JP2012504627A - キノリジノンm1受容体ポジティブアロステリック調節因子 - Google Patents

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Abstract

本発明は、式(I)のキノリジノン化合物に関し、この化合物は、M1受容体ポジティブアロステリック調節因子であり、およびM1受容体が関与する疾患、例えばアルツハイマー病、統合失調症、疼痛または睡眠障害の治療に有用である。本発明は、前記化合物を含む医薬組成物にも、ならびにM1受容体によって媒介される疾患の治療における前記化合物および組成物の使用にも関する。

Description

本発明は、1つのクラスのキノリジノン化合物、それらの医薬的に許容される塩、それらを含む医薬的組成物、および人体の治療におけるそれらの使用に関する。詳細には、本発明は、ムスカリン性M1受容体ポジティブアロステリック調節因子である、従って、アルツハイマー病およびムスカリン性M1受容体によって媒介される他の疾患の治療に有用である、1つのクラスのキノリジノン化合物に関する。
アルツハイマー病は、老人を罹患させ、結果として進行性記憶機能障害、言語および空間視覚技能の喪失、ならびに行動障害を生じさせる、一般的な神経変性疾患である。前記疾患の特徴としては、大脳皮質、海馬、基底前脳、および脳の他の領域、神経原線維濃縮体におけるコリン作動性ニューロンの変性、ならびにアミロイドβ(Aβ)ペプチドの蓄積が挙げられる。Aβは、ベータ−アミロイドタンパク質切断酵素(「ベータセクレターゼ」または「BACE」)およびガンマ−セクレターゼによるベータ−アミロイド前駆体タンパク質(APP)のプロセッシングによって脳内で生産される39〜43アミノ酸である。前記プロセッシングが脳内のAβの蓄積をもたらす。
コリン作動性神経伝達は、ニコチン性アセチルコリン受容体(nAChR)またはムスカリン性アセチルコリン受容体(mAChR)のいずれかへのアセチルコリンの結合を必要とする。コリン作動性機能低下は、アルツハイマー病に罹患している患者の認知障害の一因になるという仮説が立てられた。その結果として、アセチルコリン加水分解を抑制するアセチルコリンエステラーゼ阻害剤は、米国においてアルツハイマー病の認知機能障害の治療での使用に認可された。アセチルコリンエステラーゼ阻害剤は、アルツハイマー病患者の多少の認知強化をもたらしたが、その療法が基礎疾患病理を変化させることは証明されていない。
コリン作動性機能低下を中和するための第二の可能性のある薬物療法ターゲットは、ムスカリン性受容体の活性化である。ムスカリン性受容体は、体中いたるところで認められる。哺乳動物では5つの異なるムスカリン性受容体(M1〜M5)が同定されている。中枢神経系において、ムスカリン性受容体は、認知、行動、感覚、運動および自律神経機能に関与する。大脳皮質、海馬および線条に多く認められるムスカリンM1受容体は、認知処理に関する重要な役割を有することが判明し、アルツハイマー病の病態生理に関する役割を有すると考えられている。Eglenら,TRENDS in Pharmacological Sciences,2001,22:8,409−414参照。
加えて、対症治療しかもたらさないことが公知であるアセチルコリンエステラーゼ阻害剤とは異なり、M1アゴニストは、アルツハイマー病の基礎疾患メカニズムを治療する可能性も有する。アルツハイマー病のコリン作動説は、β−アミロイドと高リン酸化タウタンパク質の両方に結びつけられている。β−アミロイドの形成は、ムスカリン性受容体とGタンパク質のカップリングを損なわせることがある。M1ムスカリン性受容体の刺激は、神経保護性αAPPフラグメントの形成を増加させることが証明され、それによってAβペプチドの形成を防ぐことができる。従って、M1アゴニストは、APPプロセッシングを改変することでき、およびαAPP分泌を増進することができる。Fisher,Jpn J Pharmacol,2000,84:101−112参照。
しかし、アルツハイマー病のために開発され、研究されたM1リガンドは、他のムスカリン性受容体によくみられる副作用、例えば発汗、悪心および下痢を生じさせた。Spaldingら,Mol Pharmacol,2002,61:6,1297−1302参照。
ムスカリン性リガンドが一次結合部位またはオルソステリック部位に結合する親和性を改変し得る1つ以上のアロステリック部位を、ムスカリン性受容体が含有することは、公知である。例えば、S.Lazarenoら,Mol Pharmacol,2002,62:6,1491−1505、S.Lazarenoら,Mol Pharmacol,2000,58,194−207参照。
従って、ムスカリン性M1受容体ポジティブアロステリック調節因子である本発明の化合物は、アルツハイマー病およびムスカリン性M1受容体によって媒介される他の疾患の治療に有用であると考えられる。
Eglenら,TRENDS in Pharmacological Sciences,2001,22:8,409−414 Fisher,Jpn J Pharmacol,2000,84:101−112 Spaldingら,Mol Pharmacol,2002,61:6,1297−1302 S.Lazarenoら,Mol Pharmacol,2002,62:6,1491−1505 S.Lazarenoら,Mol Pharmacol,2000,58,194−207
本発明は、M1受容体ポジティブアロステリック調節因子として有用である一般式(I)の1つのクラスのキノリジノン化合物、またはその医薬的に許容される塩に関する:
Figure 2012504627
本発明は、M1受容体が関与する疾患または障害、例えばアルツハイマー病、認知機能障害、統合失調症、疼痛障害および睡眠障害について患者(好ましくは、ヒト)を治療するための方法にさらに関し、この方法は、一般式(I)の化合物、またはその医薬的に許容される塩の治療有効量を前記患者に投与することによるものである。本発明は、式(I)の化合物、またはその医薬的に許容される塩の有効量と医薬的に許容される担体とを含む医薬組成物にも、ならびに上述の疾患の治療における本発明の化合物および医薬組成物の使用にも関する。
1つの実施形態において、本発明は、一般式(I)の化合物:
Figure 2012504627
およびそれらの医薬的に許容される塩に関し、式中、 Xは、NまたはCHであり、および Yは、NまたはCHであるが、但し、XとYの両方はNでなく; Qは、 (1)−CH−、 (2)−CH(OH)−、または (3)−C(=O)−からなる群より選択され; Rは、 (1)水素、 (2)−C1−6アルキル、または (3)−CH−アリールからなる群より選択され、この場合、 前記Rアルキルまたはアリール部分は、1つ以上の (a)ハロゲン、 (b)シアノ、および (c)−O−C1−6アルキル(前記アルキルは、1つ以上のハロゲンで場合によっては置換されている)で場合によっては置換されており; Rは、 (1)ハロゲン、 (2)ヘテロアリール(前記ヘテロアリールは、4から12個の環原子を有する環式または多環式芳香族環構造であり、前記環原子は、C、CH、C=O、NまたはOから選択される)、 (3)−C6−10アリールからなる群より選択され、この場合、 前記アリールまたはヘテロアリール環は、1つ以上の (a)−C1−6アルキル、 (b)−OC1−6アルキル、 (c)−C6−10アリール、または (d)ハロゲンで場合によっては置換されている。
式(I)の化合物の1つの実施形態において、XとYの両方がCHである。式(I)の化合物のもう1つの実施形態において、Xは、Nであり、およびYは、CHである。他の実施形態において、Yは、Nであり、およびXは、CHである。
式(I)の化合物の1つの実施形態において、Rは、水素である。
式(I)の化合物の1つの実施形態において、Qは、−CH−である。もう1つの実施形態において、Qは、−CH(OH)−である。さらにもう1つの実施形態において、Qは、−C(=O)−である。
式(I)の化合物の1つの実施形態において、Rは、ヘテロアリールである。この実施形態の特定の亜属において、Rは、1または2個の窒素環原子を有する5または6員ヘテロアリール環であり、前記環原子の残りは炭素である。
式(I)の化合物のもう1つの実施形態において、Rは、アリール(典型的には、フェニル)である。
式(I)の化合物のさらにもう1つの実施形態において、Rは、ハロゲン(典型的には、クロロまたはフルオロ)である。
1つの実施形態において、本発明は、M1受容体が関与する疾患、例えばアルツハイマー病、認知機能障害、統合失調症、疼痛障害および睡眠障害について患者(好ましくは、ヒト)を治療するための方法に関し、この方法は、一般式(I)の化合物の治療上有効量を前記患者に投与することによるものである。
本発明は、M1受容体が関与する疾患または障害、例えばアルツハイマー病、認知機能障害、統合失調症、疼痛障害および睡眠障害を治療するための式(I)の化合物の使用にも関する。
本発明は、M1受容体が関与する疾患または障害、例えばアルツハイマー病、認知機能障害、統合失調症、疼痛障害および睡眠障害を治療するための医薬品または医薬組成物にも関し、この医薬品または医薬組成物は、式(I)の化合物、またはその医薬的に許容される塩、および医薬的に許容される担体を含む。
本発明は、M1受容体が関与する疾患または障害、例えばアルツハイマー病、認知機能障害、統合失調症、疼痛障害および睡眠障害を治療するための医薬品または組成物の製造方法にさらに関し、この方法は、式(I)の化合物と1つ以上の医薬的に許容される担体とを併せることによるものである。
式(I)の化合物の属の中に、式(II)の化合物の亜属:
Figure 2012504627
(式中のX、Y、RおよびRは、上で定義したとおりである)およびその医薬的に許容される塩がある。
式(I)の化合物の属の中に、式(III)の化合物の亜属:
Figure 2012504627
(式中のX、Y、RおよびRは、上で定義したとおりである)およびその医薬的に許容される塩がある。
式(I)の化合物の属の中に、式(IV)の化合物の亜属:
Figure 2012504627
(式中の、X、Y、RおよびRは、上で定義したとおりである)およびその医薬的に許容される塩がある。
式(I)の特定の実施形態を本明細書に実施例1〜13、またはそれらの医薬的に許容される塩として記載する。
本発明は、M1受容体が関与する疾患または障害、例えば
アルツハイマー病、認知機能障害、統合失調症、疼痛障害および睡眠障害について患者(好ましくは、ヒト)を治療する方法にも関し、この方法は、式(II)から(IV)の化合物、またはその医薬的に許容される塩の治療上有効量を前記患者に投与することによるものである。
本発明は、M1受容体が関与する疾患または障害、例えばアルツハイマー病、認知機能障害、統合失調症、疼痛障害および睡眠障害を治療するための式(II)から(IV)の化合物の使用にも関し、この使用は、式(II)から(IV)の化合物、またはその医薬的に許容される塩を患者に投与することによるものである。
本発明は、患者(好ましくは、ヒト)においてM1受容体が関与する疾患または障害、例えばアルツハイマー病、認知機能障害、統合失調症、疼痛障害および睡眠障害を治療するための医薬品または医薬組成物にも関し、これらの医薬品または医薬組成物は、式(II)から(IV)の化合物、またはその医薬的に許容される塩、および医薬的に許容される担体を含む。
本発明は、M1受容体が関与する疾患、例えばアルツハイマー病、認知機能障害、統合失調症、疼痛障害および睡眠障害を治療するための医薬品または医薬組成物の製造方法にも関し、この方法は、式(II)から(IV)の化合物、またはその医薬的に許容される塩と医薬的に許容される担体とを併せることによるものである。
ある変項が、式(I)から(IV)のいずれかにまたはその置換基に1回より多く出現する場合、その変項の個々の出現は、特に別の指定がない限り、互いに独立している。
本明細書において用いる場合、特にRおよびRの定義において、単独でまたは別の置換基の一部として、用語「アルキル」は、指定された炭素原子数を有する飽和直鎖または分岐鎖炭化水素ラジカルを意味する(例えば、C1−10アルキルは、1から10個の炭素原子を有するアルキル基を意味する)。本発明において使用するために好ましいアルキル基は、1から6個の原子を有する、C1−6アルキル基である。例示的アルキル基としては、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、t−ブチル、ペンチル、ヘキシルなどが挙げられる。Cアルキルは、結合を意味する。
本明細書において用いる場合、特にRおよびRの定義において、単独でまたは別の置換基の一部として、用語「アリール」は、芳香族環式炭化水素ラジカルを意味する。好ましいアリール基は、6から10個の炭素原子を有する。用語「アリール」は、単環構造ばかりでなく多環構造も含む。本発明において使用するために好ましいアリール基としては、フェニルおよびナフチルが挙げられる。
用語「アリール」は、部分芳香族である(すなわち、縮合している環の一方が芳香族であり、他方が非芳香族である)縮合環式炭化水素環も含む。部分芳香族である例示的アリール基は、インダニルである。
本明細書において用いる場合、用語「ハロ」または「ハロゲン」は、フルオロ、クロロ、ブロモおよびヨードを含む。
本明細書において用いる場合、特にRの定義において、単独でまたは別の置換基の一部として、用語「ヘテロアリール」は、構成環のうちの少なくとも1つが芳香族である、環炭素原子(C、CH、C=O)および少なくとも1つの環ヘテロ原子(OまたはN)を有する環式または多環式の基を意味する。本発明において使用するために適する例示的ヘテロアリール基としては、カルバゾリル、カルボリニリル、クロメニル、シンノリニル、フラニル、ベンゾフラニル、ベンゾフラザニル、イソベンゾフラニル、イミダゾリル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾイミダゾロニル、インダゾリル、インドリル、イソインドリル、インドリニル、インドラジニル、インジニル、オキサジアゾリル、オキサゾリル、ベンゾオキサゾリル、イソオキサゾリル、ピラニル、ピラジニル、ピラゾリル、ベンゾピラゾリル、ピリダジニル、ピリジル、ピリミジニル、ピロリル、キノリル、イソキノリル、テトラゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、チアジアゾリル、チエニル、ベンゾチオエニル、ベンゾチアゾリル、キノキサリニル、トリアジニルおよびトリアゾリル、ならびにそれらのN−オキシドが挙げられる。
好ましいRおよびRヘテロアリール基は、5から12個の環原子を有する。1つのそのような実施形態において、ヘテロアリール基は、5または6個の環原子を有する。
例えば、RおよびRヘテロアリール基の1つのサブグループは、5または6個の環原子と、窒素である単一のヘテロ原子とを有する。この実施形態における例示的ヘテロアリール基は、ピリジルおよびピロリルである。
およびRヘテロアリール基のもう1つのサブグループは、5または6個の環原子と、硫黄および窒素から選択される2個のヘテロ原子とを有する。この実施形態における例示的ヘテロアリール基は、ピラゾリル、イミダゾリル、チエニルおよびイソチアゾリルである。
およびRヘテロアリール基のもう1つのサブグループは、7または8個の環原子と、酸素、硫黄および窒素から選択される2個のヘテロ原子とを有する。この実施形態における例示的ヘテロアリール基は、ベンゾオキサゾリル、ベンゾチアゾリルおよびキノキサリニルである。
用語「ヘテロアリール」は、部分的芳香族である(すなわち、縮合している環の一方が芳香族であり、他方が非芳香族である)縮合環式複素環式の環も含む。部分的芳香族である例示的ヘテロアリール基は、ベンゾジオキソールである。
本明細書において定義するとおりのヘテロアリール基が置換されているとき、その置換基は、そのヘテロアリール基の、置換を許す原子価を有する環炭素原子に結合している場合もあり、または置換を許す原子価を有する環ヘテロ原子(すなわち、窒素、酸素もしくは硫黄)上に結合している場合もある。好ましくは、前記置換基は、環炭素原子に結合している。類似して、本明細書において、ヘテロアリール基が置換基として定義されているとき、結合点は、そのヘテロアリール基の、結合を許す原子価を有する環炭素原子である場合もあり、または結合を許す原子価を有する環ヘテロ原子(すなわち、窒素、酸素もしくは硫黄)上である場合もある。好ましくは、前記結合は、環炭素原子でのものである。
本発明の化合物は、1つ以上の不斉中心を有することがある。不斉中心を有する化合物は、エナンチオマー(光学異性体)、ジアステレオマー(配置異性体)または両方を生じさせる。混合物でのおよび純粋な化合物または部分精製化合物としての可能なエナンチオマーおよびジアステレオマーのすべてが本発明の範囲に包含されると考えている。本発明は、式(I)から(IV)の化合物のそのようなすべての異性体形態を包含するものとする。
式(I)から(IV)は、一定の位置での明確な立体化学を伴わずに上に示されている。本発明は、式(I)から(IV)のすべての立体異性体およびそれらの医薬的に許容される塩を含む。
エナンチオマー的にまたはジアステレオマー的に濃縮された化合物の独立した合成、またはそれらのクロマトグラフ分離は、本明細書に開示する方法論の適切な変形により、当分野において公知のとおりに遂行することができる。それらの絶対立体化学は、必要な場合には絶対立体配置がわかっている不斉中心を有する試薬で誘導体化されている、結晶性生成物または結晶性中間体のx線結晶学によって、決定することができる。
所望される場合には、前記化合物のラセミ混合物を分離して、個々のエナンチオマーまたはジアステレオマーを単離することができる。この分離は、当分野において周知の方法によって、例えば、化合物のラセミ混合物をエナンチオマー純粋な化合物とカップリングさせてジアステレオマー混合物を形成し、その後、分別晶析またはクロマトグラフィーなどの標準的な方法により個々のジアステレオマーを分離することによって、行うことができる。前記カップリング反応は、多くの場合、エナンチオマー的に純粋な酸または塩基を使用する塩の形成である。その後、付加されたキラル残基の切断によって、前記ジアステレオマー誘導体を純粋なエナンチオマーに変換することができる。キラル固定相を使用するクロマトグラフ法によって、前記化合物のラセミ混合物を直接分離することもでき、これらの方法は、当分野において周知である。
あるいは、当分野において周知の方法による立体配置がわかっている光学的に純粋な出発原料または試薬を使用する立体選択的合成によって、化合物の任意のエナンチオマーまたはジアステレオマーを得ることができる。
本発明の化合物を以下の反応スキーム(スキーム中の変項は、前に定義したとおりである)に従って調製することができ、または試薬および従来の合成手順から、容易に入手できる出発原料を使用して、誘導する。あまり詳細には述べないが、有機合成分野の通常の技術者にそれら自体が公知である変異体を使用することもできる。
本発明は、本発明の化合物の調製の際に中間体として有用な化合物の合成方法も提供する。
化合物1は、文献に記載されている(スキーム1)。臭化フェニルマグネシウムなどの有機金属試薬の化合物1への付加をジクロロメタンのような溶媒中で行うことができる。水酸化ナトリウムのような塩基を使用するそのエステルのその後の加水分解によって実施例1が得られる。アセトニトリルなどの溶媒中の1−ヒドロキシ−1,2−ベンゾヨードキソール−3(1H)−オン1−オキシド(IBX)のような酸化剤を使用する実施例1中のアルコールのケトンへの転化によって実施例2が得られる。
Figure 2012504627
スキーム2に示すように3などの有機リチウム試薬を調製し、スキーム1に示したようなアルデヒド1への付加に付すことができる。その後の脱酸素は、ジクロロメタンのような適する溶媒中のトリフルオロ酢酸などの酸とトリエチルシランのような試薬を使用して行うことができる。スキーム1に記載したようにその後の加水分解を行って5を生じさせる。DMSOのような溶媒中、炭酸セシウムなどの塩基の存在下、ビス(トリ−t−ブチルホスフィン)パラジウムなどの適切な金属触媒を用いて、酸5を6などのボロン酸とのクロスカップリング反応に付すことができる。
Figure 2012504627
上述の合成順序のいずれかの間に、関係するいずれかの分子上の感受性または反応性基を保護することが必要または望ましい場合がある。これは、Protective Groups in Organic Chemistry,ed.J.F.W.McOmie,Plenum Press,1973、およびT.W.Greene & P/G.M.Wuts,Protective Groups in Organic Synthesis,John Wiley & Sons,1991に記載されているものなどの、従来の保護基の手段によって遂行することができる。それらの保護基は、好都合な次の段階で、当分野において公知の方法を用いて除去することができる。
本発明の化合物の特定の実施形態およびそれらの製造方法は、本明細書における実施例で説明する。
用語「実質的に純粋な」は、単離された材料が、当分野において公知の分析技術によってアッセイして、少なくとも90%純粋、および好ましくは95%純粋、およびさらにいっそう好ましくは99%純粋であることを意味する。
本明細書において用いる場合、用語「ムスカリン性M1受容体」は、Gタンパク質結合受容体のスーパーファミリーからのものである、ムスカ
リン性アセチルコリン受容体の5つのサブタイプのうちの1つを指す。前記ムスカリン性受容体ファミリーは、例えば、Pharmacol Ther,1993,58:319−379、Eur J Pharmacol,1996,295:93−102、およびMol Pharmacol,2002,61:1297−1302において説明されている。ムスカリン性リガンドが一次結合部位またはオルソステリック部位に結合する親和性を改変し得る1つ以上のアロステリック部位を、ムスカリン性受容体が含有することは、公知である。例えば、S.Lazarenoら,Mol Pharmacol,2002,62:6、1491−1505参照。
本明細書において用いる場合、用語「ポジティブアロステリック調節因子」および「アロステリック増強因子」は、同義的に用いており、および受容体のアロステリック部位と相互作用して一次結合部位を活性化するリガンドを指す。本発明の化合物は、ムスカリン性M1受容体のポジティブアロステリック調節因子である。例えば、調節因子または増強因子は、動物、特にヒトにおけるムスカリン性M1受容体のオルソステリック部位で内因性リガンド(例えば、アセチルコリンまたはキサノメリン)が生じさせる応答を直接または間接的に増加させることができる。
アロステリック受容体部位でのリガンドの作用を、当業者には公知であるような「アロステリック三元複合体モデル」に従って解釈することもできる。Birdsallら,Life Sciences,2001,68:2517−2524にムスカリン性受容体のファミリーに関するアロステリック三元複合体モデルが記載されている。アロステリック結合部位の役割の一般的な説明については、Christopoulos,Nature Reviews:Drug Discovery,2002,1:198−210を参照のこと。
本発明の化合物は、ムスカリン性M1受容体のオルソステリックアセチルコリン部位とは異なるアロステリック結合部位に結合し、その結果、そのM1受容体のオルソステリック部位で内因性リガンドアセチルコリンが生じさせる応答を増加させると考えられる。本発明の化合物は、ムスカリン性M1受容体のキサノメルリン部位とは異なるアロステリック部位に結合し、その結果、そのM1受容体のオルソステリック部位で内因性リガンドキサノメルリンが生じさせる応答を増加させることも考えられる。
用語「医薬的に許容される塩」は、無機または有機塩基および無機または有機酸を含む医薬的に許容される非毒性塩基または酸から調製される塩を指す。本発明の化合物は、その化合物の遊離塩基形態の際に存在する酸官能基の数に依存して、一、二または三塩である場合がある。無機塩基から誘導される遊離塩基および塩としては、アルミニウム、アンモニウム、カルシウム、銅、第二鉄、第一鉄、リチウム、マグネシウム、第二マンガン塩、第一マンガン、カリウム、ナトリウム、亜鉛などが挙げられる。
固体形態での塩は、1つより多くの結晶構造で存在することがあり、水和物の形態で存在することもある。医薬的に許容される有機非毒性塩基から誘導される塩としては、第一、第二および第三アミン、自然に存在する置換アミンを含む置換アミン、環状アミン、およびイオン交換樹脂、例えば、アルギニン、ベタイン、カフェイン、コリン、N,N’−ジベンジルエチレン−ジアミン、ジエチルアミン、2−ジエチルアミノエタノール、2−ジメチルアミノエタノール、エタノールアミン、エチレンジアミン、N−エチル−モルホリン、N−エチルピペリジン、グルカミン、グルコサミン、ヒスチジン、ヒドラバミン、イソプロピルアミン、リシン、メチルグルカミン、モルホリン、ピペラジン、ピペリジン、ポリアミン樹脂、プロカイン、プリン、テオブロミン、トリエチルアミン、トリメチルアミン、トリプロピルアミン、トロメタミンなどの塩が挙げられる。
本発明の化合物が塩基性であるとき、無機および有機酸を含む医薬的に許容される非毒性の酸から塩を調製することができる。そのような酸としては、酢酸、トリフルオロ酢酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、樟脳スルホン酸、クエン酸、エタンスルホン酸、フマル酸、グルコン酸、グルタミン酸、臭化水素酸、塩酸、イセチオン酸、乳酸、マレイン酸、リンゴ酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、粘液酸、硝酸、パモ酸、パントテン酸、リン酸、コハク酸、硫酸、酒石酸、p−トルエンスルホン酸などが挙げられる。
本発明は、そのような活性が必要な哺乳動物などの患者または被験者におけるM1アロステリック調節因子としての本明細書に開示する式(I)から(IV)の化合物の使用に関し、この使用は、前記化合物の有効量の投与を含む。ヒトに加えて、様々な他の哺乳動物を本発明の方法に従って治療することができる。
本発明の化合物は、アルツハイマー病の治療または改善に有用性を有する。前記化合物は、ムスカリン性M1受容体によって媒介される他の疾患、例えば統合失調症、睡眠障害、疼痛障害(急性疼痛、炎症性疼痛および神経障害性疼痛を含む)および認知障害(軽度認知機能障害を含む)の治療または改善にも有用であり得る。本発明の化合物によって治療することができる他の状態としては、パーキンソン病、肺性高血圧、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、喘息、失禁症、緑内障、統合失調症、21トリソミー(ダウン症候群)、脳アミロイド血管症、変性認知症、オランダ型遺伝性脳出血アミロイドーシス(HCHWA−D)、クロイツフェルト・ヤコブ病、プリオン疾患、筋委縮性側索硬化症、進行性核上性麻痺、頭部外傷、脳卒中、膵炎、封入体筋炎、他の末梢性アミロイドーシス、糖尿病、自閉症およびアテローム性動脈硬化症が挙げられる。
好ましい実施形態において、本発明の化合物は、アルツハイマー病、認知障害、統合失調症、疼痛障害および睡眠障害の治療に有用である。例えば、前記化合物は、アルツハイマー型の認知症の予防に、ならびにアルツハイマー型の早期、中間期または後期認知症の治療に有用であり得る。
本発明の化合物が有用であり得る可能性のある統合失調症状態または障害は、次の状態または疾患の1つ以上を含むことがある:統合失調症または統合失調症(妄想型、破瓜型、緊張型もしくは鑑別不能型)を含む精神病、統合失調症様障害、統合失調感情障害、妄想性障害、短期精神病性障害、共有精神病性障害、一般身体疾患による精神病性障害、および物質誘発性または薬物誘誘発性(フェンシクリジン、ケタミン(ketanimine)および他の解離性麻酔薬、アンフェタミンおよび他の精神刺激薬ならびにコカイン)精神病精神病性障害(psychosispsychotic disorder)、感情障害に関連した精神病、短期反応精神病、統合失調感情精神病、「統合失調症スペクトラム」障害、例えば分裂病もしくは分裂病型人格障害、または統合失調症および他の精神病の陽性症状と陰性症状の両方を含む、精神病に関連した病気(例えば、大うつ病、躁うつ(双極性)障害、アルツハイマー病および外傷後ストレス症候群);(アルツハイマー病、虚血、多発梗塞性認知症、外傷、血管の問題および脳卒中、HIV疾患、パーキンソン病、ハンチントン病、ピック病、クロイツフェルト・ヤコブ病、周産期低酸素症、他の一般身体疾患または物質乱用に関連した)認知症を含む認知障害;せん妄、健忘症または加齢性認知機能低下。
もう1つの特定の実施形態において、本発明は、統合失調症または精神病を治療するための方法を提供し、この方法は、本発明の化合物の有効量をその必要がある患者に投与することを含む。特定の統合失調症または精神病の病状は、妄想型、破瓜型、緊張型もしくは鑑別不能型統合失調症および物質誘発性精神病性障害である。現在、精神疾患の診断・統計マニュアル第四版解説改訂版(text revision of the fourth edition of the Diagunostic and Statisical Manual of Mental Disorders)(DSM−IV−TR)(2000年、米国精神医学会(American Psychiratic Association)、ワシントンDC)が、妄想型、破瓜型、緊張型もしくは鑑別不能型統合失調症および物質誘発性精神病性障害を含む診断ツールを提供している。本明細書において用いる場合、用語「統合失調症または精神病」は、DMS−IV−TRに記載されているような精神障害の治療を含む。精神障害についての代替命名法、疾病分類および分類システムがあること、ならびにこれらのシステムが、医学および科学の進歩に伴って進化することは、当業者には理解されるであろう。従って、用語「統合失調症または精神病」は、他の診断情報源に記載されている同様の障害を包含すると考えている。
本発明の化合物が有用であり得る可能性のある睡眠状態または障害としては、睡眠の質を向上させること;睡眠の質を改善すること;睡眠持続を増加させること;被験者が眠ろうと試みている時間で割った被験者が眠る時間から計算される値を増加させること;睡眠潜時または開始(入眠までにかかる時間)を減少させること;入眠困難を減少させること;睡眠継続を増加させること;睡眠中の覚醒数を減少させること;夜間覚醒を減少させること;最初の睡眠開始後に覚醒に費やす時間を減少させること;総睡眠量を増加させること;睡眠分断を減少させること;REM睡眠期間のタイミング、頻度または継続時間を改変すること;徐波(すなわち、段階3または4)睡眠期間のタイミング、頻度または継続時間を改変すること;段階2睡眠の量および百分率を増加させること;徐波睡眠を促進すること;睡眠中のEEG−デルタ活動を増加させること;日中の覚度を増加させること;日中の傾眠を減少させること;過度の日中の眠気を治療するまたは減少させること;不眠症;過眠症;ナルコレプシー;断続的睡眠;睡眠時無呼吸症;覚醒;夜間ミオクローヌス;REM睡眠中断;時差ボケ;交代勤務者睡眠障害;睡眠異常;夜驚症;うつ病、情動/気分障害に関連した不眠症、ならびに睡眠時遊行症および夜尿症、および加齢に付随する睡眠障害;アルツハイマーの日没現象;概日リズムに関連した状態ならびに時間帯を越える旅行におよび交替制勤務日程に関連した心身障害、副作用としてレム睡眠の減少を生じさせる薬物に起因する状態;睡眠中の呼吸障害に関連した、非回復性睡眠および筋肉痛または睡眠時無呼吸という形で表される症候群;ならびに睡眠量減少の結果として生ずる状態が挙げられる。
本発明の化合物が有用であり得る疼痛障害としては、神経障害性疼痛(例えば、帯状疱疹後神経痛、神経損傷、「痛み(dynias)」、例えば、外陰部痛、幻肢痛、神経根引き抜き損傷、有痛糖尿病性神経障害、有痛外傷性単ニューロパチー、有痛多ニューロパチー);中枢痛症候群(潜在的に、神経系のあらゆるレベルでの事実上あらゆる損傷に起因するもの);手術後疼痛症候群(例えば、乳房切除後症候群、開胸術後症候群、断端痛);骨および関節痛(変形性関節炎)、反復運動痛、歯痛、癌疼痛、筋筋膜疼痛(筋肉損傷、線維筋痛);周術期疼痛(一般外科、婦人科のもの)、慢性疼痛、月経困難(dysmennorhea)、ならびにアンギナに関連した疼痛、および様々な起源の炎症性疼痛(例えば、変形性関節炎、関節リウマチ、リウマチ性疾患、腱鞘滑膜炎および痛風)、頭痛、偏頭痛および群発頭痛、頭痛、一次痛覚過敏、二次痛覚過敏、一次異痛、二次異痛、または中枢感作に起因する他の疼痛が挙げられる。
本発明の化合物は、ジスキネジーを治療または予防ために使用することもできる。さらに、本発明の化合物は、疼痛のオピオイド治療に対する耐性および/または依存性を減少させるために、ならびに例えばアルコール、オピオイドおよびコカインの禁断症候群の治療のために使用することができる。
本発明の化合物を投与する被
験者または患者は、一般に、M1アロステリック調節が望まれる人間、男性または女性であるが、上述の障害の治療が望まれる他の哺乳動物、例えばイヌ、ネコ、マウス、ラット、ウシ、ウマ、ヒツジ、ウサギ、サル、チンパンジーまたは他の類人猿もしくは霊長類も包含し得る。
本発明の化合物は、本発明の化合物が有用性を有する疾患または状態の治療の際に1つ以上の他の薬物と併用することができ、この場合、互いの薬物の併用は、いずれかの薬物単独でより安全または有効である。加えて、本発明の化合物は、本発明の化合物の副作用もしくは毒性を治療する、予防する、制御する、改善する、または前記副作用もしくは毒性のリスクを減少させる1つ以上の薬物と併用することができる。そのような他の薬物は、それらが一般に使用される経路によりおよび量で、本発明の化合物と共に、同時にまたは逐次的に投与することができる。従って、本発明の医薬組成物は、本発明の化合物に加えて、1つ以上の他の活性成分を含有するものを含む。前記併用は、単位剤形合剤の一部として施されることもあり、または1つ以上の追加の薬物が治療レジメンの一部として別の剤形で投与される治療プロトコルのためのキットとして施されることもある。
本発明の化合物の併用の例としては、抗アルツハイマー病薬、例えば、ベータ−セクレターゼ阻害剤;アルファ7ニコチンアゴニスト;ADAM10リガンドまたはアクチベーター;ガンマ−セクレターゼ阻害剤;ガンマセクレターゼモジュレーター;タウ−リン酸化阻害剤;グリシン輸送阻害剤;LXRβアゴニスト;ApoE4高次構造モジュレーター;NR2Bアンタゴニスト;アンドロゲン受容体モジュレーター;Aβオリゴマー形成の遮断薬;5−HT4アゴニスト;5−HT6アンタゴニスト;5−HT1aアンタゴニスト;p25/CDK5阻害剤;NK1/NK3受容体アンタゴニスト;COX−2阻害剤;HMG−CoAレダクターゼ阻害剤;イブプロフェンを含むNSAID;ビタミンE;抗アミロイド抗体(抗アミロイドヒト化モノクローナル抗体を含む);抗体、例えばドキシサイクリンおよびリファンピン;抗炎症性化合物、例えば(R)−フルビプロフェンおよびニトロフルビプロフェン;PPARガンマアゴニスト、例えばピオグリタゾンおよびロシグリタゾン;CB−1受容体アンタゴニストまたはCB−1受容体逆アゴニスト;N−メチル−D−アスパラギン酸(NMDA)受容体アンタゴニスト、例えばメマンチンおよびネラメキサン;コリンエステラーゼ阻害剤、例えばガランタミン、リバスチグミン、ドネペジル、タクリンおよびフェンセリン;成長ホルモン分泌促進物質、例えばイブタモレン、イブタモレンメシラート、およびカプロモレリン;ヒスタミンH受容体アンタゴニスト;AMPAアゴニストまたはAMPAモジュレーター;PDE IV阻害剤;PDE 10阻害剤;GABA逆アゴニスト;GABA α5受容体リガンド;GABA受容体リガンド;逆アゴニスト;グリコーゲンシンターゼキナーゼ3β(GSK3β)阻害剤;ニューロンニコチンアゴニスト;選択的M1アゴニスト;HDAC阻害剤;METキナーゼ阻害剤;LCATモジュレーター;トロンビン受容体アンタゴニスト;NR2Bアンタゴニスト;mGluR5モジュレーター;mGluR1モジュレーター;mGluR2アンタゴニスト;カリウムチャネル遮断薬;PI3k阻害剤;オレキシン受容体アンタゴニスト;IKKβ阻害剤;マクロファージ遊走阻止因子阻害剤;および微小管親和性調節キナーゼ(MARK)阻害剤;または本発明の化合物の効力、安全性、適便性を増加させる、もしくは望ましくない副作用又は毒性を減少させる受容体もしくは酵素に影響を及ぼす他の薬物との併用が挙げられる。
前記化合物の併用の例としては、例えば、鎮痛薬、催眠薬、不安緩解剤、抗精神病薬、抗不安薬、シクロピロロン、イミダゾピリジン、ピラゾロピリミジン、緩和精神安定薬、メラトニンアゴニストおよびアンタゴニスト、メラトニン作動薬、ベンゾジアゼピン、バルビツレート、5HT−2アンタゴニストなど、例えば:アジナゾラム、アロバルビタール、アロニミド、アルプラゾラム(aiprazolam)、アミスルプリド、アミトリプチリン、アモバルビタール、アモキサピン、アリピプラゾール、ベンタゼパム、ベンゾクタミン、ブロチゾラム、ブプロピオン、ブスプリオン、ブタバルビタール、ブタルビタール、カプリド、カルボクロラール、クロラールベタイン、抱水クロラール、クロミプラミン、クロナゼパム、クロペリドン、クロラゼパート、クロルジアゼポキシド、クロレタート(chlorethate)、クロルプロマジン、クロザピン、シプラゼパム、デシプラミン、デクスクラモール、ジアゼパム、ジクロラールフェナゾン、ジバルプロエクス、ジフェンヒドラミン、ドキセピン、エスタゾラム、エトクロルビノール、エトミダート、フェノバム、フルニトラゼパム、フルペンチキソール、フルフェナジン、フルラゼパム、フルボキサミン、フルオキセチン、ホサゼパム、グルテチミド、ハラゼパム、ハロペリドール、ヒドロキシジン、イミプラミン、リチウム、ロラゼパム、ロルメタゼパム、マプロチリン、メクロクアロン、メラトニン、メフォバルビタール、メプロバマート、メタクアロン、ミダフルル、ミダゾラム、ネファゾドン、ニソバマート、ニトラゼパム、ノルトリプチリン、オランザピン、オキサゼパム、パラアルデヒド、パロキセチン、ペントバルビタール、ペルラピン、ペルフェナジン、フェネルジン、フェノバルビタール、プラゼパム、プロメタジン、プロポフォール、プロトリプチリン、クアゼパム、クエチアピン、レクラゼパム、リスペリドン、ロレタミド、セコバルビタール、セルトラリン、スプロクロン(suproelone)、テマゼパム、チオリダジン、チオチキセン、トラカゾラート、トラニルシプロミン(tranylcypromine)、トラゾドン、トリアゾラム、トレピパム、トリセタミド、トリクロフォス、トリフルオペラジン、トリメトジン、トリミプラミン、ウルダゼパム、ベンラファキシン、ザレプロン、ジプラシドン、ゾラゼパム、ゾルピデム、およびそれらの塩、ならびにそれらの組み合わせなどと併用での、統合失調症の治療用薬剤との併用が挙げられ、または本化合物を、物理的方法の使用と共に、例えば光線療法または電気刺激と共に、施与することができる。
もう1つの実施形態において、本化合物は、レボドパ(選択的脳外デカルボキシラーゼ阻害剤、例えばカルビドパまたはベンセラジドと共にまたは伴わずに)、抗コリン作用薬、例えばビペリジン(場合によっては、その塩酸塩または乳酸塩として)および塩酸トリヘキシフェニジル(ベンズヘキソール)、COMT阻害剤、例えばエンタカポン、MOA−B阻害剤、抗酸化物質、A2aアデノシン受容体アンタゴニスト、コリン作動性アゴニスト、NMDA受容体アンタゴニスト、セロトニン受容体アンタゴニストおよびドーパミン受容体アゴニスト、例えばアレンテモール、ブロモクリプチン、フェノルドパム、リスリド、ナキサゴリド、ペルゴリドおよびプラミペキソールと併用することができる。前記ドーパミンアゴニストが、医薬的に許容される塩の形態である、例えば、塩化水素酸アレンテモール、ブロモクリプチンメシラート、フェノルドパムメシラート、塩酸ナキサゴリドおよびペルゴリドメシラートである場合があることは、理解されるであろう。
もう1つの実施形態において、本化合物は、神経弛緩薬のフェノチアジン、チオキサンテン、複素環式ジベンゾアゼピン、ブチロフェノン、ジフェニルブチルピペリジンおよびインドロンクラスからの化合物と併用で投与することができる。フェノチアジンの適する例としては、クロルプロマジン、メソリダジン、チオリダジン、アセトフェナジン、フルフェナジン、ペルフェナジンおよびトリフルオペラジンが挙げられる。チオキサンテンの適する例としては、クロルプロチキセンおよびチオチキセンが挙げられる。ジベンゾアゼピンの一例は、クロザピンである。ブチロフェノンの一例は、ハロペリドールである。ジフェニルブチルピペリジンの一例は、ピモジドである。インドロンの一例は、モリンドロンである。他の神経弛緩薬としては、ロキサピン、スルピリドおよびリスペリドンが挙げられる。本化合物と併用するときの前記神経弛緩薬が、医薬的に許容される塩の形態である、例えば、塩酸クロルプロマジン、メソリンダジンベシラート、塩酸チオリダジン、マレイン酸アセトフェナジン、塩酸フルフェナジン、エナント酸フルフェナジン(flurphenazine enathate)、デカン酸フルフェナジン、塩酸トリフルオペラジン、塩酸チオチキセン、デカン酸ハロペリドール、コハク酸ロキサピンおよび塩酸モリンドンである場合があることは、理解されるであろう。ペルフェナジン、クロルプロチキセン、クロザピン、ハロペリドール、ピモジドおよびリスペリドンは、一般に、非塩形態で使用される。例えば、本化合物は、アセトフェナジン、アレンテモール、アリピプラゾール、アミスルプリド(amisuipride)、ベンズヘキソール、ブロモクリプチン、ビペリデン、クロルプロマジン、クロルプロチキセン、クロザピン、ジアゼパム、フェノルドパム、フルフェナジン、ハロペリドール、レボドパ、レボドパとベンセラジド、レボドパとカルビドパ、リスリド、ロキサピン、メソリダジン、モリンドロン、ナキサゴリド、オランザピン、ペルゴリド、ペルフェナジン、ピモジド、プラミペキソール、クエチアピン、リスペリドン、スルピリド、テトラベナジン、トリヘキシフェニジル(frihexyphenidyl)、チオリダジン、チオチキセン、トリフルオペラジンまたはジプラシドンと併用することができる。
前記化合物の併用の例としては、疼痛治療のための薬剤、例えば、非ステロイド系抗炎症薬、例えばアスピリン、ジクロフェナク、ジフルニサル(duflunisal)、フェノプロフェン、フルルビプロフェン、イブプロフェン、インドメタシン、ケトプロフェン、ケトロラク、ナプロキセン、オキサプロジン、ピロキシカム、スリンダクおよびトルメチン;COX−2阻害剤、例えばセレコキシブ、ロフェコキシブ、バルデコキシブ、406381および644784;CB−2アゴニスト、例えば842166およびSAB378;VR−1アンタゴニスト、例えばAMG517、705498、782443、PAC20030、V114380およびA425619;ブラジキニンB1受容体アンタゴニスト、例えばSSR240612およびNVPSAA164;ナトリウムチャネル遮断薬およびアンタゴニスト、例えばVX409およびSPI860;一酸化窒素シンターゼ(NOS)阻害剤(iNOSおよびnNOS阻害剤を含む)、例えばSD6010および274150;ラコサミドを含む、グリシン部位アンタゴニスト;ニューロンニコチンアゴニスト、例えばABT894;NMDAアンタゴニスト、例えばAZD4282;カリウムチャネル開口薬;AMPA/キナーゼ受容体アンタゴニスト;カルシウムチャネル遮断薬、例えばジコノチドおよびNMED160;GABA−A受容体IOモジュレーター(例えば、GABA−A受容体アゴニスト);マトリックスメタロプロテアーゼ(MMP)阻害剤;血栓溶解薬;オピオイド鎮痛薬、例えばコデイン、フェンタニル、ヒドロモルホン、レボルファノール、メペリジン、メタドン、モルヒネ、オキシコドン、オキシモルホン、ペンタゾシン、プロポキシフェン;好中球抑制因子(NIF);プラミペキソール、ロピニロール;抗コリン作用薬;アマンタジン;モノアミンオキシダーゼB15(「MAO−B」)阻害剤;5HT受容体アゴニストまたはアンタゴニスト;mGlu5アンタゴニスト、例えばAZD9272;アルファアゴニスト、例えばAGNXX/YY;ニューロンニコチンアゴニスト、例えばABT894;NMDA受容体アゴニストまたはアンタゴニスト、例えばAZD4282;NKIアンタゴニスト;
選択的セロトニン再取込み阻害剤(「SSRI」)ならびに/または選択的セロトニンおよびノルエピネフリン再取込み阻害剤(「SSNRI」)、例えばデュロキセチン;三環系抗うつ薬、ノルエピネフリンモジュレーター;リチウム;バルプロアート;ガバペンチン;プレガバリン;リザトリプタン;ゾルミトリプタン;ナラトリプタンおよびスマトリプタンとの併用が挙げられる。
本発明の化合物を、例えば、鎮痛薬、催眠薬、不安緩解剤、抗精神病薬、抗不安薬、抗ヒスタミン薬、ベンゾジアゼピン、バルビルレート、シクロピロロン、オレキシンアンタゴニスト、アルファ−1アンタゴニスト、GABAアゴニスト、5HT−2アンタゴニスト(5HT−2Aアンタゴニストおよび5HT−2A/2Cアンタゴニストを含む)、ヒスタミンアンタゴニスト(ヒスタミンH3アンタゴニストを含む)、ヒスタミンH3逆アゴニスト、イミダゾピリジン、緩和精神安定薬、メラトニンアゴニストおよびアンタゴニスト、メラトニン作動薬、他のオレキシンアンタゴニスト、オレキシンアゴニスト、プロキネチシンアゴニストおよびアンタゴニスト、ピラゾロピリミジン、T型カルシウムチャネルアンタゴニスト、トリアゾロピリジンなど、例えば:アジナゾラム、アロバルビタール、アロニミド、アルプラゾラム、アミトリプチリン、アモバルビタール、アモキサピン、アルモダフィニル、APD−125、ベンタゼパム、ベンゾクタミン、ブロチゾラム、ブプロピオン、ブスプリオン、ブタバルビタール、ブタルビタール、カプロモレリン、カプリド、カルボクロラール、クロラールベタイン、抱水クロラール、クロルジアゼポキシド、クロミプラミン、クロナゼパム、クロペリドン、クロラゼパート、クロレタート(chlorethate)、クロザピン、コナゼパム、シプラゼパム、デシプラミン、デクスクラモール、ジアゼパム、ジクロラールフェナゾン、ジバルプロエクス、ジフェンヒドラミン、ドキセピン、EMD−281014、エプリバンセリン、エスタゾラム、エスゾピクロン、エトクロルビノール(ethchlorynol)、エトミダート、フェノバム、フルニトラゼパム、フルラゼパム、フルボキサミン、フルオキセチン、ホサゼパム、ガボキサドール、グルテチミド、ハラゼパム、ヒドロキシジン、イブタモレン、イミプラミン、インジプロン、リチウム、ロラゼパム、ロルメタゼパム、LY−156735、マプロチリン、MDL−100907、メクロクアロン、メタトニン、メフォバルビタール、メプロバマート、メタクアロン、メチプリロン、ミダフルル、ミダゾラム、モダフィニル、ネファゾドン、NGD−2−73、ニソバマート、ニトラゼパム、ノルトリプチリン、オキサゼパム、パラアルデヒド、パロキセチン、ペントバルビタール、ペルラピン、ペルフェナジン、フェネルジン、フェノバルビタール、プラゼパム、プロメタジン、プロポフォール、プロトリプチリン、クアゼパム、ラメルテオン、レクラゼパム、ロレタミド、セコバルビタール、セルトラリン、スプロクロン(suproclone)、TAK−375、テマゼパム、チオリダジン、チアガビン、トラカゾラート、トラニルシプロミン(tranylcypromine)、トラゾドン、トリアゾラム、トレピパム、トリセタミド、トリクロフォス、トリフルオペラジン、トリメトジン、トリミプラミン、ウルダゼパム、ベンラファキシン、ザレプロン、ゾラゼパム、ゾピクロン、ゾルピデム、およびそれらの塩、ならびにそれらの組み合わせなどを含む、睡眠の質の向上ならびに睡眠障害の予防および治療に有用な化合物と併用で、投与することができ、または本発明の化合物を、物理的方法の使用と共に、例えば光線慮法もしくは電気刺激と共に、施与することができる。
本明細書において用いる場合の用語「組成物」は、指定成分を所定の量または比率で含む製品、ならびに指定成分の指定量での併用の結果、直接的または間接的に生ずる任意の製品を包含すると考えている。医薬組成物に関してのこの用語は、1つ以上の活性成分と、不活性成分を構成する任意の担体とを含む製品、ならびに前記成分のいずれか2つ以上の併用、複合体化もしくは凝集の結果、または前記成分の1つ以上についての解離の結果、または前記成分の1つ以上についての他のタイプの反応もしくは相互作用の結果、直接または間接的に生ずる生成物を包含すると解釈する。
一般に、医薬組成物は、活性成分を液体担体もしくは微粉固体担体または両方と均一におよび均質に会合させること、その後、必要な場合には、その生成物を所望の製剤に成形することによって調製される。前記医薬組成物には、式(I)から(VIII)の化合物である活性化合物が、疾患の過程または状態に対して所望の効果の作用を生じさせるために十分な量で含まれる。従って、本発明の医薬組成物は、本発明の化合物と医薬的に許容される担体とを混合することによって製造されたあらゆる組成物を包含する。
前記担体は、投与、例えば経口投与または非経口投与(静脈内投与を含む)のために望ましい調製の形態に依存して様々な形態をとることがある。従って、本発明の医薬組成物を、それぞれが所定量の活性成分を含有する、経口投与に適する個別単位、例えばカプセル、カシェ剤または錠剤として提供することができる。さらに、前記組成物を、粉末として、顆粒として、溶液として、水性液体中の懸濁液として、非水性液として、水中油型エマルジョンとして、または油中水型液体エマルジョンとして提供することができる。上で述べた一般的な剤形に加えて、本発明の化合物またはそれらの医薬的に許容される塩を、制御放出手段および/または送達デバイスによって投与することもできる。
経口使用が意図された医薬組成物は、医薬組成物の製造のための当分野において公知の任意の方法に従って調製することができ、そのような組成物は、医薬的に上品で味のよい製剤を提供するために、甘味剤、着香剤、着色剤および保存薬からなる群より選択される1つ以上の薬剤を含有することがある。錠剤は、錠剤の製造に適する非毒性で医薬的に許容される賦形剤との混合物で活性成分を含有することがある。これらの賦形剤は、例えば、不活性希釈剤、例えば炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、ラクトース、リン酸カルシウムまたはリン酸ナトリウム;造粒および崩壊剤、例えばトウモロコシデンプンまたはアルギン酸;結合剤、例えばデンプン、ゼラチンまたはアラビアゴム、および滑沢剤、例えばステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸またはタルクであり得る。前記錠剤にコーティングを施さないこともあり、または胃腸管内での崩壊および吸収を遅らせ、それによってより長い期間にわたって持続作用をもたらすために公知の技術によってコーティングを施すこともある。
本発明の組成物を含有する錠剤は、場合によっては1つ以上の補助成分またはアジュバントと共に、圧縮または成形することによって作製することができる。圧縮錠剤は、結合剤、滑沢剤、不活性希釈剤、界面活性剤または崩壊剤と場合によっては混合された易流動性形態、例えば粉末または顆粒の活性成分を適する機械で圧縮することによって作製することができる。成形錠剤は、不活性液体希釈剤で湿潤させた粉末化合物の混合物を適する機械で成形することによって作ることができる。それぞれの錠剤は、好ましくは、約0.1mgから約500mgの活性成分を含有し、それぞれのカシェ剤またはカプセルは、好ましくは、約0.1mgから約500mgの活性成分を含有する。
経口使用のための組成物は、ハードゼラチンカプセルとして提供することもでき、この場合、活性成分を不活性固体希釈剤、例えば炭酸カルシウム、リン酸カルシウムもしくはカオリンと混合し、またはソフトゼラチンカプセルとして提供することもでき、この場合、活性成分を水または油性媒質、例えばピーナッツ油、液体パラフィンもしくはオリーブ油と混合する。
他の医薬組成物としては、水性懸濁液が挙げられ、これは、水性懸濁液の製造に適する賦形剤との混合物で活性材料を含有する。加えて、植物油、例えば落花生油、オリーブ油、ゴマ油もしくはヤシ油にまたは鉱油、例えば液体パラフィンに活性成分を懸濁させることによって、油性懸濁液を調合することができる。油性懸濁液も様々な賦形剤を含有することがある。本発明の医薬組成物は、水中油型エマルジョンの形態である場合もあり、これも賦形剤、例えば甘味および着香剤を含有することがある。
前記医薬組成物は、滅菌注射用水性もしくは油性懸濁液の形態である場合があり、またはそのような滅菌注射用溶液もしくは懸濁液の即時調製用の滅菌粉末の形態である場合がある。すべての場合、最終的な注射用形態は、無菌でなければならず、および容易に注射できるために有効な流動性でなければならない。前記医薬組成物は、製造および保管条件下で安定でなければならず;従って、好ましくは、細菌および真菌などの微生物の汚染作用から保護されるはずである。
本発明の医薬組成物は、例えばエーロゾル、クリーム、軟膏、ローション、散布剤などの、局所使用に適する形態である場合がある。さらに、前記組成物は、経皮デバイスでの使用に適する形態である場合がある。これらの調合物は、従来の加工方法によって調製することができる。例として、クリームまたは軟膏は、所望の粘稠度を有するクリームまたは軟膏を製造するために水溶性材料および水を約5重量%から約10重量%の前記化合物と共に混合することによって調製する。
本発明の医薬組成物は、直腸内投与に適する形態である場合もあり、この場合の担体は固体である。その混合物が単位用量座剤になることが好ましい。適する担体としては、カカオ脂、および当分野において一般に使用される他の材料が挙げられる。
「医薬的に許容される」とは、担体、希釈剤または賦形剤がその調合物の他の成分と相溶性でなければならず、そのレシピエントにとって有害であってはならないことを意味する。
化合物「の投与」または化合物「を投与すること」という用語は、治療が必要な個体に、その個体の身体に導入できる形態で、経口剤形、例えば錠剤、カプセル、シロップ、懸濁液など;注射用剤形、例えばIV、IMまたはIPなど;クリーム、ゼリー、粉末またはパッチを含む、経皮剤形;口腔内剤形;吸入用粉末、噴霧剤、懸濁液など;ならびに肛門坐剤を含む(しかし、それらに限定されない)治療に有用な形態で、および治療に有用な量で、本発明の化合物を与えることを意味すると解釈すべきである。
用語「有効量」または「治療有効量」は、研究者、獣医、医者または他の臨床家が捜し続ける、組織、系、動物またはヒトの生体応答または医学的応答を惹起するであろう本化合物の量を意味する。
本明細書において用いる場合、用語「治療」または「治療すること」は、本発明の化合物の任意の投与を意味し、ならびに(1)疾患の病状もしくは総体的症状を経験しているもしくは示している動物においてその疾患を抑制すること(すなわち、その病状および/もしくは総体的症状のさらなる進展を阻止すること)、または(2)疾患の病状もしくは総体的症状を経験しているもしくは示している動物においてその疾患を改善すること(すなわち、その病状および/もしくは総体的症状を逆転すること)を含む。
本発明の化合物を含有する組成物は、単位剤形で好都合に提供することができ、薬学技術分野において周知の任意の方法によって調製することができる。用語「単位剤形」は、患者、または患者に薬物を投与する人が、全容量がその中に入っている単一の容器またはパッケージを開けることができる、および2つ以上の容器またはパッケージからのいずれの成分も混合する必要がないような、適切なシステムですべての活性および不活性成分を併せ持つ、一回量を意味すると解釈される。単位剤形の典型的な例は、経口投与のための錠剤もしくはカプセル、注射のための一回量バイアル、または直腸内投与のための坐剤である。単位
剤形のこのリストをいかなる点においても限定するためのものではなく、単に、単位剤形の典型的な例を表すためのものである。
本発明の化合物を含有する組成物は、活性または不活性成分、担体、希釈剤などである場合がある2つ以上の成分が、患者または患者に薬物を投与する人による実際の剤形の調製のための説示と共に備えられているキットとして、好都合に提供することができる。そのようなキットに、すべての必要材料および成分を、その中に収容することで備えさせることができ、またはそれらのキットは、患者もしくは患者に薬物を投与する人が独立して得なければならない材料または成分を使用するまたは作るための説示を含むことがある。
本発明の化合物が指示される障害または疾患を治療または改善するとき、1日に動物の体重のkgあたり約0.1mgから約100mgで本発明の化合物を投与すると、好ましくは、単回日用量としてもしくは1日に2から6回の分割用量でまたは持続放出形態で与えると、一般に、満足のいく結果が得られる。総日用量は、体重のkgあたり、約1.0mgから約2000mg、好ましくは約0.1mgから約20mgである。70kgの成人の場合、総日用量は、一般に、約7mgから約1,400mgであろう。この投薬レジメンを、最適な治療応答をもたらすように調整することができる。前記化合物を1日に1から4回、好ましくは1日に1回または2回のレジメンで投与することができる。
単一剤形を生じさせるために担体材料と併せることができる活性成分の量は、治療する宿主および個々の投与経路に依存して変わるであろう。例えば、ヒトへの経口投与が意図された調合物は、適切で好都合な量の担体材料と配合された約0.005mgから約2.5mgの活性成分を好都合に含有することができる。単位剤形は、一般に、1日に1回、2回または3回投与される、約0.005mgから約1000mgの間、概して0.005、0.01mg、0.05mg、0.25mg、1mg、5mg、25mg、50mg、100mg、200mg、300mg、400mg、500mg、600mg、800mgまたは1000mgの活性成分を含有するだろう。
しかし、任意の個々の患者についての具体的な用量レベルおよび投薬頻度が様々であり、利用する具体的な化合物、その化合物の代謝安定性および作用の長さ、年齢、体重、一般的な健康状態、性別、食事、投与方式および回数、排泄率、薬の組み合わせ、個々の状態の重症度ならびに治療を受ける宿主を含む様々な要因に依存するであろうことは、理解されるであろう。
本発明の化合物を調製するための幾つかの方法を本明細書におけるスキームおよび実施例において例証する。当分野において公知のまたは本明細書において例証するような手順に従って出発原料を作る。以下の実施例は、本発明を例証するために提供するものであり、如何様にも本発明の範囲を限定すると解釈されるべきものではない。
1−[ヒドロキシ(フェニル)メチル]−4−オキソ−4H−キノリジン−3−カルボン酸
Figure 2012504627
−20℃で30mLの1:1 THF:CHCl中の1−ホルミル−4−オキソ−4H−キノリジン−3−カルボン酸エチル(0.400mg、1.63mmol)の溶液に、臭化フェニルマグネシウム(0.979mL、1.96mmol、THF中2.0M)を滴加した。その反応物を放置して室温に温めた。30分後、塩化アンモニウム飽和水溶液を添加し、その混合物を濾過し、濃縮して、粗製1−[ヒドロキシ(フェニル)メチル]−4−オキソ−4H−キノリジン−3−カルボン酸エチルを黄色の固体として得た。4mLの1:2:1 DMSO:MeOH:HO中のその得られた残留物(115mg、0.356mmol)の溶液に、水酸化ナトリウム(0.100g、2.50mmol)を添加した。その反応物を1時間、60℃に加熱し、室温に冷却し、逆相HPLCによる精製に付して、M+Hについて296.2の質量イオン(ES+)を生じる表題化合物を得た。
1−ベンゾイル−4−オキソ−4H−キノリジン−3−カルボン酸
Figure 2012504627
3mL CHCN中の1−[ヒドロキシ(フェニル)メチル]−4−オキソ−4H−キノリジン−3−カルボン酸(0.142g、0.508mmol)の溶液に、1−ヒドロキシ−1,2−ベンゾヨードキソール−3(1H)−オン1−オキシド(0.075g、0.254mmol)を添加した。その混合物を3時間、75℃に加熱し、室温に冷却し、真空下で濃縮した。得られた残留物を逆相HPLCによる精製に付して、M+Hについて294.2の質量イオン(ES+)を生じる表題化合物を得た。
1−(4−クロロベンジル)−4−オキソ−4H−キノリジン−3−カルボン酸
Figure 2012504627
1−[(4−クロロフェニル)(ヒドロキシ)メチル]−4−オキソ−4H−キノリジン−3−カルボン酸を実施例1において説明した手順によって調製した。
5mLのCHCl中の1−[(4−クロロフェニル)(ヒドロキシ)メチル]−4−オキソ−4H−キノリジン−3−カルボン酸(0.300mg、0.910mmol)の溶液に、トリエチルシラン(0.29mL、1.8mmol)およびトリフルオロ酢酸(0.35mL、4.5mmol)を添加した。1.5時間後、10mLの水を添加し、その反応物をCHClで抽出し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮した。得られた残留物を逆相HPLCによる精製に付して、M+Hについて313.96の質量イオン(ES+)を生じる表題化合物を得た。H NMR(400MHz,CDOD)δ9.49(d,J=7.1Hz,1H)、8.40(s,1H)、8.07(d,J=9.1Hz,1H)、7.99−7.94(m,1H)、7.62−7.58(m,1H)、7.32(d,J=8.5Hz,2H)、7.22(d,J=8.8Hz,1H)、4.32(s,2H)。
1−(ビフェニル−4−イルメチル)−4−オキソ−4H−キノリジン−3−カルボン酸
Figure 2012504627
(ガス)下、2mLのTHF中の1−(4−クロロベンジル)−4−オキソ−4H−キノリジン−3−カルボン酸(0.060g、0.19mmol)の溶液に、フェニルボロン酸(0.035g、0.29mmol)、1N炭酸セシウム(0.38mL、0.38mmol)およびビス(トリ−t−ブチルホスフィン)パラジウム(0)を添加した。その反応物を15時間、100℃に加熱し、室温に冷却し、6N HClでpH〜3に酸性化した。その後、その混合物を濾過し、逆相HPLCによる精製に付して、M+Hについて356.0の質量イオン(ES+)を生じる表題化合物を得た。H NMR(400MHz,d−DMSO)δ9.40(d,J=7.2Hz,1H)、8.41(s,1H)、8.23(d,J=9.0Hz,1H)、8.09−8.05(m,1H)、7.69(d,J=6.9Hz,1H)、7.63−7.58(m,4H)、7.46−7.42(m,2H)、7.35−7.33(m,3H)、4.39(s,2H)。
1−{[5−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)ピリジン−2−イル]メチル}−4−オキソ−4H−キノリジン−3−カルボン酸
Figure 2012504627
−78℃で50mLのトルエン中の2,5−ジブロモピリジン(1.00g、4.22mmol)の溶液に、n−BuLi(2.0mL、5.0mol、THF中2.5M)を滴加した。2時間後、1−ホルミル−4−オキソ−4H−キノリジン−3−カルボン酸エチル(1.35g、5.5mmol)を添加した。その反応物を−78℃でさらに1時間攪拌し、その後、0℃の氷浴に移した。0℃でさらに1時間後、塩化アンモニウム飽和水溶液(10mL)を添加した。その混合物を室温に温め、濾過して不溶褐色固体を除去した。濾液を分離し、有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮した。得られた残留物をCHCl中の0〜5%MeOHでのシリカゲルクロマトグラフィーによって精製して、M+Hについて402.9(79Br)の質量イオン(ES+)を生じる粗製1−[(5−ブロモピリジン−2−イル)(ヒドロキシ)メチル]−4−オキソ−4H−キノリジン−3−カルボン酸エチルを得た。
3mLのCHCl中の上述の化合物(0.250g、0.620mmol)の溶液に、トリエチルシラン(0.20mL、1.2mmol)およびトリフルオロ酢酸(0.24mL、3.1mmol)を添加した。その反応物を50℃で15時間攪拌し、その後、室温に冷却し、10mLの水および1N NaOHで希釈してpH〜8にした。その反応物をCHClで抽出し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮した。得られた残留物を、CHCl中10% MeOHでのシリカゲルクロマトグラフィーによって精製して、M+Hについて386.8(79Br)の質量イオン(ES+)を生じる1−[(5−ブロモピリジン−2−イル)メチル]−4−オキソ−4H−キノリジン−3−カルボン酸エチルを得た。
(ガス)下、1mLのTHF中の上述の化合物(0.040g、0.10mmol)の溶液に、1−メチル−4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−1H−ピラゾール(0.043g、0.21mmol)、1N炭酸セシウム(0.21mL、0.21mmol)およびビス(トリ−t−ブチルホスフィン)パラジウム(0)を添加した。その反応物を48時間、100℃に加熱し、室温に冷却し、真空下で濃縮した。1mLのDMSO中のその得られた残留物の溶液に、0.3mLのLiOH飽和水溶液を添加した。その反応物を室温で2時間攪拌し、その後、逆相HPLCによる精製に付して、M+Hについて361.0の質量イオン(ES+)を生じる表題化合物を得た。H NMR(400MHz,CDOD)δ9.53(d,J=7.5Hz,1H)、8.78(s,1H)、8.48(s,1H)、8.20−8.13(m,2H)、8.03−7.99(m,1H)、7.94(s,1H)、7.64(t,J=7.1Hz,1H)、7.51(d,J=8.3Hz,1H)、4.6(s,2H)、3.94(s,3H)。
以下の実施例は、本発明を例証するために提供するものであり、如何様にも本発明の範囲を限定すると解釈されるべきものではない。
Figure 2012504627
Figure 2012504627
生物学的データ M1受容体ポジティブアロステリック調節因子としての前記化合物の有用性を、下で説明するアッセイを含む、当分野において公知の方法論によって立証することができる。FLIPR384蛍光測定画像解析用プレートリーダー(Fluorometric Imaging Plate Reader)システムで細胞内カルシウムを測定することによりCHOnfat細胞において発現されたアセチルコリンムスカリン性M1受容体または他のムスカリン性受容体に対するモジュレーター活性を有する化合物を選択するようにアッセイを設計する。このアッセイは、FLIPRを使用して基底またはアセチルコリン刺激Ca2+レベルに対
する1つまたは幾つかの試験化合物濃度の影響を研究するものである。
化合物を調製し、4分のプレインキュベーション期間に付す。その後、単一EC20濃度のアセチルコリンをそれぞれのウエルに添加する(最終3nM)。それぞれのサンプルの細胞内Ca2+レベルを測定し、アセチルコリン対照と比較して一切の調節活性を判定する。
細胞:CHOnfat/hM1、hM2、hM3またはhM4細胞をアッセイの24時間前に細胞数18,000/ウエル(100μL)の密度で384ウエルプレートにプレーティングする。CHOnfat/hM1およびCHOnfat/hM3成長培地:90%DMEM(高グルコース);10% HI FBS;2mM L−グルタミン;0.1mM NEAA;Pen−Strep;および1mg/mL ゲネチシンを添加する。M2Gqi5CHOnfatおよびM4Gqi5CHOnfat細胞については、追加の600μg/mL ヒグロマイシンを添加する。
器具:384ウエルプレート、120μL添加プレート;96ウエルWhatman 2mL Uniplateインキュベーター、37℃、5%CO;Skatron EMBLA−384プレート洗浄機;Multimekピペッティングシステム;Genesis Freedom 200システム;Mosquitoシステム;Temo Nanolitreピペッティングシステム;およびFLIPR384蛍光測定画像解析用プレートリーダーシステムを使用する。
バッファー。アッセイバッファー:20mM Hepes、1N NaOH水溶液に最初に溶解した2.5mMプロベネシド(Sigma P−8761)、1%ウシ血清アルブミン(Sigma A−9647)を伴うハンクス液。色素ローディングバッファー:アッセイバッファーに加えて、1%ウシ胎仔血清およびFluo−4AM/プルロニック酸混合物。DMSO中のFluo−4AMエステルストック(Molecular Probes F−14202)2mM。アッセイ中1μMの最終濃度のためにバッファー中1μMの濃度。バッファー中0.04%、アッセイ中0.02%の濃度で、20%プルロニック酸溶液ストック。
65μLの2mM Fluo−4AMを130μLの20%プルロニック酸と混合する。得られた溶液および650μL FBSをアッセイバッファーに添加して65mLの総体積にする。陽性対照:4−Br−A23187:DMSO中の10mM;最終濃度10μM。アセチルコリン:水中の10mM、アッセイバッファー中20μMおよび30μM両方での作業用ストック、10μM最終濃度。これを使用して、CHOK1/hM1細胞の最大刺激を確認する。20μM(2×)アセチルコリンをそのアッセイのプレインキュベート部で添加し、30μM(3×)ストックを第二部で添加する。(EC20)アセチルコリン:水中の10mM、9nM(3×)の作業用ストック、およびアッセイ中の最終濃度は3nMである。試験化合物のプレインキュベーション後にこれを使用する。試験化合物を有するそれぞれのウエルへのEC20アセチルコリンの添加によって一切のモジュレーター活性が確認されるであろう。24ウエルに3nMアセチルコリンのみのものを対照として含める。
推定化合物の活性の判定: スクリーニングプレート:Genesis Freedom200システムを使用して、化合物を96ウエルプレート(2〜11列)、100%DMSOにおいて滴定する、15mMの濃度(150×ストック濃度)で開始、そして3倍系列希釈。Mosquito Nanolitreピペッティングシステムを使用して1μLの系列希釈化合物をそれぞれのウエルに移すことによって4枚の96ウエルプレートを併せて384ウエルプレートにする。1mMアセチルコリン(100×ストック濃度)を対照として添加した。Temoを使用して、49μLアッセイバッファーをその384ウエルプレートのそれぞれのウエルに添加した後、直ちにアッセイする。
96ウエルWhatman 2mL Uniplateにおいて、スクリーニング化合物に対応するウエルにおよび対照ウエルに9nMアセチルコリン(3×)をピペットで添加する。30μMアセチルコリン対照(3×)を対照ウエルに添加し、3×アゴニストプレートを384ウエルプレートに移す。
細胞を100μLのバッファーで3回洗浄して、それぞれのウエルに30μLのバッファーを残す。Multimekを使用して、30μLの色素ローディングバッファーをそれぞれのウエルに添加し、37℃、5%COで1時間までの間、インキュベートする。
60分後、細胞を100μLのバッファーで3回洗浄し、それぞれのウエルに30μLのバッファーを残す。細胞プレート、スクリーニングプレート、およびアゴニスト添加プレートをFLIPRのプラットフォームの上に置き、扉を閉める。バックグラウンド蛍光および基底蛍光シグナルを確認するためのシグナル試験を行う。必要な場合にはレーザー強度を調整する。
試験化合物との4分のプレインキュベーションを施して、1mMアセチルコリン対照との比較によりM1受容体に対する一切のアゴニスト活性を判定する。プレインキュベーション後、EC20値のアセチルコリン(最終3nM)を添加して、任意のモジュレーター活性を判定する。
ムスカリンFLIPRアッセイのさらなる説明は、国際特許出願WO2004/073639において見つけることができる。
詳細には、以下の実施例の化合物は、上述のアッセイにおいて活性を有し、一般に10μM(10,000nM)以下のIP(変曲点)を有した。変曲点は、FLIPR値から算出され、活性の尺度である。上記の結果は、M1アロステリック調節因子として使用に関する前記化合物の固有活性を示す。
(本明細書に記載するような)本発明の代表的例示的化合物についての上述のアッセイからのIP値を下記表1に提供する:
Figure 2012504627
Figure 2012504627
本文を通して以下の略語を用いる:Me:メチルEt:エチルBu:ブチルt−Bu:t−ブチルAr:アリールPh:フェニルBn:ベンジルDCM:ジクロロメタンIBX:1−ヒドロキシ−1,2−ベンゾヨードキソール−3(1H)−オン1−オキシドTES:トリエチルシランTFA:トリフルオロ酢酸THF:テトラヒドロフランAc:アセチルDMSO:ジメチルスルホキシドDMEM:ダルベッコ変性イーグル培地(高グルコース)FBS:ウシ胎仔血清rt:室温min:分h:時aq:水性HPLC:高性能液体クロマトグラフィーMS:質量分析 本発明のある特定の実施形態を参照して本発明を説明し、例証したが、本発明の精神および範囲を逸脱することなく手順およびプロトコルの様々な適応、変更、変形、置換、削除または追加を行うことができることは、当業者には理解されるであろう。従って、本発明は、後続の特許請求の範囲によって定義され、そのような特許請求の範囲が妥当である限り広く解釈されると意図される。

Claims (20)

  1. 式(I)の化合物:
    Figure 2012504627
    (式中、 Xは、NまたはCHであり、および Yは、NまたはCHであるが、但し、XとYの両方はNでなく; Qは、 (1)−CH−、 (2)−CH(OH)−、または (3)−C(=O)−からなる群より選択され; Rは、 (1)水素、 (2)−C1−6アルキル、または (3)−CH−アリールからなる群より選択され、この場合、 前記Rアルキルまたはアリール部分は、1つ以上の (a)ハロゲン、 (b)シアノ、および (c)−O−C1−6アルキル(前記アルキルは、1つ以上のハロゲンで場合によっては置換されている)で場合によっては置換されており; Rは、 (4)ハロゲン、 (5)ヘテロアリール(前記ヘテロアリールは、4から12個の環原子を有する環式または多環式芳香族環構造であり、前記環原子は、C、CH、C=O、NまたはOから選択される)、 (6)−C6−10アリールからなる群より選択され、この場合、 前記アリールまたはヘテロアリール環は、1つ以上の (a)−C1−6アルキル、 (b)−OC1−6アルキル、 (c)−C6−10アリール、または (d)ハロゲンで場合によっては置換されている)、またはその医薬的に許容される塩。
  2. が水素である、請求項1に記載の化合物、またはその医薬的に許容される塩。
  3. Qが、−CH−である、請求項1または2に記載の化合物、またはその医薬的に許容される塩。
  4. Qが、−CH(OH)−である、請求項1または2に記載の化合物、またはその医薬的に許容される塩。
  5. Qが、−C(=O)−である、請求項1または2に記載の化合物、またはその医薬的に許容される塩。
  6. XとYが、両方ともCHである、請求項1から5のいずれかに記載の化合物、またはその医薬的に許容される塩。
  7. Xが、Nであり、およびYが、CHである、請求項1から5のいずれかに記載の化合物、またはその医薬的に許容される塩。
  8. が、ヘテロアリールである、請求項1から7のいずれかに記載の化合物、またはその医薬的に許容される塩。
  9. が、1または2個の窒素環原子を有する5または6員ヘテロアリール環であり、前記環原子の残りが炭素である、請求項8に記載の化合物、またはその医薬的に許容される塩。
  10. が、アリールである、請求項1から7のいずれかに記載の化合物、またはその医薬的に許容される塩。
  11. が、ハロゲンである、請求項1から7のいずれかに記載の化合物、またはその医薬的に許容される塩。
  12. 式(I)の化合物が、式(II)の化合物:
    Figure 2012504627
    (式中のX、Y、RおよびRは、請求項1において定義したとおりである)またはその医薬的に許容される塩である、請求項1に記載の化合物。
  13. 式(I)の化合物が、式(III)の化合物:
    Figure 2012504627
    (式中のX、Y、RおよびRは、請求項1において定義したとおりである)またはその医薬的に許容される塩である、請求項1に記載の化合物。
  14. 式(I)の化合物が、式(IV)の化合物:
    Figure 2012504627
    (式中のX、Y、RおよびRは、請求項1において定義したとおりである)またはその医薬的に許容される塩である、請求項1に記載の化合物。
  15. Figure 2012504627
    Figure 2012504627
    Figure 2012504627
    からなる群より選択される、請求項1に記載の化合物、またはその医薬的に許容される塩。
  16. 請求項1〜15のいずれかに記載の化合物、またはその医薬的に許容される塩の治療有効量と医薬的に許容される担体とを含む医薬組成物。
  17. ムスカリン性M1受容体によって媒介される疾患または障害の治療のための医薬組成物であって、前記疾患または障害が、アルツハイマー病、統合失調症、疼痛または睡眠障害からなる群より選択される、請求項1〜15のいずれかに記載の化合物、またはその医薬的に許容される塩の治療有効量と医薬的に許容される担体とを含む組成物。
  18. ムスカリン性M1受容体によって媒介される疾患または障害の治療のための、請求項1〜15のいずれかに記載の医薬組成物の使用であって、前記疾患または障害が、ア
    ルツハイマー病、統合失調症、疼痛または睡眠障害からなる群より選択される使用。
  19. ムスカリン性M1受容体によって媒介される疾患または障害の治療用の医薬品を製造するための、請求項1〜15のいずれかに記載の化合物、またはその医薬的に許容される塩、および医薬的に許容される担体の使用であって、前記疾患または障害が、アルツハイマー病、統合失調症、疼痛または睡眠障害からなる群より選択される使用。
  20. ムスカリン性M1受容体によって媒介される疾患または障害を治療する方法であって、前記疾患または障害が、その必要がある患者におけるアルツハイマー病、統合失調症、疼痛またはたは睡眠障害からなる群より選択される、請求項1から15のいずれかに記載の化合物、またはその医薬的に許容される塩の治療有効量、および医薬的に許容される担体を前記患者に投与することを含む方法。
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