JP2013033629A - プラズマディスプレイパネル - Google Patents

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Iwao Ueno
巌 上野
Yukihiro Morita
幸弘 森田
Takuji Tsujita
卓司 辻田
Takahito Nakayama
貴仁 中山
Akinobu Iwamoto
章伸 岩本
Hideji Kawarasaki
秀司 河原崎
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Abstract

【課題】本発明は、高精細で高輝度の表示性能を備え、かつ低消費電力のプラズマディスプレイパネルを実現する上で有用である。
【解決手段】本発明のプラズマディスプレイパネルは、前面板と、前記前面板と対向配置された背面板と、を備え、前記前面板は、表示電極と前記表示電極を覆う誘電体層と前記誘電体層を覆う保護層とを含み、前記保護層は、MgOと、V、Mn、Co、Ni、Cu、MoおよびWからなる群より選ばれた少なくとも一種の元素とCaとOとの化合物とを有し、前記保護層は、CaO、SrOおよびBaOからなる群より選ばれた少なくとも一種の酸化物を有し、前記保護層のNeガスにおける二次電子放出係数γ(Ne)に対する、前記保護層のKrガスにおける二次電子放出係数γ(Kr)の比が、0.02以上、0.12以下であることを特徴とする。
【選択図】図1

Description

ここに開示された技術は、表示デバイスなどに用いられるプラズマディスプレイパネルに関する。
プラズマディスプレイパネル(以下、PDPと称する)は、前面板と背面板とで構成される。前面板は、ガラス基板と、ガラス基板の一方の主面上に形成された表示電極と、表示電極を覆ってコンデンサとしての働きをする誘電体層と、誘電体層上に形成された酸化マグネシウム(MgO)からなる保護層とで構成されている。
保護層からの初期電子放出数を増加させるために、たとえば保護層のMgOに珪素(Si)やアルミニウム(Al)を添加するなどの試みが行われている(例えば、特許文献1参照)。
特開2002−260535号公報
PDPの低消費電力化を進めるにあたっては、画像表示に要する放電電圧を低く保つことが求められる。本発明はこの目的を達成するものであって、低電圧駆動が可能なPDPを提供する。
本発明のPDPは、前面板と、前記前面板と対向配置された背面板と、を備え、前記前面板は、表示電極と前記表示電極を覆う誘電体層と前記誘電体層を覆う保護層とを含み、前記保護層は、MgOと、V、Mn、Co、Ni、Cu、MoおよびWからなる群より選ばれた少なくとも一種の元素とCaとOとの化合物とを有し、前記保護層は、CaO、SrOおよびBaOからなる群より選ばれた少なくとも一種の酸化物を有し、前記保護層のNeガスにおける二次電子放出係数γ(Ne)に対する、前記保護層のKrガスにおける二次電子放出係数γ(Kr)の比が、0.02以上、0.12以下であることを特徴とする。
本発明によれば、低電圧駆動が可能なPDPを提供することができ、PDPの低消費電力化に貢献できる。
実施の形態にかかるPDPの構造を示す斜視図 実施の形態にかかる前面板の構成を示す断面図 実施の形態にかかるPDPの製造フローを示す図 第1の温度プロファイル例を示す図 第2の温度プロファイル例を示す図 第3の温度プロファイル例を示す図 実施の形態にかかる前面板の断面図 実施の形態にかかる前面板の断面図 PDP内ガス圧とVfとの関係を示す図
[1.PDP1の構造]
PDPの基本構造は、一般的な交流面放電型PDPである。図1および図2に示すように、PDP1は前面ガラス基板3などよりなる前面板2と、背面ガラス基板11などよりなる背面板10とが対向して配置されている。前面板2と背面板10とは、外周部がガラスフリットなどからなる封着材によって気密封着されている。封着されたPDP1内部の放電空間16には、ネオン(Ne)およびキセノン(Xe)などの放電ガスが53kPa(400Torr)〜80kPa(600Torr)の圧力で封入されている。
前面ガラス基板3上には、走査電極4および維持電極5よりなる一対の帯状の表示電極6とブラックストライプ7が互いに平行にそれぞれ複数列配置されている。前面ガラス基板3上には表示電極6とブラックストライプ7とを覆うようにコンデンサとしての働きをする誘電体層8が形成される。さらに誘電体層8の表面に酸化マグネシウム(MgO)などからなる保護層9が形成されている。なお、保護層9については、後に詳細に述べられる。
走査電極4および維持電極5は、それぞれインジウム錫酸化物(ITO)、酸化錫(SnO2)、酸化亜鉛(ZnO)などの導電性金属酸化物からなる透明電極上にAgからなるバス電極が積層されている。
背面ガラス基板11上には、表示電極6と直交する方向に、銀(Ag)を主成分とする導電性材料からなる複数のデータ電極12が、互いに平行に配置されている。データ電極12は、下地誘電体層13に被覆されている。さらに、データ電極12間の下地誘電体層13上には放電空間16を区切る所定の高さの隔壁14が形成されている。隔壁14間の溝には、データ電極12毎に、紫外線によって赤色に発光する蛍光体層15、緑色に発光する蛍光体層15および青色に発光する蛍光体層15が順次塗布して形成されている。表示電極6とデータ電極12とが交差する位置に放電セルが形成されている。表示電極6方向に並んだ赤色、緑色、青色の蛍光体層15を有する放電セルがカラー表示のための画素になる。
なお、本実施の形態において、放電空間16に封入する放電ガスは、10体積%以上30体積%以下のXeを含む。
[2.PDP1の製造方法]
図3に示すように、本実施の形態にかかるPDP1の製造方法は、前面板作製工程A1、背面板作製工程B1、フリット塗布工程B2、封着工程C1、還元性ガス導入工程C2、排気工程C3および放電ガス供給工程C4を有する。
[2−1.前面板作製工程A1]
前面板作製工程A1においては、フォトリソグラフィ法によって、前面ガラス基板3上に、走査電極4および維持電極5とブラックストライプ7とが形成される。走査電極4および維持電極5は、導電性を確保するための銀(Ag)を含む金属バス電極4b、5bを有する。また、走査電極4および維持電極5は、透明電極4a、5aを有する。金属バス電極4bは、透明電極4aに積層される。金属バス電極5bは、透明電極5aに積層される。
透明電極4a、5aの材料には、透明度と電気伝導度を確保するためインジウム錫酸化物(ITO)などが用いられる。まず、スパッタ法などによって、ITO薄膜が前面ガラス基板3上に形成される。次にリソグラフィ法によって所定のパターンの透明電極4a、5aが形成される。
金属バス電極4b、5bの材料には、銀(Ag)と銀を結着させるためのガラスフリットと感光性樹脂と溶剤などを含む電極ペーストが用いられる。まず、スクリーン印刷法などによって、電極ペーストが、前面ガラス基板3上に塗布される。次に、乾燥炉によって、電極ペースト中の溶剤が除去される。次に、所定のパターンのフォトマスクを介して、電極ペーストが露光される。
次に、電極ペーストが現像され、金属バス電極パターンが形成される。最後に、焼成炉によって、金属バス電極パターンが所定の温度で焼成される。つまり、金属バス電極パターン中の感光性樹脂が除去される。また、金属バス電極パターン中のガラスフリットが溶融する。溶融していたガラスフリットは、焼成後に再びガラス化する。以上の工程によって、金属バス電極4b、5bが形成される。ブラックストライプ7は、黒色顔料を含む材料により、形成される。
次に、誘電体層8が形成される。誘電体層8の材料には、誘電体ガラスフリットと樹脂と溶剤などを含む誘電体ペーストが用いられる。まずダイコート法などによって、誘電体ペーストが所定の厚みで表示電極6を覆うように前面ガラス基板3上に塗布される。次に、乾燥炉によって、誘電体ペースト中の溶剤が除去される。最後に、焼成炉によって、誘電体ペーストが所定の温度で焼成される。つまり、誘電体ペースト中の樹脂が除去される。また、誘電体ガラスフリットが溶融、再凝固する。以上の工程によって、誘電体層8が形成される。ここで、誘電体ペーストをダイコートする方法以外にも、スクリーン印刷法、スピンコート法などを用いることができる。
そして保護層9が形成される。保護層9の詳細は、後述される。
以上の工程により前面ガラス基板3上に所定の構成部材を有する前面板2が完成する。
[2−2.背面板作製工程B1]
フォトリソグラフィ法によって、背面ガラス基板11上に、データ電極12が形成される。データ電極12の材料には、導電性を確保するための銀(Ag)と銀を結着させるためのガラスフリットと感光性樹脂と溶剤などを含むデータ電極ペーストが用いられる。まず、スクリーン印刷法などによって、データ電極ペーストが所定の厚みで背面ガラス基板11上に塗布される。次に、乾燥炉によって、データ電極ペースト中の溶剤が除去される。次に、所定のパターンのフォトマスクを介して、データ電極ペーストが露光される。次に、データ電極ペーストが現像され、データ電極パターンが形成される。最後に、焼成炉によって、データ電極パターンが所定の温度で焼成される。つまり、データ電極パターン中の感光性樹脂が除去される。また、データ電極パターン中のガラスフリットが溶融する。溶融していたガラスフリットは、焼成後に再びガラス化する。以上の工程によって、データ電極12が形成される。ここで、データ電極ペーストをスクリーン印刷する方法以外にも、スパッタ法、蒸着法などを用いることができる。
次に、下地誘電体層13が形成される。下地誘電体層13の材料には、誘電体ガラスフリットと樹脂と溶剤などを含む下地誘電体ペーストが用いられる。まず、スクリーン印刷法などによって、下地誘電体ペーストが所定の厚みでデータ電極12が形成された背面ガラス基板11上にデータ電極12を覆うように塗布される。次に、乾燥炉によって、下地誘電体ペースト中の溶剤が除去される。最後に、焼成炉によって、下地誘電体ペーストが所定の温度で焼成される。つまり、下地誘電体ペースト中の樹脂が除去される。また、誘電体ガラスフリットが溶融する。溶融していた誘電体ガラスフリットは、焼成後に再びガラス化する。以上の工程によって、下地誘電体層13が形成される。ここで、下地誘電体ペーストをスクリーン印刷する方法以外にも、ダイコート法、スピンコート法などを用いることができる。また、下地誘電体ペーストを用いずに、CVD(Chemical Vapor Deposition)法などによって、下地誘電体層13となる膜を形成することもできる。
次に、フォトリソグラフィ法によって、隔壁14が形成される。隔壁14の材料には、フィラーと、フィラーを結着させるためのガラスフリットと、感光性樹脂と、溶剤などを含む隔壁ペーストが用いられる。まず、ダイコート法などによって、隔壁ペーストが所定の厚みで下地誘電体層13上に塗布される。次に、乾燥炉によって、隔壁ペースト中の溶剤が除去される。次に、所定のパターンのフォトマスクを介して、隔壁ペーストが露光される。次に、隔壁ペーストが現像され、隔壁パターンが形成される。最後に、焼成炉によって、隔壁パターンが所定の温度で焼成される。つまり、隔壁パターン中の感光性樹脂が除去される。また、隔壁パターン中のガラスフリットが溶融する。溶融していたガラスフリットは、焼成後に再びガラス化する。以上の工程によって、隔壁14が形成される。ここで、フォトリソグラフィ法以外にも、サンドブラスト法などを用いることができる。
次に、蛍光体層15が形成される。蛍光体層15の材料には、蛍光体粒子とバインダと溶剤などとを含む蛍光体ペーストが用いられる。まず、ディスペンス法などによって、蛍光体ペーストが所定の厚みで隣接する隔壁14間の下地誘電体層13上および隔壁14の側面に塗布される。次に、乾燥炉によって、蛍光体ペースト中の溶剤が除去される。最後に、焼成炉によって、蛍光体ペーストが所定の温度で焼成される。つまり、蛍光体ペースト中の樹脂が除去される。以上の工程によって、蛍光体層15が形成される。ここで、ディスペンス法以外にも、スクリーン印刷法などを用いることができる。
以上の工程により、背面ガラス基板11上に所定の構成部材を有する背面板10が完成する。
[2−3.フリット塗布工程B2]
背面板作製工程B1により作製された背面板10の画像表示領域外に封着部材であるガラスフリットが塗布される。その後、ガラスフリットは、350℃程度の温度で仮焼成される。仮焼成によって、溶剤成分などが除去される。
封着部材としては、酸化ビスマスや酸化バナジウムを主成分としたフリットが望ましい。この酸化ビスマスを主成分とするフリットとしては、例えば、Bi23−B23−RO−MO系(ここでRは、Ba、Sr、Ca、Mgのいずれかであり、Mは、Cu、Sb、Feのいずれかである。)のガラス材料に、Al23、SiO2、コージライト等酸化物からなるフィラーを加えたものを用いることができる。また、酸化バナジウムを主成分とするフリットとしては、例えば、V25−BaO−TeO−WO系のガラス材料に、Al23、SiO2、コージライト等酸化物からなるフィラーを加えたものを用いることができる。
[2−4.封着工程C1から放電ガス供給工程C4まで]
前面板2とフリット塗布工程B2を経た背面板10とが対向配置されて周辺部が封着部材により封着される。その後、放電空間16に放電ガスが封入される。
本実施の形態にかかる封着工程C1、還元性ガス導入工程C2、排気工程C3、および放電ガス供給工程C4は、同一の装置において、図4から図6に例示された温度プロファイルの処理を行う。
図4から図6における封着温度とは、前面板2と背面板10とが封着部材であるフリットにより封着されるときの温度である。本実施の形態における封着温度は、例えば約490℃である。また、図4から図6における軟化点とは、封着部材であるフリットが軟化する温度である。本実施の形態における軟化点は、例えば約430℃である。さらに、図4から図6における排気温度とは、還元性有機ガスを含むガスが放電空間から排気されるときの温度である。本実施の形態における排気温度は、例えば約400℃である。
[2−4−1.第1の温度プロファイル]
図4に示すように、まず、封着工程C1において、温度は、室温から封着温度まで上昇する。次に、温度は、a−bの期間、封着温度に維持される。その後、温度は、b−cの期間に封着温度から排気温度に下降する。b−cの期間において、放電空間内が排気される。つまり、放電空間内は減圧状態になる。
次に、還元性ガス導入工程C2において、温度は、c−dの期間、排気温度に維持される。c−dの期間に放電空間内に還元性有機ガスを含むガスが導入される。c−dの期間に保護層9は、還元性有機ガスを含むガスに曝される。
その後、排気工程C3において、温度は所定の期間、排気温度に維持される。その後、温度は、室温程度まで下降する。d−eの期間において、放電空間内が排気されることにより、還元性有機ガスを含むガスが排出される。
次に、放電ガス供給工程C4において、放電空間内に放電ガスが導入される。つまり、温度が室温程度に下がったe以降の期間に放電ガスが導入される。
[2−4−2.第2の温度プロファイル]
図5に示すように、まず、封着工程C1において、温度は、室温から封着温度まで上昇する。次に、温度は、a−bの期間、封着温度に維持される。その後、温度はb−cの期間に封着温度から排気温度に下降する。温度が排気温度に維持されているc−d1の期間において、放電空間内が排気される。つまり、放電空間内は減圧状態になる。
次に、還元性ガス導入工程C2において、温度は、d1−d2の期間、排気温度に維持される。d1−d2の期間に放電空間内に還元性有機ガスを含むガスが導入される。d1−d2の期間に保護層9は、還元性有機ガスを含むガスに曝される。
その後、排気工程C3において、所定の期間、温度は排気温度に維持される。その後、温度は、室温程度まで下降する。d2−eの期間において、放電空間内が排気されることにより、還元性有機ガスを含むガスが排出される。
次に、放電ガス供給工程C4において、放電空間内に放電ガスが導入される。つまり、温度が室温程度に下がったe以降の期間に放電ガスが導入される。
[2−4−3.第3の温度プロファイル]
図6に示すように、まず、封着工程C1において、温度は、室温から封着温度まで上昇する。次に、温度は、a−b1−b2の期間、封着温度に維持される。a−b1の期間に放電空間内が排気される。つまり、放電空間内は減圧状態になる。その後、温度はb2−cの期間に封着温度から排気温度に下降する。
還元性ガス導入工程C2は、封着工程C1の期間内に行われる。温度は、b1−b2の期間、封着温度に維持される。その後、b2−cの期間に温度は、排気温度まで下降する。b1−b2の期間に放電空間内に還元性有機ガスを含むガスが導入される。b1−b2の期間に保護層9は、還元性有機ガスを含むガスに曝される。
その後、排気工程C3において、温度は、所定の期間排気温度に維持される。その後、温度は、室温程度まで下降する。c−eの期間において、放電空間内が排気されることにより、還元性有機ガスを含むガスが排出される。
次に、放電ガス供給工程C4において、放電空間内に放電ガスが導入される。つまり、温度が室温程度に下がったe以降の期間に放電ガスが導入される。
なお、いずれの温度プロファイルにおいてもほぼ同等の作用を有する。
[2−4−4.還元性有機ガスの詳細]
表1に示すように、還元性有機ガスとしては、分子量が58以下の還元力の大きいCH系有機ガスが望ましい。種々の還元性有機ガスの中から選ばれる少なくとも一つが希ガスや窒素ガスなどに混合されることにより、還元性有機ガスを含むガスが製造される。
Figure 2013033629
表1において、Cの列は、有機ガスの一分子に含まれる炭素原子数を意味する。Hの列は、有機ガスの一分子に含まれる水素原子数を意味する。
表1に示すように、蒸気圧の列において、0℃での蒸気圧が100kPa以上のガスには、「A」が付されている。さらに、0℃での蒸気圧が100kPaより小さいガスには、「C」が付されている。沸点の列において、1気圧での沸点が0℃以下のガスには、「A」が付されている。さらに、1気圧での沸点が0℃より大きいガスには、「C」が付されている。分解しやすさの列において、分解しやすいガスには、「A」が付されている。分解しやすさが普通のガスには、「B」が付されている。還元力の列において、還元力が十分であるガスには、「A」が付されている。
表1において、「A」は良い特性であることを意味する。「B」は普通の特性であることを意味する。「C」は不十分な特性であることを意味する。
PDPの製造工程における有機ガスの取扱い易さの観点から考えると、ガスボンベに入れて供給できる還元性有機ガスが望ましい。また、PDPの製造工程における取扱い易さから考えると、0℃での蒸気圧が100kPa以上の還元性有機ガス、または沸点が0℃以下の還元性有機ガス、または分子量が小さい還元性有機ガスが望ましい。
さらに、排気工程C3の後にも還元性有機ガスを含むガスの一部が放電空間内に残留する可能性がある。よって、還元性有機ガスは、分解しやすい特性を有することが望ましい。
還元性有機ガスは、製造工程上での取扱い易さや、分解しやすい特性などの点を考慮して、アセチレン、エチレン、メチルアセチレン、プロパジエン、プロピレンおよびシクロプロパンの中から選ばれる酸素を含まない炭化水素系ガスが望ましい。これらの還元性有機ガスの中から選ばれる少なくとも一種を希ガスや窒素ガスに混合して用いればよい。
なお、希ガスや窒素ガスと還元性有機ガスの混合比率は、使用する還元性有機ガスの燃焼割合に応じて下限が決定される。上限は、数体積%程度である。還元性有機ガスの混合比率が高すぎると、有機成分が重合して高分子となりやすい。この場合、高分子が放電空間に残留し、PDPの特性に影響を与えてしまう。よって、使用する還元性有機ガスの成分に応じて、混合比率を適宜調整することが好ましい。
なお、MgO、CaO、SrO、およびBaOなどは、水、二酸化炭素、炭化水素などの不純物ガスとの反応性が高い。特に水、二酸化炭素と反応することにより放電特性が劣化しやすく、放電セル毎の放電特性にばらつきが発生しやすい。
そこで、封着工程C1において、放電空間16に開口する貫通孔を通して放電空間16内が陽圧状態となるように不活性ガスを流し、その後、封着を行うことが好ましい。下地層91と不純物ガスとの反応が抑制できるからである。不活性ガスとしては、窒素、ヘリウム、ネオン、アルゴン、キセノンなどが用いられ得る。
また、不活性ガスの代わりにドライ空気(乾燥ガス)を流してもよい。少なくとも水との反応が抑制できる上に、不活性ガスより製造コストが低減できるからである。
具体的には、図4から図6に示す封着工程C1において、温度が軟化点に達するxまでの期間において、例えば窒素ガスを2L/min程度の流量で流してもよい。放電空間16は、窒素ガスによって陽圧に保たれる。温度が軟化点を超えると、窒素ガスの供給が止められる。放電空間16は、窒素ガスによって陽圧に保たれたままである。温度は、a−bの期間、封着温度に維持される。放電空間16は、窒素ガスによって満たされている。その後、温度は、b−cの期間に封着温度から排気温度に下降する。b−cの期間において、放電空間16を満たしていた窒素ガスが排気される。つまり、放電空間内は減圧状態になる。以降の期間についての説明は、前述の説明と同様である。
[3.保護層9の詳細]
[3−1.第1の形態]
図7に示すように、第1の形態の保護層9は、誘電体層8上に形成された下地層91の上に、金属酸化物粒子92が付着している。下地層91は、一例として、MgOとCaOとの混合膜である。金属酸化物粒子92は、一例として、CaMoO4粒子である。
[3−1−1.下地層91の形成方法]
下地層91は、一例として、EB(Electron Beam)蒸着装置により形成される。材料は、単結晶のMgOと単結晶のCaOとが焼結したペレットである。ペレットには、さらに不純物としてAl、Siなどが添加されていてもよい。まず、EB蒸着装置の成膜室に配置されたペレットに電子ビームが照射される。電子ビームのエネルギーを受けたペレットは蒸発する。蒸発したMgOとCaOとは、成膜室内に配置された前面ガラス基板3の誘電体層8上に付着する。誘電体層8上に付着したMgOとCaOとは、MgOとCaOとの混合膜を形成する。MgOとCaOとの混合膜は、誘電体層8を被覆する。MgOとCaOとの混合膜の膜厚は、電子ビームの強度、成膜室の圧力などによって、所定の範囲に収まるように調整される。
なお、下地層91におけるCaOの濃度は、5mol%以上40mol%以下の範囲で適宜設定される。
さらに、下地層91は、MgOとCaOとの混合膜の他にも、酸化ストロンチウム(SrO)、酸化バリウム(BaO)、酸化アルミニウム(Al23)などの金属酸化物を含む膜を用いることができる。また、複数の種類の金属酸化物を含む膜を用いることもできる。
[3−1−2.金属酸化物粒子92の付着方法]
金属酸化物粒子92は、一例として、スリットコータおよび乾燥装置により付着される。
スリットコータは、テーブル、塗布ヘッド、テーブル駆動系、レーザ変位計などを備える。材料は、平均粒径が0.7〜1.5μmのCaMoO4粒子を、5体積%の濃度で希釈溶剤中に分散させた溶液である。なお平均粒径とは、体積累積平均径(D50)のことである。また、平均粒径の測定には、レーザ回折式粒度分布測定装置MT−3300(日機装株式会社製)が用いられた。
希釈溶剤は、例えば、3メチル−3メトキシブタノール95体積%、αターピネオール5.0体積%の混合溶剤である。溶液の粘度は10mPasに調整された。まず、スリットコータのテーブル上に、前面ガラス基板3が設置される。前面ガラス基板3は、テーブル上に真空チャックされ、固定される。レーザ変位計などによりスリットコータの塗布ヘッドと前面ガラス基板3間の距離(ギャップ)が測定される。例えば、100μmの距離を保つように、塗布ヘッドの高さが調節される。さらに塗布ヘッドは、例えば、50mm/sの等速度で移動する。溶液タンクから塗布ヘッドに送られた溶液は、15μmの膜厚になるように前面ガラス基板3上に均一に塗布される。LaO粒子が希釈溶剤に分散した塗膜が下地層91上に形成される。CaMoO4粒子は沈降し、下地層91に付着する。
次に、前面ガラス基板3は、乾燥装置へ移送される。一例として、乾燥装置は真空チャンバー、加熱ヒータ、テーブル、真空ポンプ、圧力計などを備える。加熱ヒータにより予め所定の温度に保持されている大気圧の真空チャンバー内のテーブル上に前面ガラス基板5が設置される。その後、真空ポンプが、真空チャンバー内部を所定の圧力まで排気する。真空チャンバー内部の圧力が降下することにより、塗膜から希釈溶剤が脱離する。
一例として、本実施の形態においては、真空チャンバー温度:70℃〜100℃、圧力:0.1Pa〜10Pa、処理時間:5minであった。上記工程によって、CaMoO4粒子は下地層91との面積比で0.1%以上10%以下の被覆率になっている。
被覆率とは、1個の放電セルの領域において、金属酸化物粒子92が付着している面積aを1個の放電セルの面積bの比率で表したものである。つまり、被覆率(%)=a/b×100の式により計算されたものである。測定方法としては、例えば、隔壁14により区切られた1個の放電セルに相当する領域がカメラにより撮像される。次に、撮像された画像が、x×yの1セルの大きさにトリミングされる。次に、トリミング後の画像が白黒データに2値化される。次に、2値化されたデータに基づき金属酸化物粒子92による黒エリアの面積aを求める。最後に、被覆率が、a/b×100の式により計算される。
なお、本乾燥条件は、用いられる希釈溶剤の種類、塗膜の膜厚などによっても変動するため、適宜変更し得る。
なお、金属酸化物粒子92の付着には、スリットコータの他にも、スクリーン印刷法、スプレー法、スピンコート法、ダイコート法なども用いることができる。また、希釈溶剤に、有機樹脂などが添加されてもよい。有機樹脂の添加により、溶液の粘度を上げることができる。有機樹脂が添加された場合には、有機樹脂を除去するために焼成工程を付加することが好ましい。
[3−1−3.金属酸化物粒子92の製造方法]
一例として、CaMoO4粒子の製造方法が説明される。まず、炭酸カルシウム(CaCO3)の粉末と酸化モリブデン(MoO3)の粉末とが混合される。混合粉末におけるMoO3粉末の濃度は、0.5mol%以上、10mol%以下の範囲で適宜調整される。次に、混合粉末が焼成される。焼成温度は、900℃以上1200℃以下が好ましい。焼成時の雰囲気は、窒素などの不活性ガスが好ましい。焼成時のトップキープ時間は、1時間程度が好ましい。
なお、CaOの代わりに、SrO、BaOからなる群より選ばれた少なくとも一種の酸化物を用いることができる。さらに、MoO3の代わりに、バナジウム(V)、マンガン(Mn)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、銅(Cu)およびタングステン(W)からなる群より選ばれた少なくとも一種の元素の酸化物を用いることができる。
つまり、CaMoO4におけるMoの代わりに、V、Mn、Co、Ni、CuおよびWからなる群より選ばれた少なくとも一種の元素を用いることができる。
[3−2.第2の形態]
図8に示すように、第2の形態の保護層9は、誘電体層8上に形成された母材94の中に、金属酸化物95が点在している。母材94は、一例として、MgOとCaOとの混合膜である。金属酸化物95は、一例として、CaMoO4である。
[3−2−1.母材94および金属酸化物95の形成方法]
母材94および金属酸化物95は、一例として、EB(Electron Beam)蒸着装置により形成される。母材94の材料は、単結晶のMgOと単結晶のCaOとが焼結した混合ペレットである。金属酸化物95の材料は、一例として、CaMoO4ペレットである。混合ペレットおよびCaMoO4ペレットにおけるCaOの濃度は、5mol%以上40mol%以下の範囲で適宜調整される。混合ペレットおよびCaMoO4ペレットにおけるCaMoO4の濃度は、0.5mol%以上、10mol%以下の範囲で適宜調整される。混合ペレットには、さらに不純物としてAl、Siなどが添加されていてもよい。
なお、CaMoO4ペレットは、上述方法によって製造されたCaMoO4粒子を焼結することによって、製造される。
まず、EB蒸着装置の成膜室に配置された混合ペレットおよびCaMoO4ペレットに電子ビームが照射される。電子ビームのエネルギーを受けた混合ペレットおよびCaMoO4ペレットは蒸発する。蒸発したMgO、CaOおよびCaMoO4は、成膜室内に配置された前面ガラス基板3の誘電体層8上に付着する。誘電体層8上に付着したMgOとCaOは、母材94であるMgOとCaOとの混合膜を形成する。金属酸化物95であるCaMoO4は、母材94中に入り込む。つまり、CaMoO4は、母材94中に点在する。CaMoO4が点在した、MgOとCaOとの混合膜の膜厚は、電子ビームの強度、成膜室の圧力などによって、所定の範囲に収まるように調整される。
なお、母材94は、MgOとCaOとの混合膜の他にも、SrO、BaO、Al23などの金属酸化物を含む膜を用いることができる。また、複数の種類の金属酸化物を含む膜を用いることもできる。
さらに、CaMoO4におけるMoの代わりに、V、Mn、Co、Ni、CuおよびWからなる群より選ばれた少なくとも一種の元素を用いることができる。
[4.保護層9の変化]
次に、封着排気時において、上記保護層9を還元性有機ガスに曝すことによる下地層91または母材94(本章では以下、まとめて下地層91とする)の変化について説明する。発明者らの検討により、封着排気時において、上記下地層91を還元性有機ガスに曝すと、下地層91の希ガスKrとNeに対する二次電子放出係数γの比率が大きく変化することが判明した。具体的には、本実施の形態におけるPDPでは、希ガスKrとNeに対する二次電子放出係数γの比率:γ(Kr)/γ(Ne)が0.02以上、0.12以下になる。
当該比率が0.02より低い場合、上述した還元性有機ガスに曝す効果が得られない。一方当該比率が0.12より大きい場合、下地層91が有色を呈し、表示装置としての不具合を生じる。
ここまで、本実施の形態では下地層91は、MgO、CaO、SrO、およびBaOからなる群の中から選ばれる2種類以上の金属酸化物で形成された場合について説明した。しかしながらこの現象は下地層91がMgOのみで形成された場合も生じる。また金属酸化物粒子92の存在の有無はこの変化には影響しない。
下地層91がMgOのみで形成される場合、当該比率の範囲は0.02以上、0.50以下であることがより望ましい。一方下地層91がMgO、CaO、SrO、およびBaOからなる群の中から選ばれる2種類以上の金属酸化物で形成される場合は、当該比率が0.02以上、0.12以下であることがより望ましい。
Figure 2013033629
表2は、下地層91に還元性有機ガス処理を行った場合と、行わなかった場合のXe、Kr、Ar、Ne、Heの各希ガスに対しての二次電子放出係数を計測したものである。下地層91はMgOのみで形成されている。
Xe、Kr、Ar、Ne、Heのイオン化エネルギーはそれぞれ12.1eV、14eV、15.8eV、21.6eV、24.6eVであり、イオン化エネルギーが大きいほど、より真空準位から深い準位にある電子が二次電子放出される。
この実験結果によると、還元性有機ガス処理を行うことにより、Xe、Kr、Arに対する二次電子放出係数が大きく増加することが判明した。これは、封着排気時において、上記下地層91を還元性有機ガスに曝すことにより、上記下地層91に酸素欠損が形成されたことが原因だと考えられる。酸素欠損が形成されると、価電子帯上端付近に欠損準位が生成され、その欠損準位に電子が存在することにより、Xe、Kr、Ar、Ne、Heに対する二次電子放出係数が増加する。しかし、Ne、Heに対する二次電子放出係数の場合、より深い準位にある電子の影響も受けるため、その増加率は小さくなってしまい、主にXe、Kr、Arに対する二次電子放出係数が増加する結果になったと考えられる。
次に、これらXe、Kr、Ar、Ne、Heの各希ガスに対する二次電子放出係数γの計測方法について説明する。
下地層91のXe、Kr、Ar、Ne、Heの各希ガスに対する二次電子放出係数を求めるにあたり、まず、本実施の形態におけるPDPの製造方法によって製造したPDPにおいて、パネル内のガスを入れ換え可能な装置を用い、Xe、Kr、Ar、Ne、Heの各希ガスに対して、ガス圧力を変化させたときのSCN−SUS電極間の放電開始電圧Vf(V)の計測を行った。その結果を図9に示す。図9(a)は本実施の形態における測定結果を示し、図9(b)は従来技術での測定結果を示している。
この実験結果と、ペニングらによって測定された式(1)と、既存のデータから、各希ガスに対して、パッシェンの法則式(2)中の係数A、Bの算出を行った。
η=α/E=(α/p)/(E/p)・・・式(1)
α/p=Aexp[−B/(E/p)]・・・式(2)
ここで、η:1Vあたりの電離数、α:電離係数、E:電界強度、p:ガス圧を示す。また、既存のデータは、文献M.J.Druyvesteyn and F.M.Penning, Revs.Mod.Phys.12, 87 (1940)に記載がある。
そして、その算出されたA、Bを用いたパッシェンの法則の式(2)とタウンゼントの火花放電式(3)から、放電開始電圧とガス圧の関係式を導き出し、図9の結果にあうようにγの値をフィッティングによって求めた。
γ[exp(αd)−1]=1・・・式(3)
ここで、d:電極間距離、γ:二次電子放出係数、とする。フィッティングに際しては、Kr、Neにおいてはパネル内全圧200Torr〜500Torrの範囲内で行った。
このようにして、下地層91のXe、Kr、Ar、Ne、Heの各希ガスに対する二次電子放出係数γを測定した。
[5.試作評価]
下地層の構成が異なる複数のPDPが作製された。PDPには60kPaのXe、Ne混合ガス(Xe15%)が封入された。サンプルAは、MgOとCaOによって構成されている。サンプルBは、MgOとSrOによって構成されている。サンプルCは、MgOとBaOによって構成されている。サンプルDは、MgO、CaOおよびSrOによって構成されている。サンプルEはMgO、CaOおよびBaOによって構成されている。また、比較例は、MgO単体によって構成されている。
サンプルAからEについて、維持電圧が測定された。比較例を100とした場合、サンプルAは90、サンプルBは87、サンプルCは85、サンプルDは81、サンプルEは82であった。サンプルAからEは、通常の製造方法で製造されたPDPである。つまり、サンプルAからEは、還元性有機ガス導入工程を有さない製造方法で製造されたPDPである。
放電ガスのXeの分圧を10%から15%に高めた場合には輝度が約30%上昇するが、比較例では、維持電圧が約10%上昇する。
一方、サンプルA、サンプルB、サンプルC、サンプルDおよびサンプルEの維持電圧はいずれも、比較例より約10%〜20%低減できた。
次に、本実施の形態にかかる製造方法でサンプルAからEと同じ構成の下地層91を有するPDP1が作製された。封着工程C1から放電ガス供給工程C4には、第1の温度プロファイルが用いられた。
還元性有機ガスは、一例として、プロピレン、シクロプロパン、アセチレン、およびエチレンが用いられた。本実施の形態にかかるPDP1の維持電圧は、サンプルAからEと比較してさらに5%程度低かった。
さらに、還元性有機ガスを導入する前に、封着工程C1において、放電空間16に開口する貫通孔を通して放電空間16内が陽圧状態となるように不活性ガスとして窒素ガスを流し、その後、封着を行った場合は、サンプルAからEの維持電圧と比較してさらに5から7%程度低かった。
[6.まとめ]
本実施の形態に開示されたPDP1の製造方法は、以下の工程を備える。還元性有機ガスを含むガスを放電空間に導入することにより、保護層9を還元性有機ガスに曝す。次に、還元性有機ガスを放電空間から排出する。次に、放電ガスを放電空間に封入する。
還元性有機ガスに曝された保護層9には、酸素欠損が生じる。酸素欠損が生じることにより、保護層の二次電子放出能力が向上すると考えられる。したがって、本実施の形態にかかる製造方法で製造されたPDP1は、維持電圧を低減することができる。
さらに、還元性有機ガスは、酸素を含まない炭化水素系ガスであることが好ましい。酸素を含まないことによって、還元能力が高まるからである。
さらに、還元性有機ガスは、アセチレン、エチレン、メチルアセチレン、プロパジエン、プロピレン、シクロプロパン、プロパンおよびブタンの中から選ばれる少なくとも一種であることが好ましい。上記の還元性有機ガスは、製造工程上での取扱いが容易だからである。さらに、上記の還元性有機ガスは、分解が容易だからである。
なお、本実施の形態においては、放電空間を排気した後、還元性有機ガスを含むガスを放電空間に導入する製造方法が例示された。しかし、放電空間を排気することなく、放電空間に還元性有機ガスを含むガスを連続的に供給することによって、還元性有機ガスを含むガスを放電空間に導入することもできる。
また、本実施の形態では、金属酸化物の結晶粒子としてMgOが例示された。しかし、この他の単結晶粒子でも、MgO同様に高い電子放出性能を持つSr、Ca、Ba、Alなどの金属酸化物による結晶粒子を用いても同様の効果を得ることができる。よって、金属酸化物の結晶粒子としてはMgOに限定されるものではない。
以上のように本実施の形態に開示された技術は、高精細で高輝度の表示性能を備え、かつ低消費電力のPDPを実現する上で有用である。
1 PDP
2 前面板
3 前面ガラス基板
4 走査電極
4a、5a 透明電極
4b、5b 金属バス電極
5 維持電極
6 表示電極
7 ブラックストライプ
8 誘電体層
9 保護層
10 背面板
11 背面ガラス基板
12 データ電極
13 下地誘電体層
14 隔壁
15 蛍光体層
16 放電空間
91 下地層
92 金属酸化物粒子
94 母材
95 金属酸化物

Claims (3)

  1. 前面板と、
    前記前面板と対向配置された背面板と、を備え、
    前記前面板は、表示電極と前記表示電極を覆う誘電体層と前記誘電体層を覆う保護層とを含み、
    前記保護層は、MgOと、V、Mn、Co、Ni、Cu、MoおよびWからなる群より選ばれた少なくとも一種の元素とCaとOとの化合物とを有し、
    前記保護層は、CaO、SrOおよびBaOからなる群より選ばれた少なくとも一種の酸化物を有し、
    前記保護層のNeガスにおける二次電子放出係数γ(Ne)に対する、前記保護層のKrガスにおける二次電子放出係数γ(Kr)の比が、0.02以上、0.12以下である、プラズマディスプレイパネル。
  2. 前面板と、
    前記前面板と放電空間を形成して対向配置された背面板と、を備え、
    前記前面板は、表示電極と前記表示電極を覆う誘電体層と前記誘電体層を覆う保護層とを含み、
    前記保護層は、下地層と前記下地層上に分散配置された金属酸化物粒子とを有し、
    前記金属酸化物粒子は、V、Mn、Co、Ni、Cu、MoおよびWからなる群より選ばれた少なくとも一種の元素とCaとOとの化合物であり、
    前記下地層は、MgOと、CaO、SrOおよびBaOからなる群より選ばれた少なくとも一種の酸化物を有し、
    前記保護層のNeガスにおける二次電子放出係数γ(Ne)に対する、前記保護層のKrガスにおける二次電子放出係数γ(Kr)の比が、0.02以上、0.12以下である、プラズマディスプレイパネル。
  3. 前記保護層は、酸化マグネシウムの金属酸化物層を有し、
    前記保護層のNeガスにおける二次電子放出係数γ(Ne)に対する、前記保護層のKrガスにおける二次電子放出係数γ(Kr)の比が、0.02以上、0.05以下である、請求項1または請求項2記載のプラズマディスプレイパネル。
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