JP2013007923A - 帯電性子粒子の製造方法、帯電性子粒子 - Google Patents
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Abstract
【課題】母粒子表面に帯電性子粒子を固着させてなる表示用粒子を使用した情報表示装置等において、連続駆動時においても表示用粒子の帯電特性等が変化することなく、初期性能を長期にわたる反転耐久試験時にも維持できる表示用粒子を構成する帯電性子粒子の製造方法、及びそれを用いて製造される帯電性子粒子の提供である。
【解決手段】母粒子表面に帯電性子粒子を固着させてなる表示用粒子を、少なくとも一方が透明な対向する2枚の基板間に封入し、該基板間に電界を付与することによって前記表示用粒子を移動させて画像情報を表示する情報表示パネルに用いる前記表示用粒子を構成する帯電性子粒子の製造方法であって、重合性モノマー及び架橋性モノマーを含むモノマー成分を重合してなる架橋樹脂を含有する樹脂微粒子を作製する樹脂微粒子作製工程と、前記樹脂微粒子中の残存モノマーを排出する残存モノマー排出工程とを有する帯電性子粒子の製造方法である。
【選択図】なし
【解決手段】母粒子表面に帯電性子粒子を固着させてなる表示用粒子を、少なくとも一方が透明な対向する2枚の基板間に封入し、該基板間に電界を付与することによって前記表示用粒子を移動させて画像情報を表示する情報表示パネルに用いる前記表示用粒子を構成する帯電性子粒子の製造方法であって、重合性モノマー及び架橋性モノマーを含むモノマー成分を重合してなる架橋樹脂を含有する樹脂微粒子を作製する樹脂微粒子作製工程と、前記樹脂微粒子中の残存モノマーを排出する残存モノマー排出工程とを有する帯電性子粒子の製造方法である。
【選択図】なし
Description
本発明は、少なくとも一方が透明な対向する2枚の基板間に封入した表示用粒子を移動させて画像等の情報を表示する情報表示パネルに用いる複合型の表示用粒子を構成する帯電性子粒子の製造方法、及びそれを用いて製造される帯電性子粒子に関するものである。
情報表示装置として液晶表示装置(LCD)が広く普及している。しかし、一般に液晶表示装置は電力消費量が大きく、視野角が狭いなどの欠点があることが知られていた。そこで、液晶表示装置に代わるものとして、少なくとも一方が透明な2枚の基板(例えばガラス基板)間に隔壁によって仕切られた複数のセルを形成し、このセル内に粒子群として構成した表示用粒子を封入して、この表示用粒子を移動させて画像等の情報を表示する情報表示用パネルについての提案がある(例えば、特許文献1参照)。
上記のような情報表示用パネルは、例えば基板間の表示用粒子を、画像等の情報に応じて電気的に移動させることにより所期の画像等の情報を表示するようにしている。ここでは、表示要求のあった情報に応じて、粒子群(表示用粒子)が基板間の空間を繰り返し移動する。よって、表示用粒子とする粒子群を構成する、均質で耐久性を備えた表示用粒子が求められる。
そこで、表示用粒子に対して、その電気特性の安定化や繰り返し表示書き換えを行った場合の耐久性を改善する意図で、表示用粒子の母体となる大きな粒子に、他の微小粒子を付加した、いわゆる複合型の粒子に係る技術が提案されている(例えば、特許文献2参照)。この技術は、母粒子の表面に子粒子を付加した複合型の表示用粒子、およびこれを用いる情報表示用パネルについて開示する。所定条件の子粒子を母粒子に付加した形態とすることで、表示書き換えのために表示用粒子を繰り返し移動させた場合の耐久性を改善することができるとしている。
しかしながら、上述した母粒子の表面に帯電した子粒子(帯電性子粒子)を付加した複合型の表示用粒子を、情報表示用パネルを備えた情報表示装置に用いると、連続駆動時に表示用粒子の表面特性が変化し、帯電特性変化などによって表示コントラスト低下等の現象が起こることがあった。そして、これらにより、初期性能を長期にわたって維持できない問題があった。
本発明は、上記の状況に鑑みなされたもので、母粒子表面に帯電性子粒子を固着させてなる表示用粒子を使用した情報表示装置等において、連続駆動時においても表示用粒子の帯電特性等が変化することなく、初期性能を長期にわたって維持できる表示用粒子を構成する帯電性子粒子の製造方法、及びそれを用いて製造される帯電性子粒子を提供することを課題とするものである。
上記課題は、下記本発明により解決される。すなわち、本発明は、
〔1〕 母粒子表面に帯電性子粒子を固着させてなる表示用粒子を、少なくとも一方が透明な対向する2枚の基板間に封入し、該基板間に電界を付与することによって前記表示用粒子を移動させて画像情報を表示する情報表示パネルに用いる前記表示用粒子を構成する帯電性子粒子の製造方法であって、
重合性モノマー及び架橋性モノマーを含むモノマー成分を重合してなる架橋樹脂を含有する樹脂微粒子を作製する樹脂微粒子作製工程と、
前記樹脂微粒子中の残存モノマーを排出する残存モノマー排出工程とを有する帯電性子粒子の製造方法、
〔2〕 前記架橋性モノマーが、分子中にビニル基を2つ以上有する化合物であり、該架橋性モノマーが前記モノマー成分全体中の20mol%以上含まれる〔1〕に記載の帯電性子粒子の製造方法、
〔3〕 前記残存モノマー排出工程が、前記樹脂微粒子中の熱分解ガスクロマトグラフィーによる残存モノマー濃度を5000ppm以下とする工程である〔1〕または〔2〕に記載の帯電性子粒子の製造方法、
〔4〕 前記残存モノマー排出工程が、前記樹脂微粒子を加熱乾燥処理する工程である〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載の帯電性子粒子の製造方法、
〔5〕 前記残存モノマー排出工程が、前記樹脂微粒子を減圧乾燥処理する工程である〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載の帯電性子粒子の製造方法、
〔6〕 前記樹脂微粒子作製工程が、乳化重合法または分散重合法により樹脂微粒子を作製する工程である〔1〕〜〔5〕のいずれかに記載の帯電性子粒子の製造方法、
〔7〕 前記架橋樹脂が、架橋オレフィン樹脂、架橋スチレン樹脂、架橋アクリル樹脂、架橋ウレタン樹脂及び架橋エポキシ樹脂から選択される1つ以上である〔1〕〜〔6〕のいずれかに記載の帯電性子粒子の製造方法、及び
〔8〕 母粒子表面に帯電性子粒子を固着させてなる表示用粒子を、少なくとも一方が透明な対向する2枚の基板間に封入し、該基板間に電界を付与することによって前記表示用粒子を移動させて画像情報を表示する情報表示パネルに用いる前記表示用粒子を構成する帯電性子粒子であって、
〔1〕〜〔7〕のいずれかに記載の帯電性子粒子の製造方法を用いて製造される帯電性子粒子、
を提供するものである。
〔1〕 母粒子表面に帯電性子粒子を固着させてなる表示用粒子を、少なくとも一方が透明な対向する2枚の基板間に封入し、該基板間に電界を付与することによって前記表示用粒子を移動させて画像情報を表示する情報表示パネルに用いる前記表示用粒子を構成する帯電性子粒子の製造方法であって、
重合性モノマー及び架橋性モノマーを含むモノマー成分を重合してなる架橋樹脂を含有する樹脂微粒子を作製する樹脂微粒子作製工程と、
前記樹脂微粒子中の残存モノマーを排出する残存モノマー排出工程とを有する帯電性子粒子の製造方法、
〔2〕 前記架橋性モノマーが、分子中にビニル基を2つ以上有する化合物であり、該架橋性モノマーが前記モノマー成分全体中の20mol%以上含まれる〔1〕に記載の帯電性子粒子の製造方法、
〔3〕 前記残存モノマー排出工程が、前記樹脂微粒子中の熱分解ガスクロマトグラフィーによる残存モノマー濃度を5000ppm以下とする工程である〔1〕または〔2〕に記載の帯電性子粒子の製造方法、
〔4〕 前記残存モノマー排出工程が、前記樹脂微粒子を加熱乾燥処理する工程である〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載の帯電性子粒子の製造方法、
〔5〕 前記残存モノマー排出工程が、前記樹脂微粒子を減圧乾燥処理する工程である〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載の帯電性子粒子の製造方法、
〔6〕 前記樹脂微粒子作製工程が、乳化重合法または分散重合法により樹脂微粒子を作製する工程である〔1〕〜〔5〕のいずれかに記載の帯電性子粒子の製造方法、
〔7〕 前記架橋樹脂が、架橋オレフィン樹脂、架橋スチレン樹脂、架橋アクリル樹脂、架橋ウレタン樹脂及び架橋エポキシ樹脂から選択される1つ以上である〔1〕〜〔6〕のいずれかに記載の帯電性子粒子の製造方法、及び
〔8〕 母粒子表面に帯電性子粒子を固着させてなる表示用粒子を、少なくとも一方が透明な対向する2枚の基板間に封入し、該基板間に電界を付与することによって前記表示用粒子を移動させて画像情報を表示する情報表示パネルに用いる前記表示用粒子を構成する帯電性子粒子であって、
〔1〕〜〔7〕のいずれかに記載の帯電性子粒子の製造方法を用いて製造される帯電性子粒子、
を提供するものである。
本発明によれば、母粒子表面に帯電性子粒子を固着させてなる表示用粒子を使用した情報表示装置等において、連続駆動時においても表示用粒子の帯電特性等が変化することなく、初期性能を長期にわたって維持できる表示用粒子を構成する帯電性子粒子の製造方法、及びそれを用いて製造される帯電性子粒子を提供することができる。
以下、本発明を実施形態により説明する。
本実施形態の帯電性子粒子の製造方法は、母粒子表面に帯電性子粒子を固着させてなる表示用粒子を、少なくとも一方が透明な対向する2枚の基板間に封入し、該基板間に電界を付与することによって前記表示用粒子を移動させて画像情報を表示する情報表示パネルに用いる前記表示用粒子を構成する帯電性子粒子の製造方法であって、架橋樹脂を含む樹脂微粒子を作製する樹脂微粒子作製工程と、前記樹脂微粒子中の残存モノマーを排出する残存モノマー排出工程とを有することを特徴とする。
本実施形態の帯電性子粒子の製造方法は、母粒子表面に帯電性子粒子を固着させてなる表示用粒子を、少なくとも一方が透明な対向する2枚の基板間に封入し、該基板間に電界を付与することによって前記表示用粒子を移動させて画像情報を表示する情報表示パネルに用いる前記表示用粒子を構成する帯電性子粒子の製造方法であって、架橋樹脂を含む樹脂微粒子を作製する樹脂微粒子作製工程と、前記樹脂微粒子中の残存モノマーを排出する残存モノマー排出工程とを有することを特徴とする。
まず、本実施形態の帯電性子粒子の製造方法により得られる帯電性子粒子、及びそれを用いた表示用粒子について、図を参照しながら詳細に説明する。なお、本実施形態において「帯電性子粒子」とは、分子内に極性基を1つ以上有するモノマーを含む重合成分を重合して得られた樹脂微粒子であって、このモノマーを含まないこと以外は同様の重合成分を重合して得られた樹脂微粒子と比べて、帯電量(正、負)が高くもしくは低くなるものを意味する。
前記帯電性子粒子(以下、単に「子粒子」という場合がある)は、例えば、後述する情報表示用パネルの少なくとも一方が透明な2枚の基板の間に封入される複合型の表示用粒子の帯電性付与に用いることができ、該表示用粒子は母粒子表面に本実施形態の帯電性子粒子が固着されて構成される。図1は、本実施形態の帯電性子粒子を用いて構成された複合型の表示用粒子の一例を示す模式図である。
図1において、表示用粒子31は、母粒子32表面に本実施形態の帯電性子粒子33を固着してなる。すなわち、母粒子32の表面に帯電性子粒子33を固着させて複合型の表示用粒子31として構成される。
本実施形態は、上記「固着」により子粒子が母粒子の表面に均一に付加された表示用粒子の表示性能を向上させようとするものである。母粒子の表面に子粒子が均一に配置されている図1に示す表示用粒子31を採用する情報表示用パネルは、表示書き換えを繰り返す場合の耐久性を向上させることが可能である。
ここで、前記「固着」とは、帯電性子粒子33が母粒子32の表面に埋設、接着、粘着などにより固定されているため、繰り返して表示書き換えを行った時に帯電性子粒子33の移動がないものを意味する。
ここで、前記「固着」とは、帯電性子粒子33が母粒子32の表面に埋設、接着、粘着などにより固定されているため、繰り返して表示書き換えを行った時に帯電性子粒子33の移動がないものを意味する。
後述するように、本実施形態の帯電性子粒子は、乳化重合法もしくは非水分散重合法により作製されるため、得られた樹脂微粒子中には未反応モノマーが存在する。すなわち、重合性モノマーに対して架橋性モノマーを大量に用いて上記重合法で子粒子を製造した場合、重合架橋が進行するとポリマーネットワークの揺らぎが抑制されるため、モノマーの樹脂微粒子への浸透速度の低下や活性末端の活性の低下により、モノマーが反応できない等により、最終的に得られた子粒子中に未反応モノマー(残存モノマー)として存在することになる。
本発明者らが検討した結果、このように子粒子の製造後において子粒子中に残存モノマーが存在していると、表示用パネル駆動時に表示用粒子同士が接触し、この時に子粒子中の残存モノマーが相手子粒子へ移行する。そしてこの移行により、表示用粒子の帯電量が低下し、情報表示用パネルで駆動の不具合が生じることが懸念される。 具体的には、表示用パネルを駆動する際に、正帯電表示用粒子と負帯電表示用粒子とが高速でパネル内を移動するため、それぞれが接触したときに互いに強い力で擦れあうこととなる。この際に、子粒子中の残存(未反応)モノマーが正帯電表示用粒子から負帯電表示用粒子、あるいは負帯電表示用粒子から正帯電表示用粒子に移行し、その結果、上記正帯電表示用粒子及び負帯電表示用粒子の帯電特性が変化(悪化)してパネル内の粒子同士の帯電バランスが不安定となり、表示用粒子の駆動、さらにはそれに伴う表示コントラストに問題が生ずることとなる。
このため、後述する種々の処理により、前記未反応の残存モノマー量を低減させることが表示用粒子の高耐久化のために有効である。本実施形態においては、帯電性子粒子33の製造において、前記重合後の樹脂微粒子に対して残存モノマーを排出する工程を設けることが、帯電性子粒子33、さらには表示用粒子31の性能向上に有効であることを見出した。
このため、後述する種々の処理により、前記未反応の残存モノマー量を低減させることが表示用粒子の高耐久化のために有効である。本実施形態においては、帯電性子粒子33の製造において、前記重合後の樹脂微粒子に対して残存モノマーを排出する工程を設けることが、帯電性子粒子33、さらには表示用粒子31の性能向上に有効であることを見出した。
より具体的には、本実施形態では、上記残存モノマーを排出する工程を経て得られた帯電性子粒子について熱分解ガスクロマトグラフィーによる成分分析を行った際に、残存モノマー濃度が5000ppm以下となるようにすることが好ましい。当該残存モノマー濃度が5000ppm以下であれば、本実施形態の帯電性子粒子33を用いてなる複合型の表示用粒子31を用いた情報表示用パネルにおいて表示書き換えを繰り返し行ったときに、表示用粒子31の帯電性を安定化させることができ、それによって該表示用粒子31の繰り返し表示書き換え時の耐久性、さらには前記情報表示用パネルの表示安定性を向上させることが可能となる。
前記残存モノマー濃度は5000ppm以下とすることが好ましく、2000ppm以下とすることがより好ましい。理想的には下限は0ppmである。
なお、上記残存モノマーには、後述する重合性モノマー及び架橋性モノマーの少なくともいずれかが含まれる。また、残留モノマー濃度を求めるための熱分解ガスクロマトグラフィーの測定方法については後述する。
なお、上記残存モノマーには、後述する重合性モノマー及び架橋性モノマーの少なくともいずれかが含まれる。また、残留モノマー濃度を求めるための熱分解ガスクロマトグラフィーの測定方法については後述する。
以下、本実施形態の帯電性子粒子の製造方法を各工程ごとに説明する。
(樹脂微粒子作製工程)
本工程は、重合性モノマー及び架橋性モノマーを含むモノマー成分を重合してなる架橋樹脂を含む樹脂微粒子を作製する工程である。
上記架橋樹脂としては、架橋オレフィン樹脂、架橋スチレン樹脂、架橋アクリル樹脂、架橋ウレタン樹脂及び架橋エポキシ樹脂から選択される1つ以上であることが好適である。これらの架橋樹脂を含むことにより、樹脂微粒子における硬度を十分に高くすることができ、またこれらの架橋樹脂を含むことにより、帯電性、帯電安定性にも優れた帯電性子粒子を得ることができる。
上記架橋樹脂の中では、架橋スチレン樹脂、架橋アクリル樹脂を用いることがより好ましい。
(樹脂微粒子作製工程)
本工程は、重合性モノマー及び架橋性モノマーを含むモノマー成分を重合してなる架橋樹脂を含む樹脂微粒子を作製する工程である。
上記架橋樹脂としては、架橋オレフィン樹脂、架橋スチレン樹脂、架橋アクリル樹脂、架橋ウレタン樹脂及び架橋エポキシ樹脂から選択される1つ以上であることが好適である。これらの架橋樹脂を含むことにより、樹脂微粒子における硬度を十分に高くすることができ、またこれらの架橋樹脂を含むことにより、帯電性、帯電安定性にも優れた帯電性子粒子を得ることができる。
上記架橋樹脂の中では、架橋スチレン樹脂、架橋アクリル樹脂を用いることがより好ましい。
前記樹脂微粒子は、例えば重合開始剤を用いて樹脂の原料であるモノマーを重合することによって得ることができる。樹脂微粒子を構成する樹脂の原料のモノマーとしては、スチレン、α−メチルスチレン及びα−クロロスチレン等のスチレン系モノマー;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル及びアクリル酸シクロヘキシル等のアクリル系モノマー;メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル及びメタクリル酸シクロヘキシル等のメタクリル系モノマー;1,4−ブタジエン等のブタジエン系モノマー;ビニルシクロヘキサン等のシクロオレフィン系モノマー;ビニルナフタレン、4−ビニルフェニル、1,1−ジフェニルエチレン、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレン、ジビニルビフェニル及びエチレングリコールジメタクリレート等のビニル基を単独もしくは複数有するモノマーなどが挙げられる。これらのビニル基含有モノマーを単独でもしくは複数種組み合わせて使用してもよい。
本実施形態では、樹脂微粒子は架橋剤により架橋された架橋樹脂を含むが、該架橋は前記モノマーの重合中に行われてもよいし、重合後に行われてもよい。架橋剤としては、微粒子の強度をより向上させるという観点から、ビニル基を少なくとも2つ以上有する化合物を用いることが好ましい。その意味では、前記ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレン、ジビニルビフェニル、エチレングリコールジメタクリレート等は本実施形態における架橋剤に相当する。
上記架橋剤は、該架橋剤を含む重合成分全体中(すなわち、重合後の架橋樹脂中においては、架橋剤に由来する構成単位が前記架橋樹脂を構成する原料成分に由来する構成単位全体中)の20mol%以上含まれることが好ましい。架橋剤の含有量を上記範囲とすることにより、樹脂微粒子における硬度を十分高くすることができ、また、前述の帯電性子粒子における未反応のビニル基量を所望の範囲とすることができる。
前記架橋剤の含有量は25mol%以上70mol%以下であることがより好ましい。
なお、上記架橋樹脂中の架橋剤に由来する構成単位の比率については、ガスクロマトグラフィー(GC)を用いて、以下の条件にて測定し、それぞれの重合成分のピーク面積から含有量を計算した。重合成分の実含有量は、事前にそれぞれの重合成分単独の重合体を合成し、それを用いて以下の条件で測定し得られた検量線から算出した。
前記架橋剤の含有量は25mol%以上70mol%以下であることがより好ましい。
なお、上記架橋樹脂中の架橋剤に由来する構成単位の比率については、ガスクロマトグラフィー(GC)を用いて、以下の条件にて測定し、それぞれの重合成分のピーク面積から含有量を計算した。重合成分の実含有量は、事前にそれぞれの重合成分単独の重合体を合成し、それを用いて以下の条件で測定し得られた検量線から算出した。
前記モノマーの重合は、乳化重合法、非水分散重合法、シード重合法等に従って行うことができるが、これらのうちでは乳化重合法が好ましい。
具体的には、乳化重合法としては界面活性効果を有する乳化剤として用いて、適宜選択した溶媒中で、重合開始剤の存在下で行うことができる。重合に用いる溶媒は、特に限定されず、通常の乳化重合法で用いられる溶媒を使用することができ、例えば、精製水や精製水とメタノールとの任意比率の混合液等がある。
また、前記非水分散重合法としては上記モノマー、重合開始剤及び分散安定剤を適切な溶媒に溶解させた溶液を所定の温度下に置いて、上記モノマーを重合させる。得られた重合溶液を濾過し、適宜選択した溶媒で洗浄した後、次いで遠心分離機等によって微小粒子を回収し、所定の温度のオーブン等で乾燥させることによって、樹脂微粒子を得ることができる。
具体的には、乳化重合法としては界面活性効果を有する乳化剤として用いて、適宜選択した溶媒中で、重合開始剤の存在下で行うことができる。重合に用いる溶媒は、特に限定されず、通常の乳化重合法で用いられる溶媒を使用することができ、例えば、精製水や精製水とメタノールとの任意比率の混合液等がある。
また、前記非水分散重合法としては上記モノマー、重合開始剤及び分散安定剤を適切な溶媒に溶解させた溶液を所定の温度下に置いて、上記モノマーを重合させる。得られた重合溶液を濾過し、適宜選択した溶媒で洗浄した後、次いで遠心分離機等によって微小粒子を回収し、所定の温度のオーブン等で乾燥させることによって、樹脂微粒子を得ることができる。
なお、子粒子製造の際に採用する乳化重合は、従来において粒子を製造する際に用いた要領で同様に実施すればよく、場合により、乳化剤を使用しても、使用しなくてもよい。乳化剤を使用する場合には、例えば、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸アンモニウム、ミリスチル硫酸ナトリウム、ミリスチル硫酸アンモニウム、セチル硫酸ナトリウム、セチル硫酸アンモニウム、ステアリル硫酸ナトリウム、ステアリル硫酸アンモニウム、オレイル硫酸ナトリウム、オレイル硫酸アンモニウムなどの直鎖および分岐アルキル硫酸エステル塩;ラウリルスルホン酸ナトリウム、ラウリルスルホン酸アンモニウム、ミリスチルスルホン酸ナトリウム、ミリスチルスルホン酸アンモニウム、セチルスルホン酸ナトリウム、セチルスルホン酸アンモニウム、ステアリルスルホン酸ナトリウム、ステアリルスルホン酸アンモニウム、オレイルスルホン酸ナトリウム、オレイルスルホン酸アンモニウムなどの直鎖および分岐アルキルスルホン酸塩;α−オレフィンスルホン酸ナトリウム、α−オレフィンスルホン酸アンモニウムなどのα−オレフィンスルホン酸塩;ノニルフェノール硫酸エステルナトリウム塩、ノニルフェノール硫酸エステルアンモニウム塩、ドデシルフェノール硫酸エステルナトリウム塩(ラウリル硫酸エステルナトリウム塩)、ドデシルフェノール硫酸エステルアンモニウム塩(ラウリル硫酸エステルアンモニウム塩)などのアルキルフェノール硫酸エステル塩;ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム(ラウリルベンゼンスルホン酸ナトリウム)、ドデシルベンゼンスルホン酸アンモニウム(ラウリルベンゼンスルホン酸アンモニウム)などのアルキルベンゼンスルホン酸塩;ブチルナフタレンスルホン酸ナトリウム、ブチルナフタレンスルホン酸アンモニウムなどのアルキルナフタレンスルホン酸塩;ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム、モノオクチルスルホコハク酸ナトリウムなどのアルキルスルホコハク酸塩;ドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム(ラウリルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム)、ドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸アンモニウム(ラウリルジフェニルエーテルジスルホン酸アンモニウム)などのアルキルジフェニルエーテルジスルホン酸塩;ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物の塩、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸アンモニウム、ポリオキシエチレンミリスチルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンミリスチルエーテル硫酸アンモニウム、ポリオキシエチレンセチルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンセチルエーテル硫酸アンモニウム、ポリオキシエチレンステアリルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンステアリルエーテル硫酸アンモニウム、ポリオキシエチレンオレイルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンオレイルエーテル硫酸アンモニウムなどのポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩;ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル硫酸エステルナトリウム塩、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル硫酸エステルアンモニウム塩などのポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸エステル塩;ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンブロック共重合体の硫酸エステルナトリウム塩、ポリオキシエチレン−ポリオキシブチレンブロック共重合体の硫酸エステルナトリウム塩などのポリオキシエチレン−ポリオキシアルキレンブロック共重合体の硫酸エステル塩;ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンブロック共重合体のドデシルエーテルの硫酸エステルナトリウム塩、ポリオキシエチレン−ポリオキシブチレンブロック共重合体のドデシルエーテルの硫酸エステルナトリウム塩などのポリオキシエチレン−ポリオキシアルキレンブロック共重合体のアルキルエーテルの硫酸エステル塩等が挙げられ、これらを単独で、あるいは2種類以上を組合せて使用してもよい。
上記バインダー樹脂のモノマーの重合に用いる重合開始剤としては、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、及び過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩;過酸化水素水、ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、3,5,5−トリメチルヘキサノイルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキシド、t−ブチルパーオキシ−2−エチルブタノエート、t−ヘキシルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシピバレート、ジイソプロピルパーオキシジカーボネイト、ジ−t−ブチルパーオキシイソフタレート、及びt−ブチルパーオキシイソブチレート等の有機過酸化物;2,2’−アゾビス[2−(トリフルオロメチルスルホン酸−2−メチルイミダゾリン−2−イル)]プロパン、2,2’−アゾビス[2−(2−メチルイミダゾリン−2−イル)]プロパン塩酸塩、2,2’−アゾビス[2−(2−メチルイミダゾリン−2−イル)]プロパン硫酸塩、2,2’−アゾビス(1−イミノ−1−ピロリジノ−2−メチルプロパン)塩酸塩、2,2’−アゾビス[2−(トリフルオロメチルベンゼンスルホン酸−2−メチルイミダゾリン−2−イル)プロパン、2,2’−アゾビス[2−(トルエンスルホン酸−2−メチルイミダゾリン−2−イル)プロパン、2,2’−アゾビス[2−(ベンゼンスルホン酸−2−メチルイミダゾリン−2−イル)プロパン等のイミダゾリン基を有するアゾ開始剤;4,4’−アゾビス[4−シアノ吉草酸(メチルピリジン)アミド]等のピリジン基を有するアゾ開始剤;4,4’−アゾビス[4−シアノ吉草酸(メチルアミン)アミド]、4,4’−アゾビス[4−シアノ吉草酸(メチルシクロヘキシルアミン)アミド]、2,2−アゾビス(2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)プロピオンアミド、2,2'−アゾビス(2−アミジノプロパン)ジヒドロクロライド等のアミノ基を有するアゾ開始剤;4,4’−アゾビス(4−シアノ吉草酸)、2,2'−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル等のその他のアゾ開始剤が挙げられ、これらを単独で、あるいは2種類以上を組合せて使用してもよい。
これらの中で、残留重合性単量体を少なくすることができることから、有機過酸化物が好ましく、有機過酸化物エステル化合物(パーオキシエステル)がより好ましい。 また、上記重合開始剤の使用量としては、モノマー量に対し、0.03〜80質量%の範囲で用いられるのが好ましい。なお、前記重合開始剤は重合の初期に一括で投入してもよいし、重合中に追加してもよい。
これらの中で、残留重合性単量体を少なくすることができることから、有機過酸化物が好ましく、有機過酸化物エステル化合物(パーオキシエステル)がより好ましい。 また、上記重合開始剤の使用量としては、モノマー量に対し、0.03〜80質量%の範囲で用いられるのが好ましい。なお、前記重合開始剤は重合の初期に一括で投入してもよいし、重合中に追加してもよい。
また、モノマーの重合の際に用いる分散安定剤としては、メチルセルロース、エチルセルロース、ジ(2−エチルヘキシル)スルホコハク酸ナトリウム、ポリビニルアルコール、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン共重合物、ポリオキシエチレンポリイソプレン共重合物、ポリビニルエーテル、ポリアクリルアミド、ポリシクロヘキサン、ポリトリシクロデシルメタクリレート、ポリ−4−メチルペンテン−1、シクロオレフィン重合物、エチレン−シクロオレフィン共重合物等が挙げられる。シクロオレフィン重合物としては、ノルボルネン、ノルボルナジエン、メチルノルボルネン、ジメチルノルボルネン、エチルノルボルネン、クロロノルボルネン、クロロメチルノルボルネン、シクロヘキシルノルボルネン、ジシクロヘキシルノルボルネン、フェニルノルボルネン、ジフェニルノルボルネン、ピリジニルノルボルネン、ジシクロペンタジエン及びそのアルキルもしくはアリール置換体、トリシクロペンタジエン及びそのアルキルもしくはアリール置換体、テトラシクロドデセン及びそのアルキルもしくはアリール置換体等が挙げられる。
前記重合における重合温度は、好ましくは50℃以上であり、さらに好ましくは60 〜90℃である。また、重合の反応時間は、好ましくは1〜96時間であり、さらに好ましくは12〜48時間である。
上述したようにしてモノマーの重合を行った後、得られた重合溶液を濾過し、適宜選択した溶媒(例えばメタノール、アセトン、n−ヘキサン等)で洗浄し、次いで遠心分離を行うことによって重合物(微粒子)を回収し、適宜選択した温度及び乾燥期間、例えば60〜120℃で2〜24時間乾燥させることによって、架橋樹脂からなる樹脂微粒子を得ることができる。
なお、本実施形態における樹脂微粒子を乳化剤を用いた乳化重合や界面活性剤を用いた分散重合により作製する場合、前記溶媒による洗浄により、樹脂微粒子における残存乳化剤や残存界面活性剤量は5000ppm以下とすることが好ましく、2000ppm以下とすることがより好ましい。
なお、本実施形態における樹脂微粒子を乳化剤を用いた乳化重合や界面活性剤を用いた分散重合により作製する場合、前記溶媒による洗浄により、樹脂微粒子における残存乳化剤や残存界面活性剤量は5000ppm以下とすることが好ましく、2000ppm以下とすることがより好ましい。
上記で得られる樹脂微粒子(すなわち本実施形態の帯電性子粒子)の平均粒子径は、30〜2000nmの範囲とすることが好ましく、80〜500nmの範囲とすることがより好ましい。樹脂微粒子の平均粒子径が30nm未満であると、母粒子への子粒子の埋め込みの進行が早くなり、複合構造を有する粒子として十分な使用耐久性能が得られなくなる場合がある。一方、樹脂微粒子の平均粒子径が2000nmを超えると、子粒子としての埋め込みが困難になり、複合構造を有する粒子を作製できなくなる場合がある。
(残存モノマー排出工程)
前記の樹脂微粒子中には、未反応のモノマー(残存モノマー)がかなり存在している。本実施形態では、前記工程により得られた樹脂微粒子中から残存モノマーを排出させる本工程を実施することにより、残存モノマー量を低減させることができる。 なお、本実施形態における「残存モノマー排出工程」とは、本工程を経ることにより工程前の樹脂微粒子中の残存モノマー濃度が0.001%以上減少する工程である。
本工程において、残存モノマーを排出させる処理としては、樹脂微粒子中の未反応のモノマーの量(残存モノマー量)を低減できる処理であれば特に制限されないが、例えば、加熱乾燥処理、減圧乾燥処理等を挙げることができる。また、これらの処理を複数組み合わせて行ってもよい。
前記の樹脂微粒子中には、未反応のモノマー(残存モノマー)がかなり存在している。本実施形態では、前記工程により得られた樹脂微粒子中から残存モノマーを排出させる本工程を実施することにより、残存モノマー量を低減させることができる。 なお、本実施形態における「残存モノマー排出工程」とは、本工程を経ることにより工程前の樹脂微粒子中の残存モノマー濃度が0.001%以上減少する工程である。
本工程において、残存モノマーを排出させる処理としては、樹脂微粒子中の未反応のモノマーの量(残存モノマー量)を低減できる処理であれば特に制限されないが、例えば、加熱乾燥処理、減圧乾燥処理等を挙げることができる。また、これらの処理を複数組み合わせて行ってもよい。
前記加熱乾燥処理は、重合、乾燥後の微粒子を空気中で加熱し、未反応のモノマーを留去させる処理である。処理条件としては、例えば加熱温度を40℃以上100℃以下の雰囲気下で5時間以上放置することが好ましい。また、上記微粒子の乾燥と同時に行ってもよい。
前記減圧乾燥処理は、重合、乾燥後の微粒子を減圧中で乾燥し、未反応のモノマーを留去させる処理である。処理条件としては、例えば室温(20℃から30℃)において、乾燥圧力を0.001Pa以上0.2Pa以下の雰囲気として2時間以上放置することが好ましい。また、上記微粒子の乾燥と同時に行ってもよい。さらに前記加熱乾燥処理と組み合わせて行ってもよい。なお、上記重合後の乾燥と同時に加熱乾燥処理や減圧乾燥処理を行う場合を、併せて「乾燥処理」という場合がある。
前記減圧乾燥処理は、重合、乾燥後の微粒子を減圧中で乾燥し、未反応のモノマーを留去させる処理である。処理条件としては、例えば室温(20℃から30℃)において、乾燥圧力を0.001Pa以上0.2Pa以下の雰囲気として2時間以上放置することが好ましい。また、上記微粒子の乾燥と同時に行ってもよい。さらに前記加熱乾燥処理と組み合わせて行ってもよい。なお、上記重合後の乾燥と同時に加熱乾燥処理や減圧乾燥処理を行う場合を、併せて「乾燥処理」という場合がある。
前記加熱乾燥処理、および、または減圧乾燥処理の手法として、微粒子をガラスシャーレや金属バット等の容器に敷き詰め、加熱乾燥処理、および、または減圧乾燥処理用オーブンに入れる手法やスプレードライ、ロータリーキルン等の加熱乾燥処理、および、または減圧乾燥処理装置を用いて行う手法が好ましい。微粒子を均一に加熱乾燥処理、および、または減圧乾燥処理されればこれら装置に限定されない。
以上説明した工程を経ることにより、本実施形態の帯電性子粒子を得ることができるが、本実施形態の帯電性子粒子の製造方法は、前記樹脂微粒子作製工程と残存モノマー排出工程とを少なくとも有していればよく、その他の工程を含んでもよい。該その他の工程としては、特に制限されるものではない。
また、本実施形態の製造方法により得られた帯電性子粒子は、前記表示用粒子の繰り返し表示における耐久性を向上させるためには、子粒子が母粒子からはがれ難いことだけでなく、母粒子に付着、固着した子粒子が変形し難いことも必要である。この観点から、本実施形態の帯電性子粒子においては、一定加重を加えた時に、下記式(1)で示される変形率が30%以下であることが好ましい。
変形率(%)={〔最密充填高さ(mm)−加重後の高さ(mm)〕/最密充填高さ(mm)}×100 ・・・(1)
上記変形率をこの範囲とすることにより、母粒子に埋め込まれた子粒子が母粒子からはがれ難くなるだけでなく、母粒子からはがれた子粒子、あるいは母粒子に固着した子粒子ともに変形し難くなり、表示用粒子として繰り返し使用するときの耐久性を向上させることができる。上記変形率は25%以下であることがより好ましい。
変形率(%)={〔最密充填高さ(mm)−加重後の高さ(mm)〕/最密充填高さ(mm)}×100 ・・・(1)
上記変形率をこの範囲とすることにより、母粒子に埋め込まれた子粒子が母粒子からはがれ難くなるだけでなく、母粒子からはがれた子粒子、あるいは母粒子に固着した子粒子ともに変形し難くなり、表示用粒子として繰り返し使用するときの耐久性を向上させることができる。上記変形率は25%以下であることがより好ましい。
前述のように、本実施形態の製造方法により得られた帯電性子粒子は、図1に示すような子粒子が母粒子表面に付着または固着されてなる表示用粒子の当該子粒子として用いられる。以下、前記帯電性子粒子を用いた表示用粒子について説明する。
図1における母粒子32には、その主成分となる樹脂に、必要に応じて、従来と同様に、荷電制御剤、着色剤、無機添加剤等を含ませることができる。以下に、樹脂、着色剤、その他添加剤を例示する。
図1における母粒子32には、その主成分となる樹脂に、必要に応じて、従来と同様に、荷電制御剤、着色剤、無機添加剤等を含ませることができる。以下に、樹脂、着色剤、その他添加剤を例示する。
樹脂の例としては、ウレタン樹脂、ウレア樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、アクリルウレタン樹脂、アクリルウレタンシリコーン樹脂、アクリルウレタンフッ素樹脂、アクリルフッ素樹脂、シリコーン樹脂、アクリルシリコーン樹脂、エポキシ樹脂、ポリスチレン樹脂、スチレンアクリル樹脂、ポリオレフィン樹脂、ブチラール樹脂、塩化ビニリデン樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、フッ素樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスルフォン樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリアミド樹脂、メチルペンテン樹脂、シクロオレフィン系樹脂等が挙げられ、2種以上混合することもできる。特に、基板との付着力を制御する観点から、スチレンアクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、メチルペンテン樹脂、シクロオレフィン系樹脂が好適である。
荷電制御剤としては、特に制限はないが、負荷電制御剤としては例えば、サリチル酸金属錯体、含金属アゾ染料、含金属(金属イオンや金属原子を含む)の油溶性染料、4級アンモニウム塩系化合物、カリックスアレン化合物、含ホウ素化合物(ベンジル酸ホウ素錯体)、ニトロイミダゾール誘導体等が挙げられる。正荷電制御剤としては例えば、ニグロシン染料、トリフェニルメタン系化合物、4級アンモニウム塩系化合物、ポリアミン樹脂、イミダゾール誘導体等が挙げられる。その他、超微粒子シリカ、超微粒子酸化チタン、超微粒子アルミナ等の金属酸化物、ピリジン等の含窒素環状化合物及びその誘導体や塩、各種有機顔料、フッ素、塩素、窒素等を含んだ樹脂等も荷電制御剤として用いることもできる。
着色剤としては、以下に例示するような、有機または無機の各種、各色の顔料、染料が使用可能である。
黒色着色剤としては、カーボンブラック、酸化銅、二酸化マンガン、アニリンブラック、活性炭等がある。
青色着色剤としては、C.I.ピグメントブルー15:3、C.I.ピグメントブルー15、紺青、コバルトブルー、アルカリブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、フタロシアニンブルー、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー部分塩素化物、ファーストスカイブルー、インダンスレンブルーBC等がある。
黒色着色剤としては、カーボンブラック、酸化銅、二酸化マンガン、アニリンブラック、活性炭等がある。
青色着色剤としては、C.I.ピグメントブルー15:3、C.I.ピグメントブルー15、紺青、コバルトブルー、アルカリブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、フタロシアニンブルー、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー部分塩素化物、ファーストスカイブルー、インダンスレンブルーBC等がある。
赤色着色剤としては、ベンガラ、カドミウムレッド、鉛丹、硫化水銀、カドミウム、パーマネントレッド4R、リソールレッド、ピラゾロンレッド、ウォッチングレッド、カルシウム塩、レーキレッドD、ブリリアントカーミン6B、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、アリザリンレーキ、ブリリアントカーミン3B、C.I.ピグメントレッド2等がある。
黄色着色剤としては、黄鉛、亜鉛黄、カドミウムイエロー、黄色酸化鉄、ミネラルファーストイエロー、ニッケルチタンイエロー、ネーブルイエロー、ナフトールイエローS、ハンザイエローG、ハンザイエロー10G、ベンジジンイエローG、ベンジジンイエローGR、キノリンイエローレーキ、パーマネントイエローNCG、タートラジンレーキ、C.I.ピグメントイエロー12等がある。
緑色着色剤としては、クロムグリーン、酸化クロム、ピグメントグリーンB、C.I.ピグメントグリーン7、マラカイトグリーンレーキ、ファイナルイエローグリーンG等がある。
黄色着色剤としては、黄鉛、亜鉛黄、カドミウムイエロー、黄色酸化鉄、ミネラルファーストイエロー、ニッケルチタンイエロー、ネーブルイエロー、ナフトールイエローS、ハンザイエローG、ハンザイエロー10G、ベンジジンイエローG、ベンジジンイエローGR、キノリンイエローレーキ、パーマネントイエローNCG、タートラジンレーキ、C.I.ピグメントイエロー12等がある。
緑色着色剤としては、クロムグリーン、酸化クロム、ピグメントグリーンB、C.I.ピグメントグリーン7、マラカイトグリーンレーキ、ファイナルイエローグリーンG等がある。
橙色着色剤としては、赤色黄鉛、モリブデンオレンジ、パーマネントオレンジGTR、ピラゾロンオレンジ、バルカンオレンジ、インダンスレンブリリアントオレンジRK、ベンジジンオレンジG、インダンスレンブリリアントオレンジGK、C.I.ピグメントオレンジ31等がある。
紫色着色剤としては、マンガン紫、ファーストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ等がある。
白色着色剤としては、亜鉛華、酸化チタン、アンチモン白、硫化亜鉛等がある。
体質顔料としては、バライト粉、炭酸バリウム、クレー、シリカ、ホワイトカーボン、タルク、アルミナホワイト等がある。また、塩基性、酸性、分散、直接染料等の各種染料として、ニグロシン、メチレンブルー、ローズベンガル、キノリンイエロー、ウルトラマリンブルー等がある。
紫色着色剤としては、マンガン紫、ファーストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ等がある。
白色着色剤としては、亜鉛華、酸化チタン、アンチモン白、硫化亜鉛等がある。
体質顔料としては、バライト粉、炭酸バリウム、クレー、シリカ、ホワイトカーボン、タルク、アルミナホワイト等がある。また、塩基性、酸性、分散、直接染料等の各種染料として、ニグロシン、メチレンブルー、ローズベンガル、キノリンイエロー、ウルトラマリンブルー等がある。
無機系添加剤の例としては、酸化チタン、亜鉛華、硫化亜鉛、酸化アンチモン、炭酸カルシウム、鉛白、タルク、シリカ、ケイ酸カルシウム、アルミナホワイト、カドミウムイエロー、カドミウムレッド、カドミウムオレンジ、チタンイエロー、紺青、群青、コバルトブルー、コバルトグリーン、コバルトバイオレット、酸化鉄、カーボンブラック、マンガンフェライトブラック、コバルトフェライトブラック、銅粉、アルミニウム粉などが挙げられる。
これらの顔料および無機系添加剤は、単独であるいは複数組み合わせて用いることができる。このうち特に黒色顔料としてカーボンブラックが、白色顔料として酸化チタンが好ましい。また、上記着色剤を配合して所望の色の表示用粒子を作製できる。
これらの顔料および無機系添加剤は、単独であるいは複数組み合わせて用いることができる。このうち特に黒色顔料としてカーボンブラックが、白色顔料として酸化チタンが好ましい。また、上記着色剤を配合して所望の色の表示用粒子を作製できる。
母粒子33を得るためには、まず、前記樹脂を凍結粉砕機で粉砕し、これを乾燥、秤量する。これと並行して、樹脂に配合する配合剤(例えば二酸化チタン)を準備してこれを秤量する。秤量したベース樹脂と配合剤とをへンシェルミキサーで予備混合し、これを乾燥してから、2軸混練り機を用いて混練りして押出して、例えば直径2mm、長さ5mm程度のペレットを製造する。
次いで上記ペレットを、更に凍結粉砕機で例えば粒子径100〜250μm程度となるよう粗粉砕して粗粉砕品を得る。この粗粉砕品を乾燥してから、粒子径が8〜10μm程度となるように微粉砕処理し、分級して目的サイズの母粒子を得る。ここまでの工程は、常法により樹脂原料を混練り、粉砕、分級して母粒子を得るものと同様である。
次いで上記ペレットを、更に凍結粉砕機で例えば粒子径100〜250μm程度となるよう粗粉砕して粗粉砕品を得る。この粗粉砕品を乾燥してから、粒子径が8〜10μm程度となるように微粉砕処理し、分級して目的サイズの母粒子を得る。ここまでの工程は、常法により樹脂原料を混練り、粉砕、分級して母粒子を得るものと同様である。
後述する母粒子32表面に帯電性子粒子33を均一に付加するには、母粒子32に熱処理を施して球状化することが有効である。このため本実施形態では、上記のように得た母粒子を更に熱処理装置で処理する。ここでの熱処理装置は、例えば粒子を熱風中に噴出し、分散させ、熱風により該粒子を溶融状態とし、表面張力により球状化させるものである。上記熱処理装置としては、溶融球状化装置(MR−3、日本ニューマチック工業(株)製)等を用いることができる。
このように熱処理(サフュージョン処理)を施した処理済母粒子は、その表面に子粒子を付加するとき(子粒子複合化処理をするとき)に、いわゆる子粒子の自己組織化配列(Ordered Mixture)が円滑に進行して、母粒子表面に子粒子が均一に配置付加できる。よって、子粒子複合化処理で、球形母粒子の表面に子粒子が均一配置付加されている理想的形状の複合型粒子を製造できる。
このように熱処理(サフュージョン処理)を施した処理済母粒子は、その表面に子粒子を付加するとき(子粒子複合化処理をするとき)に、いわゆる子粒子の自己組織化配列(Ordered Mixture)が円滑に進行して、母粒子表面に子粒子が均一に配置付加できる。よって、子粒子複合化処理で、球形母粒子の表面に子粒子が均一配置付加されている理想的形状の複合型粒子を製造できる。
表示用粒子31は、上記のようにして得た母粒子32に本実施形態による帯電性子粒子33を埋設(固着)することによって得られる。埋設は、母粒子32と帯電性子粒子33とを、高速攪拌機を用いて混合・攪拌することによって行うことができる。高速攪拌機としては、ヘンシェルミキサー(商品名、三井鉱山社製)、スーパーミキサー(商品名、川田製作所社製)、Qミキサー(商品名、三井鉱山社製)、メカノフュージョンシステム(商品名、ホソカワミクロン社製)、ノビルタミル(商品名、ホソカワミクロン(株)製)、メカノミル(商品名、岡田精工社製)、ハイブリダイザー(商品名、奈良機械製作所製)等が挙げられる。
上記母粒子32に帯電性子粒子33を埋設することによって得られる複合型粒子(表示用粒子)には、無機物微粒子を外添剤として表面処理することができる。
上記外添剤としては、例えば、シリカ、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化スズ、酸化ジルコニウム、酸化タングステン、酸化イットリウム、酸化亜鉛、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化バリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸バリウム、窒化チタン等が挙げられる。この中ではシリカ、酸化チタンが好ましい。また、これらの無機物微粒子の平均一次粒径は、1〜300nmの範囲が好ましく、5〜100nmの範囲がより好ましい。
上記外添剤としては、例えば、シリカ、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化スズ、酸化ジルコニウム、酸化タングステン、酸化イットリウム、酸化亜鉛、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化バリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸バリウム、窒化チタン等が挙げられる。この中ではシリカ、酸化チタンが好ましい。また、これらの無機物微粒子の平均一次粒径は、1〜300nmの範囲が好ましく、5〜100nmの範囲がより好ましい。
無機物微粒子を表面処理することによって、表示用粒子の帯電を調整することもできる。
無機物微粒子に正帯電性を付与できる表面処理剤としては、例えば、アミノプロピルトリメトキシシラン、アミノプロピルトリエトキシシラン、ジメチルアミノプロピルトリメトキシシラン、ジエチルアミノプロピルトリメトキシシラン、ジプロピルアミノプロピルトリメトキシシラン、ジブチルアミノプロピルトリメトキシシラン、モノブチルアミノプロピルトリメトキシシラン、ジオクチルアミノプロピルジメトキシシラン、ジブチルアミノプロピルジメトキシシラン、ジブチルアミノプロピルモノメトキシシラン、ジメチルアミノフェニルトリエトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン等のアミノシラン系カップリング剤等が挙げられる。
正帯電性を付与できる無機物微粒子は、特に好ましくはアミノプロピルトリメトキシシラン、アミノプロピルトリエトキシシランまたはジメチルアミノプロピルトリメトキシシランで表面処理したシリカ微粒子である。
無機物微粒子に正帯電性を付与できる表面処理剤としては、例えば、アミノプロピルトリメトキシシラン、アミノプロピルトリエトキシシラン、ジメチルアミノプロピルトリメトキシシラン、ジエチルアミノプロピルトリメトキシシラン、ジプロピルアミノプロピルトリメトキシシラン、ジブチルアミノプロピルトリメトキシシラン、モノブチルアミノプロピルトリメトキシシラン、ジオクチルアミノプロピルジメトキシシラン、ジブチルアミノプロピルジメトキシシラン、ジブチルアミノプロピルモノメトキシシラン、ジメチルアミノフェニルトリエトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン等のアミノシラン系カップリング剤等が挙げられる。
正帯電性を付与できる無機物微粒子は、特に好ましくはアミノプロピルトリメトキシシラン、アミノプロピルトリエトキシシランまたはジメチルアミノプロピルトリメトキシシランで表面処理したシリカ微粒子である。
前記無機物微粒子に負帯電性を付与できる表面処理剤としては、例えば、ヘキサメチルジシラザン、ジメチルジクロロシラン、トリメチルクロロシラン、メチルメトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、ヘキサメチルジシラザン、tert−ブチルジメチルクロロシラン、ビニルトリクロロシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン等のシラザン、クロロシラン、アルコキシシラン系カップリング剤が挙げられる。
負帯電性を付与できる無機物微粒子は、特に好ましくはヘキサメチルジシラザンで表面処理したシリカ微粒子である。
負帯電性を付与できる無機物微粒子は、特に好ましくはヘキサメチルジシラザンで表面処理したシリカ微粒子である。
表面処理は、無機物微粒子と表面処理剤とを撹拌することによって行われる。さらに溶媒を加えてもよく、加熱することにより処理を促進することもできる。また、表面処理剤の量および処理時間、温度を変えることによって、また正帯電性の表面処理剤と負帯電性の表面処理剤とを併用することで帯電量を調整できる。
得られた表示用粒子は、平均粒子径d(0.5)が、1〜20μmの範囲であり、均一で揃っていることが好ましい。平均粒子径d(0.5)がこの範囲より大きいと表示上の鮮明さに欠ける場合があり、この範囲より小さいと粒子同士の凝集力が大きくなりすぎるために表示用粒子としての移動に支障をきたすようになる場合がある。
また、前記表示用粒子の粒子径分布に関しては、下記式に示される粒子径分布Spanを5未満とすることが好ましく、3未満とすることがより好ましい。
Span=(d(0.9)−d(0.1))/d(0.5)
(上記式中、d(0.5)は粒子の50体積%がこれより大きく、50体積%がこれより小さいという粒子径をμmで表した数値、d(0.1)はこれ以下の粒子の比率が10体積%である粒子径をμmで表した数値、d(0.9)はこれ以下の粒子が90体積%である粒子径をμmで表した数値である。)
上記式で表されるSpanを5未満に収めることにより、各表示用粒子のサイズが揃い、均一な表示用粒子としての移動が可能となる。
Span=(d(0.9)−d(0.1))/d(0.5)
(上記式中、d(0.5)は粒子の50体積%がこれより大きく、50体積%がこれより小さいという粒子径をμmで表した数値、d(0.1)はこれ以下の粒子の比率が10体積%である粒子径をμmで表した数値、d(0.9)はこれ以下の粒子が90体積%である粒子径をμmで表した数値である。)
上記式で表されるSpanを5未満に収めることにより、各表示用粒子のサイズが揃い、均一な表示用粒子としての移動が可能となる。
さらにまた、帯電極性が互いに異なる2種類の表示用粒子を用いた情報表示パネルを使用する場合には、使用した情報表示パネルを構成する表示用粒子の内、最大の平均粒子径d(0.5)を示す表示用粒子のd(0.5)に対する最小の平均粒子径d(0.5)を示す表示用粒子のd(0.5)の比を10以下とすることが好ましい。すなわち、上記のようにたとえ粒子径分布Spanを小さくしたとしても、互いに帯電特性の異なる表示用粒子が互いに反対方向に動くので、互いの表示用粒子サイズを同程度にして容易に移動できるようにするのが好適であり、それがこの範囲となる。
なお、上記の粒子径分布および粒子径は、レーザー回折/散乱法などから求めることができる。すなわち、測定対象となる粒子にレーザー光を照射すると空間的に回折/散乱光の光強度分布パターンが生じ、この光強度パターンは粒子径と対応関係があることから、粒子径および粒子径分布が測定できる。ここで、本実施形態における粒子径および粒子径分布は、体積基準分布から得られたものである。具体的には、Mastersizer2000(Malvern Instruments Ltd.)測定機を用いて、窒素気流中に粒子を投入し、付属の解析ソフト(Mie理論を用いた体積基準分布を基本としたソフト)にて、粒子径および粒子径分布の測定を行なうことができる。
次に、上記の実施形態の帯電性子粒子を用いた表示用粒子を使用した情報表示用パネルの例を、図2、図3に基づき説明する。
図2(a)、(b)に示す例では、少なくとも光学的反射率と帯電性とを有する粒子群として構成される、互いに光学的反射率および帯電特性が異なる表示用粒子を少なくとも2種以上(ここでは白色表示用粒子3Waを含んで構成した白色表示粒子群3Wと黒色表示用粒子3Baを含んで構成した黒色表示粒子群3Bを示す)基板間に封入し、隔壁4で形成された各セルにおいて、基板1に設けた電極5(TFT付き画素電極)と基板2に設けた電極6(画素電極)との間に電圧を印加することにより発生する電界に応じて、各表示用粒子を基板1、2と垂直に移動させる。そして、図2(a)に示すように、白色表示粒子群3Wを観察者に視認させて白色ドット表示を行うか、あるいは、図2(b)に示すように、黒色表示粒子群3Bを観察者に視認させて黒色ドット表示を行っている。なお、図2(a)、(b)において、手前にある隔壁は省略している。各電極5、6は、基板1、2の外側に設けても、基板の内側に設けても、基板内部に埋め込むように設けてもよい。
図2(a)、(b)に示す例では、少なくとも光学的反射率と帯電性とを有する粒子群として構成される、互いに光学的反射率および帯電特性が異なる表示用粒子を少なくとも2種以上(ここでは白色表示用粒子3Waを含んで構成した白色表示粒子群3Wと黒色表示用粒子3Baを含んで構成した黒色表示粒子群3Bを示す)基板間に封入し、隔壁4で形成された各セルにおいて、基板1に設けた電極5(TFT付き画素電極)と基板2に設けた電極6(画素電極)との間に電圧を印加することにより発生する電界に応じて、各表示用粒子を基板1、2と垂直に移動させる。そして、図2(a)に示すように、白色表示粒子群3Wを観察者に視認させて白色ドット表示を行うか、あるいは、図2(b)に示すように、黒色表示粒子群3Bを観察者に視認させて黒色ドット表示を行っている。なお、図2(a)、(b)において、手前にある隔壁は省略している。各電極5、6は、基板1、2の外側に設けても、基板の内側に設けても、基板内部に埋め込むように設けてもよい。
また、図3(a)、(b)に示す例では、光学的反射率と帯電性とを有する粒子群として構成される、互いに光学的反射率および帯電特性が異なる表示用粒子を少なくとも2種以上(ここでは白色表示用粒子3Waを含んで構成した白色表示粒子群3Wと黒色表示用粒子3Baを含んで構成した黒色表示粒子群3Bを示す)基板間に封入し、隔壁4で形成された各セルにおいて、基板1に設けた電極5(ライン電極)と基板2に設けた電極6(ライン電極)との間に電圧を印加することにより発生する電界に応じて、表示用粒子を基板1、2と垂直に移動させる。そして、図3(a)に示すように、白色表示粒子群3Wを観察者に視認させて白色ドット表示を行うか、あるいは、図3(b)に示すように黒色表示粒子群3Bを観察者に視認させて黒色ドット表示を行っている。なお、図3(a)、(b)において、手前にある隔壁は省略している。各電極5、6は、基板1、2の外側に設けても、基板の内側に設けても、基板内部に埋め込むように設けてもよい。
また、図示しないが、少なくとも光学的反射率と帯電性とを有する粒子群として構成される表示用粒子を1種(例えば白色表示用粒子を含んで構成した白色表示粒子群)を、一方の基板に黒色板を設けた基板間に封入し、各基板に設けた電極間に電圧を印加することにより発生する電界に応じて、表示用粒子を基板1、2と平行方向に移動させることにより、白色表示粒子群を観察者に視認させて白色ドット表示を行うか、あるいは、黒色板の色を観察者に視認させて黒色ドット表示を行ってもよい。
また、図2、図3において、基板1、2の各々の外側に外部電界形成手段を設け、該外部電界形成手段間に電圧を印加することにより発生する電界に応じて、表示用粒子を基板1、2と垂直に移動させ、同様に白色ドット表示、あるいは、黒色ドット表示を行うこともできる。
さらに、図2、図3における3つのセルの観察者側に、図の左側から順に赤色カラーフィルター、緑色カラーフィルター、青色カラーフィルターを設けてこれら3つのセルで表示単位を構成して、同様に白色ドット表示、あるいは、黒色ドット表示を行い、各セルにおける表示のさせ方を変えることにより多色カラー表示を行うこともできる。
さらに、図2、図3における3つのセルの観察者側に、図の左側から順に赤色カラーフィルター、緑色カラーフィルター、青色カラーフィルターを設けてこれら3つのセルで表示単位を構成して、同様に白色ドット表示、あるいは、黒色ドット表示を行い、各セルにおける表示のさせ方を変えることにより多色カラー表示を行うこともできる。
以下、上記情報表示用パネルを構成する各部材について説明する。
前記基板については、少なくとも一方の基板は情報表示用パネル外側から表示用粒子の色が確認できる透明な基板2であり、可視光の透過率が高くかつ耐熱性の良い材料が好適である。基板1は透明でも不透明でもかまわない。基板材料を例示すると、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリエーテルサルフォン、ポリエチレン、ポリカーボネート、ポリイミド、アクリルなどのポリマーシートや、金属シートのように可とう性のあるもの、および、ガラス、石英などの可とう性のない無機シートが挙げられる。基板の厚みは、2〜5000μmが好ましく、さらに5〜2000μmが好適である。2μmより薄すぎると、強度、基板間の間隔均一性を保ちにくくなり、5000μmより厚いと、薄型情報表示用パネルとする場合に不都合がある。
前記基板については、少なくとも一方の基板は情報表示用パネル外側から表示用粒子の色が確認できる透明な基板2であり、可視光の透過率が高くかつ耐熱性の良い材料が好適である。基板1は透明でも不透明でもかまわない。基板材料を例示すると、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリエーテルサルフォン、ポリエチレン、ポリカーボネート、ポリイミド、アクリルなどのポリマーシートや、金属シートのように可とう性のあるもの、および、ガラス、石英などの可とう性のない無機シートが挙げられる。基板の厚みは、2〜5000μmが好ましく、さらに5〜2000μmが好適である。2μmより薄すぎると、強度、基板間の間隔均一性を保ちにくくなり、5000μmより厚いと、薄型情報表示用パネルとする場合に不都合がある。
必要に応じて情報表示用パネルに電極を設ける場合の電極形成材料としては、アルミニウム、銀、ニッケル、銅、金等の金属類;酸化インジウム錫(ITO)、酸化インジウム、アンチモン錫酸化物(ATO)、亜鉛ドープ酸化インジウム(IZO)、アルミニウムドープ酸化亜鉛(AZO)、導電性酸化錫、導電性酸化亜鉛等の導電金属酸化物類;ポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェンなどの導電性高分子類が例示され、適宜選択して用いられる。電極の形成方法としては、上記例示の材料をスパッタリング法、真空蒸着法、CVD(化学蒸着)法、塗布法等で薄膜状に形成する方法や、金属箔(例えば圧延銅箔)をラミネートする方法や、導電部材を溶媒や合成樹脂バインダーに混合して塗布したりする方法が用いられる。視認側であり透明である必要のある表示面側基板2に設ける電極は透明である必要があるが、背面側基板1に設ける電極は透明である必要はない。いずれの場合もパターン形成可能で導電性である上記材料を好適に用いることができる。
なお、電極厚みは、導電性が確保でき光透過性に支障がなければ良く、0.01〜10μm、好ましくは0.05〜5μmである。背面側基板1に設ける電極の材質や厚みなどは上述した表示面側基板に設ける電極と同様であるが、透明である必要はない。
なお、電極厚みは、導電性が確保でき光透過性に支障がなければ良く、0.01〜10μm、好ましくは0.05〜5μmである。背面側基板1に設ける電極の材質や厚みなどは上述した表示面側基板に設ける電極と同様であるが、透明である必要はない。
必要に応じて基板に設ける隔壁4については、その形状は表示にかかわる表示用粒子の種類や、配置する電極の形状、配置により適宜最適設定され、一概には限定されないが、隔壁の幅は2〜100μmの範囲、好ましくは3〜50μmの範囲に、隔壁の高さは10〜500μmの範囲、好ましくは10〜200μmの範囲に調整される。
また、隔壁4を形成するにあたり、対向する両基板1、2の各々にリブを形成した後に接合する両リブ法、片側の基板上にのみリブを形成する片リブ法が考えられる。本実施形態では、いずれの方法も好適に用いられる。
また、隔壁4を形成するにあたり、対向する両基板1、2の各々にリブを形成した後に接合する両リブ法、片側の基板上にのみリブを形成する片リブ法が考えられる。本実施形態では、いずれの方法も好適に用いられる。
これらのリブからなる隔壁4により形成されるセルは、基板平面方向からみて四角状、三角状、ライン状、円形状、六角状が例示され、配置としては格子状やハニカム状や網目状が例示される。表示面側から見える隔壁断面部分に相当する部分(セルの枠部の面積)はできるだけ小さくした方が良く、表示の鮮明さが増す。
ここで、隔壁4の形成方法を例示すると、金型転写法、スクリーン印刷法、サンドブラスト法、フォトリソ法、アディティブ法が挙げられる。いずれの方法もこの発明の情報表示用パネルに好適に用いることができるが、これらのうち、レジストフィルムを用いるフォトリソ法や金型転写法が好適に用いられる。
ここで、隔壁4の形成方法を例示すると、金型転写法、スクリーン印刷法、サンドブラスト法、フォトリソ法、アディティブ法が挙げられる。いずれの方法もこの発明の情報表示用パネルに好適に用いることができるが、これらのうち、レジストフィルムを用いるフォトリソ法や金型転写法が好適に用いられる。
さらに、表示用粒子で構成する表示粒子群を気体中空間で駆動させる方式の情報表示用パネルに適用する場合には、基板間の表示粒子群を取り巻く空隙部分の気体の管理が重要であり、表示安定性向上に寄与する。具体的には、空隙部分の気体の湿度について、25℃における相対湿度を60%RH以下とすることが好ましく、50%RH以下とすることがより好ましい。この空隙部分とは、図2、図3において、対向する基板1、基板2に挟まれる部分から、電極5、6(電極を基板の内側に設けた場合)、表示粒子群3の占有部分、隔壁4の占有部分(隔壁を設けた場合)、情報表示用パネルシール部分を除いた、いわゆる表示粒子群が接する気体部分を指すものとする。
空隙部分の気体は、先に述べた湿度領域であれば、その種類は問わないが、乾燥空気、乾燥窒素、乾燥アルゴン、乾燥ヘリウム、乾燥二酸化炭素、乾燥メタンなどが好適である。この気体は、その湿度が保持されるように情報表示用パネルに封入することが必要であり、例えば、表示用粒子の充填、情報表示用パネルの組み立てなどを所定湿度環境下にて行い、さらに、外からの湿度侵入を防ぐシール材、シール方法を施すことが好ましい。
情報表示用パネルにおける基板1と基板2との間隔は、表示粒子群が移動できて、コントラストを維持できればよいが、帯電性の表示用粒子を含んで構成した表示粒子群を気体中空間で駆動させる場合には、通常10〜100μmの範囲、好ましくは10〜50μmの範囲に調整される。対向する基板間の気体中、空間における表示粒子群の体積占有率は5〜70%の範囲が好ましく、さらに好ましくは5〜60%の範囲である。70%を超えると表示粒子群の移動に支障をきたす場合があり、5%に満たないとコントラストが不明確となり易い場合がある。
以下、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明は、これらの例によって何ら限定されるものではない。
<各特性の測定方法、評価方法>
帯電性子粒子の平均粒子径、各粒子の摩擦帯電性等の諸特性は下記の方法に従って測定した。
(帯電性子粒子の平均粒子径)
帯電性子粒子等の平均粒子径は、透過型電子顕微鏡(日本電子(株)製、FE−SEM7500)を用いて、粒子総個数が200個前後となるように写真を撮影し、その写真より無作為に選んだ100個の粒子の直径(撮影された粒子の最大径)をノギスにて計測し、それらの算術平均を平均粒子径として求めた。
<各特性の測定方法、評価方法>
帯電性子粒子の平均粒子径、各粒子の摩擦帯電性等の諸特性は下記の方法に従って測定した。
(帯電性子粒子の平均粒子径)
帯電性子粒子等の平均粒子径は、透過型電子顕微鏡(日本電子(株)製、FE−SEM7500)を用いて、粒子総個数が200個前後となるように写真を撮影し、その写真より無作為に選んだ100個の粒子の直径(撮影された粒子の最大径)をノギスにて計測し、それらの算術平均を平均粒子径として求めた。
(残存モノマー量)
帯電性子粒子に残存するモノマー量は、以下に示すようにして測定した。
得られた帯電性子粒子0.5mgを、ガスクロマトグラフィー(GC)を用いて、以下の条件にて測定し、それぞれの重合成分のピーク面積から含有量を計算した。モノマー成分の実含有量は、事前に各モノマーを用いて以下の条件で測定し得られた検量線から算出した。
・GC:島津製作所社製GCMS−QP2010
・カラム:DB−5(30mm×0.25mmI.D.)
・熱分解温度:590℃×1分
・カラム温度:50〜300℃(5℃/分昇温)
・検出器温度:200℃
帯電性子粒子に残存するモノマー量は、以下に示すようにして測定した。
得られた帯電性子粒子0.5mgを、ガスクロマトグラフィー(GC)を用いて、以下の条件にて測定し、それぞれの重合成分のピーク面積から含有量を計算した。モノマー成分の実含有量は、事前に各モノマーを用いて以下の条件で測定し得られた検量線から算出した。
・GC:島津製作所社製GCMS−QP2010
・カラム:DB−5(30mm×0.25mmI.D.)
・熱分解温度:590℃×1分
・カラム温度:50〜300℃(5℃/分昇温)
・検出器温度:200℃
(帯電特性)
−摩擦帯電量−
摩擦帯電量は下記装置を用い、下記の条件にて一般的なブローオフ法に基づいて測定した。
・測定装置:ブローオフ方式帯電量測定機(京セラケミカル社製、TB−203)
・メッシュアパーチャ:32[μm]
・ブロー圧/サクション圧:4.5[kPa]/9.5[kPa]
・キャリア:F96−80(パウダーテック社製)
・振とう回数:1000回
−電荷保持率−
表示用粒子の電荷保持特性(電荷保持率)は、下記に示す条件にて測定した。
(1)銅セルに粒子を層厚300(μm)で充填する。
(2)スコロトロン帯電器(ニードル印加電圧:±10(kV)、グリッド電圧:±1(kV))により粒子表面電位が±1(kV)となるように電荷を付与する。
(3)グラウンド(GND)結線し、室温(22℃)、50RH%にて測定開始する。子粒子の場合は12時間経過した後の表面電位を初期表面電位で割ったものを電荷保持率(%)とした。表示用粒子の場合は同様にして、24時間後経過した時の表面電位を初期表面電位で割ったものを電荷保持率(%)とした。
(4)電荷保持特性の判断は、子粒子の場合は電荷保持率が70(%)以上、表示用粒子の場合は電荷保持率が90(%)以上であれば、電荷保持特性が高いと判断した。
−摩擦帯電量−
摩擦帯電量は下記装置を用い、下記の条件にて一般的なブローオフ法に基づいて測定した。
・測定装置:ブローオフ方式帯電量測定機(京セラケミカル社製、TB−203)
・メッシュアパーチャ:32[μm]
・ブロー圧/サクション圧:4.5[kPa]/9.5[kPa]
・キャリア:F96−80(パウダーテック社製)
・振とう回数:1000回
−電荷保持率−
表示用粒子の電荷保持特性(電荷保持率)は、下記に示す条件にて測定した。
(1)銅セルに粒子を層厚300(μm)で充填する。
(2)スコロトロン帯電器(ニードル印加電圧:±10(kV)、グリッド電圧:±1(kV))により粒子表面電位が±1(kV)となるように電荷を付与する。
(3)グラウンド(GND)結線し、室温(22℃)、50RH%にて測定開始する。子粒子の場合は12時間経過した後の表面電位を初期表面電位で割ったものを電荷保持率(%)とした。表示用粒子の場合は同様にして、24時間後経過した時の表面電位を初期表面電位で割ったものを電荷保持率(%)とした。
(4)電荷保持特性の判断は、子粒子の場合は電荷保持率が70(%)以上、表示用粒子の場合は電荷保持率が90(%)以上であれば、電荷保持特性が高いと判断した。
(変形率、複合化後の子粒子の変形度合い)
帯電性微粒子(子粒子)の変形率は、子粒子の変形性の程度の指標として、以下のように測定した。具体的にはフローテスター(CFT−500D:島津製作所製)の試料充填室の底を封じて、試料1.0gを投入し、その試料に300kg/cm2(2.94×107Pa)の荷重を加え、下記式(1)にて変形率を算出した。
変形率(%)={〔最密充填高さ(mm)−加重後の高さ(mm)〕/最密充填高さ(mm)}×100 ・・・(1)
なお、最密充填高さとは、前記試料を投入して子粒子が変形せずに球状に保ったまま、最密充填した時の高さであり、下記式(2)から算出される。
最密充填高さ(cm)=投入した子粒子重量(g)/子粒子の比重(g/cm3)/フローテスター充填室の底面積(cm2) ・・・ (2)
樹脂微粒子の変形率が30%以下であれば、複合化の工程で不具合は生じず、30%を超えると、複合化の工程で、樹脂子粒子の変形・癒着等の不具合が生じる可能性が高い。
帯電性微粒子(子粒子)の変形率は、子粒子の変形性の程度の指標として、以下のように測定した。具体的にはフローテスター(CFT−500D:島津製作所製)の試料充填室の底を封じて、試料1.0gを投入し、その試料に300kg/cm2(2.94×107Pa)の荷重を加え、下記式(1)にて変形率を算出した。
変形率(%)={〔最密充填高さ(mm)−加重後の高さ(mm)〕/最密充填高さ(mm)}×100 ・・・(1)
なお、最密充填高さとは、前記試料を投入して子粒子が変形せずに球状に保ったまま、最密充填した時の高さであり、下記式(2)から算出される。
最密充填高さ(cm)=投入した子粒子重量(g)/子粒子の比重(g/cm3)/フローテスター充填室の底面積(cm2) ・・・ (2)
樹脂微粒子の変形率が30%以下であれば、複合化の工程で不具合は生じず、30%を超えると、複合化の工程で、樹脂子粒子の変形・癒着等の不具合が生じる可能性が高い。
<実施例1>
(架橋ポリスチレン樹脂微粒子(樹脂微粒子a)の作製)
3口フラスコに、過硫酸カリウム(和光純薬(株)製)1.5g、エマルゲン109(花王(株)製)2.0g及び精製水920gをこの順に加え、過硫酸カリウム及びエマルゲン109を溶解させた。次いで、スチレン(東京化成製)、ジビニルベンゼン(新日鐵化学(株)製)を質量比1:1(全体中ジビニルベンゼンは44.7mol%)で混合した混合物200gを加えた後、室温にて20分間窒素ガスでバブリングを行った。フラスコからモノマーがもれないようにフラスコを密閉した後、80℃で24時間重合して白濁の樹脂微粒子分散液を得た。この分散液における樹脂微粒子の分散濃度は15.4質量%であった。
この樹脂微粒子分散液100gにメタノール100gを加え、5分間撹拌した後に遠心分離機(コクサン(株)製、HL−7)を用いて、6900rpmで1時間遠心分離を行った。1時間後、固形分(樹脂微粒子)と溶液とに固液分離がなされており、溶液は透明であった。溶液を除去した後、メタノール200gを加え、2時間撹拌した後、遠心分離機を用いて、6900rpmで1時間遠心分離を行い、上澄液を除去した。この操作をさらに3回繰り返して、未乾燥の樹脂微粒子aを得た。
なお、上記未乾燥の樹脂微粒子aの残留モノマー濃度は7500ppmであった。
(架橋ポリスチレン樹脂微粒子(樹脂微粒子a)の作製)
3口フラスコに、過硫酸カリウム(和光純薬(株)製)1.5g、エマルゲン109(花王(株)製)2.0g及び精製水920gをこの順に加え、過硫酸カリウム及びエマルゲン109を溶解させた。次いで、スチレン(東京化成製)、ジビニルベンゼン(新日鐵化学(株)製)を質量比1:1(全体中ジビニルベンゼンは44.7mol%)で混合した混合物200gを加えた後、室温にて20分間窒素ガスでバブリングを行った。フラスコからモノマーがもれないようにフラスコを密閉した後、80℃で24時間重合して白濁の樹脂微粒子分散液を得た。この分散液における樹脂微粒子の分散濃度は15.4質量%であった。
この樹脂微粒子分散液100gにメタノール100gを加え、5分間撹拌した後に遠心分離機(コクサン(株)製、HL−7)を用いて、6900rpmで1時間遠心分離を行った。1時間後、固形分(樹脂微粒子)と溶液とに固液分離がなされており、溶液は透明であった。溶液を除去した後、メタノール200gを加え、2時間撹拌した後、遠心分離機を用いて、6900rpmで1時間遠心分離を行い、上澄液を除去した。この操作をさらに3回繰り返して、未乾燥の樹脂微粒子aを得た。
なお、上記未乾燥の樹脂微粒子aの残留モノマー濃度は7500ppmであった。
(架橋ポリスチレン樹脂微粒子の乾燥処理)
上記で作製した未乾燥の樹脂微粒子aをガラスシャーレ(直径20cm)に入れ、真空乾燥機(アドバンテック社製)を用いて、60℃、66.7Paの減圧下で24時間減圧加熱乾燥を行った。乾燥後、得られた子粒子の回収量は10.5g(収率:68.2%)であった。この子粒子(帯電性子粒子A)の平均粒子径は280nmであり、残留モノマー濃度は2500ppmであり、摩擦帯電量は−10.3μC/g、電荷保持率は99.0%であり、変形率は4.1%であった。これらの結果をまとめて表1に示す。
上記で作製した未乾燥の樹脂微粒子aをガラスシャーレ(直径20cm)に入れ、真空乾燥機(アドバンテック社製)を用いて、60℃、66.7Paの減圧下で24時間減圧加熱乾燥を行った。乾燥後、得られた子粒子の回収量は10.5g(収率:68.2%)であった。この子粒子(帯電性子粒子A)の平均粒子径は280nmであり、残留モノマー濃度は2500ppmであり、摩擦帯電量は−10.3μC/g、電荷保持率は99.0%であり、変形率は4.1%であった。これらの結果をまとめて表1に示す。
(帯電性評価用粒子、表示用粒子としての評価)
上記で得られた帯電性子粒子Aを子粒子とし、これと母粒子とからなる帯電性評価用粒子、さらには表示用粒子を作製し、帯電性評価用粒子、表示用粒子としての性能を評価した。
−帯電性評価用粒子の作製・評価−
帯電性評価用粒子は、母粒子として平均粒子径10μmのエチレン−シクロオレフィンコポリマー球状粒子、子粒子として帯電性子粒子Aを用いて、複合化装置(ホソカワミクロン(株)製、ノビルタミル(NOB−130))を用いて、投入エネルギーが2400kJとなるようにして母粒子に子粒子を埋設して複合化することにより作製した。この複合粒子の摩擦帯電量は−20.5μC/gであり、電荷保持率は91.7%であり、負帯電を示し、かつ、表示用パネルにおける駆動に必要な帯電量および高い電荷保持特性を有していた。
上記で得られた帯電性子粒子Aを子粒子とし、これと母粒子とからなる帯電性評価用粒子、さらには表示用粒子を作製し、帯電性評価用粒子、表示用粒子としての性能を評価した。
−帯電性評価用粒子の作製・評価−
帯電性評価用粒子は、母粒子として平均粒子径10μmのエチレン−シクロオレフィンコポリマー球状粒子、子粒子として帯電性子粒子Aを用いて、複合化装置(ホソカワミクロン(株)製、ノビルタミル(NOB−130))を用いて、投入エネルギーが2400kJとなるようにして母粒子に子粒子を埋設して複合化することにより作製した。この複合粒子の摩擦帯電量は−20.5μC/gであり、電荷保持率は91.7%であり、負帯電を示し、かつ、表示用パネルにおける駆動に必要な帯電量および高い電荷保持特性を有していた。
−表示用粒子の作製・評価−
母粒子としては、以下の黒色母粒子、白色母粒子を用いた。
・黒色母粒子
エチレン−シクロオレフィンコポリマー(ポリプラスチック(株)製、TOPAS6013)100質量部とカーボンブラック(エボニック−デグッサ(株)製、SPECIAL BLACK4)5質量部とを混合し、これを2軸混練機により混練して混練物を得た。これをジェットミル(日本ニューマチック(株)製、ラボジェットミルIDS−LJ型)で粉砕分級することにより、平均粒子径10μmの黒色母粒子を得た。
・白色母粒子
エチレン−シクロオレフィンコポリマー(ポリプラスチック(株)製、TOPAS6013)100質量部と二酸化チタン(石原産業(株)製、タイペークCR−50)100質量部とを混合し、2軸混練機で混練して混練物を得た。これをジェットミル(日本ニューマチック(株)製、ラボジェットミルIDS−LJ型)で粉砕分級することにより、平均粒子径10μmの白色母粒子を得た。
母粒子としては、以下の黒色母粒子、白色母粒子を用いた。
・黒色母粒子
エチレン−シクロオレフィンコポリマー(ポリプラスチック(株)製、TOPAS6013)100質量部とカーボンブラック(エボニック−デグッサ(株)製、SPECIAL BLACK4)5質量部とを混合し、これを2軸混練機により混練して混練物を得た。これをジェットミル(日本ニューマチック(株)製、ラボジェットミルIDS−LJ型)で粉砕分級することにより、平均粒子径10μmの黒色母粒子を得た。
・白色母粒子
エチレン−シクロオレフィンコポリマー(ポリプラスチック(株)製、TOPAS6013)100質量部と二酸化チタン(石原産業(株)製、タイペークCR−50)100質量部とを混合し、2軸混練機で混練して混練物を得た。これをジェットミル(日本ニューマチック(株)製、ラボジェットミルIDS−LJ型)で粉砕分級することにより、平均粒子径10μmの白色母粒子を得た。
・表示用粒子の作製
母粒子としては、前記の平均粒子径10μmの白色母粒子を用い、子粒子としては、前記帯電性子粒子Aを用いた。複合化装置(ホソカワミクロン(株)製、ノビルタミル(NOB−130))を用い、白色母粒子100質量部と子粒子10質量部とを混合し、投入エネルギーが2400kJとなるようにして母粒子に子粒子を埋設して複合化し、白色の複合粒子を作製した。
さらに、この複合粒子100gと外添剤として負帯電性シリカ(HDK H3004:WACKER社製)2.5g(被覆率:500%)とをあらかじめ混合した後、カーボンミキサー処理機(SMT(株)製:HFM−001C)を4000rpmで撹拌して、複合粒子表面に外添剤が均一付与するように処理を行い、白色表示用粒子を作製した。
母粒子としては、前記の平均粒子径10μmの白色母粒子を用い、子粒子としては、前記帯電性子粒子Aを用いた。複合化装置(ホソカワミクロン(株)製、ノビルタミル(NOB−130))を用い、白色母粒子100質量部と子粒子10質量部とを混合し、投入エネルギーが2400kJとなるようにして母粒子に子粒子を埋設して複合化し、白色の複合粒子を作製した。
さらに、この複合粒子100gと外添剤として負帯電性シリカ(HDK H3004:WACKER社製)2.5g(被覆率:500%)とをあらかじめ混合した後、カーボンミキサー処理機(SMT(株)製:HFM−001C)を4000rpmで撹拌して、複合粒子表面に外添剤が均一付与するように処理を行い、白色表示用粒子を作製した。
一方、前記黒色母粒子に対し、メラミンホルムアルデヒド縮合樹脂の微粒子(日本触媒(株)製、エポスターS)を、複合化装置(ホソカワミクロン(株)製、ノビルタミル(NOB−130))を用い、黒色母粒子100質量部と微粒子:15質量部とを混合し、投入エネルギーが2400kJとなるようにして、黒色複合粒子を作製した。さらに、黒色複合粒子100gと外添剤として正帯電性シリカ(HDK H3050VP:WACKER社製)4.9g(被覆率:1000%)とをあらかじめ混合した後、カーボンミキサー処理機(SMT(株)製:HFM−001C)を4000rpmで撹拌して、複合粒子表面に外添剤が均一に付与するように処理を行い、黒色表示用粒子を作製した。
・表示用パネルの作製
表示用パネルの作製は、前記作製した白色表示用粒子と黒色表示用粒子とを等量組合せて、透明電極(ITO)が製膜されているパネル間に、粒子充填量が5g/m2となるように充填することにより行った。なお、用いたパネルは電極間距離が40μmとなるもので、80Vの電圧印加において2×106(V/m)の電界を表示用粒子に作用させるものとなる。
表示用パネルの作製は、前記作製した白色表示用粒子と黒色表示用粒子とを等量組合せて、透明電極(ITO)が製膜されているパネル間に、粒子充填量が5g/m2となるように充填することにより行った。なお、用いたパネルは電極間距離が40μmとなるもので、80Vの電圧印加において2×106(V/m)の電界を表示用粒子に作用させるものとなる。
・耐久性の評価
情報表示用パネルによる耐久性の評価は、上記のように作製した評価パネルの電極間に、80Vの電圧を電圧の向きを各々逆に印加することで、評価パネルにおいて白表示および黒表示を行った。そして、白表示および黒表示のそれぞれにおいて、光学濃度計(サカタインクスエンジニアリング(株)製、RD19I)を用いてOD値(光学濃度)の測定を行った。白表示のOD値(WOD)及び黒表示のOD値(BOD)をもとにコントラスト比(CR)(CR=10(BOD-WOD))を算出し、これをパネル性能の指標とした。
耐久試験は、80V印加での白黒反転表示駆動を50万回行った。評価としては、駆動後のCRがCR>5となる場合を合格(○)とし、CR≦5となる場合を不合格(×)とした。
各評価結果を、前記帯電性評価用粒子の帯電特性とともに第1表に示す。
情報表示用パネルによる耐久性の評価は、上記のように作製した評価パネルの電極間に、80Vの電圧を電圧の向きを各々逆に印加することで、評価パネルにおいて白表示および黒表示を行った。そして、白表示および黒表示のそれぞれにおいて、光学濃度計(サカタインクスエンジニアリング(株)製、RD19I)を用いてOD値(光学濃度)の測定を行った。白表示のOD値(WOD)及び黒表示のOD値(BOD)をもとにコントラスト比(CR)(CR=10(BOD-WOD))を算出し、これをパネル性能の指標とした。
耐久試験は、80V印加での白黒反転表示駆動を50万回行った。評価としては、駆動後のCRがCR>5となる場合を合格(○)とし、CR≦5となる場合を不合格(×)とした。
各評価結果を、前記帯電性評価用粒子の帯電特性とともに第1表に示す。
<実施例2>
実施例1における架橋ポリスチレン樹脂微粒子の乾燥処理において、乾燥条件を80℃、大気圧下、24時間とした以外は、実施例1と同様にして帯電性子粒子B、さらに帯電性評価用粒子及び表示用粒子を作製し、同様の評価を行った。
結果をまとめて第1表に示す。
実施例1における架橋ポリスチレン樹脂微粒子の乾燥処理において、乾燥条件を80℃、大気圧下、24時間とした以外は、実施例1と同様にして帯電性子粒子B、さらに帯電性評価用粒子及び表示用粒子を作製し、同様の評価を行った。
結果をまとめて第1表に示す。
<実施例3>
実施例1における架橋ポリスチレン樹脂微粒子の乾燥処理において、乾燥条件を100℃、0.5Paの減圧下、24時間とした以外は、実施例1と同様にして帯電性子粒子C、さらに帯電性評価用粒子及び表示用粒子を作製し、同様の評価を行った。
結果をまとめて第1表に示す。
実施例1における架橋ポリスチレン樹脂微粒子の乾燥処理において、乾燥条件を100℃、0.5Paの減圧下、24時間とした以外は、実施例1と同様にして帯電性子粒子C、さらに帯電性評価用粒子及び表示用粒子を作製し、同様の評価を行った。
結果をまとめて第1表に示す。
<実施例4>
実施例1における架橋ポリスチレン樹脂微粒子の乾燥処理において、乾燥条件を80℃、0.5Paの減圧下、24時間とした以外は、実施例1と同様にして帯電性子粒子D、さらに帯電性評価用粒子及び表示用粒子を作製し、同様の評価を行った。
結果をまとめて第1表に示す。
実施例1における架橋ポリスチレン樹脂微粒子の乾燥処理において、乾燥条件を80℃、0.5Paの減圧下、24時間とした以外は、実施例1と同様にして帯電性子粒子D、さらに帯電性評価用粒子及び表示用粒子を作製し、同様の評価を行った。
結果をまとめて第1表に示す。
<実施例5>
実施例1における架橋ポリスチレン樹脂微粒子の乾燥処理において、乾燥条件を 25℃(室温)、0.5Paの減圧下、24時間とした以外は、実施例1と同様にして帯電性子粒子E、さらに帯電性評価用粒子及び表示用粒子を作製し、同様の評価を行った。
結果をまとめて第1表に示す。
実施例1における架橋ポリスチレン樹脂微粒子の乾燥処理において、乾燥条件を 25℃(室温)、0.5Paの減圧下、24時間とした以外は、実施例1と同様にして帯電性子粒子E、さらに帯電性評価用粒子及び表示用粒子を作製し、同様の評価を行った。
結果をまとめて第1表に示す。
<比較例1>
実施例1における架橋ポリスチレン樹脂微粒子の乾燥処理において、乾燥条件を40℃、大気圧下、24時間とした以外は、実施例1と同様にして帯電性子粒子F、さらに帯電性評価用粒子及び表示用粒子を作製し、同様の評価を行った。
結果をまとめて第1表に示す。
実施例1における架橋ポリスチレン樹脂微粒子の乾燥処理において、乾燥条件を40℃、大気圧下、24時間とした以外は、実施例1と同様にして帯電性子粒子F、さらに帯電性評価用粒子及び表示用粒子を作製し、同様の評価を行った。
結果をまとめて第1表に示す。
第1表の実施例1〜5に示すように、乳化重合法により重合した帯電性子粒子でも、減圧加熱乾燥処理(残存モノマー排出工程)を施すことにより残存モノマー量が大幅に低下することがわかる。また、これらの帯電性子粒子を子粒子として用いた複合型の表示用粒子は、表示パネルでの反復表示耐久試験でも良好なコントラストが維持されることがわかる。一方、樹脂微粒子に対して減圧加熱乾燥処理を行わず、残存モノマー量が多い樹脂微粒子を子粒子とした比較例1の表示用粒子では、表示パネル評価での十分な耐久性が得られなかった。
本発明の製造方法により得られる帯電性子粒子を用いて複合化された表示用粒子を採用する情報表示用パネルは、ノートパソコン、電子手帳、PDA(Personal Digital Assistants)と呼ばれる携帯型情報機器、携帯電話、ハンディターミナル等のモバイル機器の表示部、電子書籍、電子新聞、電子マニュアル(電子取扱説明書)等の電子ペーパー、看板、ポスター、黒板やホワイトボード等の掲示板、電子卓上計算機、家電製品、自動車用品等の表示部、ポイントカード、ICカード等のカード表示部、電子広告、情報ボード、電子POP(Point Of Presence、Point Of Purchase advertising)、電子値札、電子棚札、電子楽譜、RF−ID機器の表示部のほか、POS端末、カーナビゲーション装置、時計など様々な電子機器の表示部のほか、表示書換え時にのみ外部電界形成手段や外部書換え手段を用いて表示を書換えるいわゆるリライタブルペーパーとしても好適に用いられる。
1、2 基板
3W 白色表示粒子群
3Wa 白色表示用粒子
3B 黒色表示粒子群
3Ba 黒色表示用粒子
4 隔壁
5、6 電極
31 表示用粒子
32 母粒子
33 帯電性子粒子
3W 白色表示粒子群
3Wa 白色表示用粒子
3B 黒色表示粒子群
3Ba 黒色表示用粒子
4 隔壁
5、6 電極
31 表示用粒子
32 母粒子
33 帯電性子粒子
Claims (8)
- 母粒子表面に帯電性子粒子を固着させてなる表示用粒子を、少なくとも一方が透明な対向する2枚の基板間に封入し、該基板間に電界を付与することによって前記表示用粒子を移動させて画像情報を表示する情報表示パネルに用いる前記表示用粒子を構成する帯電性子粒子の製造方法であって、
重合性モノマー及び架橋性モノマーを含むモノマー成分を重合してなる架橋樹脂を含有する樹脂微粒子を作製する樹脂微粒子作製工程と、
前記樹脂微粒子中の残存モノマーを排出する残存モノマー排出工程とを有する帯電性子粒子の製造方法。 - 前記架橋性モノマーが、分子中にビニル基を2つ以上有する化合物であり、該架橋性モノマーが前記モノマー成分全体中の20mol%以上含まれる請求項1に記載の帯電性子粒子の製造方法。
- 前記残存モノマー排出工程が、前記樹脂微粒子中の熱分解ガスクロマトグラフィーによる残存モノマー濃度を5000ppm以下とする工程である請求項1または2に記載の帯電性子粒子の製造方法。
- 前記残存モノマー排出工程が、前記樹脂微粒子を加熱乾燥処理する工程である請求項1〜3のいずれかに記載の帯電性子粒子の製造方法。
- 前記残存モノマー排出工程が、前記樹脂微粒子を減圧乾燥処理する工程である請求項1〜3のいずれかに記載の帯電性子粒子の製造方法。
- 前記樹脂微粒子作製工程が、乳化重合法または分散重合法により樹脂微粒子を作製する工程である請求項1〜5のいずれかに記載の帯電性子粒子の製造方法。
- 前記架橋樹脂が、架橋オレフィン樹脂、架橋スチレン樹脂、架橋アクリル樹脂、架橋ウレタン樹脂及び架橋エポキシ樹脂から選択される1つ以上である請求項1〜6のいずれかに記載の帯電性子粒子の製造方法。
- 母粒子表面に帯電性子粒子を固着させてなる表示用粒子を、少なくとも一方が透明な対向する2枚の基板間に封入し、該基板間に電界を付与することによって前記表示用粒子を移動させて画像情報を表示する情報表示パネルに用いる前記表示用粒子を構成する帯電性子粒子であって、
請求項1〜7のいずれかに記載の帯電性子粒子の製造方法を用いて製造される帯電性子粒子。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2011141042A JP2013007923A (ja) | 2011-06-24 | 2011-06-24 | 帯電性子粒子の製造方法、帯電性子粒子 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2011141042A JP2013007923A (ja) | 2011-06-24 | 2011-06-24 | 帯電性子粒子の製造方法、帯電性子粒子 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2013007923A true JP2013007923A (ja) | 2013-01-10 |
Family
ID=47675319
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JP2011141042A Withdrawn JP2013007923A (ja) | 2011-06-24 | 2011-06-24 | 帯電性子粒子の製造方法、帯電性子粒子 |
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Country | Link |
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JP (1) | JP2013007923A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN110658443A (zh) * | 2019-10-21 | 2020-01-07 | 浙江大学 | 一种针对射频前端器件的老练系统 |
-
2011
- 2011-06-24 JP JP2011141042A patent/JP2013007923A/ja not_active Withdrawn
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