JP2012522033A - 気分障害の治療における低用量ピパンペロン - Google Patents

気分障害の治療における低用量ピパンペロン Download PDF

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Abstract

本発明は、気分障害の治療に対する低用量ピパンペロン及びそれを含む組成物の使用に関し、気分障害を治療するための薬剤の調製に対するピパンペロン又は薬学的に許容可能なその塩の使用であって、前記ピパンペロン又は薬学的に許容可能な塩が、患者に対し有効成分0.1mg〜約20mgという範囲の日用量で投与される、使用又は気分障害の治療に使用されるピパンペロンを含む医薬組成物であって、前記ピパンペロンが、患者に対し有効成分0.1mg〜約20mgという範囲の日用量で投与される、医薬組成物に関する。
【選択図】なし

Description

本発明は精神医学の分野に関する。より具体的には、本発明は気分障害の治療におけるピパンペロンの使用に関する。
従来、精神障害は一連の基準に基づき、特徴を明確にすることによって数タイプに分けられている。
DSM−IV(米国精神医学会、(1993 - ISBN 0 - 89042 - 061 - O))は、そのようなカテゴリー分類の当該技術分野で既知の至適基準(gold standard)である。DSM−IVでは、精神障害の各々のカテゴリーが、それを他の精神障害又は精神障害のない状態(no mental disorder)と区別する絶対的な境界をもって完全に別個のものであるとは仮定されていない。同じ精神障害を有するとされる全ての個人が、全ての重要な点で類似しているとも仮定されていない。診断結果の同じ個人が、その診断結果の決定的な特徴についてであっても不均一である可能性がある。したがって、気分障害等のカテゴリーによって規定される精神障害は、気分に関する症状の外的及びさらには内的な可変の一致性(co-incidence)を有している。
次元的システム(dimensional system)では、臨床所見はカテゴリーへの割り当てというよりも、属性(attributes)、すなわち機能不全の定量化に基づいて分類される。これは連続的に分布し、明確な境界を有しない現象を説明するのに最も効果的である。行動機能障害及び認知機能障害に加えて、感情調節障害が、精神障害の発症及び経過において重要な役割を果たす属性(attribution)又は機能不全として知られている(非特許文献1、非特許文献2、非特許文献3、非特許文献4)。
最後に、生物学的システム(biological system)においては、精神障害はカテゴリーシステム及び次元的システムとは異なる抽象化レベルで規定される。多くの場合、構造的病理(例えばアルツハイマー病におけるアミロイド斑)、病因(例えばHIV認知症)及び生理的基準からの逸脱(例えば脳血流量の減少)が精神障害の指標となる生物学的マーカーとして使用される。様々な神経伝達物質系(グルタミン作動性、GABA作動性、コリン作動性、モノアミン作動性(ノルアドレナリン作動性、ドーパミン作動性、セロトニン作動性)等)の基礎にある調節障害は、精神障害の臨床所見の生物学的決定因子の解明のために当該技術分野で使用されているモデルである。
気分障害は大うつ病性障害、双極性障害(躁病及びうつ病の両方のエピソードの組み合わせ)及び気分変調を含む。グループとしては、気分障害は一般集団において最も一般的な精神病の1つである。成人のおよそ8%が人生の一時期に大うつ病を経験し、およそ1%が双極性障害を経験する。他の研究では、成人の3%〜6%が生涯の間に気分変調を経験すること、及び成人の0.6%〜1%が生涯の間に躁病エピソードを有することが報告されている。その高い罹患率、経済的コスト、自殺のリスク及び生活の質の喪失から、気分障害は社会的に深刻な公衆衛生問題を生じている。また、うつ病及び躁病は、社会的、職業的、教育的又は他の重要な機能領域において著しい苦痛及び障害を引き起こす。世界保健機関(WHO)によると、大うつ病は世界的に、障害調整生存年数(DALY)の要因の第4位である。大うつ病は障害生存年数(YLD)の要因の第一位であり、双極性障害はその要因の第6位である。気分障害の社会的影響及び経済的影響としては、機能障害、不能又は作業生産性の損失、及び医療サービスの利用増加が挙げられる。
うつ病は何百万人もの人々に影響を及ぼしている重篤な気分障害であり、うつ病と診断された人々の数は劇的に増加している。うつ病の1つの決まった原因は知られていない。むしろ、遺伝的、生化学的、環境的及び心理的な要因が組み合わさって生じる可能性がある。しかし、重要な神経伝達物質のバランスが崩れているようである。うつ病患者においては、特にセロトニンシグナル伝達系が影響を受けている。したがって、うつ病は神経伝達物質、とりわけセロトニン及びノルエピネフリンを正常化するように作用する抗うつ剤を用いて治療される。他の抗うつ剤は神経伝達物質のドーパミンに作用する。これら特定の神経伝達物質が気分の調整に関与することが見出されているが、それらの正確な作用の仕方は不確かである。
したがって、個人自体及びその関係者(relation)に与える影響以外にも、気分障害はその高い罹患率のために、経済に対して大きな影響を与える。この影響は本質的に二重であり、第1に関連する欠勤及び効率の低下による職場での生産性の損失、第2にプライマリケア外来、入院及び薬物治療に起因する高い医療費である。個人レベル及び家庭レベルでは、収入損失及び薬物治療費は家庭の財源に負担をかける。したがって、気分障害は、関連する医療費及び作業生産性の損失によって大きな経済的影響を及ぼす。したがって、これらの障害を診断及び治療する必要性は大きい。
気分障害に対する主流の治療は抗うつ剤の処方からなる。
最新の最も有名なタイプの抗うつ薬は、選択的セロトニン再取り込み阻害剤(SSRI)と呼ばれる。SSRIには、フルオキセチン(プロザック)、シタロプラム(セレクサ)、セルトラリン(ゾロフト)及び他の数種が含まれる。セロトニン・ノルエピネフリン再取り込み阻害剤(SNRI)はSSRIと類似しており、ベンラファキシン(エフェクサー)及びデュロキセチン(サインバルタ)が含まれる。SNDRIはいわゆるトリプル再取り込み阻害剤(triple reuptake inhibitors)であり、シナプス間隙において3つのモノアミン神経伝達物質、セロトニン、ドーパミン及びノルエピネフリンの全ての細胞外血漿濃度を上昇させる。いずれのSNDRIも未だ市販されていないが、これらの薬剤の1つであるGlaxoSmithKlineのNS2359が現在臨床試験中であり、ブラソフェンシン及びテソフェンシン等の他の化合物が開発中である。
抗うつ剤は副作用を引き起こすことも知られている。SSRI及びSNRIに関連する最も一般的な副作用としては、頭痛、吐き気、不眠、神経過敏、興奮及び性機能障害が挙げられる。例えば、シタロプラムは一般的に使用されているSSRIである。シタロプラムは多数の有害作用を有し得る。臨床試験では、10%を超える患者で以下の副作用の1つ又は複数が報告されている:倦怠感、眠気、口渇、発汗増加(多汗)、震え(trembling)、頭痛、眩暈、睡眠障害、不眠、心不整脈、幻覚、血圧変動、吐き気及び/又は嘔吐、下痢、女性における無オルガスム症の亢進(heightened anorgasmia)、男性におけるインポテンス及び射精問題(ejaculatory problems)。幾つかの症例では、アレルギー反応、痙攣、気分変動、不安及び錯乱が報告されている。抗うつ剤、例えばシタロプラムでの治療中に鎮静作用が見られる場合もある。
全ての種類の抗うつ剤に関し、患者は完全な治療効果を得る可能性が高くなるまで、常用量を少なくとも3週間〜4週間服用する必要がある。しかしながら、向精神薬(psychopharma)の臨床効果又は実際の効果は、通常のプープアウト(pooping-out)のために極めてまれであり、多くの治療抵抗性の患者、最大で半数の患者が寛解を得ることができない(非特許文献5)。精神障害に対する寛解が得られないことの影響は再発率の上昇、継続する機能障害、及び自殺率の上昇である(非特許文献5)。現在の向精神化合物(Psychopharmacological Compounds)によって寛解が得られないことの臨床的原因は、不適切な早期治療、基礎にある感情調節障害(不安定(instability)−過敏−知覚過敏−解離現象等に影響を及ぼす)及び競合的拮抗作用である。
したがって、気分障害を治療するためのより効率的、選択的及び効果的な薬剤が必要とされている。
特許文献1は、精神障害における第2の化合物の効果を増強するための5−HT2A受容体及びD4受容体の低用量のアンタゴニストに関する。これらのアンタゴニストの1つはピパンペロンである。特許文献1は、第2の化合物から独立したピパンペロンは精神障害の治療に対して効果がないことを記載している。
製造業者Janssen Cilag B.Vによる使用説明書には、ピパンペロンに対する治療指標として精神病、並びに重篤な興奮及び不安の対症療法が詳述されている。この使用説明書にはうつ病におけるピパンペロンの使用に関する警告がある。推奨初回用量は1日にピパンペロン40mg〜80mgである。必要に応じて、この用量を最高で1日当たりピパンペロン360mgまで増大してもよい。
国際公開第2005/053796号
Gross, J. J. & Munoz, R. F., 1995, Clinical Psychology: Scienceand Practice, 2, 151-164 Mennin, D. S., Heimberg, R. G., Turk, C. L. & Fresco, D. M., 2002,Clinical Psychology: Science and Practice, 9, 85-90 Linehan, M. M.,1993, New York, The Guilford Press Gratz, K. L.,Roemer, L., 2001 & 2004, Annual meeting of the Association for Advancementof Behavior Therapy, Nov. 2001 & Journal of Psychopathology and BehavioralAssessment, Vol. 26, No. 1, March 2004 S. M. Stahl, Essential Psychopharmacology, Depression and BipolarDisorders, 151, University Press; 2 edition (June 15, 2000); ISBN: 0521646154
本発明者は驚くべきことに、1日当たりピパンペロン0.1mg超〜約20mgという用量のピパンペロンが、気分障害の治療において効果的であることを見出した。
本発明は、気分障害を治療するための薬剤の調製に対するピパンペロン又は薬学的に許容可能なその塩の使用であって、上記ピパンペロン又は薬学的に許容可能な塩が、患者に対し有効成分0.1mg〜約20mgという範囲の日用量で投与される、使用に関する。
本発明は、気分障害の治療に使用されるピパンペロンを含む医薬組成物であって、上記ピパンペロンが、患者に対し有効成分0.1mg〜約20mgという範囲の日用量で投与される、医薬組成物にも関する。
本発明は、ピパンペロン又は薬学的に許容可能なその塩を、有効成分0.1mg〜約20mgという量で含む医薬組成物にも関し、ここで、該医薬組成物は好ましくは0.1mg〜約20mgのピパンペロンを含有する単位投与製剤、さらにより好ましくは15mg以下のピパンペロンを含有する単位投与製剤、さらにより好ましくは12.5mg、好ましくは10mg以下のピパンペロンを含有する単位投与製剤である。本発明は経口製剤、好ましくは錠剤であることを特徴とする、上記に記載の医薬組成物にも関する。
本発明は、0.1mg〜約20mgのピパンペロン又は薬学的に許容可能なその塩、並びに任意でラクトース、コーンスターチ、サッカロース、タルク及び/又はステアリン酸マグネシウムを含む錠剤にも関する。
本発明は、医薬組成物の調製に対する0.1mg〜約20mgのピパンペロンを含むピパンペロンの使用にも関し、ここで、好ましくはピパンペロンはピパンペロン二塩酸塩又はピパンペロン酢酸塩として使用され、さらにより好ましくは医薬組成物が気分障害、特に大うつ病エピソードを含む大うつ病性障害、非定型うつ病、メランコリー型うつ病、精神病性うつ病、特定不能のうつ病性障害、抑うつ(気分)、産後うつ、気分変調、抑うつ気分を伴う適応障害、又は季節性情動障害(SAD)の治療のためのものであり、さらにより好ましくは医薬組成物は大うつ病性障害の治療のためのものである。
本発明は、医薬組成物がSSRI、SNDRI又はSNRI等の抗うつ剤に対して治療抵抗性の患者の治療のためのものであることを特徴とする、上記に記載の使用にも関し、ここで、好ましくは医薬組成物はSSRI、SNDRI又はSNRIに対して治療抵抗性の患者における大うつ病の治療のためのものである。
本発明は、ピパンペロン20mg未満という日用量で使用されることを特徴とする、気分障害、好ましくは大うつ病性障害の治療に対するピパンペロンの使用、及びピパンペロン15mg以下という日用量で使用されることを特徴とする、気分障害、好ましくは大うつ病性障害の治療に対するピパンペロンの使用、及びピパンペロン10mgという日用量で使用されることを特徴とする、気分障害、好ましくは大うつ病性障害の治療に対するピパンペロンの使用にも関する。
最後に、本発明はピパンペロンを1日当たり約0.1mg〜20mg未満投与することを含む、気分障害を治療する方法に関する。
本方法及び本発明の生成物を説明する前に、記載の特定の方法、成分、生成物又は組み合わせは当然ながら変化し得るため、本発明がかかる方法、成分、生成物及び組み合わせに限定されないことを理解されたい。本発明の範囲は添付の特許請求の範囲のみによって限定されるため、本明細書中で使用される専門用語は限定的であるとは意図されないことも理解されたい。
本明細書中で使用される場合、単数形「a」、「an」及び「the」は、文脈上他に明確な指示のない限り、単数及び複数の両方の指示対象を含む。
本明細書中で使用される場合、「含む(comprising)」、「含む(comprises)」及び「含む(comprised of)」という用語は、「含む(including)」、「含む(includes)」、又は「含有する(containing)」、「含有する(contains)」と同義であり、包括的又は無制限であり、付加的な、記載されていない成員、要素又は方法工程を除外するものではない。本明細書中で使用される場合、「含む(comprising)」、「含む(comprises)」及び「含む(comprised of)」という用語は、「からなる(consisting of)」、「からなる(consists)」及び「からなる(consists of)」という用語を含むことを理解されたい。
端点による数値範囲の記載は、それぞれの範囲内に含まれる全ての数及び分数、並びに記載された端点を含む。
本明細書中で使用される場合、「約(about)」という用語は、パラメータ、量、時間幅(temporal duration)等の測定可能な値を表す場合には、特定の値の、及び特定の値から±10%以下、好ましくは±5%以下、より好ましくは±1%以下、さらにより好ましくは±0.1%以下の変動を、開示する発明において実施するのにこのような変動が適切である限りにおいて、包含することを意味する。修飾語「約」が表す値自体も、具体的にかつ好ましく開示されると理解すべきである。
本明細書に引用される全ての文献は、その全体が参照により本明細書中に援用される。
特に規定のない限り、本発明を開示する際に使用される、技術用語及び科学用語を含む全ての用語は、本発明が属する技術分野の通常の技術を有する者(当業者)によって一般的に理解される意味を有する。さらなる指針によって、用語の定義が本発明の教示をより良く理解するために含まれる。
うつ病等の気分障害は一般に、セロトニン再取り込み阻害剤を用いて治療される。しかしながら、残念なことに、これらの化合物は使用時に鎮静作用を含む副作用を生じる可能性がある。さらに、大抵の精神障害の治療において重要な問題は、セロトニン再取り込み阻害剤に対する非反応性(non-response)である。治療効果の発現も不必要に遅延し得る。
本発明によって解決される問題はしたがって、精神障害、特にうつ病等の気分障害を治療するための、より効率的な療法及び効率的、高度に選択的かつ効果的な薬剤の提供である。
SRIの一般的な作用機序は、神経伝達物質、すなわちセロトニンがシナプス前ニューロンへと再吸収される速度を遮断するか又は実質的(substantially)に低下させ、シナプスにおける神経伝達物質濃度のネットゲイン(netgain)を保つことである。これによって、神経伝達物質がシナプス後神経伝達物質受容体に結合する確率及び頻度が増大する。一般的なSRIはセロトニン輸送体(SERT)に指向性を有する。SERTは、神経伝達物質セロトニンをシナプス間隙からシナプス前ニューロンへと輸送する内在性膜タンパク質である。このSERTタンパク質によるセロトニンの輸送は、セロトニンの作用を終わらせ、それをナトリウム依存的に再利用することである。SERTはNE、DA、SERTモノアミン輸送体ファミリーに属し、細胞膜を12回貫通する。
いかなる理論にも束縛されるものではないが、本発明者は、気分障害がセロトニン輸送体を遮断又は阻害すること、したがってシナプス間隙におけるセロトニン利用率を増大させることだけでなく、阻害性フィードバック機構を遮断するか又は減少させることによっても抑えられると仮定した。特に、シナプスにおける神経伝達物質濃度の短期増大に応答して、複雑な(a web of)相互阻害性フィードバック機構のために、遺伝子及びニューロン受容体が再構築される。解離定数(K)の評価及びpKiモデリングと組み合わせて、本発明者は、高い選択的5−HT2A及びD4アンタゴニスト活性を有するピパンペロンによる低用量治療が、基礎にある感情調節障害の寛解の増加をもたらすことを見出した。特に、本発明者は驚くべきことに、20mg/日未満という異例に低い用量のピパンペロンが、気分障害を患う患者、特にSSRI、SNDRI及びSNRI等のセロトニン再取り込み阻害剤(SRI)に抵抗性の患者の治療に効果的であることを見出した。
「セロトニン再取り込み阻害剤」すなわち「SRI」という用語は、本明細書中で使用される場合、SERTの機能を遮断又は阻害することによって、シナプス間隙におけるセロトニンの細胞外血漿濃度を上昇させる任意の化合物を指す。「SRI」という用語は、任意の他の化合物、例えば他の神経伝達物質に対するこれらの化合物の効果を除外するものではない。特に、「SRI」という用語はSSRI、SNDRI及びSNRIを含む。
気分障害は、米国精神医学会の「精神障害の診断と統計の手引き」改訂第四版(DSM−IV−TR)、及びWHOの「疾病及び関連保健問題の国際統計分類」(ICD−10)に見られる基準を用いて診断され得る。DSM−IVは、精神障害の分類及び診断の指針となる診断基準、説明及び他の情報を記載しており、神経精神医学の分野において一般に使用されている。DSM−IVは例えばインターネット上で、http://www.behavenet.com/capsules/disorders/dsm4tr.htmで利用可能である。
DSM−IVの下で分類される気分障害としては、大うつ病性障害、気分変調性障害、双極性障害、気分循環性障害、一般身体疾患による気分障害及び物質誘発気分障害(disorer)が挙げられる。これらの気分障害の各々について、診断を受けるために個人の症状が満たす必要のある特定の基準が存在する。
「抑うつ状態」、「うつ病」又は「反復性うつ病性障害」は、本明細書中で互換的に使用される。本発明による「うつ病」という用語は、大うつ病性障害、大うつ病エピソード、非定型うつ病、メランコリー型うつ病、精神病性うつ病、特定不能のうつ病性障害、抑うつ(気分)、産後うつ、気分変調、抑うつ気分を伴う適応障害、季節性情動障害(SAD)を含み、いずれも当該技術分野で既知である。
うつ病は例えば、ハミルトンうつ病評価尺度(HDRS又はHAMD)(Hamilton M. A rating scale for depression. J NeurolNeurosurg Psychiatry 196023:56-62)又はモンゴメリー・アスベルグうつ病評価尺度(MADRSと略される)によってスコア付けすることができる。しかしながら、この2つの評価基準に対するスコア間には高度の統計的相関が存在する。臨床全般印象(CGI)評価尺度は、精神障害患者の治療研究における症状の重症度、治療反応性及び治療効果の一般に使用される評価基準である。CGI−重症度尺度(CGI−S)は、臨床医が診断の時点で患者の病気の重症度を、同じ診断結果を有する患者を診た過去の経験と比較して評価するのに使用することのできる7段階の尺度である。
特に、本発明は、医薬組成物又は薬剤の調製に対する0.1mg〜20mg未満のピパンペロンを含むピパンペロンの使用であって、該医薬組成物又は薬剤が気分障害の治療のためのものであることを特徴とする、使用に関する。
特に、本発明は、医薬組成物の調製に対する0.1mg〜20mg未満のピパンペロンを含むピパンペロンの使用であって、該医薬組成物が気分障害、特に大うつ病エピソードを含む大うつ病性障害、非定型うつ病、メランコリー型うつ病、精神病性うつ病、特定不能のうつ病性障害、抑うつ(気分)、産後うつ、気分変調、抑うつ気分を伴う適応障害、又は季節性情動障害(SAD)の治療、特に大うつ病性障害の治療のためのものであることを特徴とする、使用に関する。
5−HT2A受容体及びD4受容体に対するピパンペロンの高い選択的親和性は、気分障害の治療に必要とされる低い投与量に反映される。
ピパンペロンは5−HT2A受容体に対して8以上、他の5HT受容体に対して8未満のpKi値という5−HT2A受容体に対する選択的親和性と、D4受容体に対して8以上、他のドーパミン受容体に対して8未満のpKi値というD4受容体に対する選択的親和性との両方を有する(表1を参照されたい)。ピパンペロンとは、式:1’−[3−(p−フルオロベンゾイル)プロピル]−[1,4’−ビピペリジン]−4’−カルボキサミドの化合物に対して与えられた慣用名である。ピパンペロンは例えば、市販のジピペロン(Janssen,Cilag B. V)の有効成分でもある。
製造業者の使用説明書によると、ピパンペロンに対する治療指標は、精神病、並びに重篤な興奮及び不安の対症療法のみである。ピパンペロンはうつ病に対しては禁忌である。成人については、1日40mg〜80mgから開始することが推奨されている。必要に応じて、用量を最高で1日当たり360mgまで増大させてもよい。従来のピパンペロン治療においては、有効成分は錠剤中では1つの錠剤当たり40mg、又は溶液中では1滴当たり2mgの量で利用可能である。従来の使用量では40mg〜360mgの範囲という高用量が処方される。例えば、14歳までの小児に対して、体重1kg当たり2mg〜6mgという用量が従来処方されている。
効果的な影響をもたらすのに必要とされるピパンペロンの量は当然ながら変化し、最終的には医師の判断により決定される。考慮すべき要因としては、製剤の投与経路及び性質、患者の体重、年齢及び全身状態、並びに治療対象の疾患の性質及び重症度が挙げられる。本発明により気分障害の治療に効果的であると示された好ましい投与量は、1日当たりピパンペロン約0.1mg〜約20mgの範囲である。好ましくは、1日当たり約0.1mg、0.25mg、0.5mg、1mg、1.5mg、2mg、2.5mg、3mg、3.5mg、4mg、4.5mg、4.8mg、4.9mg、5mg、5.5mg、6mg、6.5mg、7mg、7.5mg、8mg、8.5mg、9mg、9.5mg、10mg、11mg、12mg、12.5mg、13mg、14mg、15mg、16mg、17mg、17.5mg、18mg、19mg、19.5mg及び20mgのピパンペロンが使用される。
好ましい実施形態では、1日当たり0.1mg超〜約10mgの投与量が気分障害の治療、好ましくは小児及び高齢患者の治療において使用され、特に1日当たり約0.1mg、0.25mg、0.5mg、1mg、1.5mg、2mg、2.5mg、3mg、3.5mg、4mg、4.5mg、4.8mg、4.9mg、5mg、5.5mg、6mg、6.5mg、7mg、7.5mg、8mg、8.5mg、9mg、9.5mg及び10mgのピパンペロンがうつ病等の気分障害の治療において使用される。
さらに好ましい実施形態では、1日当たり約10mg超〜約20mgの投与量がうつ病等の気分障害の治療、好ましくは成人の治療において使用される。好ましくは1日当たり約10mg、11mg、12mg、12.5mg、13mg、14mg、15mg、16mg、17mg、17.5mg、18mg、19mg、19.5mg及び20mgのピパンペロンがうつ病等の気分障害の治療において使用される。
1日に体重1kg当たりピパンペロン約0.00125mg〜約0.25mgという投与量が、うつ病等の気分障害の治療において使用され、例えば1日に体重1kg当たり0.00125mg、0.0025mg、0.005mg、0.01mg、0.015mg、0.02mg、0.025mg、0.03mg、0.035mg、0.04mg、0.045mg、0.05mg、0.055mg、0.06mg、0.0625mg、0.10mg、0.125mg、0.15mg、0.16mg、0.17mg、0.175mg、0.18mg、0.19mg、0.195mg、0.20mg、0.22mg、0.23mg、0.24mg及び0.25mgのピパンペロンが使用される。
日用量が単位用量であり得ることを理解されたい。
したがって、本発明は、気分障害を治療するための薬剤の調製に対するピパンペロン又は薬学的に許容可能なその塩の使用であって、上記ピパンペロン又は薬学的に許容可能な塩が、患者に対し有効成分0.1mg〜約20mgという範囲の日用量で投与される、使用に関する。
したがって、本発明は、気分障害の治療に使用されるピパンペロンを含む医薬組成物であって、上記ピパンペロンが、患者に対し有効成分約0.1mg〜約20mgという範囲の日用量で投与される、医薬組成物に関する。
したがって、本発明は、気分障害の治療に使用されるピパンペロン又は薬学的に許容可能なその塩であって、患者に対し有効成分約0.1mg〜約20mgという範囲の日用量で投与される、ピパンペロン又は薬学的に許容可能なその塩に関する。
したがって、本発明は、ピパンペロン又は薬学的に許容可能なその塩を、有効成分0.1mg〜約20mgという量で含む医薬組成物に関する。好ましくは、上記ピパンペロン又は薬学的に許容可能なその塩は、有効成分0.1mg〜約20mgという単位用量で与えられる。より好ましくは、上記医薬組成物は、0.1mg〜約20mgのピパンペロンを含有する単位投与製剤、より好ましくは15mg以下のピパンペロンを含有する単位投与製剤、より好ましくは12.5mg、好ましくは10mg以下のピパンペロンを含有する単位投与製剤であることを特徴とする。
さらなる実施形態によると、本発明は気分障害、特にうつ病を治療するための薬剤の調製に対するピパンペロンの使用であって、気分障害、特にうつ病の治療においてピパンペロンが1日当たり0.1mg超〜約20mgという用量で投与される、使用に関する。好ましくは、ピパンペロンは少なくとも1日、2日間、3日間、4日間、5日間、6日間、7日間、8日間、9日間、10日間、11日間、12日間、13日間又は14日間投与され、さらにより好ましくは、ピパンペロンは少なくとも2週間、3週間、4週間若しくは5週間、又はさらには1ヶ月、2ヶ月、3ヶ月、4ヶ月、5ヶ月、6ヶ月、7ヶ月、8ヶ月、9ヶ月、10ヶ月、11ヶ月若しくは12ヶ月、又は患者のニーズに応じてさらに長く投与される。
ピパンペロンは好ましくは1日1回投与される。さらなる実施形態では、ピパンペロンは1日2回、又は3回、又はさらには4回投与される。日用量以外にも、化合物を他のスケジュールで投与することができることが理解されよう。例えば、本発明は蓄積注射も意図するものであり、その場合、長時間作用型の活性化合物を体内、例えば筋肉に注射する。そこから活性化合物が徐々に体の他の部位に入るため、1回の注射は1週間〜4週間、又はさらには数ヶ月持続し得る。他の投薬形態の投与は、成分が1週間にわたって徐々に放出される「週1回用の」丸薬、及び持続放出パッチ、例えばCDS(持続送達システム)又は1日1回用の経皮パッチに関する。
任意の投薬計画の1日当たりのピパンペロンの総用量は上記に記載された通りであり、例えば1日当たり約0.1mg〜1日当たり約20mgのピパンペロンという量である。
「治療」、「治療する」等の用語は、本明細書中で使用される場合、既に罹患した場合には発症した精神疾患若しくは精神状態、特にうつ病の改善若しくは解消、又はかかる疾患若しくは状態の特徴的症状の軽減を含む。本明細書中で使用される場合、これらの用語は、患者の状態に応じて、上記気分障害による苦痛の前に、気分障害又は気分障害に関連する症状の発症を予防すること、例えば気分障害又はそれに関連する症状の重症度を低減することも包含する。このような苦痛の前の予防又は低減とは、本発明の化合物又は組成物を、投与の時点でうつ病等の気分障害を患っていない患者に投与することを指す。「予防する」とは、例えば改善期間の後のうつ病又はそれに関連する症状のぶり返しを予防すること、すなわち再発防止も包含する。気分障害の精神状態は身体愁訴に関与し得ることは明らかである。この点で、「治療する」という用語は、身体疾患若しくは身体状態の予防、又は既に罹患した場合には、発症した身体疾患若しくは身体状態の改善若しくは解消、又はかかる状態の特徴的症状の軽減も含む。
本明細書中で使用される場合、「薬剤」という用語は、「薬物」、「治療薬(therapeutic)」、「薬(potion)」、又は治療効果若しくは予防効果を有する調製物を指すために医学分野で使用される他の用語も包含する。
抗うつ剤単剤療法を受けている患者は、症例の10%〜30%で治療に対し部分的に若しくは完全に抵抗性であるか、又は抵抗性となる可能性がある。「プープアウト」は従来のいずれの抗うつ剤にも起こり得る。薬物治療を受けているうちのうつ病の再発又はぶり返し(すなわち突破(breakthrough))も起こり得る。これが起こる原因については明確な答えはないが、薬物に対する耐性を発現する患者の症例であり得る。この問題に対処するのに使用される最も一般的な(commonly)戦略としては、第2の薬物により増強すること、用量を増量すること、又は完全に別の薬物に切り替えることが挙げられる。
或る抗うつ剤から同じ種類の別のものへの変更は、うつ病患者において目覚しい反応速度をもたらさなかった。幾つかの研究は、異なる作用機構を有する抗うつ剤への切り替えが、より良好な反応速度に関連する場合が多いことを示唆しているが、その結果は説得力に欠いている。薬物の切り替えを治療方法として選択する場合には、患者を起こり得る薬物の相互作用又は他の有害作用について注意深くモニタリングする必要がある。これは、第1の薬剤の半減期が極めて長く(例えばフルオキセチン[プロザック])、慎重な「ウォッシュアウト」期間を行う前に別のSSRIの投与を開始する場合に特に当てはまる。この状況は場合によっては、セロトニン症候群(過剰覚醒(hyper-alertness)、興奮、錯乱、不穏、ミオクローヌス、反射亢進、発汗、震え(shivering)、振戦(tremor)及び場合により死を引き起こす毒性レベルの中枢神経系セロトニン)を引き起こす。
本発明者らは、5−HT2A受容体と少なくとも8というpKiで結合するが、他の5HT受容体に対する結合親和性、すなわちpKiが8未満であるのに加え、D4受容体に対する高い選択的親和性を有する、すなわちD4受容体と少なくとも8というpKiで結合するが、他のドーパミン受容体に対する結合親和性、すなわちpKiが8未満であるピパンペロンも、治療抵抗性の気分障害患者に対する改善された効果を示すことを見出した。特異的な結合親和性の高さのために、ピパンペロンは低用量で使用することができる。そのような低用量では、有害作用は最小限に抑えられ、及び/又は排除される(例えば特許文献1(その全体が参照により具体的に援用される)を参照されたい)。
「他の5HT受容体」という用語は、本明細書中で使用される場合、例えば5−HT1受容体(例えば5−HT1A、5−HT1B、5−HT1D、5−HT1E、5−HT1F)、5−HT2B、5−HT2C、5−HT6(ラット)及び5−HT7(ラット)に関する。「5−HT2A受容体に対する選択的親和性」という表現は、他の5−HT受容体よりも高い親和性を5−HT2A受容体に対して有する受容体に関する。「D4受容体に対する選択的親和性」という表現は、受容体が他のドーパミン受容体よりも高い親和性をドーパミンD4受容体に対して有することを意味する。「他のドーパミン受容体」という用語は、例えばD1、D2及びD3ドーパミン受容体に関する。ドーパミン受容体及び5−HT2A受容体に対する試験化合物のpKi値は、一般に知られるアッセイを用いて測定することができる。
例えばピパンペロンの5−HT2A受容体及びD4受容体に対する選択的親和性を表1に示す。加えて、アドレナリン作動性受容体α1A、α2A、α2B、α2C、β1、β2、及びヒスタミン受容体H1等の他の受容体に対するピパンペロンの親和性の低さ又は欠如も表1に示す。そのため、患者をピパンペロンで治療することは、そうでなければ他の受容体の同時刺激によって生じる副作用の低下をもたらす。
ピパンペロン治療において使用することのできる低い投与量は、既に先述したように、5−HT2A受容体及びD4受容体に対する化合物の高い選択的親和性に寄与し、したがって治療効果にも寄与する。
したがって、本発明は、医薬組成物がSSRI、SNDRI又はSNRI等の抗うつ剤による初期治療に反応を示すことができなかった、気分障害であると診断された患者の治療のためのものであることを特徴とする、本明細書中に記載の使用に関する。より具体的には、本発明は、医薬組成物がSSRI、SNDRI又はSNRI等の抗うつ剤による初期治療に反応を示すことができなかった、大うつ病性障害等の気分障害の患者の治療のためのものであることを特徴とする、上記に記載の使用に関する。したがって、本発明は、医薬組成物がSSRI、SNDRI又はSNRIに対し治療抵抗性の患者の治療のためのものであることを特徴とする、本明細書中に記載の使用に関する。より具体的には、本発明は、医薬組成物がSSRI、SNDRI又はSNRIに対し治療抵抗性の患者における大うつ病の治療のためのものであることを特徴とする、上記に記載の使用に関する。
「治療抵抗性の」患者という用語は、例えば患者をモニタリング及び/又は治療する臨床医又は医師によって理解されるように、当該技術分野で一般的に使用される。この用語には、初期治療に反応を示すことができなかった患者、部分的に又は完全に治療に抵抗性の患者、反復性気分障害の患者、及びプープアウトの患者を含む。初期治療に反応を示すことができなかった患者としては、例えば2週間の治療の後、上記に記載の基準によって診断した場合に改善していない患者が挙げられる。
本発明による組成物は医薬組成物又は製剤であり得る。医薬組成物又は製剤は、例えば箱の中、ストリップ、例えばブリスタストリップ(blister strip)上に包装され得る。本発明は本明細書中で記載されるような、ピパンペロンを含む医薬組成物及びその使用に関し、上記医薬組成物は経口製剤、好ましくは錠剤であることを特徴とする。
好ましくは、組成物はピパンペロンを本発明の用量で含む丸薬、粉末又は溶液である。これは投与及び管理が容易である。
本発明において、「アンタゴニスト」という用語は、一方が部分的又は完全に他方の効果を阻害する化学物質間、特に所与の受容体に対して高い親和性を有するが、この受容体を活性化しない作用物質間の相互作用を指す。本発明において、「逆アゴニスト」という用語は、同じ受容体をふさぐことによってアゴニストとは逆の効果をもたらすリガンドを指す。本発明において、「アゴニスト」という用語は、受容体に結合し、かつ本質的効果を有する作用物質に関する。本発明において、「部分アゴニスト」という用語は、完全アゴニストよりも低い内活性を有し、最大下の(lower maximum)効果をもたらす作用物質に関する。
「活性代謝物」という用語は、本明細書中で使用される場合、親薬物の代謝によって生成する、治療効果のある化合物に関する。疾患を治療するために投与される薬物は通常、体内で様々な関連化学形態(代謝物)へと変換され(代謝され)、その一部は治療活性を有し得る(活性代謝物)。
本発明による化合物は天然の化学物質又は生体物質(biological)であっても、又は化学的に合成されてもよい。
本発明は、好適な薬学的に許容可能な賦形剤との混合物中での、薬学的に許容可能な塩の形態で投与されるピパンペロンの使用も包含する。
ピパンペロンを含む医薬組成物を調製するには、有効量の有効成分を、酸付加塩若しくは塩基付加塩形態又は塩基形態で、投与に所望される調製物の形態に応じて多様な形態をとり得る薬学的に許容可能な担体との混合物中で組み合わせる。これらの医薬組成物は、望ましくは経口的、経鼻的、経直腸的、経皮的(percutaneously, transdermally)、非経口的な投与、筋肉内注射、血管内注射又は髄腔内投与に好適な単位投与形態である。例えば、経口投与形態の組成物の調製においては、通常の医薬媒体、例えば懸濁液、シロップ、エリキシル剤及び溶液等の経口液体調製物の場合は水、グリコール、油、アルコール等、又は粉末剤、丸薬、カプセル及び錠剤の場合はデンプン、糖、カオリン、滑剤、結合剤、崩壊剤等の固体担体のいずれも利用することができる。投与の容易さから、錠剤及びカプセルが最も有利な経口投与単位形態であり、この場合、固体医薬担体が当然利用される。非経口組成物については、担体は通常、少なくとも大部分が滅菌水であるが、例えば溶解性を促進するために他の成分が含まれていてもよい。
したがって、本発明は、医薬組成物の調製に対する0.1mg〜約20mgのピパンペロンを含むピパンペロンの使用に関する。
治療のための医薬化合物は、非経口投与、局所(topical)投与、経口投与又は局部(local)投与を意図され、概して薬学的に許容可能な担体、精神障害の悪影響を減弱させる又は防止するのに十分な量の有効成分を含む。担体は従来使用されている担体のいずれであってもよく、溶解性及び化合物との反応性の欠如といった物理化学的考察、並びに投与経路によってのみ限定される。
好ましくは、本発明の化合物は薬学的に許容可能な塩として与えられる。本発明の医薬組成物に使用される薬学的に許容可能な酸付加塩の例としては、例えば塩酸、臭化水素酸、リン酸、メタリン酸、硝酸及び硫酸等の鉱酸、並びに酒石酸、酢酸、クエン酸、リンゴ酸、乳酸、フマル酸、安息香酸、グリコール酸、グルコン酸、コハク酸、p−トルエンスルホン酸及びアリールスルホン酸等の有機酸に由来するものが挙げられる。本発明は具体的には、ピパンペロン二塩酸塩又はピパンペロン酢酸塩であることを特徴とするピパンペロン及びその使用に関する。
本明細書中に記載される薬学的に許容可能な賦形剤、例えば媒体、アジュバント、担体又は希釈剤は当業者に既知であり、公衆が容易に利用可能である。薬学的に許容可能な担体が、活性化合物に対して化学的に不活性なもの、及び使用条件下で有害な副作用又は毒性を有しないものであるのが好ましい。
経口投与、エアロゾール投与、非経口投与、皮下投与、静脈内投与、筋肉内投与、腹腔内投与、直腸投与及び膣内投与のための以下の製剤は単に例示であり、決して限定的なものではない。概して、非経口組成物に効果的な医薬担体に関する要件は当業者に既知である。Pharmaceutics and Pharmacy Practice, J.B. Lippincott Company,Philadelphia, PA, Banker and Chalmers, eds., pages 238-250, (1982)、及びASHP Handbook on Injectable Drugs, Toissel, 4th ed., pages 622-630 (1986)を参照されたい。経皮的薬物放出に有用なものを含む局所製剤は当業者に既知であり、本発明との関連において皮膚への適用に好適である。
経口投与に好適なピパンペロンを含む製剤には、化合物の性質、及びかかる化合物が消化管の消化分泌液から保護されることなく経口的に投与される場合、起こり得る化合物の分解についてさらに考察することが必要である。かかる製剤は、(a)有効量の化合物を水、生理食塩水又はオレンジジュース等の希釈剤中に溶解したもののような液体溶液、(b)各々が所定量の有効成分を固体又は顆粒として含有するカプセル、サシェ、錠剤、ロゼンジ及びトローチ(troches)、(c)粉末、(d)適切な液体中の懸濁液、並びに(e)好適なエマルジョンからなり得る。液体製剤には、薬学的に許容可能な界面活性剤、懸濁剤又は乳化剤を添加した又は添加していない、水、並びにアルコール、例えばエタノール、ベンジルアルコール及びポリエチレンアルコール等の希釈剤が含まれ得る。カプセル形態は、例えば界面活性剤、滑剤、並びにラクトース、スクロース、リン酸カルシウム及びコーンスターチ等の不活性充填剤を含有する、通常のハードシェル又はソフトシェルのゼラチンタイプであり得る。錠剤形態は、ラクトース、スクロース、マンニトール、コーンスターチ、バレイショデンプン、アルギン酸、微結晶性セルロース、アカシア、ゼラチン、グアーガム、コロイド状二酸化ケイ素、クロスカルメロースナトリウム、タルク、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸、並びに他の賦形剤、着色料、希釈剤、緩衝剤、崩壊剤、湿潤剤、保存料、着香料(flavouring agents)及び薬理学的に適合した賦形剤の1つ又は複数を含み得る。ロゼンジ形態はフレーバー(flavour)、通常はスクロース、及びアカシア又はトラガカントを含み、トローチ(pastilles)はゼラチン及びグリセリン、又はスクロース及びアカシア等の不活性基剤中に有効成分を含み、エマルジョン、ジェル等は活性成分に加えて、当該技術分野で既知の賦形剤を含有し得る。
したがって、本発明は、0.1mg〜約20mgのピパンペロン又は薬学的に許容可能なその塩、並びに任意でラクトース、コーンスターチ、サッカロース、タルク及び/又はステアリン酸マグネシウムを含む錠剤に関する。
本発明の化合物は、単独で又は他の好適な成分と組み合わせて、吸入によって投与されるエアロゾール製剤にすることができる。エアロゾール投与については、化合物は好ましくは界面活性剤及び噴射剤と共に微細形態で供給される。化合物の典型的な割合は0.01重量%〜20重量%、好ましくは1重量%〜10重量%である。界面活性剤は当然ながら非毒性でなくてはならず、好ましくは噴射剤に可溶性である。かかる薬剤の代表例は、炭素原子数6〜22の脂肪酸(カプロン酸、オクタン酸、ラウリン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、リノール酸、リノレン酸、オレステリン(olesteric)酸及びオレイン酸等)と、脂肪族多価アルコール又はその環状無水物とのエステル又は部分エステルである。混合グリセリド又は天然グリセリド等の混合エステルを利用してもよい。界面活性剤は、化合物の0.1重量%〜20重量%、好ましくは0.25重量%〜5重量%に相当し得る。化合物の残りは通常は噴射剤である。必要に応じて、例えば鼻腔内送達のためのレシチンのような担体が含まれていてもよい。これらのエアロゾール製剤をジクロロジフルオロメタン、プロパン、窒素等の許容可能な加圧噴射剤中に入れることができる。これらは、例えばネブライザー又はアトマイザー中の非加圧調製物のための医薬品としても製剤化することができる。かかるスプレー製剤は粘膜にスプレーするために使用することができる。
本明細書中に記載される化合物及び組成物が、その必要のある任意の患者、特にヒトの治療に有用であることは明らかである。
気分障害、特にうつ病は、5−HT2A受容体及びD4受容体に対して高い選択的親和性を有する化合物、例えばピパンペロンを用いて治療することができる。本発明はしたがって、うつ病を含む気分障害の治療のための薬剤の調製に対するピパンペロン又は薬学的に許容可能なその塩の使用であって、ピパンペロン又は上記薬学的に許容可能なその塩が、患者に対し有効成分0.1mg〜約20mgという範囲の日用量で投与されることを特徴とする、使用に関する。
本発明は、大うつ病性障害の治療に対するピパンペロンの使用であって、ピパンペロン20mg未満という日用量で使用される、好ましくはピパンペロン15mg以下という日用量で使用されることを特徴とする、使用にも関する。本発明はまた、大うつ病性障害の治療に対する使用であって、ピパンペロン10mgという日用量で使用されることを特徴とする、使用に関する。
最後に、本発明は、ピパンペロンを1日当たり約0.1mg〜20mg未満投与することを含む、気分障害を治療する方法にも関する。
本明細書中で参照される全ての特許、出版物(公開特許公報を含む)、並びにデータベースアクセッション番号及び寄託アクセッション番号は、かかる個々の特許、出版物、並びにデータベースアクセッション番号及び寄託アクセッション番号の各々が、具体的かつ個別に参照により援用されると示される場合と同じように、その全体が参照により本明細書中に具体的に援用される。
ピパンペロンを用いて治療することのできる精神障害は気分障害から選択される。
ここで概略的に記載される本発明は、以下の表及び実施例を参照してより容易に理解されるが、これらの表及び実施例は、単に本発明の或る特定の態様及び実施形態を例示することを目的として記載され、本発明を限定することは意図されない。
表の簡単な説明
表1:表1では、試験化合物のpKi値がドーパミン受容体、5HT受容体、アドレナリン作動性受容体及びヒスタミン1型受容体の各々について示される。
表2:治療群を含む(comprising for)臨床試験の設定。
実施例1:大うつ病性障害におけるピパンペロン治療:プラシーボ対照及び実薬対照臨床試験
表2は以下の治療群を含む臨床試験の設定を表す:
Cit−Active/Day 0群は、強制漸増法(forced titration regime)での臨床試験において、実薬治療の1日目(Day 0)から開始して20mgのシタロプラムを1日2回与えた群を表す。この投与法は従来の単剤療法としても表される。
Pip−Active/Day 0群は、臨床試験において、実薬治療の1日目(Day 0)から開始して5mgのピパンペロンを1日2回与えた群を表す。
Plc−Non−Active/Day 0群は、臨床試験において、実薬治療の1日目(Day 0)から開始してプラシーボを1日2回与えた群を表す。
全ての被験者に対し、実薬治療の開始前に約7日間にわたって投与するプラシーボ(PLC)導入(run-in)療法も行う。
日間隔(D)、週間隔(W)又は月間隔(M)の来院において、幾つかのパラメータを測定する。
NECTは、ニューロンE臨床試験(Neuronal E-clinical Trial)=以下のボトムアップ測定を包含する、この試験のためのベサリウスエキスパート開発(Vesalius Expert development)であると理解されたい:
組み入れ基準及び除外基準
機能状態評価
病歴
(前)治療での徴候及び症状
診断及び効力に関するDSM−IV規則
HDRS−28(ハミルトンうつ病評価尺度−28項目)
医療資源利用
試験前及び併用薬物治療
薬物投与
(重篤)有害事象
治療の急性期及び延長期(extension phase)への突入(Admission)
試験の正しい流れ
実施例2:ピパンペロン:治療抵抗性の大うつ病患者における治療的使用
目的:1mg〜20mgの範囲の用量で患者に投与されるピパンペロンが、抗うつ効果を有するというその特異的な薬理学的特性によってクレームされる。ピパンペロンの機構は、(i)pKi値がD4受容体に対して8以上、他のドーパミン受容体に対して8未満である、ドーパミン−4(D4)受容体に対する選択的親和性、及び(ii)pKi値が5−HT2A受容体に対して8以上、他の5HT受容体に対して8未満である、5−HT2A受容体に対する選択的親和性に対応する必要がある。この半自然的な(semi-naturalistic)非盲検研究では、大うつ病に対して治療抵抗性の患者の治療における低用量ピパンペロンの効力及び忍容性を調べた。
詳細
設計:半自然的な、すなわち外来患者診療における全ての「自然な」患者を含むが、気分を高揚させる薬物の同時使用を伴わない、非盲検。
対照:なし
相:第IIa相−予備的な概念実証
場所:ベルギー−Research Centre ANIMA,Alken
評価項目:評価スケールスコア、ハミルトンうつ病評価尺度17項目、軽減、反応、寛解
薬剤:気分安定剤、抗精神病薬(定型及び非定型)及び他の抗うつ剤の除外
被験者:患者は慢性経過及びSSRIに対する治療抵抗性状態の有無にかかわらず、DSM−IV基準による大うつ病性障害を有する。
治療
PIP−DAY 0からのピパンペロン
薬物/治療:ピパンペロン
用量(総量):Pip:1mg/日〜20mg/日
経路:PO
期間:8週間

*1:ピパンペロン(Pip)投与量は臨床反応性に応じて調整した。
結果
PIP治療についての結果は、以下の点で比較する。
(1)Khan et al. (2000), "Symptom Reduction and Suicide Risk inPatients Treated With Placebo in Antidepressant Clinical Trials" (Arch. ofGeneral Psychiatry, Vol. 57, April 2000)による臨床試験における抗うつ剤の標準的な効力。
(2)大うつ病におけるSNRI(デュロキセチン)に対するベースラインからのHDRS−17の変化;SNRI(デュロキセチン)治療は、Goldstein et al., (Clin. Psychiatry)により40mg/日〜120mg/日(n=152)とした。
(3)大うつ病におけるSSRI、プラシーボに対する寛解率(HDRS−17≦7);SSRIでの治療はThase et al. (Br.J. Psychiatry (2001) 178:234-241)のメタ分析に従う。プラシーボでの治療はThase et al. (Br. J. Psychiatry(2001) 178:234-241)のメタ分析に従う。
(4)国際公開第2005/05379号。
有害事象
有害事象は有害事象により中断した治療を考慮に入れて、全身、中枢神経系及び末梢神経系、胃腸系、筋骨格系、精神(psychiatric)、呼吸器系、皮膚及び皮膚付属器、血管系並びに泌尿器系に対して評価する。これは自然的研究であるため、検査パラメータ(Laboratory parameters)、ECG、体重及びバイタルサインは測定しない。
研究メッセージ
極めて異例の低用量でのピパンペロンの抗うつ効果は明らかである。
治療抵抗性患者に対するピパンペロンの抗うつ効果は明らかである。
ピパンペロンは概して、うつ病患者において耐容性が良好である、すなわち少なくとも特異的な有害事象は、本研究に使用される用量でのピパンペロンによっては予想されない。
より高い用量で観察されるピパンペロンの鎮静作用は見られない。
実施例3:大うつ病性障害に対するPOCプロセス
コンセプト:ピパンペロン1mg/日〜20mg/日という用量での大うつ病性障害の治療における、高度に選択的な5−HT2A/D4アンタゴニストであるピパンペロン
目的:この療法が:
8週間の療法後にハミルトンうつ病評価尺度−17項目(HDRS−17)の総スコアの臨床的に有意な低下を有することにより、うつ病の標準的な治療である可能性を有すること。これはHDRS−17の総スコアにおいて、プラシーボと比較して2.5点のさらなる中程度の減少(demission)を意味する;
急性治療後48週間の間に有意に多くの再発を予防することにより、従来の療法よりも持続した治療効果を有すること;及び/又は
完全に中性の安全性プロファイルを有すること、例えば療法においてプラシーボの投与(admission)と比べて臨床的に関連する有害事象がないこと
を実証すること。
プロセス:これらの目的を得ようとするために以下の種々の工程を実施する(表2も参照されたい):
(1)正常なばらつきの病歴及び精神医学的病歴、うつ病の経過を有するうつ病集団に対する自然的非盲検研究(n≧20)、1mg/日〜20mg/日のピパンペロンの用量に対して、至適基準の抗うつ剤シタロプラムを20mg/日〜40mg/日与える早期併用療法。
(2)day 0から、プラシーボ又はピパンペロン(PIP)5mg/日、又は活性抗うつ剤化合物を与える、各36人の大うつ病性障害患者の16週間のプラシーボ対照無作為化3群研究;
厳密な対照群(プラシーボ及び実薬比較対照薬(comparator);表2参照)を含むことにより、この臨床試験はPIP治療の抗うつ効果の概念実証として評価されるが、これは以下のものを包含/除外したためである
陰性試験、すなわちプラシーボと比較対照薬による実薬治療との間に有意差がないこと;
失敗した(failed)試験、すなわち比較対照薬での実薬治療と比較して研究対象の治療、すなわちPIPが劣っていること。
(3)以下によって形成されるPOC試験に続く3群によるさらに36週間の実薬対照無作為化再発予防研究:
従来の実薬単剤療法の継続;
PIP療法の患者を実薬PIP療法及びプラシーボ治療の群に無作為化すること。
Figure 2012522033
表1の化合物
ORG5222
ゾテピン
フルパロキサン
オランザピン
クロザピン
S16924
S18327
アムペロジド
GGR218231
セルチンドール
MDL100,907
ハロペリドール
チオスピロン
ラクロプリド(Raciopride)
フルスピリレン
オカペリドン
リスペリドン
S33084
L741626
セロクエル
ヨヒンビン
ジプラシドン
ピパンペロン
Figure 2012522033
表2の横軸
急性期**
延長期***
追跡期

表2の縦軸
来院
日/週/月
治療群
グループ Plc−Non Active/D0
グループ Pip−Active/D0
グループ Cit−Active/D0
インフォームドコンセント
NECT
バイタルサイン/体重
LAB
ECG
身体検査
アルコール/薬物スクリーニング
CGI−S****
Q−LES−Q*****

治療計画:
A:PLC+PLC
B:2×〔PLC+PIP(5mg)〕/日
C:2×〔CIT(20mg)+PLC)〕/日
ニューロンE臨床試験=以下のボトムアップ測定を包含する、この試験のためのベサリウスエキスパート開発
**急性期への突入:効力のDSM−IV基準によって規定される非プラシーボ応答者のみ
***延長期への突入:効力のDSM−IV基準によって規定される寛解者(remitter)のみ
****CGI−S:臨床全般印象−改善尺度
*****Q−LES−Q:生活の質、楽しみ及び満足についてのアンケート

Claims (12)

  1. 気分障害を治療するための薬剤の調製に対するピパンペロン又は薬学的に許容可能なその塩の使用であって、前記ピパンペロン又は薬学的に許容可能な塩が、患者に対し有効成分0.1mg〜約20mgという範囲の日用量で投与される、使用。
  2. 気分障害の治療に使用されるピパンペロンを含む医薬組成物であって、前記ピパンペロンが、患者に対し有効成分0.1mg〜約20mgという範囲の日用量で投与される、医薬組成物。
  3. ピパンペロン又は薬学的に許容可能なその塩を、有効成分0.1mg〜約20mgという量で含む医薬組成物。
  4. 0.1mg〜約20mgのピパンペロンを含有する単位投与製剤であることを特徴とする、請求項3に記載の医薬組成物。
  5. 経口製剤、好ましくは錠剤であることを特徴とする、請求項3又は4に記載の医薬組成物。
  6. 0.1mg〜約20mgのピパンペロン又は薬学的に許容可能なその塩、並びに任意でラクトース、コーンスターチ、サッカロース、タルク及び/又はステアリン酸マグネシウムを含む錠剤。
  7. 医薬組成物の調製に対する0.1mg〜約20mgのピパンペロンを含むピパンペロンの使用。
  8. ピパンペロンがピパンペロン二塩酸塩又はピパンペロン酢酸塩として使用されることを特徴とする、請求項7に記載の使用。
  9. 医薬組成物が気分障害の治療のためのものであることを特徴とする、請求項7又は8に記載の使用。
  10. 医薬組成物がSSRI、SNDRI又はSNRIに対して治療抵抗性の患者の治療のためのものであることを特徴とする、請求項1〜9のいずれか一項に記載の使用。
  11. ピパンペロン20mg未満という日用量で使用されることを特徴とする、気分障害の治療に対するピパンペロンの使用。
  12. ピパンペロンを1日当たり約0.1mg〜20mg未満投与することを含む、気分障害を治療する方法。
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