JP2013075114A - 遊技機 - Google Patents

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Takaaki Ichihara
高明 市原
Keisuke Nagai
恵介 永井
Koshu Fukuhara
弘修 福原
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Abstract

【課題】 抽選結果と一致した情報を示す正夢予告画像を遊技者の意志で表示可能とすることにより先読み予告演出の興趣性を向上させた遊技機を提供する。
【解決手段】周辺制御基板4010は、主制御基板4100から送信された制御コマンドに基づいて先読み予告演出を実行する先読み予告演出手段5000を備えている。先読み予告演出手段5000は、保留されている抽選情報についての先読み結果を順次取得して、当該先読み結果と一致した情報を示す正夢予告画像の描画データをVRAM上の非表示領域に順次展開する。そして、遊技者により所定の操作がなされた場合に、その操作量に応じて、VRAM上の表示領域を正夢予告画像の描画データが展開されている領域に移動させていくことにより、正夢予告画像を液晶表示装置の画面に表示させ、その後直ぐに、表示領域を元の領域に再移動させていくことにより、正夢予告画像を画面の外に消失させる。
【選択図】 図224

Description

本発明は、ぱちんこ遊技機(一般的に「パチンコ機」とも称する)や回胴式遊技機(一般的に「パチスロ機」とも称する)等の遊技機に関するものである。
パチンコ機には、遊技球が始動口に入賞するたびに複数列の図柄を変動させ、その停止図柄により当たり外れの抽選結果を表現する図柄変動演出を行い、大当たりすなわち特定の組み合わせで図柄が揃った場合には、遊技球が入賞しやすい遊技状態に移行するものがある。この種のパチンコ機の多くは、図柄の変動中に遊技球が始動口に入賞した場合に所定数(通常は4個分)まで入賞に基づく抽選情報を記憶(保留)できる所謂保留機能を備えている。そして、保留状態を遊技者に報知するために、保留ランプを点灯させたり、画像表示装置に入賞保留を示す画像を表示させたりする機能を備えている。
更に、この種のパチンコ機には、先読み予告演出機能を備えたものがある。先読み予告演出の一例として、先読み予告演出が実行される旨を保留ランプの状態変化により報知し、その保留ランプに対応する抽選情報に基づく図柄変動演出に先だって「アツイ!」、「リーチ?」といったテロップを表示するものがある。また、遊技者により特定の操作が行なわれた場合に先読み予告の内容を表示するパチンコ機も提案されている(特許文献1、特許文献2)。
特開2005−261524号公報 特開2004−357878号公報
しかし、従来のパチンコ機における先読み予告演出の内容は、抽選結果(当たり/外れ)と必ずしも一致しない。たとえば、先読み予告演出で「アツイ!」と表示されても結果は「外れ」であることが多い。また、結果が「大当たり」になるリーチ予告演出よりも、結果が「外れ」になるリーチ予告演出の方が圧倒的に頻度が高い。
このため遊技者は、先読みと絡むリーチ予告演出があっても『どうせまた「外れ」だろう。』と思うようになり、先読み予告演出の内容にほとんど期待しなくなる。このような遊技者にとって先読み予告演出は事実上無意味であるばかりか、『当てにならない先読み予告ばかりで、うざったい。』という気持ちにさせてしまい、興趣性を高める上で逆効果になる。
本発明が解決しようとする課題は、抽選結果と一致した情報を示す正夢予告画像を遊技者の意志で表示可能とすることにより先読み予告演出の興趣性を向上させた遊技機を提供することにある。
本発明は、上述の課題を解決するためになされたものであり、以下の構成例として実現することができる。
[構成例1]
所定の始動条件が成立する毎に抽選情報を取得する抽選情報取得手段と、
前記抽選情報に基づいて抽選を実行する抽選手段と、
前記抽選手段による抽選が実行されるたびに複数の図柄を変動させ、当該抽選の結果を停止した図柄の組み合わせにより表現する図柄変動手段と、
前記図柄の変動画像及び停止画像を含む各種画像を画面に表示可能な画像表示手段と、
前記抽選手段による抽選が未実行の前記抽選情報を所定数まで保留する保留手段と、
前記保留手段に保留されている抽選情報に基づいて抽選結果を判別する抽選結果先読み手段と、
前記抽選結果先読み手段により抽選結果が判別された抽選情報ごとに先読み予告演出を実行可能な先読み予告演出手段と、
前記先読み演出の実行を遊技者が自ら指示するための操作量が可変の操作手段と、を備え、
前記画像表示手段は、
前記画面に表示中の画像データが展開されている表示領域と前記画面への表示待機中の画像データが展開されている非表示領域とを有する画像メモリを有し、
前記先読み予告演出手段は、
前記抽選結果を前記先読み手段から順次取得して、当該抽選結果と一致した情報を示す正夢予告画像の画像データを前記非表示領域に順次展開する予告画像展開手段と、
前記操作手段の操作具合に応じて、前記表示領域を前記正夢予告画像の画像データが展開されている領域に移動させていくことにより、前記正夢予告画像を前記画面にその周縁部から出現するように表示させ、その後直ぐに、前記表示領域を前記正夢予告画像の画像データが展開されている領域の外に再移動させていくことにより、前記正夢予告画像を前記画面の外に消失させる正夢予告チラ見せ演出手段と、を有する、遊技機。
この構成によれば、抽選結果と一致した情報(抽選結果が当たりなら「当たり」を示す内容、抽選結果が外れなら「外れ」を示す内容)を先読み演出により得ることができるか否かは遊技者の意志に委ねられる。すなわち、遊技者が操作手段を操作して先読み演出の実行を指示しなければ、抽選結果と一致した情報を示す先読み予告演出は実行されない。先読み予告演出においては、操作手段による所定の操作をトリガとして、抽選結果と一致した情報を示す正夢予告画像が画面の周縁部から出現する。そして、正夢予告画像は表示された直後、画面の外に消失していく。このため遊技者は、先読み予告演出において、表示されるが直ぐに消失してしまう正夢予告画像に注意してその内容を確認しなければ、抽選結果と一致した情報を得ることができない。また、正夢予告画像の出現量すなわち、正夢予告画像の全体のうちどの程度の割合の領域が表示されるかは、操作手段の操作具合にに応じて変化する。このため遊技者は、正夢予告画像の内容をより正確に把握できる操作具合で操作手段の操作を行う必要がある。正夢予告画像は、表示される時間は瞬間的であるが、画像表示手段の画面に表示中の画像全体が同時に移動(スクロール)することにより表示されるという、極めて斬新且つ迫力のある表示形態で表示される。
このように、遊技者が自分の意志で先読み予告演出を実行させ、その先読み予告演出において極めて斬新且つ迫力のある表示形態で瞬間的(一時的)に表示される正夢予告画像によって抽選結果と一致した情報が得られるように構成したことにより、先読み予告演出の興趣性を向上させることができる。遊技者が積極的に演出に関与できることにより、大当たりが得られたときの遊技者の達成感を増大できる。
[構成例2]
構成例1において、
前記先読み予告演出手段は、
前記保留手段に保留されている抽選情報毎に先読み予告演出を実行可能とするか否か判定する予告実行可否判定手段と、
実行可能な先読み予告演出が存在することを遊技者に報知する予告存在報知手段と、を備え、
前記予告存在報知手段による報知動作がなされている間に前記操作手段による所定の操作がなされた場合に前記先読み予告演出を実行する、遊技機。
この構成によれば、遊技者は、先読み予告演出が実行可能となっている抽選情報が保留されていることを、予告存在報知手段の報知動作により知ることができる。そして、遊技者が操作手段により所定の操作を行うことにより、先読み予告演出が実行される。
[構成例3]
構成例2において、
前記予告実行可否判定手段は、前記抽選結果先読み手段による抽選結果の判別内容に応じた所定の確率で先読み予告演出を実行可能とする。
この構成によれば、保留されている抽選情報毎に、抽選結果の判別内容によって異なる所定の確率で先読み予告演出を実行可能とすることができる。たとえば、抽選結果の判別内容が「大当たり」の場合には必ず、先読み予告演出を実行可能とし、「外れ」の場合には希にしか実行可能としないように確率を設定しておけば、遊技者は、先読み予告演出により、多くの場合、保留中の抽選情報の中に「大当たり」があることを知ることができる。したがって、遊技者は、その時実行中の図柄変動遊技の結果には関心を持たなくなるが、「大当たり」が間近であることによる安心感と期待感とを持って遊技を行うことができる。
なお、本発明は、種々の態様で実現することが可能であり、上述した遊技機に限らず、遊技機の制御装置や表示装置など他の装置発明としての態様で実現可能である。また、遊技機の制御方法や、遊技機の表示装置における画像の表示方法などの方法発明としての態様でも実現可能である。さらに、かかる装置や方法を構築するためのコンピュータプログラム、そのコンピュータプログラムを記録した記録媒体、等の態様で実現することも可能である。
本発明によれば、抽選結果と一致した情報を示す正夢予告画像を遊技者の意志で表示可能とし、且つ、その正夢予告画像が、画像表示手段の画面に表示中の画像全体が同時に移動することにより表示され、その後直ぐに消失するという極めて斬新且つ迫力のある表示形態としたことにより先読み予告演出の興趣性を向上させることができる。
実施形態に係るパチンコ機の外枠に対して本体枠を開放し、本体枠に対して扉枠を開放した状態を示す斜視図である。 パチンコ機の正面図である。 パチンコ機の右側面図である。 パチンコ機の平面図である。 パチンコ機の背面図である。 パチンコ機を構成する外枠、本体枠、遊技盤、扉枠の後方から見た分解斜視図である。 パチンコ機を構成する外枠、本体枠、遊技盤、扉枠の前方から見た分解斜視図である。 外枠の正面斜視図である。 外枠の正面から見た分解斜視図である。 外枠の正面図である。 外枠の背面斜視図である。 外枠の右側面図である。 本体枠の上軸支金具と外枠の上支持金具との脱着構造を説明するための斜視図である。 (A)は外枠の上支持金具の裏面に設けられるロック部材の取付状態を示す分解斜視図であり、(B)は(A)の図を下方から見た斜視図である。 軸支ピンとロック部材との関係を説明するための上支持金具部分の裏面図である。 ロック部材の作用を説明するための上支持金具部分の裏面図である。 扉枠の正面図である。 扉枠の背面図である。 扉枠を右前方から見た斜視図である。 扉枠を左前方から見た斜視図である。 扉枠の右後方から見た斜視図である。 扉枠を正面から見た分解斜視図である。 扉枠を背面から見た分解斜視図である。 扉枠からサイドスピーカ及びサイドスピーカカバーを分解して前から見た分解斜視図である。 扉枠からサイドスピーカ及びサイドスピーカカバーを分解して後から見た分解斜視図である。 (A)は扉枠における扉枠ベースユニットの正面斜視図であり、(B)は扉枠における扉枠ベースユニットの背面斜視図である。 扉枠ベースユニットを分解して前から見た分解斜視図である。 扉枠ベースユニットを分解して後ろから見た分解斜視図である。 扉枠ベースユニットにおける扉枠ベース基板カバーと配線保持部材とを後から見た斜視図である。 扉枠と本体枠とを電気的に接続する配線の様子を拡大して示す斜視図である。 (A)は扉枠における右サイド装飾ユニットの正面斜視図であり、(B)は扉枠における右サイド装飾ユニットの背面斜視図である。 右サイド装飾ユニットを分解して前から見た分解斜視図である。 右サイド装飾ユニットを分解して後から見た分解斜視図である。 (A)は扉枠における左サイド装飾ユニットの正面斜視図であり、(B)は扉枠における左サイド装飾ユニットの背面斜視図である。 左サイド装飾ユニットを分解して前から見た分解斜視図である。 左サイド装飾ユニットを分解して後から見た分解斜視図である。 扉枠における上部装飾ユニットの正面斜視図である。 扉枠における上部装飾ユニットの背面斜視図である。 上部装飾ユニットを分解して前から見た分解斜視図である。 上部装飾ユニットを分解して後から見た分解斜視図である。 扉枠における皿ユニットの正面斜視図である。 扉枠における皿ユニットの背面斜視図である。 皿ユニットを分解して前から見た分解斜視図である。 皿ユニットを分解して後から見た分解斜視図である。 扉枠における操作ユニットの正面斜視図である。 扉枠における操作ユニットの背面斜視図である。 操作ユニットを分解して右前上方から見た分解斜視図である。 操作ユニットを分解して右前下方から見た分解斜視図である。 操作ユニットの断面図である。 操作ユニットにおける押圧操作部押した状態で示す断面図である。 扉枠におけるハンドル装置を分解して後から見た分解斜視図である。 扉枠におけるファールカバーユニットを分解して前から見た分解斜視図である。 扉枠におけるファールカバーユニットを分解して後から見た分解斜視図である。 ファールカバーユニットの前カバーを外した状態で示す正面図である。 扉枠における球送りユニットの正面斜視図である。 扉枠における球送りユニットの背面斜視図である。 球送りユニットを分解して前から見た分解斜視図である。 球送りユニットの後ケースを外して後から見た分解斜視図である。 扉枠における発光装飾用のLEDの配置を示す正面図である。 扉枠における発光装飾用のLEDの系統を示す正面図である。 パチンコ遊技機1における周辺制御基板4010の機能を説明するための図である。 本体枠の正面図である。 本体枠の背面図である。 本体枠の正面斜視図である。 本体枠の背面斜視図である。 本体枠の左側面図である。 本体枠を分解して前から見た分解斜視図である。 本体枠を分解して後から見た斜視図である。 本体枠における本体枠ベースの正面斜視図である。 本体枠における本体枠ベースの背面斜視図である。 本体枠における打球発射装置の正面斜視図である。 本体枠における打球発射装置の背面斜視図である。 本体枠における賞球ユニットの正面斜視図である。 本体枠における賞球ユニットの背面斜視図である。 賞球ユニットを分解して前から見た分解斜視図である。 賞球ユニットを分解して後から見た分解斜視図である。 賞球ユニットにおける賞球タンクとタンクレールユニットとの関係を分解して後方から示す分解斜視図である。 賞球ユニットにおける賞球装置を分解して後から見た分解斜視図である。 賞球装置における払出通路と払出モータと払出回転体との関係を示す背面図である。 賞球ユニットにおける球の流通通路を示す断面図である。 本体枠における球出口開閉ユニットの正面斜視図である。 本体枠における球出口開閉ユニットの背面斜視図である。 本体枠における球出口開閉ユニットと扉枠におけるファールカバーユニットとの関係を示す説明図である。 本体枠における基板ユニットの正面斜視図である。 本体枠における基板ユニットの背面斜視図である。 基板ユニットを分解して前から見た分解斜視図である。 基板ユニットを分解して後から見た分解斜視図である。 基板ユニットにおける電源基板ボックスの立壁部の作用を説明する斜視図である。 (A)は基板ユニットにおける端子基板ボックスの断面図であり、(B)は基板ユニットにおける端子基板ボックスを分解して前から見た分解斜視図である。 (A)は発射電源基板ボックスの正面図であり、(B)は(A)に示すA−A線の断面図である。 (A)は本体枠における裏カバーの正面斜視図であり、(B)は本体枠における裏カバーの背面斜視図である。 裏カバーにおける締結機構の部位を拡大して示す断面図である。 裏カバーにおける締結機構を分解して後側から見た分解斜視図である。 (A)は本体枠における錠装置の左側面図であり、(B)は本体枠における錠装置を前から見た斜視図である。 (A)は錠装置の背面斜視図であり、(B)は錠装置のコ字状基体の内部に摺動自在に設けられるガラス扉用摺動杆と本体枠用摺動杆を示す背面斜視図であり、(C)は(B)の正面斜視図である。 錠装置を分解して後から見た分解斜視図である。 錠装置におけるガラス扉用摺動杆と本体枠用摺動杆の動作を示す説明図である。 錠装置における不正防止部材の動作を示す説明図である。 パチンコ機の扉枠を外した状態で本体枠に取付けられた遊技盤を示す正面図である。 遊技盤の正面図である。 遊技盤を分解して前から見た分解斜視図である。 遊技盤を分解して後から見た分解斜視図である。 (A)はパチンコ機に取付けた状態で遊技盤における機能表示ユニットを拡大して示す正面図であり、(B)は機能表示ユニットの他の形態を示す正面図である。 図101等の例とは異なる実施形態の遊技パネルを用いた遊技盤を分解して前から見た分解斜視図である。 図104を後から見た遊技盤の分解斜視図である。 図104の遊技盤における遊技パネルを縦方向に切断した断面図である。 パチンコ機の軸支側における防犯構造を示す部分断面図である。 本体枠内に遊技盤を収容した状態で後側から見た斜視図である。 遊技パネルを通して見える部分を省略して示す遊技盤の正面図である。 遊技盤の正面図である。 遊技盤を斜め右前から見た斜視図である。 遊技盤を斜め左前から見た斜視図である。 遊技盤を斜め後から見た斜視図である。 図109におけるA−A断面図である。 遊技盤を構成する主な部材毎に分解して斜め前から見た斜視図である。 遊技盤を構成する主な部材毎に分解して斜め後から見た斜視図である。 遊技盤における表ユニットを前から見た斜視図である。 遊技盤における表ユニットを後から見た斜視図である。 アタッカユニットを前から見た斜視図である。 アタッカユニットを後から見た斜視図である。 アタッカユニットを後下から見た斜視図である。 センター役物を前から見た斜視図である。 センター役物を後から見た斜視図である。 遊技盤における裏ユニットを前から見た斜視図である。 遊技盤における裏ユニットを後から見た斜視図である。 裏ユニットを主な構成部材毎に分解して前から見た分解斜視図である。 裏ユニットを主な構成部材毎に分解して後から見た分解斜視図である。 遊技盤の裏ユニットにおける裏飾りユニットを前から見た斜視図である。 遊技盤の裏ユニットにおける裏飾りユニットを後から見た斜視図である。 (a)は遊技盤の裏ユニットにおける球誘導ユニットを前から見た斜視図であり、(b)は球誘導ユニットを後から見た斜視図である。 (a)は遊技盤の裏ユニットにおける上可動演出ユニットを前から見た斜視図であり、(b)は上可動演出ユニットを後から見た斜視図である。 上可動演出ユニットを上可動ユニットと昇降ユニットとに分解して前から見た分解斜視図である。 上可動演出ユニットを上可動ユニットと昇降ユニットとに分解して後から見た分解斜視図である。 上可動演出ユニットの上可動ユニットを分解して前から見た分解斜視図である。 上可動ユニットを分解して後から見た分解斜視図である。 (a)は上可動演出ユニットにおける上可動ユニットの平面図であり、(b)は上可動ユニットの正面図であり、(c)はフィギュアを回転させた状態で示 す上可動ユニットの正面図である。 上可動演出ユニットの昇降ユニットを分解して前から見た分解斜視図である。 昇降ユニットを分解して後から見た分解斜視図である。 上可動演出ユニットにおける昇降機構の要部を後から示す斜視図である。 上可動演出ユニットにおける上可動ユニットの昇降を説明するための正面図である。 上可動ユニットの昇降を説明するための背面図である。 遊技盤の裏ユニットにおける左右可動演出ユニットを前から見た斜視図である。 左右可動演出ユニットを後から見た斜視図である。 左右可動演出ユニットを回転体ユニットとスライドユニットに分解して前から見た分解斜視図である。 左右可動演出ユニットを回転体ユニットとスライドユニットに分解して後から見た分解斜視図である。 左右可動演出ユニットにおける一つの回転体ユニットを示す斜視図である。 左右可動演出ユニットの回転体ユニットを分解して前から見た分解斜視図である。 左右可動演出ユニットの回転体ユニットを分解して後から見た分解斜視図である。 左右可動演出ユニットの回転体ユニットにおける回転装飾体の動きを示す説明図である。 図149に続く回転装飾体の動きを示す説明図である。 図150に続く回転装飾体の動きを示す説明図である。 左右可動演出ユニットにおける右ユニットのスライドユニットを示す斜視図である。 右ユニットのスライドユニットを分解して前から見た分解斜視図である。 右ユニットのスライドユニットを分解して後から見た分解斜視図である。 左右可動演出ユニットにおける左ユニットのスライドユニットを示す斜視図である。 左ユニットのスライドユニットを分解して前から見た分解斜視図である。 左ユニットのスライドユニットを分解して後から見た分解斜視図である。 左右可動演出ユニットにおける右ユニットの動きを示す説明図である。 左右可動演出ユニットにおける左ユニットの動きを示す説明図である。 遊技盤の裏ユニットにおける下可動演出ユニットを前から見た斜視図である。 下可動演出ユニットを後から見た斜視図である。 下可動演出ユニットを主な部材毎に分解して前から見た分解斜視図である。 下可動演出ユニットを主な部材毎に分解して後から見た分解斜視図である。 下可動演出ユニットにおける昇降ユニットの動きを示す説明図である。 下可動演出ユニットにおける昇降装飾体の動きを示す正面図である。 遊技盤における裏ユニットの上可動演出ユニットの動きを示す説明図である。 遊技盤における裏ユニットの左右可動演出ユニットの動きを示す説明図である。 遊技盤における裏ユニットの下可動演出ユニットの動きを示す説明図である。 パチンコ機の制御構成を概略的に示すブロック図である。 パチンコ遊技機の電源システムを示すブロック図である。 図170のつづきを示すブロック図である。 発射ソレノイドの駆動回路を示すブロック図である。 シャントレギュレータ回路、増幅回路、及びオペアンプ回路群を示す回路図である。 DC/DCコンバータの特性を示す図である。 図172の発射ソレノイドの駆動回路における所定点のタイミングチャートである。 主制御基板におけるメイン処理の一例を示すフローチャートであり、 電源断発生時処理の一例を示すフローチャートである。 タイマ割込処理の一例を示すフローチャートである。 特別制御処理の一例を示すフローチャートである。 始動口入賞処理を示すフローチャートである。 変動開始処理を示すフローチャートである。 変動パターン設定処理の一例を示すフローチャートである。 変動中処理の一例を示すフローチャートである。 大当り遊技開始処理の一例を示すフローチャートである。 小当り遊技開始処理の一例を示すフローチャートである。 大当り遊技処理の一例を示すフローチャートである。 小当り遊技処理の一例を示すフローチャートである。 特別図柄用乱数記憶手段におけるテーブル構成を示す説明図である。 サブメイン処理の一例を示すフローチャートである。 16ms定常処理の一例を示すフローチャートである。 コマンド解析処理の一例を示すフローチャートである。 演出制御処理の一例を示すフローチャートである。 装飾図柄変動開始処理(ステップS1210)の一例を示すフローチャートである。 主制御基板での第一大当り抽選に関する機能的な構成を示すブロック図である。 主制御基板での第二大当り抽選に関する機能的な構成を示すブロック図である。 第一大当り抽選及び第二大当り抽選における抽選結果に応じて発生する有利遊技状態に関する機能的構成を示すブロック図である。 主制御基板での普通抽選に関する機能的な構成を示すブロック図である。 周辺制御基板での演出に関する機能的な構成を示いブロック図である。 回転操作ユニットにおけるダイヤル操作部の時計方向の回転に伴う従動ギアの回転検知片と二つの回転検知センサの位置関係を示す説明図である。 回転操作ユニットにおけるダイヤル操作部の反時計方向の回転に伴う従動ギアの回転検知片と二つの回転検知センサとの位置関係を示す説明図である。 (A)は回転操作ユニットにおけるダイヤル操作部の時計方向の回転に伴う二つの回転検知センサのON/OFFを示す一覧表図であり、(B)はダイヤル操作部の反時計方向の回転に伴う二つの回転検知センサのON/OFFを示す一覧表図である。 (A)〜(F)は、操作ユニットが操作手段として機能する時の液晶表示装置(演出手段、図柄表示手段)の表示画面の一例を示す説明図である。 (A)〜(E)は、操作ユニットが操作手段として機能する時の液晶表示装置の表示画面の一例を示す説明図である。 (A)〜(F)は、ダイヤル操作部による選択操作を代行させるか否かを決定する時の液晶表示装置の表示画面を示す説明図である。 演出制御処理による選択操作検出処理を示すフローチャートである。 演出制御処理における選択操作検出処理の変形例1を示すフローチャートである。 演出制御処理における選択操作検出処理の変形例2を示すフローチャートである。 (A)〜(D)は、可動演出手段として機能する操作ユニットと、これに対応する液晶表示装置の表示画面との一例を示す説明図である。 (A)〜(C)は、可動演出手段として機能する操作ユニットと、これに対応する液晶表示装置の表示画面との一例を示す説明図である。 (A)〜(C)は、可動演出手段として機能する操作ユニットと、これに対応する液晶表示装置の表示画面との一例を示す説明図である。 (A)〜(D)は可動演出手段として機能する操作ユニットと、これに対応する液晶表示装置の表示画面との一例を示す説明図である。 演出制御処理における回転予告制御処理を示すフローチャートである。 (A)〜(D)は可動演出手段として機能する操作ユニットと、これに対応する液晶表示装置の表示画面との一例を示す説明図である。 (A)〜(D)は可動演出手段として機能する操作ユニットと、これに対応する液晶表示装置の表示画面との一例を示す説明図である。 (A)〜(C)は操作説明手段として機能する操作ユニットと、これに対応する液晶表示装置の表示画面との一例を示す説明図である。 (A)〜(C)は操作説明手段として機能する操作ユニットと、これに対応する液晶表示装置の表示画面との一例を示す説明図である。 本実施形態における変動表示パターンテーブルを示す図である。 本実施形態における変動表示パターンテーブルを示す図である。 擬似連演出の例を示す表である。 時短中演出のタイミングチャートである。 時短中演出における表示画像を説明するための図である。 確変中一連演出のタイミングチャートである。 ルーレット演出で表示される候補を説明するための図である。 先読み予告演出機能を実現するための周辺制御基板の機能的な構成を例示するブロック図である。 先読み予告演出処理の一例を示すフローチャートである。 液晶表示装置の表示画面の一例を示す説明図である。 液晶表示装置の表示画面の一例を示す説明図である。 正夢予告画像の描画データをVRAMの非表示領域に展開した状態を例示する説明図である。 表示領域を途中までシフトさせた状態を例示する説明図である。 表示領域を途中までシフトさせた状態を例示する説明図である。 表示領域を最大限シフトさせた状態を例示する説明図である。 正夢予告画像が液晶表示装置の画面の右端から途中まで出現した状態を例示する説明図である。 正夢予告画像が液晶表示装置の画面の右端から途中まで出現した状態を例示する説明図である。 正夢予告画像が液晶表示装置の画面の右端から途中まで出現した状態を例示する説明図である。 正夢予告画像が液晶表示装置の画面の右端から途中まで出現した状態を例示する説明図である。 液晶表示装置の画面全体に正夢予告画像が表示された状態を例示する説明図である。 正夢予告画像の描画データをVRAMの非表示領域に左右に分割して展開した状態を例示する説明図である。 (a)は正夢予告画像が液晶表示装置の画面の右端から出現した状態を例示する説明図である。(b)は正夢予告画像が液晶表示装置の画面の左端から出現した状態を例示する説明図である。 正夢予告画像の描画データをVRAMの非表示領域に上下左右に分割して展開した状態を例示する説明図である。 正夢予告画像が液晶表示装置の画面の上下左右から出現した状態を例示する説明図である。
[1.パチンコ機の全体構造]
以下、図面を参照して本発明の好適な実施形態について、図面を参照して説明する。まず、図1乃至図7を参照して実施形態に係るパチンコ機の全体について説明する。
図1は、実施形態に係るパチンコ機の外枠に対して本体枠を開放し、本体枠に対して扉枠を開放した状態を示す斜視図である。図2は、パチンコ機の正面図であり、図3は、パチンコ機の右側面図である。また、図4は、パチンコ機の平面図であり、図5は、パチンコ機の背面図である。更に、図6は、パチンコ機を構成する外枠、本体枠、遊技盤、扉枠の後方から見た分解斜視図であり、図7は、パチンコ機を構成する外枠、本体枠、遊技盤、扉枠の前方から見た分解斜視図である。
図1乃至図7において、本実施形態に係るパチンコ機1は、遊技ホールの島設備(図示しない)に設置される外枠2と、外枠2に開閉自在に軸支され前側が開放された箱枠状の本体枠3と、本体枠3に前側から装着固定され遊技媒体としての遊技球が打ち込まれる遊技領域1100を有した遊技盤4と、本体枠3及び遊技盤4の前面を遊技者側から閉鎖するように本体枠3に対して開閉自在に軸支された扉枠5とを備えている。このパチンコ機1の扉枠5には、遊技盤4の遊技領域1100が遊技者側から視認可能となるように形成された遊技窓101と、遊技窓101の下方に配置され遊技球を貯留する皿状の上皿301及び下皿302と、上皿301に貯留された遊技球を遊技盤5の遊技領域1100内へ打ち込むために遊技者が操作するハンドル装置500と、を備えている。
本例のパチンコ機1は、図示するように、正面視において、外枠2、本体枠3、及び扉枠5が夫々上下方向へ延びた縦長の矩形状に形成されており、夫々の左右方向の横幅が略同じ寸法とされていると共に、上下方向の縦幅の寸法が、外枠2に対して本体枠3及び扉枠5の寸法が若干短く形成されている。そして、本体枠3及び扉枠5よりも下側の位置において、外枠2の前面に装飾カバー23が取付けられており、扉枠5及び装飾カバー23によって外枠2の前面が完全に閉鎖されるようになっている。また、外枠2、本体枠3、及び扉枠5は、上端が略揃うように夫々が配置されると共に、外枠2の左端前側の位置で本体枠3及び扉枠5が回転可能に軸支されており、外枠2に対して本体枠3及び扉枠5の右端が前側へ移動することで開状態となるようになっている。
このパチンコ機1は、正面視において、略円形状の遊技窓101を介して遊技球が打ち込まれる遊技領域1100が望むようになっており、その遊技窓101の下側に前方へ突出するように二つの上皿301及び下皿302が上下に配置されている。また、扉枠5の前面右下隅部には、遊技者が操作するためのハンドル装置500が配置されており、上皿301内に遊技球が貯留されている状態で遊技者がハンドル装置500を回転操作すると、その回転角度に応じた打球強さで上皿301内の遊技球が遊技盤4の遊技領域1100内へ打ち込まれて、遊技をすることができるようになっている。
なお、詳細は後述するが、扉枠5の遊技窓101は、透明なガラスユニット590によって閉鎖されており、遊技者から遊技領域1100内を視認することができるものの、遊技者が遊技領域1100内へ手等を挿入して遊技領域1100内の遊技球や障害釘、各種入賞口や役物等に触ることができないようになっている。また、本体枠3の後側には、各種の制御基板が備えられていると共に、遊技盤4の後方を覆うように閉鎖するカバー体1250備えられている。
[1−1.外枠]
外枠2について、主として図8乃至図16を参照して説明する。図8は外枠の正面斜視図であり、図9は外枠の正面から見た分解斜視図であり、図10は外枠の正面図である。また、図11は外枠の背面斜視図であり、図12は外枠の右側面図である。更に、図13は、本体枠の上軸支金具と外枠の上支持金具との脱着構造を説明するための斜視図である。また、図14(A)は外枠の上支持金具の裏面に設けられるロック部材の取付状態を示す分解斜視図であり、(B)は(A)の図を下方から見た斜視図である。図15は、軸支ピンとロック部材との関係を説明するための上支持金具部分の裏面図である。更に、図16は、ロック部材の作用を説明するための上支持金具部分の裏面図である。
図8及び図9に示すように、本実施形態のパチンコ機1における外枠2は、横方向へ延びる上下の上枠板10及び下枠板11と、縦(上下)方向へ延びる左右の側枠板12,13と、夫々の枠板10,11,12,13の端部を連結する四つの連結部材14と、を備えており、連結部材14で各枠板10,11,12,13同士を連結することで縦長の矩形状(方形状)に組立てられている。本例の外枠2における上枠板10及び下枠板11は、所定厚さの無垢材(例えば、木材、合板、等)により形成されており、左右両端の前後方向の略中央に、上下に貫通し左右方向中央側へ窪んだ係合切欠部15が備えられている。なお、上枠板10における左側端部の上面及び前面には、その他の一般面よりも窪んだ取付段部10aが形成されており、この取付段部10aに後述する上支持金具20が取付けられるようになっている。
一方、側枠板12,13は、一定断面形状の軽量金属型材(例えば、アルミ合金)とされており、外側側面は略平坦面とされていると共に、内側側面は後端部に内側へ突出し上下方向(押出方向)に貫通する空洞を有した突出部16を備えており、強度剛性が高められている(図9及び図107を参照)。なお、側枠板12,13の外側側面及び内側側面には、上下方向へ延びた複数の溝が形成されており、パチンコ機1を遊技ホールの島設備に設置する際等に、作業者の指掛りとなってパチンコ機1を保持し易くすることができるようにっていると共に、外観の意匠性を高められるようになっている。なお、便宜上、側枠板12,13の側面に形成された複数の溝を省略して示した図面もある。
本例の外枠2における連結部材14は、所定厚さの金属板をプレス成型等によって屈曲塑性変形させることで形成されたものであり、上枠板10又は下枠板11に固定され左右方向へ延びた板状の水平片17と、水平片17の外側端部から上下方向の一方側へ延び側枠板12,13に固定される板状の垂直片18と、垂直片18とは反対方向へ延び上枠板10又は下枠板11の係合切欠部15内に挿入係合可能な板状の係合片19と、を有している。なお、本例では、上枠板10と左側の側枠板12とを連結する連結部材14と、上枠板10と右側の側枠板13とを連結する連結部材14とは、夫々左右非対称の形状に形成されていると共に、垂直片18が前後に分かれて形成されている。一方、下枠板11と左側の側枠板12とを連結する連結部材14と、下枠板11と右側の側枠板13とを連結する連結部材14とは、夫々左右対称の形状に形成されている。
この連結部材14は、水平片17の上面及び下面が上枠板10及び下枠板11の下面及び上面と当接すると共に、係合片19が上枠板10及び下枠板11の係合切欠部15内に挿入係合された状態で、水平片17及び係合片19を貫通して所定のビスが上枠板10及び下枠板11にねじ込まれることで、上枠板10及び下枠板11に固定されるようになっている。また、上枠板10に固定された連結部材14は、その垂直片18が側枠体12,13の上端内側側面に当接した状態で、側枠体12,13を貫通して所定のビスが垂直片18へねじ込まれることで、上枠板10と側枠板12,13とを連結することができるようになっている。なお、上枠板10に固定された連結部材14における後側の垂直片18は、側枠板12,13の突出部16内に挿入された状態で、側枠板12,13へ固定されるようになっている。更に、下枠板11に固定された連結部材14は、その垂直片18が側枠体12,13の下端内側側面に当接した状態で、側枠体12,13を貫通して所定のビスが垂直片18へねじ込まれることで、下枠板11と側枠板12,13とを連結することができるようになっており、四つの連結部材14により、上枠板10、下枠板11、及び側枠板12,13を枠状に組立てることができるようになっている。
本例の外枠2は、上枠板10の左端上面に固定される上支持金具20と、上支持金具20と対向するように配置され左側の側枠板12における下部内側の所定位置に固定される下支持金具21と、下支持金具21の下面を支持するように配置され左右の側枠板12,13を連結するように固定される補強金具22と、補強金具22の前面に固定される装飾カバー23と、を備えている。この上支持金具20及び下支持金具21は、本体枠3及び扉枠5を開閉可能に軸支するためのものである。
まず、上支持金具20は、上枠板10に固定される板状の固定片20aと、固定片20aの前端から上枠板10の前端よりも前方へ突出する支持突出片20bと、支持突出片20bにおける前端付近の右側端から先端中央部へ向かって屈曲するように切欠かれて形成された支持鉤穴20cと、固定片20及び支持突出片20bの左端から下方へ垂下し左側の側枠板12における外側側面と当接する板状の垂下固定片20d(図14(A)を参照)と、垂下固定片20dと連続し支持突出片20bの外側縁に沿って垂下する垂下壁20e(図14を参照)と、垂下壁20eと連続し支持鉤穴20cの入口端部で内側へ向って傾斜した停止垂下部20f(図15を参照)と、を備えている。この上支持金具20における支持鉤穴20cには、後述する本体枠3における上軸支金具630の軸支ピン633(図64を参照)が着脱自在に係合されるようになっている。また、上支持金具20は、固定片20aと垂下固定片20dとによって、上枠板10と左側の側枠板12とを連結することができるようになっている。
この上支持金具20は、支持突出片20bの外側縁から垂下する垂下壁20eによって、支持突出片20bの強度が高められていると共に、詳細は後述するが、正面から見た時に支持突出片20bの裏面に配置されるロック部材27が遊技者側から視認できないように隠蔽することができ、外観の見栄えを良くすることができるようになっている。また、支持突出片20bに形成された支持鉤穴20cは、垂下壁20eが形成されない反対側(右側)の側方から先端中央部に向かって傾斜状となるようにく字状に屈曲した形状とされていると共に、支持鉤穴20cの傾斜状穴部の幅寸法は、軸支ピン633の直径よりもやや大きな寸法とされている。
一方、下支持金具21は、補強金具22上に載置固定される水平固定片21aと、水平固定片21aの左端から上方へ立上がり左側の側枠板12の内側側面に固定される垂直固定片21bと、水平固定片21aの前端から上枠板10及び下枠板11よりも前方へ突出する板状の支持突出片21cと、支持突出片21cの前端付近から上向きに突設されたピン状の支持突起21dと、を備えている。この下支持金具21における支持突起21dには、後述する本体枠3の本体枠軸支金具644(図67等を参照)に形成された本体枠軸支が挿入されるようになっており、下支持金具21の支持突起21dを、本体枠3における本体枠軸支金具644の支持穴に挿入した後に、本体枠3の上軸支金具630の軸支ピン633を支持鉤穴20cに係止することにより簡単に本体枠3を開閉自在に軸支することができるようになっている。
また、本例の外枠2は、図示するように、右側の側枠板13の内側に、上下方向に所定距離離反して配置される二つの閉鎖板24,25が取付固定されている。これら閉鎖板24,25は、平面視で略L字状に形成されており、下側に配置される閉鎖板25には、前後方向に貫通する矩形状の開口25aを有している(図9を参照)。この閉鎖板24,25は、外枠2に対して本体枠3を閉じる際に、本体枠3の開放側辺に沿って取付けられる錠装置1000のフック部1054,1065(図94を参照)と係合するものであり、詳細は後述するが、錠装置1000のシリンダ錠1010に鍵を差し込んで一方に回動することにより、フック部1054,1065と閉鎖板24,25との係合が外れて本体枠3を外枠2に対して開放することができるものである。
更に、本例の外枠2は、補強金具22の右端上面に固定される案内板26を更に備えている。この案内板26は、外枠2に対して本体枠3を閉止する際に、本体枠3をスムーズに案内するためのものであり、交換可能に装着固定されている。
また、本例の外枠2は、図14等に示すように、上支持金具20における支持突出片20bの裏面に支持されたロック部材27を更に備えており、リベット28によって支持突出片20bに対して回動可能に軸支されている。このロック部材27は、合成樹脂により形成されており、リベット28により軸支される位置から前方へ突出するストッパ部27aと、リベット28により軸支される位置から右方向へストッパ部27aよりも短く突出する操作部27bと、操作部27bに対してリベット28により軸支される位置とは反対側から突出する弾性片27cと、ストッパ部27aの先端に前方側へ膨出するように形成された円弧状の先端面27dと、を備えている。このロック部材27は、図示するように、ストッパ部27aと操作部27bとで、略L字状に形成されている。また、ロック部材27の弾性部27cは、ストッパ部27aや操作部27bよりも狭い幅に形成されていると共に、ストッパ部27aから左方へ遠ざかるに従って前方へ延びだすように形成されている。
このロック部材27は、図14(B)や図15に示すように、上支持金具20の支持突出片20bに支持した状態(通常の状態)では、弾性片27cの先端当接部が垂下壁20eの内側面と当接しており、ストッパ部27aが支持鉤穴20cの傾斜状穴部を閉塞するようになっていると共に、ストッパ部27aの先端部分が、支持鉤穴20cの傾斜状穴部の先頭空間部分を閉塞した状態とはならず、支持鉤穴20cの先頭空間部分に本体枠3の上軸支金具630の軸支ピン633を挿入可能な空間が形成された状態となっている。
本例の上支持金具20とロック部材27とを用いた軸支ピン633の支持機構は、軸支ピン633が支持鉤穴20cの傾斜状穴部の先端空間部分に挿入されてストッパ部27aの先端側方が入口端部の停止垂下部20fに対向している状態(この状態ではストッパ部27aの先端側方と停止垂下部20fとの間に僅かな隙間があり当接した状態となっていない)である通常の軸支状態においては、屈曲して形成される支持鉤穴20cの傾斜状穴部の先端空間部分に位置する軸支ピン633とストッパ部27aの先端面27dとの夫々の中心が斜め方向にずれて対向した状態となっている。そして、この通常の軸支状態においては、重量のある本体枠3を軸支している軸支ピン633が支持鉤穴20cの先端部分に当接した状態となっているので、軸支ピン633からストッパ部27aの先端面27dへの負荷がほとんどかかっていないため、ロック部材27の弾性片27cに対し負荷がかかっていない状態となっている。なお、ストッパ部27aの先端に円弧状の先端面27dを備えているので、ロック部材27を回動させるために操作部27bを回動操作した時に、ロック部材27がスムーズに回動するようになっている。また、図示では、先端面27dの円弧中心が、リベット28の中心(ロック部材27の回転中心)とされている。
従って、軸支ピン633が支持鉤穴20cの傾斜状穴部の傾斜に沿って抜ける方向に作用力Fがかかって円弧状の先端面27dに当接したとき、その作用力Fを、軸支ピン633と円弧状の先端面27dとの当接部分に作用する分力F1(先端面27dの円弧の法線方向)と、軸支ピン633と支持鉤穴20cの傾斜状穴部の一側内面との当接部分に作用する分力F2と、に分けたときに、分力F1の方向がリベット28の中心(ロック部材27の回転中心)を向くため、ロック部材27のストッパ部27aの先端部が支持突出片20bから外れる方向(図示の時計方向)に回転させるモーメントが働かず、軸支ピン633がロック部材27のストッパ部27aの先端部と支持鉤穴20cの傾斜状穴部の一側内面との間に挟持された状態を保持する。このため、通常の軸支状態でもあるいは軸支ピン633の作用力がロック部材27にかかった状態でも、ロック部材27の弾性片27cに常時負荷がかからず、合成樹脂で一体形成される弾性片27cのクリープによる塑性変形を防止し、長期間に亘って軸支ピン633の支持鉤穴20cからの脱落を防止することができる。なお、仮に無理な力がかかってロック部材27のストッパ部27aの先端部が支持突出片20bから外れる方向(図示の時計方向)に回転させられても、ストッパ部27aの先端部の一側方が停止垂下部20fに当接してそれ以上外れる方向に回転しないので、ロック部材27が支持突出片20bの外側にはみ出ないようになっている。
なお、ストッパ部27aの先端面27dの形状は円弧状でなくても、上記した分力F1の作用により回転モーメントが生じない位置又はロック部材27をその先端部が支持突出片20bの外側に向って回転させる回転モーメントが生ずる位置にロック部材27の回転中心(リベット28により固定される軸)を位置させることにより、常時ロック部材27の弾性片27cに対しても負荷がかかることはないし、ロック部材27が回転してもストッパ部27aの先端一側方が停止垂下部20fに当接するだけであるため、ロック部材27が支持突出片20bの外側にはみ出ることもないという点を本出願人は確認している。
本例のロック部材27の作用について図16を参照して具体的に説明する。外枠2に本体枠3を開閉自在に軸支する前提として、本体枠3の本体枠軸支金具644(図64を参照)に形成される本体枠軸支穴(図示しない)に下支持金具21の支持突起21dが挿通されていることが必要である。そのような前提において、図16(A)に示すように、本体枠3の上軸支金具630の軸支ピン633をロック部材27のストッパ部27aの側面に当接させて押し込むことにより、図16(B)に示すように、ロック部材27が弾性片27cを変形させながら反時計方向に回動させるので、軸支ピン633を支持鉤穴20cに挿入することができる。そして、軸支ピン633が支持鉤穴20cの傾斜状穴部の先頭空間部分に到達すると、図16(C)に示すように、軸支ピン633とストッパ部27aの先端側面とが当接しなくなるためロック部材27が弾性片27cの弾性力に付勢されて時計方向に回動し、ロック部材27のストッパ部27aが再度通常の状態に戻って支持鉤穴20cの入口部分を閉塞すると同時に、ストッパ部27aの先端部分が軸支ピン633と対向して軸支ピン633が支持鉤穴20cから抜け落ちないようになっている。
そして、この状態は、図16(D)に示すように、本体枠3が完全に閉じられた状態でもあるいは本体枠3の通常の開閉動作中も保持される。次いで、軸支ピン633を支持鉤穴20cから取外すためには、図16(E)に示すように、指を支持突出片20bの裏面に差し入れてロック部材27の操作部27bを反時計方向に回動することにより、ロック部材27が弾性片27cの弾性力に抗して回動し、ストッパ部27aの先端部分が支持鉤穴20cから退避した状態となるため、軸支ピン633を支持鉤穴20cから取り出すことができる。その後、本体枠3を持ち上げて、本体枠軸支金具644に形成される本体枠軸支穴と下支持金具21の支持突起21dとの係合を解除することにより、本体枠3を外枠2から取外すことができるようになっている。
上述したように、本例の外枠2は、外枠2の外郭を構成する上枠板10と下枠板11とを従来と同じく木製とすると共に、側枠板12,13を軽量金属(例えば、アルミ合金)の押出型材としているので、パチンコ機1を遊技場に列設される島設備に設置する場合に、島の垂直面に対し所定の角度をつけて固定する作業を行う必要があるが、そのような作業は上枠板10及び下枠板11と島とに釘を打ち付けて行われるため、釘を打ち易くすることができ、既存の島設備に本パチンコ機1を問題なく設置することができるようになっている。また、側枠板12,13を軽量金属(例えば、アルミ合金)の押出型材としているので、従来の木製の外枠と比較して強度を維持しつつ肉厚を薄く形成することが可能となり、側枠板12,13の内側に隣接する本体枠3の周壁部605(図64等を参照)の正面から見たときの左右幅を広くすることができ、左右方向の寸法の大きな遊技盤4を本体枠3に装着することができると同時に、遊技盤4の遊技領域1100を大きく形成することができるようになっている。
また、外枠2の外郭を構成する上枠板10、下枠板11、及び側枠板12,13を連結部材14で連結するようにしており、連結部材14が側枠板12,13の内面に密着して止着されると共に連結部材14と上枠板10及び下枠板11が係合した状態で止着されるので、外枠2の組付け強度を高くすることができ、頑丈な方形状の枠組みとすることができるようになっている。また、連結部材14によって上枠板10、下枠板11、及び側枠板12,13を連結した後、上支持金具20を所定の位置に取付けたときに、図10に示すように、各枠板10,11,12,13の外側面(外周面)から外側に突出する部材が存在しないので、パチンコ機1を図示しない遊技ホールの島設備に設置する際に、隣接する装置(例えば、隣接する玉貸機)と密着して取付けることができるようになっている。
[1−2.扉枠の全体構成]
次に、上記した本体枠3の前面側に開閉自在に設けられる扉枠5について、図17乃至図25を参照して説明する。図17は扉枠の正面図であり、図18は扉枠の背面図であり、図19は扉枠を右前方から見た斜視図である。また、図20は扉枠を左前方から見た斜視図であり、図21は扉枠の右後方から見た斜視図である。更に、図22は扉枠を正面から見た分解斜視図であり、図23は扉枠を背面から見た分解斜視図である。また、図24は、扉枠からサイドスピーカ及びサイドスピーカカバーを分解して前から見た分解斜視図であり、図25は、扉枠からサイドスピーカ及びサイドスピーカカバーを分解して後から見た分解斜視図である。
本実施形態のパチンコ機1における扉枠5は、図示するように、外形が縦長の矩形状に形成され内周形状がやや縦長の円形状(楕円形状)とされた遊技窓101を有する扉枠ベースユニット100と、扉枠ベースユニット100の前面で遊技窓101の右外周に取付けられる右サイド装飾ユニット200と、右サイド装飾ユニット200と対向し扉枠ベースユニット100の前面で遊技窓101の左外周に取付けられる左サイド装飾ユニット240と、扉枠ベースユニット100の前面で遊技窓101の上部外周に取付けられる上部装飾ユニット280と、右サイド装飾ユニット200及び左サイド装飾ユニット240の下端下側に配置され扉枠ベースユニット100の前面に取付けられる一対のサイドスピーカカバー290と、を備えている。
また、扉枠5は、扉枠ベースユニット100の前面で遊技窓101の下部に取付けられる皿ユニット300と、皿ユニット300の上部中央に取付けられる操作ユニット400と、皿ユニット300を貫通して扉枠ベースユニット100の右下隅部に取付けられ遊技球の打込操作をするためのハンドル装置500と、扉枠ベースユニット100を挟んで皿ユニット300の後側に配置され扉枠ベースユニット100の後面に取付けられるファールカバーユニット540と、ファールカバーユニット540の右側で扉枠ベースユニット100の後面に取付けられる球送りユニット580と、扉枠ベースユニット100の後側に遊技窓101を閉鎖するように取付けられるガラスユニット590と、を備えている。
[1−2A.扉枠ベースユニット]
続いて、扉枠5における扉枠ベースユニット100について、主に図26乃至図30を参照して説明する。図26(A)は扉枠における扉枠ベースユニットの正面斜視図であり、(B)は扉枠における扉枠ベースユニットの背面斜視図である。また、図27は扉枠ベースユニットを分解して前から見た分解斜視図であり、図28は扉枠ベースユニットを分解して後ろから見た分解斜視図である。更に、図29は扉枠ベースユニットにおける扉枠ベース基板カバーと配線保持部材とを後から見た斜視図であり、図30は扉枠と本体枠とを電気的に接続するの配線の様子を拡大して示す斜視図である。
本例の扉枠ベースユニット100は、図示するように、外形が縦長の矩形状に形成されると共に、前後方向に貫通し内周が縦長の略楕円形状に形成された遊技窓101を有する扉枠ベース本体110と、扉枠ベース本体110の前面で遊技窓101の上部中央に取付けられ上部装飾ユニットを固定するための上部ブラケット120と、扉枠ベース本体110の前面で遊技窓101の下端左右両外側に配置される一対のサイドスピーカ130と、サイドスピーカ130を扉枠べース本体110へ固定するためのスピーカブラケット132と、扉枠ベース本体110の前面で正面視右下隅部に取付けられハンドル装置500を支持するためのハンドルブラケット140と、を備えている。
なお、扉枠ベースユニット100は、正面視で右側のサイドスピーカ130の外側には、サイドスピーカ130の側面と、右サイド装飾ユニット200等へ接続される配線136(図24を参照)の前側とを覆い扉枠ベース本体110の前面に取付けられるカバー部材134を更に備えている(図22及び図24等を参照)。このカバー部材134は、配線136をスピーカ取付部111の外周に沿って案内させることができると共に、サイドスピーカ130を取付ける際や取外す際に、配線136が邪魔にならないように配線136を保持することができるようになっている。
また、扉枠ベースユニット100は、扉枠ベース本体110の後側に固定される金属製で枠状の補強ユニット150と、扉枠ベース本体110の後面で遊技窓101の下部を被覆するように取付けられる防犯カバー180と、扉枠ベース本体110の後面で遊技窓101の外周の所定位置に回動可能に取付けられるガラスユニット係止部材190と、背面視で左右方向の中央より左側(開放側)に配置され遊技窓101の下端に沿って扉枠ベース本体110の後面に取付けられる発射カバー191と、発射カバー191の下側で扉枠ベース本体110の後面に取付けられハンドル装置500の回転位置検知センサ512と主制御基板4100との接続を中継するハンドル装置中継基板192と、ハンドル装置中継基板192の後側を被覆するハンドル装置中継基板カバー193と、左右方向の中央を挟んで発射カバー191やハンドル装置中継基板192等とは反対側(背面視で左右方向中央よりも右側(軸支側))に配置され扉枠ベース本体の後面に取付けられる扉枠ベース基板194と、扉枠ベース基板194の後側を被覆する扉枠ベース基板カバー195と、扉枠ベース基板カバー195の後面に回動可能に軸支され扉枠5側と本体枠3側とを接続する配線コード196の一部を保持する配線保持部材197と、を備えている。
本例の扉枠ベースユニット100は、合成樹脂からなる矩形状の扉枠ベース本体110の後側に、金属板金をリベット等で組立てた補強ユニット150が固定されることで、全体の剛性が高められていると共に、各装飾ユニット200,240,280や皿ユニット300等を充分に支持することができる強度を有している。
この扉枠ベースユニット100における扉枠ベース基板194は、サイドスピーカ130や左右のサイド装飾ユニット200,240の上部スピーカ222,262と接続されると共に、後述する遊技盤4に備えられた周辺制御部4140と接続されており、周辺制御部4140から送られた音響信号を増幅して各スピーカ130へ出力する増幅回路を備えている。なお、本例では、各装飾ユニット200,240,280及び皿ユニット300や操作ユニット400に備えられた各装飾基板430,432、操作ユニット400に備えられたダイヤル駆動モータ414やセンサ432a,432b,432c、ハンドル装置中継基板192、皿ユニット300の貸球ユニット360等と、払出制御基板4110や周辺制御部4140等とを接続する配線コード196が、扉枠ベース基板194の背面視で右側(軸支側)の位置に集約して束ねられた上で、詳細は後述するが、配線保持部材197に保持されて後方へ延出し、本体枠3の主側中継端子板880や周辺側中継端子板882に接続されるようになっている(図1及び図30を参照)。
本例の扉枠ベースユニット100における扉枠ベース本体110は、図27及び図28等に示すように、合成樹脂によって縦長の額縁状に形成されており、前後方向に貫通し内形が縦長で略楕円形状の遊技窓101が全体的に上方へオフセットするような形態で形成されている。この遊技窓101は、図示するように、左右側及び上側の内周縁が連続した滑らかな曲線状に形成されているのに対して、下側の内周縁は左右へ延びた直線状に形成されている。また、扉枠ベース本体110における遊技窓101の下側の内周縁には、軸支側(正面視で左側)にファールカバーユニット540の第一球出口544aを挿通可能な方形状101aの切欠部が形成されている。この扉枠ベース本体110は、遊技窓101によって形成される上辺、及び左右の側辺の幅が、後述する補強ユニット150の上側補強板金151、軸支側補強板金152、及び開放側補強板金153の幅と略同じ幅とされており、正面視における扉枠ベース本体の大きさに対して、遊技窓101が可及的に大きく形成されている。従って、扉枠5の後側に配置される遊技盤4のより広い範囲を遊技者側から視認できるようになっており、従来のパチンコ機よりも広い遊技領域1100を容易に形成することができるようになっている。
この扉枠ベース本体110は、遊技窓101の他に、遊技窓101の下辺の左右両外側に配置されサイドスピーカ130を取付固定するためのスピーカ取付部111と、球送りユニット580を取付固定するための球送りユニット取付凹部112(図28を参照)と、球送りユニット取付凹部112の所定位置で前後方向に貫通し皿ユニット300の上皿301に貯留された遊技球を球送りユニット580へ供給するための球送り開口113と、正面視で右下隅部に配置され前方へ膨出した前面の右側(開放側)端が後退するように斜めに傾斜しハンドルブラケット140を取付けるためのハンドル取付部114と、ハンドル取付部114の所定位置で前後方向へ貫通しハンドル装置500からの配線が通過可能な配線通過口115と、ハンドル取付部114の上側で前方へ向かって短く延びた筒状に形成され後述するシリンダ錠1010が挿通可能な錠穴116と、を備えている。
また、扉枠ベース本体110は、図28に示すように、球送りユニット取付凹部112に下側にハンドル装置中継基板192を取付けるための中継基板取付部117と、背面視で扉枠ベース本体の下部右側(軸支側)に配置され扉枠ベース基板194を取付けるための基板取付部118と、遊技窓101の下端の背面視左側(開放側)でスピーカ取付部111よりも中央寄りの配置から後方へ突出し防犯カバー180の装着弾性片185を装着するための防犯カバー装着部119と、扉枠ベース本体110は、その後側に、遊技窓101の内周に略沿って前側へ凹みガラスユニット590の前面外周縁が当接可能なガラスユニット支持段部110aと、遊技窓101の外周の所定位置から後方へ突出しガラスユニット係止部材190を回動可能に支持するための四つの係止部材取付部110bと、を更に備えている。
更に、扉枠ベース本体110の後側には、その下辺から後方へ所定量突出する扉枠突片110cを備えており、この扉枠突片110cは、後述する本体枠3の係合溝603内に挿入されるようになっている。これにより、扉枠5が本体枠3に対して位置決め係止することができると共に、扉枠5と本体枠3との下辺の隙間からピアノ線等の不正な工具をパチンコ機1内に挿入しようとしても、係合溝603と係合した扉枠突片110cによって工具の侵入を阻止することができ、パチンコ機1の防犯機能が高められている。また、扉枠ベース本体110の後側には、背面視で錠穴116よりもやや右下の位置から後方へ突出し本体枠3の嵌合溝612と嵌合する位置決め突起110dを、備えており、この位置決め突起110dが嵌合溝612と嵌合することで、扉枠5と本体枠3とが正しい位置に位置決めされるようになっている。
また、扉枠ベース本体110は、図27に示すように、その前面に、装飾ユニット200,240,280や皿ユニット300等を固定するための前方へ突出した複数の取付ボス110eが備えられていると共に、上部ブラケット120、ハンドルブラケット140等を取付けるための取付穴が適宜位置に多数形成されている。また、扉枠ベース本体110は、サイドスピーカ130を取付けるスピーカブラケット132を取付けるための取付部110g(図24を参照)や、サイドスピーカカバー290を取付けるための取付孔110h(図18、図24及び図25等を参照)が、適宜位置に夫々形成されている。
なお、サイドスピーカカバー290では、図25に示すように、左右夫々一つずつ、ガラスユニット590が後側から嵌め込まれるガラスユニット支持段部110aを貫通するように配置されており、扉枠ベース本体110(扉枠5)からガラスユニット590を取外した状態で、取付孔110hを介して所定のビスにより脱着することができるようになっている。更に、サイドスピーカカバー290を取付けるための取付孔110hは、図18に示すように、扉枠ベース本体110に防犯カバー180を固定することで後側が被覆されるようになっている。従って、サイドスピーカカバー290を取外すには、まず始めに防犯カバー180とガラスユニット590とを、扉枠ベース本体110から取外さなければならないようになっている。これにより、サイドスピーカカバー290の取外しに若干時間がかかるようにすることで不正行為等を行おうとする者に対して取外作業を手間取らせることができると共に、比較的大きなガラスユニット590を取外すことで取外し作業を目立たせることができ、サイドスピーカ130に対する盗難行為や、遊技領域1100内等に対する不正行為等を躊躇させて、不正行為等に対する抑止力(安全性)を高めることができるようになっている。
また、扉枠ベース本体110には、球送りユニット取付凹部112と基板取付部118との間で、後述する皿ユニット300の皿ユニットベース310における下皿球供給口310g及びファールカバーユニット540の第二球出口544bと対応する位置に、前後方向に貫通する矩形状の球通過口110fを備えている。
次に、扉枠ベースユニット100における上部ブラケット120は、扉枠ベース本体110の前面上部中央に固定されるものであり、詳細な図示は省略するが、扉枠ベースユニット100に取付けられた左右のサイド装飾ユニット200,240の間に形成される上部の隙間を隠蔽すると共に、左右両端が夫々サイド装飾ユニット200,240によって支持されるようになっている。また、上部ブラケット120は、その先端の一部が上部装飾ユニット280内へ挿入されるようになっており、扉枠5が組立てられた状態では、上部装飾ユニット280を上側から支持することができるようになっている。
また、扉枠ベースユニット100における一対のサイドスピーカ130は、詳細な図示は省略するが、その中心軸の交点が正面視で遊技領域1100の中央から前方へ所定距離(例えば、0.2m〜1.5m)の位置となるように斜めに固定されており、パチンコ機1の前に着座した遊技者に対して最も効率良く音が届くようになっている。また、このサイドスピーカ130は、主に中高音域の音を出力するようになっていると共に、パチンコ機1に対して、可及的に左右方向へ離反した位置に配置されており、左右のサイドスピーカ130から関連した異なる音を出力させることで、ステレオ感の高い音を出力することができるようになっている。
これらサイドスピーカ130は、その外周が、前側に配置された略円環状のスピーカブラケット132と、後側に配置された扉枠ベース本体110のスピーカ取付部111とによって挟持されることで、扉枠ベース本体110に取付けられるようになっている。なお、スピーカブラケット132は、所定のビスによって、前側から扉枠ベース本体110の取付部110gに取付けられるようになっている。
また、扉枠ベースユニット100における扉枠ベース基板カバー195は、図27乃至図29等に示すように、前側が開放された薄い箱状に形成されていると共に、後側の後面に、上下方向の中央よりもやや下寄りの位置で前方へ窪んだ段部195aを備えている。この扉枠ベース基板カバー195の段部195aに、配線保持部材197が回動可能に取付けられている。
一方、扉枠ベースユニット100における配線保持部材197は、図29及び図30等に示すように、横方向へ長く延びた板状に形成されていると共に、断面がI字状に形成されており、比較的、硬質の合成樹脂によって形成されている。また、配線保持部材197は、図示するように、上下両端に長手方向へ沿って所定間隔で複数(本例では、上下に夫々三つずつ)の保持孔197aを備えている。この配線保持部材197は、扉枠5を組立てた状態で扉枠5が本体枠3に軸支される側の端部が、扉枠ベース基板カバー195における後面の段部195aに、上下方向へ延びた軸周りに回動可能に軸支されており、詳細な図示は省略するが、配線保持部材197の自由端側が扉枠ベース基板カバー195側へ回動することで、配線保持部材197が扉枠ベース基板カバー195の段部195a内へ収容することができるようになっている。
この配線保持部材197は、その後面側に扉枠5と本体枠3とを電気的に接続するための配線コード196を沿わせた状態で、上下で対になった保持孔197aに所定の結束バンド198を挿通させて、その結束バンド198により配線保持部材197ごと配線コード196を締付けることで、配線コード196を保持することができるようになっている(図1及び図30を参照)。
本例の配線保持部材197は、本体枠3に対して扉枠5を閉じる方向へ回動させると、配線保持部材197の自由端側が、配線コード196における自由端側から本体枠3へ延びた部分により前方へ押されて扉枠ベース基板カバー195側へ近付く方向へ回動することとなる。これにより、扉枠5が閉まるに従って、配線保持部材197の自由端側が扉枠ベース基板カバー195へ接近すると共に、配線保持部材197の自由端から本体枠3側へ延びだした配線コード196が自由端付近で折れ曲りが大きく(鋭く)なる。そして、本体枠3に対して扉枠5が閉じられた状態となると、配線コード196が配線保持部材197の自由端側で横方向へ二つに折り畳まれたような状態となる。
一方、本体枠3に対して閉じられた扉枠5を開ける場合では、本体枠3と扉枠5とが相対的に遠ざかることとなるので、本体枠3側に接続された配線コード196によって配線保持部材197の自由端側が後方へ引っ張られることとなり、自由端側が扉枠ベース基板カバー195から遠ざかる方向(本体枠3の方向)へ移動するように配線保持部材197がスムーズに回動する。これにより、配線保持部材197の自由端側で折り畳まれた配線コード196が真直ぐに延びるように展開し、配線コード196によって阻害されること無く扉枠5を開くことができるようになっている。
このように、本例によると、配線保持部材197における扉枠5が軸支された側と同じ側の端部を、自由端側が本体枠3側へ移動するように扉枠ベース基板カバー195の後面に回動可能に軸支させると共に、扉枠5と本体枠3とを電気的に接続する配線コード196の一部が上下方向へ移動しないように保持するようにしているので、本体枠3に対して扉枠5を開閉させる際に、配線保持部材197の自由端側で配線コード196を横方向へ折り畳んだり、展開したりすることができ、扉枠5の開閉時に配線コード196が引っ掛かったり挟まれたりして不具合(配線コード196の断線、接続コネクタの外れ、等)が発生するのを防止することができるようになっている。
また、本例によると、配線保持部材197を比較的硬質で剛性の高い合成樹脂によって形成するようにしているので、扉枠5の開閉時に、配線コード196を介して力が作用しても、上下方向へブレ難くすることができ、配線コード196を確実に横方向へ折り畳んで不具合の発生を防止することができるようになっている。
更に、上述したように、本体枠3に対して扉枠5を開閉させると、配線保持部材197によって本体枠3と扉枠5との間に橋が掛けられたような状態となり、配線196の一部が配線保持部材197によって架橋された状態となるので、扉枠5を開閉させても配線196が垂れ下がるのを防止することが可能となり、配線196が垂れ下がることで他の部材に引っ掛かって断線したり扉枠5を閉じることができなくなったりする不具合が発生するのを防止することができ、本体側電気機器としての主制御基板4100、周辺制御部4140、払出制御基板4110等、と扉側電気機器としての各装飾基板214,216,254,256,286,320,430,432、スピーカ130,222,262、貸球ユニット360、ハンドル装置500等、とを接続する配線196に不具合が発生するのを可及的に低減させることが可能なパチンコ機1を提供することができる。
また、配線196の一部を回動可能な配線保持部材197で保持するようにしており、扉枠5を開ける時に、配線196が無理に引っ張られても、配線保持部材197が回動することでその力を逃がすことができるので、配線196が引っ張られるのを防止することができ、配線196が引っ張られて断線したり接続コネクタが外れたりするような不具合が発生するのを防止することができる。また、配線保持部材197によって配線196の一部を保持しており、配線196は配線保持部材197の回動に伴って単に部分的に曲がるだけなので、従来のもの(例えば、特開2009−213675)のように配線196が摺動することは無く、配線196が擦れて漏電や断線等の不具合が発生するのを防止することができる。
更に、配線保持部材197では、長手方向へ所定間隔で複数配置された貫通する保持孔197aに結束バンド198を挿通し、その結束バンド198によって配線196を保持するようにしているので、配線196を保持した結束バンド198が保持孔197aによって配線保持部材197の長手方向へ移動(スライド)するのを防止することができ、配線保持部材197から結束バンド198ごと配線196が脱落するのを確実に防止することができる。
また、本体枠3や扉枠5から配線196が延びだす位置を、扉枠5を軸支した側辺から離れた位置に配置しても、上述したように、配線保持部材197によって配線196をガイド(案内)して扉枠5を開閉する際に配線196が垂れ下がるのを良好に防止することができるので、扉枠5おける軸支された側辺側の強度・剛性を高めた本体枠3や扉枠5とすることができ、不正行為に対する防犯性の高いパチンコ機1とすることができる。
更に、配線保持部材197に、長手方向に対して直角方向両端から少なくとも配線196が沿う側へ突出した突条を備えるようにしているので、一対の突条と配線保持部材197の板面によって配線196の三方を囲むことができ、配線保持部材197に沿って配線196を保持し易くすることができる。また、配線保持部材197に突条を備えているので、板状の配線保持部材197の曲げ剛性を高めることができ、扉枠5を開閉する際に配線保持部材197が撓むのを防止して、良好な状態で扉枠5を開閉させることができる。
また、配線保持部材197の基端から先端までの長さを、扉枠5の軸心から基端の軸心までの距離と略同じ長さとすると共に、配線196における本体枠3の延出した所定位置を、本体枠3に対して扉枠5を閉じた状態で、配線保持部材197の先端よりも扉枠5の軸心側の位置としており、扉枠5の軸心と、配線保持部材197の軸心と、配線保持部材197の先端と、本体枠3における配線196が延出した位置とで、パンタグラフ状のリンクが形成されることとなるので、扉枠5を開閉する時の配線保持部材197や配線196等の動きをスムーズにすることができ、開閉作業を行い易くすることができると共に、配線196等に無理な力が作用するのを低減させて断線等の不具合が発生するのを防止することができる。また、パンタグラフ状のリンクを形成するようにしており、扉枠5を閉じる時に、配線196における配線保持部材197の先端から延出した部位が、配線保持部材197と沿うように先端側で折返されるので、扉枠5を閉じた状態では配線196を折り畳んでコンパクトに纏めることができ、配線保持部材197や配線196に係るスペースを小さくすることができる。
また、配線保持部材197を軸支した扉枠5の扉枠ベース基板カバー195に、本体枠3に対して扉枠5を閉じた状態で、本体枠3側へ向かって開口するように凹み、配線保持部材197を収納可能な段部195aを備えるようにしており、本体枠3に対して扉枠5を閉じた状態とすると、配線保持部材197が扉枠ベース基板カバー195に備えられた段部195a内へ収納されるので、扉枠5側から本体枠3側への配線保持部材197の突出を殆ど無くすことができ、扉枠5を閉じ易くすることができると共に、配線保持部材197や配線196をコンパクトに纏めることができ、配線196が他の部材に引っ掛かるのを抑制して不具合が発生するのを防止することができる。
更に、配線196を、本体枠3に対して扉枠5を閉じた状態で、配線保持部材197における本体枠3側を向いた面に沿って保持させるようにしており、本体枠3に対して扉枠5を閉じた状態とした時に、配線保持部材197を扉枠5側(扉枠ベース基板カバー195側)へ可及的に近づけることができるので、これによっても、扉枠5からの配線保持部材197の突出を少なくすることができ、扉枠5を閉じ易くすることができると共に、配線保持部材197や配線196に係るスペースを可及的に小さくすることができる。
また、配線保持部材197を移動(開閉)する扉枠5側に備えているので、扉枠5を開閉させる慣性力や衝撃力等によって配線保持部材197を回動させ易くすることができ、上述した作用効果を確実に奏することができる。また、配線保持部材197を扉枠5に備えており、本体枠3に配線保持部材197を備えるためのスペースを確保する必要が無いので、相対的に本体枠3における遊技盤4を保持するスペースを大きくしてより大きな遊技領域1100を有した遊技盤4を保持させることができ、大型の遊技盤4を有して遊技者の関心を強く引付けることが可能なパチンコ機1とすることができる。
更に、扉枠ベースユニット100におけるハンドルブラケット140は、図27及び図28等に示すように、前後方向へ延びた円筒状の筒部141と、筒部141の後端から筒部141の軸に対して直角方向外方へ延びた円環状のフランジ部142と、筒部141内に突出し筒部141の周方向に対して不等間隔に配置された複数(本例では三つ)の突条143と、筒部141の外周面とフランジ部142の前面とを繋ぎ筒部141の周方向に対して複数配置された補強リブ144と、を備えている。このハンドルブラケット140は、フランジ部142の後面を、扉枠ベース本体110におけるハンドル取付部114の前面に当接させた状態で、所定のビスによってハンドル取付部114に取付けられるようになっており、図示は省略するが、ハンドル取付部114に取付けた状態で、筒部141の軸が配線通過口115と略一致するようになっている。
このハンドルブラケット140は、筒部141内の上側に一つ、下側に二つの突条143が備えられており、これら突条143はハンドル装置500におけるハンドルベース502の円筒部の外周に形成された三つの溝部502aと対応する位置に配置形成されている。そして、ハンドルブラケット140の三つの突条143と、ハンドル装置500の三つの溝部502aとが一致した状態でのみ、筒部141内にハンドル装置500の円筒部を挿入させることができるようになっている。従って、ハンドルブラケット140に挿入支持されたハンドル装置500のハンドルベース502は、ハンドルブラケット140に対して相対回転不能の状態に支持されるようになっている。
なお、このハンドルブラケット140は、斜めに傾斜したハンドル取付部114に取付けることで、筒部141の軸が正面視で前方へ向かうに従って右側(開放側)へ向かうように延びるように取付けられ、この状態でハンドルブラケット140に支持されたハンドル装置500の軸も、同様に斜めに傾いた状態となるようになっている。
続いて、扉枠ベースユニット100における補強ユニット150は、主に図27及び図28に示すように、扉枠ベース本体110の上辺部裏面に沿って取付けられる上側補強板金151と、扉枠ベース本体110の軸支側辺部裏面に沿って取付けられる軸支側補強板金152と、扉枠ベース本体110の開放側辺部裏面に沿って取付けられる開放側補強板金153と、扉枠ベース本体110の遊技窓101の下辺裏面に沿って取付けられる下側補強板金154と、を備えており、それらが相互にビスやリベット等で締着されて方形状に形成されている。
この補強ユニット150は、図27に示すように、軸支側補強板金152の上下端部に、その上面に上下方向に摺動自在に設けられる軸ピン155を有する上軸支部156と、その下面に軸ピン157(図18を参照)を有する下軸支部158と、を一体的に備えている。そして、上下の軸ピン155,157が本体枠3の軸支側上下に形成される上軸支金具630及び下軸支金具640に軸支されることにより、扉枠5が本体枠3に対して開閉自在に軸支されるようになっている。
また、補強ユニット150の下側補強板金154は、所定幅を有して扉枠ベース本体110の横幅寸法と略同じ長さに形成され、その長辺の両端縁のうち下方長辺端縁に前方へ向って折曲した下折曲突片159と(図27を参照)、上方長辺端縁の正面視右側(開放側)部に前方へ向って折曲した上折曲突片160と、上方長辺端縁の中央部分に後方へ折曲した上で垂直方向に延設された垂直折曲突片161と、を備えている。この下側補強板金154は、下折曲突片159や上折曲突片160等によって強度が高められている。また、この下側補強板金154の垂直折曲突片161は、後述するガラスユニット590のユニット枠592の下端に形成された係止片592bと係合係止するように形成されており、ガラスユニット590を扉枠5の裏面側に固定した時に、垂直折曲突片161がガラスユニット590におけるユニット枠592の係止片592bが係止されることで、ガラスユニット590の下端が左右方向及び後方へ移動するのを規制することができるようになっている。なお、下側補強板金154には、扉枠ベース本体110の切欠部101aと略対応した切欠部162が形成されている。
また、補強ユニット150の開放側補強板金153は、上側補強板金151と下側補強板金154との間の長辺の両側に、後方へ向かって屈曲された開放側外折曲突片163と、開放側内折曲突片164とを備えており、図示するように、開放側外折曲突片163よりも開放側内折曲突片164の方が後方へ長く延び出したように形成されている。また、開放側補強板金153の後側下部には、後述する錠装置1000の扉枠用フック部1041と当接するフックカバー165が備えられている。更に、軸支側補強板金152には、その長辺の外側端に後方へ延び出すと共に軸支側の外側に開口したコ字状の軸支側コ字状突片166を備えている(図107を参照)。また、上側補強板金151は、その長辺の両側に後方へ向かって屈曲された屈曲突片167を夫々備えている。
この補強ユニット150の軸支側補強板金152は、本体枠3に対して上軸支部156と下軸支部158の上下の二点でのみ取付支持されるようになっているので、軸支側の扉枠5と本体枠3との間にドライバーやバール等の不正な工具が差込まれると、軸支側補強板金152が変形して扉枠5と本体枠3との隙間が大きくなって不正行為を行い易くなる虞があるが、本例の軸支側補強板金152では、軸支側コ字状突片166を備えているので、軸支側補強板金152の強度がより高められており、軸支側補強板金152が曲がり難くなっている。また、軸支側補強板金152の軸支側コ字状突片166は、そのコ字内に後述する本体枠3における側面防犯板950における前端片952bが挿入されるようになっており(図107を参照)、工具の挿入を阻止することができると共に、軸支側補強板金152のみが曲がるのを防止することができ、パチンコ機1の防犯機能を高めることができるようになっている。
次に、扉枠5における扉枠ベースユニット100の防犯カバー180について、主に図27及び図28を参照して説明する。この防犯カバー180は、上記したガラスユニット590の下部裏面を被覆して遊技盤4への不正具の侵入を防ぐ防犯機能が付与されたものであり、図示するように、透明な合成樹脂によって左右の補強板金152,153の間に配されるガラスユニット590の下方部を覆うような平板状に形成され、その上辺部に遊技盤4の内レール1112の下方円弧面に略沿って円弧状に形成された当接凹部181と、当接凹部181の上端に沿って後方に向って突出する防犯後突片182と、を備えている。また、防犯カバー180の左右両端には、その端部形状に沿って後方へ突出する防犯後端部突片183が夫々備えられている。なお、背面視で右側(軸支側)の防犯後端部突片183は、反対側(開放側)の防犯後端部突片183よりも後方へ長く延びだした形態となっている。一方、防犯カバー180の前面には、防犯カバー180を取付けた状態でガラスユニット590におけるユニット枠592の下方形状に沿って突設する防犯前突片184と、防犯前突片184の外側で左右の下部端に前方へ突出するU字状の装着弾性片185と、を備えている。
この防犯カバー180は、正面視で右側(開放側)の装着弾性片185を扉枠ベースユニット100の防犯カバー装着部119に装着すると共に、反対側(軸支側)の装着弾性片185を皿ユニット300の防犯カバー装着部364に装着することで、扉枠5の裏面側に着脱自在に取付けられるようになっている。この防犯カバー180を、扉枠5に取付けた状態では、詳細な図示は省略するが、防犯前突片184がガラスユニット590のユニット枠592の下部外周と嵌合するようになっていると共に、ユニット枠592の下端部後面が垂直折曲突片161と当接するようになっている。また、後方へ突出した防犯後突片182は、扉枠5を閉じた時に、軸支側の半分が遊技盤4に固定された内レール1112の下側面に挿入され、開放側の半分が前構成部材1110における内レール1112のレール防犯溝1118に挿入された状態となるようになっている。これにより、遊技盤4の遊技領域1100に不正な工具を侵入させようとしても、内レール1112の下側に挿入された防犯後突片182によりその侵入を阻止することができるようになっている。
なお、防犯カバー180は、その裏面によって、扉枠5を閉じた状態で外レール1111と内レール1112とで形成される打球の誘導通路の前面下方部分を覆うことができるようになっているので、誘導通路部分を飛送若しくは逆送する打球のガラス板594への衝突を防止することができるようになっている。
これにより、本例では、防犯カバー180で扉枠5におけるガラスユニット590(遊技窓101)の後側下部外周を覆うようにしているので、扉枠5の前側から遊技窓101とガラスユニット590との間に可撓性の高い工具を挿入してパチンコ機1内(遊技領域1100内)に対して不正行為を行おうとしても、防犯カバー180によって工具の侵入を阻止することができ、不正行為等に対してより安全性の高いパチンコ機1とすることができるようになっている。
続いて、扉枠ベースユニット100における四つのガラスユニット係止部材190は、扉枠ベース本体110から後方へ突出する係止部材取付部110bに対して回動可能に嵌合する嵌合部190aと、嵌合部190aの軸方向に対して直角方向へ延出しガラスユニット590の係止突片451fを係止する係止片190bと、を備えている。このガラスユニット係止部材190は、嵌合部190aに対して扉枠ベース本体110の係止部材取付部110bが貫通した状態で、係止部材取付部110bの先端に抜止め用のビスを固定することで、係止部材取付部110bに対して回転可能に軸支されるようになっている。
このガラスユニット係止部材190の係止片190bは、詳細な図示は省略するが、後側に後方へ突出した突条を有しており、この突条がガラスユニット590の着脱時において、回転操作する際の指掛りとなっている。なお、四つのガラスユニット係止部材190のうち、背面視で右下に取付けられるガラスユニット係止部材190の係止片190bには、突条が形成されておらず、後面が平坦面となっている。
また、扉枠ベースユニット100における発射カバー191は、補強ユニット150における下側補強板金154の後側に固定されるようになっている。また、ハンドル装置中継基板カバー193及び扉枠ベース基板カバー195は、夫々扉枠ベース110の後側の所定位置に固定されるようになっている。なお、扉枠ユニットベース100に対して発射カバー191、ハンドル装置中継基板カバー193、及び球送りユニット580を取付けた状態では、それらの後面が略同一面状となるようになっており、それらによって本体枠3に取付けられる打球発射装置650の前面を被覆することができるようになっている。
[1−2B.右サイド装飾ユニット]
続いて、扉枠5における右サイド装飾ユニット200について、主に図31乃至図33を参照して説明する。図31(A)は扉枠における右サイド装飾ユニットの正面斜視図であり、(B)は扉枠における右サイド装飾ユニットの背面斜視図である。また、図32は、右サイド装飾ユニットを分解して前から見た分解斜視図である。更に、図33は、右サイド装飾ユニットを分解して後から見た分解斜視図である。
本実施形態における扉枠5の右サイド装飾ユニット200は、図示するように、遊技窓101の前側外周のうち、正面視で下部を除く右側半分を装飾するものであり、内側が遊技窓101に沿って円弧状に形成されていると共に、外側が扉枠ベースユニット100の外周に沿って直線状に形成されている。この右サイド装飾ユニット200は、右サイド装飾ユニット200の骨格を形成するサイド装飾フレーム202と、サイド装飾フレーム202の上辺に沿って配置されるサイド上部装飾部材204と、サイド上部装飾部材204に対して後側から嵌合するサイド上部装飾レンズ206と、サイド装飾フレーム202及びサイド上部装飾部材204の上側を被覆すると共に、サイド上部装飾レンズ206を挟むようにサイド上部装飾部材204が前側に取付けられるサイド上部カバー208と、サイド上部カバー208の下部を支持すると共にサイドフレーム202に対して後側から嵌合固定されるサイドレンズ210と、サイドレンズ210の裏側に嵌合されるサイドインナーレンズ212と、を備えている。
また、右サイド装飾ユニット200は、サイドインナーレンズ212の後側で上下方向の略中央から上側に配置され表面に複数のLED214a(フルカラーLED),214b(白色LED)が実装された右サイド上装飾基板214と、下側でサイドインナーレンズ212の上下方向の略中央から下側に配置され表面に複数のLED216a(フルカラーLED),216b(白色LED)が実装された右サイド下装飾基板216と、右サイド上装飾基板214の後側を覆い右サイド上装飾基板214を挟むようにサイドインナーレンズ212に取付けられる右サイド上装飾基板カバー218と、右サイド下装飾基板216の後側を覆い右サイド下装飾基板216を挟むようにサイドレンズ210及びサイド装飾フレーム202に取付けられる右サイド下装飾基板カバー220と、を備えている。
更に、右サイド装飾ユニット200は、サイド装飾フレーム202の正面視で左上部に配置される右上部スピーカ222と、右上部スピーカ222を支持しサイド装飾フレーム202の後側上部に嵌合される上部スピーカブラケット224と、上部スピーカブラケット224とサイド装飾フレーム202との間に挟持される上部スピーカカバー226と、サイド上部カバー208における側面の所定位置に内側から取付けられるサイドサブレンズ228と、を備えている。サイドサブレンズ228の後側には、右サイド上装飾基板214のLED214cが配置されており、LED214cによって発光装飾されるようになっている。
この右サイド装飾ユニット200は、サイド装飾フレーム202、サイド上部装飾部材204、右サイド上装飾基板カバー218、及び右サイド下装飾基板カバー220が不透光性の部材によって形成されており、サイド装飾フレーム202及びサイド上部装飾部材204の表面には所定色のメッキ層が形成されている。また、右サイド装飾ユニット200のサイド上部装飾レンズ206、サイド上部カバー208、サイドレンズ210、サイドインナーレンズ212、上部スピーカカバー226、上部スピーカブラケット224、及びサイドサブレンズ228は、透光性の部材によって形成されており、サイド上部カバー208の略全体が乳白色に、サイド上部装飾レンズ206、サイドレンズ210、サイドインナーレンズ212、上部スピーカブラケット224、上部スピーカカバー226、及びサイドサブレンズ228が略透明とされている。
なお、詳細な図示は省略するが、略透明に形成されたサイドレンズ210及び上部スピーカカバー226の裏面側と、サイドインナーレンズ212及び上部スピーカブラケット224の表面側は、多面体状に形成されており、光を乱屈折させることができるようになっている。そのため、サイドレンズ210及びサイドインナーレンズ212の後側に配置された右サイド上装飾基板214や右サイド下装飾基板216の表面(前面)に実装されたLED214a,214b,216a,216b等が、遊技者側から明確に視認することができないようになっている。また、右サイド上装飾基板214や右サイド下装飾基板216の前面は、白色とされており、実装されたLED214a,214b,216a,216b等の光によって右サイド装飾ユニット200を効率良く発光装飾させることができるようになっていると共に、LED214a,214b,216a,216bが非点灯時に各装飾基板214,216が目立たないようになっている。なお、右サイド上装飾基板214及び右サイド下装飾基板216は、夫々周辺制御部4140と接続されており、周辺制御部4140からの駆動信号(発光駆動信号)により各LED214a,214b,214c,216a,216bを適宜発光させて、右サイド装飾ユニット200を発光装飾させることができるようになっている。
本例の右サイド装飾ユニット200におけるサイド装飾フレーム202は、図示するように、全体が遊技窓101に略沿った円弧状に形成されており、具体的には、遊技窓101の外周に沿った円弧状の内側枠202aと、内側枠202aに対して外側へ離反した位置に配置され下端から上部にかけて扉枠5(扉枠ベースユニット100)の側面外周に沿った直線状とされると共に続く上部が内側枠202aの上端縁へ向かって湾曲するように円弧状に形成された外側枠202bと、外側枠202bと内側枠202aの上端縁同士を連結する上端枠202cと、外側枠202bと内側枠202aの下端縁同士を連結する下端枠202dと、内側枠202a及び外側枠202bの周方向に沿って複数箇所(本例では四箇所)に配置され内側枠202aと外側枠202bとを連結すると共に所定幅のスリット202eを有した隔壁枠202fと、を備えている。
このサイド装飾フレーム202の内側枠202aは、前後方向に対して略同じ位置で遊技窓101の周方向へ略同じ幅で延びている。一方、外側枠202bは、扉枠5の側面に沿って延びる直線状の部位における後端が内側枠202aの後端と略同じ位置で直線状に形成されているのに対して、前端は上下の両端が前方へ突出するような円弧状に形成されている。また、外側枠202bの直線状に上下に延びた部位よりも上側の湾曲した円弧状の部位は、上端縁側が前方へ突出するように前後方向にも湾曲した円弧状に形成されている。また、サイド装飾フレーム202の隔壁枠202fは、内側枠202aと外側枠202bとの間の部位が最も前方へ突出するように前後方向に湾曲した形状とされている。この隔壁枠202fは、扉枠5を組立てた状態で遊技窓101の中央下部付近から放射状に延びた放射線上に配置されている(図17等を参照)。
このサイド装飾フレーム202は、図示するように、複数の隔壁枠202fによって内側枠202aと外側枠202bの間が周方向(長手方向)へ複数に分割された形態となっており、分割された夫々の開口が発光装飾開口202gとされ、後述するサイドレンズ210の周レンズ部210aが後側から嵌め込まれるようになっている。また、隔壁枠202fのスリット202eには、後側からサイドレンズ210の放射レンズ部210bが嵌め込まれるようになっている。更に、隔壁枠202fによりスリット202eと発光装飾開口202gとを仕切ることができ、夫々の発光態様を異ならせることができるようになっている。
右サイド装飾ユニット200のサイド上部装飾部材204は、図示するように、サイド装飾フレーム202における外側枠202bの円弧状に延びた上部に略沿って一定高さで左右方向へ延びていると共に、後面が窪んだ状態に形成されており、前面には前後方向に貫通する複数の開口部204aが形成されている。このサイド上部装飾部材204は、列設された開口部204aに沿った上側に縄文状のレリーフが施されている。
一方、サイド上部装飾レンズ206は、サイド上部装飾部材204の窪んだ後面内に嵌合可能な形状とされていると共に、サイド上部装飾部材204の後側から開口部204aを通ってその前端付近まで突出することが可能な複数の導光部206aを備えている。この導光部206aは、先端が多面体状に形成されており、サイド上部装飾部材204の開口部204aに挿入嵌合させることで、開口部204aに恰も宝石が嵌め込まれているように見せることができるようになっている。また、サイド上部装飾レンズ204の導光部206aによって後側に配置された右サイド上装飾基板214からの光をサイド上部装飾部材204の開口部204aから前方(遊技者側)へ放射させることができると共に、導光部206aの先端を宝石として輝かせることができるようになっている。
右サイド装飾ユニット200のサイド上部カバー208は、その上面及び右側面(正面視で)が扉枠5(扉枠ユニットベース100)の外周と略沿った形状とされていると共に、下面(下端)がサイド上部装飾部材204と略沿った形状とされている。このサイド上部カバー208は、前面下部に、サイド上部装飾部材204を収容可能となるように、下方が開放されると共に後方へ窪んだ取付段部208aが形成されており、取付段部208aの後端面にサイド上部装飾部材204等を取付けるための取付ボスや取付穴等が形成されている。また、サイド上部カバー208の右側面には、上下に配置された二つの切欠部208bが形成されており、この切欠部208bを介して内部に取付けられるサイドサブレンズ228が表面側へ望むようになっている。サイド上部カバー208の切欠部208bにサイドサブレンズ228が嵌め込まれることで、この部位のみ異なる態様で発光させることができるようになっている。
右サイド装飾ユニット200のサイドレンズ210は、サイド装飾フレーム202と略沿った形状とされると共に、後面が窪んだ形状とされており、サイド装飾フレーム202の発光装飾開口202gに後から挿入される周レンズ部210aと、サイド装飾フレーム202のスリット202eに後から挿入される放射レンズ部210bと、を備えている。なお、図示するように、このサイドレンズ210は、サイド装飾フレーム202の上端枠202cに接する発光装飾開口202gと対応する周レンズ部210aを備えておらず、該当する部位は、前方及び下方に開放された収容段部210cとされている。この収容段部210c内には、後述する右上部スピーカ222や上部スピーカブラケット224等が収容されるようになっている。また、サイドレンズ210は、収容段部210cの上面を形成しサイド上部カバー208における取付段部208aの後側に固定される取付部210dを備えている。
このサイドレンズ210は、周レンズ部210a及び放射レンズ部210bの前面が、サイド装飾フレーム202の隔壁枠202fの前端と略沿うように、前側へ膨出した湾曲面形状とされている。また、詳細な図示は省略するが、周レンズ部210aの裏面(内面)側は、互いに異なる方向を向いた複数の面によって多面体状に形成されており、周レンズ部210aの板厚が不均一となることで、周レンズ部210aを透過する光が乱屈折するようになっている。また、この多面体状に形成された内面により、周レンズ部210aがキラキラした特徴的な外観を呈することができるようになっている。
サイドインナーレンズ212は、サイドレンズ210の内部に後側から挿入嵌合されるものであり、図示するように、サイドレンズ210における周レンズ部210a及び放射レンズ部210bが形成された部位と対応するように形成されており、後面が窪んだ本体部212aと、本体部212aの後端から連続し本体部212aよりも前方へ突出すると共に放射レンズ部210b(サイド装飾フレーム202のスリット202e)と対応した位置に配置される板状の導光部212bと、を備えている。このサイドインナーレンズ212の本体部212aは、その前面がサイドレンズ210の内面に対して所定距離控えた状態に形成されている。また、詳細な図示は省略するが、サイドインナーレンズ212における本体部212aの一方の面には、サイドレンズ210の周レンズ部210aと同様に、互いに異なる方向を向いた複数の面によって多面体状に形成されており、本体部212aの板厚が不均一となることで、本体部212aを透過する光が乱屈折するようになっている。
このサイドインナーレンズ212は、サイドレンズ210と組合わせることで、周レンズ部210a及び本体部212aを透過する光を二重に乱屈折させることができ、反対側に配置された物の形状等をほとんど認識することができないようになっている。また、乱屈折と共に多面体状による乱反射により、サイドレンズ210(周レンズ部210a)の外観をキラキラさせると共に遠近感が不明瞭な不思議な感じに見せることができるようになっている。
右サイド装飾ユニット200の右サイド上装飾基板214及び右サイド下装飾基板216は、表面に高輝度のカラーLEDが複数実装されており、サイド装飾フレーム202の発光装飾開口202g(サイドレンズ210の周レンズ部210a)と対応する位置に配置されたLED214a,216aは比較的照射角度の広いもの(例えば、60゜〜180゜)が用いられており、サイド装飾フレーム202のスリット202e(サイドレンズ210の放射レンズ部210b)と対応する位置に配置されたLED214b,216bは比較的照射角度の狭いもの(例えば、15゜〜60゜)が用いられている。なお、サイドサブレンズ228を発光装飾させる右サイド上装飾基板214のLED214cは、本例では、赤色のLEDとされている。
右サイド装飾ユニット200の右上部スピーカ222は、サイドスピーカ130と同様に、中高音域の音を出力するものであり、上部スピーカブラケット224により所定位置に所定方向へ向けて取付けられるようになっている。この右上部スピーカ222を支持する上部スピーカブラケット224は、正面視でパチンコ機1の左右中央で斜め前下方に向かって突出する円筒状のホーン部224aを備えている。そして、上部スピーカブラケット224におけるホーン部224aの上端裏側に、右上部スピーカ222が固定されるようになっており、正面視では、ホーン部224aによって右上部スピーカ222が遊技者側から見えないようになっている。
本例の右上部スピーカ222は、上部スピーカブラケット224のホーン部224aによって、パチンコ機1の上部から下方の遊技者へ向かって発せられるようになっており、他のパチンコ機に対して騒音に為り難いようになっている。なお、詳細な図示は省略するが、この上部スピーカブラケット224もまた、その前面が、サイドレンズ210の周レンズ部210aやサイドインナーレンズ212の本体部212aと同様に、互いに異なる方向を向いた複数の面によって多面体状に形成されており、その板厚が不均一となることで、上部スピーカブラケット224を透過する光が乱屈折するようになっている。
また、上部スピーカブラケット224の前面側を覆う上部スピーカカバー226は、サイド装飾フレーム202における上端枠202cに接する発光装飾開口202gを閉鎖するようにサイド装飾フレーム202の後側から嵌合されると共に、その表面が、サイドレンズ210の表面と連続するような湾曲面形状に形成されている。また、上部スピーカカバー226の表面には貫通孔226aが複数形成されており、右上部スピーカ222からの音を遊技者側へ充分に透過させることができるようになっている。
なお、詳細な図示は省略するが、この上部スピーカカバー226もまた、その内面側が、サイドレンズ210の周レンズ部210aやサイドインナーレンズ212の本体部212aと同様に、互いに異なる方向を向いた複数の面によって多面体状に形成されており、その板厚が不均一となることで、上部スピーカカバー226を透過する光が乱屈折するようになっている。従って、上部スピーカカバー226及び上部スピーカブラケット224において、光が乱屈折することで、遊技者側から右上部スピーカ222や上部スピーカカバー226に形成された貫通孔226aを視認し難くすることができると共に、サイドレンズ210の周レンズ部210aと同様の見栄えの外観とすることができるようになっている。
[1−2C.左サイド装飾ユニット]
続いて、扉枠5における左サイド装飾ユニット240について、主に図34乃至図36を参照して説明する。図34(A)は扉枠における左サイド装飾ユニットの正面斜視図であり、(B)は扉枠における左サイド装飾ユニットの背面斜視図である。また、図35は、左サイド装飾ユニットを分解して前から見た分解斜視図である。更に、図36は、左サイド装飾ユニットを分解して後から見た分解斜視図である。
本実施形態における扉枠5の左サイド装飾ユニット240は、図示するように、遊技窓101の前側外周のうち、正面視で下部を除く左側半分を装飾するものであり、内側が遊技窓101に沿って円弧状に形成されていると共に、外側が扉枠ベースユニット100の外周に沿って直線状に形成されており、右サイド装飾ユニット200と略対称に形成されている。この左サイド装飾ユニット240は、左サイド装飾ユニット240の骨格を形成するサイド装飾フレーム242と、サイド装飾フレーム242の上辺に沿って配置されるサイド上部装飾部材244と、サイド上部装飾部材244に対して後側から嵌合するサイド上部装飾レンズ246と、サイド装飾フレーム242及びサイド上部装飾部材244の上側を被覆すると共に、サイド上部装飾レンズ246を挟むようにサイド上部装飾部材244が前側に取付けられるサイド上部カバー248と、サイド上部カバー248の下部を支持すると共にサイドフレーム242に対して後側から嵌合固定されるサイドレンズ250と、サイドレンズ250の裏側に嵌合されるサイドインナーレンズ252と、を備えている。
また、左サイド装飾ユニット240は、サイドインナーレンズ252の後側で上下方向の略中央から上側に配置され表面に複数のLED254a(フルカラーLED),254b(白色LED)が実装された左サイド上装飾基板254と、下側でサイドインナーレンズ252の上下方向の略中央から下側に配置され表面に複数のLED256a(フルカラーLED),256b(白色LED)が実装された左サイド下装飾基板256と、左サイド上装飾基板254の後側を覆い左サイド上装飾基板254を挟むようにサイドインナーレンズ252に取付けられる左サイド上装飾基板カバー258と、左サイド下装飾基板256の後側を覆い左サイド下装飾基板256を挟むようにサイドレンズ250及びサイド装飾フレーム242に取付けられる左サイド下装飾基板カバー260と、を備えている。
更に、左サイド装飾ユニット240は、サイド装飾フレーム242の正面視で右上部に配置される左上部スピーカ262と、左上部スピーカ262を支持しサイド装飾フレーム242の後側上部に嵌合される上部スピーカブラケット264と、上部スピーカブラケット264とサイド装飾フレーム242との間に挟持される上部スピーカカバー266と、を備えている。
この左サイド装飾ユニット240は、サイド装飾フレーム242、サイド上部装飾部材244、左サイド上装飾基板カバー258、及び左サイド下装飾基板カバー260が不透光性の部材によって形成されており、サイド装飾フレーム242及びサイド上部装飾部材244の表面には所定色のメッキ層が形成されている。また、左サイド装飾ユニット240のサイド上部装飾レンズ246、サイド上部カバー248、サイドレンズ250、サイドインナーレンズ252、上部スピーカカバー266、及び上部スピーカブラケット264は、透光性の部材によって形成されており、サイド上部カバー248の略全体が乳白色に、サイド上部装飾レンズ246、サイドレンズ250、サイドインナーレンズ252、上部スピーカブラケット264、及び上部スピーカカバー266が略透明とされている。
なお、詳細な図示は省略するが、略透明に形成されたサイドレンズ250及び上部スピーカカバー266の裏面側と、サイドインナーレンズ252及び上部スピーカブラケット264の表面側は、多面体状に形成されており、光を乱屈折させることができるようになっている。そのため、サイドレンズ250及びサイドインナーレンズ252の後側に配置された左サイド上装飾基板254や左サイド下装飾基板256の表面(前面)に実装されたLED254a,254b,256a,256b等が、遊技者側から明確に視認することができないようになっている。また、左サイド上装飾基板254や左サイド下装飾基板256の前面は、白色とされており、実装されたLED254a,254b,256a,256b等の光によって左サイド装飾ユニット240を効率良く発光装飾させることができるようになっていると共に、LED254a,254b,256a,256bが非点灯時に各装飾基板254,256が目立たないようになっている。なお、左サイド上装飾基板254及び左サイド下装飾基板256は、夫々周辺制御部4140と接続されており、周辺制御部4140からの駆動信号(発光駆動信号)により各LED254a,254b,256a,256bを適宜発光させて、左サイド装飾ユニット240を発光装飾させることができるようになっている。
本例の左サイド装飾ユニット240におけるサイド装飾フレーム242は、図示するように、全体が遊技窓101に略沿った円弧状に形成されており、具体的には、遊技窓101の外周に沿った円弧状の内側枠242aと、内側枠242aに対して外側へ離反した位置に配置され下端から上部にかけて扉枠5(扉枠ベースユニット100)の側面外周に沿った直線状とされると共に続く上部が内側枠242aの上端縁へ向かって湾曲するように円弧状に形成された外側枠242bと、外側枠242bと内側枠242aの上端縁同士を連結する上端枠242cと、外側枠242bと内側枠242aの下端縁同士を連結する下端枠242dと、内側枠242a及び外側枠242bの周方向に沿って複数箇所(本例では四箇所)に配置され内側枠242aと外側枠242bとを連結すると共に所定幅のスリット242eを有した隔壁枠242fと、を備えている。
このサイド装飾フレーム242の内側枠242aは、前後方向に対して略同じ位置で遊技窓101の周方向へ略同じ幅で延びている。一方、外側枠242bは、扉枠5の側面に沿って延びる直線状の部位における後端が内側枠242aの後端と略同じ位置で直線状に形成されているのに対して、前端は上下の両端が前方へ突出するような円弧状に形成されている。また、外側枠242bの直線状に上下へ延びた部位よりも上側の湾曲した円弧状の部位は、上端縁側が前方へ突出するように前後方向にも湾曲した円弧状に形成されている。また、サイド装飾フレーム242の隔壁枠242fは、内側枠242aと外側枠242bとの間の部位が最も前方へ突出するように前後方向に湾曲した形状とされている。この隔壁枠242fは、扉枠5を組立てた状態で遊技窓101の中央下部付近から放射状に延びた放射線上に配置されている(図17等を参照)。
このサイド装飾フレーム242は、図示するように、複数の隔壁枠242fによって内側枠242aと外側枠242bの間が周方向(長手方向)へ複数に分割された形態となっており、分割された夫々の開口が発光装飾開口242gとされ、後述するサイドレンズ250の周レンズ部250aが後側から嵌め込まれるようになっている。また、隔壁枠242fのスリット242eには、後側からサイドレンズ250の放射レンズ部250bが嵌め込まれるようになっている。更に、隔壁枠242fによりスリット242eと発光装飾開口242gとを仕切ることができ、夫々の発光態様を異ならせることができるようになっている。
左サイド装飾ユニット240のサイド上部装飾部材244は、図示するように、サイド装飾フレーム242における外側枠242bの円弧状に延びた上部に略沿って一定高さで左右方向へ延びていると共に、後面が窪んだ状態に形成されており、前面には前後方向に貫通する複数の開口部244aが形成されている。このサイド上部装飾部材244は、列設された開口部244aに沿った上側に縄文状のレリーフが施されている。
一方、サイド上部装飾レンズ246は、サイド上部装飾部材244の窪んだ後面内に嵌合可能な形状とされていると共に、サイド上部装飾部材244の後側から開口部244aを通ってその前端付近まで突出することが可能な複数の導光部246aを備えている。この導光部246aは、先端が多面体状に形成されており、サイド上部装飾部材244の開口部244aに挿入嵌合させることで、開口部244aに恰も宝石が嵌め込まれているように見せることができるようになっている。また、サイド上部装飾レンズ244の導光部246aによって後側に配置された左サイド上装飾基板254からの光をサイド上部装飾部材244の開口部244aから前方(遊技者側)へ放射させることができると共に、導光部246aの先端を宝石として輝かせることができるようになっている。
左サイド装飾ユニット240のサイド上部カバー248は、その上面及び左側面(正面視で)が扉枠5(扉枠ユニットベース100)の外周と略沿った形状とされていると共に、下面(下端)がサイド上部装飾部材244と略沿った形状とされている。このサイド上部カバー248は、前面下部に、サイド上部装飾部材244を収容可能となるように、下方が開放されると共に後方へ窪んだ取付段部248aが形成されており、取付段部248aの後端面にサイド上部装飾部材244等を取付けるための取付ボスや取付穴等が形成されている。また、サイド上部カバー248は、その外側側面(正面視で左側側面)に、扉枠ベースユニット100における補強ユニット150の上軸支部156を前側から被覆する被覆部248bを備えている。
左サイド装飾ユニット240のサイドレンズ250は、サイド装飾フレーム242と略沿った形状とされると共に、後面が窪んだ形状とされており、サイド装飾フレーム242の発光装飾開口242gに後から挿入される周レンズ部250aと、サイド装飾フレーム242のスリット242eに後から挿入される放射レンズ部250bと、を備えている。なお、図示するように、このサイドレンズ250は、サイド装飾フレーム242の上端枠242cに接する発光装飾開口242gと対応する周レンズ部250aを備えておらず、該当する部位は、前方及び下方に開放された収容段部250cとされている。この収容段部250c内には、後述する左上部スピーカ262や上部スピーカブラケット264等が収容されるようになっている。また、サイドレンズ250は、収容段部250cの上面を形成しサイド上部カバー248における取付段部248aの後側に固定される取付部250dを備えている。
このサイドレンズ250は、周レンズ部250a及び放射レンズ部250bの前面が、サイド装飾フレーム242の隔壁枠242fの前端と略沿うように、前側へ膨出した湾曲面形状とされている。また、詳細な図示は省略するが、周レンズ部250aの裏面(内面)側は、互いに異なる方向を向いた複数の面によって多面体状に形成されており、周レンズ部250aの板厚が不均一となることで、周レンズ部250aを透過する光が乱屈折するようになっている。また、この多面体状に形成された内面により、周レンズ部250aがキラキラした特徴的な外観を呈することができるようになっている。
サイドインナーレンズ252は、サイドレンズ250の内部に後側から挿入嵌合されるものであり、図示するように、サイドレンズ250における周レンズ部250a及び放射レンズ部250bが形成された部位と対応するように形成されており、後面が窪んだ本体部252aと、本体部252aの後端から連続し本体部252aよりも前方へ突出すると共に放射レンズ部250b(サイド装飾フレーム242のスリット242e)と対応した位置に配置される板状の導光部252bと、を備えている。このサイドインナーレンズ252の本体部252aは、その前面がサイドレンズ250の内面に対して所定距離控えた状態に形成されている。また、詳細な図示は省略するが、サイドインナーレンズ252における本体部252aの一方の面には、サイドレンズ250の周レンズ部250aと同様に、互いに異なる方向を向いた複数の面によって多面体状に形成されており、本体部252aの板厚が不均一となることで、本体部252aを透過する光が乱屈折するようになっている。
このサイドインナーレンズ252は、サイドレンズ250と組合わせることで、周レンズ部250a及び本体部252aを透過する光を二重に乱屈折させることができ、反対側に配置された物の形状等をほとんど認識することができないようになっている。また、乱屈折と共に多面体状による乱反射により、サイドレンズ250(周レンズ部250a)の外観をキラキラさせると共に遠近感が不明瞭な不思議な感じに見せることができるようになっている。
左サイド装飾ユニット240の左サイド上装飾基板254及び左サイド下装飾基板256は、表面に高輝度のカラーLEDが複数実装されており、サイド装飾フレーム242の発光装飾開口242g(サイドレンズ250の周レンズ部250a)と対応する位置に配置されたLED254a,256aは比較的照射角度の広いもの(例えば、60゜〜180゜)が用いられており、サイド装飾フレーム242のスリット242e(サイドレンズ250の放射レンズ部250b)と対応する位置に配置されたLED254b,256bは比較的照射角度の狭いもの(例えば、15゜〜60゜)が用いられている。
左サイド装飾ユニット240の左上部スピーカ262は、サイドスピーカ130と同様に、中高音域の音を出力するものであり、上部スピーカブラケット264により所定位置に所定方向へ向けて取付けられるようになっている。この左上部スピーカ262を支持する上部スピーカブラケット264は、正面視でパチンコ機1の左右中央で斜め前下方に向かって突出する円筒状のホーン部264aを備えている。そして、上部スピーカブラケット264におけるホーン部264aの上端裏側に、左上部スピーカ262が固定されるようになっており、正面視では、ホーン部264aによって左上部スピーカ262が遊技者側から見えないようになっている。
本例の左上部スピーカ262は、上部スピーカブラケット264のホーン部264aによって、パチンコ機1の上部から下方の遊技者へ向かって発せられるようになっており、他のパチンコ機に対して騒音に為り難いようになっている。なお、詳細な図示は省略するが、この上部スピーカブラケット264もまた、その前面が、サイドレンズ250の周レンズ部250aやサイドインナーレンズ252の本体部252aと同様に、互いに異なる方向を向いた複数の面によって多面体状に形成されており、その板厚が不均一となることで、上部スピーカブラケット264を透過する光が乱屈折するようになっている。
また、上部スピーカブラケット264の前面側を覆う上部スピーカカバー266は、サイド装飾フレーム242における上端枠242cに接する発光装飾開口242gを閉鎖するようにサイド装飾フレーム242の後側から嵌合されると共に、その表面が、サイドレンズ250の表面と連続するような湾曲面形状に形成されている。また、上部スピーカカバー266の表面には貫通孔266aが複数形成されており、左上部スピーカ262からの音を遊技者側へ充分に透過させることができるようになっている。
なお、詳細な図示は省略するが、この上部スピーカカバー266もまた、その内面側が、サイドレンズ250の周レンズ部250aやサイドインナーレンズ252の本体部252aと同様に、互いに異なる方向を向いた複数の面によって多面体状に形成されており、その板厚が不均一となることで、上部スピーカカバー266を透過する光が乱屈折するようになっている。従って、上部スピーカカバー266及び上部スピーカブラケット264において、光が乱屈折することで、遊技者側から左上部スピーカ262や上部スピーカカバー266に形成された貫通孔266aを視認し難くすることができると共に、サイドレンズ250の周レンズ部250aと同様の見栄えの外観とすることができるようになっている。
[1−2D.上部装飾ユニット]
続いて、扉枠5における上部装飾ユニット280について、主に図37乃至図40を参照して説明する。図37は、扉枠における上部装飾ユニットの正面斜視図であり、図38は、扉枠における上部装飾ユニットの背面斜視図である。また、図39は上部装飾ユニットを分解して前から見た分解斜視図であり、図40は上部装飾ユニットを分解して後から見た分解斜視図である。
本実施形態の扉枠5における上部装飾ユニット280は、図17等に示すように、扉枠5の前面中央上部で、右サイド装飾ユニット200及び左サイド装飾ユニット240における中央側の上端縁同士の間に取付けられ、それらの間を装飾するものである。この上部装飾ユニット280は、図示するように、正面視で全体の外形形状が略逆二等辺三角形状とされ、中央に大きく貫通する中央開口部281a、及び中央開口部281aの左右両側に貫通する一対の側開口部281bを有し中央開口部281aの上側に扉枠ベースユニット100における上部ブラケット120の先端が挿入される前面装飾部材281と、前面装飾部材281の中央開口部281a内に後側から嵌め込まれる中央レンズ282と、中央レンズ282の後端に配置されるインナーレンズ283と、前面装飾部材281の側開口部281bに後側から嵌め込まれる一対の側レンズ284と、正面視の外形が前面装飾部材281と類似した形状とされ中央レンズ282、インナーレンズ283、及び一対の側レンズ284を前面装飾部材281とで挟持するように前面装飾部材281の後側に取付けられる本体部材285と、本体部材285の後側に配置され前面に複数のカラーLED286a,286bが実装された上部装飾基板286と、正面視の外形が本体部と略同じ形状とされ上部装飾基板286を後側から覆うように本体部材285の後面に取付けられる基板カバー287と、を備えている。
また、上部装飾ユニット280は、前面装飾部材281の下端から連続するように屈曲しながら後方へ延出し前端上部が前面装飾部材281に支持されると共に後端が扉枠ベースユニット100に取付けられ下方へ向かって貫通する一対の下開口部288aを有した下面装飾部材288と、下面装飾部材288の下開口部288aに上側から嵌め込まれ下面装飾部材288及び基板カバー287に固定される下レンズ289と、を備えている。なお、本例では、前面装飾部材281及び下面装飾部材288の表面に金属的な光沢を有したメッキ層が形成されている。なお、上部装飾基板286のLED286aは、中央レンズ282と対応した位置に配置されていると共に、LED286bは、側レンズ284及び下レンズ289と対応した位置に配置されており、中央レンズ282と、側レンズ284及び下レンズ289とを夫々別々に発光装飾させることができるようになっている。また、本例では、LED286aがフルカラーLEDとされていると共に、LED286bが高輝度の白色LEDとされている。
本例の上部装飾ユニット280における前面装飾部材281は、その中央開口部281aの内周形状が、正面視で中央上端が左右へ延びた辺とされ中央下端が頂点とされ各辺が緩い円弧状に延びた変五角形状に形成されており、上辺両側の上側辺の略中央と下端頂点から中央開口部281a内へ延びだした三つの突出部を有している。また、前面装飾部材281は、中央開口部281aの上側辺の外側に、斜め外側上方へ向かって延びる複数の筋彫りが形成されており、この筋彫りによって前面装飾部材281は中央開口部281aから羽根が延びだしたような形状に形成されていると共に、筋彫りに沿うように側開口部281bが形成されている。
この前面装飾部材281の中央開口部281a内に嵌め込まれる中央レンズ282は、その外形が、中央開口部281aと略同じ形状とされており、前方へ膨出した形状とされていると共に、その前面が互いに異なる方向を向いた複数の面によって多面体状に形成されいる。本例の中央レンズ282は、透明(無色透明、有色透明)な樹脂によって形成されている。この中央レンズ282を前面装飾部材281の中央開口部281aに嵌め込むことで、中央レンズ282がトリリアントカットされたような宝石に見えると共に、前面装飾部材281が宝石の台座に見えるようになっている。
また、中央レンズ282の後側に配置されるインナーレンズ283は、中央レンズ282の後側の開口を閉鎖するように透明な樹脂で形成されていると共に、表面に微細なレンズ(又はプリズム)が複数形成されており、上部装飾基板286からの光を中央レンズ282側へ広く拡散させることができるようになっている。一方、前面装飾部材281の側開口部281b内に嵌め込まれる側レンズ284は、側開口部281bへ嵌め込んだ状態で、その前面が前面装飾部材281の前面と略連続するよう透明な樹脂によって形成されている。なお、側レンズ284の裏面側には、インナーレンズ282と同様に、微細なレンズ(又はプリズム)が複数形成されており、上部装飾基板286からの照射される光によって側レンズ284全体が略均一に発光することができるようになっている。
なお、インナーレンズ283及び側レンズ284は、表面に形成された複数の微細なレンズ等によって、白濁したような感じとなっており、インナーレンズ283及び側レンズ284を通して後側が明確に見えないようになっている。
上部装飾ユニット280の本体部材285は、前面装飾部材281の中央開口部281aの形状に略沿った外形で前後方向へ筒状に延び前端開口が斜め下方へ向かって傾斜すると共に閉鎖された後端が斜め上方へ向かって傾斜する中央部285aと、中央部285aの両側に配置され閉鎖された後端が中央部285aの後端と略同じ位置とされると共に前端が中央部285aよりも短く延びた凹陥状の側部285bと、中央部285a及び側部285bの後端面を貫通し上部装飾基板286に実装されたLED286a,286bと対応する位置に形成された複数の開口部285cと、を備えている。この本体部材285は、後側に上部装飾基板286を配置すると、上部装飾基板286のLED286aが開口部285c内に挿入配置されるようになっており、LED286aからの光が後側へ漏れないようになっている。また、本体部材285の中央部285a及び側部285bは前側から後側へ窪んだ形状となっており、夫々に対応したLED285a,286bからの光が側方へ影響しないようになっている。
また、上部装飾ユニット280の下面装飾部材288は、後方へ向かうに従って細くなるように形成されており、その左右の側面形状が、右サイド装飾ユニット200及び左サイド装飾ユニット240における上部スピーカカバー226,266の上端枠202c,242c寄り側の端部形状と略一致した形状とされていると共に、上部スピーカカバー226,266の上端枠202c,242c寄り側の端部が載置固定されるようになっている。なお、下レンズ289は、下面装飾部材288と上部スピーカカバー226,266との間に挟持されるようになっている。また、下レンズ289へは、右サイド装飾ユニット200及び左サイド装飾ユニット240の上部スピーカブラケット224,264を介して、右サイド上装飾基板214及び左サイド上装飾基板254からの光が供給されて発光するようになっている。
[1−2E.サイドスピーカカバー]
次に、扉枠5における一対のサイドスピーカカバー290について、主に図22乃至図25を参照して説明する。このサイドスピーカカバー290は、扉枠ベースユニット100に取付けられたサイドスピーカ130の前面を被覆して装飾するものであり、右サイド装飾ユニット200及び左サイド装飾ユニット240の下端と、皿ユニット300との間に配置されるものである。
このサイドスピーカカバー290は、扉枠ベースユニット100に取付けられたサイドスピーカ130の前面を覆うように湾曲した円盤状で複数の孔を有したカバー体291と、カバー体291の外周を前側から支持する円環状の開口部を有し右サイド装飾ユニット200及び左サイド装飾ユニット240の下端と連続するように形成された本体部材292と、本体部材292の下側に配置され皿ユニット300の下皿カバー328における左右後端と連続するように形成された下部部材293と、を備えている。なお、本例では、カバー体291が、所定のパンチングメタルによって形成されているので、表側から押されたり、叩かれたりしても、変形し難いようになっており、サイドスピーカ130を可能な限り保護することができるようになっている。
このサイドスピーカカバー290は、本体部材292の表面に金属的な光沢を有したメッキ層が形成されている。また、下部部材293は、後述する皿ユニット300における下皿カバー328と同様の乳白色をした透光性の部材により形成されている。
本例のサイドスピーカカバー290は、右サイド装飾ユニット200及び左サイド装飾ユニット240や、皿ユニット300とは独立して扉枠ベースユニット100の前面に取付けられるようになっており、扉枠ベース本体110の所定位置に形成された取付孔110h(図18を参照)を通して、扉枠ベース本体110の後側から挿通された所定のビスにより扉枠ベース本体100へ固定されるようになっている。
これにより、扉枠5における防犯カバー180を外した上で、扉枠5の後側からサイドスピーカカバー290を取付けているビスを外すことで、サイドスピーカカバー290を前側へ取外すことができ、更に、扉枠5の前側からスピーカブラケット132を取外すことで、サイドスピーカ130を取外すことができるようになっている。従って、何らかの理由によりサイドスピーカ130を交換する必要が生じた場合でも、扉枠5から右サイド装飾ユニット200及び左サイド装飾ユニット240や、皿ユニット300等を取外さなくてもサイドスピーカ130の前面を覆うサイドスピーカカバー290のみを簡単に取外すことができ、サイドスピーカ130を容易に交換することができるようになっている。
このように、本例では、扉枠5における扉枠ベース本体110の前面で右サイド装飾ユニット200,左サイド装飾ユニット240と皿ユニット300との間に取付けられたサイドスピーカ130を交換するには、まず、サイドスピーカカバー290におけるスピーカの前側に配置された本体部材292が扉枠ベース本体110に対して後側から脱着可能に取付けられているので、本体枠3の前面を閉鎖している扉枠5を前側へ開き、扉枠5の後側から扉枠ベース本体110に対する本体部材292の取付けを外した上で、本体部材292及びカバー体291を扉枠ベース本体110(扉枠5)の前側へ移動させて扉枠5から取外すと、扉枠5の前側からサイドスピーカ130が臨むようになる。このサイドスピーカ130は、扉枠ベース本体110に対して前側から取付けられたスピーカブラケット132によって挟持されているので、本体部材292を取外した後に、扉枠5の前側から扉枠ベース本体110に対するスピーカブラケット132の取付けを外してサイドスピーカ130の挟持を解除し、更にサイドスピーカ130を前側へ移動させることで、左右のサイド装飾ユニット200,240や皿ユニット300を扉枠5(扉枠ベース本体110)から取外さなくても扉枠5からサイドスピーカ130を取外すことができると共に、扉枠5に取付けられたサイドスピーカ130を簡単に交換することが可能なパチンコ機1とすることができる。
また、遊技中に遊技者等が扉枠5(サイドスピーカカバー290)を叩いたりしてサイドスピーカ130が破損した場合でも、上述したように、扉枠5に取付けられたサイドスピーカ130を簡単に交換することができるので、サイドスピーカ130の交換による遊技の中断時間を可及的に短くすることができ、中断が長引くことで遊技者が苛付いたり関心が薄れたりして興趣を低下させてしまうのを抑制することができる。
また、サイドスピーカ130を、スピーカブラケット132と扉枠ベース本体110とで挟持するようにしており、サイドスピーカ130に取付けるための取付片や取付孔等が無くてもサイドスピーカ130を扉枠5(扉枠ベース本体110)へ取付けることができるので、サイドスピーカ130に取付片や取付孔等を備える必要が無く、サイドスピーカ130にかかるコストを低減させることができ、パチンコ機1にかかるコストが増加するのを抑制することができる。
更に、サイドスピーカ130の前面を被覆するカバー体291を複数の貫通孔を有した金属板(パンチングメタル)で形成しているので、遊技者等がカバー体291を叩いても、カバー体291が変形したり破損したりするのを可及的に低減させることができ、サイドスピーカ130を充分に保護して不具合の発生を抑制することができると共に、パチンコ機1の耐久性を高めることができる。
また、左右のサイド装飾ユニット200,240と皿ユニット300との間にサイドスピーカ130を覆うサイドスピーカカバー290を備えるようにしているので、サイドスピーカ130が比較的遊技者から近い位置に位置することとなり、遊技者等によって叩かれたりして破損する頻度が高くなる虞があるが、上述したように、サイドスピーカ130を簡単に交換することができ、遊技の中断時間を可及的に短くして遊技者の興趣が低下するのを抑制することができる。また、サイドスピーカ130を遊技者に対して可及的に近い位置に配置しているので、サイドスピーカ130から出力されるサウンドをより効率良く遊技者に聴かせることができ、迫力あるサウンドを提供することができると共に、サウンド演出を楽しませて遊技者の遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができる。
また、サイドスピーカ130を左右のサイド装飾ユニット200,240と皿ユニット300との間に配置しているので、サイド装飾ユニット200,240による装飾の連続性を維持することができると共に、サイド装飾ユニット200,240と皿ユニット300との間を違和感無く繋ぐことができ、サイドスピーカカバー290によって見栄えが悪くなるのを防止して遊技者の関心を強く引付けられるパチンコ機1とすることができる。また、サイドスピーカカバー290における本体部材292の表面形状を、サイド装飾ユニット200,240や皿ユニット300の表面形状と連続するように形成しているので、サイドスピーカカバー290をサイド装飾ユニット200,240や皿ユニット300と一体的な感じに見せることが可能となり、サイド装飾ユニット200,240等とは別にサイドスピーカ130を前面側に備えても遊技者に対して違和感を与え難くすることができ、扉枠5(パチンコ機1)の前面の意匠性を良好なものとすることができる。
更に、扉枠5からサイドスピーカカバー290の本体部材292を取外す際には、始めに扉枠5の後側に取付けられた防犯カバー180とガラスユニット590とを取外す必要があるので、本体部材292の取外しに若干時間がかかるようになり不正行為等を行おうとする者に対して取外作業を手間取らせることができると共に、比較的大きなガラスユニット590を取外すことで取外し作業を目立たせることができ、盗難行為や不正行為等を躊躇させて不正行為等に対する抑止力(安全性)の高いパチンコ機1とすることができるようになっている。
[1−2F.皿ユニット]
続いて、扉枠5における皿ユニット300について、主に図41乃至図44を参照して説明する。図41は、扉枠における皿ユニットの正面斜視図であり、図42は、扉枠における皿ユニットの背面斜視図である。また、図43は、皿ユニットを分解して前から見た分解斜視図であり、図44は、皿ユニットを分解して後から見た分解斜視図である。
本実施形態の扉枠5における皿ユニット300は、後述する賞球装置740から払出された遊技球を貯留するための上皿301及び下皿302を備えていると共に、上皿301に貯留した遊技球を球送りユニット580を介して後述する打球発射装置650へ供給することができるものである。本例の皿ユニット300は、図43及び図44等に示すように、扉枠ベースユニット100の下部前面に固定される左右方向延びた略板状の皿ユニットベース310と、皿ユニットベース310の前面略中央に固定され上方及び後方が開放され正面視左側(軸支側)が大きく前方へ膨出した皿状の上皿本体312と、上皿本体312の上部外周を覆うと共前端が正面視で左右方向中央が前方へ突出するように湾曲状に形成された上皿上部パネル314と、上皿上部パネル314の上側前端縁に取付けられ上下方向に貫通した複数の開口部316aを有する上皿前部装飾部材316と、上皿前部装飾部材316と上皿上部パネル314との間に配置され上皿前部装飾部材316の開口部316a内に嵌め込まれる複数の導光部318aを有した左右一対の上皿上部レンズ318と、上皿上部レンズ318とは上皿上部パネル314を挟んで反対側に配置されると共に上皿上部パネル314の下面に取付けられ上面に複数のカラーLED320a,322aが実装された上皿右装飾基板320及び上皿左装飾基板322と、上皿上部レンズ318と上皿上部パネル314との間に配置され上皿右装飾基板320及び上皿左装飾基板322からの光を上皿上部レンズ318側へ拡散させる複数の微細プリズムを有した上皿上部インナーレンズ319と、を備えている。
また、皿ユニット300には、上皿本体312の下側で皿ユニットベース310の前面に固定され上方及び後方が開放されると共に正面視で左右方向中央が前方へ膨出し前端が左右方向中央へ向かうに従って低くなるように形成された皿状の下皿本体324と、下皿本体324の上部に固定され正面視で左右方向中央が下皿本体324と略同様に前方へ膨出し前端が左右方向中央へ向かうに従って高くなるように湾曲した板状の下皿天板326と、下皿天板326及び下皿本体324の前端に沿った開口部328aを有すると共に開口部328aの外周を覆う下皿カバー328と、下皿カバー328の左右両側に配置され前後方向に貫通した開口部330aを有する皿サイド中カバー330と、皿サイド中カバー330の開口部330aに後側から嵌め込まれる皿サイド中カバーレンズ332と、皿サイド中カバー330の左右両外側に配置され扉枠ベースユニット100の左右両端と対応する位置まで左右方向へ延びた皿サイド外カバー334と、を備えている。なお、正面視で右側に配置される皿サイド中カバー330には、その右端部に後述する錠装置1000のシリンダ錠1010が臨む錠孔330bが形成されている。また、正面視で右側の皿サイド外カバー334には、前方からハンドル装置500が挿入されるハンドル挿通孔334aが形成されている。
更に、皿ユニット300には、皿ユニットベース310及び上皿本体312に取付けられ上皿301に貯留された遊技球を下皿302へ抜くための上皿球抜き機構340と、下皿本体324の下面に取付けられ下皿302に貯留された遊技球を下方へ抜くための下皿球抜き機構350と、皿ユニットベース310の正面視で左側上部に取付けられパチンコ機1に隣接して設置された球貸し機(CRユニット6とも称す、図172を参照)を作動させる貸球ユニット360と、を備えている。
本例の皿ユニット300は、皿ユニットベース310の一部、上皿本体312、及び上皿上部パネル314等によって遊技球を貯留可能な上皿301を構成している。また、皿ユニット300は、皿ユニットベース310の一部、下皿本体324、下皿天板326、及び下皿カバー328等によって遊技球を貯留可能な下皿302を構成している。
この皿ユニット300における皿ユニットベース310は、図43に示すように、左右方向へ延びた略板状に形成されており、左右へ延びた上端縁には所定形状の形成された装飾部310aが備えられている。この装飾部310aの左端に前後方向へ貫通し貸球ユニット360を取付けるための貸球ユニット取付部310bが形成されている。この皿ユニットベース310は、貸球ユニット取付部310bの下側(正面視で左上隅部近傍)に配置され横長の矩形状で前後方向に貫通する上皿球供給口310cと、上皿球供給口310cよりも下側(皿ユニットベース310の高さ方向の略中間)で装飾部310aの右端近傍の下側に前後方向へ貫通し上下方向へ延びた上皿球排出口310dと、上皿球排出口310d及び上皿球供給口310cの直下に配置され前方へ突出すると共に上面が同じ高さとされた一対の下皿支持部310eと、を備えている。なお、上皿球排出口310dは、直下に配置された下皿支持部310eの上面の前後方向中間位置まで連続して形成されている。
また、皿ユニット300は、一対の下皿支持部310eの間に配置され下皿本体324及び下皿天板326の後端と嵌合し正面視で横長の矩形環状に形成された下皿支持溝310fと、下皿支持溝310fによって囲まれた部位の中央右寄りの下部に配置され前後方向に貫通する矩形状の下皿球供給口310gと、を備えている。更に、皿ユニットベース310は、図44に示すように、下皿球供給口310gと連続するように後方へ筒状に延びた下皿球供給樋310hと、下皿球供給樋310hの開放側側面に形成され遊技球が通過可能な大きさの切欠部310iと、を備えている。
この皿ユニットベース310の上皿球供給口310cは、扉枠ベースユニット100における扉枠ベース本体110及び補強ユニット150の切欠部101a,162を介して扉枠ベースユニットの後側に取付けられるファールカバーユニット540の第一球出口544aと連通するようになっている。この上皿球供給口310cの前端には、正面視右方向へ長く延び後方へ窪んだ誘導凹部310jを備えている。この誘導凹部310jは、左右方向に対しては正面視右端側が若干低くなるように傾斜していると共に、前後方向に対しては前端側が低くなるように傾斜している。これにより、誘導凹部310jの前端と上皿本体312の底面との高低差は、誘導凹部310j右端へ向かうほど高くなるようになっており、誘導凹部310jの右端では、上皿本体312の底面との高低差が遊技球の外径よりも若干高くなるようになっている。
従って、本例では、上皿301内に貯留された遊技球によって上皿球供給口310cの前側が閉鎖された場合、ファールカバーユニット540を介して賞球装置740から払出された遊技球が、上皿球供給口310cから直線的に前方の上皿301内に出ることができなくなるので、払出された遊技球は上皿球供給口310cの前側を閉鎖した遊技球に当接してその転動方向が変化し、誘導凹部310j内を正面視右方向へと転動するように誘導され、誘導凹部310jの右端付近から上皿301内に貯留された遊技球の上側へと放出されることとなる。これにより、上皿301内において遊技球を自動的に上下二段に貯留させることができるので、上皿球供給口310cの前を遊技球が塞いだ時に遊技者が手で遊技球を寄せなくても払出された遊技球を上皿301内に供給(放出)し続けることが可能となり、上皿301への遊技球の貯留に対して遊技者が煩わしく感じてしまうのを抑制することができ、遊技者を遊技球の打込操作や打ち込まれた遊技球による遊技に専念させて遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができると共に、上皿301における遊技球の貯留量を多くすることができるようになっている。
皿ユニットベース310の上皿球排出口310dは、上皿球抜き機構340における上皿球抜きベース344の開口部344a、及び扉枠ベースユニット100における扉枠ベース本体110の球送り開口113、を介して扉枠ベースユニット100の後側に取付けられる球送りユニット580の進入口581aと連通するようになっている。更に、下皿球供給口310gは、その後側から後方へ延びた下皿球供給樋310hが、扉枠ベースユニット100における扉枠ベース本体110の球通過口110fを貫通して後方へ延出した上で、扉枠ベースユニット100の後側に取付けられるファールカバーユニット540の第二球出口544bに接続されていると共に、下皿球供給樋310hの切欠部310iが、上皿球抜き機構340における上皿球抜きベース344の球抜き流路344cと接続されている。
なお、本例では、図示するように、下皿球供給口310gの前端には、正面視で左方向へ広がった拡口部310kを備えており、この拡口部310kによって下皿球供給口310gの前端が左右方向へ広がった状態となっている。これにより、下皿球供給口310gの前側に溜まった下皿301内の遊技球により下皿球供給口310gにおいて早期に球詰りが発生してしまうのを抑制することができ、より多くの遊技球を下皿301内へ供給することができるようになっている。
皿ユニット300の上皿本体312は、正面視で中央よりも左側(軸支側)が前方へ膨出し、底面が全体的に左端側(開放側)及び後端側が低くなるように形成されている。この上皿本体312の底面は、軸支側の後端が皿ユニットベース310における上皿球供給口310cの底辺付近に、開放側の後端が皿ユニットベース310における上皿球排出口310dの上下方向中間位置付近に、夫々位置するように形成されており、上皿球供給口310cから上皿本体312(上皿301)に供給された遊技球が、上皿球排出口310dへ誘導されるようになっている。
なお、上皿本体312は、底面の後端で左右方向中央から開放側に遊技球と接触可能な金属製の上皿レール312aが取付けられている。この上皿レール312aは、図示は省略するが、電気的に接地(アース)されており、遊技球に帯電した静電気を除去することができるようになっている。
皿ユニット300の上皿上部パネル314は、上皿本体312の上端から扉枠5の左右方向中央が前方へ突出するように湾曲状に延びだしており、上皿本体312の開放側よりも外側に上下方向へ貫通し後述する上皿球抜き機構340の上皿球抜きボタン341が取付けられる取付孔314aが形成されている。この上皿上部パネル314は、前端に上皿本体312の上部前端よりも一段下がった段状に形成され上皿前部装飾部材316を取付けるための装飾取付部314bと、左右方向の中央で上皿本体312よりも前側の位置で装飾取付部314bよりも更に下がった段状に形成され後述する操作ユニット400を取付けるための操作ユニット取付部314cと、を備えている。
なお、詳細な説明省略するが、上皿上部パネル314の装飾取付段部314bには、下面に取付けられる上皿右装飾基板320及び上皿左装飾基板322のLED320a,322aと対応した位置に上下方向に貫通する開口部や切欠部が形成されていると共に、操作ユニット取付部314cには、操作ユニット400と周辺制御部4140とを接続する配線コードが通過可能な開口部等が形成されている。
上部前部装飾部材316は、上皿上部パネル314の前端に沿って左右方向へ湾曲状に延びた形状とされ、その複数の開口部316aに下側から上皿上部レンズ318の導光部318aが嵌め込まれるようになっていると共に、上皿上部パネル314の装飾取付部314bに取付けることで上皿上部レンズ318を上皿上部パネル314とで挟持することができるようになっている。また、上皿上部レンズ318の下側には、表面に微細なレンズ(プリズム)を複数有した上皿上部インナーレンズ319が配置されており、上皿右装飾基板320や上皿左装飾基板322からの光を充分に拡散させて、上皿上部レンズ318全体を略均一に発光装飾させることができるようになっている。なお、図示するように、上皿前部装飾部材316における開口部316aの内周形状が洋梨状に形成されており、開口部316aに嵌め込まれる上皿上部レンズ318の導光部318aも同様の形状とされ、この導光部318aを嵌め込むことで、上皿前部装飾部材316の開口部316aに、ペアシェイプカットされたような宝石が嵌め込まれたような外観を呈するようになっている。
皿ユニット300の下皿本体324は、平面視で前方へ扇状に広がり後端が左右方向へ直線状に形成され上面の略中央が最も低くなるように形成された底板324aと、底板324aの中央に上下方向へ貫通するように形成された下皿球抜き孔324bと、底板324aの後端を除く前端及び側端から上方へ立上がる側板324cと、を備えている。この下皿本体324の側板324cは、底板324aの側端から上方へ立上がった上端が、前側が最も低く後側へ向かうに従って高くなるように曲線状に形成されていると共に、底板324aの側端から上方へ立上がった上端が直線状に形成されており、上端の直線状の部分に下皿天板326の左右両端が載置接続されるようになっている。
この下皿本体324は、底板324a及び側板324cの後端が、皿ユニットベース310の前面に形成された下皿支持溝310f内に挿入支持されるようになっている。また、下皿本体324の下皿球抜き孔324bは、底板324aの裏面側に配置される下皿球抜き機構350の開閉シャッター352によって閉鎖されるようになっている。
下皿カバー328は、正面視の外形が下側へ膨出し各辺が円弧の逆三角形状に形成されており、中央に前後方向へ貫通する開口部328aを備えている。この開口部328aの内形は、下皿本体324及び下皿天板326の前端により形成される形状と一致した形状とされており、下皿302の開口を形成するものである。また、下皿カバー328は、透光性を有した乳白色の樹脂によって形成されていると共に、図示は省略するが、裏側にカラーLEDが所定間隔で配置されており、下皿カバー328全体を発光装飾させることができるようになっている。
皿サイド中カバー330は、正面視で下皿カバー328の左右両外側に配置され、正面視で左右方向の略中央から扉枠5の側面まで下皿カバー328の下側側辺に沿って所定幅で延びており、扉枠5の側面まで延びた上部後端が扉枠ベースユニット100における扉枠ベース本体110の前面に取付けられるようになっている。この皿サイド中カバー330は、前後方向に貫通する開口部330aを備えており、開口部330a内に後側から皿サイド中カバーレンズ332が嵌め込まれるようになっている。更に、正面視で右側(開放側)の皿サイド中カバー330には、その外側端部(右側端部)付近で錠装置1000のシリンダ錠1010と対応した位置に前後方向に貫通する錠孔330bが形成されており、本体枠3に対して扉枠5を閉じた状態とすると、この錠孔330bからシリンダ錠1010の錠穴が臨むようになっている。
この皿サイド中カバー330は、その前端下部から後方へ延出する底板部330cを更に備えており、この底板部330cの後端が扉枠ベースユニット100における扉枠ベース本体110の前面に取付けられるようになっている。また、皿サイド中カバー330の底板部330cによって下皿本体324の下側の一部が被覆されるようになっている。
皿サイド外カバー334は、正面視で皿サイド中カバー330の左右両外側に配置され、正面視が扉枠5の側辺及び底辺に沿った略三角形状とされており、後方及び上方に開放された箱状に形成されている。本例では、右側(開放側)の皿サイド外カバー334に、扉枠ベースユニット100におけるハンドルブラケット140のと対応した位置に前後方向へ貫通するハンドル挿通孔334aが形成されている。この皿サイド外カバー334は、扉枠ベースユニット100における扉枠ベース本体110の前面に取付けられるようになっていると共に、一部が皿ユニットベース310に取付けられるようになっている。また、皿サイド外カバー334及び皿サイド中カバー330によって下皿本体324の中央部を除く下側が被覆されるようになっている。
皿ユニット300における上皿球抜き機構340は、上皿上部パネル314の取付孔314aに対して上下方向へ進退可能に取付けられる上皿球抜きボタン341と、上皿球抜きボタン341の操作に対して上皿球抜きボタン341の上下動よりも大きく上下動し皿ユニットベース310の前面側に支持される作動片342と、作動片342の上下動によって上下方向へスライドし後述する球送りユニット580における球抜き部材583の作動棹583cと当接する当接片343aを備え皿ユニットベース310の後側に配置される上皿球抜きスライダ343と、上皿球抜きスライダ343を上下方向へスライド可能に支持し皿ユニットベース310の後側に取付けられる上皿球抜きベース344と、を備えている。
この上皿球抜き機構340は、詳細な図示は省略するが、上皿球抜きボタン341が上側の移動端に位置するように、上皿球抜きボタン341と伴に上下動する作動片342がコイルバネによって上方側へ付勢されている。また、上皿球抜きスライダ343は、上皿球抜きベース344との間に備えられたコイルバネによって上方側へ付勢された状態となっている。
上皿球抜き機構340の上皿球抜きベース344は、皿ユニットベース310の上皿球排出口310dを閉鎖すると同時に上皿球排出口310dと連絡し前方へ向かって開口する開口部344a(図43を参照)と、上皿球抜きベース344の裏面側で開口部344aと連通し開口部344aを通過した遊技球を下方へ誘導した後に後方へ誘導する球誘導流路344b(図42及び図44を参照)と、球誘導流路344bの下側から下方へ延出した後に上皿球抜きベース344の下辺に略沿って背面視で右側(軸支側)の端部へ向かって延出し遊技球が流通可能とされた球抜き流路344cと、を備えている。
上皿球抜きベース344は、開口部344aが上皿球排出口310dと連通すると共に、開口部344aと連通する球誘導流路344bの下端が扉枠ベースユニット100における扉枠ベース本体110の球送り開口113を介して扉枠ベース本体110の後側に取付けられる球送りユニット580の進入口581aと連通するようになっており、上皿301内に貯留された遊技球を、球送りユニット580へ供給することができるようになっている。
また、上皿球抜きベース344の球抜き流路344cは、球誘導流路344bと隣接した上端が扉枠ベース本体110の球送り開口113を介して球送りユニット580の球抜口581bと連通していると共に、軸支側へ延びた下端が皿ユニットベース310における下皿球供給樋310hの切欠部310iと連通しており、球送りユニット580の球抜口581bから排出された遊技球を下皿302へ誘導することができるようになっている。なお、球抜き流路344cの後端下部は上皿球抜き流路カバー345によって閉鎖されている。
この上皿球抜き機構340は、コイルバネの付勢力に抗して上皿球抜きボタン341を下方へ押圧すると、上皿球抜きスライダ343が下方へスライドすると共に後方へ突出した当接片343aも下方へ移動する。そして、当接片343aの上面と当接する球送りユニット580における球抜き部材583の作動棹583cは、当接片343aが下方へ移動することで球抜き部材583の仕切部583aが所定方向へ回動し、仕切部583aによって仕切られた進入口581aと球抜口581bとの仕切りが解除されて進入口581aと球抜口581bとが連通した状態となる。これにより、上皿301に貯留された遊技球は、上皿球排出口310dから上皿球抜きベース344の開口部344a及び球誘導路344bを介して、球送りユニット580の進入口581aへ進入した上で球抜口581bから上皿球抜きベース344の球抜き流路344cへと排出され、皿ユニットベース310の下皿球供給樋310hを介して下皿球供給口310gから下皿302へ排出することができるようになっている。
なお、球送りユニット580の球抜き部材583は、その作動棹583cがコイルバネによって上方へ付勢された上皿球抜きスライダ343における当接片343aの上面と当接しているので、球抜き部材583の仕切部581a上に遊技球が勢い良く供給されても、その衝撃を、作動棹583cを介して上皿球抜きスライダ343を付勢するコイルバネによって吸収させることができ、球抜き部材583等が破損するのを防止することができると共に、遊技球が仕切部583aで跳ね返るのを防止することができるようになっている。
皿ユニット300における下皿球抜き機構350は、下皿本体324の下側で正面視左右に配置された皿サイド中カバー330の底板部330同士の間に配置される下皿球抜きベース351と、下皿球抜きベース351の上面に回動可能に軸支され下皿本体324の下皿球抜き孔324bを開閉可能な板状の開閉シャッター352と、開閉シャッター352を回動させると共に下皿球抜きベース351の上面に前後方向へスライド可能に支持された下皿球抜きスライダ353と、下皿球抜きスライダ353の前端に取付けられる下皿球抜きボタン354と、を備えている。
この下皿球抜きベース351は、下皿本体324の下皿球抜き孔324bと対向する位置に上下方向に貫通したベース球抜き孔351aを備えている。また、開閉シャッター352は、下皿球抜き孔324bを閉鎖可能な閉鎖部352aと、閉鎖部352aの前側に配置され下皿球抜き孔324bと略一致可能な上下方向に貫通したシャッター球抜き孔352bと、を備えており、下皿球抜きベース351との間でコイルバネによって閉鎖部352aが下皿球抜き孔324b及びベース球抜き孔351aを閉鎖する位置となるように付勢されている。
なお、詳細な図示は省略するが、開閉シャッター352は、下皿球抜きスライダ353と当接可能な当接ピンを備えており、この当接ピンが下皿球抜きスライダ353と当接することで、下皿球抜きスライダ353によって閉鎖部352a及びシャッター球抜き孔352bが後方へ移動するように回動させられたり、コイルバネの付勢力により下皿球抜きスライダ353を前方側へスライドさせたりすることができるようになっている。
また、下皿球抜きボタン354は、図示するように、皿ユニット300における下皿カバー328の左右方向中央下側で、左右の皿サイド中カバー330に挟まれた位置に配置されるようになっており、その表面形状が下皿カバー328や皿サイド中カバー330の表面形状に対して滑らかに連続するような形状とされている。
また、下皿球抜き機構350は、開閉シャッター352のシャッター球抜き孔352bが、下皿本体324の下皿球抜き孔324b及び下皿球抜きベース351のベース球抜き孔351aと略一致した回動位置に保持するために、下皿球抜きスライダ353を所定位置に保持する保持機構355を、更に備えている。
この下皿球抜き機構350は、下皿球抜きボタン354の表面形状が下皿カバー328等の表面形状と連続したような状態では、下皿球抜きボタン354が前方端へ移動した閉状態であり、開閉シャッター352の閉鎖部352aによって下皿本体324の下皿球抜き孔324bが閉鎖された状態となっている。この状態で、下皿本体324(下皿302)内に遊技球を貯留することができるようになっている。閉状態の下皿球抜きボタン354を、後方へ押圧しすると、下皿球抜きボタン354と下皿球抜きスライダ353とが後方へスライドすると共に、下皿球抜きスライダ353の後方へのスライドによって開閉シャッター352がコイルバネの付勢力に抗してその閉鎖部352a及びシャッター球抜き孔352bが後方へ移動するように回動することとなる。
そして、開閉シャッター352が後方へ回動することでシャッター球抜き孔352bが下皿球抜き孔324b及びベース球抜き孔351aと重なるようになり、やがて、シャッター球抜き孔352bと下皿球抜き孔324bとが一致し、下皿302に貯留された遊技球を下皿球抜き孔324bを介して皿ユニット300の下方へ排出することができる。なお、シャッター球抜き孔352bと下皿球抜き孔324bとが略一致する位置へ下皿球抜きスライダ353が後方へ移動すると、下皿球抜きスライダ353が保持機構355によってスライドが保持されるようになっており、下皿球抜きスライダ353のスライドがロック(保持)されることで下皿球抜きボタン354が後方へ後退した開状態のままとなると共に、シャッター球抜き孔352bが下皿球抜き孔3324bと一致した状態で保持され、下皿球抜きボタン354を押し続けていなくても、下皿302に貯留された遊技球を下方へ排出することができるようになっている。
一方、下皿球抜き孔324bを閉鎖する場合、後退した開状態の下皿球抜きボタン354を更に後方へ押圧すると、保持機構355による下皿球抜きスライド353の保持が解除されて、下皿球抜きスライド353がスライドすることができるようになり、コイルバネによって閉鎖部352aが下皿球抜き孔324bを閉鎖する方向へ付勢された開閉シャッター352が、その付勢力によって閉鎖部352aが下皿球抜き孔324bの方向(前方)へ移動する方向へ回動することとなる。そして、開閉シャッター352の前方への回動に伴って下皿球抜きスライド353が前方へスライドし、閉鎖部352aによって下皿球抜き孔324bが閉鎖されると共に、下皿球抜きボタン354が下皿カバー328等の前面と略一致した閉状態の位置に復帰し、下皿302内に遊技球を貯留することができるようになる。
なお、下皿球抜き機構350の保持機構355は、上記の機能を有した公知の技術を用いており、その詳細な機構については、説明を省略する。
皿ユニット300における貸球ユニット360は、後方へ押圧可能な貸球ボタン361及び返却ボタン362を備えていると共に、貸球ボタン361と返却ボタン362の間に貸出残表示部363を備えている。この貸球ユニット360は、パチンコ機1に隣接して設けられた球貸し機に対して現金やプリペイドカードを投入した上で、貸球ボタン361を押すと、所定数の遊技球を皿ユニット300の上皿301内へ貸出す(払出す)ことができると共に、返却ボタン362を押すと貸出された分の残りを引いた上で投入した現金の残金やプリペイドカードが返却されるようになっている。また、貸出残表示部363には、球貸し機に投入した現金やプリペイドカードの残数が表示されるようになっている。
この貸球ユニット360は、皿ユニットベース310における上端の装飾部310aに形成された球貸ユニット取付部310bに対して、後側から取付けられるようになっている。また、球貸ユニット360には、後面から後方へ突出し防犯カバー180における軸支側(正面視で左側)の装着弾性片185を装着係止する防犯カバー装着部364を備えている。
本例の皿ユニット300は、上皿301と下皿302とを備えており、貯留皿を二つ備えた従前のパチンコ機と同様な感じのパチンコ機1とすることができるので、昔ながらのパチンコ機を髣髴とさせることができ、新しいパチンコ機1(新機種のパチンコ機)でも遊技者に与える不安感等を低減させて遊技するパチンコ機として選択し易いパチンコ機1とすることができるようになっている。
[1−2G.操作ユニット]
次に、扉枠5における操作ユニット400について、主に図45乃至図50を参照して説明する。図45は、扉枠における操作ユニットの正面斜視図であり、図46は、扉枠における操作ユニットの背面斜視図である。また、図47は、操作ユニットを分解して右前上方から見た分解斜視図であり、図48は、操作ユニットを分解して右前下方から見た分解斜視図である。更に、図49は、操作ユニットの断面図であり、図50は、操作ユニットにおける押圧操作部押した状態で示す断面図である。
本実施形態の扉枠5における操作ユニット400は、正面視左右方向の略中央で上皿301の前面に配置され、遊技者が回転操作可能なダイヤル操作部401と、遊技者が押圧可能な押圧操作部405と、を備えており、遊技状態に応じて遊技者の操作を受付けたり、ダイヤル操作部401が可動したりすることができ、遊技者に対して遊技球の打込操作だけでなく、遊技中の演出にも参加することができるようにするものである。
この操作ユニット400は、円環状のダイヤル操作部401と、ダイヤル操作部401の円環内に挿入される円柱状の押圧操作部405と、ダイヤル操作部405の下端と連結される円環状の従動ギア410と、従動ギア410と噛合する円盤状の駆動ギア412と、駆動ギア412が回転軸に固定されるダイヤル駆動モータ414と、従動ギア410を回転可能に支持する円環状のギアレール416a、及び押圧操作部405を上下方向へ摺動可能に支持する円筒状のボタン支持筒416bを有した操作部保持部材416と、操作部保持部材416のボタン支持筒416b内に配置され押圧操作部405を上方へ付勢するバネ418と、操作部保持部材416のギアレール416a及びボタン支持筒416bが通過可能な開口420aを有し操作部保持部材416とダイヤル駆動モータ414とが下面に固定されるベース部材420と、ベース部材420の上面を覆いダイヤル操作部401の内筒部401aが通過可能な開口422aを有した上カバー422と、上カバー422の下側にベース部材420を挟むように取付けられベース部材420及びダイヤル駆動モータ414の下面を覆う下カバー424と、を主に備えている。
また、操作ユニット400は、上カバー422の上側を覆うようにベース部材420に固定されダイヤル操作部401の内筒部401aが通過可能な開口426a、及び開口426aの左右両側から外方へ延出し皿ユニット300における操作ユニット取付部314cへ固定するための固定部426bを有したカバー本体426と、カバー本体426の上面を覆う表面カバー428と、ベース部材420の上面に取付けられ操作部保持部材416のボタン支持筒416b及びダイヤル操作部401の内筒部401aが通過可能な開口430aを有し上面におけるダイヤル操作部401の円環と対応した位置に複数のカラーLED430bが実装されたダイヤル装飾基板430と、ベース部材420の下側に固定され、ダイヤル操作部401の回転を検知する一対の回転検知センサ432a,432b、押圧操作部405の操作を検知する押圧検知センサ432c、及び押圧操作部405の直下の上面に実装されたカラーLED432dを有したボタン装飾基板432と、を備えている。
本例の操作ユニット400におけるダイヤル操作部401は、透光性を有した素材により形成されており、上下方向へ延びた筒状の内筒部401aと、内筒部401aの上端から外方へ延出し表面に所定の装飾が施された円環状の天板部401bと、天板部401bの外周端から下方へ筒状に延出し内筒部401aよりも短い外筒部401cと、外筒部401cの下端から外側へ環状に延出する鍔部401dと、を主に備えている。このダイヤル操作部401における鍔部401dの外径は、上カバー422における開口422aの内径よりも大径とされている。また、ダイヤル操作部401は、内筒部401aの下端に連結係止部(図48を参照)を備えており、従動ギア410の連結係止爪410bが係止されることで、ダイヤル操作部401と従動ギア410とを連結することができるようになっている。
更に、ダイヤル操作部401は、上端から所定距離下がった位置に内筒部401aの内壁から中心方向へ突出した突出部401fを更に備えている。ダイヤル操作部401の突出部401fは、内筒部401aの内周に沿って環状に形成されている。この突出部401fは、詳細は後述するが、押圧操作部405におけるボタンキャップ407の段部407aと当接することができるようになっており、ボタンキャップ407の段部407aがダイヤル操作部401の突出部401fと当接することで、ボタンキャップ407(押圧操作部405)がこれ以上内筒部401e内へ没入するのを防止することができるようになっている(図50を参照)。
なお、図示するように、ダイヤル操作部401の突出部401fと、押圧操作部405におけるボタンキャップ407の段部407aは、互いの当接面が、ダイヤル操作部401の中心へ向かうに従って低くなるような傾斜面とされており、互いが当接した時の接触面積が大きくなるようになっている。これにより、押圧操作部405からの荷重をダイヤル操作部401側へより多く分散させる(逃がす)ことができると共に、ダイヤル操作部401からの振動を押圧操作部405側へ伝え易くすることができるようになっている。
また、操作ユニット400における押圧操作部405は、上端が閉鎖された円筒状に形成されており、有底筒状のボタン本体406と、ボタン本体406の上端を閉鎖するボタンキャップ407と、ボタンキャップ407の内側に配置されボタン本体406の上端とボタンキャップ407の間に挟持されるキャップインナ408と、を備えている。この押圧操作部405のボタン本体406は、底部下面が下方へ向かうに従って窄まる円錐台形状とされており、この円錐台形状の下面にコイル状のバネ418の上端が挿入されるようになっていると共に、円錐台形状の下端面中央に上下方向に貫通する貫通孔406aを備えており、この貫通孔406aを通してボタン装飾基板432のLED432dからの光がボタンキャップ407及びボタンインナ408へ照射されるようになっている。
また、ボタン本体406は、外周下部から下方へ向かって延出し下端が軸直角方向外方へ突出した一対の係止爪406bを有しており、この係止爪406bが操作部保持部材416のボタン支持筒416b内に形成された係止凸部416f(図49及び図50を参照)と係止することで、ボタン本体406がボタン支持部416bから抜けないように、上方への移動端を規制することができるようになっている。また、詳細な図示は省略するが、操作部保持部材416におけるボタン支持筒416b内には、ボタン本体406の係止爪406bが周方向へ移動するのを阻止する当接部を備えており、ボタン本体406(押圧操作部405)が、ボタン支持筒416b内で回転しないようになっている。なお、ボタン本体406の係止爪406bと、ボタン支持筒416b内の当接部との間には、周方向へ所定量の隙間が形成されており、その隙間によって、ボタン本体406が所定角度範囲内で回動することができるようになっている。
また、ボタン本体406は、係止爪406bとは外周下部の異なる位置から下方へ延出しボタン装飾基板432の押圧検知センサ432cによって検知可能な押圧検知片406cを備えている。この押圧検知片406cは、バネ418の付勢力に抗してボタン本体406(押圧操作部405)が下方へ移動すると、押圧検知センサ432cによって検知されるようになっている。
更に、押圧操作部405のボタンキャップ407は、図示するように、上下方向の略中央よりも下側の外径が上側よりも小径とされており、上側と下側との間に段部407aが形成されている。このボタンキャップ407(押圧操作部405)は、段部407aよりも下側が、ダイヤル操作部401における突出部401fの内径よりも小径とされていると共に、段部407aよりも上側が、ダイヤル操作部401の内筒部401aの内径よりも小径で突出部401fの内径よりも大径とされている。これにより、ボタンキャップ407(押圧操作部405)を、ダイヤル操作部401の上側から内筒部401a内へ挿入すると、ボタンキャップ407の段部407aがダイヤル操作部401の突出部401fに当接して、ボタンキャップ407(押圧操作部405)がこれ以上内筒部401e内へ没入することができないようになっている(図50を参照)。
更に、押圧操作部405のボタンキャップ407及びキャップインナ408は、透光性環有した素材によって形成されている。キャップインナ408の上面には「Push」の文字が表示されており、その文字がボタンキャップ407を通して外側から視認することができるようになっている。
操作ユニット400における従動ギア410は、円環状の外周に駆動ギア412と噛合する複数のギア歯を備えている。この従動ギア410は、その内径が操作部保持部材416におけるボタン支持筒416bの外径よりも若干大径とされていると共に、下面に操作部保持部材416のギアレール416aと当接する円環状の摺動面410aを備えている。この摺動ギア410をボタン支持筒416bへ挿入すると共に、摺動面410aをギアレール416a上に当接させることで、摺動ギア410がボタン支持筒416bと略同心状に摺動回転することができるようになっている。
また、従動ギア410は、上端の対向する位置から上方へ延出した上で内側へ向かって突出する一対の連結係止爪410bを備えており、この連結係止爪410bがダイヤル操作部401における内筒部401aの連結係止部401eと係止することで、従動ギア410とダイヤル操作部401とが一体回転可能に連結されるようになっている。
また、従動ギア410は、下端から下方へ突出し周方向に一定間隔で列設された複数の回転検知片410cを備えている。これら回転検知片410cは、ボタン装飾基板432に取付けられた一対の回転検知センサ432a,432bによって検知されるようになっており、詳細は後述するが、回転検知片410cと回転検知片410c同士の間に形成されたスリット410dとにより、回転検知片410cに対する各回転検知センサ432a,432bの検知パターンによって従動ギア410すなわちダイヤル操作部401の回転方向を検知することができるようになっている。なお、本例では、回転検知片410cとスリット410dにおける周方向の長さが、略同じ長さとされている。
また、操作ユニット400における駆動ギア412は、図示するように、従動ギア410と噛合する平歯車とされており、ダイヤル駆動モータ414の回転軸と一体回転可能に固定されている。また、ダイヤル駆動モータ414は、回転方向、回転速度、及び回転角度を任意に制御可能な公知のステッピングモータとされており、ダイヤル駆動モータ414によって回転軸を介して駆動ギア412を回転駆動させることで、従動ギア410を介してダイヤル操作部401を回転させることができるようになっている。また、ダイヤル駆動モータ414によって駆動ギア412(回転軸)を小刻みに正転・逆転を繰返させることで、ダイヤル操作部401を振動させるようにすることができる。また、回転検知センサ432a,342bからの検知信号等に基づいて所定回転角度毎にダイヤル駆動モータ414の回転を短時間停止させるようにすることで、ダイヤル操作部401の回転操作に対して、クリック感を付与することができるようになっている。
更に、操作ユニット400における操作部保持部材416は、従動ギア410を回転可能に支持する円環状のギアレール416aと、ギアレール416aの内側から上方へ筒状に突出し内部に押圧操作部405のボタン本体406を上下方向へ摺動可能に支持するボタン支持筒416bと、ボタン支持筒416b内の底部近傍の内周面に形成されボタン本体406の係止爪406bと係止可能な係止凸部416f(図49及び図50を参照)と、ボタン支持筒416b内の底部中央を貫通しボタン装飾基板432に実装されたLED432dからの光をボタン支持筒416b内(押圧操作部405)へ送る貫通孔416cと、ボタン支持筒416bよりも外側の底部を上下方向に貫通しボタン装飾基板432に取付けられた回転検知センサ432a,432bが通過可能な開口部416dと、ボタン支持筒416b内の底部を上下方向に貫通しボタン装飾基板432に取付けられた押圧検知センサ432cが上側から望む開口部416eと、下面から下方へ延出しボタン装飾基板432を係止保持するための一対の基板保持爪416fと、を備えている。
また、操作部保持部材416は、詳細な図示は省略するが、ボタン支持筒416b内に配置され、ボタン本体406の係止爪406bに対して周方向へ所定量の隙間を形成すると共に係止爪406bと当接可能とされた複数の当接部を更に備えている。この当接部によって、ボタン本体406(押圧操作部405)が、所定角度範囲内で回動することができると共に、ボタン支持筒416b内でグルグルと回転しないようになっている。更に、操作部保持部材416は、詳細な説明は省略するが、ベース部材420へ固定するためのビス孔や、ベース部材420やボタン装飾基板432との位置決めをするための位置決めボス等が適宜位置に備えられている。
この操作部保持部材416は、ボタン支持筒416bの外周に従動ギア410を挿通させてギアレール416a上に載置することで、従動ギア410(ダイヤル操作部401)を所定の回転軸を中心として摺動回転可能に支持することができるようになっている。また、ボタン支持筒416b内に押圧操作部405のボタン本体406を挿入することで、ボタン本体406を介して押圧操作部405を上下方向へ摺動可能に支持することができるようになっている。なお、ボタン支持筒416b内の底部とボタン本体406の円錐台状の下面と間に、コイル状のバネ418が配置されるようになっており、このバネ418によって、ボタン本体406(押圧操作部405)が上方へ向かって付勢された状態となっている。
操作ユニット400におけるベース部材420は、アルミ合金等の金属により形成されており、ダイヤル操作部401や押圧操作部405を強く叩いても操作ユニット400が破損し難いようになっている。このベース部材420は、操作保持部材416の外周が嵌合可能とされ上方へ向かって窪んだ下部凹部420bと、下部凹部420bの底部(天井部)を上下方向に貫通し操作部保持部材416のギアレール416aが通過可能な内形とされた開口420aと、開口420aを挟んで下部凹部420bとは反対側に配置され少なくとも従動ギア410を収容可能な下方へ向かって窪んだ上部凹部420cと、を備えている。また、ベース部材420は、図48に示すように、下部凹部420bの外側に下方へ向かって開放されダイヤル駆動モータ414を取付けるためのモータ取付部420dと、下部凹部420bの外側から下方へ向かって所定量突出する複数(本例では四つ)の脚部420eと、各脚部420eの下端に下方へ向かって開口する位置決め孔420fと、を備えている。
また、ベース部材420は、上部凹部420cの外側に上方に配置されるカバー本体426を固定するための複数のカバー固定部420gと、カバー固定部420gとは上部凹部420cの外側の異なる位置から上方へ突出しダイヤル装飾基板430を取付けるための複数の基板取付ボス420hと、を備えている。更に、ベース部材420は、詳細な説明は省略するが、その上面及び下面の適宜位置に、各部材の位置決めをするための位置決めボスや、取付孔等が形成されている。
このベース部材420は、中央の開口420aに対して、下側からボタン支持筒416b及びギアレール416aが通過するように下部凹部420b内に操作部保持部材416を嵌合挿入した上で、所定のビスを上側から下部凹部420bの天井部を通して操作部保持部材416にねじ込むことで、操作部保持部材416を支持することができるようになっている。ベース部材420は、詳細な図示は省略するが、操作部保持部材416を支持した状態では、ギアレール416aの上端が下部凹部420bの天井部の上面、つまり、上部凹部420cの底面よりも僅かに上方へ突出した状態となるようになっており、ギアレール416a上に載置される従動ギア410が、上部凹部420c内で問題なく摺動回転することができるようになっている。
また、ベース部材420の脚部420eは、その下端に形成された位置決め孔420fが、後述する下カバー424における底部の上面に形成された位置決め突起424aと嵌合するようになっており、ベース部材420と下カバー424とが互いに決められた位置に位置決めすることができるようになっている。また、ベース部材420の基板取付ボス420hは、上部凹部420c内に収容配置された従動ギア410よりも上方の位置まで突出しており、基板取付ボス420h上に取付けられたダイヤル装飾基板430が、従動ギア410と接触しないようになっている。
更に、ベース部材420は、モータ取付部420dにダイヤル駆動モータ414を取付けることで、ダイヤル駆動モータ414の上面と面で接触するようになっており、ダイヤル駆動モータ414からの熱をベース部材420側へ充分に伝達させることができ、ダイヤル駆動モータ414の熱を、ベース部材420によって放熱させることができるようになっている。これにより、ダイヤル駆動モータ414の過熱を抑制させることができ、過熱によりダイヤル駆動モータ414等に不具合が発生するのを防止することができるようになっている。
操作ユニット400の上カバー422は、下方が開放された箱状で、その天板にダイヤル操作部401の外筒部401cが通過可能で鍔部401dが通過不能とされた内径の開口422aを備えている。この上カバー422は、平面視で、押圧操作部405(従動ギア410)の軸心と、ダイヤル駆動モータ414(駆動ギア412)の軸心とを結ぶ方向(パチンコ機1における左右方向)が長く延びたように形成されており、その長軸方向両端に下方へ突出した係合爪422bを備えており、この係合爪422bを下カバー424の係合部424bに係合させることで、上カバー422と下カバー424とを組立てることができるようになっている。
また、上カバー422は、短軸方向(パチンコ機1における前後方向)の一方(パタンコ1における前側)の外周から下方へ延出した上で下端が外側へ突出した爪状の係止片422cを備えている。この係止片422cは、皿ユニット300における上皿前部装飾部材316と係止することができるようになっており、係止片422cを上皿前部装飾部材316に係止させることで、操作ユニット400が操作ユニット取付部314cから上方へ抜けるのを阻止することができるようになっている。
この上カバー422は、ベース部材420に、操作部保持部材416、従動ギア410、ダイヤル装飾基板430、及びダイヤル部材401等を取付けた状態で、開口422aに対して下側からダイヤル操作部401が通るようにベース部材420の上方を覆うことで、開口422aによってダイヤル操作部401が上方へ抜けるのを防止することができるようになっている。
一方、操作ユニット400の下カバー424は、上方が開放された箱状で、外周形状が上カバー422の外周と略一致した形状とされており、底部上面の所定位置にベース部材420における脚部420d下端の位置決め孔420fと嵌合可能な位置決め突起424aを備えている。この下カバー424は、長軸方向(パチンコ機1における左右方向)両端の上部に、上カバー422の係合爪422bと係合可能な係合部424bを備えており、この係合部424bに係合爪422bを係合させることで、下カバー424に上カバー422を取付けることができるようになっている。
操作ユニット400におけるカバー本体426は、図示するように、中央に上下方向に貫通しダイヤル操作部401(鍔部401dを除く)が通過可能な開口426aと、開口426aの左右両側から外方へ延出し皿ユニット300の操作ユニット取付部314cに固定される固定部426bと、開口426aの外周下面から下方へ延出しベース部材420のカバー固定部420gに固定される固定ボス426cと、を備えている。
本例の操作ユニット400は、カバー本体426の固定部426bを介して皿ユニット300に取付けられるようになっており、詳細な図示は省略するが、皿ユニット300の操作ユニット取付部314cに取付けた状態では、操作ユニット400(下カバー424)の下面が操作ユニット取付部314cの上面よりも若干浮いた状態(例えば、0.5mm〜2.0mm)で取付けられるようになっており、操作ユニット400を押圧操作した場合や叩いた場合に、カバー本体426が弾性変形して衝撃を緩和させることができるようになっている。
なお、この操作ユニット400は、表面カバー428を外した状態で、皿ユニット300の操作ユニット取付部314cに対して、カバー本体426の固定部426bを所定のビスで取付け、その後、カバー本体426の上面に表面カバー428を取付けるような構造となっている。
本実施形態の操作ユニット400は、ダイヤル操作部401と共に回転する従動ギア410の回転検知片410cが、隣接する回転検知片410c同士の間のスリットにおける周方向の長さと、回転検知片410cの周方向の長さが同じ長さとされている。また、ボタン装飾基板432に取付けられた一対の回転検知センサ432a,432bは、ダイヤル操作部401に対応した周方向の間隔が、回転検知片410の周方向における長さの2.5倍の間隔とされている。これにより、詳細は後述するが、遊技者がダイヤル操作部401を回転操作することで、一対の回転検知センサ432a,432bによる回転検知片410cの検知・非検知にタイムラグが発生し、各回転検知センサ432a,432bによる回転検知片410cの検知パターンから、ダイヤル操作部401が何れの方向に回転しているのかを検知することができるようになっている。
また、本例の操作ユニット400は、詳細は後述するが、ダイヤル駆動モータ414の駆動力によって、ダイヤル操作部401を時計回りや、反時計周りの方向へ回転させることができるようになっている。また、操作ユニット400は、ステッピングモータを用いたダイヤル駆動モータ414の駆動力によって、ダイヤル操作部401を、カクカクと段階的に回転させたり、遊技者がダイヤル操作部401を回転操作した時に、その回転を補助したり、わざと回らないようにしたり、回転にクリック感を付与したりすることができるようになっている。更に、操作ユニット400は、ダイヤル駆動モータ414を小刻みに正転・逆転を繰返させることで、ダイヤル操作部401を振動させるようにすることができるようになっている。
また、本例の操作ユニット400は、図50に示すように、押圧操作部405を下方へ押圧すると、ボタンキャップ407の段部407aがダイヤル操作部401の突出部401fへ当接して、ボタンキャップ407(押圧操作部405)がこれ以上内筒部401e内へ没入することができないようになっているので、押圧操作部405へ加えられた荷重を、段部407a及び突出部401fを介してダイヤル操作部401側へ分散させることができ、押圧操作部405(操作ユニット400)が壊れ難いようになっている。
更に、本例の操作ユニット400は、押圧操作部405を押圧してボタンキャップ407の段部407aとダイヤル操作部401の突出部401fとが当接した状態で、ダイヤル駆動モータ414を小刻みに正転・逆転を繰返させることで、ダイヤル操作部401と共に押圧操作部405も振動させるようにすることができ、押圧操作部405の振動によって遊技者を驚かせて遊技や演出を楽しませることができるようになっている。
本例の操作ユニット400によると、遊技者が回転操作可能なダイヤル操作部401と押圧操作可能な押圧操作部405とを、金属製のベース部材420によって支持するようにしており、操作ユニット400の強度を高めることができるので、遊技者等が操作部401,405を強く叩いても、操作ユニット400が破損するのを防止することができ、遊技者に対して操作部401,405を自由に操作させることができると共に、操作部401,405の操作性を向上させることができ、操作部401,405を用いた演出を楽しませて遊技者の遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができる。
また、円環状のダイヤル操作部401の中心に押圧操作部405を配置するようにしており、押圧操作部405を強く叩こうとすると、蓋然的に、ダイヤル操作部401も叩くこととなり、操作部401,405を叩く力をダイヤル操作部401と押圧操作部405とに分散させることができ、叩いた衝撃が集中するのを抑制して、操作ユニット400や皿ユニット300が破損するのを防止することができるので、操作ユニット400の操作部401,405を強打に耐え得るものとすることが可能となり、遊技者に対して操作部401,405を自由に操作させることができ、操作部401,405の操作性を向上させることができると共に、操作部401,405を用いた演出を楽しませて、遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができる。
また、操作ユニット400のベース部材420等を皿ユニット300の凹んだ操作ユニット取付部内314cに収容すると共にベース部材420の下端と操作ユニット取付部314cの底面との間で所定量の隙間が形成されるように、ベース部材420に取付けられたカバー本体426を皿ユニット300の上面に固定しており、操作ユニット400の操作部401,405を叩いて衝撃をかけたり、荷重をかけたりした場合、操作ユニット400の下端が操作ユニット取付部314cの底面と当接するまでは、カバー本体426の弾性変形によって衝撃や荷重を吸収することができ、操作ユニット400の下端が操作ユニット取付部314cの底面と当接した後には、操作ユニット取付部314cの底部(皿ユニット300)によって衝撃や荷重を受けることができるので、操作部401,405からの衝撃等を分散させて衝撃等が集中するのを回避させることができ、操作ユニット400及び皿ユニット300による耐衝撃性や耐荷重性を高めることができる。
更に、操作部401,405を支持する位置から離れた位置に下方へ突出した複数の脚部420eをベース部材420に備えるようにしており、ベース部材420の脚部420eが皿ユニット300における操作ユニット取付部314cの底面と当接して、操作部401,405からの衝撃がベース部材420にかかっても、衝撃の直下に脚部420eが配置されていないので、ベース部材420における操作部401,405を支持した部位が衝撃によって撓むこととなり、ベース部材420が撓む(弾性変形する)ことで操作部401,405からの衝撃をある程度吸収することができ、ベース部材420から皿ユニット300へかかる衝撃を減少させて皿ユニット300が破損するのを防止することができる。
また、ベース部材420に下側から取付けられる操作部保持部材416によって、ダイヤル操作部401の一部が平面視でベース部材420と重なるようにダイヤル操作部401を保持するようにしているので、ダイヤル操作部401を上側から強打した時に、ダイヤル操作部401を保持する操作部保持部材416がベース部材420から外れて下方へ移動しても、ベース部材420の上面にダイヤル操作部401が当接してベース部材420によりダイヤル操作部401の下方への移動を規制することができ、ダイヤル操作部401が落ち込んでしまうのを良好に防止することができる。
更に、中心に押圧操作部405を配置したダイヤル操作部401を、遊技状態に応じてダイヤル駆動モータ414により回転させるようにしているので、勝手に回転(振動も含む回転駆動)するダイヤル操作部401によって、遊技者を驚かせて操作部401,405による演出に注目させることができ、遊技者を楽しませることができると共に、ダイヤル操作部401をダイヤル駆動モータ414によって適宜駆動させることで、ダイヤル操作部401(押圧操作部405)を用いた演出をより多様なものとして飽き難くすることができ、遊技者の遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができる。
また、ダイヤル操作部401を従動ギア410及び駆動ギア412を介してダイヤル駆動モータ414によって回転させるようにしており、蓋然的に、ダイヤル駆動モータ414の回転軸の位置をダイヤル操作部401(従動ギア410)の回転軸の位置に対して偏芯した位置とすることができるので、ダイヤル操作部401や押圧操作部405が強く叩かれても、その衝撃がダイヤル操作部401の回転軸を介して直接ダイヤル駆動モータ414にかかるのを回避させることができ、ダイヤル駆動モータ414(操作ユニット400)が破損するのを防止することができる。
更に、ベース部材420の開口420aをダイヤル操作部401よりも小径とした上で、その開口420aを通して操作部保持部材416のギアレール416aによりダイヤル操作部401を支持するようにしているので、ダイヤル操作部401からの衝撃や荷重によってギアレール416a(操作部保持部材416)が下方へ移動しても、ダイヤル操作部401がベース部材420の開口420a上面に当接することができ、ダイヤル操作部401がベース部材420よりも落ち込んでしまうのを確実に防止することができる。また、ダイヤル操作部401を円環状のギアレール416aによって支持するようにしているので、ダイヤル操作部401と操作部保持部材416(ギアレール416a)との接触面積を増加させることができ、ダイヤル操作部401からの衝撃や荷重を分散させて操作部保持部材416が破損するのを防止することができる。
また、ダイヤル操作部401を回転駆動させるダイヤル駆動モータ414を金属製のベース部材420に取付けるようにしているので、ダイヤル駆動モータ414によりダイヤル操作部401を頻繁に回転駆動させたり、ダイヤル駆動モータ414により回転駆動させられているにも関わらず遊技者によってダイヤル操作部401の回転が強制的に停止させられていたりすることで、ダイヤル駆動モータ414に対する過度の負荷により発熱量が多くなっても、ダイヤル駆動モータ414から発生する熱を、ベース部材420を介して良好に発散・放熱させることができ、過熱によってダイヤル駆動手段414に不具合が発生するの防止することができると共に、ダイヤル駆動手段414を高い負荷に耐えられるようにすることが可能となり、上述したようなダイヤル駆動手段414を用いたダイヤル操作部401の演出を十分に具現化することができ、遊技者を楽しませられるパチンコ機1とすることができる。
更に、ダイヤル操作部401の回転を検知する回転検知センサ432a,432bと、押圧操作部405の押圧を検知する押圧検知センサ432cと、を備えるようにしており、ダイヤル操作部401や押圧操作部405の回転操作や押圧操作を検知することができるので、その検知信号に基いて遊技者の操作に応じた演出を行うことが可能となり、操作部401,405を操作する遊技者に対してより一体感の有る演出を提供することができ、遊技者を楽しませて遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができる。また、操作部401,405を発光装飾させるためのダイヤル装飾基板430やボタン装飾基板432を備えるようにしており、操作部401,405を発光装飾させることができるので、操作部401,405を発光させることで、遊技者の関心を操作部401,405に引付けることができ、遊技者に対して操作部401,405を操作させ易くすることができる。
また、操作ユニット400における押圧操作部405を押圧した時に、押圧操作部405の段部407aとダイヤル操作部401の突出部401fとが互いに接触するようにしているので、遊技者が押圧操作部405を押圧した時に、ダイヤル駆動モータ414によりダイヤル操作部401を所定角度範囲内で正転・逆転を繰返させて振動させることで、ダイヤル操作部401の突出部401fと接触した段部407aを介して押圧操作部405も振動させるができる。従って、押圧操作部405を振動させるためのバイブレータ等を別途備えなくても、遊技者に対して押圧操作405に対する操作感を付与することができるので、操作ユニット400を用いた演出を楽しませて遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができる。また、押圧操作部405を押圧操作した時に押圧操作部405が振動するので、勝手には動かないと思っていた押圧操作部405が動くことで遊技者を大きく驚かせることができ、何か良いことがあるのではないかと思わせることが可能となり、遊技に対する期待感を高めて興趣が低下するのを抑制することができる。従って、従来の操作部と違ってダイヤル操作部401や押圧操作部405が勝手に動くことで遊技者の関心を操作ユニット400へ強く引付けることができ、操作ユニット400を用いた演出へ参加させ易くすることができると共に、遊技者に対して操作ユニット400を積極的に操作させることができ、操作ユニット400のダイヤル操作部401や押圧操作部405の操作を楽しませて遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができる。
更に、押圧操作部405を押圧操作した時に、押圧操作部405とダイヤル操作部401とが互いに接触するようにしているので、押圧操作部405からの力をダイヤル操作部401側へ伝達させることが可能となり、押圧操作部405を強打された場合でも、押圧操作部405にかかった荷重や衝撃をダイヤル操作部401側にも分散させることができ、押圧操作部405に対する耐荷重性や耐衝撃性を高めることができる。従って、押圧操作部405を強打しても、押圧操作部405が破損するのを防止することができるので、押圧操作部405(操作ユニット400)の破損によって遊技が中断してしまうのを回避させることができ、遊技の中断によって遊技者の遊技に対する興趣が低下するのを防止することができる。
また、押圧操作部405を、上下方向へ延びた軸心周りに対して所定角度範囲内のみ回動可能に支持するようにしており、遊技者が押圧操作部405を押圧操作した時に、ダイヤル駆動モータ414によってダイヤル操作部401を回転駆動させても、押圧操作部405がダイヤル操作部401と一緒に回転しようとするのを防止することができるので、遊技者に対して操作ユニット400におけるダイヤル操作部401と押圧操作部405の夫々の役割を確実に認識させることができ、遊技者に対して操作ユニット400を用いた演出を楽しませ易くすることができると共に、押圧操作部405の上面に案内された「PUSH」の文字が回ったり大きく傾いたりすることがなく遊技者側から読み易くすることができ、遊技者に対して押圧操作部405が押圧操作するものであることを確実に認識させることができる。
また、ダイヤル操作部401における内筒部401aの内周から軸心側へ突出した突出部401fを備えると共に、押圧操作部405の外周面に上下方向の所定位置よりも下側を小径とすることで形成する段部407aを備えるようにしているので、操作ユニット400の上端ではダイヤル操作部401の内筒部401aの内周面と押圧操作部405の外周面とを可及的に近付けることができ、ダイヤル操作部401と押圧操作部405との隙間を可及的に小さくして見栄えを良くすることができると共に、ダイヤル操作部401と押圧操作部405との隙間を介して操作ユニット400内へゴミや埃等の異物の侵入をし難くすることができ、異物の侵入によってダイヤル操作部401が回動し難くなったり、押圧操作部405を押圧し難くなったりする不具合の発生を防止することができる。
更に、操作ユニット400における押圧操作部405とダイヤル操作部401との接触部位を円環状に形成しており、押圧操作部405を押圧操作した際に、ダイヤル操作部401に対して周方向のどの位置でも接触することができるので、押圧操作部405が傾くような感じで押圧(押圧操作部405の中心よりも外周へ偏った位置を押圧)されても、確実にダイヤル操作部401と接触させることができ、ダイヤル操作部401を介してダイヤル駆動モータ414からの回動駆動を押圧操作部405へ確実に伝達させることができる。また、ダイヤル操作部401と押圧操作部405とが円環状に接触するので、押圧操作部405からの荷重を広くダイヤル操作部401側へ分散させることができ、押圧操作部405に対する耐荷重性や耐衝撃性をより高めることができる。
また、操作ユニット400における押圧操作部405とダイヤル操作部401との接触部位を、ダイヤル操作部401の回転軸心の方向へ向かって低くなるように傾斜させているので、傾斜していない場合と比較して相対的に接触面積を増やすことができ、ダイヤル操作部401を介してダイヤル駆動モータ414からの駆動力を押圧操作部405側へ伝達させ易くすることができる。また、押圧操作部405からの荷重を、回転軸心の延びた方向に対して直角方向の外側方向へ放射状に分散させることができ、荷重が集中するのを防止して、操作ユニット400における耐荷重性や耐衝撃性を確実に高めることができると共に、操作ユニット400の耐久性を高めることができ、遊技中に不具合が発生するのを可及的に低減させて遊技者の興趣が低下するのを抑制することができる。
更に、操作ユニット400のダイヤル駆動モータ414を、正転・逆転可能なステッピングモータとしているので、ダイヤル操作部401を単に回転させるだけでなく、簡単に所定位置で停止させたり、正転、逆転の繰返しにより簡単に振動させたりすることができ、上記の作用効果を奏する操作ユニット400(パチンコ機1)を確実に具現化することができる。
また、遊技球を貯留する上皿301を備えた皿ユニット300に操作ユニット400を支持させるようにしているので、蓋然的に、多数の遊技球を貯留するために皿ユニット300の強度剛性が高くなっており、操作ユニット400(押圧操作部405)への強打に対しても充分に対応することができ、操作ユニット400を用いた演出を楽しませ易くすることができる。
[1−2H.ハンドル装置]
次に、扉枠5におけるハンドル装置500について、主に図51を参照して説明する。図51は、扉枠におけるハンドル装置を分解して後から見た分解斜視図である。本実施形態のハンドル装置500は、図示するように、皿ユニット300における皿サイド外カバー334のハンドル挿通孔334aを通して扉枠ベースユニット100における扉枠ベース本体110の前面に取付けられたハンドルブラケット140に固定され円筒状で前端が軸直角方向へ丸く膨出したハンドルベース502と、ハンドルベース502に対して相対回転可能にハンドルベース502の前側に配置される環状の回転ハンドル本体後504と、回転ハンドル本体後504の前面に固定され回転ハンドル本体後504と一体回転可能とされた回転ハンドル本体前506と、回転ハンドル本体前506の前面に配置されると共にハンドルベース502に固定され、ハンドルベース502と協働して回転ハンドル本体前506及び回転ハンドル本体後504を回転可能に支持する前端カバー508と、を備えている。
また、ハンドル装置500は、回転ハンドル本体前の回転中心に前側から後側へ突出するように取付固定され後端に非円形の軸受部510aを有した軸部材510と、軸部材510の軸受部510aと嵌合し回転可能とされた検知軸部512aを有しハンドルベース502の前面に回転不能に嵌合される回転位置検知センサ512と、回転位置検知センサ512をハンドルベース502とで挟むようにハンドルベース502の前面に固定され回転位置検知センサ512の検知軸512aが通過可能な貫通孔514aを有したセンサ支持部材514と、センサ支持部材514の後面に取付けられるタッチセンサ516と、タッチセンサ516とはセンサ支持部材514の後面の異なる位置に取付けられる発射停止スイッチ518と、センサ支持部材514に対して回転可能に軸支され発射停止スイッチ518を作動させる単発ボタン520と、軸部材510の外周を覆うように配置され回転ハンドル本体前506及び回転ハンドル本体後504を初期回転位置(正面視で反時計周りの方向への回転端)へ復帰するように付勢するハンドル復帰バネ522と、を備えている。
本例のハンドル装置500のハンドルベース502は、図示するように、前端側は前側へ広がった半球状に丸く膨出した形状とされていると共に、後端側は後端が開放された円筒状に形成されており、後端側の円筒状の外周に、軸方向へ延びた三つの溝部502aが形成されている。ハンドルベース502の三つの溝部502aは、ハンドルブラケット140における筒部141内の三つの突条143と対応するように、上側に一つ、下側に二つ、周方向に対して不等間隔に配置されている。このハンドルベース502は、溝部502aが突条143と嵌合するように、ハンドルブラケット140の筒部141内に挿入することで、回転不能な状態で支持されるようになっている。
ハンドル装置500は、回転ハンドル本体前506に、その回転軸と同心円状に配置された円弧状のスリット506aが形成されていると共に、前端カバー508に、後方へ突出する三つの取付ボス508aが形成されており、これら取付ボス508aが回転ハンドル本体前506のスリット506aを通してハンドルベース502の前面に固定されるようになっている。これにより、回転ハンドル本体前506におけるスリット506aの周方向端部が、前端カバー508の取付ボス508aに当接することで、回転ハンドル本体504,506の回転範囲が規制されるようになっている。
また、ハンドル装置500は、回転ハンドル本体前506に、後方へ突出する係止突部506bが形成されており、この係止突部506bにコイル状のハンドル復帰バネ522の一端側(前端側)が係止されるようになっていると共に、ハンドル復帰バネ522の他端側(後端側)がセンサ支持部材514に係止されるようになっており、ハンドル復帰バネ522によって回転ハンドル本体504,506が正面視で反時計周りの方向へ回動するように付勢されている。
本例のハンドル装置500は、扉枠ベース本体110のハンドル取付部114に対して、ハンドルブラケット140を介して取付けられるようになっている。この扉枠ベース本体110のハンドル取付部114は、上方から見た平面視において、その取付面が、外側(開放側)を向くように傾斜しているので、ハンドルブラケット140を介して取付けられるハンドル装置500も平面視で外側に傾斜(換言すると、パチンコ機1の前面垂直面に直交する線に対してその先端部がパチンコ機1の外側に向かうように傾斜している。)して扉枠5に取付固定されるようになっている。これにより、遊技者がハンドル装置500を握り易く、回動動作に違和感がなく回動操作が行い易いようになっている。
また、ハンドル装置500は、回転位置検知センサ512が可変抵抗器とされており、回転ハンドル本体504,506(ハンドル装置500)を回転させると、軸部材510を介して回転位置検知センサ512の検知軸部512aが回転することとなる。そして、検知軸部512aの回転角度に応じて回転位置検知センサ512の内部抵抗が変化し、回位置検知センサ512の内部抵抗に応じて後述する打球発射装置650における発射ソレノイド654の駆動力が変化して、ハンドル装置500の回転角度に応じた強さで遊技球が遊技領域1100内へ打ち込まれるようになっている。
なお、回転ハンドル本体504,506や前端カバー508の外周表面は、導電性のメッキが施されており、遊技者が回転ハンドル本体504,506等に接触することでタッチセンサ516が接触を検出するようになっている。そして、タッチセンサ516が遊技者の接触を検出している時に、回転ハンドル本体504,506が回動すると、その回動に応じた強さで発射ソレノイド654の回転駆動が制御されて、遊技球を打ち込むことができるようになっている。つまり、遊技者がハンドル装置500を触らずに、何らかの方法でハンドル装置500を回転させて遊技球の打ち込みを行おうとしても、発射ソレノイド654は駆動されず、遊技球を打ち込むことができず、遊技者が本来とは異なる遊技をすることを防止してパチンコ機1を設置する遊技ホールに係る負荷(負担)を軽減させることができるようになっている。
また、遊技者がハンドル装置500を回転操作中に、単発ボタン520を押圧すると、発射停止スイッチ518が単発ボタン520の操作を検知し、発射制御部4120によって発射ソレノイド654の回転駆動が停止させられるようになっている。これにより、ハンドル装置500の回転操作を戻さなくても、遊技球の発射を一時的に停止させることができると共に、単発ボタン520の押圧操作を解除することで、単発ボタン520を操作する前の打込強さで遊技球を発射することができるようになっている。
本例のハンドル装置500は、回転ハンドル本体504,506の回転操作を回転位置検知センサ512によって電気的に検知した上で、その回転位置検知センサ512からの回転位置の検知に基いて、発射制御部4120で発射ソレノイド654の回転駆動強さを制御するようにしているので、従来のパチンコ機のように、扉枠5に備えられるハンドル装置500と、本体枠3に備えられる打球発射装置650とを、扉枠5の閉鎖時には互いに連係し、扉枠5の開放時には連係が解除されるように機械的(例えば、ジョイントユニット)な機構を備える必要が無く、パチンコ機1に係る構成を簡略化することができると共に、ジョイントユニットでの不具合の発生をなくすことができ、遊技球の打込不具合によって遊技者の興趣が低下するのを抑制することができるようになっている。
[1−2I.ファールカバーユニット]
次に、扉枠5におけるファールカバーユニット540について、主に図52乃至図54を参照して説明する。図52は、扉枠におけるファールカバーユニットを分解して前から見た分解斜視図であり、図53は、扉枠におけるファールカバーユニットを分解して後から見た分解斜視図である。また、図54は、ファールカバーユニットの前カバーを外した状態で示す正面図である。
扉枠5におけるファールカバーユニット540は、扉枠ベースユニット100における遊技窓101よりも下側の後面に取付けられ、後述する賞球ユニット700から払出された遊技球や、打球発射装置650により発射されにも関わらず遊技領域1100内へ到達しなかった遊技球(ファール球)を、皿ユニット300の上皿301や下皿302へ誘導するものである。本例のファールカバーユニット540は、前側が開放され複数の遊技球の流路を内部に有したカバーベース542と、カバーベース542の前端を閉鎖する前カバー544と、を備えている。
このファールカバーユニット540のカバーベース542は、図53に示すように、背面視で右上隅に配置され前後方向に貫通する第一球入口542aと、第一球入口と連通しカバーベース542の前端に向かうに従って正面視右側へ広がる第一球通路542bと、第一球入口542aの外側(背面視でで右側)に配置され第一球入口542aよりも大口の第二球入口542cと、第二球通路542dと連通しカバーベース542の内部で、下方へ延びた上で正面視右下隅へ向かって低くなるように傾斜した第二球入口542cと、を備えている。この第一球入口542a及び第二球入口542cは、扉枠5を本体枠3に対して閉じた状態で、賞球ユニット700における満タン分岐ユニット770の通常球出口774及び満タン球出口776と夫々対向する位置に形成されている。なお、カバーベース542における第二球通路542dは、図示するように、下端に沿って左右方向へ延びた部分の高さが、遊技球の外径に対して約3倍の高さとされており、所定量の遊技球を収容可能な収容空間546が形成されている。
また、カバーベース542は、左右方向の略中央上部に配置され上方に開口したファール球入口542eと、ファール球入口542eと連通し第二球通路542dの下流付近の上部へ遊技球を誘導可能なファール球通路542fと、を備えている。また、カバーベース542は、第二球入口542cの下側の後面に球出口開閉ユニット790の開閉シャッター792を作動させるための開閉作動片542gを、備えている。この開閉作動片542gは、扉枠5を本体枠3に対して閉じた時に、球出口開閉ユニット790における開閉クランク793の球状の当接部793dと当接することで、開閉クランク793を回転させて開閉シャッター792を開状態とすることができるものである。
ファールカバーユニット540の前カバー544は、カバーベース540の前面を閉鎖する略板状に形成されており、正面視左上隅に配置されカバーベース540の第一球通路542bと連通し前後方向に貫通した第一球出口544aと、正面視右下隅に配置されカバーベース540の第二球通路の下流端と連通し前後方向に貫通した第二球出口544bと、を備えている。前カバー544の第一球出口544aは、扉枠ベースユニット100の切欠部101aを通して皿ユニット300の上皿球供給口310cと接続されるようになっている。また、第二球出口544bは、扉枠ベース本体110の球通過口110fを通して皿ユニット300における下皿球供給樋310hの後端が接続されるようになっている。
本例のファールカバーユニット540は、賞球ユニット700における満タン分岐ユニット770の通常球出口774から第一球入口542aへ供給された遊技球を、第一球通路542bを通って第一球出口544aから皿ユニット300の上皿球供給口310cを介して上皿101へ供給することができるようになっている。また、ファールカバーユニット540は、賞球ユニット700における満タン分岐ユニット770の満タン球出口776から第二球入口542cへ供給された遊技球を、第二球通路542dを通って第二球出口544bから皿ユニット300の下皿球供給樋310h及び下皿球供給口310gを介して下皿302へ供給することができるようになっている。
更に、ファールカバーユニット540は、詳細は後述するが、扉枠5を本体枠3に対して閉じた状態とすると、ファール球入口542eが本体枠3のファール空間626の下部に位置するようになっており、打球発射装置650により発射された遊技球が遊技領域1100内へ到達せずにファール球となってファール空間626を落下すると、ファール球入口542eによって受けられるようになっている。そして、ファールカバーユニット540は、ファール球入口542eに受けられた遊技球を、ファール球通路542f及び第二球通路542dを通って第二球出口544bから皿ユニット300の下皿302へ排出(供給)することができるようになっている。
また、本例のファールカバーユニット540は、第二球通路542dにおける収容空間546の上流側(正面視左側)側面を形成し収容空間546内に貯留された遊技球によって揺動可能にカバーベース542に軸支された揺動部材548と、揺動部材548の揺動を検知する満タン検知センサ550と、揺動部材548が満タン検知センサ550によって非検知状態となる方向へ付勢するバネ552と、を備えている。この揺動部材548は、図54に示すように、カバーベース542に対して下端が回動可能に軸支されていると共に、上端が正面視左側へ回動するようになっており、略垂直な状態で収容空間546の左側側壁を形成するようになっている。また、揺動部材548は、バネ552によって略垂直状態となる位置へ付勢されている。また、動揺部材548は、収容空間546側とは反対側の側面に外側へ突出する検知片548aが形成されており、この検知片548aが満タン検知センサ550よって検知されるようになっている。
更に、ファールカバーユニット540は、第二球通路542dにおける収容空間546の底部に配置されるアースレール554と、カバーベース542の背面視で右端と、左端を夫々被覆する板状のアース金具556と、を備えており、遊技球の流通による転動抵抗によって発生する静電気を除去することができるようになっている。
本例では、賞球ユニット700から払出された遊技球が満タン分岐ユニット770の通常球出口774からファールカバーユニット540を介して皿ユニット300の上皿301へ供給されるようになっており、上皿301内が満杯となっても更に遊技球が賞球ユニット700から払出されると、ファールカバーユニット540の第一球通路542b内で滞り、更に満タン分岐ユニット770における通常球出口774の上流の通常通路773内も一杯になると、満タン分岐ユニット770の分岐空間772を介して満タン通路775側へ遊技球が流通するようになり(図80を参照)、満タン分岐ユニット770の満タン球出口776からファールカバーユニット540の第二球入口542c、第二球通路542d、及び第二球出口544bを介して皿ユニット300の下皿302へ供給されるようになる。
そして、皿ユニット300の下皿302内が遊技球で一杯になると、ファールカバーユニット540の第二球出口544bから遊技球が出られなくなり、第二球通路542d内の収容空間546内に滞った遊技球が貯留されることとなる。更に、賞球ユニット700から遊技球が払出されて収容空間546内に遊技球が多く貯留されるにつれて、遊技球の貯留圧が揺動部材548に作用し、バネ552の付勢力に抗して揺動部材548の上端が左方へと移動することとなる。そして、揺動部材548の検知片548aが、満タン検知センサ550によって検知されると、払出制御基板4110において賞球ユニット700から遊技球の払出しが停止されると共に、遊技者に対して皿ユニット300内の遊技球を外部へ排出するのを促す通知を行うようになっている。
なお、収容空間546(下皿302)内の遊技球が排出されて、揺動部材548がバネ552の付勢力によって略垂直な状態に復帰すると、満タン検知センサ550による検知片548aの検知が非検知となり、賞球ユニット700からの遊技球の払出しが再開されるようになっている。
[1−2J.球送りユニット]
続いて、扉枠5における球送りユニット580について、主に図55及び図57を参照して説明する。図55は、扉枠における球送りユニットの正面斜視図である。図56は、扉枠における球送りユニットの背面斜視図である。また、図57は、球送りユニットを分解して前から見た分解斜視図である。図58は、球送りユニットの後ケースを外して後から見た分解斜視図である。扉枠5における球送りユニット580は、皿ユニット300における上皿301から供給される遊技球を一つずつ打球発射装置650へ供給することができると共に、上皿301内に貯留された遊技球を、上皿球抜き機構340の上皿球抜きボタン341の操作によって下皿302へ抜くことができるものである。
この球送りユニット580は、皿ユニット300の上皿301に貯留された遊技球が、皿ユニットベース310の上皿球排出口310d、扉枠ベース本体110の球送り開口113を通して供給され前後方向に貫通した進入口581a、及び進入口581aの下側に開口する球抜口581bを有し後方が開放された箱状の前カバー581と、前カバー581の後端を閉鎖すると共に前方が開放された箱状で、前後方向に貫通し前カバー581の進入口581aから進入した遊技球を打球発射装置650へ供給するための打球供給口582aを有した後カバー582と、後カバー582及び前カバー581の間で前後方向へ延びた軸周りに回動可能に軸支され前カバー581の後側で進入口581aと球抜口581bとの間を仕切る仕切部583aを有した球抜き部材583と、球抜き部材583の仕切部583a上の遊技球を一つずつ後カバーの打球供給口582aへ送り前カバー581と後カバー582との間で上下方向へ延びた軸周りに回動可能に支持された球送り部材584と、球送り部材584を回動させる球送ソレノイド585と、を備えている。本例では、図示するように、正面視で、球送り部材584が進入口581aの右側に配置されており、この球送り部材584の左側に球抜き部材583が右側に球送ソレノイド585が夫々配置されている。
この球送りユニット580の前カバー581は、正面視で球抜口581bの左側に、球抜き部材583の回転中心に対して同心円状に形成された円弧状のスリット581cを備えており、このスリット581cから後述する球抜き部材583の作動棹583cが前方へ延びだすようになっている。また、前カバー581は、進入口581aの上縁から上側が上方へ延びだしており、扉枠ベースユニット100へ組立てた際に、上皿球抜きベース344における球誘導流路344bの後端開口を閉鎖するように形成されている。
また、球抜き部材583は、進入口581aよりも下側で進入口581aと球抜口581bと間を仕切り上面が球送り部材584の方向へ向かって低くなる仕切部583aと、仕切部583aの球送り部材584とは反対側の端部から下方へ延出すると共に上下方向の中間付近から球抜口581bの下側中央へ向かってく字状に屈曲し下端が前後方向へ延びた軸周りに回動可能に支持される回動棹部583bと、回動棹部583bの上端から前方へ向かって突出する棒状の作動棹583cと、作動棹583cよりも下側で回動棹部583bの側面から仕切部583aとは反対側へ突出した錘部583dと、を備えている。この球抜き部材583の作動棹583cは、前カバー581に形成された円弧状のスリット581cを通して前方へ突出するように形成されており(図55を参照)、扉枠ベース本体110の球送り開口113を介して皿ユニット300の上皿球抜き機構340における上皿球抜きスライダ343の当接片343aの上端と当接するようになっている。
更に、球送り部材584は、進入口581a及び球抜き部材583の仕切部583aの方向を向き上下方向へ延びた回転軸芯を中心とした平面視が扇状の遮断部584aと、遮断部584aの後端から回転軸芯側へ円弧状に窪んだ球保持部584bと、球保持部584bの後端から下方へ延出する棒状の棹部584cと、を備えている。この球送り部材54における遮断部584aと球保持部584bは、夫々回転軸芯を中心とした約90゜の角度範囲内に夫々形成されている。また、球送り部材584の球保持部584bは、一つの遊技球を保持可能な大きさとされている。この球送り部材584は、球送ソレノイド585の駆動によって回転軸芯と偏芯した位置に配置された棹部584cが左右方向へ移動させられることで、回転軸芯周りに回動するようになっている。
球送り部材584は、遮断部584aが仕切部583aの方向を向くと同時に球保持部584bが打球供給口582aと連通した方向を供給位置と、球保持部584bが仕切部583aの方向へ向いた保持位置との間で回動するようになっている。この球送り部材584が供給位置の時には、球保持部584bに保持された遊技球が、打球供給口582aから打球発射装置650へ供給されると共に、進入口581aから仕切部583a上に進入した遊技球が、遮断部584aによって球保持部584b(打球供給口582a)側への移動が遮断されて仕切部583a上に留まった状態となる。一方、球送り部材584が保持位置へ回動すると、球保持部584bが仕切部583aの方向を向くと共に、球保持部584bの棹部584c側の端部が打球供給口582aを閉鎖した状態となり、仕切部583a上の遊技球が一つだけ球保持部584b内に保持されるようになっている。
また、球送りユニット580は、球送ソレノイド585の駆動(通電)によって先端が上下方向へ揺動する球送り作動桿586と、球送り作動桿586における上下方向へ揺動する先端の動きによって前後方向へ延びた軸周りに回動すると共に、球送り部材584を上下方向へ延びた軸周りに回動させる球送りクランク587と、を備えている。この球送りクランク587は、球送り作動桿586の上下動する先端と係合可能とされ左右方向へ延びた係合部587aと、係合部587aの球送り作動桿586と係合する側とは反対側に配置され前カバー581と後カバー582との間で前後方向へ延びた軸周りに回動可能に軸支される軸部587bと、軸部587bから上方へ延出し球送り部材584における回動中心に対して偏芯した位置から下方へ突出する棒状の棹部584c(図57を参照)と係合する伝達部587cと、を備えている。なお、本例では、球送ソレノイド585と球送り作動桿586とが一体的に形成されたフラッパーソレノイドを用いている。
本例の球送りユニット580は、球送り作動桿586及び球送りクランク587によって、上下方向へ進退する球送ソレノイド585の駆動により揺動する球送り作動桿586の動きを伝達させて球送り部材584を回動させることができるようになっている。なお、球送ソレノイド585の非駆動時(通常時)では、球送り作動桿586が球送ソレノイド585の下端から離れて揺動する先端が下方へ位置した状態となるようになっており、この状態では球送り部材584が供給位置に位置した状態となる。また、球送ソレノイド585の駆動時では、球送り作動桿586が球送ソレノイド585の下端に吸引され揺動する先端が上方へ位置した状態となり、球送り部材584が保持位置へ回動するようになっている。つまり、球送ソレノイド585が駆動される(ONの状態)と球送り部材584が遊技球を一つ受入れ、球送ソレノイド585の駆動が解除される(OFFの状態)と球送り部材584が受入れた遊技球を打球発射装置650側へ送る(供給する)ようになっている。この球送りユニット580における球送ソレノイド585の駆動は、発射制御部4120により発射ソレノイド654の駆動制御と同期して制御されるようになっている。
また、本例の球送りユニット580における回動可能に軸支された球抜き部材583は、錘部583cによって正面視反時計周りの方向へ回転するようなモーメントがかかるようになっているが、前方へ突出した作動棹583cが皿ユニット300の上皿球抜き機構340における上皿球抜きスライダ343の当接片343aの上端と当接することで、その回動が規制されるようになっており、通常時では、球抜き部材583の仕切部583aが進入口581aと球抜口581bとの間を仕切って、球抜口581b側へ遊技球が侵入しないようになっている。そして、遊技者が、皿ユニット300における上皿球抜き機構340の上皿球抜きボタン341を下方へ押圧操作すると、上皿球抜きスライダ343が当接片343aと共に下方へスライドして、当接片343aの下方への移動に伴って作動棹583cも相対的に下方へ移動することとなる。
このように、上皿球抜き機構340の当接片343aと共に作動棹583cが下方へ移動することで、球抜き部材583が正面視反時計周りの方向へ回動して仕切部583aによる進入口381aと球抜口381bとの間の仕切りが解除され、進入口381aから進入した遊技球が、球抜口381bから皿ユニット300の上皿球抜きベース344の球抜き流路344cへと排出され、下皿302へ排出(供給)されるようになっている。
なお、球抜き部材583の作動棹583cが当接する上皿球抜きスライダ343の当接片343aは、コイルバネによって上方へ付勢されているので、仕切部581a上に遊技球が勢い良く供給されても、その衝撃を、作動棹583cを介して上皿球抜きスライダ343を付勢するコイルバネによって吸収させることができ、球抜き部材583等が破損するのを防止することができると共に、遊技球が仕切部583aで跳ね返るのを防止することができるようになっている。
上述したように、本例によると、上皿301内に遊技球を貯留させて球送りユニット580へ遊技球を供給した上で、扉枠5の前面に備えられたハンドル装置500を遊技者が操作すると、球送りユニット580の球送ソレノイド585の駆動によって遊技球が打球発射装置650へ送られ、打球発射装置650によって遊技球が遊技領域1100へ打ち込まれることで、扉枠5の遊技窓101を介して視認可能とされた遊技領域1100内で遊技が行われることとなり、遊技者を楽しませることができると共に、扉枠ベースユニット100の後面に送り機構(球送り部材584や球送ソレノイド585等)と排出機構(球抜き部材583)とを備えた球送りユニット580を配置しているので、球送り部材584と球抜き部材583だけでなく球送り部材584と打球発射装置650も可及的に接近した状態となり、上皿球抜きボタン341の操作によって上皿301内の遊技球を排出させた時に、球送り部材584側に残存する遊技球の数を可及的に低減させることができ、遊技者が損した気分となるのを回避させて興趣が低下するのを抑制することができる。
また、球抜き部材583を備えた球送りユニット580を扉枠ベースユニット100の後面に配置しているので、皿ユニット300における上皿301の容量を大きくすることが可能となり、遊技球の打込操作によって上皿301内の遊技球が早期になくなったり、上皿301内が遊技球で早期に満タンとなってしまったりするのを抑制することができ、上皿301内の遊技球に対して遊技者が煩わしく感じるのを低減させて興趣が低下するのを抑制することができると共に、上皿301の容量を維持した状態で皿ユニット300を小型化することができるので、相対的に遊技領域1100を大きく(広く)して遊技者の関心を強く引付けられるパチンコ機1とすることができる。
また、球送りユニット580に球抜き部材583を備えるようにしているので、球送り部材584と球抜き部材583とを別々にしたものと比較して、球送りユニット580を取付けるだけで球送り部材584と球抜き部材583を取付けることができ、組立てに係る手間を簡略化することができると共に、送りユニット580を容易に交換することができ、球送り部材584や球抜き部材583に不具合が発生しても、球送りユニット580を交換することで簡単に不具合を解消させることができる。
更に、扉枠5における扉枠ベースユニット100の後面に球送りユニット580を配置するようにしているので、球送りユニット580を本体枠3側に備えるようにしたものと比較して、上皿球抜きボタン341の操作を球送りユニット580の球抜き部材584へ伝達させる伝達機構(上皿球抜き機構340)を開閉可能な扉枠5と本体枠3とに跨るように構成する必要がなく、伝達機構にかかる構成を簡略化することができる。また、球送りユニット580を扉枠5側に備えるようにしているので、球送りユニット580を本体枠3側に備えるようにした場合と比較して、扉枠5を開放する度に伝達機構(上皿球抜き機構340)が遮断されることで伝達機構が早期に消耗して誤作動したり破損したりする虞を回避させることができ、伝達機構や球送りユニット580等の作動に対する信頼性や耐久性を高めることができる。
また、上皿球抜きボタン341を下方へ押圧操作するものとしているので、上皿球抜きボタン341を下方へ押圧するだけで上皿301から遊技球を下皿302へ排出させたり、上皿301からの遊技球の排出を停止させたりすることができ、遊技者に対して上皿球抜きボタン341による上皿301内の球抜き操作を楽に操作させることができる。
また、上皿球抜きボタン341の操作に応じて上下方向へスライドする上皿球抜きスライダ343の動きによって、球抜き部材583の仕切部583aを可動させるようにしており、上皿球抜きスライダ343と共に仕切部583aも上下方向へ可動するので、上皿球抜きスライダ343や仕切部583aに係る水平方向の移動範囲を可及的に小さくすることが可能となり、上皿球抜き機構340や球送りユニット580を小型化することができ、上述した作用効果を確実に奏することが可能なパチンコ機1とすることができる。
更に、上皿球抜きスライダ343を上方へ付勢すると共に、上皿球抜きスライダ343が上昇位置の時に球抜き部材583の仕切部583aが進入口581aと打球供給口582aとを連通させるようにしているので、上皿301から遊技球が勢い良く仕切部583aに当接しても、その衝撃を上皿球抜きスライダ343に作用する付勢力によって緩和させることができ、仕切部583a(球抜き部材583)の耐久性を高めることができる。また、上皿球抜きスライダ343に作用する付勢力によって仕切部583aに係る衝撃を緩和させることができるので、遊技球が仕切部583aに衝突しても撥ね難くすることができ、遊技球の撥ねにより球送りユニット580等が破損して不具合が発生するのを抑制することができる。
また、仕切部583aを回動させるようにしているので、仕切部583aをスライドさせるようにした場合と比較して、仕切部583aに遊技球の荷重がかかった時の仕切部583aの移動に係るフリクションロスを低減させることができ、上皿球抜きボタン341の操作を軽くして操作性を向上させることができると共に、平面投影において仕切部583aの移動範囲を小さくすることができ、上記と同様の作用効果を奏することができる。
また、仕切部583aを、自重によって進入口581aと球抜口581bを連通する方向へ回動させるようにしているので、仕切部583aや上皿球抜き機構340に不具合が発生した場合、仕切部が自重によって回動することで進入口と排出口とを連通させた状態となり、排出操作部を操作していないのにも関わらず貯留皿内の遊技媒体が送り機構(投入装置)側へ送られずに遊技者側へ排出されることとなるため、遊技者に対してパチンコ機1に不具合が発生していることを認識させることができ、不具合の無いパチンコ機1へ移動させて興趣が低下するのを抑制することができる。
更に、球抜き部材583において仕切部583aを屈曲した回動棹部583bを介して回動させるようにしているので、遊技球が仕切部583aに衝突した場合、その衝撃を屈曲した回動棹部583bによって分散させたり、回動棹部583bの撓りによって吸収させたりすることで、回動軸へ直線的に衝撃が伝達されるのを防止することができ、球抜き部材583の耐久性を高めることができる。
また、上皿301側と連通する進入口581aの直下に球抜口581bを配置しているので、上皿301内の遊技球を排出させる際に、球送りユニット580内での遊技球の左右方向の動きを最小限とすることができ、球送りユニット580内での遊技球の通りを良くして遊技球を良好に排出させることができる。また、進入口581aの直下に球抜口581bを配置しているので、球送りユニット580内における遊技球の排出経路を可及的に短くすることができ、球送りユニット580に排出機構としての球抜き部材583を備えても、球送りユニット580が不必要に大型化するのを抑制することができる。
[1−2K.ガラスユニット]
次に、扉枠5におけるガラスユニット590について、主に図22及び図23を参照して説明する。このガラスユニット590は、遊技窓101と略同じ大きさの開口を有し合成樹脂で成型した環状で縦長八角形状のユニット枠592と、ユニット枠592の開口の前後端を夫々閉鎖する二枚の透明なガラス板594(図107を参照)と、を備えている。このガラスユニット590のユニット枠592は、左右両端に上下方向へ離反して配置され外方へ板状に延出した四つの片592aと、下端に沿って左右方向へ延び下方へ延出した板状の係止片592bと、を備えている。
このガラスユニット590は、下端の係止片592bを、扉枠ベースユニット100の補強ユニット150における下側補強板金154の垂直折曲突片161に対して後上方から係合するように係止させた上で、ユニット枠592の外周縁を扉枠ベース本体110のガラスユニット支持段部110a内に嵌め込み、ガラスユニット係止部材190によってユニット枠592の止め片592aを係止させることで、扉枠ベースユニット100に対して脱着可能に取付けられるようになっている(図23、図28等を参照)。
このように、本実施形態のパチンコ機1における扉枠5は、縦長楕円形状の遊技窓101の下側に、遊技球を貯留するための上皿301と下皿302とが上下に並ぶと共に、下皿302の正面視右側に、上皿301に貯留された遊技球を、遊技窓101を閉鎖する透明なガラスユニット590の後側に配置された遊技盤4の遊技領域1100内へ打ち込むためのハンドル装置500が配置されている。また、扉枠5は、遊技窓101の左右及び上側を囲むように右サイド装飾ユニット200、左サイド装飾ユニット2200、及び上部装飾ユニット280が配置されていると共に、遊技窓101の下側を囲むように皿ユニット300がサイドスピーカカバー290を挟んで右サイド装飾ユニット200と左サイド装飾ユニット220の下端と連続するように配置されており、各ユニット200,220,280,300の外観が丸みを帯びた連続した一体化の有る外観となっている。
また、扉枠5は、各ユニット200,220,280,300に備えられた装飾基板214,216,254,256,286,320,322等に実装されたLEDを発光させることで、遊技窓101及び下皿カバー328の開口部328aを囲むように任意の発光色で発光装飾させることができるようになっている。また、右サイド装飾ユニット200及び左サイド装飾ユニット220に備えられた装飾基板214,216,254,256に実装されたLEDのうち、サイドレンズ210,250の放射レンズ部210b,250bの後側に配置されたLED214b,216b,254b,256を点灯したり消灯したりすることで、遊技窓101を囲んだ発光装飾の態様を変化させることができるようになっている。
具体的には、サイドレンズ210,250における周レンズ部210a,250aと対応したLED214a,216a,254a,256aの発光態様と、放射レンズ部210b,250bと対応したLED214b,216b,254b,256bの発光態様とを、同一の発光態様(発光色と発光パターンとが同じ)とすると全体が略均一の発光装飾とすることができ、周レンズ部210a,250aを強調するようにそれらの発光態様を異ならせると周方向に途切れができたような発光装飾とすることができ、放射レンズ部210b,250bを強調するようにそれらの発光態様を異ならせると遊技窓101の中央を中心とした放射状に輝く発光装飾とすることができ、遊技者の関心を強く引付けることができるようになっている。
また、扉枠5は、操作ユニット400におけるダイヤル操作部401や押圧操作部405を支持するベース部材420を、ダイキャストによるアルミ合金製としていると共に、カバー本体426によってベース部材420を皿ユニット300の操作ユニット取付部314cに対して吊持させるようにしているので、ダイヤル操作部401や押圧操作部405を叩いた場合、カバー本体426が撓るように弾性変形した上で、ベース部材420が下カバー424を介して操作ユニット取付部314cの上面に当接することとなり、ダイヤル操作部401や押圧操作部405等にかかる衝撃を緩和させることができ、操作ユニット400が破損するのを防止することができるようになっている。
更に、扉枠5における操作ユニット400は、押圧操作部405を円環状のダイヤル操作部401に挿入した状態としており、遊技者等が押圧操作部405を強く叩こうとしてもダイヤル操作部401も一緒に叩いてしまうこととなるので、ダイヤル操作部401によって叩いた衝撃を分散させることができ、衝撃が集中するのを防止して破損し難くすることができるようになっている。また、ダイヤル操作部401を回転可能に支持する操作部保持部材416のギアレール416aを、金属製のベース部材420における開口420aに対して下方から上面より僅かに突出するように取付けており、ダイヤル操作部401を叩いた衝撃が従動ギア410を介して操作部保持部材416(ギアレール416a)へ伝わって、操作部保持部材416が下方へ撓むと、従動ギア410の下面が金属製の開口420aの外周上面と当接し、その衝撃をベース部材420に受けさせることができるので、操作部保持部材416に係る負荷を軽減させることができると共に、ギアレール416aが衝撃によって潰れてしまうのを防止することができ、操作ユニット400の耐久性を高めることができるようになっている。
また、扉枠5における操作ユニット400は、皿ユニット300に対して上側から取付けられるようにしているので、万が一、操作ユニット400が破損しても、操作ユニット400を簡単に取替えることができ、操作ユニット400の取替えによりパチンコ機1の稼働率が低下するのを抑制することができるようになっている。
[1−2L.扉枠における発光装飾]
続いて、扉枠5における発光装飾について、主に図59及び図60を参照して説明する。図59は、扉枠における発光装飾用のLEDの配置を示す正面図である。また、図60は、扉枠における発光装飾用のLEDの系統を示す正面図である。本実施形態の扉枠5は、右サイド装飾ユニット200、左サイド装飾ユニット240、上部装飾ユニット280、及び皿ユニット300によって遊技盤4の遊技領域1100と略対応した遊技窓101の外周を略環状に囲うように形成されている。これら各ユニット200,240,280,300には、LEDが実装された装飾基板214,216,254,256,286,320,322を備えており、各LEDを適宜発光させることで、遊技窓101の外周を発光装飾させることができるようになっている。
扉枠5の右サイド装飾ユニット200及び左サイド装飾ユニット240は、上述したように、遊技窓101の下辺を除く外周の殆どを囲うように形成されており、サイドレンズ210,250における複数の周レンズ部210a,250aが遊技窓101の外周に沿うように配置されていると共に、放射レンズ部210b,250bが遊技窓101の左右方向中央の下部付近を中心とした放射状の軸線に沿って延びるように隣接した周レンズ部210a,250a同士の間に配置されている。これらサイドレンズ210,250の周レンズ部210a,250aと放射レンズ部210b,250bは、不透光性(本例では、表面にメッキ層を有している)のサイド装飾フレーム202,242によって外周が囲まれた状態となっている。
これらサイドレンズ210,250の後側には、サイドインナーレンズ212,252が配置されており、サイドインナーレンズ212,252は、その本体部212a,252aが周レンズ部210a,250aの後面に対して所定距離離間した位置となるように形成されていると共に、板状の導光部212b,252bが放射レンズ部210b,250bの後面に対して可及的に接近した位置まで延出するように形成されている。このサイドインナーレンズ212,252の本体部212a,252aには、詳細な図示は省略するが、その表面に微細なプリズムが複数形成されており、後側に配置された装飾基板214,216,254,256からの光を拡散させることができるようになっている。
サイドインナーレンズ212,252の後側に配置される右サイド上装飾基板214、右サイド下装飾基板216、左サイド上装飾基板254、左サイド下装飾基板256には、周レンズ部210a,250aと対応する位置に配置されたLED214a,216a,254a,256aと、放射レンズ部210b,250bと対応する位置に配置されたLED214b,216b,254b,256bとを備えている。本例では、周レンズ部210a,250aと対応したLED214a,216a,254a,256aがフルカラーLEDとされており、放射レンズ部210b,250bと対応したLED214b,216b,254b,256bが白色LED(上部装飾ユニット280における上部装飾基板286のLED286bよりも低い通常の輝度)とされている。また、右サイド上装飾基板214におけるサイドサブレンズ228と対応し上下に配置された二つのLED214cは、赤色LEDとされている。
なお、本例では、右サイド上装飾基板214、右サイド下装飾基板216、左サイド上装飾基板254、及び左サイド下装飾基板256の表面が、白色のフォトレジスト、白色印刷(例えば、シルク印刷)、白色塗装、等によって白色とされている。これにより、装飾基板214,216,254,256での反射率を高めることができるので、各LED210a,210b等が非点灯時に遊技者側からの光を装飾基板214,216,254,256によって反射させることで、サイドレンズ210,250が暗くなりすぎて見栄えが悪くなるのを防止することができると共に、発光する各LED210a,210b等からの光を基板によって遊技者側へ反射させることで、サイドレンズ210,250をより明るく発光装飾させることができるようになっている。
次に、扉枠5の上部装飾ユニット280は、上述したように、右サイド装飾ユニット200及び左サイド装飾ユニット240の上部における扉枠5の左右方向中央側を向いた端部同士の間を接続するように形成されており、遊技窓101の上部中央を装飾するものである。この上部装飾ユニット280は、中央に宝石状に形成された大型の中央レンズ282と、中央レンズ282の斜め上左右両側に羽根状に形成された側レンズ284と、中央レンズ282の下左右両側に配置された下レンズ289とを備えている。上部装飾ユニット280の中央レンズ282は、青味を帯びた透明な部材により形成されており、側レンズ284及び下レンズ289は、透光性を有した白色(乳白色)の部材により形成されている。これにより、中央レンズ282の後側に配置されたインナーレンズ283が、遊技者側から視認することができるようになっている。
この上部装飾ユニット280のインナーレンズ283は、表面に複数の微細なレンズ(プリズムを含む)が形成されており、光を乱反射させたり乱屈折させたりすることができるので、透明な中央レンズ282を通してインナーレンズ283を見ると、中央レンズ282に深味があるように見えると共に、あたかも中央レンズ282自体がキラキラ輝いているように見えるようになっている。また、遊技者側からは、インナーレンズ283の後側に配置された上部装飾基板286が見えないようになっている。
上部装飾ユニット280における上部装飾基板286には、中央レンズ282と対応しインナーレンズ283の後側に配置された複数(本例では、六つ)のLED286aと、側レンズ284及び下レンズ289の後側に配置された複数(本例では、側レンズ284用に二つ、下レンズ289用に一つずつ、左右夫々に配置されている)のLED286bとを備えている。なお、本例では、中央レンズ282と対応したLED286aは、フルカラーLEDとされており、側レンズ284及び下レンズ289と対応したLED286bは、高輝度の白色LEDとされている。また、上部装飾基板286の前面もまた、白色とされており、上記と同様の作用効果を奏することができるようになっている。
続いて、皿ユニット300では、左右のサイド装飾ユニット200,240の下端同士を結ぶように、上皿301の前端に沿って上皿上部レンズ318における宝石状の複数の導光部318aが上皿前部装飾部材316の開口部316aを通して露出した状態で列設されており、正面から見ると、図示するように、上皿前部装飾部材316及び上皿上部レンズ318によって遊技窓101の下辺外側(下側)が装飾させるようになっている。この上皿上部レンズ318の下側には、各導光部318aと対応する突出部を有した上皿上部インナーレンズ319が配置されている。皿ユニット300の上皿上部レンズ318は、青味を帯びた透明な部材で形成されており、上皿上部インナーレンズ319は、透明な部材で形成されている。
皿ユニット300の上皿上部インナーレンズ319は、上皿上部レンズ318の導光部318aと対応する表面(上面)に、複数の微細なプリズムが形成されており、光を乱反射させたり乱屈折させたりすることができるようになっているので、上部装飾ユニット280の中央レンズ282と同様に、上皿上部レンズ318の導光部318aに、深味を付与すると共にキラキラした輝きを付与して、導光部318aがあたかも宝石のように見えるようになっている。また、上皿上部インナーレンズ319によって遊技者側から導光部318aを通して、下側に配置された上皿右装飾基板320や上皿左装飾基板322が見えないようになっている。
この皿ユニット300における上皿右装飾基板320及び上皿左装飾基板322の上面には、上皿上部レンズ318の導光部318aと対応するように、複数(本例では、夫々六つ)のLED320a,322aが備えられている。本例では、上皿右装飾基板320及び上皿左装飾基板322のLED320a,322aは、フルカラーLEDとされている。また、上皿右装飾基板320及び上皿左装飾基板322の表面(上面)も、白色とされており、上記と同様の作用効果を奏することができるようになっている。
次に、皿ユニット300に取付けられる操作ユニット400は、透光性を有した環状のダイヤル操作部401と、ダイヤル操作部401の内側に配置された透光性を有した円柱状の押圧操作部405とを備えており、ダイヤル操作部401及び押圧操作部405の下側にはダイヤル装飾基板430及びボタン装飾基板432が夫々配置されている。ダイヤル装飾基板430には、ダイヤル操作部401と対応するように周方向へ複数(本例では、四つ)配置されたLED430bが備えられている。また、ボタン装飾基板432には、押圧操作部405と対応するように一つのLED432dが備えられている。本例では、ダイヤル装飾基板430のLED430bが高輝度の白色LEDとされており、ボタン装飾基板432のLED432dがフルカラーLEDとされている。また、ダイヤル装飾基板430及びボタン装飾基板432の表面(上面)もまた、白色とされており、上記と同様の作用効果を奏することができるようになっている。
ところで、本例の扉枠5では、遊技窓101の下辺よりも上側の外周を覆う右サイド装飾ユニット200及び左サイド装飾ユニット240におけるサイドレンズ210,250の各周レンズ部210a,250aと対応したLED214a,216a,254a,256aが、遊技窓101に近い第一環状グループ102(図59及び図60においてハッチの範囲内)と、第一環状グループ102よりも外側に配置された第二環状グループ103(図59及び図60においてクロスハッチの範囲内)とに分けられており、第一環状グループ102と第二環状グループ103のLEDを適宜発光させることで、遊技窓101を囲むように略同心円状に複数(本例では二つ)発光装飾させることができるようになっている。つまり、第一環状グループ102のLED214a,216a,254a,256aを全て発光させると、遊技窓101に近いハッチの範囲が環状に発光装飾され、第二環状グループ103のLED214a,216a,254a,256aを全て発光させると、遊技窓101から遠ざかったクロスハッチの範囲が環状に発光装飾されるようになっている。
また、扉枠5では、右サイド装飾ユニット200及び左サイド装飾ユニット240におけるサイドレンズ210,250の放射レンズ部210b,250bと対応したLED214b,216b,254b,256bが、第一環状グループ102及び第二環状グループ103を周方向へ分割するように遊技窓101(遊技領域1100)の左右方向中央下部を中心として放射状に延びた放射状グループ104(図59及び図60において網掛けの範囲内)とされている。この放射状グループ104のLED214b,216b,254b,256bを適宜発光させることで、遊技窓101の外側を放射状に発光装飾させることができる他に、第一環状グループ102や第二環状グループ103による環状の発光装飾を周方向へ分割するように発光装飾させることができるようになっている。また、右サイド装飾ユニット200における上部右側面のサイドサブレンズ228と対応したLED214cは、上部右サイドグループ105とされており、このLED214cを適宜発光させることで、扉枠5の上部右側面の一部(サイドサブレンズ228)を発光装飾させることができるようになっている。
また、扉枠5では、遊技窓101の上側中央を装飾する上部装飾ユニット280における中央レンズ282と対応したLED286aが、第一環状グループ102及び第二環状グループ103の上部中央を発光装飾する上部中央グループ106とされている。この上部中央グループ106のLED286aを適宜発光させることで、遊技窓101の上部中央を発光装飾させることができる他に、第一環状グループ102や第二環状グループ103による環状の発光装飾の基準点となるような発光装飾をさせることができるようになっている。また、上部装飾ユニット280における側レンズ284及び下レンズ289と対応したLED286bは、上部中央グループ106の左右両側を発光装飾させる上部中央サイドグループ107とされている。この上部中央サイドグループ107のLED286bを適宜発光させることで、第一環状グループ102及び第二環状グループ103と上部中央グループ106との境界を発光装飾させたり、遊技窓101の上側(上部も含む)でV字状に発光装飾させたりすることができるようになっている。
更に、扉枠5では、遊技窓101の下辺を装飾する皿ユニット300における上皿前部装飾部材316の複数の開口部316aに嵌め込まれた上皿上部レンズ318の導光部318aと対応したLED320a,322aが、第一環状グループ102及び第二環状グループ103の左右の下端同士を連結するように遊技窓101の下辺外周を発光装飾する下部グループ108とされている。この下部グループ108のLED320a,322aを適宜発光させることで、遊技窓101の下辺や上皿301の前縁を発光装飾させることができる他に、第一環状グループ102や第二環状グループ103のLED214a,216a,254a,256aと連動させることで、遊技窓101の外周全体を環状に発光装飾させることができるようになっている。
また、扉枠5では、遊技窓101の下側中央で皿ユニット300の上部中央に配置された操作ユニット400のダイヤル操作部401及び押圧操作部405と対応したLED430b,432dが、操作ユニット400を発光装飾させる操作部グループ109とされている。この操作部グループ109のLED430b,432dを適宜発光させることで、ダイヤル操作部401や押圧操作部405を発光装飾させることができ、ダイヤル操作部401や押圧操作部405の操作タイミングや操作方向等を遊技者に知らせることができるようになっている。
本実施形態における扉枠5における発光装飾について、更に、詳述すると、本例では、扉枠5に備えられた各LED214a,214b,214c,216a,216b,254a,254b,256a,256b,286a,286b,320a,322a,430b,432dが、夫々が属するグループ102,103,104,106,107,108,109内で制御系統に対応して更に細分化されている。具体的には、図60に示すように、第一環状グループ102に属する20個のLED214a,216a,254a,256aは、サイドレンズ210,250の各周レンズ部210a,250a毎に102a〜102jの10系統に分けられており、第二環状グループ103に属する26個のLED214a,216a,254a,256aは、サイドレンズ210,250の各周レンズ部210a,250a毎に103a〜103jの10系統に分けられている。
また、放射状グループ104に属する20個のLED214b,216b,254b,256bは、サイドレンズ210,250の放射レンズ部210b,250b毎に104a〜104hの8系統に分けられている。また、上部右サイドグループ105に属する2個のLED214cは、上側105aと下側105bの2系統に分けられている。更に、上部中央グループ106に属する6個のLED286aは、下部106a、右上部106b、左上部106cの3系統に分けられている。また、上部中央サイドグループ107に属する6個のLED286bは、右側107aと左側107bの2系統に分けられている。
更に、下部グループ108に属する12個のLED320a,322aは、正面視右側から三つずつに108a〜108dの4系統に分けられている。また、操作グループ109に属する5個のLED430b,432dは、ダイヤル操作部401と対応した4個のLED430bが押圧操作部405を挟んで対角線状に配置されたLED430bを一組として左右109aと前後109bの2系統、押圧操作部405と対応した1個のLED432cが1系統、の3系統に分けられている。このように、本例の扉枠5では、各LED214a,214b,214c,216a,216b,254a,254b,256a,256b,286a,286b,320a,322a,430b,432dが、42の系統に分けられている。
ところで、扉枠5では、上述したように、LED214a,216a,254a,256a,286a,320a,322a,432dがフルカラーLEDとされており、それらLED214a,216a,254a,256a,286a,320a,322a,432dの属する28の系統102a〜102j,103a〜103j,106a〜106c,108a〜108d,109cでは、フルカラーで発光させるためにRGBの独立した3つの系統を更に備えており、実際の発光制御では3倍の84系統となっている。また、LED286b,430bは高輝度の白色LEDとされており、それらLED286b,430bが属する4つの系統107a,107b,109a,109bでは、高輝度で発光させるために多くの電流を必要とするので、夫々2つの系統が接続されており、実際の発光制御では2倍の8系統となっている。
なお、LED214b,216b,254b,256bは通常の輝度の白色LEDとされており、8つの系統104a〜108hに属している。また、LED214cは赤色LEDとされており、2つの系統105a,105bに属している。これらLED214b,216b,254b,256b,214cによる10の系統104a〜108h,105a,105bは、各系統で充分に制御することができるので、実際の発光制御でも同数の10系統となっている。
従って、扉枠5における発光制御での実際の系統数は、102系統となっており、各LED214a,214b,214c,216a,216b,254a,254b,256a,256b,286a,286b,320a,322a,430b,432dが属した系統毎に、点灯・点滅等がダイナミック点灯により制御されていると共に、階調(色や明るさ)がPWM制御(パルス幅変調制御)により制御されるようになっている。これにより、表情豊かな発光演出をすることができるようになっている。
扉枠5における発光演出としては、例えば、第一環状グループ102から第二環状グループ103へ順に発光(同色、或いは、類似色で順次発光)させることで遊技窓101を中心として外側へ広がるような発光演出や、逆に、第二環状グループ103から第一環状グループ102へ順に発光(同色、或いは、類似色で順次発光)させることで遊技窓101へ向かって外側から収束するような発光演出、或いは、第一環状グループ102と第二環状グループ103とを同時に発光させることで遊技窓101の外周全体を広く発光させるような発光演出等をすることができるようになっている。
また、遊技盤4の前面や表ユニット2000等に備えられたLED(詳細な図示は省略する)と協調することで、遊技盤4のLEDと、遊技窓101に近い第一環状グループ102のLEDと、第一環状グループ102よりも外側に配置された第二環状グループ103のLEDとによって、更に表情豊かな発光演出を行うことが可能となり、遊技者の関心を強く引付けることができると共に、遊技者を楽しませて興趣が低下するのを抑制することができる。
また、第一環状グループ102、第二環状グループ103や、下部グループ108において、各系統102a〜102j,103a〜103j,108a〜108dを適宜発光させることで、遊技窓101の外周を光が周回するような発光演出をしたり、遊技窓101の外周に沿って上部装飾ユニット280の中央レンズ282へ向かって光が移動するような、或いは、中央レンズ282から光が遊技窓101の外周に沿って移動するような発光演出をしたりすることができる。なお、本例では、第一環状グループ102や第二環状グループ103を周方向へ10系統102a〜102j,103a〜103jに分割(10分割)したものを示したが、これに限定するものではなく、8系統程に分割(8分割程)されていれば遊技窓101の外周を光が周回するような発光演出を良好に行うことができる。
更に、放射状グループ104のみを発光させることで遊技窓101を中心に放射状に発光する発光演出をしたり、放射状グループ104と同時に第一環状グループ102、第二環状グループ103、及び下部グループ108を発光させることで遊技窓101の外周全体を略均一に発光させる発光演出をしたり、第一環状グループ102や第二環状グループ103の発光中に放射状グループ104を発光(点灯・点滅)させることで環状の発光装飾に対してアクセントを付与する発光演出をしたりすることができる。また、放射状グループ104の各系統104a〜104hを夫々個々に発光させることで、放射レンズ部210b,250bが周回するような発光演出もすることができる。
また、上部中央グループ106の各系統106a〜106cを同時に発光させることで中央レンズ282全体が発光する発光演出や、各系統106a〜106cを順次発光させることで中央レンズ282内において光が回転するような発光演出を行うことができる。また、上部中央サイドグループ105を発光させることで、側レンズ284や下レンズ289を高輝度に発光装飾させて遊技者に対してチャンスの到来や特定の遊技状態(例えば、大当り遊技状態、確変遊技状態、時短遊技状態、等)を示唆する発光演出を行うことができる。なお、下レンズ289は、遊技者の頭上から遊技者へ向かって光を照射するように配置されており、高輝度なLED286bの発光を遊技者に気付かせ易くすることができるようになっている。
更に、下部グループ108の各系統108a〜108dを適宜発光させることで、上皿301の前縁を発光装飾させる発光演出をしたり、操作グループ109と関連させて発光させることで、ダイヤル操作部401や押圧操作部405の操作を促す発光演出をしたりすることができる。また、操作グループ109におけるダイヤル操作部401と対応した系統109a,109bを適宜発光させることで、ダイヤル操作部401の操作を促したり、ダイヤル操作部401の回転操作方向を案内したりする発光演出をすることができる。更に、操作グループ109における押圧操作部405と対応した系統109cを発光させることで、押圧操作部405の操作を促す発光演出をすることができる。
なお、第一環状グループ102、第二環状グループ103、上部中央グループ106、下部グループ108、及び操作グループ109の系統109cは、フルカラーLEDとされているので、各グループ102,103,106,108,109毎や、各系統102a〜102j,103a〜103j,106a〜106c,108a〜108d,109c毎に、発光色や明るさ等の階調を異ならせた発光演出を行うことができ、多彩で表情豊かな発光演出を行うことができる。
このように、本例の扉枠5では、右サイド装飾ユニット200及び左サイド装飾ユニット240では、周レンズ部210a,250aと対応したLED214a,216a,254a,256aを、遊技窓101に近い第一環状グループ102と、第一環状グループ102の外側で遊技窓101から遠い第二環状グループ103とに分けて発光させることができるようにしているので、遊技窓101(遊技領域1100)の外側を複数の略同心円状に発光装飾させることができ、遊技窓101の外周を光が囲うことでこれまでのパチンコ機には無い発光演出を行うことができ、遊技者の関心を強く引付けられるパチンコ機1とすることができるようになっている。
また、一つの周レンズ部210a,250aにおいて、略同心円状配置された二系統のLEDを備えるようにしており、外観状は一つに見えても、二系統の各LEDを夫々発光させることで、略同心円状に発光装飾させることができるので、発光装飾の態様を外観からは想像し難くすることが可能となり、発光装飾による周レンズ部210a,250a(右サイド装飾ユニット200及び左サイド装飾ユニット240)の変化を大きくすることができ、発光装飾によるインパクトを高くして遊技者の関心を強く引付けられるパチンコ機1とすることができるようになっている。
更に、遊技領域1100の前面を閉鎖する透明な遊技窓101の外側に、扉枠5における左右の装飾ユニット200,240の装飾基板214,216,254,256に、放射状に配置したLED214b,216b,254b,256bと、LED214b,216b,254b,256bにより周方向に分割され略同心円状に配置された第一環状グループ102及び第二環状グループ103のLED214a,216a,254a,256aと、を備えるようにしているので、遊技状態に応じて第一環状グループ102及び第二環状グループ103のLED214a,216a,254a,256aを発光させることで、遊技窓101の外周を複数の環状に発光装飾させることが可能となり、これまでのパチンコ機では見たことも無いような発光装飾を遊技者に見せることができ、遊技者の関心を強く引付けられるパチンコ機1とすることができる。
また、扉枠5における各装飾基板214,216,254,256のLED214a,216a,254a,256aから構成された環状の第一環状グループ102及び第二環状グループ103を略同心円状に配置(図60を参照)しているので、外側から内側へ向かって第二環状グループ103、第一環状グループ102の順に発光させることで、遊技窓101つまり遊技領域1100へ向かって光が収束するような発光演出を行うことができ、遊技者の関心を遊技領域1100へ向けさせることができると共に、遊技領域1100内で何か良いことがあるのではないかと思わせることができ、遊技に対する期待感を高めて興趣が低下するのを抑制することができる。更に、内側から外側へ向かって第一環状グループ102、第二環状グループ103の順に発光させることで、遊技窓101つまり遊技領域1100から外側へ向かって広がるような発光演出を行うことができ、外側へ広がる発光演出により遊技者に対して何か良いことがあるような期待感を抱かせることが可能となり、遊技者の遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができる。
更に、遊技窓101(遊技領域1100)よりも外側で上述したような発光演出を行うことができるようにしているので、本パチンコ機1で遊技する遊技者だけでなく、パチンコ機1を設置した遊技ホール内の遊技者に対しても、上述のような発光演出を見せることができ、他の遊技者の関心を強く引付けて、遊技するパチンコ機として本パチンコ機1を選択させ易くすることができる。
また、環状に延びた第一環状グループ102及び第二環状グループ103のLED214a,216a,254a,256aを周方向へ分割するように放射状に配置された放射状グループ104のLED214b,216b,254b,256bを備えており、これら放射状グループ104を発光させることで第一環状グループ102及び第二環状グループ103による環状の発光装飾を周方向へ区切ることができるので、発光装飾にアクセントを付与することができ、発光装飾の変化によって遊技者の関心を強く引付けることができる。また、放射状に配置された放射状グループ104によって第一環状グループ102及び第二環状グループ103のLED214a,216a,254a,256aをサイドレンズ210,250の周レンズ部210a,250aと対応するように周方向へ系統102a〜102j,103a〜103jに分割しているので、各周レンズ部210a,250aと対応したLED214a,216a,254a,256aを夫々系統102a〜102j,103a〜103j毎に独立して発光させることで光が周方向へ移動するような発光演出も行うことができ、より多彩な発光演出を提供することで飽き難いパチンコ機1とすることができる。
更に、サイドレンズ210,250に、LED214a,216a,254a,256aと対応した周レンズ部210a,250aと、LED214b,216b,254b,256bと対応した放射レンズ部210b,250bとを備えるようにしており、放射レンズ部210b,250bを周レンズ部210a,250aに含ませて一体的なものとした場合と比較して、蓋然的にサイドレンズ210,250の外観に変化を付与することができるので、発光装飾していない時でも、サイドレンズ210,250の外観の意匠性を高めることができ、遊技者の関心を強く引付けられるパチンコ機1とすることができる。なお、サイドレンズ210,250を周レンズ部210a,250aと放射レンズ部210b,250bとに分けるようにしても、環状に配置されたLED214a,216a,254a,256aと放射状に配置されたLED214b,216b,254b,256bとを同じ発光態様で発光させることで、周レンズ部210a,250aと放射レンズ部210b,250bとが一体となったように錯覚させることが可能となり、遊技窓101の外周を一体的に環状に発光装飾させることができ、上述した作用効果も充分に奏することができる。
また、サイドレンズ210,250における一つの周レンズ部210a,250aに、放射状に配置されたLED214b,216b,254b,256bによって周方向へ仕切られた第一環状グループ102及び第二環状グループ103のLED214a,216a,254a,256aを、対応させるようにしており、外観状は一つに見えても、第一環状グループ102及び第二環状グループ103に対応したLED214a,216a,254a,256aを夫々発光させることで、略同心円状に発光装飾させることができるので、発光装飾の態様を外観からは想像し難くすることが可能となり、発光装飾によるサイドレンズ210,250の変化を大きくすることができ、発光装飾によるインパクトを高くして遊技者の関心を強く引付けられるパチンコ機1とすることができる。
更に、サイドレンズ210,250と装飾基板214,216,254,256との間に装飾基板214,216,254,256からの光を拡散させてサイドレンズ210,250に照射するサイドインナーレンズ212,252を備えているので、サイドレンズ210,250の発光装飾にムラが発生するのを抑制することができ、発光装飾の見栄えを良くすることができる他に、点状に発光するLED214a,216a,254a,256aを用いてもサイドレンズ210,250を面状に発光装飾させることができるので、線状に発光する発光体(例えば、冷陰極管(蛍光管)、ネオン管、有機EL、等)を用いた場合と比較して、各LED214a,216a,254a,256aを個々に発光させることで第一環状グループ102や第二環状グループ103での発光を周方向にも変化させることが可能となり、より多様な発光演出を提示することができ、飽き難くして遊技者の興趣が低下するのを抑制することができると共に、遊技者の関心を強く引付けられるパチンコ機1とすることができる。
また、サイドインナーレンズ212,252によって光を拡散させることができるので、サイドレンズ210,250の透明度を高くしても、サイドインナーレンズ212,252における乱屈折によりサイドインナーレンズ212,252の後側に配置された装飾基板214,216,254,256を見辛くすることができ、遊技者側から装飾基板214,216,254,256等が直に見えて、見栄えが悪くなるのを防止することができる。
更に、サイドインナーレンズ212,252の導光部212b,252bによりLED214b,216b,254b,256bからの光を導いてサイドレンズ210,250の放射レンズ部210b,250bに照射するようにしているので、LED214b,216b,254b,256bからの光を確実に放射レンズ部210b,250bへ導いて発光装飾させることができ、上述した作用効果を奏するパチンコ機1を確実に具現化することができる。また、サイドインナーレンズ212,252の導光部212b,252bによってサイドレンズ210,250とLED214b,216b,254b,256bとの距離が遠くてもサイドレンズ210,250の放射レンズ部210b,250bを確実に発光装飾させることができるので、第一環状グループ102や第二環状グループ103によってサイドレンズ210,250の周レンズ部210a,250aを広く照射するためにサイドレンズ210,250との間に充分なスペースを確保したLED214a,216a,254a,256aと同じ基板に、放射状に配置されたLED214b,216b,254b,256bを実装することができ、パチンコ機1に係る構成を簡略化することができる。
また、サイド装飾フレーム202,242によってサイドレンズ210,250の周レンズ部210a,250aと放射レンズ部210b,250bの外周を囲うようにしているので、周レンズ部210a,250aからの光が放射レンズ部210b,250bへ、或いは、放射レンズ部210b,250bからの光が周レンズ部210a,250aへ影響するのを可及的に低減させることができ、夫々の発光装飾が互いに干渉し合うのを防止して見栄えの良い発光演出を行うことができる。
[1−2M.周辺制御基板の構成]
上述した本実施形態のパチンコ遊技機1は、周辺制御基板4010を備えている。周辺制御基板4010は、上述した周辺制御部4140と、後述するリアルタイムクロック制御部4190(以下では、RTC制御部4190とも呼ぶ)と、後述する液晶制御部4150とを備えている。周辺制御部4140は、後述する周辺制御MPU4140aを備えている。ここでは、周辺制御基板4010が有するリアルタイムクロック機能と、RAMのバックアップ電源機能について説明する。
図61は、パチンコ遊技機1における周辺制御基板4010の機能を説明するための図である。具体的には、図61(a)は、周辺制御基板4010の構成の一部を示し、リアルタイムクロック機能を説明するための図である。図61(b)は、周辺制御基板4010が備える周辺制御部4140の構成の一部を示し、RAMのバックアップ電源機能について説明するための図である。
<リアルタイムクロック機能>
図61(a)に示すように、RTC制御部4190と周辺制御MPU4140aとを用いて、リアルタイムクロック機能について説明する。図61(a)に示す周辺制御基板4010では、以下に説明する機能ブロック以外の構成(例えば、後述する音源IC4140cなど)を省略して示している。周辺制御基板4010における周辺制御MPU4140aは、図61(a)に示すように、内蔵リアルタイムクロック4140aa(以下では、内蔵RTC4140aa)を備えている。なお、この内蔵RTC4140aaは、後述する本実施形態の周辺制御基板4010において、変動表示パターンに設定された変動時間などの時間を計測するタイマ機能に含まれていてもよい。
RTC制御部4190は、リアルタイムクロック4192(以下では、RTC4192と呼ぶ)と、電池4194と、RAM4196と、を備えている。RTC4192は、レジスタ回路、クロック入力回路、クロック出力回路、割り込み出力回路、データ入出力回路、および、制御回路などの回路で構成される。RTC4192は、現在のカレンダ情報および時刻情報を出力可能である。カレンダ情報は、日にちに関する情報、例えば、「年」、「月」、「日」、「曜日」などの情報を含む。時刻情報は、時刻に関する情報、例えば、「時」、「分」、「秒」などの情報を含む。RAM4196には、RTC4192の動作に必要な情報が記憶される。電池4194は、RTC4192と、RAM4196とに接続され、これらのバックアップ電源として機能する。電池4194としては、ボタン電池などの一次電池や充電可能な二次電池を用いてもよく、また、大容量のキャパシタなどを用いてもよい。
なお、パチンコ遊技機1は、後述する主基板4000や周辺制御基板4010などの各基板に電力を供給するための電源基板851(後述の図170等参照)を備えている。電源基板851がONされた状態では、各基板に電力が供給され、電源基板851がOFFされた状態では、各基板への電力の供給が停止される。
RTC4192は、パチンコ遊技機1の電源ON時(電源基板851ON時)には、電源基板851から電力の供給を受けて作動する。一方、RTC4192は、パチンコ遊技機1の電源OFF時(電源基板851OFF時)には、電源基板851から電力の供給を受けることができないので、電池4194から電力の供給を受けて作動する。
内蔵RTC4140aaは、現在のカレンダ情報および時刻情報を出力可能である。内蔵RTC4140aaは、電源基板851から電力の供給を受けて作動するので、パチンコ遊技機1の電源OFFとなると(電源基板851から電力の供給が停止すると)、現在のカレンダ情報および時刻情報を消失する。従って、周辺制御MPU4140aは、パチンコ遊技機1の起動時(電源投入時)や電源基板851に障害が生じた場合(例えば、瞬停が生じた場合)には、RTC4192からカレンダ情報および時刻情報を受け取って、内蔵RTC4140aaにセットする。以後、周辺制御MPU4140aは、カレンダ情報および時刻情報を用いる場合には、RTC4192のカレンダ情報および時刻情報を用いるのではなく、内蔵RTC4140aaのカレンダ情報および時刻情報を用いる。
なお、周辺制御MPU4140aは、RTC4192からカレンダ情報および時刻情報を取得することができない場合には、RTC4192が動作不良を起こしているものと判断して、エラー処理を行う。エラー処理としては、カレンダ情報および時刻情報として、予め決められた初期値を設定して動作を行うようにしてもよい。この初期値としては、例えば、「2011年1月1日土曜日12時00分」などとしてもよい。
ここで、周辺制御基板4010(例えば、後述する周辺制御RAM4140eやRAM4140f)には、予め「特別な日時」が設定されており、周辺制御基板4010(例えば、周辺制御部4140)は、その「特別な日時」になると、「特別な処理」を行ってもよい。しかしながら、現在が上記「特別な日時」に該当していても、RTC4192が動作不良を起こし上記エラー処理が行われた場合には、カレンダ情報および時刻情報が上記初期値にリセットされるので、上記「特別な処理」が行われない場合がある。そこで、パチンコ遊技機1(例えば、周辺制御基板4010)は、パチンコ遊技機1が設置された遊技店(パチンコホールやゲームセンターなど)の店員が、上記「特別な日時」を好適な日時に切り替えることができるような機能を備えていてもよい。
上述のように、本実施形態では、RTC制御部4190は、パチンコ遊技機1の電源OFF時でも作動する。このようにすれば、RTC制御部4190が出力するカレンダ情報および時刻情報を正確にすることができる。また、内蔵RTC4140aaは、パチンコ遊技機1の電源OFFによってカレンダ情報および時刻情報を消失しても、RTC制御部4190から出力されるカレンダ情報および時刻情報が新たにセットされる。このようにすれば、周辺制御MPU4140aは、一旦RTC4192に問い合わせた後は、RTC4192に問い合わせることなく、正確なカレンダ情報および時刻情報を用いることができる。
なお、本実施形態では、上記RTC制御部4190を、周辺制御基板4010に設けるようにしているが、これに限られることなく、他の基板(例えば、後述の中継基板3014,3016,2018,3020やランプ駆動基板4170など)に設けるようにしてもよい。また、RTC制御部4190は、現在のカレンダ情報および時刻情報を正確な情報とするために、定期的にGPS衛星から現在のカレンダ情報および時刻情報を取得するGPS更新部を有していてもよい。
<RAMのバックアップ電源機能>
図61(b)に示すように、周辺制御部4140を用いてRAMのバックアップ電源機能について説明する。図61(b)の周辺制御部4140では、以下に説明する機能ブロック以外の構成(例えば、後述する音源IC4140cなど)を省略して示している。周辺制御部4140は、図61(b)に示すように、周辺制御MPU4140aに加えて、キャパシタBC2と、ダイオードSD0と、RAM4140fとを備えている。
RAM4140fは、パチンコ遊技機1(電源基板851)が電源OFFとなっても消失せずに保持しておきたい情報を記憶するためのメモリである。ダイオードSD0は、アノード端子側が周辺パネル中継端子板872を介して電源基板851の+5.25V作成回路851eと接続されており、+5.25Vの電圧が印加され得る。また、ダイオードSD0は、カソード端子側がRAM4140fおよびキャパシタBC2に接続されている。
キャパシタBC2は、電気二重層キャパシタであり、RAM4140fのバックアップ電源として機能する。キャパシタBC2は、マイナス端子が、グランドと接地される一方、プラス端子が、ダイオードPD0のカソード端子と電気的に接続されている。+5.25V作成回路851eからの電力は、RAM4140fに供給されると共に、キャパシタBC2にも供給される。これにより、キャパシタBC2は充電される。従って、+5.25V作成回路851eからの電力が周辺制御基板4010に供給されなくなった場合には、キャパシタBC2に充電された電荷がRAM4140fに供給され、RAM4140fの記憶内容が保持される。この場合、ダイオードSD0によって、キャパシタBC2から電源基板851側へ電荷が供給されることを防止することができる。
周辺制御MPU4140aは、パチンコ遊技機1(電源基板851)が電源OFFとなっても消失せずに保持しておきたい情報を適宜RAM4140fに格納することによって、パチンコ遊技機1が電源OFFになり、再び、電源ONになった場合に、電源OFFになる前にRAM4140fに格納された情報を用いて、継続的な制御が可能となる。
なお、本実施形態では、ダイオードSD0、キャパシタBC2、および、RAM4140fは、周辺制御部4140に設けられていたが、これに限られず、例えば、液晶制御部4150に設けられてもよい。また、RAM4140fは、周辺制御部4140および液晶制御部4150に共用されてもよい。
[1−3.本体枠の全体構成]
次に、パチンコ機1における本体枠3について、図62乃至図68を参照して説明する。図62は、本体枠の正面図であり、図63は、本体枠の背面図である。また、図64は、本体枠の正面斜視図であり、図65は、本体枠の背面斜視図である。更に、図67は、本体枠を分解して前から見た分解斜視図であり、図66は、本体枠の左側面図であり、図68は、本体枠を分解して後から見た斜視図である。本実施形態の本体枠3は、外枠2に対して正面視左辺が軸支されており、扉枠5の後側で外枠2の前面を開閉するように扉状に支持されていると共に、前側が扉枠5によって開閉させられるようになっている。また、本体枠3は、扉枠5の遊技窓101と対応した位置に前側から遊技盤4を着脱自在に保持することができるようになっている。
本例の本体枠3は、本体枠3の骨格を形成すると共に前後方向に貫通し遊技盤4を保持するための矩形状の遊技盤保持口601を有した本体枠ベース600と、本体枠ベース600の正面視左側端部の上端及び下端に夫々取付けられ外枠2に軸支されると共に扉枠5を軸支するための上軸支金具630及び下軸支金具640と、本体枠ベース600の下部前面に取付けられ遊技盤4の遊技領域1100内へ遊技球を打ち込むための打球発射装置650と、本体枠ベース600の後側に取付けられ皿ユニット300の上皿301へ遊技球を払出すための賞球ユニット700と、本体枠ベース600の前面に取付けられ本体枠3に対して扉枠5が開いた時に賞球ユニット700から扉枠5の皿ユニット300への遊技球の流れを遮断する球出口開閉ユニット790と、を備えている。
また、本体枠3は、本体枠ベース600の下部後面に取付けられ遊技盤4を除く扉枠5や本体枠3に備えられた電気的部品を制御するための各種の制御基板や電源基板851等を一纏めにしてユニット化した基板ユニット800と、本体枠ベース600における遊技盤保持口601の後側開口を覆う裏カバー900と、本体枠ベース600の正面視左側端部を被覆する側面防犯板950と、本体枠ベースの正面視右側端部に取付けられ外枠2に対する本体枠3の開閉施錠、及び本体枠3に対する扉枠5の開閉施錠をする錠装置1000と、を主に備えている。
[1−3A.本体枠ベース]
次に、本体枠3における本体枠ベース600について、主に図69及び図70を参照して説明する。図69は、本体枠における本体枠ベースの正面斜視図である。また、図70は、本体枠における本体枠ベースの背面斜視図である。本実施形態の本体枠3における本体枠ベース600は、合成樹脂によって一体成形されており、正面視の外形が扉枠5の外形と沿った縦長の矩形状とされていると共に、前後方向へ略一定の奥行きDを有するように形成されている(図66を参照)。これにより、本体枠ベース600に対して、その後側に賞球ユニット700、基板ユニット800、裏カバー900、及び錠装置1000等の取付作業時において、本体枠ベース600を伏せた状態で作業する際に、本体枠ベース600の後面が本体枠ベース600における奥行きDの高さで略平らな状態となり、賞球ユニット700等を容易に載置することができ、本体枠3の組立てに係る作業性を良くすることができるようになっている。
本体枠ベース600は、図示するように、上部から下部へ向かって全体の約3/4の範囲内が前後方向へ矩形状に貫通し遊技盤4の外周を嵌合保持可能な遊技盤保持口601と、本体枠ベース600の正面視左辺を除く前端外周を形成するコ字状の前端枠部602と、前端枠部602の前面から後方へ向かって窪み、扉枠5における扉枠ベース本体110の下端から後方へ突出した扉枠突片110c、扉枠5の補強ユニット150における上側補強板金151の後方へ突出した上側の屈曲突片167及び開放側補強板金153の後方へ突出した開放側外折曲突片163が挿入係合される係合溝603と、を備えている。
また、本体枠ベース600は、遊技盤保持口601の下側から本体枠ベース600下端まで延出し前端枠部602の前端から所定量後側へ窪み左右方向へ板状に広がった下部後壁部604と、前端枠部601よりも内側で後方へ突出し遊技盤保持口601の内周壁を形成する周壁部605と、を備えている。この周壁部605によって、コ字状の前端枠部602の自由端部(正面視で上下の左側端部)同士が連結されるようになっており、本体枠ベース600の外形が枠状となるようになっている。
また、本体枠ベース600は、下部後壁部604の上端に遊技盤保持口601の下辺を形成すると共に遊技盤4が載置される遊技盤載置部606と、遊技盤載置部606の左右方向略中央から上方へ突出し遊技盤4における遊技パネル1150のアウト球排出溝1156と係合する位置決め突起607と、周壁部605における正面視右側内壁の所定位置に形成され遊技盤4の遊技盤止め具1120が止め付けられる遊技盤係止部608(図62を参照)と、周壁部605の上側内壁から下方へ垂下し下端が遊技盤4の上端と当接可能な板状で左右方向に複数配置された上端規制リブ609と、を備えている。本体枠ベース600の位置決め突起607は、遊技盤4のアウト球排出溝1156と嵌合することで、遊技盤4の下端が左右方向及び後方向へ移動するのを規制することができるようになっている。また、遊技盤係止部608は、遊技盤4の遊技盤止め具1120が係止されることで遊技盤4の正面視右辺が前後方向へ移動するのを規制することができるようになっている。なお、遊技盤4の正面視左辺は、詳細は後述するが、側面防犯板950の位置決め部材956によって前後方向への移動が規制されるようになっている。
更に、本体枠ベース600は、コ字状の前端枠部602の自由端部(正面視で上下の左側端部)の後面に上軸支金具630及び下軸支金具640を取付けるための金具取付部610を備えている(図70を参照)。この金具取付部610は、図69等示すように、その前側が上下及び左右に延びた複数のリブによって補強されており、充分な強度で上軸支金具630及び下軸支金具640を取付けることができるようになっている。また、本体枠ベース600は、正面視で下部後壁部604の右端上部に前後方向に貫通した略円形のシリンダ錠貫通穴611と、シリンダ錠貫通穴611の正面視左下に形成され扉枠5における扉枠ベース本体110から後方へ突出する位置決め突起110dと嵌合するU字状の嵌合溝612と、嵌合溝612の正面視左下に形成され打球発射装置650の発射ソレノイド654を収容するソレノイド収容凹部613と、を備えている。
本例の本体枠ベース600は、上述したように、下部後壁部604が前端枠部602の前面よりも後側へ一段窪んだ位置に形成されており、下部後壁部604の正面視右側前面に、打球発射装置650の発射ソレノイド654がソレノイド収容凹部613内に収容されるように前側から打球発射装置650が取付けられるようになっている。この下部後壁部604の前面に打球発射装置650を取付けた状態では、図64や図99等に示すように、打球発射装置650における発射レール660の上端よりも正面視左側に、左方向及び下方へ広がったファール空間626が形成されるようになっている。本例では、本体枠3に対して扉枠5を閉じた状態とすると、ファール空間626の下部にファールカバーユニット540におけるファール球入口542eが位置するようになっており、ファール空間626を下降した遊技球が、ファールカバーユニット540のファール球入口542eに受けられて、皿ユニット300における下皿302へ排出されるようになっている。
また、本体枠ベース600は、正面視で下部後壁部604の左右中央よりも左側に前後方向へ矩形状に貫通する開口部614と、開口部614の上側及び正面視左右両側に複数形成され前後方向に貫通した透孔615と、を備えている。この本体枠ベース600の開口部614は、前側から中継端子板カバー692(図67等を参照)によって閉鎖されるようになっており、中継端子板カバー692の開口692aを通して、下部後壁部604の後面に取付けられた基板ユニット800の主側中継端子板880と周辺側中継端子板882とが前側へ臨むようになっている。また、複数の透孔615は、基板ユニット800のスピーカボックス820からの音を、本体枠ベース600の前側へ伝達させるためのものである。なお、開口部614の左右両側に配置された透孔615は、前側に衝壁を有したベンチレーション型の孔とされている。
また、本体枠ベース600は、開口部614の上側で下部後壁部604の前面上端付近に遊技盤4を脱着可能に固定するための遊技盤固定具690を回転可能に支持する固定具支持部616と、固定具支持部616の正面視右下から前方へ突出し遊技盤固定具690の回転位置を規制するストッパ617と、を備えている。
ここで、遊技盤固定具690は、図62等に示すように、本体枠ベース600の固定具支持部616に軸支される軸心を中心に扇状に広がる固定片690aと、固定片690aにおける周方向一端側(正面視で時計回りの方向へ回転させた時に後端となる側)から外方へ延出する操作片690bと、を備えている。この遊技盤固定具690は、本体枠ベース600の固定具支持部616に軸支させた上で、操作片690bを操作して遊技盤固定具690を正面視で時計回りの方向へ回動させると、固定片690aが遊技盤載置部606よりも上方へ突出し、遊技盤載置部606に載置された遊技盤4の固定凹部1121内に挿入されるようになっており、遊技盤4が前側へ移動するのを阻止することができるようになっている。また、遊技盤固定具690は、操作片690bがストッパ617と当接するようになっており、ストッパ617と当接することで、正面視反時計周りの方向への回動端が規制されるようになっている。
更に、本体枠ベース600は、シリンダ錠貫通穴611の下側前面に、本体枠3に対する扉枠5の開放を検知するための扉枠開放スイッチ618が取付けられており、本体枠3に対して扉枠5が開かれる(開放される)と、その押圧が解除されて扉枠5の開放を検知することができるようになっている。また、本体枠ベース600は、扉枠開放スイッチ618が取付けられた位置よりも下側後面に、外枠2に対する本体枠3の開放を検知するための本体枠開放スイッチ619が取付けられており(図70を参照)、外枠2に対して本体枠3が開かれる(開放される)と、その押圧が解除されて本体枠3の開放を検知することができるようになっている。
また、本体枠ベース600は、コ字状の前端枠部602における正面視で右側(開放側)辺の係合溝603よりも内側(軸支側)に、前後方向へ縦長に貫通する三つの扉用フック穴620と、下端の扉用フック穴620の下側に前後方向へ貫通し左右方向に二つ並んだ錠係止穴621と、を備えている。これら三つの扉用フック穴620は、上下方向の上下両端付近と、上下方向の略中央に夫々形成されている。この上側と中央の扉用フック穴620と錠係止穴621には、錠装置1000の上下両端に備えられた係止突起1004が係合係止されるようになっており、前端枠部602における正面視右辺の後側で周壁部605の外壁に沿って錠装置1000が本体枠ベース600に取付けられるようになっている。そして、本体枠ベース600に錠装置1000を取付けた状態では、錠装置1000の三つの扉枠用フック部1041が、三つの扉用フック穴620から前方へ突出すると共に、錠装置1000のシリンダ錠1010がシリンダ錠貫通穴611から前方へ突出した状態となるようになっている(図64を参照)。
更に、本体枠ベース600は、下部後壁部604の後面に、背面視で、右側上端から左右方向略中央へ向かって緩く斜めに下降した上で、左右方向の略中央で下部後壁部604における上下方向の中間からやや上寄りの位置まで垂下し遊技球が流通可能とされた本体枠ベース球抜通路622を備えている。この本体枠ベース球抜通路622は、基板ユニット800における基板ユニットベース810によって後側が閉鎖されようになっており、詳細は後述するが、賞球装置740における球抜通路741dを流通した遊技球が流通するようになっている。
また、本体枠ベース600は、周壁部605における背面視左辺の後端に、上下方向へ所定間隔で複数配置され裏カバー900の軸支ピン906を回動可能に軸支する裏カバー軸支部623と、下部後壁部604の前面で開口部614の正面視斜め左上に球出口開閉ユニット790を取付けるための取付部624と、周壁部605の正面視右側(開放側)側面に錠装置1000を取付固定するための錠取付部625と、を備えている。
なお、詳細な説明は省略するが、本体枠ベース600には、上記の他に、打球発射装置650、賞球ユニット700、及び基板ユニット800等を取付けるための取付ボスや取付孔等が適宜位置に形成されている。
[1−3B.上軸支金具及び下軸支金具]
次に、本体枠3における上軸支金具630及び下軸支金具640について、主に図67及び図68を参照して説明する。本体枠3における上軸支金具630及び下軸支金具640は、本体枠ベース600の正面視左端上下後面の金具取付部610に、所定のビスを用いて夫々取付けることで、本体枠3に対して扉枠5を開閉可能に軸支することができると共に、外枠2に対して本体枠3を開閉可能に軸支させることができるものである。
まず、上軸支金具630は、本体枠ベース600の上側の金具取付部610に取付けられ上下左右方向へ広がる板状の取付部631と、取付部631の上端から前方へ延出する板状の前方延出部632と、前方延出部632の前端付近から上方へ延びだすように突設された軸支ピン633と、軸支ピン633の正面視左側に配置され扉枠5の軸ピン155が挿入される上下方向に貫通した扉枠軸支穴634(図64等を参照)と、前方延出部632の正面視左側端部から下方へ垂下し扉枠5の開放側への回動端を規制するストッパ635(図66及び図108を参照)と、を備えている。この上軸支金具630は、取付部631、前方延出部632、及びストッパ635が、一枚の金属板を屈曲成形することで一体的に形成されている。
一方、下軸支金具640は、扉枠5を軸支するための扉枠軸支金具642と、扉枠軸支金具642の下側に配置され外枠2に対して本体枠3を軸支するための本体枠軸支金具644と、を備えている。下軸支金具640における扉枠軸支金具642は、本体枠ベース600の下側の金具取付部610に取付けられ上下左右方向へ広がる板状の取付部642aと、取付部642aの下端から前方へ延出する板状の前方延出部642bと、前方延出部642bの前端付近に上下方向へ貫通し扉枠5の軸ピン157が挿入される扉枠軸支穴642cと、前方延出部642aの正面視左側端部から上方へ立設され扉枠5の開放側への回動端を規制するストッパ642dと、を備えている。この扉枠軸支金具642は、取付部642a、前方延出部642b、及びストッパ642dが、一枚の金属板を屈曲成形することで一体的に形成されている。
また、下軸支金具640における本体枠軸支金具644は、本体枠ベース600の下側の金具取付部610に取付けられ上下左右方向へ広がる板状の取付部644aと、取付部644aの下端から前方へ延出する前方延出部644bと、前方延出部644b前端付近に上下方向へ貫通した本体枠軸支穴(図示は省略する)と、を備えている。この本体枠軸支金具644もまた、取付部644a、及び前方延出部644bが、一枚の金属板を屈曲成形することで一体的に形成されている。
本例の下軸支金具640は、扉枠軸支金具642の取付部642aと本体枠軸支金具644の取付部644aとが前後方向に重なった(接した)状態とされると共に、扉枠軸支金具642の前方延出部642bと本体枠軸支金具644の前方延出部644bとが上下方向に所定距離離間した状態で、本体枠ベース600における下側の金具取付部610に取付けられるようになっている。
この上軸支金具630及び下軸支金具640は、本体枠ベース600に取付けた状態で、上軸支金具630の軸支ピン633と、下軸支金具640の図示しない本体枠軸支穴とが同軸上に位置するようになっており、下軸支金具640における本体枠軸支金具644の本体枠軸支穴が、外枠2における下支持金具21の支持突起21dに嵌合挿入されるように、本体枠軸支金具644の前方延出部644bを、下支持金具21の支持突出片21c上に載置した上で、上軸支金具630の軸支ピン633を、外枠2における上支持金具20の支持鉤穴20c内に挿入することで、本体枠3を外枠2に対して開閉可能に軸支させることができるようになっている。
また、この上軸支金具630及び下軸支金具640は、本体枠ベース600に取付けた状態で、上軸支金具630の扉枠軸支穴634と、下軸支金具640の扉枠軸支金具642cとが同軸上に位置するようになっており、下軸支金具640における扉枠軸支金具642の扉枠軸支穴642cに、扉枠5の軸ピン157が挿入されるように扉枠5の下軸支部158を扉枠軸支金具642の前方延出部642b上に載置した上で、扉枠5の軸ピン155を、上軸支金具630の扉枠軸支穴634に挿入することで、本体枠3に対して扉枠5を開閉可能に軸支することができるようになっている。なお、本例では、扉枠5の上側の軸ピン155は、上下方向へ摺動可能とされており、上軸支金具630の扉枠軸支穴634へ挿入させる際に、軸ピン155を一旦、下方へスライドさせて、扉枠5の上軸支部156と上軸支金具630の前方延出部632とが上下に重なるようにした上で、軸ピン155を上方へスライドさせることで扉枠軸支穴634へ挿入することができるようになっている。
[1−3C.打球発射装置]
次に、本体枠3における打球発射装置650について、主に図71及び図72を参照して説明する。図71は、本体枠における打球発射装置の正面斜視図である。また、図72は、本体枠における打球発射装置の背面斜視図である。この打球発射装置650は、扉枠5の球送りユニット580から供給された遊技球を、ハンドル装置500の回転操作に応じた強さで遊技盤4の遊技領域1100内へ打ち込むことができるものである。
本実施形態の打球発射装置650は、本体枠ベース600における下部後壁部604の前面所定位置に取付けられる金属板の発射ベース652と、発射ベース652の下部後面に前側へ回転駆動軸654aが突出するように取付けられる発射ソレノイド654と、発射ソレノイド654の駆動軸654aに一体回転可能に固定される打球槌656と、打球槌656の先端に固定される槌先658と、槌先658の移動軌跡上における所定位置を基端として正面視斜め左上へ延出し発射ベース652の前面に取付けられる発射レール660と、発射レール660の基端上部に発射レール660との間で打球槌656先端の槌先658が通過可能とされると同時に遊技球が通過不能な隙間を形成し発射レール660の基端に遊技球を保持する球止め片662と、球止め片662によって発射レール660の基端に保持された遊技球を打球可能な打球位置よりも打球槌656(槌先658)が発射レール660側へ回動するのを規制するストッパ664と、を備えている。
この打球発射装置650における発射ソレノイド654は、詳細な図示は省略するが、駆動軸654aがハンドル装置500の回転操作角度に応じた強さ(速さ)で往復回動するようになっている。また、打球発射装置650の打球槌656は、発射ソレノイド654の駆動軸654aに固定される固定部656aと、固定部656aから緩やかな円弧状に延出し先端が駆動軸654aの軸心に対して法線方向を向き先端に槌先658が固定される棹部656bと、棹部656bに対して固定部656aを挟んで反対側へ延出しストッパ664と当接可能なストッパ部656cと、を備えている。打球槌656のストッパ部656cがストッパ664と当接することで、先端の槌先658が打球位置(正面視で反時計周りの方向の回動端)よりも発射レール660側へ回動するのが規制されるようになっている。
また、打球発射装置650の発射レール660は、遊技盤4の外レール1111の下端延長線上と略沿うように下方が窪んだ緩い円弧状とされている(図99を参照)と共に、前後方向に対して中央がV字状に窪んだ形状とされており、打球槌656によって打球された遊技球を発射レール660に沿って滑らかに遊技盤4側へ誘導させることができるようになっている。この発射レール660は、金属板を屈曲成形することで形成されている。
また、打球発射装置650は、打球槌656における打球位置側への回動端を規制可能なストッパ664の前面を被覆するストッパカバー666と、打球槌656における打球位置とは離れた位置の回動端(正面視で時計回りの方向の回動端)を規制するストッパ668と、を備えている。本例の打球発射装置650は、ストッパ664,668の表面がゴムで覆われており、打球槌656が当接した時の衝撃を吸収することができると共に、当接による騒音の発生を抑制することができるようになっている。
本例の打球発射装置650は、図64や図99等に示すように、本体枠ベース600の下部後壁部604に取付けた状態とすると、発射レール660の上端が左右方向の略中央で下部後壁部604の上端、つまり、遊技盤載置部606(遊技盤保持口601の下辺)よりも下方に位置するようになっており、遊技盤保持口601に保持された遊技盤4における外レール1111の下端との間で、左右方向に所定幅で下方へ広がったファール空間626が形成されるようになっている。そして、本例の打球発射装置650は、発射レール660よりも正面視左側のファール空間626を飛び越えるようにして遊技球を発射することで、遊技盤4の遊技領域1100内へ遊技球を打ち込むことができるようになっている。なお、上述したように、本体枠3に対して扉枠5を閉じた状態とすると、ファール空間626の下部にファールカバーユニット540のファール球入口542eが位置するようになっており、遊技領域1100内へ打ち込まれずにファール球となった遊技球が、ファール空間626を落下してファール球入口542eへ受入れられて、下皿302へ排出されるようになっている。
また、打球発射装置650は、発射ソレノイド654が、発射制御部4120によりハンドル装置500の回転操作に応じた駆動強さで駆動させられるようになっていると共に、球送りユニット580の球送ソレノイド585の駆動と同期するように駆動させられるようになっている。具体的には、打球発射装置650へ遊技球を供給する球送りユニット580では、球送ソレノイド585が駆動(ON)すると球送り部材584が遊技球を受入れ、その状態から球送ソレノイド585の駆動が解除(OFF)されると球送り部材584が受入れた遊技球を打球発射装置650側へ送るようになっているので、この球送りユニット580の球送ソレノイド585と略同時に発射ソレノイド654を駆動(ON)することで、球送りユニット580から発射レール660の後端へ遊技球を円滑に供給することができ、打球槌656の回動により遊技球を確実に発射することができるようになっている。
[1−3D.賞球ユニット]
次に、本体枠3における賞球ユニット700について、主に図73乃至図80を参照して説明する。図73は、本体枠における賞球ユニットの正面斜視図であり、図74は、本体枠における賞球ユニットの背面斜視図である。また、図75は、賞球ユニットを分解して前から見た分解斜視図であり、図76は、賞球ユニットを分解して後から見た分解斜視図である。更に、図77は、賞球ユニットにおける賞球タンクとタンクレールユニットとの関係を分解して後方から示す分解斜視図である。図78は、賞球ユニットにおける賞球装置を分解して後から見た分解斜視図である。図79は、賞球装置における払出通路と払出モータと払出回転体との関係を示す背面図である。また、図80は、賞球ユニットにおける球の流通通路を示す断面図である。
本実施形態の本体枠3における賞球ユニット700は、パチンコ機1を設置する遊技ホールにおける島設備において、島設備側からパチンコ機1へ供給された遊技球を貯留した上で、所定の払出指示に基いてパチンコ機1の上皿301へ払出すものである。この賞球ユニット700は、本体枠ベース600の後面に取付けられる賞球ベース710と、賞球ベース710の後面上部に取付けられ島設備側から供給される遊技球を受けると共に貯留する賞球タンク720と、賞球タンク720の下側に配置され賞球タンク720に貯留された遊技球を整列させて下流側へ送るタンクレールユニット730と、タンクレールユニット730によって整列された遊技球を所定の払出指示に基いて払出す払出装置740と、払出装置740によって払出された遊技球を皿ユニットの上皿301へ誘導することができると共に上皿301が遊技球で満タンになると払出された遊技球を下皿302側へ分岐誘導することができる満タン分岐ユニット770と、を主に備えている。
また、賞球ユニット700は、賞球ベース710に形成された賞球通路715の後側開口を閉鎖する賞球通路蓋780と、タンクレールユニット730や賞球装置740を接地するためのアース金具782と、賞球ベース710の後面に取付けられる外部端子板784と、外部端子板784の後側を覆う外部端子板カバー786と、を備えている。賞球ユニット700における賞球通路蓋780は、その後面に裏カバー900を固定するための裏カバー係合溝780aと、裏カバー係合溝780aの背面視左側に裏カバー900を締結固定するための裏カバー締結孔780bとが形成されている(図74及び図76等を参照)。
この賞球ユニット700は、賞球ベース710が、正面視で本体枠ベース600の上辺と左辺に沿うような逆L字状に形成されており、上辺に賞球タンク720及びタンクレールユニット730が配置されていると共に、左辺に縦長の賞球装置740が配置されており、賞球装置740の下側に満タン分岐ユニット770が配置されている。また、賞球装置740の直上でタンクレールユニット730よりも上側に賞球タンク720と隣接するように外部端子板784及び外部端子板カバー786が配置されている。
次に、賞球ユニット700における賞球ベース710は、図示するように、本体枠ベース600の上辺と正面視で遊技盤保持口601の左辺と略対応するような正面視逆L字状に形成されており、透明な合成樹脂によって一体的に成形されている。この賞球ベース710は、逆L字状の外側外周に略沿って後方へ延出した周壁部710aと、周壁部710aの後端から内側へ所定幅で延出し略同一面状に配置された後壁部710bと、を備えている。本例では、図76に示すように、周壁部710aの上辺側が、賞球ベース710の上端よりも一段下がった位置から後方へ延出するように形成されている。この賞球ベース710は、後壁部710bが前端よりも奥まった位置に位置しており、本体枠ベース600に取付けた時に、遊技盤4を収容可能な空間を形成することができるようになっている。
また、賞球ベース710は、周壁部710aの上辺上側に賞球タンク720を取付けるタンク取付部711と、タンク取付部711の横(背面視で右側)に配置され外部端子板784及び外部端子板カバー786を取付けるための外部端子板取付部712と、後壁部710bの上辺下端後側にタンクレールユニット730を取付けるための複数の取付係止部713と、後壁部710bの垂直辺後側に賞球装置740を取付けるための賞球装置取付部714と、賞球装置取付部714に隣接して賞球装置740から払出された遊技球を下方へ誘導する賞球通路715と、後壁部710bの下端に満タン分岐ユニット770を取付けるための取付係止部716と、を備えている。
更に、賞球ベース710は、後壁部710bの賞球装置取付部714の位置に前後方向へ貫通し賞球装置740から前方へ突出した払出モータ744等を逃がすための逃し穴717と、裏カバー900を固定するための裏カバー係合溝718と、を備えている。また、賞球ベース710には、詳細な説明は省略するが、賞球タンク720や賞球装置740等を取付けたり、本体枠ベース600に取付けたりするための取付孔や取付ボス等が適宜位置に形成されている。
続いて、賞球ユニット700における賞球タンク720は、図77にも示すように、上方が開放された横長箱状に形成されており、平面視が横長の略矩形状とされた底壁部721と、底壁部721の外周から上方へ立上ると共に平面視で右側後部(開放側の後部)のみが矩形状に底壁部710よりも後方へ突出した外周壁部722と、外周壁部722における右側後部の底壁部721よりも後方へ突出した部位によって形成され下方へ開口した排出口723と、排出口723の平面視左側(軸支側)から賞球タンク720の左端まで板状に延びた庇部724と、庇部724の平面視左端下側から後方へ延出する棒状の軸部725と、軸部725の基端付近及び外周壁722の前側両端に形成され賞球タンク720を賞球ベース710における賞球タンク取付部711へ取付けるための取付部726と、を備えている。
この賞球タンク720は、底壁部721の外周が外周壁部722で囲まれており、底壁部721上に所定量の遊技球を貯留することができるようになっている。また、賞球タンク720は、底壁部721の上面が、排出口723へ向かって低くなるように傾斜しており、底壁部721上の遊技球が排出口723へ向かって転動するようになっている。
また、賞球タンク720は、軸部725に回動自在に軸支される二つの球ならし部材727を備えている。この球ならし部材727は、図示するように、一端側が軸部725に軸支されるようになっていると共に内部に錘を保持しており、自重によって他端側が垂下するようになっている。この球ならし部材727は、後述するタンクレールユニット730内に垂下するようになっており、タンクレールユニット730内を流通する遊技球をならして整列させることができるものである。また、賞球タンク720の庇部724は、タンクレールユニット730の上側の略半分を覆うように形成されており、タンクレールユニット730内から遊技球が溢れるのを防止することができると共に、タンクレールユニット730内に埃等が侵入するのを防止することができるようになっている。
なお、詳細な図示は省略するが、賞球タンク720の底壁部721の上面は、平面視で左側(排出口723から遠い側)が右側へ向かって低くなるように傾斜していると共に、平面視で右側(排出口723に近い側)が後側の排出口723へ向かって傾斜するように形成されている。これにより、遊技球の流れをスムーズにすることができ、賞球タンク720内で球詰まりが発生するのを抑制することができるようになっていると共に、排出口723からタンクレールユニット730側へ遊技球をスムーズに排出することができるようになっている。
次に、賞球ユニット700におけるタンクレールユニット730は、図77にも示すように、賞球タンク720の下側に配置され左右方向へ長く延びたタンクレール731を備えている。このタンクレール731は、上方が開放された所定深さの樋状で前後方向に遊技球が二列で整列することが可能な幅(奥行)とされ、正面視左側(軸支側)端部が低くなるように底部が傾斜している。このタンクレール731は、左側(軸支側)端部に下方へ開口する排出口731a(図80を参照)と、前後方向の略中央で底部から上方へ延出した仕切壁731bと、前端下面より下方へ突出し賞球ベース710の取付係止部713に上側から係止される複数の係止突片731c(図75を参照)と、を備えている。
このタンクレール731は、正面視右側(開放側)端部が賞球タンク720における排出口723の直下に位置するようになっており、賞球タンク720の排出口723から排出された遊技球を受取った後に左方向へ転動させて排出口731aから賞球装置740側へ受け渡すことができるようになっている。また、タンクレール731の係止突片731cを賞球ベース710の取付係止部713に係止させることで、タンクレール731つまりタンクレールユニット730を賞球ベース710に取付けることができるようになっている。
また、タンクレールユニット730は、タンクレール731の排出口731a上部に回転可能に支持される整列歯車732と、整列歯車732の上部を覆う歯車カバー733と、歯車カバー733の正面視右端と連続しタンクレール731の上部を閉鎖する球押え板734と、タンクレール731内に進退可能とされタンクレール731内の遊技球が排出口731a側へ転動するのを停止させることが可能な球止片735と、タンクレール731内に配置されタンクレール731内の遊技球と接触可能とされたアース板736と、を備えている。整列歯車732は、図示するように、タンクレール731の仕切壁731bによって二列に仕切られた遊技球の二つの流路と対応するように、前後方向に並んで二つ備えられている。また、球押え板734は、上部に球止片735が取付けられる取付部734aと、上下方向に貫通し球止片735の突片735aが挿通可能な二つのスリット734bと、を備えている。
このタンクレールユニット730内には、賞球タンク720に軸支された二つの球ならし部材727が上方から球押え板734の上流側(開放側)に挿入されるようになっており、この球ならし部材727によって賞球タンク720の排出口723からタンクレール731内に排出された遊技球が、一段となるようにならすと共に、仕切壁731bに沿って二列に整列させるようにすることができるようになっている。また、球押え板734は、球ならし部材727によって一段とならなかった遊技球を強制的に一段とするためのものであり、排出口731a側へ向かうに従ってタンクレール731の底部との隙間が狭くなるようにタンクレール731に取付けられている。
タンクレールユニット730の整列歯車732は、図示するように、外周に複数の歯が形成されており、一対の整列歯車732における歯のピッチが半ピッチずつ、ずれるように軸支されている。これにより、タンクレール731を流下してきた遊技球の上部が整列歯車732の歯と噛み合いながら下流側の排出口732へ流下する時に、二列に整列された遊技球が交互に一つずつ賞球装置740へ送られるようになっている。
なお、タンクレール731の底部には、上下に貫通する細溝が形成されており、タンクレール731内を遊技球と一緒に転動する埃等の異物がその細溝から下方に落下するようになっている。また、タンクレール731の内壁に配置されたアース板736は、詳細な図示は省略するが、アース金具782を介して電源基板851のアース用コネクタを経由して外部に接地されるようになっており、タンクレール731内で遊技球がアース板736と接触することで、帯電した静電気を除去することができるようになっている。
また、タンクレールユニット730は、球押え板734の取付部734aに回動可能に取付けられた球止片735を回動させて、球止片735の突片735aをスリット734aを通してタンクレール730内へ挿入することで、突片735aによってタンクレール731内の二列の流路を閉止することができ、賞球装置740側へ遊技球が供給されるのを停止させることができるようになっている。
更に、タンクレールユニット730は、タンクレール731が透明な合成樹脂によって形成されており、外部からタンクレール731内の遊技球等の状態を視認することができるようになっている。
続いて、賞球ユニット700における賞球装置740は、タンクレールユニット730の排出口731aから排出供給された遊技球を、所定の払出指示に基いて皿ユニット300の上皿301へ払出すためのものである。この賞球装置740は、図78乃至図80等に示すように、賞球ベース710における賞球装置取付部714に取付けられる上下方向へ延びたユニットベース741を備えている。賞球装置740におけるユニットベース741は、図示するように、後面側に、上端に開口し遊技球の外形よりも若干広い幅で上下方向の中央よりもやや下側の位置まで延出する供給通路741aと、供給通路741aの下端と連通し所定広さの空間を有した振分空間741bと、振分空間741bの背面視左側(開放側)下端と連通し略く字状に曲がって背面視左側面に開口する賞球通路741cと、振分空間741bの背面視右側(軸支側)下端と連通し下方へ延出して下端に開口する球抜通路741dと、を備えている。このユニットベース741の供給通路741a、振分空間741b、賞球通路741c、及び球抜通路741dは、後方へ開放された状態で形成されている。
本例の賞球装置740は、ユニットベース741の後側に取付けられユニットベース741よりも上下方向の長さが短い裏蓋742と、裏蓋742の下側に配置される板状のモータ支持板743と、モータ支持板743の前側に配置され回転軸744aがモータ支持板743よりも後方へ突出するようにユニットベース741に固定される払出モータ744と、払出モータ744の回転軸744aに一体回転可能に固定されモータ支持板743の後側に配置される第一ギア745と、第一ギア745と噛合しユニットベース741に軸支される第二ギア746と、第二ギア746と噛合しユニットベース741に軸支される第三ギア747と、第三ギア747と共に一体回転しユニットベース741の振分空間741c内に配置される払出回転体748と、払出回転体748とは第三ギア747を挟んで反対側に一体回転可能に固定され周方向に等間隔で複数(本例では三つ)の検出スリット749aを有した回転検出盤749と、を備えている。
また、賞球装置740は、ユニットベース741に取付けられ供給通路741a内の遊技球の有無を検出する球切れスイッチ750と、ユニットベース741に取付けられ賞球通路741c内を流通する遊技球の数を計測するための計数センサ751と、払出回転体748と一体回転する回転検出盤749の検出スリット749aを検出する回転角センサ752と、回転角センサ752を保持し裏蓋742の後面に取付けられるセンサ基板753と、払出モータ744、球切れスイッチ750、計数センサ751、及び回転角センサ752と払出制御基板4110との接続を中継し裏蓋742の後面に取付けられる賞球中継基板754と、を備えている。
更に、賞球装置740は、賞球中継基板754を後側から覆い裏蓋742の後面に取付けられる基板カバー755と、第一ギア745、第二ギア746、第三ギア747(回転検出盤749)、及びセンサ基板753を後側から覆い裏蓋742を挟んでユニットベース741の後面に取付けられるギアカバー756と、ユニットベース741の供給通路741a内を流通する遊技球と接触可能な供給通路アース金具757と、モータ支持板743を挟んで払出モータ744をユニットベース741へ固定すると共に払出モータ744をアース接続するためのビス758と、裏蓋742をユニットベース741に対して着脱可能に支持する着脱ボタン759と、を備えている。
本例の賞球装置740は、ユニットベース741の後側に裏蓋742が取付けられることで、供給通路741a、振分空間741b、賞球通路741c、及び球抜通路741dの開放された後端が閉鎖されるようになっている。また、ユニットベース741は、供給通路741aにおける上端よりも下の位置が、一旦、後方へ膨出した形状とされており、タンクレールユニット730から排出落下してきた遊技球の勢いを緩和させることができるようになっている。また、ユニットベース741は、供給通路741aにおける後方へ膨出した位置よりも下側の一方(背面視左側)の側面が部分的に切欠かれていると共に供給通路741aの切欠かれた位置の外側に球切れスイッチ750を取付けるためのスイッチ取付部741eと、賞球通路741cの途中に計数センサ751を取付けるためのセンサ取付部741fと、賞球通路741aよりも下側で前後方向へ貫通するように形成され払出モータ744を挿通可能なモータ挿通孔741gと、を備えている。
このユニットベース741のスイッチ取付部741eに球切れスイッチ750を取付けることで、球切れスイッチ741eの作動片が供給通路741aの側壁の一部を形成するようになっており、供給通路741a内に存在する遊技球によって作動片が押圧されることで球切れスイッチ741eによって供給通路741a内の遊技球の有無を検知することができるようになっている。この球切れスイッチ741eにより供給通路741e内の遊技球が検知されていない状態(球切れの状態)では、払出モータ744が回転しないようになっていると共に、球切れであることが遊技者やホール側に報知されるようになっている。
また、ユニットベース741は、第二ギア746、及び第三ギア747(払出回転体748)を軸支するための軸受部741hと、供給通路741aにおけるスイッチ取付部741eと振分空間741bとの間に配置され供給通路アース金具757を取付けるためのアース金具取付部741iと、ユニットベース741の上部に配置され裏蓋742を着脱支持するための着脱ボタン759が支持されるボタン支持孔741jと、を備えている。このユニットベース741は、アース金具取付部741iに供給通路アース金具757を取付けることで、供給通路アース金具757の後面が供給通路741a内の遊技球と接触することができるようになっていると共に、供給通路アース金具757の前面がコ字状のアース金具782の下端後面と接触するようになっており、供給通路アース金具757を介して供給通路741a内を流通する遊技球の静電気を除去することができるようになっている。
賞球装置740の裏蓋742は、全体が縦長の板状とされ上端が後方へ膨出した形態とされている。裏蓋742の上部には、着脱ボタン759を挿通させるボタン挿通穴742aと、上下方向の略中央後面に賞球中継基板754及び基板カバー755を取付けるための中継基板取付部742bと、中継基板取付部742bの下側に配置されセンサ基板753を取付けるためのセンサ基板取付部742cと、払出回転体748が通過可能な貫通孔742dと、を備えている。裏蓋742の中継基板取付部742bは、ユニットベース741のアース金具取付部741iの後側に位置するように形成されている。
また、賞球装置740のモータ支持板743は、本例では、アルミ板とされており、払出モータ744の金属製のモータハウジングと接触するようになっており、払出モータ744で発生する熱を放熱し易くすることができるようになっている。
また、賞球装置740の払出回転体748は、図79に示すように、周方向に等間隔で夫々一つの遊技球を収容可能な大きさの三つの凹部748aを備えており、払出回転体748が回転することで、供給通路741aから供給された遊技球が一つずつ凹部748aに収容されて、賞球通路741c又は球抜通路741d側へ払出すことができるようになってい。また、払出回転体748と一体回転する回転検出盤749の三つの検出スリット749aは、払出回転体748の凹部748a間と対応する位置に夫々形成されており、検出スリット749aを回転角センサ752によって検出することで、払出回転体748の回転位置を検出することができるようになっている。
本例の賞球装置740は、払出制御基板4110に、主制御基板4100からの払出コマンドやCRユニット6からの貸出コマンド等が入力されたり、球抜スイッチ860bが操作されたりすることで払出モータ744が回転して、所定数の遊技球を遊技者側(上皿301)へ払出したり、遊技ホール側(パチンコ機1の後側)へ排出したりすることができるようになっている。この払出モータ744の回転軸744aを回転駆動させると、回転軸744aに固定された第一ギア745を回転すると同時に、第一ギア745と噛合する第二ギア746が回転し、更に第二ギア746と噛合する第三ギア747が回転するようになっている。この第三ギア747には、前側に払出回転体748が、後側に回転検出盤749が、夫々一体回転可能に固定されており、第三ギア747と共に払出回転体748及び回転検出盤749が回転するようになっている。
この賞球装置740は、図79に示すように、振分空間741bの略中央に払出回転体748が回転可能に軸支されている。そして、払出モータ744によって払出回転体748が背面視反時計周りの方向へ回転させられると、供給通路741a内の遊技球が、賞球通路741c側へ払出されるようになっており、払出回転体748の回転によって賞球通路741c側へ払出された遊技球は、計数センサ751によって一つずつ数えられた上で賞球ベース710の賞球通路715へ受け渡されるようになっている。一方、払出モータ744によって払出回転体748が背面視時計回りの方向へ回転させられると、供給通路741a内の遊技球が球抜通路741d側へ払出されるようになっており、払出回転体748によって球抜通路741d側へ払出された遊技球は、球抜通路741dの下端から後述する満タン振分ユニット770の球抜通路778、本体枠ベース600の本体枠ベース球抜通路622、基板ユニット800における基板ユニットベース810の開口部812、及び電源基板ボックスホルダ840の排出通路842を介してパチンコ機1の後側外部へと排出することができるようになっている。
なお、本例の賞球装置740におけるユニットベース741は、透明な合成樹脂によって形成されており、本体枠3に組立てられた状態でも、透明な賞球ベース710を通して本体枠3の前側から、賞球装置740の供給通路741a、振分空間741b、賞球通路741c、球抜通路741d等の内部を視認することができ、球詰り等の不具合を簡単に発見することができるようになっている。
次に、賞球ユニット700における満タン分岐ユニット770について、主に図75、図76及び図80を参照して説明する。賞球ユニット700における満タン振分ユニット770は、賞球ベース710の下端に取付けられるものであり、賞球ユニット740の賞球通路741c側へ払出された遊技球を、皿ユニット300へ誘導することができると共に、皿ユニット300の上皿301において遊技球が満タンになると、皿ユニット300の下皿302に対して遊技球を払出すように振分けることができるものである。
この満タン分岐ユニット770は、前後方向の略中央上部に賞球ベース710の取付係止部716に係止される係止部770aと、後端上部に賞球ベース710の下端裏面に固定される固定部770bと、を備えている。満タン分岐ユニット770は、係止部770aを賞球ベース710の取付係止部716に、後側から係止させることで取付係止部716に対して吊持ちされた状態となり、賞球ベース710に対して固定部770bを所定のビスで固定することで、満タン分岐ユニット770を賞球ベース710の下端に取付固定することができるようになっている。
また、満タン分岐ユニット770は、図示するように、全体が後端から前端へ向かうに従って低くなるような箱状に形成されており、後端上部における左右方向の略中央に上方へ向かって開口し賞球ベース710の賞球通路715を流下してきた遊技球を受ける賞球受口771と、賞球受口771の下側に配置され左右方向へ広がった分岐空間772(図80を参照)と、分岐空間772における賞球受口771の直下から前側へ向かって遊技球を誘導する通常通路773(図80を参照)と、通常通路773を流通した遊技球を前方へ放出し前端の正面視右端に開口した通常球出口774と、分岐空間772における賞球受口771の直下よりも背面視右側へ離れた位置から前側へ向かって遊技球を誘導する満タン通路775(図80を参照)と、満タン通路775を流通した遊技球を前方へ放出し通常球出口774の正面視左側に開口した満タン球出口776と、を備えている。
更に、満タン分岐ユニット770は、後端上部の正面視左側端部に上方へ向かって開口し賞球装置740の球抜通路741dを流下してきた遊技球を受ける球抜受口777と、球抜受口777に受けられた遊技球を前側へ誘導する球抜通路778(図80を参照)と、球抜通路778を流通した遊技球を前方へ放出し正面視左端で通常球出口774及び満タン球出口776よりも後方の位置で開口した球抜出口779と、を備えている。
本例の満タン分岐ユニット770は、本体枠3に対して扉枠5を閉じた状態とすると、通常球出口774及び満タン球出口776が、夫々扉枠5におけるファールカバーユニット540の第一球入口542a及び第二球入口542cと対向して連通するようになっており、通常球出口774から放出された遊技球は、ファールカバーユニット540の第一球入口542aを通って皿ユニット300の上皿301へ供給され、満タン球出口776から放出された遊技球は、ファールカバーユニット540の第二球入口542cを通って皿ユニット300の下皿302へ供給されるようになっている。また、球抜出口779は、本体枠ベース600における本体枠ベース球抜通路622の背面視右側上端と連通するように形成されており、球抜出口779から放出された遊技球が本体枠ベース600の本体枠ベース球抜通路622へ受け渡されるようになっている。
この満タン分岐ユニット770は、賞球装置740の賞球通路741c側へ払出された遊技球が、賞球ベース710の賞球通路715を介して賞球受口771で受取られるようになっており、賞球受口771へ進入した遊技球は、通常の状態では、分岐空間772を垂下して賞球受口771の直下に配置された通常通路773内へと流下する。そして、通常通路773内へ流下した遊技球は、通常出口774からファールカバーユニット540の第一球入口542aに進入し、第一球通路542bを通って第一球出口544aから皿ユニット300の上皿301へ供給されることとなる。
ところで、皿ユニット300の上皿301が遊技球で満タンとなった状態で、更に賞球ユニット700(賞球装置740)から遊技球が払出されると、ファールカバーユニット540の第一球出口544aから上皿301側へ出られなくなった遊技球が、ファールカバーユニット540の第一球通路542b内で滞り、やがて、満タン分岐ユニット770における通常球出口774を通して上流の通常通路773内も一杯になる。この状態で、賞球受口771から分岐空間772内へ進入した遊技球は、通常通路773内へ進入することができず、分岐空間772内で横方向へ移動し始め、横方向へ移動した遊技球が満タン通路775内へ進入して、満タン球出口776からファールカバーユニット540の第二球入口542c、第二球通路542d、及び第二球出口544bを介して皿ユニット300の下皿302へ供給されるようになっている。
なお、本例の満タン分岐ユニット770は、全体が透明な合成樹脂によって形成されており、外部から内部を視認することができるようになっている。これにより、満タン分岐ユニット770内に侵入した埃やゴミ等の異物や、球詰りの発生等を、満タン分岐ユニット7700を分解しなくても簡単に発見することができるようになっている。
このように、本例の満タン分岐ユニット770は、上皿301内で遊技球が満タンとなると、その満タンが解消されるまでは、賞球装置740から払出された遊技球を、自動的に下皿302へ供給させることができるので、従来のパチンコ機のように上皿が満タンとなって上皿の球抜ボタンを操作することで遊技球が打球発射装置に供給されなくなって遊技球の打込が中断してしまうのを回避させることができ、遊技中の煩わしさを解消させて遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができるようになっている。
また、本例の満タン分岐ユニット770は、上述したように、上皿301が満タンとなると、賞球装置740の直下、つまり、パチンコ機1の後部で払出される遊技球の通路を分岐させるようにしており、満タン分岐ユニット770の通常通路773内で滞留した遊技球は上皿301へ払出されるので、上皿301内の遊技球と通常通路773内の遊技球が打球発射装置650によって直接打ち込むことができる遊技球となり、上皿301における遊技球の貯留量は、実質的には、上皿301の容量と通常通路773の容量とを合わせた量となる。つまり、上皿301の容量を、従来のパチンコ機における上皿の容量よりも小さくしても、通常通路773の容量が加えられるので、従来と同等量の遊技球を上皿301で貯留することができる。従って、上皿301を小さくすることで相対的に扉枠5における遊技窓101を大きく(広く)することが可能となり、より広い遊技領域1100を備えたパチンコ機1とすることができ、遊技する遊技者に対して訴求力の高いパチンコ機1とすることができると共に、広い遊技領域1100により遊技者を楽しませることができるようになっている。
更に、満タン分岐ユニット770の二つの通常球出口774と満タン球出口776とを左右に並べて配置しているので、扉枠5に貯留皿を一つのみ備えるようにして受入口(第一球入口542a及び第二球入口542c)を一つのみとした場合でも、本体枠3側(満タン分岐ユニット770)を変更することなく、扉枠5側へ遊技球を送ることができる。従って、本体枠3における遊技球の流路(満タン分岐ユニット770)を変更しなくても、貯留皿の数が異なる扉枠5に対応させることが可能なパチンコ機1とすることができると共に、貯留皿の数が異なる扉枠5を備えたパチンコ機1のラインナップにかかるコストが増加するのを抑制することができる。
また、上述したように、扉枠5に備えられた貯留皿の数を変更しても、本体枠3を変更することなく対応させることができるので、扉枠5の変更にかかるパチンコ機1全体のコストを低減させることができ、多様なパチンコ機1を低コストで提供することができるようになっている。
更に、通常通路773を通って通常球出口774から扉枠5側へ送られる遊技球が、優先的に遊技領域1100内へ打ち込まれるようにしており、貯留皿を一つのみ備えた扉枠5に交換しても、賞球装置740から払出された遊技球を通常通路773及び通常球出口774を介して直ちに貯留皿へ送ることができるので、払出しから貯留までのタイムラグを少なくすることができ、打ち込むための遊技球が不足して遊技者の興趣が低下するのを抑制することができると共に、貯留皿の数が異なる扉枠5に対して充分に対応することができるようになっている。
また、上皿301が満タンでない限りは、賞球装置740から払出された遊技球が上皿301へ送られるので、下皿302に貯留された遊技球を上皿301へ移す頻度を低減させることが可能となり、遊技球の打込操作等に遊技者を専念させることができ、遊技者の遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができる。
また、満タン分岐ユニット770の通常球出口774と満タン球出口776とを、左右に並んで配置しており、扉枠5に貯留皿を一つのみ備えるようにした場合でも、第一球入口542a等に相当する受入口の下端の位置を、貯留皿を二つ備えた扉枠5の上皿301と対応した第一球入口542a等と同じ高さとすることができるので、貯留皿の深さが浅くなるのを回避させることが可能となり、貯留皿を深くして充分な遊技球の貯留量を確保することができ、遊技者に対して頻繁に貯留量を気にさせることなく遊技を行わせることができると共に、本体枠3側を変更することなく、異なる数の貯留皿を備えた扉枠5に対応させることができ、パチンコ機1の機種変更等にかかるコストが増加するのを抑制することができる。
更に、満タン分岐ユニット770における満タン通路775が通常通路773から分岐する位置を、賞球装置740に可及的に近い位置で分岐させるようにしており、上皿301が遊技球で満タンとなり通常球出口774から遊技球が出られなくなっても、通常球出口774から満タン通路775の分岐位置までの間の通常通路773内に貯留される遊技球の量を可及的に多くすることができ、上皿301に貯留される実質的な遊技球の貯留量を可及的に多くすることができる。なお、扉枠5に一つのみ貯留皿を備えるようにした場合では、貯留皿が遊技球で満タンとなって通常球出口773や満タン球出口776から遊技球が出られなくなっても、通常通路773から満タン通路775が分岐する位置を、賞球装置740に対して可及的に近い位置に配置しているので、通常通路773だけでなく満タン通路775にも多くの遊技球を貯留させることができ、貯留皿に貯留される実質的な遊技球の貯留量を可及的に多くすることができる。従って、扉枠5側に備えられた貯留皿の数が異なっていても、本体枠3側(満タン分岐ユニット770)を変更することなく、夫々の扉枠5における遊技球の貯留量を最大限に多くすることができ、異なる扉枠5に対して充分に対応することが可能なパチンコ機1とすることができる。
また、満タン分岐ユニット770における通常通路773及び満タン通路775を、複数列で遊技球を流通可能な広さとしており、満タン分岐ユニット770内での遊技球の停留量(貯留量)をより多くすることができるので、扉枠5に備えられた貯留皿の数が異なっていても、満タン分岐ユニット770内の遊技球を合わせた実質的な貯留量が少なくなるのを回避させることができ、本体枠3における遊技球の流路を変更することなく、貯留皿の数が異なる扉枠5に対応させることが可能なパチンコ機1とすることができる。
また、満タン分岐ユニット770を透明樹脂で形成することで通常通路773及び満タン通路775の内部を、外部から視認可能としているので、満タン分岐ユニット770内で遊技球が詰まって不具合が発生した際に、満タン分岐ユニット770の外部から球詰りの箇所を容易に発見することができ、不具合を早期に解消させてパチンコ機1の稼働率を高めることができる。
[1−3E.球出口開閉ユニット]
次に、本体枠3における球出口開閉ユニット790について、主に図81乃至図83を参照して説明する。図81は、本体枠における球出口開閉ユニットの正面斜視図である。また、図82は、本体枠における球出口開閉ユニットの背面斜視図である。更に、図83は、本体枠における球出口開閉ユニットと扉枠におけるファールカバーユニットとの関係を示す説明図である。本実施形態の本体枠3における球出口開閉ユニット790は、本体枠ベース600の下部後壁部604における正面視左上端付近に形成された取付部624に取付けられるものであり、本体枠3に対して扉枠5が開いた時に、賞球ユニット700における満タン分岐ユニット770前端の通常球出口774と満タン球出口776とを閉鎖して、賞球ユニット700から扉枠5の皿ユニット300への遊技球の流れを遮断することができるものである。
この球出口開閉ユニット790は、本体枠ベース600の下部後壁部604における正面視左上端付近に形成された取付部624に下部後壁部604の上端よりも突出しないように取付けられるシャッターベース791と、シャッターベース791に上下方向へスライド可能に保持される板状の開閉シャッター792と、開閉シャッター792を上下方向へスライドさせる開閉クランク793と、開閉クランク793を介して開閉シャッター792が上昇するように付勢する開閉バネ794と、を備えている。
球出口開閉ユニット790のシャッターベース791は、開閉シャッター792がシャッターベース791の上端よりも上方へ突出するように上下方向へスライド可能に保持するための上下方向へ延びた一対のスライド溝791aと、一対のスライド溝791aの間で前後方向に貫通した矩形状の開口部791bと、正面視で左側端部前面に配置され開閉クランク793を前後方向へ延びた軸周りに回動可能に支持するクランク支持部791cと、開閉バネ794の一端(上端)を係止するバネ係止部791dと、を備えている。シャッターベース791のクランク支持部791cは、開口部791bの正面視左側に配置されていると共に、バネ係止部791dは、正面視で左右方向中央から左寄りの上部付近に配置されている。
また、球出口開閉ユニット790の開閉シャッター792は、平板状のシャッター本体792aと、シャッター本体792aの前面から突出しシャッターベース791のスライド溝791a内を摺動する一対の摺動突部(図示は省略)と、一対の摺動突部の間でシャッターベース791の開口部791bから臨む位置に配置され前後方向へ貫通した横長矩形状の駆動孔792bと、を備えている。
更に、球出口開閉ユニット790の開閉クランク793は、シャッターベース791のクランク支持部791cにより前後方向へ延びた軸周りに回動可能に支持される軸部793aと、軸部793aの正面視右側外周から右外方へ延出し先端が開口部791bの左右方向中央付近まで延出した駆動棹793bと、駆動棹793bの先端から後方へ突出し開閉シャッター792の駆動孔792b内に摺動可能に挿入される駆動ピン793cと、軸部793aの正面視下側外周から下方へ延出し先端が球形状とされた当接部793dと、駆動棹793bの途中上面に形成され開閉バネ794の他端(下端)を係止するバネ係止部793eと、を備えている。
なお、本例の球出口開閉ユニット790は、シャッターベース791及び開閉シャッター792が、透明な合成樹脂によって形成されており、開閉シャッター792が上昇した状態でも、開閉シャッター792を通して後側に配置された満タン分岐ユニット770における通常球出口774や満タン球出口776等が視認できるようになっている。
本例の球出口開閉ユニット790は、開閉クランク793が前後方向へ延びた軸回りに回動することで、開閉クランク793の駆動ピン793cが円弧状に上下方向へ回動すると同時に、駆動ピン793cが挿入された駆動孔792bを介して開閉シャッター792が上下方向へスライドするようになっている。この球出口開閉ユニット790は、本体枠3に対して扉枠5を閉じた状態では、開閉クランク793の当接部793dが扉枠5におけるファールカバーユニット540の開閉作動片542gと当接して、当接部793dが正面視で時計回りの方向へ開閉バネ794の付勢力に抗して回動させられるようになっており、当接部793dと共に駆動ピン793cが正面視時計回りの方向へ回動することで、開閉シャッター792が下降して満タン分岐ユニット770前端の通常球出口774と満タン球出口776とを開放させることができるようになっている。
この状態から本体枠3に対して扉枠5を開くと、開閉クランク793の当接部793cと、扉枠5におけるファールカバーユニット540の開閉作動片542gとの当接が解除され、開閉クランク793が開閉バネ794の付勢力によって正面視反時計周りの方向へ回動すると同時に、開閉シャッター792が上昇して、満タン分岐ユニット770前端の通常球出口774と満タン球出口776とを閉鎖することができるようになっている。
このように、本体枠3に対する扉枠5の開閉に応じて、球出口開閉ユニット790により賞球ユニット700における満タン分岐ユニット770前端の通常球出口774と満タン球出口776とを自動的に開閉させることができるので、満タン分岐ユニット770内に遊技球が残っている状態で扉枠5を開いても、通常球出口774や満タン球出口776から遊技球がこぼれてしまうのを防止することができるようになっている。
[1−3F.基板ユニット]
次に、本体枠3における基板ユニット800について、主に図84乃至図90を参照して説明する。図84は、本体枠における基板ユニットの正面斜視図であり、図85は、本体枠における基板ユニットの背面斜視図である。また、図86は、基板ユニットを分解して前から見た分解斜視図である。更に、図87は、基板ユニットを分解して後から見た分解斜視図である。また、図88は、基板ユニットにおける電源基板ボックスの立壁部の作用を説明する斜視図である。図89(A)は基板ユニットにおける端子基板ボックスの断面図であり、(B)は基板ユニットにおける端子基板ボックスを分解して前から見た分解斜視図である。また、図90(A)は発射電源基板ボックスの正面図であり、(B)は(A)に示すA−A線の断面図である。
本体枠3における基板ユニット800は、本体枠ベース600の下部後壁部604の後面に取付けられる基板ユニットベース810と、基板ユニットベース810の正面視左側後面に取付けられるスピーカボックス820と、基板ユニットベース810の正面視右端後面に取付けられる発射電源基板ボックス830と、発射電源基板ボックス830を後側から囲うように基板ユニットベース810の後面に取付けられる電源基板ボックスホルダ840と、電源基板ボックスホルダ840の後面に取付けられ後端がスピーカボックス820の後端と略同一面状となる大きさに形成された電源基板ボックス850と、電源基板ボックス850及びスピーカボックス820の後面に取付けられる払出制御基板ボックス860と、払出制御基板ボックス860の正面視左側端部を覆うようにスピーカボックス820の後面に取付けられる端子基板ボックス840と、基板ユニットベース810の前面に取付けられる主側中継端子板880及び周辺側中継端子板882と、を備えている。
本例の基板ユニット800における基板ユニットベース810は、図示するように、左右方向へ長く延びた形態とされ、左右方向の略中央部が下方へ一段下がり左右両端へ向かうに従って緩やかに上側へ傾斜し前面から前方へ突出した壁状の遮蔽壁部811と、遮蔽壁部811における左右方向中央の一段下がった位置の上側に配置され前後方向へ貫通した開口部812と、遮蔽壁部811の下側で正面視左端近傍の前面に形成され主側中継端子板880及び周辺側中継端子板882を取付けるための基板取付部813と、基板取付部813の正面視左側で前後方向へ横長の矩形状に貫通した筒状のダクト部814と、後面に固定されるスピーカボックス820のスピーカ821と対応する位置で前後方向に貫通する縦長スリット状の複数の透孔815と、背面視左側(正面視右側)上部の後面に後方及び上方へ開放され発射電源基板ボックス830の前側を収容可能なボックス収容部816と、を備えている。
この基板ユニットベース810は、遮蔽壁部811が、本体枠ベース600における下部後壁部604の後面に形成された本体枠ベース球抜通路622の下側に沿うように形成されており、本体枠ベース球抜通路622から遊技球が下方へ脱落するのを防止することができると共に、基板ユニットベース810の強度を高めることができるようになっている。また、基板ベースユニット810は、前後方向に貫通した開口部812を通して、本体枠ベース球抜通路622を流下してきた遊技球を基板ユニットベース810の後側に配置された電源基板ボックスホルダ840へ送ることができるようになっている。
また、基板ユニットベース810は、主側中継端子板880及び周辺側中継端子板882を取付ける基板取付部813が、本体枠ベース600における矩形状に開口した開口部614と対応した位置に配置されており、基板取付部813に主側中継端子板880と周辺側中継端子板882を取付けた状態では、本体枠ベース600の開口部614から主側中継端子板880と周辺側中継端子板882が前側へ臨むようになっている。また、基板ユニットベース810は、ダクト部814及び複数の透孔815によってスピーカボックス820のスピーカ821からの音を前側へ良好に伝達させることができるようになっている。
更に、基板ユニットベース810は、ボックス収容部816が後側に配置される電源基板ボックスホルダ840の前ボックス収容部843と対応した位置に形成されており、ボックス収容部816と前ボックス収容部843とで、発射電源基板ボックス830を収容する収容凹部を形成することができるようになっている。
基板ユニット800におけるスピーカボックス820は、文字通り、前側を向いて取付けられたスピーカ821を備えている。このスピーカボックス820は、スピーカ821の後側を密閉状に覆うと同時に、正面視でスピーカ821の左側に横長矩形状の開放口822が形成されている。この開放口822は、詳細な図示は省略するが、所定の迷路状の通路を介してスピーカ821の後側の空間と連通することで、スピーカ821の後側の音の位相を反転させて前方へ放射するようにしており、スピーカ821の口径に対してより重低音を発することが可能なバスレフ型のスピーカボックスとされている。なお、基板ユニットベース810におけるダクト部814は、スピーカボックス820の開放口822と対応する位置に形成されており、開放口822から放射される音を前方へ良好に伝達させることができるようになっている。
基板ユニット800における発射電源基板ボックス830は、後方が開放された箱状に形成されており、その後端開口を閉鎖するように取付けられた発射電源基板831を備えている。この発射電源基板ボックス830は、発射電源基板831に取付けられた各種電子部品が内部に収容されるようになっており、上面及び下面に形成されたスリット830aを介して、電子部品等からの熱を外部へ放出することができるようになっている。
この発射電源基板ボックス830は、基板ユニットベース810のボックス収容部816と、後述する電源基板ボックスホルダ840の前ボックス収容部844とによって形成される上方へ開放された収容凹部内に、上方から脱着可能に収容されるようになっている。これにより、本体枠3を組立てた状態では、発射電源基板ボックス830に不具合が発生した場合、本体枠3の前側から発射電源基板ボックス830を簡単に脱着して交換したり修理したりすることができるようになっている(図64を参照)。
更に、発射電源基板ボックス830を詳述すると、図90にも示すように、発射電源基板831には、DC/DCコンバータ831aと、DC/DCコンバータ831aからの電力を充電及び放電する電解コンデンサSC0と、を備えており、DC/DCコンバータ831aからの電流と電解コンデンサSC0からの放電による電流とを併合した併合電流を打球発射装置650の発射ソレノイド654に電流を流して駆動している。この発射電源基板ボックス830は、発射電源基板831に実装されるDC/DCコンバータ831a及び電解コンデンサSC0が発する熱を外部へ放出するために、その上面及び下面に放熱孔としてのスリット830aが形成されている。
また、発射電源基板831の電解コンデンサSC0はDC/DCコンバータ831aと比べて熱によって破損しやすい電子部品であるため、電解コンデンサSC0が配置される発射電源基板ボックス830の側面には放熱孔としてのスリット830aが形成されている。また発射電源基板ボックス830には、その内部空間を、DC/DCコンバータ831aを収容するための空間と、電解コンデンサSC0を収容するための空間と、の2つの空間に仕切る仕切壁830bが上面内壁と下面内壁とを接続するように底面から端開口縁まで一体に形成されている。これにより、発射電源基板ボックス830の端開口に発射電源基板831を取付けて発射電源基板ボックス830の内部空間を閉鎖すると、発射電源基板ボックス830の内部空間が仕切壁830bによって、電解コンデンサSC0を収容するための収容空間830cと、DC/DCコンバータ831aを収容するための収容空間830dと、の2つ空間が形成されるため、仕切壁830bは、電解コンデンサSC0を収容するための収容空間830cと、DC/DCコンバータ831aを収容するための収容空間830dと、の熱の出入りを遮断する断熱壁として機能している。
電解コンデンサSC0が収容された収容空間830c内の熱は、つまり、電解コンデンサSC0が発する熱は、収容空間830cと外気とを連通する上面、側面、及び下面にそれぞれ形成された放熱孔としてのスリット830aを介して、外部へ放出されることにより、この放出される熱をDC/DCコンバータ831aが収容される収容空間830dへ入り込ませないようにすることができる。従って、電解コンデンサSC0が発する熱をDC/DCコンバータ831aへ伝えないようにすることができる。また、DC/DCコンバータ831aが収容された収容空間830d内の熱は、つまり、DC/DCコンバータ831aが発する熱は、収容空間830dと外気とを連通する上面及び下面にそれぞれ形成された放熱孔としてのスリット830aを介して、外部へ放出されることにより、この放出される熱を電解コンデンサSC0が収容される収容空間830cへ入り込ませないようにすることができる。従って、DC/DCコンバータ831aが発する熱を電解コンデンサSC0へ伝えないようにすることができる。
本実施形態では、打球発射装置650の発射ソレノイド654に流す併合電流を作成するためのDC/DCコンバータ831a及び電解コンデンサSC0が電源基板851に設られるのではなく、電源基板851と別体の発射電源基板831に設けられることにより発射電源基板831のサイズを電源基板851のサイズと比べて小さくすることができる。従って、発射電源基板831の小型化により取り扱え易くなって発射電源基板831の交換作業が容易となりその交換作業に費やす時間の短縮化に寄与することができる。この交換作業では、発射電源基板ボックス830の端開口に発射電源基板831が取付けたままの状態、つまり発射電源基板ボックス830ごと、交換することもできる。
またパチンコ遊技機1が稼働されて電解コンデンサSC0がその寿命を迎え、発射ソレノイド654による駆動発射が突然発射不能となって遊技を中断せざるを得なくなっても、発射電源基板831の交換作業が容易に行えることにより遊技の中断を早い段階で解消することができる。したがって、電解コンデンサSC0の寿命による発射不能を極めて簡単に解消することができるとともに、その発射不能による遊技の中断を早い段階で解消して遊技を再開することができ、遊技者の興趣が低下するのを抑制することができる。
なお、発射電源基板831の電解コンデンサSC0は、発射ソレノイド654による駆動発射が行われるごとに、例えば、1分当たりに100回という頻度において、充放電が繰り返し行われることにより劣化して寿命を迎えるのに対して、電源基板851は、遊技ホール等の島設備の交流電源から直流電源を作成するものの、発射電源基板831の電解コンデンサSC0と同様の頻度で充放電が繰り返し行わるものではないため、発射電源基板831と比べると、その寿命は極めて長い。換言すると、発射電源基板831は、電解コンデンサSC0の充放電にともなう劣化によって寿命を迎えるのに対して、電源基板851は、経年変化によって寿命を迎える。発射ソレノイド654に流す併合電流を作成するためのDC/DCコンバータ831a及び電解コンデンサSC0が電源基板851に設られるのではなく、電源基板851と別体の発射電源基板831に設けられることにより、寿命の長い経年変化にともなう電子部品を電源基板851に集中させることができる。これにより、寿命の長い経年変化にともなう電子部品が寿命の短い電解コンデンサSC0と一緒に交換されることを防止することができる。
また、打球発射装置650を制御する電解コンデンサSC0を備えた発射電源基板831を、遊技盤4を保持する遊技盤保持口601を通して前側から脱着可能としているので、打込特性を変化させるために容量の異なる電解コンデンサSC0に変更する不正を行おうとしても、発射電源基板831を脱着させるには遊技盤保持口601に保持された遊技盤4を取外す必要があり、発射電源基板831を交換し辛くして不正を行い難くすることができ、発射電源基板831が不正改造されて最適化されている打込強さを故意に変化させる不正を抑止することができると共に、不正を行い難くすることで苛立ち等を覚えた遊技者が不正行為等の不正へ発展するのを抑止することが可能なパチンコ機1とすることができるようになっている。
また、発射電源基板831を脱着可能として交換できるようにしているので、仮に、発射電源基板831の電解コンデンサSC0等に対して不正が行われても、発射電源基板831を直ちに交換して不正を解消させることができ、遊技の中断期間を可及的に短くすることができると共に、遊技の中断によって苛立ちを感じたり残念な気分になってしまったりするのを早期に解消させることができ、遊技者の遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができるようになっている。
更に、打球発射装置650を制御する発射制御部4120における電解コンデンサSC0を備えた発射電源基板831が、遊技盤4を保持する本体枠3の遊技盤保持口601を通して前側から脱着可能とされており、機種変更等により遊技盤4を交換する際に、発射制御部4120の発射電源基板831(発射電源基板ボックス830)も簡単に交換することができるので、交換する新機種のコンセプト等にマッチした打込特性を実現できる電解コンデンサSC0やDC/DCコンバータ831aを備えた発射電源基板831に交換することで、本体枠3に以前から備えられている打球発射装置650の打込特性を、新しい遊技盤4にマッチしたものとすることができる。従って、遊技球の打込特性を遊技盤4のコンセプトに簡単に合わせることができるので、新機種の遊技盤4による遊技を充分に楽しませることができ、遊技者の興趣が低下するのを抑制することができる。
また、発射制御部4120の発射電源基板831を前側から脱着できるようにしているので、発射電源基板831を交換する際に、遊技ホール等の島設備に対して本体枠3を開ける必要がなく、交換にかかる手間を簡略化することができると共に、短時間で交換することができ、遊技ホール側の負担が増加するのを抑制することができる。また、発射電源基板831(発射電源基板ボックス830)を脱着可能として交換できるようにしているので、発射制御部4120(払出制御基板4110)全体を交換する場合と比較して、打込特性の変更にかかるコストを低減させることができ、ホール側等の負担を軽減させることができる。
更に、機種等を変更する際に、遊技盤4のみを交換して扉枠5や本体枠3等は以前のものをそのまま使用できるようにしているので、長期間の使用によって発射制御部4120の発射電源基板831の電解コンデンサSC0等が劣化した場合、上述したように、発射電源基板ボックス830を前側から簡単に交換することができるので、劣化によって不具合が発生して発射電源基板831を直ちに交換して不具合を解消させることができ、遊技の中断期間を可及的に短くすることができると共に、遊技の中断によって苛立ちを感じたり残念な気分になってしまったりするのを早期に解消させることができ、遊技者の遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができる。
また、本体枠3の遊技盤保持口601を通して発射電源基板831(発射電源基板ボックス830)を支持させるようにしており、発射電源基板831を脱着させるには、遊技盤保持口601に保持された遊技盤4を取外す必要があるので、扉枠5と本体枠3との隙間から不正行為を行うための工具を侵入させても、遊技盤4によって不正な工具が発射電源基板831に到達するのを阻止することができ、発射電源基板831に対して不正行為が行われるのを防止することができると共に、不正行為に対する防御力の高いパチンコ機1とすることができる。
更に、遊技盤保持口601を通して発射電源基板ボックス830を支持させるようにしており、蓋然的に、発射電源基板ボックス830を支持する位置が本体枠3の前面よりも後側となるので、発射電源基板ボックス830を支持するためのスペースを確保し易くすることができ、発射電源基板ボックス830を支持して上記の作用効果を奏するパチンコ機1を確実に具現化することができる。
また、電解コンデンサSC0を発射電源基板831に備えるようにしており、発射電源基板831を本体枠3の前側から簡単に脱着することができるので、電解コンデンサSC0から発射ソレノイド654へ電源を供給することで電解コンデンサSC0にかかる負荷が大きくなって電解コンデンサSC0が劣化し易くなっても、電解コンデンサSC0(発射電源基板831)を簡単に交換することができ、不具合を早期に解消させて遊技の中断時間を可及的に短くすることができると共に、上述した作用効果を確実に奏するパチンコ機1とすることができる。
また、基板ユニット800における電源基板ボックスホルダ840は、正面視で左右中央よりも左側前面に、上方へ開放され遊技盤4のアウト球排出部1161から排出された下方へ排出された遊技球を受ける排出球受部841と、排出球受部841で受けられた遊技球を下方へ誘導して排出する排出通路842と、排出通路842及び排出球受部841の横(正面視で右側)の前面に前方及び上方へ開放され発射電源基板ボックス830の後側を収容可能な前ボックス収容部843と、電源基板ボックスホルダ840の後面全体が前側へ窪んだように形成され電源基板ボックス850の前端を収容可能な後ボックス収容部844と、を備えている。
この電源基板ボックスホルダ840は、排出通路842の開放された前端側が基板ユニットベース810の後面によって閉鎖されるようになっていると共に、基板ユニットベース810の開口部812が排出通路842へ望む位置に形成されており、本体枠ベース600における下部後壁部604の後面に形成された本体枠ベース球抜通路622を流通して基板ベースユニット810の開口部812を通って基板ユニットベース810の後側へ流下した遊技球と、詳細は後述するが遊技盤4のアウト球排出部1161から排出されて排出球受部841で受けられた遊技球とを、排出通路842を通してパチンコ機1の後側下方へ排出することができるようになっている。
また、電源基板ボックスホルダ840は、基板ユニットベース810のボックス収容部816と対応した位置に形成されており、ボックス収容部816と前ボックス収容部843とで、発射電源基板ボックス830を収容する収容凹部を形成することができるようになっている。
更に、基板ユニット800における電源基板ボックス850は、前方が開放された横長の箱状に形成されており、その前端開口を閉鎖するように取付けられた電源基板851を備えている。この電源基板ボックス850は、電源基板851に取付けられた各種電子部品が収容されるようになっており、上面及び下面に形成された複数のスリット850aを介して、電子部品等からの熱を外部へ放出することができるようになっている。なお、図87に示すように、電源基板ボックス850の後面には、電源基板851に取付けられた電源スイッチ852が臨むようになっている。
また、電源基板ボックス850は、電源基板851における電源スイッチ852の下側に取付けられた電源端子853(図85及び図87を参照)が後側へ臨む開口の下辺に沿って後方へ突出した立壁部850bと、立壁部850bの後端の両側から後方へ突出した突起部850cと、立壁部850bよりも前側且つ下側に配置され電源基板ボックス850の外周との間で配線コード854を挿通可能な隙間を形成する配線ガイド部850dと、を備えている。なお、詳細な図示は省略するが、電源基板851に実装された電源端子853は、コネクタ端子855の係止爪と係止する係止片を有しており、それら係止爪と係止片とを係止させることで、電源端子853からコネクタ端子855が外れないようになっている。
この電源基板ボックス850は、立壁部850bが、図88に示すように、電源基板851の電源端子853に配線コード854のコネクタ端子855を接続した状態で、コネクタ端子855の後端よりも若干後方へ突出するように形成されている。本例の電源基板ボックス850では、配線コード854が電源基板ボックス850の前方下側から立壁部850bの後端に引っ掛かるように後側へ回り込んだ状態で、電源基板851の電源端子853にコネクタ端子855が接続されるようになっている。
ところで、基板に取付けられた接続端子に対して、配線コードが延びだしたコネクタ端子を接続した上で、その配線コードを基板側へ引っ張った状態とすると、配線コードから係る張力によってコネクタ端子が接続端子側へ押し付けられるような状態となるので、接続端子からコネクタ端子を外し難くなる問題がある。しかしながら、本例の電源基板ボックス850によると、配線コード854の先端側(電源端子853と接続されたコネクタ端子855側とは反対側)が電源基板851側(本体枠3に対して前側)へ引っ張られても、コネクタ端子855よりも後方へ突出した立壁部850bによって、配線コード854がコネクタ端子855よりも後側へ回り込む(折返す)ように取り回されているので、配線コード854からコネクタ端子855が電源端子853側へ押し付けられるような力が作用するのを防止することができ、電源端子853に接続されたコネクタ端子855を簡単に外すことができるようになっている。
また、電源基板ボックス850は、立壁部850bの後端両側に後方へ突出した突出部850cを備えているので、配線コード854が立壁部850bの後端に沿ってスライドしても、後端の両端に備えられた突起部850cによって、それ以上外側へ配線コード854がスライドするのを阻止することができ、配線コード854が立壁部850bから外れるのを防止することができるようになっている。
また、電源基板ボックス850の配線ガイド部850dに配線コード854を挿入させることで、立壁部850bで折返された配線コード854を立壁部850b側へ寄せることができるので、立壁部850bから配線コード854を外れ難くすることができると共に、立壁部850bで配線コード854を折返した上で、直ちに配線ガイド部850dで配線コード854を立壁部850b側へ寄せることができるので、一連の作業を連続して行わせることができ、組立てに係る作業工程を簡略化することができるようになっている。
なお、電源基板ボックス850及び電源基板ホルダ840は、互いに組付けた状態における前後方向の寸法が、スピーカボックス820の前後方向の寸法と略同じとなるように形成されており、基板ユニットベース810に取付けると、電源基板ボックス850の後面と、スピーカボックス820の後面とが略同一面状となるようになっている。
また、本例では、電源基板851を覆う電源基板ボックス850の開口から臨む電源端子853にコネクタ端子855を接続した上で、コネクタ端子855の後端よりも後側へ突出した立壁部850bによってコネクタ端子855の後端から延出した配線コード854を折返させるようにしているので、配線コード854が引っ張られることでコネクタ端子855に作用する張力を、係止爪等により接続が固定された電源端子853との接続を解除するような方向へ作用させることが可能となり、配線コード854によってコネクタ端子855が外せなくなるのを回避させることができ、電源基板851の電源端子853に接続されたコネクタ端子855を外し易くして基板の交換等のメンテナンスを簡単に行うことができる。
また、電源基板ボックス850の立壁部850bによって配線コード854を折返させるようにしており、立壁部850bが無い場合と比較して、配線コード854の折曲がり具合を緩くさせることができるので、配線コード854自体に無理な力が作用するのを回避させることができ、無理な力により配線コード854が断線して不具合が発生するのを防止することができる。
更に、電源端子853が臨む電源基板ボックス850の開口の近傍に立壁部850bを備えるようにしており、蓋然的に、立壁部850bが電源端子853と隣接した位置となるので、電源端子853に接続されたコネクタ端子855から延びた配線コード854を、コネクタ端子855に対して可及的に真直ぐ後側へ延びださせることが可能となり、コネクタ端子855と配線コード854との繋ぎ目が折れて無理な力が作用するのを防止することができ、断線等の不具合が発生するのを防止することができる。
また、電源基板851を被覆する電源基板ボックス850に立壁部850bを備えるようにしているので、電源基板851に立壁部850bを備える必要が無く、電源基板851の組立作業を容易にすることができる。また、電源基板ボックス850で電源基板851を覆うようにしているので、電源基板851に不具合の発生原因となる埃やゴミ等が付着するのを防止することができると共に、電源基板851に実装された電子部品(例えば、抵抗器、コンデンサ、トランジスタ、IC、CPU、メモリー、等)に対して触れ難くしたり交換し難くしたりすることができ、不正行為に対する防御力を高めることができるようになっている。
また、電源基板851における電源端子853にコネクタ端子855を接続する方向を、基板面に対して略直角方向(前後方向)としており、電源基板851に実装された電源端子853に対して、コネクタ端子855を接続したり取外したりする時にかかる力を電源基板851の面に作用させ易くすることができるので、電源端子853におけるリード部に剪断力が作用するのを防止することが可能となり、リード部が破断して通電不良が発生したり電源基板851から電源端子853が外れてしまったりするのを防止することができ、不具合が発生し難いパチンコ機1とすることができる。
更に、コネクタ端子855と電源端子853との接続を係止爪と係止片とによる固定手段によって固定するようにしているので、配線コード854が立壁部850bによって折返されることで配線コード854を介してコネクタ端子855に電源端子853との接続を解除するような方向へ力が作用しても、コネクタ端子855と電源端子853との接続が解除されてしまうのを防止することができ、コネクタ端子855と電源端子853との接続を確実に維持して接触不良や通電不良等の不具合が発生するのを防止することができる。
また、電源基板ボックス850の立壁部850bにおける配線コード854が折返される後端の両端に、後方へ突出する突起部850cを備えるようにしているので、配線コード854が立壁部850bにおける折返される辺に沿ってスライドしても、辺の両端に備えられた突起部850cによって、それ以上外側へ配線コード854がスライドするのを阻止することができ、配線コード854が立壁部850bから外れるのを防止して上述した作用効果を確実に奏するパチンコ機1を具現化することができる。
また、電源基板ボックス850に備えられた配線ガイド部850dによって、立壁部850bで折返された配線コード854を立壁部850b側へ寄せるようにしているので、立壁部850bから配線コード854を外れ難くすることができ、上述した作用効果を確実に奏するようにすることができると共に、立壁部850bで配線コード854を折返した上で、直ちに配線ガイド部850dで配線コード854を立壁部850b側へ寄せることが可能となり、一連の作業を連続して行わせることができ、組立てに係る作業工程を簡略化してコストが増加するのを抑制することができる。
また、基板ユニット800における払出制御基板ボックス860は、横長で後方が開放された薄箱状のボックスベース861と、ボックスベース861内へ後側から嵌合し前方が開放された薄箱状のカバー862と、ボックスベース861の後面に取付けられカバー862によって後面が覆われる払出制御基板4110(図169を参照)と、を備えている。また、払出制御基板ボックス860は、背面視左端から外方へ突出しボックスベース861及びカバー862の双方に形成された複数の分離切断部863を備えており、複数の分離切断部863の一箇所でボックスベース861とカバー862とがカシメ固定されている。これによってボックスベース861とカバー862とを分離するためには、分離切断部863を切断しないと分離できないようになっており、払出制御基板ボックス860を開くと、その痕跡が残るようになっている。従って、払出制御基板ボックス860が不正に開閉させられたか否かが判るようになっている。なお、本例では、検査等のために払出制御基板ボックス860を一回だけ開閉することができるようになっている。
この払出制御基板ボックス860は、払出制御基板4110に取付けられたエラー解除スイッチ860a、球抜スイッチ860b、検査用出力端子860c、等がカバー862を通して後方へ臨むようになっている(図63を参照)。また、払出制御基板ボックス860は、主制御基板4100等と接続するための各種接続用の端子が、カバー862を通して後方へ臨むようになっている。
更に、基板ユニット800における端子基板ボックス870は、スピーカボックス820の後面に取付けられ、背面視左側上部後面に形成された基板取付部871a、及び背面視右端後面に形成された基板カバー取付部871bを有した基板ベース871と、基板ベース871の基板取付部871aに後側から取付けられ後面に周辺パネル中継端子872aが取付けられた周辺パネル中継端子板872と、基板ベース871の基板カバー取付部871bに後側から取付けられ後壁部873aに上下方向へ延びた開口部873bを有する接続端子板カバー873と、接続端子板カバー873の開口部873aから後方へ臨むCRユニット接続端子874aが後面に取付けられた接続端子板カバー873内に支持されるCRユニット接続端子板874と、接続継端子板カバー873と共に基板ベース871の後側を覆う基板ボックスカバー875と、を備えている。
この端子基板ボックス870における周辺パネル中継端子板872は、パチンコ機1を設置する島設備側に備えられたパチンコ機1の稼動状態等を表示するための度数表示器と本パチンコ機1とを接続するためのものであり、CRユニット接続端子板874は、パチンコ機1と隣接して設置される球貸し機(CRユニット6とも称す)と本パチンコ機1とを接続するためのものである。なお、端子基板ボックス870における基板ベース871、接続端子板カバー873、及び基板ボックスカバー875は、夫々透明な合成樹脂によって形成されており、外部から内部の周辺パネル中継端子板872やCRユニット接続端子板874等を視認することができるようになっている。また、基板ボックスカバー875の後面には、パチンコ機1において球詰り等の不具合が発生した場合に、島設備側に設置された度数表示器やCRユニット6等に表示されるエラーコードの内容が表示された状態表示シール876が貼り付けられている。
この端子基板ボックス870における基板ベース871は、図89に示すように、基板取付部871aが、後端が開放された薄い箱状に形成されている。この基板ベース871は、基板取付部871aの内側上部に形成され周辺パネル中継端子板872の上端を固定する固定片(図示は省略する)と、基板取付部871aの内側下部に形成され周辺パネル中継端子板872の下端を係止する係止爪871cと、を備えており、固定片と係止爪871cとによって周辺パネル中継端子板872を後側から脱着可能に保持することができるようになっている。
また、基板ベース871は、基板カバー取付部871bが、後側へ開放された薄い箱状に形成されており、その内周の大きさが接続端子板カバー873の外周が挿入可能な大きさとされていると共に、その内周壁が前後方向へ延びた外片部871cとされている。基板ベース871は、背面視右側の外片部871cを左右方向へ貫通する一対の固定孔871dと、基板カバー取付部871bの底壁から後方へ延出しCRユニット接続端子板874の前面と当接する上下方向へ延びた二つの突条871eと、基板カバー取付部871bの背面視左外側に配置され前後方向へ貫通する係止孔871fと、を備えている。この基板ベース871における突条871eは、後方への突出量が外片部871cよりもやや控えた状態となっていると共に、図示するように、CRユニット接続端子板874の両側端に可及的に近い位置となるように配置されている。
更に、基板ベース871は、基板カバー取付部871bの背面視右側後面に上下方向へ離反して配置され基板ボックスカバー875を回動可能に軸支するための一対の軸受部871gと、背面視左端部付近の後面に配置され前後方向へ延びた角筒状の係止部871hと、を備えている。
端子基板ボックス870における接続端子板カバー873は、CRユニット接続端子板872の外周を囲うと共に基板ベース871の外片部871cで囲まれた基板カバー取付部871b内へ挿入可能とされた外壁部873cと、外壁部873cの後端を閉鎖する後壁部873aと、後壁部873aを貫通し上下方向へ延びた矩形状の開口部873bと、開口部873bの内周に略沿って後壁部873aから前方(基板ベース871側)へ延出する内壁部873dと、内壁部873dの前端がCRユニット接続端子板874の前面と当接するようにCRユニット接続端子板874を保持し上下の外壁部873cに形成された鉤爪状の一対の基板保持部873eと、を備えている。
また、接続端子板カバー873は、CRユニット接続端子板874に取付けられた複数の内部接続端子874bと対応する位置に配置され後壁部873aを貫通した複数の開口部873fと、上下方向の略中央に配置された開口部873fの後側を覆い背面視左側が開放された箱状の保護部873gと、外壁部873cにおける背面視右側端部から外方(右方向)へ延出し基板ベース871の固定孔871d内へ挿通可能とされた一対の固定片873hと、外壁部873cにおける背面視左側端部に形成され基板ベース871の係止孔871fへ係止可能とされた弾性爪状の係止爪片873iと、を備えている。なお、図示は省略するが、保護部873gを備えた中央の開口部873fにおける内周の上下にも前方へ延出した内壁部873dが形成されている。
この接続端子板カバー873は、外壁部873cと後壁部873aとによって、前側が開放された薄い箱状となっている。また、接続端子板カバー873は、開口した前側からCRユニット接続端子板874を内部へ挿入することで、内壁部873dの前端によってCRユニット接続端子板874が後方へ移動するのを規制することができると共に、一対の基板保持部873eによってCRユニット接続端子板874が前方へ移動するのを規制することができ、而して、CRユニット接続端子板874を脱着可能に保持することができるようになっている。更に、接続端子板カバー873は、その固定片873hを基板ベース871の固定孔871d内へ挿入した上で、係止爪片873iを基板ベース871の係止孔871fへ係止させることで、基板ベース871の基板カバー取付部871bへ脱着可能に取付けることができるようになっている。
端子基板ボックス870におけるCRユニット接続端子板874は、その表面側(後面側)に、パチンコ機1と遊技ホールの島設備側に設置されたCRユニット6とを接続するためのCRユニット接続端子874aの他に、払出制御基板4110や、貸球ユニット360等と接続するための複数の内部接続端子874bが備えられている。なお、本例のCRユニット接続端子板874では、図示するように、CRユニット接続端子874aが係止機能を有したD−subコネクタとされており、内部接続端子874bが角形ツーピースコネクタとされている。
また、端子基板ボックス870における基板ボックスカバー875は、基板ベース871の後面全体を略覆う大きさで全体が前側へ開放された薄い箱状に形成され、背面視右側面に配置され基板ベース871の軸受部871gに回動可能に軸支される一対の軸部875aと、接続端子板カバー873における開口部873bと対応し前後方向へ貫通した貫通口875bと、貫通口875bの左右両側端から前方へ延出する衝壁875cと、基板ベース871の係止部871hに係止される係止片875dと、を備えている。
この基板ボックスカバー875は、一対の軸部875aを基板ベース871の軸受部871gに軸支させることで、接続端子板カバー873と共に基板ベース871の後面を開閉可能に覆うことができるようになっている。また、基板ボックスカバー875は、軸部875aに近い側(軸支された側)の衝壁875cが基板ベース871の後面まで延出する長さとされており、軸部875aから遠い側の衝壁875cが接続端子板カバー873の後面まで延出する長さとされている。つまり、本例の端子基板ボックス870では、基板ボックスカバー875を閉じた状態とすると、夫々の衝壁875cの前端が、基板ベース871や接続端子板カバー873の後面に略当接した状態となるようになっている。
本例の端子基板ボックス870は、CRユニット接続端子板874のCRユニット接続端子874aをD−subコネクタとしているので、図89に示すように、CRユニット接続端子板874の後面に対してCRユニット接続端子874aの本体が浮いた状態となっており、CRユニット接続端子874aから延びたリード部がCRユニット接続端子板874の後面側でも外部に露出した状態となっている。また、CRユニット接続端板874の内部接続端子874bは、角形のツーピースコネクタとされており、図示するように、後方から嵌合接続できるように取付けられている。
そして、本例の端子基板ボックス870は、図89に示すように、組立てた状態では、CRユニット接続端子板874の前面に沿った方向には接続端子板カバー873の外壁部873cと基板ベース871の突条871e及び外片部871cとが、また、CRユニット接続端子板874の後面に沿った方向には接続端子板カバー873の外壁部873cと内壁部873dと基板ボックスカバー875の軸部875a側の衝壁875cとが、夫々存在するので、幾重にもよる防壁が構築されることとなると共に、接続端子板カバー873と基板ベース871との境界の断面形状が蛇行したクランク形状となるようになっている。従って、喩え、接続端子板カバー873と基板ベース871との間(境界)に、可撓性に優れた不正な工具を侵入させようとしても、境界に沿って工具が曲がらず、CRユニット接続端子板874の面に沿った方向からの不正な工具の侵入を確実に阻止することができ、CRユニット接続端子板874に備えられたCRユニット接続端子874aに対する不正行為を確実に防ぐことができるようになっている。
また、この端子基板ボックス870は、接続端子板カバー873における内壁部873dの前端がCRユニット接続端子板874の後面と当接するようになっているので、CRユニット接続端子874aとして取付けられたCRユニット接続端子板874との間に隙間が形成されるD−subコネクタを用いても、内壁部873dによって露出したリード部の外周を覆うことができ、不正行為が行われるのを防止することができるようになっている。
また、端子基板ボックス870は、基板ベース871の後面に回動可能に軸支された基板ボックスカバー875に、CRユニット接続端子874aが臨む貫通口875bの軸部875a側に、一対の軸部875a間に跨る長さの衝壁875cを備えており、衝壁875cによって基板ボックスカバー875の強度・剛性を高めることができるので、基板ボックスカバー875と基板ベース871との間にドライバー等を差し込んで一対の軸部875aの間に隙間を形成させようとしても、基板ボックスカバー875が歪むのを阻止して隙間が形成されるのを防止することができ、不正行為を行い難くして抑止力の高いものとすることができるようになっている。
更に、本例の端子基板ボックス870は、CRユニット接続端子板874の中央付近の内部接続端子874bの後側を接続端子板カバー873の保護部873gと基板ボックスカバー875とで覆うようにしているので、ツーピースコネクタとされた内部接続端子874bに配線コード側の接続端子が嵌合接続された状態で接続端子のコネクタ本体と配線コードとの隙間を通して針状の電極を挿入する不正行為を行おうとしても、保護部873gと基板ボックスカバー875とによって電極の挿入を阻止することができ、内部接続端子874bに対する不正行為も防止することができるようになっている。
このように、本例によると、本体枠3の後面にCRユニット接続端子板874を収容した端子基板ボックス870を取付けるようにしているので、パチンコ機1の表側から外枠2と本体枠3との間等を介して不正な工具を挿入して、パチンコ機1の裏面側へ不正な工具の先端を侵入させても、端子基板ボックス870によって、収容されたCRユニット接続端子板874を保護することができ、CRユニット接続端子板874に対する不正行為を確実に防ぐことができる。
また、端子基板ボックス870内にCRユニット接続端子板874を収容した状態では、CRユニット接続端子板874の前面(基板の裏面)に沿った方向には接続端子板カバー873の外壁部873cと基板ベース871の突条871e及び外片部と871cが、また、CRユニット接続端子板874の後面(基板の表面)に沿った方向には接続端子板カバー873の外壁部873cと内壁部873dと基板ボックスカバー875の衝壁875cとが、夫々存在するので、幾重にもよる防壁が構築されることとなると共に、接続端子板カバー873と基板ベース871との境界の断面形状が蛇行したクランク形状となり、喩え、接続端子板カバー873と基板ベース871との間(境界)に、可撓性に優れた不正な工具を侵入させようとしても、境界に沿って工具が曲がらず、CRユニット接続端子板874の面に沿った方向からの不正な工具の侵入を確実に阻止することができ、CRユニット接続端子板874に備えられたCRユニット接続端子874aや内部接続端子874bに対する不正行為を確実に防ぐことが可能なパチンコ機1とすることができる。
また、接続端子板カバー873における内壁部873dの前端がCRユニット接続端子板874の後面と当接するようにしているので、CRユニット接続端子874aとして基板との間に各リード部が露出するようなD−subコネクタを用いても、内壁部873dによって露出したリード部の外周を覆うことができ、不正行為が行われるのを確実に防止することができる。
更に、端子基板ボックス870に、基板ベース871の後面に一方の端部が回動可能に軸支されて接続端子板カバー873の後面を開閉可能に覆うと共に、接続端子板カバー873の開口部873bと対応した貫通口875bにおける軸支された側の側端から前方へ基板ベース871の後面まで延出する板状の衝壁875cを有した基板ボックスカバー875を更に備えるようにしているので、基板ボックスカバー875における基板ベース871に対して軸支された部位同士の間に、ドライバー等を差し込んで隙間を形成して不正な工具を侵入させようとしても、衝壁875cによって不正な工具が接続端子板カバー873(CRユニット接続端子板874)側へ到達するのを阻止することができ、不正行為が行われるのを防止することができる。
また、端子基板ボックス870内のCRユニット接続端子板874を取出すには、基板ボックスカバー875を開けた上で接続端子板カバー873を開けなければならず、CRユニット接続端子板874を取出し難くすることができ、不正行為に対する抑止力を高めることができる。また、衝壁875cによって基板ボックスカバー875の強度・剛性を高めることができるので、基板ボックスカバー875と基板ベース871との間にドライバー等を差し込んで隙間を形成させようとしても、基板ボックスカバー875が歪むのを阻止して隙間が形成されるのを防止することができ、不正行為を行い難くして抑止力の高いものとすることができる。
更に、CRユニット接続端子板874のC内部接続端子874bに接続された配線コード側の端子における被コネクタ本体と配線コードとの隙間を通して、針状の電極を挿入する不正行為を行おうとしても、対応した開口部873fの後側、すなわち、被コネクタ本体の配線コードと沿った隙間の開口の後側を保護部873gと基板ボックスカバー875とで覆うようにしているので、端子基板ボックス870の外側(後側)から被コネクタ本体の隙間へ針状の電極を挿入することができず、接続された配線コードの端子に対して不正行為が行われるのを防止することができ、防犯能力の高いものとすることができる。
また、接続端子板カバー873の外壁部873cに、CRユニット接続端子板874を保持する基板保持部873eを備えると共に、外壁部873cをCRユニット接続端子板874よりも前側へ延出させているので、不正行為を行うために接続端子板カバー873と基板ベース871との間にドライバー等を差し込んで隙間を形成させても、CRユニット接続端子板874が接続端子板カバー873と共に後側へ移動するため、接続端子板カバー873における外壁部873cの前端とCRユニット接続端子板874との位置関係は変化することが無く、CRユニット接続端子板874の外周が外壁部873c(接続端子板カバー873)で保護されたままとすることができ、CRユニット接続端子板874の後面のCRユニット接続端子874a等に対して不正行為を行うことができず、CRユニット接続端子板874やCRユニット接続端子874a等を狙った不正行為を防止することができる。
更に、端子基板ボックス870を、透明樹脂によって形成しており、外側から端子基板ボックス870内を視認することができるので、端子基板ボックス870を分解しなくても、端子基板ボックス870の外側から、内部に収容されたCRユニット接続端子板874や周辺パネル中継端子板872等に対して不正な工具が挿入されていないか、CRユニット接続端子板874等自体が不正なものに交換されていないか、或いは、CRユニット接続端子板874等に実装された電子部品(例えば、ROM、IC、抵抗器、コンデンサ、等)が不正なものと交換されていないか、等を簡単に点検することができ、不正行為を発見し易くすることができると共に、不正行為が発見し易くなるので、不正行為を行うものに対して不正行為の実行を躊躇させることができ、不正行為に対する抑止力を高めることができる。
また、本体枠5の裏面側に、CRユニット接続端子板874等の表面が後側を向く方向となるように端子基板ボックス870を取付けているので、メンテナンス等の際に外枠2に対して本体枠5を前側へ回動させて本体枠5の後側が現れると、端子基板ボックス870に収容されたCRユニット接続端子板874等が作業者側(遊技者側)を向いた状態となり、CRユニット接続端子板874等や端子基板ボックス870を点検し易くすることができる。
基板ユニット800における主側中継端子板880及び周辺側中継端子板882は、本体枠3に取付けられる遊技盤4に備えられた周辺制御部4140や基板ユニット800の払出制御基板4110等と、扉枠5に備えられたハンドル装置500、各装飾基板や操作ユニット400等との接続を中継するためのものである。これら主側中継端子板880及び周辺側中継端子板882は、本体枠3側や扉枠5側へ接続するための複数の接続端子を備えており、基板ユニットベース810の前面に形成された基板取付部813に取付けることで、それら接続端子が本体枠ベース600の前面から前側を向くようになっている。
なお、主側中継端子板880及び周辺側中継端子板882は、図62及び図64等に示すように、本体枠ベース600の前面に取付けられる中継端子板カバー692によってその前側が覆われるようになっていると共に、中継端子板カバー692の開口692aを通して、扉枠5側と接続するための接続端子のみが前側へ臨むようになっており、それらの接続端子に配線コード196が接続されるようになっている(図1及び図30を参照)。
また、主側中継端子板880は、扉枠5側に配置される皿ユニット300における貸球ユニット360の貸球ボタン361、返却ボタン362、貸出残表示部363、ハンドル装置500の回転位置検知センサ512、タッチセンサ516、発射停止スイッチ518、及びファールカバーユニット540の満タン検知センサ550と、本体枠3側に配置される払出制御基板4110との接続を中継するためのものである。また、周辺側中継端子板882は、扉枠5側に配置される各装飾ユニット200,240,280及び皿ユニット300や操作ユニット400に備えられた各装飾基板430,432、及び操作ユニット400に備えられたダイヤル駆動モータ414やセンサ432a,432b,432cと、本体枠3側に配置される遊技盤4の周辺制御部4140との接続を中継するためのものである。
[1−3G.裏カバー]
続いて、本体枠3における裏カバー900について、図91乃至図93を参照して説明する。図91(A)は本体枠における裏カバーの正面斜視図であり、(B)は本体枠における裏カバーの背面斜視図である。また、図92は、裏カバーにおける締結機構の部位を拡大して示す断面図であり、図93は、裏カバーにおける締結機構を分解して後側から見た分解斜視図である。本例の裏カバー900は、透明な合成樹脂によって形成されており、パチンコ機1の後側から本体枠3内を視認することができるようになっている。
本体枠3における裏カバー900は、本体枠3における遊技盤4を保持するための遊技盤保持口601(本体枠3に取付けられた遊技盤4)の後側を開閉可能に被覆するものである。この裏カバー900は、遊技盤保持口601の後側開口を閉鎖する板状の本体部902と、本体部902の正面視右辺から前方へ延出する側部904と、側部904の前端に上下方向へ並んで複数配置され下方へ向かって突出し本体枠ベース600の裏カバー軸支部623に軸支される軸支ピン906と、本体部902の正面視左辺上部と下部に夫々形成され賞球ベース710の裏カバー係合溝718と賞球通路蓋780の裏カバー係合溝780aとに夫々係合する係合片908と、下側の係合片908の近傍に裏カバー900を本体枠3に対して開閉不能に締結するための締結機構920とを備えている。
裏カバー900における締結機構920は、図92及び図93等に示すように、裏カバー900の本体部902における下側の係止片908の背面視で左側に前後方向へ貫通した円形の挿通孔921と、挿通孔921の背面視で左側に所定距離はなれて配置され前後方向へ貫通した縦長矩形状の係止口922と、係止口922に対して後側から弾性係止される係止片923aを一端側に有すると共に他端側に挿通孔921と対応した横長の長孔923bを有する板状のガイド部材923と、ガイド部材923の長孔923bへ後側から挿通され本体部902の挿通孔921を介して賞球通路蓋780の裏カバー締結孔780bへ螺合される雄ねじ部924aを有した締結部材924と、締結部材924の雄ねじ部924aにガイド部材923を挟むように取付けられる保持部材925と、を備えている。なお、締結機構920におけるガイド部材923は、軟質の合成樹脂によって形成されており、曲がり易くなっている。
また、締結機構920は、ガイド部材923の係止片923aが、本体部902の係止口922に対して遊嵌状態で係止されるようになっており、ガイド部材923が所定の範囲内で遊動することができるようになっている。また、締結機構920は、締結部材924の雄ねじ部924aに取付けられた円盤状の保持部材925によって、締結部材924が長孔923bを通してガイド部材923に支持された状態となり、長孔923bに沿って左右方向へスライドすることができると共に、長孔923bから脱落しないようになっている。この締結機構920は、本体部902の係止口922へ後側からガイド部材923の係止片923aを係止させると、ガイド部材923の長孔923bを介して前側へ突出した締結部材924の雄ねじ部924aが、本体部902の挿通孔921へ挿通された状態となるようになっている。
本例の裏カバー900は、軸支ピン906を本体枠ベース600の裏カバー軸支部623に軸支させることで、本体枠3における遊技盤保持口601の後側開口を開閉することができ、係合片908を本体枠ベース600及び賞球通路蓋780の裏カバー係合溝718,780aに係合させることで、閉じた状態とすることができるようになっている。なお、裏カバー900を閉じた状態とすると、締結機構920における挿通孔921と賞球通路蓋780の裏カバー締結孔780bとが略一致した状態となるようになっている。
この裏カバー900を閉じた状態では、挿通孔921へ後側から前側へ挿通された締結部材924の雄ねじ部924aが、裏カバー締結孔780b内へ自然と螺合されることがないので、裏カバー900を閉じても雄ねじ部924aの先端が裏カバー締結孔780bの後端で止まった状態となり、締結部材924が裏カバー900の本体部902から後方へ突出することとなる。ところで、本例では、締結部材924が裏カバー900の本体部902の係止されたガイド部材923の長孔923b内に支持されているので、締結部材924が裏カバー900から脱落することなく、本体部9002の後側に位置した状態が維持されるようになっている。
そして、この状態から締結部材924の雄ねじ部924aの先端を裏カバー締結孔780bへ挿入して締結部材924を回転させることで、雄ねじ部924aが裏カバー締結孔780b内へとねじ込まれて(螺合されて)、裏カバー900を締結固定することができるようになっている。なお、本例の締結機構920は、締結部材924を裏カバー締結孔780bへねじ込む時に、締結部材924を支持するガイド部材923が本体部902に対して斜めになっていても、締結部材924を長孔923bで支持しているので、締結部材924(雄ねじ部924a)を裏カバー締結孔780bの軸心に対して真直ぐに位置させることができ、締結部材924を裏カバー締結孔780bへ良好にねじ込むことができるようになっている。
また、本例では、裏カバー900を、一箇所の締結機構920によって本体枠3側へ締結固定するようにしているので、一箇所の締結部材924を操作するだけで簡単に締結したり締結を解除したりすることができ、裏カバー900の開閉に係る手間を簡略化してメンテナンス性を向上させることができるようになっている。
また、裏カバー900は、本体部902の正面視右側下端で上方へ矩形状に切欠かれた接続用切欠部910と、接続用切欠部910の正面視上側で矩形状に貫通した確認用開口部912と、本体部902の正面視左下隅部に矩形状に切欠かれた確認用切欠部914と、を備えている。
この裏カバー900は、図5に示すように、本体枠3に対して閉じた状態で、接続用切欠部910を通して遊技盤4における主制御基板ボックス1170のRAMクリアスイッチ4100cや試験用端子4100f等が後側へ臨むようになっている。また、裏カバー900は、確認用開口部912を通して、主制御基板ボックス1170の後面に貼り付けられた基板管理シール1178(図102を参照)が後側へ臨むようになっていると共に、確認用切欠部914を通して主制御基板ボックス1170の封止部1176が臨むようになっている。これにより、裏カバー900を本体枠3に対して開かなくても、主制御基板ボックス1170及び主制御基板4100の作動確認や外観確認、管理状態確認等を行うことができるようになっている。
また、裏カバー900は、本体部902及び側部904に細長く貫通した複数のスリット916が形成されており、これらスリット916を通して遊技盤4等で発生した熱を本体枠3(パチンコ機1)の後側外部へ排出することができるようになっている。なお、図示するように、中央から正面視でやや左寄りの位置に、幅広で上下方向へ長く延びた左右方向へ所定間隔で列設された複数の透孔918を備えている。これら透孔918は、裏カバー900を本体枠3に対して閉じた状態とすると共に、本体枠3内に遊技盤4を収容保持させた状態で、遊技盤4における液晶表示装置1900の後側に備えられた周辺制御部4140や液晶制御部4150を冷却するための冷却ファンの後側に位置するようになっており、周辺制御部4140等からの熱を良好に排気することができるようになっている。因みに、透孔918の幅は、遊技球の外径よりも小さい幅とされており、透孔918を通してパチンコ機1内へ遊技球が侵入しないようになっている。
これにより、本例では、本体枠3に保持された遊技盤4の後側を閉鎖する裏カバー900を本体枠3へ締結する締結部材924を、裏カバー900に取付けられたガイド部材923に対して遊動可能に保持させているので、本体枠3に遊技盤4を保持した状態で、本体枠3の後側から裏カバー900を開いて遊技盤4の後側をメンテナンス等を行う際に、本体枠3に対して裏カバー900を締結固定している締結部材924の締結を解除して本体枠3の裏カバー締結孔780bから締結部材924を分離させても、締結部材924がガイド部材923を介して裏カバー900に保持された状態となり、締結部材924を紛失してしまったり、パチンコ機1内に取残してしまったりするのを防止することができ、裏カバー900から締結部材924が脱落するのを防止することが可能なパチンコ機1とすることができる。
また、上述したように、開いた裏カバー900から締結部材924が脱落するのを防止することができるので、メンテナンス等の際に、締結を解除した締結部材924を所定位置に保管する必要が無く、ガイド部材923を介して裏カバー900の挿入孔921の近傍に保持することができ、メンテナンスを行い易くすることができる。
また、ガイド部材923の長孔923bを、少なくとも係止口922側とは反対側へ延びるようにしているので、ガイド部材923が裏カバー900の面に対して傾いた状態となっていても、締結部材923の雄ねじ部924aを裏カバー900の挿通孔921を通して本体枠3の裏カバー締結孔780bへ真直ぐに位置させることができ、裏カバー締結孔780bに対して雄ねじ部924aを正しい状態で確実に締結させることができる。従って、本体枠3に裏カバー900をきちんと締結させることができ、裏カバー900による防犯効果を確実に発揮させることができる。
更に、締結部材924の頭部と協働して締結部材924をガイド部材923に対して遊動可能に保持させる保持部材925を締結部材924の雄ねじ部924aに取付けるようにしているので、締結部材924の頭部と保持部材925とでガイド部材923が挟まれた状態となり、締結部材924の雄ねじ部924aがガイド部材923の長孔923bから抜けるのを確実に防止することができると共に、保持部材925との隙間と長孔923bによってガイド部材923に対して締結部材924を遊動可能に保持させることができる。
また、裏カバー900における挿通孔921の周囲に保持部材を収容可能な収容凹部を備えるようにしており、締結部材924の雄ねじ部924aを、裏カバー900の挿通孔921を通して本体枠3の裏カバー締結孔780bへ締結させる際に、締結部材924の頭部とでガイド部材923を挟んだ保持部材925を、収容凹部内へ収容することができるので、裏カバー900とガイド部材923とを密着させて裏カバー900からの突出を可及的に少なくすることができ、ガイド部材923や締結部材924の突出した部位に他の部材が当接する可能性を低くして不具合が発生するのを低減させることができると共に、見栄えを良くすることができる。
また、本体枠3の裏カバー締結孔780bを雌ねじ部として、締結部材924の雄ねじ部924aとねじ結合するようにしているので、単なる係止爪による係合と比較して、引っ張っただけでは締結を解除することができず裏カバー900を取外し難くすることができ、裏カバー900による防犯効果をより高めることができると共に、不正行為に対する抑止力の高いパチンコ機1とすることができる。
更に、可撓性を有したガイド部材923としており、ガイド部材923が撓むことができるので、裏カバー900(挿通孔921)に対する締結部材924の動きの自由度を更に高めることが可能となり、締結部材924の雄ねじ部924aを本体枠3の裏カバー締結孔780bに対して真直ぐな位置に位置させたり、雄ねじ部924を裏カバー締結孔770bに対して真直ぐに移動させたりするのをし易くすることができ、裏カバー締結孔780bに対して雄ねじ部924aを確実に締結させることができる。
また、ガイド部材923の係止片923aが、裏カバー900の係止口922における挿通孔921とを結んだ軸線に対して直角方向へ延びた内壁に沿って当接した状態で、係止口922へ弾性係止されるようにしているので、遊動可能に取付けられたガイド部材923の先端側(長孔923b側)を、挿通孔921とを結んだ軸線に対して直角方向へ延びた軸心周りを回動するように動かすことができ、係止口922に対して係止片923aが軸支されたようにすることができる。従って、ガイド部材923の先端側の長孔923bに保持された締結部材924を、裏カバー900の挿通孔921、すなわち、本体枠3の裏カバー締結孔780bを開閉するように回動させることができるので、挿通孔921や裏カバー締結孔780bに対して締結部材924の雄ねじ部924aを挿入し易くすることができ、締結部材924による締結作業を行い易くすることができる。
更に、本体枠3における裏カバー締結孔780bとは異なる位置に複数の裏カバー係合溝718,780aを更に備えた上で、裏カバー900に裏カバー係合溝718,780aと夫々弾性係合する複数の係合片908を更に備えるようにしており、裏カバー900の係合片908を本体枠3の裏カバー係合溝718,780aに係合させることで、締結部材924による締結とは別に、裏カバー900を本体枠3へ固定することができるので、締結部材924を用いて締結する箇所を一箇所のみとして締結作業を可及的に少なくすることができ、組立てやメンテナンス等の作業性を高めることができる。また、上述したように、締結部材924とは別に係合片908と裏カバー係合溝718,780aとの係合によって裏カバー900を本体枠3へ固定することができるので、閉鎖範囲の広い裏カバー900でも締結部材924による締結箇所を増やすことなく良好な状態で本体枠3における遊技盤保持口601の後側(遊技盤4の後側)を閉鎖させることができる。
また、本体枠3(本体枠ベース600)の裏カバー軸支部623に裏カバー900の軸支ピン906を軸支させることで、本体枠3に対して裏カバー900を回動可能に軸支できるようにしているので、裏カバー900を閉じる方向へ回動させて本体枠3における遊技盤保持口601の後側を閉鎖するだけで、裏カバー900の挿通孔921と本体枠3の裏カバー締結孔780bとを簡単に一致させることができ、挿通孔921を通して裏カバー900に保持された締結部材924を簡単に裏カバー締結孔780bへ締結させることができる。また、本体枠3に対して裏カバー900を回動可能に軸支するようにしているので、メンテナンス等の際に、締結部材924による締結を解除して裏カバー900を開けた場合でも、裏カバー900を本体枠3に軸支させた状態のままとすることができ、裏カバー900を本体枠3から取外す必要が無く、裏カバー900の開閉にかかる手間を簡略化することができる。
[1−3H.側面防犯板]
次に、本体枠3における側面防犯板950について、主に図67及び図68を参照して説明する。本体枠3における側面防犯板950は、図示するように、正面視における本体枠3の左側面を形成するものであり、本体枠ベース600に取付けられるようになっている。この側面防犯板950は、平面視で浅いコ字状に押出し成形された金属製の本体952と、本体952の内側前端付近の上下に固定され本体枠ベース600の前面に取付けられる取付金具954と、本体952の内側に固定され遊技盤4の位置決め凹部1119と係合する位置決め部材956と、を備えている。
この側面防犯板950の本体952は、本体枠ベース600の高さと略同じ長さで上下方向へ延びると共に前後方向が略一定奥行きとされた側板片952aと、側板片952aの前端から正面視右方向へ延出した前端片952bと、前端片952bの後側に所定量の隙間を形成するように配置され前端片952bよりも突出量の少ない中片952cと、側板片952aの後端から正面視右方向へ前端片952bよりも長く延出した後端片952dと、を備えている(図107を参照)。この本体952は、側板片952a、前端片952b、及び後端片952dによって浅いコ字状に形成されており、中片952cと後端片952dとの間に遊技盤4における前構成部材1110と遊技パネル1150との正面視左側側部が挿入されるようになっている(図107を参照)。
本例の側面防犯板950は、取付金具954が本体枠ベース600の前面に取付けられると共に、本体952の後端片952dが本体枠ベース600の後面に取付けられるようになっている。この側面防犯板950は、本体枠3に対して扉枠5を閉じた状態とすると、本体952の前端片952bが、扉枠5の補強ユニット150における軸支側補強板金152の軸支側コ字状突片166のコ字内に挿入されるようになっており、正面視左側において本体枠3と扉枠5との間に不正行為を行うための工具が挿入されるのを防止することができるようになっている(図107を参照)。また、側面防犯板950の本体952は、金属(例えば、アルミ合金)の押出型材とされていると共に、側板片952aの面に対して直角方向へ配置された前端片952b、中片952c、及び後端片952dを備えているので、側面防犯板950の強度・剛性が高められており、本体枠3全体の強度を高めて遊技盤4や扉枠5等を良好に支持することができるようになっている。
このように、本例によると、本体枠3の前面を扉枠5で閉鎖した状態とすると、防犯側面板950の前端内側に形成された前端片952bと中片952cとの間に扉枠5における補強ユニット150の略コ字状に形成された軸支側コ字状突片166の後側の片が挿入される(侵入する)ようになっており、前端片952bを軸支側コ字状突片166で挟持した状態となるので、本体枠3に対して扉枠5を無理やり開けようとしても、扉枠5の軸支側コ字状突片166が本体枠3の前端片952bに当接して扉枠5の軸支側コ字状突片166が本体枠3から離れる方向へ移動するのを阻止することが可能となり、閉鎖された扉枠5が抉じ開けられるのを防止することができ、本体枠3に対して扉枠5を抉じ開けるような不正行為が行われるのを防止することが可能なパチンコ機1とすることができる。
また、本体枠3における金属により形成された防犯側面板950と、扉枠5における金属により形成された補強ユニット150とを嵌合させるようにしているので、本体枠3と扉枠5との間の強度・剛性が高くなり、不正工具によって本体枠3や扉枠5を歪み難くすることができ、パチンコ機1における防犯性能を高めることができる。また、遊技盤4を支持する本体枠ベース600を合成樹脂により形成した上で、扉枠5を軸支する側(軸支側)の防犯側面板950を金属により形成するようにしているので、本体枠3全体を金属によって形成するようにした場合と比較して、パチンコ機1に係るコストを低減させることができる。
更に、本体枠3に対して扉枠5を施錠する錠装置1000の扉枠用フック部1041を、上下両端と上下両端の間の一箇所で扉枠5における補強ユニット150のフックカバー165と係止させるようにして、錠装置1000側(開放側)における扉枠5と本体枠3との間を三つの扉枠用フック部1041によって係止するようにしているので、開放側がバール等の不正な工具によって抉られても扉枠5と本体枠3との間が広がるのを良好に防止することができ、扉枠5が無理やり抉じ開けられるのを防止することができる。
また、防犯側面板950における側面片952aの後端を、遊技盤4の前面(遊技領域1100)よりも後方へ延出させるようにしており、側面片952aの前後方向の寸法が長くなることで前後方向へかかる荷重に対する曲げ剛性が強くなるので、防犯側面板950全体の強度・剛性をより高めることができ、防犯側面板950が無理やり曲げられて不正行為が行われるのを防止することができる。
また、金属製の押出型材によって本体枠3の防犯側面板950を形成するようにしているので、前端片952bや中片952cを有した所定断面形状の防犯側面板950(本体952)を簡単に形成することができ、パチンコ機1の防犯性能を高めてもコストが増加するのを抑制することができると共に、金属板を屈曲させた場合と比較して、加工時に生ずる強度低下等の欠陥を可及的に少なくすることができ、耐久性や強度の高い防犯側面板950とすることができる。
[1−3I.錠装置]
続いて、本体枠3における錠装置1000について、主に図94乃至図98を参照して説明する。図94(A)は本体枠における錠装置の左側面図であり、(B)は本体枠における錠装置を前から見た斜視図である。また、図95(A)は錠装置の背面斜視図であり、(B)は錠装置のコ字状基体の内部に摺動自在に設けられるガラス扉用摺動杆と本体枠用摺動杆を示す背面斜視図であり、(C)は(B)の正面斜視図である。更に、図96は、錠装置を分解して後から見た分解斜視図であり、図97は、錠装置におけるガラス扉用摺動杆と本体枠用摺動杆の動作を示す説明図であり、図98は、錠装置における不正防止部材の動作を示す説明図である。
本体枠3における錠装置1000は、本体枠3の本体枠ベース600における周壁部605の開放側の外側側面に沿って本体枠3の略上端から下端にかけて取付けられるものであり、図69に示すように、本体枠ベース600における前端枠部602の正面視右側(開放側)辺の上部に形成された扉用フック穴620及び下部に形成された錠係止穴621と、本体枠ベース600における周壁部605の正面視右側側面に複数形成された錠取付部625と、に取付られるようになっている。
図94乃至図96に示すように、錠装置1000は、断面コ字状に形成される錠基体としてのコ字状基体1001と、コ字状基体1001内に摺動自在に設けられる扉枠用摺動杆1040と、コ字状基体1001内に摺動自在に設けられる本体枠用摺動杆1050と、本体枠用摺動杆1050の摺動を不正に行うことができないようにコ字状基体1001の下部に取付けられる不正防止部材1023,1032と、を備えている。
錠装置1000におけるコ字状基体1001は、所定の金属板を断面コ字状となるように折曲成形したものであり、その内部に扉枠用摺動杆1040と本体枠用摺動杆1050とが摺動可能に配置されるようになっている。なお、コ字状基体1001は、その横幅寸法が従来の断面L字状に成形された基体に集約された錠装置に比べて極めて薄いものとなっている。これにより、錠装置1000の左右方向の寸法を可及的に薄くすることが可能となり、相対的に本体枠3における遊技盤保持口601の左右方向の寸法を大きくすることができ、より遊技領域1100の広い遊技盤4を備えることができるようになっている。
このコ字状基体1001は、断面コ字状の開放側が本体枠ベース600の裏面と対面した状態で取付けられるようになっており、錠装置1000を本体枠3に取付けた状態では、コ字状基体1001の開放側が本体枠ベース600に閉鎖されるようになっている。これにより、コ字状基体1001の内部に配置された扉枠用摺動杆1040と本体枠用摺動杆1050とが、夫々のフック部1041、1054,1065を除いてコ字状基体1001に完全に被覆された状態となり、外部から錠装置1000に対して不正行為を行い難い不正防止構造となっている。
また、錠装置1000におけるコ字状基体1001は、その開放側(後側)と反対の閉塞側(前側)上下に本体枠用摺動杆1050のフック部1054,1065が貫通可能な長方形状のフック貫通開口1002と、前側における本体枠ベース600の周壁部605と接する側面1001b(図96を参照)の上部と中程に外方へ向かって突設されたビス止め部1003と、ビス止め部1003が突設された側面1001bとは反対側の側面1001a(図96を参照)の開放側(前側)の上端部と中間部、及び開放側の両側面1001a,1001bの下端部から前方へ突出した係止突起1004と、を備えている。
コ字状基体1001のビス止め部1003と係止突起1004は、錠装置1000を本体枠ベース600の裏面に取付けるためのものであり、係止突起1004を本体枠ベース600の扉用フック穴620及び錠係止穴621に後側から挿入した上で、上方へ移動させると、ビス止め部1003と本体枠ベース600の錠取付部625とが一致するようになっており、ビス止め部1003を介して図示しないビスを錠取付部625へ螺着することで、錠装置1000を本体枠ベース600(本体枠3)に強固に固定することができるようになっている。
なお、錠装置1000のビスによる取付けは、上部と中程のビス止め部1003だけではなく、後述する錠取付片1008に形成されたビス止め部1003と、シリンダ錠貫通穴611の上方近傍に形成された錠取付部625と、においても図示しないビスで本体枠ベース600に止着されるようになっており、錠装置1000の下方も取付けられるようになっている。
また、錠装置1000の取付けに際し、コ字状基体1001の開放側(前側)の上中下の3箇所に形成された係止突起1004を、上中の扉用フック穴620と錠係止穴621とに挿入して位置決め係止すると共に、コ字状基体1001のビス止め部1003を錠取付部625にビスで固定する構造としているので、極めて簡単な構造で錠装置1000を本体枠ベース600(本体枠3)に強固に固定することができるようになっている。
換言すると、錠装置1000を極めて横幅寸法の薄いコ字状基体1001に集約して構成した場合でも、錠装置1000の前側及び後側の係止及び固定により、錠装置1000を本体枠3に強固に固定することができるものである。特に、本実施形態の場合には、前側の係止構造(固定構造でもよい)を構成する係止突起1004がコ字状基体1001の周壁部605と接しない側面1001aに突設した上で、後側の固定構造を構成するビス止め部1003がコ字状基体1001の周壁部605と密する側面1001bから周壁部605側へ突設した構造としているので、前側の係止構造が周壁部605と密する側面1001bに形成した場合と比較して、ガタ付きが生じないように錠装置1000を本体枠3に固定することができるようになっている。
また、コ字状基体1001は、その両側面1001a,1001bの上部、中程、下部に左右方向へ貫通した挿通穴1005を備えており、コ字状基体1001に扉枠用摺動杆1040及び本体枠用摺動杆1050を収納した状態で挿通穴1005にリベット1006を差込んでかしめることで、コ字状基体1001の内部に扉枠用摺動杆1040及び本体枠用摺動杆1050を上下方向へ摺動自在に取付けることができるようになっている。
つまり、図95(C)に示すように、扉枠用摺動杆1040の上中下の3箇所に形成されたリベット用長穴1042の上端部にリベット1006が貫通していると共に、図95(B)に示すように、本体枠用摺動杆1050の上フック部材1051及び下フック部材1052に夫々一つずつ形成されたリベット用長穴1055,1061の下端部にリベット1006が貫通しており、扉枠用摺動杆1040を上方に、本体枠用摺動杆1050を下方に移動させることができるようになっている。
更に、コ字状基体1001は、その下部の閉塞側面に形成された不正防止切欠部1007と、開放側の本体枠ベース600における周壁部605と接する側面1001bの前端から側方へ向かって突設されシリンダ錠1010を取付けるための錠取付片1008と、周壁部605と接する側面1001bに挿入縦開口1020、バネ係止片1021、及び逃げ横穴1022と、が夫々形成されている。コ字状基体1001の不正防止切欠部1007は、詳細は後述するが、第一不正防止部材1023のストッパ片部1027が進退するようになっている。また、コ字状基体1001の錠取付片1008は、錠装置1000を本体枠ベース600の裏面に取付けた状態で、遊技盤保持口601の下端辺よりも下方の位置となるように側面1001bの前端部から側方に向かって突設されており、シリンダ錠1010が貫通する錠挿通穴1009と、シリンダ錠1010の錠取付基板1011に形成された取付穴1013をビス1012で取付けるため上下2箇所に穿設された取付穴1014と、錠装置1000の下部を本体枠3の裏面に取付けるために穿設されたビス止め部1003と、が形成されている。
また、コ字状基体1001は、シリンダ錠1010に固定される係合カム1016の第一係合突片1017及び第二係合突片1018がシリンダ錠1010の回動時に侵入する挿入縦開口1020と、第二不正防止部材1032を上方へ付勢するバネ1035を係止するためのバネ係止片1021と、連結ピン1034の移動の邪魔をしないように逃げ穴を形成する逃げ横穴1022と、を備えている。
錠装置1000におけるシリンダ錠1010は、コ字状基体1001における錠取付片1008に取付けられるものである。このシリンダ錠1010は、円筒状のシリンダ錠本体の後端に錠取付片1008へ取付けるための錠取付基板1011が固定されており、錠取付基板1011の後面からシリンダ錠本体の錠軸1015が延びだしていると共に、錠軸1015の後端にビス1019によって係合カム1016が固定されている。この係合カム1016は、ブーメラン形状に形成され、一端辺が回動時に本体枠用摺動杆1050の下降係合穴1062に係合する第一係合突片1017とされていると共に、他端辺が回動時に扉枠用摺動杆1040の上昇係合穴1045に係合する第二係合突片1018とされている。
このシリンダ錠1010は、円筒状のシリンダ錠本体部分を錠取付片1008に形成された錠挿通穴1009に後側から挿通した上で、錠取付基板1011の上下2箇所に形成された取付穴1013を通して錠取付片1008の取付穴1014へビス1012を螺着することで、シリンダ錠1010をコ字状基体1001に固定することができるようになっている。
錠装置1000のコ字状基体1001に取付けられる不正防止部材1023,1032は、シリンダ錠1010を正式な鍵で回動させずに、例えばピアノ線や針金等で不正に本体枠用摺動杆1050を下降させることを防止するためのものである。この不正防止部材1023,1032は、図96に示すように、第一不正防止部材1023と第二不正防止部材1032とを連結ピン1034で連結した構造となっている。第一不正防止部材1023は、縦長の板状で上端の揺動軸穴1025を中心にしてコ字状基体1001に揺動自在に支持されるようになっている。具体的には、この第一不正防止部材1023は、その揺動軸穴1025を通して、コ字状基体1001の内部に配置される扉枠用摺動杆1040及び本体枠用摺動杆1050と共に最下方の挿通穴1005及びリベット1006によって取付けられるようになっている。
また、第一不正防止部材1023は、その板状面にコ字状基体1001の挿入縦開口1020と重複する位置で縦長に開口し係合カム1016の第二係合突片1018が挿入可能とされた突片挿入穴1026を備えている。この突片挿入穴1026と挿入縦開口1020とを、係合カム1016の第二係合突片1018が貫通することで、コ字状基体1001の内部に設けられた扉枠用摺動杆1040の上昇係合穴1045と第二係合突片1018とが係合するようになっている。また、第一不正防止部材1023は、突片挿入穴1026の前斜め上方の外辺に、係合カム1016の回動時に第一係合突片1017の後面側と当接可能な斜めに傾斜した傾斜部1024を備えており、この傾斜部1024が、係合カム1016の回動時に第一係合突片1017と当接することで、第一不正防止部材1023が揺動軸穴1025を中心として揺動(図98(B)において時計回転方向)するようになっている。
更に、第一不正防止部材1023は、突片挿入穴1026の斜め後下方の外辺からコ字状基体1001側へ向かって突出したストッパ片部1027と、ストッパ片部1027が突出した位置から更に下方へ突出した規制突片1031と、規制突片1031の前側に左右方向へ貫通し上下に配置されたピン穴1029及び連結穴1030と、を備えている。この第一不正防止部材1023のストッパ片部1027は、本体枠用摺動杆1050の施錠時に、不正防止切欠部1007及び本体枠用摺動杆1050の係合切欠部1066に侵入係合させることで、本体枠用摺動杆1050が不正に摺動しないようにすることができるようになっている。また、第一不正防止部材1023の規制突片1031は、バネ1035によって上方へ付勢された第二不正防止部材1032と当接することで、第二不正防止部材1032が上方(付勢方向)へ移動するのを規制することができるようになっている。
また、第一不正防止部材1023のピン穴1029は、ガイドピン1028が第一不正防止部材1023の裏面側から挿入固定されるようになっており、ピン穴1029に固定されたガイドピン1028を、コ字状基体1001における挿入縦開口1020の最下端部に形成された横長状開口部に係合させることで、第一不正防止部材1023をコ字状基体1001の側面1001bに沿って案内することができるようになっている。更に、第一不正防止部材1023の連結穴1030は、連結ピン1034によって、第一不正防止部材1023と第二不正防止部材1032とを回動可能に連結するためのものである。
一方、第一不正防止部材1023に連結される第二不正防止部材1032は、逆「て」字状の板材で形成され、その上部一端に連結穴1033と、上部他端にバネ係止穴1036とが夫々穿設されていると共に、下方端部に当接部1037が備えられている。第二不正防止部材1032は、連結穴1033を第一不正防止部材1023の連結穴1030と合わせた上で連結ピン1034を挿入することで第一不正防止部材1023と相対回転可能に連結することができるようになっている。また、第二不正防止部材1032は、バネ係止穴1036に、上端(一端)がコ字状基体1001のバネ係止片1021に係止されたバネ1035の下端(他端)を係止させることで、バネ1035によって上方へ付勢されるようになっている。更に、第二不正防止部材1032は、当接部1037が、本体枠3の閉鎖時に外枠2の内側下部に固定された閉鎖板25と当接するようになっている。
次に、錠装置1000における扉枠用摺動杆1040は、コ字状基体1001の内部に摺動自在に支持され、縦長の金属製の板状部材によって形成されている。この扉用摺動杆1040は、その一側縦辺の上中下の3箇所に前方へ向かって突出する扉枠用フック部1041を備えている。扉用摺動杆1040の扉枠用フック部1041は、コ字状基体1001内に扉用摺動杆1040を収納した状態で、コ字状基体1001の開放側から前方に突出するようになっており、錠装置1000を本体枠ベース600の裏面に固定した時に、本体枠ベース600に形成された扉用フック穴620(図64及び図69等を参照)から前方に突出して、扉枠5の裏面に形成されるフックカバー165(図18を参照)に係止することができるようになっている。なお、扉枠用フック部1041は、図示するように、下向きの係合爪形状となっており、これにより、扉枠用摺動杆1040を上昇させることで扉枠用フック部1041とフックカバー165との係止状態を解除することができるようになっている。
また、扉枠用摺動杆1040は、上中下の側面中央に穿設されリベット1006が挿通される縦長のリベット用長穴1042と、最上部のリベット用長穴1042の下方及び扉枠用摺動杆1040の最下端に扉枠用摺動杆1040の面に対して直角方向へ突出したガイド突起1043と、を備えている。この扉用摺動杆1040のリベット用長穴1042は、コ字状基体1001の挿通穴1005に挿通されるリベット1006が挿通されるようになっていると共に、リベット1006が扉枠用摺動杆1040の上昇動作を邪魔しないように縦長に形成されている。なお、通常状態では、リベット用長穴1042の上端部に貫通したリベット1006が当接した状態となっている。また、扉枠用摺動杆1040は、ガイド突起1043が、本体枠用摺動杆1050の上フック部材1051及び下フック部材1052に形成された突片移動穴1056,1064に挿通されるようになっており、扉枠用摺動杆1040と本体枠用摺動杆1050との相互の摺動動作を案内することができるようになっている。
また、扉枠用摺動杆1040は、上端部にスプリング1048の一端を係止するスプリングフック部1046が形成されている。このスプリングフック部1046に係止されたスプリング1048の他端は、本体枠用摺動杆1050における上フック部材1051のスプリングフック部1057に係止されており、スプリング1048によって、扉枠用摺動杆1040が下方向に、本体枠用摺動杆1050が上方向に、夫々相互に付勢されるようになっている。また、扉枠用摺動杆1040は、上下方向の中程に凸状に形成された当接弾性片1047を備えており、扉枠用摺動杆1040の一側側面からプレス成形により打ち出して凸状に形成されている。この当接弾性片1047は、コ字状基体1001の内側面に当接するようになっており、コ字状基体1001の内部で扉枠用摺動杆1040がガタ付くのを抑制することができるようになっている。
更に、扉枠用摺動杆1040は、下方部分の側面に縦長な遊び穴1044と、上昇係合穴1045と、を備えている。この遊び穴1044は、係合カム1016の第一係合突片1017が差し込まれて回動する時に、係合カム1016の回動動作の邪魔にならないように第一係合突片1017の先端部が移動可能な空間を構成するものである。また、上昇係合穴1045は、係合カム1016の第二係合突片1018が差し込まれて回動する時に、係合カム1016の回動動作によって扉枠用摺動杆1040が上昇するように係合するためのものである。なお、扉枠用摺動杆1040は、縦辺下部後方に、不正防止切欠部1007よりも上下方向に大きく切欠いた逃げ切欠部1049を備えている。この逃げ切欠部1049は、第一不正防止部材1023のストッパ片部1027が、確実に不正防止切欠部1007及び係合切欠部1066に係合するように、扉枠用摺動杆1040が邪魔にならないように該当部分を切欠いたものである。
一方、本体枠用摺動杆1050は、金属板製の上フック部材1051と、金属板製の下フック部材1052と、上フック部材1051と下フック部材1052とを連結する連結線杆1052と、を備えている。つまり、本体枠用摺動杆1050は、従来のように1つの金属製の縦長板で構成されておらず、フック部1054,1065を有する上フック部材1051と下フック部材1052とを金属製の板材をプレスで形成し、その金属製の上フック部材1051と下フック部材1052とを細い金属製の連結線杆1053で連結したものである。これにより、狭いコ字状基体1001の空間に扉枠用摺動杆1040と本体枠用摺動杆1050とを効率よく収納することができるようになっている。
この本体枠用摺動杆1050の上フック部材1051は、上端部に後方に向かって形成されたフック部1054と、フック部1054に隣接した板面部に左右方向へ貫通したリベット用長穴1055と、リベット用長穴1055の下方に左右方向へ貫通した突片移動穴1056と、突片移動穴1056の前方の縦辺下端部に形成されたスプリングフック部1057と、スプリングフック部1057の下側に穿設された連結穴1058と、上フック部材1051の上辺及び下辺に形成された当接部1059と、を備えている。この上フック部材1051のフック部1054は、コ字状基体1001の上方のフック貫通開口1002を貫通して外枠2の開放側内側の上部に備えられた閉鎖板24に係合するようになっており、上向きに係止爪部が形成されている。
また、上フック部材1051のこのリベット用長穴1055は、扉枠用摺動杆1040の上部に形成されたリベット用長穴1042に対応する位置に配置されており、このリベット用長穴1055にリベット1006が貫通した通常の状態では、リベット1006がリベット用長穴1055の最下端部を貫通した状態となり、上フック部材1051が下方へ向かって移動することができるようになっている。上フック部材1051の突片移動穴1056は、扉枠用摺動杆1040の上方のガイド突片1043が挿入されるようになっており、扉枠用摺動杆1040と本体枠用摺動杆1050との相互の移動を案内することができるようになっている。
また、上フック部材1051のスプリングフック部1057は、スプリング1048の他端が係止されるようになっている。また、上フック部材1051の連結穴1058は、連結線杆1053の上端が折り曲げられて挿入されるようになっている。更に、上フック部材1051の当接部1059は、コ字状基体1001に収納された時に、コ字状基体1001の内部側壁に当接するようになっており、上フック部材1051の摺動動作においてガタ付きがなくスムーズに摺動することができるようになっている。
一方、本体枠用摺動杆1050の下フック部材1052は、下端部から後方に向かって突設されたフック部1065と、下フック部材1052の板面部の上端付近で左右方向へ貫通したリベット用長穴1061と、リベット用長穴1061の下側に配置された下降係合穴1062と、下降係合穴1062の下部後側から下方へ延出した遊び穴1063と、遊び穴1063の下方で下端付近に形成された突片移動穴1064と、下フック部材1052の縦辺上端部の前端側に穿設された連結穴1060と、下フック部材1052の後方の縦辺下部に形成された係合切欠部1066と、下フック部材1052の上辺及び下辺に形成された当接部1067と、を備えている。
この下フック部材1052のフック部1065は、コ字状基体1001の下方のフック貫通開口1002を貫通して外枠2の開放側内側の下部に形成された閉鎖板25と係合するようになっており、上向きに係止爪部が形成されている。また、下フック部材1052のリベット用長穴1061は、扉枠用摺動杆1040の下部に形成されたリベット用長穴1042と対応する位置に形成されており、このリベット用長穴1061にリベット1006を貫通させた通常の状態では、リベット1006がリベット用長穴1061の最下端部を貫通した状態となるようになっている。これにより、下フック部材1052が下方に向かって移動することができるようになっている。
また、下フック部材1052の下降係合穴1062は、係合カム1016の第一係合突片1017が差し込まれて回動する時に、その回動動作によって本体枠用摺動杆1050が下降するように係合するためのものである。また、下フック部材1052の遊び穴1063は、係合カム1016の第二係合突片1018が差し込まれて回動する時に、その回動動作の邪魔にならないように第二係合突片1018の先端部が移動可能な空間を形成することができるようになっている。また、下フック部材1052の突片移動穴1064は、扉枠用摺動杆1040の下方のガイド突片1043が挿入されるようになっており、扉枠用摺動杆1040と本体枠用摺動杆1050との相互の移動を案内することができるようになっている。
また、下フック部材1052の連結穴1060は、連結線杆1053の折り曲げられた下端が挿入されるようになっている。更に、下フック部材1052の当接部1067は、コ字状基体1001に収納された時に、コ字状基体1001の内部側壁に当接するようになっており、コ字状基体1001に対して下フック部材1052が摺動動作する際に、ガタ付きがなくスムーズに摺動させることができるようになっている。
次に、本実施形態の錠装置1000の組立てについて説明する。この錠装置1000を組付けるには、本体枠用摺動杆1050の上フック部材1051と下フック部材1052とを連結線杆1053で連結し、その状態で扉枠用摺動杆1040のガイド突片1043を、上フック部材1051と下フック部材1052の突片移動穴1056,1064に挿入すると共に、相互のリベット長穴1042とリベット用長穴1055,1061を位置合わせして重ね合わせ、その重ね合わせた状態で上フック部材1051のフック部1054と下フック部材1052のフック部1065とを、コ字状基体1001のフック貫通開口1002に貫通させながら扉枠用摺動杆1040及び本体枠用摺動杆1050をコ字状基体1001のコ字状の空間に挿入した後に、挿通穴1005からリベット1006を差し込む。
このリベット1006を挿入する際に、リベット1006がリベット用長穴1055,1061、1042を貫通するように差し込む。なお、最下端のリベット1006を差し込む時には、第一不正防止部材1023の揺動軸穴1025にもリベット1006を差し込んで第一不正防止部材1023をコ字状基体1001に同時に取付ける必要がある。また、第一不正防止部材1023をコ字状基体1001に取付ける前に、第一不正防止部材1023と第二不正防止部材1032とを連結ピン1034で連結し、且つ、ガイドピン1028を、ピン穴1029に図示しないビスで止着してから、さらにガイドピン1028を挿入縦開口1020の最下端の開口部に挿入しておく必要がある。
更に、リベット1006で扉枠用摺動杆1040及び本体枠用摺動杆1050をコ字状基体1001内に収納固定した状態で、スプリング1048をスプリングフック部1046,1057相互間に掛け渡し、扉枠用摺動杆1040と本体枠用摺動杆1050とを相互に反対方向に付勢し、さらに、バネ1035をバネ係止片1021とバネ係止穴1036とに掛け渡して第二不正防止部材1032が規制突片1031に当接した状態とする。その後、錠取付片1008の錠挿通穴1009に、シリンダ錠1010の円筒状本体部分を挿入してシリンダ錠1010をビス1012で取付穴1014に固定する。なお、この時、係合カム1016の第一係合突片1017の先端部が傾斜部1024の外側で且つ挿入縦開口1020に僅かに挿入されると共に、係合カム1016の第二係合突片1018の先端部が第一不正防止部材1023の突片挿入穴1026及び挿入縦開口1020に僅かに挿入された状態となるようにシリンダ錠1010を錠取付片1008に取付ける。
このように、組立てた錠装置1000を本体枠ベース600の裏面に取付けるには、扉枠用摺動杆1040の扉枠用フック部1041を本体枠ベース600に形成された扉用フック穴620に差し込みながら、鉤型に突出する係止突起1004を本体枠ベース600の扉用フック穴620及び錠係止穴621に差し込んで上方に移動させ、その状態で水平方向に突出したビス止め部1003を錠取付部625に一致させ、その一致した穴に図示しないビスを螺着することにより、錠装置1000を本体枠ベース600の裏面に強固に固定することができる。特に、本実施形態の場合には、前方部の係止構造を構成する係止突起1004がコ字状基体1001の周壁部605と接しない側面1001aに突設形成される一方、後方部の固定構造を構成するビス止め部1003がコ字状基体1001の周壁部605と接する側面1001bから水平方向に突設形成される構造とされているので、前方部の係止構造が周壁部605と接する側面1001bに形成された場合と比較して、ガタ付きが生じないように錠装置1000を本体枠ベース600に固定することができるようになっている。
次に、本実施形態の錠装置1000の作用について、図97及び図98を参照して説明する。図97に示すように、本体枠ベース600(本体枠3)が外枠2に対して閉じ且つ扉枠5が本体枠3に対して閉じている状態においては、図97(A)に示すように、外枠2の閉鎖板24,25と本体枠用摺動杆1050のフック部1054,1065とが係止し且つ扉枠用摺動杆1040の扉枠用フック部1041と扉枠5のフックカバー165とが係止した状態となっている。その状態でシリンダ錠1010に図示しない鍵を差し込んで係合カム1016の第一係合突片1017が挿入縦開口1020内に侵入する方向に回動すると、図97(B)に示すように、第一係合突片1017の先端が本体枠用摺動杆1050の下降係合穴1062に係合してスプリング1048の付勢力に抗して下フック部材1052を下方に押下げ、これと連結されている連結線杆1053と上フック部材1051も押下げられて下降する。これにより、外枠2の閉鎖板24,25と本体枠用摺動杆1050のフック部1054,1065との係止状態が解除され、本体枠3を前面側に引くことにより本体枠3を外枠2に対して開放することができる。
なお、本体枠3を閉じる場合には、フック部1054,1065がスプリング1048の付勢力により上昇した状態(図97(A)に示す状態と同じ上昇した位置)となっているが、フック部1054,1065の上辺が外側に向かって下り傾斜しているため、強制的に本体枠3を外枠2に対して押圧することにより、フック部1054,1065の上辺傾斜部が閉鎖板24,25の下端部と当接するので、本体枠用摺動杆1050が下方に下降し、フック部1054,1065の上向き爪部と閉鎖板24,25とが再度係止した状態となって本体枠用摺動杆1050が上昇して係止状態に戻るようになっている。
一方、シリンダ錠1010に図示しない鍵を差し込んで係合カム1016の第二係合突片1018が挿入縦開口1020内に侵入する方向に回動すると、図97(C)に示すように、第二係合突片1018の先端が扉枠用摺動杆1040の上昇係合穴1045に係合してスプリング1048の付勢力に抗して扉枠用摺動杆1040を上方に押し上げ上昇する。このため、扉枠5のフックカバー165と扉枠用摺動杆1040の扉枠用フック部1041とが係止状態が解除されるので、扉枠5を前面側に引くことにより扉枠5を本体枠3に対して開放することができる。
なお、扉枠5を閉じる場合には、扉枠用フック部1041がスプリング1048の付勢力により下降した状態(図97(A)に示す状態と同じ下降した位置)となっているが、扉枠用フック部1041の下辺が外側に向かって上り傾斜しているので、強制的に扉枠5を本体枠3に対して押圧することにより、扉枠用フック部1041の下辺傾斜部がフックカバー165の上端部と当接して扉枠用摺動杆1040が上方に上昇し、更に、扉枠用フック部1041の下向き爪部とフックカバー165とが再度係止した状態となって扉枠用摺動杆1040が下降して係止状態に戻る。なお、本実施形態における扉枠用摺動杆1040は、コ字状基体1001の全長と略同じ長さに形成されると共に、そのコ字状基体1001が本体枠3の縦方向の側面の略全長に亘って取付けられ、しかも、扉枠5との係止部である扉枠用フック部1041が扉枠用摺動杆1040の上端部、中央部、下端部の3箇所に形成されているので、扉枠5と本体枠3の縦方向の全長における施錠を確実に行うことができ、扉枠5と本体枠3との間を無理やりこじ開けてその間からピアノ線等の不正具を挿入する不正行為を行うことができないようになっている。
このように、本実施形態の扉枠3の錠装置1000は、シリンダ錠1010に差し込んだ鍵を一方向に回動することにより、外枠2に対する本体枠3の施錠を解除し、他方向に回動することにより、本体枠3に対する扉枠5の施錠を解除することができる。また、本例の錠装置1000は、シリンダ錠1010に鍵を差し込むことなく本体枠用摺動杆1050のフック部1054,1065にピアノ線等を引っ掛けてこれを下降させるような不正行為を行うことができないようになっている。このような不正行為を防止する構造の第一番目が第一不正防止部材1023と第二不正防止部材1032とから構成されるロック機構であり、第二番目の不正防止構造がコ字状基体1001の閉鎖空間に扉枠用摺動杆1040及び本体枠用摺動杆1050が収納される構造である。
まず、第一番目の不正防止構造であるロック機構の作用について図98を参照して説明する。まず、外枠2と本体枠3とが閉じている状態では、図98(A)に示すように、外枠2の閉鎖板25と第二不正防止部材1032の当接部1037とが当接した状態となっている。この状態においては、バネ1035の付勢力により第一不正防止部材1023が反時計方向に回動してストッパ片部1027が不正防止切欠部1007内に侵入し、ストッパ片部1027が不正防止切欠部1007に対応する位置にある本体枠用摺動杆1050の下フック部材1052に形成される係合切欠部1066と係合した状態となっている。これにより、本体枠用摺動杆1050にピアノ線等を引っ掛けて引き降ろそうとしても、ストッパ片部1027と係合切欠部1066とが係合しているので、本体枠用摺動杆1050を不正に下方に引き降ろすこと(解錠すること)が不能となり、本体枠3を開放するという不正行為を行うことができないようになっている。
一方、シリンダ錠1010に鍵を差し込んで正規に本体枠3を開錠する場合には、図98(B)に示すように、鍵を回動させることにより係合カム1016の第一係合突片1017が挿入縦開口1020内に侵入するように回動される。この第一係合突片1017の回動時に、第一不正防止部材1023の傾斜部1024と第一係合突片1017の側面とが当接するため、第一不正防止部材1023が揺動軸穴1025を中心として図示の時計回転方向に回転を始め、ストッパ片部1027も不正防止切欠部1007から退避するように移動する。これにより、ストッパ片部1027と係合切欠部1066との係合が解除された状態となる。この時、第二不正防止部材1032は、バネ1035を伸ばして当接部1037が後退した位置となっている。この状態でさらに係合カム1016を回動させて第一係合突片1017も回動させると、第一係合突片1017の先端が下フック部材1052の下降係合穴1062に係合して本体枠用摺動杆1050の全体を下降させるので、フック部1054,1065と外枠2の閉鎖板24,25との係止状態が解除されて本体枠3を外枠2に対して開放することができるようになっている。
なお、本体枠3を外枠2に対して閉じる時には、第二不正防止部材1032は、規制突片1031に当接した状態となっているので、第一不正防止部材1023と第二不正防止部材1032との位置関係は、図98(A)に示す状態と略同じ位置関係になっている。この状態で本体枠3を閉めると、外枠2の閉鎖板25と第二不正防止部材1032の当接部1037とが正面から当接し、最終的に図98(A)に示す状態となる。これにより、第一不正防止部材1023と第二不正防止部材1032とが、本体枠3を閉じる時に邪魔にならないようになっている。また、本実施形態においては、第一不正防止部材1023と第二不正防止部材1032とが本体枠用摺動杆1050の下降動作だけが不正に行われないように防止しているのは、本体枠用摺動杆1050を不正に開放すれば、解放後に扉枠用摺動杆1040を手動で簡単に開けることができることと、ピアノ線等で摺動杆を上昇させる不正行為は事実上行い難いという理由により、本体枠用摺動杆1050に対する不正操作ができないように工夫されている。
また、上記した第一番目の不正防止構造であるロック機構であっても、第一不正防止部材1023をピアノ線等で揺動させることにより、ロック機構の機能を無力化することも不可能ではない。そこで、万一ロック機構のロック機能が不正な行為により無力化される場合を想定すると、本実施形態においては、錠装置1000が本体枠3(本体枠ベース600)に取付けられた状態では、内部に設けられる扉枠用摺動杆1040と本体枠用摺動杆1050とが、夫々のフック部1041、1054,1065を除いてコ字状基体1001の閉鎖空間に収納されて完全に被覆された状態となっているので、ピアノ線等を差し込んでコ字状基体1001の閉鎖空間の内部に設けられる本体枠用摺動杆1050を引き下げようとしても、コ字状基体1001の両側面1001a,1001bによって不正具の閉鎖空間への侵入が阻止されるため、不正行為を簡単に行うことができない構造となっている。
このように、本実施形態の錠装置1000は、その横幅寸法が従来のL字状基体に集約される錠装置に比べて極めて薄いコ字状基体1001の内部に扉枠用摺動杆1040と本体枠用摺動杆1050とを摺動可能に設け且つ錠装置1000を操作するためのシリンダ錠1010のコ字状基体1001への取付位置を遊技盤4の下端辺よりも下方となる位置としているので、遊技盤4の左右方向及び上下方向の大きさを極めて大きくすると共に、本体枠3の側面壁540〜543で囲まれる空間を大きくしても、錠装置1000を本体枠3の裏側に強固に取付けることができる。
また、コ字状基体1001の断面コ字状の開放側が本体枠3の裏面に対面するように取付けられるので、錠装置1000が本体枠3(本体枠ベース600)に取付けられた状態では、内部に配置された扉枠用摺動杆1040と本体枠用摺動杆1050とが、夫々のフック部1041、1054,1065を除いてコ字状基体1001に完全に被覆された状態となっており、ピアノ線等を差し込んで内部に設けられる本体枠用摺動杆1050を引き下げる等の不正行為を簡単に行うことができないようになっている。
また、錠装置1000の取付けに際し、コ字状基体1001の開放側(前方部)の上中下の3箇所に形成される係止突起1004を扉用フック穴620や錠係止穴621に差し込んで位置決め係止し、コ字状基体1001の閉塞側(後方部)の上中下の3箇所に形成されたビス止め部1003を錠取付部625にビスで固定する構造としているので、極めて簡単な構造で錠装置1000を本体枠3(本体枠ベース600)に強固に固定することができるようになっている。
なお、本例の錠装置1000では、コ字状基体1001の下方部をビス止めする構造として錠取付片1008に形成されたビス止め部1003と本体枠3のシリンダ錠貫通穴611の上部近傍に形成した錠取付部625とを螺着する構造としたものを示しているが、これに代えて、シリンダ錠1010を錠取付片1008に取付けるビス1012を利用して、ビス1012の先端が錠取付片1008を貫通して螺着される錠取付穴をシリンダ錠貫通穴611の上下に形成する構造としても良い。また、コ字状基体1001の下方部をビス止めしなくても、錠装置1000の後方部のビス止め部1003と錠取付部625との固定だけでも、錠装置1000を本体枠3(本体枠ベース600)の裏面に、充分に強固に固定することができる。
また、本例の錠装置1000では、扉枠用摺動杆1040及び本体枠用摺動杆1050を左右の側面1001a,1001bを有するコ字状基体1001で完全に被覆するものを示したが、例えば、扉枠用摺動杆1040及び本体枠用摺動杆1050を周壁部605に接しない反対側の側面1001aに摺動自在にリベット等で装着し、周壁部605に接する側面1001bを省略したL字状基体(錠基体)とし、そのL字状基体(錠基体)の側面1001aと第一側面壁540とによって形成される閉鎖空間に扉枠用摺動杆1040及び本体枠用摺動杆1050を収納する構造としても良く、上述した錠装置1000と同様の作用効果を奏することができる。
上述したように、本例の本体枠3によると、本体枠ベース600の後側に後方(前後方向)へ延出した周壁部710aを有する透明な賞球ベース710と、賞球ベース710の上側に本パチンコ機1を設置する遊技ホールの島設備側から供給された遊技球を貯留する賞球タンク720と、賞球タンク720から排出された遊技球を整列させ賞球ベースの後壁部710bの後側に取付けられる透明なタンクレールユニット730と、タンクレールユニット730から放出された遊技球を所定の払出指示に基いて扉枠5の上皿301へ払出し賞球ベース710の後壁部710bの後側に取付けられる一部が透明の賞球装置740と、本体枠ベース600の後端へ延出した側部904を有し後面がタンクレールユニット730や賞球装置740の後面と略同一面状に配置された透明な裏カバー900とを備えているので、賞球ベース710や裏カバー900等を通して本体枠ベース600の遊技盤保持口601に保持された遊技盤4の後側と後側側面とを視認することができ、遊技盤4の後側を覆う裏カバー900を開けなくても簡単に遊技盤4の後側を点検(目視点検)することが可能なパチンコ機1とすることができる。
また、透明な賞球ベース710や裏カバー900等を通して遊技盤4の後側(後面)だけでなく遊技盤4の後側側面も視認することができるので、本体枠ベース600の遊技盤保持口601へ前側から遊技盤4を脱着した際に、遊技盤4と裏カバー900との間にドライバーやペンチ等の工具、洗浄用のウエス、埃やゴミ、等が残留した場合でも、それらを外側からは簡単に発見することができ、残留物によって何らかの不具合が発生するのを防止することができる。
更に、上述したように、遊技盤4の後面や後側側面を外側から視認することができるので、遊技盤4の後側や側面等に不正行為を行うための不正な装置や工具等が取付けられていても、容易に発見することができ、不正行為が行われるのを防止することができると共に、遊技盤4に取付けられた不正な装置等を外側から簡単に発見することができるので、不正な装置等の取付けを躊躇させることができ、不正行為に対する抑止力の高いパチンコ機1とすることができる。
また、遊技盤4の後側を賞球ベース710や裏カバー900で覆うようにしているので、遊技機4を設置した島設備内の他の部材が遊技盤4と接触したり、遊技盤4の後側にゴミや埃等の異物が付着したりするのを防止することができ、遊技盤4を良好な状態に維持して不具合が発生するのを抑制することができる。
また、賞球タンク720の後面が本体枠ベース600の奥行きDに対して、本体枠ベース600の前端から約2倍の奥行きの位置となるようにしている、つまり、本体枠ベース600の奥行きDを、本体枠3の奥行きの約半分としているので、賞球ベース710や裏カバー900等を通して遊技盤4の後側や後側側面をより見易くすることができ、上記した作用効果を確実に奏することができる。また、本体枠ベース600の奥行きDを、本体枠3の奥行きの約半分としているので、本体枠ベース600を伏せた時の高さを可及的に低くして平坦な形状とすることができ、本体枠ベース600の後側へ賞球ベース710や裏カバー900、タンクレールユニット730、賞球装置740等を取付ける取付作業を行い易くすることができる。
更に、透明な裏カバー900の後面(本体部902)を、賞球ベース710に取付けられた賞球タンク720、タンクレールユニット730、及び賞球装置740等の後面と、略同一面状となるようにしているので、パチンコ機1の後面を略フラットな面とすることができ、後方への突起物を無くすことで設置される島設備内の他の部材に引っ掛かったり当接したりするのを防止して不具合が発生するのを防止することができる。また、パチンコ機1の後面が略フラットとなるので、パチンコ機1を搬送する際に、単純な形状の緩衝材を用いることができると共に、集積効率(収納効率)を高くすることができ、パチンコ機1に係るコストを低減させることができる。
また、裏カバー900に、複数のスリット916や透孔918を備えるようにしており、スリット916等を介して遊技盤4の後側や後側側面等を直接視認することができるので、遊技盤4の後側等を更に見易くすることができ、上述した作用効果を確実に奏することができる。また、本体枠ベース600に保持された遊技盤4の後側を裏カバー900で覆っても、裏カバー900のスリット916等を介して遊技盤4からの熱を外部へ放出することができるので、遊技盤4からの熱が蓄積されるのを防止することができ、熱によって遊技に関する制御が不安定になったり、合成樹脂等の部材が変形したりして不具合が発生するのを抑制することができる。更に、裏カバー900のスリット916や透孔918を、遊技球が通過不能な大きさとしているので、例えば、島設備内でパチンコ機1の後側に遊技球がこぼれても、スリット916等を通して遊技球がパチンコ機1内へ侵入するのを阻止することができ、遊技球の侵入によって不具合が発生するのを防止することができる。
[1−4.遊技盤の基本構成]
次に、パチンコ機1における遊技盤4の基本構成について、図99乃至図106を参照して説明する。図99は、パチンコ機の扉枠を外した状態で本体枠に取付けられた遊技盤を示す正面図である。また、図100は、遊技盤の正面図であり、図101は、遊技盤を分解して前から見た分解斜視図であり、図102は、遊技盤を分解して後から見た分解斜視図である。更に、図103(A)はパチンコ機に取付けた状態で遊技盤における機能表示ユニットを拡大して示す正面図であり、(B)は機能表示ユニットの他の形態を示す正面図である。また、図104は、図101等の例とは異なる実施形態の遊技パネルを用いた遊技盤を分解して前から見た分解斜視図であり、図105は、図104を後から見た遊技盤の分解斜視図である。また、図106は、図104の遊技盤における遊技パネルを縦方向に切断した断面図である。
本実施形態の遊技盤4は、図示するように、遊技者がハンドル装置500を操作することで遊技球が打ち込まれる遊技領域1100の外周を区画し外形が正面で略矩形状とされた前構成部材1110と、前構成部材1110の後側に配置され遊技領域1100の後端を区画する板状の遊技パネル1150と、遊技パネル1150の後側下部に配置される基板ホルダ1160と、基板ホルダ1160の後面に取付けられ遊技球を遊技領域1100内へ打ち込むことで行われる遊技内容を制御する主制御基板4100を収容する主制御基板ボックス1170と、主制御基板4100からの制御信号に基づいて所定の遊技状況を表示可能とされ前構成部材1110の所定位置に遊技者側へ視認可能に取付けられる機能表示ユニット1180と、を備えている。この遊技盤4は、図99乃至図106での図示は省略し詳細は後述するが、遊技パネル1150の前面に取付けられる表ユニット2000と、遊技パネル1150の後面に取付けられる裏ユニット3000と、を更に備えている(図109乃至図116等を参照)。
本実施形態の遊技盤4は、前構成部材1110、遊技パネル1150、基板ホルダ1160、主制御基板ボックス1170、及び機能表示ユニット1180によって、基本的な構成が形成されており、遊技パネル1150に取付けられる表ユニット2000と裏ユニット3000、及び主制御基板ボックス1170内に収容される主制御基板4100によってパチンコ機1(遊技盤4)を特徴付ける詳細な構成が形成されている。ここでは、遊技盤4の基本構成を説明し、詳細構成については後述する。
[1−4A.前構成部材]
続いて、遊技盤4における前構成部材1110について説明する。本例の遊技盤4における前構成部材1110は、外形が本体枠3の遊技盤保持口601内へ挿入可能な略矩形状とされ、内形が略円形状に前後方向へ貫通しており、内形の内周によって遊技領域1100の外周が区画されるようになっている。この前構成部材1110は、正面視で左右方向中央から左寄りの下端から時計回りの周方向へ沿って円弧状に延び正面視左右方向中央上端を通り過ぎて右斜め上部まで延びた外レール1111と、外レール1111に略沿って外レール1111の内側に配置され正面視左右方向中央下部から正面視左斜め上部まで円弧状に延びた内レール1112と、内レール1112の下端から滑らかに連続するように正面視反時計回りの周方向へ沿って外レール1111の終端(上端)よりも下側の位置まで円弧状に延びた内周レール1113と、内周レール1113の終端(上端)と外レール1111の終端(上端)とを結び外レール1111に沿って転動してきた遊技球が当接可能とされた衝止部1114と、内レール1112と内周レール1113との境界部で遊技領域1100の最下端に配置され後方へ向かって低くなったアウト口誘導面1115と、内レール1112の上端に回動可能に軸支され、外レール1111との間を閉鎖するように内レール1112の上端から上方へ延出した閉鎖位置と正面視時計回りの方向へ回動して外レール1111との間を開放した開放位置との間でのみ回動可能とされると共に閉鎖位置側へ復帰するように図示しないバネによって付勢された逆流防止部材1116と、を備えている。
この前構成部材1110は、遊技盤4を本体枠3に取付けた状態とすると、図99等に示すように、外レール1111と内レール1112との間の下端開口が、本体枠3の打球発射装置650における発射レール660の延長線上に位置するようになっている。この外レール1111の下端と、発射レール660の上端との間には、左右方向及び下方へ広がった空間が形成されており、打球発射装置650の発射レール660に沿って打ち出された遊技球が、その空間を飛び越えて、外レール1111と内レール1112との間の下端開口から外レール1111と内レール1112との間へ打ち込まれるようになっている。外レール1111と内レール1112との間に打ち込まれた遊技球は、その勢いに応じて外レール1111に沿って上方へ転動し、内レール1112の上端に軸支された逆流防止部材1116を、その付勢力に抗して開放位置側へ回動させることにより、遊技領域1100内へ進入することができるようになっている。
また、打球発射装置650において遊技球を強く打球した場合、遊技領域1100内で外レール1111に沿って転動した遊技球が、外レール1111の終端に備えられた衝止部1114に当接するようになっており、この衝止部1114に遊技球が当接することで遊技球の転動方向を強制的に変化させることができ、外レール1111から内周レール1113へ連続して遊技球が転動するのを防止することができるようになっている。なお、遊技領域1100内へ進入した(打ち込まれた)遊技球が、外レール1111と内レール1112との間へ戻ろうとしても、その前に逆流防止部材1116が付勢力によって閉鎖位置へ復帰することで、逆流防止部材1116によって遊技球の逆流が阻止されるようになっている。
また、遊技領域1100内へ打ち込まれた遊技球は、後述する表ユニット2000の始動口2101,2102や入賞口2103,2104,2201等に受入れられなかった場合は、遊技領域1100の下端へと流下し、内レール1112と内周レール1113との境界のアウト口誘導面1115によって、遊技パネル1150のアウト口1151へ誘導され、アウト口1151から遊技盤4の後側下方へ排出されるようになっている。
一方、打球発射装置650から発射された遊技球が、内レール1112先端の逆流防止部材1116を越えて遊技領域1100内へ進入することができなかった場合は、外レール1111と内レール1112との間を逆方向の下方へ向かって転動し、外レール1111と内レール1112との間の下端開口から、発射レール660の上端と外レール1111の下端との間に形成されたファール空間626を落下することとなり、ファール空間626の下部に位置する扉枠5におけるファールカバーユニット540のファール球入口542eに受入れられて、皿ユニット300における下皿302へ排出されるようになっている。
なお、前構成部材1110における外レール1111は、その表面に金属板が取付けられており、遊技球の転動による耐摩耗性が高められていると共に、遊技球が滑らかに転動するようになっている。また、衝止部1114は、表面にゴムや合成樹脂等の弾性体が配置されており、遊技球が外レール1111に沿って勢い良く転動してきて衝突しても、その衝撃を緩和させることができるようになっていると共に、遊技球を内側へ反発させることができるようになっている。
また、前構成部材1110は、外レール1111の下部外側から前方へ向かって突出した壁状の防犯突起1117と、アウト口誘導面1115の下側から内周レール1113に沿って上下方向の略中央まで延出し前端から所定量窪んだ溝状のレール防犯溝1118と、を備えている。前構成部材1110における防犯突起1117は、本体枠3に対して扉枠5を閉じた状態とした時に、扉枠5における防犯カバー180の防犯後端部突片183と上下方向に重複するようになっており、これにより、軸支側(正面視左側)における本体枠3と扉枠5との間からピアノ線等の不正具を侵入させても、不正具を遊技領域1100内まで到達させることができないようになっている。
また、本例の前構成部材1110は、本体枠3に対して扉枠5を閉じた状態とすると、レール防犯溝1118内に、扉枠5における防犯カバー180の防犯後突片182が挿入されるようになっていると共に、防犯後突片182が内レール1112の外側(遊技領域1100とは反対側)面に略接するように内レール1112と外レール1111との間に挿入されるようになっており、内レール1112及びレール防犯溝1118と防犯後突片182とでも、本体枠3と扉枠5との間から侵入させたピアノ線等の不正具が遊技領域1100内へ到達するのを防止することができるようになっている。
また、前構成部材1110は、正面視左端に上下方向へ離間して配置され前方から後方へ向かって窪むと共に左端に開放された一対の位置決め凹部1119と、正面視右端に上下方向へ離間して配置された一対の遊技盤止め具1120と、外レール1111の下端よりも正面視左側に配置され下方へ開放されると共に上側が円弧状に形成され前側から窪んだ固定凹部1121と、正面視下端の左側端部付近に下端から上方へ左右方向へ長く延びた矩形状に切欠かれた球通路用切欠部1122と、を備えている。前構成部材1110の位置決め凹部1119は、本体枠3における側面防犯版950の内側に取付けられた位置決め部材956と嵌合させることで、遊技盤保持口601に挿入された遊技盤4の正面視左端が、前後方向へ移動するのを規制することができるようになっている。また、遊技盤止め具1120は、本体枠3における本体枠ベース600の遊技盤係止部608に対して着脱可能に係止することができるようになっており、遊技盤止め具1120を遊技盤係止部608に係止させることで、本体枠3の遊技盤保持口601に挿入された遊技盤4の正面視右端が、前後方向へ移動するのを規制することができるようになっている。
また、前構成部材1110の固定凹部1121は、遊技盤4を本体枠3の遊技盤保持口601へ挿入した状態で、本体枠3の前面に軸支された遊技盤固定具690を正面視で時計回りの方向へ回動させると、遊技盤固定具690の固定片690aが挿入されるようになっており、遊技盤固定具690によって遊技盤4の下端が前方へ移動するのが規制されるようになっている。また、前構成部材1110の球通路用切欠部1122は、遊技パネル1150の同位置にも同様の球通路用切欠部1152が形成されており、遊技盤4を本体枠3の遊技盤保持口601へ挿入した状態では、球通路用切欠部1122,1152内に満タン分岐ユニット770の前端が挿通されるようになっている。
更に、前構成部材1110は、下端部における正面視右端近傍に、前後方向へ貫通した横長の貫通穴1123と、貫通穴1123の下辺における左右方向の中央から正面視左寄りの位置に前後方向の厚さを薄く形成した締結部1124と、貫通穴1123の正面視左側に配置され証明確認用の証紙を貼付るための証紙貼付部1125と、を備えている。この前構成部材1110における締結部1124は、詳細な図示は省略するが、本遊技盤を従前の本体枠に取付ける場合に、従前の本体枠に形成された締結穴に対して所定の締結バンドを互いに巻き掛けて締結することで、遊技盤4を取外し難くすることができ、遊技盤4の不正な取外しを防止することができるものである。
また、前構成部材1110は、内周レール1113に沿ったレール防犯溝1118の外側で正面視右下に、後述する機能表示ユニット1180の表示部1181が配置されている。また、前構成部材1110は、後面の下部の左右両端から後方へ突出した複数の取付ボス1126と、内レール1112の後面から後方へ突出した複数の位置決め突起1127と、を備えている。この取付ボス1126は、遊技パネル1150を貫通して基板ホルダ1160の固定ボス1162と係合するようになっており、基板ホルダ1160の後側から固定ボス1162を通して取付ボス1126へ所定のビスを螺着することで、前構成部材1110と基板ホルダ1160とで遊技パネル1150を挟持することができるようになっている。また、位置決め突起1127は、遊技パネル1150に形成された内レール固定孔1155へ嵌合させることで、内レール1112を遊技パネル1150の所定位置に固定することができるようになっている。
[1−4B.遊技パネル]
続いて、遊技盤4における遊技パネル1150について説明する。本例の遊技パネル1150は、所定厚さ(例えば、18mm〜21mm)のベニア合板等の木質板材によって形成されており、外形が前構成部材1110の外形と略同形状とされている。この遊技パネル1150は、正面視左右方向略中央の下部で前構成部材1110におけるアウト口誘導面1115と対応した位置に前後方向へ貫通するアウト口1151と、下端の正面視左側に前後方向へ横長に貫通すると共に下方へ開放され前構成部材1110の球通路用切欠部1122と同形状の球通路用切欠部1152と、正面視右下隅部に前後方向へ貫通し機能表示ユニット1180の後方突出部1182が挿入される挿入穴1153と、を備えている。
また、遊技パネル1150は、下部の左右両端付近で前構成部材1110の取付ボス1126と対応した位置に前後方向へ貫通した複数のボス挿通孔1154と、前構成部材1110の位置決め突起1127が挿入固定される複数の内レール固定孔1155と、アウト口1151の後面側で後面から前方へ向かって所定量窪むと共に下端側が下方へ開放された溝状のアウト球排出溝1156(図102を参照)と、前構成部材1110の遊技盤止め具1120と対応した位置に形成され正面視右端から前後方向へ貫通するように切欠かれた切欠部1157と、を備えている。また、遊技パネル1150は、適宜位置に前構成部材1110の後面に対して取付固定するための複数の取付孔を備えている。
本例の遊技盤4における遊技パネル1150は、前構成部材1110によって外周が区画される遊技領域1100の後端を区画することができるものであり、図示は省略するが、前面における遊技領域1100と対応した範囲内に、複数の障害釘が所定のゲージ配列で植設されるようになっていると共に、表ユニット2000が取付けられるようになっている。また、遊技パネル1150の後面には、裏ユニット3000が取付けられるようになっている。また、遊技パネル1150は、アウト口1151が、遊技領域1100の最下端に位置するように形成されており、遊技盤4に組立てた状態では、前構成部材1110における遊技領域1100の最下端に形成されたアウト口誘導面1115によって後方へ誘導された遊技球がアウト口1151へ進入して遊技盤4の後側へ排出されるようになっている。
[1−4C.基板ホルダ]
次に、遊技盤4における基板ホルダ1160について説明する。基板ホルダ1160は、上方及び前方が開放された横長の箱状に形成されている。この基板ホルダ1160は、正面視左右方向の略中央における底壁部の前端に上下方向へ貫通するように形成されたアウト球排出部1161が形成されていると共に、底壁部の上面がアウト球排出部1161へ向かって低くなるように形成されており、遊技パネル1150のアウト口1151、表ユニットや裏ユニットから排出されて、基板ホルダ1160の底部上面に供給(排出)された遊技球が、アウト球排出部1161から下方へ排出されるようになっている。なお、アウト球排出部1161は、遊技盤4を本体枠3に取付けた状態とすると、本体枠3における基板ユニット800の排出球受部841の直上に位置するようになっており、遊技盤4から排出された遊技球は、すべて基板ユニット800の排出通路842を通ってパチンコ機1の後側下方へ排出されるようになっている。
また、基板ホルダ1160は、側壁部における上下両端の前端から前方へ突出した複数の固定ボス1162を備えている。複数の固定ボス1162は、先端が遊技パネル11520の後側からボス挿通孔1154内へ挿入された上で、前構成部材1110の取付ボス1126の後端と嵌合するようになっており、取付ボス1126と嵌合させた状態で、基板ホルダ1160の後側から固定ボス1162内を貫通して取付ボス1126へ所定のビスを螺着することで、前構成部材1110に対して基板ホルダ1160を組付けることができるようになっていると共に、前構成部材1110と基板ホルダ1160とで遊技パネル1150を挟持することができるようになっている。
また、基板ホルダ1160は、図102に示すように、後壁部における後面の背面視左側端部に主制御基板ボックス1170の固定片1174が横側から嵌合可能な固定部1163と、固定部1163と対向するように配置され主制御基板ボックス1170の弾性固定片1175が後方から係止可能な係止部1164と、を備えている。この基板ホルダ1160の固定部1163及び係止部1164によって、基板ホルダ1160の後面に主制御基板ボックス1170を着脱可能に支持することができるようになっている。
[1−4D.主制御基板ボックス]
続いて、遊技盤4における主制御基板ボックス1170について説明する。この主制御基板ボックス1170は、後側が開放された薄い横長箱状の基板ベース1171と、基板ベース1171の後面を覆い前側が開放された薄い横長箱状で基板ベース1171の内部へ後側から嵌合する基板カバー1172と、基板カバー1171の前端に電子部品や端子等が後面側に実装された主制御基板4100と、を備えている。また、主制御基板ボックス1170は、基板ベース1171における背面視左側端部から外方へ延出し基板ホルダ1160の固定部1163と嵌合する固定片1174と、基板カバー1172における背面視右側端部から後方へ突出し基板ホルダ1160の係止部1164に弾性係止される弾性固定片と、を備えている。
また、主制御基板ボックス1170は、図102等に示すように、弾性固定片1175を挟んで上下に二つずつ背面視右側端部に配置され基板ベース1171と基板カバー1172との開閉を封止可能な封止部1176と、基板ベース1171と基板カバー1172の下端で基板ベース1171と基板カバー1172とに跨って貼付けられる密封シール(図示は省略)と、密封シールの表面を被覆する透明なシール保護カバー1177と、基板カバー1172の後面に貼り付けられる基板管理シール1178と、を備えている。この主制御基板ボックス1170の封止部1176は、基板ユニット800における払出制御基板ボックス860の分離切断部863と同様の構成とされており、四つの封止部1176の何れか一つにおいてカシメ固定されている。この主制御基板ボックス1170は、基板ベース1171と基板カバー1172とを分離するには、カシメ固定された封止部1176を切断する必要があり、主制御基板ボックス1170の開閉の痕跡が残るようになっている。これにより、主制御基板ボックス1170が不正に開かれたか否かが外部から目視で明瞭に判別することができるようになっている。
なお、主制御基板ボックス1170の封止部1176は、本例では四つ備えられているので、主制御基板ボックス1170を三回まで開閉することができるようになっている。また、本例の主制御基板ボックス1170は、基板ベース1171と基板カバー1172とに跨って密封シールが貼付られており、基板ベース1171と基板カバー1172とを分離させる際に、密封シールを切断したり剥したりする必要があり、この密封シールにおいても開閉の痕跡が残るようになっている。従って、主制御基板ボックス1170が不正に開閉されて、内部の主制御基板4100が不正に改造されたり、不正な主制御基板(或いは、遊技内容のプログラム等を記憶したROM)と交換されたりしても、外部から目視で確認することができ、それらの不正行為が行われるのを防止することができるようになっている。
また、主制御基板ボックス1170は、基板カバー1172の前後方向へ貫通した開口が適宜位置に形成されており、その開口を通して主制御基板4100に取付けられた、RAMクリアスイッチ4100cや試験用端子4100f、周辺制御基板4010や払出制御基板4110等と接続するための各種接続端子等が後側へ臨むようになっている。なお、主制御基板ボックス1170の後面から臨む試験用端子4100fに、所定の計測機器を接続することで、主制御基板ボックス1170を開けることなく主制御基板4100を外部からチェックすることができると共に、上述の封止部1176や密封シールに対して巧妙な細工がなされていても、主制御基板4100に対する不正な改造の有無を目視以外に確認することができ、防犯性能の高いパチンコ機1とすることができるようになっている。
[1−4E.機能表示ユニット]
次に、遊技盤4における機能表示ユニット1180について説明する。この機能表示ユニット1180は、前構成部材1110の所定位置に取付配置されるものであり、前構成部材1110の前面で遊技者側から視認可能に配置される表示部1181と、前構成部材1110の後面よりも後方へ突出した後方突出部1182と、を備えている。
本例の機能表示ユニット1180の表示部1181には、図103(A)に拡大して示すように、正面視左側端部に遊技領域1100内へ打ち込まれた遊技球によって変化する遊技状態を表示するための一つのLEDからなる遊技状態表示器1183と、遊技状態表示器1183の右側で上下方向へ並んだ二つのLEDからなり第一始動口2101への遊技球の受入れに関する保留数を表示するための第一特別図柄記憶表示器1184と、第一特別図柄記憶表示器1184の右側に配置され第一始動口2101への遊技球の受入れにより抽選された第一特別抽選結果を第一特別図柄として表示するための一つの7セグメントLEDからなる第一特別図柄表示器1185と、第一特別図柄表示器1185の右斜め上に配置され第二始動口2102への遊技球の受入れにより抽選された第二特別抽選結果を第二特別図柄として表示するための一つの7セグメントLEDからなる第二特別図柄表示器1186と、第二特別図柄表示器1186の右側で上下方向へ並んだ二つのLEDからなり第二始動口2102への遊技球の受入れに関する保留数を表示するための第二特別図柄記憶表示器1187と、を備えている。
また、機能表示ユニット1180の表示部1181には、第二特別図柄表示器1186の直上から内周レール1113に略沿った円弧状に並んで配置され遊技球によるゲート部2401の通過に関する保留数を表示するための四つのLEDからなる普通図柄記憶表示器1188と、普通図柄記憶表示器の下側に配置され遊技球がゲート部2401を通過することで抽選された普通抽選結果を普通図柄として表示するための一つのLEDからなる普通図柄表示器1189と、普通図柄記憶表示器1188の斜め右上側へ並んで配置され第一特別抽選結果又は第二特別抽選結果が「大当り」の時に大入賞口2103の開閉パターンの繰返し回数(ラウンド数)を表示するための二つのLEDからなるラウンド表示器1190と、を備えている。
本例の機能表示ユニット1180における遊技状態表示器1183は、赤色・緑色・橙色と、その発光色を変化させることが可能なカラーLEDとされており、発光する発光色と、点灯・点滅との組合せにより、様々な遊技状態(例えば、確率変動状態、時短遊技状態、大当り遊技状態、小当り遊技状態、等)を表示することができるようになっている。
また、機能表示ユニット1180における第一特別図柄記憶表示器1184は、第一特別図柄表示器1185において第一特別図柄を変動表示させることができない時に、第一始動口2101へ遊技球が受入れられた場合に、変動表示の開始が保留(記憶)された第一特別図柄の保留数(記憶数)を表示するものである。この第一特別図柄記憶表示器1184は、所定のLEDからなる第一特別図柄記憶ランプ1184aと、第一特別図柄記憶ランプ1184bとを有しており、第一特別図柄記憶ランプ1184a,1184bの点灯・点滅パターンによって、保留数を表示することができるようになっている。具体的には、例えば、保留数が一つの時には第一特別図柄記憶ランプ1184aが点灯して第一特別図柄記憶ランプ1184bが消灯し、保留数が二つの時には第一特別図柄記憶ランプ1184a,1184bが共に点灯し、保留数が三つの時には第一特別図柄記憶ランプ1184aが点滅して第一特別図柄記憶ランプ1184bが点灯し、保留数が四つの時には第一特別図柄記憶ランプ1184a,1184bが共に点滅するようになっている。なお、本例では、四つまで保留されるようになっている。
また、機能表示ユニット1180における第二特別図柄記憶表示器1187は、第二特別図柄表示器1186において第二特別図柄を変動表示させることができない時に、第二始動口2102へ遊技球が受入れられた場合に、変動表示の開始が保留(記憶)された第二特別図柄の保留数(記憶数)を表示するものである。この第二特別図柄記憶表示器1187は、所定のLEDからなる第二特別図柄記憶ランプ1187aと、第二特別図柄記憶ランプ1187bとを有しており、第二特別図柄記憶ランプ1187a,1187bの点灯・点滅パターンによって、保留数を表示することができるようになっている。具体的には、例えば、保留数が一つの時には第二特別図柄記憶ランプ1187aが点灯して第二特別図柄記憶ランプ1187bが消灯し、保留数が二つの時には第二特別図柄記憶表示ランプ1187a,1187bが共に点灯し、保留数が三つの時には第二特別図柄記憶ランプ1187aが点滅して第二特別図柄記憶ランプ1187bが点灯し、保留数が四つの時には第二特別図柄記憶ランプ1187a,1187bが共に点滅するようになっている。なお、本例では、四つまで保留されるようになっている。
更に、機能表示ユニット1180における第一特別図柄表示器1185及び第二特別図柄表示器1186は、第一始動口2101や第二始動口2102への遊技球の受入れにより、抽選された第一特別抽選結果や第二特別抽選結果を表示するものであり、7セグメントLEDが特別抽選結果に応じた所定の時間、変動した後に停止し、停止した7セグメントLEDの発光パターン(特別図柄)によって、第一特別抽選結果や第二特別抽選結果を遊技者側に認識させることができるようになっている。
また、機能表示ユニット1180における普通図柄表示器1189は、赤色・緑色・橙色と、その発光色を変化させることが可能なカラーLEDとされており、発光する発光色と、点灯・点滅との組合せにより、ゲート部2401を遊技球が通過することで抽選される普通抽選結果を表示することができるようになっている。なお、普通図柄表示器1189による普通図柄の表示も、特別図柄と同様に、所定時間変動表示した後に、普通抽選結果に対応した発光パターンで停止表示するようになっている。
また、機能表示ユニット1180における普通図柄記憶表示器1188は、普通図柄表示器1189において普通図柄を変動表示させることができない時に、ゲート部2401を遊技球が通過した場合に、変動表示の開始が保留(記憶)された普通図柄の保留数(記憶数)を表示するものである。この普通図柄記憶表示器1188は、下から並んで配置された四つの普通図柄記憶ランプ1188a〜1188dを備え、夫々が所定のLEDとされており、保留数に応じて下から普通図柄記憶ランプ1188a〜1188dを順次点灯させることで普通図柄の保留数を表示させることができるようになっている。なお、本例では、普通図柄の変動表示が四つまで保留(記憶)されるようになっている。
更に、機能表示ユニット1180におけるラウンド表示器1190は、所定のLEDからなる2ラウンド表示ランプ1190aと、15ラウンド表示ランプ1190bとを備えており、夫々のランプが点灯することで「大当り」遊技におけるラウンド数を表示することができるようになっている。
本例の機能表示ユニット1180は、図103(A)に示すように、遊技盤4をパチンコ機1に取付けた状態で、扉枠5の遊技窓101を通して遊技者側から視認することができるようになっている。また、機能表示ユニット1180の遊技状態表示器1183、第一特別図柄記憶表示器1184、第一特別図柄表示器1185、第二特別図柄表示器1186、第二特別図柄記憶表示器1187、普通図柄記憶表示器1188、普通図柄表示器1189、及びラウンド表示器1190は、機能表示基板1191(図169を参照)の前面に取付けられている。また、機能表示ユニット1180の後方突出部1182の後端には、機能表示基板1191と、主制御基板4100とを接続するための接続端子が取付けられている。
本例では、機能表示ユニット1180を遊技盤4の前構成部材1110に備えるようにしているので、遊技パネル1150に取付けられる表ユニット2000や裏ユニット300に備えるようにした場合と比較して、機能表示ユニット1180を遊技盤4の基本構成として流用することができ、パチンコ機1に係る構成を簡略化してコストが増加するのを防止することができると共に、パチンコ機1の機種(表ユニット2000や裏ユニット3000により具現化されパチンコ機1の機種を特徴付けることが可能な遊技盤4の詳細構成)が異なっていても、機能表示ユニット1180の表示部1181の位置が変化しないので、遊技者や遊技ホールの店員等に対して、戸惑うことなく表示部1181の位置を認識させることができるようになっている。
また、パチンコ機1の機能表示ユニット1180としては、図103(B)に示すような形態としても良い。この例では、7セグメントLEDにより構成した第一特別図柄表示器1185と第二特別図柄表示器1186を、夫々八つのLED群によって構成したものである。また、第一特別図柄記憶表示器1184と第二特別図柄記憶表示器1187を、夫々四つのLED群により構成すると共に、普通図柄記憶表示器1188を、二つのLEDにより構成するようにしている。
この機能表示ユニット1180でも上記と同様の作用効果を奏することができる他に、第一特別図柄表示器1185と第二特別図柄表示器1186を八つのLED群で構成するようにしているので、7セグメントLEDを用いた場合と比較して、遊技者に対して表示される特別図柄を憶え難くすることができる。従って、機能表示ユニット1180で表示されている内容が判り辛いので、遊技中に機能表示ユニット1180の表示が気掛かりとなって遊技に専念し難くなるのを抑制することができ、遊技球の動き、可動演出や演出画像等に専念させて遊技をより楽しませることができるようになっている。
[1−4F.遊技パネルの第二実施形態]
続いて、上記した遊技盤4における遊技パネル1150とは異なる形態の遊技パネル1200について、図104乃至図106を参照して説明する。なお、図104乃至図106における前構成部材1110、基板ホルダ1160、及び主制御基板ボックス1170は、上述したもの同一の構成とされており、ここでの詳細な説明は省略する。本実施形態の遊技パネル1200は、上述した遊技パネル1150よりも厚さが薄く前構成部材1110によって外周が区画された遊技領域1100の後端を区画可能な板状で前構成部材1110の外形よりも外形が小さく形成されたパネル板1210と、パネル板1210を前側から脱着可能に保持すると共に前構成部材1110の後面に取付けられる枠状のパネルホルダ1220と、を備えている。
この遊技パネル1200パネル板1210は、その外形が遊技領域1100よりも若干大きい多角形状とされており、アクリル樹脂、ポリカーボネイト樹脂、ポリアリレート樹脂、メタクリル樹脂等の合成樹脂板や、ガラスや金属等の無機質板により形成されている。このパネル板1210の板厚は、パネルホルダ1220(遊技パネル1150)よりも薄く、図示しない障害釘を前面に植設したり表ユニット2000を取付けたりしても十分に保持可能な必要最低限の厚さ(8〜10mm)とされている。なお、本例では、透明な合成樹脂板によってパネル板1210が形成されている。
このパネル板1210は、外周近傍に配置され前後方向に貫通する丸孔からなる複数の嵌合孔1211と、左下部の外周近傍に配置され前後方向に貫通し上下方向に延びる長孔1212と、を備えている。これら嵌合孔1211及び長孔1212は、遊技領域1100よりも外側に配置されており、パネルホルダ1220との位置決めを行うものである。また、パネル板1210には、その上辺の両端と下辺の両端に、前側が窪んだ段状の係合段部1213が夫々備えられている。この係合段部1213は、パネル板1210の板厚の略半分まで切欠いた形態とされると共に、嵌合孔1211及び長孔1212と同様に、遊技領域1100よりも外側に配置されており、パネル板1210をパネルホルダ1220へ係合固定するためのものである。
また、パネル板1210は、所定位置に内レール固定孔1214が複数備えられている。この内レール固定孔1214に内レール1112の後側から突出する位置決め突起1127を嵌合固定させることで、内レール1112を所定の位置に固定することができるようになっている。
一方、遊技パネル1200におけるパネルホルダ1220は、パネル板1210を包含する大きさで外形が略四角形状とされ、上述した木質板からなる遊技パネル1150の厚さと略同じ厚さ(本例では、約20mm)とされた合成樹脂(例えば、熱可塑性合成樹脂)からなるものである。このパネルホルダ1220には、パネル板1210を着脱可能に保持し前面側から後方側に向かって凹んだ保持段部1221と、保持段部1221の内側において略遊技領域1100と同等の大きさで前後方向に貫通する貫通口1222とを主に備えている。
パネルホルダ1220の保持段部1221は、前面からの深さがパネル板1210の厚さと略同じ深さとされており、保持段部1221内に保持されたパネル板1210の前面がパネルホルダ1220の前面と略同一面となるようになっている。また、この保持段部1221は、その前側内周面が、パネル板1210の外周面に対して所定量のクリアランスが形成される大きさとされている。このクリアランスにより、温度変化や経時変化により相対的にパネル板1210が伸縮しても、その伸縮を吸収できるようになっている。なお、クリアランス内にゴム等の弾性部材を詰めても良い。
また、パネルホルダ1220には、保持段部1221に保持されるパネル板1210に形成された嵌合孔1211及び長孔1212と対応する位置に配置され、保持段部1221の前面から前方に向かって延び、パネル板1210の嵌合孔1211及び長孔1212に嵌合及び挿通可能な複数の突出ピン1223を備えている。これらの突出ピン1223をパネル板1210の嵌合孔1211及び長孔1212に嵌合及び挿通することで、パネルホルダ1220とパネル板1210とを互いに位置決めすることができるようになっている。
更に、パネルホルダ1220には、パネル板1210の係合段部1213と対応する位置に、係合段部1213と係合する係合爪1224及び係合片1225を供えている。詳述すると、係合爪1224は、パネルホルダ1220の上側の保持段部1221に配置されており、パネル板1210における上側の係合段部1213と対応し、保持段部1221の前面から前方に向かって突出し係合段部1213と弾性係合するようになっている。この係合爪1224は、その先端がパネルホルダ1220の前面から突出しない大きさとされている。一方、係合片1225は、パネルホルダ1220の下側の保持段部1221に配置され、パネル板1210における下側の係合段部1213と対応し、保持段部1221の前面との間にパネル板1210の係合段部1213が挿入可能な大きさの所定の隙間を形成した状態で、パネルホルダ1220の前面に沿って上側(中心側)に向かって所定量延びる形態とされている。これら係合爪1224及び係合片1225にパネル板1210の係合段部1213を係合させることで、パネル板1210がパネルホルダ1220に対して着脱可能に保持されるようになっている。
また、パネルホルダ1220には、前構成部材1110に備えられた取付ボス1126を挿通可能な前後方向に貫通するボス挿通孔1226を備えており、このボス挿通孔1226に前構成部材1110の取付ボス1126を挿通することで、パネルホルダ1220と前構成部材1110とが互いに位置決めされるようになっている。
このパネルホルダ1220には、図105に示すように、その後面側に、上下方向の中央やや下方より下側と外周縁を残すように前側に所定量窪んだ形態の取付支持部1227が備えられている。この取付支持部1227により、パネルホルダ1220の後面は、下端より所定高さまでの所定範囲より上側で、後面側外周部が後方に突出したような状態で窪んだ形態となると共に、その窪み量(深さ)が、取付支持部1227に取付固定される裏ユニット3000における裏箱3001のフランジ状の固定部3001a(図115等を参照)を収容できる深さ(本例では、約2.5mmとされており、1〜3mmの間とすることが望ましい)とされている。この取付支持部1227に所定の部材を取付固定することで、その固定部3001aがパネルホルダ1220よりも後側に突出するのを防止することができ、パネルホルダ1220すなわち遊技盤4を本体枠3(パチンコ機1)の遊技盤保持口601内に確実に設置装着できるようになっている。
更に、パネルホルダ1220には、図示するように、後面側の取付支持部1227内及び収容凹部630hよりも上側に配置され所定のビスを螺合可能な複数の取付孔1228が所定配列で配置されている。また、パネルホルダ1220には、取付孔1228と対応するように配置される複数の位置決め孔1229が備えられている。この位置決め孔1229は、取付孔1228を用いて取付固定される部材に形成された位置決め突起(例えば、裏箱3001における前面のフランジ状に形成された固定部3001aから前方へ突出する位置決め突起(図示は省略する))が挿入されるものである。なお、本例では、位置決め孔1229は、背面視略矩形状(角孔状)の止り孔とされている。
なお、取付孔1228に対して、その孔の内径が大径のものと小径のものとを混在させるようにして、取付固定する所定の部材の大きさや重量等に応じて、適宜径の取付孔1228を用いるようにしても良い。
また、パネルホルダ1220には、少なくとも下端から所定高さまでの所定範囲では後面側に開口する複数の肉抜き部1230が形成されており、肉抜き部1230によりパネルホルダ1220の重量が軽減されるようになっている。図104に示すように、収容凹部630hの前側、つまり、パネルホルダ1220の前面側の下端から所定高さまでの所定範囲内には、これらの肉抜き部1230が形成されておらず、その範囲内では、パネルホルダ1220の前面が略平らな面となるようになっているので、その前面に配置される前構成部材1110の後面が略平らな面となり、打球発射装置650から発射された遊技球が、滑らかに案内されるようになっている。また、このパネルホルダ1220は、図示するように、肉抜き部1230が形成されることで、取付孔1228等がボス状に形成されると共に、それらを支持したりパネルホルダ1220の強度を維持したりするために、箱状のリブが形成された状態となっている。
なお、このパネルホルダ1220には、障害釘植設装置(図示しない)や、組立治具等の位置決め手段に対応した位置決め部1231が形成されており、障害釘植設装置に遊技パネル1150を保持した状態でセットできるようになっている。また、パネルホルダ1220の下部には、前構成部材1110のアウト口誘導面1115と対応した位置に前後方向へ貫通するアウト口1232と、下端の正面視左側に前後方向へ横長に貫通すると共に下方へ開放され前構成部材1110の球通路用切欠部1122と同形状の球通路用切欠部1233と、正面視右下隅部に前後方向へ貫通し機能表示ユニット1180の後方突出部1182が挿入される挿入穴1234と、を備えている。
また、パネルホルダ1220は、アウト口1232の後面側で後面から前方へ向かって所定量窪むと共に下端側が下方へ開放された溝状のアウト球排出溝1235(図105を参照)と、前構成部材1110の遊技盤止め具1120と対応した位置に形成され正面視右端から前後方向へ貫通するように切欠かれた切欠部1236と、を備えている。また、パネルホルダ1220は、適宜位置に前構成部材1110の後面に対して取付固定するための複数の取付孔を備えている。
このパネルホルダ1220におけるアウト球排出溝1235は、遊技盤4を本体枠3の遊技盤保持口601へ挿入保持させると、本体枠3(本体枠ベース600における遊技盤載置部606の上面)に備えられた位置決め突起607と嵌合するようになっており、アウト球排出溝1235が位置決め突起607と嵌合することで、本体枠3に対して遊技盤4が左右方向へ相対移動するのが規制されるようになっている。
本実施形態の遊技パネル1200は、前方からパネルホルダ1220の保持段部1221内へパネル板1210を嵌合挿入して、係合爪1224及び係合片1225と、係合段部1213とを係合させることで、パネルホルダ1220にパネル板1210を保持させることができると共に、パネル板1210とパネルホルダ1220の前面側が略面一となるようになっており、従来より用いられている障害釘植設装置を改造等しなくてもパネル板1210をパネルホルダ1220に保持した状態で従前の障害釘植設装置にセットすることが可能となり、障害釘の植設にかかるコストが増加するのを抑制することができるようになっている。
また、本例の遊技パネル1200は、図示は省略するが、パネル板1210の前面における遊技領域1100と対応した範囲内に、複数の障害釘が所定のゲージ配列で植設されるようになっていると共に、表ユニット2000が取付けられるようになっている。また、パネルホルダ1220の後面には、裏ユニット3000が取付けられるようになっている。これにより、薄いパネル板1210においては、表ユニットのみを支持するようにしているので、表ユニットの荷重によってパネル板1210が歪むのを防止することができるようになっている。
更に、遊技パネル1200を、パネル板1210とパネルホルダ1220とによる分割構造としているので、パネル板1210を透明板としても遊技パネル1200全体の重量が増加するのを抑制することができ、透明なパネル板1210を通して遊技領域1100の後側が遊技者から見えるパチンコ機1を具現化することができ、遊技者の関心を強く引付けられるパチンコ機1とすることができるようになっている。
また、遊技パネル1200を、パネル板1210、及びパネルホルダ1220に分割するようにしているので、パチンコ機1の機種によって障害釘や入賞口等の位置が変化するパネル板1210を交換パーツとすると共に、パネルホルダ1220を共通パーツとすることができ、パネル板1210のみを交換するだけで種々の機種に対応可能な遊技盤4を備えたパチンコ機1とすることができるようになっている。
更に、パネルホルダ1220に予め複数の取付孔1228が所定配列で備えられているので、機種に応じてパネルホルダ1220の後面側に取付固定される裏ユニット3000等の種々の所定部材の取付固定位置が異なる位置となっていても、各種部材の固定部を取付孔1228の位置と対応させるように設計することで、パネルホルダ1220を機種に依存しないパチンコ機1の共通パーツとすることができるようになっている。
[1−5.パチンコ機の防犯構造]
続いて、本実施形態のパチンコ機1における防犯構造について、主に図107及び図108を参照して説明する。図107は、パチンコ機の軸支側における防犯構造を示す部分断面図である。また、図108は、遊技盤を収容した状態で後側から見た斜視図である。
まず、本例のパチンコ機1における軸支側の防犯構造は、図107に示すように、本体枠3における合成樹脂によって形成された本体枠ベース600の軸支側(正面視で左側)の側面に取付けられる金属製の防犯側面板950と、扉枠5における合成樹脂によって形成された扉枠ベース110の後面に取付けられる金属製の補強ユニット150とによって構成されている。
本体枠3の防犯側面板950は、上述したように、金属(例えば、アルミ合金)製の押出型材によって形成されており、上下方向の寸法が本体枠ベース600の上下方向の寸法と略同じ寸法とされると共に、前後方向の寸法が遊技盤4における前構成部材1110と遊技パネル1150とを合せた前後方向の寸法よりも大きい寸法とされている。この側面防犯板950は、上下方向へ延びると共に前後方向へ延び本体枠3の側面を形成する板状の側面片952aと、側面片952aの前端から略直角方向内側(開放側)へ延びた前端片952bと、前端片952bの後側に所定量の隙間を形成するように側面片952aから前端片952bに沿って延びた中片952cと、側面片952aの後端から略直角方向内側へ延びた後端片952dとを備えている。これにより、防犯側面板950の前端は、前端片952bと中片952cとによって内側(開放側)に開口する断面が略コ字状に形成されている。
また、側面防犯板950(本体952)は、側板片952aの面に対して直角方向へ配置された前端片952b、中片952c、及び後端片952dにより、側面防犯板950の強度・剛性が高められており、本体枠3全体の強度を高めて遊技盤4や扉枠5等を良好に支持することができるようになっている。
一方、扉枠5の補強ユニット150は、上述したように、複数の長尺状の金属板をスポット溶接やリベット等を用いて扉枠5における遊技窓101の外周を囲うように枠状に形成したものであり、軸支側の軸支側補強板金152の外側辺には外側(軸支側)に開口した断面が略コ字状の軸支側コ字状突片166を備えている。この補強ユニット150の軸支側補強板金152では、軸支側コ字状突片166によって軸支側補強板金152の強度がより高められており、軸支側補強板金152が曲がり難くなっている。
ところで、本例では、扉枠5が本体枠3に対して上軸支部156と下軸支部158の上下の二点でのみ取付支持されるようになっているので、軸支側の扉枠5と本体枠3との間にドライバーやバール等の不正な工具が差込まれると、軸支側補強板金152が変形して扉枠5と本体枠3との隙間が大きくなりその隙間を介して不正行為が行われる虞がある。これに対して、本例の防犯構造は、本体枠3に対して扉枠5を閉じた状態とすると、防犯側面板950の前端内側に形成された前端片952bと中片952cとの間に扉枠5における補強ユニット150の略コ字状に形成された軸支側コ字状突片166の後側の片が挿入される(侵入する)ようになっており、前端片952aを軸支側コ字状突片166で挟持した状態となるようになっている。これにより、本体枠3に対して扉枠5を無理やり開けようとしても、扉枠5の軸支側コ字状突片166が本体枠3の前端片952bの後面側に当接して扉枠5の軸支側コ字状突片166が本体枠3から離れる方向へ移動するのを阻止することができるので、閉鎖された扉枠5が抉じ開けられるのを防止することができ、本体枠3に対して扉枠5を抉じ開けるような不正行為が行われるのを防止することができるようになっている。
また、本体枠3における金属により形成された防犯側面板950と、扉枠5における金属により形成された補強ユニット150とを嵌合させるようにしているので、本体枠3と扉枠5との間の強度・剛性が高くなり、不正な工具によって本体枠3や扉枠5を歪み難くすることができ、防犯性能を高めることができるようになっている。
更に、防犯側面板950における側面片952aの後端が遊技盤4における遊技パネル1150よりも後方へ延出するようにしているので、仮に側面片952aの後端よりも後側の本体枠ベース600が破壊されても、側面片952aの後端から遊技盤4(遊技パネル1150)の前面の遊技領域1100内へピアノ線等の不正な工具を侵入させることができず、不正行為が行われるのを確実に防止することができるようになっている。なお、図107に示すように、防犯側面板950の外側を覆うように外枠2の側枠板12が接しているので、堅牢な側面を有したパチンコ機1となっており、側面側からの破壊行為に対して充分に対抗できるようになっている。また、一般的に、パチンコ機1を設置する遊技ホールでは、パチンコ機1の側面がパチンコ機1を設置するための島設備の枠内に挿入固定されるようになっているので、遊技者側(前側)からは側面片952cの後端よりも後側へ不正工具を侵入させることはほとんど不可能な状態となり、パチンコ機1の防犯性能をより高められた状態となるようになっている。
続いて、本例のパチンコ機1における後方側からの防犯構造としては、図108に示すように、遊技盤4を収容する本体枠3における賞球ベース710、タンクレール731、賞球装置740のユニットベース741、満タン分岐ユニット770、及び裏カバー900が、透明な合成樹脂によって形成されているので、本体枠3内に収容された遊技盤4の後側や側面側を、遊技盤4を本体枠3から取外したり裏カバー900を開けたりしなくても、本体枠3の後側から視認することができるようになっている。これにより、遊技盤4の後側等に不正な装置が取付けられていても、容易に発見することができ、不正行為が行われるのを防止することができるようになっている。また、遊技盤4に取付けられた不正な装置等を外側から簡単に発見することができるので、不正な装置の取付けを躊躇させることができ、不正行為に対する抑止力を高めることができるようになっている。
また、本体枠3の後側から遊技盤4の後側や側面側を、透明な賞球ベース710や裏カバー900等を通して視認することができるので、メンテナンスや機種の変更を行うために本体枠3に対して遊技盤4を脱着した際、本体枠3と遊技盤4との間に、ドライバーやペンチ等の工具、洗浄用のウエス、埃やゴミ、等が残留した場合でも、それらを外側から簡単に発見することができ、それらによって何らかの不具合が発生するのを防止することができるようになっていると共に、パチンコ機1に対するメンテナンス性を向上させることができるようになっている。
[2.遊技盤の詳細構成]
続いて、本実施形態のパチンコ機1における遊技盤4の詳細な構成について、図109乃至図116を参照して説明する。図109は遊技パネルを通して見える部分を省略して示す遊技盤の正面図であり、図110は遊技盤の正面図であり、図111は遊技盤を斜め右前から見た斜視図であり、図112は遊技盤を斜め左前から見た斜視図である。図113は遊技盤を斜め後から見た斜視図である。また、図114は、図109におけるA−A断面図である。更に、図115は遊技盤を構成する主な部材毎に分解して斜め前から見た斜視図であり、図116は遊技盤を構成する主な部材毎に分解して斜め後から見た斜視図である。
本実施形態のパチンコ機1における遊技盤4は、外レール1111及び内レール1112を有し、遊技者がハンドル装置500を操作することで遊技媒体としての遊技球(単に「球」とも称す)が打ち込まれる遊技領域1100の外周を区画形成する枠状の前構成部材1110と、前構成部材1110の正面視右下隅部でパチンコ機1へ取付けた時に扉枠5の遊技窓101から遊技者側へ視認可能となる位置に配置された機能表示ユニット1180と、前構成部材1110の後側に遊技領域1100を閉鎖するように取付けられ遊技領域1100と対応する位置に所定形状で前後方向へ貫通した複数の開口部1215(図115を参照)を有し遊技領域1100の後端を区画する板状の遊技パネル1200と、を備えている。
本例の遊技パネル1200は、前構成部材1110によって外周が区画された遊技領域1100の後端を区画可能な板状で前構成部材1110よりも外形が小さく形成された透明なパネル板1210と、パネル板1210を前側から脱着可能に保持すると共に前構成部材1110の後面に取付けられる枠状のパネルホルダ1220と、を備えている。遊技パネル1200の開口部1215は、透明なパネル板1210に形成されている。
また、遊技盤4は、遊技パネル1200の開口部1215に対して前側から取付けられる表ユニット2000と、遊技パネル1200(パネルホルダ1220)の後面に取付けられる裏ユニット3000と、裏ユニット3000の後側に遊技者側から視認可能に取付けられ所定の演出画像を表示可能な液晶表示装置1900と、裏ユニットの下部を後側から覆うように遊技パネル1150の後面下部に取付けられる基板ホルダ1160と、基板ホルダ1160の後面に取付けられる主制御基板ボックス1170と、を備えている。
本例の遊技盤4における表ユニット2000は、遊技領域1100内の下部でアウト口1151の上側に配置されたアタッカユニット2100と、アタッカユニット2100の左上側で遊技領域1100の外周に沿って配置されたサイド誘導部材2300と、サイド誘導部材2300の上側で遊技領域1100内の上下方向中央からやや上寄り左側に配置されたゲート部材2400と、遊技領域1100の略中央部分に配置された枠状のセンター役物2500と、を備えている。
また、遊技盤4における裏ユニット3000は、遊技パネル1150の後側に取付けられ前側が開放された箱状で後壁3001bに液晶表示装置1900の表示画面が臨む開口3001cが形成された裏箱3001と、裏箱3001内の前面付近に取付けられ枠状の装飾を有した裏飾りユニット3100と、裏箱3001の前面下部に取付けられ表ユニット2000からの遊技球を下方へ誘導する球誘導ユニット3200と、裏箱3001内で開口3001cよりも上側に取付けられ遊技状態に応じて可動する上可動演出ユニット3300と、裏箱3001内で開口3001cの左右両側に取付けられ遊技状態に応じて可動する左右可動演出ユニット3400と、裏箱3001内で開口3001cの下側に取付けられ遊技状態に応じて可動する下可動演出ユニット3600と、下可動演出ユニット3600と裏箱3001の後壁3001bとの間に配置され下可動演出ユニット3600の左右両側面を装飾する下部飾り部材3002と、を備えている。
この裏ユニット3000における裏箱3001には、後壁3001bに前後方向へ貫通した略矩形状の開口3001cを有しており、この開口3001cから表示画面が前方(遊技者側)へ臨むように、液晶表示装置1900が裏箱3001の後壁3001bの後側に脱着可能に取付けられている。
更に、遊技盤4における液晶表示装置1900の後側には、詳細は後述するが、周辺制御部4140及び液晶制御部4150を有した周辺制御基板4010を収容する周辺制御基板ボックス1910が備えられている。
[2−1.表ユニットの全体構成]
次に、本実施形態のパチンコ機1における遊技盤4の表ユニット2000について、図117及び図118を参照して説明する。図117は遊技盤における表ユニットを前から見た斜視図であり、図118は遊技盤における表ユニットを後から見た斜視図である。
遊技盤4における表ユニット2000は、遊技領域1100内の左右方向略中央下部でアウト口1151の上側に配置され遊技パネル1200(パネル板1210)の前面に支持されるアタッカユニット2100と、アタッカユニット2100の左上側に配置され遊技領域1100の外周から左右方向中央側へ延びたサイド誘導部材2300と、サイド誘導部材2300の上側で遊技領域1100内の上下方向中央からやや上寄り左側に配置され遊技パネル1150の前面に支持されるゲート部材2400と、遊技領域1100の略中央部分に配置され遊技パネル1150に支持される枠状のセンター役物2500と、を備えている。
この表ユニット2000のアタッカユニット2100には、遊技球が常時受入可能とされた第一始動口2101と、第一始動口2101の下側に配置されゲート部材2400におけるゲート部2401を遊技球が通過することで抽選される普通抽選結果に応じて遊技球の受入れが可能となる第二始動口2102と、第二始動口2102の下側に配置され第一始動口2101や第二始動口2102への遊技球の受入れにより抽選される特別抽選結果に応じて遊技球の受入れが可能となる大入賞口2103と、大入賞口2103よりも上側に配置され遊技球を常時受入可能とされた四つの一般入賞口2104と、を備えている。また、表ユニット2000のゲート部材2400には、遊技球が一つの通過可能なゲート部2401を備えている。
また、表ユニット2000のセンター役物2500には、遊技パネル1200(パネル板1210)の前面と当接する略枠状のフランジ部2502と、遊技領域1100内を流下してきた遊技球が枠内へ侵入するのを阻止する周壁部2503と、周壁部2503の所定位置に開口するワープ入口2504と、ワープ入口2504に進入した遊技球を枠内へ放出するワープ出口2505と、ワープ出口2505から放出された遊技球を左右方向へ転動させた後に遊技領域1100内へ放出して還流させるステージ2510と、が備えられている。
更に、表ユニット2000におけるセンター役物2500は、前後方向に貫通し後側に配置された液晶表示装置1900の表示画面や裏ユニット3000等が透明な遊技パネル1200を通さずに視認することができる窓部2501と、窓部2501の上枠を形成しパチンコ機1のコンセプトに沿ったロゴを備えたセンターロゴ装飾部材2520と、窓部2501の右枠を形成する右枠装飾部材2530と、を備えている。このセンター役物2500のセンターロゴ装飾部材2520及び右枠装飾部材2530は、夫々LEDが実装された装飾基板2523,2532を備えており、遊技状態に応じて発光装飾させることができるようになっている。
[2−2.アタッカユニット]
次に、本実施形態のパチンコ機1の遊技盤4における表ユニット2000のアタッカユニット2100について、図119乃至図121参照して説明する。図119はアタッカユニットを前から見た斜視図であり、図120はアタッカユニットを後から見た斜視図である。また、図121は、アタッカユニットを後下から見た斜視図である。
本例の表ユニット2000における遊技盤4のアタッカユニット2100は、遊技パネル1200のパネル板1210における左右方向中央の下部に形成された開口部1215に対して、前側から挿入された上で、遊技パネル1200(パネル板1210)の前面に固定されるものである。このアタッカユニット2100は、遊技領域1100内へ打ち込まれた遊技球が受入可能とされた複数の受入口(入賞口)を有している。具体的には、左右方向の略中央に配置された第一始動口2101と、第一始動口2101の下側に配置された第二始動口2102と、第二始動口2102の下側に配置され第一始動口2101や第二始動口2102よりも左右方向へ大きく延びた矩形状の大入賞口2103と、大入賞口2103よりも高い位置に配置された四つの一般入賞口2104と、を備えている。
このアタッカユニット2100の第一始動口2101は、上側が開放されており遊技球が常時受入(入賞)可能となっている。一方、第一始動口2101の下側に配置された第二始動口2102は、図示するように、第二始動口2102の左右両側に略直立状態で配置された一対の羽根状の可動片2105によって第一始動口2101との間が閉鎖された状態となっており、図示の状態では遊技球が第二始動口2102へ受入不能な状態となっている。この第二始動口2102を閉鎖する一対の可動片2105は、下端側が回動可能に軸支されており、上端側を互いに離反する方向へ回動させて拡開させることで、第二始動口2102へ遊技球が受入可能な状態となるようになっている。つまり、第二始動口2102は、一対の可動片2105により可変入賞口となっている。
また、アタッカユニット2100の大入賞口2103は、その開口を閉鎖可能な横長矩形状の開閉部材2106によって開閉可能とされている。この開閉部材2106は、下辺が回動可能に軸支されており、略垂直な状態では大入賞口2103を閉鎖して遊技球を受入不能とすることができると共に、上辺が前側へ移動するように回動すると大入賞口2103を開放して遊技球を受入可能とすることができるようになっている。つまり、大入賞口2103は、開閉部材2106により可変入賞口となっている。
このアタッカユニット2100は、第一始動口2101の左右方向の幅が遊技球の外形より若干大きい幅とされ、遊技球が一つずつ受入れられるような大きさ(幅)となっている。また、アタッカユニット2100の第二始動口2102は、一対の可動片2105の上端同士が互いに離反する方向へ回動させて拡開させた時の左右方向の幅が、遊技球の外形の3倍〜5倍の幅とされている。更に、アタッカユニット2100の大入賞口2103は、開閉部材2106を開状態とした時の左右方向の幅が、遊技球の外形の5倍〜8倍の幅とされている。これにより、各入賞口2101,2102,2103が受入可能となった状態では、下側の入賞口ほど遊技球が受入れられ易くなるようになっている。
更に、アタッカユニット2100の四つの一般入賞口2104は、二つが、大入賞口2103を挟んで左右両側に上方へ開口した状態で配置されており、残りの二つが、大入賞口2103を挟んで左側に配置された一般入賞口2104よりも更に左斜め上側に互いが背向するように配置されている。
本例のアタッカユニット2100は、更に詳述すると、遊技パネル1200におけるパネル板1210の前面に取付けられ、遊技領域1100の左右方向中央と対応する位置に第一始動口2101及び大入賞口2103を有し、第二始動口2102、及び一般入賞口2104を形成可能な板状の台板2110と、台板2110における第一始動口2101の下側前面に取付けられ一対の可動片2105を回動可能に軸支すると共に第二始動口2102を形成し上側及び後側が開放された中央受部材2111と、上方に開口した一般入賞口2104を形成し台板2110における大入賞口2103の左右両側前面に取付けられると共に上側及び後側が開放された一対の両サイド受部材2112と、互いに背向した一般入賞口2104を形成し台板2110における左側の両サイド部材2112が取付けられる部位よりも左斜め上の位置に取付けられる左サイド受部材2113と、を備えている。
また、アタッカユニット2100は、台板2110の後側に取付けられ、大入賞口2103を開閉する開閉部材2106を回動可能に軸支すると共に、一対の可動片2105及び開閉部材2106を回動駆動させるアタッカ駆動ユニット2120と、台板2110の後側でアタッカ駆動ユニット2120よりも右側に取付けられる右裏カバー2141と、台板2110の後側でアタッカ駆動ユニット2120よりも左側に取付けられる左裏カバー2142と、を備えている。アタッカユニット2100の右裏カバー2141及び左裏カバー2142は、後面が平坦面となっており、アタッカユニット2100をパネル板1210に取付けた状態で、右裏カバー2141及び左裏カバー2142の後面がパネル板1210の後面と略同一面状となるようになっている。
アタッカユニット2100の台板2110は、左右方向へ延びた板状に形成されており、表面に浅いレリーフ状の装飾が施されている。この台板2110は、第二始動口2102と対応した位置と左サイド受部材2113が取付けられる位置とに、前後方向へ貫通し遊技球が通過可能な大きさの開口2110aを有している。また、台板2110は、第一始動口2101及び一般入賞口2104が形成された位置から後方へ延出し遊技球を誘導可能な樋部2110bを備えている。
アタッカユニット2000における台板2110の前面に取付けられる中央受部材2111は、前面にハート型の宝石の外周に小さい宝石を散りばめたようなレリーフが施されている。なお、詳細な図示は省略するが、この中央受部材2110は、台板2110における開口2110aの左右の幅よりも広い間隔で前板の後面から後方へ延出した一対の軸部を備えており、これら軸部によって可動片2105を回動可能に軸支することができるようになっている。
また、両サイド受部材2112は、前面に円形の宝石の外周を小さい宝石で囲ったようなレリーフ状の装飾が施されている。また、左サイド受部材2113は、背向配置された一般入賞口2104の上側に形成され左右方向へ短く延びると共に右端側が低くなるように傾斜した棚部2113aを備えており、棚部2113a上に落下した遊技球を、遊技領域1100の左右方向中央側へ誘導することができるようになっている。
更に、アタッカユニット2100におけるアタッカ駆動ユニット2120は、第二始動口2102を開閉する一対の可動片2105を開閉駆動させるための始動口ソレノイド2121と、始動口ソレノイド2121を支持し台板2110の後側に取付けられる始動口駆動機構ベース2123と、大入賞口2103を閉鎖する開閉部材2106を開閉駆動させるためのアタッカソレノイド2124と、アタッカソレノイド2124を支持すると共に開閉部材2106を回動可能に軸支し、始動口駆動機構ベース2123の下側で台板2110の後側に取付けられるアタッカ駆動機構ベース2126と、アタッカ駆動機構ベース2126の所定位置に支持され第二始動口2102に受入れられた遊技球を検知する第二始動口センサ2127と、第二始動口センサ2127とは異なる位置に支持され大入賞口2103に受入れられた遊技球を検知するカウントセンサ2128と、アタッカ駆動機構ベース2126の上面に支持され始動口ソレノイド2121、アタッカソレノイド2124、第二始動口センサ2127、及びカウントセンサ2128と主制御基板4100との接続を中継するためのアタッカユニット中継基板2130と、を備えている。
始動口ソレノイド2121は、図示は省略するが、通電によって進退可能とされると共にコイルバネによって突出方向へ付勢されたプランジャを有しており、第一始動口2101の下側で第二始動口2102の後方位置に、プランジャが前方へ向かって突出するように始動口駆動機構ベース2123に支持されている。本例のアタッカユニット2100は、始動口ソレノイド2121へ通電すると、始動口ソレノイド2121のプランジャがコイルバネの付勢力に抗して後退し、プランジャの先端と係合した伝達部材を介して一対の可動片2105の上端同士が互いに離反した方向へ回動するようになっており、第二始動口2102が開状態となるようなっている。
また、始動口駆動機構ベース2123は、始動口ソレノイド2121を前側から収容支持することができるように箱状に形成されていると共に、上面に第一始動口2101へ受入れられて台板2110の樋部2110bを流通した遊技球を正面視で右方向へ誘導する第一誘導部2123aと、始動口ソレノイド2121を支持する部位よりも下側に形成され第二始動口2102へ受入れられた遊技球を下方へ誘導する第二誘導部(詳細な図示は省略する)と、を備えている。
アタッカ駆動ユニット2120におけるアタッカソレノイド2124は、図示は省略するが、始動口ソレノイド2121と同様に、通電によって進退可能とされると共に、コイルバネによって突出方向へ付勢されたプランジャを有している。本例のアタッカユニット2100は、アタッカソレノイド2124に通電すると、アタッカソレノイド2124のプランジャが没入し、プランジャの先端に係合された伝達部材を介して開閉部材2106の上端が相対的に前方へ移動するように回動するようになっており、大入賞口2103が開状態となるようになっている。
本例のアタッカユニット2100は、第一始動口2101及び一般入賞口2104が常時遊技球を受入可能な状態となっている。一方、第二始動口2102では、後述するゲート部材2400において遊技球がゲート部2401を通過することで抽選される普通抽選結果に応じて、始動口ソレノイド2121が通電駆動されることで一対の可動片2105が拡開して受入可能となるようになっている。また、大入賞口2103では、第一始動口2101や第二始動口2102へ遊技球が受入れられる(始動入賞する)ことで抽選される特別抽選結果に応じて(例えば、特別抽選結果が「大当り」の時に)、アタッカソレノイド2124が通電駆動されることで開閉部材2106が所定パターンで開閉して受入可能となるようになっている。
また、アタッカユニット2100は、図示は省略するが、アタッカ駆動機構ベース2126の下部に支持され上面に複数のLEDが実装された大入賞口装飾基板を備えており、大入賞口2103内を発光装飾させることができるようになっている。
このアタッカユニット2100は、第一始動口2101及び大入賞口2103の右側に配置された一般入賞口2104へ受入れられた遊技球が、後述する裏ユニット3000の球誘導ユニット3200における右通路部材3210の始動口通路3211及び中右一般入賞口通路3212へ送られるようになっている。また、アタッカユニット2100は、大入賞口2103の左側に配置された一般入賞口2104へ受入れられた遊技球が、後述する裏ユニット3000の球誘導ユニット3200における左通路部材3220の各一般入賞口通路3221,3222,3223へ送られるようになっている。
また、アタッカユニット2100は、また、第二始動口2102へ受入れられた遊技球が、アタッカ駆動機構ベース2126に支持された第二始動口センサ2127により検知された後に下方へ排出されるようになっている。更に、アタッカユニット2100は、大入賞口2103へ受入れられた遊技球が、カウントセンサ2128により検知された後に下方へ排出されるようになっている。
本実施形態のアタッカユニット2100は、アタッカソレノイド2124を、プランジャ2124aの進退方向が左右方向となるように配置すると共に、アタッカソレノイド2124を可及的に開閉部材2106へ近付けた位置に配置するようにしているので、アタッカユニット2100における前後方向の寸法を、従来品と比較して、5〜30%短くすることができ、アタッカユニット2100の後方空間をより広く確保することができるようになっている。
[2−3.サイド誘導部材]
続いて、本実施形態のパチンコ機1の遊技盤4における表ユニット2000のサイド誘導部材2300について、主に図117及び図118を参照して説明する。遊技盤4におけるサイド誘導部材2300は、遊技パネル1200のパネル板1210における遊技領域1100内の左右方向中央よりも左側で上下方向中央から下寄りの位置に、遊技領域1100の外周と接するようにパネル板1210の前面に固定されるものである。
本例のサイド誘導部材2300は、遊技パネル1200(パネル板1210)の前面に取付けられ左右方向へ延びた板状の当接部2301と、当接部2301の上下方向略中央から前方に延出し左右方向へ延びると共に右端側が低くなるように傾斜した棚部2302と、を備えている。このサイド誘導部材2300は、棚部2302により、遊技領域1100の左端に沿って流下してきた遊技球を右方向へ誘導することができるようになっている。また、サイド誘導部材2300は、透光性を有した素材により形成されており、サイド誘導部材2300を通して後側が見えるようになっている。
[2−4.ゲート部材]
次に、本実施形態のパチンコ機1の遊技盤4における表ユニット2000のゲート部材2400について、主に図117及び図118等を参照して説明する。遊技盤4におけるゲート部材2400は、遊技パネル1200のパネル板1210における左右方向中央よりも左側で上下方向中央からやや上寄りの位置に形成された開口部1215に対して、前側から挿入された上で、遊技パネル1200(パネル板1210)の前面に固定されるものである。このゲート部材2200は、遊技球が一つのみ通過可能な幅のゲート部2401を有しており、このゲート部2401内に配置されたゲートセンサ2402によりゲート部2401を通過した遊技球を検出することができるようになっている。
なお、本例のゲート部材2400は、従来のゲート部材と比較して、前後方向の長さが短く形成されており、遊技パネル1150の前面よりも後側の部分が、遊技パネル1150の厚さ内に収まるようになっている。つまり、遊技パネル1150の後面からはゲートセンサ2402に接続された配線コードのみが延びだすようになっている。
[2−5.センター役物]
続いて、本実施形態のパチンコ機1の遊技盤4における表ユニット2000のセンター役物2500について、主に図122及び図123を参照して説明する。図122は、センター役物を前から見た斜視図である。また、図123は、センター役物を後から見た斜視図である。本例のセンター役物2500は、遊技パネル1200における透明板状のパネル板1210の略中央を貫通するように大きく形成された開口部1215に対して、前側から挿入された上で、パネル板1210の前面に固定されるものであり、図示するように、遊技領域1100の大半を占める大きさの枠状で前後方向へ貫通した大きな窓部2501を備えている。
このセンター役物2500は、上枠外周の形状が、正面視で左右方向の略中央から左側では、急な角度で直線状に傾斜して所定量下がった上で、更に、左側へ向かうに従って緩やかに傾斜した複数の段形状とされている。一方、センター役物2500は、上枠における右側の外周形状が、遊技領域1100の内周に略沿った湾曲形状(円弧形状)とされている。このセンター役物2500は、上枠が遊技領域1100の内周に沿った所定幅の円弧状に形成されており、上枠内周の形状が、遊技領域1100の左右方向中央が最も高くなるように円弧状に湾曲した形状とされている。このセンター役物2500の上枠には、後述するセンターロゴ装飾部材2520が備えられている。
また、センター役物2500は、左枠の外周形状が、下方へ垂下するように形成されていると共に、左枠の内周形状が、上下方向の略中央を挟んで上側と下側とが左方向へ窪むよう湾曲した波形状に形成されている。また、センター役物2500は、右枠の外周形状が、湾曲状の上部と連続すると共に左枠よりも下方へ延出し遊技領域1100の内周に略沿った円弧形状とされていると共に、右枠の内周形状が、略半円形状に湾曲した三つの窪みが上下方向に列設された形状に形成されている。
更に、センター役物2500は、下枠の形状が、左枠の下端から右方向へ向かうに従って低くなると共に、遊技領域1100における左右方向の中央と対応した位置を過ぎると右方向へ向かうに従って高くなり、そして、左端から右方向へ全体の約3/4の位置から右枠の下端へ向かって傾斜した形状とされている。
このセンター役物2500は、上枠右側の外周と右枠の外周とが、上述したように、遊技領域1100の内周に略沿った形状とされており、遊技パネル1200のパネル板1210に取付けた状態では、センター役物2500の右側の外周に、遊技球の外形よりも若干大きい隙間が形成されるようになっている。また、センター役物2500は、上枠左側と左枠と下枠とが上述したような形状とされており、パネル板1210に取付けた状態では、センター役物2500の左側の外周に、遊技領域1100の内周との間で所定幅の領域が形成されるようになっている。
このセンター役物2500は、遊技パネル1150の前面と当接する板状のフランジ部2502と、フランジ部2502から前方へ膨出し左右方向の略中央を境として遊技領域1100内を流下してきた遊技球を左右へ誘導すると共に枠内への遊技球の侵入を阻止する周壁部2503と、を備えている。また、センター役物2500は、パネル板1210の前側に位置する周壁部2503の左側の外周面に開口し遊技領域1100を流下する遊技球が進入可能とされたワープ入口2504(図112を参照)と、ワープ入口2504に進入した遊技球を枠内へ放出するワープ出口2505と、ワープ出口2505から放出された遊技球を左右方向へ転動させた後にアタッカユニット2100の上側の遊技領域1100内へ放出・還流させ窓部2501の下内縁の下側に配置されたステージ2510と、を備えている。
このセンター役物2500におけるステージ2510は、ワープ出口2505から放出された遊技球が供給される第一ステージ2511と、第一ステージ2511よりも下側且つ前側に配置され第一ステージ2511から遊技球が供給される第二ステージ2512と、第二ステージ2512よりも下側且つ前側に配置され第二ステージから遊技球が供給されると共に遊技領域1100内へ遊技球を放出可能とされた第三ステージ2513と、を備えている。
ステージ2510における第一ステージ2511は、全体的に左右方向の両端が高くなるような湾曲形状とされていると共に、遊技領域1100の左右方向の略中央と対応する位置が若干高くなるような波状に形成されており、若干高くなった両側の低くなった部位(谷部)から遊技球を前側(第二ステージ2512側)へ放出することができるようになっている。
また、第二ステージ2512は、第一ステージ2511よりは上下方向の変化が緩やかに形成されており、左右方向の両端が最も高くなると共に、遊技領域1100の左右方向中央と対応した位置が若干高くなるような波状に形成されている。この第二ステージ2512もまた、中央の若干高くなった部位の両側の低くなった部位(谷部)から遊技球を前側(第三ステージ2513)へ放出することができるようになっている。
更に、第三ステージ2513は、第二ステージ2512よりも更に緩やかで左右両端が最も高くなると共に遊技領域1100の左右方向中央と対応した位置が最も低くなるような湾曲状に形成されており、最も低くなった中央から前側(遊技領域1100内)へ遊技球を放出することができるようになっている。
センター役物2500のステージ2510には、第二ステージ2512における遊技領域1100の左右方向略中央と対応した位置で第一ステージ2511との間に形成された立壁に前方へ向かって開口し遊技球が進入可能なチャンス入口2514と、チャンス入口2514へ進入した遊技球が放出され第三ステージ2513の下側でチャンス入口2514の直下に配置され前方へ向かって開口したチャンス出口2515と、を備えている。このチャンス入口2514へ進入した遊技球は、チャンス出口2515から遊技領域1100内へ放出されるようになっている。また、このチャンス出口2515は、図109等に示するように、アタッカユニット2100における第一始動口2101の直上に配置されており、チャンス出口2515から放出された遊技球は、高い確率で第一始動口2101へ受入れられる(入賞する)ようになっている。
このセンター役物2500は、ステージ2510の略全体が透明な部材により形成されており、ステージ2510を通して後側に配置された裏ユニット3000の下部飾り部材3002や下可動演出ユニット3600等が遊技者側から視認することができるようになっている。
また、センター役物2500は、窓部2501の上枠を形成すると共に左右方向へ円弧状に延びパチンコ機1のコンセプトに沿ったロゴを備えたセンターロゴ装飾部材2520と、窓部2501の右枠を形成すると共に発光装飾可能とされた右枠装飾部材2530と、を備えている。
センター役物2500のセンターロゴ装飾部材2520は、レリーフ状にロゴ(詳細な図示は省略する)が形成されると共に透光性を有したロゴレンズ2521と、ロゴレンズ2521の後側に配置され複数のプリズムを備えた拡散レンズ部材(図示は省略)と、拡散レンズ部材の後側に配置され前面に複数のカラーLEDが実装されたロゴ装飾基板2523と、ロゴ装飾基板2523の後側を覆うロゴカバー2524と、を備えている。このセンターロゴ装飾部材2520は、ロゴ装飾基板2523のLEDを適宜発光させることで、ロゴレンズ2521を様々な色で発光装飾させることができるようになっている。また、センターロゴ装飾部材2520は、ロゴカバー2524の後面が、遊技パネル1200のパネル板1210の後面と略同一面状となるように前後方向の厚さが薄く形成されている。
また、センター役物2500の右枠装飾部材2530は、右枠表面を形成する所定形状に形成されると共に部分的に透光性を有した表面装飾部材2531と、表面装飾部材2531の後側に配置され前面に複数のカラーLEDが実装された右枠装飾基板2532と、右枠装飾基板2532の後側を覆うと共に表面装飾部材2531の後側面を装飾する透光性を有したカバーレンズ2533と、を備えている。この右枠装飾部材2530の右枠装飾基板2532は、表面装飾部材2531に形成された三つの略半円形状の窪みと対応するように上側から、センター右上装飾基板2532a、センター右中装飾基板2532b、及びセンター右下装飾基板2532cによって構成されている。
また、右枠装飾部材2530のカバーレンズ2533は、右枠装飾基板2532の三つのセンター右上装飾基板2532a、センター右中装飾基板2532b、及びセンター右下装飾基板2532cと夫々対応した三つの右上カバーレンズ2533a、右中カバーレンズ2533b、及び右下カバーレンズ2533cによって構成されている。
この右枠装飾部材2530は、右枠装飾基板2532に実装されたLEDを適宜発光させることで、表面装飾部材2531やカバーレンズ2533を発光装飾させることができるようになっていると共に、各装飾基板2532a,2532b,2532cのLEDを夫々適宜発光させることで、三つの略半円形状の窪みを夫々独立して発光装飾させることができるようになっている。
[2−6.裏ユニットの全体構成]
続いて、本実施形態のパチンコ機1における遊技盤4の裏ユニット3000について、図124乃至図127を参照して説明する。図124は遊技盤における裏ユニットを前から見た斜視図であり、図125は遊技盤における裏ユニットを後から見た斜視図である。また、図126は裏ユニットを主な構成部材毎に分解して前から見た分解斜視図であり、図127は裏ユニットを主な構成部材毎に分解して後から見た分解斜視図である。
本例の裏ユニット300は、遊技パネル1150の後側に取付けられ前側が開放された箱状で後壁3001bに液晶表示装置1900の表示画面が臨む開口3001cが形成された裏箱3001と、裏箱3001内の前面付近に取付けられると共に前面にレリーフ状の装飾が施され枠状に形成された裏飾りユニット3100と、裏飾りユニット3100の下部に取付けられ表ユニット2000における第一始動口2101及び一般入賞口2104に受入れられた遊技球を下方の所定位置へ誘導する球誘導ユニット3200と、裏箱3001内で開口3001cよりも上側に取付けられ遊技状態に応じて可動する上可動演出ユニット3300と、裏箱3001内で開口3001cの左右両側に取付けられ遊技状態に応じて可動する左右可動演出ユニット3400と、裏箱3001内で開口3001cの下側に取付けられ遊技状態に応じて可動する下可動演出ユニット3600と、下可動演出ユニット3600と裏箱3001の後壁3001bとの間に配置され下可動演出ユニット3600の左右両側面を装飾する下部飾り部材3002と、を備えている。
また、裏ユニット3000は、裏箱3001の後壁3001bの後面に、背面視で左下隅に取付けられ主制御基板4100と表ユニット2000のカウントセンサ2128等との接続を中継するパネル中継基板3012を備えている。
更に、裏ユニット3000は、パネル中継基板3012の背面視で右側に配置され表ユニット2000におけるアタッカユニット2100の大入賞口装飾基板(図示は省略)、センター役物2500の右枠装飾基板2532、裏ユニット3000における裏飾りユニット3100の左裏装飾基板3112及び右裏装飾基板3122、下可動演出ユニット3600の昇降ソレノイド3610、昇降装飾体装飾基板3621、ステージ下右装飾基板3661、及びステージ下左装飾基板3662と、液晶表示装置1900の後側に取付けられる周辺制御基板4010(図169を参照)との接続を中継する下部中継基板3014と、下部中継基板3014の後側を覆うと共に裏箱3001の後面に取付けられる下部中継基板カバー3015と、を備えている。
また、裏ユニット3000は、裏箱3001の後面で開口3001cの上側に配置され前ユニット2000におけるセンター役物2500のロゴ装飾基板2523、裏ユニット3000における裏飾りユニット3100の上裏装飾基板3132、上可動演出ユニット3300のキャラクタ体駆動モータ3315、上可動体下装飾基板3318、回転検知センサ3320、上可動体背面中央装飾基板3334、上可動体背面サイド装飾基板3335、昇降駆動モータ3361、及び昇降検知センサ3368と、周辺制御基板4010との接続を中継する上部中継基板3016と、上部中継基板3016の後側を覆うと共に裏箱3001の後面に取付けられる上部中継基板カバー3017と、を備えている。
更に、裏ユニット3000は、裏箱3001の後面で開口3001cの背面視左側(正面視右側)に配置され裏ユニット3000の左右可動演出ユニット3400における右ユニット3400Rの回転駆動モータ3412、回転ヘッド装飾基板3416、回転検知センサ3426、ベース装飾基板3428、スライド駆動モータ3525,3535,3545、及び位置検知センサ3526,3536,3546と、周辺制御基板4010との接続を中継する右部中継基板3018と、右部中継基板3018の後側を覆うと共に裏箱3001の後側に取付けられる右部中継基板カバー3019と、を備えている。
また、裏ユニット3000は、裏箱3001の後面で開口3001cの背面視右側(正面視左側)に配置され裏ユニット3000の左右可動演出ユニット3400における左ユニット3400Lの回転駆動モータ3412、回転ヘッド装飾基板3416、回転検知センサ3426、ベース装飾基板3428、スライド駆動モータ3565,3575,3585、及び位置検知センサ3566,3576,3586と、周辺制御基板4010との接続を中継する左部中継基板3020と、左部中継基板3020の後側を覆うと共に裏箱3001の後側に取付けられる左部中継基板カバー3021と、を備えている。
また、裏ユニット3000は、裏箱3001の後側で、開口3001cの上側の左右方向略中央と、背面視で開口3001cの左側の上下方向略中央とに夫々取付けられ、裏箱3001の後面に液晶表示装置1900を脱着可能に保持するためのロック部材3022を備えている。
この裏ユニット3000における裏箱3001は、後壁3001bの前後の適宜位置に、下飾り部材3002、裏飾りユニット3100、球誘導ユニット3200、上可動演出ユニット3300、左右可動演出ユニット3400、下可動演出ユニット3600、パネル中継基板3012、下部中継基板カバー3015、上部中継基板カバー3017、右部中継基板カバー3019、及び左部中継基板カバー3021等を取付けるための取付孔や取付ボスを備えている。
また、裏箱3001は、前端から外方へ延出したフランジ状の固定部3001aを備えており、この固定部3001aを介して遊技パネル1150の後側に固定されるようになっている。また、裏箱3001は、図125等に示すように、後壁3001bの後面側に開口3001cを含む開口3001cの外周全体が前側へ浅く段状に凹み液晶表示装置1900を挿入可能とされた取付段部3001dと、取付段部3001dの底部及び背面視で右部に形成され液晶表示装置1900の下面及び側面(正面視で左側面)から下方へ延出した一対の固定片1902が挿入される取付凹部3001eと、を備えている。
[2−7.裏飾りユニット]
続いて、裏ユニット3000における裏飾りユニット3100について、主に図128及び図129を参照して説明する。図128は、遊技盤の裏ユニットにおける裏飾りユニットを前から見た斜視図である。また、図129は、遊技盤の裏ユニットにおける裏飾りユニットを後から見た斜視図である。本例の裏飾りユニット3100は、前側が開放された箱状の裏箱3001の前面開口を閉鎖するように裏箱3001内の前端に取付けられるものである。この裏飾りユニット3100は、正面視で裏箱3001の左辺に沿って配置される左裏飾りユニット3110と、裏箱3001の右辺に沿って配置される右裏飾りユニット3120と、左裏飾りユニット3110と右裏飾りユニット3120との間で裏箱3001の上辺に沿って配置される上裏飾りユニット3130と、左裏飾りユニット3110と右裏飾りユニット3120との間で裏箱3001の下辺に沿って配置される下裏飾りユニット3140と、を備えている。
裏飾りユニット3100における左裏飾りユニット3110は、表面にレリーフ状の装飾が形成されると共に部分的に透光性を有するように形成された左裏飾り部材3111と、左裏飾り部材3111の後側に配置され前面に複数のLEDが実装された左裏装飾基板3112と、左裏装飾基板3112の後側に配置され左裏飾り部材3111及び左裏装飾基板3112を支持すると共に裏箱3001内の前端左側に取付けられる透明な左裏飾りベース3113と、を備えている。
左裏飾りユニット3110の左裏飾り部材3111は、正面視左端の形状が遊技領域1100の内周形状に略沿った円弧形状とされていると共に、右端の形状が略半円形状に左方へ窪んだ三つの部位が上下方向に列設された波形状とされており、左端の三つの略半円形状の部位が夫々後述する左右可動演出ユニット3400における左ユニット3400Lに備えられた回転体ユニット3410の回転装飾体3410Aの回転ヘッド3415と対応した形状となっている。
また、左裏飾りユニット3110の左裏装飾基板3112は、左裏飾り部材3111の三つの略半円形状における最も窪んだ位置の外周左側に夫々配置される裏外周左上装飾基板3112a、裏外周左中装飾基板3112b、及び裏外周左下装飾基板3112cを備えており、左裏飾り部材3111における略半円形に窪んだ三つの周縁を夫々独立して発光装飾させることができるようになっている。また、左裏装飾基板3112は、左裏飾り部材3111における略半円形状に窪んだ三つの部位の間を発光装飾させる裏上左装飾基板3112d、裏左上装飾基板3112e、裏左下装飾基板3112f、及び裏下左装飾基板3112gを備えている。
裏飾りユニット3100における右裏飾りユニット3120は、表面にレリーフ状の装飾が形成されると共に部分的に透光性を有するように形成された右裏飾り部材3121と、右裏飾り部材3121の後側に配置され前面に複数のLEDが実装された右裏装飾基板3122と、右裏装飾基板3122の後側に配置され右裏飾り部材3121及び右裏装飾基板3122を支持すると共に裏箱3001内の前端右側に取付けられる右裏飾りベース3123と、を備えている。
右裏飾りユニット3120の右裏飾り部材3121は、正面視で右方向へ略半円形状に窪んだ三つの部位を上下方向へ列設した形状を備えており、三つの略半円形状の部位が夫々後述する左右可動演出ユニット3400における右ユニット3400Rに備えられた回転体ユニット3410の回転体ヘッド3415と対応した形状となっている。また、右裏飾りユニット3120の右裏装飾基板3122は、右裏飾り部材3121における略半円形状に窪んだ三つの部位の間を発光装飾させる裏上右装飾基板3122a、裏右中装飾基板3122b、及び裏右下装飾基板3122cを備えている。
裏飾りユニット3100における上裏飾りユニット3130は、表面にレリーフ状の装飾が形成されると共に部分的に透光性を有するように形成された上裏飾り部材3131と、上裏飾り部材3131の後側に取付けられ前面に複数のLEDが実装された上裏装飾基板3132と、を備えている。上裏飾りユニット3130の上裏飾り部材3131は、上端が遊技領域1100の内周形状に略沿った円弧形状とされていると共に、下端がM字状に緩く湾曲した波形状とされており、下端の形状が左裏飾りユニット3110における左裏飾り部材3111の右端の形状と右裏飾りユニット3120における右裏飾り部材3121の左端の形状と連続するような形状となっている。
また、上裏飾りユニット3130の上裏装飾基板3132は、上裏飾り部材3131における波形状に形成された下端と沿うように配置されており、裏外周上左装飾基板3132aと裏外周上右装飾基板3132bとを備えている。この上裏装飾基板3132は、上裏飾り部材3131の後側に取付けられており、前面に実装されたLEDを適宜発光させることで上裏飾り部材3131の波状に形成された下端縁を発光装飾させることができるようになっている。
この上裏飾りユニット3130は、左右両端が夫々左裏飾りユニット3110及び右裏飾りユニット3120の上端に取付けられるようになっている。
裏飾りユニット3100における下裏飾りユニット3140は、前ユニット2000におけるアタッカユニット2100の第一始動口2101及び第二始動口2102の後側外周を囲うように上方へ膨出した略半円形状の下裏飾り部材3141と、下裏飾り部材3141を後側から支持する下裏飾りベース3142と、を備えている。下飾りユニット3140の下飾り部材3141は、表面に円を基調としたレリーフ状の装飾が形成されていると共に部分的に透光性を有するように形成されている。また、下裏飾りベース3142は、下裏飾り部材3141よりも左右方向へ延出すると共に透明な部材で形成されており、表面に多角錐状に形成された複数のレンズ部を備えている。
本例の裏飾りユニット3100は、前面側が遊技パネル1200の透明なパネル板1210やセンター役物2500の窓部2501を通して視認できるようになっており、遊技パネル1200の後側を装飾することができるようになっている。また、裏飾りユニット3100は、左裏飾りユニット3110、右裏飾りユニット3120、上裏飾りユニット3130、及び下裏飾りユニット3140によって枠状に形成されており、枠内を通して後側に配置される上可動演出ユニット、右可動演出ユニット、左可動演出ユニット、下可動演出ユニット、及び液晶表示装置1900等が視認できるようになっている。
[2−8.球誘導ユニット]
続いて、裏ユニット3000における球誘導ユニット3200について、主に図130を参照して説明する。図130(a)は遊技盤の裏ユニットにおける球誘導ユニットを前から見た斜視図であり、(b)は球誘導ユニットを後から見た斜視図である。本例の球通路ユニット3200は、裏ユニット3000における裏箱3001内の前面付近で左右方向中央下部に配置され、アタッカユニット2100の第一始動口2101及び一般入賞口2104に受入れられた遊技球を下方へ誘導するものである。この球誘導ユニット3200は、遊技領域1100の左右方向中央に対して右側に配置される右通路部材3210と、左側に配置される左通路部材3220と、を備えている。
球誘導ユニット3200の右通路部材3210は、アタッカユニット2100の第一始動口2101に受入れられて樋部2110bにより後方へ案内された遊技球を受取って下方へ誘導する始動口通路3211と、始動口通路3211と隣接して形成されアタッカユニット2100における大入賞口2103の右側に配置された一般入賞口2104に受入れられて樋部2110bにより後方へ案内された遊技球を受取って下方へ誘導する中右一般入賞口通路3212と、を備えている。
また、球誘導ユニット3200の左通路部材3220は、アタッカユニット2100における大入賞口2103の左側で、大入賞口2103の右側に配置された一般入賞口2104と略対称位置に配置された一般入賞口2104に受入れられて樋部2110bにより後方へ案内された遊技球を受取って下方へ誘導する中左一般入賞口通路3221と、アタッカユニット2100における互いに背向配置された一般入賞口2104の右側の一般入賞口2104に受入れられて樋部2110bにより後方へ案内された遊技球を受取って中左一般入賞口通路3221の下部へ誘導するサイド右一般入賞口通路3222と、アタッカユニット2100における互いに背向配置された一般入賞口2104の左側の一般入賞口2104に受入れられて樋部2110bにより後方へ案内された遊技球を受取って中左一般入賞口通路3221の下部へ誘導するサイド左一般入賞口通路3223と、を備えている。
これら右通路部材3210及び左通路部材3220によって下方へ誘導された遊技球は、基板ホルダ1160の底壁部上に排出され、基板ホルダ1160のアウト球排出部1161から遊技盤4の下方へ排出されるようになっている。
また、本例の球誘導ユニット3200は、右通路部材3210の所定位置に取付けられ始動口通路3211内を流通する遊技球を検知する第一始動口センサ3231と、右通路部材3210及び左通路部材3220の所定位置に夫々取付けられ一般入賞口2104に受入れられた遊技球を検出する一般入賞口センサ3232と、を備えている。一般入賞口センサ3232は、中右一般入賞口通路3212、中左一般入賞口通路3221、サイド右一般入賞口通路3222、及びサイド左一般入賞口通路3223に対して夫々一つずつ備えられており、何れの一般入賞口2104に入賞した遊技球であるのかが判別できるようになっている。なお、中左一般入賞口通路3221に備えられた一般入賞口センサ3232は、サイド右一般入賞口通路3222及びサイド左一般入賞口通路3223が合流した位置よりも下流側に配置されており、サイド右一般入賞口通路3222及びサイド左一般入賞口通路3223を流通する遊技球は二つの一般入賞口センサ3232で検知されるようになっている。
[2−9.上可動演出ユニット]
次に、裏ユニット3000における上可動演出ユニット3300について、主に図131乃至図141を参照して説明する。図131(a)は遊技盤の裏ユニットにおける上可動演出ユニットを前から見た斜視図であり、(b)は上可動演出ユニットを後から見た斜視図である。また、図132は上可動演出ユニットを上可動ユニットと昇降ユニットとに分解して前から見た分解斜視図であり、図133は上可動演出ユニットを上可動ユニットと昇降ユニットとに分解して後から見た分解斜視図である。また、図134は上可動演出ユニットの上可動ユニットを分解して前から見た分解斜視図であり、図135は上可動ユニットを分解して後から見た分解斜視図である。更に、図136(a)は上可動演出ユニットにおける上可動ユニットの平面図であり、(b)は上可動ユニットの正面図であり、(c)はフィギュアを回転させた状態で示す上可動ユニットの正面図である。
また、図137は上可動演出ユニットの昇降ユニットを分解して前から見た分解斜視図であり、図138は昇降ユニットを分解して後から見た分解斜視図である。また、図139は、上可動演出ユニットにおける昇降機構の要部を後から示す斜視図である。更に、図140は上可動演出ユニットにおける上可動ユニットの昇降を説明するための正面図であり、図141は上可動ユニットの昇降を説明するための背面図である。
裏ユニット3000における上可動演出ユニット3300は、裏箱3001内の開口3001cよりも上側で左右方向の略中央に取付けられるものであり、遊技盤4を組立てた状態でセンター役物2500のセンターロゴ装飾部材2520の後側に位置するようになっている。この上可動演出ユニット3300は、左右方向に離間して配置された一対のキャラクタ体3311を有する上可動ユニット3310と、上可動ユニット3310を昇降させる昇降ユニット3350と、を備えている。
上可動演出ユニット3300の上可動ユニット3310は、図134及び図135等に示すように、円盤状の台座部3311a、及び台座部3311a上に取付けられパチンコ機1のコンセプトに沿ったキャラクターを模したフィギュア3311bを有し左右方向へ離間して配置される一対のキャラクタ体3311と、各キャラクタ体3311における台座部3311aの下端に接続される平歯車状の一対の回転ギア3312と、一対の回転ギア3312同士の間に配置されると共に正面視右側の回転ギア3312と噛合する中間ギア3313と、中間ギア3313と左側の回転ギア3312とに噛合すると共に中間ギア3313と同径とされた駆動ギア3314と、駆動ギア3314を回転駆動させるキャラクタ体駆動モータ3315と、キャラクタ体駆動モータ3315を下面に支持すると共に回転ギア3312、中間ギア3313及び駆動ギア3314を上面側で回転可能に支持し上部が開放された浅い皿状のキャラクタベース3316と、を備えている。
左右に離間して配置される一対のキャラクタ体3311は、互いに異なるキャラクタのフィギュア3311bとされているが、フィギュア3311bのポーズは略同じポーズに形成されている。また、左側の回転ギア3312は、下端から回転軸に対して直角方向へ延出し周方向の一部が切欠かれた板状の検知片3312aを備えている。更に、キャラクタベース3316は、回転ギア3312が配置される部位に回転ギア3312よりも小径で上下方向に貫通した支持孔3316aが形成されている。
また、上可動ユニット3310は、キャラクタベース3316の開放された上部を覆うと共にキャラクタ体3311の台座部3311aが通過可能な貫通孔3317aを有し、上面にレリーフ状の装飾が形成された一部が透光性を有する装飾板3317と、キャラクタベース3316の下面に取付けられ上面及び下面に複数のLEDが実装された上可動体下装飾基板3318と、上可動体下装飾基板3318の下側を覆いキャラクタベース3316の下面に取付けられる透光性を有したキャラクタベースカバー3319と、を備えている。
また、上可動ユニット3310は、キャラクターベースカバー3319よりも上側でキャラクタベース3316の下面に取付けられ正面視左側の回転ギア3312における検知片3312aを検知する回転検知センサ3320と、キャラクタベース3316の下側から支持孔3316aを通して回転ギア3312の下面に取付けられる円盤状の回転押え3321と、を備えている。回転検知センサ3320は、左側の回転ギア3312における検知片3312aに形成された切欠きを検知することで回転ギア3312、つまり、キャラクタ体3311の回転位置を検知することができるようになっている。
上可動ユニット3310の回転押え3321は、キャラクタベース3316の支持孔3316aを通して回転ギア3312の下面に取付けることで、回転ギア3312と回転押え3321とによってキャラクタベース3316を挟んだ状態とすることができるようになっている。これにより、支持孔3316aがガイドとなって、回転ギア3312がキャラクタベース3316に対して回転可能に支持された状態となると共に、回転ギア3312がキャラクタベース3316の面に沿って回転することができ、回転ギア3312の上下方向へ延びた回転軸が傾くのを防止することができるようになっている。つまり、キャラクタ体3311が傾くのを防止することができるようになっている。
更に、上可動ユニット3310は、キャラクタベース3316の後端に取付けられ一対のキャラクタ体3311の背景を形成する背面装飾部材3330を備えている。この上可動ユニット3310における背面装飾部材3330は、装飾板3317よりも上側で一対のキャラクタ体3311の後側(背景)を装飾しハート型のレリーフが形成されると共に透光性を有した背面中央飾り部材3331と、背面中央飾り部材3331の左右両側に配置され星型の装飾を複数有した背面サイド飾り部材3332と、背面サイド飾り部材3332及び背面中央飾り部材3331を夫々支持する背面フレーム3333と、背面中央飾り部材3331の後側に配置され前面に複数のLEDが実装された上可動体背面中央装飾基板3334と、背面サイド装飾基板3332の後側に配置されると共に背面フレーム3333に支持され前面に複数のLEDが実装された上可動体背面サイド装飾基板3335と、上可動体背面中央装飾基板3334の後側に配置されると共に背面中央飾り部材3331、背面フレーム3333、及びキャラクタベース3316の後端を支持する背面ベース3336と、を備えている。
背面装飾部材3330の上可動体背面装飾基板3334は、図134に示すように、背面中央飾り部材3331の下端よりも下方へ延出しており、キャラクタベース3316の下側に取付けられるキャラクタベースカバー3319の後側まで延出した形態とされている。この上可動体背面装飾基板3334は、キャラクタベースカバー3319の後側まで延出した部位の前面にも複数のLEDが実装されており、キャラクタベースカバー3316も発光装飾させることができるようになっている。
本例の上可動演出ユニット3300における上可動ユニット3310は、回転検知センサ3320が回転ギア3312における検知片3312aの切欠部を検知した状態では、左右に離間して配置された一対のキャラクタ体3311のフィギュア3311bが、夫々正面を向いた状態となるようになっている(図136(b)等を参照)。この上可動ユニット3310は、キャラクタ体駆動モータ3315によって駆動ギア3314を回転駆動させると、駆動ギア3314と噛合した左側の回転ギア3312と中間ギア3313が、駆動ギア3314とは夫々逆方向に回転すると共に、更に中間ギア3313と噛合した右側の回転ギア3312が駆動ギア3314と同じ方向へ回転することとなる。なお、本例では駆動ギア3314と中間ギア3313とが同じ径とされているので、左右の回転ギア3312は、夫々異なる方向へ同じ速度で回転することとなる。
これにより、左右に離間して配置された一対の回転ギア3312に夫々取付けられたキャラクタ体3311は、上下方向へ延びた軸周りに夫々異なる方向へ回転することができるようになっている。従って、一対のキャラクタ体3311(フィギュア3311b)を、正面以外の方向に向けることができ、多彩な可動演出を行うことができるようになっている(図136(c)を参照)。
一方、上可動演出ユニット3300における昇降ユニット3350は、図137乃至図139等に示すように、裏箱3001内に取付けられ左右方向へ延び前側が開放された浅い箱状のユニットベース3351と、ユニットベース3351の前面で左右方向中央よりも左側の位置に上端及び下端が支持され上下方向へ延びた長尺状のスライドロッド3352と、スライドロッド3352によって上下方向へスライド可能に支持されるスライド部材3353と、スライド部材3353の前端に上端左側が取付けられ略矩形状に上下方向へ板状に延び前面に上可動ユニット3310が取付けられる昇降スライダ3354と、昇降スライダ3354の左右両側面と当接すると共に昇降スライダ3354が前後方向へ移動するのを規制しユニットベース3351の前面下部に回転可能に支持されるガイドローラ3355と、ユニットベース3351の前面における昇降スライダ3354を挟んでスライドロッド3352とは反対側の位置に取付けられ上下方向へ延びると共に昇降スライダ3354の上端右側が前後方向へ移動するのを規制するスライドガイド3356と、スライドガイド3356よりも右側でユニットベース3351の前面に取付けられスライド部材3353を介してスライドロッド3352により上下方向へスライド可能に支持された昇降スライダ3354を昇降させる昇降機構3360と、を備えている。
昇降ユニット3350のユニットベース3351は、図示するように、左右方向の略中央に上下方向へ延びると共に前後方向に貫通した長孔状の案内溝3351aが形成されており、この案内溝3351aを挟んで左側にスライドロッド3352、右側にスライドガイド3356が取付けられるようになっている。また、ユニットベース3351は、案内溝3351aの下端の左右両側に前方へ突出した一対のローラ支持ピン3351bを備えており、これらローラ支持ピン3351bにガイドローラ3355を挿入することでガイドローラ3355を回転可能に支持することができるようになっている。
また、ユニットベース3351は、スライドガイド3356が取付けられる位置よりも右側の位置から前方へ突出し後述する昇降機構3360の昇降アーム3365を回動可能に支持するアーム支持ピン3351cを備えている。また、ユニットベース3351は、スライドロッド3352が取付けられる位置よりも左側の位置に前後方向へ貫通した矩形状の開口3351dが形成されており、この開口3351dを通して上可動ユニット3310に備えられたキャラクタ体駆動モータ3315、回転検知センサ3320、及び各装飾基板3318,3334,3335と、上部中継基板3016とを接続するための配線部材3357がユニットベース3351の後側へ延びだすようになっている。なお、本例では、配線部材3357がフレキシブルフラットケーブルとされている。
昇降ユニット3350の昇降スライダ3354は、矩形状に上下方向へ延びた本体部3354aと、本体部3354aの上端から正面視左方向へ延出した取付片3354bと、本体部3354aの上端から右方向へ延出した板状の延出片3354cと、本体部3354aの上端で左右方向中央部に形成され前後方向へ貫通した連結孔3354dと、を備えている。この昇降スライダ3354は、取付片3354bがスライド部材3353の前端に取付けられるようになっており、延出片3351cがスライドガイド3356のスリット3356a内に挿入されるようになっている。また、昇降スライダ3354の連結孔3354dには、後述する昇降機構3360の連結軸3366が挿入されるようになっている。なお、昇降スライダ3354には、本体部3354aに上可動ユニット3310の背面ベース3336を取付けるための取付孔が適宜位置に形成されている。
昇降ユニット3350のガイドローラ3355は、前後方向へ短く延びた円筒状で前端に軸直角方向外方へ延出したフランジを有する前ローラ3355aと、前ローラ3355aの後側に配置され前後方向へ短く延びた円筒状で後端に軸直角方向外方へ延出したフランジを有する後ローラ3355bと、を備えている。このガイドローラ3355は、ユニットベース3351のローラ支持ピン3351bに挿入することで、回転可能に支持されるようになっており、前ローラ3355a及び後ローラ3355bの円筒状の部位が昇降スライダ3354における本体部3354aの側面と接触するようになっている。
また、ガイドローラ3355は、前ローラ3355aのフランジを昇降スライダ3354の前側に位置させると共に、後ローラ3355bのフランジを昇降スライダ3354の後側に位置させるようにローラ支持ピン3351bに挿入することで、前ローラ3355aと後ローラ3355bのフランジで昇降スライダ3354の本体部3354cを前後方向に挟むことができ、昇降スライダ3354が前後方向へ移動するのを規制することができるようになっている。従って、昇降スライダ3354における本体部3354aを挟んで左右両側に配置されたガイドローラ3355によって、昇降スライダ3354の本体部3354aが前後方向へ移動するのを規制しつつ上下方向へスムーズに案内することができるようになっている。
昇降ユニット3350のスライドガイド3356は、平面視の形状が左右方向中央から左側が右側よりも前方に位置したクランク状に形成されており、左右方向中央に前後方向へ延びると共に左右方向へ貫通したスリット3356aを備えている。このスライドガイド3356は、スリット3356a内に昇降スライダ3354の延出片3354cが左側から挿入されるようになっており、延出片3354cが上下方向へ移動することができると共に前後方向へ移動するのを規制することができるようになっている。
昇降ユニット3350の昇降機構3360は、回転軸が後方へ延びた昇降駆動モータ3361と、昇降駆動モータ3361によって回転駆動させられる平歯車状の駆動ギア3362と、駆動ギア3362と噛合する第一伝達ギア3363a、及び第一伝達ギア3363aの後側で同軸上に一体回転し第一伝達ギア3363bよりも小径の第二伝達ギアを有した減速ギア3363と、減速ギア3363の第二伝達ギア3363bと噛合し第一伝達ギア3363aと略同径の第三伝達ギア3364a、及び第三伝達ギア3364aの回転軸に対して偏芯した位置から軸方向と平行に後方へ突出するリンクピン3364bを有したカムリンクギア3364と、カムリンクギア3364よりも後側に配置されユニットベース3351に軸支される基端部3365a、及び基端部3365aと一体的に形成されると共に回動軸に対して離れた位置に形成され昇降スライダ3354と連結するための連結部3365bを有し、カムリンクギア3364のリンクピン3364bの公転によって回動可能とされた棹状の昇降アーム3365と、昇降アーム3365の連結部3365bに支持され昇降スライダ3354の連結孔3354dに挿入される棒状の連結軸3366と、を備えている。
この昇降機構3360は、正面視でユニットベース3351の前面側の右端付近に配置されており、駆動ギア3362、減速ギア3363、及びカムリンクギア3364が右から左方向へ並んで配置されている。
昇降機構3360の昇降アーム3365は、ユニットベース3351のアーム支持ピン3351cが挿通される支持孔を有した基端部3365aと、基端部3365aから支持孔(回動軸)の軸心に対して直角方向へ離れた位置に配置された連結部3365bと、連結部3365bと基端部3365aとを結ぶアーム部3365cと、アーム部3365cよりも短く基端部3365aからアーム部3365cとは異なる方向へ延びた延出部3365dと、延出部3365dの先端に形成されカムリンクギア3364のリンクピン3364bと接続される接続部3365eと、アーム部3365cの途中から外方へ延出する板状の検知片3365fと、を備えている。
この昇降アーム3365は、図示するように、基端部3365aからアーム部3365cがユニットベース3351に対して左右方向の中央側へ延びだしていると共に、延出部3365dがユニットベース3351に対して右端側へ延びだしており、正面視が略L字状に形成されている。また、昇降アーム3365は、連結部3365bと接続部3365eが、基端部3365aの軸心に対して直角方向へ延びると共に前後方向へ貫通した長孔状に形成されており、夫々に連結軸3366とカムリンクギア3364のリンクピン3364bが摺動可能に挿入されるようになっている。
また、昇降機構3360は、ユニットベース3351の案内溝3351aによって上下方向へ案内されると共に昇降アーム3365における長孔状の連結部3365b内を摺動可能とされ連結軸3366の後端を支持する連結摺動部材3367と、ユニットベース3351の前面に取付けられ昇降アーム3365の検知片3365fを検知することで昇降アーム3365の回動位置を検知する昇降検知センサ3368と、昇降アーム3365の前側に配置されると共にユニットベース3351の前面に取付けられ駆動ギア3362、減速ギア3363、及びカムリンクギア3364の後側を被覆するギアカバー3369と、ギアカバー3369の前面に取付けられると共に駆動ギア3362、減速ギア3363、及びカムリンクギア3364の前側を覆い前面に昇降駆動モータ3361が取付けられるモータホルダ3370と、を更に備えている。
昇降機構3360のギアカバー3369及びモータホルダ3370は、互いに協働して減速ギア3363とカムリンクギア3364を回転可能に支持している。また、ギアカバー369には、カムリンクギア3364のリンクピン3364bが通過可能な半円弧状のスリット3369aを備えており、スリット3369aを通してリンクピン3364bが後側に配置された昇降アーム3365の長孔状の接続部3365e内に挿入されるようになっている。なお、図中の符号3371は、連結軸3366が挿入され昇降スライダ3354と昇降アーム3365との間の摺動抵抗を低減させるためのワッシャである。
続いて、本例の上可動演出ユニット3300における上可動ユニット3310の昇降について主に図140及び図141を参照して説明する。この上可動演出ユニット3300は、昇降ユニット3350における昇降アーム3365の連結部3365bが、昇降アーム3365の回動軸(基端部3365a)よりも正面視左側に位置しており、連結部3365b及び昇降スライダ3354を介して昇降アーム3365に作用する上可動ユニット3310の荷重によって、昇降アーム3365には連結部3365bが下方へ移動する方向へ回動する力(モーメント)が常に作用するようになっている。
この上可動演出ユニット3300は、図109等に示すように、通常の状態では上可動ユニット3310が上昇した退避位置に位置しており、この状態では、上可動ユニット3310のキャラクタベースカバー3319を除いてセンター役物2500のセンターロゴ装飾部材2520の後側に位置することとなり、キャラクタ体3311や背面装飾部材3330等が遊技者から見えないようになっている。
上可動演出ユニット3300は、上可動ユニット3310が上昇した退避位置の状態では、図141(a)に示すように、カムリンクギア3364のリンクピン3364bが、昇降アーム3365の長孔状の接続部3365e内における回動軸側の端部と当接した状態となっている。また、退避位置の状態では、接続部3365eの延びた軸線に対してリンクピン3364bを通る法線が、カムリンクギア3364の回転中心よりも下側を通るので、上可動ユニット3310の荷重によって昇降アーム3365にかかる回転モーメントによって、接続部3365eからリンクピン3364bを下方へ移動させる力(カムリンクギア3364を背面視で反時計回りへ回転させる力)が作用することとなるが、上述したように、リンクピン3364bが接続部3365e内の回動軸側の端部と当接しており、カムリンクギア3364がこれ以上背面視で反時計回りの方向へ回転することができず、昇降アーム3365の回動が規制(ロック)された状態となっている。従って、上可動ユニット3310の荷重が、昇降アーム3365、カムリンクギア3364、減速ギア3363、及び駆動ギア3362を介して昇降駆動モータ3361に作用するのを防止することができ、上可動ユニット3310が退避位置の時に昇降駆動モータ3361に負荷がかからないようになっている。
また、上可動ユニット3310が上昇した退避位置に位置した状態では、昇降アーム3365に形成された検知片3365fが、昇降検知センサ3368により検知された状態となっている。これにより、昇降検知センサ3368によって上可動ユニット3310が退避位置に位置していることを検知することができるようになっている。
上可動ユニット3310が上昇した退避位置の状態から、カムリンクギア3364を背面視で時計回りの方向へ回転するように昇降駆動モータ3361を回転駆動させると、リンクピン3364bがカムリンクギア3364の回転中心の周りを公転すると共に、昇降アーム3365における長孔状の接続部3365e内を基端部3365aから遠ざかる方向へ摺動することとなる。そして、昇降アーム3365は、接続部3365e内を摺動するリンクピン3364bの公転に伴って、基端部3365aを中心として回動することとなる。
一方、昇降アーム3365における上可動ユニット3310を支持する連結部3365b側では、昇降アーム3365と昇降スライダ3354とを連結するための連結軸3366が、連結摺動部材3367を介してユニットベース3351の案内溝3351aによって上下方向へ案内されると共に昇降アーム3365における長孔状の連結部3365b内で摺動可能に案内されている。これにより、昇降アーム3365が回動すると、連結摺動部材3365が、昇降アーム3365の連結部3365b内を摺動すると同時に案内溝3351a内を摺動し、連結摺動部材3365に支持された連結軸3366を介して昇降スライダ3354つまり上可動ユニット3310が上下方向へスライド(昇降)することとなる。
なお、本例では、上述したように、退避位置の状態では接続部3365eの軸線におけるリンクピン3364bを通る法線が、カムリンクギア3364の回転中心よりも下側を通っているので、リンクピン3364bが背面視で時計回りの方向へ公転してリンクピン3364bを通る法線がカムリンクギア3364の回転中心を通るまでは、昇降アーム3365が背面視で反時計回りの方向へ回動することとなる。そして、更にリンクピン3364bが背面視で時計回りの方向へ公転すると、リンクピン3364bを通る法線がカムリンクギア3364の回転中心よりも上側を通ることとなり、昇降アーム3365が背面視で時計回りの方向へ回動することとなる。従って、退避位置の状態で、上可動ユニット3310を下降させる方向へ昇降駆動モータ3361を回転駆動させると、上可動ユニット3310が一旦少し上昇した後に下降するようになっている。
そして、更に昇降アーム3365が回動して昇降スライダ3354の取付片3354bと延出片3354cとの下端が、ガイドローラ3355とスライダガイド3356におけるスリット3356aの下端と当接すると同時に、昇降駆動モータ3361の回転駆動が停止し、昇降スライダ3354の下方への移動が停止し、上可動ユニット3310が下降した出現位置に位置することとなる(図140(b)及び図141(b)等を参照)。
上可動演出ユニット3300は、上可動ユニット3310が下降した出現位置に位置した状態では、上可動ユニット3310の一対のキャラクタ体3311や背面装飾部材3330等がセンター役物2500のセンターロゴ装飾部材2520よりも下側に位置した状態となり、遊技者側からキャラクタ体3311等が視認できる状態となるようになっている(図166を参照)。
なお、下降した上可動ユニット3310を上昇させるには、昇降駆動モータ3361を上記とは逆方向へ回転駆動させて、昇降アーム3365を下降時とは逆方向へ回動させることで昇降スライダ3354を上昇させることができる。そして、昇降アーム3365の検知片3365fが昇降検知センサ3368に検知されたら、昇降駆動モータ3361の回転駆動を停止させることで、上可動ユニット3310を上昇した退避位置に復帰させることができるようになっている。
このように、本例の上可動演出ユニット3300は、一対のキャラクタ体3311を備えた上可動ユニット3310が上昇した退避位置の時には、一対のキャラクタ体3311等がセンター役物2500におけるセンターロゴ装飾部材2520の後側に位置し、遊技者から見えず下側に配置されたキャラクタベースカバー3319の一部だけが見えるようになっている。そして、上可動ユニット3310のキャラクタベースカバー3319は、上側に配置された上可動体下装飾基板3318と後側に配置された上可動体背面中央装飾基板3334に実装されたLEDによって発光装飾されるようになっており、センターロゴ装飾部材2520の下端から臨むキャラクタベースカバー3319を明るく光らせることができ、キャラクタベースカバー3319(センターロゴ装飾部材2520の後側)に対して遊技者の関心を強く引付けさせることができると共に、センター役物2500の枠内を照らして遊技領域1100内を目立たせることができるようになっている。
また、上可動演出ユニット3300は、遊技状態に応じて昇降駆動モータ3361を回転駆動させることで、一対のキャラクタ体3311を備えた上可動ユニット3310を、遊技者側から視認できない退避位置から、遊技者側から視認できる出現位置へ下降させることができるので、キャラクタ体3311の出現によって遊技者に対して何か良いことがあるのではないかと思わせることができ、遊技に対する期待感を高めさせて興趣が低下するのを抑制することができるようになっている。
更に、上可動演出ユニット3300は、昇降によって出現する一対のキャラクタ体3311を上下方向へ延びた軸周りに回転させることができるので、例えば、キャラクタ体3311の回転に合せて所定の音楽を出力することで遊技者に対してキャラクタ体3311があたかも音楽に合せて踊っているように錯覚させることができ、キャラクタ体3311の動きを楽しませて興趣が低下するのを抑制することができる。
また、上可動演出ユニット3300は、一対のキャラクタ体3311を上下方向へ延びた軸周りに回転させることができるので、出現する際のキャラクタ体3311の向きや、出現後に回転するキャラクタ体3311の向き等によって、キャラクタの雰囲気を異ならせることが可能となり、遊技者に対して様々なメッセージを送ることができ、多彩な演出によって飽き難くいパチンコ機1とすることができる。
[2−10.左右可動演出ユニット]
続いて、裏ユニット3000における左右可動演出ユニット3400について、図142乃至図159を主に参照して説明する。図142は遊技盤の裏ユニットにおける左右可動演出ユニットを前から見た斜視図であり、図143は左右可動演出ユニットを後から見た斜視図である。また、図144は左右可動演出ユニットを回転体ユニットとスライドユニットに分解して前から見た分解斜視図であり、図145は左右可動演出ユニットを回転体ユニットとスライドユニットに分解して後から見た分解斜視図である。また、図146は左右可動演出ユニットにおける一つの回転体ユニットを示す斜視図である。更に、図147は左右可動演出ユニットの回転体ユニットを分解して前から見た分解斜視図であり、図148は左右可動演出ユニットの回転体ユニットを分解して後から見た分解斜視図である。
また、図149は左右可動演出ユニットの回転体ユニットにおける回転装飾体の動きを示す説明図であり、図150は図149に続く回転装飾体の動きを示す説明図であり、図151は図150に続く回転装飾体の動きを示す説明図である。また、図152は左右可動演出ユニットにおける右ユニットのスライドユニットを示す斜視図であり、図153は右ユニットのスライドユニットを分解して前から見た分解斜視図であり、図154は右ユニットのスライドユニットを分解して後から見た分解斜視図である。更に、図155は左右可動演出ユニットにおける左ユニットのスライドユニットを示す斜視図であり、図156は左ユニットのスライドユニットを分解して前から見た分解斜視図であり、図157は左ユニットのスライドユニットを分解して後から見た分解斜視図である。また、図158は左右可動演出ユニットにおける右ユニットの動きを示す説明図であり、図159は左右可動演出ユニットにおける左ユニットの動きを示す説明図である。
裏ユニット3000における左右可動演出ユニット3400は、裏箱3001内で開口3001cの左右両側に取付けられるものであり、開口3001cの右側に取付けられる右ユニット3400Rと、開口3001cの左側に取付けられる左ユニット3400Lとで構成されている。本例の左右可動演出ユニット3400は、右ユニット3400R及び左ユニット3400Lに夫々複数(各三つずつ)の回転体ユニット3410と、複数の回転体ユニット3410を夫々独立してスライドさせるスライドユニット3500(右スライドユニット3510及び左スライドユニット3550)と、を備えている。
左右可動演出ユニット3400は、回転体ユニット3410に前後方向へ延びた軸周りに回転可能とされた回転装飾体3410Aを備えており、回転装飾体3410Aを回転駆動させることで回転演出を行うことができるようになっている。また、左右可動演出ユニット3400は、各回転体ユニット3410を夫々独立して左右方向へスライド移動させることができ、スライド演出を行うことができるようになっている。従って、回転体ユニット3410のスライド演出と、回転装飾体3410Aの回転演出とを適宜組合わせることで多彩な可動演出を行うことができるようになっている。
[2−10A.回転体ユニットの構成]
次に、図147及び図148等を参照して左右可動演出ユニット3400における回転体ユニット3410の構成について説明する。この回転体ユニット3410は、スライドユニット3500のスライドベース3520,3530,3540,3560,3570,3580に取付けられる板状の回転体ベース3411と、回転体ベース3411の後側に配置され回転軸が回転体ベース3411を貫通して前方へ延出する回転駆動モータ3412と、回転駆動モータ3412の回転軸に固定され回転体ベース3411の前面に配置される円盤状の回転カプラ3413と、回転カプラ3413の前面に一体回転可能に連結され先方へ延出した円柱状の軸部材3414と、軸部材3414の前端に取付けられ前方へ略半球状に膨出し表面にレリーフ状の装飾が形成されると共に部分的に透光性を有した回転ヘッド3415と、回転ヘッド3415の後側に配置され前面に複数のLEDが実装された回転ヘッド装飾基板3416と、回転ヘッド装飾基板3416を前側から支持すると共に前面にレリーフ状の装飾を有し回転体ベース3411に取付けられる基板ブラケット3417と、を備えている。
回転体ユニット3410の回転体ベース3411は、正面視の形状が、後側に取付けられる回転駆動モータ3412の回転軸を中心とした所定半径の半円に、直径と同じ幅(高さ)の矩形状を組合せた砲弾状に形成されている。この回転体ベース3411は、後述する回転検知センサ3426の検知部が通過可能な開口が形成されている他に、各部材を固定するための取付孔や取付ボス等が適宜位置に形成されている。
回転体ユニット3410の回転カプラ3413は、後面が回転体ベース3411の前面に当接して摺動するように形成されていると共に、前面に複数の突起3413aが形成されている。この回転カプラ3413は、摩擦抵抗の低い素材によって形成されている。
回転体ユニット3410の軸部材3414は、図示するように、後端に円盤状のフランジ部3414aを備えており、フランジ部3414aの後面に回転カプラ3413の突起3413aと嵌合する凹部3414bが形成されている(図148を参照)。この軸部材3414の凹部3414bに回転カプラ3413の突起3413aを嵌合させることで、回転カプラ3413の回転を軸部材3414へ伝達させることができるようになっている。なお、軸部材3414の前端は、図示するように、外周が非円柱形状に形成されており、後述する回転台前部材3424の嵌合孔3424aと嵌合して回転台前部材3424を一体回転させることができるようになっている。
回転体ユニット3410の回転ヘッド3415は、略半球状の表面にハート型の透光性を有した部位を備えており、後側に配置された回転ヘッド装飾基板3416のLEDによってハート型に発光装飾されるようになっている。また、回転ヘッド3415は、ハート型の部位を除いた他の部位の表面が、メッキ状に金属光沢を有した状態となっており、外部からの光が反射することでキラキラ光るようになっている。なお、本例の左右可動演出ユニット3400は、右ユニット3400Rに備えられた回転体ユニット3410の回転ヘッド3415が略半球状に形成されているのに対して、左ユニット3400Lに備えられた回転ヘッド3415が右ユニット3400Rの回転ヘッド3415よりも前後方向にやや潰れた半球状に形成されている。従って、右ユニット3400Rの回転ヘッド3415の前端が遊技パネル1200の後面よりも前方へ突出した状態となっていると共に、左ユニット3400Lの回転ヘッド3415の前端がパネル板1210よりも後側に位置した状態となっている(図114等を参照)。
また、回転体ユニット3410は、回転ヘッド3415よりも後側に配置され軸部材3414が回転可能に通過する通過孔3418a、及び通過孔3418aと同軸上で後端付近に形成され平歯車状の固定ギア3418bを有し回転体ベース3411の前面に取付けられる筒状の固定ギア部材3418と、固定ギア部材3418の固定ギア3418bよりも大径に内径が形成されると共に固定ギア部材3418における固定ギア3418bよりも後側の位置に相対回転不能な状態で挿入され、後端が回転体ベース3411の前面と当接する環状のガイドリング3419と、ガイドリング3419の前端に対して後端縁が摺動可能に当接し固定ギア部材3418が通過可能な貫通孔3420aを有した板状の回転台後部材3420と、を備えている。
また、回転体ユニット3410は、回転台後部材3420の前面で回転可能に支持されると共に固定ギア部材3418の固定ギア3418bと噛合し、回転軸に対して偏芯した位置から前方へ突出したリンクピン3421aを有する可動リンクギア3421と、可動リンクギア3421のリンクピン3421aが摺動可能に挿入されると共に可動リンクギア3421の軸芯と軸部材3414の軸芯とを結んだ軸線に対して直角方向へ延びた長孔状の第一リンク溝3422a、第一リンク溝3422aと平行に延びると共に可動リンクギア3421の軸芯と軸部材3414の軸芯とを結んだ軸線を中心として対称な位置に配置された長孔状の一対の第二リンク溝3422bを有し、可動リンクギア3421の軸芯と軸部材3414の軸芯とを結んだ軸線方向へスライド可能とされた板状の揺動部材3422と、を備えている。
更に、回転体ユニット3410は、揺動部材3422の第二リンク溝3422b内へ摺動可能に挿入され前後方向へ延びた挿入ピン3423a、挿入ピン3423aの後端から揺動部材3422に沿って揺動部材3422の外側へ延びた駆動アーム部3423b、駆動アーム部3423bの挿入ピン3423aとは反対側の端部に形成され回転台後部材3420によって回転可能に支持される軸部3423c、軸部3423cから駆動アーム部3423bとは異なる方向へ長く延出し外面に装飾が形成された作動アーム部3423dを有した一対のアーム部材3423と、アーム部材3423及び揺動部材3422を前側から覆うように回転台後部材3420の前面に取付けられ、揺動部材3422を可動リンクギア3421の軸芯と軸部材3414の軸芯とを結んだ軸線方向へスライド可能に支持すると共に回転台後部材3420と協働して軸部3423cを回転可能に支持し、軸部材3414の先端が通過すると共に軸部材3414と一体回転可能に嵌合する嵌合孔3424aを有した回転台前部材3424と、を備えている。
回転体ユニット3410の固定ギア部材3418は、円筒状の内部が、回転カプラ3413や軸部材3414が接触しないような内面形状に形成されており、組立てた状態で軸部材3414の前端が前方へ所定量突出する長さとされている。なお、本例では、固定ギア部材3418における固定ギア3418bの歯数が30個とされていると共に、固定ギア3418bと噛合する可動リンクギア3421の歯数が10個とされている。これにより、相対的に固定ギア3418bが一回転すると可動リンクギア3421が三回転するようになっており、可動リンクギア3421が固定ギア部材3418(固定ギア3418b)の周りを一回公転する間に可動リンクギア3421が三回自転するようになっている。
また、回転体ユニット3410の回転台前部材3420は、前後方向へ貫通し固定ギア部材3418が通過可能な貫通孔3420aよりも外側の位置から前方へ延出し可動リンクギア3421を回転可能に支持するための軸ピン3420bと、軸ピン3420bの中心と貫通孔3420aの中心とを結んだ軸線を挟んで両側に対称に配置されると共に軸線から貫通孔3420aの半径よりも離れた位置に夫々配置されアーム部材3423における軸部3423cの後端を回転可能に支持する軸受部3420cと、軸ピン3420bの中心と貫通孔3420aの中心とを結んだ軸線上で軸ピン3420bを挟んで貫通孔3420aとは反対側に配置され後方へ突出した板状の検知片3420dと、を備えている。
更に、回転体ユニット3410の揺動部材3422の第一リンク溝3422aは、その長手方向中央が、可動リンクギア3421の軸芯と軸部材3414の軸芯とを結んだ軸線と一致するように形成されている。また、揺動部材3422は、固定ギア部材3418の先端側が通過可能とされ可動リンクギア3421の軸芯と軸部材3414の軸芯とを結んだ軸線の方向へ延びるU字状の切欠部3422cと、切欠部3422cの両側で可動リンクギア3421の軸芯と軸部材3414の軸芯とを結んだ軸線と平行に延び回転体前部材3424に案内される案内突条3422dと、を更に備えており、案内突条3422dよりも軸線に対して外側に第二リンク溝3422bが配置されている。
また、回転体ユニット3410のアーム部材3423における作動アーム部3423dは、軸部3423cとは反対側の先端側が可動リンクギア3421の軸芯と軸部材3414の軸芯とを結んだ軸線へ接近する方向へ屈曲したく字状に形成されており、先端に手を模した円形状の装飾が形成されている。
更に、回転体ユニット3410の回転台前部材3424は、軸部材3414の前端と嵌合する嵌合孔3424aを前端に有した円筒状の筒部3424bと、筒部3424bの後端から揺動部材3422と平行に延びると共に回転台後部材3420の前面を略被覆する板状の本体部3424cと、を更に備えている。回転台前部材3424の筒部3424bは、内面形状が固定ギア部材3418と接触しない大きさに形成されており、固定ギア部材3418の固定ギア3418bよりも前側を収容することができるようになっている。
また、回転台前部材3424は、可動リンクギア3421の軸芯と軸部材3414の軸芯とを結んだ軸線を挟んで両側の対称の位置から後方へ延出しアーム部材3423の軸部3423cを回転可能に支持するための一対の支持ピン3424dと、一対の支持ピン3424dの間に配置され可動リンクギア3421の軸芯と軸部材3414の軸芯とを結んだ軸線と平行に延びると共に揺動部材3422の案内突条3422dをスライド可能に案内する案内部3424eと、を備えている(図148を参照)。回転台前部材3424の案内部3424eによって揺動部材3422を可動リンクギア3421の軸芯と軸部材3414の軸芯とを結んだ軸線方向へスライドさせることができるようになっている。
更に、回転体ユニット3410は、回転体ベース3411の後側に取付けられ回転駆動モータ3412の取付部を覆うモータカバー3425と、モータカバー3425と回転体ベース3411との間に挟持され回転台後部材3420の検知片3420dを検知するための回転検知センサ3426と、回転体ベース3411の前側に取付けられ前面に立体的な装飾が形成されると共に部分的に透光性を有するように形成され、ガイドリング3419が通過可能な大きさの貫通孔3427a、及び回転検知センサ3426の検知部が通過可能な開口3427bを有した回転体ベース飾り3427と、を備えている。
この回転体ユニット3410の回転体ベース飾り3427は、正面視の形状が回転体ベース3411よりもひと回り大きい砲弾状に形成されており、貫通孔3427aを囲むように複数の円形の透光部3427cが馬蹄形状に列設されている。
また、回転体ユニット3410は、回転体ベース飾り3427の後側に取付けられ前面に複数のLEDが実装されたべース装飾基板3428を、更に備えている。ベース装飾基板3428は、図示するように、馬蹄形状に形成されており、回転体ベース飾り3427の複数の透光部3427cと対応する位置に夫々LEDが配置されている。このベース装飾基板3428は、実装されたLEDを適宜発光させることで回転体ベース飾り3427を発光装飾させることができるようになっている。
更に、回転体ユニット3410は、固定ギア部材3418の前端に配置されると共に回転台前部材3424の筒部3424b内に配置される滑りワッシャ3429と、回転台前部材3424の筒部3424bの外周に挿入されると共に後端が回転台前部材3424における本体部3424cの前面と接触し回転ヘッド装飾基板3416を支持する基板支持部材3430と、回転台後部材3420の前側に取付けられ軸ピン3420bを挟んで貫通孔3420aとは反対側の前面を被覆する回転体カバー3431と、を備えている。
この回転体ユニット3410は、回転駆動モータ3412より、回転カプラ3413、軸部材3414、回転ヘッド3415、回転台後部材3420、可動リンクギア3421、揺動部材3422、アーム部材3423、回転台前部材3424、及び回転台カバー3431が回転するようになっており、これらが回転装飾体3410Aを構成している。
[2−10B.回転装飾体の動作]
続いて、主に図149乃至図151を参照して、左右可動演出ユニット3400の回転体ユニット3410における回転装飾体3410Aの動きについて説明する。本例の回転体ユニット3410は、遊技状態に応じて回転駆動モータ3412の回転軸を回転駆動させると、回転駆動モータ3412の回転軸に取付けられた回転カプラ3413を介して前方へ延びた軸部材3414が回転するようになっている。この軸部材3414の先端には回転ヘッド3415が取付けられており、回転駆動モータ3412によって回転体ユニット3410の最前端に配置され略半球状の回転ヘッド3415が回転するようになっている。
また、回転装飾体3410Aにおける軸部材3414の前端は、回転台前部材3424の嵌合孔3424aに嵌合挿入されており、軸部材3414と一緒に回転台前部材3424が一体回転するようになっている。この回転台前部材3424は、揺動部材3422をスライド可能に支持すると共に、一対のアーム部材3423の軸部3423cを回転可能に支持し、更に、後側に配置された回転台後部材3420の前面に取付けられているので、軸部材3414を介して回転台前部材3424が回転することで、揺動部材3422、アーム部材3423、及び回転台後部材3420も、回転台前部材3424と一緒に軸部材3414の軸芯を中心として一体回転するようになっている。また、回転台後部材3420は、軸部材3414の軸芯から離れた位置に可動リンクギア3421を回転可能に支持しているので、回転台後部材3420の回転と一緒に可動リンクギア3421が軸部材3414の軸芯を中心として公転するようになっている。
一方、軸部材3414と同軸上に配置された固定ギア部材3418は、回転駆動モータ3412が取付けられた回転体ベース3411に取付固定されており、回転駆動モータ3412の回転軸を回転駆動させても、回転しないようになっている。そして、この回転しない固定ギア部材3418の固定ギア3418bに対して、軸部材3414の軸芯を中心として公転する可動リンクギア3421が噛合しているので、可動リンクギア3421を軸支した回転台後部材3420が回転すると、可動リンクギア3421が軸部材3414の軸芯を中心として公転すると同時に回転台後部材3420に対して相対的に回転(自転)するようになっている。
この可動リンクギア3421には、回転軸から偏芯した位置で前方へ突出するリンクピン3421aが備えられており、可動リンクギア3421が回転(自転)することでリンクピン3421aが回転軸(自転軸)周りを公転することとなる。この可動リンクギア3421のリンクピン3421aが公転することで、軸部材3414の軸芯とリンクピン3421aとの距離が接近したり離反したりすることとなる。
本例の回転装飾体3410Aは、可動リンクギア3421のリンクピン3421aが、揺動部材3422における可動リンクギア3421の軸芯と軸部材3414の軸芯とを結んだ軸線に対して直角方向へ延びた第一リンク溝3422aに挿入されていると共に、揺動部材3422が、可動リンクギア3421の軸芯と軸部材3414の軸芯とを結んだ軸線方向へスライド可能に支持されているので、リンクピン3421aが公転すると、リンクピン3421aが第一リンク溝3422a内を摺動すると同時に、第一リンク溝3422aを介してリンクピン3421aが揺動部材3422を可動リンクギア3421の軸芯と軸部材3414の軸芯とを結んだ軸線方向へ押圧することとなり、揺動部材3422が可動リンクギア3421の軸芯と軸部材3414の軸芯とを結んだ軸線方向へスライドするようになっている。
なお、揺動部材3422は、可動リンクギア3421の軸芯と軸部材3414の軸芯とを結んだ軸線方向に対して、リンクピン3421aの公転直径の範囲内で往復スライドするようになっている。
この揺動部材3422がスライドすることで、揺動部材3422の第二リンク溝3422bに挿入されたアーム部材3423の挿入ピン3423aが、可動リンクギア3421の軸芯と軸部材3414の軸芯とを結んだ軸線方向へ押圧されて移動することとなり、この挿入ピン3423aが移動することで、アーム部材3423がその軸部3423cを中心として回動することとなる。これにより、一対のアーム部材3423は、作動アーム部3423dの先端(自由端)が軸部材3414の軸芯に対して接近したり離反したりするような動きをすることとなる。
更に詳述すると、本例の回転体ユニット3410は、図149に示すように、回転装飾体3410Aにおける回転ヘッド3415のハート型に形成された部位を、正面視で略砲弾状に形成された回転体ベース飾り3427(回転体ベース3411)の砲弾の先端側を向くように位置させた状態では、可動リンクギア3421のリンクピン3421aが軸部材3414から最も遠ざかった位置となっていると共に、一対のアーム部材3423における作動アーム部3423dの先端が回転ヘッド3415の後方に位置した状態となっている。これにより、遊技者側からはアーム部材3423の先端が殆ど見えない状態となっている。
この状態から回転駆動モータ3412によって例えば、回転ヘッド3415を時計回りの方向へ回転させると、上述したように、回転装飾体3410A全体が軸部材3414の軸芯を中心として回転することとなり、可動リンクギア3421が軸部材3414の軸芯周り、つまり、可動体ベース3411に固定された固定ギア部材3418の固定ギア3418bの周りを時計方向へ公転することとなる。そして、可動リンクギア3421が固定ギア3418bの周りを公転することで、可動リンクギア3421自体が反時計回りの方向へ回転(自転)することとなり、可動リンクギア3421の自転によって可動リンクギア3421のリンクピン3421aが、軸部材3414の軸芯に対して相対的に接近する方向へ公転移動し、揺動部材3422が軸部材3414に接近する方向へスライド移動することとなる。
この揺動部材3422が、軸部材3414に接近する方向へ移動すると、揺動部材3422の第二リンク溝3422bを介して一対のアーム部材3423が、その作動アーム部3423dの先端が互いに離反する方向へ回動し、作動アーム部3423dの先端が正面視で回転ヘッド3415よりも外側へ移動することとなる。これにより、アーム部材3423(作動アーム部3423d)の先端が遊技者側から良く見える状態となる。
そして、回転装飾部材3410Aの回転により可動リンクギア3421が公転すると共に、可動リンクギア3421のリンクピン3421aが軸部材3414に対して最も接近する位置まで自転すると、揺動部材3422も軸部材3414に対して最も接近した状態となり、一対のアーム部材3423の先端同士も最も離反した状態となる(図150を参照)。なお、本例では、固定ギア部材3418の固定ギア3418bの歯数に対して可動リンクギア3421の歯数が1/3とされているので、図149の状態から時計回りの方向へ60度回転して図150の状態となると、可動リンクギア3421が半回転して一対のアーム部材3423の先端が最も離反した状態となるようになっている。
この状態から回転装飾部材3410Aを更に時計回りの方向へ回転させると、公転することで自転する可動リンクギア3421の公転するリンクピン3421aによって、摺動部材3422が軸部材3414から遠ざかる方向へスライド移動し、摺動部材3422のスライドにより一対のアーム部材3423が、その先端同士が互いに接近する方向へ回動することとなる。そして、図150の状態から回転装飾体3410Aが時計回りの方向へ60度回転すると、可動リンクギア3421のリンクピン3421aが軸部材3414に対して最も離れた位置となり、アーム部材3423の先端同士も最も接近して正面視で回転ヘッド3415の後側に隠れた状態となる(図151を参照)。
本例の回転体ユニット3410は、回転装飾体3410Aが120度回転すると、一対のアーム部材3423の先端が回転ヘッド3415の後側から一回出没するようになっている。つまり、回転装飾体3410Aが一回転すると一対のアーム部材3423の先端が回転ヘッド3415の後側から三回出没するようになっている。
このように、回転体ユニット3410によると、回転駆動モータ3412によって回転装飾体3410Aを回転させると、回転ヘッド3415の後側から一対のアーム部材3423が出没するので、回転する回転装飾体3410Aの外観が大きく変化させることができ、遊技者を楽しませることができると共に、遊技者の関心を強く引付けることができるようになっている。
また、回転体ユニット3410は、前後方向へ延びる軸部材3414の前端に取付けられた回転ヘッド3415等の荷重によって軸部材3414の前端側が下方へ移動するような力が作用しても、軸部材3414の後端に取付けられた円盤状の回転カプラ3413の後面が、回転体ベース3411の前面と接触するようにしているので、軸部材3414が前後方向へ延びた軸線に対して倒れ難くすることができ、軸部材3414を真直ぐな状態にして回転ヘッド3415等が偏芯した状態で回転するのを防止することができるようになっている。
[2−10C.スライドユニットの構成]
次に、図152乃至156を主に参照して左右可動演出ユニット3400におけるスライドユニット3500の構成について説明する。本例のスライドユニット3500は、裏箱3001内で開口3001cの右側に取付けられ右スライドユニット3510と、開口3001cの左側に取付けられる左スライドユニット3550と、を備えている。これら右スライドユニット3510と左スライドユニット3550は、互いが対称に形成された形態となっている。
まず、左右可動演出ユニット3400のスライドユニット3500における右スライドユニット3510は、図152乃至図154に示すように、裏箱3001内で開口3001cの右側に取付けられ上下方向へ延びた右ユニットベース3511を備えている。この右ユニットベース3511は、三つの回転体ユニット3410を左右方向へスライド可能に支持するための上支持部3511a、中支持部3511b、及び下支持部3511cの三つの支持部(3511a,3511b,3511c)を備えている。
右ユニットベース3511における各支持部3511a,3511b,3511cには、夫々後述するスライドベース3520,3530,3540が配置され前後方向へ貫通した矩形状のベース用開口部3511dと、ベース用開口部3511dの上側に形成され後述するスライドシャフト3521,3531,3541が配置され前後方向へ貫通した横長矩形状のシャフト用開口部3511eと、を備えている。また、各ベース用開口部3511dには、内周縁の下辺に後述する下部ローラ3524,3534,3544が転動可能とされた左右方向へ延びたレール部3511fが形成されている。
右ユニットベース3511の上支持部3511aは、左右方向に延びた矩形状のベース用開口部3511dとシャフト用開口部3511eが、夫々正面視で左側が低くなるように傾斜した状態に形成されている。また、中支持部3511bは、矩形状のベース用開口部3511dとシャフト用開口部3511eが、正面視で水平方向へ延びた状態に形成されている。更に、下支持部3511cは、左右方向に延びた矩形状のベース用開口部3511dとシャフト用開口部3511eが、夫々正面視で左側が高くなるように傾斜した状態に形成されている。
また、右ユニットベース3511の各支持部3511a,3511b,3511cには、各ベース用開口部3511dの下側に後述するスライド駆動モータ3525,3535,3545を取付けるためのモータ取付部3511gと、モータ取付部3511gと直上のベース用開口部3511dとの間に形成され後述する第一伝達ギア3516の一部が前側へ臨む噛合用開口部3511hと、が形成されている。なお、詳細な説明は省略するが、右ユニットベース3511には、各種部材を取付けるための取付孔や取付ボス等が適宜位置に形成されている。
本例のスライドユニット3500における右スライドユニット3510は、右ユニットベース3511の上支持部3511aにおけるベース用開口部3511dの前面に配置され前側に回転体ユニット3410が取付けられる板状の右上スライドベース3520と、右上スライドベース3520の上端を左右方向へスライド可能に支持すると共に上支持部3511aのシャフト用開口部3511e内に配置され左右方向へ延びた円柱状の右上スライドシャフト3521と、右上スライドシャフト3521の左右両端を支持し右ユニットベース3511の後側に取付けられる右上シャフトブラケット3522と、を備えている。
また、右スライドユニット3510は、右上スライドベース3520の下部に取付けられる右上下部ローラ支持部材3523と、右上下部ローラ支持部材3523の左右両端に回転可能に支持され右ユニットベース3511におけるレール部3511f上を転動可能とされた一対の下部ローラ3524と、右上スライドベース3520を右上スライドシャフト3521に沿って左右方向へ移動させ右ユニットベース3511における上支持部3511aの下側に配置されモータ取付部3511gに取付けられる右上スライド駆動モータ3525と、右ユニットベース3511に取付けられ右上スライドベース3520のスライド位置を検知する右上位置検知センサ3526と、を備えている。
右スライドユニット3510の右上スライドベース3520は、正面視の外形が左右方向へ延びた略矩形状とされている。この右上スライドベース3520は、上辺における右端と左右方向中央付近とに夫々形成され右上スライドシャフト3521を挿通可能な貫通孔を有した一対のスライド受部3520aと、下辺に形成され左右方向へ延びたラックギア3520bと、前後方向に貫通し回転体ユニット3410における回転駆動モータ3412の後部が挿通される挿通孔3520cと、を備えている。また、右上スライドベース3520は、下辺から下方へ板状に延出し右上位置検知センサ3526によって検知可能とされた検知片3520dを備えている。
この右上スライドベース3520は、一対のスライド受部3520aが夫々右上スライドシャフト3521に挿通されたスライドブッシュ3512を介して右上スライドシャフト3521に支持されている。詳細な図示は省略するが、スライドブッシュ3512は、円筒状の一方の端部に外方へ延出した鍔部を備えており、一対のスライド受部3520aの貫通孔に対して鍔部が互いに向き合うように挿入されている。また、右上スライドシャフト3521における一対のスライド受部3520a(スライドブッシュ3512)の間には、円筒状のシャフトカラー3513が挿入されており、このシャフトカラー3513によってスライドブッシュ3512が互いに接近する方向へ移動するのを阻止することができ、スライド受部3520aからスライドブッシュ3512が抜けないようになっている。
右上スライドベース3520における一対のスライド受部3520aは、挿通される右上スライドシャフト3521の長さに対して、約1/2の距離離間して配置されており、右上スライドシャフト3521に対してガタ付き難いようになっている。
右スライドユニット3510の右上スライドシャフト3521は、断面が円形の金属棒によって形成されており剛性の高いものとなっている。また、右スライドユニット3510の右上シャフトブラケット3522は、金属板を適宜折曲げて形成したものであり、右ユニットベース3511の後側に取付けられている。これら右上スライドシャフト3521及び右上シャフトブラケット3522は、上支持部3511aの斜めに傾斜したシャフト用開口部3511eに沿うように取付けられており、右上スライドベース3520をベース用開口部3511dの延びる方向と同じ方向、つまり、正面視で左側が低くなった方向(遊技領域1100の略中心を通る軸線方向)へスライドさせることができるようになっている。
また、右スライドユニット3510における右上下部ローラ支持部材3523に軸支された一対の下部ローラ3524は、右ユニットベース3511の上支持部3511aにおけるベース用開口部3511dの下辺に備えられたレール部3511fを、前後方向から挟むように転動可能に支持されており、右上下部ローラ支持部材3523(右上スライドベース3520の下部)をレール部3511fに沿ってスライド可能に支持すると共に前後方向へ移動するのを規制することができるようになっている。
従って、右スライドユニット3510では、右上スライドベース3520を、右上スライドシャフト3521によって吊持支持すると共に、右上スライドシャフト3521及び右ユニットベース3511の上支持部3511aにおけるレール部3511fによって前後方向への移動を規制しつつ左右方向へスライド可能に支持することができるようになっている。
また、右スライドユニット3510の右上スライド駆動モータ3525は、右ユニットベース3511の前側で上支持部3511aのモータ取付部3511gに対して、回転軸が右ユニットベース3511を貫通して後方へ延出するように取付けられている。
また、右スライドユニット3510は、右ユニットベース3511の後側に配置され右上スライド駆動モータ3525の回転軸に一体回転可能に固定される駆動ギア3514と、駆動ギア3514と噛合し駆動ギア3514よりも大径の大径ギア3515a、及び大径ギア3515aと一体回転し大径ギア3515aよりも小径の小径ギア3515bを有し右ユニットベース3511の後面に軸支される減速ギア3515と、減速ギア3515の小径ギア3515bと噛合し右ユニットベース3511の後面に軸支されると共に周面の一部が右ユニットベース3511の噛合用開口部3511eを通して右ユニットベース3511の前面側へ露出する第一伝達ギア3516と、第一伝達ギア3516における噛合用開口部3511eから前面側へ露出した部位と噛合すると共に右上スライドベース3520のラックギア3520bと噛合し右ユニットベース3511の前面に軸支される第二伝達ギア3517と、を備えている。
この右スライドユニット3510は、右上スライド駆動モータ3525によって駆動ギア3514を適宜方向へ回転駆動させると、減速ギア3515、第一伝達ギア3516、及び第二伝達ギア3517を介して右上スライドベース3520のラックギア3520bへ伝達させて右上スライドベース3520を左右方向へスライド駆動させることができるようになっている。これにより、右上スライドベース3520の前面に取付けられる回転体ユニット3410も左右方向へスライドさせることができるようになっている。
本例のスライドユニット3500における右スライドユニット3510は、右ユニットベース3511の中支持部3511bにおけるベース用開口部3511dの前面に配置され前側に回転体ユニット3410が取付けられる板状の右中スライドベース3530と、右中スライドベース3530の上端を左右方向へスライド可能に支持すると共に中支持部3511bのシャフト用開口部3511e内に配置され左右方向へ延びた円柱状の右中スライドシャフト3531と、右中スライドシャフト3531の左右両端を支持し右ユニットベース3511の後側に取付けられる右中シャフトブラケット3532と、を備えている。
また、右スライドユニット3510は、右中スライドベース3530の下部に取付けられる右中下部ローラ支持部材3533と、右中下部ローラ支持部材3533の左右両端に回転可能に支持され右ユニットベース3511におけるレール部3511f上を転動可能とされた一対の下部ローラ3534と、右中スライドベース3530を右中スライドシャフト3531に沿って左右方向へ移動させ右ユニットベース3511における中支持部3511bの下側に配置されモータ取付部3511gに取付けられる右中スライド駆動モータ3535と、右ユニットベース3511に取付けられ右中スライドベース3530のスライド位置を検知する右中位置検知センサ3536と、を備えている。
右スライドユニット3510の右中スライドベース3530は、正面視の外形が左右方向へ延びた略矩形状とされている。この右中スライドベース3530は、上辺における右端と左右方向中央付近とに夫々形成され右中スライドシャフト3531を挿通可能な貫通孔を有した一対のスライド受部3530aと、下辺に形成され左右方向へ延びたラックギア3530bと、前後方向に貫通し回転体ユニット3410における回転駆動モータ3412の後部が挿通される挿通孔3530cと、を備えている。また、右中スライドベース3530は、上辺から上方へ板状に延出し右中位置検知センサ3536によって検知可能とされた検知片3530dを備えている。
この右中スライドベース3530は、一対のスライド受部3530aが夫々右中スライドシャフト3531に挿通されたスライドブッシュ3512を介して右中スライドシャフト3531に支持されている。詳細な図示は省略するが、スライドブッシュ3512は、円筒状の一方の端部に外方へ延出した鍔部を備えており、一対のスライド受部3530aの貫通孔に対して鍔部が互いに向き合うように挿入されている。また、右中スライドシャフト3531における一対のスライド受部3530a(スライドブッシュ3512)の間には、円筒状のシャフトカラー3513が挿入されており、このシャフトカラー3513によってスライドブッシュ3512が互いに接近する方向へ移動するのを阻止することができ、スライド受部3530aからスライドブッシュ3512が抜けないようになっている。
右中スライドベース3530における一対のスライド受部3530aは、挿通される右中スライドシャフト3531の長さに対して、約1/3の距離離間して配置されており、右中スライドシャフト3531に対してガタ付き難いようになっている。
右スライドユニット3510の右中スライドシャフト3531は、断面が円形の金属棒によって形成されており剛性の高いものとなっている。また、右スライドユニット3510の右中シャフトブラケット3532は、金属板を適宜折曲げて形成したものであり、右ユニットベース3511の後側に取付けられている。これら右中スライドシャフト3531及び右中シャフトブラケット3532は、中支持部3511bの水平に延びたシャフト用開口部3511eに沿うように取付けられており、右中スライドベース3530をベース用開口部3511dの延びる方向と同じ方向、つまり、正面視で水平方向(遊技領域1100の略中心を通る軸線方向)へスライドさせることができるようになっている。
また、右スライドユニット3510における右中下部ローラ支持部材3533に軸支された一対の下部ローラ3534は、右ユニットベース3511の中支持部3511bにおけるベース用開口部3511dの下辺に備えられたレール部3511fを、前後方向から挟むように転動可能に支持されており、右中下部ローラ支持部材3533(右中スライドベース3530の下部)をレール部3511fに沿ってスライド可能に支持すると共に前後方向へ移動するのを規制することができるようになっている。
従って、右スライドユニット3510では、右中スライドベース3530を、右中スライドシャフト3531によって吊持支持すると共に、右中スライドシャフト3531及び右ユニットベース3511の中支持部3511bにおけるレール部3511fによって前後方向への移動を規制しつつ左右方向へスライド可能に支持することができるようになっている。
また、右スライドユニット3510の右中スライド駆動モータ3535は、右ユニットベース3511の前側で中支持部3511bのモータ取付部3511gに対して、回転軸が右ユニットベース3511を貫通して後方へ延出するように取付けられている。
また、右スライドユニット3510は、右ユニットベース3511の後側に配置され右中スライド駆動モータ3535の回転軸に一体回転可能に固定される駆動ギア3514と、駆動ギア3514と噛合し駆動ギア3514よりも大径の大径ギア3515a、及び大径ギア3515aと一体回転し大径ギア3515aよりも小径の小径ギア3515bを有し右ユニットベース3511の後面に軸支される減速ギア3515と、減速ギア3515の小径ギア3515bと噛合し右ユニットベース3511の後面に軸支されると共に周面の一部が右ユニットベース3511の噛合用開口部3511eを通して右ユニットベース3511の前面側へ露出する第一伝達ギア3516と、第一伝達ギア3516における噛合用開口部3511eから前面側へ露出した部位と噛合すると共に右中スライドベース3530のラックギア3530bと噛合し右ユニットベース3511の前面に軸支される第二伝達ギア3517と、を備えている。
この右スライドユニット3510は、右中スライド駆動モータ3535によって駆動ギア3514を適宜方向へ回転駆動させると、減速ギア3515、第一伝達ギア3516、及び第二伝達ギア3517を介して右中スライドベース3530のラックギア3530bへ伝達させて右中スライドベース3530を左右方向へスライド駆動させることができるようになっている。これにより、右中スライドベース3530の前面に取付けられる回転体ユニット3410も左右方向へスライドさせることができるようになっている。
本例のスライドユニット3500における右スライドユニット3510は、右ユニットベース3511の下支持部3511cにおけるベース用開口部3511dの前面に配置され前側に回転体ユニット3410が取付けられる板状の右下スライドベース3540と、右下スライドベース3540の上端を左右方向へスライド可能に支持すると共に下支持部3511cのシャフト用開口部3511e内に配置され左右方向へ延びた円柱状の右下スライドシャフト3541と、右下スライドシャフト3541の左右両端を支持し右ユニットベース3511の後側に取付けられる右下シャフトブラケット3542と、を備えている。
また、右スライドユニット3510は、右下スライドベース3540の下部に取付けられる右下下部ローラ支持部材3543と、右下下部ローラ支持部材3543の左右両端に回転可能に支持され右ユニットベース3511におけるレール部3511f上を転動可能とされた一対の下部ローラ3544と、右下スライドベース3540を右下スライドシャフト3541に沿って左右方向へ移動させ右ユニットベース3511における下支持部3511cの下側に配置されモータ取付部3511gに取付けられる右下スライド駆動モータ3545と、右ユニットベース3511に取付けられ右下スライドベース3540のスライド位置を検知する右下位置検知センサ3546と、を備えている。
右スライドユニット3510の右下スライドベース3540は、正面視の外形が左右方向へ延びた略矩形状とされている。この右下スライドベース3540は、上辺における右端と左右方向中央付近とに夫々形成され右下スライドシャフト3541を挿通可能な貫通孔を有した一対のスライド受部3540aと、下辺に形成され左右方向へ延びたラックギア3540bと、前後方向に貫通し回転体ユニット3410における回転駆動モータ3412の後部が挿通される挿通孔3540cと、を備えている。また、右下スライドベース3540は、下辺から下方へ板状に延出し右下位置検知センサ3546によって検知可能とされた検知片3540dを備えている。
この右下スライドベース3540は、一対のスライド受部3540aが夫々右下スライドシャフト3541に挿通されたスライドブッシュ3512を介して右下スライドシャフト3541に支持されている。詳細な図示は省略するが、スライドブッシュ3512は、円筒状の一方の端部に外方へ延出した鍔部を備えており、一対のスライド受部3540aの貫通孔に対して鍔部が互いに向き合うように挿入されている。また、右下スライドシャフト3541における一対のスライド受部3540a(スライドブッシュ3512)の間には、円筒状のシャフトカラー3513が挿入されており、このシャフトカラー3513によってスライドブッシュ3512が互いに接近する方向へ移動するのを阻止することができ、スライド受部3540aからスライドブッシュ3512が抜けないようになっている。
右下スライドベース3540における一対のスライド受部3540aは、挿通される右下スライドシャフト3541の長さに対して、約1/2の距離離間して配置されており、右下スライドシャフト3541に対してガタ付き難いようになっている。
右スライドユニット3510の右下スライドシャフト3541は、断面が円形の金属棒によって形成されており剛性の高いものとなっている。また、右スライドユニット3510の右下シャフトブラケット3542は、金属板を適宜折曲げて形成したものであり、右ユニットベース3511の後側に取付けられている。これら右下スライドシャフト3541及び右下シャフトブラケット3542は、下支持部3511cの斜めに傾斜したシャフト用開口部3511eに沿うように取付けられており、右下スライドベース3540をベース用開口部3511dの延びる方向と同じ方向、つまり、正面視で左側が高くなった方向(遊技領域1100の略中心を通る軸線方向)へスライドさせることができるようになっている。
また、右スライドユニット3510における右下下部ローラ支持部材3543に軸支された一対の下部ローラ3544は、右ユニットベース3511の下支持部3511cにおけるベース用開口部3511dの下辺に備えられたレール部3511fを、前後方向から挟むように転動可能に支持されており、右下下部ローラ支持部材3543(右下スライドベース3540の下部)をレール部3511fに沿ってスライド可能に支持すると共に前後方向へ移動するのを規制することができるようになっている。
従って、右スライドユニット3510では、右下スライドベース3540を、右下スライドシャフト3541によって吊持支持すると共に、右下スライドシャフト3541及び右ユニットベース3511の下支持部3511cにおけるレール部3511fによって前後方向への移動を規制しつつ左右方向へスライド可能に支持することができるようになっている。
また、右スライドユニット3510の右下スライド駆動モータ3545は、右ユニットベース3511の前側で下支持部3511cのモータ取付部3511gに対して、回転軸が右ユニットベース3511を貫通して後方へ延出するように取付けられている。
また、右スライドユニット3510は、右ユニットベース3511の後側に配置され右下スライド駆動モータ3545の回転軸に一体回転可能に固定される駆動ギア3514と、駆動ギア3514と噛合し駆動ギア3514よりも大径の大径ギア3515a、及び大径ギア3515aと一体回転し大径ギア3515aよりも小径の小径ギア3515bを有し右ユニットベース3511の後面に軸支される減速ギア3515と、減速ギア3515の小径ギア3515bと噛合し右ユニットベース3511の後面に軸支されると共に周面の一部が右ユニットベース3511の噛合用開口部3511eを通して右ユニットベース3511の前面側へ露出する第一伝達ギア3516と、第一伝達ギア3516における噛合用開口部3511eから前面側へ露出した部位と噛合すると共に右下スライドベース3540のラックギア3540bと噛合し右ユニットベース3511の前面に軸支される第二伝達ギア3517と、を備えている。
この右スライドユニット3510は、右下スライド駆動モータ3545によって駆動ギア3514を適宜方向へ回転駆動させると、減速ギア3515、第一伝達ギア3516、及び第二伝達ギア3517を介して右下スライドベース3540のラックギア3540bへ伝達させて右下スライドベース3540を左右方向へスライド駆動させることができるようになっている。これにより、右下スライドベース3540の前面に取付けられる回転体ユニット3410も左右方向へスライドさせることができるようになっている。
なお、図中の符号3518は、右ユニットベース3511の前面に取付けられ、回転体ユニット3410の回転駆動モータ3412、回転ヘッド装飾基板3416、回転検知センサ3426、及びベース装飾基板3428と、右部中継基板3018とを接続するための配線部材(図示は省略する)を押えるための配線押えである。
続いて、左右可動演出ユニット3400のスライドユニット3500における左スライドユニット3550は、図155乃至図157に示すように、裏箱3001内で開口3001cの左側に取付けられ上下方向へ延びた左ユニットベース3551を備えている。この左ユニットベース3551は、三つの回転体ユニット3410を左右方向へスライド可能に支持するための上支持部3551a、中支持部3551b、及び下支持部3551cの三つの支持部(3551a,3551b,3551c)を備えている。
左ユニットベース3551における各支持部3551a,3551b,3551cには、夫々後述するスライドベース3560,3570,3580が配置され前後方向へ貫通した矩形状のベース用開口部3551dと、ベース用開口部3551dの上側に形成され後述するスライドシャフト3561,3571,3581が配置され前後方向へ貫通した横長矩形状のシャフト用開口部3551eと、を備えている。また、各ベース用開口部3551dには、内周縁の下辺に後述する下部ローラ3564,3574,3584が転動可能とされた左右方向へ延びたレール部3551fが形成されている。
左ユニットベース3551の上支持部3551aは、左右方向に延びた矩形状のベース用開口部3551dとシャフト用開口部3551eが、夫々正面視で右側が低くなるように傾斜した状態に形成されている。また、中支持部3551bは、矩形状のベース用開口部3551dとシャフト用開口部3551eが、正面視で水平方向へ延びた状態に形成されている。更に、下支持部3551cは、左右方向に延びた矩形状のベース用開口部3551dとシャフト用開口部3551eが、夫々正面視で右側が高くなるように傾斜した状態に形成されている。
また、左ユニットベース3551の各支持部3551a,3551b,3551cには、各ベース用開口部3551dの下側に後述するスライド駆動モータ3565,3575,3585を取付けるためのモータ取付部3551gと、モータ取付部3551gと直上のベース用開口部3551dとの間に形成され後述する第一伝達ギア3556の一部が前側へ臨む噛合用開口部3551hと、が形成されている。なお、詳細な説明は省略するが、左ユニットベース3551には、各種部材を取付けるための取付孔や取付ボス等が適宜位置に形成されている。
本例のスライドユニット3500における左スライドユニット3550は、左ユニットベース3551の上支持部3551aにおけるベース用開口部3551dの前面に配置され前側に回転体ユニット3410が取付けられる板状の左上スライドベース3560と、左上スライドベース3560の上端を左右方向へスライド可能に支持すると共に上支持部3551aのシャフト用開口部3551e内に配置され左右方向へ延びた円柱状の左上スライドシャフト3561と、左上スライドシャフト3561の左右両端を支持し左ユニットベース3551の後側に取付けられる左上シャフトブラケット3562と、を備えている。
また、左スライドユニット3550は、左上スライドベース3560の下部に取付けられる左上下部ローラ支持部材3563と、左上下部ローラ支持部材3563の左右両端に回転可能に支持され左ユニットベース3551におけるレール部3551f上を転動可能とされた一対の下部ローラ3564と、左上スライドベース3560を左上スライドシャフト3561に沿って左右方向へ移動させ左ユニットベース3551における上支持部3551aの下側に配置されモータ取付部3551gに取付けられる左上スライド駆動モータ3565と、左ユニットベース3551に取付けられ左上スライドベース3560のスライド位置を検知する左上位置検知センサ3566と、を備えている。
左スライドユニット3550の左上スライドベース3560は、正面視の外形が左右方向へ延びた略矩形状とされている。この左上スライドベース3560は、上辺における左端と左右方向中央付近とに夫々形成され左上スライドシャフト3561を挿通可能な貫通孔を有した一対のスライド受部3560aと、下辺に形成され左右方向へ延びたラックギア3560bと、前後方向に貫通し回転体ユニット3410における回転駆動モータ3412の後部が挿通される挿通孔3560cと、を備えている。また、左上スライドベース3560は、下辺から下方へ板状に延出し左上位置検知センサ3566によって検知可能とされた検知片3560dを備えている。
この左上スライドベース3560は、一対のスライド受部3560aが夫々左上スライドシャフト3561に挿通されたスライドブッシュ3552を介して左上スライドシャフト3561に支持されている。詳細な図示は省略するが、スライドブッシュ3552は、円筒状の一方の端部に外方へ延出した鍔部を備えており、一対のスライド受部3560aの貫通孔に対して鍔部が互いに向き合うように挿入されている。また、左上スライドシャフト3561における一対のスライド受部3560a(スライドブッシュ3552)の間には、円筒状のシャフトカラー3553が挿入されており、このシャフトカラー3553によってスライドブッシュ3552が互いに接近する方向へ移動するのを阻止することができ、スライド受部3560aからスライドブッシュ3552が抜けないようになっている。
左上スライドベース3560における一対のスライド受部3560aは、挿通される左上スライドシャフト3561の長さに対して、約1/2の距離離間して配置されており、左上スライドシャフト3561に対してガタ付き難いようになっている。
左スライドユニット3550の左上スライドシャフト3561は、断面が円形の金属棒によって形成されており剛性の高いものとなっている。また、左スライドユニット3550の左上シャフトブラケット3562は、金属板を適宜折曲げて形成したものであり、左ユニットベース3551の後側に取付けられている。これら左上スライドシャフト3561及び左上シャフトブラケット3562は、上支持部3551aの斜めに傾斜したシャフト用開口部3551eに沿うように取付けられており、左上スライドベース3560をベース用開口部3551dの延びる方向と同じ方向、つまり、正面視で右側が低くなった方向(遊技領域1100の略中心を通る軸線方向)へスライドさせることができるようになっている。
また、左スライドユニット3550における左上下部ローラ支持部材3563に軸支された一対の下部ローラ3564は、左ユニットベース3551の上支持部3551aにおけるベース用開口部3551dの下辺に備えられたレール部3551fを、前後方向から挟むように転動可能に支持されており、左上下部ローラ支持部材3563(左上スライドベース3560の下部)をレール部3551fに沿ってスライド可能に支持すると共に前後方向へ移動するのを規制することができるようになっている。
従って、左スライドユニット3550では、左上スライドベース3560を、左上スライドシャフト3561によって吊持支持すると共に、左上スライドシャフト3561及び左ユニットベース3551の上支持部3551aにおけるレール部3551fによって前後方向への移動を規制しつつ左右方向へスライド可能に支持することができるようになっている。
また、左スライドユニット3550の左上スライド駆動モータ3565は、左ユニットベース3551の前側で上支持部3551aのモータ取付部3551gに対して、回転軸が左ユニットベース3551を貫通して後方へ延出するように取付けられている。
また、左スライドユニット3550は、左ユニットベース3551の後側に配置され左上スライド駆動モータ3565の回転軸に一体回転可能に固定される駆動ギア3554と、駆動ギア3554と噛合し駆動ギア3554よりも大径の大径ギア3555a、及び大径ギア3555aと一体回転し大径ギア3555aよりも小径の小径ギア3555bを有し右ユニットベース3551の後面に軸支される減速ギア3555と、減速ギア3555の小径ギア3555bと噛合し左ユニットベース3551の後面に軸支されると共に周面の一部が左ユニットベース3551の噛合用開口部3551eを通して左ユニットベース3551の前面側へ露出する第一伝達ギア3556と、第一伝達ギア3556における噛合用開口部3551eから前面側へ露出した部位と噛合すると共に左上スライドベース3560のラックギア3560bと噛合し左ユニットベース3551の前面に軸支される第二伝達ギア3557と、を備えている。
この左スライドユニット3550は、左上スライド駆動モータ3565によって駆動ギア3554を適宜方向へ回転駆動させると、減速ギア3555、第一伝達ギア3556、及び第二伝達ギア3557を介して左上スライドベース3560のラックギア3560bへ伝達させて左上スライドベース3560を左右方向へスライド駆動させることができるようになっている。これにより、左上スライドベース3560の前面に取付けられる回転体ユニット3410も左右方向へスライドさせることができるようになっている。
本例のスライドユニット3500における左スライドユニット3550は、左ユニットベース3551の中支持部3551bにおけるベース用開口部3551dの前面に配置され前側に回転体ユニット3410が取付けられる板状の左中スライドベース3570と、左中スライドベース3570の上端を左右方向へスライド可能に支持すると共に中支持部3551bのシャフト用開口部3551e内に配置され左右方向へ延びた円柱状の左中スライドシャフト3571と、左中スライドシャフト3571の左右両端を支持し左ユニットベース3551の後側に取付けられる左中シャフトブラケット3572と、を備えている。
また、左スライドユニット3550は、左中スライドベース3570の下部に取付けられる左中下部ローラ支持部材3573と、左中下部ローラ支持部材3573の左右両端に回転可能に支持され左ユニットベース3551におけるレール部3551f上を転動可能とされた一対の下部ローラ3574と、左中スライドベース3570を左中スライドシャフト3571に沿って左右方向へ移動させ左ユニットベース3551における中支持部3551bの下側に配置されモータ取付部3551gに取付けられる左中スライド駆動モータ3575と、左ユニットベース3551に取付けられ左中スライドベース3570のスライド位置を検知する左中位置検知センサ3576と、を備えている。
左スライドユニット3550の左中スライドベース3570は、正面視の外形が左右方向へ延びた略矩形状とされている。この左中スライドベース3570は、上辺における左端と左右方向中央付近とに夫々形成され左中スライドシャフト3571を挿通可能な貫通孔を有した一対のスライド受部3570aと、下辺に形成され左右方向へ延びたラックギア3570bと、前後方向に貫通し回転体ユニット3410における回転駆動モータ3412の後部が挿通される挿通孔3570cと、を備えている。また、左中スライドベース3570は、上辺から上方へ板状に延出し左中位置検知センサ3576によって検知可能とされた検知片3570dを備えている。
この左中スライドベース3570は、一対のスライド受部3570aが夫々左中スライドシャフト3571に挿通されたスライドブッシュ3552を介して左中スライドシャフト3571に支持されている。詳細な図示は省略するが、スライドブッシュ3552は、円筒状の一方の端部に外方へ延出した鍔部を備えており、一対のスライド受部3570aの貫通孔に対して鍔部が互いに向き合うように挿入されている。また、左中スライドシャフト3571における一対のスライド受部3570a(スライドブッシュ3552)の間には、円筒状のシャフトカラー3553が挿入されており、このシャフトカラー3553によってスライドブッシュ3552が互いに接近する方向へ移動するのを阻止することができ、スライド受部3570aからスライドブッシュ3552が抜けないようになっている。
左中スライドベース3570における一対のスライド受部3570aは、挿通される左中スライドシャフト3571の長さに対して、約1/3の距離離間して配置されており、左中スライドシャフト3571に対してガタ付き難いようになっている。
左スライドユニット3550の左中スライドシャフト3571は、断面が円形の金属棒によって形成されており剛性の高いものとなっている。また、左スライドユニット3550の左中シャフトブラケット3572は、金属板を適宜折曲げて形成したものであり、左ユニットベース3551の後側に取付けられている。これら左中スライドシャフト3571及び左中シャフトブラケット3572は、中支持部3551bの水平に延びたシャフト用開口部3551eに沿うように取付けられており、左中スライドベース3570をベース用開口部3551dの延びる方向と同じ方向、つまり、正面視で水平方向(遊技領域1100の略中心を通る軸線方向)へスライドさせることができるようになっている。
また、左スライドユニット3550における左中下部ローラ支持部材3573に軸支された一対の下部ローラ3574は、左ユニットベース3551の中支持部3551bにおけるベース用開口部3551dの下辺に備えられたレール部3551fを、前後方向から挟むように転動可能に支持されており、左中下部ローラ支持部材3573(左中スライドベース3570の下部)をレール部3551fに沿ってスライド可能に支持すると共に前後方向へ移動するのを規制することができるようになっている。
従って、左スライドユニット3550では、左中スライドベース3570を、左中スライドシャフト3571によって吊持支持すると共に、左中スライドシャフト3571及び左ユニットベース3551の中支持部3551bにおけるレール部3551fによって前後方向への移動を規制しつつ左右方向へスライド可能に支持することができるようになっている。
また、左スライドユニット3550の左中スライド駆動モータ3575は、左ユニットベース3551の前側で中支持部3551bのモータ取付部3551gに対して、回転軸が左ユニットベース3551を貫通して後方へ延出するように取付けられている。
また、左スライドユニット3550は、左ユニットベース3551の後側に配置され左中スライド駆動モータ3575の回転軸に一体回転可能に固定される駆動ギア3554と、駆動ギア3554と噛合し駆動ギア3554よりも大径の大径ギア3555a、及び大径ギア3555aと一体回転し大径ギア3555aよりも小径の小径ギア3555bを有し左ユニットベース3551の後面に軸支される減速ギア3555と、減速ギア3555の小径ギア3555bと噛合し左ユニットベース3551の後面に軸支されると共に周面の一部が左ユニットベース3551の噛合用開口部3551eを通して左ユニットベース3551の前面側へ露出する第一伝達ギア3556と、第一伝達ギア3556における噛合用開口部3551eから前面側へ露出した部位と噛合すると共に左中スライドベース3570のラックギア3570bと噛合し左ユニットベース3551の前面に軸支される第二伝達ギア3557と、を備えている。
この左スライドユニット3550は、左中スライド駆動モータ3575によって駆動ギア3554を適宜方向へ回転駆動させると、減速ギア3555、第一伝達ギア3556、及び第二伝達ギア3557を介して左中スライドベース3570のラックギア3570bへ伝達させて左中スライドベース3570を左右方向へスライド駆動させることができるようになっている。これにより、左中スライドベース3570の前面に取付けられる回転体ユニット3410も左右方向へスライドさせることができるようになっている。
本例のスライドユニット3500における左スライドユニット3550は、左ユニットベース3551の下支持部3551cにおけるベース用開口部3551dの前面に配置され前側に回転体ユニット3410が取付けられる板状の左下スライドベース3580と、左下スライドベース3580の上端を左右方向へスライド可能に支持すると共に下支持部3551cのシャフト用開口部3551e内に配置され左右方向へ延びた円柱状の左下スライドシャフト3581と、左下スライドシャフト3581の左右両端を支持し左ユニットベース3551の後側に取付けられる左下シャフトブラケット3582と、を備えている。
また、左スライドユニット3550は、左下スライドベース3580の下部に取付けられる左下下部ローラ支持部材3583と、左下下部ローラ支持部材3583の左右両端に回転可能に支持され左ユニットベース3551におけるレール部3551f上を転動可能とされた一対の下部ローラ3584と、左下スライドベース3580を左下スライドシャフト3581に沿って左右方向へ移動させ左ユニットベース3551における下支持部3551cの下側に配置されモータ取付部3551gに取付けられる左下スライド駆動モータ3585と、左ユニットベース3551に取付けられ左下スライドベース3580のスライド位置を検知する左下位置検知センサ3586と、を備えている。
左スライドユニット3550の左下スライドベース3580は、正面視の外形が左右方向へ延びた略矩形状とされている。この左下スライドベース3580は、上辺における左端と左右方向中央付近とに夫々形成され左下スライドシャフト3581を挿通可能な貫通孔を有した一対のスライド受部3580aと、下辺に形成され左右方向へ延びたラックギア3580bと、前後方向に貫通し回転体ユニット3410における回転駆動モータ3412の後部が挿通される挿通孔3580cと、を備えている。また、左下スライドベース3580は、下辺から下方へ板状に延出し左下位置検知センサ3586によって検知可能とされた検知片3580dを備えている。
この左下スライドベース3580は、一対のスライド受部3580aが夫々左下スライドシャフト3581に挿通されたスライドブッシュ3552を介して左下スライドシャフト3581に支持されている。詳細な図示は省略するが、スライドブッシュ3552は、円筒状の一方の端部に外方へ延出した鍔部を備えており、一対のスライド受部3580aの貫通孔に対して鍔部が互いに向き合うように挿入されている。また、左下スライドシャフト3581における一対のスライド受部3580a(スライドブッシュ3552)の間には、円筒状のシャフトカラー3553が挿入されており、このシャフトカラー3553によってスライドブッシュ3552が互いに接近する方向へ移動するのを阻止することができ、スライド受部3580aからスライドブッシュ3552が抜けないようになっている。
左下スライドベース3580における一対のスライド受部3580aは、挿通される左下スライドシャフト3581の長さに対して、約1/2の距離離間して配置されており、左下スライドシャフト3581に対してガタ付き難いようになっている。
左スライドユニット3550の左下スライドシャフト3581は、断面が円形の金属棒によって形成されており剛性の高いものとなっている。また、左スライドユニット3550の左下シャフトブラケット3582は、金属板を適宜折曲げて形成したものであり、左ユニットベース3551の後側に取付けられている。これら左下スライドシャフト3581及び左下シャフトブラケット3582は、下支持部3551cの斜めに傾斜したシャフト用開口部3551eに沿うように取付けられており、左下スライドベース3580をベース用開口部3551dの延びる方向と同じ方向、つまり、正面視で右側が高くなった方向(遊技領域1100の略中心を通る軸線方向)へスライドさせることができるようになっている。
また、左スライドユニット3550における左下下部ローラ支持部材3583に軸支された一対の下部ローラ3584は、左ユニットベース3551の下支持部3551cにおけるベース用開口部3551dの下辺に備えられたレール部3551fを、前後方向から挟むように転動可能に支持されており、左下下部ローラ支持部材3583(左下スライドベース3580の下部)をレール部3551fに沿ってスライド可能に支持すると共に前後方向へ移動するのを規制することができるようになっている。
従って、左スライドユニット3550では、左下スライドベース3580を、左下スライドシャフト3581によって吊持支持すると共に、左下スライドシャフト3581及び左ユニットベース3551の下支持部3551cにおけるレール部3551fによって前後方向への移動を規制しつつ左右方向へスライド可能に支持することができるようになっている。
また、左スライドユニット3550の左下スライド駆動モータ3585は、左ユニットベース3551の前側で下支持部3551cのモータ取付部3551gに対して、回転軸が左ユニットベース3551を貫通して後方へ延出するように取付けられている。
また、左スライドユニット3550は、左ユニットベース3551の後側に配置され左下スライド駆動モータ3585の回転軸に一体回転可能に固定される駆動ギア3554と、駆動ギア3554と噛合し駆動ギア3554よりも大径の大径ギア3555a、及び大径ギア3555aと一体回転し大径ギア3555aよりも小径の小径ギア3555bを有し左ユニットベース3551の後面に軸支される減速ギア3555と、減速ギア3555の小径ギア3555bと噛合し左ユニットベース3551の後面に軸支されると共に周面の一部が左ユニットベース3551の噛合用開口部3551eを通して左ユニットベース3551の前面側へ露出する第一伝達ギア3556と、第一伝達ギア3556における噛合用開口部3551eから前面側へ露出した部位と噛合すると共に左下スライドベース3580のラックギア3580bと噛合し左ユニットベース3551の前面に軸支される第二伝達ギア3557と、を備えている。
この左スライドユニット3550は、左下スライド駆動モータ3585によって駆動ギア3554を適宜方向へ回転駆動させると、減速ギア3555、第一伝達ギア3556、及び第二伝達ギア3557を介して左下スライドベース3580のラックギア3580bへ伝達させて左下スライドベース3580を左右方向へスライド駆動させることができるようになっている。これにより、左下スライドベース3580の前面に取付けられる回転体ユニット3410も左右方向へスライドさせることができるようになっている。
なお、図中の符号3558は、左ユニットベース3551の前面に取付けられ、回転体ユニット3410の回転駆動モータ3412、回転ヘッド装飾基板3416、回転検知センサ3426、及びベース装飾基板3428と、左部中継基板3020とを接続するための配線部材(図示は省略する)を押えるための配線押えである。
[2−10D.スライドユニットによる回転体ユニットの動作]
続いて、主に図158及び図159を参照して、左右可動演出ユニット3400におけるスライドユニット3500による回転体ユニット3410の動きについて説明する。まず、スライドユニット3500の右スライドユニット3510は、図158等に示すように、通常の状態では、右ユニットベース3511の上下方向に列設された三つの支持部3511a,3511b,3511cに夫々配置・支持された回転体ユニット3410が、右端側へ最も移動した状態(初期状態)となっている。この初期状態では、各回転体ユニット3410が右ユニットベース3511の正面投影内に略納まった状態となっている。
また、右スライドユニット3510に支持された各回転体ユニット3410が初期状態(初期位置の状態)では、各回転体ユニット3410が前面に取付けられる各スライドベース3520,3530,3540の検知片3520d,3530d,3540dが、夫々位置検知センサ3526,3536,3546に検知された状態となっている(図152を参照)。
この初期状態から、右ユニットベース3511の各支持部3511a,3511b,3511cのモータ取付部3511gに取付けられたスライド駆動モータ3525,3535,3545により、各駆動ギア3514を所定方向(正面視で時計回りの方向)へ回転駆動させると、駆動ギア3514と噛合した減速ギア3515により、スライド駆動モータ3525,3535,3545の回転数が減速されて第一伝達ギア3516及び第二伝達ギア3517へ伝達され、第二伝達ギア3517と噛合した各スライドベース3520,3530,3540のラックギア3520b,3530b,3540bによって、各スライドベース3520,3530,3540が、正面視で左方向へスライドすることとなる。
そして、各スライドベース3520,3530,3540における左側のスライド受部3520a,3530a,3540の左端が、スライドシャフト3521,3531,3541の左端に取付けられたEリング(詳細な説明及び図示は省略する)に当接すると略同時に各スライド駆動モータ3525,3535,3545の駆動が停止し、スライドベース3520,3530,3540、つまり、各回転体ユニット3410が最も左方向へ移動した出現位置の状態(出現状態)となる。
本例の右スライドユニット3510は、右ユニットベース3511の各支持部3511a,3511b,3511cでは、正面視で遊技領域1100の略中心から放射状へ延びる方向へ、各スライドベース3520,3530,3540(回転体ユニット3410)をスライドさせるようにしているので、各スライドベース3520,3530,3540を最も右側へ移動させた初期状態の位置から、最も左側へ移動した出現状態の位置へ移動させると、各スライドベース3520,3530,3540に取付けられた回転体ユニット3410の先端同士が互いに接近した状態となるようになっている。
また、右スライドユニット3510は、各スライド駆動モータ3525,3535,3545の駆動制御を適宜行うことで、各スライドベース3520,3530,3540(回転体ユニット3410)を夫々独立してスライドさせることができ、多彩な動き(可動演出)のバリエーションを具現化することができるようになっている。
更に、右スライドユニット3510は、スライドベース3520,3530,3540が初期状態、或いは、出現状態の何れの位置でも、回転体ユニット3410の回転装飾体3410Aを回転させることができるようになっており、回転体ユニット3410のスライド演出と、回転装飾体3410Aの回転演出とを適宜組合せた多彩な可動演出を行うことができるようになっている。
また、右スライドユニット3510は、上述したように、各スライドベース3520,3530,3540を金属棒により形成された各スライドシャフト3521,3531,3541により吊持支持させると共に、各スライドシャフト3521,3531,3541を金属板により形成された各シャフトブラケット3522,3532,3542により支持しているので、各スライドベース3520,3530,3540をガタ付かせることなくスムーズにスライド支持さることができるようになっている。従って、右スライドユニット3510は、各スライドベース3520,3530,3540に、回転駆動モータ3412等を備えることで重量の重くなった回転体ユニット3410を取付けても、各スライドベース3520,3530,3540を問題なくスムーズにスライドさせることができるようになっていると共に、回転体ユニット3410の重心が偏芯した回転装飾体3410Aを回転させることで回転体ユニット3410から振動の原因となる変化する偏荷重が作用しても、各スライドベース3520,3530,3540をしっかりと支持して各スライドベース3520,3530,3540が振動するのを防止することができ、回転装飾体3410Aをスムーズに回転させることができるようになっている。
一方、スライドユニット3500の左スライドユニット3550は、図159等に示すように、通常の状態では、左ユニットベース3551の上下方向に列設された三つの支持部3551a,3551b,3551cに夫々配置・支持された回転体ユニット3410が、左端側へ最も移動した状態(初期状態)となっている。この初期状態では、各回転体ユニット3410が左ユニットベース3551の正面投影内に略納まった状態となっている。
また、左スライドユニット3550に支持された各回転体ユニット3410が初期状態(初期位置の状態)では、各回転体ユニット3410が前面に取付けられる各スライドベース3560,3570,3580の検知片3560d,3570d,3580dが、夫々位置検知センサ3566,3576,3586に検知された状態となっている(図155を参照)。
この初期状態から、左ユニットベース3551の各支持部3551a,3551b,3551cのモータ取付部3551gに取付けられたスライド駆動モータ3565,3575,3585により、各駆動ギア3554を所定方向(正面視で反時計回りの方向)へ回転駆動させると、駆動ギア3554と噛合した減速ギア3555により、スライド駆動モータ3565,3575,3585の回転数が減速されて第一伝達ギア3556及び第二伝達ギア3557へ伝達され、第二伝達ギア3557と噛合した各スライドベース3560,3570,3580のラックギア3560b,3570b,3580bによって、各スライドベース3560,3570,3580が、正面視で右方向へスライドすることとなる。
そして、各スライドベース3560,3570,3580における右側のスライド受部3560a,3570a,3580の右端が、スライドシャフト3561,3571,3581の右端に取付けられたEリング(詳細な説明及び図示は省略する)に当接すると略同時に各スライド駆動モータ3565,3575,3585の駆動が停止し、スライドベース3560,3570,3580、つまり、各回転体ユニット3410が最も左方向へ移動した出現位置の状態(出現状態)となる。
本例の左スライドユニット3550は、左ユニットベース3551の各支持部3551a,3551b,3551cでは、正面視で遊技領域1100の略中心から放射状へ延びる方向へ、各スライドベース3560,3570,3580(回転体ユニット3410)をスライドさせるようにしているので、各スライドベース3560,3570,3580を最も左側へ移動させた初期状態の位置から、最も右側へ移動した出現状態の位置へ移動させると、各スライドベース3560,3570,3580に取付けられた回転体ユニット3410の先端同士が互いに接近した状態となるようになっている。
また、左スライドユニット3550は、各スライド駆動モータ3565,3575,3585の駆動制御を適宜行うことで、各スライドベース3560,3570,3580(回転体ユニット3410)を夫々独立してスライドさせることができ、多彩な動き(可動演出)のバリエーションを具現化することができるようになっている。
更に、左スライドユニット3550は、スライドベース3560,3570,3580が初期状態、或いは、出現状態の何れの位置でも、回転体ユニット3410の回転装飾体3410Aを回転させることができるようになっており、回転体ユニット3410のスライド演出と、回転装飾体3410Aの回転演出とを適宜組合せた多彩な可動演出を行うことができるようになっている。
また、左スライドユニット3550は、上述したように、各スライドベース3560,3570,3580を金属棒により形成された各スライドシャフト3561,3571,3581により吊持支持させると共に、各スライドシャフト3561,3571,3581を金属板により形成された各シャフトブラケット3562,3572,3582により支持しているので、各スライドベース3560,3570,3580をガタ付かせることなくスムーズにスライド支持さることができるようになっている。従って、左スライドユニット3550は、各スライドベース3560,3570,3580に、回転駆動モータ3412等を備えることで重量の重くなった回転体ユニット3410を取付けても、各スライドベース3560,3570,3580を問題なくスムーズにスライドさせることができるようになっていると共に、回転体ユニット3410の重心が偏芯した回転装飾体3410Aを回転させることで回転体ユニット3410から振動の原因となる変化する偏荷重が作用しても、各スライドベース3560,3570,3580をしっかりと支持して各スライドベース3560,3570,3580が振動するのを防止することができ、回転装飾体3410Aをスムーズに回転させることができるようになっている。
[2−11.下可動演出ユニット]
次に、裏ユニット3000における下可動演出ユニット3600について、図160乃至図165を主に参照して説明する。図160は遊技盤の裏ユニットにおける下可動演出ユニットを前から見た斜視図であり、図161は下可動演出ユニットを後から見た斜視図である。また、図162は下可動演出ユニットを主な部材毎に分解して前から見た分解斜視図であり、図163は下可動演出ユニットを主な部材毎に分解して後から見た分解斜視図である。更に、図164は、下可動演出ユニットにおける昇降ユニットの動きを示す説明図である。また、図165は、下可動演出ユニットにおける昇降装飾体の動きを示す正面図である。
裏ユニット3000における下可動演出ユニット3600は、裏箱3001内で開口3001cの下側且つ左右方向の略中央に取付けられるものであり、前ユニット2000におけるアタッカーユニット2100の後に位置するようになっている。この下可動演出ユニット3600は、略円筒状の上端が上方へ半球状に膨出したような砲弾状に形成された昇降装飾体3611、昇降装飾体3611を昇降可能に支持する上下方向へ延びた円筒状の昇降軸3612、及び昇降軸3612に支持された昇降装飾体3611を上下方向へ昇降駆動させる昇降ソレノイド3613を少なくとも有した昇降ユニット3610と、二つの昇降ユニット3610を左右方向に隣接した状態で支持し正面視で左右方向の中央よりも右側に配置される右支持ベース3651と、右支持ベース3651の正面視左側に配置され二つの昇降ユニット3610を左右方向に隣接した状態で支持する左支持ベース3652と、を備えている。
本例の下可動演出ユニット3600は、昇降装飾体3611を有した昇降ユニット3610を四つ備えている。
また、下可動演出ユニット3600は、右支持ベース3651及び左支持ベース3652の上端同士を連結すると共に各昇降ユニット3610の昇降軸3612の下端を支持する上カバー3653と、上カバー3653により支持された支持ベース右3651及び支持ベース左3652の前面を覆う前カバー3654と、前カバー3654及び上カバー3653の上側に配置されると共に昇降ユニット3610における昇降装飾体3611が通過可能な貫通孔3655aを有し、裏箱3001の後壁3001bの前面に取付けられる上装飾カバー3655と、を備えている。
下可動演出ユニット3600は、四つの各昇降ユニット3610の上下方向に延びた昇降軸3612に対して、対応する昇降ソレノイド3613が前側又は後側の何れかに配置された状態となっている。詳述すると、右支持ベース3651に支持された正面視右側の昇降ユニット3610では、昇降軸3612よりも後側に昇降ソレノイド3613が配置されていると共に、右支持ベース3651に支持された正面視左側の昇降ユニット3610では、昇降軸3612よりも前側に昇降ソレノイド3613が配置されている。また、左支持ベース3652に支持された正面視右側の昇降ユニット3610では、昇降軸3612よりも前側に昇降ソレノイド3613が配置されていると共に、左支持ベース3652に支持された正面視左側の昇降ユニット3610では、昇降軸3612よりも後側に昇降ソレノイド3613が配置されている。従って、下可動演出ユニット3600全体では、左右方向に配置された四つの昇降装飾体3611のうち、中央側の二つの昇降装飾体3611が、左右両側の二つの昇降装飾体3611よりも若干後方へオフセットした状態となっている。
また、下可動演出ユニット3600は、各昇降ユニット3610における昇降ソレノイド3613が、右支持ベース3651や左支持ベース3652に対して、進退するプランジャが下方へ向かって進退するように支持されている。
本例の下可動演出ユニット3600の昇降ユニット3610は、昇降ソレノイド3613のプランジャの先端(下端)に取付けられるプランジャホルダ3614と、プランジャホルダ3614に下端が連結され、上端が上カバー3653の上面よりも上側に延出すると共に上端に横方向(前後方向)に延びた長孔状のリンク孔3615aを有し、昇降ソレノイド3613の左右何れかの側面に配置された棒状の昇降アーム3615と、昇降アーム3615のリンク孔3615a内へ摺動可能に挿入される左右方向へ延びたリンクピン3616a、リンクピン3616aの基端側から前後方向両側へ延びリンクピン3616aを挟んで一方側に対して他方側が一方側よりも約二倍の長さで延びた棹部3616b、棹部3616bの一方側の端部に形成され昇降ソレノイド3613の直上で上カバー3653の上面に対して回転可能に支持される軸支部3616c、を有する第一アーム3616と、第一アーム3616における他方側の端部に対して下端が回転可能に支持され上方へ第一アーム3616よりも短く延出した第二アーム3617と、第二アーム3617の上端が回転可能に取付けられる連結部3618a、連結部3618aが外周下部に形成され昇降軸3612の外周に挿入される筒状の摺動部3618b、摺動部3618bの上端に形成され昇降装飾体3611の下端が取付けられる円環状の取付部3618cを備えた昇降装飾体ベース3618と、を備えている。
また、昇降ユニット3610は、昇降装飾体3611の内部で昇降軸3612の外周に挿入され、昇降装飾体ベース3618を下方へ付勢するコイル状の付勢部材3619を更に備えている。更に、昇降ユニット3610は、円筒状の昇降軸3612内に挿入され上端が昇降軸3612よりも上側へ突出すると共に下端が昇降軸3612よりも下側へ突出した透明棒状の導光部材3620と、導光部材3620の直下に上方へ向けて光を照射可能なLEDが少なくとも実装された昇降装飾体装飾基板3621と、を備えている。昇降ユニット3610の導光部材3620は、上端に拡散レンズが形成されており、直下に配置された昇降装飾体装飾基板3621のLEDからの光を昇降軸3612の上端へ導いた上で、拡散させて昇降装飾体3611を内側から発光装飾させることができるようになっている。
また、下可動演出ユニット3600は、正面視で中央側に配置された二つの昇降ユニット3610の昇降アーム3615を上下方向へスライド可能に支持すると共に、正面視で左右両側に配置された二つの昇降ユニット3610の昇降装飾体装飾基板3621を支持し、右支持ベース3651や左支持ベース3652に取付けられるガイド部材3656を更に備えている。また、下可動演出ユニット3600は、正面視で左右両側に配置された二つの昇降ユニット3610の昇降アーム3615を上下方向へスライド可能に支持すると共に、正面視で中央側に配置された二つの昇降ユニット3610の昇降装飾体装飾基板3621を支持し、右支持ベース3651と左支持ベース3652を連結するセンター支持部材3657を更に備えている。
更に、下可動演出ユニット3600は、前カバー3654に取付けられ磁気を検出するための磁気検出センサ3660を備えている。この磁気検知センサ3660は、アタッカユニット2100付近に作用する磁気を検出することができ、磁石等を使った不正行為を検出することができるようになっている。
本例の下可動演出ユニット3600の上装飾カバー3655は、前端下部から前方へ延出した延出部3655bを備えている。この延出部3655bは遊技盤4を組立てた状態で前ユニット2000のセンター役物2500におけるステージ2510の直下に位置するようになっている。そして、下可動演出ユニット3600は、上装飾カバー3655の延出部3655bの下側に取付けられ、上面に複数のLEDが実装されたステージ下右装飾基板3661とステージ下左装飾基板3662とを備えている。これらステージ下右装飾基板3661及びステージ下左装飾基板3662によって、センター役物2500のステージ2510を下側から発光装飾させることができるようになっている。
続いて、下可動演出ユニット3600における昇降装飾体3610の動きについて説明する。この下可動演出ユニット3600は、通常の状態では、昇降ユニット3610の付勢部材3619の付勢力と重力とによって昇降装飾体3611が下方へ降下した状態となっている(図165(a)等を参照)。昇降ユニット3610は、昇降装飾体3611が下降した状態では、昇降ソレノイド3613のプランジャが下方へ突出した状態となっている。なお、昇降装飾体3611は、昇降軸3612を支持する上カバー3653の上面に昇降装飾体ベース3618における摺動部3618bの下端が当接することで下方への移動が規制されるようになっている。
昇降ユニット3610は、昇降装飾体3611が下降した通常の状態から、昇降ソレノイド3613に通電することでプランジャを上昇(没入)させると、プランジャの下端に取付けられたプランジャホルダ3614を介して昇降アーム3615が上昇し、この昇降アーム3615が上昇することで、昇降アーム3615のリンク孔3615aに挿入された第一アーム3616のリンクピン3616aも上昇することとなる。このリンクピン3616aを有した第一アーム3616は、リンクピン3616aに近い棹部3616bの一方側の軸支部3616cが上カバー3653に軸支されており、リンクピン3616aの上昇に伴って、軸支部3616cを中心として棹部3616bの他方側が上昇する方向へ回動することとなり、他方側の端部がリンクピン3616aの上昇よりも大きく上昇するようになっている。
そして、第一アーム3616の他方側の端部に支持された第二アーム3617を介して昇降装飾体ベース3618が、昇降軸3612に案内された状態で付勢部材3619の付勢力に抗して上昇することとなる。これにより、昇降ユニット3610の昇降装飾体ベース3618に取付けられた昇降装飾体3611が、上装飾カバー3655の上面よりも大きく上昇(突出)した状態となり(図165(b)を参照)、遊技者側から充分に視認できるようになる(図168を参照)。
なお、上昇した昇降装飾体3611を下降させる場合は、昇降ソレノイド3613への通電を停止させると、付勢部材3619の付勢力によって昇降装飾体ベース3618が下方へ押され、上記と逆の動きをすることで昇降装飾体3611が下降した通常の状態に復帰するようになっている。
また、本例の下可動演出ユニット3600は、四つの昇降装飾体3611が、各昇降ユニット3610に夫々備えられた昇降ソレノイド3613によって、夫々独立して昇降することができるようになっており、四つの昇降装飾体3611の動きを適宜組合せることで、多彩な可動演出をすることができるようになっている。
更に、下可動演出ユニット3600は、昇降装飾体装飾基板3621のLEDからの光を昇降装飾体3611へ誘導(導光)する導光部材3620を位置固定とした上で、導光部材3620に対して昇降装飾体3611を相対的に移動(昇降)させるようにしているので、昇降装飾体3611の移動位置に応じて、導光部材3620から照射される光の範囲を変化させることができ、昇降装飾体3611の発光装飾を変化させることができるようになっている。
[2−12.液晶表示装置]
続いて、本例の遊技盤4における液晶表示装置1900は、裏ユニット3000における裏箱3001の後面に脱着可能に取付けられるようになっており、遊技状態に応じて所定の演出画像を表示することができるようになっている。この液晶表示装置1900は、図115等に示すように、上下両側から外方へ突出した固定片1902を備えており、この固定片1902を介して裏箱3001に取付けられるようになっている。
また、液晶表示装置1900は、図113等に示すように、周辺制御部4140や液晶制御部4150(図169を参照)等を収容した周辺制御基板ボックス1910と、周辺制御基板ボックス1910の下部から後方へ延出したボリューム1912と、を備えている。このボリューム1912を適宜方向へ回転させることで、扉枠5に備えられた各スピーカ130,222,262や本体枠3に備えられたスピーカ821等から出力される音量を調節することができるようになっている。
また、液晶表示装置1900は、バックライト(本例では、冷陰極管)を点灯させるためのインバータ基板4163(図169を参照)を収容したインバータ基板ボックス1920が、背面視で周辺制御基板ボックス1910の左側に備えられている。
[2−13.遊技盤における可動演出]
次に、本実施形態の遊技盤4における各可動演出ユニット3300,3400,3600を用いた可動演出について、図166乃至図168を主に参照して説明する。図166は、遊技盤における裏ユニットの上可動演出ユニットの動きを示す説明図である。また、図167は、遊技盤における裏ユニットの左右可動演出ユニットの動きを示す説明図である。更に、図168は、遊技盤における裏ユニットの下可動演出ユニットの動きを示す説明図である。
本例の遊技盤4は、図110等に示すように、通常の状態では、後ユニット3000に備えられた可動する上可動演出ユニット3300の上可動ユニット3310が上昇した退避位置に位置しており、この状態では、上可動ユニット3310のキャラクタベースカバー3319を除いて前ユニット2000におけるセンター役物2500のセンターロゴ装飾部材2520の後側に位置することとなり、キャラクタ体3311や背面装飾部材3330等が遊技者から見えないようになっている。
また、遊技盤4は、通常の状態では、後ユニット3000における左右可動演出ユニット3400の各回転体ユニット3410が、遊技領域1100の中央から遠ざかった初期状態の位置に位置していると共に、各回転体ユニット3410の回転装飾体3410Aが、回転ヘッド3415におけるハート型の透光性を有した部位が遊技領域1100の中央に対して接近した向きとなる回転位置(回転装飾体3410Aの回転中心と遊技領域1100の中央とを結んだ軸線上で、遊技領域1100の中央に近い側の位置にハート型の部位が位置した状態)で停止した状態となっている。
なお、左右可動演出ユニット3400の各回転体ユニット3410が、初期位置の状態では、回転装飾体3410Aにおける正面視略円形状の回転ヘッド3415が、センター役物2500の右枠の内周に形成された三つの略半円形状に湾曲した窪みや、裏飾りユニット3100の左裏飾り部材3111の右端に形成された三つの略半円形状に湾曲した窪み内に収容された状態となっており、センター役物2500や裏飾りユニット3100等の装飾と一体となっているように見えるようになっている。
更に、遊技盤4は、通常の状態では、後ユニット3000における下可動演出ユニット3600の四つの昇降ユニット3610の各昇降装飾体3611が下降した状態となっており、センター役物2500の透明なステージ2510を通して昇降装飾体3611の上部が僅かに見えるようになっている。
本例の遊技盤4は、上可動演出ユニット3300の昇降駆動モータ3361によりカムリンクギア3364を背面視で時計回りの方向へ回転駆動させると、リンクピン3364bがカムリンクギア3364の回転中心の周りを公転すると共に、昇降アーム3365における長孔状の接続部3365e内を基端部3365aから遠ざかる方向へ摺動することとなる。そして、昇降アーム3365は、接続部3365e内を摺動するリンクピン3364bの公転に伴って、基端部3365aを中心として回動することとなる。
そして、昇降アーム3365が背面視で時計回りの方向へ回動すると、連結摺動部材3365が、昇降アーム3365の連結部3365b内を摺動すると同時に案内溝3351a内を摺動し、連結摺動部材3365に支持された連結軸3366を介して昇降スライダ3354つまり上可動ユニット3310が下方へスライド(昇降)することとなる。
これにより、上可動ユニット3310の一対のキャラクタ体3311や背面装飾部材3330等が、センター役物2500のセンターロゴ装飾部材2520よりも下側に位置した状態となり、図166に示すように、遊技者側からキャラクタ体3311等が視認できる状態となる。つまり、一対のキャラクタ体3311が出現することとなる。
なお、上可動演出ユニット3300における一対のキャラクタ体3311は、上下方向へ延びた軸線に対して互いに異なる方向へ回転することができるようになっているので、上可動ユニット3310が出現位置へ下降させて一対のキャラクタ体3311を出現させる可動演出だけでなく、一対のキャラクタ体3311を互いに回転させる可動演出も行うことができるようになっている。
この上可動演出ユニット3300による可動演出のパターンとしては、図示は省略するが、例えば、上可動ユニット3310が退避位置の時に一対のキャラクタ体3311が夫々後を向くように回転停止させ、この状態で上可動ユニット3310を下降させて一対のキャラクタ体3311を出現させる。その後、一対のキャラクタ体3311が前を向くように回転させる。これにより、一対のキャラクタ体3311が後を向いた状態で出現するので、その後、回転して一対のキャラクタ体3311が前を向くと、遊技者に対してチャンスの到来を強く抱かせることができるので、出現した一対のキャラクタ体3311が前を向くか否かで遊技者をワクワク・ドキドキさせることができ、期待感を高めて遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができるようになる。
或いは、出現させた一対のキャラクタ体3311の回転に合せて、所定の音楽を出力するようにしても良く、これにより、一対のキャラクタ体3311が音楽に合せてあたかも踊っているように錯覚させることができ、遊技者に対して一対のキャラクタ体3311の動きを楽しませて興趣が低下するのを抑制することができるようになる。
また、本例の遊技盤4は、正面視で液晶表示装置1900の左右両側に配置された左右可動演出ユニット3400における六つの回転体ユニット3410の各回転駆動モータ3412を回転駆動させると、回転体ユニット3410の最前端に配置され略半球状の回転ヘッド3415が回転すると共に、回転ヘッド3415の後側に配置された一対のアーム部材3423が回転ヘッド3415と伴に回転しながら互いに離反したり接近したりして回転軸に対して進退する動きをするようになっている。これにより、回転しながら手を模した一対のアーム部材3423が開いたり閉じたりしているように見え、遊技者の関心を強く引付けることができ、遊技者の遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができるようになる。
この左右可動演出ユニット3400では、六つの回転装飾体3410Aの回転を、夫々同じタイミングで回転させるようにしても良いし、回転させるタイミングを夫々異ならせるようにしても良い。なお、六つの回転装飾体3410Aを回転させるタイミングを夫々異ならせるようにした場合では、回転ヘッド3415の向きや一対のアーム部材3423の進退するタイミングが異なることで、遊技機4全体としては、各回転装飾体3410Aが揺れているように錯覚させることができ、より目立たせることができるようになる。
また、左右可動演出ユニット3400では、六つの回転体ユニット3410と夫々対応したスライド駆動モータ3525,3535,3545,3565,3575,3585を回転駆動させること、各回転体ユニット3410を取付けた各スライドベース3520,3530,3540,3560,3570,3580が遊技領域1100の中央へ向かう方向へスライドし、図167に示すように、六つの回転体ユニット3410が遊技領域1100の中央側へ寄った出現位置の状態となるようになっている。この状態では、各回転体ユニット3410が遊技領域1100の中央側へ位置することで、遊技者側からより目立つようになり、遊技者の関心を強く引付けることができるようになる。
遊技盤4は、図167に示すように、左右可動演出ユニット3400における六つの回転体ユニット3410を出現位置へ位置させた状態では、各回転体ユニット3410の回転装飾体3410Aにおける回転ヘッド3415が、センター役物2500や裏飾りユニット3100に形成された略半円形状に湾曲した窪み内から飛び出したような状態となり、センター役物2500や裏飾りユニット3100の装飾から離れて回転体ユニット3410が目立つ状態となっている。
また、左右可動演出ユニット3400は、図167に示すような、各回転体ユニット3410を遊技領域1100の中央側へ寄った出現位置に位置させることで、液晶表示装置1900の可視範囲を狭くすることができ、液晶表示装置1900の視認範囲を物理的に変化させて遊技者の関心を強く引付けることができるようになっている。
更に、左右可動演出ユニット3400では、図167に示すような、各回転体ユニット3410を出現位置に位置させた状態で、回転駆動モータ3412により回転装飾体3410Aを回転させるようにしても良く、これにより、遊技者に対して回転装飾体3410Aの回転演出をより見易くすることができ、遊技者を楽しませることができると共に、遊技領域1100全体で広く可動演出(回転演出)が行われることとなり、遊技者に遊技に対する期待感を強く抱かせることが可能となり、興趣が低下するのを抑制することができるようになる。
なお、左右可動演出ユニット3400では、各回転体ユニット3410を夫々区々に遊技領域1100の中央寄りの方向へスライドさせるようにしても良く、これにより、遊技者に対して、スライドする回転体ユニット3410の位置や、スライドする回転体ユニット3410の数等によって、チャンスの到来を示唆しているものと思わせることが可能となり、複数の回転体ユニット3410による可動演出に対して期待感を持たせることができ、可動演出が行われることを楽しみにさせて飽き難いパチンコ機1とすることができるようになる。
また、左右可動演出ユニット3400では、各回転体ユニット3410のスライド演出や回転装飾体3410Aの回転演出に応じて、後側に配置された液晶表示装置1900に演出画像を表示させるようにしても良く、可動演出と演出画像とによるコラボレーション演出によって遊技者をより楽しませることができるようになる。
更に、左右可動演出ユニット3400では、一つの回転体ユニット3410に対して、その回転体ユニット3410における遊技領域1100の中央寄り側の液晶表示装置1900の領域に、回転体ユニット3410の可動演出と対応した特定の演出画像を表示させるようにし、可動演出を行う回転体ユニット3410の位置に合せて、液晶表示手段1900における特定の演出画像を表示させる領域を変化させるようにしても良く、これにより、回転体ユニット3410と特定演出画像とによる演出(特定演出)が、六つの略同じ形状の回転体ユニット3410を配置した任意の位置で行うことができるので、これまでのパチンコ機では見ることができなかった演出を遊技者に見せることが可能となり、遊技者を驚かせることができると共に楽しませることができ、興趣が低下するのを抑制することができるようになる。
更に、本例の遊技盤4は、センター役物2500におけるステージ2510の後側に配置された下可動演出ユニット3600の四つの昇降ユニット3610における各昇降ソレノイド3613を駆動させることで、図168に示すように、各昇降装飾体3611を上昇させることができ、四つの昇降装飾体3611を上昇させることで、各昇降装飾体3611の上端がステージ2510よりも上側へ突出した状態となるようになっている。
これにより、ステージ2510の後側且つ下側から昇降装飾体3611が、上昇することで突出して液晶表示装置1900の下部前面に突出するので、遊技者に対して昇降装飾体3611の上昇に気付かせ易くすることができ、上昇した昇降装飾体3611に注目させて、昇降装飾体3611の装飾や動き等を楽しませることができるようになっている。
また、下可動演出ユニット3600は、四つの昇降装飾体3611を夫々別々に昇降させることができるので、四つの昇降装飾体3611を昇降させるパターンを適宜選択することで様々な昇降演出を行うことができ、飽き難い可動演出を行うことができるようになっている。
更に、下可動演出ユニット3600では、昇降ユニット3610の昇降装飾体3611を発光装飾させるための昇降装飾体装飾基板3621からの光を導く導光部材3620が、昇降装飾体3611に対して位置固定とされているので、昇降装飾体3611を昇降させると導光部材3620(の上端)との距離が変化するようになっており、昇降装飾体3611の発光具合や、発光範囲を変化させることができ、昇降装飾体3611の発光演出も楽しませることができるようになっている。
また、下可動演出ユニット3600では、四つの昇降装飾体3611を夫々独立して昇降させることができるので、例えば、始動入賞により保留された抽選結果の数を、上昇させる昇降装飾体3611の数で表すようにしても良く、従来のパチンコ機のように、ランプの点灯数や画像等によって表示する場合と比較して、保留数をより目立ち易くすることができ、保留された抽選結果に対する期待感を高めさせて興趣が低下するのを抑制することができるようになっている。なお、この場合、昇降装飾体3611の発光色によって保留している抽選結果の種類を示唆するようにしても良く、より多彩な保留表示を行うことができる。
[3.各種基板]
続いて、パチンコ機1の各種制御を行う制御基板について、図169を参照して説明する。図169はパチンコ機の制御構成を概略的に示すブロック図。パチンコ機1の制御構成は、図示するように、主基板4000のグループ及び周辺制御基板4010のグループから構成されており、これら2つのグループにより各種制御が分担されている。主基板4000のグループは、遊技動作(遊技の進行)を制御する主制御基板4100と、遊技球の払出し等を制御する払出制御基板4110と、を備えて構成されている。また、周辺制御基板4010のグループは、主制御基板4100からのコマンドに基いて遊技中の各種演出を制御する周辺制御部4140と、周辺制御部4140からのコマンドに基いて液晶表示装置1900での演出画像の表示を制御する液晶制御部4150と、を備えている。
[3−1.主制御基板]
遊技の進行を制御する主制御基板4100は、図169に示すように、各種処理プログラムや各種コマンドを記憶するROMや一時的にデータを記憶するRAM等が内蔵されるマイクロプロセッサである主制御MPU4100aと、入出力デバイス(I/Oデバイス)としての主制御I/Oポート4100bと、各種検出スイッチからの検出信号が入力される主制御入力回路4100fと、各種ソレノイドを駆動するための主制御ソレノイド駆動回路4100gと、主制御MPU4100aに内蔵されているRAM4100e(以下、「主制御内蔵RAM4100e」とも記載する。)に記憶された情報を完全に消去するためのRAMクリアスイッチ4100cと、を備えている。主制御MPU4100aは、その内蔵されたROM4100d(以下、「主制御内蔵ROM4100d」とも記載する。)や主制御内蔵RAM4100eのほかに、その動作(システム)を監視するウォッチドックタイマや不正を防止するための機能等も内蔵されている。
主制御基板4100の主制御MPU4100aは、第一始動口2101へ受入れられた遊技球を検出する第一始動口センサ3231、第二始動口2102へ受入れられた遊技球を検出する第二始動口センサ2127、及び一部の一般入賞口センサ3232からの検出信号が夫々主制御I/Oポート4100bを介して入力されたり、ゲートセンサ2402、一般入賞口センサ3232、カウントセンサ2128及び裏ユニット3000に取付けられた磁気検出センサ3660からの検出信号が、遊技盤4に取付けられたパネル中継基板3012、及び主制御I/Oポート4100bを介して入力されたりするようになっている。
主制御MPU4100aは、これらの検出信号に基づいて、主制御I/Oポート4100bから主制御ソレノイド駆動回路4100gに制御信号を出力することにより、パネル中継基板3012を介して始動口ソレノイド2121及びアタッカソレノイド2124に駆動信号を出力したり、主制御I/Oポート4100b、パネル中継基板3012、センター役物2500の保留表示基板2603、及び機能表示基板1191を介して第一特別図柄表示器1185、第二特別図柄表示器1186、第一特別図柄記憶表示器1184、第二特別図柄記憶表示器1187、普通図柄表示器1189、普通図柄記憶表示器1188、遊技状態表示器1183、ラウンド表示器1190に駆動信号を出力したりする。
なお、本実施形態おいて、第一始動口センサ3231、第二始動口センサ2127、ゲートセンサ2402、及びカウントセンサ2128には、非接触タイプの電磁式の近接スイッチを用いているのに対して、一般入賞口センサ3232には、接触タイプのON/OFF動作式のメカニカルスイッチを用いている。これは、遊技球が第一始動口2101や第二始動口2102に頻繁に入球するし、ゲート部2401を頻繁に通過するため、第一始動口センサ3231、第二始動口センサ2127、及びゲートセンサ2402による遊技球の検出も頻繁に発生する。このため、第一始動口センサ3231、第二始動口センサ2127、及びゲートセンサ2402には、寿命の長い近接スイッチを用いている。また、遊技者にとって有利となる大当り遊技状態が発生すると、大入賞口2103が開放されて遊技球が頻繁に入球するため、カウントセンサ2128による遊技球の検出も頻繁に発生する。このため、カウントセンサ2128にも、寿命の長い近接スイッチを用いている。これに対して、遊技球が頻繁に入球しない一般入賞口2104には、一般入賞口センサ3232による検出も頻繁に発生しない。このため、一般入賞口センサ3232には、近接スイッチより寿命が短いメカニカルスイッチを用いている。
また、主制御MPU4100aは、遊技に関する各種情報(遊技情報)及び払出しに関する各種コマンド等を払出制御基板4110に送信したり、この払出制御基板4110からのパチンコ機1の状態に関する各種コマンド等を受信したりする。更に、主制御MPU4100aは、遊技演出の制御に関する各種コマンド及びパチンコ機1の状態に関する各種コマンドを、主制御I/Oポート4100bを介して後述する周辺制御基板4010の周辺制御部4140に送信したりする(主制御基板4100と周辺制御部4140との基板間は図示しないハーネスより電気的に接続されている)。なお、主制御MPU4100aは、その詳細な説明は後述するが、払出制御基板4110からパチンコ機1の状態に関する各種コマンドを受信すると、これらの各種コマンドを整形して周辺制御部4140に送信する。
主制御基板4100には、詳細な説明は後述するが、電源基板851から各種電圧が供給されている。この主制御基板4100に各種電圧を供給する電源基板851は、電源遮断時にでも所定時間、主制御基板4100に電力を供給するためのバックアップ電源としての電気二重層キャパシタ(以下、単に「キャパシタ」と記載する。)BC0(図170参照)を備えている。このキャパシタBC0により主制御MPU4100aは、電源遮断時にでも電源断時処理において各種情報を主制御内蔵RAM4100eに記憶することができるようになっている。この記憶した各種情報は、電源投入時に主制御基板4100のRAMクリアスイッチ4100cが操作されると、主制御内蔵RAM4100eから完全に消去(クリア)されるようになっている。このRAMクリアスイッチ4100cの操作信号(検出信号)は、払出制御基板4110にも出力されるようになっている。
また、主制御基板4100には、停電監視回路が設けられている。この停電監視回路は、電源基板851から供給される各種電圧の低下を監視しており、それらの電圧が停電予告電圧以下となると、停電予告として停電予告信号を出力するようになっている。この停電予告信号は、主制御I/Oポート4100bを介して主制御MPU4100aに入力される他に図示しないハーネスを介して払出制御基板4110等にも伝達されている。
[3−2.払出制御基板]
遊技球の払出し等を制御する払出制御基板4110は、図169に示すように、払出しに関する各種制御を行う払出制御部4111と、発射ソレノイド654による発射制御を行うとともに、球送ソレノイド585による球送制御を行う発射制御部4120と、パチンコ遊技機1の状態を表示するエラーLED表示器4130と、エラーLED表示器4130に表示されているエラーを解除するためのエラー解除スイッチ860aと、賞球タンク720、タンクレール731、及び賞球装置740内の遊技球をパチンコ遊技機1の外部へ排出して球抜き動作を開始するための球抜きスイッチ860bと、を備えている。
[3−2A.払出制御部]
払出制御基板4110における払出しに関する各種制御を行う払出制御部4111は、図169に示すように、各種処理プログラムや各種コマンドを記憶するROMや一時的にデータを記憶するRAM等が内蔵されるマイクロプロセッサである払出制御MPU4111aと、I/Oデバイスとしての払出制御I/Oポート4111bと、払出制御MPU4111aが正常に動作しているか否かを監視するための外部ウォッチドックタイマ4111c(以下、「外部WDT4111c」と記載する。)と、賞球装置740の払出モータ744に駆動信号を出力するための払出モータ駆動回路4111dと、払い出しに関する各種検出スイッチからの検出信号が入力される払出制御入力回路4111eと、を備えている。払出制御MPU4111aには、その内蔵されたROM(以下、「払出制御内蔵ROM」と記載する。)やRAM(以下、「払出制御内蔵RAM」と記載する。)のほかに、不正を防止するため機能等も内蔵されている。
払出制御部4111の払出制御MPU4111aは、主制御基板4100からの遊技に関する各種情報(遊技情報)及び払い出しに関する各種コマンドを払出制御I/Oポート4111bを介してシリアル方式で受信したり、主制御基板4100からのRAMクリアスイッチ4100cの操作信号(検出信号)が払出制御I/Oポート4111bを介して入力されたりする他に、満タン検知センサ550からの検出信号が入力されたり、球切れスイッチ750、計数センサ751及び回転角センサ752からの検出信号が賞球中継基板754を介して入力されたりする。
賞球装置740のベースユニット741に形成された供給通路741a内に遊技球の有無を検出する球切れスイッチ750、及びベースユニット741に形成された賞球通路741c内を流下する遊技球を検出する計数センサ751からの検出信号は、まず賞球装置740の賞球中継基板754を介して払出制御入力回路4111eに入力され、払出制御I/Oポート4111bを介して払出制御MPU4111aに入力されている。賞球装置740の回転検出盤749に形成された検出スリット749aを検出するための回転角センサ752からの検出信号は、まず賞球装置740のセンサ基板753、そして賞球中継基板754を介して払出制御入力回路4111eに入力され、払出制御I/Oポート4111bを介して払出制御MPU4111aに入力されている。
また、本体枠3に対する扉枠5の開放を検出する扉枠開放スイッチ618、及び外枠2に対する本体枠3の開放を検出するた本体枠開放スイッチ619からの検出信号は、まず払出制御入力回路4111eに入力され、払出制御I/Oポート4111bを介して払出制御MPU4111aに入力されている。
また、ファールカバーユニット540の収容空間546が貯留された遊技球で満タンであるか否かを検出する満タン検知センサ550からの検出信号は、まずハンドル装置中継基板192、そして主側中継端子板880を介して払出制御入力回路4111eに入力され、払出制御I/Oポート4111bを介して払出制御MPU4111aに入力されている。
払出制御MPU4111aは、払出モータ744を駆動するための駆動信号を、払出制御I/O4120b、そして賞球中継基板754を介して払出モータ744に出力したり、パチンコ遊技機1の状態をエラーLED表示器4130に表示するための信号を、払出制御I/Oポート4111bを介してエラーLED表示器4130に出力したり、パチンコ遊技機1の状態を示すためのコマンドを、払出制御I/Oポート4111bを介して主制御基板4100にシリアル方式で送信したり、実際に払い出した遊技球の球数を払出制御I/Oポート4111bを介して外部端子板784に出力したりする。この外部端子板784は、遊技場(ホール)に設置されたホールコンピュータと電気的に接続されている。このホールコンピュータは、パチンコ遊技機1が払い出した遊技球の球数やパチンコ遊技機1の遊技情報等を把握することにより遊技者の遊技を監視している。
エラーLED表示器4130は、セグメント表示器であり、英数字や図形等を表示してパチンコ遊技機1の状態を表示している。エラーLED表示器4130が表示して報知する内容としては、次のようなものがある。例えば、図形「−」が表示されているときには「正常」である旨を報知し、数字「0」が表示されているときには「接続異常」である旨(具体的には、主制御基板4100と払出制御基板4110との基板間の電気的な接続に異常が生じている旨)を報知し、数字「1」が表示されているときには「球切れ」である旨(具体的には、球切れスイッチ750からの検出信号に基づいて賞球装置740のベースユニット741に形成された供給通路741a内に遊技球がない旨)を報知し、数字「2」が表示されているときには「球がみ」である旨(具体的には、回転角センサ752からの検出信号に基づいて賞球装置740のベースユニット741に形成された供給通路741aと連通する振分空間741bの入口において払出回転体748と遊技球とがその入口近傍でかみ合って払出回転体748が回転困難となっている旨)を報知し、数字「3」が表示されているときには「計数スイッチエラー」である旨(具体的には、計数センサ751からの検出信号に基づいて計数センサ751に不具合が生じている旨)を報知し、数字「5」が表示されているときには「リトライエラー」である旨(具体的には、払い出し動作のリトライ回数が予め設定された上限値に達した旨)を報知し、数字「6」が表示されているときには「満タン」である旨(具体的には、満タン検知センサ550からの検出信号に基づいてファールカバーユニット540の収容空間546が貯留された遊技球で満タンである旨)を報知し、数字「7」が表示されているときには「CR未接続」である旨(払出制御基板4110からCRユニット6までに亘るいずれかにおいて電気的な接続が切断されている旨)を報知し、数字「9」が表示されているときには「ストック中」である旨(具体的には、まだ払い出していない遊技球の球数が予め定めた球数に達している旨)を報知している。
球貸スイッチ365aからの遊技球の球貸要求信号、及び返却スイッチ365bからのプリペイドカードの返却要求信号は、まず度数表示板365、主側中継端子板880、そしてCRユニット接続端子板874を介してCRユニット6に入力されるようになっている。CRユニット6は、球貸要求信号に従って貸し出す遊技球の球数を指定した信号を、CRユニット接続端子板874を介して払出制御基板4110にシリアル方式で送信し、この信号が払出制御I/Oポート4111bで受信されて払出制御MPU4111aに入力されるようになっている。またCRユニット6は、貸し出した遊技球の球数に応じて挿入されたプリペイドカードの残度を更新するとともに、その残度を残度数表示器365cに表示するための信号を、CRユニット接続端子板874、主側中継端子板880、そして度数表示板365に出力し、この信号が残度数表示器365cに入力されるようになっている。
[3−2B.発射制御部]
発射ソレノイド654による発射制御と、球送ソレノイド585による球送制御と、を行う発射制御部4120は、図169に示すように、発射に関する各種検出スイッチからの検出信号が入力される発射制御入力回路4120aと、、定時間毎にクロック信号を出力する発振回路4120bと、このクロック信号に基づいて遊技球を遊技領域1100に向かって打ち出すための発射基準パルスを出力する発射タイミング制御回路4120cと、この発射基準パルスに基づいて発射ソレノイド654に駆動信号を出力する発射ソレノイド駆動回路4120dと、発射基準パルスに基づいて球送ソレノイド585に駆動信号を出力する球送ソレノイド駆動回路4120eと、を備えている。発射タイミング制御回路4120cは、発振回路4120bからのクロック信号に基づいて、1分当たり100個の遊技球が遊技領域1100に向かって打ち出されるよう発射基準パルスを生成して発射ソレノイド駆動回路4120dに出力するとともに、発射基準パルスを所定数倍した球送基準パルスを生成して球送ソレノイド駆動回路4120eに出力する。
回転ハンドル本体前506に手のひらや指が触れているか否かを検出するタッチセンサ516、及び遊技者の意志によって遊技球の打ち出しを強制的に停止するか否かを検出する発射停止スイッチ518からの検出信号は、まずハンドル装置中継基板192、そして主側中継端子板880を介して発射制御入力回路4120aに入力され、発射タイミング制御回路4120cに入力されている。またCRユニット6とCRユニット接続端子板874とが電気的に接続されると、CR接続信号として発射制御入力回路4120aに入力され、発射タイミング制御回路4120cに入力されるようになっている。回転ハンドル本体前506の回転位置に応じて遊技球を遊技領域1100に向かって打ち出す強度を電気的に調節する回転位置検知センサ512からの信号は、まずハンドル装置中継基板192、そして主側中継端子板880を介して発射ソレノイド駆動回路4120dに入力されている。
この発射ソレノイド駆動回路4120dは、回転位置検知センサ512からの信号に基づいて、回転ハンドル本体前506の回転位置に見合う打ち出し強度で遊技球を遊技領域1100に向かって打ち出すための駆動電流を、発射基準パルスが入力されたことを契機として、発射ソレノイド654に出力するようになっている。これに対して、球送ソレノイド駆動回路4120eは、球送基準パルスが入力されたことを契機として、主側中継端子板880、そしてハンドル装置中継基板192を介して球送ソレノイド585に一定電流を出力することにより球送ユニット580の球送部材584が皿ユニット300の上皿301に貯留された遊技球を1球受入れ、その球送基準パルスの入力が終了したことを契機として、その一定電流の出力を停止することにより球送部材584が受入れた遊技球を打球発射装置650側へ送るようになている。このように、発射ソレノイド駆動回路4120dから発射ソレノイド654に出力される駆動電流は可変に制御されるのに対して、球送ソレノイド駆動回路4120eから球送ソレノイド585に出力される駆動電流は一定に制御されている。
なお、払出制御基板4110に各種電圧を供給する電源基板851は、電源遮断時にでも所定時間、払出制御基板4110に電力を供給するためのバックアップ電源としてのキャパシタBC1(図170参照)を備えている。このキャパシタBC1により払出制御MPU4111aは、電源遮断時にでも電源断時処理において各種情報を払出制御内蔵RAMに記憶することができるようになっている。この記憶した各種情報は、電源投入時に主制御基板4100のRAMクリアスイッチ4100cが操作されると、払出制御内蔵RAMから完全に消去(クリア)されるようになっている。
[3−3.周辺制御基板]
周辺制御基板4010は、図169に示すように、主制御基板4100からのコマンドに基づいて演出制御を行う周辺制御部4140と、この周辺制御部4140からの制御データに基づいて液晶表示装置1900の描画制御を行う液晶制御部4150と、を備えている。
[3−3A.周辺制御部]
周辺制御基板4010における演出制御を行う周辺制御部4140は、図169に示すように、マイクロプロセッサとしての周辺制御MPU4140aと、各種処理プログラムや各種コマンドを記憶する周辺制御ROM4140bと、高音質の演奏を行う音源IC4140cと、この音源IC4140cが参照する音楽及び効果音等の音情報が記憶されている音ROM4140dと、を備えている。
周辺制御MPU4140aは、パラレルI/Oポート、シリアルI/Oポート等を複数内蔵しており、主制御基板4100から各種コマンドを受信すると、この各種コマンドに基づいて、遊技盤4の各装飾基板に設けられたカラーLED等への点灯信号、点滅信号又は階調点灯信号を出力するための遊技盤側発光データをランプ駆動基板用シリアルI/Oポートからランプ駆動基板4170に送信したり、遊技盤4に設けられた各種可動体を作動させるモータやソレノイド等の電気的駆動源への駆動信号を出力するための遊技盤側駆動データと、遊技盤4に備えられた各装飾基板のカラーLED等へ点灯信号、点滅信号又は階調点灯信号等を出力するための遊技盤発光データと、から構成される遊技盤側駆動発光データを遊技盤装飾駆動基板用シリアルI/Oポートから裏箱3001の後面に取付けられた各中継基板3014,3016,3018,3020に送信したり、扉枠5に設けられたダイヤル駆動モータ414等の電気的駆動源への駆動信号を出力するための扉側駆動データと、扉枠5の各装飾基板に設けられたカラーLED等への点灯信号、点滅信号又は階調点灯信号を出力すための扉側発光データと、から構成される扉側駆動発光データを枠装飾駆動基板用シリアルI/Oポートから周辺パネル中継端子板872、そして周辺側中継端子板882を介して扉枠ベース基板194に送信したり、液晶表示装置1900に表示させる画面を示す制御データ(表示コマンド)を液晶制御部用シリアルI/Oポートから液晶制御部4150に送信したりするほかに、音ROM4140dから音情報を抽出するための制御信号(音コマンド)を音源IC4140cに出力したりする。
遊技盤4に設けられた各種可動体の原位置を検出するための各種原位置検出センサからの検出信号は、裏箱3001の後面に取付けられた各中継基板3014,3016,3018,3020を介して周辺制御MPU4140aに入力されている。扉枠5に設けられた操作ユニット400のダイヤル操作部401の回転を検出する回転検知センサ432a,432b、押圧操作部405の操作を検出する押圧検知センサ432cからの検出信号は、扉枠ベース基板194、周辺側中継端子板882、そして周辺パネル中継端子板872を介して周辺制御MPU4140aに入力されている。
また周辺制御MPU4140aは、液晶制御部4150が正常に動作している旨を伝える信号(動作信号)が液晶制御部4150から入力されており、この動作信号に基づいて液晶制御部4150の動作を監視している。
音源IC4140cは、周辺制御MPU4140aからの制御データ(音コマンド)に基づいて音ROM4140dから音情報を抽出し、周辺パネル中継端子板872、そして周辺側中継端子板882を介して本体枠3に設けられたスピーカ821から各種演出に合わせた音楽及び効果音等が流れるよう制御を行うとともに、周辺パネル中継端子板872、周辺側中継端子板882、そして扉枠ベース基板194を介して扉枠5に設けられたスピーカ130,222,262や、本体枠3に備えられたスピーカ821から各種演出に合わせた音楽及び効果音等が流れるよう制御を行っている。なお、周辺制御基板4010に実装され周辺制御基板ボックス1910から後方へ突出したボリューム1912を回転操作することで、音量を調整することができるようになっている。
なお、周辺制御部4140は、周辺制御MPU4140aに内蔵されたウォッチドックタイマ(以下、「周辺制御内蔵WDT」と記載する。)のほかに、図示しない、外部ウォッチドックタイマ(以下、「周辺制御外部WDT」と記載する。)も備えており、周辺制御MPU4140aは、周辺制御内蔵WDTと周辺制御外部WDTとを併用して自身のシステムが暴走しているか否かを診断している。
この周辺制御MPU4140aから液晶制御部4150に出力される表示コマンドはシリアル入出力ポートにより行われ、本実施形態では、ビットレート(単位時間あたりに送信できるデータの大きさ)として19.2キロ(k)ビーピーエス(bits per second、以下、「bps」と記載する)が設定されている。一方、周辺制御MPU4140aから裏箱3001の後面に取付けられた各中継基板3014,3016,3018,3020に出力される、初期データ、扉枠側点灯点滅コマンド、遊技盤側点灯点滅コマンド、可動体駆動コマンド、表示コマンドと異なる複数のシリアル入出力ポートにより行われ、本実施形態では、ビットレートとして250kbpsが設定されている。
この裏箱3001の後面に取付けられた各中継基板3014,3016,3018,3020は、受信した扉枠側点灯点滅コマンドに基いて点灯信号又は点滅信号を、周辺側中継端子板882を介して扉枠5に備えられた各装飾基板214,216,254,256,286,320,322,430,432等のLEDに出力したり、受信した遊技盤側点灯点滅コマンドに基いて点灯信号又は点滅信号を遊技盤4に備えられた各装飾基板2523,2532,3112,3122,3132,3318,3334,3335,3416,3428,3621,3661,3662のLEDに出力したりする。また、裏箱3001の後面に取付けられた各中継基板3014,3016,3018,3020は、受信した可動体の駆動コマンドに基いて駆動信号を、周辺側中継端子板882を介して扉枠5に備えられたダイヤル駆動モータ414や、遊技盤4に備えられた各駆動モータ3315,3361,3412,3525,3535,3545,3565,3575,3585及びソレノイド3610に出力したりする。
また、周辺制御MPU4140aは、液晶制御部4150が正常動作している旨を伝える信号(動作信号)が液晶制御部4150から入力されたり、扉枠5における皿ユニット300に備えられた操作ユニット400におけるダイヤル操作部401の回転操作を検知する回転検知センサ432a,432bや、操作ユニット400における押圧操作部405の操作を検知する押圧検知センサ432cからの検知信号が、周辺側中継端子板882及び裏箱3001の後面に取付けられた各中継基板3014,3016,3018,3020を介して入力されたりする。
音源IC4140cは、周辺制御MPU4140aから出力された音コマンドに基いて音ROM4140dから音情報を抽出し、裏箱3001の後面に取付けられた各中継基板3014,3016,3018,3020及び周辺側中継端子板882を介して扉枠5のサイドスピーカ130や上部スピーカ222,262から、或いは、裏箱3001の後面に取付けられた各中継基板3014,3016,3018,3020を介して本体枠3のスピーカ821から、各種演出に合せた音楽及び効果音等が流れるよう制御を行う。本例では、上述したように、遊技窓101における下辺の左右両側に配置されたサイドスピーカと、遊技窓101の上側に配置された上部スピーカ222,262と、本体枠3の下部に備えられた低音用のスピーカ821に、音情報としての音響信号(例えば、2chステレオ信号、4chステレオ信号、後述する下部スピーカ391を加えた2.1chサラウンド信号或いは4.1chサラウンド信号、等)を送ることで、従来よりも臨場感のある音響効果(音響演出)を提示することができるようになっている。
[3−4.液晶制御部]
次に、周辺制御基板4010における液晶表示装置1900の描画制御を行う液晶制御部4150は、図169に示すように、マイクロプロセッサとしての液晶制御MPU4150aと、各種処理プログラム、各種コマンド及び各種データを記憶する液晶制御ROM4150bと、上述した液晶表示装置1900を表示制御するVDP(Video Display Processorの略)4150cと、液晶表示装置1900に表示される画面の各種データを記憶するキャラROM4150dと、このキャラROM4150dに記憶されている各種データが転送されてコピーされるキャラRAM4150eと、を備えている。
この液晶制御MPU4150aは、パラレルI/Oポート、シリアルI/Oポート等を内蔵しており、周辺制御部4140からの制御データ(表示コマンド)に基づいてVDP4150cを制御して液晶表示装置1900の描画制御を行っている。なお、液晶制御MPU4150aは、正常に動作していると、その旨を伝える動作信号を周辺制御部4140に出力する。また液晶制御MPU4150aは、VDP4150cから後述する実行中信号が入力されており、この実行中信号の出力が16msごとに停止されたことを契機として、割り込み処理を行っている。
液晶制御ROM4150bは、液晶表示装置1900に描画する画面を生成するための各種プログラムのほかに、周辺制御基板4010からの制御データ(表示コマンド)と対応するスケジュールデータ、その制御データ(表示コマンド)と対応する非常駐領域転送スケジュールデータ等を複数記憶している。スケジュールデータは、画面の構成を規定する画面データが時系列に配列されて構成されており、液晶表示装置1900に描画する画面の順序が規定されている。非常駐領域転送スケジュールデータは、キャラROM4150dに記憶されている各種データをキャラRAM4150eの非常駐領域に転送する際に、その順序を規定する非常駐領域転送データが時系列に配列されて構成されている。この非常駐領域転送データは、スケジュールデータの進行に従って液晶表示装置1900に描画される画面データを、前もって、キャラROM4150dからキャラRAM4150eの非常駐領域に各種データを転送する順序が規定されている。
液晶制御MPU4150aは、周辺制御基板4010からの制御データ(表示コマンド)と対応するスケジュールデータの先頭の画面データを液晶制御ROM4150bから抽出してVDP4150cに出力した後に、先頭の画面データに続く画面データを液晶制御ROM4150bから抽出してVDP4150cに出力する。このように、液晶制御MPU4150aは、スケジュールデータに時系列に配列された画面データを、先頭の画面データから1つずつ液晶制御ROM4150bから抽出してVDP4150cに出力する。
VDP4150cは、液晶制御MPU4150aから出力された画面データが入力されると、この入力された画面データに基づいてキャラRAM4150eからスプライトデータを抽出して液晶表示装置1900に表示する描画データを生成し、この生成した描画データを液晶表示装置1900に出力する。またVDP4150cは、液晶制御MPU4150aからの画面データを受け入れないときに、その旨を伝える実行中信号を液晶制御MPU4150aに出力する。
VDP4150cにはVRAM4150fが接続されている。VDP4150cは、液晶表示装置1900に表示する描画データをVRAM4150f上に展開する。VRAM4150fは、液晶表示装置1900に表示中の画像の描画データが展開されている表示領域4201(図228参照)と、液晶表示装置1900に表示待機中の画像の描画データが展開されている非表示領域4202(図228参照)とを有している。表示領域4201と非表示領域4202の容量は互いに等しい。表示領域4201と非表示領域4202は固定された領域ではなく、VDP4150cの制御下で変更される。VDP4150cは、表示領域4201の描画データを1ライン分ずつ液晶表示装置1900に出力する。
キャラROM4150dには、極めて多くのスプライトデータが記憶されており、その容量が大きくなっている。キャラROM4150dの容量が大きくなると、つまり液晶表示装置1900に描画するスプライトの数が多くなると、キャラROM4150dのアクセス速度が無視できなくなり、液晶表示装置1900に描画する速度に影響することとなる。そこで、本実施形態では、アクセス速度の速いキャラRAM4150eに、キャラROM4150dに記憶されているスプライトデータを転送してコピーし、このキャラRAM4150eからスプライトデータを抽出している。なお、スプライトデータは、スプライトをビットマップ形式に展開する前のデータである基データであり、圧縮された状態でキャラROM4150dに記憶されている。
ここで、「スプライト」について説明すると、「スプライト」とは、液晶表示装置1900にまとまった単位として表示されるイメージである。例えば、液晶表示装置1900に種々の人物を表示させる場合には夫々の人物を描くためのデータを「スプライト」と呼ぶ。これにより、液晶表示装置1900に複数人の人物を表示させる場合には複数のスプライトを用いることとなる。また人物のほかに、背景を構成する家、山、道路等もスプライトであり、背景全体を1つのスプライトとすることもできる。これらのスプライトは、画面に配置される位置やスプライト同士が重なる場合の上下関係(以下、「スプライトの重ね合わせの順序」と記載する。)が設定されて液晶表示装置1900に描画される。
なお、スプライトは縦横それぞれ64画素の矩形領域を複数張り合わせて構成されている。この矩形領域を描くためのデータを「キャラクタ」と呼ぶ。小さなスプライトの場合には1つのキャラクタを用いて表現することができるし、人物など比較的大きいスプライトの場合には、例えば横2×縦3などで配置した合計6個のキャラクタを用いて表現することができる。背景のように更に大きいスプライトの場合には更に多数のキャラクタを用いて表現することができる。このように、キャラクタの数及び配置は、スプライトごとに任意に指定することができるようになっている。
液晶表示装置1900は、その正面から見て左から右に向かって順次、画素に沿った一方向に画素ごとの表示状態を設定する主走査と、その一方向と交差する方向に主走査を繰り返し行う副走査と、によって駆動されるようになっている。液晶表示装置1900は、液晶制御部4150から出力された1ライン分の描画データが入力されると、主走査として液晶表示装置1900の正面から見て左から右に向かって順次、1ライン分の画素にそれぞれ出力する。そして1ライン分の出力が完了すると、液晶表示装置1900は、副走査として直下のラインに移行し、同様に次ライン分の描画データが入力されると、この次ライン分の描画データに基づいて主走査として液晶表示装置1900の正面から見て左から右に向かって順次、1ライン分の画素にそれぞれ出力する。
[3−5.電源システム]
次に、パチンコ遊技機1に供給される電力について説明する。まず、電源基板851について説明し、続いて各制御基板等に供給される電源について説明する。図170はパチンコ遊技機の電源システムを示すブロック図であり、図171は図170の続きを示すブロック図である。なお、各種基板のグランドや各種端子板のグランドは、図示しないが、電源基板851のグランドと電気的に接続されている。
[3−5A.電源基板]
電源基板851は、電源コードと電気的に接続されており、この電源コードのプラグが島設備の電源コンセントに差し込まれている。電源スイッチ852を操作すると、島設備から供給されている電力が電源基板851に供給され、パチンコ遊技機1の電源投入を行うことができる。
電源基板851は、図170に示すように、全波整流回路851a、力率改善回路851b、平滑化回路851c、+5.2V作成回路851d、+5.25V作成回路851e、+12V作成回路851f、+24V作成回路851gを備えている。全波整流回路851aは、島設備から供給されている交流24ボルト(AC24V)を全波整流して力率改善回路851bに供給している。この力率改善回路851bは、全波整流された電力の力率を改善して直流+37V(DC+37V、以下、「+37V」と記載する。)を作成して平滑化回路851cに供給している。この平滑化回路851cは、入力される+37Vのリップルを除去して+37Vを平滑化させて+5.2V作成回路851d、+5.25V作成回路851e、+12V作成回路851f、+24V作成回路851g、払出制御基板4110、及び周辺パネル中継端子板872にそれぞれ供給している。+5.2V作成回路851dは、平滑化回路851cから供給される+37Vから直流+5.2V(DC+5.2V、以下、「+5.2V」と記載する。)を作成している。
+5.25V作成回路851eは、平滑化回路851cから供給される+37Vから直流+5.25V(DC+5.25V、以下、「+5.25V」と記載する。)を作成している。+12V作成回路851fは、平滑化回路851cから供給される+37Vから直流+12V(DC+12V、以下、「+12V」と記載する。)を作成している。+24V作成回路851gは、平滑化回路851cから供給される+37Vから直流+24V(DC+24V、以下、「+24V」と記載する。)を作成している。+5.2V作成回路851d、+12V作成回路851f、及び+24V作成回路851gで作成される電圧は、払出制御基板4110に供給され、+5.25V作成回路851e、+12V作成回路851f、及び+24V作成回路851gで作成される電圧は、周辺パネル中継端子板872に供給されている。なお、島設備から供給されているAC24Vは、全波整流回路851aのほかに、電源基板851を介してCRユニット接続端子板874にも供給されている。
また、電源基板851は、キャパシタBC0,BC1を備えている。キャパシタBC0は、主制御基板4100の主制御MPU4100aに内蔵されたRAM(主制御内蔵RAM4100e)のバックアップ電源であり、キャパシタBC1は、払出制御基板4110における払出制御部4111の払出制御MPU4111aに内蔵されたRAM(払出制御内蔵RAM)のバックアップ電源である。
+5.2V作成回路851dで作成される+5.2Vは、後述するように、払出制御基板4110に供給されるとともに、払出制御基板4110を介して主制御基板4100に供給されている。払出制御基板4110に供給される+5.2Vは、払出制御MPU4111aの電源端子に印加されるとともに、ダイオードPD0を介して払出制御内蔵RAMの電源端子に印加されるようになっている。主制御基板4100に供給される+5.2Vは、主制御MPU4100aの電源端子に印加されるとともに、ダイオードMD0を介して主制御内蔵RAM4100eの電源端子に印加されるようになっている。
電源基板851のキャパシタBC1のマイナス端子(以下、「キャパシタBC1の−端子」と記載する。)は、グランドと接地される一方、そのプラス端子(以下、「キャパシタBC1の+端子」と記載する。)は、払出制御基板4110の払出制御内蔵RAMの電源端子と電気的に接続されるとともに、払出制御基板4110のダイオードPD0のカソード端子とも電気的に接続されている。つまり、+5.2V作成回路851dからの電力は、払出制御MPU4111aの電源端子に向かって電流が流れるとともに、ダイオードPD0により順方向である払出制御内蔵RAMの電源端子と、キャパシタBC1の+端子と、に向かって電流が流れるようになっている。
このように、キャパシタBC1は、+5.2V作成回路851dで作成される+5.2Vが払出制御基板4110、そして再び払出制御基板4110から電源基板851に戻ってくるという電気的な接続方法により+5.2Vが印加されて充電することができるようになっている。これにより、+5.2V作成回路851dからの電力が払出制御基板4110に供給されくなった場合には、キャパシタBC1に充電された電荷が払VBBとして払出制御基板4110に供給されるようになっているため、払出制御MPU4111aの電源端子にはダイオードPD0により電流が妨げられて流れず払出制御MPU4111aが作動しないものの、払出制御内蔵RAMの電源端子には払VBBが印加されることにより記憶内容が保持されるようになっている。
電源基板851のキャパシタBC0のマイナス端子(以下、「キャパシタBC0の−端子」と記載する。)は、グランドと接地される一方、そのプラス端子(以下、「キャパシタBC0の+端子」と記載する。)は、払出制御基板4110を介して主制御基板4100の主制御内蔵RAM4100eの電源端子と電気的に接続されるとともに、主制御基板4100のダイオードMD0のカソード端子とも電気的に接続されている。つまり、+5.2V作成回路851dからの電力は、主制御MPU4100aの電源端子に向かって電流が流れるとともに、ダイオードMD0により順方向である主制御内蔵RAM4100eの電源端子と、キャパシタBC0の+端子と、に向かって電流が流れるようになっている。このように、キャパシタBC0は、+5.2V作成回路851dで作成される+5.2Vが払出制御基板4110、主制御基板4100、そして再び払出制御基板4110から電源基板851に戻ってくるという電気的な接続方法により+5.2Vが印加されて充電することができるようになっている。これにより、+5.2V作成回路851dからの電力が主制御基板4100に供給されくなった場合には、キャパシタBC0に充電された電荷が主VBBとして主制御基板4100に供給されるようになっているため、主制御MPU4100aの電源端子にはダイオードMD0により電流が妨げられて流れず主制御MPU4100aが作動しないものの、主制御内蔵RAM4100eの電源端子には主VBBが印加されることにより記憶内容が保持されるようになっている。
[3−5B.各制御基板等に供給される電圧]
次に、各制御基板等に供給される電圧についての概要を説明し、続いて、主として払出制御基板4110、主制御基板4100、及び発射電源基板831に供給される電圧ついて説明する。
電源基板851で作成された+5.2V、+12V、及び+24Vという3種類の電圧は、図170に示すように、払出制御基板4110に供給されるとともに、この払出制御基板4110を介して主制御基板4100にも供給されている。また電源基板851で作成された+5.25V、+12V、+24V、及び+37Vという4種類の電圧は、周辺パネル中継端子板872に供給されるとともに、この周辺パネル中継端子板872を介して周辺制御基板4010に供給される一方、その4種類の電圧のうち、+5.25V、+12V、及び+24Vという3種類の電圧が周辺側中継端子板882に供給されている。周辺制御基板4010に供給される+5.25V、+12V、+24V、及び+37Vという4種類の電圧は、図171(a)に示すように、その4種類の電圧のうち、+5.25V、+12V、及び+24Vという3種類の電圧が裏箱3001の後面に取付けられた各中継基板3014,3016,3018,3020のランプ駆動回路4161に供給されてランプ駆動回路4161から遊技盤4の各種装飾基板に点灯信号、点滅信号や階調点灯信号等の各種信号が出力され、その4種類の電圧が裏箱3001の後面に取付けられた各中継基板3014,3016,3018,3020の駆動源駆動回路4162に供給されて駆動源駆動回路4162から遊技盤4のモータやソレノイド等の電気的駆動源に駆動信号を出力している。また、その4種類の電圧のうち、+24V及び+37Vという2種類の電圧が液晶表示装置1900に供給されている。
液晶表示装置1900は、描画制御される液晶モジュール1900aと、この液晶モジュール1900aのバックライト用の電源であるバックライト電源と、を備えており、+24Vが液晶モジュール1900aに供給され、+37Vがバックライト電源に供給されている。これに対して、周辺側中継端子板882に供給される+5.25V、+12V、及び+24Vという3種類の電圧は、図171(b)に示すように、扉枠ベース基板194に供給されており、その3種類の電圧のうち、+12Vが+9V作成回路194aに供給されて直流+9V(DC+9V、以下、「+9V」と記載する。)を作成している。扉枠ベース基板194は、その3種類の電圧に加えて、+9V作成回路194aで作成される+9Vを合わせた4種類の電圧を扉枠5の各種装飾基板等に供給している。
[3−5C.払出制御基板に供給される電圧]
払出制御基板4110は、図170に示すように、払出制御MPU4111a等のほかに、払出制御フィルタ回路4110a、停電監視回路4110bも備えている。この払出制御フィルタ回路4110aは、電源基板851からの+5.2Vが供給されており、この+5.2Vからノイズを除去している。この+5.2Vは、ダイオードPD0を介して電源基板851のキャパシタBC1に供給されるほかに、例えば、払出制御部4111の払出制御MPU4111a等に供給されている。停電監視回路4110bは、電源基板851からの+12V及び+24Vが供給されており、これら+12V及び+24Vの停電又は瞬停の兆候を監視している。停電監視回路4110bは、+12V及び+24Vの停電又は瞬停の兆候を検出すると、停電予告として停電予告信号を主制御基板4100の主制御MPU4100aに出力する。この停電予告信号は、主制御基板4100を介して、周辺制御基板4010に伝わることにより、この周辺制御基板4010を介して、図171(a),(b)に示すように、液晶表示装置1900のバックライト電源1900bに伝わる一方、周辺パネル中継端子板872、周辺側中継端子板882、そして扉枠ベース基板194にも伝わって、扉枠ベース基板194を介して、扉枠5の各種装飾基板等に伝わるようになっている。
なお、+12V及び+24Vは、停電監視回路4110bに供給されるほかに、+12Vは、例えば、払出制御部4111の払出制御入力回路4111e等にも供給され、+24Vは、例えば、払出制御部4111の払出モータ駆動回路4111d等にも供給されている。また、電源基板851からの+37は、払出制御基板4110において何ら使用されずに、払出制御基板4110を介して、そのまま発射電源基板831に供給されている。発射電源基板831は、供給される+37Vから後述する所定電圧を作成して発射制御部4120の発射ソレノイド駆動回路4120dに供給している。
[3−5D.主制御基板に供給される電圧]
主制御基板4100は、図170に示すように、主制御MPU4100a等のほかに、主制御フィルタ回路4100hも備えている。主制御フィルタ回路4100hは、払出制御基板4110からの+5.2Vが供給されており、この+5.2Vからノイズを除去している。この+5.2Vは、ダイオードMD0を介して電源基板851のキャパシタBC0に供給されるほかに、例えば、主制御MPU4100a等に供給されている。払出制御基板4110からの+12Vは、例えば、主制御入力回路4100f等に供給され、払出制御基板4110からの+24Vは、例えば、主制御ソレノイド駆動回路4100g等に供給されている。
[3−5E.発射電源基板に供給される電圧]
発射電源基板831は、図170に示すように、DC/DCコンバータ831a、電解コンデンサSC0(本実施形態では、静電容量:4700マイクロファラッド(μF))を備えている。DC/DCコンバータ831aは、払出制御基板4110からの+37Vを降圧して直流+35V(DC+35V、以下、「+35V」と記載する。)を作成して払出制御基板4110における発射制御部4120の発射ソレノイド駆動回路4120dに供給している。
電解コンデンサSC0のマイナス端子(以下、「電解コンデンサSC0の−端子」と記載する。)は、グランドと接地される一方、そのプラス端子(以下、「電解コンデンサSC0の+端子」と記載する。)は、DC/DCコンバータ831aの+35V出力端子と電気的に接続されている。つまり、電解コンデンサSC0は、DC/DCコンバータ831aから出力される+35Vが印加されることで充電されるようになっている。本実施形態では、DC/DCコンバータ831aからの電流と、電解コンデンサSC0に充電された電荷の放電による電流と、が併合された併合電流が払出制御基板4110の発射ソレノイド駆動回路4120dに流れるようになっている。その詳細な説明を後述する。
[3−6.発射ソレノイドの駆動方法]
次に、発射ソレノイド654の駆動方法について説明する。まず、発射ソレノイド654の駆動システムについて説明し、続いてその駆動回路の所定点における、入出力電流、出力電圧、信号の論理及び波形等について説明する。図172は発射ソレノイドの駆動回路を示すブロック図であり、図173はシャントレギュレータ回路、増幅回路、及びオペアンプ回路群を示す回路図であり、図174はDC/DCコンバータの特性を示す図であり、図175は図172の発射ソレノイドの駆動回路における所定点のタイミングチャートである。
[3−6A.発射ソレノイドの駆動システム]
発射ソレノイド654の駆動システムは、図172に示すように、主として、払出制御基板4110における発射制御部4120の発射制御入力回路4120a、発振回路4120b、発射タイミング回路4120c、発射ソレノイド駆動回路4120d、及び球送ソレノイド駆動回路4120eと、発射電源基板831のDC/DCコンバータ831a、及び電解コンデンサSC0と、電源基板851の力率改善回路851b、及び平滑化回路851cと、により構成されている。
発射制御入力回路4120aは、CRユニット6がCRユニット接続端子板874を介して払出制御基板4110と電気的に接続されると、CRユニット6がパチンコ遊技機1から電力(AC24V)供給を受けている旨を伝える信号が入力されてCR接続信号として発射タイミング回路4120cに出力し、回転ハンドル本体前506に手のひらや指が触れているか否かを検出するタッチセンサ516からの検出信号が入力されると、タッチ検出信号として発射タイミング回路4120cに出力し、遊技者の意志によって遊技球の打ち出しを強制的に停止するか否かを検出する発射停止スイッチ518からの検出信号が入力されると、発射停止検出信号として発射タイミング回路4120cに出力する。
発射タイミング回路4120cは、発射制御入力回路4120aからのCR接続信号、タッチ検出信号、及び発射停止検出信号に基づいて、発射ソレノイド654による遊技球の打ち出しを許可したり、禁止したりする。具体的には、発射タイミング回路4120cは、CRユニット6がCRユニット接続端子板874を介して払出制御基板4110と電気的に接続されていないためにCR接続信号が入力されていないという第1のケース、タッチ検出信号が回転ハンドル本体前506に手のひらや指が触れていない旨を伝えているという第2のケース、発射停止検出信号が遊技球の打ち出しを強制的に停止する旨を伝えているという第3のケース、のうち、1つでも該当するときに発射ソレノイド654による遊技球の打ち出しを禁止する一方、すべてに該当しないときに発射ソレノイド654による遊技球の打ち出しを許可する。
発射タイミング回路4120cは、発振回路4120bからのクロック信号が入力されており、発射ソレノイド654による遊技球の打ち出しを許可するときには、このクロック信号に基づいて、1分当たり100個の遊技球が遊技領域1100に向かって打ち出されるよう発射基準パルスを生成して発射ソレノイド駆動回路4120dに出力するとともに、発射基準パルスを所定数倍(本実施形態では、5倍)した球送基準パルスを生成して球送ソレノイド駆動回路4120eに出力する。発射ソレノイド駆動回路4120dは、DC/DCコンバータ831aからの電流と、電解コンデンサSC0の放電による電流と、を併合した併合電流により打球発射装置650の発射ソレノイド654を駆動する。これに対して、球送ソレノイド駆動回路4120eは、電源基板851からの+24Vによる球送ソレノイド585を駆動する。
発射ソレノイド駆動回路4120dは、主として、シャントレギュレータ回路4121a、増幅回路4121b、電圧比較回路4121c、スイッチング回路4121dから構成されている。シャントレギュレータ回路4121aは、電源基板851の+5.2V作成回路851dで作成される+5.2Vが供給されており、この+5.2Vから安定化された直流+2.5V(DC+2.5V、以下、「+2.5V」と記載する。)を作成して増幅回路4121bに供給している。
シャントレギュレータ回路4121aは、図173(a)に示すように、シャント式安定化電源回路PIC0を主として構成されている。このシャント式安定化電源回路PIC0は、周囲温度による温度ドリフトが低減されたものであり、負荷に対して一定電圧に保持される安定化電源を作成して供給することができる。シャント式安定化電源回路PIC0の基準電圧入力端子であるREF端子、及びカソード端子であるK端子は、+5.2Vと抵抗PR2を介して電気的に接続されており、この抵抗PR2によりREF端子に入力される電流が制限されている。K端子は増幅回路4121bに+2.5Vを出力している。この+2.5Vは、グランドと接地されたコンデンサPC0によりリップル(電圧に畳重された交流成分)が除去されて平滑化されている(コンデンサPC0は、ローパスフィルタとしての役割も担っている)。なお、シャント式安定化電源回路PIC0のアノード端子であるA端子はグランド(GND)と接地されている。
図172に戻り、増幅回路4121bは、シャントレギュレータ回路4121aからの+2.5を2倍に増幅して直流+5.0V(DC+5.0V、以下、「+5.0V」と記載する。)を作成して主側中継端子板880、そしてハンドル装置中継基板192を介して、ハンドル装置500における回転位置検知センサ512に供給している。
増幅回路4121bは、図173(a)に示すように、オペアンプPIC1を主として構成されている。オペアンプPIC1は、非反転増幅回路として構成されており、オペアンプPIC1の非反転入力端子(+端子)にはシャントレギュレータ回路4121aのシャント式安定化電源回路PIC0からの+2.5Vが印加され、オペアンプPIC1の反転入力端子(−端子)には一端がグランドと接地された抵抗PR3の他端と電気的に接続されるとともに、オペアンプPIC1の出力端子と一端が電気的に接続された抵抗PR4の他端と電気的に接続されている。抵抗PR3,PR4の抵抗値は、オペアンプPIC1の増幅率(平ループ利得)が2倍となるように設定されている。オペアンプPIC1の出力端子は、オペアンプPIC1の非反転入力端子(+端子)に印加された+2.5Vを2倍に増幅した+5.0Vを、上述したように、主側中継端子板880、そしてハンドル装置中継基板192を介して、ハンドル装置500における回転位置検知センサ512に供給している。この+5.0Vは、グランドと接地されたコンデンサPC2によりリップル(電圧に畳重された交流成分)が除去されて平滑化されている(コンデンサPC2は、ローパスフィルタとしての役割も担っている)。なお、オペアンプPIC1の電源端子に入力される+24Vは、グランドと接地されたコンデンサPC1によりリップルが除去されて平滑化されている。
図172に戻り、回転位置検知センサ512は3端子の可変抵抗器であり、両端の一の固定端子が上述した増幅回路4121bからの+5.0Vが供給され、その両端の他の固定端子がハンドル装置中継基板192、そして主側中継端子板880を介して、払出制御基板4110における発射ソレノイド駆動回路4120dの抵抗PR0と電気的に接続されている。この抵抗PR0の他端は、グランドと接地されている。回転位置検知センサ512の両端の固定端子とは別の端子である可変端子から、可変された抵抗値に従って両端に印加された電圧の分圧を取り出すことができるようになっている。回転位置検知センサ512の可変端子から取り出した電圧は、ハンドル装置中継基板192、そして主側中継端子板880を介して、払出制御基板4110の発射ソレノイド駆動回路4120dにおける後述する抵抗PR5,PR6(図173(b)参照)で分圧され、この分圧された抵抗PR6が受け持つ電圧が発射強度目標電圧として、電圧比較回路4121cに印加される。
ハンドル装置500の回転位置検知センサ512の可変端子から取り出した電圧は、上述したように、ハンドル装置中継基板192、そして主側中継端子板880を介して、図173(b)に示すように、グランドと接地されたコンデンサPC3によりリップル(電圧に畳重された交流成分)が除去されて平滑化され(コンデンサPC3は、ローパスフィルタとしての役割も担っている。)、払出制御基板4110の発射ソレノイド駆動回路4120dのボルテージフォロアとして構成されたオペアンプ回路群に印加される。このオペアンプ回路群は、図173(b)に示すように、初段のオペアンプPIC2、後段のオペアンプPIC3を主として構成されている。ハンドル装置500からの電圧は、ボルトオーダーの電圧であり初段のオペアンプPIC2の非反転入力端子(+端子)に印加される。初段のオペアンプPIC2の反転入力端子(−端子)には、初段のオペアンプPIC2の出力端子と電気的に接続されている。初段のオペアンプPIC2の出力端子は、オペアンプPIC2の非反転入力端子(+端子)に印加された電圧を1倍にして、つまりそのままのボルトオーダーの電圧として出力する。この初段のオペアンプPIC2は、ボルトオーダーの電圧である入力電圧を単にそのまま出力しているものの、ハンドル装置500からの電圧を印加するための初段入力側回路と、電圧を後段のオペアンプPIC3に出力するための初段出力側回路と、の回路分離を実現している。これにより、初段入力側回路から初段出力側回路に向かって電圧が信号として伝達することができ、初段出力側回路の影響を初段入力側回路へ与えなくすることができる。なお、オペアンプPIC2の電源端子に入力される+24Vは、グランドと接地されたコンデンサPC4によりリップルが除去されて平滑化されている。
初段のオペアンプPIC2の出力端子は、自身の反転入力端子(−端子)のほかに、抵抗PR5の一端と電気的に接続され、この抵抗PR5の他端が後段のオペアンプPIC3の非反転入力端子(+端子)と電気的に接続されている。後段のオペアンプPIC3の非反転入力端子(+端子)は、抵抗PR5の他端のほかに、一端がグランドと接地された抵抗PR6の他端と電気的に接続されている。これにより、初段のオペアンプPIC2の出力端からの電圧は、上述したように、ボルトオーダーの電圧である入力電圧を単にそのまま出力しているため、ボルトオーダーの電圧であり、抵抗PR5,PR6により分圧され、この分圧された抵抗PR6が受け持つ電圧がミリボルトオーダーの電圧として後段のオペアンプPIC3の非反転入力端子(+端子)に印加される。後段のオペアンプPIC3の反転入力端子(−端子)には、後段のオペアンプPIC3の出力端子と電気的に接続されている。後段のオペアンプPIC3の出力端子は、オペアンプPIC2の非反転入力端子(+端子)に印加された電圧を1倍にして、つまりそのままのミリボルトオーダーの電圧が発射強度目標電圧として電圧比較回路4121cに出力する。この後段のオペアンプPIC3は、抵抗PR5,PR6で分圧されたミリボルトオーダーの抵抗PR6が受け持つ電圧である入力電圧を単にそのまま出力しているものの、抵抗PR5,PR6で分圧されたミリボルトオーダーの抵抗PR6が受け持つ電圧を印加するための後段入力側回路と、電圧を電圧比較回路4121cに出力するための後段出力側回路と、の回路分離を実現している。これにより、後段入力側回路から後段出力側回路に向かって電圧が信号として伝達することができ、後段出力側回路の影響を後段入力側回路へ与えなくすることができる。なお、オペアンプPIC3の電源端子に入力される+24Vは、グランドと接地されたコンデンサPC5によりリップルが除去されて平滑化されている。
図172に戻り、打球発射装置650の発射ソレノイド654に流れている電流は、一端がグランドと接地された抵抗PR1を流れることでこの抵抗PR1が受け持つミリボルトオーダーの電圧が発射制御電圧として電圧比較回路4121cに印加される。電圧比較回路4121cには、上述したミリボルトオーダーの電圧である発射強度目標電圧も印加されている。このように、電圧比較回路4121cで比較する発射制御電圧と発射強度目標電圧とは、上述したように、払出制御基板4110(発射ソレノイド駆動回路4120d)においてボルトオーダーの電圧からミリボルトオーダーの電圧へ抵抗PR1,PR6が受け持つ電圧によりそれぞれ降圧されるようになっている。つまり、払出制御基板4110上に形成された配線パターンを介して印加されるため、この配線パターンがノイズの影響を受け難く、電圧比較回路4121cがミリボルトオーダーの電圧で発射制御電圧と発射強度目標電圧とを比較することができるのに対して、払出制御基板4110と打球発射装置650との基板装置間、及び払出制御基板4110とハンドル装置500との基板装置間においては、配線を介して電気的に接続されているため、配線にノイズの影響を受け易く、ボルトオーダーの電圧とすることにより基板装置間におけるノイズの影響を抑制している。
電圧比較回路4121cは、発射制御電圧と発射強度目標電圧とを大小比較する反転型の回路であり、その比較結果をスイッチング回路4121dに出力する。電圧比較回路4121cによる比較結果は、HI又はLOWという論理出力となっており、発射制御電圧が発射強度目標電圧より大きいときにはLOW(以下、「L」と記載する。)となる一方、発射制御電圧が発射強度目標電圧より小さいときにはHI(以下、「H」と記載する。)となる。このように、電圧比較回路4121cによる比較結果によって出力論理がH又はLとなるため、その出力信号がON/OFF信号としてスイッチング回路4121dに入力されることとなる。
スイッチング回路4121dは、発射タイミング回路4120cからの発射基準パルスが入力されるごとに、電圧比較回路4121cからのON/OFF信号に従って、発射電源基板831に備える、DC/DCコンバータ831aからの電流と、電解コンデンサSC0の放電による電流と、が併合された併合電流を、打球発射装置650の発射ソレノイド654に流す。具体的には、スイッチング回路4121dは、電圧比較回路4121cからのON信号が入力されると、DC/DCコンバータ831aからの電流と、電解コンデンサSC0の放電による電流と、が併合された併合電流を発射ソレノイド654に流す一方、電圧比較回路4121cからのOFF信号が入力されると、発射ソレノイド654に流れている電流を遮断する。つまり、スイッチング回路4121dは、電圧比較回路4121cからのON信号が入力されて、DC/DCコンバータ831aからの電流と、電解コンデンサSC0の放電による電流と、が併合された併合電流を発射ソレノイド654に流しているときに、この発射ソレノイド654に流れている電流を、抵抗PR1によって分圧された電圧が発射制御電圧として発射強度目標電圧より大きくなると、電圧比較回路4121cの出力論理がLとなり、OFF信号をスイッチング回路4121dに出力し、スイッチング回路4121dが発射ソレノイド654に流れている定電流を遮断する。この遮断により、発射ソレノイド654に電流が流れなくなることによって発射制御電圧が発射強度目標電圧より小さくなり、電圧比較回路4121cの出力論理が再びHとなり、ON信号をスイッチング回路4121dに出力し、スイッチング回路4121dが、上述したように、DC/DCコンバータ831aからの電流と、電解コンデンサSC0の放電による電流と、が併合された併合電流を発射ソレノイド654に流す。このように、電圧比較回路4121cからのON/OFF信号に従ってスイッチング回路4121dが、DC/DCコンバータ831aからの電流と、電解コンデンサSC0の放電による電流と、が併合された併合電流を、発射ソレノイド654に流したり、その定電流を遮断したりするため、スイッチング回路4121dは、電圧比較回路4121cからのON/OFF信号に自励発振して電流を発射ソレノイドに流す制御を行っている。つまり、スイッチング回路4121dは、「自励発振定電流回路」として機能しており、発射制御電圧を発射強度目標電圧に近づけている。これにより、回転ハンドル本体前506が回動操作されて回転ハンドル本体前506の回転位置に見合った発射強度で発射ソレノイド654を駆動して遊技球を遊技領域1100に向かって打ち出すことができる。
なお、遊技者が回転ハンドル本体前506に触れて、回転ハンドル本体前506を回動していない原回転位置であるときには、回転位置検知センサ512の可変端子から取り出される電圧は、抵抗PR0に印加されている電圧が上述したボルテージフォロアとして構成されたオペアンプ回路群に印加され、発射強度目標電圧として、電圧比較回路4121cに印加される。この場合には、電圧比較回路4121cからのON信号がスイッチング回路4121dに出力されると、スイッチング回路4121dは、DC/DCコンバータ831aからの電流と、電解コンデンサSC0の放電による電流と、が併合された併合電流を発射ソレノイド654に流す。このDC/DCコンバータ831aからの出力される電流が最小出力電流となる。このときの発射ソレノイド654の発射強度は、少なくとも、発射レール660を飛び越えるものとなっている。つまり、抵抗PR0に印加されている電圧が発射強度目標電圧であるときには、その電圧に見合う電流(DC/DCコンバータ831aから出力される最小出力電流と、電解コンデンサSC0の放電による電流と、が併合された併合電流)が発射ソレノイド654に流れると、発射ソレノイド654によって打ち出された遊技球は、発射レール660を飛び越えることができても、遊技盤4の外レール1111に沿って遊技領域1100に達することができないため、ファール球としてファールカバーユニット540で回収されこととなる。換言すると、抵抗PR0に印加されている電圧がボルテージフォロアとして構成されたオペアンプ回路群に印加され、発射強度目標電圧として、電圧比較回路4121cに印加されるときには、発射ソレノイド654に流れる電流が最小電流となっているものの、この最小電流が発射ソレノイド654に流れても、打ち出された遊技球がすべてファール球として回収されるようになっている。これにより、球送ソレノイド585によって発射レール660に送り出された遊技球と重複することを防止することができるため、発射ソレノイド654がその重複する遊技球を遊技領域1100に向かって打ち出すことを防止することができるとともに、発射ソレノイド654への加負荷を防止することができ、故障を防止することもできる。
本実施形態では、シャントレギュレータ回路4121aにシャント式安定化電源回路PIC0を採用することにより、電圧比較回路4121cに印加される発射強度目標電圧は、シャントレギュレータ回路4121aからの一定電圧である+2.5Vが増幅回路4121bで増幅された+5.0Vがハンドル装置500の回転位置検知センサ512により分圧されたものとなることによって、この分圧された電圧も回転ハンドル本体前506の回転位置が同一回転位置に保持されているときには、変動が生じず一定の電圧に保持されることとなる。これにより、スイッチング回路4121dが打球発射装置650の発射ソレノイド654に併合電流を流すことにより発射制御電圧を発射強度目標電圧に近づけて発射制御電圧が発射強度目標電圧と同一となった際に、回転ハンドル本体前506の回転位置が同一回転位置に保持されているときには、発射ソレノイド654に流れる併合電流も変動が生じず一定の電流が流れることとなるため、発射ソレノイド654が遊技球を遊技領域1100に向かって打ち出す発射強度が同一となる。したがって、発射ソレノイド654の駆動発射による遊技球の「飛びムラ」を防止することができる。
また、パチンコ遊技機1が設置される島設備は、複数のパチンコ遊技機から排出された遊技球を研磨して再びパチンコ遊技機に供給するという遊技球の循環システムが構築されている。このため、遊技球の研磨による熱、遊技球同士の衝突や摩擦による熱に加えて、パチンコ遊技機の電源基板や各種電飾による熱等により島設備内の温度は、極めて高くなっている。本実施形態では、上述したように、シャントレギュレータ回路4121aにシャント式安定化電源回路PIC0を採用することにより、パチンコ設備内に熱がこもる環境下にあっても、+2.5Vを安定化させて出力することができるようになっている。これにより、温度による+2.5Vの変動が抑制されることによって回転位置検知センサ512の可変端子から取り出された電圧、つまり発射強度目標電圧の「ゆらぎ」を抑えることができるため、この「ゆらぎ」分の電圧を含めずに、電圧比較回路4121cがスイッチング回路4121dに制御信号を出力することができる。つまり、回転ハンドル本体前506の回転位置が同一回転位置であるときには、遊技球を遊技領域1100に向かって打ち出す発射強度に「ムラ」を抑えることができるため、遊技球の「飛びムラ」を抑えることができる。
[3−6B.DC/DCコンバータの入出力電流及び出力電圧]
次に、DC/DCコンバータ831aの入出力電流及び出力電圧について、図172に示した、TA点における入力電流、TB点における出力電流及び出力電圧について、図174を参照して説明する。TA点は、DC/DCコンバータ831aの入力電流Iinを参照するための点であり、TB点は、DC/DCコンバータ831aの出力電流Iout及び出力電圧Voutを参照するための点である。なお、この出力電圧Voutは、グランドとの電位差である。
まずTB点の出力電圧Voutと出力電流Ioutとの関係は、図174(a)に示すように、出力電圧Voutが+35Vから減少につれて出力電流Ioutが増大する関係となっている。具体的には、出力電圧Voutが+35Vから+30Vまでの区間Aでは、出力電流Ioutが約360mAと一定であり、出力電圧Voutが+30Vから+20Vまでの区間Bでは、出力電圧Voutが減少するにつれて出力電流Ioutが360mAから400mAまで約40mA増加し、出力電圧Voutが+20Vから+10Vまでの区間Cでは、出力電圧Voutが減少するにつれて出力電流Ioutが400mAから660mAまで約260mA増加し、出力電圧Voutが+10Vから+5Vまでの区間Dでは、出力電圧Voutが減少するにつれて出力電流Ioutが660mAから1010mAまで約350mA増加している。なお、+5VからゼロV近傍では、出力電流Ioutはほぼ1010mAとなっている。
TA点の入力電流IinとTB点の出力電流Ioutとの関係は、図174(b)に示すように、出力電圧Voutが+35Vから減少につれて、入力電流Iinが減少するとともに出力電流Ioutが増大する関係となっている。具体的には、出力電圧Voutが+35Vから+30Vまでの区間Aでは、出力電流Ioutが約360mAと一定であるのに対して、入力電流Iinが400mAから320mAまで約80mA減少している。この区間Aでは、回転ハンドル本体前506の回転位置と対応する電流が発射ソレノイド654に流れて出力電流Ioutと比べて入力電流Iinが大きいときには遊技領域1100に向かって打ち出された遊技球が未だ遊技領域1100に達することが困難な発射強度となっている一方、回転ハンドル本体前506の回転位置と対応する電流が発射ソレノイド654に流れて出力電流Ioutと比べて入力電流Iinが小さくなりだすときには遊技領域1100に向かって打ち出された遊技球が遊技領域1100に達する発射強度となっている。出力電圧Voutが+30Vから+20Vまでの区間Bでは、出力電流Ioutが360mAから400mAまで約40mA増加するのに対して、入力電流Iinが320mAから260mAまで約60mA減少しており、出力電流Ioutと比べて入力電流Iinが完全に小さくなっている。出力電圧Voutが+20Vから+10Vまでの区間Cでは、出力電流Ioutが400mAから660mAまで約260mA増加するのに対して、入力電流Iinが260mAから210mAまで約50mA減少しており、区間Bと同様に、出力電流Ioutと比べて入力電流Iinが完全に小さくなっている。出力電圧Voutが+10Vから+5Vまでの区間Dでは、出力電流Ioutが660mAから1010mAまで約350mA増加するのに対して、入力電流Iinが210mAから175mAまで約35mA減少しており、区間B、及び区間Cと同様に、出力電流Ioutと比べて入力電流Iinが完全に小さくなっている。
なお、DC/DCコンバータ831aの出力電流Ioutの値が360mAであるときには、この360mAと、電解コンデンサSC0の放電による電流と、が併合された併合電流が最小電流、つまり遊技者が回転ハンドル本体前506に触れて、回転ハンドル本体前506を回動していない原回転位置であるときに発射ソレノイド654に流れる電流であるのに対して、DC/DCコンバータ831aの出力電流Ioutの値が1010mAであるときには、この1010mAと、電解コンデンサSC0の放電による電流と、が併合された併合電流が最大電流、つまり遊技者が回転ハンドル本体前506に触れて、回転ハンドル本体前506を右回りに回動して限界回転位置であるときに発射ソレノイド654に流れる電流である。このように、DC/DCコンバータ831aの出力電流Ioutは、最小出力電流の値が360mAとなり、最大出力電流の値が1010mAとなる。DC/DCコンバータ831aの出力電流Ioutの値が1000mAを超える場合には、発射ソレノイド654の発射強度は、すでに、外レール1111に沿って遊技領域1100に飛び出した遊技球が衝止部1114に衝突して内周レール1113に沿って下流に向かって転動し、各種入賞口に入球することなく、アウト口1151で回収される程度にまで強くなっている。このため、遊技者が回転ハンドル本体前506を右回りに回動して遊技を行っているときにおけるDC/DCコンバータ831aの出力電流Ioutの値が取りうる範囲としては、360mAより大きく1000mAより小さく(360mA<出力電流Ioutの値<1000mA)、ミリアンペアオーダーの電流となっている。
[3−6C.DC/DCコンバータの入出力電流及び出力電圧と発射タイミング回路からの発射基準パルスとの関係]
次に、回転ハンドル本体前506の一定回転位置において、図172に示した、TB点におけるDC/DCコンバータ831aの出力電流Iout及び出力電圧Voutと、発射タイミング回路4120cからの発射基準パルスT0と、について、図175を参照して説明する。TB点は、上述したように、DC/DCコンバータ831aの出力電流Iout及び出力電圧Vout(グランドとの電位差)を参照するための点であり、TC点は、発射タイミング回路4120cからの発射基準パルスT0を参照するための点である。
発射タイミング回路4120cからの発射基準パルスT0は、上述したように、発射ソレノイド654による遊技球の打ち出しを許可するときにおいて、1分当たり、つまり60000ms当たり100個の遊技球が遊技領域1100に向かって打ち出されるように設定されているため、図175(a)に示すように、そのパルス幅が30ms、その周期Tが600msとなる。
ここで、遊技者が回転ハンドル本体前506に触れて、回転ハンドル本体前506を回動して限界回転位置であるときと、回動していない原回転位置であるときと、におけるDC/DCコンバータ831aの出力電圧Voutの波形について説明する。
回転ハンドル本体前506が限界回転位置にあるときには、発射タイミング回路4120cからの発射基準パルスT0が発射ソレノイド駆動回路4120dのスイッチング回路4121dに入力されると、図175(b),(c)に示すように、DC/DCコンバータ831aからの電流と、電解コンデンサSC0に充電された電荷の放電による電流と、が併合された併合電流が上述した最大電流となって発射ソレノイド654に流れ始める(タイミングt0)。この最大電流が発射ソレノイド654に流れているときには、図175に示したDC/DCコンバータ831aの特性に従って、DC/DCコンバータ831aの電圧(電解コンデンサSC0の電圧)が+5Vまで下がり、DC/DCコンバータ831aの出力電流Ioutの値が上述した最大出力電流である1010mAとなる。そして、発射基準パルスT0の入力後、30ms経過してその入力が停止されると、電解コンデンサSC0の出力電圧がゼロV近傍に達するまで放電が進んでいる(タイミングt1)。発射ソレノイド654への最大電流が遮断されることにより、DC/DCコンバータ831aの出力電圧Voutが徐々に+35Vまで回復する。これにともない、DC/DCコンバータ831aの特性に従って電解コンデンサSC0の充電が開始される。具体的には、DC/DCコンバータ831aの出力電流Ioutは、図174に示したように、出力電圧Voutが小さくなるのに対して、出力電流Ioutが大きくなるという特性がある。最大電流が遮断された直後ではDC/DCコンバータ831aの出力電圧Vout、つまり電解コンデンサSC0の出力電圧は、ゼロV近傍となっており、電解コンデンサSC0は、DC/DCコンバータ831aの出力電流Ioutである1010mAという電流によって充電を開始し、そしてDC/DCコンバータ831aの出力電圧Voutが+35V近傍まで回復してくると、360mAという電流によって充電を継続し、その後、充電を完了することとなる。この充電は、次の発射基準パルスT0が入力されるまでの間にすでに完了するようになっている(タイミングt2)。つまり、今回の発射基準パルスT0が入力されて30ms経過して次の発射基準パルスT0が入力されるまでの570msの期間内に充電を完了するようになっている。
これに対して、回転ハンドル本体前506が原回転位置にあるときには、発射タイミング回路4120cからの発射基準パルスT0が発射ソレノイド駆動回路4120dのスイッチング回路4121dに入力されると、図175(b),(d)に示すように、DC/DCコンバータ831aからの電流と、電解コンデンサSC0に充電された電荷の放電による電流と、が併合された併合電流が上述した最小電流となって発射ソレノイド654に流れ始める(タイミングt0)。この最小電流が発射ソレノイド654に流れているときには、図175に示したDC/DCコンバータ831aの特性に従って、DC/DCコンバータ831aの電圧(電解コンデンサSC0の電圧)が若干下がるものの、図174に示した区間Aに属し、DC/DCコンバータ831aの出力電流Ioutの値が上述した最小出力電流である360mAとなる。そして、発射基準パルスT0の入力後、30ms経過してその入力が停止されると、電解コンデンサSC0の放電が少し進んでいる(タイミングt1)。発射ソレノイド654への最小電流が遮断されることにより、DC/DCコンバータ831aの出力電圧Voutが徐々に+35Vまで回復する。これにともない、DC/DCコンバータ831aの特性に従って電解コンデンサSC0の充電が開始される。具体的には、DC/DCコンバータ831aの出力電流Ioutは、上述したように、出力電圧Voutが小さくなるのに対して、出力電流Ioutが大きくなるという特性がある。最小電流が遮断された直後ではDC/DCコンバータ831aの出力電圧Vout、つまり電解コンデンサSC0の出力電圧は、若干下がるものの、区間Aに属しており、電解コンデンサSC0は、DC/DCコンバータ831aの出力電流Ioutである360mAという電流によって充電を開始し、その後、充電を完了することとなる。この充電は、次の発射基準パルスT0が入力されるまでの間にすでに完了するようになっている(タイミングt2)。つまり、今回の発射基準パルスT0が入力されて30ms経過して次の発射基準パルスT0が入力されるまでの570msの期間内に充電を完了するようになっている。
このように、発射ソレノイド654に最大電流、最小電流が流れても、DC/DCコンバータ831aの特性によって、今回の発射基準パルスT0が入力されて30msという放電時間内において電解コンデンサSC0が放電した電荷を、次の発射基準パルスT0が入力されるまでの残りの570msという充電時間内に充電を完了させることができる。
ここで、発射基準パルスT0が入力されて30ms経過するまでの期間内に電解コンデンサSC0が存在しない状態でDC/DCコンバータ831aが単独で発射ソレノイド654に電流を流す制御方式を採用する場合について考えてみると、この制御方式では、DC/DCコンバータ831aが単独で発射ソレノイド654に流す電流が2A〜3.5A程度となるため、この電流が電源基板851から供給されることとなる。発射ソレノイド654を駆動するときには、瞬間的に2A〜3.5Aより大きい大電流が流れる。そうすると、30msという発射基準パルスT0が600msという周期Tで発生するごとに、電源基板への負荷もこの周期Tごとに増えることとなる。つまり、電源基板は、発射ソレノイド654が駆動される際に流れる瞬間的な大電流に加えて電子部品や、装飾に用いる電飾等にも所定電流を供給しているため、これらの総電力が電力供給上限値を超えると、安全のため電力供給を遮断することとなる。
そこで、本実施形態では、発射基準パルスT0が入力されてからそのパルス幅である30msという期間において、電解コンデンサSC0が存在しない状態でDC/DCコンバータ831aが単独で発射ソレノイド654を駆動した場合に電源基板851の+37Vという直流電源からDC/DCコンバータ831aに供給されるアンペアオーダーの電流を、発射基準パルスT0が入力されて次回の発射基準パルスT0が入力されるまでの600msという期間に引き延ばして、DC/DCコンバータ831aと電解コンデンサSC0とによる併合電流で発射ソレノイド654を駆動した場合に電源基板851の+37Vという直流電源からDC/DCコンバータ831aに供給されるミリアンペアオーダーの「第1の電流」と、電解コンデンサSC0がDC/DCコンバータ831aからの電力を充電した場合に電源基板851の+37Vという直流電源からDC/DCコンバータ831aに供給されるミリアンペアオーダーの「第2の電流」と、に分散することができる。これにより、電解コンデンサSC0が存在しない状態で発射基準パルスT0が入力されてからそのパルス幅である30msという期間に電源基板851の+37Vという直流電源からDC/DCコンバータ831aに供給されるアンペアオーダーの電流を、電解コンデンサSC0が存在する状態で発射基準パルスT0が入力されて次回の発射基準パルスT0が入力されるまでの600msという期間に電源基板851の+37Vという直流電源からDC/DCコンバータ831aに供給されるミリアンペアオーダーの「第1の電流」と「第2の電流」とにより平均化することができる。したがって、発射ソレノイド654の駆動による瞬間的な大電流を供給するための負荷が電源基板851にかからなくすることができる。また、電源基板851の過負荷時の安全装置の作動条件の設計に時間を費やすことも解消することができる。
[3−6D.発射タイミング回路からの発射基準パルスと球送基準パルスとの関係]
次に、発射タイミング回路4120cからの発射基準パルスT0と、球送基準パルスT1と、について、図175を参照して説明する。TC点は、上述したように、発射タイミング回路4120cからの発射基準パルスT0を参照するための点であり、図172に示したTD点は、発射タイミング回路4120cからの球送基準パルスT1を参照するための点である。
球送基準パルスT1は、発射基準パルスT0である30msの5倍である150ms(=T0(30ms)×5)が設定されている。発射基準パルスT0が発射ソレノイド駆動回路4120dのスイッチング回路4121dに入力されると、図175(a),(e)に示すように、球送基準パルスT1が発射ソレノイド駆動回路4120dの球送ソレノイド駆動回路4120eに入力され(タイミングt0、150ms経過すると、その入力が停止されるようになっている(タイミングt3)。これにより、球送ソレノイド585を駆動して球送ソレノイド585による球送制御を行うことにより、次の発射基準パルスT0が入力されるまでの間に、次に打ち出される遊技球のセットを完了することができ、発射基準パルスT0が入力されるごとに、遊技球を遊技領域1100に向かって連続して打ち出すことができる。
このように、本例では、発射ソレノイド654によって遊技球を打ち込むようにした上で、電解コンデンサSC0から発射ソレノイド654へ駆動する電源を供給させると共に電解コンデンサSC0を発射電源基板831に備えるようにしているので、容量の異なる電解コンデンサSC0を備えた発射電源基板831を交換することで、発射ソレノイド654へ供給する電流(最大電流)を変更することができ、打球発射装置650の打込特性を遊技盤4に合わせた特性に変更することができる。
また、電解コンデンサSC0から発射ソレノイド654へ電源を供給するようにしているので、遊技球を発射してから次に発射するまでの間に、電源基板851からの電力を電解コンデンサSC0で蓄えて発射ソレノイド654へ供給することで、電源基板851から直接瞬間的に大電流が消費されるのを回避させることができ、発光装飾基板のLEDや演出駆動用のモータやソレノイド等の発光や動き等が不安定になったり遊技球の飛びムラが発生したりするのを防止することができる。
更に、電源基板851は、島設備の交流電源(AC24V)から直流電源(+5.2V、+5.25V、+12V、+24V、及び+37V)を作成して供給しており、打球発射装置650は、ハンドル装置500の回転ハンドル本体前506が回動操作されてその回転ハンドル本体前506の回転位置に見合った発射強度で発射ソレノイド654を駆動して遊技球を遊技領域1100に向かって打ち出すことができる。
また、電圧比較回路4121cに印加される発射強度目標電圧は、シャントレギュレータ回路4121aからの一定電圧である+2.5Vが増幅回路4121bで増幅された+5.0Vがハンドル装置500の回転位置検知センサ512により分圧されたものとなることによって、この分圧された電圧も回転ハンドル本体前506の回転位置が同一回転位置に保持されているときには、変動が生じず一定の電圧に保持されることとなる。これにより、スイッチング回路4121dが打球発射装置650の発射ソレノイド654に併合電流を流すことにより発射制御電圧を発射強度目標電圧に近づけて発射制御電圧が発射強度目標電圧と同一となった際に、回転ハンドル本体前506の回転位置が同一回転位置に保持されているときには、発射ソレノイド654に流れる併合電流も変動が生じず一定の電流が流れることとなるため、発射ソレノイド654が遊技球を遊技領域1100に向かって打ち出す発射強度が同一となる。したがって、発射ソレノイド654の駆動発射による遊技球の「飛びムラ」を防止することができる。
[3−7.主制御基板での制御処理]
次に、主制御基板4100(特に主制御MPU4100a)で実行される制御処理の例について、図176乃至図188を参照して説明する。図176は、主制御基板におけるメイン処理の一例を示すフローチャートである。図177は、電源断発生時処理の一例を示すフローチャートである。図178はタイマ割込処理の一例を示すフローチャートである。図179は、特別制御処理の一例を示すフローチャートである。図180は、始動口入賞処理を示すフローチャートである。図181は、変動開始処理を示すフローチャートである。図182は、変動パターン設定処理の一例を示すフローチャートである。図183は、変動中処理の一例を示すフローチャートである。
また、図184は、大当り遊技開始処理の一例を示すフローチャートである。図185は、小当り遊技開始処理の一例を示すフローチャートである。図186は、大当り遊技処理の一例を示すフローチャートである。図187は、小当り遊技処理の一例を示すフローチャートである。なお、タイマ割込処理は、主制御基板4100に搭載される主制御MPU4100aにより所定のタイミング(本実施形態では、4ms毎)で実行される。図188は、特別図柄用乱数記憶手段におけるテーブル構成を示す説明図である。
メイン処理は、図176に示すように、パチンコ機1へ電力の供給が開始されると、主制御MPU4100aは、電源投入時処理を実行する(ステップS1)。この電源投入時処理では、RAM4100eに記憶されているバックアップデータが正常であるか(停電発生時の設定値となっているか)否か判別し、正常であればRAM4100eに記憶されているバックアップデータに従って停電発生時の状態に戻す処理(復電時処理)を実行し、バックアップデータが異常であればRAM4100eをクリアしてCPU周辺のデバイス設定(通常の初期設定、割込タイミングの設定、等)を行う。
なお、遊技途中でパチンコ機1への電力供給が停止すると、RAM4100eに現在の遊技状態がバックアップデータとして記憶される。また、電源投入時処理にてRAM4100eに記憶されているバックアップデータのクリアを指示するRAMクリアスイッチ4100cがオンであれば、RAM4100eをクリアし、通常の初期設定を行う。また、電源投入時処理において、主制御基板4100のRAM4100eにバックアップデータが保存されていない場合には、RAM4100eをクリアし、通常の初期設定を行う。
また、電源投入時処理では、通常の初期設定を実行した時に周辺制御部4140に、主制御基板4100が起動したことを示す電源投入コマンドを送信可能な状態にセットする処理も実行される。電源投入コマンドは、主制御基板4100が起動したことを周辺制御部4140に通知するものである。なお、パチンコ機1を設置する遊技ホールの閉店時等にパチンコ機1への電力供給を停止した場合(電源を落とした場合)にもRAM4100eにバックアップデータが記憶され、再びパチンコ機1への電力供給を開始した時には電源投入時処理が実行される。
この電源投入時処理が終了すると、主制御MPU4100aは、遊技用の各処理を繰返し実行するループ処理を開始する。このループ処理の開始時には、主制御MPU4100aは、まず、停電予告信号が検知されているか否かを判定する(ステップS2)。なお、この実施の形態では、パチンコ機1にて使用する電源電圧は、電源基板851によって生成する。すなわち、パチンコ機1に搭載される複数種類の装置はそれぞれ異なる電源電圧で動作するため、外部電源からパチンコ機1に供給される電源電圧を電源基板851にて所定の電源電圧に変換した後、各装置に供給している。しかして、停電が発生し、外部電源から電源基板851に供給される電源電圧が所定の電源電圧以下となると、電源基板851から主制御基板4100に電源電圧の供給が停止することを示す停電予告信号が送信される。そして、ステップS2で主制御基板4100に搭載される主制御MPU4100aにより停電予告信号を検知すると、電源断発生時処理を実行する(ステップS4)。
この電源断発生時処理は、停電後に電源基板851に供給される電源電圧(この実施の形態では、24V)が復旧した場合に(以下、復電と呼ぶ)、遊技機の動作を停電前の状態から開始するために停電発生時の状態をRAM4100eにバックアップデータとして記憶する処理である。処理内容は後述するが、本実施例においては、図示する通り、電源断発生時処理は、割込処理ではなく、ループの開始直後に停電予告信号の検知有無に応じて実行される分岐処理としてメイン処理(主制御処理)内に組み込まれている。
ところで、ステップS2で停電予告信号が検知されていない場合、すなわち外部電源からの電力が正常に供給されている場合には、遊技にて用いられる各種乱数を更新する乱数更新処理2を行う(ステップS3)。なお、乱数更新処理2にて更新される乱数については後述する。
次に、電源断発生時処理は、図177に示すように、メイン処理において、停電予告信号が検出された時に実行される処理である。主制御MPU4100aは、まず、割込処理が実行されないように割込禁止設定を行う(ステップS4a)。そして、RAM4100eのチェックサムを算出し、RAM4100eの所定領域に保存する(ステップS4b)。このチェックサムは、復電時に停電前のRAM4100eの内容が保持されているか否かをチェックするのに使用される。
続いて、主制御MPU4100aは、RAM4100eの所定領域に設けられたバックアップフラグに、電源断発生時処理が行われたことを示す規定値を設定する(ステップS4c)。以上の処理を終えると、主制御MPU4100aは、RAM4100eへのアクセスを禁止し(ステップS4d)、無限ループに入って電力供給の停止に備える。なお、この処理では、ごく短時間の停電等(以下、「瞬停」と呼ぶ)によって、電源電圧が不安定となることにより、電源断発生時処理が開始されてしまった場合、実際には電源電圧は停止されないため、上記処理では、無限ループから復帰することができなくなる虞れがある。かかる弊害を回避するため、本実施例の主制御MPU4100aには、ウォッチドックタイマが設けられており、所定時間、ウォッチドックタイマが更新されないとリセットがかかるように構成されている。ウォッチドックタイマは、正常に処理が行われている間は定期的に更新されるが、電源断発生時処理に入り、更新が行われなくなる。これにより、瞬停によって、電源断発生時処理に入り、無限ループに入った場合でも、所定期間経過後にリセットがかかり、電源投入時と同じプロセスで主制御MPU4100aが起動するようになっている。
次に、タイマ割込処理は、メイン処理の実行中に主制御基板4100に搭載される主制御MPU4100aにより4ms毎にタイマ割込処理が実行されるものであり、図178に示すように、主制御MPU4100aは、レジスタの退避処理を実行した後(ステップS10)、ステップS11からステップS18の処理を実行する。ステップS11のスイッチ入力処理では、上述したスイッチ(ゲートスイッチ、始動口センサ、カウントセンサ、一般入賞スイッチ等)の検出信号を監視する処理を実行する。ステップS12の乱数更新処理1では、遊技にて用いられる各種乱数を更新する処理を実行する。なお、この実施の形態では、乱数更新処理1にて更新される乱数と、上述した乱数更新処理2にて更新される乱数と、は異なる。乱数については後述するが、乱数更新処理2にて更新される乱数を乱数更新処理1でも更新するようにしてもよい。ステップS13の払出動作処理では、スイッチ入力処理(ステップS11)にて検出された信号に基づいて払出制御基板4110に遊技球の払出しを指示する払出コマンドを設定する。
また、ステップS14の普通制御処理では、遊技の進行状態に基づいて、普通図柄を変動させると共に、普通電動役物(すなわち始動口ソレノイド2121によって第二始動口2102を開閉する可動片2105)を制御し、第二始動口2102の開閉状態を変化させる処理を実行する。ステップS15の特別制御処理では、遊技の進行状態に基づいて特別図柄表示器1185,1186で第一特別図柄及び第二特別図柄を変動表示させたり、特別電動役物(すなわちアタッカソレノイド2124によって大入賞口2103を開閉する開閉部材2106)を制御し、大入賞口2103の開閉状態を変化させたりする処理を実行する。
続くステップS16の出力データ設定処理では、パチンコ機1の外部(例えば、管理コンピュータ等)に遊技状態を示す状態信号を出力する処理、特図始動記憶表示器(図示せず)に駆動信号を出力する処理、等を実行する。ステップS17のコマンド送信処理では、演出コマンドを周辺制御部4140に送信する処理を実行する。また、コマンド送信処理では、パチンコ機1への電力供給が開始された時に電源投入時処理(ステップS1)でセットされた電源投入コマンドを周辺制御部4140に送信する処理も行われる。ステップS11からステップS17の処理を実行すると、レジスタの復帰処理(ステップS18)を実行して、処理を終了する。
ここで、上述した乱数更新処理1(ステップS12)および乱数更新処理2(ステップS3)で、主制御基板4100の主制御MPU4100aにより更新される各種乱数について説明する。この実施の形態では、遊技にて用いられる各種乱数として、大当り遊技状態を発生させるか否かの判定(大当り判定、大当り抽選とも呼ぶ)に用いられる大当り判定用乱数、大当り判定において大当り遊技状態を発生させると判定された時に特別図柄の停止図柄を決定(確変大当りか否かの判定(確変判定、確変抽選とも呼ぶ)を含む)するために用いられる大当り図柄用乱数、大当り判定にて大当り遊技状態を発生させないと判定された時にリーチ態様を伴うハズレとするか否かの判定(リーチ判定)に用いられるリーチ判定乱数、特別図柄表示器1185,1186に表示されている特別図柄の変動表示パターン(変動時間)を決定するために用いられる変動表示パターン乱数(変動時間用乱数)、第二始動口2102を開閉する可動片2105を開放状態に制御するか否かの判定(普通抽選当り判定)に用いられる普通当り判定用乱数、等がある。
なお、本例では、大当り判定用乱数を用いて小当り遊技状態を発生させるか否かの抽選(小当り抽選とも呼ぶ)も行われる。また、大当り図柄用乱数を用いて確率変動大当り(特定の利益が付与される確率を通常時よりも高く設定する。以下では、確変大当りとも呼ぶ)とするか否かの判定も行われる。さらに、大当り判定用乱数を用いて当りと判定された場合には、大当り図柄用乱数を用いて特殊当りとするか否かの判定も行われる。なお、リーチ判定用乱数を用いて特別図柄の変動表示パターンを決定すると共に、液晶表示装置1900にて表示制御される装飾図柄の変動表示パターンを決定するようにしても良い。また、大当り判定用乱数に基づいて、「大当り抽選」または「小当り抽選」のいずれかで当選しているか否かの判定を行うことを「当り抽選」とも呼ぶ。また、大当り判定用乱数と大当り図柄用乱数とによって行われる判定の全体は、特別抽選に対応する。
これらの乱数のうち、乱数更新処理1では、大当り遊技状態の発生に関わる大当り判定用乱数、大当り図柄用乱数、および可動片2105を開放状態に制御するか否かに関わる普通図柄当り判定用乱数の更新を行う。すなわち、大当り遊技状態の発生および可動片2105を開放状態に制御するか否かに関わる判定に用いられる乱数は所定のタイミングとして4ms毎に更新される。このようにすることにより、それぞれの乱数での所定期間における確率(大当り遊技状態を発生させると判定する確率、可動片2105を開放状態に制御すると判定する確率)を一定にすることができ、遊技者が不利な状態となることを防止することができる。一方、乱数更新処理2では、大当り遊技状態の発生、及び普通抽選に関わらないリーチ判定乱数、及び変動表示パターン乱数等の更新を行う。
次に、特別制御処理において主制御MPU4100aは、図179に示すように、ステップS20からステップS90の処理を実行する。ステップS20の始動口入賞処理では、第一始動口2101や第二始動口2102に遊技球が入賞したか否かを判別し、入賞した場合に抽選の保留状態を更新する処理を実行する。ステップS30の変動開始処理では、夫々の大当り抽選における記憶数(保留数)を確認し、保留数(合計の記憶数)が0でなければ、それに対応する特別図柄の変動表示を開始するための設定を行う。具体的には、大当り遊技状態(利益付与状態)を発生させるか否かの判定を行い(当落判定手段)、大当り遊技状態を発生させる場合には、確変大当りとするか否かを夫々判定する。ステップS40の変動パターン設定処理では、各特別図柄および各装飾図柄の変動表示に関わる設定を行う。具体的には、夫々の特別図柄の変動表示パターンを決定し、当該変動表示パターンに対応して設定される変動時間(特別図柄表示器1185,1186にて特別図柄の変動表示を開始してから停止するまでの時間)をタイマにセットする。
ステップS50の変動中処理では、変動表示パターン設定処理(ステップS40)で変動時間が設定されたタイマを監視し、タイマがタイムアウトしたことに基づいて第一特別図柄表示器1185または第二特別図柄表示器1186(特別図柄表示器1185,1186に相当)における特別図柄の変動表示を停止させる処理を行う。この時、変動開始処理(ステップS30)にて何れか一方の大当り抽選で大当り遊技状態とする判定がなされていれば、処理選択フラグを「3」に更新し、同抽選で小当り遊技状態とする判定がなされていれば、処理選択フラグを「4」に更新し、大当りまたは小当り遊技状態とする判定がなされていなければ処理選択フラグを「0」に更新する。
ステップS60の大当り遊技開始処理(利益付与状態制御手段)では、大当り遊技状態を開始するための設定を行う。具体的には後述するが、大当りの種類に応じて開閉部材2106の開放回数や開放時間等の設定を行う。また、ステップS70の小当り遊技開始処理では、小当り遊技状態を開始するための設定を行う。具体的には後述するが、小当りにおける開閉部材2106の開放回数や開放時間等の設定を行う。ステップS80の大当り遊技処理では、大入賞口2103を開放させると共に、所定個数の遊技球が大入賞口2103に入賞した時、または、所定期間が経過した時開閉部材2106を閉塞状態にするための処理を行う。また、大当り遊技状態におけるラウンド回数が所定回数に達していなければ、再び、開閉部材2106を開放状態にするための処理を行い、大当り遊技状態におけるラウンド回数が所定回数に達した時には、処理選択フラグを「5」に更新する。また、ラウンド回数が所定回数に達した後、確率変動状態及び時短遊技状態を発生させる処理を実行する(特別遊技状態制御手段)。
ステップS90の小当り遊技処理では、大入賞口2103を開放させると共に、所定個数の遊技球が大入賞口2103に入賞した時、または、所定期間が経過した時開閉部材2106を閉塞状態にするための処理を行う。なお、詳細は後述するが、小当り遊技処理における大入賞口2103の開放は、大当り遊技処理(ステップS80)に比べて、遊技者への利益が極めて低くなるように設定されている。次に、ステップS20〜ステップS90における具体的な処理について説明する。
次に、始動口入賞処理では、図180に示すように、まず、第二始動口センサ2127から検出信号が出力されたか否かを判別し、第二始動口センサ2127から検出信号が出力された場合には、第二始動口2102に遊技球が入賞したと判別し(ステップS201にてYES)、第二始動口センサ2127からの検出信号が出力されていなければ第二始動口2102に遊技球が入賞していない(ステップS201にてNO)と判別する。ステップS201にて第二始動口2102に遊技球が入賞したと判別した時には、第二大当り抽選用の各種乱数(大当り判定用乱数、大当り図柄用乱数、等)を取得し、RAM4100eに設けられている第二保留数カウンタの値が上限値となる4未満であるか否かを判別する(ステップS202)。そして、ステップS202で第二保留数カウンタが4未満であれば、第二始動保留記憶処理(ステップS203)、及び保留履歴更新処理(ステップS204)を実行する。なお、これらの処理については後述する。なお、ステップS202で第二保留数カウンタの値が4である場合には、第二始動保留記憶処理及び保留履歴更新処理を実行しない。
一方、ステップS201で第二始動口センサ2127から検出信号が出力されていない場合(ステップS201にてNO)、または、第二保留数カウンタの値が4である場合(ステップS202にてNO)には、第一始動口2101に遊技球が入賞したか否かを判別する(ステップS205)。具体的には、第一始動口センサ3231から検出信号が出力されたか否かを判別する。ステップS205にて第一始動口2101に遊技球が入賞したと判別した時には(YES)、第一大当り抽選用の各種乱数を取得し、RAM4100eに設けられている第一保留数カウンタの値が上限値となる4未満であるか否かを判別する(ステップS206)。そして、ステップS206で第一保留数カウンタが4未満であれば、第一始動保留記憶処理(ステップS207)、及び保留履歴更新処理(ステップS208)を実行する。なお、ステップS206で第一保留数カウンタの値が4である場合には、第一始動保留記憶処理及び保留履歴更新処理を実行しない。
なお、主制御MPU4100aは、図180のステップS203、S207において、第一始動口2101または第二始動口2102への遊技球の入賞を通知する入賞通知コマンドを周辺制御基板4010に送信する。入賞通知コマンドは、各種乱数が、何番目の保留として記憶されたかを表している。第一始動口2101または第二始動口2102に遊技球が受け入れられた場合であっても、乱数が保留として記憶されなかった場合には、主制御MPU4100aは、入賞通知コマンドを送信しなくてもよい。周辺制御基板4010は、受信した入賞通知コマンドに応じて、液晶表示装置1900に、保留数を表示してもよい。
また、主制御MPU4100aは、取得された各種乱数に基づく先行判定処理を実行し、入賞通知コマンドとして、更に先行判定処理の結果を表すコマンドを、周辺制御基板4010に送信する。先行判定処理は、ステップS203、S207で記憶された乱数を用いた抽選(例えば、後述の大当り抽選、確変抽選、小当り抽選、変動表示パターンの決定)に先立って行われ、その抽選結果を事前に判定する処理である。先行判定処理では、ステップS203、S207で記憶された乱数と、先行判定テーブルとを用いて行われる。先行判定テーブルは、当該乱数を用いた抽選に利用されるテーブル(例えば、当り判定用テーブル4501、4521、当り図柄用テーブル4502、4522、変動時間設定用テーブル4503、4504、4523、4524)と同様のテーブルである。先行判定処理では、当該乱数と先行判定テーブルとを比較することによって、当該乱数を用いた抽選が行われた場合の抽選結果(大当りまたは小当りの当否と、大当りの種類と、変動表示パターン等)が判定される(このように抽選に先行して行われる判定は、「先読み判定」とも呼ばれる)。周辺制御基板4010は、受信した入賞通知コマンド(先行判定結果)を反映した演出を、当該乱数を利用した抽選が行われるよりも前に、実現してもよい(このような演出は、「先読み演出」とも呼ばれる)。先読み演出は、例えば、先行判定結果が、特定の歌手をモチーフとした演出が実現されることを表す場合に、その演出が実現されるよりも前の演出において、特定の歌手を表すキャラクターを表示する演出であってもよい。
なお、本実施形態のパチンコ遊技機1では、先行判定テーブルの内容は、抽選に利用されるテーブルの内容と同じである。ただし、先行判定テーブルの内容の少なくとも一部が、抽選に利用されるテーブルの内容と異なっていても良い。
また、主制御MPU4100aは、遊技状態が特定の条件を満たしている場合にのみ、先行判定処理の結果を表す入賞通知コマンドを送信し、特定の条件を満たしていない場合には、先行判定処理の結果を表さない入賞通知コマンドを送信してもよい。例えば、第一始動口2101への入賞に起因する変動表示が、入賞後すぐには開始されず保留される場合に、主制御MPU4100aは、当該入賞に関する先行判定処理の結果を表す入賞通知コマンドを送信してもよい。ここで、大当り遊技状態と、時短遊技状態とにおいては、主制御MPU4100aは、先行判定処理の結果を表す入賞通知コマンドを送信せずに、先行判定処理の結果を表さない入賞通知コマンドを送信してもよい。第二始動口2102に関する特定の条件も、同様であってよい。
続いて、変動開始処理では、図181に示すように、まず、処理フラグが「0」か否かを判別し、「0」である場合(ステップS301にてYES)には、ステップS302以降の処理を実行し、「0」でない場合(ステップS301にてNO)には、変動開始処理を終了する。ステップS302では、夫々の特別図柄表示器2390a,2390bに対応する二つの保留数カウンタの値(第一始動記憶数及び第二始動記憶数)がともに「0」であるか否かを判別する。二つの保留数カウンタにおける値の和は、始動記憶の保存領域(特別図柄用乱数記憶手段4515,2940(図188参照))に格納される乱数値の個数を示すものであるため、ステップS302において何れの保留数カウンタの値がともに「0」であれば(YES)、第一大当り抽選及び第二大当り抽選に関する始動条件が成立していないと判別されてステップS317に移行する。
一方、ステップS302で何れかの保留数カウンタの値が「0」でなければ(NO)、始動記憶移行処理を実行する(ステップS303〜ステップS311)。図188(a)に示すように、第一特別図柄用乱数記憶手段4515には、四つの記憶領域(記憶領域[1]4515a〜記憶領域[4]4515d)が設けられており、第一始動記憶数(「1」〜「4」)の値にそれぞれ対応付けられている。また、図188(b)に示すように、第二特別図柄用乱数記憶手段4532にも、四つの記憶領域(記憶領域[1]4532a〜記憶領域[4]4532d)が設けられており、第二始動記憶数(「1」〜「4」)の値にそれぞれ対応付けられている。各記憶領域4515a〜4515d,4532a〜4532dは、大当り判定用乱数が記憶される大当り判定用乱数記憶領域4580と、大当り図柄用乱数が記憶される大当り図柄用乱数記憶領域4581とを有している。
そして、始動記憶移行処理では、まず、第二特別図柄表示器1186に対応する保留数カウンタの値(第二始動記憶数)が「0」であるか否か、すなわち第二特別図柄用乱数記憶手段4532の記憶領域[1]4532aに乱数が記憶されていないかを判別し(ステップS303)、乱数が記憶されていれば(NO)、n番目(nは2以上の自然数)の各記憶領域(記憶領域[2]4532b〜記憶領域[4]4532d)に記憶される各種乱数を、n−1番目の記憶領域(記憶領域[1]4532a〜記憶領域[3]4532c)に夫々シフトする処理(ステップS304)と、記憶領域[1]4532aに記憶されていた第二特別図柄に関する乱数を取得する処理(ステップS305)とを実行する。また、特別図柄変動フラグに「1」をセットする(ステップS306)と共に、第二特別図柄に対応する保留数カウンタを「1」減算する処理(ステップS307)を実行する。
一方、第二特別図柄用乱数記憶手段4532の記憶領域[1]4532aに乱数が記憶されていない場合、すなわち第二特別図柄表示器1186に対応する保留数カウンタの値が「0」の場合には(ステップS303にてYES)、第一特別図柄用乱数記憶手段4515のn番目(nは2以上の自然数)の各記憶領域(記憶領域[2]4515b〜記憶領域[4]4515d)に記憶される各種乱数を、n−1番目の記憶領域(記憶領域[1]4515a〜記憶領域[3]4515c)に夫々シフトする処理(ステップS308)と、記憶領域[1]4515aに記憶されていた第一特別図柄に関する乱数を取得する処理(ステップS309)とを実行する。また、第一特別図柄に対応する保留数カウンタを「1」減算する処理(ステップS311)を実行する。
つまり、第一特別図柄に関して言えば、保留する際には、第二特別図柄の場合と同様に、保留数カウンタの値(第一始動記憶数)を「1」増やすと共に、抽出した乱数を、第一始動記憶数の値に対応した記憶領域に格納するが、第一特別図柄の変動を開始する際には第二始動記憶数が「0」である場合のみ、すなわち第一特別図柄による第一処理が待機中であり且つ第二特別図柄による第二処理が待機中でない場合に限り、第一特別図柄用乱数記憶手段4515の1番目の記憶領域「1」4515aから各乱数を読み出すようにしている。そして、この制御により第二処理を第一処理よりも優先的に行わせることを可能にしている。
その後、確率変動機能作動中か否か、すなわち高確率である確率変動状態か否かを判別し(ステップS312)、確率変動状態でない場合には(ステップS312にてNO)、確率変動未作動時の大当り判定テーブル、すなわち大当りとなる確率が低く設定されたテーブルを選択し、一方、確率変動状態の場合には(ステップS312にてYES)、確率変動作動時のテーブル、すなわち大当りとなる確率が高く設定されたテーブルを選択する。なお、本例では、確率変動未作動時(すなわち通常時)には、大当りとなる確率が6/499に設定され、確率変動作動時(すなわち高確率時)には、大当りとなる確率が60/499に設定されている。ここでは、499個の値からランダムに選択された1つの値を表す乱数を用いて大当りとなるか否かの判定を行うことを想定しているが、乱数のとり得る値の総数は、499個とは異なる他の任意の数(例えば、499よりも大きい数、あるいは、499よりも少ない数)であってよい。また、大当りとなる確率は、これらに限らず、他の値に設定されてもよい。例えば、通常時の大当りとなる確率が1/299であり、高確率時の大当りとなる確率が10/299であってもよい。
ステップS313又はステップS314において、何れかのテーブルが選択された後、そのテーブルに基づき、ステップS305又はステップS309にて取得された、何れかの特別図柄に関する乱数(大当り判定用乱数)が、大当りに相当する乱数(大当り値)であるか否かを判別する(ステップS315(大当り抽選))。そして、大当り値である場合には(ステップS315にてYES)、大当りフラグを「ON」にし(ステップS316)、ステップS317に移行する。一方、取得した乱数が大当り値ではない場合には(ステップS315にてNO)、その乱数が小当りに相当する乱数(小当り値)であるか否かを判別する(ステップS318)。そして、小当り値である場合には(ステップS318にてYES)、小当りフラグを「ON」にして(ステップS319)、ステップS317に移行する。また、小当り値ではない場合には(ステップS318にてNO)、ステップS319を経由することなく、ステップS317に移行する。ステップS317では、処理フラグを「1」に更新し、変動開始処理を終了する。なお、大当りフラグおよび小当りフラグのON/OFF状態(セット状態、リセット状態)は、RAM4100eに記憶される。また、大当りフラグおよび小当りフラグのOFF状態(リセット状態)とは「0」の値がセットされることであり、大当りフラグおよび小当りフラグのON状態(セット状態)とは「1」の値がセットされることである。
次に、変動パターン設定処理では、図182に示すように、処理フラグが「1」か否かを判別し、ステップS317によって「1」となっている場合(ステップS401にてYES)には、ステップS402以降の処理を実行し、「1」でない場合(ステップS401にてNO)には、変動パターン設定処理を終了する。ステップS402では、大当りフラグが「ON」か否かを判別し、ステップS316によって「ON」となっている場合(ステップS402にてYES)には、取得された乱数(大当り図柄用乱数)を基に、確率変動大当りまたは通常大当りの何れの大当りであるのかを判別する(ステップS403(確変抽選))。そして、確率変動大当りである場合(ステップS403にてYES)には、大当り図柄用乱数に基づいて特殊当りか否かを判別する(ステップS404)。なお、このように大当り図柄用乱数に基づく特殊当りか否かの判別を特殊当り抽選とも呼ぶ。詳しくは後述するが、何れの確率変動大当りも、「その後の抽選において、特定の利益が付与される確率を通常時よりも高く設定した確率変動状態する」ことは、共通している。ただし、特殊当りを除いた他の確率変動大当りでは「何れかの特別図柄表示器1185,1186で変動する特別図柄の変動時間を短縮させる(通常時よりも相対的に短くする)と共に、第二始動口2102への入賞のし易さを通常よりも増加させるようにした時短遊技状態」を発生させるのに対して、特殊当りである確率変動大当りでは、そのような時短遊技状態が発生しないように設定されている。なお、特殊当りである確率変動大当りによる確率変動状態において、さらに、特殊当りである確率変動大当りに当選した場合には、時短遊技状態が発生するように設定されている。
ここで、遊技状態が、確率変動状態であって時短遊技状態である場合を、確変外部有利状態とも呼ぶ。遊技状態が、確率変動状態であって時短遊技状態でない場合を、確変外部不利状態とも呼ぶ。遊技状態が、確率変動状態でなく(すなわち、大当り確率が低確率状態であり)時短遊技状態である場合を、通常外部有利状態とも呼ぶ。さらに、遊技状態が、確率変動状態でなく(すなわち、大当り確率が低確率状態であり)時短遊技状態でもない場合を、通常外部不利状態、または、単に通常遊技状態とも呼ぶ。
通常遊技状態での特殊当りは、上述したように、確変外部不利状態に移行する。また、確変外部不利状態での特殊当りは、上述したように、確変外部有利状態へと移行する。そして、本実施形態では、通常外部有利状態、および、確変外部有利状態での特殊当りについても、確変外部有利状態へと移行する。
一般の確率変動大当り(特殊当りを除いた他の確率変動大当り)では、大入賞口2103を開閉する開閉部材2106の一回当りの開放時間が、複数個(例えば10個)の遊技球がゆとりを持って入賞できる程度の時間に設定されていると共に、開閉部材2106の開閉動作を、多くの利益を付与する回数(例えば15回)行うように制御される。これに対し、特殊当りである確率変動大当りでは、開閉部材2106の一回当りの開放時間が、数個(例えば一または二個)の遊技球が辛うじて入賞できる程度の時間に設定されるように制御される。
ステップS404において、特殊当りでないと判別された場合、すなわち一般の確率変動大当りであると判別された場合には(NO)、確変大当り時変動表示パターンテーブルを選択し(ステップS405)、一方、特殊当りであると判別された場合には(ステップS404にてYES)、確変特殊当り時変動表示パターンテーブルを選択する(ステップS406)。なお、ステップS403において、確率変動大当りでないと判別された場合、すなわち通常大当りであると判別された場合には(YES)、通常大当り時変動表示パターンテーブルを選択する(ステップS407)。
一方、ステップS402において、大当りフラグが「ON」ではないと判別された場合には(NO)、小当りフラグが「ON」か否かを判別し(ステップS408(小当り抽選))、ステップS319によって「ON」となっている場合には(ステップS408にてYES)、小当り時変動表示パターンテーブルを選択する(ステップS409)。また、小当りフラグが「ON」となっていない場合には(ステップS408にてNO)、取得されたリーチ判定用乱数がリーチに相当する乱数(リーチ値)か否かを判別し(ステップS410)、リーチ値である場合(はずれリーチの場合)には(ステップS410にてYES)、ハズレリーチ時変動表示パターンテーブルを選択し(ステップ411)、リーチ値でない場合(はずれの場合)には(ステップS410にてNO)、ハズレ時変動表示パターンテーブルを選択する(ステップS412)。
なお、上述した確変特殊当り時変動表示パターンテーブル、通常大当り時変動表示パターンテーブル、はずれ時変動表示パターンテーブル、および、はずれリーチ時変動表示パターンテーブルは、遊技状態が、時短遊技状態でない場合、すなわち、確変外部不利状態および通常遊技状態(通常外部不利状態)の場合に選択されるテーブルである。これらテーブルの全体を、外部不利時変動表示パターンテーブルとも呼ぶ。
遊技状態が、通常外部有利状態の場合には、上記外部不利時変動表示パターンテーブルは選択されない。この通常外部有利状態では、外部不利時変動表示パターンテーブルとは異なるテーブルであって、特殊当り、特殊当りを除く確変大当り、確変とならない通常大当り、大当りでないがリーチ判定乱数がリーチ値となった場合であるはずれリーチ、および、大当りでもなくリーチともならないはずれとなる場合を含む通常時短時変動表示パターンテーブルが選択される。この通常時短時変動表示パターンテーブルについての詳細は、後述する。
また、遊技状態が、確変外部有利状態の場合についても外部不利時変動表示パターンテーブルは選択されない。この確変外部有利状態では、外部不利時変動表示パターンテーブル及び通常時短時変動表示パターンテーブルとは異なるテーブルであって、特殊当り、特殊当りを除く確変大当り、確変とならない通常大当り、および、大当りでもなくリーチともならないはずれ、となる場合を含む確変時短時変動表示パターンテーブルが選択される。この確変時短時変動表示パターンテーブルについての詳細は、後述する。
このように、何れかのステップにおいて、変動表示パターンテーブルが選択されると、その変動表示パターンテーブル、及びステップS305またはステップS309の何れかにおいて取得された変動表示パターン乱数に基づいて、変動表示パターンを決定する(ステップS413)。次いで、ステップS413で決定した変動表示パターンを指定する演出コマンドとして選択値をセットし(ステップS414)、当該変動表示パターンに応じた変動時間を主制御基板4100のRAM4100eに設けられたタイマ(この実施の形態では、有効期間タイマ)にセットする(ステップS415)。ステップS415では、ステップS413で決定した変動表示パターンに設定されている変動時間を有効期間タイマにセットする。
なお、ステップS414でセットされた変動表示パターンコマンドは、コマンド伝送出力処理にて周辺制御部4140に送信される。また、変動表示パターンコマンドをコマンド伝送出力処理で周辺制御部4140に送信する時には、第一特別図柄表示器1185及び第二特別図柄表示器1186に駆動信号を出力し、特別図柄の変動表示を開始させる。その後、処理フラグを「2」に更新し(ステップS416)、変動パターン設定処理を終了する。
続いて、変動中処理では、図183に示すように、まず、処理フラグが「2」か否かを判別し(ステップS501)、ステップS416によって「2」となっている場合には(ステップS501にてYES)、ステップS502以降の処理を実行し、「2」でない場合(ステップS501にてNO)には、変動中処理を終了する。ステップS502では、第一特別図柄表示器1185または第二特別図柄表示器1186にて第一特別図柄または第二特別図柄が変動中か否かを判別し、変動中の場合には、第一特別図柄または第二特別図柄の変動時間がタイムアップしたか否かを判別する(ステップS503)。そして、変動時間がタイムアップした際、すなわち、変動時間が終了した場合には(ステップS503にてYES)、その変動を停止させる(ステップS504)。
なお、遊技状態が通常外部有利状態の場合において、ステップS504の処理が終了した際に、大当りフラグがONでない場合(当該変動が大当りでない場合)であって、時短回数が規定回数(例えば、70回)に到達した場合には、時短遊技状態を終了し、時短遊技状態でもなく確率変動状態でもない通常遊技状態(通常外部不利状態)へ移行する。
なお、何れの特別図柄も変動していない場合(ステップS502にてNO)、または変動時間が終了していない場合(ステップS503にてNO)には、特別図柄の変動を停止させることなく変動中処理を終了する。
ステップS504によって特別図柄の変動を停止させた後、大当りフラグが「ON」か否かを判別し(ステップS505)、大当りフラグが「ON」の場合には、処理フラグを「3」に更新する(ステップS506)。一方、大当りフラグが「ON」でない場合には(ステップS505にてNO)、小当りフラグが「ON」か否かを判別し(ステップS507)、「ON」の場合には処理フラグを「4」に更新し(ステップS508)、「ON」でない場合には処理フラグを「0」に更新する(ステップS509)。このように、ステップS506、ステップS508、またはステップS509の何れかにおいて処理フラグを更新した後、変動中処理を終了する。
次に、大当り遊技開始処理では、図184に示すように、まず、処理フラグが「3」か否かを判別し、ステップS506によって「3」となっている場合には(ステップS601にてYES)、ステップS602以降の処理を実行し、「3」でない場合には(ステップS601にてNO)、大当り遊技開始処理を終了する。ステップS602では、確率変動機能作動中か否か、すなわち確率変動状態か否かを判別し、確率変動状態である場合には(YES)、確率変動機能の作動を一端停止し、ステップS604に移行する。なお、確率変動状態ではない場合、すなわち通常の低確率状態である場合には(ステップS602にてNO)、ステップS603の処理を実行することなくステップS604に移行する。ステップS604では、時短機能作動中か否か、すなわち時短遊技状態か否かを判別し、時短遊技状態になっている場合には(YES)、時短機能の作動を停止させ(ステップS605)、ステップS606に移行する。一方、時短遊技状態でない場合には(ステップS604にてNO)、ステップS605の処理を実行させることなくステップS606の処理に移行する。
ステップS606では、大当りの種類が、一般の大当りであるか特殊当りであるかを判別し、一般の大当りである場合には(ステップS606にてNO)、開閉部材2106による大入賞口2103の開放条件、すなわち、大当り用開放回数、一回当りの開放時間、及び大入賞口2103への入賞制限個数を設定する(ステップS607)。一方、大当りが特殊当りである場合には(ステップS606にてYES)、大入賞口2103における特殊当り用開放回数、入賞制限個数、及び一回当りの開放時間を設定する(ステップS608)。その後、処理フラグを「5」に更新し(ステップS609)、大当り遊技開始処理を終了する。
一方、小当り遊技開始処理では、図185に示すように、まず、処理フラグが「4」か否かを判別し、ステップS508によって「4」となっている場合には(ステップS701にてYES)、ステップS702及びステップS703の処理を実行し、処理フラグが「4」でない場合には(ステップS701にてNO)、ステップS702及びステップS703の処理を実行することなく小当り遊技開始処理を終了する。ステップS702では、小当りの場合における大入賞口2103の開放条件、すなわち、開閉部材2106による大入賞口2103の小当り用開放回数、及び一回当りの開放時間が夫々設定される。なお、小当りにおける開放回数、入賞制限個数、及び開放時間は、特殊当りの場合に設定される条件(ステップS608)と同一になるように設定されている。すなわち、特殊当りと小当りとを、視覚的に判別することができないように設定されている。その後、処理フラグが「6」に更新され(ステップS703)、小当り遊技開始処理を終了する。
次に、大当り遊技処理では、図186に示すように、まず、処理フラグが「5」か否かを判別し、ステップS609によって「5」となっている場合には(ステップS801にてYES)、ステップS802以降の処理を実行し、「5」でない場合には(ステップS801にてNO)、大当り遊技処理を終了する。ステップS802では、大入賞口2103が開放中か否かを判別し、開放中の場合には(YES)、大入賞口2103の開放時間(開放した後の経過時間)が、予め設定した所定時間に達したか否かを判別し(ステップS803)、経過した場合には(ステップS803にてYES)、開閉部材2106を作動させて大入賞口2103を閉鎖する(ステップS805)。
なお、設定された開放時間まで経過していない場合でも(ステップS803にてNO)、大入賞口2103が開放された後に大入賞口2103に入賞した遊技球の個数が、ステップS607で設定された制限個数(例えば10個)を超えた場合には(ステップS804にてYES)、ステップS805に移行して大入賞口2103を閉鎖する。また、大入賞口2103の開放時間が設定時間に到達しておらず(ステップS803にてNO)、しかも遊技球の入賞個数が制限個数に達していない場合には(ステップS804にてNO)、大当り遊技処理を終了する。
一方、ステップS802において、大入賞口2103が開放中でない場合には(NO)、開閉部材2106による大入賞口2103の開放回数が、ステップS607で設定された大当り用開放回数、またはステップS608で設定された特殊当り用開放回数に、到達したか否かを判別する(ステップS806)。そして、到達していない場合には(ステップS806にてNO)、開閉部材2106を制御して大入賞口2103を開放し(ステップS807)、大当り遊技処理を終了する。これにより多量の遊技球を大入賞口2103に入賞させることが可能になる。
ステップS806において大入賞口2103の開放回数が設定された回数に達した場合(YES)、すなわち、大当り遊技状態が終了した場合には、ステップS808〜ステップS813の処理を実行し、その後の抽選に対しての遊技状態を設定する。具体的には、まず、大当りフラグを「OFF」とし(ステップS808)、今回の大当りが、確率変動機能を作動させる当選であるか否かを判別する(ステップS809)。つまり、特殊当りを含む確率変動大当りであるか、通常大当りであるかを判別する。確率変動大当りで当選した場合には(ステップS809にてYES)、確率変動機能の作動を開始し、高確率である確率変動状態とする(ステップS810)。すなわち、その後の抽選において大当りが当選する確率を通常時よりも高く設定する。
なお、大当りが特殊当りである場合には(ステップS811にてYES)、確率変動機能または時短機能の作動中の当りか否かを判別する(ステップS814)。そして、特殊当りでない場合、すなわち、一般の確率変動大当りである場合(ステップS810にてNO)、或いは、確率変動機能または時短機能が既に作動している場合に特殊当りが当選した場合には、時短機能の作動を開始し(すなわち、遊技状態を確変外部有利状態へとし)(ステップS812)、その後、処理フラグを「0」に更新する(ステップS813)。つまり、第一特別図柄表示器1185または第二特別図柄表示器1186で変動する第一特別図柄または第二特別図柄の変動時間を短縮させると共に、可動片2105の開放作動によって第二始動口2102への入賞のし易さを通常よりも高くする。一方、確率変動機能及び時短機能の作動中ではない場合、すなわち、確率変動状態も時短遊技状態も発生していない状態で、特殊当りが当選した場合には(ステップS814にてNO)、時短機能を作動させることなくステップS813に移行する(すなわち、遊技状態を確変外部不利状態とする)。
一方、ステップS809において確率変動機能を作動させる当選ではない場合、すなわち、通常大当りの場合には(NO)、時短機能の作動を開始すると共に、時短機能における作動の規定回数を設定し(ステップS815)、その後、ステップS813に移行する(すなわち、遊技状態を通常外部有利状態に移行する)。つまり、抽選による第一特別図柄または第二特別図柄の変動回数が所定回数(例えば、70回)になるまで時短機能を作動させる。
次に、小当り遊技処理では、図187に示すように、まず、処理フラグが「6」か否かを判別し、ステップS703によって「6」となっている場合には(ステップS901にてYES)、ステップS902以降の処理を実行し、「6」でない場合には(ステップS901にてNO)、小当り遊技処理を終了する。ステップS902では、大入賞口2103に対する遊技球の入賞数が、予め設定された最大入賞数に達したか否かを判別し(ステップS902)、まだ最大入賞数に達していない場合には(NO)、大入賞口2103が開放中か否かを判別する(ステップS903)。そして、ステップS903において、大入賞口2103が開放中であると判別された場合には(YES)、大入賞口2103の開放時間(開放した後の経過時間)が、予め設定した所定時間に達したか否かを判別し(ステップS904)、経過した場合には(ステップS904にてYES)、開閉部材2106を作動させて大入賞口2103を閉鎖する(ステップS905)。その後、大入賞口2103の開放回数が予め定めた所定回数(例えば15回)に達したか否かを判別し(ステップS906)、その回数に達した場合には(YES)、処理フラグを「0」に更新し(ステップS907)、小当り遊技処理を終了する。
なお、ステップS904において大入賞口2103の開放時間が所定時間に達していない場合(NO)、またはステップS906において開放回数が所定回数に達していない場合には(NO)、ステップS907の処理を実行することなく、小当り遊技処理を終了する。また、ステップS903において、大入賞口2103が開放中でない場合には(NO)、大入賞口2103を開放し、遊技球の入賞を可能とする(ステップS908)。また、ステップS902において、大入賞口2103に対する遊技球の入賞数が、予め設定された最大入賞数に達した場合には(YES)、大入賞口2103が開放中か否かを判別し(ステップS909)、開放中の場合には(YES)、大入賞口2103を閉鎖し(ステップS910)、ステップS907に移行する。一方、大入賞口2103が開放中でない場合には(ステップS909にてNO)、ステップS910の処理を実行することなく、ステップS907に移行する。ステップS907では処理フラグを「0」に更新する。
なお、大当りの種類としては、上述した種類に限らず、他の種々の種類の大当りを実装してもよい。例えば、遊技状態が、通常不利状態時において、確率変動大当りであって、上述の「特殊当り」と同様に大当り遊技における大入賞口2103(開閉部材2106)の一回当りの開放時間が短い第一所定時間に設定されるものの、時短遊技状態(確変外部有利状態)が発生するような大当りを実装してもよい。この場合において、大当り遊技における所定ラウンド(例えば、2ラウンド)は大入賞口2103(開閉部材2106)の一回当りの開放時間を第一所定時間よりは比較的長い時間に設定し、所定ラウンド以外のラウンドは大入賞口2103(開閉部材2106)の一回当りの開放時間が短い第一所定時間に設定してもよい。また、このような特殊当りを省略し、大当りの種類を、通常大当りと、特殊当りを除く確変大当りのみしてもよい。さらに、通常大当りであって、大当り遊技終了後に確率変動状態へは移行しないが、上述の「特殊当り」と同様に大当り遊技における大入賞口2103(開閉部材2106)の一回当りの開放時間が短い第一所定時間に設定されると共に、時短遊技状態(通常外部有利状態)が発生するような大当り(いわゆる突時)を実装してもよい。さらに、大当り遊技において、大入賞口2103の開放時間が一旦は短い第一所定時間に設定されるものの、複数回の開放の途中で開放時間が長い第二所定時間に変更されるような大当り(いわゆる、ジャンプアップ大当り)を実装してもよい。
また、上述の実施形態では、小当りを設けているが、これに限られず、小当りを省略するようにしてもよい。
[3−8.周辺制御部での制御処理]
次に、周辺制御部4140に搭載される周辺制御MPU4140aによって実行される処理について、図189乃至図193を参照して説明する。図189はサブメイン処理の一例を示すフローチャートであり、図190は16ms定常処理の一例を示すフローチャートである。図191は、コマンド解析処理(ステップS1100)の一例を示すフローチャートである。図192は、演出制御処理(ステップS1200)の一例を示すフローチャートである。図193は、装飾図柄変動開始処理(ステップS1210)の一例を示すフローチャートである。
サブメイン処理では、図189に示すように、パチンコ機1への電力供給が開始されると、周辺制御MPU4140aによって初期設定処理を行う(ステップS1001)。この初期設定処理では、周辺制御部4140に搭載される周辺制御RAM4140eをクリアする処理等が行われる。なお、この初期設定処理中では割込禁止となっており、初期設定処理のあと割込許可となる。初期設定処理(ステップS1001)が終了すると、16ms経過フラグTがセットされたか否かを監視するループ処理を開始する(ステップS1002)。
本例では、周辺制御MPU4140aは、2ms経過毎に割込を発生させ、2ms定常処理を実行する。2ms定常処理では、16ms経過監視カウンタをカウントアップする(16ms経過監視カウンタを1加算する)処理が実行され、16ms経過監視カウンタの値が8になった時、すなわち、16ms経過した時に16ms経過フラグTをセットすると共に、16ms経過監視カウンタをリセットする(0にする)処理が実行される。このように、16ms経過フラグTは、2ms定常処理にて16ms毎に「1」に設定(セット)され、通常は「0」に設定(リセット)されている。ステップS1002で16ms経過フラグがセットされている(16ms経過フラグTが「1」)時には、16ms経過フラグをリセットした後(ステップS1003)、16ms定常処理を行う(ステップS1004)。
この16ms定常処理では、主制御基板4100から受信した演出コマンドに基づいて液晶表示装置1900、扉枠5や遊技盤4に備えられた各装飾基板214,216,254,256,286,320,322,430,432,3014等のLED、扉枠5や本体枠3のスピーカ130,222,262,821等を制御する処理が実行される。16ms定常処理が終了すると、再びステップS1002に戻り、16ms経過フラグTがセットされる毎に、つまり16ms毎に上述したステップS1003〜ステップS1004を繰返し行う。一方、ステップS1002で16ms経過フラグTがセットされていない(16ms経過フラグTが「0」)時には、16ms経過フラグTがセットされるまでループ処理を行う。
次に、16ms定常処理では、サブ周辺制御MPU4140aが、図190に示すように、ステップS1100〜ステップS1600の処理を実行する。ステップS1100のコマンド解析処理では、主制御基板4100から受信した演出コマンドを解析する。ステップS1200の演出制御処理では、変動表示パターンコマンドに基づいて液晶表示装置1900に関わる制御処理を実行する。具体的には、予告演出の設定、装飾図柄の停止図柄の決定、等を行う。
また、ステップS1300の音制御処理では、演出効果を促進させる効果音(例えばBGM)を発生させるための、スピーカ130,222,262,821に関わる制御処理を実行する。ステップS1400の発光装飾制御処理では、扉枠5や遊技盤4に備えられた各装飾基板214,216,254,256,286,320,322,430,432,3014による発光装飾に関わる制御処理を実行する。ステップS1500の情報出力処理では、裏箱3001の後面に取付けられた各中継基板3014,3016,3018,3020に演出コマンドを送信する。ステップS1600の乱数更新処理では、演出制御処理(ステップS1200)で各種設定に用いられる乱数を更新する処理を実行する。
なお、16ms定常処理におけるステップS1100〜ステップS1600の処理は16ms以内に終了する。仮に、16ms定常処理を開始してから当該16ms定常処理の終了までに16ms以上かかったとしても、16ms定常処理を開始してから16ms経過した時に直ぐに16ms定常処理を最初から(後述するステップS1100のコマンド解析処理から)実行しない。すなわち、16ms定常処理の実行中に16ms経過した時には、16ms経過フラグのセットのみを行い、当該16ms定常処理の終了後にステップS1002で16ms経過フラグがセットされていると判別された時に16ms定常処理を開始する。
また、本例では、16ms定常処理にて乱数更新処理(ステップS1600)を実行して各種乱数を更新するように構成しているが、各種乱数を更新する時期(タイミング)はこれに限られるものではない。例えば、サブメイン処理におけるループ処理および16ms定常処理の何れか一方または両方にて各種乱数を更新するように構成してもよい。
次に、コマンド解析処理は、図191に示すように、まず、主制御基板4100から演出コマンドを受信したか否かを判別する(ステップS1101)。この実施の形態では、主制御基板4100から演出コマンドを受信すると、16ms定常処理等の他の処理を中断してコマンド受信割込処理を発生させ、受信したコマンドを、周辺制御部4140の周辺制御RAM4140eにおける受信コマンド格納領域に保存する。なお、受信コマンド格納領域は、演出コマンドの受信順に対応して複数の領域が設けられ、コマンド受信割込処理では、演出コマンドの受信順に対応して各領域に保存する。ステップS1101では、受信コマンド格納領域の内容を確認し、演出コマンドが記憶されていれば、受信コマンド格納領域の受信順が先の演出コマンドを読み出す(ステップS1102)。
そして、読み出した演出コマンドが変動表示パターンコマンドであるか判別し(ステップS1103)、読み出した演出コマンドが変動表示パターンコマンドであれば(ステップS1103にてYES)、変動表示パターン受信フラグをセットすると共に、周辺制御部4140に搭載される周辺制御RAM4140eにおける変動表示パターン格納領域に格納する(ステップS1104)。
一方、読み出した演出コマンドが変動表示パターンコマンドでなければ(ステップS1103にてNO)、読み出した演出コマンドが確変大当りコマンドであるか判別し(ステップS1105)、読み出した演出コマンドが確変大当りコマンドであれば(ステップS1105にてYES)、確変大当りフラグをセットする(ステップS1106)。また、読み出した演出コマンドが確変大当りコマンドでなければ(ステップS1105にてNO)、受信した演出コマンドに対応したフラグをセットする(ステップS1107)。
続いて、演出制御処理は、図192に示すように、遊技の進行状態を示す処理選択フラグの値を参照してステップS1210〜ステップS1230のうち何れかの処理を行う。
処理選択フラグが「0」の時に実行される装飾図柄変動開始処理(ステップS1210)では、変動表示パターンコマンドを受信していれば装飾図柄の変動表示を開始させるための設定を行う。具体的には、変動表示パターンコマンドおよび確変大当りコマンドに応じて装飾図柄の停止図柄を決定すると共に、予告演出等の設定を行う。
処理選択フラグが「1」の時に実行される装飾図柄変動処理(ステップS1220)では、変動停止コマンドを受信した時に液晶制御部4150に表示コマンドを送信して装飾図柄の変動表示を停止させる制御を行う。
処理選択フラグが「2」の時に実行される大当り表示処理(ステップS1230)では、主制御基板4100から送信される大当り開始コマンドに応じて液晶表示装置1900に大当り遊技状態の開始を示す表示や大当り遊技状態中の表示(例えば、ラウンド表示等)をさせる制御を行う。
次に、装飾図柄変動開始処理は、図193に示すように、まず、変動表示パターン受信フラグがセットされているか判別する(ステップS1221)。変動表示パターン受信フラグは、上述したコマンド解析処理(ステップS1100)のステップS1104でセットされ、主制御基板4100から変動表示パターンコマンドを受信したことを示すフラグである。ステップS1221で変動表示パターン受信フラグがセットされていなければ(NO)、変動表示パターンコマンドを受信していないと判別して処理を終了する。
一方、変動表示パターン受信フラグがセットされていれば(ステップS1221にてYES)、変動表示パターン受信フラグをリセットし(ステップS1222)、受信した変動表示パターンコマンドに基づく変動表示パターンが大当りを発生させる変動表示パターンであるか(当りパターンであるか)判別する(ステップS1223a)。
変動表示パターンが当りパターンでなければ(ステップS1223aにてNO)、ハズレ図柄の停止図柄を決定する(ステップS1224)。また、変動表示パターンが当りパターンであれば(ステップS1223aにてYES)、確変大当りフラグがセットされているか判別し(ステップS1223b)、確変大当りフラグがセットされていれば(YES)、確変大当り図柄の停止図柄を決定し(ステップS1225)、確変大当りフラグがセットされていなければ(ステップS1223bにてNO)、非確変大当り図柄の停止図柄を決定する(ステップS1226)。また、確変大当りフラグは、大当り表示処理(ステップS1230)にて大当り遊技状態を開始する時にリセットされる。なお、確変大当りフラグがリセットされる時期はこれに限らず、例えば、装飾図柄変動処理(ステップS1220)で装飾図柄の変動表示を停止させる時、具体的には、変動停止コマンドを受信した時にリセットするようにしてもよいし、大当り表示処理(ステップS1230)で大当り遊技状態を終了する時にリセットするようにしてもよい。
なお、本実施形態では、第一特別図柄と1:1で対応する第一装飾図柄と、第二特別図柄と1:1で対応する第二装飾図柄と、第一装飾図柄及び第二装飾図柄の両方に関連付けられ第一特別図柄及び第二特別図柄に対応する共通の装飾図柄列(以下、「共通装飾図柄列」と称す)とが表示されるようになっている。第一装飾図柄及び第二装飾図柄は、マル、バツ、サンカク等の図形の組合せで構成されており、確変大当り図柄である組合せ、非確変大当り(通常大当り)である組合せ、小当りである組合せ、及びハズレである組合せ等が予め設定されている。つまり、変動表示パターンが当りパターンであれば、第一装飾図柄の確変大当り図柄として設定された複数の組合せ、または非確変大当り図柄として設定された複数の組合せ、のうち何れかの組合せ図柄を停止図柄として決定する。
続いて、周辺制御MPU4140aは、予告判定乱数に基づいて予告演出を実行するか否かの判別を行う予告選択処理を実行した後(ステップS1227)、変動表示パターンと、予告種類格納領域に記憶される予告パターンと、ステップS1225,S1226,S1227で決定した共通装飾図柄列の停止図柄とに応じた表示コマンドをセットする(ステップS1228)。そして、処理選択フラグを「1」に更新して処理を終了する(ステップS1229)。なお、ステップS1228でセットされた表示コマンドは、情報出力処理(ステップS1500)にて液晶制御部4150に送信され、液晶制御部4150の液晶制御MPU4150aにより当該表示コマンドを受信したことに基づいて液晶表示装置1900にて装飾図柄の変動表示の実行を開始する。
また、ステップS1228で予告種類格納領域に記憶される予告パターンを読み出した時には、当該予告パターンを読み出した後、予告種類格納領域の内容をクリアする。これにより、次回の装飾図柄の変動表示にて誤って以前の装飾図柄の変動表示を開始する時に決定した予告パターンにもとづく予告演出が実行されることを防止できる。
[4−1.特別図柄等の遊技に関する機能的構成]
続いて、主制御基板によって制御される特別図柄等の遊技に関する機能的な構成について、図194乃至図197を参照して説明する。図194は主制御基板での第一大当り抽選に関する機能的な構成を示すブロック図である。図195は主制御基板での第二大当り抽選に関する機能的な構成を示すブロック図である。図196は第一大当り抽選及び第二大当り抽選における抽選結果に応じて発生する有利遊技状態に関する機能的構成を示すブロック図である。図197は主制御基板での普通抽選に関する機能的な構成を示すブロック図である。
図194に示すように、主制御基板4100には、第一大当り抽選に関する構成として、第一当り判定用テーブル4501、第一当り図柄用テーブル4502、第一当り時変動時間設定用テーブル4503、及び第一ハズレ時変動時間設定用テーブル4504が予め記憶されており、これらのテーブル4501〜4504を基に、第一大当り抽選における抽選の当否、第一特別図柄表示器1185における停止図柄、及び変動時間が決定される。第一当り判定用テーブル4501は、大当り判定用乱数値と大当りまたは小当りの当否との関係を示すものであり、通常時と高確率時とで当選となる割合が異なっている。また、第一当り図柄用テーブル4502は、大当り図柄用乱数値と第一特別図柄表示器1185における停止図柄との関係を示すものであり、大当り図柄用乱数値を複数のグループに区分した夫々の範囲と二つのLED(第一特別図柄)の点灯状態との対応付けがなされている。
また、第一当り時変動時間設定用テーブル4503は、第一大当り抽選における当否の結果が大当りまたは小当りの場合に用いられ、抽出される第一変動時間用乱数と第一特別図柄表示器1185における第一特別図柄の変動時間との関係を示すものであり、第一ハズレ時変動時間設定用テーブル4504は、第一大当り抽選における当否の結果がハズレの場合に用いられ、抽出される第一変動時間用乱数と第一特別図柄表示器1185における第一特別図柄の変動時間との関係を示すものである。なお、通常時のテーブル及び高確率時のテーブルのうち、何れか一方のテーブルを遊技状態に基づいて選択する処理が第一抽選用確率選択手段4505によって行われる。また、図示していないが、第一当り図柄用テーブル4502には、確率変動大当り用のテーブル、特殊当り用のテーブル、通常大当り用のテーブル、及び小当り用のテーブルが夫々備えられており、後述する第一当否決定手段4506によって決定された当選の種別に対応したテーブルが選択されるようになっている。
また、主制御基板4100には、第一始動口センサ3231によって第一始動口2101への入賞が検出された時、ランダムカウンタ(乱数発生手段)から、大当り判定用乱数を抽出する第一当り判定用乱数抽出手段4507と、大当り図柄用乱数を抽出する第一当り図柄用乱数抽出手段4508とが設けられている。また、判定用乱数及び大当り図柄用乱数を基に変動時間用乱数を抽出する第一変動時間用乱数抽出手段4509が設けられている。また、第一当り判定用乱数抽出手段4507によって大当り判定用乱数が抽出されると、第一当り判定用テーブル4501を用いて大当りの当否を決定する第一当否決定手段4506、及び第一当り図柄用乱数抽出手段4508によって大当り図柄用乱数が抽出されると、第一当り図柄用テーブル4502を用いて第一特別図柄表示器1185における停止図柄を決定する第一停止図柄決定手段4510が設けられている。
更に、第一変動時間用乱数抽出手段4509によって変動時間用乱数が抽出され、且つ第一当否決定手段4506によって大当りであることが決定されると、第一当り時変動時間設定用テーブル4503を用いて第一特別図柄の変動時間を決定し、一方、変動時間用乱数が抽出され、且つ第一当否決定手段4506によってハズレであることが決定されると、第一ハズレ時変動時間設定用テーブル4504を用いて第一特別図柄の変動時間を決定する第一変動時間決定手段4511が設けられている。
また、主制御基板4100には、第一特別図柄表示器1185において第一特別図柄の変動を開始すると共に、第一変動時間決定手段4511によって決定された変動時間の経過後、第一停止図柄決定手段4510によって決定された停止図柄で変動停止させる特別図柄変動制御手段4512と、第一特別図柄の変動開始前に、第一当否決定手段4506によって決定された大当りの有無に関する当否コマンド、及び第一特別図柄の変動態様(時間)に対応する変動表示コマンドを含む制御コマンドを発信するコマンド発信手段4513が設けられている。
更に、主制御基板4100には、第一特別図柄または第二特別図柄の変動中に、第一始動口センサ3231によって第一始動口2101への入賞が検出された場合、一定球数(4回)を上限として第一始動記憶数をカウントし記憶すると共に、第一特別図柄の変動表示を始動記憶数分だけ繰返し行わせる第一保留消化手段4514が設けられている。換言すれば、第一始動口センサ3231による遊技球の検出に基づく第一処理の実行を待機させる第一保留消化手段4514が設けられている。第一保留消化手段4514について更に詳細に説明すると、第一保留消化手段4514には、第一保留制御手段4514a及び第一消化制御手段4514bが設けられており、第一保留制御手段4514aは、第一特別図柄または第二特別図柄の変動中に、第一始動口センサ3231によって第一始動口2101への入賞が検出された場合、第一始動記憶数が上限値「4」に到達していなければ、第一始動記憶数の値を「1」増やすと共に、第一大当り判定用乱数及び第一大当り図柄用乱数を抽出し、抽出された各乱数を、第一特別図柄用乱数記憶手段4515(図198を参照)の中の、一番上位の記憶領域に格納する。
一方、第一消化制御手段4514bは、第一特別図柄または第二特別図柄の変動が停止し、新たな第一特別図柄の変動が可能になった場合、第一特別図柄に関する始動記憶数が「0」でなければ、始動記憶数[1]に対応する記憶領域から第一大当り判定用乱数及び第一大当り図柄用乱数を読み出すと共に、第一始動記憶数の値を「1」減らし、且つ、各記憶領域nに記憶されている各乱数値を、n−1の記憶領域にシフトさせる。
また、主制御基板4100には、図195に示すように、第二大当り抽選に関する構成として、第二当り判定用テーブル4521、第二当り図柄用テーブル4522、第二当り時変動時間設定用テーブル4523、及び第二ハズレ時変動時間設定用テーブル4524が予め記憶されており、これらのテーブル4521〜4524を基に、第二大当り抽選における抽選の当否、第二特別図柄表示器1186における停止図柄、及び変動時間が決定される。なお、各テーブルの構成は、第一大当り抽選における各テーブルの構成と同様であるため、ここでは詳細な説明を省略する。
また、主制御基板4100には、第二始動口センサ2127によって第二始動口2102への入賞が検出された時に第二大当り抽選に関する大当り判定用乱数を抽出する第二当り判定用乱数抽出手段4525と、第二大当り抽選に関する大当り図柄用乱数を抽出する第二当り図柄用乱数抽出手段4526と、判定用乱数及び大当り図柄用乱数を基に変動時間用乱数を抽出する第二変動時間用乱数抽出手段4527とが設けられている。また、第二当り判定用乱数抽出手段4525によって大当り判定用乱数が抽出されると、第二当り判定用テーブル4521を用いて大当りの当否を決定する第二当否決定手段4528、及び第二当り図柄用乱数抽出手段4526によって大当り図柄用乱数が抽出されると、第二当り図柄用テーブル4522を用いて第二特別図柄表示器1186における停止図柄を決定する第二停止図柄決定手段4529が設けられている。
更に、第二変動時間用乱数抽出手段4527によって変動時間用乱数が抽出され、且つ第二当否決定手段4528によって大当りであることが決定されると、第二当り時変動時間設定用テーブル4523を用いて第二特別図柄の変動時間を決定し、一方、変動時間用乱数が抽出され、且つ第二当否決定手段4528によってハズレであることが決定されると、第二ハズレ時変動時間設定用テーブル4524を用いて第二特別図柄の変動時間を決定する第二変動時間決定手段4530が設けられている。なお、第二当否決定手段4528は、当選制限手段4528aを備えており、遊技者に特定の利益を付与しない大当りである「特殊当り」については、発生しないように制限を加えている。
また、特別図柄変動制御手段4512は、第二特別図柄表示器1186において第二特別図柄の変動を開始すると共に、第二変動時間決定手段4530によって決定された変動時間の経過後、第二停止図柄決定手段4529によって決定された停止図柄で変動停止させる。更に、主制御基板4100には、第一特別図柄または第二特別図柄の変動中に、第二始動口センサ2127によって第二始動口2102への入賞が検出された場合、一定球数(4回)を上限として第二始動記憶数をカウントし記憶すると共に、第二特別図柄の変動表示を始動記憶数分だけ繰返し行わせる第二保留消化手段4531が設けられている。換言すれば、第二始動口センサ2127による遊技球の検出に基づく第二処理の実行を待機させる第二保留消化手段4531が設けられている。
この第二保留消化手段4531について更に詳細に説明すると、第二保留消化手段4531には、第二保留制御手段4531a及び第二消化制御手段4531bが設けられており、第二保留制御手段4531aは、第一特別図柄または第二特別図柄の変動中に、第二始動口センサ2127によって第二始動口2102への入賞が検出された場合、第二始動記憶数が上限値「4」に到達していなければ、第二始動記憶数の値を「1」増やすと共に、第二大当り判定用乱数及び第二大当り図柄用乱数を抽出し、抽出された各乱数を、第二特別図柄用乱数記憶手段4532(図198を参照)の中の、一番上位の記憶領域に格納する。一方、第二消化制御手段4531bは、第一特別図柄または第二特別図柄の変動が停止し、新たな第二特別図柄の変動が可能になった場合、第二特別図柄に関する始動記憶数が「0」でなければ、始動記憶数[1]に対応する記憶領域から第二大当り判定用乱数及び第二大当り図柄用乱数を読み出すと共に、第二始動記憶数の値を「1」減らし、且つ、各記憶領域nに記憶されている各乱数値を、n−1の記憶領域にシフトさせる。
また、主制御基板4100には、図196に示すように、第一当否決定手段4506または第二当否決定手段4528による抽選結果を基に、遊技者に有利な遊技状態を付与する五つの有利遊技状態制御手段を備えている。ここで、有利な遊技状態には、開閉部材2106を開放し、大入賞口2103に対して遊技球の入賞を可能とすることが含まれており、特定利益付与手段4540または所定利益付与手段4541の何れか一方によってアタッカユニット2100のアタッカソレノイド2124によって開閉部材2106が開放制御されるようになっている。
更に詳しく説明すると、所定利益付与手段4541は、開閉部材2106の一回当りの開放時間を、数個(例えば1〜2個)の遊技球が辛うじて入賞できる程度の第一所定時間とすると共に、開閉部材2106の開閉動作を少なくとも一回以上行うことで、遊技者に所定の利益を付与するものである。これにより、所定数の遊技球を大入賞口2103に入賞させることが可能になるが、入賞可能な個数は極めて少ないため、遊技者が受ける利益は比較的少ないものとなる。一方、特定利益付与手段4540は、開閉部材2106の一回当りの開放時間を、複数個(例えば10個)の遊技球がゆとりを持って入賞できる程度の第二所定時間とすることで、遊技者に特定の利益を付与するものである。これにより、多数の遊技球を大入賞口2103に入賞させることが可能になり、遊技者は大きな利益を得ることができる。
そして、主制御基板4100には、特定利益付与手段4540によって特定の利益を付与させる手段として、第一有利遊技状態制御手段4542及び第二有利遊技状態制御手段4543が設けられ、所定利益付与手段4541によって所定の利益を付与させる手段として、第三有利遊技状態制御手段4544、第四有利遊技状態制御手段4545、及び第五有利遊技状態制御手段4546が設けられている。
第一有利遊技状態制御手段4542によって発生する第一有利遊技状態は、所謂「確率変動大当り」であり、第一当否決定手段4506または第二当否決定手段4528の抽選結果が第一結果の場合に発生する。この当りになると、特定利益付与手段4540によって特定の利益を付与すると共に、高確率状態設定手段4547によって、その後の抽選で特定の利益が付与される確率を通常時よりも高く設定する。つまり、高確率である確率変動状態とする。なお、本例では、高確率時の大当り判定テーブルでは、0〜498までの499個の大当り判定用乱数のうち、大当り遊技状態を発生させることが決定される大当り判定値が、60個設定され、大当りとなる確率である大当り確率が60/499となっている。一方、通常時の大当り判定テーブルでは、0〜498までの499個の大当り判定用乱数のうち大当り判定値が6個設定され、大当り確率が6/499となっている。
また、第一有利遊技状態では、第一時短状態設定手段4548によって、第一特別図柄表示器1185または第二特別図柄表示器1186で変動する第一特別図柄または第二特別図柄の変動時間を短くすると共に、次に大当りするまで、第二始動口2102の可動片2105が開閉動作される頻度(すなわち普通抽選において当選となる確率)を高くすることによって第二始動口2102への入賞のし易さを通常時よりも増加させる。つまり、時短遊技状態とする。
第二有利遊技状態制御手段4543によって発生する第二有利遊技状態は、所謂「通常大当り」であり、第一当否決定手段4506または第二当否決定手段4528の抽選結果が第二結果の場合に発生する。この当りになると、特定利益付与手段4540によって特定の利益が付与される点は第一有利遊技状態と同様であるが、この当りの場合には、その後の抽選で特定の利益が付与される確率は低確率のままである。つまり、確率変動状態にはならず、通常時の確率が維持される。なお、この第二有利遊技状態においても、特定の利益を付与した後、第一特別図柄または第二特別図柄の変動回数が所定回数(例えば、70回)になるまでの間、第一時短状態設定手段4548によって時短遊技状態になり、第一特別図柄または第二特別図柄の変動時間を短くすると共に、可動片2105が開閉動作される頻度(すなわち普通抽選において当選する確率)を高くすることによって遊技球が減少することを抑制する。
第三有利遊技状態制御手段4544によって発生する第三有利遊技状態は、所謂「特殊当り」であり、第一当否決定手段4506の抽選結果が第三結果の場合に発生する。この当りでは、まず、所定利益付与手段4541によって遊技者に特定の利益よりも低い所定の利益を付与する。そして、その後の抽選に対しては、特定の利益が付与される確率を高くする。すなわち、第一有利遊技状態と同様、確率変動状態とする。ただし、時短遊技状態については、この有利遊技状態を発生させる前の遊技状態が所定の条件を満足する場合に限って発生させるようにしている。つまり、確率変動状態ではなく、且つ時短遊技状態でもない場合に第三有利遊技状態が発生した場合には、時短遊技状態を発生させることなく、確率変動状態としている。一方、遊技状態が確率変動状態であるか、または時短遊技状態である場合に、第三有利遊技状態が発生すると、第二時短状態設定手段4549を作動させ、時短遊技状態を発生させるようにしている。
第四有利遊技状態制御手段4545によって発生する第四有利遊技状態は、第一当否決定手段4506の抽選結果が第四結果の場合に発生する。この当りでは、第三有利遊技状態と同様、所定利益付与手段4541によって遊技者に所定の利益を付与する。ただし、その後の抽選に対しては、新たに確率変動状態を発生させない。なお、時短遊技状態については、遊技状態に基づいて付加されるか否かが決定される。
第五有利遊技状態制御手段4546によって発生する第五有利遊技状態は、第一当否決定手段4506の抽選結果が第五結果の場合に発生する。この当りでは、所定利益付与手段4541によって遊技者に所定の利益を付与すること、及び高確率状態設定手段4547によって所定の利益を付与することは、第三有利遊技状態と同様であるが、その後の抽選に対しては、第二時短状態設定手段4549を作動させ、時短遊技状態を発生させるようにしている。
なお、本例では、夫々の大当りにおける当選の割合を、第一当否決定手段4506の場合と、第二当否決定手段4528とで、互いに異なるように振分けている。具体的には、第一当否決定手段4506の抽選結果では、第一有利遊技状態制御手段4542によって発生する第一大当り、すなわち確率変動状態及び一定回数の時短遊技状態が何れも付与される確率変動大当りを、大当り全体の22%に設定し、第二有利遊技状態制御手段4543によって発生する第二大当り、すなわち確率変動状態が付与されることなく一定回数の時短遊技状態が付与される通常大当りを45%に設定している。
また、第三有利遊技状態制御手段4544によって発生する第三大当り、すなわち確率変動状態と、条件付きで時短遊技状態が付与される特殊当りを11%に設定し、第四有利遊技状態制御手段4545によって発生する第四大当り、すなわち確率変動状態が付与されることなく条件付きの時短遊技状態が付与される特殊当りを11%に設定し、第五有利遊技状態制御手段4546によって発生する第五大当り、すなわち確率変動状態と、時短遊技状態が付与される特殊当りを11%に設定している。
一方、第二当否判定手段4528の抽選結果では、第一有利遊技状態制御手段4542によって発生する第一大当りを、大当り全体の44%に設定し、第二有利遊技状態制御手段4543によって発生する第二大当りを56%に設定している。そして、第二当否決定手段4528では、第三大当り、第四大当り、及び第五大当りに関しては発生しないように設定されている。このため、特定の利益が付与されることなく確率変動状態が終了してしまうことを確実に防止でき、突然の降格によって遊技意欲が大幅に低下することを抑制できる。
また、第一大当り〜第五大当りのうち、特定の利益を付与する第一大当りまたは第二大当りとなる割合は、第二当否決定手段4528の方が高くなることから、主に通常時に行われる第一当否決定手段4506による大当り抽選では、アタッカユニット2100における開閉部材2106の開放を比較的頻繁に行わせながらも、特定の利益が付与される大当りの発生をある程度制限することが可能となる。一方、時短遊技状態の時に実質的に有効となる第二当否決定手段4528による大当り抽選では、特定の利益が付与される可能性が高くなるため、確率変動状態を有さない通常大当りであっても、遊技意欲の低下を抑制することができる。
ところで、主制御基板4100には、図197に示すように、普通抽選(第二始動口2102への入賞のし易さを高めるための抽選)に関する構成として、普通当り判定用乱数抽出手段4551、普通当り判定用テーブル4552、及び普通当否決定手段4553が設けられている。普通当り判定用乱数抽出手段4551は、ゲートセンサ2402によってゲート部2401への遊技球の通過が検出された時、ランダムカウンタ(乱数発生手段)から、普通当り判定用乱数を抽出するものである。また、普通当り判定用テーブル4552は、高確率時のテーブルと通常時のテーブルとに分かれており、高確率時の普通当り判定テーブルでは、0〜250までの251個の普通当り判定用乱数のうち、普通当りとなる判定値が250個設定され、普通当りとなる確率が250/251となっている。
一方、通常時の普通当り判定テーブルでは、0〜250までの251個の普通当り判定用乱数のうち、普通当りとなる判定値が1個設定され、普通当りとなる確率が1/251となっている。また、高確率時の普通当り抽選では、普通図柄の変動時間が13.56秒に設定され、始動口ソレノイド2121による可動片2105の開放時間が1180ms、開放回数が3回、開放間のインターバルが512msに設定されている。一方、通常時の普通当り抽選では、普通図柄の変動時間が平均13.6秒に設定され、可動片2105の開放時間が180ms、開放回数1回に設定されている。
また、普通当否決定手段4553は、普通当り判定用乱数抽出手段4551によって普通当り判定用の乱数が抽出されると、抽出された乱数と普通当り判定用テーブル4552に記憶された普通当り判定値とを比較して、一致している場合に普通当りであると決定する。なお、この際、遊技状態判定手段4554によって、遊技状態が特定の遊技状態、すなわち時短遊技状態か否かが判別され、時短遊技状態である場合には高確率時のテーブルが選択され、時短遊技状態でない場合には通常時のテーブルが選択される。このため、第一有利遊技状態制御手段4542によって発生する第一大当りの場合であっても、一定回数の時短遊技状態が終了すると、高確率時のテーブルから通常時のテーブルに切替えられるようになっている。
また、主制御基板4100には、普通当否決定手段4553によって普通抽選の当否が決定されると、普通図柄表示器1189に普通図柄を変動表示させると共に、変動時間(約14秒または約1秒)の経過後、当否の結果を表示させる普通図柄変動制御手段4555が設けられている。また、普通当否決定手段4553による判別の結果、普通当りが確定した場合、普通図柄の変動停止後、可動片2105を開放させ、遊技球を第二始動口2102に入賞し易くする開放制御手段4556が設けられている。
[4−1A.主基板による遊技内容]
次に、主制御基板4100や払出制御基板4110等を備えた主基板4000による遊技内容について説明する。本実施形態のパチンコ機1は、扉枠5の右下に配置されたハンドル装置500を遊技者が回転操作することで、皿ユニット300の上皿301に貯留された遊技球が、遊技パネル1150の前面に配置された遊技領域1100内の上部へと打ち込まれて、遊技球による遊技が開始されるようになっている。遊技領域1100内の上部へ打ち込まれた遊技球は、その打込強さによってセンター役物2500の上側の左側或いは右側の遊技領域1100内を流下するようになっている。
なお、遊技球の打込強さは、ハンドル装置500の回転量を回転位置検知センサ512で検知した上で、回転位置検知センサ512からの検知信号に基いて発射制御部4120により打球発射装置650における発射ソレノイド654の駆動強さが制御されるようになっており、時計回りの方向へ回転させるほど強く打ち込むことができるようになっている。また、遊技領域1100内には、適宜位置に所定のゲージ配列で複数の障害釘が遊技パネル1150の前面に植設されており、遊技球がその障害釘に当接することで、遊技球の流下速度が抑制されると共に、遊技球に様々な動きが付与されて、その動きを楽しませられるようになっている。
センター役物2500の上部へ打ち込まれた遊技球が、左右方向の略中央から左側を流下してセンター役物2500の周壁部2503における左右方向中央よりも左側へ到達すると、周壁部2503によってセンター役物2500の左側の領域へと誘導される。そして、センター役物2500の左側を流下する遊技球が、センター役物2500の左側に配置されたゲート部2401に進入してゲートセンサ2402により検出されると、普通抽選結果としての普通当り判定用乱数が抽出される。そして、その普通当り判定用乱数に基いて、機能表示ユニット1180における普通図柄表示器1189の普通図柄が変動表示(一つのLEDからなる普通図柄表示器1189が、赤色、緑色、橙色に交互に発光)され、所定時間(例えば、2秒〜30秒の間)経過後に抽出され普通当り判定用乱数(普通抽選結果)に基いた普通図柄が停止表示(普通図柄表示器1189が赤色又は緑色の何れかに発光)される。この普通図柄の変動表示は、普通当り判定用テーブル4552(普通図柄変動パターン選択テーブル)から選択された普通図柄変動パターンに基いて行われるようになっている。
詳しくは、抽選された普通乱数が「普通当り」乱数の場合、当りを示唆する普通図柄で停止表示(普通図柄表示器1189が緑色に発光)され、抽選された普通乱数が「普通ハズレ」乱数の場合、ハズレを示唆する普通図柄で停止表示(普通図柄表示器1189が赤色に発光)されるようになっている。そして、当りを示唆する普通図柄が停止表示されると、第二始動口2102を閉鎖する一対の可動片2105が所定開放時間(例えば、0.3秒〜3秒の間)拡開する動作を所定回数(例えば、1〜3回)繰返し、第二始動口2102へ遊技球が入賞できるようになっている。
なお、普通図柄の変動時間や第二始動口2102における可動片2105の拡開時間については、第一当り判定用乱数や第二当り判定用乱数(特別抽選結果)に応じて変化させるようになっており、特別抽選結果として、「時短当り(普通時短当り、高確率時短当り、等を含む)」が抽出された場合に、その変動時間や拡開時間を短い時間に変更するために、普通当り判定用テーブル4552を普通時のテーブルから高確率時のテーブルに差替えられるようになっている。
なお、本例のパチンコ機1では、センター役物2500の上側において、左右方向中央から左側には遊技球が流下可能な領域が備えられているものの、中央から右側は遊技領域1100の外周に沿って下方へ延びる円弧状の領域が備えられており、この領域に遊技球が進入するとゲート部2401やワープ入口2504へ遊技球が進入する機会を得ることなくセンター役物2500の下側へ送られてしまい、チャンスが少なくなると共に遊技球の動きがあまり楽しめなくなるようになっている。従って、遊技者は、遊技球がセンター役物2500の上側において左右方向中央から左側の領域を流下するように、ハンドル装置500の回転量を適宜調整して遊技することとなり、闇雲に遊技球を強く打ち込むような遊技操作を抑制して、パチンコ機1本来のハンドル装置500の操作による遊技を楽しませて興趣が低下するのを防止することができるようになっている。
ところで、本例では、普通図柄表示器1189において普通図柄が変動表示中に、ゲートセンサ2402で遊技球の通過が検出されると、変動中の普通図柄停止して先に発生・抽出された普通乱数の結果が確定するまでの間、ゲートセンサ2402からの検出信号に基いて抽出された普通当り判定用乱数(普通図柄変動パターンを含む)を一時的に記憶してその表示を保留するようになっており、その記憶された普通当り判定用乱数の数(保留数とも言う)を、普通図柄記憶表示器1188で表示するようになっている。この普通図柄記憶表示器1188は、四つのLEDからなっており、点灯する各LEDの数によって記憶数を示唆するようになっており、本例では、四つまで記憶して保留数を表示するようになっている。なお、保留数が四つを越えた場合は、ゲートセンサ2402の検出信号に基いて抽出された普通当り判定用乱数が破棄されるようになっている。
また、遊技領域1100内へ打ち込まれセンター役物2500の左側を流下した遊技球は、サイド誘導部材2300の棚部2302によってセンター役物2500の下側で遊技領域1100の中央側へ寄せられるようになっている。そして、センター役物2500の下方に配置されたアタッカユニット2100の一般入賞口2104に遊技球が入賞して、一般入賞口センサ3232に検出されると、その検出信号に基いて主制御基板4100では払出制御基板4110に対して所定の払出コマンドを送信し、その払出コマンドに応じて払出制御基板4110が賞球装置740の払出モータ744を制御して所定数(例えば、10個)の遊技球が、上皿301へ払出されるようになっている。
なお、遊技領域1100内へ打ち込まれた遊技球が、一般入賞口2104、第一始動口2101、第二始動口2102、及び大入賞口2103の何れにも入賞しなかった場合、遊技領域1100の左右方向中央下端に設けられてアウト口1151から、遊技盤4の後側下方へ排出されるようになっている。また、遊技球が、一般入賞口2104、第一始動口2101、第二始動口2102、及び大入賞口2103の何れに入賞しても、入賞した遊技球は、遊技領域1100内へ戻されること無く遊技盤4の後側下方へ排出されるようになっている。
一方、センター役物2500の左側を流下する遊技球が、センター役物2500の左側側面に開口するワープ入口2504へ進入すると、センター役物2500のステージ2510における上側の第一ステージ2511へと供給されるようになっている。そして、第一ステージ2511上へ供給された遊技球は、第一ステージ2511上を左右方向へ転動して、左右方向中央の両側に低く形成された谷部の何れかから前方へ転動して第二ステージ2512上へと供給される。この第二ステージ2512でも遊技球が左右方向へ転動し、左右方向中央の両側に低く形成された谷部の何れかから前方へ転動して第三ステージ2513へと供給される。そして、第三ステージ2513に供給された遊技球は、第三ステージ2513上でも左右方向へ転動し、左右方向略中央の低くなった部位からアタッカユニット2100の上方(第一始動口2101の略直上)の遊技領域1100内へ放出される。
ところで、ステージ2510の第二ステージ2512上を転動する遊技球が、左右方向中央の高くなった部位の後側に開口したチャンス入口2514へ進入すると、第三ステージ2513の低くなった部位よりも更に下側でアタッカユニット2100における第一始動口2101の直上に配置されたチャンス出口2515から遊技領域1100内へ放出され、遊技球が高い確率で第一始動口2101へと受入れられるようになっている。そして、遊技球が第一始動口2101に受入れられて第一始動口センサ3231に検出されると、主制御基板4100等を介して賞球装置740から所定数(例えば、3個)の遊技球が、上皿301へ払出されるようになっている。
なお、本例のパチンコ機1では、第一始動口2101、第二始動口2102、及び大入賞口2103が、上下方向に並んで配置されているので、ステージ2510から放出される遊技球が、高い確率で第一始動口2101等に受入れられるようになっており、第二始動口2102や大入賞口2103が受入可能な時に、遊技球がステージ2510やチャンス出口2515から放出されると受入れられる可能性が高いので、第一始動口2101だけでなく第二始動口2102や大入賞口2103に対しても、遊技球の受入れに関する期待感を持たせて興趣を高めることができるようになっている。
ところで、遊技球がゲート部2401へ進入してゲートセンサ2402により検出されて普通抽選結果として「普通当り」が抽選されると、上述したように、第二始動口2102を閉鎖する一対の可動片2105が所定時間拡開して入賞可能となり、その入賞可能となった時に、遊技球が第二始動口2102へ受入れられて第二始動口センサ2127に検出されると、主制御基板4100等を介して賞球装置740から所定数(例えば、4個)の遊技球が、上皿301へ払出されるようになっている。
また、主制御基板4100では、これら第一始動口2101、第二始動口2102に遊技球が入賞して、第一始動口センサ3231、第二始動口センサ2127に検出されると、第一始動口2101では所定の第一当り判定用乱数の抽出が、第二始動口2102では所定の第二当り判定用乱数の抽出が、夫々行われる。そして、抽出された当り判定用乱数に基いて、機能表示ユニット1180の対応する第一特別図柄表示器1185や第二特別図柄表示器1186に表示された特別図柄の変動表示が開始された後に、抽出された当り判定用乱数と対応する特別図柄が特別抽選結果として停止表示されるようになっている。これら第一特別図柄表示器1185や第二特別図柄表示器1186において、「大当り」を示唆する態様で特別図柄が停止表示されると、アタッカユニット2100の開閉部材2106が、所定のパターンで開閉動作する特別有利遊技状態(例えば、大当り遊技)が発生し、その間に大入賞口2103へ遊技球を入賞させることで、より多くの遊技球を獲得できるようになっている。なお、一つの遊技球が大入賞口2103へ入賞すると、賞球装置740から所定数(例えば、13個)の遊技球が上皿301へ払い出されるようになっている。
なお、これら第一始動口2101、第二始動口2102においても、ゲート部2401への遊技球の進入による普通図柄の変動表示と同様に、第一特別図柄表示器1185や第二特別図柄表示器1186において特別図柄が変動表示中、又は、特別有利遊技状態としての大当り遊技中等の特別図柄を変動表示さることができない時に、始動口2101,2102へ遊技球が入賞して第一始動口センサ3231、第二始動口センサ2127で検出されると、特別図柄の変動表示が可能となるまでの間、第一始動口センサ3231、第二始動口センサ2127からの検出信号に基いて抽出された第一当り判定用乱数や第二当り判定用乱数を記憶してその表示を保留するようになっており、その記憶された当り判定用乱数の保留数を、第一特別図柄記憶表示器1184や第二特別図柄記憶表示器1187において表示するようになっている。これら第一特別図柄記憶表示器1184や第二特別図柄記憶表示器1187は、夫々二つのLEDからなっており、消灯・点灯・点滅する各LEDの発光状態の組合せによって記憶数を示唆するようになっており、本例では、夫々四つまで記憶して表示するようになっている。なお、保留数が四つを越えた場合は、抽出された当り判定用乱数が破棄されるようになっている。
また、主制御基板4100では、第一始動口センサ3231、第二始動口センサ2127の検出に基いてそれぞれ抽出された大当り判定用乱数である第一当り判定用乱数や第二当り判定用乱数を、予め決められた所定の当り判定用テーブル4501,4521(特別図柄変動パターンテーブルとも称す)と照合することで、「ハズレ」、「小当り」、「大当り」の何れであるかが判別されるようになっている。また、当り判定用テーブル4502,4522と大当り図柄用乱数とを比較することによって、大当りの種類(例えば、「特殊当り」、「特殊当り以外の確変大当り」、「通常大当り」等)も判別されるようになっている。
そして、第一始動口2101、第二始動口2102への遊技球の始動入賞を契機として抽出(抽選)された第一当り判定用乱数や第二当り判定用乱数が(特別抽選結果が)、「小当り」の場合、主制御基板4100は、アタッカユニット2100の開閉部材2106を、所定短時間(例えば、0.2秒〜0.6秒の間)の間開状態として閉鎖する開閉パターンを複数回繰返すようになっている。
一方、抽出された第一当り判定用乱数や第二当り判定用乱数が、「大当り」の場合、主制御基板4100は、アタッカユニット2100の開閉部材2106を開状態とした後に、所定時間(例えば、約30秒)経過、或いは、所定個数(例えば、10個)の遊技球が大入賞口2103に入賞の何れかの条件が充足すると開閉部材2106を閉状態とする開閉パターン(一回の開閉パターンを1ラウンドと称す)を、所定回数(所定ラウンド数)繰返すようになっており、「10R大当り」であれば10ラウンド、「15R大当り」であれば15ラウンド、夫々繰返して、遊技者に有利な有利遊技状態を発生させるようになっている。なお、所定ラウンド数の終了後に、「大当り」については、抽出された当り判定用乱数に応じて当り判定用テーブルを高確率のテーブルに変更するようになっている。また、当り判定用乱数に応じて、時短遊技状態としたり時短遊技状態を解除したりするために、変動時間設定用テーブル4503,4504,4523,4524を適宜変更するようになっている。
本実施形態のパチンコ機1では、大当りのラウンド数(開閉部材2106の開閉回数)が10回または15回のいずれか一方に設定されている。この場合、例えば、以下のような態様を適用することができる。すなわち、大当りが、特殊当りの場合、一部の通常大当りである場合、および、特殊当りを除く一部の確変大当りである場合には、ラウンド数を10回とし、大当りが、ラウンド数を10回とした通常大当り以外の通常大当りである場合、ラウンド数を10回とした確変大当り以外の確変大当りである場合には、ラウンド数を15回としてもよい。また、大当りが、特殊当りの場合、通常大当りである場合には、ラウンド数を10回とし、大当りが、特殊当りを除く確変大当りである場合には、ラウンド数を15回としてもよい。
[4−2.周辺制御基板での遊技に関する機能的構成]
続いて、周辺制御基板4010での第一装飾図柄、第二装飾図柄、及び共通装飾図柄列を含む遊技に関する機能的な構成について、図198を参照して説明する。図198は周辺制御基板(主に周辺制御部4140、液晶制御部4150)での演出に関する機能的な構成を示すブロック図である。
本例の周辺制御基板4010には、図198に示すように、主制御基板4100から送信された制御情報コマンドがコマンド受信手段4560によって受信されると、これを基に液晶表示装置1900を制御するための各種機能が備えられている。すなわち、第一大当り抽選に対応する演出用テーブルとして、第一当り時演出態様テーブル4561と、第一ハズレ時演出態様テーブル4562とが予め記憶されており、これらのテーブル4561,4562を基に、ステップ演出及び発展演出等における演出態様が決定されるようになっている。
まず、演出態様テーブル4561,4562について詳細に説明する。第一当り時演出態様テーブル4561は、大当り(又は小当り)の場合に用いられ、演出決定用乱数(後述する)と、演出態様(ここではステップ演出や発展演出における演出パターン)との関係を示すものである。また、第一ハズレ時演出態様テーブル4562は、ハズレの場合に用いられるテーブルであり、演出決定用乱数と演出パターンとの関係を示すものである。
この周辺制御基板4010には、ランダムカウンタ(図示しない)から演出決定用乱数を抽出する第一演出用乱数抽出手段4563と、演出パターンを決定する第一演出態様決定手段4564とが設けられている。第一演出態様決定手段4564は、コマンド受信手段4560を介して制御コマンドを受信すると、第一演出用乱数抽出手段4563によって演出用乱数を抽出すると共に、制御コマンドに含まれる当否コマンドが大当り(又は小当り)を示すものである場合には、第一演出用乱数抽出手段4563によって抽出された演出用乱数と、第一当り時演出態様テーブル4561とから演出パターンを決定し、一方、当否コマンドがハズレを示すものである場合には、第一演出用乱数抽出手段4563によって抽出された演出用乱数と、第一ハズレ時演出態様テーブル4562とから演出パターンを決定するものである。
この第一演出態様決定手段4564によって決定された演出パターンは、演出パターン記憶手段(図示しない)から抽出されると共に、第一演出表示制御手段4565に送られる。第一演出表示制御手段4565は、それらの演出の画像を画像記憶手段(キャラROM4150d)から読出し液晶表示装置1900に導出する。
一方、第一装飾図柄の演出に関する機能的な構成として、第一装飾図柄変動制御手段4566が設けられている。第一装飾図柄変動制御手段4566は、コマンド受信手段4560によって受信された制御コマンドを基に、停止図柄を第一装飾図柄記憶手段(図示しない)から読み出し変動させると共に、その制御コマンドに含まれる変動時間及び当否コマンド等(すなわち抽選結果)に基づいて装飾図柄を停止させるものである。
なお、上記では、第一大当り抽選に関する演出について説明したが、周辺制御基板4010には、第二大当り抽選に関する演出を行うための機能的構成も備えられている。具体的には、第二大当り抽選に対応する演出用テーブルとして、第二当り時演出態様テーブル4567と、第二ハズレ時演出態様テーブル4568とが予め記憶されており、これらのテーブル4567,4568を基に、ステップ演出や発展演出における演出態様が決定されるようになっている。演出態様テーブル4567,4568は、第一大当り抽選に対応する演出態様テーブル4561,4562と同様の構成であるため、ここでは詳細な説明を省略する。
また、周辺制御基板4010には、第二大当り抽選に対応して、第二演出用乱数抽出手段4569、第二演出態様決定手段4570、第二演出表示制御手段4571、及び第二装飾図柄変動制御手段4572が設けられているが、これらの構成も第一大当り抽選に対応する機能的構成と同様の機能を有することから、詳細な説明を省略する。
また、周辺制御基板4010には、装飾図柄列変動表示手段4573及び大当り表示手段4574が設けられている。装飾図柄列変動表示手段4573は、第一装飾図柄変動制御手段4566及び第二装飾図柄変動制御手段4572の出力を基に、或いは、コマンド受信手段4560によって受信された制御コマンドを基に、共通装飾図柄列を変動させると共に、その制御コマンドに含まれる変動時間及び当否コマンド等(すなわち抽選結果)に基づいて共通装飾図柄列を順に停止させるものである。特に、複数の共通装飾図柄列のうち最後に停止される最終停止図柄列が停止する前の段階で、有効ライン上で既に停止している装飾図柄(停止図柄)の組合せが、特定の装飾図柄の組合せを充足する場合、既に停止している装飾図柄をリーチ形成図柄として、リーチ状態を成立させる。
また、大当り表示手段4574は、第一大当り抽選または第二大当り抽選の抽選結果が第一大当りまたは第二大当りの場合、すなわち、「確変大当り」または「通常大当り」の場合に、その抽選に係る共通装飾図柄列の変動を停止させた後、「大当り」であることを表示させるものである。なお、第一大当り抽選または第二大当り抽選の抽選結果が第三大当り、第四大当り、または第五大当りである場合には、「当り」であることを表示させることなく、共通装飾図柄列の変動停止後、その抽選に係る演出を終了する。
[4−2A.周辺制御基板による操作ユニットを用いた遊技演出]
次に、周辺制御基板4010による操作ユニット400を用いた遊技演出について、図199乃至図216を参照して説明する。図199は、回転操作ユニットにおけるダイヤル操作部の時計方向の回転に伴う従動ギアの回転検知片と二つの回転検知センサの位置関係を示す説明図である。図200は、回転操作ユニットにおけるダイヤル操作部の反時計方向の回転に伴う従動ギアの回転検知片と二つの回転検知センサとの位置関係を示す説明図である。図201(A)は回転操作ユニットにおけるダイヤル操作部の時計方向の回転に伴う二つの回転検知センサのON/OFFを示す一覧表図であり、図201(B)はダイヤル操作部の反時計方向の回転に伴う二つの回転検知センサのON/OFFを示す一覧表図である。
また、図202(A)〜(F)は、操作ユニットが操作手段として機能する時の液晶表示装置(演出手段、図柄表示手段)の表示画面の一例を示す説明図であり、図203(A)〜(E)は、操作ユニットが操作手段として機能する時の液晶表示装置の表示画面の一例を示す説明図であり、図204(A)〜(F)は、ダイヤル操作部による選択操作を代行させるか否かを決定する時の液晶表示装置の表示画面を示す説明図であり、図205は、演出制御処理による選択操作検出処理を示すフローチャートであり、図206は、演出制御処理における選択操作検出処理の変形例1を示すフローチャートであり、図207は、演出制御処理における選択操作検出処理の変形例2を示すフローチャートであり、図208(A)〜(D)は、可動演出手段として機能する操作ユニットと、これに対応する液晶表示装置の表示画面との一例を示す説明図であり、図209(A)〜(C)は、可動演出手段として機能する操作ユニットと、これに対応する液晶表示装置の表示画面との一例を示す説明図であり、図210(A)〜(C)は、可動演出手段として機能する操作ユニットと、これに対応する液晶表示装置の表示画面との一例を示す説明図である。
更に、図211(A)〜(D)は可動演出手段として機能する操作ユニットと、これに対応する液晶表示装置の表示画面との一例を示す説明図であり、図212は演出制御処理における回転予告制御処理を示すフローチャートである。図213(A)〜(D)は可動演出手段として機能する操作ユニットと、これに対応する液晶表示装置の表示画面との一例を示す説明図であり、図214(A)〜(D)は可動演出手段として機能する操作ユニットと、これに対応する液晶表示装置の表示画面との一例を示す説明図である。図215(A)〜(C)は操作説明手段として機能する操作ユニットと、これに対応する液晶表示装置の表示画面との一例を示す説明図である。図216(A)〜(C)は操作説明手段として機能する操作ユニットと、これに対応する液晶表示装置の表示画面との一例を示す説明図である。
はじめに、操作ユニット400におけるダイヤル操作部401の回転方向及び回転速度の検出について説明する。なお、回転検知センサ432a,432bは、ダイヤル操作部401と一体的に回転する従動ギア410の回転検知片410cを検出することで、ダイヤル操作部401の回転方向及び回転速度を検出するようになっている。また、図199乃至図201中には、回転検知センサ432aを「A」と記載すると共に、回転検知センサ432bを「B」と記載する。また、以下に示すステップ1〜4は、それぞれ回転検知センサ432a,432bを基準としたダイヤル操作部401の4種類の回転位置のことであり、ダイヤル操作部401が回転することで、ステップ1、ステップ2、ステップ3、ステップ4へと順次、回転位置が移行するものであり、ステップ4へ移行した後は、再度ステップ1へ戻る。
まず、ダイヤル操作部401が時計方向へ回転する場合は、図199に示すように、ステップ1として、両方の回転検知センサ432a,432bが従動ギア410の回転検知片410cを検出し、その後、ダイヤル操作部401の時計方向への回転に伴うステップ2への移行により、回転検知センサ432aが回転検知片410cを検出する一方、従動ギア410のスリット410dが回転検知センサ432bへ移動して回転検知センサ432bが回転検知片410cを検出しないステップへ移行する。その後、ダイヤル操作部401の時計方向への回転に伴うステップ3への移行により、従動ギア410のスリット410dが各回転検知センサ432a,432bへ移動して回転検知センサ432a,432bが共に回転検知片410cを検出しないステップへ移行する。そして、ダイヤル操作部401の時計方向への回転に伴うステップ4への移行により、従動ギア410のスリット410dが回転検知センサ432aへ移動して回転検知センサ432aが回転検知片410cを検出しない一方、回転検知センサ432bが回転検知片410cを検出するステップへ移行する。
一方、ダイヤル操作部401が反時計方向へ回転する場合は、図200に示すように、ステップ1として、両方の回転検知センサ432a,432bが従動ギア410の回転検知片410cを検出し、その後、ダイヤル操作部401の反時計方向への回転に伴うステップ2への移行により、従動ギア410のスリット410dが回転検知センサ432aへ移動して回転検知センサ432aが回転検知片410cを検出しない一方、回転検知センサ432bが回転検知片410cを検出するステップへ移行する。その後、ダイヤル操作部401の反時計方向への回転に伴うステップ3への移行により、従動ギア410のスリット410dが各回転検知センサ432a,432bへ移動して回転検知センサ432a,432bが共に回転検知片410cを検出しないステップへ移行する。そして、ダイヤル操作部401の反時計方向への回転に伴うステップ4への移行により、回転検知センサ432aが回転検知片410cを検出する一方、従動ギア410のスリット410dが回転検知センサ432bへ移動して回転検知センサ432bが回転検知片410cを検出しないステップへ移行する。
即ち、ダイヤル操作部401が時計方向へ回転する場合の回転検知センサ432a,432bのON(回転検知片410cの検出あり)/OFF(回転検知片410cの検出なし)動作は、図201(A)に示すように、ステップ1で回転検知センサ432a,432bが共に「ON」であり、ステップ2で回転検知センサ432aが「ON」を継続する一方、回転検知センサ432bが「OFF」となる。その後、ステップ3で回転検知センサ432a,432bが共に「OFF」となった後に、ステップ4で回転検知センサ432aが「OFF」を継続する一方、回転検知センサ432bが「ON」となる。その後は、再度、ステップ1に戻り、回転検知センサ432a,432bが共に「ON」となる。
一方、ダイヤル操作部401が反時計方向へ回転する場合の回転検知センサ432a,432bのON/OFF動作は、図201(B)に示すように、ステップ1で回転検知センサ432a,432bが共に「ON」であり、ステップ2で回転検知センサ432bが「ON」を継続する一方、回転検知センサ432aが「OFF」となる。その後、ステップ3で回転検知センサ432a,432bが共に「OFF」となった後に、ステップ4で回転検知センサ432bが「OFF」を継続する一方、回転検知センサ432aが「ON」となる。その後は、再度、ステップ1に戻り、回転検知センサ432a,432bが共に「ON」となる。
このように、回転検知センサ432a,432bは、上記したような各ステップ1〜4でのON/OFFに基づいてダイヤル操作部401の回転方向及び回転速度を検出するようになっているので、操作ユニット400を構成するダイヤル操作部401が操作手段として機能する場合、換言すれば、遊技者の操作によってダイヤル操作部401が回転操作された場合には、回転検知センサ432a,432bのON/OFF状態の切替りを検出することでダイヤル操作部401が回転操作されたことを検出する。また、この時、回転操作前の回転検知センサ432a,432bのON/OFF状態と、回転操作中の回転検知センサ432a,432bのON/OFF状態とから、ダイヤル操作部401が時計方向に回転操作されているのか、あるいは反時計方向に回転操作されているのかを検出するようになっている。なお、本例では、回転検知センサ432a,432bによってダイヤル操作部401の回転方向及び回転速度を検出する構成としているが、回転検知センサ432a,432bのパルスをカウントすることで、ダイヤル操作部401の回転位置も検出が可能である。
例えば、ステップ1、即ち回転検知センサ432a,432bが共に「ON」した状態を回転操作前の状態とした場合、回転操作中の回転検知センサ432a,432bのON/OFF状態として回転検知センサ432aが「ON」である一方、回転検知センサ432bが「OFF」であると、時計方向のステップ2と一致することから、ダイヤル操作部401が時計方向に回転操作されたことを検出する。一方、回転操作中の回転検知センサ432a,432bのON/OFF状態として回転検知センサ432aが「OFF」である一方、回転検知センサ432bが「ON」であると、反時計方向のステップ2と一致することから、ダイヤル操作部401が反時計方向に回転操作されたことを検出する。なお、回転検知センサ432a,432bによって検出されたダイヤル操作部401の時計方向又は反時計方向の操作信号は、周辺制御部4140に出力される。そして、周辺制御部4140(演出制御手段、操作演出制御手段、選択演出制御手段、表示制御手段)は、入力した操作信号に基づいて遊技者の操作意思を受け、これを液晶表示装置1900等での演出に反映するようになっている。
また、ダイヤル操作部401がダイヤル駆動モータ414の駆動に基づいて回転する可動演出手段として機能する場合は、ダイヤル駆動モータ414の駆動が駆動ギア412を介して従動ギア410の回転動作として伝達され、この従動ギア410の回転動作によって一体的に設けられたダイヤル操作部401が時計方向又は反時計方向に回転する。この時、回転検知センサ432a,432bは、ダイヤル操作部401と共に回転する従動ギア410の回転検知片410cの検出の有無(ON/OFF)によってダイヤル操作部401の回転方向及び回転速度を検出する。そして、この回転検知センサ432a,432bによる検出信号が周辺制御部4140に出力され、これを受けた周辺制御部4140がダイヤル操作部401の回転方向及び回転速度を把握した状態でダイヤル操作部401の回転動作を制御するようになっている。
次に、操作ユニット400のダイヤル操作部401と押圧操作部405による操作手段としての機能、及び可動演出手段としての機能について複数の例を示しながら説明する。まず、一例目としては、図202に示すように、始動口(第一始動口2101、第二始動口2102)への入賞に伴う大当り判定に基づいて、液晶表示装置1900(演出手段、図柄表示手段)に変動表示される装飾図柄(図柄)において、図202(A)に示すように、左右の装飾図柄4601,4603が同一図柄で揃いリーチ態様が表示され(同図中には、左右の装飾図柄が「7」で揃った場合を例示)、その後、中装飾図柄4602の変動継続に伴い、図202(B)に示すように、左右の装飾図柄4601,4603が表示画面の左右上端側へそれぞれ移動して縮小表示されてノーマルリーチ変動からスーパーリーチ変動に発展する。
そして、図202(C)に示すように、スーパーリーチの変動態様として、左右の装飾図柄4601,4603とは異なる図柄でハズレを決定する中装飾図柄4602a(同図中には、「6」の中装飾図柄を例示)と、左右の装飾図柄4601,4603と同一の図柄で大当りを決定する中装飾図柄4602b(同図中には、「7」の中装飾図柄を例示)とが横並びで表示され、その下方には、ダイヤル操作部401が反時計方向へ回転する画像4605と「ダイヤル操作部を回して下さい」の文字4611とが表示されることで、操作ユニット400(ダイヤル操作部401)の反時計方向への回転操作を遊技者に促す表示が行われる。
その後、図202(D)に示すように、ハズレを決定する中装飾図柄4602aが大当りを決定する中装飾図柄4602bを押し出す演出表示が行われる。そして、遊技者が操作ユニット400のダイヤル操作部401を反時計方向へ回転操作すると、これを操作ユニット400の回転検知センサ432a,432bが検出する(ダイヤル操作部401の反時計方向への検出信号を周辺制御部4140へ出力する)ことで、図202(E)に示すように、大当りを決定する中装飾図柄4602bがハズレを決定する中装飾図柄4602aを押し返す演出表示(操作演出)が行われ、最終的には、図202(F)に示すように、大当りを決定する中装飾図柄4602bとハズレを決定する中装飾図柄4602aとのうち、大当り判定に基づいた表示結果を構成する中装飾図柄が他方の中装飾図柄を完全に押し出して、装飾図柄の表示結果が液晶表示装置1900に導出される。図202(F)中には、大当りの判定結果に基づいて、「7」の中装飾図柄4602bが「6」の中装飾図柄4602aを完全に押し出し、「7・7・7」の大当り図柄(特定表示結果)が導出された場合を例示する。
二例目としては、始動口(第一始動口2101、第二始動口2102)への入賞に伴う大当り判定に基づいて、液晶表示装置1900に変動表示される装飾図柄において、図203(A)に示すように、左右の装飾図柄4601,4603が同一図柄で揃いリーチ態様が表示され、その後、中装飾図柄4602の変動継続に伴い、図203(B)に示すように、左右の装飾図柄4601,4603が表示画面の左右上端側へそれぞれ移動して縮小表示されてノーマルリーチ変動からスーパーリーチ変動に発展すると、スーパーリーチの変動態様を選択する画像が液晶表示装置1900に表示される。変動態様の選択画像は、図203(C)に示すように、変動態様Aの選択肢画像4621(同図中には、「A」の文字を例示)と変動態様Bの選択肢画像4622(同図中には、「B」の文字を例示)とが横並びで表示され、その下方には、ダイヤル操作部401が時計方向と反時計方向とに交互に回転すると共に選択決定用の操作ユニット400の押圧操作部405が押圧される画像4606と、「ダイヤル操作部で選択して下さい」の文字4612とが表示されることで、操作ユニット400(ダイヤル操作部401)の回転操作で変動態様の選択を遊技者に促す表示が行われる。
そして、変動態様Aを選択すべく遊技者がダイヤル操作部401を時計方向へ回転操作すると(なお、この時、選択決定用として操作ユニット400の押圧操作部405が遊技者によって押圧操作される)、これを操作ユニット400の回転検知センサ432a,432bが検出する(ダイヤル操作部401の時計方向への検出信号を周辺制御部4140へ出力する)ことで、図203(D)に示すように、変動態様Aの選択肢画像4621が点滅表示される一方、変動態様Bの選択肢画像4622が消灯表示され、その下方には、ダイヤル操作部401が時計方向へ回転する画像4605と「決定!!」の文字4613とが表示されることで、ダイヤル操作部401の回転操作によって変動態様Aが選択された旨を遊技者に報知する表示が行われる。その後は、図203(E)に示すように、遊技者によって選択された変動態様Aでスーパーリーチ変動の演出画像4625(同図中には、便宜的に「A」と記載)が表示される(操作演出)。
即ち、操作ユニット400の操作ユニット400による操作手段としての機能は、液晶表示装置1900の演出表示に合わせて遊技者にダイヤル操作部401を回転操作させ、その回転操作を演出内容に反映させて遊技の興趣低下を抑制するものとなっている。
ところで、上記した二例目のように操作ユニット400が二者択一となる選択用の操作手段として機能する場合、遊技者は、操作ユニット400による選択操作をパチンコ機1側(具体的には、周辺制御部4140の制御)で自動的に代行させるか否かを事前に決定できるようになっている。選択操作を代行させるか否かの決定は、図204(A)に示すような液晶表示装置1900の操作代行決定用の表示画像で行われる。なお、この操作代行決定用の表示画像は、液晶表示装置1900のデモ表示中等、始動口(第一始動口2101、第二始動口2102)への入賞検出が所定時間以上ない状態で操作ユニット400の押圧操作部405が押圧操作されることにより、液晶表示装置1900に表示されるようになっている。
図204(A)に示す操作代行決定用の表示画像には、「選択操作を代行しない」の文字を記した選択肢画像4623と「選択操作を代行する」の文字を記した選択肢画像4624とが横並びで表示され、その下方には、ダイヤル操作部401が時計方向と反時計方向とに交互に回転すると共に選択決定用の押圧操作部405が押圧される画像4606と、「ダイヤル操作部で選択して下さい」の文字4612とが表示されることで、ダイヤル操作部401の回転操作で選択操作を代行させるか否かの決定を遊技者に促す表示が行われる。
そして、選択操作を代行させるべく遊技者が操作ユニット400のダイヤル操作部401を反時計方向へ回転操作すると(なお、この時、選択決定用として操作ユニット400の押圧操作部405が遊技者によって押圧操作される)、これを操作ユニット400の回転検知センサ432a,432bが検出する(ダイヤル操作部401の反時計方向への検出信号を周辺制御部4140へ出力する)ことで、図204(B)に示すように、「選択操作を代行する」の選択肢画像4624が点滅表示される一方、「選択操作を代行しない」の選択肢画像4623が消灯表示され、その下方には、ダイヤル操作部401が反時計方向へ回転する画像4607と「決定!!」の文字4613とが表示されることで、ダイヤル操作部401の回転操作によって選択操作を代行させる決定がなされた旨を遊技者に報知する表示が行われる。
その後、操作代行決定用の表示画像で選択操作を代行することが決定され、図204(C)に示すように、選択演出の画像が液晶表示装置1900に表示されると、周辺制御部4140の制御に基づいて自動的に選択が代行されるようになっている。具体的に、図204(C)に示す選択演出の画像は、キャラクタAの選択肢画像4625とキャラクタBの選択肢画像4626とが横並びで表示され、その下方には、ダイヤル操作部401が時計方向と反時計方向とに交互に回転すると共に選択決定用の押圧操作部405が押圧される画像4606と、「ダイヤル操作部で選択して下さい」の文字4612とが表示されることで、ダイヤル操作部401の回転操作でキャラクタの選択を遊技者に促す表示が行われる。なお、この時、選択肢画像4626であるキャラクタBは、選択肢画像4625であるキャラクタAに比べて力強いキャラクタとして表示され、あたかもキャラクタB(選択肢画像4626)を選択した方が遊技者にとって有利な遊技内容(例えば、大当りになり易い等)となり得るような印象を与えるものとなっている。
そして、周辺制御部4140の制御により、図204(D)に示すように、操作ユニット400のダイヤル操作部401がデフォルト方向へ回転されると(なお、同図中には、反時計方向がデフォルト方向に設定され、ダイヤル操作部401が反時計方向へ回転された場合を例示)、キャラクタBの選択肢画像4626が点滅表示される一方、キャラクタAの選択肢画像4625が消灯表示され、その下方には、ダイヤル操作部401が反時計方向へ回転する画像4607と「決定!!」の文字4613とが表示されることで、ダイヤル操作部401の回転によってキャラクタBが選択された旨を遊技者に報知する表示が行われる。
なお、図204(D)に示す構成では、デフォルト方向を反時計方向に設定しているが、この構成に限定するものではなく、デフォルト方向を時計方向に設定してもよい。この場合には、周辺制御部4140の制御により、操作ユニット400(ダイヤル操作部401)が時計方向へ回転されると、図204(E)に示すように、キャラクタAの選択肢画像4625が点滅表示される一方、キャラクタBの選択肢画像4626が消灯表示され、その下方には、ダイヤル操作部401が時計方向へ回転する画像4605と「決定!!」の文字4613とが表示されることで、ダイヤル操作部401の回転によってキャラクタAが選択された旨を遊技者に報知する表示が行われる。
また、デフォルト方向は、時計方向又は反時計方向の何れか一方に限定するものではなく、液晶表示装置1900に表示される選択肢の種類に応じた方向をデフォルト方向としてもよい。具体的には、あたかも遊技者にとって有利な遊技内容となり得るような方向をデフォルト方向としてもよい。例えば、選択演出の画像として、図204(C)と同様に、キャラクタAの選択肢画像4625が左側に表示され、キャラクタBの選択肢画像4626が右側に表示される時には、図204(D)と同様に、選択肢画像4626を選択すべくダイヤル操作部401を反時計方向に回転させる。一方、選択演出の画像として、キャラクタBの選択肢画像4626が左側に表示され、キャラクタAの選択肢画像4625が右側に表示される時には、図204(F)に示すように、選択肢画像4626を選択すべくダイヤル操作部401を時計方向に回転させる。また、逆に、あたかも遊技者にとって不利な遊技内容となり得るような方向をデフォルト方向としてもよい。
ここで、周辺制御部4140による操作ユニット400の選択操作検出処理について、図205を参照して説明する。この選択操作検出処理は、図203(C)のような液晶表示装置1900の選択演出時に行われる制御である。図205において、まず、操作代行フラグがセットされているか否かを判別する(ステップS2001)。操作代行フラグは、図204(A)の操作代行決定用の表示画像で「選択操作を代行する」の選択肢画像4624が選択決定された時にセットされるフラグである。ステップS2001で操作代行フラグがセットされていない時は、次に、操作ユニット400のダイヤル操作部401が回転操作されたか否か、言い換えれば回転検知センサ432a,432bによる操作検出信号に変化があるか否かを判別する(ステップS2002)。操作検出信号に変化がある時は、該操作検出信号に基づいた回転方向の選択フラグをセットして(ステップS2003)、選択操作検出処理を終了する。
即ち、操作ユニット400のダイヤル操作部401が回転操作されて操作検出信号に変化が生じると、そのダイヤル操作部401が回転操作された方向(時計方向又は反時計方向)の選択フラグをセットする。選択フラグは、液晶表示装置1900の選択演出において、遊技者が二者択一の選択肢の一方を選択決定した旨の表示(例えば、図203(D)の表示等)や、選択決定した選択肢に基づいた演出表示(例えば、図203(E)の演出表示等)を表示制御するためのフラグである。
一方、ステップS2002で操作ユニット400におけるダイヤル操作部401の回転操作がなく操作検出信号に変化がない時は、予め定めたダイヤル操作部401の検出有効時間が経過したか否かを判別する(ステップS2004)。そして、検出有効時間が経過したにも拘わらず操作検出信号がONしていない時は、予め定めた選択方法となるデフォルトの回転方向の選択フラグをセットすると共に(ステップS2005)、デフォルト方向にダイヤル操作部401を回転させて(ステップS2006:選択代行動作制御手段)、選択操作検出処理を終了する。ここで、デフォルトの回転方向(デフォルト方向)とは、前述した周辺制御部4140により予め設定されたダイヤル操作部401の回転方向のことであり、時計方向、反時計方向、遊技者にとってあたかも有利な遊技内容となり得るような方向、あるいは遊技者にとってあたかも不利な遊技内容となり得るような方向のことである。
また、ステップS2001で操作代行フラグがセットされている時は、デフォルト方向にダイヤル操作部401を回転させる(ステップS2007:選択代行動作制御手段)。その後は、回転検知センサ432a,432bにより操作検出信号の変化を検出することで、その操作検出信号に基づいた回転方向の選択フラグをセットして(ステップS2008)、選択操作検出処理を終了する。この時、ステップS2008の処理としては、ステップS2007で回転されたデフォルト方向の選択フラグをそのままセットするのではなく、デフォルト方向への回転直後に遊技者が反デフォルト方向にダイヤル操作部401を回転操作すると、その反デフォルト方向の選択フラグをセットするようになっている。即ち、選択演出時の選択操作の代行が決定されている場合、及び、選択演出時の選択操作の代行が決定されていないにも拘わらずダイヤル操作部401が回転操作されなかった場合は、一旦、ダイヤル操作部401をデフォルト方向へ回転させる。そして、ダイヤル操作部401がデフォルト方向へ回転された時点で、遊技者の操作がない時はそのままデフォルト方向の選択フラグをセットする。一方、ダイヤル操作部401がデフォルト方向へ回転された時点で、遊技者による反デフォルト方向への操作がある時は、ダイヤル操作部401を回転させるダイヤル駆動モータ414の駆動を停止して遊技者によるダイヤル操作部401の回転操作を優先させ、反デフォルト方向の選択フラグをセットする。
このように本実施形態では、遊技者が操作ユニット400におけるダイヤル操作部401を反デフォルト方向へ回転操作する余地を残した状態、具体的には、遊技者がダイヤル操作部401の操作方向(デフォルトの回転方向)を気に入らない時は、その回転動作中に遊技者が介入して矯正できたり、予想外(遊技者にとって不意)にダイヤル操作部401が動いてしまった時にその回転動作を止めたりできるような余地を残した状態で、ダイヤル操作部401の回転操作が行えるようになっている。即ち、上記したステップS2007からステップS2008に移行する際の処理は、ダイヤル操作部401の動作中に遊技者によるダイヤル操作部401の指触操作(手動操作)が操作検出手段によって検出されると、遊技者によるダイヤル操作部401の指触操作を優先すべく、電気的駆動源の駆動を停止する操作優先制御手段を構成している。
ところで、操作ユニット400の選択操作検出処理は、図205に示す構成に限定するものではなく、以下に示す変形例1,2の構成であってもよい。変形例1の選択操作検出処理は、図206に示すように、まず、操作代行フラグがセットされているか否かを判別する(ステップS2011)。ステップS2011で操作代行フラグがセットされていない時は、図205の選択操作検出処理と同様に、ダイヤル操作部401が回転操作されて回転検知センサ432a,432bによる操作検出信号に変化があるか否かを判別する(ステップS2012)。操作検出信号に変化がある時は、その操作検出信号に基づいた回転方向の選択フラグをセットすると共に(ステップS2013)、操作検出信号が変化したことをカウントする操作検出カウンタに「1」を加算して(ステップS2014)、選択操作検出処理を終了する。即ち、操作ユニット400のダイヤル操作部401が回転操作されて操作検出信号に変化があると、そのダイヤル操作部401が回転操作された方向(時計方向又は反時計方向)の選択フラグをセットし、更には、ダイヤル操作部401が回転操作されたことを記憶しておく。
一方、ステップS2012でダイヤル操作部401の回転操作がなく操作検出信号に変化がない時は、予め定めたダイヤル操作部401の検出有効時間が経過したか否かを判別する(ステップS2015)。そして、検出有効時間が経過したにも拘わらず操作検出信号に変化がない時は、次に、過去10回の選択演出においてステップS2014でカウントされた操作検出カウンタの値が「5」以上であるか否かを判別する(ステップS2016:動作割合判定手段)。ステップS2016で操作検出カウンタの値が「5」以上の時、言い換えれば、過去10回の選択演出で遊技者が5回以上ダイヤル操作部401を回転操作した時は、比較的頻繁にダイヤル操作部401を回転操作する遊技者であると判断して、ダイヤル操作部401の検出有効時間を延長すべくステップS2017へ移行する。
なお、ステップS2016の処理は、周辺制御部4140の周辺制御RAM4140e内に設けられる操作記憶領域での記憶に基づいて行われるものであり、操作記憶領域に最新10回までの選択演出における操作ユニット400におけるダイヤル操作部401の操作の有無を記憶しておくことで判別処理が行われるようになっている。即ち、選択演出が行われる毎に、過去10回の記憶データのうち最も古いデータを消去すると共に、選択演出での遊技者によるダイヤル操作部401の操作の有無を最も新しいデータとして記憶するようになっている。このため、パチンコ機1で遊技を行う遊技者が入れ替わった場合でも、選択演出を実行していく毎に徐々に遊技者に合わせた(ダイヤル操作部401を頻繁に回転操作する遊技者であるか否かに合わせた)判断基準でステップS2016の処理を行えるようになっている。
ステップS2017では、再度、ダイヤル操作部401が回転操作されて回転検知センサ432a,432bによる操作検出信号に変化があるか否かを判別する。ステップS2017で操作検出信号に変化がある時は、ステップS2012からの移行と同様に、操作検出信号に基づいた回転方向の選択フラグをセットすると共に(ステップS2013)、操作検出信号が変化したことをカウントする操作検出カウンタに「1」を加算して(ステップS2014)、選択操作検出処理を終了する。一方、ステップS2017でダイヤル操作部401の回転操作がなく操作検出信号に変化がない時は、延長されたダイヤル操作部401の検出有効時間(延長有効時間)が経過したか否かを判別する(ステップS2018:有効期間延長手段)。そして、延長有効時間が経過したにも拘わらず操作検出信号に変化がない時は、予め定めた選択方法となるデフォルトの回転方向の選択フラグをセットすると共に(ステップS2019)、デフォルト方向にダイヤル操作部401を回転させて(ステップS2020:選択代行動作制御手段)、選択操作検出処理を終了する。
また、ステップS2011で操作代行フラグがセットされている時、及び、ステップS2016で操作検出カウンタの値が「5」未満の時は、デフォルト方向にダイヤル操作部401を回転させる(ステップS2021:選択代行動作制御手段)。その後は、回転検知センサ432a,432bにより操作検出信号の変化を検出することで、その操作検出信号に基づいた回転方向の選択フラグをセットして(ステップS2022)、選択操作検出処理を終了する。この時、ステップS2022の処理としては、ステップS2021で回転されたデフォルト方向の選択フラグをそのままセットするのではなく、デフォルト方向への回転直後に遊技者が反デフォルト方向にダイヤル操作部401を回転操作すると、その反デフォルト方向の選択フラグをセットするようになっている。
即ち、選択演出時の選択操作の代行が決定されている場合、及び、選択演出時の選択操作の代行が決定されていないにも拘わらずダイヤル操作部401が回転操作されず、しかも過去10回の選択演出で遊技者がダイヤル操作部401を回転操作した回数が5回未満の場合は、一旦、ダイヤル操作部401をデフォルト方向へ回転させる。そして、ダイヤル操作部401がデフォルト方向へ回転された時点で、遊技者の操作がない時はそのままデフォルト方向の選択フラグをセットする。一方、ダイヤル操作部401がデフォルト方向へ回転された時点で、遊技者による反デフォルト方向への操作がある時は、ダイヤル操作部401を回転させるダイヤル駆動モータ414の駆動を停止して遊技者によるダイヤル操作部401の回転操作を優先させ、反デフォルト方向の選択フラグをセットする。
このように本実施形態では、遊技者が操作ユニット400におけるダイヤル操作部401を反デフォルト方向へ回転操作する余地を残した状態、具体的には、遊技者がダイヤル操作部401の操作方向(デフォルトの回転方向)を気に入らない時は、その回転動作中に遊技者が介入して矯正できたり、予想外(遊技者にとって不意)にダイヤル操作部401が動いてしまった時にその回転動作を止めたりできるような余地を残した状態で、ダイヤル操作部401の回転操作が行えるようになっている。即ち、上記したステップS2021からステップS2022に移行する際の処理は、操作部の動作中に遊技者によるダイヤル操作部401の指触操作が操作検出手段によって検出されると、遊技者によるダイヤル操作部401の指触操作を優先すべく、電気的駆動源の駆動を停止する操作優先制御手段を構成している。
変形例2の選択操作検出処理は、図207に示すように、まず、操作代行フラグがセットされているか否かを判別する(ステップS2031)。ステップS2031で操作代行フラグがセットされていない時は、図205の選択操作検出処理と同様に、操作ユニット400におけるダイヤル操作部401が回転操作されて回転検知センサ432a,432bによる操作検出信号に変化があるか否かを判別する(ステップS2032)。操作検出信号に変化がある時は、その操作検出信号に基づいた回転方向の選択フラグをセットすると共に(ステップS2033)、操作検出信号に基づいた回転方向のカウンタに「1」を加算して(ステップS2034)、選択操作検出処理を終了する。
即ち、操作ユニット400のダイヤル操作部401が回転操作されて操作検出信号に変化があると、そのダイヤル操作部401が回転操作された方向(時計方向又は反時計方向)の選択フラグをセットし、更には、回転操作されたダイヤル操作部401の回転方向を記憶しておく。なお、回転方向をカウントするカウンタは、時計方向と反時計方向との2種類が設けられ、操作検出信号に基づいた回転方向毎にカウンタの種類を異ならせることで、時計方向の回転数と反時計方向の回転数とが個々に記憶されるようになっている。
一方、ステップS2032でダイヤル操作部401の回転操作がなく操作検出信号に変化がない時は、予め定めたダイヤル操作部401の検出有効時間が経過したか否かを判別する(ステップS2035)。そして、検出有効時間が経過したにも拘わらず操作検出信号に変化がない時は、予め定めた選択方法となる過去10回の選択操作でカウント値の大きい回転方向の選択フラグをセットすると共に(ステップS2036)、このカウント値の大きい方向にダイヤル操作部401を回転させて(ステップS2037:選択代行動作制御手段)、選択操作検出処理を終了する。
ここで、過去10回の選択操作でカウント値の大きい回転方向とは、ステップS2034でカウントされる時計方向と反時計方向との各カウンタにおいて、現時点から以前の10回の選択操作でカウントされた各カウント値を比較した上で、大きい値をとるカウンタの回転方向のことである。そして、このような比較を行うことで、遊技者が何れの方向にダイヤル操作部401を回転操作する傾向が高いかを判断して、その方向にダイヤル操作部401を回転させる。即ち、選択演出が行われる毎に、過去10回のカウントデータのうち最も古いデータを消去すると共に、選択演出での遊技者によるダイヤル操作部401の回転方向を最も新しいカウントデータとして記憶するようになっている。このため、パチンコ機1で遊技を行う遊技者が入れ替わった場合でも、選択演出を実行していく毎に徐々に遊技者に合わせた(遊技者がダイヤル操作部401を何れの方向に回転操作する傾向が高いかに合わせた)判断基準でステップS2036の処理を行えるようになっている。
また、ステップS2031で操作代行フラグがセットされている時は、ステップS2037と同様に、カウント値の大きい方向にダイヤル操作部401を回転させる(ステップS2038:選択代行動作制御手段)。その後は、回転検知センサ432a,432bにより操作検出信号の変化を検出することで、その操作検出信号に基づいた回転方向の選択フラグをセットし(ステップS2039)、次いで、操作検出信号に基づいた回転方向のカウンタに「1」を加算して(ステップS2040)、選択操作検出処理を終了する。この時、ステップS2039の処理としては、ステップS2038で回転されたカウント値の大きい方向の選択フラグをそのままセットするのではなく、カウント値の大きい方向への回転直後に遊技者が反対方向にダイヤル操作部401を回転操作すると、その反対方向の選択フラグをセットするようになっている。
すなわち、変形例2の構成によれば、選択演出時の選択操作の代行が決定されている場合、及び、選択演出時の選択操作の代行が決定されていないにも拘わらずダイヤル操作部401が回転操作されなかった場合は、現時点から以前の10回の選択操作で何れの方向にダイヤル操作部401が回転操作されたかを比較判定して、回転操作数の多い回転方向(デフォルト方向)にダイヤル操作部401を回転させる。そして、ダイヤル操作部401がデフォルト方向へ回転された時点で、遊技者の操作がない時はそのままデフォルト方向の選択フラグをセットする。一方、ダイヤル操作部401がデフォルト方向へ回転された時点で、遊技者による反デフォルト方向への操作がある時は、ダイヤル操作部401を回転させるダイヤル駆動モータ414の駆動を停止して遊技者によるダイヤル操作部401の回転操作を優先させ、反デフォルト方向の選択フラグをセットする。
このように本実施形態では、遊技者が操作ユニット400におけるダイヤル操作部401を反デフォルト方向へ回転操作する余地を残した状態、具体的には、遊技者がダイヤル操作部401の操作方向(デフォルトの回転方向)を気に入らない時は、その回転動作中に遊技者が介入して矯正できたり、予想外(遊技者にとって不意)にダイヤル操作部401が動いてしまった時にその回転動作を止めたりできるような余地を残した状態で、ダイヤル操作部401の回転操作が行えるようになっている。即ち、上記したステップS2038からステップS2039に移行する際の処理は、操作部の動作中に遊技者によるダイヤル操作部401の指触操作が操作検出手段によって検出されると、遊技者によるダイヤル操作部401の指触操作を優先すべく、電気的駆動源の駆動を停止する操作優先制御手段を構成している。
次に、操作ユニット400が可動演出手段として機能する三例を説明する。一例目としては、始動口(第一始動口2101、第二始動口2102)への入賞に伴う大当り判定に基づいて、液晶表示装置1900に変動表示される装飾図柄において、図208(A)に示すように、左右の装飾図柄4601,4603が同一図柄で揃いリーチ態様が表示されると共に(同図中には、左右の装飾図柄が「7」で揃った場合を例示)、中装飾図柄4602がノーマルリーチの変動態様で表示される。この時、操作ユニット400は、それぞれ停止状態にある。即ち、操作ユニット400の押圧操作部405を発光装飾するフルカラーLED432d及び操作ユニット400のダイヤル操作部401を発光装飾するフルカラーLED430bは、それぞれ消灯状態にあり、また、操作ユニット400のダイヤル操作部401を回転駆動するダイヤル駆動モータ414は、駆動停止状態にある。
その後、図208(B)に示すように、ハズレを決定する中装飾図柄4602(同図中には、「6」の中装飾図柄4602が一旦停止表示された場合を例示)が一旦停止表示される。また、この時点でも、操作ユニット400は、それぞれ停止状態にある。そして、図208(C)に示すように、液晶表示装置1900の表示はハズレ図柄を停止表示した状態で、操作ユニット400が演出駆動される。具体的には、各フルカラーLED432d,430bの点灯・点滅駆動によって操作ユニット400の押圧操作部405及び操作ユニット400のダイヤル操作部401が発光し、これと同時に、ダイヤル駆動モータ414の回転駆動によって操作ユニット400のダイヤル操作部401が回転する。
その後は、このような操作ユニット400の演出駆動が継続した状態で、液晶表示装置1900の表示は、図208(D)に示すように、左右の装飾図柄4601,4603が表示画面の左右上端側へそれぞれ移動して縮小表示されると共に中装飾図柄4602の変動が再開されて、スーパーリーチ変動に発展する。即ち、操作ユニット400は、その演出駆動によって、液晶表示装置1900での装飾図柄のノーマルリーチ変動からスーパーリーチ変動への発展契機となる演出を行うようになっている。
二例目としては、始動口(第一始動口2101、第二始動口2102)への入賞に伴う大当り判定に基づいて、液晶表示装置1900に変動表示される装飾図柄において、図209(A)に示すように、左右の装飾図柄4601,4603が同一図柄で揃いリーチ態様が表示され、中装飾図柄4602がリーチ変動を行った後に一旦、ハズレ図柄が停止表示される(同図中には、「7・6・7」のハズレ図柄が一旦停止表示された場合を例示)。この時、操作ユニット400は、それぞれ停止状態にある。その後、図209(B)に示すように、液晶表示装置1900の表示はハズレ図柄を停止表示した状態で、操作ユニット400が演出駆動される。具体的には、各フルカラーLED432d,430bの点灯・点滅駆動によって操作ユニット400の押圧操作部405及び操作ユニット400のダイヤル操作部401が発光し、これと同時に、ダイヤル駆動モータ414の回転駆動によって操作ユニット400のダイヤル操作部401が回転する。
そして、上記したような操作ユニット400の演出駆動が継続した状態で、液晶表示装置1900の表示は、図209(C)に示すように、ハズレを決定する中装飾図柄4602から大当りを決定する中装飾図柄4602に切替り、最終的な表示結果として大当り図柄が液晶表示装置1900に導出される(同図中には、「7・7・7」の大当り図柄が導出された場合を例示)。即ち、操作ユニット400は、その演出駆動によって、液晶表示装置1900での装飾図柄のハズレ図柄から大当り図柄への切替り契機となる演出を行うようになっている。
三例目としては、始動口(第一始動口2101、第二始動口2102)への入賞に伴う大当り判定に基づいて、液晶表示装置1900に変動表示される装飾図柄において、図210(A)に示すように、左右の装飾図柄4601,4603が同一図柄で揃いリーチ態様が表示され、中装飾図柄4602がリーチ変動を行った後に一旦、非確変大当り図柄が停止表示される(同図中には、「6・6・6」の非確変大当り図柄が一旦停止表示された場合を例示)。この時、操作ユニット400は、それぞれ停止状態にある。その後、図210(B)に示すように、液晶表示装置1900の表示は非確変大当り図柄を停止表示した状態で、操作ユニット400が演出駆動される。具体的には、各フルカラーLED432d,430bの点灯・点滅駆動によって操作ユニット400の押圧操作部405及び操作ユニット400のダイヤル操作部401が発光し、これと同時に、ダイヤル駆動モータ414の回転駆動によって操作ユニット400のダイヤル操作部401が回転する。
そして、上記したような操作ユニット400の演出駆動が継続した状態で、液晶表示装置1900の表示は、図210(C)に示すように、非確変大当り図柄から確変大当り図柄に切替り、最終的な表示結果として確変大当り図柄(特別表示結果)が液晶表示装置1900に導出される(同甲中には、「7・7・7」の確変大当り図柄が導出された場合を例示)。即ち、操作ユニット400は、その演出駆動によって、液晶表示装置1900での装飾図柄の非確変大当り図柄から確変大当り図柄への切替り契機となる演出を行うようになっている。
なお、実例中に記載したように、選択操作を遊技者の代行で行う場合、操作検出手段で検出できる程度に必要最小限度、操作部を回転駆動するだけで事足りるが、演出の一端を担う操作部としては、遊技者が明らかに回転していることを認識できるように、回転し続けることが望ましい。
また、ダイヤル操作部401を動作させる電気的駆動源は、実施形態中に記載したステッピングモータからなるダイヤル駆動モータ414に限定するものではないが、ダイヤル操作部401を回転駆動する電気的駆動源とした場合には、以下に示す理由からステッピングモータを電気的駆動源として用いることが望ましい。
例えば、ダイヤル操作部401の回転駆動状態において遊技者の指触により停止させられることが頻繁にあると予想されるが、ダイヤル駆動モータ414がステッピングモータであれば、弱めに励磁して回転していれば簡単に脱調するため、安全性を確保できる。また、ダイヤル操作部401の停止後も、回転のための励磁を続ければ、その感触が遊技者の指に伝わるため遊技者にとっては新鮮な驚きが得られる。更には、逆に、ダイヤル操作部401が停止状態を維持する程度の弱い励磁をステッピングモータに与えれば、ダイヤル操作部401を回転させる際にクリック感を生じさせることができ、操作性が向上する。
また、ディテントトルク(無励磁保持トルク)が大きなモータを選定すれば、励磁さえも必要としない。また、例えば、電気的駆動源としてDCモータを使った場合、ダイヤル操作部401の回転駆動状態において強制的に停止させられると電機子電圧(逆起電力)が無くなるため大電流が流れてしまい、発熱や耐久性の点で好ましくない。それに比べステッピングモータではそのような心配が生じない。以上のような理由で電気的駆動源はステッピングモータであることが望ましい。
ところで、上述した操作ユニット400の可動演出手段としての機能において、ダイヤル操作部401の回転動作は、リーチ変動の発展、ハズレ図柄から大当り図柄への切替り、非確変大当り図柄から確変大当り図柄への切替り、の各演出契機として行われることで、結果として、予告演出として機能するようになっている。そこで、このような操作ユニット400の予告演出として、リーチ変動の発展時に、ダイヤル操作部401の回転動作の態様によって発展するリーチ変動の大当り信頼度を遊技者に認識させるようにしても良く、その構成を図211及び図212を参照して説明する。
まず、図211(A)に示すように、左右の装飾図柄4601,4603が同一図柄で揃いリーチ態様が表示された後(同図中には、左右の装飾図柄が「7」で揃った場合を例示)、中装飾図柄4602がノーマルリーチの変動態様で表示されてハズレを決定する中装飾図柄4602(同図中には、「6」の中装飾図柄4602が一旦停止表示された場合を例示)が一旦停止表示される。その後、図211(B)に示すように、液晶表示装置1900の表示はハズレ図柄を停止表示した状態で、操作ユニット400が演出駆動される。具体的には、各フルカラーLED432d,430bの点灯・点滅駆動によって操作ユニット400の押圧操作部405及びダイヤル操作部401が発光し、これと同時に、ダイヤル駆動モータ414の回転駆動によってダイヤル操作部401が回転する。なお、このような操作ユニット400の演出駆動が開始されると同時に、液晶表示装置1900には、「ダイヤル操作部の回転を停止させて下さい」の文字4614が表示されて、遊技者にダイヤル操作部401の回転動作を停止させることを促すようになっている。
そして、発展するリーチ変動が大当り信頼度の低い時、言い換えればノーマルリーチ変動からロングリーチ変動(第一の演出態様)に発展する時は、図211(C)に示すように、回転動作中のダイヤル操作部401を遊技者が手Hで掴み、強制的にダイヤル操作部401の回転動作が停止されると、これを操作ユニット400の回転検知センサ432a,432bが検出して、操作ユニット400の演出駆動を停止する(第一態様動作制御手段)。具体的には、各フルカラーLED432d,430bの点灯・点滅駆動を停止することで押圧操作部405及びダイヤル操作部401の発光を停止し、これと同時に、ダイヤル駆動モータ414の回転駆動を停止することでダイヤル操作部401の回転を停止する。また、これに伴い、液晶表示装置1900の表示は、左右の装飾図柄4601,4603が表示画面の左右上端側へ移動することなく、中装飾図柄4602の変動が再開されて、大当り信頼度の低いロングリーチ変動に発展する。
一方、発展するリーチ変動が大当り信頼度の高い時、言い換えればノーマルリーチ変動からスーパーリーチ変動(第二の演出態様)に発展する時は、図211(D)に示すように、回転動作中のダイヤル操作部401を遊技者が手Hで掴むと、強制的にダイヤル操作部401の回転動作が停止される。但し、この場合には、これを操作ユニット400の回転検知センサ432a,432bが検出しても、操作ユニット400の演出駆動を継続する(第二態様動作制御手段)。これにより、押圧操作部405及びダイヤル操作部401の発光は継続して行われる。また、遊技者は、回転動作中のダイヤル操作部401を強制的に手Hで押し止めた状態が続くため、ダイヤル操作部401を駆動するダイヤル駆動モータ414から振動を受けることになる。なお、このようなダイヤル駆動モータ414の振動は、ダイヤル操作部401を指触した遊技者だけが実感できるものである。
そして、これに伴い、液晶表示装置1900の表示は、左右の装飾図柄4601,4603が表示画面の左右上端側へそれぞれ移動して縮小表示されると共に中装飾図柄4602の変動が再開されて、大当り信頼度の高いスーパーリーチ変動に発展する。即ち、操作ユニット400は、その演出駆動(回転動作)によって、液晶表示装置1900での装飾図柄のノーマルリーチ変動からの発展を予告すると共に、遊技者がダイヤル操作部401を掴んだ状態で回転動作を継続するか否かによって発展するリーチ変動の大当り信頼度が高いか否かを予告するようになっている。また、この装飾図柄のノーマルリーチ変動からの発展予告は、遊技者がダイヤル操作部401を指触しなければ分からない。このため、遊技者は、ダイヤル操作部401を指触するかしないかで、予告を受けるか否かの選択が可能となり、結果として、遊技の楽しみ方の幅が広がるようになっている。
ここで、周辺制御部4140による操作ユニット400の回転予告制御処理について、図212を参照して説明する。図212において、周辺制御部4140は、まず、主制御基板4100側から回転予告コマンドを受信したか否かを判別する(ステップS2051)。回転予告コマンドは、液晶表示装置1900での装飾図柄のリーチ変動に伴って操作ユニット400におけるダイヤル操作部401を回転動作させる予告演出を実行する際、主制御基板4100側から周辺制御部4140側に送られるコマンド信号である。ステップS2051で回転予告コマンドが受信されない時は、そのまま回転予告制御処理を終了する。一方、ステップS2051で回転予告コマンドが受信されると、周辺制御部4140は、ダイヤル駆動モータ414を駆動制御してダイヤル操作部401を回転動作させる(ステップS2052)。なお、この時、ダイヤル操作部401の回転予告として、フルカラーLED430bを点灯・点滅駆動してダイヤル操作部401を発光装飾する。
次に、ダイヤル操作部401が回転動作を継続しているか否か、言い換えれば回転検知センサ432a,432bによる操作検出信号に変化があるか否かを判別する(ステップS2053)。ステップS2053で遊技者がダイヤル操作部401を掴むことなくダイヤル操作部401の回転動作が継続しいる時、即ち、操作検出信号に変化がある時は、リーチ変動に伴う予告演出として行われるダイヤル操作部401の回転制御時間(例えば、10秒)が経過したか否かを判別する(ステップS2054)。そして、ダイヤル操作部401の回転制御時間が経過しても、遊技者によってダイヤル操作部401の回転動作が停止されない時は、そのままステップS2057へ移行してダイヤル操作部401の回転動作と発光装飾を停止させて、回転予告制御処理を終了する。
一方、ステップS2053で遊技者がダイヤル操作部401を掴んでダイヤル操作部401の回転動作が停止された時、即ち、操作検出信号に変化がなくなった時は、次に、ダイヤル操作部401の回転予告を伴うリーチ変動が大当り信頼度の高いスーパーリーチ変動であるか否かを判別する(ステップS2055)。なお、ステップS2055の判別は、主制御基板4100側から周辺制御部4140側に送られる変動パターンコマンドが、ダイヤル操作部401の回転予告を伴う大当り信頼度の高いスーパーリーチ変動のコマンドであるか否(ダイヤル操作部401の回転予告を伴う大当り信頼度の低いロングリーチ変動のコマンドである)かによって判別される。ステップS2055で変動パターンコマンドがスーパーリーチ変動のコマンドではなく大当り信頼度の低いロングリーチ変動のコマンドの時は、そのままステップS2057へ移行してダイヤル操作部401の回転動作と発光装飾を停止させて、回転予告制御処理を終了する。
即ち、大当り信頼度の低いロングリーチ変動に伴う予告演出として操作ユニット400の回転予告が行われた場合、遊技者がダイヤル操作部401を掴んでダイヤル操作部401の回転動作を停止させると、ダイヤル操作部401の回転制御時間(例えば、10秒)を待たずに遊技者がダイヤル操作部401の回転動作を停止させた時点で、ダイヤル駆動モータ414とフルカラーLED430bの駆動を停止して、ダイヤル操作部401による回転予告を終了するよになっている。
また、ステップS2055で変動パターンコマンドが大当り信頼度の高いスーパーリーチ変動のコマンドの時は、ダイヤル操作部401の回転制御時間(例えば、10秒)が経過したか否かを判別する(ステップS2056)。そして、ダイヤル操作部401の回転制御時間が経過すると、ステップS157へ移行してダイヤル操作部401の回転動作と発光装飾を停止させて、回転予告制御処理を終了する。即ち、大当り信頼度の高いスーパーリーチ変動に伴う予告演出としてダイヤル操作部401の回転予告が行われた場合、遊技者がダイヤル操作部401を掴んでダイヤル操作部401の回転動作を停止させてもその時点ではダイヤル操作部401の回転予告を継続させて、ダイヤル操作部401の回転制御時間(例えば、10秒)が経過すると、ダイヤル駆動モータ414とフルカラーLED430bの駆動を停止して、ダイヤル操作部401による回転予告を終了するよになっている。
なお、上記したダイヤル操作部401の回転予告では、遊技者がダイヤル操作部401の回転動作を停止した後の態様で、発展するリーチ変動の大当り信頼度を遊技者に認識させる構成となっているが、このような構成を、ハズレ図柄から大当り図柄への切替りの有無、あるいは非確変大当り図柄から確変大当り図柄への切替りの有無を遊技者に認識させるものとしても良く、その構成について、図213及び図214を参照して説明する。
まず、ハズレ図柄から大当り図柄への切替りの有無を遊技者に認識させる構成としては、図213(A)に示すように、左右の装飾図柄4601,4603が同一図柄で揃いリーチ態様が表示された後(同図中には、左右の装飾図柄が「7」で揃った場合を例示)、中装飾図柄4602がノーマルリーチの変動態様で表示されてハズレを決定する中装飾図柄4602(同図中には、「6」の中装飾図柄4602が一旦停止表示された場合を例示)が一旦停止表示される。
その後、図213(B)に示すように、液晶表示装置1900の表示はハズレ図柄を停止表示した状態で、操作ユニット400が演出駆動される。具体的には、各フルカラーLED432d,430bの点灯・点滅駆動によって操作ユニット400の押圧操作部405及び操作ユニット400のダイヤル操作部401が発光し、これと同時に、ダイヤル駆動モータ414の回転駆動によって操作ユニット400のダイヤル操作部401が回転する。なお、このような操作ユニット400の演出駆動が開始されると同時に、液晶表示装置1900には、「ダイヤル操作部の回転を停止させて下さい」の文字4614が表示されて、遊技者にダイヤル操作部401の回転動作を停止させることを促すようになっている。
そして、ハズレ図柄から大当り図柄への切替りがない時(第一の演出態様)は、図213(C)に示すように、回転動作中のダイヤル操作部401を遊技者が手Hで掴み、強制的にダイヤル操作部401の回転動作が停止されると、これを操作ユニット400の回転検知センサ432a,432bが検出して、操作ユニット400の演出駆動を停止する(第一態様動作制御手段)。具体的には、各フルカラーLED432d,430bの点灯・点滅駆動を停止することで押圧操作部405及びダイヤル操作部401の発光を停止し、これと同時に、ダイヤル駆動モータ414の回転駆動を停止することでダイヤル操作部401の回転を停止する。また、この場合、液晶表示装置1900の表示は、左・中・右の装飾図柄4601,4602,4603の停止結果が替わることなく、そのままハズレ図柄が最終的な表示結果として導出される(同図中には、「7・6・7」のハズレ図柄が最終的な表示結果として導出された場合を例示)。
一方、ハズレ図柄から大当り図柄への切替りがある時(第二の演出態様)は、図213(D)に示すように、回転動作中のダイヤル操作部401を遊技者が手Hで掴むと、強制的にダイヤル操作部401の回転動作が停止される。但し、この場合には、これを操作ユニット400の回転検知センサ432a,432bが検出しても、操作ユニット400の演出駆動を継続する(第二態様動作制御手段)。これにより、押圧操作部405及びダイヤル操作部401の発光は継続して行われる。また、遊技者は、回転動作中のダイヤル操作部401を強制的に手Hで押し止めた状態が続くため、ダイヤル操作部401を駆動するダイヤル駆動モータ414から振動を受けることになる。なお、このようなダイヤル駆動モータ414の振動は、ダイヤル操作部401を指触した遊技者だけが実感できるものである。そして、これに伴い、液晶表示装置1900の表示は、中装飾図柄4602の停止結果が切替り、大当り図柄が最終的な表示結果として導出される(同図中には、「7・7・7」の大当り図柄が最終的な表示結果として導出された場合を例示)。また、この大当り図柄への切替り予告は、遊技者がダイヤル操作部401を指触しなければ分からない。このため、遊技者は、ダイヤル操作部401を指触するかしないかで、予告を受けるか否かの選択が可能となり、結果として、遊技の楽しみ方の幅が広がるようになっている。
次に、非確変大当り図柄から確変大当り図柄への切替りの有無を遊技者に認識させる構成としては、図214(A)に示すように、左右の装飾図柄4601,4603が同一図柄で揃いリーチ態様が表示され、中装飾図柄4602がリーチ変動を行った後に一旦、非確変大当り図柄が停止表示される(同図中には、「6・6・6」の非確変大当り図柄が一旦停止表示された場合を例示)。この時、操作ユニット400は、それぞれ停止状態にある。その後、図214(B)に示すように、液晶表示装置1900の表示は非確変大当り図柄を停止表示した状態で、操作ユニット400が演出駆動される。具体的には、各フルカラーLED432d,430bの点灯・点滅駆動によって操作ユニット400の押圧操作部405及びダイヤル操作部401が発光し、これと同時に、ダイヤル駆動モータ414の回転駆動によってダイヤル操作部401が回転する。なお、このような操作ユニット400の演出駆動が開始されると同時に、液晶表示装置1900には、「ダイヤル操作部の回転を停止させて下さい」の文字4614が表示されて、遊技者にダイヤル操作部401の回転動作を停止することを促すようになっている。
そして、非確変大当り図柄から確変大当り図柄への切替りがない時(第一の演出態様)は、図214(C)に示すように、回転動作中のダイヤル操作部401を遊技者が手Hで掴み、強制的にダイヤル操作部401の回転動作が停止されると、これを操作ユニット400の回転検知センサ432a,432bが検出して、操作ユニット400の演出駆動を停止する(第一態様動作制御手段)。具体的には、各フルカラーLED432d,430bの点灯・点滅駆動を停止することで押圧操作部405及びダイヤル操作部401の発光を停止し、これと同時に、ダイヤル駆動モータ414の回転駆動を停止することでダイヤル操作部401の回転を停止する。また、この場合、液晶表示装置1900の表示は、左・中・右の装飾図柄4601,4602,4603の停止結果が替わることなく、そのまま非確変大当り図柄が最終的な表示結果として導出される(同図中には、「6・6・6」の非確変大当り図柄が最終的な表示結果として導出された場合を例示)。
一方、非確変大当り図柄から確変大当り図柄への切替りがある時(第二の演出態様)は、図214(D)に示すように、回転動作中のダイヤル操作部401を遊技者が手Hで掴むと、強制的にダイヤル操作部401の回転動作が停止される。但し、この場合には、これを操作ユニット400の回転検知センサ432a,432bが検出しても、操作ユニット400の演出駆動を継続する(第二態様動作制御手段)。これにより、押圧操作部405及びダイヤル操作部401の発光は継続して行われる。また、遊技者は、回転動作中のダイヤル操作部401を強制的に手Hで押し止めた状態が続くため、ダイヤル操作部401を駆動するダイヤル駆動モータ414から振動を受けることになる。
なお、このようなダイヤル駆動モータ414の振動は、ダイヤル操作部401を指触した遊技者だけが実感できるものである。そして、これに伴い、液晶表示装置1900の表示は、左・中・右の装飾図柄4601,4602,4603の停止結果が切替り、確変大当り図柄が最終的な表示結果として導出される(同図中には、「7・7・7」の確変大当り図柄が最終的な表示結果として導出された場合を例示)。また、この確変大当り図柄への切替り予告は、遊技者がダイヤル操作部401を指触しなければ分からない。このため、遊技者は、ダイヤル操作部401を指触するかしないかで、予告を受けるか否かの選択が可能となり、結果として、遊技の楽しみ方の幅が広がるようになっている。
また、操作ユニット400が選択演出時に二者択一の操作手段として機能する場合、液晶表示装置1900の表示に合わせてダイヤル操作部401を回転動作させることで、選択演出時におけるダイヤル操作部401の操作方法を遊技者に分かり易く説明するようにしても良く、その構成について図215を参照して説明する。
まず、図215(A)に示すように、選択演出時における液晶表示装置1900の表示として、スーパーリーチの変動態様を選択する画像が液晶表示装置1900に表示される。具体的には、変動態様Aの選択肢画像4621(同図中には、「A」の文字を例示)と変動態様Bの選択肢画像4622(同図中には、「B」の文字を例示)とが横並びで表示され、その下方には、ダイヤル操作部401が時計方向と反時計方向とに交互に回転すると共に選択決定用の押圧操作部405が押圧される画像4606と、「ダイヤル操作部で選択して下さい」の文字4612とが表示されることで、ダイヤル操作部401の回転操作で変動態様の選択を遊技者に促す表示が行われる。
その後、図215(B)に示すように、変動態様A,Bの各選択肢画像4621,4622の下方には、ダイヤル操作部401が時計方向に回転すると共に選択決定用の操作ユニット400の押圧操作部405が押圧される画像4608と、「「A」を選択する時は」の文字4615とが表示されることで、変動態様Aを選択する時はダイヤル操作部401を時計方向に回転操作して押圧操作部405を押圧操作する旨が遊技者に説明される。また、この時、ダイヤル操作部401は、時計方向に回転するダイヤル操作部401の画像4608と同様に、ダイヤル駆動モータ414の駆動によって実際に時計方向に回転され、更には、このダイヤル駆動モータ414の回転動作を遊技者に認識させるべく、フルカラーLED430bの点灯・点滅駆動によってダイヤル操作部401が光装飾される(操作実演制御手段)。
その後は、変動態様A,Bの各選択肢画像4621,4622の下方には、図215(C)に示すように、ダイヤル操作部401が反時計方向に回転すると共に選択決定用の操作ユニット400の押圧操作部405が押圧される画像4609と、「「B」を選択する時は」の文字4616とが表示されることで、変動態様Bを選択する時はダイヤル操作部401を反時計方向に回転操作して押圧操作部405を押圧操作する旨が遊技者に説明される。また、この時、ダイヤル操作部401は、反時計方向に回転するダイヤル操作部401の画像4608と同様に、ダイヤル駆動モータ414の駆動によって実際に反時計方向に回転され、更には、このダイヤル駆動モータ414の回転動作を遊技者に認識させるべく、フルカラーLED430bの点灯・点滅駆動によってダイヤル操作部401が光装飾される(操作実演制御手段)。
即ち、上記した構成によれば、液晶表示装置1900によって選択演出が実行される時は、液晶表示装置1900の表示によって選択肢の選択方法を遊技者に説明すると共に、その選択方法となるダイヤル操作部401の回転操作を実際にダイヤル操作部401を回転動作させることで視覚的に分かり易く遊技者に説明するようになっている。
また、上記したような操作説明手段として機能する操作ユニット400の構成としては、選択演出時にのみ限定するものではなく、例えば、前述した図202のリーチ演出時の操作説明として機能するようにしても良く、その構成について図216を参照して説明する。
まず、図202(B)と同様に図216(A)に示すように、左右の装飾図柄4601,4603が同一図柄で揃いリーチ態様が表示され(同図中には、左右の装飾図柄が「7」で揃った場合を例示)、その後、中装飾図柄4602の変動継続に伴い、左右の装飾図柄4601,4603が表示画面の左右上端側へそれぞれ移動して縮小表示されてノーマルリーチ変動からスーパーリーチ変動に発展する。この時、ダイヤル操作部401は、ダイヤル駆動モータ414の駆動停止によって回転動作が停止され、また、フルカラーLED430bの駆動停止によってダイヤル操作部401は消灯状態にある。
そして、図216(B)に示すように、スーパーリーチの変動態様として、左右の装飾図柄4601,4603とは異なる図柄でハズレを決定する中装飾図柄4602a(同図中には、「6」の中装飾図柄を例示)と、左右の装飾図柄4601,4603と同一の図柄で大当りを決定する中装飾図柄4602b(同図中には、「7」の中装飾図柄を例示)とが横並びで表示され、その下方には、ダイヤル操作部401が時計方向へ回転する画像4605と「ダイヤル操作部を回して下さい」の文字4611とが表示されることで、操作ユニット400(ダイヤル操作部401)の時計方向への回転操作を遊技者に促す表示が行われる。この時、ダイヤル操作部401は、時計方向に回転するダイヤル操作部401の画像4608と同様に、ダイヤル駆動モータ414の駆動によって実際に時計方向に回転され、更には、このダイヤル駆動モータ414の回転動作を遊技者に認識させるべく、フルカラーLED430bの点灯・点滅駆動によってダイヤル操作部401が発光装飾される(操作実演制御手段)。
その後、図216(C)に示すように、ハズレを決定する中装飾図柄4602aが大当りを決定する中装飾図柄4602bを押し出す演出表示が開始されると、これに伴って、ダイヤル操作部401の回転動作及び発光装飾は停止される。このように図216に示す構成では、液晶表示装置1900の表示に合わせてダイヤル操作部401を回転動作させることで、リーチ演出時におけるダイヤル操作部401の操作方法を遊技者に分かり易く説明することができるようになっている。
このように、本実施形態の操作ユニット400によると、演出制御手段(周辺制御部4140)で操作演出が実行される場合、操作演出が実行制御される以前に、ダイヤル駆動モータ414の駆動によって演出手段の演出内容に影響を与え得るダイヤル操作部401の動きを実演することで、ダイヤル操作部401の手動操作を遊技者に教示するようになっており、操作演出の実行時にダイヤル操作部401の操作方法を直接理解させることができるので、パチンコ機1での遊技に対してまだ不慣れな遊技者に操作ユニット400を設計者の想定通りに操作させることができる。また、演出手段の演出内容に影響を与え得るダイヤル操作部401の動きを実際に実演して遊技者に見せることができるので、単に液晶表示装置1900の説明画面等で遊技者にダイヤル操作部401の手動操作を促すような構成に比べて、分かり易く且つ遊技者にインパクトを与えてダイヤル操作部401の手動操作を遊技者に教えることができる。
また、選択演出が実行されると、ダイヤル操作部401を回転させることで、遊技者に対してダイヤル操作部401を手動操作して複数の選択肢のうち何れかを選択させることを教示するようにしているので、選択演出に応じて手動操作するためのダイヤル操作部401の動きを実際に実演して遊技者に見せることができ、分かり易く且つ遊技者にインパクトを与えてダイヤル操作部401の手動操作を遊技者に教えることができようになっている。
また、選択演出の実行時に遊技者がダイヤル操作部401の手動操作の代行を選択すると、ダイヤル駆動モータ414の駆動によって自動的にダイヤル操作部401が回転して自動的に選択操作を行わせることができると共に、ダイヤル操作部401が回転中に遊技者がダイヤル操作部401を操作すると、ダイヤル駆動モータ414の駆動が停止して遊技者による操作が優先されるようになっているので、選択演出時にダイヤル操作部401を手動操作することが面倒な作業であると思うような遊技者に対して、そのような操作を強いることがなく、快適な遊技内容を提供することができるようになっている。
更に、選択演出の際に、押圧操作部405を押圧することで選択操作を代行させるか否かを決定することができるようになっているので、ダイヤル操作部401を操作する意思が遊技者にあるか否かを明確にした状態で遊技を進行させることができ、ひいては、ダイヤル操作部401の手動操作を楽しみに思う遊技者、及びダイヤル操作部401の手動操作を楽しみに思わない遊技者、全ての遊技者に対して快適な遊技内容を提供することができるようになっている。
また、選択演出の実行時に、所定時間内の間、遊技者によってダイヤル操作部401が操作されなかった時には、予め定めた選択方法で選択代行を行うようになっているので、選択演出をスムーズに進行させることができる。また、選択演出の実行時に、遊技者によるこれまでのダイヤル操作部401の回転操作の割合が高いと判定されると、遊技者によるダイヤル操作部401の操作の受付時間を延長するようにしているので、これにより、ダイヤル操作部401の操作を楽しみに思う遊技者に対して検出有効時間を長引かせることで、ユーザーニーズに応じた遊技内容とすることができるようになっている。
更に、選択演出の際に、遊技者が選択代行を行わせると、予め決められた選択方法でダイヤル操作部401が回転する選択代行を行うようにしているので、何れの遊技者に対しても平等な態様で選択代行を実行することができるようになっている。また、選択演出の際に、遊技者により操作されたダイヤル操作部401の操作を記憶するようにしているので、選択代行を実行させた際に、遊技者の選択傾向を反映させて選択代行を実行することができるようになっている。
[4−3.変動表示パターンについて]
液晶表示装置1900における演出の変動表示パターンについて、以下に説明する。本実施形態のパチンコ遊技機1(主制御基板4100)は、上述したように、変動パターン設定処理(図182)において、変動表示パターンを選択する。図217及び図218は、本実施形態における変動表示パターンテーブルを示す図である。図217及び図218における変動表示パターンテーブルでは、左側から順に、パターン番号、変動名称(変動表示パターンの変動内容)、変動時間が示されている。図217及び図218に示す変動表示パターンテーブル(総合変動表示パターンテーブルとも呼ぶ)は、上述した外部不利時変動表示パターンテーブル(確変大当り時変動表示パターンテーブル、確変特殊当り時変動表示パターンテーブル、通常大当り時変動表示パターンテーブル、はずれ時変動表示パターンテーブル、および、はずれリーチ時変動表示パターンテーブル)と、通常時短時変動表示パターンテーブルと、確変時短時変動表示パターンテーブルと、を含んでいる。そして、総合変動表示パターンテーブルは、165個の変動表示パターンから構成され、これら変動表示パターンのそれぞれは、総合変動表示パターンテーブルが含む各変動表示パターンテーブルのいずれかに属している。例えば、パターン番号1の変動表示パターンは、外部不利時変動表示パターンテーブル(はずれ時変動表示パターンテーブル)に属し、パターン番号132の変動表示パターンは、通常時短時変動表示パターンテーブルに属し、パターン番号155の変動表示パターンは、確変時短時変動表示パターンテーブルに属す。
なお、図218に示す「高確中」と記載された変動表示パターン(例えば、パターン番号155の変動表示パターン)は、確変外部有利状態時に選択され得るパターンであることを示す。「時短中」と記載された変動表示パターン(例えば、パターン番号132の変動表示パターン)は、通常外部有利状態時に選択され得るパターンであることを示す。すなわち、「高確中」、「時短中」と記載された変動表示パターンは、それぞれ、確変時短時変動表示パターンテーブル、通常時短時変動表示パターンテーブルに属する。また、図217及び図218に示すように、「高確中」および「時短中」と示された変動表示パターン以外の変動表示パターンであって、「リーチ」と記載された変動表示パターン(例えば、パターン番号25の変動表示パターン)は、通常外部不利状態時に選択され得るパターンであり、すなわち、外部不利時変動表示パターンテーブルに属する。
ここで、総合変動表示パターンテーブルにおける変動時間について説明する。上述した変動表示パターンには、核となる演出(以下では、本変動演出とも呼ぶ)に加えて、予告演出や後述する擬似連演出などの演出(以下では、追加演出とも呼ぶ)が追加されて演出が構成され得る。図217及び図218に示す総合変動表示パターンテーブルにおいて、右側に、変動時間を表すコマンドとして、「10H」、「11H」、「12H」、「13H」、「14H」、「15H」、「16H」、「17H」、および、「18H」が示されている。「10H」は、各変動表示パターンにおける本変動演出の時間(以下では、本変動時間とも呼ぶ)を表す。そして、「10H」以外の他のコマンドは、本変動時間に、予告演出や後述する擬似連演出などの追加演出に用いられる時間(以下では、追加時間とも呼ぶ)が追加されたトータル時間を表す。「10H」以外の他の各コマンドにおける追加時間は、いずれの変動表示パターンにおいても一定値である。例えば、パターン番号10の変動表示パターンにおいて、「11H」が選択された場合には、変動時間は、本変動時間17500(ms)(「10H」が表す時間)に追加時間として26000(ms)が追加されて、43500(ms)となる。また、パターン番号11の変動表示パターンにおいて、「11H」が選択された場合には、変動時間は、本変動時間20000(ms)に追加時間として26000(ms)が追加されて、46000(ms)となる。
追加演出は、例えば、本変動演出の前に実行され得る。また、予告演出としては、特定の楽曲が流されつつ、特定のキャラクタが出現する演出や、特定のコメントが表示された吹き出し演出を複数回行う演出など種々の演出が含まれる。
なお、図217及び図218に示すように、変動表示パターンは、高確時(確変外部有利状態時)には、低確時(通常外部有利状態時および通常外部不利状態時)と比較して、変動時間が短い。また、大当りに当選した場合において、変動表示パターンに基づく変動の終了後に大当り遊技が開始されるまでの時間は、低確時よりも高確時の方が短い(例えば、低確時が10秒、高確時が5秒)。従って、高確時において、変動開始から大当り遊技の開始までの時間が過剰に長くなってしまって、大当りして当然と思っている遊技者に不快感を付与することを抑制することができる。高確時(確変外部有利状態時)に選択される変動表示パターン(確変時短時変動表示パターンテーブルに属する変動表示パターン)についての詳細は、後述する。
[4−4.液晶表示装置1900における演出例]
液晶表示装置1900における演出例について、擬似連演出、時短中演出、及び、確変中一連演出の順に以下に説明する。これら各演出は、周辺制御MPU4140aが液晶制御部4150を制御することによって液晶表示装置1900において実現される。
<擬似連演出>
擬似連演出(擬似変動演出)とは、装飾図柄の変動を行った後、装飾図柄の変動が擬似的に終了したように遊技者に見せて、再び、装飾図柄の変動を行う演出である。なお、「装飾図柄の変動を擬似的に終了したように遊技者に見せる」とは、例えば、装飾図柄の少なくとも一部を停止表示させる態様、装飾図柄の変動中に装飾図柄を徐々に透明化して、装飾図柄の変動が終了したように遊技者に見せる態様、および、通常では停止しない特定の装飾図柄を停止させる態様など種々の態様を含む。
図219は、擬似連演出の例を示す表である。本実施形態のパチンコ遊技機1では、図219に示すような複数の擬似連演出を実現可能である。図219に示す擬似連演出の例では、左から順に、「パターン番号」、「演出内容」、「備考」、および、「振分」が示されている。図219に示す擬似連演出では、パターン番号が1〜10までの10個の擬似連演出について演出内容および備考が示されている。例えば、パターン番号1の擬似連演出は、図柄が回転する図柄回転擬似連であることがわかる。また、パターン番号1〜3、8、9の擬似連演出は、役物を用いた演出であることがわかる。詳しくは、パターン番号1〜3、8、9の擬似連演出では、役物の動きに合わせて装飾図柄が移動する演出(例えば、役物が装飾図柄を表示画面から追い出すような演出)が行われる。さらに、パターン番号4〜7の擬似連演出は、楽曲(フレーズ)に関する演出であることがわかる。詳しくは、パターン番号4〜7の擬似連演出では、スピーカ821から流れる楽曲(フレーズ)と共に装飾図柄が移動する(踊る)演出が行われる。本実施形態において、この疑似連演出は、通常外部不利状態時や確変外部不利状態時に実行される演出であり、すなわち、外部不利時変動表示パターンテーブルによって変動表示パターンが選択された場合に実行され得る。
次に、「振分」について具体的に説明する。図219に示す擬似連演出は、1回から3回繰り返す場合がある。「振分」は、1回から3回の擬似連演出を行う場合において、各パターン番号の擬似連演出への振分率を表している。例えば、擬似連演出の1回目を行う場合には、パターン番号1の擬似連演出が25%の割合で選択され、擬似連演出の2回目を行う場合には、パターン番号2の擬似連演出が40%の割合で選択され、擬似連演出の3回目を行う場合には、パターン番号3の擬似連演出が50%の割合で選択されることを示す。なお、図219に示す擬似連演出において、擬似連演出を複数回行う場合、複数回の擬似連演出が必ずしも同じパターン番号の擬似連演出で行われるわけでなく、それぞれ「振分」に基づいて決定される。例えば、3回の擬似連演出を行う場合において、1回目の擬似連演出としてパターン番号1の擬似連演出が選択され、2回目の擬似連演出としてパターン番号2の擬似連演出が選択され、3回目の擬似連演出としてパターン番号3の擬似連演出が選択され得る。
図219に示す擬似連演出のそれぞれは、擬似連演出中にスピーカ821から流される楽曲であって複数の楽曲のうちの1つの楽曲と、複数の擬似連開始タイミングのうちの1つのタイミングとが組み合わされて構成されている。このようにすれば、図219に示す擬似連演出のように、10個の擬似連演出を容易に作成することができる。なお、「複数の擬似連開始タイミング」とは、例えば、1つの装飾図柄が停止表示された状態で擬似連演出を開始するタイミング、2つの装飾図柄が停止表示された状態で擬似連演出を開始するタイミング、および、3つの装飾図柄が停止表示された状態で擬似連演出を開始するタイミングから任意に選択されたタイミングを含むような態様であってもよい。
<時短中演出>
続いて、時短中演出について説明する。この時短中演出は、通常外部有利状態時において上述した通常時短時変動表示パターンテーブル(図217及び図218参照)における所定の変動表示パターン(例えば、図218のパターン番号132、パターン番号133)(以下では、時短中演出変動表示パターンとも呼ぶ)が選択された場合に実行される演出である。図220は、時短中演出のタイミングチャートである。図221は、時短中演出における表示画像を説明するための図である。詳細には、図221(A)は、時短中演出における後述する第1ステップSS1時の表示画像例であり、図221(B)は、時短中演出における後述する第2ステップSS2時の表示画像例であり、図221(C)は、時短中演出における後述する第3ステップSS3時の表示画像例である。
時短中演出では、まず、図220に示すように、演出開始後(装飾図柄の変動開始後)、特定のキャラクタが衣装を着て登場する演出が実行される(第1ステップSS1)。本実施形態における特定のキャラクタは、女の子である。衣装は、複数種類の衣装のうちの1つの衣装(例えば、ワンピース)である。なお、本実施形態では、複数種類の衣装のそれぞれには、互いに異なる楽曲が1対1に対応付けられている。例えば、衣装「ワンピース」には、「楽曲A」が対応付けられている。なお、本実施形態では、複数種類の衣装のそれぞれには、互いに異なる楽曲が1対1に対応付けされているが、これに限らず、複数の衣装のうちの2つ以上の衣装が共通の楽曲に対応付けられていてもよい。
第1ステップSS1において、図221(A)に示すように、登場した特定のキャラクタCRCTは、遊技者が比較的識別しにくいホログラム態様で表示される(第1ステップSS1)。TVドラマや映画などでホログラムがしばしば縞々状で表現されるが、ホログラム態様とは、このような縞々状の態様をいう。このホログラム態様は、遊技者が比較的識別しにくい態様であるので、低識別性表示態様とも呼ぶ。
次に、第1ステップSS1後、第1ステップSS1でホログラム態様で表示されたキャラクタCRCTが、下側(足下)か徐々に(じわじわと)遊技者が比較的識別しやすい実体化態様に変換されていき(すなわち、キャラクタCRCTの一部が実体化態様に変換されていき)、図221(B)に示すように、特定の段階(図の例では、特定のキャラクタの顔の下辺り)で実体化態様への変換が停止される(第2ステップSS2)。ここで、実体化態様とは、ホログラム態様における縞々状部分が輪郭のはっきりとした態様となることをいう。
続いて、第2ステップSS2後、後述する第3ステップSS3、若しくは、後述する第4ステップSS4のいずれか一方のステップへ移行する。このようにどちらのステップへ移行するか否かは、選択される変動表示パターンによって決まっている。
第3ステップSS3では、図221(C)に示すように、キャラクタCRCTにおける実体化態様に変換されていないホログラム態様部分が、実体化態様に変換される。すなわち、キャラクタCRCTのすべての部分が、実体化態様に変換される。このように、すべての部分が実体化態様に変換されたキャラクタCRCTは、図221(A)におけるホログラム態様(低識別性表示態様)のキャラクタCRCTと比較して、遊技者が比較的識別しやすい高識別性表示態様となっている。
このように、キャラクタCRCTのすべての部分が、実体化態様に変換されると、ホログラム態様から実体化態様への変換が「成功」となり、特定のキャラクタの衣装(楽曲)に対応したリーチ演出へ移行する。このリーチ演出は、変換が成功した特定のキャラクタを用いた演出(特定のキャラクタが登場する演出)を含む演出であり、以下では、態様変化後キャラクタ使用演出とも呼ぶ。
この態様変化後キャラクタ使用演出は、ノーマルリーチ演出(例えば、通常外部不利状態時に選択される外部不利時変動表示パターンテーブルにおけるパターン番号9〜12の変動表示パターンに含まれる演出)よりも大当り期待度が高く設定されている。すなわち、態様変化後キャラクタ使用演出は、比較的大当り期待度が高いことを示唆する高期待度示唆演出であり、一方で、ノーマルリーチ演出は、比較的大当り期待度が低いことを示唆する低期待度示唆演出である。以下では、態様変化後キャラクタ使用演出を実現する変動表示パターンを総じて態様変化後キャラクタ使用演出変動表示パターンとも呼ぶ。態様変化後キャラクタ使用演出には、衣装(楽曲)が異なる複数のパターンがあるので、本実施例では、態様変化後キャラクタ使用演出変動表示パターンも複数有している。なお、ノーマルリーチ演出とは、例えば、2つの装飾図柄が同じ表示態様(数字)を表示して成るリーチ態様の後、すぐに、他の装飾図柄が停止して、抽選結果を示す図柄態様を表示する演出をいう。また、態様変化後キャラクタ使用演出は、例えば、態様変化後キャラクタ使用演出よりも変動時間が短い演出(例えば、通常外部不利状態時に選択される外部不利時変動表示パターンテーブルにおけるパターン番号95の変動表示パターンに含まれる演出)よりも大当り期待度が高く設定されてもよい。
一方、第4ステップSS4では、キャラクタCRCTにおける実体化態様に変換されていないホログラム態様部分が、そのまま実体化態様に変換されずに、ホログラム態様から実体化態様への変換が「失敗」となり、はずれ図柄態様を表示させて、演出を終了するキャラクタ非登場演出を実行する。以下では、キャラクタ非登場演出を実現する変動表示パターンをキャラクタ非登場演出変動表示パターンとも呼ぶ。
なお、本実施形態のパチンコ遊技機1では、上記態様変化後キャラクタ使用演出を実現する変動表示パターンとは異なる変動表示パターンであって、通常外部不利状態時において、外部不利時変動表示パターンテーブルを用いて選択されると共に、上記特定のキャラクタを用いた演出(特定のキャラクタが登場する演出)である特定キャラクタ演出を実現する特定キャラクタ演出変動表示パターン(例えば、図217:パターン番号95、99、100、101、102の変動表示パターン)が実行され得る。この特定キャラクタ演出変動表示パターンが実現する特定キャラクタ演出は、少なくともノーマルリーチ演出(低期待度演出)よりも大当り期待度が高く設定されている。すなわち、特定キャラクタ演出は、ノーマルリーチ演出よりも大当り期待度が高いことを示唆する演出である。この場合、態様変化後キャラクタ使用演出は、特定キャラクタ演出よりも大当り期待度が高く設定されていてもよい。
また、本実施形態のパチンコ遊技機1では、通常外部有利状態において、ノーマルリーチ演出(低期待示唆演出)を実現する変動表示パターンを実行しない。ここで、通常時短時変動表示パターンテーブルは、ノーマルリーチ演出よりは大当り期待度が高く設定される他の演出(以下では、中期待度演出とも呼ぶ)を実現する変動表示パターンを含んでいてもよく、すなわち、通常外部有利状態では、態様変化後キャラクタ使用演出変動表示パターンに加えて、中期待度演出を実現する変動表示パターンの中から、変動表示パターンを選択するようにしてもよい。
なお、上述した複数種類の衣装(複数種類の楽曲)のそれぞれは、出現した場合に、大当り期待度が異なるように設定されている。
上記時短中演出によれば、登場した特定のキャラクタ(女の子)が、遊技者が比較的識別しにくい低識別性表示態様(ホログラム態様)で表示される。このように、まずは、特定のキャラクタが低識別性表示態様で表示されるので、遊技者に、「何が表示されているのだろう?」という、表示演出に対する興味を付与することができる。このように、遊技者の思考が停滞していた場合であっても、思考の活性化を図ることができる。そして、その後、特定のキャラクタの表示状態が低識別性表示態様から低識別性表示態様よりも遊技者が比較的識別しやすい高識別性表示態様(特定のキャラクタの全体が実体化態様へ変換された態様)へ変換される(切り替えられる)。このようにすれば、遊技者は、表示された特定のキャラクタをはっきりと認識することができる。そして、表示態様の切り替えの後に、特定のキャラクタを用いた演出であり、少なくともノーマルリーチ演出よりも比較的大当り期待度が高い態様変化後キャラクタ使用演出が実現される。このようにすれば、低識別性表示態様での表示を行わずに態様変化後キャラクタ使用演出を行った場合と比較して、遊技者は、演出導入時(低識別性表示態様時)に大きな関心を持つことできると共に、大きな関心を持った状態で、態様変化後キャラクタ使用演出が実現されるので、当該態様変化後キャラクタ使用演出を高い興味を持って観察することができる。その結果、表示演出に対する遊技者の興味を向上させることができる。
上記時短中演出によれば、時短中演出パターンで特定のキャラクタの表示態様の変換(ホログラム態様から実体化態様への切り替え)を行う場合に、低識別性表示態様から徐々に識別性がよくなるように、高識別性表示態様へ変換されるので、遊技者は、低識別性表示態様から高識別性表示態様へ移り変わる演出を段階的に楽しむことができる。その結果、遊技者は、低識別性表示態様から高識別性表示態様へ移り変わる演出を高い興味を持って観察することができる。
パチンコ遊技機1の遊技状態が、通常外部有利状態である場合には、大当りか否かの抽選が短時間に多く行われるので、遊技者は、通常外部有利状態では、通常外部不利状態よりも、抽選結果が大当りか否かに大きな関心をよせる。従って、上記時短中演出のごとく、通常外部有利状態において、少なくともノーマルリーチ演出よりも比較的大当り期待度が高い態様変化後キャラクタ使用演出(高期待度示唆演出)を実現する時短中演出変動表示パターンが実行されれば、遊技者は、低識別性表示態様から高識別性表示態様へ移り変わる演出を、非常に高い興味を持って観察することができる。従って、通常外部有利状態において、趣向性の高い演出を付与することができる。
また、パチンコ遊技機1によれば、通常外部不利状態(通常遊技状態)において特定キャラクタ演出変動表示パターンを実現することによって、ノーマルリーチ演出(低期待示唆演出)よりも比較的大当り期待度が高いことを示唆する演出であり、特定のキャラクタを用いる特定キャラクタ演出を実現する。このようにすれば、遊技者は、通常外部不利状態において、特定キャラクタ演出を体験することによって特定のキャラクタが出現すれば当り期待度が高いことを認知することができる。従って、遊技者は、通常外部有利状態において、時短中演出変動表示パターンによって、特定のキャラクタが登場する態様変化後キャラクタ使用演出が実行された場合に、それまで一度も時短中演出変動表示パターンによる態様変化後キャラクタ使用演出を観察したことが無かったとしても、その演出を期待感を持って観察することができる。
上述のように、通常外部有利状態では、遊技者は、抽選結果が大当りか否かに多くの関心よせる。上記時短中演出によれば、通常外部有利状態において、ノーマルリーチ演出(低期待示唆演出)を実現する変動表示パターンを実行せずに、態様変化後キャラクタ使用演出変動表示パターン(高期待示唆演出パターン)を実行する。従って、ノーマルリーチ演出(低期待示唆演出パターン)が実行されることによって、遊技者が過度に落胆することを抑制することができると共に、態様変化後キャラクタ使用演出変動表示パターン(高期待示唆演出を含む変動表示パターン)による演出の期待度をより高めることができる。
上記時短中演出によれば、特定のキャラクタを遊技者が比較的識別しにくいホログラム態様(低識別性表示態様)で表示したものの、特定のキャラクタの表示状態をホログラム態様(低識別性表示態様)から実体化態様(高識別性表示態様)へ切り替えることなく、演出を終了するキャラクタ非登場演出を実現するキャラクタ非登場演出パターンを実行可能である。このようにすれば、ホログラム態様(低識別性表示態様)が出現した場合に、必ずしも実体化態様(高識別性表示態様)へ移行するとは限らないので、ホログラム態様(低識別性表示態様)から実体化態様(高識別性表示態様)へ移行するか否かの状況に強い緊迫感を付与することができる。
上記時短中演出によれば、彩度の低い薄い部分が縞々状に現れるホログラム態様によって低識別性表示態様を表現している。このような表示態様を採用すれば、キャラクタを、実体ではなく仮想化されているかのように、表現することができる。そして、縞々状部分において、薄部分における、濃い表示に切り替えられる部分の割合を徐々に増やしていけば、仮想化された特定のキャラクタが徐々に実体化していくかのように、表現することができる。
ところで、上記特定のキャラクタは、女の子に限らず、男の子であってもよいし、人以外のもの、例えば、動物、龍などの架空の生物、ロボット、植物などの全体またはその一部などから形成されるキャラクタを含む。
また、上記時短中演出では、ホログラム態様によって低識別性表示態様を表現しているが、これに限られることはない。例えば、少なくとも薄い表示態様によって低識別性表示態様を表現してもよい。ここで、薄い表示態様とは、彩度を低くした態様である。彩度を高くすると、表示される色が鮮やかになり、彩度を低くすると、表示される色はグレーに近くなる。従って、彩度を低くして特定のキャラクタを表示すれば、そのキャラクタの認識を難しくすることができる。また、実体化態様(高識別性表示態様)の形状の一部分のみが視認可能な態様によって低識別性表示態様を表現してもよい。さらに、実体化態様(高識別性表示態様)の形状よりも小さい態様によって低識別性表示態様を表現してもよい。なお、低識別性表示態様である場合に、明るさは、同じであってもよく、明るくなってもよく、暗くなっても良い。色相は、同じであることが好ましい。ただし、色相が変化してもよい。また、上記時短中演出では、低識別性表示態様部分の形状は、縞々形状としているが、これに限られることなく、任意の形状であってよい。
さらに、上記時短中演出における第1ステップSS1〜第4ステップSS4を、通常外部有利状態時において実行するようにしているが、これに限られるものではなく、例えば、通常外部不利状態時、確変外部有利状態時、および、確変外部不利状態時のいずれの場合に実行してもよい。
また、上記時短中演出における第1ステップSS1〜第4ステップSS4は、装飾図柄が変動開始してから実行されており、すなわち、装飾図柄の変動中に実行されているが、これに限られず、装飾図柄の変動状態に関わらず、実行するようにしてもよい。例えば、装飾図柄の変動が行われていない状態や、大当り遊技中などに実行するようにしてもよい。
なお、上記時短中演出における第1ステップSS1〜第4ステップSS4は、上述の先読み演出で実行されることはなく、すなわち、保留状態に関係無く実行され得る。
<確変中一連演出>
続いて、確変中一連演出について説明する。この確変中一連演出は、確変外部有利状態時において、抽選結果が特殊当りを除く大当りである場合に開始され、所定の演出を経て、大当り遊技中にかけて実行される演出である。詳細には、確変中一連演出は、確変外部有利状態時において上述した確変時短時変動表示パターンテーブル(図217及び図218参照)における特定の変動表示パターン(例えば、図218のパターン番号155〜157から選択されるパターン。以下では、報知選択演出変動表示パターンとも呼ぶ)が選択されて演出が開始され、大当り遊技中まで演出が継続する。本確変中一連演出において、「確変大当り」とは、「特殊当りを除いた確変大当り」に対応する。
なお、確変外部有利状態時において、抽選結果が特殊当りとなった場合には、上述した確変時短時変動表示パターンテーブル(図217及び図218参照)における特定の変動表示パターン(例えば、図218のパターン番号164)が実行される。また、確変外部有利状態時において、抽選結果がはずれとなった場合には、上述した確変時短時変動表示パターンテーブル(図217及び図218参照)における特定の変動表示パターン(例えば、図217のパターン番号4〜7から選択されるパターン)が実行され、短縮変動演出、すなわち、リーチ演出を行わない演出であって装飾図柄が変動後すぐに停止する演出が行われる。
図222は、確変中一連演出のタイミングチャートである。確変中一連演出では、まず、装飾図柄の変動開始後、図222に示すように、装飾図柄の変動中に行う演出(以下では、変動中演出とも呼ぶ)として、事前種類選択演出を実行する(第1演出ST1)。この事前種類選択演出は、大当り遊技中に実現される後述の大当り遊技中報知演出(ミニゲーム)の種類を、確変大当りへの当選期待度(以下では、確変期待度とも呼ぶ)の異なる複数種類の大当り遊技中報知演出(ミニゲーム)の中から選択する演出である。この事前種類選択演出として、以下のルーレット演出が実現される。なお、「確変期待度は、示された値が大きいほど、確変大当りとならない確率が小さい」とも言える。
図223は、ルーレット演出で表示される候補を説明するための図である。ルーレット演出は、それぞれ特定のキャラクタの衣装と楽曲とが対応づけられて示される複数の候補を表示し、表示した複数の候補(楽曲および衣装)の中から、一つの候補(楽曲および衣装)を選択する演出である。これら候補は、複数の大当り遊技中報知演出(ミニゲーム)のうちの1つの大当り遊技中報知演出(ミニゲーム)に対応付けられている。具体的には、図223に示すように、複数の候補は、7つ(候補1〜候補7)あり、各候補が、それぞれ、1つの大当り遊技中報知演出(図では「演出内容」に対応)に対応付けられている。従って、上述した事前種類選択演出の説明を以下のように読み替えることができる。すなわち、「事前種類選択演出は、(後述の大当り遊技中報知演出に対応付けられる)候補の種類を、確変大当りへの当選期待度の異なる複数種類の候補の中から選択する演出である」。
また、抽選結果が、通常大当りの場合、および、確変大当りの場合には、それぞれ、図223の右欄に示す「振分」に従って最終的に選択すべき候補(楽曲)が選択される。「振分」における数字は、振分率(%)を表す。例えば、抽選結果が通常大当りの場合には、候補1(楽曲1)は、17%の確率で選択され、候補3(楽曲3)は、22%の確率で選択される。例えば、抽選結果が確変大当り(特殊当りを除く)の場合には、候補1(楽曲1)は、9%の確率で選択され、候補3(楽曲3)は、17%の確率で選択される。このように、振分率が各候補で異なって設定される。その結果、ルーレット演出における各候補は、選択された場合の確変期待度が異なっている(図223における「備考」参照)。なお、大当り遊技中報知演出には、図223(「演出内容」)に示す、扉系演出、秒数系演出、タイミング系演出、および、ジョグ系演出の4つのミニゲームに加えて、図示しない、扉開閉演出と、キャラクタ変身演出と、エンディング演出とがあるがこれらについての詳細は、後述する。
具体的には、本ルーレット演出では、図223に示す候補1〜候補7のうち、特定の数(例えば、4つ)の候補を表示する(図222:ステップSA1)。この場合、まず、「最終的に選択すべき候補」を候補1〜候補7のうちから1つ決定し、続いて、残りの候補(例えば、3つの候補)を抽選で決定し、これら複数種類の候補を表示させる。
また、本ルーレット演出では、各候補を表示させる際には、各候補の楽曲(曲名)と衣装とを表示する。また、図223における「曲」に示すような星画像を表示させると共に、確変期待度が高い程、星の数を多く表示させる(図222:ステップSA2)。本実施例では、図223に示すように、候補の番号が大きくなる程(楽曲の番号(楽曲の後に続く数字)が大きくなる程)、確変期待度が高く設定されている。
さらに、本ルーレット演出では、1つの候補(仮選択候補と呼ぶ)を他の候補と異なる態様で表示する処理を仮選択候補を変更しつつ繰り返す。これにより、ルーレットのように1つの仮選択候補が次々と変わる様子が表示される。また、本ルーレット演出では、仮選択候補が変化している際に、ボタン画像を表示させ、遊技者に対して押圧操作部405の押下(操作)を催促させる(図222:ステップSA3)。
そして、本ルーレット演出では、遊技者によって押圧操作部405が押下されると、ステップSA1の処理で候補を決定する際に最初に決定した「最終的に選択すべき候補」を選択する(図222:ステップSA4)。
一方、本ルーレット演出では、遊技者によって所定時間内に押圧操作部405が押下されない場合には、ステップSA1の処理で決定した複数の候補のうち、確変期待度が最も低い候補を選択する(図222:ステップSA5)。
なお、上記確変期待度は、押圧操作部405が押下されることを前提とした数値となっている。押圧操作部405が押下されない場合には、確変期待度が最も低い候補に対応する演出が実現されるものの、実際に確変大当りである確率は、その確変期待度よりも高い可能性が高い。
続いて、確変中一連演出では、図222に示すように、装飾図柄の変動を停止させる図柄停止演出として、仮停止演出を行う(第2演出ST2)。この仮停止演出は、抽選結果が確変大当りであっても、装飾図柄を通常大当りを示す停止態様(以下では、通常大当り図柄停止態様とも呼ぶ)で停止させる。例えば、奇数のゾロ目で構成される図柄態様が確変大当りを示す停止態様(以下では、確変大当り図柄停止態様とも呼ぶ。777など)であり、偶数のゾロ目で構成される図柄態様が通常大当り図柄停止態様(666など)である場合には、偶数のゾロ目で構成される図柄態様を停止させる。このように、仮停止演出は、確変大当りであっても確変大当図柄停止態様ではなく、「仮に」通常大当り図柄停止態様で停止させる演出である。
上記事前種類選択演出および仮停止演出は、報知選択演出変動表示パターンによって実現される演出である。本実施形態では、確変中一連演出において事前種類選択演出と図柄停止演出とを合わせた演出時間(一連演出変動部分演出時間とも呼ぶ)は、24秒(24000ms)〜29秒(29000ms)程度となっている(図218:パターン番号155〜157参照)。
図柄停止演出(仮停止演出)の後には、大当り遊技が行われる(図186参照)。そして、確変中一連演出では、図222に示すように、大当り遊技中に行う演出である大当り遊技中演出を行う(第3演出ST3)。具体的には、大当り遊技中演出として、まず、扉系演出、秒数系演出、タイミング系演出、および、ジョグ系演出の4つのミニゲーム(図223「演出内容」参照)のうちのいずれかのミニゲームを行う。上述したように、上記事前種類選択演出で選択された候補(楽曲)は、いずれかの大当り遊技中演出(ミニゲーム)に対応づけられている。例えば、図223に示すように、楽曲1および楽曲2は、扉系演出に対応づけられており、楽曲3および楽曲4は、秒数系演出に対応づけられており、楽曲5および楽曲6は、タイミング系演出に対応づけられており、楽曲7は、ジョグ系演出に対応づけられている。すなわち、上記事前種類選択演出で楽曲1または楽曲2が選択された場合には、大当り遊技中演出として、扉系演出を実行する。上記事前種類選択演出で楽曲3または楽曲4が選択された場合には、大当り遊技中演出として、秒数系演出を実行する。上記事前種類選択演出で楽曲5または楽曲6が選択された場合には、大当り遊技中演出として、タイミング系演出を実行する。上記事前種類選択演出で楽曲7が選択された場合には、大当り遊技中演出として、ジョグ系演出を実行する。これら4つのミニゲームの確変期待度は、図223に示すように、「扉系演出<秒数系演出<タイミング系演出<ジョグ系演出」となるように設定されている。それでは、これら4つのミニゲームについて以下に説明する。
扉系演出は、上記事前種類選択演出で選択された楽曲(楽曲1または楽曲2)がスピーカ821から流され、特定のキャラクタが楽曲に対応した歌を歌う様子を表示画面に表示しつつ、以下の演出を行う。すなわち、特定のキャラクタの前面に、扉(扉画像)が現れて、特定のキャラクタが徐々に扉に隠れる演出(以下では、シャッター演出とも呼ぶ)を行う。この時、扉が閉まる前に特定のキャラクタが前面に移行し、特定のキャラクタの表示が継続できれば、シャッター演出成功(表示画面では「CLEAR」などと表示される)となり、扉が閉まる前に特定のキャラクタが前面に移行できず扉が閉まりきって特定のキャラクタの表示が無くなってしまうと、シャッター演出失敗となり、その時点で扉系演出は、終了となる。
抽選結果が確変大当りである場合には、シャッター演出を複数回(例えば、3回)成功させて、特定のキャラクタに楽曲に対応した歌を歌いきらせて、扉系演出が成功したことを表示画面で表示し得る。この場合、例えば、表示画面で「完走」と表示する。これによって、遊技者は、抽選結果が確変大当りであることを認識することができる。すなわち、表示画面で「完走」などの画像を表示することによって、抽選結果が確変大当りであることを報知している。なお、扉系演出の開始時に、「特定キャラクタが歌を歌いきれば確変大当り」または「特定キャラクタがシャッター演出を3回成功させれば確変大当り」などを示す画像を表示させて、遊技者に確変大当りとなるためには、どのような状態となり、どのような画像が表示されればよいのかを予め認識させるようにしてもよい。これにより、抽選結果が確変大当りであることを報知した場合に、遊技者が報知結果を誤認する可能性を抑制することができる。
秒数系演出は、上記事前種類選択演出で選択された楽曲(楽曲3または楽曲4)がスピーカ821から流されて、特定のキャラクタが楽曲に対応した歌を歌う様子を表示画面に表示しつつ、以下の演出を行う。すなわち、ボタン画像を表示し、遊技者に押圧操作部405の押下を促す。そして、遊技者によって所定時間内に押圧操作部405が押下されると、時間数(秒数)が表示され、特定のキャラクタが歌を歌うことが可能な時間(以下では、リミット時間とも呼ぶ)に加算していく演出(以下では、秒数加算演出)を行う。ただし、時間が進むにつれて、リミット時間は、減っていく。そして、秒数加算演出を1回以上行い、リミット時間内に特定のキャラクタが歌を歌いきることができれば、演出成功となる。一方、リミット時間が0となり、リミット時間内に特定のキャラクタが歌を歌いきることができなければ、演出失敗となり、その時点で秒数系演出は終了となる。なお、この秒数系演出において、ボタン画像を表示してから所定時間押圧操作部405が押下されない場合であっても、リミット時間を自動で加算する場合がある。
抽選結果が確変大当りである場合には、秒数加算演出を1回以上行い、リミット時間内に特定のキャラクタが歌を歌いきらせて、秒数系演出が成功したことを表示画面で表示し得る。この場合、例えば、表示画面で「COMPLELE」と表示する。これによって、遊技者は、抽選結果が確変大当りであることを認識することができる。すなわち、表示画面で「COMPLETE」などの画像を表示することによって、抽選結果が確変大当りであることを報知している。なお、秒数系演出の開始時に、「特定キャラクタが歌を歌いきれば確変大当り」などを示す画像を表示させて、遊技者に確変大当りとなるためには、どのような状態となり、どのような画像が表示されればよいのかを予め認識させるようにしてもよい。これにより、抽選結果が確変大当りであることを報知した場合に、遊技者が報知結果を誤認する可能性を抑制することができる。
タイミング系演出は、上記事前種類選択演出で選択された楽曲(楽曲5または楽曲6)がスピーカ821から流されて、特定のキャラクタが楽曲に対応した歌を歌う様子を表示画面に表示しつつ、以下の演出を行う。すなわち、所定の位置にマーカー(音符画像など)が流れてきて、そのマーカーが所定の位置にきたタイミングで、遊技者が押圧操作部405を押下した場合に、所定のメーターが上昇していく演出(以下では、メーター上昇演出とも呼ぶ)を行う。そして、メーター上昇演出を複数回繰り返すことによって、メーターが上昇し、所定の閾値に達すると、特定のキャラクタが歌を歌いきることができ、演出成功となる。一方、メーターが所定の閾値に達しなかった場合には、特定のキャラクタが歌を歌いきることができずに演出失敗となり、タイミング系演出は終了となる。なお、このタイミング系演出において、ボタン画像を表示してから所定時間押圧操作部405が押下されない場合であっても、メーターが自動で上昇する場合がある。
抽選結果が確変大当りである場合には、タイミング系演出を成功させて、タイミング系演出が成功したことを表示画面で表示し得る。この場合、例えば、表示画面で「CLEAR」と表示する。これによって、遊技者は、抽選結果が確変大当りであることを認識することができる。すなわち、表示画面で「CLEAR」などの画像を表示することによって、抽選結果が確変大当りであることを報知している。なお、タイミング系演出の開始時に、「特定キャラクタが歌を歌いきれば確変大当り」や「メーターが100になれば確変大当り」などを示す画像を表示させて、遊技者に確変大当りとなるためには、どのような状態となり、どのような画像が表示されればよいのかを予め認識させるようにしてもよい。これにより、抽選結果が確変大当りであることを報知した場合に、遊技者が報知結果を誤認する可能性を抑制することができる。
ジョグ系演出は、上記事前種類選択演出で選択された楽曲(楽曲7)がスピーカ821から流されて、特定のキャラクタが楽曲に対応した歌を歌う様子を表示画面に表示しつつ、以下の演出を行う。すなわち、ダイヤル画像を表示し、遊技者にダイヤル操作部401の操作を促す。そして、遊技者によってダイヤル操作部401の操作がなされて、確変大当りを告知する音(以下では、一発告知音とも呼ぶ)がスピーカ821から流されると共にダイヤル操作部401が激しく点灯しながら自動的に回転する演出(以下では、回転演出とも呼ぶ)が行われ、特定のキャラクタが歌を歌いきることができれば、演出成功となる。一方、回転演出が行われず、特定のキャラクタが歌を歌いきることができなければ、失敗演出となり、このジョグ系演出は終了となる。なお、ジョグ系演出において、遊技者がダイヤル操作部401を操作しなくても、回転演出を自動で行う場合がある。
抽選結果が確変大当りである場合には、ジョグ系演出を成功させて(回転演出を実行して)、ジョグ系演出が成功したことを表示画面で表示し得る。この場合、上述したように、表示画面で「COMPLETE」と表示する。これによって、遊技者は、抽選結果が確変大当りであることを認識することができる。または、回転演出の実行によっても遊技者は抽選演出が確変大当りであることを認識することができる。すなわち、表示画面で「COMPLETE」などの画像を表示することや回転演出を実行することによって、抽選結果が確変大当りであることを報知している。なお、ジョグ系演出の開始時に、「特定キャラクタが歌を歌いきれば確変大当り」や「回転演出を発動させることができれば確変大当り」などを示す画像を表示させて、遊技者に確変大当りとなるためには、どのような状態となり、どのような画像が表示されればよいのかを予め認識させるようにしてもよい。これにより、抽選結果が確変大当りであることを報知した場合に、遊技者が報知結果を誤認する可能性を抑制することができる。
上記扉系演出、秒数系演出、タイミング系演出、および、ジョグ系演出のいずれかで失敗した場合には、さらに、大当り遊技中演出として、ボタン画像を表示して、遊技者に押圧操作部405の押下を促し、押圧操作部405の押下に伴って扉を開ける演出(以下では、扉開閉演出とも呼ぶ)を行う。この扉開閉演出では、扉が開いて演出成功となる場合と、扉が開かずに演出失敗となる場合がある。
抽選結果が確変大当りである場合であっても、上記扉系演出、秒数系演出、タイミング系演出、および、ジョグ系演出を失敗させる場合がある。この場合には、扉開閉演出で演出成功とさせて、確変であることを報知し得る。この際、例えば、遊技者に確変であることが認識可能な画像(「確変」などの文字)を開いた扉部分等に表示させるようにしてもよい。
さらに、抽選結果が確変大当りである場合であっても、この扉開閉演出をも失敗させる場合がある。この場合には、大当り遊技中演出として、大当り遊技の所定のラウンド(例えば、最終ラウンド)にキャラクタ変身演出を実行する。このキャラクタ変身演出は、特定のキャラクタが、変身するような演出を行い、抽選結果が確変大当りであることを報知する。なお、キャラクタ変身演出中に、例えば、遊技者に確変であることが認識可能な画像(「確変」などの文字)を表示画面に表示させるようにしてもよい。
抽選結果が確変大当りである場合において、以上のごとく大当り遊技中演出で確変大当りであることを報知すると、この大当り遊技中演出を終了する。なお、抽選結果が確変大当りである場合には、上記ミニゲームで成功するパターン、扉開閉演出で成功するパターン、および、キャラクタ変身演出を行うパターンのいずれかのパターンで、確変大当りを報知するようにしているが、これらのどのパターンで確変大当りを報知するのかについては、ミニゲーム開始前に決定している。言い換えれば、押圧操作部405やダイヤル操作部401が遊技者によって操作されようと操作されまいと確変大当りをどのパターンで報知するのかは決定されている。また、タイミング系演出で演出成功となるパターンでは、演出失敗となるパターンよりも押圧操作部405が押下された場合にメーターが上昇しやすくなっている。
一方、抽選結果が通常大当りである場合には、上記扉系演出、秒数系演出、タイミング系演出、および、ジョグ系演出のいずれかの演出および扉開閉演出を共に失敗させ、さらに、キャラクタ変身演出を行わず、大当り遊技中演出を終了する。これにより、遊技者に、抽選結果が確変大当りとならず通常大当りであったことを認識させることができる。なお、上記扉系演出、秒数系演出、タイミング系演出、および、ジョグ系演出のいずれかの演出および扉開閉演出を失敗させる際、これら演出が失敗であることを表示画面で表示してもよい。例えば、表示画面で「演出失敗」と表示する。
ところで、本実施形態では、大当り遊技における大当り遊技中報知演出が実現され得る最終ラウンド(以下では、報知最終ラウンドとも呼ぶ)は、所定ラウンド(例えば、10番目のラウンド)に設定されている。報知最終ラウンドは、大当り遊技における最終ラウンドと同じであってもよく、それよりも前の順番のラウンドであってもよい。また、大入賞口2103に遊技球が所定のカウント数入賞すると、1回のラウンドは終了する。一方、上記4つのミニゲームにおいて、楽曲がすべて流れた場合(特定のキャラクタが歌を歌いきった場合)の時間は、それぞれ所定時間(以下では、楽曲規定時間とも呼ぶ。)に設定されている。従って、大当り遊技において、大入賞口2103に多数の遊技球が短時間で入賞するような状態が続くと、1回のラウンドが短時間となり、その結果、大当り遊技時間が楽曲規定時間よりも短くなってしまう可能性がある。そこで、このような場合であって、各ミニゲームで成功演出を行う予定であった場合では、報知最終ラウンドの途中で、演出中のミニゲームを強制終了させ、エンディング演出を行う。すなわち、ミニゲームで確変大当りの報知を行わず、このエンディング演出で確変大当りの報知を行う。エンディング演出は、例えば、「確変」などの文字を表示画面に表示する。なお、本実施形態では、楽曲規定時間は、60秒程度に設定されている。
また、扉開閉演出およびキャラクタ変身演出は、上述したようにミニゲームが失敗演出である場合に実行される。ミニゲームが失敗して扉開閉演出およびキャラクタ変身演出が終了するまでにかかる時間を失敗演出時間とも呼ぶ。大当り遊技において、大入賞口2103に多数の遊技球が短時間で入賞するような状態が続くと、1回のラウンドが短時間となり、その結果、大当り遊技時間が失敗演出時間よりも短くなってしまう可能性がある。そこで、このような場合には、扉開閉演出またはキャラクタ変身演出で成功演出を行う予定であった場合でも、報知最終ラウンドの途中で、演出中のミニゲームを強制終了させ、エンディング演出を行う。すなわち、扉開閉演出およびキャラクタ変身演出をキャンセルし、このエンディング演出で確変大当りの報知を行う。
なお、本実施形態では、上記事前種類選択演出として、ルーレット演出のみならず、ランキング演出または衣装変更演出を行う場合がある。従って、これらランキング演出または衣装変更演出を経て上記大当り遊技中演出(ミニゲーム)に移行するパターンを有する。
ランキング演出は、それぞれ特定のキャラクタの衣装と楽曲とが対応づけられて示される複数の候補と、ポイントとが対応づけられており、遊技者によって押圧操作部405が押下されることによりポイントが加算されていき、最終的にポイントに応じた候補(楽曲および衣装)を選択する演出である。これら候補は、上記ルーレット演出と同様に、複数の大当り遊技中報知演出(ミニゲーム)のうちの1つの大当り遊技中報知演出(ミニゲーム)に対応付けられている。従って、ランキング演出を経て上記大当り遊技中演出に移行した場合には、ランキング演出にて選択された候補に対応付けられるミニゲームを大当り遊技中演出として実行する。
衣装変更演出は、特定のキャラクタにおいて、楽曲と対応づけられた衣装を、次々に変更し、1つの衣装(楽曲)に決定する演出である。特定のキャラクタの衣装(楽曲)は、上記ルーレット演出と同様に、複数の大当り遊技中報知演出(ミニゲーム)のうちの1つの大当り遊技中報知演出(ミニゲーム)に対応付けられている。従って、衣装変更演出を経て上記大当り遊技中演出に移行した場合には、衣装変更演出にて決定された衣装(楽曲)に対応付けられるミニゲームを大当り遊技中演出として実行する。
また、本実施形態では、確変外部有利状態時において、確変大当りした場合には、上記確変中一連演出を実行せずに、すなわち、通常大当り図柄停止態様で停止させる仮停止演出を行わず、確変大当り図柄停止態様で確変大当りを報知する演出を実現する変動表示パターンも存在する。
上記確変中一連演出によれば、通常大当りまたは確変大当りに当選した場合に実行される報知選択演出変動表示パターンにおいて、通常大当りと確変大当りとのいずれに当選したのかを報知する演出である大当り遊技中報知演出(ミニゲーム)に対応付けられる候補(楽曲および衣装)の種類を、確変大当りへの当選期待度の異なる複数種類の候補(楽曲および衣装)の中から選択する演出である事前種類選択演出を、当該大当り遊技の始まる前の変動中演出として行う。言い換えれば、上記確変中一連演出によれば、報知選択演出変動表示パターンにおいて、大当り遊技中報知演出(ミニゲーム)の種類を、確変大当りへの当選期待度の異なる複数種類の大当り遊技中報知演出(ミニゲーム)の中から選択する演出である事前種類選択演出を、当該大当り遊技の始まる前の変動中演出として行う。このようにすれば、変動中演出においては、遊技者の関心の高い「高確率となるか否か(通常大当りと確変大当りとのいずれに当選したのか)」を報知する大当り遊技中報知演出の種類(楽曲および衣装)を選択する様子が表示されるので、表示演出に対する遊技者の関心を向上することができる。
また、上記確変中一連演出によれば、報知選択演出変動表示パターンにおいて、事前種類選択演出、および、抽選結果が通常大当りであることを示唆する図柄の組合せを仮に停止させる仮停止演出を実現したことに応じて、大当り遊技を開始した場合に、当該報知選択演出変動表示パターンにおける事前種類選択演出(例えば、ルーレット演出)で選択された大当り遊技中報知演出(ミニゲーム)を液晶表示装置1900で実現し、当該大当り遊技中報知演出において通常大当りと確変大当りとのいずれに当選したのかを報知する。このようにすれば、単に、大当り遊技において確変大当りに当選しているか否かが報知されるような演出とは異なり、変動中演出から大当り遊技までの一連の表示演出に対して、遊技者の関心の高さを途絶えさせることなく継続することが可能となる。これにより、遊技者は、大当り遊技の開始よりも前の変動中演出(事前種類選択演出)から、大当り遊技の最中までの長い期間に亘って、「当選確率が高確率に設定されるかな?」などと期待感を維持しつつ、事前種類選択演出で選択された大当り遊技中報知演出を楽しみにしながら、遊技を進行することができる。その結果、表示演出に対する遊技者の興味を向上させることができる。
遊技者は、多くの時間を、通常外部不利状態で遊技する。このように遊技者が遊技する時間が長い通常外部不利状態は、大当り期待度が高いスーパーリーチ演出の演出時間(以下では、スーパーリーチ演出時間とも呼ぶ)が、遊技者が演出を楽めるように、短くもなく長すぎもしないバランスのとれた時間(例えば、80〜90秒程度(図217:パターン番号45、75など))となるように設定され得る。一方、上記確変中一連演出によれば、遊技者は、事前種類選択演出、仮停止演出、ミニゲームの順で演出を体験する。ここで、事前種類選択演出と仮停止演出とを合わせた一連演出変動部分演出時間は、上述したように、24秒〜29秒程度であり、ミニゲームに設定される楽曲規定時間は、上述したように、60秒程度となっている。従って、確変中一連演出において、ミニゲームが終わるまでの演出時間は、80秒〜90秒程度となり得る。すなわち、上記確変中一連演出の演出時間は、スーパーリーチ演出時間と同じ程度となり得る。従って、遊技者は、確変中一連演出を、短くもなく長すぎもしない演出として、好適に楽しむことができる。
大当りの当選確率が高確率である場合(確率変動状態である場合)には、大当りの当選確率が低確率である場合と比べて抽選で当たる確率が高いので、遊技者は、通常外部不利状態時と比較して、「当たるか否か」よりも、「高確率が続くか否か(確変大当りに当選するか否か)」に強い関心を抱く。
上記確変中一連演出によれば、遊技状態が、抽選における当選確率が高確率に設定された確変外部有利状態時(確率変動状態時)において、通常大当り又は確変大当りに当選した場合に、報知選択演出変動表示パターン(例えば、ルーレット演出などを含む)を実行し、その後、大当り遊技が開始された場合に、当該報知選択演出変動表示パターンにおける事前種類選択演出(例えば、ルーレット演出)で選択された大当り遊技中報知演出(ミニゲーム)を液晶表示装置1900で実現し、当該大当り遊技中報知演出(ミニゲーム)において通常大当りと確変大当りとのいずれに当選したのかを報知する。このように、確変外部有利状態時(確率変動状態時)において特に遊技者の関心が高い「高確率が続くか否か(確変大当りに当選するか否か)」についての報知(通常大当りと確変大当りとのいずれに当選したのかの報知)を、大当り遊技の開始よりも前の変動中演出(事前種類選択演出)から、大当り遊技中までの長い期間に亘る一連の演出を経て行うようにしているので、確変外部有利状態(確率変動状態時)において変動中演出から当り遊技中までの表示演出に対する遊技者の興味を向上させることができる。
上述のように、確率変動状態時には、遊技者は、通常外部不利状態時と比較して、「当たるか否か」よりも、「高確率が続くか否か(確変大当りに当選するか否か)」に強い関心を抱く。
上記確変中一連演出によれば、確変外部有利状態時(確率変動状態時)において、事前種類選択演出および仮停止演出にかかる時間(一連演出変動部分演出時間)、すなわち、装飾図柄の変動開始から変動停止までの時間(変動時間)が、比較的短い時間(例えば、スーパーリーチ演出時間よりも短い時間)となっている(図217及び図218参照)。そして、装飾図柄の変動開始から変動停止(仮停止演出)までの演出では、確変大当りに当選したか否かの最終的な結論は報知されずに、続く大当り遊技中演出において、初めて報知される。このようにすれば、大当りに当選した場合には、変動時間がすぐに終わって大当り遊技に突入し、遊技者の関心の高い「高確率が続くか否か(確変大当りに当選するか否か)」を報知する大当り遊技中演出に素早く移行するので、遊技者に爽快感を付与することができる。そして、装飾図柄の変動開始から、変動停止(仮停止演出)を超えて、大当り遊技中演出までの一連の流れを、遊技者は、確変大当りに当選したか否かの最終的な結論を報知するための一連の演出として楽しむことができる。また、確変外部有利状態時おいて、抽選結果がはずれとなった場合には、短縮変動演出が行われ、装飾図柄変動後すぐに停止する演出が行われる。このようにすれば、確変外部有利状態では、余分な演出が排除されて、大当り抽選がさくさく(スピーディに)実行されるので、遊技者の関心の高い大当り遊技中演出へ素早く移行することができ、遊技者に高い爽快感を付与することができる。
上記確変中一連演出によれば、事前種類選択演出(例えば、ルーレット演出)が実現される際に、遊技者が押圧操作部405を操作(押下)しない場合には、表示された複数の候補(楽曲)および衣装)の中から、確変期待度が最も低い候補が選択されてしまうので、確変大当りの当選を望む遊技者に、押圧操作部405の操作、すなわち、演出への積極的な参加を促すことができる。さらに、「押圧操作部405を操作すると演出内容が変化する」という認識を遊技者に提供できるので、大当り遊技において実現される大当り遊技中報知演出においても、遊技者に、押圧操作部405の操作を促すことができる。上記確変中一連演出によれば、このような遊技者の期待に応えて、大当り遊技中報知演出を実行する場合に、押圧操作部405の操作によって演出内容を変化させる。以上の構成により、押圧操作部405の操作に応じて示唆される確変期待度が変わる事前種類選択演出が無い場合と比べて、事前種類選択演出および大当り遊技中報知演出への遊技者の積極的な参加を促進することができる。このように、変動中演出から大当り遊技までの長い期間に亘って、表示演出に対する遊技者の興味を持続させることができる。
なお、上記事前種類選択演出および大当り遊技中演出(ミニゲームおよび扉開閉演出)の両方の演出において、遊技者が押圧操作部405を操作して遊技に参加可能な態様としているが、これに限られず、例えば、遊技者が押圧操作部405を操作して遊技に参加可能な態様を、上記事前種類選択演出の一部または全部の演出のみに適用してもよいし、上記大当り遊技中演出の一部または全部のみに適用するようにしてもよい。
上記確変中一連演出は、遊技状態が、確変外部有利時に開始されるようにしているが、これに限られるものではなく、例えば、遊技状態が、通常外部不利状態時、通常外部有利状態時、および、確変外部不利状態時のいずれかの場合の時に開始するようにしてもよい。
上記確変中一連演出において、事前種類選択演出で候補として表示される画像は、楽曲(曲名)および衣装に限らず、大当り遊技中演出の種類を識別可能な任意の画像であってもよい。例えば、大当り遊技中演出の種類毎に登場するキャラクタが異なるような場合には、そのキャラクタを候補として表示するようにしてもよい。
上記確変中一連演出において、事前種類選択演出では、大当り遊技中報知演出(ミニゲーム)に対応付けられる候補(楽曲および衣装)の種類を、複数種類の候補の中から選択するようにしているが、これに限られることはない。例えば、事前種類選択演出において、大当り遊技中報知演出(ミニゲーム)を直接示唆するような画像(以下では、示唆画像とも呼ぶ)の種類を、複数種類の示唆画像の中から選択するようにしてもよい。示唆画像は、例えば、扉系演出を示唆するような扉画像や、ジョグ系演出を示唆するようなジョグ画像であってもよい。また、示唆画像は、例えば、「扉系演出」や「ジョグ系演出」などの大当り遊技中報知演出を直接示すような文字であってもよい。
本実施形態において、或る演出に対応付けられた大当り期待度は、その演出が実現された場合に、抽選結果が大当りである可能性の高さを示している。同様に、或る演出に対応付けられた確変期待度は、その演出が実現された場合に、抽選結果が確変大当りである可能性の高さを示している。
[5.先読み予告演出機能]
[構成]
本実施形態のパチンコ機1の最も特徴的な機能である先読み予告演出機能(正夢予告表示機能)について説明する。図224は、先読み予告演出機能を実現するための周辺制御基板4010の機能的な構成を例示するブロック図である。周辺制御基板4010では、周辺制御ROM4140bに予め格納された所定のプログラムを周辺制御MPU4140aが実行し、その周辺制御MPU4140aの制御下で、液晶制御ROM4150bに予め格納された所定のプログラムを液晶制御MPU4150aが実行することにより各種の遊技制御や演出制御等が具現化されるようになっている。
図224に示すように、周辺制御基板4010は、主制御基板4100から送信された制御コマンドがコマンド受信手段4560によって受信されると、これを基に先読み予告演出処理を実行する先読み予告演出手段5000を備えている。
先読み予告演出手段5000は、保留有無判別手段5010と、保留表示手段5020と、抽選結果先読み手段5030と、予告実行可否決定手段5040と、予告画像展開手段5050と、正夢予告示唆手段5060と、正夢予告チラ見せ演出手段5070と、を備えている。
保留有無判別手段5010は、コマンド受信手段4560により受信した制御コマンドに基づいて、主制御基板4100に抽選情報(乱数)が保留されているか否かを判別する機能ブロックである。
保留表示手段5020は、図226に示すように、液晶表示装置1900の画面1900gの下部に、第一始動口2101への入賞に伴う抽選情報の保留数に対応する数(最大で4)の保留画像(第一保留画像)5100及び第二始動口2102への入賞に伴う抽選情報の保留数に対応する数(最大で4)の保留画像(第二保留画像)5200を表示する機能ブロックである。この例では、両保留画像5100,5200を色の違いで区別できるようにしている。図中の(1)〜(8)は、保留消化(主制御基板4100における抽選とそれに基づく特別図柄変動処理実行)の順番を示している。すなわち、第一始動口2101への入賞に伴う抽選情報と第二始動口2102への入賞に伴う抽選情報の両方が保留されている場合には、後者の保留消化が保留された順に実行され、その後、前者の保留消化が保留された順に実行される。
抽選結果先読み手段5030は、コマンド受信手段4560により受信した制御コマンドに基づいて抽選結果を判別(先行判定)する機能ブロックである。
予告実行可否判定手段5040は、保留されている抽選情報毎に先読み予告演出を実行可能とするか否か判定する機能ブロックである。この判定は、抽選結果先読み手段5020による抽選結果の判別内容に応じた所定の確率で先読み予告演出が実行可能とされる。たとえば、抽選結果の判別内容が「大当たり」の場合は100%の確率、「外れ」の場合は0.5%の確率といった具合に、遊技者にとって有利な抽選結果の場合には必ず、先読み予告演出が実行可能と判定され、不利な抽選結果の場合には希にしか実行可能と判定されない。
予告存在報知手段5050は、実行可能な先読み予告演出が存在することを遊技者に報知する機能ブロックである。実行可能な先読み予告演出が存在することを遊技者に報知する形態例として、音声メッセージによる報知、テロップによる報知、保留画像5100,5200の変化による報知、等があるが、本実施形態では、保留画像5100,5200をダイヤル操作部401を表現する予告存在報知画像5300(図227参照)に変化させることよる報知の形態を採用している。
予告画像展開手段5060は、先読み予告演出を実行可能とした抽選情報に基づく抽選結果と一致した情報を示す正夢予告画像5400の画像データをVRAM4150fの非表示領域4202(図228参照)に順次展開する機能ブロックである。
正夢予告チラ見せ演出手段5070は、ダイヤル操作検出手段5070aと、表示領域シフト手段5070bとで構成される。
ダイヤル操作検出手段5070aは、回転検知センサ432a,432bからの操作検出信号を監視し、ダイヤル操作部401の操作量すなわち回転角度、及びダイヤル操作部401の操作の向き、すなわち時計回りであるか反時計回りであるかを検出する機能ブロックである。すでに述べたように、操作量は回転検知センサ432a,432bのパルスをカウントすることで検出でき、操作の向きは、回転検知センサ432a,432bがON/OFFとなる順によって判断できる。
表示領域シフト手段5070bは、回転検知センサ432a,432bからダイヤル操作検出手段5070aに所定の操作検出信号が送られてきた場合すなわち、ダイヤル操作部401による所定の操作がなされた場合に、ダイヤル操作検出手段5070aからの検出信号に応じて、VRAM4150fの表示領域4201(図228乃至図232参照)を正夢予告画像5400の画像データが展開されている領域4202aにシフトさせていくことにより、当該正夢予告画像5400を液晶表示装置1900の画面1900gにその周縁部5400aから出現するように表示させたり、表示領域4201を正夢予告画像5400の画像データが展開されている領域の外に再移動させていくことにより、正夢予告画像5400を画面1900gの外に消失させたりする機能ブロックである。
この実施形態においては、表示領域4201の移動量がダイヤル操作部401の操作量に比例し、ダイヤル操作部401を4回転させたときに、VRAM4150fの表示領域4201が夢予告画像5400の画像データが展開されている領域4202aに完全に移動するように設定されている。したがって、ダイヤル操作部401の操作量が4回転以上の場合には、正夢予告画像5400の全領域が液晶表示装置1900の画面1900gに表示される(図236参照)。一方、ダイヤル操作部401を例えば半回転(180度)分しか操作しなければ、表示領域4201がその全長(移動方向における全幅、この例では横幅)の8分の1の距離しか移動しないため(図229参照)、正夢予告画像5400はその全幅(この例では横幅)の8分の1の領域までしか表示されない(図233参照)。また、操作量が2回転(360度)の場合には、表示領域4201がその全長の2分の1の距離を移動するため(図230参照)、正夢予告画像5400の全体のうち左側の2分の1の領域まで表示される(図234参照)。また、操作量が3回転と4分の1回転の場合(585度の場合)には、表示領域4201がその全長の8分の5の距離を移動するため(図231参照)、正夢予告画像5400の全体のうち左側から8分の5の領域まで表示される(図235参照)。
表示領域シフト手段5070bは、ダイヤル操作検出手段5070aからの検出信号が途絶えると、あるいはダイヤル操作部401の操作の向きが正夢予告画像5400を出現させる向きとは逆向きに変わったことを示す検出信号が送られてくると、直ぐに、表示領域4201を正夢予告画像5400の画像データが展開されている領域の外に再移動させる処理を開始する。これにより、正夢予告画像5400がダイヤル操作部401の操作量に応じた領域まで表示された後、直ぐに消失していく正夢予告チラ見せ演出が実現される。
[動作]
次に、図224の構成のパチンコ機1の動作について、図225のフローチャートに従って説明する。
図225は先読み予告演出処理の一例を示すフローチャートである。先読み予告演出手段5000は、コマンド受信手段4560により受信した制御コマンドに基づいて、新たに保留された抽選情報の有無を判別し(S3001)、新たに保留された抽選情報があるならば(S3001でYes)、保留表示処理(S3002)及び予告実行可否判定処理(S3003)を実行する。
保留表示処理(S3002)により、図226に示すように、液晶表示装置1900の画面1900gの下部に、保留されている抽選情報に応じた保留画像5100,5200が表示される。
予告実行可否判定処理(S3003)では、保留されている抽選情報毎に先読み予告演出を実行可能とするか否か判定される。そして、先読み予告演出を実行可能と判定した場合(S3003でYes)、予告画像展開処理(S3004)、及び予告存在報知処理(S3005)が順次実行される。
予告画像展開処理(S3004)では、図228に示すように、先読み予告演出を実行可能とした抽選情報に基づく抽選結果と一致した情報を示す正夢予告画像5400の描画データが、VRAM4150fの非表示領域4202に展開される。
予告存在報知処理(S3005)により、図227に示すように、先読み予告演出を実行可能とした抽選情報に対応する保留画像5100,5200として、予告存在報知画像5300が表示される。図227の例では、第二始動口2102への入賞に伴う抽選情報が新たに保留され(S3001でYes)、当該抽選情報の先読み予告演出が実行可能と判定された結果(S3003でYes)、当該新たに保留された抽選情報に対応する保留画像(第二保留画像)5200としてダイヤル操作部401を表現した予告存在報知画像5300が表示されている。この例の予告存在報知画像5300は、ダイヤル操作部401が回転している様子とともに、回転させる向き(図示の例では反時計回り)を指示する矢印を表現している。予告存在報知画像5300は、前記順番に従って保留消化が進むごとに左側に移動していく。そして、予告存在報知処理(S3005)の後、正夢予告表示処理(S3006)に移行する。
正夢予告表示処理(S3006)では、先ず、ダイヤル操作検出処理(S3006a)が実行される。ダイヤル操作検出処理(S3006a)では、回転検知センサ432a,432bからの操作検出信号を監視し、所定の操作がなされたことを示す操作検出信号すなわち、この例ではダイヤル操作部401を反時計回りに回転させたことを示す操作検出信号が検出されたならば、表示領域シフト処理(S3006b)を開始する。ダイヤル操作検出処理(S3006a)は、表示領域シフト処理(S3006b)の開始後もこれと並行して実行され、ダイヤル操作部401の操作量(回転角度)の検出がなされる。
表示領域シフト処理(S3006b)では、図228乃至図232に示すように、ダイヤル操作部401の操作量(回転角度)に応じて、VRAM4150fの表示領域4201を正夢予告画像5400の画像データが展開されている領域4202に移動(この例では右側に移動)させていく処理がなされる。これにより、図233乃至図236に示すように、液晶表示装置1900の画面1900gの右端から正夢予告画像5400が出現し、正夢予告画像5400の全体のうち、ダイヤル操作部401の操作量(回転角度)に比例した割合の領域まで表示される。たとえば、ダイヤル操作部401の操作量が4回転以上の場合には、正夢予告画像5400の全体が表示され(図236参照)、操作量が半回転(180度)の場合には、正夢予告画像5400の全体のうち左側の8分の1の領域まで表示され(図233参照)、操作量が2回転(360度)の場合には、正夢予告画像5400の全体のうち左側の2分の1の領域まで表示され(図234参照)、操作量が3回転と4分の1回転の場合(585度の場合)には、正夢予告画像5400の全体のうち左側から8分の5の領域まで表示される(図235参照)。その後直ぐに、VRAM4150fの表示領域4201を再シフト(この例では左側にシフト)させていく処理がなされる。これにより、正夢予告画像5400が液晶表示装置1900の画面1900gの右側に消失していく演出がなされ、画面1900gの表示は正夢予告画像5400から通常の変動図柄表示(図226、図227参照)などに戻る。
[作用効果]
このパチンコ機1は、保留されている抽選情報についての先読みの結果(先行判別の内容)が「大当たり」の場合は100%の確率、「外れ」の場合は0.5%の確率といった具合に、遊技者にとって有利な結果の場合には必ず正夢予告演出を実行可能とし、不利な結果の場合には希に正夢予告演出を実行可能とする。遊技者は、保留中の抽選情報の中に先読み予告演出の実行が可能となっている抽選情報があることを予告存在報知画像5300によって知ることができる。そして、遊技者がダイヤル操作部401により所定の操作、すなわちこの例では、ダイヤル操作部401を反時計回りに回転させる操作を行うことにより、先読み予告演出が実行され、抽選結果と一致した情報(抽選結果が当たりなら「当たり」を示す内容、抽選結果が外れなら「外れ」を示す内容)を示す正夢予告画像5400が液晶表示装置1900の画面1900gに表示される。そして、正夢予告画像5400は表示された直後、画面1900gの外に消失していく。このため遊技者は、先読み予告演出において、表示されるが直ぐに消失してしまう正夢予告画像5400に注意してその内容を確認しなければ、抽選結果と一致した情報を得ることができない。また、正夢予告画像5400の出現量すなわち、正夢予告画像5400の全体のうちどの程度の割合の領域が表示されるかは、当該所定の操作におけるダイヤル操作部401の操作量(回転角度)に応じて変化する。このため遊技者は、正夢予告画像5400の内容をより正確に把握できるようにするためには、当該所定の操作におけるダイヤル操作部401の操作量(回転角度)がより大きくなるように操作を行う必要がある。正夢予告画像5400は、表示される時間は瞬間的であるが、画像表示装置1900の画面1900gに表示中の画像全体が同時に移動(スクロール)することにより表示されるという、極めて斬新且つ迫力のある表示形態で表示される。遊技者は、正夢予告画像5400を視認することにより、その抽選情報に対応する図柄変動遊技の開始を待たずして、その抽選情報の抽選結果を知ることができる。正夢予告演出は、先読みの結果(先行判別の内容)が「大当たり」の場合に実行されることが大半であるので、遊技者は、多くの場合、正夢予告演出によって保留中の抽選情報の中に「大当たり」があることを知ることになる。したがって、遊技者は、その時実行中の図柄変動遊技の結果には関心を持たなくなるが、「大当たり」が間近であることによる安心感と期待感とを持って遊技を行うことができる。このような安心感と期待感は、予告存在報知画像5300の表示中にダイヤル操作部401により所定の操作を行った遊技者だけが得られる特典である。予告存在報知画像5300が表示されているにも拘わらず、ダイヤル操作部401により所定の操作を行わなかった遊技者は、このような安心感と期待感を得ることはできない。
このように、遊技者が自分の意志で先読み予告演出を実行させ、その先読み予告演出において極めて斬新且つ迫力のある表示形態で瞬間的(一時的)に表示される正夢予告画像5400によって抽選結果と一致した情報が得られるように構成したことにより、先読み予告演出の興趣性を向上させることができる。遊技者が積極的に演出に関与できることにより、大当たりが得られたときの遊技者の達成感を増大できる。
この実施形態では、液晶表示装置1900に表示中の画像全体を水平方向に移動させて画面1900gに正夢予告画像5400を表示させるという、極めて斬新且つ迫力のある表示形態を実現するために、VRAM4150f上に、液晶表示装置1900に表示中の画像の描画データが展開されている表示領域4201に加え、表示待機中すなわち、液晶表示装置1900に表示されていない画像の描画データが展開されている非表示領域4202を確保している。このため、VDP4150cや液晶制御MPU4150aなどの負荷が増大し、描画性能(画質、表示速度、等)の低下というデメリットを招く虞があるが、上記のような極めて斬新且つ迫力のある表示形態で正夢予告画像5400を表示させることにより遊技者の興趣性を向上できるメリットは、かかるデメリットを凌駕して余りあるといえる。
また、この実施形態では、遊技者により先読み予告演出の実行を指示するための所定の操作がなされるか否かに関係なく、正夢予告演出を実行可能と判定された抽選情報ごとに、VRAM4150f上の非表示領域4202への正夢予告画像5400の描画データの展開処理が行われる。このため、当該所定の操作がなされなかった場合には当該展開処理は無駄に終わるというデメリットがあるが、当該所定の操作がなされた場合には直ぐに正夢予告画像5400の表示を開始することができるというメリットがある。すなわち、正夢予告画像5400の描画データはダイヤル操作部401の回転操作に先行してVRAM4150f上に展開されているため、ダイヤル操作部401の操作量がどの程度であっても、当該操作量に応じて正夢予告画像5400をスムーズに表示させることができる。
[その他の形態例]
以上、本発明について好適な実施形態を挙げて説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではなく、以下に示すように、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々の改良及び設計の変更が可能である。
たとえば、上記の実施形態では、液晶表示装置1900の画面1900gの右端から正夢予告画像5400を出現させているが、画面1900gの左端から正夢予告画像5400を出現させるように構成してもよいことは無論である。
また、図237に例示するように、液晶表示装置1900に表示中の画像の描画データが展開されている表示領域4201に隣接する左右の領域を非表示領域4202L、4202Rとし、正夢予告画像5400の描画データを左右に振り分けて展開するように構成してもよい。この場合、遊技者がダイヤル操作部401を時計回り及び反時計回りに回転させる操作を行うことにより、その操作の向きと操作量とに応じて、図238に示すように、表示中の画像全体が左右に移動し、画面1900gの左右両端から正夢予告画像5400L、5400Rが出現するという演出を行うことができる。
また、図239に例示するように、液晶表示装置1900に表示中の画像の描画データが展開されている表示領域4201に隣接する上下左右の領域を非表示領域4202U、、4202D、4202L、4202Rとし、正夢予告画像5400の描画データを上下左右に振り分けて展開するように構成してもよい。この場合、遊技者がダイヤル操作部401を時計回り及び反時計回りに回転させる操作を行うことにより、その操作の向きと操作量とに応じて、図240に示すように、表示中の画像全体が上下左右に移動し、画面1900gの上下左右の端から正夢予告画像5400U、5400D、5400L、5400Rが出現するという演出を行うことができる。
また、上記の例では、先読み(先行判別)の結果が遊技者にとって有利な結果の場合には必ず正夢予告演出を実行可能とし、不利な結果の場合には希にしか正夢予告演出が実行可能としないようになっているが、遊技者にとって有利な結果であるか否かに関係なく、保留されている全ての抽選情報について等しい確率で正夢予告演出の実行可否を判定するようにしてもよい。
また、上記の例では、本発明の遊技機をパチンコ機1に適用したものを示したが、これに限定するものではなく、パチスロ機や、パチンコ機とパチスロ機とを融合させてなる遊技機に適用してもよく、この場合でも上記と同様の作用効果を奏することができる。
1 パチンコ機
401 ダイヤル操作部(操作手段)
1900 液晶表示装置(図柄変動手段)
1900g 画面
4010 周辺制御基板
4100 主制御基板(抽選情報取得手段、抽選手段、保留手段、抽選結果先読み手段)4140 周辺制御部
4150 液晶制御部(図柄変動手段)
4150f VRAM(画像メモリ)
4201 表示領域
4560 コマンド受信手段
5000 先読み予告演出手段
5010 保留有無判別手段
5020 保留表示手段
5030 抽選結果先読み手段
5040 予告実行可否決定手段
5050 予告画像展開手段
5060 予告存在報知手段
5070 正夢予告チラ見せ演出手段
5070a ダイヤル操作検出手段
5070b 表示領域シフト手段
5100 保留画像
5200 保留画像
5300 予告存在報知画像
5400 正夢予告画像

Claims (1)

  1. 所定の始動条件が成立する毎に抽選情報を取得する抽選情報取得手段と、
    前記抽選情報に基づいて抽選を実行する抽選手段と、
    前記抽選手段による抽選が実行されるたびに複数の図柄を変動させ、当該抽選の結果を停止した図柄の組み合わせにより表現する図柄変動手段と、
    前記図柄の変動画像及び停止画像を含む各種画像を画面に表示可能な画像表示手段と、
    前記抽選手段による抽選が未実行の前記抽選情報を所定数まで保留する保留手段と、
    前記保留手段に保留されている抽選情報に基づいて抽選結果を判別する抽選結果先読み手段と、
    前記抽選結果先読み手段により抽選結果が判別された抽選情報ごとに先読み予告演出を実行可能な先読み予告演出手段と、
    前記先読み演出の実行を遊技者が自ら指示するための操作量が可変の操作手段と、を備え、
    前記画像表示手段は、
    前記画面に表示中の画像データが展開されている表示領域と前記画面への表示待機中の画像データが展開されている非表示領域とを有する画像メモリを有し、
    前記先読み予告演出手段は、
    前記抽選結果を前記先読み手段から順次取得して、当該抽選結果と一致した情報を示す正夢予告画像の画像データを前記非表示領域に順次展開する予告画像展開手段と、
    前記操作手段の操作具合に応じて、前記表示領域を前記正夢予告画像の画像データが展開されている領域に移動させていくことにより、前記正夢予告画像を前記画面にその周縁部から出現するように表示させ、その後直ぐに、前記表示領域を前記正夢予告画像の画像データが展開されている領域の外に再移動させていくことにより、前記正夢予告画像を前記画面の外に消失させる正夢予告チラ見せ演出手段と、を有する、遊技機。
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