JP2013000745A - アーク溶接方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】溶接継手における幾何学量の変動に拘わらず、均一な外観の溶接ビードが得られるアーク溶接方法を提供する。
【解決手段】アーク溶接方法は、ワーク上の溶接線に沿った外観統一範囲内の複数の測定点について測定点毎に溶接継手の幾何学量を測定する測定工程(ステップS1)と、前記幾何学量の測定結果に基づき、外観統一範囲にわたるアーク溶接による溶接ビードの外観が均一となるように溶接条件を設定する設定工程(ステップS2)と、前記溶接条件に従い、外観統一範囲にわたるアーク溶接を行う溶接工程(ステップS3)とを備える。
【選択図】図2

Description

本発明は、溶接継手に関する幾何学量の測定結果に基づいて溶接条件を設定し、アーク溶接を行うアーク溶接方法に関する。
従来、このようなアーク溶接方法として、溶接電圧の極性を切り替えながらアルミニウム等の部材をアーク溶接する際に、溶接される部材間のギャップに応じて極性比率を変化させるようにしたアーク溶接法が知られている(例えば、特許文献1参照)。
このアーク溶接法においては、極性比率以外の溶接条件、すなわち溶接電流、溶接電圧、溶接速度、ウィービング周波数、ウィービング振幅及び狙い位置オフセット量についても、重ね継手のギャップに応じて変化させるようにしている。
また、従来、円又は円弧状のウィービング動作を伴うアーク溶接において、ウィービング面と溶接方向との成す角であるウィービング角は、溶接トーチの前進角に等しいか又は0°である。ウィービング角が0°ということは、ウィービング面と溶接方向とが平行であることを意味する。
特開2002−316265号公報
しかしながら、特許文献1のアーク溶接法によれば、重ね継手のギャップが変動する場合、この変動に応じて極性比率等の溶接条件を変化させながら溶接を行うようにしているので、形成される溶接ビードは、外観が均一とならず、見栄えが悪化する。
また、上述のようなウィービング動作を伴うアーク溶接を行う場合、溶接継手がせぎり継手であるとすると、せぎり継手における母材面に沿った方向のギャップすなわち開先の幅が狭い場合には、十分な溶け込み量が得られず、良好な溶接強度を得ることができない。なお、せぎり継手とは、重ね継手における一方の母材に段差部を設けて、双方の母材がほぼ同一平面上に位置するようにしたものである。
本発明の目的は、かかる従来技術の問題点に鑑み、溶接継手における幾何学量の変動に拘わらず、均一な外観の溶接ビードが得られるアーク溶接方法を提供することにある。
本発明のアーク溶接方法は、ワーク上の溶接線に沿った所定範囲内の複数の測定点について、測定点毎に溶接継手の幾何学量を測定する測定工程と、前記測定工程による幾何学量の測定結果に基づき、前記所定範囲にわたるアーク溶接による溶接ビードの外観が均一となるように溶接条件を設定する設定工程と、前記設定工程で設定された溶接条件に従い、前記所定範囲にわたるアーク溶接を行う溶接工程とを具備することを特徴とする。
本発明によれば、所定範囲内の測定点毎に溶接継手の幾何学量を測定し、その測定結果に基づき、所定範囲にわたり、溶接ビードの外観が均一となるように溶接条件を設定するようにしたため、所定範囲内で溶接継手の間隔等が変動する場合でも、均一な外観の溶接ビードを得ることができる。
また、本発明においては、前記溶接継手は、せぎり継手であり、前記測定工程では、前記せぎり継手についての前記ワークの面に平行な方向の間隔を測定し、前記設定工程では、前記測定工程で測定されたせぎり継手の間隔の最大値に対応するウィービング幅を、前記所定範囲にわたる共通のウィービング幅として設定するようにしてもよい。
これによれば、所定範囲にわたる共通のウィービング幅でアーク溶接が行われるので、アーク溶接により形成される溶接ビードの外観を、溶接ビードの幅の点において均一化することができる。
さらに、本発明においては、前記溶接継手は、せぎり継手であり、前記測定工程では、前記せぎり継手についての前記ワークの面に平行な方向の間隔を測定し、前記設定工程では、前記測定工程で測定されたせぎり継手の間隔が大きい溶接位置ほど小さいウィービング角となるように、溶接位置に応じて異なるウィービング角を設定するようにしてもよい。
これによれば、せぎり継手の間隔が大きな溶接位置ではワークへの入熱量が小さくなり、間隔が小さな溶接位置では入熱量が大きくなるので、間隔の小さな溶接位置では十分な溶け込み量が得られず、間隔の大きな溶接位置では溶け落ちが発生しやすいという従来のウィービング動作を伴う場合の不都合を解消することができる。したがって、外観の均一化を、溶接強度を劣化させることなく達成することができる。
本発明の一実施形態に係る溶接ロボットシステムの構成を示すブロック図である。 図1のシステムの制御部により実行される処理を示すフローチャートである。 図1のシステムにおけるワークの一部を切り取って示す斜視図である。 図3の部分を溶接線に垂直な面で切断して示す断面図である。 図1のシステムにおけるワークのせぎり継手の幾何学量を測定する様子を示す斜視図である。 図1のシステムにおいて測定されるギャップG1の最大値とこれに対応するウィービング振幅φの設定値との関係を例示するグラフである。 図1のシステムにおけるウィービングの軌跡を例示する図である。 図1のシステムにおいて測定される開先断面積Sの測定値とこれに対応する溶接電流の設定値との関係を例示するグラフである。 図1のシステムにおける溶接継手のギャップG1、G2の測定値と、これに基づいて設定されるEN比率の設定値との関係を示すグラフである。 図1のシステムにおける溶接継手のギャップG1の測定値と、これに基づいて設定される溶接狙い位置yとの関係を示すグラフである。 図1のシステムにおける溶接継手のギャップG1の測定値と、これに基づいて設定されるウィービング角θの設定値との関係を示すグラフである。
以下、図面を用いて本発明の実施形態を説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る溶接ロボットシステムの構成を示すブロック図である。このシステムは、アルミニウム部材からなるワーク1を、MIG(ミグ)溶接により溶接するものである。
図1に示すように、このシステムは、システムの各部を制御する制御部2と、制御部2に指示を与えるための操作部3と、ワーク1の溶接継手の幾何学量を計測するためのレーザセンサ4と、ワーク1の溶接を行うための溶接トーチ5と、溶接トーチ5及びワーク1に溶接電流を供給する溶接電源6と、溶接トーチ5に溶接用ワイヤを供給するワイヤ供給部7と、溶接トーチ5にシールドガスを供給するガス供給部8と、ワーク1や、レーザセンサ4、溶接トーチ5を保持して動かすマニピュレータ9とを備える。
マニピュレータ9は2台のロボット本体により構成される。一方のロボット本体によりワーク1が直接又はジグを介して保持され、位置決めされる。また、他方のロボット本体により、レーザセンサ4及び溶接トーチ5が操作される。すなわち、制御部2は、2台のロボット本体を制御し、協調させて溶接作業を行う。
図2は制御部2により実行される溶接処理の一部を示すフローチャートである。この溶接処理においては、溶接により形成される溶接ビードの外観を均一にして統一すべき範囲として予め定められたワーク1上の溶接範囲の1つ(以下、「外観統一範囲」という。)について、溶接ビードが均一な外観を有するようにMIG溶接が行われる。外観統一範囲としては、例えば1つの溶接線に係る溶接範囲や、指定された複数本の溶接線に及ぶ溶接範囲、ワーク1上の全溶接線にわたる溶接範囲が該当する。
図2の溶接処理に際し、制御部2は、まず、ステップS1の測定工程において、「幾何学量測定処理」を行う。この処理では、ワーク1上の外観統一範囲にわたり、幾何学量を測定する。次に、この測定結果に基づき、ステップS2の設定工程において、外観統一範囲わたる溶接を行うための溶接条件を設定する「溶接条件設定処理」を行う。そして、ステップS3の溶接工程において、設定された溶接条件に従い、外観統一範囲にわたり、アーク溶接の一種であるMIG溶接により溶接線に沿った接合を行う「MIG溶接処理」を行う。
以下、上記ステップS1〜S3の各工程について詳細に説明する。
(1)測定工程
ステップS1の幾何学量測定処理においては、マニピュレータ9を構成する一方のロボット本体によりワーク1が保持され、他方のロボット本体により、溶接トーチ5に固定されたレーザセンサ4で、幾何学量の測定が行われる。
図3は、幾何学量が測定されるワーク1の一部を切り取って示す斜視図である。図3に示すように、ワーク1は、端部同士が相互に溶接されるワーク部分11及びワーク部分12を有する。ワーク部分11及び12の相互に隣接する端部に沿った溶接線に沿って幾何学量が測定される。ワーク1としては、例えばオートバイのフレームが該当する。以下の説明では、溶接方向をX軸の正方向とし、Y軸がワーク1の面に平行である右手系のXYZ座標系を用いる。
図4は、図3の部分を溶接線に垂直な面(YZ平面)で切断して示す断面図である。図4に示すように、ワーク部分11の端部は、X軸に平行な端縁から所定幅で該端部を縁取る重畳部11aと、重畳部11aに隣接し、重畳部11aからワーク部分11の主要部に至る段差を形成する斜部11bとを有する。
重畳部11aの表面にワーク部分12端部の裏面が所定のギャップを経て重なるように対向している。これにより、斜部11bとワーク部分12の端部との間に、ほぼV字状の溝の形態を有する開先15が形成される。すなわち、ワーク部分11及び12間の溶接継手はせぎり継手13となっている。したがって、せぎり継手13の近傍において、ワーク部分11及び12の各表面及び各裏面はそれぞれ、ほぼ1つの平面上に位置する。
重畳部11aの表面と斜部11bの表面とが交差するラインと、ワーク部分12裏面の端縁との間のY軸方向の距離として、ギャップG1が形成されている。また、ワーク部分12端部の裏面と、重畳部11aの表面との間のZ軸方向の距離として、ギャップG2が形成されている。ステップS1では、幾何学量として、ギャップG1、ギャップG2、及び開先15の断面積が測定される。
図5は、これらの幾何学量を測定する様子を示す。幾何学量の測定は、図5(a)のように、溶接トーチ5に固定されたレーザセンサ4によって、各教示点Pi(i=・・・、n−1、n、n+1、・・・)において、溶接方向とは逆方向(X軸の負の方向)に向かって行われる。各教示点Piは、図5(b)のように、溶接線14に沿うようにして、予めティーチングにより設定されたものである。
(2)設定工程
ステップS2の溶接条件設定処理においては、外観統一範囲についての溶接条件として、外観統一範囲の全範囲に共通のウィービング振幅(ウィ―ビング幅)φと、教示点毎の他の溶接条件とが設定される。
ウィービング振幅φの設定に際しては、ステップS1で測定された各教示点でのギャップG1の最大値に対応するウィービング振幅φの値が設定値とされる。この設定値は、外観統一範囲にわたって共通の溶接条件として設定される。また、この設定値は、予め定められたギャップG1の最大値と、ウィービング振幅φの設定値との対応関係に基づいて決定される。
図6は、このギャップG1の最大値とウィービング振幅φの設定値との関係を例示する。この例の場合、図6のように、外観統一範囲におけるギャップG1の最大値とこれに対応するウィービング振幅φの設定値とは、ほぼ比例関係にある。このような関係は、制御部2が記憶しているテーブルや関数により規定される。このような関係に従い、ステップS1での測定結果に基づき、外観統一範囲における共通のウィービング振幅φが設定される。
教示点毎の他の溶接条件の設定に際しては、他の溶接条件として、例えば溶接電流、EN比率、溶接狙い位置y(図4)及びウィービング角θが設定される。設定値は、予め定められた幾何学量の測定値と設定値との対応関係に基づいて決定される。かかる対応関係は、制御部2が記憶しているテーブルや関数により規定される。
例えば、教示点毎の溶接電流の設定は、その教示点での開先15の断面積の測定結果に基づいて行われる。教示点毎のEN比率の設定は、その教示点でのギャップG1及びG2の測定結果に基づいて行われる。教示点毎の溶接狙い位置y及びウィービング角θの設定は、その教示点でのギャップG1の測定結果に基づいて行われる。
図7は、溶接時に溶接ワイヤが描くウィービングの軌跡を例示する。溶接トーチ5から繰り出される溶接ワイヤの先端は、溶接時、例えば図7(a)に示すように、ZX面に垂直な面内で円形の軌跡16を描くように移動する。ただし、ワーク1に対しては、溶接トーチ5が溶接方向(X軸の正方向)へ移動するので、溶接方向に沿った螺旋状の軌跡を描くことになる。この場合、ウィービング振幅φは軌跡16の直径に該当する。
軌跡16が存在する面をウィービング面とすると、図7(b)に示すように、ウィービング面はXY面に対して鋭角θをなす。ただし、Y軸の負の方向に向かって、反時計回りの方向を角度θの正方向とする。この角度θがウィービング角θである。軌跡16は、溶接方向と反対側の半分の軌跡区間16Aと、溶接方向側の半分の軌跡区間16Bとで構成される。
図8は、開先15(図4)の断面積である開先断面積Sの測定値と、これに基づいて設定される溶接電流の設定値との関係を例示する。開先断面積Sの測定値と溶接電流の設定値との関係は、溶接トーチ5が軌跡区間16Aに沿って移動している場合と軌跡区間16Bに沿って移動している場合とで異なる。図8中のグラフ曲線19Aは、軌跡区間16Aにおける開先断面積Sの測定値と溶接電流の設定値との関係を示しており、グラフ曲線19Bは軌跡区間16Bにおける同関係を示している。
図8のように、軌跡区間16A及び16Bのいずれにおいても、溶接電流は、開先断面積Sが大きいほど大きな値に設定される。これにより、開先15に対し、開先断面積Sに応じた適切な量の溶着金属を付与することができる。
また、同一の開先断面積Sの測定値に対しては、軌跡区間16Aよりも軌跡区間16Bにおける溶接電流の方が大きい値に設定される。これにより、軌跡区間16Bにおいて、ワーク1への溶接入熱(熱量)を軌跡区間16Aにおける溶接入熱よりも多くして、良好な溶け込みを得ることができる。
図9は、ギャップG1及びG2の測定値と、これに基づいて設定されるEN比率の設定値との関係を示す。図9(a)では、ギャップG2が1mm、2mm、3mm及び4mmであるそれぞれの場合について、ギャップG1の測定値と軌跡区間16AにおけるEN比率の設定値との関係が示されている。図9(b)では、ギャップG2が1mm、2mm、3mm及び4mmであるそれぞれの場合について、ギャップG1の測定値と軌跡区間16BにおけるEN比率の設定値との関係が示されている。
本実施形態においては、溶接電流として交流パルスが用いられ、軌跡区間16A及び軌跡区間16Bのそれぞれについて異なるEN比率が適用される。EN比率とは、交流パルスの1周期において、溶接トーチ5の溶接ワイヤとワーク1との間を流れる総電流量(電気量)に対する溶接ワイヤ(電極)側がマイナス極性(EN極性)であるときに流れる電流量の比率である。
すなわち、EN極性の場合の電流量をIen、溶接ワイヤ(電極)側がプラス極性(EP極性)である場合の電流量をIepとすれば、EN比率=(Ien/(Ien+Iep))×100(%)となる。EN比率が高いほど余盛が得られ易く、低いほど、より深い溶け込みを得ることができる。
図9に示すように、軌跡区間16Aにおいては、全体的にEN比率を高くすることにより、溶接用ワイヤの溶融量を増加させて余盛を確保し、かつワーク1への入熱を低減させて溶融池の凝固境界が鮮明となるようにしている。軌跡区間16Bにおいては、全体的にEN比率を低くすることにより、ワーク1へ与える入熱を増大させて良好な溶け込みを確保している。
また、図9(a)のように、ギャップG1が大きいほど、またギャップG2が大きいほど、軌跡区間16AにおけるEN比率をリニアに増大させて、余盛の均一化を図るようにしている。また、図9(b)のように、軌跡区間16BにおけるEN比率については、ギャップG1の範囲が1mmまでの範囲では、緩やかな勾配で増加させて良好な溶け込みを得るとともに、1mm以上の範囲では、急な勾配で増大させて溶け落ちを防止するようにしている。
図10は、ギャップG1の測定値と、これに基づいて設定される溶接狙い位置との関係を示す。溶接狙い位置は、図4のように、ワーク部分12裏面の端縁からのY軸方向の距離yで表わされる。溶接狙い位置yの設定値としては、図10のように、ギャップG1の測定値が大きいほど大きな値が採用される。これにより、アンダーカットや融合不良の発生を防止するようにしている。
図11は、ギャップG1の測定値と、これに基づいて設定されるウィービング角θ(図7(b))の設定値との関係を示す。図11のように、ギャップG1が小さいほど、大きなウィービング角θが設定される。ギャップG1が小さいと、アークエネルギーがワーク1に到達し難くなり、溶け込み量が極端に減少するので、ウィービング角θを大きくして、アークエネルギーがワーク1に到達し易くし、溶け込み量を増加させる必要があるからである。
逆に、ギャップG1が大きいほど、小さなウィービング角θが設定される。ギャップG1が大きいと、アークエネルギーがワーク1に到達し易くなり、溶け込み量が増大するので、ウィービング角θを小さくし、アーク熱をワーク1から遠ざけて、ワーク1への入熱を減少させ、溶け落ちによる溶接不良が発生するのを防止する必要があるからである。
(3)溶接工程
ステップS3のMIG溶接処理においては、ステップS2で設定した溶接条件に従い、外観統一範囲にわたり、MIG溶接を行う。溶接の開始時には、溶接トーチ5及びレーザセンサ4は、ステップS1の測定を完了したときの位置、すなわち外観統一範囲における溶接開始位置に位置しているので、制御部2は、その状態から直ちに、溶接方向(X軸の正方向)に沿って、溶接を開始することができる。溶接が完了すると、図2の溶接処理が終了する。
本実施形態によれば、外観統一範囲にわたり、ギャップG1等の幾何学量の測定を行い、その測定結果に基づき、外観統一範囲にわたり、共通の溶接条件として、ギャップG1の最大値に対応するウィービング振幅φの値を設定するようにしたため、外観統一範囲にわたり、溶接ビードの幅を統一して、外観を均一にすることができる。
また、図9のように、ギャップG1及びG2の測定結果に応じて軌跡区間16A及び16BでのEN比率を設定するようにしたので、軌跡区間16Aでは、余盛を確保して鮮明な溶融池の凝固境界を形成するとともに、軌跡区間16Bでは、良好な溶け込みを確保しかつ溶け落ちを防止することができる。
これにより、外観統一範囲にわたり、溶接強度を劣化させることなく、軌跡区間16Aにおいて確実に余盛によるうろこ状の形状を形成し、溶接ビードの外観の均一化に寄与することができる。したがって、上述の溶接ビード幅が統一される効果と相俟って、ギャップG1及びG2の変動に拘わらず、余盛りが一定でTIG(ティグ)溶接のような凝固境界が鮮明な溶接ビードを形成し、外観の均一化をさらに向上させることができる。
また、ギャップG1が大きい溶接位置ほど小さなウィービング角θとなるように、溶接位置に応じて異なるウィービング角を設定するようにしたので、ギャップG1が大きい溶接位置ではワーク1への入熱量を小さくし、ギャップG1が小さい溶接位置では入熱量を大きくすることができる。
これにより、ギャップG1の小さな溶接位置では十分な溶け込み量が得られず、ギャップG1の大きな溶接位置では溶け落ちが発生しやすいという従来の不都合を解消することができる。また、ウィ―ビング振幅φを統一した場合でも、溶接強度が劣化するのを防止することができる。したがって、外観統一範囲にわたる溶接ビードの外観の均一化に寄与することができる。
なお、本発明は上述実施形態に限定されない。例えば、上述においては、アーク溶接としてMIG溶接を行う場合について説明したが、MIG溶接に限らず、他のアーク溶接、例えば鉄系の母材に使用されるMAG(マグ)溶接や、炭酸ガスアーク溶接に本発明を適用することもできる。
また、上述においては、溶接継手がせぎり継手の場合について説明したが、他の溶接継手、例えば重ね継手の場合にも、本発明を適用することができる。その場合、外観統一範囲にわたり、重ね継手の重なり部分における隙間が測定され、その測定結果に基づき、溶接ビードの外観が均一となるように、溶接条件が設定される。
1…ワーク、Pn−1、Pn、Pn−1…教示点(測定点)、13…せぎり継手、S1…測定工程、S2…設定工程、S3…溶接工程。

Claims (3)

  1. ワーク上の溶接線に沿った所定範囲内の複数の測定点について、測定点毎に溶接継手の幾何学量を測定する測定工程と、
    前記測定工程による幾何学量の測定結果に基づき、前記所定範囲にわたるアーク溶接による溶接ビードの外観が均一となるように溶接条件を設定する設定工程と、
    前記設定工程で設定された溶接条件に従い、前記所定範囲にわたるアーク溶接を行う溶接工程とを具備することを特徴とするアーク溶接方法。
  2. 前記溶接継手は、せぎり継手であり、
    前記測定工程では、前記せぎり継手についての前記ワークの面に平行な方向の間隔を測定し、
    前記設定工程では、前記測定工程で測定されたせぎり継手の間隔の最大値に対応するウィービング幅を、前記所定範囲にわたる共通のウィービング幅として設定することを特徴とする請求項1に記載のアーク溶接方法。
  3. 前記溶接継手は、せぎり継手であり、
    前記測定工程では、前記せぎり継手についての前記ワークの面に平行な方向の間隔を測定し、
    前記設定工程では、前記測定工程で測定されたせぎり継手の間隔が大きい溶接位置ほど小さいウィービング角となるように、溶接位置に応じて異なるウィービング角を設定することを特徴とする請求項1に記載のアーク溶接方法。
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