JP2013006134A - シフト触媒及びガス精製設備 - Google Patents
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Abstract
【課題】
H2Oの添加量の増加を必要とすることなく、また、機器を増やすことなく、CO転化性能を向上させることが可能なシフト触媒を提供する。
【解決手段】
燃料ガス中に含まれるCOを触媒によりCO2へ転換するシフト触媒において、シフト反応を行うシフト機能を有する成分とシフト反応によって生成したCO2を吸着除去するCO2吸着機能を有する成分を同一の基材に具備させる。例えば、層状化合物の構成元素をシフト機能成分として層状化合物基材3を構成し、この層状化合物基材3にCO2吸着成分4を添加する。
【選択図】図4
H2Oの添加量の増加を必要とすることなく、また、機器を増やすことなく、CO転化性能を向上させることが可能なシフト触媒を提供する。
【解決手段】
燃料ガス中に含まれるCOを触媒によりCO2へ転換するシフト触媒において、シフト反応を行うシフト機能を有する成分とシフト反応によって生成したCO2を吸着除去するCO2吸着機能を有する成分を同一の基材に具備させる。例えば、層状化合物の構成元素をシフト機能成分として層状化合物基材3を構成し、この層状化合物基材3にCO2吸着成分4を添加する。
【選択図】図4
Description
本発明は、一酸化炭素(CO)と水蒸気(H2O)から二酸化炭素(CO2)と水素(H2)を生成するCOシフト反応を行うシフト触媒及びそのシフト触媒を用いたガス精製設備に関する。
シフト反応は有機工業反応の一つであり、式(1)に示す反応により進行する。一般的には石炭や炭化水素を高温で水蒸気と反応させる水蒸気改質に付随する反応であり、この反応を利用することで生成する水素量が増加し、合成ガスの組成を調整できる。炭化水素を水素源とする燃料電池の燃料改質では、燃料電池の電極反応を阻害する一酸化炭素の濃度を低減するために、この反応の正反応を積極的に用いる。またハーバー・ボッシュ法によるアンモニア合成に用いる水素も、正反応によって触媒毒の一酸化炭素を除去している。逆反応を利用する例としては、合成ガス製造において一酸化炭素含有量を増やす例が挙げられる。また近年、シフト反応は、石炭を燃料として一旦ガス化し、発電用の燃料として供給する石炭ガス化複合発電(Integrated Coal Gasification Combined Cycle: IGCC)のガス精製設備にも適用されている。ガス化反応は還元雰囲気下で進行させるため、ガス化ガス中には多量のCOが含まれる。従来はこのCOを燃料としてガスタービンに供給していたが、昨今の地球温暖化問題によるCO2の排出抑制の動きに伴い、COをシフト反応によってH2に変換し、生成したH2を燃料としてガスタービンに供給する方式が検討されている。ガスタービンに供給する前にシフト反応後ガス中のCO2とH2を分離することでCO2をプラント外に排出することなく回収することができる。このように、シフト反応は産業分野での適用例が多岐に渡る非常に重要な反応の一つであるといえる。
CO+H2O→CO2+H2 (1)
CO+H2O→CO2+H2 (1)
COシフト反応を促進させる触媒としては、例えば1960年代にGirdler社やDuPont社からCu−Zn系触媒が発表され、現在まで主として工場におけるプラント用などに幅広く利用されている。本触媒は300℃以下の低温領域でシフト性能を有する。また、300℃以上の高温領域で使用可能な触媒として、Fe-Cr系触媒があり、上記低温シフト触媒と共にプラントにて使用されている。これらの触媒はいずれもS分により被毒されることが知られている。上述した石炭ガス化プラントではガス化ガス中に微量のS分を有すため、上記触媒を使用する際は触媒前段にて脱硫操作が必要となる。一方、耐S性シフト触媒も開発されており、代表的なものにCo-Mo系触媒がある。Co-Mo系触媒は広い温度範囲でCOシフト活性を有すが、ガス中にH2Sが共存しないと活性を有しないことが特徴である。
シフト触媒の歴史は古いが、現在も様々な分野で活性向上を目的とした触媒改良が成されている。しかしながら、シフト反応は可逆反応であり、温度によって平衡組成が決まっているため、条件によってはガス中のCOを完全にCO2、及びH2に変換することはできない。その為、触媒の機能向上のみでは反応平衡上、得られるCO転化性能に限界がある。例えば、図1に示すように、CO、H2O、CO2、H2がいずれもガス中に1mol%存在すると仮定すると、200℃においても平衡上、87.5%のCO転化率(=[反応前CO−反応後CO]/反応前CO×100)にとどまる。
CO転化性能を向上させる有用な手段として、反応物質であるH2Oの添加量を増加し、式(1)反応の平衡を右に移動させる方法がある。また、反応平衡を右辺に移動させる方法として、シフト反応の生成物であるCO2、及びH2をガス中から除去させる方法がある。
尚、シフト反応の平衡操作をするものではないが、排ガスからのCO2回収に関しては特許文献1や2に記載のような吸着剤がある。また、同様に、シフト反応の平衡操作をするものではないが、水素分離に関しては、特許文献3に記載のような原料ガスから水素を選択的に透過して分離する選択透過膜型反応器がある。
CO転化性能を向上させるためにH2Oの添加量を増加し、式(1)反応の平衡を右に移動させる方法の場合、前述の平衡計算において、H2O以外のガス濃度は1mol%で、H2Oのみ2mol%に増やすと200℃でのCO転化率は98.3%まで向上する。しかしながらH2Oの供給量を増やすとH2Oの気化に必要な熱エネルギーが必要となり、特に発電プラントにおいてはプラントの効率低下の要因となる。
一方、CO2、H2をガス中から除去させて反応平衡を右辺に移動させる方法の場合、いずれの方法においても、シフト反応器とは別にCO2吸着器、水素分離器の設置が必要となり、機器コストが増加するとともに、機器の増加に伴い、プラントの制御も複雑化することになる。
本発明は、燃料ガス中に含まれるCOをCO2へ転換するシフト触媒において、H2Oの添加量の増加を必要とすることなく、また、機器を増やすことなく、CO転化性能を向上させることが可能なシフト触媒及びガス精製設備を提供することを目的とする。
本発明は、燃料ガス中に含まれるCOを触媒によりCO2へ転換するシフト触媒であって、シフト反応を行うシフト機能を有する成分とシフト反応によって生成したCO2を吸着除去するCO2吸着機能を有する成分を同一の基材に具備させたことを特徴とする。
同一の基材には、シフト機能を有する成分が基材を兼ねる場合、CO2吸着機能を有する成分が基材を兼ねる場合を含む。
本発明のシフト触媒は、具体的には、例えば、X型ゼオライト及びβ型ゼオライト、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウムに代表される塩基性多孔質基材にシフト機能を有する成分を添加して得られる(この場合、同一の基材はCO2吸着機能を有する成分で構成される。)。
また、本発明のシフト触媒は、具体的には、例えば、ハイドロタルサイト類化合物に代表される層状化合物の構成元素を、シフト機能を有する成分とし、この層状化合物にCO2吸着機能を有する成分を添加して得られる(この場合、同一の基材はシフト機能を有する成分で構成される。)。
本発明では、シフト触媒内において、シフト反応によって生成したCO2を吸着除去することができるので、H2Oの添加量の増加を必要とすることなく、また、機器を増やすことなく、CO転化性能を向上させることが可能となる。
本発明の適用例としては、炭素を含む固体燃料(石炭)をガス化した生成ガス(燃料ガス)中に含まれるCOを触媒によりCO2へ転換するシフト触媒がある。シフト触媒はCOとH2Oとの反応によってCO2とH2を生成するシフト機能を有する。このシフト触媒に、シフト反応によって生成したCO2を吸着除去する機能を併せ持たせることにより、シフト反応とCO2吸着操作を実施可能とし、シフト反応の平衡操作を可能としている。
本発明による効果を、シフト反応においてCO2を除去した場合の平衡計算結果をもとに説明する。図2は横軸をH2O/CO比として反応ガス中のCO2有無における平衡CO転化率を示したものである。なお、反応温度は200℃である。本図によればCO転化率90%を達成させるためにはCO2が1mol%存在する条件ではH2O/CO=1.8必要であったのに対し、CO2が0mol%の場合はH2O/CO=1.3となり、供給するH2Oの量を低減できることがわかる。供給H2Oを低減させることによりエネルギー投入量を抑制することができ、発電プラントへの適用では発電効率の低下を抑制することができる。
また、シフト触媒とは別にCO2吸着器や水素分離器を必要としないので、機器を増加させることなくCO転化性能を向上させることが可能となる。このため、プラントの制御も複雑化しない。
なお、本発明のシフト触媒におけるCO2吸着については、実プラントへの適用を考慮すると、シフト触媒の理論的なCO2吸着容量に対して50%以上の吸着率を有することが望ましい。また、実プラントへの適用を考慮すると、本発明のシフト触媒1g当たりCO2吸着量が0.6mmol以上であることが望ましい。
以下、本発明の実施の形態について説明する。本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。
図3に塩基性多孔質基材を用いたCO2吸着型シフト触媒の適用例を示す。塩基性多孔質基材1は、例えば、10nm以下の微細孔を有する。塩基性多孔質基材1には、シフト機能成分2が添加されている。本シフト触媒では塩基性多孔質基材1に添加されたシフト機能成分2にてCOがCO2へ変換され、生成したCO2が塩基性多孔質基材1の塩基点に吸着捕集される。
本シフト触媒は、塩基性多孔質基材1上または中にシフト機能成分2を添加するものであれば調製法はどのようなものでも良く、例えば含浸法、湿式混練法によって調製することができる。
塩基性多孔質基材1としてはX型ゼオライト、及びβ型ゼオライトや炭酸マグネシウム、炭酸カルシウムが使用できるが、これらに限ることなく、塩基点を有し、多孔質形態のものであれば使用できる。シフト触媒は、一般的に、200〜300℃で運用されるが、本実施例のシフト触媒ではこの温度域でも優れたCO2吸着性能を有する。
シフト機能成分は、Fe,Cu,Zn,Co,Mo,Ni,W,Pt,Ti,Al,Zrから選定される。
また、触媒形状はハニカム型、ペレット型、顆粒型などどれでも良く、用途や運転条件に応じて選定して良い。例えば、流速が大きい場合には、ハニカム型が用いられ、流速が小さい場合にはペレット型などが用いられる。
図4に層状化合物であるハイドロタルサイト類を用いたCO2吸着型シフト触媒の適用例を示す。ハイドロタルサイト (hydrotalcite) は天然に産出する粘土鉱物の一種である。一般式は、M1 8−XM2 X(OH)16CO3・nH2Oで表され、M1及びM2に選定する成分により様々な触媒作用を発現する。層状構造を持ち、層間にアニオンを取り込む性質を持つ。制酸剤や有機合成における触媒として利用されている。本実施例ではこのハイドロタルサイトにシフト機能とCO2吸着機能を付加している。
まず、ハイドロタルサイト類のM1及びM2の選定によりハイドロタルサイト(層状化合物基材3)自体にシフト機能を持たせる(シフト機能を持たせる構成元素は後述。)。そして更に層間にCO2のアニオン体である炭酸イオンを取り込み易くするためにCO2吸着機能成分4を添加して炭酸イオンの層間侵入を促進させる。本実施例のCO2吸着型シフト触媒に流入したガス中のCOはハイドロタルサイトにてCO2に変換され、生成したCO2が添加したCO2吸着機能成分4に引き寄せられ、層間に吸着捕集される。
触媒の調製法の一例を以下に示す。本実施例では、ハイドロタルサイトは共沈法、CO2吸着機能成分の添加は含浸法にて調製する例について説明する。まず、M1及びM2成分の硝酸塩の混合水溶液を用意し、炭酸ナトリウム水溶液にpHを9-10に維持した状態で滴定し、ハイドロタルサイト成分を沈着させる。尚、pH調整には水酸化ナトリウム、アンモニア水などが使用できる。用意した硝酸塩混合水溶液を全て炭酸ナトリウム水溶液中に移したら、約10時間攪拌器で攪拌させる。攪拌後、吸引ろ過によりハイドロタルサイト成分を取り出し、その後は約100度で乾燥させる。乾燥後のハイドロタルサイトに所定量のCO2吸着成分を含浸し、乾燥、焼成工程を経て供試触媒を得る。
ハイドロタルサイト類を構成するM1成分として、Mg,Zn,Ca,Li,Ni,Co,Cu,Mo、M2成分として、Fe,Al,Mnのいずれかが選定できる。特に、M1成分としてはNi,Co,Cu,Mo、M2成分としてはFe,Alのいずれかを選定することが好ましい。CO2吸着成分は、Li,Na,Ba,Ca,Sr,Mg,Ce,Cs,Rbから選定される。シフト触媒は、一般的に、200〜300℃で運用されるが、本実施例のシフト触媒ではこの温度域でも優れたCO2吸着性能を有する。
また、触媒形状はハニカム型、ペレット型、顆粒型などどれでも良く、用途や運転条件に応じて選定して良い。
上述の実施例では同一触媒成分においてシフト機能とCO2吸着機能を有する触媒について示している(基材がシフト機能かCO2吸着機能を兼ねている。)。以下の実施例では異なる機能を有す別個の成分を、触媒を形成する基材に塗布する例を示す。本実施例では基材としてディーゼルパティキュレートフィルター(Diesel particulate filter。以下、DPFという。)を用いたCO2吸着型シフト触媒の適用例を示す。
DPFは、ディーゼルエンジンの排気ガスに含まれる粒子状物質を除去するフィルターである。構造は触媒基材として用いられるハニカムと類似しているが、内部栓を有し、流路を閉塞させることで粒子状物質を除去する。尚、基材は微細孔を有するため、ガスは細孔を通過してDPFの下流側に抜ける構造である。
図5にDPF5にシフト機能成分2とCO2吸着成分4を塗布した例を示す。ガス流路に対して上流側にシフト機能成分2をコートし、DPFのセル壁を挟んだ下流側にCO2吸着成分4をコートする。シフト機能成分2によってCOがCO2に変換され、生成したCO2はDPF5の微細孔を通過してCO2吸着成分4に吸着捕集される。
触媒の調製法の一例を以下に示す。シフト機能成分とCO2吸着成分をそれぞれスラリーコート法によりDPFにコートする。まず、DPFに水を十分含ませる。これは管壁がぬれていないとスラリーをコートした際に毛細管現象によりスラリーが管内を上昇(下降)し、均一にコートできなくなるためである。次に、シフト機能成分とCO2吸着成分のスラリーを作製し、シフト機能成分からDPFの片側管内に流し込む。その後、DPFの逆側からエアブローし、スラリーを押し出す。その後、乾燥、焼成する。この水分含浸から焼成までの工程を繰返し、所定の重量をコートする。シフト機能成分をコート後に同様の手順でDPFの逆側にCO2吸着成分をコートする。乾燥、焼成条件としては、使用する温度により異なるが、例えばシフト反応、及びCO2吸着反応の発熱を考慮して500℃以下の領域で使用するのであれば乾燥120℃、焼成500℃で実施するのが望ましい。また、スラリーを作製する際、スラリーの粘度に留意する必要がある。粘度が大きすぎると表面張力によりスラリーをDPFの管内に流し込めない。また、粘度が小さいと細孔を通過して管壁の逆側に浸透する可能性がある。これらはDPFの細孔径や管口面積にも依存するので、調製する前にスラリーの粘度を最適化して実施することが望ましい。尚、上記は調製方法の一例であり、これに限ることはない。
シフト機能成分としては、Fe,Cu,Zn,Co,Mo,Ni,W,Pt,Ti,Al,Zrのうち一つ以上の成分から選定することが望ましい。更に好ましくは上記成分のうち、Ti,Al,Zrは担体成分として使用し、その他の成分を一つ以上選定する。また、CO2吸着成分としては、Li,Na,Ba,Ca,Sr,Mg,Ce,Cs,Rbのうち一つ以上の成分から選定することが望ましい。更に好ましくは、Ti,Al,Zr,Ceは担体成分として使用し、Li,Na,Ba,Ca,Sr,Mg,Cs,Rbの一つ以上選定する。
上記要領で作製したDPF型のCO2吸着型シフト触媒の実用上の使用方法としては、触媒を直列に多段設置し、シフト反応とCO2吸着反応を順次実施する。
本実施例も実施例3と同様に異なる機能を有す別個の成分を、触媒を形成する基材に塗布する例を示す。本実施例ではハニカム基材を用いたCO2吸着型シフト触媒の適用例を示す。
ハニカム基材6にシフト機能成分2、及びCO2吸着成分4を塗布した例を図6及び図7に示す。図6は流路に対して上流側にシフト機能成分2、下流側にCO2吸着成分4を塗布した例である。ハニカム触媒に流入したガスはまずシフト機能成分2と接触し、COがCO2に変換される。その後、ハニカムの下流側のCO2吸着成分4にてCO2吸着捕集される。また、図7はハニカム基材6のハニカムセル内の下段(ハニカム基材に接する側)にCO2吸着成分4、その上段(ガスに接する側)にシフト機能成分2を塗布した例である。ハニカム触媒に流入したガスは上段のシフト機能成分2と接触し、COがCO2に変換される。その後、下段のCO2吸着成分4にCO2が吸着捕集される。図6の構造はCO2吸着成分4とCO2の接触が効果的に行われることが期待でき、図7の構造は流速を抑える必要があるが作成が容易である。
触媒の調製法の一例を以下に示す。図6、7いずれの触媒もスラリーコート法により調製することが好ましい。まず、図6の構造(上流シフト・下流CO2吸着型)は、ハニカム基材6に十分水を含浸させ、その後エアブローして余分な水を抜く。この操作の理由は実施例1と同様である。次にシフト機能成分2のスラリーをハニカム基材6の半分の位置まで浸す。その後、浸した面に対して逆側の面からエアブローし、余分なスラリーを除く。その後は乾燥、焼成操作を実施する。水含浸から焼成までの工程を繰返し、所定の重量までコートする。シフト機能成分2のコートが終了したら同様の手順でシフト機能成分2の逆側からCO2吸着成分4をコートする。図7の構造(上段シフト・下段CO2吸着型)も調製手順は図6の構造の場合と同様であり、異なる点としてはハニカムへのスラリーコートを全表面に実施することである。また、乾燥、焼成条件、スラリー作製に関する留意点、及び成分例は実施例3のDPFを用いた触媒の場合と同様である。
次に、図8を用いて本発明のCO2吸着型シフト触媒を適用したガス精製設備の一例を説明する。
燃料ガス(例えば石炭をガス化し水洗や脱硫などの処理がなされたCOを主成分とするガス)は所定の温度(例えば300℃程度)に加熱され、本発明のCO2吸着型シフト触媒が充填されたシフト反応器10a,10bに導入される。また、シフト反応器10a,10bに水蒸気が導入され、(1)式に示したシフト反応が行われる。このシフト反応で生成したCO2はシフト触媒に吸着され、生成ガスであるH2が生成ガス放出弁12a,12bを介して放出され、燃料利用設備(ガスタービンの燃焼器など)に供給される。本発明の実施例で得られる生成ガスは純度の高いH2となる。また、シフト触媒に吸着したCO2の脱離には窒素ガスが用いられる。即ち、窒素ガスを供給し、CO2分圧を低下させて、CO2をシフト触媒から脱離させる。この窒素ガスとしては、石炭ガス化に酸素が用いられる場合、プラントには空気分離装置が備えられているので、空気分離装置で製造される窒素を用いることができる。本実施例では、シフト反応器10a,10bの下方から窒素ガスが供給される。このため、シフト反応器10a,10bから脱離ガス放出弁13a,13bを介して放出されるガスの主成分はCO2と窒素である。この脱離ガスはCO2分離部20に供給される。CO2分離部20において、純CO2は、深冷分離や減圧膨張などにより、液体又は固体として回収される。これは、CO2の沸点が、窒素と比べて100℃以上高いためである。
ガス精製設備を連続運転するために、本実施例では、シフト反応器が2系統設けられている。即ち、本発明のシフト触媒は、ある期間運転後、吸着したCO2を脱離させて再生する必要がある。このため、一方の系統でCO2吸着を行いながらシフト反応を行い、他方の系統で燃料ガスと水蒸気の供給を止め、吸着したCO2を脱離させて再生する。例えば、シフト反応器10aにおいてCO2吸着を行いながらシフト反応を行い、シフト反応器10bにおいて吸着したCO2を脱離させて再生する場合、燃料ガス投入弁11a及び生成ガス放出弁12aを開,燃料ガス投入弁11b生成ガス放出弁12bを閉とし、脱離ガス放出弁13aを閉,脱離ガス放出弁13bを開とする。このように、複数系統のシフト反応器を用い、一方ではCOシフト反応とCO2吸着を、他方ではCO2脱離とCO2回収時を、それぞれ同時に実施し、ある時間周期で両者のプロセスを入れ替えることで、プラントでの連続運転が可能となる。
また、本発明では、純度の高い水素が得られることから、発電用燃料のガス精製設備のみならず、水素製造用の化学プラントにおけるガス精製設備への適用も可能である。
1・・・塩基性多孔質基材、2・・・シフト機能成分、3・・・層状化合物基材、4・・・CO2吸着成分、5・・・DPF、6・・・ハニカム基材。
Claims (10)
- 燃料ガス中に含まれるCOを触媒によりCO2へ転換するシフト触媒であって、COとH2Oとの反応によってCO2とH2を生成するシフト機能を有する成分と、シフト反応によって生成したCO2を吸着する機能を有する成分を同一の基材に具備させたことを特徴とするシフト触媒。
- 請求項1において、前記基材は微細孔を有する塩基性多孔質基材であり、前記塩基性多孔質基材に前記シフト機能を有する成分が添加されていることを特徴とするシフト触媒。
- 請求項2において、前記塩基性多孔質基材は、X型ゼオライト、β型ゼオライト、炭酸カルシウム、及び、炭酸マグネシウムの何れかであることを特徴とするシフト触媒。
- 請求項1において、前記基材は構成元素がシフト機能を有する層状化合物基材であり、前記層状化合物基材に前記CO2を吸着する機能を有する成分が添加されていることを特徴とするシフト触媒。
- 請求項4において、前記層状化合物はM1 8−XM2 X(OH)16CO3・nH2Oにより構成されるハイドロタルサイト類化合物であることを特徴とするシフト触媒。
- 請求項5において、前記ハイドロタルサイト類化合物は、前記M1成分として、Mg,Zn,Ca,Li,Ni,Co,Cu,Moの何れか、および、前記M2成分として、Fe,Al,Mnの何れかにより構成されることを特徴とするシフト触媒。
- 請求項2または4において、前記シフト機能を有する成分は、Fe,Cu,Zn,Co,Mo,Ni,W,Pt,Ti,Al,Zrから選定されることを特徴とするシフト触媒。
- 請求項4において、前記CO2を吸着する成分、Li,Na,Ba,Ca,Sr,Mg,Ce,Cs,Rbから選定されることを特徴とするシフト触媒。
- 燃料ガス中に含まれるCOを触媒によりCO2へ転換するシフト触媒であって、COとH2Oとの反応によってCO2とH2を生成するシフト機能を有する成分とシフト反応によって生成したCO2を吸着する機能を有する成分を同一の基材に具備させたシフト触媒を内蔵したシフト反応器と、前記シフト反応器に前記燃料ガスを供給する系統と、前記シフト反応器に水蒸気を供給する系統と、前記シフト反応器で生成した生成ガスを放出する系統と、前記シフト反応器に窒素ガスを供給する系統と、前記シフト反応器からの脱離ガスを放出する系統と、脱離ガスを放出する系統からの脱離ガスを受け入れ脱離ガスからCO2を分離する装置を有することを特徴とするガス精製設備。
- 請求項9において、前記シフト反応器を複数設け、一方のシフト反応器においてシフト反応プロセスを行い、他方のシフト反応器においてシフト反応で吸着したCO2の脱離プロセスを行い、ある時間周期で両者のプロセスを入れ替えるようにしたことを特徴とするガス精製設備。
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