JP2013087889A - ディスク式スチームトラップ - Google Patents

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Abstract

【課題】 反転バイメタルが高温時に速やかに下に凸状に反転できるようにする。
【解決手段】 弁ディスク11の上面に弁ディスク11よりも大径で変圧室4内周壁よりも少し小径の円板状の反転バイメタル12を載せて、弁ディスク11の中心部分で連結する。外輪弁座7の外周に環状のバイメタル座14を設ける。低温時に反転バイメタル12が上に凸状に反転して周囲縁部分がバイメタル座14に当接し中心部分が上昇して弁ディスク11を強制的に持上げて開弁させる。反転バイメタル12の周囲縁部分にバイメタル座14の内径よりも外径の小さな凹部15を形成する。低温時に反転バイメタル12が弁ディスク11を開弁させた状態において、弁ディスク11の下面を流下する流体が弁ディスク11の周囲縁部分から反転バイメタル12の周囲縁部分の小径部である凹部15を通して反転バイメタル12の上方に流入する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、変圧室すなわち熱力学的蒸気室の圧力変化に応じて弁ディスクが開閉することにより、蒸気配管系に発生する復水を自動的に排出するディスク式スチームトラップに関し、特に、バイメタルを用いてエアバインディングを解消できるようにしたものに関する。
ディスク式スチームトラップは内外輪弁座からなる弁座面に対して離着座する弁ディスクを、弁ディスクの背後に形成した変圧室の圧力変化によって自力的に制御して開閉弁させ復水を自動的に排出するものである。このものにおいては、始動時に空気が流入してきても、蒸気の場合と同様に瞬時に閉弁してしまい、一旦閉弁すると空気は蒸気と異なり凝縮作用を起こさないので、その後は開弁できない、いわゆるエアバインディングが起こる。そこで、従来からバイメタルを用いてこのエアバインディングを解消することが行なわれている。これは、バイメタルの温度変化による湾曲作用を利用して、低温時に弁ディスクを強制的に持上げて開弁させ、高温時に弁ディスクに干渉しない様にしたものである。この一例が特許文献1に示されている。これは、弁ディスクの上面に弁ディスクよりも大径で変圧室内周壁よりも少し小径の円板状の反転バイメタルを載せて、弁ディスクの中心部分で連結し、外輪弁座の外周に環状のバイメタル座を設け、低温時に反転バイメタルが上に凸状に反転して周囲縁部分がバイメタル座に当接し中心部分が上昇して弁ディスクを強制的に持上げて開弁させ、高温時に下に凸状に反転して周囲縁部分がバイメタル座から離れるようにしたものである。
特開昭61−99797号公報
上記従来のディスク式スチームトラップは、低温時に反転バイメタルが上に凸状に反転して周囲縁部分がバイメタル座に当接し中心部分が上昇して弁ディスクを強制的に持上げて開弁させた状態において、弁ディスクの下面を流下する流体が反転バイメタルの上方に流入し難いために、反転バイメタルが高温時に下に凸状に反転するタイミングが遅れ、蒸気を漏出してしまうという問題点があった。
したがって本発明が解決しようとする課題は、反転バイメタルが高温時に速やかに下に凸状に反転できるようにすることである。
上記の課題を解決するために、本発明のディスク式スチームトラップは、弁ディスクの上面に弁ディスクよりも大径で変圧室内周壁よりも少し小径の円板状の反転バイメタルを載せて、弁ディスクの中心部分で連結し、外輪弁座の外周に環状のバイメタル座を設け、低温時に反転バイメタルが上に凸状に反転して周囲縁部分がバイメタル座に当接し中心部分が上昇して弁ディスクを強制的に持上げて開弁させ、高温時に下に凸状に反転して周囲縁部分がバイメタル座から離れるようにしたものにおいて、反転バイメタルの周囲縁部分にバイメタル座の内径よりも外径の小さな凹部を形成したことを特徴とするものである。
本発明によれば、反転バイメタルの周囲縁部分にバイメタル座の内径よりも外径の小さな凹部を形成しているので、低温時に反転バイメタルが上に凸状に反転して周囲縁部分の大径部がバイメタル座に当接し中心部分が上昇して弁ディスクを強制的に持上げて開弁させた状態において、弁ディスクの下面を流下する流体が弁ディスクの周囲縁部分から反転バイメタルの周囲縁部分の小径部である凹部を通して反転バイメタルの上方に流入するので、反転バイメタルが高温時に速やかに下に凸状に反転でき、蒸気を漏出することがないという優れた効果を生じる。
本発明の実施の形態に係わるディスク式スチームトラップの断面図である。 図1の反転バイメタルの平面図である。
以下、本発明の実施の形態について、図1を参照して説明する。本体1に同一軸上に入口2と出口3を形成し、この入口2及び出口3と連通する変圧室4を蓋部材5と本体1とで形成する。入口2と出口3の変圧室4側開口端に内輪弁座6と外輪弁座7を同心円状で同一平面に形成してその間に環状溝8を形成する。内外輪弁座6,7に離着座する円板状の弁ディスク11を変圧室4内に配置する。入口2と変圧室4は内輪弁座6に形成した入口通路9を介して連通し、変圧室4と出口3は環状溝8の一部から形成した出口通路10を介して連通する。
外輪弁座7の外周と蓋部材5の内周の間に環状のバイメタル座14を設ける。バイメタル座14は本体1と蓋部材5の間に挟んで固定する。弁ディスク11は上面の中央部分が膨らんだ球面状に形成し、その上面に円板状の反転バイメタル12を載せ、中心部分をビス13で固定する。反転バイメタル12は弁ディスク11よりも大径で変圧室4内周壁よりも少し小径で、周囲縁部分にバイメタル座14の内径よりも外径の小さな凹部15を6個有し、上面が低膨脹側であり、低温時に上に凸状に反転して弁ディスク11上面の球面と同じ曲面になり、周囲縁部分の大径部がバイメタル座14に当接し、高温時に下に凸状に反転して周囲縁部分がバイメタル座14から離れる。反転バイメタル12の周囲縁部分の凹部15の数は6個に限られることなく、1個以上設けることができる。
上記実施例の作動を説明する。トラップ本体が低温の場合、反転バイメタル12は上に凸状に反転して周囲縁部分の大径部がバイメタル座14に当接し中心部分が上昇して弁ディスク11を持上げて開弁させている。これにより、入口2から入口通路9を通して流入する低温の復水や空気は環状溝8から出口通路9を通して出口3に排出される。このとき、弁ディスク11の下面を流下する流体が弁ディスク11の周囲縁部分から反転バイメタル12の周囲縁部分の小径部である凹部15を通して反転バイメタル12の上方に流入するので、反転バイメタル12が高温時に速やかに下に凸状に反転でき、蒸気を漏出することがない。
そして高温の復水が流入すると反転バイメタル12は加熱されて下に凸状に反転して周囲縁部分がバイメタル座14から離れる。以後周知のディスク式スチームトラップの作動原理に基づいて蒸気は逃さず復水のみを自動的に排出する。運転途中に空気が変圧室4内に流入すると弁ディスク11は閉弁するが、変圧室4内が所定温度に低下すると反転バイメタル12が上に凸状に反転して周囲縁部分の大径部がバイメタル座14に当接し中心部分が上昇して弁ディスク11を持上げて開弁させる。
本発明は、蒸気配管系に発生する復水を自動的に排出するディスク式スチームトラップに利用することができる。
1 本体
2 入口
3 出口
4 変圧室
5 蓋部材
6 内輪弁座
7 外輪弁座
8 環状溝
9 入口通路
10 出口通路
11 弁ディスク
12 反転バイメタル
13 ビス
14 バイメタル座
15 凹部

Claims (1)

  1. 弁ディスクの上面に弁ディスクよりも大径で変圧室内周壁よりも少し小径の円板状の反転バイメタルを載せて、弁ディスクの中心部分で連結し、外輪弁座の外周に環状のバイメタル座を設け、低温時に反転バイメタルが上に凸状に反転して周囲縁部分がバイメタル座に当接し中心部分が上昇して弁ディスクを強制的に持上げて開弁させ、高温時に下に凸状に反転して周囲縁部分がバイメタル座から離れるようにしたものにおいて、反転バイメタルの周囲縁部分にバイメタル座の内径よりも外径の小さな凹部を形成したことを特徴とするディスク式スチームトラップ。
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