JP2013075281A - 流体混合器および流体混合器を用いた装置 - Google Patents

流体混合器および流体混合器を用いた装置 Download PDF

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Abstract

【課題】流体の混合指向性がなく施工することが容易であり、より容易に成形加工することができ、かつ幅が広い設計が可能な流体混合器を提供し、さらに多様な異種流体を混合する装置を提供する。
【解決手段】本発明は、異種流体を混合するための混合流路を有する流体混合器であって、前記混合流路が、第一流路および第二流路から構成される主流路と、前記第一流路および前記第二流路の周囲において、前記第一流路および前記第二流路の流路軸線と略同心状に形成される螺旋流路と、前記第一流路および前記第二流路の各々の複数箇所と前記螺旋流路の対応する箇所とをそれぞれ連通する複数の分岐流路と、前記第一流路および前記第二流路の各々の開口端部に流体開口部とを含む、流体混合器を提供する。
【選択図】図1

Description

本発明は、化学工場、半導体製造分野、食品分野、医療分野、バイオ分野などの各種産業における流体輸送配管に用いられる流体混合器、特に流体が流れる方向の濃度分布や温度分布をムラなく均一化して混合させることのできる流体混合器に関する。
従来から、流体輸送配管に装着して管内を流れる流体を均一に混合する流体混合器として、図15に示すような流体混合器がある(例えば、特許文献1参照)。図15の流体混合器は、両端部に継手部103を設けたエレメント102を筐体101内に配置し、キャップナット104を締め付けることにより固定した構成とされていれる。エレメント102の内部には入口流路105に接続される主流路106が設けられており、入口流路105は螺旋流路107に接続されている。螺旋溝108の底面には複数の連通孔109が設けられ、連通孔109が主流路106と螺旋流路107とを連通する分岐流路110となる。さらに、主流路106は出口流路111に接続されている。
特許第4667539号公報
しかしながら、前記従来の流体混合器はエレメント102の形状によって混合指向方向が決められている。混合指向方向を間違えた状態で流体混合器を配管に接続すると、使用条件によっては本来の性能を発揮できないおそれがある。その場合は流体混合器を配管ラインから取り外し、正しい混合指向方向で再度配管ラインに接続する必要があり、施工時間の増加や設備の運転に影響が出るおそれがある。特に、配管ラインを頻繁に分解洗浄する食品分野や医薬分野等では、流体混合器の接続ミスをなくすため、混合指向性のない流体混合器が求められている。
また、混合流体の粘度や比重などの流体特性や求められる混合の度合いなどの諸条件によっては、エレメント102の長さを長くする必要がある。エレメント102が長くなるにつれて、特に主流路106のような深い孔の形成は困難となり、大型かつ高性能の加工機や成形機等が必要となる。また、芯ずれや肌荒れなどの不具合を防ぐために加工条件や成形条件も困難となり、操作も高度なものとなるおそれがある。また、流体特性や混合度合いなどの諸条件によっては、エレメント102の形状が複雑化するおそれがあるが、流体混合器の簡易な構成を維持したまま設計の幅を広げることが求められている。
本発明の目的は、流体の混合指向性がなく施工することが容易であり、より容易に成形加工することができ、かつ幅が広い設計が可能な流体混合器を提供することである。さらに、本発明の目的は、多様な異種流体を混合する装置を提供することである。
請求項1の発明によれば、異種流体を混合するための混合流路を有する流体混合器であって、前記混合流路が、第一流路および第二流路から構成される主流路と、前記第一流路および前記第二流路の周囲に前記第一流路および前記第二流路の流路軸線と略同心状に形成される螺旋流路と、前記第一流路および前記第二流路の各々の複数箇所と前記螺旋流路の対応する箇所とをそれぞれ連通する複数の分岐流路と、前記第一流路および前記第二流路の各々の開口端部に流体開口部とを含む、流体混合器が提供される。
すなわち、請求項1の発明では、本発明による流体混合器が主流路としての第一流路および第二流路を備えることにより、1つのみの主流路を有する構造の流体混合器と比べて主流路の1つあたりの長さを短くすることができるので、主流路の成形加工を容易にすることができる。
請求項2の発明によれば、前記主流路、前記螺旋流路および前記分岐流路の構成が、主流路の中心に対して対称である、流体混合器が提供される。
すなわち、請求項2の発明では、さらに、主流路、螺旋流路および分岐流路の構成を主流路の中心に対して対称とすることによって、流体混合器の混合指向性をなくすことができ、配管施工時に混合指向方向を間違えることによる施工不良を防止することができる。
本発明において、「混合指向方向」とは、流体混合器の一方から流体を流したときと他方から流体を流したときとで、流体を流す方向によって混合性能に差が生じた場合に、より優れた混合性能を得るために流体混合器に流体を流す方向のことをいい、また、流体を流す方向によって混合性能に差が生じる性質のことを「混合指向性」という。流体混合器のどちら側から流体を流しても混合性能に差が生じない場合は、その流体混合器には「混合指向性がない」ということができる。
また、本発明において、流路が「構成が主流路の中心に対して対称」といった場合には、主流路の長さ方向中央部を通り主流路軸線に垂直な面に対して流路の形状、配置等が対称になっていることを意味している。すなわち、主流路および分岐流路については、主流路および分岐流路の位置および形状が、上記垂直面対して対称であることをいい、螺旋流路については、さらに螺旋流路の螺旋の巻き方向以外の形状、例えば螺旋流路のピッチおよび径、流路断面形状等も上記垂直面に対して対称になっていることを意味している。
このように各流路の構成を主流路の中心に対して対称に構成したことにより、主流路のどちらの方向に流体を流した場合でも同一の混合性能を得ることができ、流路全体として混合指向性をなくすことが可能となる。
請求項3の発明によれば、前記螺旋流路が、前記第一流路の周囲に形成される第一流路側螺旋流路と前記第二流路の周囲に形成される第二流路側螺旋流路とから構成され、前記主流路の前記第一流路と前記第二流路との間に位置し、かつ第一流路側螺旋流路および第二流路側螺旋流路を介して第一流路および第二流路と各々連通する第三流路が形成されている、流体混合器が提供される。
すなわち、請求項3の発明では、主流路の第一流路と第二流路との間に位置し、かつ第一流路側螺旋流路および第二流路側螺旋流路を介して第一流路および第二流路と各々連通する第三流路が形成されていることにより、第三流路の長さを調節することによって主流路を成形加工しやすい構成に維持したまま流体混合器の長さを調節することができる。
請求項4の発明によれば、前記第一流路側螺旋流路と前記第二流路側螺旋流路との旋廻方向が互いに異なる、流体混合器が提供される。
すなわち、請求項4の発明では、さらに、第三流路を経由して第一流路側螺旋流路から第二流路側螺旋流路に流体を流す構成において、第一流路側螺旋流路と第二流路側螺旋流路との旋回方向が互いに異なることにより、第一流路側螺旋流路を流れていた流体が第三流路を経由して第二流路側螺旋流路を流れるときに、流体の流れが反転することによって流体が撹拌され、流路の径方向の濃度分布を均一化することができる。
請求項5の発明によれば、本体部を備え、前記本体部には、その内部に前記第一流路および前記第二流路が設けられ、その外周面に螺旋溝が設けられ、かつ前記主流路と前記螺旋溝とを連通する前記分岐流路が形成され、さらに、前記本体部の外周面を包囲して前記螺旋溝とともに前記螺旋流路を形成する筐体を備え、前記主流路の前記第一流路および前記第二流路は、互いに同軸上に離間して配置され、前記流体開口部は前記本体部の長手方向端部に各々設けられている、流体混合器が提供される。
すなわち、請求項5の発明では、さらに、上記のように本体部および筐体を形成したことによって、混合性能の優れた流体混合器を実現することができる。また、主流路となる長孔の1つあたりの長さを短くすることができるので、成形加工を容易にすることができる。加えて、主流路を構成する第一流路および第二流路の周囲に螺旋流路を配置したことによって、流体混合器の構成を成形加工し易い構成に維持したまま設計の幅を広げることできる。
請求項6の発明によれば、本体部を備え、前記本体部には、その内部に前記第一流路および前記第二流路が設けられ、その外周面において、溝部が前記第一流路と前記第二流路との間に設けられ、その外周面に螺旋溝が前記溝部と連通するように設けられ、かつ前記主流路と前記螺旋溝とを連通する複数の分岐流路が設けられ、さらに、前記本体部の外周面を包囲して、前記螺旋溝および前記溝部とともにそれぞれ前記螺旋流路および前記第三流路を形成する筐体を備え、前記主流路の前記第一流路および前記第二流路並びに前記第三流路は、互いに離間して配置され、前記流体開口部は前記本体部の長手方向端部に各々設けられている、流体混合器が提供される。
すなわち、請求項6の発明では、さらに、上記のように本体部および筐体を形成したことによって、混合性能の優れた流体混合器を実現することができる。
請求項7の発明によれば、二つの本体部を備え、前記二つの本体部には、前記二つの本体部のうちの一方の内部に前記第一流路が設けられるとともに前記二つの本体部のうちの他方の内部に前記第二流路が設けられ、これらの外周面に螺旋溝が設けられ、かつ前記主流路と前記螺旋溝とを連通する前記分岐流路が形成され、さらに、前記本体部の外周面を包囲して前記螺旋溝とともに前記螺旋流路を形成する筐体を備え、前記二つの本体部が前記筐体の流路軸線上で互いに離間しかつ対面した状態で配置され、前記二つの本体部の互いに対面する端面と前記筐体の内周面とで前記第三流路が形成される、流体混合器が提供される。
すなわち、請求項7の発明では、さらに、上記のように本体部および筐体を形成したことによって、混合性能の優れた流体混合器を実現することができる。
請求項8の発明によれば、複数の前記螺旋流路が互いに流路軸線方向に一定間隔を空けて設けられるとともに、複数の前記螺旋流路の流路軸線に対して垂直である流路断面の形状が互いに同一である、流体混合器が提供される。
すなわち、請求項8の発明では、本請求項により規定された流体混合器を形成したことによって、混合性能の優れた流体混合器を実現することができる。
請求項9の発明によれば、請求項1〜8のいずれか1項に記載の流体混合器と、前記流体混合器に複数の異種流体を合流して導く流路を形成する流路形成手段とを備える装置が提供される。
すなわち、請求項9の発明では、上述の流体混合器と当前記流路形成手段とを備えることにより、多様な異種流体を混合する装置を形成することができる。
請求項1〜8に記載の発明によれば、流体の混合指向性がなく施工することが容易であり、より容易に成形加工することができ、かつ幅が広い設計が可能な流体混合器を提供することができる。
請求項9に記載の発明によれば、さらに、多様な異種流体を混合する装置を提供することができる。
本発明の第一の実施形態に係る流体混合器の概略構成を示す斜視図である。 本発明の第一の実施形態に係る流体混合器の変形例の概略構成を示す斜視図である。 本発明の第一の実施形態に係る流体混合器の別の変形例の概略構成を示す斜視図である。 本発明の第二の実施形態に係る流体混合器の概略構成を示す斜視図である。 本発明の第三の実施形態に係る流体混合器の概略構成を示す斜視図である。 本発明の第四の実施形態に係る流体混合器を示す縦断面図である。 本発明の第四の実施形態に係る流体混合器の変形例を示す縦断面図である。 本発明の第五の実施形態に係る流体混合器を示す縦断面図である。 本発明の第六の実施形態に係る流体混合器を示す縦断面図である。 本発明の第七の実施形態に係る流体混合器を示す縦断面図である。 本発明の第七の実施形態に係る他の流体混合器の本体部の縦断面図である。 本発明の第八の実施形態に係る流体混合器を示す縦断面図である。 本発明の流体混合器を用いた装置の実施形態を示す模式図である。 本発明の流体混合器を用いた装置の実施形態の変形例を示す模式図である。 従来の流体混合器を示す縦断面図である。
以下、図1を参照して、本発明の第一の実施形態に係る流体混合器について説明する。
流体混合器は、流体の流入する開口部である流体入口1と、流体入口1に接続する第一流路2と、流体の流出する開口部である流体出口3と、流体出口3に接続する第二流路4とが同軸上に配置されている。また、第一流路2および第二流路4から主流路が構成され、主流路の周囲には第一流路2および第二流路4の流路軸線を螺旋の中心軸線にした螺旋流路5が配置されている。螺旋流路5には第一流路2および第二流路4に各々接続する複数の分岐流路6a〜6hが設けられている。また、流体入口1および流体出口3のそれぞれから最も近い場所に位置する分岐流路6a、6hは螺旋流路5の両端部に接続して設けられている。すなわち、複数の分岐流路6a〜6hは、螺旋流路5の互いに異なる位置から各々分岐し、第一流路2および第二流路4の互いに異なる位置において第一流路2および第二流路4と各々接続している。本実施形態の各流路の構成が主流路の中心に対して対称な形状になるように形成されている。
さらに、第一の実施形態の変形例として図2に示されるように、第一流路2と第二流路4との間隔が広いときは、第一流路2と第二流路4との間に螺旋流路5のみの部分が配置されてもよい。また、主流路の周囲に複数の螺旋流路を配置してもよく、第一の実施形態の別の変形例として図3に示されるように、主流路の周囲に第一螺旋流路7および第二螺旋流路8が互いに流路軸線方向に一定間隔を空けて配置されてもよい。
また、図1に戻って本発明の第一の実施形態に係る流体混合器の作用について説明する。
流体混合器の上流側で水および薬液を混合させ、一時的に薬液の濃度が濃くなった状態で流したときに、流路内で部分的に濃度が濃くなって流れている薬液は、流体入口1から第一流路2に流入する。濃度が濃くなった薬液の一部が第一流路2の分岐流路6aの接続した箇所を流れた時点で、その一部が分岐流路6aを流れて螺旋流路5を通って下流側へ流れて行く。残りの薬液は第一流路2の下流側へ流れて行き、また、濃度が濃くなった残りの薬液の一部が分岐流路6bの接続した箇所を流れた時点で、その一部が螺旋流路5を通って下流側へ流れて行く。残りの薬液は螺旋流路5の下流側へ流れて行き、さらに、濃度が濃くなった残りの薬液の一部は、分岐流路6bを流れた薬液と同様に分岐流路6cの接続した箇所を流れた時点で、その一部が分岐流路6cを流れて螺旋流路5を通って下流側へ流れて行く。以下、6a、6b、6cと同様に濃度が濃くなった残りの薬液の一部は6dを流れて螺旋流路5を通って下流側へ流れて行く。このとき、分岐流路6aを流れる濃度が濃くなった薬液の一部は、他の濃度が濃くなった薬液よりも早く螺旋流路5に流入し、時間差で分岐流路6b、分岐流路6c、分岐流路6dの順で濃度が濃くなった薬液の一部ずつが螺旋流路5に流入する。
次に、螺旋流路5に流入した薬液は、分岐流路6eの接続した箇所を流れた時点で、その一部が分岐流路6eを流れて第二流路4を通って流体出口3へと流れる。残りの薬液は螺旋流路5の下流側へ流れて行き、また、濃度が濃くなった残りの薬液の一部が分岐流路6fの接続した箇所を流れた時点で、その一部が分岐流路6fを流れて第二流路4を通って流体出口3へと流れる。残りの薬液は螺旋流路5の下流側へ流れて行き、さらに、濃度が濃くなった残りの薬液の一部は、分岐流路6fを流れた薬液と同様に分岐流路6gの接続した箇所を流れた時点で、その一部が分岐流路6gを流れて第二流路4を通って流体出口3へと流れる。以下、6e、6f、6gと同様に濃度が濃くなった残りの薬液の一部は分岐流路6hを流れて第二流路4を通って流体出口3へと流れる。このとき、分岐流路6eを流れる薬液の一部は、他の薬液よりも早く第二流路4に流入し、時間差で分岐流路6f、分岐流路6g、分岐流路6hの順で薬液の一部ずつが第二流路4に流入する。
このように、第一流路2内で部分的に濃度が濃くなって流れる薬液は、分岐流路6a〜6dよって時間差で、おおよそ4回に分けられて螺旋流路5に流入し、分岐流路6e〜6hによってさらに時間差で、おおよそ4回に分けられて第二流路4に流れることとなり、濃度の濃くなっていない薬液と徐々に混ざり合うことで流体が流れる方向の濃度分布をムラなく均一化して混合することができる。
また、本実施形態の各流路の構成は、第一流路2および第二流路4からなる主流路の中心に対して対称な形状であるので、流路内で部分的に濃度が濃くなって流れている薬液を流体出口3から流体入口1の方向に流しても、流体入口1から流体出口3の方向に流すときと同様に、流体が流れる方向の濃度分布をムラなく均一化して混合することができる。すなわち、本実施形態の流体混合器は流体入口1および流体出口3のどちらから流体を流しても同じように混合することができる。したがって、流体混合器を配管に接続するときに混合指向方向に注意して施工する必要がなく、混合指向方向を間違えることによる施工不良を防止することができる。特に、日常的に配管ラインを分解洗浄する食品分野や医薬分野等においては効果が大きい。
―第二の実施形態―
次に、図4を参照して、本発明の第二の実施形態に係る流体混合器について説明する。図4は第二の実施形態に係る流体混合器の概略構成を示す斜視図である。なお、図1〜3と同一の箇所には同一の符号を付し、以下では第一の実施形態との相違点を主に説明する。
本実施形態では、流体混合器は、流体入口1に接続される第一流路2と、第一流路2よりも長く形成されるとともに流体出口3に接続される第二流路4とが同軸上に配置されている。螺旋流路5は第一流路2と連通している第一流路側螺旋流路9と、第二流路4と連通している第二流路側螺旋流路10とから構成されている。第一流路側螺旋流路9の螺旋の巻き数は、第二流路側螺旋流路10の螺旋の巻き数よりも少なくなるように形成されている。
次に、図4を用いて本発明の第二の実施形態に係る流体混合器の作用について説明する。
流体混合器の上流側で水および薬液を混合させ、一時的に薬液の濃度が濃くなった状態で流したときに、流体入口1から第一流路2に流入した流路内で部分的に濃度が濃くなって流れている薬液は、濃度が濃くなった薬液の一部が第一流路2の分岐流路6a〜cの接続した箇所を流れると、6a〜cの順に時間差を生じさせて螺旋流路5を通って下流側へ流れて行く。螺旋流路5に流入した薬液は分岐流路6d〜hの接続した箇所を流れると、分岐流路6d〜hの順に時間差を生じさせて第二流路4を通って流体出口3へと流れ、濃度の濃くなっていない薬液と徐々に混ざり合うことで流体が流れる方向の濃度分布をムラなく均一化して混合することができる。第二流路4と第二流路側螺旋流路10とを連通する分岐流路6d〜hの数は、第一流路2と第一流路側螺旋流路9とを連通する分岐流路6a〜cの数よりも多いため、第一流路2から第一流路側螺旋流路9に流れるときよりも第二流路側螺旋流路10から第二流路4に流れるときの方が流体はさらに細かく分割される。例えば、流体混合器の上流側で水と粘度の高い薬液とを混合させて、その薬液を流体混合器に流すような場合は、まず、水と粘度の高い薬液とを大まかに分割して混合させ、その後、それを細かく分割して流体が流れる方向の濃度分布をムラなく均一化して混合することが望ましい。したがって、本実施形態のように、流体混合器の各流路の構成を主流路の中心に対して非対称な形状にすることによって、流体の粘度や温度などの諸条件により適合した流体混合器を設計することができる。
本実施形態では、第一流路側螺旋流路9および第二流路側螺旋流路10の螺旋の巻き数を設計因子としたが、設計因子は、螺旋流路の幅、流路断面積、形状、螺旋の向きなどでもよく、特に限定されない。その他には、第一流路2および第二流路4の流路断面積を漸次変化させてもよく、第一流路2と第二流路4との間で流路の長さまたは内径に差をつけてもよい。また、分岐流路6の流路の断面積、角度または個数を設計因子としてもよい。また、流体が流れる方向の濃度分布だけでなく、流路の径方向の濃度分布もムラなく均一化して混合するために、螺旋流路5の流路断面積の増減を頻繁に繰り返してもよい。
―第三の実施形態―
次に、図5を参照して、本発明の第三の実施形態に係る流体混合器について説明する。図5は第三の実施形態に係る流体混合器の概略構成を示す斜視図である。なお、図1〜4と同一の箇所には同一の符号を付し、以下では第一の実施形態との相違点を主に説明する。
本実施形態では、流体混合器は、流体入口1に接続される第一流路2と、流体出口3に接続される第二流路4とが同軸上に配置され、さらに、第一流路2と第二流路4との間に第三流路11がこれらと同軸上に配置されている。螺旋流路5は、第一流路2の周囲に配置されている第一流路側螺旋流路9と第二流路4の周囲に配置されている第二流路側螺旋流路10とから構成されており、第一流路側螺旋流路9および第二流路側螺旋流路10の端部の一方は第三流路11にそれぞれ連通している。第一流路側螺旋流路9および第二流路側螺旋流路10の螺旋の旋回方向は、互いに反対方向になるように形成されている。
次に、図5を用いて本発明の第三の実施形態に係る流体混合器の作用について説明する。
流体入口1から第一流路2に流入した流路内で部分的に濃度が濃くなって流れている薬液は、濃度が濃くなった薬液の部分が第一流路2の分岐流路6a〜dの接続した箇所を流れると、6a〜dの順に時間差を生じさせて第一流路側螺旋流路9に流入する。第一流路側螺旋流路9に流入した薬液は下流側に流れ、第三流路11を経て第二流路側螺旋流路10に流入する。ここで、第二流路側螺旋流路10の螺旋の旋回方向は第一流路側螺旋流路9の反対方向となっているため、薬液の流れが反転することによって薬液が撹拌され、流路の径方向の濃度分布を均一化することができる。第二流路側螺旋流路10に流入した薬液は、分岐流路6e〜hの接続した箇所を流れると、分岐流路6e〜hの順に時間差を生じさせて第二流路4に流入する。第二流路4に流入した薬液は、流体が流れる方向の濃度分布をムラなく均一化して混合しながら下流側に流れ、流体出口3から流体混合器の外に流出する。
また、本実施形態では、第三流路の長さを調節することによって容易に流体混合器の長さを調節することができる。既設の配管の途中に流体混合器を設置するような場合は、配管構成や施工環境などから流体混合器を設置することができるスペースが決められていることがあり、流体混合器の長さを予め決められたスペースに合わせなくてはならないことがある。そのような場合には、第三流路の長さを調節することによって、第一流路や第二流路の長さを調節することや、螺旋流路の螺旋の巻き数を過剰に増やすことなく、流体混合器の構成を成形加工しやすい構成に維持したまま、流体混合器の長さを調節することができる。
また、本実施形態では、第一流路側螺旋流路9および第二流路側螺旋流路10の螺旋の旋廻方向が互いに反対方向になるように形成されているが、本実施形態の変形例として、第一流路側螺旋流路9および第二流路側螺旋流路10の螺旋の旋廻方向が互いに同じ方向になるように形成してもよい。混合流体中の流体が混合されやすく、螺旋流路の螺旋の方向を反対方向にしなくても、容易に均一化されるような場合は、螺旋流路の螺旋の旋廻方向を同じ方向になるように形成した方が成形加工しやすい構成となることが多く、好適であるからである。
−第四の実施形態−
次に、図6〜7を参照して、本発明の第四の実施形態に係る流体混合器について説明する。
図6は、第四の実施形態に係る流体混合器の内部構成を示す縦断面図である。第四の実施形態では、略円柱状の本体部21と、円筒体22であって、その内周面が筐体として本体部21の外周面を包囲する円筒体22とにより、混合流路を有する流体混合器が形成される。なお、図1と同一の箇所には同一の符号を付し、以下では第一の実施形態との相違点を主に説明する。
本実施形態では、本体部21はPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)製であり、本体部21内には、主流路としての第一流路2および第二流路4が、本体部21の中心軸線上に互いに離間して設けられている。本体部21の一端面には、第一流路2の開口の端部(第二流路4の反対側端部)に連通する開口部である流体入口1が設けられ、本体部21の他端面には、第二流路4の開口の端部(第一流路2の反対側端部)に連通する開口部である流体出口3が設けられている。本体部21の外周面には、螺旋溝23が形成されている。
第一流路2および第二流路4には、これらの径方向に複数の連通孔24が形成され、連通孔24により、第一流路2および第二流路4から分岐する分岐流路6が形成されている。各連通孔24は、第一流路2および第二流路4からこれらの径方向に略直線状に延在し、各連通孔24を介して、第一流路2および第二流路4の複数箇所が螺旋溝23とそれぞれ連通している。なお、流体入口1および流体出口3と最も近い場所に位置する各連通孔24は、螺旋溝23の流体入口1側および流体出口3側の端部にそれぞれ連通している。第一流路2および第二流路4の複数箇所に設けられる連通孔24の位置は特に限定されない。
例えば、円筒体22はPVC(ポリ塩化ビニル)製の筐体であり、略円筒形に形成されている。円筒体22の両端部の外周にはキャップナット25と螺合される雄ネジ部が設けられている。円筒体22の内径は本体部21の外径と略同一に形成される。円筒体22に本体部21を挿入することにより、本体部21の螺旋溝23と円筒体22の内周面とにより螺旋流路5が形成される。なお、筐体の形状は円筒体以外であってもよく、例えば直方体などでもよい。
例として、キャップナット25はPVC製であり、略円筒形に形成されている。一端部の内周には円筒体22の外周に設けられた雄ネジ部に螺合される雌ネジ部が設けられ、他端部には内径方向へ突出する内鍔部が設けられている。
本実施形態では、円筒体22に本体部21を挿入してキャップナット25を円筒体22に螺合することで、本体部21と円筒体22とをシールした状態で固定しているが、円筒体22と本体部21とがシールした状態で固定されるのであれば、焼きばめ、溶接または接着などの方法で固定してもよく、特に限定されない。本実施形態のようなキャップナット25を用いた構成は、キャップナット25を取り外すことで本体部21を取り出すことができ、各部品の洗浄が容易になるので好適である。
次に、図6を用いて本発明の第四の実施形態の流体混合器の作用について説明する。
流体混合器の上流側から水および薬液を混合させ、一時的に薬液の濃度が濃くなった状態で流すと、その部分的に濃度が濃くなって流れる高濃度薬液は、流体入口1から第一流路2に流入する。この高濃度薬液は第一流路2の各連通孔24を通過して螺旋流路5に流入する。流入後の高濃度薬液は螺旋流路5から第二流路4の各連通孔24を通過し、第二流路4を通って流体出口3から流出する。高濃度薬液は、時間差を生じさせて螺旋流路5および第二流路4を流れ、濃度の濃くなっていない薬液と徐々に混ざり合う。これにより、第一の実施形態と同様に、流体が流れる方向の濃度分布をムラなく均一化することができる。
本実施形態の流体混合器では、第一流路2および第二流路4から構成される主流路、螺旋流路5および分岐流路6の構成が、主流路の中心に対して対称な形状となるように形成されている。そのため、部分的に濃度が濃くなって流れる高濃度薬液を流体入口1から流体出口3の方向に流しても、流体出口3から流体入口1の方向に流しても、同じように流体が流れる方向の濃度分布をムラなく均一化して混合することができる。すなわち、本実施形態の流体混合器は流体入口1または流体出口3のどちらから流体を流しても同じように混合することができる。したがって、流体混合器を配管に接続するときに混合指向方向に注意して施工する必要がなく、混合指向方向を間違えることによる施工不良を防止することができる。特に、日常的に配管ラインを分解洗浄する食品分野や医薬分野等においては効果が大きい。
本実施形態において、各連通孔24は、各流路断面積が略同一となるように形成されることが望ましい。これは、各連通孔24によって分割される流体の流量が各々ほぼ一定で流れ、流体混合器に流入した流体は連通孔24の個数にほぼ等しく分割されて各々時間差をつけて合流するためであり、これにより濃度分布をムラなく均一化することができる。
また、第四の実施形態の変形例として図7に示すように、第一流路2は、流体入口1から下流部(流体出口3側)に向かって漸次縮径するように形成されることが好ましく、第二流路4は、流体出口3から上流側(流体入口1側)に向かって漸次縮径するように形成されることが好ましい。これにより、第一流路2から螺旋流路5を介して第二流路4に分割されて流れる流体の時間差をより明確にすることができる。
また、図7に示すように、螺旋流路5は、流体入口1側に位置する螺旋流路5の一端部から第一流路2と第二流路4との間の中間部に向かって流路断面積が漸次大きくなるように形成されることが好ましく、第一流路2と第二流路4との間の中間部から流体出口3側に位置する螺旋流路5の他端部に向かって流路断面積が漸次小さくなるように形成されることが好ましい。これにより、第一流路2から螺旋流路5を介して第二流路4に分割して流れる流体に圧損が起こっても、流体が一定の速度で流れ、分割して流れる流体の時間差を安定させることができる。
本実施形態の流体混合器では、流路が複雑であるにも拘わらず流路の成形加工が比較的容易である。第一流路2および第二流路4は、本体部21の両端部から主流路の中心に向かって形成されるため、第一流路2および第二流路4の長さを流体混合器の半分程度に短くすることができ、それにより主流路の成形加工が容易になる。また、螺旋溝23が本体部21の外周面に形成されていることから、螺旋溝23の成形加工が容易であり、流体の性状や目的とする混合の度合いに応じて、螺旋溝23の底面形状、深さ、幅および断面積を最適な形状に形成することができる。螺旋溝23の断面積や断面形状等を頻繁に変化させることによって、流体が流れる方向の濃度分布だけでなく流路の径方向の濃度分布も均一化することができる。また、連通孔24も容易に形成することができ、連通孔24を設ける位置、設置数、孔径および角度を自由に設定することができる。したがって、流体の性状や混合の度合いに応じて各種流路の形状や断面積などを最適な形状に形成することができ、簡単な構造を維持したまま、設計の幅を広げることができる。このようにすることによって、流れの時間差を精度よく均等に調節することができ、流体が流れる方向の濃度分布をムラなくかつより精度よく均一化することができる。また、本実施形態の流体混合器は、各部品の成形加工が容易なだけではなく、部品点数が少ないことから、流体混合器を容易に製造することができる。
−第五の実施形態−
次に、図8を参照して、本発明の第五の実施形態に係る流体混合器について説明する。図8は、第五の実施形態に係る流体混合器の内部構成を示す縦断面図である。図8は、フェルール継手を用いた形状の流体混合器を示しており、本実施形態に係る流体混合器は、略円柱状の本体部21と、筐体として本体部21の周囲を覆う一対の円筒部材31(第一円筒部材31aおよび第二円筒部材31b)とを有する。なお、図1、図6および図7と同一の箇所には同一の符号を付し、以下では第一の実施形態との相違点を主に説明する。
一例として、一対の円筒部材31a、bは、SUS304(ステンレス鋼)製である。なお、第一円筒部材31aおよび第二円筒部材31bは同一形状なので、以下では主に第一円筒部材31aで代表して説明する。第一円筒部材31aの一端部外周にはフランジ部32が設けられ、他端部には円筒部が縮径された縮径部33が設けられている。縮径部33の縮径された端部にはフェルール継手部34が設けられている。フェルール継手部34の一端面には入口開口35が設けられ、入口開口35は、第一円筒部材31aの内部の入口流路36に連通している。なお、第二円筒部材31bのフェルール継手部の他端面には出口開口37が設けられ、出口開口37は第二円筒部材31b内の出口流路38に連通している。
本実施形態では、本体部21はSUS304(ステンレス鋼)製であり、本体部21の両端部は、第一および第二円筒部材31a、bの内周面に合わせた形状に縮径され、本体部21の外周は、第一および第二円筒部材31a、bの内周と略同径に形成されている。本体部21は、第一および第二円筒部材31a、bの縮径されてないフランジ部32側の開口部に挿入されている。フランジ部32の端面同士の間にはガスケット39が挟持され、フランジ部32はクランプ40により連結されている。これにより、第一および第二円筒部材31a、bが筐体を形成し、第一および第二円筒部材31a、bの内周面と螺旋溝23とにより螺旋流路5を形成する。
なお、本実施形態のフランジ部32の接続はフェルール継手の接続方法と同様であるので、当該部分にフェルール継手を用いてもよい。図8に示した以外の形状であっても、フェルール継手を用いて組立容易に流体混合器を形成することができる。例えば、円筒状の筐体の両端部にフェルール継手部を設けた筐体に本体部を挿入した構成とすることができる(図示せず)。
第五の実施形態に係る流体混合器における流体が流れる方向の濃度分布がムラなく均一化される作用は、第一の実施形態および第四の実施形態と同様なので説明を省略する。このとき、本実施形態の流体混合器は、分解および組立が容易であるために、フェルール継手部34による配管ラインへの取り付けおよび取り外しを容易にする。分解した状態の本体部21は、外周に螺旋溝23が形成され、内部に直線状の第一流路2および第二流路4が形成されたシンプルでありかつ入り組んだ部分が無い構造であるため、洗浄を容易かつ確実に行うことができる。また、螺旋溝23の底面を略円弧状に形成すると、螺旋溝23の底に固形物が溜まることを防止でき、溝の隅々まで洗浄を容易に行うことができる。そのため、特に分解して部品を洗浄して組み立てる作業が頻繁に行われる食品分野において好適に使用することができる。
−第六の実施形態−
次に、図9を参照して、本発明の第六の実施形態に係る流体混合器について説明する。図9は、第六の実施形態に係る流体混合器の内部構成を示す縦断面図である。第六の実施形態では、略円柱状の本体部21と、円筒体22であって、その内周面が筐体として本体部21の外周面を包囲する円筒体22とにより、混合流路を有する流体混合器が形成される。なお、図4および図6と同一の箇所には同一の符号を付し、以下では第二の実施形態との相違点を主に説明する。
例として、本体部21はPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)製であり、本体部21内には、主流路としての第一流路2と第一流路よりも長い第二流路4とが、本体部21の中心軸線上に互いに離間して設けられている。本体部21の外周面には、螺旋溝23が形成され、螺旋溝23と円筒体22の内周面とで螺旋流路5を形成している。螺旋流路5は、第一流路2に連通している第一流路側螺旋流路9と第二流路4に連通する第二流路側螺旋流路10とから構成されており、第一流路側螺旋流路9の螺旋の巻き数が第二流路側螺旋流路10の螺旋の巻き数よりも少なくなるように形成されている。第一流路2および第一流路側螺旋流路9は連通孔24により連通し、第二流路4および第二流路側螺旋流路10も連通孔24により連通している。第一流路側螺旋流路9の連通孔24は、第二流路側螺旋流路10の連通孔24よりも、径が大きくなるように形成されている。
第六の実施形態に係る流体混合器における流体が流れる方向の濃度分布がムラなく均一化される作用は、第二の実施形態と同様なので説明を省略する。このとき、第一流路2よりも第二流路4の方が流路の長さが長く、第一流路側螺旋流路9よりも第二流路側螺旋流路10の方が螺旋の巻き数が多いため、流体は、第一流路2から第一流路側螺旋流路9に流れるときよりも第二流路側螺旋流路10から第二流路4に流れるときの方が、細かく分割される。例えば、流体混合器の上流側で水と粘度の高い薬液とを混合させ、その流体が流れる方向の濃度分布のムラを均一化する場合は、まず、水と粘度の高い薬液とを大まかに分割して混合し、その後、細かく分割して混合することが望ましい。したがって、本実施形態のように、本体部21の流路構成を第一流路2側と第二流路4側とで異なる構成にすることによって、それぞれの構成の目的を互いに異なるものとすることができる。それによって、流体の性状および混合の度合いに応じて各種流路の形状、断面積などを最適な形状に形成することができ、簡単な構造を維持したまま、設計の幅を広げることができる。
−第七の実施形態−
次に、図10〜11を参照して、本発明の第七の実施形態に係る流体混合器について説明する。
図10は、第七の実施形態に係る流体混合器の内部構成を示す縦断面図である。第七の実施形態では、略円柱状で外周面に環状溝部51を有する本体部21と、円筒体22であって、その内周面が筐体として本体部21の外周面を包囲する円筒体22とにより、混合流路を有する流体混合器が形成される。なお、図5および図6と同一の箇所には同一の符号を付し、以下では第三の実施形態との相違点を主に説明する。
例として、本体部21はPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)製であり、本体部21内には、第一流路2および第二流路4が、本体部21の中心軸線上に互いに離間して設けられている。本体部21の中間部の外周面には流路軸線を中心軸線とした環状溝部51が形成され、円筒体22の内周面と環状溝部51とで第三流路11を形成している。環状溝部51の両側には環状溝部51と同じ深さで互いに連通する螺旋溝23が形成され、円筒体22の内周面と螺旋溝23とで螺旋流路5を形成している。螺旋流路5は、第一流路2の周囲に配置されている第一流路側螺旋流路9と、第二流路4の周囲に配置されている第二流路側螺旋流路10とから構成され、各流路は第三流路11と連通している。第一流路側螺旋流路9の螺旋の旋回方向と第二流路側螺旋流路10の螺旋の旋回方向とは、互いに逆向きになるように形成されている。第一流路2および第一流路側螺旋流路9は連通孔24により連通し、第二流路4および第二流路側螺旋流路10も連通孔24により連通している。
第七の実施形態に係る流体混合器における流体が流れる方向の濃度分布がムラなく均一化される作用は、第三の実施形態と同様なので説明を省略する。このとき、第一流路側螺旋流路9と第二流路側螺旋流路10との螺旋の旋回方向が互いに逆向きになっているため、流体が第一流路側螺旋流路9から第三流路11を経て第二流路側螺旋流路10に流入するときに、流体の流れる方向を強制的に反転させることができる(例えば、右回転から左回転に反転させる。)。これにより、流体が流れる方向の濃度分布だけでなく流路の径方向の濃度分布も均一化することができる。
本実施形態では、本体部21は一体で形成されているが、複数の部材を連結して形成してもよい。例えば、図11のような分割部材52a、bを長手方向に直列に連結させて本体部21を形成してもよい。分割部材52a、bの連結方法は、各部材がずれることなく連結されていればよく、嵌合、螺着、溶接、溶着、接着など特に限定されない。また、分割部材52a、bの向かい合う部分同士を繋ぎ合わせて、円筒体22に螺合されたキャップナット25で挟み込むことによって分割部材52a、bがずれないように保持してもよい。本体部21を分割部材52a、bを連結して形成することによって、本体部21の成形加工が容易になり、成形加工設備の小型化および簡略化をすることができる。また、分割部材52a,bの間にスペーサーを設けると第三流路の長さを容易に調節することができ、それによって、容易に流体混合器の長さを調節することができる。
また、本実施形態では、本体部21の外周面に形成された環状溝部51と円筒体22の内周面によって第三流路11が形成されている。しかしながら、円筒体22および第三流路11を形成することができれば溝部の形状はどのような形状でもよく、特に限定されない。例えば、溝部は、その両端に位置する螺旋溝23を直線的に最短距離で連通させる直線状の溝部でもよく、流路の径方向の流体の濃度分布を均一化するための蛇行した溝部でもよい。また、溝部の幅の広狭、深さの深浅などを変化させてもよい。
−第八の実施形態−
次に、図12を参照して、本発明の第八の実施形態に係る流体混合器について説明する。図12は、第八の実施形態に係る流体混合器の内部構成を示す部分縦断面図である。第八の実施形態では、筐体となる円筒体22の両端部の内部に本体部61a、bが離間し且つ対面するように配置され、本体部61a、bと円筒体22の内周面とから形成される空間が第三流路52となる。なお、図5、図6および図10と同一の箇所には同一の符号を付し、以下では第三の実施形態および第七の実施形態との相違点を主に説明する。
一例として、本体部61a、bはPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)製であり、略円柱状に形成されている。本体部61a、bには、各一端面に開口62が形成され、さらに開口部62から筐体奥部に向かって有底孔63が形成されている。本体部61a、bに形成された有底孔63がそれぞれ第一流路2および第二流路4となる。本体部61a、bの外周面には開口62の反対側の面から開口62側に向かって螺旋溝23が形成されている。螺旋溝23は一端面まで溝が延設されており、他端面には前記溝が到達しないように形成されている。螺旋溝23の底面には複数の連通孔24が設けられ、連通孔24は、螺旋溝23を有底孔63と連通する。本体部61a、bの螺旋溝23と円筒体22の内周面とで螺旋流路5が形成され、螺旋流路5は、第一流路2の流路軸線を螺旋の中心軸線とした第一流路側螺旋流路9と、第二流路4の流路軸線を螺旋の中心軸線とした第二流路側螺旋流路10とから構成される。第一流路2および第一流路側螺旋流路9は連通孔24により連通し、第二流路4および第二流路側螺旋流路10も連通孔24により連通している。
本実施形態では、本体部61a、bの内側端部は、円筒体22の内部において、互いに離間し且つ対面するように配置される。本体部61a、bの内側端部と円筒体22の内周面とから形成される空間が第三流路11となる。本体部61a、bの内側端部同士の間にはスペーサー64が配置され、本体部61aと本体部61bとの間の間隔を保っている。このとき、本体部61aと本体部61bとの間隔を調節することによって、第三流路の長さを容易に調節することができ、それによって、容易に流体混合器の長さを調節することができる。また、本体部61a、bの内側端部同士の間にスタティックミキサーなどの撹拌部材をスペーサー64の代わりに配置すると、流体が流れる方向の濃度分布だけでなく流路の径方向の濃度分布も均一化することができる。
第八の実施形態に係る流体混合器における流体が流れる方向の濃度分布がムラなく均一化される作用は、第三の実施形態と類似しており、第一流路側螺旋流路9および第二流路側螺旋流路10の螺旋の旋回方向を除いては同じである。すなわち、第一流路2に流入した流路内で部分的に濃度が濃くなって流れている薬液は、濃度が濃くなった薬液の一部が第一流路2の分岐流路6が接続した箇所を流れると、時間差を生じさせて第一流路側螺旋流路9に流入する。第一流路側螺旋流路9に流入した薬液は下流側に流れ、第三流路11を経て第二流路側螺旋流路10に流入する。第二流路側螺旋流路10に流入した薬液は分岐流路6が接続した箇所を流れると、時間差を生じさせて第二流路4に流入する。第二流路4に流入した薬液は、薬液が流れる方向の濃度分布をムラなく均一化するように混合しながら下流側に流れ、流体出口3から流体混合器の外に流出する。
このとき、別体の本体部61a、bが円筒体22の内部に別々に配置されていることから、流体の性状または目的とする混合の度合いに応じて、本体部61a、bの組合せを自由自在に変化させることができる。例えば、一度、流体混合器を配管に設置した後で流体の組成、構成、混合比などが変更され、既設の流体混合器では十分に混合できなくなったときに、本体部61bを、適切な形状を有する新たな本体部に変更することによって、流体混合器の混合性能を調節することができる。
次に、図13、図14を参照して上述の流体混合器を用いた装置について説明する。
本発明の実施形態に係る流体混合器は、例えば流体の温度または濃度が経時的に変化するライン内に適用される。すなわち、本発明の実施形態に係る流体混合器は、例えばライン内にヒーターを設置してこのヒーターで加熱される液体であって、時間軸に対する流体の温度にバラツキが生じることで流体の温度が経時的に変化する流体や、槽内に浸した固形物を流体内へ溶出させて流すラインで溶出した、濃度が経時的に変化する流体などに適用され、流体混合器を用いることでラインの流体の温度または濃度を均一化することができる。なお、流体混合器に流体として流す物質は気体または流体であれば特に限定されない。
図13は、本発明に係る流体混合器を用いた装置の一例を示す図である。図では、2つの物質が各々流れるライン71、72の合流部73の下流側に本発明に係る流体混合器76が配置されている。各物質はそれぞれポンプ74、75により供給される。このため、ポンプ74、75の脈動などにより、流体が合流したときの混合比率が経時的に変化することがあるが、流体混合器76により物質の混合比率が均一化されることで、時間軸に対して温度や濃度を一定にすることができる。なお、各ライン71、72に高温流体および低温流体をそれぞれ流した状態で、例えば高温流体が不均一に流れて時間軸に対する流体の温度にバラツキが生じる場合や、既定濃度の流体を他の流体と混合させたときに混合流体の濃度が経時的に変化する場合などにも有効である。このときの流体は気体、液体、固体、粉体等のいずれでもよく、固体、粉体については、あらかじめ気体または液体と混合しておいてもよい。なお、3つ以上の物質が流れるラインを合流させるように装置を構成し、3つ以上の物質が流体混合器によって混合されるようにしてもよい。
図14は、図13の変形例を示す図である。図14では、2つの物質が各々流れるライン77、78の合流部79の下流側に本発明に係る流体混合器80を配置するとともに、流体混合器80の下流側に他の物質が流れるライン81が合流する合流部82を設け、合流部82の下流側にも本発明に係る流体混合器83を配置している。これにより、3つ以上の物質を同時に混合すると混合ムラが生じる場合に、最初に混合した2つの物質を均一に混合した後に他の物質を混合して均一に混合させることにより、効率よく混合ムラのない均一な混合を行うことができる。例えば水と油と界面活性剤とを混合する場合において、一度に全部を混ぜるとうまく混ざらずに混合ムラが生じるので、予め水と界面活性剤とを混合した後に、その混合物と油とを混合することによりムラなく均一に混合することができる。水と硫酸とを混合して希釈した後にその混合物にアンモニアガスを混合してアンモニアガスを吸収させたり、水と硫酸とを混合して希釈した後にその混合物に珪酸ソーダを混合してpH調整させたりする場合にも、好適に用いることができる。なお、最初に3つ以上の物質を合流させてもよく、途中で2つ以上の物質を合流させてもよい。また、流体混合器を3つ以上直列に配置し、段階的に他の物質を混合するようにしてもよい。
本装置によって混合される異種流体の組み合わせについてさらに説明する。図13の装置において、一方の物質が流れるライン71には水を、他方の物質の流れるライン72にはpH調整剤、液体肥料、漂白剤、殺菌剤、界面活性剤または液体薬品のいずれかを流すようにしてもよい。
この場合、水は、純水、蒸留水、水道水、工業用水など、混合させる物質の条件に合う水であれば特に限定されない。また水の温度も特に限定されず、温水または冷水であってもよい。pH調整剤は、混合する液体のpH調整に用いられる酸またはアルカリであればよく、塩酸、硫酸、硝酸、フッ酸、カルボン酸、クエン酸、グルコン酸、コハク酸、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、水酸化ナトリウム水溶液などが挙げられる。液体肥料は、農業用の液状の肥料であればよく、糞尿や化学肥料などが挙げられる。
漂白剤は、化学物質の酸化または還元反応を利用して色素を分解するものであればよく、次亜塩素酸ナトリウム、過炭酸ナトリウム、過酸化水素、オゾン水、二酸化チオ尿素、亜二チオン酸ナトリウムなどが挙げられる。殺菌剤は、病原性または有害性を有する微生物を殺すための薬剤であり、ヨードチンキ、ポビドンヨード、次亜塩素酸ナトリウム、クロル石灰、マーキュロクロム液、グルコン酸クロルヘキシジン、アクリノール、エタノール、イソプロパノール、過酸化水素水、塩化ベンザルコニウム、塩化セチルピリジニウム、クレゾール石鹸液、亜塩素酸ナトリウム、過酸化水素、次亜塩素酸ナトリウム、次亜塩素酸水、オゾン水などが挙げられる。
界面活性剤は、分子内に水になじみやすい部分(親水基)と、油になじみやすい部分(親油基・疎水基)とを持つ物質であり、脂肪酸ナトリウム、脂肪酸カリウム、モノアルキル硫酸塩、アルキルポリオキシエチレン硫酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、モノアルキルリン酸塩、アルキルトリメチルアンモニウム塩、ジアルキルジメチルアンモニウム塩、アルキルベンジルジメチルアンモニウム塩、アルキルジメチルアミンオキシド、アルキルカルボキシベタイン、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、脂肪酸ソルビタンエステル、アルキルポリグルコシド、脂肪酸ジエタノールアミド、アルキルモノグリセリルエーテル、アルファスルホ脂肪酸エステルナトリウム、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム、アルキル硫酸エステルナトリウム、アルキルエーテル硫酸エステルナトリウム、アルファオレフィンスルホン酸ナトリウム、アルキルスルホン酸ナトリウム、しょ糖脂肪酸エステルソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、脂肪酸アルカノールアミド、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、アルキルアミノ脂肪酸ナトリウム、アルキルベタイン、アルキルアミンオキシド、アルキルトリメチルアンモニウム塩、ジアルキルジメチルアンモニウム塩などが挙げられる。
また、液体薬品の範疇に入るのであれば上記のカテゴリに入らない液体薬品を用いてもよく、塩酸、硫酸、酢酸、硝酸、蟻酸、フッ酸、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、水酸化バリウム、水酸化アンモニウム珪酸ソーダ、油などが挙げられる。なお、ここに挙げた液体薬品は上記のカテゴリに該当するものとして使用されることもある。また、一方の物質が流れるライン71に水を、他方の物質の流れるライン72にお湯を流してもよく、水とお湯とを混ぜて均一で一定の温度に混合させるようにしてもよい。
また、一方の物質が流れるライン71に第一の液体薬品を、他方の物質の流れるライン72に第二の液体薬品または金属を流し、これらを流体混合器76で混合させるようにしてもよい。ここで、第一および第二液体薬品は混ぜることが可能である液体薬品であればよく、上記の液体薬品またはそれ以外の液体薬品でもよい。例えばフォトレジスト、シンナーなどが挙げられる。また、液体薬品は化粧品であってもよい。化粧品は、洗顔料、クレンジング、化粧水、美容液、乳液、クリームおよびジェルといった肌質自体を整えることを目的とする基礎化粧品や、口臭、体臭、あせも、ただれ、脱毛などの防止、育毛または除毛、ねずみや害虫駆除などの医薬部外品に当たる薬用化粧品などが挙げられる。
金属は主に有機金属化合物であり、微小な粒状体または粉体を有機溶剤等に溶解させた液体が使用される。有機金属化合物は、クロロ(エトキシカルボニルメチル)亜鉛のような有機亜鉛化合物、ジメチル銅リチウムのような有機銅化合物、グリニャール試薬、ヨウ化メチルマグネシウム、ジエチルマグネシウムのような有機マグネシウム化合物、n-ブチルリチウムのような有機リチウム化合物、金属カルボニル、カルベン錯体、フェロセンをはじめとするメタロセンなどの有機金属化合物、パラフィンオイルに溶解させた単元素や多元素混合標準液などが挙げられる。また、ケイ素、ヒ素、ホウ素などの半金属の化合物やアルミニウムのような卑金属も含まれる。有機金属化合物は、石油化学製品の製造や有機重合体の製造などにおいて触媒として好適に使用される。
また、一方の物質が流れるライン71に廃液を、他方の物質の流れるライン72にpH調整剤または凝集剤を流し、これらを流体混合器76で混合させるようにしてもよい。pH調整剤には上記のpH調整剤が用いられ、凝集剤は、廃液の凝集を行うことができるものであれば特に限定されず、硫酸アルミニウム、ポリ硫酸第二鉄、ポリ塩化アルミニウム、ポリシリカ鉄、硫酸カルシウム、塩化第二鉄、消石灰などが挙げられる。微生物は、廃液の発酵や分解を促すものであればよく、カビおよび酵母などの菌類や、バクテリアなどの細菌類などが挙げられる。
また、一方の物質が流れるライン71に第一の石油類を、他方の物質の流れるライン72に第二の石油類、添加剤または水を流し、これらを流体混合器76で混合させるようにしてもよい。ここで第一および第二の石油類とは、炭化水素を主成分として他に少量の硫黄、酸素、窒素などのさまざまな物質を含む液状の油のことであり、ナフサ(ガソリン)、灯油、軽油、重油、潤滑油、アスファルトなどが挙げられる。ここでいう添加剤は石油類の品質向上や保持のために添加されるものを指し、潤滑油添加剤として洗浄分散剤、酸化防止剤、粘度指数向上剤・流動点降下剤、油性向上剤・極圧添加剤、摩耗防止剤、防錆・防食剤など、グリース添加剤として構造安定剤、充填剤など、燃料油添加剤などが挙げられる。ここでいう水は、純水、蒸留水、水道水、工業用水など、混合させる物質の条件に合う水であれば特に限定されない。また水の温度も特に限定されず、温水または冷水であってもよい。
また、一方の物質が流れるライン71に第一の樹脂を、他方の物質の流れるライン72に第二の樹脂、溶剤、硬化剤または着色剤を流し、これらを流体混合器76で混合させるようにしてもよい。ここでいう樹脂とは、溶融樹脂、液体樹脂などの接着剤の主成分または塗料の塗膜形成成分のことである。溶融樹脂は、射出成形または押し出しが成形可能な樹脂であれば特に限定されず、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、ABS樹脂、アクリル樹脂、ポリアミド、ナイロン、ポリアセタール、ポリカーボネート、変性ポリフェニレンエーテル、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルエーテルケトンなどが挙げられる。
液体樹脂などの接着剤の主成分としては、アクリル樹脂系接着剤、α-オレフィン系接着剤、ウレタン樹脂系接着剤、エーテル系セルロース、エチレン-酢酸ビニル樹脂接着剤、エポキシ樹脂系接着剤、塩化ビニル樹脂溶剤系接着剤、クロロプレンゴム系接着剤、酢酸ビニル樹脂系接着剤、シアノアクリレート系接着剤、シリコーン系接着剤、水性高分子-イソシアネート系接着剤、スチレン-ブタジエンゴム溶液系接着剤、スチレン-ブタジエンゴム系ラテックス接着剤、ニトリルゴム系接着剤、ニトロセルロース接着剤、反応性ホットメルト接着剤、フェノール樹脂系接着剤、変成シリコーン系接着剤、ポリアミド樹脂ホットメルト接着剤、ポリイミド系接着剤、ポリウレタン樹脂ホットメルト接着剤、ポリオレフィン樹脂ホットメルト接着剤、ポリ酢酸ビニル樹脂溶液系接着剤、ポリスチレン樹脂溶剤系接着剤、ポリビニルアルコール系接着剤、ポリビニルピロリドン樹脂系接着剤、ポリビニルブチラール樹脂系接着剤、ポリベンズイミダソール接着剤、ポリメタクリレート樹脂溶液系接着剤、メラミン樹脂系接着剤、ユリア樹脂系接着剤、レゾルシノール系接着剤などが挙げられる。塗料の塗膜形成成分としては、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、メラミン樹脂などが挙げられる。
溶剤としてはヘキサン、ベンゼン、トルエン、ジエチルエーテル、クロロホルム、酢酸エチル、テトラヒドロフラン、塩化メチレン、アセトン、アセトニトリル、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、エタノール、メタノールなどが挙げられる。硬化剤としてはポリアミン、酸無水物、アミン類、過酸化物、サッカリンなどが挙げられる。着色剤としては、亜鉛華、鉛白、リトポン、二酸化チタン、沈降性硫酸バリウム、バライト粉、鉛丹、酸化鉄赤、黄鉛、亜鉛黄、ウルトラマリン青、フェロシアン化鉄カリ、カーボンブラックなどの顔料が挙げられる。
ここで上記樹脂が溶融樹脂の場合、成形機または押出機から流体混合器76に溶融樹脂を流す装置を形成してもよい。例えば成形機の場合は、成形機のノズルと金型との間に流体混合器76を配置して射出成形を行えばよく、押出機の場合は、押出機とダイとの間に流体混合器76を配置して押出成形を行えばよい。この場合、樹脂内の温度を均一化させ樹脂の粘度を安定させて厚みムラや内部応力等の発生を抑えることができ、色ムラをなくすことができる。
また、一方の物質が流れるライン71に第一の食品原料を、他方の物質の流れるライン72に第二の食品原料、食品添加剤、調味料、不燃性ガス等を流し、これらを流体混合器76で混合させるようにしてもよい。
第一および第二の食品原料は配管内を流動可能である飲料または食品であればよく、日本酒、焼酎、ビール、ウイスキー、ワイン、ウォッカなどのアルコール飲料、牛乳、ヨーグルト、バター、クリーム、チーズ、練乳、乳脂などの乳製品、ジュース、お茶、コーヒー、豆乳、水などの飲料、出汁、味噌汁、コンソメスープ、コーンスープ、豚骨スープなどの飲料食品、その他にもゼリー、こんにゃく、プリン、チョコレート、アイスクリーム、キャンディ、豆腐、練り製品、解き卵、ゼラチンなどの各種食品原料などが挙げられる。また流動可能であれば個体や粉体などでもよく、小麦粉、片栗粉、強力粉、薄力粉、そば粉、粉ミルク、コーヒー、ココアなどの粉原料や、果肉、ワカメ、ゴマ、青海苔、削り節、パン粉、細かく刻んだ又はすりおろした食品などの小さい固形食品などが挙げられる。
食品添加剤は、黒糖、三温糖、果糖、麦芽糖、蜂蜜、糖蜜、メープルシロップ、水飴、エリスリトール、トレハロース、マルチトール、パラチノース、キシリトール、ソルビトール、ソーマチン、サッカリンナトリウム、サイクラミン酸、ズルチン、アスパルテーム、アセスルファムカリウム、スクラロース、ネオテームなどの甘味料、カラメル色素、クチナシ色素、アントシアニン色素、アナトー色素、パプリカ色素、紅花色素、紅麹色素、フラボノイド色素、コチニール色素、アマランス、エリスロシン、アルラレッドAC、ニューコクシン、フロキシン、ローズベンガル、アシッドレッド、タートラジン、サンセットイエローFCF、ファストグリーンFCF、ブリリアントブルーFCF、インジゴカルミンなどの着色料、安息香酸ナトリウム、ε-ポリリジン、しらこたん白抽出物(プロタミン)、ソルビン酸カリウム、ナトリウム、デヒドロ酢酸ナトリウム、ツヤプリシン(ヒノキチオール)などの保存料、アスコルビン酸、トコフェロール、ジブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、エリソルビン酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、二酸化硫黄、クロロゲン酸、カテキンなどの酸化防止剤や、香料などが挙げられる。
調味料は、醤油、ソース、酢、油、ラー油、味噌、ケチャップ、マヨネーズ、ドレッシング、みりんなどの液体のものや、砂糖、塩、胡椒、山椒、粉唐辛子などの粉体のものなどが挙げられる。微生物は、食品の発酵や分解を促すものであり、キノコ、カビ、酵母など菌類や、バクテリアなどの細菌類である。菌類としては各種キノコや麹カビ菌などが挙げられ、細菌類として例えばビフィズス菌、乳酸菌、納豆菌などが挙げられる。不燃性ガスとしては炭酸ガスなどが挙げられ、例えば麦汁と炭酸ガスとを混合させてビールを生成することなどに用いられる。
また、一方の物質が流れるライン71に空気を、他方の物質の流れるライン72に可燃性ガスを流し、これらを流体混合器76で混合させるようにしてもよい。可燃性ガスとしては、メタン、エタン、プロパン、ブタン、ペンタン、アセチレン、水素、一酸化炭素、アンモニア、ジメチルエーテルなどが挙げられる。
また、一方の物質が流れるライン71に第一の不燃性ガスを、他方の物質の流れるライン72に第二の不燃性ガスまたは蒸気を流し、これらを流体混合器76で混合させるようにしてもよい。不燃性ガスとしては、窒素、酸素、二酸化炭素、アルゴンガス、ヘリウムガス、硫化水素ガス、亜硫酸ガス、硫黄酸化物ガスなどが挙げられる。また、上記の他の組み合わせとして、一方の物質が流れるライン71に水、液体薬品または食品原料を、他方の物質の流れるライン72に空気、不燃性ガスまたは蒸気を流し、これらを流体混合器76で混合させるようにしてもよい。
また、一方の物質が流れるライン71に第一の合成中間体を、他方の物質が流れるライン72に第二の合成中間体、添加剤、液体薬品または金属等を流し、これらを流体混合器76で混合させるようにしてもよい。第一および第二の合成中間体とは、目標化合物までの多段階の合成経路の中で現れる、合成が途中の段階の化合物のことをいう。第一および第二の合成中間体には、複数の薬品を混合させた合成途中のもの、樹脂の精製途中のもの、または医薬中間体などが挙げられる。
なお、上述の異種流体を図14の装置を用いて混合させるようにしてもよい。また、図13または図14の、流体混合器を用いた装置において、流体が合流する前の物質の流れる各々のラインにヒーターまたは気化器を設けてもよく、流体混合器の下流側に熱交換器を設けてもよい。さらに、流体が合流する前の一方の物質が流れるラインに計測器を配置し、その計測器で計測されたパラメーターに応じて他方の物質が流れるラインのポンプの出力を調整する制御部を設けてもよく、他方の物質の流れるラインに制御弁を配置し、計測器のパラメーターに応じて制御弁の開度を調整する制御弁を設けてもよい。このとき、計測器は、必要な流体のパラメーターを計測できるものであれば、流量計、流速計、濃度計またはpH測定器でもよい。また、ラインの合流部の下流側の流路にスタティックミキサーを設置してもよい。この場合、流体混合器で流路の軸方向の混合の均一化を行い、スタティックミキサーで流路の径方向の混合の均一化を行うので、より均一な流体の混合を行うことができる。
本発明に係る流体混合器の本体部21、53、61、円筒体22、円筒部材31などの各部品の材質は、樹脂製であればポリ塩化ビニル、ポリプロピレン、ポリエチレンなどいずれでもよい。特に流体に腐食性流体を用いる場合は、ポリテトラフルオロエチレン、ポリビニリデンフルオロライド、テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合樹脂などのフッ素樹脂であることが好ましく、フッ素樹脂製であれば腐食性流体に用いることができ、また腐食性ガスが透過しても配管部材の腐食の心配がなくなるため好適である。本体部または筐体を形成する部材または部材の一部を透明または半透明な材質で形成してもよく、この場合には流体の混合の状態を目視で確認できるため好適である。また、流体混合器に流す物質によっては、各部品の材質は、鉄、銅、銅合金、真鍮、アルミニウム、ステンレス、チタンなどの金属または合金であってもよい。
上記実施形態では、主流路を、分岐流路6により螺旋流路5と複数個所で連通するようにしたが、分岐流路6の構成は上述したものに限らない。例えば複数の分岐流路6を各部で異なった形状(例えば断面積の異なる形状)としてもよく、分岐流路6の配置される長手方向のピッチを変更するようにしてもよい。主流路および分岐流路6は直線状でなくてもよい。また、螺旋流路5を環状としたが、主流路の周囲を覆うように設けられるのであれば、他の形状(例えば矩形状)でもよい。上記実施形態では、本体部21の外周面に螺旋溝23を設けるようにしたが、本体部21と円筒体22との間に螺旋流路5を形成するのであれば、他の部材(例えば円筒体22の内周面)に螺旋溝23を設けてもよい。本体部21と円筒体22との間に、螺旋状の孔が開口されたリング状部材を介装するようにしてもよい。
なお、上記第一の実施形態〜第八の実施形態を任意に組み合わせて流体混合器を構成してもよい。すなわち、本発明の特徴および機能を実現できる限り、本発明は実施形態の流体混合器に限定されない。
1 流体入口
2 第一流路
3 流体出口
4 第二流路
5 螺旋流路
6a〜6h 分岐流路
7 第一螺旋流路
8 第二螺旋流路
9 第一流路側螺旋流路
10 第二流路側螺旋流路
11 第三流路
21 本体部
22 円筒体
23 螺旋溝
24 連通孔
25 キャップナット
31a、b 円筒部材
32 フランジ部
33 縮径部
34 フェルール継手部
35 入口開口
36 入口流路
37 出口開口
38 出口流路
39 ガスケット
40 クランプ
51 環状溝部
52a、b 分割部材
61a、b 本体部
62 開口部
63 有底孔
64 スペーサー
71 ライン
72 ライン
73 合流部
74 ポンプ
75 ポンプ
76 流体混合器
77 ライン
78 ライン
79 合流部
80 流体混合器
81 ライン
82 合流部
83 流体混合器

Claims (9)

  1. 異種流体を混合するための混合流路を有する流体混合器であって、
    前記混合流路が、
    第一流路および第二流路から構成される主流路と、
    前記第一流路および前記第二流路の周囲に前記第一流路および前記第二流路の流路軸線と略同心状に形成される螺旋流路と、
    前記第一流路および前記第二流路の各々の複数箇所と前記螺旋流路の対応する箇所とをそれぞれ連通する複数の分岐流路と、
    前記第一流路および前記第二流路の各々の開口端部に流体開口部と、
    を含む、
    流体混合器。
  2. 前記主流路、前記螺旋流路および前記分岐流路の構成が、主流路の中心に対して対称である、
    請求項1に記載の流体混合器。
  3. 前記螺旋流路が、前記第一流路の周囲に形成される第一流路側螺旋流路と前記第二流路の周囲に形成される第二流路側螺旋流路とから構成され、
    前記主流路の前記第一流路と前記第二流路との間に位置し、かつ第一流路側螺旋流路および第二流路側螺旋流路を介して第一流路および第二流路と各々連通する第三流路が形成されている、
    請求項1または請求項2に記載の流体混合器。
  4. 前記第一流路側螺旋流路と前記第二流路側螺旋流路との旋廻方向が互いに異なる、
    請求項3に記載の流体混合器。
  5. 本体部を備え、
    前記本体部には、
    その内部に前記第一流路および前記第二流路が設けられ、
    その外周面に螺旋溝が設けられ、かつ、
    前記主流路と前記螺旋溝とを連通する前記分岐流路が形成され、
    さらに、前記本体部の外周面を包囲して前記螺旋溝とともに前記螺旋流路を形成する筐体を備え、
    前記主流路の前記第一流路および前記第二流路は、互いに同軸上に離間して配置され、
    前記流体開口部は前記本体部の長手方向端部に各々設けられている、
    請求項1または請求項2に記載の流体混合器。
  6. 本体部を備え、
    前記本体部には、
    その内部に前記第一流路および前記第二流路が設けられ、
    その外周面において、溝部が前記第一流路と前記第二流路との間に設けられ、
    その外周面に螺旋溝が前記溝部と連通するように設けられ、かつ、
    前記主流路と前記螺旋溝とを連通する複数の分岐流路が設けられ、
    さらに、前記本体部の外周面を包囲して、前記螺旋溝および前記溝部とともにそれぞれ前記螺旋流路および前記第三流路を形成する筐体を備え、
    前記主流路の前記第一流路および前記第二流路並びに前記第三流路は、互いに離間して配置され、
    前記流体開口部は前記本体部の長手方向端部に各々設けられている、
    請求項3または請求項4に記載の流体混合器。
  7. 二つの本体部を備え、
    前記二つの本体部には、
    前記二つの本体部のうちの一方の内部に前記第一流路が設けられるとともに前記二つの本体部のうちの他方の内部に前記第二流路が設けられ、
    これらの外周面に螺旋溝が設けられ、かつ、
    前記主流路と前記螺旋溝とを連通する前記分岐流路が形成され、
    さらに、前記本体部の外周面を包囲して前記螺旋溝とともに前記螺旋流路を形成する筐体を備え、
    前記二つの本体部が前記筐体の流路軸線上で互いに離間しかつ対面した状態で配置され、
    前記二つの本体部の互いに対面する端面と前記筐体の内周面とで前記第三流路が形成される、
    請求項3または請求項4に記載の流体混合器。
  8. 複数の前記螺旋流路が互いに流路軸線方向に一定間隔を空けて設けられるとともに、複数の前記螺旋流路の流路軸線に対して垂直である流路断面の形状が互いに同一である、
    請求項1〜7に記載の流体混合器。
  9. 請求項1〜8のいずれか1項に記載の流体混合器と、
    前記流体混合器に複数の異種流体を合流して導く流路を形成する流路形成手段と、
    を備える装置。
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