JP2013040313A - 全身用シャンプー - Google Patents

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【課題】石油系の界面活性剤やシリコン剤を混合したシャンプーにより、髪や頭皮の状態が悪化している傾向にある。本発明の解決しようとする課題は、髪や肌を傷めることなく、洗浄効果及び保湿効果に優れ、アロマテラピー機能を兼ねた全身用シャンプーを提供することである。
【解決手段】洗浄成分として少なくとも3種類のアミノ酸系界面活性剤、保湿成分として複数の植物エキス、芳香成分として3種類の精油を混合し、さらに、水溶性プロティオグルカン及びホウセンカエキスを加えて全身用シャンプーとして使用できるものとした。
【選択図】図1

Description

本発明は、アミノ酸系の界面活性剤と植物性天然香料を使用した全身用シャンプーに関する。
長年美容師として美容院を運営し、顧客の肌や髪に触れてきた本発明者は、科学の進歩によりヘアケア剤の開発も進んでいると思われるのに、顧客の肌や髪の状態が悪化しているように感じられた。その理由として、この十数年来、石油を原料とした合成界面活性剤等安価な洗浄成分のシャンプーが広く使用されていることが原因と考えられた。もともと脂を出す皮脂腺という器官は、男性ホルモンと女性ホルモンのバランスによって良好な状態を維持するが、こうした合成界面活性剤等の使用により細毛や薄毛・白髪になるのが若年化するとともに、脂漏性脱毛や脂漏性湿疹等は5人に1人の割合でその症状が見受けられる傾向にある。
さらに、最近では多くの人がヘアーカラーをし、又アイロンやデジタルパーマ等熱処理によるパーマが普及し、より髪のダメージが深刻化している。そのダメージの解決策として、シャンプー、トリートメント、スタイリング剤等にシリコン剤の混合割合を増やし、手触り、櫛とおしを良くしている商品が目立っている。こうしたシリコン剤を多く含んだシャンプー等では、髪表面のキューティクルだけをコートするだけにとどまり、美容室ではパーマやカラーの施術ができにくい状態となっている。
また、美容院に来る顧客は、美容施術の間、心身をリラックスすることも目的としている場合が多い。本発明者は、こうした点も考慮し、市販のアロマテラピーの材料を用い、これがかもしだす香りの中で美容施術を行う等して、アロマテラピーに関心を抱いてきた。
アロマテラピー(アロマセラピーと言われることもある。)とは、花や木など植物に含まれる揮発性の芳香成分を含む精油を用いて、心身の健康や美容を増進する行為をいう。アロマテラピーの材料である精油が身体に作用する経路としては、嗅覚によるもの、吸引によるもの、皮膚表面からの吸収があるが、嗅覚を通しての作用が最も利用されている。嗅覚は、人間の五感の中でも特殊な感覚であり、生理反応に直接結びつくといわれ、精油の香りによって得られる安心感・快感・瞑想感などにともなう感情が、心身のバランスを促すとされている。ただ、精油は数十から数百の揮発性有機物の混合物であり、ひとつひとつの成分がどのように身体へ影響するのかはまだ不明である。なお、植物エキス、精油については後述する。
さて、本出願人は、前述のように現在の市販シャンプーでは顧客の肌や髪の状態が悪化するだけでなく、脱毛や湿疹の発生の恐れがあり、こうしたシャンプーに代え、洗浄力、保湿力があり、さらにアロマテラピーを伴うシャンプーを思案していた。シャンプー成分の割合を変えた各種シャンプーを試作し、自らこうした試作品の効果を試し、試行錯誤の結果満足すべき全身用シャンプーを発明するに至った。
シャンプー等の先行技術は多数見受けられる。毛髪のもつれのほぐれやすさ及び滑らかさに関して改善された美容特性を有し、毛髪をしなやかで扱いやすくする化粧品組成物として、化粧品的に許容可能な媒体中に、アルキルアンホヒドロキシアルキルスルホナート化合物とその塩から選択される少なくとも一の両性界面活性剤と、500mm2/s(500センチストークス)〜1000000mm2/s(1000000センチストークス)の範囲の粘度を持つ非有機変性シリコン類から選択される少なくとも一のシリコンを含有せしめて化粧品組成物とするもの(特許文献1)、皮膚や眼粘膜に対する刺激性を少なくすると起泡性や洗浄性が充分ではなく、頭皮や毛髪を清潔に保つという点を重視すると泡立ち、感触、刺激性については必ずしも充分ではないという課題を解決するため、N−アシルメチルタウリン又はその塩と、N−アシルメチルタウリン又はその塩を除くアシルアミノ酸系界面活性剤等と、抗炎症効果を有する植物抽出物を含有するシャンプー組成物(特許文献2)他がある。また、アロマテラピーとシャンプーとが直接関連する出願は見当たらなかったが、入浴効果とアロマテラピーとカラーセラピーとを併用し、それぞれが有する効能を相乗的に高めることができる入浴剤であって、香料成分の香りを嗅ぐことによって特定の心理的及び/又は生理的効果が得られる香料成分であると入浴剤(特許文献3)が見受けられた。
特許公開2004−196811号公報 特許公開2003−34623号公報 特許公開2008−255060号公報
前述のように、シャンプーの先行技術は、多く存在する。しかし、シリコンを含有していたり、合成界面活性剤を使用していたりして、本発明者が目指すシャンプーとは異なっていた。また、特許文献3では、多数の香料を入浴剤に混合するものであり、本願のように特定の精油を混合するものではない。
解決しようとする課題は、髪や肌を傷めることなく、洗浄効果及び保湿効果に優れ、アロマテラピー機能を兼ねた全身用シャンプーを提供することである。
すなわち、第1の発明は、洗浄成分として少なくとも3種類のアミノ酸系界面活性剤、保湿成分として複数の植物エキス、芳香成分として3種類の精油を混合した全身用シャンプーである。
シャンプーでは、石油系の合成界面活性剤、石鹸系界面活性剤及びアミノ酸系界面活性剤に大別される。市販のシャンプーは、ほとんど石油系の界面活性剤が使用され、皮膚のバリア機能を傷める恐れがある。石油系界面活性剤は肌に優しい基材であるがあるが、残留性があり髪や肌のガサつきにつながりやすい傾向にある。そこで植物エキスを主成分とするアミノ酸系界面活性剤を使用するものである。アミノ酸系界面活性剤が、髪や肌の乳化作用、洗浄作用を行う。
植物エキスとは、植物の成分を水、エタノールあるいはその混合液等に浸出させた液体を濃縮したものである。植物エキスには、採取する植物により有効成分が違い、原料メーカーが効能や効果を検証し、何に有効なのかを説明している。また、植物エキスの中で、揮発性の芳香成分を多く含み、その芳香成分の利用を目的とするものを精油とする。
保湿とは、髪の内部の水分バランスを整えたり、頭皮の乾燥を防いだりするために水分を一定量維持することである。この保湿成分も混合するものである。
芳香成分は精油に含まれ、この香りによって得られる安心感・快感・瞑想感などにより心身のバランスを正常化することが期待されるものである。シャンプー時にこうした精油のアロマテラピーによる効果も感受するためである。
第2発明は3種類のアミノ酸界面活性剤として、ココイルメチルタウリン酸ナトリウム、ココイルグルタミン酸TEA、ココアンホプロピオン酸ナトリウムを使用した第1発明の全身用シャンプーである。
アミノ酸界面活性剤の種類とその組み合わせを特定し、髪や肌を傷めることなく、洗浄効果のすぐれたものを発明としたものである。ココイルメチルタウリン酸ナトリウムは、ヤシ油脂肪酸とN−メチルタウリンとの縮合物のナトリウム塩であり、皮膚や毛髪に対し極めて緩和な作用を示し、同時に適度な洗浄力と優れた気泡性を有する。ココイルグルタミン酸TEAは、アミノ酸であるL-グルタミン酸とヤシ油脂肪酸とトリエタノールアミンから合成される。天然素材を原料として生分解性に優れている。水への溶解度が高く、優れた気泡力と洗浄力を有し、弱酸性であり、使用後は皮膚が滑らかな感触が得られる。ココアンホプロピオン酸ナトリウムは、ヤシ油脂肪酸とアミノ酸のプロピオン酸から合成され、増泡・増粘性に優れた両性界面活性剤である。
第3発明は、保湿成分としての植物エキスとして、カミツレ花エキス、セージ葉エキス、キュウリ果実エキス、ホホバ種子油を使用した第1発明又は第2発明のいずれかの全身用シャンプーである。
植物エキス、保湿は、前述の通りである。カミツレ花は薬用植物として知られており、皮膚を暖かにして美容に良いとされている。セージ葉エキスはフラボノイドやタンニンなどを含み、育毛効果、デオドランド効果、肌荒れ防止効果等があり各種化粧品に混合されている。キュウリ果実エキスは、キュウリの果実から抽出されるエキスで、ビタミンCやフラボノイド、カルボン酸などを含み、保湿効果や美白作用、収斂作用、抗炎症作用効果があり、化粧水などに混合されている。ホホバ種子油は、常緑低木「ホホバ」の種子から得られる油脂で、保湿効果があり比較的安定性が高い。上記の植物エキスを混合し保湿効果だけでなく育毛効果、美白効果も兼ねたものである。
第4発明は、芳香成分として、パロサント油、ジンジャリリー油、ジャスミン油の各精油を使用した第1発明から第3発明のいずれかの全身用シャンプーである。
ジャスミンは精油の中でもかなり高価なものであり、パロサント、ジンジャリリーもほとんど市販されていない精油で、アロマテラピーを経験した人でないと知らない精油である。ジャスミンは、心理的活性を蘇える、パロサントは、身体の流動性増加、ジンジャリリーは、全身への爽快感を促すと言われている。かかる3種類の精油に限定し、シャンプー時において、その刺激が鼻腔粘膜から全身にいきわたり心身のバランスをより整える機能を果たすものである。
第5発明は、水溶性プロティオグルカン及びホウセンカエキスを加えた第1発明から第4発明のいずれかの全身用シャンプーである。
水溶性プロティオグルカンは、EGF様作用を呈し、細胞を活性化させる機能を有する。EGFとは、人間の体が本来持っている因子で、体内で53個のアミノ酸から形成されるタンパク質の一種であり、肌を整える役割を担っている。ホウセンカエキスは、漢方薬の素材として扱われてきた植物で関節痛や打撲などの治療に使用されてきたが、近年脱毛や薄毛の原因となる酵素の働きを阻害するインパチエノールという成分が含まれていることが発見され、育毛に効果があることが知られている。
これらの成分により全身用シャンプーとしても使用できうるものである。
第6の発明は、保湿成分量を0.02〜0.1%、芳香成分量を0.2〜1%含んだ第1発明から第5発明のいずれかの全身用シャンプーである。
市販の一般的なシャンプーでは、溶媒としての水が全体の約75%以上を占め、防腐剤を含んだシャンプー基剤がその残りを占め、香料や保湿成分はわずかに混合されているにすぎない。本発明の全身用シャンプーでは、特定の保湿成分や香料を一定量混合することにより、保湿、育毛効果を維持し、アロマテラピー効果を感受できるようにしたものである。尚、各成分量であって有効成分量ではなく、含有率は重量%である。
第1発明では,植物エキスを主成分とするアミノ酸系界面活性剤、保湿剤及び芳香成分を有する精油を混合することで、肌に優しく、洗浄力に優れかつ、アロマテラピーを兼ねた全身用シャンプーとするものである。第2発明は、洗浄剤が植物エキスを主成分とする3種類のアミノ酸系界面活性剤に限定することで、通常のシャンプーでは取れない頭皮や肌の脂を除去できる。第3発明では、植物エキスを保湿成分として使用しているため、肌や髪への刺激が少なく、リンスが必要としない。第4発明では、特定の精油を芳香剤としアロマテラピーの効果を上げるものである。第5発明は、水溶性プロティオグルカン及びホウセンカエキスを加えて、EFG様効果、細胞活性効果、換言すればアンチエイジング効果をこの全身用シャンプーに与えるものである。第6発明は、保湿成分、芳香成分の成分量を所定範囲に限定し、上記の効果を維持するものである。
図1は、[表1]本発明に基づく全身用シャンプーの構成成分例である。 図2は、本発明に係る全身用シャンプーと他の商品との比較図である。 図3は、本発明に係る全身用シャンプーの使用前後の頭皮の写真である。 図4は、本発明に係る全身用シャンプーを使用前後の肌の写真である。 図5は、芳香成分として使用するパロサント、ジンジャリリー、ジャスミンの樹木写真である。
本発明の代表的な実施例を以下に示す。
図1に、[表1]として本発明に基づく全身用シャンプーの構成成分例を示す。なお、表1は成分例の1つでありこの成分量に限定されるものではない。表1での有効成分量とは、各成分量において、混合目的として作用する有効成分の割合をいうものである。
図2は、本発明に係る全身用シャンプーと他の商品との比較写真である。水と油をミキサーで混ぜたものを試料とし、その180mlに対し、A、B、Cは、それぞれ、表1の成分の本発明に係る全身用シャンプー、市販のシャンプー、台所洗剤を5mlずつ添加したものであり、上段の写真は添加した直後であり、下段のそれは、10分後の写真である。Aが水と油が分離されていることが明らかである。
図3は、本発明に係る全身用シャンプーの使用前後の頭皮の写真である。使用前に比べ酸化した脂が頭皮と髪から除去されていることが分かる
図4は、本発明に係る全身用シャンプーを使用前後の肌の写真である。上段が、本発明に係る全身用シャンプーの使用前、下段は使用後の写真である。使用前後で、肌の輝きが異なっていることが分かる。本願に係る全身用シャンプーでは、前述のように、3種類のアミノ酸系界面活性剤、保湿剤が含まれ、さらに皮膚の代謝活性を促す水溶性プロティオグルカン及びホウセンカエキスが混合されているため、シャンプーとして使用するだけでなく洗顔剤やボディシャンプーとして使用できるため、全身用シャンプーとしたのである。
本発明は、アロマテラピーの概念を取り入れた全身用シャンプーである。五官の内で匂いは中枢神経と結びついていて、3種類の精油の香りが、鼻腔粘膜から大脳へ届き、心身のバランスを整えるとともに眠りが深くなる効果がある。
図5は、本願の全身用シャンプーの中で、芳香成分として使用するパロサント、ジンジャリリー、ジャスミンの樹木写真である。参考として示す。
また、本願の全身用シャンプーでは、精油の含有量が多いため、肌の汚れだけでなく、ファンデーションも取り除くことができるのが特徴の1つである。
本発明では、アロマテラピーという概念を組み込んだ、これまでにない全身用シャンプーであり、植物エキスを混合しているため、家庭内でもヘッドスパができる用途が広い全身用シャンプーであり、需要が期待される。ここでヘッドスパとは、頭皮と髪のケアのことをいう。

Claims (6)

  1. 洗浄成分として少なくとも3種類のアミノ酸系界面活性剤、保湿成分として複数の植物エキス、芳香成分として3種類の精油を混合した全身用シャンプー。
  2. 3種類のアミノ酸界面活性剤として、ココイルメチルタウリン酸ナトリウム、ココイルグルタミン酸TEA、ココアンホプロピオン酸ナトリウムを使用した請求項1の全身用シャンプー。
  3. 保湿成分としての植物エキスとして、カミツレ花エキス、セージ葉エキス、キュウリ果実エキス、ホホバ種子油を使用した請求項1又は請求項2のいずれかの全身用シャンプー。
  4. 芳香成分として、パロサント油、ジンジャリリー油、ジャスミン油の各精油を使用した請求項1〜請求項3のいずれかの全身用シャンプー。
  5. 水溶性プロティオグルカン及びホウセンカエキスを加えた請求項1から請求項4のいずれかの全身用シャンプー。
  6. 保湿成分量を0.02〜0.1%、芳香成分量を0.2〜1%含んだ請求項1から請求項5のいずれかの全身用シャンプー。
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