JP2012504937A - リグノセルロース材料の真空下における酵素処理 - Google Patents

リグノセルロース材料の真空下における酵素処理 Download PDF

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Abstract

発酵性糖類を放出するためにリグノセルロース供給原料植物材料を処理する方法が開示される。より具体的には、真空下で行われる、材料を処理し、フルフラールおよび酢酸などの揮発性の糖/発酵阻害化合物の減少した量を含んでなる糖に富んだプロセスストリームを生成する酵素加水分解プロセス。糖に富んだプロセスストリームは、次に発酵に付され、エタノールなどのバイオ燃料および他の化学製品を生成しうる。

Description

本願は、発酵性糖類を放出するために植物材料を処理する方法に関する。より具体的に、本願は、真空下で行われ、のちに発酵に付されてバイオ燃料および化学製品を生産しうる、糖に富んだプロセスストリームを生成する、リグノセルロース材料を処理するための酵素加水分解プロセスに関する。
長年、バイオマスは燃料エネルギーの再生可能資源として有望視されてきたが、依然として、バイオマスを適切なバイオ燃料に転換するより効率的な手段が必要とされている。植物材料は、バイオ燃料に転換できるグルコースのような発酵性糖類の重要な供給源である。しかし、植物材料中の糖類は、セルロースおよびヘミセルロースの長いポリマー鎖に含有されている。現在の発酵プロセスを利用するには、発酵工程の前にこれらのポリマー鎖を、例えば単糖類に分解することが必要とされる。
植物性のバイオマスを発酵性糖類へ転換する方法は、当分野で公知であり、一般に、2つの主な工程:植物構造を緩める前処理工程、ならびにセルロースおよびヘミセルロースのポリマー鎖を単糖類に転換する酵素加水分解または化学的加水分解工程、を含んでなる。いくつかのアプローチが、前処理工程に用いられてきた。例えば、自動加水分解、酸加水分解、アンモニア活性化、クラフト蒸解、有機溶媒蒸解、熱水前処理、アンモニアパーコレーション、石灰前処理、腐食性溶媒蒸解、またはアルカリ過酸化物前処理である。各々の前処理技術は、物理的および/または化学的改質を含む、植物構造に対する異なる作用機構を有する。しかし、前処理の主たる目的は、植物材料を酵素へアクセスしやすくすることである。自動加水分解プロセスでは、例えば酢酸などの有機酸を放出する蒸気および圧力によって、ヘミセルロースに付加されたアセチル基を分解し、弱酸加水分解プロセスに対する条件を付与する。簡単なプロセスではあるが、発酵性糖類の収率は悪く、加えてこのプロセスは多大な量のエネルギーを要する。
Jakobsen et al.(米国特許第5,874,274号)は、キシラナーゼおよびセルラーゼを用いる植物材料の粘度を減少させるための、特に、小麦の処理のための単一工程酵素プロセスの利用を開示している。
本願は、植物材料由来の供給原料から糖に富んだプロセスストリームを調製する真空下で行われる酵素プロセスに関する。好ましくは、2段階酵素プロセスが用いられ、その場合、真空はどの段階にも適用されうる。しかし、真空は、好ましくは、少なくとも第1の段階に適用される。そのプロセスおよび装置は、少なくとも60%、好ましくは75%を超える、およびより好ましくは90%を超えるセルロースおよびヘミセルロースの単糖類への転換をもたらしうる。それに続いて、糖に富んだプロセスストリームは、発酵に付されて、アルコールストリームを生成し、これもまた、真空下で行われうる。発酵段階からのアルコールストリーム(すなわち、未加工アルコールストリーム)は、約3〜約22体積%のエタノール含有量を有しうる。所望の操作範囲としては、約5〜約15%および好ましくは約5〜約22%、ならびに約8〜約12%、好ましくは約8〜約15%、および約8〜約22%(v/v)が挙げられる。そのようなアルコール濃度は、供給原料としてトウモロコシを用いることなくして得られうる。
セルロースエタノールプロセス、すなわち、非トウモロコシ植物繊維(すなわち、トウモロコシ穀粒を除く植物繊維)からのセルロースおよび/またはヘミセルロースを分解することによって得られる糖類からエタノールを生成するプロセスは、典型的に、約2〜6体積%のエタノール含有量を有する未加工アルコールストリームを生成する。本願に記載のプロセスおよび装置によって、セルロースエタノールプラントは、トウモロコシに基づいたエタノールプラント、すなわちトウモロコシ中のデンプンから得られる糖類からエタノールを生成するプラントによって得られるアルコール濃度に匹敵するアルコール濃度を有する未加工アルコールストリームを生成しうる。それゆえに、本発明のプロセスおよび装置の有利な点の1つは、トウモロコシに基づいたエタノールプラントからの生産物ストリームの濃度に匹敵する濃度を有する燃料エタノールストリームを生成するために未加工アルコールストリームから除去される水の量が、現在のセルロースエタノールプラント技術と比較して、実質的に削減されることである。燃料エタノールストリームは、典型的に、蒸留によって生産されるため、本明細書に記載のプロセスおよび装置は、現在のセルロースエタノールプラント技術と比較して、蒸留プロセスに要するエネルギーの実質的な減少をもたらし、場合によっては、蒸留カラムのサイズ(すなわち直径)の実質的な減少をもたらす。さらに、本発明のプロセスは、酵素プロセスにおいて、より高い固体濃度(リグノセルロース供給原料)で開始することを可能にする。よって、固体濃度が増加するため糖濃度もまた増加し、その結果、発酵容量が減り、現在のセルロースエタノールプラント技術と比較して、2〜3倍の減少を示す。
1つの実施形態において、供給原料は、真空下で酵素加水分解プロセスに付される。酵素加水分解は、揮発性の成分ストリームを生成し、それは、真空によって取り除かれる。揮発性の成分ストリーム中の化合物は、酵素加水分解プロセスの上流および/または酵素加水分解プロセスの間に生成されうる。化合物は、プロセスに用いられた1つ以上の酵素に対する阻害効果を有する。従って、本発明の利点は、酵素活性が、高レベルの阻害化合物に付されないので、酵素加水分解プロセスが、供給原料の完全な処理に向かってさらに進行しうることである。
本開示の実施形態において、酵素加水分解は、わずかな減圧(slight vacuum)下で行われる。真空は、700〜50mmHgでありうる。(すなわち、容器内の圧力が、700〜50mmHgでありうる)。好ましくは、真空は、約600mmHg未満、より好ましくは、約100mmHg未満、および、最も好ましくは、約50mmHg未満である。好ましくは、適用される最大真空は、約4mmHgである。
好ましい代わりの実施形態において、供給原料は第1の酵素加水分解プロセスに付されて、供給原料の粘度を減少させ、低粘度流出ストリームを生成する。ある実施形態において、低粘度流出ストリームの粘度は、最初の供給原料スラリーと比べて、少なくとも約15%低い、好ましくは少なくとも約20%低い、好ましくは少なくとも約50%低い、より好ましくは少なくとも約66%低い、および最も好ましくは少なくとも約90%である。第1の酵素加水分の際、ヘミセルロースおよびセルロースは、好ましくは糖類の可溶性オリゴ糖類に分解される。この工程の際、セルロースの代わりに、ヘミセルロースを優先的に加水分解(例えば、供給原料において、セロビオースと比べてヘミセルロースに優先的に作用)することが好ましい。例えば、このプロセス工程は、ヘミセルラーゼおよびセルラーゼ活性を含んでなる酵素調製物を利用しうる。適切な酵素調製物が、典型的に、セルロースに作用しうる酵素を含むであろうことは理解されるであろうが、ヘミセルロースの一部のみが転換されるであろうことが好ましい。
次いで、2段階プロセスが用いられる場合、低粘度を有する、第1の酵素加水分解プロセスからの生産物ストリームは、第2の酵素加水分解プロセスに付され、このプロセスもまた所望により真空下で行われる。第2の酵素加水分解プロセスは、好ましくは、セルロースを加水分解する酵素、およびオリゴ糖類を発酵に適した単糖類に転換する酵素を利用する。好ましくは、この第2の酵素調製物は、ベータ−グルコシダーゼ活性を含んでなる。例えば、第2の酵素調製物は、セルロースおよびセロビオースを単量体およびセルロオリゴ糖類に転換する活性を有しうる。この第2の酵素加水分解プロセスにおいて、残りのセルロースおよびヘミセルロースならびにそれらのオリゴ糖類のすべて、または本質的にすべて(例えば、好ましくは少なくとも60、より好ましくは少なくとも75、および最も好ましくは少なくとも90%)が、所望の程度に、好ましくは商業的に適した程度に、単糖類に転換される。
理論に制限されるものではないが、オリゴ糖類、特にセロビオースは、セルラーゼ酵素、特にエンドグルカナーゼおよびセロビオヒドロラーゼに対して阻害効果を有する。従って、第1の工程において、ヘミセルロースおよび所望によりセルロースは、酵素で処理され可溶性糖類を生成する。しかし、そのプロセスは、セルロースの大部分を単量体またはセロビオースなどの二量体にしないように行われる。酵素加水分解は、いくつかの単量体およびセロビオースの生成をもたらすであろうことは理解されるであろうが、そのプロセスは、酵素の著しい阻害を妨げるように行われる。次いで、第2の酵素プロセスにおいて、オリゴ糖類は、酵素加水分解に付されて、発酵性糖類(好ましくは、単量体)を生成する。
好ましくは、第1の酵素調製物は、優先的にヘミセルロースに作用する。理論に制限されるものではないが、この実施形態に従って、ヘミセルロースはそのような第1の酵素プロセスにおいて、水性媒体(好ましくは、水)中に可溶性化合物として繊維から除去されるオリゴマーおよび単量体に分解されると考えられる。この標的(targeted)酵素プロセスは、ヘミセルロースの分解および低分子量化合物の除去によって、繊維構造を開く。本願において、優先的に加水分解するという用語は、用いられる酵素の大部分が、セルロースに代わってヘミセルロースを標的とする(存在する酵素には依然としてセルロースを標的としうるものがある)ことを意味する。第1の段階での好ましい優先的加水分解は、約60%以上、および好ましくは約85%以上のヘミセルロースを加水分解し、一方で、好ましくは約25%未満、およびより好ましくは約15%未満のセルロースを加水分解することを含む。結果として生じる、より開いた繊維構造は、セルラーゼなどの酵素がより容易に繊維構造に入り込み、セルロースを加水分解することを可能にする。よって、第2の酵素加水分解工程は、供給原料中のヘミセルロースに比べてセルロースを優先的に標的とする酵素を用いる(例えば、第2の酵素調製物は、供給原料中のキシランに比べセルロースおよびセロビオースに優先的に作用する)。第2の酵素加水分解工程が、ヘミセルロースを標的とする酵素を含む酵素調製物を用いうることは理解されるであろう。しかし、ほとんどのヘミセルロースが、既に第1の段階で処理されている可能性があるので、相対的に大きな割合のそのような酵素が、第2の酵素調製物において必要とされない可能性がある。
理論に制限されるものではないが、第1の酵素加水分解段階の間、キシランは、可溶性キシラン(可溶性オリゴマー)に、またある程度はキシロースに転換され、ならびにマンナンは、マンノースに転換されると考えられる。第1の酵素調製物は、キシランのキシロース残基のβ−1,4結合、およびマンナンのマンノース残基のβ−1,4結合に、優先的に作用する。これらの反応速度は、この段階で生じた粘度減少に強く対応している。従って、ヘミセルロースの酵素加水分解は、少なくとも部分的に粘度の減少をもたらし、粘度減少の主な要因でありうる。
しかし、多くの商業的ヘミセルラーゼ酵素調製物は、セルラーゼ活性も有し、これもまた粘度の減少に貢献しうる。特に、ヘミセルロースが加水分解されるにつれて、オリゴ糖類および単糖類の生成に加えて、水が繊維から放出される。さらに、この加水分解は、ヘミセルロースおよびセルロースポリマー鎖の長さの減少をもたらす。水の放出および分子の鎖長の減少はまた、第1の段階の酵素加水分解中の反応器における混合物の粘度の急速な減少における要因、または重要な要因でありうる。
酵素加水分解プロセスの際、アセチル基がヘミセルロースから取り除かれる。水性媒体において、これらは酢酸を形成する。酢酸は、反応器中の混合物のpHを、例えば、約4.9〜約4.4に減少させる。このpHの減少は、第1の段階の酵素調製物に対して阻害的な効果をもつ。好ましくは、少なくとも一部の酢酸および/またはフルフラールなどの他の阻害化合物は、揮発し、プロセスから取り除かれる。さらに、一部の酢酸は、中和剤(例えば、尿素、無水アンモニア、アンモニア水、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム)の付加により中和されうる。酢酸は、比較的揮発性があるので、それが生じる際真空によって取り出されうる。さらに、酵素プロセスが反応器内の混合物の粘度を減少させるにつれて、混合物は、例えば攪拌によって、流れがより容易に誘発されやすくなり、酢酸は混合物表面に達し蒸発するする可能性がより大きくなる。
本開示の実施形態において、酢酸、フルフラールおよびヒドロキシメチルフルフラールなどの揮発性の阻害化合物の少なくとも一部は、酵素加水分解に付される混合物から取り除かれる。他の取り除かれる化合物および/または分子として、窒素、酸素、アルゴン、および二酸化炭素が挙げられる。好ましくは、0.4%(w/v)未満、好ましくは0.3%未満、および最も好ましくは0.2%未満である、混合物中の酢酸の濃度を減少させるか、または維持するように、十分な時間、十分な真空が付与される。代わりにまたはさらに、0.2%(w/v)未満、0.1%未満、および最も好ましくは0.05%未満である、混合物中のフルフラールの濃度を減少させるか、または維持するように、十分な時間、十分な真空が付与される。真空が大きいほど、取り除かれるであろう揮発性阻害化合物が多くなることは理解されるであろう。好ましくは、一般に一定の真空が適用される。好ましくは、真空は、酵素加水分解が行われる間ずっと適用される。
第1の酵素加水分解の前に、供給原料は、所望により、活性化工程に付され、ある実施形態では、活性化工程は、蒸解釜での自動加水分解プロセスである。自動加水分解の間、供給原料は、蒸解釜において高温および高圧に付され、それが、ポリマー鎖間に水分子を導入することによりセルロースおよびヘミセルロースのポリマー構造を活性化すると考えられる。さらに、自動加水分解の間、セルロースおよびヘミセルロースの重合度は、約10,000から約1,500〜1,000に減少されうる。また、自動加水分解の間、酢酸などの揮発性の化合物は、供給原料から放出される。
別の実施形態において、自動加水分解後、供給原料は自動加水分解装置から固/気分離ユニットに移される。1つの実施形態において、固/気分離ユニットはサイクロンであり、好ましくは、真空下のものである。高圧の自動加水分解装置から低圧のサイクロンへの圧力の違いは、固体の揮発性の化合物からの分離をもたらす。酵素加水分解前の混合物中に存在する、いくつかの揮発性の阻害化合物を含みうる揮発性の化合物は、真空によってサイクロンから取り除かれる。さらに、サイクロンの低い圧力は、セルロースおよびヘミセルロースの繊維構造を開き、繊維の表面積を増加し、それにより、酵素がより多くアクセスできるようになると思われる。
本明細書に記載の実施形態のさらなる態様および利点が、添付の図とともに以下で説明される。
本明細書に記載の実施形態のより良い理解のため、およびそれらがどのように実行に移されうるかをより明確に示すために、少なくとも1つの例示の実施形態を示す添付の図を例示のためにのみ参照する。
図1は、所望の工程を含む好ましい実施形態による方法のフローチャートである。 図2は、特定のプロセス工程に関する追加的詳細を示す別の実施形態による方法のフローチャートである。 図3は、本開示の別の実施形態に従って、様々な温度およびpHで真空下に保たれた前処理済みポプラから回収された水の量を示すグラフである。 図4は、本開示の別の実施形態に従って、様々な温度およびpHで真空下に保たれた前処理済みポプラから回収されたフルフラールの量を示すグラフである。 図5は、本開示の別の実施形態に従って、様々な温度およびpHで真空下に保たれた前処理済みポプラから回収された酢酸の量を示すグラフである。
本願は、一般に、供給原料中のセルロースおよびヘミセルロースを、発酵してアルコールを生成しうるグルコースのような単糖類に分解するための、リグノセルロース供給原料を処理する方法に関する。特に、本願は、一般に、真空下での酵素加水分解の使用に関する。出願人らは、驚くべきことに、リグノセルロース供給原料を真空下で酵素加水分解プロセスに付して、供給原料から揮発性の成分ストリームを除去することが、発酵性糖類の収率および/または得られる糖に富んだプロセスストリームの純度を向上することを知見した。従って、真空下での2段階酵素加水分解の使用は、供給原料の粘度の減少、および発酵性糖類が豊富であるプロセスストリームの生産を可能にする。
所望の実施形態において、出願人らは、酵素加水分解プロセスの前に、供給原料を活性化すること、および/または物理的に改質することが、プロセスストリーム中の発酵性糖類の増加した収率および/またはより速い反応速度をもたらすことを知見した。
図1は、2段階酵素加水分解プロセスを利用する本発明の1つの実施形態の概略図を例示する。本発明は、1つ以上の酵素加水分解段階を用いるプロセスに関することは理解されるであろう。各酵素加水分解反応器またはそれらの1つのみが、真空下で操作されうる。複数の連続して操作される酵素加水分解段階または反応器がある場合、好ましくは少なくとも第1の段階または反応器が、真空下で操作される。
リグノセルロース供給原料10は、所望により、最初に自動加水分解によってなどで、活性化、抽出、加水分解、および/または物理化学改質工程12に付されて、活性化された供給原料ストリーム14を生成する。次に、活性化された供給原料ストリーム14は、所望により、サイクロン16などの固/気分離器に移され、揮発性の化合物から固体の活性化された供給原料を分離する。高圧の自動加水分解蒸解窯12から例えばサイクロン16への分量の排出は、圧力の急激な放出をもたらし、蒸気爆発を経て繊維材料の物理的改質を引き起こす。サイクロンは、真空圧で操作されるため、揮発性の化合物ストリーム20において、揮発性の化合物が真空によって取り除かれる。次いで、活性化された固体供給原料ストリーム18は、所望により、ディスクリファイナー22に送り込まれ、微粒子のストリーム24を生成する。これら所望の工程のいずれも利用されないこと、または、これら工程の1つもしくは両方が利用されうることは、理解されるであろう。
その後、微粒子のストリーム24は、酵素加水分解、および好ましくは2段階酵素加水分解プロセスに付されうる。2段階酵素加水分解プロセスが用いられる場合、第1の酵素加水分解段階26は、好ましくは真空下で操作され、低粘度流出ストリーム28、および反応器から取り除かれる揮発性の成分ストリーム30を生成する。反応器から取り除かれる。次いで、低粘度流出ストリーム25は、所望により真空下で行われうる第2の酵素加水分解段階32に付され、糖に富んだプロセスストリーム34を生成する。
第1の酵素加水分解工程に付される材料のすべてまたは一部は、好ましくは、リサイクルストリーム36によって再処理され、好ましくは、第1の酵素加水分解段階26に再導入される前に、少なくとも一部、好ましくはすべてのリサイクルストリームがディスクリファイナー22を経て、反応器26に返送される。リサイクルストリームは、例えば、ディスクリファイナー22に導入される前に、新鮮なリグノセルロース供給原料と混合されうる。リサイクルストリームの一部またはすべては、反応器26に直接送り込まれうることは理解されるであろう。
また、第2の酵素加水分解工程32に付される材料のすべてまたは一部は、好ましくは、リサイクルストリーム38によって取り除かれ、反応器32に返送されることは理解されるであろう。
次に、糖に富んだプロセスストリーム34は、好ましくは、エタノールを生成する発酵工程40を含むさらなるプロセスに付され、または、それは保存され、もしくは他の化学プロセスで用いられうる。好ましくは、発酵工程40もまた真空下で行われる。
投入供給原料
リグノセルロース供給原料は、植物材料に由来する。本明細書において、「リグノセルロース供給原料」は、セルロース、ヘミセルロースおよびリグニンを含有する植物繊維を指す。出願人らは、リグノセルロース供給原料の抽出に用いる、セルロース、ヘミセルロース、およびリグニンを含んでなる植物材料の他の供給源を検討し、それらのいずれかが用いられうる。いくつかの実施形態においては、供給原料は、木、好ましくは、ポプラなどの落葉樹(例えば木材チップ)などから抽出されうる。その代わりにまたは加えて、供給原料はまた、トウモロコシ茎葉、麦わら、大麦わら、稲わら、スイッチグラス、ソルガム、サトウキビバガス、もみ殻、および/またはトウモロコシ穂軸などの農業残渣から抽出されうる。好ましくは、リグノセルロース供給原料は、農業残渣、および木材バイオマス、より好ましくは、木材バイオマス、ならびに最も好ましくは、落葉樹を含んでなる。従って、供給原料は食用の農産物を含有しないいずれの供給原料でもありうるが、そのような材料は用いられうる。
リグノセルロース供給原料は、好ましくは洗浄され、例えば、灰、シリカ、(例えば、農産物から)金属紐、石、および泥を取り除く。リグノセルロース供給原料の構成物のサイズはまた、減らされうる。供給原料の構成物のサイズは、長さ約0.127cm(0.05インチ)〜約5.08cm(2インチ)、好ましくは約0.254cm(0.1インチ)〜約2.54cm(1インチ)、およびより好ましくは約0.318cm(0.125インチ)〜約1.27cm(0.5インチ)であるのがよい。
所望の活性化、抽出、加水分解、または物理的な改質が利用されない場合、供給原料は、さらに圧搾、粉砕されうり、またはそうでなければ、供給原料において、平均粒子サイズを減らし、材料の表面積を増加させるように改質されうることは、理解されるであろう。従って、供給原料の構成物のサイズは、約0.159cm(0.0625インチ)〜約5.08cm(2インチ)、好ましくは約0.318cm(0.125インチ)〜約2.54cm(1インチ)、およびより好ましくは約0.318cm(0.125インチ)〜約1.27cm(0.5インチ)であるのがよい。圧搾、粉砕、またはそうでなければ粒子サイズを減らすことができるいずれの加工機械も、利用されうる。所望のディスクリファイナーに送り込まれる供給原料は、好ましくは、1%〜60重量%の全固体(total solids)を含んでなる。
活性化
リグノセルロース供給原料は、所望により、供給原料が酵素加水分解に付される前に、1つ以上の活性化工程に付される。本明細書において、「活性化された」供給原料は、供給原料中のセルロースおよびヘミセルロースの、後に続く酵素加水分解に対する感受性が増加するように処理されてきた供給原料を指す。さらに、リグノセルロース供給原料はまた、化学的もしくは物理的改質前処理、抽出または加水分解に付されうる。
出願人らは、リグノセルロース供給原料を処理する、ある種のプロセスが、供給原料を酵素加水分解のために調製するにあたって、驚くほど有益であることを知見した。理論に制限されるものではないが、出願人らは、活性化は、ヘミセルロースおよびセルロースポリマー鎖中の水素結合部位の化学的活性化に係ると考えている。
活性化、抽出、加水分解、および化学的または物理的改質の方法としては、自動加水分解、酸加水分解、アンモニア活性化、ディスクリファイニング、クラフト蒸解、有機溶媒蒸解、熱水前処理、アンモニアパーコレーション、石灰前処理、腐食性溶媒蒸解、およびアルカリ過酸化物前処理が挙げられるが、これらに限定はされない。当分野で公知のいずれの加工装置も用いられうる。好ましくは、ディスクリファイニングおよび自動加水分解の少なくとも1つが利用され、より好ましくは両方が利用される。
いくつかの実施形態において、供給原料は自動加水分解に付される。自動加水分解は、ヘミセルロースおよびセルロースを、高温、蒸気、および圧力にさらすことによって、好ましくは硫酸などの化学剤の存在下で、分解するプロセスである。酸の存在下で行われる場合、自動加水分解プロセスは酸加水分解として知られる。自動加水分解は、しばしば、アセチル化ヘミセルロースの分解による酢酸の放出をもたらし、それは加水分解プロセスをさらに促進する。
好ましくは、自動加水分解は、当分野で公知である蒸気爆発蒸解釜中で行われる。例えば、約45重量%〜約55重量%の含水量を有する供給原料が、自動加水分解蒸解釜に送り込まれるのがよく、そこで、バイオマスは高圧(例えば、100〜400psig)および高温(例えば、150〜250℃)の蒸気のもと、所望により硫酸などの触媒の存在下で加水分解される。自動加水分解において、アセチル基は、酢酸を生成する植物構造から加水分解される。酢酸の放出は、蒸解釜内の反応混合物のpHを、例えば、中性から酸性(例えば、3.0〜4.0)に減らし、弱酸加水分解反応に対して酸条件を供与する。自動加水分解工程の際、ヘミセルロースは、部分的に、キシロース、可溶性キシロオリゴ糖類および他のペントサン類に加水分解される。収率は、最大約75%になりうる。
自動加水分解の間、セルロースおよびヘミセルロースの重合度は、約10,000から約1,500〜1,000に減少されうる。このプロセスは、好ましくは、リグニンのガラス転移温度(120〜160℃)より高い温度で行われる。反応の程度(severity)に依って、フルフラール、ヒドロキシメチルフルフラール、ギ酸、レブリン酸、およびその他有機化合物などの分解産物がさらに生成されうる。
蒸解釜(蒸気爆発)から放出の瞬間に、バイオマスが、高温、高圧加水分解装置から、低減された圧力のサイクロン、好ましくは大気圧、および、より好ましくは、真空に排出する。蒸解釜の圧力は、突発的、例えば1秒未満で、好ましくは瞬時に放出される。圧力の急激な低下により、バイオマスが個々の繊維または繊維の束へ分離する。この工程は、繊維構造を開き、その表面積を増加させる。リグニンは、セルロース、および残留ヘミセルロースとともに繊維に残り、その後、この残留セルロースおよびヘミセルロースから発酵性糖類の回収のための酵素加水分解に付される。
図2は、自動加水分解を用いる供給原料の活性化を含む本発明の1つの実施形態を例示する。図2を参照すると、リグノセルロース供給原料100は、水および熱含浸器120に送り込まれ、そこで水および/または触媒が供給原料に加えられうる。水の添加は、水分のランダムおよび制御不能な付加を避けるために、好ましくは蒸気添加無しに行われる。供給原料は、加えられた水の量を注意深く制御するために、含水量に関して分析されうる。好ましい実施形態においては、供給原料の含水量は、自動加水分解の開始前、約45重量%〜約55重量%である。次に、水分を含んだ供給原料130は、加水分解装置140中で、自動加水分解に付される。いくつかの実施形態において、水および熱含浸工程は、加水分解装置と同じ容器で行われることができる。
結果として生じる自動加水分解された供給原料150は、固/気分離ユニット160、好ましくはサイクロンに入り、気体ストリーム165および固体ストリーム180を生成しうる。好ましくは、分離ユニット160は、酢酸、フルフラール、および他の揮発性化合物を除去するために真空で操作される。気体ストリーム165は、水を含む揮発性生成物を除去するため洗浄装置170に通されうり、その一部は、リサイクルされうる。
さらに図2を参照すると、次に、結果として生じる自動加水分解された固体ストリーム180は、好ましくは酵素加水分解200および発酵210の前にディスクリファイニング190に付される。当分野で公知のいずれのディスクリファイナーも用いられうる。出願人らは、化学的に加水分解されたリグノセルロース供給原料をディスクリファイナーに通すことにより、供給原料をさらに活性化し、供給原料の酵素加水分解に対する感受性を増加させることを知見した。ディスクリファイナーの使用はまた、供給原料中の粒子のサイズを減らし、供給原料中の粒子の全利用可能表面積を増加させる。
ディスクリファイナーの温度は、好ましくは、65℃未満に維持される。この温度を超えると、材料中で糖含有量を減少させる糖分解が起こりうる。好ましくは、ディスクリファイナーを通る繊維の含水量は約50〜約99重量%である。
出願人らは、ディスクリファイナーは、幅広く様々な粒子サイズのリグノセルロース供給原料で用いられることができることを知見した。好ましくは、粒子のサイズは、0.159cm(0.0625インチ)〜5.08cm(2インチ)、より好ましくは0.318cm(0.125インチ)〜2.54cm(1インチ)、および、最も好ましくは0.318cm(0.125インチ)〜1.27cm(0.5インチ)である。
酵素加水分解前のディスクリファイナーの所望の使用は、セルロースのグルコースへの転換、およびキシランのキシロースへの転換を増強すると考えられる。酵素加水分解前の自動加水分解された供給原料にパルプディスクリファイナーを使用することにより、セルロースのグルコースに対する収量比およびキシランのキシロースに対する収量比は、ディスクリファイナーが用いられない場合の約60〜約80%からディスクリファイナーが用いられる場合の約80〜約95%へ増加しうる。
第1酵素加水分解工程
供給原料は、いずれかの所望の前処理に付された後、真空下で酵素加水分解に付される。当分野で公知のいずれかの酵素加水分解プロセスが用いられうる。好ましくは、2段階酵素加水分解が用いられる。
出願人らは、本明細書において、リグノセルロース供給原料を発酵性糖類に効率的に分解する、好ましい所望の方法を記載する。
リグノセルロース供給原料は、一般にセルロース、ヘミセルロースおよびリグニンを含んでなり、高い重合度を有する。ヘミセルロースは、リグニンに共有結合で連結され、それが、順次セルロースなどの他の多糖類に架橋結合されうり、リグノセルロース材料のマトリックスをもたらす。リグニンは、疎水性の架橋結合された芳香族ポリマーであり、植物の細胞壁の主要構成物のひとつであり、木の乾燥質量の約4分の1〜3分の1をしめる。
ヘミセルロースは、キシロースおよびアラビノースなどの多くの異なる糖分子を含む、ランダムで非晶質な構造を有する分岐したヘテロポリマーである。キシロースは、ヘミセルロースに存在する最も一般的な糖分子である。キシロースおよびアラビノースは、ともにペントサンであり、それらは、植物材料に存在するポリマー5−炭素糖類である。
ヘミセルラーゼ酵素は、ヘミセルロース構造を分解する。ヘミセルラーゼ酵素を使用することにより、キシラン骨格および側鎖の、キシロースおよびアラビノースなどのペントサン、ならびに他の糖類およびポリオリゴ糖への分解がもたらされる。たいていの商業的なヘミセルラーゼ酵素の調製物が、セルラーゼ活性をも有することは、当業者に明らかであろう。従って、本開示において用いられる第1の酵素調製物(すなわち、ヘミセルラーゼ酵素調製物)は、約10%〜約90%のヘミセルラーゼ活性、好ましくは約30%〜約90%のヘミセルラーゼ活性、およびより好ましくは約50%以上(例えば約90%まで)のヘミセルラーゼ活性を持ちうる。ある実施形態において、ヘミセルラーゼは、キシランのキシロース残基のβ−1,4結合、およびマンナンのマンノース残基のβ−1,4結合に、優先的に作用する。
セルロースは、グルコース残基が、ベータ(1→4)グリコシド結合によって結合されている、グルコースの直線状ポリマーである。セルラーゼ酵素は、ベータ−グリコシド結合を切ることによる、セルロースのより小さいポリマー単位への加水分解を触媒する。エンド−セルラーゼ酵素は、一般に、セルロース中の内部グリコシド結合を切断し、より小さい多糖鎖を作り、一方、エキソ−セルラーゼ酵素は、セルロース鎖の末端から2〜4単位のグルコースを切断することができる。セルラーゼ酵素は、一般に、セルロースを個々のグルコース分子に切断することはできない。
対照的に、セロビアーゼまたはベータ−グルコシダーゼ酵素は、少なくとも1つのグルコース分子の放出をもたらすベータ−グリコシド結合の加水分解を触媒する。従って、ベータ−グルコシダーゼは、ベータ−グリコシド結合によって、連結された2分子のグルコースからなるセロビオースを切断することができる。
当業者は、酵素が異なる基質に幅広く異なる活性を示しうることを理解するであろう。本明細書において、ある基質に対する酵素の相対的な活性が、他の基質となる可能性のあるものに対する活性よりも大きい場合、酵素調製物はその基質に「優先的に作用する」ことが好ましい。例えば、ヘミセルラーゼは、セルロースに対するグルコースを生成する活性に比べて、ヘミセルロースに優先的に作用してペントサンを生成するであろう。
酵素調製物は、単一の酵素または複数の酵素の組み合わせでありうる。酵素調製物は、細菌、酵母、または真菌の天然の培養物などの多くの供給源から単離されうるが、当業者は、組換え技術を用いて作られた酵素を用いることを理解するであろう。
いくつかの実施形態において、出願人らは、本願に記載の2段階酵素加水分解プロセスは、結果として生じるプロセスストリームの糖含有量を増加させることができることを知見しており、それは、2段階酵素加水分解における高い全固体含有量での開始を意味する。
本明細書において、「全固体含有量」は、供給原料中における可溶性および不溶性の材料の総量を指す。例えばリグノセルロース供給原料において、可溶性材料としては、自動加水分解から生じる単糖類、数種のオリゴ糖類、有機酸、抽出物、および低分子量化合物が挙げられるであろう。不溶性材料としては、セルロース、リグニン、およびヘミセルロースが挙げられるであろう。高含有量の不溶性原材料を有する懸濁液は、その高い粘度のため、一般に処理するのが難しい。さらに、高粘度混合物は、不可能ではないにしても、従来のポンピングプロセスを通した混合または取り扱いが難しい。いくつかの実施形態において、本願に記載の糖に富んだプロセスストリームは、約15%を超える全固体含有量を有する。さらなる実施形態において、糖に富んだプロセスストリームは、約15〜約30%の全固体含有量を有する。さらなる実施形態において、糖に富んだプロセスストリームは、最大約50%まで(例えば、約15〜約50%、好ましくは約30〜約50%)の全固体含有量を有する。
特定の理論に制限されるものではないが、出願人らは、2段階で酵素加水分解を行うことによって、ヘミセルラーゼ酵素、特にキシラナーゼが、第2の酵素加水分解段階の間に生成される、糖単量体および二量体、特にグルコースおよびセロビオースの阻害濃度にさらされないことに注目する。
第1の酵素加水分解段階は、好ましくは、ヘミセルラーゼを含んでなる第1の酵素調製物を用いる。当業者に公知であるように、ヘミセルラーゼ調製物はセルラーゼ活性をも有するであろう。1つの実施形態において、第1の酵素調製物は、Dyadic XBP(商標)などのキシラナーゼ酵素カクテルである。さらなる実施形態において、第1の酵素調製物は、AlternaFuel 100L(商標)などの酵素カクテルである。酵素調製物が組み合わせて用いられうることは、当業者に理解されるであろう。ある実施形態において、第1の酵素調製物は、約10%〜約90%のヘミセルラーゼ活性、および約90〜約10%のセルラーゼ活性をもつであろう。別の実施形態において、ヘミセルラーゼ活性は約30%〜90%で、セルラーゼ活性は、約70%〜約10%であろう。別の実施形態において、ヘミセルラーゼ活性は、約50%〜90%で、セルラーゼ活性は約50%〜約10%であろう。
酢酸などの揮発性の阻害化合物を取り除くための真空の使用が、スラリーのpHを制御または制御を補助できることが理解されるであろう。真空の圧力が減少されるにつれて、より多くの酢酸が除去され、スラリーのpHの上昇をもたらすであろう。実施形態において、プロセスのpHは、供給原料のpHが酵素活性に適した範囲にあるように、pHを下げるために酸ストリームを、またはpHを上げるために塩基ストリームを用いて調整されうる。好ましい実施形態において、pHは約4.5〜約6.0に調整される。
また、第1の酵素プロセスの温度は制御されうる。1つの実施形態において、プロセスの温度は、約20〜約70℃に調整される。さらなる実施形態において、第1の酵素プロセスは、約30〜約70℃で行われる。そのプロセスは、間接的な冷却水を用いて冷却されるか、または間接的な蒸気加熱もしくは当分野で公知の他の方法を用いて温められうる。
供給原料上への第1の酵素プロセスの結果は、キシラン、セロビオース、グルコース、キシロース、リグニン、灰、および有機酸を含んでなりうる低粘度流出ストリームである。低粘度流出ストリームは、供給原料の粘度より少なくとも約15%低い、好ましくは少なくとも約20%低い、およびより好ましくは少なくとも約50%低い粘度を有しうる。一般に、第1の酵素調製物の作用は、セロビオースなどの短鎖多糖類(オリゴ糖類)の生成をもたらすが、多量の個々のグルコース分子の生成はもたらさない。理論に束縛されるものではないが、これは第1の酵素調製物中のヘミセルラーゼ酵素がグルコース分子によって阻害されるのを妨げると考えられる。
1つの所望の実施形態において、第1の酵素プロセスは、真空下で行われ、低粘度流出ストリームから除去できる揮発性の成分ストリームをもたらす。1つの実施形態において、揮発性の成分ストリームは、第1の酵素加水分解プロセスの際に存在する、酵母、真菌、細菌、または酵素阻害化合物の少なくとも1つを含み、取り出される揮発性の成分ストリームは、少なくとも1つの阻害化合物を含む。別の実施形態において、揮発性の成分ストリーム中の阻害化合物は、水、酢酸、フルフラール、ギ酸、およびその他のいずれかの揮発性有機化合物を含有してもよい。
本開示の実施形態において、酵素加水分解は、わずかな減圧(slight vacuum)下で行われる。真空は、700〜50mmHgでありうる。(すなわち、容器内の圧力が、700〜50mmHgでありうる)。好ましくは、真空は、約600mmHg未満、より好ましくは、約100mmHg未満、および、最も好ましくは、約50mmHg未満である。好ましくは、適用される最大真空は、約4mmHgである。
本開示の実施形態において、第1段階の加水分解反応器における混合物中の酢酸の濃度は、0.4%(w/v)以下、好ましくは0.3%未満、より好ましくは0.2%未満に維持されるか、または減らされる。
本開示の実施形態において、第1段階の加水分解反応器における混合物中のフルフラールの濃度は、0.2%(w/v)以下、好ましくは、0.1%未満、より好ましくは、0.05%未満に維持されるか、または減らされる。
第1のリサイクルストリーム
1つの実施形態において、第1の酵素加水分解プロセスからの材料を含んでなるリサイクルストリームが得られ、そのリサイクルストリームの少なくとも一部は、好ましくは、ディスクリファイナー、または供給原料を物理的に改質する(例えばサイズ縮小)その他のいくつかの手段を通り、第1の酵素加水分解プロセスに再導入される。ある実施形態において、リファイナーを通されるリサイクルストリーム部分は、約10〜約90%である。別の実施形態において、第1の酵素プロセスタンクの底からのすべてのリサイクルストリームが取り出され、第1の酵素プロセスタンクの上部に再導入される前に、ディスクリファイナーに通される。リサイクルストリームは、リファイナー中で、または第1の酵素プロセスタンクに再導入される前に、新鮮な供給原料と混合できる。好ましくは各供給原料およびリサイクルストリームの少なくとも一部が、ディスクリファイナーを通って送り込まれ、より好ましくは、すべての供給原料およびリサイクルストリームの少なくとも一部が、ディスクリファイナーを通って送り込まれる。
第2の酵素加水分解工程
2段階酵素プロセスが用いられる場合、第2の酵素加水分解プロセスにおいて、低粘度流出ストリームは、第2の酵素調製物で処理され、グルコースなどの発酵性糖類を多く含む、糖に富んだプロセスストリームを生成する。所望の実施形態において、第2の酵素加水分解プロセスもまた、真空下で行われる。
第2の酵素調製物は、好ましくは、セルラーゼ活性を主として含む。別の実施形態において、第2の酵素調製物は、グルコースの二糖類および他の小さいポリマーを、単量体のグルコースに転換するベータ−グルコシダーゼ活性を含んでなる。さらなる実施形態において、第2の酵素調製物もまたセルラーゼ活性を含む。1つの実施形態において、第2の酵素調製物は、Novozymes(商標)から入手可能なNovozyme 188(商標)である。別の実施形態において、第2の酵素調製物はNS50073(商標)である。
ある実施形態において、第2の加水分解プロセスのpHは、供給原料スラリーのpHが、酵素活性に適した範囲にあるように1つ以上の酸ストリームまたは塩基ストリーム、および揮発性の阻害化合物を取り除く真空を用いて調整される。好ましい実施形態において、pHは約4.5〜約5.4に調整される。ある実施形態において、酸ストリームは、いずれかの鉱酸を含んでなる。別の実施形態において、酸ストリームは、硝酸、硫酸、リン酸、酢酸、および/または塩酸を含んでなる。1つの実施形態において、塩基ストリームは、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化アンモニウム、尿素、および/またはアンモニアを含んでなる。
また、第2の酵素プロセスの温度は制御されうる。1つの実施形態において、そのプロセスの温度は、約30〜約70℃に調整される。さらなる実施形態において、第2の酵素プロセスは、約20〜約70℃で行われる。プロセスは、間接的な冷却水を用いて冷却される、もしくは間接的な蒸気加熱または当分野で公知の他の方法を用いて温められうる。
結果として生じる糖に富んだプロセスストリームは、約5〜約45重量%の発酵性糖類を含有する。所望の範囲としては、約5〜約30%、好ましくは約10〜約30%、および、より好ましくは約15〜約25%、ならびに、約10〜約45%、好ましくは約15〜約45%および、より好ましくは約25〜約45%が挙げられる。糖に富んだプロセスストリームはまた、所望により、約10%〜約60%の全固体含有量を含有する。
本開示の実施形態において、加水分解プロセスは、約700mmHg未満の真空下で行われる。さらなる実施形態において、加水分解プロセスは、約50mmHg未満の真空下で行われる。
本開示の実施形態において、第2段階の加水分解反応器における混合物中の酢酸の濃度は、0.4%(w/v)以下、好ましくは0.3%未満、より好ましくは0.2%未満に維持されるか、または減らされる。
本開示の実施形態において、第2段階の加水分解反応器における混合物中のフルフラールの濃度は、0.2%(w/v)以下、好ましくは、0.1%未満、より好ましくは、0.05%未満に維持されるか、または減らされる。
真空
出願人らによって、リグノセルロース供給原料中におけるある種の化合物の存在が、酵素加水分解および得られる糖ストリームの発酵に対する阻害効果を有することが知見された。本明細書において、「阻害化合物」は、酵素加水分解プロセス、酵母発酵またはリグノセルロース供給原料からのアルコールの回収に対して阻害効果を有する化合物である。阻害化合物の例としては、フルフラール、ヒドロキシメチルフルフラール、有機酸、およびフェノール化合物が挙げられる。さらなる実施形態において、阻害化合物は、フルフラール、酢酸、またはギ酸である。好ましくは、阻害化合物は、フルフラールまたは酢酸の少なくとも1つである。他の取り除かれる化合物および/または分子として、窒素、酸素、アルゴン、および二酸化炭素が挙げられる。
出願人らは、真空下でリグノセルロース供給原料の酵素加水分解を行うことが、供給原料からの阻害化合物、もしくは活性化または酵素加水分解中に生成される阻害化合物の除去を可能にすることを知見した。1段階の酵素加水分解プロセスが用いられる場合、この1つの段階は、真空下で行われうる。代わりに、多段階の酵素加水分解プロセスが用いられる場合、いずれかの1つ以上、および好ましくはすべての段階が真空下で行われる。酵素加水分解工程は、糖に富んだプロセスストリームおよび揮発性の成分ストリームを得るように真空下で行われる。1つの実施形態において、揮発性の成分ストリームは、第1の酵素加水分解プロセスから、連続して除去される。好ましい実施形態において、揮発性の成分ストリームは、真空圧力下で酵素加水分解を行うことによって除去される。
出願人らはまた、自動加水分解された供給原料を固/気分離器、好ましくはサイクロンに真空圧下で移すことも揮発性の成分ストリームの除去をもたらすことを知見した。さらなる実施形態において、発酵工程も真空圧下で行われ、阻害化合物を取り除く。従って、阻害化合物は、特に酵素加水分解の前および/または酵素加水分解の間、好ましくは少なくとも酵素加水分解の間に、1つ以上の工程によって取り除かれうる。
本開示の実施形態において、酵素加水分解は、わずかな減圧(slight vacuum)下で行われる。真空は、700〜50mmHgでありうる。(すなわち、容器内の圧力が、700〜50mmHgでありうる)。好ましくは、真空は、約600mmHg未満、より好ましくは、約100mmHg未満、および、最も好ましくは、約50mmHg未満である。好ましくは、適用される最大真空は、約4mmHgである。
他の実施形態
いくつかの実施形態において、糖に富んだプロセスストリームは、他の糖由来の生成物を生成するために用いられる。本発明の1つの実施形態において、糖に富んだプロセスストリームは、好ましくは真空圧下で、発酵を通してアルコールを生成するために用いられる。グルコースおよびキシロースなどの発酵性糖類は、酵母付加の後に、アルコールに発酵されうる。ある実施形態において、生成されたアルコールは、メタノール、エタノール、および/またはブタノールである。
明確にするために別個の実施形態または別個の態様において記載された本発明のいくつかの特徴はまた、単一の実施形態中に組み合わせて提供されうることは理解されるであろう。逆に、簡潔のために単一の実施形態または態様において記載された本発明の様々な特徴はまた、個別にまたはいずれかの適切な部分的な組み合わせで提供されうる。
本発明が、その具体的な実施形態とともに記載されてきたが、多くの代替、修正および変形は当業者に自明であろうことは明らかある。よって、添付した特許請求の範囲の精神および広義の範囲に入る、そのような代替、修正、および変形をすべて包含することが意図される。さらに、本願におけるいずれの参照の引用または識別を、そのような参照が本発明の先行技術として利用可能であることを認めるものとして解釈してはならない。
本発明の操作は、以下の代表的な例によって説明される。当業者に明らかなように、その例の詳細の多くは、本明細書に記載の開示を実践する際に変更してもよい。
実施例1−50℃およびpH3.4における酢酸およびフルフラールの真空除去
圧搾されたポプラを、SunOpta(商標)加水分解装置において、205℃で5.5分間、前処理した。容器の中のポプラに、0.6Lの水を加え、約17%濃度のスラリーを形成した。次に、反応器を閉じ、スラリーを混合した。5分後に、容器を開け、適切に混合されているか確認した。その後、反応器を閉じ、スラリーを40分間混合した。次いで、反応器を約20〜17mmHgの真空を生じる真空ポンプにつないだ。10分後、真空を閉じ、濃縮液を、回収し、秤量および分析した。その後、真空ポンプを容器につなぎ、濃縮液試料を、時間20、30、45、69および90分に集め、各試料を分析した。
実施例2−50℃およびpH5.0における酢酸およびフルフラールの真空除去
圧搾されたポプラを、SunOpta(商標)加水分解装置において、205℃で5.5分間、前処理した。反応器を約50℃の温度まで熱し、0.4kgの前処理したポプラ(湿重量ベース)を容器に加えた。容器中のポプラに、0.62Lの水を加え、約16.5%濃度のスラリーを形成した。このスラリーに、21gの20%水酸化ナトリウムを加え、pHを5に調整した。次に、反応器を閉じ、スラリーを混合した。5分後に、容器を開け、適切に混合されているか確認した。その後、反応器を閉じ、スラリーを40分間混合した。次いで、反応器を約18〜17mmHgの真空を生じる真空ポンプにつないだ。10分後、真空を閉じ、濃縮液を、回収し、秤量および分析した。その後、真空ポンプを容器につなぎ、濃縮液試料を、時間20、30、45、69および90分に集め、各試料を分析した。
実施例3−60℃およびpH3.4における酢酸およびフルフラールの真空除去
スラリーの温度を60℃に維持することを除いて、実施例1の過程を繰り返した。
実施例1、2、および3のために前処理されたポプラから回収された水の量のグラフを示す図3に例示されるように、60℃で行われた反応のみ、より多い量の濃縮液をもたらした。それは、高温におけるスラリーの乾燥のためでありうる。このように、350gを超える水が、温度60℃およびpH3.4において、スラリーから除かれる。
図4は、前処理されたポプラスラリーから回収されたフルフラールの量のグラフを示す。フルフラールの量は、スラリーのpHによって影響されず、60℃の高温で、より少ないフルフラールが除去された。より多くの水が蒸発される結果としてスラリーの混合が制限されてくるため、より高い温度において、より少ないフルフラールがスラリーから除去される可能性がある。図4にみられるように、温度50℃およびpH3.4において、スラリーから除去されたフルフラールの量は、0.6gに近づき、そのうち、はじめの10分間に0.2gを超えるフルフラールが除去された。
図5は、前処理されたポプラから回収された酢酸の量のグラフを示し、酢酸の量は、スラリーのpHに強く影響された。図5に示されるように、スラリーpHの5.0への増加は、pH3.4と比較して、酢酸の除去において60%減少をもたらす。60℃でより少ない酢酸が除去されるが、酢酸は、はじめの20分間、より速い速度で除去される。図5にみられるように、温度50℃、pH3.4において、スラリーから除去された酢酸の量は、1.0gを超える。
すべての場合において、真空が適用された際、酢酸およびフルフラールがスラリーから取り除かれた。

Claims (35)

  1. 糖に富んだプロセスストリームを生成するための、セルロース、ヘミセルロース、およびリグニンを含んでなるリグノセルロース供給原料を処理する方法であって、供給原料を真空下で酵素加水分解に供すること、ならびに揮発性の成分ストリームおよび糖に富んだプロセスストリームを得ることを含んでなる方法。
  2. 前記酵素加水分解が、約700mmHg未満の真空圧下で行われる、請求項1に記載の方法。
  3. 前記酵素加水分解が、約50mmHg未満の真空圧下で行われる、請求項2に記載の方法。
  4. 前記供給原料が、酵素加水分解の前に、活性化、抽出、加水分解、および物理的改質の少なくとも1つに付される、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
  5. 前記活性化、抽出、加水分解、および物理的改質の少なくとも1つが、自動加水分解、酸加水分解、アンモニア活性化、ディスクリファイニング、クラフト蒸解、有機溶媒蒸解、熱水前処理、アンモニアパーコレーション、石灰前処理、腐食性溶媒蒸解、およびアルカリ過酸化物前処理の少なくとも1つによって作り出される、請求項4に記載の方法。
  6. 前記活性化、抽出、加水分解、および物理的改質の少なくとも1つが自動加水分解である、請求項5に記載の方法。
  7. 自動加水分解後、前記供給原料が真空下でサイクロンに移され、固体の活性化された供給原料ストリームが得られる、請求項6に記載の方法。
  8. 前記酵素加水分解が、第1および第2の酵素加水分解プロセスを含んでなる、請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法。
  9. 前記揮発性の成分ストリームが、酵母、真菌、細菌、ならびにフルフラール、ヒドロキシメチルフルフラール、有機酸、フェノール化合物、および他の抽出物の少なくとも1つを含んでなる酵素阻害化合物を少なくとも1つ含む、請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法。
  10. 前記糖に富んだプロセスストリーム中のフルフラールの濃度が、約0.2%(w/v)未満である、請求項9に記載の方法。
  11. 前記糖に富んだプロセスストリーム中のフルフラールの濃度が、約0.1%(w/v)未満である、請求項10に記載の方法。
  12. 前記糖に富んだプロセスストリーム中のフルフラールの濃度が、約0.05%(w/v)未満である、請求項11に記載の方法。
  13. 前記有機酸が酢酸またはギ酸である、請求項9に記載の方法。
  14. 前記糖に富んだプロセスストリーム中の酢酸の濃度が、約0.4%(w/v)未満である、請求項13に記載の方法。
  15. 前記糖に富んだプロセスストリーム中の酢酸の濃度が、約0.2%(w/v)未満である、請求項14に記載の方法。
  16. 前記糖に富んだプロセスストリーム中の酢酸の濃度が、約0.1%(w/v)未満である、請求項14に記載の方法。
  17. 前記少なくとも1つの阻害化合物のレベルを低減するために、十分な真空下で、前記第1の酵素加水分解プロセスを操作することをさらに含んでなる、請求項8〜16のいずれか一項に記載の方法。
  18. 前記第1の酵素加水分解が、少なくとも約700mmHgの真空下で操作される、請求項17に記載の方法。
  19. 前記第1の酵素加水分解が、少なくとも約50mmHgの真空下で操作される、請求項18に記載の方法。
  20. 前記少なくとも1つの阻害化合物のレベルを低減するために、十分な真空下で、前記第2の酵素加水分解を操作することをさらに含んでなる、請求項8〜19のいずれか一項に記載の方法。
  21. 前記第1の酵素加水分解プロセスが、第1の酵素調製物を用い、揮発性の成分ストリームおよび低粘度流出ストリームを生成し、該低粘度流出ストリームが第2の酵素調製物を用いる前記第2の酵素加水分解に付され、前記糖に富んだプロセスストリームを生成する、請求項8〜20のいずれか一項に記載の方法。
  22. 前記第1の酵素調製物がヘミセルラーゼ活性およびセルラーゼ活性を有する、請求項21に記載の方法。
  23. 前記第1の酵素調製物が、約10〜約90%のヘミセルラーゼ活性および約90〜約10%のセルラーゼ活性を有する、請求項22に記載の方法。
  24. 前記第1の酵素調製物が、前記供給原料中のセルロースに比べて前記ヘミセルロースに優先的に作用する、請求項23に記載の方法。
  25. 前記第1の酵素調製物が、ヘミセルラーゼおよびセルラーゼ酵素を含んでなり、該ヘミセルラーゼ酵素が、キシランのキシロース残基のβ−1,4結合、およびマンナンのマンノース残基のβ−1,4結合に優先的に作用する、請求項24に記載の方法。
  26. 前記第2の酵素調製物が、前記供給原料中の、キシランに比べて、前記セルロースおよびセロビオースに優先的に作用する、請求項21〜25のいずれか一項に記載の方法。
  27. 前記第2の酵素調製物が、β−グルコシダーゼおよびセルラーゼ酵素を含んでなり、該β−グルコシダーゼおよびセルラーゼ酵素が、セロビオースおよびセルロースのβ−1,4結合に優先的に作用する、請求項26に記載の方法。
  28. 前記β−グルコシダーゼおよびセルラーゼ酵素が、前記第1の酵素加水分解で生成されたセルロースおよびオリゴ糖類を単糖類に完全に転換する、請求項27に記載の方法。
  29. リグノセルロース供給原料からのアルコール生成のための方法であって、
    (a)該供給原料を前処理すること、
    (b)前処理された該供給原料を、真空下でサイクロンに移すこと、
    (c)該サイクロンからの該供給原料を真空下で酵素加水分解に付して、糖に富んだプロセスストリームを生成すること、および
    (d)該糖に富んだプロセスストリームを真空下で発酵して、該アルコールを得ること、
    を含んでなる方法。
  30. 前記供給原料が、活性化、抽出、加水分解、および物理的改質の少なくとも1つによって、前処理される、請求項29に記載の方法。
  31. 前記活性化、抽出、加水分解、および物理的改質の少なくとも1つが、自動加水分解、酸加水分解、アンモニア活性化、ディスクリファイニング、クラフト蒸解、有機溶媒蒸解、熱水前処理、アンモニアパーコレーション、石灰前処理、腐食性溶媒蒸解、およびアルカリ過酸化物前処理の少なくとも1つによって作り出される、請求項30に記載の方法。
  32. 前記活性化、抽出、加水分解、および物理的改質の少なくとも1つが自動加水分解である、請求項31に記載の方法。
  33. 自動加水分解後、前記供給原料が真空下でサイクロンに移され、固体の活性化された供給原料ストリームが得られる、請求項32に記載の方法。
  34. 前記酵素加水分解が、第1および第2の酵素加水分解を含んでなり、該第1の酵素加水分解が真空下で行われる、請求項29〜33のいずれか一項に記載の方法。
  35. 前記第2の酵素加水分解が真空下で行われる、請求項34に記載の方法。
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