JP2012504471A - 側部非包囲の索位置決め構造を有する鼠径ヘルニア補綴を用いたテンションフリーの鼠径ヘルニア修復・生理機能の再構成の方法および装置 - Google Patents

側部非包囲の索位置決め構造を有する鼠径ヘルニア補綴を用いたテンションフリーの鼠径ヘルニア修復・生理機能の再構成の方法および装置 Download PDF

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    • A61F2/0063Implantable repair or support meshes, e.g. hernia meshes

Abstract

鼠径ヘルニア補綴は、索保護機能を与える索位置決め構造を含む。索位置決め構造は、補綴の長手方向の周辺エッジに沿って配置される半円またはその他の形状の凹部とすることができるが、この索位置決め構造は、索の一部のみ、例えば、180未満、より好ましくは120度未満を取り囲むように設計され、残りの索の外周が適当な筋肉組織に接触して構成要素により配置される。索位置決め構造は、非包囲の側部索位置決め構造と称することもできる。補綴は、テンションフリーの修復を提供し、組織の内部成長/嵌頓、索組織を通る不用意な縫合および補綴の摩耗による索損傷を最小化し、修復に使用される補綴の寸法を最小化し、ヘルニア前の生理機能を再構築するように構成されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、鼠径ヘルニア修復術に関し、より詳細には、ヘルニア欠損前の生理学的機能を構築するように構成された側部非包囲の索位置決め構造を有する鼠径ヘルニア補綴に関するものである。
本出願は、2008年10月1日に出願された発明の名称を“Method and Apparatus for Tension Free Inguinal Hernia Repair using Inguinal Hernia Prosthetic having Lateral Non−encircling Cord Locating Structure”とする米国仮特許出願第61/101,702号に対する優先権を主張するものである。
ヘルニアは歴史を通じて人間を悩ましており、ヘルニア修復の記述は、バビロンのハムラビや初期エジプト文書に遡る。
鼠径ヘルニアは、鼠径管を通じた腹腔内容物の脱出と一般に言われている。鼠径管は、男性の場合には精索、女性の場合には円索を運ぶ前腹壁中の通路である。鼠径管は、男性においてより大きく隆起している。精索は、輸精管により男性に形成される索状組織であって、腹部から下方の各睾丸まで延在する組織(神経および睾丸血液供給を含む組織)を包囲する索状組織である。
鼠径ヘルニアは非常に一般的なものである。人口の5%がその一生のうちの何れかの時点で腹壁ヘルニアを発症すると推測されている。鼠径ヘルニアの修復術は、最も頻繁に行われている外科手術のうちの1つである。直接および間接の2種類の鼠径ヘルニアが存在する。直接鼠径ヘルニアは、腹部内容物が腹壁の筋膜中の弱い部分を通って鼠径管内に至るときに生じる。間接鼠径ヘルニアは、腹部内容物が深鼠径輪から脱出するときに生じる。
鼠径ヘルニアの患者の多くは、鼠径ヘルニアを修復して絞扼性ヘルニアの可能性を避けるために外科手術を選ぶ。ヘルニアを修復する手術は、基本的に、腸の片を定位置に押し戻して、腸が再び突き出ることがないように、腹壁を外科的に修復することを伴う。ヘルニア縫合術またはヘルニア形成術と呼ばれるヘルニア手術は、観血手術または腹腔鏡下手術となる場合がある。
最初のヘルニア手術は、欠損を修復するために患者の既存組織を利用していた。これは、今日では、ヘルニア欠損の“純粋組織(pure tissue)”修復として知られている。Edwardo Bassiniは、1888年、解剖学の理解と外科的思考および技術の応用との独特な組合せである彼の手術により再発率が(控えめに見積もられた以前の30−40%から)約10%に低下したことを発表したとき、ヘルニア手術だけでなく、すべての手術についての歴史的な金字塔をうち立てた。この10%の再発率は、抗生物質、初期の麻酔の無い時期において、患者が手術を受ける前に巨大サイズに達するまでヘルニアに苦しんでいたときに、達成されたものである。
Bassiniの手術は、理想的な組織修復のための本質的なステップの典型であった。彼は、外輪を介して外腹斜筋腱膜を開いた後、精巣挙筋膜を切除して精索を露出させた。その後、腹膜前空間を露出させるために管の後壁を分割して、腸骨窩における腹膜嚢の高い解離および結紮を行った。その後、Bassiniは、管の後壁を3層に再構成した。彼は、結節縫合で、内腹斜筋、腹横筋、横筋筋膜を含む内側組織を、鼠径靱帯の緩勾配縁部に接近させた。その後、その新しく構築された壁に索を押し付けて、その上の外腹斜筋腱膜を閉じ、それにより、管のステップダウン効果(step-down effect)を復元し、外鼠径輪を再形成した。
一世紀以上の間、Bassiniの純粋組織修復術は、幾つかの改良点(例えば、Halsted、McVay、Tanner、Shouldiceなど)とともに、何十万もの事例において有効寿命を保つのを助けている。最先端の“ヘルニオロジスト(herniologists)”は純粋組織修復を不要な方法と見なしているが、その非常に経済的コスト構造により、今日においても、発展途上国の大部分においてヘルニア修復術の最も一般的な形態となっている。
ヘルニア修復補綴は、ヘルニアパッチおよびヘルニアメッシュとも呼ばれるが、ヘルニア欠損のテンションフリー修復として知られているものに使用するために開発されたものである。補綴は、一般に、欠損を形成するギャップを埋めるものであり、患者の組織は、欠損上で“伸張”されず、よって組織を“テンションフリー”の状態(つっぱりの無い状態)に保つことが可能になる。テンションフリーのメッシュ修復術は、リヒテンシュタインとは切っても切れない関係にあり、このリヒテンシュタインの20年以上の業績および進展は、テンションフリーのリヒテンシュタイン修復術に発展している。この“テンションフリー”の補綴ヘルニア修復術は、純粋組織修復よりもヘルニア再発の大幅な減少、回復期間の短縮、並びに、患者の術後痛の低減を証明し、その結果、ヘルニア欠損の最も普及した修復術となっている。
鼠径およびその他の腹壁のヘルニアの修復のために、ポリプロピレン・メッシュパッチなど、数多くの外科的に移植可能なヘルニア修復補綴が提案されている。これら補綴は、一般に患者の身体空間内の恒久的な配置を対象としている。
米国特許第5,593,441号は、一つのヘルニア補綴の代表例であり、延伸PTFEのシートのような癒着抵抗バリアにより覆われたポリプロピレン・メッシュである腹壁ヘルニアおよび/または胸壁再構成補綴を開示している。腹壁ヘルニアの修復および胸壁再構成においては、腹部臓器のような、潜在的癒着の領域に対してバリアにより複合材料が配置される。
国際公開WO97/35533号は、メッシュ材料の一層の片面がバリア材料の層により完全に覆われた万能複合材料補綴を提案している。メッシュ材料は、生物組織の内部成長を促進する一方、バリア材料は、それに対する生物組織の癒着を遅らせる。
Peaseによる米国特許第2,671,444号は、ヘルニア修復用の非金属メッシュの外科的インサートを開示している。非金属メッシュの外科的インサートは、好ましくはポリエチレン・メッシュから作られる。
鼠径ヘルニアは、鼠径下壁の具体的な寸法および形状に適合するように必要に応じて切り取ることができる、ポリプロピレンまたはPTFE(ポリ四ふっ化エチレン)のようなメッシュ生地のシートを使用して、一般に修復される。スリットあるいは鍵孔は、鼠径管の内側コーナと反対側にあるメッシュの外側端からメッシュの内側端に向けて、外科医によってプリフォームまたは形成され、それにより、間にある精索を受け入れるべく分離された一対の外側テール部が形成される。その後、テール部は、精索を包囲して、内輪を補強するために、重ね合わせることができる。
米国特許第5,716,409号は、精索を受け入れる開口部と、この開口部が精索の周囲に納まるように設計された通路とを含む手術用の鼠径ヘルニア修復シートを開示している。
米国特許第4,769,038号は、大腿ヘルニアの修復用のプラグを開示している。そのプラグまたは補綴は、複数の層またはパネルを有し、精索の周囲に取り付けられる。
PCT出願WO96/14805号は、鼠径ヘルニアの患者に適用される二重層補綴を開示している。鍵孔タイプの鼠径ヘルニアメッシュの例として、米国特許第5,813,975号も参照されたい。
欧州特許第0719527A1は、間接鼠径ヘルニア用の二重層補綴を開示している。第1層は固体シートであり、第2層は、中心穴と、この中心穴に向けて切断されたストリップとを有する。
米国特許出願公開第2001−0049538号は、特定の外科技術用のヘルニアメッシュ片とプラグのセットである。
米国特許第6,174,320号は、縫い目の無いヘルニア修復パッチを開示している。このパッチは、ヘルニア修復のために当該パッチを患者に配置するときに、患者の索状組織を受け入れるスリットを有している。
米国特許出願公開第2005−0192600号は、縫い目が無くテンションフリーの一体型の二重層の鼠径ヘルニア修復補綴が好ましくはポリプロピレンメッシュ、PTFEメッシュ、生体物質またはそれらの組合せのような1片または1枚の修復生地から形成されることを開示している。補綴シートは、シートを2枚のほぼ半分に分割する折り目を含むことが好ましい。補綴シートの補綴の各半分は、鼠径管内に納まるように一般に形成することが好ましい。シートの補綴の各半分は、シートの内側部分の開口部と、半分の補綴の周縁部に延びるスリットとを含む。スリットは、補綴のほぼ反対側にまで至る。各開口部は、それを通る患者の精索組織を受け入れるように構成されている。
米国特許出願公開第2004−0068275号は、複合ヘルニア補綴を開示している。その補強材は、互いに組み合わされた第1部分および第2部分を含み、第1部分が、波形形状の長手方向エッジと、第2部分が固定される水平面を備える。この補強材において、第1部分は、精索が通過するために、長手方向エッジから離れて配置されたゾーンを形成する切欠部を備えるとともに、それに結合されて、長手方向エッジの近傍に延びて長手方向エッジと管ゾーンとの間に延びる第1部分のゾーンを広く覆うようにサイズ調節されたフラップを備える。このフラップは、第1部分とそれ自体との間の精索と係合するために第1部分に対して引き上げられるとともに、第1部分とそれ自体との間の精索を保持するために第1部分に対して折り畳み可能となっている。
米国特許第6,565,580号は、フレキシブルバンドによって互いに連結された上層および下層を有する補綴を修正する鼠径ヘルニアを開示している。フレキシブルバンドは、上層のエッジ上に設けられた凹部に隣接して上層に固定された第1端部と、下層に設けられた穴に隣接して固定されて、下層のエッジに切れ目により連結された第2端部とを有し、穴が、バンドおよび凹部と長手方向に整列されている。
米国特許第7,154,804号および第6,497,650号は、組織または筋肉壁の欠損を修復するための補綴を開示している。補綴は、第1および第2面を有する修復生地の層と、第1面と第2面の間に延びるエッジとを備える。補綴は、隣接する組織および器官との癒着の形成を妨げるバリアも含む。バリアは、第1および第2面の一部と重なり合うものであってもよい。バリアは、エッジの一部を恒久的に覆うために、修復生地の層から離れて形成して、修復生地の層に取り付けるようにしてもよい。修復生地は、傷付き易い組織および器官との癒着の形成を抑制する材料から形成するようにしてもよい。バリアは、修復生地の第1面と第2面の少なくとも一方の一部と重なるものであってもよい。
それら米国特許および特許出願公開は、引用によりその全体が本明細書に援用されるものである。それら従来のヘルニア修復補綴の幾つかは複合的である。幾つかのものは、ヘルニア欠損自体に納めるためにプラグまたは配置部材を使用する。ヘルニア欠損を筋肉内の欠損と考えると、現代のプラグまたはパッチ補綴に関する問題を強調するのはより容易である。従来のパッチ補綴またはプラグヘルニア補綴(それより幾分一般的ではない)を使用する両状況において、“ヘルニア欠損”は、ヘルニア欠損が被覆または充填されたときに、ヘルニア補綴の適用により、“治癒した”とこれまでは考えられている。しかしながら、従来のパッチ補綴またはプラグヘルニア補綴を使用する両状況において、“筋肉欠損”は、手付かずのまま放置されている。“欠損”は残るが、ヘルニアは補綴によって防止される。実際には、プラグが穴を埋めるときに筋肉欠損を拡大するため、プラグタイプの修復によって、“筋肉欠損”は事実上増加する。よって、この点において、それら既存の補綴は、ヘルニア前の生理機能を再構成するものとはなっていない。
これらの医学の進歩は、その有用性およびヘルニア再発生率の低減の成功が認識されているが、鼠径ヘルニアの外科的修復およびヘルニア前の生理機能の再構成の試みにおいて、更なる改良の必要性が依然として残る。また、修復を容易にして損傷から索状組織、すなわち精索を保護する構成を有する改良された移植可能な鼠径ヘルニア修復補綴の必要性もある。
本発明の一態様は、索保護機能を与える索位置決め構造(cord locating structure)を持つ鼠径ヘルニア補綴を対象としている。索位置決め構造は、補綴の長手方向の周辺エッジに沿って配置される半円またはその他の形状の凹部とすることができるが、この索位置決め構造は、索の一部のみ、例えば、180度未満、より好ましくは120度未満を取り囲むように設計され、残りの索の外周が適当な筋肉組織に接触して構成要素により配置される。索位置決め構造は、非包囲の側部索位置決め構造(non-encircling lateral cord locating structure)と称することもできる。
索位置決め構造は、エッジ保護を含むことが好ましく、索に係合するエッジは、索組織との有害な干渉を避ける適当な材料から形成されるか、あるいはその適当な材料により被覆されることが好ましい。それら材料は、ポリプロピレンメッシュよりも組織の内部成長の少ない、生体物質、生体吸収性材料、PTFEおよびその他の材料を含む。エッジ保護については米国特許第6,497,650号に記載されている。この特許文献は、引用により本明細書に援用されるものである。
本発明は、テンションフリーの修復を提供しながらも修復に使用する補綴材料の量を最小化する狭アスペクト(narrow aspect)の事前成形された補綴を意図している。
本願の意義の範囲内において、狭アスペクトという用語は、補綴の幅に対する長さの比が少なくとも2、すなわち、長さが幅の少なくとも2倍であることを指し、その比は、数学的には長さ/幅と定義される。長さ・幅比が高くなるほど、そのアイテムは“より狭く”なる。しかしながら、本発明の別の態様は、索位置決め構造を有するエッジ保護側壁(edge protected sidewall)を無傷(切り取られていない)状態に保ちながら外科医が使用のための所望形状に片側を切り取ることを可能にする“半事前成形”構造を提供している。本発明に係る狭アスペクトの補綴は、従来の補綴の大多数と同様に補綴を筋肉と靱帯に重ね合わせるよりはむしろ、補綴を介して筋肉組織を靱帯に近接させるために使用される。
本発明の1つの目的は、“狭アスペクト”の補綴で筋肉側を靱帯側に接近させることを通じてヘルニア前の生理機能を再構成することである。補綴は、純粋組織修復とは対照的にテンションフリー態様の修復を与えるために選択されるが、補綴は最低限の構成要素として維持される。また、経時的な補綴収縮がある場合は、その後の手術は、ヘルニア前の生理機能をさらに再構成する役割を果たすこととなる。
本発明に係る補綴は、(1)付随する低い再発率により、テンションフリーの補綴ヘルニア修復術の利点を維持するとともに、(2)(i)ヘルニア修復後の組織の内部成長/嵌頓の影響によって、(ii)索が正確に配置されたときに、ヘルニア修復中の索組織を通る不用意な縫合によって、あるいは(iii)エッジ保護および非包囲構造による補綴との摩耗によって、索が損傷する可能性を最小化し、さらには(3)ヘルニア前の生理機能を再構成するために修復に組み入れられる補綴材料の寸法を最小化するために使用できる。
なお、本明細書および添付の特許請求の範囲で使用するときは、単数形“a”、“an”および“the”には、1の指示対象に明確および明白に限定されない限りは、複数の指示対象が含まれることに留意されたい。本発明を特徴付ける構成は、この開示の一部である特許請求の範囲において詳細に指し示される。本発明のそれら特徴およびその他の特徴、その作用効果およびその使用によって得られる具体的な目的は、以下の詳細な説明と動作例からより完全に理解されることであろう。
それら利点およびその他の利点は、望ましい実施形態の簡潔な説明に述べられる。それら実施形態においては、全体を通じて、同様の符号が同様の構成要素を示している。
図1は、本発明の一実施形態に係る側部索位置決め構造を有する狭アスペクトの事前成形された鼠径ヘルニア補綴の概略平面図である。 図2Aは、図1の補綴の側部索位置決め構造における保護サイドエッジ(側端)の断面図である。図2Bは、図1の修正した補綴の側部索位置決め構造における保護サイドエッジの断面図である。 図3Aおよび図3Bは、図1の修正した補綴の保護サイドエッジの形成を示す断面図である。 図4A乃至図4Gは、図1の補綴の代替的な側部索位置決め構造の概略平面図である。
図1は、本発明の一実施形態に係る狭アスペクトの事前成形された鼠径ヘルニア補綴10の概略平面図である。補綴10は、長手方向の長さ12および幅14を有する。本願による“狭アスペクト”という用語は、補綴の幅に対する長さの比が少なくとも2であることを指す。また、本発明では、補綴の幅に対する長さの比は、少なくとも2.5とすることもできるし、少なくとも3とすることもできる。具体的に、図中の補綴の幅は3cmであり、長さは10cmである。10cm×4cmの補綴も、本発明に係る事前成形された狭アスペクトの補綴10に有効な寸法である。
以下に詳細に説明するように、本発明による狭アスペクトによって、補綴10がヘルニア欠損を埋めて、望ましく且つ事実上従来の治療の標準であるヘルニア欠損のテンションフリーの修復を提供することを可能にする。しかしながら、狭アスペクトは、ヘルニア修復に使用される材料の量を最小限にし、従来技術の設計でよく見受けられた材料の過度の重複を回避する。
ヘルニア修復における補綴材料の過度の使用は、ヘルニア自体の再発割合に悪影響をもたらすとは考えられていないが(確かに、ヘルニアは、特大のパッチの使用により“治る”であろう)、材料の過度の使用は、補綴と生体組織の相互作用によりその他の合併症の可能性を増加させると考えられており、ヘルニア補綴材料の過度の使用は、最善の外科診療に合致しない。
狭アスペクトの補綴10は、テンションフリー・アプローチを維持しながらも、純粋組織修復と類似の方法で筋肉を靱帯組織に接近させる役割を果たして、鼠径ヘルニアの修復とヘルニア前の筋肉生理機能の双方を提供する。
鼠径管についての理解は、一般に、鼠径ヘルニア修復の説明に有用であり、狭アスペクトの補綴10による修復の説明に間違いなく有用である。鼠径管は、鼠径靱帯の内側半の直ぐ上に位置して、下方、前方および内側に向けて傾斜しており、その長さは約4cmである。鼠径管は、深鼠径輪から浅鼠径輪まで広がる円筒として概略的に思い描くことができる。内鼠径輪とも呼ばれる深鼠径輪は、一般に楕円形状をなし、その長軸が鉛直となっている。この深鼠径輪は、被験者により寸法が変化し、女性よりも男性の方が遙かに大きい。外鼠径輪または皮下鼠径輪とも呼ばれる浅鼠径輪は、恥骨結節または恥骨棘の1センチメートル上方および側方に位置する三角形の開口部である。“前壁”、“後壁”、“ルーフ”および“フロア”と通常呼ばれる4つの“面”が、内輪と外輪の間の鼠径管の境界を規定する。
鼠径管のルーフまたは上壁は、内腹斜筋と、側腹筋としても知られる腹横筋とを含む。一般に、これは、本明細書では筋組織とすることができる。
鼠径管の後壁は、薄い腱膜である横筋筋膜と、内腹斜筋と腹横筋の結合腱から形成される鼠径腱膜鎌(inguinal aponeurotic falx)とも呼ばれる、鼠径管の内側三分の一にある結合腱とを含む。
フロアまたは下壁は、鼠径靱帯を含み、鼠径管の内側三分の一のところに裂孔靱帯を、鼠径管の横側三分の一のところに腸恥靱帯をそれぞれ含む。一般に、この面は、鼠径管の靭帯部分とすることができる。
前壁は、外腹斜筋腱膜を含み、鼠径管の横側三分の一のところに内腹斜筋腱膜を含む。
補綴10は、その中心点20を規定する幅方向の中線18と長手方向の中線16とを含む。中線16および18は、補綴10を上前象限22、上後象限24、下前象限26および下後象限28に分割する。
上前象限22は、補綴10のほぼ長手方向に延びるエッジ32と、補綴10の幅に沿ってほぼ延びるエッジ34により囲まれている。補綴10は、鋭角な隅角部を避けて、エッジ32および34間に滑らかな移行域を含んでいる。また、エッジ32および34の各々は、鼠径管の対応形状にほぼ合致するように成形されている。
本発明の重要な特徴は、索保護機能を与える索位置決め構造40の提供である。索位置決め構造40は、補綴10の長手方向の周辺エッジ32に沿って配置される半円またはその他の形状の凹部とすることができる。この索位置決め構造は、索の一部のみを囲むように設計されている。構造40は、精索組織の180°またはそれ未満、より好ましくは、索組織の120°またはそれ未満を囲んで、残りの索の外周が当該構造40により鼠径管内の適当な筋組織に接触して配置されるように構成されている。後述するように、索位置決め構造40の目的は、主にヘルニア修復中に、索を位置決めして、索を保護することである。
睾丸虚血および後部萎縮は、最初の鼠径ヘルニア修復後に生じる(ある報告書では約0.5%)と報告されているが、それら合併症は、再発鼠径ヘルニアの手術後により多く見受けられ、5%以下の発生率という報告書がある。腹腔鏡下の鼠径ヘルニア修復を行った患者においてその発生がより少ないらしいという報告もある。精巣萎縮が、患者の不満および対応する法的論争のリスクを高める、鼠径手術からの併発症であることが報告されている。また、手術直後の期間に調査したときに、厚くなった精索が、鼠径ヘルニア修復を持つ患者に比較的頻繁に見付かると報告されている。本発明の索位置決め構造40は、これら医学的合併症の最小化も助けることであろう。
索位置決め構造40は、非包囲の側部索位置決め構造とすることができる。本願の意義の範囲内において、補綴10の構造に関する側部(lateral) という用語は、補綴10の長手方向に延びるサイドエッジ(例えば、後述する32,42,52および62)へと延びる構造のことを指している。非包囲という用語は、補綴10が所定位置に置かれた後は構造40が精索の周囲の一部のみに隣接するように意図されていることを示している。
構造40は、様々な形状の凹部として形成することができ、それは、鋭角な隅角部を避けて、図示のように半径移行域を含むこととなる。例えば、構造40を構成する凹部は、図1に示すように、索組織の周りに180度未満延びる半円であってもよい。図示のような約120度は本発明の範囲内であることが意図される。代替的には、図4Aは、構造40用の丸みを帯びた台形タイプの凹部を示し、図4Bは、数多くの平らな部分を有する構造40用の凹部(丸みを帯びた移行域を有する多角形タイプの凹部)を示し、図4Cは、構造40用の発散する側部を有する丸みを帯びた台形タイプの凹部を示し、図4Dは、構造40用の丸みを帯びた三角形タイプまたは“V”タイプの凹部を示し、図4Eは、細長い楕円または長円タイプの形状が構造40用の凹部を形成していることを示し、図4Eは、細長い溝が構造40用の凹部を形成していることを示し、図4Gは、構造40のエッジと索の間隔を空ける複数の突出部を有する構造40を形成する凹部を示している。これらは、本発明に係る構造40を形成する凹部に用いることが可能な多数の具体的形状の単なる例示である。
構造40は、索の少なくとも一部を受け入れて、それにより、索を完全に取り囲むことなく索を正確に位置決めすることが意図されている。特定位置の索自体の位置は、留め具(縫合など)が避けられることとなる位置に索が配置されるときに、索を保護するのを助ける。不注意な縫合やステープルなどで索組織を損傷することは、ヘルニア修復手術における索組織の保護に関する懸念の一つである。構造40の非包囲の特性は、組織と補綴10の相互作用による索組織の絞扼の可能性を回避する。索位置決め構造40は、非包囲の構成によって、索を破損し得る組織の索内への内部成長の可能性を最小化するものと考えられている。また、構造40は、補綴10および生理機能に対して索を最も良く位置決めするように、補綴10に配置されている。
上後象限24は、補綴10のほぼ長手方向に延びるエッジ42と、補綴10の幅に沿ってほぼ延びるエッジ44により囲まれている。補綴10は、エッジ42および44間に滑らかな移行域を含んでいる。また、エッジ42および44の各々は、鼠径管の対応形状にほぼ合致するように成形されている。エッジ42は、鼠径管の自然な形状に合致する“バンプアウト(外に隆起する)”形状を含むことができる。
下前象限26は、補綴10のほぼ長手方向に延びるエッジ52と、補綴10の幅に沿ってほぼ延びるエッジ54により同様に囲まれている。下後象限28は、補綴10のほぼ長手方向に延びるエッジ62と、補綴10の幅に沿ってほぼ延びるエッジ64により同様に囲まれている。補綴10は、エッジ52および54間と、エッジ62および64間に滑らかな移行域を含んでいる。また、エッジ52と54、62と64の各々は、鼠径管の対応形状にほぼ合致するように成形されている。
索位置決め構造40は、エッジ保護を含むことが好ましく、索に係合するエッジは、索組織との有害な干渉を避ける適当な材料から形成されるか、あるいはその適当な材料により被覆されることが好ましい。それら材料は、ポリプロピレンメッシュよりも組織の内部成長の少ない、生体物質、生体吸収性材料、PTFEおよびその他の材料を含む。エッジ保護は、索組織と補綴10のエッジとの相互作用によって索組織に摩耗タイプの損傷が生じるのを防ぐことが望ましい。
図2Aおよび図2Bは、鼠径ヘルニア修復用の補綴10のためのエッジ保護を有する構造40の実施形態を示している。補綴10は、メッシュ生地70の層と、少なくともエッジに沿うバリア層または保護層72とを含む。図2Aに示すように、バリア層72または索保護層は、構造40を形成する開口部または凹部のすぐ近傍の生地70の重なり合う部分に限定するようにしてもよい。この構成は、バリア層72により開口部近傍における索の癒着を制限するが、バリア層72に覆われていない補綴10のその他の領域において補綴10に癒着する組織を増加させることが予測されるであろう。この種の多層エッジ保護のさらなる詳細は、米国特許第7,154,804号および第6,497,650号において見付けることができる。それらは、その全体が引用により本明細書に援用されるものである。代替的には、生地70は、図2Bに概略的に示すように、層72内に完全に封入されるものであってもよい。封入された図2Bの実施形態は、一般に、補綴の構造的完全性のために生地70を使用し、索保護等に関する組織の相互作用を改善するために、層72を使用することとなる。
一実施形態では、修復生地70の層は、ポリプロピレン・モノフィラメント・メッシュ織物のシートのようなポリオレフィン材料から形成される。適当な材料の一例としては、BARD MESH Bard“soft Mesh”(従来のポリプロピレンメッシュより約60%質量が少ない大きな孔のモノフィラメント・ポリプロピレン:どちらもCR.Bard,Inc.から入手できる)が挙げられる。ポリプロピレンメッシュは、移植されたときに、メッシュ構造内またはその周囲への組織の急速な内部成長を促進する。
組織補強および欠損閉鎖に適したその他の手術材料として、PROLENE、SOFT TISSUE PATCH(細孔性ePTFE)、SURGIPRO、TRELEX、ATRIUMおよびMERSELENEを含む生地70を用いることができる。ポリエチレンは、層70として利用できるポリオレフィン材料を構成することができる。ポリグラクチン(VICRYL)およびポリグリコール酸(DEXON)を含む吸収性材料も適している場合がある。また、メッシュ生地70がマルチフィラメント糸から形成できること、並びに、補綴メッシュ材料を形成する織り方法、成形方法およびその他の適当な方法を採用できることも予期される。
一実施形態では、バリア層72がポリテトラフルオロエチレン(PTFE)のようなフッ素重合体材料から形成される。適当な材料の一例としては、組織の内部成長および癒着を阻止する孔径(サブミクロンの孔径)を有するW.L.Gore & Associates,Inc.から入手可能なGORETEXのような延伸ポリテトラフルオロエチレン(ePTFE)のシートが挙げられる。
フッ素化エチレンプロピレン(FEP)、テトラフルオロエチレン(TFE)およびエチレンテトラフルオロエチレン(ETFE)は、バリア層72を形成するためのその他の利用可能なフッ素重合体である。その他の適当なバリア材料の代表的で非限定的なサンプリングには、Dow Corning Corporationによって提供されるSILASTIC Rx Medical Grade Sheeting(Platinum Cured)、TEFLONメッシュ、微孔質ポリプロピレン板(CELGARD)のようなシリコーン・エラストマが含まれる。また、DACRONおよびMYLARのようなポリエチレンテレフタレートがバリア材料として用いられることも予期される。
また、例えば、心膜および腸粘膜下組織を含む、自己、外来および異種の組織をバリア層72として使用することも予期される。酸化再生セルロース(Intercede(TC7))のような吸収性材料を幾つかの応用に用いることもできる。当然のことながら、当業者には自明のように、任意の適当な癒着抵抗材料を使用することもできる。ヘルニア修復補綴用の複合材料構成については、米国特許第5,593,441号、第5,725,577号および第5,743,917号も参照されたい。これら特許文献は、引用により本明細書に援用されるものである。
上述したバリア材料は、それら材料がヘルニア補綴10を形成するのに構造的に十分に形成されている場合には、生地70である基質無しでも使用することができる。例えば、バリア材料は、組織の内部成長を促進するために、その選択部分上に表面処理(例えば、粗面化)を施し、あるいはそれを含むことができる。本発明の事前成形された補綴10の利点は、補綴の様々な部分が元の位置でどこにあり、それによりどこに形成されるのかが一般に知られているということである。事前形成された補綴は、手術に要する時間を低減するが、それは重要なことである。
本発明の別の実施形態は、半事前成形補綴10を提供することである。この実施形態では、製造時に補綴10に提供される付加的な幅および長さがあるが、それも狭アスペクトの補綴であると考えられる。上述したエッジ保護は、少なくとも1つのエッジ32と、おそらくエッジ42に沿って保持することとなる。外科医は、使用するときに、下側の象限26および28に沿って補綴10の周囲のみを切り落とすこととなる。このように、外科医が幾つかのサイドを切り取ったとしても、索組織40のためのエッジ保護が維持される。外科医は、構造40が切り取られない限りは、エッジ保護によりもたらされる索保護に影響を与えることなく、必要に応じて、補綴10のその他の部分を切り取ることができる。
図3Aおよび図3Bは、補綴10全体の周囲に完全なエッジ保護(切り取られるかどうかにかかわらず)を可能にするエッジ保護の概念を示している。この実施形態では、バリア層72は、エッジを被覆するのに十分な程度まで拡大するのに適した材料から形成されている。図3Aは、構造の予め拡大された幾何学的配置を示している。外科医が必要に応じて補綴10を切り取った後に、所定時間(5−10分間)、補綴10全体が適当な生物学的適合流体(例えば、生理食塩水)に浸され、それにより、層72が膨張することが可能になる。拡大状態においては、図3Bに示すように、層72が補綴10のエッジを保護する。このように、補綴10は、任意の形式で外科医に供給することができ、外科医は、具体的な望ましい形状に応じてその場で切り取って形成することができ、最終的な補綴10は、補綴10全体の周囲に完全なエッジ保護を含むことができる。エッジ保護は、索組織のために特に有利であるが、補綴10のエッジの研磨潜在能力(abrasive potential)は索組織以外の組織にとっても重要になり得る。
補綴10は、観血または腹腔鏡下の修復手術とともに使用することができる。また、補綴10は、縫合等により補綴10を定位置にしっかり固定することにより最高の性能を発揮すると考えられている。
本発明の更なる修正は、本発明の事前成形された補綴10に三次元形状を組み入れることである。一般に、これは、鼠径管の幾何学的形状により良好に合致するように、デバイスに幾つかの窪みを含ませることである。この実施形態では、補綴10の3次元のバージョンとして説明する。この実施形態では、生地70内の補綴10または別の“記憶層”が移植後に所望の三次元形状に戻るように構成されることが予期される。窪みを加えることは、鼠径組織の良好な適合を可能にするが、より強ばった全体補綴を与えることとなり、その結果、エッジ保護が、そのような実施形態においてより一層重要になるものと考えられる。三次元形状により、BARD 3D MAX(商標)ブランドの補綴と類似する、固着(すなわち、縫合無し)を避ける補綴を形成することが可能になるが、最小限の固着は、移動が無いようにするとともに、ヘルニア前の生理機能を再構成するために筋肉を靱帯に接近させる役割を果たすためには、望ましいと考えられる。
本発明の補綴10の使用は、観血手術に適しているが、腹腔鏡下手術には特に有用である。本発明の補綴10は、鼠径ヘルニアの修復方法であって、鼠径管内で補綴10を使用して、実質的にテンションフリー組織を維持しながら、筋肉を靱帯組織に接近させて、鼠径ヘルニアの修復とヘルニア前の筋肉生理機能の再構成の双方を提供するステップを有する鼠径ヘルニアの修復方法に適している。狭アスペクト鼠径ヘルニア補綴10により鼠径ヘルニアを治療するこの方法は、索位置決め構造40を使用して、索の一部のみを取り囲み、残りの索の外周が適当な筋肉組織に接触して索位置決め構造により配置されるようにするステップを含む。
上述した好ましい実施形態は、本発明の例示であって、本発明を限定するものではない。本発明の趣旨および範囲を逸脱することなく本発明に様々な変更を加えることができるのは明らかである。本発明の適切な範囲は、添付の特許請求の範囲とそのその均等物によって規定される。

Claims (20)

  1. 鼠径ヘルニアの修復方法であって、
    鼠径管内で狭アスペクトを有するヘルニア補綴を使用して、実質的にテンションフリー組織を維持しながら、筋肉を靱帯組織に接近させ、それにより鼠径ヘルニアの修復とヘルニア前の筋肉生理機能の再構成の双方を提供するステップを有することを特徴とする鼠径ヘルニアの修復方法。
  2. 請求項1に記載の鼠径ヘルニアの修復方法であって、
    前記狭アスペクトの鼠径ヘルニア補綴が、索位置決め構造を含み、この索位置決め構造が、前記補綴の長手方向の周辺エッジに沿って配置される凹部により形成され、当該凹部が、索の一部のみを取り囲むように構成されて、残りの索の外周が、適当な筋肉組織に接触して前記索位置決め構造により配置されることを特徴とする鼠径ヘルニアの修復方法。
  3. 請求項2に記載の鼠径ヘルニアの修復方法であって、
    前記補綴の幅に対する長さの比が少なくとも2.5であることを特徴とする鼠径ヘルニアの修復方法。
  4. 請求項2に記載の鼠径ヘルニアの修復方法であって、
    前記補綴の幅に対する長さの比が少なくとも3であることを特徴とする鼠径ヘルニアの修復方法。
  5. 請求項2に記載の鼠径ヘルニアの修復方法であって、
    前記狭アスペクトのヘルニア補綴が約10cmの長さを有することを特徴とする鼠径ヘルニアの修復方法。
  6. 請求項2に記載の鼠径ヘルニアの修復方法であって、
    前記狭アスペクトの鼠径ヘルニア補綴が、基質と、前記索位置決め構造の少なくともエッジに、保護層とを含むことを特徴とする鼠径ヘルニアの修復方法。
  7. 請求項6に記載の鼠径ヘルニアの修復方法であって、
    前記保護層が、前記補綴の少なくとも一方の長手方向の側部に沿って延在することを特徴とする鼠径ヘルニアの修復方法。
  8. 請求項6に記載の鼠径ヘルニアの修復方法であって、
    前記保護層が、実質的に前記基質を封入することを特徴とする鼠径ヘルニアの修復方法。
  9. 請求項2に記載の鼠径ヘルニアの修復方法であって、
    前記索位置決め構造が、前記索の周囲の180度未満の範囲に延在するように構成されていることを特徴とする鼠径ヘルニアの修復方法。
  10. 請求項2に記載の鼠径ヘルニアの修復方法であって、
    前記索位置決め構造が、前記索の周囲の120度未満の範囲に延在するように構成されていることを特徴とする鼠径ヘルニアの修復方法。
  11. 請求項10に記載の鼠径ヘルニアの修復方法であって、
    前記補綴の幅に対する長さの比が少なくとも2.5であり、前記索位置決め構造が、前記補綴を二等分する長手方向の中線の一方の側に配置されていることを特徴とする鼠径ヘルニアの修復方法。
  12. 請求項11に記載の鼠径ヘルニアの修復方法であって、
    前記狭アスペクトの鼠径ヘルニア補綴が、基質と、前記索位置決め構造の少なくともエッジに、保護層とを含むことを特徴とする鼠径ヘルニアの修復方法。
  13. 索位置決め構造を有する鼠径ヘルニア補綴であって、
    前記索位置決め構造が、前記補綴の長手方向の周辺エッジに沿って配置される凹部により形成され、当該凹部が、索の一部のみを取り囲むように構成されて、残りの索の外周が、適当な筋肉組織に接触して前記索位置決め構造により配置されることを特徴とする鼠径ヘルニア補綴。
  14. 請求項13に記載の鼠径ヘルニア補綴であって、
    前記補綴の幅に対する長さの比が少なくとも2.5であることを特徴とする鼠径ヘルニア補綴。
  15. 請求項14に記載の鼠径ヘルニア補綴であって、
    前記狭アスペクトのヘルニア補綴が約10cmの長さを有し、前記索位置決め構造が、前記補綴を二等分する長手方向の中線の一方の側に配置されていることを特徴とする鼠径ヘルニア補綴。
  16. 請求項13に記載の鼠径ヘルニア補綴であって、
    前記鼠径ヘルニア補綴が、基質と、前記索位置決め構造の少なくともエッジに、保護層とを含むことを特徴とする鼠径ヘルニア補綴。
  17. 請求項13に記載の鼠径ヘルニア補綴であって、
    前記索位置決め構造が、前記索の周囲の180度未満の範囲に延在するように構成されていることを特徴とする鼠径ヘルニア補綴。
  18. 請求項13に記載の鼠径ヘルニア補綴であって、
    前記索位置決め構造が、前記索の周囲の120度未満の範囲に延在するように構成されていることを特徴とする鼠径ヘルニア補綴。
  19. 狭アスペクトを有する鼠径ヘルニア補綴であって、
    実質的にテンションフリー組織を維持しながら、筋肉を靱帯組織に接近させて、それにより鼠径ヘルニアの修復とヘルニア前の筋肉生理機能の再構成の双方を提供するように構成されており、前記補綴の幅に対する長さの比が少なくとも2.5であることを特徴とする鼠径ヘルニア補綴。
  20. 請求項19に記載の鼠径ヘルニア補綴であって、
    前記狭アスペクトの鼠径ヘルニア補綴が索位置決め構造を含み、この索位置決め構造が、前記補綴の長手方向の周辺エッジに沿って配置される凹部により形成され、当該凹部が、索の一部のみを取り囲むように構成されて、残りの索の外周が、適当な筋肉組織に接触して前記索位置決め構造により配置されることを特徴とする鼠径ヘルニア補綴。
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