JP2013068904A - レジスト組成物及びレジストパターン形成方法、並びに重合体 - Google Patents

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Abstract

【課題】リソグラフィー特性及びパターン形状に優れたレジスト組成物、該レジスト組成物用として有用な新規重合体、及び該レジスト組成物を用いるレジストパターン形成方法を提供すること。
【解決手段】酸の作用により現像液に対する溶解性が変化し、かつ、露光により酸を発生する基材成分(A)を含有するレジスト組成物であって、前記基材成分(A)は、主鎖の少なくとも一方の末端に露光により酸を発生するアニオン部位を有し、かつ、質量平均分子量が20000以下である重合体を含有することを特徴とするレジスト組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、レジスト組成物用として有用な重合体、該重合体を含有するレジスト組成物、及び該レジスト組成物を用いるレジストパターン形成方法に関する。
リソグラフィー技術においては、例えば基板の上にレジスト材料からなるレジスト膜を形成し、該レジスト膜に対し、所定のパターンが形成されたマスクを介して、光、電子線等の放射線にて選択的露光を行い、現像処理を施すことにより、前記レジスト膜に所定形状のレジストパターンを形成する工程が行われる。
露光した部分が現像液に溶解する特性に変化するレジスト材料をポジ型、露光した部分が現像液に溶解しない特性に変化するレジスト材料をネガ型という。
近年、半導体素子や液晶表示素子の製造においては、リソグラフィー技術の進歩により急速にパターンの微細化が進んでいる。
微細化の手法としては、一般に、露光光源の短波長化(高エネルギー化)が行われている。具体的には、従来は、g線、i線に代表される紫外線が用いられていたが、現在では、KrFエキシマレーザーや、ArFエキシマレーザーを用いた半導体素子の量産が開始されている。また、これらエキシマレーザーより短波長(高エネルギー)の電子線、EUV(極紫外線)やX線などについても検討が行われている。
レジスト材料には、これらの露光光源に対する感度、微細な寸法のパターンを再現できる解像性等のリソグラフィー特性が求められる。
このような要求を満たすレジスト材料として、酸の作用により現像液に対する溶解性が変化する基材成分と、露光により酸を発生する酸発生剤成分とを含有する化学増幅型レジスト組成物が用いられている。
たとえば現像液がアルカリ現像液(アルカリ現像プロセス)の場合、ポジ型の化学増幅型レジスト組成物としては、酸の作用によりアルカリ現像液に対する溶解性が増大する樹脂成分(ベース樹脂)と、酸発生剤成分とを含有するものが一般的に用いられている。かかるレジスト組成物を用いて形成されるレジスト膜は、レジストパターン形成時に選択的露光を行うと、露光部において、酸発生剤成分から酸が発生し、該酸の作用により樹脂成分のアルカリ現像液に対する溶解性が増大して、露光部がアルカリ現像液に対して可溶となる。そして、未露光部がパターンとして残るポジ型パターンが形成される。ここで、前記ベース樹脂は、酸の作用により樹脂の極性が高くなるものが用いられ、アルカリ現像液に対する溶解性が増大する一方で、有機溶剤に対する溶解性は低下する。アルカリ現像プロセスでなく、有機溶剤を含む現像液(有機系現像液)を用いたプロセス(以下、溶剤現像プロセス、またはネガ型現像プロセスということがある)を適用すると、露光部では、相対的に有機系現像液に対する溶解性が低下する。そのため、該溶剤現像プロセスにおいては、レジスト膜の未露光部が有機系現像液により溶解、除去されて、露光部がパターンとして残るネガ型のレジストパターンが形成される。たとえば特許文献1には、ネガ型現像プロセスおよびそれに使用するレジスト組成物が提案されている。
現在、ArFエキシマレーザーリソグラフィー等において使用されるレジスト組成物のベース樹脂としては、193nm付近における透明性に優れることから、(メタ)アクリル酸エステルから誘導される構成単位を主鎖に有する樹脂(アクリル系樹脂)が一般的に用いられている(たとえば、特許文献2参照)。
ベース樹脂は通常、リソグラフィー特性等の向上のために、複数の構成単位を有している。たとえば酸の作用により樹脂の極性が高くなる樹脂成分の場合、通常、酸発生剤成分から発生した酸の作用により分解して極性が増大する酸分解性基を有する構成単位を有し、その他、水酸基等の極性基を有する構成単位、ラクトン構造を有する構成単位等、複数の構成単位を有するものが用いられている。特に、極性基を有する構成単位は、アルカリ現像液との親和性を高め、解像性の向上に寄与することから汎用されている。
上記のようなベース樹脂に用いられるポリマーは通常、様々な機能を有するモノマーをラジカル重合することにより製造される。ラジカル重合における重合開始剤としては、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)やジメチル2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)等のアゾ系重合開始剤が一般に用いられている。
アゾ系重合開始剤は、熱又は光によって分解して窒素ガスとラジカルとを生じる。そして、該ラジカルの作用によりモノマー同士が付加重合することによってポリマーが合成される。そのため、合成されたポリマーの末端には、アゾ系重合開始剤の部分構造が導入されている。
近年では、ポリマー末端に導入される重合開始剤の部分構造に着目し、該部分構造として機能性基である塩基解離性基を用いた重合開始剤、及び該重合開始剤を用いて得られる重合体などが開示されている(特許文献3参照)。
特開2009−025723号公報 特開2003−241385号公報 特開2010−37528号公報
今後、リソグラフィー技術のさらなる進歩、応用分野の拡大等が進むなか、リソグラフィー用途に使用できる新規な材料に対する要求がある。たとえばパターンの微細化が進むにつれ、レジスト材料にも、感度や解像性は勿論のこと、ラフネス(ラインパターンであればLWR(ラインワイズラフネス:ライン幅の不均一性)等、ホールパターンであれば真円性等)、マスク再現性、露光余裕度等の種々のリソグラフィー特性やパターン形状のいっそうの向上が求められる。しかしながら、特許文献2、3に記載のベース樹脂を用いたレジスト材料では、要求されるリソグラフィー特性やパターン形状を充分に満足できない。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、リソグラフィー特性及びパターン形状に優れたレジスト組成物、該レジスト組成物用として有用な新規重合体、及び該レジスト組成物を用いるレジストパターン形成方法を提供することを課題とする。
上記の課題を解決するために、本発明は以下の構成を採用した。
すなわち、本発明の第一の態様は、酸の作用により現像液に対する溶解性が変化し、かつ、露光により酸を発生する基材成分(A)を含有するレジスト組成物であって、前記基材成分(A)は、主鎖の少なくとも一方の末端に露光により酸を発生するアニオン部位を有し、かつ、質量平均分子量が20000以下である重合体を含有することを特徴とするレジスト組成物である。
本発明の第二の態様は、支持体上に、前記第一の態様のレジスト組成物を用いてレジスト膜を形成する工程、前記レジスト膜を露光する工程、及び前記レジスト膜を現像してレジストパターンを形成する工程を含むレジストパターン形成方法である。
本発明の第三の態様は、主鎖の少なくとも一方の末端に露光により酸を発生するアニオン部位を有し、かつ、質量平均分子量が20000以下である重合体である。
本明細書及び本特許請求の範囲において、「露光」は、放射線の照射全般を含む概念とする。
「構成単位」とは、高分子化合物(樹脂、重合体、共重合体)を構成するモノマー単位(単量体単位)を意味する。
「脂肪族」とは、芳香族に対する相対的な概念であって、芳香族性を持たない基、化合物等を意味するものと定義する。
「アルキル基」は、特に断りがない限り、直鎖状、分岐鎖状及び環状の1価の飽和炭化水素基を包含するものとする。
「アルキレン基」は、特に断りがない限り、直鎖状、分岐鎖状及び環状の2価の飽和炭化水素基を包含するものとする。アルコキシ基中のアルキル基も同様である。
「ハロゲン化アルキル基」は、アルキル基の水素原子の一部又は全部がハロゲン原子で置換された基であり、「ハロゲン化アルキレン基」は、アルキレン基の水素原子の一部又は全部がハロゲン原子で置換された基であり、該ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。
「フッ素化アルキル基」は、アルキル基の水素原子の一部又は全部がフッ素原子で置換された基であり、「フッ素化アルキレン基」は、アルキレン基の水素原子の一部又は全部がフッ素原子で置換された基である。
本発明によれば、リソグラフィー特性及びパターン形状に優れたレジスト組成物、該レジスト組成物用として有用な新規重合体、及び該レジスト組成物を用いるレジストパターン形成方法を提供できる。
≪レジスト組成物≫
本発明のレジスト組成物は、酸の作用により現像液に対する溶解性が変化し、かつ、露光により酸を発生する基材成分(A)(以下「(A)成分」ともいう)を含有するものである。該(A)成分は、主鎖の少なくとも一方の末端に露光により酸を発生するアニオン部位を有し、かつ、質量平均分子量が20000以下である重合体(以下「重合体(P)」又は「(P)成分」ともいう)を含有する。
かかるレジスト組成物を用いて形成されるレジスト膜は、前記重合体(P)を含むため、露光により酸を発生する機能を有する。
また、該レジスト膜は、前記重合体(P)を含むことで、別途酸発生剤成分を含有しない場合にも、酸の作用により溶解性が変化する成分を用いてパターンを形成することが可能となる。他方、前記重合体(P)以外の酸発生剤成分を含有する場合には、前記重合体(P)を含有しない場合に比して感度がより向上する。
本発明のレジスト組成物は、ネガ型レジスト組成物であってもよく、ポジ型レジスト組成物であってもよい。
本明細書においては、露光部が溶解除去されるポジ型パターンを形成するレジスト組成物をポジ型レジスト組成物といい、未露光部が溶解除去されるネガ型パターンを形成するレジスト組成物をネガ型レジスト組成物という。
また、本発明のレジスト組成物は、非化学増幅型であってもよく、化学増幅型であってもよい。特に、主鎖末端から露光により酸を発生する重合体(P)を含有していることから、本発明のレジスト組成物は、化学増幅型のレジスト組成物であることが好ましい。加えて、化学増幅型のレジスト組成物は、レジストパターンをより高感度、より高解像性で形成できることからも好ましい。
通常、化学増幅型のレジスト組成物としては、酸の作用により現像液に対する溶解性が変化する基材成分と、露光により酸を発生する酸発生剤成分とを含有するものが一般的である。本発明のレジスト組成物は、酸の作用により現像液に対する溶解性が変化し、かつ、露光により酸を発生する基材成分(A)を含有するものであり、該(A)成分以外の酸発生剤成分を含有していてもよく含有していなくてもよい。
本発明のレジスト組成物に対して露光を行うと、該(A)成分と、該(A)成分以外の酸発生剤成分を含有する場合は該酸発生剤成分とから酸が発生し、該酸の作用により該(A)成分の現像液に対する溶解性が変化する。そのため、レジストパターンの形成において、当該レジスト組成物を用いて形成されたレジスト膜を選択的に露光すると、露光部の現像液に対する溶解性が変化(ポジ型の場合は増大、ネガ型の場合は減少)する一方で、未露光部のアルカリ現像液に対する溶解性は変化しないため、これを現像することによりレジストパターンが形成される。
<(A)成分>
本発明のレジスト組成物においては、酸の作用により現像液に対する溶解性が変化し、かつ、露光により酸を発生する基材成分(A)が用いられる。
ここで「基材成分」とは、膜形成能を有する有機化合物であり、好ましくは分子量が500以上の有機化合物が用いられる。該有機化合物の分子量が500以上であることにより、膜形成能が向上し、また、ナノレベルのレジストパターンを形成しやすい。前記基材成分として用いられる「分子量が500以上の有機化合物」は、非重合体と重合体とに大別される。
非重合体としては、通常、分子量が500以上4000未満のものが用いられる。以下、分子量が500以上4000未満の非重合体を低分子化合物という。
重合体としては、通常、分子量が1000以上のものが用いられる。以下、分子量が1000以上の重合体を高分子化合物という。高分子化合物の場合、「分子量」としてはGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)によるポリスチレン換算の質量平均分子量を用いるものとする。以下、高分子化合物を単に「樹脂」ということがある。
[重合体(P)]
また、本発明のレジスト組成物において、(A)成分は、主鎖の少なくとも一方の末端に露光により酸を発生するアニオン部位を有し、かつ、質量平均分子量が20000以下である重合体(P)を含有する。
かかる重合体(P)を用いることにより、該アニオン部位と、該重合体(P)中の酸による溶解性変化に寄与する部位(具体的には例えば、後述の構成単位(a1)等)と、がレジスト膜中に均一に分布し、露光部では該重合体(P)から均一に酸が発生して該重合体(P)自身の溶解性が好適に変化することで、良好なリソグラフィー特性を得ることができる。
該重合体(P)は、特定の重合開始剤を用い、1種以上のモノマーをラジカル重合、アニオン重合等により重合することによって得られるものである。したがって、本発明における「露光により酸を発生するアニオン部位」は、重合開始剤に由来する残基であり、構成単位を誘導するモノマーに由来する構造ではない。また、該重合体(P)において「主鎖の少なくとも一方の末端」とは、分子鎖の一端に重合開始剤に由来する残基が結合している部位を意味し、主鎖から枝分かれした側鎖の末端(すなわち、構成単位を形成する構造の末端)とは明確に異なる。
(アニオン部位)
「露光により酸を発生するアニオン部位」としては、化学増幅型レジスト組成物において一般にベース樹脂と共に用いられる、露光により酸を発生する酸発生剤成分であるスルホニウム塩又はヨードニウム塩におけるイオン性の構造部位が好ましい。また、露光により発生する酸アニオンとしては、スルホン酸アニオン、カルボン酸アニオン、スルホニルイミドアニオン、ビス(アルキルスルホニル)イミドアニオン、トリス(アルキルスルホニル)メチドアニオンが好ましい。これらの酸アニオンは、露光により重合体(P)の主鎖末端から発生する。
なかでも、該アニオン部位は、下記一般式(an1)で表される基を有することが好ましい。
Figure 2013068904
[式中、Rf1及びRf2はそれぞれ独立に水素原子、アルキル基、フッ素原子、又はフッ素化アルキル基である。rは0〜8の整数である。]
前記式(an1)中、Rf1、Rf2のアルキル基としては、炭素数1〜5のアルキル基が好ましく、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基等が挙げられる。
f1、Rf2のフッ素化アルキル基としては、前記Rf1、Rf2のアルキル基の水素原子の一部又は全部がフッ素原子で置換された基が好ましい。
f1、Rf2としては、フッ素原子又はフッ素化アルキル基であることが好ましい。
前記式(an1)中、rは1〜4の整数であることが好ましく、1又は2であることがより好ましい。
重合体(P)においては、主鎖の少なくとも一方の末端に下記一般式(I−1)で表される基(以下この基を「末端基(I−1)」ともいう。)を有することが好ましい。
末端基(I−1)を有することで、本発明の重合体は、露光により酸を発生する酸発生能を有する。すなわち、末端基(I−1)においては、末端にスルホニウム塩部位を有することにより、露光によりスルホン酸が発生する。
Figure 2013068904
[式中、Rは炭素数1〜10の炭化水素基であり、Zは炭素数1〜10の炭化水素基又はシアノ基であり、RとZとは相互に結合して環を形成していてもよい。Xは2価の連結基であって、−O−C(=O)−、−NH−C(=O)−、及び−NH−C(=NH)−のいずれかを、少なくとも式中のQと接する末端に有する。pは1〜3の整数である。Qは(p+1)価の炭化水素基であり、pが1の場合のみ、Qは単結合であってもよい。Rは単結合、置換基を有していてもよいアルキレン基、又は置換基を有していてもよい芳香族基であり、qは0又は1であり、rは0〜8の整数であり、Mは有機カチオンである。]
前記式(I−1)中、Rは、炭素数1〜10の炭化水素基である。炭素数1〜10の炭化水素基としては、脂肪族炭化水素基であってもよく、芳香族炭化水素基であってもよいが、脂肪族炭化水素基であることが好ましく、1価の脂肪族飽和炭化水素基(アルキル基)であることがより好ましい。
前記アルキル基として、より具体的には、直鎖状または分岐鎖状のアルキル基、構造中に環を含む脂肪族炭化水素基等が挙げられる。
直鎖状のアルキル基は、炭素数が1〜8が好ましく、1〜5がより好ましく、1〜2が最も好ましい。具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基等が挙げられる。これらの中でも、メチル基、エチル基またはn−ブチル基が好ましく、メチル基又はエチル基が特に好ましい。
該分岐鎖状のアルキル基は、炭素数が3〜5が好ましい。具体的には、イソプロピル基、イソブチル基、tert−ブチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基等が挙げられ、イソプロピル基又はtert−ブチル基であることが最も好ましい。
構造中に環を含む脂肪族炭化水素基としては、環状の脂肪族炭化水素基(脂肪族炭化水素環から水素原子を1個除いた基)、該環状の脂肪族炭化水素基が前述した鎖状の脂肪族炭化水素基の末端に結合するか、又は鎖状の脂肪族炭化水素基の途中に介在する基などが挙げられる。
環状の脂肪族炭化水素基は、炭素数が3〜8であることが好ましく、4〜6であることがより好ましい。具体的には、シクロペンタン、シクロヘキサン等のモノシクロアルカンから1つ以上の水素原子を除いた基が挙げられる。
環状の脂肪族炭化水素基は、置換基を有していてもよいし、有していなくてもよい。置換基としては、炭素数1〜5のアルキル基、フッ素原子、炭素数1〜5のフッ素化アルキル基、酸素原子(=O)等が挙げられる。
前記式(I−1)中、Zは、炭素数1〜10の炭化水素基又はシアノ基(−CN)である。
Zの炭素数1〜10の炭化水素基としては、上記Rの炭素数1〜10の炭化水素基と同様のものが挙げられる。
また、RとZとは、相互に結合して環を形成していてもよい。具体的には、RとZとが、それぞれ独立に直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基であって、Rの末端とZの末端とが相互に結合して環を形成していてもよい。形成する環としては、炭素数3〜8の環が好ましく、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン又はシクロオクタンが特に好ましい。
なかでも、本発明におけるR、Zとしては、メチル基とメチル基との組み合わせ、エチル基とエチル基との組み合わせ、メチル基とシアノ基との組み合わせ、エチル基とシアノ基との組み合わせ、相互に結合して形成したシクロペンタンから2つの炭素原子を除いた基が好ましく、Rがメチル基であり、Zがシアノ基であることが特に好ましい。
前記式(I−1)中、Xは2価の連結基であって、−O−C(=O)−、−NH−C(=O)−、及び−NH−C(=NH)−のいずれかを、少なくとも式中のQと接する末端に有する。式中のQと接する末端とは、Qが単結合の場合は、式(I−1)中の−(C(=O)−O)−、R、−CF−又はSO と接する末端を意味する。Xの2価の連結基は、−O−C(=O)−、−NH−C(=O)−、及び−NH−C(=NH)−のいずれかのみからなるものであってもよい。また、Xは、式中のQと接する末端以外にも、−O−C(=O)−、−NH−C(=O)−、又は−NH−C(=NH)−を有していてもよい。
Xの2価の連結基としては、−O−C(=O)−、−NH−C(=O)−、又は−NH−C(=NH)−のみからなるもの;置換基を有していていもよい2価の炭化水素基、又はへテロ原子を含む2価の連結基と、−O−C(=O)−、−NH−C(=O)−、もしくは−NH−C(=NH)−との組み合わせからなるものが好適に挙げられる。
・置換基を有していてもよい2価の炭化水素基
本発明において炭化水素基が「置換基を有する」とは、該炭化水素基における水素原子の一部または全部が、水素原子以外の基または原子で置換されていることを意味する。
Xにおける、置換基を有していてもよい2価の炭化水素基としては、脂肪族炭化水素基であってもよく、芳香族炭化水素基であってもよい。脂肪族炭化水素基は、芳香族性を持たない炭化水素基を意味する。
該脂肪族炭化水素基は、飽和であってもよく、不飽和であってもよく、通常は飽和であることが好ましい。
2価の炭化水素基における、前記脂肪族炭化水素基として、より具体的には、直鎖状または分岐鎖状の脂肪族炭化水素基、構造中に環を含む脂肪族炭化水素基等が挙げられる。
直鎖状または分岐鎖状の脂肪族炭化水素基は、炭素数が1〜10であることが好ましく、1〜8がより好ましく、1〜5がさらに好ましく、1〜2が最も好ましい。
直鎖状の脂肪族炭化水素基としては、直鎖状のアルキレン基が好ましく、具体的には、メチレン基[−CH−]、エチレン基[−(CH−]、トリメチレン基[−(CH−]、テトラメチレン基[−(CH−]、ペンタメチレン基[−(CH−]等が挙げられる。
分岐鎖状の脂肪族炭化水素基としては、分岐鎖状のアルキレン基が好ましく、具体的には、−CH(CH)−、−CH(CHCH)−、−C(CH−、−C(CH)(CHCH)−、−C(CH)(CHCHCH)−、−C(CHCH−等のアルキルメチレン基;−CH(CH)CH−、−CH(CH)CH(CH)−、−C(CHCH−、−CH(CHCH)CH−、−C(CHCH−CH−等のアルキルエチレン基;−CH(CH)CHCH−、−CHCH(CH)CH−等のアルキルトリメチレン基;−CH(CH)CHCHCH−、−CHCH(CH)CHCH−等のアルキルテトラメチレン基などのアルキルアルキレン基等が挙げられる。アルキルアルキレン基におけるアルキル基としては、炭素数1〜5の直鎖状のアルキル基が好ましい。
鎖状の脂肪族炭化水素基は、置換基を有していてもよく、有していなくてもよい。該置換基としては、フッ素原子、炭素数1〜5のフッ素化アルキル基、酸素原子(=O)等が挙げられる。
構造中に環を含む脂肪族炭化水素基としては、環状の脂肪族炭化水素基(脂肪族炭化水素環から水素原子を2個除いた基)、該環状の脂肪族炭化水素基が前述した鎖状の脂肪族炭化水素基の末端に結合するか又は鎖状の脂肪族炭化水素基の途中に介在する基などが挙げられる。
環状の脂肪族炭化水素基は、炭素数が3〜20であることが好ましく、3〜12であることがより好ましい。
環状の脂肪族炭化水素基は、多環式基であってもよく、単環式基であってもよい。単環式基としては、炭素数3〜6のモノシクロアルカンから2個の水素原子を除いた基が好ましく、該モノシクロアルカンとしてはシクロペンタン、シクロヘキサン等が例示できる。多環式基としては、炭素数7〜12のポリシクロアルカンから2個の水素原子を除いた基が好ましく、該ポリシクロアルカンとして具体的には、アダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカン等が挙げられる。
環状の脂肪族炭化水素基は、置換基を有していてもよいし、有していなくてもよい。置換基としては、炭素数1〜5のアルキル基、フッ素原子、炭素数1〜5のフッ素化アルキル基、酸素原子(=O)等が挙げられる。
2価の炭化水素基における、前記芳香族炭化水素基としては、例えば、フェニル基、ビフェニル(biphenyl)基、フルオレニル(fluorenyl)基、ナフチル基、アントリル(anthryl)基、フェナントリル基等の、1価の芳香族炭化水素基の芳香族炭化水素の核から水素原子をさらに1つ除いた2価の芳香族炭化水素基;当該2価の芳香族炭化水素基の環を構成する炭素原子の一部が酸素原子、硫黄原子、窒素原子等のヘテロ原子で置換された芳香族炭化水素基;ベンジル基、フェネチル基、1−ナフチルメチル基、2−ナフチルメチル基、1−ナフチルエチル基、2−ナフチルエチル基等のアリールアルキル基等で、かつ、その芳香族炭化水素の核から水素原子をさらに1つ除いた芳香族炭化水素基等が挙げられる。
芳香族炭化水素基は、置換基を有していてもよいし、有していなくてもよい。置換基としては、炭素数1〜5のアルキル基、フッ素原子、炭素数1〜5のフッ素化アルキル基、酸素原子(=O)等が挙げられる。
・へテロ原子を含む2価の連結基
Xにおける、ヘテロ原子を含む2価の連結基としては、−O−、−C(=O)−O−、−C(=O)−、−O−C(=O)−O−、−C(=O)−NH−、−NH−、−NH−C(=NH)−(Hはアルキル基、アシル基等の置換基で置換されていてもよい。)、−S−、−S(=O)−、−S(=O)−O−、「−A−O(酸素原子)−B−(ただし、AおよびBはそれぞれ独立して置換基を有していてもよい2価の炭化水素基である。)」、または、置換基を有していてもよい2価の炭化水素基とヘテロ原子を含む2価の連結基との組み合わせ等が挙げられる。置換基を有していてもよい2価の炭化水素基としては、上述した置換基を有していてもよい2価の炭化水素基と同様のものが挙げられ、直鎖状、分岐鎖状、又は構造中に環を含む脂肪族炭化水素基が好ましい。
上記−NH−の場合における置換基(アルキル基、アシル基等)の炭素数としては1〜10であることが好ましく、炭素数1〜8であることがさらに好ましく、炭素数1〜5であることが特に好ましい。
上記「A−O−B」である場合、AおよびBは、それぞれ独立して、置換基を有していてもよい2価の炭化水素基である。
Aにおける炭化水素基は、脂肪族炭化水素基であってもよく、芳香族炭化水素基であってもよい。脂肪族炭化水素基は、芳香族性を持たない炭化水素基を意味する。
Aにおける脂肪族炭化水素基は、飽和であってもよく、不飽和であってもよく、通常は飽和であることが好ましい。
Aにおける脂肪族炭化水素基として、より具体的には、直鎖状または分岐鎖状の脂肪族炭化水素基、構造中に環を含む脂肪族炭化水素基等が挙げられる。これらは上記同様である。
なかでもAとしては、直鎖状の脂肪族炭化水素基が好ましく、直鎖状のアルキレン基がより好ましく、炭素数2〜5の直鎖状のアルキレン基がさらに好ましく、エチレン基が最も好ましい。
Bにおける炭化水素基としては、前記Aで挙げたものと同様の2価の炭化水素基が挙げられる。
Bとしては、直鎖状または分岐鎖状の脂肪族炭化水素基が好ましく、メチレン基またはアルキルメチレン基が特に好ましい。
アルキルメチレン基におけるアルキル基は、炭素数1〜5の直鎖状のアルキル基が好ましく、炭素数1〜3の直鎖状のアルキル基がより好ましく、メチル基が最も好ましい。
Xが−O−C(=O)−、−NH−C(=O)−、及び−NH−C(=NH)−のいずれかのみからなる場合、Xとしては、−O−C(=O)−又は−NH−C(=O)−であることが好ましい。このとき、−O−C(=O)−中の炭素原子(C)、又は−NH−C(=O)−中の炭素原子(C)が、R及びZと結合した炭素原子と直接結合することが好ましい。
また、Xが上述したような2価の基と、−O−C(=O)−、−NH−C(=O)−、及び−NH−C(=NH)−のいずれかとの組み合わせである場合、Xとしては、炭素数1〜5の直鎖状又は分岐鎖状の脂肪族炭化水素基、又はヘテロ原子を含む2価の連結基と、−O−C(=O)−、−NH−C(=O)−、及び−NH−C(=NH)−のいずれかとの組み合わせであることが好ましく;メチレン基、エチレン基、及び−NH−を含む2価の連結基から選ばれる1つ以上の連結基と、−O−C(=O)−、−NH−C(=O)−、及び−NH−C(=NH)−のいずれかとの組み合わせであることがより好ましく;エチレン基、−O−C(=O)−、及び−NH−C(=O)−から選ばれる2つ以上の基の組み合わせであることが特に好ましい。
前記式(I−1)中、pは1〜3の整数であり、1であることが好ましい。
pを2又は3とした場合は、重合体(P)中の、酸として機能・発生し得るスルホン酸部位(SO )の割合が高まり、酸発生能が向上する。
前記式(I−1)中、Qは(p+1)価の炭化水素基であって、pが1の場合のみ、Qは単結合であってもよい。
pが1の場合、Qは、単結合又は2価の炭化水素基となる。2価の炭化水素基としては、上記Xで挙げた「置換基を有していてもよい2価の炭化水素基」のうち、置換基を有しないものと同様のものが挙げられる。なかでもpが1の場合のQとしては、単結合、又は2価の脂肪族炭化水素基であることが好ましく、単結合、又は鎖状若しくは分岐鎖状のアルキレン基がより好ましく、単結合、又はメチレン基若しくはエチレン基がさらに好ましく、単結合又はエチレン基が特に好ましい。
また、pが2の場合、Qは3価の炭化水素基となり、pが3の場合、Qは4価の炭化水素基となる。3価又は4価の炭化水素基としては、上記Xで挙げた「置換基を有していてもよい2価の炭化水素基」のうち、置換基を有しない2価の炭化水素基からさらに水素原子を1つ又は2つ除いたものが挙げられ、なかでも3価又は4価の脂肪族炭化水素基であることが好ましい。
Qが(p+1)価の炭化水素基の場合の具体例を以下に示す。
Figure 2013068904
Figure 2013068904
前記式(I−1)中、qは0又は1である。qが0の場合とは、式中の−(C(=O)−O)−が単結合であることを意味する。
qとしては、上述したXの2価の連結基が−O−C(=O)−を有しない場合には1であることが好ましく、上述したXの2価の連結基が−O−C(=O)−を有する場合には0であることが好ましい。
前記式(I−1)中、Rは、単結合、置換基を有していてもよいアルキレン基、又は置換基を有していてもよい芳香族基である。
のアルキレン基は、鎖状であっても環状であってもよい。このようなアルキレン基としては、上述したXの置換基を有していてもよい2価の炭化水素基における「直鎖状または分岐鎖状の脂肪族炭化水素基」、「構造中に環を含む脂肪族炭化水素基」と同様のものが挙げられる。なかでも、Rのアルキレン基としては、炭素数1〜10の直鎖状のアルキレン基が好ましく、メチレン基又はエチレン基がより好ましい。
の置換基を有していてもよい芳香族基は、芳香族炭化水素基であってもよく、環構造に炭素原子以外の原子を含む芳香族基(複素環化合物)であってもよい。
芳香族炭化水素基としては、上述したXの置換基を有していてもよい2価の炭化水素基における「芳香族炭化水素基」と同様のものが挙げられる。Rの芳香族炭化水素基としては、フェニル基又はナフチル基からさらに水素原子を1つ以上除いた基が好ましい。Rの芳香族炭化水素基は、その水素原子の一部又は全部が炭素数1〜5のアルキル基、フッ素原子、炭素数1〜5のフッ素化アルキル基、酸素原子(=O)等で置換されていてもよく、なかでも、フッ素原子で置換されていることが好ましい。
環構造に炭素原子以外の原子を含む芳香族基としては、キノリン、ピリジン、オキソール、イミダゾール等の複素環から水素原子を2つ以上除いた基が好ましい。
なかでもRとしては、単結合又は置換基を有していてもよい芳香族基であることが好ましい。
前記式(I−1)中、rは0〜8の整数である。rが0の場合とは、式中の−(CF−が単結合であることを意味する。
rとしては、上述したRが単結合又は置換基を有していてもよいアルキレン基である場合には1〜8の整数であることが好ましく、より好ましくは1〜4の整数、さらに好ましくは1又は2であり、上述したRが置換基を有していてもよい芳香族基である場合には0であることが好ましい。
以下に、一般式(I−1)で表される基の好適な具体例を示す。
Figure 2013068904
[式中、R、Z、Q、p、Mは前記のものと同じ意味である。X01は単結合又は置換基を有していてもよいアルキレン基であり、R21は単結合又は置換基を有していてもよいアルキレン基であり、X02は置換基を有していてもよいアルキレン基であり、R22は置換基を有していてもよい芳香族基である。]
式(I−1−1)〜(I−1−5)中、R、Z、Q、p、Mは、前記式(I−1)におけるR、Z、Q、p、Mとそれぞれ同様である。
式(I−1−1)〜(I−1−5)中、X01は、単結合又は置換基を有していてもよいアルキレン基である。置換基を有していてもよいアルキレン基としては、上述したXの置換基を有していてもよい2価の炭化水素基における「直鎖状または分岐鎖状の脂肪族炭化水素基」、「構造中に環を含む脂肪族炭化水素基」と同様のものが挙げられる。X01としては、単結合又はエチレン基が特に好ましい。
式(I−1−1)〜(I−1−3)中、R21は、単結合又は置換基を有していてもよいアルキレン基である。R21の置換基を有していてもよいアルキレン基は、前記式(I−1)におけるRの置換基を有していてもよいアルキレン基と同様である。R21としては、単結合又はメチレン基が特に好ましい。
式(I−1−3)中、X02は置換基を有していてもよいアルキレン基であって、前記式(I−1)におけるXの置換基を有していてもよい2価の炭化水素基における「直鎖状または分岐鎖状の脂肪族炭化水素基」、「構造中に環を含む脂肪族炭化水素基」と同様のものが挙げられる。X02としては、エチレン基が特に好ましい。
式(I−1−4)、(I−1−5)中、R22は、置換基を有していてもよい芳香族基である。R22の置換基を有していてもよい芳香族基は、前記式(I−1)におけるRの置換基を有していてもよい芳香族基と同様である。R22としては、フェニル基若しくはナフチル基から水素原子を1つ以上除いた基、又は、キノリンから水素原子を2つ以上除いた基が特に好ましい。
前記式(I−1)中、Mは有機カチオンである。
の有機カチオンは、特に限定されるものではなく、例えば、従来、レジスト組成物のクエンチャーに用いられる光分解性塩基や、レジスト組成物のオニウム系酸発生剤等のカチオン部として知られている有機カチオンを用いることができる。
の有機カチオンとして例えば、下記一般式(c−1)や(c−2)で表されるカチオンを用いることができる。
Figure 2013068904
[式中、R”〜R”,R”〜R”は、それぞれ独立に、アリール基またはアルキル基を表し;式(c−1)におけるR”〜R”のうち、いずれか2つが相互に結合して式中のイオウ原子と共に環を形成してもよい。]
前記式(c−1)中、R”〜R”は、それぞれ独立に、アリール基またはアルキル基を表す。なお、式(c−1)におけるR”〜R”のうち、いずれか2つが相互に結合して式中のイオウ原子と共に環を形成してもよい。
また、R”〜R”のうち、少なくとも1つはアリール基を表すことが好ましい。R”〜R”のうち、2以上がアリール基であることがより好ましく、R”〜R”のすべてが、アリール基であることが最も好ましい。
”〜R”のアリール基としては、特に制限はなく、例えば、炭素数6〜20のアリール基であって、該アリール基は、その水素原子の一部または全部がアルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、水酸基等の置換基(原子、原子団)で置換されていてもよく、されていなくてもよい。
アリール基としては、安価に合成可能なことから、炭素数6〜10のアリール基が好ましい。具体的には、たとえばフェニル基、ナフチル基が挙げられる。
前記アリール基の水素原子が置換されていてもよいアルキル基としては、炭素数1〜5のアルキル基が好ましく、メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、tert−ブチル基であることが最も好ましい。
前記アリール基の水素原子が置換されていてもよいアルコキシ基としては、炭素数1〜5のアルコキシ基が好ましく、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、iso−プロポキシ基、n−ブトキシ基、tert−ブトキシ基が好ましく、メトキシ基、エトキシ基が最も好ましい。
前記アリール基の水素原子が置換されていてもよいハロゲン原子としては、フッ素原子が好ましい。
”〜R”のアルキル基としては、特に制限はなく、例えば炭素数1〜10の直鎖状、分岐鎖状または環状のアルキル基等が挙げられる。解像性に優れる点から、炭素数1〜5であることが好ましい。具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、n−ペンチル基、シクロペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、ノニル基、デシル基等が挙げられ、解像性に優れ、また安価に合成可能なことから好ましいものとして、メチル基を挙げることができる。
式(c−1)におけるR”〜R”のうち、いずれか2つが相互に結合して式中のイオウ原子と共に環を形成する場合、イオウ原子を含めて3〜10員環を形成していることが好ましく、5〜7員環を形成していることが特に好ましい。
式(c−1)におけるR”〜R”のうち、いずれか2つが相互に結合して式中のイオウ原子と共に環を形成する場合、残りの1つは、アリール基であることが好ましい。前記アリール基は、前記R”〜R”のアリール基と同様のものが挙げられる。
前記式(c−2)中、R”〜R”は、それぞれ独立にアリール基またはアルキル基を表す。R”〜R”のうち、少なくとも1つはアリール基を表す。R”〜R”のすべてが、アリール基であることが好ましい。
”〜R”のアリール基としては、R”〜R”のアリール基と同様のものが挙げられる。
”〜R”のアルキル基としては、R”〜R”のアルキル基と同様のものが挙げられる。
これらの中で、R”〜R”は、すべてフェニル基であることが最も好ましい。
式(c−1)又は式(c−2)で表されるカチオン部の好ましいものとしては、下記の式(c−1−1)〜(c−1−31)、式(c−2−1)で表されるカチオンが挙げられる。
Figure 2013068904
Figure 2013068904
Figure 2013068904
前記式(c−1−18)、(c−1−19)中、R50は、酸解離性溶解抑制基を含む基であり、後述する式(p1)、(p1−1)若しくは(p2)で表される基、又は、−R91−C(=O)−O−の酸素原子に、前述した式(1−1)〜(1−9)若しくは(2−1)〜(2−6)で表される基が結合した基であることが好ましい。ここで、R91は、単結合又は直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキレン基であり、該アルキレン基としては、炭素数1〜5であることが好ましい。
前記式(c−1−20)中、Wは、2価の連結基であり、前記式(I−1)中のXの2価の連結基と同様のものが挙げられ、なかでも、直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキレン基、2価の脂肪族環式基、又はヘテロ原子を含む2価の連結基であることが好ましく、直鎖状又は分岐鎖状のアルキレン基であることがより好ましく、直鎖状のアルキレン基であることがさらに好ましい。
前記式(c−1−21)中、Rはフッ素化アルキル基であり、無置換のアルキル基の水素原子の一部又は全部がフッ素原子で置換された基である。該無置換のアルキル基としては、直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基が好ましく、直鎖状のアルキル基がより好ましい。
前記式(c−1−22)中、Qは2価の連結基であり、R51はカルボニル基、エステル結合、又はスルホニル基を有する有機基である。
Qの2価の連結基としては、前記式(I−1)中のXの2価の連結基と同様のものが挙げられ、アルキレン基、エステル結合を含む2価の連結基であることが好ましく、なかでも、アルキレン基、−R96−C(=O)−O−R97−[R96、R97はそれぞれ独立にアルキレン基である。]であることがより好ましい。
51はカルボニル基、エステル結合、又はスルホニル基を有する有機基であって、有機基としては、芳香族炭化水素基であっても脂肪族炭化水素基であってもよい。芳香族炭化水素基、脂肪族炭化水素基としては、後述するXと同様のものが挙げられる。なかでも、R51のカルボニル基、エステル結合、又はスルホニル基を有する有機基としては、脂肪族炭化水素基が好ましく、その中でも嵩高い脂肪族炭化水素基であることがより好ましく、環状の飽和炭化水素基であることがさらに好ましい。R51の好ましいものとしては、後述する(L1)〜(L6)、(S1)〜(S4)で表される基、後述するXと同様の基、単環式基又は多環式基に結合した水素原子が酸素原子(=O)で置換された基等が挙げられる。
前記式(c−1−23)、(c−1−24)中、R52は、酸解離性基ではない炭素数4〜10のアルキル基である。R52としては、直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基が好ましく、直鎖状のアルキル基がより好ましい。
前記式(c−1−25)中、R53は塩基解離性部位を有する2価の基であり、R54は2価の連結基であり、R55は酸解離性基を有する基である。
ここで、R53の塩基解離性部位とは、アルカリ現像液(具体的には、23℃において、2.38質量%のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液)の作用により解離する部位のことを指す。該塩基解離性部位が解離することにより、アルカリ現像液に対する溶解性が増大する。アルカリ現像液としては、一般的にリソグラフィー分野において用いられているものであってよい。塩基解離性部位は、23℃で、2.38質量%のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液の作用により解離することが好ましい。
また、R53は、塩基解離性部位だけで構成された基であってもよく、塩基解離性部位と、塩基で解離しない基または原子とが結合して構成された基であってもよい。
53が有する塩基解離性部位としては、エステル結合(−C(=O)−O−)が最も好ましい。
53が有する、塩基で解離しない基または原子としては、たとえば、前記式(I−1)中のXの2価の連結基と同様のものや、これら連結基の組み合わせ(ただし、塩基で解離するものを除く)が挙げられる。ここで「連結基の組み合わせ」とは、連結基同士が結合して構成された2価の基のことを指す。なかでも、アルキレン基と、ヘテロ原子を含む2価の連結基との組み合わせが好ましい。ただし、ヘテロ原子は、塩基解離性部位のうち塩基の作用で結合が切断される原子には隣接しないことが好ましい。
前記アルキレン基は、前記式(I−1)中のXの説明中の直鎖状または分岐鎖状のアルキレン基と同様である。
また、前記ヘテロ原子は、酸素原子であることが特に好ましい。
上記の中でも、R53は、塩基解離性部位と、塩基で解離しない基または原子とが結合して構成された基であることが好ましい。
54は2価の連結基であり、前記式(I−1)中のXの2価の連結基と同様のものが挙げられる。なかでもアルキレン基または2価の脂肪族環式基が好ましく、アルキレン基が特に好ましい。
55は酸解離性基を有する基である。
ここで、酸解離性基とは、酸の作用により解離し得る有機基であり、このようなものであれば特に限定されないが、例えば、これまで、化学増幅型レジスト用のベース樹脂の酸解離性溶解抑制基として提案されているものが挙げられる。具体的には、後述する構成単位(a1)において挙げる酸解離性溶解抑制基と同様であり、環状または鎖状の第3級アルキルエステル型酸解離性基;アルコキシアルキル基等のアセタール型酸解離性基などが挙げられ、これらの中でも、第3級アルキルエステル型酸解離性基が好ましい。
また、酸解離性基を有する基は、酸解離性基そのものであってもよく、酸解離性基と、酸で解離しない基または原子(酸解離性基が解離した後も酸発生剤に結合したままの基または原子)とが結合して構成された基であってもよい。ここで、酸で解離しない基または原子としては、前記式(I−1)中のXの2価の連結基と同様のものが挙げられる。
前記式(c−1−26)中、Wは単結合または2価の連結基であり、tは0又は1であり、R65は酸によって解離しない基(以下「酸非解離性基」という。)である。
の2価の連結基としては、前記式(I−1)中のXの2価の連結基と同様のものが挙げられる。なかでもWとしては、単結合であることが好ましい。
tは、0であることが好ましい。
65の酸非解離性基としては、酸の作用により解離しない基であれば特に限定されないが、酸によって解離しない、置換基を有していてもよい炭化水素基であることが好ましく、置換基を有していてもよい環式炭化水素基であることがより好ましく、アダマンタンから1個の水素原子を除いた基であることがさらに好ましい。
前記の式(c−1−27)、式(c−1−28)中、R、R10は、それぞれ独立に、置換基を有していてもよいフェニル基、ナフチル基または炭素数1〜5のアルキル基、アルコキシ基、水酸基であり、uは1〜3の整数であり、1または2が最も好ましい。
前記式(c−1−29)中、Y10は、置換基を有していてもよい炭素数5以上の環状の炭化水素基であって酸の作用により解離し得る酸解離性基を表し;R56およびR57はそれぞれ独立して水素原子、アルキル基又はアリール基を表し、R56とR57とは互いに結合して環を形成してもよく;Y11およびY12はそれぞれ独立してアルキル基又はアリール基を表し、Y11とY12とは互いに結合して環を形成してもよい。
10は、置換基を有していてもよい炭素数5以上の環状の炭化水素基であって酸の作用により解離し得る酸解離性基を表す。Y10が炭素数5以上の環状の炭化水素基であって酸の作用により解離し得る酸解離性基であることにより、解像性、LWR、露光余裕度(ELマージン)、レジストパターン形状などのリソグラフィー特性が良好なものとなる。
10としては、−C(R56)(R57)−C(=O)−O−と環状の第3級アルキルエステルを形成する基が挙げられる。
ここでいう「第3級アルキルエステル」とは、−C(R56)(R57)−C(=O)−O−の末端の酸素原子に、炭素数5以上の環状の炭化水素基における第3級炭素原子が結合している構造を示す。この第3級アルキルエステルにおいては、酸が作用すると、当該酸素原子と当該第3級炭素原子との間で結合が切断される。
なお、前記環状の炭化水素基は置換基を有していてもよく、この置換基中の炭素原子は「炭素数5以上」の炭素数には含まない。
「脂肪族環式基」は、芳香族性を持たない単環式基又は多環式基が挙げられ、多環式基であることが好ましい。
かかる「脂肪族環式基」は、置換基を有していてもよいし、有していなくてもよい。置換基としては、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数1〜5のアルコキシ基、フッ素原子、炭素数1〜5のフッ素化アルキル基、酸素原子(=O)等が挙げられる。
脂肪族環式基としては、例えば、炭素数1〜5のアルキル基、フッ素原子又はフッ素化アルキル基で置換されていてもよいし、されていなくてもよいモノシクロアルカン;ビシクロアルカン、トリシクロアルカン、テトラシクロアルカン等のポリシクロアルカンから2個以上の水素原子を除いた基などが挙げられる。より具体的には、シクロペンタン、シクロヘキサン等のモノシクロアルカンや、アダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカンなどのポリシクロアルカンから2個以上の水素原子を除いた基などが挙げられる。
56およびR57は、それぞれ独立して水素原子、アルキル基又はアリール基を表す。
56およびR57のアルキル基又はアリール基は、それぞれ、前記R”〜R”のアルキル基又はアリール基と同様のものが挙げられる。また、R56とR57とは、前記R”〜R”と同様に、互いに結合して環を形成してもよい
上記の中でも、R56およびR57は、いずれも水素原子であることが特に好ましい。
11およびY12は、それぞれ独立してアルキル基又はアリール基を表す。
11およびY12におけるアルキル基又はアリール基は、それぞれ、前記R”〜R”におけるアルキル基又はアリール基と同様のものが挙げられる。
これらの中で、Y11およびY12は、それぞれ、フェニル基またはナフチル基であることが特に好ましい。また、Y11とY12とは、前記R”〜R”と同様に、互いに結合して環を形成してもよい。
前記式(c−1−30)中、R58は、脂肪族環式基であり;R59は、単結合または置換基を有していてもよいアルキレン基であり;R60は、置換基を有していてもよいアリーレン基であり;R66は、置換基を有していてもよい炭素数4または5のアルキレン基である。
58の脂肪族環式基としては、単環式基であってもよく、多環式基であってもよいが、多環式基であることが好ましく、ポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基が好ましく、アダマンタンから1個以上の水素原子を除いた基が最も好ましい。
59の置換基を有していてもよいアルキレン基としては、直鎖状または分岐鎖状のアルキレン基が好ましく、なかでも、単結合、または炭素数1〜3のアルキレン基が好ましい。
60のアリーレン基としては、炭素数6〜20が好ましく、6〜14がより好ましく、炭素数6〜10がさらに好ましい。このようなアリーレン基としては、たとえば、フェニレン基、ビフェニレン基、フルオレニレン基、ナフチレン基、アントリレン基、フェナントリレン基が挙げられ、安価に合成可能なことから、フェニレン基、ナフチレン基が好ましい。
前記式(c−1−31)中、R01はアリーレン基またはアルキレン基であり、R02、R03はそれぞれ独立にアリール基またはアルキル基であり、R02、R03は相互に結合して式中のイオウ原子と共に環を形成していてもよく、R01〜R03のうち少なくとも1つは、アリーレン基またはアリール基であり、Wはn”価の連結基であり、n”は2または3である。
01のアリーレン基としては、特に制限はなく、例えば、炭素数6〜20のアリーレン基であって、該アリーレン基は、その水素原子の一部または全部が、置換されていてもよいものが挙げられ、R01のアルキレン基としては、特に制限はなく、例えば炭素数1〜10の直鎖状、分岐鎖状または環状のアルキレン基等が挙げられる。
02、R03のアリール基としては、特に制限はなく、例えば、炭素数6〜20のアリール基であって、該アリール基は、その水素原子の一部または全部が、置換されていてもよいものが挙げられ、R02、R03のアルキル基としては、特に制限はなく、例えば炭素数1〜10の直鎖状、分岐鎖状または環状のアルキル基等が挙げられる。
の2価の連結基としては、上記Y22の2価の連結基と同様のものが挙げられ、直鎖状、分岐鎖状、環状のいずれであってもよく、環状であることが好ましい。なかでも、アリーレン基の両端に2個のカルボニル基が組み合わさった基が好ましい。
の3価の連結基としては、アリーレン基に3個のカルボニル基が組み合わさった基が好ましい。
また、Mの有機カチオンとしては、下記一般式(c−3)で表される有機カチオンも挙げられる。
Figure 2013068904
[式中、R44〜R46はそれぞれ独立してアルキル基、アセチル基、アルコキシ基、カルボキシ基、水酸基またはヒドロキシアルキル基であり;n〜nはそれぞれ独立して0〜3の整数であり、nは0〜2の整数である。]
44〜R46において、アルキル基は、炭素数1〜5のアルキル基が好ましく、なかでも直鎖または分岐鎖状のアルキル基がより好ましく、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、又はtert−ブチル基であることが特に好ましい。
アルコキシ基は、炭素数1〜5のアルコキシ基が好ましく、なかでも直鎖または分岐鎖状のアルコキシ基がより好ましく、メトキシ基、エトキシ基が特に好ましい。
ヒドロキシアルキル基は、上記アルキル基中の一個又は複数個の水素原子がヒドロキシ基に置換した基が好ましく、ヒドロキシメチル基、ヒドロキシエチル基、ヒドロキシプロピル基等が挙げられる。
44〜R46に付された符号n〜nが2以上の整数である場合、複数のR44〜R46はそれぞれ同じであってもよく、異なっていてもよい。
は、好ましくは0〜2であり、より好ましくは0又は1である。
は、好ましくは0又は1であり、より好ましくは0である。
は、好ましくは0又は1であり、より好ましくは1である。
(質量平均分子量)
重合体(P)の質量平均分子量(Mw)は20000以下であり、3000〜20000であることが好ましく、4000〜17000であることがより好ましく、5000〜14000であることが特に好ましい。
重合体(P)の質量平均分子量が20000以下であることにより、感度、露光余裕度、マスク再現性、ラフネス低減等のリソグラフィー特性及びパターン形状に優れる。また、レジストとして用いるのに充分なレジスト溶剤への溶解性を有する。一方、重合体(P)の質量平均分子量が下限値以上であると、樹脂の軟化点を充分に確保できるため、より良好なリソグラフィー特性が得られやすくなる。また、耐ドライエッチング性やレジストパターン断面形状が良好である。
ここで、重合体(P)の質量平均分子量としては、前述のように、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)によるポリスチレン換算の質量平均分子量を用いるものとする。
重合体(P)の分散度(Mw/Mn)は、1.0〜5.0が好ましく、1.0〜3.0がより好ましく、1.0〜2.5が最も好ましい。なお、Mnは数平均分子量を示す。
重合体(P)の分散度が前記範囲であると、より良好なリソグラフィー特性が得られやすくなる。
重合体(P)の製造方法は、後述する≪重合体≫のなかで例示する製造方法と同様である。
本発明のレジスト組成物がアルカリ現像プロセスにおいてネガ型パターンを形成する「アルカリ現像プロセス用ネガ型レジスト組成物」である場合、(A)成分としてはアルカリ現像液に可溶性の基材成分が用いられ、さらに、架橋剤成分が配合される。
かかるアルカリ現像プロセス用ネガ型レジスト組成物は、露光により(A)成分が含有する重合体(P)等から酸が発生すると、当該酸が作用して(A)成分と架橋剤成分との間で架橋が起こり、アルカリ現像液に対して難溶性へ変化する。そのため、レジストパターンの形成において、当該ネガ型レジスト組成物を支持体上に塗布して得られるレジスト膜を選択的に露光すると、露光部はアルカリ現像液に対して難溶性へ転じる一方で、未露光部はアルカリ現像液に対して可溶性のまま変化しないため、アルカリ現像することによりレジストパターンが形成できる。
アルカリ現像プロセス用ネガ型レジスト組成物の(A)成分としては、通常、アルカリ現像液に対して可溶性の樹脂(以下「アルカリ可溶性樹脂」という。)が用いられる。
アルカリ可溶性樹脂としては、例えば特開2000−206694号公報に開示されている、α−(ヒドロキシアルキル)アクリル酸、またはα−(ヒドロキシアルキル)アクリル酸のアルキルエステル(好ましくは炭素数1〜5のアルキルエステル)から選ばれる少なくとも一つから誘導される単位を有する樹脂;米国特許6949325号公報に開示されている、スルホンアミド基を有するα位の炭素原子に結合した水素原子が置換基で置換されていてもよいアクリル樹脂またはポリシクロオレフィン樹脂;米国特許6949325号公報、特開2005−336452号公報、特開2006−317803号公報に開示されている、フッ素化アルコールを含有し、α位の炭素原子に結合した水素原子が置換基で置換されていてもよいアクリル樹脂;特開2006−259582号公報に開示されている、フッ素化アルコールを有するポリシクロオレフィン樹脂等が、膨潤の少ない良好なレジストパターンが形成でき、好ましい。
なお、前記α−(ヒドロキシアルキル)アクリル酸は、α位の炭素原子に結合した水素原子が置換基で置換されていてもよいアクリル酸のうち、カルボキシ基が結合するα位の炭素原子に水素原子が結合しているアクリル酸と、このα位の炭素原子にヒドロキシアルキル基(好ましくは炭素数1〜5のヒドロキシアルキル基)が結合しているα−ヒドロキシアルキルアクリル酸の一方又は両方を示す。
架橋剤成分としては、例えば、通常は、メチロール基またはアルコキシメチル基を有するグリコールウリルなどのアミノ系架橋剤、メラミン系架橋剤などを用いると、膨潤の少ない良好なレジストパターンが形成でき、好ましい。架橋剤成分の配合量は、アルカリ可溶性樹脂100質量部に対し、1〜50質量部であることが好ましい。
本発明のレジスト組成物が、アルカリ現像プロセスにおいてポジ型パターンを形成し、溶剤現像プロセスにおいてネガ型パターンを形成するレジスト組成物である場合、(A)成分としては、酸の作用により極性が増大する基材成分(A0)(以下「(A0)成分」ともいう)を用いることが好ましい。(A0)成分を用いることにより、露光前後で基材成分の極性が変化するため、アルカリ現像プロセスだけでなく、溶剤現像プロセスにおいても良好な現像コントラストを得ることができる。
アルカリ現像プロセスを適用する場合、該(A0)成分は、露光前はアルカリ現像液に対して難溶性であり、露光により(A)成分が含有する重合体(P)等から酸が発生すると、該酸の作用により極性が増大してアルカリ現像液に対する溶解性が増大する。そのため、レジストパターンの形成において、当該レジスト組成物を支持体上に塗布して得られるレジスト膜に対して選択的に露光すると、露光部はアルカリ現像液に対して難溶性から可溶性に変化する一方で、未露光部はアルカリ難溶性のまま変化しないため、アルカリ現像することによりポジ型パターンが形成できる。
また、溶剤現像プロセスを適用する場合は、該(A0)成分は、露光前は有機系現像液に対して溶解性が高く、露光により(A)成分が含有する重合体(P)等から酸が発生すると、該酸の作用により極性が増大して有機系現像液に対する溶解性が減少する。そのため、レジストパターンの形成において、当該レジスト組成物を支持体上に塗布して得られるレジスト膜に対して選択的に露光すると、露光部は有機系現像液に対して可溶性から難溶性に変化する一方で、未露光部は可溶性のまま変化しないため、有機系現像液で現像することにより、露光部と未露光部との間でコントラストをつけることができ、ネガ型パターンが形成できる。
本発明のレジスト組成物において、(A)成分は、酸の作用により極性が増大する基材成分((A0)成分)であることが好ましい。すなわち、本発明のレジスト組成物は、アルカリ現像プロセスにおいてポジ型となり、溶剤現像プロセスにおいてネガ型となる化学増幅型レジスト組成物であることが好ましい。
なかでも、本発明のレジスト組成物において、(A)成分としては、前記重合体(P)からなり、かつ、酸の作用により極性が増大する樹脂(A1)(以下「(A1)成分」ともいう)を含有することが特に好ましい。
[(A1)成分]
(A1)成分としては、主鎖の少なくとも一方の末端に露光により酸を発生するアニオン部位を有し、質量平均分子量が20000以下であり、かつ、酸の作用により極性が増大する酸分解性基を含む構成単位(a1)を有する重合体(A1−1)(以下「(A1−1)成分」という)が好ましい。
また、(A1)成分は、(A1−1)成分において、さらに、−SO−含有環式基を含む構成単位(a0)と、ラクトン含有環式基を含む構成単位(a2)とからなる群より選択される少なくとも一種の構成単位を有する共重合体が好ましい。
また、(A1)成分は、(A1−1)成分において、さらに、α位の炭素原子に結合した水素原子が置換基で置換されていてもよいアクリル酸エステルから誘導される構成単位であって極性基含有脂肪族炭化水素基を含む構成単位(a3)を有する共重合体が好ましい。
また、(A1)成分は、(A1−1)成分において、さらに、露光により酸を発生する構成単位(a5)を有する共重合体が好ましい。
(構成単位(a1))
構成単位(a1)は、酸の作用により極性が増大する酸分解性基を含む構成単位である。
「酸分解性基」は、露光により主鎖末端の上記アニオン部位又は後述の酸発生剤成分(B)から発生する酸の作用により、当該酸分解性基の構造中の少なくとも一部の結合が開裂し得る酸分解性を有する基である。
酸の作用により極性が増大する酸分解性基としては、たとえば、酸の作用により分解して極性基を生じる基が挙げられる。
極性基としては、たとえばカルボキシ基、水酸基、アミノ基、スルホ基(−SOH)等が挙げられる。これらのなかでも、構造中に−OHを含有する極性基(以下「OH含有極性基」ということがある。)が好ましく、カルボキシ基または水酸基が好ましく、カルボキシ基が特に好ましい。
酸分解性基としてより具体的には、前記極性基を酸解離性基で保護した基(たとえばOH含有極性基の水素原子を酸解離性基で保護した基)が挙げられる。
「酸解離性基」は、露光により主鎖末端の上記アニオン部位又は後述の酸発生剤成分(B)から発生する酸の作用により、少なくとも、当該酸解離性基と該酸解離性基に隣接する原子との間の結合が開裂し得る酸解離性を有する基である。酸分解性基を構成する酸解離性基は、当該酸解離性基の解離により生成する極性基よりも極性の低い基であることが必要で、これにより、酸の作用により該酸解離性基が解離した際に、該酸解離性基よりも極性の高い極性基が生じて極性が増大する。その結果、重合体全体の極性が増大する。極性が増大することにより、相対的に、現像液に対する溶解性が変化し、現像液がアルカリ現像液の場合には溶解性が増大し、他方、現像液が有機溶剤を含む現像液(有機系現像液)の場合には溶解性が減少する。
酸解離性基としては、特に限定されず、これまで、化学増幅型レジスト用のベース樹脂の酸解離性基として提案されているものを使用することができる。一般的には、(メタ)アクリル酸等におけるカルボキシ基と環状又は鎖状の第3級アルキルエステルを形成する基、アルコキシアルキル基等のアセタール型酸解離性基などが広く知られている。
ここで、「第3級アルキルエステル」とは、カルボキシ基の水素原子が、鎖状又は環状のアルキル基で置換されることによりエステルを形成しており、そのカルボニルオキシ基(−C(=O)−O−)の末端の酸素原子に、前記鎖状又は環状のアルキル基の第3級炭素原子が結合している構造を示す。この第3級アルキルエステルにおいては、酸が作用すると、酸素原子と第3級炭素原子との間で結合が切断され、カルボキシ基が形成される。
前記鎖状又は環状のアルキル基は、置換基を有していてもよい。
以下、カルボキシ基と第3級アルキルエステルを構成することにより、酸解離性となっている基を、便宜上、「第3級アルキルエステル型酸解離性基」という。
第3級アルキルエステル型酸解離性基としては、脂肪族分岐鎖状酸解離性基、脂肪族環式基を含有する酸解離性基が挙げられる。
ここで、「脂肪族分岐鎖状」とは、芳香族性を持たない分岐鎖状の構造を有することを示す。「脂肪族分岐鎖状酸解離性基」の構造は、炭素および水素からなる基(炭化水素基)であることに限定はされないが、炭化水素基であることが好ましい。また、「炭化水素基」は飽和または不飽和のいずれでもよいが、通常は飽和であることが好ましい。
脂肪族分岐鎖状酸解離性基としては、たとえば、−C(R71)(R72)(R73)で表される基が挙げられる。式中、R71〜R73は、それぞれ独立に、炭素数1〜5の直鎖状のアルキル基である。−C(R71)(R72)(R73)で表される基は、炭素数が4〜8であることが好ましく、具体的にはtert−ブチル基、2−メチル−2−ブチル基、2−メチル−2−ペンチル基、3−メチル−3−ペンチル基などが挙げられる。特にtert−ブチル基が好ましい。
「脂肪族環式基」は、芳香族性を持たない単環式基又は多環式基であることを示す。
「脂肪族環式基を含有する酸解離性基」における脂肪族環式基は、置換基を有していてもよいし、有していなくてもよい。置換基としては、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数1〜5のアルコキシ基、フッ素原子、炭素数1〜5のフッ素化アルキル基、酸素原子(=O)等が挙げられる。
該脂肪族環式基の置換基を除いた基本の環の構造は、炭素および水素からなる基(炭化水素基)であることに限定はされないが、炭化水素基であることが好ましい。また、該炭化水素基は、飽和または不飽和のいずれでもよいが、通常は飽和であることが好ましい。
脂肪族環式基は、単環式であってもよく、多環式であってもよい。
脂肪族環式基としては、炭素数が3〜30であるものが好ましく、5〜30であるものがより好ましく、5〜20がさらに好ましく、6〜15が特に好ましく、6〜12が最も好ましい。単環式の脂肪族環式基としては、モノシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基が好ましい。該モノシクロアルカンとしては炭素数3〜6のものが好ましく、具体的にはシクロブタン、シクロペンタン、シクロヘキサン等が挙げられる。多環式の脂肪族環式基としては、ポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基が好ましく、該ポリシクロアルカンとしては炭素数7〜12のものが好ましく、具体的にはアダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカン等が挙げられる。また、これらの脂肪族環式基の環を構成する炭素原子の一部がエーテル基(−O−)で置換されたものであってもよい。
脂肪族環式基を含有する酸解離性基としては、たとえば、
(i)1価の脂肪族環式基の環骨格上の、当該酸解離性基に隣接する原子(たとえば−C(=O)−O−における−O−)と結合する炭素原子に置換基(水素原子以外の原子または基)が結合して第3級炭素原子が形成されている基;
(ii)1価の脂肪族環式基と、これに結合する第3級炭素原子を有する分岐鎖状アルキレンとを有する基などが挙げられる。
前記(i)の基において、脂肪族環式基の環骨格上、当該酸解離性基に隣接する原子と結合する炭素原子に結合する置換基としては、たとえばアルキル基が挙げられる。該アルキル基としては、たとえば後述する式(1−1)〜(1−9)中のR14と同様のものが挙げられる。
前記(i)の基の具体例としては、たとえば下記一般式(1−1)〜(1−9)で表される基等が挙げられる。
前記(ii)の基の具体例としては、たとえば下記一般式(2−1)〜(2−6)で表される基等が挙げられる。
Figure 2013068904
[式中、R14はアルキル基であり、gは0〜8の整数である。]
Figure 2013068904
[式中、R15およびR16は、それぞれ独立してアルキル基である。]
式(1−1)〜(1−9)中、R14のアルキル基は、直鎖状、分岐鎖状、環状のいずれであってもよく、直鎖状または分岐鎖状が好ましい。
該直鎖状のアルキル基は、炭素数が1〜5であることが好ましく、1〜4がより好ましく、1または2がさらに好ましい。具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基等が挙げられる。これらの中でも、メチル基、エチル基またはn−ブチル基が好ましく、メチル基またはエチル基がより好ましい。
該分岐鎖状のアルキル基は、炭素数が3〜10であることが好ましく、3〜5がより好ましい。具体的には、イソプロピル基、イソブチル基、tert−ブチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基等が挙げられ、イソプロピル基であることが最も好ましい。
gは0〜3の整数が好ましく、1〜3の整数がより好ましく、1または2がさらに好ましい。
式(2−1)〜(2−6)中、R15〜R16のアルキル基としては、前記R14のアルキル基と同様のものが挙げられる。
上記式(1−1)〜(1−9)、(2−1)〜(2−6)中、環を構成する炭素原子の一部がエーテル性酸素原子(−O−)で置換されていてもよい。
また、式(1−1)〜(1−9)、(2−1)〜(2−6)中、環を構成する炭素原子に結合した水素原子が置換基で置換されていてもよい。該置換基としては、炭素数1〜5のアルキル基、フッ素原子、フッ素化アルキル基が挙げられる。
「アセタール型酸解離性基」は、一般的に、カルボキシ基、水酸基等のOH含有極性基末端の水素原子と置換して酸素原子と結合している。そして、露光により酸が発生すると、この酸が作用して、アセタール型酸解離性基と、当該アセタール型酸解離性基が結合した酸素原子との間で結合が切断され、カルボキシ基、水酸基等のOH含有極性基が形成される。
アセタール型酸解離性基としては、たとえば、下記一般式(p1)で表される基が挙げられる。
Figure 2013068904
[式中、R’,R’はそれぞれ独立して水素原子または炭素数1〜5のアルキル基を表し、nは0〜3の整数を表し、Yは炭素数1〜5のアルキル基または脂肪族環式基を表す。]
式(p1)中、nは、0〜2の整数であることが好ましく、0または1がより好ましく、0が最も好ましい。
’,R’のアルキル基としては、直鎖状または分岐鎖状のアルキル基が好ましく、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基等が挙げられ、メチル基またはエチル基が好ましく、メチル基が最も好ましい。
本発明においては、R’,R’のうち少なくとも1つが水素原子であることが好ましい。すなわち、酸解離性基(p1)が、下記一般式(p1−1)で表される基であることが好ましい。
Figure 2013068904
[式中、R’、n、Yは上記と同じである。]
Yのアルキル基としては、直鎖状または分岐鎖状のアルキル基が好ましく、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基等が挙げられる。
Yの脂肪族環式基としては、従来ArFレジスト等において多数提案されている単環又は多環式の脂肪族環式基の中から適宜選択して用いることができ、たとえば上記「脂肪族環式基を含有する酸解離性基」で挙げた脂肪族環式基と同様のものが例示できる。
アセタール型酸解離性基としては、下記一般式(p2)で示される基も挙げられる。
Figure 2013068904
[式中、R17、R18はそれぞれ独立して直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基または水素原子であり;R19は直鎖状、分岐鎖状若しくは環状のアルキル基である。または、R17およびR19がそれぞれ独立に直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキレン基であって、R17とR19とが結合して環を形成していてもよい。]
17、R18において、アルキル基の炭素数は、好ましくは1〜15であり、直鎖状、分岐鎖状のいずれでもよく、エチル基、メチル基が好ましく、メチル基が最も好ましい。
特にR17、R18の一方が水素原子で、他方がメチル基であることが好ましい。
19は直鎖状、分岐鎖状または環状のアルキル基であり、炭素数は好ましくは1〜15であり、直鎖状、分岐鎖状又は環状のいずれでもよい。
19が直鎖状、分岐鎖状の場合は炭素数1〜5であることが好ましく、エチル基、メチル基がさらに好ましく、エチル基が最も好ましい。
19が環状の場合は炭素数4〜15であることが好ましく、炭素数4〜12であることがさらに好ましく、炭素数5〜10が最も好ましい。具体的には、フッ素原子またはフッ素化アルキル基で置換されていてもよいし、されていなくてもよいモノシクロアルカン、ビシクロアルカン、トリシクロアルカン、テトラシクロアルカン等のポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基など、上記「脂肪族環式基」と同様のものを例示できる。中でもアダマンタンから1個以上の水素原子を除いた基が好ましい。
また、上記式(p2)においては、R17及びR19がそれぞれ独立に直鎖状または分岐鎖状のアルキレン基(好ましくは炭素数1〜5のアルキレン基)であって、R19とR17とが結合していてもよい。
この場合、R17と、R19と、R19が結合した酸素原子と、該酸素原子およびR17が結合した炭素原子とにより環式基が形成されている。該環式基としては、4〜7員環が好ましく、4〜6員環がより好ましい。該環式基の具体例としては、テトラヒドロピラニル基、テトラヒドロフラニル基等が挙げられる。
構成単位(a1)としては、α位の炭素原子に結合した水素原子が置換基で置換されていてもよいアクリル酸エステルから誘導される構成単位であって、酸の作用により極性が増大する酸分解性基を含む構成単位(a11)、ヒドロキシスチレン若しくはヒドロキシスチレン誘導体から誘導される構成単位の水酸基における水素原子の少なくとも一部が酸分解性基を含む置換基により保護された構成単位(a12)、ビニル安息香酸若しくはビニル安息香酸誘導体から誘導される構成単位の−C(=O)−OHにおける水素原子の少なくとも一部が酸分解性基を含む置換基により保護された構成単位(a13)等が挙げられる。
ここで、本明細書及び本特許請求の範囲において、「アクリル酸エステルから誘導される構成単位」とは、アクリル酸エステルのエチレン性二重結合が開裂して構成される構成単位を意味する。
「アクリル酸エステル」は、アクリル酸(CH=CH−COOH)のカルボキシ基末端の水素原子が有機基で置換された化合物である。
アクリル酸エステルは、α位の炭素原子に結合した水素原子が置換基で置換されていてもよい。該α位の炭素原子に結合した水素原子を置換する置換基は、水素原子以外の原子又は基であり、たとえば炭素数1〜5のアルキル基、炭素数1〜5のハロゲン化アルキル基、炭素数1〜5のヒドロキシアルキル基等が挙げられる。なお、アクリル酸エステルのα位の炭素原子とは、特に断りがない限り、カルボニル基が結合している炭素原子のことである。
以下、α位の炭素原子に結合した水素原子が置換基で置換されたアクリル酸エステルをα置換アクリル酸エステルということがある。また、アクリル酸エステルとα置換アクリル酸エステルとを包括して「(α置換)アクリル酸エステル」ということがある。
α置換アクリル酸エステルにおいて、α位の置換基としてのアルキル基は、直鎖状または分岐鎖状のアルキル基が好ましく、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基等が挙げられる。
また、α位の置換基としてのハロゲン化アルキル基は、具体的には、上記「α位の置換基としてのアルキル基」の水素原子の一部または全部を、ハロゲン原子で置換した基が挙げられる。該ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられ、特にフッ素原子が好ましい。
また、α位の置換基としてのヒドロキシアルキル基は、具体的には、上記「α位の置換基としてのアルキル基」の水素原子の一部または全部を、ヒドロキシ基で置換した基が挙げられる。
α置換アクリル酸エステルのα位に結合しているのは、水素原子、炭素数1〜5のアルキル基または炭素数1〜5のハロゲン化アルキル基が好ましく、水素原子、炭素数1〜5のアルキル基または炭素数1〜5のフッ素化アルキル基がより好ましく、工業上の入手の容易さから、水素原子またはメチル基が最も好ましい。
「ヒドロキシスチレン若しくはヒドロキシスチレン誘導体から誘導される構成単位」とは、ヒドロキシスチレン若しくはヒドロキシスチレン誘導体のエチレン性二重結合が開裂して構成される構成単位を意味する。
「ヒドロキシスチレン誘導体」とは、ヒドロキシスチレンのα位の水素原子がアルキル基、ハロゲン化アルキル基等の他の置換基に置換されたもの、並びにそれらの誘導体を含む概念とする。なお、α位(α位の炭素原子)とは、特に断りがない限り、ベンゼン環が結合している炭素原子のことをいう。
「ビニル安息香酸若しくはビニル安息香酸誘導体から誘導される構成単位」とは、ビニル安息香酸若しくはビニル安息香酸誘導体のエチレン性二重結合が開裂して構成される構成単位を意味する。
「ビニル安息香酸誘導体」とは、ビニル安息香酸のα位の水素原子がアルキル基、ハロゲン化アルキル基等の他の置換基に置換されたもの、並びにそれらの誘導体を含む概念とする。なお、α位(α位の炭素原子)とは、特に断りがない限り、ベンゼン環が結合している炭素原子のことをいう。
・構成単位(a11)
構成単位(a11)として、具体的には、下記の一般式(a11−0−1)で表される構成単位、下記一般式(a11−0−2)で表される構成単位等が挙げられる。
Figure 2013068904
[式中、Rは水素原子、炭素数1〜5のアルキル基または炭素数1〜5のハロゲン化アルキル基であり;Xは酸解離性基であり;Yは2価の連結基であり;Xは酸解離性基である。]
一般式(a11−0−1)において、Rのアルキル基、ハロゲン化アルキル基は、それぞれ、上記α置換アクリル酸エステルについての説明で、α位の炭素原子に結合してもよい置換基として挙げたアルキル基、ハロゲン化アルキル基と同様のものが挙げられる。Rとしては、水素原子、炭素数1〜5のアルキル基または炭素数1〜5のフッ素化アルキル基が好ましく、水素原子またはメチル基が最も好ましい。
は、酸解離性基であれば特に限定されることはなく、たとえば上述した第3級アルキルエステル型酸解離性基、アセタール型酸解離性基などを挙げることができ、第3級アルキルエステル型酸解離性基が好ましい。
一般式(a11−0−2)において、Rは上記と同様である。
は、式(a11−0−1)中のXと同様である。
における2価の連結基としては、置換基を有していてもよい2価の炭化水素基、ヘテロ原子を含む2価の連結基等が好適なものとして挙げられる。
炭化水素基が「置換基を有する」とは、該炭化水素基における水素原子の一部または全部が置換基(水素原子以外の基または原子)で置換されていることを意味する。
該炭化水素基は、脂肪族炭化水素基であってもよく、芳香族炭化水素基であってもよい。脂肪族炭化水素基は、芳香族性を持たない炭化水素基を意味する。
前記Yにおける2価の炭化水素基としての脂肪族炭化水素基は、飽和であってもよく、不飽和であってもよく、通常は飽和であることが好ましい。
該脂肪族炭化水素基として、より具体的には、直鎖状または分岐鎖状の脂肪族炭化水素基、構造中に環を含む脂肪族炭化水素基等が挙げられる。
前記直鎖状または分岐鎖状の脂肪族炭化水素基は、炭素数が1〜10であることが好ましく、1〜6がより好ましく、1〜4がさらに好ましく、1〜3が最も好ましい。
直鎖状の脂肪族炭化水素基としては、直鎖状のアルキレン基が好ましく、具体的には、前記式(I−1)におけるXについて説明した直鎖状のアルキレン基と同様のものが挙げられる。
分岐鎖状の脂肪族炭化水素基としては、分岐鎖状のアルキレン基が好ましく、具体的には、前記式(I−1)におけるXについて説明した分岐鎖状のアルキレン基と同様のものが挙げられる。
前記直鎖状または分岐鎖状の脂肪族炭化水素基は、置換基を有していてもよく、有していなくてもよい。該置換基としては、フッ素原子、炭素数1〜5のフッ素化アルキル基、酸素原子(=O)等が挙げられる。
前記構造中に環を含む脂肪族炭化水素基としては、前記式(I−1)におけるXについて説明した「構造中に環を含む脂肪族炭化水素基」と同様のものが挙げられる。中でも、シクロペンタン、シクロヘキサン、アダマンタン、ノルボルナンのそれぞれから2個の水素原子を除いた基が好ましい。
芳香族炭化水素基は、芳香環を有する炭化水素基である。
前記Yにおける2価の炭化水素基としての芳香族炭化水素基は、炭素数が3〜30であることが好ましく、5〜30であることがより好ましく、5〜20がさらに好ましく、6〜15が特に好ましく、6〜10が最も好ましい。ただし、該炭素数には、置換基における炭素数を含まないものとする。
芳香族炭化水素基が有する芳香環として具体的には、ベンゼン、ビフェニル、フルオレン、ナフタレン、アントラセン、フェナントレン等の芳香族炭化水素環;前記芳香族炭化水素環を構成する炭素原子の一部がヘテロ原子で置換された芳香族複素環;等が挙げられる。芳香族複素環におけるヘテロ原子としては、酸素原子、硫黄原子、窒素原子等が挙げられる。
該芳香族炭化水素基として具体的には、前記芳香族炭化水素環から水素原子を2つ除いた基(アリーレン基);前記芳香族炭化水素環から水素原子を1つ除いた基(アリール基)の水素原子の1つがアルキレン基で置換された基(たとえば、ベンジル基、フェネチル基、1−ナフチルメチル基、2−ナフチルメチル基、1−ナフチルエチル基、2−ナフチルエチル基等のアリールアルキル基におけるアリール基から水素原子をさらに1つ除いた基)等が挙げられる。前記アルキレン基(アリールアルキル基中のアルキル鎖)の炭素数は、1〜4であることが好ましく、1〜2であることがより好ましく、1であることが特に好ましい。
前記芳香族炭化水素基は、置換基を有していてもよいし、有していなくてもよい。たとえば当該芳香族炭化水素基が有する芳香族炭化水素環に結合した水素原子が置換基で置換されていてもよい。該置換基としては、たとえば、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、ハロゲン化アルキル基、水酸基、酸素原子(=O)等が挙げられる。
前記置換基としてのアルキル基としては、炭素数1〜5のアルキル基が好ましく、メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、tert−ブチル基であることが最も好ましい。
前記置換基としてのアルコキシ基としては、炭素数1〜5のアルコキシ基が好ましく、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、iso−プロポキシ基、n−ブトキシ基、tert−ブトキシ基が好ましく、メトキシ基、エトキシ基が最も好ましい。
前記芳香族炭化水素基の置換基としてのハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられ、フッ素原子が好ましい。
前記置換基としてのハロゲン化アルキル基としては、前記アルキル基の水素原子の一部または全部が前記ハロゲン原子で置換された基が挙げられる。
(ヘテロ原子を含む2価の連結基)
前記Yの「ヘテロ原子を含む2価の連結基」におけるヘテロ原子とは、炭素原子および水素原子以外の原子であり、たとえば酸素原子、窒素原子、硫黄原子、ハロゲン原子等が挙げられる。
ヘテロ原子を含む2価の連結基としては、−O−、−C(=O)−O−、−C(=O)−、−O−C(=O)−O−、−C(=O)−NH−、−NH−(Hはアルキル基、アシル基等の置換基で置換されていてもよい。)、−S−、−S(=O)−、−S(=O)−O−、−NH−C(=O)−、=N−、一般式−Y21−O−Y22−、−[Y21−C(=O)−O]m’−Y22−または−Y21−O−C(=O)−Y22−で表される基[式中、Y21およびY22はそれぞれ独立して置換基を有していてもよい2価の炭化水素基であり、Oは酸素原子であり、m’は0〜3の整数である。]等が挙げられる。
が−NH−の場合、そのHはアルキル基、アリール基(芳香族基)等の置換基で置換されていてもよい。該置換基(アルキル基、アリール基等)は、炭素数が1〜10であることが好ましく、1〜8であることがさらに好ましく、1〜5であることが特に好ましい。
式−Y21−O−Y22−、−[Y21−C(=O)−O]m’−Y22−または−Y21−O−C(=O)−Y22−中、Y21およびY22は、それぞれ独立して、置換基を有していてもよい2価の炭化水素基である。該2価の炭化水素基としては、前述したYにおける「置換基を有していてもよい2価の炭化水素基」として挙げたものと同様のものが挙げられる。
21としては、直鎖状の脂肪族炭化水素基が好ましく、直鎖状のアルキレン基がより好ましく、炭素数1〜5の直鎖状のアルキレン基がさらに好ましく、メチレン基またはエチレン基が特に好ましい。
22としては、直鎖状または分岐鎖状の脂肪族炭化水素基が好ましく、メチレン基、エチレン基またはアルキルメチレン基がより好ましい。該アルキルメチレン基におけるアルキル基は、炭素数1〜5の直鎖状のアルキル基が好ましく、炭素数1〜3の直鎖状のアルキル基が好ましく、メチル基が最も好ましい。
式−[Y21−C(=O)−O]m’−Y22−で表される基において、m’は0〜3の整数であり、0〜2の整数であることが好ましく、0または1がより好ましく、1が特に好ましい。つまり、式−[Y21−C(=O)−O]m’−Y22−で表される基としては、式−Y21−C(=O)−O−Y22−で表される基が特に好ましい。なかでも、式−(CHa’−C(=O)−O−(CHb’−で表される基が好ましい。該式中、a’は、1〜10の整数であり、1〜8の整数が好ましく、1〜5の整数がより好ましく、1または2がさらに好ましく、1が最も好ましい。b’は、1〜10の整数であり、1〜8の整数が好ましく、1〜5の整数がより好ましく、1または2がさらに好ましく、1が最も好ましい。
ヘテロ原子を含む2価の連結基としては、ヘテロ原子として酸素原子を有する直鎖状の基、例えばエーテル結合またはエステル結合を含む基、が好ましく、前記式−Y21−O−Y22−、−[Y21−C(=O)−O]m’−Y22−または−Y21−O−C(=O)−Y22−で表される基がより好ましい。
上記のなかでも、Yの2価の連結基としては、特に、直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキレン基、2価の脂環式炭化水素基、又はヘテロ原子を含む2価の連結基が好ましい。これらの中でも、直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキレン基、又はヘテロ原子を含む2価の連結基が好ましい。
ヘテロ原子を含む2価の連結基としては、式−(CHa’−C(=O)−O−(CHb’−で表される基が好ましい。
構成単位(a11)として、より具体的には、下記一般式(a1−1)〜(a1−4)で表される構成単位が挙げられる。
Figure 2013068904
[式中、R、R’、R’、n、YおよびYはそれぞれ前記と同じであり、X’は第3級アルキルエステル型酸解離性基を表す。]’
式中、X’は、前記第3級アルキルエステル型酸解離性基と同様のものが挙げられる。
’、R’、n、Yとしては、それぞれ、上述の「アセタール型酸解離性基」の説明において挙げた一般式(p1)におけるR’、R’、n、Yと同様のものが挙げられる。
としては、上述の一般式(a11−0−2)におけるYと同様のものが挙げられる。
以下に、上記一般式(a1−1)〜(a1−4)で表される構成単位の具体例を示す。
以下の各式中、Rαは、水素原子、メチル基またはトリフルオロメチル基を示す。
Figure 2013068904
Figure 2013068904
Figure 2013068904
Figure 2013068904
Figure 2013068904
Figure 2013068904
Figure 2013068904
Figure 2013068904
本発明においては、構成単位(a11)として、下記一般式(a11−0−11)で表される構成単位、下記一般式(a11−0−12)で表される構成単位、下記一般式(a11−0−13)で表される構成単位、下記一般式(a11−0−14)で表される構成単位、下記一般式(a11−0−15)で表される構成単位、および下記一般式(a11−0−2)で表される構成単位からなる群から選択される少なくとも1種を有することが好ましい。
なかでも、下記一般式(a11−0−11)で表される構成単位、下記一般式(a11−0−12)で表される構成単位、下記一般式(a11−0−13)で表される構成単位、下記一般式(a11−0−14)で表される構成単位、および下記一般式(a11−0−15)で表される構成単位からなる群から選択される少なくとも1種を有することがより好ましい。
Figure 2013068904
[式中、Rは水素原子、炭素数1〜5のアルキル基または炭素数1〜5のハロゲン化アルキル基であり、R81はアルキル基であり;R82は、当該R82が結合した炭素原子と共に脂肪族単環式基を形成する基であり;R83は分岐鎖状のアルキル基であり;R84は、当該R84が結合した炭素原子と共に脂肪族多環式基を形成する基であり;R85は炭素数1〜5の直鎖状のアルキル基である。R15およびR16は、それぞれ独立してアルキル基である。R、R及びRは炭素数1〜5のアルキル基である。R’,R’はそれぞれ独立して水素原子または炭素数1〜5のアルキル基を表し、nは0〜3の整数を表し、Yは炭素数1〜5のアルキル基または脂肪族環式基を表す。Yは2価の連結基であり、Xは酸解離性基である。]
各式中、Rについての説明は前記と同じである。
式(a11−0−11)中、R81のアルキル基としては、前記式(1−1)〜(1−9)中のR14のアルキル基と同様のものが挙げられ、メチル基、エチル基またはイソプロピル基が好ましい。
82が、当該R82が結合した炭素原子と共に形成する脂肪族単環式基としては、前記第3級アルキルエステル型酸解離性基において挙げた脂肪族環式基のうち、単環式基であるものと同様のものが挙げられる。具体的には、モノシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基などが挙げられる。該モノシクロアルカンは、3〜11員環であることが好ましく、3〜8員環であることがより好ましく、4〜6員環がさらに好ましく、5または6員環が特に好ましい。
該モノシクロアルカンは、環を構成する炭素原子の一部がエーテル基(−O−)で置換されていてもよいし、されていなくてもよい。
また、該モノシクロアルカンは、置換基として、炭素数1〜5のアルキル基、フッ素原子または炭素数1〜5のフッ素化アルキル基を有していてもよい。
かかる脂肪族単環式基を構成するR82としては、たとえば、炭素原子間にエーテル基(−O−)が介在してもよい直鎖状のアルキレン基が挙げられる。
式(a11−0−11)で表される構成単位の具体例としては、前記式(a1−1−16)〜(a1−1−23)、(a1−1−27)、(a1−1−31)で表される構成単位が挙げられる。これらの中でも、式(a1−1−16)〜(a1−1−17)、(a1−1−20)〜(a1−1−23)、(a1−1−27)、(a1−1−31)、(a1−1−32)、(a1−1−33)で表される構成単位を包括する下記(a11−1−02)で表される構成単位が好ましい。また、下記(a11−1−02’)で表される構成単位も好ましい。
各式中、hは、1〜4の整数であり、1または2が好ましい。
Figure 2013068904
[式中、R、R81はそれぞれ前記と同じであり、hは1〜4の整数である。]
式(a11−0−12)中、R83の分岐鎖状のアルキル基としては、前記式(1−1)〜(1−9)中のR14のアルキル基で挙げた分岐鎖状のアルキル基と同様のものが挙げられ、イソプロピル基が最も好ましい。
84が、当該R84が結合した炭素原子と共に形成する脂肪族多環式基としては、前記第3級アルキルエステル型酸解離性基において挙げた脂肪族環式基のうち、多環式基であるものと同様のものが挙げられる。
式(a11−0−12)で表される構成単位の具体例としては、前記式(a1−1−26)、(a1−1−28)〜(a1−1−30)で表される構成単位が挙げられる。
式(a11−0−12)で表される構成単位としては、R84が、当該R84が結合した炭素原子と共に形成する脂肪族多環式基が2−アダマンチル基であるものが好ましく、特に、前記式(a1−1−26)で表される構成単位が好ましい。
式(a11−0−13)中、RおよびR84はそれぞれ前記と同様である。
85の直鎖状のアルキル基としては、前記式(1−1)〜(1−9)中のR14のアルキル基で挙げた直鎖状のアルキル基と同様のものが挙げられ、メチル基またはエチル基が最も好ましい。
式(a11−0−13)で表される構成単位として具体的には、前記一般式(a1−1)の具体例として例示した、式(a1−1−1)〜(a1−1−2)、(a1−1−7)〜(a1−1−15)で表される構成単位が挙げられる。
式(a11−0−13)で表される構成単位としては、R84が、当該R84が結合した炭素原子と共に形成する脂肪族多環式基が2−アダマンチル基であるものが好ましく、特に、前記式(a1−1−1)または(a1−1−2)で表される構成単位が好ましい。また、R84が、当該R84が結合した炭素原子と共に形成する脂肪族多環式基が「テトラシクロドデカンから1個以上の水素原子を除いた基」であるものも好ましく、前記式(a1−1−8)、(a1−1−9)又は(a1−1−30)で表される構成単位も好ましい。
式(a11−0−14)中、RおよびR82はそれぞれ前記と同様である。R15およびR16は、それぞれ前記一般式(2−1)〜(2−6)におけるR15およびR16と同様である。
式(a11−0−14)で表される構成単位として具体的には、前記一般式(a1−1)の具体例として例示した、式(a1−1−35)、(a1−1−36)で表される構成単位が挙げられる。
式(a11−0−15)中、RおよびR84はそれぞれ前記と同様である。R15およびR16は、それぞれ前記一般式(2−1)〜(2−6)におけるR15およびR16と同様である。
式(a11−0−15)で表される構成単位として具体的には、前記一般式(a1−1)の具体例として例示した、式(a1−1−4)〜(a1−1−6)、(a1−1−34)で表される構成単位が挙げられる。
式(a11−0−16)中、Rは前記と同様である。R、R及びRは炭素数1〜5のアルキル基であり、メチル基、エチル基が好ましく、R、R及びRがすべて同じあることが特に好ましい。
式(a11−0−16)で表される構成単位として具体的には、前記一般式(a1−1)の具体例として例示した、式(a1−1−24)、(a1−1−25)、(a1−1−37)で表される構成単位が挙げられる。
式(a11−0−17)中、R’、R’、n、Yについての説明は前記と同じである。
’,R’のうち少なくとも1つは、水素原子であることが好ましく、いずれも水素原子であることが特に好ましい。
nは、0または1がより好ましく、0が最も好ましい。
Yは、脂肪族環式基が好ましく、上記「脂肪族環式基を含有する酸解離性基」で挙げた脂肪族環式基と同様のものが例示でき、ポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基がより好ましい。
式(a11−0−2)中、Y、Xについての説明は前記と同じである。
式(a11−0−2)で表される構成単位としては、前記式(a1−3)または(a1−4)で表される構成単位が挙げられ、特に式(a1−3)で表される構成単位が好ましい。
式(a11−0−2)で表される構成単位としては、特に、式中のYが−Y21−O−Y22−または−Y21−C(=O)−O−Y22−で表される基であるものが好ましい。Y21およびY22は、それぞれ独立して、置換基を有していてもよい2価の炭化水素基であり、前記Y21、Y22と同様である。
かかる構成単位として、好ましいものとしては、下記一般式(a1−3−01)で表される構成単位;下記一般式(a1−3−02)で表される構成単位;下記一般式(a1−3−03)で表される構成単位などが挙げられる。
Figure 2013068904
[式中、Rは前記と同じであり、R13は水素原子またはメチル基であり、R14はアルキル基であり、eは1〜10の整数であり、n’は0〜3の整数である。]
Figure 2013068904
[式中、Rは前記と同じであり、Y’およびY”はそれぞれ独立して2価の連結基であり、X’は酸解離性基であり、wは0〜3の整数である。]
式(a1−3−01)〜(a1−3−02)中、R13は、水素原子が好ましい。
14は、前記式(1−1)〜(1−9)中のR14と同様である。
eは、1〜8の整数が好ましく、1〜5の整数がより好ましく、1または2が最も好ましい。
n’は、1または2が好ましく、2が最も好ましい。
式(a1−3−01)で表される構成単位の具体例としては、前記式(a1−3−25)〜(a1−3−26)で表される構成単位等が挙げられる。
式(a1−3−02)で表される構成単位の具体例としては、前記式(a1−3−27)〜(a1−3−28)で表される構成単位等が挙げられる。
式(a1−3−03)中、Y’、Y” における2価の連結基としては、前記一般式(a1−3)におけるYと同様のものが挙げられる。
’としては、置換基を有していてもよい2価の炭化水素基が好ましく、直鎖状の脂肪族炭化水素基がより好ましく、直鎖状のアルキレン基がさらに好ましい。中でも、炭素数1〜5の直鎖状のアルキレン基が好ましく、メチレン基、エチレン基が最も好ましい。
”としては、置換基を有していてもよい2価の炭化水素基が好ましく、直鎖状の脂肪族炭化水素基がより好ましく、直鎖状のアルキレン基がさらに好ましい。中でも、炭素数1〜5の直鎖状のアルキレン基が好ましく、メチレン基、エチレン基が最も好ましい。
X’における酸解離性基は、前記と同様のものが挙げられ、第3級アルキルエステル型酸解離性基であることが好ましく、上述した(i)1価の脂肪族環式基の環骨格上、当該酸解離性基に隣接する原子と結合する炭素原子に置換基が結合して第3級炭素原子が形成されている基がより好ましく、中でも、前記一般式(1−1)で表される基が好ましい。
wは0〜3の整数であり、wは、0〜2の整数であることが好ましく、0または1がより好ましく、1が最も好ましい。
式(a1−3−03)で表される構成単位としては、下記一般式(a1−3−03−1)または(a1−3−03−2)で表される構成単位が好ましく、中でも、式(a1−3−03−1)で表される構成単位が好ましい。
Figure 2013068904
[式中、RおよびR14はそれぞれ前記と同じであり、a’は1〜10の整数であり、b’は1〜10の整数であり、n’は0〜3の整数である。]
式(a1−3−03−1)〜(a1−3−03−2)中、a’は前記と同じであり、1〜8の整数が好ましく、1〜5の整数がより好ましく、1または2が特に好ましい。
b’は前記と同じであり、1〜8の整数が好ましく、1〜5の整数が好ましく、1または2が特に好ましい。
n’は1〜3の整数が好ましく、1または2が特に好ましい。
式(a1−3−03−1)または(a1−3−03−2)で表される構成単位の具体例としては、前記式(a1−3−29)〜(a1−3−32)で表される構成単位が挙げられる。
また、構成単位(a11)としては、下記一般式(a1−5)で表される構成単位も好ましい。この構成単位を有することにより、露光部での残膜率、エッチング耐性が向上する。
Figure 2013068904
[式中、Rは水素原子、炭素数1〜5のアルキル基、又は炭素数1〜5のハロゲン化アルキル基であり、OR70は酸分解性基であり、R80は置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素基であり、R90は単結合または2価の連結基である。mは1〜3の整数であり、mは0〜2の整数であり、かつ、m+m=1〜3である。m、mはそれぞれ独立して0〜3の整数である。]
式(a1−5)中、Rのアルキル基、ハロゲン化アルキル基は、それぞれ、上記α置換アクリル酸エステルについての説明で、α位の炭素原子に結合してもよい置換基として挙げたアルキル基、ハロゲン化アルキル基と同様のものが挙げられる。
Rとしては、水素原子、炭素数1〜5のアルキル基または炭素数1〜5のフッ素化アルキル基が好ましく、水素原子またはメチル基が最も好ましい。
式(a1−5)中、OR70の酸分解性基としては、たとえば、アルコール性水酸基の水素原子を酸解離性基で置換した基が挙げられる。
「酸解離性基」は、酸(露光により主鎖末端の上記アニオン部位又は後述の酸発生剤成分(B))から発生する酸)の作用により、少なくとも、当該酸解離性基と該酸解離性基に隣接する原子との間の結合が開裂し得る酸解離性を有する基である。本発明において、酸解離性基は、当該酸解離性基の解離により生成するアルコール性水酸基よりも親水性の低い基であることが必要で、これにより、アルコール性水酸基の水素原子を酸解離性基で置換した基において該酸解離性基が解離すると、アルコール性水酸基が生じ(露出し)て親水性が増大する。この結果、重合体全体の親水性が増大し、相対的に、現像液に対する溶解性が変化し、現像液がアルカリ現像液の場合には溶解性が増大し、他方、現像液が有機溶剤を含む現像液(有機系現像液)の場合には溶解性が減少する。
酸解離性基としては、特に限定されず、これまで、化学増幅型レジスト用のベース樹脂の酸解離性基として提案されているものを使用することができ、たとえば上述した酸解離性基と同様のものが挙げられる。
酸解離性基としては、特に、レジスト組成物とする際の有機溶剤(レジスト溶剤)、現像液等に対する溶解性がより向上することから、第3級アルキル基含有酸解離性基またはアセタール型酸解離性基が好ましい。
(第3級アルキル基含有酸解離性基)
「第3級アルキル基」は、第3級炭素原子を有するアルキル基を示す。「アルキル基」は、1価の飽和炭化水素基を示し、鎖状(直鎖状、分岐鎖状)のアルキル基および環状構造を有するアルキル基を包含する。
「第3級アルキル基含有酸解離性基」は、その構造中に第3級アルキル基を含む酸解離性基を示す。第3級アルキル基含有酸解離性基は、第3級アルキル基のみから構成されていてもよく、第3級アルキル基と、第3級アルキル基以外の他の原子または基とから構成されていてもよい。
第3級アルキル基とともに第3級アルキル基含有基を構成する前記「第3級アルキル基以外の他の原子または基」としては、たとえばカルボニルオキシ基、カルボニル基、アルキレン基、酸素原子(−O−)等が挙げられる。
第3級アルキル基含有酸解離性基としては、環状構造を有さない第3級アルキル基含有酸解離性基、環状構造を有する第3級アルキル基含有酸解離性基等が挙げられる。
「環状構造を有さない第3級アルキル基含有酸解離性基」は、第3級アルキル基として分岐鎖状の第3級アルキル基を含有し、かつ、その構造内に環状構造を有さない酸解離性基である。
分岐鎖状の第3級アルキル基としては、たとえば下記一般式(I)で表される基が挙げられる。
Figure 2013068904
式(I)中、R23〜R25は、それぞれ独立して直鎖状または分岐鎖状のアルキル基である。該アルキル基の炭素数は1〜5が好ましく、1〜3がより好ましい。
また、一般式(I)で表される基の全炭素数は、4〜7であることが好ましく、4〜6であることがより好ましく、4〜5であることが最も好ましい。
一般式(I)で表される基としては、tert−ブチル基、tert−ペンチル基等が好ましく挙げられ、tert−ブチル基がより好ましい。
環状構造を有さない第3級アルキル基含有酸解離性基としては、上述した分岐鎖状の第3級アルキル基;該分岐鎖状の第3級アルキル基が直鎖状または分岐鎖状のアルキレン基に結合してなる第3級アルキル基含有鎖状アルキル基;第3級アルキル基として該分岐鎖状の第3級アルキル基を有する第3級アルキルオキシカルボニル基;第3級アルキル基として該分岐鎖状の第3級アルキル基を有する第3級アルキルオキシカルボニルアルキル基等が挙げられる。
第3級アルキル基含有鎖状アルキル基におけるアルキレン基としては、炭素数1〜5のアルキレン基が好ましく、炭素数1〜4のアルキレン基がより好ましく、炭素数〜2のアルキレン基がさらに好ましい。
鎖状の第3級アルキルオキシカルボニル基としては、たとえば下記一般式(II)で表される基が挙げられる。
式(II)中のR23〜R25は、前記式(I)中のR23〜R25と同様である。
鎖状の第3級アルキルオキシカルボニル基としては、tert−ブチルオキシカルボニル基(t−boc)、tert−ペンチルオキシカルボニル基が好ましい。
Figure 2013068904
鎖状の第3級アルキルオキシカルボニルアルキル基としては、たとえば下記の一般式(III−1)又は一般式(III−2)のいずれかで表される基が挙げられる。
式(III−1)、(III−2)中のR23〜R25は、前記式(I)中のR23〜R25と同様である。
は1〜3の整数であり、1または2が好ましい。
’は炭素数1〜5のアルキル基を表し、メチル基またはエチル基が好ましく、メチル基が最も好ましい。
鎖状の第3級アルキルオキシカルボニルアルキル基としては、tert−ブチルオキシカルボニルメチル基、tert−ブチルオキシカルボニルエチル基が好ましい。
Figure 2013068904
上記の中で、環状構造を有さない第3級アルキル基含有酸解離性基としては、第3級アルキルオキシカルボニル基または第3級アルキルオキシカルボニルアルキル基が、露光前後での有機系現像液に対するコントラストの観点から好ましく、第3級アルキルオキシカルボニル基がより好ましく、tert−ブチルオキシカルボニル基(t−boc)が最も好ましい。
「環状構造を有する第3級アルキル基含有酸解離性基」は、その構造内に、第3級炭素原子と環状構造とを有する酸解離性基である。
環状構造を有する第3級アルキル基含有酸解離性基において、環状構造は、環を構成する炭素数が4〜12であることが好ましく、5〜10であることがより好ましく、6〜10であることが最も好ましい。
環状構造としては、脂肪族環式基が好ましい。「脂肪族環式基」は、芳香族性を持たない単環式基または多環式基であることを示す。
該脂肪族環式基は、置換基を有していてもよいし、有していなくてもよい。置換基としては、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数1〜5のアルコキシ基、フッ素原子、フッ素原子で置換された炭素数1〜5のフッ素化アルキル基、酸素原子(=O)等が挙げられる。
該脂肪族環式基の置換基を除いた基本の環の構造は、炭素および水素からなる基(炭化水素基)であることに限定はされないが、炭化水素基であることが好ましい。また、該炭化水素基は、飽和または不飽和のいずれでもよいが、通常は飽和であることが好ましい。
脂肪族環式基は、単環式であってもよく、多環式であってもよい。
脂肪族環式基としては、例えば、炭素数1〜5のアルキル基、フッ素原子またはフッ素化アルキル基で置換されていてもよいし、されていなくてもよいモノシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基、ビシクロアルカン、トリシクロアルカン、テトラシクロアルカンなどのポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基などが挙げられる。より具体的には、シクロペンタン、シクロヘキサン等のモノシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基や、アダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカンなどのポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基などの脂環式炭化水素基が挙げられる。また、これらの脂環式炭化水素基の環を構成する炭素原子の一部がエーテル基(−O−)で置換されたものであってもよい。
環状構造を有する第3級アルキル基含有酸解離性基が有する第3級アルキル基としては、例えば、下記[1]または[2]の基が挙げられる。
[1]1価の脂肪族環式基の環骨格上、当該第3級アルキル基に隣接する原子と結合する炭素原子にアルキル基が結合して第3級炭素原子が形成されている第3級アルキル基。
[2]1価の脂肪族環式基と、第3級炭素原子を有するアルキレン基(分岐鎖状のアルキレン基)とを有し、該第3級炭素原子が当該第3級アルキル基に隣接する原子に結合している第3級アルキル基。
前記[1]または[2]の基において、1価の脂肪族環式基としては前記環状構造の説明で挙げた脂肪族環式基と同様のものが挙げられる。
前記[1]の基において脂肪族環式基に結合するアルキル基は、直鎖状、分岐鎖状、環状のいずれであってもよく、直鎖状または分岐鎖状が好ましい。
該直鎖状のアルキル基は、炭素数が1〜5であることが好ましく、1〜4がより好ましく、1または2がさらに好ましい。具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基等が挙げられる。これらの中でも、メチル基、エチル基またはn−ブチル基が好ましく、メチル基またはエチル基がより好ましい。
該分岐鎖状のアルキル基は、炭素数が3〜10であることが好ましく、3〜5がより好ましい。具体的には、イソプロピル基、イソブチル基、tert−ブチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基等が挙げられ、イソプロピル基であることが最も好ましい。
前記[1]の基の具体例としては、たとえば上述した一般式(1−1)〜(1−9)で表される基等が挙げられる。
前記[2]の基の具体例としては、たとえば上述した一般式(2−1)〜(2−6)で表される基等が挙げられる。
環状構造を有する第3級アルキル基含有酸解離性基としては、たとえば、環状構造を有する第3級アルキル基;第3級アルキル基として該環状構造を有する第3級アルキル基を有する第3級アルキルオキシカルボニル基;第3級アルキル基として該環状構造を有する第3級アルキル基を有する第3級アルキルオキシカルボニルアルキル基等が挙げられる。
該環状構造を有する第3級アルキル基としては、たとえば上述した[1]または[2]の基が挙げられる。
該第3級アルキルオキシカルボニル基として具体的には、前記一般式(II)中の−C(R23)(R24)(R25)部分を、環状構造を有する第3級アルキル基で置換した基が挙げられる。
該第3級アルキルオキシカルボニルアルキル基として具体的には、前記の一般式(III−1)、(III−2)中の−C(R23)(R24)(R25)部分を、環状構造を有する第3級アルキル基で置換した基が挙げられる。
第3級アルキル基含有酸解離性基としては、上記のなかでも、前記一般式(II)で表される基(特に好ましくはtert−ブチルオキシカルボニル基(t−boc));前記一般式(III−2)中の−C(R23)(R24)(R25)部分を、環状構造を有する第3級アルキル基で置換した基が好ましい。
(アセタール型酸解離性基)
アセタール型酸解離性基は、露光により酸が発生すると、この酸が作用して、アセタール型酸解離性基と、当該アセタール型酸解離性基が結合した酸素原子との間で結合が切断される。
アセタール型酸解離性基としては、上述した「アセタール型酸解離性基」と同様のものが挙げられる。
式(a1−5)で表される構成単位において、−OR70(R70がアセタール型酸解離性基である場合)の好ましい具体例としては、メトキシメトキシ基、エトキシメトキシ基、n−ブトキシメトキシ基、シクロヘキシルオキシメトキシ基、アダマンチルオキシメトキシ基、1−エトキシエトキシ基、1−n−ブトキシエトキシ基、1−シクロヘキシルオキシエトキシ基、1−アダマンチルオキシエトキシ基等が挙げられる。
前記式(a1−5)中、R80は、置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素基である。
脂肪族炭化水素基は、芳香族性を持たない炭化水素基を意味する。
80における脂肪族炭化水素基は、飽和脂肪族炭化水素基であってもよく、不飽和脂肪族炭化水素基であってもよい。また、脂肪族炭化水素基は、直鎖状、分岐鎖状、環状のいずれであってもよい。
脂肪族炭化水素基が「置換基を有していてもよい」とは、当該脂肪族炭化水素基を構成する炭素原子の一部がヘテロ原子を含む置換基で置換されていてもよく、当該脂肪族炭化水素基を構成する水素原子の一部または全部がヘテロ原子を含む置換基で置換されていてもよいことを意味する。
80における「ヘテロ原子」としては、炭素原子および水素原子以外の原子であれば特に限定されず、たとえばハロゲン原子、酸素原子、硫黄原子、窒素原子等が挙げられる。ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、ヨウ素原子、臭素原子等が挙げられる。
ヘテロ原子を含む置換基は、前記ヘテロ原子のみからなるものであってもよく、前記ヘテロ原子と前記ヘテロ原子以外の基若しくは原子とを含む基であってもよい。具体的には、たとえば−O−、−C(=O)−O−、−C(=O)−、−O−C(=O)−O−、−C(=O)−NH−、−NH−(Hがアルキル基、アシル基等の置換基で置換されていてもよい)、−S−、−S(=O)−、−S(=O)−O−等が挙げられる。脂肪族炭化水素基が環状である場合、これらの置換基を環構造中に含んでいてもよい。
当該脂肪族炭化水素基を構成する水素原子の一部または全部を置換する置換基として、具体的には、たとえばアルコキシ基、ハロゲン原子、ハロゲン化アルキル基、水酸基、酸素原子(=O)、シアノ基、アルキル基等が挙げられる。
前記アルコキシ基としては、炭素数1〜5のアルコキシ基が好ましく、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、iso−プロポキシ基、n−ブトキシ基、tert−ブトキシ基が好ましく、メトキシ基、エトキシ基が最も好ましい。
前記ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられ、フッ素原子が好ましい。
前記ハロゲン化アルキル基としては、炭素数1〜5のアルキル基、たとえばメチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、tert−ブチル基等のアルキル基の水素原子の一部または全部が前記ハロゲン原子で置換された基が挙げられる。
前記アルキル基としては、炭素数1〜5のアルキル基(低級アルキル基)、たとえばメチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、tert−ブチル基等が挙げられる。
80が直鎖状、分岐鎖状の脂肪族炭化水素基である場合、炭素数は1〜10が好ましく、1〜5がさらに好ましく、1〜3が最も好ましい。具体的には、鎖状のアルキレン基が好適なものとして挙げられる。
80が環状の脂肪族炭化水素基(脂肪族環式基)である場合、脂肪族環式基の置換基を除いた基本の環(脂肪族環)の構造は、炭素および水素からなる環(炭化水素環)であることに限定はされず、その環(脂肪族環)の構造中に酸素原子等のヘテロ原子を含んでいてもよい。また、「炭化水素環」は飽和、不飽和のいずれでもよいが、通常は飽和であることが好ましい。
脂肪族環式基は、多環式基、単環式基のいずれでもよい。脂肪族環式基としては、例えば、低級アルキル基、フッ素原子またはフッ素化アルキル基で置換されていてもよいし、されていなくてもよいモノシクロアルカン;ビシクロアルカン、トリシクロアルカン、テトラシクロアルカン等のポリシクロアルカンから2個以上の水素原子を除いた基等が挙げられる。より具体的には、シクロペンタン、シクロヘキサン等のモノシクロアルカンや、アダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカン等のポリシクロアルカンから2個以上の水素原子を除いた基等が挙げられる。
また、当該脂肪族環式基としては、例えば、低級アルキル基、フッ素原子またはフッ素化アルキル基で置換されていてもよいし、されていなくてもよいテトラヒドロフラン、テトラヒドロピランから2個以上の水素原子を除いた基等も挙げられる。
式(a1−5)で表される構成単位において、かかる脂肪族環式基は、多環式基であることが好ましく、中でも、アダマンタンから2個以上の水素原子を除いた基が特に好ましい。
前記式(a1−5)中、R90の2価の連結基としては、特に限定されないが、置換基を有していてもよい2価の炭化水素基、ヘテロ原子を含む2価の連結基等が好適なものとして挙げられる。
90における置換基を有していてもよい2価の炭化水素基、ヘテロ原子を含む2価の連結基については、後述する式(a0−0)中のR29’における2価の連結基の説明の中で例示した、置換基を有していてもよい2価の炭化水素基、ヘテロ原子を含む2価の連結基等と同様のものが挙げられる。
なかでも、R90の2価の連結基としては、特に、直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキレン基、2価の脂環式炭化水素基、又はヘテロ原子を含む2価の連結基が好ましい。これらの中でも、直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキレン基、又はヘテロ原子を含む2価の連結基が好ましい。
ヘテロ原子を含む2価の連結基としては、ヘテロ原子として酸素原子を有する直鎖状の基、例えばエーテル結合またはエステル結合を含む基が好ましく、式−Y21−O−Y22−、−[Y21−C(=O)−O]m’−Y22−または−Y21−O−C(=O)−Y22−で表される基がより好ましい。Y21およびY22は、それぞれ独立して、置換基を有していてもよい2価の炭化水素基であり、前記のY21、Y22と同様である。m’は0〜3の整数である。
前記式(a1−5)中、mは1〜3の整数であり、mは0〜2の整数であり、かつ、m+m=1〜3である。
は1または2であることが好ましい。
は0であることが好ましい。
+mは1または2であることが好ましい。
は0〜3の整数であり、0または1であることが好ましく、0であることがより好ましい。
は0〜3の整数であり、0または1であることが好ましく、0であることがより好ましい。
上記のなかでも、前記式(a1−5)中のR90が単結合または炭素数1〜3の直鎖状のアルキレン基であるものが好ましい。すなわち、下記一般式(a1−51)で表される構成単位が好ましい。
なかでも、下記一般式(a1−511)、(a1−512)又は(a1−513)で表される構成単位が好ましい。
Figure 2013068904
[式(a1−51)中、R、OR70、R80、m、m、m、mはそれぞれ前記と同じであり、mは0〜3の整数である。]
Figure 2013068904
[式中、R,OR70,m,m,m,mはそれぞれ前記と同じである。]
Figure 2013068904
[式中、R,OR70,m,m,m,mはそれぞれ前記と同じである。]
Figure 2013068904
[式中、R,OR70,m,m,m,m,mはそれぞれ前記と同じである。c”は1〜3の整数である。]
式(a1−51)中、mは0〜3の整数であり、0または1であることが好ましく、0であることがより好ましい。
式(a1−513)中、c”は1〜3の整数であり、1または2であることが好ましく、1であることがより好ましい。
前記式(a1−513)におけるmが0の場合、アクリル酸エステルのカルボニルオキシ基(−C(=O)−O−)の末端の酸素原子は、環式基中の酸素原子に結合する炭素原子には結合していないことが好ましい。すなわち、mが0の場合、当該末端の酸素原子と当該環式基中の酸素原子との間には炭素原子が2つ以上存在する(この炭素原子の数が1である(すなわちアセタール結合となる)場合を除く)ことが好ましい。
以下に、上記一般式(a1−5)で表される構成単位の具体例を示す。
以下の各式中、Rαは、水素原子、メチル基またはトリフルオロメチル基を示す。
Figure 2013068904
・構成単位(a12)、構成単位(a13)
本明細書において、構成単位(a12)は、ヒドロキシスチレン若しくはヒドロキシスチレン誘導体から誘導される構成単位のフェノール性水酸基における水素原子の少なくとも一部が酸分解性基を含む置換基により保護された構成単位である。
また、構成単位(a13)は、ビニル安息香酸若しくはビニル安息香酸誘導体から誘導される構成単位の−C(=O)−OHにおける水素原子の少なくとも一部が酸分解性基を含む置換基により保護された構成単位である。
構成単位(a12)、構成単位(a13)において、酸分解性基を含む置換基としては、上記構成単位(a11)において説明した第3級アルキルエステル型酸解離性基、アセタール型酸解離性基が好ましいものとして挙げられる。
(A1−1)成分において、当該構成単位(a1)は、1種であってもよく2種以上であってもよい。
上記のなかでも、構成単位(a1)としては、α位の炭素原子に結合した水素原子が置換基で置換されていてもよいアクリル酸エステルから誘導される構成単位(a11)であることが好ましい。
(A1−1)成分中、構成単位(a1)の割合は、当該(A1−1)成分を構成する全構成単位に対して15〜70モル%が好ましく、15〜60モル%がより好ましく、20〜55モル%がさらに好ましい。
構成単位(a1)の割合を下限値以上とすることによって、レジスト組成物とした際に容易にパターンを得ることができ、感度、解像性、LWR等のリソグラフィー特性も向上する。また、上限値以下とすることにより、他の構成単位とのバランスをとりやすくなる。
(構成単位(a0))
構成単位(a0)は、−SO−含有環式基を含む構成単位である。
当該構成単位(a0)を有する重合体を含有するレジスト組成物を用いることで、形成されるレジスト膜の基板への密着性が高まる。また、感度、解像性、露光余裕度(ELマージン)、LWR(ラインワイズラフネス)、LER(ラインエッジラフネス)、マスク再現性等のリソグラフィー特性が向上する。
ここで「−SO−含有環式基」とは、その環骨格中に−SO−を含む環を含有する環式基を示し、具体的には、−SO−における硫黄原子(S)が環式基の環骨格の一部を形成する環式基である。
−SO−含有環式基においては、その環骨格中に−SO−を含む環をひとつ目の環として数え、該環のみの場合は単環式基、さらに他の環構造を有する場合は、その構造に関わらず多環式基と称する。
−SO−含有環式基は、単環式であってもよく、多環式であってもよい。
−SO−含有環式基は、特に、その環骨格中に−O−SO−を含む環式基、すなわち−O−SO−中の−O−S−が環式基の環骨格の一部を形成するスルトン(sultone)環であることが好ましい。
−SO−含有環式基は、炭素数が3〜30であることが好ましく、4〜20であることがより好ましく、4〜15であることがさらに好ましく、4〜12であることが特に好ましい。ただし、該炭素数は環骨格を構成する炭素原子の数であり、置換基における炭素数を含まないものとする。
−SO−含有環式基は、−SO−含有脂肪族環式基であってもよく、−SO−含有芳香族環式基であってもよい。好ましくは−SO−含有脂肪族環式基である。
−SO−含有脂肪族環式基としては、その環骨格を構成する炭素原子の一部が−SO−または−O−SO−で置換された脂肪族炭化水素環から水素原子を少なくとも1つ除いた基が挙げられる。より具体的には、その環骨格を構成する−CH−が−SO−で置換された脂肪族炭化水素環から水素原子を少なくとも1つ除いた基、その環を構成する−CH−CH−が−O−SO−で置換された脂肪族炭化水素環から水素原子を少なくとも1つ除いた基等が挙げられる。
該脂環式炭化水素基は、炭素数が3〜20であることが好ましく、3〜12であることがより好ましい。
該脂環式炭化水素基は、多環式であってもよく、単環式であってもよい。単環式の脂環式炭化水素基としては、炭素数3〜6のモノシクロアルカンから2個の水素原子を除いた基が好ましく、該モノシクロアルカンとしてはシクロペンタン、シクロヘキサン等が例示できる。多環式の脂環式炭化水素基としては、炭素数7〜12のポリシクロアルカンから2個の水素原子を除いた基が好ましく、該ポリシクロアルカンとして具体的には、アダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカン等が挙げられる。
−SO−含有環式基は、置換基を有していてもよい。該置換基としては、たとえばアルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、ハロゲン化アルキル基、水酸基、酸素原子(=O)、−COOR”、−OC(=O)R”(R”は水素原子又はアルキル基である。)、ヒドロキシアルキル基、シアノ基等が挙げられる。
該置換基としてのアルキル基としては、炭素数1〜6のアルキル基が好ましい。該アルキル基は、直鎖状または分岐鎖状であることが好ましい。具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基等が挙げられる。これらの中でも、メチル基またはエチル基が好ましく、メチル基が特に好ましい。
該置換基としてのアルコキシ基としては、炭素数1〜6のアルコキシ基が好ましい。該アルコキシ基は、直鎖状または分岐鎖状であることが好ましい。具体的には、前記置換基としてのアルキル基として挙げたアルキル基に酸素原子(−O−)に結合した基が挙げられる。
該置換基としてのハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられ、フッ素原子が好ましい。
該置換基のハロゲン化アルキル基としては、前記アルキル基の水素原子の一部または全部が前記ハロゲン原子で置換された基が挙げられる。
該置換基としてのハロゲン化アルキル基としては、前記置換基としてのアルキル基として挙げたアルキル基の水素原子の一部または全部が前記ハロゲン原子で置換された基が挙げられる。該ハロゲン化アルキル基としてはフッ素化アルキル基が好ましく、特にパーフルオロアルキル基が好ましい。
前記−COOR”、−OC(=O)R”におけるR”は、いずれも、水素原子または炭素数1〜15の直鎖状、分岐鎖状もしくは環状のアルキル基であることが好ましい。
R”が直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキル基の場合は、炭素数1〜10であることが好ましく、炭素数1〜5であることがさらに好ましく、メチル基またはエチル基であることが特に好ましい。
R”が環状のアルキル基の場合は、炭素数3〜15であることが好ましく、炭素数4〜12であることがさらに好ましく、炭素数5〜10が最も好ましい。具体的には、フッ素原子またはフッ素化アルキル基で置換されていてもよいし、されていなくてもよいモノシクロアルカンや、ビシクロアルカン、トリシクロアルカン、テトラシクロアルカンなどのポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基などを例示できる。より具体的には、シクロペンタン、シクロヘキサン等のモノシクロアルカンや、アダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカンなどのポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基などが挙げられる。
該置換基としてのヒドロキシアルキル基としては、炭素数が1〜6であるものが好ましく、具体的には、前記置換基としてのアルキル基として挙げたアルキル基の水素原子の少なくとも1つが水酸基で置換された基が挙げられる。
−SO−含有環式基として、より具体的には、下記一般式(3−1)〜(3−4)で表される基が挙げられる。
Figure 2013068904
[式中、A’は酸素原子もしくは硫黄原子を含んでいてもよい炭素数1〜5のアルキレン基、酸素原子または硫黄原子であり、zは0〜2の整数であり、Rはアルキル基、アルコキシ基、ハロゲン化アルキル基、水酸基、−COOR”、−OC(=O)R”、ヒドロキシアルキル基またはシアノ基であり、R”は水素原子またはアルキル基である。]
前記一般式(3−1)〜(3−4)中、A’は、酸素原子(−O−)もしくは硫黄原子(−S−)を含んでいてもよい炭素数1〜5のアルキレン基、酸素原子または硫黄原子である。
A’における炭素数1〜5のアルキレン基としては、直鎖状または分岐鎖状のアルキレン基が好ましく、メチレン基、エチレン基、n−プロピレン基、イソプロピレン基等が挙げられる。
該アルキレン基が酸素原子または硫黄原子を含む場合、その具体例としては、前記アルキレン基の末端または炭素原子間に−O−または−S−が介在する基が挙げられ、たとえば−O−CH−、−CH−O−CH−、−S−CH−、−CH−S−CH−等が挙げられる。
A’としては、炭素数1〜5のアルキレン基または−O−が好ましく、炭素数1〜5のアルキレン基がより好ましく、メチレン基が最も好ましい。
zは0〜2のいずれであってもよく、0が最も好ましい。
zが2である場合、複数のRはそれぞれ同じであってもよく、異なっていてもよい。
におけるアルキル基、アルコキシ基、ハロゲン化アルキル基、−COOR”、−OC(=O)R”、ヒドロキシアルキル基としては、それぞれ、前記で−SO−含有環式基が有していてもよい置換基として挙げたアルキル基、アルコキシ基、ハロゲン化アルキル基、−COOR”、−OC(=O)R”、ヒドロキシアルキル基と同様のものが挙げられる。
以下に、前記一般式(3−1)〜(3−4)で表される具体的な環式基を例示する。なお、式中の「Ac」はアセチル基を示す。
Figure 2013068904
Figure 2013068904
Figure 2013068904
−SO−含有環式基としては、上記の中でも、前記一般式(3−1)で表される基が好ましく、前記化学式(3−1−1)、(3−1−18)、(3−3−1)および(3−4−1)のいずれかで表される基からなる群から選択される少なくとも一種を用いることがより好ましく、前記化学式(3−1−1)で表される基が最も好ましい。
構成単位(a0)として、好ましくは、α位の炭素原子に結合した水素原子が置換基で置換されていてもよいアクリル酸エステルから誘導される構成単位が挙げられる。
構成単位(a0)の例として、より具体的には、下記一般式(a0−0)で表される構成単位が挙げられる。
Figure 2013068904
[式中、Rは水素原子、炭素数1〜5のアルキル基または炭素数1〜5のハロゲン化アルキル基であり、R40は−O−又は−NH−であり、R30は−SO−含有環式基であり、R29’は単結合または2価の連結基である。]
前記式(a0−0)中、Rのアルキル基は、直鎖状または分岐鎖状のアルキル基が好ましく、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基等が挙げられる。
Rのハロゲン化アルキル基は、前記のRのアルキル基の水素原子の一部または全部を、ハロゲン原子で置換した基が挙げられる。該ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられ、特にフッ素原子が好ましい。
Rとしては、水素原子、炭素数1〜5のアルキル基又は炭素数1〜5のフッ素化アルキル基が好ましく、水素原子又はメチル基が特に好ましい。
前記式(a0−0)中、R40は、−O−、又は、−NH−である。
前記式(a0−0)中、R30は、前記で挙げた−SO−含有環式基と同様である。
前記式(a0−0)中、R29’は、単結合又は2価の連結基のいずれであってもよい。リソグラフィー特性がより向上することから、2価の連結基であることが好ましい。
29’における2価の連結基としては、置換基を有していてもよい2価の炭化水素基、ヘテロ原子を含む2価の連結基等が好適なものとして挙げられる。
29’の2価の連結基については、前記式(a11−0−2)中のYにおける2価の連結基の説明の中で例示した、置換基を有していてもよい2価の炭化水素基、ヘテロ原子を含む2価の連結基等と同様のものが挙げられる。
29’の2価の連結基としては、アルキレン基、2価の脂環式炭化水素基またはヘテロ原子を含む2価の連結基が好ましい。これらの中でも、アルキレン基、エステル結合(−C(=O)−O−)を含む2価の連結基が好ましい。
該アルキレン基は、直鎖状または分岐鎖状のアルキレン基が好ましい。
該エステル結合を含む2価の連結基としては、特に、一般式:−R20−C(=O)−O−[式中、R20は2価の連結基である。]で表される基が好ましい。すなわち、構成単位(a0)は、下記一般式(a0−0−1)で表される構成単位であることが好ましい。
Figure 2013068904
[式中、Rは水素原子、炭素数1〜5のアルキル基又は炭素数1〜5のハロゲン化アルキル基であり、R40は−O−又は−NH−であり、R20は2価の連結基であり、R30は−SO−含有環式基である。]
20としては、特に限定されず、たとえば上記一般式(a0−0)中のR29’における2価の連結基として挙げたものと同様のものが挙げられる。
20の2価の連結基としては、直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキレン基、2価の脂環式炭化水素基、またはヘテロ原子を含む2価の連結基が好ましい。
該直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキレン基、2価の脂環式炭化水素基、ヘテロ原子を含む2価の連結基としては、それぞれ、前記のR29’で好ましいものとして挙げた直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキレン基、2価の脂環式炭化水素基、ヘテロ原子を含む2価の連結基と同様のものが挙げられる。
上記の中でも、直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキレン基、またはヘテロ原子として酸素原子を含む2価の連結基が好ましい。
直鎖状のアルキレン基としては、メチレン基またはエチレン基が好ましく、メチレン基が特に好ましい。
分岐鎖状のアルキレン基としては、アルキルメチレン基またはアルキルエチレン基が好ましく、−CH(CH)−、−C(CH−または−C(CHCH−が特に好ましい。
酸素原子を含む2価の連結基としては、エーテル結合またはエステル結合を含む2価の連結基が好ましく、前記の式−Y21−O−Y22−、式−[Y21−C(=O)−O]m’− Y22−または式−Y21−O−C(=O)−Y22−で表される基がより好ましい。Y21、Y22、m’は、それぞれ前記と同じである。
なかでも、式−Y21−O−C(=O)−Y22−で表される基が好ましく、式−(CH−O−C(=O)−(CH−で表される基が特に好ましい。cは1〜5の整数であり、1〜3の整数が好ましく、1または2がより好ましい。dは1〜5の整数であり、1〜3の整数が好ましく、1または2がより好ましい。
構成単位(a0)としては、特に、下記の一般式(a0−0−11)又は一般式(a0−0−12)で表される構成単位が好ましく、式(a0−0−12)で表される構成単位がより好ましい。
Figure 2013068904
[式中、Rは水素原子、炭素数1〜5のアルキル基、又は炭素数1〜5のハロゲン化アルキル基であり、R40は−O−又は−NH−であり、R20は2価の連結基であり、A’は酸素原子もしくは硫黄原子を含んでいてもよい炭素数1〜5のアルキレン基、酸素原子または硫黄原子であり、zは0〜2の整数であり、Rはアルキル基、アルコキシ基、ハロゲン化アルキル基、水酸基、−COOR”、−OC(=O)R”、ヒドロキシアルキル基またはシアノ基であり、R”は水素原子またはアルキル基である。]
前記式(a0−0−11)、(a0−0−12)中、R、R40、A’、R、zおよびR20はそれぞれ前記と同じである。
前記式中、A’はメチレン基、エチレン基、酸素原子(−O−)または硫黄原子(−S−)であることが好ましい。
20としては、直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキレン基、または酸素原子を含む2価の連結基が好ましい。R20における直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキレン基、酸素原子を含む2価の連結基としては、それぞれ、前記で挙げた直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキレン基、酸素原子を含む2価の連結基と同様のものが挙げられる。
式(a0−0−12)で表される構成単位としては、特に、下記一般式(a0−0−12a)または(a0−0−12b)で表される構成単位が好ましい。
Figure 2013068904
[式中、R、R40およびA’はそれぞれ前記と同じであり、c及びdはそれぞれ前記と同じであり、fは1〜5の整数(好ましくは1〜3の整数)である。]
(A1−1)成分が構成単位(a0)を有する場合、当該構成単位(a0)は、1種であってもよく2種以上であってもよい。
(A1−1)成分中、構成単位(a0)の割合は、当該(A1−1)成分を構成する全構成単位の合計に対して1〜60モル%であることが好ましく、5〜55モル%がより好ましく、10〜50モル%がさらに好ましく、15〜48モル%が最も好ましい。
構成単位(a0)の割合を下限値以上とすることにより、当該(A1−1)成分を含有するレジスト組成物を用いて形成されるレジストパターン形状が良好となり、ELマージン、LWR、マスク再現性等のリソグラフィー特性もより向上する。他方、上限値以下とすることにより、他の構成単位を有する場合にそれらとのバランスをとりやすくなる。
(構成単位(a2))
構成単位(a2)は、ラクトン含有環式基を含む構成単位である。
ここで、ラクトン含有環式基とは、その環骨格中に−O−C(=O)−を含む環(ラクトン環)を含有する環式基を示す。ラクトン環をひとつ目の環として数え、ラクトン環のみの場合は単環式基、さらに他の環構造を有する場合は、その構造に関わらず多環式基と称する。ラクトン含有環式基は、単環式基であってもよく、多環式基であってもよい。
構成単位(a2)におけるラクトン環式基としては、特に限定されることなく任意のものが使用可能である。具体的には、ラクトン含有単環式基としては、4〜6員環ラクトンから水素原子を1つ除いた基、たとえばβ−プロピオノラクトンから水素原子を1つ除いた基、γ−ブチロラクトンから水素原子1つを除いた基、δ−バレロラクトンから水素原子を1つ除いた基等が挙げられる。また、ラクトン含有多環式基としては、ラクトン環を有するビシクロアルカン、トリシクロアルカン、テトラシクロアルカンから水素原子一つを除いた基が挙げられる。
構成単位(a2)としては、α位の炭素原子に結合した水素原子が置換基で置換されていてもよいアクリル酸エステルから誘導される構成単位が好ましい。具体的には、前記一般式(a0−0)中のR30をラクトン含有環式基で置換したものが挙げられ、より具体的には、下記一般式(a2−1)〜(a2−5)で表される構成単位が挙げられる。
Figure 2013068904
[式中、Rは水素原子、炭素数1〜5のアルキル基または炭素数1〜5のハロゲン化アルキル基であり;R’はそれぞれ独立に水素原子、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数1〜5のアルコキシ基または−COOR”であり、R”は水素原子またはアルキル基であり;R29は単結合または2価の連結基であり、s”は0〜2の整数であり;A”は酸素原子もしくは硫黄原子を含んでいてもよい炭素数1〜5のアルキレン基、酸素原子または硫黄原子であり;m”は0または1である。]
前記一般式(a2−1)〜(a2−5)におけるRは、前記同様である。
R’の炭素数1〜5のアルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、tert−ブチル基が挙げられる。
R’の炭素数1〜5のアルコキシ基としては、例えばメトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、iso−プロポキシ基、n−ブトキシ基、tert−ブトキシ基が挙げられる。
R’は、工業上入手が容易であること等を考慮すると、水素原子が好ましい。
R”におけるアルキル基は、直鎖状、分岐鎖状、環状のいずれであってもよい。
R”が直鎖状または分岐鎖状のアルキル基の場合は、炭素数1〜10であることが好ましく、炭素数1〜5であることがさらに好ましい。
R”が環状のアルキル基の場合は、炭素数3〜15であることが好ましく、炭素数4〜12であることがさらに好ましく、炭素数5〜10が最も好ましい。具体的には、フッ素原子またはフッ素化アルキル基で置換されていてもよいし、されていなくてもよいモノシクロアルカン、ビシクロアルカン、トリシクロアルカン、テトラシクロアルカンなどのポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基などを例示できる。具体的には、シクロペンタン、シクロヘキサン等のモノシクロアルカンや、アダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカンなどのポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基などが挙げられる。
A”としては、前記一般式(3−1)中のA’と同様のものが挙げられる。A”は、炭素数1〜5のアルキレン基、酸素原子(−O−)または硫黄原子(−S−)であることが好ましく、炭素数1〜5のアルキレン基または−O−がより好ましい。炭素数1〜5のアルキレン基としては、メチレン基またはジメチルメチレン基がより好ましく、メチレン基が最も好ましい。
29は、前記一般式(a0−0)中のR29’と同様である。
式(a2−1)中、s”は1〜2であることが好ましい。
以下に、前記一般式(a2−1)〜(a2−5)で表される構成単位の具体例を例示する。以下の各式中、Rαは、水素原子、メチル基またはトリフルオロメチル基を示す。
Figure 2013068904
Figure 2013068904
Figure 2013068904
Figure 2013068904
Figure 2013068904
構成単位(a2)としては、前記一般式(a2−1)〜(a2−5)で表される構成単位からなる群から選択される少なくとも1種が好ましく、一般式(a2−1)〜(a2−3)で表される構成単位からなる群から選択される少なくとも1種がより好ましく、前記一般式(a2−1)または(a2−3)で表される構成単位からなる群から選択される少なくとも1種が特に好ましい。
なかでも、前記式(a2−1−1)、(a2−1−2)、(a2−2−1)、(a2−2−7)、(a2−2−12)、(a2−2−14)、(a2−3−1)、(a2−3−5)で表される構成単位からなる群から選択される少なくとも1種が好ましい。
また、構成単位(a2)としては、下記式(a2−6)〜(a2−7)で表される構成単位も好ましい。
Figure 2013068904
[式中、R、R29は前記同様である。]
(A1−1)成分が構成単位(a2)を有する場合、当該構成単位(a2)は、1種であってもよく2種以上であってもよい。
(A1−1)成分中、構成単位(a2)の割合は、当該(A1−1)成分を構成する全構成単位の合計に対して1〜80モル%であることが好ましく、10〜70モル%であることがより好ましく、10〜65モル%であることがさらに好ましく、10〜60モル%が特に好ましい。
下限値以上とすることにより、構成単位(a2)を含有させることによる効果が充分に得られ、上限値以下とすることにより、他の構成単位とのバランスをとることができ、ELマージン、LWR、マスク再現性、DOF、CDU等の種々のリソグラフィー特性及びパターン形状が良好となる。
(構成単位(a3))
構成単位(a3)は、α位の炭素原子に結合した水素原子が置換基で置換されていてもよいアクリル酸エステルから誘導される構成単位であって極性基含有脂肪族炭化水素基を含む構成単位(ただし、上述した構成単位(a1)、(a0)、(a2)に該当するものを除く)である。
当該構成単位(a3)を有する重合体を含有するレジスト組成物を用いることで、重合体の親水性が高まり、解像性がより向上する。
極性基としては、水酸基、シアノ基、カルボキシ基、アルキル基の水素原子の一部がフッ素原子で置換されたヒドロキシアルキル基等が挙げられ、特に水酸基が好ましい。
脂肪族炭化水素基としては、炭素数1〜10の直鎖状または分岐鎖状の炭化水素基(好ましくはアルキレン基)や、環状の脂肪族炭化水素基(環式基)が挙げられる。該環式基としては、単環式基でも多環式基でもよく、例えばArFエキシマレーザー用レジスト組成物用の樹脂において、多数提案されているものの中から適宜選択して用いることができる。該環式基としては多環式基であることが好ましく、炭素数は7〜30であることがより好ましい。
その中でも、水酸基、シアノ基、カルボキシ基、またはアルキル基の水素原子の一部がフッ素原子で置換されたヒドロキシアルキル基を含有する脂肪族多環式基を含むアクリル酸エステルから誘導される構成単位がより好ましい。該多環式基としては、ビシクロアルカン、トリシクロアルカン、テトラシクロアルカンなどから2個以上の水素原子を除いた基などを例示できる。具体的には、アダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカンなどのポリシクロアルカンから2個以上の水素原子を除いた基などが挙げられる。これらの多環式基の中でも、アダマンタンから2個以上の水素原子を除いた基、ノルボルナンから2個以上の水素原子を除いた基、テトラシクロドデカンから2個以上の水素原子を除いた基が工業上好ましい。
構成単位(a3)としては、極性基含有脂肪族炭化水素基における炭化水素基が炭素数1〜10の直鎖状または分岐鎖状の炭化水素基のときは、アクリル酸のヒドロキシエチルエステルから誘導される構成単位が好ましく、該炭化水素基が多環式基のときは、下記の式(a3−1)で表される構成単位、式(a3−2)で表される構成単位、式(a3−3)で表される構成単位が好ましいものとして挙げられる。
Figure 2013068904
(式中、Rは前記と同じであり、jは1〜3の整数であり、k’は1〜3の整数であり、t’は1〜3の整数であり、lは1〜5の整数であり、sは1〜3の整数である。)
式(a3−1)中、jは1又は2であることが好ましく、1であることがさらに好ましい。jが2の場合、水酸基が、アダマンチル基の3位と5位に結合しているものが好ましい。jが1の場合、水酸基が、アダマンチル基の3位に結合しているものが好ましい。
jは1であることが好ましく、特に、水酸基が、アダマンチル基の3位に結合しているものが好ましい。
式(a3−2)中、k’は1であることが好ましい。シアノ基は、ノルボルニル基の5位または6位に結合していることが好ましい。
式(a3−3)中、t’は1であることが好ましい。lは1であることが好ましい。sは1であることが好ましい。これらは、アクリル酸のカルボキシ基の末端に、2−ノルボルニル基または3−ノルボルニル基が結合していることが好ましい。フッ素化アルキルアルコールは、ノルボルニル基の5又は6位に結合していることが好ましい。
(A1−1)成分が構成単位(a3)を有する場合、当該構成単位(a3)は、1種であってもよく2種以上であってもよい。
(A1−1)成分中、構成単位(a3)の割合は、当該(A1−1)成分を構成する全構成単位の合計に対して5〜50モル%であることが好ましく、5〜40モル%がより好ましく、5〜25モル%がさらに好ましい。
構成単位(a3)の割合を下限値以上とすることにより、構成単位(a3)を含有させることによる効果が充分に得られ、上限値以下とすることにより、他の構成単位とのバランスをとりやすくなる。
(構成単位(a5))
構成単位(a5)は、露光により酸を発生する構成単位である。
構成単位(a5)としては、露光により酸を発生するものであれば特に限定されず、露光により酸を発生するオニウム塩構造を有する構成単位であることが好ましい。
ここでオニウム塩構造としては、化学増幅型レジスト組成物において一般に用いられるオニウム塩系酸発生剤の機能部位と同様の構造のものが挙げられる。なお、発生する酸の強度は特に限定されるものではなく、一般的にレジスト組成物の酸発生剤で発生する酸として用いられるような強酸であってもよく、それ以外の弱酸であってもよい。
構成単位(a5)として具体的には、下記の一般式(a5−1)又は一般式(a5−2)で表される基を有する構成単位が好ましい。
Figure 2013068904
[式中、Q、Qはそれぞれ独立に、単結合又は2価の連結基であり、R、R、Rはそれぞれ独立に有機基であり、R、Rは相互に結合して式中のイオウ原子と共に環を形成していてもよく、Vは対アニオンである。Aはアニオンを含む有機基であり、Mm+は対カチオンであり、mは1〜3の整数である。]
(式(a5−1)で表される基を有する構成単位)
式(a5−1)中、Qは、単結合又は2価の連結基である。
の2価の連結基としては、上記式(I−1)中のXの2価の連結基と同様のものが挙げられる。なかでも、Qとしては、単結合、又はエステル結合[−C(=O)−O−]、エーテル結合(−O−)、アルキレン基若しくはこれらの組合せであることが好ましい。
式(a5−1)中、R〜Rは、それぞれ独立に有機基である。
〜Rの有機基は、炭素原子を含む基であり、炭素原子以外の原子(たとえば水素原子、酸素原子、窒素原子、硫黄原子、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子等)等)を有していてもよい。
の有機基としては、アリーレン基またはアルキレン基が好ましい。
のアリーレン基としては、例えば、炭素数6〜20のアリーレン基が挙げられる。該アリーレン基は、その水素原子の一部または全部が置換されていてもよく;たとえば、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、水酸基等で置換されていてもよく、されていなくてもよい。
このようなアリーレン基としては、安価に合成可能なことから、炭素数6〜10のアリーレン基が好ましい。具体的には、たとえばフェニレン基、ナフチレン基が挙げられ、フェニレン基が特に好ましい。
前記アリーレン基の水素原子を置換するアルキル基としては、炭素数1〜5のアルキル基が好ましく、メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、tert−ブチル基であることがより好ましく、メチル基が特に好ましい。
前記アリーレン基の水素原子を置換するアルコキシ基としては、炭素数1〜5のアルコキシ基が好ましく、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、iso−プロポキシ基、n−ブトキシ基、tert−ブトキシ基であることがより好ましい。
前記アリーレン基の水素原子を置換するハロゲン原子としては、フッ素原子であることが好ましい。
のアルキレン基としては、例えば、炭素数1〜10の直鎖状、分岐鎖状又は環状のアルキレン基が挙げられる。該アルキレン基は、その水素原子の一部又は全部が置換されていてもよく、例えば、アルコキシ基、ハロゲン原子、水酸基等で置換されていてもよく、されていなくてもよい。置換基としてのアルコキシ基、ハロゲン原子はそれぞれ上記同様である。
このようなアルキレン基としては、解像性に優れる点から、炭素数1〜5の直鎖状のアルキレン基であることが好ましく、具体的には、メチレン基、エチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基等が挙げられる。
〜Rの有機基としては、特に限定されるものではなく、アリール基またはアルキル基が好ましい。
〜Rのアリール基、アルキル基としては、前記式(c−1)中のR”〜R”のアリール基、アルキル基と同様である。R、Rは相互に結合して式中のイオウ原子と共に環を形成していてもよく、形成される環としては、前記式(c−1)中のR”〜R”のいずれか2つが相互に結合して形成する環と同様である。
式(a5−1)中、Vは対アニオンである。
の対アニオンとしては、特に限定されるものではなく、たとえばオニウム塩系酸発生剤のアニオン部として従来知られているものを適宜用いることができる。
としては、たとえば、一般式「R”SO (R”は、置換基を有していてもよい直鎖状、分岐鎖状若しくは環状のアルキル基、ハロゲン化アルキル基、アリール基、又はアルケニル基を表す。)」で表されるアニオンが挙げられる。
前記一般式「R”SO 」において、R”は、置換基を有していてもよい直鎖状、分岐鎖状若しくは環状のアルキル基、ハロゲン化アルキル基、アリール基、又はアルケニル基を表す。。
前記R”としての直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基は、炭素数1〜10であることが好ましく、炭素数1〜8であることがさらに好ましく、炭素数1〜4であることが最も好ましい。
前記R”としての環状のアルキル基は、炭素数4〜15であることが好ましく、炭素数4〜10であることがさらに好ましく、炭素数6〜10であることが最も好ましい。
”がアルキル基の場合の「R”SO 」としては、例えば、メタンスルホネート、n−プロパンスルホネート、n−ブタンスルホネート、n−オクタンスルホネート、1−アダマンタンスルホネート、2−ノルボルナンスルホネート、d−カンファー−10−スルホネート等のアルキルスルホネートが挙げられる。
前記R”としてのハロゲン化アルキル基は、アルキル基中の水素原子の一部または全部がハロゲン原子で置換されたものであり、該アルキル基は、炭素数1〜5のアルキル基が好ましく、なかでも直鎖状または分岐鎖状のアルキル基がより好ましく、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、tert−ブチル基、tert−ペンチル基、又はイソペンチル基であることがさらに好ましい。そして、水素原子が置換されるハロゲン原子は、フッ素原子、塩素原子、ヨウ素原子、臭素原子等が挙げられる。ハロゲン化アルキル基において、アルキル基(ハロゲン化前のアルキル基)の水素原子の全個数の50〜100%がハロゲン原子で置換されていることが好ましく、水素原子の全てがハロゲン原子で置換されていることがより好ましい。
ここで、該ハロゲン化アルキル基としては、フッ素化アルキル基が好ましい。フッ素化アルキル基は、炭素数1〜10であることが好ましく、炭素数1〜8であることがさらに好ましく、炭素数1〜4であることが最も好ましい。
また、該フッ素化アルキル基のフッ素化率は、好ましくは10〜100%、さらに好ましくは50〜100%であり、特に水素原子をすべてフッ素原子で置換したものが、酸の強度が強くなるため好ましい。
このような好ましいフッ素化アルキル基として、具体的には、トリフルオロメチル基、ヘプタフルオロ−n−プロピル基、ノナフルオロ−n−ブチル基が挙げられる。
前記R”としてのアリール基は、炭素数6〜20のアリール基であることが好ましい。
前記R”としてのアルケニル基は、炭素数2〜10のアルケニル基であることが好ましい。
前記R”において、「置換基を有していてもよい」とは、前記直鎖状、分岐鎖状若しくは環状のアルキル基、ハロゲン化アルキル基、アリール基、又はアルケニル基における水素原子の一部又は全部が置換基(水素原子以外の他の原子又は基)で置換されていてもよいことを意味する。
”における置換基の数は、1つであってもよく、2つ以上であってもよい。
前記置換基としては、たとえば、ハロゲン原子、ヘテロ原子、アルキル基、式:X−Q’−[式中、Q’は酸素原子を含む2価の連結基であり、Xは置換基を有していてもよい炭素数3〜30の炭化水素基である。]で表される基等が挙げられる。
前記ハロゲン原子、アルキル基としては、R”において、ハロゲン化アルキル基におけるハロゲン原子、アルキル基として挙げたものと同様のものが挙げられる。
前記ヘテロ原子としては、酸素原子、窒素原子、硫黄原子等が挙げられる。
−Q’−で表される基において、Q’は酸素原子を含む2価の連結基である。
Q’は、酸素原子以外の原子を含有してもよい。酸素原子以外の原子としては、たとえば炭素原子、水素原子、酸素原子、硫黄原子、窒素原子等が挙げられる。
酸素原子を含む2価の連結基としては、たとえば、酸素原子(エーテル結合:−O−)、エステル結合(−C(=O)−O−)、アミド結合(−C(=O)−NH−)、カルボニル基(−C(=O)−)、カーボネート結合(−O−C(=O)−O−)等の非炭化水素系の酸素原子含有連結基;該非炭化水素系の酸素原子含有連結基とアルキレン基との組み合わせ等が挙げられる。当該組み合わせに、さらにスルホニル基(−SO−)が連結されていてもよい。
該組み合わせとしては、たとえば、−R91−O−、−R92−O−C(=O)−、−C(=O)−O−R93−O−C(=O)−、−SO−O−R94−O−C(=O)−、−R95−SO−O−R94−O−C(=O)−(式中、R91〜R95はそれぞれ独立にアルキレン基である。)等が挙げられる。
91〜R95におけるアルキレン基としては、直鎖状または分岐鎖状のアルキレン基が好ましく、該アルキレン基の炭素数は、1〜12が好ましく、1〜5がより好ましく、1〜3が特に好ましい。
該アルキレン基として、具体的には、たとえばメチレン基[−CH−];−CH(CH)−、−CH(CHCH)−、−C(CH−、−C(CH)(CHCH)−、−C(CH)(CHCHCH)−、−C(CHCH−等のアルキルメチレン基;エチレン基[−CHCH−];−CH(CH)CH−、−CH(CH)CH(CH)−、−C(CHCH−、−CH(CHCH)CH−等のアルキルエチレン基;トリメチレン基(n−プロピレン基)[−CHCHCH−];−CH(CH)CHCH−、−CHCH(CH)CH−等のアルキルトリメチレン基;テトラメチレン基[−CHCHCHCH−];−CH(CH)CHCHCH−、−CHCH(CH)CHCH−等のアルキルテトラメチレン基;ペンタメチレン基[−CHCHCHCHCH−]等が挙げられる。
Q’としては、エステル結合またはエーテル結合を含む2価の連結基が好ましく、なかでも、−R91−O−、−R92−O−C(=O)−または−C(=O)−O−R93−O−C(=O)−が好ましい。
−Q’−で表される基において、Xの炭化水素基は、芳香族炭化水素基であってもよく、脂肪族炭化水素基であってもよい。
芳香族炭化水素基は、芳香環を有する炭化水素基である。該芳香族炭化水素基の炭素数は3〜30であることが好ましく、5〜30であることがより好ましく、5〜20がさらに好ましく、6〜15が特に好ましく、6〜12が最も好ましい。ただし、該炭素数には、置換基における炭素数を含まないものとする。
芳香族炭化水素基として、具体的には、フェニル基、ビフェニル(biphenyl)基、フルオレニル(fluorenyl)基、ナフチル基、アントリル(anthryl)基、フェナントリル基等の、芳香族炭化水素環から水素原子を1つ除いたアリール基、ベンジル基、フェネチル基、1−ナフチルメチル基、2−ナフチルメチル基、1−ナフチルエチル基、2−ナフチルエチル基等のアリールアルキル基等が挙げられる。前記アリールアルキル基中のアルキル鎖の炭素数は、1〜4であることが好ましく、1〜2であることがより好ましく、1であることが特に好ましい。
該芳香族炭化水素基は、置換基を有していてもよい。たとえば当該芳香族炭化水素基が有する芳香環を構成する炭素原子の一部がヘテロ原子で置換されていてもよく、当該芳香族炭化水素基が有する芳香環に結合した水素原子が置換基で置換されていてもよい。
前者の例としては、前記アリール基の環を構成する炭素原子の一部が酸素原子、硫黄原子、窒素原子等のヘテロ原子で置換されたヘテロアリール基、前記アリールアルキル基中の芳香族炭化水素環を構成する炭素原子の一部が前記ヘテロ原子で置換されたヘテロアリールアルキル基等が挙げられる。
後者の例における芳香族炭化水素基の置換基としては、たとえば、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、ハロゲン化アルキル基、水酸基、酸素原子(=O)等が挙げられる。
前記芳香族炭化水素基の置換基としてのアルキル基としては、炭素数1〜5のアルキル基が好ましく、メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、tert−ブチル基であることが最も好ましい。
前記芳香族炭化水素基の置換基としてのアルコキシ基としては、炭素数1〜5のアルコキシ基が好ましく、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、iso−プロポキシ基、n−ブトキシ基、tert−ブトキシ基が好ましく、メトキシ基、エトキシ基が最も好ましい。
前記芳香族炭化水素基の置換基としてのハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられ、フッ素原子が好ましい。
前記芳香族炭化水素基の置換基としてのハロゲン化アルキル基としては、前記アルキル基の水素原子の一部または全部が前記ハロゲン原子で置換された基が挙げられる。
における脂肪族炭化水素基は、飽和脂肪族炭化水素基であってもよく、不飽和脂肪族炭化水素基であってもよい。また、脂肪族炭化水素基は、直鎖状、分岐鎖状、環状のいずれであってもよい。
において、脂肪族炭化水素基は、当該脂肪族炭化水素基を構成する炭素原子の一部がヘテロ原子を含む置換基で置換されていてもよく、当該脂肪族炭化水素基を構成する水素原子の一部または全部がヘテロ原子を含む置換基で置換されていてもよい。
における「ヘテロ原子」としては、炭素原子および水素原子以外の原子であれば特に限定されず、たとえばハロゲン原子、酸素原子、硫黄原子、窒素原子等が挙げられる。ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、ヨウ素原子、臭素原子等が挙げられる。
ヘテロ原子を含む置換基は、前記ヘテロ原子のみからなるものであってもよく、前記ヘテロ原子以外の基または原子を含む基であってもよい。
炭素原子の一部を置換する置換基として、具体的には、たとえば−O−、−C(=O)−O−、−C(=O)−、−O−C(=O)−O−、−C(=O)−NH−、−NH−(Hがアルキル基、アシル基等の置換基で置換されていてもよい)、−S−、−S(=O)−、−S(=O)−O−等が挙げられる。脂肪族炭化水素基が環状である場合、これらの置換基を環構造中に含んでいてもよい。
水素原子の一部または全部を置換する置換基として、具体的には、たとえばアルコキシ基、ハロゲン原子、ハロゲン化アルキル基、水酸基、酸素原子(=O)、シアノ基等が挙げられる。
前記アルコキシ基としては、炭素数1〜5のアルコキシ基が好ましく、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、iso−プロポキシ基、n−ブトキシ基、tert−ブトキシ基が好ましく、メトキシ基、エトキシ基が最も好ましい。
前記ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられ、フッ素原子が好ましい。
前記ハロゲン化アルキル基としては、炭素数1〜5のアルキル基、たとえばメチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、tert−ブチル基等のアルキル基の水素原子の一部または全部が前記ハロゲン原子で置換された基が挙げられる。
における脂肪族炭化水素基としては、直鎖状もしくは分岐鎖状の飽和炭化水素基、直鎖状もしくは分岐鎖状の1価の不飽和炭化水素基、または環状の脂肪族炭化水素基(脂肪族環式基)が好ましい。
直鎖状の飽和炭化水素基(アルキル基)としては、炭素数が1〜20であることが好ましく、1〜15であることがより好ましく、1〜10が最も好ましい。具体的には、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、イソトリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、イソヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、イコシル基、ヘンイコシル基、ドコシル基等が挙げられる。
分岐鎖状の飽和炭化水素基(アルキル基)としては、炭素数が3〜20であることが好ましく、3〜15であることがより好ましく、3〜10が最も好ましい。具体的には、例えば、1−メチルエチル基、1−メチルプロピル基、2−メチルプロピル基、1−メチルブチル基、2−メチルブチル基、3−メチルブチル基、1−エチルブチル基、2−エチルブチル基、1−メチルペンチル基、2−メチルペンチル基、3−メチルペンチル基、4−メチルペンチル基などが挙げられる。
不飽和炭化水素基としては、炭素数が2〜10であることが好ましく、2〜5が好ましく、2〜4が好ましく、3が特に好ましい。直鎖状の1価の不飽和炭化水素基としては、例えば、ビニル基、プロペニル基(アリル基)、ブチニル基などが挙げられる。分岐鎖状の1価の不飽和炭化水素基としては、例えば、1−メチルプロペニル基、2−メチルプロペニル基などが挙げられる。
不飽和炭化水素基としては、上記の中でも、特にプロペニル基が好ましい。
脂肪族環式基としては、単環式基であってもよく、多環式基であってもよい。その炭素数は3〜30であることが好ましく、5〜30であることがより好ましく、5〜20がさらに好ましく、6〜15が特に好ましく、6〜12が最も好ましい。
具体的には、たとえば、モノシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基;ビシクロアルカン、トリシクロアルカン、テトラシクロアルカンなどのポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基などが挙げられる。より具体的には、シクロペンタン、シクロヘキサン等のモノシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基;アダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカンなどのポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基などが挙げられる。
脂肪族環式基が、その環構造中にヘテロ原子を含む置換基を含まない場合は、脂肪族環式基としては、多環式基が好ましく、ポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基が好ましく、アダマンタンから1個以上の水素原子を除いた基が最も好ましい。
脂肪族環式基が、その環構造中にヘテロ原子を含む置換基を含むものである場合、該ヘテロ原子を含む置換基としては、−O−、−C(=O)−O−、−S−、−S(=O)−、−S(=O)−O−が好ましい。かかる脂肪族環式基の具体例としては、たとえば下記式(L1)〜(L6)、(S1)〜(S4)でそれぞれ表される基等が挙げられる。
Figure 2013068904
[式中、Q”は炭素数1〜5のアルキレン基、−O−、−S−、−O−R94’−または−S−R95’−であり、R94’およびR95’はそれぞれ独立に炭素数1〜5のアルキレン基であり、m”は0または1の整数である。]
式中、Q”、R94’およびR95’におけるアルキレン基としては、それぞれ、前記R91〜R95におけるアルキレン基と同様のものが挙げられる。
これらの脂肪族環式基は、その環構造を構成する炭素原子に結合した水素原子の一部が置換基で置換されていてもよい。該置換基としては、たとえばアルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、ハロゲン化アルキル基、水酸基、酸素原子(=O)等が挙げられる。
前記アルキル基としては、炭素数1〜5のアルキル基が好ましく、メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、tert−ブチル基であることが特に好ましい。
前記アルコキシ基、ハロゲン原子はそれぞれ前記水素原子の一部または全部を置換する置換基として挙げたものと同様のものが挙げられる。
本発明において、Xは、置換基を有していてもよい環式基であることが好ましい。該環式基は、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基であってもよく、置換基を有していてもよい脂肪族環式基であってもよく、置換基を有していてもよい脂肪族環式基であることが好ましい。
前記芳香族炭化水素基としては、置換基を有していてもよいナフチル基、または置換基を有していてもよいフェニル基が好ましい。
置換基を有していてもよい脂肪族環式基としては、置換基を有していてもよい多環式の脂肪族環式基が好ましい。該多環式の脂肪族環式基としては、前記ポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基、前記式(L2)〜(L6)、(S3)〜(S4)のいずれかで表される基等が好ましい。
上記の中でも、前記R”としては、ハロゲン化アルキル基、または置換基としてX−Q’−を有することが好ましい。
置換基としてX−Q’−を有する場合、R”としては、X−Q’−Y−[式中、Q’およびXは前記と同じであり、Yは置換基を有していてもよい炭素数1〜4のアルキレン基または置換基を有していてもよい炭素数1〜4のフッ素化アルキレン基である。]で表される基が好ましい。
−Q’−Y−で表される基において、Yのアルキレン基としては、前記Q’で挙げたアルキレン基のうち炭素数1〜4のものと同様のものが挙げられる。
フッ素化アルキレン基としては、該アルキレン基の水素原子の一部または全部がフッ素原子で置換された基が挙げられる。
として、具体的には、−CF−、−CFCF−、−CFCFCF−、−CF(CF)CF−、−CF(CFCF)−、−C(CF−、−CFCFCFCF−、−CF(CF)CFCF−、−CFCF(CF)CF−、−CF(CF)CF(CF)−、−C(CFCF−、−CF(CFCF)CF−、−CF(CFCFCF)−、−C(CF)(CFCF)−;−CHF−、−CHCF−、−CHCHCF−、−CHCFCF−、−CH(CF)CH−、−CH(CFCF)−、−C(CH)(CF)−、−CHCHCHCF−、−CHCHCFCF−、−CH(CF)CHCH−、−CHCH(CF)CH−、−CH(CF)CH(CF)−、−C(CFCH−;−CH−、−CHCH−、−CHCHCH−、−CH(CH)CH−、−CH(CHCH)−、−C(CH−、−CHCHCHCH−、−CH(CH)CHCH−、−CHCH(CH)CH−、−CH(CH)CH(CH)−、−C(CHCH−、−CH(CHCH)CH−、−CH(CHCHCH)−、−C(CH)(CHCH)−等が挙げられる。
としては、フッ素化アルキレン基が好ましく、特に、隣接する硫黄原子に結合する炭素原子がフッ素化されているフッ素化アルキレン基が好ましい。このようなフッ素化アルキレン基としては、−CF−、−CFCF−、−CFCFCF−、−CF(CF)CF−、−CFCFCFCF−、−CF(CF)CFCF−、−CFCF(CF)CF−、−CF(CF)CF(CF)−、−C(CFCF−、−CF(CFCF)CF−;−CHCF−、−CHCHCF−、−CHCFCF−;−CHCHCHCF−、−CHCHCFCF−、−CHCFCFCF−等を挙げることができる。
これらの中でも、−CF−、−CFCF−、−CFCFCF−、又はCHCFCF−が好ましく、−CF−、−CFCF−又は−CFCFCF−がより好ましく、−CF−が特に好ましい。
前記アルキレン基またはフッ素化アルキレン基は、置換基を有していてもよい。アルキレン基またはフッ素化アルキレン基が「置換基を有する」とは、当該アルキレン基またはフッ素化アルキレン基における水素原子またはフッ素原子の一部または全部が、水素原子およびフッ素原子以外の原子または基で置換されていることを意味する。
アルキレン基またはフッ素化アルキレン基が有していてもよい置換基としては、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、水酸基等が挙げられる。
”がX−Q’−Y−で表される基であるR”SO の具体例としては、たとえば下記式(b1)〜(b9)のいずれかで表されるアニオンが挙げられる。
Figure 2013068904
Figure 2013068904
[式中、q1〜q2はそれぞれ独立に1〜5の整数であり、q3は1〜12の整数であり、t3は1〜3の整数であり、r1〜r2はそれぞれ独立に0〜3の整数であり、iは1〜20の整数であり、Rは置換基であり、n1〜n6はそれぞれ独立に0または1であり、v0〜v6はそれぞれ独立に0〜3の整数であり、w1〜w6はそれぞれ独立に0〜3の整数であり、Q”は前記と同じである。]
の置換基としては、前記式(I−1)中のXにおいて、脂肪族炭化水素基が有していてもよい置換基、芳香族炭化水素基が有していてもよい置換基として挙げたものと同様のものが挙げられる。
に付された符号(r1〜r2、w1〜w6)が2以上の整数である場合、当該化合物中の複数のRはそれぞれ同じであってもよく、異なっていてもよい。
また、式(a5−1)中のVとしては、たとえば下記一般式(b−3)で表されるアニオン、下記一般式(b−4)で表されるアニオンも挙げられる。
Figure 2013068904
[式中、X”は、少なくとも1つの水素原子がフッ素原子で置換された炭素数2〜6のアルキレン基を表し;Y”、Z”は、それぞれ独立に、少なくとも1つの水素原子がフッ素原子で置換された炭素数1〜10のアルキル基を表す。]
式(b−3)において、X”は、少なくとも1つの水素原子がフッ素原子で置換された直鎖状又は分岐鎖状のアルキレン基であり、該アルキレン基の炭素数は、好ましくは2〜6であり、より好ましくは炭素数3〜5、最も好ましくは炭素数3である。
式(b−4)において、Y”、Z”は、それぞれ独立に、少なくとも1つの水素原子がフッ素原子で置換された直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基であり、該アルキル基の炭素数は、好ましくは1〜10であり、より好ましくは炭素数1〜7、最も好ましくは炭素数1〜3である。
X”のアルキレン基の炭素数又はY”、Z”のアルキル基の炭素数は、上記炭素数の範囲内において、レジスト溶媒への溶解性も良好である等の理由により、小さいほど好ましい。
また、X”のアルキレン基又はY”、Z”のアルキル基において、フッ素原子で置換されている水素原子の数が多いほど、酸の強度が強くなり、また200nm以下の高エネルギー光や電子線に対する透明性が向上するので好ましい。
該アルキレン基またはアルキル基中のフッ素原子の割合、すなわちフッ素化率は、好ましくは70〜100%、さらに好ましくは90〜100%であり、最も好ましくは、全ての水素原子がフッ素原子で置換されたパーフルオロアルキレン基又はパーフルオロアルキル基である。
式(a5−1)におけるVとしては、一般式「R”SO 」で表されるアニオン(特に、R”がX−Q’−Y−で表される基である上記式(b1)〜(b9)で表されるアニオン)が好ましい。
以下に、式(a5−1)で表される基の具体例を示す。
Figure 2013068904
本発明において、前記式(a5−1)で表される基を有する構成単位(以下「構成単位(a5−1)」という。)としては、下記式(a5−11)で表される構成単位が好ましい。
Figure 2013068904
[式中、Rは水素原子、炭素数1〜5のアルキル基、又は炭素数1〜5のハロゲン化アルキル基であり、Q、R〜R、Vは前記同様である。]
式(a5−11)中、Rにおけるアルキル基は、直鎖状または分岐鎖状のアルキル基が好ましく、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基等が挙げられる。
Rのハロゲン化アルキル基は、前記のRにおけるアルキル基の水素原子の一部または全部を、ハロゲン原子で置換した基が挙げられる。該ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられ、特にフッ素原子が好ましい。
Rとしては、水素原子、炭素数1〜5のアルキル基又は炭素数1〜5のフッ素化アルキル基が好ましく、水素原子又はメチル基が特に好ましい。
式(a5−11)中、Q、R〜R、Vは前記同様である。
(式(a5−2)で表される基を有する構成単位)
前記式(a5−2)中、Qは、単結合又は2価の連結基である。Qの2価の連結基としては、上記式(I−1)中のXの2価の連結基と同様のものが挙げられる。なかでも、Qとしては、単結合、又は、直鎖状のアルキレン基、分岐鎖状のアルキレン基、エステル結合[−C(=O)−O−]若しくはこれらの組み合わせであることが好ましい。
式(a5−2)中、Aはアニオンを含む有機基である。
としては、露光により発生して酸アニオンとなる部位を含むものであれば特に限定されるものではなく、スルホン酸アニオン、カルボアニオン、カルボン酸アニオン、スルホニルイミドアニオン、ビス(アルキルスルホニル)イミドアニオン、トリス(アルキルスルホニル)メチドアニオンを発生し得る基が好ましい。
なかでも、Aとしては、下記の一般式(a5−2−an1)〜(a5−2−an5)のいずれかで表される基が好ましい。
Figure 2013068904
[式中、Rf3及びRf4はそれぞれ独立に水素原子、アルキル基、フッ素原子、又はフッ素化アルキル基であり、Rf3、Rf4のうち少なくとも1つはフッ素原子又はフッ素化アルキル基であり、p0は1〜8の整数である。Zは−C(=O)−O−、−SO−又は置換基を有していてもよい炭化水素基であり、Z及びZはそれぞれ独立に−C(=O)−又は−SO−である。R62及びR63はそれぞれ独立にフッ素原子を有していてもよい炭化水素基である。Zは−C(=O)−、−SO−、−C(=O)−O−又は単結合であり、Zは−C(=O)−又は−SO−である。R61はフッ素原子を有していてもよい炭化水素基である。R64はフッ素原子を有していてもよい炭化水素基である。Wは置換基を有していてもよい炭素数1〜30の炭化水素基(但し、Sに隣接する炭素にはフッ素原子は置換されていないものとする)である。]
式(a5−2−an1)中、Rf3及びRf4は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、フッ素原子、又はフッ素化アルキル基であり、Rf3、Rf4のうち少なくとも1つはフッ素原子又はフッ素化アルキル基である。
f3、Rf4のアルキル基としては、炭素数1〜5のアルキル基が好ましく、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基等が挙げられる。
f3、Rf4のフッ素化アルキル基としては、上記Rf3、Rf4のアルキル基の水素原子の一部又は全部がフッ素原子で置換された基が好ましい。
f3、Rf4としては、フッ素原子又はフッ素化アルキル基であることが好ましい。
式(a5−2−an1)中、p0は1〜8の整数であり、1〜4の整数であることが好ましく、1又は2であることがさらに好ましい。
式(a5−2−an2)中、Zは−C(=O)−O−、−SO−又は置換基を有していてもよい炭化水素基である。Zの置換基を有していていもよい炭化水素基としては、前記式(I−1)中のXの2価の連結基における「置換基を有していていもよい2価の炭化水素基」と同様のものが挙げられる。なかでも、Zとしては、−SO−であることが好ましい。
式(a5−2−an2)中、Z及びZは、それぞれ独立に、−C(=O)−又は−SO−であり、少なくとも一方が−SO−であることが好ましく、両方が−SO−であることがより好ましい。
62及びR63は、それぞれ独立に、フッ素原子を有していてもよい炭化水素基であり、後述するR61におけるフッ素原子を有していてもよい炭化水素基と同様のものが挙げられる。
式(a5−2−an3)中、Zは−C(=O)−、−SO−、−C(=O)−O−又は単結合である。Zが単結合の場合、式中のNが、Zと結合した側とは逆側(即ち、式中の左端)で直接−C(=O)−と結合しないことが好ましい。
式(a5−2−an3)中、Zは、−C(=O)−又は−SO−であり、−SO−であることが好ましい。
61は、フッ素原子を有していてもよい炭化水素基である。R61における炭化水素基としては、アルキル基、1価の脂環式炭化水素基、アリール基、アラルキル基などが挙げられる。
61におけるアルキル基は、炭素数1〜8であるものが好ましく、炭素数1〜6であるものがより好ましく、炭素数1〜4であるものがさらに好ましく、直鎖状であっても分岐鎖状であってもよい。具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、オクチル基等が好ましいものとして挙げられる。
61における1価の脂環式炭化水素基は、炭素数3〜20であるものが好ましく、炭素数3〜12であるものがより好ましく、多環式でもよく、単環式でもよい。単環式の脂環式炭化水素基としては、モノシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基が好ましい。該モノシクロアルカンとしては炭素数3〜6のものが好ましく、具体的にはシクロブタン、シクロペンタン、シクロヘキサン等が挙げられる。多環式の脂環式炭化水素基としては、ポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基が好ましく、該ポリシクロアルカンとしては炭素数7〜12のものが好ましく、具体的にはアダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカン等が挙げられる。
61におけるアリール基は、炭素数6〜18であるものが好ましく、炭素数6〜10であるものがより好ましく、具体的にはフェニル基が特に好ましい。
61におけるアラルキル基は、炭素数1〜8のアルキレン基と上記「R61におけるアリール基」とが結合したものが好ましい例として挙げられる。炭素数1〜6のアルキレン基と上記「R61におけるアリール基」とが結合したアラルキル基がより好ましく、炭素数1〜4のアルキレン基と上記「R61におけるアリール基」とが結合したアラルキル基が特に好ましい。
61における炭化水素基は、当該炭化水素基の水素原子の一部又は全部がフッ素原子で置換されていることが好ましく、当該炭化水素基の水素原子の30〜100%がフッ素原子で置換されていることがより好ましい。なかでも、上述したアルキル基の水素原子の全部がフッ素原子で置換されたパーフルオロアルキル基であることが特に好ましい。
式(a5−2−an4)中、R64は、フッ素原子を有していてもよい炭化水素基である。R64における炭化水素基としては、アルキレン基、2価の脂環式炭化水素基、アリール基から1個以上の水素原子を除いた基、アラルキル基から1個以上の水素原子を除いた基などが挙げられる。
64における炭化水素基として、具体的には、上記R61における炭化水素基(アルキル基、1価の脂環式炭化水素基、アリール基、アラルキル基など)についての説明の中で例示したものから1個以上の水素原子を除いた基が挙げられる。
64における炭化水素基は、当該炭化水素基の水素原子の一部又は全部がフッ素原子で置換されていることが好ましく、当該炭化水素基の水素原子の30〜100%がフッ素原子で置換されていることがより好ましい。
式(a5−2−an5)中、Wは、置換基を有していてもよい炭素数1〜30の炭化水素基である。
の置換基を有していてもよい炭素数1〜30の炭化水素基は、脂肪族炭化水素基であっても芳香族炭化水素基であってもよく、前記式(I−1)中のXの2価の連結基として説明した脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基と同様のものが挙げられる。
なかでもWの置換基を有していてもよい炭化水素基としては、置換基を有していてもよい脂肪族環式基であることが好ましく、アダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカン、カンファー等から2個以上の水素原子を除いた基(置換基を有していてもよい)であることがより好ましい。
が式(a5−2−an1)〜(a5−2−an2)で表される基や、Zが−C(=O)−O−又は単結合である式(a5−2−an3)で表される基を有する場合、露光によって重合体から、フッ素化スルホン酸アニオン、カルボアニオン等の比較的強い酸を発生させることができる。
一方、Aが式(a5−2−an4)〜(a5−2−an5)で表される基や、Zが−C(=O)−又は−SO−である式(a5−2−an3)で表される基を有する場合、露光によって重合体から、スルホン酸アニオン、カルボン酸アニオン等の比較的弱い酸を発生させることができる。
(A1−1)成分においては、上記の様に構成単位(a5)から所望の酸強度を有する酸を発生させることができるため、該(A1−1)成分をレジスト組成物に用いる場合、レジスト組成物における構成単位(a5)から発生した酸の機能を適宜決定することができ、所望の機能にあわせてAを選択することもできる。
例えば、通常レジスト組成物において用いられる酸発生剤と同様の役割を構成単位(a5)が担う場合は、強酸を発生するAを選択することが好ましい。
また、例えば、通常レジスト組成物において用いられるクエンチャー(酸発生剤から発生する強酸と塩交換して強酸をトラップするクエンチャー)と同様の機能を構成単位(a5)が担う場合は、弱酸を発生するAを選択することが好ましい。
なお、ここで強酸、弱酸とは、前述した構成単位(a1)に含まれるような酸の作用により分解する酸分解性基の活性化エネルギーとの関係性や、共に用いられる酸発生剤の酸強度との関係性において決定されるものである。そのため、上述した“比較的弱い酸”が、必ずクエンチャーとして用いることができるものではない。
式(a5−2)中、Mm+は対カチオンであり、mは1〜3の整数である。
m+の対カチオンとしては、オニウムカチオンであることが好ましく、具体的にはスルホニウムカチオン、ヨードニウムカチオン、ホスホニウムカチオン、ジアゾニウムカチオン、アンモニウムカチオン、ピリジニウムカチオン等が挙げられる。なかでも、前記式(c−1)〜(c−3)で表されるカチオンが好ましく、前記式(c−1)で表されるカチオンがより好ましく、前記式(c−1−1)〜(c−1−31)で表されるカチオンが特に好ましい。
本発明において、式(a5−2)で表される基を有する構成単位(以下「構成単位(a5−2)」という。)としては、下記の式(a5−2−11)〜(a5−2−13)、式(a5−2−21)〜(a5−2−25)、式(a5−2−31)〜(a5−2−32)、式(a5−2−41)〜(a5−2−44)及び式(a5−2−51)〜(a5−2−53)で表される構成単位からなる群より選択されるものが好ましい。
Figure 2013068904
[式中、R、Rf3、Rf4、p0、(Mm+1/mは前記同様であり、Q21はそれぞれ独立に単結合又は2価の連結基である。Q22は2価の連結基である。Q23は−O−、−CH−O−、又は−C(=O)−O−を含有する基である。Rq1はフッ素原子又はフッ素化アルキル基である。Rは水素原子又は炭素数1〜5のアルキル基である。]
Figure 2013068904
[式中、R、Q21〜Q23、Z〜Z、R62〜R63、R、Rq1、(Mm+1/mは前記同様である。n60は0〜3の整数である。]
Figure 2013068904
[式中、R、Z〜Z、R、(Mm+1/mは前記同様であり、Q24、Q25はそれぞれ独立に単結合又は2価の連結基である。]
Figure 2013068904
[式中、R、R、(Mm+1/mは前記同様であり、Q26〜Q28はそれぞれ独立に単結合又は2価の連結基である。n30は0〜3の整数である。]
Figure 2013068904
[式中、R、Q21〜Q23、W、Rq1、R、(Mm+1/mは前記同様である。]
式(a5−2−11)〜(a5−2−13)中、R、Rf3、Rf4、p0、(Mm+1/mは前記同様であり、Q21は、単結合又は2価の連結基である。Q21における2価の連結基としては、式(I−1)中のXの2価の連結基と同様のものが挙げられる。なかでも、Q21としては、Xで挙げた直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキレン基、環状の脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基、又はヘテロ原子を含む2価の連結基が好ましく;直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキレン基、直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキレン基とヘテロ原子を含む2価の連結基との組合せ、環状の脂肪族炭化水素基とヘテロ原子を含む2価の連結基との組合せ、芳香族炭化水素基とヘテロ原子を含む2価の連結基との組合せがより好ましく;直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキレン基、直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキレン基とエステル結合[−C(=O)−O−]との組合せ、2価の脂環式炭化水素基とエステル結合[−C(=O)−O−]との組合せが特に好ましく;直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキレン基、又は直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキレン基とエステル結合[−C(=O)−O−]との組合せが最も好ましい。
式(a5−2−12)中、Q22は2価の連結基であり、式(I−1)中のXの2価の連結基と同様のものが挙げられ、なかでも、Xで挙げた直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキレン基、環状の脂肪族炭化水素基、または2価の芳香族炭化水素基であることが好ましく、直鎖状のアルキレン基が特に好ましく、メチレン基又はエチレン基が最も好ましい。
式(a5−2−12)中、Rは、水素原子又は炭素数1〜5のアルキル基である。炭素数1〜5のアルキル基としては、前記Rの炭素数1〜5のアルキル基と同様のものが挙げられる。なかでもRとしては、水素原子又はメチル基が好ましい。
式(a5−2−13)中、Q23は−O−、−CH−O−、又は−C(=O)−O−を含有する基である。
23として具体的には、−O−、−CH−O−、又は−C(=O)−O−からなる基;−O−、−CH−O−又は−C(=O)−O−と、置換基を有していてもよい2価の炭化水素基とからなる基等が挙げられる。
かかる置換基を有していてもよい2価の炭化水素基としては、式(I−1)中のXの2価の連結基における置換基を有していてもよい2価の炭化水素基と同様のものが挙げられる。なかでも、Qにおける「2価の炭化水素基」としては、脂肪族炭化水素基が好ましく、直鎖状又は分岐鎖状のアルキレン基がより好ましい。
23としては、−C(=O)−O−と置換基を有していてもよい2価の炭化水素基とからなる基が好ましく、−C(=O)−O−と脂肪族炭化水素基とからなる基がより好ましく、−C(=O)−O−と直鎖状又は分岐鎖状のアルキレン基とからなる基がさらに好ましい。
23の好適なものとして具体的には、特に、下記一般式(Q23−1)で表される基が挙げられる。
Figure 2013068904
[式(Q23−1)中、Rq2及びRq3はそれぞれ独立に水素原子、アルキル基又はフッ素化アルキル基であり、互いに結合して環を形成していてもよい。]
前記式(Q23−1)中、Rq2、Rq3におけるアルキル基は、直鎖状、分岐鎖状又は環状のいずれでもよく、直鎖状又は分岐鎖状であることが好ましい。
直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基の場合、炭素数は1〜5であることが好ましく、エチル基、メチル基がより好ましく、エチル基が特に好ましい。
環状のアルキル基の場合、炭素数は4〜15であることが好ましく、炭素数4〜12であることがさらに好ましく、炭素数5〜10であることが最も好ましい。具体的には、モノシクロアルカン;ビシクロアルカン、トリシクロアルカン、テトラシクロアルカンなどのポリシクロアルカンからそれぞれ1個以上の水素原子を除いた基などが例示できる。より具体的には、シクロペンタン、シクロヘキサン等のモノシクロアルカンや、アダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカン等のポリシクロアルカンからそれぞれ1個以上の水素原子を除いた基などが挙げられる。なかでも、アダマンタンから1個以上の水素原子を除いた基が好ましい。
q2、Rq3におけるフッ素化アルキル基は、アルキル基中の水素原子の一部又は全部がフッ素原子で置換されている基である。
当該フッ素化アルキル基において、フッ素原子で置換されていない状態のアルキル基は、直鎖状、分岐鎖状又は環状のいずれでもよく、上記「Rq2、Rq3におけるアルキル基」と同様のものが挙げられる。
q2及びRq3は、互いに結合して環を形成していてもよく、Rq2とRq3とこれらが結合している炭素原子とが構成する環としては、前記環状のアルキル基におけるモノシクロアルカン又はポリシクロアルカンから2個の水素原子を除いたものが例示でき、4〜10員環であることが好ましく、5〜7員環であることがより好ましい。
上記の中でも、Rq2、Rq3は、水素原子又はアルキル基であることが好ましい。
式(a5−2−13)中、Rq1は、フッ素原子又はフッ素化アルキル基である。
q1におけるフッ素化アルキル基において、フッ素原子で置換されていない状態のアルキル基は、直鎖状、分岐鎖状又は環状のいずれでもよい。
直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基の場合、炭素数は1〜5であることが好ましく、炭素数が1〜3であることがより好ましく、炭素数が1〜2であることが特に好ましい。
環状のアルキル基の場合、炭素数は4〜15であることが好ましく、炭素数4〜12であることがより好ましく、炭素数5〜10であることがさらに好ましい。具体的には、モノシクロアルカン;ビシクロアルカン、トリシクロアルカン、テトラシクロアルカンなどのポリシクロアルカンからそれぞれ1個以上の水素原子を除いた基などが例示できる。より具体的には、シクロペンタン、シクロヘキサン等のモノシクロアルカン;アダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカン等のポリシクロアルカンからそれぞれ1個以上の水素原子を除いた基などが挙げられる。
フッ素化アルキル基においては、当該フッ素化アルキル基に含まれるフッ素原子と水素原子との合計数に対するフッ素原子の数の割合(フッ素化率(%))が、30〜100%であることが好ましく、50〜100%であることがより好ましい。該フッ素化率が高いほど、レジスト膜の疎水性が高まる。
上記の中でも、Rq1はフッ素原子であることが好ましい。
式(a5−2−21)〜(a5−2−25)中、R、Q21〜Q23、Z〜Z、R62〜R63、R、Rq1、(Mm+1/mは前記同様である。
式(a5−2−24)中、n60は0〜3の整数であって、0又は1であることが好ましい。
式(a5−2−31)〜(a5−2−32)中、R、Z〜Z、R、(Mm+1/mは前記同様であり、Q24、Q25は、それぞれ独立に単結合又は2価の連結基である。
24、Q25の2価の連結基としては、式(I−1)中のXの2価の連結基と同様のものが挙げられる。なお、上述したように、Zが単結合である場合、Q24、Q25のZと結合する末端は−C(=O)−でないことが好ましい。Q24、Q25の2価の連結基としては、特に、直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキレン基、環状の脂肪族炭化水素基、又はヘテロ原子を含む2価の連結基が好ましい。これらの中でも、直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキレン基、環状の脂肪族炭化水素基が好ましく、直鎖状のアルキレン基、環状の脂肪族炭化水素基がより好ましい。
式(a5−2−41)〜(a5−2−44)中、R、R、(Mm+1/mは前記同様であり、Q26〜Q28は、それぞれ独立に単結合又は2価の連結基である。Q26〜Q28は、前記Q24、Q25と同様である。
式(a5−2−44)中、n30は0〜3の整数であって、0又は1であることが好ましい。
式(a5−2−51)〜(a5−2−53)中、R、Q21〜Q23、W、Rq1、R、(Mm+1/mは前記同様である。
以下に、構成単位(a5−2)の具体例を示す。以下の各式中、Rαは水素原子、メチル基又はトリフルオロメチル基である。(Mm+1/mは前記同様である。
m7は0〜5の整数である。
Figure 2013068904
Figure 2013068904
Figure 2013068904
Figure 2013068904
Figure 2013068904
Figure 2013068904
Figure 2013068904
(A1−1)成分が構成単位(a5)を有する場合、当該構成単位(a5)は、1種であってもよく2種以上であってもよい。
(A1−1)成分中、構成単位(a5)の割合は、当該(A1−1)成分を構成する全構成単位に対して1〜40モル%であることが好ましく、1〜35モル%がより好ましく、2〜30モル%がさらに好ましく、2〜25モル%が特に好ましい。
構成単位(a5)の割合を下限値以上とすることにより、構成単位(a5)を含有させることによる効果(解像性、リソグラフィー特性、パターン形状の向上効果)が充分に得られ、上限値以下とすることにより、他の構成単位とのバランスをとりやすくなる。
(その他の構成単位)
(A1−1)成分は、本発明の効果を損なわない範囲で、用途に応じ、上記の構成単位(a0)、(a1)〜(a3)、(a5)以外のその他の構成単位を有してもよい。
かかるその他の構成単位は、上述の構成単位に分類されない構成単位であれば特に限定されるものではなく、ArFエキシマレーザー用、KrFエキシマレーザー用(好ましくはArFエキシマレーザー用)等のレジスト用樹脂に用いられるものとして従来から知られている多数のものが使用可能である。
かかるその他の構成単位としては、α位の炭素原子に結合した水素原子が置換基で置換されていてもよいアクリル酸エステルから誘導される構成単位であって酸非解離性の脂肪族多環式基を含む構成単位(a4)等が挙げられる。
・構成単位(a4)
構成単位(a4)は、α位の炭素原子に結合した水素原子が置換基で置換されていてもよいアクリル酸エステルから誘導される構成単位であって酸非解離性の脂肪族多環式基を含む構成単位である。
構成単位(a4)において、該多環式基は、たとえば、前記の構成単位(a1)の場合に例示した多環式基と同様のものを例示することができ、ArFエキシマレーザー用、KrFエキシマレーザー用(好ましくはArFエキシマレーザー用)等のレジスト組成物の樹脂成分に用いられるものとして従来から知られている多数のものが使用可能である。
特に、トリシクロデシル基、アダマンチル基、テトラシクロドデシル基、イソボルニル基、ノルボルニル基から選ばれる少なくとも1種であると、工業上入手し易いなどの点で好ましい。これらの多環式基は、炭素数1〜5の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基を置換基として有していてもよい。
構成単位(a4)として、具体的には、下記一般式(a4−1)〜(a4−5)で表される構造のものを例示することができる。
Figure 2013068904
(式中、Rは前記のものと同じ意味である。)
(A1−1)成分が構成単位(a4)を有する場合、当該構成単位(a4)は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
かかる構成単位(a4)を(A1−1)成分に含有させる際には、該(A1−1)成分を構成する全構成単位の合計に対して、構成単位(a4)を1〜30モル%含有させることが好ましく、10〜20モル%含有させることがより好ましい。
本発明のレジスト組成物において、(A)成分は、主鎖の少なくとも一方の末端に露光により酸を発生するアニオン部位を有し、かつ、質量平均分子量が20000以下である重合体(P)を含有するものである。
該重合体(P)としては、酸の作用により極性が増大するもの(樹脂(A1))が好ましく、特に好ましくは、前記構成単位(a1)を有するもの(重合体(A1−1))である。
(A1−1)成分としては、該重合体の主鎖が構成単位(a1)と構成単位(a2)との繰返し構造からなるもの、
該重合体の主鎖が構成単位(a1)と構成単位(a2)と構成単位(a3)との繰返し構造からなるもの、
該重合体の主鎖が構成単位(a1)と構成単位(a2)と構成単位(a3)と構成単位(a0)との繰返し構造からなるもの等が好適なものとして例示できる。
かかる(A1−1)成分として、より具体的には、主鎖の末端に前記一般式(I−1−1)で表される基を有し、かつ、前記一般式(a2−1)で表される構成単位と前記一般式(a11−0−11)で表される構成単位とを有するもの;主鎖の末端に前記一般式(I−1−1)で表される基を有し、かつ、前記一般式(a2−1)で表される構成単位と前記一般式(a11−0−17)で表される構成単位と前記一般式(a3−1)で表される構成単位とを有するもの; 主鎖の末端に前記一般式(I−1−1)で表される基を有し、かつ、前記一般式(a0−0−12)で表される構成単位と前記一般式(a11−0−12)で表される構成単位と前記一般式(a3−1)で表される構成単位とを有するもの;主鎖の末端に前記一般式(I−1−1)で表される基を有し、かつ、前記一般式(a0−0−12)で表される構成単位と前記一般式(a11−0−12)で表される構成単位と前記一般式(a3−1)で表される構成単位と前記一般式(a5−11)で表される構成単位とを有するもの;主鎖の末端に前記一般式(I−1−1)で表される基を有し、かつ、前記一般式(a0−0−12)で表される構成単位と前記一般式(a11−0−12)で表される構成単位と前記一般式(a3−1)で表される構成単位と前記一般式(a5−2−11)で表される構成単位とを有するもの;主鎖の末端に前記一般式(I−1−1)で表される基を有し、かつ、前記一般式(a0−0−12)で表される構成単位と前記一般式(a11−0−12)で表される構成単位と前記一般式(a3−1)で表される構成単位と前記一般式(a5−2−12)で表される構成単位とを有するもの;主鎖の末端に前記一般式(I−1−1)で表される基を有し、かつ、前記一般式(a0−0−12)で表される構成単位と前記一般式(a11−0−12)で表される構成単位と前記一般式(a3−1)で表される構成単位と前記一般式(a5−2−13)で表される構成単位とを有するもの;主鎖の末端に前記一般式(I−1−1)で表される基を有し、かつ、前記一般式(a0−0−12)で表される構成単位と前記一般式(a11−0−12)で表される構成単位と前記一般式(a3−1)で表される構成単位と前記一般式(a5−2−31)で表される構成単位とを有するもの;主鎖の末端に前記一般式(I−1−1)で表される基を有し、かつ、前記一般式(a0−0−12)で表される構成単位と前記一般式(a11−0−12)で表される構成単位と前記一般式(a3−1)で表される構成単位と前記一般式(a5−2−43)で表される構成単位とを有するもの;主鎖の末端に前記一般式(I−1−1)で表される基を有し、かつ、前記一般式(a0−0−12)で表される構成単位と前記一般式(a11−0−12)で表される構成単位と前記一般式(a3−1)で表される構成単位と前記一般式(a5−2−11)で表される構成単位と前記一般式(a5−2−31)で表される構成単位とを有するものが好ましい。
[(A2)成分]
本発明のレジスト組成物は、(A)成分として、前記(A1)成分に該当しない、酸の作用により現像液に対する溶解性が変化する基材成分(以下「(A2)成分」という)を含有してもよい。
(A2)成分としては、分子量が500以上2500未満であって、前述の(A1)成分の説明で例示したような酸解離性基と、親水性基とを有する低分子化合物が好適に挙げられる。具体的には、複数のフェノール骨格を有する化合物の水酸基の水素原子の一部が上記酸解離性基で置換されたものが挙げられる。
(A2)成分は、たとえば、非化学増幅型のg線やi線レジストにおける増感剤や、耐熱性向上剤として知られている低分子量フェノール化合物の水酸基の水素原子の一部を上記酸解離性基で置換したものが好ましく、そのようなものから任意に用いることができる。
かかる低分子量フェノール化合物としては、たとえば、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス(2,3,4−トリヒドロキシフェニル)メタン、2−(4−ヒドロキシフェニル)−2−(4’−ヒドロキシフェニル)プロパン、2−(2,3,4−トリヒドロキシフェニル)−2−(2’,3’,4’−トリヒドロキシフェニル)プロパン、トリス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)−2−ヒドロキシフェニルメタン、ビス(4−ヒドロキシ−2,5−ジメチルフェニル)−2−ヒドロキシフェニルメタン、ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)−3,4−ジヒドロキシフェニルメタン、ビス(4−ヒドロキシ−2,5−ジメチルフェニル)−3,4−ジヒドロキシフェニルメタン、ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)−3,4−ジヒドロキシフェニルメタン、ビス(3−シクロヘキシル−4−ヒドロキシ−6−メチルフェニル)−4−ヒドロキシフェニルメタン、ビス(3−シクロヘキシル−4−ヒドロキシ−6−メチルフェニル)−3,4−ジヒドロキシフェニルメタン、1−[1−(4−ヒドロキシフェニル)イソプロピル]−4−[1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エチル]ベンゼン、フェノール、m−クレゾール、p−クレゾールまたはキシレノールなどのフェノール類のホルマリン縮合物の2〜6核体などが挙げられる。勿論これらに限定されるものではない。特には、トリフェニルメタン骨格を2〜6個有するフェノール化合物が、解像性、LWRに優れることから好ましい。
酸解離性基も特に限定されず、上記したものが挙げられる。
また、(A2)成分としては、上記(A1)成分に該当しない樹脂成分を用いることも好ましい。(A1)成分に該当しない樹脂成分として具体的には、重合体(P)に該当しないもの、例えば、後述のラジカル重合開始剤(I)を用いずに、他の公知のラジカル重合開始剤を用いて製造された重合体が挙げられる。該重合体の構成は特に限定されるものではなく、例えば上記構成単位(a1)、(a2)、(a3)、(a0)を有するものが好ましい。
(A2)成分は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明のレジスト組成物において、(A)成分は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明のレジスト組成物中、(A)成分の含有量は、形成しようとするレジスト膜厚等に応じて調整すればよい。
<任意成分>
[(B)成分]
本発明のレジスト組成物は、さらに、露光により酸を発生する酸発生剤成分(B)を含有していてもよい。
本発明のレジスト組成物が(B)成分を含有する場合、(B)成分としては、特に限定されず、これまで化学増幅型レジスト用の酸発生剤として提案されているものを使用することができる。このような酸発生剤としては、これまで、ヨードニウム塩やスルホニウム塩などのオニウム塩系酸発生剤、オキシムスルホネート系酸発生剤、ビスアルキルまたはビスアリールスルホニルジアゾメタン類、ポリ(ビススルホニル)ジアゾメタン類などのジアゾメタン系酸発生剤、ニトロベンジルスルホネート系酸発生剤、イミノスルホネート系酸発生剤、ジスルホン系酸発生剤など多種のものが知られている。
オニウム塩系酸発生剤として、例えば下記一般式(b−1)または(b−2)で表される化合物を用いることができる。
Figure 2013068904
[式中、R”〜R”,R”〜R”は、それぞれ独立に、アリール基またはアルキル基を表し;式(b−1)におけるR”〜R”のうち、いずれか2つが相互に結合して式中のイオウ原子と共に環を形成してもよく;R”は、置換基を有していてもよいアルキル基、ハロゲン化アルキル基、アリール基、またはアルケニル基を表し;R”〜R”のうち少なくとも1つはアリール基を表し、R”〜R”のうち少なくとも1つはアリール基を表す。]
式(b−1)中のR”〜R”、式(b−2)中のR”〜R”は、それぞれ、前記式(c−1)中のR”〜R”、前記式(c−2)中のR”〜R”と同じである。
式(b−1)〜(b−2)中、「R”SO 」は、前述した式(a5−1)におけるV(対アニオン)についての説明の中で例示した一般式「R”SO (R”は、置換基を有していてもよい直鎖状、分岐鎖状若しくは環状のアルキル基、ハロゲン化アルキル基、アリール基、又はアルケニル基を表す。)」で表されるアニオンと同じである。
なかでも、レジストパターンのリソグラフィー特性、パターン形状がより良好なことから、前記の式(b1)〜(b9)のいずれかで表されるアニオンが好ましく、式(b5)で表されるアニオンが特に好ましい。
また、オニウム塩系酸発生剤としては、前記一般式(b−1)又は(b−2)において、アニオン部を、前述した一般式(b−3)又は(b−4)で表されるアニオン部に置き換えたオニウム塩系酸発生剤も用いることができる(カチオン部は(b−1)又は(b−2)と同様)。
また、前記式(c−3)で表されるカチオン部を有するスルホニウム塩をオニウム塩系酸発生剤として用いることもできる。式(c−3)で表されるカチオン部を有するスルホニウム塩のアニオン部は、特に限定されず、これまで提案されているオニウム塩系酸発生剤のアニオン部と同様のものであってよい。かかるアニオン部としては、たとえば上記一般式(b−1)または(b−2)で表されるオニウム塩系酸発生剤のアニオン部(R”SO )等のフッ素化アルキルスルホン酸イオン;前述した一般式(b−3)又は(b−4)で表されるアニオン等が挙げられる。
本明細書において、オキシムスルホネート系酸発生剤とは、下記一般式(B−1)で表される基を少なくとも1つ有する化合物であって、放射線の照射(露光)によって酸を発生する特性を有するものである。この様なオキシムスルホネート系酸発生剤は、化学増幅型レジスト組成物用として多用されているので、任意に選択して用いることができる。
Figure 2013068904
[式(B−1)中、R31、R32はそれぞれ独立に有機基を表す。]
31、R32の有機基は、炭素原子を含む基であり、炭素原子以外の原子(たとえば水素原子、酸素原子、窒素原子、硫黄原子、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子等)等)を有していてもよい。
31の有機基としては、直鎖状、分岐鎖状または環状のアルキル基またはアリール基が好ましい。これらのアルキル基、アリール基は置換基を有していても良い。該置換基としては、特に制限はなく、たとえばフッ素原子、炭素数1〜6の直鎖状、分岐鎖状または環状のアルキル基等が挙げられる。ここで、「置換基を有する」とは、アルキル基またはアリール基の水素原子の一部または全部が置換基で置換されていることを意味する。
アルキル基としては、炭素数1〜20が好ましく、炭素数1〜10がより好ましく、炭素数1〜8がさらに好ましく、炭素数1〜6が特に好ましく、炭素数1〜4が最も好ましい。アルキル基としては、特に、部分的または完全にハロゲン化されたアルキル基(以下、ハロゲン化アルキル基ということがある)が好ましい。なお、部分的にハロゲン化されたアルキル基とは、水素原子の一部がハロゲン原子で置換されたアルキル基を意味し、完全にハロゲン化されたアルキル基とは、水素原子の全部がハロゲン原子で置換されたアルキル基を意味する。ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられ、特にフッ素原子が好ましい。すなわち、ハロゲン化アルキル基は、フッ素化アルキル基であることが好ましい。
アリール基は、炭素数4〜20が好ましく、炭素数4〜10がより好ましく、炭素数6〜10が最も好ましい。アリール基としては、特に、部分的または完全にハロゲン化されたアリール基が好ましい。なお、部分的にハロゲン化されたアリール基とは、水素原子の一部がハロゲン原子で置換されたアリール基を意味し、完全にハロゲン化されたアリール基とは、水素原子の全部がハロゲン原子で置換されたアリール基を意味する。
31としては、特に、置換基を有さない炭素数1〜4のアルキル基、または炭素数1〜4のフッ素化アルキル基が好ましい。
32の有機基としては、直鎖状、分岐鎖状または環状のアルキル基、アリール基またはシアノ基が好ましい。R32のアルキル基、アリール基としては、前記R31で挙げたアルキル基、アリール基と同様のものが挙げられる。
32としては、特に、シアノ基、置換基を有さない炭素数1〜8のアルキル基、または炭素数1〜8のフッ素化アルキル基が好ましい。
オキシムスルホネート系酸発生剤として、さらに好ましいものとしては、下記一般式(B−2)または(B−3)で表される化合物が挙げられる。
Figure 2013068904
[式(B−2)中、R33は、シアノ基、置換基を有さないアルキル基またはハロゲン化アルキル基である。R34はアリール基である。R35は置換基を有さないアルキル基またはハロゲン化アルキル基である。]
Figure 2013068904
[式(B−3)中、R36はシアノ基、置換基を有さないアルキル基またはハロゲン化アルキル基である。R37は2または3価の芳香族炭化水素基である。R38は置換基を有さないアルキル基またはハロゲン化アルキル基である。p”は2または3である。]
前記一般式(B−2)において、R33の置換基を有さないアルキル基またはハロゲン化アルキル基は、炭素数が1〜10であることが好ましく、炭素数1〜8がより好ましく、炭素数1〜6が最も好ましい。
33としては、ハロゲン化アルキル基が好ましく、フッ素化アルキル基がより好ましい。
33におけるフッ素化アルキル基は、アルキル基の水素原子が50%以上フッ素化されていることが好ましく、70%以上フッ素化されていることがより好ましく、90%以上フッ素化されていることが特に好ましい。
34のアリール基としては、フェニル基、ビフェニル(biphenyl)基、フルオレニル(fluorenyl)基、ナフチル基、アントリル(anthryl)基、フェナントリル基等の、芳香族炭化水素の環から水素原子を1つ除いた基、およびこれらの基の環を構成する炭素原子の一部が酸素原子、硫黄原子、窒素原子等のヘテロ原子で置換されたヘテロアリール基等が挙げられる。これらのなかでも、フルオレニル基が好ましい。
34のアリール基は、炭素数1〜10のアルキル基、ハロゲン化アルキル基、アルコキシ基等の置換基を有していても良い。該置換基におけるアルキル基またはハロゲン化アルキル基は、炭素数が1〜8であることが好ましく、炭素数1〜4がさらに好ましい。また、該ハロゲン化アルキル基は、フッ素化アルキル基であることが好ましい。
35の置換基を有さないアルキル基またはハロゲン化アルキル基は、炭素数が1〜10であることが好ましく、炭素数1〜8がより好ましく、炭素数1〜6が最も好ましい。
35としては、ハロゲン化アルキル基が好ましく、フッ素化アルキル基がより好ましい。
35におけるフッ素化アルキル基は、アルキル基の水素原子が50%以上フッ素化されていることが好ましく、70%以上フッ素化されていることがより好ましく、90%以上フッ素化されていることが、発生する酸の強度が高まるため特に好ましい。最も好ましくは、水素原子が100%フッ素置換された完全フッ素化アルキル基である。
前記一般式(B−3)において、R36の置換基を有さないアルキル基またはハロゲン化アルキル基としては、上記R33の置換基を有さないアルキル基またはハロゲン化アルキル基と同様のものが挙げられる。
37の2または3価の芳香族炭化水素基としては、上記R34のアリール基からさらに1または2個の水素原子を除いた基が挙げられる。
38の置換基を有さないアルキル基またはハロゲン化アルキル基としては、上記R35の置換基を有さないアルキル基またはハロゲン化アルキル基と同様のものが挙げられる。
p”は、好ましくは2である。
オキシムスルホネート系酸発生剤の具体例としては、α−(p−トルエンスルホニルオキシイミノ)−ベンジルシアニド、α−(p−クロロベンゼンスルホニルオキシイミノ)−ベンジルシアニド、α−(4−ニトロベンゼンスルホニルオキシイミノ)−ベンジルシアニド、α−(4−ニトロ−2−トリフルオロメチルベンゼンスルホニルオキシイミノ)−ベンジルシアニド、α−(ベンゼンスルホニルオキシイミノ)−4−クロロベンジルシアニド、α−(ベンゼンスルホニルオキシイミノ)−2,4−ジクロロベンジルシアニド、α−(ベンゼンスルホニルオキシイミノ)−2,6−ジクロロベンジルシアニド、α−(ベンゼンスルホニルオキシイミノ)−4−メトキシベンジルシアニド、α−(2−クロロベンゼンスルホニルオキシイミノ)−4−メトキシベンジルシアニド、α−(ベンゼンスルホニルオキシイミノ)−チエン−2−イルアセトニトリル、α−(4−ドデシルベンゼンスルホニルオキシイミノ)−ベンジルシアニド、α−[(p−トルエンスルホニルオキシイミノ)−4−メトキシフェニル]アセトニトリル、α−[(ドデシルベンゼンスルホニルオキシイミノ)−4−メトキシフェニル]アセトニトリル、α−(トシルオキシイミノ)−4−チエニルシアニド、α−(メチルスルホニルオキシイミノ)−1−シクロペンテニルアセトニトリル、α−(メチルスルホニルオキシイミノ)−1−シクロヘキセニルアセトニトリル、α−(メチルスルホニルオキシイミノ)−1−シクロヘプテニルアセトニトリル、α−(メチルスルホニルオキシイミノ)−1−シクロオクテニルアセトニトリル、α−(トリフルオロメチルスルホニルオキシイミノ)−1−シクロペンテニルアセトニトリル、α−(トリフルオロメチルスルホニルオキシイミノ)−シクロヘキシルアセトニトリル、α−(エチルスルホニルオキシイミノ)−エチルアセトニトリル、α−(プロピルスルホニルオキシイミノ)−プロピルアセトニトリル、α−(シクロヘキシルスルホニルオキシイミノ)−シクロペンチルアセトニトリル、α−(シクロヘキシルスルホニルオキシイミノ)−シクロヘキシルアセトニトリル、α−(シクロヘキシルスルホニルオキシイミノ)−1−シクロペンテニルアセトニトリル、α−(エチルスルホニルオキシイミノ)−1−シクロペンテニルアセトニトリル、α−(イソプロピルスルホニルオキシイミノ)−1−シクロペンテニルアセトニトリル、α−(n−ブチルスルホニルオキシイミノ)−1−シクロペンテニルアセトニトリル、α−(エチルスルホニルオキシイミノ)−1−シクロヘキセニルアセトニトリル、α−(イソプロピルスルホニルオキシイミノ)−1−シクロヘキセニルアセトニトリル、α−(n−ブチルスルホニルオキシイミノ)−1−シクロヘキセニルアセトニトリル、α−(メチルスルホニルオキシイミノ)−フェニルアセトニトリル、α−(メチルスルホニルオキシイミノ)−p−メトキシフェニルアセトニトリル、α−(トリフルオロメチルスルホニルオキシイミノ)−フェニルアセトニトリル、α−(トリフルオロメチルスルホニルオキシイミノ)−p−メトキシフェニルアセトニトリル、α−(エチルスルホニルオキシイミノ)−p−メトキシフェニルアセトニトリル、α−(プロピルスルホニルオキシイミノ)−p−メチルフェニルアセトニトリル、α−(メチルスルホニルオキシイミノ)−p−ブロモフェニルアセトニトリルなどが挙げられる。
また、特開平9−208554号公報(段落[0012]〜[0014]の[化18]〜[化19])に開示されているオキシムスルホネート系酸発生剤、国際公開第04/074242号(65〜86頁目のExample1〜40)に開示されているオキシムスルホネート系酸発生剤も好適に用いることができる。
また、好適なものとして以下のものを例示することができる。
Figure 2013068904
ジアゾメタン系酸発生剤のうち、ビスアルキルまたはビスアリールスルホニルジアゾメタン類の具体例としては、ビス(イソプロピルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(p−トルエンスルホニル)ジアゾメタン、ビス(1,1−ジメチルエチルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(シクロヘキシルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(2,4−ジメチルフェニルスルホニル)ジアゾメタン等が挙げられる。
また、特開平11−035551号公報、特開平11−035552号公報、特開平11−035573号公報に開示されているジアゾメタン系酸発生剤も好適に用いることができる。
また、ポリ(ビススルホニル)ジアゾメタン類としては、例えば、特開平11−322707号公報に開示されている、1,3−ビス(フェニルスルホニルジアゾメチルスルホニル)プロパン、1,4−ビス(フェニルスルホニルジアゾメチルスルホニル)ブタン、1,6−ビス(フェニルスルホニルジアゾメチルスルホニル)ヘキサン、1,10−ビス(フェニルスルホニルジアゾメチルスルホニル)デカン、1,2−ビス(シクロヘキシルスルホニルジアゾメチルスルホニル)エタン、1,3−ビス(シクロヘキシルスルホニルジアゾメチルスルホニル)プロパン、1,6−ビス(シクロヘキシルスルホニルジアゾメチルスルホニル)ヘキサン、1,10−ビス(シクロヘキシルスルホニルジアゾメチルスルホニル)デカンなどを挙げることができる。
(B)成分としては、これらの酸発生剤を1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明のレジスト組成物が(B)成分を含有する場合、(B)成分としては、フッ素化アルキルスルホン酸イオンをアニオンとするオニウム塩系酸発生剤を用いることが好ましい。
本発明のレジスト組成物が(B)成分を含有する場合、本発明のレジスト組成物における(B)成分の含有量は、(A)成分100質量部に対し、0.5〜50質量部が好ましく、1〜40質量部がより好ましい。上記範囲とすることでパターン形成が充分に行われる。また、均一な溶液が得られやすく、保存安定性が良好となるため好ましい。
[(D)成分]
本発明のレジスト組成物においては、任意の成分として、さらに、含窒素有機化合物成分(D)(以下「(D)成分」という。)を含有することが好ましい。
この(D)成分は、酸拡散制御剤、すなわち露光により前記の(A)成分と、必要に応じて配合される(B)成分とから発生する酸をトラップするクエンチャーとして作用するものであれば特に限定されず、既に多種多様なものが提案されているので、公知のものから任意に用いればよい。なかでも、脂肪族アミン、特に第2級脂肪族アミンや第3級脂肪族アミンが好ましい。
脂肪族アミンとは、1つ以上の脂肪族基を有するアミンであり、該脂肪族基は炭素数が1〜12であることが好ましい。
脂肪族アミンとしては、アンモニアNHの水素原子の少なくとも1つを、炭素数12以下のアルキル基またはヒドロキシアルキル基で置換したアミン(アルキルアミンまたはアルキルアルコールアミン)又は環式アミンが挙げられる。
アルキルアミンおよびアルキルアルコールアミンの具体例としては、n−ヘキシルアミン、n−ヘプチルアミン、n−オクチルアミン、n−ノニルアミン、n−デシルアミン等のモノアルキルアミン;ジエチルアミン、ジ−n−プロピルアミン、ジ−n−ヘプチルアミン、ジ−n−オクチルアミン、ジシクロヘキシルアミン等のジアルキルアミン;トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリ−n−プロピルアミン、トリ−n−ブチルアミン、トリ−n−ペンチルアミン、トリ−n−ヘキシルアミン、トリ−n−ヘプチルアミン、トリ−n−オクチルアミン、トリ−n−ノニルアミン、トリ−n−デシルアミン、トリ−n−ドデシルアミン等のトリアルキルアミン;ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン、トリイソプロパノールアミン、ジ−n−オクタノールアミン、トリ−n−オクタノールアミン等のアルキルアルコールアミンが挙げられる。これらの中でも、炭素数5〜10のトリアルキルアミンがさらに好ましく、トリ−n−ペンチルアミン又はトリ−n−オクチルアミンが特に好ましい。
環式アミンとしては、たとえば、ヘテロ原子として窒素原子を含む複素環化合物が挙げられる。該複素環化合物としては、単環式のもの(脂肪族単環式アミン)であっても多環式のもの(脂肪族多環式アミン)であってもよい。
脂肪族単環式アミンとして、具体的には、ピペリジン、ピペラジン等が挙げられる。
脂肪族多環式アミンとしては、炭素数が6〜10のものが好ましく、具体的には、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]−5−ノネン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン、ヘキサメチレンテトラミン、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン等が挙げられる。
その他の脂肪族アミンとしては、トリス(2−メトキシメトキシエチル)アミン、トリス{2−(2−メトキシエトキシ)エチル}アミン、トリス{2−(2−メトキシエトキシメトキシ)エチル}アミン、トリス{2−(1−メトキシエトキシ)エチル}アミン、トリス{2−(1−エトキシエトキシ)エチル}アミン、トリス{2−(1−エトキシプロポキシ)エチル}アミン、トリス[2−{2−(2−ヒドロキシエトキシ)エトキシ}エチル]アミン、トリエタノールアミントリアセテート等が挙げられ、トリエタノールアミントリアセテートが好ましい。
また、(D)成分としては、芳香族アミンを用いてもよい。
芳香族アミンとしては、アニリン、ピリジン、4−ジメチルアミノピリジン、ピロール、インドール、ピラゾール、イミダゾールまたはこれらの誘導体、ジフェニルアミン、トリフェニルアミン、トリベンジルアミン、2,6−ジイソプロピルアニリン、N−tert−ブトキシカルボニルピロリジン等が挙げられる。
(D)成分は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(D)成分は、(A)成分100質量部に対して、通常0.01〜5.0質量部の範囲で用いられる。上記範囲とすることにより、レジストパターン形状、引き置き経時安定性等が向上する。
[(E)成分]
本発明のレジスト組成物には、感度劣化の防止や、レジストパターン形状、引き置き経時安定性等の向上の目的で、任意の成分として、有機カルボン酸、ならびにリンのオキソ酸およびその誘導体からなる群から選択される少なくとも1種の化合物(E)(以下(E)成分という。)を含有させることができる。
有機カルボン酸としては、例えば、酢酸、マロン酸、クエン酸、リンゴ酸、コハク酸、安息香酸、サリチル酸などが好適である。
リンのオキソ酸としては、リン酸、ホスホン酸、ホスフィン酸等が挙げられ、これらの中でも特にホスホン酸が好ましい。
リンのオキソ酸の誘導体としては、たとえば、上記オキソ酸の水素原子を炭化水素基で置換したエステル等が挙げられ、前記炭化水素基としては、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数6〜15のアリール基等が挙げられる。
リン酸の誘導体としては、リン酸ジ−n−ブチルエステル、リン酸ジフェニルエステル等のリン酸エステルなどが挙げられる。
ホスホン酸の誘導体としては、ホスホン酸ジメチルエステル、ホスホン酸−ジ−n−ブチルエステル、フェニルホスホン酸、ホスホン酸ジフェニルエステル、ホスホン酸ジベンジルエステル等のホスホン酸エステルなどが挙げられる。
ホスフィン酸の誘導体としては、フェニルホスフィン酸等のホスフィン酸エステルなどが挙げられる。
(E)成分としては、サリチル酸が特に好ましい。
(E)成分は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
(E)成分は、(A)成分100質量部に対して、通常、0.01〜5.0質量部の範囲で用いられる。
[(F)成分]
レジスト組成物には、レジスト膜に撥水性を付与するために、フッ素添加剤(以下「(F)成分」という。)を含有させることができる。(F)成分としては、例えば、特開2010−002870号公報に記載の含フッ素高分子化合物を用いることができる。
(F)成分としてより具体的には、下記式(f1−1)で表される構成単位(f1)を有する重合体が挙げられる。かかる重合体としては、構成単位(f1)のみからなる重合体(ホモポリマー);下記式(f1−1)で表される構成単位と、前記構成単位(a1)との共重合体;下記式(f1−1)で表される構成単位と、アクリル酸又はメタクリル酸から誘導される構成単位と、前記構成単位(a1)との共重合体、であることが好ましい。ここで、下記式(f1−1)で表される構成単位と共重合される前記構成単位(a1)としては、前記式(a1−1)で表される構成単位が好ましく、前記式(a11−0−11)で表される構成単位がより好ましく、前記式(a11−1−02)で表される構成単位がさらに好ましく、前記式(a1−1−32)で表される構成単位が特に好ましい。
Figure 2013068904
[式中、Rは前記同様であり、R41およびR42はそれぞれ独立して水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜5のアルキル基、又は炭素数1〜5のハロゲン化アルキル基を表し、複数のR41またはR42は同じであっても異なっていてもよい。a1は1〜5の整数であり、R”はフッ素原子を含む有機基である。]
式(f1−1)中、Rは前記同様である。Rとしては、水素原子またはメチル基が好ましい。
式(f1−1)中、R41、R42のハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられ、特にフッ素原子が好ましい。R41、R42の炭素数1〜5のアルキル基としては、上記Rの炭素数1〜5のアルキル基と同様のものが挙げられ、メチル基またはエチル基が好ましい。R41、R42の炭素数1〜5のハロゲン化アルキル基として、具体的には、上記炭素数1〜5のアルキル基の水素原子の一部または全部が、ハロゲン原子で置換された基が挙げられる。該ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられ、特にフッ素原子が好ましい。なかでもR41、R42としては、水素原子、フッ素原子、又は炭素数1〜5のアルキル基が好ましく、水素原子、フッ素原子、メチル基、またはエチル基が好ましい。
式(f1−1)中、a1は1〜5の整数であって、1〜3の整数が好ましく、1又は2であることがより好ましい。
式(f1−1)中、R”はフッ素原子を含む有機基であって、フッ素原子を含む炭化水素基であることが好ましい。
フッ素原子を含む炭化水素基としては、直鎖状、分岐鎖状または環状のいずれであってもよく、炭素数は1〜20であることが好ましく、炭素数1〜15であることがより好ましく、炭素数1〜10が特に好ましい。
また、フッ素原子を含む炭化水素基は、当該炭化水素基における水素原子の25%以上がフッ素化されていることが好ましく、50%以上がフッ素化されていることがより好ましく、60%以上がフッ素化されていることが、浸漬露光時のレジスト膜の疎水性が高まることから、特に好ましい。
なかでも、R”としては、炭素数1〜5のフッ素化炭化水素基が特に好ましく、メチル基、−CH−CF、−CH−CF−CF、−CH(CF、−CH−CH−CF、−CH−CH−CF−CF−CF−CFが最も好ましい。
(F)成分の質量平均分子量(Mw)(ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによるポリスチレン換算基準)は、1000〜50000が好ましく、5000〜40000がより好ましく、10000〜30000が最も好ましい。この範囲の上限値以下であると、レジストとして用いるのに充分なレジスト溶剤への溶解性があり、この範囲の下限値以上であると、耐ドライエッチング性やレジストパターン断面形状が良好である。
(F)成分の分散度(Mw/Mn)は、1.0〜5.0が好ましく、1.0〜3.0がより好ましく、1.2〜2.5が最も好ましい。
(F)成分は、例えば、各構成単位を誘導するモノマーを、ジメチル−2,2−アゾビス(2−メチルプロピオネート)(V−601)、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)のようなラジカル重合開始剤を用いた公知のラジカル重合等により重合させることによって得ることができる。また、該重合の際に、たとえばHS−CH−CH−CH−C(CF−OHのような連鎖移動剤を併用して用いることにより、末端に−C(CF−OH基を導入してもよい。このように、アルキル基の水素原子の一部がフッ素原子で置換されたヒドロキシアルキル基が導入された共重合体は、ディフェクトの低減やLER(ラインエッジラフネス:ライン側壁の不均一な凹凸)の低減に有効である。
各構成単位を誘導するモノマーは、それぞれ、市販のものを用いてもよく、公知の方法に製造したものを用いてもよい。
(F)成分は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
(F)成分は、(A)成分100質量部に対して、0.5〜10質量部の割合で用いられる。
本発明のレジスト組成物には、さらに所望により混和性のある添加剤、例えばレジスト膜の性能を改良するための付加的樹脂、塗布性を向上させるための界面活性剤、溶解抑制剤、可塑剤、安定剤、着色剤、ハレーション防止剤、染料などを適宜、添加含有させることができる。
[(S)成分]
本発明のレジスト組成物は、材料を有機溶剤(以下「(S)成分」ということがある)に溶解させて製造することができる。
(S)成分としては、使用する各成分を溶解し、均一な溶液とすることができるものであればよく、従来、化学増幅型レジストの溶剤として公知のものの中から任意のものを1種または2種以上適宜選択して用いることができる。
たとえば、γ−ブチロラクトン等のラクトン類;アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、メチル−n−ペンチルケトン、メチルイソペンチルケトン、2−ヘプタノンなどのケトン類;エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコールなどの多価アルコール類;エチレングリコールモノアセテート、ジエチレングリコールモノアセテート、プロピレングリコールモノアセテート、またはジプロピレングリコールモノアセテート等のエステル結合を有する化合物、前記多価アルコール類または前記エステル結合を有する化合物のモノメチルエーテル、モノエチルエーテル、モノプロピルエーテル、モノブチルエーテル等のモノアルキルエーテルまたはモノフェニルエーテル等のエーテル結合を有する化合物等の多価アルコール類の誘導体[これらの中では、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)が好ましい];ジオキサンのような環式エーテル類や、乳酸メチル、乳酸エチル(EL)、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、メトキシプロピオン酸メチル、エトキシプロピオン酸エチルなどのエステル類;アニソール、エチルベンジルエーテル、クレジルメチルエーテル、ジフェニルエーテル、ジベンジルエーテル、フェネトール、ブチルフェニルエーテル、エチルベンゼン、ジエチルベンゼン、ペンチルベンゼン、イソプロピルベンゼン、トルエン、キシレン、シメン、メシチレン等の芳香族系有機溶剤、ジメチルスルホキシド(DMSO)などを挙げることができる。
これらの有機溶剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上の混合溶剤として用いてもよい。中でも、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)、シクロヘキサノン、γ−ブチロラクトンが好ましい。
また、PGMEAと極性溶剤とを混合した混合溶媒も好ましい。その配合比(質量比)は、PGMEAと極性溶剤との相溶性等を考慮して適宜決定すればよいが、好ましくは1:9〜9:1、より好ましくは2:8〜8:2の範囲内とすることが好ましい。
より具体的には、極性溶剤としてELを配合する場合は、PGMEA:ELの質量比は、好ましくは1:9〜9:1、より好ましくは2:8〜8:2である。また、極性溶剤としてPGMEを配合する場合は、PGMEA:PGMEの質量比は、好ましくは1:9〜9:1、より好ましくは2:8〜8:2、さらに好ましくは3:7〜7:3である。
また、(S)成分として、その他には、PGMEA及びELの中から選ばれる少なくとも1種とγ−ブチロラクトンとの混合溶剤も好ましい。この場合、混合割合としては、前者と後者の質量比が好ましくは70:30〜95:5とされる。
さらに、(S)成分として、その他には、PGMEAとシクロヘキサノンとの混合溶剤、又はPGMEAとPGMEとシクロヘキサノンとの混合溶剤も好ましい。この場合、前者の混合割合としては、質量比が好ましくはPGMEA:シクロヘキサノン=95〜5:10〜90とされ、後者の混合割合としては、質量比が好ましくはPGMEA:PGME:シクロヘキサノン=35〜55:20〜40:15〜35とされる。
(S)成分の使用量は特に限定されず、基板等に塗布可能な濃度で、塗布膜厚に応じて適宜設定される。一般的にはレジスト組成物の固形分濃度が1〜20質量%、好ましくは2〜15質量%の範囲内となるように用いられる。
本発明のレジスト組成物は、感度、露光余裕度、マスク再現性、ラフネス低減等のリソグラフィー特性及びパターン形状に優れる。このような効果が得られる理由は明らかではないが次のように推測される。
本発明のレジスト組成物が含有する重合体は、主鎖の少なくとも一方の末端に、露光により酸を発生するアニオン部位を有する。このため、露光部においては該重合体の末端から酸が発生することで、感度が向上すると考えられる。
また、酸発生能を有する基を重合体が有することにより、(B)成分として挙げたような低分子化合物の酸発生剤のみを用いた場合と比べて、発生する酸の過度の拡散が抑制される。加えて、質量平均分子量が20000以下の重合体をレジスト組成物に配合することにより、酸の拡散性が制御されると共に、現像液に対する溶解速度の著しい低下を防ぐことができると考えられる。
そして、これらの相乗的な作用により、本発明のレジスト組成物によれば、リソグラフィー特性及びパターン形状が良好となると推測される。
また、本発明のレジスト組成物が含有する重合体が、酸の作用により極性が増大する(A1)成分である場合であれば、(A1)成分の主鎖末端の露光により酸を発生するアニオン部位がレジスト膜内に均一に分布し、露光部では該アニオン部位から均一に酸が発生することで、露光部の(A1)成分中の酸分解性基が均一に分解しやすくなるため、上記効果が特に良好に得られると考えられる。また、(A1)成分が露光により酸を発生するアニオン部位を有することにより、該アニオン部位から発生する酸と酸分解性基とが比較的近くに存在することになり、酸による酸分解性基の分解反応が起こりやすくなるため、上記本発明の効果が特に顕著になると推察される。
≪レジストパターン形成方法≫
本発明のレジストパターン形成方法は、支持体上に、前記本発明のレジスト組成物を用いてレジスト膜を形成する工程、前記レジスト膜を露光する工程、及び前記レジスト膜を現像してレジストパターンを形成する工程を含む。
本発明のレジストパターン形成方法は、例えば以下のようにして行うことができる。
すなわち、まず支持体上に前記本発明のレジスト組成物をスピンナーなどで塗布し、ベーク(ポストアプライベーク(PAB))処理を、たとえば80〜150℃の温度条件にて40〜120秒間、好ましくは60〜90秒間施してレジスト膜を形成する。
次に、該レジスト膜に対し、例えばArF露光装置、電子線描画装置、EUV露光装置等の露光装置を用いて、所定のパターンが形成されたマスク(マスクパターン)を介した露光、またはマスクパターンを介さない電子線の直接照射による描画等による選択的露光を行った後、ベーク(ポストエクスポージャーベーク(PEB))処理を、たとえば80〜150℃の温度条件にて40〜120秒間、好ましくは60〜90秒間施す。
次に、前記レジスト膜を現像処理する。
現像処理は、アルカリ現像プロセスの場合は、アルカリ現像液を用い、溶剤現像プロセスの場合は、有機溶剤を含有する現像液(有機系現像液)用いて行う。
現像処理後、好ましくはリンス処理を行う。リンス処理は、アルカリ現像プロセスの場合は、純水を用いた水リンスが好ましく、溶剤現像プロセスの場合は、有機溶剤を含有するリンス液を用いることが好ましい。
溶剤現像プロセスの場合、前記現像処理またはリンス処理の後に、パターン上に付着している現像液またはリンス液を超臨界流体により除去する処理を行ってもよい。
現像処理後またはリンス処理後、乾燥を行う。また、場合によっては、上記現像処理後にベーク処理(ポストベーク)を行ってもよい。このようにして、レジストパターンを得ることができる。
支持体としては、特に限定されず、従来公知のものを用いることができ、例えば、電子部品用の基板や、これに所定の配線パターンが形成されたもの等を例示することができる。より具体的には、シリコンウェーハ、銅、クロム、鉄、アルミニウム等の金属製の基板や、ガラス基板等が挙げられる。配線パターンの材料としては、例えば銅、アルミニウム、ニッケル、金等が使用可能である。
また、支持体としては、上述のような基板上に、無機系および/または有機系の膜が設けられたものであってもよい。無機系の膜としては、無機反射防止膜(無機BARC)が挙げられる。有機系の膜としては、有機反射防止膜(有機BARC)や多層レジスト法における下層有機膜等の有機膜が挙げられる。
ここで、多層レジスト法とは、基板上に、少なくとも一層の有機膜(下層有機膜)と、少なくとも一層のレジスト膜(上層レジスト膜)とを設け、上層レジスト膜に形成したレジストパターンをマスクとして下層有機膜のパターニングを行う方法であり、高アスペクト比のパターンを形成できるとされている。すなわち、多層レジスト法によれば、下層有機膜により所要の厚みを確保できるため、レジスト膜を薄膜化でき、高アスペクト比の微細パターン形成が可能となる。
多層レジスト法には、基本的に、上層レジスト膜と、下層有機膜との二層構造とする方法(2層レジスト法)と、上層レジスト膜と下層有機膜との間に一層以上の中間層(金属薄膜等)を設けた三層以上の多層構造とする方法(3層レジスト法)とに分けられる。
露光に用いる波長は、特に限定されず、ArFエキシマレーザー、KrFエキシマレーザー、Fエキシマレーザー、EUV(極紫外線)、VUV(真空紫外線)、EB(電子線)、X線、軟X線等の放射線を用いて行うことができる。前記レジスト組成物は、KrFエキシマレーザー、ArFエキシマレーザー、EBまたはEUV用としての有用性が高い。
レジスト膜の露光方法は、空気や窒素等の不活性ガス中で行う通常の露光(ドライ露光)であってもよく、液浸露光(Liquid Immersion Lithography)であってもよい。
液浸露光は、予めレジスト膜と露光装置の最下位置のレンズ間を、空気の屈折率よりも大きい屈折率を有する溶媒(液浸媒体)で満たし、その状態で露光(浸漬露光)を行う露光方法である。
液浸媒体としては、空気の屈折率よりも大きく、かつ露光されるレジスト膜の有する屈折率よりも小さい屈折率を有する溶媒が好ましい。かかる溶媒の屈折率としては、前記範囲内であれば特に制限されない。
空気の屈折率よりも大きく、かつ前記レジスト膜の屈折率よりも小さい屈折率を有する溶媒としては、例えば、水、フッ素系不活性液体、シリコン系溶剤、炭化水素系溶剤等が挙げられる。
フッ素系不活性液体の具体例としては、CHCl、COCH、COC、C等のフッ素系化合物を主成分とする液体等が挙げられ、沸点が70〜180℃のものが好ましく、80〜160℃のものがより好ましい。フッ素系不活性液体が上記範囲の沸点を有するものであると、露光終了後に、液浸に用いた媒体の除去を、簡便な方法で行えることから好ましい。
フッ素系不活性液体としては、特に、アルキル基の水素原子が全てフッ素原子で置換されたパーフロオロアルキル化合物が好ましい。パーフロオロアルキル化合物としては、具体的には、パーフルオロアルキルエーテル化合物やパーフルオロアルキルアミン化合物を挙げることができる。
さらに、具体的には、前記パーフルオロアルキルエーテル化合物としては、パーフルオロ(2−ブチル−テトラヒドロフラン)(沸点102℃)を挙げることができ、前記パーフルオロアルキルアミン化合物としては、パーフルオロトリブチルアミン(沸点174℃)を挙げることができる。
液浸媒体としては、コスト、安全性、環境問題、汎用性等の観点から、水が好ましく用いられる。
アルカリ現像プロセスで現像処理に用いるアルカリ現像液としては、例えば0.1〜10質量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)水溶液が挙げられる。
溶剤現像プロセスで現像処理に用いる有機系現像液が含有する有機溶剤としては、(A)成分(露光前の(A)成分)を溶解し得るものであればよく、公知の有機溶剤のなかから適宜選択できる。具体的には、ケトン系溶剤、エステル系溶剤、アルコール系溶剤、アミド系溶剤、エーテル系溶剤等の極性溶剤及び炭化水素系溶剤を用いることができる。
有機系現像液には、必要に応じて公知の添加剤を配合できる。該添加剤としてはたとえば界面活性剤が挙げられる。界面活性剤としては、特に限定されないが、たとえばイオン性や非イオン性のフッ素系及び/又はシリコン系界面活性剤等を用いることができる。
界面活性剤を配合する場合、その配合量は、有機系現像液の全量に対して、通常0.001〜5質量%であり、0.005〜2質量%が好ましく、0.01〜0.5質量%がより好ましい。
現像処理は、公知の現像方法におり実施でき、該方法としてはたとえば現像液中に支持体を一定時間浸漬する方法(ディップ法)、支持体表面に現像液を表面張力によって盛り上げて一定時間静止する方法(パドル法)、支持体表面に現像液を噴霧する方法(スプレー法)、一定速度で回転している支持体上に一定速度で現像液塗出ノズルをスキャンしながら現像液を塗出しつづける方法(ダイナミックディスペンス法)等が挙げられる。
溶剤現像プロセスで現像処理後のリンス処理に用いるリンス液が含有する有機溶剤としては、たとえば前記有機系現像液が含有する有機溶剤として挙げた有機溶剤のうち、レジストパターンを溶解しにくいものを適宜選択して使用できる。通常、炭化水素系溶剤、ケトン系溶剤、エステル系溶剤、アルコール系溶剤、アミド系溶剤およびエーテル系溶剤から選択される少なくとも1種類の溶剤を使用する。これらのなかでも、炭化水素系溶剤、ケトン系溶剤、エステル系溶剤、アルコール系溶剤及びアミド系溶剤から選択される少なくとも1種類が好ましく、アルコール系溶剤およびエステル系溶剤から選択される少なくとも1種類がより好ましく、アルコール系溶剤が特に好ましい。
リンス液を用いたリンス処理(洗浄処理)は、公知のリンス方法により実施できる。該方法としては、たとえば一定速度で回転している支持体上にリンス液を塗出し続ける方法(回転塗布法)、リンス液中に支持体を一定時間浸漬する方法(ディップ法)、支持体表面にリンス液を噴霧する方法(スプレー法)等が挙げられる。
≪重合体≫
本発明の重合体は、主鎖の少なくとも一方の末端に露光により酸を発生するアニオン部位を有し、かつ、質量平均分子量が20000以下のものである。
本発明の重合体においては、前記主鎖の少なくとも一方の末端に下記一般式(I−1)で表される基を有することが好ましい。
Figure 2013068904
[式中、Rは炭素数1〜10の炭化水素基であり、Zは炭素数1〜10の炭化水素基又はシアノ基であり、RとZとは相互に結合して環を形成していてもよい。Xは2価の連結基であって、−O−C(=O)−、−NH−C(=O)−、及び−NH−C(=NH)−のいずれかを、少なくとも式中のQと接する末端に有する。pは1〜3の整数である。Qは(p+1)価の炭化水素基であり、pが1の場合のみ、Qは単結合であってもよい。Rは単結合、置換基を有していてもよいアルキレン基、又は置換基を有していてもよい芳香族基であり、qは0又は1であり、rは0〜8の整数であり、Mは有機カチオンである。]
本発明の重合体についての説明は、上記本発明のレジスト組成物における「重合体(P)」についての説明と同様である。
(重合体の製造方法)
本発明の重合体は、一例として、主鎖を形成するモノマーを、露光により酸を発生するアニオン部位を有する重合開始剤を用いたラジカル重合、アニオン重合等により重合することによって得ることができる。各モノマーは、市販のものを用いてもよく、公知の方法を利用して合成したものを用いてもよい。
なかでも、本発明の重合体は、ベース樹脂としてレジスト組成物に用いた際に良好なリソグラフィー特性及びパターン形状がより得られやすいことから、下記一般式(I)で表される化合物からなるラジカル重合開始剤を用いたラジカル重合により得られるラジカル重合体であることが好ましい。
Figure 2013068904
[式中、Rは炭素数1〜10の炭化水素基であり、Zは炭素数1〜10の炭化水素基又はシアノ基であり、RとZとは相互に結合して環を形成していてもよい。Xは2価の連結基であって、−O−C(=O)−、−NH−C(=O)−、及び−NH−C(=NH)−のいずれかを、少なくとも式中のQと接する末端に有する。pは1〜3の整数である。Qは(p+1)価の炭化水素基であり、pが1の場合のみ、Qは単結合であってもよい。Rは単結合、置換基を有していてもよいアルキレン基、又は置換基を有していてもよい芳香族基であり、qは0又は1であり、rは0〜8の整数であり、Mは有機カチオンである。式中の複数のR、Z、X、p、Q、R、q、r、Mはそれぞれ同じであっても異なっていてもよい。]
前記式(I)中、R、Z、X、p、Q、R、q、r、Mは、前記式(I−1)におけるR、Z、X、p、Q、R、q、r、Mと同じである。
ラジカル重合させるモノマーは、たとえば、前述した構成単位(a1)〜(a5)、(a0)を誘導するモノマー等が挙げられ、製造しようとする重合体に応じて適宜選択される。
ラジカル重合は、ラジカル重合開始剤として前記式(I)で表される化合物を用いる以外は公知の方法を利用して実施できる。
ラジカル重合の際、ラジカル重合開始剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
以下に、本発明の重合体の製造例を示す。下記製造例においては、式(I)で表される化合物からなるラジカル重合開始剤(以下「ラジカル重合開始剤(I)」という)を用いて、式(a11−0−01)で表されるモノマー(上記式(a11−0−1)で表される構成単位を誘導するモノマー;以下「モノマー(a11−0−01)」という。)がラジカル重合される合成経路が模式的に示されている。但し、該重合体の合成経路は、下記製造例に限定されない。
Figure 2013068904
[式中、R、Z、X、p、Q、R、q、r、Mは、前記式(I−1)におけるR、Z、X、p、Q、R、q、r、Mと同じである。R、Xは前記式(a11−0−1)におけるR、Xと同じである。]
前記合成経路においては、ラジカル重合開始剤(I)が、熱又は光の作用により分解して、窒素ガス(N)と炭素ラジカルとを発生する。
次いで、炭素ラジカルがモノマー(a11−0−01)に作用し、モノマー(a11−0−01)同士の重合が進行することにより重合体(P−I)を得る。
得られる重合体(P−I)は、主鎖の一方の末端に、露光により酸を発生するアニオン部位を有している。この「露光により酸を発生するアニオン部位」は、ラジカル重合開始剤(I)に由来する残基(前述した末端基(I−1))である。
加えて、重合体(P−I)は、その質量平均分子量が20000以下である。
重合体の質量平均分子量を20000以下に制御するには、重合の際、ラジカル重合開始剤(I)の使用量、反応溶剤種、重合温度、重合液濃度などを適宜、調整すればよい。
ラジカル重合開始剤(I)としては、下記一般式(I1)〜(I5)のいずれかで表される化合物が好ましい。
Figure 2013068904
[式中、R、Z、Q、p、Mは前記同様である。X01は単結合又は置換基を有していてもよいアルキレン基であり、R21は単結合又は置換基を有していてもよいアルキレン基であり、X02は置換基を有していてもよいアルキレン基であり、R22は置換基を有していてもよい芳香族基である。式中の複数のR、Z、Q、p、M、X01、R21、X02、R22はそれぞれ同じであっても異なっていてもよい。]
式(I1)〜(I5)中、R、Z、X01、Q、p、Mは、前記式(I−1−1)〜(I−1−5)におけるR、Z、X01、Q、p、Mとそれぞれ同様である。
式(I1)〜(I3)中、R21は、前記式(I−1−1)〜(I−1−3)におけるR21と同様である。
式(I3)中、X02は、前記式(I−1−3)におけるX02と同様である。
式(I4)〜(I5)中、R22は、前記式(I−1−4)、(I−1−5)におけるR22と同様である。
以下に、上記式(I1)〜(I5)のいずれかで表される化合物の具体例を示す。下記式中、Mは前記同様である。
Figure 2013068904
Figure 2013068904
Figure 2013068904
上記のなかでも、ラジカル重合開始剤(I)としては、前記式(I1)〜(I5)のいずれかで表される化合物が好ましく、式(I1)で表される化合物が特に好ましい。
また、Mの有機カチオンとしては、前記式(c−1)〜(c−3)のいずれかで表される有機カチオンが好ましく、式(c−1)で表される有機カチオンが特に好ましい。
ラジカル重合開始剤(I)の製造方法は、特に限定されるものではないが、下記一般式(i−1)で表される化合物(以下「化合物(i−1)」ともいう。)と、下記一般式(i−2)で表される化合物(以下「化合物(i−2)」ともいう。)とを反応させる工程を含む製造方法が好適に挙げられる。
Figure 2013068904
[式中、R、Z、X、Q、p、q、R、r、Mはそれぞれ前記同様であり、B、Bはそれぞれ独立にH又はOHである。式中の複数のR、Z、X、p、Q、Bはそれぞれ同じであっても異なっていてもよい。]
式(i−1)において、QのB側の末端が酸素原子である場合、又はQが単結合であり且つXのB側の末端が酸素原子である場合、BはHであることが好ましい。一方、QのB側の末端が酸素原子でない場合、又はQが単結合であり且つXのB側の末端が酸素原子でない場合、BはOHであることが好ましい。
式(i−2)において、qが1である場合、BはHであることが好ましい。一方、qが0である場合、BはOHであることが好ましい。
化合物(i−1)、化合物(i−2)としては、それぞれ、市販のものを用いてもよく、合成したものを用いてもよい。
化合物(i−1)と化合物(i−2)とを反応させてラジカル重合開始剤(I)を得る方法としては、縮合剤や塩基の存在下で、化合物(i−2)と化合物(i−1)とを有機溶媒中で反応させた後、反応混合物を洗浄して回収する方法などが挙げられる。
上記反応における縮合剤は、例えばジイソプロピルカルボジイミド等のカルボジイミド基を含む化合物が挙げられ、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。縮合剤の使用量は、化合物(i−2)1モルに対して0.01〜10モル程度が好ましい。
上記反応における塩基は、炭酸カリウム、トリエチルアミン等の3級アミン、ピリジン等の芳香族系アミン等が挙げられ、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。塩基の使用量は、通常、化合物(i−2)1モルに対して0.01〜10モル程度が好ましい。
上記反応における有機溶媒としては、ジクロロメタン等の塩素化炭化水素溶媒などが好ましい。有機溶媒の使用量は、化合物(i−2)に対して、0.5〜100質量部であることが好ましく、0.5〜20質量部であることがより好ましい。有機溶媒は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記反応における化合物(i−2)の使用量は、pが1である場合は通常、化合物(i−1)1モルに対して0.5〜5モル程度が好ましく、0.8〜4モル程度がより好ましい。
上記反応における反応時間は、化合物(i−1)と化合物(i−2)との反応性や、反応温度等によっても異なるが、通常、1〜80時間が好ましく、3〜60時間がより好ましい。
上記反応における反応温度は、20〜200℃が好ましく、20〜150℃程度がより好ましい。
反応終了後、反応液中のラジカル重合開始剤(I)を単離、精製してもよい。単離、精製には、従来公知の方法が利用でき、たとえば濃縮、溶媒抽出、蒸留、結晶化、再結晶、クロマトグラフィー等をいずれか単独で、又はこれらの2種以上を組み合わせて用いることができる。
上記のようにして得られるラジカル重合開始剤(I)の構造は、H−核磁気共鳴(NMR)スペクトル法、13C−NMRスペクトル法、19F−NMRスペクトル法、赤外線吸収(IR)スペクトル法、質量分析(MS)法、元素分析法、X線結晶回折法等の一般的な有機分析法により確認できる。
また、本発明の重合体の別の製造方法として、下記一般式(I0)で表される化合物(I0)をラジカル重合開始剤として用いることにより、主鎖の少なくとも一方の末端に下記一般式(I−01)で表される基を有する重合体(前駆体重合体)を得て、該前駆体重合体の主鎖の末端基に「−(OCO)−R−(CF−SO 」(q、R、r、Mは前記と同じである。)を導入する(主鎖末端の水素原子を置換する)方法が挙げられる。化合物(I−01)は公知のものが利用できる。
「−(OCO)−R−(CF−SO 」の導入は、従来公知の方法を利用して行うことができ、たとえば、前駆体重合体と、下記一般式(i−02)で表される化合物(i−02)とを反応させることにより実施できる。該反応は、前述した化合物(i−1)と化合物(i−2)とを反応させる方法と同様にして実施できる。
Figure 2013068904
[式中、R、Z、X、Q、p、q、R、r、M、B、Bはそれぞれ前記同様である。]
以上説明した本発明の重合体は、主鎖の少なくとも一方の末端に露光により酸を発生するアニオン部位を有することから、露光により酸を発生する酸発生能を有する。一例として、前記一般式(I−1)で表される基(末端基(I−1))においては、末端にスルホニウム塩部位を有することにより、露光によりスルホン酸が発生する。
加えて、本発明の重合体は、その質量平均分子量が20000以下である。これにより、本発明の重合体は、質量平均分子量が20000超の重合体に比べて、溶媒への溶解性が高い、また、重合体同士の相互作用が比較的弱いため、ガラス転移温度が低くなりやすい。
そのため、本発明の重合体は、レジスト組成物用の樹脂として有用であり、化学増幅型のレジスト組成物用の基材成分として特に有用である。
当該重合体が配合されるレジスト組成物としては、特に限定されないが、酸の作用により現像液に対する溶解性が変化する基材成分を含有する化学増幅型のレジスト組成物;酸の作用により現像液に対する溶解性が変化し、かつ、露光により酸を発生する基材成分を含有する化学増幅型のレジスト組成物;酸の作用により現像液に対する溶解性が変化する基材成分と、露光により酸を発生する酸発生剤成分とを含有する化学増幅型のレジスト組成物などが好適である。
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの例によって限定されるものではない。
なお、NMRによる分析において、H−NMRの内部標準および13C−NMRの内部標準はテトラメチルシラン(TMS)である。19F−NMRの内部標準はヘキサフルオロベンゼンである(但し、ヘキサフルオロベンゼンのピークを−160ppmとした)。
[合成例1:化合物Anion−Aの合成]
窒素雰囲気下、ACVA(28.0g)とAnion−a(36.8g)とをジクロロメタン(280g)へ添加し、室温で攪拌した。そこへジイソプロピルカルボジイミド(27.8g)を添加して10分間攪拌した。その後、触媒としてジメチルアミノピリジン(2.44g)を添加し、30℃で24時間反応を行った。その懸濁した反応溶液へt−ブチルメチルエーテル(1400g)を添加して30分間攪拌した後、析出した目的物をろ別し、乾燥することによってAnion−Aを20.8g得た。
得られた化合物は、NMR測定を行い、以下の結果より構造を同定した。
H−NMR(400MHz,DMSO−d6):δ(ppm)=4.61(dt,4H,CH2CF2),2.40−2.65(m,8H,CH2CH2),1.72(s,6H,CH3),1.66(s,6H,CH3).
19F−NMR(376MHz,DMSO−d6):δ(ppm)=−111.4.
上記の結果から、Anion−Aが下記構造を有することが確認できた。
Figure 2013068904
[合成例2:化合物(I−A)の合成]
ビーカーへTPS−Br(10.50g),Anion−A(8.70g),ジクロロメタン(155.0g)及び純水(78.0g)を添加し、室温で1時間攪拌した。そして、分液した後、ジクロロメタン層に対して純水(78.0g)による水洗を繰り返し、有機層を減圧下で濃縮することにより、化合物(I−A)を白色固体として13.80g得た。
得られた化合物は、NMR測定を行い、以下の結果より構造を同定した。
H−NMR(400MHz,DMSO−d6):δ(ppm)=7.78−7.90(m,30H,ArH),4.61(dt,4H,CH2CF2),2.40−2.65(m,8H,CH2CH2),1.72(s,6H,CH3),1.66(s,6H,CH3).
19F−NMR(376MHz,DMSO−d6):δ(ppm)=−111.4.
上記の結果から、化合(I−A)が下記構造を有することが確認できた。
Figure 2013068904
[合成例3〜55:化合物(I−B)〜(I−BB)の合成]
上記合成例2において、TPS−Brのカチオン部を、以下の表1〜18に示すカチオン(等モル量)にそれぞれ変更して合成したこと以外は同様の操作を行った。これにより、表1〜18に示す化合物(I−B)〜(I−BB)を得た。
各化合物について、NMRによる分析を行い、その結果を表1〜18に併記した。
Figure 2013068904
Figure 2013068904
Figure 2013068904
Figure 2013068904
Figure 2013068904
Figure 2013068904
Figure 2013068904
Figure 2013068904
Figure 2013068904
Figure 2013068904
Figure 2013068904
Figure 2013068904
Figure 2013068904
Figure 2013068904
Figure 2013068904
Figure 2013068904
Figure 2013068904
Figure 2013068904
[実施例1]高分子化合物(1)の合成
温度計、還流管、攪拌機、窒素導入管を繋いだフラスコに、窒素雰囲気下で、γ−ブチロラクトン15.5gを入れ、攪拌しながら内温を85℃に上げた。
4.0g(12.7mmol)のモノマー(1)と、5.6g(21.2mmol)のモノマー(2)と、1.7g(7.4mmol)のモノマー(3)と、2.2g(4.5mmol)のモノマー(4)とを、93.5gのγ−ブチロラクトンに溶解させた。この溶液に、ラジカル重合開始剤として上記化合物(I−A)3.60gを添加して溶解させた。
この混合溶液を一定速度で4時間かけてフラスコ中に滴下し、その後1時間加熱攪拌し、反応液を室温まで冷却した。
得られた反応重合液を大量のメタノール/水混合溶液に滴下して重合体を析出させる操作を行い、沈殿した白色粉体をろ別し、メタノール/水混合溶液にて洗浄した後、減圧乾燥を経て、目的物である高分子化合物(1)6.8gを得た。
この高分子化合物(1)についてGPC測定により求めた標準ポリスチレン換算の質量平均分子量(Mw)は12500、分子量分散度(Mw/Mn)は1.71であった。
また、13C−NMRにより求められた共重合体の組成比(構造式中の各構成単位の割合(モル比))は、l/m/n/o=35/35/18/12であった。
Figure 2013068904
[実施例2〜14]高分子化合物(2)〜(14)の合成
高分子化合物(2)〜(14)は、各高分子化合物を構成する構成単位を誘導する下記モノマー(1)〜(14)を用いて、上記実施例1と同様にして製造した。
得られた高分子化合物(1)〜(14)について、13C−NMRにより求められた各共重合体の組成比(その高分子化合物を構成する各構成単位の割合(モル比))、使用した重合開始剤、質量平均分子量(Mw)及び分子量分散度(Mw/Mn)を表19に併記した。
[比較例1]高分子化合物(15)の合成
温度計、還流管、攪拌機、窒素導入管を繋いだフラスコに、窒素雰囲気下で、γ−ブチロラクトン15.4gを入れ、攪拌しながら内温を85℃に上げた。
4.0g(12.7mmol)のモノマー(1)と、5.6g(21.2mmol)のモノマー(2)と、1.7g(7.4mmol)のモノマー(3)と、2.2g(4.5mmol)のモノマー(4)とを、93.4gのγ−ブチロラクトンに溶解させた。この溶液に、ラジカル重合開始剤として上記化合物(I−A)1.54gを添加して溶解させた。
この混合溶液を一定速度で4時間かけてフラスコ中に滴下し、その後1時間加熱攪拌し、反応液を室温まで冷却した。
得られた反応重合液を大量のメタノール/水混合溶液に滴下して重合体を析出させる操作を行い、沈殿した白色粉体をろ別し、メタノール/水混合溶液にて洗浄した後、減圧乾燥を経て、目的物である高分子化合物(15)6.8gを得た。反応式は、実施例1における高分子化合物(1)の合成と同じである。
この高分子化合物(15)についてGPC測定により求めた標準ポリスチレン換算の質量平均分子量(Mw)は28500、分子量分散度(Mw/Mn)は1.85であった。
また、13C−NMRにより求められた共重合体の組成比(その高分子化合物を構成する各構成単位の割合(モル比))は、l/m/n/o=35/35/18/12であった。
[比較例2〜11]高分子化合物(16)〜(25)の合成
高分子化合物(16)〜(25)は、各高分子化合物を構成する構成単位を誘導する下記モノマー(1)〜(14)を用いて、上記比較例1と同様にして製造した。
[比較例12]高分子化合物(26)の合成
高分子化合物(26)は、該高分子化合物を構成する構成単位を誘導する下記モノマー(12)とモノマー(13)とモノマー(3)とを用い、ラジカル重合開始剤として下記化合物(V−601)(アゾビスイソ酪酸ジメチル、和光純薬工業(株)製、商品名:V−601)を用いた以外は、上記比較例1と同様にして製造した。
得られた高分子化合物(15)〜(26)について、13C−NMRにより求められた各共重合体の組成比(その高分子化合物を構成する各構成単位の割合(モル比))、使用した重合開始剤、質量平均分子量(Mw)及び分子量分散度(Mw/Mn)を表20に併記した。
Figure 2013068904
Figure 2013068904
Figure 2013068904
Figure 2013068904
Figure 2013068904
Figure 2013068904
[実施例15〜28、比較例13〜24]レジスト組成物の調製
表21、22に示す各成分を混合して溶解することによりレジスト組成物を調製した。
Figure 2013068904
Figure 2013068904
表21、22中の各略号は以下の意味を有する。また、[ ]内の数値は配合量(質量部)である。
(A)−1〜(A)−26:上記高分子化合物(1)〜(26)。
(B)−1:下記化合物(B)−1。
(B)−2:下記化合物(B)−2。
(D)−1:トリ−n−オクチルアミン。
(F)−1:下記高分子化合物(F)−1[l=100(モル比)、Mw=22000、Mw/Mn=1.58、ラジカル重合開始剤V−601でラジカル重合して製造された重合体]。
(E)−1:サリチル酸。
(S)−1:γ−ブチロラクトン。
(S)−2:PGMEA/PGME/シクロヘキサノン=45/30/25(質量比)の混合溶剤。
Figure 2013068904
[レジストパターンの形成]
12インチのシリコンウェーハ上に、有機系反射防止膜組成物「ARC95」(商品名、ブリュワーサイエンス社製)を、スピンナーを用いて塗布し、ホットプレート上で205℃、90秒間焼成して乾燥させることにより、膜厚90nmの有機系反射防止膜を形成した。
そして、該有機系反射防止膜上に、各例のレジスト組成物をそれぞれ、スピンナーを用いて塗布し、ホットプレート上で表23、24に示す温度で60秒間の条件でプレベーク(PAB)処理を行い、乾燥することにより、膜厚100nmのレジスト膜を形成した。
次に、ArF液浸露光装置NSR−S609B(ニコン社製;NA(開口数)=1.07,Dipole(in/out:0.78/0.97)、w/POLANO)により、ArFエキシマレーザー(193nm)を、マスクパターン(6%ハーフトーン)を介して選択的に照射した。
そして、表23、24に示す温度で60秒間の露光後加熱(PEB)処理を行い、さらに23℃にて2.38質量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)水溶液「NMD−3」(商品名、東京応化工業社製)で10秒間アルカリ現像し、純水を用いて15秒間水リンスし、振り切り乾燥を行った。
続いて、ホットプレート上で100℃、45秒間のポストベークを行った。
その結果、いずれの例においても、ライン幅50nm、ピッチ100nmの1:1ラインアンドスペース(LS)パターンが形成された。
該LSパターンが形成される最適露光量Eop(mJ/cm;感度)を求めた。その結果を表23、24に併記した。
[露光余裕度(ELマージン)の評価]
前記EopでLSパターンのラインがターゲット寸法(ライン幅50nm)の±5%(47.5nm〜52.5nm)の範囲内で形成される際の露光量を求め、次式によりELマージン(単位:%)を求めた。その結果を表23、24に示す。
ELマージン(%)=(|E1−E2|/EOP)×100
E1:ライン幅47.5nmのLSパターンが形成された際の露光量(mJ/cm
E2:ライン幅52.5nmのLSパターンを形成された際の露光量(mJ/cm
なお、ELマージンは、その値が大きいほど、露光量の変動に伴うパターンサイズの変化量が小さいことを示す。
[マスクエラーファクタ(MEF)の評価]
上記レジストパターンの形成と同じ手順に従い、前記Eopにおいて、ライン幅50nm、ピッチ100nmのLSパターンをターゲットとするマスクパターンと、ライン幅55nm、ピッチ100nmのLSパターンをターゲットとするマスクパターンとを用いてそれぞれLSパターンを形成し、以下の式からMEFの値を求めた。その結果を表23、24に示す。
MEF=|CD55−CD50|/|MD55−MD50|
上記式中、CD50、CD55は、それぞれ、ライン幅50nm、55mをターゲットとするマスクパターンを用いて形成されたLSパターンの実際のライン幅(nm)である。MD50、MD55は、それぞれ、当該マスクパターンがターゲットとするライン幅(nm)であり、MD50=50nm、MD55=55nmである。
このMEFの値が1に近いほど、マスクパターンに忠実なレジストパターンが形成されたことを示す。
[LWR(ラインワイズラフネス)評価]
前記Eopで形成されたライン幅50nm、ピッチ100nmのLSパターンにおいて、測長SEM(走査型電子顕微鏡、加速電圧300V、商品名:S−9380、日立ハイテクノロジーズ社製)により、スペース幅を、スペースの長手方向に400箇所測定し、その結果から標準偏差(s)の3倍値(3s)を求め、400箇所の3sについて平均化した値を、LWRを示す尺度として算出した。その結果を表23、24に示す。
この3sの値が小さいほど、その線幅のラフネスが小さく、より均一幅のLSパターンが得られたことを意味する。
[パターン形状評価]
前記Eopにおいて形成されたパターンの断面形状を、走査型電子顕微鏡(商品名:SU−8000、日立ハイテクノロジー社製)を用いて観察し、その形状を以下の基準で評価した。その結果を表23、24に示す。
○:矩形性が高く、良好である。
△:ややT−top形状である。
Figure 2013068904
Figure 2013068904
表23、24の結果から、本発明に係る実施例15〜28のレジスト組成物は、比較例19〜33のレジスト組成物に比べて、リソグラフィー特性(ELマージン、MEF、LWR)及びパターン形状に優れることが確認できた。

Claims (7)

  1. 酸の作用により現像液に対する溶解性が変化し、かつ、露光により酸を発生する基材成分(A)を含有するレジスト組成物であって、
    前記基材成分(A)は、主鎖の少なくとも一方の末端に露光により酸を発生するアニオン部位を有し、かつ、質量平均分子量が20000以下である重合体を含有することを特徴とするレジスト組成物。
  2. 前記重合体が、前記主鎖の少なくとも一方の末端に下記一般式(I−1)で表される基を有する、請求項1記載のレジスト組成物。
    Figure 2013068904
    [式中、Rは炭素数1〜10の炭化水素基であり、Zは炭素数1〜10の炭化水素基又はシアノ基であり、RとZとは相互に結合して環を形成していてもよい。Xは2価の連結基であって、−O−C(=O)−、−NH−C(=O)−、及び−NH−C(=NH)−のいずれかを、少なくとも式中のQと接する末端に有する。pは1〜3の整数である。Qは(p+1)価の炭化水素基であり、pが1の場合のみ、Qは単結合であってもよい。Rは単結合、置換基を有していてもよいアルキレン基、又は置換基を有していてもよい芳香族基であり、qは0又は1であり、rは0〜8の整数であり、Mは有機カチオンである。]
  3. 前記重合体が、下記一般式(I)で表される化合物からなるラジカル重合開始剤を用いたラジカル重合により得られるラジカル重合体である、請求項2記載のレジスト組成物。
    Figure 2013068904
    [式中、Rは炭素数1〜10の炭化水素基であり、Zは炭素数1〜10の炭化水素基又はシアノ基であり、RとZとは相互に結合して環を形成していてもよい。Xは2価の連結基であって、−O−C(=O)−、−NH−C(=O)−、及び−NH−C(=NH)−のいずれかを、少なくとも式中のQと接する末端に有する。pは1〜3の整数である。Qは(p+1)価の炭化水素基であり、pが1の場合のみ、Qは単結合であってもよい。Rは単結合、置換基を有していてもよいアルキレン基、又は置換基を有していてもよい芳香族基であり、qは0又は1であり、rは0〜8の整数であり、Mは有機カチオンである。式中の複数のR、Z、X、p、Q、R、q、r、Mはそれぞれ同じであっても異なっていてもよい。]
  4. 支持体上に、請求項1〜3のいずれか一項に記載のレジスト組成物を用いてレジスト膜を形成する工程、前記レジスト膜を露光する工程、及び前記レジスト膜を現像してレジストパターンを形成する工程を含むレジストパターン形成方法。
  5. 主鎖の少なくとも一方の末端に露光により酸を発生するアニオン部位を有し、かつ、質量平均分子量が20000以下である重合体。
  6. 前記主鎖の少なくとも一方の末端に下記一般式(I−1)で表される基を有する、請求項5記載の重合体。
    Figure 2013068904
    [式中、Rは炭素数1〜10の炭化水素基であり、Zは炭素数1〜10の炭化水素基又はシアノ基であり、RとZとは相互に結合して環を形成していてもよい。Xは2価の連結基であって、−O−C(=O)−、−NH−C(=O)−、及び−NH−C(=NH)−のいずれかを、少なくとも式中のQと接する末端に有する。pは1〜3の整数である。Qは(p+1)価の炭化水素基であり、pが1の場合のみ、Qは単結合であってもよい。Rは単結合、置換基を有していてもよいアルキレン基、又は置換基を有していてもよい芳香族基であり、qは0又は1であり、rは0〜8の整数であり、Mは有機カチオンである。]
  7. 下記一般式(I)で表される化合物からなるラジカル重合開始剤を用いたラジカル重合により得られるラジカル重合体である、請求項6記載の重合体。
    Figure 2013068904
    [式中、Rは炭素数1〜10の炭化水素基であり、Zは炭素数1〜10の炭化水素基又はシアノ基であり、RとZとは相互に結合して環を形成していてもよい。Xは2価の連結基であって、−O−C(=O)−、−NH−C(=O)−、及び−NH−C(=NH)−のいずれかを、少なくとも式中のQと接する末端に有する。pは1〜3の整数である。Qは(p+1)価の炭化水素基であり、pが1の場合のみ、Qは単結合であってもよい。Rは単結合、置換基を有していてもよいアルキレン基、又は置換基を有していてもよい芳香族基であり、qは0又は1であり、rは0〜8の整数であり、Mは有機カチオンである。式中の複数のR、Z、X、p、Q、R、q、r、Mはそれぞれ同じであっても異なっていてもよい。]
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