JP2013054447A - 気分改善システムおよび気分改善方法 - Google Patents
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Abstract
客観的・定量的に健常者個人の気分(抑うつ、活気傾向)を評価し、目的とする気分になるために適したコンテンツを作成・提供できる気分改善システムおよび気分改善方法を提供する。
【解決手段】
被検体へ呈示する複数種類の課題を送出する課題呈示部10と、光源から照射され前記被検体内を伝播した光を検出する生体光計測部20と、前記生体光計測部で得られた光検出信号を解析し、気分を改善するためのコンテンツを選択する解析部30と、前記課題呈示部から送出される課題や前記解析部の結果を表示する表示部40を備える気分改善システムにおいて、前記解析部30は、光検出信号から気分指標を求め、該気分指標に応じて気分を改善するためのコンテンツを選択する。
【選択図】 図1
Description
運動で変化する気分の変化を気分脳指標で表せるか検証するため、以下の方法で実験を行った。健常者12名(男性12名、年齢:26〜38歳)に対して以下のような計測を行い、本課題を解決する知見を得た。
<イベントの設定>運動と安静のイベントを設定し、イベント前後で気分スコアと生体光を計測する。そして、イベントの種類で気分変化に違いが見られるか、気分スコアの変化と気分脳指標の変化に相関関係が見られるか検討する。気分スコアの変化はPOMS検査で計測したものを用い、生体光計測は空間性と言語性の2種類のWM(ワーキングメモリ)課題に伴う前頭葉活動を光トポグラフィで計測したものを用いる(特許文献1)。全体の流れは、実験室に入室→質問紙→光トポグラフィ→イベント→質問紙→光トポグラフィの順番で実施する。イベントの種類は、座位安静、エアロバイク、ボール打ち運動の3種類設定し、各被験者はそのうち2種類のイベントについて実験を行う。したがって、各イベントの被験者数は被験者総数の12名のうち8名となる。イベントの順番やWM課題の順番はカウンターバランスをとり、気分の変化やWM課題の結果に試行順序の主効果が表れないよう考慮した。各被験者は実験を1週間の間隔で同時刻に2日間実施した。
WM課題に対する正答率および反応時間を検討した結果、両条件ともに9割以上の正答率と、1100〜1330ミリ秒の反応時間で、空間性WM課題と言語性WM課題の間に優位差はなかった。
表示部40では、気分を評価するためのWM課題を呈示したり、なりたい気分になるためのコンテンツの呈示をしたり、気分計測による結果などを表示する。
データベース50は、生体光計測データと気分指標の関係式やコンテンツと気分改善度合いを対応付けたデータなどを格納している。
入力部は、キーボードやマウスなどの入力手段から構成され、使用者に関する情報(年齢、性別、身長、体重など)を入力したり、実施したいコンテンツを選択する。
生体光計測データと気分指標の関係を示す式からユーザの計測時における気分指標を導出し、なりたい気分(例:疲労回復モード=POMS活気スコア0−2相当)との差異を求める。例えば、図3の測定結果より、以下の関係式が得られる。このように、イベント毎に、また、計測チャネルごとに関係式が得られる。
(1)コンテンツに「座位安静」を選択し、図2に示すような、22個の計測チャネルタイプのプローブホルダを前頭葉領域に装着し、14番目の計測チャネル(ch)を生体光計測データとして用いた場合、次の(1)式で示される。
(2)コンテンツに「座位安静」を選択し、図2に示すような、22個の計測チャネルタイプのプローブホルダを前頭葉領域に装着し、13番目の計測チャネル(ch)を生体光計測データとして用いた場合、次の(2)式で示される。
(3)コンテンツに「ボール打ち」を選択し、図2に示すような、22個の計測チャネルタイプのプローブホルダを前頭葉領域に装着し、13番目の計測チャネル(ch)を生体光計測データとして用いた場合、次の(3)式で示される。
(4)コンテンツに「ボール打ち」を選択し、図2に示すような、22個の計測チャネルタイプのプローブホルダを前頭葉領域に装着し、15番目の計測チャネル(ch)を生体光計測データとして用いた場合、次の(4)式で示される。
[データベースの作成]
データベース50には、ユーザ属性(年齢、性別、身長、体重など)別に準備された、生体光計測データと気分指標の関係式、気分指標変化量とコンテンツ(散歩、ヨガ、ストレッチ、ジョギング、音楽鑑賞、睡眠、読書など)の対応表、モード(疲労回復、リラックス、はつらつなど)とコンテンツの対応表が格納されている。被験者のカテゴライズは年齢、性別、身長、体重のように一般的なものから、精度向上のために安静時心拍数や、運動歴などを含めても良い。
(1)WM課題によって得られた生体光計測データとPOMSスコアとユーザ属性から、気分指標(POMSスコア)関係式を求める。
(2)決まったコンテンツ (たとえば軽いジョギング20分など)を行う。
(3)コンテンツ実施後にWM課題を実施し、このときの生体光計測データと前述の気分指標関係式より気分指標を求める。
(4)コンテンツ実施前の気分指標と、コンテンツ実施後の気分指標の差分をとり、その差分とコンテンツとモードを対応させる。例えば、リラックスモードなら、POMSの活気気分スコアを3−4にさせるコンテンツを、はつらつモードなら、5−6にするコンテンツを対応させる。これを多様な成人に対して実施し、テーブルを作成する。
図4に、本実施例の気分改善システムの動作フローを示す。
(1)ユーザは、先ず、安静時の心拍を計測するとともに、基本データ(年齢、性別、身長、体重)を登録する。(S401)
(2)次に、ユーザは、設定画面で自分がなりたい気分を選択する。例えば疲労回復モード、リラックスモード、はつらつモードなどのモードから選択する。疲労回復モードは、POMSの活気指標0−2に相当か、或いは、コンテンツ実施前より1アップするモードである。リラックスモードは、POMSの活気指標3−4に相当か、或いは、コンテンツ実施前より2アップするモードである。はつらつモードは、POMSの活気指標5−6に相当か、或いは、コンテンツ実施前より4アップするモードである。(S402)
(3)次に、ユーザは、どんなコンテンツを実施したいか選択する。例えば、エクササイズ、音楽鑑賞、ヨガなどである。(S403)
(4)続いて、ユーザは、生体光計測装置を用いてコンテンツ実施前の気分を計測する。(S404)
(5)なりたい気分と実際の気分との差異を解消できるコンテンツの負荷(時間など)を、データベースから抽出し、表示部に提示する。(S405)
(6)ユーザが提示されたコンテンツを実施したのちに再度生体光計測を行う。(S406)
(7)S406で気分変化指標の計算を行い、S408で気分変化目標値との差分を計算し、S409で目標値の±1の範囲に入ったかを判断し、意図したレベルまで気分が回復したか否かを確認する。
(8)S409で意図したレベルまで気分が回復しておらず、S410で再試行するかどうかを選択し、さらに気分の回復を実施したいならば、S411で差分に基づくコンテンツの再構築を行い、S405に戻る。
(9)S409で意図したレベルまで気分が回復した場合、または、S410で再試行を行わない場合は、S412で終了する。
なお、本実施例において、コンテンツ実施後の計測結果が、目的とする気分指標よりも4以上離れている場合には、コンテンツの実施時間を1.5倍にして再提示するようにしても良い。
図5に、画面遷移の例を示す。図5(a)は、ユーザ登録の画面例を示し、図5(b)は、計測の画面例を示す。
(1)S511で、登録するユーザを選択する。
(2)S512で、ユーザ名を入力する。
(3)S513で、年齢、性別、身長、体重を入力する。
(4)S514で、安静時心拍数の計測を行うことを表示する。
(5)S515で、安静時心拍数の計測結果を表示し、登録の確認を行う。
(6)S516で、初期データ登録の終了画面を表示する。
(1)S521で、始めにユーザを選択する。登録ユーザでない場合はゲストを選択できる。
(2)S522で、イベントを選択する。例えば、散歩、ヨガ、ストレッチ、ジョギング、音楽鑑賞、睡眠、読書などから選択する。
(3)S523で、なりたい気分モードを選択する。例えば、はつらつ、リラックスから選択する。
(4)S524で、気分を計測するため、生体光計測装を装着する。
(5)S525で、空間性WM課題を実施した後に、S526で、言語性WM課題を実施する。
(6)S527で、課題の結果より希望したイベントで、希望する気分になるために必要な運動の内容を提示する。
(7)(イベントを実施する。)
(8)S528で、イベント終了後、再度、気分を計測するために生体光計測装置を装着する。
(9)S529で、空間性WM課題を実施したのちに、S530で、言語性WM課題を実施する。
(10)S531で、結果を表示する。(例では、希望通りすっきり気分になった場合)
[気分改善コンテンツの最適化]
本発明において、ユーザ毎に気分が改善するコンテンツをカスタマイズできるように構成しても良い。気分が改善するコンテンツは人によって異なる。具体的には、コンテンツと気分改善度合いのデータを保存しておき、過去の計測データより気分の改善度合いが高い(例えば上位3つ)コンテンツをランダムに勧めるように構成する。
コンテンツは自分で運動プログラムを作っても良い。例えば、ジョギング10分からウォーキング20分などを組み合わる。それをオリジナルの名称として登録し、再利用可能にしてもよい。
フローは複数回繰り返すと慣れが出てくるので、その対策を行っても良い。例えば、今まで活気スコアが3改善していたコンテンツが1の改善に低下した場合などでは、時間や負荷を増加させることでスコア改善を促したり、コンテンツそのものを変更させてスコア改善を促す。
コンテンツの選択方法は、「オリジナルメニュー1」のように名前をつけて、そこに自分が好きな運動とその強度や時間を登録するというように、自分でメニューを作成できるように構成しても良い。
10 課題呈示部
11 空間性WM課題
12 言語性WM課題
20 生体光計測部
30 解析部
31 演算部
32 評価部
33 比較部
34 コンテンツ選択部
40 表示部
50 データベース
60 入力部
101 アナログ−デジタル変換器
102 ロックインアンプ
103,104 発振器
105,106 レーザダイオード
107 光混合器
108 光検出器
Claims (15)
- 被検体へ呈示する複数種類の課題を送出する課題呈示部と、光源から照射され前記被検体内を伝播した光を検出する生体光計測部と、前記生体光計測部で得られた光検出信号を解析し、気分を改善するためのコンテンツを選択する解析部と、前記課題呈示部から送出される課題や前記解析部の結果を表示する表示部を備える気分改善システムにおいて、
前記解析部は、光検出信号から気分指標を求め、該気分指標に応じて気分を改善するためのコンテンツを選択することを特徴とする気分改善システム。 - 請求項1に記載の気分改善システムにおいて、更に、
生体光計測データと気分指標の関係式を記憶するデータベースを備えるとともに、
前記解析部は、前記関係式から被検体の計測時における気分指標を導出する評価部を備えることを特徴とする気分改善システム。 - 請求項2に記載の気分改善システムにおいて、
前記生体光計測データと気分指標の関係式は、年齢、性別、身長、体重などのユーザ属性別に準備されたものであることを特徴とする気分改善システム。 - 請求項1に記載の気分改善システムにおいて、更に、
なりたい気分を選択する入力部を備え、
前記解析部は、なりたい気分と実際の気分との差異を解消できるコンテンツ負荷を、データベースから抽出し、提示するコンテンツ選択部を備えることを特徴とする気分改善システム。 - 請求項4に記載の気分改善システムにおいて、
前記入力部は、コンテンツを選択できるようにしたことを特徴とする気分改善システム。 - 請求項1に記載の気分改善システムにおいて、
前記課題呈示部は、第1の課題および第2の課題を呈示するものであり、
前記解析部は、前記光検出信号から、前記被検体内部の酸素化ヘモグロビンおよび脱酸素化ヘモグロビンの濃度変化に依存するヘモグロビン信号を算出し、前記第1の課題に対するヘモグロビン信号と前記第2の課題に対するヘモグロビン信号の両方を用いた相対値を算出する演算部を備えることを特徴とする気分改善システム。 - 請求項6に記載の気分改善システムにおいて、
前記第1の課題及び第2の課題は、記憶するために音韻ループを用いる言語性ワーキングメモリ課題と、記憶するために音韻ループを用いない空間性ワーキングメモリ課題から成ることを特徴とする気分改善システム。 - 請求項1に記載の気分改善システムにおいて、
前記解析部は、コンテンツ実施前の気分指標とコンテンツ実施後の気分指標との差分、或いは気分変化目標値とコンテンツ実施後の気分指標との差分を導出する比較部を備えることを特徴とする気分改善システム。 - 被検体へ呈示する課題を送出する課題呈示部と、光源から照射され前記被検体内を伝播した光を検出する生体光計測部と、前記生体光計測部で得られた光検出信号を解析し、気分を改善するためのコンテンツを選択する解析部と、前記課題呈示部から送出される課題や前記解析部の結果を表示する表示部と、入力部を備える気分改善システムを用いた気分改善方法であって、
前記入力部により、設定画面上でなりたい気分を選択するステップと、
前記生体光計測部を用いて、コンテンツ実施前の気分指標を計測するステップと、
なりたい気分と実際の気分との差異を解消できるコンテンツの負荷を前記表示部に提示するステップと、
コンテンツ実施後に、前記生体光計測部を用いて、コンテンツ実施後の気分指標を計測するステップと、
コンテンツ実施前の気分指標とコンテンツ実施後の気分指標との差分、または気分変化目標値とコンテンツ実施後の気分指標との差分を求め、前記表示部に表示するステップを含むことを特徴とする気分改善方法。 - 請求項9に記載の気分改善方法において、更に、
コンテンツ実施後の気分指標と気分目標値との差分が意図したレベルで無い場合は、差分に基づくコンテンツの再構築を行うステップと、
前記表示部に、再度、コンテンツを提示するステップを含むことを特徴とする気分改善方法。 - 請求項9に記載の気分改善方法において、更に、
前記入力部により、コンテンツを選択するステップを含むことを特徴とする気分改善方法。 - 請求項9に記載の気分改善方法において、
前記コンテンツ実施前の気分指標を計測するステップ、および前記コンテンツ実施後の気分指標を計測するステップは、記憶された生体光計測データと気分指標の関係式から被検体の計測時における気分指標を導出することを特徴とする気分改善方法。 - 請求項12に記載の気分改善方法において、
前記生体光計測データと気分指標の関係式は、年齢、性別、身長、体重などのユーザ属性別に準備されたものであることを特徴とする気分改善方法。 - 請求項9に記載の気分改善方法において、
前記コンテンツ実施前の気分指標を計測するステップ、および前記コンテンツ実施後の気分指標を計測するステップは、
前記課題呈示部により、第1の課題および第2の課題を呈示するステップと、
前記解析部により、前記光検出信号から、前記被検体内部の酸素化ヘモグロビンおよび脱酸素化ヘモグロビンの濃度変化に依存するヘモグロビン信号を算出し、前記第1の課題に対するヘモグロビン信号と前記第2の課題に対するヘモグロビン信号の両方を用いた相対値を算出するステップを含むことを特徴とする気分改善方法。 - 請求項14に記載の気分改善方法において、
前記第1の課題及び第2の課題は、記憶するために音韻ループを用いる言語性ワーキングメモリ課題と、記憶するために音韻ループを用いない空間性ワーキングメモリ課題から成ることを特徴とする気分改善方法。
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