JP2013055119A - 複合体 - Google Patents

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一成 佐藤
Yoshiyuki Yamamoto
喜之 山本
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秀樹 松原
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Abstract

【課題】導電性が高くIII族窒化物結晶との接合強度が高いとともに光透過性が高い複合体を提供する。
【解決手段】本複合体100は、III族窒化物結晶110とIII族窒化物結晶110上に配置された酸化物膜120とを含み、酸化物膜120はドーパントの濃度が互いに異なる第1領域121と第2領域122とを含み、第2領域122は第1領域121に比べてドーパントの濃度が高い。
【選択図】図2

Description

本発明は、III族窒化物結晶と酸化物膜とを含む複合体に関する。かかる複合体は、光デバイス、電子デバイスなどの半導体デバイスに好適に用いられる。
光デバイス、電子デバイスなどの半導体デバイスに用いられる複合基板に関して、特開2007−201429号公報(特許文献1)および特開2007−201430号公報(特許文献2)は、導電性を高めるとともに支持基板とIII族窒化物層との接合強度を高めるために、支持基板とIII族窒化物層との間にドーパント(不純物)が添加された酸化物膜が配置された複合基板を開示する。
特開2007−201429号公報 特開2007−201430号公報
特開2007−201429号公報(特許文献1)および特開2007−201430号公報(特許文献2)に開示された複合基板は、酸化物膜に不純物であるドーパントが添加されていることから、光透過性が低下するため、光デバイスに用いるには不利になるという問題点があった。
本発明は、上記問題点を解決して、導電性が高くIII族窒化物結晶との接合強度が高いとともに光透過性が高い複合体を提供することを目的とする。
本発明は、III族窒化物結晶とIII族窒化物結晶上に配置された酸化物膜とを含み、酸化物膜はドーパントの濃度が互いに異なる第1領域と第2領域とを含み、第2領域は第1領域に比べてドーパントの濃度が高い複合体である。
本発明にかかる複合体において、酸化物膜の第1領域は、ドーパントが添加されていなくてもよい。また、酸化物膜の主表面の面積に対する酸化物膜の主表面に現れる第2領域の面積の比を50%以下とすることができる。
本発明によれば、導電性が高くIII族窒化物結晶との接合強度が高いとともに光透過性が高い複合体を提供することができる。
本発明にかかる複合体の一例を示す概略平面図である。 図1のII−IIにおける概略断面図である。 本発明にかかる複合体の製造方法の一例を示す概略断面図である。
[複合体]
図1および2を参照して、本発明の一実施形態である複合体100は、III族窒化物結晶110とIII族窒化物結晶110上に配置された酸化物膜120とを含み、酸化物膜120は、ドーパントの濃度が互いに異なる第1領域121と第2領域122とを含み、第2領域122は第1領域121に比べてドーパントの濃度が高い。
本実施形態の複合体100は、酸化物膜120がドーパントの濃度が互いに異なる第1領域121と第2領域122とを含み、第2領域122が第1領域121に比べてドーパントの濃度が高いことから、導電性が高くIII族窒化物結晶との接合強度が高いとともに光透過性が高い。
本実施形態の複合体100において、III族窒化物結晶110は、III族元素であるAl、Ga、InなどとN(窒素)とで形成される結晶、たとえばAlxGayIn1-x-yN結晶(0≦x、0≦y、x+y≦1)であり、半導体としての物性を有する。III族窒化物結晶110の形状は、特に制限はないが、光デバイス、電子デバイスなどの半導体デバイスの製造に好適な観点から、主表面が円、多角形などの板状またはウエハ状であることが好適である。具体的には、III族窒化物結晶基板、III族窒化物結晶ウエハなどが好適に挙げられる。
また、本実施形態の複合体100において、酸化物膜120は、特に制限はないが、安価で成膜できる観点からSiO2膜、Si34膜などが好ましく挙げられ、その酸化物膜の屈折率がGaN結晶などのIII族窒化物結晶の屈折率に近く酸化物膜とIII族窒化物結晶との界面で高い光透過性を有する観点からTiO2膜、SrTiO3膜などが好ましく挙げられる。また、酸化物膜120に添加されるドーパントは、特に制限はないが、その酸化膜を損なうことなく安定してドーパントを添加できる観点から、TiO2膜にはドーパントとしてNb、La、Sb、Mo、Fe、Al、Sn、Pt、I、B、Nなどが添加されていることが好ましく、SrTiO3膜にはドーパントとしてLa、Nb、Sb、Mo、Fe、Al、Sn、Pt、I、B、Nなどが添加されていることが好ましい。
また、本実施形態の複合体100において、複合体100の光透過性をより高くする観点から、酸化物膜120の第1領域121は、上記のドーパントが添加されていないことが好ましい。
また、本実施形態の複合体100において、複合体100の導電性を高くIII族窒化物結晶との接合強度を高くするとともに光透過性を高くする観点から、酸化物膜120の主表面の面積S、酸化物膜120の主表面に現れる第1領域の面積S1、および酸化物膜120の主表面に現れる第2領域の面積S2の関係に関して、酸化物膜120の主表面の面積Sに対する酸化物膜120の主表面に現れる第2領域122の面積S2の比が50%以下であることが好ましい。
[複合体の製造方法]
図3を参照して、本実施形態の複合体の製造方法は、特に制限はないが、本実施形態の複合体100を効率よく製造する観点から、III族窒化物結晶110を準備する工程(図3(A))と、III族窒化物結晶110の少なくとも一部にマスク112を形成する工程(図3(B))と、マスク112が形成されたIII族窒化物結晶110上に酸化物膜120の第1領域121を形成する工程(図3(C))と、マスク112を除去する工程(図3(D))と、マスク112が除去されたIII族窒化物結晶110上に酸化物膜120の第2領域122を形成する工程(図3(E))と、形成された第1領域121および第2領域122を含む酸化物膜120の表面を研磨する工程と、を含むことが好ましい。
(III族窒化物結晶の準備)
図3(A)を参照して、本実施形態の複合体の製造方法は、III族窒化物結晶110を準備する工程を含む。
III族窒化物結晶110を準備する方法は、特に制限はなく、たとえば、大口径で厚いIII族窒化物バルク結晶(図示せず)を、ワイヤーソー、内周刃、外周刃などにより所定の間隔でスライスすることにより、所定の厚さのIII族窒化物結晶110を準備する方法が挙げられる。また、大口径で厚いIII族窒化物バルク結晶の主表面から所定の深さの面に水素イオン、ヘリウムイオンを注入して、そのイオン注入領域を脆化させた後、応力をかけることにより脆化されたイオン注入領域でそのIII族窒化物バルク結晶を分離することにより、所定の厚さのIII族窒化物結晶110を準備する方法が挙げられる。
III族窒化物バルク結晶を成長させる方法は、特に制限はなく、HVPE(ハイドライド気相成長)法、MOPVE(有機金属気相成長)法、MBE(分子線成長)法、昇華法などの気相法、フラックス法、高窒素圧溶液法などの液相法などが挙げられる。結晶成長速度が高く、大口径で厚いIII族窒化物バルク結晶が得られやすい観点から、HVPE法が好ましい。
(マスクの形成工程)
図3(B)を参照して、本実施形態の複合体の製造方法は、III族窒化物結晶110の少なくとも一部にマスク112を形成する工程を含む。マスク112を形成する方法は、特に制限はないが、簡便に精度の高いマスクを容易に形成する観点から、フォトリソグラフィ法によりパターン化されたレジストのマスクを形成する方法が好ましい。
(酸化物膜の第1領域の形成工程)
図3(C)を参照して、本実施形態の複合体の製造方法は、マスク112が形成されたIII族窒化物結晶110上に酸化物膜120の第1領域121を形成する工程を含む。酸化物膜120の第1領域121を形成する方法は、その形成に適した方法であれば特に制限はなく、スパッタ法、CVD(化学気相堆積)法、電子ビーム蒸着法、MBE(分子線エピタキシ)法、PLD(パルスレーザ堆積)法などが挙げられる。なお、酸化物膜120の第1領域121は、必要に応じてドーパントが添加される。かかる酸化物膜120の第1領域121を形成する工程により、III族窒化物結晶110上のマスク112が形成されていない部分およびマスク112が形成されている部分に酸化物膜120の第1領域121が形成される。
(マスクの除去工程)
図3(D)を参照して、本実施形態の複合体の製造方法は、マスク112を除去する工程を含む。マスク112を除去する方法は、マスク112を除去するのに適した方法であれば特に制限はなく、たとえば、マスク112がフォトリソグラフィ法で形成されたパターン化されたレジストのマスク112の場合は、アセトン中での超音波リフトオフにより除去することができる。かかるマスク112を除去する工程により、マスク112とともにマスク112上に形成された第1領域121が除去され、III族窒化物結晶110上のマスク112が形成されていない部分に酸化物膜120の第1領域121が形成される。
(酸化物膜の第2領域の形成工程)
図3(E)を参照して、本実施形態の複合体の製造方法は、マスク112が除去されたIII族窒化物結晶110上に酸化物膜120の第2領域122を形成する工程を含む。酸化物膜120の第2領域122の形成方法は、その形成に適した方法であれば特に制限はなく、スパッタ法、CVD(化学気相堆積)法、電子ビーム蒸着法、MBE(分子線エピタキシ)法、PLD(パルスレーザ堆積)法などが挙げられる。なお、酸化物膜120の第2領域122は、通常、第1領域121に比べてより高濃度のドーパントが添加される。かかる酸化物膜120の第2領域122を形成する工程により、III族窒化物結晶上のマスク112が除去されてIII族窒化物結晶が露出している部分および酸化物膜120の第1領域121が形成されている部分に酸化物膜120の第2領域122が形成される。
(第1領域および第2領域を含む酸化物膜の表面の研磨工程)
図3(F)を参照して、本実施形態の複合体の製造方法は、形成された第1領域121および第2領域122を含む酸化物膜120の表面を研磨する工程を含む。第1領域121および第2領域122を含む酸化物膜120の表面を研磨する方法は、それらの表面を平坦に研磨できる方法であれば特に制限はなく、CMP(化学機械的研磨)法、反応性イオンエッチング法などが挙げられる。かかる第1領域121および第2領域122を含む酸化物膜120の表面を研磨する工程により、III族窒化物結晶110上のマスク112が除去された部分に形成された第2領域122を残して、III族窒化物結晶110上に形成された第1領域121上に形成された第2領域122が除去されて、第1領域121と第2領域122とを含み、第1領域121に比べて第2領域122はドーパントの濃度が高い複合体100が得られる。
[実施例A]
(比較例A−R1)
1.III族窒化物結晶の準備
HVPE法により、直径2インチ(5.08cm)で厚さ10mmのGaNバルク結晶(III族窒化物バルク結晶)を成長させた。得られたGaNバルク結晶をワイヤーソーでスライスして、主表面をCMP(化学機械的研磨)により研磨して、直径2インチ(5.08cm)で厚さ300μmのGaN結晶(III族窒化物結晶)を準備した。
2.酸化物膜の形成
上記のGaN結晶(III族窒化物結晶)の主表面上に、スパッタ法により、酸化物膜としてドーパントを添加せずに厚さ300nmのTiO2膜(以下、無添加TiO2膜という。)を成長させることにより、酸化物膜として無添加TiO2膜(第1領域)のみがGaN結晶(III族窒化物結晶)の主表面上に形成された複合体が得られた。すなわち、複合体の酸化物膜における無添加TiO2膜(第1領域)の面積比は100であった。
3.複合体の物性測定
上記で得られた複合体について、波長600nmの光の吸収率を、紫外可視分光光度計により測定した。複合体の光吸収率は0.0%であった。
また、上記の複合体について、GaN結晶と無添加TiO2膜との接合強度を以下の引張試験により測定した。12mm×12mmの大きさの試験サンプルを5個作製し、各試験サンプルをエポキシ接着剤により試験装置の所定部分に固定し、引張速度0.1mm/secで引張試験を行ない、試験サンプルが破断するときの引張強度を測定した。5個の試験サンプルについての試験サンプルが破断するときの引張強度の平均値を複合体の接合強度とした。本比較例A−R1の複合体の相対接合強度を1.00として、本比較例A−R1の複合体の相対接合強度に対する以下の実施例A−1〜A−3および比較例A−R2の複合体の相対接合強度を算出した。
また、上記の複合体について、その抵抗を、2端子法により測定した。5個の試験サンプルについての抵抗の平均値を複合体の抵抗とした。複合体の抵抗は1.0×106Ωと大きかった。結果を表1にまとめた。
(実施例A−1)
1.III族窒化物結晶の準備
比較例A−R1と同様にして、直径2インチ(5.08cm)で厚さ300μmのGaN結晶(III族窒化物結晶)を準備した。
2.マスクの形成
上記のGaN結晶(III族窒化物結晶)の主表面上において、主表面の面積に対して10%の面積の部分に、フォトリソグラフィ法によりレジストのマスクを形成した。具体的には、GaN基板の主表面上に100μm×100μmmの大きさの正方形マス目が縦10個×横10個に配列した100個の正方形マス目当たり対角線上の10個の正方形マス目上にレジストのマスクを形成した。
3.酸化物膜の第1領域の形成
上記のマスクが形成されたGaN結晶(III族窒化物結晶)の主表面上に、スパッタ法により、酸化物膜の第1領域としてドーパントを添加せずに厚さ300nmのTiO2膜(以下、無添加TiO2膜という。)を成長させた。これにより、GaN結晶(III族窒化物結晶)の主表面上のマスクが形成されなかった部分およびマスクが形成された部分の両方に無添加TiO2膜(第1領域)が形成された。
4.マスクの除去
マスクおよび無添加TiO2膜(第1領域)が形成されたGaN結晶(III族窒化物結晶)上のマスクを、リフトオフ法により除去した。これにより、マスクとともにマスク上に形成された無添加TiO2膜(第1領域)がGaN結晶(III族窒化物結晶)から除去された。これにより、GaN結晶(III族窒化物結晶)の主表面上のマスクが形成されなかった部分に無添加TiO2膜(第1領域)が形成された。
5.酸化物膜の第2領域の形成
主表面上のマスクが形成されなかった部分に無添加TiO2膜(第1領域)が形成されたGaN結晶の主表面上に、スパッタ法により、酸化物膜の第2領域としてドーパントであるNbが1質量%添加された厚さ300nmのTiO2膜(Nb添加TiO2膜)を成長させた。これにより、GaN結晶(III族窒化物結晶)の主表面上の無添加TiO2膜(第1領域)が形成されなかった部分および無添加TiO2膜(第1領域)が形成された部分の両方にNb添加TiO2膜(第2領域)が形成された。
6.酸化物膜の表面の研磨
形成された無添加TiO2膜(第1領域)およびNb添加TiO2膜(第2領域)を含む酸化物膜の表面をCMPにより研磨した。これにより、GaN結晶(III族窒化物結晶)の主表面上の無添加TiO2膜(第1領域)が形成されなかった部分に形成されたNb添加TiO2膜(第2領域)を残して、GaN結晶(III族窒化物結晶)の主表面上の無添加TiO2膜(第1領域)が形成された部分上に形成されたNb添加TiO2膜(第2領域)が除去されて、主表面が平坦で無添加TiO2膜(第1領域)およびNb添加TiO2膜(第2領域)を含む酸化物膜がGaN結晶(III族窒化物結晶)の主表面上に形成された複合体が得られた。複合体の酸化物膜における無添加TiO2膜(第1領域)およびNb添加TiO2膜(第2領域)の面積比は、それぞれ90%および10%であった。
7.複合体の物性測定
本実施例A−1で得られた複合体は、その光吸収率が2.3%であり、その相対接合強度が1.06であり、その抵抗が1.5×10-2Ωであった。結果を表1にまとめた。
(実施例A−2)
比較例A−R1と同様にして、直径2インチ(5.08cm)で厚さ300μmのGaN結晶(III族窒化物結晶)を準備した。
上記のGaN結晶(III族窒化物結晶)の主表面上において、主表面の面積に対して50%の面積の部分に、フォトリソグラフィ法によりレジストのマスクを形成した。具体的には、GaN基板の主表面上に100μm×100μmの大きさの正方形マス目が縦10個×横10個に配列した100個の正方形マス目当たりチェス盤パターンに配置された50個の正方形マス目上にレジストのマスクを形成したこと以外は、実施例A−1と同様にして、マスクを形成し、酸化物膜の第1領域である無添加TiO2膜を形成し、マスクを除去し、酸化物膜の第2領域であるNb添加TiO2膜を形成し、マスクを除去して、無添加TiO2膜(第1領域)およびNb添加TiO2膜(第2領域)を含む酸化物膜がGaN結晶(III族窒化物結晶)の主表面上に形成された複合体が得られた。複合体の酸化物膜における無添加TiO2膜(第1領域)およびNb添加TiO2膜(第2領域)の面積比は、それぞれ50%および50%であった。
本実施例A−2で得られた複合体は、その光吸収率が11.0%であり、その相対接合強度が1.30であり、その抵抗が3.4×10-3Ωであった。結果を表1にまとめた。
(実施例A−3)
比較例A−R1と同様にして、直径2インチ(5.08cm)で厚さ300μmのGaN結晶(III族窒化物結晶)を準備した。
上記のGaN結晶(III族窒化物結晶)の主表面上において、主表面の面積に対して90%の面積の部分に、フォトリソグラフィ法によりレジストのマスクを形成した。具体的には、GaN基板の主表面上に100μm×100μmの大きさの正方形マス目が縦10個×横10個に配列した100個の正方形マス目当たり対角線上の10個の正方形マス目以外の90個の正方形マス目上にレジストのマスクを形成したこと以外は、実施例A−1と同様にして、マスクを形成し、酸化物膜の第1領域である無添加TiO2膜を形成し、マスクを除去し、酸化物膜の第2領域であるNb添加TiO2膜を形成し、マスクを除去して、無添加TiO2膜(第1領域)およびNb添加TiO2膜(第2領域)を含む酸化物膜がGaN結晶(III族窒化物結晶)の主表面上に形成された複合体が得られた。複合体の酸化物膜における無添加TiO2膜(第1領域)およびNb添加TiO2膜(第2領域)の面積比は、それぞれ10%および90%であった。
本実施例A−3で得られた複合体は、その光吸収率が19.5%であり、その相対接合強度が1.54であり、その抵抗が2.1×10-3Ωであった。結果を表1にまとめた。
(比較例A−R2)
比較例A−R1と同様にして、直径2インチ(5.08cm)で厚さ300μmのGaN結晶(III族窒化物結晶)を準備した。
酸化物膜としてドーパントであるNbが1質量%添加された厚さ300nmのTiO2膜(Nb添加TiO2膜)を成長させたこと以外は、比較例A−R1と同様にして、酸化物膜としてNb添加TiO2膜(第2領域)のみがGaN結晶(III族窒化物結晶)の主表面上に形成された複合体が得られた。すなわち、複合体の酸化物膜におけるNb添加TiO2膜(第2領域)の面積比は100であった。
本比較例A−R2で得られた複合体は、その光吸収率が22.0%であり、その相対接合強度が1.60であり、その抵抗が1.9×10-3Ωであった。結果を表1にまとめた。
Figure 2013055119
表1を参照して、III族窒化物結晶とIII族窒化物結晶上に配置された酸化物膜(TiO2膜)とを含み、酸化物膜はドーパント(Nb)の濃度が互いに異なる第1領域と第2領域とを含み、第2領域は第1領域に比べてドーパントの濃度が高い複合体は、光吸収性を低く(すなわち、光透過性を高く)維持したまま接合強度を高くかつ抵抗を低く(すなわち、導電性を高く)できた。また、酸化物膜の第1領域をドーパントが添加されていない領域とし、酸化物膜の主表面の面積に対する酸化物膜の主表面に現れる第2領域の面積の比を50%以下とすることにより、光吸収性の増大(すなわち、光透過性の低減)を抑制することができた。
[実施例B]
(比較例B−R1)
1.III族窒化物結晶の準備
比較例A−R1と同様にして、直径2インチ(5.08cm)で厚さ300μmのGaN結晶(III族窒化物結晶)を準備した。
2.酸化物膜の形成
上記のGaN結晶(III族窒化物結晶)の主表面上に、スパッタ法により、酸化物膜としてドーパントを添加せずに厚さ300nmのSrTiO3膜(以下、無添加SrTiO3膜という。)を成長させることにより、酸化物膜として無添加SrTiO3膜(第1領域)のみがGaN結晶(III族窒化物結晶)の主表面上に形成された複合体が得られた。すなわち、複合体の酸化物膜における無添加SrTiO3膜(第1領域)の面積比は100であった。
3.複合体の物性測定
上記で得られた複合体について、波長600nmの光の吸収率を、紫外可視分光光度計により測定した。複合体の光吸収率は0.1%であった。
また、上記の複合体について、GaN結晶と無添加SrTiO3膜との接合強度を以下の引張試験により測定した。12mm×12mmの大きさの試験サンプルを5個作製し、各試験サンプルをエポキシ接着剤により試験装置の所定部分に固定し、引張速度0.1mm/secで引張試験を行ない、試験サンプルが破断するときの引張強度を測定した。5個の試験サンプルについての試験サンプルが破断するときの引張強度の平均値を複合体の接合強度とした。本比較例B−R1の複合体の相対接合強度を1.00として、本比較例B−R1の複合体の相対接合強度に対する以下の実施例B−1〜B−3および比較例B−R2の複合体の相対接合強度を算出した。
また、上記の複合体について、その抵抗を、2端子法により測定した。5個の試験サンプルについての抵抗の平均値を複合体の抵抗とした。複合体の抵抗は1.0×106Ωと大きかった。結果を表1にまとめた。
(実施例B−1)
1.III族窒化物結晶の準備
比較例A−R1と同様にして、直径2インチ(5.08cm)で厚さ300μmのGaN結晶(III族窒化物結晶)を準備した。
2.マスクの形成
上記のGaN結晶(III族窒化物結晶)の主表面上において、主表面の面積に対して10%の面積の部分に、フォトリソグラフィ法によりレジストのマスクを形成した。具体的には、GaN基板の主表面上に100μm×100μmの大きさの正方形マス目が縦10個×横10個に配列した100個の正方形マス目当たり対角線上の10個の正方形マス目上にレジストのマスクを形成した。
3.酸化物膜の第1領域の形成
上記のマスクが形成されたGaN結晶(III族窒化物結晶)の主表面上に、スパッタ法により、酸化物膜の第1領域としてドーパントを添加せずに厚さ300nmのSrTiO3膜(以下、無添加SrTiO3膜という。)を成長させた。これにより、GaN結晶(III族窒化物結晶)の主表面上のマスクが形成されなかった部分およびマスクが形成された部分の両方に無添加SrTiO3膜(第1領域)が形成された。
4.マスクの除去
マスクおよび無添加SrTiO3膜(第1領域)が形成されたGaN結晶(III族窒化物結晶)上のマスクを、リフトオフ法により除去した。これにより、マスクとともにマスク上に形成された無添加SrTiO3膜(第1領域)がGaN結晶(III族窒化物結晶)から除去された。これにより、GaN結晶(III族窒化物結晶)の主表面上のマスクが形成されなかった部分に無添加SrTiO3膜(第1領域)が形成された。
5.酸化物膜の第2領域の形成
主表面上のマスクが形成されなかった部分に無添加SrTiO3膜(第1領域)が形成されたGaN結晶の主表面上に、スパッタ法により、酸化物膜の第2領域としてドーパントであるLaが1質量%添加された厚さ300nmのSrTiO3膜(La添加SrTiO3膜)を成長させた。これにより、GaN結晶(III族窒化物結晶)の主表面上の無添加SrTiO3膜(第1領域)が形成されなかった部分および無添加SrTiO3膜(第1領域)が形成された部分の両方にLa添加SrTiO3膜(第2領域)が形成された。
6.酸化物膜の表面の研磨
形成された無添加SrTiO3膜(第1領域)およびLa添加SrTiO3膜(第2領域)を含む酸化物膜の表面をCMPにより研磨した。これにより、GaN結晶(III族窒化物結晶)の主表面上の無添加SrTiO3膜(第1領域)が形成されなかった部分に形成されたLa添加SrTiO3膜(第2領域)を残して、GaN結晶(III族窒化物結晶)の主表面上の無添加SrTiO3膜(第1領域)が形成された部分上に形成されたLa添加SrTiO3膜(第2領域)が除去されて、主表面が平坦で無添加SrTiO3膜(第1領域)およびLa添加SrTiO3膜(第2領域)を含む酸化物膜がGaN結晶(III族窒化物結晶)の主表面上に形成された複合体が得られた。複合体の酸化物膜における無添加SrTiO3膜(第1領域)およびLa添加SrTiO3膜(第2領域)の面積比は、それぞれ90%および10%であった。
7.複合体の物性測定
本実施例B−1で得られた複合体は、その光吸収率が1.8%であり、その相対接合強度が1.05であり、その抵抗が1.7×10-2Ωであった。結果を表2にまとめた。
(実施例B−2)
比較例A−R1と同様にして、直径2インチ(5.08cm)で厚さ300μmのGaN結晶(III族窒化物結晶)を準備した。
上記のGaN結晶(III族窒化物結晶)の主表面上において、主表面の面積に対して50%の面積の部分に、フォトリソグラフィ法によりレジストのマスクを形成した。具体的には、GaN基板の主表面上に100μm×100μmの大きさの正方形マス目が縦10個×横10個に配列した100個の正方形マス目当たりチェス盤パターンに配置された50個の正方形マス目上にレジストのマスクを形成したこと以外は、実施例B−1と同様にして、マスクを形成し、酸化物膜の第1領域である無添加SrTiO3膜を形成し、マスクを除去し、酸化物膜の第2領域であるLa添加SrTiO3膜を形成し、マスクを除去して、無添加SrTiO3膜(第1領域)およびLa添加SrTiO3膜(第2領域)を含む酸化物膜がGaN結晶(III族窒化物結晶)の主表面上に形成された複合体が得られた。複合体の酸化物膜における無添加SrTiO3膜(第1領域)およびLa添加SrTiO3膜(第2領域)の面積比は、それぞれ50%および50%であった。
本実施例B−2で得られた複合体は、その光吸収率が9.0%であり、その相対接合強度が1.25であり、その抵抗が3.8×10-3Ωであった。結果を表2にまとめた。
(実施例B−3)
比較例B−R1と同様にして、直径2インチ(5.08cm)で厚さ300μmのGaN結晶(III族窒化物結晶)を準備した。
上記のGaN結晶(III族窒化物結晶)の主表面上において、主表面の面積に対して90%の面積の部分に、フォトリソグラフィ法によりレジストのマスクを形成した。具体的には、GaN基板の主表面上に100μm×100μmの大きさの正方形マス目が縦10個×横10個に配列した100個の正方形マス目当たり対角線上の10個の正方形マス目以外の90個の正方形マス目上にレジストのマスクを形成したこと以外は、実施例B−1と同様にして、マスクを形成し、酸化物膜の第1領域である無添加SrTiO3膜を形成し、マスクを除去し、酸化物膜の第2領域であるLa添加SrTiO3膜を形成し、マスクを除去して、無添加SrTiO3膜(第1領域)およびLa添加SrTiO3膜(第2領域)を含む酸化物膜がGaN結晶(III族窒化物結晶)の主表面上に形成された複合体が得られた。複合体の酸化物膜における無添加SrTiO3膜(第1領域)およびLa添加SrTiO3膜(第2領域)の面積比は、それぞれ10%および90%であった。
本実施例B−3で得られた複合体は、その光吸収率が15.5%であり、その相対接合強度が1.45であり、その抵抗が2.3×10-3Ωであった。結果を表2にまとめた。
(比較例B−R2)
比較例A−R1と同様にして、直径2インチ(5.08cm)で厚さ300μmのGaN結晶(III族窒化物結晶)を準備した。
酸化物膜としてドーパントであるLaが1質量%添加された厚さ300nmのSrTiO3膜(La添加SrTiO3膜)を成長させたこと以外は、比較例B−R1と同様にして、酸化物膜としてLa添加SrTiO3膜(第2領域)のみがGaN結晶(III族窒化物結晶)の主表面上に形成された複合体が得られた。すなわち、複合体の酸化物膜におけるLa添加SrTiO3膜(第2領域)の面積比は100であった。
本比較例B−R2で得られた複合体は、その光吸収率が17.0%であり、その相対接合強度が1.50であり、その抵抗が2.1×10-3Ωであった。結果を表2にまとめた。
Figure 2013055119
表2を参照して、III族窒化物結晶とIII族窒化物結晶上に配置された酸化物膜(SrTiO3膜)とを含み、酸化物膜はドーパント(La)の濃度が互いに異なる第1領域と第2領域とを含み、第2領域は第1領域に比べてドーパントの濃度が高い複合体は、光吸収性を低く(すなわち、光透過性を高く)維持したまま接合強度を高くかつ抵抗を低く(すなわち、導電性を高く)できた。また、酸化物膜の第1領域をドーパントが添加されていない領域とし、酸化物膜の主表面の面積に対する酸化物膜の主表面に現れる第2領域の面積の比を50%以下とすることにより、光吸収性の増大(すなわち、光透過性の低減)を抑制することができた。
今回開示された実施形態および実施例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した説明でなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内のすべての変更が含まれることが意図される。
本発明により製造される複合体は、発光ダイオード、レーザダイオードなどの発光デバイス、整流器、バイポーラトランジスタ、FET(電界効果トランジスタ)、HEMT(高電子移動度トランジスタ)などの電子デバイスに広く用いられる。
100 複合体、110 III族窒化物結晶、112 マスク、120 酸化物膜、121 第1領域、122 第2領域。

Claims (3)

  1. III族窒化物結晶と、前記III族窒化物結晶上に配置された酸化物膜と、を含み、
    前記酸化物膜は、ドーパントの濃度が互いに異なる第1領域と第2領域とを含み、前記第2領域は前記第1領域に比べて前記ドーパントの濃度が高い複合体。
  2. 前記酸化物膜の前記第1領域は、前記ドーパントが添加されていない請求項1に記載の複合体。
  3. 前記酸化物膜の主表面の面積に対する前記酸化物膜の主表面に現れる前記第2領域の面積の比が50%以下である請求項1または請求項2に記載の複合体。
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