JP2012518924A - 通信ネットワークにおけるクロック回復 - Google Patents

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Abstract

本発明は一般的に通信ネットワークのクロック回復、特にパケットベースの通信ネットワークにおけるクロック回復に関するものである。マスタデバイス24、58、98で少なくとも1つのクライアントデバイス18、20、22、54、56、92、94,96のクライアントタイミング信号64、70を決定する方法および装置を開示する。クライアントタイミング信号は、マスタデバイスの参照タイミング信号76と比較される126。その後、タイミング差分値36がクライアントタイミング信号と参照タイミング信号間で決定される128。タイミング差分値を示す少なくとも1つのパケットがマスタデバイス24、58、98から送信され130、少なくとも1つのクライアントデバイスでクライアントタイミング信号を調整するために受信される。

Description

本発明は広く通信ネットワークのクロック回復、特にパケットベースの通信ネットワークにおけるクロック回復に関するものである。
通信ネットワークはネットワークにおいて動作する演算装置が同じタイミング信号で動作するように作動するタイミング機能を有する必要がある。このようなタイミング機能の提供に使用できる多くのタイプのクロック機構があり、これらの機能はネットワークにおける正確なタイミングの提供、性能の保証、通信サービスへの混乱の最小化に努めようとする。
時分割多重(TDM、Time Division Multiplexing)ベースネットワークは同期ネットワークであり、固定ビット速度の同期データストリームを有する。TDMベースネットワークにおいて動作する演算装置は同期データストリームからタイミング信号を入手できる。通信ネットワークの現動向はTDMベースネットワークのイーサネットベースネットワークのようなパケットベース技術への移行にあり、データストリームが代表的に同期ではないのでパケットベース技術はタイミングへの異なる手法を必要とする。
マスタデバイスから動作演算装置へのデータパケット送信によるパケットベースネットワークにおけるタイミング機能の提供は既知である。マスタデバイスはグローバル位置決め信号(GPS、Global Positioning Signal)によるような正確なタイミング参照へのアクセスを有し、動作演算装置におけるパケット到着時間はタイミング信号を表す。各動作演算装置は非特許文献1によるようにパケット到着時間をローカルクロックと比較する適応型クロック回復アルゴリズムをベースにタイミング信号回復アルゴリズムを実行する。
この手法に伴う課題は動作装置における回復クロック精度が通信ネットワークの種々の遅延により影響を受けることである。このような種々の遅延は代表的にネットワーク中央に位置するマスタデバイスからネットワーク端部に向かって位置しうる動作装置へのダウンリンク方向で一般により明らかである。アルゴリズムはパケット遅延変動を除去するように動作するが、この達成は精度の変動を伴いうる。このようなパケット遅延変動は動作演算装置の回復クロックが不正確であり、効率的ネットワーク動作を損なう結果をもたらす。
このような既知のパケットベースタイミング回復法に伴うさらなる課題は各動作演算装置がローカルクロックとして活動する高価な発振器を必要とするアルゴリズムを動作させる複雑な機能を有する必要があることである。
ITU−TG.8261規格
必要なことはパケットベースネットワークのクロック回復を提供し、上記課題を削減する方法の改善である。
本発明の第1の態様によれば、パケットベース通信ネットワークのクロック回復実行方法を提供する。本方法はマスタデバイスで少なくとも1つのクライアントデバイスのクライアントタイミング信号を決定するステップを含む。本方法はクライアントタイミング信号をマスタデバイスの参照タイミング信号と比較するステップを含む。本方法はクライアントタイミング信号と参照タイミング信号間のタイミング差分値を決定するステップを含む。本方法はマスタデバイスから少なくとも1つのクライアントデバイスにより受信する少なくとも1つのパケットを送信するステップを含み、少なくとも1つのパケットは少なくとも1つのクライアントデバイスのクライアントタイミング信号調整のためのタイミング差分値を示す。
このような方法はクライアントタイミング信号の参照タイミング信号との比較をクライアントデバイスでなくマスタデバイスで実行する利点を有する。これが意味するのはクライアントデバイスのタイミング回復はタイミング差分値を使用する単純化した方法で実行できることである。クライアントタイミング信号をマスタデバイスで決定するので、クライアントデバイスに関するあらゆるタイミングデータをアップリンクで送信する。これは従来技術で使用するダウンリンクで送信するであろうタイミングデータより一般により少なく時間遅延の影響を受ける利点を有する。タイミング差分値をネットワークに存在しうる遅延変動により影響を受けないダウンリンク方向に送信する。
本方法は好ましくは前記少なくとも1つのクライアントデバイスからの少なくとも1つのパケットを使用してマスタデバイスでクライアントタイミング信号を決定するステップを含む。
本方法は好ましくはさらに少なくとも1つのクライアントデバイスにより受信するタイミング情報の要求をマスタデバイスから送信するステップを含み、タイミング情報をマスタデバイスにおけるクライアントタイミング信号の決定に使用する。
本方法は少なくとも1つのクライアントデバイスからクライアントタイミング信号の決定に使用する複数のパケットをマスタデバイスで受信するステップを含むことができ、パケットはクライアントタイミング信号を示す。本方法は複数のパケットからクライアントタイミング信号の決定に使用する1つ以上のパケットを選択するステップを含みうる。
本方法は複数のクライアントデバイスの複数の異なるクライアントタイミング信号を決定するステップを含むことができ、複数の異なるクライアントタイミング信号をマスタデバイスで順次決定する。これは異なるクライアントタイミング信号を順次決定し、効率的方法でリソースを利用しうる利点を有する。
本発明の第2の態様によれば、パケットベース通信ネットワークのクロック回復実行方法を提供する。本方法は少なくとも1つのクライアントデバイスからマスタデバイスにより受信するクライアントタイミング信号を決定するステップを含む。本方法は少なくとも1つのクライアントデバイスでマスタデバイスから少なくとも1つのパケットを受信するステップを含み、少なくとも1つのパケットはクライアントタイミング信号とマスタデバイスの参照タイミング信号間のタイミング差分値を示す。本方法は少なくとも1つのクライアントデバイスのクライアントタイミング信号調整にタイミング差分値を使用するステップを含む。
本方法は好ましくはさらにマスタデバイスからのタイミング情報の要求の受信に応じてクライアントタイミング信号を送信するステップを含む。
本方法はマスタデバイスにより受信し、マスタデバイスにおけるクライアントタイミング信号の決定に使用する複数のパケットを送信するステップを含むことができ、パケットはクライアントタイミング信号を示す。
本方法はマスタデバイスにより受信する複数の異なるクライアントタイミング信号を複数のクライアントデバイスから送信するステップおよび複数の異なるクライアントタイミング信号をマスタデバイスで順次決定するステップを含みうる。
本方法はさらに本発明の第1の態様による方法のステップを含みうる。
本発明の第3の態様によれば、本発明の第1のまたは第2の態様に従うパケットベース通信ネットワークのクロック回復を実行するコンピュータ可読媒体において実施するコンピュータプログラムを提供する。
本発明の第4の態様によれば、パケットベース通信ネットワークのマスタデバイスを提供する。マスタデバイスは少なくとも1つのクライアントデバイスのクライアントタイミング信号を決定するタイミング回復部を含む。マスタデバイスはクライアントタイミング信号をマスタデバイスの参照タイミング信号と比較し、クライアントタイミング信号と参照タイミング信号間のタイミング差分値を決定するように動作できる。マスタデバイスは少なくとも1つのクライアントデバイスにより受信する少なくとも1つのクライアントデバイスのクライアントタイミング信号調整のためのタイミング差分値を示す少なくとも1つのパケットを送信するように動作できる。
少なくとも1つのクライアントデバイスは好ましくは前記少なくとも1つのクライアントデバイスからの少なくとも1つのパケットを使用してクライアントタイミング信号を決定するようにする。
タイミング回復部は好ましくは少なくとも1つのクライアントデバイスにより受信するスタデバイスでクライアントタイミング信号の決定に使用するためのマタイミング情報の要求を送信するようにする。
タイミング回復部は少なくとも1つのクライアントデバイスからクライアントタイミング信号を示す複数のパケットを受信し、クライアントタイミング信号を決定するようにし、パケットはクライアントタイミング信号を示す。タイミング回復部はクライアントタイミング信号の決定に使用するために複数のパケットから1つ以上のパケットを選択するようにする。
マスタデバイスはさらに第2の複数のクライアントデバイスの第2の複数のクライアントタイミング信号を決定するように動作できる第1の複数のタイミング回復部を含むことができ、クライアントデバイスより少ないタイミング回復部が存在する。
本発明の第5の態様によれば、パケットベース通信ネットワークのクライアントデバイスを提供する。クライアントデバイスはタイミング信号発生器および差動タイミング回復部を含む。クライアントデバイスはマスタデバイスにより受信するクライアントデバイスのクライアントタイミング信号を送信するように動作できる。差動タイミング回復部はクライアントタイミング信号とマスタデバイスの参照タイミング信号間のタイミング差分値を示す少なくとも1つのパケットをマスタデバイスから受信するように動作できる。クライアントデバイスはタイミング差分値によりクライアントタイミング信号を調整するように動作できる。
クライアントデバイスは好ましくはマスタデバイスのタイミング情報の要求の受信に応じてクライアントタイミング信号を送信するようにする。
クライアントデバイスはマスタデバイスにより受信するマスタデバイスでクライアントタイミング信号の決定に使用する複数のパケットを送信するようにでき、パケットはクライアントタイミング信号を示す。
本発明の第6の態様によれば、本発明の第3の態様または第4の態様に従うマスタデバイスを含む若しくは本発明の第3の態様または第4の態様に従うクライアントデバイスを含む通信ネットワークを提供する。
本発明の他の特徴は添付する図面を参照し例によってのみ示す好ましい実施形態に関する次の説明から明らかであろう。
本発明の実施形態を説明する通信ネットワークを示す。 図1の通信ネットワークをさらに詳細に示す。 代替実施形態に従う図2のタイミング回復部を示す。 図2の差動クロック回復部をさらに詳細に示す。 本発明の実施形態に従うディジタル加入者線接続多重化装置(DSLAM、Digital Subscriber Line Access Multiplexer)を有するネットワークを示す。 本発明の実施形態に従うマスタデバイスのクロック回復実行方法を図示するフローチャートを示す。 本発明の実施形態に従うクライアントデバイスのクロック回復実行方法を図示するフローチャートを示す。
図1は本発明の実施形態を説明する通信ネットワーク10を示す。ネットワーク10はイーサネットスイッチまたはインターネットプロトコル(IP、Internet Protocol)ノードのような2つのノード14、16をパケットネットワーク端部に有するパケットネットワーク12を含む。第1のノード14は移動基地局でありうる3つのクライアントデバイス18、20および22と通信する。第2のノード16はネットワーク10でタイミング制御機能を提供するマスタデバイス24または26と通信する。図1で、アップリンクを伝搬するパケットを点線矢印で示し、一方ダウンリンクを伝搬するパケットを実線で示す。
マスタデバイス24は単独デバイスであり、ネットワークタイムプロトコル(NTP、Network Time Protocol)またはプレシジョンタイミングプロトコル(PTP、Precision Timing Protocol)若しくは任意の他の類似プロトコルを使用しうる。マスタデバイス26は広帯域符号分割多元接続(WCDMA、Wideband Code Division Multiple Access)無線ネットワークの無線ネットワークコントローラ(RNC、Radio Network Controller)27の一部である統合サーバである。このようなRNCは無線ネットワークにおいてリソースを割り当て、数百の移動基地局の集合点として動作しうる。タイミング制御機能は種々の実施形態に従い、要求アプリケーションに応じてマスタデバイス24または26の何れかにより実行しうることが理解されよう。
ネットワーク10において、クライアントデバイス18、20、22はNTPまたはPTPタイミングパケットのようなタイミングパケット28、30をアップリンク方向にノード14、16を介してマスタデバイス24または26に送信するように構成される。タイミングパケットはクライアントデバイス18、20、22のタイミング信号即ちローカルクロックを表す。マスタデバイス24または26により受信するタイミングパケットを32若しくは34に示す。マスタデバイス24または26は次いでタイミングパケット32若しくは34を使用してクライアントデバイス18、20、22のタイミング信号を回復し、タイミング信号をマスタデバイス24または26の参照タイミング信号と比較する。マスタデバイス24または26は次いで40,42に示すようにクライアントデバイス18、20、22により受信するタイミング補正パケット36若しくは38を送信する。タイミング補正パケット40,42はクライアントデバイス18、22のタイミング信号とマスタデバイス24または26の参照タイミング信号間の差分値を表す。クライアントデバイス18、22は次いで補正パケット40,42を使用して、クライアントデバイス18、20、22のタイミング信号即ちローカルクロックを調整する。
図2は図1の通信ネットワーク50をより詳細に示す。図1の装置と同じ特徴を同じ参照番号により示す。図2で、マスタデバイス58によりタイミング情報を提供する第1のクライアントデバイス54および第nのクライアントデバイス56を示す。第1のクライアントデバイス54はタイミングパケットP(i)をアップリンク方向でマスタデバイス58に送信するように動作できるタイムスタンプパケットジェネレータ60を有する。第1のクライアントデバイス54はまた第1のクライアントデバイス54のローカルタイミング参照を発生するローカル発振器64を持つ差動クロック回復(リカバリ)部62を有する。差動クロック回復部62はマスタデバイス58からタイミング差分パケットD(i)を受信し、タイミング差分パケットが含む情報を使用して、ローカル発振器64を制御し、第1のクライアントデバイス54の回復参照クロックfref’を決定するように動作できる。第nのクライアントデバイス56もまたタイミングパケットP(i)をアップリンク方向でマスタデバイス58に送信するように動作できるタイムスタンプパケットジェネレータ66を有する。第nのクライアントデバイス56もまた第nのクライアントデバイス56のローカルタイミング参照を発生するローカル発振器70を持つ差動クロック回復部68を有する。差動クロック回復部68はマスタデバイス58からタイミング差分パケットD(i)を受信し、タイミング差分パケットが含む情報を使用して、ローカル発振器70を制御し、第nのクライアントデバイス56の回復参照クロックfref’を決定するように動作できる。
マスタデバイス58は第1のクライアントデバイス54のタイミング回復部72および第nのクライアントデバイス56のタイミング回復部74を有する。タイミング回復部72、74はnクライアントそれぞれのクロック回復機能を実装する。タイミング回復部72は第1のクライアントデバイス54からタイミングパケットP(i)を受信し、第1のクライアントデバイス54にタイミング差分パケットD(i)を送信するように動作できる。タイミング回復部74は第nのクライアントデバイス56からタイミングパケットP(i)を受信し、第nのクライアントデバイス56にタイミング差分パケットD(i)を送信するように動作できる。マスタデバイス58にもまたタイミング回復部72、74に伝達するグローバル位置決め信号(GPS)にロックする正確な参照タイミング信号76を提供する。タイミングパケットP(i)およびP(i)は各ローカル発振器64、70に従いクライアントデバイス54,56により生成し、一方タイミング差分パケットD(i)並びにD(i)は参照タイミング信号76に関係するマスタデバイス58により生成することが理解されよう。実際、少なくとも1つのタイミングパケットP(i)およびP(i)が必要であり、少なくとも1つのタイミング差分パケットD(i)並びにD(i)が必要である。
タイミング回復部74の動作を図2底部のフローチャート77に示す。第nのクライアントデバイス56へのタイミングパケットP(i)の送信要求をタイミング回復部74から送信する。タイミング回復部74でタイミングパケットP(i)を受信すると、78にt’−tにより示す実際の到着時間の予測到着時間との比較によりタイム誤差を計算する。最小遅延を有するパケットの選択のような適切な原理によりパケットP(i)のサンプルを次いで80に示すように選択する。ネットワーク52により招来しうるパケットジッタまたは雑音による平均パケットに関する情報の提供には、代表的に複数パケットが必要である。パケットP(i)の適切な平均化はジッタまたは雑音の除去を必要とする。例えば低域通過フィルタ、指数加重移動平均(EWMA、Exponentially Weighted Moving Average)フィルタまたはカルマン(Kalman)フィルタであるループフィルタ82にサンプルを次いで伝達する。ループフィルタ82は位相雑音を除去する改良サンプルを提供するように動作し、第nのクライアントデバイス56のローカル発振器70の正確な写しf’cnをfrefで示す正確な参照タイミング信号76を使用してディジタル合成デバイス84により判断できるようにする。ディジタル合成デバイス84は次いで正確な写しf’cnを差動メッセージング部86に伝達し、差分をfrefで示す参照タイミング信号76と比較する。差動メッセージング部86は次いで差分を符号化し、第nのクライアントデバイス56に送信できる差動メッセージD(i)を生成する。差動メッセージD(i)を次いで第nのクライアントデバイス56により使用してローカル発振器70を調整し、第nのクライアントデバイス56で参照タイミング信号76を回復する。タイミング回復部74はディジタル合成デバイス84の出力にアナログ位相ロックループ(PLL、Phase-Locked Loop)デバイスを有することができ、ディジタル合成デバイス84により生成しうるジッタを削減する。タイミング回復部74は次いでフィードバック矢印87により示すように信号f’cnをループバックし、78でタイム誤差を計算する。フィードバック矢印87は計算収束に必要である。
このように、マスタデバイス58はクライアントデバイス1乃至nのそれぞれのクロック回復動作を実行する。代替装置では、各タイミング回復デバイス72、74は複数のクライアントデバイスから一度に1つのパケットサンプリングにより複数のクライアントデバイス54、56のクロック回復を実施しうる。この装置では、複数のクライアントデバイスの各クライアントタイミング信号を順次決定し、従って一方のクライアントデバイス54のクロックを回復し、その後別のクライアントデバイス56のクロックの決定へ移行する。マスタデバイス58は1つのクライアントデバイス54に2乃至4時間を供することがあり、その後次のクライアントデバイス56へ移行する。1つのクライアントの差動メッセージD(i)を計算すると直ちに、タイミング回復部74をリセットし、全てのクライアントデバイスに差動メッセージD(i)を提供するまでタイミング回復部74を次のクライアントデバイスに供する。この方法では、数百のクライアントデバイスに数百のタイミング回復部72、74を実装する必要はない。ある実施形態では、タイミング回復部72、74のクライアントデバイス54、56に対する割合は1:10である。
図3は代替実施形態に従う図2のタイミング回復部90を示す。図2の装置と同じ特徴を同じ参照番号により示す。図3で、電圧制御発振器(VCO、voltage-Controlled Oscillator)92をループフィルタ82の後に含み、参照タイミング信号76frefを提供する。タイミング回復部90およびユニット90の後に接続する差動メッセージング部86は図2に示すタイミング回復部72、74の代わりに使用しうる。図3で、マスタデバイス58のローカル参照タイミング信号はVCO92により絶えず制御する。
図4は図2の差動クロック回復部100をさらに詳細に示す。図2の実施形態に共通の特徴は同じ参照番号により示す。図4で、差動メッセージD(i)を周波数補正△fを決定するように動作できる周波数差分デコーダ102への入力であるように示す。周波数補正△fを次いでローカル発振器70に入力し、第nのクライアントデバイス56のタイミング信号を調整し、マスタデバイス58の参照タイミング信号76の写しである補正クライアントタイミング信号fcnを提供する。ローカル発振器70は経費を最小に保つ利点を有しうるVCOでありうることが理解されよう。このように、差動メッセージD(i)に符号化した周波数補正△fによるローカル発振器70の総和により第nのクライアントデバイス56のリモートクロック周波数をマスタデバイス58の参照タイミング信号76に調整する。
このように、タイミングパケットP(i)およびP(i)の到着時間をタイミング回復部72、74、90により使用し、ローカル発振器64、70のタイミングを決定する。対照的に、タイミング差分パケットD(i)並びにD(i)は差動クロック回復部62、68、100により使用できる差分情報を含む。
図5は本発明の実施形態に従うディジタル加入者線接続多重化装置(DSLAM)を有するネットワーク110を示す。ネットワーク110は3つのクライアントデバイス112、114、116と通信するDSLAM111を含む。DSLAM111はネットワークタイムプロトコル(NTP)またはプレシジョンタイミングプロトコル(PTP)若しくは任意の他の適するプロトコルを使用しうるマスタデバイスとして統合する。クライアントデバイス112、114、116の夫々はNTPまたはPTPタイミングパケット120,122,124をDSLAM111に送信するようにする。DSLAM111はまた同期イーサネットコアネットワーク118と通信し、参照タイミング信号frefを受信する。あるいは同期ディジタルヒエラルキ(SDH、Synchronous Digital Hierarchy)への接続またはGPS信号への接続のような任意の他の方法で、DSLAM111は参照タイミング信号frefを入手できる。DSLAM111はタイミングパケット120,122,124を参照タイミング信号frefと比較し、3つのクライアントデバイス112、114、116の夫々に送信するタイミング補正パケット126、128,130を決定する。図5の装置では、DSLAM111を含む本発明の実施形態に有利なアプリケーションでありうる限定数のクライアントデバイス112、114、116が存在する。図5の装置の利点は同期イーサネットコアネットワーク118と通信するDSLAM111により参照タイミング信号を提供することであることが理解されよう。
図6は本発明の実施形態に従うマスタデバイスのクロック回復実行方法を図示するチャートを示す。本方法はステップ124に示すようにマスタデバイスにおける少なくとも1つのクライアントデバイスのクライアントタイミング信号を決定するステップを含む。これはマスタデバイスがクライアントデバイスのクロックを回復することを意味する。本方法は次いでステップ126に示すようにクライアントタイミング信号を必要とする周波数であるマスタデバイスの参照タイミング信号と比較する。本方法は次いでステップ128に示すようにクライアントタイミング信号と参照タイミング信号間のタイミング差分値を決定する。本方法は次いでステップ130に示すようにマスタデバイスから少なくとも1つのクライアントデバイスにより受信する少なくとも1つのクライアントデバイスにおいてクライアントタイミング信号を調整するタイミング差分値を示す少なくとも1つのパケットを送信する。少なくとも1つのパケットはタイミング差分を示し、タイミング差分に少なくとも1つのパケットは少なくとも1つのクライアントデバイスにそのクライアントタイミング信号の調整を可能にするタイミング差分情報を含む。本方法はマスタデバイスでパケットを使用してクライアントタイミング信号を決定するステップを含みうる。
本方法はさらにステップ120に示すようにクライアントデバイスクロック周波数を求めるマスタデバイスを含む。これは少なくとも1つのクライアントデバイスにより受信するタイミング情報の要求をマスタデバイスから送信することにより実行ができ、タイミング情報をマスタデバイスにおけるクライアントタイミング信号の決定に使用する。
本方法はステップ122に示すように少なくとも1つのクライアントデバイスからクライアントタイミング信号の決定に使用する複数のパケットを受信するマスタデバイスを含むことができ、パケットはクライアントタイミング信号を示す。本方法はさらにクライアントタイミング信号の決定に使用する複数のパケットから1つ以上のパケットを選択するステップを含むことが理解されよう。平均タイミング差分値はクライアントタイミング信号を示す複数のパケットから決定しうる。
本方法はさらにマスタデバイスの各タイミング回復部で複数の異なるクライアントタイミング信号を決定するステップを含みうる。本方法はステップ125に示すように複数のクライアントデバイスからの複数の異なるクライアントタイミング信号をマスタデバイスで決定するステップを含むことができ、複数の異なるクライアントタイミング信号をマスタデバイスで順次決定する。これは異なるクライアントタイミング信号を順次決定し、本方法を実装するネットワークのより効率的管理を提供しうる利点を有する。本方法は次いでステップ132に示すように反復する。
図7は本発明の実施形態に従うクライアントデバイスのクロック回復実行方法を図示するフローチャートを示す。本方法はステップ140に示すようにマスタデバイスにより受信するクライアントタイミング信号を少なくとも1つのクライアントデバイスから送信するステップを含む。本方法は少なくとも1つのパケットをマスタデバイスから少なくとも1つのクライアントデバイスにおいて受信するステップを含み、少なくとも1つのパケットはステップ142に示すようにクライアントタイミング信号とマスタデバイスの参照タイミング信号間のタイミング差分値を示す。本方法はステップ144に示すように少なくとも1つのクライアントデバイスのクライアントタイミング信号の調整にタイミング差分値を使用するステップを含む。
本方法はさらにステップ139に示すようにマスタデバイスからのタイミング情報の要求の受信に応じてクライアントタイミング信号を送信するステップを含む。これはステップ140に示すようにマスタデバイスにより受信するマスタデバイスにおけるクライアントタイミング信号の決定に使用する複数のパケットの送信により実行でき、パケットはクライアントタイミング信号を示す。
本方法はさらに複数のクライアントデバイスからマスタデバイスにより受信する複数の異なるクライアントタイミング信号を送信するステップおよびマスタデバイスで複数の異なるクライアントタイミング信号を順次決定するステップを含みうる。本方法はさらに図6を参照して示す方法のステップを含みうる。本方法は次いでステップ146に示すように反復する。
図1乃至図7の装置はマスタデバイスにおいてホストするクロック回復アルゴリズムを使用してクライアントデバイスに同期情報を伝送する方法を示す。マスタデバイスにおけるクロック回復アルゴリズムのホストは遅延に敏感でありうるあらゆる重要なパケットをアップリンク方向にのみ送信する利点を有する。遅延変動は一般にアップリンク方向ではより少なく、性能はより良いと期待されることが理解されよう。比較して、ダウンリンク方向は一般により雑音が多い。タイミング情報は定義によりパケット遅延変動に影響されない種々の手法によりダウンリンクでクライアントに配信する。
上記の実施形態は移動通信のためのグローバルシステム(GSM、Global System for Mobile Communications)、広帯域符号分割多元接続(WCDMA)および将来のWCDMAの後継であるロングタームエボリューション(LTE、Long Term Evolution)のような移動技術の周波数同期の態様に特にだが排他的でなく関係する。これらのアプリケーションは一般に効果的動作のために正確な周波数および/または時間同期参照を必要とする。

Claims (22)

  1. パケットベースの通信ネットワークにおけるクロック回復を実行する方法であって、
    マスタデバイスにおいて、少なくとも1つのクライアントデバイスのクライアントタイミング信号を決定するステップと、
    前記クライアントタイミング信号を、前記マスタデバイスの参照タイミング信号と比較するステップと、
    前記クライアントタイミング信号と前記参照タイミング信号とのタイミング差分値を決定するステップと、
    少なくとも1つの前記クライアントデバイスによって受信される少なくとも1つのパケットを前記マスタデバイスから送信するステップと
    を含み、
    前記少なくとも1つのパケットは、前記少なくとも1つのクライアントデバイスにおいて、クライアントタイミング信号を調整するための前記タイミング差分値を示すことを特徴とする方法。
  2. 前記マスタデバイスにおいて、前記少なくとも1つのクライアントデバイスからの少なくとも1つのパケットを用いて、前記クライアントタイミング信号を決定するステップをさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
  3. 前記マスタデバイスで前記クライアントタイミング信号を決定するために使用されるタイミング情報であって、前記少なくとも1つのクライアントデバイスによって受信される前記タイミング情報の要求を前記マスタデバイスから送信するステップをさらに含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の方法。
  4. 前記クライアントタイミング信号を決定するために使用される前記少なくとも1つのクライアントデバイスからの複数のパケットを前記マスタデバイスで受信するステップをさらに含み、
    前記複数のパケットは、前記クライアントタイミング信号を示すことを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の方法。
  5. 前記クライアントタイミング信号を決定するために使用される前記複数のパケットから1つ以上のパケットを選択するステップをさらに含むことを特徴とする請求項4に記載の方法。
  6. 複数のクライアントデバイスからの複数の異なるクライアントタイミング信号を決定するステップをさらに含み、
    前記複数の異なるクライアントタイミング信号は、前記マスタデバイスで順次決定されることを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項に記載の方法。
  7. パケットベースの通信ネットワークにおけるクロック回復を実行する方法であって、
    マスタデバイスによって受信されるクライアントタイミング信号を、少なくとも1つのクライアントデバイスから送信するステップと、
    前記マスタデバイスからの少なくとも1つのパケットであって、前記クライアントタイミング信号と前記マスタデバイスの参照タイミング信号とのタイミング差分値を示す前記少なくとも1つのパケットを前記少なくとも1つのクライアントデバイスで受信するステップと、
    前記少なくとも1つのクライアントデバイスの前記クライアントタイミング信号を調整するための前記タイミング差分値を用いるステップと
    を含むことを特徴とする方法。
  8. 前記マスタデバイスからタイミング情報の要求を受信することに応じて、前記クライアントタイミング信号を送信するステップをさらに含むことを特徴とする請求項7に記載の方法。
  9. 前記マスタデバイスで前記クライアントタイミング信号を決定するために使用される、前記マスタデバイスによって受信される複数のパケットを送信するステップをさらに含み、
    前記複数のパケットは、前記クライアントタイミング信号を示すことを特徴とする請求項7又は8に記載の方法。
  10. 前記マスタデバイスによって受信される、複数のクライアントデバイスからの複数の異なるクライアントタイミング信号を送信するステップと、
    前記複数の異なるクライアントタイミング信号を、前記マスタデバイスで順次決定するステップと
    をさらに含むことを特徴とする請求項7乃至9の何れか1項に記載の方法。
  11. 請求項1乃至6の何れか1項に記載のステップをさらに含むことを特徴とする請求項7乃至10の何れか1項に記載の方法。
  12. 請求項1乃至11の何れか1項に記載のパケットベースの通信ネットワークにおけるクロック回復を実行する方法をコンピュータで読取可能な記憶媒体に記憶したコンピュータプログラム。
  13. パケットベースの通信ネットワークにおけるマスタデバイスであって、
    少なくとも1つのクライアントデバイスのクライアントタイミング信号を決定するタイミング回復部を備え、
    前記マスタデバイスは、
    前記クライアントタイミング信号と前記マスタデバイスの参照タイミング信号とを比較し、前記クライアントタイミング信号と前記参照タイミング信号とのタイミング差分値を決定するように動作可能であり、
    前記少なくとも1つのクライアントデバイスで前記クライアントタイミング信号を調整するための、前記少なくとも1つのクライアントデバイスによって受信される前記タイミング差分値を示す少なくとも1つのパケットを送信するように動作可能であることを特徴とするマスタデバイス。
  14. 前記少なくとも1つのクライアントデバイスからの少なくとも1つのパケットを用いて前記クライアントタイミング信号を決定するように構成されることを特徴とする請求項13に記載のマスタデバイス。
  15. 前記タイミング回復部は、前記マスタデバイスで前記クライアントタイミング信号を決定するために使用される、前記少なくとも1つのクライアントデバイスによって受信されるタイミング情報の要求を送信するように構成されることを特徴とする請求項13又は14に記載のマスタデバイス。
  16. 前記タイミング回復部は、前記クライアントタイミング信号を決定するために、前記少なくとも1つのクライアントデバイスからの前記クライアントタイミング信号を示す複数のパケットを受信するように構成されることを特徴とする請求項13乃至15の何れか1項に記載のマスタデバイス。
  17. 前記タイミング回復部は、前記クライアントタイミング信号を決定するために使用される前記複数のパケットから1つ以上のパケットを選択するように構成されることを特徴とする請求項16に記載のマスタデバイス。
  18. 第2の複数のクライアントデバイスからの第2の複数のクライアントタイミング信号を決定するように動作可能な第1の複数のタイミング回復部をさらに含み、
    前記第1の複数のタイミング回復部は、前記第2の複数のクライアントデバイスよりも少ないことを特徴とする請求項13乃至17の何れか1項に記載のマスタデバイス。
  19. パケットベースの通信ネットワークにおけるクライアントデバイスであって、
    タイミング信号発生器と、差動タイミング回復部とを備え、
    前記クライアントデバイスは、マスタデバイスによって受信される前記クライアントデバイスのクライアントタイミング信号を送信するように動作可能であり、
    前記差動タイミング回復部は、前記クライアントタイミング信号と前記マスタデバイスの参照タイミング信号とのタイミング差分値を示す、前記マスタデバイスからの少なくとも1つのパケットを受信するように動作可能であり、
    前記クライアントデバイスは、前記タイミング差分値を用いて前記クライアントタイミング信号を調整するように動作可能であることを特徴とするクライアントデバイス。
  20. 前記マスタデバイスからタイミング情報の要求を受信することに応じて、前記クライアントタイミング信号を送信するように構成されることを特徴とする請求項19に記載のクライアントデバイス。
  21. 前記マスタデバイスで前記クライアントタイミング信号を決定するために使用される、前記マスタデバイスによって受信される複数のパケットを送信するように構成されることを特徴とする請求項19又は20に記載のクライアントデバイス。
  22. 請求項13乃至18の何れか1項に記載のマスタデバイス、又は、請求項19乃至21の何れか1項に記載のクライアントデバイスを含むことを特徴とする通信ネットワーク。
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