JP2013000553A - 赤外線信号で動作する計時装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】陸上競技の練習時におけるタイム測定において、「手測」のような簡易な測定手段を用いると、正確な測定ができず、正確な測定をしようとすると、設置や操作に時間や手間がとられるという問題があった。設置が簡易で、かつ、測定が正確であるものが求められていた。また、複数の競技者が同時に走る場合に、装置によってはうまく測定できないという問題もあった。
【手段】スタート付近にスタート用赤外線照射装置(2)を設置し、ゴール付近にゴール用赤外線照射装置(3)を設置する。競技者は、赤外線信号検出手段(4)を備えた携帯型計時装置(1)を身につけて走る。スタート用赤外線照射装置(2)はスタートの合図音とともに赤外線信号を照射し、携帯用計時装置(1)が測定を開始する。競技者がゴールを通過すると、ゴール用赤外線照射装置(3)が照射している赤外線信号を検出し、携帯型計時装置(1)が測定を終了する。携帯型計時装置(1)の表示手段(6)にタイムが表示される。
【選択図】図1

Description

本発明は、陸上競技の短距離種目のように、競技者がスタートからゴールまでに費やした時間を競う競技で、スタートとゴールの位置が物理的に離れており、比較的短い時間(数分以下)で競技が終結する競技の練習用に用いられる計時装置に関するものである。本発明は、簡易に設置ができ、かつ、正確な測定ができるという二つの利点を兼ね備えていることが特徴で、学校の陸上部が日々の練習でタイム測定を行うといった状況で使用されることを想定している。
陸上競技の計時はその目的によって、高価で複雑であるが正確なもの、廉価で簡易であるが正確さを欠くものなど、計時の目的によって、種々のものが存在する。以下、「ビデオ方式」、「手測」、「光電管方式」の3種類の既存技術について説明する。
「ビデオ方式」を使用するのは、多くの場合、公式の競技会においてである。「ビデオ方式」においては、スタート合図音発生と同時に、スタート合図音発生装置と電子的に連動したビデオ撮影装置の計時装置が計時を開始し、ゴールにおいてビデオ撮影装置がゴールする競技者をビデオ撮影し、ゴールする競技者の画像と時計の示すタイムを同一画像上に表示しながらビデオ画像をスロー再生し、審判がそれを見て競技者のタイムを決定する。
「手測」は、装置のいらない汎用的で簡易な方法として用いられている。「手測」においては、ゴールにいる計時担当者が、スタート合図音、もしくは、合図音と同時に発せられる可視的合図(ピストルの火薬の煙や電子的合図音発生装置が合図音と同時に発生する光など)に合わせてストップウオッチを動かし、競技者がゴールするのを見てストップウオッチを止める方式である。
「光電管方式」は上記の中間的な位置づけにあり、「手測」よりは正確であり、「ビデオ方式」よりは設置と計時が簡易であるので、競技会でも簡易的な方法として採用されており、また、練習用途で使用されることもある。「光電管方式」においては、スタート合図音発生装置と電子的に連動した計時装置がスタート合図音と同時に計時を開始し、ゴールにはレーザー光線を用いた光電管が設置され、競技者がレーザー光線を切ると計時が終了する。
「ビデオ方式」は、装置が大掛かりになり、設置に時間がかかる。また、タイムを確認すには、その都度画像を再生する必要があるため、走り終わった競技者が自分のタイムをすぐに知ることができないという不便がある。さらに、装置を扱う専用の担当者が必要となる。これは、学校の陸上部が日々の練習で使用するような状況において求められる簡易性において、著しく不適切なものである。よって、今後は「ビデオ方式」を本発明の比較対象とみなさず、「ビデオ方式」との比較に関する記述は行わない。
「手測」は、スタートにスタート合図用の担当者とゴールに測定用の担当者を配置する必要があり、これも、簡易とはいえ、二人の担当者を計時のために張り付けることの不便さは否めない。また、人の反応の遅さやばらつきによる測定の不正確さが大きく、たとえば、練習でフォームを変えたことによって、タイムが伸びたのか、単なる測定のばらつきなのかが不明となり、練習におけるモチベーションを欠く要因となりうる。
さらに、練習においては複数の競技者を同時に走らせることで、競争心が生じ、より効率的な練習ができるのだが、「手測」では、一人の担当者がゴールで複数の競技者のタイムを正確に測定するのはきわめて困難である。ゴールに複数の担当者を配置することで、複数の競技者の測定は可能だが、もはやそれは、簡易とはいえず、かつ、担当者間の測定のばらつきが測定誤差として追加される。
「光電管方式」は、「ビデオ方式」より簡易的に設置ができ、「手測」のように人手を使わず正確な測定ができるという利点があるが、以下の三点の課題がある。
「光電管方式」の一点目の課題であるが、「光電管方式」は「ビデオ方式」よりは簡易とはいえ、その設置には時間と労力がかかる。レーザー光線を用いた光電管の設置には、レーザー発光器の向きを正確に受光器に合わせる調整が必要である。また、スタートとゴールの間をケーブルでつなぐ必要がある。100メートル走ともなると、100メートルのケーブルを這わすことになり、その設置と片付けだけでもかなりの時間を使うことになる。学校の陸上部が練習するための運動場の使用時間が限られているような場合、設置や片付けのために時間を要すると、その分練習時間が減ることになる。
「光電管方式」の二点目の課題であるが、「光電管方式」では、競技者の体のどの部位であっても、レーザーを遮ればゴールと認識する。正式には胸がゴールラインを横切ったときがゴールと定義されているが、「光電管方式」では、競技者の身長のばらつきや、走行のフォームの違いなどによって、レーザーを遮る体の部位が異なる。さらに、振った腕やレーザーの設置位置によっては脚や頭などがレーザーを遮ってもゴールとみなされることもあり、一見正確に見えるが、実はかなり大きな計測誤差を伴っている。
「光電管方式」の三点目の課題であるが、「光電管方式」では、複数の競技者が僅差でゴールした際には、一部の競技者のタイムの計測ができなくなる。例えば、二人の競技者が体の厚み程度の僅差でゴールするとき、一人目が通過を終える前に、二人目がレーザーを遮り始めると、レーザーを切った回数は一回とみなされ、二位の競技者はゴールしたと認識されず、タイム測定が不能となる。
図1において、右の3人はスタート準備をしている競技者、左の3人はゴールしようと走っている競技者を模式的に示している。スタート付近にスタート用赤外線照射装置(2)を設置し、ゴール付近にゴール用赤外線照射装置(3)を設置する。競技者は携帯型計時装置(1)を身につけて走る。
図2のように、携帯型計時装置(1)は、赤外線信号検出手段(4)を備えており、スタートおよびゴールの際に赤外線信号検出手段(4)が赤外線信号を受信すると、計時手段(5)が計時を開始および終了する。赤外線信号検出手段は、図5のように、入射した赤外線を入射強度に応じた大きさの電気信号に変換する赤外線センサー(11)を備えている。赤外線信号検出手段(4)の動作の詳細は後述する。
図3のように、スタート用赤外線照射装置(2)は、スタートボタン(7)が押されることにより、スタート合図音発生手段(8)がスタート合図音を発生し、それと同時に赤外線信号照射手段(9)が赤外線信号を照射する。図1のように、スタート準備をしている競技者に赤外線信号が照射され、携帯型計時装置(1)の計時手段(5)が計時を開始する。図3に示されている、時間遅れ制御手段(10)の動作の詳細は後述する。
ゴール用赤外線照射装置(3)は、ゴールラインを含む鉛直面に平面的に赤外線信号を照射している。図1のように、競技者がこの面を通過すると、携帯型計時装置(1)の計時手段(5)が計時を終了し、スタートでの計時開始から、ゴールでの計時終了までにかかった時間が液晶表示装置などの表示手段(6)に表示される。
本発明の効果を「手測」と比較すると、まず、「手測」で必要なタイム測定用の担当者が不要になる。さらに、測定に人によるばらつきがなくなるので、正確な測定ができる。測定が正確になることで、競技者は今までと異なるフォームで走るなどの試みに対して、そのタイム測定結果に信頼を置くことができ、練習のモチベーションが高まる。
本発明の効果を「光電管方式」と比較すると、本発明には以下の三点の優位性がある。
一点目は、「光電管方式」に比べて、本発明は設置が簡易であることである。本発明はスタートとゴールにそれぞれ、スタート用赤外線照射装置(2)とゴール用赤外線照射装置(3)を置くだけなので、設置のために要する時間がほとんどかからない。運動場の使用時間に限りがあるような場合に、練習時間の一部を設置に使うといった無駄時間を減らし、より長い練習時間を確保することができる。
二点目は、本発明は小さな誤差でタイム測定ができることである。「光電管方式」では、競技者の体の一部がレーザーを遮ったらゴールと認識するので、胸がゴールを切ったときにゴールとみなす本来のゴールと比べて誤差がでる。また、腕がゴールを切ってしまうときには、腕の振りのタイミングは一定しないので、測定にばらつきが生じる。走行フォームにもよるが、腕の長さは50cm以上あり、その距離が誤差となりうる。本発明で、携帯型計時装置を腕の付け根に着けた場合、腕の振りによる誤差は、20cm程度となり、「光電管方式」で起こりうる誤差に比べて小さいものとなる。
三点目は、本発明は、僅差でゴールする複数の競技者を識別する能力が「光電管方式」に比べ、高いことである。「光電管方式」では、複数の競技者が僅差でゴールした場合、それらを識別できないという不具合がある。二人の競技者がゴールするときに、二人の競技者の間にレーザーが通過できる隙間ができるかどうかで、「光電管方式」の識別限界が決まり、それはおよそ人間の体の厚み程度といえる。さらに、振った腕がレーザーを遮るようなときは、一人が二度のゴールをしたと認識されることもあり、その状態で複数人がほぼ同時にゴールすると、識別能力はさらに低下する。本発明では、まったく重なってゴールした場合を除き、僅差でも測定が行える。携帯型計時装置(1)が、少しでも赤外線信号を検知すればゴールと認識するので、僅差でゴールする二人の差が、人間の体の厚みの半分程度であれば、携帯型計時装置(1)は、隣の競技者の少し前か、少し後ろで、ゴール用赤外線照射装置(3)からの赤外線信号を受信することができる。複数の競技者を練習時に走らせることで、競争心が芽生え、練習の効果が上がることが期待されるが、それは、実力の拮抗している者同士の場合に効果が高い。つまり、そのような場合は、ゴールが僅差になるので、本発明の効果はより高くなるといえる。
本発明を使用して、陸上競技の計時をする競技者の模式図。右の3人は携帯型計時装置(1)を身に付けて、スタート準備をしている。左の3人は、同じく、ゴールに向かって走っている。 携帯型計時装置(1)の機能ブロック図。 スタート用赤外線照射装置(2)の機能ブロック図。 ゴール用赤外線照射装置(3)が赤外線信号をゴールラインを含む鉛直面に赤外線信号を照射する際に、スリットで照射範囲を限定している様子。 赤外線信号検出手段(4)の詳細機能ブロック図。 赤外線信号が入射した際の、図5の各点での信号波形。 太陽光がステップ状に入射した際の、図5の各点での信号波形。 ゴール用赤外線照射装置(3)が間歇的な赤外線信号を出すときの、図5の点Aと点Dでの信号波形。
(1)携帯型計時装置
(2)スタート用赤外線照射装置
(3)ゴール用赤外線照射装置
(4)赤外線信号検出手段
(5)計時手段
(6)表示手段
(7)スタートボタン
(8)スタート合図音発生手段
(9)赤外線信号照射手段
(10)時間遅れ制御手段
(11)赤外線センサー
(12)バンドパスフィルター(BPF)
(13)検波器
(14)パルス幅検出器
(15)赤外線LED
(16)スリット
図1は、陸上競技の競技者が携帯用計時装置(1)を身につけて、短距離競技のタイム計測をしている様子の模式図である。右側の3人はスタート準備をしている競技者で、左側の3人はゴールしようとしている競技者である。スタート付近にスタート用赤外線照射装置(2)を設置し、ゴール付近にゴール用赤外線照射装置(3)を設置する。競技者は、腕の付け根などに携帯型計時装置(1)を取り付けて走る。携帯型計時装置(1)は図2に示されているように、赤外線信号検出手段(4)と計時手段(5)と表示手段(6)を備え、赤外線信号検出手段(4)が計時手段(5)の計時開始、計時終了を操作する。表示手段(6)は液晶表示装置などによってなり、計時手段(5)が測定した時間を表示する。
スタート用赤外線照射装置(2)は、図3のように、発光ダイオード素子(LED)などによってなる赤外線信号照射手段(9)とスタート合図音発生手段(8)とを備えている。さらに、スタートボタン(7)と時間遅れ制御手段(10)を備えている。
スタートにおいては、本発明では二種類の方式を提案する。一つ目の方式は、スタート合図担当者がいる場合で、スタート合図担当者はスタート用赤外線照射装置(2)のスタートボタン(7)を押すことで、スタート合図音を発生させると同時にスタート準備をしている競技者の身に着けている携帯型計時装置(1)に赤外線信号を照射する。この際、時間遅れ制御手段(10)は特に時間遅れを制御せず、スタートボタン(7)から来る信号をスタート合図音発生手段(8)と赤外線照射手段(9)に送るだけでよい。
スタートボタン(7)は、プッシュスイッチなどの電気回路用スイッチでもよいし、スタートピストルを用いてもよい。スタートピストルは火薬を破裂させるレバーが降りた瞬間に電気的なスイッチが入るようにするのが好ましい。
二つ目の方式は、競技者自身がスタート用赤外線照射装置(2)を操作する場合である。競技者はスタートボタン(7)を押し、スタート準備に入る。時間遅れ制御手段(10)は、スタート合図音発生手段(8)に「ヨーイ」に相当する信号を送ると、スタート合図音発生手段(8)は「ヨーイ」に相当する合図音を発し、所定の時間をおいて「ドン」に相当する信号をスタート合図音発生手段(8)と赤外線信号照射手段(9)にも同じタイミングで信号を送る。これにより、スタート合図音発生手段(8)が「ドン」の合図音を発生し、同時に、赤外線信号照射手段(9)が赤外線信号を照射する。
この際、「ヨーイ」と「ドン」の時間間隔が一定だと競技者が見込みでスタートできてしまい、正確な計時にならないので、請求項6では、「ヨーイ」から「ドン」までの時間間隔が不定になるように、時間遅れ制御手段(10)に、以下のような仕組みを組み込むことを提案する。
乱数、もしくは、繰り返し数値ではあるが、人間が繰り返しを感知できない程度に繰り返し周期の長い複数の数値を発生する装置から発生された数値に基づいて、「ヨーイ」と「ドン」の時間間隔を設定することで、見込みスタートができなくなる。「ヨーイ」を起動するクロックと「ドン」を起動するクロックが非同期で動作しているようにするという方法も、この目的には適したものである。
上記の二つの方式のいずれの場合も、赤外線照射手段(9)が赤外線を照射する時間は、赤外線信号検出手段(4)が、赤外線信号を検出できるに十分な長さがあれば十分である。さらに、競技者が身に着けている携帯型計時装置(1)は、スタート用赤外線照射装置(2)が照射する赤外線信号を受信すると計時を開始する。
ゴール用赤外線照射装置(3)は、ゴール付近で赤外線信号を継続的に照射している。携帯型計時装置(1)がその照射領域に入ると、計時を終了する。スタートからゴールまでの時間が携帯型計時装置(1)の液晶表示板などの表示手段(6)に表示される。
ゴール用赤外線照射装置(3)は、図4のように、赤外線信号を照射する赤外線LED(15)とその照射領域を制限するスリット(16)を持ち、照射される赤外線信号の照射領域が、二面に挟まれた薄い板状になるように、赤外線LED(15)とスリット(16)の配置がなされている。携帯型計時装置(1)がこの照射領域に入るときに、赤外線信号を検出して、計時を終了するので、この二面のうち、競技者からみて手前に形成される面が、実質的なゴールになる(以下、これを照射ゴール面と呼ぶ)。設置の際には、照射ゴール面がゴールラインを含む鉛直面と一致するように、ゴール用赤外線照射装置(3)の位置を決める。
図4の直角記号で示されるように、ゴール用赤外線照射装置(3)の前面と垂直に照射ゴール面が形成されるように、赤外線LED(15)とスリット(16)を配置すると、ゴール用赤外線照射装置をゴール位置に設置する際に、照射ゴール面を正確にゴールラインに合わせることが簡易になる。
この装置を正しく動作させるに当たって、太陽光による妨害が問題になる。太陽光には非常に強い赤外線が含まれているので、晴れの日には、スタート用赤外線照射装置(2)やゴール用赤外線照射装置(3)からの赤外線信号の強度に比べ、はるかに大きい強度の赤外線が赤外線センサー(11)に入射される。
太陽光により生じる問題は、以下の三点である。一点目は、赤外線センサー(11)の入力が太陽光で飽和し、感度を持たなくなるという問題である。二点目は、検出すべき赤外線信号が太陽光に比べて相対的に弱く、検出が困難であるという問題である。三点目は、太陽光の赤外線で赤外線検出手段(4)が誤検知をしてしまうという問題である。これらの障害を克服するための工夫について以下に説明する。
まず、一点目の飽和の問題の解決策を示す。太陽光には非常に強い赤外線が含まれている。赤外線センサー(11)は特定波長の赤外線にのみ感度を持つが、太陽光に含まれるその限られた波長の赤外線だけでも、赤外線センサーは入力が飽和してしまい、それ以外の信号に対して感度を持たなくなる。本発明では太陽光を減衰させるために、センサー部分を不透明なケースで覆うことを提案する。これにより、赤外線センサー(11)に入射する太陽光は赤外線センサー(11)を飽和させない程度まで減衰し、赤外線センサー(11)の感度が維持できる。これは、請求項2で期待される効果のひとつである。
しかしながら、不透明なケースは、検出すべき赤外線信号をも減衰させてしまうので、太陽光との相対的な強度関係に変化はなく、その検出は困難である。これが、前記二点目の問題であり、以下にその解決方法を示す。
本発明の請求項3では、スタート用赤外線照射装置(2)およびゴール用赤外線照射装置(3)から照射される赤外線信号を、太陽光の影響を排除して正確に検出するため、その赤外線信号に特定の周波数で振幅変調を施す工夫を提案している。太陽光は全体としてのパワーはスタート用赤外線照射装置(2)やゴール用赤外線照射装置(3)の照射する赤外線信号よりはるかに大きいが、変調を施された成分はそれほど大きくない。
図5は、赤外線信号検出手段(4)の詳細なブロック図である。また、図6に図5に書かれた各検出点A、B、C、および、Dにおける信号の様子が示されている。赤外線センサー(11)には、図6のAのように、振幅変調を施された赤外線が入射する。例えば、その振幅変調周波数は40kHzとする。赤外線センサー(11)は、入射した赤外線をその強度に応じた電気信号に変換し、その出力は図6のBに示されるように40kHzで繰り返す矩形波になり、後段のバンドパスフィルター(BPF)(12)に入力される。BPF(12)はその通過帯域の中心周波数を振幅変調周波数と同じ40kHzとすることで、所定の振幅変調に対応する赤外線センサー(11)の出力だけがBPF(12)を通過することになり、太陽光の持つそれ以外の成分はここで遮断される。BPF(12)を通過した電気信号は、図6のCに示されるように、40kHzの正弦波に近い状態になり、検波器(13)で検波さる。検波された信号が所定の電圧以上であれば、赤外線信号が受信されたと認識し、検出信号が、図2のように、計時手段(5)に送られる。この際、図5に示したパルス幅検出手段(14)は使用せず、検波器(13)の出力が所定の電圧以上であれば、赤外線信号が検出されたとみなす。パルス幅検出手段(14)は、使用環境によっては必要ない場合もあり、その機能の詳細は後述する。
太陽光そのものは、急激に強度が変動することはない。雲に隠れたり、雲から現れたりする際の変化の速さはせいぜい秒の単位である。よって、赤外線信号の振幅変調周波数として、例えば40kHzを選べば、太陽光の自然現象による振幅変動に含まれる40kHz近辺の成分は十分に小さく、所望の変調周波数で変調された赤外線のみを検出することで、太陽光の影響を排除し、正確な検出が可能となる。
最後に、前記三点目の問題である誤検出とその解決策について説明する。赤外線センサーに入射する太陽光の強度が急に変化する場合がある。たとえば、競技者が日陰から日向に走り出るような場合や、競技者が腕を振って走る際に、腕に着けたタイマーが陰になったり日向になったりするような場合である。図7のAのように、太陽光が急に赤外線センサー(11)に入射すると、赤外線センサー(11)は図7のBのようなステップ的な出力を出すことになる。ステップが急峻な場合、そのステップ応答に、振幅変調周波数(たとえば40kHz)の成分も存在するため、BPF(12)にその成分が通過し、図7のCのような出力波形が生じる。検波器(13)はそれを検波し、図7のDのように、赤外線信号を検出したという信号が出力されてしまう。本発明では、この現象を誤検出と呼んでいる。
請求項4では、図5のパルス幅検出器(14)を赤外線検出手段(4)に追加することを提案する。急に入射する太陽光による検出信号はB点においては、ステップ状の信号となり、C点においては所望の周波数成分が出力されるものの、短い時間で減衰する。ここで、例えば、振幅変調周波数を40kHzとして、BPF(12)の通過帯域幅を2kHz程度とすると、図7のBのようなステップ信号は、そこに含まれる40kHzの周波数成分がBPF(12)を通過するものの、その成分は2kHzの逆数程度の時間、つまり、0.5ミリ秒程度で減衰する。つまり、C点における信号を検波して得られるD点の信号は、0.5ミリ秒程度の限られた時間幅しか存在しない。パルス幅検出器(14)は、検波器(13)が検波した信号の継続時間に閾値を設け、信号が所定の長さ以上続いた場合にのみ後段に信号を通過させる機能を持つ。これにより、本来の赤外線信号が入射した場合のように、図5のD点において十分な長さの信号が続くときには、赤外線信号が受信されたとみなし、所定の時間続かないときは、それを受信とみなさないことで、太陽光が急に入射した際に起こりうる誤検出を回避することができる。
請求項2で提案されている、不透明なケースで赤外線センサーを覆う工夫は、前記太陽光の急な入射による誤検出の確率を低減させる効果も持つ。不透明ではあるが、赤外線を散乱してその一部を透過させるような素材、例えば、ABS樹脂のナチュラル色、で携帯型計時装置(1)全体を覆うと、赤外線センサー(11)に入射してくる太陽光強度の急な変化が緩和される。携帯型計時装置(1)が日陰から日向に移動する際、ケースの端から太陽光が当たり始め、徐々にその当たる面積が増え、最後には全面に当たる、という過程を経る。ケースは不透明であるが、赤外線を散乱しながらその一部を透過するので、赤外線センサー位置の真上でなくても、ケースの端の方の一部分に太陽光が照射すると、その一部が散乱され赤外線センサー(11)に入射される。携帯型計時装置(1)が日陰から日向に入る過程において、赤外線センサー(11)に入射する太陽光の強度は急なステップ状にならず、ゼロから徐々に増大し、最終的には最大強度に至るスロープ状になる。
たとえば、ケースのサイズを10cmとし、タイマーの動く早さを10メートル毎秒とすると、赤外線センサー(11)に入射する太陽光強度は10ミリ秒程度かけてゼロから最大強度まで上昇するスロープ状になる。それにしたがって、赤外線センサー(11)の出力も10ミリ秒程度で立ち上がるスロープ状の波形となる。後段のBPF(12)の通過帯域周波数を40kHzとすると、赤外線センサー(11)からの出力に含まれる40kHzの周波数成分は、出力が急峻なステップ状のときと比べて、小さな振幅になり、検波器(13)の出力は、後段のパルス幅検出器(14)に出力があったと認識しない程度に小さなものになるという効果が期待される。
以上、検出感度を上げつつ、誤検出を下げる工夫を示したが、そのような工夫をしなくとも、赤外線信号が十分に強ければ問題がないという発想もある。太陽光を減衰させるケースをより透明度の低いものにして、太陽光を減衰させても、赤外線信号が十分強ければ、上記の問題は解決してしまう。よって、スタート用赤外線照射装置(2)とゴール用赤外線照射装置(3)の照射する赤外線強度はできる限り強くするのが望ましいわけだが、電池の消耗の問題がある。スタート用赤外線照射装置(2)は、スタートの一瞬だけ赤外線を照射するので、電池の消耗の問題は発生しないが、ゴール用赤外線照射装置(3)は常に赤外線を照射し続けているので、電池の消耗が問題になる。
請求項5では、ゴール用赤外線照射装置(3)の電池の消耗を低減する工夫として、赤外線信号を間歇的に照射する工夫が提案されている。赤外線信号の照射時間として、例えば、3ミリ秒を照射、7ミリ秒を照射しない時間とする。これにより、電池の消耗は30%に抑えられる。パルス幅検出器(14)の閾値として、2ミリ秒を選べば、3ミリ秒続く間歇的赤外線信号正しく受信し、急に入射する太陽光による検波器(13)の出力は0.5ミリ秒程度しか続かないので、受信したとみなさないことになる。
また、赤外線信号が間歇的になることで、測定に誤差が生じる。前期の例で、3ミリ秒の照射を10ミリ秒の周期で繰り返す場合、最大10ミリ秒の測定誤差が生じる。しかし、10ミリ秒、つまり、0.01秒程度の誤差は、陸上競技の練習でタイムを測定する際には気にされない程度のものである。この工夫により、誤検出の確率を上げることも、測定誤差を問題となるくらい増やすこともなく、ゴール用赤外線照射装置(3)の電池の消耗を低減することができる。
以上、信号が入っているのに検出しないという不感の問題と、信号がないのに検出信号が出てしまうという誤検出の問題(以後、これらを合わせて誤動作と呼ぶ)を示し、誤動作の確率を低減するための工夫として、不透明なケースの使用(請求項2)、赤外線信号を振幅得変調する工夫(請求項3)、パルス幅検出器(14)により一定時間以下の検出信号を排除する工夫(請求項4)、赤外線信号を強くする(強くしても電池が消耗しにくくする)工夫(請求項5)を提案した。しかし、室内や曇りの日における使用では、上記工夫の効果はそれほど大きくない(なくても大丈夫な場合が多い)。つまり、上記工夫の効果の度合いは天候や使用環境に左右される。さらに、同じ晴れた日でも、太陽光の角度や向き、日陰と日向の境界の状態(明確かぼんやりしているか)などが大きく影響する。また、競技者の走るスピード、腕に取り付ける携帯型計時装置(1)の位置や角度、競技者固有の腕の振り方や角度、ケースが縦向きに日向にでるか、横向きに出るか、ゴールする瞬間の腕の動き、スタート用赤外線照射装置(2)の設置位置、ゴール用赤外線照射装置(3)の設置位置、電池の残量、などの複数の総合的要因で誤動作は確率的に発生する。上記工夫は、どれかを行ったからといって、一気に問題が解決するという類のものではなく、それぞれが、誤動作を確率的に低減するものであると解釈するのが正しい。これらの工夫を総合することにより、悪条件においても、誤動作の確率は実使用に耐える程度のものとなる。
以上の工夫により、本発明では、最悪条件(快晴の太陽が赤外線信号と同じ方向から照っている)において、4人の競技者が同時に測定可能であり、また、単3電池が50時間程度持ち、測定誤差が10ミリ秒以内に入り、100回以上の試行において誤動作が見られないという解が得られることを確認している。ここで、競技者の人数について言及したが、競技者の数が多いと、遠くまで赤外線信号が届かないといけないので、実現が困難になるが、前期したように、同時に競技者を走らせることで、競争意識が高まり、練習の効果が上がることが期待されるので、多くの競技者のタイムを同時に測定できる機能は本発明にとって大切なものである。
本発明への要求は、そのクラブやチームによって異なると想像される。競技者の人数、競技者のレベルや問題意識、練習場の環境、設置場所、練習時間や頻度、測定精度への期待、電池の持ちへの期待、装置の大きさや重さへの期待、など、それぞれ異なった使用条件や装置への要求がある。以上の説明において、変調周波数、時定数、パルス幅の閾値、間歇信号の幅と周期、また、ケース素材やサイズを具体的に示したが、これらは、上記それぞれの条件に応じて最適値が存在するものであり、本発明は、それらを限定するものではない。
スキー競技のように、選手が移動を開始したことを検出して、それをスタートの開始時刻とする競技がある。本発明はそのような競技にも応用できる。請求項7では、スタート用赤外線照射装置(2)に、競技者が移動を開始したことを物理的に検知する手段を追加し、その検知と同時にスタート用赤外線照射装置(2)が赤外線信号を照射するような工夫を提案している。一般的にスキーのスタートはスタートバーと呼ばれる、ブーツの脛のあたりに設置されたバーを競技者がスタートの際にブーツで跳ね除けるときにスタートが認識される。このスタートバーが動いた際に、電気的にスイッチが入るものを、スタート用赤外線照射装置(2)のスタートボタンに代用して使えば、陸上競技と同様の効果が得られる。この際には、合図音を必ずしも発生させる必要はないが、合図音を発生させない場合も本発明の請求範囲とする。

Claims (7)

  1. 競技者がスタートからゴールまでに費やした時間を競う競技で、スタートとゴールの位置が物理的に離れており、比較的短い時間で競技が終結する競技の練習用に用いられる計時装置で、スタート付近に設置されたスタート用赤外線照射装置と、ゴール付近に設置されたゴール用赤外線照射装置と、競技者が身に着けて走る携帯型計時装置とによって構成され、該携帯型計時装置は赤外線信号検出手段を備え、該スタート用赤外線照射装置はスタートの合図音を発すると同時に赤外線信号を照射し、該携帯型計時装置はその赤外線信号を検出して計時を開始し、該ゴール用赤外線照射装置はゴールラインに平行な鉛直面に赤外線信号を継続的に照射し、該携帯型計時装置を身に着けた競技者が該ゴール用赤外線照射装置の照射する赤外線面を通過したとき、該携帯型計時装置はその赤外線信号を検出して計時を終了することを特徴としたもの
  2. 該携帯型計時装置は、赤外線を散乱しながらその一部を通す不透明な物質で全体もしくは該赤外線信号検出手段を覆っていることを特徴とした、請求項1の計時装置
  3. 照射される赤外線信号は、所定の周波数で振幅変調をしたものであることを特徴とした、請求項2の計時装置
  4. 赤外線信号の検出が所定の時間以上継続したときにのみ検出を認めることを特徴とした、請求項3の携帯型計時装置
  5. ゴール用赤外線照射装置が照射する赤外線信号は、その照射が間歇的になされたものであることを特徴とした、請求項4の計時装置
  6. 該スタート用赤外線照射装置は、競技者自身がそのスタート合図のボタンを押すことができ、ボタンが押されてから所定の時間を置いた後に「ヨーイ」と「ドン」に相当する合図音を発生し、「ドン」の合図音と同時に赤外線を照射するものであり、「ヨーイ」と「ドン」の間の時間間隔が一定でないことを特徴とした、請求項3の計時装置
  7. 該スタート用赤外線照射装置は、競技者自身が移動を開始したことを物理的に検出する手段を備え、競技者が物理的に移動を開始したことを検出すると同時に赤外線信号を照射することを特徴とした、請求項3の計時装置
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