JP2012517518A - チオアルキル及びチオアリール置換されたスピロ芳香族ベースの時間−温度指示薬 - Google Patents

チオアルキル及びチオアリール置換されたスピロ芳香族ベースの時間−温度指示薬 Download PDF

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Abstract

本発明は時間−温度指示薬(TTI)の活性成分としてのフォトクロミックスピロピランに関し、また新規なスピロピラン自体に関する。更に詳細には、本発明は、ベンゾピラン部分のフェニル環においてアルキルスルファニル/アリールスルファニル置換基を含むフォトクロミックスピロピランをベースとしたTTIを提供する。

Description

本発明は時間−温度指示薬(TTI)の活性成分としてのフォトクロミックスピロピランに関し、また新規なスピロピラン自体に関する。更に詳細には、本発明は、ベンゾピラン部分のフェニル環においてアルキルスルファニル/アリールスルファニル置換基を含むフォトクロミックスピロピランをベースとしたTTIを提供する。
TTIは、時間及び温度への累積曝露に反応する傷み易い商品の包装又は該商品への取り付けのための基材である。TTIは、熱的に結合されている商品の部分又は全ての時間温度履歴を報告することが可能である。TTIは可逆のフォトクロミックであるスピロ芳香族化合物に依存する。化合物は、特定のエネルギー範囲の光子による照射(有利には近UV光のUV光)によって光誘導着色を受けることがあり、着色の後に時間及び温度依存性の退色が起こる。フォトクロミック化合物をベースとしたTTIは、理想的には、周囲光による影響を受けない。残念なことに、指示化合物の再変化及び光退色/光崩壊などの望ましくない同時プロセスが起こり得る。
従って、これらの望ましくないプロセスの防止が非常に重要である。最初のプロセスを回避するために、異なるフィルタシステム、例えば、国際公開WO2008/083895号に開示されているものが存在する。しかしながら、現存するフィルタは、指示化合物の光退色及び/又は光崩壊に対する完全な保護を保証できない。光退色/光崩壊プロセスへの指示薬の安定性は、主としてその固有の特性によって決定される。従って、向上した光安定性を有する新規な化合物の探求が非常に重要である。
US4286957号は、実施例7の第7欄において、光学レンズのフォトクロミック成分として’’[ジメチル3,3イソプロピル1インドリノ]2スピロ2’ニトロ6メチルチオイソプロピル8’ベンゾピラン’’を開示している。この物質の命名はむしろ奇妙であり(とりわけ、原子の番号付けを参照のこと)、これによってどの構造が意味付けられるかは不明確である。場合により、以下の構造は、どれがイソプロピルチオメチル基のために本発明の式Iの化合物の定義内に包含されないかを意味するものである。
Figure 2012517518
スピロ芳香族フォトクロミック化合物ベースのTTIは前述されている。
WO99/39197号は、TTIの活性材料として移動反応をベースとした、フォトクロミック染料の使用を記載している。これらの材料をベースとしたTTIは、高精度で再現可能であり、且つ刺激光を使用して荷電することができる。該文献は更に、特別なフィルタを活性物質の上に配置することによって、UVの大部分及び可視スペクトルの光を濾光することができ、これは望ましくないTTIの再荷電及び光退色を防ぐことを教示している。
国際公開WO05/075978A2号(Freshpoint)及びWO2008/083925A1号(Freshpoint)は、モノマーのスピロピランをベースとしたTTIを教示している。しかしながら、大部分の公知のモノマーのスピロピランは、それらを比較的高い脱色によって特徴づけることに不都合である。WO05/075978A2号に開示された化合物は、目下開示されているモノマースピロピランとは異なり、とりわけ、WO05/075978A2号の第15頁、第4〜6行目の置換基Yの定義は、本発明の置換基Rについて以下に本願明細書に列記された意味の置換基によってではなく、ハロゲンによってアラルキル部分の置換のみを可能にする。
向上した光安定性及び向上した持続時間を有するオリゴマースピロピランをベースとしたTTIは、国際公開WO2008/090045A1号(Freshpoint)に開示されている。オリゴマーチオアルキル又はチオアリール置換したスピロ芳香族は開示されていない。
従って、本発明の根底にある課題は、傷み易い製品の温度を効果的に且つ正確に監視できる良好な光安定性を有する時間−温度指示薬系を提供することである。
本発明者らは、フォトクロミック化合物の系列、即ち、TTI用途のための望ましい特性を有するスピロピランのチオアルキル誘導体及びチオアリール誘導体を新たに発見した。該誘導体はUV照射時に固体状態で強い色を顕色させ、一部は極めて低い退色を示し、活性前に室温の貯蔵下で高い安定性を示し且つ商業的に使用されている基材上で印刷適性を示す。この系列の化合物をベースとしたTTIから得られる情報は、高精度で、再現可能で且つそれらが取り付けられる傷み易い商品の時間−温度履歴に比例している。
図面の簡単な説明
図1〜4は、本発明のチオスピロピランの退色と、暗所で保持した試料とを比較し、また先行技術に属する構造的に最も密接に関連したオキシ−スピロピランの相応する挙動とを比較している。
図1〜4は、横軸に沿って時間[時間]及び縦軸に沿って二乗デルタLab値の合計の平方根を示し、これは式(ΔL+Δa+Δb0.5に従ってCIE L、a及びb値から計算され、式中、ΔLはL−L、Δaはa−a且つΔbはb−bであり、L、a及びbは時間0、即ち、変化直前の時間での値である。図面の詳細な説明及びそれから得られる結論は、本テキストの実施例5に提供されている。
本発明は、一般式I、Ia、II、III及びIVのスピロピランの新規なチオアルキル誘導体及びチオアリール誘導体に関し、且つこれらの誘導体を含むTTIに関する。
一実施態様において、本発明は、一般式I
Figure 2012517518
(式中、
−Rは互いに独立して水素、C−Cアルキルスルファニル、アリールスルファニル、ハロゲン、CF、−C−Cアルキル又は−NOであるが、但し、R−Rの少なくとも1つがC−Cアルキルスルファニル又はアリールスルファニル、有利にはC−Cアルキルスルファニル、特にC−Cアルキルスルファニル、例えば、C−アルキルスルファニルであり;
は水素、ハロゲン、−C−Cアルコキシ、−COOH、−COO−C−Cアルキル、−CF又はフェニルであり;
は水素であるか又はR及びRは一緒にフェニル環を形成し;
は水素又は、−C−Cアルキルであり;
は水素又は、−C−Cアルキルであるか、又はRと一緒に5〜6員環を形成し;
は−C−Cアルコキシ、−NO、−CF、−O−CF、−CN、−COO−C−Cアルキル、フェニル又はビフェニルであり;
は水素、ハロゲン、−CN、−C−Cアルコキシであるか又はR及びRは一緒にフェニル環を形成し;
は水素、ハロゲン、−CN、又は−C−Cアルコキシであり;
10は水素又はハロゲン又はCNであり;
11は水素又はハロゲン又はCNである)
のスピロピランの新規なチオアルキル誘導体及びチオアリール誘導体
並びにこれらの誘導体を含むTTIに関する。
有利な実施態様において、本発明は、式Iで示され、その式中、
はC−Cアルキルスルファニル、アリールスルファニル、有利にはC−Cアルキルスルファニル、特にC−Cアルキルスルファニル、例えば、Cアルキルスルファニルであり;
及びRは水素であり;
はNOであり;
及びRは水素であり;
及びRはメチルであり;
は−C−Cアルコキシ、−NO、−CF、−O−CF、−CN、−COO−C−Cアルキル、フェニル又はビフェニル、有利にはフェニル、ビフェニル、更に有利にはビフェニルであり;
及びR及びR10及びR11は水素である化合物を提供する。
最も有利にはRはC−Cアルキルスルファニル、特にMeSであり、Rは−NO、フェニル又はビフェニルである。
有利には、C−Cアルキルスルファニル、特にC−CアルキルスルファニルRは、イソプロピルスルファニル、即ち、2−プロピルスルファニルとは異なり、且つ例えば、C−Cアルキルスルファニル又はC−Cアルキルスルファニル、又は1−プロピルスルファニルである。
例は、次のものである:
Figure 2012517518
国際公開WO05/075978号(Freshpoint)は一般的にスピロ芳香族化合物
Figure 2012517518
を開示している。
チオアルキル化合物の特殊な例はWO05/075978号に開示されていない。
一実施態様において、本発明は、WO05/075978号の一般的な開示の選択として一般式Ia
Figure 2012517518
(式中、
はMeS(=メチルスルファニル=メチルチオ)又はアリールスルファニル、有利にはMeSであり;
及びRは水素であり;
はNOであり;
及びRは水素であり;
及びRはメチルであり;
は水素又はハロゲンであり;
及びR及びR10及びR11は水素である)
のスピロピランの新規なチオメチル誘導体及びチオアリール誘導体、並びにこれらの化合物を含むTTIに関する。
従って、以下の化合物
Figure 2012517518
(式中、RはMeS又はアリールスルファニルであり且つRは水素又はハロゲンである)
が得られる。
例は、次のものである:
Figure 2012517518
一実施態様において、本発明は、一般式II又はIII
Figure 2012517518
(式中、
−Rは互いに独立して水素、C−Cアルキルスルファニル、アリールスルファニル、ハロゲン、CF、−C−Cアルキル又は−NOであるが、但し、R−Rの少なくとも1つがC−Cアルキルスルファニル又はアリールスルファニル、有利にはC−Cアルキルスルファニルであり;
は水素、ハロゲン、−C−Cアルコキシ、−COOH、−COO−C−Cアルキル、−CF又はフェニルであり;
は水素であるか又はR及びRは一緒にフェニル環を形成し;
は水素又は、−C−Cアルキルであり;
は水素又は、−C−Cアルキルであるか、又はRと一緒に5〜6員環を形成し;
Lは二価のリンカーであり;
L’は三価のリンカーである)
のスピロピランの新規なオリゴマーチオアルキル誘導体及びチオアリール誘導体、並びにこれらの化合物を含むTTIに関する。
別の有利な実施態様において、本発明は、式IIで示され、その式中、
は−C−Cアルキルスルファニル又はアリールスルファニル、有利にはC−Cアルキルスルファニルであり;
及びRは水素であり;
はNOであり
及びRは水素であり;
及びRはメチルであり;
Lは二価のリンカーである化合物を提供する。
例は、次のものである:
Figure 2012517518
本発明は特に、スピロピラン指示薬化合物の少なくとも1つのチオアルキル誘導体が、以下の構造式
Figure 2012517518
特に、FPSP387、FPSP379−05−08、FPSP386及びFPSP388からなる群から選択される、時間−温度指示薬に関し、且つこれらの化合物自体のいずれか1つに関する。
一実施態様において、スピロ芳香族化合物は三量体である。
式IIIのスピロピラン三量体は、例えば、
Figure 2012517518
である。
式II又はIIIの結合したスピロ芳香族化合物に関して、式IIのそれらの化合物が有利である。
一実施態様において、本発明は、一般式IV
Figure 2012517518
(式中、
は水素、ハロゲン、CF、−C−Cアルキル又は−NOであり;
は水素、ハロゲン、−C−Cアルコキシ、−COOH、−COO−C−Cアルキル、−CF又はフェニルであり;
は水素であるか又はR及びRは一緒にフェニル環を形成し;
は水素又は、−C−Cアルキルであり;
は水素又は−C−Cアルキルであるか、又はRと一緒に5〜6員環を形成する)
のスピロピランの新規なチオアルキル誘導体及びチオアリール誘導体に関する。
本願明細書で使用される「アルキルスルファニル」との用語は、硫黄原子を介して親分子部分に結合されたアルキル基を表す。
本願明細書で使用される、「アリールスルファニル」との用語は、硫黄原子を介して親分子部分に結合されたアリール基を表す。本願明細書において、一般的な用語−C−Cアルキルは、直鎖状及び分枝鎖状の両方のアルキル基、例えば、プロピル/イソ−プロピル及びtert−ブチル基を含み、さらにシクロアルキル(C−C)基、例えば、シクロペンチル、及びシクロヘキシルを含む。
本願明細書で使用される「二価リンカー」又は「三価リンカー」との用語は、2つ又は3つのスピロピラン部分と、例えば、二価又は三価の脂肪族基、又は有利には芳香族基とを結合させることが可能な二価又は三価の基を意味する。
脂肪族二価リンカー基の例は、C−C12アルキレン、C−C12アルケニレン、及びC−C12アルキニレンから選択される。芳香族二価リンカー基の例は、
Figure 2012517518
(式中、Rは水素、ハロゲン、−C−Cアルコキシ、CF、NO、有利にはメトキシ又は水素であり;且つsは1〜4、有利には1又は2である)
から選択される。
一実施態様において、リンカーは−フェニル−、例えば、1,4−フェニレンである。
三価リンカー基の例は、次のものである:
Figure 2012517518
−Cアルコキシは有利にはメトキシである。「ハロゲン」はフルオロ、クロロ、ブロモ又はヨードを意味する。
上記のチオアルキル又はチオアリールスピロピランには、少なくとも2つの異なる準安定異性体が存在する。少なくとも2つの別個の原子価異性体形が、オリゴマー指示薬の各スピロ芳香族単位に存在する。これらの異性体形は、少なくとも1つの着色した開形(第1の異性体形)、及び少なくとも1つの無色の環形(閉じた形又は第2の異性体形)である。
好適な活性材料は、以下の特性を示す:
(1)この系は、準安定状態から安定状態へと導く少なくとも1つの熱プロセスを有し、その際、スピロ芳香族化合物の2つの状態は、明確に異なる色及び/又は他の測定可能な物理パラメータ、例えば、ルミネセンス、屈折率、導電率などによって特徴付けられる。
(2)安定状態は、中でも次のプロセス:
a)フォトニック誘導、
b)熱誘導、
c)圧力誘導
d)電気誘導、又は
e)化学誘導
の1つ又はいずれかの刺激の組み合わせを使用して準安定状態に変換され得る。
(3)温度及び光誘導(可視光線範囲)以外で、準安定状態は、a)光誘導、b)圧電誘導、c)電気誘導、d)化学誘導などの刺激のいずれによっても又はいずれかの組み合わせによって実質的な影響を受けない。
光誘導とは、最初に無色の指示薬が、有利にはUV又は近UV範囲で、光で照射され、その結果、無色の不活性状態から着色された活性状態への可逆的な内部原子価異性化が誘導されることを意味する。逆の変色プロセスは、従って、時間及び温度に依存する速度で進行する。
準安定状態は、更に圧力誘導によって達成され得る。この手順では、物質が及び/又は該物質上に組み込まれたマトリックスは、2つの物体、例えば、金属ロールの間に通され、これはマトリックスの表面上に圧力をかけ、それによって準安定状態の形成が誘導される。物体により活性材料に付与される時間及び圧力の調整によって、TTI活性マトリックスにおける安定状態から準安定状態への変換の程度を制御することが可能である。
準安定状態は、熱誘導によって達成され得る。この特定の誘導プロセスにおいて、誘導されるべき物質が組み込まれたマトリックスは、前記物質の融点よりも常に低い温度に加熱される。熱を公知の方法、例えば、熱転写印刷ヘッドによってかけてよいが、これに限定されない。特別な場合に、マトリックスを2つの加熱した金属ロールに通している間に熱をかける。この場合、表面にかけられる圧力は、それ自体、準安定状態の形成を誘導することはできないが、加熱装置と試料との間の制御された熱的接触を単に保証するのに役立つ。準安定状態は加熱装置、即ち、マトリックス及びマトリックス自体と接触している金属ロールからの熱伝達の結果として達成される。
しかしながら、圧力、光及び熱誘導の組み合わせの使用が望ましい又は必要である場合もある。従って、これは、本発明のTTIと一緒に使用されるべき物質の準安定状態を、刺激の組み合わせによって達成するための本発明の更なる実施態様である。
本発明の活性材料は、結晶又は多結晶粉末の形態(ここで、正逆反応が起こるか又は代替的にガラス、ポリマー溶液などの他の濃縮相の形であるか又はポリマーに結合されてよい)であるか、又は液体又は溶液の形態であってよい。
本発明の更に別の態様において、顔料又は染料の形で、式I、Ia、II、III又はIVの少なくとも1種のチオアルキル又はチオアリールスピロ芳香族指示薬化合物を含むTTIの製造方法が提供されており、前記方法は以下の工程
(a)マトリックス中に又はマトリックスの上に本願明細書に規定される式I、Ia、II、III又はIVのチオアルキル又はチオアリールスピロ芳香族指示薬化合物を導入する工程及び
(b)スピロピラン指示薬を、光誘導、熱誘導、圧力誘導、電気誘導、又は化学誘導から選択される方法によって最初の安定状態からの準安定状態に変換する工程、
(c)任意に保護膜を塗布する工程
を含む。
変換工程bは、工程a)の直後に又は一定時間後に実施してよい。
最初の安定状態及び準安定状態は上記で規定されている。
「マトリックス中に導入する」との用語は、TTI指示薬をマトリックス中に混合する形態、例えば、指示薬ドープのマトリックス、指示薬のマトリックスへのゾルゲル組み込み、小結晶、固体溶液及び類似物としての指示薬の組み込みを意味する。
本発明で使用されるマトリックスは、ポリマー、接着剤、全種類の紙又は厚紙、全種類の印刷媒体、金属、又はガラス状フィルムであってよい。マトリックスは基材とも呼ばれる。印刷媒体の例は、自動接着性のPP、冷積層フィルム、PVCフィルム、PP紙、光沢写真用紙、ビニルシート及び類似物;インクジェット媒体であってよい。
マトリックスポリマーは高分子量の有機材料であり、天然又は合成由来であってよく、一般に10〜10g/モルの範囲の分子量を有する。これは、例えば、天然樹脂又は乾性油、ゴム又はカゼイン、又は変性天然材料、例えば、塩素化ゴム、油変性アルキド樹脂、ビスコース、セルロースエーテル又はエステル、例えば、セルロースアセテート、セルロースプロピオネート、セルロースアセトブチレート又はニトロセルロースであるが、特に、重合、重縮合又は重付加によって得られる、全合成有機ポリマー(熱硬化性プラスチック及び熱可塑性プラスチック)、例えば、ポリオレフィン、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン又はポリイソブチレン、置換したポリオレフィン、例えば、塩化ビニルの重合生成物、ビニルアセテート、スチレン、アクリロニトリル、アクリル酸エステル及び/又はメタクリル酸エステル又はブタジエンの重合生成物、及び上記のモノマーの共重合生成物、特にABS又はEVAであってよい。重付加樹脂及び重縮合樹脂の群から、ホルムアルデヒドとフェノールとの縮合生成物、所謂フェノプラスト、及びホルムアルデヒドと尿素、チオ尿素及びメラミンとの縮合生成物、所謂アミノプラスト、表面コーティング樹脂として使用されるポリエステル、飽和した、例えば、アルキド樹脂、又は不飽和の、例えば、マレイン酸樹脂のいずれか、さらに直鎖状ポリエステル及びポリアミド又はシリコーンが記載され得る。記載された高分子量化合物は、プラスチック組成物又は溶融物の形で、個別に又は混合物中に存在してよい。それらはまた、煮あまに油、ニトロセルロース、アルキド樹脂、メラミン樹脂、尿素ホルムアルデヒド樹脂又はアクリル樹脂などの、表面コーティング又は印刷インクのための膜形成剤又はバインダーとして、それらのモノマー形態で又は溶解形態の重合状態で存在してもよい。
「導入する」との用語は印刷をも意味する。この場合、TTIは印刷可能なインクに変換される。インクを直接、包装材料又はラベルの上に印刷してよい。
従って、本発明は更に、時間温度指示薬を製造するための、本願明細書に規定される式I、Ia、II、III又はIVの少なくとも1種のチオアルキル又はチオアリールスピロ芳香族指示薬化合物を含む、印刷インク又は印刷インク濃縮物に関する。当該技術分野で公知の印刷方法、例えば、インクジェット印刷、フレキソ印刷、レーザー印刷、熱転写印刷、パッド印刷、冷間積層技術等を使用する印刷のいずれかを使用してよい。
別の実施態様において、指示薬化合物は熱転写(TTR)インク組成物の一部であり、これはTTR層に熱をかけることによって印刷した表面に移動する。
時間温度積分器で印字された参照目盛によって、品質グレードの絶対測定が可能である。時間温度積分器及び参照目盛りは、有利には、読取りを容易にするために淡色で着色された基材上に配置される。
有利にはブラックインクに、更なるテキスト(又は情報)、例えば、使用期限、製品識別、質量、含量などを適用することが可能である。
参照色は、TTIの耐用年数を変化させるための一方法として変更してよい。
時間温度指示薬は保護膜で覆ってよく、これは光再荷電及び/又は光退色を回避することを意図している。本発明は、特に、時間温度指示薬の再荷電又は光退色を回避するフィルタを更に含む、かかる時間温度指示薬に関する。
TTI又はフィルタのいずれかを、冷間積層技術又はパッド印刷技術を使用して印刷してよい。
保護膜は、例えば、カラーフィルタ、例えば、430nmよりも長い典型的な波長を有する光に対してのみ透過性のイエローフィルタである。
好適なフィルタは、国際出願WO2008049755号に開示されている。該文献には、フォトクロミック着色剤を含有する下にある層に付着する少なくとも1種の紫外線及び/又は可視光吸収層を含む組成物が開示されており、このフォトクロミック着色剤は、UV光への曝露により活性化されて可逆的な色の変化を受け、この色の反転は温度に依存する速度で起こり、その際、光吸収層は、ヒドロキシフェニルベンゾトリアゾール、ベンゾフェノン、ベンズオキサゾン、α−シアノアクリレート、オキサニリド、トリスアリール−s−トリアジン、ホルムアミジン、シンナメート、マロネート、ベンジリデン、サリチレート及びベンゾエート紫外線吸収剤からなる群から選択される紫外線吸収剤の層の全質量を基準として1〜60質量%でバインダーを含む。
望ましい場合、非可逆の感光性指示薬を、時間温度積分器を被覆する形でタンパー防止として利用することができる。好適な非可逆の指示薬として、例えば、ピロール誘導体、例えば、2−フェニル−ジ(2−ピロール)メタンが挙げられる。かかる材料は、UV光に曝露された時に非可逆的に赤に変わる。
本発明は更に、本願明細書に規定される式I、Ia、II、III又はIVのチオアルキル又はチオアリールスピロ芳香族指示薬化合物を、光誘導、温度誘導、圧力誘導、電気誘導、又は化学誘導から選択される方法によって最初の安定状態から準安定状態へ変換し且つ準安定状態から最初の安定状態までの時間温度依存の再変換を検知することによる時間温度指示の方法に関する。
色の変化は、有利には前記準安定状態と最初の状態との間の色の差に基づいて検知される。
時間温度検知は、TTI装置の光学特性(例えば、吸収、透過率、反射率)の変化を検知することによって光学的に達成され得る。例えば、色の変化は、参照試料との比較、又は色度計又は色の読み取りもしくは色の比較技術の使用のいずれかによって視覚的に測定される。
以下の実施例は本発明を例示するものである。
図1は化合物FPSP379−05−08とFPSP127とを比較するデータである。 図2は化合物FPSP386とFPSP369とを比較するデータである。 図3は化合物FPSP387とFPSP122とを比較するデータである。 図4は化合物FPSP388と化合物361とを比較するデータである。
実施例
スピロピランのアルキルスルファニル誘導体の製造
本発明のフォトクロミックスピロピラン化合物は、該文献で公知の合成経路に従って製造してよい。幾つかのオリゴマー化合物の製造は、本発明者らによって既にWO2008090045A1号に記載されている。
実施例1:FPSP378
1−(4’−フルオロベンジル)−3,3−ジメチル−8’’−メチルスルファニル−6’’−ニトロ−スピロ[2H−1−ベンゾピラン−2,2’’−インドリン]
S−メチルスルファニル−5−ニトロ−サリチルアルデヒドの製造
方法A.サリチルアルデヒドからの出発
Figure 2012517518
方法B.2−メチルメルカプトフェノールからの出発
Figure 2012517518
方法A.工程1:2−[1,3]ジオキサン−2−イル−フェノール
サリチルアルデヒド(35g、287ミリモル)、シュウ酸(645mg、7.17ミリモル、0.025当量)及び1,3−プロパンジオール(32.7g、430ミリモル、31.1ml)のトルエン混合液(100ml)を、コンデンサ及びディーンシュターク(Dean- Stark)トラップを備えた装置中で48時間還流させる。反応混合液を室温に冷却し、NaHCO、塩水で洗い、NaSOで乾燥させ且つアルミナパッドに通す。溶媒を蒸発乾固し、残留物を温ヘキサン中に溶解し、(冷却しながら)ヘキサンから結晶化すると、2−[1,3]ジオキサン−2−イル−フェノール41.2g(80%、2つのクロップ)が白色固体として得られる。
TLC:アルミナ−ジクロロメタン−ヘキサン1:1,R=0.3。
工程2:3−メチルスルファニルサリチルアルデヒド
2−[1,3]ジオキサン−2−イル−フェノール(サリチルアルデヒド372−2の環状アセタール)(10g、55.5ミリモル)とテトラメチルエチレンジアミン(TMEDA、32.2g、41.6ml、277ミリモル)との乾燥エーテル混合液(500ml)に、n−BuLi(198ml、277ミリモル、1.4Mのヘキサン溶液中)を−78℃でNの下で添加した。最初の沈殿物が溶解し且つ溶液がゆっくりとオレンジになる時間の間、溶液を室温に温める(反応混合液を一晩撹拌する)。次にジメチルジスルフィド(31.4g、333ミリモル、30ml)を注意深く冷却下で添加すると(穏やかな発熱)、黄色溶液と白色沈殿物が得られ、これを一晩撹拌する。反応混合液を塩化アンモニウム(100ml)で反応停止し、有機相を分離し、水相をジクロロメタン(2×100ml)で抽出し、合わせた有機相を塩水で洗い、硫酸ナトリウムで乾燥し、アルミナパッドに通し、蒸発乾固する。保護基をアセトン−2.5MHCl(1:1)の混合物を使用して4時間までに除去する。次にアセトンを減圧下で蒸発させ、生成物をジクロロメタンで抽出し、有機相を分離し、硫酸ナトリウムで乾燥して蒸発させると、12gの粗生成物が得られる。粗生成物をシリカ(ヘキサン−酢酸エチル(0〜5%))上のクロマトグラフィーにかけると、6.4g(68.6%)のTLC純アルデヒド373が黄色の自己結晶化油状物として得られる。
TLC:シリカ:ジクロロメタン−ヘキサン1:1,R=0.3。
Figure 2012517518
工程3:3−メチルスルファニル−5−ニトロ−サリチルアルデヒド
3−メチルスルファニル−サリチルアルデヒド(6.4g、38.0ミリモル)の酢酸(50ml)及びCHCl(50ml)の混合溶液を氷浴中で−10℃で撹拌する。酢酸10ml中の硝酸100%(11.99g、190ミリモル、7.9ml、5当量)を、温度が−5℃を超えないような速度で、滴下漏斗を用いてゆっくりと添加する。反応混合物を−10℃で30分間撹拌する。次いで、反応混合物を激しく撹拌しながら氷水(300ml)中に注ぎ込む。混合液をジクロロメタン(3×30ml)で抽出し、合わせた有機層を塩水で洗い、NaSOで乾燥し、シリカパッドに通し、溶媒を蒸発乾固する。残留物をエタノールから結晶化すると4.0g(49.3%)の標題の化合物が黄色の粉末(TLC純粋な、2つのクロップ)として得られる。
Figure 2012517518
工程4:1−(4’−フルオロベンジル)−3,3−ジメチル−8’’−メチルスルファニル−6’’−ニトロ−スピロ[2H−1−ベンゾピラン−2,2’’−インドリン]
Figure 2012517518
3−メチルスルファニル−5−ニトロ−サリチルアルデヒド(0.32g、1.5ミリモル)のジオキサン(5ml)懸濁液に、ジオキサン(3ml)中の1−(4’−フルオロベンジル)−3,3−ジメチル−2−メチレン−インドリン(0.38g、1.43ミリモル)を加熱しながら滴加する。反応混合液を1時間還流し(TLC制御)、室温に冷却し、蒸発乾固し、ジクロロメタン中に溶解し、アルミナパッドに通し、エタノールから結晶化させると、0.33g(50%)のFPSP378が黄色固体として得られる。
Figure 2012517518
実施例2:FPSP379
Figure 2012517518
1,4−ビス((3,3−ジメチル−2−メチレンインドリン−1−イル)メチル)ベンゼン(WO2008090045A1号に記載される通りに製造、1.0g、2.378ミリモル)及び2−ヒドロキシ−3−メチルスルファニル−5−ニトロベンズアルデヒド(実施例1に記載される通りに製造、1.1g、5.23ミリモル、2.2当量)のジオキサン(35ml)溶液を2時間還流する。次に反応混合液を室温に冷却し、蒸発乾固し、ジクロロメタン−ヘキサン−2:1の混合液に溶解し、アルミナパッドに通し、蒸発乾固する。残留物をエタノール、n−ブタノールで磨砕し(一晩)、真空下で乾燥すると、0.8g(43.7%)のFPSP379が灰色粉末として得られる。
Figure 2012517518
実施例3:1−(4−メチル−[1,1’,4’,1’’]テルフェニル)−3,3−ジメチル−8’’’−メチルスルファニル−6’’’−ニトロ−スピロ[2H−1−ベンゾピラン−2,2’’’−インドリン](FPSP388)
工程1:1−ブロモ−4−エトキシメトキシメチル−ベンゼン
Figure 2012517518
4−ブロモベンジルアルコール(4g、21.39ミリモル)及びN,N−ジイソプロピルエチルアミン(4.7g、36.4ミリモル、6.44ml)の50mlのTHF(乾燥、市販)溶液に、クロロメチルエチルエーテル(2.426g、25.7ミリモル、2.4ml)を0℃でシリンジによって添加する(撹拌し且つ氷水浴で冷却しながら)。反応混合液を0℃で2時間撹拌し、次いで室温に温めて一晩撹拌する。白色の沈殿物を濾別し、THFで洗う。濾過液を減圧下で蒸発させると粗生成物が得られる。粗生成物をジクロロメタン−ヘキサン1:1中に溶解し、アルミナパッドに通し、蒸発乾固すると、保護された4−ブロモベンジルアルコールが定量的な収率(5.2g)で得られる。
工程2:4−エトキシメトキシメチル−[1,1’,4’,1’’]テルフェニル
Figure 2012517518
1−ブロモ−4−エトキシメトキシメチル−ベンゼン(3.4g、13.87ミリモル、1当量)、4−ビフェニルボロン酸(3.85g、19.42ミリモル、1.4当量)、KCO(5.75g、41.6ミリモル、3当量)、パラジウムアセテート(16mg、0.069ミリモル、0.005当量)、ピリジン(12ml)の混合液を、窒素下で乾燥した丸底フラスコ中に置き、加熱還流する。反応を完了した後(2時間まで)、反応混合液を室温まで冷却し、溶媒を減圧下で蒸発させた。微量のピリジンを、トルエンとの共沸混合物を使用して除去する。残留物をジクロロメタン−ヘキサン(1:1)中に懸濁させ、アルミナパッドに通す。溶媒を蒸発させ;白色固体の残留物を最少量のヘキサンで磨砕し、ろ過すると1.7g(38.5%)の純粋な標題の化合物が得られる。TLC:アルミナ:ジクロロメタン−ヘキサン1:1,R=0.6。
工程3:4−ブロモメチル−[1,1’,4’,1’’]テルフェニル
Figure 2012517518
HBr中の4−エトキシメトキシメチル−[1,1’,4’,1’’]テルフェニル(2.6g、9.02ミリモル)の酢酸懸濁液(33%HBr、20ml、114ミリモル、12.67当量)を130℃で1.5時間加熱し、次いで反応混合液を室温に冷却し、濾過し、ヘキサンで洗う。粗生成物をガラスフィルタで乾燥し、酢酸エチルから再結晶化すると、2.4gの91%(2つのクロップ)の4−ブロモメチル[1,1’,4’,1’’]−テルフェニル(FPSP363)が得られる。
工程4:1−(4−メチル−[1,1’,4’,1’’]テルフェニル)−3,3−ジメチル−2−メチレン−インドリン
Figure 2012517518
2,3,3−トリメチル−インドレニン(1.675g、10.52ミリモル、1.7ml)、4−(ブロモメチル)−テルフェニル(2g、8.09ミリモル)、炭酸カリウム(2.9g、21.04ミリモル)の混合液を、90℃でトルエン−アセトニトリル(12ml、2:1)中で48時間加熱し、これを室温に冷却する。反応混合液を蒸発させ、残留物をジクロロメタンと5%NaOH(水性)の間で分配する。有機層を分離し、水層をジクロロメタンで逆抽出し、合わせた有機相をNaSOで乾燥し、蒸発乾固すると、定量的な収率で粗生成物が得られる。生成物(25%までの出発インドレニンを含有)を遅らせることなく次の工程にかける。
工程5:1−(4−メチル−[1,1’,4’,1’’]テルフェニル)−3,3−ジメチル−8’’’−メチルスルファニル−6’’’−ニトロ−スピロ[2H−1−ベンゾピラン−2,2’’’−インドリン](FPSP388)
Figure 2012517518
3−メチルスルファニル−5−ニトロ−サリチルアルデヒド(0.4g、1.88ミリモル、実施例1に記載される通りに製造)の10mlのジオキサン懸濁液に、1−(4−メチル−[1,1’,4’,1’’]テルフェニル)−3,3−ジメチル−2−メチレン−インドリン(0.65g、1.62ミリモル)を加熱及び撹拌しながら添加し、この反応混合液を2時間還流する。次に反応混合液を室温に冷却し、蒸発乾固し、ジクロロメタン−ヘキサン−1:1の混合液に溶解し、アルミナパッドに通し、蒸発乾固し、ジクロロメタン−エタノールから結晶化し、真空下で乾燥すると、0.7g(2つのクロップ、63.8%)のFPSP388が淡い緑がかった粉末として得られる。
TLC:アルミナ、ジクロロメタン−ヘキサン−1:1,R=0.7。
実施例4:FPSP386 1−(4’−[1’,1’’]−ビフェニル)−3,3−ジメチル−8’’’−メチルスルファニル−6’’’−ニトロ−スピロ[2H−1−ベンゾピラン−2,2’’’−インドリン]
工程1:1−(4’−[1’,1’’]−ビフェニル)−3,3−ジメチル−2−メチレン−インドリン
その後、4−ブロモメチル−[1,1’,4’,1’’]テルフェニルの代わりに市販の4−ブロモメチルビフェニルを使用することを除いて、実施例2の工程4の方法を行う。生成物を遅らせることなく次の工程にかける。
工程2:FPSP386 1−(4’−[1’,1’’]−ビフェニル)−3,3−ジメチル−8’’’−メチルスルファニル−6’’’−ニトロ−スピロ[2H−1−ベンゾピラン−2,2’’’−インドリン]
Figure 2012517518
3−メチルスルファニル−5−ニトロ−サリチルアルデヒド(0.43g、2.03ミリモル)のジオキサン(15ml)懸濁液に、5mlのジオキサン中の1−(4’−[1’,1’’]−ビフェニル)−3,3−ジメチル−2−メチレン−インドリン(0.6g、1.84ミリモル)を撹拌しながら滴加する。反応混合液を1時間還流し(TLC制御)、室温に冷却し、蒸発乾固し、ジクロロメタン中に溶解し、アルミナパッドに通し、エタノールから結晶化させると、0.45g(47%)のFPSP386が黄色−緑がかった粉末として得られる。
Figure 2012517518
適用例
実施例5:光退色に対する安定化
顔料の試料を同一の水ベースインク中に導入し、これをミルを用いて同じ条件下で分散させる。インクを同じ紙物質(LENETTA)上に印字し、オーブン(30℃)中で24時間乾燥させる。試料を5mmのガラスプレートに置き、これは蓄熱器として働き且つ同じ光源(ランプ365nm又はLED365−UV発光ダイオード(365nm))を使用して荷電した。2つの同一試料を調製し、これを各インクから荷電した。1つの系を0℃で暗所に置いたが、他の系を0℃で蛍光灯("OSRAM" DULUX S G23,900lm,11W/840)、30cmの距離)のフィルタした光(カットオフフィルタ455nm)に露光した。試料を比色計(Eye One GretagMacbeth)を使用して測定した。暗所で維持した荷電ラベルのCIE Lab値を、光退色光に曝した同一のラベルの値と比較した。以下の表から明らかなように、メチルチオ基は一貫して着色種の感光性を低減させている。
典型的には、本発明のスピロ芳香族化合物は、以下の通り(幾つかの実施例において)製造された水ベース又は溶剤ベースのインク中に導入される。
オリゴマーのスピロピランを含むインクの製造
水ベースインク組成物:10%TTI
工程1:ポリマーマトリックス製造
20gのLS−16(Ciba(登録商標)GLASCOL(登録商標)LS16−カルボキシル化アクリルコポリマーベースの水性マイクロエマルション)
Joncryl74(BASF樹脂−カルボキシル化アクリルコポリマーベースの水性マイクロエマルション)
0.25gのTEGO−TEGO(登録商標)FOAMEX 845(有機修飾ポリシロキサンの脱泡剤エマルション、フュームドシリカを含有する)
0.1gのトリエタノールアミン(TEA)−1分間撹拌
工程2:インク試料の調製
0.2gのTTI
1.6gのポリマーマトリックス
0.4gの水(HPLCグレード)
混合液を粉砕機(600rpmで5分間に6回転、2回:800rpmで5分間に6回転)で分散させると10%のTTIインクが得られた。
0℃での光退色表
0℃で暗所に維持した荷電ラベルのCIE Lab値を、0℃で光退色光に曝した同一ラベルの値と比較した。
Figure 2012517518
Figure 2012517518
Figure 2012517518
有利な指示薬化合物FPSP379、即ち、FPSP379−05−08、及びFPSP388は、事実上、光退色を有していない(表1に示された光退色データを参照のこと)。
暗所で維持した試料とフィルタ試料との間の差は、本発明のチオアルキル又はチオアリールスピロピランの場合、硫黄原子が酸素原子に置換された対応するスピロピランと比較して大幅に減少したという事実は、図1〜4からも明らかである。
図1〜4は、横軸に沿って時間[時間]及び縦軸に沿って二乗デルタLab値の合計の平方根を示し、これは式(ΔL+Δa+Δb0.5に従ってCIE L、a及びb値から計算され、式中、ΔLはL−L、Δaはa−a且つΔbはb−bであり、L、a及びbは時間0、即ち、変化直前の時間での値である。
図1は化合物FPSP379−05−08とFPSP127(WO08090045号に開示)とを比較している。
Figure 2012517518
図1から明らかなように、FPSP379−05−08の曲線(フィルタ又は暗所)はほぼ同一であるが、FPSP127の曲線(フィルタ又は暗所)は、暗所で維持した試料と比較してフィルタ試料の増加した光退色を反映して、互いに大きく異なっている。
図2は化合物FPSP386とFPSP369とを比較している。
Figure 2012517518
図2から明らかなように、FPSP386の曲線(フィルタ又は暗所)は、暗所で維持した試料と比較してFPSP369のフィルタ試料の増加した光退色を反映する、FPSP369の曲線(フィルタ又は暗所)よりも互いに違いが遥かに小さい。
図3は化合物FPSP387とFPSP122(WO2008083925号に開示)とを比較している。
Figure 2012517518
図3から明らかなように、FPSP387の曲線(フィルタ又は暗所)はほぼ同一であるが、FPSP122の曲線(フィルタ又は暗所)は、暗所で維持した試料と比較してフィルタ試料の増加した光退色を反映して、互いに大きく異なっている。
図4は化合物FPSP388と化合物361(WO08083925号に開示)とを比較している。
Figure 2012517518
図4から明らかなように、FPSP388の曲線(フィルタ又は暗所)はほぼ同一であるが、化合物361の曲線(フィルタ又は暗所)は、暗所で維持した試料と比較してフィルタ試料の増加した光退色を反映して、互いに大きく異なっている。

Claims (11)

  1. 一般式I
    Figure 2012517518
    (式中、
    −Rは互いに独立して水素、C−Cアルキルスルファニル、アリールスルファニル、ハロゲン、CF、−C−Cアルキル又は−NOであるが、但し、R−Rの少なくとも1つがC−Cアルキルスルファニル又はアリールスルファニルであり;
    は水素、ハロゲン、−C−Cアルコキシ、−COOH、−COO−C−Cアルキル、−CF又はフェニルであり;
    は水素であるか又はR及びRは一緒にフェニル環を形成し;
    は水素又は、−C−Cアルキルであり;
    は水素又は、−C−Cアルキルであるか、又はRと一緒に5〜6員環を形成し;
    は−C−Cアルコキシ、−NO、−CF、−O−CF、−CN、−COO−C−Cアルキル、フェニル又はビフェニルであり;
    は水素、ハロゲン、−CN、−C−Cアルコキシであるか又はR及びRは一緒にフェニル環を形成し;
    は水素、ハロゲン、−CN、又は−C−Cアルコキシであり;
    10は水素又はハロゲン又はCNであり;
    11は水素又はハロゲン又はCNである)
    のスピロピランの少なくとも1種のチオアルキル誘導体又はチオアリール誘導体を含む、時間温度指示薬。
  2. がC−Cアルキルスルファニル、アリールスルファニルであり;
    及びRが水素であり;
    がNOであり;
    及びRが水素であり;
    及びRがメチルであり;
    が−C−Cアルコキシ、−NO、−CF、−O−CF、−CN、−COO−C−Cアルキル、フェニル又はビフェニルであり;
    及びR及びR10及びR11が水素である、請求項1に記載の時間温度指示薬。
  3. 式Ia
    Figure 2012517518
    (式中、RはMeS又はアリールスルファニルであり且つRは水素又はハロゲンである)
    の少なくとも1種のチオアルキル誘導体又はチオアリール誘導体を含む、時間温度指示薬。
  4. 一般式II又はIII
    Figure 2012517518
    (式中、
    −Rは互いに独立して水素、C−Cアルキルスルファニル、アリールスルファニル、ハロゲン、CF、−C−Cアルキル又は−NOであるが、但し、R−Rの少なくとも1つがC−Cアルキルスルファニル又はアリールスルファニルであり;
    は水素、ハロゲン、−C−Cアルコキシ、−COOH、−COO−C−Cアルキル、−CF又はフェニルであり;
    は水素であるか又はR及びRは一緒にフェニル環を形成し;
    は水素又は、−C−Cアルキルであり;
    は水素又は、−C−Cアルキルであるか、又はRと一緒に5〜6員環を形成し;
    Lは二価のリンカーであり;
    L’は三価のリンカーである)
    のスピロピランの少なくとも1種のチオアルキル誘導体又はチオアリール誘導体を含む、時間温度指示薬。
  5. スピロピランのチオアルキル誘導体又はチオアリール誘導体が、式IIで示され、その式中、
    が−C−Cアルキルスルファニル、アリールスルファニルであり;
    及びRが水素であり;
    がNOであり
    及びRが水素であり;
    及びRがメチルであり;
    Lが二価のリンカーである化合物である、請求項4に記載の時間温度指示薬。
  6. スピロピラン指示薬化合物の少なくとも1種のチオアルキル誘導体が、以下の構造式
    Figure 2012517518
    からなる群から選択される、請求項1又は2及び4又は5のいずれか1項に記載の時間温度指示薬。
  7. 時間温度指示薬の再荷電又は光退色を回避するフィルタを更に含む、請求項1、3、4又は6のいずれか1項に記載の時間温度指示薬。
  8. 顔料又は染料の形で、一般式I、Ia、II、III又はIVのスピロピランの少なくとも1種のチオアルキル誘導体又はチオアリール誘導体を含む時間温度指示薬の製造方法において、
    (a)請求項1から7までのいずれか1項に規定される一般式I、Ia、II、III又はIVのスピロピランのチオアルキル誘導体又はチオアリール誘導体を、マトリックス中に又はマトリックスの上に導入する工程、及び
    (b)スピロピラン指示薬を、光誘導、熱誘導、圧力誘導、電気誘導、又は化学誘導から選択される方法によって最初の安定状態から準安定状態に変換する工程、
    (c)任意に保護膜を塗布する工程
    を含む、前記時間温度指示薬の製造方法。
  9. 請求項1から6までのいずれか1項に規定される一般式I、Ia、II、III又はIVのスピロピランのチオアルキル誘導体又はチオアリール誘導体を、光誘導、熱誘導、圧力誘導、電気誘導、又は化学誘導から選択される方法によって最初の安定状態から準安定状態へ変換し且つ準安定状態から最初の安定状態までの時間温度依存の再変換を検知することによる時間温度指示の方法。
  10. 色の変化を、前記準安定状態と最初の状態との間の色の差に基づいて検知する、請求項9に記載の方法。
  11. 時間温度指示薬を製造するための、請求項1から6までのいずれか1項に規定される一般式I、Ia、II、III又はIVのスピロピランの少なくとも1種のチオアルキル誘導体又はチオアリール誘導体を含む、印刷インク又は印刷インク濃縮物。
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