JP2013014920A - 地盤強化システム及び地盤強化方法 - Google Patents

地盤強化システム及び地盤強化方法 Download PDF

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  • Investigation Of Foundation Soil And Reinforcement Of Foundation Soil By Compacting Or Drainage (AREA)

Abstract

【課題】地盤への強固な支持と共に排水ドレーンの機能を併せ持つ地盤強化システム及び地盤強化方法を提供する。
【解決手段】砕石6を、高分子繊維材により構成された網目を有する通水シート4にて拘束して成る細長形状の柱状体3を、建築物が建築される地盤1の内部に鉛直に配設する。柱状体3は、下端に柱部分よりも大きく球状に張り出した球状部3Aを備えて、砕石6が上からの荷重と下からの球状部3Aの先端支持力とから上下方向に圧縮力を受けて横に張り出そうとするのを、通水シート4の耐引張力にて抑制することで内部圧力を高めてその強度を維持する。よって、柱状体3は、建築物の荷重から地盤1を確実に支持する一方、その柔構造から地盤1の横からの変形に対し追随する柔軟性を有し、その力にて座屈することがない。また、柱状体3は、砕石ドレーンとして雨水や地下水圧が上昇した場合は速やかに地盤1の外へ排水する。
【選択図】図1

Description

本発明は、建築物が立つ土地の地盤強化を図るための軟弱地盤の強化技術及び地盤の液状化に対応する液状化防止技術に関し、特に、戸建住宅の土地地盤強化を低コストで実現すると共に地盤の液状化を低減化するための地盤強化システム及び地盤強化方法に関する。
ビルディングやマンション等の比較的大規模な鉄筋コンクリート建築物や鉄骨建築物は、立脚する土地の地中深くの強固な地盤基礎層に届く基礎杭構造物を埋設し、当該基礎杭構造物の上に構築される。これらの大規模建築物の基礎杭構造物の施工法としては、鋼管杭、PHC杭等の種々の基礎杭材を、土地を切削または打撃や油圧によって地中に埋め込む種々の埋設工法により構築する。
一方、戸建住宅や比較的小規模のアパートメント用住宅等の建設においては、上記のような本格的な基礎杭工事の施工は、多くの場合コストの問題からも困難であり、土地の地盤調査によって一定の基準を満たしていないと判定された軟弱地盤の場合には、土地の表層改良工事(土の置換等)を行いその上に簡単な鉄筋コンクリートの住宅用基礎が施されて住宅建設が行われるのが通常である。
一方、近年頻発する大きな地震や大雨による土砂災害等による家屋地盤の崩壊は、むかし田や河川又は海の埋立地であった軟弱な地盤上や傾斜地に建設された場所に多く発生している。
軟弱地盤の上に住宅を建設する場合、従来から行われてきた土地の表層改良工事による地盤強化策だけでは、一定規模以上の地震によって生じる地盤の陥没や隆起又は液状化に対応できないことが明らかになっている。
傾斜地における地震や大雨によって生じる崖崩れ等に対する補強土壁工法としては、従来から、多数アンカー式補強土壁、テールアルメ工法、ジオテキスタイル補強壁(例えば、特許文献1を参照)等が知られている。
そして、戸建住宅の土地が所定の基準を満たさない軟弱地盤である場合には、土地の表層改良工事(土の置換等)のみならず、低コストの補強土杭工事を施すことも行われるようになり、そのような簡易な補強土杭工法の一例として、切削土、ガラス廃材又は解体ガラス等にセメント系(カルシウム又は石灰系)の吸水によって膨張材を混ぜた中詰材をジオテキスタイル(高分子化学繊維材により構成された通水性シート)で円筒状に密に巻きつけてこれを補強杭とする技術が知られている(例えば、特許文献2を参照)。
特開2010−90592号公報 特開平7−305334号公報
しかし、N値(標準貫入試験で求められる地盤の強さを示す値であり、ボーリング孔を利用し、ロッドrod(鋼製の棒)の先に直径5.1センチメートル、長さ81センチメートルの中空円筒形試料採取器をつけたものを、重さ63.5キログラムのハンマーで75センチメートルの高さから自由落下させ、貫入深さ30センチメートル当りの貫入に要する打撃回数)で4以下の軟弱地盤の場合では、剛性の強い杭又は補強杭工法は、地震により地盤に与えられる変形歪力によって挫折してしまう可能性が高く危険である。特に、地盤の中間層がN値4以下の場合は、挫折の危険性が特に高くなる。従って、戸建住宅の地盤の場合は、ある程度までの変形歪に対しては柔構造を持つことにより地盤の変形に追従しつつ所定の程度を超える変形歪に対しては挫屈することなく持ちこたえるフレキシブルな構造を持たなければならない。
また、戸建住宅の地盤の場合、地震動による地盤の液状化を防止又は低減化するためには、地下水位が上昇して地盤内に押し上げられてきた場合には、水を通過させる排水ドレーンの機能を持つ必要がある。
また、セメント系固化剤に含まれる六価クロムが地盤の土質によっては土地の中に溶出する危険性があり、地盤土壌を汚染させてしまう。
しかし、特許文献2に記載の補強土杭及び補強土杭の作製方法は、筒状のジオテキスタイルの中詰部材は、地盤の掘削土、ガラス廃材、又は解体ガラス等を用いて、膨張材にて体積を膨張させるために構成のため排水性が悪く排水ドレーンとしての機能を有していない。
上記点から本発明は、地盤への強固な支持と共に地盤の変形に追随し得る変形性を有して、排水ドレーンの機能をも併せ持つ地盤強化方法及び地盤強化システムを提供することを課題としている。
前記課題を解決するために、本発明による地盤強化システムは、建築物が建設される地盤を強化する地盤強化システムであって、砕石を高分子繊維材により構成された網目を有する通水性シートにより円柱状に拘束した柱状体を、前記地盤の表層域内に鉛直させた状態で前記建設物の基礎が構築される面域下の縦横方向に地盤の軟弱度に応じた間隔を開けて複数体埋設し、前記砕石は、前記通水性シートによる拘束により所定以上の圧力で締め固められていることを特徴としている。そして、前記通水性シートの網目は、前記砕石の一部が突出するサイズであることを特徴としている。
そして、前記柱状体の下端には、砕石を締め固めてその径が前記柱状体の柱状部の径よりも大きく球状に張り出した球状部を設けたことを特徴としている。
また、前記柱状体と前記建築物の基礎との間に浸透層が設けられることを特徴としている。
本発明による地盤強化方法は、建築物が建設される地盤を強化する地盤強化方法であって、地盤を掘削して水平方向に互いに間隔を置いて複数の堀削穴を形成する第1の工程と、前記堀削穴のそれぞれに高分子繊維材により構成された網目を有する筒状の通水シートを設置する第2の工程と、前記通水シートの中空部に中詰めの砕石を投入し締め固めて柱状体を作製する第3の工程とを有する。そして、前記通水性シートの網目は、前記砕石の一部が突出するサイズであることを特徴としている。
そして、前記第1の工程は、前記通水シートを収納したケーシングを回転圧入機により回転させることで前記堀削穴を堀削することにより施工し、前記第2の工程は、前記堀削後に前記ケーシングを地盤から引き抜く際に、前記ケーシングの底部を開放して前記通水シートを残して引き抜くことで施工する、ことを特徴としている。更に、前記ケーシングの表面には、堀削土を堀削穴の壁面に圧密する突起を形成したことを特徴としている。
また、前記第3の工程において、前記柱状体の下端には、砕石を締め固めてその径が前記柱状体の柱状部の径よりも大きく球状に張り出した球状部を形成することを特徴としている。
そして、前記第3の工程において、転圧機の転圧ロッドを前記通水シートの中空部に差し込み前記砕石を締め固めることを特徴としている。
そして、前記第3の工程において、前記砕石が所定の高さに達する毎に前記転圧ロッドにて締め固めることを特徴としている。
上記のように、本発明は、建築物の荷重による砕石のせん断強度と高分子繊維材にて構成される通水性シートの耐引張力にて、地盤を支持する十分な強度を確保した地盤強化システム及び地盤強化方法が提供される。一方で、砕石と通水性シートとの組み合わせによる柔構造が実現される。そして、砕石が排水のドレーンとして機能するため地盤の液状化を防止することができる。
本発明に係る地盤強化システムを説明する説明図を示す。 本発明に係る地盤強化システムにおける柱状体の配置構成を説明する説明図を示す。 柱状体の構成を説明する説明図を示す。 本発明に係る地盤強化方法の工程を説明する説明図を示す。 回転圧入機のケーシングの構成を断面にて説明する説明図を示す。
本発明に係る地盤強化システムの構造を図1に示す。地盤1は建築物(図示せず)とその基礎2を支えており、地盤1による支持力を強化するために、地盤1の内部には図2で示すごとく、鉛直に3.5m乃至5.5m程の細長形状をした柱状体3を、水平方向へ互いに間隔をおいて縦横方向に地盤1の軟弱度に応じた間隔を開けて複数体埋設している。柱状体3は、砕石6を高分子繊維材により構成された網目を有する通水性シート4にて拘束して構成され、通水性シート4は砕石6の一部分が突出する網目5を有している。砕石6の粒径は20mmから60mm程度が好ましい。基礎2と柱状体3の上端面との間には浸透層8が設けられる。尚、柱状体3は、地盤1の強度に応じて球状部3Aを有するが後に明らかとなる。
通水性シート4は、土木用に使用される引張強度が大きい高分子材料の繊維により構成されており、その素材としては、例えばジオテキスタイルがある。ジオテキスタイルは、狭義の意味のジオテキスタイルと、ジオグリッドと、ジオネット及びその他があり、更に、この狭義のジオテキスタイルには織布(ジオウォーブン)と、不織布(ジオノンウォーブン)と、編物(ジオニット)とがあり、その中でも、地盤補強の分野では耐引張り特性や耐クリープ特性に特に優れたジオグリッドが好ましい。
図3にて詳細に示すように、砕石6を拘束する通水シート4は筒状をしており、地盤1のN値が4以下の軟弱地盤で用いる柱状体3にあっては球状部3Aを形成する。柱状体3の下端には、その柱状部よりも大きく球状に張り出したこのような球状部3Aを形成することで、柱状体3の先端支持力を大きくすることができる。
また、地盤1の性状に応じて球状部3Aは、固化材を用いて根固めが必要なこともある。この場合、柱状体3の全体の中で限られた球状部3Aの部位のみではあるが、六価クロムを配慮して固化材を選択するのが好ましい。
また、砕石6を拘束するとき、球状部3Aの砕石6は、約500kN/mの圧力にて転圧されて締め固められ、また通水シート4に中詰めされる砕石は長手方向で0.5mの高さで充填するごとに同じ圧力で転圧されて締め固められる。砕石6はせん断強度が大きい砕石であるが、更に締め固められることでせん断強度をより高めることができる。このようにせん断強度が大きい砕石6と、引張強度が大きい通水シート4の拘束力とが相俟って、上方からの建築物からの荷重に対して柱状体3は大きな強度を有する。
更に、柱状体3には、外部から側面に加わる水圧・土圧による孔壁破壊を防ぐため一部事前にセメントミルクを注入しておくことがある。
このような構成の柱状体3は、地盤1の上に構築された基礎2及び建築物の荷重が伝達されると球状部3Aと周面摩擦で支持することになる。そのため、中詰めの砕石6はせん断強度が大きいために、柱状体3としては、通水シート4で外側から外部拘束補強することにより、砕石6が有するせん断力によりこの荷重に対抗しようとする。つまり、砕石6は上からの荷重と下からの球状部3Aの先端支持力とから上下方向に圧縮力を受けて横に張り出そうとする。しかしながら、このとき中詰めの砕石6を拘束している通水シート4の耐引張力にて砕石6の張り出しが抑制され、柱状体3はその形状変化を抑えることで内部圧力を高めてせん断強度を維持し、上方からの荷重に対して地盤1を確実に支持することができる。
N値が4を十分上回るような比較的固い地盤の場合は、柱状体3に球状部3Aを特に形成しなくても良く、その場合、柱状体3は、地盤が強固のために下端部で建築物の荷重を受け止めることができ、荷重による砕石6の膨張力と通水シート4の耐引張力にて柱状体3として十分な剛性が確保できる。
また、柱状体3の通水シート4による表面の網目5からは、砕石6の一部が突出しているために柱状体3と地盤1との摩擦力が大きくなり、柱状体3の沈下も防止されている。
そして、柱状体3は、個々に独立した砕石6を通水シート4にて拘束する構成の柔構造なことから、地盤1の変形に対して追随し得る柔軟性を有しており、柱状体3の一ヶ所に強い力を受けても、この力を全体に拡散するために中折れすることがなく、優れた耐衝撃性を有する。よって、地震動の力を受けたときは、地盤1と一体となって変形するために破壊されることが無く、上からの荷重に対する支持を維持することができる。
しかしながら、例えば、通水シート4の中身部材を膨張材や固化材にて固めて構成した場合には柔構造を有しないために、地震動の強さによっては破壊されて建築物の荷重に対する地盤1の支持力を一挙に喪失し建築物の倒壊や地滑りを引き起こす恐れがある。尚、先に述べたように、柱状体3の球状部3Aが地盤1の性状によっては固化材にて固めることもあるが、略球形状であるため破壊されるまでには至らない。
同様に、地震動等で地下水圧が上昇したときも、柱状体3の側面方向からの地下水(図1の矢印a方向)の流れに対し砕石ドレーンとなって地盤1中の透水層へ排水、若しくは地下水を流れの方向に透過させて補強する地盤1の外に排水するために地盤1の液状化が防止される。
次に、このような砕石と通水シートとを組み合わせた地盤強化方法について説明する。
図4の(A)部に示すように、先ず、上に建てられる建築物の基礎2の直下に位置する地盤1に回転圧入機10によりケーシング11を高トルクで回転させて圧入しながら掘削する。
図5の断面図で示すように、ケーシング11は、円周方向にテーパを有する3通りの突起12をその表面上に長手方向に沿って設けている。従って、ケーシング11が回転して堀削をおこなうとき、突起12は回転により廃土を堀削穴15の壁面に押圧し圧接して掘削穴15の壁面を固める。これにより堀削穴15の壁面の強度を高めて壁面の崩壊を防止できる。また、ケーシング11の回転により廃土は下方にも押圧されて圧接される。従って、掘削による廃土は地表に排出されることがない。
柱状体3を地盤1に埋め込むための堀削穴15は、例えば、300φの径のケーシング11を用いて3.5m乃至5.5mまで掘削して形成する。堀削穴15の径Dと深さHは、建てられる建築物の重量や地盤1の性状により決定される。
また、ケーシング11には先端に開閉機構12が設けられ、回転圧入機10は開閉機構12を閉じた状態でケーシング11内に筒状の通水シート4を収納した状態にて掘削する。
次に、図4の(B)部に示すように、ケーシング11の開閉機構12を開放して通水シート4を残してケーシング11を地盤1から引き抜く。又は使い捨てにすることもある。
そして、筒状の通水シート4に砕石6を投入して柱状体3を作製するが、球状部3Aを有する柱状体3を作製する場合、図4の(C)部(側断面)
に示すように、先ず球状部3Aを形成するための量の砕石6を堀削穴15の底に投入する。そして、転圧機にて投入した砕石6を転圧して締め固めるが、転圧機は267.4φの転圧ロッド13を堀削穴15に差し込み500kN/mから1000kN/mまでの範囲で転圧力を印加し締め固めて球状部3Aを作成する。尚、球状部3Aを有しない柱状体3を作製する場合は、この締め固めの工程は省略される。
次に、図4の(D)部(側断面)に示すように、通水シート4に中詰めされる砕石6を堀削穴15に投入し、球状部3Aから約0.5m積上げた段階で、再び転圧ロッド13を差し込み上記したのと同じ転圧力を印加して締め固める。
そして、図4の(E)部(側断面)に示すように、0.5mの間隔毎に中詰め砕石の投入と転圧ロッド13による締め固めを繰り返すことで柱状体3が地盤1の内部に形成されて地盤強化作業が終了する。
上記した本発明に係る地盤補強システム及び地盤強化方法は、砕石6と通水シート4との組み合わせにより建築物の荷重に対して地盤1を支える強度を確保する一方で、柔構造なことから地震動による力を受けて地盤1に追随して変形するために中折れすることがなく、地盤1と一体となって強度を保つ。そして、雨水は砕石ドレーンとして地盤1から排水することで、地盤支持の面と排水性の面の両方から地盤1を強化するものである。
このように砕石を利用して地盤強化を図ることの有効性は、例えば、鉄道の線路の枕木の下に砕石を敷き詰めたときの効果にて証明される。すなわち、列車が通過するレールを固定する枕木を砕石にて支持することで、一ヶ所に集中する列車の荷重を砕石により分散して受け止めることで強固な保持を可能にし、且つ雨水を砕石により速やかに排水して線路の冠水を防止することが実証されている。
これと同じ原理で、本発明に係る地盤補強システム及び地盤強化方法は、通水シート4により拘束した砕石6にて、建築物の荷重や地盤1の側方からの力を分散して受け止めて、地盤1への滞留水は砕石6を通して排水するために地盤沈下や地滑りも抑制できる有効な地盤強化となる。
本発明は、建築物が立つ土地の地盤を強化する地盤補強システム及び地盤強化方法を提供するものであり、産業上の利用可能性を有する。
1 地盤
2 基礎
3 柱状体
3A 球状部
4 通水シート
5 網目
6 砕石
8 浸透層
10 回転圧入機
11 ケーシング
12 突起
13 転圧ロッド
15 堀削穴
前記課題を解決するために、本発明による地盤強化システムは、建築物が建設される地盤を強化する地盤強化システムであって、砕石を高分子繊維材により構成された網目を有する通水性シートにより円柱状に拘束した柱状体と、前記柱状体の下端にあって、砕石を締め固めてその径が前記柱状体の柱状部の径よりも大きく球状に張り出した球状部と、を有し、前記建築物の荷重を前記柱状体の周面摩擦力と前記球状部の先端支持力にて支持することを特徴としている。
本発明による地盤強化方法は、建築物が建設される地盤を強化する地盤強化方法であって、地盤を掘削して水平方向に互いに間隔を置いて複数の堀削穴を形成する第1の工程と、前記堀削穴のそれぞれに高分子繊維材により構成された網目を有する筒状の通水シートを設置する第2の工程と、前記通水シートの下方に砕石を投入後、転圧機の転圧ロッドを前記通水シートの中空部に差し込み前記砕石を締め固めて球状部を形成する第3の工程と、前記通水シートの中空部に中詰めの砕石を投入し前記転圧ロッドにより締め固めて柱状体を作製する第の工程とを有し、前記球状部は前記柱状部の径よりも大きく球状に張り出して構成することを特徴としている。
上記のように、本発明によれば、柱状体は砕石のせん断強度と高分子繊維材にて構成される通水性シートの耐引張力にて十分な強度が確保されて、建築物の荷重をこの柱状体の周面摩擦力と球状部の先端支持力にて支持するために、十分な強度を確保した地盤強化システム及び地盤強化方法が提供される。そして、砕石と通水性シートとの組み合わせにて成る柱状体は柔構造であるために、地盤の変形に追随する柔軟性をも併せ持つ。更に、柱状体も球状部も共に砕石にて構成されるため排水のドレーンとして機能でき、地盤の液状化を防止することもできる。
そして、筒状の通水シート4に砕石6を投入して柱状体3を作製するが、球状部3Aを有する柱状体3を作製する前に、図4の(C)部(側断面)に示すように、先ず球状部3Aを形成するための量の砕石6を堀削穴15の底に投入する。そして、転圧機にて投入した砕石6を転圧して締め固めるが、転圧機は267.4φの転圧ロッド13を堀削穴15に差し込み500kN/mから1000kN/mまでの範囲で転圧力を印加し締め固めて球状部3Aを作製する。

Claims (11)

  1. 建築物が建設される地盤を強化する地盤強化システムであって、
    砕石を高分子繊維材により構成された網目を有する通水性シートにより円柱状に拘束した柱状体を、前記地盤の表層域内に鉛直させた状態で前記建設物の基礎が構築される面域下の縦横方向に地盤の軟弱度に応じた間隔を開けて複数体埋設し、
    前記砕石は、前記通水性シートによる拘束により所定以上の圧力で締め固められていることを特徴とする地盤強化システム。
  2. 前記通水性シートの網目は、前記砕石の一部が突出するサイズであることを特徴とする請求項1に記載の地盤強化システム。
  3. 前記柱状体の下端には、砕石を締め固めてその径が前記柱状体の柱状部の径よりも大きく球状に張り出した球状部を設けたことを特徴とする請求項1又は2に記載の地盤強化システム。
  4. 前記柱状体と前記建築物の基礎との間に浸透層が設けられることを特徴とする請求項1乃至3の何れかの項に記載の地盤強化システム。
  5. 建築物が建設される地盤を強化する地盤強化方法であって、
    地盤を掘削して水平方向に互いに間隔を置いて複数の堀削穴を形成する第1の工程と、
    前記堀削穴のそれぞれに高分子繊維材により構成された網目を有する筒状の通水シートを設置する第2の工程と、
    前記通水シートの中空部に中詰めの砕石を投入し締め固めて柱状体を作製する第3の工程と、
    を有する地盤強化方法。
  6. 前記第1の工程は、前記通水シートを収納したケーシングを回転圧入機により回転させることで前記堀削穴を堀削することにより施工し、
    前記第2の工程は、前記堀削後に前記ケーシングを地盤から引き抜く際に、前記ケーシングの底部を開放して前記通水シートを残して引き抜くことで施工する、
    ことを特徴とする請求項5に記載の地盤強化方法。
  7. 前記第3の工程において、前記柱状体の下端には、砕石を締め固めてその径が前記柱状体の柱状部の径よりも大きく球状に張り出した球状部を形成することを特徴とする請求項5又は6に記載の地盤強化方法。
  8. 前記ケーシングの表面には、堀削土を堀削穴の壁面に圧密する突起を形成したことを特徴とする請求項5乃至7の何れかの項に記載の地盤強化方法。
  9. 前記通水性シートの網目は、前記砕石の一部が突出するサイズであることを特徴とする請求項5乃至8の何れかの項に記載の地盤強化方法。
  10. 前記第3の工程において、転圧機の転圧ロッドを前記通水シートの中空部に差し込み前記砕石を締め固めることを特徴とする請求項5乃至9の何れかの項に記載の地盤強化方法。
  11. 前記第3の工程において、前記砕石が所定の高さに達する毎に前記転圧ロッドにて締め固めることを特徴とする請求項10に記載の地盤強化方法。
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