(第1の実施形態)
以下、本発明の第1の実施形態について説明する。本第1の実施形態における通信システムは、マクロ基地局(基地局、送信装置、セル、送信点、送信アンテナ群、送信アンテナポート群、受信アンテナポート群、コンポーネントキャリア、eNodeB)、RRH(Remote Radio Head、リモートアンテナ、分散アンテナ、基地局、送信装置、セル、送信点、送信アンテナ群、送信アンテナポート群、コンポーネントキャリア、eNodeB)および端末(端末装置、移動端末、受信点、受信端末、受信装置、第3の通信装置、送信アンテナポート群、受信アンテナ群、受信アンテナポート群、UE)を備える。
図1は、本発明の第1の実施形態に係るデータ伝送を行う通信システムを示す概略図である。図1では、基地局(マクロ基地局)101は、端末102とデータ通信を行うため、下りリンク105および上りリンク106を通じて、制御情報および情報データを送受信する。同様にRRH103は、端末102とデータ通信を行うため、下りリンク107および上りリンク108を通じて、制御情報および情報データを送受信する。回線104は、光ファイバ等の有線回線やリレー技術を用いた無線回線を用いることができる。このとき、マクロ基地局101およびRRH103がそれぞれ一部または全部が同一の周波数(リソース)を用いることで、マクロ基地局101が構築するカバレッジのエリア内の総合的な周波数利用効率(伝送容量)が向上できる。この様な隣接局間(例えば、マクロ基地局−RRH間)で同一の周波数を用いて構築されるネットワークのことを単一周波数ネットワーク(SFN;Single Frequency Network)と呼ぶ。また図1において基地局101からセルIDが通知され、後述するセル固有参照信号(CRS;Cell−specific Reference Signal)や端末固有参照信号(DL DMRS;Demodulation Reference Signal,UE−RS;UE−specific Reference Signal)に利用される。またRRH103からもセルIDを通知することができる。RRH103から通知されるセルIDは基地局101から通知されるものと同じ場合もあるし、異なる場合もある。なお以降で示す基地局101は図1で示す基地局101およびRRH103のことを指し示す場合がある。なお以降で示す基地局101およびRRH103間での説明は、マクロ基地局間、RRH間のことを指し示してもかまわない。
図2は、基地局101およびまたはRRH103が下りリンク105もしくは下りリンク107を通してマッピングする1つのリソースブロックペアの一例を示す図である。図2は、2つのリソースブロック(リソースブロックペア)を表しており、1つのリソースブロックは周波数方向に12のサブキャリアと時間方向に7のOFDMシンボルで構成される。1つのOFDMシンボルのうち、それぞれのサブキャリアをリソースエレメント(RE;Resource Element)と呼ぶ。リソースブロックペアは周波数方向に並べられ、そのリソースブロックペアの数は基地局毎に設定できる。例えば、そのリソースブロックペアの数は6〜110個に設定できる。その時の周波数方向の幅は、システム帯域幅と呼ばれる。また、リソースブロックペアの時間方向は、サブフレームと呼ばれる。それぞれのサブフレームのうち、時間方向に前後の7つのOFDMシンボルをそれぞれスロットとも呼ぶ。また、以下の説明では、リソースブロックペアは、単にリソースブロック(RB;Resource Block)とも呼ばれる。
網掛けしたリソースエレメントのうち、R0〜R1は、それぞれアンテナポート0〜1のセル固有参照信号(CRS)を示す。ここで、図2に示すセル固有参照信号は、2つのアンテナポートの場合であるが、その数を変えることができ、例えば、1つのアンテナポートや4つのアンテナポートに対するセル固有参照信号をマッピングすることができる。また、セル固有参照信号は、最大4つのアンテナポート(アンテナポート0〜3)に設定できる。
また基地局101およびRRH103はそれぞれ異なるリソースエレメントに上記R0〜R1を割り当てる場合もあるし、同じリソースエレメントに上記R0〜R1を割り当てる場合もある。例えば、基地局101およびRRH103はそれぞれ異なるリソースエレメントおよび、または異なる信号系列に上記R0〜R1を割り当てる場合には、端末102はセル固有参照信号を用いてそれぞれの受信電力(受信信号電力)を個別に算出することができる。特に、基地局101およびRRH103から通知されるセルIDが異なる場合には前述のような設定が可能となる。別の例では、基地局101のみが一部のリソースエレメントに上記R0〜R1を割り当て、RRH103は何れのリソースエレメントにも上記R0〜R1を割り当てない場合がある。この場合には、端末102はマクロ基地局101の受信電力をセル固有参照信号から算出することができる。特に基地局101からのみセルIDが通知される場合には前述のような設定が可能となる。別の例では、基地局101およびRRH103が同じリソースエレメントに上記R0〜R1を割り当て、同じ系列を基地局101およびRRH103から送信した場合には、端末102はセル固有参照信号を用いて合成された受信電力を算出することができる。特に基地局101およびRRH103から通知されるセルIDが同じ場合には前述のような設定が可能となる。
なお、本発明の実施形態の説明では、例えば、電力を算出することは電力の値を算出することを含み、電力を計算することは電力の値を計算することを含み、電力を測定することは電力の値を測定することを含み、電力を報告することは電力の値を報告することを含む。このように、電力という表現は、適宜電力の値という意味も含まれる。
網掛けしたリソースエレメントのうち、D1〜D2は、それぞれCDM(Code Division Multiplexing)グループ1〜CDMグループ2の端末固有参照信号(DL DMRS,UE−RS)を示す。また、CDMグループ1およびCDMグループ2の端末固有参照信号はそれぞれWalsh符号等の直交符号によりCDMされる。また、CDMグループ1およびCDMグループ2の端末固有参照信号は互いにFDM(Frequency Division Multiplexing)される。ここで、基地局101は、そのリソースブロックペアにマッピングする制御信号やデータ信号に応じて、8つのアンテナポート(アンテナポート7〜14)を用いて、端末固有参照信号を最大8ランクまでマッピングすることができる。また、基地局101は端末固有参照信号をマッピングするランク数に応じて、CDMの拡散符号長やマッピングされるリソースエレメントの数を変えることができる。
例えば、ランク数が1〜2の場合における端末固有参照信号は、アンテナポート7〜8として、2チップの拡散符号長により構成され、CDMグループ1にマッピングされる。ランク数が3〜4の場合における端末固有参照信号は、アンテナポート7〜8に加えて、アンテナポート9〜10として、2チップの拡散符号長により構成され、CDMグループ2にさらにマッピングされる。ランク数が5〜8の場合における端末固有参照信号は、アンテナポート7〜14として、4チップの拡散符号長により構成され、CDMグループ1およびCDMグループ2にマッピングされる。
また、端末固有参照信号において、各アンテナポートに対応する直交符号は、スクランブル符号がさらに重畳される。このスクランブル符号は、基地局101から通知されるセルIDおよびスクランブルIDに基づいて生成される。例えば、スクランブル符号は、基地局101から通知されるセルIDおよびスクランブルIDに基づいて生成される擬似雑音系列から生成される。例えば、スクランブルIDは、0または1を示す値である。また、用いられるスクランブルIDおよびアンテナポートを示す情報は、ジョイントコーディングされ、それらを示す情報をインデックス化することもできる。
図2の網掛けしたリソースエレメントのうち、先頭の1〜3番目のOFDMシンボルで構成される領域は、第1の制御チャネル(PDCCH;Physical Downlink Control Channel)が配置される領域として設定される。また、基地局101は、第1の制御チャネルが配置される領域に関して、サブフレーム毎にそのOFDMシンボル数を設定することができる。また、白く塗りつぶされたリソースエレメントで構成される領域は、第2の制御チャネル(X−PDCCH)または共用チャネル(PDSCH;Physical Downlink Shared Channel)(物理データチャネル)が配置される領域を示す。また、基地局101は第2の制御チャネルまたは共用チャネルが配置される領域を、リソースブロックペア毎に設定することができる。また、第2の制御チャネルにマッピングされる制御信号や共用チャネルにマッピングされるデータ信号のランク数と、第1の制御チャネルにマッピングされる制御信号のランク数は、それぞれ異なって設定されることができる。
ここで、リソースブロックは、通信システムが用いる周波数帯域幅(システム帯域幅)に応じて、その数を変えられることができる。例えば、基地局101は、システム帯域で6〜110個のリソースブロックを用いることができ、その単位をコンポーネントキャリア(CC;Component Carrier,Carrier Component)とも呼ぶ。さらに、基地局101は、端末102に対して、周波数アグリゲーション(キャリアアグリゲーション)により、複数のコンポーネントキャリアを設定することもできる。例えば、基地局101は、端末102に対して、1つのコンポーネントキャリアを20MHzで構成し、周波数方向に連続および/または非連続に、5個のコンポーネントキャリアを設定し、トータルの通信システムが用いることができる帯域幅を100MHzにすることができる。
ここで、制御情報は、所定の変調方式や符号化方式を用いて、変調処理や誤り訂正符号化処理等が施され、制御信号が生成される。制御信号は、第1の制御チャネル(第1の物理制御チャネル)、あるいは第1の制御チャネルとは異なる第2の制御チャネル(第2の物理制御チャネル)を介して送受信される。ただし、ここで言う物理制御チャネルは物理チャネルの一種であり、物理フレーム上に規定される制御チャネルである。
なお、1つの観点から見ると、第1の制御チャネルは、セル固有参照信号と同じ送信ポート(アンテナポート)を用いる物理制御チャネルである。また、第2の制御チャネルは、端末固有参照信号と同じ送信ポートを用いる物理制御チャネルである。端末102は、第1の制御チャネルにマッピングされる制御信号に対して、セル固有参照信号を用いて復調し、第2の制御チャネルにマッピングされる制御信号に対して、端末固有参照信号を用いて復調する。セル固有参照信号は、セル内の全端末102に共通の参照信号であって、システム帯域のすべてのリソースブロックに挿入されているため、いずれの端末102も使用可能な参照信号である。このため、第1の制御チャネルは、いずれの端末102も復調可能である。一方、端末固有参照信号は、割り当てられたリソースブロックのみに挿入される参照信号であって、データ信号と同じように適応的にビームフォーミング処理を行うことができる。このため、第2の制御チャネルでは、適応的なビームフォーミングの利得を得ることができる。
また、異なる観点から見ると、第1の制御チャネルは、物理サブフレームの前部に位置するOFDMシンボル上の物理制御チャネルであり、これらのOFDMシンボル上のシステム帯域幅(コンポーネントキャリア(CC;Component Carrier))全域に配置されうる。また、第2の制御チャネルは、物理サブフレームの第1の制御チャネルよりも後方に位置するOFDMシンボル上の物理制御チャネルであり、これらのOFDMシンボル上のシステム帯域幅内のうち、一部の帯域に配置されうる。第1の制御チャネルは、物理サブフレームの前部に位置する制御チャネル専用のOFDMシンボル上に配置されるため、物理データチャネル用の後部のOFDMシンボルよりも前に受信および復調することができる。また、制御チャネル専用のOFDMシンボルのみを監視する(モニタリングする)端末102も受信することができる。また、第1の制御チャネルに用いられるリソースはCC全域に拡散されて配置されうるため、第1の制御チャネルに対するセル間干渉はランダム化されることができる。一方、第2の制御チャネルは、通信中の端末102が通常受信する共用チャネル(物理データチャネル)用の後部のOFDMシンボル上に配置される。また、基地局101は、第2の制御チャネルを周波数分割多重することにより、第2の制御チャネル同士あるいは第2の制御チャネルと物理データチャネルとを直交多重(干渉無しの多重)することができる。
また、異なる観点から見ると、第1の制御チャネルは、セル固有の物理制御チャネルであり、アイドル状態の端末102およびコネクト状態の端末102の両方が取得できる物理チャネルである。また、第2の制御チャネルは、端末固有の物理制御チャネルであり、コネクト状態の端末102のみが取得できる物理チャネルである。ここで、アイドル状態とは、基地局101がRRC(Radio Resource Control)の情報を蓄積してない状態(RRC_IDLE状態)など、直ちにデータの送受信を行わない状態である。一方、コネクト状態とは、端末102がネットワークの情報を保持している状態(RRC_CONNECTED状態)など、直ちにデータの送受信を行うことができる状態である。第1の制御チャネルは、端末固有のRRCシグナリングに依存せず端末102が受信可能なチャネルである。第2の制御チャネルは、端末固有のRRCシグナリングによって設定されるチャネルであり、端末固有のRRCシグナリングによって端末102が受信可能なチャネルである。すなわち、第1の制御チャネルは、予め限定された設定により、いずれの端末も受信可能なチャネルであり、第2の制御チャネルは端末固有の設定変更が容易なチャネルである。
図3は、8アンテナポート用の伝送路状況測定用参照信号(CSI−RS;Channel State Information Reference Signal)がマッピングされたリソースブロックペアを示す図である。図3は基地局のアンテナポート数(CSIポート数)が8のときの伝送路状況測定用参照信号がマッピングされる場合を示している。また、図3は1つのサブフレーム内の2つのリソースブロックを表している。
図3の色付けしたリソースエレメントのうち、CDMグループ番号1〜2の端末固有参照信号(データ信号復調用参照信号)をそれぞれD1〜D2、CDMグループ番号1〜4の伝送路状況測定用参照信号をそれぞれC1〜C4と表している。さらに、それらの参照信号がマッピングされたリソースエレメント以外のリソースエレメントに、データ信号または制御信号がマッピングされる。
伝送路状況測定用参照信号は、それぞれのCDMグループにおいて、2チップの直交符号(Walsh符号)が用いられ、それぞれの直交符号にCSIポート(伝送路状況測定用参照信号のポート(アンテナポート、リソースグリッド))が割り当てられ、2CSIポート毎に符号分割多重(CDM;Code Division Multiplexing)される。さらに、それぞれのCDMグループが周波数分割多重される。4つのCDMグループを用いて、CSIポート1〜8(アンテナポート15〜22)の8アンテナポートの伝送路状況測定用参照信号がマッピングされる。例えば、伝送路状況測定用参照信号のCDMグループC1では、CSIポート1および2(アンテナポート15および16)の伝送路状況測定用参照信号がCDMされ、マッピングされる。伝送路状況測定用参照信号のCDMグループC2では、CSIポート3および4(アンテナポート17および18)の伝送路状況測定用参照信号がCDMされ、マッピングされる。伝送路状況測定用参照信号のCDMグループC3では、CSIポート5および6(アンテナポート19および20)の伝送路状況測定用参照信号がCDMされ、マッピングされる。伝送路状況測定用参照信号のCDMグループC4では、CSIポート7および8(アンテナポート21および22)の伝送路状況測定用参照信号がCDMされ、マッピングされる。
基地局101のアンテナポート数が8の場合、基地局101はデータ信号または制御信号のレイヤー数(ランク数、空間多重数、DMRSポート数)を最大8とすることができ、例えば、データ信号のレイヤー数を2、制御信号のレイヤー数を1とすることができる。端末固有参照信号(DL DMRS、UE−RS)は、それぞれのCDMグループにおいて、レイヤー数に応じて、2チップまたは4チップの直交符号が用いられ、2レイヤーまたは4レイヤー毎にCDMされる。さらに、端末固有参照信号のそれぞれのCDMグループが周波数分割多重される。2つのCDMグループを用いて、DMRSポート1〜8(アンテナポート7〜14)の8レイヤーの端末固有参照信号がマッピングされる。
また、基地局101は、アンテナポート数が1、2または4のときの伝送路状況測定用参照信号を送信することができる。基地局101は、1アンテナポート用または2アンテナポート用の伝送路状況測定用参照信号を、図3で示す伝送路状況測定用参照信号のCDMグループC1を用いて、送信することができる。基地局101は、4アンテナポート用の伝送路状況測定用参照信号を、図3で示す伝送路状況測定用参照信号のCDMグループC1、C2を用いて、送信することができる。
また基地局101およびRRH103はそれぞれ異なるリソースエレメントを上記C1〜C4のいずれかに割り当てる場合もあるし、同じリソースエレメントを上記C1〜C4のいずれかに割り当てる場合もある。例えば、基地局101およびRRH103はそれぞれ異なるリソースエレメントおよび、または異なる信号系列を上記C1〜C4のいずれかに割り当てる場合には、端末102は伝送路状況測定用参照信号を用いて、基地局101およびRRH103のそれぞれの受信電力(受信信号電力)およびそれぞれの伝搬路状態を個別に算出することができる。別の例では、基地局101およびRRH103が同じリソースエレメントを上記C1〜C4のいずれかに割り当て、同じ系列を基地局101およびRRH103から送信した場合には、端末102は伝送路状況測定用参照信号を用いて合成された受信電力を算出することができる。
続いて図4のフロチャートに、端末102が参照信号(セル固有参照信号、伝送路状況測定用参照信号)を測定し、基地局101に受信電力の報告(レポート)し、測定した結果に基づきパスロスを計算し、計算したパスロスに基づき上りリンク送信電力を計算し、計算した上りリンク送信電力にて上りリンク信号の送信を行う様子を示す。ステップ403では基地局101が参照信号の測定及び報告に関する端末102のパラメータ設定を行う。第2の測定対象設定、第2の報告設定および第3の測定対象設定、第3の報告設定に関するパラメータがステップ403で設定され得る。ここでは図示していないが、端末102において第1の測定対象設定はあらかじめ設定がなされており、第1の測定対象設定の測定対象(第1の測定対象)は常にアンテナポート0のセル固有参照信号、またはアンテナポート0と1のセル固有参照信号でありうる。すなわち、第1の測定対象設定はあらかじめ指定された特定の参照信号およびアンテナポートを対象とする可能性がある。一方で、基地局101により設定される第2の測定対象設定は伝送路状況測定用参照信号を対象とし、その測定対象となるリソース(アンテナポート)は設定可能であり得る。また、第2の測定対象となるリソースは1つであってもよいし、複数であってもよい。これらパラメータの詳細については後述する。また、基地局101により設定される第3の測定対象設定は、後述する通り接続されていないセルから送信される参照信号の測定のための設定が含まれ得る。例えば、第3の測定対象設定の測定対象(第3の測定対象)となる参照信号は常にアンテナポート0のセル固有参照信号、またはアンテナポート0と1のセル固有参照信号であり得る。すなわち接続されていないセルのあらかじめ指定された特定の参照信号および特定のアンテナポートを対象とする可能性がある。なおここで接続されていないセルとはRRCによりパラメータが設定されていない状態のセルのことを意味し得る。また別の観点から述べると接続されていないセルから送信されるセル固有参照信号は、前記接続されているセルから送信されるセル固有参照信号とは別の物理ID(物理セルID)を用いて生成されうる。ここでは、基地局101が第3の測定対象設定により物理ID(物理セルID)やキャリア周波数(中心周波数)などを端末102に通知することで、端末102が接続していないセル(RRCパラメータが設定されていないセル)から送信されるセル固有参照信号の受信信号電力を測定することが可能となる(図15参照)。また第2の報告設定および第3の報告設定には、端末102が測定結果を測定レポートにおける、トリガーとなるイベントなど送信するタイミングに関する設定などが含まれている。
続いてステップ405についての説明を行う。ステップ405では、端末102は、前述した第1の測定対象設定が行われた場合には、第1の測定対象設定により設定された第1の測定対象の参照信号の受信電力を測定し、前述した第2の測定対象設定が行われた場合には、第2の測定対象設定により設定された第2の測定対象の参照信号の受信電力を測定する。また、端末102は、第3の測定対象設定が行われた場合には、第3の測定対象設定により設定された第3の測定対象の参照信号の受信電力を測定する。続いてステップ407についての説明を行う。第1の測定レポートおよび/または第2の測定レポートに関するパラメータがステップ407では設定され得る。ここで、第1の測定レポートは前述した第1の測定対象設定および/または第3の測定対象設定により設定された測定対象の受信信号電力に関するものであり得る。一方で、第2の測定レポートは前述した第2の測定対象設定により設定された測定対象の受信信号電力に関するものであり得る。また前述した第2の測定レポートは、第2の測定対象設定により設定された第2の測定対象の参照信号の受信電力(RSRP:Reference Signal Recieved Power)のひとつもしくは複数の測定結果のいくつかと関連付けられる。なお、前述した第2の測定レポートには第2の測定対象のうちいずれのリソースの測定結果を報告対象とするかも設定される可能性がある。前述したいずれのリソースの測定結果を報告対象とするは、CSIポート1〜8(アンテナポート15〜22)に関連したインデックスで通知されても良いし、周波数時間リソースに関連したインデックスで通知されても良い。これによりステップ407では、前述した第1の測定レポートが設定された場合には、第1の測定対象設定および/または第3の測定対象設定により設定された第1の測定対象および/または第3の測定対象の参照信号の受信電力の測定結果が報告され、前述した第2の測定レポートが設定された場合には、第2の測定対象設定により設定された第2の測定対象の参照信号の受信電力のひとつもしくは複数の測定結果のうち少なくとも一つが報告される。なお、前述したとおり第2の測定レポートには第2の測定対象のうちいずれのリソースの測定結果を報告対象とするかも設定される可能性がある。
続いてステップ408についての説明を行う。ステップ408では、上りリンク電力制御に関するパラメータの設定(UplinkPowerControlやTPC Commandなど)がされ得る。このパラメータには前述した第1の測定対象設定と第1の測定レポートにより測定および報告された受信信号電力に基づく第1のパスロスか、前述した第2の測定対象設定と第2の測定レポートにより測定および報告された受信信号電力に基づく第2のパスロスのいずれかを上りリンク送信電力の計算時に用いるパスロスに使用するためのパラメータ設定が含まれ得る。これらパラメータの詳細については後述する。
続いてステップ409についての説明を行う。本ステップ409では、上りリンク送信電力の計算が行われる。上りリンク送信電力の計算には、基地局101(もしくはRRH103)と端末102間の下りリンクパスロスが用いられるが、この下りリンクパスロスはステップ405で測定されたセル固有参照信号の受信信号電力、すなわち第1の測定対象の測定結果、もしくは伝送路状況測定用参照信号の受信信号電力、すなわち第2の測定対象の測定結果、から算出される。なお、パスロスの算出には参照信号の送信電力も必要となるため、前述した第2の測定対象設定の中に参照信号の送信電力に関する情報が含まれ得る。従って、端末102では第1の測定対象設定により設定された第1の測定対象の参照信号の受信電力に基づいて求められた第1のパスロスおよび第2の測定対象設定により設定された第2の測定対象の参照信号の受信電力に基づいて求められた第2のパスロスを保持している。端末102は、ステップ403で設定された上りリンク電力制御に関するパラメータの設定に従い、前記第1および第2のパスロスのいずれかを用いて上りリンク送信電力の計算を行う。続いてステップ411についての説明を行う。ステップ411ではステップ409において求められた送信電力値に基づき、上りリンク信号の送信を行う。
図5は、本発明の基地局101の構成を示す概略ブロック図である。図示するように、基地局101は、上位層処理部501、制御部503、受信部505、送信部507、チャネル測定部509、および、送受信アンテナ511、を含んで構成される。また、上位層処理部501は、無線リソース制御部5011、SRS設定部5013と送信電力設定部5015を含んで構成される。また、受信部505は、復号化部5051、復調部5053、多重分離部5055と無線受信部5057を含んで構成される。また、送信部507は、符号化部5071、変調部5073、多重部5075、無線送信部5077と下りリンク参照信号生成部5079を含んで構成される。
上位層処理部501は、パケットデータ統合プロトコル(Packet Data Convergence Protocol; PDCP)層、無線リンク制御(Radio Link Control; RLC)層、無線リソース制御(Radio Resource Control; RRC)層の処理を行う。
上位層処理部501が備える無線リソース制御部5011は、下りリンクの各チャネルに配置する情報を生成、又は上位ノードから取得し、送信部507に出力する。また、無線リソース制御部5011は、上りリンクの無線リソースの中から、端末102が上りリンクのデータ情報である物理上りリンク共用チャネルPUSCH(Physical Uplink Shared Channel)を配置する無線リソースを割り当てる。また、無線リソース制御部5011は、下りリンクの無線リソースの中から、下りリンクのデータ情報である物理下りリンク共用チャネルPDSCH(Physical Downlink Shared Channel)を配置する無線リソースを決定する。無線リソース制御部5011は、当該無線リソースの割り当てを示す下りリンク制御情報を生成し、送信部を介して端末102に送信する。無線リソース制御部5011は、PUSCHを配置する無線リソースを割り当てる際に、チャネル測定部509から入力された上りリンクのチャネル測定結果を基に、チャネル品質のよい無線リソースを優先的に割り当てる。
上位層処理部501は、端末102から物理上りリンク制御チャネルPUCCH(Physical Uplink Control Channel)で通知された上りリンク制御情報(ACK/NACK、チャネル品質情報、スケジューリング要求)、および端末102から通知されたバッファの状況や無線リソース制御部5011が設定した端末102各々の各種設定情報に基づき、受信部505および送信部507の制御を行うために制御情報を生成し、制御部503に出力する。
SRS設定部5013は、端末102がサウンディング参照信号SRS(Sounding Reference Signal)を送信するための無線リソースを予約するサブフレームであるサウンディングサブフレーム、およびサウンディングサブフレーム内でSRSを送信するために予約する無線リソースの帯域幅を設定し、前記設定に関する情報をシステム情報(System Information)として生成し、送信部507を介して、PDSCHで報知送信する。また、SRS設定部5013は、端末102各々に周期的にピリオディックSRSを送信するサブフレーム、周波数帯域、およびピリオディックSRSのCAZAC系列に用いるサイクリックシフトの量を設定し、前記設定に関する情報を含む信号を無線リソース制御信号(RRC信号(Radio Resource Control Signal))として生成し、送信部507を介して、端末102各々にPDSCHで通知する。
また、SRS設定部5013は、端末102各々にアピリオディックSRSを送信する周波数帯域、およびアピリオディックSRSのCAZAC系列に用いるサイクリックシフトの量を設定し、前記設定に関する情報を含む信号を無線リソース制御信号として生成し、送信部507を介して、端末102各々にPDSCHで通知する。また、SRS設定部は、端末102にアピリオディックSRSの送信を要求する場合、端末102にアピリオディックSRSの送信を要求していることを示すSRSインディケータを生成し、送信部507を介して、端末102にPDCCHで通知する。
送信電力設定部5015は、PUCCH、PUSCH、ピリオディックSRS、およびアピリオディックSRSの送信電力を設定する。具体的には、送信電力設定部5015は、隣接する基地局からの干渉量を示す情報、隣接する基地局から通知された隣接する基地局101に与えている干渉量を示す情報、またチャネル測定部509から入力されたチャネルの品質などに応じて、PUSCHなどが所定のチャネル品質を満たすよう、また隣接する基地局への干渉を考慮し、端末102の送信電力を設定し、前記設定を示す情報を、送信部507を介して、端末102に送信する。
具体的には、送信電力設定部5015は、後述する数式(1)のP0_PUSCH、α、ピリオディックSRS用のPSRS_OFFSET(0)(第1パラメータ(pSRS-Offset))、アピリオディックSRS用のPSRS_OFFSET(1)(第2パラメータ(pSRS-OffsetAp-r10))を設定し、前記設定を示す情報を含む信号を無線リソース制御信号として生成し、送信部507を介して、端末102各々にPDSCHで通知する。また、送信電力設定部5015は、数式(1)および数式(4)のfを算出するためのTPCコマンドを設定し、TPCコマンドを示す信号を生成し、送信部507を介して、端末102各々にPDCCHで通知する。なお、ここで述べるαとはパスロス値と共に数式(1)および数式(4)での送信電力算出に用いられ、パスロスを補償する度合いを表す係数、言い換えるとパスロスに応じてどの程度電力を増減させるかを決定する係数である。αは通常0から1の値をとり、0であればパスロスに応じた電力の補償は行わず、1であればパスロスの影響が基地局101において生じないよう端末102の送信電力を増減させることとなる。
制御部503は、上位層処理部501からの制御情報に基づいて、受信部505、および送信部507の制御を行う制御信号を生成する。制御部503は、生成した制御信号を受信部505、および送信部507に出力して受信部505、および送信部507の制御を行う。
受信部505は、制御部503から入力された制御信号に従って、送受信アンテナ511を介して端末102から受信した受信信号を分離、復調、復号し、復号した情報を上位層処理部501に出力する。無線受信部5057は、送受信アンテナ511を介して受信した上りリンクの信号を、中間周波数(IF;Intermediate Frequency)に変換し(ダウンコンバート)、不要な周波数成分を除去し、信号レベルが適切に維持されるように増幅レベルを制御し、受信した信号の同相成分および直交成分に基づいて、直交復調し、直交復調されたアナログ信号をディジタル信号に変換する。無線受信部5057は、変換したディジタル信号からガードインターバル(Guard Interval:GI)に相当する部分を除去する。無線受信部5057は、ガードインターバルを除去した信号に対して高速フーリエ変換(Fast Fourier Transform; FFT)を行い、周波数領域の信号を抽出し多重分離部5055に出力する。
多重分離部5055は、無線受信部5057から入力された信号をPUCCH、PUSCH、UL DMRS、SRSなどの信号に、それぞれ分離する。尚、この分離は、予め基地局101が決定して各端末102に通知した無線リソースの割当情報に基づいて行われる。また、多重分離部5055は、チャネル測定部509から入力された伝搬路の推定値から、PUCCHとPUSCHの伝搬路の補償を行なう。また、多重分離部5055は、分離したUL DMRSおよびSRSをチャネル測定部509に出力する。
復調部5053は、PUSCHを逆離散フーリエ変換(Inverse Discrete Fourier Transform; IDFT)し、変調シンボルを取得し、PUCCHとPUSCHの変調シンボルそれぞれに対して、2位相偏移変調(Binary Phase Shift Keying; BPSK)、4相位相偏移変調(Quadrature Phase Shift Keying; QPSK)、16値直交振幅変調(16Quadrature Amplitude Modulation; 16QAM)、64値直交振幅変調(64Quadrature Amplitude Modulation;64QAM)等の予め定められた、または基地局101が端末102各々に下りリンク制御情報で予め通知した変調方式を用いて受信信号の復調を行なう。
復号化部5051は、復調したPUCCHとPUSCHの符号化ビットを、予め定められた符号化方式の、予め定められた、又は基地局101が端末102に上りリンクグラント(UL grant)で予め通知した符号化率で復号を行ない、復号したデータ情報と、上りリンク制御情報を上位層処理部501へ出力する。
チャネル測定部509は、多重分離部5055から入力された上りリンク復調参照信号UL DMRSとSRSから伝搬路の推定値、チャネルの品質などを測定し、多重分離部5055および上位層処理部501に出力する。
送信部507は、制御部503から入力された制御信号に従って、下りリンクの参照信号(下りリンク参照信号)を生成し、上位層処理部501から入力されたデータ情報、下りリンク制御情報を符号化、および変調し、PDCCH、PDSCH、および下りリンク参照信号を多重して、送受信アンテナ511を介して端末102に信号を送信する。
符号化部5071は、上位層処理部501から入力された下りリンク制御情報、およびデータ情報を、ターボ符号化、畳込み符号化、ブロック符号化等の符号化を行う。変調部5073は、符号化ビットをQPSK、16QAM、64QAM等の変調方式で変調する。下りリンク参照信号生成部5079は、基地局101を識別するためのセル識別子(Cell ID)などを基に予め定められた規則で求まる、端末102が既知の系列を下りリンク参照信号として生成する。多重部5075は、変調した各チャネルと生成した下りリンク参照信号を多重する。
無線送信部5077は、多重した変調シンボルを逆高速フーリエ変換(Inverse Fast Fourier Transform; IFFT)して、OFDM方式の変調を行い、OFDM変調されたOFDMシンボルにガードインターバルを付加し、ベースバンドのディジタル信号を生成し、ベースバンドのディジタル信号をアナログ信号に変換し、アナログ信号から中間周波数の同相成分および直交成分を生成し、中間周波数帯域に対する余分な周波数成分を除去し、中間周波数の信号を高周波数の信号に変換(アップコンバート)し、余分な周波数成分を除去し、電力増幅し、送受信アンテナ511に出力して送信する。なお、ここでは図示しないがRRH103も基地局101同様の構成であると考える。
図6は、本実施形態に係る端末102の構成を示す概略ブロック図である。図示するように、端末102は、上位層処理部601、制御部603、受信部605、送信部607、チャネル測定部609、および、送受信アンテナ611、を含んで構成される。また、上位層処理部601は、無線リソース制御部6011、SRS制御部6013と送信電力制御部6015を含んで構成される。また、受信部605は、復号化部6051、復調部6053、多重分離部6055と無線受信部6057を含んで構成される。また、送信部607は、符号化部6071、変調部6073、多重部6075と無線送信部6077を含んで構成される。
上位層処理部601は、ユーザの操作等により生成された上りリンクのデータ情報を、送信部に出力する。また、上位層処理部601は、パケットデータ統合プロトコル層、無線リンク制御層、無線リソース制御層の処理を行う。
上位層処理部601が備える無線リソース制御部6011は、自装置の各種設定情報の管理を行なう。また、無線リソース制御部6011は、上りリンクの各チャネルに配置する情報を生成し、送信部607に出力する。無線リソース制御部6011は、基地局101からPDCCHで通知された下りリンク制御情報、およびPDSCHで通知された無線リソース制御情報で設定された無線リソース制御部6011が管理する自装置の各種設定情報に基づき、受信部605、および送信部607の制御を行うために制御情報を生成し、制御部603に出力する。
上位層処理部601が備えるSRS制御部6013は、基地局101が報知しているSRSを送信するための無線リソースを予約するサブフレームであるサウンディングサブフレーム(SRSサブフレーム、SRS送信サブフレーム)、およびサウンディングサブフレーム内でSRSを送信するために予約する無線リソースの帯域幅を示す情報、および、基地局101が自装置に通知したピリオディックSRSを送信するサブフレームと、周波数帯域と、ピリオディックSRSのCAZAC系列に用いるサイクリックシフトの量とを示す情報、および、基地局101が自装置に通知したアピリオディックSRSを送信する周波数帯域と、アピリオディックSRSのCAZAC系列に用いるサイクリックシフトの量とを示す情報を受信部605から取得する。
SRS制御部6013は、前記情報に従ってSRS送信の制御を行なう。具体的には、SRS制御部6013は、前記ピリオディックSRSに関する情報に従ってピリオディックSRSを1回または周期的に送信するよう送信部607を制御する。また、SRS制御部6013は、受信部605から入力されたSRSインディケータ(SRSリクエスト)においてアピリオディックSRSの送信を要求された場合、前記アピリオディックSRSに関する情報に従ってアピリオディックSRSを予め定められた回数(例えば、1回)だけ送信する。
上位層処理部601が備える送信電力制御部6015は、PUCCH、PUSCH、ピリオディックSRS、およびアピリオディックSRSの送信電力の設定を示す情報を基に、送信電力の制御を行うよう、制御部603に制御情報を出力する。具体的には、送信電力制御部6015は、受信部605から取得したP0_PUSCH、α、ピリオディックSRS用のPSRS_OFFSET(0)(第1パラメータ(pSRS-Offset))、アピリオディックSRS用のPSRS_OFFSET(1)(第2パラメータ(pSRS-OffsetAp-r10))、およびTPCコマンドを基に、数式(4)からピリオディックSRSの送信電力とアピリオディックSRSの送信電力各々を制御する。尚、送信電力制御部6015は、PSRS_OFFSETに対してピリオディックSRSかアピリオディックSRSかに応じてパラメータを切り替える。
制御部603は、上位層処理部601からの制御情報に基づいて、受信部605、および送信部607の制御を行う制御信号を生成する。制御部603は、生成した制御信号を受信部605、および送信部607に出力して受信部605、および送信部607の制御を行う。
受信部605は、制御部603から入力された制御信号に従って、送受信アンテナ611を介して基地局101から受信した受信信号を、分離、復調、復号し、復号した情報を上位層処理部601に出力する。
無線受信部6057は、各受信アンテナを介して受信した下りリンクの信号を、中間周波数に変換し(ダウンコンバート)、不要な周波数成分を除去し、信号レベルが適切に維持されるように増幅レベルを制御し、受信した信号の同相成分および直交成分に基づいて、直交復調し、直交復調されたアナログ信号をディジタル信号に変換する。無線受信部6057は、変換したディジタル信号からガードインターバルに相当する部分を除去し、ガードインターバルを除去した信号に対して高速フーリエ変換を行い、周波数領域の信号を抽出する。
多重分離部6055は、抽出した信号を物理下りリンク制御チャネルPDCCH(Physical Downlink Control Channel)、PDSCH、および下りリンク参照信号DRS(Downlink Reference Signal)に、それぞれ分離する。尚、この分離は、下りリンク制御情報で通知された無線リソースの割り当て情報などに基づいて行われる。また、多重分離部6055は、チャネル測定部609から入力された伝搬路の推定値から、PDCCHとPDSCHの伝搬路の補償を行なう。また、多重分離部6055は、分離した下りリンク参照信号をチャネル測定部609に出力する。
復調部6053は、PDCCHに対して、QPSK変調方式の復調を行ない、復号化部6051へ出力する。復号化部6051は、PDCCHの復号を試み、復号に成功した場合、復号した下りリンク制御情報を上位層処理部601に出力する。復調部6053は、PDSCHに対して、QPSK、16QAM、64QAM等の下りリンク制御情報で通知された変調方式の復調を行ない、復号化部6051へ出力する。復号化部6051は、下りリンク制御情報で通知された符号化率に対する復号を行い、復号したデータ情報を上位層処理部601へ出力する。
チャネル測定部609は、多重分離部6055から入力された下りリンク参照信号から下りリンクのパスロスを測定し、測定したパスロスを上位層処理部601へ出力する。また、チャネル測定部609は、下りリンク参照信号から下りリンクの伝搬路の推定値を算出し、多重分離部6055へ出力する。
送信部607は、制御部603から入力された制御信号に従って、UL DMRSおよび/またはSRSを生成し、上位層処理部601から入力されたデータ情報を符号化および変調し、PUCCH、PUSCH、および生成したUL DMRSおよび/またはSRSを多重し、PUCCH、PUSCH、UL DMRS、およびSRSの送信電力を調整し、送受信アンテナ611を介して基地局101に送信する。
符号化部6071は、上位層処理部601から入力された上りリンク制御情報、およびデータ情報を、ターボ符号化、畳込み符号化、ブロック符号化等の符号化を行う。変調部6073は、符号化部6071から入力された符号化ビットをBPSK、QPSK、16QAM、64QAM等の変調方式で変調する。
上りリンク参照信号生成部6079は、基地局101を識別するためのセル識別子、UL DMRSおよびSRSを配置する帯域幅などを基に予め定められた規則で求まる、基地局101が既知のCAZAC系列を生成する。また、上りリンク参照信号生成部6079は、制御部603から入力された制御信号に従って、生成したUL DMRSおよびSRSのCAZAC系列にサイクリックシフトを与える。
多重部6075は、制御部603から入力された制御信号に従って、PUSCHの変調シンボルを並列に並び替えてから離散フーリエ変換(Discrete Fourier Transform; DFT)し、PUCCHとPUSCHの信号と生成したUL DMRSおよびSRSを多重する。
無線送信部6077は、多重した信号を逆高速フーリエ変換して、SC−FDMA方式の変調を行い、SC−FDMA変調されたSC−FDMAシンボルにガードインターバルを付加し、ベースバンドのディジタル信号を生成し、ベースバンドのディジタル信号をアナログ信号に変換し、アナログ信号から中間周波数の同相成分および直交成分を生成し、中間周波数帯域に対する余分な周波数成分を除去し、中間周波数の信号を高周波数の信号に変換(アップコンバート)し、余分な周波数成分を除去し、電力増幅し、送受信アンテナ611に出力して送信する。
図7は、基地局101がマッピングするチャネルの一例を示す図である。図7は、12のリソースブロックペアで構成される周波数帯域をシステム帯域幅とする場合を示す。第1の制御チャネルであるPDCCHは、サブフレームにおける先頭の1〜3のOFDMシンボルに配置される。第1の制御チャネルの周波数方向は、システム帯域幅に渡って配置される。また、共用チャネルは、サブフレームにおいて、第1の制御チャネル以外のOFDMシンボルに配置される。
ここで、PDCCHの構成の詳細について説明する。PDCCHは、複数の制御チャネルエレメント(CCE:Control Channel Element)により構成される。各下りリンクコンポーネントキャリアで用いられるCCEの数は、下りリンクコンポーネントキャリア帯域幅と、PDCCHを構成するOFDMシンボル数と、通信に用いる基地局101の送信アンテナの数に応じた下りリンク参照信号の送信ポート数に依存する。CCEは、複数の下りリンクリソースエレメント(1つのOFDMシンボルおよび1本のサブキャリアで規定されるリソース)により構成される。
基地局101と端末102との間で用いられるCCEには、CCEを識別するための番号が付与されている。CCEの番号付けは、予め決められた規則に基づいて行なわれる。ここで、CCE_tは、CCE番号tのCCEを示す。PDCCHは、複数のCCEからなる集合(CCE Aggregation)により構成される。この集合を構成するCCEの数を、「CCE集合レベル」(CCE aggregation level)と称す。PDCCHを構成するCCE集合レベルは、PDCCHに設定される符号化率、PDCCHに含められるDCIのビット数に応じて基地局101において設定される。なお、端末102に対して用いられる可能性のあるCCE集合レベルの組み合わせは予め決められている。また、n個のCCEからなる集合を、「CCE集合レベルn」という。
1個のリソースエレメントグループ(REG;Resource Element Group)は周波数領域の隣接する4個の下りリンクリソースエレメントにより構成される。さらに、1個のCCEは、周波数領域及び時間領域に分散した9個の異なるリソースエレメントグループにより構成される。具体的には、下りリンクコンポーネントキャリア全体に対して、番号付けされた全てのリソースエレメントグループに対してブロックインタリーバを用いてリソースエレメントグループ単位でインタリーブが行なわれ、インタリーブ後の番号の連続する9個のリソースエレメントグループにより1個のCCEが構成される。
各端末102には、PDCCHを検索する領域SS(Search space)が設定される。SSは、複数のCCEから構成される。最も小さいCCEから番号の連続する複数のCCEからSSは構成され、番号の連続する複数のCCEの数は予め決められている。各CCE集合レベルのSSは、複数のPDCCHの候補の集合体により構成される。SSは、最も小さいCCEから番号がセル内で共通であるCSS(Cell−specific SS)と、最も小さいCCEから番号が端末固有であるUSS(UE−specific SS)とに分類される。CSSには、システム情報あるいはページングに関する情報など、複数の端末102が読む制御情報が割り当てられたPDCCH、あるいは下位の送信方式へのフォールバックやランダムアクセスの指示を示す下りリンク/上りリンクグラントが割り当てられたPDCCHが配置されることができる。
基地局101は、端末102において設定されるSS内の1個以上のCCEを用いてPDCCHを送信する。端末102は、SS内の1個以上のCCEを用いて受信信号の復号を行ない、自身宛てのPDCCHを検出するための処理を行なう(ブラインドデコーディングと呼称する)。端末102は、CCE集合レベル毎に異なるSSを設定する。その後、端末102は、CCE集合レベル毎に異なるSS内の予め決められた組み合わせのCCEを用いてブラインドデコーディングを行なう。言い換えると、端末102は、CCE集合レベル毎に異なるSS内の各PDCCHの候補に対してブラインドデコーディングを行なう。端末102におけるこの一連の処理をPDCCHのモニタリングという。
第2の制御チャネル(X−PDCCH、PDCCH on PDSCH、Extended PDCCH、Enhanced PDCCH、E−PDCCH)は、第1の制御チャネル以外のOFDMシンボルに配置される。第2の制御チャネルと共用チャネルは、異なるリソースブロックに配置される。また、第2の制御チャネルと共用チャネルが配置されうるリソースブロックは、端末102毎に設定される。また、第2の制御チャネル領域が配置され得るリソースブロックには、自装置宛または他端末宛の共用チャネル(データチャネル)が設定され得る。また、第2の制御チャネルが配置されるOFDMシンボルのスタート位置は、共用チャネルと同様の方法を用いることができる。すなわち、基地局101は、第1の制御チャネルの一部のリソースをPCFICH(Physical control format indicator channel)として設定し、第1の制御チャネルのOFDMシンボル数を示す情報をマッピングすることで実現できる。
また、第2の制御チャネルが配置されるOFDMシンボルのスタート位置は、予め規定しておき、例えば、サブフレームにおける先頭の4番目のOFDMシンボルとすることができる。そのとき、第1の制御チャネルのOFDMシンボルの数が2以下である場合、第2の制御チャネルが配置されるリソースブロックペアにおける2〜3番目のOFDMシンボルは、信号をマッピングせずにヌルとする。なお、ヌルとして設定されたリソースは、他の制御信号やデータ信号をさらにマッピングされることができる。また、第2の制御チャネルを構成するOFDMシンボルのスタート位置は、上位層の制御情報を通じて設定されることができる。また、図7に示すサブフレームは時間多重され、第2の制御チャネルはサブフレーム毎に設定できる。
X−PDCCHを検索するためのSSとして、PDCCHと同様に複数のCCEからSSを構成することができる。すなわち、図7に示した第2の制御チャネルの領域として設定された領域内の複数リソースエレメントからリソースエレメントグループを構成し、さらに複数のリソースエレメントからCCEを構成する。これにより、上記のPDCCHの場合と同様にX−PDCCHを検索(モニタリング)するためのSSを構成することができる。
あるいは、X−PDCCHを検索するためのSSとして、PDCCHとは異なり、1つ以上のリソースブロックからSSを構成することができる。すなわち、図7に示した第2の制御チャネルの領域として設定された領域内のリソースブロックを単位とし、1つ以上のリソースブロックからなる集合(RB Aggregation)によりX−PDCCHを検索するためのSSが構成される。この集合を構成するRBの数を、「RB集合レベル」(RB aggregation level)と称す。最も小さいRBから番号の連続する複数のRBからSSは構成され、番号の連続する1つ以上のRBの数は予め決められている。各RB集合レベルのSSは、複数のX−PDCCHの候補の集合体により構成される。
基地局101は、端末102において設定されるSS内の1個以上のRBを用いてX−PDCCHを送信する。端末102は、SS内の1個以上のRBを用いて受信信号の復号を行ない、自身宛てのX−PDCCHを検出するための処理を行なう(ブラインドデコーディングする)。端末102は、RB集合レベル毎に異なるSSを設定する。その後、端末102は、RB集合レベル毎に異なるSS内の予め決められた組み合わせのRBを用いてブラインドデコーディングを行なう。言い換えると、端末102は、RB集合レベル毎に異なるSS内の各X−PDCCHの候補に対してブラインドデコーディングを行なう(X−PDCCHをモニタリングする)。
基地局101が端末102に対して第2の制御チャネルを通じて制御信号を通知する場合、基地局101は端末102に対して第2の制御チャネルのモニタリングを設定し、第2の制御チャネルに端末102に対する制御信号をマッピングする。また、基地局101が端末102に対して第1の制御チャネルを通じて制御信号を通知する場合、基地局101は端末102に対して第2の制御チャネルのモニタリングを設定せずに、第1の制御チャネルに端末102に対する制御信号をマッピングする。
一方、端末102は、基地局101によって第2の制御チャネルのモニタリングが設定された場合、第2の制御チャネルに対して、端末102宛の制御信号をブラインドデコーディングする。また、端末102は、基地局101によって第2の制御チャネルのモニタリングが設定されない場合、第2の制御チャネルに対して、端末102宛の制御信号をブラインドデコーディングしない。
以下では、第2の制御チャネルにマッピングされる制御信号について説明する。第2の制御チャネルにマッピングされる制御信号は、1つの端末102に対する制御情報毎に処理され、データ信号と同様に、スクランブル処理、変調処理、レイヤーマッピング処理、プレコーディング処理等が行われる。また、第2の制御チャネルにマッピングされる制御信号は、端末固有参照信号と共に、端末102に固有のプレコーディング処理が行われる。そのとき、プレコーディング処理は、端末102に好適なプレコーディング重みにより行われることが好ましい。例えば、同一のリソースブロック内の第2の制御チャネルの信号と端末固有参照信号とに共通のプレコーディング処理が行われる。
また、第2の制御チャネルにマッピングされる制御信号は、サブフレームにおける前方のスロット(第1のスロット)と後方のスロット(第2のスロット)でそれぞれ異なる制御情報を含めてマッピングされることができる。例えば、サブフレームにおける前方のスロットには、基地局101が端末102に対して送信するデータ信号の下りリンク共用チャネルにおける割り当て情報(下りリンク割り当て情報)を含む制御信号がマッピングされる。また、サブフレームにおける後方のスロットには、端末102が基地局101に対して送信するデータ信号の上りリンク共用チャネルにおける割り当て情報(上りリンク割り当て情報)を含む制御信号がマッピングされる。なお、サブフレームにおける前方のスロットには、基地局101が端末102に対する上りリンク割り当て情報を含む制御信号がマッピングされ、サブフレームにおける後方のスロットには、端末102が基地局101に対する下りリンク割り当て情報を含む制御信号がマッピングされてもよい。
また、第2の制御チャネルにおける前方および/または後方のスロットには、端末102または他の端末102に対するデータ信号がマッピングされてもよい。また、第2の制御チャネルにおける前方および/または後方のスロットには、端末102または第2の制御チャネルが設定された端末(端末102を含む)に対する制御信号がマッピングされてもよい。
また、第2の制御チャネルにマッピングされる制御信号には、基地局101によって、端末固有参照信号が多重される。端末102は、第2の制御チャネルにマッピングされる制御信号を、多重される端末固有参照信号によって復調処理を行う。また、アンテナポート7〜14の一部または全部の端末固有参照信号が用いられる。そのとき、第2の制御チャネルにマッピングされる制御信号は、複数のアンテナポートを用いてMIMO送信されることができる。
例えば、第2の制御チャネルにおける端末固有参照信号は、予め規定されたアンテナポートおよびスクランブル符号を用いて送信される。具体的には、第2の制御チャネルにおける端末固有参照信号は、予め規定されたアンテナポート7およびスクランブルIDを用いて生成される。
また、例えば、第2の制御チャネルにおける端末固有参照信号は、RRCシグナリングまたはPDCCHシグナリングを通じて通知されるアンテナポートおよびスクランブルIDを用いて生成される。具体的には、第2の制御チャネルにおける端末固有参照信号に用いられるアンテナポートとして、RRCシグナリングまたはPDCCHシグナリングを通じて、アンテナポート7またはアンテナポート8のいずれかが通知される。第2の制御チャネルにおける端末固有参照信号に用いられるスクランブルIDとして、RRCシグナリングまたはPDCCHシグナリングを通じて、0〜3のいずれかの値が通知される。
第1の実施形態では、基地局101は、端末102毎に第2の測定対象設定を設定する。また、端末102は、第1の測定対象設定を保持し、第1の測定対象設定により指定された測定対象となるセル固有参照信号の受信電力と、第2の測定対象設定により指定された測定対象となる伝送路状況測定用参照信号の受信電力と、を基地局101に報告する。
以上本願の実施形態を用いることにより以下の効果を得ることができる。図2に示したセル固有参照信号が下りリンク105を用いて基地局101からのみ送信され、また図4 ステップ403において設定された第2の測定対象設定および第2の報告設定において設定された測定対象が図3に示した伝送路状況測定用参照信号であり、この測定対象では下りリンク107を用いてRRH103からのみ参照信号が送信されたと仮定する。この場合には図4 ステップ405におけるあらかじめ定められた第1の測定対象設定により指定された測定対象であるセル固有参照信号および基地局101により設定可能な第2の測定対象設定により指定された測定対象であるRRH103からのみ送信された伝送路状況測定用参照信号の受信信号電力を測定することにより、基地局101と端末102間の下りリンクパスロスであるパスロス1およびRRH103と端末102間の下りリンクパスロスであるパスロス2を計算することができる。つまり、2種類の上りリンク送信電力が設定できる一方で、上りリンク協調通信時には基地局101またはRRH103の一方(例えばパスロスの小さな、つまり基地局101およびRRH103の近い方)に向けて上りリンク送信電力を設定することも可能である。本願の実施形態では、基地局101において、前述する第1の測定対象であるセル固有参照信号および第2の測定対象であるRRH103からのみ送信された伝送路状況測定用参照信号の受信信号電力が報告されているため、上りリンク協調通信時において、基地局101は端末102からの上りリンク信号が上りリンク106を用いて基地局101で受信されるべきか、端末102からの上りリンク信号が上りリンク108を用いてRRH103で受信されるべきかが判断(判定)可能となる。これに基づいて基地局101は図3における上りリンク電力制御に関するパラメータの設定を行い、前述するパスロス1とパスロス2のいずれを用いるかを設定できる。
また別の例では、図2に示したセル固有参照信号が下りリンク105および下りリンク106を用いて基地局101およびRRH103から送信され、また図4ステップ403において設定された第2の測定対象設定および第2の報告設定において測定対象が2つ設定され、設定された測定対象の双方が図3に示した伝送路状況測定用参照信号であり、この測定対象の一方では下りリンク105を用いて基地局101からのみ参照信号が送信され、他方では下りリンク107を用いてRRH103からのみ参照信号が送信されたと仮定する。この場合には図4 ステップ405におけるあらかじめ定められた第1の測定対象設定により指定された第1の測定対象であるセル固有参照信号および基地局101により設定可能な第2の測定対象設定により指定された測定対象である第2の測定対象の1つである基地局101からのみ送信された伝送路状況測定用参照信号の受信信号電力および第2の測定対象の1つであるRRH103からのみ送信された伝送路状況測定用参照信号の受信信号電力を測定することにより、基地局101と端末102間およびRRH103と端末102間の下りリンクパスロスの合成値であるパスロス1および、基地局101と端末102間およびRRH103と端末102間の下りリンクパスロス値を含むパスロス2を計算することができる。つまり、端末102において、2種類の上りリンク送信電力が設定できる一方で、上りリンク協調通信時には基地局101またはRRH103の一方(例えば、パスロスの小さな、つまり基地局101およびRRH103の近い方)に向けて上りリンク送信電力を設定することも可能である。本願の実施形態では、基地局101において、前述する第1の測定対象であるセル固有参照信号および第2の測定対象である基地局101からのみ送信された伝送路状況測定用参照信号の受信信号電力およびもう1つの第2の測定対象であるRRH103からのみ送信された伝送路状況測定用参照信号の受信信号電力が報告されているため、上りリンク協調通信時において、基地局101は端末102からの上りリンク信号が上りリンク106を用いて基地局101で受信されるべきか、端末102からの上りリンク信号が上りリンク108を用いてRRH103で受信されるべきかが判断可能となる。これに基づいて基地局101は図3における上りリンク電力制御に関するパラメータの設定を行い、前述するパスロス1と2つのパスロス2の3つのうちいずれを用いるかを設定できる。また、本願の実施形態では、端末102は、基地局101と端末102間およびRRH103と端末102間の下りリンクパスロスの合成値であるパスロス1を用いて上りリンク送信電力を計算することによって上りリンク協調通信に適した送信電力制御を行うことができる。また、端末102は、基地局101と端末102間の第2の測定対象に基づくパスロス2を用いて上りリンク送信電力を計算することによって基地局101と端末102間の通信に適した送信電力制御を行うことができる。また、端末102は、RRH103と端末102間の第2の測定対象に基づくパスロス2を用いて上りリンク送信電力を計算することによってRRH103と端末102間に適した送信電力制御を行うことができる。このようにあらかじめ定められた第1の測定設定および基地局101により設定可能な第2の測定対象設定の双方を用いることにより、基地局101およびRRH103からの参照信号の設定(例えば基地局101のみからセル固有参照信号される場合や、基地局101およびRRH103の双方からセル固有参照信号される場合)に関わらず適切な上りリンク電力制御が可能となる。また本実施形態では第1の測定対象設定で指定されたセル固有参照信号の受信信号電力や第2の測定対象設定で指定された伝送路状況測定用参照信号の受信信号電力を報告することにより、基地局101が基地局101、RRH103および端末102の位置関係(つまり期待される受信電力やパスロス)を把握する助けとなり、下りリンク協調通信時においても利点が見いだせる。例えば下りリンク105および106を用いた場合、端末102が受信する信号が、基地局101、RRH103、もしくは基地局101とRRH103双方のいずれかから適切に選択され送信されれば、不要な信号送信を抑えることによりシステム全体のスループットの向上が見込める。
(第2の実施形態)
以下、本発明の第2の実施形態について説明する。本実施形態では伝送路状況測定用参照信号のパラメータ設定および図4 ステップ403における第2の測定対象設定、第2の報告設定および第3の測定対象設定、第3の報告設定,図4 ステップ407における第1の測定レポートおよび第2の測定レポートに関するパラメータの詳細について説明する。また、ここでは、CSIフィードバックを算出するための第1の参照信号設定と、データ復調時にデータの復調から除外するリソースエレメントを指定する第2の参照信号設定と、受信信号電力を算出するための測定対象を設定する第3の参照信号設定との詳細についても説明する。
図8では伝送路状況測定用参照信号の詳細として、第1の参照信号設定および第2の参照信号設定に関するパラメータの詳細について示している。CSI−RS設定−r10(CSI−RS−Config−r10)にはCSI−RS設定、すなわち第1の参照信号設定(csi−RS−r10)およびゼロ送信電力CSI-RS設定、すなわち第2の参照信号設定(zeroTxPowerCSI−RS−r10)が含まれ得る。CSI−RS設定にはアンテナポート(antennaPortsCount−r10)、リソース設定(resourceConfig−r10)、サブフレーム設定(subframeConfig−r10)、PDSCH/CSI-RS電力設定(p−C−r10)が含まれ得る。
アンテナポート(antennaPortsCount−r10)はCSI−RS設定により確保されるアンテナポート数が設定される。一例では、アンテナポート(antennaPortsCount−r10)に1,2,4,8の値のいずれかが選択されることとなる。続いてリソース設定(resourceConfig−r10)では、アンテナポート15(CSIポート1)の先頭のリソースエレメント(図2および図3で示した周波数(サブキャリア)および時間(OFDMシンボル)で区切られる最小ブロック)の位置がインデックスにより示されている。これにより、各アンテナポートに割り当てられた伝送路状況測定用参照信号のリソースエレメントが一意に決まる。詳細は後述する。
サブフレーム設定(subframeConfig−r10)は、伝送路状況測定用参照信号が含まれるサブフレームの位置と周期がインデックスにより示される。例えば、サブフレーム設定(subframeConfig−r10)のインデックスが5であれば、10サブフレーム毎に伝送路状況測定用参照信号が含まれ、10サブフレームを単位とする無線フレーム中ではサブフレーム0に伝送路状況測定用参照信号が含まれる。また、別の例では、例えばサブフレーム設定(subframeConfig−r10)のインデックスが1であれば、5サブフレーム毎に伝送路状況測定用参照信号が含まれ、10サブフレームを単位とする無線フレーム中ではサブフレーム1と6に伝送路状況測定用参照信号が含まれる。以上のように、サブフレーム設定により伝送路状況測定用参照信号が含まれるサブフレームの周期とサブフレームの位置が一意に指定されるものとする。
PDSCH/CSI-RS電力設定(p−C−r10)はPDSCHと伝送路状況測定用参照信号(CSI−RS)の電力比(EPREの比、Energy Per Resource Element)であり、−8から15dBの範囲で設定されてもよい。また、ここでは図示していないが、基地局101は端末102に対して、セル固有参照信号送信電力(referenceSignalPower)、PA,PBを別途、RRC信号を通じて通知する。ここで、PAはセル固有参照信号が存在しないサブフレームにおけるPDSCHとセル固有参照信号との送信電力の電力比を表わし、PBはセル固有参照信号が存在するサブフレームにおけるPDSCHとセル固有参照信号との送信電力の電力比を表わすインデックスである。従って、PDSCH/CSI-RS電力設定(p−C−r10)、セル固有参照信号送信電力(referenceSignalPower)、PAを組み合わせることにより、端末102では伝送路状況測定用参照信号の送信電力を算出することができる。
また、リソース設定(resourceConfig−r10)として一例を示す。リソース設定(resourceConfig−r10)は、各アンテナポートに対するCSI−RSに割り当てられるリソースの位置がインデックスで示される。例えば、リソース設定(resourceConfig−r10)のインデックス0が指定された場合には、アンテナポート15(CSIポート1)の先頭のリソースエレメントがサブキャリア番号9、サブフレーム番号5と指定される。図3に示す通りアンテナポート15にはC1が割り当てられることになるので、サブキャリア番号9、サブフレーム番号6のリソースエレメントもアンテナポート15(CSIポート1)の伝送路状況測定用参照信号として設定される。これを元に各アンテナポートのリソースエレメントも確保されることとなり、例えば16(CSIポート2)には同じくサブキャリア番号9、サブフレーム番号5のリソースエレメントとサブキャリア番号9、サブフレーム番号6のリソースエレメントが割り当てられる。同様にアンテナポート17、18(CSIポート3,4)にはサブキャリア番号3、サブフレーム番号5のリソースエレメントとサブキャリア番号3、サブフレーム番号6のリソースエレメントが割り当てられる。同様にアンテナポート19、20(CSIポート5,6)にはサブキャリア番号8、サブフレーム番号5のリソースエレメントとサブキャリア番号8、サブフレーム番号6のリソースエレメントが割り当てられる。同様にアンテナポート21、22(CSIポート7,8)にはサブキャリア番号2、サブフレーム番号5のリソースエレメントとサブキャリア番号2、サブフレーム番号6のリソースエレメントが割り当てられる。リソース設定(resourceConfig−r10)に他のインデックスが指定された場合には、アンテナポート15(CSIポート1)の先頭のリソースエレメントが異なり、これに応じて各アンテナポートに割り当てられるリソースエレメントも異なってくる。
また、ゼロ送信電力CSI-RS設定(第2の参照信号設定)にはゼロ送信電力リソース設定リスト(zeroTxPowerResourceConfigList−r10)、ゼロ送信電力サブフレーム(zeroTxPowerSubframeConfig−r10)設定が含まれ得る。ゼロ送信電力リソース設定リストは、前述するリソース設定(resourceConfig−r10)に含まれるインデックスが、ビットマップによりひとつまたは複数指定されている。ゼロ送信電力サブフレーム設定は、前述した通り、伝送路状況測定用参照信号が含まれるサブフレームの位置と周期がインデックスにより示されている。従って、ゼロ送信電力リソース設定リストおよびゼロ送信電力サブフレーム設定を適切にすることにより、端末102では伝送路状況測定用参照信号のリソースとしてPDSCH(下りリンク共用チャネル、下りリンクデータチャネル、下りリンクデータ信号、Physical Downlink Shared Channel)の復調時に復調処理から取り除くリソースエレメントが指定される。なお一例として、ゼロ送信電力リソース設定リストで指定されるインデックスは、アンテナポート(antennaPortsCount−r10)が4の場合のリソース設定(resourceConfig−r10)に対応している。言い換えると、アンテナポートが4の場合にはリソース設定(resourceConfig−r10)は16種類のインデックスにより通知されるため、ゼロ送信電力リソース設定リストは16ビットのビットマップにより、前述する16種類のインデックスで示される伝送路状況測定用参照信号のリソースを通知する。例えば、ビットマップによりインデックス0と2が通知されると、インデックス0と2に相当するリソースエレメントが復調時に復調処理から取り除かれる。
続いて図4 ステップ403における第2の測定対象設定に関するパラメータの詳細について図9で説明する。図9における参照信号測定設定、すなわち第3の参照信号設定もしくは第2の測定対象設定には参照信号測定設定―追加変更リストおよび参照信号測定設定―削除リストが含まれ得る。参照信号測定設定―追加変更リストにはCSI−RS測定インデックスおよびCSI−RS測定設定が含まれ得る。参照信号測定設定―削除リストにはCSI−RS測定インデックスが含まれ得る。ここでCSI−RS測定インデックスとCSI−RS測定設定は組合わせて設定され、1つもしくは複数の組が参照信号測定設定―追加変更リストに設定され、ここで設定されたCSI−RS測定設定が測定対象となる。ここでCSI−RS測定インデックスとは、CSI−RS測定設定と関連付けられたインデックスであり、第3の参照信号設定により設定された複数の測定対象を区別するためのインデックスとなる。本インデックスに基づき参照信号測定設定―削除リストにより測定対象から削除されたり、後述する測定レポートにおいて測定レポートと本インデックスで指定される測定対象の関連付けが行われたりする。また、CSI−RS測定設定に関しては図11および図12に後述する。
別の例では図10に示すように、参照信号測定設定―追加変更リストおよび参照信号測定設定―削除リストにおいてCSI−RSアンテナポートインデックスのみを設定することも可能である。ここでCSI−RSアンテナポートインデックスとは、図3で示した伝送路状況測定用参照信号のアンテナポート番号(アンテナポート15から22)に対応付けられたインデックスである。なお、図10の第3の参照信号設定で設定されるCSI−RSアンテナポートインデックスは図8で示した第1の参照信号設定で設定された伝送路状況測定用参照信号の一部であってもよいし、第1の参照信号設定で設定された伝送路状況測定用参照信号に含まれなくてもよい。第1の参照信号設定で設定された伝送路状況測定用参照信号に含まれない場合には、第1の参照信号設定で設定された伝送路状況測定用参照信号に仮に第3の参照信号設定で設定されるCSI−RSアンテナポートインデックスが含まれていた場合の伝送路状況測定用参照信号が第3の参照信号設定の対象となる。
続いて図9におけるCSI−RS測定設定の詳細について図11および図12で説明する。一例では、図11に示すようにCSI-RS測定設定に測定リソース設定リスト、測定サブフレーム設定、PDSCH/CSI-RS電力設定が含まれ得る。測定リソース設定リスト、測定サブフレーム設定は図8記載のゼロ送信電力リソース設定リスト(zeroTxPowerResourceConfigList−r10)、ゼロ送信電力サブフレーム(zeroTxPowerSubframeConfig−r10)設定と同様の設定が考えられる。また、PDSCH/CSI-RS電力設定は図8記載のPDSCH/CSI-RS電力設定(p−C−r10)と同様の設定が考えられる。別の例では、図12に示すようにCSI-RS測定設定に測定リソース設定、測定サブフレーム設定、PDSCH/CSI-RS電力設定が含まれ得る。測定リソース設定、測定サブフレーム設定、PDSCH/CSI-RS電力設定は図8記載のリソース設定(resourceConfig−r10)、サブフレーム設定(subframeConfig−r10)、PDSCH/CSI-RS電力設定(p−C−r10)と同様の設定が考えられる。また、図11および図12ではPDSCH/CSI-RS電力設定を想定しているが、代わりにCSI-RS送信電力(伝送路状況測定用参照信号送信電力)が通知されても構わない。
続いて図4 ステップ403における第3の測定対象設定および第3の報告設定の詳細について図13で説明する。一例では、RRCコネクションリコンフィグレーション(RRCConnectionReconfiguration)にRRCコネクションリコンフィグレーション−r8−IEs(RRCConnectionReconfiguration−r8−IEs)が含まれ、RRCコネクションリコンフィグレーション−r8−IEsには測定設定(MeasConfig: Measurement Config)が含まれ得る。測定設定には測定オブジェクト削除リスト(MeasObjectToRemoveList)、測定オブジェクト追加変更リスト(MeasObjectToAddModList)、測定ID削除リスト、測定ID追加変更リスト、レポート設定削除リスト(ReportConfigToRemoveList)、レポート設定追加変更リスト(ReportConfigToAddModList)が含まれ得る。図4 ステップ403で示した第3の測定対象設定は、測定オブジェクト削除リスト、測定オブジェクト追加変更リスト、測定ID削除リスト、測定ID追加変更リストを指し、第3の報告設定は、レポート設定削除リスト、レポート設定追加変更リストを指すものとする。また、測定ID追加変更リストには測定ID、測定オブジェクトID、レポート設定IDが含まれることもあるし、測定ID削除リストには測定IDが含まれることもある。なお、測定オブジェクトIDは後述する測定オブジェクトと関連付けられ、レポート設定IDは後述するレポート設定IDと関連付けられている。なお、測定オブジェクト追加変更リストには図14に示すように、測定オブジェクトIDおよび測定オブジェクトが選択可能となっている。また測定オブジェクトとしては測定オブジェクトEUTRA、測定オブジェクトUTRA、測定オブジェクトGERAN、測定オブジェクトCDMA2000などから選択が可能となっている。また、例えば測定オブジェクトEUTRAではキャリア周波数(中心周波数)などを基地局101が端末102に通知することで接続していないセル(RRCパラメータが設定されていないセル)から送信されるセル固有参照信号の受信信号電力を測定することが可能となる(図15参照)。つまり、第3の測定対象設定および第3の報告設定により、接続していないセルのセル固有参照信号の受信信号電力が測定可能となる。また、測定オブジェクト削除リストには測定オブジェクトIDが含まれ、これを指定することにより測定オブジェクトからの削除が可能となる。前述する測定対象設定はRRCコネクションリコンフィグレーションに含まれるため、RRCコネクションのリコンフィグレーション(RRC Connection Reconfiguration)時にRRC信号を通じて設定されることとなる。なお、前述するRRCコネクションリコンフィグレーションおよびRRCコネクションリコンフィグレーションに含まれる種々の情報要素・種々の設定は、RRC信号(Dedicated signaling)を通じて端末102毎に設定されてもよい。なお、前述する物理設定はRRCメッセージを通じて端末102毎に設定されてもよい。なお、前述するRRCリコンフィグレーションおよびRRCリエスタブリッシュメントはRRCメッセージを通じて端末102毎に設定されてもよい。
続いて図4 ステップ403における第2の測定対象設定および第2の報告設定の詳細について図16で説明する。一例では、物理設定Dedicated(PhysicalConfigDedicated)に測定設定が含まれ、測定設定には測定オブジェクト削除リスト、測定オブジェクト追加変更リスト、測定ID削除リスト、測定ID追加変更リスト、レポート設定削除リスト、レポート設定追加変更リストが含まれ得る。図4 ステップ403で示した第2の測定対象設定は、測定オブジェクト削除リスト、測定オブジェクト追加変更リストを指し、さらに測定ID削除リスト、測定ID追加変更リストを含んでもよい。第2の報告設定は、レポート設定削除リスト、レポート設定追加変更リストを指すものとする。また、ここで示した測定オブジェクト削除リスト、測定オブジェクト追加変更リストは、図9もしくは図10で示した参照信号測定設定―追加変更リストおよび参照信号測定設定―削除リストと同様のものであると考える。また、図16では端末固有の物理設定である物理設定Dedicated(PhysicalConfigDedicated)と説明したが、セカンダリーセルに割り当てられた端末固有の物理設定であるSCell物理設定Dedicated(PhysicalConfigDedicatedSCell−r11)でもよい。前述する物理設定DedicatedはRRCコネクションのリエスタブリッシュ(RRC Connection Reestablishment)時やRRCコネクションのリコンフィグレーション(RRC Connection Reconfigration)時にRRC信号を通じて設定される。一方で、SCell物理設定DedicatedはSCell追加変更リストに含まれることがあり、SCellの追加時および設定の変更時にRRC信号を通じて設定される。この様に第2の測定対象設定および第2の報告設定により、接続したセルの設定された伝送路状況測定用参照信号の受信信号電力が測定可能となる。また、図16で示される測定オブジェクト追加変更リストおよび測定オブジェクト削除リスト(第2の測定対象設定)は図9または図10に示す参照信号測定設定―追加変更リストおよび参照信号測定設定―削除リスト(第3の参照信号設定)と同様の内容でもよい。つまり図16で示される測定オブジェクト追加変更リストおよび測定オブジェクト削除リストは、図9で示したCSI−RS測定インデックスにより識別されるCSI−RS測定設定(図11、12参照)により第3の参照信号が設定されるか、もしくは図10で示したCSI−RSアンテナポートインデックスにより第3の参照信号が設定される。なお、図16では物理設定Dedicated(PhysicalConfigDedicated)やセカンダリーセルに割り当てられた端末固有の物理設定であるSCell物理設定Dedicated(PhysicalConfigDedicatedSCell−r11)に第2の測定対象設定が含まれる場合を想定しているが前述する図8のCSI−RS設定−r10に含まれてもよい。また、別の例では第2の測定対象設定が含まれる場合を想定しているが前述する図13の測定設定に含まれてもよい。なお、前述する物理設定はRRC信号(Dedicated signaling)を通じて端末毎に設定されてもよい。
続いて図16における第2の報告設定の詳細について図17で説明する。一例では、レポート設定―追加変更リストにレポート設定IDおよびレポート設定が組として含まれる。また、レポート設定―削除リストにレポート設定IDが含まれる。また、これらレポート設定IDおよびレポート設定の組はレポート設定―追加変更リストに複数含まれてもよいし、ひとつだけ含まれてもよい。また、レポート設定IDはレポート設定―削除リストに複数含まれてもよいし、ひとつだけ含まれてもよい。なお、図13におけるレポート設定追加変更リストも図17同様、レポート設定IDおよびレポート設定の組が1つもしくは複数含まれており、レポート設定の内容はレポート設定と同様である。なお、図13におけるレポート設定削除リストも図17同様、レポート設定IDが1つもしくは複数含まれている。
続いて図17におけるレポート設定について図18で説明する。一例では、レポート設定にはトリガータイプが含まれる。トリガータイプにはレポートを行うイベントのためのスレッショルドやレポート間隔などの情報が設定されている。
続いて図4 ステップ407における第1の測定レポートおよび第2の測定レポートに関する設定として、第1の測定レポートおよび第2の測定レポートリストについて図19で説明する。図19で述べる専用制御チャネルメッセージタイプ(UL−DCCH−MessageType)は端末から基地局101に送信するRRCメッセージの一つである。前述した専用制御チャネルメッセージタイプには少なくとも測定レポート(MeasurementReport)が含まれている。測定レポートに含まれるレポートは選択が可能である。少なくとも第1の測定レポート(測定レポート−r8,MeasurementReport−r8−IEs)と第2の測定レポートリストの選択が可能である。第1の測定レポートには測定結果(MeasResults)が含まれており、測定結果には測定ID(MeasID)、PCell測定結果(measResultPCell)、隣接セル測定結果(measResultNeighCells)、サービング周波数測定結果リストが含まれ得る。隣接セル測定結果としてはEUTRA測定結果リスト(MeasResultListEUTRA)、UTRA測定結果リスト(MeasResultListUTRA)、GERAN測定結果リスト(MeasResultListGERAN)、CDMA2000測定結果(MeasResultsCDMA2000)を選択することができる。サービング周波数測定結果リストとしては、サービングセルインデックス、SCell測定結果、隣接セルベスト測定結果が含まれていてもよい。なお、図19では第1の測定レポートと第2の測定レポートリストが並列にならび、どちらかが選択されると想定しているが、第1の測定レポートの測定結果の中に第2の測定レポートが含まれてもよい。
続いて図20において、図19記載のEUTRA測定結果リストの詳細を説明する。EUTRA測定結果リストには物理セルID(PhysCellID)および測定結果(measResult)が含まれる。物理セルIDおよび測定結果を合わせることにより、端末102は基地局101に対してどの隣接セルの測定情報を通知しているのかを知らせることができる。また、EUTRA測定結果リストには、前述する物理セルIDおよび測定結果は複数含まれていてもよいし、ひとつだけ含まれていてもよい。なお、図19に含まれるPCell測定結果およびサービング周波数測定結果リストは前述の第1の測定対象設定で指定された測定対象を測定した結果となっている。また、図20に含まれるEUTRA測定結果リストなどに含まれる測定結果は図13の第3の測定対象設定で指定された測定対象を測定した結果となっている。また、図19で示される測定IDは図13で示される測定IDを示しており、これにより第3の測定対象設定に含まれる測定オブジェクトや第3の報告設定に含まれる測定レポート設定と関連付けられている。さらに、測定レポートと第1から第3の測定対象設定の関係を説明する。第1の測定レポートに含まれるPCell測定結果およびSCell測定結果を通じて端末102は基地局101にPCellのセル固有参照信号のアンテナポート0の受信信号電力およびSCellのセル固有参照信号のアンテナポート0の受信信号電力を報告することができる。また、これらは第1の測定対象設定により指定された測定対象である。他方でEUTRA測定結果リストに含まれる物理セルIDおよび測定結果を通じて端末102は基地局101に隣接セルのセル固有参照信号のアンテナポート0の受信信号電力を報告することができる。また、これらは第3の測定対象設定により指定された測定対象である。つまり、第1の測定レポートおよび第3の測定対象設定により、端末102は102基地局101に接続されていないセル(RRCパラメータの設定されていないセル、隣接セル)のセル固有参照信号のアンテナポート0の受信信号電力を報告することができる。端末102は基地局101に端末102は基地局101につまり、第1の測定レポートを通じて端末102は基地局101に各セル(プライマリーセル、セカンダリーセル、隣接セル)のセル固有参照信号のアンテナポート0の受信信号電力を報告することができる。
続いて図21において、図19に記載の第2の測定レポートリストの詳細を説明する。第2の測定レポートリストに含まれる第2の測定レポートにはCSI−RS測定インデックスおよび測定結果が含まれる。なお、CSI−RS測定インデックスの代わりにCSI−RSアンテナポートインデックスが含まれてもよい。ここで述べたCSI−RS測定インデックスおよびCSI−RSアンテナポートインデックスは、図9および図10で説明したCSI−RS測定インデックスおよびCSI−RSアンテナポートインデックスを指し示すものである。従って、第2の測定レポートの測定結果を通じて端末102は基地局101に第3の参照信号設定により設定された測定対象の受信信号電力を報告することができる。例えば、第3の参照信号設定により伝送路状況測定用参照信号のアンテナポート15が指定された場合には、端末102は基地局101に伝送路状況測定用参照信号のアンテナポート15の受信信号電力を報告することができる。つまり、第2の測定レポートを通じて端末102は基地局101に接続されたセル(プライマリーセル、セカンダリーセル)の設定された伝送路状況測定用参照信号(例えば伝送路状況測定用参照信号のアンテナポート15など)の受信信号電力を報告することができる。また、図示していないがサービングセルインデックスのように特定のセル(キャリアコンポーネント)を指し示すインデックスが図21に示した第2の測定レポートに含まれてもよい。この場合には、サービングセルインデックス、CSI−RS測定インデックスおよび測定結果を合わせることにより、どのセルに含まれる、どの伝送路状況測定用参照信号を測定した結果なのかを端末102が基地局101に報告できる。
また、第2の実施形態では、基地局101は、基地局101によって設定された伝送路情報測定用参照信号の測定のみを行うための第2の測定対象設定を端末102毎に設定し、端末102が接続しているセルの物理IDとは別の物理IDを用いて生成されたセル固有参照信号の測定を行う第3の測定対象設定を端末102毎に設定する。また、端末102は、第2の測定対象設定により指定された測定対象となる参照信号の受信信号と、第3の測定対象設定により指定された測定対象となる参照信号の受信信号とを基地局に報告する。
また、第2の実施形態では、基地局101は、チャネル状況報告のための測定対象を設定する第1の参照信号設定を前記端末毎に設定し、端末102がデータ復調時にデータの復調から除外するリソースエレメントを指定する第2の参照信号設定を端末102毎に設定し、端末102が参照信号の受信電力を測定するための測定対象を設定する第3の参照信号設定を端末102毎に設定する。また、端末102は、基地局101によって設定された情報を受信し、第1の参照信号設定に基づいて、伝送路状況を基地局101に報告し、第2の参照信号設定に基づいて、データ復調時にデータの復調から除外するリソースエレメントを決定し、データの復調を行い、第3の参照信号設定に基づいて、参照信号の受信電力を測定する。
以上本願の実施形態を用いることにより以下の効果を得ることができる。図2に示したセル固有参照信号および図3に示した伝送路状況測定用参照信号のアンテナポート15,16,17,18が下りリンク105を用いて基地局101からのみ送信され、また図4ステップ403において設定された第2の測定対象設定および第2の報告設定において設定された測定対象、つまり図9の第3の参照信号設定に設定された測定対象が図3に示した伝送路状況測定用参照信号のアンテナポート19であり、この測定対象では下りリンク107を用いてRRH103からのみ伝送路状況測定用参照信号が送信されたと仮定する。この場合には図4 ステップ405における第1の測定対象であるセル固有参照信号および第2の測定対象であるRRH103からのみ送信された伝送路状況測定用参照信号の受信信号電力を測定することにより、基地局101と端末102間の下りリンクパスロスであるパスロス1およびRRH103と端末102間の下りリンクパスロスであるパスロス2を計算することができる。さらに、第1の参照信号設定はアンテナポート15,16,17,18に対してなされているのでこれに基づいたRank情報(Rank)、プリコーディング情報(PMI:Precoding Matrix Indicator)、伝搬路品質情報(CQI:Channel Quality Indicator)が通知され、端末固有参照信号およびデータ信号のプリコーディングおよびデータ信号の変調符号化方式(MCS)に適用される。一方で、第3の参照信号設定に設定された測定対象である伝送路状況測定用参照信号のアンテナポート19に対しては受信信号電力に関する測定及び報告のみを行うことになる。これにより通信システムとしては実際に下りリンクにおいて通信を行っているアンテナポートとは別に受信電力(およびパスロス)のみを測定するアンテナポート(もしくは測定対象)を別個に設定することが可能となる。例えば、基地局101は下りリンクにおいて通信を行っているアンテナポートに対応する参照信号と比較して、受信電力のみの測定に用いられるアンテナポートに対応する参照信号の送信頻度を少なくすることができ、システムの参照信号のオーバヘッドの増加を抑制することができる。また、伝送路状況測定用参照信号のアンテナポート19の受信信号電力が大きくなってきた場合(つまりRRH103と端末間のパスロスが小さくなった場合)には、基地局101は第1の参照信号設定によって設定された伝送路状況測定用参照信号をRRH103に割り当てられたアンテナポートに設定しなおすことにより、常に適切な送信ポイント(つまり基地局101もしくはRRH103)から下りリンク信号の送信を行うことができる。また、別の視点では、第1の参照信号設定で設定された伝送路状況測定用参照信号のアンテナポート15,16,17,18は下りリンクの信号送信に用いることができる一方で、第3の参照信号設定で設定された伝送路状況測定用参照信号のアンテナポート19から求められたパスロスを上りリンクの信号送信時に用いることも可能となる。これは端末102が基地局101から下りリンク105を通じて下りリンク信号を受信する一方で、上りリンク108を用いてRRH103に対して上りリンク信号を送信することを可能とする。このように少なくともCQI,PMI, RIのいずれかを含むCSIフィードバックを算出するための測定対象を設定する第1の参照信号設定と、受信信号電力を算出するための測定対象を設定する第3の参照信号設定を設定し、なおかつ第3の参照信号設定で設定されるリソースの少なくとも一部は第1の参照信号設定で設定されるリソースに含まれない状態にすることにより、下りリンク信号と上りリンク信号の接続先を変えるなど、柔軟な通信システムの設計が行える。
また別の視点では、図2に示したセル固有参照信号が下りリンク105を用いて基地局101からのみ送信され、また図4ステップ403において設定された第2の測定対象設定および第2の報告設定において設定された測定対象が図3に示した伝送路状況測定用参照信号であり、この測定対象では下りリンク107を用いてRRH103からのみ伝送路状況測定用参照信号が送信されたと仮定する。さらに、基地局101とRRH103はキャリアアグリゲーションを行っており、上り、下りとも中心周波数の異なるキャリアコンポーネント(Carrier Component,CC,Cell、セル)を2つ有して通信を行っているとする。これらを第1のキャリアコンポーネント、第2のキャリアコンポーネントと呼び、基地局101およびRRH103はこれらのキャリアコンポーネントを使用し、個別の通信および協調通信が可能であるとする。この場合、端末102は基地局101に対して第1のキャリアコンポーネントを通じて接続を行う。それと同時に、あらかじめ定められた第1の測定に関するパラメータに従って測定対象の測定が行われる。ここで測定対象は接続されたセルのセル固有参照信号のアンテナポート0となる。それと同時に、第3の測定および第3の報告に関するパラメータが設定され、測定対象の測定が行われる。ここで測定対象は接続を行っていないセル固有参照信号のアンテナポート0となる。その後、図4 ステップ407において図19に示した第1の測定レポートが端末102から基地局101に報告される。つまり前述した接続されたセルのセル固有参照信号のアンテナポート0の受信電力と、前述した接続を行っていないセル固有参照信号のアンテナポート0の受信電力とが第1の測定レポートを通じて基地局101に報告が行われることとなる。一方で、第1のキャリアコンポーネント(プライマリーセル)に接続後、個別に物理設定Dedicatedにより第1のキャリアコンポーネントのための第2の測定設定がされたり、第2のキャリアコンポーネント(セカンダリーセル)を追加時(SCell物理設定Dedicated設定時)に、第2のキャリアコンポーネントのための第2の測定設定がされたりする。つまり、第3の測定対象設定を行うことにより端末102は接続されていないセルのセル固有参照信号のアンテナポート0の測定を行い基地局101に報告を行うことになるが、第2の測定設定および第2の測定レポートを行うことにより端末102は接続されたセルのみの伝送路状況測定用参照信号の設定されたアンテナポートの測定を行い、第2の測定レポートを通じて基地局101に報告を行うことになる。これにより端末102および基地局101は最適な基地局101およびセルの探索は第3の測定対象設定および第3の報告設定、第1の測定レポートのみにより行うことができ、最適な送信ポイント(例えば基地局101やRRH103)の探索や、パスロスの測定は第1および第2の測定対象設定に基づいて行うことができる。なお、ここで接続されたセルとはRRC信号によりパラメータの設定がなされたセル、つまりプライマリーセル(第1のキャリアコンポーネント)やセカンダリーセル(第2のキャリアコンポーネント)などのことを示し、接続されていないセルとはRRC信号によりパラメータの設定がなされていないセル、つまり隣接セルなどのことを示す。
(第3の実施形態)
次に、第3の実施形態について説明する。第3の実施形態では、図4のステップ408からステップ409の処理について詳細に説明する。特に、複数の上りリンク電力制御に関するパラメータが設定された場合の通信システムの処理について詳細に説明する。ここでは特に第1の測定対象設定と上りリンク電力制御に関するパラメータの設定に基づいてパスロス(第1のパスロス)を計算し、第1のパスロスと上りリンク電力制御に関するパラメータの設定に基づいて第1の上りリンク送信電力を計算する。また、端末102は、第2の測定対象設定と上りリンク電力制御に関するパラメータの設定に基づいてパスロス(第2のパスロス)を計算し、第2のパスロスと上りリンク電力制御に関するパラメータの設定に基づいて第2の上りリンク送信電力を計算する例、つまり第1および第2の測定対象設定と第1および第2の上りリンク送信電力が暗黙的(implicit、固定的)に設定される場合について詳細に述べる。
上りリンク送信電力の計算方法について説明する。端末102は、数式(1)からサービングセルcのサブフレームiのPUSCHの上りリンク送信電力を決定する。
PCMAX,cは、サービングセルcにおける最大送信電力を表している。MPUSCH,cは、サービングセルcの送信帯域幅(周波数方向のリソースブロック数)を表している。また、PO_PUSCH,cは、サービングセルcのPUSCHの標準電力を表している。PO_PUSCH,cは、PO_NOMINAL_PUSCH,cとPO_UE_PUSCH、cから決定される。PO_NOMINAL_PUSCH,cは、セル固有の上りリンク電力制御に関するパラメータである。PO_UE_PUSCH,cは、端末固有の上りリンク電力制御に関するパラメータである。αは、セル全体のフラクショナル送信電力制御に用いられる減衰係数(伝搬路損失補償係数)である。PLcは、パスロスであり、既知の電力で送信される参照信号とRSRPから求まる。また、本発明においては、PLcは、第1の実施形態または第2の実施形態から求まるパスロスの計算結果であってもよい。ΔTF,cは、数式(2)から求まる。
BPREは、リソースエレメントに割り当て可能なビット数を示している。また、Ksは、上位層からRRC信号を用いて通知される上りリンク電力制御に関するパラメータであり、上りリンク信号の変調符号化方式(MCS)に依存したパラメータである(deltaMCS-Enabled)。また、fcは、上りリンク電力制御に関するパラメータであるaccumulation−enabledと上りリンクグラントに含まれるTPCコマンドから決定される。
端末102は、数式(3)からサブフレームiのPUCCHの上りリンク送信電力を決定する。
PO_PUCCHは、PUCCHの標準電力を表している。PO_PUCCHは、PO_NOMINAL_PUCCHとPO_UE_PUCCHから決定される。PO_NOMINAL_PUCCHは、セル固有の上りリンク電力制御に関するパラメータである。PO_UE_PUCCHは、端末固有の上りリンク電力制御に関するパラメータである。nCQIは、CQIのビット数、nHARQは、HARQのビット数、nSRは、SRのビット数を表している。h(nCQI,nHARQ,nSR)は、それぞれのビット数、すなわち、PUCCHフォーマットに依存して定義されたパラメータである。ΔF_PUCCHは、上位層から通知されるパラメータである(deltaFList-PUCCH)。ΔTxDは、送信ダイバーシチが設定された場合に上位層から通知されるパラメータである。gは、PUCCHの電力制御を調整するために使用されるパラメータである。
端末102は、数式(4)からSRSの上りリンク送信電力を決定する。
PSRS_OFFSETは、SRSの送信電力を調整するためのオフセットであり、上りリンク電力制御パラメータ(端末固有の上りリンク電力制御に関するパラメータの設定)に含まれている。MSRS,cは、サービングセルcに配置されるSRSの帯域幅(周波数方向のリソースブロック数)を表している。
図22は、(第1の)上りリンク電力制御に関するパラメータの設定(UplinkPowerControl)に含まれる情報要素の一例を示す図である。上りリンク電力制御に関するパラメータの設定には、セル固有の設定(セル固有上りリンク電力制御に関するパラメータの設定(UplinkPowerControlCommon))と端末固有の設定(端末固有上りリンク電力制御に関するパラメータの設定(UplinkPowerControlDedicated))があり、それぞれの設定にセル固有または端末固有に設定される上りリンク電力制御に関するパラメータ(情報要素)が含まれる。セル固有の設定としては、セル固有に設定可能なPUSCH電力である標準PUSCH電力(p0-NominalPUSCH)、フラクショナル送信電力制御の減衰係数(伝搬路損失補償係数)α(alpha)、セル固有に設定可能なPUCCH電力である標準PUCCH電力(p0-NominalPUCCH)、数式(3)に含まれるΔF_PUCCHは(deltaFList-PUCCH)、プリアンブルメッセージ3が送信される場合の電力調整値(deltaPreambleMsg3)がある。また、端末固有の設定としては、端末固有に設定可能なPUSCH電力である端末固有PUSCH電力(p0-UE-PUSCH)、数式(2)に使用される変調符号化方式による電力調整値Ksに関連したパラメータ(deltaMCS-Enabled)、TPCコマンドを設定するために必要なパラメータ(accumulationEnabled)、端末固有に設定可能なPUCCH電力である端末固有PUCCH電力(p0-UE-PUCCH)、ピリオディックおよびアピリオディックSRSの電力オフセットPSRS_OFFSET(pSRS-Offset、pSRS-OffsetAp-r10)、参照信号の受信電力RSRPのフィルタ係数(filterCoefficient)がある。これらの設定は、プライマリーセルに対して設定可能であるが、セカンダリーセルに対しても同様の設定を行なうことができる。さらに、セカンダリーセルの端末固有の設定では、プライマリーセルかセカンダリーセルのパスロス測定用参照信号(例えば、セル固有参照信号)を用いてパスロスの計算を行なうことを指示するパラメータ(pathlossReference-r10)がある。
図23は、上りリンク電力制御に関するパラメータの設定(第1の上りリンク電力制御に関するパラメータの設定)が含まれる情報の一例である。(第1の)セル固有上りリンク電力制御に関するパラメータ設定(UplinkPowerControlCommon1)は、セル固有無線リソース設定(RadioResourceConfigCommon)に含まれる。(第1の)端末固有上りリンク電力制御に関するパラメータ設定(UplinkPowerControlDedicated1)は、端末固有物理設定(PhysicalCofigDedicated)に含まれる。(第1の)セル固有上りリンク電力制御に関するパラメータ設定(UplinkPowerControlCommonSCell−r10−1)は、セカンダリーセル固有無線リソース設定(RadioResourceConfigCommonSCell−r10)に含まれる。(第1の)セカンダリーセル端末固有上りリンク電力制御に関するパラメータ設定(UplinkPowerControlDedicatedSCell−r10−1)は、セカンダリーセル端末固有物理設定(PhysicalConfigDedicatedSCell−r10)に含まれる。また、(プライマリーセル)端末固有物理設定は、(プライマリーセル)端末固有無線リソース設定(RadioResourceCofigDedicated)に含まれる。また、セカンダリーセル端末固有物理設定は、セカンダリーセル端末固有無線リソース設定(RadioResourceConfigDedicatedSCell−r10)に含まれる。なお前述するセル固有無線リソース設定および端末固有無線リソース設定は、第2の実施例で述べたRRCコネクションリコンフィグレーション(RRCConnectionReconfiguration)やRRCリエスタブリッシュメント(RRCConnectionReestablishment)に含まれてもよい。なお、前述するセカンダリーセル固有無線リソース設定およびセカンダリーセル端末固有無線リソース設定は、第2の実施例で述べたSCell追加変更リストに含まれてもよい。なお、前述するセル固有無線リソース設定および端末固有無線リソース設定は、RRC信号(Dedicated signaling)を通じて端末毎に設定されてもよい。なお、RRCコネクションリコンフィグレーションおよびRRCリエスタブリッシュメントは、RRCメッセージを通じて端末毎に設定されてもよい。なお、前述するセル固有の上りリンク電力制御に関するパラメータの設定は、システム情報を通じて端末102に設定されてもよい。また、前述する端末固有の上りリンク電力制御に関するパラメータの設定は、RRC信号(Dedicated signaling)を通じて端末102毎に設定されてもよい。
第3の実施形態では、端末102は、第1及び第2の実施形態で示された第1の測定対象設定及び第2の測定対象設定に基づいて種々の上りリンク信号(PUSCH、PUCCH、SRS)の上りリンク送信電力(PPUSCH1, PPUCCH1, PSRS1)を計算することができる。なお種々の上りリンク信号は、複数の種類の上りリンク物理チャネルのことでもある。また、種々の上りリンク物理チャネルは、PUSCH、PUCCH、UL DMRS、SRS、PRACH、およびPUCCHに含まれる制御情報(CQI、PMI、RI、Ack/Nack)のうち少なくとも一つの上りリンク物理チャネルが含まれていることを表している。
第3の実施形態では、基地局101は、第1の測定対象設定および第2の測定対象設定、上りリンク電力制御に関するパラメータの設定を端末102へ通知する。一例では端末102は、通知された情報に従って、第1の測定対象設定と上りリンク電力制御に関するパラメータの設定に基づいてパスロス(第1のパスロス)を計算し、第1のパスロスと上りリンク電力制御に関するパラメータの設定に基づいて第1の上りリンク送信電力を計算する。また、端末102は、第2の測定対象設定と上りリンク電力制御に関するパラメータの設定に基づいてパスロス(第2のパスロス)を計算し、第2のパスロスと上りリンク電力制御に関するパラメータの設定に基づいて第2の上りリンク送信電力を計算する。つまり第1の上りリンク送信電力は常に第1の測定対象設定で通知された測定対象を元に計算され、第2の上りリンク送信電力は常に第2の測定対象設定で通知された測定対象を元に計算されてもよい。さらに具体的に言うと第1の上りリンク送信電力は常に第1の測定対象設定で通知された測定対象であるセル固有参照信号のアンテナポート0を元に計算され、第2の上りリンク送信電力は常に第2の測定対象設定で通知された測定対象である伝送路状況測定用参照信号の指定されたリソース(もしくはアンテナポート)を元に計算されてもよい。さらに別の例では第2の測定対象設定として複数の測定対象(例えば伝送路状況測定用参照信号の指定された複数のリソースまたは複数アンテナポート)が指定された場合には、このうちのいずれかを使用し第2の上りリンク送信電力を計算するかを通知する場合がある。この場合には後述する図24で説明するパスロス参照リソースが図22に示す第1のセル固有上りリンク電力制御に関するパラメータの設定や第1のセカンダリーセル固有上りリンク電力制御に関するパラメータの設定や第1の端末固有上りリンク電力制御に関するパラメータの設定や第1のセカンダリーセル端末固有上りリンク電力制御に関するパラメータの設定中に設定されてもよい。さらに別の例では第1の上りリンク送信電力は第1の測定対象設定とは関係なく、常にセル固有参照信号のアンテナポート0(もしくはアンテナポート0と1)を元に計算されてもよい。また端末102は、上りリンクグラントを検出した周波数リソースやタイミングによって、前述した第1の上りリンク送信電力において上りリンク信号を送信するのか前述した第2の上りリンク送信電力において上りリンク信号を送信するのかを制御してもよい。
この様に、第1および第2の上りリンク送信電力は、第1および第2の測定対象設定(および測定対象設定で指定されている測定対象)と固定的に関連付けられてもよい。
さらに具体的な例をあげると、複数のキャリアコンポーネント(ここでは、2つのキャリアコンポーネント)を用いて通信を行なうキャリアアグリゲーションが可能な場合、第1もしくは第2の測定対象設定とキャリアコンポーネントを関連付けてもよい。つまり、第1の測定対象設定と第1のキャリアコンポーネントを関連付け、第2の測定対象設定と第2のキャリアコンポーネントを関連付けてもよい。また、第1のキャリアコンポーネントをプライマリーセル、第2のキャリアコンポーネントをセカンダリーセルに設定した場合、第1の測定対象設定はプライマリーセル、第2の測定対象設定はセカンダリーセルと関連付けられてもよい。つまり、基地局101は、セル毎に第1および第2の測定対象設定を設定してもよい。端末102は、プライマリーセルから上りリンクグラントを検出した場合には、第1の測定対象設定とプライマリーセル固有上りリンク電力制御に関するパラメータの設定とプライマリーセル端末固有上りリンク電力制御に関するパラメータの設定から第1のパスロス及び第1の上りリンク送信電力を計算し、セカンダリーセルから上りリンクグラントを検出した場合には、第2の測定対象設定とセカンダリーセル固有上りリンク電力制御に関するパラメータの設定とセカンダリーセル端末固有上りリンク電力制御に関するパラメータの設定から第2のパスロス及び第2の上りリンク送信電力を計算する。
別の観点から考えると、例えば基地局101と通信を行う端末102を端末A、RRH103と通信を行う端末102を端末Bとした場合、端末Aのダイナミックな上りリンク信号の送信制御をプライマリーセルでのみ行い、また端末Bのダイナミックな上りリンク信号の送信制御をセカンダリーセルでのみ行う。つまり、基地局101は、端末102に基地局101向けの上りリンク信号の送信を行わせたい場合には、上りリンクグラントをプライマリーセルに含めて端末102へ通知し、端末102にRRH103向けの上りリンク信号の送信を行わせたい場合には、セカンダリーセルに含めて端末102へ通知する。さらに、基地局101は、上りリンクグラントに含まれる上りリンク信号の送信電力制御の補正値であるTPCコマンドを利用することで、基地局101向けまたはRRH103向けの上りリンク信号の送信電力制御を行うことができる。基地局101は、上りリンクグラントを通知するセル(キャリアコンポーネント、コンポーネントキャリア)によって上りリンクグラントに含まれるTPCコマンドの値を基地局101向けまたはRRH103向けに設定する。すなわち、基地局101は、基地局101向けの上りリンク送信電力を高くしたい場合には、プライマリーセルのTPCコマンドの電力補正値を高く設定し、RRH103向けの上りリンク送信電力を低くしたい場合には、セカンダリーセルのTPCコマンドの電力補正値を低くなるように設定する。基地局101は、端末Aに対しては、プライマリーセルによって上りリンク信号の送信および上りリンク送信電力制御を行い、端末Bに対しては、セカンダリーセルによって上りリンク信号の送信および上りリンク送信電力制御を行う。つまり、基地局101は、プライマリーセルのTPCコマンド(送信電力制御コマンド)の電力補正値を第1の値に設定し、セカンダリーセルのTPCコマンドの電力補正値を第2の値に設定することでセル間の上りリンク送信電力制御を行う。基地局101は、第1の値を第2の値よりも電力補正値が高くなるように設定してもよい。
一例として下りリンクサブフレームが第1のサブセットおよび第2のサブセットに分けられているものと考える。ところで上りリンクグラントがサブフレームn(nは自然数)で受信された場合、端末102はサブフレームn+4で上りリンク信号の送信を行うため、おのずと上りリンクサブフレームも第1のサブセットおよび第2のサブセットに分けられているものと考える。例えば、下りリンクサブフレームの0,5が第1のサブセットに、1,2,3,4,6,7,8,9が第2のサブセットに分類される場合、おのずと上りリンクサブフレームの4、9が第1のサブセットに、1,2,3,5,6,7,8,が第2のサブセットに分類されることとなる。この場合に上りリンクグラントを検出した下りリンクサブフレームインデックスが第1のサブセットに含まれる場合には、端末102は、第1の測定対象設定と上りリンク電力制御に関するパラメータ設定に基づいて第1のパスロス及び第1の上りリンク送信電力を計算し、上りリンクグラントを検出した下りリンクサブフレームインデックスが第2のサブセットに含まれる場合には、端末102は、第2の測定対象設定と上りリンク電力制御に関するパラメータ設定に基づいて第2のパスロス及び第2の上りリンク送信電力を計算する。すなわち、端末102は、上りリンクグラントを検出した下りリンクサブフレームが第1のサブセットに含まれるか第2のサブセットに含まれるかによって、第1の上りリンク送信電力で上りリンク信号を送信するか第2の上りリンク送信電力で上りリンク信号を送信するかを制御することができる。
なお、第1のサブセットは、P−BCH(Physical Broadcast Channel)とPSS(Primary Synchronization Signal)とSSS(Secondary Synchronization Signal)が含まれる下りリンクサブフレームで構成されてもよい。また、第2のサブセットは、P−BCH、PSS、SSSを含まないサブフレームで構成されてもよい。
別の観点から考えると、例えば基地局101と通信を行う端末102を端末A、RRH103と通信を行う端末102を端末Bとした場合、端末Aのダイナミックな上りリンク信号の送信制御を第1のサブフレームサブセットでのみ行い、また端末Bのダイナミックな上りリンク信号の送信制御を第2のサブフレームサブセットでのみ行う。つまり、基地局101は、端末102に基地局101向けの上りリンク信号の送信を行わせたい場合には、上りリンクグラントを第1のサブフレームサブセットに含めて端末102へ通知し、端末102にRRH103向けの上りリンク信号の送信を行わせたい場合には、第2のサブフレームサブセットに含めて端末102へ通知する。さらに、基地局101は、上りリンクグラントに含まれる上りリンク信号の送信電力制御の補正値であるTPCコマンドを利用することで、基地局101向けまたはRRH103向けの上りリンク信号の送信電力制御を行うことができる。基地局101は、上りリンクグラントを通知するサブフレームサブセットによって上りリンクグラントに含まれるTPCコマンドの値を基地局101向けまたはRRH103向けに設定する。すなわち、基地局101は、基地局101向けの上りリンク送信電力を高くしたい場合には、第1のサブフレームサブセットのTPCコマンドの電力補正値を高く設定し、RRH103向けの上りリンク送信電力を低くしたい場合には、第2のサブフレームサブセットのTPCコマンドの電力補正値を低くなるように設定する。基地局101は、端末Aに対しては、第1のサブフレームサブセットによって上りリンク信号の送信および上りリンク送信電力制御を行い、端末Bに対しては、第2のサブフレームサブセットによって上りリンク信号の送信および上りリンク送信電力制御を行う。つまり、基地局101は、第1のサブフレームサブセットのTPCコマンド(送信電力制御コマンド)の電力補正値を第1の値に設定し、第2のサブフレームサブセットのTPCコマンドの電力補正値を第2の値に設定することでセル間の上りリンク送信電力制御を行う。基地局101は、第1の値を第2の値よりも電力補正値が高くなるように設定してもよい。
一例として、端末102が、第1の制御チャネル領域で上りリンクグラントを検出した場合には、第1の測定対象設定と上りリンク電力制御に関するパラメータ設定に基づいて第1のパスロス及び第1の上りリンク送信電力を計算し、上りリンクグラントを第2の制御チャネルで検出した場合には、第2の測定対象設定と上りリンク電力制御に関するパラメータ設定に基づいて第2のパスロス及び第2の上りリンク送信電力を計算する。つまり、端末102は、上りリンクグラントを検出した制御チャネル領域から第1の上りリンク送信電力で上りリンク信号を送信するか第2の上りリンク送信電力で上りリンク信号を送信するかを制御することができる。
別の観点から考えると、例えば基地局101と通信を行う端末102を端末A、RRH103と通信を行う端末102を端末Bとした場合、端末Aのダイナミックな上りリンク信号の送信制御を第1の制御チャネル(PDCCH)領域でのみ行い、また端末Bのダイナミックな上りリンク信号の送信制御を第2の制御チャネル(X−PDCCH)領域でのみ行う。つまり、基地局101は、端末102に基地局101向けの上りリンク信号の送信を行なわせたい場合には、上りリンクグラントを第1の制御チャネル領域に含めて端末102へ通知し、端末102にRRH103向けの上りリンク信号の送信を行なわせたい場合には、第2の制御チャネル領域に含めて端末102へ通知する。さらに、基地局101は、上りリンクグラントに含まれる上りリンク信号の送信電力制御の補正値であるTPCコマンドを利用することで、基地局101向けまたはRRH103向けの上りリンク信号の送信電力制御を行うことができる。基地局101は、上りリンクグラントを通知する制御チャネル領域によって上りリンクグラントに含まれるTPCコマンドの値を基地局101向けまたはRRH103向けに設定する。すなわち、基地局101は、基地局101向けの上りリンク送信電力を高くしたい場合には、第1の制御チャネル領域のTPCコマンドの電力補正値を高く設定し、RRH103向けの上りリンク送信電力を低くしたい場合には、第2の制御チャネル領域のTPCコマンドの電力補正値を低くなるように設定する。基地局101は、端末Aに対しては、第1の制御チャネル領域によって上りリンク信号の送信および上りリンク送信電力制御を行い、端末Bに対しては、第2の制御チャネルによって上りリンク信号の送信および上りリンク送信電力制御を行う。つまり、基地局101は、第1の制御チャネル領域のTPCコマンド(送信電力制御コマンド)の電力補正値を第1の値に設定し、第2の制御チャネル領域のTPCコマンドの電力補正値を第2の値に設定することでセル間の上りリンク送信電力制御を行う。基地局101は、第1の値を第2の値よりも電力補正値が高くなるように設定してもよい。
また、第3の実施形態では、基地局101は第1および第2の測定対象設定を含む無線リソース制御信号を端末102へ通知し、上りリンク電力制御に関するパラメータの設定を含む無線リソース制御信号を端末102へ通知する。また、端末102は、第1の測定対象設定に含まれる第1の測定対象と上りリンク電力制御に関するパラメータの設定に基づいて第1のパスロスおよび第1の上りリンク送信電力を計算し、第2の測定対象設定に含まれる第2の測定対象と上りリンク電力制御に関するパラメータの設定に基づいて第2のパスロスおよび第2の上りリンク送信電力を計算し、第1または第2の上りリンク送信電力において上りリンク信号を基地局101へ送信する。
図1を用いて説明すると、基地局101とRRH103はキャリアアグリゲーションを行っており、上り、下りとも中心周波数の異なるキャリアコンポーネント(Carrier Component,CC,Cell、セル)を2つ有して通信を行っているとする。これらを第1のキャリアコンポーネント、第2のキャリアコンポーネントと呼び、基地局101およびRRH103はこれらキャリアコンポーネントを使用し、個別の通信および協調通信が可能であるとする。第1のキャリアコンポーネントが基地局101と端末102間の通信に使用され、第2のキャリアコンポーネントがRRH103と端末102間の通信に使用されるとする。つまり、下りリンク105または上りリンク106は、第1のキャリアコンポーネントで接続し、下りリンク107または上りリンク108は、第2のキャリアコンポーネントで接続される。この際、端末102は、第1のキャリアコンポーネントを通じて下りリンク105から上りリンクグラントを検出した場合、第1のキャリアコンポーネントを通じて第1の上りリンク送信電力で上りリンク106への送信を行い、第2のキャリアコンポーネントを通じて下りリンク107から上りリンクグラントを検出した場合、第2の上りリンク送信電力で第2のキャリアコンポーネントを通じて上りリンク108への送信を行なうことができる。また、端末102は検出した上りリンクグラントにキャリアインディケータが含まれている場合には、キャリアインディケータによって示されたキャリア(セル、プライマリーセル、セカンダリーセル、サービングセルインデックス)と関連付けられたパスロス参照リソースを用いてパスロスおよび上りリンク送信電力を算出してもよい。
また、基地局101は、基地局101と通信を行なう端末102と、RRH103と通信を行なう端末102を異なるキャリアコンポーネントでスケジューリングし、それぞれのキャリアコンポーネントに対して第1もしくは第2の測定対象設定を設定することで、端末102に対して適切な上りリンク送信電力制御を行なうように制御することができる。
図1を用いて説明すると、端末102は、基地局101に対して上りリンク信号を送信する上りリンクサブフレームサブセットとRRH103に対して上りリンク信号を送信する上りリンクサブフレームサブセットが設定される。つまり、端末102は、基地局101への上りリンク信号の送信タイミングとRRH103への上りリンク信号の送信タイミングを異なるタイミングにすることによって、端末102から送信される上りリンク信号が他の端末102への干渉元にならないように制御される。ここで、基地局101へ上りリンク信号を送信するサブフレームサブセットを第1のサブセット、RRH103へ上りリンク信号を送信するサブフレームサブセットを第2のサブセットとすると、端末102は、上りリンク106を第1のサブセットで送信し、上りリンク108を第2のサブセットで送信する。端末102は、第1のサブセットで上りリンク信号を送信する場合には、第1の測定対象設定と上りリンク電力制御に関するパラメータの設定を用いて、第1のパスロスおよび第1の上りリンク送信電力を計算し、第2のサブセットで上りリンク信号を送信する場合には、第2の測定対象設定と上りリンク電力制御に関するパラメータの設定を用いて、第2のパスロスを計算し、第2の上りリンク送信電力を計算することができる。
また、基地局101は、基地局101と端末102が通信するタイミングとRRH103と端末102が通信するタイミング(サブフレームサブセット)を異なるタイミング(サブフレームサブセット)にし、それぞれのサブセットに対して適切な上りリンク送信電力制御を行なうことによって、上りリンク106または上りリンク108に対して適切な上りリンク送信電力を端末102に設定することができる。
図1を用いて説明すると、端末102は、上りリンクグラントを検出した制御チャネル領域が第1の制御チャネル領域であるか第2の制御チャネル領域であるかによって、上りリンクグラントを検出したタイミングで上りリンク106または上りリンク108で送信するタイミングを判断することができる。つまり、端末102は、サブフレームnの第1の制御チャネル領域で上りリンクグラントを検出した場合には、サブフレームn+4で第1の上りリンク送信電力で上りリンク信号を基地局101へ送信することができる。また、端末102は、サブフレームn+1の第2の制御チャネル領域で上りリンクグラントを検出した場合には、サブフレームn+5で第2の上りリンク送信電力で上りリンク信号をRRH103へ送信することができる。
端末102は、第1の制御チャネル領域で上りリンクグラントを検出した場合には、上りリンク106に対して第1の上りリンク送信電力で上りリンク信号を送信し、第2の制御チャネル領域で上りリンクグラントを検出した場合には、上りリンク108に対して第2の上りリンク送信電力で上りリンク信号を送信することができる。
また、基地局101は、下りリンク105および107において第1の制御チャネル領域と第2の制御チャネル領域において適切に上りリンクグラントをスケジューリングすることによって、上りリンク106または上りリンク108に対して適切な上りリンク送信電力を端末102に設定することができる。
このように、端末102は、上りリンクグラントを検出する周波数リソースやタイミングによって基地局101向けの上りリンク送信とRRH103向けの上りリンク送信を分離することができるため、上りリンク送信電力が大きく異なる端末同士が設定された場合でも互いの端末102が他の端末102への干渉元にならないように制御できる。
(第3の実施形態の変形例1)
次に、第3の実施形態の変形例1について説明する。第3の実施形態の変形例1では、基地局101は、上りリンク電力制御に関するパラメータの設定に、パスロスの計算に使用する参照信号(例えばセル固有参照信号または伝送路状況測定用参照信号)および測定対象のリソース(もしくはアンテナポート)を指定することができる。また、パスロスの計算に使用する参照信号は、第1の実施形態または第2の実施形態で示された第1もしくは第2の測定対象設定で示されてもよい。以下にパスロスの計算に使用する参照信号および測定対象のリソースの設定方法の詳細を説明する。
基地局101とRRH103はキャリアアグリゲーションを行っており、上り、下りとも中心周波数の異なるキャリアコンポーネント(Carrier Component,CC,Cell、セル)を2つ有して通信を行っているとする。これらを第1のキャリアコンポーネント、第2のキャリアコンポーネントと呼び、基地局101およびRRH103はこれらキャリアコンポーネントを使用し、個別の通信および協調通信が可能であるとする。また、基地局101は、第1のキャリアコンポーネントをプライマリーセル、第2のキャリアコンポーネントをセカンダリーセルとして設定してもよい。基地局101は、プライマリーセルとセカンダリーセルに対して、パスロス参照リソースとしてインデックスなどを用いてパスロスの計算に利用する参照信号のリソースを指定してもよい。ここで、パスロス参照リソースとは、パスロスを計算するために使用する(参照する)参照信号および測定対象のリソース(もしくはアンテナポート)を指し示す情報要素のことであり、第1の実施形態または第2の実施形態にて示された第1の測定対象設定または第2の測定対象設定に設定された測定対象のことである。そこで基地局101は、パスロス参照リソースにより上りリンク送信電力の算出に用いるパスロスとその計算に用いる測定対象(参照信号およびアンテナポートインデックスまたは測定インデックス)を関連付けてもよい。またパスロス参照リソースは、第1の実施形態または第2の実施形態で示されたセル固有参照信号のアンテナポートインデックス0または伝送路状況測定用参照信号のCSI−RSアンテナポート(もしくはCSI−RS測定インデックス)であってもよい。さらに具体的に説明するとパスロス参照リソースにより指定されるインデックスが0のときは、セル固有参照信号のアンテナポートインデックス0を示し、その他の値の場合には伝送路状況測定用参照信号のCSI−RS測定インデックスやCSI−RSアンテナポートインデックスに関連付けられてもよい。さらに前述するパスロス参照リソースは図22で説明したpathlossReferenceと関連付けられてもよい。つまりpathlossReferenceで第2のキャリアコンポーネント(SCell、セカンダリーセル)が指定され、パスロス参照リソースで伝送路状況測定用参照信号のCSI−RS測定インデックス1が指定された場合には、第2のキャリアコンポーネントに含まれるCSI−RS測定インデックス1に相当するリソースを元にパスロスの計算を行い、上りリンク送信電力を算出してもよい。別の例ではpathlossReferenceで第1のキャリアコンポーネント(PCell、プライマリーセル)が指定され、パスロス参照リソースで伝送路状況測定用参照信号のCSI−RS測定インデックス1が指定された場合には、第1のキャリアコンポーネントに含まれるCSI−RS測定インデックス1に相当するリソースを元にパスロスを計算し、上りリンク送信電力を算出してもよい。また、端末102は検出した上りリンクグラントにキャリアインディケータが含まれている場合には、キャリアインディケータによって示されたキャリア(セル、プライマリーセル、セカンダリーセル、サービングセルインデックス)と関連付けられたパスロス参照リソースを用いてパスロスおよび上りリンク送信電力を算出してもよい。
以上前述の手順に従うことによって端末102は、基地局101によって通知されるパスロス参照リソースの通知内容に基づいてパスロスを計算し、そのパスロスと上りリンク電力制御に関するパラメータの設定に基づいて上りリンク送信電力を計算することができる。
図24は、パスロス参照リソースの詳細を示す図である。パスロス参照リソースは、(プライマリーセル)端末固有上りリンク電力制御に関するパラメータの設定およびセカンダリーセル端末固有上りリンク電力制御に関するパラメータの設定に追加される情報要素である。また、パスロス参照リソースでは、測定対象設定で設定されるパスロス測定に使用される下りリンク参照信号(測定対象)が指定される。基地局101は、端末102に対して第1の実施形態または第2の実施形態で示される測定対象設定によって指示される測定対象を、パスロス参照リソースを用いて指定することができる。つまり、基地局101は、プライマリーセル(第1のキャリアコンポーネント、PCell)およびセカンダリーセル(第2のキャリアコンポーネント、SCell)に対してパスロス測定に使用する測定リソースを測定対象設定で設定される測定対象から選択することができ、端末102はその指示に従って、プライマリーセルおよびセカンダリーセルにおける上りリンク送信電力を計算するためのパスロスの計算を行ない、そのパスロス及び上りリンク電力制御に関するパラメータの設定に基づいてプライマリーセルまたはセカンダリーセルへの上りリンク送信電力を計算することができる。
別の観点から考えると、例えば基地局101と通信を行う端末102を端末A、RRH103と通信を行う端末102を端末Bとした場合、端末Aのダイナミックな上りリンク信号の送信制御をプライマリーセルでのみ行い、また端末Bのダイナミックな上りリンク信号の送信制御をセカンダリーセルでのみ行う。つまり、基地局101は、端末102に基地局101向けの上りリンク信号の送信を行わせたい場合には、上りリンクグラントをプライマリーセルに含めて端末102へ通知し、端末102にRRH103向けの上りリンク信号の送信を行わせたい場合には、セカンダリーセルに含めて端末102へ通知する。さらに、基地局101は、上りリンクグラントに含まれる上りリンク信号の送信電力制御の補正値であるTPCコマンドを利用することで、基地局101向けまたはRRH103向けの上りリンク信号の送信電力制御を行うことができる。基地局101は、上りリンクグラントを通知するセル(キャリアコンポーネント、コンポーネントキャリア)によって上りリンクグラントに含まれるTPCコマンドの値を基地局101向けまたはRRH103向けに設定する。すなわち、基地局101は、基地局101向けの上りリンク送信電力を高くしたい場合には、プライマリーセルのTPCコマンドの電力補正値を高く設定し、RRH103向けの上りリンク送信電力を低くしたい場合には、セカンダリーセルのTPCコマンドの電力補正値を低くなるように設定する。基地局101は、端末Aに対しては、プライマリーセルによって上りリンク信号の送信および上りリンク送信電力制御を行い、端末Bに対しては、セカンダリーセルによって上りリンク信号の送信および上りリンク送信電力制御を行う。つまり、基地局101は、プライマリーセルのTPCコマンド(送信電力制御コマンド)の電力補正値を第1の値に設定し、セカンダリーセルのTPCコマンドの電力補正値を第2の値に設定することでセル間の上りリンク送信電力制御を行う。この際、第1の値と第2の値は、異なる値に設定されてもよい。また、基地局101は、第1の値を第2の値よりも電力補正値が高くなるように設定してもよい。
図25は、端末102が上りリンクグラントを検出したタイミングによるパスロス参照リソースの詳細を示す図である。基地局101は、端末102に対して2つ以上のパスロス参照リソース(第1のパスロス参照リソース、第2のパスロス参照リソース)を設定できる。ここで、第2のパスロス参照リソースは、追加変更リストによって随時追加可能なパラメータである。パスロス参照リソースは、測定対象設定で設定される測定対象と関連付けされている。例えば、測定対象には、上りリンクグラント検出サブフレームサブセット(上りリンクグラント検出パターン)が設定されており、上りリンクグラント検出パターンに含まれる下りリンクサブフレームで上りリンクグラントを検出した場合には、端末102は、上りリンクグラント検出サブフレームサブセットと関連付けられた測定対象を用いてパスロスを計算し、そのパスロスに基づいて上りリンク送信電力を計算する。つまり、端末102は、パスロス参照リソースが複数(第1のパスロス参照リソースおよび第2のパスロス参照リソース)設定された場合には、上りリンクグラント検出サブフレームサブセットをパスロス参照リソースと関連付ける。さらに具体的に述べると、第1のパスロス参照リソースと第1のサブフレームサブセットを関連付ける。また第2のパスロス参照リソースと第2のサブフレームサブセットを関連付ける。さらにパスロス参照リソースから、上りリンク送信電力の計算の基となる測定対象設定を選択し、この測定対象設定で指定された測定対象の受信信号電力に基づいて計算したパスロスを基に上りリンク送信電力を計算する。一例では第1のパスロス参照リソースは第1の測定対象設定、つまりセル固有参照信号のアンテナポート0を指定し、これは基地局101から送信されていてもよい、また第2のパスロス参照リソースは第2の測定対象設定、つまり伝送路状況測定用参照信号のアンテナポート15を指定し、これはRRH103から送信されていてもよい。従って上りリンクグラントを検出するサブフレームに従って異なる測定対象が参照され、結果として上りリンク信号が第1のサブフレームサブセットで検出された場合は基地局101に適した送信電力が設定され、上りリンク信号が第2のサブフレームサブセットで検出された場合はRRH103に適した送信電力が設定されることとなる。すなわち、上りリンクグラントを検出するタイミングで、パスロス計算に使用する測定対象を切り替えて適切な上りリンク送信電力制御を行なうことができる。
第2のパスロス参照リソースは、パスロス参照リソース追加変更リストから追加可能なパスロス参照リソースのことである。つまり、基地局101は、1つのセル(例えば、プライマリーセル)に対して複数のパスロス参照リソースを定義することができる。基地局101は、端末102に対して同時に複数のパスロス参照リソースに対するパスロスの計算を行なうように指示することができる。また、第2のパスロス参照リソースを追加する場合には、パスロス参照リソース追加変更リストによってパスロス参照リソースIDと測定対象を設定し、随時追加することができる。複数のパスロス参照リソースに対してパスロスを計算する必要がなくなった場合には、パスロス参照リソース削除リストによって、不要なパスロス参照リソースを削除することができる。この場合の第2のパスロスの計算方法について例をあげる。第2のパスロス参照リソースはパスロス参照リソース追加変更リストの中に複数の第1もしくは第2の測定対象設定、つまり例えば伝送路状況測定用参照信号のアンテナポート15、16など指定することがある。この場合には伝送路状況測定用参照信号のアンテナポート15および16の受信信号電力に基づいて第2のパスロスが計算されてもよい。この場合、アンテナポート15から算出されるパスロスとアンテナポート16から算出されるパスロスの平均をとり、第2のパスロスとしてもよいし、2つのパスロス値の内大きな方もしくは小さな方を取り第2のパスロスとしてもよい。また2つのパスロスを線形処理したのち第2のパスロスとしてもよい。また上記はセル固有参照信号のアンテナポート0と伝送路状況測定用参照信号のアンテナポート15でもよい。さらに別の例では、第2のパスロス参照リソースはパスロス参照リソース追加変更リストの中に複数の第2の測定対象設定、つまり伝送路状況測定用参照信号のアンテナポート15、16など指定することがある。この場合には伝送路状況測定用参照信号のアンテナポート15および16の受信信号電力に基づいて第2のパスロス、第3のパスロスが計算されてもよい。この場合、第1のパスロス、第2のパスロス、第3のパスロスは第1のサブフレームサブセット、第2のサブフレームサブセット、第3のサブフレームサブセットにそれぞれ関連付けられてもよい。
また、第1および第2のパスロス参照リソースに含まれる、測定対象は、第1の実施形態または第2の実施形態で示されたセル固有参照信号のアンテナポート0またはCSI−RSアンテナポートインデックス(CSI−RS測定インデックス)であってもよい。
また測定対象には、上りリンクグラント検出パターンが含まれてもよい。また、上りリンクグラント検出パターンは、図14の測定オブジェクト中の測定オブジェクトEUTRAに含まれる測定サブフレームパターン(MeasSubframePattern-r10)が利用されてもよい。
また、ここでは、測定対象と上りリンクグラント検出パターンを関連付けたが、別の例として測定対象には、上りリンクグラント検出パターンを含まず、測定対象と測定レポートの送信タイミングを関連付けてもよい。つまり、端末102は、測定対象の測定結果を基地局101へ通知するサブフレームパターンと関連付けても良く、そのサブフレームパターンと関連付けられた下りリンクサブフレームで上りリンクグラントを検出した場合に、その測定対象でパスロスを計算し、上りリンク送信電力を計算することができる。
ここでは、プライマリーセル端末固有上りリンク電力制御に関するパラメータの設定に追加された場合に対して説明したが、セカンダリーセルでも同様の設定を追加することは可能である。ただし、セカンダリーセルの場合、パスロス参照(pathlossReference-r10)が設定されており、プライマリーセルかセカンダリーセルのいずれかに含まれた参照信号に基づいてパスロスの計算を行なう。つまり、プライマリーセルが選択された場合には、プライマリーセル端末固有上りリンク電力制御に関するパラメータの設定のパスロス参照リソースに基づいてパスロスの計算が行われる。また、セカンダリーセルが選択された場合には、セカンダリーセル端末固有上りリンク電力制御に関するパラメータの設定のパスロス参照リソースに基づいてパスロスの計算が行われる。さらに前述するパスロス参照リソースはパスロス参照(pathlossReference-r10)と関連付けられてもよい。つまりパスロス参照(pathlossReference-r10)で第2のキャリアコンポーネント(SCell、セカンダリーセル)が指定され、パスロス参照リソースで伝送路状況測定用参照信号のCSI−RS測定インデックス1が指定された場合には、第2のキャリアコンポーネントに含まれるCSI−RS測定インデックス1に相当するリソースを元にパスロスの計算を行い、上りリンク送信電力を算出してもよい。また、別の例ではパスロス参照(pathlossReference-r10)において第1のキャリアコンポーネント(PCell、プライマリーセル)が指定され、パスロス参照リソースにおいて伝送路状況測定用参照信号のCSI−RS測定インデックス1が指定された場合には、第1のキャリアコンポーネントに含まれるCSI−RS測定インデックス1に相当するリソースを元にパスロスの計算を行い、上りリンク送信電力を算出してもよい。
別の観点から考えると、例えば基地局101と通信を行う端末102を端末A、RRH103と通信を行う端末102を端末Bとした場合、端末Aのダイナミックな上りリンク信号の送信制御を第1のサブフレームサブセットでのみ行い、また端末Bのダイナミックな上りリンク信号の送信制御を第2のサブフレームサブセットでのみ行う。つまり、基地局101は、端末102に基地局101向けの上りリンク信号の送信を行わせたい場合には、上りリンクグラントを第1のサブフレームサブセットに含めて端末102へ通知し、端末102にRRH103向けの上りリンク信号の送信を行わせたい場合には、第2のサブフレームサブセットに含めて端末102へ通知する。さらに、基地局101は、上りリンクグラントに含まれる上りリンク信号の送信電力制御の補正値であるTPCコマンドを利用することで、基地局101向けまたはRRH103向けの上りリンク信号の送信電力制御を行うことができる。基地局101は、上りリンクグラントを通知するサブフレームサブセットによって上りリンクグラントに含まれるTPCコマンドの値を基地局101向けまたはRRH103向けに設定する。すなわち、基地局101は、基地局101向けの上りリンク送信電力を高くしたい場合には、第1のサブフレームサブセットのTPCコマンドの電力補正値を高く設定し、RRH103向けの上りリンク送信電力を低くしたい場合には、第2のサブフレームサブセットのTPCコマンドの電力補正値を低くなるように設定する。例えば、TPCコマンドに複数の値(第1の値、第2の値など)が設定されている場合、基地局101は、通信状況に応じて、第1のサブフレームサブセットのTPCコマンドの電力補正値に第1の値を選択し、第2のサブフレームサブセットのTPCコマンドの電力補正値に第2の値を選択するように制御してもよい。基地局101は、端末Aに対しては、第1のサブフレームサブセットによって上りリンク信号の送信および上りリンク送信電力制御を行い、端末Bに対しては、第2のサブフレームサブセットによって上りリンク信号の送信および上りリンク送信電力制御を行う。つまり、基地局101は、第1のサブフレームサブセットのTPCコマンド(送信電力制御コマンド)の電力補正値を第1の値に設定し、第2のサブフレームサブセットのTPCコマンドの電力補正値を第2の値に設定することでセル間の上りリンク送信電力制御を行う。この際、基地局101は、第1の値と第2の値を異なる値に設定してもよい。基地局101は、第1の値を第2の値よりも電力補正値が高くなるように設定してもよい。
図26は、端末102が上りリンクグラントを検出する制御チャネル領域によるパスロス参照リソースの詳細を示す図である。図25同様、基地局101は、端末102に対して2つ以上のパスロス参照リソース(第1のパスロス参照リソース、第2のパスロス参照リソース)を設定できる。ここで、第2のパスロス参照リソースは、追加変更リストによって随時追加可能なパラメータである。パスロス参照リソースは、測定対象設定で設定される測定対象と関連付けされている。例えば、測定対象には、上りリンクグラント検出領域(第1の制御チャネル領域、第2の制御チャネル領域)が設定されており、上りリンクグラント検出領域に含まれる下りリンク制御チャネル領域で上りリンクグラントを検出した場合には、端末102は、上りリンクグラント検出領域と関連付けられた測定対象を用いてパスロスを計算し、そのパスロスに基づいて上りリンク送信電力を計算する。つまり、端末102は、パスロス参照リソースが複数(第1のパスロス参照リソースおよび第2のパスロス参照リソース)設定された場合には、上りリンクグラント検出領域をパスロス参照リソースと関連付ける。さらに具体的に述べると、第1のパスロス参照リソースと第1の制御チャネル領域を関連付ける。また第2のパスロス参照リソースと第2の制御チャネル領域を関連付ける。さらにパスロス参照リソースから、上りリンク送信電力の計算の基となる測定対象設定を選択し、この測定対象設定で指定された測定対象の受信信号電力に基づいて計算したパスロスを基に上りリンク送信電力を計算する。これにより、端末102は、上りリンクグラントを検出した領域によって、測定対象に応じて計算された上りリンク送信電力で上りリンク信号を送信することができる。さらに複数の第2の測定対象設定が第2のパスロス参照リソースと関連付けられた場合の第2のパスロスの計算方法について例をあげる。第2のパスロス参照リソースはパスロス参照リソース追加変更リストの中に複数の第1もしくは第2の測定対象設定、つまり例えば伝送路状況測定用参照信号のアンテナポート15、16など指定することがある。この場合には伝送路状況測定用参照信号のアンテナポート15および16の受信信号電力に基づいて第2のパスロスが計算されてもよい。この場合、アンテナポート15から算出されるパスロスとアンテナポート16から算出されるパスロスの平均をとり、第2のパスロスとしてもよいし、2つのパスロス値の内大きな方もしくは小さな方を取り第2のパスロスとしてもよい。また2つのパスロスを線形処理したのち第2のパスロスとしてもよい。また上記はセル固有参照信号のアンテナポート0と伝送路状況測定用参照信号のアンテナポート15でもよい。さらに別の例では、第2のパスロス参照リソースはパスロス参照リソース追加変更リストの中に複数の第2の測定対象設定、つまり伝送路状況測定用参照信号のアンテナポート15、16など指定することがある。この場合には伝送路状況測定用参照信号のアンテナポート15および16の受信信号電力に基づいて第2のパスロス、第3のパスロスが計算されてもよい。この場合、第1のパスロス、第2のパスロス、第3のパスロスは第1のサブフレームサブセット、第2のサブフレームサブセット、第3のサブフレームサブセットにそれぞれ関連付けられてもよい。
また、パスロス測定リソースは、第1の実施形態または第2の実施形態で示されたセル固有参照信号アンテナポート0またはCSI−RSアンテナポートインデックス(CSI−RS測定インデックス)であってもよい。
別の観点から考えると、例えば基地局101と通信を行う端末102を端末A、RRHと通信を行う端末を端末Bとした場合、端末Aのダイナミックな上りリンク信号の送信制御を第1の制御チャネル(PDCCH)領域でのみ行い、また端末Bのダイナミックな上りリンク信号の送信制御を第2の制御チャネル(X−PDCCH)領域でのみ行う。つまり、基地局101は、端末102に基地局101向けの上りリンク信号の送信を行わせたい場合には、上りリンクグラントを第1の制御チャネル領域に含めて端末102へ通知し、端末102にRRH103向けの上りリンク信号の送信を行わせたい場合には、第2の制御チャネル領域に含めて端末102へ通知する。さらに、基地局101は、上りリンクグラントに含まれる上りリンク信号の送信電力制御の補正値であるTPCコマンドを利用することで、基地局101向けまたはRRH103向けの上りリンク信号の送信電力制御を行うことができる。基地局101は、上りリンクグラントを通知する制御チャネル領域によって上りリンクグラントに含まれるTPCコマンドの値を基地局101向けまたはRRH103向けに設定する。すなわち、基地局101は、基地局101向けの上りリンク送信電力を高くしたい場合には、第1の制御チャネル領域のTPCコマンドの電力補正値を高く設定し、RRH103向けの上りリンク送信電力を低くしたい場合には、第2の制御チャネル領域のTPCコマンドの電力補正値を低くなるように設定する。基地局101は、端末Aに対しては、第1の制御チャネル領域によって上りリンク信号の送信および上りリンク送信電力制御を行い、端末Bに対しては、第2の制御チャネルによって上りリンク信号の送信および上りリンク送信電力制御を行う。つまり、基地局101は、第1の制御チャネル領域のTPCコマンド(送信電力制御コマンド)の電力補正値を第1の値に設定し、第2の制御チャネル領域のTPCコマンドの電力補正値を第2の値に設定することでセル間の上りリンク送信電力制御を行う。この際、第1の値と第2の値は、異なる値に設定されてもよい。基地局101は、第1の値を第2の値よりも電力補正値が高くなるように設定してもよい。
また、第3の実施形態の変形例1では、基地局101は、パスロス参照リソースを設定した上りリンク電力制御に関するパラメータの設定を含む無線リソース制御信号を端末102へ通知し、上りリンクグラントを端末102へ通知する。また、端末102は、無線リソース制御信号に含まれる情報に従って、パスロス参照リソースおよび上りリンク電力制御に関するパラメータの設定に基づいてパスロスおよび上りリンク送信電力を計算し、上りリンク送信電力において上りリンク信号を基地局101へ送信する。
また、第3の実施形態の変形例1では、基地局101は、第1および第2のパスロス参照リソースを設定した上りリンク電力制御に関するパラメータの設定を含む無線リソース制御信号を端末102へ通知する。また、端末102は、第1のパスロス参照リソースに基づいて第1のパスロスを計算し、第2のパスロス参照リソースに基づいて第2のパスロスを計算し、第1または第2のパスロスと上りリンク電力制御に関するパラメータの設定に基づいて上りリンク送信電力を計算する。
また、第3の実施形態の変形例1では、基地局101は、プライマリーセルおよびセカンダリーセル固有のパスロス参照リソースを設定した上りリンク電力制御に関するパラメータの設定を含む無線リソース制御信号を端末102へ通知し、上りリンクグラントを端末102へ通知する。また、端末102は、プライマリーセルおよびセカンダリーセル固有のパスロス参照リソースが設定された上りリンク電力制御に関するパラメータの設定を含む無線リソース制御信号を受信し、プライマリーセルにおいて上りリンクグラントを検出した場合には、プライマリーセル端末固有上りリンク電力制御に関するパラメータの設定に含まれたパスロス参照リソースと前記上りリンク電力制御に関するパラメータの設定に基づいてパスロスおよび上りリンク送信電力を計算し、セカンダリーセルにおいて上りリンクグラントを検出した場合には、セカンダリ−セル端末固有上りリンク電力制御に関するパラメータの設定に含まれたパスロス参照リソースと上りリンク電力制御に関するパラメータの設定に基づいてパスロスおよび上りリンク送信電力を計算し、上りリンクグラントを検出したセルに対して計算して得られた上りリンク送信電力において上りリンク信号を基地局101へ送信する。
また、第3の実施形態の変形例1では、基地局101は、第1および第2のパスロス参照リソースを設定した上りリンク電力制御に関するパラメータの設定を含む無線リソース制御信号を端末102へ通知し、上りリンクグラントを端末102へ通知する。また、端末102は、無線リソース制御信号に含まれる情報に従って、第1のサブフレームサブセットに含まれる下りリンクサブフレームにおいて上りリンクグラントを検出した場合には、第1のパスロス参照リソースと上りリンク電力制御に関するパラメータの設定に基づいてパスロスおよび上りリンク送信電力を計算し、第2のサブフレームサブセットに含まれる下りリンクサブフレームにおいて前記上りリンクグラントを検出した場合には、第2のパスロス参照リソースと前記上りリンク電力制御に関するパラメータの設定に基づいてパスロスおよび上りリンク送信電力を計算し、サブフレームサブセットに含まれる上りリンクサブフレームおよび上りリンク送信電力において上りリンク信号を基地局101へ送信する。
また、第3の実施形態の変形例1では、端末102は、第1の制御チャネル領域において上りリンクグラントを検出した場合には、第1のパスロス参照リソースと上りリンク電力制御に関するパラメータの設定に基づいて第1のパスロスおよび第1の上りリンク送信電力を計算し、第2の制御チャネル領域において上りリンクグラントを検出した場合には、第2のパスロス参照リソースと上りリンク電力制御に関するパラメータの設定に基づいて第2のパスロスおよび第2の上りリンク送信電力を計算し、上りリンクグラントを検出したタイミングに応じて第1または第2の上りリンク送信電力において上りリンク信号を基地局101へ送信する。
図1を用いてさらに具体的に説明すると、端末102は、パスロス参照リソースが複数(第1のパスロス参照リソースおよび第2のパスロス参照リソース)設定された場合には、上りリンクグラントが検出される制御チャネル領域をパスロス参照リソースと関連付ける。さらに具体的に述べると、第1のパスロス参照リソースと第1の制御チャネル領域を関連付ける。また第2のパスロス参照リソースと第2の制御チャネル領域を関連付ける。さらにパスロス参照リソースから、上りリンク送信電力の計算の基となる測定対象設定を選択し、この測定対象設定で指定された測定対象の受信信号電力に基づいて計算したパスロスを基に上りリンク送信電力を計算する。一例では第1のパスロス参照リソースは第1の測定対象設定、つまりセル固有参照信号のアンテナポート0を指定し、これは基地局101から送信されていてもよい、また第2のパスロス参照リソースは第2の測定対象設定、つまり伝送路状況測定用参照信号のアンテナポート15を指定し、これはRRH103から送信されていてもよい。従って上りリンクグラントを検出する制御チャネル領域に従って異なる測定対象が参照され、結果として上りリンク信号が第1の制御チャネル領域で検出された場合は基地局101に適した送信電力が設定され、上りリンク信号が第2の制御チャネル領域で検出された場合はRRH103に適した送信電力が設定されることとなる。すなわち、上りリンクグラントを検出する制御チャネル領域に応じて、パスロス計算に使用する測定対象を切り替えて適切な上りリンク送信電力制御を行なうことができる。また制御チャネル領域に応じて異なる測定対象を参照することで、前述したサブフレームパターンを基地局から端末102に通知する必要もなくなる。
また別の例では、基地局またはRRH103に対して適切な上りリンク送信電力制御を行なうために、基地局101は、端末102に対して種々の上りリンク電力制御に関するパラメータ設定の再設定を行なうことができる。前述した通り基地局101は、基地局もしくはRRHへの送信に適切な上りリンク送信電力制御を行なうためには、第1の測定対象設定によるパスロス測定か第2の測定対象設定によるパスロス測定かを切り替える必要がある。しかしながら端末102が数十から数百サブフレームのオーダーで基地局またはRRHのいずれか一方にのみ通信を行い、その切り替えは準静的に行われる場合、上記測定対象設定(第1の測定対象設定、第2の測定対象設定)と上記パスロス参照リソースに関するパラメータの設定を更新することで、適切な上りリンク送信電力制御を行なうことができる。つまり図25や図26記載の第1のパスロス参照リソースのみを設定し、適切な設定を行えば、基地局101もしくはRRH103へ適切な送信電力を設定することが可能となる。
(第3の実施形態の変形例2)
また、第3の実施形態の変形例2では、端末102は、複数の上りリンク電力制御に関するパラメータの設定が設定され、各々の上りリンク電力制御に関するパラメータの設定を用いて種々の上りリンク信号(PUSCH、PUCCH、SRS)の上りリンク送信電力(PPUSCH, PPUCCH, PSRS)を計算することができる。
第3の実施形態の変形例2では、基地局101は、複数の上りリンク電力制御に関するパラメータの設定(例えば、第1の上りリンク電力制御に関するパラメータの設定および第2の上りリンク電力制御に関するパラメータの設定)を設定し、端末102へ通知する。端末102は、通知された情報に従って、第1の上りリンク電力制御に関するパラメータの設定に基づいてパスロスを計算し、そのパスロスと第1の上りリンク電力制御に関するパラメータの設定に基づいて上りリンク送信電力を計算する。また、端末102は、第2の上りリンク電力制御に関するパラメータの設定に基づいてパスロスを計算し、そのパスロスと第2の上りリンク電力制御に関するパラメータの設定に基づいて上りリンク送信電力を計算する。ここで、第1の上りリンク電力制御に関するパラメータの設定に基づいて計算される上りリンク送信電力を第1の上りリンク送信電力、第2の上りリンク電力制御に関するパラメータの設定に基づいて計算される上りリンク送信電力を第2の上りリンク送信電力とする。
端末102は、上りリンクグラントを検出した周波数リソースやタイミングによって、第1の上りリンク送信電力において上りリンク信号を送信するのか第2の上りリンク送信電力において上りリンク信号を送信するのかを制御する。
基地局101は、第1の上りリンク電力制御に関するパラメータの設定と第2の上りリンク電力制御に関するパラメータの設定それぞれに含まれる情報要素を個別に設定してもよい。例えば、図27から図30を用いて具体的に説明すると、図27は、本願の本実施形態における第2の上りリンク電力制御に関するパラメータの設定の一例を示す図である。第2の上リンク電力制御に関するパラメータの設定は、第2の(プライマリー)セル固有上りリンク電力制御に関するパラメータの設定−r11と第2のセカンダリーセル固有上りリンク電力制御に関するパラメータの設定−r11と第2の(プライマリーセル)端末固有上りリンク電力制御に関するパラメータの設定−r11と第2のセカンダリーセル端末固有上りリンク電力制御に関するパラメータの設定−r11から構成される。なお、第1の上りリンク電力制御に関するパラメータの設定は、図22および図24に示されたものと同様である。また、本願の本実施形態においては、第1の(プライマリー)セル固有上りリンク電力制御に関するパラメータの設定−r11と第1のセカンダリーセル固有上りリンク電力制御に関するパラメータの設定−r11と第1の(プライマリーセル)端末固有上りリンク電力制御に関するパラメータの設定−r11と第1のセカンダリーセル端末固有上りリンク電力制御に関するパラメータの設定−r11が含まれ得る。
図28は、各無線リソース設定に含まれる第1の上りリンク電力制御に関するパラメータの設定と第2の上りリンク電力制御に関するパラメータの設定の一例を示す図である。(プライマリー)セル固有無線リソース設定には、第1の(プライマリー)セル固有上りリンク電力制御に関するパラメータの設定と第2の(プライマリー)セル固有上りリンク電力制御に関するパラメータの設定−r11が含まれている。さらには、(プライマリー)セル固有上りリンク電力制御に関するパラメータの設定−r11が含まれ得る。また、セカンダリーセル固有無線リソース設定には、第1のセカンダリーセル固有上りリンク電力制御に関するパラメータの設定と第2のセカンダリーセル固有上りリンク電力制御に関するパラメータの設定−r11が含まれている。さらには、セカンダリ−セル固有上りリンク電力制御に関するパラメータの設定−r11が含まれ得る。また、(プライマリーセル)端末固有物理設定には、第1の(プライマリーセル)端末固有上りリンク電力制御に関するパラメータの設定と第2の(プライマリーセル)端末固有上りリンク電力制御に関するパラメータの設定−r11が含まれている。また、セカンダリーセル端末固有物理設定には、第1のセカンダリーセル端末固有上りリンク電力制御に関するパラメータの設定と第2のセカンダリーセル端末固有上りリンク電力制御に関するパラメータの設定−r11が含まれている。また、(プライマリーセル)端末固有物理設定は、(プライマリーセル)端末固有無線リソース設定(RadioResourceCofigDedicated)に含まれる。また、セカンダリーセル端末固有物理設定は、セカンダリーセル端末固有無線リソース設定(RadioResourceConfigDedicatedSCell−r10)に含まれる。なお前述するセル固有無線リソース設定および端末固有無線リソース設定は、第2の実施例で述べたRRCコネクションリコンフィグレーション(RRCConnectionReconfiguration)やRRCリエスタブリッシュメント(RRCConnectionReestablishment)に含まれてもよい。なお前述するセカンダリーセル固有無線リソース設定およびセカンダリーセル端末固有無線リソース設定は、第2の実施例で述べたSCell追加変更リストに含まれてもよい。なお前述するセル固有無線リソース設定および端末固有無線リソース設定は、RRC信号(Dedicated signaling)を通じて端末102毎に設定されてもよい。なおRRCコネクションリコンフィグレーションおよびRRCリエスタブリッシュメントは、RRCメッセージを通じて端末毎に設定されてもよい。
図29は、第2のセル固有上りリンク電力制御に関するパラメータの設定の一例を示す図である。第2の(プライマリー)セル固有上りリンク電力制御に関するパラメータの設定−r11または第2のセカンダリーセル固有上りリンク電力制御に関するパラメータの設定−r11に含まれる情報要素は、図29に示した情報要素がすべて含まれて設定されてもよい。また、第2の(プライマリー)セル固有上りリンク電力制御に関するパラメータの設定−r11または第2のセカンダリーセル固有上りリンク電力制御に関するパラメータの設定−r11に含まれる情報要素は、図29に示した情報要素のうち少なくとも一つの情報要素のみが含まれて設定されてもよい。また、第2の(プライマリー)セル固有上りリンク電力制御に関するパラメータの設定−r11または第2のセカンダリーセル固有上りリンク電力制御に関するパラメータの設定−r11に含まれる情報要素は、一つも含まれてなくてもよい。この場合には、基地局101は、解放を選択し、その情報を端末102へ通知する。また、第2のセル固有上りリンク電力制御に関するパラメータの設定で設定されなかった情報要素は、第1のセル固有上りリンク電力制御に関するパラメータの設定と共通であってもよい。
図30は、第1の端末固有上りリンク電力制御に関するパラメータの設定と第2の端末固有上りリンク電力制御に関するパラメータの設定の一例を示す図である。第1のプライマリーセル/セカンダリーセル端末固有上りリンク電力制御に関するパラメータの設定には、パスロス参照リソースが設定される。また、第2のプライマリーセル/セカンダリーセル端末固有上りリンク電力制御に関するパラメータの設定には、図22で示した情報要素に加え、パスロス参照リソースが設定される。第2の(プライマリーセル)端末固有上りリンク電力制御に関するパラメータの設定−r11または第2のセカンダリーセル端末固有上りリンク電力制御に関するパラメータの設定−r11に含まれる情報要素は、図30に示した情報要素がすべて含まれて設定されてもよい。また、第2の(プライマリーセル)端末固有上りリンク電力制御に関するパラメータの設定−r11または第2のセカンダリーセル端末固有上りリンク電力制御に関するパラメータの設定−r11に含まれる情報要素は、図30に示した情報要素のうち少なくとも一つの情報要素のみが含まれて設定されてもよい。また、第2の(プライマリーセル)端末固有上りリンク電力制御に関するパラメータの設定−r11または第2のセカンダリーセル端末固有上りリンク電力制御に関するパラメータの設定−r11に含まれる情報要素は、一つも含まれてなくてもよい。この場合には、基地局101は、解放を選択し、その情報を端末102へ通知する。また、第2の端末固有上りリンク電力制御に関するパラメータの設定で設定されなかった情報要素は、第1の端末固有上りリンク電力制御に関するパラメータの設定と共通であってもよい。つまり、第2の端末固有上りリンク電力制御に関するパラメータの設定においてパスロス参照リソースが設定されなかった場合には、第1の端末固有上りリンク電力制御に関するパラメータの設定にて設定されているパスロス参照リソースに基づいてパスロスの計算を行う。
パスロス参照リソースは、第3の実施形態(図24)で示したものと同じであってもよい。つまり、パスロス参照リソースを指示する測定対象は、セル固有参照信号アンテナポート0または、CSI−RSアンテナポートインデックス(CSI−RS測定インデックス)と関連付けられたインデックスと関連付けられてもよい(図31)。また、パスロス参照リソースは、図32または図33のように示されてもよい。図32は、パスロス参照リソースの一例(例1)を示す図である。パスロス参照リソースとして複数の測定対象が設定される。端末102は、これらの測定症のうち少なくとも一つを用いてパスロスの計算を行うことができる。図33は、パスロス参照リソースの別の一例(例2)を示す図である。パスロス参照リソースに追加される測定対象は、追加変更リストによって追加されてもよい。また、測定対象の追加数は、最大測定対象IDによって決定されてもよい。測定対象IDは、測定オブジェクトIDによって決定されてもよい。つまり、追加する測定対象数は、測定対象設定数と同じであってもよい。また、削除リストによって、不要になった測定対象を削除することができる。なお上記は第3の実施例および第3の実施例の変形例1にも当てはまる。さらに複数の第1および第2の測定対象設定がパスロス参照リソースと関連付けられた場合のパスロスの計算方法について例をあげる。パスロス参照リソースはパスロス参照リソース追加変更リストの中に複数の第1および第2の測定対象設定、つまり伝送路状況測定用参照信号のアンテナポート15、16など指定することがある。この場合には伝送路状況測定用参照信号のアンテナポート15および16の受信信号電力に基づいて第2のパスロスが計算されてもよい。この場合、アンテナポート15から算出されるパスロスとアンテナポート16から算出されるパスロスの平均をとり、第2のパスロスとしてもよいし、2つのパスロス値の内大きな方もしくは小さな方を取り第2のパスロスとしてもよい。また2つのパスロスを線形処理したのち第2のパスロスとしてもよい。また上記はセル固有参照信号のアンテナポート0と伝送路状況測定用参照信号のアンテナポート15でもよい。さらに別の例では、第2のパスロス参照リソースはパスロス参照リソース追加変更リストの中に複数の第2の測定対象設定、つまり伝送路状況測定用参照信号のアンテナポート15、16など指定することがある。この場合には伝送路状況測定用参照信号のアンテナポート15および16の受信信号電力に基づいて第2のパスロス、第3のパスロスが計算されてもよい。この場合、第1のパスロス、第2のパスロス、第3のパスロスは第1のサブフレームサブセット、第2のサブフレームサブセット、第3のサブフレームサブセットにそれぞれ関連付けられてもよい。また、基地局101は、第1のサブフレームサブセット内で通知する上りリンクグラントに含まれるTPCコマンド(送信電力制御コマンド)に対しては、第1の値を設定し、第1のサブフレームサブセット内で通知する上りリンクグラントに含まれるTPCコマンドに対しては、第1の値とは異なる第2の値が設定してもよい。つまり、TPCコマンド第1の値は、第1のサブフレームサブセットに、TPCコマンド第2の値は、第2のサブフレームサブセットに関連付けられてもよい。この際、第1の値と第2の値は、異なる値に設定されてもよい。つまり、基地局101は、第1の値を第2の値よりも高い値に設定してもよい。また、第1の値および第2の値は、TPCコマンドの電力補正値である。
一例として下りリンクサブフレームが第1のサブセットおよび第2のサブセットに分けられているものと考える。ところで上りリンクグラントがサブフレームn(nは自然数)で受信された場合、端末102はサブフレームn+4で上りリンク信号の送信を行うため、おのずと上りリンクサブフレームも第1のサブセットおよび第2のサブセットに分けられているものと考える。第1のサブセットと第1の上りリンク電力制御に関するパラメータの設定を関連付け、第2のサブセットと第2の上りリンク電力制御に関するパラメータの設定を関連付けてもよい。つまり、端末102は、第1のサブセットに含まれる下りリンクサブフレームにおいて上りリンクグラントを検出した場合には、第1の上りリンク電力制御に関するパラメータの設定に含まれる種々の情報要素と、第1の上りリンク電力制御に関するパラメータの設定に含まれるパスロス参照リソース(測定対象)に基づいてパスロスを計算し、第1の上りリンク送信電力を計算する。また、端末102は、第2のサブセットに含まれる下りリンクサブフレームにおいて上りリンクグラントを検出した場合には、第2の上りリンク電力制御に関するパラメータの設定に含まれる種々の情報要素と、第2の上りリンク電力制御に関するパラメータの設定に含まれるパスロス参照リソース(測定対象)に基づいてパスロスを計算し、第2の上りリンク送信電力を計算する。
また、一例として上りリンクグラントが含まれる制御チャネル領域と上りリンク電力制御に関するパラメータの設定が関連付けられる。すなわち、基地局101は、端末102がどの制御チャネル領域(第1の制御チャネル領域、第2の制御チャネル領域)で上りリンクグラントを検出したかによって、上りリンク送信電力を計算するために用いる上りリンク電力制御に関するパラメータの設定を切り替えることができる。つまり、端末102は、第1の制御チャネル領域で上りリンクグラントを検出した場合には、第1の上りリンク電力制御に関するパラメータの設定を用いてパスロスを計算し、上りリンク送信電力を計算する。また、第2の制御チャネル領域で上りリンクグラントを検出した場合には、第2の上りリンク電力制御に関するパラメータの設定を用いてパスロスを計算し、上りリンク送信電力を計算する。
第3の実施形態の変形例2では、基地局101は、第1および第2の上りリンク電力制御に関するパラメータの設定を端末102へ通知する。一例では端末102は、通知された情報に従って、第1の上りリンク電力制御に関するパラメータの設定に基づいてパスロス(第1のパスロス)を計算し、第1のパスロスと第1の上りリンク電力制御に関するパラメータの設定に基づいて第1の上りリンク送信電力を計算する。また、端末102は、第2の上りリンク電力制御に関するパラメータの設定に基づいてパスロス(第2のパスロス)を計算し、第2のパスロスと第2の上りリンク電力制御に関するパラメータの設定に基づいて第2の上りリンク送信電力を計算する。つまり第1の上りリンク送信電力は常に第1の上りリンク電力制御に関するパラメータの設定で通知された測定対象を元に計算され、第2の上りリンク送信電力は常に第2の上りリンク電力制御に関するパラメータの設定で通知された測定対象を元に計算されてもよい。また端末102は、上りリンクグラントを検出した周波数リソースやタイミングによって、前述した第1の上りリンク送信電力において上りリンク信号を送信するのか前述した第2の上りリンク送信電力において上りリンク信号を送信するのかを制御してもよい。
この様に、第1および第2の上りリンク送信電力は、第1および第2の上りリンク電力制御に関するパラメータの設定と固定的に関連付けられてもよい。
また、第3の実施形態の変形例2では、基地局101は、第1および第2の上りリンク電力制御に関するパラメータの設定を含む無線リソース制御信号を端末102へ通知し、上りリンクグラントを端末102へ通知する。また、端末102は、第1の上りリンク電力制御に関するパラメータの設定に基づいて第1のパスロスおよび第1の上りリンク送信電力を計算し、第2の上りリンク電力制御に関するパラメータの設定に基づいて第2のパスロスおよび第2の上りリンク送信電力を計算し、上りリンクグラントを検出した場合には、第1または第2の上りリンク送信電力において上りリンク信号を送信する。また、基地局101は、第1のサブフレームサブセットで上りリンクグラントを通知する場合には、TPCコマンドの値を第1の値に設定し、第2のサブフレームサブセットで上りリンクグラントを通知する場合には、TPCコマンドの値を第2の値に設定する。例えば、第1の値は、第2の値よりも電力補正値が高くなるように設定されてもよい。また、基地局101は、第1のサブフレームサブセット内の上りリンクサブフレームで送信された上りリンク信号を復調し、第2のサブフレームサブセット内の上りリンクサブフレームで送信された上りリンク信号については復調処理を行わないように上りリンク信号の復調処理を行うこともできる。
複数の上りリンク電力制御に関するパラメータの設定を設定することで、端末102は、基地局101またはRRH103に対して適切な上りリンク電力制御に関するパラメータの設定を選択することができ、基地局101またはRRH103に対して適切な上りリンク送信電力の上りリンク信号を送信することができる。さらに具体的に説明すると、第1と第2の上りリンク電力制御に関するパラメータの設定に含まれる情報要素にうち少なくとも1種類の情報要素を異なる値として設定することができる。例えば、セル内のフラクショナル送信電力制御に用いられる減衰係数であるαを基地局101と端末102間とRRH103と端末102間で異なる制御を行いたい場合には、第1の上りリンク電力制御に関するパラメータの設定を基地局101向けの送信電力制御、第2の上りリンク電力制御に関するパラメータの設定をRRH103向けの送信電力制御として関連付けることでそれぞれの設定に含まれるαを適切なαとして設定することができる。つまり、基地局101と端末102間とRRH103と端末102間とで異なるフラクショナル送信電力制御を行うことができる。同様にPO_NOMINAL_PUSCH,cやPO_UE_PUSCH、cを第1と第2の上りリンク電力制御に関するパラメータの設定の中で異なる値に設定することにより、基地局101と端末102間とRRH103と端末102間とでPUSCHの標準電力を異なる値とすることができる。その他のパラメータに関しても同様のことが行える。
また、図1を用いて説明すると、端末102は、上りリンク106に対して、第1の上りリンク電力制御に関するパラメータの設定を用いてパスロスおよび上りリンク送信電力を計算し、その送信電力において上りリンク信号を送信するように制御されてもよい。上りリンク108に対して、第2の上りリンク電力制御に関するパラメータの設定を用いてパスロスおよび上りリンク送信電力を計算し、その送信電力において上りリンク信号を送信するように制御されてもよい。
(第4の実施形態)
次に、第4の実施形態について説明する。第4の実施形態では、基地局101が、端末102に対して基地局101またはRRH103との接続処理に必要なパラメータの設定方法について説明する。
同じキャリアコンポーネント、同じタイミング(上りリンクサブフレーム)で基地局(マクロ基地局)101向けの上りリンク送信電力の上りリンク信号の送信とRRH103向けの上りリンク送信電力の上りリンク信号の送信が行われると、符号間干渉、帯域外輻射による干渉、所望ダイナミックレンジの拡大などの問題が生じる。
基地局101は、基地局101向けの上りリンク信号の送信とRRH103向けの上りリンク信号の送信を時間方向で分離するように端末102を制御する。つまり、基地局101は、端末102が基地局101へ上りリンク信号を送信するタイミングとRRH103へ上りリンク信号を送信するタイミングと、が異なるように各上りリンク信号(PUSCH、PUCCH(CQI、PMI、SR、RI、ACK/NACK)、UL DMRS、SRS、PRACH)の送信タイミングを設定する。すなわち、基地局101は、各上りリンク信号に対して基地局101向けとRRH103向けの送信が重複しないように設定する。なお種々の上りリンク物理チャネルは、前述する各上りリンク信号(PUSCH、PUCCH(CQI、PMI、SR、RI、ACK/NACK)、UL DMRS、SRS、PRACH)のうち少なくとも一つ(または1種類)の上りリンク物理チャネル(上りリンク信号)を含んでいる。
基地局101は、基地局101向けの上りリンク信号の送信タイミング(上りリンクサブフレーム)のサブセットとRRH103向けの上りリンク信号の送信タイミング(上りリンクサブフレーム)のサブセットを設定し、そのサブセットに応じて各端末をスケジューリングしてもよい。
また、基地局101は、基地局101向けに送信される上りリンク信号とRRH103向けに送信される上りリンク信号に設定される送信電力が適切に行われるように、上りリンク電力制御に関するパラメータの設定も基地局101向けとRRH103向けとで適切に設定する。つまり、基地局101は、端末102に対して適切な上りリンク送信電力制御を行うことができる。
まず、基地局101の時間方向における制御について説明する。基地局101向けの上りリンクサブフレームサブセットを第1の上りリンクサブセット、RRH103向けの上りリンクサブフレームサブセットを第2の上りリンクサブセットとすると、基地局101は、端末102が基地局101と接続するかRRH103と接続するかによって各上りリンク信号を第1のサブセットか第2のサブセットのいずれかに含まれるように種々のパラメータの値を設定する。
各上りリンク信号の送信サブフレームと送信周期の設定について説明する。CQI(Channel Quality Indicator)とPMI(Precoding Matrix Indicator)はCQI−PMI設定インデックス(cqi-pmi-ConfigIndex)によって送信サブフレームと送信周期が設定される。また、RI(Rank Indicator)は、RI設定インデックスによって送信サブフレームと送信周期が設定される。また、SRS(Sounding Reference Signal)は、セル固有SRSサブフレーム設定(srs-SubframeConfig)でセル固有のSRS送信サブフレーム(送信サブフレームと送信周期)が設定され、端末固有SRS設定インデックス(srs-ConfigIndex)によって、セル固有のSRS送信サブフレームのサブセットである端末固有のSRS送信サブフレームが設定される。PRACHは、PRACH設定インデックス(prach-ConfigIndex)によって送信サブフレームが設定される。また、SR(Scheduling Request)は、SR設定(sr-ConfigIndex)によって、送信タイミングが設定される。
CQI−PMI設定インデックスとRI設定インデックスは、CQIレポート設定(CQI-ReportConfig)に含まれているCQIレポートピリオディック(CQI-ReportPeriodic)にて設定される。また、CQIレポート設定は、物理設定Dedicatedに含まれている。
セル固有SRSサブフレーム設定は、セル固有サウンディングUL設定(SoundingRS-UL-ConfigCommon)で設定され、端末固有SRS設定インデックスは、端末固有サウンディングUL設定(SoundingRS-UL-ConfigDedicated)で設定される。セル固有サウンディングUL設定は、セル固有無線リソース設定SIBおよびセル固有無線リソース設定に含まれる。端末固有サウンディングUL設定は、端末固有無線リソース設定に含まれる。
PRACH設定インデックスは、PRACH設定情報(PRACH-ConfigInfo)で設定される。PRACH設定情報は、PRACH設定SIB(PRACH-ConfigSIB)およびPRACH設定(PRACH-Config)に含まれる。PRACH設定SIBは、セル固有無線リソース設定SIBに含まれ、PRACH設定は、セル固有無線リソース設定に含まれる。
SR設定インデックスは、スケジューリングリクエスト設定(SchedulingRequextConfig)に含まれている。スケジューリングリクエスト設定は、物理設定Dedicatedに含まれている。
また、PUSCHやアピリオディックCSI、アピリオディックSRSは、上りリンクグラントを検出した下りリンクサブフレームと関連付けられた上りリンクサブフレームで送信されるため、上りリンクグラントを通知するタイミングを制御することによって、基地局101は端末102に対して第1の上りリンクサブセットで送信するか第2の上りリンクサブセットで送信するかを制御することができる。
基地局101は、各上りリンク信号の送信タイミングに関するインデックスを第1の上りリンクサブセットまたは、第2の上りリンクサブセットに含まれるように設定することで、基地局101向けの上りリンク信号とRRH103向けの上りリンク信号が互いに干渉元にならないように端末の上りリンク送信制御を行うことができる。
また、各上りリンク信号のリソース割り当て、送信タイミング、送信電力制御は、セカンダリーセルに対しても設定可能である。具体的に述べると、セル/端末固有SRS設定がセカンダリーセル固有に設定される。また、PUSCHの送信タイミングや送信リソースは、上りリンクグラントによって指示される。
第3の実施形態でも示したように、上りリンク送信電力制御に関するパラメータの設定については、セカンダリーセル固有に設定可能である。
PRACHの送信電力の制御について説明する。PRACHは、プリアンブル初期受信目標電力(preambleInitialReceivedTargetPower)によって、PRACHの初期送信電力が計算される。基地局−端末間でランダムアクセスが失敗した場合には、送信電力を一定量増加して送信する電力ランピングステップ(powerRampingStep)が設定される。また、電力を増加して送信した物理ランダムアクセスチャネルPRACH(Physical Random Access Channel)によるランダムアクセスが失敗し続け、端末102の最大送信電力またはPRACHの最大送信回数を超えた場合には、端末102はランダムアクセスが失敗したと判断し、ランダムアクセス問題(RAP: Random Access Problem)が生じたことを上位層へ通知する。上位層にランダムアクセス問題が通知された場合には、無線リソース障害(RLF: Radio Link Failure)が生じたと判断する。
セル固有無線リソース設定には、端末102の最大送信電力を表すP_MAXが含まれる。また、セカンダリーセル固有無線リソース設定にもP_MAXが含まれる。基地局101は、プライマリーセルまたはセカンダリーセル固有に端末102の最大送信電力を設定することができる。
また、PUSCH、PUCCH、SRSの上りリンク送信電力については、第3の実施形態で示した通りである。
一例として、基地局101は、システム情報で通知されるセル固有/端末固有無線リソース設定および物理設定Dedicatedに含まれるPUSCH/PUCCH/SRS/PRACHの時間軸上の設定(インデックス)は、まず、第1の上りリンクサブフレームサブセットに含まれるように設定する。RRC接続確立後、基地局101とRRH103とで端末102毎にチャネル測定等を行うことによって端末102がどちら(基地局101、RRH103)に近いのかを把握する。基地局101は、測定した端末102がRRH103よりも基地局101の方に近い、と判断した場合には、特に設定を変えず、測定した端末102が基地局101よりもRRH103の方に近い、と判断した場合には、RRH103との接続に適した再設定情報(例えば、送信電力制御情報、送信タイミング情報)をその端末102へ通知する。ここで、送信電力制御情報は、各上りリンク信号に対する送信電力制御の総称である。例えば、上りリンク電力制御に関するパラメータの設定に含まれる種々の情報要素やTPCコマンドが送信電力制御情報に含まれる。また、送信タイミング情報は、各上りリンク信号に対する送信タイミングを設定するための情報の総称である。例えば、送信タイミング情報は、送信タイミングに関する制御情報(SRSサブフレーム設定やCQI−PMI設定インデックスなど)が含まれている。
基地局101向けまたはRRH103向けの上りリンク信号の送信制御(上りリンク送信タイミング制御)について説明する。基地局101は、各端末の測定結果によって端末102が基地局101に近いのかRRH103に近いのか判断する。測定結果(測定レポート)によって、基地局101は、端末102がRRH103よりも基地局101の方に近い、と判断した場合には、第1の上りリンクサブセットに含まれるように各上りリンク信号の送信タイミング情報を設定し、送信電力情報を基地局101向けに適した値に設定する。この際、基地局101は、端末102に対して特に再設定のための情報を通知しない場合もある。つまり、初期設定のまま、特に更新しない場合もある。また、基地局101は、端末102が基地局101よりもRRH103の方に近い、と判断した場合には、第2の上りリンクサブセットに含まれるように各上りリンク信号の送信タイミング情報を設定し、送信電力情報をRRH103向けに適した値に設定する。すなわち、基地局101は、送信タイミングを変えることで、基地局101向けの上りリンク信号とRRH103向けの上りリンク信号を制御し、互いの信号が干渉しないように端末を制御することができる。ここで、基地局101と通信を行う端末102を端末A、RRH103と通信を行う端末102を端末Bとする。基地局101は、端末Bに対しては、端末Aと送信タイミングが同じにならないように送信タイミングが含まれる種々の設定インデックスを設定することができる。例えば、端末固有のSRSサブフレーム設定を端末Aと端末Bで異なる値に設定してもよい。
また、第3の実施形態で示したように、基地局101は、第1の上りリンクサブセットと第2の上りリンクサブセットに対してそれぞれ測定対象を関連付けることができる。
上記の手順を、より具体的に説明する。基地局101および/またはRRH103は、PRACHの時間軸上の設定として第1の上りリンクサブセット内のサブフレームを指定する報知情報を報知する。初期アクセス前の端末102あるいはRRCアイドル状態の端末102は、取得された報知情報に基づいて、第1の上りリンクサブセット内のいずれかのサブフレームにおけるPRACHリソースを用いて初期アクセスを試る。このとき、PRACHの送信電力は、基地局あるいは基地局とRRHとが送信するCRSを参照して設定される。そのため、比較的高い送信電力となり、PRACHは基地局101に到達する。
ランダムアクセス手続きによるRRC接続確立後あるいはRRC接続確立手順中に、周期的CSIやAck/Nack用の準静的に割り当てられるPUCCHリソースと、準静的に割り当てられるSRSリソースと、準静的に割り当てられるSR用のPUCCHリソースとが設定される。ここで、これらのリソースは、すべて第1の上りリンクサブセット内のサブフレームにおけるリソースが設定される。また、基地局101は、第1の上りリンクサブセット内のサブフレームにおけるPUSCHや、第1の上りリンクサブセット内のサブフレームにおけるPUCCHでAck/Nackを送信するようなPDSCHを端末102にスケジューリングする(割り当てる)。このとき、PUSCHやPUCCHやSRSの送信電力は、基地局101あるいは基地局101とRRH103とが送信するCRSを参照して設定される。そのため、比較的高い送信電力となり、PUSCHやPUCCHやSRSは基地局101に到達する。このように、比較的高い送信電力(基地局101と端末102との間の損失を補償するような送信電力)で上りリンク送信を行う端末102は、第1の上りリンクサブセット内のサブフレームのみを用いる。
次に基地局101は、端末102が基地局101に向けて上りリンク信号を送信すべきであるか、あるいはRRH103に向けて上りリンク信号を送信すべきであるかを判定(判断)する。言い換えると、端末102が基地局101と端末102との間の損失を補償するような送信電力で送信すべきであるか、RRH103と端末102との間の損失を補償するような送信電力で送信すべきであるかを判定する。この判定基準としては、上記で説明したように、端末102の位置が基地局101とRRH103のいずれに近いかを、測定結果から算出してもよいし、他の判定基準を用いることもできる。例えば、端末102が第1の上りリンクサブセット内のサブフレームで送信したSRSなどの信号をRRH103が受信し、受信信号の電力に基づいて判定することもできる。基地局101が、端末102が基地局101に向けて上りリンク信号を送信すべきと判定した場合、第1の上りリンクサブセット内のサブフレームのみを用いた上りリンク通信を継続する。
基地局101が、端末102がRRH103に向けて上りリンク信号を送信すべきと判定した場合、これらのリソースにおいて、比較的低い送信電力(RRH103と端末102との間の損失を補償するような送信電力)で上りリンク送信を行うように、上りリンク電力制御に関するパラメータが設定される。ここで、送信電力を低くする設定としては、上記各実施形態で説明した方法を用いることができる。あるいは、閉ループ送信電力制御を繰り返して徐々に電力を低くする方法や、ハンドオーバ手続きによってシステム情報内のCRS電力値や伝搬路損失補償係数αの設定を更新する方法など、他の方法を用いることもできる。
また、基地局101が、端末102がRRH103に向けて上りリンク信号を送信すべきと判定した場合、周期的CSIやAck/Nack用の準静的に割り当てられるPUCCHリソースと、準静的に割り当てられるSRSリソースと、準静的に割り当てられるSR用のPUCCHリソースとが再設定される。ここで、これらのリソースは、すべて第2の上りリンクサブセット内のサブフレームにおけるリソースが設定される。また、ハンドオーバ手続き(モビリティ制御手続き)によって、システム情報内のPRACHリソースの設定を更新する。ここで、PRACHリソースは、すべて第2の上りリンクサブセット内のサブフレームにおけるリソースが設定される。また、基地局101は、第2の上りリンクサブセット内のサブフレームにおけるPUSCHや、第2の上りリンクサブセット内のサブフレームにおけるPUCCHでAck/Nackを送信するようなPDSCHを端末102にスケジューリングする(割り当てる)。このように、比較的低い送信電力(RRH103と端末102との間の損失を補償するような送信電力)で上りリンク送信を行う端末102は、第2の上りリンクサブセット内のサブフレームのみを用いる。
以上のように、比較的高い送信電力(基地局101と端末102との間の損失を補償するような送信電力)で上りリンク送信を行う端末102は、第1の上りリンクサブセット内のサブフレームを用い、比較的低い送信電力(RRH103と端末102との間の損失を補償するような送信電力)で上りリンク送信を行う端末102は、第2の上りリンクサブセット内のサブフレームのみを用いる。これにより、基地局101が受信するサブフレームとRRH103が受信するサブフレームとを時間軸上で分離することができる。そのため、受信電力が大きい信号と小さい信号とを同時に受信処理する必要が無くなるため、干渉を抑制することができる。また、基地局101あるいはRRH103における所要ダイナミックレンジを狭くすることができる。
ここで、キャリアアグリゲーション時の基地局101向けまたはRRH103向けの上りリンク信号の送信制御(上りリンク送信リソース制御)について説明する。基地局101は、端末102に対して2つのキャリアコンポーネント(第1のキャリアコンポーネント、第2のキャリアコンポーネント)を設定し、第1のキャリアコンポーネントをプライマリーセル、第2のキャリアコンポーネントをセカンダリーセルとして設定した場合を想定する。測定結果によって、基地局101は、端末102がRRH103よりも基地局101の方に近い(端末A)、と判断した場合、セカンダリーセルをデアクティベーションに設定する。つまり、端末Aは、セカンダリーセルを使用せず、プライマリーセルでのみ使用して通信を行う。また、基地局101は、端末102が基地局101よりもRRH103の方に近い(端末B)、と判断した場合には、セカンダリーセルをアクティベーションにする。つまり、端末Bは、プライマリーセルだけでなく、セカンダリーセルも使用して基地局101およびRRH103と通信を行う。基地局101は、端末Bのセカンダリーセルの設定に対してRRH103向けの送信に適したリソース割り当て、送信電力制御を設定する。つまり、基地局101は、端末Bに対してセカンダリーセルのパスロス測定はRRHから送信されることを想定してパスロス計算および上りリンク送信電力を計算するように制御する。ただし、端末Bがセカンダリーセルを介して送信する上りリンク信号は、PUSCH、PUSCH復調用UL DMRS、SRSである。PUCCH(CQI、PMI、RI)、PUCCH復調用UL DMRS、PRACHは、プライマリーセルを介して送信される。例えば、端末Bが上位層によってPUSCHとPUCCHの同時送信が許可された場合、プライマリーセルでPUCCHを送信し、セカンダリーセルでPUSCHを送信するように制御される。この際、端末Bは、基地局101によってプライマリーセルへの送信電力を基地局101向けに制御され、セカンダリーセルへの送信電力をRRH103向けに制御される。また、端末Aが上位層によってPUSCHとPUCCHの同時送信が許可された場合、PUSCHとPUCCHともにプライマリーセルを介して送信するように基地局101によって制御される。すなわち、基地局101は、送信リソースを変えることで、基地局101向けの上りリンク信号とRRH103向けの上りリンク信号を制御し、互いの信号が干渉しないように端末102を制御することができる。
また、基地局101は、端末Bに対しては、ハンドオーバを利用することで、第1のキャリアコンポーネントをセカンダリーセル、第2のキャリアコンポーネントをプライマリーセルとして再設定することができる。この際、端末Bは、上述の端末Aと同様の処理を行う。つまり、端末Bは、セカンダリーセルをデアクティベーションする。つまり、端末Bは、セカンダリーセルを使用せず、プライマリーセルを介してのみRRH103と通信を行う。この際、端末Bは、プライマリーセルを介して、すべての上りリンク信号を送信するように制御される。また、この際の上りリンク送信電力は、すべてRRH103向けの上りリンク送信電力制御が行われる。すなわち、PUSCH、PUCCH、PRACH、SRSがRRH103向けの送信電力に再設定される。この際の再設定情報は、RRCコネクションリコンフィグレーションに含まれる。
また、基地局101は、キャリアコンポーネントまたはセルに対して上りリンク送信電力によるアクセス(送信)制限(ac-BarringFactor)を設けることで、第2のキャリアコンポーネントを介して高い送信電力で通信が行われないように端末を制御することができる。
また、第3の実施形態で示したように、基地局101は、第1のキャリアコンポーネントと第2のキャリアコンポーネントまたは、プライマリーセルとセカンダリーセルに対してそれぞれ測定対象を関連付けることができる。
上記の手順を、異なる観点から説明する。基地局101とRRH103は、2つの下りリンクキャリアコンポーネント(コンポーネントキャリア)および2つの上りリンクキャリアコンポーネント(コンポーネントキャリア)の部分集合となるキャリアコンポーネントの組み合わせを用いて通信を行う。基地局101および/またはRRH103は、第2の下りリンクキャリアコンポーネントにおいて、初期アクセスを制限する(初期アクセスさせないような)報知情報を報知する。一方、第1の下りリンクキャリアコンポーネントにおいては、初期アクセスを可能とするような報知情報を報知する(初期アクセスを制限するような報知情報を報知しない)。初期アクセス前の端末あるいはRRCアイドル状態の端末102は、取得された報知情報に基づいて、第2の上りリンクキャリアコンポーネントではなく、第1の上りリンクキャリアコンポーネントにおけるPRACHリソースを用いて初期アクセスを試る。このとき、PRACHの送信電力は、第1の下りリンクキャリアコンポーネントにおいて基地局101あるいは基地局101とRRH103とが送信するCRSを参照して設定される。そのため、比較的高い送信電力となり、PRACHは基地局101に到達する。
ランダムアクセス手続きによるRRC接続確立後あるいはRRC接続確立手順中に、周期的CSIやAck/Nack用の準静的に割り当てられるPUCCHリソースと、準静的に割り当てられるSRSリソースと、準静的に割り当てられるSR用のPUCCHリソースとが設定される。ここで、これらのリソースは、第1の上りリンクキャリアコンポーネントにおけるリソース、すなわちプライマリーセル(PCell:第1の下りリンクキャリアコンポーネントと第1の上りリンクキャリアコンポーネントとを有するセル)におけるリソースが設定される。また、基地局101は、第1の上りリンクキャリアコンポーネントにおけるPUSCH端末102にスケジューリングする(割り当てる)。さらに、端末102は、第1の下りリンクキャリアコンポーネントにおけるPDSCHに対するAck/Nackを、第1の上りリンクキャリアコンポーネントにおけるPUCCHを用いて送信する。このとき、PUSCHやPUCCHやSRSの送信電力は、PCellにおいて基地局101あるいは基地局101とRRH103とが送信するCRSを参照して設定される。そのため、比較的高い送信電力となり、PUSCHやPUCCHやSRSは基地局101に到達する。
キャリアアグリゲーションを行う場合は、第2の下りリンクキャリアコンポーネントを有する(上りリンクキャリアコンポーネントを有しない)セルとしてセカンダリセル(SCell)を設定する。SCellにおける周期的CSIやAck/Nack用の準静的に割り当てられるPUCCHリソースは、第1の上りリンクキャリアコンポーネントにおけるリソース、すなわちPCellにおけるリソースが設定される。また、端末102は、第2の下りリンクキャリアコンポーネント(SCell)におけるPDSCHに対するAck/Nackを、第1の上りリンクキャリアコンポーネント(PCell)におけるPUCCHを用いて送信する。このとき、PUSCHやPUCCHやSRSの送信電力は、PCellにおいて基地局101あるいは基地局101とRRH103とが送信するCRSを参照して設定される。そのため、比較的高い送信電力となり、PUSCHやPUCCHやSRSは基地局101に到達する。このように、キャリアアグリゲーションを行うか否かによらず、比較的高い送信電力(基地局101と端末102との間の損失を補償するような送信電力)で上りリンク送信を行う端末102は、第1の上りリンクキャリアコンポーネントのみを用いる。
次に、基地局101は、端末102が基地局101に向けて上りリンク信号を送信すべきであるか、あるいはRRH103に向けて上りリンク信号を送信すべきであるかを判定する。言い換えると、端末102が基地局101と端末102との間の損失を補償するような送信電力で送信すべきであるか、RRH103と端末102との間の損失を補償するような送信電力で送信すべきであるかを判定する。この判定基準としては、上記で説明した方法を用いることができる。基地局101が、端末102が基地局101に向けて上りリンク信号を送信すべきと判定した場合、第1の上りリンクキャリアコンポーネントのみを用いた上りリンク通信、すなわち第1の下りリンクキャリアコンポーネントと第1の上りリンクキャリアコンポーネントとを有するセルをPCellとした通信を継続する。
基地局101が、端末102がRRH103に向けて上りリンク信号を送信すべきと判定した場合、ハンドオーバ手続きによってPCellを変更する。すなわち、第1の下りリンクキャリアコンポーネントと第1の上りリンクキャリアコンポーネントとを有するPCellから、第2の下りリンクキャリアコンポーネントと第2の上りリンクキャリアコンポーネントとを有するPCellに変更する。このハンドオーバ手続の中で、ハンドオーバ後に比較的低い送信電力(RRH103と端末102との間の損失を補償するような送信電力)で上りリンク送信を行うように、上りリンク電力制御に関するパラメータが設定される。例えば、システム情報内のCRS電力値や伝搬路損失補償係数αや上りリンク送信電力の初期値の設定を更新する方法など、他の方法を用いることもできる。また、初期アクセスを制限しないようなシステム情報を設定する。
また、PCellが変更された場合、第2の上りリンクキャリアコンポーネントにおけるランダムアクセス手続きが行われ、RRC接続が確立される。このランダムアクセス手続きによるRRC接続確立後あるいはRRC接続確立手順中に、周期的CSIやAck/Nack用の準静的に割り当てられるPUCCHリソースと、準静的に割り当てられるSRSリソースと、準静的に割り当てられるSR用のPUCCHリソースとが再設定される。ここで、これらのリソースは、すべて第2の上りリンクキャリアコンポーネントにおけるリソースが設定される。基地局101は、第2の上りリンクキャリアコンポーネントにおけるPUSCHや、第2の上りリンクキャリアコンポーネントにおけるPUCCHでAck/Nackを送信するようなPDSCHを端末102にスケジューリングする(割り当てる)。このとき、PUSCHやPUCCHやSRSの送信電力は、比較的低い送信電力(RRH103と端末102との間の損失を補償するような送信電力)となるように、上りリンク電力制御に関するパラメータが設定される。
キャリアアグリゲーションを行う場合は、第1の下りリンクキャリアコンポーネントを有する(上りリンクキャリアコンポーネントを有しない)セルとしてSCellを設定する。SCellにおける周期的CSIやAck/Nack用の準静的に割り当てられるPUCCHリソースは、第2の上りリンクキャリアコンポーネントにおけるリソース、すなわちPCellにおけるリソースが設定される。また、端末102は、SCellにおけるPDSCHに対するAck/Nackを、第2の上りリンクキャリアコンポーネントにおけるPUCCHを用いて送信する。このとき、PUCCHの送信電力は、比較的低い送信電力(RRH103と端末102との間の損失を補償するような送信電力)となるように、上りリンク電力制御に関するパラメータが設定される。このように、キャリアアグリゲーションを行うか否かによらず、比較的低い送信電力(RRH103と端末102との間の損失を補償するような送信電力)で上りリンク送信を行う端末102は、第2の上りリンクキャリアコンポーネントのみを用いる。
以上のように、比較的高い送信電力(基地局101と端末102との間の損失を補償するような送信電力)で上りリンク送信を行う端末102は、第1の上りリンクキャリアコンポーネントを用い、比較的低い送信電力(RRH103と端末102との間の損失を補償するような送信電力)で上りリンク送信を行う端末102は、第2の上りリンクキャリアコンポーネントのみを用いる。これにより、基地局101が受信するサブフレームとRRH103が受信するサブフレームとを周波数軸上で分離することができる。そのため、受信電力が大きい信号と小さい信号とを同時に受信処理する必要が無くなるため、干渉を抑制することができる。また、基地局101あるいはRRH103における所要ダイナミックレンジを狭くすることができる。
ここで、上りリンクグラントが含まれる制御チャネル(PDCCH)領域による基地局101向けまたはRRH103向けの上りリンク信号の送信制御(上りリンク信号送信電力制御)について説明する。基地局101は、測定結果からある端末(端末A)が基地局101に近いと判断した場合、端末Aのダイナミックな上りリンク信号の送信制御を第1の制御チャネル(PDCCH)領域でのみ行う。また、基地局101は、測定結果からある端末(端末B)がRRH103に近いと判断した場合、端末Bのダイナミックな上りリンク信号の送信制御を第2の制御チャネル(X−PDCCH)領域でのみ行う。つまり、基地局101は、端末102に基地局101向けの上りリンク信号の送信を行わせたい場合には、上りリンクグラントを第1の制御チャネル領域に含めて端末102へ通知し、端末102にRRH103向けの上りリンク信号の送信を行わせたい場合には、第2の制御チャネル領域に含めて端末102へ通知する。さらに、基地局101は、上りリンクグラントに含まれる上りリンク信号の送信電力制御の補正値であるTPCコマンドを利用することで、基地局101向けまたはRRH103向けの上りリンク信号の送信電力制御を行うことができる。基地局101は、上りリンクグラントを通知する制御チャネル領域によって上りリンクグラントに含まれるTPCコマンドの値を基地局101向けまたはRRH103向けに設定する。すなわち、基地局101は、基地局101向けの上りリンク送信電力を高くしたい場合には、第1の制御チャネル領域のTPCコマンドの電力補正値を高く設定し、RRH103向けの上りリンク送信電力を低くしたい場合には、第2の制御チャネル領域のTPCコマンドの電力補正値を低くなるように設定する。基地局101は、端末Aに対しては、第1の制御チャネル領域によって上りリンク信号の送信および上りリンク送信電力制御を行い、端末Bに対しては、第2の制御チャネルによって上りリンク信号の送信および上りリンク送信電力制御を行う。つまり、基地局101は、基地局101向けのTPCコマンド(送信電力制御コマンド)を第1の値に設定し、RRH103向けのTPCコマンド(送信電力制御コマンド)を第2の値に設定することで上りリンク信号の送信電力制御を行う。基地局101は、第1の値を第2の値よりも電力補正値が高くなるように設定してもよい。
また、第3の実施形態で示したように、基地局101は、第1の制御チャネル領域と第2の制御チャネル領域に対してそれぞれ測定対象を関連付けることができる。
また、第4の実施形態では、基地局101は、システム情報に含まれる物理ランダムアクセスチャネルの送信タイミング情報を第1のサブフレームサブセット内のサブフレームに設定し、種々の上りリンク物理チャネルの送信タイミング情報を第1のサブフレームサブセット内のサブフレームに設定し、一部の端末102に対して無線リソース制御情報の再設定を行う場合に、無線リソース制御信号に含まれる物理ランダムアクセスチャネルの送信タイミング情報を、第1のサブフレームサブセットとは異なる第2のサブフレームサブセット内のサブフレームに設定するとともに、種々の上りリンク物理チャネルの送信タイミング情報を第2のサブフレームサブセット内のサブフレームに設定する。
さらに、基地局101は、第1のサブフレームサブセットに関連付けて、種々の上りリンク信号の送信電力制御情報を第1の送信電力制御情報として設定し、一部の端末102に対して無線リソース制御情報の再設定を行う場合に、第2のサブフレームサブセットに関連付けて、種々の上りリンク信号の送信電力制御情報を第2の送信電力制御情報として設定する。
さらに、基地局101は、第1のサブフレームサブセットにおいて上りリンク信号を送信させる端末102に対しては、第1の送信電力制御情報を設定し、第2のサブフレームサブセットにおいて上りリンク信号を送信させる端末102に対しては、第2の送信電力制御情報を設定する。
また、第4の実施形態では、基地局101は、第1の下りリンクキャリアコンポーネントおよび第2の下りリンクキャリアコンポーネントを介して信号を送信し、プライマリーセルとして第1の下りリンクキャリアコンポーネントが設定された端末102に対しては、第1の送信電力制御情報をプライマリーセル固有の送信電力制御情報として設定し、プライマリーセルとして第2の下りリンクキャリアコンポーネントが設定された端末102に対しては、第2の送信電力制御情報をプライマリーセル固有の送信電力制御情報として設定する。
さらに、基地局101は、第1の上りリンクキャリアコンポーネントおよび第2の上りリンクキャリアコンポーネントを介して信号を受信し、第1の上りリンクキャリアコンポーネントを介して通信を行う端末102に対しては、第1の送信電力制御情報を設定し、第2の上りリンクキャリアコンポーネントを介して通信を行う端末102に対しては、第2の送信電力制御情報を設定する。
基地局101は、基地局101とアクセスする端末102と、RRH103とアクセスする端末102を時間、周波数、上りリンクグラントを含む制御チャネル領域によって各端末102に対して上りリンク信号の送信を制御することで適切な送信タイミング制御、適切な無線リソース制御、適切な上りリンク送信電力制御を行うことができる。
基地局101は、システム情報に含まれる上りリンク信号に関する送信電力制御情報および送信タイミング情報はすべて、基地局101に対して適切な設定になるように種々のパラメータを設定する。初期接続確立(RRCコネクションエスタブリッシュメント)後、基地局101と端末102が通信を行っていく中で、チャネル測定などの結果によって、基地局101は、端末102が基地局101に近いかRRH103に近いかを判断する。基地局101は、端末102が基地局の方に近い、と判断した場合には、特に設定情報を通知しない、もしくは、より基地局101との通信に適した送信電力制御情報、送信タイミング制御情報、送信リソース制御情報を設定し、RRCコネクションリコンフィグレーションを通じて端末102へ通知する。また、基地局101は、端末102がRRH103に近いと判断した場合には、RRHとの通信に適した送信電力制御情報、送信タイミング制御情報、送信リソース制御情報を設定し、RRCコネクションリコンフィグレーションを通じて端末102へ通知する。
なお、上記各実施形態では、情報データ信号、制御情報信号、PDSCH、PDCCHおよび参照信号のマッピング単位としてリソースエレメントやリソースブロックを用い、時間方向の送信単位としてサブフレームや無線フレームを用いて説明したが、これに限るものではない。任意の周波数と時間で構成される領域および時間単位をこれらに代えて用いても、同様の効果を得ることができる。なお、上記各実施形態では、プレコーディング処理されたRSを用いて復調する場合について説明し、プレコーディング処理されたRSに対応するポートとして、MIMOのレイヤーと等価であるポートを用いて説明したが、これに限るものではない。この他にも、互いに異なる参照信号に対応するポートに対して、本発明を適用することにより、同様の効果を得ることができる。例えば、Precoded RSではなくUnprecoded(Nonprecoded) RSを用い、ポートとしては、プリコーディング処理後の出力端と等価であるポートあるいは物理アンテナ(あるいは物理アンテナの組み合わせ)と等価であるポートを用いることができる。
なお、上記各実施形態では、基地局101と端末102とRRH103からなる下りリンク/上りリンク協調通信について説明したが、2つ以上の基地局101と端末102からなる協調通信、2つ以上の基地局101とRRH103と端末102からなる協調通信、2つ以上の基地局101またはRRH103と端末102からなる協調通信、2つ以上の基地局101と2つ以上のRRH103と端末102からなる協調通信、2つ以上の送信ポイント/受信ポイントからなる協調通信においても適用可能である。また、上記各実施形態では、パスロスの計算結果から端末102が基地局101またはRRH103に近い方に適した上りリンク送信電力制御を行われることについて説明したが、パスロスの計算結果から端末102が基地局またはRRH103に遠い方に適した上りリンク送信電力制御を行われることについても同様の処理を行うことができる。
本発明に関わる基地局101および端末102で動作するプログラムは、本発明に関わる上記実施形態の機能を実現するように、CPU等を制御するプログラム(コンピュータを機能させるプログラム)である。そして、これら装置で取り扱われる情報は、その処理時に一時的にRAMに蓄積され、その後、各種ROMやHDDに格納され、必要に応じてCPUによって読み出し、修正・書き込みが行なわれる。プログラムを格納する記録媒体としては、半導体媒体(例えば、ROM、不揮発性メモリカード等)、光記録媒体(例えば、DVD、MO、MD、CD、BD等)、磁気記録媒体(例えば、磁気テープ、フレキシブルディスク等)等のいずれであってもよい。また、ロードしたプログラムを実行することにより、上述した実施形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムの指示に基づき、オペレーティングシステムあるいは他のアプリケーションプログラム等と共同して処理することにより、本発明の機能が実現される場合もある。
また市場に流通させる場合には、可搬型の記録媒体にプログラムを格納して流通させたり、インターネット等のネットワークを介して接続されたサーバコンピュータに転送したりすることができる。この場合、サーバコンピュータの記憶装置も本発明に含まれる。また、上述した実施形態における基地局101および端末102の一部、または全部を典型的には集積回路であるLSIとして実現してもよい。基地局101および端末102の各機能ブロックは個別にチップ化してもよいし、一部、または全部を集積してチップ化してもよい。また、集積回路化の手法はLSIに限らず専用回路、または汎用プロセッサで実現してもよい。また、半導体技術の進歩によりLSIに代替する集積回路化の技術が出現した場合、当該技術による集積回路を用いることも可能である。
以上、この発明の実施形態に関して図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。また、本発明は、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。また、上記各実施形態に記載された要素であり、同様の効果を奏する要素同士を置換した構成も含まれる。