JP2013022435A - 手動式涼風器具 - Google Patents

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Abstract

【課題】簡便、安価に冷却成分を調達でき、かつ、効果的に体表の温度を下げ、さらには肌を十分に保湿することのできる手動式涼風器具を提供する。
【解決手段】手動で扇いで空気層を捉えて風を起こす扇本体2と、この扇本体2に取り付けられる噴霧機構3とを備えてなるものであって、前記噴霧機構3が、液体を貯留する液体貯留部7と、この液体貯留部7内に貯留された液体を霧状に噴射する噴霧口8とを備えたことを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、手動で扇いで空気層を捉えて風を起こす手動式涼風器具に関する。
従来、団扇、扇子などの手動式涼風器具は、扇状に広がる複数のフレームの間に、空気層を捉える紙や化学繊維などを貼り、これを手動で扇いで起こした風を体表に当てることにより、体表の汗などの水分を気化させ、気化熱により体表の温度を低下させて涼を取るものである。
しかしながら、団扇、扇子などの手動式涼風器具は、風を起こす以外の冷却機能を備えておらず、より体表の温度を低下させたいという要求には十分に応えられていない。
このような要求を解決する技術として、例えば、特許文献1は、高吸水性繊維を含む吸水性シートを扇部の少なくとも一部に用いて、団扇、扇子などの手動式涼風器具本体に水分を付与する技術がある。また、特許文献2には、さらに冷却効果を高めるために、エアロゾール式冷却装置から霧状氷成分を噴出する扇子が提案されている。
ところで、夏季はクーラーを使用して室内温度を下げることが一般的であるが、近年の節電対策により、クーラーを使用していても夏季の室内温度は高く、クーラーの使用と同時に扇子を使用するケースも増えている。さらには、クーラーを使用すると室内の湿度も低下して、皮膚の乾燥が進むため、クーラー使用下で肌を保湿したいという要求があるが、これまでの技術では十分に応えられていない。
特許文献1の技術は、団扇、扇子などの手動式涼風器具に含まれる水分が気化し、該手動式涼風器具本体が気化熱により冷却され、該手動式涼風器具本体の周辺空気を冷やして扇ぐことにより、冷やされた空気を風として提供するものである。また、冷却剤となる水は家庭内で容易に調達できるため利便性に優れる。
しかしながら、特許文献1の技術では、気化熱により冷却されるのは体表ではなく、該手動式涼風器具本体であるため体表の冷却効果が低い。さらに、該手動式涼風器具全体に水分が行き渡るため、該手動式涼風器具全体が重くなってしまう。従って、テコの原理で作用点である該手動式涼風器具の扇部の重量が増すことにより、力点である持ち手部に掛かる負担が大きくなってしまう。加えて、該手動式涼風器具本体に残存した水分量を制御することが出来ず、濡れた該手動式涼風器具を収納することにより周りの物が濡れるという問題や、さらには扇ぐことにより該手動式涼風器具の扇部の先端に凝集した水の塊が飛散するという問題があった。
そこで、より冷却効果を大きくし、これらの問題を解決するためにエアロゾール式冷却装置から霧状氷成分を噴出する扇子が、特許文献2には提案されている。しかしながら、エアロゾール式冷却装置を使用した場合、冷却効果は大きいものの、アルコールなどの可燃物を含むため火気のある場所で使用する際には引火の危険を伴う。さらに、エアロゾール式冷却装置の内容物は、特許文献1の冷却剤として使用される水のように家庭内で容易に調達できるものではなく購入が煩雑であり、かつ、コストが高い。
さらに、保湿をしたいという要求に対しては、特許文献1の技術は、団扇本体から気化した微量の水蒸気が出るのみで、肌を十分に保湿することは出来ない。また、団扇本体からは、蒸発した水分が出るのみなので、水分とは異なる成分の入った溶液、例えば化粧水などを肌に当てることはできない。
エアロゾール式冷却装置を使用する特許文献2の技術では、氷成分を噴出するのみであるため肌を十分に保湿することはできず、また、そのような技術も示唆されていない。
特開2003−180427 特開2006−175176
発明は、以上のような事情に鑑みて、簡便、安価に冷却成分を調達でき、かつ、効果的に体表の温度を下げ、さらには肌を十分に保湿することのできる手動式涼風器具を提供することを目的とする。
以上の目的を達成するために、本発明に係る手動式涼風器具は、液体を霧状に噴霧する機構を備えることを特徴とする。
本発明は、以上のような課題を解決するために、次のような構成を採用したものである。すなわち、本発明に係る手動式涼風器具は、手動で扇いで空気層を捉えて風を起こす扇本体と、この扇本体に取り付けられる噴霧機構とを備えてなるものであって、前記噴霧機構が、液体を貯留する液体貯留部と、この液体貯留部内に貯留された液体を霧状に噴射する噴霧口とを備えたことを特徴とする。
ここで、「液体」とは水のみでも良いし、水分とは異なる成分の入った液体、例えば化粧水、アロマ成分、消臭成分などを含む液体などでも良い。化粧水を用いた場合、さらに肌の保湿効果を上げることが出来る。温度が高く、自他人の発汗などから生ずる体臭など、不快な臭いがする場合には、アロマ成分や消臭成分を含む液体を用いることで、これらの不快感を排除することができる。
このようなものであれば、取扱いの比較的容易な液体を用いることができるので、簡便、安価に冷却成分を調達できる。そして、この液体を噴霧状に放出した空気を扇本体で扇ぐことができるので、効果的に体表の温度を下げることが可能となり、さらには肌を十分に保湿することができる。すなわち、霧状に噴霧された液体が体表面で直接的に気化し、手動で起こした風とともに自然乾燥と比較して素早く体表面で気化熱が生じるため、効果的に体表の温度を下げることができる。さらに、霧状の液体が直接的に肌に接触するため肌を十分に保湿することができる。
前記噴霧口の好適な一態様としては、前記扇本体の先端側に配されているものが挙げられる。このようなものであれば、扇いだ際に、先端側が体方向に向かうため、より効率的に体表の温度を下げたり、肌を十分に保湿したりすることができる。
前記噴霧機構は、前記液体貯留部と前記噴霧口との間に配され前記液体貯留部内の液体を前記噴霧口に送り出すための連通管を備えているものが好ましい。
前記噴霧機構が、圧電素子を備えていれば、より粒子の細かい液状成分を霧状に噴霧することができるため、快適に涼を取ることができ、また、微粒化した水分が肌の内部に浸透し、より肌の保湿効果を高めることができる。
前記扇本体が、面状をなす扇部と、この扇部の基端側に配される持ち手部とを備えてなるものの場合、前記液体貯留部が、前記持ち手部に取り付けられているものが好ましい。
以上説明したように、本発明により構成された手動式涼風器具は、水を含む液体を霧状に噴霧することができ、液体が直接体表面で気化して、体表面で気化熱が生じるため、手動で起こした風とともに効果的に体表の温度を下げることができる。また、該冷却成分は簡便・安価に冷却成分を調達でき、さらに、霧状の液体が直接的に肌に接触するため肌を十分に保湿することができる。
本発明の一実施形態を示す概略図。
発明の実施するための形態
以下、本発明の一実施形態について図面を参照して説明する。
本実施形態は、本発明の手動式涼風器具1を図1に示す使用状態と、図示しない折り畳み状態との間で開閉可能な折り畳み式の扇子に適用した場合のものである。
この手動式涼風器具1は、手動で扇いで空気層を捉えて風を起こす扇本体2と、この扇本体2に取り付けられる噴霧機構3とを備えてなる。
扇本体2は、面状をなす扇部4と、この扇部4の基端側に配される持ち手部5とを備えてなる。扇部4は、前記使用状態で正面視扇状をなす従来の扇子と同様の構造を有したものであり、本実施形態では、例えば合成樹脂製の複数本のフレーム41と、これらフレーム41の前側に接着剤等を用いて取り付けられる前側の扇面42と、この前側の扇面42に重ね合わせられ前記フレーム41の後側に接着剤等を用いて取り付けられる図示しない後側の扇面とを備えてなる。本実施形態では、これら前側の扇面42と後側の扇面は、それぞれ布製のものである。持ち手部5は、前記扇部4の各フレーム41の下端に連続する複数の持ち手フレーム51と、この持ち手フレーム51の基端側に設けられ前記複数の持ち手フレーム51を束ねる要52とを備えている。この持ち手フレーム51は、前記扇部4のフレーム41と一体に形成されており、各持ち手フレーム51は、前記使用状態で要52を中心として放射状に配されている。
噴霧機構3は、液体を貯留する液体貯留部7と、この液体貯留部7内に貯留された液体を霧状に噴射する噴霧口8とを主体に構成されている。本実施形態の噴霧機構3は、前記液体貯留部7と、前記噴霧口8と、前記液体貯留部7と前記噴霧口8との間に配され前記液体貯留部7内の液体を前記噴霧口8に送り出すための連通管9と、前記液体貯留部7内の液体を噴霧口8側に送り出すきっかけを与えるための操作部6と、この操作部6が押圧されることにより前記液体貯留部7内の液体を前記噴霧口8から吐出させるためのポンプ部と、前記液体貯留部7を前記扇本体2に取り付けるための取付部10とを備えている。
液体貯留部7は、例えば、アルミニウム等の比較的軽量な金属で作られたものであり、上端を開口した筒状のものである。液体貯留部7の上部は、前記取付部10を介して前記扇本体2の持ち手部5に着脱可能に取り付けられるものであり、例えば、取付部10に相対回転可能に装着されるようになっている。
噴霧口8は、液体を霧状に噴出させるためのものであり、前記扇本体2の先端側に配されている。本実施形態では、噴霧口8は、前記扇本体2の左右方向中央に1か所設けられており、前記扇部4のフレーム41の延出方向に沿って噴霧されるように配されている。
連通管9は、例えば合成樹脂製のパイプであり、図示しない一端が前記液体貯留部7の内部空間に配されるとともに、他端が前記噴霧口8に接続されている。この連通管9は、前記扇部4に固定されており、詳述すれば、扇部4の左右方向中央位置に、前記前側の扇面42と後側の扇面とによって挟み持つようにして取り付けられている。
操作部6は、例えば、扇本体2の厚み方向に押圧することによって前記液体が噴出するようにきっかけを与える押しボタン式のものである。本実施形態では、操作部6が、前記持ち手部5に配されている。
このような構成のものであれば、手動式涼風器具1を手で掴み、噴霧口8を使用者の体に向けてから、その掴んだ手で操作部6を押圧操作すると、前記噴霧口8から霧状になった液体が使用者に供給される。その後、霧状に噴霧された液体が体表面で直接的に気化し、手動で起こした風とともに自然乾燥と比較して素早く体表面で気化熱が生じる。
以上に述べたように、本実施形態に係る手動式涼風器具1は、手動で扇いで空気層を捉えて風を起こす扇本体2と、この扇本体2に取り付けられる噴霧機構3とを備えてなるものであって、前記噴霧機構3が、液体を貯留する液体貯留部7と、この液体貯留部7内に貯留された液体を霧状に噴射する噴霧口8とを備えたものであるため、噴霧口8から霧状に噴霧された液体が体表面で直接的に気化し、手動で起こした風とともに自然乾燥と比較して素早く体表面で気化熱が生じるため、効果的に体表の温度を下げることができる。さらに、霧状の液体が直接的に肌に接触するため肌を十分に保湿することができる。
前記噴霧口8は、前記扇本体2の先端側に配されているので、扇本体2の基端部を持ちながら対象に向かって噴霧口8を向けやすい。
前記噴霧機構3は、前記液体貯留部7内の液体を前記噴霧口8に送り出すための連通管9を備えているので、持ち手部5と噴霧口8とを離れた箇所に設定することができる。また、連通管9が前記扇部4の内側に配されているので、外部から連通管9が視認されて美観を損なうことなく、また、外部からの応力により連通管9が破損して該液体が漏れることを防ぐことができる。
前記扇本体2が、面状をなす扇部4と、この扇部4の基端側に配される持ち手部5とを備えてなり、前記液体貯留部7が、前記持ち手部5に取り付けられているので、繰り返して噴霧することができ、また、重心を持ち手部5に近づけることができる。そのため、該手動式涼風器具1全体が重くなってしまうことを抑制でき、持ち手部5にかかる負担を小さくすることができる。そのため、使用者にも負担にならず、長時間にわたって扇ぐ動作を続けることができる。
特に、前記液体として水を用いれば、非常に安価であり、また、従来例に示した氷のように調達の煩わしさがない。すなわち、冷却剤となる水は、家庭内で容易に調達できるため利便性に優れる。
本実施形態では、扇本体2が山折、谷折にして折り畳み可能なものであるので、優れた携帯性を有する。さらに、液体貯留部7が、扇本体2に比べて小さく設定されているので、使用時に邪魔にならない。
なお、本発明は以上に述べた実施形態に限られない。
扇本体は、平面状のものや、曲面状のものや、表面に凹凸を有するものであってもよい。また、上述した扇子のみならず、扇子に準ずるフレームを備えた団扇であってもよい。また、強度の高いプラスチック等の板状素材のみからなるものであってもよい。
扇部は、フレームと片面側に配される扇面とを備えるものであってもよい。また、フレームは、木製や金属製、紙製のものであってもよく、形状や本数についても本実施形態のものには限られない。さらに、扇面についても、木製や金属製、紙製のものであってもよい。
液体貯留部は、着脱可能なものには限られないが、本実施形態のように着脱可能なものであれば、装着時にはしっかりと密閉できるととともに、取り外して液体の出し入れを容易に行うことができる。着脱方法は、取付部と液体貯留部との間に設けられた爪部及び凹部とを係わり合わせるようなものであってもよい。また、着脱不能である場合であっても、液体貯留部の側面や底面に内部空間と連通する貫通孔を設けて、この貫通孔を介して液体の出し入れを行うようにし、使用時には前記貫通孔を塞ぐキャップ等を装着してもよい。
噴霧機構は、上述した霧吹きなどの手動式スプレーなどに使用されるものでも良いし、また、圧電素子を使用した電気式のものであってもよい。
噴霧口及び連通管は、複数備えたものであってもよい。また、噴霧口は、扇本体の先端側に配されるものに限られず、扇本体の中間部や基端部に配されるものであっても構わない。
操作部は、押しボタンの他に、レバー方式のものであってもよい。
その他、本発明の趣旨を損ねない範囲で種々に変更してよい。
1…手動式涼風器具
2…扇本体
3…噴霧機構
4…扇部
5…持ち手部
7…液体貯留部
8…噴霧口
9…連通管

Claims (5)

  1. 手動で扇いで空気層を捉えて風を起こす扇本体と、この扇本体に取り付けられる噴霧機構とを備えてなるものであって、
    前記噴霧機構が、液体を貯留する液体貯留部と、この液体貯留部内に貯留された液体を霧状に噴射する噴霧口とを備えたことを特徴とする手動式涼風器具。
  2. 前記噴霧口が、前記扇本体の先端側に配されている請求項1記載の手動式涼風器具。
  3. 前記噴霧機構が、前記液体貯留部と前記噴霧口との間に配され前記液体貯留部内の液体を前記噴霧口に送り出すための連通管を備えている請求項1または2記載の手動式涼風器具。
  4. 前記噴霧機構が、圧電素子を備えている請求項1、2または3記載の手動式涼風器具。
  5. 前記扇本体が、面状をなす扇部と、この扇部の基端側に配される持ち手部とを備えてなり、前記液体貯留部が、前記持ち手部に取り付けられている請求項1、2、3または4記載の手動式涼風器具。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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