JP2012531322A - 測定システムのための較正方法 - Google Patents

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Abstract

本発明によれば、前記較正測定サイクル(MZ)が複数の部分サイクル、特に多数の部分サイクル(TZ1,TZ2,TZ3,TZ4,TZ5,TZ6,TZi)に分割され、該部分サイクルそれぞれに前記較正測定(KM)の内の一つ又は複数が対応付けられ、さらには、前記サイクル(Ta)が維持されながら、前記部分サイクル(TZ1,TZ2,TZ3,TZ4,TZ5,TZ6,TZi)それぞれが複数の前記位置決め休止期間(Pa)の内の一つにおいて実施され、前記較正測定サイクル(MZ)が複数の位置決め休止期間(Pa)、特に多数の位置決め休止期間(Pa)にわたり分散される。

Description

本発明は、請求項1の上位概念に記載されている、測定システムのための較正方法、請求項13に記載されている、較正を実施するためのコンピュータプログラム製品、並びに、請求項14に記載されている、工業プロセスの範囲内で所期のように位置決定すべき対象の位置を決定するための測定システムに関する。
産業用ロボット及び測定システムを用いて、空間内の所定の最終姿勢に少なくとも一つの対象を高精度で位置決めするための方法及びシステムは、例えば自動車工業の自動化された製造ラインにおける組み立てプロセス及び製造プロセスに使用される。作業ステップを実施するために、対象、例えば、車両ボディーの薄板部品又はその他の車両ボディーの部品は、産業用ロボットによって、空間内の所定の位置に所定の配向において高精度で運ばれなければならない。
従来技術からは、把持装置によって把持された対象を空間内の所定の位置に所定の配向で所期のように位置決めするための移動運搬システム、特に産業用ロボット、例えば関節アームロボットが公知である。産業用ロボットは内部測定システムを有することができ、この内部測定システムによって移動運搬システムの関節の位置を検出することができ、従って、空間内の把持装置の位置及び配向に関する情報を提供することができる。
この情報を用いて、ロボット制御部に相応の入力を行うことにより、把持装置によって把持されている対象も含めて、把持装置を所定の位置に調整することができる。即ち、空間内の把持装置の位置を設定することによって、把持されている対象は位置決めされる。しかしながら、このような位置決めにおいては以下の二つの問題が生じる。
第1の問題は、重い対象を保持するために構成されている従来の産業用ロボットの内部測定システムの精度が低く、把持装置が多くの製造方式において必要とされているような正確な姿勢を空間内で取ることができないことである。確かに、産業用ロボットの駆動部は十分な精度を有しているが、産業用ロボットの測定システムは十分な精度を有していない。連続的な運動によって、個々の測定構成部材の測定誤差は何倍にもなる。このことは、個々の測定構成部材の測定精度、特に関節アームロボットの角度測定器の測定精度からも、ロボットアームの不可避の弾性からも生じる。
第2の問題は、大抵の場合は対象を把持装置の許容差内でしか把持できないので、空間内の把持装置の位置、従って、把持装置の姿勢から、その空間内の対象の姿勢が必ずしも得られるものではないことである。この把持装置の許容差は所要位置決め精度を大幅に上回っていることが多い。従って、把持誤差、即ち把持装置に対する対象の相対的な姿勢も同様に考慮しなければならない。このために、もはやロボットには属していない別個の測定システム、特に非接触式の光学測定装置が使用される。そのような非接触式の光学測定システムを用いることより、対象を所要の精度でもって所定の姿勢で空間内に位置決めすることが漸く可能になる。
工業プロセスの範囲内で対象を所期のように高精度で空間内の最終姿勢に位置決めすることができる、その種の非接触式の測定システムは、例えば二つの欧州特許文献第07124101.2号及び第09161295.2号から公知であり、従って以下ではそれらの測定システムについて説明する。
欧州特許第07124101.2号に記載されている方法は、産業用ロボットと、第1の光学記録装置と、少なくとも一つの第2の光学記録装置とを用いて実施される。第1の産業用ロボットは、所定の位置に位置調整することができる。またこの産業用ロボットは内部較正可能なものであり、更には三次元空間座標系において較正され、この座標系に関連付けられる。三次元空間座標系において較正されており、且つ、既知の配向で既知の第1の位置に位置決めされている第1の光学記録装置は、所定の第1の視野における画像記録のための光学的に較正された第1のカメラと、第1のカメラの配向を調整して第1の視野の位置調整を行なうための第1の駆動ユニットと、空間座標系において較正されている、第1のカメラの角度配向を高精度で検出するための第1の角度測定ユニットとを有しているので、第1の視野を空間座標系において検出することができる。三次元の空間座標系において較正されており、且つ、既知の配向で既知の第2の位置に位置決めされている、少なくとも一つの第2の光学記録装置は、所定の第2の視野における画像記録のための光学的に較正された第2のカメラと、第2のカメラの配向を調整して第2の視野の位置調整を行うための第2の駆動ユニットと、空間座標系において較正されている、第2のカメラの角度配向を高精度で検出するための第2の角度測定ユニットとを有しているので、第2の視野を空間座標系において検出することができる。少なくとも二つの記録装置を用いて、視野を少なくとも部分的に重畳させることによって、少なくとも一つの対象の三次元画像記録が実現されるように、少なくとも二つの位置、即ち、第1の記録装置及び第2の記録装置は間隔を置いて配置されている。
この方法では、以下のステップが実施される:
光学的に検出可能な既知の第1の特徴的要素を有している第1の対象が、第1の産業用ロボットによって把持装置の許容差内で把持及び保持される。
把持装置の許容差を補正するその種の第1の調整量が第1の産業用ロボットに関して決定されるので、第1の産業用ロボットの位置を設定することによって、第1の対象を空間座標系において調整して位置合わせすることができる。この第1の調整量の決定は以下のステップを実施することによって行なわれる:少なくとも二つのカメラの視野が少なくとも部分的に重畳するように、駆動ユニットを用いて、第1の産業用ロボットの第1の調整位置に保持される第1の対象の第1の特徴的要素の少なくとも一部へとカメラの配向を調整するステップ。二つのカメラを用いて画像を記録するステップ。記録装置の位置と、角度測定ユニットによって検出されたカメラの角度配向と、第1の記録画像と、第1の対象における第1の特徴的要素の知識とから、第1の産業用ロボットの第1の調整位置における、空間座標系内の第1の対象の姿勢を決定するステップ。第1の産業用ロボットの第1の調整位置と、少なくとも第1の産業用ロボットの第1の調整位置における第1の対象の所定の姿勢とを使用して第1の調整量を決定するステップ。
所定の許容差内で第1の最終姿勢に到達するまで、以下のステップの繰り返すことによって、第1の対象は高精度で第1の最終姿勢へと位置調整される。
カメラを用いて別の第1の画像を記録するステップ。記録装置の位置と、角度測定ユニットによって検出されたカメラの角度配向と、別の第1の記録画像と、第1の対象における第1の特徴的要素の知識とから、空間座標系における第1の対象の最新の姿勢を検出するステップ。第1の対象の最新の姿勢と第1の最終姿勢との間の姿勢差を計算するステップ。第1の調整量を考慮して、第1の産業用ロボットの最新の姿勢と、姿勢差に関連付けられたパラメータとから、第1の産業用ロボットの新たな目標位置を算出するステップ。第1の産業用ロボットを新たな目標位置に位置調整するステップ。
更に、欧州特許第07124101.2号には、産業用ロボットと、第1の光学記録装置と、第2の光学記録装置と、制御ユニットとから成る、少なくとも一つの対象を空間内の最終姿勢に高精度で位置決めするための同様のシステムが開示されている。このシステムにおいては、複数の記録装置及び産業用ロボットによって上述の方法が相応に実施されるように、それら記録装置及び産業用ロボットが制御ユニットによって制御される。
この刊行物に記載されている方法及び相応のシステムは、フレキシビリティ、精度及び高い処理速度の点に優れている。
欧州特許第09161295.2号には、欧州特許第07124101.2号に記載されている方法及びシステムと同様に、少なくとも一つの対象を空間内の最終姿勢に高精度で位置決めするための方法及びシステムが開示されているが、ここでは記録装置として3D画像記録装置が使用されている。
従来技術からは、種々の3D画像記録装置が公知である。例えば、実質的に二つ又は三つのカメラから構成されている3D画像記録装置が存在する。この3D画像記録装置では、カメラが、それぞれ異なる視点であるが固の相対的な視点からのシーンを記録するために相互に固定的に結合されて、相互に間隔を空けて、即ちステレオベースを有するように共通のケーシング内に収容されている。記録された面区画は、画像の電子的な処理を実現する特徴的な画像要素を必ずしも有していないので、その面区画にはマーキングが施される。3D画像記録ユニットから面区画に投影される構造化された光ビーム、特にレーザビームを用いることにより、そのようなマーキングを形成することができる。光ビームは例えば光学的なパターン又は光学的なマーキングクロスを投影する。通常の場合、この種の3D画像記録装置は、異なる視点から実質的に同時に記録された複数の画像に基づき三次元画像を導出する画像処理装置も含んでいる。
この種の3D画像記録装置は例えば、「CogniTens」社の商標名「Optigo」及び「OptiCell」で知られている、二等辺三角形に配置されている三つのカメラを備えた画像記録システムであり、また、「ActiCM」社の商標名「Advent」で知られている、相互に並んで配置されている二つの高解像度CCDカメラと、構造化された光を記録すべき部分に投影するためのプロジェクトとを備えたシステムである。
測定して記録すべき画素の座標の検出は、通常の場合、画像内の基準化されたマークを用いて行なわれる。そのような基準化されたマークから本来の3D座標測定が行なわれる。記録した三次元画像に関連付けられており、従って、3D画像記録ユニットに関連付けられている画像座標系は、測定されるべき対象が存在しており、且つ、例えば対象のCADモデルの基礎となる対象座標系に変換される。この変換は、対象座標系において既知の位置を有している、記録された基準マークに基づき行なわれる。従来技術から公知である3D画像記録ユニットを用いることにより、0.5mmの精度が達成される。
更に、3Dスキャンシステムは特に、電気光学的な距離測定を用いる3Dスキャナの形態のものが公知である。この3Dスキャンシステムは、面区間内で深度スキャンを実施し、散布図を形成する。点状の測定ビームが面を点状にサンプリングするシリアルなシステムと、線状の測定ビームが面を線状にサンプリングするパラレルなシステムと、面領域の複数の点が同時にサンプリングされ、従って、面領域の深度記録が実施される全パラレルなシステムとは区別される。それらのシステムは全て、通常の場合、面に配向される、及び/又は、面にわたり移動する少なくとも一つの距離測定ビームの深度サンプリングを行なう点で共通している。
更には、RIM又はRange Imaging Systemeとも称される、RIMカメラも存在する。このRIMカメラを用いることにより、各画素又は画素のグループに関する深度情報を検出しながら、それと同時に対象の画像を記録することができる。従って、単一の装置を用いて三次元の画像を記録することができる。その種の三次元の画像では各画素又は複数の画素グループに1つの深度情報、即ちカメラに対する距離情報が対応付けられている。
WO 2007/004983 A1 (Pettersson)からは、製品、特に型押しされた金属薄板又は結合薄板を溶接して接合するための方法が公知である。接合された製品は産業ロボットによって保持され、この産業用ロボットによって対向する溶接結合部へと相互に相対的に位置決めされる。溶接接合部を形成している間に、製品は産業用ロボットによってそれぞれの姿勢に保持されるので、部品の相対的な姿勢は相互に維持されたままである。溶接は例えば溶接ロボットを用いて行なわれる。測定システムは、溶接プロセスを行なう前の製品の位置決めを実現するために製品の位置を測定する。この測定は特に溶接プロセスの間に継続的に行なわれる。上述の方法によって、通常は一般的である、製品固有で製造に時間の掛かる形状の使用は省略され、更には、溶接の前に製品を固定しなければならない製品収容部の使用も省略することができる。産業用ロボットは、種々に成形及び構成された製品に関して普遍的に使用することができる。何故ならば、測定システムを用いた製品の位置の検出によって、製品の識別及び制御、並びに、部分相互の正確な相対的な位置決めが実現されるからである。従って、種々の製品に対して単一のシステムを使用することができる。つまり、製品収容部の交換は不要である。上述の刊行物に記載されている方法は、特に金属薄板の溶接、とりわけ自動車産業における金属薄板の溶接に適している。一般的には、考えられる測定システムとして、製品上の事前に規定された点が測定されるレーザ三角測量法が挙げられる。このために、例えば製品に反射器が取り付けられている。上述の刊行物によれば、各反射器の位置は光源及び二次元の検出器を用いて求められるので、製品の位置及び配向はその種の三つの点を用いて検出することができる。
これらのシステム及び方法では、対象上の記録された複数の点の位置が、画像処理システムによる非接触式の写真測量法的な座標測定を用いて求められることで共通している。
工業プロセスの範囲内で対象を高精度で目標位置に位置決めすることができるその種の測定システムを較正するために、標準的に実行される所定の較正測定サイクルの複数回の較正測定が実施される。較正測定サイクルは、少なくともある程度の数の種々の較正測定が実施されるように構成されている。較正測定を実施した際に検出された較正測定データに基づき較正パラメータを決定することができる。この較正パラメータは少なくとも、測定システムの記録装置の所定の座標系内の位置及び配向に関連付けられており、また特に、測定システムの個々のコンポーネントの内部較正パラメータ、例えばカメラ定数、視心、カメラ歪み、角度測定ユニットの較正パラメータ等にも関連付けられている。
特に、較正測定サイクルにおいては、検出された較正測定データによって較正パラメータが決定される程度の数の種々の較正測定を実施することができる。この場合、曲線あてはめ、特に最小二乗法に従った曲線あてはめによって較正パラメータを求めることができる。
較正測定では、例えば、第1のカメラに基づいて画像を種々の配向で検出することができ、また、角度測定ユニットに基づいてその都度の角度配向を検出することができる。更には、検出された画像における一つ又は複数の所定のターゲットマークの画像座標を電子的な画像処理に基づき決定することができる。特に、空間内に所期のように配置されているターゲットマークの位置、及び/又は、空間座標内のターゲットマーク間の距離は高精度で既知である。
即ち、較正測定サイクルの較正測定は例えば、その都度、一つ又は複数のカメラの角度配向を変更させながら、特に事前の規定に従い変更させながら実施される、及び/又は、空間座標系内のターゲットマークの位置を変更させながら実施される。ターゲットマークの位置、及び/又は、空間座標系内での較正測定間のターゲットマークの変位がその都度既知であるか、又は、一緒に決定される。続いて、複数の異なる較正測定が実施される較正測定サイクルのそのような事前にプログラミングされたシーケンスの実施時に検出された較正測定データの総括から、測定システムの最新の外部較正パラメータ及び最新の内部較正パラメータを求めることができる。
周囲環境は一定ではないので、測定システムには時間に依存する外的な影響(温度変化、振動及び/又は変形に起因するドリフト)が及ぼされる。これによって、反復的な較正、特に測定システムの全ての記録装置の外部配向パラメータの較正が必要となる可能性がある。
最新の周囲環境及び外的な影響に関して、その都度十分に適合された較正パラメータを得るために、通常の条件下での測定システムの完全な再較正が例えば一日二回実施されるべきである。従来技術から公知である較正測定サイクルを実施する場合、この再較正は毎回約30分以上の時間を必要とするので、製造サイクル時間の何倍もの時間にわたり製造が中断することも考えられる。(例えば自動車産業における)通常の工業プロセス/製造プロセスにおいては一般的な製造サイクル時間は、製造ステップ/加工ステップ(溶接、接着、折り畳み、搬送、検査等)又は加工すべき部品(ドア、ボディ、屋根、ボンネット等)の複雑性に応じて、約30秒から約120秒である。
この結果、一方では可能な限りその都度時宜に適って較正された測定システム、従って、高い精度を実現する測定システムを提供し、他方では測定システムが使用される工業プロセス/製造プロセスの製造の進捗が較正プロセスによって可能な限り僅かな程度でしか妨害もしくは遅延されないようにするため、それどころか全く妨害もしくは遅延されないようにするという二つの目的が衝突することになる。この目的の衝突は従来技術においては十分に解消されていない。
更には、例えば一日二回の再較正のそのような「時間的な無作為検査」自体も、工業プロセスの範囲内での対象の高精度の位置決めのために行なわれる位置決め測定への直接的で即時的な介入(変更)を実現するものではない。
従って本発明の課題は、工業プロセスの範囲内で所期のように位置決めすべき対象の位置を決定するために構成されている、測定システムの改善された較正方法を提供することである。特に本願発明では上述したような目的の衝突が良好に解消され、その結果、測定システムの較正パラメータがその都度の十分に最新のものとして外的な条件に適合されており、それにもかかわらず、工業プロセス/製造プロセスがそのために必要とされる較正測定によって僅かな程度でしか(それどころか、有利には全く)妨害されない、及び/又は、遅延されないようにされるべきである。
この課題は、独立請求項の特徴部分に記載されている特徴的な構成によって解決される。本発明を代替的なやり方、又は有利なやり方で発展させる特徴的構成は従属請求項に記載されている。
本発明は、工業プロセスの範囲内で空間内の所定の最終姿勢に位置決めすべき対象(例えば、プロセスの範囲内で加工すべき一つ又は複数の部品もしくはプロセスの範囲内で使用される工具)の位置を決定するよう構成されている測定システムのための較正方法に関する。測定システムは特に、対象上の特徴的な複数の点の位置又はマークされた複数の点の位置を、画像処理システムによる非接触式の写真測量法的な座標測定を用いて求めるように設計されている。当業者には公知であるように、測定システムはこのために少なくとも一つの第1の記録装置を有することができ、この第1の記録装置は、第1の視野における第1の画像を検出するための第1のカメラと、第1のカメラの第1の角度配向を高精度で検出するための第1の角度測定ユニットとを備えている。特に、その種の少なくとも二つの記録装置を測定システムの一部として設けることもできる。
空間内の対象の所期のような高精度での位置決めを実現する測定システムが使用される、工業プロセスの範囲内(例えば自動車の部品の製造プロセス)においては、既知のサイクルにおいて以下のことが繰り返される:
−位置決め期間中に対象が所期のように位置決めされ、従って測定システムによる位置測定が対象の位置決めに関して実施される。
−位置決め休止期間中にその他の処理ステップ、特に、加工ステップ、精密加工ステップ、制御ステップ及び/又は搬送ステップ(例えば、溶接、接着、折り畳み、搬送、検査等)が実施される。
サイクルは工業プロセスの進捗を規定及び制御する。
較正方法の範囲内では、当業者にはそれ自体公知である以下のステップが実施される:
−較正測定データの検出と共に較正測定サイクルの較正測定を実施するステップ。較正測定サイクルは、検出された較正測定データに基づき、所定の座標系における第1の記録装置の位置及び配向に少なくとも関連している較正パラメータを決定することができる程度の数の種々の較正測定を少なくとも有している。
−較正測定データに基づき較正パラメータを求めるステップ。
しかしながら本発明によれば、較正測定サイクルの較正測定は、従来技術によれば慣例であるように、例えば工業プロセスの範囲内で測定システムの測定機能を開始する前の関連するブロックにおいては実施されない。これに対して、本発明によれば、従来技術から公知であるen-blocな実施、すなわち包括的な実施とは異なり、較正測定サイクルは複数の部分サイクル、特に多数の部分サイクルに分割されており、それらの部分サイクルそれぞれに較正測定の内の一つ又は複数が対応付けられている。
工業プロセスのサイクルを維持しながら、部分サイクルはそれぞれ、複数の位置決め休止期間(この期間中は工業プロセスの範囲内において、加工ステップ又は搬送ステップ(溶接、はんだ付け、冷却時間等)に起因して、加工すべき部品又は把持/処理工具(例えば産業用ロボット)の位置決定は必要とされない)の内の一つにおいて実施されるので、較正測定サイクルは複数の位置決め休止期間、特に多数の位置決め休止期間にわたり分散される。
即ち本発明によれば、較正測定サイクルが、それぞれが比較的短い時間しか必要とされない複数の部分サイクルに分割される。これらの部分サイクルはそれぞれ、測定システムによる対象の位置決めに関する測定が実施されない複数の位置決め休止期間に時間的に分散される。従って、位置決め休止期間はそれぞれ較正部分期間として使用される。これによって、測定システムを較正するための本発明による方法の範囲内では、それぞれの工業プロセス/製造プロセスに別個に適合されているサイクルの較正に起因する中断も必要なく、またサイクルの遅延も必要ない。即ち、時間的に短い多数の部分サイクルに分割された較正測定サイクルは、工業プロセスの進捗に悪影響を及ぼすサイクルの延期が生じることなく、工業プロセスに組み込まれる。
従って、加工すべき部品の位置決め測定間の時間窓を利用することによって、サイクル時間の中断/妨害が生じることなく、較正を実施することができる。所定の期間の経過後に完全な較正サイクルが達成されるように、複数の時間窓にわたり種々の較正測定が分散される。その後、較正測定を特に継続的に繰り返すことができる。
このようにそれぞれの位置決め休止期間又は位置決め測定デッドタイムに較正測定を時間的に分散させることによって、サイクルも維持しながら較正測定を繰り返すことができるように、又は、較正測定をほぼ継続的に実施できるように、較正全体に必要とされる個々の較正測定を組み合わせることができる。従って、例えば、スライドされた時間窓の間にその都度位置決め休止期間において実施される較正測定に由来する較正測定データをパラメータの継続的な評価に使用することができる。特に、較正測定によって部分サイクルが実行される度に更新された測定データは、較正パラメータを更新して決定するために存在する。従って本発明によれば、少なくとも部分的に常に更新される、測定システムの較正を実施することができる。
要約すると、本発明によれば、測定システムの較正が持続的な製造プロセスに統合され、測定システムのデッドタイム、即ち、加工ステップ又は搬送ステップ(溶接、はんだ付け、搬送、冷却時間等)に起因して、加工すべき部品又は把持/処理工具(例えば産業用ロボット)の位置決めを必要としない時間が利用される。つまり、工業プロセス/製造プロセスの妨害は低下し、それどころか全く妨害されない。
それにもかかわらず本発明によれば、特に工業プロセスの総動作時間の間に、比較的時宜に即して、且つ、規則的に、その都度の最新の周囲環境条件に適合された較正パラメータを求めることができ、これによって、測定周囲環境における何らかの変化、したがってまた製造周囲環境における何らかの変化も時宜に即して検出することができるか、又は、測定システム及び制御システムをこの変化に適合させることができる。
したがって、本発明による較正方法に基づいて、一方では可能な限りその都度最新のものに較正された測定システムを提供し、従って、高い精度を実現する測定システムを提供し、他方では測定システムが使用される工業プロセス/製造プロセスの製造の進捗が較正プロセスによって可能な限り僅かな程度でしか妨害もしくは遅延されないようにする、それどころか全く妨害もしくは遅延されないようにするという二つの目的の衝突をより良好に解消することができる。
同様に本発明は、特にプログラムが電子的なデータ処理ユニットにおいて実施される場合に、上述の較正方法を実施するためのプログラムコードを有する、機械読取り可能な担体に記憶されているコンピュータプログラム製品、又は、電磁波によって具現化されるコンピュータデータ信号に関する。
更に本発明は、工業プロセスの範囲内で所期のように位置決めすべき対象の位置を決定するための測定システムに関する。
測定システムは少なくとも一つの第1の記録装置、特に少なくとも二つの記録装置を有している。記録装置は、視野内の画像を検出するためのカメラと、カメラの角度配向を高精度で検出するための角度測定ユニットとを備えている。更には、上述の較正方法の少なくとも以下に記載するステップを制御するためのユニットが設けられている:
較正測定データの検出と共に較正測定サイクルの較正測定を実施するステップ。較正測定サイクルは、検出された較正測定データに基づき、所定の座標系における第1の記録装置の位置及び配向に少なくとも関連している較正パラメータを決定することができる程度の数の種々の較正測定を少なくとも有している。較正測定データに基づき較正パラメータを求めるステップ。
本発明によれば、較正測定サイクルが複数の部分サイクル、特に多数の部分サイクルに分割されており、それらの部分サイクルにはそれぞれ一つ又は複数の較正測定が対応付けられており、また、工業プロセスサイクルを維持しながら部分サイクルがその都度複数の位置決め休止期間の内の一つにおいて実施され、それにより較正測定サイクルが複数の位置決め休止期間にわたり、特に多数の位置決め休止期間にわたり分散され、工業プロセスの本来の経過に挿入されるように、制御ユニットは構成ないしプログラミングされている。
以下では、図面に概略的に示した具体的な実施例に基づき、本発明による方法及び本発明による測定システムを単なる例示を目的として詳細に説明する。また、本発明の更なる利点についても言及する。
第1の実施の形態における本発明による測定システムを用いる工業プロセスの例示的な状況を示す。 第2の実施の形態における本発明による測定システムを用いる工業プロセスの例示的な状況を示す。 本発明による較正方法の第1の実施例の工業プロセスへの統合を説明するための概略的なチャートを示す。 本発明による較正方法の第2の実施例の工業プロセスへの統合を説明するための概略的なチャートを示す。 本発明による較正方法の第3の実施例の工業プロセスへの統合を説明するための概略的なチャートを示す。 本発明による較正方法の第4の実施例の工業プロセスへの統合を説明するための概略的なチャートを示す。
図1には、測定システムMの第1の実施の形態が示されている。この測定システムMを用いることにより、工業プロセスの範囲内で処理すべき対象12,22を高精度で所定の最終姿勢に位置決めすることができる。
測定システムMは、画像処理システムを利用した非接触式の座標測定によって、対象12,22上に示されている複数の点13,14の位置を求めるよう構成されている。これにより、対象12,22の姿勢及び配向を高精度で検出することができ、また、その姿勢及び配向を、工業プロセスに必要とされる位置決めプロセスの開ループ制御又は閉ループ制御(例えば、位置決めすべき対象を把持している産業用ロボット11,21の制御)に使用することができる。
単なる例示に過ぎないが、測定システムMは第1の記録装置1a及び第2の記録装置1bを有している。2つの光学的な記録装置1a,1bはそれぞれカメラ2a,2bを有しているので、即ち、第1の記録装置1aは第1のカメラ2aを有しており、且つ、第2の記録装置1bは第2のカメラ2bを有しているので、それぞれの視野8a,8bにおいて記録画像の測定及び評価を行なうことができる。
一般的に、カメラとは光学的に検出可能な点を記録するための電子装置であり、カメラ2a及び2bはそれぞれ記録に必要とされる機器、特に、対物レンズと、相応の画像記録素子、とりわけCCD画像センサ又はCMOS画像センサと、相応の電子装置とを有している。対物レンズは、当業者には公知であるように、ズーム機能及び/又は(オート)フォーカス機能をオプションとして備えたものであっても良い。従って、カメラ2a,2bは写真測量法的な測定に適したものである。光学的な記録装置1a,1bは更に、少なくとも1つの駆動ユニット3a,3bをそれぞれ有している。それらの駆動ユニット3a及び3bは、カメラ2a及び2bのそれぞれの視野8a及び8bを位置調整するために、それぞれのカメラ2a及び2bの配向を調整するものである。例えば、それぞれの駆動ユニット3a,3bはカメラ2a,2bを二つの旋回軸Ha,Hb,Va,Vbについて旋回させるための旋回ユニットである。
更に、光学的な記録装置1a及び1bは、それぞれのカメラ2a及び2bの角度配向αa,αb,βa,βbを高精度で検出するための角度測定ユニット4aないし4bをそれぞれ有しているので、空間座標系におけるそれぞれの視野8aないし8bを検出することができる。空間座標系におけるそれぞれの光学的な記録装置1aないし1bの外部基準化に基づき、各画素は空間座標系内の直線を高精度で規定する。この直線は、第1に画像センサにおける画素の位置から、即ち記録画像の位置から得られ、第2にそれぞれの角度測定ユニット4aないし4bを用いて検出されるそれぞれのカメラ2aないし2bの配向から得られ、第3にそれぞれの光学的な記録装置1aないし1bの既知の位置Pa,Pbから得られ、また、第4にそれぞれの較正パラメータから得られる。画素という用語は必ずしもカメラセンサのピクセルと解する必要はない。
位置決めプロセスを制御するために制御ユニット9を設けることができる。この制御ユニット9は画像処理のために構成されているデータ処理装置を有している。制御ユニット9は特に、位置決めを実施する装置(例えば把持装置を備えた産業用ロボット11,21)並びに少なくとも二つの光学的な記録装置1a,1bと接続されており、それらの装置とのデータ通信を行なう。制御ユニット9にはカメラ2a及び2bによって記録された画像が供給され、画像処理及び深さ情報の取得が行なわれる。更に制御ユニット9は、角度測定ユニット4a及び4bによって検出された、カメラ2a及び2bの角度配向を入力信号として受信する。駆動ユニット3a及び3bは、制御ユニット9によって、カメラ2a及び2bの配向の調整のために制御されている。制御ユニット9によって設定される位置に第1の産業用ロボット11の位置を調整することができる。このために必要とされるデータ通信を、電圧信号、無線信号、光信号又はその他の通信方式により行なうことができる。本発明による方法を実施するために必要とされる範囲において、基準パラメータ及び較正パラメータ、特に、関与するコンポーネントの個々の位置、配向及び寸法が制御ユニット9に記憶されている。制御ユニット9として、例えば、適切なインタフェースを備えたパーソナルコンピュータのようなユニットが考えられるが、制御ユニット9は、相互に通信を行なうか、又は、相互にネットワーク化されている空間的に離れた複数の別個のコンポーネント、例えば個々の装置の構成要素であっても良い。特に、抽象的なものと解するべきである制御ユニット9は光学的な記録装置1a及び1b及び/又は第1の産業用ロボット11の構成要素であっても良い。
空間内の最終姿勢に位置決めされるべき第1の対象12は、例えば、光学的に検出可能な既知の特徴的要素13を有することができる。この第1の特徴的要素13は、記録ユニット1a及び1bのカメラ2a及び2bを用いて検出することができる任意の特徴的要素である。「光学的に検出可能」という語句は、カメラ2a及び2bによって検出できることを意味しているのであって、人間の眼によって見えることは必ずしも必要ではない。特徴的要素13,23は、その位置決定によって姿勢、即ち、空間内の対象の位置及び配向が可能な限り一義的に規定されるものである。
単なる例示に過ぎないが、記録装置1a,1bは更に、カメラのそれぞれの視野8a,8b内に構造化された光7a,7bを放射するよう構成されている放射源6a,6bも有することができる。第1の放射源6aの配向は、例えば第1のカメラ2aと一緒に、第1の駆動ユニット3aによって調整される。対象12,22の姿勢を検出するために、又は対象12,22を高精度で位置決めするために、構造化された光7a,7bは両カメラ2a,2bの視野内に存在するように、構造化された光7a,7bを対象12,22に投影することができる。空間座標系内の対象12の姿勢の検出時に、三角測量を用いることにより、構造化された光7a,7bを結像したカメラ2a,2bの画像記録も行なうことができる。これによって、位置検出精度及び位置決めの際の精度を高めることができる。更には、対象における光学的に検出可能な特徴的要素を有していない部分自体においても測定を実施することができる。
対象12,22は、空間内に高精度で位置決めすべき任意の対象、例えば、産業用ロボット11,21によって把持及び保持することができる対象、特に、薄板部品である。もっとも位置決めすべき対象は、例えば、工業プロセスの範囲内で測定システムMを用いて所期のように高精度で位置決めされるべきものである工具32(単なる例示に過ぎないが、曲げ工具、溶接工具又は開孔装置)であっても、処理ロボット31(単なる例示に過ぎないが、自動溶接装置)であっても良い。このために、工具32はやはり既知の光学的に検出可能な特徴的要素33を有することができる。
工業プロセスの範囲内で対象12,22,32を高精度で目標位置に位置決めできるその種の測定システムM並びに測定システムMのコンポーネントを較正するために、標準的に実行される所定の較正測定サイクルの複数回の較正測定が実施される。較正測定サイクルは少なくとも、較正測定を実施する際に検出される較正測定データに基づき、測定システムMの記録装置の位置及び配向が所定の座標系において関連付けられている較正パラメータを少なくとも検出できる程度の数の種々の較正測定が実施されるように設計されている。しかしながら、特に、カメラ定数、視心、カメラ歪み、角度測定ユニットの内部較正パラメータ等の測定システムMの個々のコンポーネントの内部較正パラメータに関連する別のパラメータも求められるように較正測定サイクルは設計及び構成されている。
とりわけ、較正測定サイクルにおいては、検出された較正測定データによって較正パラメータが決定される程度の数の種々の較正測定を実施することができる。この場合、曲線あてはめ、特に最小二乗法に従った曲線あてはめによって較正パラメータを求めることができる。
較正パラメータを求めるための種々の手段が公知である。例えば、位置Pa及びPbを較正パラメータとして、また、記録装置1a及び1bの別の外部較正パラメータとして、基準化された外部測定システム、例えばレーザトラッカーのような光学式な測定システムによって検出することができる。その種の外部測定システムは空間内の記録装置1a及び1bのそれぞれの位置を決定する。この位置決定は、記録装置1a及び1bに取り付けられているターゲットマークによって行なうことができる。外部測定システムを用いて、配向の外部較正を実施することもできる。更には、強制的なセンタリングによって、空間座標系において高精度で既知である位置にある基準点に記録装置1a及び1bを位置決めすることも可能である。代替的に、固有の測定システムを用いて、記録装置1a及び1bを空間において基準化及び較正することが可能である。このために、記録装置1a及び1bはそれぞれレーザ距離測定器5a及び5bを有することができる。これらのレーザ距離測定器5a及び5bの配向をそれぞれのカメラ2a又は2bと一緒にそれぞれの駆動ユニット3a又は3bによって調整することができ、且つ、レーザ距離測定器5a及び5bの角度配向を、空間座標系において較正されたそれぞれの角度測定ユニット4a又は4bを用いて高精度で検出することができる。もちろん、カメラを方向付けるため、また配向を正確に検出するための他の適切な旋回装置及び測定装置を使用することもできる。
座標系におけるそれぞれの記録装置1a又は1bの位置Pa及びPbを、例えば、それぞれのレーザ距離測定器5a又は5bの位置固定されたターゲットマークTに合わせることによって決定することができる。しかしながら有利には、これに代替的に、又は付加的に、較正のために特別に取り付けられている位置固定されたターゲットマークTの画像記録及び画像処理による三角測量を介して、自動基準化及び較正を実施することができる。
例えば、較正測定として、異なる配向のそれぞれの画像をカメラによって検出することができ、また、角度測定ユニットに基づきそれぞれの角度配向を検出することができるので、検出された画像における所定のターゲットマークTの画像座標を電子的な画像処理に基づき検出することができる。特にこの場合には、空間内に所期のように配置されているターゲットマークT、及び/又は、空間座標系におけるターゲットマークT間の距離の位置は高精度で既知である。例えば、ターゲットマークTを、例えば製造室内に固定的に(不動に)取り付けることができるか、ロボットアームのような可動部に取り付けることができる。とりわけ、いわゆるスケールバーも使用することができる。スケールバーは二つのターゲットマークTとそれらのターゲットマークT間の固定的な接続部とから形成されている(例えば、固定的なウェブによって結合されているターゲットマークとしての二つの球体が考えられる。2つの球体中心点間の距離は高精度で決定されている。)。
較正測定サイクルの較正測定、特に、較正のために事前に取り付けられている多数のターゲットマークTの内のそれぞれ一つ又は複数のターゲットマークの複数回の画像記録は、例えば、一つ又は複数のカメラの角度配向を事前に規定に従い変更させながら、及び/又は、空間座標系におけるターゲットマークの位置を変更させながら実施される。ターゲットマークTの位置、及び/又は、空間座標系における較正測定間のターゲットマークTの変位はその都度既知であるか、又は、一緒に決定される。測定システムMが二つのカメラを有している場合、較正測定の範囲内で、第1のカメラ2aの視野8a及び第2のカメラ2bの視野8bを、少なくとも一つの同一のターゲットマークT、特に複数の同一のターゲットマークTが第1の画像においても第2の画像においても検出されるように重畳させることができる。
続いて、その種の較正測定サイクルの実施時に検出された較正測定データの総括からは、測定システムMの最新の外部較正パラメータを求めることができ、また必要に応じて測定システムMの内部較正パラメータも求めることができる。
従って、その種の方法に基づき、光学式の記録装置1a及び1bを三次元の空間座標系において較正することができる。これによって、対象12,22,32も位置決めすることができる座標系において、位置Pa,Pbも角度配向も直接的又は間接的に既知となる。
特に、検出された較正測定データに基づきカメラも付加的に内部較正することができるので、例えば光学系、画像センサ又は電子機器において起こり得る障害、例えば歪み等を考慮し、補償調整することができる。従って、それぞれのカメラ2a及び2bの角度配向を高精度で検出するための角度測定ユニット4a又は4bも、検出された適切な較正測定データに基づいて内部較正するができ、さらには、使用される座標系における外部較正として(例えばそのニュートラルポジションに関して)基準化することもできる。
較正測定サイクルの較正測定を、較正方法を制御するためのユニットとしての制御ユニット9によって、特に事前プログラミングして実施することができる。このために、例えば、測定システムの較正を実施するために構成されている較正プログラムを制御ユニット9に記憶することができる。従って、例えば、較正方法の上述のステップを開始し、較正測定を実施するために測定システムのそれぞれのコンポーネントを相応に制御し、また、その際に検出された較正測定データから制御ユニット9に基づき較正パラメータを導出して求めることができる。
本発明によれば、較正測定サイクルが従来技術から公知であるen-bloc較正、即ち、総括的な較正とは異なり、複数の部分サイクル、特に多数の部分サイクルに分割されており、それらの部分サイクルそれぞれに総サイクルの較正測定の内の一つ又は複数が対応付けられているように、測定システムMの制御ユニット9は構成されている。
更に、測定システムが使用される工業プロセスのサイクルを維持しながら、工業プロセスの範囲内で、例えば処理ステップ又は搬送ステップ(溶接、はんだ付け、冷却時間等)に起因して、処理すべき部分又は把持工具/処理工具(例えば産業用ロボット)の位置決めが必要とされない位置決め休止期間の度に部分サイクルが実施されるように、制御ユニット9は部分サイクルの実施を制御する。較正測定サイクルはこれによって、複数の位置決め休止期間、特に多数の位置決め休止期間にわたり分散され、また、工業プロセスのサイクル及びそれによって決定される工業プロセスの進展に悪影響を及ぼすことなく、工業プロセス/製造プロセスに組み込まれる。
工業プロセスとしては、あらゆる生産プロセス及び製造プロセス(単なる例示に過ぎないが、部品を製造するための製造ライン、部品の更なる処理、部品の加工、部品の監視等)が該当し、この工業プロセスでは、位置決め期間中に、上述の測定システムを用いて対象が高精度で所定の姿勢に位置決めされることと、工業プロセスのその他のプロセスステップ(加工ステップ、精密加工ステップ、制御ステップ及び/又は搬送ステップ)が実施される位置決め休止期間中に、測定システムによる位置決めプロセスに関する測定が行われないこととが所定のプロセスサイクルにおいて繰り返され、殊にその都度交互に繰り返される。
サイクルは工業プロセスの進捗を制御する。典型的には、製造サイクル、例えば二つの薄板部品を溶接接合するための製造サイクルは30秒から120秒である。単なる例示に過ぎないが、製造サイクルの範囲内では、薄板部品の把持、所定の姿勢への薄板部品の高精度の位置決め(この間に測定システムによる位置決め測定が実施される)、薄板部品の溶接接合、並びに、接合された薄板部品の整理ないし更なる搬送を行なうことができる。この例において、位置決め休止期間は、測定システムによる薄板部品の位置決めに関する測定が必要とされない期間である。本発明によれば、測定システムに関するデッドタイムを表すこの位置決め休止期間において、比較的短い部分較正サイクルに対応付けられている、測定システムを較正するための一回の測定又は数回の測定が実施される。
サイクルは工業プロセスの間にも変化する可能性があるので、サイクル時間はプロセスの予定されている製造ステップに応じて異なる長さになる可能性がある。
図2は、第2の実施の形態における本発明による測定システムMを用いる工業プロセスに関する例示的な状況が示されている。この実施の形態において、測定システムMは、第1の検出領域8において三次元の画像を検出するための3D画像記録装置として構成されている記録装置1を有している。三次元の画像は、それぞれに一つの深さ情報が対応付けられている、第1の画像の複数の画素から構成されている。
この種の測定システムのための適切な3D画像記録装置は当業者には公知であり、冒頭の従来技術に関する記述において既に説明している。
測定システムに対する特別な要求に応じて、当業者はその都度適切な測定コンポーネントを相応に選択し、組み合わせることができる。本発明による較正方法も同様に、その種の測定システム全般に適用することができる。
図3は、概略的に表されている工業プロセスIPと、この工業プロセスIPの進捗を制御する所定のサイクルTaとが表されているチャートを示す。
工業プロセスIPの範囲内では、所定のサイクルTaにおいて、以下のことが繰り返される。特に、交互に繰り返される。
−位置決め期間Ph中に対象が所期のように位置決めされる。この際に、測定システムによって対象の位置決めに関する測定PMが行なわれる。
−位置決め休止期間Pa中にその他のプロセスステップ、特に、加工ステップ、精密加工ステップ、制御ステップ、及び/又は、搬送ステップが実施される。これに関して、測定システムによる、工業プロセスIPの範囲内での対象の位置決めに関する測定PMを行なう必要はない。
本発明によれば、測定システムの較正KVの実施に使用される較正測定サイクルMZは、複数の部分サイクル、特に多数の部分サイクルTZ1,TZ2,TZ3,TZ4,TZ5,TZ6に分割されており、それらの部分サイクルにはそれぞれ一つ又は複数の較正測定KMが対応付けられている。
工業プロセスIPのサイクルTaを維持しながら、部分サイクルTZ1,TZ2,TZ3,TZ4,TZ5,TZ6それぞれが、位置決め休止期間Paの内の一つにおいて実施されるので、較正測定サイクルMZ全体において少なくとも、部分サイクルにおいて検出された較正測定データKDに基づき測定システムに関する所望の較正パラメータKPを決定することができる程度の数の種々の較正測定KMが複数の位置決め休止期間Pa、特に多数の位置決め休止期間Paにわたり分散している。
個々の部分サイクルTZ1,TZ2,TZ3,TZ4,TZ5,TZ6それぞれが位置決め休止期間Paにおいて実施され、工業プロセスIPの進捗に影響を及ぼすことなく工業プロセスIP内で較正測定KMが実施された後には、求められている較正パラメータKPを検出された較正測定データKDの総括から導出して評価することができる。
とりわけ、較正測定サイクルMZは、検出された較正測定データKDによって較正パラメータKPが決定される程度の数の種々の較正測定KMを有することができる。この場合、例えば統計的な評価によって、又は、曲線あてはめによって、特に最小二乗法に従った曲線あてはめによって、較正パラメータKPを求めることができる。
図4は、図3の本発明による較正方法KVの発展形態を示す。ここでは、較正測定サイクルMZは例えば部分サイクルTZ1,TZ2,TZ3を有している。
図4から見て取れるように、測定サイクルMZ全体の部分サイクルTZ1,TZ2,TZ3の少なくとも大部分、もしくは図示されているように全ての部分サイクルTZ1,TZ2,TZ3を、サイクルTaを維持しながら継続的に、その都度やはり位置決め休止期間Paの内の一つにおいて繰り返し実施することができる。特に部分サイクルTZ1,TZ2,TZ3の内の一つが繰り返される度に、部分サイクルTZ1,TZ2,TZ3を繰り返す際に検出された較正測定データを考慮して、較正パラメータKPの全て又は少なくとも一部を継続的に、その都度更新しながら求めることができる。
有利には、較正測定サイクルの部分サイクルTZ1,TZ2,TZ3を相互に連続的に所定の順序で繰り返し実施することができる。同様に、部分サイクルTZ1,TZ2,TZ3の内の一つを繰り返した後に、較正パラメータKPの全て又は一部をその都度更新しながら求めることができる。しかしながら、これとは異なり、較正測定サイクルMZ全体が終了した後に初めて、即ち、全ての部分サイクルTZ1,TZ2,TZ3が繰り返された後に、部分サイクルTZ1,TZ2,TZ3を繰り返した際に検出された較正測定データを考慮して、較正パラメータKPを更新することもできる。
更には、較正パラメータKPを更新して求めるために、較正測定サイクルにおいて既に繰り返された部分サイクルの範囲内で検出された古いデータとしての較正測定データを、この部分サイクルを繰り返した際に検出されるその都度最新の較正測定データに完全に置換することができる。従って、較正測定サイクルMZはいわば工業プロセスIPにわたり時間的に連続してシフトされるので、測定システムの較正パラメータKPは常に更新されながら求められる。
つまり、較正パラメータKPを導出するために考慮される較正測定データの量も動的に変化する。
これによって本発明によれば、特に工業プロセスIP全体の間に、比較的時宜に則して規則的にその都度の最新の周囲条件に適合されている較正パラメータKPを求め、測定環境、したがってまた製造環境において場合によっては起こり得る変化を時宜に則して検出することができるか、又は、測定システム及び制御システムをこの変化に適合させることができる。
つまり、一方では可能な限りその都度最新のものに較正された測定システムを提供すること、従って、高い精度を実現する測定システムを提供すること、他方では測定システムが使用される工業プロセス/製造プロセスの進捗が較正プロセスによって可能な限り僅かな程度でしか妨害もしくは遅延されないようにすること、それどころか全く妨害もしくは遅延されないようにすることという二つの目的の衝突を良好に解消することができる。
図5の本発明による較正方法KVの構成に応じて、部分サイクルTZ2,TZ1,TZ3,TZiの少なくとも大部分を継続的に、サイクルTaを維持しながら、その都度やはり位置決め休止期間Paの内の一つにおいて繰り返し実施することができる。特に、複数の部分サイクル、例えば二つの部分サイクルTZ3,TZ1を単一の位置決め休止期間Paにおいて実施することもできる。それぞれの位置決め休止期間Paの持続時間が最初から固定されており、且つ既知である場合には、特に、所要時間が位置決め休止期間Paの時間窓に良好に適合されている、この位置決め休止期間Paにおける一つ又は複数の部分サイクルを行なうことができる。
更には、ここでもまた、部分サイクルの内の一つが繰り返される度に、しかしながら、各位置決め休止期間Paの経過後に、部分サイクルを繰り返した際に検出された較正測定データを考慮して、その都度較正パラメータKPが更新されて求められる。
この例によれば、較正測定サイクルの間に既に繰り返された部分サイクルの範囲内で検出された、古いデータとしての較正測定データも、較正パラメータKPを更新しながら求める際に少なくとも部分的に考慮され、特に全て考慮される。これによって、いわは較正測定サイクルMZが継続的に延長され、較正パラメータKPを求めるために考慮される較正測定データの量が部分サイクルの繰り返しによって継続的に増加する。
しかしながら選択的に、較正パラメータKPを更新しながら求める際に、古いデータにはその都度の最新の較正測定データよりも低い重み付けを行うことができる。
図6の本発明による較正方法KVの発展形態によれば、やはり、部分サイクルの少なくとも大部分がそれぞれ継続的に、サイクルTaを維持しながら、位置決め休止期間Paの内の一つにおいて繰り返し実施される。部分サイクルの内の一つが繰り返される度に、部分サイクルを繰り返した際に検出された較正測定データを考慮して、較正パラメータKPの全て、又は少なくとも一部がその都度更新されて求められる。
この例によれば、古いデータが較正パラメータKPを更新しながら求める際に部分的に考慮されるが、しかしながら部分的には、部分サイクルを繰り返した際に検出された測定データに置換されるか、より低く重み付けされる。
つまり、較正パラメータKPを導出するために考慮される較正測定データの量は動的なものである。一方では、この量が継続的にその都度新たに検出された較正測定データによって拡張されるが、他方では、この量内の収集されたデータのフィルタリング又は重み付けを行うことができるので、較正パラメータKPの可能な限り良好な評価又は導出が行なわれる。例えば、較正測定データの妥当性の無い「異常値」を即座に完全にフィルタリングして除去することができる。また、次の位置決め休止期間において繰り返すべき部分サイクルの選択を、この部分サイクルに関して検出された古いデータが妥当性のあるものとしてどのように評価されるかに依存して行なうことができる。従って、例えば、既に検出された古いデータが「異常値」、すなわち相互に大きい偏差を有している部分サイクルを次に考えられる繰り返しのために選択することができる。
図面の記載は単なる考えられる実施例を概略的に表したものに過ぎないと解するべきである。種々のアプローチを同様に相互に組み合わせて、また従来技術の較正方法及び測定システムと組み合わせることもできる。

Claims (14)

  1. 測定システム(M)の較正方法(KV)であって、
    前記測定システム(M)は、工業プロセス(IP)の範囲内で所期のように位置決めすべき対象(12,22,32)の位置を決定するために構成されており、且つ、少なくとも第1の記録装置(1,1a)を有しており、該第1の記録装置(1,1a)は、
    第1の視野(8,8a)における第1の画像を検出する第1のカメラ(2,2a)と、
    前記第1のカメラ(2,2a)の第1の角度配向を高精度で検出する第1の角度測定ユニット(4,4a)とを備えており、
    前記工業プロセス(IP)の範囲内では、既知のサイクル(Ta)において、
    位置決め期間(Ph)中に、前記対象(12,22,32)を所期のように位置決めし、前記測定システム(M)によって前記対象(12,22,32)の位置決めに関する測定を実施することと、
    位置決め休止期間(Pa)中にその他のプロセスステップ、特に、加工ステップ、精密加工ステップ、制御ステップ、及び/又は、搬送ステップを実施することとを繰り返し、
    前記サイクル(Ta)は前記工業ステップ(IP)の進捗を制御し、
    前記較正方法(KV)の範囲内で以下のステップ、即ち、
    較正測定データ(KD)の検出と共に較正測定サイクル(MZ)の較正測定を実施するステップであって、検出された前記較正測定データ(KD)に基づき、所定の座標系における前記第1の記録装置(1,1a)の位置(P)及び配向に少なくとも関連している較正パラメータ(KP)を決定できる程度の数の種々の較正測定(KM)を実施するステップと、
    前記較正測定データ(KD)に基づき前記較正パラメータ(KP)を求めるステップとを実施する、較正方法(KV)において、
    前記較正測定サイクル(MZ)を複数の部分サイクル、特に多数の部分サイクル(TZ1,TZ2,TZ3,TZ4,TZ5,TZ6,TZi)に分割し、該部分サイクルそれぞれに前記較正測定(KM)の内の一つ又は複数を対応付け、
    前記サイクル(Ta)を維持しながら、前記部分サイクル(TZ1,TZ2,TZ3,TZ4,TZ5,TZ6,TZi)それぞれを複数の前記位置決め休止期間(Pa)の内の一つにおいて実施し、前記較正測定サイクル(MZ)を複数の位置決め休止期間(Pa)、特に多数の位置決め休止期間(Pa)にわたり分散させることを特徴とする、較正方法(KV)。
  2. 継続的に前記サイクル(Ta)を維持しながら、前記部分サイクル(TZ1,TZ2,TZ3,TZ4,TZ5,TZ6,TZi)の少なくとも大部分を前記位置決め休止期間(Pa)の内の一つにおいてそれぞれ繰り返し実施し、
    特に前記部分サイクル(TZ1,TZ2,TZ3,TZ4,TZ5,TZ6,TZi)の内の一つが繰り返される度に、前記部分サイクル(TZ1,TZ2,TZ3,TZ4,TZ5,TZ6,TZi)が繰り返される際に検出された前記較正測定データ(KD)を考慮して、前記較正パラメータ(KP)の少なくとも一部、特に全ての較正パラメータ(KP)を継続的に、その都度更新して求める、請求項1に記載の較正方法(KV)。
  3. 前記較正測定サイクル(MZ)の前記部分サイクル(TZ1,TZ2,TZ3,TZ4,TZ5,TZ6,TZi)の全てを繰り返し実施し、特に所定の順序で相互に連続的に繰り返し実施する、請求項2に記載の較正方法(KV)。
  4. 前記較正測定サイクルにおいて既に繰り返された部分サイクル(TZ1,TZ2,TZ3,TZ4,TZ5,TZ6,TZi)の範囲内で検出された、古いデータとしての較正測定データ(KD)を、前記較正パラメータ(KP)を更新して求める際に、少なくとも部分的に考慮して維持し、及び/又は、古いデータとしての較正測定データ(KD)に対して低い重み付けを行ない、
    古いデータとしての較正測定データ(KD)を、特に前記部分サイクル(TZ1,TZ2,TZ3,TZ4,TZ5,TZ6,TZi)を繰り返す際に検出された較正測定データ(KD)に少なくとも部分的に置換する、請求項2又は3に記載の較正方法(KV)。
  5. 前記較正測定サイクルにおいて既に繰り返された部分サイクル(TZ1,TZ2,TZ3,TZ4,TZ5,TZ6,TZi)の範囲内で検出された古いデータとしての較正測定データ(KD)を、該部分サイクル(TZ1,TZ2,TZ3,TZ4,TZ5,TZ6,TZi)を繰り返す際に検出される較正測定データ(KD)によって完全に置換して、前記較正パラメータ(KP)を更新して求め、前記較正測定サイクル(MZ)を継続的に時間的にずらす、請求項2乃至4のいずれか一項に記載の較正方法(KV)。
  6. 前記較正測定サイクルにおいて既に繰り返された部分サイクル(TZ1,TZ2,TZ3,TZ4,TZ5,TZ6,TZi)の範囲内で検出された古いデータとしての較正測定データ(KD)を、前記較正パラメータ(KP)を更新して求める際に少なくとも部分的に考慮し、特に全てを考慮し、較正測定サイクル(MZ)を継続的に延長し、前記較正パラメータ(KP)を求めるために考慮される較正測定データ(KD)の量を、前記部分サイクル(TZ1,TZ2,TZ3,TZ4,TZ5,TZ6,TZi)を繰り返すことによって継続的に増加させる、請求項2乃至4のいずれか一項に記載の較正方法(KV)。
  7. 前記較正測定サイクル(MZ)は、較正測定(KM)において検出された較正測定データ(KD)によって複数の前記較正パラメータ(KP)が検出されている程度の数の種々の較正測定(KM)を有しており、
    前記較正パラメータ(KP)を曲線あてはめ、特に最小二乗法に従った曲線あてはめによって求める、請求項1乃至6のいずれか一項に記載の較正方法(KV)。
  8. 前記較正測定(KM)として、その都度少なくとも、
    前記第1のカメラ(2,2a)に基づき第1の画像を検出し、
    前記第1の角度測定ユニット(4,4a)に基づき第1の角度配向を検出し、
    電子画像処理部に基づき、前記第1の画像における一つ又は複数の所定のターゲットマーク(T)の画像座標系を検出し、特に、前記画像座標系の検出時には、前記座標系における前記ターゲットマーク(T)の位置及び/又は前記座標系におけるターゲットマーク(T)間の距離が既知である、請求項1乃至7のいずれか一項に記載の較正方法(KV)。
  9. 一つの較正測定サイクル(MZ)の較正測定(KM)をそれぞれ、
    前記第1のカメラ(2,2a)の第1の角度配向を変更させながら、特に事前の規定に従い変更させながら実施し、
    前記座標系における前記ターゲットマーク(T)の位置を変更させながら実施し、
    前記ターゲットマーク(T)の位置、及び/又は、前記座標系内での前記較正測定(KM)間の前記ターゲットマーク(T)の変位がその都度既知であるか、又は、一緒に決定される、請求項1乃至8のいずれか一項に記載の較正方法(KV)。
  10. 前記第1の記録装置(1,1a)は該第1の記録装置(1,1a)の第1の角度配向を変更するための第1の駆動ユニット(3,3a)を有しており、
    前記測定システム(M)は少なくとも一つの第2の記録装置(1b)を有しており、
    該第2の記録装置(1b)は、所定の第2の検出領域(8b)における第2の画像を検出する第2のカメラ(2b)と、特に、前記第2の記録装置(1b)の第2の角度配向を変更するための第2の駆動ユニット(3b)と、前記第2の角度配向を高精度で検出する第2の角度測定ユニット(4b)とを備えており、
    前記較正パラメータ(KP)を更に前記座標系における前記第2の記録装置(1b)の位置(P)及び配向に関連付け、
    前記較正測定(KM)として、その都度少なくとも、
    前記第2のカメラ(2b)に基づき第2の画像を検出し、
    前記第2の角度測定ユニット(4b)に基づき第2の角度配向を検出し、
    電子画像処理部に基づき、前記第2の画像における一つ又は複数の所定のターゲットマーク(T)の画像座標系を検出し、特に、前記画像座標系の検出時には、前記座標系における前記ターゲットマーク(T)の位置及び/又は前記座標系におけるターゲットマーク(T)間の距離が既知である、請求項1乃至9のいずれか一項に記載の較正方法(KV)。
  11. 較正測定の範囲内で、
    前記第1のカメラ(2a)の視野(8a)と、
    前記第2のカメラ(2b)の視野(8b)とを、
    少なくとも一つの同一のターゲットマーク(T)、特に複数の同一のターゲットマーク(T)が前記第1の画像においても前記第2の画像においても検出されるように重畳させる、請求項9を引用する請求項10記載の較正方法(KV)。
  12. 前記第1の記録装置(1)は、前記第1の検出領域(8)内の三次元画像を検出する3D画像記録装置として構成されており、前記三次元画像を、それぞれに深さ情報が対応付けられている、前記第1の画像の複数の画素から構成する、請求項1乃至11のいずれか一項に記載の較正方法(KV)。
  13. 特にプログラムが電子的なデータ処理ユニット(9)において実施される場合に、請求項1乃至12のいずれか一項に記載の較正方法(KV)を実施するためのプログラムコードを有する、機械読取り可能な担体に記憶されているコンピュータプログラム製品、又は、電磁波によって具現化されるコンピュータデータ信号。
  14. 工業プロセス(IP)の範囲内で所期のように位置決めすべき対象(12,22,32)の位置を決定する測定システム(M)において、
    前記工業プロセス(IP)の範囲内では、既知のサイクル(Ta)において、
    位置決め期間(Ph)中に、前記対象(12,22,32)を所期のように位置決めし、前記測定システム(M)によって前記対象(12,22,32)の位置決めに関する測定を実施することと、
    位置決め休止期間(Pa)中にその他のプロセスステップ、特に、加工ステップ、精密加工ステップ、制御ステップ、及び/又は、搬送ステップを実施することとを繰り返し、
    前記サイクル(Ta)は前記工業ステップ(IP)の進捗を制御し、
    前記測定システム(M)は少なくとも第1の記録装置(1,1a)及び制御ユニット(9)を有しており、
    前記第1の記録装置(1,1a)は、
    第1の視野(8,8a)における第1の画像を検出する第1のカメラ(2,2a)と、
    前記第1のカメラ(2,2a)の第1の角度配向を高精度で検出する第1の角度測定ユニット(4,4a)とを備えており、
    前記制御ユニット(9)は、請求項1乃至12のいずれか一項に記載の較正方法(KV)の以下のステップを少なくとも制御する、即ち、
    前記較正測定データ(KD)の検出と共に較正測定サイクル(MZ)の較正測定(KM)を実施するステップであって、前記較正測定サイクル(MZ)は、検出された前記較正測定データ(KD)に基づき、所定の座標系における前記第1の記録装置(1,1a)の位置(P)及び配向に少なくとも関連している較正パラメータを決定できる程度の数の種々の較正測定(KM)を実施するステップと、
    前記較正測定データ(KD)に基づき前記較正パラメータ(KP)を求めるステップと、
    前記較正測定サイクル(MZ)を複数の部分サイクル、特に多数の部分サイクル(TZ1,TZ2,TZ3,TZ4,TZ5,TZ6,TZi)に分割し、該部分サイクルそれぞれに前記較正測定(KM)の内の一つ又は複数を対応付けるステップと、
    前記サイクル(Ta)を維持しながら、前記部分サイクル(TZ1,TZ2,TZ3,TZ4,TZ5,TZ6,TZi)それぞれを複数の前記位置決め休止期間(Pa)の内の一つにおいて実施し、前記較正測定サイクル(MZ)を複数の位置決め休止期間(Pa)、特に多数の位置決め休止期間(Pa)にわたり分散させるステップとを制御することを特徴とする、測定システム(M)。
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