JP2013063936A - N−[4−(1H−ピラゾロ[3,4−b]ピラジン−6−イル)−フェニル]−スルホンアミド及び薬剤としてのその使用 - Google Patents

N−[4−(1H−ピラゾロ[3,4−b]ピラジン−6−イル)−フェニル]−スルホンアミド及び薬剤としてのその使用 Download PDF

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Abstract

【課題】血清及びグルココルチコイド調節キナーゼ(SGK)活性の不適切にもとづく疾患、例えば変性関節障害又は炎症過程、例えば骨関節炎又はリウマチの治療に有効な化合物、薬剤としてその使用、及びそれを含む薬学的組成物の提供。
【解決手段】下記式Iの化合物。
Figure 2013063936

(式中、Arはフェニル、及び窒素、酸素及び硫黄からなる系列より選ばれる環ヘテロ原子を含む5員又は6員単環式芳香族複素環からなる系列より選ばれ、R1は水素及びアミノ他、R2はハロゲン及びアルキル他、及びnは0、1及び2から選ばれる)
【選択図】なし

Description

本発明は、式I
Figure 2013063936
(式中、Ar、R1、R2及びnは、下記のような意味を有する)のN−[4−(1H−ピラゾロ[3,4−b]ピラジン−6−イル)−フェニル]−スルホンアミドに関する。式Iの化合物は、プロテインキナーゼ活性、特に血清及びグルココルチコイド調節キナーゼ(SGK)、特に血清及びグルココルチコイド調節キナーゼアイソフォーム1(SGK−1、SGK1)を調整する価値ある薬理学的活性化合物であり、そしてSGK活性が不適切である疾患、例えば変性関節障害又は炎症過程、例えば骨関節炎又はリウマチの治療に適している。さらに、本発明は、式Iの化合物の製造方法、薬剤としてのそれらの使用、及びそれらを含む薬学的組成物に関する。
プロテインキナーゼは、その生理学的重要性、多様性、及び遍在性のため、生化学及び医学研究において最も重要で広く研究された酵素ファミリーの1つになっている。現在、約500種の異なる知られているプロテインキナーゼがある。しかし、ヒトゲノムの3〜4パーセントは、プロテインキナーゼを形成するコードであるため、ヒト体内には何千もの異なる別々のキナーゼがありうる。プロテインキナーゼは、ATP−Mg2+複合体のガンマ−リン酸を前記アミノ酸側鎖に運ぶことによって種々のタンパク質におけるアミノ酸側鎖のリン酸化に触媒作用を及ぼす働きをする。これらの酵素は、細胞内の大部分のシグナル伝達過程を調節し、それによってタンパク質中のセリン、トレオニン及びチロシン残基のヒドロキシル基の可逆的リン酸化を通して細胞機能、増殖、分化及び破壊(アポトーシス)を制御している。プロテインキナーゼは、シグナル伝達、転写調節、細胞運動及び細胞分裂を含む多くの細胞機能の鍵となる調節因子であることが研究からわかっている。また、いくつかの癌遺伝子もプロテインキナーゼをコードすることがわかっており、キナーゼが発癌において役割を果たすことが示唆されている。これらの過程は、多くの場合、複雑に互いにかみあった経路によって高度に調節されており、その際、それぞれのキナーゼ自体は、1つ又はそれ以上のキナーゼによって調節されている。結果的に、異常な又は不適当なプロテインキナーゼ活性は、このような異常なキナーゼ活性に関連する疾患状態の増加の原因となることがある。
酵素のプロテインキナーゼファミリーは、典型的に2つの主要なサブファミリー、チロシン残基をリン酸化するタンパク質チロシンキナーゼ、並びにセリン及びトレオニン残基をリン酸化するタンパク質セリン/トレオニンキナーゼ(PSTK)に分類される。PSTKサブファミリーには、サイクリックAMP及びサイクリックGMP依存性プロテインキナーゼ、カルシウム及びリン脂質依存性プロテインキナーゼ、カルシウム及びカルモジュリン依存性プロテインキナーゼ、カゼインキナーゼ、細胞分裂周期プロテインキナーゼ及びその他が含まれる。これらのキナーゼは、通常、細胞質であるか又はおそらくアンカータンパク質によって細胞の粒状画分と会合している。関節リウマチ、乾癬、敗血症性ショック、骨量減少、多くの癌及び他の増殖性疾患のような多くの病理では、異常なタンパク質セリン/トレオニンキナーゼ活性が関与しているか又は疑われる。従って、セリン/トレオニンキナーゼ及びそれらの関連するシグナル伝達経路は、薬物設計にとって重要な標的である。
血清/グルココルチコイド調節キナーゼとしても表わされる血清及びグルココルチコイド調節キナーゼ、血清及びグルココルチコイド誘導キナーゼ、血清及びグルココルチコイド誘導性キナーゼ又は血清及びグルココルチコイド依存性キナーゼは、セリン/トレオニンキナーゼのファミリーを形成している。現在、3つのメンバーが知られており、SGK−1、SGK−2及びSGK−3として表わされる。また、SGK−3は、SGKL(SGK様)及びCISKの名称でも記載される。SGK−1は、ラット乳癌細胞株における「前初期遺伝子」として1993年に初めて記載された(Webster 等, 1993a; Webster 等, 1993b)。3つのアイソフォームは、タンパク質レベルでそれらの触媒ドメインにおいて少なくとも80%の相同性を示す。SGK−1は、これまで試験されたほとんどすべての組織中で発現されるが、発現されるmRNAの量は、研究された組織タイプの性質に応じて大きく変化する(Gonzalez-Robayna 等, 1999; Waldegger 等, 1999; Alliston 等, 2000; Klingel 等, 2000; Lang 等, 2000; Loffing 等, 2001; Fillon 等, 2002; Warntges 等, 2002a)。さらに、SGK−1 mRNAは、いくつかの胚組織で見出される。マウス胚形成中に、SGK−1 mRNAは、胚の特定組織(脱落膜、卵黄嚢、耳胞)において発達−動的変化(development-dynamic changes)を示し、そして肺芽、脳、心臓、肝臓、胸腺などにおける器官形成中に検出可能である(Lee 等, 2001)。SGK−2は、腎臓、肝臓、膵臓、及び脳の特定領域中のような上皮性組織において最も多量に発現される(Kobayashi 等, 1999)。SGK−3は、全ての試験組織で検出され、そして特に成体の心臓及び脾臓中に見出される(Kobayashi 等, 1999; Liu 等, 2000)。
多くの他のキナーゼに対するSGKの顕著な特徴は、分子の転写、細胞局在化及び酵素的活性化(Firestone 等, 2003)の緊縮刺激依存性調節(stringent stimulus-dependent
regulation)に基づいている。SGK−1を誘導して活性化するために、さまざまな刺激が知られている。それらには、ミネラルコルチコイド(Brennan 及び Fuller, 2000; Shigaev 等, 2000; Bhargava 等, 2001)、ゴナドトロピン(Richards 等, 1995; Gonzalez-Robayna 等, 2000)、1,25(OH)2D3(Akutsu 等, 2001)、p53、浸透性、低張性及び細胞体積変化(Waldegger 等, 1997; Klingel 等, 2000; Waldegger 等, 2000; Rozansky 等, 2002; Warntges 等, 2002a)、サイトカイン、例えばGM−CSF及びTNF−アルファ(Cooper 等, 2001)又はTGF−ベータ(Kumar 等, 1999; Waldegger 等; 1999; Lang 等, 2000)によるものが含まれる。さらなる増殖依存性シグナル伝達経路において、SGKは、血清(Webster 等, 1993a)、インスリン及びIGF−1(Kobayashi 及び Cohen, 1999; Park 等, 1999; Perrotti 等, 2001)、FSH(Alliston 等, 1997)、線維芽細胞及び血小板由来成長因子(Davies 等, 2000)、Erkシグナル伝達カスケードの活性化剤(Hayashi 等, 2001)並びにTPA(Mizuno 及び Nishida, 2001)によって誘導される。また、SGK−1は、病理学的変化、例えば虚血性脳損傷(Imaizumi 等, 1994)、ウイルス性肝炎(Fillon 等, 2002)、肺線維症(Warntges 等, 2002b)又は心筋線維症(Funder 2001)においても活性化されることが知られている。
SGK−1を、その機能性形態に転換するためにはリン酸化による活性化が必要である。これは、ホスファチジルイノシトール3(PI−3)キナーゼ及びホスホイノシチド3−依存性キナーゼPDK1及びPDK2を含むシグナル伝達カスケードが介在している。PI−3キナーゼシグナル伝達経路によるSGK−1の活性化は、インスリン、IGF及び成長因子に対する応答であることが知られている。活性化するには、2つのアミノ酸残基、T−ループ上のトレオニン256及びタンパク質の疎水性モチーフのセリン422のリン酸化が必要である。トレオニン256のリン酸化は、PDK1が介在しており、セリン422のリン酸化は、推定上のPDK2によって触媒化されるはずであり、これはまだ知られていない(Kobayashi 及び Cohen, 1999; Park 等, 1999; Biondi 等, 2001)。
SGKの機能については、細胞膜チャネルにおけるSGK−1、SGK−2及びSGK−3の調節作用を示す一連の研究がある。それにより、腎臓尿細管におけるミネラルコルチコイド調節Na+再吸収の主な輸送体、上皮性Na+チャネル(ENaC)は、SGK−1、SGK−2及びSGK−3の標的であることがわかった(Alvarez de la Rosa 等, 1999; Boehmer 等, 2000; Wagner 等, 2001; Wang 等, 2001; Faletti 等, 2002; Friedrich 等, 2003)。ENaC及びSGKの相互作用は、直接リン酸化によるものではなく(Lang 等, 2000)、SGKによるリン酸化の結果としてユビキチンリガーゼNedd4−2の不活化によるものである(Debonneville 等, 2001; Snyder 等, 2002)。その結果、細胞膜中のENaCの量及び滞留時間が増加する(Staub 等, 1997; Alvarez de la Rosa 等, 1999; Wagner 等, 2001)。また、多くの実験では、ROMK1がSGKの分子標的であることが示されている。しかし、ROMK1は、SGKによって直接調節されないが、中間分子として「Na+/H+交換調節因子2」(NHERF2)を必要とする(Shenolikar 及び Weinmann, 2001; Yun, 2003)。同じ機構は、SGKの別の標的分子、Na4YH+輸送体NHE3に適用される(Yun 等, 2002)。さらに、また、アフリカツメガエル卵母細胞の実験では、SGKがKv1.3チャネル依存性K+電流に影響を与えることが示されている(Gamper 等, 2002; Warntges 等, 2002a)。また、SGKは、アミノ酸輸送体SN1及び42F/LATを調節することが報告された(Wagner 等, 2000; Bohmer 等, 2003a, b)。また、SGK−1は、細胞増殖及び電解質恒常性において役割を果たすことも示されている(Loffing 等, 2006; McCormick 等, 2005; Vallon 等, 2005; Vallon and Lang, 2005; Lang 等, 2003)。SGK−1は、疾患状態の原因となるいくつかの細胞機構を調節すると考えられる。例えば、SGK−1は、糖尿病性腎症におけるフィブロネクチン形成に介在することが示されている(Feng 等, 2005)。また、SGK1は、腎臓及び心臓血管疾患におけるインスリン、IGF−1及びアルドステロン誘導Na+貯留に介在することも示されている(McCormick 等, 2005; Vallon 等, 2005; Lang 等, 2003)。さらに、SGK−1は、組織因子(TF)の転写及び凝固促進活性の誘導(BelAiba 等, 2006)、並びにIGF−1介在性細胞増殖の調節に関与することが示されている(Henke 等, 2004)。
骨関節炎(OA)は、最も一般的な変形性関節症の1つであり、そして進行期には関節機能が失われる。疾病の慢性経過中に、関節軟骨が、下にある骨組織まで破壊され、罹患患者では関節置換手術が必要となる。また、軟骨の破壊に加えて、滑膜及び靭帯の病理学的変化を観察することもできる。疾患は、関節リウマチにおける様な炎症過程を一次的に伴うが、それとは異なる。疾患の正確な原因は、まだ知られていないが、代謝的変化、機械的ストレス、遺伝的障害又は関節損傷のようないくつかの要因が問題になる。最初の誘因にかかわらず、関節軟骨の退化は、OAの一般的な病理学的特徴として現れる。OAの病理学的状態の鍵となる特徴は、コラーゲン及びプロテオグリカンのタンパク質分解切断である。同化修復機構、細胞の再分化又は細胞死のような多くの他の過程が同時に起こる。これらの過程の根底にある正確な分子機構は、まだ十分に理解されていない。
成人軟骨の健康な機能は、高い圧力に対する耐性だけでなく組織の必要な弾性の両方を備えたその独特な生体力学的性質によって生み出される。決定的な要因は、軟骨組織の特別な組織である。他のほとんどの組織と異なり、軟骨細胞は、直接接触することなく、細胞外基質(ECM)中に互いに別々に埋め込まれている。このECMの巨大分子は、関節軟骨及び関節の活動能力(viability)を保証する。ECMの基本構造は、コラーゲンタイプII、IX及びXIの原線維によって形成されたネットワークからなる。プロテオグリカン、主としてアグリカンが、ECM中に埋め込まれて極めて高浸透性の水結合能力を生み出している。コラーゲン骨格鎖の性質に関連して生成される水圧は、軟骨の特異的な性質を保証する。OAの病因の主な特徴は、軟骨のECM及び関節軟骨組織の損失である。罹患した関節の機能は、この機構によって制限されるか又は失われる。さらに、疾患の症状進行中に疼痛のような種々の症状パラメーターが現れる。骨関節炎のための現在の治療は、主に症状の不満の緩和に限られている。軟骨変性を減らす、薬物に基づく原因治療は、現在の知識では不可能である。従って、骨関節炎の予防及び/又は治療法のための新規薬物が大いに必要とされている。
健康な及び変性した/変性している軟骨からの全細胞RNAのサンプルの比較遺伝子発現分析を通して変性した/変性している骨関節炎の軟骨中ではSGK−1が発現されるが、健康な関節軟骨では検出不可能であることが示されている(Bartnik 等, 2006)。さらに、さらなる実験により退行性軟骨病変の病因において原因となるSGKの関連性の証拠が得られた(Bartnik 等, 2006)。それらの研究の結論として、SGK−1は、軟骨の病理学的状態において、例えば関節リウマチ又は骨関節炎に関して、特に骨関節炎に関して明確に関与しており、従って軟骨退化過程を誘導する鍵分子に相当する。SGKファミリーメンバー間の高い相同性のため、これはSGK−2及びSGK−3にも適用されると考えられる。
これらの関係が同定されたことにより、知られている試験方法によってSGKの活性及び/又はSGKのレベルにおける潜在的薬物の効果を測定することによる退行性軟骨病変の予防又は治療法のための薬物の発見が可能となる。変形性関節症の病因における原因となるSGKの関連性から、軟骨の正常な細胞生理の修復のための調節機構を標的とする治療薬に焦点を合わせた調査が可能となる。マウス胚の関節では、肥大軟骨細胞中でSGK−1 mRNAが特異的に検出されたが、増殖細胞中では検出されなかった。骨格の発達及び軟骨内骨化のこのモデルにおけるSGK−1の役割から、軟骨中のSGK−1の自然発生は、軟骨の合成及び維持と関係ないが、変調(肥大)及び退化ではその機能を発揮することがわかる。従って、骨関節炎の軟骨におけるSGK−1の発現は、OAの病理を生じる又は促進する過程である。その調節性のため、SGK−1は、軟骨における初期の病理学的変化を誘導するだけでなくその後の退化活性についても鍵分子であるはずである。従って、SGK−1は、骨関節炎における薬理学的介入のための非常に重要な標的である。
軟骨の分化中のSGK−1の機能を詳しく研究するために、ヒトSGK−1をマウスのATDC5細胞中で過剰発現させた。これらの実験では、SGK−1の過剰発現によって、軟骨合成の阻害が生じることがはっきりと示された。アルシアンブルーで染色したプロテオグリカン及びアグリカンmRNAの量は、いずれも有意に低減された。しかしながら、キナーゼ欠損SGK−1形態は、これらのパラメーターにおいて陰性効果を有しなかった。OA罹患した関節軟骨におけるSGK−1の効果に関して、これらの実験からいくつかの結論を導くことができる。一方、SGK−1を発現する軟骨細胞は、組織の機能について必須であるプロテオグリカンのような細胞外マトリックスをもはや十分に合成することができない。もう一方で、軟骨細胞は、アグリカンのような遺伝子の発現を高めることによって退化過程の補償又は修復を阻害する。そのため、潜在的原因としてSGK−1の機能及びOA病理の中心となる要因が確認される。従って、SGK−1は、退行性軟骨病変、特に骨関節炎を治療する新規薬物を開発するための非常に重要な標的分子に相当する。
上で概説した種々の生理学的過程についてSGK−1の関連性からみて、本発明の化合物のようなSGK−1の阻害剤は、SGK−1活性が関与する、又は不適切なSGK−1活性に関連する、又はSGK−1によるシグナル伝達の阻害、調節若しくは調整が医師によって望まれる種々の疾患状態、例えば骨関節炎、変形性関節症、関節リウマチ、脊椎症、関節外傷及び半月板若しくは膝蓋骨損傷又は靭帯断裂後の長期関節固定に続く軟骨融解を含む変性関節障害及び退行性軟骨病変、結合組織障害、例えば膠原病、歯周障害、創傷治癒障害、真性糖尿病、糖尿病性腎症、糖尿病性神経障害、糖尿病性の血管症及び細小血管症を含む糖尿病、肥満、代謝症候群(脂質異常症)、全身性及び肺高血圧、脳梗塞、心筋梗塞後の心線維症、心肥大及び心不全を含む心臓血管疾患、動脈硬化症、糸球体硬化症、腎硬化、腎炎、腎症及び電解質排出障害を含む腎疾患、並びに肝硬変、肺線維症、線維化性膵炎、リウマチ、関節炎、痛風、クローン病、慢性気管支炎、放射線線維症、硬化性皮膚炎、嚢胞性線維症、瘢痕化及びアルツハイマー病を含むあらゆるタイプの線維症及び炎症過程の治療法及び予防法(prophylaxis)を含む治療に使用することができる。また、本発明の化合物のようなSGK−1の阻害剤は、急性疼痛、例えば外傷後の痛み、術後痛、痛風の急性発作に伴う痛み及び下顎骨の外科的処置後の急性疼痛、並びに慢性疼痛、例えば慢性筋骨格系疾患に伴う痛み、背部痛、骨関節炎又は関節リウマチに伴う痛み、炎症に伴う痛み、切断痛(amputation pain)、多発性硬化症に伴う痛み、神経炎に伴う痛み、癌腫及び肉腫に伴う痛み、AIDSに伴う痛み、化学療法に伴う痛み、三叉神経痛、頭痛、片頭痛、神経因性疼痛、帯状疱疹後神経痛(post-herpes zoster neuralgia)を含む疼痛の治療に使用することもできる。また、本発明の化合物のようなSGK−1の阻害剤は、腫瘍細胞の増殖及び腫瘍転移を阻害するための腫瘍療法に使用することもできる。また、本発明の化合物のようなSGK−1の阻害剤は、運動系の慢性障害、例えば炎症性の、免疫学的に又は代謝的に関連する急性及び慢性関節炎、関節症、筋肉痛並びに骨代謝の障害の治療に使用することもできる。さらに、本発明の化合物のようなSGK−1の阻害剤は、特にストレスによって誘発される形態の消化性潰瘍の治療、耳鳴の治療、細菌感染の治療及び抗感染療法、学習能力及び注意力の向上、細胞の老化及びストレスを防止し、それによる高齢者の平均余命及び健康の増進、てんかんを含む神経細胞の興奮性状態、緑内障又は白内障の治療、並びに異常フィブリノーゲン血症、低プロコンバーチン血症(hypoproconvertinaemia)、B型血友病、スチュワート−プラウアー欠乏症(Stuart-Prower defect)、プロトロンビン複合体欠損症、消費性凝固障害、線維素溶解、免疫凝固障害(immunokoagulopathy)又は複合凝固障害を含む凝固障害の治療に使用することができる。
SGKの生理学的役割についてさらなる詳細は、例えば、前述の文献の論文に見出すことができ、それらの詳細は、以下の通りである。
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従って、SGKによってシグナル伝達を特異的に阻害、調節又は調整する小さな化合物の同定は、望ましく、そして本発明の目的である。しかし、このような阻害剤は、有効なSGK阻害剤である他に、さらに有益な性質、例えば高い生物学的利用能、血漿及び肝臓中における安定性、並びに阻害又は活性化を意図しない他のキナーゼ又は受容体に対する選択性を有することが望ましい。従って、本発明の目的は、病理学的状況においてSGKの異常活性を効果的に阻害し、そしてさらに有益な性質、例えば高い生物学的利用能、血漿及び肝臓における安定性、並びにアゴニスト又はアンタゴニストのような影響を及ぼすことを意図しない他のキナーゼ及び受容体に対する選択性を有するSGK阻害剤を提供することである。
この目的は、優れたSGK−1阻害活性を示し、そして高い生物学的利用能並びに血漿及び肝臓における安定性を有する望ましい物質である式Iの新規化合物を提供することによって達成される。
従って、本発明の主題は、その立体異性形態のいずれか又は任意の比率の立体異性形態の混合物における式I
Figure 2013063936
[式中、
Arは、フェニル、及び窒素、酸素及び硫黄からなる系列より選ばれる1、2又は3個の同一又は異なる環ヘテロ原子を含み、そして環炭素原子を介して結合される5員又は6員単環式芳香族複素環、からなる系列より選ばれ、それらはすべて、非置換であるか又は1つ若しくはそれ以上の同一若しくは異なる置換基R10によって置換されており;
nは、0、1及び2からなる系列より選ばれ;
R1は、水素、−N(R11)−R12、−N(R13)−C(O)−R14、−N(R13)−S(O)2−R15、−N(R13)−C(O)−NH−R14、−C(O)−N(R16)−R17、−CN、(C1−C4)−アルキル及び−(C1−C4)−アルキル−O−R18からなる系列より選ばれ;
R2は、ハロゲン、−(C1−C4)−アルキル、−O−(C1−C4)−アルキル及び−CNからなる系列より選ばれ;
R10は、ハロゲン、(C1−C4)−アルキル、(C3−C7)−シクロアルキル、−(C1−C4)−アルキル−(C3−C7)−シクロアルキル、−O−(C1−C4)−アルキル、−O−(C3−C7)−シクロアルキル、−O−(C1−C4)−アルキル−(C3−C7)−シクロアルキル−、−N(R19)−R20、−N(R21)−N(R19)−R20、−N(R21)−C(O)−R22、−NO2、−C(O)−N(R23)−R24及び−CNからなる系列より選ばれ、
そしてAr中の隣接環炭素原子に結合した2つの基R10は、それらを担持している炭素原子と一緒になって、窒素、酸素及び硫黄からなる系列より選ばれる0、1又は2個の同一又は異なる環ヘテロ原子を含み、そして非置換であるか又はハロゲン、−(C1−C4)−アルキル、−O−(C1−C4)−アルキル及び−CNからなる系列より選ばれる1つ若しくはそれ以上の同一若しくは異なる置換基によって置換された5員〜8員不飽和環を形成することができ;
R11及びR12は、互いに独立して水素、(C1−C4)−アルキル、(C3−C7)−シクロアルキル及び−(C1−C4)−アルキル−(C3−C7)−シクロアルキルからなる系列より選ばれるか、
又はR11及びR12は、それらを担持している窒素原子と一緒になって、R11及びR12を担持している窒素原子に加えて、窒素、酸素及び硫黄からなる系列から選ばれる0又は1個のさらなる環ヘテロ原子を含み、そして非置換であるか又はフッ素及び(C1−C4)−アルキルからなる系列より選ばれる1つ若しくはそれ以上の同一若しくは異なる置換基によって置換された単環式4員〜7員飽和複素環を形成し;
R13は、水素、(C1−C4)−アルキル及び(C3−C7)−シクロアルキルからなる系列より選ばれ;
R14及びR15は、互いに独立して(C1−C8)−アルキル、(C3−C7)−シクロアルキル、−(C1−C4)−アルキル−(C3−C7)−シクロアルキル、フェニル、−(C1−C4)−アルキル−フェニル、Het及び−(C1−C4)−アルキル−Hetからなる系列より選ばれ、ここにおいてフェニル及びHetは、すべて、非置換であるか又は1つ若しくはそれ以上の同一若しくは異なる置換基R30によって置換されており;
R16は、水素、(C1−C4)−アルキル及び(C3−C7)−シクロアルキルからなる系列より選ばれ;
R17は、水素、(C1−C8)−アルキル、(C3−C7)−シクロアルキル、−(C1−C4)−アルキル−(C3−C7)−シクロアルキル、フェニル、−(C1−C4)−アルキル−フェニル、Het及び−(C1−C4)−アルキル−Hetからなる系列より選ばれ、ここにおいてフェニル及びHetは、すべて、非置換であるか又は1つ若しくはそれ以上の同一若しくは異なる置換基R30によって置換されており、
又はR16及びR17は、それらを担持している窒素原子と一緒になって、R16及びR17を担持している窒素原子に加えて、窒素、酸素及び硫黄からなる系列から選ばれる0又は1個のさらなる環ヘテロ原子を含み、そして非置換であるか又はフッ素及び(C1−C4)−アルキルからなる系列より選ばれる1つ若しくはそれ以上の同一若しくは異なる置換基によって置換された単環式4員〜7員飽和複素環を形成し;
R18は、水素及び(C1−C4)−アルキルからなる系列より選ばれ;
R19は、水素、(C1−C4)−アルキル及び(C3−C7)−シクロアルキルからなる系列より選ばれ;
R20は、水素、(C1−C8)−アルキル、(C3−C7)−シクロアルキル、−(C1−C4)−アルキル−(C3−C7)−シクロアルキル、フェニル、−(C1−C4)−アルキル−フェニル、Het及び−(C1−C4)−アルキル−Hetからなる系列より選ばれ、ここにおいてフェニル及びHetは、すべて、非置換であるか又は1つ若しくはそれ以上の同一若しくは異なる置換基R30によって置換されており、
又はR19及びR20は、それらを担持している窒素原子と一緒になって、R19及びR20を担持している窒素原子に加えて、窒素、酸素及び硫黄からなる系列から選ばれる0又は1個のさらなる環ヘテロ原子を含み、そして非置換であるか又はフッ素及び(C1−C4)−アルキルからなる系列より選ばれる1つ若しくはそれ以上の同一若しくは異なる置換基によって置換された単環式4員〜7員飽和複素環を形成し;
R21は、水素、(C1−C4)−アルキル及び(C3−C7)−シクロアルキルからなる系列より選ばれ;
R22は、(C1−C4)−アルキル、(C3−C7)−シクロアルキル及び−(C1−C4)−アルキル−(C3−C7)−シクロアルキルからなる系列より選ばれ;
R23及びR24は、互いに独立して水素及び(C1−C4)−アルキルからなる系列より選ばれ;
R30は、ハロゲン、(C1−C4)−アルキル、−O−(C1−C4)−アルキル及び−CNからなる系列より選ばれ;
Hetは、窒素、酸素及び硫黄からなる系列より選ばれる1又は2個の同一又は異なる環ヘテロ原子を含み、そして環炭素原子を介して結合される単環式4員〜7員飽和、部分不飽和又は芳香族複素環であり;
ここにおいて、すべてのシクロアルキル基は、フッ素及び(C1−C4)−アルキルからなる系列より選ばれる1つ又はそれ以上の同一の置換基によって置換されていてもよく;
ここにおいて、すべてアルキル基は、アルキル基上に存在し得る任意の他の置換基と独立して、1つ又はそれ以上のフッ素置換基によって置換されていてもよい]
の化合物、及びその薬学的に許容しうる塩である。
例えば基、置換基、又は数のような構成要素が式Iの化合物中で数回存在することができる場合、それらはすべて互いに独立しており、そして各場合、記載された意味のいずれかを有し、そしてそれらは、各場合、すべての他のこのような要素と同一又は異なることができる。例えば、ジアルキルアミノ基中のアルキル基は同一又は異なることができる。
アルキル基、すなわち飽和炭化水素基は、線状(直鎖)又は分枝状であることができる。また、これは、それらの基が他の基、例えば−O−アルキル基(アルキルオキシ基、アルコキシ基)又はOH−置換されたアルキル基(−アルキル−OH基、ヒドロキシアルキル基)の一部である場合にも適用される。それぞれの定義に応じて、アルキル基中の炭素原子数は、1、2、3、4、5、6、7若しくは8個、又は1、2、3、4、5若しくは6個、又は1、2、3若しくは4個、又は1、2若しくは3個、又は1若しくは1個、又は1個であることができる。アルキルの例は、メチル、エチル、n−プロピル及びイソプロピルを含むプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、イソブチル及びtert−ブチルを含むブチル、n−ペンチル、1−メチルブチル、イソペンチル、ネオペンチル及びtert−ペンチルを含むペンチル、n−ヘキシル、2,2−ジメチルヘキシル、3,3−ジメチルブチル、2−メチルペンチル、3−メチルペンチル及びイソヘキシルを含むヘキシル、ヘプチル並びにn−オクチルを含むオクチルである。−O−アルキル基の例は、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、イソブトキシ、tert−ブトキシ、n−ペントキシである。
個々の化合物が十分に安定であり、そして薬学的活性化合物として適切であれば、置換されたアルキル基は、あらゆる位置で置換されることができる。特定の基及び式Iの化合物が十分に安定であり、そして薬学的活性化合物として適切である必要条件は、式Iの化合物中のすべての基の定義に関して一般に適用される。他のすべての置換基と独立して、1つ又はそれ以上のフッ素置換基によって置換されることができるアルキル基は、フッ素置換基によって非置換である、すなわちフッ素置換基を担持しないか、又は例えば1、2、3、4、5、6、7、8、9、10若しくは11個のフッ素置換基によって、若しくは1、2、3、4若しくは5個のフッ素置換基によって、若しくは1、2又は3個のフッ素置換基によって置換されることができ、そしてそれらはあらゆる位置にあることができる。例えば、フルオロ置換されたアルキル基において、1つ又はそれ以上のメチル基は、それぞれ3個のフッ素置換基を担持してトリフルオロメチル基として存在することができ、及び/又は1つ又はそれ以上のメチレン基(CH2)は、それぞれ2個のフッ素置換基を担持してジフルオロメチレン基として存在することができる。また、フッ素による基の置換に関する説明は、基が他の置換基をさらに担持する、及び/又は別の基、例えば−O−アルキル基の一部である場合にも適用される。フルオロ置換されたアルキル基の例は、−CF3(トリフルオロメチル)、−CHF2、−CH2F、−CHF−CF3、−CHF−CHF2、−CHF−CH2F、−CH2−CF3、−CH2−CHF2、−CH2−CH2F、−CF2−CF3、−CF2−CHF2、−CF2−CH2F、−CH2−CHF−CF3、−CH2−CHF−CHF2、−CH2−CHF−CH2F、−CH2−CH2−CF3、−CH2−CH2−CHF2、−CH2−CH2−CH2F、−CH2−CF2−CF3、−CH2−CF2−CHF2、−CH2−CF2−CH2F、−CHF−CHF−CF3、−CHF−CHF−CHF2、−CHF−CHF−CH2F、−CHF−CH2−CF3、−CHF−CH2−CHF2、−CHF−CH2−CH2F、−CHF−CF2−CF3、−CHF−CF2−CHF2、−CHF−CF2−CH2F、−CF2−CHF−CF3、−CF2−CHF−CHF2、−CF2−CHF−CH2F、−CF2−CH2−CF3、−CF2−CH2−CHF2、−CF2−CH2−CH2F、−CF2−CF2−CF3、−CF2−CF2−CHF2又は−CF2−CF2−CH2Fである。フルオロ置換された−O−アルキル基の例は、トリフルオロメトキシ(−OCF3)、2,2,2−トリフルオロエトキシ、ペンタフルオロエトキシ及び3,3,3−トリフルオロプロポキシである。一般に1つ又はそれ以上のフッ素置換基を含むことができるアルキル基であることができる式Iの化合物中のすべての基又は置換基に関して、基又は置換基の定義に含まれうるフッ素置換されたアルキルを含む基又は置換基の例として、基CF3(トリフルオロメチル)、又はCF3−O−のような個々の基を記載することができる。
アルキル基に関する上記の説明は、式Iの化合物中の基の定義において、2つの隣接基に結合される、又は2つの基に結合される、そして置換されたアルキル基のアルキル部分の場合のように二価のアルキル基(アルカンジイル基)としてみなすことができるアルキル基に対して同様に適用される。従って、このような基は、線状又は分枝状であることもでき、隣接基に対する結合は、あらゆる位置にあることができ、そして同じ炭素原子から又は異なる炭素原子から始まることができ、そしてそれらは非置換であるか又は他のすべての置換基と独立してフッ素置換基によっても置換されることができる。このような二価のアルキル基の例は、−CH2−、−CH2−CH2−、−CH2−CH2−CH2−、−CH2−CH2−CH2−CH2−、−CH2−CH2−CH2−CH2−CH2−、−CH2−CH2−CH2−CH2−CH2−CH2−、−CH(CH3)−、−C(CH32−、−CH(CH3)−CH2−、−CH2−CH(CH3)−、−C(CH32−CH2−、−CH2−C(CH32−である。1、2、3、4、5若しくは6個のフッ素置換基、又は1、2、3若しくは4個のフッ素置換基、又は1若しくは2個のフッ素置換基を含むことができるフルオロ置換されたアルカンジイル基の例は、例えば、−CF2−、−CHF−、−CHF−CHF2−、−CHF−CHF−、−CH2−CF2−、−CH2−CHF−、−CF2−CF2−、−CF2−CHF−、−CH2−CHF−CF2−、−CH2−CHF−CHF−、−CH2−CH2−CF2−、−CH2−CH2−CHF−、−CH2−CF2−CF2−、−CH2−CF2−CHF−、−CHF−CHF−CF2−、−CHF−CHF−CHF−、−CHF−CH2−CF2−、−CHF−CH2−CHF−、−CHF−CF2−CF2−、−CHF−CF2−CHF−、−CF2−CHF−CF2−、−CF2−CHF−CHF−、−CF2−CH2−CF2−、−CF2−CH2−CHF−、−CF2−CF2−CF2−又は−CF2−CF2−CHFである。
(C3−C7)−シクロアルキル基中の環炭素原子の数は、3、4、5、6又は7個であることができる。シクロアルキルの例は、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル及びシクロヘプチルである。他のすべての置換基と独立して1つ又はそれ以上の(C1−C4)−アルキル置換基によって置換されることができるシクロアルキルは、アルキル置換基によって非置換である、すなわちアルキル置換基を担持しないか、又は、例えば1、2、3若しくは4個の同一若しくは異なる(C1−C4)−アルキル置換基によって例えばメチル基によって置換されることができ、それらの置換基は、あらゆる位置にあることができる。このようなアルキル置換されたシクロアルキル基の例は、1−メチルシクロプロピル、2,2−ジメチルシクロプロピル、1−メチルシクロペンチル、2,3−ジメチルシクロペンチル、1−メチルシクロヘキシル、4−メチルシクロヘキシル、4−イソプロピルシクロヘキシル、4−tert−ブチルシクロヘキシル、3,3,5,5−テトラメチルシクロヘキシルである。他のすべての置換基と独立して1つ又はそれ以上のフッ素置換基によって置換されることができるシクロアルキル基は、フッ素置換基によって非置換である、すなわちフッ素置換基を担持しないか、又は、例えば1、2、3、4、5、6、7、8、9、10若しくは11個のフッ素置換基によって、若しくは1、2、3、4、5若しくは6のフッ素置換基によって、若しくは1、2若しくは3個のフッ素置換基によって置換されることができる。フッ素置換基は、シクロアルキル基のあらゆる位置にあることができ、そしてアルキル置換基中にあることもできる。フルオロ置換されたシクロアルキル基の例は、1−フルオロシクロプロピル、2,2−ジフルオロシクロプロピル、3,3−ジフルオロシクロブチル、1−フルオロシクロヘキシル、4,4−ジフルオロシクロヘキシル、3,3,4,4,5,5−ヘキサフルオロシクロヘキシルである。また、シクロアルキル基は、フッ素及びアルキルによって同時に置換されることもできる。基−(C1−C4)−アルキル−(C3−C7)−シクロアルキルの例は、シクロプロピルメチル−、シクロブチルメチル−、シクロペンチルメチル−シクロヘキシルメチル−、シクロヘプチルメチル−、1−シクロプロピルエチル−、2−シクロプロピルエチル−、1−シクロブチルエチル−、2−シクロブチルエチル−、1−シクロペンチルエチル−、2−シクロペンチルエチル−、1−シクロヘキシルエチル−、2−シクロヘキシルエチル−、1−シクロヘプチルエチル−、2−シクロヘプチルエチルである。本発明の一実施態様において、このような基のいずれか1つ又はそれ以上の場合における−(C1−C4)−アルキル−(C3−C7)−シクロアルキル基は、他のすべての場合と独立して、−(C1−C2)−アルキル−(C3−C7)−シクロアルキル基、別の実施態様において−CH2−(C3−C7)−シクロアルキル基である。基−(C1−C4)−アルキル−(C3−C7)−シクロアルキルにおいて、そして同様にすべての他の基において、末端のハイフンは、基が結合である遊離価標を表し、従って、そのサブグループを介してサブグループを構成する基が結合されることを示す。
Arを表すフェニル基を含む置換されたフェニル基において、置換基は、あらゆる位置にあることができる。一置換されたフェニル基において、置換基は、2位、3位又は4位にあることができる。二置換されたフェニル基において、置換基は、2及び3位、2及び4位、2及び5位、2及び6位、3及び4位、又は3及び5位にあることができる。三置換されたフェニル基において、置換基は、2、3及び4位、2、3及び5位、2、3及び6位、2、4及び5位、2、4及び6位、又は3、4及び5位にあることができる。フェニル基が4個の置換基を担持する場合、その幾つかはフッ素原子であることができ、例えば、置換基は2、3、4及び5位、2、3、4及び6位、又は2、3、5及び6位にあることができる。多置換されたフェニル基又は他の任意の多置換された基が異なる置換基を担持する場合、各置換基は、あらゆる適切な位置にあることができ、そして本発明は、全ての位置異性体を含む。置換されたフェニル基において、置換基の数は、1、2、3、4又は5個であることができる。本発明の一実施態様において、置換されたフェニル基中の置換基の数は、1つ又はそれ以上の置換基を担持することができる他の任意の置換された基、例えば基Het中の置換基の数のように、1、2、3又は4個、別の実施態様において1、2又は3個、別の実施態様において1又は2個、別の実施態様において1個であり、ここでこのような置換された基の任意の場合における置換基の数は、他の場合の置換基の数と独立している。
基Het、Arを表す複素環及び式Iの化合物中に存在することができる他の複素環式環、例えばそれらを担持している原子と共に2つの基によって形成された環を含む複素環式基において、生成した基及び式Iの化合物が薬学的活性化合物として適切でありかつ十分に安定であるならば、ヘテロ環員は、任意の組み合わせで存在し、そして任意の適切な環位置にあることができる。本発明の一実施態様において、式Iの化合物中の任意の複素環式環中の2個の酸素原子は、隣接する環位置に存在することができない。本発明の別の実施態様において、酸素原子及び硫黄原子からなる系列より選ばれる2個のヘテロ環員は、式Iの化合物中の任意の複素環式環において隣接する環位置に存在することができない。本発明の別の実施態様において、水素原子又は置換基のような環外基を担持している窒素原子、硫黄原子及び酸素原子からなる系列より選ばれる2個のヘテロ環員は、式Iの化合物中の任意の複素環式環において隣接する環位置に存在することができない。芳香族複素環式環中のヘテロ環員の選択は、環が芳香族である、すなわち環が6個の非局在化パイ電子の環系を含むという必要条件によって制限される。単環式芳香族複素環は、5員又は6員環であり、そして5員環の場合、酸素、硫黄及び窒素からなる系列より選ばれる1個の環ヘテロ原子を含み、その際、この環窒素は水素原子又は置換基の様な環外基及び場合により1つ又はそれ以上のさらなる環窒素原子を担持しており、そして6員環の場合、環ヘテロ原子として1つ又はそれ以上の窒素原子を含むが、環ヘテロ原子として酸素原子及び硫黄原子を含まない。式Iの化合物中の複素環式基は、個々の基の定義に明記された通り環炭素原子又は環窒素原子を介して結合されており、ここで、複素環式基は、環中でそれぞれ任意の適切な炭素原子又は窒素原子を介して結合されることができる。置換された複素環式基において、置換基は、任意の位置にあることができる。
式Iの化合物中の複素環式基に存在することができる環ヘテロ原子の数、存在することができる環員の数、及び飽和度、すなわち複素環式基が飽和しており、環中に二重結合を含まないかどうか、又はそれが部分不飽和であり、芳香族でない環内に1つ若しくはそれ以上の、例えば1つ若しくは2つの二重結合を含むかどうか、又はそれが芳香族であり、従って5員単環式芳香族複素環の場合、環内に2つの二重結合を、そして6員単環式芳香族複素環の場合、環内に3つの二重結合を含むかどうかは、式Iの化合物中の個々の基の定義において明記されている。Ar中の隣接環炭素原子に結合した2つの基R10がそれらを担持している炭素原子と一緒になって環を形成する場合に生じることができる二環式複素環式環系を含む式Iの化合物中の複素環式基を誘導することができ、そして環系が基の定義によって含まれていれば、本発明の一実施態様において式Iの化合物中の複素環式基のいずれかがそれらのいずれか1つ又はそれ以上から選ばれる、複素環式環系の例として、オキセタン、チエタン、アゼチジン、フラン、テトラヒドロフラン、チオフェン、テトラヒドロチオフェン、ピロール、ピロリン、ピロリジン、1,3−ジオキソール、1,3−ジオキソラン、イソオキサゾール([1,2]オキサゾール)、イソオキサゾリン、イソオキサゾリジン、オキサゾール([1,3]オキサゾール)、オキサゾリン、オキサゾリジン、イソチアゾール([1,2]チアゾール)、イソチアゾリン、イソチアゾリジン、チアゾール([1,3]チアゾール)、チアゾリン、チアゾリジン、ピラゾール、ピラゾリン、ピラゾリジン、イミダゾール、イミダゾリン、イミダゾリジン、[1,2,3]トリアゾール、[1,2,4]トリアゾール、[1,2,4]オキサジアゾール、[1,3,4]オキサジアゾール、1,2,5−オキサジアゾール、[1,2,4]チアジアゾール、ピラン、テトラヒドロピラン、チオピラン、テトラヒドロチオピラン、2,3−ジヒドロ[1,4]ジオキシン、1,4−ジオキサン、ピリジン、1,2,5,6−テトラヒドロピリジン、ピペリジン、モルホリン、チオモルホリン、ピペラジン、ピリダジン、ピリミジン、ピラジン、[1,2,4]トリアジン、オキセパン、チエパン、アゼパン、[1,3]ジアゼパン、[1,4]ジアゼパン、[1,4]オキサゼパン、[1,4]チアゼパン、ベンゾフラン、イソベンゾフラン、ベンゾチオフェン(ベンゾ[b]チオフェン)、1H−インドール、2,3−ジヒドロ−1H−インドール、2H−イソインドール、ベンゾ[1,3]ジオキソール、ベンゾオキサゾール、ベンゾチアゾール、1H−ベンゾイミダゾール、クロマン、イソクロマン、チオクロマン、ベンゾ[1,4]ジオキサン、3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[1,4]オキサジン、3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[1,4]チアジン、キノリン、5,6,7,8−テトラヒドロキノリン、イソキノリン、5,6,7,8−テトラヒドロイソキノリン、シンノリン、キナゾリン、キノキサリン、フタラジン、[1,8]ナフチリジン及び3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[b][1,4]ジオキセピン(後者の環系は3,4−ジヒドロ−2H−1,5−ベンゾジオキセピンとも称することができる)を挙げることができ、それらはすべて、非置換であるか又は式Iの化合物中の個々の基の定義に明記されたとおり任意の適切な位置で置換されることができ、ここにおいて示された不飽和度は単なる一例であって、そしてまた、個々の基において、より高い若しくは低い飽和度を有する、又は水素化された、又は不飽和の環系は、基の定義に明記された通り存在することができる。特に飽和及び部分不飽和複素環中の環硫黄原子は、1つ又は2つのオキソ基、すなわち二重結合した酸素原子を一般に担持することができ、そしてこのような複素環において、環硫黄原子の他に、またS(O)基(S(=O))及びS(O)2基(S(=O)2)は、ヘテロ環員として存在することができる。
上記のとおり、複素環式基は、式Iの化合物中のそれぞれの基の定義に明記されたように任意の適切な環原子を介して結合されることができる。例えば、とりわけ、オキセタン及びチエタン環は、2及び3位を介して、アゼチジン環は、1、2及び3位を介して、フラン環、テトラヒドロフラン環、チオフェン環及びテトラヒドロチオフェンは、2及び3位を介して、ピロール環及びピロリジン環は1、2及び3位を介して、イソオキサゾール環及びイソチアゾール環は3、4及び5位を介して、ピラゾール環は1、3、4及び5位を介して、オキサゾール環及びチアゾール環は2、4及び5位を介して、イミダゾール環及びイミダゾリジン環は1、2、4及び5位を介して、テトラヒドロピラン及びテトラヒドロチオピラン環は2、3及び4位を介して、1,4−ジオキサン環は2位を介して、ピリジン環は2、3及び4位を介して、ピペリジン環は1、2、3及び4位を介して、モルホリン環及びチオモルホリン環は2、3及び4位を介して、ピペラジン環は1及び2位を介して、ピリミジン環は2、4及び5位を介して、ピラジン環は2位を介して、アゼパン環は1、2、3及び4位を経た、ベンゾフラン環及びベンゾチオフェン環は2、3、4、5、6及び7位を介して、1H−インドール環及び2,3−ジヒドロ−1H−インドール環は1、2、3、4、5、6及び7位を介して、ベンゾ[1,3]ジオキソール環は4、5、6及び7位を介して、ベンゾオキサゾール環及びベンゾチアゾール環は2、4、5、6及び7位を介して、1H−ベンゾイミダゾール環は1、2、4、5、6及び7位を介して、ベンゾ[1,4]ジオキサン環は5、6、7及び8位を介して、キノリン環は2、3、4、5、6、7及び8位を介して、5,6,7,8−テトラヒドロキノリンは2、3及び4位を介して、イソキノリン環は1、3、4、5、6、7及び8位を介して、5,6,7,8−テトラヒドロイソキノリン環は1、3及び4位を介して結合されることができ、例えば、ここにおいて複素環式基の生成した残記は、すべて、非置換であるか又は式Iの化合物中のそれぞれの基の定義に明記された通り任意の適切な位置で置換されることができる。
ハロゲンは、フッ素、塩素、臭素又はヨウ素である。本発明の一実施態様において、ハロゲンは、その場合のいずれかにおいて、フッ素、塩素又は臭素、別の実施態様においてフッ素又は塩素、別の実施態様においてフッ素、別の実施態様において塩素であり、ここで、ハロゲンのすべての場合は、互いに独立している。
本発明は、式Iの化合物のすべての立体異性形態、例えばシス/トランス異性体を含むすべてのエナンチオマー及びジアステレオマーを含む。同様に、本発明は、すべての比率での2つ又はそれ以上の立体異性形態の混合物、例えばシス/トランス異性体を含むエナンチオマー及び/又はジアステレオマーの混合物を含む。式Iの化合物中に含まれる不斉中心は、すべて互いに独立してS配置又はR配置を有することができる。本発明は、鏡像異性的に純粋な形態及び本質的に鏡像異性的に純粋な形態における、並びにそれらのラセミ体、すなわち1:1のモル比での2つのエナンチオマーの混合物の形態における、並びにすべての比率での2つのエナンチオマーの混合物の形態におけるエナンチオマー、左旋性及び右旋性対掌体の両方に関する。同様に、本発明は、純粋な及び本質的に純粋なジアステレオマーの形態における並びにすべての比率での2つ又はそれ以上のジアステレオマーの混合物の形態におけるジアステレオマーに関する。また、本発明は、純粋な形態及び本質的に純粋な形態における、並びにすべての比率でのシス異性体の及びトランス異性体の混合物の形態における式Iの化合物のすべてのシス/トランス異性体を含む。シス−トランス異性は、置換された環において生じることができる。個々の立体異性体の製造は、所望により、慣用の方法による混合物の分割によって、例えばクロマトグラフィ若しくは結晶化によって、又は合成における立体化学的に一様な出発化合物の使用によって、又は立体選択反応によって実施することができる。場合により、立体異性体の分離前に誘導体化を実施することができる。立体異性体の混合物の分離は、式Iの化合物の段階で又は合成の経過中の中間体の段階で実施することができる。例えば、不斉中心を含む式Iの化合物の場合、個々のエナンチオマーは、式Iの化合物のラセミ体を製造し、そして標準方法によるキラル相上の高圧液体クロマトグラフィによりそれをエナンチオマーに分割するか若しくはその合成の経過中の任意の中間体のラセミ体をこのようなクロマトグラフィによって分割することによって、又は光学活性なアミン若しくは酸を用いてその塩を結晶化させ、そして中間体のエナンチオマーを式Iの最終化合物のエナンチオマー形態に転換することによって、又は合成の経過中にエナンチオ選択的反応を実施することによって製造することができる。また、本発明は、式Iの化合物のすべての互変異性形態を含む。
また、式Iの遊離化合物、すなわち酸性及び塩基性基が塩の形態で存在しない化合物の他に、本発明は、式Iの化合物の生理学的に又は毒物学的に許容しうる塩、特に、式Iの化合物中の1つ又はそれ以上の酸性又は塩基性基において、例えば塩基性の複素環式部分において形成することができるその薬学的に許容しうる塩を含む。従って、式Iの化合物は、無機又は有機塩基によって酸性基上で脱プロトン化してもよく、そして例えばアルカリ金属塩の形態で使用される。また、少なくとも1つの塩基性基を含む式Iの化合物は、その酸付加塩の形態で、例えば無機酸及び有機酸との薬学的に許容しうる塩、例えば塩酸との塩の形態で製造し、そして使用することができ、従って、例えば塩酸塩の形態で存在する。塩は、一般に、慣用の方法に従って溶媒又は希釈剤中で酸又は塩基との反応によって式Iの酸性及び塩基性化合物から製造することができる。また、式Iの化合物が分子中に酸性及び塩基性基を同時に含む場合、本発明は、記載された塩形態に加えて、分子内塩(ベタイン、両性イオン)を含む。また、本発明は、低い生理学的認容性のため、薬として直接適していないが、化学反応の中間体として又は例えばアニオン交換若しくはカチオン交換によって生理学的に許容しうる塩を製造するために適している式Iの化合物のすべての塩を含む。
本発明の一実施態様において、基Arを表す芳香族複素環は、1又は2個の同一又は異なる環ヘテロ原子、別の実施態様において窒素及び硫黄からなる系列より選ばれる1又は2個の同一又は異なる環ヘテロ原子を含む。別の実施態様において、Arを表す芳香族複素環は、窒素及び硫黄からなる系列より選ばれる1若しくは2個の同一若しくは異なる環ヘテロ原子を含む5員複素環であるか又は窒素原子である1若しくは2個の環ヘテロ原子を含む6員複素環であり、別の実施態様において、窒素及び硫黄からなる系列より選ばれる1若しくは2個の同一若しくは異なる環ヘテロ原子を含む5員複素環である。別の実施態様において、Arを表す芳香族複素環は、チオフェン、チアゾール、ピラゾール、イミダゾール、ピリジン、ピリダジン、ピリミジン及びピラジンからなる系列より、別の実施態様において、チオフェン、チアゾール、ピラゾール、イミダゾール及びピリジンからなる系列より、別の実施態様において、チオフェン、チアゾール、ピラゾール及びイミダゾールからなる系列より、別の実施態様において、チオフェン及びピラゾールからなる系列より選ばれ、別の実施態様において、それはチオフェンであり、そして別の実施態様において、それはピラゾールであり、それらの複素環は、すべて、非置換であるか又は1つ若しくはそれ以上の置換基R10によって置換されている。本発明の一実施態様において、Arは、非置換であるか又は1つ若しくはそれ以上の同一若しくは異なる置換基R10によって置換されたフェニルであり、別の実施態様において、Arは、1つ又はそれ以上の同一又は異なる置換基R10によって置換されたフェニルであり、別の実施態様において、Arは、非置換であるか又は1つ若しくはそれ以上の同一若しくは異なる置換基R10によって置換された5員又は6員芳香族複素環であり、そして別の実施態様において、Arは、1つ又はそれ以上の同一又は異なる置換基R10によって置換された5員又は6員芳香族複素環である。本発明の一実施態様において、基Ar中に存在することができる同一又は異なる置換基R10の数は、1、2、3又は4個であり、別の実施態様において、1、2又は3個であり、別の実施態様において、1又は2個であり、別の実施態様において、1個であり、別の実施態様において、2、3又は4個であり、別の実施態様において、2又は3個であり、別の実施態様において、3個であり、別の実施態様において、2個である。一実施態様において、Arは1つ又はそれ以上の同一又は異なる置換基R10によって置換されている。
本発明の一実施態様において、数nは、0及び1からなる系列より、別の実施態様において、1及び2からなる系列より選ばれ、別の実施態様において、それは1であり、別の実施態様において、それは0である。
本発明の一実施態様において、R1は、水素、−N(R11)−R12、−N(R13)−C(O)−R14、−N(R13)−S(O)2−R15、−N(R13)−C(O)−NH−R14、(C1−C4)−アルキル及び−(C1−C4)−アルキル−O−R18からなる系列より選ばれ、別の実施態様において水素、−N(R11)−R12、−N(R13)−C(O)−R14、−N(R13)−S(O)2−R15、−N(R13)−C(O)−NH−R14、−C(O)−N(R16)−R17、−CN及び(C1−C4)−アルキルからなる系列より、別の実施態様において水素、−N(R11)−R12、−N(R13)−C(O)−R14、−N(R13)−S(O)2−R15、−N(R13)−C(O)−NH−R14及び(C1−C4)−アルキルからなる系列より、別の実施態様において水素、−C(O)−N(R16)−R17、−CN、(C1−C4)−アルキル及び−(C1−C4)−アルキル−O−R18からなる系列より、別の実施態様において水素及び(C1−C4)−アルキルからなる系列より、別の実施態様において−N(R11)−R12、−N(R13)−C(O)−R14、−N(R13)−S(O)2−R15及び−N(R13)−C(O)−NH−R14からなる系列より、別の実施態様において−N(R11)−R12及び−N(R13)−C(O)−R14からなる系列より選ばれ、別の実施態様において−N(R11)−R12であり、そして別の実施態様においてR1は−N(R11)−R12及び(C1−C4)−アルキルからなる系列より選ばれる。一実施態様において、R1を表す(C1−C4)−アルキル基は、(C1−C2)−アルキルであり、別の実施態様においてそれはメチルである。
本発明の一実施態様において、R2は、ハロゲン、(C1−C4)−アルキル及び−CNからなる系列より、別の実施態様においてハロゲン及び(C1−C4)−アルキルからなる系列より、別の実施態様においてハロゲン及び−CNからなる系列より、別の実施態様においてハロゲンからなる系列より選ばれる。一実施態様において、R2中に存在する(C1−C4)−アルキル基は、メチル基である。一実施態様において、R2を表すハロゲンは、フッ素及び塩素からなる系列より選ばれ、別の実施態様においてそれはフッ素である。遊離結合部位を有し、すなわち、式I中で隣接する基に結合しておらず、そして基R2を担持していない、式I中に示された二価のフェニル基中の環炭素原子は、ピラジン環系が式I中に示したピラゾロ[3,4−b]の5位において炭素原子と同様に水素原子を担持している。従って、数nが0であり、そのため基R2が存在しない場合、式I'中で2'、3'、5'及び6'として表わされる、式I中に示された二価のフェニル基の環位置における4個のすべての炭素原子は、水素原子を担持する。数nが1であり、そのため1つの基R2が存在する場合、式I'中で2'、3'、5'及び6'として表わされる、式I中に示された二価のフェニル基の環位置における4個の炭素原子のうちの1個は、基R2を担持し、そしてその他の3個の前記炭素原子は、水素原子を担持する。数nが2であり、そのため2つの基R2が存在する場合、式I中で2'、3'、5'及び6'として表わされる、式I中に示された二価のフェニル基の環位置において4個の炭素原子の2個は、基R2を担持し、そして他の2個の前記炭素原子は、水素原子を担持する。
Figure 2013063936
基R2は、遊離結合部位を有する式I中に示された二価のフェニル基の任意の位置に存在することができる。1つの基R2が存在する場合、本発明の一実施態様において基R2は、式I'中で2'位として表わされる位置に存在し、それは6'位と同等であり、そして別の実施態様においてそれは式I'中で3'位として表わされる位置に存在し、それは5位と同等である。2つの基R2が存在する場合、本発明の一実施態様において基R2は式I'中で2'及び3'位として表わされる位置に、別の実施態様において式I'中で2'及び5'位として表わされる位置に、別の実施態様において式I'中で2'及び6'として表わされる位置に、別の実施態様において式I'中で3'及び5'位として表わされる位置に存在する。
Ar中の隣接環炭素原子に結合する2つの基R10がそれらを担持している環炭素原子と一緒になって5員〜8員環を形成する場合、この環は、少なくとも一不飽和であり、すなわち、生成した環は、環内に少なくとも1つの二重結合を含み、その二重結合は芳香環Ar中の前記2つの隣接する環炭素の間に存在し、それは環Ar及び2つの基R10によって形成された環に共通であり、そして縮合環についての命名規則のため、両方の環中に存在する二重結合とみなされる。2つの基R10とそれらを担持している炭素原子とによって形成された環は、環内に1、2又は3個の二重結合を含むことができる。一実施態様において、形成された環は、1又は2個の二重結合、別の実施態様において環内に1個の二重結合を含む。6員炭素環式若しくは複素環式環又は5員複素環式環の場合、形成された環は芳香族であり、そして芳香環Arと共に、二環式芳香環系、例えばナフタレン環系、キノリン環系、イソキノリン環系又はベンゾチオフェン環系を形成する。Ar中の隣接環炭素原子に結合した2つの基R10がそれらを担持している炭素原子と一緒になって5員〜8員不飽和環を形成する場合とは、換言すれば、2つの基R10が一緒になって、3〜6個の原子の鎖を含み、そのうちの0、1又は2個が窒素、酸素及び硫黄からなる系列より選ばれる同一又は異なるヘテロ原子であり、その末端原子がAr中の2個の隣接環炭素原子に結合している二価の残基を形成しているとみなすことができる。Ar中の隣接環炭素原子に結合した2つの基R10が、本発明の一実施態様においてそれらのいずれか1つ又はそれ以上から選ばれるこのような二価の残基の例は、残基−CH2−CH2−CH2−、−CH2−CH2−CH2−CH2−、−CH2−CH2−CH2−CH2−CH2−、−CH=CH−CH=CH−、−N=CH−CH=CH−、−CH=CH−CH=N−、−CH=N−CH=CH−、−CH=CH−N=CH−、−O−CH2−CH2−、−CH2−CH2−O−、−O−CH2−O−、−O−CH2−CH2−O−、−O−CH2−CH2−CH2−O−、−O−CH2−CH2−CH2−CH2−O−、−S−CH=CH−、−CH=CH−S−、=CH−S−CH=−、−N=CH−S−、−S−CH=N−、−N=CH−O−、−O−CH=N−、−NH−CH2−CH2−O−、−O−CH2−CH2−NH−、−S−CH2−CH2−NH−及び−NH−CH2−CH2−S−であり、それらはすべてハロゲン、(C1−C4)−アルキル−、−O−(C1−C4)−アルキル及び−CNからなる系列より選ばれる置換基によって置換されることができ、従って、例えば二価の残基、−O−CF2−O−、−O−C(CH32−O−、−S−C(Cl)=CH−、−CH=C(Cl)−S−、−N(CH3)−CH2−CH2−O−、−O−CH2−CH2−N(CH3)−、−S−CH2−CH2−N(CH3)−及び−N(CH3)−CH2−CH2−S−として存在することもできる。本発明の一実施態様において、Ar中の隣接環炭素原子に結合した2つの基R10とそれらを担持している炭素原子とによって形成された環中に場合により存在する環ヘテロ原子は、窒素及び酸素からなる系列より、別の実施態様において酸素及び硫黄からなる系列より選ばれ、そして別の実施態様においてそれらは酸素原子である。本発明の一実施態様において、Ar中の隣接環炭素原子に結合した2つの基R10とそれらを担持している環炭素原子とによって形成することができる環は、5員〜7員、別の実施態様において5員〜6員、別の実施態様において6員〜7員、別の実施態様において5員、別の実施態様において6員環、別の実施態様において7員環である。本発明の一実施態様において、Ar中の隣接する炭素原子に結合した2つの基R10とそれらを担持している炭素原子とによって形成することができる環は、0個の環ヘテロ原子を含み、すなわち、それは炭素環式環であり、そして別の実施態様においてそれは1又は2個の同一又は異なる環ヘテロ原子を含む。本発明の一実施態様において、Ar中の隣接環炭素原子に結合した2つの基R10とそれらを担持している炭素原子とによって形成される環中に存在することができる置換基の数は、1、2、3又は4個、別の実施態様において1、2又は3個、別の実施態様において1又は2個、別の実施態様において1個である。別の実施態様においてそれは0である。本発明の一実施態様において、Ar中の隣接環炭素原子に結合した2つの基R10とそれらを担持している炭素原子とによって形成される環中に存在することができる置換基は、ハロゲン、(C1−C4)−アルキル及び−CNからなる系列より、別の実施態様においてハロゲン及び(C1−C4)−アルキルからなる系列より選ばれ、そして別の実施態様において(C1−C4)−アルキルからなる系列より選ばれる、環窒素原子に結合したこのような環中の置換基である。
本発明の一実施態様において、R10は、ハロゲン、(C1−C4)−アルキル、(C3−C7)−シクロアルキル、−(C1−C4)−アルキル−(C3−C7)−シクロアルキル、−O−(C1−C4)−アルキル、−O−(C3−C7)−シクロアルキル、−O−(C1−C4)−アルキル−(C3−C7)−シクロアルキル−、−N(R19)−R20、−N(R21)−N(R19)−R20、−N(R21)−C(O)−R22、−NO2及び−CNからなる系列より、別の実施態様においてハロゲン、(C1−C4)−アルキル、−O−(C1−C4)−アルキル、−N(R19)−R20、−N(R21)−N(R19)−R20、−N(R21)−C(O)−R22、−NO2、−C(O)−N(R23)−R24及び−CNからなる系列より、別の実施態様においてハロゲン、(C1−C4)−アルキル、−O−(C1−C4)−アルキル、−N(R19)−R20、−N(R21)−N(R19)−R20、−N(R21)−C(O)−R22、−NO2及び−CNからなる系列より、別の実施態様においてハロゲン、(C1−C4)−アルキル、−O−(C1−C4)−アルキル、−N(R19)−R20、−N(R21)−C(O)−R22、−NO2及び−CNからなる系列より、別の実施態様においてハロゲン、(C1−C4)−アルキル、−O−(C1−C4)−アルキル、−N(R19)−R20、−N(R21)−C(O)−R22及び−CNからなる系列より、別の実施態様においてハロゲン、(C1−C4)−アルキル、−O−(C1−C4)−アルキル、−N(R21)−C(O)−R22、−NO2及び−CNからなる系列より、別の実施態様においてハロゲン、(C1−C4)−アルキル、−O−(C1−C4)−アルキル、−N(R21)−C(O)−R22及び−CNからなる系列より、別の実施態様においてハロゲン、(C1−C4)−アルキル、−O−(C1−C4)−アルキル、−NO2及び−CNからなる系列より、別の実施態様においてハロゲン、(C1−C4)−アルキル、−O−(C1−C4)−アルキル及び−CNからなる系列より、別の実施態様においてハロゲン、(C1−C4)−アルキル及び−CNからなる系列より、別の実施態様においてハロゲン及び(C1−C4)−アルキルからなる系列より、そして別の実施態様においてハロゲンからなる系列より選ばれ、そしてこれらのすべての実施態様においてAr中の隣接環炭素原子に結合した2つの基R10は、それらを担持している炭素原子と一緒になって、窒素、酸素及び硫黄からなる系列より選ばれる0、1又は2個の同一又は異なる環ヘテロ原子を含み、そして非置換であるか又はハロゲン、−(C1−C4)−アルキル、−O−(C1−C4)−アルキル及び−CNからなる系列より選ばれる1つ若しくはそれ以上の同一若しくは異なる置換基によって置換された5員〜8員不飽和環を形成することができる。
一実施態様において、R10は、ハロゲン、(C1−C4)−アルキル、(C3−C7)−シクロアルキル、−(C1−C4)−アルキル−(C3−C7)−シクロアルキル、−O−(C1−C4)−アルキル、−O−(C3−C7)−シクロアルキル、−O−(C1−C4)−アルキル−(C3−C7)−シクロアルキル−、−N(R19)−R20、−N(R21)−N(R19)−R20、−N(R21)−C(O)−R22、−NO2、−C(O)−N(R23)−R24及び−CNからなる系列より、別の実施態様においてハロゲン、(C1−C4)−アルキル、(C3−C7)−シクロアルキル、−(C1−C4)−アルキル−(C3−C7)−シクロアルキル、−O−(C1−C4)−アルキル、−O−(C3−C7)−シクロアルキル、−O−(C1−C4)−アルキル−(C3−C7)−シクロアルキル−、−N(R19)−R20、−N(R21)−N(R19)−R20、−N(R21)−C(O)−R22、−NO2及び−CNからなる系列より、別の実施態様においてハロゲン、(C1−C4)−アルキル、−O−(C1−C4)−アルキル、−N(R19)−R20、−N(R21)−N(R19)−R20、−N(R21)−C(O)−R22、−NO2、−C(O)−N(R23)−R24及び−CNからなる系列より、別の実施態様においてハロゲン、(C1−C4)−アルキル、−O−(C1−C4)−アルキル、−N(R19)−R20、−N(R21)−N(R19)−R20、−N(R21)−C(O)−R22、−NO2及び−CNからなる系列より、別の実施態様においてハロゲン、(C1−C4)−アルキル、−O−(C1−C4)−アルキル、−N(R19)−R20、−N(R21)−C(O)−R22、−NO2及び−CNからなる系列より、別の実施態様においてハロゲン、(C1−C4)−アルキル、−O−(C1−C4)−アルキル、−N(R19)−R20、−N(R21)−C(O)−R22及び−CNからなる系列より、別の実施態様においてハロゲン、(C1−C4)−アルキル、−O−(C1−C4)−アルキル、−N(R21)−C(O)−R22、−NO2及び−CNからなる系列より、別の実施態様においてハロゲン、(C1−C4)−アルキル、−O−(C1−C4)−アルキル、−N(R21)−C(O)−R22及び−CNからなる系列より、別の実施態様においてハロゲン、(C1−C4)−アルキル、−O−(C1−C4)−アルキル、−NO2及び−CNからなる系列より、別の実施態様においてハロゲン、(C1−C4)−アルキル、−O−(C1−C4)−アルキル及び−CNからなる系列より、別の実施態様においてハロゲン、(C1−C4)−アルキル及び−CNからなる系列より、別の実施態様においてハロゲン及び(C1−C4)−アルキルからなる系列より、そして別の実施態様においてハロゲンからなる系列より選ばれる。
一実施態様において、Arを表すピロール、ピラゾール又はイミダゾール環の場合のようなAr中の環窒素原子に結合した置換基R10は、(C1−C4)−アルキル、(C3−C7)−シクロアルキル、−(C1−C4)−アルキル−(C3−C7)−シクロアルキル及び−C(O)−N(R23)−R24からなる系列より、別の実施態様において(C1−C4)−アルキル、(C3−C7)−シクロアルキル及び−(C1−C4)−アルキル−(C3−C7)−シクロアルキルからなる系列より、別の実施態様において(C1−C4)−アルキルからなる系列より選ばれる。
本発明の一実施態様において、R10を表すか又はR10を表す基−O−(C1−C4)−アルキル中に存在する(C1−C4)−アルキル基は、(C1−C3)−アルキル基、別の実施態様において(C1−C2)−アルキル基、別の実施態様においてメチル基であり、ここでこれらのすべてのアルキル基は、一般にアルキル基に適用されるフッ素置換基によって場合により置換されることができ、そして、また、例えばトリフルオロメチル基として存在する。本発明の一実施態様において、R10を表すか又は基R10中に存在する(C3−C7)−シクロアルキル基は、(C3−C6)−シクロアルキル基、別の実施態様において(C3−C4)−シクロアルキル基、別の実施態様においてシクロプロピル基である。本発明の実施態様において、式Iの化合物中のR10を表す−NO2(ニトロ)基の総数は、2を超えず、別の実施態様においてそれは1を超えない。
Arが本発明の一実施態様においてそれらのいずれか1つ又はそれ以上から選ばれる、Ar上に場合により置換基R10を含む基Arの例は、2,3−ジクロロ−フェニル、2,5−ジクロロ−フェニル、5−クロロ−2−ヒドラジノ−フェニル、5−クロロ−2−シアノ−フェニル、2−シアノ−5−メチル−フェニル、2−フルオロ−5−メチル−フェニル、2−クロロ−5−メトキシフェニル、2,5−ジクロロ−チオフェン−3−イル、8−クロロ−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[b][1,4]ジオキセピン−7−イル、5−クロロ−1,3−ジメチル−ピラゾール−4−イル、ナフタレン−1−イル、2,4,6−トリクロロ−フェニル、5−クロロ−2−フルオロフェニル、2,4,5−トリフルオロ−フェニル)、2,4,5−トリクロロ−フェニル、5−クロロ−2,4−ジフルオロ−フェニル、2,3,4−トリクロロ−フェニル、2,3,4−トリフルオロ−フェニル、2−クロロ−4−トリフルオロメチル−フェニル、5−シアノ−2−フルオロ−フェニル、2−シアノ−5−メトキシ−フェニル、2−シアノ−5−フルオロ−フェニル、2−フルオロ−5−メトキシフェニル、4−アセチルアミノ−2−メチル−フェニル、2−メチル−5−ニトロ−フェニル及び2−ニトロ−4−トリフルオロメチル−フェニルである。
基R11及びR12とそれらを担持している窒素原子とによって形成することができ、そのため環窒素原子を介して結合される単環式複素環は、4員、5員、6員又は7員であることができる。本発明の一実施態様において、基R11及びR12とそれらを担持している窒素原子とによって形成された複素環は、4員〜6員であり、別の実施態様において5員又は6員であり、別の実施態様において6員である。一実施態様において、基R11及びR12とそれらを担持している窒素原子とによって形成される複素環中に場合により存在するさらなる環ヘテロ原子は、窒素及び酸素からなる系列より選ばれ、別の実施態様においてそれは窒素原子であり、そして別の実施態様においてそれは酸素原子であり、そして別の実施態様においてさらなる環ヘテロ原子は存在しない。本発明の一実施態様において、基R11及びR12とそれらを担持している窒素原子とによって形成される環中に存在することができる、フッ素及び(C1−C4)−アルキルからなる系列より選ばれる置換基の数は、1、2又は3個、別の実施態様において1又は2個、別の実施態様において1個である。本発明の一実施態様において、基R11及びR12とそれらを担持している窒素原子とによって形成される環中に存在することができる置換基は、フッ素置換基であり、そして別の実施態様において(C1−C4)−アルキル置換基、例えばメチル置換基であり、そして別の実施態様において(C1−C4)−アルキルからなる系列より選ばれる、環窒素原子に結合したこのような環中の置換基である。基R11及びR12とそれらを担持している窒素原子とによって形成される複素環式基が本発明の一実施態様においてそれらのいずれか1つ又はそれ以上から選ばれる複素環式基の例は、アゼチジン−1−イル、ピロリジン−1−イル、ピペリジン−1−イル、モルホリン−4−イル、チオモルホリン−4−イル及び4−メチルピペラジン−1−イルである。
本発明の一実施態様において、基R11及びR12の一方は、水素及び(C1−C4)−アルキルからなる系列より選ばれ、そしてもう一方は、水素、(C1−C4)−アルキル、(C3−C7)−シクロアルキル及び−(C1−C4)−アルキル−(C3−C7)−シクロアルキルからなる系列より選ばれ、別の実施態様においてR11及びR12は、互いに独立して水素、(C1−C4)−アルキル及び(C3−C7)−シクロアルキルからなる系列より、別の実施態様において水素及び(C1−C4)−アルキルからなる系列より、別の実施態様において(C1−C4)−アルキルからなる系列より選ばれ、そして別の実施態様においてそれらは水素であり、すなわち、この後者の実施態様においてR1を表す基−N(R11)−R12は、基−NH2(アミノ)であり、又はこれらのすべての実施態様においてR11及びR12は、それらを担持している窒素原子と一緒になって、R11及びR12を担持している窒素原子に加えて、窒素、酸素及び硫黄からなる系列から選ばれる0又は1個のさらなる環ヘテロ原子を含み、そして非置換であるか又はフッ素及び(C1−C4)−アルキルからなる系列より選ばれる1つ若しくはそれ以上の同一若しくは異なる置換基によって置換された単環式4員〜7員飽和複素環を形成する。
本発明の一実施態様において、基R11及びR12の一方は、水素及び(C1−C4)−アルキルからなる系列より選ばれ、そしてもう一方は、水素、(C1−C4)−アルキル、(C3−C7)−シクロアルキル及び−(C1−C4)−アルキル−(C3−C7)−シクロアルキルからなる系列より選ばれ、別の実施態様において、R11及びR12は、互いに独立して水素、(C1−C4)−アルキル及び(C3−C7)−シクロアルキルからなる系列より、別の実施態様において水素及び(C1−C4)−アルキルからなる系列より、別の実施態様において(C1−C4)−アルキルからなる系列より選ばれ、そして別の実施態様においてR11及びR12は水素である。
本発明の一実施態様において、R13は、水素及び(C1−C4)−アルキルからなる系列より、別の実施態様において水素及び(C1−C3)−アルキルからなる系列より、別の実施態様において水素及びメチルからなる系列より選ばれ、そして別の実施態様においてR13は水素である。
本発明の一実施態様において、R14及びR15は、互いに独立して(C3−C7)−シクロアルキル、フェニル、−(C1−C4)−アルキルフェニル、Het及び−(C1−C4)−アルキル−Hetからなる系列より、別の実施態様において(C3−C7)−シクロアルキル、フェニル、−(C1−C4)−アルキルフェニル及びHetからなる系列より、別の実施態様において(C1−C8)−アルキル、(C3−C7)−シクロアルキル、−(C1−C4)−アルキル−(C3−C7)−シクロアルキル、−(C1−C4)−アルキルフェニル及び−(C1−C4)−アルキル−Hetからなる系列より、別の実施態様においてフェニル及びHetからなる系列より選ばれ、そして別の実施態様においてR14及びR15の一方又は両方は、互いに独立して(C1−C8)−アルキルからなる系列より、別の実施態様において(C3−C7)−シクロアルキルからなる系列より、別の実施態様において−(C1−C4)−アルキル−(C3−C7)−シクロアルキルからなる系列より、別の実施態様においてフェニルからなる系列より、別の実施態様において−(C1−C4)−アルキルフェニルからなる系列より、別の実施態様においてHetからなる系列より、そして別の実施態様において−(C1−C4)−アルキル−Hetからなる系列より選ばれ、ここでこれらのすべての実施態様においてフェニル及びHetはすべて、非置換であるか又は1つ若しくはそれ以上の同一若しくは異なる置換基R30によって置換されている。
R11及びR12とそれらを担持している窒素原子とによって形成することができる単環式環に関する上記の説明、並びにこの環に関して上に明記された実施態様は、R16及びR17とそれらを担持している窒素原子とによって形成することができる単環式環に対して同様に適用される。例えば、基R16及びR17とそれらを担持している窒素原子とによって形成することができ、そのため環窒素原子を介して結合される環は、4員、5員、6員又は7員であることができる。一実施態様において、基R16及びR17とそれらを担持している窒素原子とによって形成される複素環中に場合により存在するさらなる環ヘテロ原子は、窒素及び酸素からなる系列より選ばれ、別の実施態様においてそれは窒素原子であり、そして別の実施態様においてそれは酸素原子であり、そして別の実施態様においてさらなる環ヘテロ原子は存在しない。本発明の一実施態様において、基R16及びR17とそれらを担持している窒素原子とによって形成され、環窒素原子に結合した環中の置換基、(C1−C4)−アルキルからなる系列より選ばれる。基R16及びR17とそれらを担持している窒素原子とによって形成された複素環式基が本発明の一実施態様においてそれらのいずれか1つ又はそれ以上から選ばれる複素環式基の例は、同様にアゼチジン−1−イル、ピロリジン−1−イル、ピペリジン−1−イル、モルホリン−4−イル、チオモルホリン−4−イル及び4−メチルピペラジン−1−イルである。
本発明の一実施態様において、R16は、水素及び(C1−C4)−アルキルからなる系列より、別の実施態様において水素及び(C1−C3)−アルキルからなる系列より、別の実施態様において水素及びメチルからなる系列より選ばれ、そして別の実施態様においてR16は水素であり、そして一実施態様においてR17は、水素、(C1−C8)−アルキル、(C3−C7)−シクロアルキル、−(C1−C4)−アルキル−(C3−C7)−シクロアルキル、フェニル、−(C1−C4)−アルキルフェニル、Het及び−(C1−C4)−アルキル−Hetからなる系列より、別の実施態様において水素、(C1−C8)−アルキル、(C3−C7)−シクロアルキル、−(C1−C4)−アルキル−(C3−C7)−シクロアルキル、−(C1−C4)−アルキル−フェニル及び−(C1−C4)−アルキル−Hetからなる系列より、別の実施態様において水素、(C1−C8)−アルキル、(C3−C7)−シクロアルキル、−(C1−C4)−アルキル−(C3−C7)−シクロアルキル、フェニル、−(C1−C4)−アルキル−フェニル及び−(C1−C4)−アルキル−Hetからなる系列より、別の実施態様において水素、(C1−C8)−アルキル、(C3−C7)−シクロアルキル及び−(C1−C4)−アルキル−(C3−C7)−シクロアルキルからなる系列より、別の実施態様において水素、(C1−C8)−アルキル及び(C3−C7)−シクロアルキルからなる系列より、別の実施態様において水素及び(C1−C8)−アルキルからなる系列より、別の実施態様において(C1−C8)−アルキルからなる系列より選ばれ、そして別の実施態様においてR17は水素であり、ここにおいてフェニル及びHetは、すべて、非置換であるか又は1つ若しくはそれ以上の同一又は異なる置換基R30によって置換されており、又はR16及びR17は、それらを担持している窒素原子と一緒になって、これらの実施態様において、R16及びR17を担持している窒素原子に加えて、窒素、酸素及び硫黄からなる系列から選ばれる0又は1個のさらなる環ヘテロ原子を含み、そして非置換であるか又はフッ素及び(C1−C4)−アルキルからなる系列より選ばれる1つ若しくはそれ以上の同一若しくは異なる置換基によって置換された単環式4員〜7員飽和複素環を形成する。
本発明の別の実施態様において、R16は、水素及び(C1−C4)−アルキルからなる系列より、別の実施態様において水素及び(C1−C3)−アルキルからなる系列より、別の実施態様において水素及びメチルからなる系列より選ばれ、そして別の実施態様においてR16は水素であり、そして一実施態様においてR17は、水素、(C1−C8)−アルキル、(C3−C7)−シクロアルキル、−(C1−C4)−アルキル−(C3−C7)−シクロアルキル、フェニル、−(C1−C4)−アルキル−フェニル、Het及び−(C1−C4)−アルキル−Hetからなる系列より、別の実施態様において水素、(C1−C8)−アルキル、(C3−C7)−シクロアルキル、−(C1−C4)−アルキル−(C3−C7)−シクロアルキル−(C1−C4)−アルキル−フェニル及び−(C1−C4)−アルキル−Hetからなる系列より、別の実施態様において水素、(C1−C8)−アルキル、(C3−C7)−シクロアルキル、−(C1−C4)−アルキル−(C3−C7)−シクロアルキル、フェニル、−(C1−C4)−アルキル−フェニル及び−(C1−C4)−アルキル−Hetからなる系列より、別の実施態様において水素、(C1−C8)−アルキル、(C3−C7)−シクロアルキル及び−(C1−C4)−アルキル−(C3−C7)−シクロアルキルからなる系列より、別の実施態様において水素、(C1−C8)−アルキル及び(C3−C7)−シクロアルキルからなる系列より、別の実施態様において水素及び(C1−C8)−アルキルからなる系列より、別の実施態様において(C1−C8)−アルキルからなる系列より選ばれ、そして別の実施態様においてR17は水素であり、ここにおいてフェニル及びHetは、すべて、非置換であるか又は1つ若しくはそれ以上の同一若しくは異なる置換基R30によって置換される。
本発明の一実施態様において、R17を表す(C1−C8)−アルキル基は、(C1−C4)−アルキル、別の実施態様において(C1−C3)−アルキル、別の実施態様において(C1−C2)−アルキル、別の実施態様においてメチルである。
本発明の一実施態様において、R18は、水素及び(C1−C2)−アルキルからなる系列より、別の実施態様において水素及びメチルからなる系列より選ばれ、別の実施態様においてR18は水素であり、別の実施態様においてR18は(C1−C4)−アルキルからなる系列より、別の実施態様において(C1−C2)−アルキルからなる系列より選ばれ、そして別の実施態様においてR18はメチルである。
R11及びR12とそれらを担持している窒素原子とによって形成することができる単環式環に関する上記の説明、並びにこの環に関して上に明記された実施態様は、R19及びR20とそれらを担持している窒素原子とによって形成することができる単環式環に対して同様に適用される。例えば、基R19及びR20とそれらを担持している窒素原子とによって形成することができ、そのため環窒素原子を介して結合される環は、4員、5員、6員又は7員であることができる。一実施態様において、基R19及びR20とそれらを担持している窒素原子とによって形成される複素環中に場合により存在するさらなる環ヘテロ原子は、窒素及び酸素からなる系列より選ばれ、別の実施態様においてそれは窒素原子であり、そして別の実施態様においてそれは酸素原子であり、そして別の実施態様においてさらなる環ヘテロ原子は存在しない。本発明の一実施態様において、基R19及びR20とそれらを担持している窒素原子とによって形成され、環窒素原子に結合した環中の置換基、(C1−C4)−アルキルからなる系列より選ばれる。基R19及びR20とそれらを担持している窒素原子とによって形成された複素環式基が本発明の一実施態様においてそれらのいずれか1つ又はそれ以上から選ばれる複素環式基の例は、同様にアゼチジン−1−イル、ピロリジン−1−イル、ピペリジン−1−イル、モルホリン−4−イル、チオモルホリン−4−イル及び4−メチルピペラジン−1−イルである。
本発明の一実施態様において、R19は、水素及び(C1−C4)−アルキルからなる系列より、別の実施態様において水素及び(C1−C3)−アルキルからなる系列より、別の実施態様において水素及びメチルからなる系列より選ばれ、そして別の実施態様においてR19は水素であり、そして一実施態様においてR20は、水素、(C1−C8)−アルキル、(C3−C7)−シクロアルキル、−(C1−C4)−アルキル−(C3−C7)−シクロアルキル、フェニル、−(C1−C4)−アルキルフェニル、Het及び−(C1−C4)−アルキル−Hetからなる系列より、別の実施態様において水素、(C1−C8)−アルキル、(C3−C7)−シクロアルキル、−(C1−C4)−アルキル−(C3−C7)−シクロアルキル、−(C1−C4)−アルキル−フェニル及び−(C1−C4)−アルキル−Hetからなる系列より、別の実施態様において水素、(C1−C8)−アルキル、(C3−C7)−シクロアルキル、−(C1−C4)−アルキル−(C3−C7)−シクロアルキル、フェニル、−(C1−C4)−アルキル−フェニル及び−(C1−C4)−アルキル−Hetからなる系列より、別の実施態様において水素、(C1−C8)−アルキル、(C3−C7)−シクロアルキル及び−(C1−C4)−アルキル−(C3−C7)−シクロアルキルからなる系列より、別の実施態様において水素、(C1−C8)−アルキル及び(C3−C7)−シクロアルキルからなる系列より、別の実施態様において水素及び(C1−C8)−アルキルからなる系列より、別の実施態様において(C1−C8)−アルキルからなる系列より選ばれ、そして別の実施態様においてR20は水素であり、ここにおいてフェニル及びHetは、すべて、非置換であるか又は1つ若しくはそれ以上の同一又は異なる置換基R30によって置換されており、又はR19及びR20は、それらを担持している窒素原子と一緒になって、これらの実施態様において、R19及びR20を担持している窒素原子に加えて、窒素、酸素及び硫黄からなる系列から選ばれる0又は1個のさらなる環ヘテロ原子を含み、そして非置換であるか又はフッ素及び(C1−C4)−アルキルからなる系列より選ばれる1つ若しくはそれ以上の同一若しくは異なる置換基によって置換された単環式4員〜7員飽和複素環を形成する。
本発明の別の実施態様において、R19は、水素及び(C1−C4)−アルキルからなる系列より、別の実施態様において水素及び(C1−C3)−アルキルからなる系列より、別の実施態様において水素及びメチルからなる系列より選ばれ、そして別の実施態様においてR19は水素であり、そして一実施態様においてR20は、水素、(C1−C8)−アルキル、(C3−C7)−シクロアルキル、−(C1−C4)−アルキル−(C3−C7)−シクロアルキル、フェニル、−(C1−C4)−アルキル−フェニル、Het及び−(C1−C4)−アルキル−Hetからなる系列より、別の実施態様において水素、(C1−C8)−アルキル、(C3−C7)−シクロアルキル、−(C1−C4)−アルキル−(C3−C7)−シクロアルキル−(C1−C4)−アルキル−フェニル及び−(C1−C4)−アルキル−Hetからなる系列より、別の実施態様において水素、(C1−C8)−アルキル、(C3−C7)−シクロアルキル、−(C1−C4)−アルキル−(C3−C7)−シクロアルキル、フェニル、−(C1−C4)−アルキル−フェニル及び−(C1−C4)−アルキル−Hetからなる系列より、別の実施態様において水素、(C1−C8)−アルキル、(C3−C7)−シクロアルキル及び−(C1−C4)−アルキル−(C3−C7)−シクロアルキルからなる系列より、別の実施態様において水素、(C1−C8)−アルキル及び(C3−C7)−シクロアルキルからなる系列より、別の実施態様において水素及び(C1−C8)−アルキルからなる系列より、別の実施態様において(C1−C8)−アルキルからなる系列より選ばれ、そして別の実施態様においてR20は水素であり、ここにおいてフェニル及びHetは、すべて、非置換であるか又は1つ若しくはそれ以上の同一若しくは異なる置換基R30によって置換される。
本発明の一実施態様において、R20を表す(C1−C8)−アルキル基は、(C1−C4)−アルキル、別の実施態様において(C1−C3)−アルキル、別の実施態様において(C1−C2)−アルキル、別の実施態様においてメチルである。
本発明の一実施態様において、R21は、水素及び(C1−C4)−アルキルからなる系列より、別の実施態様において水素及び(C1−C3)−アルキルからなる系列より、別の実施態様において水素及びメチルからなる系列より選ばれ、別の実施態様においてR21は水素であり、そして別の実施態様においてR21はメチルである。
本発明の一実施態様において、R22は、(C1−C4)−アルキル、(C3−C6)−シクロアルキル及び−(C1−C2)−アルキル−(C3−C6)−シクロアルキルからなる系列より、別の実施態様において(C1−C4)−アルキル及び(C3−C6)−シクロアルキルからなる系列より、別の実施態様において(C1−C4)−アルキル及び−(C1−C2)−アルキル−(C3−C6)−シクロアルキルからなる系列より、別の実施態様において(C1−C4)−アルキルからなる系列より、別の実施態様において(C1−C3)−アルキルからなる系列より選ばれ、そして別の実施態様においてR22はメチルである。
本発明の一実施態様において、R23及びR24は、互いに独立して水素及び(C1−C3)−アルキルからなる系列より、別の実施態様において水素及び(C1−C2)−アルキルからなる系列より、別の実施態様において水素及びメチルからなる系列より選ばれ、そして別の実施態様においてR23及びR24は水素である。
本発明の一実施態様において、R30は、その場合のいずれかにおいて、その他の場合と独立して、ハロゲン、(C1−C4)−アルキル及び−CNからなる系列より;別の実施態様においてハロゲン、(C1−C4)−アルキル及び−O−(C1−C4)−アルキルからなる系列より、別の実施態様においてハロゲン及び(C1−C4)−アルキルからなる系列より、別の実施態様においてハロゲン及び−CNからなる系列より、別の実施態様においてハロゲンからなる系列より選ばれる。一実施態様において、基Het中の環窒素原子に結合した基R30は、(C1−C4)−アルキルからなる系列より選ばれる。一実施態様において、R30を表すか又はR30中に存在する(C1−C4)−アルキル基は、R30のいずれかの場合において、他の場合と独立して、(C1−C3)−アルキルより、別の実施態様において(C1−C2)−アルキルより選ばれ、そして別の実施態様において
それはメチルである。
単環式基Hetは4員、5員、6員又は7員であることができる。本発明の一実施態様において、Hetは、その場合のすべてにおいて、その他の場合と独立して、4員、5員又は6員、別の実施態様において5員又は6員、別の実施態様において5員、別の実施態様において6員、別の実施態様において5員、6員又は7員である。一実施態様において、Hetは、その場合のいずれかにおいて、その他の場合と独立して、飽和又は部分的に飽和複素環、別の実施態様において飽和複素環、別の実施態様において飽和又は芳香族複素環、別の実施態様において芳香族複素環である。一実施態様において、飽和又は部分不飽和である複素環Het中の環ヘテロ原子は、窒素及び酸素からなる系列より、別の実施態様において酸素及び硫黄からなる系列より選ばれる。一実施態様において、芳香族である複素環Het中の環ヘテロ原子は、窒素及び硫黄からなる系列より選ばれる。一実施態様において、Hetは、その場合のいずれかにおいて、その他の場合と独立して、窒素、酸素及び硫黄からなる系列より選ばれる1個の環ヘテロ原子を含む。Hetが、その場合のいずれかにおいて、他のすべての場合と独立して、本発明の一実施態様においてそのいずれか1つ又はそれ以上から選ばれる基の例は、オキセタン−2−イル及びオキセタン−3−イルを含むオキセタニル、テトラヒドロフラン−2−イル及びテトラヒドロフラン−3−イルを含むテトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラン−2−イル、テトラヒドロピラン−3−イル及びテトラヒドロピラン−4−イルを含むテトラヒドロピラニル、オキセパン−2−イル、オキセパン−3−イル及びオキセパン−4−イルを含むオキセパニル、アゼチジン−2−イル及びアゼチジン−3−イルを含むアゼチジニル、ピロリジン−2−イル及びピロリジン−3−イルを含むピロリジニル、ピペリジン−2−イル、ピペリジン−3−イル及びピペリジン−4−イルを含むピペリジニル、アゼパン−2−イル、アゼパン−3−イル及びアゼパン−4−イルを含むアゼパニル、モルホリン−2−イル及びモルホリン−3−イルを含むモルホリニル、チオモルホリン−2−イル及びチオモルホリン−3−イルを含むチオモルホリニルであり、ピペラジン−2−イルを含むピペラジニル、フラン−2−イル及びフラン−3−イルを含むフラニル、チオフェン−2−イル及びチオフェン−3−イルを含むチオフェニル(チエニル)、ピロール−2−イル及びピロール−3−イルを含むピロリル、イソオキサゾール−3−イル、イソオキサゾール−4−イル及びイソオキサゾール−5−イルを含むイソオキサゾリル、オキサゾール−2−イル、オキサゾール−4−イル及びオキサゾール−5−イルを含むオキサゾリル、チアゾール−2−イル、チアゾール−4−イル及びチアゾール−5−イルを含むチアゾリル、ピラゾール−3−イル、ピラゾール−4−イル及びピラゾール−5−イルを含むピラゾリル、イミダゾール−2−イル、イミダゾール−4−イル及びイミダゾール−5−イルを含むイミダゾリル、ピリジン−2−イル、ピリジン−3−イル及びピリジン−4−イルを含むピリジニル(ピリジル)、ピラジン−2−イルを含むピラジニルである。
本発明の主題は、すべての式Iの化合物であり、ここにおいて基、残基、置換基及び数のようないずれか1つ又はそれ以上の構成要素は、明記された実施態様又は要素の定義のいずれかに定義されるか、又は要素の例として本明細書に記載された1つ若しくはそれ以上の特定の意味を有し、ここにおいて化合物又は要素の1つ又はそれ以上の定義のすべての組み合わせ及び/又は明記された実施態様及び/又は要素の特定の意味は、本発明の主題である。また、すべてのこのような式Iの化合物に関して、それらのすべての立体異性形態及び任意の比率の立体異性形態の混合物、並びにそれらの薬学的に許容しうる塩は、本発明の主題である。
任意の構成要素に関して明記された本発明の実施態様又はこのような要素の定義中のとおり定義された本発明の化合物の例として、
Arが、フェニル、及び窒素、酸素及び硫黄からなる系列より選ばれる1又は2個の同一又は異なる環ヘテロ原子を含み、そして環炭素原子を介して結合される5員又は6員単環式芳香族複素環からなる系列より選ばれ、それらはすべて、非置換であるか又は1つ若しくはそれ以上の同一若しくは異なる置換基R10によって置換されており;
nが、0、1及び2からなる系列より選ばれ;
R1が、水素、−N(R11)−R12、−N(R13)−C(O)−R14、−N(R13)−S(O)2−R15、−N(R13)−C(O)−NH−R14、(C1−C4)−アルキル及び−(C1−C4)−アルキル−O−R18からなる系列より選ばれ;
R2が、ハロゲン、−(C1−C4)−アルキル及び−CNからなる系列より選ばれ;
R10が、ハロゲン、(C1−C4)−アルキル、−O−(C1−C4)−アルキル、−N(R19)−R20、−N(R21)−N(R19)−R20、−N(R21)−C(O)−R22、−NO2、−C(O)−N(R23)−R24及び−CNからなる系列より選ばれ、
そしてAr中の隣接環炭素原子に結合した2つの基R10が、それらを担持している炭素原子と一緒になって、窒素、酸素及び硫黄からなる系列より選ばれる0、1又は2個の同一又は異なる環ヘテロ原子を含み、そして非置換であるか又はハロゲン、−(C1−C4)−アルキル、及び−CNからなる系列より選ばれる1つ若しくはそれ以上の同一若しくは異なる置換基によって置換された5員〜7員不飽和環を形成することができ;
R11及びR12が、互いに独立して水素及び(C1−C4)−アルキルからなる系列より選ばれるか、
又はR11及びR12が、それらを担持している窒素原子と一緒になって、R11及びR12を担持している窒素原子に加えて、窒素、酸素及び硫黄からなる系列から選ばれる0又は1個のさらなる環ヘテロ原子を含み、そして非置換であるか又はフッ素及び(C1−C4)−アルキルからなる系列より選ばれる1つ若しくはそれ以上の同一若しくは異なる置換基によって置換された単環式4員〜6員飽和複素環を形成し;
R13が、水素及び(C1−C4)−アルキルからなる系列より選ばれ;
R14及びR15が、互いに独立して(C3−C7)−シクロアルキル、フェニル、−(C1−C4)−アルキル−フェニル、Het及び−(C1−C4)−アルキル−Hetからなる系列より選ばれ、ここにおいてフェニル及びHetは、すべて、非置換であるか又は1つ若しくはそれ以上の同一若しくは異なる置換基R30によって置換されており;
R18が、水素及び(C1−C4)−アルキルからなる系列より選ばれ;
R19が、水素及び(C1−C4)−アルキルからなる系列より選ばれ;
R20が、水素、(C1−C8)−アルキル、(C3−C7)−シクロアルキル及び−(C1−C4)−アルキル−(C3−C7)−シクロアルキルからなる系列より選ばれ;
又はR19及びR20が、それらを担持している窒素原子と一緒になって、R19及びR20を担持している窒素原子に加えて、窒素、酸素及び硫黄からなる系列から選ばれる0又は1個のさらなる環ヘテロ原子を含み、そして非置換であるか又はフッ素及び(C1−C4)−アルキルからなる系列より選ばれる1つ若しくはそれ以上の同一若しくは異なる置換基によって置換された単環式4員〜6員飽和複素環を形成し;
R21が、水素及び(C1−C4)−アルキルからなる系列より選ばれ;
R22が、(C1−C4)−アルキル及び(C3−C7)−シクロアルキルからなる系列より選ばれ;
R23及びR24が、互いに独立して水素及び(C1−C4)−アルキルからなる系列より選ばれ;
R30が、ハロゲン、(C1−C4)−アルキル及び−CNからなる系列より選ばれ;
Hetが、窒素、酸素及び硫黄からなる系列より選ばれる1又は2個の同一又は異なる環ヘテロ原子を含み、そして環炭素原子を介して結合される単環式4員〜7員飽和、部分不飽和又は芳香族複素環であり;
ここにおいて、すべてのシクロアルキル基は、フッ素及び(C1−C4)−アルキルからなる系列より選ばれる1つ又はそれ以上の同一の置換基によって置換されていてもよく;
ここにおいて、すべてアルキル基は、アルキル基上に存在し得る任意の他の置換基と独立して、1つ又はそれ以上のフッ素置換基によって置換されていてもよい、
その立体異性形態のいずれか又は任意の比率の立体異性形態の混合物の式Iの化合物及びその薬学的に許容しうる塩を記載することができる。
別のこのような例として、
Arが、フェニル、及び窒素、酸素及び硫黄からなる系列より選ばれる1又は2個の同一又は異なる環ヘテロ原子を含み、そして環炭素原子を介して結合される5員又は6員単環式芳香族複素環からなる系列より選ばれ、それらはすべて、非置換であるか又は1つ若しくはそれ以上の同一若しくは異なる置換基R10によって置換されており;
nが、0及び1からなる系列より選ばれ;
R1が、水素、−N(R11)−R12、−N(R13)−C(O)−R14、−N(R13)−S(O)2−R15、−N(R13)−C(O)−NH−R14及び(C1−C4)−アルキルからなる系列より選ばれ;
R2が、ハロゲン及び−(C1−C4)−アルキルからなる系列より選ばれ;
R10が、ハロゲン、(C1−C4)−アルキル、−O−(C1−C4)−アルキル、−N(R19)−R20、−N(R21)−N(R19)−R20、−N(R21)−C(O)−R22、−NO2及び−CNからなる系列より選ばれ、
そしてAr中の隣接環炭素原子に結合した2つの基R10が、それらを担持している炭素原子と一緒になって、窒素、酸素及び硫黄からなる系列より選ばれる0、1又は2個の同一又は異なる環ヘテロ原子を含み、そして非置換であるか又はハロゲン及び−(C1−C4)−アルキルからなる系列より選ばれる1つ若しくはそれ以上の同一若しくは異なる置換基によって置換された5員〜7員不飽和環を形成することができ;
R11及びR12が、互いに独立して水素及び(C1−C4)−アルキルからなる系列より選ばれるか、
又はR11及びR12が、それらを担持している窒素原子と一緒になって、R11及びR12を担持している窒素原子に加えて、窒素、酸素及び硫黄からなる系列から選ばれる0又は1個のさらなる環ヘテロ原子を含み、そして非置換であるか又はフッ素及び(C1−C4)−アルキルからなる系列より選ばれる1つ若しくはそれ以上の同一若しくは異なる置換基によって置換された単環式4員〜6員飽和複素環を形成し;
R13が、水素及び(C1−C4)−アルキルからなる系列より選ばれ;
R14及びR15が、互いに独立して(C3−C7)−シクロアルキル、フェニル、−(C1−C4)−アルキル−フェニル、Het及び−(C1−C4)−アルキル−Hetからなる系列より選ばれ、ここにおいてフェニル及びHetは、すべて、非置換であるか又は1つ若しくはそれ以上の同一若しくは異なる置換基R30によって置換されており;
R19が、水素及び(C1−C4)−アルキルからなる系列より選ばれ;
R20が、水素及び(C1−C4)−アルキルからなる系列より選ばれ;
又はR19及びR20が、それらを担持している窒素原子と一緒になって、R19及びR20を担持している窒素原子に加えて、窒素、酸素及び硫黄からなる系列から選ばれる0又は1個のさらなる環ヘテロ原子を含み、そして非置換であるか又はフッ素及び(C1−C4)−アルキルからなる系列より選ばれる1つ若しくはそれ以上の同一若しくは異なる置換基によって置換された単環式4員〜6員飽和複素環を形成し;
R21が、水素及び(C1−C4)−アルキルからなる系列より選ばれ;
R22が、(C1−C4)−アルキルからなる系列より選ばれ;
R30が、ハロゲン、(C1−C4)−アルキル及び−CNからなる系列より選ばれ;
Hetが、窒素、酸素及び硫黄からなる系列より選ばれる1又は2個の同一又は異なる環ヘテロ原子を含み、そして環炭素原子を介して結合される単環式5員又は6員飽和、部分不飽和又は芳香族複素環であり;
ここにおいて、すべてのシクロアルキル基は、フッ素及び(C1−C4)−アルキルからなる系列より選ばれる1つ又はそれ以上の同一の置換基によって置換されていてもよく;
ここにおいて、すべてアルキル基は、アルキル基上に存在し得る任意の他の置換基と独立して、1つ又はそれ以上のフッ素置換基によって置換されていてもよい、
その立体異性形態のいずれか又は任意の比率の立体異性形態の混合物の式Iの化合物及びその薬学的に許容しうる塩を記載することができる。
別のこのような例として、
Arが、非置換であるか又は1つ若しくはそれ以上の同一若しくは異なる置換基R10によって置換されたフェニルであり;
nが、0及び1からなる系列より選ばれ;
R1が、水素、−N(R11)−R12、−N(R13)−C(O)−R14、−N(R13)−S(O)2−R15、−N(R13)−C(O)−NH−R14及び(C1−C4)−アルキルからなる系列より選ばれ;
R2が、ハロゲン及び−(C1−C4)−アルキルからなる系列より選ばれ;
R10が、ハロゲン、(C1−C4)−アルキル、−O−(C1−C4)−アルキル、−N(R19)−R20、−N(R21)−N(R19)−R20、−N(R21)−C(O)−R22、−NO2及び−CNからなる系列より選ばれ、
そしてAr中の隣接環炭素原子に結合した2つの基R10が、それらを担持している炭素原子と一緒になって、窒素、酸素及び硫黄からなる系列より選ばれる0、1又は2個の同一又は異なる環ヘテロ原子を含み、そして非置換であるか又はハロゲン及び−(C1−C4)−アルキルからなる系列より選ばれる1つ若しくはそれ以上の同一若しくは異なる置換基によって置換された5員〜7員不飽和環を形成することができ;
R11及びR12が、互いに独立して水素及び(C1−C4)−アルキルからなる系列より選ばれ、
R13が、水素及び(C1−C4)−アルキルからなる系列より選ばれ;
R14及びR15が、互いに独立して(C3−C7)−シクロアルキル、フェニル、−(C1−C4)−アルキル−フェニル、Het及び−(C1−C4)−アルキル−Hetからなる系列より選ばれ、ここにおいてフェニル及びHetは、すべて、非置換であるか又は1つ若しくはそれ以上の同一若しくは異なる置換基R30によって置換されており;
R19が、水素及び(C1−C4)−アルキルからなる系列より選ばれ;
R20が、水素及び(C1−C4)−アルキルからなる系列より選ばれ;
R21が、水素及び(C1−C4)−アルキルからなる系列より選ばれ;
R22が、(C1−C4)−アルキルからなる系列より選ばれ;
R30が、ハロゲン及び(C1−C4)−アルキルからなる系列より選ばれ;
Hetが、窒素、酸素及び硫黄からなる系列より選ばれる1個の環ヘテロ原子を含み、そして環炭素原子を介して結合される単環式5員又は6員飽和、部分不飽和又は芳香族複素環であり;
ここにおいて、すべてのシクロアルキル基は、フッ素及び(C1−C4)−アルキルからなる系列より選ばれる1つ又はそれ以上の同一の置換基によって置換されていてもよく;
ここにおいて、すべてアルキル基は、アルキル基上に存在し得る任意の他の置換基と独立して、1つ又はそれ以上のフッ素置換基によって置換されていてもよい、
その立体異性形態のいずれか又は任意の比率の立体異性形態の混合物の式Iの化合物及びその薬学的に許容しうる塩を記載することができる。
別のこのような例として、
Arが、2,3−ジクロロ−フェニル、2,5−ジクロロ−フェニル、5−クロロ−2−ヒドラジノ−フェニル、5−クロロ−2−シアノ−フェニル、2−シアノ−5−メチル−フェニル、2−フルオロ−5−メチル−フェニル、2−クロロ−5−メトキシ−フェニル、2,5−ジクロロ−チオフェン−3−イル、8−クロロ−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[b][1,4]ジオキセピン−7−イル、5−クロロ−1,3−ジメチル−ピラゾール−4−イル、ナフタレン−1−イル、2,4,6−トリクロロ−フェニル、5−クロロ−2−フルオロ−フェニル、2,4,5−トリフルオロ−フェニル、2,4,5−トリクロロ−フェニル、5−クロロ−2,4−ジフルオロ−フェニル、2,3,4−トリクロロ−フェニル、2,3,4−トリフルオロ−フェニル、2−クロロ−4−トリフルオロメチル−フェニル、5−シアノ−2−フルオロ−フェニル、2−シアノ−5−メトキシ−フェニル、2−シアノ−5−フルオロ−フェニル、2−フルオロ−5−メトキシ−フェニル、4−アセチルアミノ−2−メチル−フェニル、2−メチル−5−ニトロ−フェニル及び2−ニトロ−4−トリフルオロメチル−フェニルからなる系列より選ばれ;
nが、0及び1からなる系列より選ばれ;
R1が、水素、−N(R11)−R12、−N(R13)−C(O)−R14、−N(R13)−S(O)2−R15、−N(R13)−C(O)−NH−R14及び(C1−C4)−アルキルからなる系列より選ばれ;
R2が、ハロゲン及び−(C1−C4)−アルキルからなる系列より選ばれ;
R11及びR12が、互いに独立して水素及び(C1−C4)−アルキルからなる系列より選ばれ、
R13が、水素及び(C1−C4)−アルキルからなる系列より選ばれ;
R14及びR15が、互いに独立して(C3−C7)−シクロアルキル、フェニル、−(C1−C4)−アルキル−フェニル、Het及び−(C1−C4)−アルキル−Hetからなる系列より選ばれ、ここにおいてフェニル及びHetは、すべて、非置換であるか又は1つ若しくはそれ以上の同一若しくは異なる置換基R30によって置換されており;
R30が、ハロゲン及び(C1−C4)−アルキルからなる系列より選ばれ;
Hetが、窒素、酸素及び硫黄からなる系列より選ばれる1個の環ヘテロ原子を含み、そして環炭素原子を介して結合される単環式5員又は6員飽和、部分不飽和又は芳香族複素環であり;
ここにおいて、すべてのシクロアルキル基は、フッ素及び(C1−C4)−アルキルからなる系列より選ばれる1つ又はそれ以上の同一の置換基によって置換されていてもよく;
ここにおいて、すべてアルキル基は、アルキル基上に存在し得る任意の他の置換基と独立して、1つ又はそれ以上のフッ素置換基によって置換されていてもよい、
その立体異性形態のいずれか又は任意の比率の立体異性形態の混合物の式Iの化合物及びその薬学的に許容しうる塩を記載することができる。
別のこのような例として、
Arが、2,3−ジクロロ−フェニル、2,5−ジクロロ−フェニル、5−クロロ−2−ヒドラジノ−フェニル、5−クロロ−2−シアノ−フェニル、2−シアノ−5−メチル−フェニル、2−フルオロ−5−メチル−フェニル、2−クロロ−5−メトキシ−フェニル、2,5−ジクロロ−チオフェン−3−イル、8−クロロ−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[b][1,4]ジオキセピン−7−イル、5−クロロ−1,3−ジメチル−ピラゾール−4−イル、ナフタレン−1−イル、5−シアノ−2−フルオロ−フェニル、2−シアノ−5−メトキシ−フェニル、2−シアノ−5−フルオロ−フェニル、2−フルオロ−5−メトキシ−フェニル、4−アセチルアミノ−2−メチル−フェニル、2−メチル−5−ニトロ−フェニル及び2−ニトロ−4−トリフルオロメチル−フェニルからなる系列より選ばれ;
nが、0及び1からなる系列より選ばれ;
R1が、水素、−N(R11)−R12、−N(R13)−C(O)−R14、−N(R13)−S(O)2−R15、−N(R13)−C(O)−NH−R14及び(C1−C4)−アルキルからなる系列より選ばれ;
R2が、ハロゲン及び−(C1−C4)−アルキルからなる系列より選ばれ;
R11及びR12が、互いに独立して水素及び(C1−C4)−アルキルからなる系列より選ばれ、
R13が、水素及び(C1−C4)−アルキルからなる系列より選ばれ;
R14及びR15が、互いに独立して(C3−C7)−シクロアルキル、フェニル、−(C1−C4)−アルキル−フェニル、Het及び−(C1−C4)−アルキル−Hetからなる系列より選ばれ、ここにおいてフェニル及びHetは、すべて、非置換であるか又は1つ若しくはそれ以上の同一若しくは異なる置換基R30によって置換されており;
R30が、ハロゲン及び(C1−C4)−アルキルからなる系列より選ばれ;
Hetが、窒素、酸素及び硫黄からなる系列より選ばれる1個の環ヘテロ原子を含み、そして環炭素原子を介して結合される単環式5員又は6員飽和、部分不飽和又は芳香族複素環であり;
ここにおいて、すべてのシクロアルキル基は、フッ素及び(C1−C4)−アルキルからなる系列より選ばれる1つ又はそれ以上の同一の置換基によって置換されていてもよく;
ここにおいて、すべてアルキル基は、アルキル基上に存在し得る任意の他の置換基と独立して、1つ又はそれ以上のフッ素置換基によって置換されていてもよい、
その立体異性形態のいずれか又は任意の比率の立体異性形態の混合物の式Iの化合物及びその薬学的に許容しうる塩を記載することができる。
また、本発明の主題は、それが遊離化合物として及び/又は特定の塩として開示されるかどうかにかかわらず、本明細書に開示された式Iの特定の化合物のいずれかから選ばれる、又は本明細書に開示された式Iの特定の化合物のいずれか1つである式Iの化合物又はその薬学的に許容しうる塩であり、ここにおいて、その立体異性形態のいずれか又は任意の比率の立体異性形態の混合物における式Iの化合物は、本発明の主題である。
例えば、本発明の主題は、
N−[4−(3−アミノ−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピラジン−6−イル)フェニル]−2,3−ジクロロ−ベンゼンスルホンアミド、
2,5−ジクロロ−N−[4−(1H−ピラゾロ[3,4−b]ピラジン−6−イル)フェニル]ベンゼンスルホンアミド、
2,5−ジクロロ−N−[2−フルオロ−4−(1H−ピラゾロ[3,4−b]ピラジン−6−イル)フェニル]ベンゼンスルホンアミド、
2,3−ジクロロ−N−[2−フルオロ−4−(1H−ピラゾロ[3,4−b]ピラジン−6−イル)−フェニル]−ベンゼンスルホンアミド、
N−[4−(3−アミノ−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピラジン−6−イル)フェニル]−2,5−ジクロロ−ベンゼンスルホンアミド、
N−[4−(3−アミノ−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピラジン−6−イル)フェニル]−5−クロロ−2−ヒドラジノ−ベンゼンスルホンアミド、
N−[4−(3−アミノ−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピラジン−6−イル)−2−フルオロ−フェニル]−5−クロロ−2−フルオロ−ベンゼンスルホンアミド、
N−[4−(3−アミノ−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピラジン−6−イル)−2−フルオロ−フェニル]−2,5−ジクロロ−ベンゼンスルホンアミド、
N−[4−(3−アミノ−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピラジン−6−イル)−2−フルオロ−フェニル]−2,3−ジクロロ−ベンゼンスルホンアミド、
2,5−ジクロロ−N−[4−(3−メチル−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピラジン−6−イル)フェニル]ベンゼンスルホンアミド、
2,3−ジクロロ−N−[4−(3−メチル−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピラジン−6−イル)フェニル]ベンゼンスルホンアミド、
5−クロロ−2−フルオロ−N−[4−(3−メチル−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピラジン−6−イル)フェニル]ベンゼンスルホンアミド、
5−クロロ−2−シアノ−N−[4−(3−メチル−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピラジン−6−イル)フェニル]ベンゼンスルホンアミド、
2−シアノ−5−メチル−N−[4−(3−メチル−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピラジン−6−イル)フェニル]ベンゼンスルホンアミド、
2−フルオロ−5−メチル−N−[4−(3−メチル−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピラジン−6−イル)フェニル]ベンゼンスルホンアミド、
2−クロロ−5−メトキシ−N−[4−(3−メチル−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピラジン−6−イル)フェニル]ベンゼンスルホンアミド、
N−[4−(3−アミノ−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピラジン−6−イル)フェニル]−2−シアノ−5−メチル−ベンゼンスルホンアミド、
N−[4−(3−アミノ−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピラジン−6−イル)フェニル]−2−クロロ−5−メトキシ−ベンゼンスルホンアミド、
N−[4−(3−アミノ−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピラジン−6−イル)フェニル]−2−フルオロ−5−メチル−ベンゼンスルホンアミド、
N−[4−(3−アミノ−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピラジン−6−イル)−フェニル]−5−クロロ−2−シアノ−ベンゼンスルホンアミド、
N−[4−(3−アミノ−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピラジン−6−イル)フェニル]−2,5−ジクロロ−チオフェン−3−スルホンアミド、
N−[4−(3−アミノ−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピラジン−6−イル)フェニル]−8−クロロ−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[b][1,4]ジオキセピン−7−スルホンアミド、
N−[4−(3−アミノ−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピラジン−6−イル)フェニル]−5−クロロ−1,3−ジメチル−ピラゾール−4−スルホンアミド、
N−[6−[4−[(2−フルオロ−5−メチル−フェニル)スルホニルアミノ]フェニル]−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピラジン−3−イル]シクロプロパンカルボキサミド、
N−[6−[4−[(2−フルオロ−5−メチル−フェニル)スルホニルアミノ]フェニル]−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピラジン−3−イル]テトラヒドロピラン−4−カルボキサミド、
N−[6−[4−[(2−フルオロ−5−メチル−フェニル)スルホニルアミノ]フェニル]−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピラジン−3−イル]ピペリジン−4−カルボキサミド、
N−[6−[4−[(2−フルオロ−5−メチル−フェニル)スルホニルアミノ]フェニル]−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピラジン−3−イル]シクロペンタンカルボキサミド、
2,3−ジクロロ−N−[6−[4−[(2−フルオロ−5−メチル−フェニル)スルホニルアミノ]フェニル]−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピラジン−3−イル]ベンズアミド、
N−[6−[4−[(2−フルオロ−5−メチル−フェニル)スルホニルアミノ]フェニル]−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピラジン−3−イル]シクロヘキサンカルボキサミド、
N−[6−[4−[(2−フルオロ−5−メチル−フェニル)スルホニルアミノ]フェニル]−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピラジン−3−イル]−2−フェニル−アセトアミド、
N−[6−[4−[(2−フルオロ−5−メチル−フェニル)スルホニルアミノ]フェニル]−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピラジン−3−イル]チオフェン−3−カルボキサミド、
4−クロロ−N−[6−[4−[(2−フルオロ−5−メチル−フェニル)スルホニルアミノ]フェニル]−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピラジン−3−イル]ベンズアミド、
N−[4−(3−アミノ−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピラジン−6−イル)フェニル]ナフタレン−1−スルホンアミド、
N−[4−(3−アミノ−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピラジン−6−イル)フェニル]−2,4,6−トリクロロ−ベンゼンスルホンアミド、
N−[4−(3−アミノ−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピラジン−6−イル)フェニル]−5−クロロ−2−フルオロ−ベンゼンスルホンアミド、
N−[4−(3−アミノ−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピラジン−6−イル)フェニル]−2,4,5−トリフルオロ−ベンゼンスルホンアミド、
N−[4−(3−アミノ−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピラジン−6−イル)フェニル]−2,4,5−トリクロロ−ベンゼンスルホンアミド、
N−[4−(3−アミノ−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピラジン−6−イル)フェニル]−5−クロロ−2,4−ジフルオロ−ベンゼンスルホンアミド、
N−[4−(3−アミノ−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピラジン−6−イル)フェニル]−2,3,4−トリクロロ−ベンゼンスルホンアミド、
N−[4−(3−アミノ−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピラジン−6−イル)フェニル]−2,3,4−トリフルオロ−ベンゼンスルホンアミド)、
N−[4−(3−アミノ−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピラジン−6−イル)フェニル]−2−クロロ−4−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホンアミド、
5−クロロ−N−[4−[3−[(5−クロロ−2,4−ジフルオロ−フェニル)スルホニルアミノ]−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピラジン−6−イル]フェニル]−2,4−ジフルオロ−ベンゼンスルホンアミド、
5−クロロ−N−[4−[3−[(5−クロロ−1,3−ジメチル−ピラゾール−4−イル)スルホニルアミノ]−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピラジン−6−イル]フェニル]−1,3−ジメチル−ピラゾール−4−スルホンアミド、
2,4,5−トリフルオロ−N−[4−[3−[(2,4,5−トリフルオロフェニル)スルホニルアミノ]−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピラジン−6−イル]フェニル]ベンゼンスルホンアミド、
N−[4−(3−アミノ−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピラジン−6−イル)−フェニル]−5−シアノ−2−フルオロ−ベンゼンスルホンアミド、
N−[4−(3−アミノ−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピラジン−6−イル)−フェニル]−2−シアノ−5−メトキシ−ベンゼンスルホンアミド、
N−[4−(3−アミノ−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピラジン−6−イル)−フェニル]−2−シアノ−5−フルオロ−ベンゼンスルホンアミド、
N−[4−(3−アミノ−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピラジン−6−イル)−フェニル]−2−フルオロ−5−メトキシ−ベンゼンスルホンアミド、
1−[6−[4−[(2−フルオロ−5−メチル−フェニル)スルホニルアミノ]フェニル]−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピラジン−3−イル]−3−(3−ピリジル)尿素、
1−(4−クロロフェニル)−3−[6−[4−[(2−フルオロ−5−メチル−フェニル)スルホニルアミノ]フェニル]−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピラジン−3−イ
ル]尿素、
2−クロロ−N−[4−[3−[[2−クロロ−4−トリフルオロメチル−フェニル]スルホニルアミノ]−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピラジン−6−イル]フェニル]−4−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホンアミド、
N−[6−[4−(1−ナフチルスルホニルアミノ)フェニル]−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピラジン−3−イル]ナフタレン−1−スルホンアミド、
2,4,6−トリクロロ−N−[4−[3−[(2,4,6−トリクロロフェニル)スルホニルアミノ]−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピラジン−6−イル]フェニル]ベンゼンスルホンアミド、
N−[3−メチル−4−[[4−(3−メチル−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピラジン−6−イル)フェニル]スルファモイル]フェニル]アセトアミド、
2−メチル−N−[4−(3−メチル−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピラジン−6−イル)フェニル]−5−ニトロ−ベンゼンスルホンアミド、及び
N−[4−(3−メチル−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピラジン−6−イル)フェニル]−2−ニトロ−4−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホンアミド
からなる系列より選ばれる又はこれらの化合物のいずれか1つである式Iの化合物並びにその薬学的に許容しうる塩である。
本発明の別の主題は、
N−[4−(3−アミノ−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピラジン−6−イル)フェニル]−2,3−ジクロロ−ベンゼンスルホンアミド、
2,5−ジクロロ−N−[4−(1H−ピラゾロ[3,4−b]ピラジン−6−イル)フェニル]ベンゼンスルホンアミド、
2,5−ジクロロ−N−[2−フルオロ−4−(1H−ピラゾロ[3,4−b]ピラジン−6−イル)フェニル]ベンゼンスルホンアミド、
2,3−ジクロロ−N−[2−フルオロ−4−(1H−ピラゾロ[3,4−b]ピラジン−6−イル)−フェニル]−ベンゼンスルホンアミド、
N−[4−(3−アミノ−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピラジン−6−イル)フェニル]−2,5−ジクロロ−ベンゼンスルホンアミド、
N−[4−(3−アミノ−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピラジン−6−イル)フェニル]−5−クロロ−2−ヒドラジノ−ベンゼンスルホンアミド、
N−[4−(3−アミノ−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピラジン−6−イル)−2−フルオロ−フェニル]−5−クロロ−2−フルオロ−ベンゼンスルホンアミド、
N−[4−(3−アミノ−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピラジン−6−イル)−2−フルオロ−フェニル]−2,5−ジクロロ−ベンゼンスルホンアミド、
N−[4−(3−アミノ−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピラジン−6−イル)−2−フルオロ−フェニル]−2,3−ジクロロ−ベンゼンスルホンアミド、
2,5−ジクロロ−N−[4−(3−メチル−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピラジン−6−イル)フェニル]ベンゼンスルホンアミド、
2,3−ジクロロ−N−[4−(3−メチル−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピラジン−6−イル)フェニル]ベンゼンスルホンアミド、
5−クロロ−2−フルオロ−N−[4−(3−メチル−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピラジン−6−イル)フェニル]ベンゼンスルホンアミド、
5−クロロ−2−シアノ−N−[4−(3−メチル−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピラジン−6−イル)フェニル]ベンゼンスルホンアミド、
2−シアノ−5−メチル−N−[4−(3−メチル−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピラジン−6−イル)フェニル]ベンゼンスルホンアミド、
2−フルオロ−5−メチル−N−[4−(3−メチル−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピラジン−6−イル)フェニル]ベンゼンスルホンアミド、
2−クロロ−5−メトキシ−N−[4−(3−メチル−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピラジン−6−イル)フェニル]ベンゼンスルホンアミド、
N−[4−(3−アミノ−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピラジン−6−イル)フェニル]−2−シアノ−5−メチル−ベンゼンスルホンアミド、
N−[4−(3−アミノ−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピラジン−6−イル)フェニル]−2−クロロ−5−メトキシ−ベンゼンスルホンアミド、
N−[4−(3−アミノ−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピラジン−6−イル)フェニル]−2−フルオロ−5−メチル−ベンゼンスルホンアミド、
N−[4−(3−アミノ−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピラジン−6−イル)−フェニル]−5−クロロ−2−シアノ−ベンゼンスルホンアミド、
N−[4−(3−アミノ−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピラジン−6−イル)フェニル]−2,5−ジクロロ−チオフェン−3−スルホンアミド、
N−[4−(3−アミノ−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピラジン−6−イル)フェニル]−8−クロロ−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[b][1,4]ジオキセピン−7−スルホンアミド、
N−[4−(3−アミノ−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピラジン−6−イル)フェニル]−5−クロロ−1,3−ジメチル−ピラゾール−4−スルホンアミド、
N−[6−[4−[(2−フルオロ−5−メチル−フェニル)スルホニルアミノ]フェニル]−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピラジン−3−イル]シクロプロパンカルボキサミド、
N−[6−[4−[(2−フルオロ−5−メチル−フェニル)スルホニルアミノ]フェニル]−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピラジン−3−イル]テトラヒドロピラン−4−カルボキサミド、
N−[6−[4−[(2−フルオロ−5−メチル−フェニル)スルホニルアミノ]フェニル]−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピラジン−3−イル]ピペリジン−4−カルボキサミド、
N−[6−[4−[(2−フルオロ−5−メチル−フェニル)スルホニルアミノ]フェニル]−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピラジン−3−イル]シクロペンタンカルボキサミド、
2,3−ジクロロ−N−[6−[4−[(2−フルオロ−5−メチル−フェニル)スルホニルアミノ]フェニル]−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピラジン−3−イル]ベンズアミド、
N−[6−[4−[(2−フルオロ−5−メチル−フェニル)スルホニルアミノ]フェニル]−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピラジン−3−イル]シクロヘキサンカルボキサミド、
N−[6−[4−[(2−フルオロ−5−メチル−フェニル)スルホニルアミノ]フェニル]−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピラジン−3−イル]−2−フェニル−アセトアミド、
N−[6−[4−[(2−フルオロ−5−メチル−フェニル)スルホニルアミノ]フェニル]−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピラジン−3−イル]チオフェン−3−カルボキサミド、
4−クロロ−N−[6−[4−[(2−フルオロ−5−メチル−フェニル)スルホニルアミノ]フェニル]−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピラジン−3−イル]ベンズアミド、
N−[4−(3−アミノ−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピラジン−6−イル)フェニル]ナフタレン−1−スルホンアミド、
5−クロロ−N−[4−[3−[(5−クロロ−2,4−ジフルオロ−フェニル)スルホニルアミノ]−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピラジン−6−イル]フェニル]−2,4−ジフルオロ−ベンゼンスルホンアミド、
5−クロロ−N−[4−[3−[(5−クロロ−1,3−ジメチル−ピラゾール−4−イル)スルホニルアミノ]−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピラジン−6−イル]フェニル]−1,3−ジメチル−ピラゾール−4−スルホンアミド、
2,4,5−トリフルオロ−N−[4−[3−[(2,4,5−トリフルオロフェニル)スルホニルアミノ]−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピラジン−6−イル]フェニル]ベンゼンスルホンアミド、
N−[4−(3−アミノ−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピラジン−6−イル)−フェニル]−5−シアノ−2−フルオロ−ベンゼンスルホンアミド、
N−[4−(3−アミノ−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピラジン−6−イル)−フェニル]−2−シアノ−5−メトキシベンゼンスルホンアミド、
N−[4−(3−アミノ−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピラジン−6−イル)−フェニル]−2−シアノ−5−フルオロ−ベンゼンスルホンアミド、
N−[4−(3−アミノ−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピラジン−6−イル)−フェニル]−2−フルオロ−5−メトキシ−ベンゼンスルホンアミド、
1−[6−[4−[(2−フルオロ−5−メチル−フェニル)スルホニルアミノ]フェニル]−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピラジン−3−イル]−3−(3−ピリジル)尿素、
1−(4−クロロフェニル)−3−[6−[4−[(2−フルオロ−5−メチル−フェニル)スルホニルアミノ]フェニル]−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピラジン−3−イル]尿素、
2−クロロ−N−[4−[3−[[2−クロロ−4−トリフルオロメチル−フェニル]スルホニルアミノ]−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピラジン−6−イル]フェニル]−4−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホンアミド、
N−[6−[4−(1−ナフチルスルホニルアミノ)フェニル]−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピラジン−3−イル]ナフタレン−1−スルホンアミド、
2,4,6−トリクロロ−N−[4−[3−[(2,4,6−トリクロロフェニル)スルホニルアミノ]−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピラジン−6−イル]フェニル]ベンゼンスルホンアミド、
N−[3−メチル−4−[[4−(3−メチル−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピラジン−6−イル)フェニル]スルファモイル]フェニル]アセトアミド、
2−メチル−N−[4−(3−メチル−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピラジン−6−イル)フェニル]−5−ニトロ−ベンゼンスルホンアミド、及び
N−[4−(3−メチル−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピラジン−6−イル)フェニル]−2−ニトロ−4−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホンアミド、
からなる系列より選ばれる又はこれらの化合物のいずれか1つである式Iの化合物並びにその薬学的に許容しうる塩である。
本発明の一実施態様において、式Iの化合物は、その一般的な定義において又はより具体的な定義若しくは実施態様のいずれかにおいて上記定義された通りであるが、但し、式Iの化合物は、以下の化合物:
N−[4−(3−アミノ−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピラジン−6−イル)フェニル]−2,4,6−トリクロロ−ベンゼンスルホンアミド、
N−[4−(3−アミノ−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピラジン−6−イル)フェニル]−5−クロロ−2−フルオロ−ベンゼンスルホンアミド、
N−[4−(3−アミノ−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピラジン−6−イル)フェニル]−2,4,5−トリフルオロ−ベンゼンスルホンアミド、
N−[4−(3−アミノ−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピラジン−6−イル)フェニル]−2,4,5−トリクロロ−ベンゼンスルホンアミド、
N−[4−(3−アミノ−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピラジン−6−イル)フェニル]−5−クロロ−2,4−ジフルオロ−ベンゼンスルホンアミド、
N−[4−(3−アミノ−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピラジン−6−イル)フェニル]−2,3,4−トリクロロ−ベンゼンスルホンアミド、
N−[4−(3−アミノ−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピラジン−6−イル)フェニル]−2,3,4−トリフルオロ−ベンゼンスルホンアミド、及び
N−[4−(3−アミノ−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピラジン−6−イル)フェニル]−2−クロロ−4−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホンアミド
の1つではなく、そして別の実施態様において、排除された化合物は、遊離化合物として排除され、すなわち、それらは酸又は塩基との塩の形態では排除されない。
本発明の別の実施態様において、式Iの化合物は、それらの一般的な定義において又はより具体的な定義若しくは実施態様のいずれかにおいて上記定義された通りであるが、但し、式Iの化合物は、同時に、基Arが3つの同一又は異なるハロゲン置換基によって置換されたフェニル基であり、nが0であり、そしてR1が基−NH2(アミノ)である化合物ではなく、但し、式Iの化合物は、以下の化合物:
N−[4−(3−アミノ−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピラジン−6−イル)フェニル]−5−クロロ−2−フルオロ−ベンゼンスルホンアミド、及び
N−[4−(3−アミノ−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピラジン−6−イル)フェニル]−2−クロロ−4−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホンアミド
の1つではなく、
そして別の実施態様において、排除された化合物は、遊離化合物として排除され、すなわち、それらは酸又は塩基との塩の形態では排除されない。
本発明の別の実施態様において、式Iの化合物は、それらの一般的な定義において又はより具体的な定義若しくは実施態様のいずれかにおいて上記定義された通りであるが、但し、式Iの化合物は、同時に、基Arが、2,4,6−トリクロロ−フェニル、5−クロロ−2−フルオロフェニル、2,4,5−トリクロロ−フェニル、2,4,5−トリ−フルオロ−フェニル、5−クロロ−2,4−ジフルオロ−フェニル、2,3,4−トリクロロ−フェニル、2,3,4−トリフルオロ−フェニル及び2−クロロ−4−トリフルオロメチル−フェニルからなる系列より選ばれ、nが0であり、そしてR1が基−NH2(アミノ)である化合物ではなく、そして別の実施態様において、排除された化合物は、遊離化合物として排除され、すなわち、それらは酸又は塩基との塩の形態では排除されない。
本発明の別の主題は、以下に説明する式Iの化合物の製造方法であり、それによって式Iの化合物及びその合成過程中に生じる中間体、並びにその塩が入手可能である。式Iの化合物は、それ自体で当業者に知られている方法及び技術を使用することによって製造することができる。一般に、式Iの1H−ピラゾロ[3,4−b]ピラジン化合物は、例えば、式Iから逆合成的に誘導することができる2つ又はそれ以上の断片を結合することによって収束合成過程で製造することができる。より具体的には、適切に置換された出発1H−ピラゾロ[3,4−b]ピラジン誘導体を式Iの化合物の製造における構成ブロックとして使用することができ、それは適切な前駆体化合物から合成することができ、これにより1H−ピラゾロ[3,4−b]ピラジン系の種々の位置にさまざまな置換基を導入することができ、そして最終的に所望の置換基パターンを有する式Iの化合物に到達するためにさらに化学修飾することができる。また、1H−ピラゾロ[3,4−b]ピラジンを合成するには、インダゾールに関して文献に記載された方法及び変換を使用することもできる。インダゾールの化学及びその製造のための合成方法における多くの詳細及び文献参照を見出すことができる総説として、J. Eiguero in Comprehensive Heterocyclic Chemistry II, Eds. A. Katritzky, Ch. Rees, E. Scriven, Elsevier 1996, 第3巻; W. Stadlbauer in Houben-Weyl, Methoden der Organischen Chemie (Methods of Organic Chemistry), Georg Thieme Verlag, Stuttgart, Germany 1994, 第E8b巻, Hetarene; W. Stadlbauer in Houben-Weyl, Science of Synthesis, Georg Thieme Verlag, Stuttgart, Germany 2002, 第12.2巻, 227-324を挙げることができる。式Iの化合物の合成に使用する出発物質は、商業的に入手可能であるか又は文献若しくは本明細書に記載された方法に従って、若しくはそれらの方法と同様に製造することができる。式Iの化合物の合成に使用することができる合成方法及び変換に関する文献論文の例として、以下を挙げることができる:
Brown 等, Bioorg. Med. Chem. Lett. 2010, 20, 679; Knochel 等, Chem. Commun. 2009, 37, 5615;それらは2−アシル−3−クロロ−ピラジン及びヒドラジンからの1H−ピラゾロ[3,4−b]ピラジンの形成に関する。
US 2010/0029653;これは2−アルキニル−3−クロロ−ピラジン及びヒドラジンからの1H−ピラゾロ[3,4−b]ピラジンの形成に関する。
Hajos 等, J. Org. Chem. 2008, 73, 3900; Maitte 等, J. Heterocycl. Chem. 1983, 20, 1645;それらは2−アシル−ピラジン及びヒドラジンからの1H−ピラゾロ[3,4−b]ピラジンの形成に関する。
Stanovnik 等, Heterocycles 1982, 19, 339; Tisler 等, Monatshefte fur Chemie, 1982, 113, 731;それらは塩基存在下での3−アミノ−2−[1,2,4]オキサジアゾール−2−イルピラジンからの3−アシルアミノ−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピラジンの形成に関する。
Stanovnik 等, Heterocycles 1982, 19, 339; Tisler 等 Monatshefte fur Chemie 1982,
113, 731; Augustynowicz-Kopec 等, Farmaco 2005, 60, 513; Otomasu 等, Chem. Pharm. Bull. 1984, 32, 3361;それらは2−シアノ−3−クロロ−ピラジン及びヒドラジンからの3−アミノ−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピラジンを形成に関する。
Guarneri 等, J. Heterocycl. Chem. 1986, 23, 585、それは1H−6−オキサ−1,2,4,7−テトラアザ−インデン−5−オンから1H−ピラゾロ[3,4−b]ピラジンへの変換に関する。
US 2005/0070542;Sio 等, Farmaco Sci. 1982, 37, 116; Andaluz 等, J. Heterocycl. Chem. 1989, 26, 949; Hofmann 等, Journal fuer Praktische Chemie 1990, 332, 584; Townsend 等, Tetrahedron Lett. 2004, 45, 4105;それらはジアミノ−ピラゾール及びアミノ−ニトロピラゾールと2−ケト−カルボン酸及び1,2−ジカルボニル化合物との反応による1H−ピラゾロ[3,4−b]ピラジンの形成に関する。
式Iの化合物を製造するための1つの合成アプローチでは、式IIの化合物及び式IIIの化合物を反応させて式IVの化合物を得、それはすでに式Iの最終化合物であることもあり、又はそれを式Iの所望の最終化合物に転換する。
Figure 2013063936
より具体的には、特に式Iの化合物中の基R1が水素又は場合により置換されたアルキル基である場合、このアプローチに従って式Vの化合物を式VIのヒドラジンと反応することによって式IIの化合物を得、得られた式IIの化合物及び式IIIの化合物を反応させて式IVの化合物を得、そして式IVの化合物を式Iの化合物に転換する。
Figure 2013063936
別のアプローチでは、最初に式Vの化合物を式IIIの化合物と反応させて式VIIの化合物を得、次いで式VIIの化合物を式VIのヒドラジンと反応させることによって式IVの化合物を得ることができる。
Figure 2013063936
式Iの化合物を製造するための別の合成アプローチでは、特に基R1が窒素原子を介して1H−ピラゾロ[3,4−b]ピラジン環系に結合している化合物の場合、具体的にはR1がアミノ基である化合物を製造する場合、式VIIIの化合物を式VIのヒドラジンと反応させ、そして得られた式IXの化合物及び式IIIの化合物を反応させて式Xの化合物を得ることによって式Xの化合物が得られ、それはすでに式Iの最終化合物であることもあり、又はそれを式Iの所望の最終化合物に転換する。
Figure 2013063936
別のアプローチでは、最初に式VIIIの化合物を式IIIの化合物と反応させて式XIの化合物を得、次いで式XIの化合物を式VIのヒドラジンと反応させることによって式Xの化合物を得ることができる。
Figure 2013063936
式II、III、IV、V、VII、X及びXIの化合物中の基R1及びR2及び数nは、式Iの化合物に定義された通りであり、そしてさらに官能基は、保護された形態又は後で最終的な基に転換される前駆体基の形態で存在することができる。式II、V、VIII及びIXの化合物中の基G1は、スズキ−タイプの反応又はシュティレ−タイプの反応で置き換えることができる脱離基、例えばハロゲン原子、特に臭素若しくは塩素、又はスルホニルオキシ基、特にトリフルオロメタンスルホニルオキシ、メタンスルホニルオキシ、ベンゼンスルホニルオキシ若しくはトシルオキシ(4−メチルベンゼンスルホニルオキシ)である。式V、VII、VIII及びXIの化合物中の基G2は、基G1と同一又は異なることができ、そして脱離基、例えばハロゲン原子、特に臭素若しくは塩素、又はスルホニルオキシ基、特にトリフルオロメタンスルホニルオキシ、メタンスルホニルオキシ、ベンゼンスルホニルオキシ若しくはトシルオキシである。式II、IV、VI、IX及びXの化合物中の基G3は、水素であることができ、そしてこの場合、式VIの化合物はこのようにヒドラジンであり、又はそれは1H−ピラゾロ[3,4−b]ピラジン環系若しくはピラゾール環系のような類似の環系において環窒素原子を保護するのに適した、例えばテトラヒドロピラン−2−イル基、tert−ブトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、ベンジル基又は置換されたベンジル基、例えば4−メトキシベンジル基若しくは2,5−ジメトキシベンジル基のような保護基であることができる。式III、IV、VII、X及びXIの化合物中の基G4は、すでに式Ar(O)2−NH−の所望の最終的なスルホンアミド基であることができ、ここにおいて、Arは式Iの化合物中に定義された通りであり、そしてさらに官能基は、保護された形態又は後で最終的な基に転換される前駆体基の形態で存在することができる。また、G4は、適切な合成段階で、例えば式IV及びXの化合物において、式Ar(O)2−NH−の所望の最終的なスルホンアミド基に転換することができる基、例えばアミノ基に還元することができるニトロ基のような前駆体基、又はアミノ基に脱保護することができるtert−ブトキシカルボニルアミノ基若しくはベンジルオキシカルボニルアミノ基のような保護されたアミノ基、又は遊離アミノ基であることもでき、そしてアミノ基は、次いで、標準条件下で塩化スルホニルとの反応によって基Ar(O)2−NH−に転換される。式IIIの化合物中の基G5は、トリアルキルスタニル基、例えばトリ((C1−C4)−アルキル)スタニル基、又はボロン酸基(−B(OH)2)又はボロン酸エステル基又は環式ボロン酸エステル基、例えば−B(O−(C1−C4)−アルキル)2基若しくは4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル基、特にボロン酸基又はボロン酸エステル基又は環式ボロン酸エステル基であり、それらは式II、V、VIII及びIXの化合物を式IIIの化合物とカップリングするためのスズキ−タイプの反応又はシュティレ−タイプの反応の実施を可能にする。また、式Iの化合物の合成における出発化合物を、塩、例えば塩基性の化合物の場合、酸付加塩の形態で使用し、そしてその形態で中間体を得る及び/又は使用することもできる。また、中間体は、例えばG3が水素である式II又はIXの化合物の場合、別の互変異性形態で存在することもでき、それらは個々の2H−ピラゾロ[3,4−b]ピラジン誘導体の形態で存在することができ、その際、式IIの化合物中でピラゾロ[3,4−b]ピラジン環系の1位において環窒素原子に結合している移動水素原子は、ピラゾロ[3,4−b]ピラジン環系の2位において環窒素原子に結合している。
式V、VII、VIII及びXIの化合物と式VIのヒドラジンとの反応は、一般にプロトン性又は非プロトン性溶媒、例えば水、アルコール、例えばメタノール、エタノール、トリフルオロエタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノール、tert−ブタノール、2−メチルブタン−2−オール、3−メチル−3−ペンタノール、3−エチル−3−ペンタノール、炭化水素、例えばベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン、ニトリル、例えばアセトニトリル、エーテル、例えばテトラヒドロフラン又はジグリム(ジ(2−メトキシエチル)エーテル)、アミド、例えばジメチルホルムアミド、N−メチルピロリジノン、ジメチルアセトアミド、スルホキシド、例えばジメチルスルホキシド、又はアミン、例えばピリジン中、又は溶媒の混合物中、約20℃から約200℃までの温度で、例えば約80℃から約120℃までの温度で実施される。反応時間は、一般に、特定の場合の詳細及び選ばれた温度範囲に応じて約30分から約48時間まで、例えば約5時間から約16時間までである。慣用の加熱を用いる代わりに、マイクロ波放射線を用いたマイクロ波オーブン中で約60℃から約200℃までの温度、例えば約80℃から約120℃までの温度で反応を実施することもできる。このような場合、反応時間は、一般に、特定の場合の詳細及び選ばれた温度範囲に応じて約5分から約12時間まで、例えば約10分から約3時間までである。式VIの化合物は、遊離形態で、すなわち、塩の形態ではなく、例えばエタノール若しくはイソプロパノールのような溶媒中の溶液の形態で、又は酸付加塩の形態、例えば塩酸との塩の形態で使用することができる。塩を使用する場合、例えばアミン、例えばトリエチルアミン、エチルジイソプロピルアミン、N−メチルモルホリン又は1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン、アルコキシド、例えばナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムメトキシド、カリウムtert−ブトキシド、アミド、例えばリチウムジイソプロピルアミド若しくはナトリウムアミド、又はアルカリ金属炭酸塩、例えば炭酸ナトリウム、炭酸カリウム若しくは炭酸セシウムのような有機又は無機塩基を用いて反応前に又はその場でそれを遊離形態に変換することができる。
式II、V、VIII及びIXの化合物とG5がボロン酸基又はボロン酸エステル基又は環式ボロン酸エステル基である式IIIの化合物との反応は、スズキ−タイプの反応であり、そして一般に不活性溶媒、例えば炭化水素、例えばベンゼン、トルエン若しくはキシレン、又はエーテル、例えばテトラヒドロフラン(THF)、ジオキサン若しくは1,2−ジメトキシエタン(DME)、又は水、又は溶媒の混合物中、触媒パラジウム化合物、例えばホスフィン、例えば1,1'−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン、トリシクロヘキシルホスフィン若しくはトリフェニルホスフィンの存在下で使用することができる酢酸パラジウム(II)若しくは塩化パラジウム(II)のようなパラジウム(II)塩、又はパラジウム錯体、例えばテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)、1,1'−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン−パラジウム(II)ジクロリド、パラジウム(0)ビス(トリ−tert−ブチルホスフィン)若しくはビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)クロリドの存在下で、そして都合よくは塩基、例えばアルカリ金属炭酸塩又はアルカリ金属リン酸塩、例えば炭酸セシウム、炭酸塩ナトリウム又はリン酸三カリウムの存在下で、約20℃から約200℃までの温度で、例えば約80℃から約120℃までの温度で実施される。反応時間は、一般に、特定の場合の詳細及び選ばれた温度範囲に応じて約30分から約48時間まで、例えば30分から約16時間までである。溶媒として水を使用することを除いて、実質的にスズキ−タイプの反応におけるこれらの説明は、G5がトリアルキルスタニル基である式IIIの化合物を用いた反応、すなわちシュティレ−タイプの反応にも適用される。
さらに、所望の式Iの1H−ピラゾロ[3,4−b]ピラジン化合物を得るために、1H−ピラゾロ[3,4−b]ピラジン合成中に環系に導入される官能基は、さまざまな反応によって化学修飾し、このように所望の基を得ることができる。例えば、3位に水素原子を担持している1H−ピラゾロ[3,4−b]ピラジンは、この位置にエステル基を担持している1H−ピラゾロ[3,4−b]ピラジンをけん化し、その後に脱カルボキシル化することによって得ることもできる。ハロゲン原子は、例えば、文献に記載されたよく知られた方法に従って導入することができる。式Iの化合物の芳香族基本構造のフッ素化は、例えばN−フルオロ−2,4,6−トリメチルピリジニウムトリフラートを含む種々の試薬を用いて実施することができる。塩素化、臭素化又はヨウ素化は、ハロゲン元素との反応によって又は例えばN−ブロモスクシンイミド、N−クロロスクシンイミド若しくはN−ヨードスクシンイミド及び当業者によく知られている多くの他の試薬の使用によって実施することができる。それ自体で知っている方法を用いて、選択的ハロゲン/金属交換又は選択的水素/金属交換による金属化、及びその後のさまざまな求電子試薬との反応によって種々の置換基を導入することができる。とりわけ、ハロゲン原子、ヒドロキシ基は、例えば、トリフラート若しくはノナフラートへ転換した後、又は第一級アミノ基は、ジアゾニウム塩へ転換した後、直接、又は対応するスタナン若しくはボロン酸若しくはボロン酸エステルに転換した後、例えば−CN、−CF3、−C25及びエーテル、酸、アミド、アミン、アルキル又はアリール基のようなさまざまな別の基に転換される。このような転換のため、都合よくは、例えばF. Diederich, P. Stang, Metal-catalyzed Cross-coupling Reactions, Wiley-VCH, 1998; M. Beller, C. Bolm, Transition Metals for Organic Synthesis, Wiley-VCH, 1998; J. Tsuji, Palladium Reagents and Catalysts, Wiley, 1996; J. Hartwig, Angew. Chem. 1998, 110, 2154; B. Yang, S. Buchwald, J. Organomet. Chem. 1999, 576, 125; T. Sakamoto, K. Ohsawa, J. Chem. Soc. Perkin Trans I, 1999, 2323; D. Nichols, S. Frescas, D. Marona-Lewicka, X. Huang, B. Roth, G. Gudelsky, J. Nash, J. Med. Chem, 1994, 37, 4347; P. Lam, C. Clark, S. Saubern, J. Adams, M. Winters, D. Chan, A. Combs, Tetrahedron Lett., 1998, 39, 2941; D. Chan, K. Monaco, R. Wang, M. Winters, Tetrahedron Lett. 1998, 39, 2933; V. Farina, V. Krishnamurthy, W. Scott, The Stille Reaction, Wiley, 1994; F. Qing 等, J. Chem. Soc. Perkin Trans. I 1997, 3053; S. Buchwald 等 J. Am. Chem. Soc. 2001, 123, 7727; S. Kang 等 Synlett 2002, 3, 427; S. Buchwald 等, Organic Lett. 2002, 4, 581; T. Fuchikami 等, Tetrahedron Lett. 1991, 32, 91; Q. Chen et al., Tetrahedron Lett. 1991, 32, 7689; M. R. Netherton, G. C. Fu, Topics in Organometallic Chemistry 2005, 14, 85-108; A. F. Littke, G. F. Fu, Angew. Chem. Int. Ed. 2002, 41, 4176-4211; A. R. Muci, S. L. Buchwald, Topics in Current Chemistry 2002, 219, 131-209中に記載されたような遷移金属、例えばパラジウム若しくはニッケル触媒又は銅塩が介在する反応を使用することもできる。
ニトロ基は、スルフィド、ジチオナイト、複合水素化物のような種々の還元剤を用いて又は接触水素化によってアミノ基に還元することができる。ニトロ基の還元は、他の官能基上で実施する反応と同時に、例えばシアノ基のような基を硫化水素と反応させるとき、又は基を水素化するときに実施してもよい。次いで、アミノ基は、標準方法に従って修飾することができ、例えば好ましくは塩基、例えば炭酸カリウム、炭酸セシウム、水素化ナトリウム若しくはカリウムtert−ブトキシドの存在下で、場合により置換されたアルキルハロゲン化物、例えば塩化物、臭化物若しくはヨウ化物若しくはスルホニルオキシ化合物、例えばトシルオキシ、メシルオキシ若しくはトリフルオロメチルスルホニルオキシ化合物との反応によって、若しくはカルボニル化合物の還元的アミノ化によってアルキル化することができ、又は活性化カルボン酸誘導体、例えば酸塩化物、無水物、活性化エステル若しくはその他との反応によって若しくは活性化剤の存在下でカルボン酸との反応によってアシル化することができ、又は塩化スルホニルとの反応によってスルホニル化することができる。エステル基は、対応するカルボン酸に加水分解することができ、次いでそれを活性化した後、標準条件下でアミンと反応させることができる。さらに、エステル又は酸基は、多くの標準方法によって対応するアルコールに還元することができ、そして生成したヒドロキシ化合物はアルキル化される。エーテル基、例えばベンジルオキシ基又は他の容易に切断可能なエーテル基は、切断してヒドロキシ基を得ることができ、次いで、それをさまざまな試薬、例えばエーテル化剤又はヒドロキシ基を他の基によって置き換えることができる活性化剤と反応させることができる。また、ヒドロキシ基を脱離基に転換し、そしてミツノブ反応のよく知られた条件下(O. Mitsunobu, Synthesis 1981, 1)で、又はさらなる方法(A. Tunoori, D. Dutta, G. Gunda, Tetrahedron Lett. 39 (1998) 8751; J. Pelletier, S. Kincaid, Tetrahedron Lett. 41 (2000) 797; D. L.Hughes, R. A.Reamer, J. J.Bergan, E. J. J.Grabowski, J. Am. Chem. Soc. 110 (1998) 6487; D. J. Camp, I. D. Jenkins, J. Org. Chem. 54 (1989) 3045; D. Crich, H. Dyker, R. J. Harris, J. Org. Chem. 54 (1989) 257参照)によって種々の反応パートナーと反応させることができる。
官能基を転換するめの前記反応は、一般に、例えば、有機化学のテキスト、例えばM. Smith, J. March, March's Advanced Organic Chemistry, Wiley-VCH, 2001, 及びHouben-Weyl, “Methoden der Organischen Chemie” (Methods of Organic Chemistry), Georg Thieme Verlag, Stuttgart, Germany; “Organic Reactions”, John Wiley & Sons, New York; R. C. Larock, “ Comprehensive Organic Transformations”, Wiley-VCH, 第2版(1999); B. Trost, I. Fleming (編) Comprehensive Organic Synthesis, Pergamon,1991; A. Katritzky, C. Rees, E. Scriven Comprehensive Heterocyclic Chemistry II, Elsevier Science, 1996に詳細に記載されており、その中に反応の詳細及び一次出典文献を見出すことができる。この場合、官能基が1H−ピラゾロ[3,4−b]ピラジン化合物中に生じるという事実のため、ある種の場合には、反応条件を具体的に適応させるか又は原則として転換反応に使用することができるさまざまな試薬から特定の試薬を選ぶか、又は別途、所望の転換を達成するための特別な手段をとる、例えば一般に適用され、そして当業者に知られているような保護基技術を使用することが必要になる。
式Iの化合物の製造過程において、それぞれの合成工程で望ましくない反応又は副反応を低減又は防止するために、具体的な合成問題に適した保護基によって官能基を一時的にブロックするか、又は官能基を前駆体基の形態で存在させるか若しくは導入し、それを後で所望の官能基に転換することは、一般に有益であり又は必要でありうる。このような戦略は、当業者によく知られており、そして、例えばGreene and Wuts, Protective Groups
in Organic Synthesis, Wiley, 1991 又は P. Kocienski, Protecting Groups, Thieme 1994に記載されている。
前駆体基の例は、シアノ基及びニトロ基である。シアノ基は、後の工程で、加水分解によってカルボン酸誘導体に又は還元によってアミノメチル基に変換することができる。ニトロ基は、接触水素化のような還元によってアミノ基に変換することができる。記載することができる保護基の例は、ベンジル保護基、例えばパラジウム触媒の存在下で接触水素化によってベンジル基を除去することができるヒドロキシ化合物のベンジルエーテル及びカルボン酸のベンジルエステル、tert−ブチル保護基、例えばトリフルオロ酢酸で処理することによってtert−ブチル基を除去することができるカルボン酸のtert−ブチルエステル、アシル保護基、例えば酸性若しくは塩基性加水分解によって再び切断することができるヒドロキシ化合物及びアミノ化合物のエステル及びアミド、又はアルコキシカルボニル保護基、例えばトリフルオロ酢酸で処理することによって再び切断することができるアミノ化合物のtert−ブトキシカルボニル誘導体である。また、式Iの化合物は、固相法によって製造することもできる。このような合成アプローチでは、固相は、保護基の意味を有し、そして固相からの切断は、保護基の除去とみなすことができる。このような技術の使用は、当業者に知られている(Burgess K (編), Solid Phase Organic Synthesis, New York, Wiley, 2000参照)。例えば、フェノール性ヒドロキシ基は、トリチル−ポリスチレン樹脂に結合することができ、それは保護基としての役割を果たしており、後の合成段階でトリフルオロ酢酸又は別の酸で処理することによって樹脂から分子を切断する。
通常通り、そして式Iの化合物の合成過程で実施されるすべての反応に適用されるように、溶媒、塩基又は酸、温度、添加の順序、モル比及び他のパラメーターを含む、具体的な製造方法において適用される条件の適切な詳細は、出発化合物及び目的化合物の特徴並びに具体的な場合の他の特殊性を考慮して当業者によって慣用的に選ばれる。また、当業者に知られているように、本明細書に記載されたすべての方法が同じやり方ですべての式Iの化合物及びその中間体の製造に適切であるわけではなく、適応させなければならない。式Iの化合物を製造するためのすべての方法において反応混合物の処理及び生成物の精製は、例えば、水による反応混合物のクエンチ、特定pHの調整、沈殿、抽出、乾燥、濃縮、結晶化、蒸留及びクロマトグラフィを含む当業者に知られている慣用の方法に従って実施される。式Iの化合物の合成に適用できる方法のさらなる例として、例えばP. Lidstrom, J. Tierney, B. Wathey, J. Westman, Tetrahedron, 57(2001), 9225によって記載されたような、反応を高速化する、促進する又は可能にするためのマイクロ波補助、及び任意の反応で生じうる位置異性体の混合物を分離するために使用することができる分取高圧液体クロマトグラフィ(HPLC)のような最新の分離技術を挙げることができる。また、生成物の特性評価には、NMR、IR及び質量分光法のような慣用の方法を使用する。
本発明の別の主題は、その立体異性形態のいずれか又は任意比率の立体異性形態の混合物における、式II、III、IV、V、VII、VIII、IX、X及びXIの化合物を含む、新規な出発化合物及び式Iの化合物の合成中に生じる中間体(式中、基R1、R2、G1、G2、G3、G4及びG5及び数nは、上記定義された通りである)、及びそれらの塩、並びに合成中間体又は出発化合物としてのそれらの使用である。式Iの化合物に関して上記されたすべての一般的な説明、実施態様の仕様並びに数及び基の定義は、前記中間体及び出発化合物に対して同様に適用される。本発明の主題は、特に、本明細書に記載された新規な特定の出発化合物及び中間体である。それとは独立して、それらが遊離化合物として及び/又は特定の塩として記載されたかどうかにかかわらず、それらは、遊離化合物の形態及びそれらの塩の形態の両方において、そして特定の塩が記載される場合、さらにこの特定の塩の形態において本発明の主題である。
本発明の化合物は、SGK阻害剤であり、それは病理学的状態において過度の、又は不適当なSGK活性を阻害することができ、従って上記及び下記の疾患の予防法及び治療法に適している。特に、それは、SGK−1酵素の非常に活性な阻害剤である。それは、活性化又は阻害を望まない他の酵素及び受容体の活性を実質的に阻害又は促進しないため選択的SGK−1阻害剤である。式Iの化合物の活性は、例えば、下記のアッセイにおいて又は当業者に知られた他のインビトロ、エキソビボ若しくはインビボアッセイにおいて測定することができる。例えば、SGK酵素を阻害する化合物の能力は、D. Perrin 等, Expert Opin. Drug Discov. (2010) 5, 51-63に記載されたものと類似の方法によって、そして下記のアッセイによって測定することができる。SGK−1阻害活性に関して、本発明の一実施態様は、下記のアッセイで測定されるSGK−1阻害について<1μM、別の実施態様において<0.1μM、別の実施態様において<0.01μMのIC50値を有し、そしてさらなる実施態様において阻害又は活性化が望ましくない他の酵素及び受容体の活性に実質的に影響を与えない化合物を含む。細胞環境においてSGK−1介在性グリコーゲンシンターゼキナーゼ3ベータ(GSK3β)リン酸化を阻害する化合物の能力は、H. Sakoda 等 J. Biol. Chem. 2003, 278, 25802-25807によって記載されたものと同様の方法によって、そして下記載の方法によって測定することができる。細胞単層中の上皮性Na+チャネル(ENaC)電流のSGK1依存性活性化を阻害する化合物の能力は、D. Alvarez de la Rosa 等, Am. J. Physiol. Cell Physiol. 284:404-414, 2003, D. Alvarez de la Rosa 等; J. Gen. Physiol. 2004 Oct; 124(4):395-407によって記載されたものと同様の方法によって、そして下記のアッセイによって測定することができる。本明細書に関する不適当なSGK−1活性は、期待される正常なSGK−1活性から逸脱したあらゆるSGK−1活性である。不適当なSGK−1活性は、例えば、活性の異常な上昇、又はSGK−1活性のタイミング及び/又は制御における異常の形態をとることがある。そして、このような不適当な活性は、例えば、プロテインキナーゼの過剰発現又は突然変異から生じ、不適当な又は制御できない活性化に至ることがある。SGK−1阻害剤として、式Iの化合物及びその薬学的に許容しうる塩は、一般に、SGK−1酵素の不適当な活性が役割を果たすか若しくは望ましくない範囲にある、若しくはSGK−1酵素を阻害するか若しくは活性を低下させることによって有益な影響を与えることができる状態の予防法及び/又は治療法に、又はSGK−1の阻害若しくは活性低下が医師によって望まれる予防、緩和若しくは治癒に適している。
本発明の化合物は、その薬理学的性質のため、SGK酵素の強化された活性がその進行に関与するすべての障害の治療に適している。これらには、導入部に記載された適応症が含まれる。本発明は、特に骨関節炎、変形性関節症、関節リウマチ、脊椎症、関節外傷後の軟骨融解及び半月板若しくは膝蓋骨損傷又は靭帯断裂後の長期関節固定化を含む変性関節障害及び退行性軟骨病変、結合組織障害、例えば膠原病、歯周障害、創傷治癒障害、真性糖尿病、糖尿病性腎症、糖尿病性神経障害、糖尿病性血管症及び細小血管症を含む糖尿病、肥満、代謝的症候群(脂質異常症)、全身性及び肺高血圧、脳梗塞、心筋梗塞後の心筋線維症、心肥大及び心不全を含む心臓血管疾患、動脈硬化症、糸球体硬化症、腎硬化、腎炎、腎症及び電解質排出障害を含む腎疾患、並びに肝硬変、肺線維症、線維化性膵炎、リウマチ、関節炎、痛風、クローン病、慢性気管支炎、放射線線維症、硬化性皮膚炎、嚢胞性線維症、瘢痕化及びアルツハイマー病を含むあらゆるタイプの線維症及び炎症過程、急性疼痛、例えば外傷後の痛み、術後痛、痛風の急性発作に伴う痛み及び下顎骨の外科的処置後の急性疼痛、及び慢性疼痛、例えば慢性筋骨格系疾患に伴う痛み、背部痛、骨関節炎又は関節リウマチに伴う痛み、炎症に伴う痛み、切断痛、多発性硬化症に伴う痛み、神経炎に伴う痛み、癌腫及び肉腫に伴う痛み、AIDSに伴う痛み、化学療法に伴う痛み、三叉神経痛、頭痛、片頭痛、神経因性疼痛、帯状疱疹後神経痛を含む疼痛、運動系の慢性障害、例えば炎症性の、免疫学的に又は代謝的に関連する急性及び慢性関節炎、関節症、筋肉痛及び骨代謝の障害、特にストレスによって誘発される形態の消化性潰瘍、耳鳴、細菌感染、緑内障、白内障、異常フィブリノーゲン血症を含む凝固障害、低プロコンバーチン血症、B型血友病、スチュワート−プラウアー欠乏症、プロトロンビン複合体欠損症、消費性凝固障害、線維素溶解、免疫凝固障害又は複合凝固障害を治療するための式Iの化合物又はその薬学的に許容しうる塩の使用、並びに腫瘍成長及び腫瘍転移の阻害を含む腫瘍療法における使用、抗感染療法における使用、学習能力及び注意力を向上するための使用、細胞の老化及びストレスを防止し、それにより高齢者の平均余命及び健康を増進するための使用、及びてんかんを含む神経細胞の興奮状態における使用に関する。疾患の治療とは、本明細書において、一般に、軽減、緩和又は治癒を目的とする生体の既存の病理学的変化若しくは機能不全又は既存の症状の治療法及びそれらにかかりやすく、このような予防法(prophylaxis)又は予防(prevention)を必要とするヒト又は動物において、それらの発症を予防若しくは抑制するか又はそれらが発症した場合には弱めることを目的とする生体の病理学的変化若しくは機能不全又は症状の予防法又は予防の両方を意味するものとして理解される。例えば、その病歴のため心筋梗塞にかかりやすい患者では、予防法的(prophylactic)又は予防的(preventive)薬物療法によって心筋梗塞の発生若しくは再発を予防するか又はその範囲及び続発症を減らすことができる。疾患の治療は、急性の場合及び慢性の場合の両方で起こりうる。
従って、式Iの化合物及び又はその薬学的に許容しうる塩は、それ自体で、互いの混合物で、又は薬学的組成物の形態で、薬剤(pharmaceutical)又は薬剤(medicament)として動物、特に哺乳動物、とりわけヒトに使用することができる。また、本発明の主題は、薬剤として使用するための式Iの化合物及びその薬学的に許容しうる塩である。また、本発明の主題は、所望の使用にとって有効量で、活性成分として少なくとも1つの式Iの化合物及び/又はその薬学的に許容しうる塩、及び薬学的に許容しうる担体、すなわち1つ又はそれ以上の薬学的に無害の、又は危険でないビヒクル及び/又は賦形剤、及び場合により1つ又はそれ以上の他の薬学的活性化合物を含む薬学的組成物及び薬剤である。また、本発明の主題は、記載された疾患のいずれか1つの治療、例えば変性関節障害、退行性軟骨病変、糖尿病、心臓血管疾患、線維症、炎症過程、疼痛、腫瘍若しくは脳梗塞の治療を含み、ここにおいて疾患の治療は上記のようなそれらの治療法及び予防法を含む、上記若しくは下記の疾患の治療に使用するための、又は血清及びグルココルチコイド調節キナーゼ(SGK)の阻害剤として使用するための式Iの化合物及びその薬学的に許容しうる塩である。また、本発明の主題は、記載された疾患のいずれか1つの治療を含む上記若しくは下記の疾患を治療する薬剤、例えば変性関節障害、退行性軟骨病変、糖尿病、心臓血管疾患、線維症、炎症過程、疼痛、腫瘍若しくは脳梗塞を治療する阻害剤、ここにおいて疾患の治療は上記のようなそれらの治療法及び予防法を含む、又は血清及びグルココルチコイド調節キナーゼ(SGK)を阻害する薬剤を製造するための、式Iの化合物及びその薬学的に許容しうる塩の使用である。また、本発明の主題は、記載された疾患のいずれか1つの治療、例えば変性関節障害、退行性軟骨病変、糖尿病、心臓血管疾患、線維症、炎症過程、疼痛、腫瘍又は脳梗塞の治療を含み、ここにおいて疾患の治療は上記のようなそれらの治療法及び予防法を含む、上記又は下記の疾患の治療方法、並びに少なくとも1つの式Iの化合物及び/又はその薬学的に許容しうる塩の有効量を、それを必要とするヒト又は動物に投与することを含む血清及びグルココルチコイド調節キナーゼ(SGK)を阻害する方法である。
式Iの化合物及びその薬学的に許容しうる塩、及び薬学的組成物及びそれを含む薬剤は、経腸的に、例えば丸剤、錠剤、ラッカーコート錠、コーティング錠、顆粒剤、硬及び軟ゼラチンカプセル、液剤、シロップ剤、乳剤、懸濁剤、エアロゾル混合物若しくは坐剤の形態で経口若しくは直腸投与によって、又は非経口的に投与することができる。非経口投与は、例えば、注射液若しくは注入液、マイクロカプセル、インプラント若しくはロッドの形態で静脈内に、関節内に、腹腔内に、筋肉内に若しくは皮下に、又は例えば軟膏剤、液剤若しくはチンキ剤の形態で経皮的に、経皮的に若しくは局所的に、又は例えばエアロゾル若しくは鼻腔用スプレーの形態で他のやり方で実施することができる。好ましい投与形態は、具体的な場合の詳細に左右される。
経皮投与に適した薬学的製剤は、レシピエントの表皮と広く密接に接触する硬膏剤として投与することができる。局所投与するには、軟膏剤、乳剤、懸濁剤、ローション剤、パウダー、液剤、ペースト剤、ゲル、スプレー、エアロゾル又はオイルのような製剤を使用することができる。眼又は他の外部組織、例えば口及び皮膚の治療をするには、適切な製剤は、例えば、局所軟膏剤又は乳剤である。軟膏剤の場合、パラフィン系又は水混和性乳剤基剤のいずれかと共に活性成分を使用することができる。別法として、活性成分を処方して水中油型乳剤基剤又は油中水型基剤で入りの乳剤を得ることができる。眼への局所適用に適応した薬学的製剤には、点眼剤が含まれ、その中では活性成分が、適切な担体、特に水性溶媒中に溶解又は懸濁されている。
本発明による薬学的組成物は、それ自体で知られており、そして当業者に知られたやり方で製造される。1つ又はそれ以上の薬学的に許容しうる不活性な無機及び/又は有機ビヒクル及び賦形剤を1つ又はそれ以上の式Iの化合物及び/又はその薬学的に許容しうる塩と混合し、それを投薬及び投与に適切な形態にし、次いでそれをヒト用薬剤又は動物用薬剤に使用することができる。丸剤、錠剤、コーティング錠及び硬ゼラチンカプセルを製造するには、例えば、ラクトース、コーンスターチ又はその誘導体、タルク、ステアリン酸又はその塩を使用することができる。ゼラチンカプセル及び坐剤を製造するには、例えば、脂肪、ロウ、半固体及び液体ポリオール、天然又は硬化油を使用することができる。液剤、例えば注射液、又は乳剤若しくはシロップ剤を製造するには、例えば水、生理食塩水、アルコール、グリセロール、ポリオール、ショ糖、転化糖、グルコース、植物油を使用することができ、そしてマイクロカプセル、インプラント又はロッドを製造するには、例えばグリコール酸及び乳酸のコポリマーを使用することができる。薬学的組成物は、通常、式Iの化合物及び/又はその薬学許容しうる塩約0.5%〜90質量%を含む。薬学的組成物中の式Iの活性成分及び/又はその薬学的に許容しうる塩の量は、通常、単位用量当たり約0.5mg〜約1000mg、好ましくは約1mg〜約500mgである。薬学的組成物の種類及び具体的な場合の他の詳細に応じて、量は、示されたものから逸脱してもよい。
式Iの活性成分及び/又はその薬学的に許容しうる塩及びビヒクル又は担体物質に加えて、薬学的組成物は、例えば、増量剤、崩壊剤、結合剤、滑沢剤、湿潤剤、安定剤、乳化剤、保存剤、甘味剤、着色剤、香味剤、芳香剤、増粘剤、希釈剤、緩衝物質、溶媒、可溶化剤、貯蔵効果を達成する薬剤、浸透圧を変えるための塩、コーティング剤又は抗酸化剤のような賦形剤又は補助剤又は添加剤を含むことができる。また、それは、2つ又はそれ以上の式Iの化合物、及び/又はその薬学的に許容しうる塩を含むことができる。薬学的組成物が2つ又はそれ以上の式Iの化合物を含む場合、個々の化合物の選択により、薬学的組成物の特異的な全体の薬理学的プロフィールを企図することができる。例えば、より短い作用時間を有する非常に強力な化合物は、より低い効力の長時間作用性の化合物と組み合わせてもよい。式Iの化合物中の置換基の選択に関して容認される融通性により、化合物の生物学的及び物理化学的性質を十分に制御することが可能であり、従ってこのような所望の化合物の選択ができる。
式Iの化合物を使用するとき、用量は、広い範囲内で変化することができ、そして慣用の通り、そして医師に知られているように、それぞれ個々の場合における個体状態に合わせることになっている。それは、例えば、使用する特定の化合物、治療する疾患の性質及び重症度、投与の方式及びスケジュール、又は急性若しくは慢性状態を治療するかどうか又は予防法を実施するかどうかに左右される。適切な用量は、当業者に知られている臨床アプローチを用いて確立することができる。一般に、体重約75kgの成人で所望の結果を達成するための日用量は、各場合、体重1kg当たりのmgにおいて約0.01mg/kgから約100mg/kgまで、好ましくは約0.1mg/kgから約50mg/kgまで、特に約0.1mg/kgから約10mg/kgまでである。日用量は、特に比較的大量投与の場合、いくつか、例えば2、3又は4回の部分投与に分けることができる。通常通り、個々の性状に応じて、示された日用量から上方又は下方に逸脱することが必要でありうる。
また、本発明の化合物は、SGK酵素の阻害に関与する試験又はアッセイにおける標準若しくは参照化合物として、例えば品質標準若しくは対照としても有用である。このような使用では、例えばSGK酵素に関与する薬学的研究において、化合物を、商業的なキットで提供してもよい。例えば、本発明の化合物は、その知られている活性を未知の活性を有する化合物と比較するアッセイにおいて対照基準として使用することができる。さらに、式Iの化合物は、他の化合物、特に他の薬学的活性化合物を製造するための合成中間体として使用することができ、それらは、例えば置換基の導入又は官能基の修飾によって式Iの化合物から得ることができる。
以下の実施例により、本発明を説明する。
実施例
実施例化合物の合成の最終工程でトリフルオロ酢酸又は酢酸のような酸を使用したとき、例えばトリフルオロ酢酸を使用して酸に不安定なtert−ブチル基を含む保護基を除去するとき、又はいくつかの場合、処理方法、例えば凍結乾燥過程の詳細に応じて、このような酸を含む溶離液を用いてクロマトグラフィによって化合物を精製したとき、化合物は、使用した酸の塩の形態、例えば酢酸塩若しくはトリフルオロ酢酸塩による塩の形態で部分的に又は完全に得られた。実施例化合物の名称及び構造式において、このように含まれるトリフルオロ酢酸又は酢酸は、明記されていない。
製造した化合物は、一般に分光学的データ及びクロマトグラフィのデータ、特に質量スペクトル(MS)及び/又は核磁気共鳴(NMR)スペクトルによって特徴づけた。NMR特性評価では、化学シフトδ((ppm)、ピークの水素原子(H)の数、結合定数J(Hz中)及び多重度(s:一重線、d:二重線、dd:二重の二重線、t:三重線、m:多重線;br:ブロード)を得た。MS特性評価では、使用したイオン化方法に応じて形成された分子イオン(M)又は関連イオン、例えばイオン(M+1))すなわちプロトン化された分子イオン(M+H)又はイオン(M−1)のピークの質量数(m/e)を得た。一般に、イオン化方法は、エレクトロスプレーイオン化(ESI+又はES−)であった。
略語
DCM ジクロロメタン
ジオキサン [1,4]ジオキサン
DMF N,N−ジメチルホルムアミド
DMSO ジメチルスルホキシド
EtOAc 酢酸エチル
iPrOH イソプロパノール
MeCN アセトニトリル
RT 室温(20℃〜25℃)
TFA トリフルオロ酢酸
実施例1:N−[4−(3−アミノ−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピラジン−6−イル)フェニル]−2,3−ジクロロ−ベンゼンスルホンアミド
Figure 2013063936
(i)2,3−ジクロロ−N−[4−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−フェニル]−ベンゼンスルホンアミド
磁気撹拌子を含む反応容器に2,3−ジクロロ−ベンゼンスルホニルクロリド(11.2g)及び4−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−フェニルアミン(10.0g)、続いて乾燥DCM200ml及びピリジン4.1mlを加えることによって表題化合物を製造した。反応混合物を室温で20時間撹拌した後、氷浴で冷却し、そして1M水酸化ナトリウム水溶液でクエンチした。有機相を分離し、そして水相を2M水性塩酸で酸性化し、そしてEtOAcで3回抽出した。合わせた有機相をブラインで洗浄し、そして硫酸ナトリウムで乾燥し、そして蒸発させて粗生成物を得た。溶離液としてEtOAc及びヘプタンの混合物を用いてシリカゲル上でフラッシュクロマトグラフィによって精製し、減圧下で溶媒を蒸発させた後、無色の固形物として2,3−ジクロロ−N−[4−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−フェニル]−ベンゼンスルホンアミドを得た。収量:15.11g(77%)
MS(ES):m/e=426.1(M−H)
(ii)2,3−ジクロロ−N−[4−(6−クロロ−5−シアノ−ピラジン−2−イル)フェニル]ベンゼンスルホンアミド
磁気撹拌子を含む反応容器に2,3−ジクロロ−N−[4−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−フェニル]−ベンゼンスルホンアミド(5.78g)を3,5−ジクロロ−ピラジン−2−カルボニトリル(2.35g)、1,1'−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン−パラジウム(II)ジクロリド(Pd(dppf)2Cl2)(791mg)及び炭酸セシウム(13.2g)と共に加え、続いてジオキサン100ml及び水10mlを加え、そして混合物を撹拌下で100℃に加熱した。3時間後、反応混合物を室温に冷却し、そして飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(100ml)でクエンチし、そしてEtOAc(3×200ml)で抽出した。合わせた水相を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、そして蒸発させて茶色の油として粗生成物を得た。溶離液としてEtOAc及びヘプタンの混合物を用いてシリカゲル上でフラッシュクロマトグラフィによって精製し、減圧下で溶媒を蒸発させた後、薄茶色の泡状物として2,3−ジクロロ−N−[4−(6−クロロ−5−シアノ−ピラジン−2イル)−フェニル]−ベンゼンスルホンアミドを得た。収量:4.32g(73%)
MS(ES):m/e=436.0(M−H)
(iii)N−[4−(3−アミノ−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピラジン−6−イル)フェニル]−2,3−ジクロロ−ベンゼンスルホンアミド
2,3−ジクロロ−N−[4−(6−クロロ−5−シアノ−ピラジン−2−イル)−フェニル]−ベンゼンスルホンアミド(1.0g)を室温でiPrOH5ml及び水中35%ヒドラジン5mlの混合物中に懸濁し、そして密閉容器中、撹拌下20分間マイクロ波照射によって120℃に加熱した。反応混合物を室温に冷却するにまかせた。沈殿を水で濾過し、そして洗浄し、真空下で乾燥した後、黄色固形物として表題化合物を得た。収量:536mg(54%)
1H-NMR (DMSO-d6): δ (ppm) = 5.67 (br s, 2H), 7.26 (d, J = 8.8 Hz, 2H), 7.58 (t,
J = 8.0 Hz, 1H), 7.93 (dd, J = 1.4, 8.0 Hz, 1H), 8.06 (d, J = 8.8 Hz, 2H), 8.11
(dd, J = 1.5, 8.0 Hz, 1H), 8.86 (s, 1H), 12.30 (s,1H)
MS(ES+):m/e=435.2(M+H),クロロパターン
実施例2:2,5−ジクロロ−N−[4−(1H−ピラゾロ[3,4−b]ピラジン−6−イル)フェニル]ベンゼンスルホンアミド塩酸塩
Figure 2013063936
(i)2,5−ジクロロ−N−[4−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−フェニル]−ベンゼンスルホンアミド
DCM100ml及びピリジン4ml中の4−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−フェニルアミン10gの溶液に、2,5−ジクロロ−ベンゼンスルホニルクロリド11.6gを加え、そして反応混合物を室温で16時間撹拌した。次いで、溶媒を減圧下で除去し、そしてn−ヘプタン/EtOAcの勾配で溶離してシリカゲル上のクロマトグラフィによって粗生成物を精製した。生成物を含む画分を合わせて溶媒を減圧下で蒸発させた。収量:17.9g
(ii)2,5−ジクロロ−N−[4−(6−クロロ−5−ホルミル−ピラジン−2−イル)−フェニル]−ベンゼンスルホンアミド
ジオキサン3.4ml及び水0.6ml中の3,5−ジクロロ−ピラジン−2−カルバルデヒド100mg、2,5−ジクロロ−N−[4−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−フェニル]−ベンゼンスルホンアミド241mg及び炭酸セシウム552mgの溶液をアルゴンでパージした。次いで、1,1'−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン−パラジウム(II)ジクロリド33mgを加え、そして反応混合物を100℃に加熱した。40分後、反応混合物を室温に冷却し、そして水で希釈した。EtOAcで溶離することによってchem elut(R)カートリッジを通して濾過した後、溶媒を減圧下で除去した。n−ヘプタン/EtOAcの勾配、そして最後にメタノールで溶離してシリカゲル上でクロマトグラフィによって粗生成物を精製した。生成物を含む画分を合わせて溶媒を減圧下で蒸発させた。収量:90mg
(iii)2,5−ジクロロ−N−[4−(1H−ピラゾロ[3,4−b]ピラジン−6−イル)フェニル]ベンゼンスルホンアミド
イソプロパノール0.7ml中の2,5−ジクロロ−N−[4−(6−クロロ−5−ホルミル−ピラジン−2−イル)−フェニル]−ベンゼンスルホンアミド90mgの溶液にヒドラジン溶液(イソプロパノール中35%)0.7mlを加え、そしてマイクロ波照射(Biotage Initiator TM 装置)を用いることによって反応混合物を120℃に20分間
加熱した。反応混合物を室温に冷却し、そして酢酸(20%)で希釈した。沈殿した生成物を濾過により集め、そして分取HPLC(C18逆相カラム,0.1%TFA入り水/MeCN勾配で溶離)によって精製した。生成物を含む画分を凍結乾燥して表題化合物をそのトリフルオロ酢酸との塩形態で固形物として得、それを水/アセトニトリル混合物1ml中に溶解した。1M水性塩酸0.5mlを加え、そして溶液を再び凍結乾燥して2,5−ジクロロ−N−[4−(1H−ピラゾロ[3,4−b]ピラジン−6−イル)フェニル]ベンゼンスルホンアミド塩酸塩の形態で表題化合物を得た。収量:5.2mg
MS(ES+):m/e=420.2(M+H),クロロパターン
実施例3:2,5−ジクロロ−N−[2−フルオロ−4−(1H−ピラゾロ[3,4−b]ピラジン−6−イル)フェニル]ベンゼンスルホンアミド塩酸塩
Figure 2013063936
(i)2,5−ジクロロ−N−[2−フルオロ−4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル]ベンゼンスルホンアミド
DCM17ml及びピリジン0.5ml中の2−フルオロ−4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)アニリン1.5gの溶液に、2,5−ジクロロ−ベンゼンスルホニルクロリド1.5gを加え、そして反応混合物を室温で16時間撹拌した。次いで、溶媒を減圧下で除去し、そしてn−ヘプタン/EtOAcの勾配で溶離してシリカゲル上でクロマトグラフィによって粗生成物を精製した。生成物を含む画分を合わせて溶媒を減圧下で蒸発させた。収量:2.2g
(ii)2,5−ジクロロ−N−[4−(6−クロロ−5−ホルミル−ピラジン−2−イル)−2−フルオロ−フェニル]ベンゼンスルホンアミド
ジオキサン3.4ml及び水0.6ml中の3,5−ジクロロ−ピラジン−2−カルバルデヒド100mg、2,5−ジクロロ−N−[2−フルオロ−4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル]ベンゼンスルホンアミド252mg及び炭酸セシウム552mgの溶液をアルゴンでパージした。次いで、1,1'−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン−パラジウム(II)ジクロリド33mgを加え、そして反応混合物を100℃に加熱した。6時間後、反応混合物を室温に冷却し、そして水で希釈した。EtOAcで溶離することによってchem elut(R)カートリッジを通して濾過した後、溶媒を減圧下で除去した。n−ヘプタン/EtOAc、そして最後にメタノールの勾配で溶離してシリカゲル上でクロマトグラフィによって粗生成物を精製した。生成物を含む画分を合わせて溶媒を減圧下で蒸発させた。収量:180mg
(iii)2,5−ジクロロ−N−[2−フルオロ−4−(1H−ピラゾロ[3,4−b]ピラジン−6−イル)フェニル]ベンゼンスルホンアミド
イソプロパノール0.9ml中の2,5−ジクロロ−N−[4−(6−クロロ−5−ホルミル−ピラジン−2−イル)−2−フルオロ−フェニル]ベンゼンスルホンアミド120mgの溶液にヒドラジン溶液(イソプロパノール中35%)0.9mlを加え、そしてマイクロ波照射(Biotage InitiatorTM装置)を用いることによって反応混合物を120℃に20分間加熱した。反応混合物を室温に冷却し、そして酢酸(20%)で希釈した。沈殿した生成物を濾過により集め、分取HPLC(C18逆相カラム,0.1%TFA入り水/MeCN勾配で溶離)によって粗生成物を精製した。生成物を含む画分を凍結乾燥して純粋な生成物をそのトリフルオロ酢酸との塩形態で固形物として得、それを水/アセトニトリル混合物1ml中に溶解した。1M水性塩酸0.5mlを加え、そして溶液を再び凍結乾燥して2,5−ジクロロ−N−[2−フルオロ−4−(1H−ピラゾロ[3,4−b]ピラジン−6−イル)フェニル]ベンゼンスルホンアミド塩酸塩の形態で表題化合物を得た。収量:2.2mg
MS(ES+):m/e=438.2(M+H),クロロパターン
実施例4:2,3−ジクロロ−N−[2−フルオロ−4−(1H−ピラゾロ[3,4−b]ピラジン−6−イル)−フェニル]−ベンゼンスルホンアミド
Figure 2013063936
2,5−ジクロロ−ベンゼンスルホニルクロリドの代わりに用いた2,3−ジクロロベンゼンスルホニルクロリドを使用して実施例3に記載された方法を適応させることによって表題化合物を製造した。
MS(ES+):m/e=438.1(M+H),クロロパターン
実施例5:N−[4−(3−アミノ−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピラジン−6−イル)フェニル]−2,5−ジクロロ−ベンゼンスルホンアミド
Figure 2013063936
出発物質として2,3−ジクロロ−ベンゼンスルホニルクロリドの代わりに2,5−ジクロロ−ベンゼンスルホニルクロリドを使用して実施例1に記載された方法に従って表題化合物を収率22%で製造した。以下の変更を行った。粗反応混合物を蒸発乾固し、DMF中に再溶解し、そして分取HPLC(C18逆相カラム,0.1%TFA入り水/MeCN勾配で溶離)によって精製した。生成物を含む画分を凍結乾燥して表題化合物をそのトリフルオロ酢酸との塩形態で得た。
1H-NMR (DMSO-d6): δ (ppm) = 7.28 (d, J = 8.8 Hz, 2H), 7.70 (d, J = 8.6 Hz, 1H),
7.75 (dd, J = 2.5, 8.6 Hz, 1H), 8.08 (d, J = 2.5 Hz, 1H), 8.09 (d, J = 8.8 Hz, 2H), 8.89 (s, 1H), 11.13 (s,1H)
MS(ES+):m/e=434.9(M+H),クロロパターン
実施例6:N−[4−(3−アミノ−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピラジン−6−イル)−2−フルオロ−フェニル]−5−クロロ−2−フルオロ−ベンゼンスルホンアミド
Figure 2013063936
出発物質として2,3−ジクロロ−ベンゼンスルホニルクロリドの代わりに5−クロロ−2−フルオロ−ベンゼンスルホニルクロリド、そして4−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−フェニルアミンの代わりに2−フルオロ−4−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−フェニルアミンを使用して実施例1に記載された方法に従って表題化合物を収率6%で製造した。以下の変更を行った。粗反応混合物を蒸発乾固し、DMF中に再溶解し、そして分取HPLC(C18逆相カラム,0.1%TFA入り水/MeCN勾配で溶離)によって精製した。生成物を含む画分を凍結乾燥して表題化合物をそのトリフルオロ酢酸との塩形態で得た。
MS(ES+):m/e=437.0(M+H),クロロパターン
実施例7:N−[4−(3−アミノ−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピラジン−6−イル)−2−フルオロ−フェニル]−2,5−ジクロロ−ベンゼンスルホンアミド
Figure 2013063936
出発物質として2,3−ジクロロ−ベンゼンスルホニルクロリドの代わりに2,5−ジクロロ−ベンゼンスルホニルクロリド、そして4−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−フェニルアミンの代わりに2−フルオロ−4−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−フェニルアミンを使用して実施例1に記載された方法に従って表題化合物を収率5%で製造した。以下の変更を行った。粗反応混合物を蒸発乾固し、DMF中に再溶解し、そして分取HPLC(C18逆相カラム,0.1%TFA入り水/MeCN勾配で溶離)によって精製した。生成物を含む画分を凍結乾燥して表題化合物をそのトリフルオロ酢酸との塩形態で得た。
MS(ES+):m/e=452.9(M+H),クロロパターン
実施例8:N−[4−(3−アミノ−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピラジン−6−イル)フェニル]−5−クロロ−2−ヒドラジノ−ベンゼンスルホンアミド
Figure 2013063936
N−[4−(3−アミノ−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピラジン−6−イル)フェニル]−5−クロロ−2−フルオロ−ベンゼンスルホンアミドの合成における副生物として表題生成物を単離した。
MS(ES+):m/e=431.0(M+H),クロロパターン
実施例9:N−[4−(3−アミノ−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピラジン−6−イル)−2−フルオロ−フェニル]−2,3−ジクロロ−ベンゼンスルホンアミド
Figure 2013063936
出発物質として4−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−フェニルアミンの代わりに2−フルオロ−4−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−フェニルアミンを使用して実施例1に記載された方法に従って表題化合物を収率4%で製造した。以下の変更を行った。粗反応混合物を蒸発乾固し、DMF中に再溶解し、そして分取HPLC(C18逆相カラム,0.1%TFA入り水/MeCN勾配で溶離)によって精製した。生成物を含む画分を凍結乾燥して表題化合物をそのトリフルオロ酢酸との塩形態で得た。
MS(ES+):m/e=452.9(M+H),クロロパターン
実施例10:2,3−ジクロロ−N−[4−(3−メチル−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピラジン−6−イル)フェニル]ベンゼンスルホンアミド
Figure 2013063936
(i)1−(3,5−ジクロロ−ピラジン−2−イル)−エタノール
磁気撹拌子を備えた反応容器中、アルゴン雰囲気下で3,5−ジクロロ−ピラジン−2−カルバルデヒド(5.0g)を乾燥テトラヒドロフラン(100ml)に溶解した。溶液を氷浴上で冷却した後、反応容器中の内部温度を5℃より下に保ちながらメチルマグネシウムブロミド溶液(テトラヒドロフラン中3M)10.3mlをゆっくり添加した。添加後、冷浴を除去し、反応混合物をさらに10分間撹拌した。次いで、反応混合物を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(100ml)でクエンチし、そしてEtOAc(3×200ml)で抽出した。合わせた水相を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、そして蒸発させて濃褐色の油として1−(3,5−ジクロロ−ピラジン−2−イル)−エタノールを得た。
収量:5.23g(96%)
(ii)1−(3,5−ジクロロ−ピラジン−2−イル)−エタノン
磁気撹拌子及びデス−マーチンペルヨージナン(1,1,1−トリス(アセチルオキシ)−1,1−ジヒドロ−1,2−ベンゾヨードキソール−3−(1H)−オン)溶液(DCM中15%)80.7mlを含む反応容器中、工程(i)で得た1−(3,5−ジクロロ−ピラジン−2−イル)−エタノール5gを、室温で乾燥DCM(100ml)に溶解し、そして混合物を30分間撹拌した後、反応を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(100ml)でクエンチし、そしてEtOAc(3×200ml)で抽出した。合わせた有機相を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過しそして蒸発させて茶色の油として粗生成物を得た。溶離液としてEtOAc及びヘプタンの混合物を用いてシリカゲル上でフラッシュクロマトグラフィによって精製し、減圧下で溶媒を蒸発させた後、無色の油として1−(3,5−ジクロロ−ピラジン−2−イル)−エタノンを得た。収量:1.9g(38%)
(iii)N−[4−(5−アセチル−6−クロロ−ピラジン−2−イル)−フェニル]−2,3−ジクロロ−ベンゼンスルホンアミド
磁気撹拌子を含む反応容器に1−(3,5−ジクロロ−ピラジン−2−イル)−エタノン(200mg)及び実施例1中のように製造した2,3−ジクロロ−N−[4−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−フェニル]−ベンゼンスルホンアミド(448.3mg)を、1,1'−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン−パラジウム(II)ジクロリド(61mg)及び炭酸セシウム(1.0g)と共に加え、続いてジオキサン9ml及び水1mlを加え、そして混合物を撹拌下で100℃に加熱した。2時間後、反応混合物を室温に冷却し、そして飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(30ml)でクエンチし、そしてEtOAc(3×30ml)で抽出した。合わせた有機相を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、そして蒸発させて茶色の油として粗生成物を得た。溶離液としてEtOAc及びヘプタンの混合物を用いてシリカゲル上でフラッシュクロマトグラフィによって精製し、減圧下で溶媒を蒸発させた後、無色の固形物としてN−[4−(5−アセチル−6−クロロ−ピラジン−2−イル)−フェニル]−2,3−ジクロロ−ベンゼンスルホンアミドを得た。収量:230mg(48%)
(iv)2,3−ジクロロ−N−[4−(3−メチル−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピラジン−6−イル)フェニル]ベンゼンスルホンアミド
N−[4−(5−アセチル−6−クロロ−ピラジン−2−イル)−フェニル]−2,3−ジクロロ−ベンゼンスルホンアミド(230mg)を室温でiPrOH2ml及び水中35%ヒドラジン2mlの混合物中に懸濁し、そして密閉容器中、撹拌下で20分間マイクロ波照射(Biotage Initiator TM装置)によって120℃に加熱した。反応混合物を室温に冷却するにまかせ、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(10ml)でクエンチし、そしてEtOAc(3×30ml)で抽出した。合わせた有機相を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、そして蒸発させて粗生成物を得た。アセトン−水混合物からの再結晶によって精製し、真空下で乾燥した後、淡黄色の固形物として表題化合物を得た。収量:81.6mg(38%)
1H-NMR (DMSO-d6): δ (ppm) = 2.54 (s, 3H), 7.28 (d, J = 8.8 Hz, 2H), 7.59 (t, J = 8.0 Hz, 1H), 7.94 (dd, J = 1.5, 8.1 Hz, 1H), 8.10 (d, J = 8.8 Hz, 2H), 8.13 (dd, J = 1.5, 8.0 Hz, 1H), 9.07 (s, 1H), 11.18 (s, 1H), 13.57 (s,1H)
MS(ES+):m/e=434.0(M+H),クロロパターン
実施例11:2,5−ジクロロ−N−[4−(3−メチル−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピラジン−6−イル)フェニル]ベンゼンスルホンアミド
Figure 2013063936
出発物質として2,3−ジクロロ−ベンゼンスルホニルクロリドの代わりに2,5−ジクロロ−ベンゼンスルホニルクロリドを使用して実施例10に記載された方法に従って表題化合物を収率5%で製造した。以下の変更を行った。粗反応混合物を蒸発乾固し、DMF中に再溶解し、そして分取HPLC(C18逆相カラム,0.1%TFA入り水/MeCN勾配で溶離)によって精製した。生成物を含む画分を凍結乾燥して表題化合物をそのトリフルオロ酢酸との塩形態で得た。
1H-NMR (DMSO-d6):δ (ppm) = 2.55 (s, 3H), 7.29 (d, J = 8.8 Hz, 2H), 7.70 (d, J =
8.5 Hz, 1H), 7.76 (dd, J = 2.5, 8.5 Hz, 1H), 8.09 (d, J = 2.5 Hz, 1H), 8.12 (d,
J = 8.8 Hz, 2H), 9.08 (s, 1H), 11.17 (s, 1H), 13.57 (br,1H)
MS(ES+):m/e=434.1(M+H),クロロパターン
実施例12:5−クロロ−2−フルオロ−N−[4−(3−メチル−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピラジン−6−イル)フェニル]ベンゼンスルホンアミド
Figure 2013063936
出発物質として2,3−ジクロロ−ベンゼンスルホニルクロリドの代わりに5−クロロ−2−フルオロ−ベンゼンスルホニルクロリドを使用して実施例10に記載された方法に従って表題化合物を収率9%で製造した。以下の変更を行った。粗反応混合物を蒸発乾固し、DMF中に再溶解し、そして分取HPLC(C18逆相カラム,0.1%TFA入り水/MeCN勾配で溶離)によって精製した。生成物を含む画分を凍結乾燥して表題化合物をそのトリフルオロ酢酸との塩形態で得た。
1H-NMR (DMSO-d6): δ (ppm) = 2.55 (s, 3H), 7.31 (d, J = 8.6 Hz, 2H), 7.53 (dd, J
= 8.6, 9.2 Hz, 1H), 7.80 (m, 1H), 7.89 (dd, J = 2.7, 6.0 Hz, 1H), 8.14 (d, J = 8.6 Hz, 2H), 9.09 (s, 1H), 11.15 (s, 1H), 13.58 (br,1H)
MS(ES+):m/e=418.1(M+H),クロロパターン
実施例13:5−クロロ−2−シアノ−N−[4−(3−メチル−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピラジン−6−イル)フェニル]ベンゼンスルホンアミド
Figure 2013063936
(i)[4−(5−アセチル−6−クロロ−ピラジン−2−イル)−フェニル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル
磁気撹拌子を含む反応容器に、実施例10に記載されたように製造した1−(3,5−ジクロロ−ピラジン−2−イル)−エタノン(2.2g)、及び(4−tert−ブトキシカルボニル−アミノフェニル)ボロン酸(2.7g)を、1,1'−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン−パラジウム(II)ジクロリド(674mg)及び炭酸セシウム(11.2g)と共に加え、続いてジオキサン100ml及び水10mlを加え、そして混合物を撹拌下で100℃に加熱した。1時間後、反応混合物を室温に冷却し、そして飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(50ml)でクエンチし、そしてEtOAc(3×100ml)で抽出した。合わせた有機相を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、そして蒸発させて濃褐色の油として粗生成物を得た。溶離液としてEtOAc及びヘプタンの混合物を用いてシリカゲル上でフラッシュクロマトグラフィによって精製し、減圧下で溶媒を蒸発させた後、無色の固形物として[4−(5−アセチル−6−クロロ−ピラジン−2−イル)−フェニル]−カルバミン酸tert−ブチルエステルを得た。収量:2.44g(61%)mg
(ii)[4−(3−メチル−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピラジン−6−イル)−フェニル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル
[4−(5−アセチル−6−クロロ−ピラジン−2−イル)−フェニル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル(2.18g)を室温でiPrOH 21ml及び水中35%ヒドラジン21mlの混合物中に懸濁し、そして密閉容器中、撹拌下で20分間マイクロ波照射によって120℃に加熱した。反応混合物を室温に冷却するにまかせ、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(10ml)でクエンチし、そしてEtOAc(3×30ml)で抽出した。合わせた有機相を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、そして蒸発させて粗生成物を得た。沸騰EtOAc中での摩砕及びその後の濾過によって精製して黄色固形物として[4−(3−メチル−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピラジン−6−イル)−フェニル]−カルバミン酸tert−ブチルエステルを得た。収量:1.42g(70%)
(iii)5−クロロ−2−シアノ−N−[4−(3−メチル−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピラジン−6−イル)フェニル]ベンゼンスルホンアミド
磁気撹拌子及び[4−(3−メチル−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピラジン−6−イル)−フェニル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル179mgを含む反応容器にジオキサン溶液中の4N塩化水素3mlを加え、そして混合物を室温で撹拌した。2時間後、反応混合物を減圧下で蒸発乾固し、そして残留物をピリジン3ml中に再溶解し、そして5−クロロ−2−シアノ−ベンゼンスルホニルクロリド131mgを加え、そして混合物を密閉容器中で100℃に加熱した。30分後、反応混合物を冷却し、そして蒸発乾固し、DMF中に再溶解し、そして分取HPLC(C18逆相カラム,0.1%TFA入り水/MeCN勾配で溶離)によって精製した。生成物を含む画分を凍結乾燥して表題化合物をそのトリフルオロ酢酸との塩形態で得た。収量:24mg(10%)
1H-NMR (DMSO-d6):δ (ppm) = 2.55 (s, 3H), 7.31 (d, J = 8.8 Hz, 2H), 7.97 (dd, J = 2.2, 8.3 Hz, 1H), 8.11 (d, J = 2.2 Hz, 1H), 8.14 (d, J = 8.3 Hz, 1H), 8.16 (d,
J = 8.8 Hz, 2H), 9.10 (s, 1H), 11.25 (s, 1H), 13.58 (br,1H)
MS(ES+):m/e=425.2(M+H),クロロパターン
実施例14:2−シアノ−5−メチル−N−[4−(3−メチル−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピラジン−6−イル)フェニル]ベンゼンスルホンアミド
Figure 2013063936
出発物質として5−クロロ−2−シアノ−ベンゼンスルホニルクロリドの代わりに2−シアノ−5−メチル−ベンゼンスルホニルクロリドを使用して実施例13に記載された方法に従って表題化合物を収率21%で製造した。
1H-NMR (DMSO-d6): δ (ppm) = 2.47 (s, 3H), 2.55 (s, 3H), 7.29 (d, J = 8.7 Hz, 2H), 7.32 (d, J = 8.6 Hz, 1H), 7.46-7.51 (m, 1H), 7.72 (dd, J = 2.1, 7.1 Hz, 1H), 8.10 (d, J = 8.7 Hz, 2H), 9.07 (s, 1H), 10.93 (s, 1H), 13.55 (br,1H)
MS(ES+):m/e=405.3(M+H)
実施例15:2−フルオロ−5−メチル−N−[4−(3−メチル−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピラジン−6−イル)フェニル]ベンゼンスルホンアミド
Figure 2013063936
出発物質として5−クロロ−2−シアノ−ベンゼンスルホニルクロリドの代わりに2−フルオロ−5−メチル−ベンゼンスルホニルクロリドを使用して実施例13に記載された方法に従って表記化合物を収率14%で製造した。
1H-NMR (DMSO-d6): δ (ppm) = 2.34 (s, 3H), 2.55 (s, 3H), 7.31 (d, J = 8.6 Hz, 2H), 7.53 (dd, J = 8.6, 9.2 Hz, 1H), 7.80 (m, 1H), 7.89 (dd, J = 2.7, 6.0 Hz, 1H), 8.14 (d, J = 8.6 Hz, 2H), 9.09 (s, 1H), 11.15 (s, 1H), 13.58 (br,1H)
MS(ES+):m/e=398.2(M+H)
実施例16
2−クロロ−5−メトキシ−N−[4−(3−メチル−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピラジン−6−イル)フェニル]ベンゼンスルホンアミド
Figure 2013063936
出発物質として5−クロロ−2−シアノ−ベンゼンスルホニルクロリドの代わりに2−クロロ−5−メトキシ−ベンゼンスルホニルクロリドを使用して実施例13に記載された方法に従って表題化合物を収率14%で製造した。
1H-NMR (DMSO-d6): δ (ppm) = 2.54 (s, 3H), 3.82 (s, 3H), 7.21 (dd, J = 3.1, 8.7 Hz, 1H), 7.29 (d, J = 8.8 Hz, 2H), 7.54 (d, J = 8.7 Hz, 1H), 7.59 (d, J = 3.1 Hz, 1H), 8.10 (d, J = 8.8 Hz, 2H), 9.07 (s, 1H), 10.99 (s, 1H), 13.55 (br,1H)
MS(ES+):m/e=430.2(M+H),クロロパターン
実施例17:N−[4−(3−アミノ−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピラジン−6−イル)フェニル]−2−シアノ−5−メチル−ベンゼンスルホンアミド
Figure 2013063936
(i)[4−(6−クロロ−5−シアノ−ピラジン−2−イル)−フェニル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル
磁気撹拌子を含む反応容器に(4−tert−ブトキシカルボニル−アミノフェニル)ボロン酸ピナコールエステル(8.26g)を3,5−ジクロロ−ピラジン−2−カルボニトリル(5.0g)、1,1'−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン−パラジウム(II)ジクロリド(1.68g)及び炭酸セシウム(28.1g)と共に加え、続いてジオキサン100ml及び水10mlを加え、そして混合物を撹拌下で100℃に加熱した。1時間後、反応混合物を室温に冷却し、そして飽和炭酸水素ナトリウム溶液(100ml)でクエンチし、そしてEtOAc(3×200ml)で抽出した。合わせた有機相を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、そして蒸発させて茶色の油として粗生成物を得、溶離液としてEtOAc及びヘプタンの混合物を用いてシリカゲル上でフラッシュクロマトグラフィによってそれを精製した。得られた生成物をメチル−tert−ブチルエーテルから再結晶させ、真空下で乾燥した後、淡黄色の固形物として[4−(6−クロロ−5−シアノ−ピラジン−2−イル)−フェニル]−カルバミン酸tert−ブチルエステルを得た。収量:6.92g(73%)
(ii)[4−(3−アミノ−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピラジン−6−イル)−フェニル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル
[4−(6−クロロ−5−シアノ−ピラジン−2−イル)−フェニル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル(1.0g)を室温でiPrOH10ml及び水中35%ヒドラジン10mlの混合物中に懸濁し、そして密閉容器中、撹拌下で70分間マイクロ波照射によって120℃に加熱した。反応混合物を室温に冷却するにまかせ、そして沈殿を濾過し、そして水で洗浄し、真空下で乾燥した後、黄色固形物として[4−(3−アミノ−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピラジン−6−イル)−フェニル]−カルバミン酸tert−ブチルエステルを得た。収量:815mg(83%)
(iii)N−[4−(3−アミノ−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピラジン−6−イル)フェニル]−2−シアノ−5−メチル−ベンゼンスルホンアミド
磁気撹拌子及び[4−(3−アミノ−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピラジン−6−イル)−フェニル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル180mgを含む反応容器にジオキサン溶液中の4N塩化水素3mlを加え、そして混合物を室温で撹拌した。2時間後、反応混合物を減圧下で蒸発乾固し、そして残留物をピリジン3ml中に再溶解し、そして2−シアノ−5−メチル−ベンゼンスルホニルクロリド131mgを加え、そして混合物を密閉容器中で100℃に加熱した。1時間後、反応混合物を冷却し、そして蒸発乾固し、DMF中に再溶解し、そして分取HPLC(C18逆相カラム,0.1%TFA入り水/MeCN勾配で溶離)によって精製した。生成物を含む画分を凍結乾燥して表題化合物をその形態又はそのトリフルオロ酢酸塩との塩形態で得た。収量:58mg(20%)
MS(ES+):m/e=406.2(M+H)
実施例18:N−[4−(3−アミノ−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピラジン−6−イル)フェニル]−2−クロロ−5−メトキシ−ベンゼンスルホンアミド
Figure 2013063936
出発物質として2−シアノ−5−メチル−ベンゼンスルホニルクロリドの代わりに2−クロロ−5−メトキシ−ベンゼンスルホニルクロリドを使用して実施例17に記載された方法に従って表題化合物を収率22%で製造した。
1H-NMR (DMSO-d6): δ (ppm) = 3.82 (s, 3H), 7.22 (dd, J = 3.0, 8.7 Hz, 1H), 7.27 (d, J = 8.8 Hz, 2H), 7.55 (d, J = 8.7 Hz, 1H), 7.58 (d, J = 3.1 Hz, 1H), 8.07 (d, J = 8.8 Hz, 2H), 8.87 (s, 1H), 10.98 (s, 1H), 13.52 (br,1H)
MS(ES+):m/e=431.1(M+H),クロロパターン
実施例19:N−[4−(3−アミノ−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピラジン−6−イル)フェニル]−2−フルオロ−5−メチル−ベンゼンスルホンアミド
Figure 2013063936
DCM4ml中の6−(4−アミノ−フェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピラジン−3−イルアミン塩酸塩500mg及び2−フルオロ−5−メチル−ベンゼンスルホニルクロリド397mgの溶液にピリジン0.16mlを加え、そして反応混合物を室温で16時間撹拌した。次いで、溶媒を減圧下で除去した。そしてn−ヘプタン/EtOAcの勾配で溶離してシリカゲル上でクロマトグラフィによって粗生成物を精製した。生成物を含む画分を合わせて溶媒を減圧下で蒸発させた。収量:220mg
MS(ES+):m/e=399.2(M+H)
実施例20:N−[4−(3−アミノ−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピラジン−6−イル)−フェニル]−5−クロロ−2−シアノ−ベンゼンスルホンアミド
Figure 2013063936
出発物質として2−シアノ−5−メチル−ベンゼンスルホニルクロリドの代わりに5−クロロ−2−シアノベンゼンスルホニルクロリドを使用して実施例17に記載された方法に従って表題化合物を製造した。
MS(ES+):m/e=426.1(M+H),クロロパターン
実施例21:N−[4−(3−アミノ−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピラジン−6−イル)フェニル]−2,5−ジクロロ−チオフェン−3−スルホンアミド
Figure 2013063936
2−フルオロ−5−メチル−ベンゼンスルホニルクロリドの代わりに2,5−ジクロロチオフェン−3−スルホニルクロリドを使用して実施例19に記載された方法を適応させることによって表題化合物を製造した。
1H-NMR (DMSO-d6): δ (ppm) = 7.30 (d, J = 8.8 Hz, 2H), 7.41 (s, 1H), 8.14 (d, J = 8.8 Hz, 2H), 8.91 (s, 1H), 11.07 (s, 1H), 12.3 (br,1H)
MS(ES+):m/e=441.1(M+H),クロロパターン
実施例22:N−[4−(3−アミノ−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピラジン−6−イル)フェニル]−8−クロロ−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[b][1,4]ジオキセピン−7−スルホンアミド
Figure 2013063936
2−フルオロ−5−メチル−ベンゼンスルホニルクロリドの代わりに8−クロロ−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[b][1,4]ジオキセピン−7−スルホニルクロリドを使用して実施例19に記載された方法を適応させることによって表題化合物を製造した。1H-NMR (DMSO-d6): δ (ppm) = 2.13 (t, J = 5.6 Hz, 2H), 4.20 (t, J = 5.6 Hz, 2H), 4.25 (t, J = 5.6 Hz, 2H), 7.21 (s, 1H), 7.25 (d, J = 8.8 Hz, 2H), 7.60 (s, 1H), 8.07 (d, J = 8.8 Hz, 2H), 8.87 (s, 1H), 10.89 (s, 1H), 12.33 (br,1H)
MS(ES+):m/e=473.2(M+H),クロロパターン
実施例23:N−[4−(3−アミノ−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピラジン−6−イル)フェニル]−5−クロロ−1,3−ジメチル−ピラゾール−4−スルホンアミド
Figure 2013063936
2−フルオロ−5−メチル−ベンゼンスルホニルクロリドの代わりに5−クロロ−1,3−ジメチル−ピラゾール−4−スルホニルクロリドを使用して実施例19に記載された方法を適応させることによって表題化合物を製造した。
1H-NMR (DMSO-d6): δ (ppm) = 2.30 (s, 3H), 3.72 (s, 3H), 7.25 (d, J = 8.8 Hz, 2H), 8.09 (d, J = 8.8 Hz, 2H), 8.90 (s, 1H), 10.81 (s, 1H), 12.30 (br,1H)
MS(ES+):m/e=419.1(M+H),クロロパターン
実施例24:2,3−ジクロロ−N−[6−[4−[(2−フルオロ−5−メチル−フェニル)ス3ルホニルアミノ]フェニル]−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピラジン−3−イル]ベンズアミド
Figure 2013063936
(i)N−[4−(3−アミノ−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピラジン−6−イル)フェニル]−2−フルオロ−5−メチル−ベンゼンスルホンアミド
DCM4ml中の6−(4−アミノ−フェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピラジン−3−イルアミン塩酸塩500mg及び2−フルオロ−5−メチル−ベンゼンスルホニルクロリド397mgの溶液にピリジン0.16mlを加え、そして反応混合物を室温で16時間撹拌した。次いで、溶媒を減圧下で除去し、そしてn−ヘプタン/EtOAcの勾配で溶離してシリカゲル上でクロマトグラフィによって粗生成物を精製した。生成物を含む画分を合わせて溶媒を減圧下で蒸発させた。収量:220mg
(ii)2,3−ジクロロ−N−[6−[4−[(2−フルオロ−5−メチル−フェニル)スルホニルアミノ]フェニル]−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピラジン−3−イル]ベンズアミド
ピリジン0.5ml中のN−[4−(3−アミノ−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピラジン−6−イル)フェニル]−2−フルオロ−5−メチル−ベンゼンスルホンアミド70mgの溶液に2,3−ジクロロ−ベンゾイルクロリド13mgを加え、そして反応混合物を室温で16時間撹拌した。次いで、反応混合物を水で希釈し、そしてEtOAcで溶離することによってchem elut(R)カートリッジを通して濾過した。減圧下で溶媒を除去した後、分取HPLC(C18逆相カラム,0.1%TFA入り水/MeCN勾配で溶離)によって粗生成物を精製した。生成物を含む画分を凍結乾燥して表題化合物をそのトリフルオロ酢酸との塩形態で得た。収量:5mg。
1H-NMR (DMSO-d6): δ (ppm) = 2.33 (s, 3H), 7.29 (d, J = 8.8 Hz, 2H), 7.32 (m, 1H), 7.48 (m, 1H), 7.62 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 7.73 (m, 1H), 7.80 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 7.98 (d, J = 8.8 Hz, 2H), 9.29 (s, 1H), 10.95 (s, 1H), 12.40 (br,1H)
MS(ES+):m/e=571.3(M+H),クロロパターン
実施例25:N−[6−[4−[(2−フルオロ−5−メチル−フェニル)スルホニルアミノ]フェニル]−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピラジン−3−イル]テトラヒドロピラン−4−カルボキサミド
Figure 2013063936
2,3−ジクロロ−ベンゾイルクロリドの代わりにテトラヒドロピラン−4−カルボニルクロリドを使用して実施例24に記載された方法を適応させることによって表題化合物を製造した。
MS(ES+):m/e=511.2(M+H)
実施例26:N−[6−[4−[(2−フルオロ−5−メチル−フェニル)スルホニルアミノ]フェニル]−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピラジン−3−イル]ピペリジン−4−カルボキサミド
Figure 2013063936
2,3−ジクロロ−ベンゾイルクロリドの代わりにピペリジン−4−カルボニルクロリドを使用して実施例24に記載された方法を適応させることによって表題化合物を製造した。
MS(ES+):m/e=510.3(M+H)
実施例27:N−[6−[4−[(2−フルオロ−5−メチル−フェニル)スルホニルアミノ]フェニル]−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピラジン−3−イル]シクロペンタンカルボキサミド
Figure 2013063936
2,3−ジクロロ−ベンゾイルクロリドの代わりにシクロペンタンカルボニルクロリドを使用して実施例24に記載された方法を適応させることによって表題化合物を製造した。
MS(ES):m/e=493.4(M−H)
実施例28:N−[6−[4−[(2−フルオロ−5−メチル−フェニル)スルホニルアミノ]フェニル]−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピラジン−3−イル]シクロプロパンカルボキサミド
Figure 2013063936
2,3−ジクロロ−ベンゾイルクロリドの代わりにシクロプロパンカルボニルクロリドを使用して実施例24に記載された方法を適応させることによって表題化合物を製造した。
MS(ES+):m/e=467.3(M+H)
実施例29:N−[6−[4−[(2−フルオロ−5−メチル−フェニル)スルホニルアミノ]フェニル]−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピラジン−3−イル]シクロヘキサンカルボキサミド
Figure 2013063936
2,3−ジクロロ−ベンゾイルクロリドの代わりにシクロヘキサンカルボニルクロリドを使用して実施例24に記載された方法を適応させることによって表題化合物を製造した。
MS(ES+):m/e=509.4(M+H)
実施例30:N−[6−[4−[(2−フルオロ−5−メチル−フェニル)スルホニルアミノ]フェニル]−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピラジン−3−イル]−2−フェニル−アセトアミド
Figure 2013063936
2,3−ジクロロ−ベンゾイルクロリドの代わりに2−フェニルアセチルクロリドを使用して実施例24に記載された方法を適応させることによって表題化合物を製造した。
MS(ES+):m/e=517.4(M+H)
実施例31:N−[6−[4−[(2−フルオロ−5−メチル−フェニル)スルホニルアミノ]フェニル]−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピラジン−3−イル]チオフェン−3−カルボキサミド
Figure 2013063936
2,3−ジクロロ−ベンゾイルクロリドの代わりにチオフェン−3−カルボニルクロリドを使用して実施例24に記載された方法を適応させることによって表題化合物を製造した。
MS(ES+):m/e=509.3(M+H)
実施例32:4−クロロ−N−[6−[4−[(2−フルオロ−5−メチル−フェニル)スルホニルアミノ]フェニル]−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピラジン−3−イル]ベンズアミド
Figure 2013063936
2,3−ジクロロ−ベンゾイルクロリドの代わりに4−クロロ−ベンゾイルクロリドを使用して実施例24に記載された方法を適応させることによって表題化合物を製造した。MS(ES+):m/e=537.3(M+H),クロロパターン
実施例33:N−[4−(3−アミノ−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピラジン−6−イル)フェニル]ナフタレン−1−スルホンアミド
Figure 2013063936
2−フルオロ−5−メチル−ベンゼンスルホニルクロリドの代わりにナフタレン−1−スルホニルクロリドを使用して実施例19に記載された方法を適応させることによって表題化合物を製造した。
MS(ES+):m/e=417.2(M+H)
実施例34:N−[4−(3−アミノ−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピラジン−6−イル)フェニル]−2,4,6−トリクロロ−ベンゼンスルホンアミド
Figure 2013063936
2−フルオロ−5−メチル−ベンゼンスルホニルクロリドの代わりに2,4,6−トリクロロベンゼンスルホンアミドを使用して実施例19に記載された方法を適応させることによって表題化合物を製造した。
MS(ES+):m/e=470.1(M+H),クロロパターン
実施例35:N−[4−(3−アミノ−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピラジン−6−イル)フェニル]−5−クロロ−2−フルオロ−ベンゼンスルホンアミド
Figure 2013063936
出発物質として2,3−ジクロロ−ベンゼンスルホニルクロリドの代わりに5−クロロ−2−フルオロ−ベンゼンスルホニルクロリドを使用して実施例1に記載された方法を適応させることによって表題化合物を製造した。以下の変更を行った。粗反応混合物を蒸発乾固し、DMF中に再溶解し、そして分取HPLC(C18逆相カラム,0.1%TFA入り水/MeCN勾配で溶離)によって精製した。生成物を含む画分を凍結乾燥して表題化合物をそのトリフルオロ酢酸との塩形態で得た。
1H-NMR (DMSO-d6): δ (ppm) = 7.27 (d, J = 8.8 Hz, 2H), 7.55 (t, J = 8.7 Hz, 1H),
7.81 (m, 1H), 7.88 (m, 1H), 8.10 (d, J = 8.8 Hz, 2H), 8.91 (s, 1H), 11.10 (s, 1H)
MS(ES+):m/e=419.0(M+H),クロロパターン
実施例36:N−[4−(3−アミノ−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピラジン−6−イル)フェニル]−2−クロロ−4−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホンアミド
Figure 2013063936
2−フルオロ−5−メチル−ベンゼンスルホニルクロリドの代わりに2−クロロ−4−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホニルクロリドを使用して実施例19に記載された方法を適応させることによって表題化合物を製造した。
MS(ES+):m/e=469.2(M+H),クロロパターン
実施例37:N−[4−(3−アミノ−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピラジン−6−イル)フェニル]−2,4,5−トリフルオロ−ベンゼンスルホンアミド
Figure 2013063936
2−フルオロ−5−メチル−ベンゼンスルホニルクロリドの代わりに2,4,5−トリフルオロ−ベンゼンスルホニルクロリドを使用して実施例19に記載された方法を適応させることによって表題化合物を製造した。
MS(ES+):m/e=421.1(M+H)
実施例38:N−[4−(3−アミノ−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピラジン−6−イル)フェニル]−2,4,5−トリクロロ−ベンゼンスルホンアミド
Figure 2013063936
2−フルオロ−5−メチル−ベンゼンスルホニルクロリドの代わりに2,4,5−トリクロロ−ベンゼンスルホニルクロリドを使用して実施例19に記載された方法を適応させることによって表題化合物を製造した。
1H-NMR (DMSO-d6): δ (ppm) = 7.28 (d, J = 8.6 Hz, 2H), 8.09 (d, J = 8.6 Hz, 2H),
8.24 (s, 1H), 8.87 (s, 1H), 11.18 (s, 1H), 12.30 (br,1H)
MS(ES+):m/e=469.0(M+H),クロロパターン
実施例39:N−[4−(3−アミノ−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピラジン−6−イル)フェニル]−5−クロロ−2,4−ジフルオロ−ベンゼンスルホンアミド
Figure 2013063936
2−フルオロ−5−メチル−ベンゼンスルホニルクロリドの代わりに5−クロロ−2,4−ジフルオロ−ベンゼンスルホニルクロリドを使用して実施例19に記載された方法を適応させることによって表題化合物を製造した。
1H-NMR (DMSO-d6): δ (ppm) = 7.29 (d, J = 8.6 Hz, 2H), 7.84 (t, J = 9.4 Hz, 1H),
8.10 (d, J = 8.8 Hz, 2H), 8.90 (s, 1H), 11.14 (s, 1H), 12.30 (br,1H)
MS(ES+):m/e=437.1(M+H),クロロパターン
実施例40:N−[4−(3−アミノ−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピラジン−6−イル)フェニル]−2,3,4−トリクロロ−ベンゼンスルホンアミド)
Figure 2013063936
2−フルオロ−5−メチル−ベンゼンスルホニルクロリドの代わりに2,3,4−トリクロロ−ベンゼンスルホニルクロリドを使用して実施例19に記載された方法を適応させることによって表題化合物を製造した。
MS(ES+):m/e=470.9(M+H),クロロパターン
実施例41:N−[4−(3−アミノ−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピラジン−6−イル)フェニル]−2,3,4−トリフルオロ−ベンゼンスルホンアミド
Figure 2013063936
2−フルオロ−5−メチル−ベンゼンスルホニルクロリドの代わりに2,3,4−トリフルオロ−ベンゼンスルホニルクロリドを使用して実施例19に記載された方法を適応させることによって表題化合物を製造した。
MS(ES+):m/e=421.2(M+H)
実施例42:5−クロロ−N−[4−[3−[(5−クロロ−2,4−ジフルオロ−フェニル)スルホニルアミノ]−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピラジン−6−イル]フェニル]−2,4−ジフルオロ−ベンゼンスルホンアミド
Figure 2013063936
N−[4−(3−アミノ−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピラジン−6−イル)−フェニル]−5−クロロ−2,4−ジフルオロ−ベンゼンスルホンアミドの合成における副生物として表題生成物を単離した。
MS(ES+):m/e=647.1(M+H),クロロパターン。
実施例43:5−クロロ−N−[4−[3−[(5−クロロ−1,3−ジメチル−ピラゾール−4−イル)スルホニルアミノ]−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピラジン−6−イル]フェニル]−1,3−ジメチル−ピラゾール−4−スルホンアミド
Figure 2013063936
5−クロロ−1,3−ジメチル−1H−ピラゾール−4−スルホン酸[4−(3−アミノ−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピラジン−6−イル)−フェニル]−アミドの合成における副生物として表題生成物を単離した。
MS(ES+):m/e=611.1(M+H),クロロパターン
実施例44:2,4,5−トリフルオロ−N−[4−[3−[(2,4,5−トリフルオロフェニル)スルホニルアミノ]−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピラジン−6−イル]フェニル]ベンゼンスルホンアミド
Figure 2013063936
N−[4−(3−アミノ−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピラジン−6−イル)−フェニル]−2,4,5−トリフルオロ−ベンゼンスルホンアミドの合成における副生物として表題生成物を単離した。
MS(ES+):m/e=615.1(M+H)
実施例45:N−[4−(3−アミノ−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピラジン−6−イル)−フェニル]−5−シアノ−2−フルオロ−ベンゼンスルホンアミド
Figure 2013063936
出発物質として2−シアノ−5−メチル−ベンゼンスルホニルクロリドの代わりに5−シアノ−2−フルオロ−ベンゼンスルホニルクロリドを使用して実施例17に記載された方法に従って表題化合物を収率11%で製造した。
1H-NMR (DMSO-d6): δ (ppm) = 5.70 (br s, 3H), 7.29 (d, J = 8.7 Hz, 2H), 7.71 (m,
1H), 8.07 (d, J = 8.7 Hz, 2H), 8.25 (m, 1H), 8.40 (dd, J = 1.9, 6.5 Hz, 1H), 8.88 (s, 1H), 11.22 (s, 1H), 12.32 (s,1H)
MS(ES+):m/e=410.2(M+H)
実施例46:N−[4−(3−アミノ−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピラジン−6−イル)−フェニル]−2−シアノ−5−メトキシ−ベンゼンスルホンアミド
Figure 2013063936
出発物質として2−シアノ−5−メチル−ベンゼンスルホニルクロリドの代わりに2−シアノ−5−メトキシ−ベンゼンスルホニルクロリドを使用して実施例17に記載された方法に従って表題化合物を収率15%で製造した。
1H-NMR (DMSO-d6): δ (ppm) = 3.89 (s, 3H), 5.70 (br s, 3H), 7.29 (d, J = 8.8 Hz,
2H), 7.36 (dd, J = 2.5, 8.6 Hz, 1H), 7.54 (d, J = 2.5 Hz, 1H), 8.02 (d, J = 8.6 Hz, 1H), 8.10 (d, J = 8.8 Hz, 2H), 8.88 (s, 1H), 11.13 (s, 1H), 12.32 (s,1H)
MS(ES+):m/e=422.3(M+H)
実施例47:N−[4−(3−アミノ−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピラジン−6−イル)−フェニル]−2−シアノ−5−フルオロ−ベンゼンスルホンアミド
Figure 2013063936
出発物質として2−シアノ−5−メチル−ベンゼンスルホニルクロリドの代わりに2−シアノ−5−フルオロ−ベンゼンスルホニルクロリドを使用して実施例17に記載された方法に従って表題化合物を収率15%で製造した。
1H-NMR (DMSO-d6): δ (ppm) = 5.71 (br s, 3H), 7.29 (d, J = 8.7 Hz, 2H), 7.76 (m,
1H), 7.96 (dd, J = 2.6, 8.2 Hz, 1H), 8.11 (d, J = 8.7 Hz, 2H), 8.22 (dd, J = 5.1, 8.6 Hz, 1H), 8.89 (s, 1H), 11.27 (s, 1H), 12.33 (s,1H)
MS(ES+):m/e=410.2(M+H)
実施例48:N−[4−(3−アミノ−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピラジン−6−イル)−フェニル]−2−フルオロ−5メトキシベンゼンスルホンアミド
Figure 2013063936
出発物質として2−シアノ−5−メチル−ベンゼンスルホニルクロリドの代わりに2−フルオロ−5−メトキシ−ベンゼンスルホニルクロリドを使用して実施例17に記載された方法に従って表題化合物を収率11%で製造した。
1H-NMR (DMSO-d6): δ (ppm) = 3.79 (s, 3H), 5.68 (br s, 3H), 7.21-7.26 (m, 1H), 7.28 (d, J = 8.7 Hz, 2H), 7.32-7.39 (m, 2H), 8.06 (d, J = 8.7 Hz, 2H), 8.87 (s, 1H), 10.97 (s, 1H), 12.30 (s,1H)
MS(ES+):m/e=415.2(M+H)
実施例49:1−[6−[4−[(2−フルオロ−5−メチル−フェニル)スルホニルアミノ]フェニル]−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピラジン−3−イル]−3−(3−ピリジル)−尿素
Figure 2013063936
ジオキサン0.5ml中のN−[4−(3−アミノ−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピラジン−6−イル)フェニル]−2−フルオロ−5−メチル−ベンゼンスルホンアミド25mgの溶液に、3−イソシアナト−ピリジン9mg及び1,3−ジメチルイミダゾリジン−2−オン7mgを加え、そして反応混合物を室温で16時間撹拌した。次いで、反応混合物を減圧下で濃縮し、そして分取HPLC(C18逆相カラム,0.1%TFA入り水/MeCN勾配で溶離)によって粗生成物を精製した。生成物を含む画分を凍結乾燥して表題化合物をそのトリフルオロ酢酸との塩形態で得た。収量:2mg
MS(ES+):m/e=519.3(M+H)
実施例50:1−(4−クロロフェニル)−3−[6−[4−[(2−フルオロ−5−メチル−フェニル)スルホニルアミノ]フェニル]−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピラジン−3−イル]−尿素
Figure 2013063936
3−イソシアナト−ピリジンの代わりに1−クロロ−4−イソシアナト−ベンゼンを使用して実施例49に記載された方法を適応させることによって表題化合物を製造した。
MS(ES+):m/e=552.2(M+H),クロロパターン
実施例51:2−クロロ−N−[4−[3−[[2−クロロ−4−トリフルオロメチル−フェニル]スルホニルアミノ]−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピラジン−6−イル]フェニル]−4−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホンアミド
Figure 2013063936
N−[4−(3−アミノ−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピラジン−6−イル)フェニル]−2−クロロ−4−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホンアミドの合成における副生物として表題生成物を単離した。
MS(ES+):m/e=711.1(M+H),クロロパターン
実施例52:N−[6−[4−(1−ナフチルスルホニルアミノ)フェニル]−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピラジン−3−イル]ナフタレン−1−スルホンアミド
Figure 2013063936
N−[4−(3−アミノ−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピラジン−6−イル)フェニル]ナフタレン−1−スルホンアミドの合成における副生物として表題生成物を単離した。
MS(ES+):m/e=607.3(M+H)
実施例53:2,4,6−トリクロロ−N−[4−[3−[(2,4,6−トリクロロフェニル)スルホニルアミノ]−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピラジン−6−イル]フェニル]ベンゼンスルホンアミド
Figure 2013063936
N−[4−(3−アミノ−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピラジン−6−イル)フェニル]−2,4,6−トリクロロ−ベンゼンスルホンアミドの合成における副生物として表題生成物を単離した。
MS(ES+):m/e=710.1(M+H),クロロパターン
実施例54:N−[3−メチル−4−[[4−(3−メチル−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピラジン−6−イル)フェニル]スルファモイル]フェニル]アセトアミド
Figure 2013063936
出発物質として2,3−ジクロロ−ベンゼンスルホニルクロリドの代わりに4−アセチルアミノ−2−メチル−ベンゼンスルホニルクロリドを使用して実施例10に記載された方法に従って表題化合物を収率1%で製造した。以下の変更を行った。粗反応混合物を蒸発乾固し、DMF中に再溶解し、そして分取HPLC(C18逆相カラム,0.1%TFA入り水/MeCN勾配で溶離)によって精製した。生成物を含む画分を凍結乾燥して表題化合物をそのトリフルオロ酢酸との塩形態で得た。
MS(ES+):m/e=437.2(M+H)
実施例55:2−メチル−N−[4−(3−メチル−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピラジン−6−イル)フェニル]−5−ニトロ−ベンゼンスルホンアミド
Figure 2013063936
出発物質として2,3−ジクロロ−ベンゼンスルホニルクロリドの代わりに2−メチル−5−ニトロベンゼンスルホニルクロリドを使用して実施例10に記載された方法に従って表題化合物を収率18%で製造した。以下の変更を行った。粗反応混合物を蒸発乾固し、DMF中に再溶解し、そして分取HPLC(C18逆相カラム,0.1%TFA入り水/MeCN勾配で溶離)によって精製した。生成物を含む画分を凍結乾燥して表題化合物をそのトリフルオロ酢酸との塩形態で得た。
MS(ES+):m/e=425.2(M+H)
実施例56:N−[4−(3−メチル−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピラジン−6−イル)フェニル]−2−ニトロ−4−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホンアミド
Figure 2013063936
出発物質として2,3−ジクロロ−ベンゼンスルホニルクロリドの代わりに2−ニトロ−4−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホニルクロリドを使用して実施例10に記載された方法に従って表題化合物を収率5%で製造した。以下の変更を行った。粗反応混合物を蒸発乾固し、DMF中に再溶解し、そして分取HPLC(C18逆相カラム,0.1%TFA入り水/MeCN勾配で溶離)によって精製した。生成物を含む画分を凍結乾燥して表題化合物をそのトリフルオロ酢酸との塩形態で得た。
MS(ES+):m/e=479.1(M+H)
薬理学的試験
SGK−1を阻害する本発明の化合物の能力は、酵素活性アッセイにおいて、標識基質中でATPからセリン/トレオニン残基へのリン酸の転移に触媒作用を及ぼす、単離SGK酵素の能力におけるその効果を測定することによって、そして細胞アッセイにおいて、細胞機能におけるその効果を測定することによって評価した。細胞アッセイの1つでは、U2OS細胞においてグリコーゲンシンターゼキナーゼ3ベータ(GSK3ベータ)のSGK−1依存性リン酸化を、別のもの、機能性電気生理学的アッセイでは、A6細胞単層中の上皮性Na+チャネル(ENaC)電流のSGK−1依存性活性化を、そして別のものでは、マウス軟骨形成のATDC5細胞における軟骨細胞肥大分化を測定した。
A)酵素活性アッセイ
バキュロウイルス系中で産生された組換え型ヒトSGK−1酵素を用いて、フルオレセイン標識基質ペプチド中でATPからセリン/トレオニン残基へのリン酸の転移に触媒作用を及ぼす単離酵素の能力を測定するように作られた基質リン酸化アッセイにおいて、血清及びグルココルチコイド調節キナーゼ1(SGK−1)阻害活性について化合物を試験した(Biomol, Hamburg, Germany, Cat. No. 4-331)。合成された蛍光標識ペプチド基質は、(5(6)−カルボキシフルオレセイン)−RPRAATF−NH2を含む。マイクロフルイディクス(micro fluidics)法に基づくキャリパーライフサイエンスのラボ−チップ技術(caliper life science's lab-chip technology)を用いてリン酸化基質ペプチド及び非リン酸化基質ペプチドを分離した。相互接続チャネルを通して種々の供給源から液体を輸送する排出ウェル(waste well)に数psiの真空を適用することによってチップ上ですべての液体流動を確立した。ホスホリル基は二重に負に荷電されているため、圧力駆動型流体力学的流動(pressure-driven hydrodynamic flow)及び電界内の電位駆動型流動(voltage-driven flow)下で、蛍光標識ペプチド基質及びそのリン酸化生成物は、検出ポイントまでの検出ウィンドウ中に異なる時間で現れる。従って、基質代謝回転は、生成物ピーク面積と基質ピーク面積及び生成物ピーク面積の合計との比率として測定することができる。
酵素反応は、25mMトリス−HCl(pH7.4)、5mM MgCl2、2mM MnCl2、2mM DTT、及び0.03%ウシ血清アルブミンを含む緩衝液中で実施した。酵素を試験化合物と共に24℃で30分間プレインキュベートした。ペプチド基質(最終濃度1μM)及びATP(最終濃度10μM)を含む基質混合物を添加することによってキナーゼ反応を開始した。37℃で60分間インキュベーションした後、100mM Hepes(pH7.4)及び35mM EDTAを含む緩衝液を加えることによって酵素反応を終了した。
化合物用量反応を測定するため、10mM DMSO保存溶液を希釈し、そして最終濃度30μMで開始して重複して行った10ポイント3倍希釈系列(ten-point, three-fold dilution series)において試験した。各プレートの陽性及び陰性対照平均値として実験的に定義された一定の最小値及び最大値による4パラメーター曲線適合を用いてデータを分析した。このアッセイで測定したSGK−1の阻害についてのIC50値(μM(マイクロモル/リットル))を表1に示す。
Figure 2013063936
B)U2OS細胞中でのGSK3ベータのSGK−1依存性リン酸化における効果の測定
グリコーゲンシンターゼキナーゼ3ベータ(GSK3ベータ)は、SGK−1のリン酸化標的であることがわかっている(Sakoda,H., Gotoh,Y., Katagiri,H., Kurokawa,M., Ono,H., Onishi,Y., Anai,M., Ogihara,T., Fujishiro,M., Fukushima,Y., Abe,M., Shojima,N., Kikuchi,M., Oka,Y., Hirai,H., Asano,T.; Differing roles of Akt and serum- and glucocorticoid-regulated kinase in glucose metabolism, DNA synthesis, and oncogenic activity. J. Biol. Chem. 278 (2003), 25802-25807)。組換え型BacMamウイルスでトランスフェクションした後に組換え型SGK−1及びGSK3ベータを過剰発現するU2OS細胞(ATCC HTB−96)のGSK3ベータのSGK−1依存性リン酸化を測定する細胞アッセイで、本発明化合物の血清及びグルココルチコイド調節キナーゼ1(SGK−1)の酵素活性阻害能を測定した。
1:1ダルベッコ変法イーグル培地/ハムF12及び10%非働化ウシ胎児血清(FCS Gold)中、37℃、7%CO2及び相対湿度95%でU2OS細胞を培養した。細胞を集め、そしてMOI(感染多重度)50でヒトSGK−1の発現構築物を含むBacMamウイルス(セリン422をアスパラギン酸によって置き換えたアミノ酸S61−L431)及びヒトMOI125でGSK3ベータの発現構築物を含むBacMamウイルスと混合した。BacMamウイルスと混合した細胞懸濁液を96ウェルμCLEARプレート(Greiner)においてウェル当たり3×104細胞で培地250μL中に接種した。AKTによるGSK3ベータのバックグラウンドリン酸化を減らすため、選択的Akt−阻害剤1μLを加えた(最終濃度2μM)。最終濃度250×で試験化合物の溶液1μLを加えた。細胞を、37℃、7%CO2及び相対湿度95%でインキュベートした。6時間後、培地を吸引し、そして固定溶液(fixation solution)(リン酸緩衝食塩水(PBS)中の3.7%パラホルムアルデヒド)50μlを10分間加えた。固定溶液を除去した後、ウェル当たりPBT(PBS中の0.2%トライトンX−100)200μlを加えることによって細胞を5分間、透過化処理した。PBTを除去した後、ウェル当たりブロッキング溶液(blocking solution)(PBS中の1%ウシ血清アルブミン)200μlを添加することによって細胞をブロックした。ブロッキング溶液を除去し、そして一次抗体(ウサギ抗−ホスホ−GSK−3ベータ(Ser9)及びマウス抗−GSK−3ベータ)50μlを1時間加えた。細胞をPBSで3回洗浄した後、2次抗体(Alexa Fluor 594ヤギ抗ウサギIgG及びAlexa Fluor 488ヤギ抗マウスIgG)50μlを加え、そして暗所で1時間インキュベートした。細胞をPBSで3回洗浄した後、PBS200μlを加えた。蛍光シグナルをImageXpress MICRO (Molecular Devices)により測定した。非特異的な効果について補正するため、全GSK3ベータに対するリン酸化GSK3ベータの比率を用いてIC50値を算出し、そして表2に示した。
Figure 2013063936
C)A6細胞単層中のENaC電流のSGK−1依存性活性化を測定するための機能性電気生理学的アッセイ
SGK−1は、低浸透圧性ショックの誘導に反応してA6細胞中で上方制御される(Alvarez de la Rosa 等; J. Gen. Physiol. 124 (2004), 395-407)。SGK−1誘導の結果、形質膜中のENaC機能は上方制御され、そして機能性ENaC表面発現におけるSGK−1阻害剤の効果は、Ussingチャンバー技術で研究することができる。
A6細胞のUssingチャンバー測定のための物質及び方法:アフリカツメガエル(Xenopus laevis)腎細胞株A6(Rafferty, K. A.; Mass culture of amphibia cells: methods and observations concerning stability of cell type. In: Biology of Amphibian Tumors, M. Mizellによる編集. New York: Springer-Verlag, 1969, p. 52-81)を実験に使用した。4%CO2の加湿雰囲気中28℃で、細胞培養フラスコ(Nunc)中で細胞を増殖させた。培地は、10%ウシ胎児血清(PAA)、20%滅菌水、25mM NaHCO3(Sigma-Aldrich)、100U/mlペニシリン(PAA)及び100μg/mlストレプトマイシン(PAA)で補充されたリーボビッツL−15(Sigma-Aldrich)、/クーン(Sigma-Aldrich)培地の7:3混合物を含む。培地の浸透圧は、270mOsml/kgH2Oであった)。細胞をアクターゼ(accutase)(PAA)で分離し、そして電気生理学的測定のため、トランスウェルフィルター挿入部分(ポリエステル0.4μm孔径,Corning)中に0.4×106細胞/フィルターの密度で接種した。細胞を7〜10日間培養し、そしてEVOM2オーム計(World Precision Instruments)を用いた細胞培地中の反復抵抗測定によって集密的A6細胞単層を確認した。>10キロオームの抵抗を有する単層を集密的とみなした。集密的A6細胞を有するフィルターを、連続的に灌流されたUssingチャンバーに移し、そして経上皮クランプ増幅器(EP Design)を用いて開路状態で電気生理学的パラメーターを測定した。短絡回路電流(I'sc)をオームの法則によって算出した。Ussingチャンバー実験のためのリンゲル液は、NaCl:122mmol/l(等浸透圧性=260mOsml/kgH2O)又は82mmol/l(低浸透圧性=180mOsml/kgH2O);KHCO3:2.5mmol/l;CaCl2:1mmol/l;MgCl2:1mmol/l;グルコース:5mmol/lを含んだ。pHを8.2に調節した。すべての測定は室温で行った。上皮性ナトリウムチャネル(ENaC)依存性イオン輸送の阻害剤、アミロリドを25μMの濃度で使用した。
ENaC介在性経上皮電流におけるSGK阻害剤の効果を評価するため、最初に、A9単層を細胞層の管腔側及び基底外側の両方から等浸透圧性リンゲル液で5分間平衡化した。アミロリドを管腔部位に適用して基底ENaC依存性電流(I'scbasal)を確定した。次いで、等張性緩衝液又は対照等張性緩衝液中の化合物を用いて基底外側から細胞層の中を10分間灌流させた。低浸透圧性リンゲル液をA6細胞層の両側に45分間適用することによってENaC活性上昇及びその後のI'scにおける増加に至るSGKシグナル伝達を刺激した。実験の最後にアミロリドを適用することによって低浸透圧性ショック後のENaC依存性I'sc(I'schypo)を測定した。アミロリド感受性Iscの全変化は、ΔI'sc=I'schypo−I'scbasalとして算出した。実験プロトコールにより、ENaCにおいて固有の効果を有する化合物の検出及び排除が可能であるが、研究下の化合物によるENaCにおける直接効果はなかった。試験化合物によるΔI'scの阻害は、試験化合物で処理しなかった対照単層で測定したΔI'scと比較して決定した。IC50値は、データを一般的な用量反応式に適合させることによって決定した。
実施例1の化合物について、この試験で2.1μMのIC50値が測定された。
D)マウス軟骨形成のATDC5細胞中の軟骨細胞肥大分化における効果の測定
軟骨細胞肥大の特異的なマーカーとしてX型コラーゲン(Col10a1)の発現レベルをモニターすることによって軟骨細胞肥大分化における本発明の化合物の効果を測定するためのインビトロモデルとしてATDC5細胞アッセイを使用した。
背景:ATDC5細胞は、多能性AT805奇形腫細胞から誘導されたクローンマウス胚細胞株である(Atsumi T, Miwa Y, Kimata K, Ikawa Y.; A chondrogenic cell line derived from a differentiating culture of AT805 teratocarcinoma cells. Cell Differ. Dev. 30 (1990), 109-116)。細胞は、インビトロ培養の45日のうちに未分化から出発して、準集密的(subconfluent)段階、融合(condensation)段階、軟骨結節形成段階及び石灰化段階の明瞭な分化段階を伴うインスリン依存性軟骨形成細胞分化を受けることができる。軟骨形成の分化は、インスリンによって誘発された分化後の2週間以内に軟骨主要コラーゲン(Col2a1)及びアグリカン(AGC1)及びグリコサミノグリカンの発現をアルシアンブルーで染色して測定することによって示すことができ、そして肥大分化は、インビトロ培養の21日以内に軟骨細胞肥大の特異的マーカー、X型コラーゲン(Col10a1)の発現によってモニターすることができる(Shukunami C, Shigeno C, Atsumi T, Ishizeki K, Suzuki F, Hiraki Y.; Chondrogenic differentiation of clonal mouse embryonic cell line ATDC5 in vitro: differentiation-dependent gene expression of parathyroid hormone (PTH)/PTH-related peptide receptor. J. Cell. Biol. 133 (1996):457-468)。成長因子BMP−2は、細胞分化を刺激することが知られており、そして初期及び後期ATDC5分化を刺激することができる(Shukunami C, Ohta Y, Sakuda M, Hiraki Y.; Sequential progression of the differentiation program by bone morphogenetic protein-2 in chondrogenic cell line ATDC5. Exp. Cell Res. 241 (1998), 1-11)。甲状腺ホルモントリヨードチロニン(T3)は、成長板軟骨細胞の肥大分化を促進する(Robson H, Siebler T, Stevens DA, Shalet SM, Williams GR; Thyroid hormone acts directly on growth plate chondrocytes to promote hypertrophic differentiation and inhibit clonal expansion and cell proliferation. Endocrinology. 141 (2000):3887-3897)。BMP2及びT3の添加は、10〜14日の間にATDC5肥大分化を促進してCol10a1発現を強力に誘導することができる。SGK−阻害剤を加えてATDC5細胞を14日日分化させ、そしてCol10a1遺伝子発現を定量化して軟骨細胞肥大分化における効果を測定した。
細胞アッセイ説明:ATDC5細胞を300cm2の組織培養フラスコ中で、10μg/
mlヒトトランスフェリン、30nM亜セレン酸ナトリウム、50μg/mlカナマイシンで補充されたDMEM/ハムF12+5%FCS中に維持し、そして95%空気中の5%CO2中、37℃で増殖させた。細胞分化を開始するため、9.9×104細胞を24ウェルプレート中で培養し、そして2日間増殖させた。培地を10μg/mlヒトトランスフェリン、30nM亜セレン酸ナトリウム、50μg/mlアスコルビン酸及び1μg/ml BMP2で補充されたDMEM/ハムF12+5%FCSと交換した。アッセイは、三つ組一つで実施した。化合物を10%DMSO中に加え、そして化合物の補充を含めて培地を2〜3日毎に変えた。細胞分化の開始後7日目に、細胞培養物中のさらなる補充物として1μM T3を用いた。
2週間の細胞培養後、定量的リアルタイムPCRによる遺伝子発現測定のためRNAを単離し、そしてcDNAに転換した。細胞をRLT−緩衝液(Qiagen)600μl中に溶解し、そしてQiacubeシステム(Qiagen)上で実行するRNA-easy Mini RNA isolation Kit(Qiagen)を用いて供給者の説明に従って全RNAを単離した。RNAを純水30μl中に単離し、そしてRNA内容物をUV分光法(Nanodrop, Peqlab)によって測定した。cDNA合成のため、High Capacity cDNA Reverse Transcription Kit (Applied Biosystems, 製品番号4368813)を用いて製造者の説明に従って全RNA50ngを逆転写した。簡潔に言えば、4mM dNTPs、ランダムプライマー、RNAse阻害剤及びMultiScribe逆転写酵素1μlを含む反応液20μlを準備し、そして25℃で10分間、37℃で120分間、85℃で5分間インキュベートした。
定量的リアルタイムPCR:Taqman Fast PCR反応は、Taqman Fast Advanced Master Mix (Applied Biosystems, 製品番号 4444965)及びハウスキーピング遺伝子としてRPL37a用のTaqman Gene expression assays(Applied Biosystems, 製品番号 Mm01253851_g1)及びX型コラーゲン発現のためのCol10a1(Applied Biosystems, 製品番号product number Mm00487041_m1)を用いて体積20μlで実施した。簡潔に言えば、急速熱循環(fast thermal cycling)96ウェルプレート中でcDNA反応液2μlをTaqman Fast Advanced Master Mix10μl×2、プライマー及び5'−Fam標識副溝結合Taqmanプローブを含むTaqman Gene Expression Assay1μlを製造者の説明に従って混合した。Viaa7 Real Time PCR System(Applied Biosystems)中で、変性のため95℃で1秒、そしてアニーリング/拡張のため60℃で20秒の増幅を40回行った。蛍光データを集めてCt値に転換し、そして比較Ct法に基づいて発現値を算出した(Nat. Protoc. 3 (2008), 1101-1108); Analyzing real-time PCR data by the comparative C(T) method)。
実施例6の化合物では、この試験でX型コラーゲン発現の阻害について0.559μMのIC50値が測定された。

Claims (14)

  1. いずれかの立体異性形態の若しくは任意の比率の立体異性形態の混合物の式I
    Figure 2013063936
    [式中、
    Arは、フェニル、及び窒素、酸素及び硫黄からなる系列より選ばれる1、2又は3個の同一又は異なる環ヘテロ原子を含み、そして環炭素原子を介して結合される5員又は6員単環式芳香族複素環、からなる系列より選ばれ、それらは、すべて、非置換であるか又は1つ若しくはそれ以上の同一若しくは異なる置換基R10によって置換されており;
    nは、0、1及び2からなる系列より選ばれ;
    R1は、水素、−N(R11)−R12、−N(R13)−C(O)−R14、−N(R13)−S(O)2−R15、−N(R13)−C(O)−NH−R14、−C(O)−N(R16)−R17、−CN、(C1−C4)−アルキル及び−(C1−C4)−アルキル−O−R18からなる系列より選ばれ;
    R2は、ハロゲン、−(C1−C4)−アルキル、−O−(C1−C4)−アルキル及び−CNからなる系列より選ばれ;
    R10は、ハロゲン、(C1−C4)−アルキル、(C3−C7)−シクロアルキル、−(C1−C4)−アルキル−(C3−C7)−シクロアルキル、−O−(C1−C4)−アルキル、−O−(C3−C7)−シクロアルキル、−O−(C1−C4)−アルキル−(C3−C7)−シクロアルキル−、−N(R19)−R20、−N(R21)−N(R19)−R20、−N(R21)−C(O)−R22、−NO2、−C(O)−N(R23)−R24及び−CNからなる系列より選ばれ、
    そしてAr中の隣接環炭素原子に結合した2つの基R10は、それらを担持している炭素原子と一緒になって、窒素、酸素及び硫黄からなる系列より選ばれる0、1又は2個の同一又は異なる環ヘテロ原子を含み、そして非置換であるか又はハロゲン、−(C1−C4)−アルキル、−O−(C1−C4)−アルキル及び−CNからなる系列より選ばれる1つ若しくはそれ以上の同一若しくは異なる置換基によって置換された5員〜8員不飽和環を形成することができ;
    R11及びR12は、互いに独立して水素、(C1−C4)−アルキル、(C3−C7)−シクロアルキル及び−(C1−C4)−アルキル−(C3−C7)−シクロアルキルからなる系列より選ばれるか、
    又はR11及びR12は、それらを担持している窒素原子と一緒になって、R11及びR12を担持している窒素原子に加えて、窒素、酸素及び硫黄からなる系列から選ばれる0又は1個のさらなる環ヘテロ原子を含み、そして非置換であるか又はフッ素及び(C1−C4)−アルキルからなる系列より選ばれる1つ若しくはそれ以上の同一若しくは異なる置換基によって置換された単環式4員〜7員飽和複素環を形成し;
    R13は、水素、(C1−C4)−アルキル及び(C3−C7)−シクロアルキルからなる系列より選ばれ;
    R14及びR15は、互いに独立して(C1−C8)−アルキル、(C3−C7)−シクロアルキル、−(C1−C4)−アルキル−(C3−C7)−シクロアルキル、フェニル、−(C1−C4)−アルキル−フェニル、Het及び−(C1−C4)−アルキル−Hetからなる系列より選ばれ、ここにおいてフェニル及びHetは、すべて、非置換であるか又は1つ若しくはそれ以上の同一若しくは異なる置換基R30によって置換されており;
    R16は、水素、(C1−C4)−アルキル及び(C3−C7)−シクロアルキルからなる系列より選ばれ;
    R17は、水素、(C1−C8)−アルキル、(C3−C7)−シクロアルキル、−(C1−C4)−アルキル−(C3−C7)−シクロアルキル、フェニル、−(C1−C4)−アルキル−フェニル、Het及び−(C1−C4)−アルキル−Hetからなる系列より選ばれ、ここにおいてフェニル及びHetは、すべて、非置換であるか又は1つ若しくはそれ以上の同一若しくは異なる置換基R30によって置換されており、
    又はR16及びR17は、それらを担持している窒素原子と一緒になって、R16及びR17を担持している窒素原子に加えて、窒素、酸素及び硫黄からなる系列から選ばれる0又は1個のさらなる環ヘテロ原子を含み、そして非置換であるか又はフッ素及び(C1−C4)−アルキルからなる系列より選ばれる1つ若しくはそれ以上の同一若しくは異なる置換基によって置換された単環式4員〜7員飽和複素環を形成し;
    R18は、水素及び(C1−C4)−アルキルからなる系列より選ばれ;
    R19は、水素、(C1−C4)−アルキル及び(C3−C7)−シクロアルキルからなる系列より選ばれ;
    R20は、水素、(C1−C8)−アルキル、(C3−C7)−シクロアルキル、−(C1−C4)−アルキル−(C3−C7)−シクロアルキル、フェニル、−(C1−C4)−アルキル−フェニル、Het及び−(C1−C4)−アルキル−Hetからなる系列より選ばれ、ここにおいてフェニル及びHetは、すべて、非置換であるか又は1つ若しくはそれ以上の同一若しくは異なる置換基R30によって置換されており、
    又はR19及びR20は、それらを担持している窒素原子と一緒になって、R19及びR20を担持している窒素原子に加えて、窒素、酸素及び硫黄からなる系列から選ばれる0又は1個のさらなる環ヘテロ原子を含み、そして非置換であるか又はフッ素及び(C1−C4)−アルキルからなる系列より選ばれる1つ若しくはそれ以上の同一若しくは異なる置換基によって置換された単環式4員〜7員飽和複素環を形成し;
    R21は、水素、(C1−C4)−アルキル及び(C3−C7)−シクロアルキルからなる系列より選ばれ;
    R22は、(C1−C4)−アルキル、(C3−C7)−シクロアルキル及び−(C1−C4)−アルキル−(C3−C7)−シクロアルキルからなる系列より選ばれ;
    R23及びR24は、互いに独立して水素及び(C1−C4)−アルキルからなる系列より選ばれ;
    R30は、ハロゲン、(C1−C4)−アルキル、−O−(C1−C4)−アルキル及び−CNからなる系列より選ばれ;
    Hetは、窒素、酸素及び硫黄からなる系列より選ばれる1又は2個の同一又は異なる環ヘテロ原子を含み、そして環炭素原子を介して結合される単環式4員〜7員飽和、部分不飽和又は芳香族複素環であり;
    ここにおいて、すべてのシクロアルキル基は、フッ素及び(C1−C4)−アルキルからなる系列より選ばれる1つ又はそれ以上の同一の置換基によって置換されていてもよく;
    ここにおいて、すべてアルキル基は、アルキル基上に存在し得る任意の他の置換基と独立して、1つ又はそれ以上のフッ素置換基によって置換されていてもよい]
    の化合物、又はその薬学的に許容しうる塩。
  2. Arが、フェニル、及び窒素、酸素及び硫黄からなる系列より選ばれる1又は2個の同一又は異なる環ヘテロ原子を含み、そして環炭素原子を介して結合される5員又は6員単環式芳香族複素環、からなる系列より選ばれ、それらはすべて、非置換であるか又は1つ若しくはそれ以上の同一若しくは異なる置換基R10によって置換されており;
    nが、0、1及び2からなる系列より選ばれ;
    R1が、水素、−N(R11)−R12、−N(R13)−C(O)−R14、−N(R13)−S(O)2−R15、−N(R13)−C(O)−NH−R14、(C1−C4)−アルキル及び−(C1−C4)−アルキル−O−R18からなる系列より選ばれ;
    R2が、ハロゲン、−(C1−C4)−アルキル及び−CNからなる系列より選ばれ;
    R10が、ハロゲン、(C1−C4)−アルキル、−O−(C1−C4)−アルキル、−N(R19)−R20、−N(R21)−N(R19)−R20、−N(R21)−C(O)−R22、−NO2、−C(O)−N(R23)−R24及び−CNからなる系列より選ばれ、
    そしてAr中の隣接環炭素原子に結合した2つの基R10が、それらを担持している炭素原子と一緒になって、窒素、酸素及び硫黄からなる系列より選ばれる0、1又は2個の同一又は異なる環ヘテロ原子を含み、そして非置換であるか又はハロゲン、−(C1−C4)−アルキル、及び−CNからなる系列より選ばれる1つ若しくはそれ以上の同一若しくは異なる置換基によって置換された5員〜7員不飽和環を形成することができ;
    R11及びR12が、互いに独立して水素及び(C1−C4)−アルキルからなる系列より選ばれるか、
    又はR11及びR12が、それらを担持している窒素原子と一緒になって、R11及びR12を担持している窒素原子に加えて、窒素、酸素及び硫黄からなる系列から選ばれる0又は1個のさらなる環ヘテロ原子を含み、そして非置換であるか又はフッ素及び(C1−C4)−アルキルからなる系列より選ばれる1つ若しくはそれ以上の同一若しくは異なる置換基によって置換された単環式4員〜6員飽和複素環を形成し;
    R13が、水素及び(C1−C4)−アルキルからなる系列より選ばれ;
    R14及びR15が、互いに独立して(C3−C7)−シクロアルキル、フェニル、−(C1−C4)−アルキル−フェニル、Het及び−(C1−C4)−アルキル−Hetからなる系列より選ばれ、ここにおいてフェニル及びHetは、すべて、非置換であるか又は1つ若しくはそれ以上の同一若しくは異なる置換基R30によって置換されており;
    R18が、水素及び(C1−C4)−アルキルからなる系列より選ばれ;
    R19が、水素及び(C1−C4)−アルキルからなる系列より選ばれ;
    R20が、水素、(C1−C8)−アルキル、(C3−C7)−シクロアルキル及び−(C1−C4)−アルキル−(C3−C7)−シクロアルキルからなる系列より選ばれ;
    又はR19及びR20が、それらを担持している窒素原子と一緒になって、R19及びR20を担持している窒素原子に加えて、窒素、酸素及び硫黄からなる系列から選ばれる0又は1個のさらなる環ヘテロ原子を含み、そして非置換であるか又はフッ素及び(C1−C4)−アルキルからなる系列より選ばれる1つ若しくはそれ以上の同一若しくは異なる置換基によって置換された単環式4員〜6員飽和複素環を形成し;
    R21が、水素及び(C1−C4)−アルキルからなる系列より選ばれ;
    R22が、(C1−C4)−アルキル及び(C3−C7)−シクロアルキルからなる系列より選ばれ;
    R23及びR24が、互いに独立して水素及び(C1−C4)−アルキルからなる系列より選ばれ;
    R30が、ハロゲン、(C1−C4)−アルキル及び−CNからなる系列より選ばれ;
    Hetが、窒素、酸素及び硫黄からなる系列より選ばれる1又は2個の同一又は異なる環ヘテロ原子を含み、そして環炭素原子を介して結合される単環式4員〜7員飽和、部分不飽和又は芳香族複素環であり;
    ここにおいて、すべてのシクロアルキル基は、フッ素及び(C1−C4)−アルキルからなる系列より選ばれる1つ又はそれ以上の同一の置換基によって置換されていてもよく;
    ここにおいて、すべてアルキル基は、アルキル基上に存在し得る任意の他の置換基と独立して、1つ又はそれ以上のフッ素置換基によって置換されていてもよい、
    請求項1に記載された、いずれかのその立体異性形態の若しくは任意の比率の立体異性形態の混合物の式Iの化合物、又はその薬学的に許容しうる塩。
  3. Arが、フェニル、及び窒素、酸素及び硫黄からなる系列より選ばれる1又は2個の同一又は異なる環ヘテロ原子を含み、そして環炭素原子を介して結合される5員又は6員単環式芳香族複素環からなる系列より選ばれ、それらはすべて、非置換であるか又は1つ若しくはそれ以上の同一若しくは異なる置換基R10によって置換されており;
    nが、0及び1からなる系列より選ばれ;
    R1が、水素、−N(R11)−R12、−N(R13)−C(O)−R14、−N(R13)−S(O)2−R15、−N(R13)−C(O)−NH−R14及び(C1−C4)−アルキルからなる系列より選ばれ;
    R2が、ハロゲン及び−(C1−C4)−アルキルからなる系列より選ばれ;
    R10が、ハロゲン、(C1−C4)−アルキル、−O−(C1−C4)−アルキル、−N(R19)−R20、−N(R21)−N(R19)−R20、−N(R21)−C(O)−R22、−NO2及び−CNからなる系列より選ばれ、
    そしてAr中の隣接環炭素原子に結合した2つの基R10が、それらを担持している炭素原子と一緒になって、窒素、酸素及び硫黄からなる系列より選ばれる0、1又は2個の同一又は異なる環ヘテロ原子を含み、そして非置換であるか又はハロゲン及び−(C1−C4)−アルキルからなる系列より選ばれる1つ若しくはそれ以上の同一若しくは異なる置換基によって置換された5員〜7員不飽和環を形成することができ;
    R11及びR12が、互いに独立して水素及び(C1−C4)−アルキルからなる系列より選ばれるか、
    又はR11及びR12が、それらを担持している窒素原子と一緒になって、R11及びR12を担持している窒素原子に加えて、窒素、酸素及び硫黄からなる系列から選ばれる0又は1個のさらなる環ヘテロ原子を含み、そして非置換であるか又はフッ素及び(C1−C4)−アルキルからなる系列より選ばれる1つ若しくはそれ以上の同一若しくは異なる置換基によって置換された単環式4員〜6員飽和複素環を形成し;
    R13が、水素及び(C1−C4)−アルキルからなる系列より選ばれ;
    R14及びR15が、互いに独立して(C3−C7)−シクロアルキル、フェニル、−(C1−C4)−アルキル−フェニル、Het及び−(C1−C4)−アルキル−Hetからなる系列より選ばれ、ここにおいてフェニル及びHetは、すべて、非置換であるか又は1つ若しくはそれ以上の同一若しくは異なる置換基R30によって置換されており;
    R19が、水素及び(C1−C4)−アルキルからなる系列より選ばれ;
    R20が、水素及び(C1−C4)−アルキルからなる系列より選ばれ;
    又はR19及びR20が、それらを担持している窒素原子と一緒になって、R19及びR20を担持している窒素原子に加えて、窒素、酸素及び硫黄からなる系列から選ばれる0又は1個のさらなる環ヘテロ原子を含み、そして非置換であるか又はフッ素及び(C1−C4)−アルキルからなる系列より選ばれる1つ若しくはそれ以上の同一若しくは異なる置換基によって置換された単環式4員〜6員飽和複素環を形成し;
    R21が、水素及び(C1−C4)−アルキルからなる系列より選ばれ;
    R22が、(C1−C4)−アルキルからなる系列より選ばれ;
    R30が、ハロゲン、(C1−C4)−アルキル及び−CNからなる系列より選ばれ;
    Hetが、窒素、酸素及び硫黄からなる系列より選ばれる1又は2個の同一又は異なる環ヘテロ原子を含み、そして環炭素原子を介して結合される単環式5員又は6員飽和、部分不飽和又は芳香族複素環であり;
    ここにおいて、すべてのシクロアルキル基は、フッ素及び(C1−C4)−アルキルからなる系列より選ばれる1つ又はそれ以上の同一の置換基によって置換されていてもよく;
    ここにおいて、すべてアルキル基は、アルキル基上に存在し得る任意の他の置換基と独立して、1つ又はそれ以上のフッ素置換基によって置換されていてもよい、
    請求項1又は2に記載された、いずれかのその立体異性形態の若しくは任意の比率の立体異性形態の混合物の式Iの化合物、又はその薬学的に許容しうる塩。
  4. Arが、非置換であるか又は1つ若しくはそれ以上の同一若しくは異なる置換基R10によって置換されたフェニルであり;
    nが、0及び1からなる系列より選ばれ;
    R1が、水素、−N(R11)−R12、−N(R13)−C(O)−R14、−N(R13)−S(O)2−R15、−N(R13)−C(O)−NH−R14及び(C1−C4)−アルキルからなる系列より選ばれ;
    R2が、ハロゲン及び−(C1−C4)−アルキルからなる系列より選ばれ;
    R10が、ハロゲン、(C1−C4)−アルキル、−O−(C1−C4)−アルキル、−N(R19)−R20、−N(R21)−N(R19)−R20、−N(R21)−C(O)−R22、−NO2及び−CNからなる系列より選ばれ、
    そしてAr中の隣接環炭素原子に結合した2つの基R10が、それらを担持している炭素原子と一緒になって、環ヘテロ原子として0、1又は2個の酸素原子を含み、そして非置換であるか又はハロゲン及び−(C1−C4)−アルキルからなる系列より選ばれる1つ若しくはそれ以上の同一若しくは異なる置換基によって置換された5員〜7員不飽和環を形成することができ;
    R11及びR12が、互いに独立して水素及び(C1−C4)−アルキルからなる系列より選ばれ、
    R13が、水素及び(C1−C4)−アルキルからなる系列より選ばれ;
    R14及びR15が、互いに独立して(C3−C7)−シクロアルキル、フェニル、−(C1−C4)−アルキル−フェニル、Het及び−(C1−C4)−アルキル−Hetからなる系列より選ばれ、ここにおいてフェニル及びHetは、すべて、非置換であるか又は1つ若しくはそれ以上の同一若しくは異なる置換基R30によって置換されており;
    R19が、水素及び(C1−C4)−アルキルからなる系列より選ばれ;
    R20が、水素及び(C1−C4)−アルキルからなる系列より選ばれ;
    R21が、水素及び(C1−C4)−アルキルからなる系列より選ばれ;
    R22が、(C1−C4)−アルキルからなる系列より選ばれ;
    R30が、ハロゲン及び(C1−C4)−アルキルからなる系列より選ばれ;
    Hetが、窒素、酸素及び硫黄からなる系列より選ばれる1個の環ヘテロ原子を含み、そして環炭素原子を介して結合される単環式5員又は6員飽和、部分不飽和又は芳香族複素環であり;
    ここにおいて、すべてのシクロアルキル基は、フッ素及び(C1−C4)−アルキルからなる系列より選ばれる1つ又はそれ以上の同一の置換基によって置換されていてもよく;
    ここにおいて、すべてアルキル基は、アルキル基上に存在し得る任意の他の置換基と独立して、1つ又はそれ以上のフッ素置換基によって置換されていてもよい、
    請求項1〜3のいずれか1項に記載された、いずれかのその立体異性形態の若しくは任意の比率の立体異性形態の混合物の式Iの化合物、又はその薬学的に許容しうる塩。
  5. Arが、2,3−ジクロロ−フェニル、2,5−ジクロロ−フェニル、5−クロロ−2−ヒドラジノ−フェニル、5−クロロ−2−シアノ−フェニル、2−シアノ−5−メチル−フェニル、2−フルオロ−5−メチル−フェニル、2−クロロ−5−メトキシ−フェニル、2,5−ジクロロ−チオフェン−3−イル、8−クロロ−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[b][1,4]ジオキセピン−7−イル、5−クロロ−1,3−ジメチル−ピラゾール−4−イル、ナフタレン−1−イル、2,4,6−トリクロロ−フェニル、5−クロロ−2−フルオロ−フェニル、2,4,5−トリフルオロ−フェニル、2,4,5−トリクロロ−フェニル、5−クロロ−2,4−ジフルオロ−フェニル、2,3,4−トリクロロ−フェニル、2,3,4−トリフルオロ−フェニル、2−クロロ−4−トリフルオロメチル−フェニル、5−シアノ−2−フルオロ−フェニル、2−シアノ−5−メトキシ−フェニル、2−シアノ−5−フルオロ−フェニル、2−フルオロ−5−メトキシ−フェニル、4−アセチルアミノ−2−メチル−フェニル、2−メチル−5−ニトロ−フェニル及び2−ニトロ−4−トリフルオロメチル−フェニルからなる系列より選ばれ;
    nが、0及び1からなる系列より選ばれ;
    R1が、水素、−N(R11)−R12、−N(R13)−C(O)−R14、−N(R13)−S(O)2−R15、−N(R13)−C(O)−NH−R14及び(C1−C4)−アルキルからなる系列より選ばれ;
    R2が、ハロゲン及び−(C1−C4)−アルキルからなる系列より選ばれ;
    R11及びR12が、互いに独立して水素及び(C1−C4)−アルキルからなる系列より選ばれ、
    R13が、水素及び(C1−C4)−アルキルからなる系列より選ばれ;
    R14及びR15が、互いに独立して(C3−C7)−シクロアルキル、フェニル、−(C1−C4)−アルキル−フェニル、Het及び−(C1−C4)−アルキル−Hetからなる系列より選ばれ、ここにおいてフェニル及びHetは、すべて、非置換であるか又は1つ若しくはそれ以上の同一若しくは異なる置換基R30によって置換されており;
    R30が、ハロゲン及び(C1−C4)−アルキルからなる系列より選ばれ;
    Hetが、窒素、酸素及び硫黄からなる系列より選ばれる1個の環ヘテロ原子を含み、そして環炭素原子を介して結合される単環式5員又は6員飽和、部分不飽和又は芳香族複素環であり;
    ここにおいて、すべてのシクロアルキル基は、フッ素及び(C1−C4)−アルキルからなる系列より選ばれる1つ又はそれ以上の同一の置換基によって置換されていてもよく;
    ここにおいて、すべてアルキル基は、アルキル基上に存在し得る任意の他の置換基と独立して、1つ又はそれ以上のフッ素置換基によって置換されていてもよい、
    請求項1〜4のいずれか1項に記載された、いずれかのその立体異性形態の若しくは任意の比率の立体異性形態の混合物の式Iの化合物、又はその薬学的に許容しうる塩。
  6. Arが、2,3−ジクロロ−フェニル、2,5−ジクロロ−フェニル、5−クロロ−2−ヒドラジノ−フェニル、5−クロロ−2−シアノ−フェニル、2−シアノ−5−メチル−フェニル、2−フルオロ−5−メチル−フェニル、2−クロロ−5−メトキシ−フェニル、2,5−ジクロロ−チオフェン−3−イル、8−クロロ−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[b][1,4]ジオキセピン−7−イル、5−クロロ−1,3−ジメチル−ピラゾール−4−イル、ナフタレン−1−イル、5−シアノ−2−フルオロ−フェニル、2−シアノ−5−メトキシ−フェニル、2−シアノ−5−フルオロ−フェニル、2−フルオロ−5−メトキシ−フェニル、4−アセチルアミノ−2−メチル−フェニル、2−メチル−5−ニトロ−フェニル及び2−ニトロ−4−トリフルオロメチル−フェニルからなる系列より選ばれ;
    nが、0及び1からなる系列より選ばれ;
    R1が、水素、−N(R11)−R12、−N(R13)−C(O)−R14、−N(R13)−S(O)2−R15、−N(R13)−C(O)−NH−R14及び(C1−C4)−アルキルからなる系列より選ばれ;
    R2が、ハロゲン及び−(C1−C4)−アルキルからなる系列より選ばれ;
    R11及びR12が、互いに独立して水素及び(C1−C4)−アルキルからなる系列より選ばれ、
    R13が、水素及び(C1−C4)−アルキルからなる系列より選ばれ;
    R14及びR15が、互いに独立して(C3−C7)−シクロアルキル、フェニル、−(C1−C4)−アルキル−フェニル、Het及び−(C1−C4)−アルキル−Hetからなる系列より選ばれ、ここにおいてフェニル及びHetは、すべて、非置換であるか又は1つ若しくはそれ以上の同一若しくは異なる置換基R30によって置換されており;
    R30が、ハロゲン及び(C1−C4)−アルキルからなる系列より選ばれ;
    Hetが、窒素、酸素及び硫黄からなる系列より選ばれる1個の環ヘテロ原子を含み、そして環炭素原子を介して結合される単環式5員又は6員飽和、部分不飽和又は芳香族複素環であり;
    ここにおいて、すべてのシクロアルキル基は、フッ素及び(C1−C4)−アルキルからなる系列より選ばれる1つ又はそれ以上の同一の置換基によって置換されていてもよく;
    ここにおいて、すべてアルキル基は、アルキル基上に存在し得る他のすべての置換基と独立して、1つ又はそれ以上のフッ素置換基によって置換されていてもよい、
    請求項1〜5のいずれか1項に記載された、いずれかのその立体異性形態の若しくは任意の比率の立体異性形態の混合物の式Iの化合物、又はその薬学的に許容しうる塩。
  7. R1が、水素及び(C1−C4)−アルキルからなる系列より選ばれる、請求項1〜6のいずれか1項に記載された、いずれかのその立体異性形態の若しくは任意の比率の立体異性形態の混合物の式Iの化合物、又はその薬学的に許容しうる塩。
  8. R1が、−N(R11)−R12、−N(R13)−C(O)−R14、−N(R13)−S(O)2−R15及び−N(R13)−C(O)−NH−R14からなる系列より選ばれる、請求項1〜6のいずれか1項に記載された、いずれかのその立体異性形態の若しくは任意の比率の立体異性形態の混合物の式Iの化合物、又はその薬学的に許容しうる塩。
  9. N−[4−(3−アミノ−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピラジン−6−イル)フェニル]−2,3−ジクロロ−ベンゼンスルホンアミド、
    2,5−ジクロロ−N−[4−(1H−ピラゾロ[3,4−b]ピラジン−6−イル)フェニル]ベンゼンスルホンアミド、
    2,5−ジクロロ−N−[2−フルオロ−4−(1H−ピラゾロ[3,4−b]ピラジン−6−イル)フェニル]ベンゼンスルホンアミド、
    2,3−ジクロロ−N−[2−フルオロ−4−(1H−ピラゾロ[3,4−b]ピラジン−6−イル)−フェニル]−ベンゼンスルホンアミド、
    N−[4−(3−アミノ−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピラジン−6−イル)フェニル]−2,5−ジクロロ−ベンゼンスルホンアミド、
    N−[4−(3−アミノ−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピラジン−6−イル)フェニル]−5−クロロ−2−ヒドラジノ−ベンゼンスルホンアミド、
    N−[4−(3−アミノ−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピラジン−6−イル)−2−フルオロ−フェニル]−5−クロロ−2−フルオロ−ベンゼンスルホンアミド、
    N−[4−(3−アミノ−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピラジン−6−イル)−2−フルオロ−フェニル]−2,5−ジクロロ−ベンゼンスルホンアミド、
    N−[4−(3−アミノ−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピラジン−6−イル)−2−フルオロ−フェニル]−2,3−ジクロロ−ベンゼンスルホンアミド、
    2,5−ジクロロ−N−[4−(3−メチル−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピラジン−6−イル)フェニル]ベンゼンスルホンアミド、
    2,3−ジクロロ−N−[4−(3−メチル−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピラジン−6−イル)フェニル]ベンゼンスルホンアミド、
    5−クロロ−2−フルオロ−N−[4−(3−メチル−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピラジン−6−イル)フェニル]ベンゼンスルホンアミド、
    5−クロロ−2−シアノ−N−[4−(3−メチル−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピラジン−6−イル)フェニル]ベンゼンスルホンアミド、
    2−シアノ−5−メチル−N−[4−(3−メチル−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピラジン−6−イル)フェニル]ベンゼンスルホンアミド、
    2−フルオロ−5−メチル−N−[4−(3−メチル−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピラジン−6−イル)フェニル]ベンゼンスルホンアミド、
    2−クロロ−5−メトキシ−N−[4−(3−メチル−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピラジン−6−イル)フェニル]ベンゼンスルホンアミド、
    N−[4−(3−アミノ−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピラジン−6−イル)フェニル]−2−シアノ−5−メチル−ベンゼンスルホンアミド、
    N−[4−(3−アミノ−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピラジン−6−イル)フェニル]−2−クロロ−5−メトキシ−ベンゼンスルホンアミド、
    N−[4−(3−アミノ−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピラジン−6−イル)フェニル]−2−フルオロ−5−メチル−ベンゼンスルホンアミド、
    N−[4−(3−アミノ−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピラジン−6−イル)−フェニル]−5−クロロ−2−シアノ−ベンゼンスルホンアミド、
    N−[4−(3−アミノ−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピラジン−6−イル)フェニル]−2,5−ジクロロ−チオフェン−3−スルホンアミド、
    N−[4−(3−アミノ−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピラジン−6−イル)フェニル]−8−クロロ−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[b][1,4]ジオキセピン−7−スルホンアミド、
    N−[4−(3−アミノ−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピラジン−6−イル)フェニル]−5−クロロ−1,3−ジメチル−ピラゾール−4−スルホンアミド、
    N−[6−[4−[(2−フルオロ−5−メチル−フェニル)スルホニルアミノ]フェニル]−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピラジン−3−イル]シクロプロパンカルボキサミド、
    N−[6−[4−[(2−フルオロ−5−メチル−フェニル)スルホニルアミノ]フェニル]−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピラジン−3−イル]テトラヒドロピラン−4−カルボキサミド、
    N−[6−[4−[(2−フルオロ−5−メチル−フェニル)スルホニルアミノ]フェニル]−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピラジン−3−イル]ピペリジン−4−カルボキサミド、
    N−[6−[4−[(2−フルオロ−5−メチル−フェニル)スルホニルアミノ]フェニル]−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピラジン−3−イル]シクロペンタンカルボキサミド、
    2,3−ジクロロ−N−[6−[4−[(2−フルオロ−5−メチル−フェニル)スルホニルアミノ]フェニル]−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピラジン−3−イル]ベンズアミド、
    N−[6−[4−[(2−フルオロ−5−メチル−フェニル)スルホニルアミノ]フェニル]−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピラジン−3−イル]シクロヘキサンカルボキサミド、
    N−[6−[4−[(2−フルオロ−5−メチル−フェニル)スルホニルアミノ]フェニル]−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピラジン−3−イル]−2−フェニル−アセトアミド、
    N−[6−[4−[(2−フルオロ−5−メチル−フェニル)スルホニルアミノ]フェニル]−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピラジン−3−イル]チオフェン−3−カルボキサミド、
    4−クロロ−N−[6−[4−[(2−フルオロ−5−メチル−フェニル)スルホニルアミノ]フェニル]−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピラジン−3−イル]ベンズアミド、
    N−[4−(3−アミノ−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピラジン−6−イル)フェニル]ナフタレン−1−スルホンアミド、
    N−[4−(3−アミノ−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピラジン−6−イル)フェニル]−2,4,6−トリクロロ−ベンゼンスルホンアミド、
    N−[4−(3−アミノ−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピラジン−6−イル)フェニル]−5−クロロ−2−フルオロ−ベンゼンスルホンアミド、
    N−[4−(3−アミノ−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピラジン−6−イル)フェニル]−2,4,5−トリフルオロ−ベンゼンスルホンアミド、
    N−[4−(3−アミノ−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピラジン−6−イル)フェニル]−2,4,5−トリクロロ−ベンゼンスルホンアミド、
    N−[4−(3−アミノ−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピラジン−6−イル)フェニル]−5−クロロ−2,4−ジフルオロ−ベンゼンスルホンアミド、
    N−[4−(3−アミノ−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピラジン−6−イル)フェニル]−2,3,4−トリクロロ−ベンゼンスルホンアミド、
    N−[4−(3−アミノ−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピラジン−6−イル)フェニル]−2,3,4−トリフルオロ−ベンゼンスルホンアミド、
    N−[4−(3−アミノ−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピラジン−6−イル)フェニル]−2−クロロ−4−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホンアミド、
    5−クロロ−N−[4−[3−[(5−クロロ−2,4−ジフルオロ−フェニル)スルホニルアミノ]−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピラジン−6−イル]フェニル]−2,4−ジフルオロ−ベンゼンスルホンアミド、
    5−クロロ−N−[4−[3−[(5−クロロ−1,3−ジメチル−ピラゾール−4−イル)スルホニルアミノ]−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピラジン−6−イル]フェニル]−1,3−ジメチル−ピラゾール−4−スルホンアミド、
    2,4,5−トリフルオロ−N−[4−[3−[(2,4,5−トリフルオロフェニル)スルホニルアミノ]−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピラジン−6−イル]フェニル]ベンゼンスルホンアミド、
    N−[4−(3−アミノ−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピラジン−6−イル)−フェニル]−5−シアノ−2−フルオロ−ベンゼンスルホンアミド、
    N−[4−(3−アミノ−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピラジン−6−イル)−フェニル]−2−シアノ−5−メトキシ−ベンゼンスルホンアミド、
    N−[4−(3−アミノ−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピラジン−6−イル)−フェニル]−2−シアノ−5−フルオロ−ベンゼンスルホンアミド、
    N−[4−(3−アミノ−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピラジン−6−イル)−フェニル]−2−フルオロ−5−メトキシ−ベンゼンスルホンアミド、
    1−[6−[4−[(2−フルオロ−5−メチル−フェニル)スルホニルアミノ]フェニル]−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピラジン−3−イル]−3−(3−ピリジル)尿素、
    1−(4−クロロフェニル)−3−[6−[4−[(2−フルオロ−5−メチル−フェニル)スルホニルアミノ]フェニル]−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピラジン−3−イル]尿素、
    2−クロロ−N−[4−[3−[[2−クロロ−4−トリフルオロメチル−フェニル]スルホニルアミノ]−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピラジン−6−イル]フェニル]−4−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホンアミド、
    N−[6−[4−(1−ナフチルスルホニルアミノ)フェニル]−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピラジン−3−イル]ナフタレン−1−スルホンアミド、
    2,4,6−トリクロロ−N−[4−[3−[(2,4,6−トリクロロフェニル)スルホニルアミノ]−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピラジン−6−イル]フェニル]ベンゼンスルホンアミド、
    N−[3−メチル−4−[[4−(3−メチル−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピラジン−6−イル)フェニル]スルファモイル]フェニル]アセトアミド、
    2−メチル−N−[4−(3−メチル−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピラジン−6−イル)フェニル]−5−ニトロ−ベンゼンスルホンアミド、及び
    N−[4−(3−メチル−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピラジン−6−イル)フェニル]−2−ニトロ−4−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホンアミド
    からなる系列より選ばれる、請求項1〜8のいずれか1項に記載された式Iの化合物又はその薬学的に許容しうる塩。
  10. 式IIの化合物及び式IIIの化合物を反応させて式IVの化合物を得、そして式IVの化合物を式Iの化合物に変換することを含む、
    Figure 2013063936
    [式中、式II、III及びIVの化合物中のR1、R2及びnは、式Iの化合物のとおり定義されるか又は官能基は保護された形態若しくは前駆体基の形態で存在し、式IIの化合物中の基G1は、ハロゲン又はスルホニルオキシ基であり、式II及びIVの化合物中の基G3は、水素又は保護基であり、式III及びIVの化合物中の基G4は、式Ar−S(O)2−NH−の基であり、ここにおいてArは式Iの化合物中のとおり定義され、若しくは官能基は保護された形態若しくは前駆体基の形態で存在し、又はG4はアミノ基、保護されたアミノ基若しくはアミノ基の前駆体基であり、そして式IIIの化合物中の基G5は、トリアルキルスタニル基又はボロン酸基、ボロン酸エステル基若しくは環式ボロン酸エステル基である]
    請求項1〜9のいずれ1項に記載された式Iの化合物の製造方法。
  11. 薬剤として使用するための請求項1〜9のいずれか1項に記載された、いずれかの立体異性形態の若しくは任意の比率の立体異性形態の混合物の式Iの化合物、又はその薬学的に許容しうる塩。
  12. 請求項1〜9のいずれか1項に記載された、いずれかのその立体異性形態の若しくは任意の比率の立体異性形態の混合物の式Iの化合物、又はその薬学的に許容しうる塩、及び薬学的に許容しうる担体を含む薬学的組成物。
  13. 血清及びグルココルチコイド調節キナーゼ(SGK)の阻害剤として又は変性関節障害、退行性軟骨病変、糖尿病、心臓血管疾患、線維症、炎症過程、疼痛、腫瘍若しくは脳梗塞の治療において使用するための、請求項1〜9のいずれか1項に記載された、いずれかの立体異性形態の若しくは任意の比率の立体異性形態の混合物における式Iの化合物、又はその薬学的に許容しうる塩。
  14. 血清及びグルココルチコイド調節キナーゼ(SGK)を阻害する薬剤を製造するための又は変性関節障害、変性軟骨変化、糖尿病、心臓血管疾患、線維症、炎症性過程、疼痛、腫瘍若しくは脳梗塞を治療するための、請求項1〜9のいずれか1項に記載された、いずれかの立体異性形態の若しくは任意の比率の立体異性形態の混合物における式Iの化合物、又はその薬学的に許容しうる塩の使用。
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