JP2012513782A - 個々の移植物としての操作された組織および足場の迅速な調製および使用 - Google Patents

個々の移植物としての操作された組織および足場の迅速な調製および使用 Download PDF

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Abstract

本発明は、ヒトまたは動物の体の中枢または末梢箇所における極めて多種多様な組織および器官の傷害および外傷を治療または治癒するために使用することができる足場の形の移植片または移植組織を製造するための短期間処理を達成するための方法、技術装置および組成物に関する。本発明は、具体的には、幹細胞、ならびに前記内在性および外来性幹細胞を特定の組織細胞に分化するように活性化させて、傷害により損傷した細胞の本来の微小環境を再構成する異なる特定の組織および器官修復促進因子による組織再生に関する。

Description

本発明は、ヒトまたは動物の体の中枢または末梢箇所における極めて多種多様な組織および器官の傷害および外傷を治療または治癒するために使用することができる足場の形の「スマート」移植片(graft)または移植組織(transplant)を製造するための短期間処理を達成するための方法、技術装置および組成物に関する。本発明は、具体的には、幹細胞、および前記内在性または外来性幹細胞を特定の組織細胞に分化するように活性化させて、傷害により損傷した細胞の本来の微小環境を再構成する異なる特定の組織および器官修復促進因子による組織再生に関する。本発明は、また、幹細胞調製および幹細胞統合、幹細胞活性化およびコミットメントを含む、数分間で処理できるほど短い時間スケールの処理に関する。欠陥の大きさに応じて、幹細胞は、大きな欠陥に対して追加されるだけでなく、より小さい欠陥にも局所的に十分に補充される。組織形態および機能の完全な回復が得られるまで、体内で数週間の期間にわたって確実に継続的に再生させるために両方の細胞補充の選択肢の組合せが可能である。
特に、本発明は、数秒から数分の時間枠に適応するほど短い優れた幹細胞調製プロセスを開始することが可能な新規な方法に関する。
該方法は、インビトロ増殖(expansion)または延長培養プロセスを必要とせずに、エキソビボ/インビボおよびインサイチュでの再造形のために幹細胞を誘導することを可能にするニッチ形成の体外誘発の概念に基づく。この新規な方法は、体外プロセスの完了後に対象の目標組織に自然に再造形する鋳型を生成することを可能にする。本発明は、ほぼすべての種類のヒトまたは動物組織を対象とする。
本発明は、最後に、(i)幹細胞調製物、(ii)エリスロポイエチン(EPO)および(ii)幹細胞の分化を促進する因子、(iv)幹細胞の有効性を向上させる因子、ならびに場合により(v)通常は局所的外傷の環境に存在する因子を含む組成物および製剤、または前記組成物で被覆された足場にも関する。
好ましくは、迅速、高品質および経済的組織再生のための足場の形の個々に操作された(engineered)移植片、移植組織または移植物の迅速かつ安全な調製のために本発明を使用することができる。
移植物の組織工学は、供与者からの細胞の取得、実験室への細胞の移送、ならびに増殖および/または分化を開始するための当該細胞の操作に関わる無菌性の維持に関して長く危険なプロセスである。増殖期間の後に、細胞は、しばしば、所謂トリプシン処理によって一時的付着基質から除去され、その後足場に移され、この足場上で再び培養される。したがって、このプロセスは、効果を発揮するのにしばしば日単位のみならず週単位の時間を要する。
複雑な三次元移植片の迅速かつ正確な製造は、現在、当技術分野で公知でない。それは、基本的なことであり、実際、細胞を増殖および分化させてインビトロでのコミットメントを誘発させた後、それらを足場上に播種するか、またはこれらの足場上でそのまま成長させることによる細胞技術に焦点をおく現行の教示に矛盾する。それらの細胞はインビトロで分化することが推定される。このプロセスは、しばしば、平均で少なくとも1から2週間、またはそれ以上の時間を要する。
第2の系統の教示は、骨髄または血液または粗骨髄からの未分化幹細胞を、細胞治療の形として、例えば心筋を含む組織に術中に直接注入する方法を使用する。脊髄傷害の修復のために、細胞は、増殖のために培養されたか、または鼻もしくは胎児起源などの特定の源から採取された。後者は、形質転換または腫瘍形成に至る危険性がある。鼻由来の細胞は、収穫に対してはかなりの感染環境になり、臨床的に汎用的解決策であるとはいえない。骨髄由来細胞が研究中である。
さらなる代替法は、デノボ組織再生である。局所的環境は、究極的にこれらの細胞を分化するのに役立つことが期待された。受入環境をより厳密に調査すると、細胞は、心臓に注入後に、例えば心筋細胞に分化しないことが分かる。このような場合、筋細胞の形成が全く報告されなかった。その代わり、回復の支援のための移植幹細胞の分泌活性からかなり明確な効果が仮定された。当該研究における全体的な効果は、心臓機能の4%の向上にすぎなかった。これは、この微小環境の仮説が、組織デノボ形成の目標を達成せず、補助的な役割にすぎないことを意味する。
別の研究において、増殖したMSCが、インビトロでの増殖後に無細胞化弁足場に注入された。インビトロ培養時に、細胞は、顕著な幹細胞特性(より強い複製)を有し、インビトロで炎症を軽減させることができる細胞の選択を達成した選択過程を経た。
これまで、サイトカインが、この文脈において、どのような役割を果たすことができるかということが明確でない。しかし、分子をインビトロで使用して、多能性を制御し、特定の組織に対して分化およびコミットメントを誘発できることが周知である。
治傷は、炎症反応と密接に関連する。人工気管の外科移植後、局所的治癒、生存および統合の速度および質が、移植片の取込みおよび移植物の長期的成功にとって重要になる。
炎症を通じて、炎症反応を持続させるIL−6、IL−1およびTNFなどのサイトカインが放出される。しかし、移植物足場の不十分な再造形により炎症が適当な時に終了しなければ、炎症は諸刃の剣になり得る。
組織工学における足場再造形は、全く未知のプロセスと考えられ、誘発メカニズムは、不明瞭であるか、臨床的に実用的でなかった。従来、細胞は、対象の材料上に播種され、この材料への統合は、理想的には細胞増殖時間および移動性浸透に帰されるプロセスであった。
基本的に、炎症には、生体−移植物操作に考慮される必要がある治癒に対する特典である肯定的な面が存在する。
先行技術は、持続可能な再造形のための移植片の移植後の微小環境の制御、移植後の未分化細胞および創傷分を感知する幹細胞の分化に関する十分な教示を提供せず、真の無傷治癒をインビトロで達成するための増殖後の移植細胞の分化を十分に教示していない。
当該予備増殖は、オンコ遺伝子を活性化させることが証明された。これは、人工的環境への曝露によって引き起こされ、傷修復および再造形の正常な制御メカニズムの根底をなさない増殖サイクルの繰返しに対しても可能である。この人工的状況は、勿論、創傷および傷害後の体の再生能力と整合しない。ヒトにおける幹細胞活性化および幹細胞コミットメントは、増殖の十分な制御を必要とすると同時に、オンコ遺伝子活性化を防止する。
これらの要件は、必須であると考えられ、従来の教示においてそれらが無視されていることは、これらの理由により必然的にかなり複雑であるだけでなく、危険でもあるインビトロ細胞処理の現行の技術の最も深刻かつ有害な欠点を引き起こし得る。
他の代替法は、細胞の受入部分が、細胞および足場移植者の側から大いに変化しやすく十分に制御可能でないため、他方では解決策にならない幹細胞の単なる注入である。これまで報告されたすべての事例において、幹細胞は、より厳密に検討すると、適切なデノボ組織形成を得るというそれらの本来の目標を十分に達成し得なかった。
よって、移植後および移植時の幹細胞の多能性を制御する必要性が存在する。過去の教示は、移植のかなり前の多能性の制御に焦点をおいていた。細胞分化を制御することを試みるが、細胞にとって有害であると共に経済的でない人工的な副次的条件を示し得る細胞培養処理を回避する必要性も存在する。
これらの先行方法を実施することには、移植組織の品質および機能に関する大きな問題がある。よって、これらすべての制限を排除する方法が要求される。本発明は、記載の問題を克服すると共に、気道組織および弁、ならびに概して動物またはヒトの体のすべての組織を迅速に操作する実用的な方法を提供するために成された。
細胞培養または細胞の「ブラインド」移植の課題を解決するために、本発明は、幹細胞分化を制御し、移植物をエキソビボで迅速に調製処理し、外科医によりこれらの予備処理移植物をインビボで同時に移植するための新規な方法および手法を提供する。
これは、いずれも、特定の目標、即ち本発明により特異的に処理される幹細胞を選択することによって達成され得る。
内在性もしくは外来性幹細胞またはそれらの前駆体を、自然の微小環境の条件に曝露することによって、傷害組織および人工または天然足場において活性化させることができることが判明した。この微小環境は、より大きい傷害が生じた場合に損傷を受けることが判明した。そのような状況において、必要な細胞および因子は、損傷組織の局所的環境に存在しないか、またはそれらの活性もしくは効果を低下させる。本発明によれば、再生もしくは修復すべき組織、またはそれぞれの組織足場もしくはマトリックスを必要な細胞および組織修復支持因子に曝露すると、この微小環境を維持することができる。この状況において、通常は創傷に分泌されるサイトカインまたは他の炎症性因子などの内在性因子もこの組織修復プロセスを支援および促進することができる。本発明の所見によれば、幹細胞、好ましくはCD90陽性幹細胞が、ここでは重要な役割を果たす。しかし、これらの幹細胞は、創傷または他の望ましくない影響を伴わずに新しい特定の組織を生成するために、特異的分化のためのそれらの機能に関して活性化される必要がある。
本発明によれば、傷害組織の最適な微小環境の達成および維持を支持して、分化の向上および局所的に再生された特定組織の成長を促進するいくつかの異なる因子を用いて、インサイチュの幹細胞の活性化を行うことができる。
本発明によって定義される第1のグル−プの支持因子は、神経およびリンパ組織の細胞を含む任意の種類の組織細胞に分化する機能を有する幹細胞またはそれらの前駆細胞である。これらの因子は、「細胞因子」と呼ばれる。本発明によれば、これらの幹細胞またはそれらの前駆細胞を末梢血液単球(PBMC)、CD90陽性細胞またはCD45陽性細胞によって支援することができる。
このように作用する第2のグループの支持因子は、幹細胞を刺激し、組織細胞の再造形を加速させる因子である。これらの因子は、「刺激因子」と呼ばれる。これらの因子は、通常、当業者に理解されているように非成長因子である。本発明の好適な刺激因子は、エリスロポイエチン(EPO)である。
本発明による第3のグループの支持因子は、幹細胞の分化を支持する「コミットメント因子」と呼ばれる。本発明の軟骨分化のための好適なコミットメント因子は、TGFβの併用である。
本発明による第4のグループの支持因子は、組織傷害の末梢環境および局所的環境の双方における幹細胞の数の増加を意味する幹細胞の有効性を向上させ、「補充因子」と呼ばれる。本発明の好適な補充因子は、G−CSFである。
本発明による第5のグループの支持因子は、「許容因子」と呼ばれる。サイトカインなどのこれらの因子は、通常、局所的外傷の組織に既に存在し、または局所的組織傷害を伴う炎症時に内在的に分泌される。
本発明の所見によれば、第1、第2、第3および第4のグループの因子は、本発明により必須であり、組織傷害の箇所、または外来的適用による傷害組織への移植のために設けられる足場に送達されなければならない。場合によって許容因子を適用することができる。
本発明によれば、幹細胞の移植または内在性幹細胞活性化の誘発は、一連の因子に対する曝露を伴う。それらの因子は、いずれも単独で、無傷の治癒および再造形をもたらす事象の輪の完結を可能にしない。しかし、それらは、互いに協調作用で作用して、細胞の多能性を制御する重要な付加物である。
それらの因子の有効性を少なくとも3つのバリアントで実現することができる。A)(例えば、幹細胞骨髄濃縮物の希釈を避けるための凍結乾燥物としての)細胞適用または細胞活性化段階時の添加。B)生成段階時の足場への添加。好適な方法は、足場の生成および材料への統合時の統合である。これを、例えば、足場マトリックス(例えば、コラーゲン、キトサン、血液および血液成分)と一緒にした因子の凍結乾燥処理時、またはエレクトロスピニング処理時の生体足場への添加によって行うことができ、利点は、複雑な形成および組合せ、ならびに損傷を与えない使用形態、良好な貯蔵能力である。C)理想的に自己由来の基質の使用。これらの因子の多く、特にコミットメント因子は、健康な組織に存在する。小さな生検試料を細かく切り刻み、それらを幹細胞コーティングに分散させて幹細胞濃縮物にする技術が好適である。刻みによってもたらされる血小板濃縮物との組合せ(例えば、軟骨、半月板、腱、皮膚、心臓、括約筋組織、弁または大動脈組織、および実際に任意の他の組織の断片)は、重要な誘発事象であり、個々の因子の単独使用の貴重な代替および/または追加である。これらのすべてが、この時点で臨床的に利用可能であるわけではなく、臨床的適用性に向けてさらなる開発が必要である。
本発明の第1の態様において、特定の傷害組織を模倣した天然足場または合成足場が使用される。この足場材料は、生成すべき組織のマトリックスを最終的にもたらすプロセスを触媒するコピーとして機能する。本発明の具体的な実施形態において、この足場材料は、傷害または組織欠陥を被った患者から生検によって採取された、生成すべき個々の特定組織を含む。足場は、インビトロまたはエキソビボで上記因子(「細胞因子」を含む)が塗布、または部分的もしくは選択的に充填される。本発明の具体的な実施形態において、因子および場合によって患者からの個々の特定組織による足場の処理が術中に行われ、それは、患者の外科手術と時間的に並行することを意味する。好ましくは、本発明によれば、因子および/または足場は、それらを組み合わせる前に前処理される。
本発明の第2の態様において、上記の因子は、因子の特定の組合せで前処理された個別の人工または天然足場を用いることなく、患者における傷害または欠陥組織に直接導かれる。この場合、因子は、好ましくは、それを封止するために組織欠陥または創傷に充填されるゲルまたは接着剤組成物として配合される。
この手法の主たる利点は、移植前の幹細胞の増殖および前分化の必要性が完全に排除されることである。加えて、再造形の後に組織検査および機能によって測定される移植物の重要な品質が達成される。さらなる利点は、全身的副作用を避けるコミットメント因子の部位に特異的な作用形態である。この教示によれば、外来的に投与された刺激因子と共に、極めて迅速な移植片調製を行うことを可能にするのは許容因子の局所的存在である。本発明のさらなる結果は、使用される足場が、従来の方法で調製された対照と比較して、40〜50%もより迅速かつより効率的に再造形されることである。
該方法の好ましい実施形態において、幹細胞は、移植に用いられる同一の時間および処理中に得られる。
本発明は、根本的であるため、欠陥修復および組織交換の速度、質および規模に関する多大な障害を克服することが可能である。それは、体によって修復できない状況における新生組織形成および修復を可能にし、通常、ヒトまたは動物の体で生じない現象を達成することを可能にする。したがって、本発明の根本的肝要さは、そうでなければ正常または人工的に修復することができない疾患状態において好ましい治傷条件を誘発することによってすべての組織に作用する基本的な土台技術に焦点をおくため、あらゆる種類のすべてのヒトとおよび動物組織に対するすべての必要な用途を開く。
用途の分野は、虚血、炎症、および自然に治癒することができないか、または閉鎖が起こると傷組織になる規模の欠陥を伴うすべての疾患状態を含む。傷組織は、正常な、または本来の組織機能を取り戻すことができない低質の欠陥治癒を示すものである。これは、体のどの組織にとっても重要である。
本発明を使用して、例えば脊髄傷害を治療するか、または挿入して、ヒトもしくは動物の体の中枢もしくは末梢箇所における切断、傷害もしくは外傷神経組織を治癒することができる。それは、自己移植物調製、特定の移植片の組織再造形を誘発するための幹細胞シグナル伝達に関するが、さらにニューロン組織(神経、脊髄、脳卒中、脳外傷)、皮膚、目、角膜、筋肉(心臓、括約筋組織、骨格筋、血管組織筋)、血管系(静脈、動脈、毛細血管)、皮膚、リンパ組織、膀胱、尿道、陰茎、卵巣、気管、心臓弁、泌尿器組織、骨もしくは軟骨代用材料、またはヒトの体のすべての他の組織にも適用できるため、これらの組織に限定されない。この適用性の理由は、それが、細胞、材料およびシグナル伝達の調整された相互作用として修復を達成することを可能にする幹細胞処理の協調作用として機能することである。
本発明によれば、以下の汎用的プロトコールは、足場を使用して完全な再造形を達成するための基礎を形成する。このプロトコールは、本発明を限定しない。必要であれば、個々の工程を繰り返し、修正し、省略し、追加し、交換し、または異なる手順で実施することができる。本発明の方法の手順工程と装置(自給式製造可搬装置MU)との組合せ:
(i)足場を無菌で調製する。材料は、最終的に、生成すべき所望の組織のマトリックスをもたらすコピー処理を開始するための材料として機能する。足場は、コラーゲンフリースなどの合成物であっても、天然由来(例えばブタの弁)であってもよい。
(ii)濃縮または軟膜調製によって、末梢血液または骨髄などの好適な源から成体/間葉幹細胞(「細胞因子」)を無菌回収および調製する。
(iii)濃縮または軟膜調製によって、末梢血液由来単球(PBMC)を無菌回収する。
(iv)本発明による刺激因子、好ましくはEPOと共に幹細胞濃縮物をインキュベートして、前処理幹細胞を得る。
(v)本発明による刺激因子、好ましくはEPOと共に天然または人工足場をインキュベートする。
(vi)生成すべき所望の構造(例えば、軟骨または弁等)に応じて拡散またはパターン化形態で、回収した前処理幹細胞または場合によって未処理幹細胞を前処理足場または場合によって未処理足場の中/上にインビトロ/エキソビボで統合または注入する。管状系において、前処理幹細胞は、表面の下の部分の中/上に注入される。
(vii)再生すべき患者の傷害または欠陥特定組織から個々の生検によって得られた組織細胞(例えば上皮細胞)を前記足場の中/上にさらに((vi)で記載したように)統合または注入する。
(viii)前記前処理足場または場合によって未処理足場を、刺激因子(好ましくはEPO)およびコミットメント因子(好ましくはTGFβ)および補充因子(好ましくはG−CSF)と共に、あるいはコミットメント因子および補充因子のみと共に、前記因子を含むゲル様または接着剤様組成物/配合物を場合によって用いてインキュベートする。
(ix)場合によってさらにPBMC調製物と共に(viii)に記載のインキュベートを行う。
(x)組織に特異的な断片(例えば、移植物の同時コーティングのための受給者からの刻み軟骨または上皮等)を調製する。
(xi)必要であればGMPおよび自動化要件に対応する接種および配置または細胞と移植物足場(例えば、骨、弁、コラーゲンフリース)との混合のためのバイオリアクターまたは閉鎖デバイスを使用する。
(xii)そのようにして調製した足場を、患者の傷害または欠陥組織箇所への移植のために外科医に提供する。
(xiii)細胞の損失を軽減するための接触可能な部位からの移植物の術中およびインサイチュコーティング。細胞−ゲルを幹細胞骨髄濃縮物における凝血の誘発後に局部的に適用する。細胞ゲルは、1つまたは複数の刺激、コミットメントおよび補充因子を含む。
本発明によれば、工程(i)〜(ix)は、好ましくは、細胞複製または暫定的移送の必要性を伴わずに、10〜30分以内で外科手術と時間的に並行して、層流空気流キャビネットまたはそれぞれのバイオリアクターもしくは閉鎖デバイスで実施される(いずれも同じ手術室で行われる)。
本発明の教示によれば、移植後、好ましくはすべての因子、即ち本発明により定義されている細胞因子(幹細胞)、コミットメント因子、刺激因子、補充因子、および場合によって許容因子を含むゲル様または接着剤様組成物で移植足場を処理することが好適である。その組成物は、細胞の損失を軽減するために接触可能なすべての部位の上方にインサイチュで適用される。
上記の方法は、インサイチュマトリックスまたは同時投与足場の再造形を可能にする再生カスケードを生成する。細胞および上記の因子を含む前記ゲルまたは接着剤組成物を使用して実施される注入/混入は、インビボ治癒プロセス中に有効であるデポ型徐放効果をもたらす。
(例えば、細胞の関節への同時投与を用いない)注入は、インサイチュマトリックスまたは共投与足場の再造形を可能にする再生カスケードを生成する。
本発明のさらなる完全に新規な態様において、移植物の調製の速度を劇的に速める技術を提供することによって社会的および法的必要条件を完全に遵守する方法が、患者への外科移植に意図される。この概念は、人体の生体工学原理に従う(図1)。先行技術の教示によれば、移植片の製造は、2から3週間も要するべきでなく、異なる種類の所望の組織を作製するために1時間未満の分単位で実施され得る。全プロセスが、理想的には術中に行われるため、それぞれの細胞を実験室に送る必要がなくなる。これは、物流の限界、不要な麻酔、およびこの術中の移植物操作プロセスによって節約できる時間を含む費用に決着をつける。患者を治療し、手術室から離れない医師の側では、そのプロセスは、現行の法的および品質要件を十分に満たしている。したがって、移植物は、個別に扱われる特定の製品でなく、移植物を治療の一部として作製するプロセスである。これは、形質転換および感染の危険性を回避することによって品質の向上を確保することに関して、存在する最も安全な手法である。本発明に従って使用される足場は、再造形刺激に反応することが可能であり、好ましくは、当該技術分野で基本的に公知であり、使用されている完全閉鎖GMP準拠一方向デバイスを使用して調製される。この技術は、とりわけ、上記因子、即ち細胞因子(「細胞」)、刺激因子(好ましくは、EPOまたはGHなどの天然生体分子)、コミットメント因子(好ましくは、TGFβ、VEGF、ホルモンまたはビタミンなどの天然生体分子)、補充因子(好ましくは、G−CSF、GM−CSFなどの天然生体分子)および場合によって許容因子(好ましくは、外傷サイトカインなどの天然生体分子)を使用および適用することによって、インビトロ細胞複製を完全に回避することによって特徴づけられる。この手法の結果は、欠陥または傷害組織の迅速、効率的および完璧な再造形であり、即ち前記刺激支持因子を使用しないそれぞれの手法と比較して40〜50%速い。個々に提示される新しい生体工学技術の概念は、それらを同時誘発事象として使用する特異的な傷修復の先天性メカニズム、および組織の種類および箇所に無関係である、部位特異的応答を示す体の能力の恩恵を受ける。
本発明の利点の1つは、足場へのEPOの適用が、足場を構成する周囲領域からの内皮および平滑筋前駆細胞のより速い増殖をもたらすことである。代替的に採用される技術は、正常な目標細胞構造または組織断片を幹細胞調製物に混入して、パラクリンシグナル伝達を向上させることを指す。
本発明の主題は、また、患者の傷害、外傷または欠陥組織を治癒することによって、原状回復(restitutio ad integrum)を達成するための方法であり、治療すべき組織からの健康な細胞がコピー細胞として機能する方法であって、
(i)骨髄、血液または他の組織からの回収によって、治療すべき患者から得られた自己由来幹細胞を補充する工程と、
(ii)欠陥、外傷もしくは傷害組織またはその環境から得られた同時分化細胞としての健康な周囲の細胞または生存細胞を補充する工程と、
(iii)(A)工程(i)の幹細胞、(B)工程(ii)の健康な組織細胞、ならびに(C)(a)幹細胞を刺激し、組織細胞の再造形を加速させる少なくとも1つの因子、(b)前記幹細胞の分化を制御および誘導することが可能である少なくとも1つの因子、および(c)インサイチュおよび末梢循環の双方における幹細胞の数を増加させる少なくとも1つの因子を含む調製物を含む組成物または製剤を静脈内、皮下または局所投与によって患者に適用する工程と
を含む方法である。
要約すると、本発明は、以下の主題に関する。
・患者の組織欠陥または組織傷害の結果として生成すべき組織のためのコピーマトリックスとして機能する天然足場または合成足場に基づく個々に操作された移植物を製造するためのエキソビボ術中方法であって、
(i)組織細胞の成長のための支持マトリックスとして天然足場または合成足場を提供する工程と、
(ii)治療すべき患者から得られた自己由来幹細胞を提供する工程と、
(iii)治療すべき患者の欠陥または傷害組織から生検によって得られたコピー細胞として健康な細胞を提供する工程と、
(iv)工程(ii)の幹細胞調製物を、幹細胞を刺激し、組織細胞の再造形を加速させる因子を含む組成物と共にインキュベートする工程と、
(v)工程(iii)の細胞調製物を足場マトリックスの上または中に充填または注入する工程と、
(vi)工程(iv)の前処理幹細胞調製物の存在下で工程(v)の前処理足場マトリックスを、(a)幹細胞を補充し、それらの有効性を向上させるネイティブ因子、(b)幹細胞またはその前駆細胞の分化を促進するネイティブ因子、および(c)工程(iv)の因子を含む組成物と共にインキュベートする工程と、
(vii)そのようにして処理された足場を、外科医によって治療される患者への移植のために提供する工程
とを含み、工程(iv)〜(vi)を10分から30分の期間中にバイオリアクターチャンバまたは層流空気流キャビネットにおいて無菌条件下で実施する方法。
・工程(ii)の自己由来幹細胞および/または工程(iii)の組織コピー細胞調製物を、(a)幹細胞を補充し、それらの有効性を向上させる因子、(b)幹細胞またはその前駆細胞の分化を促進する因子、ならびに場合によって(c)幹細胞を刺激し、組織細胞の再造形を加速させる因子を含む組成物で前処理した上記の方法。
・幹細胞を刺激し、組織細胞の再造形を加速させる因子が、EPOおよびhGHからなる群より選択され、幹細胞を補充し、それらの有効性を向上させる因子が、G−CSFおよびGM−CSFからなる群より選択され、幹細胞またはその前駆細胞の分化を促進する因子が、TGFβ、VEGF、ビタミンCおよびビタミンEからなる群より選択される記載の方法。
・幹細胞を補充し、それらの有効性を向上させる因子がG−CSFであり、幹細胞またはその前駆細胞の分化を促進する因子がTGFβであり、幹細胞を刺激し、組織細胞の再造形を加速させる因子がEPOである記載の方法。
・幹細胞が、治療される患者の骨髄または末梢血液から得られ、好ましくは別個の処理工程の前に増殖されていない記載の方法。
・工程(vi)のインキュベーション工程が自己末梢血液由来単球(PBMC)の添加を含む対応する方法。
・工程(iv)〜(vi)を、欠陥または傷害組織の中または上への足場の移植への患者の前処置(prearrangement)と同時に実施する記載の方法。
・先述の請求項のいずれかに記載の種々の因子および/または種々の細胞を粘性ゲル様または接着剤様の製剤または組成物によって足場に供給する請求項1から11のいずれかに記載の方法。
・傷害または欠陥組織を治癒することによって原状回復を達成するための移植物の製造のための、記載の方法によって得られた足場の使用。
・先述の請求項のいずれかに記載の種々の因子および/または種々の細胞の粘性、ゲル様または接着剤様の製剤または組成物を、欠陥または傷害組織のすべてまたは一部の選択部位における新たに移植された足場の術中インサイチュ処置のために供給するそれぞれの使用。
・移植された特定の細胞成長支持足場を用いずに、またはそれと共に患者の傷害または欠陥組織を治療することによって原状回復を達成するための医薬品を製造するための、
(i)新たに調製された増殖させていない自己由来幹細胞と、
(ii)EPOおよびhGHからなる群より選択される、幹細胞を刺激し、組織細胞の再造形を加速させる因子と、
(iii)G−CSFおよびGM−CSFからなる群より選択される、幹細胞を補充し、それらの有効性を向上させる因子と、
(iv)TGFβ、VEGF、ビタミンCおよびビタミンEからなる群より選択される、幹細胞またはその前駆細胞の分化を促進する因子と
を含む調製物または組成物の使用。
・調製物もしくは組成物または足場が、コピー細胞として機能する、治療すべき患者の欠陥または傷害組織からの健康な細胞、および場合によって自己由来PBMCをさらに含み、前記細胞が、好ましくは、EPOおよび/またはG−CSFおよび/またはTGFβで前処理された記載の使用。
・組成物または調製物が、すべてまたは一部の選択部位における欠陥または傷害組織に適用または注入される粘性、ゲル様または接着剤様の製剤で供給され、好ましくは、前記製剤が、すべてまたは一部の選択部位における欠陥または傷害組織に適用または注入され、Ca++もしくはトロンビンまたは他の好適な重合化合物の添加によって重合するように誘発される血液、血漿または骨髄、骨髄濃縮物からなる記載の使用。
・足場が、治療すべき患者の欠陥または傷害組織からの健康な細胞、および場合によって自己由来PBMCで前処理され、かつ/または幹細胞がEPOおよび/またはhGHで前処理された対応する使用。
・足場が適用される場合は、それぞれの細胞の調製、処理および前処理が、1時間未満の数分以内に迅速な過程で外科手術と同時に術中に達成される記載の使用。
・足場が適用されない場合は、それぞれの細胞および因子の組成物または製剤が、静脈内または皮下投与による全身投与のために、あるいは治療すべき組織が直接的な局所投与によって有効である場合に供給される記載の使用。
・患者における天然足場または合成足場によって欠陥または傷害組織の組織細胞の分化および成長を誘発、刺激および促進する自己由来細胞を術中調製しながら、前記足場の前記患者への移植のために患者を前処置および処置するための方法であり、前記細胞が、(a)組織欠陥、組織外傷または組織傷害を被った患者の骨髄、組織または血液からの自己由来幹細胞、および(b)患者に移植される足場マトリックスを被覆するためのコピー細胞としての健康組織細胞である方法であって、
(i)患者における損傷の部位を特定する工程と、
(ii)骨髄、血液または他の組織からの回収によって、治療すべき患者から自己由来幹細胞を補充する工程と、
(iii)欠陥または傷害組織からの健康な周囲の細胞または生存細胞の生検によって、治療すべき患者から自己由来組織細胞を補充する工程であって、これらの細胞が足場マトリックス上の鋳型細胞として機能する工程と、
(iv)無菌条件下で手術室に配置されたバイオリアクターまたは層流空気流キャビネットにおいて10分間〜30分間にわたって、EPOもしくはhGH、または幹細胞を刺激し、組織細胞の再造形を加速させる他の因子を用いて、工程(ii)の幹細胞濃縮物を、それらを増殖させずにエキソビボで処理する工程と、
(v)無菌条件下で手術室に配置されたバイオリアクターまたは層流空気流キャビネットにおいて10分間〜30分間にわたって、EPO、hGH、GM−CSF、G−CSFおよびTGFβからなる群より選択される少なくとも1つの因子を用いて、工程(iii)の鋳型細胞をエキソビボで処理する工程と、
(vi)無菌条件下で手術室に配置されたバイオリアクターまたは層流空気流キャビネットにおいて10分間〜30分間にわたって、工程(iv)および(v)の前処理細胞を足場にエキソビボで被覆または注入する工程と、
(vii)工程(iv)から(v)を実施しながら移植のために患者を前処置する工程と、
(viii)部分的または完全に被覆された工程(v)の足場を組織欠陥または創傷に移植する工程と、場合によって
(ix)ゲル様または接着剤様組成物または製剤を移植足場および移植物の環境の組織上に局所投与によって適用する工程であって、前記組成物または製剤が、工程(ii)および(iii)の細胞ならびに工程(v)の因子の1種または複数を含む工程と
を含む方法。
・EPO、hGH、GM−CSF、G−CSFおよびTGFβからなる群より選択される少なくとも1つの因子を含む組成物または製剤を、工程(i)により手術を開始する前に、全身投与によって薬理学的に有効な量で患者に適用した上記の方法。
(A)定義
本発明に使用される「支持因子」という用語は、「細胞因子」、「刺激因子」、「コミットメント因子」、「補充因子」および「許容因子」からなる因子の群で構成される。
「細胞因子」という用語は、特に、実際には成長因子等の因子でなく、特定に表現型および特定の生物学的機能を有する組織細胞に分化するそれらの能力を誘発するか、または保持した特定の細胞に関する。本発明による非常に好適な細胞因子または細胞は、胎児性幹細胞、または例えば末梢血液もしくは骨髄細胞から得られた間葉幹細胞などの成体幹細胞などのあらゆる種類の幹細胞である。幹細胞は、CD90陽性であるすべての組織に存在する。これらの細胞を多くの他の組織の中でも皮膚、肝臓および心臓組織からコラゲナーゼ消化によって単離することができる。細胞は、CD90ばかりでなく、典型的には骨髄細胞に見られる他のマーカをも発現する。
しかし、細胞は、エリスロポイエチンだけでなく、そのサブユニットベータ−cRにも対する受容体を発現する。ベータ−cRは、EPOおよびCD90+細胞における細胞外マトリックスのその再造形活性に対する目標である。これは、ベータ−cRの同時発現が、成長ホルモン受容体GHRの発現と並行して、皮膚、脾臓および腎臓などの組織に存在することを示す。ベータ−cRの発現は、実際に、GHRと共にすべての組織に見いだされる。したがって、ベータ−cRを発現するすべての細胞が、本発明による好適な「細胞因子」である。ベータ−cRの発現は、実際に、GHRと共にすべての組織に見いだされる。図1には、皮膚、脾臓および腎臓におけるベータ−cRおよび成長ホルモンの発現が、これらの組織に限定されず、包括的に同時発現されため例示的に示されている。
「スマート移植片」または「スマート足場」という用語は、それが移植される傷環境を感知し、この環境を使用して相応に反応して、幹細胞活性化により特定の目標組織に対するその独自の再造形を達成して、高品質の無傷組織に特異的な結果をもたらす高度に特異的な組織鋳型を指す。
本発明に使用される「刺激因子」という用語は、CD90陽性細胞、好ましくは幹細胞上の上記受容体を刺激するそれぞれの好ましくは天然の生体分子を示す。これらの「刺激因子」の目的は、再造形を向上させること、炎症を軽減すること、および幹細胞を活性化させて成長させること、ならびに虚血および他の組織損傷から保護することである。そのグループの因子は、他に、エリスロポイエチン、トロンボポイエチンおよびHGHを含む。これは、例えば、エリスロポイエチン受容体、TPOの受容体または成長ホルモン受容体のベータ−CRサブユニットを刺激するエリスロポイエチンの誘導体およびペプチド配列をも含む。炎症性サイトカインは、エリスロポイエチンの存在下で同時刺激されると、間葉幹細胞に対して刺激効果を発揮する。この状況において、CD90陽性幹細胞(前駆体のような線維芽細胞)は、インビトロで活性化されるように誘発され得る。エリスロポイエチン単独では、完全分化細胞に対する誘発効果を有さず、それは、成長因子が典型的に行うように作用せず、本発明によれば、外傷依存性幹細胞活性を再生成長応答に関連づける感知の役割を有することを意味する。これは、部位に特異的な活性プロセスが、移植時に局所的傷環境によって提供されることを意味する。ヒトの体は、明らかに、修復をもたらす部位に特異的な応答を誘発することによって局在的外傷に対して反応することが可能である。部位に特異的な修復についての知識は、外傷サイトカインおよび刺激因子の活性の複合的形態に関連づけられるべきである。本発明によれば、「刺激因子」は、理想的には、調製段階で細胞を予めインキュベートすることによって、あるいはそれらを統合し(全厚、微小パターン化)、かつ/またはそれらを他の支持因子と共に移植のための足場内に配置することによって同時移植される。それにより、足場は、接種時、および理想的にはその存在の全または部分継続時間を通じてシグナル伝達因子を細胞に放出することができる材料になる。これは、遅延放出メカニズムを表す。本発明による好適な刺激因子の例は、EPO、TPOおよびヒト成長ホルモン(HGH)である。
「補充因子」という用語は、本発明によれば、インサイチュおよび末梢循環の双方における幹細胞の数を増加させることが可能である天然生体分子を指すが、好ましくはそれに限定されない。補充因子を、移植片のインサイチュ充填に加えて、またはその代わりに、術中に調製された幹細胞と共に添加することができる。
「コミットメント因子」という用語は、本発明によれば、好ましくはインビトロでなくインサイチュで、幹細胞、それらの前駆細胞、および十分に分化していない細胞の分化を制御および誘導することが可能である天然生体分子を指すが、好ましくはそれに限定されない。本発明による当該因子の例は、いくつかのホルモン、ビタミンC、A、Eなどのビタミン、TGFβならびにVEGFである。
「許容因子」という用語は、本発明によれば、通常、傷の炎症時に存在または生成する天然生体分子、例えば典型的な外傷サイトカインを指すが、好ましくはそれに限定されない。インビトロにおいて、これらの外傷分子は、通常、存在せず、本発明の教示によって取得および処理された細胞に追加的に添加され得る。別の許容因子は、虚血そのものによって構成される。これらの分子および条件は、部位特異性を示し、支持因子およびコミットメント因子の同時的存在下での幹細胞活性化に許容因子を必要とし、寄与させる。これは、このプロセスがそれほど迅速に移植片の再造形を誘発し、本発明の教示に従って同時に適用された場合に移植片再造形を達成するための強力なツールボックスになる理由を示す。炎症状態を欠く慢性または変性状態の場合、あるいは外傷または傷害が存在しない場合は、本発明によれば、完全な幹細胞刺激を達成するのに使用される少なくとも2つの方法が存在する。A)IL−1、TNFアルファ、IL−6などの外傷サイトカインを非常に低量かつ好ましくは局所的に制限された方式で同時投与する。これは、例えば、使用する足場における被覆または統合を含む。B)(再生すべき欠陥の大きさに関して)小規模な場合は、例えば、ニードル、赤色化させるための表面擦り、UV曝露、レーザ曝露およびナイフ切断による機械的刺激は、当該許容因子の内在的放出をもたらす。したがって、このプロセスは、他の因子の適用と同時に、幹細胞を用いて、かつ用いずに行われなければならない。
本発明による因子の有効性の考え得る問題を、同じ患者の再生または治癒すべき組織から得られた新たに収穫された自己由来組織細胞を使用することによって回避することができる。これらの組織細胞を、移植、足場の被覆、または単独の、もしくは移植と併用される全身投与のために提供される幹細胞濃縮物または組成物に添加することができる混合組織片の形で適用することができる。
これらの因子の各々およびすべて、ならびに本発明によるそれらの使用は、組織環境または合成もしくは生体/天然足場への「ブラインド」移植の限界の問題を克服することができる。
本発明による「術中」または「術中プロセス」または「術中移植物操作プロセス」という用語は、エキソビボの移植物/足場の調製と、組織が欠陥、外傷または傷害を被った部位におけるヒトまたは動物の体の外科手術とが、時間的に並行するエキソビボの足場の充填のためのそれぞれの細胞の生検を含めて、基本的に並行して遂行されるプロセスを指す。それは、支持マトリックス(足場)のインキュベートを含む幹細胞または他の細胞の調製およびそれらの前処理に関するエキソビボ活性が、疾患組織、器官、関節等の外科手術の直前または、それと同時に開始され、細胞および直前に記載されている因子が充填された足場を移植した後に終了することを意味する。その用語はまた、移植足場および移植物の周囲の組織環境、ならびに新たに移植された足場を取り囲む欠陥または傷害組織を処理するための、好適な組成物または調製物の形の、好ましくはゲルもしくは接着剤製剤としての、そのようにして得られた、またはそのようにして処理された細胞および因子の適用を含む。
(B)内容および具体的な実施形態の説明
本発明は、細胞が上記の多種多様な異なる因子と同時移植されることによって特徴づけられる。これらの因子は、本発明の教示によれば、インサイチュで作用しており、やはりインサイチュで分化および成長を制御および誘発する。
本発明によれば、それらの因子は、外来投与された(幹)細胞の存在下または不在下で、エキソビボおよび/またはインビボで同時に、足場と組み合わせて好ましくは局所的に投与される。上述の因子の一部のみを適用することも可能である。また、本発明の好適な実施形態において、それらの因子ならびにそれぞれの細胞(幹細胞、患者の組織細胞)を、外科手術、および本発明によるプロセスの開始前の良好な時間(1から5日間)内に、治療すべき患者に適用される全身投与によって、単独で、または好ましくは前処理された足場/移植物と共に投与することができる。
本発明は、さらに、本発明による因子を適用することによって、幹細胞を含む細胞の任意の増殖を含むインビトロ培養の実施を完全に回避することによって特徴づけられる。この実施形態の利点は、細胞調製段階に必要な時間枠を分の単位まで短縮することで、インビトロの細胞増殖および細胞分化の短所を解消できることである。インビトロの細胞複製がなければ、リスクが有意に軽減および/または排除される。他方で、この実施形態は、EPOのような刺激因子曝露と組み合わせて、外創傷(移植物部位)における分化をインサイチュで制御することを可能にする。
本発明により特定される単一因子は、外創傷位においてインサイチュで、互いに、かつ細胞、好ましくは幹細胞と相互作用する。
それらの因子は、移植時に前駆細胞を同時インキュベートするのに使用されるか、または足場を直接被覆するのに使用され得る。したがって、本発明により特定される「コミットメント因子」をパターン化して足場に適用することもできる。コラーゲンもしくはヒアルロン/またはキトサン海綿体では、移植物部位における間葉幹細胞分化を誘発するためにTGFベータ1、2または3が使用される。したがって、刺激メカニズムとコミットメントメカニズムとの相互作用が容易になることで、有意により高速で品質的により高度な形の組織再生が得られる。その違いは、MSC(間葉幹細胞)に由来する軟骨細胞の場合における従来的に分化された細胞は、移植前に調製するのに2〜4週間を要することによって説明される。さらにその後、遊離した細胞は、移植後にインビボでそれらの分化を維持するとは限らない。通常、インビトロまたはインビボで生成された軟骨は、数カ月以内に線維性組織に脱分化することが当技術分野で周知である。本発明によれば、動物に少なくとも1年間(人間では5〜7年間に相当する)にわたって維持される高質の硝子軟骨が生じる。本発明による技術は、より速い調製段階をもたらし(週単位の長さの培養を完全に排除し)、品質(線維症/無傷)の観点からより良好であり、生産の観点からより経済的である。その細胞製造は、GMP(製造品基準の条件)に準拠する。
例えば、気管足場において、軟骨環は、円周配列および3〜4mmの幅を有する。ここでは、非常に小さいミリメートル毎に、別の分化帯域を標示することができる。したがって、足場をパターン化するために、本発明による因子、例えばコミットメント因子の組合せを使用することができる。1つのコミットメント因子は、例えば、マトリックス合成および成長を支援するために軟骨環の間の領域がパターン化され得るビタミンCである。コミットメント因子の別の例は、気管支上皮細胞の成長を支援し、気管足場の管腔に配置され得るIL−15である。
以上に概説したように、EPOまたはGHなどの刺激因子は、明らかに、局所的外傷状態と共同し、それらに対して応答的に反応する。完全性としては、これは、当技術分野で公知である外傷サイトカインの発現によって説明される(J Trauma、2008年、第65巻、第6号、1374〜1378頁)。外傷サイトカインを含むこれらの因子の生理的存在がある。患者および健康な対照に酵素結合免疫吸着アッセイ技術を使用して、IL−12(p70)およびIL−18ならびにTh2型サイトカインIL−4、IL−10およびIL−11を確認した。IL−2およびインターフェロンγは、ほとんど検出不可能であった。すべての他の媒介物は、対照と比較して有意に増加していた(p<0.05)。どのサイトカインも外傷後1および2週間の間に最も増加し、その後は減少した。他のサイトカインは、IL−1、IL−6およびTNFアルファを含み、EPO/TPOおよび成長ホルモンの刺激効果を支援する。許容因子は、EPO(刺激因子)刺激無傷治癒により外創傷におけるCD90細胞の生成を可能にする。これは、欠陥(傷様治癒)でなく「原状回復」を指すため、例えば、心臓虚血、脊髄傷害、軟骨修復、腱再生およびすべての他の組織に対して適応する。
刺激因子などの本発明による因子の重要な機能は、外傷の存在下で幹細胞(C90陽性細胞など)の発現を増強することである。図2には、C90+(Thy1)が、通常、血管樹に存在することが示されている。AおよびBは、齧歯類モデルにおける正常な肝実質組織を示す。組織がEPO(体重1kg当たり250ユニット)に曝露されると、C90+細胞発現は、24から48時間以内に柔組織のあらゆる箇所でオンに切り換えられて、CD90+である5〜10個の細胞で1のピーク高さに達する。図2(C)には、病態生理学的状態としての外傷単独ではCD90+に関して非外傷状態と全く異ならないこと、即ち柔組織がCD90+細胞を含まないことも示される。Bは、外傷が存在しなければCD90+細胞が発現するように刺激されないため、この効果がEPOに依存しないことをも示す。刺激の結果は、外傷(D)の場合はCD90+細胞の発現を刺激するEPOの感覚および応答機能にかなり依存する。この感覚機能は、図2に示されている。外傷に伴う状態においてのみ、EPOの使用がCD90+細胞の発現をもたらす。これらの細胞は、あらゆる傷害状況における無傷または無線維治癒を補助する上で重要な役割を担う(図2)。
本発明による技術は、GM−CSFまたはGSFなどの分子を同時投与することによって幹細胞の同時補充を実施して、必要な部位における骨髄からのMSCの有効性を向上させる可能性を保持する。これらの細胞補充活動を時間的に同一であるか、または重複する条件で行うことが重要である。ここでも局所的統合は、徐放成分、および体表面1m当たり200μg未満の非常に低濃度を使用する可能性を提供する。
外来的に得られた幹細胞が適用される場合、例えば、骨髄または体の任意の他の部位から収穫する場合における状況においても、当該補充因子の同時投与は、重度の傷害状態においてそれ以上生理的に生じない再生シグナル伝達の維持を確実にする。
本発明によれば、刺激的相互作用のネットワークおよび再生の開始を完全にするために、好ましくは、「補充因子」を添加して、末梢循環における幹細胞の数を増加させ、幹細胞の局所的補充を実行する。本発明に関する新規性は、例えば足場そのもの(移植時に無細胞)および代替的に移植時に幹細胞が接種された足場と組み合わせた再生におけるその同時タイミングおよび役割である。第3の代替は、足場を使用しないことである。これは、単一因子(例えばEPO)の単独刺激に対して完全かつ持続可能に応答しない多発性硬化症、卒中、アルツハイマー、精神疾患および神経変性障害を含む神経疾患に特に有利である。
図3は、本発明の概要、および最大限の治癒応答を達成するための寄与成分の相互作用を示す。この目的で、支持因子を被覆することができるが、好ましくは足場材料(内)に統合する。これは、移植足場の再造形過程を通じて、再造形過程に進行細胞を刺激するための同時放出を達成することを可能にする。これは、部位に特異的な活性化プロセスが、移植時の局所的傷環境によってもたらされることを意味する。ヒトの体は、明らかに、修復をもたらす部位に特異的な応答を誘発することによって局在的な外傷に反応することが可能である。部位に特異的な修復の知識は、外傷サイトカインと刺激因子の活性の複合形態に関連づけられるべきである。
そのプロセスは、約100から200mlの末梢血液(成体;小児の場合は10〜50ml)の調達、およびCD45+前駆細胞を含む所謂軟膜を得るための遠心によって開始する。代替的に、幹細胞を骨髄の吸引によって得ることができる。これらの幹細胞は、ヘパリンまたはキレート化剤の添加によって吸引物の凝集を防止するようにして調製される。細胞吸引物を重合の誘発後に濃縮するか、またはそのまま使用し、バイオポリマーコーティングとして移植片に適用することができる。この場合、幹細胞吸引物の血液または血漿成分は、トロンビンまたはCa++の添加によって凝集するように誘発される。加えて、コラーゲン系海綿体、海綿体断片またはコラーゲン粉末をこの調製物に混入して、重合生成物の凝集強度および粘着強度を向上させることができる。同時に、このゲル様調製物は、足場材料、例えば気管マトリックスの表面に適用される必要がある。この場合、幹細胞ゲルは、ほとんどが移植物の外面に適用される。その前に、幹細胞は、TGFベータ3およびエリスロポエチンと共にインキュベートされた。これらの細胞は、円周および環状調製物で足場上に適用される。管腔側および周辺部位がEPOおよびTGFベータ3も前処理される(気管)。このようにして幹細胞を添加することは、幹細胞活性化による移植片の血管形成の同時的向上を達成することにも寄与する。記載した多様な因子の局所的適用は、局所的濃度をかなり高くするが、全身的有効性が非常に低い。全身的適用を従来の方式で行うことができる。
本発明によれば、任意の移植片足場(例えば、無細胞化もしくは天然心臓弁または無細胞もしくは天然気管)を、迅速に再造形する鋳型として起動させることができる。プロセス全体で、調製するのに分単位の時間、またはわずか30〜45分しか要しない。この意味において、再造形すべき材料は、コピー、即ち十分に成長した移植片でない場合の結果についての情報を提供する材料になる。
この手法の主たる利点は、移植前の幹細胞の増殖および前分化の必要性が完全に排除されることである。加えて、再造形後の組織構造および機能によって測定される移植物の最良の質が達成される。さらなる利点は、全身副作用を回避するコミットメント因子の作用の部位に特異的な形態である。この教示によれば、外来的に投与された刺激因子と共に、極めて迅速な移植片調製を実施することを可能にするのは許容因子の局所的存在である。
代替的に、幹細胞を骨髄の吸引によって得ることができる。これらの幹細胞は、ヘパリンまたはキレート化剤の添加によって吸引物の凝集を防止するようにして調製される。細胞吸引物を重合の誘発後に濃縮するか、またはそのまま使用し、バイオポリマーコーティングとして移植片に適用することができる。この場合、幹細胞吸引物の血液または血漿成分は、例えばトロンビンまたはCa++の添加によって凝集するように誘発される。加えて、コラーゲン系海綿体、海綿体断片またはコラーゲン粉末をこの調製物に混入して、重合生成物の凝集強度および粘着強度を向上させることができる。同時に、このゲル様調製物は、足場材料、例えば気管マトリックスの表面に適用される必要がある。この場合、幹細胞ゲルは、ほとんどが移植物の外面に適用される。その前に、幹細胞は、TGFベータ3およびエリスロポイエチンと共にインキュベートされた。これらの細胞は、円周および環状調製物で足場上に適用される。管腔側および周辺部位がEPOおよびTGFベータ3も前処理される(気管)。このようにして幹細胞を添加することは、幹細胞活性化による移植片の血管形成の同時的向上を達成することにも寄与する。記載した多様な因子の局所的適用は、かなり強い局所的収縮をもたらすが、全身的有効性が非常に低くなる。全身的適用を従来の方式で行うことができる。
本発明によれば、任意の移植片足場(例えば、無細胞化もしくは天然心臓弁または無細胞もしくは天然気管)を、迅速に再造形する鋳型として起動させることができる。
足場再造形のために、以下の例示的で非限定的なプロトコールが作成された。
1)足場を無菌で調製する。
2)無菌粉末としてのエリスロポイエチンを足場厚に統合してデポ効果を達成する(注入)。
3)骨髄から新たに収穫された間葉幹細胞をEPOと共にインキュベートする(体重1Kg当たり250IU)(時間)。
4)新たに収穫された末梢血液単核細胞をEPOと共にインキュベートする(体重1Kg当たり250IU)。
5)血液由来PBMCを内側にし、骨髄を外側にして、好ましくは局所的な上皮アイランドおよび健康組織からの組織生検断片と混合することが推奨される。
6)インキュベート/TGFβ、副甲状腺ホルモン、インシュリン、デクス(代替的に、ヒアルロン酸などの徐放製剤形ナノ担体)による足場のコーティング。
7)これらの細胞を播種用無菌デバイスで術中接種する(回転またはコーティングプロセス)。
8)約45分後に移植。
図4は、患者に無傷治癒および「原状回復」を達成するための方法のプロセスフローをグラフで示す。その技術の主な利点は、無菌性、安全性、再現性、経済性、結果の質および大量適用性に関して、最新技術と比較した場合の今日まで達成可能な最高の基準の基礎を形成することである。無菌条件下で幹細胞を調達し、それらを調製した後に、すべてのプロセスが、患者側または術中処理において進行している医学的治療または手術治療と並行してそのまま直ちに継続される。主な利点は、構外での処理、手術室を離れること、病院から離れること、細胞増殖、複雑な輸送手段(自動車、列車、航空機および他の輸送サービス)ならびに細胞形質変換およびオンコ遺伝子活性化、人工的インビトロ培養条件に起因する細胞選択またはクローン化、ならびに細胞の望ましくない操作および脱分化、ならびに感染リスクを回避する事象の時系列によるものである。
手術室が主たるクリーンルームであるすべての手術状況にある直接的な治療領域を離れる必要がないことの恩恵を受けるクリーンルーム状況で操作を直ちに行うことができる。これは、既にいくつかの安全性およびGMPについての利点を提供している。次いで、細胞の処理を、バイオリアクター、無菌容器、無菌氷、チューブのための保持ラック、無菌クロスカバーおよび予め滅菌された工具を備えた<<クラスA>>環境で実施する。幹細胞濃縮物を収穫容器から移送して、無菌梱包で調製された足場(例えば、心臓弁足場、コラーゲン海綿体)に接種する。バイオリアクターは、既に足場、刺激、コミットメントまたは補充分子のそれぞれの凍結乾燥物を含むことができる。第1のデバイスにおいて、血液もしくは骨髄または他の形の(特に脂肪幹細胞の)濃縮物で供給されている幹細胞をこれらの因子に曝露し、氷上で貯蔵する。その間、足場を刺激、コミットメントおよび/または補充因子の層流空気流下での注入によって調製する。足場を保持するバイオリアクターまたはデバイスを重量測定機器に配置して、重量増加を記録する。この機器は、特定のソフトウェアを使用してオンラインで記録する。このソフトウェアは、以下の工程において、幹細胞濃縮物が足場に適用される場合にも重量増加を記録する。フードの内部で、温度および大気粒子濃度をオンラインで記録し、フードの隣のスクリーンに表示する。ソフトウェアは、無菌性を確認するために、空気濾過の開始からプロトコールの開始までの時間をも記録する。フィルタの洗浄に最小限の時間しか要しないため、デバイスが適切にオンに切り換えられる。細胞処理を扱う人は、例えば、サーバに接続された足で制御可能な機器(PC、または手に対する汚染の回避)を使用して、細胞および足場を処理する次の工程に進むことができるように特定の工程の完了を確認している。したがって、ソフトウェアは、プロセスの記録の他に制御および放出機能を有する。これは、図10によるデバイスを幹細胞処理のための自律的自己制御GMP製造装置にする。データをソフトウェアにも供給する一体のカメラによりプロセス全体を録画する。これは、プロセスがGMPプロトコールに従って実施されたという記録に重要である。調製プロセスが終了し、それを行う特定の作業者によって確認されると、バイオリアクターを解除し、手術台に移送することが可能になる。移送前に、バイオリアクター/デバイスを閉鎖または被覆して、手術室内の空気からの汚染物質の進入を防止する(通常、クラスBまたはC品質)。幹細胞の調製に遠心器を使用する場合は、閉鎖処理が可能である場合に遠心器を製造装置の外側に配置することができる。遠心器およびその操作工程は同様に特定のソフトウェアによって記録する。移植物を除去した後に、製造装置を洗浄および除染して、次の患者に備える。いずれも同様にソフトウェアによって記録され、それを行う作業者によって確認される。収集されたすべての情報を可能な限りオンラインで集中保管室に送る。この保管室において、診断、疾病状態および治療後の過程を含む患者データが、医師/治療人員によって供給される。これは、完全な品質管理および第三者の独立品質管理の利用を保証する。術中処理、技術提供ならびにソフトウェアの操作および制御のこの手法は、第三者品質管理と共同して、幹細胞移植物製造の世界最高の基準を可能にすると同時に、製造コストを従来の処理と比較して10〜100分の1に下げる。これらのプロセスフローの組合せの利点は、個別化移植物/個人化幹細胞系移植物の大量生産および大量利用可能性の鍵になる。したがって、その科学的発明は、本発明のプロセスおよび方法の科学的、技術的および治癒上の利点を完全に補完する重要な工業化技術の道を開く。
図11は、本発明による品質管理構成要素に対するフロー統合の概要を示す。品質管理は、可搬製造装置内部の幹細胞収穫、幹細胞調製、接種工程を含む。すべての工程が、リアルタイムでオンライン記録され、データの自動収集により、(幹細胞操作を行う)作業者の操作介入から独立している。移植物の解放の前にパラメータ制御が行われる。バイオリアクター/送達装置は、オペレーターに渡される前に密閉/閉鎖される。再び開始が記録される。プロセスは、患者の状態の記録によって終了する。
図10のデバイスは、本発明に従って適正に機能するモジュラ方式の以下の構成要素を含む製造装置として定義される:すべての動作を制御し、感覚、測定および制御機能ならびに全体的な記録用途を有する手術装置を形成するソフトウェアマスター。完全なアセンブリの機器構成要素は、クラスAの層流空気流条件、バイオリアクターまたは細胞培養デバイス、ビデオカメラ、温度感知機器を含む。細胞培養処理機器(バイオリアクター)またはペトリ皿の異なる接種に関して変動性が存在するが、その製造装置の基本的な利点は、可能な最良の品質で特別な個別移植物の注文大量生産を達成するように、それを任意の手術または治療環境における自律製造装置として機能させる同様に柔軟な制御頭脳構成要素に接続されたこのモジュラ設計のその柔軟性である。
加えて、本発明によれば、既に記載されている回転式バイオリアクターなどの装置を使用して、手術室内部の無菌環境で接種処理をそのまま実施する。本発明の主な利点は、当該装置が、クラスAのクリーンルーム接種キャビネットを提供する層流空気流システムの内部で使用される場合に最も顕著になる。これらのシステムの内部に取り付けられたバイオリアクターを手術室の内部でただ1人の患者に対して一時に可搬式装置として動作させることが可能である。この意味で、本発明によれば、患者の細胞または血液に接触させられる処理装置を内蔵する可搬式層流空気流システムまたはアイソレータからなる完全に閉鎖された製造環境がもたらされる。これらの内部デバイス(バイオリアクター)は、理想的には、再使用可能である装着ラック上に配置される単一用途(一方向)システムである。上記方法による幹細胞処理のために、システム全体を製造キャビネットとして術中に使用することを可能にするのは、単一用途デバイス、可搬性、クラスAの接種および処理、ならびに小型化のこの組合せである。
本発明によれば、例えば、EPOを体重1kg当たり150〜300ユニット、好ましくは200〜250ユニットの濃度で溶液または凍結乾燥物として、好ましくは凍結乾燥物として幹細胞濃縮物に添加する。局所的投与では、投与量がより多くてもよい。
幹細胞濃縮物の容量を、再生すべき組織のタイプに合わせて調整する。それは、局所的適用では0.5〜1mlであり、例えば心臓の梗塞部分の上部への経皮配置では2〜3mlである。下顎骨の骨再生では10〜30mlであり得る。
この柔軟性は、本来の容量で含まれるすべての細胞の沈降を可能にする速度で得られた完全な骨髄、脂肪組織、血液量をスピンダウンすることによって達成される。血漿分離(無細胞)も生じる。全くの底部に細胞の蓄積物が含まれるが、そのように血小板および赤血球を含む高濃度の骨髄濃縮物を利用するこの技術を用いると、より多くの容量の統合が常に可能である。従来は、これらの他の構成要素が廃棄されることが意図されていた。この手法の利点は、例えば免疫的に単離されたCD133+細胞の単独使用と比較して優れた結果をもたらすことで、無傷治癒と傷様治癒とを差別化するそれらの細胞の有力な相互作用の恩恵を受けることである。
G−CSFまたはGM−CSFを幹細胞と組み合わせて局所的に適用可能であることは、標準的な全身適用と比較して、非常に低い濃度の使用を可能にする。標準的な手法では、200μgが、例えば、10〜20個の注入部位において再造形すべき足場に塗布される。EPOを、全身投与によって、同時に、または直前にまたは事後に同時投与することができる。注入は、幹細胞濃縮物を使用した。その後1〜2週間の期間にわたって、化合物を例えば同量で皮下注射する。
軟膜再生では、10cmの断片に対して100〜500ngのTGFβが足場へのこれらの注入物に添加される。
ビタミンCは、特に神経出芽のために500μgで足場内に添加される。ビタミンEは、特に神経分化のために30000IUで添加される。
生体因子または組織細胞を含む粘性のゲルまたはヒドロゲルが当技術分野で周知である。本発明によれば、好ましくは、例えばカルボキシメチルセルロースに基づくポリマーセルロースゲルなどのポリマー組成物を使用して、それぞれの製剤を製造することができる。
図1は、組織および幹細胞における並列のEpoR、ベータ−cRおよび成長ホルモン受容体の発現を示す。 図2は、肝実質組織における幹細胞の発現を誘発するための本発明の使用を示す。AおよびBは無外傷グループを表し、CおよびDは外傷グループを表す。rhEPOの添加は、外傷グループにおいてのみ肝実質組織におけるCD90+細胞の発現を生成する。 図3は、許容状況(例えば外傷)の存在下での補充因子、刺激因子およびコミットメント因子の使用の相互作用の概要を示す。幹細胞調製プロセスは、それに応じて調整されるため、極めて高速でわずか分単位の時間しか必要とせず、術中に行われる。再造形のための鋳型は、修復すべき欠陥の大きさに応じて使用される。 図4は、本発明を、2つの段階に分割される事象の術中手順に関連づけるプロセスフローを示す。段階Iは、細胞調製および刺激のインビトロ段階である。段階IIは、インサイチュは位置後の移植片への幹細胞の適用を含む。例えば、心臓弁を末梢側から被覆し、操作応力のリスクを軽減し、移植時に細胞を分離することができる。 図5a(上)および図5b(下)は、腸骨稜および末梢血液から収穫された前駆体(幹細胞)と共に接種した後の合成移植片表面を示す。細胞を自己由来血漿(3ml)に混入した。この血漿をトロンビン(0.1ユニット/ml)の添加によって重合させ、移植片の外側に適用した。本発明による方法の利点は、正常な治傷のようなプロセスを開始することを可能にする凝血塊が形成されることである。凝血動態、凝血塊構造および凝血塊線維素溶解は、本発明による刺激因子、コミットメント因子および補充因子と組み合わせると、無傷治癒プロセスを開始するのに理想的であるマイクロニッチを生成する。次いで、1〜2週間以内で受給者の体の内部に移植片が生成される。
内部(b)では、シリンジを使用して細胞を管腔面に滴下した。bには、14日目のインビトロ使用の継続状態を示す。培養を標準的な条件下で継続した。
図5c(上)および図5d(下)は、本発明により調製された移植片を示す。それは、縦方向に切開され、非常に綺麗で明るい(非血栓形成性)管腔を示す。この大規模な動物モデルでは、4週間目で対照が常に(d)凝集した。これは、完全な臨床上の失敗である。
蛍光細胞は、管腔内および外部の双方でほぼ100%の生存率を示す。骨髄/血漿ゲルは、最初に移植片材料に好ましくない条件が存在しても三次元成長域を形成する三次元の滋養微小環境を表す(同じ方法で被覆された後述の同種または異種心臓弁を参照)。
図5e(上)および図5f(下)は、4週間目に移植され、本発明に従って調製された移植片による結果を、組織を観察しながら反復する。5eには、管腔および末梢側に向かって生成された新生組織を有する移植片ポリマーコアを示す。無接種移植片は、管腔に向かう血栓を示す。図5fには、合成コア(非分解性)繊維材料の周囲に生成された新生組織を示す。 図5g(上)および図5h(下):図5gは、本発明に従って調製された移植片の管腔側のCD31(内皮マーカ)染色を示す。血栓形成を防止する血管内皮の新生が生じた。図5hは、生体マトリックス(異種移植片)を使用しても前駆体からの再内皮組織形成が生じ得ることを実証する生体足場を示す。 図6では、脱細胞化に続いて心臓弁が調製される。本発明によれば、正規の弁と区別できない生理機能が達成されることが示される。弁は、大動脈の位置に移植される。高圧部による破壊は生じなかった。 図7a(上)は、血漿ゲルで調製された幹細胞を用いたバイオリアクター培養の後の移植を示す。インビトロの培養を1週間にわたって実施した。このX線結果は、7b(下)のグループDに対応し、2、4および6週間の観察期間にわたる骨強化の良好な進行を示す。下面(図7b)において、写真Aは、対照欠陥(決定的サイズの欠陥をブタモデルに確立した)であり、写真Bは、リン酸三カルシウムに血液を接種すると、弱い海綿骨しか得られないことを示し、写真Cは、治癒の部分的進行のみを示す骨代用材料と受給者の骨髄との(本発明ではなく、最新技術で行われた)術中混合を示す。写真Dは、この実験において対照的に、骨欠陥の決定的サイズモデルにおける完全骨再生の最良の結果を示す。これは、材料を接種するための骨髄の単なる使用は、それぞれの幹細胞の増殖および骨芽分化を含む標準的な細胞培養が達成可能であるのと同じ再生の進行を達成するのに不十分であることを示す。最新技術のこの劣った品質は、骨支持のための術中骨髄使用の従来の形である。以下の図に示されるように、本発明による方法および技術の利点が明らかに顕著になる。 図8a(上、最新技術による、移植後6および16週間目)およびb(下、本発明を使用した例、移植後6週間目) 図8bは、対照A:EPOと組み合わせた本発明による術中技術に対する材料(TCP+血液)に対するバイオリアクター培養(7日/1週間のバイオリアクター培養)の結果を示す。Dは、充填されていない対照欠陥である。どれも6週間目が示されている。ここで、本発明による術中プロセス(IO)は、1週間の細胞培養プロセスと同じくらい効率的であることが明らかである。単に骨髄を添加することによって、最新技術のようにして行われている術中播種は、十分な骨形成をもたらさないことも図8aから明らかである(8aの術中標準技術では、16週間目にまだ骨に大きな穴が存在する)。したがって、8bは、8aと比較して、治癒がすべてのグループにおいて既に6週間目に完了されているため、本発明による組合せプロセスが明らかに有利であることを示している。対照的に、8aの標準的な最新技術の術中技術は、6週間目のみならず16週間目でも大きな欠陥を残している(8a)。
しかし、より大きな欠陥でも、本発明に従って調製された骨髄細胞は、単なる血液の使用より有利である。
図9a(上)、図9b(下)は、図8に使用されている決定的サイズの欠陥の100倍である欠陥サイズを有する、本発明による幹細胞治療を受けた患者を示す。治癒の進行が速く(b)、優れた品質の海綿骨形成を伴う新生骨の長期的持続可能性を示す。通常、当該移植物は、6〜8週間目で崩壊するか(骨の幹細胞培養を使用する最新技術)、またはこの種の品質の骨に全く再造形しない。通常、使用される材料は、長年にわたってほとんど再造形することなく残留し、または線維性組織に取って代わられる。本発明による方法では、細胞増殖が必要なく、傷または線維症が生じることなく、骨が何年間も安定する。
図9cは、良好な骨形態、崩壊せず結果が持続可能であることを示す1.5年後の最終結果を示す。
図10は、(既に記載されている)ドッキングステーションまたはラックに取り付けられた一方向バイオリアクター(閉鎖可能デバイス)(1)、遠心器(3、代替的に外側に存在してよい)およびUV光などの滅菌デバイスからなる理想的には可搬式の装置を示す。4は、無菌空気濾過システムを表す。それが手術室内の小型実験室を表すのはこの組合せデバイスの特殊性である。このデバイスを使用して、2〜3週間を要していた細胞培養処理を、本発明の方法によれば1時間未満で実施することができる。組織工学のための任意のバイオリアクターを表す1が、理想的には一方向デバイスであることが重要な特徴である。システムは、フロント窓を閉鎖して移動し、周囲大気圧より内部の空気圧を高くして内部に無菌空気流を維持することによって完全に無菌性を維持することができる(37℃の温度制御が可能)。この目的で、空気は、フロント窓パネルが閉鎖されると活性化される2つの一方向弁(6aおよび6b)によって外部に除去される。加えて、すべてのバイオリアクター活性(位置、温度、回転数、圧力に対する排気活性、速度および容量、開放および閉鎖窓)を完全に記録する監視システムが含まれる。システムは、また、内部の大気粒子濃度を測定し、公式に要求されるクラスA閾値が破られると警報を発する。すべてのこれらの技術は、個々に当技術分野で公知であるが、組み合わされると、手術室の内部の可搬式幹細胞操作移植片製造の価値および適用可能性を有意に向上させる。デバイスは、完全に独立しており、それ独自の電源を備える(バッテリー作動)。
システムは、内部がガスまたは過酸化水素で滅菌され得る。加えて、システムは、一実施形態において、プラズマ電離で達成された銀コーティングを含む抗菌面を有する。
図11は、品質管理と、製造要件を付随および履行する記録との統合を示す。
以下の実施例は、本発明をより詳細に説明する。ここで、これらの実施例に示される細胞、因子、条件、濃度、方法、足場、製剤等の選択は、本発明を限定するものでなく、他に指定されなければ、その代わりに、それぞれの類似の、十分な、または同等の細胞、因子、条件、濃度、方法、足場、製剤等を、当業者がこれらの修正または代替を発明でなく適用することを前提に用いることができることが強調される。
(実施例1)
・手術の開始の24時間前:骨髄における幹細胞生成を活性化し、EPOで自己由来幹細胞を誘導するためのエリスロポイエチンsc(製造者の推奨による正規の単一投与量:10.000ユニット)およびGM−CSF(製造者の推奨による正規の単一投与量:250ユニット/m2、1バイアル)。
・気管欠陥を修復すべき患者の麻酔を開始する。
・自己由来血漿(少量のヘパリンを用いて凝血防止)を得るために100mlの血液を回収する。
・患者の腸骨稜から30〜60mlの骨髄吸引物を収穫する。
・血液/骨髄を氷(4℃)上に配置して、ヘパリン処理管による無菌の二次梱包を施す。
・手術箇所を調製し、同等の目標組織がまだ入手可能であれば1〜2mmの直径のさらなる生検材料を回収する。無菌の通常の生理食塩水中で無菌容器内の氷の上に保管する。
・骨髄吸引物および組織生検材料を手術室の理想的には直接内部に、または極めて近くに位置する層流空気流に移す。
・骨髄および/または血液吸引物あるいは細胞の濃縮および/または接触を達成するための他の幹細胞源を調製する。密度勾配調製、免疫分離、濃縮、濾過、マトリックス消化または刻みおよび洗浄を含むが、それらに限定されないあらゆる可能な当技術分野で公知の手順によって幹細胞を調製する。
・幹細胞濃縮物あるいは血漿を等分することによって注射液を調製し、刺激因子、コミットメント因子および/または補充因子のための溶媒として使用する。
・骨髄から新たに収穫した間葉幹細胞をEPO/TGFベータ3混合物(500μl)と共に暫定的にインキュベートし((利用可能な間隔および並行手術の進行に応じて)無菌氷/室温で保管し)、それらの因子と共にインビトロで調整する。
・規則的に分布した異なる部位の特定の溶液を移植後のインサイチュ遅延放出のために足場に注入し、細胞がそれらの因子に正確に所定の位置で遭遇する場合は、後の部位に特異的なコミットメント誘発を通じて幹細胞パターン化を行う。
・組織刻み結果を有する、または有さない幹細胞を適切な位置(例えば、管状移植物(例えば、弁、血管、管)の管腔)に注入し、細胞アイランド形成のために表面のわずかに下に管腔内注入する。
・手術場所に移動し、移植を行う。
・穏やかな配置を可能にし、移植物扱い時の除去を避けるために、術中に自己由来血漿または線維素接着剤を用いて幹細胞混合物を壁に塗布する。45分後に移植を行う。
・シミュレートされた治傷段階が終了するまで(多くは2週間、例えば脊髄傷害において必要であればより長く)、刺激および/または補充因子を用いて患者の術後治療を行う。
(実施例2)
心臓血管操作
実験的設計において、6つの同種弁および4つの異種弁を大動脈弁交換のヒツジモデルで収穫した。当技術分野で公知である洗剤(ケノデソシコリン酸)を使用して、弁の2つに脱細胞処理を施した。次いで、それらの弁を4℃で保管し、無菌状態で手術室に運んだ。損傷を軽減するために非常に小さいシリンジ径(0.5mm)で弁にエリスロポエチン(5.000ユニット)およびG−CSF(ロイキン、サルグラモスチム)および成長ホルモンを管腔注入した。同時に、骨髄を30mlの全容量で収穫した。骨髄を1500xgで7分間にわたってスピンダウンした。ヘパリン処理血液を用いて遠心を行った。残留ペレットの1ccを管腔側の表面マトリックスの下に注入して、幹細胞の不均一分布を得る。これは、血液流への導入後に細胞が脱離するのを防止する目的を果たす。移植後、調製された5mlの骨髄濃縮物を弁に塗布した。
(実施例3)
合成移植片実験手順
この場合は、合成移植片を使用する。当該移植片は、PTFE、ポリエステル移植片、ポリエステルとシリコーンの複合移植片、コラーゲンチューブ、コラーゲン−エラスチン移植片、脱細胞化された、またはされていない生体移植片であってよい。幹細胞コーティングの重合プロセスの誘発を、骨髄または血液回収時に使用される凝血防止剤をアンタゴナイズするトロンビン(0.1ユニット/ml)またはCa++などの重合剤を添加することによって達成する。凝血動態は、後の治癒プロセスのための誘発効果をもたらし、凝血塊構造および凝血塊線維素溶解は、本発明による刺激因子、コミットメント因子および補充因子と組み合わせると、無傷治癒プロセスを提供するのに理想的であるマイクロニッチを生成する。細胞は、空孔または空間に成長しない。凝血プロセスにより得られたゲルは、好ましくは、特定の幾何構造を達成するために人工的に成形されたポリマーである。細胞の閉じ込めは、幹細胞、血小板、繊維、赤血球、白血球およびCD90、CD133、CD106およびCD45を含むすべての閉じ込められた幹細胞の間の連通経路を確立するのに有利である。
次いで、1〜2週間以内に移植片を受給者の体の内部に生成する。徐放メカニズムは、移植片コーティングと細胞との制御相互作用をもたらして、再造形プロセスを内部から開始させる。そのプロセスは、創傷および閉じ込められた炎症細胞に由来するサイトカイン刺激が完了するまで治癒結果と並行して(同時に)継続する。IL−6、IL−1およびTNFは、幹細胞を活性化する重要な外傷サイトカイン(許容因子)であることが判明した。(本発明の図3によれば)重合プロセスおよび免疫担当細胞の閉じ込めは、相互作用カスケードの完了に対して支持的である。異種の合成表面上でも、完全に生体の管腔および末梢側を有する新生グラフトが形成される。分化細胞は、線維芽、平滑筋細胞、内皮細胞(CD31+)を含む。その技術は、血栓形成が大いに低減されるため、有意により良好な応用可能性を提供する。過形成が生じなかった。したがって、重要な用途は、特に末端域の過形成によりほとんどが破壊する管腔内(心臓)血管ステントの処理である。血栓形成を防止する血管内皮の新生が生じる。トリプシンをベースとした手法または洗剤(例えばケノデソキシコリン酸)を用いて足場を脱細胞化することができる。
以下のプロトコールを使用することができる。
・ポリエステル、コラーゲン、キトサン、ポリエステル+シリコーン被覆グラフト、または例えばPTFEグラフト(ただし、それに限定されない)を使用する合成移植物個別化のための術中プロセス。
・手術の開始の24時間前:骨髄における幹細胞生成を活性化し、EPOで自己由来幹細胞を誘導するためのエリスロポイエチンsc(製造者の推奨による正規の単一投与量:10.000ユニット)およびGM−CSF(製造者の推奨による正規の単一投与量:1バイアル)。
・移植片欠陥を修復すべき患者の麻酔を開始する。
・自己由来血漿(少量のヘパリンを用いて凝血防止)を得るために50mlの血液を回収する。
・患者の腸骨稜から30mlの骨髄吸引物を収穫する。
・これら30mlを氷上に配置して、ヘパリン処理管による無菌の二次梱包を施す。
・気管箇所を調製し、1〜2mmの直径の5つの気管支上皮生検材料を回収し、無菌の通常の生理食塩水中で無菌容器内の氷の上に保管する。
・骨髄吸引物および上皮生検材料を、さらなる処理のために層流空気流キャビネットに移す。
・骨髄吸引物を4℃で7分間にわたって遠心して、細胞の濃縮を達成する。
・氷上で無菌管に移すことによって血漿を幹細胞濃縮物から分離する。
・遠心プロセスにより得られた血漿上澄みの1mlを使用してエリスロポイエチン溶液を調製する(50.000ユニット、ネオレコルモン、ロシェ)。
・無菌のTGFベータ3を局所的に特異的なEPO−血漿溶液に添加する。
・骨髄から新たに収穫された間葉幹細胞をEPO/TGFベータ3混合物(500μl)と共にインキュベートする−無菌氷上で保管する。
・移植後のインサイチュ遅延放出のためにEPO/TGF溶液を気管足場の10個の異なる部位に注入する。
・1mlの幹細胞、上皮細胞混合物を気管足場の管腔内でインキュベートし、細胞アイランド形成のために管腔内注入する。
・手術場所に移動し、移植を行う。
・穏やかな配置を可能にし、移植物扱い時の除去を避けるために、術中に自己由来血漿または線維素接着剤を用いて幹細胞混合物を壁に塗布する。45分後に移植を行う。
(実施例4)
弁操作
特に脱細胞化組織の使用における現行の組織工学の大きな制約は、高圧力環境での当該弁の使用を複雑にする安定性および耐圧性の欠如である。また、小児科環境の想定される成長は、真の成長でなく、膨張性応答であると判断された。これらの問題は、以下のプロトコールによって解決される。代替的に、脱細胞化血管または弁を同様に迅速にプライムして、インビボの高速再造形を行う。したがって、本発明による方法は、脱細胞化マトリックスをも改善することができる。
弁プロトコール:同種弁移植物個別化のための術中プロセス
・手術の開始の24時間前:骨髄における幹細胞生成を活性化し、EPOで自己由来幹細胞を誘導するためのエリスロポイエチンsc(製造者の推奨による正規の単一投与量:10.000ユニット)およびGM−CSF(製造者の推奨による正規の単一投与量:1バイアル)。
・心臓弁欠陥を修復すべき患者の麻酔を開始する。
・自己由来血漿(少量のヘパリンを用いて凝血防止)および軟膜を得るために200mlの血液を回収する。
・患者の腸骨稜から10mlの骨髄吸引物を収穫する。
・これら10mlを氷上に配置して、ヘパリン処理管による無菌の二次梱包を施す。
・弁箇所を調製し、1〜2mmの直径の5つの弁生検材料を回収し、無菌の通常の生理食塩水中で無菌容器内の氷の上に保管する。
・骨髄吸引物および上皮生検材料を、さらなる処理のために層流空気流ベンチに移す。
・骨髄吸引物を4℃で5分間にわたって遠心して、細胞の濃縮を達成する。
・無菌氷上で無菌管に移すことによって血漿を幹細胞濃縮物から分離する。
・遠心プロセスにより得られた血漿上澄みの1mlを使用してエリスロポイエチン溶液を調製する(50.000ユニット、ネオレコルモン、ロシェ)。
・HGFおよび/またはVEGFをEPO−血漿溶液に添加する。
・骨髄から新たに収穫された間葉幹細胞をEPOと共にインキュベートし、無菌氷上で保管する。
・移植後のインサイチュ遅延放出のためにEPO/HGF溶液を気管足場の10個の異なる部位に注入する。
・1mlの幹細胞、内皮/幹細胞混合物を気管足場の管腔内でインキュベートし、細胞アイランド形成のために管腔内注入する。増殖していないが、新たに調製された細胞を使用する。
・管腔内に軟膜由来細胞を播種する。
・手術場所に移動し、移植を行う。
・穏やかな配置を可能にし、移植物扱い時の除去を避けるために、術中に自己由来血漿または線維素接着剤を用いて幹細胞混合物を壁に塗布する。移植を45分間続ける。
(実施例5)
気道操作
「気管プロトコール:同種気管移植物個別化のための術中プロセス」
・手術の開始の24時間前:骨髄における幹細胞生成を活性化し、EPOで自己由来幹細胞を誘導するためのエリスロポイエチンsc(製造者の推奨による正規の単一投与量:10.000ユニット)およびGM−CSF(製造者の推奨による正規の単一投与量:1バイアル)。
・気管欠陥を修復すべき患者の麻酔を開始する。
・自己由来血漿(少量のヘパリンを用いて凝血防止)を得るために50mlの血液を回収する。
・患者の腸骨稜から10ceeの骨髄吸引物を収穫する。
・これら10ccを氷上に配置して、ヘパリン処理管による無菌の二次梱包を施す。
・気管箇所を調製し、1〜2mmの直径の5つの気管支上皮生検材料を回収し、無菌の通常の生理食塩水中で無菌容器内の氷の上に保管する。
・骨髄吸引物および上皮生検材料を、さらなる処理のために層流空気流実験室に移す(クライオラボ)。
・骨髄吸引物を4℃で5分間にわたって遠心して、細胞の濃縮を達成する。
・無菌氷上で無菌管に移すことによって血漿を幹細胞濃縮物から分離する。
・遠心プロセスにより得られた血漿上澄みの1mlを使用してエリスロポイエチン溶液を調製する(50000ユニット、ネオレコルモン、ロシェ)。
・無菌のTGFベータ3をEPO−血漿溶液に添加する。
・骨髄から新たに収穫された間葉幹細胞をEPO/TGFベータ3混合物(500μl)と共にインキュベートする−無菌氷上で保管する。
・移植後のインサイチュ遅延放出のためにEPO/TGFβ溶液を気管足場の10個の異なる部位に注入する。
・1ccの幹細胞、上皮細胞混合物を気管足場の管腔内でインキュベートし、細胞アイランド形成のために管腔内注入する。
・手術場所に移動し、移植を行う。
・穏やかな配置を可能にし、移植物扱い時の除去を避けるために、術中に自己由来血漿または線維素接着剤を用いて幹細胞混合物を壁に塗布する。45分後に移植を行う。
(実施例6)
肝臓操作
・手術の開始の24時間前:骨髄における幹細胞生成を活性化し、EPOで自己由来幹細胞を誘導するためのエリスロポイエチンsc(製造者の推奨による正規の単一投与量:10.000ユニット)およびGM−CSF(製造者の推奨による正規の単一投与量:1バイアル)。
・肝臓欠陥を修復すべき患者の麻酔を開始する。これは、典型的には、慢性肝硬変、急性または慢性肝不全、肝臓供与および肝臓移植を含む肥大肝臓切除を有する患者を含む。
・血小板リッチの血漿(少量のヘパリンを用いて凝血防止)および/またはPBMC、または(より良好な効果および処理の容易さのために組み合わされた)そのすべての濃縮物を得るために200mlの血液を回収する。
・患者の腸骨稜から100mlの骨髄吸引物を収穫する。
・これら100mlを氷上に配置して、ヘパリン処理管による無菌の二次梱包を施す。
・内視鏡手術および肝臓箇所の調製および(肝臓の端から肝臓切除で得られた)1〜2mmの直径の5つの肝臓断片生検材料の回収および無菌の通常の生理食塩水中、滅菌容器中4℃の氷上での保管を同時に行う。
・骨髄吸引物および肝臓生検材料を、さらなる処理のために層流空気流ベンチに移す。
・骨髄吸引物を4℃で5分間にわたって遠心して、細胞の濃縮を達成する。
・無菌氷上で無菌管に移すことによって血漿を幹細胞濃縮物から分離する。
・遠心プロセスにより得られた血漿上澄みの1mlを使用してエリスロポイエチン溶液を調製する(10000ユニット、ネオレコルモン、ロシェ)。
・HGFをEPO−血漿溶液に添加する。
・骨髄から新たに収穫された間葉幹細胞をEPOと共にインキュベートし、無菌氷上で保管する。
・移植後のインサイチュ遅延放出のためにEPO/G−CSF/HGF溶液をコラーゲン海綿体足場の10個の異なる部位に注入する。
・最終的な5mlの幹細胞濃縮物、肝臓組織断片/幹細胞混合物を足場の表面上にインキュベートする。トロンビンを添加することによって重合を達成する。
・手術場所に移動し、移植を行う(接着によって、肝臓の切除面の上または肝硬変肝臓の上に取り付ける)。スポンジで継続的に血液を得るために、その表面に小さな微小穿刺を10〜20回行う。
・穏やかな配置を可能にし、移植物扱い時の除去を避けるために、術中に自己由来血漿または線維素接着剤を用いて幹細胞混合物を壁に塗布する。30分後に移植を行う。
(実施例7)
皮膚操作
褥瘡、糖尿病性潰瘍、虚血脚、任意の部分の感染傷に対するプロトコール
・手術開始時:骨髄における幹細胞生成を活性化し、EPOで自己由来幹細胞を誘導するためのエリスロポイエチンsc(製造者の推奨による正規の単一投与量:10.000ユニット)およびGM−CSF(70kgの患者に対して200μg/m2/低投与量)。状態は重症度が同等でないことが多いため、GM−CSFまたはG−CSFが省略され得る。
・患者の麻酔を開始する。
・血小板リッチの血漿(少量のヘパリンを用いて凝血防止)および/またはPBMC、または(より良好な効果および処理の容易さのために組み合わされた)そのすべての濃縮物を得るために200mlの血液を回収する。
・患者の腸骨稜から30〜60mlの骨髄吸引物を回収する。
・回収成果物を氷上に配置して、ヘパリン処理管による無菌の二次梱包を施す。
・感染傷の外科的壊死組織切除を行う。通常通り壊死組織を除去する。
・特に火傷において、または顆粒組織が慢性傷に存在する場合に、(健康な部分から得られた)1〜2mmの直径の10個の皮膚生検材料の調製は、上皮形成を支援する目的を果たす。試料を無菌の通常の生理食塩水または自己由来血漿中、滅菌容器中4℃の氷上で保管する。
・骨髄吸引物および皮膚生検材料をさらなる処理のために層流空気流ベンチに移す。
・骨髄吸引物を4℃で遠心して、細胞の濃縮を達成する。
・無菌氷上で無菌管に移すことによって血漿を幹細胞濃縮物から分離する。
・遠心プロセスにより得られた血漿上澄みの1mlを使用してエリスロポイエチン溶液を調製する(10000ユニット、ネオレコルモン、ロシェ)。
・EPO−血漿溶液を添加する。
・骨髄から新たに収穫された間葉幹細胞をEPOと共にインキュベートし、無菌氷上で保管する。
・移植後のインサイチュ遅延放出のためにEPO/G−CSF溶液をコラーゲン海綿体足場の10個の異なる部位に注入する。代替的に、幹細胞濃縮物と混合し、重合を誘発する。
・最終的な5mlの幹細胞濃縮物、皮膚組織断片/幹細胞混合物を足場の表面上にインキュベートする。トロンビンを添加することによって重合を達成する。足場が利用可能でない場合は、骨髄濃縮物にプラスチック表面(例えば、ペトリ皿、バイオリアクター)の重合を施す。これにより膜のようなゲルが形成され、それをゲル化後に移送して、傷を被覆することができる。
・手術場所に移動し、移植を行う(創傷に配置する)(30分後に移植を行う)。
・代替的または追加的に、細胞/因子混合物を傷端部に注入する(10個の異なる部位に合計5ml)。
・コラーゲン海綿体で被覆し、その部分を透明フィルムで完全に被覆する。
(実施例8)
心臓操作
心臓虚血、心臓発作、心筋症のプロトコール。目的は、本発明によれば、経皮手段を介して心膜の下に幹細胞ゲルを配置することである。
・手術開始時、または患者が急性心臓発作の診断の後に有効である場合でも:EPO10000ユニットおよび/G−CSFを急性医薬品として体重1kg当たり250単位の量で与え、G−CSFを患者体重70kg当たり250μgの量で与える。さほど重症でない場合は、EPOだけで十分である。
・血小板リッチの血漿(少量のヘパリンを用いて凝血防止)および/またはPBMC、または(より良好な効果および処理の容易さのために組み合わされた)そのすべての濃縮物を得るために200mlの血液を回収する。
・局所麻酔で、患者の腸骨稜から30〜60mlの骨髄吸引物を回収する。
・回収成果物を氷上に配置して、ヘパリン処理管による無菌の二次梱包を施す。
・患者の胸部の局所麻酔を開始する。
・カテーテルを、X線制御下で胸部を通じて、心膜に到達するように配置し、心膜の下の開口部を梗塞部の上に配置する。
・骨髄吸引物をさらなる処理のために層流空気流ベンチに移す。
・骨髄吸引物を4℃で遠心して、細胞の濃縮を達成する。
・遠心プロセスにより得られた1mlの幹細胞濃縮物を使用してエリスロポイエチン、G−CSF溶液(10.000ユニット、ネオレコルモン、ロシェ)を調製し、無菌氷上で保管する。
・高保存血清応答因子(SRF)およびミオゲニンの添加を行って、心筋分化を支援することができる。
・重合を誘発し、カテーテルを介して梗塞部の上に注入する。
・心膜を閉じる。
・所要時間:10〜20分。
(実施例9)
角膜操作
特に無傷の角膜縁幹細胞を有する健康な対側性眼が利用可能でない場合の角膜の修復は、不可能である。従来の手法では、幹細胞を増殖させる必要もある。他の眼科用途は、斑変性、失明、光神経炎、乾燥眼を含む。斑変性に対しては、より深い注入を選択することができる。本発明によれば、3通りの高速プロセスを実施することができる。
・A)人工涙と混合した凍結乾燥物として適用された刺激因子EPOで洗浄後に急性傷害を通じて直接刺激する。
・B)対側性眼から角膜生検材料を調製し、切り刻んで非常に小さい試料を達成するか、または徐々に消化して単離細胞を得て、洗浄する。細胞試料をEPOと共にインキュベートし、眼の上部に配置する。代替的に、細胞を損傷角膜の下または中に注入することができる。角膜のいくつかの部分を外科的に除去することができる。非常に重症の場合は、治傷が完了するまで(1〜2週間)GCSFにEPOと共にscを与える。
・C)角膜生検材料が全く入手できなければ、PBMCまたは骨髄濃縮物から得られた幹細胞を人工涙または血漿に添加し、EPOおよび/GCSFと共に損傷角膜の上または中に配置する。
(実施例10)
乳房再生または乳房移植物
乳房の修復は、本発明によれば、幹細胞ゲルを連続注入して、切除後に失われた組織を構築することによって達成される。また、それを使用して乳房移植物の表面を調製して、傷および線維形成を回避する。コミットメント因子として、性ホルモンを使用して、幹細胞の乳房組織系列への発達を誘発する。本発明によれば、2〜3通りの高速プロセスを実施することができる。
A)幹細胞濃縮物と混合した凍結乾燥物として適用された刺激因子EPOで移植物を直接刺激する。
B)対側性乳房から乳房生検材料を調製し、切り刻んで非常に小さい試料を達成するか、または徐々に消化して単離細胞を得て、洗浄する。細胞試料をEPOと共にインキュベートし、幹細胞濃縮物を注入する。代替的に、繰返しの手順において細胞を注入して構築を達成することができる。治傷が完了するまで(1〜2週間)GCSFにEPOと共にscを与える。使用するホルモンは、エストロゲン、FSH(卵胞刺激ホルモン)、成長ホルモン、プロゲステロンおよびプロラクチンを含む。
(実施例11)
脊髄再生または末梢神経再生
ニューロンの再生は、減圧後に幹細胞ゲルを虚血部の上に配置することによって、またはコラーゲンガイドを管として使用する交換によって達成される。本発明によれば、この幹細胞ゲルを用いると、失われたニューロン組織の再生が可能である。また、それを使用して、傷および線維形成を回避する移植物が調製される。コミットメント因子として、神経成長因子をビタミンC(または出芽のために単独で)および(ニューロン分化のための)ビタミンDと組み合わせて使用して、幹細胞のニューロン系列への発達を誘発する。
本発明によれば、2通りの高速プロセスを実施することができる。
A)幹細胞濃縮物と混合した凍結乾燥物として適用された刺激因子EPOを使用して、傷付いた神経組織を直接刺激する。
B)外科的接触が可能でなければ、4〜6週間までの期間にわたって、GCSF、EPO、ビタミンCおよびビタミンD scを注入する。
C)幹細胞ゲルとして上記因子を挿入し、重合を誘発する。ゲルの安定性を向上させるために、コラーゲン粉末をそれらの因子と共に重合骨髄幹細胞濃縮物に混入する。
(実施例12)
腱、靱帯、椎間板、半月版、軟骨の再生
当該結合組織の再生は、幹細胞ゲルを傷害部の上に配置するか、または傷害部に注入することによって達成される。コミットメントに対する材料を得るために、刻んだ本来の組織を(しばしば外傷による)破壊または損創傷から得る。変性状況において、傷サイトカインを針による人工的穿孔によって生成して、本発明による幹細胞ゲル/因子ミックスを支持する。椎間板の場合は、TGFベータをさらに適用して髄核の再形成を支援する。断片が利用可能であれば、それらをともに幹細胞ゲルに混入する。
本発明によれば、この幹細胞ゲルを用いると、傷および線維症を回避する再生が可能である。加速させて迅速な結果を得るために、コミットメント因子として、線維芽が成長因子を添加することができる。
本発明によれば、3通りの高速プロセスを実施することができる。
・幹細胞濃縮物と混合した凍結乾燥物として適用された刺激因子EPOを使用して、傷付いた組織を直接刺激する。
・外科的接触が可能でなければ、1〜2週間までの期間にわたって、GCSF、EPOを(特に予防手段として)注入する。
幹細胞ゲルを上記因子と共に注入し、重合を誘発する。ゲルの安定性を向上させるために、コラーゲン粉末をそれらの因子と共に重合骨髄幹細胞濃縮物に混入する。
軟骨再生の場合は、キトサンで調製された足場/ゲルを使用し、移植時に、TGFベータ(20ng)を含む幹細胞/因子ゲルを接種する。強化された表面への接着によってゲルの固定を達成する。理想的には、キトサンゲルまたは線維素原ゲルを使用することができる。
治癒段階を通じて、因子(EPO、GCSF)の支持s.cを使用することができる。TGFを再適用することもできる。
(実施例12)
括約筋操作
括約筋は、心臓操作に匹敵する方法で術中に修復される。幹細胞/因子ゲルを、残留する括約筋組織に注入する。加えて、新生組織の輪を古い括約筋の周囲に形成することができる。2週間で再造形が生じる。
(実施例13)
静脈弁操作
静脈弁の再生では、EPOおよび/またはGCSFを含む幹細胞コラーゲン海綿体を術中に静脈の周囲に巻きつける。それは、2〜3cmの長さを有し、不十分な弁の付近に縫合され得る。FGFを追加的に使用することができるが、必要であるとは限らない。
(実施例14)
脊椎骨操作
崩壊した脊椎骨を本来の大きさに整復した後に幹細胞ゲルをそれに注入する。ゲルが内部で重合する。それをコラーゲン粉末および任意の形の骨代用材料と混合することができる。支持的コミットメント因子は、ビタミンDである。BMPまたは誘導体の使用は必要ないが、他の因子との同時適用および幹細胞処理が可能である。

Claims (26)

  1. 患者の組織欠陥または組織傷害の結果として生成すべき組織のためのコピーマトリックスとして機能する天然足場または合成足場に基づく個々に操作された移植物を製造するためのエキソビボ術中方法であって、前記方法は:
    (i)組織細胞の成長のための支持マトリックスとして天然足場または合成足場を提供する工程と、
    (ii)治療すべき前記患者から得られた自己由来幹細胞を提供する工程と、
    (iii)治療すべき前記患者の欠陥組織または傷害組織から生検によって得られたコピー細胞として健康な細胞を提供する工程と、
    (iv)工程(ii)の幹細胞調製物を、幹細胞を刺激し、組織細胞の再造形を加速させる因子を含む組成物と共にインキュベートする工程と、
    (v)工程(iii)の細胞調製物を足場マトリックスの上または中に充填または注入する工程と、
    (vi)工程(iv)の前処理幹細胞調製物の存在下で工程(v)の前処理足場マトリックスを、(a)幹細胞を補充し、それらの有効性を向上させるネイティブ因子、(b)幹細胞またはその前駆細胞の分化を促進するネイティブ因子、および(c)工程(iv)の因子を含む組成物と共にインキュベートする工程と、
    (vii)そのようにして処理された足場を、外科医によって治療される前記患者への移植のために提供する工程
    とを含み、工程(iv)〜(vi)を10分から30分の期間中にバイオリアクターチャンバまたは層流空気流キャビネットにおいて無菌条件下で実施する、方法。
  2. 工程(ii)の前記自己由来幹細胞および/または工程(iii)の前記組織コピー細胞調製物を、(a)幹細胞を補充し、それらの有効性を向上させる因子、(b)幹細胞またはその前駆細胞の分化を促進する因子、ならびに場合によって(c)幹細胞を刺激し、組織細胞の再造形を加速させる因子を含む組成物で前処理した、請求項1に記載の方法。
  3. 幹細胞を刺激し、組織細胞の再造形を加速させる前記因子が、EPOおよびhGHからなる群より選択される、請求項1または2に記載の方法。
  4. 幹細胞を補充し、それらの有効性を向上させる前記因子が、G−CSFおよびGM−CSFからなる群より選択される、請求項1から3のいずれかに記載の方法。
  5. 幹細胞またはその前駆細胞の分化を促進する前記因子が、TGFβ、VEGF、ビタミンCおよびビタミンEからなる群より選択される、請求項1から4のいずれかに記載の方法。
  6. 幹細胞を補充し、それらの有効性を向上させる前記因子がG−CSFであり、幹細胞またはその前駆細胞の分化を促進する前記因子がTGFβであり、幹細胞を刺激し、組織細胞の再造形を加速させる前記因子がEPOである、請求項1から5のいずれかに記載の方法。
  7. 前記幹細胞が、治療される前記患者の骨髄または末梢血液から得られる、請求項1から6のいずれかに記載の方法。
  8. 前記幹細胞が間葉幹細胞である、請求項7に記載の方法。
  9. 請求項1に記載の工程(vi)のインキュベーション工程が自己末梢血液由来単球(PBMC)の添加を含む、請求項1から8のいずれかに記載の方法。
  10. 請求項1に記載の工程(iv)〜(vi)が、前記欠陥組織または前記傷害組織の中または上への前記足場の移植への前記患者の前処置と同時に実施される、請求項1から9のいずれかに記載の方法。
  11. 前記自己由来幹細胞が、別個の処理工程によって事前に増殖されていない、請求項1から10のいずれかに記載の方法。
  12. 上記請求項のいずれかで特定された種々の因子および/または種々の細胞を粘性ゲル様または接着剤様の製剤または組成物によって前記足場に供給する、請求項1から11のいずれかに記載の方法。
  13. 傷害組織または欠陥組織を治癒することによって原状回復を達成するための移植物の製造のための、請求項1から12のいずれかに記載の方法によって得られた足場の使用。
  14. 上記請求項のいずれかで特定された種々の因子および/または種々の細胞の粘性、ゲル様または接着剤様の製剤または組成物を、前記欠陥組織または前記傷害組織のすべてまたは一部の選択部位における新たに移植された前記足場の術中インサイチュ処置のために供給する、請求項13に記載の使用。
  15. 移植された特定の細胞成長支持足場を用いずに、またはそれと共に患者の傷害組織または欠陥組織を治療することによって原状回復を達成するための医薬品を製造するための、
    (i)新たに調製された増殖させていない自己由来幹細胞と、
    (ii)EPOおよびhGHからなる群より選択される、幹細胞を刺激し、組織細胞の再造形を加速させる因子と、
    (iii)G−CSFおよびGM−CSFからなる群より選択される、幹細胞を補充し、それらの有効性を向上させる因子と、
    (iv)TGFβ、VEGF、ビタミンCおよびビタミンEからなる群より選択される、幹細胞またはその前駆細胞の分化を促進する因子と
    を含む調製物または組成物の使用。
  16. 前記調製物もしくは前記組成物または前記足場が、コピー細胞として機能する、治療すべき前記患者の前記欠陥組織または前記傷害組織からの健康な細胞、および場合によって自己由来PBMCをさらに含む、請求項15に記載の使用。
  17. 前記健康な細胞および前記PBMCが、EPOおよび/またはG−CSFおよび/またはTGFβで前処理された、請求項16に記載の使用。
  18. 前記組成物または前記調製物が、すべてまたは一部の選択部位における前記欠陥組織または前記傷害組織に適用または注入される粘性、ゲル様または接着剤様の製剤で供給される、請求項15、16または17に記載の使用。
  19. 前記組成物または前記調製物が、すべてまたは一部の選択部位における前記欠陥組織または前記傷害組織に適用または注入され、Ca++またはトロンビンの添加によって重合するように誘発される、血液、血漿または骨髄、骨髄濃縮物からなる粘性、ゲル様または接着剤様の製剤で供給される、請求項15から18のいずれかに記載の使用。
  20. 前記足場が、治療すべき前記患者の前記欠陥組織または前記傷害組織からの健康な細胞、および場合によって自己由来PBMCで前処理された、請求項15から19のいずれかに記載の使用。
  21. 前記幹細胞がEPOおよび/またはhGHで前処理された、請求項15から20のいずれかに記載の使用。
  22. 足場が適用される場合は、それぞれの細胞の調製、処理および前処理が、1時間未満の数分以内に迅速な過程で外科手術と同時に術中に達成される、請求項15から21のいずれかに記載の使用。
  23. 足場が適用されない場合は、それぞれの細胞および因子の前記組成物または前記製剤が、静脈内投与または皮下投与による全身投与のために、あるいは治療すべき前記組織が直接的な局所投与によって有効である場合に供給される、請求項15から17のいずれかに記載の使用。
  24. 患者における天然足場または合成足場によって欠陥組織または傷害組織の組織細胞の分化および成長を誘発、刺激および促進する自己由来細胞を術中調製しながら、前記足場の前記患者への移植のために前記患者を前処置および処置するための方法であって、前記細胞が、(a)組織欠陥、組織外傷または組織傷害を被った患者の骨髄、組織または血液からの自己由来幹細胞、および(b)前記患者に移植される足場マトリックスを被覆するためのコピー細胞としての健康組織細胞であり、前記方法は:
    (i)前記患者における損傷の部位を特定する工程と、
    (ii)骨髄、血液または他の組織からの回収によって、治療すべき前記患者から自己由来幹細胞を補充する工程と、
    (iii)前記欠陥組織または前記傷害組織からの健康な周囲の細胞または生存細胞の生検によって、治療すべき前記患者から自己由来組織細胞を補充する工程であって、これらの細胞が前記足場マトリックス上の鋳型細胞として機能する、工程と、
    (iv)無菌条件下で手術室に配置されたバイオリアクターまたは層流空気流キャビネットにおいて10分間〜30分間にわたって、EPOもしくはhGH、または幹細胞を刺激し、組織細胞の再造形を加速させる他の因子を用いて、工程(ii)の幹細胞濃縮物を、それらを増殖させずにエキソビボで処理する工程と、
    (v)無菌条件下で手術室に配置されたバイオリアクターまたは層流空気流キャビネットにおいて10分間〜30分間にわたって、EPO、hGH、GM−CSF、G−CSFおよびTGFβからなる群より選択される少なくとも1つの因子を用いて、工程(iii)の鋳型細胞をエキソビボで処理する工程と、
    (vi)無菌条件下で手術室に配置されたバイオリアクターまたは層流空気流キャビネットにおいて10分間〜30分間にわたって、工程(iv)および(v)の前処理細胞で前記足場をエキソビボで被覆または注入する工程と、
    (vii)工程(iv)から(vi)を実施しながら移植のために前記患者を前処置する工程と、
    (viii)部分的または完全に被覆された工程(v)の足場を前記組織の欠陥または創傷に移植する工程と、場合によって
    (ix)ゲル様または接着剤様組成物または製剤を移植された前記足場および移植物の周囲の前記組織上に局所投与によって適用する工程であって、前記組成物または前記製剤が、工程(ii)および(iii)の細胞ならびに工程(v)の因子の1種または複数を含む、工程と
    を包含する、方法。
  25. EPO、hGH、GM−CSF、G−CSFおよびTGFβからなる群より選択される少なくとも1つの因子を含む組成物または製剤を、工程(i)により手術を開始する前に、全身投与によって薬理学的に有効な量で前記患者に適用した、請求項24に記載の方法。
  26. 前記組成物または前記製剤がEPO、G−CSFおよびTGFβを含む、請求項25または26に記載の方法。
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