以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。図1は、この実施の形態にかかるスロットマシンの全体構造を示す正面図である。スロットマシン1は、前面が開口する筐体(図示略)と、この筺体の側端に回動自在に枢支された前面扉14と、から構成されている。
スロットマシン1の筐体内部には、外周に複数種の図柄が配列されたリール2L、2C、2R(以下、左リール、中リール、右リールともいう)が水平方向に並設されており、図1に示すように、これらリール2L、2C、2Rに配列された図柄のうち連続する3つの図柄が前面扉14に設けられた透視窓3から見えるように配置されている。
リール2L、2C、2Rの外周部には、図2に示すように、それぞれ「赤7(図中黒7)」、「青7(図中網掛7)」、「BAR」、「リプレイ」、「スイカ」、「チェリー」、「ベル」、「スター(星)」といった互いに識別可能な複数種類の図柄が所定の順序で、それぞれ21個ずつ描かれている。リール2L、2C、2Rの外周部に描かれた図柄は、透視窓3において各々上中下三段に表示される。
各リール2L、2C、2Rは、各々対応して設けられリールモータ32L、32C、32R(図6参照)によって回転させることで、各リール2L、2C、2Rの図柄が透視窓3に連続的に変化しつつ表示されるとともに、各リール2L、2C、2Rの回転を停止させることで、透視窓3に3つの連続する図柄が表示結果として導出表示されるようになっている。
また、前面扉14には、メダルを投入可能なメダル投入部4、メダルが払い出されるメダル払出口9、クレジット(遊技者所有の遊技用価値として記憶されているメダル数)を用いてメダル1枚分の賭数を設定する際に操作される1枚BETスイッチ5、クレジットを用いて、その範囲内において予め定められた規定数の賭数(本実施例では3)を設定する際に操作されるMAXBETスイッチ6、クレジットとして記憶されているメダルおよび賭数の設定に用いたメダルを精算する(クレジットおよび賭数の設定に用いた分のメダルを返却させる)際に操作される精算スイッチ10、ゲームを開始する際に操作されるスタートスイッチ7、リール2L、2C、2Rの回転を各々停止する際に操作されるストップスイッチ8L、8C、8Rが設けられている。
また、前面扉14には、クレジットとして記憶されているメダル枚数が表示されるクレジット表示器11、後述するビッグボーナス中のメダルの獲得枚数やエラー発生時にその内容を示すエラーコード等が表示される遊技補助表示器12、入賞の発生により払い出されたメダル枚数が表示されるペイアウト表示器13が設けられている。
また、前面扉14には、賭数が1設定されている旨を点灯により報知する1BETLED14、賭数が2設定されている旨を点灯により報知する2BETLED15、賭数が3設定されている旨を点灯により報知する3BETLED16、メダルの投入が可能な状態を点灯により報知する投入要求LED17、スタートスイッチ7の操作によるゲームのスタート操作が有効である旨を点灯により報知するスタート有効LED18、ウェイト(前回のゲーム開始から一定期間経過していないためにリールの回転開始を待機している状態)中である旨を点灯により報知するウェイト中LED19、後述するリプレイゲーム中である旨を点灯により報知するリプレイ中LED20が設けられている。
また、MAXBETスイッチ6の内部には、1枚BETスイッチ5およびMAXBETスイッチ6の操作による賭数の設定操作が有効である旨を点灯により報知するBETスイッチ有効LED21(図6参照)が設けられており、ストップスイッチ8L、8C、8Rの内部には、該当するストップスイッチ8L、8C、8Rによるリールの停止操作が有効である旨を点灯により報知する左、中、右停止有効LED22L、22C、22R(図6参照)がそれぞれ設けられている。
前面扉14の上部には、演出装置50が搭載されている。演出装置50の中央には、後述するリールの停止操作を促す促進報知や、エラー発生を報知するエラー報知や、ゲームに関連する各種演出を行なう表示画面を有する液晶表示器51が配置されている。また、液晶表示器51の表示画面の前面左右側方には、演出用の可動部材としての演出用扉60a、60bが左右方向にスライド移動自在に設けられている。演出用扉60a、60bは、各々、中央寄りの一辺の上端または下端に台形状の突出部と窪み部とが形成された平板から構成されている。演出用扉60a、60bの正面側には、その後面に配置される液晶表示器51の表示画面を視認不能にするための装飾が施されている。演出用扉60a、60bは、突出部と窪み部とが噛み合うようにして液晶表示器51の表示画面を隠蔽可能に構成されている。本実施例においては、この演出用扉60a、60bおよび液晶表示器51の双方を用いた各種演出が実施されるようになっており、この演出の一例として、たとえばゲームが開始されたときに、後述する内部抽選により当選した可能性がある入賞役を報知する予告演出として振動演出が実施されるようになっている。なお、演出装置50の構造の詳細、および演出装置50により行なわれる演出の詳細は後述する。
また、前面扉14の内側には、所定のキー操作により後述するRAM異常エラーを除くエラー状態および後述する打止状態を解除するためのリセット操作を検出するリセットスイッチ23、後述する設定値の変更中や設定値の確認中にその時点の設定値が表示される設定値表示器24、メダル投入部4から投入されたメダルの流路を、筐体内部に設けられた後述のホッパータンク(図示略)側またはメダル払出口9側のいずれか一方に選択的に切り替えるための流路切替ソレノイド30、メダル投入部4から投入され、ホッパータンク側に流下したメダルを検出する投入メダルセンサ31が設けられている。
筐体内部には、前述したリール2L、2C、2R、リールモータ32L、32C、32R、各リール2L、2C、2Rのリール基準位置をそれぞれ検出可能なリールセンサ33からなるリールユニット(図示略)、メダル投入部4から投入されたメダルを貯留するホッパータンク(図示略)、ホッパータンクに貯留されたメダルをメダル払出口9より払い出すためのホッパーモータ34、ホッパーモータ34の駆動により払い出されたメダルを検出する払出センサ35、電源ボックス(図示略)が設けられている。
電源ボックスの前面には、後述のビッグボーナス終了時に打止状態(リセット操作がなされるまでゲームの進行が規制される状態)に制御する打止機能の有効/無効を選択するための打止スイッチ36、起動時に設定変更モードに切り替えるための設定キースイッチ37、通常時においてはRAM異常エラーを除くエラー状態や打止状態を解除するためのリセットスイッチとして機能し、設定変更モードにおいては後述する内部抽選の当選確率(出玉率)の設定値を変更するための設定スイッチとして機能するリセット/設定スイッチ38、電源をON/OFFする際に操作される電源スイッチ39が設けられている。
本実施例のスロットマシン1においてゲームを行なう場合には、まず、メダルをメダル投入部4から投入するか、あるいはクレジットを使用して賭数を設定する。クレジットを使用するには1枚BETスイッチ5、またはMAXBETスイッチ6を操作すればよい。遊技状態に応じて定められた規定数の賭数が設定されると、入賞ラインL1〜L5(図1参照)が有効となり、スタートスイッチ7の操作が有効な状態、すなわち、ゲームが開始可能な状態となる。なお、本実施例では、規定数の賭数として後述する通常遊技状態においては3枚が定められており、後述するレギュラーボーナス中においては、1枚が定められている。なお、遊技状態に対応する規定数を超えてメダルが投入された場合には、その分はクレジットに加算される。
ゲームが開始可能な状態でスタートスイッチ7を操作すると、各リール2L、2C、2Rが回転し、各リール2L、2C、2Rの図柄が連続的に変動する。この状態でいずれかのストップスイッチ8L、8C、8Rを操作すると、対応するリール2L、2C、2Rの回転が停止し、透視窓3に表示結果が導出表示される。
そして全てのリール2L、2C、2Rが停止されることで1ゲームが終了し、有効化されたいずれかの入賞ラインL1〜L5上に予め定められた図柄の組合せ(以下、役とも呼ぶ)が各リール2L、2C、2Rの表示結果として停止した場合には入賞が発生し、その入賞に応じて定められた枚数のメダルが遊技者に対して付与され、クレジットに加算される。また、クレジットが上限数(本実施例では50)に達した場合には、メダルが直接メダル払出口9(図1参照)から払い出されるようになっている。なお、有効化された複数の入賞ライン上にメダルの払出を伴う図柄の組合せが揃った場合には、有効化された入賞ラインに揃った図柄の組合せそれぞれに対して定められた払出枚数を合計し、合計した枚数のメダルが遊技者に対して付与されることとなる。ただし、1ゲームで付与されるメダルの払出枚数には、上限(本実施例では、15枚)が定められており、合計した払出枚数が上限を超える場合には、上限枚数のメダルが付与されることとなる。また、有効化されたいずれかの入賞ラインL1〜L5上に、遊技状態の移行を伴う図柄の組合せが各リール2L、2C、2Rの表示結果として停止した場合には図柄の組合せに応じた遊技状態に移行するようになっている。
また、本実施例におけるスロットマシン1にあっては、ゲームが開始されて各リール2L、2C、2Rが回転し、各可変表示部における図柄の変動が開始した後、ゲームが開始してから経過した時間に関わらず、いずれかのストップスイッチ8L、8C、8Rが操作されるまで、当該ストップスイッチ8L、8C、8Rに対応する可変表示部における図柄の変動が継続して行なわれるようになっている。
また、ゲームが開始してから、ストップスイッチ8L、8C、8Rが有効に操作されずに経過した時間が第1の報知待ち時間(本実施例では60秒)に到達したときに、ストップスイッチ8L、8C、8Rによるリール2L、2C、2Rの停止操作を促す促進報知としての報知画面(図24参照)が液晶表示器51に表示される。なお、該促進報知の実行中に、いずれかのストップスイッチ8L、8C、8Rが有効に操作されたときには、実行中の促進報知が終了されるようになっている。
また、いずれかのリール2L、2C、2Rの回転が停止して可変表示部における図柄の変動が停止して表示結果が導出された後、未だ回転が停止されていないリール2L、2C、2Rがある場合、すなわち、表示結果が導出されていない可変表示部がある場合において、最後にストップスイッチ8L、8C、8Rが有効に操作されてから、ストップスイッチ8L、8C、8Rが有効に操作されずに経過した時間が前記第1の報知待ち時間(60秒)に到達したときにも、前記促進報知が実行される。
なお、いずれかのリール2L、2C、2Rの回転が停止して可変表示部における図柄の変動が停止して表示結果が導出された後、未だ回転が停止されていないリール2L、2C、2Rがある場合において、当該ゲームにおいて既に促進報知が実行されている場合には、最後にストップスイッチ8L、8C、8Rが有効に操作されてから、ストップスイッチ8L、8C、8Rが有効に操作されずに経過した時間が第2の報知待ち時間(本実施例では30秒)に到達したときに前記促進報知が実行される。なお、促進報知の詳細に関しては後述することとする。
次に、図3〜図5を参照して、演出装置50の構造について説明する。図3(a)〜(f)は、各々、演出装置50の正面図、左側面図、右側面図、平面図、下面図、および背面図を示している。図4は、演出装置50の分解斜視図を示している。図5は、演出装置50の取付状態を説明するための分解斜視図を示している。
まず、図3および図4を参照して、演出装置50は、左右方向にスライド可能な演出用扉60a、60bと、これらの演出用扉60a、60bを左右方向にスライド可能に保持する矩形状のベース部材70と、前述した液晶表示器51と、液晶表示器51をベース部材70に取付可能に構成するとともに液晶表示器51の後面側を被覆する液晶カバー部材72と、演出用扉60a、60bを左右方向にスライドさせるための演出用扉モータ56、57と、これらの演出用扉モータ56、57をベース部材70に取り付けるとともにベース部材70の後面側を被覆する後面カバー部材73と、演出用扉60a、60bの左右方向における位置を特定するための位置特定用センサ71a〜71dとを含む。演出装置50は、ベース部材70に上述した各種部材等が取り付けられて構成される。
演出用扉モータ56、57は、後面カバー部材73の後面側上方にビス止めされて取り付けられる。演出用扉モータ56、57の回転軸には、ホイールギア56a、57aが取り付けられる。
また、後面カバー部材73の後面側の左右には、複数の演出効果LED52を実装した演出効果LED用基板81a、81bを取り付けるための取付部が形成されており、演出効果LED用基板81a、81bがビス止めされて取り付けられる。取付部には、演出効果LED用基板81a、81bに実装されている複数の演出効果LED52の位置に合わせて通し穴が複数形成されている。これにより、演出効果LED用基板81a、81bを後面カバー部材73の後面側に取り付けた状態で、演出効果LEDからの光を前面側に放射させることができる。また、後面カバー部材73の前面上方の所定位置には、位置特定用センサ71a〜71dがビス止めされて取り付けられる。後面カバー部材73は、ベース部材70の後面側にビス止めされて取り付けられる。
ベース部材70の中央には、液晶表示器51の表示画面を臨ませるための表示領域用開口74が形成されている。液晶表示器51は、液晶カバー部材72に取り付け、該液晶カバー部材72をベース部材70の後面側に取り付けることにより、表示領域用開口74を介して遊技者が表示画面を視認可能な状態で固定される。なお、液晶カバー部材72の後面側には、後述する演出用中継基板90a、表示用中継基板190a、および液晶表示器51に含まれるバックライト用のインバータ基板51aを取り付けるための基板取付部が形成されている。
また、ベース部材70の上方には、上辺に沿って中央から左右端にわたり、演出用扉60a、60bを左右方向にスライド可能にするためのスライド用開口75a、75bが形成されている。また、ベース部材70の前面側には、スライド用開口75a、75bの下端に沿って、車輪部材77を支えるレール部78a、78bが形成されている。
演出用扉60a、60bの後面上部には、取付ボス76a〜76dが形成されている。取付ボス76a〜76dは、各々、車輪部材77の回転軸となるように軸状に形成されている。車輪部材77は、演出用扉60a、60bの取付ボス76a〜76d各々に回転可能に取り付けられる。演出用扉60a、60bは、取付ボス76a〜76dに車輪部材77が回転可能に取り付けられた状態で、車輪部材77を介してレール部78a、78b上に載置される。また、演出用扉60a、60bは、ベース部材70の後面側から扉取付用部材79a、79bに形成されたビス挿通穴から通されたビスが取付ボス76a〜76dに螺着されて、左右方向にスライド可能にベース部材70に取り付けられる。
扉取付用部材79a、79b各々の下面には、演出用扉モータ56、57の回転軸に取り付けられているホイールギア56a、57aと噛み合うラックギアが形成されている。これにより、演出用扉60a、60bは、演出用扉モータ56、57により扉取付用部材79a、79bを左右にスライドさせることに応じて、レール部78a、78bに沿って左右にスライドする。たとえば、演出用扉60aは、演出用扉モータ56により扉取付用部材79aを左方向にスライドさせることにより、レール部78aに沿って左にスライドさせることができ、液晶表示器51の表示画面と重複しない位置に変位させることができる。一方、演出用扉60aは、演出用扉モータ56により扉取付用部材79aを右方向(中央寄り)にスライドさせることにより、レール部78aに沿って右にスライドさせることができ、液晶表示器51の表示画面と重複する位置に変位させることができる。演出用扉60bについても同様に、演出用扉モータ57により扉取付用部材79bを左右にスライドさせることにより、液晶表示器51の表示画面と重複しない位置と重複する位置とに変位させることができる。なお、重複しない位置とは、演出用扉60aを最も左方向にスライドさせ、演出用扉60aを最も右方向にスライドさせた図1に示す位置をいう。このような状態を開状態、または停止基準位置にある状態という。また、重複する位置とは、重複しない位置以外に演出用扉60a、60bをスライドさせた位置をいう。さらに、重複する位置のうち演出用扉60aを最も右方向にスライドさせ、演出用扉60aを最も左方向にスライドさせた位置にある状態を閉状態という。
また、扉取付用部材79a、79bの上面には、位置特定用の突起部80a、80bが形成されている。前述した位置特定用センサ71a〜71dは、突起部80a、80bを検出することにより、演出用扉60a、60bの左右方向における位置を特定することができる。たとえば、位置特定用センサ71aは、演出用扉モータ56により演出用扉60aが最も左方向にスライドさせたときの位置特定用の突起部80aを検出する。また、位置特定用センサ71bは、演出用扉モータ56により演出用扉60aが最も右(中央)方向にスライドさせたときの位置特定用の突起部80aを検出する。同様に、位置特定用センサ71cは、演出用扉モータ57により演出用扉60bが最も左(中央)方向にスライドさせたときの位置特定用の突起部80bを検出する。また、位置特定用センサ71dは、演出用扉モータ57により演出用扉60bが最も右方向にスライドさせたときの位置特定用の突起部80bを検出する。
次に、図5を参照して、演出装置50の取付状態を説明する。演出装置50の前面側には、図5に示す部材が取り付けられる。ベース部材70の表示領域用開口74側方には、所定の模様が描かれた装飾用シール82a、82bが貼付される。また、ベース部材70の下方には、演出用扉60a、60bの下方端をベース部材70との間に挟み込んだ状態に維持するための押板83がビス止めされて取り付けられる。ベース部材70の前面には、さらに、演出用扉60a、60bが遊技者等により破損されることを防止する透明カバー板84がビス止めされて取り付けられる。さらに、ベース部材70の上方には、上辺に沿って左端から右端にわたり複数の演出効果LED52を実装した上部用演出効果LED用基板85がビス止めされて取り付けられる。ベース部材70の下方には、下辺に沿って左端から右端にわたり装飾体86がビス止めされて取り付けられる。
このように各種部材が取り付けられて構成される演出装置50は、左右および上の縁を被覆する表カバー部材87と、後面側を被覆する裏カバー部材88との間に挟み込むようにして一体的に組み付けられる。表カバー部材87の上部には、その後面側に配置されている上部用演出効果LED用基板85に実装されている複数の演出効果LED52からの光を前面に透過させるための透過部87aが形成されている。裏カバー部材88が前面扉14の後面側からビス止めされて取り付けられることにより、演出装置50が前面扉14の上部に取り付けられる。
図6は、スロットマシン1の構成を示すブロック図である。スロットマシン1には、図6に示すように、遊技制御基板40、演出制御基板90、表示制御基板190、電源基板100が設けられており、遊技制御基板40によって遊技状態が制御され、演出制御基板90によって遊技状態に応じた演出が制御され、表示制御基板190によって液晶表示器51の表示制御が行なわれ、電源基板100によってスロットマシン1を構成する電気部品の駆動電源が生成され、各部に供給される。
電源基板100には、外部からAC100Vの電源が供給されるとともに、このAC100Vの電源からスロットマシン1を構成する電気部品の駆動に必要な直流電圧が生成され、遊技制御基板40および遊技制御基板40を介して接続された演出制御基板90および該演出制御基板90に接続された表示制御基板190に供給されるようになっている。また、電源基板100には、前述したホッパーモータ34、払出センサ35、打止スイッチ36、設定キースイッチ37、リセット/設定スイッチ38、電源スイッチ39が接続されている。
遊技制御基板40には、前述した1枚BETスイッチ5、MAXBETスイッチ6、スタートスイッチ7、ストップスイッチ8L、8C、8R、精算スイッチ10、リセットスイッチ23、投入メダルセンサ31、リールセンサ33が接続されているとともに、電源基板100を介して前述した払出センサ35、打止スイッチ36、設定キースイッチ37、リセット/設定スイッチ38が接続されており、これら接続されたスイッチ類の検出信号が入力されるようになっている。
また、遊技制御基板40には、前述したクレジット表示器11、遊技補助表示器12、ペイアウト表示器13、1〜3BETLED14〜16、投入要求LED17、スタート有効LED18、ウェイト中LED19、リプレイ中LED20、BETスイッチ有効LED21、左、中、右停止有効LED22L、22C、22R、設定値表示器24、流路切替ソレノイド30、リールモータ32L、32C、32Rが接続されているとともに、電源基板100を介して前述したホッパーモータ34が接続されており、これら電気部品は、遊技制御基板40に搭載された後述のメイン制御部41の制御に基づいて駆動されるようになっている。
遊技制御基板40には、CPU41a、ROM41b、RAM41c、I/Oポート41dを備えたマイクロコンピュータからなり、遊技の制御を行なうメイン制御部41、所定範囲(本実施例では0〜16383)の乱数を発生させる乱数発生回路42、乱数発生回路から乱数を取得するサンプリング回路43、遊技制御基板40に直接または電源基板100を介して接続されたスイッチ類から入力された検出信号を検出するスイッチ検出回路44、リールモータ32L、32C、32Rの駆動制御を行なうモータ駆動回路45、流路切替ソレノイド30の駆動制御を行なうソレノイド駆動回路46、遊技制御基板40に接続された各種表示器やLEDの駆動制御を行なうLED駆動回路47、スロットマシン1に供給される電源電圧を監視し、電圧低下を検出したときに、その旨を示す電圧低下信号をメイン制御部41に対して出力する電断検出回路48、電源投入時またはCPU41aからの初期化命令が入力されないときにCPU41aにリセット信号を与えるリセット回路49、その他各種デバイス、回路が搭載されている。
CPU41aは、計時機能、タイマ割込などの割込機能(割込禁止機能を含む)を備え、ROM41bに記憶されたプログラム(後述)を実行して、遊技の進行に関する処理を行なうととともに、遊技制御基板40に搭載された制御回路の各部を直接的または間接的に制御する。ROM41bは、CPU41aが実行するプログラムや各種テーブル等の固定的なデータを記憶する。RAM41cは、CPU41aがプログラムを実行する際のワーク領域等として使用される。I/Oポート41dは、メイン制御部41が備える信号入出力端子を介して接続された各回路との間で制御信号を入出力する。
メイン制御部41は、信号入力端子DATAを備えており、遊技制御基板40に接続された各種スイッチ類の検出状態がこれら信号入力端子DATAを介して入力ポートに入力される。これら信号入力端子DATAの入力状態は、CPU41aにより監視されており、CPU41aは、信号入力端子DATAの入力状態、すなわち各種スイッチ類の検出状態に応じて段階的に移行する基本処理を実行する。
また、CPU41aは、前述のように割込機能を備えており、割込の発生により基本処理に割り込んで割込処理を実行できるようになっている。本実施例では、割込1〜4の4種類の割込を実行可能であり、各割込毎にカウンタモード(信号入力端子DATAとは別個に設けられたトリガー端子CLK/TRGからの信号入力に応じて外部割込を発生させる割込モード)とタイマモード(CPU41aのクロック入力数に応じて内部割込を発生させる割込モード)のいずれかを選択して設定できるようになっている。
本実施例では、割込1〜4のうち、割込2がカウンタモードに設定され、割込3がタイマモードに設定され、割込1、4は未使用とされている。トリガー端子CLK/TRGは、前述した電断検出回路48と接続されており、CPU41aは電断検出回路48から出力された電圧低下信号の入力に応じて割込2を発生させて後述する電断割込処理を実行する。また、CPU41aは、クロック入力数が一定数に到達する毎、すなわち一定時間間隔(本実施例では、約0.56ms)毎に割込3を発生させて後述するタイマ割込処理(メイン)を実行する。また、割込1、4は、未使用に設定されているが、ノイズ等によって割込1、4が発生することがあり得る。このため、CPU41aは、割込1、4が発生した場合に、もとの処理に即時復帰させる未使用割込処理を実行するようになっている。
また、CPU41aは、割込1〜4のいずれかの割込の発生に基づく割込処理の実行中に他の割込を禁止するように設定されているとともに、複数の割込が同時に発生した場合には、割込2、3、1、4の順番で優先して実行する割込が設定されている。すなわち割込2とその他の割込が同時に発生した場合には、割込2を優先して実行し、割込3と割込1または4が同時に発生した場合には、割込3を優先して実行するようになっている。
また、CPU41aは、割込1〜4のいずれかの割込の発生に基づく割込処理の開始時に、レジスタに格納されている使用中のデータをRAM41cに設けられた後述のスタック領域に一時的に退避させるとともに、当該割込処理の終了時にスタック領域に退避させたデータをレジスタに復帰させるようになっている。
RAM41cには、DRAM(Dynamic RAM)が使用されており、記憶しているデータ
内容を維持するためのリフレッシュ動作が必要となる。CPU41aには、このリフレッシュ動作を行なうためのリフレッシュレジスタ41Rが設けられている。リフレッシュレジスタ41Rは、8ビットからなり、そのうちの下位7ビットが、CPU41aがROM41bから命令をフェッチする度に自動的にインクリメントされるもので、その値の更新は、1命令の実行時間毎に行なわれる。
また、メイン制御部41には、停電時においてもバックアップ電源が供給されており、バックアップ電源が供給されている間は、CPU41aによりリフレッシュ動作が行なわれてRAM41cに記憶されているデータが保持されるようになっている。
乱数発生回路42は、後述するように所定数のパルスを発生する度にカウントアップして値を更新するカウンタによって構成され、サンプリング回路43は、乱数発生回路42がカウントしている数値を取得する。乱数発生回路42は、乱数の種類毎にカウントする数値の範囲が定められており、本実施例では、その範囲として0〜16383が定められている。CPU41aは、その処理に応じてサンプリング回路43に指示を送ることで、乱数発生回路42が示している数値を乱数として取得する(以下、この機能をハードウェア乱数機能という)。後述する内部抽選用の乱数は、ハードウェア乱数機能により抽出した乱数をそのまま使用するのではなく、ソフトウェアにより加工して使用するが、その詳細については詳しく説明する。また、CPU41aは、前述のタイマ割込処理(メイン)により、特定のレジスタの数値を更新し、こうして更新された数値を乱数として取得する機能も有する(以下、この機能をソフトウェア乱数機能という)。
CPU41aは、I/Oポート41dを介して演出制御基板90に、各種のコマンドを送信する。遊技制御基板40から演出制御基板90へ送信されるコマンドは一方向のみで送られ、演出制御基板90から遊技制御基板40へ向けてコマンドが送られることはない。遊技制御基板40から演出制御基板90へ送信されるコマンドの伝送ラインは、ストローブ(INT)信号ライン、データ伝送ライン、グラウンドラインから構成されているとともに、演出中継基板80を介して接続されており、遊技制御基板40と演出制御基板90とが直接接続されない構成とされている。
演出制御基板90には、演出効果LED52、スピーカ53、54、リールLED55、演出用扉モータ56,57、位置特定用センサ71a〜71d等の電気部品が接続されており、これら電気部品は、演出制御基板90に搭載された後述のサブ制御部91による制御に基づいて駆動されるようになっている。なお、前述した演出効果LED用基板81a、81b、上部用演出効果LED用基板85、演出用扉モータ56、57、および位置特定用センサ71a〜71dは、演出用中継基板90aを介して演出制御基板90に接続される。
演出制御基板90には、メイン制御部41と同様にCPU91a、ROM91b、RAM91c、I/Oポート91dを備えたマイクロコンピュータにて構成され、演出の制御を行なうサブ制御部91、演出効果LED52およびリールLED55の駆動制御を行なうランプ駆動回路93、スピーカ53、54からの音声出力制御を行なう音声出力回路94、電源投入時またはCPU91aからの初期化命令が入力されないときにCPU91aにリセット信号を与えるリセット回路95、演出用扉モータ56,57の駆動制御を行なうモータ駆動回路96、その他の回路等、が搭載されており、CPU91aは、遊技制御基板40から送信されるコマンドを受けて、演出を行なうための各種の制御を行なうとともに、演出制御基板90に搭載された制御回路の各部を直接的または間接的に制御する。また、液晶表示器51による表示画像の表示を指示するコマンドを、I/Oポート91dを介して表示制御基板190に送信する。演出制御基板90から表示制御基板190へ送信されるコマンドは一方向のみで送られ、表示制御基板190から演出制御基板90へ向けてコマンドが送られることはない。
CPU91aは、メイン制御部41のCPU41aと同様に、タイマ割込などの割込機能(割込禁止機能を含む)を備える。サブ制御部91の割込端子(図示略)は、コマンド伝送ラインのうち、メイン制御部41がコマンドを送信する際に出力するストローブ(INT)信号線に接続されており、CPU91aは、ストローブ信号の入力に基づいて割込を発生させて、メイン制御部41からのコマンドを取得し、バッファに格納するコマンド受信割込処理を実行する。また、CPU91aは、クロック入力数が一定数に到達する毎、すなわち一定間隔毎に割込を発生させて後述するタイマ割込処理(サブ)を実行する。また、CPU91aにおいても未使用の割込が発生した場合には、もとの処理に即時復帰させる未使用割込処理を実行するようになっている。
また、CPU91aは、CPU41aとは異なり、ストローブ信号(INT)の入力に基づいて割込が発生した場合には、他の割込に基づく割込処理の実行中であっても、当該処理に割り込んでコマンド受信割込処理を実行し、他の割込が同時に発生してもコマンド受信割込処理を最優先で実行するようになっている。
また、サブ制御部91にも、停電時においてバックアップ電源が供給されており、バックアップ電源が供給されている間は、CPU91aによりリフレッシュ動作が行なわれてRAM91cに記憶されているデータが保持されるようになっている。
表示制御基板190には、スロットマシン1の前面扉14に配置された液晶表示器51(図1参照)が接続されており、該液晶表示器51は、表示制御基板190に搭載された後述の表示制御部191による制御に基づいて駆動されるようになっている。なお、前述した液晶表示器51は、表示用中継基板190aを介して表示制御基板190に接続される。前述した演出用中継基板90a、表示用中継基板190a、および液晶表示器51に含まれるバックライト用のインバータ基板51aは、前述した液晶カバー部材72の後面側に形成されている基板取付部に取り付けられる。
表示制御基板190には、メイン制御部41と同様にCPU191a、ROM191b、RAM191c、I/Oポート191dを備えたマイクロコンピュータにて構成され、演出制御基板90から送信されるコマンドに応じて、液晶表示器51の表示制御を行なう表示制御部191、液晶表示器51の駆動制御を行なう液晶駆動回路92、その他の回路等が搭載されており、CPU191aは、演出制御基板90から送信されるコマンドを受けて、液晶表示器51の表示制御を行なう。
また、表示制御部191にも、停電時においてバックアップ電源が供給されるようになっており、バックアップ電源が供給されている間は、CPU191aによりリフレッシュ動作が行なわれてRAM191cに記憶されているデータが保持されるようになっている。
本実施例のスロットマシン1は、設定値に応じてメダルの払出率が変わるものであり、後述する内部抽選の当選確率は、設定値に応じて定まるものとなる。以下、設定値の変更操作について説明する。
設定値を変更するためには、設定キースイッチ37をON状態としてからスロットマシン1の電源をONする必要がある。設定キースイッチ37をON状態として電源をONすると、設定値表示器24に設定値の初期値として1が表示され、リセット/設定スイッチ38の操作による設定値の変更操作が可能な設定変更モードに移行する。設定変更モードにおいて、リセット/設定スイッチ38が操作されると、設定値表示器24に表示された設定値が1ずつ更新されていく(設定6から更に操作されたときは、設定1に戻る)。そして、スタートスイッチ7が操作されると設定値が確定し、確定した設定値がメイン制御部41のRAM41cに格納される。そして、設定キースイッチ37がOFFされると、遊技の進行が可能な状態に移行する。
本実施例のスロットマシン1においては、メイン制御部41のCPU41aが電圧低下信号を検出した際に、電断割込処理を実行する。電断割込処理では、レジスタを後述するRAM41cのスタックに退避し、メイン制御部41のRAM41cにいずれかのビットが1となる破壊診断用データ(本実施例では、5AH)、すなわち0以外の特定のデータを格納するとともに、RAM41cの全ての領域に格納されたデータに基づくRAMパリティが0となるようにRAMパリティ調整用データを計算し、RAM41cに格納する処理を行なうようになっている。なお、RAMパリティとはRAM41cの該当する領域(本実施例では、全ての領域)の各ビットに格納されている値の排他的論理和として算出される値である。このため、RAM41cの全ての領域に格納されたデータに基づくRAMパリティが0であれば、RAMパリティ調整用データは0となり、RAM41cの全ての領域に格納されたデータに基づくRAMパリティが1であれば、RAMパリティ調整用データは1となる。
そして、CPU41aは、その起動時においてRAM41cの全ての領域に格納されたデータに基づいてRAMパリティを計算するとともに、破壊診断用データの値を確認し、RAMパリティが0であり、かつ破壊診断用データの値も正しいことを条件に、RAM41cに記憶されているデータに基づいてCPU41aの処理状態を電断前の状態に復帰させるが、RAMパリティが0でない場合(1の場合)や破壊診断用データの値が正しくない場合には、RAM異常と判定し、RAM異常エラーコードをレジスタにセットしてRAM異常エラー状態に制御し、遊技の進行を不能化させるようになっている。なお、RAM異常エラー状態は、他のエラー状態と異なり、リセットスイッチ23やリセット/設定スイッチ38を操作しても解除されないようになっており、前述した設定変更モードにおいて新たな設定値が設定されるまで解除されることがない。
また、CPU41aは、後述する内部抽選処理において内部抽選に用いる設定値が適正な値であるか否かを判定する設定値判定処理を実行する。
設定値判定処理では、内部抽選に用いる設定値が適正な範囲の値(1〜6)か否かを判定する設定値判定処理1、内部抽選に用いる設定値と、設定変更時に設定された設定値と、が一致するか否かを判定する設定値判定処理2、今回のゲームの内部抽選に用いる設定値と、前回のゲームの内部抽選に用いた設定値と、が一致するか否かを判定する設定値判定処理3、を1ゲーム毎にそれぞれ実行する。
そして、設定値判定処理1において、内部抽選に用いる設定値が適正な範囲の値でない場合、または設定値判定処理2において、内部抽選に用いる設定値と、設定変更時に設定された設定値と、が一致しない場合、または設定値判定処理3において、今回のゲームの内部抽選に用いる設定値と、前回のゲームの内部抽選に用いた設定値と、が一致しない場合にも、RAM異常と判定し、RAM異常エラーコードをセットしてRAM異常エラー状態に制御し、遊技の進行を不能化させるようになっている。
本実施例のスロットマシン1は、前述のように遊技状態に応じて設定可能な賭数の規定数が定められており、遊技状態に応じて定められた規定数の賭数が設定されたことを条件にゲームを開始させることが可能となる。本実施例では、賭数の規定数として3が定められている。このため、賭数として3が設定されるとゲームを開始させることが可能となる。なお、本実施例では、賭数として3が設定された時点で全ての入賞ラインL1〜L5が有効化されることとなる。
本実施例のスロットマシン1は、全てのリール2L、2C、2Rが停止した際に、有効化された入賞ライン(本実施例の場合、常に全ての入賞ラインが有効化されるため、以下では、有効化された入賞ラインを単に入賞ラインと呼ぶ)上に役と呼ばれる図柄の組合せが揃うと入賞となる。入賞となる役の種類は、遊技状態に応じて定められているが、大きく分けて、メダルの払い出しを伴う小役と、賭数の設定を必要とせずに次のゲームを開始可能となる再遊技役と、遊技状態の移行を伴う特別役と、がある。遊技状態に応じて定められた各役の入賞が発生するためには、後述する内部抽選に当選して、当該役の当選フラグがRAM41cに設定されている必要がある。
なお、これら各役の当選フラグのうち、小役および再遊技役の当選フラグは、当該フラグが設定されたゲームにおいてのみ有効とされ、次のゲームでは無効となるが、特別役の当選フラグは、当該フラグにより許容された役の組合せが揃うまで有効とされ、許容された役の組合せが揃ったゲームにおいて無効となる。すなわち特別役の当選フラグが一度当選すると、たとえ、当該フラグにより許容された役の組合せを揃えることができなかった場合にも、その当選フラグは無効とされずに、次のゲームへ持ち越されることとなる。
図7(a)は、遊技状態別当選役テーブルを示す図である。遊技状態別当選役テーブルは、メイン制御部41のROM41bに予め格納され、内部抽選において当選と判定される役を判断するために用いられるものであるが、遊技状態別当選役テーブルの登録内容は、遊技状態に応じて定められた役を示すものとなる。このスロットマシン1における役としては、特別役としてレギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)、ビッグボーナス(2)が、小役としてチェリー、1枚(1)、1枚(2)、ベルが、再遊技役としてリプレイが定められている。
レギュラーボーナスの遊技状態では、小役であるチェリー、1枚(1)、1枚(2)およびベルが、入賞となる役として定められており、レギュラーボーナスにおける内部抽選で抽選の対象とされる。通常遊技状態では、特別役であるレギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)、ビッグボーナス(2)、小役であるチェリー、1枚(1)、1枚(2)およびベル、再遊技役であるリプレイが入賞となる役として定められており、通常遊技状態における内部抽選で抽選の対象とされる。
チェリーは、いずれの遊技状態においても左リールについて入賞ラインのいずれかに「チェリー」の図柄が導出されたときに入賞となり、通常遊技状態においては2枚、レギュラーボーナスにおいては15枚のメダルが払い出される。なお、「チェリー」の図柄が左リールの上段または下段に停止した場合には、入賞ラインL2、L4または入賞ラインL3、L5の2本の入賞ラインにチェリーの組合せが揃うこととなり、2本の入賞ライン上でチェリーに入賞したこととなり、通常遊技状態においては4枚が払い出される。レギュラーボーナスにおいては合計枚数が30枚となるが、上限である15枚を超えるため、この場合には15枚が払い出される。1枚(1)は、いずれの遊技状態においても入賞ラインのいずれかに「青7−赤7−スイカ」の組合せが揃ったときに入賞となり、通常遊技状態においては1枚、レギュラーボーナスにおいては15枚のメダルが払い出される。1枚(2)は、いずれの遊技状態においても入賞ラインのいずれかに「赤7−青7−スイカ」の組合せが揃ったときに入賞となり、通常遊技状態においては1枚、レギュラーボーナスにおいては15枚のメダルが払い出される。ベルは、いずれの遊技状態においても入賞ラインのいずれかに「ベル−ベル−ベル」の組合せが揃ったときに入賞となり、通常遊技状態においては8枚、レギュラーボーナスにおいては15枚のメダルが払い出される。これらの小役が入賞したときのメダルの払い出しについては後述する。
リプレイは、通常遊技状態において入賞ラインのいずれかに「リプレイ−リプレイ−リプレイ」の組合せが揃ったときに入賞となるが、レギュラーボーナスでは、この組合せが揃ったとしてもリプレイ入賞とならない。リプレイ入賞したときには、メダルの払い出しはないが次のゲームを改めて賭数を設定することなく開始できるので、次のゲームで設定不要となった賭数(レギュラーボーナスではリプレイ入賞しないので必ず3)に対応した3枚のメダルが払い出されるのと実質的には同じこととなる。
レギュラーボーナスは、通常遊技状態において入賞ラインのいずれかに「赤7−赤7−BAR」の組合せが揃ったときに入賞となる。レギュラーボーナス入賞すると、遊技状態が通常遊技状態からレギュラーボーナスに移行する。レギュラーボーナスは、12ゲームを消化したとき、または8ゲーム入賞(役の種類は、いずれでも可)したとき、のいずれか早いほうで終了する。遊技状態がレギュラーボーナスにある間は、レギュラーボーナス中フラグがRAM41cに設定される。
ビッグボーナスは、通常遊技状態において入賞ラインのいずれかに「赤7−赤7−赤7」の組合せ、または「青7−青7−青7」の組合せが揃ったときに入賞となる。ビッグボーナス入賞すると、遊技状態がビッグボーナスに移行する。ビッグボーナスに移行すると、ビッグボーナスへの移行と同時にレギュラーボーナスに移行し、レギュラーボーナスが終了した際に、ビッグボーナスが終了していなければ、再度レギュラーボーナスに移行し、ビッグボーナスが終了するまで繰り返しレギュラーボーナスに制御される。すなわちビッグボーナス中は、常にレギュラーボーナスに制御されることとなる。そして、ビッグボーナスは、当該ビッグボーナス中において遊技者に払い出したメダルの総数が466枚に達したときに終了する。この際、レギュラーボーナスの終了条件が成立しているか否かに関わらずレギュラーボーナスも終了する。遊技状態がビッグボーナスにある間は、ビッグボーナス中フラグがRAM41cに設定される。
なお、「赤7−赤7−赤7」によるビッグボーナスおよび「青7−青7−青7」によるビッグボーナスを区別する必要がある場合には、それぞれビッグボーナス(1)、ビッグボーナス(2)と呼ぶものとする。また、前述したレギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)およびビッグボーナス(2)をまとめて、単に「ボーナス」と呼ぶ場合があるものとする。
以下、内部抽選について説明する。内部抽選は、上記した各役への入賞を許容するかどうかを、全てのリール2L、2C、2Rの表示結果が導出表示される以前に(実際には、スタートスイッチ7の検出時)、決定するものである。内部抽選では、まず、内部抽選用の乱数(0〜16383の整数)が取得される。そして、遊技状態に応じて定められた各役について、取得した内部抽選用の乱数と、遊技者が設定した賭数と、設定値に応じて定められた各役の判定値数に応じて行なわれる。
遊技状態に応じた役の参照は、図7(a)に示した遊技状態別役テーブルに応じて行なわれる。遊技状態がレギュラーボーナス(ビッグボーナス中に提供された場合を含む)にあるときには、チェリー、1枚(1)、1枚(2)、ベルが内部抽選の対象役として順に読み出され、遊技状態が通常遊技状態にあるときには、レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)、ビッグボーナス(2)、チェリー、1枚(1)、1枚(2)、ベル、リプレイが内部抽選の対象役として順に読み出される。もっとも、前回以前のゲームでレギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)、ビッグボーナス(2)の当選フラグが設定され、当該フラグに基づく入賞が発生しないで持ち越されているときには、レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)、ビッグボーナス(2)は、内部抽選の対象役となることはない。
内部抽選では、内部抽選の対象役について定められた判定値数を、内部抽選用の乱数に順次加算し、加算の結果がオーバーフローしたときに、当該役に当選したものと判定される。当選と判定されると、当該役の当選フラグがメイン制御部41のRAM41cに設定される。判定値数は、メイン制御部41のROMに予め格納された役別テーブルに登録されている判定値数の格納アドレスに従って読み出されるものとなる。
図7(b)は、役別テーブルの例を示す図である。判定値数は、その値が256以上になるものもあり、1バイト分では記憶できないので、判定値数毎に2バイト分の記憶領域を用いて登録されるものとなる。
各役の判定値数は、遊技者が設定する賭数(BET)に対応して登録されている。同一の役であっても、賭数に応じて当選確率が異なっている場合があるからである。また、各役の賭数に応じた判定値数は、設定値に関わらずに共通になっているものと、設定値に応じて異なっているものとがある。判定値数が設定値に関わらずに共通である場合には、共通フラグが設定される(値が「1」とされる)。
役別テーブルには、図7(b)に示すように、レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)、ビッグボーナス(2)、チェリー、1枚(1)、1枚(2)、ベル、リプレイの判定値数の格納アドレスが登録されている。
レギュラーボーナスは、通常遊技状態において内部抽選の対象となる役であり、通常遊技状態に対応する判定値数の格納アドレスとが登録されている。レギュラーボーナスについては、共通フラグが0となっており、設定値に応じて個別に判定値数の格納アドレスが登録されている。
ビッグボーナス(1)、ビッグボーナス(2)は、通常遊技状態において内部抽選の対象となる役であり、通常遊技状態に対応する判定値数の格納アドレスとが登録されている。ビッグボーナス(1)、ビッグボーナス(2)については、共通フラグが0となっており、設定値に応じて個別に判定値数の格納アドレスが登録されている。
チェリー、1枚(1)、1枚(2)およびベルは、レギュラーボーナスおよび通常遊技状態のいずれの遊技状態においても内部抽選の対象となる役であり、レギュラーボーナスに対応する判定値数の格納アドレスと、通常遊技状態に対応する判定値数の格納アドレスと、が登録されている。チェリー、1枚(1)、1枚(2)については、共通フラグが1となっており、それぞれの遊技状態に応じて設定値に関わらず共通の判定値数の格納アドレスが登録されている。ベルについては、共通フラグが0となっており、それぞれの遊技状態および設定値に応じて個別に判定値数の格納アドレスが登録されている。
リプレイは、通常遊技状態において内部抽選の対象となる役であり、通常遊技状態に対応する判定値数の格納アドレスが登録されている。この役の共通フラグは1であり、設定値に関わらず共通の判定値数の格納アドレスが登録されている。
また、役別テーブルには、各役に入賞したときに払い出されるメダルの払出枚数も登録されている。もっとも、入賞したときにメダルの払い出し対象となる役は、小役であるチェリー、1枚(1)、1枚(2)およびベルだけである。チェリー、1枚(1)、1枚(2)およびベルは、遊技状態に関わらず入賞が発生可能であるが、これらの役については、遊技状態がレギュラーボーナスにあるときには、遊技状態が通常遊技状態にあるときよりも多いメダルが払い出されるものとなる。また、左リールの上段または下段に「チェリー」が停止した場合には、前述のように2本の入賞ラインにチェリーの組合せが揃ったこととなるため、それぞれの払出枚数の合計枚数が払い出されることとなる。本実施例では、通常遊技状態においてチェリーの払出枚数が2枚であるため、4枚のメダルが払い出される。レギュラーボーナスでは、チェリーの払出枚数が15枚であるが、合計枚数が上限である15枚を超えるため、この場合には15枚のメダルが払い出される。
レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)、ビッグボーナス(2)の入賞は、遊技状態の移行を伴うものであり、メダルの払い出し対象とはならない。リプレイでは、メダルの払い出しを伴わないが、次のゲーム(必ず通常遊技状態)で賭数の設定に用いメダルの投入が不要となるので実質的には3枚の払い出しと変わらない。
図8は、役別テーブルに登録されたアドレスに基づいて取得される判定値数の記憶領域を示す図である。この判定値数の記憶領域は、開発用の機種ではメイン制御部41のRAM41cに、量産機種ではメイン制御部41のROM41bに割り当てられたアドレス領域に設けられている。
たとえばアドレスADD+74は、内部抽選の対象役がリプレイであるときに賭数および設定値に関わらずに参照されるアドレスであり、賭数および設定値に関わらずに、2245が判定値数として取得される。
アドレスADDは、通常遊技状態において内部抽選の対象役がレギュラーボーナスであって設定値が1のときに参照されるアドレスであり、このときには、ここに格納された値である31が判定値数として取得される。アドレスADD+2、ADD+4、ADD+6、ADD+8、ADD+10は、それぞれ通常遊技状態において内部抽選の対象役がレギュラーボーナスであって設定値が2〜6のときに参照されるアドレスである。レギュラーボーナスについては、設定値に応じて個別に判定値数が記憶されているが、同一の判定値数が記憶されているので、いずれの設定値においてもレギュラーボーナスの当選確率は同じとなっている。
アドレスADD+12、ADD+14、ADD+16、ADD+18、ADD+20、ADD+22は、それぞれ通常遊技状態において内部抽選の対象役がビッグボーナス(1)であって設定値が1〜6のときに参照されるアドレスである。アドレスADD+24、ADD+26、ADD+28、ADD+30、ADD+32、ADD+34は、それぞれ通常遊技状態において内部抽選の対象役がビッグボーナス(2)であって設定値が1〜6のときに参照されるアドレスである。ビッグボーナス(1)、ビッグボーナス(2)については、判定値数が、設定値に応じて個別に記憶され、しかも異なる判定値数が記憶されているので、設定値に応じて当選確率が異なることとなる。
アドレスADD+38は、レギュラーボーナスにおいて内部抽選の対象役がチェリーであるときに設定値に関わらずに参照されるアドレスである。アドレスADD+40は、通常遊技状態において内部抽選の対象役がチェリーであるときに設定値に関わらず参照されるアドレスである。チェリーについての判定値数は、賭数に応じて登録されているが、同じ値が登録されているので、レギュラーボーナスであるか、通常遊技状態であるかに関わらずチェリーの当選確率は同じとなる。1枚(1)についても、アドレスADD+42、ADD+44に同様にして判定値数が登録されており、1枚(2)についても、アドレスADD+46、ADD+48に同様にして判定値数が登録されている。
アドレスADD+50、ADD+52、ADD+54、ADD+56、ADD+58、ADD+60は、それぞれレギュラーボーナスにおいて内部抽選の対象役がベルであって設定値が1〜6のときに参照されるアドレスである。アドレスADD+50とADD+52、ADD+54とADD+56、ADD+58とADD+60には、それぞれ同一の値が登録されているので、レギュラーボーナス時においては、設定値1と設定値2、設定値3と設定値4、設定値5と設定値6とで、ベルの当選確率が同一となる。
アドレスADD+62、ADD+64、ADD+66、ADD+68、ADD+70、ADD+72は、それぞれ通常遊技状態において内部抽選の対象役がベルであって設定値が1〜6のときに参照されるアドレスである。アドレスADD+62、ADD+64、ADD+66、ADD+68、ADD+70、ADD+72には、互いに異なる値が登録されているので、通常遊技状態においては、設定値に応じてベルの当選確率が異なることとなる。
図9および図10は、内部抽選用の乱数の値および各役の判定値数と、当選役との関係の例を示す図である。図9では通常遊技状態にあるときの、図10ではレギュラーボーナス中にあるときの例を示している。図9および図10のいずれも、設定値が6の場合の例を示しており、またレギュラーボーナス、ビッグボーナスのいずれの当選フラグも設定されてない場合の例を示している。
たとえば、図9に示すように、通常遊技状態では、内部抽選の対象役となる役は、レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)、ビッグボーナス(2)、チェリー、1枚(1)、1枚(2)、ベル、リプレイであり、設定値6においては、それぞれの判定値数は、31、20、40、96、163、163、2082、2245となる。最初に内部抽選の対象役となるレギュラーボーナスは、判定値数の31を加算することで加算結果がオーバーフローすることとなる16353〜16383が内部抽選用の乱数として取得されたときに当選となる。
次に内部抽選の対象役となるビッグボーナス(1)は、レギュラーボーナスの判定値数31とビッグボーナス(1)の判定値数20とを合計した51を加算することで加算結果がオーバーフローすることとなる16333〜16352が内部抽選用の乱数として取得されたときに当選となる。同様に、ビッグボーナス(2)は、16293〜16332が内部抽選用の乱数として取得されたときに、チェリーは、16197〜16292が内部抽選用の乱数として取得されたときに、1枚(1)は、16034〜16196が内部抽選用の乱数として取得されたときに、1枚(2)は、15871〜16033が内部抽選用の乱数として取得されたときに、ベルは、13789〜15870が内部抽選用の乱数として取得されたときに、リプレイは、11544〜13788が内部抽選用の乱数として取得されたときに、それぞれ当選と判定される。
これらの判定値数に基づいて算出される各役のおおよその当選確率は、レギュラーボーナス(1)、ビッグボーナス(1)、ビッグボーナス(2)、チェリー、1枚(1)、1枚(2)、ベル、リプレイのそれぞれについて、1/528.5、1/819.2、1/409.6、1/170.1、1/100.5、1/100.5、1/7.9、1/7.3となる。なお、0〜11543が内部抽選用の乱数として取得されたときには、全ての役にハズレとなる。
また、図10に示すように、レギュラーボーナスでは、チェリー、1枚(1)、1枚(2)、ベルが内部抽選の対象役となり、それぞれの判定値数が96、163、163、15919であるので、16288〜16383、16125〜16287、15962〜16124、43〜15961が内部抽選用の乱数として取得されたときに、当選と判定される。また、それぞれの役のおおよその当選確率は、1/170.1、1/100.5、1/100.5、1/1.03となる。なお、0〜42が内部抽選用の乱数として取得されたときには、全ての役にハズレとなる。これらの内部抽選用の乱数は、ハードウェア乱数機能により乱数発生回路42から乱数を抽出し、これをCPU41aがソフトウェアによって加工することによって取得されるものとなる。
次に、リール2L、2C、2Rの停止制御について説明する。CPU41aは、リールの回転が開始したとき、および、リールが停止しかつ未だ回転中のリールが残っているときに、ROM41bに格納されているテーブルインデックスおよびテーブル作成用データを参照して、回転中のリール別に停止制御テーブルを作成する。そして、ストップスイッチ8L、8C、8Rのうち、回転中のリールに対応するいずれかの操作が有効に検出されたときに、該当するリールの停止制御テーブルを参照し、参照した停止制御テーブルの引込コマ数に基づいて、操作されたストップスイッチ8L、8C、8Rに対応するリール2L、2C、2Rの回転を停止させる制御を行なう。
テーブルインデックスには、図11に示すように、各遊技状態について内部抽選による当選フラグの設定状態(以下、内部当選状態と呼ぶ)別に、テーブル作成用データが格納された領域の先頭アドレスが格納されている。
具体的には、通常遊技状態においては、チェリー、1枚(1)、1枚(2)、ベル、リプレイ、ビッグボーナス(1)(+ハズレ)、ビッグボーナス(1)+チェリー、ビッグボーナス(1)+1枚(1)、ビッグボーナス(1)+1枚(2)、ビッグボーナス(1)+ベル、ビッグボーナス(1)+リプレイ、ビッグボーナス(2)(+ハズレ)、ビッグボーナス(2)+チェリー、ビッグボーナス(2)+1枚(1)、ビッグボーナス(2)+1枚(2)、ビッグボーナス(2)+ベル、ビッグボーナス(2)+リプレイ、レギュラーボーナス(+ハズレ)、レギュラーボーナス+チェリー、レギュラーボーナス+1枚(1)、レギュラーボーナス+1枚(2)、レギュラーボーナス+ベル、レギュラーボーナス+リプレイ、ハズレのそれぞれについて、テーブル作成用データが格納された領域の先頭アドレスが格納され、レギュラーボーナスについては、チェリー、1枚(1)、1枚(2)、ベル、ハズレのそれぞれについて、テーブル作成用データが格納された領域の先頭アドレスが格納されている。なお、遊技状態が異なったり、役の当選状況が異なったりする場合でも、同一の制御が適用される場合(たとえば、通常遊技状態におけるチェリー当選時と、レギュラーボーナスにおけるチェリー当選時と、で同一の制御を適用する場合や、ビッグボーナス(1)+リプレイ当選時と、ビッグボーナス(2)+リプレイ当選時と、レギュラーボーナス+リプレイ当選時と、で同一の制御を適用する場合など)においては、テーブル作成用データが格納された領域の先頭アドレスとして同一のアドレスが格納されており、このような場合には、同一のテーブル作成用データを参照して、停止制御テーブルが作成されることとなる。
テーブル作成用データは、停止操作位置に応じた引込コマ数を示す引込コマ数データと、リールの停止状況に応じて参照すべき引込コマ数データのアドレスと、からなる。
リールの停止状況に応じて参照される引込コマ数データは、全てのリールが回転しているか、左リールのみ停止しているか、中リールのみ停止しているか、右リールのみ停止しているか、左、中リールが停止しているか、左、右リールが停止しているか、中、右リールが停止しているか、によって異なる場合があり、更に、いずれかのリールが停止している状況においては、停止済みのリールの停止位置によっても異なる場合があるので、それぞれの状況について、参照すべき引込コマ数データのアドレスが回転中のリール別に登録されており、テーブル作成用データの先頭アドレスに基づいて、それぞれの状況に応じて参照すべき引込コマ数データのアドレスが特定可能とされ、この特定されたアドレスから、それぞれの状況に応じて必要な引込コマ数データを特定できるようになっている。なお、リールの停止状況や停止済みのリールの停止位置が異なる場合でも、同一の引込コマ数データが適用される場合においては、引込コマ数データのアドレスとして同一のアドレスが登録されているものもあり、このような場合には、同一の引込コマ数データが参照されることとなる。
引込コマ数データは、停止操作が行なわれたタイミング別の引込コマ数を特定可能なデータである。本実施例では、リールモータ32L、32C、32Rに、168ステップ(0〜167)の周期で1周するステッピングモータを用いている。すなわちリールモータ32L、32C、32Rを168ステップ駆動させることでリール2L、2C、2Rが1周することとなる。そして、特に図示はしないが、リール1周に対して8ステップ(1図柄が移動するステップ数)毎に分割した21の領域(コマ)が定められており、これらの領域には、リール基準位置から1〜21の領域番号が割り当てられている。一方、1リールに配列された図柄数も21であり、各リールの図柄に対して、リール基準位置から1〜21の図柄番号が割り当てられているので、1番図柄から21番図柄に対して、それぞれ1〜21の領域番号が順に割り当てられていることとなる。そして、引込コマ数データには、領域番号別の引込コマ数が所定のルールで圧縮して格納されており、引込コマ数データを展開することによって領域番号別の引込コマ数を取得できるようになっている。
前述のようにテーブルインデックスおよびテーブル作成用データを参照して作成される停止制御テーブルは、各領域番号に対応する領域が停止基準位置(たとえば透視窓3の下段図柄の領域)に位置するタイミング(リール基準位置からのステップ数が各領域番号のステップ数の範囲に含まれるタイミング)でストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出された場合の引込コマ数がそれぞれ設定されたテーブルである。
次に、停止制御テーブルの作成手順について説明すると、まず、リール回転開始時においては、そのゲームの遊技状態および内部当選状態に応じたテーブル作成用データの先頭アドレスを取得する。そして取得した先頭アドレスに基づいてテーブル作成用データを特定し、特定したテーブル作成用データから全てのリールが回転中の状態に対応する各リールの引込コマ数データのアドレスを取得し、取得したアドレスに格納されている各リールの引込コマ数データを展開して全てのリールについて停止制御テーブルを作成する。
また、いずれか1つのリールが停止したとき、またはいずれか2つのリールが停止したときには、リール回転開始時に取得した先頭アドレス、すなわちそのゲームの遊技状態および内部当選状態に応じたテーブル作成用データの先頭アドレスに基づいてテーブル作成用データを特定し、特定したテーブル作成用データから停止済みのリールおよび当該リールの停止位置の領域番号に対応する未停止リールの引込コマ数データのアドレスを取得し、取得したアドレスに格納されている各リールの引込コマ数データを展開して未停止のリールについて停止制御テーブルを作成する。
次に、CPU41aがストップスイッチ8L、8C、8Rのうち、回転中のリールに対応するいずれかの操作を有効に検出したときに、該当するリールに表示結果を導出させる際の制御について説明すると、ストップスイッチ8L、8C、8Rのうち、回転中のリールに対応するいずれかの操作を有効に検出すると、停止操作を検出した時点のリール基準位置からのステップ数に基づいて停止操作位置の領域番号を特定し、停止操作が検出されたリールの停止制御テーブルを参照し、特定した停止操作位置の領域番号に対応する引込コマ数を取得する。そして、取得した引込コマ数分リールを回転させて停止させる制御を行なう。具体的には、停止操作を検出した時点のリール基準位置からのステップ数から、取得した引込コマ数引き込んで停止させるまでのステップ数を算出し、算出したステップ数分リールを回転させて停止させる制御を行なう。これにより、停止操作が検出された停止操作位置の領域番号に対応する領域(停止操作ポイント)から引込コマ数分先の停止位置となる領域番号に対応する領域(停止ポイント)が停止基準位置(たとえば透視窓3の下段図柄の領域)に停止することとなる。
また、本実施例のテーブルインデックスには、一の遊技状態における一の内部当選状態に対応するテーブル作成用データの格納領域の先頭アドレスとして1つのアドレスのみが格納されており、更に、一のテーブル作成用データには、一のリールの停止状況(および停止済みのリールの停止位置)に対応する引込コマ数データの格納領域のアドレスとして1つのアドレスのみが格納されている。すなわち一の遊技状態における一の内部当選状態に対応するテーブル作成用データ、およびリールの停止状況(および停止済みのリールの停止位置)に対応する引込コマ数データが一意的に定められており、これらを参照して作成される停止制御テーブルも、一の遊技状態における一の内部当選状態、およびリールの停止状況(および停止済みのリールの停止位置)に対して一意となる。このため、遊技状態、内部当選状態、リールの停止状況(および停止済みのリールの停止位置)の全てが同一条件となった際に、同一の停止制御テーブル、すなわち同一の制御パターンに基づいてリールの停止制御が行なわれることとなる。
また、本実施例では、引込コマ数として0〜4の値が定められており、停止操作を検出してから最大4コマ図柄を引き込んでリールを停止させることが可能である。すなわち停止操作を検出した停止操作位置を含め、最大5コマの範囲から図柄の停止位置を指定できるようになっている。また、1図柄分リールを移動させるのに1コマの移動が必要であるので、停止操作を検出してから最大4図柄を引き込んでリールを停止させることが可能であり、停止操作を検出した停止操作位置を含め、最大5図柄の範囲から図柄の停止位置を指定できることとなる。
また、テーブルインデックスには、いずれかの役に当選している場合に対応して、当選役を4コマの範囲で最大限に引き込み、当選していない役が揃わないように引き込む引込コマ数が定められたテーブル作成用データのアドレスが格納され、ハズレに当選している場合に対応して、いずれの役も揃わないように引き込む引込コマ数が定められたテーブル作成用データのアドレスが格納されている。このため、いずれかの役に当選している場合には、当選役を4コマの範囲で最大限引き込み、当選していない役が揃わないように引き込む引込コマ数が定められた停止制御テーブルが作成され、リールの停止制御が行なわれる一方、ハズレに当選している場合には、いずれの役も揃わない引込コマ数が定められた停止制御テーブルが作成され、リールの停止制御が行なわれる。これにより、停止操作が行なわれた際に、入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で当選している役の図柄を揃えて停止させることができれば、これを揃えて停止させる制御が行なわれ、当選していない役の図柄は、最大4コマの引込範囲でハズシて停止させる制御が行なわれることとなる。
また、テーブルインデックスには、特別役が前ゲーム以前から持ち越されている状態で小役が当選した場合(ビッグボーナス(1)+チェリー、ビッグボーナス(1)+ベルなど)に対応して、当選した特別役を4コマの範囲で最大限に引き込むように引込コマ数が定められているとともに、当選した特別役を最大4コマの範囲で引き込めない停止操作位置については、当選した小役を4コマの範囲で最大限に引き込むように引込コマ数が定められたテーブル作成用データのアドレスが格納され、リールの停止制御が行なわれる。これにより、停止操作が行なわれた際に、入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で当選している特別役の図柄を揃えて停止させることができれば、これを揃えて停止させる制御が行なわれ、入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で当選している特別役の図柄を引き込めない場合には、入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で当選している小役の図柄を揃えて停止させることができれば、これを揃えて停止させる制御が行なわれ、当選していない役の図柄は、4コマの引込範囲でハズシて停止させる制御が行なわれることとなる。すなわちこのような場合には、小役よりも特別役を入賞ライン上に揃える制御が優先され、特別役を引き込めない場合にのみ、小役を入賞させることが可能となる。
また、テーブルインデックスには、特別役が前ゲーム以前から持ち越されている状態で再遊技役が当選した場合(ビッグボーナス(1)+リプレイなど)に対応して、再遊技役を4コマの範囲で最大限に引き込むように引込コマ数が定められたテーブル作成用データのアドレスが格納され、リールの停止制御が行なわれる。これにより、停止操作が行なわれた際に、入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で再遊技役の図柄を揃えて停止させる制御が行なわれる。なお、後に説明するように、再遊技役を構成する図柄である「リプレイ」は、リール2L、2C、2Rのいずれについても5図柄以内、すなわち4コマ以内の間隔で配置されており、4コマの引込範囲で必ず任意の位置に停止させることができるので、特別役が前ゲーム以前から持ち越されている状態で再遊技役が当選した場合には、遊技者によるストップスイッチ8L、8C、8Rの操作タイミングに関わらずに、必ず再遊技役が揃って入賞することとなる。すなわちこのような場合には、特別役よりも再遊技役を入賞ライン上に揃える制御が優先され、必ず再遊技役が入賞することとなる。
ここで、図2に示すように、「ベル」、「リプレイ」図柄については、リール2L、2C、2Rのいずれについても5図柄以内、すなわち4コマ以内の間隔で配置されており、4コマの引込範囲で必ず任意の位置に停止させることができる。つまり、ベル、リプレイの当選フラグがそれぞれ設定されているときには、遊技者によるストップスイッチ8L、8C、8Rの操作タイミングに関わらずに、必ず当該役を入賞させることができる。
更に、リプレイの当選フラグが設定されているときに、左リールが未だ回転している状態では、中リールおよび右リールの停止制御テーブルとして、必ず「リプレイ」図柄を4コマの引込範囲で入賞ラインL2またはL5上に引き込む停止制御テーブルが作成されるとともに、中リールまたは右リールの少なくとも一方の入賞ラインL2またはL5上に「リプレイ」図柄が停止した状態では、左リールの停止制御テーブルとして、5番の「リプレイ」図柄、すなわち当該図柄を入賞ラインL2またはL5上に停止させると「チェリー」も入賞ラインL1上に停止してしまう「リプレイ」図柄を除く「リプレイ」図柄を4コマの引込範囲で入賞ラインL2またはL5上に引き込む停止制御テーブルが作成され、中リールや右リールを左リールよりも先に停止させた場合には、入賞ラインL2またはL5上に「リプレイ」図柄を引き込み、その後左リールを停止させた際にも、必ず入賞ラインL2またはL5上に5番以外の「リプレイ」図柄を引き込む制御が行なわれるので、たとえば、中リールおよび右リールの入賞ラインL2またはL5上に5番の「リプレイ」図柄が停止することによって、リプレイとチェリーが同時に入賞してしまうことがない。また、左リールでは、2番の「リプレイ」図柄と7番の「リプレイ」図柄とが4コマ以内で配置されているため、5番の「リプレイ」図柄を避ける制御を行なった場合でも、遊技者によるストップスイッチ8L、8C、8Rの操作タイミングに関わらずに、必ずリプレイを入賞させることができる。
また、ベルの当選フラグが設定されているときに、左リールが未だ回転している状態では、中リールおよび右リールの停止制御テーブルとして、必ず「ベル」図柄を4コマの引込範囲で入賞ラインL1上に引き込む停止制御テーブルが作成されるとともに、中リールまたは右リールの少なくとも一方の入賞ラインL1上に「ベル」図柄が停止した状態では、左リールの停止制御テーブルとして、「ベル」図柄を4コマの引込範囲で入賞ラインL1上に引き込む停止制御テーブルが作成され、中リールや右リールを左リールよりも先に停止させた場合には、入賞ラインL1上に「ベル」図柄を引き込み、その後左リールを停止させた際にも、必ず入賞ラインL1上に「ベル」図柄を引き込む制御が行なわれる。また、左リールでは、「ベル」図柄と「チェリー」図柄が連続して配置されていない。このため、遊技者によるストップスイッチ8L、8C、8Rの操作タイミングに関わらずに、必ずベルを入賞させることができるうえに、ベルとチェリーが同時に入賞してしまうこともない。
また、リール回転開始時には、内部当選状態に対応する上述の停止制御テーブルが左リールの停止制御テーブルとして作成されるようになっており、中リールまたは右リールのいずれか1つのリールが停止している場合、または中リールおよび右リールの双方が停止している場合においても、当選しているボーナスの組合せを構成する図柄が入賞ライン上に揃っている場合や、当選していない役が入賞してしまう可能性がある場合を除いて、内部当選状態に対応する停止制御テーブルが左リールの停止制御テーブルとして作成されるようになっている。
次に、メイン制御部41のRAM41cの初期化について説明する。メイン制御部41のRAM41cの格納領域は、重要ワーク、一般ワーク、特別ワーク、設定値ワーク1〜3、非保存ワーク、未使用領域、スタック領域に区分されている。
重要ワークは、各種表示器やLEDの表示用データ、I/Oポート41dの入出力データ、遊技時間の計時カウンタ等、ビッグボーナス終了時に初期化すると不都合があるデータが格納されるワークである。一般ワークは、停止制御テーブル、停止図柄、メダルの払出枚数、ビッグボーナス中のメダル払出総数等、ビッグボーナス終了時に初期化可能なデータが格納されるワークである。特別ワークは、演出制御基板90へコマンドを送信するためのデータ、各種ソフトウェア乱数等、設定開始前にのみ初期化されるデータが格納されるワークである。設定値ワーク1は、内部抽選処理で抽選を行なう際に用いる設定値が格納されるワークであり、設定開始前(設定変更モードへの移行前)の初期化において0が格納された後、1に補正され、設定終了時(設定変更モードへの終了時)に新たに設定された設定値が格納されることとなる。設定値ワーク2は、内部抽選処理で抽選を行なう際に設定値ワーク1から読み出された設定値が、設定終了時に格納された設定値と一致するか否かを判定する際に用いる設定値が格納されるワークであり、設定終了時(設定変更モードへの終了時)に新たに設定された設定値が格納されることとなる。設定値ワーク3は、内部抽選処理で抽選を行なう際に設定値ワーク1から読み出された設定値が、前のゲームの内部抽選処理で抽選を行なう際に用いた設定値と一致するか否かを判定する際に用いる設定値、すなわち前のゲームの設定値が格納されるワークであり、設定終了時(設定変更モードへの終了時)に新たに設定された設定値が格納されるとともに、1ゲーム毎に内部抽選処理で抽選を行なう際に設定値ワーク1から読み出された値に更新されることとなる。非保存ワークは、各種スイッチ類の状態を保持するワークであり、起動時にRAM41cのデータが破壊されているか否かに関わらず必ず値が設定されることとなる。未使用領域は、RAM41cの格納領域のうち使用していない領域であり、後述する複数の初期化条件のいずれか1つでも成立すれば初期化されることとなる。スタック領域は、CPU41aのレジスタから退避したデータが格納される領域であり、このうちの未使用スタック領域は、未使用領域と同様に、後述する複数の初期化条件のいずれか1つでも成立すれば初期化されることとなるが、使用中スタック領域は、プログラムの続行のため、初期化されることはない。
本実施例においてメイン制御部41のCPU41aは、設定開始前(設定変更モードへの移行前)、ビッグボーナス終了時、起動時にRAM41cのデータが破壊されていないとき、1ゲーム終了時の4つからなる初期化条件が成立した際に、各初期化条件に応じて初期化される領域の異なる4種類の初期化を行なう。
初期化1は、起動時において設定キースイッチ37がONの状態であり、設定変更モードへ移行する場合において、その前に行なう初期化であり、初期化1では、RAM41cの格納領域のうち、使用中スタック領域を除く全ての領域(未使用領域および未使用スタック領域を含む)が初期化される。初期化2は、ビッグボーナス終了時に行なう初期化であり、初期化2では、RAM41cの格納領域のうち、一般ワーク、未使用領域および未使用スタック領域が初期化される。初期化3は、起動時において設定キースイッチ37がOFFの状態であり、かつRAM41cのデータが破壊されていない場合において行なう初期化であり、初期化3では、非保存ワーク、未使用領域および未使用スタック領域が初期化される。初期化4は、1ゲーム終了時に行なう初期化であり、初期化4では、RAM41cの格納領域のうち、未使用領域および未使用スタック領域が初期化される。
次に、メイン制御部41のCPU41aが演出制御基板90に対して送信するコマンドについて説明する。図12は、メイン制御部41から演出制御基板90に対して送信されるコマンドの一例を示す図である。
本実施例では、メイン制御部41のCPU41aが演出制御基板90に対して、BETコマンド、内部当選コマンド、リール回転開始コマンド、リール停止コマンド、入賞判定コマンド、払出開始コマンド、払出終了コマンド、遊技状態コマンド、待機コマンド、打止コマンド、エラーコマンド、設定開始コマンド、初期化コマンドを含む複数種類のコマンドを送信する。
BETコマンドは、メダルの投入枚数、すなわち賭数の設定に使用されたメダル枚数を特定可能なコマンドであり、メダル投入時、1枚BETスイッチ5またはMAXBETスイッチ6が操作されて賭数が設定されたときに送信される。
内部当選コマンドは、内部当選フラグの当選状況、並びに成立した内部当選フラグの種類を特定可能なコマンドであり、スタートスイッチ7が操作されてゲームが開始したときに送信される。
リール回転開始コマンドは、リールの回転の開始を通知するコマンドであり、リール2L、2C、2Rの回転が開始されたときに送信される。
リール停止コマンドは、停止するリールが左リール、中リール、右リールのいずれかであるか、該当するリールの停止操作位置の領域番号、該当するリールの停止位置の領域番号等を特定可能なコマンドであり、各リールの停止制御が行なわれる毎に送信される。
入賞判定コマンドは、入賞の有無、並びに入賞の種類、入賞時のメダルの払出枚数を特定可能なコマンドであり、全リールが停止して入賞判定が行なわれた後に送信される。
払出開始コマンドは、メダルの払出開始を通知するコマンドであり、入賞やクレジット(賭数の設定に用いられたメダルを含む)の精算によるメダルの払出が開始されたときに送信される。また、払出終了コマンドは、メダルの払出終了を通知するコマンドであり、入賞およびクレジットの精算によるメダルの払出が終了したときに送信される。
遊技状態コマンドは、次ゲームの遊技状態(通常遊技状態であるか、ビッグボーナス中であるか、レギュラーボーナス中であるか、等)を特定可能なコマンドであり、ゲームの終了時に送信される。
待機コマンドは、待機状態へ移行する旨を示すコマンドであり、1ゲーム終了後、賭数が設定されずに一定時間経過して待機状態に移行するときに送信される。
打止コマンドは、打止状態の発生または解除を示すコマンドであり、ビッグボーナス終了後、エンディング演出待ち時間が経過した時点で打止状態の発生を示す打止コマンドが送信され、リセット操作がなされて打止状態が解除された時点で、打止状態の解除を示す打止コマンドが送信される。
エラーコマンドは、エラー状態の発生およびエラーの種類、またはエラー状態の解除を示すコマンドであり、エラーが判定された時点でエラー状態の発生およびエラーの種類を特定するためのエラーコマンドが送信され、リセット操作がなされてエラー状態が解除された時点で、エラー状態の解除を示すエラーコマンドが送信される。
本実施例におけるエラーは、後述するSa10等で説明するRAM異常エラー、Se2等で説明する設定値エラー、Sf12等で説明するリール回転エラー、Sf8等で説明する投入エラー、およびSf9等で説明する払出エラーを含む。また、エラーには、ホッパータンクにメダルが貯留されていない状態を示す払出メダル切れエラー、ホッパーへの不正行為による払出異常が発生している状態を示すホッパー払出エラー、ホッパー内において払出されたメダルが詰まっている払出メダル詰りエラー、メダル投入口4から投入されたメダルが詰まっている投入メダル詰りエラー、前面扉14が開放された状態を示すドア開放エラー等を含む。これらのエラーは、各種スイッチおよびセンサ等からの検出信号に基づき、メイン制御部41により検出される。メイン制御部41は、エラーを検出したときに、後述するエラーを行ない遊技の進行を停止するとともに、検出したエラーに対応するエラーコマンドを送信する。
設定開始コマンドは、設定変更モードの開始を示すコマンドであり、設定開始時、すなわち設定変更モードに移行した時点で送信される。
初期化コマンドは、遊技状態が初期化された旨を示すコマンドであり、設定終了時、すなわち設定変更モードの終了時に送信される。
これら各コマンドは、後述する起動処理およびゲーム処理において生成され、RAM41cの特別ワークに設けられたコマンドキューに一時格納され、前述したタイマ割込処理(メイン)において送信される。
次に、メイン制御部41のCPU41aが演出制御基板90に対して送信するコマンドに基づいてサブ制御部91が実行する演出の制御について説明する。
サブ制御部91のCPU91aは、メイン制御部41のCPU41aが送信したコマンドを受信した際に、ROM91bに格納された制御パターンテーブルを参照し、制御パターンテーブルに登録された制御内容に基づいて液晶表示器51、演出効果LED52、スピーカ53、54、リールLED55、演出用扉モータ56,57等の各種演出装置の制御を行なう。
制御パターンテーブルには、複数種類の演出パターン毎に、コマンドの種類に対応する液晶表示器51の表示パターン、演出効果LED52の点灯態様、スピーカ53、54の出力態様、リールLED55の点灯態様、演出用扉モータ56,57の駆動態様等、これら演出装置の制御パターンが登録されており、CPU91aは、コマンドを受信した際に、制御パターンテーブルの当該ゲームにおいてRAM91cに設定されている演出パターンに対応して登録された制御パターンのうち、受信したコマンドの種類に対応する制御パターンを参照し、当該制御パターンに基づいて演出装置の制御を行なう。これにより演出パターンおよび遊技の進行状況に応じた演出が実行されることとなる。
なお、CPU91aは、あるコマンドの受信を契機とする演出の実行中に、新たにコマンドを受信した場合には、実行中の制御パターンに基づく演出を中止し、新たに取得したコマンドに対応する制御パターンに基づく演出を実行するようになっている。すなわち演出が最後まで終了していない状態でも、新たにコマンドを受信すると、実行していた演出はキャンセルされて新たなコマンドに基づく演出が実行されることとなる。
演出パターンは、内部当選コマンドを受信した際に、内部当選コマンドが示す内部抽選の結果に応じた選択率にて選択され、RAM91cに設定される。演出パターンの選択率は、ROM91bに格納された演出テーブルに登録されており、CPU91aは、内部当選コマンドを受信した際に、内部当選コマンドが示す内部抽選の結果に応じて演出テーブルに登録されている選択率を参照し、その選択率に応じて複数種類の演出パターンからいずれかの演出パターンを選択し、選択した演出パターンを当該ゲームの演出パターンとしてRAM91cに設定するようになっている。
本実施例では、演出パターンの一つとして、後述する振動演出パターン1、振動演出パターン2が登録されており、CPU91aは内部当選コマンドを受信した際に、これら振動演出パターン1または振動演出パターン2を、演出テーブルに登録されている選択率に応じて、当該ゲームにおいて実行する演出パターンとして設定する。また、演出パターンの一つとして、後述する当選状況報知演出パターンが登録されており、CPU91aは、BETコマンドを受信した際に、振動演出パターン1および振動演出パターン2による演出が実行されて入賞しなかったことを条件として、次のゲームにおいて実行する演出パターンとして設定する。
また、リール回転開始コマンドまたはリール停止コマンドを受信してから計時を開始し、該計時を開始してから所定時間が経過した時点で促進報知の報知パターン1または報知パターン2のいずれかを所定の選択率(図25参照)に応じて、実行する報知パターンとして設定する。
また、制御パターンテーブルには、特定のコマンド(入賞の発生を示す入賞判定コマンド、払出開始コマンド、払出終了、ビッグボーナス終了を示す遊技状態コマンド、待機コマンド、打止コマンド、エラーコマンド、設定開始コマンド、初期化コマンド等)を受信した際に参照される特定の制御パターンが格納されており、CPU91aは、これら特定のコマンドを受信した場合には、当該ゲームにおいて設定されている演出パターンに関わらず、当該コマンドに対応する特定の制御パターンを参照し、当該制御パターンに基づいて制御を行なう。
入賞の発生を示す入賞判定コマンドを受信した場合には、入賞の種類に応じた入賞時演出を実行するための入賞時演出パターンが制御パターンとして参照される。本実施例においては、ボーナス入賞の発生を示す入賞判定コマンドを受信した場合には、サブ制御部91により、ゲームの開始および終了に関わらず、ボーナス中に行なわれる複数のゲームにわたり一連の音楽を連続的に出力する連続遊技音をスピーカ53,54から出力させる制御が開始される。
払出開始コマンドを受信した場合には、払出効果音を出力するための払出パターンが制御パターンとして参照される。また、払出効果音の出力中に払出終了コマンドを受信すると、払出効果音の出力を停止する。なお、払出開始コマンドを受信した場合には、他のコマンドと異なり、実行中の演出を中止して受信したコマンドに対応する演出を実行するのではなく、実行中の演出は継続したまま、払出効果音の出力が行なわれるようになっている。すなわち他の演出と払出に伴う演出が並行して実行されることとなる。
ビッグボーナス終了を示す遊技状態コマンドを受信した場合には、ビッグボーナスの終了を示すエンディング演出を実行するためのエンディングパターンが制御パターンとして参照される。
待機コマンドを受信した場合には、待機演出を実行するための待機パターンが制御パターンとして参照される。
打止状態の発生を示す打止コマンドを受信した場合には、打止状態である旨を報知するための打止報知パターンが制御パターンとして参照される。また、打止状態の解除を示す打止コマンドを受信した場合には、前述した待機パターンが制御パターンとして参照される。すなわち打止状態が解除されると待機演出が実行されることとなる。
エラー状態の発生およびエラーの種類を示すエラーコマンドを受信した場合には、エラー状態である旨およびエラーの種類を報知するためのエラー報知パターンが制御パターンとして参照される。また、エラー状態の解除を示すエラーコマンドを受信した場合には、エラー発生時に実行していた制御パターンが参照される。すなわちエラー発生時の演出が最初から実行されることとなる。
設定開始コマンドを受信した場合には、設定変更中である旨を報知するための設定中報知パターンが参照される。また、初期化コマンドを受信した場合には、前述した待機パターンが制御パターンとして参照される。すなわち初期化コマンドを受信すると待機演出が実行されることとなる。
サブ制御部91のCPU91aは、定期的に実行するタイマ割込処理(サブ)を実行する毎に、RAM91cの全ての領域に格納されたデータに基づくRAMパリティが0となるようにRAMパリティ調整用データを計算し、RAM91cに格納する処理を行なうようになっている。
そして、CPU91aは、その起動時においてRAM91cの全ての領域に格納されたデータに基づいてRAMパリティを計算し、RAMパリティが0であることを条件に、RAM91cに記憶されているデータに基づいて電断前の演出状態に復帰させるようになっている。具体的には、最後に実行していた制御パターンを参照し、当該制御パターンに基づく制御を実行する。これにより電断前に実行していた制御パターンに基づく演出が最初から実行されることとなる。
次に、本実施例におけるメイン制御部41のCPU41aが実行する各種制御内容を、図13〜図22に基づいて以下に説明する。
CPU41aは、リセット回路49からリセット信号が入力されると、図13のフローチャートに示す起動処理を行なう。なお、リセット信号は、電源投入時およびメイン制御部41の動作が停滞した場合に出力される信号であるので、起動処理は、電源投入に伴うCPU41aの起動時およびCPU41aの不具合に伴う再起動時に行なわれる処理である。
起動処理では、まず、内蔵デバイスや周辺IC、割込モード、スタックポインタ等を初期化した後(Sa1)、入力ポートから電圧低下信号の検出データを取得し、電圧低下信号が入力されているか否か、すなわち電圧が安定しているか否かを判定し(Sa2)、電圧低下信号が入力されている場合には、電圧低下信号が入力されているか否かの判定以外は、いずれの処理も行なわないループ処理に移行する。
Sa2のステップにおいて電圧低下信号が入力されていないと判定した場合には、IレジスタおよびIYレジスタの値を初期化する(Sa3)とともに、打止スイッチ36の状態を取得し、CPU41aの特定のレジスタに打止機能の有効/無効を設定する(Sa4)。IレジスタおよびIYレジスタの初期化により、Iレジスタには、割込発生時に参照する割込テーブルのアドレスが設定され、IYレジスタには、RAM41cの格納領域を参照する際の基準アドレスが設定される。これらの値は、固定値であり、起動時には常に初期化されることとなる。
次いで、RAM41cへのアクセスを許可し(Sa5)、設定キースイッチ37がONの状態か否かを判定する(Sa6)。Sa6のステップにおいて設定キースイッチ37がONの状態でなければ、RAM41cの全ての格納領域(未使用領域および未使用スタック領域を含む)のRAMパリティを計算し(Sa7)、RAMパリティが0か否かを判定する(Sa8)。正常に電断割込処理が行なわれていれば、RAMパリティが0になるはずであり、Sa8のステップにおいてRAMパリティが0でなければ、RAM41cに格納されているデータが正常ではないので、RAM異常を示すエラーコードをレジスタに設定し(Sa10)、図14に示すエラー処理に移行する。
また、Sa8のステップにおいてRAMパリティが0であれば、更に破壊診断用データが正常か否かを判定する(Sa9)。正常に電断割込処理が行なわれていれば、破壊診断用データが設定されているはずであり、Sa9のステップにおいて破壊診断用データが正常でない場合(破壊診断用データが電断時に格納される5A(H)以外の場合)にも、RAM41cのデータが正常ではないので、RAM異常を示すエラーコードをレジスタに設定し(Sa10)、図14に示すエラー処理に移行する。
エラー処理では、図14に示すように、現在の遊技補助表示器12の表示状態をスタックに退避し(Sb1)、レジスタに格納されているエラーコードを遊技補助表示器12に表示する(Sb2)。
次いで、レジスタに格納されているエラーコードを確認し、当該エラーコードがRAM異常エラーを示すエラーコードであるか否かを判定し(Sb3)、RAM異常エラーを示すエラーコードを示すエラーコードである場合には、RAM41cの格納領域のうち、使用中スタック領域を除く全ての格納領域を初期化する初期化1を行なった後(Sb4)、いずれの処理も行なわないループ処理に移行する。
また、Sb3のステップにおいて、RAM異常以外を示すエラーコードではないと判定された場合には、リセット/設定スイッチ38の操作が検出されているか否かを判定し(Sb5)、リセット/設定スイッチ38の操作が検出されていなければ、更にリセットスイッチ23の操作が検出されているか否かを判定し(Sb6)、リセットスイッチ23の操作も検出されていなければ、Sb4のステップに戻る。すなわちリセット/設定スイッチ38またはリセットスイッチ23の操作が検出されるまで、遊技の進行が不能な状態で待機する。
そして、Sb5のステップにおいてリセット/設定スイッチ38の操作が検出された場合、またはSb6のステップにおいてリセットスイッチ23の操作が検出された場合には、レジスタに格納されているエラーコードをクリアし(Sb7)、遊技補助表示器12の表示状態をSb1のステップにおいてスタックに退避した表示状態に復帰させて(Sb8)、もとの処理に戻る。
このようにエラー処理においては、RAM異常エラー以外によるエラー処理であれば、リセット/設定スイッチ38またはリセットスイッチ23が操作されることで、エラー状態を解除してもとの処理に復帰するが、RAM異常エラーによるエラー処理であれば、リセット/設定スイッチ38またはリセットスイッチ23が操作されてもエラー状態が解除されることはない。
図13に戻り、Sa9のステップにおいて破壊診断用データが正常であると判定した場合には、RAM41cのデータは正常であるので、RAM41cの非保存ワーク、未使用領域および未使用スタック領域を初期化する初期化3を行なった後(Sa11)、破壊診断用データをクリアする(Sa12)。次いで、各レジスタを電断前の状態、すなわちスタックに保存されている状態に復帰し(Sa13)、割込を許可して(Sa14)、電断前の最後に実行していた処理に戻る。
また、Sa6のステップにおいて設定キースイッチ37がONの状態であれば、RAM41cの格納領域のうち、使用中スタック領域を除く全ての格納領域を初期化する初期化1を実行した後(Sa15)、設定値ワークに格納されている値(この時点では0)を1に補正する(Sa16)。次いで、割込を許可して(Sa17)、図15に示す設定変更処理、すなわち設定変更モードに移行し(Sa18)、設定変更処理の終了後、ゲーム処理に移行する。
設定変更処理では、図15に示すように、RAM41cの設定値ワーク1に格納されている設定値(設定変更処理に移行する前に設定値ワーク1の値は1に補正されているので、ここでは1である)を読み出す(Sc1)。
その後、リセット/設定スイッチ38とスタートスイッチ7の操作の検出待ちの状態となり(Sc2、Sc3)、Sc2のステップにおいてリセット/設定スイッチ38の操作が検出されると、Sc1のステップにおいて読み出した設定値に1を加算し(Sc4)、加算後の設定値が7であるか否か、すなわち設定可能な範囲を超えたか否かを判定し(Sc5)、加算後の設定値が7でなければ、再びSc2、Sc3のステップにおけるリセット/設定スイッチ38とスタートスイッチ7の操作の検出待ちの状態に戻り、Sc5のステップにおいて加算後の設定値が7であれば設定値を1に補正した後(Sc6)、再びSc2、Sc3のステップにおけるリセット/設定スイッチ38とスタートスイッチ7の操作の検出待ちの状態に戻る。
また、Sc3のステップにおいてスタートスイッチ7の操作が検出されると、その時点で選択されている変更後の設定値をRAM41cの設定値ワーク1〜3の全てに格納して、設定値を確定した後(Sc7)、設定キースイッチ37がOFFの状態となるまで待機する(Sc8)。そして、Sc8のステップにおいて設定キースイッチ37のOFFが判定されると、図13のフローチャートに復帰し、ゲーム処理に移行することとなる。
このように起動処理においては、設定キースイッチ37がONの状態ではない場合に、RAMパリティが0であるか否か、破壊診断用データが正常であるか否かを判定することでRAM41cに記憶されているデータが正常か否かを判定し、RAM41cのデータが正常でなければ、異常エラー処理に移行する。RAM異常エラーによるエラー処理では、RAM異常エラーを示すエラーコードを遊技補助表示器12に表示させた後、いずれの処理も行なわないループ処理に移行するので、ゲームの進行が不能化される。そして、RAM41cのデータが正常でなければ、割込が許可されることがないので、一度RAM異常エラーによるエラー処理に移行すると、設定キースイッチ37がONの状態で起動し、割込が許可されるまでは、電断しても電断割込処理は行なわれない。すなわち電断割込処理において新たにRAMパリティが0となるようにRAM調整用データが計算されて格納されることはなく、破壊診断用データが新たに設定されることもないので、CPU41aが再起動しても設定キースイッチ37がONの状態で起動した場合を除き、CPU41aを再起動させてもゲームを再開させることができないようになっている。
そして、RAM異常エラーによるエラー処理に一度移行すると、設定キースイッチ37がONの状態で起動し、RAM41cの使用中スタック領域を除く全ての領域が初期化された後、設定変更処理が行なわれ、リセット/設定スイッチ38の操作により新たに設定値が選択・設定されるまで、ゲームの進行が不能な状態となる。すなわちRAM異常エラーによるエラー処理に移行した状態では、リセット/設定スイッチ38の操作により新たに設定値が選択・設定されたことを条件に、ゲームの進行が不能な状態が解除され、ゲームを再開させることが可能となる。
図16は、CPU41aが実行するゲーム処理の制御内容を示すフローチャートである。ゲーム処理では、BET処理(Sd1)、内部抽選処理(Sd2)、リール回転処理(Sd3)、入賞判定処理(Sd4)、払出処理(Sd5)、ゲーム終了時処理(Sd6)を順に実行し、ゲーム終了時処理が終了すると、再びBET処理に戻る。
Sd1のステップにおけるBET処理では、賭数を設定可能な状態で待機し、規定数の賭数が設定され、スタートスイッチ7が操作された時点で賭数を確定する処理を実行する。
Sd2のステップにおける内部抽選処理では、Sd1のステップにおけるスタートスイッチ7の検出によるゲームスタートと同時に内部抽選用の乱数を抽出し、抽出した乱数の値に基づいて上記した各役への入賞を許容するかどうかを決定する処理を行なう。この内部抽選処理では、それぞれの抽選結果に基づいて、RAM41cに当選フラグが設定される。
Sd3のステップにおけるリール回転処理では、各リール2L、2C、2Rを回転させる処理、遊技者によるストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出されたことに応じて対応するリール2L、2C、2Rの回転を停止させる処理を実行する。
Sd4のステップにおける入賞判定処理では、Sd3のステップにおいて全てのリール2L、2C、2Rの回転が停止したと判定した時点で、各リール2L、2C、2Rに導出された表示結果に応じて入賞が発生したか否かを判定する処理を実行する。
Sd5のステップにおける払出処理では、Sd4のステップにおいて入賞の発生が判定された場合に、その入賞に応じた払出枚数に基づきクレジットの加算並びにメダルの払出等の処理を行なう。
Sd6のステップにおけるゲーム終了時処理では、次のゲームに備えて遊技状態を設定する処理を実行する。
図17は、CPU41aがSd2のステップにおいて実行する内部抽選処理の制御内容を示すフローチャートである。
内部抽選処理では、乱数取得処理を行なう(Se1)。この乱数取得処理においては、乱数発生回路42が発生する乱数に基づいて、内部抽選用の乱数の値が取得されることとなる。Se1のステップにおける乱数取得処理の後、RAM41cの設定値ワーク1〜3に格納されている設定値をそれぞれ読み出し、抽選に用いる設定値、すなわち設定値ワーク1に格納されている設定値が適正か否かを判定する設定値判定処理を行なう。
なお、設定値判定処理では、今回のゲームの内部抽選に用いる設定値が、適正な範囲の値であるか否か、今回のゲームの内部抽選に用いる設定値と前回の設定変更時に設定された設定値とが一致するか否か、今回のゲームの内部抽選に用いる設定値と前回のゲームの内部抽選に用いた設定値とが一致するか否か、をそれぞれ判定することにより、今回のゲームの内部抽選に用いる設定値が適正な値であるか否かを判定し、少なくともいずれか1つの判定において設定値が適正な値ではないと判定された場合には、前述したRAM異常エラーを示すレジスタに格納してエラー処理に移行し、起動時にRAM41cのデータが正常ではないと判定された場合と同様に、RAM異常エラーによるエラー状態となり、ゲームの進行が不能化されるようになっている。
Se2のステップにおける設定値判定処理において設定値が適正であれば、設定値ワーク3に格納されている値、すなわち前回のゲームにおいて抽選に用いた設定値を、設定値1に格納されている値、すなわち今回のゲームにおいて抽選に用いる設定値に更新する(Se3)。
次いで、現在の遊技状態に対応して、図7(a)の遊技状態別役テーブルに内部抽選の対象として登録されている役を順番に読み出す(Se4)。ここで読み出した役の種類がレギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)であるかどうかを判定する(Se5)。Se5のステップにおいて読み出した役の種類がレギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)である場合には、前回以前のゲームでRAM41cに読み出した役の種類がレギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)の当選フラグが既に設定され、当該当選フラグに基づいて入賞することなく持ち越されているかどうかを判定する(Se6)。読み出した役の種類が読み出した役の種類がレギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)、ビッグボーナス(2)でもなければ、そのままSe7のステップに進む。
Se6のステップにおいてレギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)の当選フラグが既に設定されていれば、Se4のステップに戻り、更に遊技状態別役テーブルに次に登録されている役を読み出すものとなる(レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)、ビッグボーナス(2)は、遊技状態別役テーブルにおいて最初に登録されており、これで抽選処理が終了となることはないので)。読み出した役の種類がレギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)であっても、レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)のいずれの当選フラグも設定されていなければ、Se7のステップに進む。
Se7のステップでは、更にSd1のステップで設定されたBET数(賭数)を読み出し、Se4のステップにおいて読み出した役とBET数に対応する役について、図7(b)の役別テーブルに共通フラグの設定状況を取得する。この結果、読み出した役、BET数について共通フラグが設定されているかどうかを判定する(Se8)。
共通フラグが設定されていれば、読み出した役、BET数について図7(b)の役別テーブルに登録されているアドレスに格納されている判定値数を取得する(Se9)。そして、Se11のステップに進む。共通フラグが設定されていなければ、読み出した役、BET数について設定値に対応して役別テーブルに登録されているアドレスに格納されている判定値数を取得する(Se10)。そして、Se11のステップに進む。
Se11のステップでは、Se9またはSe10のステップにおいて取得した判定値数を内部抽選用の乱数の値に加算し、加算の結果を新たな内部抽選用の乱数の値とする。ここで、判定値数を内部抽選用の乱数の値に加算したときにオーバーフローが生じたかどうかを判定する(Se12)。Se12のステップにおいてオーバーフローが生じた場合には、当該役の当選フラグをRAM41cに設定する(Se13)。そして、内部抽選処理を終了して、図16のフローチャートに復帰する。
Se12のステップにおいてオーバーフローが生じていない場合には、当該ゲームの遊技状態について内部抽選の対象として定められた役のうちで未だ処理対象としていない役があるかどうかを判定する(Se14)。未だ処理対象としていない役があれば、Se4の処理に戻り、遊技状態別役テーブルに登録されている次の役を処理対象として処理を継続する。処理対象としていない役がなければ、内部抽選処理を終了して、図16のフローチャートに復帰する。
図18は、CPU41aがSd3のステップにおいて実行するリール回転処理の制御内容を示すフローチャートである。
リール回転処理では、まず、前のゲームのリール回転開始時点からウェイトタイム(本実施例では、約4.1秒)が経過したか否かを判定し(Sf1)、ウェイトタイムが経過していなければ、ウェイトタイムが経過するまで待機する。
そして、Sf1のステップにおいてウェイトタイムが経過していれば、ウェイトタイムを新たに設定する(Sf2)。
次いで、リールモータの回転開始時の設定を行ない、リールの回転を開始させる(Sf3)。そして、テーブルインデックスを参照して、テーブル作成用データを特定し、特定したテーブル作成用データに基づいて、当該ゲームの遊技状態、役の当選状況、他のリールの停止状況に対応する停止制御テーブルを、回転中のリール別に作成し(Sf4)、停止準備完了時の設定を行なう(Sf5)。これにより、停止操作を有効化させることが可能な状態となり、その後、後述するタイマ割込処理(メイン)の原点通過時処理において、リールの定速回転が検出された時点で、停止操作が有効となる。
次いで、ストップスイッチ8L、8C、8Rのいずれかのストップスイッチの操作が検出されたか否かを判定し(Sf6)、いずれのストップスイッチの操作も検出されていなければ、リール回転エラー(一定期間以上、リールセンサ33によりリール基準位置が検出されない場合に判定されるエラー)が発生したか否かを判定し(Sf7)、リール回転エラーが発生していなければ、更に、投入エラー(メダルの投入が許可されている期間以外で、メダルの投入が検出された場合に判定されるエラー)が発生したか否か、および払出エラー(メダルの払出が許可されている期間以外で、メダルの払出が検出された場合に判定されるエラー)が発生したか否かを判定し(Sf8、Sf9)、Sf7〜Sf9のステップにおいていずれのエラーの発生も判定されなければ、Sf6のステップに戻る。
また、Sf8のステップにおいて投入エラーの発生が判定された場合、またはSf9のステップにおいて払出エラーが判定された場合には、リール回転中の投入・払出エラーを示すエラーコードをレジスタに設定し(Sf10)、図14に示すエラー処理に移行する(Sf11)。そして、エラーが解除された場合には、再びSf6のステップに戻る。
また、Sf7のステップにおいてリール回転エラーの発生が判定された場合には、リール回転エラーを示すエラーコードをレジスタに設定し(Sf12)、図14に示すエラー処理に移行する(Sf13)。これに伴い、リールの回転も一時的に停止する。そして、エラーが解除された場合には、再びSf3のステップに戻り、リールの回転が再開する。
また、Sf6のステップにおいていずれかのストップスイッチの操作が検出された場合には、ストップスイッチに対応するリールモータにおける、その時点のリール基準位置からのステップ数(停止操作位置となるステップ数)を取得し、停止リールに対応するワークに設定した後(Sf14)、停止操作に対応するリールの回転が停止するまで待機する(Sf15)。
そして、停止操作に対応するリールの回転が停止すると、当該リールに対応するストップスイッチの操作の検出を無効化した後、全てのリールが停止したか否かを判定し(Sf16)、全てのリールが停止していなければ、Sf4のステップに戻り、全てのリールが停止していれば、リール回転処理を終了して、図16のフローチャートに復帰する。
以上のようにリール回転処理では、リール2L、2C、2Rの回転が開始した後、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出されるまで、停止操作が未だ検出されていないリールの回転を継続し、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出されたことを条件に、対応するリールに表示結果を停止させる制御を行なうようになっている。なお、リール回転エラーの発生により、一時的にリールの回転が停止した場合でも、その後リール回転が再開した後、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出されるまで、停止操作が未だ検出されていないリールの回転を継続し、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出されたことを条件に、対応するリールに表示結果を停止させる制御を行なうようになっている。
図19および図20は、CPU41aが割込3の発生に応じて、すなわち0.56msの間隔で起動処理やゲーム処理に割り込んで実行するタイマ割込処理(メイン)の制御内容を示すフローチャートである。
タイマ割込処理(メイン)においては、まず、割込を禁止する(Sg1)。すなわち、タイマ割込処理(メイン)の実行中に他の割込処理が実行されることを禁止する。そして、使用中のレジスタをスタック領域に退避する(Sg2)。
次いで、4種類のタイマ割込1〜4から当該タイマ割込処理(メイン)において実行すべきタイマ割込を識別するための分岐用カウンタを1進める(Sg3)。Sg3のステップでは、分岐用カウンタ値が0〜2の場合に1が加算され、カウンタ値が3の場合に0に更新される。すなわち分岐用カウンタ値は、タイマ割込処理(メイン)が実行される毎に、0→1→2→3→0・・・の順番でループする。
次いで、分岐用カウンタ値を参照して2または3か、すなわちタイマ割込3またはタイマ割込4かを判定し(Sg4)、タイマ割込3またはタイマ割込4ではない場合、すなわちタイマ割込1またはタイマ割込2の場合には、リールモータ32L、32C、32Rの始動時または定速回転中か否かを確認し、リールモータ32L、32C、32Rの始動時または定速回転中であれば、後述するSg8のモータステップ処理において変更した位相信号データや後述するSg23の最終停止処理において変更した位相信号データを出力するモータ位相信号出力処理を実行する(Sg5)。
次いで、分起用カウンタ値を参照して1か否か、すなわちタイマ割込2か否かを判定し(Sg6)、タイマ割込2ではない場合、すなわちタイマ割込1の場合には、リールモータ32L、32C、32Rの始動時のステップ時間間隔の制御を行なうリール始動処理(Sg7)、リールモータ32L、32C、32Rの位相信号データの変更を行なうモータステップ処理(Sg8)、リールモータ32L、32C、32Rの停止後、一定時間経過後に位相信号を1相励磁に変更するモータ位相信号スタンバイ処理(Sg9)を順次実行した後、Sg2においてスタック領域に退避したレジスタを復帰し(Sg20)、Sg1のステップにおいて禁止した割込を許可して(Sg21)、割込前の処理に戻る。
また、Sg6のステップにおいてタイマ割込2の場合には、各種表示器をダイナミック点灯させるLEDダイナミック表示処理(Sg10)、各種LED等の点灯信号等のデータを出力ポートへ出力する制御信号等出力処理(Sg11)、各種ソフトウェア乱数を更新する乱数更新処理(Sg12)、各種時間カウンタを更新する時間カウンタ更新処理(Sg13)、コマンドキューに格納されたコマンドを演出制御基板90に対して送信するコマンド送信処理(Sg14)、外部出力信号を更新する外部出力信号更新処理(Sg15)を順次実行した後、Sg2においてスタック領域に退避したレジスタを復帰し(Sg20)、Sg1のステップにおいて禁止した割込を許可して(Sg21)、割込前の処理に戻る。
また、Sg4のステップにおいてタイマ割込3またはタイマ割込4であれば、更に、分起用カウンタ値を参照して3か否か、すなわちタイマ割込4か否かを判定し(Sg16)、タイマ割込4でなければ、すなわちタイマ割込3であれば、入力ポートから各種スイッチ類の検出データを入力するポート入力処理(Sg17)、回転中のリール2L、2C、2Rの原点通過(リール基準位置の通過)をチェックし、リール回転エラーの発生を検知するとともに、停止準備が完了しているかを確認し、停止準備が完了しており、かつ定速回転中であれば、回転中のリールに対応するストップスイッチの操作を有効化する処理を行なう原点通過時処理(Sg18)、各種スイッチ類の検出信号に基づいてこれら各種スイッチが検出条件を満たしているか否かを判定するスイッチ入力判定処理(Sg19)を順次実行した後、Sg2においてスタック領域に退避したレジスタを復帰し(Sg20)、Sg1のステップにおいて禁止した割込を許可して(Sg21)、割込前の処理に戻る。
また、Sg16のステップにおいてタイマ割込4であれば、ストップスイッチ8L、8C、8Rの検出が判定されたときに、停止操作位置から停止位置を決定し、何ステップ後に停止すればよいかを算出する停止スイッチ処理(Sg22)、停止スイッチ処理で算出された停止までのステップ数をカウントして、停止する時期になったら2相励磁によるブレーキを開始する停止処理(Sg23)、停止処理においてブレーキを開始してから一定時間後に3相励磁とする最終停止処理(Sg24)を順次実行した後、Sg2においてスタック領域に退避したレジスタを復帰し(Sg20)、Sg1のステップにおいて禁止した割込を許可して(Sg21)、割込前の処理に戻る。
図21は、CPU41aが前述したタイマ割込処理(メイン)のタイマ割込4内において実行する停止スイッチ処理の制御内容を示すフローチャートである。
停止スイッチ処理では、まず、左、中、右の順番で全てのリールについて、停止操作が検出されたか否かを判定し(Sh1、Sh2)、全てのリールについて停止操作が検出されていなければ、停止スイッチ処理を終了し、図20のフローチャートに復帰する。
また、Sh1のステップにおいて、いずれかのリールの停止操作が検出されている場合には、当該リールに対応する停止制御テーブルを参照し、停止リールに対応するワークに設定されている停止操作位置のステップ数を含む領域番号から、停止位置となる領域番号を特定し(Sh3)、現在のリール基準位置からのステップ数から、Sh3のステップにおいて特定した停止位置までに要するステップ数を算出し、算出したステップ数を設定した後(Sh4)、停止スイッチ処理を終了し、図20のフローチャートに復帰する。
図22は、CPU41aが割込2の発生に応じて、すなわち電断検出回路48からの電圧低下信号が入力されたときに起動処理やゲーム処理に割り込んで実行する電断割込処理の制御内容を示すフローチャートである。
電断割込処理においては、まず、割込を禁止する(Si1)。すなわち電断割込処理の開始にともなってその他の割込処理が実行されることを禁止する。次いで、使用している可能性がある全てのレジスタをスタック領域に退避する(Si2)。なお、前述したIレジスタおよびIYレジスタの値は使用されているが、起動時の初期化に伴って常に同一の固定値が設定されるため、ここでは保存されない。
次いで、入力ポートから電圧低下信号の検出データを取得し、電圧低下信号が入力されているか否かを判定する(Si3)。この際、電圧低下信号が入力されていなければ、Si2においてスタック領域に退避したレジスタを復帰し(Si4)、Si1のステップにおいて禁止した割込を許可して(Si5)、割込前の処理に戻る。
また、Si3のステップにおいて電圧低下信号が入力されていれば、破壊診断用データ(本実施例では、5A(H))をセットして(Si6)、全ての出力ポートを初期化する(Si7)。次いでRAM41cの全ての格納領域(未使用領域および未使用スタック領域を含む)の排他的論理和が0になるようにRAMパリティ調整用データを計算してセットし(Si8)、RAM41cへのアクセスを禁止する(Si9)。
そして、電圧低下信号が入力されているか否かの判定(Si10、なお、Si10は、Si3と同様の処理である)を除いて、何らの処理も行なわないループ処理に入る。すなわち、そのまま電圧が低下すると内部的に動作停止状態になる。よって、電断時に確実にCPU41aは動作停止する。また、このループ処理において、電圧が回復し、電圧低下信号が入力されない状態となると、前述した起動処理が実行され、RAMパリティが0となり、かつ破壊診断用データが正常であれば、元の処理に復帰することとなる。
なお、本実施例では、RAM41cへのアクセスを禁止した後、電圧低下信号の出力状況を監視して、電圧低下信号が入力されなくなった場合に電圧の回復を判定し、起動処理へ移行するようになっているが、ループ処理において何らの処理も行なわず、ループ処理が行なわれている間に、電圧が回復し、リセット回路49からリセット信号が入力されたことに基づいて、起動処理へ移行するようにしてもよい。
次に、演出装置50により行なわれる演出について説明する。図23は、演出装置50により行なわれる演出を説明するための図である。図23に示す演出は、後述するように、演出制御基板90に搭載されたサブ制御部91のCPU91aおよび表示制御基板190に搭載された表示制御部191のCPU191aにより行なわれる。
図23(a)は、通常時における演出装置50の状態を説明するための図である。演出装置50は、通常時において、演出用扉60a、60bを開状態にするとともに、液晶表示器51の表示画面に所定のキャラクタ画像(3機の飛行機が表示)を表示する。
図23(b)は、演出用扉60a、60bを所定のパターンで駆動する演出が行なわれたときの演出装置50の状態を説明するための図である。所定のパターンとしては、振動演出パターン1と、振動演出パターン2とを含む。
振動演出パターン1および振動演出パターン2が設定されているときには、図23(b)に示すように、演出用扉モータ56,57を駆動して演出用扉60a、60bを振動させ、液晶表示器51の表示画面に表示されている画像の振動表示を開始させる演出が行なわれる。さらに、演出用扉60a、60bの振動と合わせて、スピーカ53、54から振動音が出力される。ここで演出用扉モータ56、57を駆動して演出用扉60a、60bを振動させるとは、演出用扉モータ56、57の回転軸を、所定の範囲内(たとえば、演出用扉モータ56、57がステッピングモータから構成されている場合には、所定のステップ数の範囲内)において正逆回転を繰返すことにより、演出用扉60a、60bを左右方向に繰返し往復移動させることをいう。
なお、演出用扉60a、60bの振動および液晶表示器51の画像の振動表示を開始するタイミングは、振動演出パターン1が設定されているときには内部当選コマンドを取得したときであり、振動演出パターン2が設定されているときにはリール停止コマンドを取得したときである。すなわち、図23(a)で示した通常状態でスタートスイッチ7が操作されてゲームが開始された場合において、当該ゲームにおける演出パターンとして振動演出パターン1が設定された場合には、リール2L、2C、2Rの回転が開始されたとき、また、振動演出パターン2が設定された場合には、全てのリール2L、2C、2Rの回転が開始された状態で、いずれか1つのリールに対応する停止操作が有効に検出されたとき、すなわち第1リールの停止操作が有効に検出されたときに、スピーカ53、54から振動音が出力され、液晶表示器51の表示画面に「!?」のマーク(画像)が表示され、これが左右に振動する表示が開始されるとともに、左右の演出用扉60a、60bが、それぞれ左右方向に所定の振幅にて反復移動を繰返す振動が開始される。
一方、演出用扉60a、60bの振動および液晶表示器51の画像の振動表示を終了するタイミングは、ゲーム開始または第1停止から予め定められた振動停止時間(たとえば60秒)が経過したときである。すなわち、振動演出を開始してから振動停止時間経過するまでの間に全てのリール2L、2C、2Rの回転を停止する停止操作がなされた場合、言い換えればゲームが滞りなく進行された場合には、演出が途中で中断されることなく終了する。また、振動演出を開始してから、つまり演出用扉モータ56、57の駆動を開始してから全てのリール2L、2C、2Rの回転を停止する停止操作が有効に検出されることなく振動停止時間経過した場合、言い換えればゲームの進行が中断された状態が振動停止時間継続した場合には、ゲームの進行が中断されているものとして、演出が途中段階で強制的に終了する。
一般的に、遊技者が賭数を設定してスタートスイッチ7を操作したことに基づいて、全てのリール2L、2C、2Rの回転が開始、すなわちゲームが開始されてから、ストップスイッチ8L、8C、8Rの停止操作を行なって全てのリール2L、2C、2Rの回転が停止して、可変表示部に表示結果が導出される(1ゲームが終了する)までに要する時間は、長くても約20秒ぐらいである。従って、前述した振動停止時間を20秒より長いたとえば60秒に設定して、上述のように振動演出を開始してから60秒が経過してもゲームが終了していない場合は、たとえば遊技者がゲーム中に下皿から箱にメダルを移し変える作業を行なう、あるいは離席するなどの要因により、ゲームの進行が長時間にわたり中断していると考えられる。このようにゲームの進行が長時間にわたり中断すると、スロットマシン1の稼働率が低下してしまうばかりか、特に振動演出が実行されている場合には、演出用扉モータ56、57の駆動が継続的に行なわれたままとなるので負荷がかかるばかりか、無駄な電力を消費する。さらに、演出用扉60a、60bの駆動が継続的に行なわれることで、演出用扉60a、60b自体を含む駆動機構の部材の劣化が早まる虞がある。さらには、画像の振動表示や振動音の出力等も行なっていることから、周囲の遊技者が不快になる虞があるため、振動演出中であっても強制的に終了するものである。
図23(c)は、演出用扉60a、60bの振動および液晶表示器51の画像の振動表示が行なわれている期間において、第3リールの停止操作がなされ入賞役に入賞したときの演出装置50の状態を説明するための図である。
第3リールの停止操作がなされ入賞役に入賞したときには、図23(c)に示すように、演出用扉60a、60bを開状態にして演出用扉モータ56、57の駆動を停止させ、液晶表示器51の表示画面に入賞役の図柄画像を表示させる演出が行なわれる。ここでは、ベルに入賞し、ベルの図柄画像が表示されている。さらに、入賞役の図柄画像の表示と合わせて、スピーカ53、54から所定の入賞音が出力される。
図23(d)は、ゲーム開始または第1停止してから振動停止時間経過したときの演出装置50の状態を説明するための図である。
ゲーム開始または第1停止してから振動停止時間経過したときには、図23(d)に示すように、演出用扉60a、60bを開状態にして演出用扉モータ56、57の駆動を停止させ、液晶表示器51の画像の振動表示を停止させる。
図23(e)は、ゲームを開始してからまたはリール停止から、所定時間経過したときの演出装置50の状態を説明するための図である。
ゲームを開始してからまたはリール停止から所定時間経過したときには、図23(e)に示すように、演出用扉60a、60bを開状態にして演出用扉モータ56、57の駆動を停止させ、液晶表示器51の表示画面に各リール2L、2C、2Rの停止操作を促す促進報知として、「リールを停止して下さい」という文字メッセージを表示させる制御を行なう。
図23(g)は、演出用扉60a、60bの振動および液晶表示器51の画像の振動表示が行なわれている期間において、第3リールの停止操作がなされ何らの入賞役も入賞しなかったときの演出装置50の状態を説明するための図である。
第3リールの停止操作がなされ入賞役に入賞しなかったときには、図23(g)に示すように、演出用扉60a、60bを閉状態にして演出用扉モータ56、57の駆動を停止させる演出が行なわれる。なお、後述するように、第3リールの停止操作がなされ入賞役に入賞しなかったときには、所定のパターンとして、当選状況報知演出パターンが設定される。当選状況報知演出パターンが設定されているときには、図23(h)および(i)で説明するように、BETコマンドを受信したときに、内部当選状況に応じて特別役に当選しているか否か、および当選している場合に当選役の種類を報知する演出が行なわれる。
図23(h)は、特別役に当選している状況で図23(g)で示した演出が行なわれた後に、BETコマンドを受信したときの演出装置50の状態を説明するための図である。
特別役に当選している状況で図23(g)で示した演出が行なわれた後に、BETコマンドを受信したときには、図23(h)に示すように、演出用扉60a、60bを開状態にして演出用扉モータ56、57の駆動を停止させ、液晶表示器51の表示画面に当選状況報知として、ビッグボーナスの「青7」の図柄が表示される。さらに、当選役の図柄画像の表示と合わせて、スピーカ53、54から所定の報知音が出力される。
図23(i)は、特別役に当選していない状況で図23(g)で示した演出が行なわれた後に、BETコマンドを受信したときの演出装置50の状態を説明するための図である。
特別役に当選していない状況で図23(g)で示した演出が行なわれた後に、BETコマンドを受信したときには、図23(i)に示すように、演出用扉60a、60bを開状態にして演出用扉モータ56、57の駆動を停止させ、液晶表示器51の表示画面に当選状況報知として、特別役に当選していない旨の「残念!」といったメッセージが表示される。さらに、特別役に当選していない旨の表示と合わせて、スピーカ53、54から所定の報知音が出力される。
図23(f)は、演出用扉60a、60bの振動および液晶表示器51の画像の振動表示が行なわれている期間において、エラーコマンドを受信したときの演出装置50の状態を説明するための図である。
エラーコマンドを受信したときには、図23(f)に示すように、演出用扉60a、60bを開状態にして演出用扉モータ56、57の駆動を停止させ、液晶表示器51の表示画面にエラーが発生した旨およびエラーの種類が報知される。図23(f)では、前述した投入エラーが発生したことを報知するために、「セレクタ異常発生!係員を呼んで下さい!」というメッセージが表示される。さらに、エラー報知と合わせて、スピーカ53、54から所定のエラー音が出力される。
次に、促進報知の報知パターン(報知態様)および報知パターン抽選に用いる報知パターン振分テーブルについて、図24および図25に基づいて説明する。図24は、促進報知の報知パターン(報知態様)を説明するための図である。図25は、報知パターン抽選に用いる報知パターン振分テーブルを説明するための図である。
図23(d)および(e)で示したように、各リール2L、2C、2Rの回転が開始してから、ストップスイッチ8L、8C、8Rが有効に操作されない状態が所定時間継続すると、液晶表示器51の表示画面上に、各リール2L、2C、2Rの停止操作を促す促進報知として、「リールを停止して下さい」という文字メッセージを表示させる制御を行なう。
本実施例における促進報知の報知パターン(報知態様)としては、たとえば所定の演出画像が表示されている液晶表示器51の表示画面の下部領域に、白色の背景枠内に前記メッセージが黒文字にて表示される報知パターン1(図24(a)参照)と、黒色の背景枠内に前記メッセージが白文字にて表示される報知パターン2(図24(b)参照)と、の2種類の報知パターンが、当該ゲームにおける特別役(ビッグボーナス(1)、(2)フラグ、レギュラーボーナスフラグ)の当選状況に応じて、各ゲーム毎に行われる報知パターン抽選により設定されるようになっている。
前記報知パターン抽選は、遊技制御基板40から送信される内部当選コマンドを取得したときに行われ、該報知パターン抽選にて当選した報知パターンは、当該ゲームにおいて促進報知を実行する際に適用する報知パターンとして設定される。なお、本実施例においては、当該ゲームがボーナス中のゲームである場合には、前記報知パターン抽選を行なわずに報知パターン1を設定するようになっている。
これら各報知パターンの当選確率は、図25の報知パターン振分テーブルに示すように、ボーナスフラグの内部当選状況に応じて異なっており、報知パターン1は、ボーナスフラグの当選時、すなわち前述した内部抽選によりビッグボーナス(1)、(2)、レギュラーボーナスの内部当選フラグが設定されている状態において50%の確率で当選するとともに、ボーナスフラグの非当選時において95%の確率で当選する。また、報知パターン2は、ボーナス当選時において50%の確率で当選するとともに、ボーナス非当選時において5%の確率で当選するようになっている。
つまり、本実施例においては、態様が異なる2種類の報知パターン1、2が予め登録されており、ボーナス当選時においては、ボーナス非当選時(5%)よりも高い確率(50%)で報知パターン2が選択されるようになっているため、促進報知が実行された際には、報知パターン1に基づく報知画面が表示されたときよりも、報知パターン2に基づく報知画面が表示されたときの方が、遊技者はビッグボーナス(1)、(2)、レギュラーボーナスの内部当選フラグのいずれかが内部当選していることを期待できることになる。
次に、演出制御基板90に搭載されたサブ制御部91のCPU91aが実行する各種制御内容を、図26〜図32のフローチャートに基づいて以下に説明する。
CPU91aは、サブ制御部91にリセット回路95からリセット信号が入力されると、図26に示す起動処理(サブ)を行なう。
起動処理(サブ)では、内蔵デバイスや周辺IC、割込モード、スタックポインタ等を初期化した後(Sj1)、RAM91cへのアクセスを許可する(Sj2)。そして、RAM91cの全ての格納領域のRAMパリティを計算し(Sj3)、RAMパリティが0か否かを判定する(Sj4)。
RAM91cのデータが正常であれば、RAMパリティが0になるはずであり、Sj4のステップにおいてRAMパリティが0であれば、RAM91cに格納されているデータが正常であるので、Sj5のステップに進み、電断前の演出状態を復帰させる。Sj5のステップでは、設定された制御パターンに従って、液晶表示器51、演出効果LED52、スピーカ53、54、リールLED等の各種演出装置の制御を行なう演出制御処理を実行し(Sj9)、割込を許可して(Sj10)、ループ処理に移行する。
また、Sj4のステップにおいてRAMパリティが0でなければ、RAM91cに格納されているデータが正常ではないので、RAM91cを初期化した後(Sj7)、待機パターンを制御パターンとして設定した後(Sj8)、設定された制御パターンに従って、液晶表示器51、演出効果LED52、スピーカ53、54、リールLED等の各種演出装置の制御を行なう演出制御処理を実行し(Sj9)、割込を許可して(Sj10)、ループ処理に移行する。
以降、サブ制御部91のCPU91aは、割込処理において、遊技制御基板40から送信される各種コマンドに基づいて、遊技状態に応じた各種の演出処理を実行する。具体的には、各種の遊技状態に応じて、発光手段としての演出効果LED52やリールLED55等の発光制御、遊技音発生手段としてのスピーカ53、54から出力させる効果音等の出力制御、演出用扉60a、60bを駆動する演出用扉モータ56、57の駆動制御等を行なう。また、サブ制御部91のCPU91aは、各種演出や後述する促進報知の実行時等において、液晶表示器51の表示領域に所定の表示画面を表示したり、表示中の表示画面を切替またはクリアする旨を示す表示コマンドを表示制御基板190に送信する処理を行なう。これにより、表示制御部191のCPU191aは、演出制御基板90から送信される各表示コマンドに基づいて、液晶表示器51の表示制御を行なう。
図27は、CPU91aが内部クロックのカウントに基づいて1.12msの間隔で実行するタイマ割込処理(サブ)の制御内容を示すフローチャートである。
タイマ割込処理(サブ)においては、まず、バッファにコマンドが格納されているか否かを判定する(Sk1)。バッファにコマンドが格納されていなければ、Sk6の処理に進み、バッファにコマンドが格納されていれば、バッファからコマンドを取得し(Sk2)、Sk3のステップに進む。
Sk3のステップでは、受信したコマンドが内部当選コマンドの場合に、ROM91bに格納されている演出テーブルを参照し、内部当選コマンドが示す内部抽選の結果に応じた選択率にて演出パターンを選択し、選択した演出パターンを当該ゲームの演出パターンとしてRAM91cに設定する演出パターン選択処理を実行し、Sk4のステップに進む。具体的には、演出テーブルを参照して、演出パターンとして、演出用扉60a、60bを振動させない振動演出なし、ゲーム開始時から演出用扉60a、60bを振動させる振動演出パターン1、およびゲーム開始から最初にリール停止コマンドを取得してから演出用扉60a、60bを振動させる振動演出パターン2のうちから選択される。なお、演出テーブルは、内部当選コマンドが示す内部抽選の結果がボーナスに当選していないときよりも当選しているときの方が、振動演出パターン1および振動演出パターン2を選択する確率が高く設定されている。また、演出テーブルは、内部当選コマンドが示す内部抽選の結果がボーナスに当選していないときよりも当選しているときの方が、振動演出パターン2を選択する確率が高く設定されている。また、Sk3のステップでは、後述する報知演出実行フラグがセットされている場合、BETコマンドを取得したときに演出用扉60a、60bを駆動させる当選状況報知演出パターンが選択される。
Sk4のステップでは、受信したコマンドに応じた処理を行なうとともに、ROM91bに格納されている制御パターンテーブルを参照し、RAM91cに設定されている演出パターンおよび受信したコマンドに対応して登録されている制御パターンを読み出してRAM91cに設定する制御パターン設定処理を実行し、Sk5のステップに進む。
Sk5のステップでは、Sk4のステップにおいて設定された制御パターンに従って、液晶表示器51、演出効果LED52、スピーカ53、54、リールLED55等の各種演出装置の制御を行なう演出制御処理を実行し、Sk6のステップに進む。
Sk6のステップでは、演出用扉60a、60bを駆動させる制御を行なう駆動処理を実行し、Sk7の処理に進む。駆動処理では、Sk3のステップにおいて、当該ゲームの演出パターンとして振動演出パターン1が設定されている場合にリール回転開始コマンド受信に応じて(図23(b)参照)、振動演出パターン2が設定されている場合に第1停止のリール停止コマンド受信に応じて(図23(b)参照)、当選状況報知演出パターンが設定されている場合にBETコマンド受信に応じて(図23(h)、(i)参照)、演出用扉60a、60bを駆動させる制御を行なう。また、駆動処理では、たとえば、演出用扉60a、60bが停止基準位置以外の位置であるときに、エラーコマンド受信に応じて(図23(f)参照)、演出用扉60a、60bを停止基準位置にスライドさせる制御を行なう。駆動処理については、図28を用いて後述する。
Sk7のステップでは、受信したコマンドに応じて、促進報知を行なう促進報知処理を実行し、Sk8の処理に進む。
Sk8のステップでは、RAM91cの乱数カウンタ等や、エラー中でないときに後述する演出用カウンタや報知用カウンタを含む各種カウンタの値を更新する処理を行なう。Sk9のステップでは、起動時にRAM91cにバックアップされているデータの内容が正常であるか否かを確認できるように、RAM91cの全ての格納領域の排他的論理和が0になるようにRAMパリティ調整用データを計算してセットし、タイマ割込処理(サブ)を終了する。
すなわちCPU91aは、メイン制御部41のCPU41aのように電断検出時にRAMパリティ調整用データをセットするのではなく、定期的に実行されるタイマ割込処理(サブ)毎に、RAMパリティ調整用データをセットし、いつ電断しても、復旧時にRAM91cにバックアップされているデータの内容が正常であるか否かを判定できるようになっている。
図28および図30は、CPU91aがタイマ割込処理(サブ)のSk6のステップにおいて実行する駆動処理の制御内容を示すフローチャートである。
駆動処理では、まず、後述するエラー中フラグの有無に基づいて、エラー中であるか否かを判定し(Sn1)、新たにエラーコマンドを取得したか否かを判定する(Sn2、Sn7)。
Sn2のステップにおいてエラーコマンドを取得したと判定したときには、エラー中であることを特定するためのエラー中フラグをセットし(Sn3)、演出用扉60a、60bが停止基準位置以外の位置であるときに演出用扉モータ56、57の回転位置をRAM91cに記憶する(Sn4)。Sn5のステップにおいては、演出用扉60a、60bが停止基準位置以外の位置であるときに、演出用扉60a、60b各々を停止基準位置までスライドさせる駆動を継続し、エラーが発生した旨を示すエラー音の出力を開始する(Sn5)。
次いで、エラーコマンドから特定されるエラーの種類に対応する画像を表示させるためのエラー報知開始コマンドを表示制御基板190に送信し(Sn6)、駆動処理を終了する。なお、Sn6のステップにおいて演出制御基板90から送信されたエラー報知開始コマンドを受信した表示制御基板190の表示制御部191は、受信したエラー報知開始コマンドに基づいて、受信時の表示状態をRAM191cに格納し、エラー発生を報知するとともにエラーの種類を特定するためのメッセージ表示(たとえば、図23(f)参照、エラーの名称を表示するもの、エラーの解除方法を表示するものを含む)を開始させる。これにより、図23(f)で説明した状態に演出装置50を制御することができる。一方、Sn2のステップにおいてエラーコマンドを取得していないと判定したときには、後述するSn15のステップに進む。
また、Sn7のステップにおいてエラーコマンドを取得していると判定されたときには、Sn4のステップにおいて回転位置が記憶されている場合に、該回転位置を読み出して演出用扉モータ56、57を駆動させてエラー発生前の状態に演出用扉60a、60bを復帰させるとともに、Sn5のステップにおいて開始されたエラー音の出力を停止する(Sn8)。Sn9のステップでは、エラー中フラグをクリアし、Sn10のステップにおいてエラーの種類に対応する画像表示を終了させるためのエラー報知終了コマンドを表示制御基板190に送信し、後述するSn15のステップに進む。なお、Sn10のステップにおいて演出制御基板90から送信されたエラー報知終了コマンドを受信した表示制御基板190の表示制御部191は、受信したエラー報知終了コマンドに基づいて、エラー解除を報知した後に、RAM191cの記憶状態に基づきエラー発生前の表示状態に復帰させる。一方、Sn7のステップにおいてエラーコマンドを取得していないと判定されたときには、エラー中であるため、そのまま駆動処理を終了する。
Sn15のステップでは、振動演出実行中フラグの有無に基づいて、振動演出が実行されているか否かを判定する。Sn15のステップで振動演出が実行中でないと判定されたときに、新たに取得したコマンドが内部当選コマンドであるか否かを判定する(Sn16)。そして、新たに取得したコマンドが内部当選コマンドであれば、前述したSk3のステップにおいて振動演出パターン1が当該ゲームにおける演出パターンとして設定されているか否かを判定し(Sn17)、設定されていなければ、そのまま図27に示すフローチャートに復帰する。
Sn17のステップにおいて振動演出パターンが当該ゲームにおける演出パターンとして設定されていれば、演出用扉モータ56、57の駆動およびスピーカ53,54からの振動音の出力を開始させる(Sn18)。次いで、演出用タイマカウンタに、振動停止時間である60秒を示す値をセットするとともに(Sn19)、振動演出に対応する画像を表示させるための振動表示開始コマンドを表示制御基板190に送信した後(Sn20)、振動演出実行中である旨を示す振動演出実行中フラグをセットして(Sn21)、図27に示すフローチャートに復帰する。これにより、図23(b)で説明した状態に演出装置50を制御することができる。
Sn16のステップにおいて、新たに取得したコマンドが内部当選コマンドでなければ、新たに取得したコマンドがBETコマンドであるか否かを判定し(Sn22)、BETコマンドであると判定した場合には、前述した当選状況報知演出パターンが設定されているか否かを判定する(Sn23)。Sn23のステップにおいて当選状況報知演出パターンが設定されていると判定されたときには、Sn36で後述するように閉状態にある演出用扉60a、60bを開状態にするために演出用扉モータ56、57の駆動を開始し、当選状況を報知する際の報知音の出力を開始し(Sn24)、取得した内部当選コマンドに応じた画像(特別役に当選していない場合は「残念!」といった画像)を表示するための報知開始コマンドを表示制御基板190に送信し(Sn25)、駆動処理を終了する。これにより、図23(h)、(i)で説明した状態に演出装置50を制御することができる。一方、Sn23のステップにおいて当選状況報知演出パターンが設定されていないと判定されたときには、図27に示すフローチャートに復帰する。
Sn22のステップにおいて、新たに取得したコマンドがBETコマンドでなければ、図29のSn50のステップに進み、新たに取得したコマンドがリール停止コマンドであるか否かを判定する。そして、リール停止コマンドであると判定した場合には、第1リールが停止したか否かを判定し(Sn51)、第1リールが停止したと判定した場合には、振動演出パターンが当該ゲームにおける演出パターンとして設定されているか否かを判定し(Sn52)、振動演出パターン2が当該ゲームにおける演出パターンとして設定されていれば、演出用扉モータ56、57の駆動およびスピーカ53,54からの振動音の出力を開始させる(Sn53)。次いで、演出用タイマカウンタに、振動停止時間である60秒をセットするとともに(Sn54)、振動演出に対応する画像を表示させるための振動表示開始コマンドを表示制御基板190に送信した後(Sn55)、振動演出実行中である旨を示す振動演出実行中フラグをセットして(Sn56)、図27に示すフローチャートに復帰する。これにより、図23(b)で説明した状態に演出装置50を制御することができる。
なお、Sn20のステップまたはSn55のステップにおいて演出制御基板90から送信された振動表示開始コマンドを受信した表示制御基板190の表示制御部191は、受信した振動表示開始コマンドに基づいて、マーク(画像)の振動表示(図23(b)参照)を開始させる。
また、Sn50のステップにおいて、新たに取得したコマンドがリール停止コマンドでないと判定した場合、Sn51のステップにおいて、第1リールが停止したのではない、すなわち第2リールまたは第3リールが停止したと判定した場合、Sn52のステップにおいて、振動演出パターン2が当該ゲームにおける演出パターンとして設定されていないと判定した場合には、図27に示すフローチャートに復帰する。
図28に戻り、Sn15のステップにおいて、振動演出が実行中であると判定した場合には、演出用扉モータ56,57の駆動を停止させるための後述する停止フラグ1〜3のうちのいずれかが設定されているか否かを判定し(Sn30)、停止フラグ1〜3のうちいずれも設定されていないと判定した場合には、演出用カウンタのカウント値が0であるか否か、すなわちSn19のステップまたはSn54のステップにてカウント値の減算を開始(演出用扉モータ56,57の駆動を開始)してから、振動停止時間である60秒が経過したか否かを判定する(Sn31)。
Sn31のステップにおいて、演出用カウンタのカウント値が0ではないと判定した場合、すなわち演出用扉モータ56,57の駆動を開始してから振動停止時間である60秒が経過していない場合には、リール停止コマンドを新たに取得したか否かを判定し(Sn32)、リール停止コマンドを新たに取得した場合には、全てのリールの変動が停止したか否か、すなわちリール停止コマンドを3回受信したか否かを判定する(Sn33)。
Sn33のステップにおいて、全てのリールの変動が停止した、すなわちリール停止コマンドを3回受信したと判定した場合には、入賞が発生したか否かを判定する(Sn34)。具体的には、リール停止コマンドに基づいてリール2L、2C、2Rに停止されている図柄を特定して、可変表示装置2に入賞が発生しているか否かを判定する。Sn34のステップにおいて入賞が発生していると判定したときには、演出用扉モータ56、57の停止フラグ1をセットして、演出用扉60a、60bを開状態にするために演出用扉モータ56、57の駆動を開始し(Sn35)、図27に示すフローチャートに復帰する。
一方、Sn34のステップにおいて入賞が発生していないと判定されたときには、演出用扉モータ56、57の停止フラグ2をセットして、演出用扉60a、60bを閉状態にするために演出用扉モータ56、57の駆動を開始し(Sn36)、図27に示すフローチャートに復帰する。なお、Sn32のステップにおいて、リール停止コマンドを新たに取得していない場合、およびSn33のステップにおいて、全てのリールの変動が停止していない場合には、図27に示すフローチャートに復帰する。
また、Sn31のステップにおいて、演出用カウンタのカウント値が0である場合、すなわち演出用扉モータ56,57の駆動を開始してから、リールの停止操作が有効に検出されることなく振動停止時間である60秒が経過した場合には、振動演出を途中で中断して終了させる旨を示す、演出用扉モータ56,57の停止フラグ3をセットして、演出用扉60a、60bを開状態にするために演出用扉モータ56、57の駆動を開始し(Sn37)、図27に示すフローチャートに復帰する。
Sn30のステップにおいて、演出用扉モータ56,57の停止フラグ1〜3のうちいずれかが設定されていると判定した場合には、図29のSn40のステップに進み、停止フラグ2が設定されているか否かを判定する。Sn40のステップにおいて停止フラグ2が設定されていると判定されたときには、演出用扉60a、60bが閉状態であるか否かを判定し(Sn41)、閉状態でない場合には図27に示すフローチャートに復帰する。すなわち、閉状態となるまで演出用扉60a、60bの駆動を継続する。これにより、図23(g)で説明した状態に演出装置50を制御することができる。
Sn41のステップにおいて閉状態であると判定されたときには、演出用扉モータ56、57の駆動を停止するとともに、振動音の出力を停止する(Sn42)。次いで、Sn43のステップにおいて、演出用扉モータ56,57の停止フラグ3をクリアして、BETコマンドを受信したときに当選状況報知演出パターンを設定するための報知演出実行フラグをセットし後述するSn49の処理に進む。
一方、Sn40のステップにおいて停止フラグ2が設定されていないと判定されたときには、その時点で演出用扉60a、60bが開状態、すなわち停止基準位置であるか否かを判定し(Sn44)、停止基準位置でない場合には、図27に示すフローチャートに復帰する。すなわち停止基準位置に位置するまで演出用扉60a、60bの駆動を継続する。これにより、演出用扉60a、60bを図23(e)で説明した状態に制御することができる。
Sn44のステップにおいて、演出用扉60a、60bが停止基準位置であると判定した場合には、演出用扉モータ56,57の駆動およびスピーカ53,54からの振動音の出力を停止して、振動演出を終了させた後(Sn45)、その時点で設定されている停止フラグは停止フラグ1であるか否かを判定し(Sn46)、停止フラグ1が設定されていると判定した場合、すなわち振動表示を終了して入賞結果を表示する場合には、その旨を示す振動表示終了コマンド1を表示制御基板190に送信した後(Sn47)、振動演出実行中フラグおよび演出用扉モータ56,57の停止フラグ1をクリアして、図27に示すフローチャートに復帰する。
なお、Sn47のステップにおいて演出制御基板90から送信された振動表示終了コマンド1を受信した表示制御基板190の表示制御部191は、受信した振動表示終了コマンド1に基づいて、マークの振動表示を終了させた後、入賞役(図柄)を表示(報知)させる。これにより、液晶表示器51の表示画面を図23(c)で説明した表示状態に制御することができる。
また、Sn46のステップにおいて、停止フラグ1が設定されていないと判定した場合、すなわち振動表示を終了したまま振動演出を途中で中断して強制的に終了させる旨を示す停止フラグ3が設定されている場合には、その旨を示す振動表示終了コマンド2を表示制御基板190に送信し(Sn48)、振動演出実行中フラグおよび演出用扉モータ56,57の停止フラグ3をクリアして、図27に示すフローチャートに復帰する。
なお、Sn48のステップにおいて演出制御基板90から送信された振動表示終了コマンド2を受信した表示制御基板190の表示制御部191は、受信した振動表示終了コマンド2に基づいて、マークの振動表示を終了させて停止表示させる。これにより、液晶表示器51の表示画面を図23(d)で説明した表示状態に制御することができる。
このように、演出用扉モータ56,57の駆動を開始してから、振動停止時間である60秒以内に全てのリールの変動が停止した場合、すなわち遊技者により全てのリールの停止操作が滞りなく行なわれた場合であって、入賞役が入賞した場合には、Sn47において振動表示終了コマンド1が送信されて、マークの振動表示を終了させた後、入賞役が表示される。一方、演出用扉モータ56,57の駆動を開始してから、振動停止時間である60秒以内に全てのリールの変動が停止した場合、すなわち遊技者により全てのリールの停止操作が滞りなく行なわれた場合であって、入賞役が入賞しなかった場合には、Sn42の処理により演出用扉60a、60bが閉状態に制御された後、BETコマンドを受信したときにSn24および25の処理により演出用扉60a、60bが開状態に制御されるとともに特別役に当選している場合に当該特別役の図柄が表示される。一方、演出用扉モータ56,57の駆動を開始してから、遊技者により全てのリールの停止操作が行なわれないうちに、振動停止時間である60秒が経過してしまった場合、すなわち遊技者による全てのリールの停止操作が60秒以内に行なわれなかった場合には、振動演出を途中で中断して終了し、液晶表示器51の表示画面には、促進報知されることになる。
図30〜図32は、CPU91aがタイマ割込処理(サブ)のSk7のステップにおいて実行する促進報知処理の制御内容を示すフローチャートである。
促進報知処理では、まず、後述するリール変動中フラグの設定状況に基づいて、少なくとも1つのリール2L、2C、2Rが回転中であるか否かを判定する(Sm1)。そして、いずれのリール2L、2C、2Rも回転していなければ、すなわちゲームが開始されていなければ、内部当選コマンドを新たに取得したか否かを判定する(Sm2)。そして、内部当選コマンドを新たに取得したと判定した場合には、取得している遊技状態コマンドから当該ゲームがボーナス中であるか否かを判定する(Sm3)。そして、ボーナス中ではない場合には、図25に示す報知パターン振分テーブルに基づいて、当該ゲームにおいて実施しうる促進報知の報知パターンを決定するための報知パターン抽選を実行し(Sm4)、該抽選にて当選した報知パターンを当該ゲームにおいて実施しうる促進報知の報知パターンとしてセットし(Sm5)、図27に示すフローチャートに復帰する。
Sm3のステップにおいてボーナス中であると判定した場合には、前記報知パターン抽選を行なうことなく、当該ゲームにおいて実行し得る報知パターンとして報知パターン1をセットし(Sm6)、図27に示すフローチャートに復帰する。
Sm2のステップにおいて、取得したコマンドが内部当選コマンドではないと判定した場合には、新たに取得したコマンドがリール回転開始コマンドであるか否かを判定し(Sm7)、新たに取得したコマンドがリール回転開始コマンドであれば、報知用カウンタのカウンタ値として第1の値(=60秒)をセットした後(Sm8)、リール変動中フラグをセットして(Sm9)、図27に示すフローチャートに復帰する。
Sm1のステップにおいて、少なくとも1つのリール2L、2C、2Rが回転中であれば、後述する報知中フラグの設定状況に基づいて、促進報知が実行中であるか否かを判定し(Sm10)、促進報知の実行中でなければ、報知用カウンタのカウンタ値が0であるか否かを判定し(Sm19)、カウンタ値が0である場合には、リール2L、2C、2Rの回転が開始してから60秒が経過したか、あるいは最後にストップスイッチ8L、8C、8Rが有効に操作されてから60秒または30秒が経過したとして、当該ゲームがボーナス中のゲームであるか否かを判定する(Sm27)。
Sm10のステップにおいて、促進報知が実行中であれば、図31に示すSm11のステップに進み、新たに取得したコマンドが停止コマンドであるか否かを判定する(Sm11)。そして、新たに取得したコマンドが停止コマンドであれば、セットされている報知中フラグをクリアし(Sm12)、促進報知の終了、すなわち報知画面表示の終了を特定可能な表示終了コマンドを表示制御基板190に対して送信する(Sm13)。なお、Sn13のステップにおいて演出制御基板90から送信された報知終了コマンドを受信した表示制御基板190の表示制御部191は、受信した報知終了コマンドに基づいて、通常時の表示状態に復帰させる。
Sm13aのステップでは、取得している遊技状態コマンドから当該ゲームがボーナス中であるか否かを判定する。ボーナス中であると判定した場合には、Sm30で停止されていた連続遊技音の出力を再開し(Sm13b)、Sm14の処理に進む。一方、ボーナス中でないと判定した場合には、そのままSm14の処理に進む。
Sm14のステップでは、全てのリール2L、2C、2Rの回転が停止したか否かを判定する。そして、全てのリール2L、2C、2Rの回転が停止してなければ、当該ゲームにおいて促進報知が実行された旨を示す報知済みフラグをセットし(Sm15)、報知用カウンタのカウンタ値として第1の値(=60秒)をセットした後(Sm16)、図27に示すフローチャートに復帰する。
また、Sm14のステップにおいて、全てのリール2L、2C、2Rの回転が停止していれば、リール変動中フラグをクリアし(Sm17)、報知済みフラグがセットされている場合にはこれをクリアした後(Sm18)、図27に示すフローチャートに復帰する。
また、Sm19のステップにおいて、報知用カウンタのカウンタ値が0ではなければ、図32に示すSm20のステップに進み、新たに取得したコマンドが停止コマンドであるかを判定し(Sm20)、新たに取得したコマンドが停止コマンドであれば、その時点で全てのリール2L、2C、2Rの回転が停止したか否かを判定する(Sm21)。そして、全てのリール2L、2C、2Rの回転が停止してなければ、報知済みフラグがセットされているか否かを判定し(Sm22)、報知済みフラグがセットされていれば、報知用カウンタのカウンタ値として第2の値(=30秒)をセットした後(Sm23)、図27に示すフローチャートに復帰する。また、報知済みフラグがセットされていなければ、報知用カウンタのカウンタ値として第1の値(=60秒)をセットした後(Sm24)、図27に示すフローチャートに復帰する。
また、Sm21のステップにおいて、全てのリール2L、2C、2Rの回転が停止していれば、リール変動中フラグをクリアし(Sm25)、報知済みフラグがセットされている場合にはこれをクリアした後(Sm26)、図27に示すフローチャートに復帰する。
Sm27のステップにおいて、当該ゲームがボーナス中のゲームであると判定された場合、報知中フラグをセットし(Sm28)、報知パターン1を特定可能な表示開始コマンド(報知パターン1コマンド)を、表示制御基板190に対して送信した後(Sm29)、ボーナス発生中に出力される連続遊技音を停止し(Sm30)、図27に示すフローチャートに復帰する。なお、Sm29のステップにおいて演出制御基板90から送信された報知パターン1コマンドを受信した表示制御基板190の表示制御部191は、受信した報知パターン1コマンドに基づいて、液晶表示器51において図24(a)で説明した促進報知を行なう。
一方、Sm27のステップにおいて当該ゲームがボーナス中のゲームでないと判定された場合、報知パターンとして報知パターン1がセットされているか否かを判定する(Sm31)。そして、報知パターン1がセットされていれば、報知中フラグをセットし(Sm32)、報知パターン1を特定可能な表示開始コマンド(報知パターン1コマンド)を、表示制御基板190に対して送信した後(Sm33)、図27に示すフローチャートに復帰する。なお、Sm33のステップにおいて演出制御基板90から送信された報知パターン1コマンドを受信した表示制御基板190の表示制御部191は、受信した報知パターン1コマンドに基づいて、液晶表示器51において図24(a)で説明した促進報知を行なう。
また、Sm31のステップにおいて、報知パターンとして報知パターン1がセットされていれば、その時点で既に停止しているリール2L、2C、2Rがあるか否かを判定する(Sm34)。そして、停止しているリール2L、2C、2Rがあれば、停止しているリール2L、2C、2Rにおける可変表示部に表示されている図柄の組合せが、完全ハズレ目であるか否かを判定し(Sm35)、完全ハズレ目であればSm32のステップに進み、報知中フラグをセットし(Sm32)、報知パターン1を特定可能な表示開始コマンドを、表示制御基板190に対して送信した後(Sm33)、図27に示すフローチャートに復帰する。つまり、完全ハズレ目が表示結果として導出表示されている場合には、その時点でセットされているボーナスの期待度が高い報知パターン2をセットせずに、報知パターン1に基づく促進報知を実行するようにすることで、無意味な報知が行なわれることを回避できる。
また、Sm34のステップにおいて、その時点で既に停止しているリール2L、2C、2Rがない場合、およびSm35のステップにおいて、完全ハズレ目でない場合には、報知中フラグをセットし(Sm36)、報知パターン2を特定可能な表示開始コマンド(報知パターン2コマンド)を、表示制御基板190に対して送信した後(Sm37)、図27に示すフローチャートに復帰する。なお、Sm37のステップにおいて演出制御基板90から送信された報知パターン2コマンドを受信した表示制御基板190の表示制御部191は、受信した報知パターン2コマンドに基づいて、液晶表示器51において図24(b)で説明した促進報知を行なう。
なお、Sm33やSm37において報知パターンコマンドを送信する際には、Sm19において少なくともゲーム開始時に60秒が設定される報知用カウンタ値が0になっているため、図28のSn31でも演出用カウンタ値が0になっており演出用扉60a、60bが開状態になっている。なお、報知用カウンタ値として演出用カウンタ値に設定される時間よりも短い時間が設定される場合には、報知パターンコマンドを送信するとともに、演出用扉60a、60bを開状態にするために演出用扉モータ56、57の駆動を開始してもよい。
次に、前述した実施例により得られる主な効果を説明する。
(1) 可動部材としての演出用扉60a、60bは、振動演出パターン1,2に基づく振動演出が行なわれているとき(図28のSn15でYES)であっても、エラー状態の発生したこと(Sn2でYES)やゲーム開始または前回停止操作されてから所定時間停止操作されていないこと(Sn31でYES)により、図23(d)および(e)に示すように演出用扉60a、60bを開状態にする(Sn5、Sn37)とともに、液晶表示器51の表示画面により報知情報としてエラー報知や促進報知が行なわれる(図28のSn6、図30のSm33、Sm37)。これにより、エラー報知や促進報知を適切に行なうことができる。より具体的には、エラー報知や促進報知を行なっているにも関わらず、演出用扉60a、60bが液晶表示器51の表示画面と重複する位置にスライド移動することによって適切に報知されない不都合の発生を未然に防止することができる。
(2) 液晶表示器51の表示画面により、エラー報知としてエラー状態の発生およびエラーの種類を適切に報知することができる。
(3) ゲーム開始または前回停止操作されてから停止操作されずに60秒または30秒続いたとき(図30のSm19でYES)に促進報知が実行されるため、スロットマシンの実質的な稼働率の低下を極力回避するとともに、促進報知が実行されているか否かにより遊技者の不在状態を判別しやすくなる。また、促進報知の実行中に停止操作がなされたときには実行中の促進報知が終了する(図31のSm12)ため、遊技者が遊技を行なう意思があるにも関わらず促進報知が延々と実行され、遊技者に不快感を与えてしまうことを回避できる。
(4) サブ制御部91により、メイン制御部41からのリール回転開始コマンド受信に応じて報知用カウンタの値が設定され(図30のSm8)、リール停止コマンド受信に応じて報知用カウンタの値が更新され(図31のSm16、図32のSm23、Sm24)、全リールの変動が停止するまでに報知用カウンタの値が0になったと判定されたこと(図30のSm19でYES)を条件として、報知パターンコマンドが表示制御部191に送信され(図30のSm33、37等)、その後リール停止コマンドを受信したことを条件として、報知終了コマンドが表示制御部191に送信される(図31のSm13)。そして、表示制御部191により、サブ制御部91からの報知パターンコマンドに基づき対応する報知態様で促進報知が行なわれ、サブ制御部91からの報知終了コマンドに基づき促進報知が終了される。このため、メイン制御部41、サブ制御部91、および表示制御部191各々の制御負担を効果的に分散でき、その結果として各々の制御負担を効果的に軽減できる。
(5) 演出用扉60a、60bによる振動演出が開始されてから振動停止時間が経過したとき(図28のSn31でYES)に、振動演出を停止して、演出用扉60a、60bを開状態にする制御が行なわれる(Sn37)。このため、演出用扉60a、60b、ホイールギア56a、57a、ラックギア等を含む駆動機構の部材の劣化を低減でき、演出用扉モータ56、57にかかる負荷を効果的に軽減することができる。
また、本実施例では、ゲームの開始とともに振動演出が実行されている場合であって、ゲームが開始してからストップスイッチ8L、8C、8Rが有効に操作されない状態が60秒続いたときに、実行中の振動演出が強制的に終了するのとほぼ同時に、促進報知が行なわれるようになっているため、演出用扉60a、60bの振動の終了および促進報知画面の表示の双方により、ゲームの進行が中断されている状態であることを、遊技者や周囲の店員等に効果的に報知することができる。
(6) 連続遊技音をスピーカ53,54から出力させる制御が行なわれるボーナス期間であって、ゲーム開始または前回停止操作されてから停止操作されずに60秒または30秒続いたとき(図30のSm19でYES)に、連続遊技音の出力が停止される(Sm30)。このため、ゲームが実質的に行なわれていないにも関わらず、連続遊技音の出力を継続させて周囲の遊技者に迷惑をかけることを防止することができる。また、連続遊技音の出力が停止された後であっても、リール停止コマンド受信に応じて連続遊技音の出力が再開される(図31のSm13b)。これにより、遊技者が遊技を行なう意思があるにも関わらず連続遊技音の出力が行なわれずに、遊技者に不快感を与えてしまうことを回避できる。
なお、サブ制御部91は、遊技音発生手段としてのスピーカ53、54から出力する連続遊技音を停止する処理を行なう場合であっても、発光手段としての遊技効果LED52やリールLED55の発光制御状態を維持するため、光による演出が継続することで、遊技者が不在であることを光によって判別することが可能となる。
(7) 促進報知の報知パターン(報知態様)として予め複数種類(本実施例では2種類)の報知パターン(報知パターン1、2)が登録されており、当該ゲームにおいてボーナスフラグが設定されている場合には、ボーナスフラグが設定されていない場合よりも高い確率で報知パターン2が選択され、該報知パターン2に基づく報知画面が表示されるようになっているため、促進報知の報知画面として報知パターン2に基づく報知画面が選択されたとき、遊技者は報知パターン1に基づく報知画面が表示されたときよりも、ボーナスフラグが設定されていることを期待できるため、促進報知の実行により、遊技の興趣を効果的に高めることができる。なお、報知パターン抽選時においては、ボーナスフラグの当選時において、第2の報知態様としての報知パターン2が50%の確率で選択されるようになっていたが、ボーナスフラグが当選しているときに、ボーナスフラグが当選していないときよりも高い確率で報知パターン2が選択されればよく、たとえばボーナスフラグの当選時に100%の確率で報知パターン2を選択してもよい。
(8) いずれかのリール2L、2C、2Rの回転が停止し、該停止したリール2L、2C、2Rに対応する可変表示部に表示結果が導出された後、未だ表示結果が導出されていない可変表示部がある場合において、当該ゲームにおいて既に促進報知が実行されていた場合には、最後にストップスイッチ8L、8C、8Rが有効に操作されてから、つまりストップスイッチ8L、8C、8Rの検出が有効な状態とされてから該ストップスイッチ8L、8C、8Rが有効に操作されない状態が、第1の報知待ち時間である60秒よりも短い第2の報知待ち時間である30秒続いたときに促進報知が実行されるため、促進報知が実行された後、当該ゲームにおいて再度ストップスイッチ8L、8C、8Rが有効に操作されない状態が続いたときには、促進報知が最初よりも早めに実行されるため、スロットマシン1の稼働率の低下をより効果的に防止できる。
また、当該ゲームにおいて最初に実行された促進報知が、ゲームが開始してからストップスイッチ8L、8C、8Rが有効に操作されない状態が60秒続いたときに行なわれたものだけでなく、最後にストップスイッチ8L、8C、8Rが有効に操作されてからストップスイッチ8L、8C、8Rが有効に操作されない状態が60秒続いたときに実行されるものであっても、促進報知が1度でも実行された場合には、その後当該ゲームにおいて最後にストップスイッチ8L、8C、8Rが操作されてからストップスイッチ8L、8C、8Rが操作されずに経過した時間が、実行済みの促進報知のために計測された報知待ち時間である60秒よりも短い報知待ち時間である30秒に到達したときに促進報知が開始されるため、スロットマシン1の稼働率の低下をより効果的に防止できる。
次に、以上に説明した実施例の変形例や特徴点を以下に列挙する。
(1) 前述した実施例では、演出用扉60a、60bの振動演出(駆動制御)が実行されており、かつゲーム開始から所定時間である60秒が経過したときには、サブ制御部91により演出途中でも強制的に演出用扉60a、60bを開状態にして駆動を停止し、液晶表示器51の表示画面に図24で説明した報知パターンの画像を表示する例について説明した。しかし、報知パターンの画像が、液晶表示器51の表示画面のうち所定の領域にだけ表示される画像である場合(たとえば、表示領域を左中右に三等分したときに中の領域だけに画像を表示する場合)、演出用扉60a、60bを開状態にしないまでも、当該所定の領域と演出用扉60a、60bが重複しない位置に配置されるように、演出用扉60a、60bをスライドさせて停止させるように構成してもよい。
また、演出用扉60a、60bの振動演出(駆動制御)が実行されており、かつエラーコマンドを受信したときには、サブ制御部91により演出途中でも強制的に演出用扉60a、60bを開状態にして駆動を停止し、液晶表示器51の表示画面によりエラー報知を行なう例について説明した。しかし、エラー報知を行なうメッセージ等が、液晶表示器51の表示画面のうち所定の領域にだけ表示される場合(たとえば、表示領域を左中右に三等分したときに中の領域だけに画像を表示する場合)、演出用扉60a、60bを開状態にしないまでも、当該所定の領域と演出用扉60a、60bが重複しない位置に配置されるように、演出用扉60a、60bをスライドさせて停止させるように構成してもよい。
(2) 前述した実施例における表示制御基板190の表示制御部191は、演出制御基板90から送信されたエラー報知開始コマンド受信に基づいて、受信時の表示状態をRAM191cに格納し、エラー報知終了コマンド受信に基づいて、RAM191cの記憶状態に基づきエラー発生前の表示状態に復帰させる例について説明した。このような制御と同様に、表示制御基板190の表示制御部191は、演出制御基板90から送信された報知パターンコマンド受信に基づいて、受信時の表示状態をRAM191cに格納し、報知終了コマンド受信に基づいて、RAM191cの記憶状態に基づき促進報知が実行される前の表示状態に復帰させるように構成してもよい。
(3) 前述した実施例においては、連続遊技音をスピーカ53,54から出力させる制御が行なわれるボーナス期間であるときに、リール変動中に(図30のSm1でYES)、報知用カウンタの値が0になったことを条件として(Sm19でYES)、連続遊技音を停止する(Sm30)例について説明した。しかし、これに限らず、連続遊技音をスピーカ53,54から出力させる制御が行なわれるボーナス期間であるときに、遊技者により何らかの操作が行なわれたことに起因して送信されるコマンド(たとえば、BETコマンド、リール回転開始コマンド等)を所定時間受信しないこと(すなわち遊技者により何らの操作もされていないこと)を条件として、連続遊技音を停止するように構成してもよい。このように構成し、連続遊技音が停止している状態において、前述したコマンド(たとえば、BETコマンド、リール回転開始コマンド等)を受信したことを条件として、連続遊技音の出力を再開するように構成してもよい。
(4) 前述した実施例では、メダル並びにクレジットを用いて賭数を設定するスロットマシンを用いているが、本発明はこれに限定されるものではなく、遊技球を用いて賭数を設定するスロットマシンや、クレジットのみを使用して賭数を設定する完全クレジット式のスロットマシンであってもよい。
また、プリペイドカードが挿入されることによって所定数のメダル払出またはクレジット加算を可能にするプリペイドカードユニットが隣接して配置されるスロットマシンであって、プリペイドカードユニットと電気的に接続されていることを条件としてゲーム(遊技の進行)が可能となるスロットマシンであってもよい。なお、このようなスロットマシンの場合、メイン制御部41は、プリペイドカードユニットと電気的に接続されていない状態をエラー状態と判断し、未接続であることを示すエラーコマンドをサブ制御部91に送信するように構成してもよい。
(5) 前述した実施例では、遊技機の一例として、メダルを遊技媒体として用いて遊技を行なうスロットマシンについて説明した。しかしながら、本発明を具現化する遊技機は、スロットマシンに限らず、遊技球を遊技媒体として用いるパチンコ遊技機であってもよく、またパチンコ遊技機で用いられている遊技球を遊技媒体として適用したスロットマシン(いわゆるパロット)であってもよい。所定の遊技を実行可能な遊技機であって、表示状態を変化可能な表示領域を有する表示装置と、前記表示領域の遊技者側に重なる第1位置と前記表示領域の遊技者側に重ならない第2位置とに変位可能な可動部材を有する可動装置と、前記表示装置と前記可動装置とを制御して遊技演出を実行する演出制御手段とを備えた遊技機であればどのようなものであってもよい。
(6) 前述した実施例では、1回の内部抽選において特別役と小役または再遊技役とが同時に当選することがない構成であったが、1回の内部抽選において特別役と小役または再遊技役とが同時に当選するようにしてもよい。
(7) 前述した実施例では、エラー状態が発生した場合、リールが回転している状態であるか否かに関わらず、図14のエラー処理に移り、即座に遊技の進行を停止する例について説明した。しかしこれに限らず、エラー状態が発生した場合であって、リールが回転している状態である場合には、回転しているリールが全て停止し、1ゲームが終了した後に、図14のエラー処理に移りその後の遊技の進行を停止するように構成してもよい。
(8) 前述した実施例では、演出用扉60a、60bの駆動を停止させる際において、前述した駆動処理におけるSn44のステップにて演出用扉60a、60bが停止基準位置に位置しているか否かを判定し、停止基準位置に位置していないと判定した場合には、常に一定の停止基準位置まで駆動を継続した後に停止する、つまり停止基準位置に位置するまで駆動制御を継続するようになっていることで、次ゲーム以降のゲームにおいて演出用扉60a、60bの駆動を開始する際の制御が容易になるとともに、次回の駆動が開始するまで、演出用扉60a、60bが基準位置以外の箇所で停止したまま(たとえば演出用扉60a、60bが液晶表示器51の表示領域を半分閉じたまま)ゲームが進行されて遊技者に違和感を与えることがない。
(9) 前述した実施例では、サブ制御部91のCPU91aは、振動演出パターン1および振動演出パターン2に基づく振動演出を開始してから停止するまでの間、演出用扉60a、60bの振動、すなわち演出用扉モータ56,57の正逆駆動(振動)を連続的に行なっている。つまり本発明にあっては、演出用扉60a、60bの振動を開始してから停止するまでの間、演出用扉モータ56,57の駆動制御を継続的に行なうものであれば、本実施例のように演出用扉60a、60bの振動(演出用扉モータ56,57の駆動)を連続的に行なうもののみならず、該振動(駆動)を断続的に行なう(たとえば駆動と停止を繰り返し行なう)ものであってもよい。つまり、演出用扉60a、60bの可動が見た目上断続的に行なわれるものであっても、該演出用扉60a、60bの駆動制御が連続して行なわれていればよい。
(10) 前述した実施例では、振動演出に基づく演出用扉60a、60bの駆動を開始してから、リールの停止操作が有効に検出されないまま、振動停止時間である60秒が経過した時点で該駆動が停止されるようになっていたが、演出用カウンタにセットする振動停止時間は60秒に限定されるものではなく、種々に変更可能である。
(11) 前述した実施例では、連続遊技音をスピーカ53,54から出力させる制御が行なわれるボーナス期間であって、ゲーム開始または前回停止操作されてから停止操作されずに60秒または30秒続いたときに、連続遊技音の出力が停止される例について説明した。しかし、これに限らず、スピーカ53,54から出力される連続遊技音の音量を下げるように構成してもよい。音量を下げるとは、少なくともボリュームを現時点のボリュームよりも下げることであり、出音は継続したままボリュームを0以上、現時点のボリューム以下の所定値まで下げるようにしてもよい。これにより、遊技音の音量が小さくなるため、遊技が実質的に行なわれていないような状態においても継続して同じ音量で遊技音が出力されることを防止でき、周囲の遊技者に迷惑をかけることを防止することができる。また、遊技音の出力を停止するものや、音量を下げるものに限らず、他の楽曲(たとえば、音量が静かな楽曲、緩やかな楽曲等)に変更するように構成してもよい。
(12) 前述した実施例では、遊技者によるリールの停止操作に関わらず、演出用扉60a、60bの駆動を開始したときから60秒が経過した時点で駆動を停止するようになっているため、たとえば遊技者が不在となることなく、目押し等をするためにゲームを極めて遅いペースで進行した場合でも、第3リールの停止操作を行なう前に60秒が経過した時点で駆動が停止されてしまうが、たとえば振動停止時間の計時を開始した後、第1リールまたは第2リールの停止操作がなされたときに、振動停止時間を改めてリセットし、該リールの停止操作が有効に検出されたときから改めて計時を再開するようにしてもよい。
(13) 前述した実施例では、振動演出に基づく演出用扉60a、60bの駆動は、遊技制御基板40から送信された内部当選コマンドを演出制御基板90のサブ制御部91が取得したときか、ゲーム開始後、遊技制御基板40から送信された最初のリール停止コマンド、すなわち第1リールの停止に伴って遊技制御基板40から送信されたリール停止コマンドを演出制御基板90のサブ制御部91が取得したときのいずれかに行なわれるようになっていたが、振動演出の開始の契機、すなわち演出用扉60a、60bの駆動開始条件は、たとえば第2リールの停止操作がなされたときであってもよいし、あるいはゲームが開始されたとき、すなわち図柄の変動表示が開始した時(リール2L、2C、2Rの回転が開始(サブ制御部91がリール回転開始コマンドを取得したとき))、全てのリール2L、2C、2Rに対応するストップスイッチ8L、8C、8Rの導出操作の検出が有効な状態とされた時(リール2L、2C、2Rの回転が定速回転となったとき)であってもよいし、賭数の設定操作がなされたとき(メダルが投入されたときあるいは1枚BETスイッチ5またはMAXBETスイッチ6が操作されたとき(サブ制御部91がBETコマンドを取得したとき))であってもよい。
(14) 前述した実施例における振動演出は、全てのリール2L、2C、2Rの有効な停止操作が検出されたとき、すなわち第3リールの有効な停止操作が検出されたときに終了するようになっているが、第1リールまたは第2リールの有効な停止操作が検出されたときに終了するようにしてもよい。
(15) 前述した実施例における振動演出は、ゲームの開始に応じて開始される振動演出パターン1または第1リールの有効な停止操作の検出に応じて開始される振動演出パターン2からなる、開始契機の異なる2種類のパターンのうちからいずれかが所定の割合で選択されるようになっていたが、2種類以上の振動演出パターンを予め登録しておき、これら複数のうちから1のパターンを所定の割合で選択するようにしてもよい。
さらに、振動演出パターン1および振動演出パターン2は、開始契機が異なるだけで演出態様、たとえば演出用扉60a、60bの振動パターン(振動態様)等はそれぞれ同一(左右の往復移動)の演出パターンであったが、たとえば振動パターンが異なる複数種類の振動演出パターンを予め登録しておき、これら複数のうちから1のパターンを所定の割合で選択するようにしてもよい。
また、演出用扉60a、60bの振動パターンは、左右に往復移動するものに限定されるものではなく、たとえば上下・左右に往復移動するものや、前後に往復移動するものであってもよい。
(16) 前述した実施例における当選状況報知演出は、設定された後、最初のBETコマンド受信応じて開始される。しかし、当選状況報知演出は、設定された後、第2のBETコマンド受信、あるいは賭数として3が設定されたときのBETコマンド受信に応じて開始されるものであってもよい。
(17) 前述した実施例では、演出用扉60a、60bの駆動パターンの一例として振動パターン(比較的小刻みな往復移動)が適用されていたが、左右の演出用扉60a、60bそれぞれが、たとえば停止基準位置と、閉状態となる位置と、の間を左右方向または上下方向に往復移動するスライドパターン(振動パターンよりも振幅が大きい往復移動)を駆動パターンの一例として適用してもよいし、あるいは、演出用扉60a、60bを、本実施例のような引き戸ではなく、一側辺を中心に回動自在に設け(観音開きタイプ)、駆動パターンの一例として回動パターン等を適用してもよい。
(18) 前述した実施例では、可動部材(役物)の一例として、液晶表示器51の表示領域を開閉可能な演出用扉60a、60bを適用していたが、スロットマシン1の所定箇所に可動自在に設けられ、モータ等の所定の駆動源により駆動するものであれば、種々の可動部材が適用可能である。
(19) 前述した実施例では、振動演出パターン1,2に基づく振動演出が開始されてから60秒が経過するまでにリールの停止操作が有効に検出されず、演出用扉60a、60bの振動を途中で強制的に停止(中断)して終了したときに、少なくとも2つのリールが回転中である場合において、たとえばその後、第1リールまたは第2リールの停止操作が有効に検出された時点、すなわちゲームの進行が再開されたときに、中断していた演出用扉60a、60bの振動を含む振動演出を再開させるようにしてもよい。
(20) 前述した実施例では、演出用扉60a、60bの振動はリールの停止操作が有効に検出されたことに基づいて停止されるようになっていたが、たとえばビッグボーナス中における複数ゲーム間にわたり、演出用扉60a、60bを振動させる演出を行なうようにした場合において、遊技者のゲーム進行操作、すなわちリールの停止操作やゲームを開始させるためのスタートスイッチ操作等が有効に検出されない状態が所定時間継続した場合等において、該振動中の演出用扉60a、60bを停止するようにしてもよい。
(21) 前述した実施例では、報知用カウンタによるカウンタ値の減算(計時)は、リール2L、2C、2Rの回転が開始されたことを特定可能なリール回転開始コマンドをCPU91aが取得した時点から開始されていたが、たとえばスタートスイッチ7の操作が検出された時点、つまり内部当選コマンドを取得した時点や、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が有効となった時点から計時してもよい。
(22) 前述した実施例では、促進報知の報知パターン1、2は、それぞれ報知画面に「リールを停止して下さい」という文字を表示し、その文字色や背景色が異なるパターンであったが、報知態様は上記パターンに限定されるものではなく、メッセージ内容や表示態様は種々に変更可能である。
また、報知パターン抽選においては、表示される文字の文字色や背景色が異なる2種類の報知パターンが、ボーナスフラグの当選状況に応じて異なる確率で選択されるようになっていたが、たとえば2種類以上の報知パターンのうちから選択するようにしてもよい。
(23) 前述した実施例における報知パターン1、2は、ストップスイッチ8L、8C、8Rの停止操作を促す文字を表示するものであり、ボーナスフラグの当選状況に応じていずれかが選択されるようになっていたが、このような促進報知の実行とともに、たとえば前述した内部抽選処理において内部当選した内部当選フラグに対応する役を所定の確率で報知するようにしてもよい。
具体的には、たとえばCPU91aは、遊技制御基板40から内部当選コマンドを取得したときに、取得した内部当選コマンドから内部当選役を判別するようにし、内部当選している当選役を、停止操作を促しつつ報知するようにすればよい。たとえば、ベルの内部当選フラグが内部当選している場合には、図33(a)に示されるように、「ベル(図柄)を揃えて停止して下さい」という表示画面を表示し、また、ビッグボーナス(1)の内部当選フラグが内部当選している場合には、図33(b)に示されるように、「赤7(図柄)を揃えて停止して下さい」という表示画面を表示すれば、リール2L、2C、2Rの停止操作を促すとともに、内部抽選によりベルの内部当選フラグやビッグボーナス(1)の内部当選フラグが内部当選していることが遊技者に報知(告知)される。
なお、このような内部当選役は必ずしも上記のように100%の確率で告知しなくてもよく、内部当選時における所定の確率(たとえば50%)で報知するようにしてもよいし、あるいは内部当選していない役を報知するようにしてもよく、たとえばビッグボーナス(1)の内部当選フラグが設定されている状態において、内部当選していない入賞役(たとえばベル等)を所定の確率で報知することで、ベルの内部当選が予告されたにも関わらず、当該ゲームにおいてベルの組合せが揃わずに、当該ゲーム以降のゲームにおいてビッグボーナス図柄の組合せが揃うことになる。従って、遊技者は予告された入賞役が外れてビッグボーナスが内部当選していることを期待するようになり、特別役以外の小役が予告された場合においても、ボーナスに対する期待感が高まるため、遊技の興趣が向上する。
また、このように内部当選した可能性がある旨の報知は、所定の当選役(たとえば特別役)のみであってもよいし、あるいは全ての入賞役について報知されるようにしてもよい。
(24) 前述した実施例においては、1ゲームにおいて1回促進報知が実行された後において、ストップスイッチ8L、8C、8Rによる停止操作がなされない状態が続いたときに、最初の促進報知を実行するまでの報知待ち時間(60秒)よりも短い報知待ち時間(30秒)が経過した時点で促進報知が実行されるようになっていたが、報知待ち時間を全て同一としてもよい。
(25) 前述した実施例においては、報知待ち時間を計測するための計時手段が1つの報知用タイマカウンタにて構成し、リール回転開始コマンドを取得したときに第1の値(=60秒)を設定してタイマカウント(計時)を開始するとともに、該タイマカウントの開始後においてリール停止コマンドを取得したときに、実行中のタイマカウントを終了(リセット)して第2の値(=30秒)を設定してタイマカウントを開始するようになっていたが、リール回転開始コマンドを取得したことに基づく計時と、リール停止コマンドを取得したことに基づく計時とをそれぞれ別個のカウンタにて計時するようにしてもよい。
また、たとえば各ゲームにおける促進報知の実行履歴を記憶しておき、所定期間(たとえば5分間や50ゲーム間)内において促進報知が所定回以上実行された場合に、促進報知を実行するまでの報知待ち時間を、通常の報知待ち時間よりも短くするようにしてもよい。さらにこの場合、促進報知の実行履歴に応じて、報知待ち時間を段階的に短縮していくようにしてもよい。
さらに、前述したような促進報知の実行を開始(報知画面の表示を開始)してから経過した時間を計時するようにし、たとえば所定時間が経過する毎(たとえば1分が経過する毎)に、報知態様を変化させたり、あるいは報知画面の表示による報知のみならず、「リールを停止して下さい」等の音声メッセージをスピーカ53、54等から出力するようにしてもよい。
(26) 前述した実施例における促進報知は、液晶表示器51の表示画面上にリール2L、2C、2Rの停止操作を促す文字メッセージを含む報知画面を表示することにより行なわれていたが、液晶表示器51以外の画像表示装置に報知画面を表示してもよいし、メッセージ内容は、前述したような「リールを停止して下さい」というメッセージだけでなく、リール2L、2C、2Rの停止操作を促すものであれば、たとえば「図柄を停止して下さい」や「ストップスイッチを操作して下さい」等、種々のメッセージに変更可能であるとともに、あるいは、リールの停止操作を促す画像や動画を表示するものでもよい。
さらに、促進報知を行なう報知手段としては、前述した液晶表示器51等の画像表示装置に限定されるものではなく、たとえばスピーカ53、54から前述したような「リールを停止して下さい」等の音声の出力や、所定の警告音等の出力が可能な遊技音発生手段であってもよい。あるいは、たとえばリールLED55等を所定の発光態様にて発光させること(たとえば点灯態様や発光色の変更)により報知する発光手段等であってもよい。
(27) 前述した実施例では、サブ制御部91のCPU91aは、前述した促進報知処理において、促進報知が実行されていない場合にタイマカウンタのカウンタ値が0となり、促進報知の実行を決定すべく報知中フラグをセットした後、促進報知の実行を指示する演出制御情報としての報知パターン1コマンドまたは報知パターン2コマンドを表示制御基板190に送信し、また、促進報知の実行中において停止コマンドを受信したときに、促進報知の終了を指示する演出制御情報としての報知終了コマンドを表示制御基板190に送信するようになっていたが、このように促進報知の実行や終了を指示する演出制御情報としてのコマンドは、それぞれ別個のコマンドとしなくてもよく、たとえばCPU91aが、促進報知の実行時や促進報知の終了時においてそれぞれ同一の促進報知コマンドを送信するようにし、表示制御部191のCPU191aが、促進報知を実行していない状態で前記促進報知コマンドを取得したときには促進報知を実行し、促進報知の実行中に前記促進報知コマンドを取得したときには実行中の促進報知を終了させるようにしてもよい。
また、促進報知の終了を指示する演出制御情報としての報知終了コマンドは、リール停止操作が行なわれたときに演出制御基板90から送信される他の演出コマンド、たとえば遊技状態に応じた演出(たとえば内部当選の可能性を示す予告演出等)の実行を指示する演出コマンド等と兼用してもよく、この場合、CPU191aは、促進報知の実行中においてリールの停止操作に応じて演出制御基板90から送信される演出コマンドを取得したときに、実行中の促進報知を終了させればよい。
(28) 前述した実施例では、複数(本実施例では3つ)の可変表示部(可変表示領域)それぞれに対して、各可変表示部における表示結果を導出させる導出操作手段としてのストップスイッチ8L、8C、8Rが1対1対応で設けられていたが、本発明にあっては、必ずしも各可変表示領域それぞれに対応する個別のストップスイッチ8L、8C、8Rが配置されているものに限定されるものではなく、2以上の所定数の可変表示領域に対して前記所定数未満しかストップスイッチ(導出操作手段)が配置されていないものであってもよく、たとえば3つの可変表示領域に対して1つのストップスイッチのみ配置され、該ストップスイッチを前記所定回数操作することにより全て(3つ)の可変表示領域の表示結果が導出されるようなものであってもよい。
(29) 前述した実施例では、報知用カウンタと演出用カウンタとを別個に設け、それぞれ別々に計時を行なっていたため、振動演出の終了と促進報知の開始との間に僅かな時間差が生じていたが、たとえば振動演出パターン1に基づく振動演出における計時と、報知パターン1に基づく促進報知における計時とを同一の契機、たとえばサブ制御部91がリール回転開始コマンドを取得したときから行なうようにすれば、1つのカウンタによる計時に基づいて振動演出(駆動制御)を停止するとともに、促進報知を開始できる。
(30) なお、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。