の処理フローの詳細について、図5〜図11を用いて説明する。なおここでは弾丸1の変形は無視できる程小さく、その回転軸A(図3参照)とサーボモータ106の回転軸Ro(図2参照)が一致している条件を仮定する。101’及び102’は緩衝材であり、共にシリコンゴム等の材料から成る。緩衝材101’及び201’を使用して弾丸1を固定することで弾丸1の回転軸Aとサーボモータ106の回転軸Roを一致させ、且つホルダ101の一端に連結したサーボモータ106の回転と同じ角速度で弾丸1が回転する仕組みである。
ステップS501において,作業者は検体となる弾丸1を図5に示した如くホルダ101、ホルダ102の間に挟み込んで固定する。図5はXY平面図であり、400はテレビカメラ112による観察視野で、モニタ141にも観察視野400と同じ領域の映像が映し出されている。テレビカメラ112と対物レンズ110の組み合わせによって、観察視野400の広さが決定される。本実施例の場合、観察視野400はX方向が約19mm、Y方向が14mmである。
次に、観察視野調整ステップS502において、Yステージ105、Xステージ108を操作して弾丸1が観察視野400のほぼ中央部に位置する様に調節し、モニタ141を目視観察しつつZステージ114を上下させ、弾丸1の表面に焦点を合わせる。弾丸1に対する対物レンズ110の合焦範囲を図6に示した。なお図6では、弾丸1表面の傷や凹凸形状、ならびにホルダ類について便宜上表現を割愛している。前述の通り対物レンズ110の開口率は0.04であるため、焦点深度(DOF)は(数1)から約0.17mmと求められる。なお、(数1)において、NA=0.04(対物レンズ110の開口率)、λ=0.55um(可視光の中心波長)である。
焦点深度:(DOF)=λ/2・NA2 ・・・(数1)
従って観察視野400において、直径約10mmの弾丸1全体に焦点を合わせることはできず、合焦範囲はXvis×Yvisの限られた領域のみとなる。Yvisは、弾丸1がその頂部(弾頭)ほど細い形状であることから制限されるが、弾丸の種類によってはその頂部から弾底まで同じ直径のタイプもあるので、Y方向の合焦範囲Yvisは弾丸の種類により異なる。X方向の合焦範囲Xvisは弾丸1の口径即ち半径rに依存し、(数2)により決まる。
X方向の合焦範囲:Xvis=2r・Sinθvis ・・・(数2)
(数2)において、θvis=Cos−1((r−Zvis)/r)である。またここでは、作業者の目視による焦点合わせ精度(対物レンズ110のZ軸方向の位置決め精度)を考慮し、Zvis=DOF/2として取り扱った。弾丸1の直径は約10mmであることから、r=5mm,式1からDOF=0.17mmとなるから、θvis=10.6°、Xvisは(数2)より1.84mmと求められる。
焦点深度:(DOF)=λ/2・NA2 ・・・(数1)
従って観察視野400において、直径約10mmの弾丸1全体に焦点を合わせることはできず、合焦範囲はXvis×Yvisの限られた領域のみとなる。Yvisは、弾丸1がその頂部(弾頭)ほど細い形状であることから制限されるが、弾丸の種類によってはその頂部から弾底まで同じ直径のタイプもあるので、Y方向の合焦範囲Yvisは弾丸の種類により異なる。X方向の合焦範囲Xvisは弾丸1の口径即ち半径rに依存し、(数2)により決まる。
X方向の合焦範囲:Xvis=2r・Sinθvis ・・・(数2)
(数2)において、θvis=Cos−1((r−Zvis)/r)である。またここでは、作業者の目視による焦点合わせ精度(対物レンズ110のZ軸方向の位置決め精度)を考慮し、Zvis=DOF/2として取り扱った。弾丸1の直径は約10mmであることから、r=5mm,式1からDOF=0.17mmとなるから、θvis=10.6°、Xvisは(数2)より1.84mmと求められる。
次にS503において、作業者は、予め観察(計測)した弾丸1の概観上の特徴をコンピュータ140に入力する。続いてS504において、モニタ141上でYBTMとYTOP(図5参照)を設定する。これらは、弾丸1表面の旋丘痕w1等、照合の為に必要な特徴痕が包含されるだけの長さLを定義するものである。前述したYvisとLとの関係は、Yvis≧Lであることが望ましい。
しかる後、S505において異同識別装置100はテレビカメラ114で検出視野400の光学像を撮像して検出視野400の画像を取得し、コンピュータ140のメモリに格納する。そしてコントローラ107で制御してサーボモータ106をR方向に一定角度φだけ回転させて停止し、再び光学像を撮像して検出視野400の画像を取得する。以降、弾丸の回転/停止と光学像の採取を繰り返す。ここでφは前述のθvisの2倍以下の範囲に設定されている必要がある。即ち、本実施例ではθvisは10.6°であるから、φ≦21.2°となる必要がある。ここでは、φ=10°とした例を説明する。
異同識別装置100は弾丸1を10°ピッチで回転させて全周分の画像を採取し、360°分の画像をコンピュータ140のメモリに記憶する。
次に、S506において、メモリに記憶した弾丸1の画像から展開図を作成する。図7Aに弾丸1の展開図の作成方法を示す。401は弾丸1を位置あわせして1枚目に採取した画像であり、ここから弾丸1をXZ平面内のCCW方向に10°回転させて画像402を得る。以降同様に画像403〜画像437を採取する。なお、37枚目の画像437は1枚目の画像401と同一の画像となるが、弾丸1の位置決め再現性を検証する目的で用いる。画像401と画像437が同一とならない場合は、弾丸1をホルダ101、102に固定し直して最初から作業をやり直す。
コンピュータ140では、採取した各画像(401〜436)の領域Cの部分を抽出して連結し、図7Bに示すような展開図B1を得る。C(401)は、図7Aに示した画像401上で抽出した領域を示している。Cの幅は回転ピッチφと弾丸1の半径rによって決まる長さ以上に設定する。本実施例では、φ=10°、r=5mmであることから、C≧2r・Sinφとして求められ、C≧0.87mmである。ここでは、隣り合う抽出領域間に十分なオーバーラップを設ける目的で、C=2mmとした。このCの幅の画像を隣接する画像間で一部重ね合わせて36枚の画像を繋ぎ合わせることにより、各Cの幅の領域から0.87mmの画像を繋ぎ合わせた合成画像を得ることができる。
結果的に展開図B1では、弾丸1の外周に形成された旋丘痕w1〜w6をRY平面に展開して俯瞰できるようになる。合成された展開図B1は、コンピュータ140のメモリに保存される。以上をもって弾丸1の展開図B1の合成ステップS506が終了する。
次に、異同識別装置100の動作は弾丸1の表面形状計測ステップS507に移行する。弾丸1の光学像を撮像するための観察光学系鏡筒111とレーザ変位計116は、図2に示した位置関係であり、それぞれの観察(検出)光軸はXZ平面内で直交している。レーザ変位計116はYステージ117、Xステージ118、Zステージ119に搭載されており、弾丸1をR方向に回転させることでその表面プロファイルを取得できる構成となっている。なお、レーザ変位計106は、Ro(回転軸)を基準に予め位置決めがなされており、計測対象物の変位はRoを基準とした絶対寸法として計測可能である。
表面形状計測ステップS507の詳細な動作フローを図8を用いて説明する。先ず、コンピュータ140は、Yステージ117を駆動しレーザスポット116’の位置を先に作業者が指示したYBTMと一致させる(S801)。なおレーザスポット116’のZ軸方向の位置は、Roの高さと一致している。そして弾丸1を90°回転(XZ平面内のCW方向)させ、計測開始位置を決定した後(S802)、サーボモータ106を一定速度で回転させつつ(CCW方向)、レーザ変位計116で弾丸1の表面変位を連続的に計測する(S803)。
図9Aは弾丸1をYZ平面で見た図であり、サーボモータ106が1回転(360°)したらその動作を一旦停止させ(S804)、弾丸1を搭載したYステージ105をpだけ送ってから(S805)サーボモータ106を一定速度で回転させてレーザ変位計116で弾丸1の表面変位を計測することを計測位置がYTOPに達するまで繰り返す(S806)。図9Aに示すように、レーザスポット116’は弾丸1表面を矢印の方向に相対的に走査する。異同識別装置100は弾丸1上の変位計測位置がYTOPまで到達した時点で計測動作を停止する(S807)。この間レーザ変位計116で得られる1次元の連続データは、サーボモータ106に内蔵したロータリエンコーダの角度情報に対応させてコンピュータ140のメモリに記憶される。
本実施例では、レーザ変位計116のレーザスポット116’の直径が30μmであり、レーザ変位計116のサンプリングレートを2kHz、Y軸方向の送りピッチpを30μmに設定した。弾丸1の直径は10mmであるので、弾丸1の表面形状(回転方向)を漏れなく計測するためには、R軸の回転速度を約1.9RPS以下に設定すれば良い。弾丸1が1.9RPSで回転することで、弾丸1表面における回転方向のサンプリングピッチ(R方向)がレーザスポット116’の直径と同程度となる。これ以上の速度で弾丸1を回転させた場合、変位計測データの解像度が低下する可能性がある。
Roを1RPSで回転させた場合、弾丸1上の計測長さLが12mmであれば約400sで形状計測が終了する。このように、弾丸1(サーボモータ106)の回転速度は弾丸1の直径に応じて可変とするか、計測対象となり得る最も直径の小さな検体を想定して常に一定の回転速度とするか、状況に応じて適する手段が選択できるようになっている。
なお図8のフロー図で説明した図9Aに示したような計測シーケンスではサーボモータ106の動作と停止を繰り返し動作となるため、サーボモータ106の加減速制御を繰り返し行う必要があり、装置制御が煩雑となり、計測時間も長くなる。そこで図9Bの如く、Roの回転(1RPS)と同期して弾丸1を搭載したYステージ105を定速(30μm/s)で走査し、レーザスポット116’を螺旋状に走査して弾丸1の表面形状を計測することも可能である。図9Bの計測方式であれば、サーボモータ106の煩雑な動作制御は不要である。以上をもって弾丸1の表面形状計測ステップS507が終了する。
計測した表面形状データは、S508で、サーボモータ106の角度情報に基づいて配列し直すことで、表面の凹凸が図10に示した3次元空間(RYZ空間)において表現される。図10は弾丸1の表面形状データの第1の編集結果で、弾丸1の表面形状の展開図C1である。旋丘痕の幅や深さ(形状)が平面内に表されている。グラフのR軸は弾丸1の回転角度であり、360°がロータリエンコーダ(サーボモータ106)の7200パルスに相当する。また、360°分のデータ配列はレーザ変位計116の2000個のデータにも相当する。計測はYBTMからスタートし、30μmピッチ(p)で12mm(L)に亘って検出されており、YTOPで終了している。Z軸はレーザ変位計116の変位データである。
なお図10では、弾丸1表面の大局的な凹凸形状、即ち旋丘痕w1〜w6のみを示しているが、レーザ変位計116の変位計測分解能は0.1μmであることから、概ね1μm以上の凹凸形状(擦過痕等)も形状データとして記録されている。図10においては、微小な傷の形状は便宜上割愛している。なお、先に取得した弾丸1の展開図B1と表面形状の展開図C1は、同一の座標系RYZで表現されていることから、必要に応じて両者のデータを重ね合わせて取り扱うことも可能である。
また、計測した表面形状データは、サーボモータ106の角度情報に基づいて配列し直すことで、図11に示した3次元空間(XYZ空間)上に復元される。図11は弾丸1の表面形状データの第2の編集結果で、弾丸1の3次元形状図D1である。計測はYBTMからスタートし、30μmピッチ(p)で12mm(L)に亘って検出されており、YTOPで終了している。なお図11では、弾丸1表面の大局的な凹凸形状、即ち旋丘痕w1〜w6のみを示しているが、レーザ変位計116の変位計測分解能は0.1μmであることから、概ね1μm以上の凹凸形状(擦過痕等)も形状データとして記録されている。図11においては、微小な傷の形状は便宜上割愛している。なお、先に取得した弾丸1の展開図B1と3次元形状図D1についても、必要に応じて両者のデータを重ね合わせて取り扱うことも可能である。
以上取得した弾丸1の展開図B1、表面形状の展開図C1、3次元形状図D1は、弾丸1の口径、条数と回転方向、材質、重量、メーカや弾丸のタイプ等、S503及びS504で事前にコンピュータ140に入力した情報に対応付けてコンピュータ140の内部メモリに記録される。また、同一のデータはネットワーク経由で外部記憶装置143にも保存される。
続いて異同識別装置100は類似度判定ステップS509に移行する。即ち、取得した展開図B1と類似した展開図がデータベース(外部記憶装置143)に存在するか否かを判定する。図12に展開図を用いて類似度判定を行う処理の流れを、また図13A乃至図13Cに展開図を示す。先ずコンピュータ140では、取得した展開図B1において、旋丘痕w1〜w6を画像認識する(S1201)。但しここでは必要に応じて作業者がモニタ141の画面上で旋丘痕の位置を任意に指定することも可能でもある。
コンピュータ140は、旋丘痕幅、旋丘痕周期と間隔、旋丘痕パターン(擦過痕)、旋底痕パターン(擦過痕)、旋丘痕角度、旋丘痕長さ、その他表面の特徴的なパターンや色合い等、旋丘痕の画像特徴量を画像処理によって抽出する(S1202)。これらの展開図B1上の部分的な特徴パターンは、一つずつグループ分けされており、データベース(外部記憶装置143)上の他の弾丸の展開図上の特徴パターンと照合される(S1203)。
図13Aでは、弾丸1の旋丘痕w3の位置に出現した特徴パターン901(旋丘痕W3とその内側の擦過痕)が、図13Bの弾丸2の展開図B2上の旋丘痕w1位置の特徴パターン902(旋丘痕w1とその内側の擦過痕)と類似している状態を示した。また同時に、図13Cの弾丸3の展開図B3上の旋丘痕w4の内側にも同様の特徴パターン903(擦過痕のみ)が出現している状態を示す。
コンピュータ140は検体間でどれだけ多くの特徴パターンが共通に存在するかで類似度の高低を判定し(S1204)、類似度が高い順に判定結果をモニタ141上に表示する(S1205)。例えば図14は、弾丸1に対して最も類似度が高い(共通の特徴パターンが複数存在する)弾丸2との比較結果を示した。モニタ141上では、特徴パターン901と902、904と905同士が同一の色で強調表示されており、作業者は異同識別装置100による判定結果を直感的に捉えることができる。なお、モニタ141上では弾丸1の展開図B1と弾丸2の展開図B2を上下に配置して比較(目視)できる画面構成となっている。展開図は繰り返しパターンとなることから、弾丸1の旋丘痕w3と弾丸2の旋丘痕w1の位置を上下方向に一致させて表示できるよう、弾丸2の展開図B2の一部を連結し、弾丸1と弾丸2の展開図B1とB2の位相をほぼ整合させて表示する機能を有している。
なお、特徴パターン904と905は、展開図B1の旋丘痕w1と展開図B2の旋丘痕w5の内側に出現した擦過痕である。作業者は必要に応じて比較対象の展開図B1とB2上の特徴パターン同士を指定し、類似度を判定することも可能である。例えば展開図B1の特徴パターン906(旋丘痕w6)と展開図B2の特徴パターン907(旋丘痕w4)をモニタ141上で指定し、コンピュータ140でパターンマッチング処理等を行い、その類似度を定量評価できる。この場合の類似度の判定要素としては、旋丘痕幅、旋丘痕長さ、旋丘痕角度、旋丘痕深さ(形状)などである。
図13A乃至図13Cで説明した通り、S511でコンピュータ140が図13Aの展開図B1の特徴パターン901と、図13Cの展開図B3の特徴パターン903の類似性を指摘して比較候補に抽出した場合、作業者はモニタ141上で弾丸1と弾丸3の展開図B1とB3を同様に比較する。しかしながら展開図B1とB3の目視確認により、明らかに類似性が無いと判断できる場合は、弾丸3を比較候補から除外してもよい。
以上述べた通り、作業者は異同識別装置100での類似度判定ステップS509で抽出された比較対象候補をS511でモニタ141上に表示して比較し、比較顕微鏡による目視判定で使用する検体の絞込み、並びに比較対象パターンを決定してその結果をS512でコンピュータ140に入力する。本実施例の場合は、弾丸1の旋丘痕w3と弾丸2の旋丘痕w1を最も優先度の高い比較対象として位置づける。但し、異同識別装置100での類似度判定ステップS509において、外部記憶装置143のデータベースに類似データが存在しないケースもあり得る。この場合は展開図合成ステップS506、表面形状計測ステップS507によって採取したデータをコンピュータ140の内部メモリに記憶後、同一データを外部記憶装置143にアップロードして作業は終了する。
なお、ここまでの説明ではそれぞれの弾丸の展開図を用いて類似度を比較する方法を述べたが、前述の通り展開図(図7B)と表面形状の展開図(図10)を合成して取り扱うこともできる。また、表面形状の展開図(図10)のみを用いて検体間の類似度判定も可能である。例えば旋丘痕単位の断面形状同士を比較することで、検体間の異同識別をより正確に行うことができる。また、旋丘痕の周期性や形状等がより作業者の視覚で捉えやすくなり、作業者による異同識別判断もし易くなる。
更には、検体表面の特徴パターンをより目視観察に近い状態で比較するため、図11に示す如く検体の3次元形状図を用いることもできる。図15Aは弾丸1の3次元形状図D1と弾丸2の3次元形状図D2を同一空間(XYZ座標)上に配置した状態を示した。作業者は、モニタ141上で3次元形状図D1及びD2をXYZ方向に移動させ、並びにXY平面内の回転、YZ平面内の回転、弾丸の中心軸A、A’の回転方向にそれぞれ自在に位置決めし、3次元形状図D1とD2の位置関係を調節したり、重ね合わせたりして検体の異同識別を行うことができる。また、検体の任意部分の断面形状を重ね合わせて比較することもできる。
図15Bには、3次元形状図D1の旋丘痕w1の任意位置の断面波形と、3次元形状図D2の旋丘痕w3の任意位置の断面波形とを部分的に重ね合わせて比較した例を示す。
以上がS509の類似度判定ステップである。このように、本発明による異同識別装置100では、データベース上に保存された情報から比較対象となり得る検体の候補を類似度が高い順に優先度を付けて抽出すると共に、抽出した検体のどの部分を作業者が比較すべきかを教示する。なお、この機能と同時に作業者が任意に指定したパターン同士を比較して一致度を評価する機能も有する。
次に作業者は比較顕微鏡による目視判定に移行する。即ち、検体である弾丸1と、比較対象候補である弾丸2を比較顕微鏡で観察し、証拠物件となる写真を撮影する。図16に比較顕微鏡1300を示した。弾丸1と弾丸2をそれぞれの保持位置決め機構1301、1303に固定し、それぞれを対物レンズ1302、1304で観察する。対物レンズ1302、1304は同じ倍率に設定して使用し、倍率偏差が最小限となるように設計されている。作業者は接眼レンズ1305で弾丸1、弾丸2の表面を観察するが、対物レンズ1302、1304による観察範囲を接眼レンズ1305の視野内で同時に観察することができる。
作業者は、異同識別装置100による類似度判定ステップS509で抽出された比較対象パターン同士を観察比較する。つまり、弾丸1の旋丘痕3が対物レンズ1302の視野に入るように保持位置決め機構1301を調節する。また、弾丸2の旋丘痕1が対物レンズ1304の視野に入るように保持位置決め機構1303を調節する。作業者は最終的に比較対象パターン同士が完全に一致することを目視確認し、図示しない写真撮影機構を用いて光学写真を撮影する。
このように、本実施例で説明した異同識別装置100を使用することで、比較対象となる弾丸をコンピュータで抽出できるようになり、これまで作業者(鑑定員)の知識や経験に基づいて行っていた作業の自動化が可能になり、作業効率と比較精度を向上させ、且つ見落としを防止する効果が得られる。
また、本発明の異同識別装置を使用することで、比較対象となる試料上の特徴パターンをコンピュータで抽出できるようになり、これまで作業者(鑑定員)の知識や経験に基づいて行っていた比較顕微鏡による異同識別作業の効率化が可能となる。
また、本発明の異同識別装置を使用することで、専門性の高い鑑定技術の熟練度に左右されず、正しい鑑定結果を迅速に得ることができる。
また、本発明の異同識別装置を使用することで、データベース同士で異同識別を行うことが可能となり、比較顕微鏡を用いることができない遠隔地においても正しい鑑定結果を迅速に得ることができる。
以下に、本発明の第2の実施例を説明する。
図17は本発明による第2の異同識別装置200のシステム構成図である。実施例1で図1を用いて説明した異同識別装置100と同じ構成の部品は、同じ番号を付してある。図17で、1511は弾丸1を回転させるためのθステージである。弾丸1の形状は図3に示した通りである。θステージ1511はサーボモータ制御で、ロータリエンコーダを内蔵している。ロータリエンコーダは1回転(360°)が7200分割(0.05°単位)の分解能となっている。また、θステージ1511はXY平面内の回転であり、その回転中心軸BはXY平面と直交している。弾丸1はホルダ1505に搭載されており、その回転中心軸はAである。ホルダ1505はφ4mm(XY平面視)の真空吸引チップで、弾丸1を真空吸着して固定する。弾丸1の弾底部分の観察と形状計測を行う必要性があるため、ホルダ1505の直径は、弾丸1の直径(口径)よりも小さくなるよう、試料弾丸1の口径に応じて交換が可能な構造となっている。
図17は本発明による第2の異同識別装置200のシステム構成図である。実施例1で図1を用いて説明した異同識別装置100と同じ構成の部品は、同じ番号を付してある。図17で、1511は弾丸1を回転させるためのθステージである。弾丸1の形状は図3に示した通りである。θステージ1511はサーボモータ制御で、ロータリエンコーダを内蔵している。ロータリエンコーダは1回転(360°)が7200分割(0.05°単位)の分解能となっている。また、θステージ1511はXY平面内の回転であり、その回転中心軸BはXY平面と直交している。弾丸1はホルダ1505に搭載されており、その回転中心軸はAである。ホルダ1505はφ4mm(XY平面視)の真空吸引チップで、弾丸1を真空吸着して固定する。弾丸1の弾底部分の観察と形状計測を行う必要性があるため、ホルダ1505の直径は、弾丸1の直径(口径)よりも小さくなるよう、試料弾丸1の口径に応じて交換が可能な構造となっている。
図17に示す通り、本実施例では弾丸1をホルダ1505に固定した場合、弾丸1の回転中心Aとθステージ1511の回転中心Bが異なる場合、即ち両軸間に偏芯dが生じた場合を想定する。本実施例では、偏芯dを補正する目的でθステージ1511上にXステージ1502、Yステージ1503を搭載した。Xステージ1502、Yステージ1503の可動範囲は±2.5mmである。更に、これらの上部にゴニオステージ1504、1505を搭載し、弾丸1の回転軸AのXY平面に対する直交度についても調整が可能な構成とした。ゴニオステージ1504は、YZ平面内における軸Aの傾きを調節し、ゴニオステージ1505は、XZ平面内における軸Aの傾きを調節する。ゴニオステージ1504、1505の可動範囲はそれぞれ、±5°である。以上の構造物がYステージ105、Xステージ108、Zステージ1501の上に搭載されている。
図17に示した構成において、弾丸1は観察光学系鏡筒111に取り付けられた対物レンズ110とテレビカメラ112により撮像されて、この撮像により取得された画像がモニタ141上で観察される。本実施例では、テレビカメラ112で撮像して得られた画像はカメラコントローラ113を経由してコンピュータ140のメモリに格納できる構成となっている。観察光学系鏡筒111はYステージ1506(フォーカス軸)、Xステージ1507、Zステージ1508で位置決めされる。観察光学系鏡筒の位置決めを行うこれらのステージは図示しない機構部により、防振定盤127上に搭載されている。
116は三角測量の原理で弾丸1の表面変位を計測するレーザ変位計であり、被計測物表面でのレーザスポット径は30um、波長635nm、変位計測分解能は0.1umである。レーザ変位計116は、Yステージ117、Xステージ118、Zステージ119に搭載されて変位計測位置が決定される。Yステージ117、Xステージ118、Zステージ119は図示しない機構部により、防振定盤127上に搭載されている。
120はYステージ117とXステージ118及びZステージ119を駆動する3軸コントローラである。1509はθステージ1511、Xステージ1502、Yステージ1503、ゴニオステージ1504、ゴニオステージ1505、Yステージ105、Xステージ105、Zステージ1501を駆動する8軸コントローラである。1510はYステージ1506、Xステージ1507、Zステージ1508を駆動する3軸コントローラである。これら全てのステージの動作は全てコンピュータ140で制御される。
126は弾丸1を斜方照明するための集光レンズであり、XY平面内において対物レンズ110による観察光軸を基準としてγだけ傾いた角度から弾丸1表面を斜め方向から照明する。ハロゲン光源123からの照明光は、光ファイバ125により集光レンズまで導光されている。照明光は光ファイバ124によって観察光学系鏡筒111にも同時に導光されており、必要に応じて観察光学系の同軸落射照明として用いることができる。
142はキーボードであり、弾丸1の目視確認等によって得られる情報(口径、条数、材質等)の入力にも使用される。コンピュータ140は、テレビカメラ112で撮影した弾丸1の光学像と、レーザ変位計116で計測した弾丸1の表面変位データを、弾丸1の口径や条数、材質等必要な情報と併せて検体毎に分類整理して内部メモリに記憶する。またコンピュータ140は、ネットワーク経由で外部記憶装置143に接続されており、前述した検体の外観(光学像)、形状(表面変位データ)、その他の情報は全て外部記憶装置143にも記憶され、データベース管理されている。コンピュータ140は、外部記憶装置143に記憶されているデータベースを参照することも可能である。
図18A乃至図18Cに上記偏芯dの検出方法の一例を示した。図18Aは弾丸1を1回転させたときに得られるレーザ変位計116の検出波形であり、図10に示した断面波形に相当する。図18Aの検出波形上には、本来であれば旋丘痕w1〜w6の形状が現れるのであるが、ここでは説明の都合上割愛する。図18Aに示した検出波形は、弾丸1の偏芯dと弾丸1自体の変形状態が反映されることで、直線とならない。異同識別を行うに当たり、弾丸1の偏芯dの影響を排除する必要がある。
そこで図18Aに示した波形を連続的に一定量採取する。つまり、Xステージ1502、Yステージ1503、ゴニオステージ1504、ゴニオステージ1505、Yステージ105、Xステージ105、Zステージ1501を位置決めした状態で固定し、θステージ1511を複数回回転させ、図18Aに示した波形を連続的に採取する。弾丸1の回転中心Aとθステージ1511の回転中心Bとの間に偏芯dが生じている場合、θステージの回転周期と同一の周期で検出波形が変化する。即ち、θステージ1511の回転周波数と同じ周波数成分を検出波形から差し引くことで、弾丸1の真の形状が得られる。
図18Aの繰り返し検出波形(図示せず)を周波数解析し、基本波成分を抽出して逆変換した波形が図18Bである。図18Bの波形の振幅dが、偏芯dと一致する。また、図18Bの波形の最大位置(θ=90°)、及び最小位置(θ=270°)の傾向から、XY平面内における偏芯dの方向性を読み取ることができる。この結果に基づき、コンピュータ140はXステージ1502、Yステージ1503の必要な移動量を算出し、偏芯dを解消する。
図18CはXステージ1502、Yステージ1503の調整後に採取した検出波形である。また、図18Aの波形から図18Bの波形を差し引いた波形(図示せず)と、図18Cの検出波形を比較することで、偏芯dの補正が正しく行われたかを検証できる。弾丸1に変形が生じておらず、その断面形状が理想的な真円であれば、図18Cの波形は直線となるが、現実的には弾丸は変形している場合があり、直線状にならない場合が多い。
以上、図18A乃至図18Cでは弾丸1の1断面を対象として偏芯補正処理を行ったが、Zステージ1501の座標を変化させ、異なる断面波形を用いて処理を行うこともできる。図18A乃至図18Cの補正処理をZ軸方向に2点以上の位置で行うことで、各計測位置での偏芯dが異なる値となる場合がある。これは弾丸1の回転軸AがXY平面と直交していない結果生じる現象であるが、上述した手法と同様に、弾丸1の回転軸AとXY平面との角度を算出することができ、ゴニオステージ1504、1505で回転軸Aの傾きを補正可能である。
偏芯dが補正された弾丸1の鑑定開始から終了までの処理の流れは、実施例1で図4を用いて説明した処理の流れと同じであるので、説明を省略する。
1…弾丸 101〜102…ホルダ 104…θステージ 106…サーボモータ 110…対物レンズ 111…観察光学系鏡筒 112…テレビカメラ 116…レーザ変位計 123…ハロゲン光源 126…集光レンズ 140…コンピュータ 143…外部記憶装置 1501…Zステージ 1511…θステージ 1502…Xステージ 1503…Yステージ 1504〜1505…ゴニオステージ w1〜w6…旋丘痕。
Claims (10)
- 検査対象である銃器弾丸と比較試料との異同を識別する方法であって、
前記銃器弾丸を撮像して該銃器弾丸の外周面の画像を得、
前記銃器弾丸の表面の凹凸を計測して前記銃器弾丸の表面の凹凸情報を得、
前記得た銃器弾丸の外周面の画像と前記得た銃器弾丸の表面の凹凸情報との両方又は何れかを予め記憶されている複数の比較試料の外周面の画像と表面の凹凸情報との両方又は何れかと比較して前記銃器弾丸の外周面の画像と表面の凹凸情報との両方又は何れかに類似している比較試料を抽出し、
該抽出した比較試料の外周面の画像と表面の凹凸情報との両方又は何れかと、前記検査対象である銃器弾丸の外周面の画像及び表面の凹凸情報との両方又は何れかとを画面上に表示する
ことを特徴とする銃器弾丸の異同識別方法。 - 検査対象である銃器弾丸と比較試料との異同を識別する方法であって、
前記検査対象である銃器弾丸を回転させながら該銃器弾丸の外周面を撮像して該銃器弾丸の外周面の画像情報を得ると共に前記銃器弾丸の表面の凹凸を計測して前記銃器弾丸の表面の凹凸情報を得、
前記得た銃器弾丸の外周面の画像情報と前記得た銃器弾丸の表面の凹凸情報との両方又は何れかとデータベースに記憶されている複数の比較試料の画像情報と表面の凹凸情報との両方又は何れかとの類似度を判定し、
前記銃器弾丸の外周面の画像情報と前記銃器弾丸の表面の凹凸情報との両方又は何れかに類似している外周面の画像情報と表面の凹凸情報との両方又は何れかを有する比較試料を抽出し、
前記銃器弾丸の外周面の画像情報と前記銃器弾丸の表面の凹凸情報との両方又は何れかと前記抽出した比較試料の外周面の画像情報と表面の凹凸情報との両方又は何れかとを画面上に並べて表示する
ことを特徴とする銃器弾丸の異同識別方法。 - 前記銃器弾丸の外周面の画像情報と前記銃器弾丸の表面の凹凸情報との両方又は何れかに対してその下方又は上方に前記抽出した比較試料の外周面の画像情報と表面の凹凸情報との両方又は何れかを表示し、前記銃器弾丸と前記抽出した比較試料の対応する痕跡の位置が上下で合うようにして表示することを特徴とする請求項1又は2に記載の銃器弾丸の異同識別方法。
- 前記得た銃器弾丸の外周面の画像は、前記検査対象である銃器弾丸を回転させながら該銃器弾丸の外周面上を小領域ごとに順次カメラで撮像して前記銃器弾丸の外周面の複数の小領域の画像を取得し、該取得した前記銃器弾丸の外周面の複数小領域の画像を繋ぎ合わせることにより作成した前記銃器弾丸の外周面の展開図の画像であることを特徴とする請求項1又は2に記載の銃器弾丸の異同識別方法。
- 前記得た銃器弾丸の外周面の画像は、前記検査対象である銃器弾丸を回転させながら該銃器弾丸の外周面上の小領域を前回撮像した領域と一部が重なるようにして順次カメラで撮像して取得した前記銃器弾丸の外周面の小領域の画像を一部が重なるようにして繋ぎ合わせることにより作成した前記銃器弾丸の外周面の展開図の画像であることを特徴とする請求項4記載の銃器弾丸の異同識別方法。
- 前記得た銃器弾丸の表面の凹凸情報は、前記検査対象である銃器弾丸を回転させながら該銃器弾丸の表面に微小なスポットのレーザを照射して前記銃器弾丸の表面から反射した光を検出することを前記銃器弾丸の表面の検査領域に渡って行うことにより得られた情報であることを特徴とする請求項1又は2に記載の銃器弾丸の異同識別方法。
- 検査対象である銃器弾丸と比較試料との異同を識別する装置であって、
前記銃器弾丸を保持して回転させる保持手段と、
該保持手段により保持されて回転している前記銃器弾丸を撮像して該銃器弾丸の外周面の画像情報を取得する画像情報取得手段と、
前記保持手段により保持されて回転している前記銃器弾丸の表面の凹凸を計測して前記銃器弾丸の表面の凹凸情報を得る凹凸情報取得手段と、
複数の比較試料の外周面の画像情報及び表面の凹凸情報を記憶する記憶手段と、
前記画像情報取得手段で取得した銃器弾丸の外周面の画像情報と前記凹凸情報取得手段で得た銃器弾丸の表面の凹凸情報との両方又は何れかを前記記憶手段に記憶されている複数の比較試料の外周面の画像及び表面の凹凸情報の両方又は何れかと比較して前記銃器弾丸の外周面の画像と前記銃器弾丸の表面の凹凸情報に類似している比較試料を抽出する比較試料抽出手段と、
該比較試料抽出手段で抽出した比較試料の外周面の画像及び表面の凹凸情報の両方又は何れかと前記画像情報取得手段で取得した銃器弾丸の外周面の画像情報と前記凹凸情報取得手段で得た銃器弾丸の表面の凹凸情報との両方又は何れかを出力する出力手段と
を備えたことを特徴とする銃器弾丸の異同識別装置。 - 前記画像情報取得手段は、前記保持手段により保持されて回転している前記検査対象である銃器弾丸の外周面上を小領域ごとに順次撮像するカメラ部と、該カメラ部で撮像して得た前記銃器弾丸の外周面の複数の小領域の画像を繋ぎ合わせることにより前記銃器弾丸の外周面の展開図の画像を作成する展開図画像作成部とを有することを特徴とする請求項7に記載の銃器弾丸の異同識別装置。
- 前記展開図画像作成部は、前記カメラ部で前記銃器弾丸の外周面上の小領域を前回撮像した領域と一部が重なるようにして順次撮像して取得した前記銃器弾丸の外周面の小領域の画像を、一部が重なるようにして繋ぎ合わせることにより前記銃器弾丸の外周面の展開図の画像を作成することを特徴とする請求項8記載の銃器弾丸の異同識別装置。
- 前記凹凸情報取得手段は、前記保持手段により保持されて回転している前記検査対象である銃器弾丸の外周面上に微小なスポットのレーザを照射するレーザ照射部と、該レーザ照射部によりレーザは照射された前記銃器弾丸の表面から反射した光を検出する反射光検出部とを有することを特徴とする請求項7記載の銃器弾丸の異同識別装置。
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JP2011225615A JP2013087967A (ja) | 2011-10-13 | 2011-10-13 | 銃器弾丸の異同識別方法及びその装置 |
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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US9709371B1 (en) | 2015-12-28 | 2017-07-18 | Poongsan Corporation | Ammunition inspecting system |
CN110132070A (zh) * | 2019-04-24 | 2019-08-16 | 中国人民解放军陆军工程大学 | 一种火炮击针突出量检测装置与火炮击针突出量检测方法 |
RU2736816C1 (ru) * | 2019-11-12 | 2020-11-20 | Федеральное государственное казенное военное образовательное учреждение высшего образования "ВОЕННАЯ АКАДЕМИЯ МАТЕРИАЛЬНО-ТЕХНИЧЕСКОГО ОБЕСПЕЧЕНИЯ имени генерала армии А.В. Хрулева" | Лазерный способ определения технического состояния боеприпасов и их элементов |
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2011
- 2011-10-13 JP JP2011225615A patent/JP2013087967A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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